水谷仁美HACCIʼs JAPAN CEO(以下、水谷):「ハッチ」は日本で12店舗、国内空港免税5店舗および香港の免税店と店舗数を絞って展開しているが、緊急事態宣言により百貨店がクローズして大打撃を受けた。インバウンド比率もコロナ前はアジアをメインに半分近く、それがゼロになった。苦しい状況ではあったが、コロナ禍で世の中の健康意識が高まったこと、さらにテレビなどで「ハチミツは菌に強く、免疫力を高める栄養素が多く含まれている」とクローズアップされることが増え、その影響で食品としてのハチミツに注目が集まり、売り上げは前年を上回っている月もある。特に殺菌力の強いマヌカハニーは、ほかのハチミツに比べて高価なこともあり普段は年配のお客さまが多かったが、コロナ禍で若年層の購入も増加。コロナ前はコスメの売り上げが圧倒的に多かったが、コスメやサプリメントにハチミツをプラスするなど新しい買い方も生まれ、今は食品の売り上げが高い店舗も多い。祖父の代から「不景気な時ほどハチミツは売れる」といわれていたが、どうしてなのかいつも疑問だった。不安な状況ほど自然のもの、殺菌力や免疫力を必然的に求め、それがハチミツだったということを今すごく実感している。昨年12月に発売した除菌ができるハンドジェルクリーム“ハンドチャーム”も1年半分の在庫が1.5カ月で完売するほど人気だった(現在は再入荷)。
水谷:もともと、「ハッチ」=ブライダルという定番があり、特別な1日を最高な状態で迎えるため、花嫁に向けたビューティドリンク“ハニーコラーゲン”が人気だった。コロナで披露宴などはできないが前撮りはするという花嫁も多く、撮影のためにドリンクを飲む人は引き続き多かった。また、親族だけの挙式を行ったり、結婚祝いのお返しにハチミツのセットを贈ったりするというパターンも。コロナ禍ではVR婚、オンライン婚などさまざまなブライダルシーンができたが、私たちは“ギフト婚”と名付け、対面は無理でもお世話になった人たちにギフトを贈ることで結婚の報告をするという提案を行った。昨年12月にはギフトパッケージサービス「ハッチ フォー ブライダル(HACCI for Bridal)」をローンチ。“ハニーコラーゲン”をはじめ、人気のハチミツ3種の桐箱入りセット、ミニギフトとしてぴったりな“はちみつ洗顔石けん”“はちみつキャンディ”など、ブランドの人気製品から用途に応じてギフトを選んでくださったお客さまに、お渡し人数分のブランドオリジナルのメッセージカードや、大切な日を一番美しく魅せるためのプレ花嫁ケアとして人気のアイテムを特別ギフトとしてプレゼントしており好評だ。
「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」は、店舗拡大に向けてミューズ(販売スタッフ)を募集する。ブランドの世界観を体現する存在として、来店客の好みにぴったりの商品を案内するのはもちろん、日々のコミュニケーションを通じて「あの人に会えば、素敵なことが起きそう」と思ってもらえる関係性を築く。
LVMH ジャパンは、女性の再就職とキャリアアップをサポートする「IME LVMH JAPAN クライアント・アドバイザー・プログラム」を始動する。結婚や出産、育児、介護などの理由で離職した女性(性自認が女性の人を含む)を対象に、ファッション、コスメ、ウオッチ、ジュエリーの販売における専門知識と実務経験を得るためのトレーニングを実施し、再就職を支援する。ファッション業界経験者以外も受講できる。
「IME(Institut des Metlers d’Excellence)」はLVMHが2014年に創設した独自の職業訓練プログラムで、若い世代のクラフツマンシップや販売技能の習得などを図り、雇用開発することを目的としている。これまでにヨーロッパ各国で28のプログラムを実施し、800人以上が受講してきた。
ファッション業界に特化した求人サービスを展開するレディ トゥ ファッション(READY TO FASHION)は、新型コロナウイルスがファッション業界の新卒採用市場に与える影響を調べるため、113社を対象にアンケートを実施した。調査期間は緊急事態宣言が発令される前の4月6~9日。公式ホームページでその一部を公開している。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。