「キーン」が原宿の明治通り沿いに新旗艦店 ブランドの思想、カルチャーの発信拠点

米アウトドア・フットウエアブランド「キーン(KEEN)」を展開するキーン・ジャパンは、東京・原宿に新業態「キーン ガラージ ハラジュク」を4月28日オープンした。

店舗は渋谷と原宿をつなぐ明治通り沿いの好立地で、面積は約130平方メートルと国内では最大級。日本事業を統括するヒルダチャン キーン・ジャパン ジャパン&エイパック リージョナルマネジングディレクターは、復活しているインバウンド客の取り込みも念頭に、「アジアのフラッグシップショップとしてブランドの商品の魅力やカルチャーを発信する拠点にしたい」と意気込む。

店舗では、ブランドを代表する水陸両用サンダル“ニューポート(NEWPORT)”の誕生からのストーリーを紹介しており、同モデルをはじめ多くのラインアップがそろう。“ガレージ&ファクトリー”がコンセプトの店内中央には、タイの製造工場のシューズ製造ラインで使用していたコンベアを什器として再利用。そのほかにもデッドストックやサンプルのシューズ約200足を天井の装飾として用いるなど、サステナビリティへの配慮や職人のクラフツマンシップへの尊敬を感じさせる空間となっている。

「キーン」は社会貢献や環境保護活動にも力を入れている。創業20周年を記念して販売している“ニューポート”の限定モデルを購入すると、「キーン」のパートナー5団体から支援先を選び、商品の税抜本体価格(1万8000円)を全額寄付できる。限定モデルは、ポリエステル素材の通常品とは異なり、バケッタフルベジタブルのタンニングレザーを使用。メタルバンジーコードに“20”の印字を施した。また、店頭には使い終わった「キーン」のシューズ・サンダルを回収・寄付するシュードネーションボックスも設置している。

■KEEN GARAGE HARAJUKU
住所:東京都渋谷区神宮前6-12-17 ダイヤモンドビル 1F
電話番号:03-5466-7350
営業時間:11時〜20時

問い合わせ先
キーン・ジャパン
03-6804-2715

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「雪肌精」から「リトル・マーメイド」などディズニー100周年限定デザインのリフィルキットが登場

 コーセーのスキンケアブランド「雪肌精(SEKKISEI)」は、15年目を迎える美しい地球のための環境支援プロジェクト「セーブ ザ ブルー(SAVE the BLUE〜Ocean Project〜)」の夏のキャンペーンを7月1日から8月31日まで展開する。今年は、海にまつわるディズニーキャラクターがデザインされた空ボトル付きの特別なリフィルキットを7月1日に発売。「リトル・マーメイド」「モアナと海の伝説」「ファインディング・ニモ」のキャラクターが入ったディズニー100周年限定デザインが登場する。

 「セーブ ザ ブルー」は、キャンペーン期間中の対象製品の売り上げに応じてサンゴの保全活動を支援する取り組み。14年間の活動で延べ面積1億1858万9237cm2のサンゴを移植している。ブランドではリフィル展開も積極的に行っており、例えば毎日のスキンケアを「雪肌精」の“クリアウェルネス ピュア コンク SS”化粧水本体(200mL)・化粧水リフィル(170mL)に変えた場合、本体容器に比べてプラスチック使用量を約80%削減(容量1mLあたりで換算した場合は削減率約70%)できることになる。

 今回新たに登場する限定デザインボトルが付いたリフィルキットは、1品で乳液・美容液・クリーム・マッサージ・マスクの効果がある多機能ジェル“ハーバル ジェル StB23”(3960円※編集部調べ、以下同)、ワントーン明るい肌へ導く低刺激性洗顔料“クリアウェルネス ジェントル ウォッシュ StB23”(1705円)、肌荒れを乾燥から防いでくれる高保湿化粧水“クリアウェルネス ピュア コンク SS StB23”(2970円)、透明感のある肌を育む高保湿乳液“クリアウェルネス リファイニング ミルク SS StB23”(3190円)。

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「雪肌精」から「リトル・マーメイド」などディズニー100周年限定デザインのリフィルキットが登場

 コーセーのスキンケアブランド「雪肌精(SEKKISEI)」は、15年目を迎える美しい地球のための環境支援プロジェクト「セーブ ザ ブルー(SAVE the BLUE〜Ocean Project〜)」の夏のキャンペーンを7月1日から8月31日まで展開する。今年は、海にまつわるディズニーキャラクターがデザインされた空ボトル付きの特別なリフィルキットを7月1日に発売。「リトル・マーメイド」「モアナと海の伝説」「ファインディング・ニモ」のキャラクターが入ったディズニー100周年限定デザインが登場する。

 「セーブ ザ ブルー」は、キャンペーン期間中の対象製品の売り上げに応じてサンゴの保全活動を支援する取り組み。14年間の活動で延べ面積1億1858万9237cm2のサンゴを移植している。ブランドではリフィル展開も積極的に行っており、例えば毎日のスキンケアを「雪肌精」の“クリアウェルネス ピュア コンク SS”化粧水本体(200mL)・化粧水リフィル(170mL)に変えた場合、本体容器に比べてプラスチック使用量を約80%削減(容量1mLあたりで換算した場合は削減率約70%)できることになる。

 今回新たに登場する限定デザインボトルが付いたリフィルキットは、1品で乳液・美容液・クリーム・マッサージ・マスクの効果がある多機能ジェル“ハーバル ジェル StB23”(3960円※編集部調べ、以下同)、ワントーン明るい肌へ導く低刺激性洗顔料“クリアウェルネス ジェントル ウォッシュ StB23”(1705円)、肌荒れを乾燥から防いでくれる高保湿化粧水“クリアウェルネス ピュア コンク SS StB23”(2970円)、透明感のある肌を育む高保湿乳液“クリアウェルネス リファイニング ミルク SS StB23”(3190円)。

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米「M・A・C」が32年ぶりにリサイクルプログラムを一新 「ループ」と提携

メイクアップブランド「M・A・C」はこのほど、1990年に開始したリサイクルプログラム「BACK TO M·A·C」を一新する。米国で新たに循環型ショッピングプラットフォーム「ループ(LOOP)」と提携するほか、再生プラスチックを提供する企業プラスチックス・フォー・チェンジ(Plastics for Change)へ10万ドル(約1330万円)を寄付する。日本では、対象の空き容器10個と“リップガラス”(税抜2300~2500円)1本を交換していたが、3月末で一時休止。新たな内容に見直す予定だ。

同プログラムは32年前にスタートし、消費者が「M・A・C」の空き容器を郵送、またはブランドのカウンターに返却することで、好きな商品と無料で交換できる仕組みで埋め立て廃棄物の削減を目指してきた。米国では2022年の1年間で、約930万本のリップスティックに相当する34万ポンド(約15万4000kg)以上の空き容器を回収した。

「ループ」との提携により、米国で年間約66万ポンド(約30万 kg)の商品を回収し、23年は22万〜44万ポンド(約10万〜20万kg)をリサイクルできると見込む。返送された空き容器は厳格なプロセスで処理し、自治体ではリサイクルできないとされるものも含め、新しい商品にリサイクルする。

「M・A・C」のアイーダ・ムダチルー・レボワ(Aida Moudachirou-Rebois)=シニア・バイス・プレジデント兼グローバル・チーフ・マーケティング・オフィサーは、「『BACK TO M·A·C』が誕生したとき、今ほどリサイクルへの関心は高くなく、『ループ』のようなパートナーもいなかった。われわれはリサイクルする量と方法のどちらも改善したい。目標は、商品提供と消費者の体験を損なうことなく、商品のライフサイクル全体を通じてより責任ある選択をすることだ」と語った。

リサイクルプログラムの強化に加え、環境負荷軽減のための取り組みにも投資しており、25年までにパッケージの60%をリサイクル素材で詰め替え・再利用可能なものにし、プラスチックの50%をPCR(ポストコンシューマーリサイクル、消費者が使用済みの商品を回収し再生資源化すること)素材にすることを目標とする。

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ビューティ業界初、化粧品版“ボトルtoボトル”工場が本格稼働 ビューティクルが水平リサイクルに挑む

化粧品容器の製造販売事業を展開するツバキスタイルとグラセルの合弁会社ビューティクルは5月11日、佐賀・神埼市に化粧品容器における水平リサイクルのプログラムを導入した工場を竣工した。2階建てで、延べ床面積4000平方メートルのリサイクル工場と延べ床面積1650平方メートルの倉庫を併設する。総工費は約40億円。

「ビューティクル佐賀工場」は、化粧品やトイレタリー商品の容器回収から容器再生(製造)まで一気通貫で行い、PP(ポリプロピレン)とPE(ポリエチレン)製の化粧品容器の水平リサイクルに挑む。なお、同取り組みは化粧品業界で初。すでに病院やホテル、小売業との提携を開始しており、年内を目処に同工場で製造された再生化粧品容器の供給を図る。

竣工式に登壇した杉山大祐ビューティクル社長は、「飲料のペットボトルのリサイクルシステムは確立しているが、化粧品と日用品容器は水平リサイクルは現状できていない。この壁を乗り越えるべく、業界初の循環型プログラムを踏襲したこの工場を成功させ、新たなビジネスモデルとして日本におけるSDGsの取り組みに貢献していく」と話す。

谷村敏昭ビューティクル会長は、「化粧品を使用することで、髪や肌をきれいにすることができる一方、その商品の容器で地球を汚すことはいけない、という発想が同事業につながっている。新工場からより付加価値を高めたリサイクルプログラムを遂行していく」と述べる。 

従業員は約120人で大半を地元から新規雇用しており、神埼市の内川修治市長は「進出を心待ちにしていた。今後も自治体と手を組み、地域活性化のために関係を深めていけたら」と期待を寄せる。

なお、いち早く同取り組みに賛同した新日本製薬は、22年4月から水平リサイクルで同じ容器に再生させる「パーフェクトワン リサイクルプログラム」を実施。直営8店舗で一部の使用済容器を回収しており、近々、ビューティクル佐賀工場で再生製造したプラスチック容器を使った商品展開を目指す。

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「ゲラン」が原材料の産地からリサイクルまで追跡できるデジタルプラットフォームの日本語版を公開 LVMH傘下のビューティブランドでは初

「ゲラン(GUERLAIN)」は5月10日、商品のトレーサビリティープラットフォーム「ビーリスペクト(BEE RESPECT)」の日本語版を公開した。公式サイトからアクセスでき、スキンケアやメイクアップ、一部フレグランス商品の原材料の産地から輸送、販売、使用後にリサイクルされる場所まで追跡できる。2024年内に全てのフレグランスコレクションで利用可能となる。

サイトでは商品の成分や産地、パッケージの構成要素、生産地、納入業者など、商品にまつわる情報を閲覧できる。例えば、人気のリップ“キスキス ビー グロウ”は、原料の“ビーワックス”が中国、容器はスティック部分が中国、キャップはフランス、外箱はスペインが産地で、製造からリサイクルまではフランス国内で行われている。現在、152以上の商品、670以上の成分、40の生産者やパートナーを登録する。同ブランドが注力する商品のライフサイクル全体を積極的に開示する試みの一つだ。

「ビーリスペクト」は19年にフランス語版からスタートし、現在は英語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、中国語が対応する。トレーサビリティーツールの提供は、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下のラグジュアリービューティブランドでは初めて。

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資生堂「エリクシール」×ドラえもんのサステナビリティキャンペーン3年目は“未来を見守るドラえもん”の限定デザインボトル発売

資生堂のエイジングケアブランド「エリクシール(ELIXIR)」は、6月21日、ドラえもん限定デザインの化粧水“リフトモイスト ローション SP Ⅱ da”(170mL、3300円※編集部調べ)と乳液“リフトモイスト エマルジョン SP Ⅱ da”(130mL、3850円※同)を数量限定で発売する。全国のドラックストアや資生堂のECサイトなどで取り扱う。同商品はプラスチック・CO2の削減を目指すグローバルサステナビリティキャンペーンの一環で、ドラえもんとのコラボレーションは3回目となる。

「エリクシール」は、2012年から化粧水と乳液の詰め替え用パッケージを販売し、21年からグローバルサステナビリティキャンペーンをスタートした。23年のキーメッセージは、「Aging Care that Cares. エイジングケア。それは未来を想うケア」。2品とも、リサイクルPET72%以上のサステナブルなボトルを採用した。詰め替え用のパッケージの使用を促進するスペシャルムービーも配信し、サステナビリティへの興味・関心を高める発信を行う。

なお、同日から「エリクシール」の化粧水・乳液の詰め替え用2品の購入者には、ドラえもんオリジナルデザインのエコバッグをプレゼントする(なくなり次第終了)。

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ワールド、衣料品回収拠点をショッピングセンターやアウトレットにも拡大

ワールドは15日から、百貨店で実施してきた衣料品回収を全国のショッピングセンターとアウトレットモールにも広げ、計50箇所を加えて展開する。

「ワールド エコロモ キャンペーン」と称する同取り組みは2009年に開始。年間約100万枚、累計1,739万点の衣料品を回収してきた。他社製品を含む婦人服、紳士服、子供服1点の回収につき、店頭で使用可能なクーポン1枚を配布する仕組み。今回追加となる拠点でも、店内や館の特設カウンターで引き取り時に配られるクーポンを館内のワールド店舗で使用できる。2030年までに企業全体で年間1000万点の衣料品回収を目指す。

同キャンペーンでは2011年秋冬からリサイクルパートナーとも提携し、引き取った衣料品を再利用し販売も行っている。収益金は福島県や宮城県のこども寄付金やあしなが育成会など、主に子ども達の支援を行う団体に寄付されており、これまでの寄付総額は1億500万円以上に上る。

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「クロエ」ガブリエラ・ハーストに学生が素朴な疑問 初来日で見せた素顔

「クロエ(CHLOE)」のガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)=クリエイティブ・ディレクターが4月、2020年の現職就任以降初めて来日した。滞在中は、東京・新宿の専門学校モード学園で、在校生と国際ファッション専門大学の学生に向けた特別講義を実施。彼女のクリエイションの原点であるルーツをはじめ、念願だった「クロエ」での仕事についてやデザインへのこだわり、環境問題や女性のエンパワーメントに取り組む理由などについて、向千鶴「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクターとの対談を通じて熱く語った。後半には生徒からの質問も相次ぎ、ハーストは時間が許す限り丁寧に答えた。ここでは特別講義の内容を紹介し、「クロエ」のクリエイションを進化させるリーダーの素顔に迫る。
(この対談はガブリエラ・ハーストの特別講義から抜粋したものです)

母がクリエイションの原点
農業からものづくりを学んだ

向千鶴「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクター(以下、WWD):クリエイションに大きく影響する、自身のルーツについて教えてください。

ガブリエラ・ハースト=「クロエ」クリエイティブ・ディレクター(以下、ハースト):私はウルグアイにある農場の7代目として生まれました。私のクリエイションの原点といえるのが、当時18歳だった母の写真。母はサドルもなく不安定な馬に乗っているのに、彼女の顔からは恐怖などみじんも感じられない。この力強さと美しさを兼ね備えた母の姿が大好きで、私の約20年に及ぶキャリアに大きな影響を与えています。

2枚目は、母(左)と子どものころの私。これも私のクリエイションを語る上で、キーになる写真です。母はこの写真を通じて二つのことを教えてくれていて、一つ目はおでことおでこを当てるエスキモー流のあいさつ。もう一つは母が着ている服です。彼女はミニマルな人で、服は全て家族による手作りでした。母が着ているこのウールのスーツには、両親のイニシャルがあしらわれています。派手さはないけれど、丁寧に作られたこのスーツに私は影響を受け、自身のブランド「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」のファーストコレクションでは、このスーツをモデルにしたルックを発表しました。

ハースト:これは私が譲り受けた約8000ヘクタールの農場と、昨年農場173周年を祝して娘と帰省したときの写真です。私の娘たちは、家系で初めてウルグアイ以外で生まれましたが、彼女たちは自分のルーツをしっかりと認識しています。そして何より特別なのが、この農場が1850年から現在まで、女性が運営し続けている点です。

WWD:育った環境がクリエイションに大いにつながっていると感じます。

ハースト:「ガブリエラ ハースト」は、農業的な価値観を重んじて発足したブランド。私は農業を通じて二つのことを学びました。一つ目は、実用的で高品質なものづくり。私の故郷は市内から遠く、物を気楽に買いに行けなかった。だからこそ、服一つにしても次の世代まで着られるものである必要がありました。華やかさや豪華さではなく、実用的なものづくりを学びました。二つ目はサステナビリティ。農業は最も循環を体現した仕事であり、サステナビリティを学ぶ上でこれ以上の環境はなかった。このような環境で育ったことが、「ガブリエラ ハースト」と「クロエ」で働く今、とても役に立っています。

WWD:2015年には自身の名前を冠したブランド「ガブリエラ ハースト」をニューヨークで立ち上げました。世界一の大都市での生活はどのような影響を与えていますか?

