ロート製薬の日焼け止めブランド「スキンアクア」が進化 美肌見せ&使い心地をアップデート

ロート製薬は、日やけ止めブランド「スキンアクア(SKIN AQUA)」の“スキンアクア トーンアップUV”シリーズと“スキンアクア ヒアルロンセラムUV”をリニューアルし、2026年2月2日から順次発売する。12月1日から渋谷エリアなどの一部店舗とアマゾン(AMAZON)、楽天市場などのECサイト、ロート通販で先行発売を行う。“スキンアクア トーンアップUV エッセンス”(全5種、各1210円※編集部調べ、以下同)は新色のホワイトを追加し、全色を新処方へ刷新。 “スキンアクア ヒアルロンセラムUV”(70g、1320円)も処方を刷新した。

新色ホワイト登場&全色を“透明感ロック処方”へ刷新

記録的な猛暑となった2025年夏の日やけ止め市場は前年比8%増となったが、ロート製薬のUVカテゴリーも同10%増と好調に推移。特に“スキンアクア トーンアップUV エッセンス”は、同社のUV製品売上ランキングで1位を獲得したという。好評を受け、2026年シーズンは“選べる透明感”と“続けたくなる使い心地”をさらに進化させリニューアル。どんなパーソナルカラーにも自然な透明感をもたらす新色のホワイトを加えたほか、コーティング成分がカラーパールとUVカット成分を肌に密着させ、汗や水に強く、塗りたての仕上がりが続く“透明感ロック処方”を全色に採用した。肌にフィットしやすく、べたつきにくい“ピタっとさらさら”な仕上がりで、メイク前にも使いやすいテクスチャーへ向上。パッケージはブランドの象徴であるバイカラーはそのままに、グラデーションの向きを変更した新デザインとした。

ロートUV売上ランキング2位の“スキンアクア ヒアルロンセラムUV”も処方を刷新し、“日中補水”の発想をもとに厳選した3種類のヒアルロン酸をシリーズ最大濃度で配合した。パウダーフリー処方を採用したことで衣服やカバンに色移りしにくく、日常での使いやすさを高めたほか、潤ってべたつかない“肌解放感処方”で、肌負担のない使い心地を追求している。

The post ロート製薬の日焼け止めブランド「スキンアクア」が進化 美肌見せ&使い心地をアップデート appeared first on WWDJAPAN.

「よーじや」が冬の限定メニューを提供 ゆず餡&ゆずゼリーの和パフェや聖護院かぶらのパスタなど

京都発のライフスタイルブランド「よーじや」は12月4日、冬の期間限定メニューとしてパフェ、パスタ、ドリンクの3種類を発売する。大人気の“顔パフェ”シリーズからは“ゆずの白パフェ”(1500円)が登場するほか、“聖護院かぶらの白ボロネーゼ”や“ホットサングリア”も用意。提供店舗は四条河原町店と嵯峨野嵐山店で、期間限定メニューを注文した客を対象としたキャンペーンも行う。

“白いおいしい宝物”をたっぷりと

“ゆずの白パフェ”(1500円)は、マスカルポーネアイスや求肥、レアチーズケーキ、ホワイトチョコフレークといった“白いおいしい宝物”が詰まった一品だ。さっぱりとしたゆず味のシャーベット、手作りのゆず餡、ゆずゼリーとのバランスが楽しめる。パフェは、生クリーム、ホワイトチョコソース、ゆずシャーベット、ぎゅうひ、ゆず餡、ゆずゼリー、ゆずパウダー、スポンジ、レアチーズケーキ、マスカルポーネアイス、ホワイトチョコフレークで構成する。

“聖護院かぶらの白ボロネーゼ”は、もちもちのリングイネに、粗挽きの豚ミンチとほんのりゆずが香るクリームソースをからめ。ボロネーゼとクリームパスタの魅力を両立させたメニューで、ごろごろと入った聖護院かぶらもこの時季ならではのおいしさだという。価格は店舗によって異なり、四条河原町店ではスムージー付きで1430円、嵯峨野嵐山店ではスムージーとフォカッチャ付きで1540円で提供する。ほか、果汁100%のぶどうジュースを使ったノンアルコールタイプの温かいドリンク“ホットサングリア”(800円)も用意。柑橘とベリーが具だくさんで入っており、香りづけのシナモンスティックでかき混ぜながら楽しめる。

限定メニューのキャンペーンとして、“ゆずの白パフェ”を注文した人にパフェの中身を層ごとにイラストで紹介した「パフェカード」をプレゼントするほか、“ホットサングリア”の注文で新発売の“ねむり”シリーズから“バスエッセンス”のサンプルパウチをプレゼントする。配布は予定数に達し次第終了となり、“バスエッセンス”香りは選べない。

The post 「よーじや」が冬の限定メニューを提供 ゆず餡&ゆずゼリーの和パフェや聖護院かぶらのパスタなど appeared first on WWDJAPAN.

【ARISAK Labo vol.10】ラッパー・CHANGMOとARISAK 2人に通ずる“削ぎ落とす美学”

フォトアーティスト・ARISAKがファッション&ビューティ業界の多彩なクリエイターと共鳴し、新たなビジュアル表現を追求する連載【ARISAK Labo】。Vol.10となる今回のゲストは、今夏にアルバム「Op(オーパス).2」をリリースした、韓国出身のラッパー・CHANGMO(チャンモ)。今回の撮影のために来日したという彼と、2日間にわたり撮影を行った。

PROFILE: CHANGMO/ラッパー、プロデューサー

CHANGMO/ラッパー、プロデューサー
PROFILE: 1994年5月31日、韓国生まれ。幼少期からピアノを始め、14歳からビート制作をスタート。2019年には楽曲「METEOR」が大ヒットを果たし、「otel Walkerhill (feat. Hash Swan)」がMAMA2020「ベストヒップホップ&アーバンミュージック」にノミネートされるなど注目を集める。今年8月にはアルバム「Op.2」をリリースした

“If I had time”
CHANGMO × ARISAK
Interviewed by Daniel Takeda

今回撮影を行ったのは、イマーシブシアター・Anemoia Tokyo、裏千家茶道教室 SHUHALLY、渋谷スカイ。2日間に及ぶ撮影でのスタイリングは石川淳氏、ヘアスタイリングは芝田貴之氏、メイクはYUKA HIRAC氏が手掛けた。ARISAK、CHANGMO共に「新たな発見があった」というビジュアルは、一体どのように生まれたのか?2人の出会いから撮影背景、撮影時の様子まで、音楽業界に精通する竹田ダニエルが2人にインタビューを行った。

竹田ダニエル(以下、ダニエル):では最初に、ARISAKさんとの出会いについて教えてください。彼女の作品について最初はどういう印象でしたか?

CHANGMO:最初の出会いとしては、僕が所属していたレーベルのボスであるThe Quiett(ザ・クワイエット)というラッパーのアルバムのカバーを見て「これ誰がやったの?」と聞いたら、「ARISAKさんがやったんだよ」って教えてもらって、そこから彼女の存在を知りました。

それで名前を知ってから自然な流れで、昨年のイベントで初めて会うことになりました。そこで「はじめまして」と挨拶して、その後、韓国でもARISAKさんと3人でご飯を食べたり、自然と会う機会が増えていった、という流れです。

ARISAK:CHANGMOくんのボスのThe Quiettさんが若い子たちをフックアップして「場数を踏ませたいという思いから毎月開催している「RAP HOUSE」というヒップホップのイベントがあって。そのイベントを今回日本で初めて開催するというので見に行ったんです。

それにCHANGMOくんも来ていて、終わった後にみんなで打ち上げで焼肉に行ったんですけど、その時にインスタとかでお互いフォローし合ってたので、「あれ? CHANGMOくんじゃない?」ってなって話しかけた、という感じです。

ダニエル:ARISAKさんから見たCHANGMOさんの最初のイメージとか、「一緒に撮影したい」と思ったきっかけは何ですか?

