「ディオール」2026年クルーズ・コレクション

「ディオール(DIOR)」が2026年クルーズ・コレクションを発表した。

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「ヴィクトリア ベッカム」2026年プレ・スプリング・コレクション

「ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)」が2026年プレ・スプリング・コレクションを発表した。

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「ボディソング」2025-26年秋冬コレクション

「ボディソング(BODYSONG.)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。

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「ラルフ ローレン」CEOが語る上海でのアジア初ランウエイショー 「見てすぐ買える」コレクションで中国市場のさらなる開拓へ

「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」は4月2日、アジア初となるランウエイショーを中国・上海で実施した。披露したのは、昨年9月にニューヨーク・ハンプトンズでショーを行った2025年春コレクション。同ブランドは、なぜ上海をNYコレクションの再演の地として選んだのか。パトリス・ルーヴェ=プレジデント&チーフ エグゼクティブ オフィサー(CEO)をはじめ、ブランドのビジネスを担うキーマンたちが今回のショーでの新たな取り組みや中国市場の重要性について語った。

上海にハンプトンズの世界観を完全再現

今回「ラルフ ローレン」が上海で披露したランウエイショーは、同ブランドが昨年9月に、ニューヨーク州ハンプトンズにある広大な乗馬施設で開催したショーを忠実に再現したもの。会場となった「ロホ・アート・スペース(Rojo Art Space)」は、日本人建築家・西沢立衛がリノベーションを手がけた、歴史ある鉄鋼工場を活用した施設だ。同社のデイヴィッド・ローレン=チーフ ブランディング&イノベーション オフィサーは「私たちはこの場所を、オアシスのような空間に変容させた。都市の喧騒から離れ、まるで本物の乗馬牧場へと足を踏み入れるような感覚を作り出した」と語った。

ビーチと乗馬の要素を融合した
春コレクション

発表したのはビーチや乗馬の要素を融合させたコレクション。青空を思わせる多彩なブルー、清潔感のあるホワイトやタンカラーが特徴的だった。ハンプトンズでのショーと同様に、「ラルフ ローレン コレクション(RALPH LAUREN COLLECTION)」と「ラルフ ローレン パープル レーベル(RALPH LAUREN PURPLE LABEL)」「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」など、各ラインのメンズ、ウィメンズ、キッズのコレクションを披露した。

ランウエイに豪華キャスト集結
冨永愛が年月を経て再び登場

ランウエイには、中国人モデルのフー・ビンとドゥ・ジュアンのほか、日本からは10代の頃から同ブランドのショーに出演してきた冨永愛が年月を経て登場。笑顔でランウエイを歩いた。またアジア各地から250人を超える豪華なゲストも招いた。日本からは俳優の森星や中条あやみが出席したほか、香港の女優セシリア・チャン、歌手のチャーリーン・チョイ、韓国の俳優ソン・ジュンギ、K-POPスターのクリスタルなど、アジア太平洋地域を代表する多くの著名人が一堂に介した。

上海をアジア初のランウエイショーの地に
選んだ理由

上海でのランウエイショーは、東京でのポップアップやドバイでのイベントに先んじて行われた「ラルフ ローレン」のグローバル・プロモーション展開の第一弾だ。ラルフ・ローレン自身が第二の故郷と語るハンプトンズで開催したショーは、同ブランドにとって非常に重要な取り組み。上海をその再演の地に選んだのは、中国市場を、このイベントを通じてブランドの魅力を伝えるのに最適な市場だと判断したから。同ブランドの中国での売上げは直近の四半期で20%以上増加している。割合としてはブランド全体売上げの8%を占めるにとどまるものの、今後の成長が期待される市場だ。ルーヴェCEOは「ハンプトンズでのショーが生み出したブランドストーリーや世界観をグローバルに展開したい」と語り、前述のローレン氏も「このショーが生み出すシネマティックな経験は、中国の消費者の『新たなラグジュアリー』へのニーズに応えるものだ」と説明した。

「見てすぐ買える」ショーの狙い

パトリス・ルーヴェ/ラルフ ローレン プレジデント&チーフ エグゼクティブ オフィサー(CEO) : フランス生まれ。名門グランゼコールESCPヨーロッパを卒業した後に米イリノイ州立大学でMBAを取得。1989年、プロクター・アンド・ギャンブルに入社。29年間勤務し、欧州、北米、日本を含むアジア地域の要職を務めた。2017年にラルフ ローレンに加わり、現在に至る。ECに精通する一方で、小売店と緊密な関係を築いてグローバルブランドをさらに発展させる手腕にも定評がある。
今回のショーでは、中国の堅牢なECインフラを活用し、「見てすぐ買える」形式のライブストリーミングを実施。中国版のTikTokとして知られる「ドウイン(Douyin)」をはじめ、複数のプラットフォームのほか、ブランド公式サイトでもショーをライブ配信し、終了直後には、新設した「ドウイン」のウィメンズ向けストアでEC配信を行なった。ルーヴェCEOは今回の取り組みを「消費者との接点を通じてストーリーテリングと買い物をシームレスかつリアルタイムに結びつける重要な転換点」と表現。「『欲しいアイテムがあるのに、手に入るまで半年待たなければならない』といった状況から脱却するものだ」とメリットを強調し、「ラルフやデザインチームが生み出すインスピレーションや魔法のようなクリエーションを、テクノロジーとバランスよく結びつけ、消費者からの理解を得られた時、私たちは真の成功を手にできる」と語った。

中国市場での成長と戦略的展望

左:「ラルフ ローレン」は昨年12月、上海でドローンショーを披露し、ラルフ・ローレンの功績を振り返るドキュメンタリー「Very Ralph」の中国プレミアを実施した 右:ショー直後の「ドウイン」を活用したEC配信

「ラルフ ローレン」は、コロナ禍以降の経済減速にもかかわらず、中国市場で着実な成長を遂げている。成功の背景には、「オールドマネースタイル」の浸透などの文化的な共鳴に加え、小売ネットワークの着実な拡大がある。中国で直営展開を始めて約10年。現在、本土に約200店舗、中華圏全体では250店舗以上を構える。さらに今後3年間で年間25店舗以上の新規出店を計画し、北京、上海、成都、深圳、香港、台北の6都市を中心に展開する。売上の約7割を占めるのはポロシャツやリネンシャツなどの定番商品だが、ウィメンズアパレルやアウターウエア、ハンドバッグなど成長領域にも注力。特にハンドバッグ分野は拡大が期待されており、“ポロID”バッグや、“ポロ プレイ”バッグなどを主力商品として位置づける。ブランドは今後もファッションを軸に展開しつつ、ライフスタイル全体へと影響力を広げていく方針だ。

問い合わせ先
ラルフ ローレン
0120-3274-20

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「グラフペーパー」2025-26年秋冬コレクション

「グラフペーパー(GRAPHPAPER)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。

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【バックステージ】「グッチ」2026年クルーズ・コレクション

「グッチ(GUCCI)」が2026年クルーズ・コレクションを発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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篠原ともえを魅了した“時”の展覧会 「ヴァシュロン・コンスタンタン」の270年を巡る

ヴァシュロン・コンスタンタン,VACHERON CONSTANTIN,篠原ともえ

「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」は、1755年の創業以来、一度も途切れずに時計製造を行っている世界最古のウオッチメゾンだ。現在、創業270周年を記念した体験型展覧会「The Quest(探求): 270年にわたる卓越性への追求」展を東京・神宮前で開催している。メゾンが誇るタイムピースや時計製造ツールが見られる同展に、デザイナーやアーティストとして活躍する篠原ともえが来場。「ヴァシュロン・コンスタンタン」の歴史と革新、職人技の価値に触れ、「旅のような展覧会」と語った。

メゾンの源流をたどる

同展覧会は、全4つのテーマで構成されている。最初の展示室は「遺産と伝統」だ。創業者の一人であるジャン=マルク・ヴァシュロン(Jean-Marc Vacheron)が、1755年に初代見習いと交わした契約書の複製をはじめ、アーカイブ資料や写真、歴史的タイムピースを通して、メゾンの卓越した探求心を紹介する。

篠原は「ヴァシュロン・コンスタンタン」の印象について、「メゾンの本質を形作ってきた巨匠。270年という歴史がその答えを物語っていますよね」と語る。さらに、タイムレスな美しさを「時を超えてもなお人を引きつける力」と表現し、メゾンの創造性とクラフツマンシップに敬意を示した。「モノづくりは、人の手によって丁寧に積み重ねた時間が“真実”として残されていく。時代と共に変わりゆくものの中で、その“真実”を貫くことが、タイムレスな美しさの答えになるのではないでしょうか」。

壁面に記されたメッセージ “できる限り最善を尽くす、そう試みることは少なくとも可能である(Do better if possible and that is always possible)“は、共同創業者の一人であるフランソワ・コンスタンタン(Francois Constantin)が3代目ジャック=バルテルミー・ヴァシュロン(Jacques-Barthelemy Vacheron)に宛てた手紙の一節だ。そのシンプルで強い言葉に、篠原も「いちデザイナーとして、モノづくりへの信念を受け取った」。