ハースト:人生の半分をウルグアイで、もう半分をニューヨークで過ごしていて、その全ての経験がデザインの根源になっています。私は自分が好きになる街を瞬時に感じ取ることができるんです。18歳でニューヨークを訪れたとき、「私はここで生きていく」と感じました。世界にはあなたを呼んでいる場所があり、そういう場所での生活は、あなたに膨大なエネルギーを与えてくれるはず。でも、ウルグアイの、特に私の農場から見える地平線と建物が一つもない風景を見ると、心が落ち着きますね。

ファッションは過去を
エネルギーは未来を見据える

WWD:そして、20年のコロナ真っただ中に「クロエ」のクリエイティブ・ディレクターに就任します。

ハースト:「クロエ」でのデビューコレクションは、創業者ギャビー・アギョン(Gaby Aghion)の生誕100周年となる3月3日に行いました。「クロエ」は大好きでずっと働きたかったブランド。コロナ禍でリアルなショーを開催することはできなかったけれど、パリのサン=ジェルマンでムービーを撮影しました。この場所は、ギャビーが最もお気に入りで、彼女が最初にコレクションを披露した場所でもあります。

たった2カ月の準備期間でしたが、誇れることを実現しました。ホームレスの人々の保護に取り組む非営利団体シェルタースーツ ファンデーション(Sheltersuit Foundation)とコラボレーションしたことです。コロナによって世界中でホームレスが増えてしまった。だからこそ、私たちは“シェルタースーツ”と呼ばれる、寝袋になるコートや最大2人を保護してくれるジャケットをデザインしました。こういった取り組みは、社会問題に声明を発表しているのと同義。誰かのためのアクションは大切にしたいです。

WWD:「クロエ」というブランドをどう解釈していますか?

ハースト:「クロエ」で現職に就く前に、10万点以上の写真に目を通しました。私の中では「クロエ」がアフロディーテで、「ガブリエラ ハースト」がアテナ。アフロディーテは愛の神で、アフロディーテを象徴するスカラップは「クロエ」のシンボルでもあります。私はロゴを大きく見せるのが好きではないので、スカラップといったシンボルなど、分かる人には伝わるデザインを意識しています。これは、「クロエ」を創り上げた、創業者ギャビーの細部にまでこだわる精神にも通じています。

WWD:クリエイションの根底にあるサステナビリティへの考えについて、これまで手掛けたコレクションを題材に、まずは環境面から聞かせてください。

ハースト:服の美しさはもちろんですが、デザイナーの視点でいうと、私はサステナビリティを優先してデザインしています。自問自答と研究を繰り返しながら、素材が環境に与える影響を学びました。「クロエ」のデザイナー就任後、私はまず最初に「ガブリエラ ハースト」での素材の研究結果をブランドに落とし込みました。そして「クロエ」で当時使われていた素材を、サステナブルな素材に切り替えました。コットンジャージーの使用を控え、リサイクルコットンを多用しました。コットン栽培は大量の水に加え、除草剤や殺虫剤も多量に使用するので、自然に甚大な影響を及ぼします。皮膚は“人体最大の臓器”といわれるほど私たちの体の多くを占めるからこそ、肌に直接触れる服の素材には気を使わなくてはなりません。

WWD:リネンをよく使用しているのも、コットンに代わる素材としてでしょうか?

ハースト:リネンはよく使いますね。特に柔らかいリネンがお気に入りです。先ほどお話ししたリサイクルコットンもよく使っていて、23年春夏コレクションで発表したデニムルックは、87%がリサイクルコットン、17%がヘンプを採用しています。

WWD:サステナビリティは特に化学の世界に近く、従来のデザインの感覚とは違う知識や判断力が求められていると思いますが、それについては?

ハースト:サステナビリティは決して複雑ではなく、できる限り自然由来の素材を使い、石油由来の素材を控えるなど、とてもシンプルです。最も古い素材がウールであることを皆さんご存じですか?ウールは8000年もの歴史があります。例えばローマ時代、ヨーロッパではレザー、リネン、ウールの三つの素材を主に使っていました。日本はシルクでしょうか。その土地に元々どんな素材があったのかを知るのは大切なこと。私はファッションは過去を、エネルギーは未来を見据えて考えるようにしています。

WWD:女性のエンパワーメントにも熱心に取り組んでいますね。23-24年秋冬コレクションはそれが大きなテーマでしたが、着想源は?

ハースト:コレクションテーマは、17世紀のアルテミジア・ジェンティレスキ(Artemisia Gentileschi)です。これまで生きてきて、こんなに迫害され、辱めを受けた女性を私は知りません。女性は多かれ少なかれ一度は虐げられたり、辱めを受けたりすることがあると思いますが、このような状況は直ちに終わらせなくてはいけません。

コレクションでは、アルテミジアの作品に出てくるエスター王女を題材にしました。彼女は自身の権力を使って王を動かし、ユダヤ人、そして国を救った女性です。そしてアルテミジアは、ルネサンス時代に女性をとても明るく、力強く描いていました。600年も前から女性のエンパワーメントのために闘っていたのです。その意思は今日まで受け継がれ、私のような人間が現在は闘っています。コレクションでは彼女の作品を刺しゅうで描き、女性の力強さを表現しました。

環境を優先しても
創造性は失われない

WWD:世界のクラフトや企業との協業にも積極的です。その一つが、コレクションでもタッグを組んでいる「アカンホ(Akanjo)」ですね。

ハースト:「アカンホ」は、「クロエ」の約15年にわたるパートナーです。22年春夏コレクションで発表した、サステナブルな素材と職人の手仕事を融合するプロジェクト“クロエ クラフト(Chloe Craft)”では、過去のコレクションの余剰在庫のシルクを使ってマルチカラーのドレスやアクセサリーを作りました。私たちは、余剰在庫という“ごみ”になり得るものから何かを作り出すことで、廃棄問題を解決したいと考えています。今、資源はどんどん枯渇していて、これからのデザイナーは、“ごみ”をどのように使ってものづくりができるかを考える必要があります。再生資源であっても美しいものは作れるし、それを証明してみせます。

WWD:オーシャンソール(Ocean Sole)とはビーチサンダル“ロウ(Lou)”を製作しました。

ハースト:オーシャンソールはケニアのNPO団体で、彼らは海辺に漂着したビーチサンダルを年間約100万足収拾し、リサイクルして彫刻などのアート作品を制作しています。また、ビーチサンダルの回収や雇用を通じて、1200人以上のケニア人を支援しているほか、医療提供や1万2000人以上の学生に海洋保護の教育も行っています。環境を優先しても素晴らしいものは作れるし、創造性が失われるとは思いません。

WWD:ほかにも、「クロエ」はラグジュアリーファッションとして初めてBコープ認証(社会や環境への配慮、透明性、説明責任、持続可能性において企業のパフォーマンスを評価した認証制度)を取得しましたよね。

ハースト:Bコープに登録するのは、中〜大企業になったタイミングがおすすめです。なぜなら、ブランド規模が小さいうちは全体を見通せて、サステナブルかどうか把握できるけれど、規模が大きくなるほどそれが難しくなるから。Bコープ認証は、使用する素材や社員への待遇など約300の項目について細かく評価されるので、自分たちのブランドを見直す良いきっかけになります。認証の取得は、会社としてサステナブルな責任を持つ上で重要です。

WWD:23年春夏コレクションでは、新たな取り組み“クロエ・バーティカル”もスタートしました。

ハースト:23年春夏コレクションの一環で発表しました。商品に埋め込まれたデジタルIDを読み取ると専用ページに移動し、服に使われている素材をはじめ、製造工程や手入れ、修理方法、所有者番号付きの製品保証書などを確認することができます。顧客が求める知識や需要はどんどん広がっています。私たちデザイナーは製品の製造工程を理解していますが、私たちだけでなく、顧客の皆さんに知ってもらうことも大事。ファーストローンチでは、バッグ、シューズ、レディ・トゥ・ウエアの3カテゴリーで展開し、「クロエ」のサプライヤーや製造業者も全工程で参加しています。25年までに全製品へのデジタルID導入を目指します。


【ハースト × ファッション学生】
服が持つパワーは偉大
私たちを自由に変身させてくれる

生徒:ファッションに興味を持ったきっかけは?

ハースト:小さいころに映画「シンデレラ」でネズミや鳥の変身シーンを見て、ファッションに魅了されました。服が持つパワーは偉大で、私たちをいかようにも変身させてくれる。例えば起きたときに落ち込んでいても、気分が上がる服を着れば気持ちごと変えてくれますよね。服にはそういう魅力が詰まっていると思います。

生徒:故郷・秋田の伝統工芸を調べていくうちに、数百年から千年続く染めや織りの技法があることを知りました。将来は秋田で自分のブランドを立ち上げるため、ファッションやクラフトに興味がない人に、伝統工芸の技術の素晴らしさをどう伝えればいいですか?

ハースト:私はウルグアイやボリビアのNPO団体ともたびたび協業しています。伝統技術を自分のデザインに落とし込むには、協力し合いながら、デザインの精度を深めていくのが近道。個人的に興味があるのは、過去と未来のデザインや工芸品をミックスすること。日本の工芸品は海外の人から見てもとても魅力的。現在と過去、そしてそれを通して見る未来にワクワクします。

生徒:ものづくりにかける時間や考え方、生き方、売り方など、農場と都市におけるものづくりの違いはありますか?

ハースト:農業から一番影響を受けたことは、農業での長期的な視点をニューヨークという早いペースで物事が進む都市で実行すること。ファッションはアイデアを思いつくところから始まります。ミュージシャンが1年かけてアルバムを作り、2年かけてツアーを行うように、私は6カ月かけて8分間のファッションショーを制作します。常に時間を求めていますが、時間に縛られてはいけません。

生徒:自分のブランドも持ちながら他のブランドのデザイナーを務めるのはハードなはず。なぜ「クロエ」の仕事もしようと決めたのですか?

ハースト:「クロエ」はずっと好きだったブランドで、私自身の美の基準と「クロエ」の美の基準に違いを感じなかったから。似ている部分が多いスペイン語とフランス語みたいなものでしょうか。私はデザイン面でその感覚を分かっていたので、簡単に理解することができました。「ガブリエラ ハースト」で培った知識や経験が、「クロエ」のような大きなブランドでも役に立つか最初は不安でしたが、実際役に立ちました。この選択をしてとても良かったと思います。

生徒:5年後に達成したい目標は?

ハースト:「クロエ」を環境や生物多様性に配慮しながら、さらにクリエイティブに発展させたいです。私たちは、化石燃料に代わるエネルギーとして、核融合エネルギーの必要性を考えていて、30年までに完成することを願っています。気候変動への影響低減を目指したこの取り組みは、娘たちのためでもあります。子どもたちが成長したときに、やりたいことをやりたいだけできる世界であるために、今この問題に取り組んでいます。

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5月はフェアトレード月間 「ピープルツリー」がトークイベントやアイテム交換会を実施

フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー(PEOPLE TREE)」は、フェアトレード月間の5月に2つのイベントを開催する。毎年5月の第2土曜日は「世界フェアトレード・デー」として世界中で、また日本では5月全体を「フェアトレード月間」として、フェアトレードを広めるためオンラインと「ピープルツリー」自由が丘店とオンラインで、購入の選択基準となるフェアトレードやさまざまな商品ラベルについてトークイベントを無料で開催する。スピーカーは山口真奈美・日本サステナブル・ラベル協会代表理事、潮崎真惟子NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長。ファシリテーターは鈴木啓美ピープルツリー広報・啓発担当が務める。

「フェアトレードをはじめとする、さまざまな再生可能で社会的責任のあるビジネスを支援するために生活者にできることが、消費の選択基準とライフスタイルの見直しだ。新たに買うなら、環境や人権に配慮した生産背景のものを選ぶこと。その目安が、認証ラベルや保証マークとなる。もうひとつが“すでにつくられたもの”を捨てるのではなく、活用すること」と同社。そのため5月28日からの4日間は、同店でピープルツリーのアイテム交換会を実施する。着なくなった「ピープルツリー」の服を持参した人は期間中に使える1着分の引換券をもらえる。また1着につき500円で、3着を上限に持ち帰ることができる。イベントの収益はピープルツリーの母体NGO「グローバル・ヴィレッジ」へ寄付される。

■トークイベント「世界フェアトレード・デー」未来を創る、フェアトレードの暮らしー商品ラベルで選んでみるー
日時: 5月14日(日)  10:00~11:30
場所: ピープルツリー自由が丘店またはオンライン
参加費用: 無料※要申し込み

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5月はフェアトレード月間 「ピープルツリー」がトークイベントやアイテム交換会を実施

フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー(PEOPLE TREE)」は、フェアトレード月間の5月に2つのイベントを開催する。毎年5月の第2土曜日は「世界フェアトレード・デー」として世界中で、また日本では5月全体を「フェアトレード月間」として、フェアトレードを広めるためオンラインと「ピープルツリー」自由が丘店とオンラインで、購入の選択基準となるフェアトレードやさまざまな商品ラベルについてトークイベントを無料で開催する。スピーカーは山口真奈美・日本サステナブル・ラベル協会代表理事、潮崎真惟子NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長。ファシリテーターは鈴木啓美ピープルツリー広報・啓発担当が務める。

「フェアトレードをはじめとする、さまざまな再生可能で社会的責任のあるビジネスを支援するために生活者にできることが、消費の選択基準とライフスタイルの見直しだ。新たに買うなら、環境や人権に配慮した生産背景のものを選ぶこと。その目安が、認証ラベルや保証マークとなる。もうひとつが“すでにつくられたもの”を捨てるのではなく、活用すること」と同社。そのため5月28日からの4日間は、同店でピープルツリーのアイテム交換会を実施する。着なくなった「ピープルツリー」の服を持参した人は期間中に使える1着分の引換券をもらえる。また1着につき500円で、3着を上限に持ち帰ることができる。イベントの収益はピープルツリーの母体NGO「グローバル・ヴィレッジ」へ寄付される。

■トークイベント「世界フェアトレード・デー」未来を創る、フェアトレードの暮らしー商品ラベルで選んでみるー
日時: 5月14日(日)  10:00~11:30
場所: ピープルツリー自由が丘店またはオンライン
参加費用: 無料※要申し込み

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香港の研究所HKRITAがマイクロプラスチックを音波で分離する技術を開発 H&M財団の支援を受けて

 香港繊維アパレル研究所(HKRITA)はこのほど、H&M ファウンデーション(H&M Foundation)の支援を受けて、音波を利用して廃水からマイクロプラスチックを分離する技術「アコースイープ(Acousweep)」を開発したと発表した。この技術は特殊な形状の房室内(流体の安定した流れ、適切な音波の形成、捕捉されたマイクロプラスチックの回収を容易にする形状)で掃引音響波(小さな粒子を特定の方向へ引き寄せる音波)を利用し、排水からマイクロプラスチック繊維を捉えて効率的に分離するもの。化学物質や溶剤、生化学的な添加物は不要で、分離されたマイクロプラスチックは回収タンクに滴下される。

 一般的に、排水からのマイクロプラスチック回収には膜型フィルターを活用するため定期的な交換が必要だが、今回開発した装置では連続的な水処理とマイクロプラスチック繊維の回収が可能になる。現在、20um以上のマイクロプラスチックを80%の分離効率で捕獲することを目標に、設計と運転パラメーターの最適化を進めているという。

 HKRITAはかねてからマイクロプラスチックの回収に向けて、工場や排水施設で直接使用できるソリューションを探していた。「アコースイープ」はプラグを挿すだけで使用可能でどんな廃水施設にも簡単に持ち運び、接続することができる。

 HKRITAはこの技術の独占権を持たず、興味を持つ全ての人が活用できるように「アコースイープ」のライセンスと、エンジニアリングのコンサルタントを提供するという。

 研究チームは物理学、応用物理学、繊維工学、プロセス工学からシステム工学まで、多様な分野から構成。音響波に注目した理由は、文献調査から音響ピンセット(音響波で形成されるもの)が対象物のサイズ範囲を広くカバーでき、比較的低い入力電力で済むことから、応用に適した候補だと発見したからだという。

 海洋マイクロプラスチック汚染の主な原因は、合成繊維に由来しており、欧州環境機関によると、全体の約16%~35%を占めると言われている。そのほか、大きなプラスチック破片が段々と小さくなっていくものや、角質除去用の健康・美容製品や歯磨き粉などの洗浄剤に含まれているマイクロビーズなど、さまざまな原因から発生しており、世界的な問題になっている。

 HKRITAは2006年創設の公的資金を受けた応用研究センター。香港特別行政区政府のイノベーション・テクノロジー基金に資金援助を受けている5つの応用研究センターの1つ。繊維・衣料産業を支援し、サステナブルな改善を推進し、社会の向上を促進するための、ミッドストリーム、ダウンストリームの応用研究に携わっている。

 H&Mファウンデーションは業界全体の変革を目指す非営利団体。気候や水、海、生物多様性、土壌の全ての地球環境にプラスの影響を与えるプラネット・ポジティブなファッションの未来に貢献できる技術を見つけるという野心のもと活動している。

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香港の研究所HKRITAがマイクロプラスチックを音波で分離する技術を開発 H&M財団の支援を受けて

 香港繊維アパレル研究所(HKRITA)はこのほど、H&M ファウンデーション(H&M Foundation)の支援を受けて、音波を利用して廃水からマイクロプラスチックを分離する技術「アコースイープ(Acousweep)」を開発したと発表した。この技術は特殊な形状の房室内(流体の安定した流れ、適切な音波の形成、捕捉されたマイクロプラスチックの回収を容易にする形状)で掃引音響波(小さな粒子を特定の方向へ引き寄せる音波)を利用し、排水からマイクロプラスチック繊維を捉えて効率的に分離するもの。化学物質や溶剤、生化学的な添加物は不要で、分離されたマイクロプラスチックは回収タンクに滴下される。

 一般的に、排水からのマイクロプラスチック回収には膜型フィルターを活用するため定期的な交換が必要だが、今回開発した装置では連続的な水処理とマイクロプラスチック繊維の回収が可能になる。現在、20um以上のマイクロプラスチックを80%の分離効率で捕獲することを目標に、設計と運転パラメーターの最適化を進めているという。

