ワコールHD4〜6月期は不動産売却により大幅増益 国内は「ウイング」や「CW-X」が好調に推移

ワコールホールディングス(HD)の2025年4~6月期(第1四半期)連結決算(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前年同期比3.2%減の449億5600万円、営業利益が同516.2%増の197億5600万円、純利益が同349.7%増の136億6300万円だった。不採算事業の整理及び24年に買収した英ブラビッシモ・グループの買収による収益構造の変化により利益率の改善及び、新京都ビルをはじめとする固定資産売却利益(167億6200万円)が寄与した。

国内ワコールの売上高は、同0.3%減の221億6100万円、営業利益は固定資産売却益(167億6200万円)の計上により173億5300万円(前年同期は10億8900万円)と大幅な増益になった。実店舗における販売は振るわなかったが、ECは堅調。今年ブランド誕生50周年を迎えた「ウイング(WING)」やノンワイヤーブラの「ゴコチ(GOCOCHI)」が好調で、「ウイング」では”シンクロブラトップ”が売上高をけん引した。大谷翔平をアンバサダーに起用し、プロモーション強化を図っているコンディショニングウエアの「CW-X」も好調。一方で、直営店中心に展開する「アンフィ(AMPHI)」は閉店により苦戦した。

海外ワコールの売上高は、同1.4%増の189億9600万円、営業利益は同3.7%減の20億2400万円だった。米ワコールは通商政策による先行き不透明から消費マインドの低下が見られ、全体的に苦戦。欧州ワコールは、得意先のサイバーアタックや自社物流倉庫の火災などがあったにもかかわらず、ブラビッシモ・グループの売上高が寄与し前年同期を大きく上回った。中国ワコールの売上高は同1.4% 増で189億9600万円、営業利益は同3.7%減の20億2400万円。実店舗、EC共に苦戦したものの、プロパー販売を強化した結果、売上総利益率は改善した。

ピーチ・ジョンの売上高は、同8.5%増の27億8300万円、営業利益は3300万円(前年同期は700万円の営業損失)だった。“ナイスバディブラ”や“盛れるノンワイヤーブラ”などが好調で、直営、自社・他社EC全て、好調に推移。有名タレントやコラボ企画が予想以上に奏功した。

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【2025年クリスマスコフレ】「オサジ」が限定マルチカラーパレットなどを発売 イラストレーターよしいちひろとコラボ

「オサジ(OSAJI)」は10月22日、2025年のホリデーメイクアップコレクション“ヒントのかけら(fragments of insight)”を数量限定で発売する。15日に直営店および公式オンラインストアで予約受け付けを開始する。

“ヒントのかけら”は視野の広がりや大切な決断のきっかけとなったものやこと、風景に思いを馳せたコレクションで、パッケージデザインはイラストレーターのよしいちひろ氏がみずみずしいタッチで描き上げた。

“ニュアンス スタイリング カラー パレット”

“ニュアンス スタイリング カラー パレット”(限定2種、各5940円)は、2色のパウダーカラーと3色のクリームカラーを詰め込んだ、マルチに活躍するメイクアップパレット。パウダーはアイ&チークに、クリームはアイやチーク、リップに使えるため、何通りものメイクアップを楽しむことができる。カラーは、ホワイトピーチ系とオレンジブラウン系の2種。風景を施した、アートピースのようなパッケージも魅力だ。

“ニュアンス リップバーム”

“ニュアンス リップバーム”(限定2色、各3190円)は、美しい発色ながらも潤いの薄膜が唇にぴったりとフィットするリップバームだ。カラーは、スモーキーなニュアンスを持つブラウンベージュにオレンジのラメをプラスした“Kakukatariki〈かく語りき〉”と、ピュアな印象を与えるサーモンピンクにブルーパープルのラメを取り入れた“H32 Senzaiichiguu 〈千載⼀遇〉”を用意。ノーメイクにもフルメイクにもさりげなく華を添える。

“アップリフト ネイルカラー”

指先にきらめきを配すネイルポリッシュ“アップリフト ネイルカラー”(各2090円)は、限定の6色全てに異なる輝きを閉じ込め、高揚感を呼び起こすようなカラーに仕上げた。乾きやすさや圧迫感のなさにも配慮し、美しい光沢感と共に爪の潤いをケアする。ボトルには“誰かにとってのヒントのかけらとなったものたち”がデザインされている。

“オードトワレ”

今回は、“オードトワレ”(限定3種、45mL 各7700円)がホリデーシーズン初登場。フレッシュな清潔感と親しみやすさが特徴の“H01 Aruiwamirai〈あるいは未来〉”、甘さのあるスパイスやウッディーな香りが漂う“H02 Shunkanidou〈瞬間移動〉”、ホワイトフローラルブーケをまとう“H03 Hikarinotodokubasho〈光の届く場所〉”のシーズンを問わずに使える3種をラインアップ。ボトルには、“インスピレーションをくれる旅の風景”を施した。

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「ランコム」が美容液ベースの新クッションファンデを発売 スキンケアのような使い心地

「ランコム(LANCOME)」は9月5日、84%のスキンケア成分を配合した美容液ベースのクッションファンデーション、“イドル スキン セラム ファインカバー クッション”(全4色、本体パフ付き7920円、リフィル6600円)を発売する。3日には、伊勢丹新宿本店と阪急うめだ本店で先行発売する。

同製品は、美容液を思わせる軽やかなテクスチャーとフレッシュな艶肌の仕上がりが特徴だ。ヒアルロン酸、ナイアシンアミド、スクワランといった保湿成分配合で日中の肌に潤いを与える。また、毛穴を目立たなくし、軽量でありながら自然なベールのようなカバー力を実現。崩れにくい処方により、テカリ知らずの肌を長時間保つ。

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活動歴50年を超えるロックバンド、スパークス 「同じようなアルバムはつまらない」——創作への飽くなき姿勢と日本映画からの影響

アメリカ・LA出身のロン・メイル(Ron Mael)、ラッセル・メイル(Russell Mael)の兄弟を中心に結成されて、活動歴が半世紀を超えるロック・バンド、スパークス(SPARKS)。イギリスに渡って人気を得た彼らは、いち早くロックにシンセを導入。これまで、グラム・ロック、エレクトロニック・ポップ、オペラ、現代音楽など、さまざまな音楽性を取り入れて独自のサウンドを生み出してきた。派手なアクションで歌うハンサムな弟のラッセルと無表情にキーボードを演奏する怪しげな兄のロンというユニークなキャラクター。そして、洗練された唯一無二のポップ・センスは、映画やファッション界にもファンは多い。近年、彼らのキャリアを追った初めてのドキュメンタリー映画「スパークス ・ブラザーズ」。そして、スパークスが脚本と音楽を手掛け、彼らの大ファンのレオス・カラックスが監督を務めたミュージカル映画「アネット」が立て続けに公開。これまで知る人ぞ知る存在だった彼らは幅広いファンを得たが、今年6月には新作アルバム「Mad!」をリリース。ワールド・ツアーのスタートに日本を選んだ。ロンとラッセルは親日家として知られるが、ツアーが始まる直前、来日した2人に話を訊いた。

新作「Mad!」
タイトルに込めた想い

——新作「Mad!」はスパークス史上最も短く、最も強烈なタイトルですね。

ラッセル・メイル(以下、ラッセル):アルバムを録音し終わって「タイトルをどうしようか?」と考えていた時に、ロンが「『Mad』にしよう」と言ったんだ。アルバムのサウンド、そして、そこに込められた感情にぴったりな言葉だと思ったよ。「Mad」には「狂気」と「怒り」という二つの意味があるんだ。今世界は大変なことになっていて、特にアメリカはひどい。「Mad」はそういう状況を表す言葉でもあると思ったんだ。

ロン・メイル(以下、ロン):アルバムのタイトルを考えるのは本当に大変でね。曲名を選んでそれをタイトルに使ったこともあるけれど、今回はそういうことをせず、何か良いものを思いつくまで待ってみようと思った途端に、この言葉が思い浮かんだんだ。

ラッセル:びっくりマークをつけたのは僕のアイデア(笑)。タイトルと同じくらい重要だと思う。

——アルバムのオープニング曲「Do Things My Own Way」は、これまで独自のスタイルを貫いてきたスパークスのアティテュードのような曲ですね。

ロン:確かにそうだね。私たちの1stアルバムはトッド・ラングレン(Todd Rundgren)がプロデュースしてくれたんだけど、彼は「君たちらしさを追求するべきだ」と言ってくれた。その後に一緒に仕事をしたプロデューサーやレコード会社が、私たちを万人受けしそうな型にはめようとしたこともあったけど、私たちはトッドが言ってくれた言葉に触発されて自分たちらしいやり方で道を切り開いてきた。この曲は、そういう自分たちの姿勢を分かりやすく伝えた曲なんだ。

常に新しいサウンドを追求

——コードチェンジをせずに同じフレーズを反復するこの曲は、奇抜なコードチェンジが多かったスパークスの新境地ともいえる曲です。キャリアを重ねたロック・バンドは、晩年になるとブルースやR&Bなど自分たちが影響を受けたルーツ・ミュージックに戻ろうとする傾向があります。その点、スパークスは今も新しいサウンドを追求して変化し続けていますね。

ラッセル:僕らにはルーツといえるようなものがないんだ。ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)が新しいアルバムを出したとしても、ファンの多くは新しいサウンドを期待せず、それよりも、ストーンズらしいサウンドを求めているんじゃないかな。スパークスには「スパークスらしいサウンド」はない。僕らは過去のキャリアを振り返ることなく、毎回、新しくて刺激的なサウンドを追求してきたからね。

——アルバムごとに変化して、キャリアを重ねてもモダンな輝きは失わない。スパークスの音楽は未来のスポーツカーみたいですね。

ラッセル:それはうれしい褒め言葉だね! 僕らは自分たちのスタジオを持っているから、時間を気にせずにレコーディングに没頭できる。いろんなことを実験しながら、新しいアイデアをとことん追求することができるんだ。そして、自分たちをびっくりさせる音楽を作り出すことを、一つのゴールにしている。以前出したものと同じようなアルバムを作るのは自分たちにとっても、リスナーにとってもつまらないからね。

——新作に収録された「My Devotion」や「Lord Have Mercy」に代表されるように、スパークスはサウンドのアイデアだけではなくメロディーも大切にしていますよね。スパークスのメロディーはロック以外にも、ティン・パン・アレー系の職業作曲家や、ジャズ、クラシック、映画音楽など、さまざまな音楽性を感じさせます。

ロン:確かにジョージ・ガーシュインやコール・ポーターのソングライティングは大好きだけど、彼らの音楽以上に彼らが曲を作るときの職人気質に共感するんだ。最近のポップ・ミュージックはメロディーをあまり大事にしていないと思う。アーティストのパーソナリティーが伝わればいい、という曲が多い。ガーシュインやコール・ポーターは、リリックにおいても職人技を感じるんだ。恋だったり、別れだったり、そういうありきたりなテーマの曲でもクリシェを避けながら新しい表現を模索している。そういったところにインスパイアされるんだ。

——ラッセルのファルセットを織り交ぜたボーカル・スタイルもユニークですね。他のロック・バンドにはない優雅やユーモアを感じさせます。

ラッセル:歌い始めた時は自分が好きなアーティスト、例えばミック・ジャガーやリトル・リチャードみたいに歌えたらいいな、と思っていた。でも、そういう風には歌えなくて、歌っているうちに自分のスタイルができてきたんだ。今では自分の声に誇りを持っている。世の中には数多くのバンドがいるけれど、すぐにスパークスだと分かる声があるというのは大事なことだからね。歌い方に関しては意図的に何かをしているわけではなく、ロンが書いたメロディーに合わせて歌っているだけなんだけど。

ロン:私がすごいと思うのは、ラッセルがこの声をずっと維持し続けていることだ。ポップ・シンガーは年をとるとどんどん声域が狭くなっていくけど、ラッセルはライブで原曲と同じキーで歌っている。それはとてもまれなことだと思うよ。

——確かに驚異的ですね。しかも、ライブではあんなに動き回っていて、休めるのはロンのダンス・タイムだけ。

ロン:あれはそろそろやめたいと思っているんだ(笑)。なんでみんながあんなに喜ぶのか分からない。80年代にライブ中に思いつきで始めたんだけど、こんなに続くとは思わなかったよ。

ラッセル:僕の貴重な休憩時間だから続けてもらわないとね(笑)。

——ファンは楽しみにしているのでダンスは絶対続けてくださいね(笑)。

映画のワンシーンのような
アートワーク

——スパークスは音楽だけではなくビジュアルもユニークです。例えばジャケットのアートワークは見る者の想像力を刺激するデザインですね。

ロン:私たちのアルバムのアートワークは映画の影響が大きいんだ。まるで映画のフィルムの1コマを切り抜いたようなデザインで、ストーリーの前後は分からないけど重要なワンシーンを思わせる。