受け継がれる匠の技

第2の展示室「工芸技術」では、メゾンが得意とするエナメルや彫金、ジェムセッティング、ギヨシェ装飾といった伝統技術に焦点を当てている。

メゾンが職人技に傾倒するように、篠原が手掛けるデザインもまた、繊細な手仕事や伝統技術をふんだんに取り入れている。「私自身、手仕事の力を信じているんです。創作活動で大切にしているのは、まず伝統技術の歴史背景を解き明かすこと。歴史に触れることで湧き出す自分の心の奥の感情に向き合い、琴線に触れた自分の感性に耳を傾けています。そうすることで、作品からアイデアを語りかけてくれるのです」。そして、アイデアをデザインとして形にするのは篠原自身の手仕事だ。「創作を手掛けるとき、私は“感触”を大事にしています。絵を描くとき、運針のとき、手触りから呼び起こす記憶や、湧き起こる感情を“探求”することで感性が鋭敏になっていくことに強い関心を持っています。手を動かし、心を震わすことのできるクリエイションに生涯をかけて向き合いたい」。

11年を経て完成した傑作時計

続く「高級時計製造」の展示室では、メゾンが2024年に発表した最も複雑な懐中時計 “レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション”を紹介している。時計には、63の複雑機能と世界初の中国暦パーペチュアルカレンダーを搭載。構想11年に及ぶ研究の成果と、精密な時計の細部を見ることができる。

篠原はメゾンのモノづくりへの探求心を目の当たりにし、自身のクリエイションの信念と重ね合わせた。「デザインとは、創造することから始まり、形になるまで果てしない時を経ることが少なくありません。その時間との向き合い方は、とても尊いもの。私が手仕事や伝統技術を取り入れるのも、その背景にある“時間の積層”に敬意があるからです」。

時の原点、天文学と時計

4つの展示室の中で篠原が特に魅了されたのが、最後の展示室「The Quest(探求)」だ。ここでは、数世紀にわたる天文学と時計製造のつながりを体感できる。誕生日や記念日などの日付と場所を入力すると、その日の天空図が一面に現れ、時を計測することの真髄をドラマチックに伝える。

篠原は幼少期から自然を愛し、星空に魅せられ、学生時代は天文部に所属するほど星空に魅せられてきた。「今回の展覧会で、天文学と時計製造は密接な関係にあることを知りました。イマーシブな体験を通じて夜空を眺め、時間を超えて子供心に戻れた瞬間でした」。

メゾンが継承してきた伝統技術から微細な構成部品、天文学と時計のつながりまで──同展では、伝統と革新を融合しながら挑む「ヴァシュロン・コンスタンタン」の壮大な“探求”の旅を体感できる。

INFORMATION
ヴァシュロン・コンスタンタン「The Quest(探求): 270年にわたる卓越性への追求」展

時間:11:00~19:00(最終入場18:30)
定休日:火曜日(祝日を除く)
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-1
入場料:無料 (予約来場優先、入場規制あり)
※展示内容は予告なしに変更されることがあります

PHOTOS : KUNIHISA KOBAYASHI
問い合わせ先
ヴァシュロン・コンスタンタン
0120-63-1755

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篠原ともえを魅了した“時”の展覧会 「ヴァシュロン・コンスタンタン」の270年を巡る

ヴァシュロン・コンスタンタン,VACHERON CONSTANTIN,篠原ともえ

「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」は、1755年の創業以来、一度も途切れずに時計製造を行っている世界最古のウオッチメゾンだ。現在、創業270周年を記念した体験型展覧会「The Quest(探求): 270年にわたる卓越性への追求」展を東京・神宮前で開催している。メゾンが誇るタイムピースや時計製造ツールが見られる同展に、デザイナーやアーティストとして活躍する篠原ともえが来場。「ヴァシュロン・コンスタンタン」の歴史と革新、職人技の価値に触れ、「旅のような展覧会」と語った。

メゾンの源流をたどる

同展覧会は、全4つのテーマで構成されている。最初の展示室は「遺産と伝統」だ。創業者の一人であるジャン=マルク・ヴァシュロン(Jean-Marc Vacheron)が、1755年に初代見習いと交わした契約書の複製をはじめ、アーカイブ資料や写真、歴史的タイムピースを通して、メゾンの卓越した探求心を紹介する。

篠原は「ヴァシュロン・コンスタンタン」の印象について、「メゾンの本質を形作ってきた巨匠。270年という歴史がその答えを物語っていますよね」と語る。さらに、タイムレスな美しさを「時を超えてもなお人を引きつける力」と表現し、メゾンの創造性とクラフツマンシップに敬意を示した。「モノづくりは、人の手によって丁寧に積み重ねた時間が“真実”として残されていく。時代と共に変わりゆくものの中で、その“真実”を貫くことが、タイムレスな美しさの答えになるのではないでしょうか」。

壁面に記されたメッセージ “できる限り最善を尽くす、そう試みることは少なくとも可能である(Do better if possible and that is always possible)“は、共同創業者の一人であるフランソワ・コンスタンタン(Francois Constantin)が3代目ジャック=バルテルミー・ヴァシュロン(Jacques-Barthelemy Vacheron)に宛てた手紙の一節だ。そのシンプルで強い言葉に、篠原も「いちデザイナーとして、モノづくりへの信念を受け取った」。

受け継がれる匠の技

第2の展示室「工芸技術」では、メゾンが得意とするエナメルや彫金、ジェムセッティング、ギヨシェ装飾といった伝統技術に焦点を当てている。

メゾンが職人技に傾倒するように、篠原が手掛けるデザインもまた、繊細な手仕事や伝統技術をふんだんに取り入れている。「私自身、手仕事の力を信じているんです。創作活動で大切にしているのは、まず伝統技術の歴史背景を解き明かすこと。歴史に触れることで湧き出す自分の心の奥の感情に向き合い、琴線に触れた自分の感性に耳を傾けています。そうすることで、作品からアイデアを語りかけてくれるのです」。そして、アイデアをデザインとして形にするのは篠原自身の手仕事だ。「創作を手掛けるとき、私は“感触”を大事にしています。絵を描くとき、運針のとき、手触りから呼び起こす記憶や、湧き起こる感情を“探求”することで感性が鋭敏になっていくことに強い関心を持っています。手を動かし、心を震わすことのできるクリエイションに生涯をかけて向き合いたい」。

11年を経て完成した傑作時計

続く「高級時計製造」の展示室では、メゾンが2024年に発表した最も複雑な懐中時計 “レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション”を紹介している。時計には、63の複雑機能と世界初の中国暦パーペチュアルカレンダーを搭載。構想11年に及ぶ研究の成果と、精密な時計の細部を見ることができる。

篠原はメゾンのモノづくりへの探求心を目の当たりにし、自身のクリエイションの信念と重ね合わせた。「デザインとは、創造することから始まり、形になるまで果てしない時を経ることが少なくありません。その時間との向き合い方は、とても尊いもの。私が手仕事や伝統技術を取り入れるのも、その背景にある“時間の積層”に敬意があるからです」。

時の原点、天文学と時計

4つの展示室の中で篠原が特に魅了されたのが、最後の展示室「The Quest(探求)」だ。ここでは、数世紀にわたる天文学と時計製造のつながりを体感できる。誕生日や記念日などの日付と場所を入力すると、その日の天空図が一面に現れ、時を計測することの真髄をドラマチックに伝える。

篠原は幼少期から自然を愛し、星空に魅せられ、学生時代は天文部に所属するほど星空に魅せられてきた。「今回の展覧会で、天文学と時計製造は密接な関係にあることを知りました。イマーシブな体験を通じて夜空を眺め、時間を超えて子供心に戻れた瞬間でした」。

メゾンが継承してきた伝統技術から微細な構成部品、天文学と時計のつながりまで──同展では、伝統と革新を融合しながら挑む「ヴァシュロン・コンスタンタン」の壮大な“探求”の旅を体感できる。

INFORMATION
ヴァシュロン・コンスタンタン「The Quest(探求): 270年にわたる卓越性への追求」展

時間:11:00~19:00(最終入場18:30)
定休日:火曜日(祝日を除く)
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-1
入場料:無料 (予約来場優先、入場規制あり)
※展示内容は予告なしに変更されることがあります

PHOTOS : KUNIHISA KOBAYASHI
問い合わせ先
ヴァシュロン・コンスタンタン
0120-63-1755

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ヴァシュロン・コンスタンタン,VACHERON CONSTANTIN,篠原ともえ

「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」は、1755年の創業以来、一度も途切れずに時計製造を行っている世界最古のウオッチメゾンだ。現在、創業270周年を記念した体験型展覧会「The Quest(探求): 270年にわたる卓越性への追求」展を東京・神宮前で開催している。メゾンが誇るタイムピースや時計製造ツールが見られる同展に、デザイナーやアーティストとして活躍する篠原ともえが来場。「ヴァシュロン・コンスタンタン」の歴史と革新、職人技の価値に触れ、「旅のような展覧会」と語った。