ARISAK:最初に持っていたイメージは、すごく「優しさがにじみ出ている方だな」という感じで。そういうのは、目の感じとかに出るじゃないですか。気さくで優しい目をしているのが印象的でした。
彼の音楽ももちろん聴いていたけど、最初はインスタでつながって、「SMOKE」とか有名な曲にも参加されていたり「あ、これも、これもCHANGMOくんの曲なんだ」と少しずつ一致していった感じでした。

いわゆるギャングスターラップみたいなイメージが先行しがちだけど、その中でもピアノも弾いていて、天才的で唯一無二な部分があるし、同時にすごくやさしい感じもにじみ出ている人だなという印象でした。実際に話したら、私が思うイメージ通りでした。

ダニエル:今回、もともとCHANGMOさんがARISAKさんをフォローしたということですが、今回の撮影に至った背景や、撮影に至るまでのアイデア出しのプロセスとかは、どのような感じでしたか?

CHANGMO:The Quiettさんを通じてARISAKさんの作品を知り、そこからARISAKさんをフォローすることによって、「いつか一緒にやるんじゃないかな」という確信のようなものが自分の中にありました。

一方で、自分の見た目がわりとソフトな感じに対して、ARISAKさんの作品はすごくエッジが効いたコントラストがあるものなので、僕の見た目が果たしてARISAKさんの作品にマッチするのか、正直不安な面もありました。ですが、ARISAKさんの作品には普段からリスペクトを持っていて、全部信じているので、今回は彼女のリードについていこうと思いました。

ダニエル:作品を見させてもらったんですけど、アー写やライブ写真だと、基本的に大きいサングラスをしていたり、シルエットが大きい服を着ていたりすることが多くて、「かっこいい」「ちょっと近寄りがたい」みたいなイメージがあるんですが、ARISAKさんの写真を見ると、さっき言ったみたいな目のやさしさや柔らかい雰囲気、あとピアノの写真もすごく良くて。かなり内省的なアーティストのイメージをうまく引き出しているなと思いました。

CHANGMO:通常インスタとか表に出る写真っていうのは、かっこよく見せたいって思っている人が多いと思いますし、僕もそのうちの1人でした。ですが今回のARISAKさんとの作品に関しては、ダニエルさんの言う通りありのままの自分を表現できた気がしていたと思います。今回は、いつもと違う自分を表現できたような気がしています。

look

ARISAK:すごくうれしい話。サングラスかけてる感じもかっこいいけど、CHANGMOくんの「個性的な美しさ」って絶対あると思っていて。アジアンモデル的な、高身長で、そのままでも画になる。

ただ、ナチュラルな制限の中での「ちょっとした変化球」みたいな感じで見せたいなとも思って、今回はとにかく「削ぎ落とす美学」を意識しました。私の世界観の中でも、必要なものだけ残す、っていうのをすごく大事にしました。

LOOK

ダニエル:ARISAKさんに撮影のお話を伺いたいんですが、撮影場所は渋谷スカイなどのロケーションも含めて、どういうふうに選んだかとか、どういう部分を引き出したかったかっていうお話を聞かせてください。コンセプトとか衣装のポイント、難しかったことや注目してほしいところなどあれば。

ARISAK:今回のタイトルはCHANGMOくんの曲の「If I Had Time」っていう曲名にちなんでいて、「もし時間があったら」というニュアンスです。時間の制約のない不思議な世界に来たCHANGMOくん——それがイコール「日本」なんですけど——その不思議な世界を旅している、というイメージです。

その世界が実は夢の中なのか、そうじゃないのか、どっちなんだろう?という見せ方にしたくて、「これは夢なの? 現実なの?」と思わせるような世界観を目指しました。なので、時間の制約のない不思議な世界を表現できそうなロケーションを選んでいて、それが渋谷スカイの屋上だったり、イマーシブシアター Anemoia Tokyoという劇場セットだったり、本物の裏千家茶道教室のSHUHALLYだったり。主にその3ロケーションを回りました。

映画のインスピレーションになったのは「マトリックス(The Matrix)」とか「インセプション(Inception)」、「インターステラー(Interstellar)」などクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)系の作品。毎回そういた映画にインスピレーションを受けることが多いんですが、「ここはインセプションらしい」「ここはマトリックスらしい」という思想を感じるロケーションを厳選しました。ロケーションのアポイントメントの確認に時間がかかって大変だったんですけが、編集担当の方とも手分けしてロケハンに何度も行って、「ここだ!」って場所を詰めていきました。

CHANGMOくん本人のビジュアルイメージとしては、「マトリックス」の主人公・ネオみたいな感じがいいなと思っていて。ネオみたいな強さもありつつ、内面のセンシティブさも両方引き出したかったんです。映画の主人公って、実は作り込みすぎていないというか、「削ぎ落とされたナチュラルさ」があると思うんです。だから今回も、自分の世界観なりのストーリーで必要な部分以外はとにかく削ぎ落とす。詰め込みすぎない。「派手さ全開」なものももちろん好きだけど、今は情報量の多いビジュアルがあふれすぎて、見る側も疲弊している気がしていて。自分自身も変わらなきゃいけないなと思っていたタイミングだったので、今回の企画はすごくいいきっかけでした。本当に、かなり気合いを入れてやりました。

ダニエル:そのあたりについて、CHANGMOさんの印象も聞いてみたいです。撮影全体を振り返ってみての感想とか、ロケーションで印象に残っている場所、気に入っているルック、韓国での撮影との違いなど、クリエイティブの捉え方の違いなども含めて教えてもらえますか?

LOOK

CHANGMO:20代の頃にライブで東京に来たことはありましたが、「ライブだけしてすぐ帰る」みたいな感じで、自分で東京を選んで「ちゃんと満喫する」というのは、30代になってからが初めてでした。
僕にとっての東京はずっとファンタジーというか、神秘的な都市というイメージがあったんですけど、今回の撮影で訪れた場所は、まさにそのイメージを視覚化したような場所でした。たとえば横浜でピアノのカットを撮影したSHUHALLY、渋谷スカイでのカットもそうですけれども、自分が抱いていたファンタジーがそのまま形になっていて、とても印象的でした。

ルックに関しては、「ユリウス(JULIUS)」というブランドが本当に好きで。ずっとインスタグラムをフォローしていたんですけど、自分の背が高いので「これを着こなせるのかな」と躊躇していたブランドでもありました。でもARISAKさんの撮影を通して実際に着ることができて、とてもうれしかったです。

何よりも今回の撮影で感じたことは、言葉が通じなかったとしても、本当にいいアーティスト同士ならフィーリングで目指すゴールが一致するんだな、ということ。今回の撮影を通してそれを体感できました。ARISAKさんには本当に拍手を送りたいです。