 HKRITAはかねてからマイクロプラスチックの回収に向けて、工場や排水施設で直接使用できるソリューションを探していた。「アコースイープ」はプラグを挿すだけで使用可能でどんな廃水施設にも簡単に持ち運び、接続することができる。

 HKRITAはこの技術の独占権を持たず、興味を持つ全ての人が活用できるように「アコースイープ」のライセンスと、エンジニアリングのコンサルタントを提供するという。

 研究チームは物理学、応用物理学、繊維工学、プロセス工学からシステム工学まで、多様な分野から構成。音響波に注目した理由は、文献調査から音響ピンセット(音響波で形成されるもの)が対象物のサイズ範囲を広くカバーでき、比較的低い入力電力で済むことから、応用に適した候補だと発見したからだという。

 海洋マイクロプラスチック汚染の主な原因は、合成繊維に由来しており、欧州環境機関によると、全体の約16%~35%を占めると言われている。そのほか、大きなプラスチック破片が段々と小さくなっていくものや、角質除去用の健康・美容製品や歯磨き粉などの洗浄剤に含まれているマイクロビーズなど、さまざまな原因から発生しており、世界的な問題になっている。

 HKRITAは2006年創設の公的資金を受けた応用研究センター。香港特別行政区政府のイノベーション・テクノロジー基金に資金援助を受けている5つの応用研究センターの1つ。繊維・衣料産業を支援し、サステナブルな改善を推進し、社会の向上を促進するための、ミッドストリーム、ダウンストリームの応用研究に携わっている。

 H&Mファウンデーションは業界全体の変革を目指す非営利団体。気候や水、海、生物多様性、土壌の全ての地球環境にプラスの影響を与えるプラネット・ポジティブなファッションの未来に貢献できる技術を見つけるという野心のもと活動している。

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“植物タンニンなめし”の持続可能性を科学的に証明 無料セミナーをイタリア文化会館で開催

 イタリア植物タンニンなめし革協会は5月18日(木)16時から、セミナー「WELCOME TO 2050 君たちを待っていたよ. 1282年から」をイタリア文化会館で開催する。事前予約制で、入場無料。同時通訳付きで、定員は300人だ。

 セミナーでは、全て天然原料の植物タンニンなめしが「持続可能である」ことを科学的に証明する。エビデンスに用いられるのは、繊維・なめし革分野の特殊分析に特化した検査機関“Ars Tinctoria”を設立し、企業のエコロジー・プロセスの研究なども行う科学者、グスターヴォ・アドリアン・デフェオ(Gustavo Adrián Defeo)博士と、フィレンツェの国立光学研究所の2年間にわたるプロジェクト“Bio-based by nature”の研究結果だ。

 両者が共同開発した“SCAR分析装置”により、革や繊維、プラスチック、化学製品など、さまざまな素材に含まれるバイオマス由来の炭素含有量の測定に成功。考古学的発掘物の年代測定と同様の分析方法で、物質中の放射性炭素を測ることで、植物タンニンなめしの持続可能性をデータから読み解く。

 当日は、デフェオ博士本人が講師として登壇。セミナー後には、プレス発表会やカクテルパーティーなども予定する。

 イタリア植物タンニンなめし革協会は、13世紀から続くトスカーナの伝統的な植物タンニンなめし革の保存と普及のために1994年に設立。現在は、高品質でニッチな製品を作りながら、卓越した技術や伝統を継承する19社のアルチザンタンナーで構成されている。また「トスカーナ産植物タンニンなめし革」は、同協会の製造規則に準拠し、トスカーナの職人たちが主に手作業で生産した革の品質を保証するための商標でもある。

問い合わせ先
イタリア大使館 貿易促進部
03-3475-1401

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“植物タンニンなめし”の持続可能性を科学的に証明 無料セミナーをイタリア文化会館で開催

 イタリア植物タンニンなめし革協会は5月18日(木)16時から、セミナー「WELCOME TO 2050 君たちを待っていたよ. 1282年から」をイタリア文化会館で開催する。事前予約制で、入場無料。同時通訳付きで、定員は300人だ。

 セミナーでは、全て天然原料の植物タンニンなめしが「持続可能である」ことを科学的に証明する。エビデンスに用いられるのは、繊維・なめし革分野の特殊分析に特化した検査機関“Ars Tinctoria”を設立し、企業のエコロジー・プロセスの研究なども行う科学者、グスターヴォ・アドリアン・デフェオ(Gustavo Adrián Defeo)博士と、フィレンツェの国立光学研究所の2年間にわたるプロジェクト“Bio-based by nature”の研究結果だ。

 両者が共同開発した“SCAR分析装置”により、革や繊維、プラスチック、化学製品など、さまざまな素材に含まれるバイオマス由来の炭素含有量の測定に成功。考古学的発掘物の年代測定と同様の分析方法で、物質中の放射性炭素を測ることで、植物タンニンなめしの持続可能性をデータから読み解く。

 当日は、デフェオ博士本人が講師として登壇。セミナー後には、プレス発表会やカクテルパーティーなども予定する。

 イタリア植物タンニンなめし革協会は、13世紀から続くトスカーナの伝統的な植物タンニンなめし革の保存と普及のために1994年に設立。現在は、高品質でニッチな製品を作りながら、卓越した技術や伝統を継承する19社のアルチザンタンナーで構成されている。また「トスカーナ産植物タンニンなめし革」は、同協会の製造規則に準拠し、トスカーナの職人たちが主に手作業で生産した革の品質を保証するための商標でもある。

問い合わせ先
イタリア大使館 貿易促進部
03-3475-1401

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「パトゥ」が仏スタートアップと連携 トレーサビリティーをスコア化

 LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下の「パトゥ(PATOU)」は、仏スタートアップ企業のフェアリーメイド(FAIRLY MADE)と連携し、定番商品をそろえた“エッセンシャル(Les Essentiels)”ラインの64アイテムを対象にトレーサビリティーと環境インパクトのスコアを測定した。

 フェアリーメイドが提供するサービスは、環境インパクト、社会インパクト、トレーサビリティー、リサイクル可能性、サステナビリティの5つのカテゴリーでサプライチェーン全体を評価する。2018年の創業時からLVMHと協業しており、「パトゥ」は同社と提携した初のラグジュアリーブランドとなった。

 取り組みの第一弾として「パトゥ」は、トレーサビリティーとリサイクル可能性に絞ってスコアを計測したところ、5点満点中トレーサビリティーが2.84、リサイクル可能性が2.39だった。同社は、「『パトゥ』はこうした情報を消費者に提供する数少ないラグジュアリーブランドだ。この結果をもとにさらに努力を重ねていく」という。23年秋冬コレクションからは、すべてのアパレル製品および革小物において計測する。

 「パトゥ」はギョーム・アンリ(Guillaume Henry)=アーティスティック・ディレクターが就任以降、製品追跡アプリを独自に開発したり、それぞれの商品の製造方法などについて詳細な情報を知れるQRコードを付けて販売したりするなどトレーサビリティーの担保に注力してきた。

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パタゴニアが注目するオーガニックに代わる新基準 “リジェネラティブ・オーガニック”とは?

 パタゴニア(PATAGONIA)は、リジェネラティブ・オーガニック(RO)農法を日本で普及すべく4月13日に初のカンファレンスを主催した。同社がパートナー企業と協業して2020年に設立した第三者認証機関リジェネラティブ・オーガニック・アライアンスのエリザベス・ウィットロー(Elizabeth・Whitlow)代表をはじめ、原材料生産地でのRO農法を推進する「ドクターブロナー(DR.BRONNER'S)」のゲロ・レソン(Gero Leson)=スペシャルオペレーション・ヴァイスプレジデント、日本で土壌生態学や農業環境工学を研究する専門家らを招き、RO農法の可能性について議論した。

 パタゴニアが「気候危機への解決策」として注目するRO農法は、不起栽培で炭素を固定しながら健全な土壌を構築する有機農法で、土壌の健康に加えて動物福祉と労働者の公平性の3本柱で構成する。ROC認証を監修するエリザベス・ウィットロー=エグゼクティブディレクターに、RO農法に注目すべき理由を聞いた。

WWD:近年、 ファッション業界でも“リジェネラティブ(環境再生型)”という考え方に注目が集まっている。その理由は?

エリザベス・ウィットロー=リジェネラティブ・オーガニック・アライアンス・エグゼクティブディレクター(以下、ウィットロー):もともとこの言葉は、食品業界で流行ったのが始まりだ。確かにこれまではファッションと農業の関係を意識する人はあまりいなかったが、最近人々は口に入れるものだけでなく、肌に触れる衣服に対しても同様に意識を向け始めている。そこで、自分たちが身につけているコットンやリネン、ヘンプが育てられる過程が、地球に負担をかけていることを意識する人たちも増えている。

WWD:RO認証を設立した理由は?

ウィットロー:ヨーロッパやアメリカでは“リジェネラティブ”がバズワード化する一方で、明確な基準が世の中になかったために、消費者が混乱してしまっていたからだ。畑を耕さない不耕起栽培であれば“リジェネラティブ”とうたうような企業もあった。しかし、作物を育てるのに化学薬品、肥料、除草剤、防虫剤、遺伝子組み換えの種子などを使用していては、たとえ不耕起であっても土壌の劣化は避けられない。そこで私たちは、土壌だけでなく、その土地に住む生物、人々などコミュニティー全体を維持し再生する包括的な基準を設けることにした。

WWD:パタゴニア以外に、どんなアパレル関連企業が興味を示している?

ウィットロー:加盟企業は約100社で、そのうち繊維関連企業は約10社。これまでは原材料に携わる農家からの問い合わせが多かったが、最近はブランドから直接「どこでROC認証を取得した綿花が買えるのか」や「どうやったら農家の支援ができるのか」といった問い合わせも増えてきた。「アディダス(ADIDAS)」や「H&M」といった大手のほか、ラグジュアリーブランドからの連絡もある。「ティンバーランド(TIMBERLAND)」も最初から興味を示してくれているブランドだ。彼らはRO認証済みのゴムの生産に挑戦しようとしている。ゴムの生産工程では、児童労働の問題も隠れており、そうしたリスクから自分たちのサプライチェーンを守ろうとしているわけだ。今は綿花での認証が進んでいるが、シルクやカシミアについても基準を作ってほしいといった要望ももらっている。

WWD:パタゴニアはインドの150以上の綿花農家と提携し、ROコットンの生産を進めてきた。同社のように直接農家を支援したいという企業も多い?

ウィットロー:パタゴニアはインドの農家と5〜6年かけて取り組み、RO農法のノウハウだけでなく、ジェンダー平等に向けた教育プログラムなども実施してきた。私たちもブランドと農家の橋渡し役を目指しており、パタゴニアが良い事例だ。まだ農家の直接的な支援をしたいという声は多くはないが、直近では「アウターノウン(OUTERKNOWN)」がペルーとインドの綿花農家の支援を始めたりしている。

Z世代やミレニアル世代で広がり

WWD:欧米の消費者の間では“リジェネラティブ”の認知度はどれくらい高まっているのか?

ウィットロー:急速な広がりに私たちも驚いているくらいだ。ニールセンによる市場調査では実際に“リジェネラティブ”を基準に買い物する層が一定数いるという結果が出ている。中でもZ世代やミレニアル世代の関心が高い。特に家庭を持ったミレニアル世代は、子どもに安心・安全なものを与えたいと考えたときに“リジェネラティブ”に行き着くようだ。

WWD:これまでのオーガニックでは不十分だと。

ウィットロー:そうだ。近年オーガニックへの基準が下がり、さまざまな問題が指摘されている。2017年に水耕栽培(土の代わりに水と液体肥料を使う栽培法)にオーガニック表記が認められたことも決定的な事例だ。工場畜産にも認可がおりた。動物にオーガニックな飼料を与えてはいるが、狭い劣悪な環境で飼育されており動物福祉の観点は全く考慮されていないといった現状もある。

WWD:パタゴニアは日本でRO農法を推進しようとしている。日本の農業はどんな課題があると考える?

ウィットロー:日本でもRO農法への研究が進んでいて、土壌の質の改善や炭素貯蔵量の増加などが証明されていることに驚いた。パタゴニアが主催したカンファレンスでは、日本特有の生物多様性をどのように維持していくのか、不耕起農業で雑草をいかに減らしていくかがポイントだと学んだ。また全世界が直面している最大の課題が気候変動だ。私が住んでいる北カルフォルニアでは、年々山火事の被害が拡大し、時期も早くなっている。土壌の微生物を増やし、そうした異常気象にも耐えうる土壌を作るためにもRO農法が重要だ。

WWD:日本では具体的にどのようにROC認証を広めていく?

ウィットロー:素晴らしいパートナーであるパタゴニアの日本支社が中心になって進めてくれる。ただ日本のファッション企業に伝えたいのは、自分たちの活動に責任を持ってほしいということ。ROC認証に興味を持ってくれたら、ぜひ私たちに声をかけてほしい。

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パタゴニアが注目するオーガニックに代わる新基準 “リジェネラティブ・オーガニック”とは?

 パタゴニア(PATAGONIA)は、リジェネラティブ・オーガニック(RO)農法を日本で普及すべく4月13日に初のカンファレンスを主催した。同社がパートナー企業と協業して2020年に設立した第三者認証機関リジェネラティブ・オーガニック・アライアンスのエリザベス・ウィットロー(Elizabeth・Whitlow)代表をはじめ、原材料生産地でのRO農法を推進する「ドクターブロナー(DR.BRONNER'S)」のゲロ・レソン(Gero Leson)=スペシャルオペレーション・ヴァイスプレジデント、日本で土壌生態学や農業環境工学を研究する専門家らを招き、RO農法の可能性について議論した。

 パタゴニアが「気候危機への解決策」として注目するRO農法は、不起栽培で炭素を固定しながら健全な土壌を構築する有機農法で、土壌の健康に加えて動物福祉と労働者の公平性の3本柱で構成する。ROC認証を監修するエリザベス・ウィットロー=エグゼクティブディレクターに、RO農法に注目すべき理由を聞いた。

WWD:近年、 ファッション業界でも“リジェネラティブ(環境再生型)”という考え方に注目が集まっている。その理由は?

エリザベス・ウィットロー=リジェネラティブ・オーガニック・アライアンス・エグゼクティブディレクター(以下、ウィットロー):もともとこの言葉は、食品業界で流行ったのが始まりだ。確かにこれまではファッションと農業の関係を意識する人はあまりいなかったが、最近人々は口に入れるものだけでなく、肌に触れる衣服に対しても同様に意識を向け始めている。そこで、自分たちが身につけているコットンやリネン、ヘンプが育てられる過程が、地球に負担をかけていることを意識する人たちも増えている。

WWD:RO認証を設立した理由は?

ウィットロー:ヨーロッパやアメリカでは“リジェネラティブ”がバズワード化する一方で、明確な基準が世の中になかったために、消費者が混乱してしまっていたからだ。畑を耕さない不耕起栽培であれば“リジェネラティブ”とうたうような企業もあった。しかし、作物を育てるのに化学薬品、肥料、除草剤、防虫剤、遺伝子組み換えの種子などを使用していては、たとえ不耕起であっても土壌の劣化は避けられない。そこで私たちは、土壌だけでなく、その土地に住む生物、人々などコミュニティー全体を維持し再生する包括的な基準を設けることにした。

WWD:パタゴニア以外に、どんなアパレル関連企業が興味を示している?

ウィットロー:加盟企業は約100社で、そのうち繊維関連企業は約10社。これまでは原材料に携わる農家からの問い合わせが多かったが、最近はブランドから直接「どこでROC認証を取得した綿花が買えるのか」や「どうやったら農家の支援ができるのか」といった問い合わせも増えてきた。「アディダス(ADIDAS)」や「H&M」といった大手のほか、ラグジュアリーブランドからの連絡もある。「ティンバーランド(TIMBERLAND)」も最初から興味を示してくれているブランドだ。彼らはRO認証済みのゴムの生産に挑戦しようとしている。ゴムの生産工程では、児童労働の問題も隠れており、そうしたリスクから自分たちのサプライチェーンを守ろうとしているわけだ。今は綿花での認証が進んでいるが、シルクやカシミアについても基準を作ってほしいといった要望ももらっている。

WWD:パタゴニアはインドの150以上の綿花農家と提携し、ROコットンの生産を進めてきた。同社のように直接農家を支援したいという企業も多い?

ウィットロー:パタゴニアはインドの農家と5〜6年かけて取り組み、RO農法のノウハウだけでなく、ジェンダー平等に向けた教育プログラムなども実施してきた。私たちもブランドと農家の橋渡し役を目指しており、パタゴニアが良い事例だ。まだ農家の直接的な支援をしたいという声は多くはないが、直近では「アウターノウン(OUTERKNOWN)」がペルーとインドの綿花農家の支援を始めたりしている。

Z世代やミレニアル世代で広がり

WWD:欧米の消費者の間では“リジェネラティブ”の認知度はどれくらい高まっているのか?

ウィットロー:急速な広がりに私たちも驚いているくらいだ。ニールセンによる市場調査では実際に“リジェネラティブ”を基準に買い物する層が一定数いるという結果が出ている。中でもZ世代やミレニアル世代の関心が高い。特に家庭を持ったミレニアル世代は、子どもに安心・安全なものを与えたいと考えたときに“リジェネラティブ”に行き着くようだ。

WWD:これまでのオーガニックでは不十分だと。

ウィットロー:そうだ。近年オーガニックへの基準が下がり、さまざまな問題が指摘されている。2017年に水耕栽培(土の代わりに水と液体肥料を使う栽培法)にオーガニック表記が認められたことも決定的な事例だ。工場畜産にも認可がおりた。動物にオーガニックな飼料を与えてはいるが、狭い劣悪な環境で飼育されており動物福祉の観点は全く考慮されていないといった現状もある。

WWD:パタゴニアは日本でRO農法を推進しようとしている。日本の農業はどんな課題があると考える?