メゾンの源流をたどる

同展覧会は、全4つのテーマで構成されている。最初の展示室は「遺産と伝統」だ。創業者の一人であるジャン=マルク・ヴァシュロン(Jean-Marc Vacheron)が、1755年に初代見習いと交わした契約書の複製をはじめ、アーカイブ資料や写真、歴史的タイムピースを通して、メゾンの卓越した探求心を紹介する。

篠原は「ヴァシュロン・コンスタンタン」の印象について、「メゾンの本質を形作ってきた巨匠。270年という歴史がその答えを物語っていますよね」と語る。さらに、タイムレスな美しさを「時を超えてもなお人を引きつける力」と表現し、メゾンの創造性とクラフツマンシップに敬意を示した。「モノづくりは、人の手によって丁寧に積み重ねた時間が“真実”として残されていく。時代と共に変わりゆくものの中で、その“真実”を貫くことが、タイムレスな美しさの答えになるのではないでしょうか」。

壁面に記されたメッセージ “できる限り最善を尽くす、そう試みることは少なくとも可能である(Do better if possible and that is always possible)“は、共同創業者の一人であるフランソワ・コンスタンタン(Francois Constantin)が3代目ジャック=バルテルミー・ヴァシュロン(Jacques-Barthelemy Vacheron)に宛てた手紙の一節だ。そのシンプルで強い言葉に、篠原も「いちデザイナーとして、モノづくりへの信念を受け取った」。

受け継がれる匠の技

第2の展示室「工芸技術」では、メゾンが得意とするエナメルや彫金、ジェムセッティング、ギヨシェ装飾といった伝統技術に焦点を当てている。

メゾンが職人技に傾倒するように、篠原が手掛けるデザインもまた、繊細な手仕事や伝統技術をふんだんに取り入れている。「私自身、手仕事の力を信じているんです。創作活動で大切にしているのは、まず伝統技術の歴史背景を解き明かすこと。歴史に触れることで湧き出す自分の心の奥の感情に向き合い、琴線に触れた自分の感性に耳を傾けています。そうすることで、作品からアイデアを語りかけてくれるのです」。そして、アイデアをデザインとして形にするのは篠原自身の手仕事だ。「創作を手掛けるとき、私は“感触”を大事にしています。絵を描くとき、運針のとき、手触りから呼び起こす記憶や、湧き起こる感情を“探求”することで感性が鋭敏になっていくことに強い関心を持っています。手を動かし、心を震わすことのできるクリエイションに生涯をかけて向き合いたい」。

11年を経て完成した傑作時計

続く「高級時計製造」の展示室では、メゾンが2024年に発表した最も複雑な懐中時計 “レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション”を紹介している。時計には、63の複雑機能と世界初の中国暦パーペチュアルカレンダーを搭載。構想11年に及ぶ研究の成果と、精密な時計の細部を見ることができる。

篠原はメゾンのモノづくりへの探求心を目の当たりにし、自身のクリエイションの信念と重ね合わせた。「デザインとは、創造することから始まり、形になるまで果てしない時を経ることが少なくありません。その時間との向き合い方は、とても尊いもの。私が手仕事や伝統技術を取り入れるのも、その背景にある“時間の積層”に敬意があるからです」。

時の原点、天文学と時計

4つの展示室の中で篠原が特に魅了されたのが、最後の展示室「The Quest(探求)」だ。ここでは、数世紀にわたる天文学と時計製造のつながりを体感できる。誕生日や記念日などの日付と場所を入力すると、その日の天空図が一面に現れ、時を計測することの真髄をドラマチックに伝える。

篠原は幼少期から自然を愛し、星空に魅せられ、学生時代は天文部に所属するほど星空に魅せられてきた。「今回の展覧会で、天文学と時計製造は密接な関係にあることを知りました。イマーシブな体験を通じて夜空を眺め、時間を超えて子供心に戻れた瞬間でした」。

メゾンが継承してきた伝統技術から微細な構成部品、天文学と時計のつながりまで──同展では、伝統と革新を融合しながら挑む「ヴァシュロン・コンスタンタン」の壮大な“探求”の旅を体感できる。

INFORMATION
ヴァシュロン・コンスタンタン「The Quest(探求): 270年にわたる卓越性への追求」展

時間:11:00~19:00(最終入場18:30)
定休日:火曜日(祝日を除く)
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-1
入場料:無料 (予約来場優先、入場規制あり)
※展示内容は予告なしに変更されることがあります

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問い合わせ先
ヴァシュロン・コンスタンタン
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「トム ブラウン」2025年プレ・フォール・コレクション

「トム ブラウン(THOM BROWNE)」が2025年プレ・フォール・コレクションを発表した。

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「トム ブラウン」2025年プレ・フォール・コレクション

「トム ブラウン(THOM BROWNE)」が2025年プレ・フォール・コレクションを発表した。

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「ニューバランス」が東京・西麻布で展覧会 “グレー”にまつわるアートやフードが集合

「ニューバランス(NEW BALANCE)」は5月16〜31日の間、エイベックスが運営する東京・西麻布のバー「ウォール オルタナティブ」で、アート展覧会“グレー アート ミュージアム(GREY ART MUSEUM)”を開催する。

“グレー”をテーマに
アートやフードが集合

「ニューバランス」は、毎年5月をブランドのシグネチャーカラーを祝う“グレー デイズ(Grey Days)”としており、同展はそれにちなんだもの。会場では、アートプロジェクト“ミート ユア アート(MEET YOUR ART)”のほか、品川亮、長島伊織、金子英、小笠原周、津田道子ら計5名の現代アーティストと協働し、シグネチャーカラーの“グレー”に関連するアート作品の展示を行う。

作品は、シグネチャーカラーを構成する5つの単語「タイムレス」「シームレス」「アーバン」「ランニング」「マスターピース」をテーマに、同展のために制作した、ブランドロゴのドローイングやシューズを模った石彫、会場を起点としたランニングマップなどを公開する。

また、アート作品とともに「ニューバランス」が5年ごとに復刻しているスニーカー“1300JP”も展示。なお、同スニーカーはイベント期間中の29日に販売を予定しており、詳細は12日に発表する。

さらに、会場内では飲食メニューの提供も行う。山梨県北杜市のワイナリー「ドメーヌ・デ・テンゲイジ」が醸造した国産ナチュラルワイン3種(赤、白、ロゼ)や、熊本県の製麺所「富喜製麺研究所」が開発した“グレー”ののどごし生麵を使用した限定ラーメンなども販売する。

イベント詳細

◼️“グレー アート ミュージアム”

日程:5月16~31日
時間:18:00〜24:00
場所:ウォール オルタナティブ
住所:東京都港区西麻布4-2-4 1階
入場:無料
予約:不要

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「ニューバランス」が東京・西麻布で展覧会 “グレー”にまつわるアートやフードが集合

「ニューバランス(NEW BALANCE)」は5月16〜31日の間、エイベックスが運営する東京・西麻布のバー「ウォール オルタナティブ」で、アート展覧会“グレー アート ミュージアム(GREY ART MUSEUM)”を開催する。

“グレー”をテーマに
アートやフードが集合

「ニューバランス」は、毎年5月をブランドのシグネチャーカラーを祝う“グレー デイズ(Grey Days)”としており、同展はそれにちなんだもの。会場では、アートプロジェクト“ミート ユア アート(MEET YOUR ART)”のほか、品川亮、長島伊織、金子英、小笠原周、津田道子ら計5名の現代アーティストと協働し、シグネチャーカラーの“グレー”に関連するアート作品の展示を行う。

作品は、シグネチャーカラーを構成する5つの単語「タイムレス」「シームレス」「アーバン」「ランニング」「マスターピース」をテーマに、同展のために制作した、ブランドロゴのドローイングやシューズを模った石彫、会場を起点としたランニングマップなどを公開する。

また、アート作品とともに「ニューバランス」が5年ごとに復刻しているスニーカー“1300JP”も展示。なお、同スニーカーはイベント期間中の29日に販売を予定しており、詳細は12日に発表する。

さらに、会場内では飲食メニューの提供も行う。山梨県北杜市のワイナリー「ドメーヌ・デ・テンゲイジ」が醸造した国産ナチュラルワイン3種(赤、白、ロゼ)や、熊本県の製麺所「富喜製麺研究所」が開発した“グレー”ののどごし生麵を使用した限定ラーメンなども販売する。

イベント詳細

◼️“グレー アート ミュージアム”

日程:5月16~31日
時間:18:00〜24:00
場所:ウォール オルタナティブ
住所:東京都港区西麻布4-2-4 1階
入場:無料
予約:不要

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「ローブス アンド コンフェクションズ」2025-26年秋冬コレクション

「ローブス アンド コンフェクションズ(ROBES & CONFECTIONS)」が2023-24年秋冬コレクションを発表した。

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「ローブス アンド コンフェクションズ」2025-26年秋冬コレクション