ARISAK:彼にとって、今回のようなファッションシュート、そして日本での撮影が初めてだったので、日本の現場の感じも全然分からない中、不安もすごくあったと思うんですけど…でもCHANGMOくんって、すごく素敵なものをたくさん持ってる。「ユリウス」も本人が「好き」って言ってたので、スタイリストの淳さんにダイレクトに「『ユリウス』借りてきてほしい」とお願いして、今シーズン全部借りてきたんじゃないかってくらいたくさんお借りできて、本当に助かりました。現場でも「これ全部CHANGMOくんに合うじゃん!」って盛り上がって。だからこそ、いいものをいっぱい持っているCHANGMOくんが不安もたくさん抱えてるのが意外でした。

CHANGMO:「意外に不安だったんですね」と言われて、自分でも改めて考えてみたんですけど、実は韓国でもこういったファッション系や作品撮り、いわゆる「作撮り」をあまりやってこなかったーーというよりは、避けてきたところがありました。

過去にやったことはあるけれど、満足できる結果を得られなかったので「それならやらない」という選択をしてきたんです。でもARISAKさんに関しては、不思議と最初から「この人は信じられる」という感覚があって、誘われた時点で信頼できた。だから今回の撮影は不安もあったけど、「ARISAKさんと一緒にやれて本当によかった」と心から思っています。

ARISAK:こちらこそです。しかもこの連載のためだけに来日してくれて。今回のためにわざわざ来てくれたので、「絶対いいものを撮ってやる!」みたいな気持ちで、相性が良さそうな日本のクリエイターたちを集めました。

ヘアスタイリストの芝田さんはなかなかスケジュールが取れないとても人気の方で、「ジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)」の広告のヘアーも担当されていて。「メンズはヘアーが命」だと思うのでどうしてもこだわりたくて、芝田さんにお願いしました。せっかく韓国から来てくれるんだったら、「心臓削って一旗あげてやる!」くらいの勢いで悔いが残らないようにやり切りました。

CHANGMO:国ごとのスタイルの違いというよりは、結局は「人」だと思っています。国籍とか、その国のしきたりとかではなく、担当している人がどういうスタイルを持っているのかが大事。

今回のARISAKさんの撮影に関しては、僕が普段音楽を作る時、「無駄な音を入れず、大事なものだけを作る」ことを意識しているんですが、それがARISAKさんにも共通していると感じました。たとえばシャッターを切る瞬間も、本当に「ここだ」という時だけ撮っていて、それがとても印象的でした。

ARISAK:そうかもしれない。他のフォトグラファーよりも、シャッターを切る回数は少ない方だと思います。必要のないカットはあまり撮らないタイプです。

ダニエル:ありがとうございます。今回の撮影を終えてどんなインスピレーションを受けたか、そして次にARISAKさんと撮影するとしたらどんな撮影がしたいか、教えてくれますか?

CHANGMO:今回2日間撮影させていただいた中で、ずっとARISAKさんには「今回すごくインスピレーションを得た。ありがとう」と伝えていました。自分1人だったら絶対に企画しなかったであろう内容やルック、新しい自分と出会えたことに強いインスピレーションを受けました。

音楽においても、これを機に今までやってこなかったタイプの音楽を新しく作ってみてもいいのかもしれないーーそれが新たな自分につながるかもしれない、という勇気を与えてくれた撮影でした。

ARISAK:めっちゃうれしい。撮影中、本当にずっと楽しそうだったよね。フェイクな笑顔じゃないというか、「素で楽しんでる」のが分かる感じで、それがこちらのエネルギーにもなってました。

ダニエル:今回の撮影で日本に来てくれたのもそうだし、ARISAKさんからは「日本での活動を広げたい」という話も聞いたんですけど、日本の人からするとヒップホップも含めて音楽業界全体が「韓国の方が盛り上がっている」ように見えるし、韓国に行きたい人がすごく多いと思います。そんな中で「日本でも活動したい」と思う気持ちとか、日本の音楽シーンのどういうところが面白いと思っているのかを聞きたいです。

CHANGMO:音楽を「伝えたい」みたいな、大げさなことをしたい、というよりは、隣の国である日本で、自分CHANGMOとしての音楽活動をナチュラルにやれたらいいなと思っています。

アンダーグラウンドのシーンで活動していると、似たようなジャンルのミュージシャン同士で自然と仲良くなったりするじゃないですか。韓国・ソウルの音楽シーンで自分がそうやって音楽の輪を広げてきたように、日本でも同じような考えの人やそうじゃない人、いろんな人と交流して、彼らと音楽的な話をするためにも、また日本に来たいです。

ダニエル:CHANGMOさんのディスコグラフィーを見ると、本当に「韓国ヒップホップの中心にいる人」という印象で、あらゆる人とコラボしてるし、あらゆる曲にフィーチャーされているし、すごく中心的な存在だと思います。

CHANGMO:自分は韓国ヒップホップシーンの「中心」にいるとは思っていません。どちらかというと、これから中心になりうる若手アーティストをサポートする先輩の立場になってきたように感じています。

自分は韓国で十分たくさん活動してきたので、これから出てくるエナジーあふれる若手をサポートしたい気持ちが大きいし、韓国全体を揺るがすようなすごい曲がこれから出てくることを願っています。そのために、自分はサポートしていきたいです。

ダニエル:すごい…責任感が素晴らしいですね。

ARISAK:本当にそう思います。

look

ダニエル:CHANGMOさんは過去にオーケストラでピアノを弾いていて、クラシックのバックグラウンドがあるんですよね。最新のシングル「Op.2」の中で、ロッテコンサートホールでの音源が収録されていますが、クラシックとヒップホップってイメージが全然違うから、すごく面白いなと思って。そのクラシックのバックグラウンドは、今の音楽活動にどういう影響を与えていますか?

CHANGMO:もともと幼い頃からずっとピアノが好きで、ピアノをずっとやっていたので、自分がラッパーになるとは思っていませんでした。大学もアメリカやヨーロッパの音大に進んで、その道に行くつもりでした。
でも、音大ってとてもお金がかかるので、せっかく受験に受かっても行くことが難しく、夢を諦めざるを得なかった。それくらい家庭の事情が厳しくて、いわゆる「ヒップホップ的な家庭」だったので、「お金がないから何もできない」という現実に対する怒りをその時覚えました。その怒りをぶつける場所が他になかったからこそ、ヒップホップにはまるようになりました。

当時は「ラッパーになりたい」と思って歌詞を書いたというよりは、不安や怒りをライムにして歌詞にしていったのが、今の活動につながっています。ロッテコンサートホールでのオーケストラのライブ映像を使うのも、本当はずっと昔からやりたかったことですが、なかなか実現が難しく時間がかかっていました。今回、ロッテ側が手を挙げてくれたことで、ようやくこういったコラボが実現したんです。

ARISAK:すごい話…。

ダニエル:そこまでは全然知らなかったので、教えてもらえてうれしいです。「Op(オーパス).2」の最新曲、「If I Had Time」もすごく大人な雰囲気で、内面にフォーカスした曲だと感じました。この曲の制作背景や、今後どういう曲を出していきたいかを教えてほしいです。