ラッセル:例えば「Propaganda」(74年)は僕たちがモーターボートで拉致されているような写真だけど、その前後のことは分からない。「Indiscreet」(75年)は飛行機の墜落事故みたいだけど、なぜ通りの真ん中に飛行機が落ちたのかは分からない。全てが映画的なイメージというわけではないけどね。今回(「Mad!」)のアートワークは、まずフォトグラファーが1日かけて撮影をやり、僕らの素晴らしい写真を撮ってくれた。その写真にグラフィティを乗せて、わざと写真を台無しにしたんだ(笑)。

——マッドなアイデアですね(笑)。

ロン:私たちにとってビジュアルはとても重要なんだ。私たちが活動し始めた頃のロサンゼルスのバンドの多くは、ステージ衣装を着たりアートワークに力を入れたりするというのは、自分たちに音楽的な自信がないからビジュアルでごまかそうとしていると考えていた。私たちは逆に音楽とビジュアルを融合させて、一つの世界観を作り上げようと思ったんだ。

日本映画からの影響

——ビジュアルを表現の一部に取り入れているのは、お二人がUCLAで映画を学んだことも大きいのかもしれませんね。そういえば、ラッセルさんのスタジオには日本の映画のポスターが飾ってあります。ピンク映画のポスターもあって、お二人が日本の映画が好きなのが伝わってきます。

ラッセル:日本のピンク映画のポスターのグラフィックはインパクトがあって魅力的だよ。「男はつらいよ」のポスターも飾ってあるんだ。それはグラフィックが好きだからというより、僕らが寅さんのファンだからなんだけどね。

ロン:「七人の侍」のポスターもある。黒澤明や小津安二郎といった巨匠も好きだからね。特に小津のピュアな美学には強く惹かれる。日本映画はジャンルが幅広く、歴史もあるから愛着があるんだよ。

——観客を驚かせる強烈なイメージがあって、実験的でありながらもポップという点で、スパークスのサウンドは鈴木清順の映画に通じるものを感じます。

ロン:鈴木清順の映画のビジュアルは鮮烈で、アートに例えるとポップアートに近いところがあるね。「東京流れ者」や「殺しの烙印」のキャラクターは漫画みたいに誇張されているのも面白い。もしかしたら、鈴木清順の作品からは何らかの形で影響を受けているかもしれないね。

ファッション観について

——ファッションについても伺いたいのですが、スパークスはロックスターのようにマッチョな格好も、ポップスターみたいにゴージャスな格好もしませんが、お二人それぞれに独自のスタイルがあります。ファッションに関して何か心掛けていることはありますか?

ロン:典型的なロック・ミュージシャンのスタイルはしない、ということかな(笑)。ロック・ミュージシャンの中にはアンチファッションな人もいるけど、僕らはアンチファッションではない。服においても自分らしさを追求していて、僕らは日常生活でもこういうファッションなんだ。

ラッセル:僕らはロサンゼルスに生まれ育って、10代の頃にイギリスのロック・バンドを聴くようになり、彼らのファッションに惹かれたんだ。というのも、ロサンゼルスのローレルキャニオンあたりのフォーク系のアーティストは、みんなTシャツとジーンズでアコースティック・ギターを弾いていた。でも、イギリスのミュージシャンはシャツにラッフルがついていたり、ハイネックのシャツを着たり、見たことのないような服を着ていてすごく魅力的だったんだ。

——イギリスのバンドからは音楽だけではなく、ファッションからも刺激を受けたんですね。思えばスパークスがブレイクしたのはイギリスで、グラム・ロック全盛期の頃でした。

ラッセル:僕らはステージに立つ以上、観客と同じ格好なのはよくないと思っている。観客はショーを見にやってきてくれてるわけだからね。フォーク・シンガーは「僕らは観客と一緒だ」ということを伝えるために普段着なのかもしれないけど、僕らは観客にファンタジーを楽しんでもらいたい。そうそう、ファッションで個人的にこだわりがあるのはこれかな(と足を上げて靴を見せる)。靴が大好きで、新しい靴を手に入れると汚すのがもったいなくて履きたくないくらいなんだ(笑)。

PHOTOS:MICHI NAKANO

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活動歴50年を超えるロックバンド、スパークス 「同じようなアルバムはつまらない」——創作への飽くなき姿勢と日本映画からの影響

アメリカ・LA出身のロン・メイル(Ron Mael)、ラッセル・メイル(Russell Mael)の兄弟を中心に結成されて、活動歴が半世紀を超えるロック・バンド、スパークス(SPARKS)。イギリスに渡って人気を得た彼らは、いち早くロックにシンセを導入。これまで、グラム・ロック、エレクトロニック・ポップ、オペラ、現代音楽など、さまざまな音楽性を取り入れて独自のサウンドを生み出してきた。派手なアクションで歌うハンサムな弟のラッセルと無表情にキーボードを演奏する怪しげな兄のロンというユニークなキャラクター。そして、洗練された唯一無二のポップ・センスは、映画やファッション界にもファンは多い。近年、彼らのキャリアを追った初めてのドキュメンタリー映画「スパークス ・ブラザーズ」。そして、スパークスが脚本と音楽を手掛け、彼らの大ファンのレオス・カラックスが監督を務めたミュージカル映画「アネット」が立て続けに公開。これまで知る人ぞ知る存在だった彼らは幅広いファンを得たが、今年6月には新作アルバム「Mad!」をリリース。ワールド・ツアーのスタートに日本を選んだ。ロンとラッセルは親日家として知られるが、ツアーが始まる直前、来日した2人に話を訊いた。

新作「Mad!」
タイトルに込めた想い

——新作「Mad!」はスパークス史上最も短く、最も強烈なタイトルですね。

ラッセル・メイル(以下、ラッセル):アルバムを録音し終わって「タイトルをどうしようか?」と考えていた時に、ロンが「『Mad』にしよう」と言ったんだ。アルバムのサウンド、そして、そこに込められた感情にぴったりな言葉だと思ったよ。「Mad」には「狂気」と「怒り」という二つの意味があるんだ。今世界は大変なことになっていて、特にアメリカはひどい。「Mad」はそういう状況を表す言葉でもあると思ったんだ。

ロン・メイル(以下、ロン):アルバムのタイトルを考えるのは本当に大変でね。曲名を選んでそれをタイトルに使ったこともあるけれど、今回はそういうことをせず、何か良いものを思いつくまで待ってみようと思った途端に、この言葉が思い浮かんだんだ。

ラッセル:びっくりマークをつけたのは僕のアイデア(笑)。タイトルと同じくらい重要だと思う。

——アルバムのオープニング曲「Do Things My Own Way」は、これまで独自のスタイルを貫いてきたスパークスのアティテュードのような曲ですね。

ロン:確かにそうだね。私たちの1stアルバムはトッド・ラングレン(Todd Rundgren)がプロデュースしてくれたんだけど、彼は「君たちらしさを追求するべきだ」と言ってくれた。その後に一緒に仕事をしたプロデューサーやレコード会社が、私たちを万人受けしそうな型にはめようとしたこともあったけど、私たちはトッドが言ってくれた言葉に触発されて自分たちらしいやり方で道を切り開いてきた。この曲は、そういう自分たちの姿勢を分かりやすく伝えた曲なんだ。

常に新しいサウンドを追求

——コードチェンジをせずに同じフレーズを反復するこの曲は、奇抜なコードチェンジが多かったスパークスの新境地ともいえる曲です。キャリアを重ねたロック・バンドは、晩年になるとブルースやR&Bなど自分たちが影響を受けたルーツ・ミュージックに戻ろうとする傾向があります。その点、スパークスは今も新しいサウンドを追求して変化し続けていますね。

ラッセル:僕らにはルーツといえるようなものがないんだ。ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)が新しいアルバムを出したとしても、ファンの多くは新しいサウンドを期待せず、それよりも、ストーンズらしいサウンドを求めているんじゃないかな。スパークスには「スパークスらしいサウンド」はない。僕らは過去のキャリアを振り返ることなく、毎回、新しくて刺激的なサウンドを追求してきたからね。

——アルバムごとに変化して、キャリアを重ねてもモダンな輝きは失わない。スパークスの音楽は未来のスポーツカーみたいですね。

ラッセル:それはうれしい褒め言葉だね! 僕らは自分たちのスタジオを持っているから、時間を気にせずにレコーディングに没頭できる。いろんなことを実験しながら、新しいアイデアをとことん追求することができるんだ。そして、自分たちをびっくりさせる音楽を作り出すことを、一つのゴールにしている。以前出したものと同じようなアルバムを作るのは自分たちにとっても、リスナーにとってもつまらないからね。

——新作に収録された「My Devotion」や「Lord Have Mercy」に代表されるように、スパークスはサウンドのアイデアだけではなくメロディーも大切にしていますよね。スパークスのメロディーはロック以外にも、ティン・パン・アレー系の職業作曲家や、ジャズ、クラシック、映画音楽など、さまざまな音楽性を感じさせます。

ロン:確かにジョージ・ガーシュインやコール・ポーターのソングライティングは大好きだけど、彼らの音楽以上に彼らが曲を作るときの職人気質に共感するんだ。最近のポップ・ミュージックはメロディーをあまり大事にしていないと思う。アーティストのパーソナリティーが伝わればいい、という曲が多い。ガーシュインやコール・ポーターは、リリックにおいても職人技を感じるんだ。恋だったり、別れだったり、そういうありきたりなテーマの曲でもクリシェを避けながら新しい表現を模索している。そういったところにインスパイアされるんだ。

——ラッセルのファルセットを織り交ぜたボーカル・スタイルもユニークですね。他のロック・バンドにはない優雅やユーモアを感じさせます。

ラッセル:歌い始めた時は自分が好きなアーティスト、例えばミック・ジャガーやリトル・リチャードみたいに歌えたらいいな、と思っていた。でも、そういう風には歌えなくて、歌っているうちに自分のスタイルができてきたんだ。今では自分の声に誇りを持っている。世の中には数多くのバンドがいるけれど、すぐにスパークスだと分かる声があるというのは大事なことだからね。歌い方に関しては意図的に何かをしているわけではなく、ロンが書いたメロディーに合わせて歌っているだけなんだけど。

ロン:私がすごいと思うのは、ラッセルがこの声をずっと維持し続けていることだ。ポップ・シンガーは年をとるとどんどん声域が狭くなっていくけど、ラッセルはライブで原曲と同じキーで歌っている。それはとてもまれなことだと思うよ。

——確かに驚異的ですね。しかも、ライブではあんなに動き回っていて、休めるのはロンのダンス・タイムだけ。

ロン:あれはそろそろやめたいと思っているんだ(笑)。なんでみんながあんなに喜ぶのか分からない。80年代にライブ中に思いつきで始めたんだけど、こんなに続くとは思わなかったよ。

ラッセル:僕の貴重な休憩時間だから続けてもらわないとね(笑)。

——ファンは楽しみにしているのでダンスは絶対続けてくださいね(笑)。

映画のワンシーンのような
アートワーク

——スパークスは音楽だけではなくビジュアルもユニークです。例えばジャケットのアートワークは見る者の想像力を刺激するデザインですね。

ロン:私たちのアルバムのアートワークは映画の影響が大きいんだ。まるで映画のフィルムの1コマを切り抜いたようなデザインで、ストーリーの前後は分からないけど重要なワンシーンを思わせる。

ラッセル:例えば「Propaganda」(74年)は僕たちがモーターボートで拉致されているような写真だけど、その前後のことは分からない。「Indiscreet」(75年)は飛行機の墜落事故みたいだけど、なぜ通りの真ん中に飛行機が落ちたのかは分からない。全てが映画的なイメージというわけではないけどね。今回(「Mad!」)のアートワークは、まずフォトグラファーが1日かけて撮影をやり、僕らの素晴らしい写真を撮ってくれた。その写真にグラフィティを乗せて、わざと写真を台無しにしたんだ(笑)。

——マッドなアイデアですね(笑)。

ロン:私たちにとってビジュアルはとても重要なんだ。私たちが活動し始めた頃のロサンゼルスのバンドの多くは、ステージ衣装を着たりアートワークに力を入れたりするというのは、自分たちに音楽的な自信がないからビジュアルでごまかそうとしていると考えていた。私たちは逆に音楽とビジュアルを融合させて、一つの世界観を作り上げようと思ったんだ。

日本映画からの影響

——ビジュアルを表現の一部に取り入れているのは、お二人がUCLAで映画を学んだことも大きいのかもしれませんね。そういえば、ラッセルさんのスタジオには日本の映画のポスターが飾ってあります。ピンク映画のポスターもあって、お二人が日本の映画が好きなのが伝わってきます。

ラッセル:日本のピンク映画のポスターのグラフィックはインパクトがあって魅力的だよ。「男はつらいよ」のポスターも飾ってあるんだ。それはグラフィックが好きだからというより、僕らが寅さんのファンだからなんだけどね。

ロン:「七人の侍」のポスターもある。黒澤明や小津安二郎といった巨匠も好きだからね。特に小津のピュアな美学には強く惹かれる。日本映画はジャンルが幅広く、歴史もあるから愛着があるんだよ。

——観客を驚かせる強烈なイメージがあって、実験的でありながらもポップという点で、スパークスのサウンドは鈴木清順の映画に通じるものを感じます。

ロン:鈴木清順の映画のビジュアルは鮮烈で、アートに例えるとポップアートに近いところがあるね。「東京流れ者」や「殺しの烙印」のキャラクターは漫画みたいに誇張されているのも面白い。もしかしたら、鈴木清順の作品からは何らかの形で影響を受けているかもしれないね。

ファッション観について

——ファッションについても伺いたいのですが、スパークスはロックスターのようにマッチョな格好も、ポップスターみたいにゴージャスな格好もしませんが、お二人それぞれに独自のスタイルがあります。ファッションに関して何か心掛けていることはありますか?