「ローブス アンド コンフェクションズ(ROBES & CONFECTIONS)」が2023-24年秋冬コレクションを発表した。

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「ディオール」2025年プレ・フォール・コレクション

「ディオール(DIOR)」が2025年プレ・フォール・コレクションを発表した。

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「ローレン マヌーギアン」2025-26年秋冬コレクション

「ローレン マヌーギアン(LAUREN MANOOGIAN)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。

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「プッチ」が地中海の絶景を望む庭園で25年春夏ショーを開催 柔らかさを取り入れ、日常への提案を強化

「プッチ(PUCCI)」は4月4日、イタリア・ポルトフィーノで2025年春夏ショーを開いた。同ブランドはカミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)=アーティスティック・ディレクターの就任以降、独自のスケジュールとロケーションでのコレクション発表に移行。オンシーズンの新作を披露している。今回のショーは、22年のカプリ島とサンモリッツでのプレゼンテーション、そして23年のフィレンツェ、昨年のローマでのショーに続くものだ。舞台となったのは、かつては修道院だったという12世紀に建てられた歴史的建造物ラ・セルバラ(La Cervara)。ポルトフィーノへ向かう沿岸道路の小高い丘にあるラ・セルバラには手入れの行き届いた庭園があり、そこからは美しいリグリア海を見渡せる。夏のような陽気に恵まれた1日の終わりに、そんな絶景を背景に新作を披露した。

象徴的な“マルモ“柄の多彩な表現

“マルモ(Marmo)“と題した今季は、その名の通り、もともと創業者エミリオ・プッチ(Emilio Pucci)が海に反射する太陽からヒントを得て1968年に制作した同名の渦巻くプリントを軸に据えた。カミーユは「“マルモ“は、私が『プッチ』に加わって最初に恋に落ち、再解釈したプリント。そんな象徴的なモチーフを改めて強調するために、さまざまな表現に取り組んだ」と説明。鮮やかでコントラストの効いた色使いを思い浮かべがちな「プッチ」だが、今季のプリントは淡いピンクやベージュのグラデーションと白黒の配色で、より日常にも取り入れやすいソフトな印象に仕上げている。その一方で、ダイナミックに揺れるフリンジやシルバーのアイレット、白黒の貝殻のようなパーツの装飾で柄を描く職人の手仕事を生かした提案(一部はオーダーメードアイテム)も際立った。

昨年のショーの際にも「リゾートだけでなく、街で過ごす日常でも着られるブランドとしてのイメージを確立したい」と語っていたように、カミーユのアプローチは明確だ。今季は柔らかく軽やかな「エアリー」をキーワードに、ブランドの代名詞である柄と都会的で洗練されたスタイルの融合を推し進めた。体にぴったりと沿うセンシュアルなラインから体を優しく包むリラックスシルエットまでを用意するラインアップの中で新鮮なのは、“エアリー・ボディーコンシャス“な提案。例えば、ギャザーやシャーリングで作るふんわりボリュームのあるトップスとタイトなミニスカートを組み合わせてドレスに仕立てたり、フィット感のあるニットに大胆に広がるミニスカートをコーディネートしたり、ドローストリングを絞ることでメリハリのあるシルエットに仕上げたスポーティーなナイロンジャケットにミッドカーフ丈のタイトスカートを合わせたり。

また、日常をより意識した提案として、“マルモ“柄を控えめに表現したベージュキャンバスのワークパンツやシャツジャケット、オーバーサイズのポプリンシャツとハイウエストのタイトスカートをドッキングしたドレスなども登場。黒をベースにしたドレスには、首元や袖口にリボンのようにプリントをあしらったり、裾にプリント地で作ったフリンジを配したりすることで、落ち着いたデザインにアクセントを加えている。

仕上げは「タトゥージュエリー」と
遊び心あるアクセサリー

スタイルを仕上げるのは、「タトゥージュエリー」と呼ぶ皮膚の上にあしらったシルバーのタトゥーシールや、足に柄を描くようなグラディエーター風サンダル。そのデザインは、「かつてカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が、『プッチ』をまとう姿は体にタトゥーが施されているかのようだと話していた」ことからヒントを得たものだという。

そして、アクセサリーデザインの経験も豊富な彼女は、ブランドの裾野を広げるためにバッグやシューズ、ジュエリーの提案を引き続き強化。ロープ状のプリント地を編み上げたショルダーバッグやラフィアのバスケットバッグ、広げるとトートにもなる二つ折りのクラッチから、レインブーツから着想したキトゥンヒールのシューズ、装飾を施したヌーディーなサンダル、ウニや貝を想起させるジュエリー、モビールのように丸いパーツが揺れるピアス、ライターケースのペンダント、ロープを用いたウォレットコード、“マルモ“プリントをあしらったメタルフレームのサングラスなど、遊び心あるアイテムをそろえた。

暗い時代にこそ大切な
ポジティブさやハッピーな気持ち

今シーズンはこれまでの弾けるようにカラフルでパワフルなイメージに比べ、色使いもシルエットも柔らかな印象だった。しかし、イタリア人歌手ナーダ(Nada)のアップビートな「AMORE DISPERATO」が流れる中で行われたショーや、夜遅くまで盛り上がったアフターパーティーは、「プッチ」らしい自由で開放的なエネルギーにあふれていた。

世界中でさまざまな問題が起こる中、多くのデザイナーがこの暗く不確かな時代について口にしたり、その思いをコレクションに反映したりしている。カミーユは、そんな今に対して「私自身、世の中で起こっていることに影響されやすい」としながらも、「ショーを通して少しでもポジティブさを届けたいし、ひとときでも不安を忘れてハッピーな気持ちになってほしい。それがない人生なんて終わったようなものだし、うんざりでしょ?」と話す。そんな彼女の「どんな状況においても人生を楽しむ」という姿勢は、人々に高揚感をもたらすデザインで知られるブランドのDNAにも通じるものであり、こんな時代にこそ忘れてはいけないマインドかもしれない。

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雨が多いデンマークで生まれた「レインズ」 創業の地オーフスの新本社で見せた進化する“アーバンアウトドア“スタイル

2012年にレインジャケットからスタートしたデンマーク発のライフスタイルブランド「レインズ(RAINS)」はこのほど、創業の地オーフスに昨年11月にオープンした新たな本社で25-26年秋冬コレクションのショーを開催した。

オーフスはデンマークでコペンハーゲンに次ぐ第二の都市だが、その規模はこじんまりしていて穏やかな雰囲気が漂う。そんな街中から車で約30分の自然豊かな郊外に、「レインズ」はブルータリズム建築の新本社を構えた。ミニマルな空間に飾られたアート作品やモダンなインテリアが目を引く社内は、広さ1万1000平方メートル。オフィスとウエアハウス(倉庫)が一体化したデザインが特徴で、ガラスを多用することによりオープンな雰囲気を生み出している。また外壁の一部はリビングウォール(緑化壁)になっていて、雨水と時の経過によって緑が茂る。そんなインダストリアルなムードと自然が融合する本社は、ブランドが追求する“アーバンアウトドア“の概念を体現している。

誇張と豊かな質感で
定番を再解釈

「レインズ」にとって10回目のショーとなる今回の舞台は、スチールの棚が並ぶウエアハウスの通路を白い布で仕切った細長い空間。スティーン・ボルグホルム(Steen Borgholm)最高経営責任者(CEO)は、「ここはブランドの未来を指し示す場所。他とは異なる大胆な方法で、ブランドの未来を見せたかった」と新たな“ホーム“でショーを開いた理由を話す。

「フォーエバー(FOREVER)」と題した今季のコレクションの出発点は、定番の再解釈。ブランドを象徴するスタイルを軸に、アレンジを加えてデザイン性を打ち出した。例えば、レインジャケットやコートは、目の下までを覆う高い襟やパワフルな幅広のショルダーライン、構築的なフードで部分的に誇張。シグネチャーのPU素材に加え、光沢加工を取り入れたり、ハードシェルのコンセプトを掘り下げたり、毛足の長いファーのような防水フリースを用いたりと、質感のバリエーションやその対比もカギになった。そんなデザインや素材使いに加え、ショール状のパーツで体を包み込むようなスタイルやウエストをシェイプしたシルエットは、秋冬のトレンドにも通じる。

また、コペンハーゲンやパリで開いたこれまでのショーでは、ボリュームのあるパファーやトレーンを引くようなマキシ丈を用いたコンセプチュアルなアイテムが多い印象だった。しかし、今季はジャケットをあえて前後逆で着せたり、素材のミックスやレイヤードを駆使したりといったスタイリングを通して、ショーで“魅せる“ための遊びを効かせた。

ヨハンネ・ディンドラー(Johanne Dindler)=ヘッド・オブ・デザインが、今回のコレクションで改めて明確にしたのは「アクセシブルでありながら、先進的」というブランドのDNA。「『レインズ』の魅力は、一つのアイコニックなシルエットから全てがスタートしたこと。それを称えるとともに、いかにそのDNAを保ちながらも未来へ向けて進化させていくかを表現したかった」と話すように、マットなPU素材で作られたレインジャケットだけにとどまらないブランドの進化を示した。