CHANGMO:韓国で、タイトルを「オーパス(Opus)」と読んでくれる人がなかなかいないので、ダニエルさんがちゃんと読んでくれてすごくうれしいです。クラシックの曲って「〇番・〇番」と数字が増えていくじゃないですか。なので、この「オーパス」シリーズも1、2で終わらせず、できれば100まで続けたいと思っています。クラシックの音楽家たちは作品に番号をつけますよね。商業音楽のアルバムとは違って、「曲集」みたいな概念になっていく。このOPUSシリーズにこれから入っていく曲たちは、「If I Had Time」も含めて、もっと正直に、詩的に、自分が言いたいことを素直に言える作品にしていきたいと思っています。

ダニエル:「100までやりたい」というのは、ファンが聞いたらすごくうれしい話だと思います。先程「次世代のラッパーやヒップホップアーティストを支える存在になりたい」とも言っていましたが、どんどん韓国の音楽が世界的に盛り上がっている中で、CHANGMOさん的に、韓国ヒップホップシーン、さらには韓国の音楽シーン全体は今後どんなふうに進化していくと思いますか? 予測でもいいし、「こうなったらいいな」という未来像でも大丈夫です。

CHANGMO:韓国音楽シーンの今後を正確に予測するには自分の人生経験がまだ足りないと思っているので、「こうなる」と断言はできないけれど、「こうなってほしい」という未来はあります。

日本や韓国、中国、台湾など、近隣アジア諸国の音楽的な交流がどんどん増えてきています。それはiPhoneなどのテクノロジーや、さまざまな媒体を通した交流も相まって、文化を楽しみやすい時代になったと感じています。たとえば、自分がマイク1本持って違う国に行ってライブをしても、「808(ヒップホップのベースの音)」をみんな理解して、一緒に楽しんでくれる。

交流しやすい時代になったからこそ、これからの10年は、いろんな国の人たち——若手もそうですし、自分も含めて——がより交流して、一緒に音楽を作って楽しめる空間をつくっていけたらいいなと思っています。自分も日本のアーティストとこれからコラボしていきたいし、日本のアーティストの皆さんも、僕のことを見つけてくれたらうれしいです。実は最近、プライベートでも静かに日本に来ていて、普通の観光客みたいに原宿をうろうろしていることもあります(笑)。

ダニエル:じゃあ、日本での活動を広げるにあたって「挑戦してみたいこと」、例えばコラボしたい人や、ライブをやってみたい場所とか、何かあれば教えてください。ARISAKさんとの次の企画でもいいです。

CHANGMO:今回の撮影が終わったあと、ARISAKさんとは「今度はARISAKさんを韓国に招いて、韓国のロケーションで撮影してみたい」という話をしました。というのも、自分が見るソウルは「つまらない」と感じてしまうこともあるけど、ARISAKさんの審美眼なら「ここ、面白いじゃん」という新たな発見をしてくれるんじゃないかと期待しているからです。日本のアーティストで誰が好きか、誰とコラボしたいかという話では、本当は坂本龍一さんをものすごくリスペクトしていて、コラボしたかったけれど、亡くなられてしまったのがとても残念だと感じています。

ダニエル:ARISAKさんはどうですか?

ARISAK:早くまたコラボしたいです(笑)。来週、韓国でCHANGMOくんのライブを見に行こうとしているところで。日本にも来てくれたし、それはそれとしても、彼のフルセットのライブをちゃんと見てみたい。前に日本で見たときはショートセットだったので、「これはガッツリ見たい!」と思ってたタイミングで、ちょうどライブ告知を見て、「今逃したらもうない気がする」と思って行くと決めました。今回いろんなルックで撮影したんですけど、「一番お気に入りのルックは何か」を聞いてみたいです。

CHANGMO:全部好きなんですけど、どうしても選ばなきゃいけないとしたら…3つくらいにまでならなんとか絞れるかもしれない、でも本当は選びたくない、っていうくらい全部好きでした。それから、いくら成功したラッパーとはいえ、100万円を超えるような服を着るのは本当に勇気のいることなんですけど、ARISAKさんを通してそういう服を着ることができて、とても感謝しています。

ARISAK:トータルいくらなんだろうね(笑)。「これCHANGMOくんらしくない?」みたいな淳さんからのスタイリング提案もありつつ、コンセプトとしては「ドメスティック、日本のブランドで全部統一してほしい」とお願いしていました。

私が一番「CHANGMOくんのニューチャプターだな」と思ったのは、羽を持っているカット。白い服を着ていて、背景に自然がある写真。あのカットが一番「新しい」というか、自分の作風的にも新しい感覚があって。削ぎ落とされてるけど内省的で、でも目はちょっと強くて、赤いカラコンも入っていて…その絶妙なバランスがすごく良かったです。
赤いカラコンはメイクのユカさんからの提案。その提案をもらったときは痺れました。彼女のメイクの世界観が本当に大好きです。

other

CHANGMO:あのルックは、自分だったら絶対に選ばなかったものなんですけど、写真で見たら意外と似合っていて新しい発見につながりました。本当に感謝しています。

ARISAK:あのカットは、スタイリストの淳さんのプランがすごかったなと思う。削ぎ落とした美学を熟知している。私はCHANGMOくんのことをよく知っているけど、当日までスタッフの皆さんは彼のことを知らない状態で、どういう雰囲気の人かもわからない中、ものすごく汲み取ってくれて。

私は油断するとどんどん詰め込みたくなるタイプなので、ロケーションもスタイリングも派手にしがちなんですけど、その「ストッパー」になってくれたとおもいます。羽の提案もその方で、「翼を片方君にあげる」みたいな歌詞が「If I Had Time」や「Fade Out」に出てくるんですけど、それともリンクしていて、ピースが全部ハマったかんじでした。

CHANGMO:スタイリストの淳さんとは、これから友達としても仲良くしたいなと思っています。感覚がすごく合うと感じました。

ARISAK:私は0から作品をつくるタイプなので、どの方とどの方をスタッフとしてチーム編成するかというところから、作品のストーリー構成やビジュアルディレクション、撮影イメージなど全て1人で構成します。スタッフの皆さん各々の世界観や思想がありつつも、私の世界観に皆さんがチューニングしてくれて、全体のバランスがすごく良くなった気がしますね。 とてもいいチームで空気感も最高だったし、あの2日間が思い出深いです。

ダニエル:私が個人的に気になっているのは、CHANGMOさんが「普段どういうところからインスピレーションを得ているのか」というところです。映画なのか、クラシックなのか、世界のアーティストなのか…出している作品の数も多いし、どういうものをインプットしているのかを聞きたいです。

CHANGMO:20代の頃の僕は、クラブに行ったり、お酒を飲んだり、いわゆる「外側の世界」にインスピレーションを受けて曲を書いていました。でも最近は、1人でいる時間がかなり増えたので、孤独や自分の内面と向き合いながら、言いたいことを内側から探す努力をしています。

ダニエル:今回のインタビューでちゃんとお話しするのは初めてだったので、ライブで見ていた時は「すごくかっこいい人」というイメージが先行していましたが、質問をすごく真剣に聞いてくれて、よく考えて、なおかつ謙虚に答えてくれて、私はさらにファンになりました。

CHANGMO:本当にありがとうございます。僕も、改めて「WWDJAPAN」とARISAKさんの企画に参加できたことを光栄に思っています。

ARISAK:さっき「孤独」や「自分の内面にインスピレーションを得ている」と話してくれたけど、私もファンタジーな作品が多いとはいえ、根っこにはやっぱりそういう内省的な部分があって。CHANGMOくんの最近の内面の部分や、孤独からくるインスピレーションにすごく引かれていたんだなって、今日話を聞いてあらためて感じました。

オフショットIMG_2260-2


CREDIT
STARRING:CHANGMO
DIRECTION & PHOTOS:ARISAK
HAIR:TAKAYUKI SHIBATA (SIGNO)
MAKE UP:YUKA HIRAC
STYLING:JUN ISHIKAWA
INTERVIEW TEXT:DANIEL TAKEDA
TRANSLATION: SUNGJOON CHOI, YONYON
LOCATION:ANEMOIA TOKYO, SHUHALLY, SHIBUYA SKY
LOGODESIGN:HIROKI HISAJIMA
SPECIAL THANKS:DAZZLE TATSUYA HASEGAWA

※特別な許可を得て撮影しています

The post 【ARISAK Labo vol.10】ラッパー・CHANGMOとARISAK 2人に通ずる“削ぎ落とす美学” appeared first on WWDJAPAN.

