WWD:「ディーゼル」は製品製造以外でも、販売後の製品回収プログラムやリメイクプロジェクトなどさまざまな取り組みを通して循環型経済を推進しています。そうした「ディーゼル」のサステナビリティに対する包括的な考え方を知ることができるのが、動画シリーズ「Behind the Denim(デニムの裏側)」です。ここでリジェネラティブ・コットンを題材にした回をご覧ください。
PROFILE: 1983年ベルギー・ブルージュ生まれ。アントワープ王立芸術学院を首席で卒業後、「ジャンポール・ゴルティエ」でキャリアをスタート。2012年には自身の名を冠したウィメンズブランドをパリ・ファッション・ウイークで発表。13年には「Y/プロジェクト」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、11年間同職を務める。17年には「ANDAMファッション・アワード」のグランプリを受賞した。「ディーゼル」とは18年にカプセルコレクション「ディーゼルレッドタグ」プロジェクトで協業。その後20年10月から「ディーゼル」のクリエイティブ・ディレクターを務める。英「ビジネス・オブ・ファッション(以下、BoF)」が、世界を代表するファッション業界人に送る「BoF500」2017年版にも選出された PHOTO:Arnaud Lajeunie @ Mini Title
PROFILE: kemio/クリエイター、モデル
PROFILE: (けみお)1995年10月16日生まれ。YouTube、Instagram、X(旧Twitter)などを含め、フォロワーは約600万人を超える。高校時代に動画アプリ・Vineで発信した投稿で注目を集め、2016年末に生活拠点をアメリカへ。女子中高生はもちろん、近年では大人からの支持も厚く、クリエイターとして大人気に。卓越したワードセンスで繰り出す「あげみざわ」などの独特な言葉も「けみお語」として親しまれ、若い世代に浸透中。2019年4月に発売した「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」は、発売から3ヶ月で15万部を超えるベストセラー、「GQ MEN OF THE YEAR 2019」では、Youth Infulencer of the Yearを受賞。22年4月28日には、新作エッセイ「ウチらメンタル衛生きちんと守ってかないと普通に土還りそう」が刊行。流行を生み出し続ける世界規模のスターとして、クリエイター、モデル、歌手などとして多岐の分野で活躍している PHOTO:TAMEKI OSHIRO
フランスのエコール・ポリテクニーク卒業後、カリフォルニア・スタンフォード大学で、環境および土木工学の修士号を取得。建設およびコンセッション事業の世界的企業である VINCI グループで11年、世界的な主要インフラプロジェクトに携わり、その後VINCI SA と VINCI Concessionsで持続可能な開発と科学的パートナーシップのマネージャーを務める。2013 年にケリングに入社。グループ全体のサステナビリティ戦略とプログラムの実施をサポートする責務を担っている。国際的な専門家チームを監督し、持続可能な調達や生物多様性の保全、環境負荷の低い生産に関わる革新的なアプローチの創出と戦略的パートナーシップの構築に重点を置き、傘下のラグジュアリーブランドをサポートしている。Entreprises pour l'Environnement (EpE)の生物多様性委員会の委員長であり、Climate Fund For Nature の専門家委員会のメンバーも務める。PHOTO:TAMEKI OSHIRO
店舗からも事例を紹介します。バレンシアガでは、100以上の店舗がLEED認証を受けています。LEEDとは、エネルギーと環境デザインにおけるリーダーシップを意味するLeadership in Energy and Environmental Designの略称です。私たちは常にこの認証取得を目指しています。大規模な改装工事を行う際には、その対象となります。