3月には日本初の店舗を
ラフォーレ原宿にオープン

「レインズ」の現在の主要市場はアメリカ、フランス、イギリスなどで、欧米にはすでに約30店舗を構えている。日本ではワーキングユニット・ジャパン、ルックを経て、23年8月からはブルーベル・ジャパンが輸入代理店になり、3月には国内初の常設店をラフォーレ原宿1階にオープンしたばかりだ。

ボルグホルムCEOは、日本市場について「“機能的“や”クリーン“など日本とスカンジナビアのデザイン美学や価値観には共通する部分が多く、『レインズ』との相性はとても良いと思う。バッグやアクセサリーからウエアまで、今後の発展に大きな期待を寄せている。特に新たにローンチした“スバ(SUVA)“シリーズはこれまでのPU素材より透湿性にも優れているので、日本の気候にピッタリだろう」と説明。ブランドとしては「さらに機能性とデザイン性を併せ持つアイテムのラインアップを広げて、ブランドの世界観を補完していく」とし、26年にはシューズのローンチを予定する。

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【バックステージ】「ピリングス」2025-26年秋冬コレクション

「ピリングス(PILLINGS)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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【バックステージ】「タン」2025-26年秋冬コレクション

「タン(TAN)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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【バックステージ】「タン」2025-26年秋冬コレクション

「タン(TAN)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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「ロンシャン」2025-26年秋冬コレクション

「ロンシャン(LONGCHAMP)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。

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【バックステージ】「カミヤ」2025-26年秋冬コレクション

「カミヤ(KAMIYA)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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【バックステージ】「リブ ノブヒコ」2025-26年秋冬コレクション

「リブ ノブヒコ(RIV NOBUHIKO)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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「アンテプリマ」はアートの力で前進 現代アーティストの加藤泉とコラボ

「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」がミラノで発表した2025-26年秋冬コレクションは、現代アーティストの加藤泉をコラボレーターに迎えた。デフォルメした人物や生命体のモチーフを素朴なタッチで表現するモダン・プリミティブな加藤の世界観を基盤に、アートとファッションの融合で生まれる新しいクリエイションを披露した。

加藤のインスピレーションの引き出しを
自由に開けて制作

「アンテプリマ」の荻野いづみクリエイティブ・ディレクターは、これまでも現代アートから多くのインスピレーションを得てきた。アーティストの田島美加を全面的にフィーチャーした昨シーズンに続き、ブランドのクリエイションとアートの関係性はますます深まっている。「ファッションには人を呼び込む力がある。デザイナーとしてその力を最大限に生かしつつ、広い壁になったようなつもりでアーティストを世界に紹介していきたい」と荻野は語る。

2025-26年秋冬コレクションは、注目の現代アーティストの加藤泉とタッグを組んだ。「彼の作品を初めて見た時、その独特な世界観に驚いた。最初は正直、大きな違和感として印象に残ったが、実際に作品を家に飾ってみるとどこかかわいらしさがある。作品と向き合ううちに、すっかり彼の世界観のとりこになっていた」と荻野は振り返る。

「加藤氏のたくさんのインスピレーションの引き出しを自由に開けながら作り上げた」というコレクションは、加藤のプリミティブな世界観を、思わず触れたくなるようなシャギーニットやコーデュロイといった素材で表現した。そこに乗せるブルーやダークブラウン、ディープパープルなど、鮮やかでありながらダークなカラーパレットが今季を印象付ける。荻野は「秋冬の色を考え始めた時、アンリ・ルソーの色にひかれた。そこで加藤氏の絵画を見直すと、そこにはルソーがいた」と話す。オーバーサイズのニットとバミューダショーツ、太いカーゴパンツといったボーイッシュなスタイリングは、加藤の普段の着こなしに着想を得た。その結果、年齢やジェンダーを問わない普遍的なワードローブが完成している。色の重ねを楽しむ自由なレイヤードスタイルもブランドらしい。加藤のアートワークは、アルパカを混紡したニットに色彩豊かな風合いで落とし込んだり、リブニットを使用したコートにツートーンのシェニール糸を用いて透け感のあるポインテール編みで表現したり、ナイロンブルゾンの背面に繊細に刺しゅうしたりと職人技が光る。

目指したのは「ウエアラブルアート」

「コレクションをアーティストの宣伝の場にしたら面白いのではないかと思ったのがきっかけだった。アーティストの力を借りることで、私たちも新鮮な視点が得られるし、アーティスト本人も想像していないようなクリエイションが生まれる。双方にとってウィンウィンな新しい支援の形ができたのではないか」と荻野。目指すは、ファッションとアートを融合した「ウエアラブルアート」領域の開拓だ。「例えば、着終わった後には壁に掛けて鑑賞することもできる。ファッションとアート双方の側面を持つことで、モノとしての価値が高まる。そうして、長く大事に手元に置いてもらえるものを作ることが究極のサステナブルだと考える」。

「アンテプリマ」は今、シグネチャーのワイヤーバッグのリバイバルによって若年層にファンが広がっている。昨年改装した渋谷スクランブルスクエア店では、日本でのアパレルの販売を本格的に再始動。世代を問わずに感性に訴えかけるアートの力で、エイジレスな魅力が増している。

「ただのコピーで終わらない、
作品が良い意味で素材として使われていた」

WWD:荻野クリエイティブ・ディレクターとの出会いは?

加藤泉(以下、加藤):元々荻野さんとは香港のアートセンター「CHAT」を通じて知り合った。今回コラボのオファーを受けた時は安心して引き受けられた。荻野さんの、はっきりした性格を知っていたので「好きに作品を選んで作ってみてください」とお伝えし、自由なデザインで表現してもらった。

WWD:コレクションを見た感想は?

加藤:正直、最初はどんな部分に親和性があるのか分からなかったが、出来上がったサンプルを見たら「大丈夫なんだな」と安心した。実際にコレクションの中では、作品が良い意味で素材として使われていた。ただ作品をコピーして使うのではない姿勢が、自分の作品作りの姿勢とも似ていてうれしかった。グラフィックの解釈も「こういう風に感じてるんだな」と知ることができ、面白くて新鮮だった。またこの機会に、シグネチャーのワイヤーバッグは全て職人の手仕事で編まれていると知り、好感を持った。

WWD:「アンテプリマ」はアーティストの支援に積極的だ。

加藤:素晴らしい活動だと思う。ファッションとアートは共に専門職だと思うが、お互いにリスペクトある関係性が重要で、それがあれば、新しい何かが始まるはずだ。

アートプライズ立ち上げで
アーティストを支援

「アンテプリマ」は昨年、香港のアートセンターCHATとの協業でテキスタイルアートの新たなプライズを立ち上げた。さまざまなテキスタイル、技術、テクノロジーを駆使し、現代社会に共鳴するクリエイティブなコンセプトと、先見性に富んだアイデアの展開を促進することを目的とする。また、特にアジアの視点からテキスタイルアートの世界を探求し、新たな着眼点を生み出すことを目指している。

問い合わせ先
アンテプリマジャパン
0120-03-696

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「アンテプリマ」はアートの力で前進 現代アーティストの加藤泉とコラボ

「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」がミラノで発表した2025-26年秋冬コレクションは、現代アーティストの加藤泉をコラボレーターに迎えた。デフォルメした人物や生命体のモチーフを素朴なタッチで表現するモダン・プリミティブな加藤の世界観を基盤に、アートとファッションの融合で生まれる新しいクリエイションを披露した。

加藤のインスピレーションの引き出しを
自由に開けて制作

「アンテプリマ」の荻野いづみクリエイティブ・ディレクターは、これまでも現代アートから多くのインスピレーションを得てきた。アーティストの田島美加を全面的にフィーチャーした昨シーズンに続き、ブランドのクリエイションとアートの関係性はますます深まっている。「ファッションには人を呼び込む力がある。デザイナーとしてその力を最大限に生かしつつ、広い壁になったようなつもりでアーティストを世界に紹介していきたい」と荻野は語る。

2025-26年秋冬コレクションは、注目の現代アーティストの加藤泉とタッグを組んだ。「彼の作品を初めて見た時、その独特な世界観に驚いた。最初は正直、大きな違和感として印象に残ったが、実際に作品を家に飾ってみるとどこかかわいらしさがある。作品と向き合ううちに、すっかり彼の世界観のとりこになっていた」と荻野は振り返る。

「加藤氏のたくさんのインスピレーションの引き出しを自由に開けながら作り上げた」というコレクションは、加藤のプリミティブな世界観を、思わず触れたくなるようなシャギーニットやコーデュロイといった素材で表現した。そこに乗せるブルーやダークブラウン、ディープパープルなど、鮮やかでありながらダークなカラーパレットが今季を印象付ける。荻野は「秋冬の色を考え始めた時、アンリ・ルソーの色にひかれた。そこで加藤氏の絵画を見直すと、そこにはルソーがいた」と話す。オーバーサイズのニットとバミューダショーツ、太いカーゴパンツといったボーイッシュなスタイリングは、加藤の普段の着こなしに着想を得た。その結果、年齢やジェンダーを問わない普遍的なワードローブが完成している。色の重ねを楽しむ自由なレイヤードスタイルもブランドらしい。加藤のアートワークは、アルパカを混紡したニットに色彩豊かな風合いで落とし込んだり、リブニットを使用したコートにツートーンのシェニール糸を用いて透け感のあるポインテール編みで表現したり、ナイロンブルゾンの背面に繊細に刺しゅうしたりと職人技が光る。