デザインと美食で心も満足な博多旅を 進化したホテル イル・パラッツォ【トラベルライター間庭がハコ推し!】

旅の質が重視される今、コンセプチュアルなホテルが求められている。日本初のデザインホテルとして1989年に開業した「ホテル イル・パラッツォ(HOTEL IL PALAZZO)」が2023年10月にリニューアル。今年9月にオープンした敷地内のレストラン「リュニック・ラボ(L’Unique labo)」の博多フレンチも秀逸で、食の宝庫・博多の最新美食スポットに。さぁ、博多で食い倒れよう!

伝統と革新が同居し進化した
博多が誇るデザインホテル

20世紀を代表する世界的な建築家イタリア人のアルド・ロッシ(Aldo Rossi)と、日本を代表するインテリアデザイナー内田繁がタッグを組み、日本初のデザインホテルとして1989年に開業したのが「ホテル イル・パラッツォ」。内田繁のほかにもエットーレ・ソットサス(Ettore Sottsass)、ガエターノ・ペッシェ(Gaetano Pesce)らイタリアの巨匠、倉俣史朗、三橋いく代、田中一光といった世界的なクリエイターが参画したことも話題となった。

創業当時の理念を継承しつつ、「Re-Design」された新たなデザイン空間が2023年にリニューアル。日本が元気だった時代、昭和後期の空気を感じる、どこかレトロなでデザインホテルとなった。客室は27m²のスペーリアクイーンと35m²のデラックスキング、それぞれのバルコニー付きの4タイプで、いずれも白を基調にした洗練されたインテリア。プライベートバルコニーにはアウトドアファニチャーが備えられ、風を感じて外でも過ごせるのは贅沢だ。ワークデスクもあり、滞在中は、仕事がずいぶんはかどった。

ゲストは自由にアクセス可能な
ラウンジ「エル・ドラド」を満喫

ファッションシューティングのロケ地となるほどフォトジェニックな「ホテル イル・パラッツォ」。けれど特筆すべきはデザイン性だけではない。それは美食体験。 

まずラウンジ「エル・ドラド」がすごい。映画やテレビのセットのような、カラフルで華やかな空間。う~~ん、トレンディ! 11時15分から21時まで、アミューズのプレゼンテーションを提供している。前菜やデザートが並ぶブッフェテーブルがあり、ゲストは自由にアクセス可能。好きなタイミングで、好きな料理を、好きなだけ味わえるという。しかもすべての宿泊プランに朝食ブッフェとラウンジアクセスが含まれるのだ。カウンターにはピザやパスタ、チリコンカンやタコスなどもあり、軽食の域を軽々と超えている。しかも立ち寄るたびに異なる出来立てメニューが並ぶから、目が離せない。困った…!(笑)

130席の地下ラウンジにはソファのブース席、大きなテーブル、PCや資料広げての作業もできそうなデスク席など、さまざまな居場所があり、気分に合わせて過ごせる。楽しそうに語らうファミリーも、本を読んで過ごすソロ旅らしい人も、この距離感ならばそれぞれのペースでくつろげそうだ。

ラウンジの中央にそびえ立つ黄金のファサードは、アルド・ロッシがデザインした同名のバー「エル・ドラド」から内装の一部を移築。その手前のインスタレーション作品は内田繁が晩年に手掛けた「ダンシングウォーター(Dancing Water)」だ。時を経て、伝説のふたりが再び共演、という仕掛けもなかなか憎い。もう1つのリビングルームとして機能し、部屋にいてもラウンジにいても快適で、外出するタイミングがない。(せっかくの博多なのに!まぁ、それもよし)

けれどもこの空間でまったりと過ごし、ちょこちょこと好きなものをつまむのも贅沢。せっかくなので夜は外食せずに、ここで過ごすことにした。スイーツとパスタ、タコスの甘辛無限ループで、黄金郷「エル・ドラド」から抜け出せなかった!これもまた至福。このラウンジは朝食会場ともなり、7時から11時までとオープン時間が長いのも、旅のスタイルに合わせられ、なかなかいい。

チャペル跡地に開業し、早くも話題の
博多フレンチ「リュニック・ラボ」

そしてなんといっても今回の博多グルメ旅のお目当ては、今年9月にオープンしたばかりの博多フレンチ「リュニック・ラボ」だ。今回はチェックイン前に到着し、ランチのコースをいただいた。

ホテルの敷地内、もともとチャペルがあったという場所の扉を開くと真っ白な空間が。チャペルの跡地だけに6mの天井高。高窓から光が差し込み心地よい。席数はわずか8席。オープンキッチンの前にUの字型の大きなカウンターテーブルがあり、既視感が・・・。そうだ!老舗のコの字型の居酒屋だ。

もちろん、ミシュランにも認められたグランメゾンと、庶民的な激シブ酒場では空気がまるで違う。けれども、ゲストとしっかり向き合ってもてなし、ときにはゲスト同士の交流も生まれ、その場にいたからこその物語が始まるという共通点が。そんな予感にときめいていると、「まずはこちらで」と案内されたのはU字カウンターのすぐ前にあるウェイティングサロン。まずはそこで乾杯、というのが習わしらしい。

このウェイティングサロンにはワインセラーを中心に、フレンチに関する書籍やガラスの器がディスプレーされた、こじんまりとした空間だ。これらの器もあとで種明かしがあるわけだが、シャンパンとともに宝石を差し出すようにサーブされたのは胡椒風味のアーモンド。オープンキッチンを眺めながらの1杯には劇場の幕が上がる前のように高揚した。

端正に仕上げた一皿一皿が
五感を刺激するアート作品

その後も端正で、かつドラマチックなデモンストレーションが続く。五感で味わうとはまさにこのこと。アミューズはスイーツに見えて実は・・・という楽しいサプライズもあり、毎回、玉手箱をあけてみるようなワクワクが演出される。ウェイティングサロンにディスプレーされたりんごあめのようなガラスの器はスモークを閉じ込めるためのもの。ブーケのように美しいキャビアを味わう一皿は、黒オリーブを練りこみ、その場で燻製したワッフルをとともに、など情報量も多く、舌も、頭も、心も大忙し。調理する様子を目の前で眺められ、シェフがカウンターで料理を仕上げ、解説してくれるので、一皿一皿が、一幕一幕の舞台であるような臨場感があるのだ。