都立高校に通う高校3年生。中学校の先生の影響で環境問題に関心を持つようになる。2021年11月に行われた第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に、若者による気候変動の活動団体Fridays For Future Japanのメンバーとして参加する。学生団体「やさしいせいふく」は、人にも環境にもやさしい服づくりを目指して講演会の実施やGOTS認証のオーガニックコットンTシャツの販売などを行っている。24年夏には資金を集めて同シャツのコットンを生産するインドの農家や縫製工場を訪ねて、取材を行った。高校では陸上部に所属。
渡辺貴生ゴールドウイン代表取締役社長(以下、渡辺) :私は「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」というブランドが大好きで、その存在を初めて知ったのが1976年、高校2年生のときでした。当時、雑誌「メンズクラブ」で「ザ・ノース・フェイス」が紹介されていたんです。それまではアイビーファッションに憧れていましたが、その記事を読んで初めて「ヘビーデューティー」というスタイルに触れました。そして、「ザ・ノース・フェイス」がアメリカ・バークレーで行っているものづくりを知り、「自分のやりたいことに近い」と強く感じました。他の道も考えましたが、どうしても「ザ・ノース・フェイス」のような仕事に携わりたいと思い、最終的にゴールドウインへの入社を決めました。
このとき着ているのは、「ザ・ノース・フェイス」のアウトレットで購入したもので、軍の端材を利用して作られた服です。つまり、余った生地を使って生産され、バークレーのアウトレットで販売されていた商品ですね。今でも大切に使っています。「ザ・ノース・フェイス」のロゴが入っていません。代わりに「Windy Pass by The North Face」というブランド名がついており、これはアウトレット専用ブランドでした。
都立高校に通う高校3年生。中学校の先生の影響で環境問題に関心を持つようになる。2021年11月に行われた第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に、若者による気候変動の活動団体Fridays For Future Japanのメンバーとして参加する。学生団体「やさしいせいふく」は、人にも環境にもやさしい服づくりを目指して講演会の実施やGOTS認証のオーガニックコットンTシャツの販売などを行っている。24年夏には資金を集めて同シャツのコットンを生産するインドの農家や縫製工場を訪ねて、取材を行った。高校では陸上部に所属。
渡辺貴生ゴールドウイン代表取締役社長(以下、渡辺) :私は「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」というブランドが大好きで、その存在を初めて知ったのが1976年、高校2年生のときでした。当時、雑誌「メンズクラブ」で「ザ・ノース・フェイス」が紹介されていたんです。それまではアイビーファッションに憧れていましたが、その記事を読んで初めて「ヘビーデューティー」というスタイルに触れました。そして、「ザ・ノース・フェイス」がアメリカ・バークレーで行っているものづくりを知り、「自分のやりたいことに近い」と強く感じました。他の道も考えましたが、どうしても「ザ・ノース・フェイス」のような仕事に携わりたいと思い、最終的にゴールドウインへの入社を決めました。
このとき着ているのは、「ザ・ノース・フェイス」のアウトレットで購入したもので、軍の端材を利用して作られた服です。つまり、余った生地を使って生産され、バークレーのアウトレットで販売されていた商品ですね。今でも大切に使っています。「ザ・ノース・フェイス」のロゴが入っていません。代わりに「Windy Pass by The North Face」というブランド名がついており、これはアウトレット専用ブランドでした。
PROFILE: 東京・渋谷生まれ。大学卒業後、国内の靴メーカー勤務を経て渡英。英国ノーザンプトンのトレシャム・インスティテュート フットウェアコースで靴のデザインと製作を学ぶ。卒業後「ポールハーデン」でインターン経験を積む。2004年帰国。靴修理職人として働きながら靴のデザインと製作を継続。07年春夏シーズンに独自の皮革にこだわったシューズコレクションを発表し、大手セレクトショップで取り扱われる。10年東京目黒区に靴の修理店「THE SHOE OF LIFE」を開店。同年新宿伊勢丹メンズ館シューズラボ、12年レクレルールとドーバーストリートマーケットギンザでの販売が始まる。16年2月にノーザンプトン博物館&美術館の美術館コレクションに収蔵される。20年3月国家資格クリーニング師資格取得