ウィットロー:日本でもRO農法への研究が進んでいて、土壌の質の改善や炭素貯蔵量の増加などが証明されていることに驚いた。パタゴニアが主催したカンファレンスでは、日本特有の生物多様性をどのように維持していくのか、不耕起農業で雑草をいかに減らしていくかがポイントだと学んだ。また全世界が直面している最大の課題が気候変動だ。私が住んでいる北カルフォルニアでは、年々山火事の被害が拡大し、時期も早くなっている。土壌の微生物を増やし、そうした異常気象にも耐えうる土壌を作るためにもRO農法が重要だ。

WWD:日本では具体的にどのようにROC認証を広めていく?

ウィットロー:素晴らしいパートナーであるパタゴニアの日本支社が中心になって進めてくれる。ただ日本のファッション企業に伝えたいのは、自分たちの活動に責任を持ってほしいということ。ROC認証に興味を持ってくれたら、ぜひ私たちに声をかけてほしい。

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【2023年母の日】「サボン」がオリジナルギフト作り体験を開催 ドライフラワーをアップサイクル

 「サボン(SABON)」は、東京・中目黒にある旗艦店「サボン アトリエ スパ(SABON L’ATELIER SPA)」で、好きなドライフラワーと商品をセットにしたオリジナルギフトボックス作りが体験できるワークショップを、5月3日〜14日に開催する。

 同ワークショップは、本来は廃棄される“ロスフラワー“をドライフラワーにアップサイクルして商品やブーケとともにセットしたオリジナルギフトボックスを作るというもの。ドライフラワーは同ブランドで人気の香り“パチュリ・ラベンダー・バニラ”“デリケート・ジャスミン“”グリーン・ローズ“”ホワイトティー“にインスパイアされた4種を用意した。

 参加条件は商品1点以上およびギフトボックスの購入。参加費は税込1650円で、ドライフラワーと10分間のハンドマッサージチケット付きだ。所要時間は15分で、ビューティアドバイザーがドライフラワーのアレンジまで提案する。

■ SABON × RIN 『FLOWER SHOP』
日程:5月3日~14日
時間:11:00〜20:00(最終受付19:30)
場所:サボン アトリエ スパ(SABON L’ATELIER SPA)
住所:東京都目黒区上目黒1-17-3

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「ザボディショップ」ビーガンメイクアップアイテムにティントタイプのリップ&チークが登場

 「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」は5月18日、ビーガンメイクアップのアイテムからティントタイプの“シアータッチ リップ&チーク”(全3色、各8mL、税込各2750円)を発売する。赤み系の3色をそろえ、軽いつけ心地で、シアーでマットな仕上がりが長時間持続する。

 同商品は、リップにもチークにも使え、ひと塗りでしっかりと発色。唇と頬に同じ色をプラスすることで、統一感のあるフェイスを演出する。コミュニティフェアトレードで調達したメキシコ産のアロエベラなど自然由来成分を85%配合し、乾燥しがちな唇や頬を保湿する。パッケージは、リサイクルガラスを採用した。

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米化粧品小売大手「セフォラ」が化粧品容器回収プログラムを開始 アメリカとカナダの全600店舗で

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)傘下の化粧品小売店セフォラ(SEPHORA)はこのほど、空き容器回収プログラム「ビューティ・リパーパスド(Beauty (Re)Purposed)」を開始すると発表した。昨年7月にパッケージ容器の廃棄削減を目指すNPO団体パクトコレクティブ(PACT COLLECTIVE)と提携しパイロットプログラムをスタート。今回、アメリカとカナダの全600店に導入店舗を拡大し本格ローンチする。

 同プログラムは、消費者が自宅で使用済み容器の包装を外して洗い、中身が残っていないことを確認して店舗に返却する。容器は廃棄される代わりに、カーペットや再生ペレット、アスファルト、新たなパッケージ、エネルギー源などに生まれ変わる。米環境保護庁の推定では、米国のプラスチックのリサイクル率は9%にとどまる。米海洋大気庁によるとプラスチックは海洋環境に数百年残る可能性があり、ペットボトルは450年分解されずにとどまると言われている。

 セフォラのデスタ・レインズ(Desta Raines)=サステナビリティディレクターは、「多くの消費者が化粧品の容器の廃棄を複雑で手間だと感じている。廃棄・リサイクルが全ての人にとって身近なプロセスになるよう、価値観を共有し消費者と業界内外のサプライチェーン全体を啓蒙できるパートナーと組むことが重要だった」と語る。

 LVMH傘下の化粧品ブランド「ベネフィット・コスメティクス(BENEFIT COSMETICS、以下ベネフィット)」も、パクトコレクティブと提携する。消費者は空き容器を月に5個までパクトコレクティブに郵送でき、配送料は「ベネフィット」が負担する。郵送する化粧品のブランドは問わない。

 これらの取り組みはLVMHが推進する環境戦略“ライフ360(LIFE 360)”プログラムの一環で各ブランドが行なっている。“ライフ360”では、生物多様性の保護と気候変動に対する取り組み、循環経済の推進、透明性の保証の4つを柱に、2023年、26年、30年までのロードマップを掲げる。

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環境に優しいシャンパーニュ「テルモン」 ボトルの軽量化から経営陣の自転車通勤まで

 シャンパーニュ「テルモン(TELMONT)」は、知る人ぞ知るサステナビリティとトレーサビリティーにこだわるブランドだ。同ブランドは1912年に創業。”母なる自然の名のもとに“をモットーに、環境に配慮したシャンパーニュを生産している。ルドヴィック・ドゥ・プレシ(Ludvic du Plessis)最高経営責任者(CEO)が4月末に来日し、都内ホテルで2023年に発行したサステナビリティ・ガイドの内容についてセミナーを開催した。

 多くのシャンパーニュメゾンがあるフランス・シャンパーニュ地方では、バイオダイバーシティー(生物多様性)へ配慮した農業が行われている。ブドウを原料とするシャンパーニュ業界では、生き生きとした土壌を保つことが重要だ。一方で、農薬、殺虫剤、化学肥料を使わないオーガニック農業をしているのは、わずか4%。シャンパーニュ地方は湿度が高いので、ブドウにカビが付きやすくオーガニック農業は難しいと言われているが「テルモン」では実施している。

 プレシCEOは、「畑から消費者に商品が届くまでCO2排出量を測るのが重要。『テルモン』では21年にサステナビリティプロジェクトをスタートして以来、計測して削減するためのビジョンを持ち実践している」と話す。ボックスをなくすことで、1本につき全体の8%のCO2削減を実現。輸送も、航空輸送は行わず全て海上輸送だ。空輸は海上輸送の27倍もの温室効果ガスを出すと言われている。

ラグジュアリー業界のリーダーとして先陣を切る

 全体の24%のCO2を排出するボトルについても軽量化を図った。シャンパーニュは発泡酒のため、通常のワインより強度のあるボトルが必要だ。プレシCEOは「ボトルは特注ボトルやクリアボトルを使用するのをやめ、再生ガラスを使用した緑色1種類のものに統一した。さらに、ボトル製造業社のベラリアと連携し835gのボトルを800gと最軽量化を実現。瓶内の圧力に耐えられるかテストをし、成功したばかりだ」と言う。わずか35gと思うかもしれないが、それでもCO2排出量が1本につき約1%削減になる。「年間3億2000本ものシャンパーニュが生産されているので、それらが軽量ボトルに切り替わればインパクトは大きい」と同CEO。

 「テルモン」の本社は、100%再生可能エネルギーで運営。全て電気自動車で、トラクターなどはバイオ燃料を使用している。経営陣の4人はパリから電車で移動し、最寄り駅からは折り畳み自転車で本社まで通勤している。

 プレシCEOは、「ラグジュアリー業界のリーダーとして『テルモン』は先陣を切って指針を示すことが大切。生産量を増やしてもCO2削減はできる。それを義務だと思い、プランを立案して進むだけだ」ときっぱり。

 「テルモン」では、2年ごとにサステナビリティ・ガイドを発行する予定だ。

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パリ素材見本市「PV」がレイアウト刷新、来年7月展から「地域別」に

 世界有数の素材見本市の一つである「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION以下、PV)」が岐路を迎えている。PVは長い間、パリの10数万㎡の広大な見本市会場で、年2回ファッションウィーク期間の前後にパリで開催され、世界中から5万人以上のバイヤーを集めてきた。だが、コロナ禍で来場者が激減。危機感をにじませるPVは2023年7月展から、大掛かりな改革に着手する。サステナビリティーを掲げ、資材などをリサイクル素材に切り替えるほか、1年後の7月展からは主力のテキスタイル部門で、これまでテイスト別に配置していた出展者ブースを、「欧州企業」「非欧州企業」でホール自体を分ける。改革の狙いを、同見本市を運営するプルミエール・ヴィジョン社のジル・ラスボルド(Gilles Lasbordes)ジェネラル・マネージャーに聞いた。

WWD:現状をどう見る?

ジル・ラスボルド(以下、ラスボルド):前回2023年2月展は、3万5500人の業界のプロが訪れた。1年前の22年2月展と比べると62%増、半年前の22年7月展と比べると48%増だった。コロナ禍の収束に伴い、来場者は戻りつつある。

WWD:コロナ前には5万人以上が訪れていたことを考えると、本回復には至っていない。その理由は?

ラスボルド:いくつもの要因が複雑に重なっているが、その一つは企業側が一旦減らした出張費を戻していないことがありそうだ。観光に比べ、ビジネストリップはまだコロナ前に戻っていない。国や地域によってもばらつきがある。遠い地域だから回復していないというわけでもなく、例えば日本はまだ戻っていないが、韓国は復活している。

 ただ、我々としては非常に危機感を持っている。今年の7月展の改革にあたってはバイヤーに大規模なアンケートも実施した。その結果は1.より効率化を求める 2.仕事のパフォーマンスに対するプレッシャー増 3.より計画的に 4.よりフォーラム重視 5.調達の優先順位の変化だった。

WWD:来年の7月展から、テキスタイルは「欧州」と「非欧洲」でホールを分ける。出展者数の多い日本やトルコを筆頭にアジアの企業から反発がありそうだが。

ラスボルド:出展者の配置・場所というのは、見本市の運営者にとって永遠の悩みであり、課題だ。ただ、今回の改変は、バイヤーへのアンケートに沿ったものであり、バイヤーのニーズに沿ったものだ。環境が激変し、改めて見本市の存在意義を見直す中で、我々の本質的な意義は、何よりもバイヤー、つまり来場者の使いやすさを常に高めていくこと。バイヤーはコロナ前に比べて、より早く、より効率的に会場を回りたいというニーズが強くなっている。その結果の一つが、「地域ごとに出展者を分類してほしい」というものだった。他の産業分野の見本市を見ても、グローバルなトレンドとして地域別・サプライチェーン別に配置するようになっている。出展者側には1年をかけて丁寧に説明していく。

WWD:サステナビリティへの対応は?

ラスボルド:見本市の運営会社としても、資材をリサイクル前提、あるいはリサイクル素材を使ったり、省エネに配慮した照明に変えたり、廃棄物の大幅な削減に取り組む。出展者やバイヤーに関しても、PV独自の基準を設け、来場者にわかりやすいツールなどを提供する。

WWD:デジタル化については?

ラスボルド:デジタルか、フィジカルか、という問題は我々にとって見れば古くて新しい問題ではあるが、我々の中ではすでにほぼ答えが出ている。素材見本市を運営する立場からすると、デジタルと比べると「生で見る・触る・感じる」のは圧倒的に情報量が多く、デジタルはあくまで補完的なものになるだろう。

WWD:どのくらいでコロナ前の水準に戻るのか?

ラスボルド:先のことは分からないし、特にいまは言うべきではない。ただ、21年9月に再開以降、回を重ねるごとに来場者の客足の回復スピードは増している。先ほども述べたようにデジタルはあくまで補完的な存在であり、リアルの方がバイヤーにとっては得られる情報量が圧倒的に多い。改革はもちろん今後も必要だが、本質的な部分で見本市の存在意義は変わらない。

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「エルメスのプティ アッシュ」展が大阪で開催 各部門の“不要”素材に職人とアーティストが命を吹き込むファンタジー 

 「エルメス(HERMES)」は、展覧会「エルメスのpetit h―― プティ アッシュ」を4月29日から5月18日まで大阪中之島美術館で開催する。展示のほか、予約制フロアでは購入できる一点物も多数登場する。「プティ アッシュ(petit h)」は、エルメス家第6世代のパスカル・ミュサールが2010年に設立した部門(メチエ)であり、現在はゴドフロワ・ドゥ・ ヴィリユー=クリエイティブ・ディレクターのもと、30人のチームで運営している。

 「プティ アッシュ」のモノづくりは素材から始まる。他の部門で使わなくなったレザー、シルク、クリスタル、陶器、馬の毛、金属といった素材を職人やアーティスト、デザイナーがあらゆる方法で組み合わせ、調整し、対話を重ねて製作する。結果、思いもよらない形と素材の出会いが生まれるという。「エルメス」はそれを「使われず埋もれかけたさまざまな素材に命を吹き込み、“役割”を与える場所」と表現している。美しさと機能性、上質な素材、卓越した職人仕事、そして遊び心を創造力でもってひとつにする、まさに「エルメス」らしさを凝縮した存在だ。

 28日に開いた内覧会で有賀昌男エルメス ジャポン社長は、日本における3度目の「プティ アッシュ」開催について「念願だった」と語り、「すべての素材に価値があると考える『エルメス』と、すべてに魂が宿ると考えてモノを大切にする日本の文化には共通点があると思う。ぜひここに来て、物に宿る価値を一人一人の観点で探し出してほしい」と話した。

大きな鯉のぼりの中はまるでパリの素材庫

 会場は2層で構成され、2階の展示エリア中央では大きな鯉のぼりが来場者を迎える。トンネルをくぐるように中に入るとそこにはパリの「プティ アッシュ」のアトリエの素材庫が再現されている。プレタポルテやレザーグッズ、家具、ジュエリーなど各部門から集められた廃棄予定のパーツや生地がところ狭しと並んでいる。ヴィリユーは「アーティストたちはこの素材庫に入ると皆目を輝かせ、驚くほどの速さで自分のお気に入りの素材を見つけ出す。その“反応力”にはいつも驚かされる」と振り返る。

 また、鯉のぼりの周りでは「プティ アッシュ」がどのような素材、技術、そして発想から生まれるかを図解とともに解説。「プティ アッシュ」の特徴は、アートのような存在でありながら必ず実用的である点だ。欠けたティーカップから作った置時計“ティータイム”や、水着の素材を使ったマスキングテープ、プレタポルテのボタンから生まれた“塩入れ”など日常使いのアイテムがそろう。ヴィリユーは「ボタンの穴を見たアーティストは“こんなに小さい穴なら塩入れにぴったり”とひらめいた。アーティストの目と、そのアイデアを具現化する職人の技の両方があるから実現している」と説明する。

予約制フロアでは数え切れないオブジェ。購入も可

 1階ホールは「プティ アッシュ」の完成品の販売エリア(要予約)で、数え切れない多種多様なアイテムが並ぶ。開化堂との共創など、日本のクラフトやアーティストとの協業も多い。来場者を迎える大きな馬のオブジェは、ねぶたの技法を採用した。

 会場の空間デザインを担当したのは、長年「プティ アッシュ」の活動に関わってきたアーティストの河原シンスケだ。パリを拠点とする河原は、独自のジャポニズムを感じさせる表現で知られており、今回は舞台美術のような書割によって「プティ アッシュ」のための空間を描き、来場者が俳優となり物語に入るこむような演出を設けた。

 制作時はいつも物語を創るところから始めるという河原は、今回は鳥獣戯画からヒントを得て物語を設定した。猿が随所に登場するのは、彼らが案内役だからだ。「猿は日本ではポピュラーだが、フランスの生活では身近な存在ではない。日本で開催する展覧会の案内役を猿が担い、エルメスの象徴である馬、そしてカエルやウサギをこの世界へと案内することにした」と河原。そんな物語を念頭に会場内を進むとより一層楽しい。

 同展の説明に“サステナブル”という言葉はないが、その言葉が広く使われる前に始まり継続してきた「プティ アッシュ」の活動は、これぞサステナブルなモノづくりと言えるだろう。

■「エルメスのpetit hープティ アッシュ」
会期:2023年4月29日(土・祝)~5月18日(木)
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1大阪中之島美術館
開催時間:
・2階多目的スペース 展示エリア(入場無料) 10:00~18:00
・1階ホール 販売エリア(入場無料 / 要予約) 10:00~18:00
・2階芝生広場 プティ アッシュ カフェ 11:00~18:00
※展示エリアは混雑状況により入場制限
※プティ アッシュ カフェは天候により中止の可能性あり

PHOTO:MASASHI ASABA

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「ラッシュ」からブランド初のプラスチックパッケージ不使用のビーガン対応マスカラ誕生

 「ラッシュ(LUSH)」は5月5日、ブランド初のプラスチックパッケージを使わないビーガン対応の“ネイキッドマスカラ”(全4色、税込各1800円)を全国の77店舗及び公式オンラインストアで発売する。“ネイキッドマスカラ”の誕生により、プラスチックのごみを最も多く出している業界の1つである化粧品業界のごみ問題に一石を投じる。