ロン:典型的なロック・ミュージシャンのスタイルはしない、ということかな(笑)。ロック・ミュージシャンの中にはアンチファッションな人もいるけど、僕らはアンチファッションではない。服においても自分らしさを追求していて、僕らは日常生活でもこういうファッションなんだ。

ラッセル:僕らはロサンゼルスに生まれ育って、10代の頃にイギリスのロック・バンドを聴くようになり、彼らのファッションに惹かれたんだ。というのも、ロサンゼルスのローレルキャニオンあたりのフォーク系のアーティストは、みんなTシャツとジーンズでアコースティック・ギターを弾いていた。でも、イギリスのミュージシャンはシャツにラッフルがついていたり、ハイネックのシャツを着たり、見たことのないような服を着ていてすごく魅力的だったんだ。

——イギリスのバンドからは音楽だけではなく、ファッションからも刺激を受けたんですね。思えばスパークスがブレイクしたのはイギリスで、グラム・ロック全盛期の頃でした。

ラッセル:僕らはステージに立つ以上、観客と同じ格好なのはよくないと思っている。観客はショーを見にやってきてくれてるわけだからね。フォーク・シンガーは「僕らは観客と一緒だ」ということを伝えるために普段着なのかもしれないけど、僕らは観客にファンタジーを楽しんでもらいたい。そうそう、ファッションで個人的にこだわりがあるのはこれかな(と足を上げて靴を見せる)。靴が大好きで、新しい靴を手に入れると汚すのがもったいなくて履きたくないくらいなんだ(笑)。

PHOTOS:MICHI NAKANO

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「レゴ」×「ナイキ」第2弾  “ナイキ ダンク”とダンクシュートを再現したセットを発売

「レゴ(LEGO)」は9月1日、「ナイキ(NIKE)」と共同開発したレゴブロックセット“レゴ ナイキ スラム ダンク”(1万980円※編集部調べ)と“レゴ ナイキ ダンク トリックショット”(5980円※編集部調べ)を発売する。「レゴ」公式オンラインストアと店舗、楽天市場店および「ナイキ」公式オンラインストアと一部の直営店舗などで取り扱う。また同日、アパレル、フットウエア、アクセサリーを展開する“ナイキ × レゴ コレクション”を「レゴ」公式オンラインストアで発売する。

迫力のスラムダンクシーンを再現

“レゴ ナイキ スラム ダンク”は、スラムダンクをする瞬間のバスケットボール選手フィギュアを組み立てるセットだ。809個のピースから構成され、完成時のサイズは高さ37cm×幅25cm×奥行14cmとなる。ユニホームやヘアスタイルのカスタマイズが可能で、自分だけのチャンピオンを作り上げることができる。

“レゴ ナイキ ダンク トリックショット”は、レッドカラーの“ナイキ ダンク”スニーカーを中心に、カラフルな背景やダンクシーンを組み立てるセット。2種類の表情が楽しめるミニフィギュアが付属し、ダンクシーンの再現や、スニーカーを外して独自のゲームシーンの表現を楽しむことができる。454個のピースで構成され、完成時のサイズは高さ16cm×幅17cm×奥行13cmだ。

レゴストアで無料キャンペーンを実施

 

9月6日には、全国のレゴストアで“レゴ ナイキ フープ”を組み立てて持ち帰ることができるキャンペーンを実施する。レゴストア メンバーズクラブアプリのインストールおよび会員登録で参加できる。対象年齢は10歳以上で小学生は保護者同伴が必要だ。参加費は無料。

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「レゴ」×「ナイキ」第2弾  “ナイキ ダンク”とダンクシュートを再現したセットを発売

「レゴ(LEGO)」は9月1日、「ナイキ(NIKE)」と共同開発したレゴブロックセット“レゴ ナイキ スラム ダンク”(1万980円※編集部調べ)と“レゴ ナイキ ダンク トリックショット”(5980円※編集部調べ)を発売する。「レゴ」公式オンラインストアと店舗、楽天市場店および「ナイキ」公式オンラインストアと一部の直営店舗などで取り扱う。また同日、アパレル、フットウエア、アクセサリーを展開する“ナイキ × レゴ コレクション”を「レゴ」公式オンラインストアで発売する。

迫力のスラムダンクシーンを再現

“レゴ ナイキ スラム ダンク”は、スラムダンクをする瞬間のバスケットボール選手フィギュアを組み立てるセットだ。809個のピースから構成され、完成時のサイズは高さ37cm×幅25cm×奥行14cmとなる。ユニホームやヘアスタイルのカスタマイズが可能で、自分だけのチャンピオンを作り上げることができる。

“レゴ ナイキ ダンク トリックショット”は、レッドカラーの“ナイキ ダンク”スニーカーを中心に、カラフルな背景やダンクシーンを組み立てるセット。2種類の表情が楽しめるミニフィギュアが付属し、ダンクシーンの再現や、スニーカーを外して独自のゲームシーンの表現を楽しむことができる。454個のピースで構成され、完成時のサイズは高さ16cm×幅17cm×奥行13cmだ。

レゴストアで無料キャンペーンを実施

 

9月6日には、全国のレゴストアで“レゴ ナイキ フープ”を組み立てて持ち帰ることができるキャンペーンを実施する。レゴストア メンバーズクラブアプリのインストールおよび会員登録で参加できる。対象年齢は10歳以上で小学生は保護者同伴が必要だ。参加費は無料。

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「オニツカタイガー」が“デニヴィータ”ローンチ記念イベント ルーク・ヘミングスが一夜限りのライブを披露

「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は7月31日、デニムから着想を得た“デニヴィータ(DENIVITA)”の最新アイテム発売を祝した一夜限りのイベントを東京・青海のモータースポーツサーキット「シティサーキット東京ベイ」で開催した。

同イベントはモータースポーツサーキットという非日常空間に、最新コレクションの展示やゴーカート体験に加えて、「オニツカタイガー」の愛用者である、オーストラリア発のバンドのファイヴ・セカンズ・オブ・サマー(5 Seconds of Summer)のルーク・ヘミングス(Luke Hemmings)が一夜限りのライブを披露した。

アイコンカラーに彩られた空間で
最新コレクションを披露

“デニヴィータ”は “デニム(DENIM)”とイタリア語で人生を意味する“VITA”を合わせ、“DENIVITA”と名付けた。日本製のデニム生地を採用し、アイコニックなカラーとデザインが織りなすユニークなスタイルを展開している。会場全体が“デニヴィータ”のシンボルカラーであるイエローを基調に演出された中で、ロックとクラシックの要素が融合した個性的なワードローブがそろった。

本格的なサーキットを利用した
ゴーカート体験

オニツカタイガー,ONITSUKA TIGER

会場内のサーキットでは“デニヴィータ”のグラフィックでラッピングされたゴーカートが登場した。来場者は音楽とファッションが交錯する空間で、本格的なサーキットコースを走るゴーカートを堪能。プレイフルな空間で夏の夜の高揚感を満喫した来場者も多かったようだ。

ヘッドライナーとして登場した
ルーク・ヘミングス

ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーのリードボーカルとして活躍するルーク・ヘミングスが登場。ルークはライトパープルのクロップTシャツにボトムスはややテーパードシルエットのデニムパンツを合わせた。ライブはイベントのために組んだというセットリストで、「Motion」や「Shakes」、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーの楽曲「Teeth」などを披露。コール&レスポンスを含めたパフォーマンスで会場を盛り上げた。

「絶対手に入れなきゃ」と
思わせるコレクション

オニツカタイガー,ONITSUKA TIGER,ルーク・ヘミングス,Luke Hemmings

「今回は『オニツカタイガー』からのオファーを受けて光栄に思った。元々ファンでもあるし、特に“ニッポン メイド”が好きだ。『オニツカタイガー』のスニーカーは長年履いていて、他ブランドと比較しても一番履きやすいと思う。普段、デニムは日本製を愛用していて、今日穿いているジーンズも『絶対手に入れなきゃ』と思わせるアイテム。ちなみにスタイリングは自分で決めたけど、特にワイド気味のジーンズと“メキシコ”がポイントで、空港でこのスニーカーについて話している観光客がいて、それも嬉しかった。日本文化も好きだし、人も街も大好きだ」。

問い合わせ先
オニツカタイガー
https://www.onitsukatiger.com/jp/ja-jp/contact/

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「オニツカタイガー」が“デニヴィータ”ローンチ記念イベント ルーク・ヘミングスが一夜限りのライブを披露

「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は7月31日、デニムから着想を得た“デニヴィータ(DENIVITA)”の最新アイテム発売を祝した一夜限りのイベントを東京・青海のモータースポーツサーキット「シティサーキット東京ベイ」で開催した。

同イベントはモータースポーツサーキットという非日常空間に、最新コレクションの展示やゴーカート体験に加えて、「オニツカタイガー」の愛用者である、オーストラリア発のバンドのファイヴ・セカンズ・オブ・サマー(5 Seconds of Summer)のルーク・ヘミングス(Luke Hemmings)が一夜限りのライブを披露した。

アイコンカラーに彩られた空間で
最新コレクションを披露

“デニヴィータ”は “デニム(DENIM)”とイタリア語で人生を意味する“VITA”を合わせ、“DENIVITA”と名付けた。日本製のデニム生地を採用し、アイコニックなカラーとデザインが織りなすユニークなスタイルを展開している。会場全体が“デニヴィータ”のシンボルカラーであるイエローを基調に演出された中で、ロックとクラシックの要素が融合した個性的なワードローブがそろった。

本格的なサーキットを利用した
ゴーカート体験

オニツカタイガー,ONITSUKA TIGER

会場内のサーキットでは“デニヴィータ”のグラフィックでラッピングされたゴーカートが登場した。来場者は音楽とファッションが交錯する空間で、本格的なサーキットコースを走るゴーカートを堪能。プレイフルな空間で夏の夜の高揚感を満喫した来場者も多かったようだ。

ヘッドライナーとして登場した
ルーク・ヘミングス

ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーのリードボーカルとして活躍するルーク・ヘミングスが登場。ルークはライトパープルのクロップTシャツにボトムスはややテーパードシルエットのデニムパンツを合わせた。ライブはイベントのために組んだというセットリストで、「Motion」や「Shakes」、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーの楽曲「Teeth」などを披露。コール&レスポンスを含めたパフォーマンスで会場を盛り上げた。

「絶対手に入れなきゃ」と
思わせるコレクション

オニツカタイガー,ONITSUKA TIGER,ルーク・ヘミングス,Luke Hemmings

「今回は『オニツカタイガー』からのオファーを受けて光栄に思った。元々ファンでもあるし、特に“ニッポン メイド”が好きだ。『オニツカタイガー』のスニーカーは長年履いていて、他ブランドと比較しても一番履きやすいと思う。普段、デニムは日本製を愛用していて、今日穿いているジーンズも『絶対手に入れなきゃ』と思わせるアイテム。ちなみにスタイリングは自分で決めたけど、特にワイド気味のジーンズと“メキシコ”がポイントで、空港でこのスニーカーについて話している観光客がいて、それも嬉しかった。日本文化も好きだし、人も街も大好きだ」。

問い合わせ先
オニツカタイガー
https://www.onitsukatiger.com/jp/ja-jp/contact/

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「アットコスメ」EC・店舗好調 アイスタイル、25年6月期は純利益92%増 

アイスタイルの2025年6月期連結決算は、売上高が前年同期比22.6%増の687億円、営業利益が同63.1%増の31億円、経常利益が同92.3%増の33億円、純利益が同91.6%増の23億円だった。ブランド取り引きの拡大や「アットコスメ(@cosme)」のEC・店舗販売の好調が寄与した。