シューズブランド「エイチ・カツカワ(H.KATSUKAWA)」を手掛けるエイチ・カツカワがこのほど「Bコープ」認証を取得した。総合スコアは97.8点で内訳はガバナンス8.7、従業員29.3、コミュニティ24.2、環境31.3、顧客4。2006年に創業し、パリのレクレルール(L’Eclaireur)やドーバーストリートマーケットギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)といった有力店に並び、16年にはノーザンプトン博物館&美術館(Northampton Museum and Art Gallery)にコンセプチュアルシューズ作品「Return to the Soil」が美術館コレクションに収蔵されるなど、品質とデザイン、そしてコンセプトが評価されてきた。「ポーター(PORTER)」や「フレッドペリー(FRED PERRY)」などこれまでさまざまなブランドとコラボレーションを行っている。10年には靴の修理店「THE SHOE OF LIFE」を目黒に開き、これまで約6万足を修理。また、東京を中心に街のコインランドリーでもスニーカークリーニングができるように技術指導や協力を行うなど活動の幅広さが目を引く。勝川永一代表取締役が目指すこととは。
ノーザンプトン博物館&美術館の美術館コレクションに東洋人初めての靴作品として収蔵されたコンセプチュアルシューズ作品「Return to the Soil」ノーザンプトン博物館&美術館の美術館コレクションに東洋人初めての靴作品として収蔵されたコンセプチュアルシューズ作品「Return to the Soil」
オーストラリアの非営利団体グッドオンユー(GOOD ON YOU)がアパレル企業向けに開発したサステナビリティ対応ツール「グッドメジャーズ(good measures)」がこのほど、日本に上陸した。「顔の見えるライフスタイルの実現」を掲げ、トレーサブルな再エネサービス「みんな電力」をはじめ、さまざまなSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)サービスを提供するUPDATERが、2023年に同団体と事業提携を締結し運営を担う。
同商品に使用した生地「サーキュリック・フォー・ワールドループ(CIRCRIC for WORLD LOOP)」はワールドグループの衣類の繊維を分解し、原料となる糸から製造した、いわゆるクローズドループと呼ばれる方法で作られている。残った在庫を廃棄せずに原料として再利用した同社初の取り組みとなり、約一年半の開発期間をかけて商品化された。
「ミューロン」は廃棄漁網をケミカルリサイクルしバージンと同等の品質と安定性を持つ。コレクションに登場するウィンドブレーカーは、「ミューロン」と紡績工程で発生するナイロンの落ち綿を再生したリサイクルナイロンを高密度で打ち込んでハリ感のある風合いを実現した。内側には、アニエス自身が撮影した海の写真と“j’aime la mer! (海が好き!)”のメッセージを添えた特別ネームを配した。ウィンドブレーカーはキッズサイズも用意し「親子で着用していただき、一緒に海に出かけたり、次世代にこのテーマを伝えてもらえたりしたらうれしい」と井上担当。
東急不動産、東急不動産SCマネジメント、Free StandardおよびCYKLUSは、サステナブルをテーマにした無料イベント「エコマキ The First CIRCULAR あしたのスタンダードを探しに」を、東急プラザ原宿「ハラカド」で1月31日から2月2日までの3日間開催する。学生および20~30代を主な対象となる。ブランドやメーカー、パートナー企業が協力し「サステナブルな循環型社会へのシフトを参加者に提案することでサステナブルを身近なカルチャーとして体感し、最初の一歩を踏み出してもらう」ことを目指す。