 「ラッシュ」では現在、アイテムの約66%が使用後にごみとなってしまうパッケージを使用しない「ネイキッド(裸)」の状態で販売。身近にあるお気に入りのアイテムを「ネイキッド」にしていくことがプラスチック問題の解決の一歩になると考えている。新たに登場する“ネイキッドマスカラ”は、リジェネラティブ(再生可能)な方法で原材料を調達したビーガン対応製品で、自然由来の原材料を使用しているため使用後は自然に害を及ぼすことない環境に配慮したアイテムだ。

 “ネイキッドマスカラ”はピンク、ブルー、ブラウン、ブラックの4色を用意し、従来マスカラのもちを良くするために用いられる人工ポリマーの代替品としてメキシコ原産のキャンデリラソウから採れるキャンデリラワックスを配合。また、フェアトレードのオーガニックカカオバターを使用しまつ毛のコンディションを整える。さらにハゼノキの果皮からとれたモクロウがまつ毛をコーティングして立体感を高める。

 ブラシの種類は、ボリューム・ロング・ナチュラルをそろえ、店舗では“ネイキッドマスカラ”購入時に好みのブラシをセレクト。公式オンラインストアで購入の際は、3本全てを届ける。

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「ルイ・ヴィトン」がサステナブル素材などを使用したメンズスニーカーを発売

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、サステナブル素材やモノグラム・パターンを用いたメンズのスニーカーを発売した。

 オーバーサイズのLV イニシャルが目を引く“チャーリー・ライン スニーカー”(14万4100円税込、以下同)には、サステナブル素材を90%使用する。アッパーはリサイクル素材などで、アウトソールはバイオプラスチック製だ。

 モノグラム・デニムとメッシュを組み合わせた“ランアウェイ・ライン スニーカー”(17万6000円)は、ランニングシューズから着想を得たデザインで、側面には彗星(すいせい)のように尾を引くLV イニシャルをあしらう。

 柔らかなカーフレザーにマイクロ・モノグラム パターンをエンボス加工した“リヴォリ・ライン スニーカー”(13万9700円)は、透明なラバーソールがさりげなくデザインを引き立て、「形状記憶のアナトミックインソールが理想的な履き心地を実現する」という。

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仏発サステナブルビューティブランド「ラ ブーシュ ルージュ」がスティックハイライターとチークを発売

 フランス発のサステナブルビューティブランド「ラ ブーシュ ルージュ(LA BOUCHE ROUGE)」は4月21日、“スティックハイライター” (全4色、税込6500円)と“スティックチーク” (全5色、税込6500円)を発売した。ジュンが展開する「センス・オブ・ヒューモア(SENSE OF HUMOUR)」の公式サイトと店舗で販売する。

 “スティックハイライター”は、クリーミーなテクスチャーで肌に潤いを与え繊細な輝きをもたらす。カラーバリエーションは虹色のベールがかかるホワイト、ローズトーンの輝きで顔色を引き立てるピンク、繊細な反射で顔立ちを引き締めるゴールド、メタリックの深みのある色合いで輪郭を際立たせるブロンズをラインアップ。クリーンな成分を用いて、一人一人の美しさを引き立てる。

 “スティックチーク”はヒアルロン酸とエイジングケアで知られる仏サン・シュリアックの海藻を原料に採用し、97%天然由来成分で製造した。カラーは肌になじむヌード、ほんのり頬を染めるブラウンピンク、瞬時に顔色に明るさを与えるポップピンク、コーラルカラーのアプリコット、グラマラスなタッチを加えるブリックレッドの5つをそろえた。クリーミーなテクスチャーは使いやすく、簡単に重ねることができる。頬にとろけるようになじみくすみのない仕上がりをかなえる。

 ハイライターとチークは共にビーガン、クルエルティフリー、シリコンフリー処方。紙製容器のリフィルは単独で使用できるほか、レザーケースに入れて使用することも可能だ。

 同ブランドはロレアル(L'OREAL)出身のニコラ・ジェルリエ(Nicolas Gerlier)が立ち上げ、日本ではジュンが独占販売とマーケティングのパートナーシップを契約。マイクロプラスチックを使わないリップスティックをアイコンに、サステナブルなビューティ商品を提案している。

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パイナップルの葉から作る繊維 東南アジアで量産体制へ

 スタートアップ企業のフードリボン(沖縄県大宜味村、宇田悦子社長)は24日、パイナップルの葉から繊維を抽出する機械の発表会を都内で行った。生産農家が廃棄していたパイナップルの葉やバナナの茎から作り出した繊維を衣料品などに利用する。

 これまでもパイナップルの葉から繊維を抽出する機械はあったが、手作業に頼る工程が多く、手間暇がかかるため、普及しなかった。フードリボンは21年から研究を開始し、水圧によって繊維を抽出する方法を開発。機械も小型化して、農家に設置できるようにした。パイナップルは東南アジアの零細農家で作られている場合が多く、彼らの所得向上に寄与する。繊維を抽出した後の残りかすは家畜の肥料として利用する。

 まず国内でパイナップル生産の盛んな沖縄県に20台を設置し、繊維の生産を始める。その後、夏にかけてインドネシアに200台を設置して月産20トン、フィリピンに600台を設置して月産60トンの生産を目指す。台湾、中国、タイ、マレーシアなどでも設置を進める。

 発表会には経産省、ファーストリテイリング、TSIホールディングス、豊島、ゴールドウイン、伊藤忠商事、旭化成などの関係者約110人が集まり、関心の深さをうかがわせた。昨年フードリボンと業務提携を結んだTSIホールディングスの下地毅社長は「実際に抽出された繊維に触れ、品質の良さに驚いた。事業のポテンシャルは大きい」と話す。

 フードリボンの宇田社長は「パイナップルはグローバルサウス(途上国)で生産されている。捨てていた葉に価値を見出し、農家の所得向上につなげるとともに、循環型の社会を実現したい」と語った。

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服が肥料に? 衣と食の循環モデル「サーキュラーファーム」を体感できるフロアが銀座に期間限定オープン

 クレサヴァは、アルーフ ホームと協業し、4月22日、東急プラザ銀座7階に「サーキュラーファーム ミュージアム」をオープンした。7月末までの期間限定。約1320平方メートルの広大なスペースに、“学び・体験・実践”をコンセプトとするブースやショップスペースを設け、レストラン&バーを併設。衣と食の循環モデル「サーキュラー ファーム」を体感できる場所として、取り組みをアピールする。

 「サーキュラー ファーム」とは、廃棄されるはずだった衣類を肥料として土へと還しながら、野菜を育てることで循環させる仕組み。クレサヴァは衣類を肥料へと加工するテクノロジーを開発し、特許を取得。京都・南丹市に自社農園を持ち、回収した繊維を粉砕して有機発酵物物と混ぜ合わせて発酵させ、円柱状のペレットにして肥料として畑に使用して野菜を育てている。「サーキュラーファーム ミュージアム」では、鉢に土とペレットを入れてバジルやミニキャロットのタネをまく体験コーナーや、京都の野菜や食品、調味料などを販売するマルシェを構える。衣料回収コーナーもあり、会員登録すると重さに応じてポイントがもらえ、店舗内やオンラインストアで使用できる。

 「天然繊維のみを回収してきたが、このほど化学繊維も肥料化に成功した。肥料は農産物によってレシピの調整が可能だ。衣類から衣類の循環ではなく、衣類から食へ。『サーキュラー ファーム』をライフスタイルの一部になるくらい浸透させたいし、コミュニティーを構築したい。海外で特許の申請も行っており、日本から技術を発信したい」と園部皓志クレサヴァ社長は語る。

 「サーキュラーファーム ミュージアム」にはほかに、天然素材を用いたライフスタイルブランド「アルーフ ホーム(ALOOF HOME)」も展示・販売。さらにレストラン&バー「YUBA」では、京都の食材を使った和食中心のメニューがそろう。

 なお、「アルーフ ホーム」は7月末に東急プラザ銀座4階にショップをオープンする。

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タイ発のアクセサリーブランド「ピパチャラ」が伊勢丹新宿でポップアップ 地元コミュニティーと作るマクラメ編みのアイコンバッグなど販売

 タイ発のアクセサリーブランド「ピパチャラ(PIPATCHARA)」は伊勢丹新宿本店本館1階で初のポップアップを開催中だ。会期は4月25日まで。ポップアップ開催に合わせ、デザイナーのピパチャラ・ケオジンダ(Pipatchara Kaeojinda)が来日した。

 ベストセラー商品のイタリアンレザーにマクラメ編を施したハンドバッグ“ジェイド”(税込8万5800円)のほか、全面にクリスタルを施した“ミニ アム クリスタル”(同8万5800円)、リサイクルプラスチックのパーツで装飾した“インフィニチュード”(同11万8800円)、新作の月をイメージした“ムーンバッグ”(同12万9800円)などを販売する。

“ファッション・フォー・コミュニティー”を掲げ、地元の雇用を創出

 ケオジンダはタイ・バンコク生まれ。「シーバイクロエ(SEE BY CHLOE)」でアシスタントデザイナー、「ジバンシィ(GIVENCHY)」でジュニアプリントデザイナーなどを経験したのち、2018年に姉のジットゥリーニ(Jittrinee)と同ブランドを立ち上げた。地元タイで編まれたマクラメ編みがアイコンで、伝統工芸を尊重した「アートピースとしてのバッグ」を提案する。

 アイテムは、タイのコミュニティーと連携して全てハンドメイドで制作し、地元の雇用創出につなげている。22年には米「フォーブス(Forbes)」の「女性が設立したエシカルブランド 5選」にも選出された。「私たちは、“ファッション・フォー・コミュニティー”を掲げている。大切にしているのは、一緒に働く人達やそのコミュニティーのために尽くすことだ。私と姉はタイ北部にある5つのコミュニティーに定期的に訪れマクラメ編みの技術を教えている。そうした活動の甲斐もあり、ブランドを立ち上げた当初から今に至るまで現地の人々との信頼関係が築けた」とケオジンダデザイナー。

 商品軸でも環境に配慮に取り組む。例えば“インフィニチュード”コレクションで使用する装飾パーツは、タイのリサイクル工場と開発した独自の再生技術で製造する。コーラルピンクのパーツは100%ヤクルトボトルで、パールブルーのパーツは100%ペットボトルのキャップ部分をリサイクルし柔らかなカラーを再現した。「形は海の有機的な形をイメージしている。なぜなら、タイには多くのゴミが海から漂着するから。(原料が)ゴミであることをダイレクトに伝えるのではなく、手に取った人が海との関係性を感じられるようなデザインを意識した」。

 ECとポップアップを主販路に、タイ、アメリカ、フランス、アラブ首長国連邦、日本などで展開する。日本ではアイゼンが販売代理店となり、ポップアップのほかセレクトショップに販路を広げる。現在はレイビームス六本木ヒルズ店や「カーサ フライン(CASA FLINE)」などで取り扱う。ケオジンダデザイナーは、「明確なターゲット層は定めていないが、バッグの背景ストーリーを楽しみ広めてくれる人たちに届けていきたい」という。

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アダム エ ロペと水着「スピード」が初コラボ ラッシュガードなど5型を発売

 セレクトショップのアダム エ ロペとスイムウエアの「スピード(SPEEDO)」は4月26日、初コラボした5型の商品を発売する。コンセプトは“スイムウエア×モード”で、「『スピード』の機能素材と、アダム エ ロペのデザイン性を融合した」と話す。両者の店舗および公式オンラインストアで扱う。

 ラッシュガード(3万1900円税込、以下同)、ロンパース(3万5200円)、ハット(9900円)の3商品には「スピード」が独自開発した“レーザー・コーデュラ”を用いる。同素材は、「はっ水・ストレッチ・耐久性に優れ、同時に柔らかな肌触りも兼ね備える。UVもカットする」という。

 また、セットアップにはリサイクルナイロン糸“レコ・ナイロン”を採用し、「環境に配慮した」。

 「スピード」は1928年にオーストラリアでスタートした。

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「無印良品」がスキンケアに特化した初のポップアップストア カウンセリングや購入特典も

 「無印良品」は4月26日〜5月2日、スキンケアに特化した初のポップアップストアを原宿のアットコスメトーキョー1Fで開催する。“自然と心地よくなれるケア”をテーマに、自然素材を生かしたスキンケア商品を展開する本イベントでは、樹木や植物をちりばめた空間でブランドのもの作りや世界観を楽しめる。会場装飾には一般流通しない規格外の木材を積極的に利用し、再利用可能な植物や什器をセレクトするなど、サステナブルな工夫を取り入れた。

 ポップアップの開催期間中、ニキビや毛穴のケアに特化した“クリアケア薬用拭き取りローション”を中心に、これからの季節におすすめな商品がラインアップ。専任スタッフによるカウンセリングを通じ、来場者それぞれに合ったアイテムを提案する。また、本イベントのみの限定商品として、拭き取りローション、化粧水、オールインワンジェルとお試し用の敏感肌用化粧水1本がセットになった“クリアケアセット”(税込1330円)、クレンジングや洗顔、化粧水など基本のアイテムが試せる“敏感肌セット”(税込2110円)の10日間トライアルセットが登場する。

 商品を購入した人には、各日先着100人にオリジナルバッグ(B5サイズ)をギフトするほか、ハッシュタグ“#MUJIアットコスメ”をつけてSNS投稿、もしくはブランド公式アプリ“MUJIpassport”、LINE公式アカウントの画面提示で、4月26日に発売するシャンプー・コンディショナー3種が入ったスペシャルサンプルセットを配布する。

※ポップアップ限定トライアルセット、購入者特典のオリジナルギフトバッグ、SNS投稿や公式アプリ、LINE公式アカウントの画面提示による特典は、全て無くなり次第終了

問い合わせ先
無印良品
https://www.muji.net/contact/

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「無印良品」がスキンケアに特化した初のポップアップストア カウンセリングや購入特典も

 「無印良品」は4月26日〜5月2日、スキンケアに特化した初のポップアップストアを原宿のアットコスメトーキョー1Fで開催する。“自然と心地よくなれるケア”をテーマに、自然素材を生かしたスキンケア商品を展開する本イベントでは、樹木や植物をちりばめた空間でブランドのもの作りや世界観を楽しめる。会場装飾には一般流通しない規格外の木材を積極的に利用し、再利用可能な植物や什器をセレクトするなど、サステナブルな工夫を取り入れた。

 ポップアップの開催期間中、ニキビや毛穴のケアに特化した“クリアケア薬用拭き取りローション”を中心に、これからの季節におすすめな商品がラインアップ。専任スタッフによるカウンセリングを通じ、来場者それぞれに合ったアイテムを提案する。また、本イベントのみの限定商品として、拭き取りローション、化粧水、オールインワンジェルとお試し用の敏感肌用化粧水1本がセットになった“クリアケアセット”(税込1330円)、クレンジングや洗顔、化粧水など基本のアイテムが試せる“敏感肌セット”(税込2110円)の10日間トライアルセットが登場する。

 商品を購入した人には、各日先着100人にオリジナルバッグ(B5サイズ)をギフトするほか、ハッシュタグ“#MUJIアットコスメ”をつけてSNS投稿、もしくはブランド公式アプリ“MUJIpassport”、LINE公式アカウントの画面提示で、4月26日に発売するシャンプー・コンディショナー3種が入ったスペシャルサンプルセットを配布する。

※ポップアップ限定トライアルセット、購入者特典のオリジナルギフトバッグ、SNS投稿や公式アプリ、LINE公式アカウントの画面提示による特典は、全て無くなり次第終了

問い合わせ先
無印良品
https://www.muji.net/contact/

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「アニヤ・ハインドマーチ」がスーパー「ナショナル麻布」で再生素材のショッピングバッグ発売

 英バッグブランド「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」は4月21日、日本のスーパーマーケット「ナショナル麻布(NATIONAL AZABU)」との協業で、100%再生プラスチック素材のショッピングバッグを発売する。2021年にスタートした各国のスーパーマーケットとの協業プロジェクト、「ユニバーサルバッグ(UNIVERSAL BAG)」の一環。これまでに英の「セインズベリーズ(SAINSBURY’S)」や香港の「シティスーパー(CITY’ SUPER)」などと協業してきた。今後、日本の他のスーパーとも協業を考えていくという。

 「ナショナル麻布」の店舗(麻布、田園調布、広尾)とECで取り扱い、価格は税込2750円。「アニヤ・ハインドマーチ」の店頭やECでは販売しない。「ユニバーサルバッグ」プロジェクトは協業先スーパーのイメージカラーを採用しており、今回は「ナショナル麻布」のグリーンカラーのバッグを企画した。

 「アニヤ・ハインドマーチ」は07年に、“I’m NOT A Plastic Bag”というメッセージを配したコットンキャンバス製トートバッグを発売し、プラスチック製レジ袋に対するアクションを開始。同バッグは日本を含め、各国で大ヒットした。20年には“I AM A Plastic Bag”というメッセージで、回収ペットボトルを原料とする再生素材のバッグを発売。引き続き廃棄プラスチックの減量を目指し、「ユニバーサルバッグ」プロジェクトをスタートしたという経緯がある。「ナショナル麻布」との協業バッグも含め、「ユニバーサルバッグ」プロジェクトのバッグは「10年程度の繰り返し使用を前提に製造している」(発表資料から)。また、「バッグとしての使命を終えた後は、回収し、再度リサイクルしていく予定」。