目指したのは「ウエアラブルアート」

「コレクションをアーティストの宣伝の場にしたら面白いのではないかと思ったのがきっかけだった。アーティストの力を借りることで、私たちも新鮮な視点が得られるし、アーティスト本人も想像していないようなクリエイションが生まれる。双方にとってウィンウィンな新しい支援の形ができたのではないか」と荻野。目指すは、ファッションとアートを融合した「ウエアラブルアート」領域の開拓だ。「例えば、着終わった後には壁に掛けて鑑賞することもできる。ファッションとアート双方の側面を持つことで、モノとしての価値が高まる。そうして、長く大事に手元に置いてもらえるものを作ることが究極のサステナブルだと考える」。

「アンテプリマ」は今、シグネチャーのワイヤーバッグのリバイバルによって若年層にファンが広がっている。昨年改装した渋谷スクランブルスクエア店では、日本でのアパレルの販売を本格的に再始動。世代を問わずに感性に訴えかけるアートの力で、エイジレスな魅力が増している。

「ただのコピーで終わらない、
作品が良い意味で素材として使われていた」

WWD:荻野クリエイティブ・ディレクターとの出会いは?

加藤泉(以下、加藤):元々荻野さんとは香港のアートセンター「CHAT」を通じて知り合った。今回コラボのオファーを受けた時は安心して引き受けられた。荻野さんの、はっきりした性格を知っていたので「好きに作品を選んで作ってみてください」とお伝えし、自由なデザインで表現してもらった。

WWD:コレクションを見た感想は?

加藤:正直、最初はどんな部分に親和性があるのか分からなかったが、出来上がったサンプルを見たら「大丈夫なんだな」と安心した。実際にコレクションの中では、作品が良い意味で素材として使われていた。ただ作品をコピーして使うのではない姿勢が、自分の作品作りの姿勢とも似ていてうれしかった。グラフィックの解釈も「こういう風に感じてるんだな」と知ることができ、面白くて新鮮だった。またこの機会に、シグネチャーのワイヤーバッグは全て職人の手仕事で編まれていると知り、好感を持った。

WWD:「アンテプリマ」はアーティストの支援に積極的だ。

加藤:素晴らしい活動だと思う。ファッションとアートは共に専門職だと思うが、お互いにリスペクトある関係性が重要で、それがあれば、新しい何かが始まるはずだ。

アートプライズ立ち上げで
アーティストを支援

「アンテプリマ」は昨年、香港のアートセンターCHATとの協業でテキスタイルアートの新たなプライズを立ち上げた。さまざまなテキスタイル、技術、テクノロジーを駆使し、現代社会に共鳴するクリエイティブなコンセプトと、先見性に富んだアイデアの展開を促進することを目的とする。また、特にアジアの視点からテキスタイルアートの世界を探求し、新たな着眼点を生み出すことを目指している。

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アンテプリマジャパン
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“眠れる森の美女”が覚醒 サラ・バートンの「ジバンシィ」、鮮烈デビュー

ジバンシィ,GIVENCHY

サラ・バートン(Sarah Burton)=アーティスティック・ディレクターによる新生「ジバンシィ(GIVENCHY)」のデビューは、2025-26年秋冬パリ・ファッション・ウイークにおける最大のニュースだ。バートンは3月7日、自身初の「ジバンシィ」のコレクションを、1959年からのメゾンの本拠地であるジョルジュ・サンク通り3番地のサロンで発表。それは、彼女が90年代後半、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が「ジバンシィ」のトップを務めていたとき、共に働いた思い出の場所でもある。初のコレクションは、近年のゴスやストリートへの傾倒をリセット。本懐であるシルエットに立ち返り、会心の出来栄えだった。すでにセレブリティーのレッドカーペットも手掛けており、オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)らと蜜月だったユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)を彷彿とさせるメゾンへと再興しつつある。“眠れる森の美女”が覚醒した。

着想源は1952年の綿織物

ジバンシィ,GIVENCHY

「ジバンシィ」のクリエイションを託されたバートンはまず、アーカイブのリサーチに没頭。そしてユベール・ド・ジバンシィ最初のメゾン、アルフレッド・ド・ヴィニー通り8番地の邸宅にある隠し戸棚の中から改装の際に発見された、1952年のファースト・コレクションの一部を成す綿織物のパターンをインスピレーションの源にしたという。バートンはユベール・ド・ジバンシィがマネキンに生地を当てながら理想のシルエットを追求した姿を思い浮かべ、「『ジバンシィ』は、一言で言えばシルエット。理想のシルエットのために追求するパターンとカッティング、クラフツマンシップにこそ立ち戻るべき」と悟った。そして近年のゴスやストリートなどのムードを削ぎ落とし、パターンとカッティングに尽力。それぞれ計3回のモデルフィッティングというオートクチュールに匹敵する過程を経て、ジョルジュ・サンク通り3番地にある「ジバンシィ」の現在の本拠地で、シルエットへのこだわりを見せつけた。会場の椅子は、綿織物が入った茶封筒が見つかった時の様子を再現したもの。歴史を積み重ねて今日に至った「ジバンシィ」へのリスペクトなのだろう。

フィッティングへの徹底したこだわり

デビューコレクションは、メッシュで作ったボディースーツで幕を開けている。構造を詳らかにするメッシュ素材だから一切の誤魔化しが効かない。セカンドスキンのように“シンデレラ・フィット”するボディースーツでの幕開けは、パターンとカッティング、そしてフィッティングに徹底的にこだわったバートンの自信の表れに他ならない。女性の体こそ、一番美しいシルエットという思いも込めているのだろう。

「現代女性の全てを表現したい。強さや繊細さ、感情的な知性、パワフルでありながらセクシーであること、その全てを」と話す通り、バートンはテーラリングを軸に、メンズ由来の技術をウィメンズのシルエットに活用して、相反するものの融合に挑んだ。たとえばジャケットやコートは、ショルダーラインが力強いのに対して、ウエストは緩やかにくびれて優しい。覆い隠した前面に対して肌を露出する背中、レザースカートの後ろに深く刻んだスリットなどは、フォーマルのムード漂うコレクションの中で官能的な雰囲気を醸し出す。

ユベール・ド・ジバンシィへのオマージュも忘れない。オードリー・ヘプバーンも愛したリトル・ブラック・ドレスは、シャンティレースを使ったマイクロミニのベビードールドレスで提案。軍服由来のトレンチコートなどには、コクーンバックと呼ぶふんわりと広がるシンボリックなシルエットを盛り込んだ。白シャツは片方の肩でプリーツを寄せながら生地を垂らし、裾はアシンメトリーに仕上げてドレスに昇華。昨今のウィメンズに欠かせないヘルシーやアクティブ、自然体なのにエレガントな雰囲気を纏わせた。

イヴニングも圧巻だった。ユベール・ド・ジバンシィが多用したリボンやノットのアイデアで、オリエンタルなボタニカル刺しゅうを加えたダッチェスサテンを操り、ドラマチックなシルエットに仕上げていく。チュールのフリルやねじれたリボン、フェティッシュなコーンヒールのミュールやサンダル、パンプスもクチュールメゾンの品格を備えた。

“メゾンの核となるシルエットに
立ち戻ろうと考えた”

WWD:初のコレクションを制作するにあたり、どのようなことを考えたか?

サラ・バートン「ジバンシィ」アーティスティック・ディレクター(以下、バートン):私にとって、「ジバンシィ」のDNAはシルエット。それ以外の全てを削ぎ落とすことで、このメゾンの核となるものに立ち戻ろうと考えた。

WWD:アーカイブとはどのように向き合っているか?

バートン:「ジバンシィ」にはヘリテージ部門に素晴らしい女性の責任者がいて、彼女はこのメゾンでこれまでに起こったこと、例えば、手紙や写真、パターンなどのあらゆるものを集めているの。信じられない程のアーカイブで、正直まだ全てには目を通せていないけれど、まずユベールの最初のコレクションを見るところから始めた。それは、無駄を削ぎ落としてシルエットにフォーカスしたもので、かなりヒッチコック的でもあった。そこからスタートしたものの、プロポーションにひねりを加えたり、大胆に拡大したりして、現代の女性に響く服になるよう工夫した。

WWD:今回のコレクションには、化粧品のコンパクトやパウダーパフをモチーフにした装飾など、意外なユーモアも見られた。

バートン:今の世界には、ちょっとした楽しさが必要かもしれないと思ったの。私が取り組みたかったのは、私が服を手掛けたり、一緒に仕事をしたりするあらゆる女性たちに語りかけること。だから、このコレクションでは現代を生きる女性の全てを表現したかった。女性には、セクシーだと感じたい瞬間もあれば、力強さを感じたい場面もあるし、もろさや繊細さを感じたい時もある。そんな女性であることの複雑さをたたえるのは本当に素晴らしいことだと思う。

WWD:英国を代表するデザイナーズブランドからフランスの有名なクチュールメゾンへ移籍したが、心境の変化は?