アップデーター(UPDATER)とアイキュー(AIQ)は、マーケティング領域で連携し、エシカル志向の高い消費者が集まる「エシカル経済圏」の創出に向けて取り組みを始めた。アイキューは、特許技術AIで新たな産業DXを推進するサービスを提供している企業で、第一弾としてアップデーターが提供するファッションブランドのエシカル評価検索サービス「シフトシー(Shift C)」において、「アイキュー」の特許技術AIを使ったインフルエンサーマーケティングを実施し、エシカル志向の高い消費者が集まる「エシカル経済圏」の創出に取り組むという。さらに、アップデーターの法人向けSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)プラットフォーム「みんなSX for Biz」において、サステナブル商材に対するAIを活用したマーケティング支援サービスの提供も目指す。
具体的には「シフト シー」で、「アイキュー」の特許技術であるプロファイリングAIを活用したインフルエンサーマーケティングを展開し、認知拡大を図る。さらに、サステナブル商材を持つアップデーターの顧客に対して、エシカル経済圏を起点にしたサステナブル商材のマーケティング支援プラン「顔の見える広告(仮称)」を展開し、アップデーターの法人向けSXプラットフォーム「みんなSX for Biz」の提供を目指す。「これらの取り組みにより、サステナビリティを推進している企業の努力が報われ、サステナビリティやエシカル志向の高い消費者にきちんと情報が届き、企業の利益につながる循環を生み出したい」と両社。
アップデーター(UPDATER)とアイキュー(AIQ)は、マーケティング領域で連携し、エシカル志向の高い消費者が集まる「エシカル経済圏」の創出に向けて取り組みを始めた。アイキューは、特許技術AIで新たな産業DXを推進するサービスを提供している企業で、第一弾としてアップデーターが提供するファッションブランドのエシカル評価検索サービス「シフトシー(Shift C)」において、「アイキュー」の特許技術AIを使ったインフルエンサーマーケティングを実施し、エシカル志向の高い消費者が集まる「エシカル経済圏」の創出に取り組むという。さらに、アップデーターの法人向けSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)プラットフォーム「みんなSX for Biz」において、サステナブル商材に対するAIを活用したマーケティング支援サービスの提供も目指す。
具体的には「シフト シー」で、「アイキュー」の特許技術であるプロファイリングAIを活用したインフルエンサーマーケティングを展開し、認知拡大を図る。さらに、サステナブル商材を持つアップデーターの顧客に対して、エシカル経済圏を起点にしたサステナブル商材のマーケティング支援プラン「顔の見える広告(仮称)」を展開し、アップデーターの法人向けSXプラットフォーム「みんなSX for Biz」の提供を目指す。「これらの取り組みにより、サステナビリティを推進している企業の努力が報われ、サステナビリティやエシカル志向の高い消費者にきちんと情報が届き、企業の利益につながる循環を生み出したい」と両社。
回収した不要品は、エコミット(ECOMMIT)のリサイクルパートナーを通じて再資源化などが行われ、ポリエステル100%のリボンなどの一部は伊藤忠商事が展開するリサイクルポリエステル糸「レニュー(RENU)」の原材料として使用する。「レニュー」は、高島リボンが展開する製品「アイアムサステナブル(I am sustainable)」でも使用している。高島リボンは、福井県鯖江市を拠点とする1932年創業の衣料用副資材やラッピングリボンの企画製造販売を行う企業。
回収した不要品は、エコミット(ECOMMIT)のリサイクルパートナーを通じて再資源化などが行われ、ポリエステル100%のリボンなどの一部は伊藤忠商事が展開するリサイクルポリエステル糸「レニュー(RENU)」の原材料として使用する。「レニュー」は、高島リボンが展開する製品「アイアムサステナブル(I am sustainable)」でも使用している。高島リボンは、福井県鯖江市を拠点とする1932年創業の衣料用副資材やラッピングリボンの企画製造販売を行う企業。
和歌山のテキスタイルメーカーエイガールズのインナーウエアブランド「マル(MALU)」が好調だ。2021年に“Your Personal Luxury(自分だけの贅沢・自分にしか味わえない贅沢)”をコンセプトに6型で始動。手編みのような膨らみと柔らかさのあるカシミヤ100%のインナーウエアがウケて、22年秋には型数を10型に増やし、23年にはシルク100%9型をラインアップに加えた。23年の売上高は前年比140%増、24年の現時点でも前年比150%増と好調だ。リピーターが多く、人気デザイナーズブランドのデザイナーが何着もまとめ買いをして愛用するなどプロからの支持が厚い。販路は自社ECに加え、セレクトショップでのポップアップストアや店舗は限られるが卸売りも始めた。