 「繰り返し使うことを前提にしたエコバッグやマイバッグも、数回使われるだけに止まったり、捨てられてしまったりといった現状がある。『ユニバーサルバッグ』では、100%リサイクル素材を用いるだけでなく、長い年月使える丈夫さを確保し、使用後は回収・リサイクルすることを前提にしている」「そうしたバッグを世界中のスーパーマーケットと共に広めていくことがこのプロジェクトの目的」と、アニヤはコメント。「協業バッグの発売を機に、さらに一歩進んだサステナブルでより良いライフスタイルの提供につながれば幸い」と、「ナショナル麻布」。

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「アニヤ・ハインドマーチ」がスーパー「ナショナル麻布」で再生素材のショッピングバッグ発売

 英バッグブランド「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」は4月21日、日本のスーパーマーケット「ナショナル麻布(NATIONAL AZABU)」との協業で、100%再生プラスチック素材のショッピングバッグを発売する。2021年にスタートした各国のスーパーマーケットとの協業プロジェクト、「ユニバーサルバッグ(UNIVERSAL BAG)」の一環。これまでに英の「セインズベリーズ(SAINSBURY’S)」や香港の「シティスーパー(CITY’ SUPER)」などと協業してきた。今後、日本の他のスーパーとも協業を考えていくという。

 「ナショナル麻布」の店舗(麻布、田園調布、広尾)とECで取り扱い、価格は税込2750円。「アニヤ・ハインドマーチ」の店頭やECでは販売しない。「ユニバーサルバッグ」プロジェクトは協業先スーパーのイメージカラーを採用しており、今回は「ナショナル麻布」のグリーンカラーのバッグを企画した。

 「アニヤ・ハインドマーチ」は07年に、“I’m NOT A Plastic Bag”というメッセージを配したコットンキャンバス製トートバッグを発売し、プラスチック製レジ袋に対するアクションを開始。同バッグは日本を含め、各国で大ヒットした。20年には“I AM A Plastic Bag”というメッセージで、回収ペットボトルを原料とする再生素材のバッグを発売。引き続き廃棄プラスチックの減量を目指し、「ユニバーサルバッグ」プロジェクトをスタートしたという経緯がある。「ナショナル麻布」との協業バッグも含め、「ユニバーサルバッグ」プロジェクトのバッグは「10年程度の繰り返し使用を前提に製造している」(発表資料から)。また、「バッグとしての使命を終えた後は、回収し、再度リサイクルしていく予定」。

 「繰り返し使うことを前提にしたエコバッグやマイバッグも、数回使われるだけに止まったり、捨てられてしまったりといった現状がある。『ユニバーサルバッグ』では、100%リサイクル素材を用いるだけでなく、長い年月使える丈夫さを確保し、使用後は回収・リサイクルすることを前提にしている」「そうしたバッグを世界中のスーパーマーケットと共に広めていくことがこのプロジェクトの目的」と、アニヤはコメント。「協業バッグの発売を機に、さらに一歩進んだサステナブルでより良いライフスタイルの提供につながれば幸い」と、「ナショナル麻布」。

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「モルトンブラウン」のアイコニックな香りが固形ソープになって発売 持続可能なパーム油を使用

 イギリス発のフレグランスブランド「モルトンブラウン(MOLTON BROWN)」は6月5日、固形ソープ“パフュームソープ コレクション”(全3種、各150g、税込各3300円)を発売する。旗艦店の新丸ビル店では4月15日から先行販売している。“デリシャス ルバーブ&ローズ”“オレンジ&ベルガモット”“ピンクペッパー”の3種類の香りをラインアップする。

 同コレクションは香水のようにトップノート、ハートノート、ベースノートで構成し、洗い上げた後の肌に程よく香りが残る。シアバターとホホバオイルを保湿成分として配合し、肌を滑らかに保ち手と体に使用できる。

 サステナビリティの取り組みとして、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)認証を取得したパームオイル誘導体を使用した。パッケージは分別しやすいようプラスチックを使わず、50%リサイクル素材を採用。「モルトンブラウン」の他コレクションと同様に動物実験を行わないクルエルティフリーだ。

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「ベアミネラル」が1本でメイクが完成する多機能ベースを発売 人気ジェルクリームのマットタイプ

 「ベアミネラル(BAREMINERALS)」は4月19日、スキンケアしながらメイクアップを時短でかなえる“CR”シリーズから多機能ベース“CR ナチュラル マット モイスチャライザー”(全8色、35mL、税込各4950円)を発売する。同商品は2015年に1本でメイクが完成する次世代多機能ベースとして発売しヒットした“CR ティンティッド ジェル クリーム”のマットタイプとして登場する。

 同商品は、メイクとスキンケアの融合を目指し生まれたスキンケア感覚のファンデーションで、肌と地球に負担をかけないミネラル成分で紫外線や大気の汚れから肌を守る。また、95%以上天然由来成分を使用し、全成分がビーガンのクリーンな処方を採用。優れた保湿効果で皮脂バランスにもアプローチし、肌のコンディションを整える。テクニックレスで気になるにきび跡や毛穴の開きを自然にカバーしながらマットな質感のベースメイクを実現する。

 また同日、低刺激で高機能なスキンケア“AGL”シリーズからクリーム2種を発売する。弾むようなハリ感に満ちた肌に導く“AGL フィトプロコラジェン10 スリーピング マスク”(75mL、税込7150円)は、ヒアルロン酸ナトリウムの約400倍の保湿力を持つシロキクラゲから抽出した成分であるフィトモイストやセラミド、アロエベラ花エキスを配合し、乾燥を防ぎながら潤いで満たし睡眠中の肌の活動をサポートする。“AGL フィトプロコラジェン10 クリーム”(50g、税込9900円)は、メイク前にも使いやすいベタつかないテクスチャーで日中の乾燥から肌を守る。

 両商品にはコラーゲン同様のアミノ酸組成を持つ植物由来の保湿成分トプロコラジェンを約10%配合。同成分はハイビスカスから抽出したエキスを中核に引き締まったハリと弾力感のある肌へ導く。環境に配慮してマスクには再生プラスチックPCRキャップとチューブを使用し、クリームには100%再生可能なガラスジャーとPCRキャップを使用している。

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「ベアミネラル」が1本でメイクが完成する多機能ベースを発売 人気ジェルクリームのマットタイプ

 「ベアミネラル(BAREMINERALS)」は4月19日、スキンケアしながらメイクアップを時短でかなえる“CR”シリーズから多機能ベース“CR ナチュラル マット モイスチャライザー”(全8色、35mL、税込各4950円)を発売する。同商品は2015年に1本でメイクが完成する次世代多機能ベースとして発売しヒットした“CR ティンティッド ジェル クリーム”のマットタイプとして登場する。

 同商品は、メイクとスキンケアの融合を目指し生まれたスキンケア感覚のファンデーションで、肌と地球に負担をかけないミネラル成分で紫外線や大気の汚れから肌を守る。また、95%以上天然由来成分を使用し、全成分がビーガンのクリーンな処方を採用。優れた保湿効果で皮脂バランスにもアプローチし、肌のコンディションを整える。テクニックレスで気になるにきび跡や毛穴の開きを自然にカバーしながらマットな質感のベースメイクを実現する。

 また同日、低刺激で高機能なスキンケア“AGL”シリーズからクリーム2種を発売する。弾むようなハリ感に満ちた肌に導く“AGL フィトプロコラジェン10 スリーピング マスク”(75mL、税込7150円)は、ヒアルロン酸ナトリウムの約400倍の保湿力を持つシロキクラゲから抽出した成分であるフィトモイストやセラミド、アロエベラ花エキスを配合し、乾燥を防ぎながら潤いで満たし睡眠中の肌の活動をサポートする。“AGL フィトプロコラジェン10 クリーム”(50g、税込9900円)は、メイク前にも使いやすいベタつかないテクスチャーで日中の乾燥から肌を守る。

 両商品にはコラーゲン同様のアミノ酸組成を持つ植物由来の保湿成分トプロコラジェンを約10%配合。同成分はハイビスカスから抽出したエキスを中核に引き締まったハリと弾力感のある肌へ導く。環境に配慮してマスクには再生プラスチックPCRキャップとチューブを使用し、クリームには100%再生可能なガラスジャーとPCRキャップを使用している。

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アパレル×サステナビリティは踊り場 「で、着る人は何を得られるか」を訴求せよ

 ファッション産業におけるサステナビリティの取り組みが、踊り場を迎えている。ここ数年はリサイクルや生分解といった素材開発が先行し、それらは継続ながら一段落。今はアパレルがそれを「どう使うか」のフェーズに来ている。同時に、サステナブル素材への置き換え以外にファッションビジネスが取り組むべき課題やアクションも数多く見えてきた。4月5日に東京ビッグサイトで開幕した「サステナブル ファッション EXPO」に出展企業からその傾向を探る。

 「サステナブル ファッション EXPO」は、合同展示会「ファッションワールド 東京(FaW TOKYO」の一コーナーとして2020年にスタートし、回を追うごとに規模を拡大してきた。当初は大手の繊維専門商社を中心に副資材メーカーなどが最新のリサイクル素材技術を競い合うように披露したが、一通り出そろった今は、各社が素材開発以外の取り組みの訴求を始めている。ここを見ればファッション×サステナビリティの今がわかる、見取り図のような存在になっている。今回、特に焦点が目立ったのは、資源循環の取り組みだった。

素材特性は大前提。それをブランドコンセプトにどう繋げるか?

 ファッションビジネスのサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)において、リサイクルや生分解性といった環境負荷を軽減する特性の素材活用は大前提だ。しかし、それだけでは消費者にとっては服の購買動機にはなりずらい。「それを身につけるとどのようなライフスタイルを送れるか、どのような自分になれるか」といった「サステナビリティ+α」の付加価値を訴求することが欠かせない。アウトドアやスポーツ、インナーの分野ではこの動きが先行している。

 展示会で特に目を引いたののが、フェムケアやスマート製品といったウェルネスを切り口にした提案である。繊維商社のヤギは、フェムテック商材に特化した「レイ(RE:I)」を“旅”を切り口に訴求。ブースにおしゃれなベッドを持ち込み、旅先のホテルの一室を演出した。吸水ショーツや吸水ブラなど機能アイテムが特徴の同ブランドだが、機能を前面に出すのではなく、着用シーンを想起させるビジュアル提案をすることで、ブランドコンセプト「女性の身体的・心理的ストレスをゼロにしたい」につなげている。

 初出展のイフミック(IFMC.)が打ち出したのは、テイコク製薬社が温泉療法に着眼して製造した非常に微小なミネラルの結晶体「イフミック」だ。これまでに帝人フロンティアのグループ会社テクセットと寝具の共同開発などをしている。「目指すのは健康寿命の延伸」と畠山進之介社長。身体に近接させることで血行促進効果が期待でき、200回の洗濯にも耐えうるとのことで、衣料品への活用を提案している。長年、服のデザインは生地や色が起点となってきたが、今後はこういった加工がフックの一つともなりそうだ。

「野菜染めの服で地元を盛り上げる」は購買きっかけになり得るか?

 「サステナビリティ+α」には、生活者の地元への貢献、社会貢献といった切り口もあり得る。中でも注目は、フードロスとファッションという新しい関係だ。

 繊維商社の豊島は社会貢献につながる様々なプロジェクトを進めており、廃棄食材を再活用した「フードテキスタイル(FOOD TEXTILE)」もそのひとつ。食品関連企業や農家・農園の食品残渣を染色に生かし、「タリーズ」「カゴメ」など多数のパートナー企業を持ち2月には靴下のタビオとの取り組みを発表している。

 瀧定名古屋は、同展で東京農業大学と取り組むプロジェクト「ハタケ ライフカラー」を発表した。全国の農家と連携し、野菜や植物の端材から抽出した色を使った染料使いを提案する。ブースには同社の拠点である愛知県周辺の生産者によるメロン、トマトなどで染めた生地が並んだ。「農家と直接取り組むことで、服を買う人に農家の方の顔が見える。服もフードも捨てるのはもったいない、という考えが広げたい」と同社の担当者は話している。

 フード染色のように「それを着ることが農家と地元を盛り上げる」といった価値観はファッションビジネスにおいて大きな力となり得るのか。特にアウトドアやウエルネス志向ではない“普通の”アパレルがこれらにどう取り組むかに注目したい。

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アパレル×サステナビリティは踊り場 「で、着る人は何を得られるか」を訴求せよ

 ファッション産業におけるサステナビリティの取り組みが、踊り場を迎えている。ここ数年はリサイクルや生分解といった素材開発が先行し、それらは継続ながら一段落。今はアパレルがそれを「どう使うか」のフェーズに来ている。同時に、サステナブル素材への置き換え以外にファッションビジネスが取り組むべき課題やアクションも数多く見えてきた。4月5日に東京ビッグサイトで開幕した「サステナブル ファッション EXPO」に出展企業からその傾向を探る。

 「サステナブル ファッション EXPO」は、合同展示会「ファッションワールド 東京(FaW TOKYO」の一コーナーとして2020年にスタートし、回を追うごとに規模を拡大してきた。当初は大手の繊維専門商社を中心に副資材メーカーなどが最新のリサイクル素材技術を競い合うように披露したが、一通り出そろった今は、各社が素材開発以外の取り組みの訴求を始めている。ここを見ればファッション×サステナビリティの今がわかる、見取り図のような存在になっている。今回、特に焦点が目立ったのは、資源循環の取り組みだった。

素材特性は大前提。それをブランドコンセプトにどう繋げるか?

 ファッションビジネスのサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)において、リサイクルや生分解性といった環境負荷を軽減する特性の素材活用は大前提だ。しかし、それだけでは消費者にとっては服の購買動機にはなりずらい。「それを身につけるとどのようなライフスタイルを送れるか、どのような自分になれるか」といった「サステナビリティ+α」の付加価値を訴求することが欠かせない。アウトドアやスポーツ、インナーの分野ではこの動きが先行している。

 展示会で特に目を引いたののが、フェムケアやスマート製品といったウェルネスを切り口にした提案である。繊維商社のヤギは、フェムテック商材に特化した「レイ(RE:I)」を“旅”を切り口に訴求。ブースにおしゃれなベッドを持ち込み、旅先のホテルの一室を演出した。吸水ショーツや吸水ブラなど機能アイテムが特徴の同ブランドだが、機能を前面に出すのではなく、着用シーンを想起させるビジュアル提案をすることで、ブランドコンセプト「女性の身体的・心理的ストレスをゼロにしたい」につなげている。

 初出展のイフミック(IFMC.)が打ち出したのは、テイコク製薬社が温泉療法に着眼して製造した非常に微小なミネラルの結晶体「イフミック」だ。これまでに帝人フロンティアのグループ会社テクセットと寝具の共同開発などをしている。「目指すのは健康寿命の延伸」と畠山進之介社長。身体に近接させることで血行促進効果が期待でき、200回の洗濯にも耐えうるとのことで、衣料品への活用を提案している。長年、服のデザインは生地や色が起点となってきたが、今後はこういった加工がフックの一つともなりそうだ。

「野菜染めの服で地元を盛り上げる」は購買きっかけになり得るか?

 「サステナビリティ+α」には、生活者の地元への貢献、社会貢献といった切り口もあり得る。中でも注目は、フードロスとファッションという新しい関係だ。

 繊維商社の豊島は社会貢献につながる様々なプロジェクトを進めており、廃棄食材を再活用した「フードテキスタイル(FOOD TEXTILE)」もそのひとつ。食品関連企業や農家・農園の食品残渣を染色に生かし、「タリーズ」「カゴメ」など多数のパートナー企業を持ち2月には靴下のタビオとの取り組みを発表している。

 瀧定名古屋は、同展で東京農業大学と取り組むプロジェクト「ハタケ ライフカラー」を発表した。全国の農家と連携し、野菜や植物の端材から抽出した色を使った染料使いを提案する。ブースには同社の拠点である愛知県周辺の生産者によるメロン、トマトなどで染めた生地が並んだ。「農家と直接取り組むことで、服を買う人に農家の方の顔が見える。服もフードも捨てるのはもったいない、という考えが広げたい」と同社の担当者は話している。

 フード染色のように「それを着ることが農家と地元を盛り上げる」といった価値観はファッションビジネスにおいて大きな力となり得るのか。特にアウトドアやウエルネス志向ではない“普通の”アパレルがこれらにどう取り組むかに注目したい。

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「ヴィヴィアン・ウエストウッド」“オーブ”モチーフの新作アイウエアを6月発売

 「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」のアイウエアを手掛けるモンドティカジャパンは、新作コレクションを6月に発売する。

 コレクションは8型で各3色をラインナップし、価格は各税込2万4000円。ブランドコンセプト同様のシルエット、カラーリングを取り入れたほか、テンプルなどに象徴的な“オーブ”モチーフを取り入れた。また、環境保護問題に熱心だったデザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)の意向に基づき、サステナブルなリサイクル・エコアセテートを素材に採用した。

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学生向けコンテスト「ザ・トゥエルブ」が初開催 “サステナブルなデザイン”を解釈した作品発表

 制作会社のFBC TOKYOとファッションブランド「アテノイ(ATENOY)」を運営するATENOYが学生を対象に“サステナブルなファッションデザインコンテスト”として新設した「ザ・トゥエルブ(THE12)」はこのほど、最終審査会を渋谷ストリームで開催した。1次審査を通過した16組がランウエイショー形式で作品を披露し、古着のリメイクや廃棄食材を原料とする染料を用いた作品など、参加者それぞれが自由に解釈した“サステナブルなデザイン”を表現した。

 審査員は、ファッションデザイナーの津村耕佑、神田千穂ラフォーレ原宿・愛と狂気のマーケット・リーダー、石原隼人PROJECT TOKYOディレクター、村川智博ベクトル社長、奥谷隆幸スタイルエージェント社長、篠崎友亮FashionStudies代表、重崎竜一Andwell社長、木村俊之アントレース社長、植木沙織・小山潮SREUデザインチームが務めた。