主力のリテール事業は売上高が同26.9%増の534億円、営業利益が同18.2%増の31億円だった。既存店改装や売り場拡張、名古屋の旗艦店開業に加え、訪日客需要の増加が押し上げた。ECも好調で、24年12月と25年6月の恒例イベントが増収に貢献した。

グローバル事業は、売上高が同6.1%増の41億円、営業損益が1億7000万円の赤字(前期は2億円の赤字)だった。中国越境ECが回復し、韓国事業の日本進出支援も伸びた。香港旗艦店の開業準備費用1億3千万円を計上したが、韓国事業の黒字化が進み赤字幅は縮小した。

マーケティング支援事業は、売上高が同15.7%増の96億円、営業利益が同74.5%増の28億円だった。大手から中堅・新興まで幅広い化粧品ブランドとの取り引きが引き続き拡大した。

25年6月期は、25年6月期は売上高1000億円の中期目標に向け、プラットフォーム成長と人材・システム投資を強化。リテール事業では体験価値向上と接点拡大を進める。連結業績予想は、売上高が20.7%増の830億円、営業利益が同20.1%増の38億円、経常利益が同14.8%増の38億円、純利益が同13.9%増の26億円を見込む。

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【2025年クリスマスコフレ】「オサジ」が「アルティーダ ウード」とコラボしたセットなど全3種を発売

敏感肌ブランド「オサジ(OSAJI)」は11月12日、天然石や真珠を取り扱うジュエリーブランド「アルティーダ ウード(ARTIDA OUD)」とのコラボレーションセットを含む、ホリデーコフレ全3種を数量限定で発売する。

ブレスレット付きハンドケアセット

“ハンド マッサージ セラム”(30mL)と“ハンド モイスト クリーム”(50g)は、限定調香・デザインのハンドケアアイテム2種と、ブレスレットをセットした。11月5日に「オサジ」直営店舗と公式オンラインショップで予約受付を開始し、12日に両ブランド店舗および公式オンラインショップで発売する。

ハンドマッサージセラム(30mL)とハンドモイストクリーム(50g)には、ベルガモットやフランキンセンスの爽やかさにシダーウッドアトラスのウッディーノート、クラリセージやクローブを配合した限定の香りで仕上げた。

ブレスレットには天然石のマザーオブパール、ハウライト、ルチルクォーツを使用し、エンドプレートには両ブランドのネームを刻印した。

パッケージはブック型を採用し、ボトルは深みのあるピンクブラウンに透け感のあるホワイトの文字をプリントした。

「オサジ」人気製品を限定サイズでセット
ホリデーだけのアイテムも

“オサジ エンリッチバイオセラム スペシャルエディション”(7700円)は、美肌菌の働きに着目し肌環境を整える美容液“エンリッチバイオセラム”を、通常30mLのところ60mLの特別サイズで用意する。オーロラカラーのクッションポーチと共に華やかなシルバーとピンクの限定パッケージに詰めた。11月5日に「オサジ」直営店舗および公式オンラインショップで予約受付を開始し、12日に発売する。

“オサジ リトリート ハンド コレクション”(6380円)は、“ハンド マッサージ セラム”(30mL)と“ハンド モイスト クリーム”(50g)に加え、セット限定の“ネイル スムース オイル”(9mL)をセットした。ベロア素材のポーチも付属する。11月12日に一部店舗限定で取り扱いを開始する。なおこの製品は予約受付を行わない。

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【2025年クリスマスコフレ】「オサジ」が「アルティーダ ウード」とコラボしたセットなど全3種を発売

敏感肌ブランド「オサジ(OSAJI)」は11月12日、天然石や真珠を取り扱うジュエリーブランド「アルティーダ ウード(ARTIDA OUD)」とのコラボレーションセットを含む、ホリデーコフレ全3種を数量限定で発売する。

ブレスレット付きハンドケアセット

“ハンド マッサージ セラム”(30mL)と“ハンド モイスト クリーム”(50g)は、限定調香・デザインのハンドケアアイテム2種と、ブレスレットをセットした。11月5日に「オサジ」直営店舗と公式オンラインショップで予約受付を開始し、12日に両ブランド店舗および公式オンラインショップで発売する。

ハンドマッサージセラム(30mL)とハンドモイストクリーム(50g)には、ベルガモットやフランキンセンスの爽やかさにシダーウッドアトラスのウッディーノート、クラリセージやクローブを配合した限定の香りで仕上げた。

ブレスレットには天然石のマザーオブパール、ハウライト、ルチルクォーツを使用し、エンドプレートには両ブランドのネームを刻印した。

パッケージはブック型を採用し、ボトルは深みのあるピンクブラウンに透け感のあるホワイトの文字をプリントした。

「オサジ」人気製品を限定サイズでセット
ホリデーだけのアイテムも

“オサジ エンリッチバイオセラム スペシャルエディション”(7700円)は、美肌菌の働きに着目し肌環境を整える美容液“エンリッチバイオセラム”を、通常30mLのところ60mLの特別サイズで用意する。オーロラカラーのクッションポーチと共に華やかなシルバーとピンクの限定パッケージに詰めた。11月5日に「オサジ」直営店舗および公式オンラインショップで予約受付を開始し、12日に発売する。

“オサジ リトリート ハンド コレクション”(6380円)は、“ハンド マッサージ セラム”(30mL)と“ハンド モイスト クリーム”(50g)に加え、セット限定の“ネイル スムース オイル”(9mL)をセットした。ベロア素材のポーチも付属する。11月12日に一部店舗限定で取り扱いを開始する。なおこの製品は予約受付を行わない。

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「メゾン マルジェラ」がギンザ シックス店を拡大リニューアル 限定・先行販売アイテムも

「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は、ギンザ シックスの店舗を313平方メートルの広さに拡大リニューアルオープンした。

同店舗はレザーグッズ、アクセサリーなど全商品を取り扱い、中央には広々としたシューズエリアを設けた。ウエアは店舗の奥に配置し、“アンコンシャス・グラマー”を表現した「メゾン マルジェラ」の世界を旅するような感覚をもたらす。VIP専用のサロンも併設している。

外装と内装はしなやかな曲線で形作り、フィッティングルームに続く通路の壁面には、“タビ”のディスプレーを白くペイントした。また、パリ本社に飾られたものに着想を得た三連の鏡や、日本で初めてとなるネオンで制作した“4本の白いステッチ”も新たに設置した。

リニューアルオープンを記念し、2025-26年秋冬コレクション、“アヴァン・プルミエール”に登場した“ダブルカシミアコート”を限定エディションとして発売する。また、カーフヘアーにレオパードプリントとユーズド加工を施したアイコンバッグ“5AC”の新作を先行販売する。

店舗概要

◾️「メゾン マルジェラ」 ギンザ シックス

営業時間:10:30〜20:30
住所:東京都中央区銀座 6-10-1 GINZA SIX 3階

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「メゾン マルジェラ」がギンザ シックス店を拡大リニューアル 限定・先行販売アイテムも

「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は、ギンザ シックスの店舗を313平方メートルの広さに拡大リニューアルオープンした。

同店舗はレザーグッズ、アクセサリーなど全商品を取り扱い、中央には広々としたシューズエリアを設けた。ウエアは店舗の奥に配置し、“アンコンシャス・グラマー”を表現した「メゾン マルジェラ」の世界を旅するような感覚をもたらす。VIP専用のサロンも併設している。

外装と内装はしなやかな曲線で形作り、フィッティングルームに続く通路の壁面には、“タビ”のディスプレーを白くペイントした。また、パリ本社に飾られたものに着想を得た三連の鏡や、日本で初めてとなるネオンで制作した“4本の白いステッチ”も新たに設置した。

リニューアルオープンを記念し、2025-26年秋冬コレクション、“アヴァン・プルミエール”に登場した“ダブルカシミアコート”を限定エディションとして発売する。また、カーフヘアーにレオパードプリントとユーズド加工を施したアイコンバッグ“5AC”の新作を先行販売する。

店舗概要

◾️「メゾン マルジェラ」 ギンザ シックス

営業時間:10:30〜20:30
住所:東京都中央区銀座 6-10-1 GINZA SIX 3階

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「メゾン マルジェラ」がギンザ シックス店を拡大リニューアル 限定・先行販売アイテムも

「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は、ギンザ シックスの店舗を313平方メートルの広さに拡大リニューアルオープンした。

同店舗はレザーグッズ、アクセサリーなど全商品を取り扱い、中央には広々としたシューズエリアを設けた。ウエアは店舗の奥に配置し、“アンコンシャス・グラマー”を表現した「メゾン マルジェラ」の世界を旅するような感覚をもたらす。VIP専用のサロンも併設している。

外装と内装はしなやかな曲線で形作り、フィッティングルームに続く通路の壁面には、“タビ”のディスプレーを白くペイントした。また、パリ本社に飾られたものに着想を得た三連の鏡や、日本で初めてとなるネオンで制作した“4本の白いステッチ”も新たに設置した。

リニューアルオープンを記念し、2025-26年秋冬コレクション、“アヴァン・プルミエール”に登場した“ダブルカシミアコート”を限定エディションとして発売する。また、カーフヘアーにレオパードプリントとユーズド加工を施したアイコンバッグ“5AC”の新作を先行販売する。

店舗概要

◾️「メゾン マルジェラ」 ギンザ シックス

営業時間:10:30〜20:30
住所:東京都中央区銀座 6-10-1 GINZA SIX 3階

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「ファミリア」×「ニューエラ」 親子おそろいコーデをかなえるキャップやリュックを発売

「ファミリア(FAMILIAR)」は10月3日10時、「ニューエラ(NEW ERA)」とのコラボレーションアイテムを「ファミリア」オンラインショップで発売する。「ニューエラ」ロゴから顔を出したクマちゃんのマークを描いた親子向けアイテムをそろえる。ラインアップは、リュックサック(2万2000円)、帽子(2サイズ、各1万1000円)、ポシェット(1万1000円)の全4種だ。

第3弾となる同コラボは、第1弾で登場したモノトーンカラーのファミリアチェックと、新たに開発したコラボロゴを組み合わせ、ブラックを基調としたスタイリッシュなデザインに仕上げた。

アウトドアで活躍するモノトーンカラーのアイテム

リュックサックは持ち手やファスナーの引き手、内生地にモノトーンのファミリアチェックを使用。また、パッド入りのショルダーと背面クッション、通気性の良いメッシュパネルを配した。

帽子はキッズサイズと大人サイズを用意し、親子でのおそろいコーディネートをかなえる。キッズサイズは着脱可能なサンシェード付きで、大人サイズは紫外線対策にぴったりの幅の広いつばを採用した。

ポシェットは「ニューエラ」の定番モデルをモチーフにしたキャップ型で、小ぶりながらも細部まで定番モデルを表現した。

「ファミリア」オンラインショップ

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「ファミリア」×「ニューエラ」 親子おそろいコーデをかなえるキャップやリュックを発売

「ファミリア(FAMILIAR)」は10月3日10時、「ニューエラ(NEW ERA)」とのコラボレーションアイテムを「ファミリア」オンラインショップで発売する。「ニューエラ」ロゴから顔を出したクマちゃんのマークを描いた親子向けアイテムをそろえる。ラインアップは、リュックサック(2万2000円)、帽子(2サイズ、各1万1000円)、ポシェット(1万1000円)の全4種だ。

第3弾となる同コラボは、第1弾で登場したモノトーンカラーのファミリアチェックと、新たに開発したコラボロゴを組み合わせ、ブラックを基調としたスタイリッシュなデザインに仕上げた。

アウトドアで活躍するモノトーンカラーのアイテム

リュックサックは持ち手やファスナーの引き手、内生地にモノトーンのファミリアチェックを使用。また、パッド入りのショルダーと背面クッション、通気性の良いメッシュパネルを配した。

帽子はキッズサイズと大人サイズを用意し、親子でのおそろいコーディネートをかなえる。キッズサイズは着脱可能なサンシェード付きで、大人サイズは紫外線対策にぴったりの幅の広いつばを採用した。

ポシェットは「ニューエラ」の定番モデルをモチーフにしたキャップ型で、小ぶりながらも細部まで定番モデルを表現した。

「ファミリア」オンラインショップ

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「キス」の“粘膜拡張4色アイパレット”から限定のまろやかなミルクティーカラーが登場

伊勢半のコスメブランド「キス(KISS)」は9月29日、血色感を仕込む「粘膜拡張カラー」が特徴の4色アイシャドウパレット“ズームアイポーションX”(全6色うち限定1色、各1760円)から、やさしい印象のミルクティーカラーを数量限定で発売する。8月27日には、ロフト(LOFT)で先行販売を行う。