和歌山のテキスタイルメーカーエイガールズのインナーウエアブランド「マル(MALU)」が好調だ。2021年に“Your Personal Luxury(自分だけの贅沢・自分にしか味わえない贅沢)”をコンセプトに6型で始動。手編みのような膨らみと柔らかさのあるカシミヤ100%のインナーウエアがウケて、22年秋には型数を10型に増やし、23年にはシルク100%9型をラインアップに加えた。23年の売上高は前年比140%増、24年の現時点でも前年比150%増と好調だ。リピーターが多く、人気デザイナーズブランドのデザイナーが何着もまとめ買いをして愛用するなどプロからの支持が厚い。販路は自社ECに加え、セレクトショップでのポップアップストアや店舗は限られるが卸売りも始めた。
パラッコ:今日私は「リナイロン」を使用した「プラダ」のブルゾンを着ている。デザインはもちろん素晴らしく、とても快適。でも、もっと重要なのは、この製品が「シービヨンド」のようなプロジェクトの資金調達に役立つということだ。このブルゾンは、ファッションの美しさと私たちが達成すべき主な目標である海や原則についての創造的な意識を結びつける、とても簡単な方法なのだ。つまり、“目的を持ったファッション(fashion with the purpose)”だ。
「今年はこれまで感じたことのない熱気を来場者から感じて、ファッション×サステナビリティのフェーズがひとつ変わった、前に進んだという手ごたえを得ました」と、主催者である向千鶴「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクターは振り返る。今年のテーマに「Beyond the Boundary ~サステナビリティを携え、境界線を越えてゆく!~」を掲げた理由については「サステナビリティはパスポートのようなもの。それを前提としたヴィジョンを掲げて活動を始めれば、企業や産業、地域、年齢や役職といった、私たちが無意識に持つさまざまな境界線を超えて前に進むことができる、そんな経験を持つ人は多いでしょう。本イベントはまさに“Beyond the Boundary”を体験していただく場として用意しました」と解説する。「トークセッションのライブ配信を行わないのも、アットホームかつ熱い、リアルな場作りを目指したから。まさにそれを体現できたことで “勉強になった”に加えて、“楽しかった”“ファッションの未来が明るく見えた”といった感想を幅広い世代からいただけて嬉しい」。
「今年はこれまで感じたことのない熱気を来場者から感じて、ファッション×サステナビリティのフェーズがひとつ変わった、前に進んだという手ごたえを得ました」と、主催者である向千鶴「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクターは振り返る。今年のテーマに「Beyond the Boundary ~サステナビリティを携え、境界線を越えてゆく!~」を掲げた理由については「サステナビリティはパスポートのようなもの。それを前提としたヴィジョンを掲げて活動を始めれば、企業や産業、地域、年齢や役職といった、私たちが無意識に持つさまざまな境界線を超えて前に進むことができる、そんな経験を持つ人は多いでしょう。本イベントはまさに“Beyond the Boundary”を体験していただく場として用意しました」と解説する。「トークセッションのライブ配信を行わないのも、アットホームかつ熱い、リアルな場作りを目指したから。まさにそれを体現できたことで “勉強になった”に加えて、“楽しかった”“ファッションの未来が明るく見えた”といった感想を幅広い世代からいただけて嬉しい」。
乃村工藝社は、2022年から取り組むR&Dプロジェクトの一環として、“素材=地球資源”をテーマにした「マテリアルレコード(material record)」を立ち上げ、その第1弾プロダクトとして12月13日に、音響装置「ヌーン バイ マテリアルレコード(noon by material record)」(以下、「ヌーン」)を発表する。