全てが繊細で、素材や季節を感じる料理だが、そこには爽やかな香りや甘味、酸味を感じる。それはレモン、パイナップル、無花果、カボスなど、それぞれの料理に果実を隠し味としているから。料理とワインをつなぐブリッジとして、九州の果実をマリアージュしたのは、濵野雅文シェフの料理の特徴の1つだ。

味覚と視覚、そして空間で感動を
空間デザインもまた「ご馳走」に

「リュニック・ラボ(L’Unique labo)」は、“唯一無二=L’Unique”と“実験室=labo”を意味し、ほかではできない美食体験をクリエイトするのがコンセプト。福岡県糸島市出身の濵野シェフはフランス・ブルゴーニュで独立後、ミシュランガイドで6年連続2つ星を獲得したスターシェフ。2023年の帰国から約2年をかけて構想された本プロジェクトは、日本での新たな挑戦となる。

伝統的なフレンチの技法を生かしながら、旬の食材と九州のフルーツで、今までの枠にとらわれない一皿を「実験」する場。U字型カウンターを囲むことで、参加者となり、証人となる。メニューは2カ月ごとにアップデートされるという。ラボのメンバーになった気分で、季節ごとに博多に通うのもいいかも、なんて思い始めている。
ランチとディナーの内容が同じなのも私にはうれしい。到着後、「リュニック・ラボ」でフレンチとワインのペアリングを楽しみ、チェックイン後は部屋で過ごす。ランチでフルコースを堪能したので、夜は軽めにラウンジ「エル・ドラド」で軽食をつまむ。小腹がすいたら〆のラーメンやうどんを求めて夜の街へ繰り出す。そんな全力でグルメを楽しむ博多旅が「ホテル イル・パラッツォ」なら可能となる。あらためて「博多は食の宝庫だ!」と心が震えた。博多から世界へ発信する日本が誇るフレンチは、さまざまなエンターテイメントを融合したような美食体験。まずは現場=ラボに足を運ぶべし、なのだ。さぁ、いざ福岡へ!

The post デザインと美食で心も満足な博多旅を 進化したホテル イル・パラッツォ【トラベルライター間庭がハコ推し!】 appeared first on WWDJAPAN.

イタリア館で日本人デザイナーの活躍に刺激を受ける【ライター橋長の万博回顧(3)】

184日の会期中に2900万人以上が訪れ、終盤は熱狂の渦に包まれた大阪・関西万博の閉幕から1カ月半。なぜ、多くの人が万博に魅力に惹かれたのか。異国の文化と最新の産業技術に触れられ、非日常を体験できる醍醐味だけでなく、会場内での出会いや感動、サプライズが多くの来場者の心をとりこにしたのだと思う。万博ボランティアとしても参加し、会場には取材とプライベートも含めて計29回足を運んだ関西在住ライターの筆者の印象に残った万博ならではの取り組みを紹介していきたい。

220人以上の日本人がサローネサテリテに参加

イタリアウィークがスタートした9月7日~20日に行われたのが、ミラノサローネ国際家具見本市の若手デザイナー部門「サローネサテリテ」をテーマにしたイベントだ。パビリオン内には「サローネサテリテ・パーマネントコレクション1998-2025」と題した特別展示コーナーが登場。サローネサテリテで発表され、企業との協働によって製品化された47点が日本初公開された。

サローネサテリテは国際的な若手デザイナーの登竜門とうたわれ、nendoの佐藤オオキ氏をはじめ、田村奈穂氏、佐野隆英氏、川本真人氏、氷室友里氏など多くの日本人デザイナーを輩出してきたことで知られている。万博会場には、nendoがミラノの家具ブランド「デパドヴァ」のためにデザインしたコーヒーテーブルや、川本真人氏が「アリアンテディツィオーニ」のためにデザインしたフルーツスタンド、佐野隆英氏がガラス職人「マッシモ・ルナルド」のためにデザインした吹きガラスのティーポットなども展示。彼らの名を一躍有名にした代表作を見学できる貴重な機会となった。

別会場で行われたトークイベントには、サローネサテリテの創設者で、パーマネントコレクションのキュレーターでもあるマルヴァ・グリフィン・ウィルシャー氏が登壇した。サローネサテリテが創設された経緯や産業デザインにおける意義と成果などが紹介された。

サローネサテリテは、マルヴァ氏が提案したアイデアによって1998年に誕生したプロジェクトだ。「ジャーナリストとして若いデザイナーたちの作品を目にしていたが、彼らはミラノサローネに出展しているメーカーとつながる機会を求めていた。サローネサテリテは、若い才能を見つけ出し、彼らの夢を世界とつなぐために生まれた」と、マルヴァ氏は振り返る。

サテリテは、26年間で世界50カ国以上から1万5000人超が参加するプラットフォームに成長し、中でも日本からはこれまで220人以上が出展したという。2010年に創設されたサローネサテリテ賞は9人の日本人が受賞した。特別賞受賞者も含めると受賞者は42人にのぼる。「参加した多くの若者は著名な国際企業と協力したり、自身のスタジオを立ち上げたりしている。サテリテで得た経験を活かし、成功したキャリアを築いていることを誇りに思う」とマルヴァ氏は笑顔を見せた。

サテリテでの受賞を機に飛躍した日本人デザイナーたち

トークイベント後半では、サローネサテリテに出品し、受賞を果たした日本人デザイナーたちも参加した。イタリアでの挑戦を振り返りながら、若手支援の仕組みがいかにして彼らのキャリアを後押しし、日伊の文化的な架け橋として機能してきたのかが語られた。

口火を切ったのは2005年に最優秀賞を受賞したトネリコ代表の米谷ひろし氏。「日本人にとってサローネで発表することはサッカー選手がセリエAでプレーするようなもの。最初の2年はまったく手応えがなかったが、マルヴァさんの励ましもあり、3度目の挑戦で評価され、人生が大きく変った」と語り、あきらめず続けることの大切さを強調した。

プロダクトデザイナー、喜多俊之氏の長女でデザイナーの喜多華子氏は、姉妹3人で子ども向けの家具を出品。「マルヴァさんはイタリアの家具デザイン業界をインターナショナルにした伝説的な存在だと父からよく聞いていた。彼女が手がけるプロジェクトだから間違いないと出展を勧められ、いい思い出になった」と振り返った。

25年に最優秀賞を受賞したスーパーラットの長澤一樹氏は「学生時代にサローネを訪れたとき、若いデザイナーの勢いに感銘を受けてサテリテへの出展を決心。8年目に夢が叶い、世界中のデザイナーとも交流できてとてつもなく貴重な時間を経験した。無名のデザイナーにチャンスを与える見本市はほかにないので、ぜひ挑戦してほしい」と話した。

畳を素材にした3Dプリント家具で23年に最優秀賞を受賞したホノカの鈴木僚氏は、受賞後、世界中の展示会に招かれてメーカーと協業するプロジェクトを経験した。「受賞を機に大きく一歩を踏み出せた。マルヴァさんには大変感謝している。素材の魅力を可視化する活動を通じて、日本の大切なものを次世代につないでいきたい」と語り、サテリテの影響力の大きさを示した。

パーマネントコレクションは、サローネサテリテの参加デザイナーから寄贈された作品のコレクションで、現在400を超える作品が収蔵されているという。イタリア・ブリアンツァ地方にある家具のプロを養成する学校「アートウッドアカデミー」に常設展示されており、マルヴァ氏は「ミラノに行く機会があれば、ぜひ訪れてみてほしい」と話し、イベントを締め括った。

筆者はこれまでミラノサローネの情報を雑誌などで目にしてきたが、実際に見学した経験がなく、遠い存在に感じていた。しかし、サローネの功労者であるマルヴァ氏の講演や日本人デザイナーたちの体験談を通して、イタリアのデザイン産業と日本人デザイナーとの密接な関係を知ることができた。

日本国内の芸術系大学16校には、卒業生が無料でサテリテに出展できる制度もあるという。若いデザイナーたちにはそうした機会を生かしてぜひ世界にチャレンジし、成功へのキャリアを築いてほしいと思う。

The post イタリア館で日本人デザイナーの活躍に刺激を受ける【ライター橋長の万博回顧(3)】 appeared first on WWDJAPAN.