同アイパレットは、透け感のある血色アイカラー「粘膜拡張カラー」が粘膜を拡張し、涙袋をぷっくりとみせ、ナチュラルで大きな目元を演出する。異なる質感と処方が特徴の4色、コントロールカラー、透け感血色カラー、ふわ締めカラー、うるきらラメを組み合わせた。高密着な処方で、美しい仕上がりが長時間続く。

今回登場する“木漏れ日ミルクティー”は、まろやかでしゃれ感のある目元へと導く限定色で、木漏れ日が降り注ぐ森をイメージした。光を操るガラスパール配合のラメが透明感と高発色を両立し、潤んだような艶めきをかなえる。

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「キス」の“粘膜拡張4色アイパレット”から限定のまろやかなミルクティーカラーが登場

伊勢半のコスメブランド「キス(KISS)」は9月29日、血色感を仕込む「粘膜拡張カラー」が特徴の4色アイシャドウパレット“ズームアイポーションX”(全6色うち限定1色、各1760円)から、やさしい印象のミルクティーカラーを数量限定で発売する。8月27日には、ロフト(LOFT)で先行販売を行う。

同アイパレットは、透け感のある血色アイカラー「粘膜拡張カラー」が粘膜を拡張し、涙袋をぷっくりとみせ、ナチュラルで大きな目元を演出する。異なる質感と処方が特徴の4色、コントロールカラー、透け感血色カラー、ふわ締めカラー、うるきらラメを組み合わせた。高密着な処方で、美しい仕上がりが長時間続く。

今回登場する“木漏れ日ミルクティー”は、まろやかでしゃれ感のある目元へと導く限定色で、木漏れ日が降り注ぐ森をイメージした。光を操るガラスパール配合のラメが透明感と高発色を両立し、潤んだような艶めきをかなえる。

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【2026年春夏メンズコレリポートVol.9】「ジュンヤ ワタナベ マン」は“古い”を、「メゾン ミハラ ヤスヒロ」は“普通”を新しく見せる

今季も2026年春夏のメンズ・ファッション・ウイークを駆け抜けました。取材班は、コロナ禍前から久々にメンズコレサーキットに舞い戻った編集長・村上と、初参戦のヘッドリポーター・本橋。ヨーロッパを覆う熱波に負けないアツいリポートをお届けします。今回はそろそろゴールも近付いてきたパリ4日目。

「トム ウッド」の再出発
“クッション”にフォーカス

本橋涼介「WWDJAPAN」ヘッド リポーター(以下、本橋):ノルウェー発「トムウッド(TOM WOOD)」は、ジュエリーブランドとしての“核”をあらためて見つめ直すようなコレクションでした。タイトルは“FRAME COLLECTION”。その名の通り、ブランド創設初期から続くアイコン“クッションリング”のフォルムを、ネックレスやバングル、イヤリング、ブレスレットに投影しました。

なぜ今、“クッション”なのか。その形状の再解釈を通じて、「トムウッド」がもう一度、自らの“フレーム(輪郭)”を定め直そうとしているようにも感じられました。過去には「テン バイ トムウッド」など、アパレル領域にも挑戦しながら(個人的には好きでしたが)、紆余曲折を経て、ブランド設立から12年。今あらためて、自分たちの立ち位置や方向性を見つめ直すタイミングに来ているのかもしれません。

「ジュンヤ」は挑戦したいと思える
クラシック&フローラル

本橋:これまでの「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」といえば、どちらかというと、デニムを軸にしたパッチワークやワーク&アウトドアのイメージが強かったのですが、今季はいい意味でその印象を裏切られるようなコレクションでした。

冒頭は、クラシックピアノの音色とともに始まった、端正なテーラードスタイル。重厚なジャカードやブロケードのテキスタイルが、バロックやロマネスク建築の装飾のムードを服に宿し、荘厳さすら感じさせます。中には、ラテン語の写本を思わせるような柄使いや、ブルーデニムのセットアップの上に刺しゅう調のジャケットを羽織ったルックも。ただロマンティック柄づかいも、「ジュンヤ」が得意とするデニムやサングラス、小物、ワークブーツといったスタイルの文脈に置かれることで、甘くなりすぎず、むしろリアルに感じられました。

中盤以降は、音楽がハウスやジャズへと変化するのに合わせて、スタイルも徐々に“崩し”の方向へとシフト。黒のギャバジンコートにドレスパンツを合わせたシックな装いから、シャツに3本のネクタイを重ねた遊び心あふれるコーディネートまで登場します。ダマスク調の花柄やスーチングなど、調和のとれたアイテムを“ズラす”ことで生まれるユーモア。そのバランス感覚こそ、「ジュンヤ」らしい美学なのだと感じました。

村上要「WWDJAPAN」編集長:渡辺淳弥デザイナーは、「古いのに新しいと感じるもの、また古いものを再現する過程で生まれた新しいもの、に興味を持ちました」と話します。ダマスクやブロケードのような素材は、古き邸宅の壁紙やカーテンを思わせレトロではあるものの、近年多くのデザイナーが興味を持ち、いろんなブランドに登場していますよね。「ジュンヤ マン」は、そんな生地からレトロムードたっぷりなロング&リーンのジャケットを作り、70’sなムード漂うケミカルウオッシュのデニムやカーゴ素材のフレアパンツと合わせています。まさに「古い」のですが、デニムやカーゴなどの今っぽいアイテムと合わせたり、そもそも、レトロな素材を現代に多用することでロックやパンクなどの「新しい」ムードを表現しているように思えます。

でも、全てのアイテムは男性のステイプル(定番)を大きく逸脱せず、ウィメンズがモードなのに対して、メンズはリアルなブランドらしさを踏襲。ゆえに最近は少し鮮度的に物足りない印象があったりもしましたが、今季は「古い」素材で「新しさ」を手に入れていましたね。

本橋さんが話していたシャツやネクタイ、スカーフをハイブリッドしたスタイルも、全ては昔から存在するアイテムなのに、ハイブリッドの仕方で新しく変換。その後に続く“ダサいセーター”のスタイルも、新鮮です。

本橋:19世紀創業のフランスの老舗バッグブランドであり、トランクメゾンとしての誇り高い歴史を持つ「モワナ(MOYNAT)」。近年はLVMH傘下で再始動しました。正直なところ、これまであまり触れる機会がなかったのですが、今回の展示を訪れ、文字通り目を奪われました。素材のクオリティー、繊細な作り、仕上げの精度──どれを取っても、トップメゾンと肩を並べる完成度と感じました。

若さを表現した「ジュン.J」
ショーツルックが推し

本橋:韓国デザイナーのチョン・ウクジュン(Jung Wook Jun)が手掛ける「ジュン.J(JUUN.J)」の今季のショータイトルは“BOY-ISH”。直訳すれば“少年っぽさ”ですが、表現したかったのは、“可変性”を軸とした若さのメタファーだったのかもしれません。

全体のスタイリングは、意図的にちぐはぐにも映る異素材・異シルエットの掛け合わせが続きました。スナップボタンや結び目でその場で調整できるような構造は、整えることも、崩すことも可能な“余白”を感じさせて、まさに若さの可変性や柔軟性を象徴しているよう。

デニムやレザーといった重厚な素材も多かったのですが、足元の軽さ、首元のスカーフやレイヤードされたシャツ、薄手のニットなどによって、スタイリングの印象は軽やか。個人的にはショーの序盤に登場した、MA-1やカモフラ柄のオーバーサイズアウターに、潔くショーツを合わせたルックがとても好みでした。ミリタリーの重たさと、脚元の抜け感。そのコントラストが、今季いくつかのブランドで鍵になっていたショーツルックの中でも、とりわけバランスが良く、リアルクローズとしても参考にしたくなるスタイリングでした。

村上:なかなか高評価ですね。一方の私は、正直ちょっと厳し目です。まず、このパワーショルダーを使いながらの、コントラストを効かせたシルエットに少し飽きてきています。デムナ(Demna)も「バレンシアガ(BALENCIAGA)」を去って「グッチ(GUCCI)」に移籍する中、ましてやステイプルなアイテムをベースとした自由なスタイリングを認める時代の中、「「ジュン.J」ってシルエットはあんまり変わらないし、スタイリングもコレ以外を想像させてくれない気がしませんか?サイドに別のパンツを縫い付けたボトムスも、「誰が着るの?」と思わずにはいられません。むしろ、前身頃をペリッと“めくった”ように見えるパンツは、普通にも、着崩しても楽しめそうで、可能性を感じます。中盤以降の、チョークストライプのパンツをめくるとデニムが現れるショートパンツとか、デニムをめくるとカモフラ柄が現れるミニスカートとかです。にしても、これも正直一本槍な印象は否めません。

日本では、アフォーダブル・ラグジュアリーなブランドとして定番を扱う店舗と、コントラストが効いたモードなブランドとして紹介する店舗に二分されているみたい。今までは後者のイメージが強かったけれど、前者のムードを訴求してもいいのかもしれません。

海外で人気急上昇「ミハラ」
“普通”をキャッチーに見せる

本橋:「メゾン ミハラ ヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」の今季のテーマは“Ordinary People(ありふれた人々)”。ぱっと見はごく日常的な素材づかいで、カラーパレットもコーディネートもシンプル。でも、よく見るとどこかおかしい。前後で素材が異なるアウターや、袖の内側からのぞく異素材など、隠された違和感が効いています。”普通”をキャッチーに見せる手腕に脱帽しました。おなじみの“ポテチバッグ”や“バナナ”のモチーフも健在で、ミハラさんらしい遊び心も随所に散りばめています。

最近、海外での人気も急上昇中。フックになっているのは、三原康裕デザイナー自身が粘土で型を取ったという、オリジナルソールのスニーカーです。韓国アイドルの着用をきっかけに認知が拡大しており、日本でも若い男女が、波打つソールのスニーカーを着用しているのをよく見かけますね。

村上:いつもに比べるとハイブリッドは控えめで、「ミハラ」も若干クワイエット・ラグジュアリーなムードなのかな?って思いました。ただ一番印象的だったのは、私がメンズ・ファッション・ウイークを訪れていたコロナ前とは、ブランドのファンも、規模感も全然違っていること。今はすっかり、ヒップホッパーを筆頭とするユースカルチャーのブランドですね。なんかラグジュアリー・ストリートのファンダッびはら人たちが、スニーカーをフックにみんな「ミハラ」に夢中になってきたカンジです。マーケットもアジアから、今はアメリカに拡大しています。

トランプ関税の影響は心配ですが、この路線で頑張ってほしいですね。だって日本のブランドって、やっぱり少し“玄人”感があるから、アジアは別として、ヨーロッパの洋服好き以外のコミュニティーを獲得しきれていない印象があるんです。ましてや洋服ラバーが少ない、でも、若い世代は増えているので可能性は大きなアメリカ市場は、日本のブランドにとってなかなかの鬼門でしたが、「ミハラ」は私が知る限り初めてこのマーケットに食い込んでいるデザイナーズブランドだと思います。三原康弘さんはテクノ好きだけど(笑)、ヒップホップも使ってDJしてくれる日を期待しています!