今回発表する初のプロダクトは建築物を思わせるような柱を意匠として施し、計9種のマテリアルを組み込んだ、帯域の異なる6つのスピーカー、真空管アンプなどの積層で構成。固有のストーリーや記憶を内包した筐体(きょうたい)から発する音が素材の特性を反映することで、素材の向こうにある風景、資源に目を向けるきっかけをつくる。さらに「ヌーン」は、スピーカーの筐体を構成するマテリアルを他素材に置換することも可能で、例えば地域や企業から排出される未利用資源や廃材を使った新素材を開発するなど、今後の展開も考えられる。「MIDNIGHT PIZZA CLUB Special Exhibition」での展示以外にも、さまざまな場所でポップアップ展示などを企画し、人々との接点を創出していく予定だという。
■「MIDNIGHT PIZZA CLUB Special Exhibition」
会期:12月13〜15日
時間:11:00〜18:30
会場:StandBy
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-1
左から、東レの松尾直輝さん、田中萌華さん、今井悠太郎さん、橋本圭司さん、宇佐美宗親さん、「Keio Fashion Creator」(手前)の上野莉瑚さん、増永和佳さん、藤まいかさん、田子山舜さん、飯島恒典さん、今村賢さん PHOTO BY SHOTA MATSUSHIMAKFCメンバーに糸や生地について説明する東レ三島工場フィラメント技術部の西田将貴さん三島工場近くにある研修センターの展示スペースには、東レの歴史や最新技術を知ることができる。「&+」の仕組みについて説明する東レ長繊維部の太田光紀さん座談会後には、東レ若手社員とKFCのメンバーで東レ本社の展示を閲覧 PHOTO BY SHOTA MATSUSHIMA東レ社員と「KFC」の座談会。ファッションで産業で働くやりがいなども学生たちに伝えた PHOTO BY SHOTA MATSUSHIMA婦人・紳士部婦人・紳士衣料第二課の今井悠太郎さん PHOTO BY SHOTA MATSUSHIMA東レ社員と「KFC」の座談会では、ファッションの産業の未来についてなど話し合った PHOTO BY SHOTA MATSUSHIMA
「タカラサステナビリティフェス 2024 -Change the Angle」基調講演には、向千鶴 WWDJAPAN サステナビリティ・ディレクターが登壇「タカラサステナビリティフェス 2024 -Change the Angle」のミニワークの様子「タカラサステナビリティフェス 2024 -Change the Angle」のミニワークの様子「タカラサステナビリティフェス 2024 -Change the Angle」のミニワークの様子
WWD:プロジェクトを通してどのような成果が得られた?
日野:特に大きな成果の一つは社内イベントで生まれた意識の高まりや共通認識の醸成です。全国からミドルマネジメント以上のポジションにつく社員を可能な限り大阪の拠点ティービースクエア オオサカに集めて、「タカラサステナビリティフェス 2024 -Change the Angle」を開催しました。全従業員向けたオンライン配信も含めると、全社員の3分の1にあたる520人ほどが参加。社内イベントとしては最大級の催しになりました。ミドルマネジメント層はとくに若手からのボトムアップを受けたとき、経営陣に連携し事業につなげる存在。そんな彼ら・彼女らがサステナビリティへの共通認識をもつことで、スムーズに事業が進むと考えました。
中山:私は二つあります。一つは理美容産業がリーディング産業といわれる未来を作りたいです。私たちがリーダーシップをとって、アクションを起こすことで、ほかの産業にも良い影響を与えていけるような社会のロールモデルを作っていきたいです。もう一つは、理美容室を通じて日本全国にサステナビリティの意識改革を巻き起こしたいです。世の中の大半の人は1年に数回、理美容室を利用しているはずです。ゆえに通う理美容室の意識が変われば、お客さまの意識が変わり、結果的に全国民の意識を変えられると考えています。タカラベルモントが変われば日本が変わる可能性さえも秘めています。B to B to Cのビジネスであるからこそ、理美容室を通じて日本全国にサステナビリティの意識改革が巻き起こせると信じています。