バートン:どこにいても、自分自身のストーリーを語らなければならないということは同じ。そのメゾンが象徴するものを確立することは重要だけど、私たちが生きている今の世界に何を伝えたいのか、人々にどう感じてほしいのかということを、感情や信頼をもって解釈することが大切だと思う。

WWD:いずれはクチュールも手掛けたいと語っていたが、具体的な計画は?

バートン:私にとってはアトリエが全て。なので、まずは揺るぎないアトリエを確立したい。ゆくゆくは「アレキサンダー・マックイーン」時代に取り組んでいたような学生向けのパターンカッティングなどのワークショップにも取り組みたい。クチュールを手掛けたい気持ちはあるけれど、それはふさわしい時期が来たらと考えている。

レッドカーペットの世界も
バートンの「ジバンシィ」に注目

サラ・バートンによる「ジバンシィ」はパリ・ファッション・ウイークに先駆け、レッドカーペットの上で早くも注目を浴びていた。女優のエル・ファニング(Elle Fanning)は3月2日(アメリカ時間)、バートンによる「ジバンシィ」のドレス姿でアカデミー賞のレッドカーペットに登場。フランス・リヨンのレースとシルクのチュールを贅沢に用い、ブラックのグログランリボンとコルセットでウエストを緩やかにマークしたドレスは、パパラッチの注目を集めた。バートンは、ユベール・ド・ジバンシィが1952年に作ったドレスに着想源を得たという。同じ会場には、ティモシー・シャラメ(Timothee Chalamet)もバートンがデザインしたカスタムメードのレザースーツ姿で登場。鮮やかなバターイエローは、25-26年秋冬コレクションを彷彿とさせる。

問い合わせ先
ジバンシィ ジャパン
0120-218-025

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「オム プリッセ イッセイ ミヤケ」が変わる 「ピッティ」ゲストに決定し「新たな創作の旅に出る」

「オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE)」(以下、オム プリッセ)は、イタリア・フィレンツェで6月に開催するメンズ見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」(以下、ピッティ)第108回に“名誉招待ブランド”として参加する。6月18日に、フィレンツェ市内の会場で2026年春夏コレクションを披露する予定だ。

また、「オム プリッセ」は今後の新たなクリエイティブの方針も発表した。新作は、シーズンごとに世界のさまざまな場所を巡りながら発表し、同時に、イベントや場所に合わせた企画も開催するという。「ピッティ」への参加は、その新たな試みの皮切りとなる。26年春夏シーズンは、イタリアのさまざまな街で行ったリサーチを起点にしたコレクションになるという。「旅を通して、経験と知識を積むことは、私たちのモノ作りをさらに発展させる糧となる。さまざまな文化の中で創作活動に取り組むことが、多様性に富む普遍的な服作りにつながると信じている」と同ブランド。

「ピッティ」のラファエル・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)最高経営責任者は「かねてより、この偉大な日本のブランドを『ピッティ』と結びつけたいと願っており、ようやく叶った。今回の“名誉招待”とは、『オム プリッセ』の世界的成功と高いクオリティー、創造性、独創性を称えるもの。同時に、創設者である三宅一生氏の“静かで気品ある魔法”を現代的に再解釈し、現在のクリエイティブディレクションを発信する意味も込めている」とコメントする。

「オム プリッセ」は、19年にパリで初のプレゼンテーションを開き、以降はパリ・メンズ・ファッション・ウイークの公式スケジュールで発表を続けてきた。今年1月のパリメンズは、同じイッセイ ミヤケのメンズブランド「アイム メン(IM MEN)」が参加し、「オム プリッセ」は「今後の発展と進化を見据え、新しい計画を立案中」としていた。

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「ヘヴン タヌディレージャ アントワープ」2025-26年秋冬コレクション

「ヘヴン タヌディレージャ アントワープ(HEAVEN TANUDIREDJA ANTWERP)」が2018-19年秋冬コレクションを発表した。

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「ギャップ」×「ザ・マペッツ」 アイテムを着用したマペットをプリント

カジュアルファッションブランド「ギャップ(GAP)」は、世界中で愛されるディズニー作品「ザ・マペッツ」シリーズに登場するマペットたちをデザインした「The Disney Muppets Collection」を「ギャップ」公式オンラインストア限定で発売した。

本コレクションは、メンズTシャツ(6990円)5型とクルーネックスエット(9900円)2型をラインアップする。プリントされたキャラクターたちは、「ギャップ」のデニムジャケット、Tシャツ、オーガニックコットンポプリンビッグシャツを着用し、スタイリングは同ブランドのクリエイティブ・ディレクターであるザック・ポーゼン(Zac Posen)が担当した。

「ザ・マペッツ」に登場するマペットのリーダーであるカーミット、映画・テレビスターのミス・ピギー、パフォーマンスアーティストのゴンゾ、お笑いが大好きなフォジー、ドラマーのアニマルなど、マペットの人気キャラクターたちがモノクロのポートレートで登場する。

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「ギャップ」×「ザ・マペッツ」 アイテムを着用したマペットをプリント

カジュアルファッションブランド「ギャップ(GAP)」は、世界中で愛されるディズニー作品「ザ・マペッツ」シリーズに登場するマペットたちをデザインした「The Disney Muppets Collection」を「ギャップ」公式オンラインストア限定で発売した。

本コレクションは、メンズTシャツ(6990円)5型とクルーネックスエット(9900円)2型をラインアップする。プリントされたキャラクターたちは、「ギャップ」のデニムジャケット、Tシャツ、オーガニックコットンポプリンビッグシャツを着用し、スタイリングは同ブランドのクリエイティブ・ディレクターであるザック・ポーゼン(Zac Posen)が担当した。

「ザ・マペッツ」に登場するマペットのリーダーであるカーミット、映画・テレビスターのミス・ピギー、パフォーマンスアーティストのゴンゾ、お笑いが大好きなフォジー、ドラマーのアニマルなど、マペットの人気キャラクターたちがモノクロのポートレートで登場する。

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「ジュンヤ ワタナベ」のドラマチックな造形に目を奪われ、「ノワール ケイ ニノミヤ」ではハッピーなムードに 25-26年秋冬パリコレ日記vol.5

今季のパリは本当に晴天続きで、昼はアウター要らず。例年、1〜3月のコレクション取材は寒かったり、雨が続いたりすることも多いので、天気がいいだけで気分が高まります。本日は、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」「ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)」「ノワール ケイ ニノミヤ(NOIR KEI NINOMIYA)」がコレクションを発表する“ギャルソン“デー。「エルメス(HERMES)」や「マックイーン(McQUEEN)」などもショーを開いた5日目の模様をお届けします。

キュビズムを服で表現する
「ジュンヤ ワタナベ」

藪野淳「WWDJAPAN」欧州通信員:朝は「ジュンヤ ワタナベ」から取材開始。今季はコム デ ギャルソン社の3ブランドとも街の中心にある同じ廃墟のようなビルが会場なので、移動しやすく助かります。トップバッターの「ジュンヤ」の会場は、V字を描くように客席を配置。ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)のロックな音楽に合わせ、V字のそれぞれの端から先端に向かってモデルが交互に歩いてきます。

「非リアルな服作りに魅了される」という渡辺淳弥さんは今季、身近な服をキュビズムの視点で再考。幾何学的な造形を服に取り入れました。序盤は、同ブランドのスタイルに欠かせない黒のライダースジャケットを連打。ただ、トゲのような形が飛び出していたり、三角のパーツを組み合わせて立体的なフォルムを作り出したり。「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」のブーツを袖にドッキングしたものまであります。続くトレンチコートやベルベットのドレスも、内側に仕込んだ立方体が出っ張っていたり、フレームが外に飛び出していたりとカクカクしたシルエットが特徴。また、MA-1は風船のようにふくらみ、ファーライクなジャケットはいくつものウィッグを組み合わせて表現しています。ラストには、三角や四角のパーツを組み合わせて作る、まさにキュビズムの概念を服に落とし込んだようなジャケットとコートを披露。ドラマチックな造形にフォーカスしたコレクションで、今季も唯一無二のクールさを追求しています。

「ノワール ケイ ニノミヤ」の
暗い時代を照らすハッピーなファンタジー

その後は、一旦「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「リンダ ファロー(LINDA FARROW)」の展示会に行き、再び「ジュンヤ」と同じビルに戻ってきました。「ノワール ケイ ニノミヤ」の会場は、ブルーライトで照らされた薄暗い空間。ピアノの生演奏と共に、暗闇に浮かび上がるように、サンゴやイソギンチャクを想起させる立体的な装飾が幻想的に光るルックからショーはスタートしました。そんな今季のテーマは「ファンタジー」。通常は服に用いられないような素材を積極的に使う二宮さんですが、今回はレジンを用いて奥行きを生み出し、布だけではできない新しい表現を探求したといいます。