次期メゾンデザイナー?
「チャヴァリア」の懐の深さに驚く

本橋:「ウィリー チャヴァリア(WILLY CHAVARIA)」は、ストリート系のやんちゃデザイナーというイメージでしたが、今季はその印象が大きく覆されました。テーラードからストリートまで、振れ幅の広い表現力が見えたコレクション。オーバーサイズのクラシックスーツ、繊細なレースシャツ、重厚なロングコートにくしゅっと結ばれたスカーフ。テーラードからストリートまで自在に行き来する、チャヴァリアの懐の深い表現力が感じられました。

今季のタイトルは「HURON」。彼の故郷であるカリフォルニア州ヒューロンにちなんだもので、チャヴァリア個人の記憶と社会的背景が交差する舞台です。冒頭に登場した、ACLUとのコラボTシャツを着た35人の男性たちは、エルサルバドルの刑務所で人権侵害を受ける人々への眼差しを象徴。今季もまた、“受容”と“誇り”というテーマを力強く提示していました。演出は控えめで、モデルたちがゆっくりと歩を進めるショーは、一着一着のメッセージをしっかりと伝えるためだったのだと思います。

今のラグジュアリーブランドに求められるのは、あらゆる個性を巻き込む包摂性と、それを支える表現力。その両方を兼ね備えたチャヴァリアの名前が、次期メゾンデザイナーの候補としてウワサされるのも納得です。

村上:一方の私は、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)による新生「ディオール(DIOR)」と、「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」のショーを終えた後は、「ケンゾー(KENZO)」へ。今季は、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)のアートスタジオの「The Factory」、創業者・髙田賢三さんの1970年代のパリのアトリエ、そしてアーティスティック・ディレクター であるNIGOさんの、ストリートウエアと、セレブリティやクリエイターに及ぶコミュニティーの3つにインスピレーションを得ているそうです。

というわけで、コレクションや個々のスタイルは、正直モリモリです(笑)。サテンのショールカラーのジャケットや、パフスリーブのブラウス、楊柳パンツなどのレトロなアイテムは、ベースボールキャップやロゴベルト、ボクシングシューズや厚底ブーツと組み合わせて奇想天外。若い世代のクラブでの夜遊び、自分に自信があるから思い通りにスタイリングしちゃうアティチュードを表現しています。

今季は「真剣になりすぎない」をかなり意識しているようで、最近モチーフとして用いているウサギに続いて、トラ柄が多数登場。「ケンゾー」にとって大事なアイコンの1つですが、「トラとウサギが恋に落ちてもいいんじゃない?」くらいの自由な感覚で、ウサギを思わせる淡いピンクのキュートなムードと、トラ柄が導く迫力を大胆にミックスしています。真面目だったら、「トラとウサギは恋に落ちません!」とか「トラにウサギが食べられてしまいます!」って反論しちゃうのですが、「真剣になりすぎない」と、「あるかもね?いいんじゃない?」って思えるかもしれません(笑)。特に真面目な日本人に対して、そんな精神性をどうしたら表現できるのか?奇想天外なスタイルを打ち出すからこそ、そんな価値観の提唱にも挑戦してほしいな。

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「ヘインズ」の“最高の黒T”シリーズから新作のロンTが発売 

「ヘインズ(HANES)」は、最高の黒Tシャツを追求した“THE BEST OF BLACK-T”シリーズから“ヘインズ Tシャツ クロ クルーネックロングスリーブTシャツ”を2025年8月下旬より、公式オンラインストアおよび全国の正規取扱店で発売する。サイスはS〜XXlで、価格はS〜XLが4400円、XXLが4840円。

今春に登場したショートスリーブタイプは、生地になる前段階の糸で染色する「先染め」製法を採用。通常の染色に比べ、嵩高かつ柔らかな生地感、毛羽立ちの少なさ、そして繰り返し着用しても色あせしにくい深みのある黒を実現し、好評を博してきた。今回、そのシリーズに待望のロングスリーブが加わる。

新作のロンTは7.0オンスのコットン100%生地を採用。「ヘインズ」の定番3P-T(赤ラベル)に使われる糸を双糸にして編み立て、厚みと柔らかさを両立させた。脇に縫い目のない丸胴仕様のアメリカンスタイルで、身幅・袖幅ともにゆとりを持たせている。裾部分にはクリーンな印象のブラインドステッチを採用し、首元はタグレス仕様で肌当たりを軽減。さらに、パッケージは環境配慮型の紙素材を用い、裏面には商品特徴を記載するなど細部までこだわった。

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郵便局窓口へ直談判 伊藤忠出身の起業家が挑む循環型EC配送「コンベイ」

PROFILE: 梶田伸吾/コンベイ代表取締役CEO

梶田伸吾/コンベイ代表取締役CEO
PROFILE: 1992年バンコク出身。慶應義塾大学商学部卒業後、2016年 伊藤忠商事入社。物流ビジネス部・物流物資部にて新規事業企画、事業会社出向などを経験。2022 年6月 comveyを設立。PHOTO:Kazushi Toyota

「段ボールで届いて当たり前」「最短で届くのが正義」。そんな常識に疑問を投げかけるスタートアップがある。再利用可能な配送バッグ「comvey(コンベイ)」を開発・運用する同社は、フェアで持続可能な物流の在り方を模索中だ。創業者である梶田亮一CEOは、幼少期に見た不平等な世界への違和感と、大手商社で培った現場視点を武器に、「消費者・事業者・運び手の三者すべてが恩恵を受ける仕組みを構築したい」と語る。日本郵便との連携、素材開発のパートナーシップ、ユーザー視点に立ったバッグ設計など、多層的に社会課題と向き合い、物流視点でのサステナビリティに挑む。

社会課題への関心が芽生えた原点はバンコク

WWD:幼少期のタイでの暮らしが社会課題に関心を持つきっかけになったとか。

梶田伸吾コンベイCEO:「フェアじゃないことを、より良くしたい」という気持ちの根底はそこに立ち返ると思います。5歳の頃、父の海外赴任でタイに住み、自分は恵まれた生活をしているのに、同じ街には明らかにそうでない人たちがいる。その存在を、幼いながらも「これはなんだろう?」と感じていました。

WWD:幼い時の記憶はふとした時に蘇り、後の人生に意外と影響を与えますよね。

梶田:はい。その後、大学時代に肺の病気で手術を受けてサッカーができなくなり、「自分はこれから何をしよう?」と考えたときにタイでの原体験が思い出され、その“原因”を知りたい、理解したいという思いが芽生えました。大学時代は、海外の子供たちの教育を支援する学生団体に参加し、規模は小さいながらに社会にポジティブな影響を与えることができる実感を得ました。

ただ楽しかった反面、「本当にこれでいいのだろうか?」という疑問もありました。学生という立場で、支援する側に回ることの違和感。支援という行為が、一方的になってはいないか? 自分たちの満足のためになってはいないか?そういった葛藤がありました。草の根の支援も大切だけど、それだけじゃ足りない。「ボランティアではなく、もっと持続可能な方法で課題を解決したい」という気持ちが強くなりました。

WWD:後の起業、と言う選択と関係していそうですね。

梶田:そうですね。大学時代にマザーハウスの創業者、山口絵理子さんの存在を知り、ビジネスで社会課題を解決する社会起業家という在り方に惹かれました。「自分も、ビジネスという手段でフェアじゃない世界を変えていけるんじゃないか」と思ったんです。

WWD:キャリアのスタートは伊藤忠商事からでした。

梶田:商社にはいろんなスタイルがありますが、それぞれのやり方で社会課題を解決しているからこそ存在しているんだと思います。特に伊藤忠の「三方よし」の考え方には共感し、実際働く中で長いスパンでどう社会や取引先と向き合うかを考えることが大切なんだと実感しました。

WWD:伊藤忠時代の担当は?

梶田:最初は物流ビジネス部の所属でした。名前の通り、物流に関わる事業を担当する部署で、主に物を輸入・輸出したり、船をチャーターしたり、輸送に関する業務を取り扱う部門です。ただ、実際には「稼ぐ部署」というよりは、社内業務や調整役に近い立ち位置ですが、そこから派生して実際にビジネスを広げていくようなプロジェクト。たとえば、日系企業が中国に販売展開したいときに、その物流ルートを構築する、そういった市場開拓にも携わることができました。

後半の2年間は伊藤忠ロジスティクスという子会社に出向していました。そこではいわゆるフォワーディング業務、つまり、荷主さんの荷物をどうやってA地点からB地点へ運ぶか、あらゆる輸送手段を使ってアレンジする仕事をしていました。これは本当に「運ぶ」ということの最前線で、現場に一番近い立ち位置だったと思います。

WWD:物流の裏側は、消費者にはなかなか見えません。

梶田:そうですよね。現場を見て、現場にいる“運び手”の人たちがものすごくアンフェアな状況に置かれていると感じました。我々フォワーダーは、輸送の手配をする立場ですが、実際にモノを運んでいるのは彼らです。でも、その運び手が過剰なプレッシャーを受けていたり、価格競争に巻き込まれていたりする。なのに、消費者は“届いて当然”という前提でサービスを受け取っている。このギャップがすごく気になったんです。配送が1日遅れただけで怒られる。でも、その陰には何百、何千人の人たちの努力がある。そこに「フェアじゃない構造」があると感じました。

WWD:宅配の限界がメディアでも取り上げられるようになってきた時期でもありました。

梶田:特に2016年以降、EC物流の急拡大によって限界が叫ばれるようになりました。「物流はこれからの社会にとってもっと重要になる」と確信しました。

郵便局の窓口から始まった「コンベイ」の挑戦

WWD:その中で、独立という選択に至った理由は何だったのでしょうか?

梶田:実は社内でも何度か新規事業にチャレンジしていたんですが、大企業だと、たとえ100万円程度の実証実験でも通すのが大変です。一方で、社外に出れば自分の判断で打ち手を試せる。「だったら外に出て、自分の手で動かした方が早いかもしれない」と思ったのがきっかけです。大企業で何か大きなことを成し遂げることも魅力的でしたが、自分にとっては「自分の意思で物事を進められる環境」が何よりも合っていたと思います。

WWD:なるほど。ところで社名「comvey(コンベイ)」は、ちょっと珍しい響きですよね。

梶田:よく言われます(笑)。英語ができる人からすると「MじゃなくてNなの?」と違和感を持たれるかもしれません。でも、“Thanks, convey this to someone”──つまり「誰かにこの気持ちを届けて」という想いから、“comvey”という名前をつけました。

WWD:郵便局の窓口に直談判をしたとか。

梶田:当時のオフィス近くにある郵便局に、サンプルを持って行き、整理券を取って、窓口の職員の方に「ちょっとご相談がありまして」と。まさに“体当たり”でした(笑)。最初はうまくいかないことも多かったですけど、親切な方と出会えて。最終的には日本橋郵便局に行き着きました。実は日本郵便の本社は、日本橋郵便局の中にあるんですよ。私も当時は知りませんでした。

WWD:まさかそんなところから事業が始まるなんて。窓口の方は話をちゃんと聞いてくれたのですか?

梶田:窓口の横にあるカウンターで、社名の由来から構想まで、いろいろお話しさせてもらいました。郵便物って一度消印を押されたら再利用できないのが常識ですが、「そこを変えられないか?」と相談したり。最初はちょっと驚かれたけど、共感してくださって。最終的に日本橋郵便局の管轄エリアでテストをスタートすることができました。

返却率は99.8%。寿命を迎えたら水平リサイクルへ

WWD:「コンベイ」のビジネスモデルとは?

梶田:EC事業者様に対して再利用可能な配送バッグをレンタルし、そのレンタル料が我々の収益になります。1サイクルあたりの使用料をいただくモデルですね。使用済みのバッグは、全国の郵便ポストから回収できる仕組みです。ほとんどのケースで発送から3営業日以内に返却されますし、消費者の方にもポスト返却の手軽さが好評です。

実際、返却率は99.8%にのぼり、購入者のうち20〜30%が「自発的に再利用バッグを選択」しています。これによって、導入ブランドではリピート購入率が40%以上に達し、購入単価も平均8.5%高まったというデータもあります。何より大きいのは、「使うかどうか」を消費者自身が選べるという点。自分の意思で選ぶからこそ、返却にも協力的なのです。

WWD:環境意識はあるけど、何から始めてよいかわからない人は多いから、良い選択肢ですね。使用済みバッグはどのようにリサイクルするのでしょうか。

梶田:現在、5種類のバッグを展開し、大半のアパレル商品に対応できます。すべて国産で、100回以上の使用に耐える仕様です。寿命を迎えたバッグは、ケミカルリサイクル技術を使って再び原料とする水平リサイクルの仕組みを構築しています。最大95%以上の生地回収率を誇っています。

WWD:バッグの特徴は?

梶田:岡山県の萩原工業と日本郵便と連携して開発しました。もともとブルーシートを再生する技術で、リサイクルバッグへの転用は課題が多かったけど、事業のビジョンや将来性を伝えて協力してくださった。

見た目の美しさだけでなく、機能性にも気を配っています。一番特徴的なのは、バッグの裏面に「返送用伝票ポケット」があらかじめ縫い付けられている点です。お客様が自分で封筒に伝票を入れる必要がなく、そのままポスト投函できる仕様になっています。サイズや厚みにも数ミリ単位で設計することで、郵便局の機械処理にも対応できるようになっています。EC事業者さんが梱包しやすいだけでなく、日本郵便さんのルール内で「きちんと戻ってくる」ことも重視して作っています。

WWD:環境負荷の削減効果について、具体的な数値は?

梶田:再利用バッグを10回使うことで、段ボールと比べて85%以上のCO₂排出を削減できるという結果が、LCA(ライフサイクルアセスメント)によって示されています。このバッグは最大100回まで使用可能ですから、長期的にはさらに大きなインパクトが期待できます。

WWD:「段ボール文化への挑戦」ですね。

梶田:はい。ただ便利なだけでなく、選ぶことで環境負荷も減らせて、購買体験も向上する。そうした選択肢を当たり前にしていくことが、我々の目指す未来です。

根強く残る「段ボールを使うのが当たり前」という文化

WWD:サービス開始から2年、どこに手ごたえを感じていますか。

梶田:サービスを導入しているECブランドは現在30社を超えました。最初の1年間は実証段階で、ローンチパートナーとしてアパレルブランドさんにご協力いただきました。その反響が予想以上に良く、「お客様の満足度」が非常に高かった。段ボールって、実は多くの人にとってストレスなんですよね。日本における段ボールの回収率は90%以上。だからこそその処理にストレスを感じる。それでも「段ボールを使うのが当たり前」という文化が根強く残っていて、我々としてはそこを少しずつ変えていきたい。

WWD:バッグの使用回数や運用数はどれくらいですか?