「ディアンドデパートメント」は10年、金沢21世紀美術館で行った企画展示「本当のデザインだけがリサイクルできる Only honest design can be recyclable. D&DEPARTMENT PROJECT」の際に、ミュージアムショップで残反を用いて製作したバッグを販売していた経緯がある。「私自身産地を回る中で、決算前にバッタ屋が残布を買いに行くのを知っていた。こうした残布を活用できないかと考えた」。
「ゴアテックス」では、はっ水剤については先行して2018年からPFASフリーへ順次切り替え。メンブレンについては22年秋冬に一般アウトドア向け製品でePEに切り替え、23年秋冬はより高い性能が求められるパフォーマンス製品で切り替えを開始した。24年秋冬時点では、アウトドアのスペシャリスト向けの最高性能が求められる「ゴアテックス プロ」を除いて切り替えが済んでおり、その「ゴアテックス プロ」も25年秋冬は全てePEになる。これでPFASフリーを達成し、連動して「アークテリクス(ARC’TERYX)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」をはじめ多くのブランドもPFASフリーとなる。
このほか、不要な衣類を持参することで、他のリユース品や回収衣類と交換できる物々交換ブースを設置するほか、持ち寄った衣類でオリジナルチャームやキッズ向け服を制作するワークショップ開催や、自身の衣類に刺しゅうを施す体験やデニムリペアの実演、ゴールドウイン「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と「サイクル(CYKLU)」によるリペアブースを設置する。
このほか、不要な衣類を持参することで、他のリユース品や回収衣類と交換できる物々交換ブースを設置するほか、持ち寄った衣類でオリジナルチャームやキッズ向け服を制作するワークショップ開催や、自身の衣類に刺しゅうを施す体験やデニムリペアの実演、ゴールドウイン「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と「サイクラス(CYKLUS)」によるリペアブースを設置する。
ロンドン・ファッション・ウイークを振り返った前回に続き、第4回はミラノ・ファッション・ウイークについて。さまざまなブランドのなかでも「ディーゼル(DIESEL)」は今季、力強くサステナビリティのメッセージを発信しました。実は「ディーゼル」は商品の生産工程や販売以降の動線においても、さまざまなアプローチで循環型を推進しているブランドです。今年は英エレン・マッカーサー財団によるサーキュラーエコノミー賞も受賞しています。そんな「ディーゼル」の取り組みに関しては、ぜひ同社が制作するドキュメンタリー動画「Behind the Denim(デニムの裏側)」を見てみてください。ポッドキャストでは、若者が熱狂した「ディーゼル」のショーの様子を語ります。加えて、「WWDJAPAN」が12月13日に開催するサステナビリティ・サミットにまつわる重大ニュースも発表します。
同じように4つのカテゴリー全てにはまるブランドは「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」だ。「ドリス」はメンズとウィメンズを年4回毎シーズン約1500点の新作を作ると聞いたことがあるが、柄や色のバリエーションが多く圧倒的型数でマーケットを築き、幅広くリーチできている。「スズサン」は「ドリス」とは比較にならないほど規模は小さいが、「黒に染めて」「ピンクに染めて」に1点から対応できる。毎シーズン6型4柄あるニットは、サイズも入れると576パターンあり、カスタマイズすることで各店が求める製品を供給できる。
村瀬:ヒューマニティのある循環と継続を目指す。よく「グローバルなビジネスをやっていますね」と言われるが、一つの大きなことをやっている感覚はなく、製品を通じて有松というローカルと世界中のローカルをつなぐビジネスをやっているという感覚だ。2年前に企業理念「We are Bridge」を作った。文化と文化の橋渡しをする会社という意味を込めている。この15年は有松から世界中に「有松鳴海絞り」を発信した。次の15年は5万人の「スズサン」ユーザーが有松に来る循環を作りたい。そのために地域事業部を新設した。有松を「面」で見られる場所にしたい。