 「愛と狂気のマーケット賞」と「Andwell賞」をダブル受賞した、京都芸術大学の茶谷麻瑚さんは、出身地の滋賀県琵琶湖に自生するヨシに着目した。企業と連携し水質を維持するために毎年刈られているヨシを活用した糸で作ったデニムを用いて「自分が成人式で着たかった」いう振袖を発表した。茶谷さんには、ラフォーレ原宿の自主編集売り場「愛と狂気のマーケット」への出展権などが送られた。そのほかの受賞者には、コンサルティングや商品デザインの機会など審査員ごとに異なる特典が贈呈された。

 発起人の一人で「アテノイ」を手掛ける米田年範は、「ファッションコンテストが目に見えて減っているなか、学生が熱意を持って取り組めるきっかけを作りたいという思いで創設した」と話し、今後も年に1回のペースで開催していくという。

 全受賞者は下記の通り。

【KosukeTsumura賞】・【SREU賞】
西城瑚子(中部ファッション専門学校)

【愛と狂気のマーケット賞】 ・【Andwell賞】
茶谷麻瑚(京都芸術大学)

【PROJECT TOKYO賞】
猪瀬音羽(文化学園大学)

【ReP.賞】
今井有里紗(同志社女子大学)

【FashionStudies賞】
村井泰子/石川晴香/深井里菜(文化学園大学)

【UNTRACE賞】  
毛昕妍/張成林(文化ファッション大学院大学)

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学生向けコンテスト「ザ・トゥエルブ」が初開催 “サステナブルなデザイン”を解釈した作品発表

 制作会社のFBC TOKYOとファッションブランド「アテノイ(ATENOY)」を運営するATENOYが学生を対象に“サステナブルなファッションデザインコンテスト”として新設した「ザ・トゥエルブ(THE12)」はこのほど、最終審査会を渋谷ストリームで開催した。1次審査を通過した16組がランウエイショー形式で作品を披露し、古着のリメイクや廃棄食材を原料とする染料を用いた作品など、参加者それぞれが自由に解釈した“サステナブルなデザイン”を表現した。

 審査員は、ファッションデザイナーの津村耕佑、神田千穂ラフォーレ原宿・愛と狂気のマーケット・リーダー、石原隼人PROJECT TOKYOディレクター、村川智博ベクトル社長、奥谷隆幸スタイルエージェント社長、篠崎友亮FashionStudies代表、重崎竜一Andwell社長、木村俊之アントレース社長、植木沙織・小山潮SREUデザインチームが務めた。

 「愛と狂気のマーケット賞」と「Andwell賞」をダブル受賞した、京都芸術大学の茶谷麻瑚さんは、出身地の滋賀県琵琶湖に自生するヨシに着目した。企業と連携し水質を維持するために毎年刈られているヨシを活用した糸で作ったデニムを用いて「自分が成人式で着たかった」いう振袖を発表した。茶谷さんには、ラフォーレ原宿の自主編集売り場「愛と狂気のマーケット」への出展権などが送られた。そのほかの受賞者には、コンサルティングや商品デザインの機会など審査員ごとに異なる特典が贈呈された。

 発起人の一人で「アテノイ」を手掛ける米田年範は、「ファッションコンテストが目に見えて減っているなか、学生が熱意を持って取り組めるきっかけを作りたいという思いで創設した」と話し、今後も年に1回のペースで開催していくという。

 全受賞者は下記の通り。

【KosukeTsumura賞】・【SREU賞】
西城瑚子(中部ファッション専門学校)

【愛と狂気のマーケット賞】 ・【Andwell賞】
茶谷麻瑚(京都芸術大学)

【PROJECT TOKYO賞】
猪瀬音羽(文化学園大学)

【ReP.賞】
今井有里紗(同志社女子大学)

【FashionStudies賞】
村井泰子/石川晴香/深井里菜(文化学園大学)

【UNTRACE賞】  
毛昕妍/張成林(文化ファッション大学院大学)

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隈研吾がデザインした環境と人に優しいテーブルウエア 軽く割れず木目が美しい新素材を使用

 リサイクルできる新素材をはじめ、ライフスタイル関連の商品開発を行う「ヒデケー1896(HIDE K 1896)」は4月19日、建築家の隈研吾がデザインしたテーブルウエア“レトワ コレクション”を発売する。“レトワ”とは、フランス語で“3”という意味で、大皿、中皿、ボウルの3つの器で構成。“ワビ コンテンポラリー”がコンセプトで、カラーは料理の美しさを引き立てるブラックで和洋問わず、あらゆる料理に使用できる。

 素材には、間伐材と廃食用油などを使って製造されたバイオマス樹脂を配合した新素材“トランスウッド”を用いている。同素材には国産の杉とバイオマス樹脂が50%ずつ配合されているため、一つ一つ異なる木の表情が美しい。軽く割れにくいのが特徴で、食洗機にも対応。

 税込価格は、大皿(27cm)が8800円、中皿(21cm)が6600円、ボウル(15cm)が6600円。

 表参道の旗艦店および、公式ウェブサイトのほか、26日からは三越伊勢丹オンラインストアでも販売する。

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ロンハーマンがジップエアと業務提携 成田―ホノルル便でコラボアイテムを発売

 ロンハーマンはこのほど、日本航空(JAL)子会社の格安航空会社ジップエア トーキョー(ZIPAIR Tokyo以下、ジップエア)とサステナブル推進を目的に業務提携契約を締結した。

 ジップエアは、航空会社として世界初となるCO2排出量実質ゼロのカーボンニュートラル便を4月にスタート。ロンハーマンの持続可能な社会に向けた思いに共鳴し、成田―ハワイ・ホノルル線のカーボンニュートラル便でコラボレーションフライトを展開し、5月8日〜10月28日に運航する。

 ロンハーマンは、機体デザインや環境に配慮したオリジナルアイテムを提供するほか、社会貢献活動を行う。機体には、同社が2021年に発表したサステナビリティビジョンのスローガン“Love for Tomorrow”をベースに、オリジナルロゴをデザインした。機体装飾や機内のヘッドレストカバーにも使用する。オリジナルの限定アイテムは、オーガニックコットンのビーチバッグ(税込1万9000円)とハンドタオル(同1500円)、コラボレーションロゴを施したBPAフリーのボトル(同6500円)、コラボ機体を1/200で再現したモデルプレーン(価格未定)を用意する。アイテムは搭乗者限定で販売する。

■ZIPAIR×Ron Herman Carbon Neutral flight
就航期間:5月8日〜10月28日
就航路線:成田―ホノルル

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ロンハーマンがジップエアと業務提携 成田―ホノルル便でコラボアイテムを発売

 ロンハーマンはこのほど、日本航空(JAL)子会社の格安航空会社ジップエア トーキョー(ZIPAIR Tokyo以下、ジップエア)とサステナブル推進を目的に業務提携契約を締結した。

 ジップエアは、航空会社として世界初となるCO2排出量実質ゼロのカーボンニュートラル便を4月にスタート。ロンハーマンの持続可能な社会に向けた思いに共鳴し、成田―ハワイ・ホノルル線のカーボンニュートラル便でコラボレーションフライトを展開し、5月8日〜10月28日に運航する。

 ロンハーマンは、機体デザインや環境に配慮したオリジナルアイテムを提供するほか、社会貢献活動を行う。機体には、同社が2021年に発表したサステナビリティビジョンのスローガン“Love for Tomorrow”をベースに、オリジナルロゴをデザインした。機体装飾や機内のヘッドレストカバーにも使用する。オリジナルの限定アイテムは、オーガニックコットンのビーチバッグ(税込1万9000円)とハンドタオル(同1500円)、コラボレーションロゴを施したBPAフリーのボトル(同6500円)、コラボ機体を1/200で再現したモデルプレーン(価格未定)を用意する。アイテムは搭乗者限定で販売する。

■ZIPAIR×Ron Herman Carbon Neutral flight
就航期間:5月8日〜10月28日
就航路線:成田―ホノルル

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ロンハーマンがジップエアと業務提携 成田―ホノルル便でコラボアイテムを発売

 ロンハーマンはこのほど、日本航空(JAL)子会社の格安航空会社ジップエア トーキョー(ZIPAIR Tokyo以下、ジップエア)とサステナブル推進を目的に業務提携契約を締結した。

 ジップエアは、航空会社として世界初となるCO2排出量実質ゼロのカーボンニュートラル便を4月にスタート。ロンハーマンの持続可能な社会に向けた思いに共鳴し、成田―ハワイ・ホノルル線のカーボンニュートラル便でコラボレーションフライトを展開し、5月8日〜10月28日に運航する。

 ロンハーマンは、機体デザインや環境に配慮したオリジナルアイテムを提供するほか、社会貢献活動を行う。機体には、同社が2021年に発表したサステナビリティビジョンのスローガン“Love for Tomorrow”をベースに、オリジナルロゴをデザインした。機体装飾や機内のヘッドレストカバーにも使用する。オリジナルの限定アイテムは、オーガニックコットンのビーチバッグ(税込1万9000円)とハンドタオル(同1500円)、コラボレーションロゴを施したBPAフリーのボトル(同6500円)、コラボ機体を1/200で再現したモデルプレーン(価格未定)を用意する。アイテムは搭乗者限定で販売する。

■ZIPAIR×Ron Herman Carbon Neutral flight
就航期間:5月8日〜10月28日
就航路線:成田―ホノルル

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レンチングが製造工程時の廃棄繊維リサイクルへ パートナー企業と協働 

 オーストリアの繊維大手レンチングはこのほど、製造工程で出る「テンセルリヨセル」の廃棄繊維をメカニカルリサイクルしたリヨセル繊維を用いたデニム生地の生産を始めると発表した。サプライチェーンパートナーであるパキスタンのアーティスティック ミリナーズ(Artistic Milliners)、ブラジルのカナチバ(Canatiba)、スペインのテキスタイル サンタンデリナ(Textil Santanderina)と協働する。このデニム生地は、バージン繊維と比較しても繊維の長さや抵抗性など全ての物理的特性を保持し、とてもソフトな手触りを実現しているという。

 この取り組みは循環とイノベーションを軸に繊維産業を変革していくことを目的とした「テンセル」の「ファイバー・リサイクル・イニシアチブ」の一環で、レンチング社を軸にサプライヤーと協働し、あらゆる技術を活用してサーキュラリティ実現を目指すもの。

 今回のメカニカルリサイクルは、水や化学物質を使用する必要がないため、素材のサステナビリティ機能を高めることができる。また、メカニカルリサイクルされた「テンセルリヨセル」繊維は最終製品でも繊維の識別が可能なため、生産工程のトレーサビリティが確保される。

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レンチングが製造工程時の廃棄繊維リサイクルへ パートナー企業と協働 

 オーストリアの繊維大手レンチングはこのほど、製造工程で出る「テンセルリヨセル」の廃棄繊維をメカニカルリサイクルしたリヨセル繊維を用いたデニム生地の生産を始めると発表した。サプライチェーンパートナーであるパキスタンのアーティスティック ミリナーズ(Artistic Milliners)、ブラジルのカナチバ(Canatiba)、スペインのテキスタイル サンタンデリナ(Textil Santanderina)と協働する。このデニム生地は、バージン繊維と比較しても繊維の長さや抵抗性など全ての物理的特性を保持し、とてもソフトな手触りを実現しているという。

 この取り組みは循環とイノベーションを軸に繊維産業を変革していくことを目的とした「テンセル」の「ファイバー・リサイクル・イニシアチブ」の一環で、レンチング社を軸にサプライヤーと協働し、あらゆる技術を活用してサーキュラリティ実現を目指すもの。

 今回のメカニカルリサイクルは、水や化学物質を使用する必要がないため、素材のサステナビリティ機能を高めることができる。また、メカニカルリサイクルされた「テンセルリヨセル」繊維は最終製品でも繊維の識別が可能なため、生産工程のトレーサビリティが確保される。

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「ヘレナ ルビンスタイン」の“P.C.スキンミュニティ”がリニューアル 主軸の美容液が自然由来成分97%に

 ラグジュアリースキンケアブランド「ヘレナ ルビンスタイン(HELENA RUBINSTEIN)」は5月19日、エイジングケアシリーズ“P.C.スキンミュニティ”の代表アイテムである美容液“P.C.スキンミュニティ セラム”や乳液、目もと美容液、アイマスクを一新する。既存の肌の再生などを促すバイオテクノロジーに加え、新たにバリア機能を強化する成分エクトインと滑らかでトラブルのない肌をかなえるビックスアクティブ、ビサボロールを配合。土台を整え、トラブルのない滑らかなでハリのある肌へ導く。

 “P.C.スキンミュニティ”は2010年に誕生。植物始原細胞の再生能力に着目し、表皮の強化をかなえてきた。“P.C.スキンミュニティ セラム”(30mL、税込1万9800円/50mL、同2万9700円)は、今回のリニューアルで5代目となり、既存の植物原料を高濃度で配合するほか、エクトイン、ビックスアクティブ、ビサボロールを新配合。自然由来成分97%になった。乳液“P.C.スキンミュニティ エマルジョン”(75mL、同2万8600円)は、肌の水分蒸散を抑えるイーストエキスや、過剰な皮脂を吸収し毛穴の目立たない肌をかなえるマイクロジェルオイル メカニズムを新たに加え、さらっとした感触で潤いに満ちた肌に仕上げる。自然由来成分は92%。

 目もと美容液“P.C.スキンミュニティ アイ”(15mL、同1万4300円)は、緑茶葉から抽出した天然由来のグリーンカフェインや反射と色補正ができるパールを配合したスペクトラルパール テクノロジーを採用。アプリケーターも備えマッサージ効果も期待でき、明るくすっきりとした目もとをかなえる。公式サイトなどで限定販売する“P.C.スキンミュニティ アイ マスク”(4mL✕6枚、同1万3200円)はバイオセルロース素材の厚みのあるシートマスクで、15分のアイケアでと潤いと透明感のある目もとに導く。

 桝山純・日本ロレアル ヘレナ ルビンスタイン事業部事業部長は「“P.C.スキンミュニティ”はデビュー時の商品開発に携わったシリーズで思い入れがある。今回も植物細胞科学の最先端を取り入れ、肌の再生と防御力強化を図った」と商品力の高さを示した。また環境に配慮したモノ作りも推進。1グラムの植物で10億の始原細胞を作るため希少植物も過剰な収穫や摂取をしないほか、容器にリサイクルガラスを採用し、フットプリントの削減に貢献する。

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マッシュスタイルラボが原料調達のサステナ基準設ける 全ブランドの下げ札にアイコン掲載

 マッシュスタイルラボはこのほど、原料調達に関して独自のサステナビリティ基準を設けた。大手繊維商社など10社と立ち上げた「マッシュスタイルラボ サステナブルアライアンス」で協議・決定し、2023年夏物から基準を満たした製品は下げ札に「リサイクル」「セーブ・ウォーター」など7種類のアイコンを表示する。対象は全19ブランドで、4月13日から順次導入する。

 これまでも各ブランドで環境配慮型素材を採用し、ホームページ上やPOPなどで表記してきたが「何を持って環境配慮型と呼ぶか」はブランドごとの判断だった。サステナビリティ基準は、共通の「拠り所」を持ち発信するのが狙い。基準は毎年見直し・改善する。今後は下げ札にQRコードを掲載し、ホームページへリンクすることで店頭で客が生産背景を知ることができる仕組みも整える計画だ。

 基準の区分と概要は下記の7つ。

◾️リサイクル:リサイクル素材の有効活用・バージン資源使用の低減(ポリエステルやウール、ダウンなどのリサイクル原料を、マッシュグループの規定量を満たす割合で使用。バージン資源ではなく廃棄される予定だった資源を再利用することで、CO2削減に寄与)

◾️オーガニック:主原料へのオーガニック素材使用(綿や麻など有機肥料のみで土壌をつくり、禁止農薬を一切使用しないオーガニック原料をほぼ100%の割合で使用した素材)

◾️オーガニックブレンド:オーガニック素材の使用(綿や麻など、有機肥料のみで土壌をつくり、禁止農薬を一切使用しないオーガニック原料を一部採用した素材)

◾️ナチュラル:天然繊維の活用(綿や麻などの天然繊維を、規定量を満たす割合で使用。土壌環境へ配慮し、持続可能な環境を維持しながら生産された植物性原料を採用)

◾️セーブ・フォレスト:森林の保護(生態系に負担をかけない生産サイクル・製造プロセスなど、管理された環境下の木材を使用し、生分解性のある原料を採用)

◾️セーブ・ウォーター:海と水資源の保全(水によって分解性がある海洋分解性プラスチックなどの原料、無水染色・省水染色などの水資源使用を軽減して作られた原料などを採用)

◾️ファーフリー:動物福祉(動物の毛皮の使用を禁止し、毛並み・質感などを再現したエコファー素材を採用)

27回の話し合いを経て基準を設定

 同社は22年2月に大手繊維商社など10社と「マッシュスタイルラボ サステナブルアライアンス」をスタート。1年間で、2部門・合計27回の話し合いを経て基準を設定した。繊維商社は営業担当と品質管理担当がペアで会議に出席し、販売・生産の両面で話し合いを重ねた。参加企業は、原料調達・開発部門が三菱商事ファッション、豊田通商グループ、スタイレム瀧大阪、田村駒、豊島、モリリンの6社。生産・流通部門がザ・パック、東京アート、三景、ヴェストの4社。