梶田:サービス開始から約2年で、現在9000枚ほど保有しています。すべてが常時稼働しているわけではなく、一部は在庫として保管中ですが、多くは運用中です。1枚あたりの使用回数は数十回程度で、100回利用を目標としています。

WWD:“環境配慮型ユーザー”を可視化できるのは面白いですね。

梶田:はい。利用者の多くが、好奇心が強くて新しいことに積極的にチャレンジする層です。

WWD: 「コンベイ」が目指す理想の姿を教えてください。

梶田:端的に言えば、「再利用バッグで返す」という行動が“当たり前”になる社会です。ECに限らず、たとえばメルカリのようなCtoC(個人間取引)にも活用されるような世界。さらには店舗での購買時にも使えるようになればいいなと考えています。

WWD:根底には「フェアであること」がありました。それは今どのくらい実現できていますか?

梶田:“シェアバック”という事業モデルの中で、消費者、EC事業者、そして私たちCOMVEY──この三者すべてにとって「フェアな関係」が築けていると感じています。将来的には運び手の方々にとってもメリットがある仕組みにしていきたいと思っています。

ボトルネックはEC業界の多様なカートシステム

WWD:サーキュラー(循環型)ファッションにおいて、物流が果たす役割をどう考えますか。

梶田:物流は単にモノを運ぶだけでなく、“人と人をつなげる力”があると思っています。たとえば、過剰梱包についても、EC事業者はお客様のためを思って丁寧に包むけれど、受け取る側がそれをストレスに感じることもある。そのギャップに、選べる選択肢があれば、双方にとってフェアな関係性が築けるんです。

WWD:宅配便の量は今後も増えますよね。

梶田:はい。現在、日本で年間約50億個の荷物が宅配されていますが、10年後には100億個になるとも言われています。一方で、運び手の人手は減っていて「宅配の限界」とも言われる状況。今のように「最短で届いて当たり前」という前提のままだと、現場は持たないでしょう。

WWD:ボトルネックはどこにある?

梶田:現在のEC業界には多様なカートシステム(Shopify、Makeshop、etc.)が存在していて、我々の仕組みを連携させるには個別対応が必要です。そのため、「導入したい」と言ってくださっても、すぐには対応できない場合もあります。また、何よりの課題は「段ボールが当たり前」という文化に挑戦している点です。常識を変えるには、やはり時間と地道な努力が必要です。

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郵便局窓口へ直談判 伊藤忠出身の起業家が挑む循環型EC配送「コンベイ」

PROFILE: 梶田伸吾/コンベイ代表取締役CEO

梶田伸吾/コンベイ代表取締役CEO
PROFILE: 1992年バンコク出身。慶應義塾大学商学部卒業後、2016年 伊藤忠商事入社。物流ビジネス部・物流物資部にて新規事業企画、事業会社出向などを経験。2022 年6月 comveyを設立。PHOTO:Kazushi Toyota

「段ボールで届いて当たり前」「最短で届くのが正義」。そんな常識に疑問を投げかけるスタートアップがある。再利用可能な配送バッグ「comvey(コンベイ)」を開発・運用する同社は、フェアで持続可能な物流の在り方を模索中だ。創業者である梶田亮一CEOは、幼少期に見た不平等な世界への違和感と、大手商社で培った現場視点を武器に、「消費者・事業者・運び手の三者すべてが恩恵を受ける仕組みを構築したい」と語る。日本郵便との連携、素材開発のパートナーシップ、ユーザー視点に立ったバッグ設計など、多層的に社会課題と向き合い、物流視点でのサステナビリティに挑む。

社会課題への関心が芽生えた原点はバンコク

WWD:幼少期のタイでの暮らしが社会課題に関心を持つきっかけになったとか。

梶田伸吾コンベイCEO:「フェアじゃないことを、より良くしたい」という気持ちの根底はそこに立ち返ると思います。5歳の頃、父の海外赴任でタイに住み、自分は恵まれた生活をしているのに、同じ街には明らかにそうでない人たちがいる。その存在を、幼いながらも「これはなんだろう?」と感じていました。

WWD:幼い時の記憶はふとした時に蘇り、後の人生に意外と影響を与えますよね。

梶田:はい。その後、大学時代に肺の病気で手術を受けてサッカーができなくなり、「自分はこれから何をしよう?」と考えたときにタイでの原体験が思い出され、その“原因”を知りたい、理解したいという思いが芽生えました。大学時代は、海外の子供たちの教育を支援する学生団体に参加し、規模は小さいながらに社会にポジティブな影響を与えることができる実感を得ました。

ただ楽しかった反面、「本当にこれでいいのだろうか?」という疑問もありました。学生という立場で、支援する側に回ることの違和感。支援という行為が、一方的になってはいないか? 自分たちの満足のためになってはいないか?そういった葛藤がありました。草の根の支援も大切だけど、それだけじゃ足りない。「ボランティアではなく、もっと持続可能な方法で課題を解決したい」という気持ちが強くなりました。

WWD:後の起業、と言う選択と関係していそうですね。

梶田:そうですね。大学時代にマザーハウスの創業者、山口絵理子さんの存在を知り、ビジネスで社会課題を解決する社会起業家という在り方に惹かれました。「自分も、ビジネスという手段でフェアじゃない世界を変えていけるんじゃないか」と思ったんです。

WWD:キャリアのスタートは伊藤忠商事からでした。

梶田:商社にはいろんなスタイルがありますが、それぞれのやり方で社会課題を解決しているからこそ存在しているんだと思います。特に伊藤忠の「三方よし」の考え方には共感し、実際働く中で長いスパンでどう社会や取引先と向き合うかを考えることが大切なんだと実感しました。

WWD:伊藤忠時代の担当は?

梶田:最初は物流ビジネス部の所属でした。名前の通り、物流に関わる事業を担当する部署で、主に物を輸入・輸出したり、船をチャーターしたり、輸送に関する業務を取り扱う部門です。ただ、実際には「稼ぐ部署」というよりは、社内業務や調整役に近い立ち位置ですが、そこから派生して実際にビジネスを広げていくようなプロジェクト。たとえば、日系企業が中国に販売展開したいときに、その物流ルートを構築する、そういった市場開拓にも携わることができました。

後半の2年間は伊藤忠ロジスティクスという子会社に出向していました。そこではいわゆるフォワーディング業務、つまり、荷主さんの荷物をどうやってA地点からB地点へ運ぶか、あらゆる輸送手段を使ってアレンジする仕事をしていました。これは本当に「運ぶ」ということの最前線で、現場に一番近い立ち位置だったと思います。

WWD:物流の裏側は、消費者にはなかなか見えません。

梶田:そうですよね。現場を見て、現場にいる“運び手”の人たちがものすごくアンフェアな状況に置かれていると感じました。我々フォワーダーは、輸送の手配をする立場ですが、実際にモノを運んでいるのは彼らです。でも、その運び手が過剰なプレッシャーを受けていたり、価格競争に巻き込まれていたりする。なのに、消費者は“届いて当然”という前提でサービスを受け取っている。このギャップがすごく気になったんです。配送が1日遅れただけで怒られる。でも、その陰には何百、何千人の人たちの努力がある。そこに「フェアじゃない構造」があると感じました。

WWD:宅配の限界がメディアでも取り上げられるようになってきた時期でもありました。

梶田:特に2016年以降、EC物流の急拡大によって限界が叫ばれるようになりました。「物流はこれからの社会にとってもっと重要になる」と確信しました。

郵便局の窓口から始まった「コンベイ」の挑戦

WWD:その中で、独立という選択に至った理由は何だったのでしょうか?

梶田:実は社内でも何度か新規事業にチャレンジしていたんですが、大企業だと、たとえ100万円程度の実証実験でも通すのが大変です。一方で、社外に出れば自分の判断で打ち手を試せる。「だったら外に出て、自分の手で動かした方が早いかもしれない」と思ったのがきっかけです。大企業で何か大きなことを成し遂げることも魅力的でしたが、自分にとっては「自分の意思で物事を進められる環境」が何よりも合っていたと思います。

WWD:なるほど。ところで社名「comvey(コンベイ)」は、ちょっと珍しい響きですよね。

梶田:よく言われます(笑)。英語ができる人からすると「MじゃなくてNなの?」と違和感を持たれるかもしれません。でも、“Thanks, convey this to someone”──つまり「誰かにこの気持ちを届けて」という想いから、“comvey”という名前をつけました。

WWD:郵便局の窓口に直談判をしたとか。

梶田:当時のオフィス近くにある郵便局に、サンプルを持って行き、整理券を取って、窓口の職員の方に「ちょっとご相談がありまして」と。まさに“体当たり”でした(笑)。最初はうまくいかないことも多かったですけど、親切な方と出会えて。最終的には日本橋郵便局に行き着きました。実は日本郵便の本社は、日本橋郵便局の中にあるんですよ。私も当時は知りませんでした。

WWD:まさかそんなところから事業が始まるなんて。窓口の方は話をちゃんと聞いてくれたのですか?

梶田:窓口の横にあるカウンターで、社名の由来から構想まで、いろいろお話しさせてもらいました。郵便物って一度消印を押されたら再利用できないのが常識ですが、「そこを変えられないか?」と相談したり。最初はちょっと驚かれたけど、共感してくださって。最終的に日本橋郵便局の管轄エリアでテストをスタートすることができました。

返却率は99.8%。寿命を迎えたら水平リサイクルへ

WWD:「コンベイ」のビジネスモデルとは?

梶田:EC事業者様に対して再利用可能な配送バッグをレンタルし、そのレンタル料が我々の収益になります。1サイクルあたりの使用料をいただくモデルですね。使用済みのバッグは、全国の郵便ポストから回収できる仕組みです。ほとんどのケースで発送から3営業日以内に返却されますし、消費者の方にもポスト返却の手軽さが好評です。

実際、返却率は99.8%にのぼり、購入者のうち20〜30%が「自発的に再利用バッグを選択」しています。これによって、導入ブランドではリピート購入率が40%以上に達し、購入単価も平均8.5%高まったというデータもあります。何より大きいのは、「使うかどうか」を消費者自身が選べるという点。自分の意思で選ぶからこそ、返却にも協力的なのです。

WWD:環境意識はあるけど、何から始めてよいかわからない人は多いから、良い選択肢ですね。使用済みバッグはどのようにリサイクルするのでしょうか。

梶田:現在、5種類のバッグを展開し、大半のアパレル商品に対応できます。すべて国産で、100回以上の使用に耐える仕様です。寿命を迎えたバッグは、ケミカルリサイクル技術を使って再び原料とする水平リサイクルの仕組みを構築しています。最大95%以上の生地回収率を誇っています。

WWD:バッグの特徴は?

梶田:岡山県の萩原工業と日本郵便と連携して開発しました。もともとブルーシートを再生する技術で、リサイクルバッグへの転用は課題が多かったけど、事業のビジョンや将来性を伝えて協力してくださった。

見た目の美しさだけでなく、機能性にも気を配っています。一番特徴的なのは、バッグの裏面に「返送用伝票ポケット」があらかじめ縫い付けられている点です。お客様が自分で封筒に伝票を入れる必要がなく、そのままポスト投函できる仕様になっています。サイズや厚みにも数ミリ単位で設計することで、郵便局の機械処理にも対応できるようになっています。EC事業者さんが梱包しやすいだけでなく、日本郵便さんのルール内で「きちんと戻ってくる」ことも重視して作っています。

WWD:環境負荷の削減効果について、具体的な数値は?

梶田:再利用バッグを10回使うことで、段ボールと比べて85%以上のCO₂排出を削減できるという結果が、LCA(ライフサイクルアセスメント)によって示されています。このバッグは最大100回まで使用可能ですから、長期的にはさらに大きなインパクトが期待できます。

WWD:「段ボール文化への挑戦」ですね。

梶田:はい。ただ便利なだけでなく、選ぶことで環境負荷も減らせて、購買体験も向上する。そうした選択肢を当たり前にしていくことが、我々の目指す未来です。

根強く残る「段ボールを使うのが当たり前」という文化

WWD:サービス開始から2年、どこに手ごたえを感じていますか。

梶田:サービスを導入しているECブランドは現在30社を超えました。最初の1年間は実証段階で、ローンチパートナーとしてアパレルブランドさんにご協力いただきました。その反響が予想以上に良く、「お客様の満足度」が非常に高かった。段ボールって、実は多くの人にとってストレスなんですよね。日本における段ボールの回収率は90%以上。だからこそその処理にストレスを感じる。それでも「段ボールを使うのが当たり前」という文化が根強く残っていて、我々としてはそこを少しずつ変えていきたい。

WWD:バッグの使用回数や運用数はどれくらいですか?