伊「セーブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)」は帝人フロンティアと共同出資して5月にセーブ・ザ・ダック・ジャパンを設立した。日本での事業拡大に向け来日したニコラス・バルジ=セーブ・ザ・ダック最高経営責任者(CEO)に日本でのビジネス戦略やブランド設立の経緯、動物・人・環境に配慮したビジネスについて聞いた。
プレミアムラインとして位置付けている「プロテック」シリーズはゲストデザイナーを招いており、現在は「F/CE.(エフシーイー)」の山根敏史デザイナーが手掛ける。20000mmの耐水圧と優れた通気性を備えた東レの独自素材「Pro-Tech Engineered by Toray」を採用。中綿は取り外し可能 15万2900円プレミアムラインとして位置付けている「プロテック」シリーズはゲストデザイナーを招いており、現在は「F/CE.(エフシーイー)」の山根敏史デザイナーが手掛ける。20000mmの耐水圧と優れた通気性を備えた東レの独自素材「Pro-Tech Engineered by Toray」を採用。中綿は取り外し可能 15万2900円
第2回は、「How to be a Sustainable Apparel」と題したサステナビリティ特集について。本特集は、デザイナーや生産管理担当者などものづくりの現場に携わる人々のインタビューをベースに、サステナブルなファッションを追求するさまざまな切り口をまとめました。ポッドキャストではその一部をご紹介します。
PROFILE: 中学校の先生の影響で環境問題に関心を持つようになる。2021年11月に行われた第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に、若者による気候変動の活動団体Fridays For Future Japanのメンバーとして参加する。学生団体「やさしいせいふく」は、人にも環境にもやさしい服づくりを目指して講演会の実施やGOTS認証のオーガニックコットンTシャツの販売などを行っている。24年夏には資金を集めて同シャツのコットンを生産するインドの農家や縫製工場を訪ねて、取材を行った。高校では陸上部に所属。
商品はインドで縫製・染色する。染色はオーガニックテキスタイルの国際認証GOTS認証を取得する染色工場トゥルートーンインク(True Tone Ink)と協業し、独自に開発した天然ハーブやスパイスから成る染料で染色する。通常化学薬品が用いられる色止めは、シーソルトや鉄などを活用した。浅井デザイナーは、「人や環境に配慮したモノ作りに挑戦したいという気持ちと、ソハナの伊藤代表の新事業への意向が合致した」と話す。ブランド名はフランス語に由来し「人とのつながりを大事にするブランドでありたい」という思いを込めた。
商品はインドで縫製・染色する。染色はオーガニックテキスタイルの国際認証GOTS認証を取得する染色工場トゥルートーンインク(True Tone Ink)と協業し、独自に開発した天然ハーブやスパイスから成る染料で染色する。通常化学薬品が用いられる色止めは、シーソルトや鉄などを活用した。浅井デザイナーは、「人や環境に配慮したモノ作りに挑戦したいという気持ちと、ソハナの伊藤代表の新事業への意向が合致した」と話す。ブランド名はフランス語に由来し「人とのつながりを大事にするブランドでありたい」という思いを込めた。
NATULON Plus® with Recycled PET Open Partsのリサイクル手順NATULON Plus® with Recycled PET Open Partsの材料構成エレメントが取れた状態(VISLON)専用工具、リペア対応エレメント(VISLON)専用工具を用いた取り付け方法(VISLON)取り付け後の完成イメージ(VISLON)ラケットコイルファスナー リペア対応引手リペア対応スライダー
「リン(WRINN)」は今夏、カシミアリメイクブランド「ア ラブ ムーブメント(A LOVE MOVEMENT)」とのコラボアイテムをLAのセレクトショップ「マックスフィールド(MAXFIELD)」限定で販売した。川島幸美「リン」デザイナーは、2020年のブランド立ち上げ時からサステナビリティを前提とした服作りに取り組むも、環境配慮型素材の選択肢の狭さなどに悩んできた。そんな彼女が「光が見えた」と話すのが、協業による一点物の取り組みだ。