その後も、海の中を想起させるような装飾や苔玉のような飾り、カットしたレザーをリングで繋いで表現する花などが黒をベースにしたガーリーなルックにボリュームをもたらします。そして、中盤からはよりカラフルでプレイフルな世界観へ。キッチュで大きなリボンや短いしっぽを集めたような装飾から、ヘアーエクステンションで形作ったバラのような花、ベビーベッドの上に飾るモビールのようなデザインまでを取り入れたドレスが登場しました。ポップでミックス感のあるサウンドも相まって、天真爛漫な子どものように明るくハッピーなムードを感じます。

コレクションやショーについて説明するよりも自由に感じてもらうことを大切にしている二宮さんはいつも多くを語りませんが、「基本的にファッションはポジティブなもので、人が前向きになるものということは変わらない」と言います。そんな思いで作られたコレクションは、暗くなりがちなこの混沌とした時代に夢と光をもたらしてくれました。

「ヴィヴィアン ウエストウッド」の
自由でアンドロジナスなスーツスタイル

ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)の遺志を継ぐアンドレアス・クロンターラー(Andreas Kronthaler)が着目したのは、彼女から学んだというテーラリングとニットへの愛。特に「英国で発明されたテーラリングに見られるフォーマルな構築美こそ、個性を際立たせる最高のキャンバス。スーツほどセクシーなものはないだろう」と説明するように、ジェンダーを問わず、さまざまな個性を持ったキャラクターを描くスーツスタイルやセットアップがそろいます。それは、ブランドの拠点であり、オーストリア・チロル出身のアンドレアスが30年暮らしているロンドンへのオマージュでもあるそう。また、今季は、「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(ANDREAS KRONTHALER FOR VIVIENNE WESTWOOD)」をメーンラインの「ヴィヴィアン ウエストウッド」と初めて融合。途中でスキーウエアが何体か登場したのは唐突で真意が分からずでしたが、歴史的な装いの要素とストリート感をミックスしたり、女性はマスキュリンなジャケットを着る一方で男性はパンプスを履いていたりと、ブランドの自由でアンドロジナスなアプローチを感じるコレクションでした。

そして、この日は「国際女性デー」だったのですが、そのシンボルであるミモザを携わえてアンドレアスがフィナーレに登場。歩きながら、女性ゲストに花束をプレゼントしました。ランウエイからだったので、手渡すというより結構な勢いで投げてましたけどね(笑)。

力強く前進する
「エルメス」ウーマン

藪野:「エルメス」の会場に入ると、用意されてたのはいくつものカーブした壁で区切られ、床に土が敷かれた茶色一色の迷路のような空間。土の上をブーツで力強く歩くモデルたちが、今季のイメージである振り返らずに前進する芯のある女性を体現しています。

デザインの根底にあるのは、メンズウエアや乗馬の世界。黒やチャコールグレー、チョコレートブラウンなどダークトーンをベースに、レザーとフェルトを用いたアイテムがそろいます。例えば、ブランケットコートはラムレザーとウールフェルトのリバーシブルデザイン。そのほか、レザーはジャケットやキルティングベストからくるぶし丈のパンツやショーツ、ボディーラインに沿ったフェミニンなドレスまで、フェルト地はワイドパンツやラップスカート、ボンバージャケットを引き伸ばしたようなコートなどに用いられています。そこにアクセントを加えるのは、クラシックなメンズシューズに見られるようなパーフォレーション(パンチング)やタッセルと、ピスタチオグリーンの差し色。スカートやドレスに深く入れたスリット、背中のホール、ファスナー開閉による肌見せや透け感のあるインナーのニットによって、力強さの中にフェミニニティーを加えています。またスタイリングでは、薄手のハイゲージニットやリブニットを首や腰に自由に巻く提案が目を引きました。

今季を象徴する潮流の一つに挙げられる「力強さ」ですが、多いのは1980年代風のパワーショルダーを通した表現。「エルメス」はまた異なるアプローチで、エレガンスが共存する力強さを見せてくれました。村上さんは、どう見られましたか?

村上要「WWDJAPAN」編集長:村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):ナデージュ・ヴァンヘ・シビュルスキー(Nadege Vanhee-Cybulski)クリエイティブ・ディレクターの上手さや、「エルメス」というメゾンのアティチュードに感銘を受けました。ここ数シーズン、ナデージュはバレエダンサーを思わせるボディコンシャスなシルエットを基調にエレガンスと力強さを共存させていますが、毎回少しずつ新しいんですよね。

今シーズンは、ブラックやレザー使いを増やし、ジャケットはコンパクトに。ブーツにはガラス加工したレザーのポインテッドトーをチョイスして、時々馬具のディテールを思わせるハーネスっぽいディテールを交えることで“戦闘能力高め“な感じを強調していますが、ここ数シーズンのタイトフィットなシルエットやヘルシーなミニ丈、そこに対して包み込まれるようなニットやケープ使いなどは変わらないんですよね。体に巻きつけたハイゲージのニットや何度も登場するニットタイツは、「私がずっと夢中になっているバレリーナが着想源です!」と言われても、「そうですねぇ〜」と言っちゃいそうです(笑)。一度買ったアイテムをずっと大事に楽しんでほしい、そしてブランドの普遍性を体感してほしいというデザイナーの願いやブランドの信念が、変わり続けることも必要なファッション業界の中で上手に表現できているなぁ、と毎回感心します。

さて、その後は、「コム デ ギャルソン」のコレクションで、「Don’t think. Feel. (考えるな、感じろ)」のお時間です。今回、私は下のリンクのように感じましたが、皆さんはいかがでしょうか?

「アン ドゥムルメステール」が
「エルメス」に通じるプレイフル?

村上:続いては「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」のショー会場に向かいます。ステファノ・ガリーチ(Stefano Gallici)クリエイティブ・ディレクターになって以降、「アン ドゥムルメステール」の“ポエティック時々ロック“なムードを普段使いできそうなアイテムも交えたスタイリングで表現するのが上手くなっています。

今シーズンは、アメリカの荒野を大冒険している感じでしょうか?フリンジをあしらったスエードブルゾンやコンチョ付きのベルト、カウボーイブーツに、「アン」らしいシフォンやチュール、レースのブラウスやドレス、ロング丈&フレアパンツのセットアップを合わせます。グランジムードが漂うモヘアのニットやネルシャツで作ったラップスカート、ダメージジーンズなども加え、上手にビンテージウエアを合わせているスタイリング上級者の雰囲気を醸し出しています。今の若い世代が共感するスタイリングですよね。このあたり、さすが20代のクリエイティブ・ディレクターは「若い世代のツボを押さえているな」という感じです。そして「アン ドゥムルメステール」もある意味、一度買ったアイテムはずっと楽しめるし、毎シーズン1つプラスすれば新しいスタイリングにも挑戦できるという「エルメス」的な性格を兼ね備えてきました。若い世代にはぜひ、ダメージTシャツやデニム、つけ襟、ヘッドピースあたりから、新しい「アン ドゥムルメステール」の世界を楽しんでほしいです。ステファノは、「プレイフルなスタイリングを楽しんでほしい」と話します。

美しい「マックイーン」には
期待してしまう畏怖・畏敬

村上:そして本日の最後は、ショーン・マクギアー(Sean McGirr)による「マックイーン」。前回のスマッシュヒットは越えられなかったでしょうか?超コンケープドショルダーでアワーグラスシルエットのジャケットや、ビクトリアン調なレースのブラウス、ドレープとフリルがカスケード状に流れるドレスなどはいずれも非の打ちどころがないけれど、私は「マックイーン」にそれ以上を期待してしまうんですよね。

上の記事にある通り、私たちが「マックイーン」に期待してしまうのは、強さや美しさと共に、脆さや儚さ。ダークファンタジーに着想源を得たり、命を削っているかのような渾身のクラフツマンシップを見せつけたり、「美しい」と共に「ヤバい」という感想が漏れてしまうようなクリエイションです。前回は、アイルランドの民話に登場する叫び声で人の死を予告する長い髪の精霊バンシーを着想源にしたり、オーガンジーをほどいてフリンジ状にした後で逆毛を立てて表現したボリューム感だったりで「ヤバさ」が滲み出ていたように思いますが、今回はちょっとゴージャスにヘルシーだったかな?ショーンは夜のロンドンに潜むダンディズムを着想源に、不眠症に悩む人たちの散歩などにも思いを馳せたそうですが、そういう“狂おしさ“みたいなものはもっと出ても良いかな?と思っています。マスクや蛾のモチーフなどの直接的な表現というよりは、着想源や渾身の職人技で次回も畏怖・畏敬の念を抱かせてくれることを期待しています。そのためには、厳しい気候や土地柄ゆえダークファンタジーな民話や逸話、伝統が数多く残る、ショーンの故郷のアイルランドにもっと思いを馳せても良いですよね。

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