梶田:サービス開始から約2年で、現在9000枚ほど保有しています。すべてが常時稼働しているわけではなく、一部は在庫として保管中ですが、多くは運用中です。1枚あたりの使用回数は数十回程度で、100回利用を目標としています。

WWD:“環境配慮型ユーザー”を可視化できるのは面白いですね。

梶田:はい。利用者の多くが、好奇心が強くて新しいことに積極的にチャレンジする層です。

WWD: 「コンベイ」が目指す理想の姿を教えてください。

梶田:端的に言えば、「再利用バッグで返す」という行動が“当たり前”になる社会です。ECに限らず、たとえばメルカリのようなCtoC(個人間取引)にも活用されるような世界。さらには店舗での購買時にも使えるようになればいいなと考えています。

WWD:根底には「フェアであること」がありました。それは今どのくらい実現できていますか?

梶田:“シェアバック”という事業モデルの中で、消費者、EC事業者、そして私たちCOMVEY──この三者すべてにとって「フェアな関係」が築けていると感じています。将来的には運び手の方々にとってもメリットがある仕組みにしていきたいと思っています。

ボトルネックはEC業界の多様なカートシステム

WWD:サーキュラー(循環型)ファッションにおいて、物流が果たす役割をどう考えますか。

梶田:物流は単にモノを運ぶだけでなく、“人と人をつなげる力”があると思っています。たとえば、過剰梱包についても、EC事業者はお客様のためを思って丁寧に包むけれど、受け取る側がそれをストレスに感じることもある。そのギャップに、選べる選択肢があれば、双方にとってフェアな関係性が築けるんです。

WWD:宅配便の量は今後も増えますよね。

梶田:はい。現在、日本で年間約50億個の荷物が宅配されていますが、10年後には100億個になるとも言われています。一方で、運び手の人手は減っていて「宅配の限界」とも言われる状況。今のように「最短で届いて当たり前」という前提のままだと、現場は持たないでしょう。

WWD:ボトルネックはどこにある?

梶田:現在のEC業界には多様なカートシステム(Shopify、Makeshop、etc.)が存在していて、我々の仕組みを連携させるには個別対応が必要です。そのため、「導入したい」と言ってくださっても、すぐには対応できない場合もあります。また、何よりの課題は「段ボールが当たり前」という文化に挑戦している点です。常識を変えるには、やはり時間と地道な努力が必要です。

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ダウンタウンの浜田雅功が初のアート個展を10月19日から開催 「やれ言うから、やるわ!」

お笑いコンビ・ダウンタウンの浜田雅功が、初のアート個展「空を横切る飛行雲」を東京・麻布台ヒルズ ギャラリーで10月19日から12月21日まで開催する。

浜田はこれまで、テレビやメディアで披露した独特な画風がたびたび話題となり、芸能関係者やアーティストからも高い関心を集めてきた。お笑い、音楽、ファッション、俳優業と幅広く活動してきた浜田が、新たにアートの世界へ本格参入する。

本人は今回の挑戦について「やれ言うから、やるわ!」とコメント。監修は放送作家の高須光聖、クリエイティブ・ディレクターは北原和規、ビジュアル撮影は写真家の浅田政志、会場構成は建築家ユニットdot architect(ドットアーキテクツ)が担当するなど、展覧会のクリエイティブチームには、浜田の才能を認めるデザイナーやクリエイターが集結し、本格的な美術展を作り上げる。展示作品や世界観から受ける衝撃は、まるで空を横切る飛行雲のように来場者の記憶に残り続けることを目指すという。チケット情報は後日発表される予定だ。

浜田雅功

浜田雅功は1963年兵庫県尼崎生まれ。尼崎市立潮小学校からの同級生だった松本人志と、1期生としてNSCに入学し「ダウンタウン」を結成。「ガキの使い」「ごっつええ感じ」「HEY!HEY!HEY!」で全国的にブレイク後、90年以降は俳優として多くのテレビドラマに出演。95年には小室哲哉と共に「H Jungle with t」でデビューし、アーティストとしても強い存在感を示した。さらには浜田のファッションが「ハマダー」と称され、男性ファッションのトレンドをも生み出した。幅広い分野で影響を与え続け、今もなお数十年にわたって第一線で活躍を続けている。現在活躍する多くの芸人が「ダウンタウンの影響を受けた」と公言するなど、彼らの存在は新しいお笑いの基盤を築いた。

開催概要

◾️浜田雅功展「空を横切る飛行雲」
会期:2025年10月19日~12月21日
※10月17、18日はスペシャルプレビュー観覧予定
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階
会期中無休
※営業時間、チケット情報については後日は発表予定。
https://hamadamasatoshi.art

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ファッション広告に特化したプロジェクトチーム“クリエイティブセッション”が始動 博報堂Gravityと博報堂キャビンが協業

博報堂Gravityと博報堂キャビンは、ファッション広告に特化したクリエイティブプロジェクトチーム“クリエイティブセッション(CREATIVE SESSION)”の活動を開始する。

クリエイティブプロジェクトチーム
“クリエイティブセッション”

ファッション領域のブランドコミュニケーションとクリエイティブ制作を手掛けてきた博報堂Gravityと、幅広い領域でクリエイティブ制作を行なってきた博報堂キャビンが協業、プロジェクトチーム“クリエイティブセッション”を発足した。S NSをはじめ、能動的に情報を得られる昨今、広告の役割は効率的に情報を届けることに変化したとし、改めてファッション広告の役割は、ブランドの主張を伝えること、品質やデザインなどの付加価値を追求する姿勢、環境や社会問題に対する取り組み、カルチャーを生み出す想像力、モノの背景にあるストーリーや共感できるブランド思想を示すことだとし、ファッション広告における本質の進化を目指すとしている。今後、コミュニケーション設計やクリエイティブ制作、グラフィックデザイン、ムービー制作、プロダクトデザイン、ショップデザイン、制作プロデュースなど、ブランド価値向上に関わる業務を手掛ける。

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ファッション広告に特化したプロジェクトチーム“クリエイティブセッション”が始動 博報堂Gravityと博報堂キャビンが協業

博報堂Gravityと博報堂キャビンは、ファッション広告に特化したクリエイティブプロジェクトチーム“クリエイティブセッション(CREATIVE SESSION)”の活動を開始する。

クリエイティブプロジェクトチーム
“クリエイティブセッション”

ファッション領域のブランドコミュニケーションとクリエイティブ制作を手掛けてきた博報堂Gravityと、幅広い領域でクリエイティブ制作を行なってきた博報堂キャビンが協業、プロジェクトチーム“クリエイティブセッション”を発足した。S NSをはじめ、能動的に情報を得られる昨今、広告の役割は効率的に情報を届けることに変化したとし、改めてファッション広告の役割は、ブランドの主張を伝えること、品質やデザインなどの付加価値を追求する姿勢、環境や社会問題に対する取り組み、カルチャーを生み出す想像力、モノの背景にあるストーリーや共感できるブランド思想を示すことだとし、ファッション広告における本質の進化を目指すとしている。今後、コミュニケーション設計やクリエイティブ制作、グラフィックデザイン、ムービー制作、プロダクトデザイン、ショップデザイン、制作プロデュースなど、ブランド価値向上に関わる業務を手掛ける。

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【スナップ】オアシスのロンドン公演でストリートスナップを敢行 ジェイムス・ブレイクの姿も

イングランドを代表するロックバンドのオアシス(Oasis)は現在、16年ぶりとなる再結成ワールドツアー「オアシス ライブ 25(Oasis Live '25)」を開催中だ。同ツアーは、7月4日(現地時間)のウェールズ・カーディフ公演を皮切りに、約1カ月半にわたってイギリスの各都市を巡業後、北米やアジアなど世界41都市を回り、11月23日(同時間)のブラジル・サンパウロ公演で幕を閉じる。

今回、8月3日(同時間)に行われたロンドン公演でストリートスナップを敢行。会場の「ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)」周辺には、17時開場の数時間前から30~50代の男性を中心に老若男女の幅広いファンが集まり、その大半が公式マーチャンダイズを着用していたのが印象的だ。

というのもオアシスは、ワールドツアーにあわせて30種類以上のTシャツをはじめとしたオリジナルアパレルを展開しているほか、多くのブランドともコラボ。その中でも、往年のノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)とリアム・ギャラガー(Liam Gallagher)が頻繁に着用していた「アディダス(ADIDAS)」とのコラボコレクションは人気が高く、会場の特設ショップや公式オンラインストアでは品薄状態となっていた。

そして、上記の公式マーチャンダイズをベースとしたブロークコア風のスタイルを中心に、リアムが手掛けるブランド「プリティー・グリーン(PRETTY GREEN)」のアイテムやビンテージのオアシスTシャツ、さらにはギャラガー兄弟のコスプレを楽しむファンも。また、“カジュアルズ”と呼ばれる「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」もしくは「C.P. カンパニー(C.P. COMPANY)」を取り入れた服装を楽しむ人々も散見され、音楽プロデューサーのジェイムス・ブレイク(James Blake)もその1人だった。

スナップ一覧

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NEDO、帝人フロンティア・東レら採択 繊維to繊維で廃棄衣料の循環構築へ


新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月6日、「バイオものづくり革命推進事業」の第3回公募において、バイオものづくり製品の社会実装を目指す研究開発テーマ5件を新たに採択した。その一つとして、帝人フロンティア、倉敷紡績、東レ、日清紡テキスタイル、日本毛織、公益財団法人地球環境産業技術研究機構による「繊維to繊維の資源循環構築の実現に向けた研究開発・実証」が選ばれた。

NEDOは、経済産業省所管の国立研究開発法人で、日本の産業・エネルギー分野における革新的技術の開発や社会実装を支援している。

本事業は、合成生物学の進歩により、利用できる原料や製造可能な製品の種類が大きく広がってきたことを背景に始まった。たとえば、二酸化炭素を原料とし、海洋で自然分解されるプラスチックのように、環境問題の解決と経済成長の両立を可能にする技術が登場している。しかし、バイオ由来製品を社会に広く普及させるためには、技術面・コスト面・制度面に依然として課題が残る。特に、輸入バイオマス原料の価格高騰を受け、国内の未利用資源を活用することが急務となっている。

そのためNEDOは2022年度から2032年度までの事業期間に総額約3000億円を投じ、バイオものづくりのバリューチェーン構築に必要な技術開発や社会システムの実証を支援。製造プロセスの転換とバイオ由来製品の社会実装を促進し、日本の産業競争力強化を図っている。

繊維分野では、廃棄衣料を活用したバイオ繊維の開発にフォーカス。経済産業省は2024年に公表した「繊維製品における資源循環ロードマップ」で、2040年度に向けた資源循環システムの構築と適量生産・消費の達成を掲げ、2030年度までに家庭からの廃棄衣料量を2020年度比で25%削減し、繊維to繊維リサイクルで年間5万トンの処理を目指している。

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NEDO、帝人フロンティア・東レら採択 繊維to繊維で廃棄衣料の循環構築へ


新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月6日、「バイオものづくり革命推進事業」の第3回公募において、バイオものづくり製品の社会実装を目指す研究開発テーマ5件を新たに採択した。その一つとして、帝人フロンティア、倉敷紡績、東レ、日清紡テキスタイル、日本毛織、公益財団法人地球環境産業技術研究機構による「繊維to繊維の資源循環構築の実現に向けた研究開発・実証」が選ばれた。

NEDOは、経済産業省所管の国立研究開発法人で、日本の産業・エネルギー分野における革新的技術の開発や社会実装を支援している。

本事業は、合成生物学の進歩により、利用できる原料や製造可能な製品の種類が大きく広がってきたことを背景に始まった。たとえば、二酸化炭素を原料とし、海洋で自然分解されるプラスチックのように、環境問題の解決と経済成長の両立を可能にする技術が登場している。しかし、バイオ由来製品を社会に広く普及させるためには、技術面・コスト面・制度面に依然として課題が残る。特に、輸入バイオマス原料の価格高騰を受け、国内の未利用資源を活用することが急務となっている。

そのためNEDOは2022年度から2032年度までの事業期間に総額約3000億円を投じ、バイオものづくりのバリューチェーン構築に必要な技術開発や社会システムの実証を支援。製造プロセスの転換とバイオ由来製品の社会実装を促進し、日本の産業競争力強化を図っている。

繊維分野では、廃棄衣料を活用したバイオ繊維の開発にフォーカス。経済産業省は2024年に公表した「繊維製品における資源循環ロードマップ」で、2040年度に向けた資源循環システムの構築と適量生産・消費の達成を掲げ、2030年度までに家庭からの廃棄衣料量を2020年度比で25%削減し、繊維to繊維リサイクルで年間5万トンの処理を目指している。

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