フィンランドの森から生まれたサステナブル素材を北欧館で学ぶ【ライター橋長の万博回顧(2)】

184日の会期中に2900万人以上が訪れ、終盤は熱狂の渦に包まれた大阪・関西万博の閉幕から1カ月半。なぜ、多くの人が万博に魅力に惹かれたのか。異国の文化と最新の産業技術に触れられ、非日常を体験できる醍醐味だけでなく、会場内での出会いや感動、サプライズが多くの来場者の心をとりこにしたのだと思う。万博ボランティアとしても参加し、会場には取材とプライベートも含めて計29回足を運んだ関西在住ライターの筆者の印象に残った万博ならではの取り組みを紹介していきたい。

フィンランドの大手と伊藤忠が共同開発

大阪・関西万博は、持続可能な未来社会の実現に向けた国内外の取り組みが結集した一大イベントだった。近未来型の太陽電池や建築のリユースや会場内を走るEVバスなど運営面でもサステナブルな取り組みがさまざまな場面で見られた。

サステナブル先進国といえば、思い浮かぶのが北欧諸国だ。SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2025によると、SDGs指数ランキングでは1位フィンランド、2位スウェーデン、3位デンマークと続く。ちなみに日本は19位。北欧諸国では再生可能エネルギーの利用や省エネ技術の導入が進んでおり、森林保護や国民の環境意識の高さでも世界をリードする。

その北欧諸国5カ国が共同で出展したパビリオンが「北欧館」だ。建物は日本でもおなじみのムーミンの世界を思わせる温かみのある高さ17mの木造建築。館内では北欧諸国のつながりをイメージしたサークルの展示空間が広がり、食用に使えない米でつくられた紙のスクリーンには、北欧の暮らしや風景が映像で流された。

SDGs指数ランキング1位のフィンランドは、国土の約75%が森林地帯で、森林資源を活かした持続可能な林業や再生可能エネルギーへの投資に積極的だ。そのフィンランドを拠点とする世界最大級のパルプメーカー「メッツァグループ」(Metsä Group)が9月、北欧館でビジネスイベントを開催した。メーンテーマに掲げられたのが、革新的な特徴を持つパルプ由来の新素材「クウラ(Kuura)」。メッツァグループと伊藤忠商事・繊維カンパニーが共同開発してきた繊維で、パネルディスカッションではそのポテンシャルやはは今後の展開について議論された。

登壇者はメッツァ スプリング ビジネス開発ディレクターのアンナ・カイサ・フトゥネン氏、伊藤忠のファッションアパレル第一部長の山下眞護氏、ファッションブランド「ザ・リラクス」デザイナーの倉橋直実氏、伊藤忠ファッションシステムifs未来研究所所長代行の山下徹也氏、メディアジーンの遠藤祐子氏だった。

クウラについて、アンナ氏は「単なる新素材ではない。綿花や石油由来素材に依存してきた繊維産業の構造を根本から変える可能性がある。環境負荷を下げながら同時に快適で美しい衣服を作れるのかという問いに応えるものとして開発してきた」と強調する。

クウラプロジェクトは、今から10年以上前にフィンランド国立研究所との研究プログラムとしてスタートした。2014年にはパルプ取引で長年つきあいのあった伊藤忠が開発パートナーに加わった。クウラの原料は北欧の森林の木材をベースにした紙パルプで、一貫生産体制の確立により、トレーサブルで安定的かつ低コストで生産できるのが特徴。工場における再生可能エネルギーの使用などにより、環境負荷の低減につながる革新的なサステナブル素材として世界から注目を集めている。地球温暖化への影響はセルロース系繊維ビスコースの3分の1以下、綿と比べると4分の1という。

約5年前に初めて、わた状態のクウラを見た倉橋氏は、その印象を「綿花のようだが綿と違って水分量が多く、シルクのような光沢があった」と振り返る。

一方、伊藤忠は開発パートナーに名乗りをあげた理由として、会社全体でESG戦略に力を入れていたこと、繊維部門で環境対応素材の充実を目指していたことをあげる。山下(眞)氏は「ESG戦略三銃士のひとつとしてクウラを位置付けている。クウラは天然由来であり、環境負荷の低いセルロース繊維。サステナブル繊維としてのポテンシャルに魅力を感じた」と話す。

課題解決を進め、26年から本格生産へ

ただ、新規素材を開発する際には、品質の確立と商業化という二つの課題に直面するのは避けられないという。18年にパイロットプラントを建設し、量産化に向けてデモ稼働を開始。コロナ禍の影響などで開発に時間を要したが、26年にフィンランド・アーネコスキに本生産工場を建設し、ようやく商業化に向けて動き出す。

日本におけるサステナブル繊維市場が抱える課題もある。「認知度は高いものの実際にアクションを起こしている人は他の先進国と比較して少ない。背景には、表示のわかりにくさや情報不足、国際認証制度の壁がある」と山下徹也氏は指摘する。解決策としてファッションブランドを通じてクウラの価値をストーリーで伝える重要性を説く。山下眞護氏も「原料であってもブランディングによってより大きな価値を生み出せる可能性がある。プロダクトそのものではなく、ストーリーでマーケットに伝えることが重要だとこのプロジェクトで学んだ」と話す。

最後にクウラに期待される将来展望についてもそれぞれの見解が語られた。アンナ氏は「クウラの製品はトレーサビリティが可能。環境規制が強化されているヨーロッパでの需要は拡大していくだろう。メッツァはグローバル市場に焦点を当てており、日本や欧米だけでなく、世界中のブランドと協力していきたい」といい、山下眞護氏は「フィンランドでは木の成長量が伐採量を上回っているといい、木材由来繊維におけるクウラの優位性はさらに高まるだろう。フィンランドと日本のように森林資源を背景に持つ国が連携して世界に伝えることが成功につながると思う」と話した。

また消費者に最も近い倉橋氏は「サステナブルだから買うのではなく、まずは商品に魅力を感じて手に取ってもらうことが大切。そこから繊維のストーリーを説明することで購買につながる。クウラのストーリーや透明性は私たちのブランドとも通じるので今後の安定供給に期待している」という。マーケットに詳しい山下(徹)氏は「木質繊維の成長率は、経済成長率やファッション市場の成長率を上回っている。なかでもクウラはさらに成長する可能性がある。倉橋さんのようなファッションブランドによって素敵なものに価値が転換されることが大切」と述べた。

森林資源豊かな国フィンランドで生まれた新繊維素材「クウラ」。筆者にとっては初めて知る素材だったが、万博会場で開発者や関係者の話を直接聞くうちに、単なるサステナブル繊維ではなく、森と人の未来をつなぐものとして心に残った。と同時にサステナブル先進国フィンランドの姿勢に、モノ作りの新たなヒントを感じることができた。

The post フィンランドの森から生まれたサステナブル素材を北欧館で学ぶ【ライター橋長の万博回顧(2)】 appeared first on WWDJAPAN.

フィンランドの森から生まれたサステナブル素材を北欧館で学ぶ【ライター橋長の万博回顧(2)】

184日の会期中に2900万人以上が訪れ、終盤は熱狂の渦に包まれた大阪・関西万博の閉幕から1カ月半。なぜ、多くの人が万博に魅力に惹かれたのか。異国の文化と最新の産業技術に触れられ、非日常を体験できる醍醐味だけでなく、会場内での出会いや感動、サプライズが多くの来場者の心をとりこにしたのだと思う。万博ボランティアとしても参加し、会場には取材とプライベートも含めて計29回足を運んだ関西在住ライターの筆者の印象に残った万博ならではの取り組みを紹介していきたい。

フィンランドの大手と伊藤忠が共同開発

大阪・関西万博は、持続可能な未来社会の実現に向けた国内外の取り組みが結集した一大イベントだった。近未来型の太陽電池や建築のリユースや会場内を走るEVバスなど運営面でもサステナブルな取り組みがさまざまな場面で見られた。

サステナブル先進国といえば、思い浮かぶのが北欧諸国だ。SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2025によると、SDGs指数ランキングでは1位フィンランド、2位スウェーデン、3位デンマークと続く。ちなみに日本は19位。北欧諸国では再生可能エネルギーの利用や省エネ技術の導入が進んでおり、森林保護や国民の環境意識の高さでも世界をリードする。

その北欧諸国5カ国が共同で出展したパビリオンが「北欧館」だ。建物は日本でもおなじみのムーミンの世界を思わせる温かみのある高さ17mの木造建築。館内では北欧諸国のつながりをイメージしたサークルの展示空間が広がり、食用に使えない米でつくられた紙のスクリーンには、北欧の暮らしや風景が映像で流された。

SDGs指数ランキング1位のフィンランドは、国土の約75%が森林地帯で、森林資源を活かした持続可能な林業や再生可能エネルギーへの投資に積極的だ。そのフィンランドを拠点とする世界最大級のパルプメーカー「メッツァグループ」(Metsä Group)が9月、北欧館でビジネスイベントを開催した。メーンテーマに掲げられたのが、革新的な特徴を持つパルプ由来の新素材「クウラ(Kuura)」。メッツァグループと伊藤忠商事・繊維カンパニーが共同開発してきた繊維で、パネルディスカッションではそのポテンシャルやはは今後の展開について議論された。

登壇者はメッツァ スプリング ビジネス開発ディレクターのアンナ・カイサ・フトゥネン氏、伊藤忠のファッションアパレル第一部長の山下眞護氏、ファッションブランド「ザ・リラクス」デザイナーの倉橋直実氏、伊藤忠ファッションシステムifs未来研究所所長代行の山下徹也氏、メディアジーンの遠藤祐子氏だった。

クウラについて、アンナ氏は「単なる新素材ではない。綿花や石油由来素材に依存してきた繊維産業の構造を根本から変える可能性がある。環境負荷を下げながら同時に快適で美しい衣服を作れるのかという問いに応えるものとして開発してきた」と強調する。

クウラプロジェクトは、今から10年以上前にフィンランド国立研究所との研究プログラムとしてスタートした。2014年にはパルプ取引で長年つきあいのあった伊藤忠が開発パートナーに加わった。クウラの原料は北欧の森林の木材をベースにした紙パルプで、一貫生産体制の確立により、トレーサブルで安定的かつ低コストで生産できるのが特徴。工場における再生可能エネルギーの使用などにより、環境負荷の低減につながる革新的なサステナブル素材として世界から注目を集めている。地球温暖化への影響はセルロース系繊維ビスコースの3分の1以下、綿と比べると4分の1という。

約5年前に初めて、わた状態のクウラを見た倉橋氏は、その印象を「綿花のようだが綿と違って水分量が多く、シルクのような光沢があった」と振り返る。

一方、伊藤忠は開発パートナーに名乗りをあげた理由として、会社全体でESG戦略に力を入れていたこと、繊維部門で環境対応素材の充実を目指していたことをあげる。山下(眞)氏は「ESG戦略三銃士のひとつとしてクウラを位置付けている。クウラは天然由来であり、環境負荷の低いセルロース繊維。サステナブル繊維としてのポテンシャルに魅力を感じた」と話す。

課題解決を進め、26年から本格生産へ

ただ、新規素材を開発する際には、品質の確立と商業化という二つの課題に直面するのは避けられないという。18年にパイロットプラントを建設し、量産化に向けてデモ稼働を開始。コロナ禍の影響などで開発に時間を要したが、26年にフィンランド・アーネコスキに本生産工場を建設し、ようやく商業化に向けて動き出す。

日本におけるサステナブル繊維市場が抱える課題もある。「認知度は高いものの実際にアクションを起こしている人は他の先進国と比較して少ない。背景には、表示のわかりにくさや情報不足、国際認証制度の壁がある」と山下徹也氏は指摘する。解決策としてファッションブランドを通じてクウラの価値をストーリーで伝える重要性を説く。山下眞護氏も「原料であってもブランディングによってより大きな価値を生み出せる可能性がある。プロダクトそのものではなく、ストーリーでマーケットに伝えることが重要だとこのプロジェクトで学んだ」と話す。

最後にクウラに期待される将来展望についてもそれぞれの見解が語られた。アンナ氏は「クウラの製品はトレーサビリティが可能。環境規制が強化されているヨーロッパでの需要は拡大していくだろう。メッツァはグローバル市場に焦点を当てており、日本や欧米だけでなく、世界中のブランドと協力していきたい」といい、山下眞護氏は「フィンランドでは木の成長量が伐採量を上回っているといい、木材由来繊維におけるクウラの優位性はさらに高まるだろう。フィンランドと日本のように森林資源を背景に持つ国が連携して世界に伝えることが成功につながると思う」と話した。

また消費者に最も近い倉橋氏は「サステナブルだから買うのではなく、まずは商品に魅力を感じて手に取ってもらうことが大切。そこから繊維のストーリーを説明することで購買につながる。クウラのストーリーや透明性は私たちのブランドとも通じるので今後の安定供給に期待している」という。マーケットに詳しい山下(徹)氏は「木質繊維の成長率は、経済成長率やファッション市場の成長率を上回っている。なかでもクウラはさらに成長する可能性がある。倉橋さんのようなファッションブランドによって素敵なものに価値が転換されることが大切」と述べた。

森林資源豊かな国フィンランドで生まれた新繊維素材「クウラ」。筆者にとっては初めて知る素材だったが、万博会場で開発者や関係者の話を直接聞くうちに、単なるサステナブル繊維ではなく、森と人の未来をつなぐものとして心に残った。と同時にサステナブル先進国フィンランドの姿勢に、モノ作りの新たなヒントを感じることができた。

The post フィンランドの森から生まれたサステナブル素材を北欧館で学ぶ【ライター橋長の万博回顧(2)】 appeared first on WWDJAPAN.