 今後は、サプライチェーンにおける商取引証明をアライアンスメンバーがトレースし、独自の「原料証明書」を発行。製品に添付しサプライチェーン内を動かす。このプロジェクトをリードしたマッシュスタイルラボの岩木久剛執行役員生産管理本部本部長は、独自の基準を設け証明書を発行する背景について、「サプライチェーンに関わる全ての仕入先や工程において、国際的な認証プログラムの取得が完了していない現在、実現可能なトレース方法としてアライアンス内の商取引をつなぎ顧客に証明していくことが狙い」という。

 同アライアンスは当初、サプライチェーンにおけるCO2削減を目標にスタートした。「それを実行するためには、サプライチェーンのトレースが欠かせない。であればまずはまずは原料採用基準策定へと、アライアンスで決めた」岩木本部長。今後は当初目標のCO2削減に向けて、「マッシュスタイルラボ サステナブル工場監査基準」を設ける方向で、話し合いを進める。対象は縫製・編立80社、資材部20社。工場運営においてCO2削減につながる「LED化」「エアコンの温度設定」「ゴミの分別」など39の監査項目を設ける。同本部長は「合格不合格をつけることが目的ではない。基準を設けることで改善を進める」と話している。

 なお、13日からスタートする下げ札へのアイコン表示対象は、次の19ブランド。「スナイデル(SNIDEL)」 「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」「フレイ アイディー(FRAY I.D)」「リリー ブラウン(LILY BROWN)」「ミラ オーウェン(MILA OWEN)」「ファーファ―(FURFUR)」「エミ(EMMI)」「スニーカーズ バイ エミ(SNEAKERS BY EMMI)」「スタイリング/(STYLING/)」「セルフォード(CELFORD)」「スナイデル ホーム(SNIDEL HOME)」「ジェラート ピケ スリープ(GELATO PIQUE SLEEP)」「ミースロエ (MIESROHE)」「アンダーソン アンダーソン(UNDERSON UNDERSON)」「ジェラート ピケ オム(GELATO PIQUE HOMME)」「ソフトハイフン(SOFTHYPHEN)」「ウェイヴ(WAVE)」「アウール(AOURE)」「リトルユニオン(LITTLE UNION)」 。

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【スナップ】「ゲラン」香水“アクア アレゴリア”のイベントに桐谷美玲、山下美月、山田優らが来場

 「ゲラン(GUERLAIN)」は、5月1日に新作を発売する天然由来成分を使用したフレグランスシリーズ“アクア アレゴリア”コレクションの発売記念イベントを開催した。イベントにはジャパンアンバサダーの桐谷美玲や乃木坂46の山下美月、女優でモデルの山田優、三吉彩花らが来場し、コレクションの世界観を体感した。

 豊かな自然からインスピレーションを受けた“アクア アレゴリア”コレクションは1999年に誕生。2022年には最大95%の天然由来成分を配合したナチュラルフォーミュラに変更したほか、リサイクルガラスを使用した詰め替え可能なボトルやリフィルによりブランドのサステナビリティを体現するコレクションとしてリニューアルを行っている。

 新たに発売される“アクア アレゴリア ハーベスト”(全3種、125mL、税込2万1340円)は自然の恵みである稀少な“素材”にフォーカスした限定コレクションで、コレクションのアイコニックな香りである「マンダリン バジリック」「ローザ ロッサ」「ネロリア ベチバー」をラインアップ。パッケージも進化を遂げ、100%リサイクル可能な紙製の“セカンドスキン”に収めている。

 また、22年にデビューしたオーデパルファン“アクア アレゴリア フォルテ”(75mL、税込1万6720円)には既存の「マンダリン バジリック」「ローザ ロッサ」に加え、新たに「ネロリア ベチバー」が登場する。

 発売イベント会場には「ゲラン」が長く行っているミツバチ保護活動や女性養蜂家育成プログラム、子供たちにミツバチの大切さを伝える活動のパネルを用意。会場にはYAMATO、伊原葵、世良マリカも訪れ、ブランドの活動に理解を深めていた。

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無印良品がプラスチック商品の回収・再資源化・再生に本腰

 「無印良品」は2月3日、狭小店などを除く全店舗でプラスチック商品の回収を始めた。対象商品は、衣装/収納クローゼットケースやダストボックス、ファイルボックスなどのポリプロピレン製品とやわらかポリエチレンケースシリーズ。店頭で回収を受け付け、基準をクリアした状態がよい製品は回収店舗で再販される。再販が難しい製品は社内配送便を用いて物流センターに集め、リサイクル工場で粉砕してペレット化。ペレットは国内の生産拠点に運ばれ、品質を損なわないように一部バージン素材を活用しながら、無印良品の製品として生まれ変わる。リサイクル素材を用いた製品は、マテリアルリサイクルの特性上、透明や白の再現は難しく、ダークグレーに染めて再販される。

 リサイクル・リユースに至った経緯を嶋崎朝子・上席執行役員兼生活雑貨部管掌は「主力製品の多くは石油由来。地球資源の循環化と廃棄物削減に向けて、また社会的責任を果たすためにもただ作って売るのではなく、再生方法を検討していた」と話す。合理的な活用方法を検証するために2021年9月から有明店でプラスチック商品の回収を始め、22年9月から東日本の13店舗で随時始めていたが、「発展させるには規模を拡大する必要があった」。大きく動き出したのは昨年の夏。「原料高騰が背中を押した。スキームを万全に整えて始める予定だったが、前倒すことにした。高騰分をリサイクルでカバーするために始めたわけではないが、ゆくゆくはカバーできるようにしたい」と話す。

 回収が始まり消費者からは「『プラスチックの大型ゴミの回収は自治体が行うものだと思っていたが、一般企業が行うのか』という驚きの声や『循環型社会に向けてついに始まるんだ』という期待感があったと聞いている。大型ゴミ回収のための費用がかからない点もポジティブに働いていると思う」と話す。3月末時点で2088kg(PP衣装ケース・引出式・大に換算すると720個分)を回収した。大型商品の持ち込みはハードルが高いと思いきや、「配送料をかけないために大型商品でも持ち帰る人が多い。もちろん、銀座店と郊外店では状況は異なるが、カーボンフットプリントを抑えるためにも店舗回収を進めたい」という。

 そもそも「無印良品」は創業当初から長く使うことができるデザインを大切にしており、汎用性が高くモジュール化できる製品が多い。「捨てないのが一番いい。多くの製品は数十年単位で使うことができるものだが、収納ケースは引っ越しなどでサイズが合わなくなると手放すことが多い製品。そういった製品を、粗大ごみシールを買って捨てるのではなく、地上にある鉱脈という感覚で、持ってきていただきたい。衣装ケースなど大きい製品で回収が進めば、それだけ資源が増える」。

 「ゴミにならない、長持ちして壊れない設計を大前提に、設計時から回収を考える必要がある。分類・分解のしやすさなど、できるだけ低負荷で循環できるようにしないと、回収がうまくいかない。さまざまな商品を展開しているが、どれも再資源化しようと思えばできるものが多い」。さらに循環できる製品開発にも力を入れる。

 課題は「物流の合理化」だという。「製品の状態では大きい。例えば店舗で小さく粉砕して製造工場に直送できればカーボンフットプリントも物流コストも削減できる。しかし、全ての店舗に粉砕機を置くとなると結構な設備になる。こうしたことを検討していく必要がある」。

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無印良品がプラスチック商品の回収・再資源化・再生に本腰

 「無印良品」は2月3日、狭小店などを除く全店舗でプラスチック商品の回収を始めた。対象商品は、衣装/収納クローゼットケースやダストボックス、ファイルボックスなどのポリプロピレン製品とやわらかポリエチレンケースシリーズ。店頭で回収を受け付け、基準をクリアした状態がよい製品は回収店舗で再販される。再販が難しい製品は社内配送便を用いて物流センターに集め、リサイクル工場で粉砕してペレット化。ペレットは国内の生産拠点に運ばれ、品質を損なわないように一部バージン素材を活用しながら、無印良品の製品として生まれ変わる。リサイクル素材を用いた製品は、マテリアルリサイクルの特性上、透明や白の再現は難しく、ダークグレーに染めて再販される。

 リサイクル・リユースに至った経緯を嶋崎朝子・上席執行役員兼生活雑貨部管掌は「主力製品の多くは石油由来。地球資源の循環化と廃棄物削減に向けて、また社会的責任を果たすためにもただ作って売るのではなく、再生方法を検討していた」と話す。合理的な活用方法を検証するために2021年9月から有明店でプラスチック商品の回収を始め、22年9月から東日本の13店舗で随時始めていたが、「発展させるには規模を拡大する必要があった」。大きく動き出したのは昨年の夏。「原料高騰が背中を押した。スキームを万全に整えて始める予定だったが、前倒すことにした。高騰分をリサイクルでカバーするために始めたわけではないが、ゆくゆくはカバーできるようにしたい」と話す。

 回収が始まり消費者からは「『プラスチックの大型ゴミの回収は自治体が行うものだと思っていたが、一般企業が行うのか』という驚きの声や『循環型社会に向けてついに始まるんだ』という期待感があったと聞いている。大型ゴミ回収のための費用がかからない点もポジティブに働いていると思う」と話す。3月末時点で2088kg(PP衣装ケース・引出式・大に換算すると720個分)を回収した。大型商品の持ち込みはハードルが高いと思いきや、「配送料をかけないために大型商品でも持ち帰る人が多い。もちろん、銀座店と郊外店では状況は異なるが、カーボンフットプリントを抑えるためにも店舗回収を進めたい」という。

 そもそも「無印良品」は創業当初から長く使うことができるデザインを大切にしており、汎用性が高くモジュール化できる製品が多い。「捨てないのが一番いい。多くの製品は数十年単位で使うことができるものだが、収納ケースは引っ越しなどでサイズが合わなくなると手放すことが多い製品。そういった製品を、粗大ごみシールを買って捨てるのではなく、地上にある鉱脈という感覚で、持ってきていただきたい。衣装ケースなど大きい製品で回収が進めば、それだけ資源が増える」。

 「ゴミにならない、長持ちして壊れない設計を大前提に、設計時から回収を考える必要がある。分類・分解のしやすさなど、できるだけ低負荷で循環できるようにしないと、回収がうまくいかない。さまざまな商品を展開しているが、どれも再資源化しようと思えばできるものが多い」。さらに循環できる製品開発にも力を入れる。

 課題は「物流の合理化」だという。「製品の状態では大きい。例えば店舗で小さく粉砕して製造工場に直送できればカーボンフットプリントも物流コストも削減できる。しかし、全ての店舗に粉砕機を置くとなると結構な設備になる。こうしたことを検討していく必要がある」。

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「トリンプ」からボディーにも環境にも優しい“癒しのブラ”がデビュー かつてない柔らかな着け心地

 「トリンプ(TRIUMPH)」は4月12日、“癒しのブラ”を発売した。“天使のブラ”や“恋するブラ”でお馴染みの同ブランドの新商品は、かつてないやわらかな着け心地が特徴だ。「ワイヤーとノンワイヤーを使い分けるのではなく、毎日使えるブラジャーが欲しい」という女性のニーズに応えたもので、新開発のしなやかフィットワイヤーが食い込みを解消し、下カップとストラップが一体化したワイドパーツ(特許出願中)により、まるで手のひらでバストを包んでいるかのような安心感を実現している。

 ラメ糸がさりげなく煌めくリーフ柄レースを使用しており、カラーは、グリーン、イエロー、ピンク、グレーの4色展開。税込価格は、ブラジャーが6160~6490円、ハイキニショーツが2750円、マキシショーツが2860円。

 カップには、植物由来のオイルを配合した環境配慮素材を、レースと背中の部分には、生産工程で出るくず糸をリサイクルして使用するなど環境にも配慮した製品だ。

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阪急うめだ本店の新ゾーン「グリーンエイジ」がオープン 百貨店のセオリーに真っ向から挑む

 阪急阪神百貨店は12日、阪急うめだ本店8階に新ゾーン「グリーンエイジ(GREEN AGE)」をオープンした。“人と自然の共生”の旗印の下、ファッションやビューティ、食や雑貨など商品カテゴリーの枠組みを超えて約40ショップを集積。さらにラグジュアリーブランドとアウトドアブランドが垣根なく共存していたり、数時間ごとに催事を入れ替える大型のイベントスペースがあったりと、百貨店のセオリーにとらわれない挑戦的な売り場となっている。

ラグジュアリーとアウトドア
共通環境でシームレスに回遊

 約2300平方メートルの空間は緑を感じる植栽やモニュメントを随所に配した一体感のある作り。装飾には環境負荷が少ない建材を用いた。天井には大阪府内の間伐材を使った櫓(やぐら)をあしらい、床や柱には石灰石を主原料とした漆喰を使用した。

 これら共通環境の下で全ての商品を展開することで、客はブランドの垣根を意識することなく回遊できる。「パタゴニア(PATAGONIA)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」といったアウトドアブランドに並んで、「プラダ(PRADA)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」「クロエ(CHLOE)」といったラグジュアリーブランドのショップが連なる。「ロエベ(LOEWE)」の修理・補修専門ストア「ロエベ リクラフト(LOEWE RE CRAFT)」では、ガラス張りの工房で職人がリペアする様子が見える。余剰レザーから作ったバスケットバッグ(6万8200円)などの限定アイテムも販売する。

ステラ本人にも直談判
世界初のカフェ併設業態を実現

 エスカレーター脇には「ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)」の世界初のコンセプトストアである「ステラズワールド バイ ステラ マッカートニー(STELLA’S WORLD BY STELLA MCCARTNEY)」。DJのターンテーブルをモチーフにしたブランド初のカフェではビーガンスイーツやドリンクを提供し、買い物の合間に一息つくことができる。ここでしか買えない商品が並ぶスーベニアショップも併設する。ゾーン全体の設計からショップ誘致までを担当した宮本智美・グリーンエイジ開発部ディビジョンマネージャーが、ステラ本人への直談判とプレゼンを重ねた末に実現したショップだ。

買い取りや黒染め
モノを大切にする価値観に訴求

 自主編集売り場「グリーンエイジ エディット」では、家、自然、街をシームレスに行き来するライフスタイルを想定し、アパレルやアウトドアギア、自転車まで幅広く取りそろえる。併設する「リ・コンシェルジュ」のカウンターでは、アウトドア用品のレンタルやコメ兵による買い取り、京都紋付による黒染めなどを受け付け、モノを大切にする価値観に訴えかける。

数時間で入れ替わる催しで
“自然との共生”を広く発信

 「これまで小売業において“リアル”は店舗と同義だったように思うが、私たちはその枠を店の外まで広げていく。地域のコミュニティーと共存しながら自然共生型ライフスタイルを一緒に作り上げていく場所にしたい」と石田良太グリーンエイジ営業統括部ゼネラルマネージャー。そのような考えの下、ゾーンの中央にはグリーンエイジのコンセプトや価値観を体現する“場”を設けた。体験・イベントスペースの「コミュニティパーク」は催しを数時間ごとに入れ替える。たとえば、開店直後は惣菜マルシェ、昼過ぎにヨガ講座、昼下がりから夜にかけてワークショップ、映画上映といった具合だ。少なくとも年間500以上の催しを用意することになる。宮本ディビジョンマネージャーは「必死で準備をしてお客さまを楽しませたい」と話す。

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阪急うめだ本店の新ゾーン「グリーンエイジ」がオープン 百貨店のセオリーに真っ向から挑む

 阪急阪神百貨店は12日、阪急うめだ本店8階に新ゾーン「グリーンエイジ(GREEN AGE)」をオープンした。“人と自然の共生”の旗印の下、ファッションやビューティ、食や雑貨など商品カテゴリーの枠組みを超えて約40ショップを集積。さらにラグジュアリーブランドとアウトドアブランドが垣根なく共存していたり、数時間ごとに催事を入れ替える大型のイベントスペースがあったりと、百貨店のセオリーにとらわれない挑戦的な売り場となっている。

ラグジュアリーとアウトドア
共通環境でシームレスに回遊

 約2300平方メートルの空間は緑を感じる植栽やモニュメントを随所に配した一体感のある作り。装飾には環境負荷が少ない建材を用いた。天井には大阪府内の間伐材を使った櫓(やぐら)をあしらい、床や柱には石灰石を主原料とした漆喰を使用した。

 これら共通環境の下で全ての商品を展開することで、客はブランドの垣根を意識することなく回遊できる。「パタゴニア(PATAGONIA)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」といったアウトドアブランドに並んで、「プラダ(PRADA)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」「クロエ(CHLOE)」といったラグジュアリーブランドのショップが連なる。「ロエベ(LOEWE)」の修理・補修専門ストア「ロエベ リクラフト(LOEWE RE CRAFT)」では、ガラス張りの工房で職人がリペアする様子が見える。余剰レザーから作ったバスケットバッグ(6万8200円)などの限定アイテムも販売する。

ステラ本人にも直談判
世界初のカフェ併設業態を実現

 エスカレーター脇には「ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)」の世界初のコンセプトストアである「ステラズワールド バイ ステラ マッカートニー(STELLA’S WORLD BY STELLA MCCARTNEY)」。DJのターンテーブルをモチーフにしたブランド初のカフェではビーガンスイーツやドリンクを提供し、買い物の合間に一息つくことができる。ここでしか買えない商品が並ぶスーベニアショップも併設する。ゾーン全体の設計からショップ誘致までを担当した宮本智美・グリーンエイジ開発部ディビジョンマネージャーが、ステラ本人への直談判とプレゼンを重ねた末に実現したショップだ。

買い取りや黒染め
モノを大切にする価値観に訴求

 自主編集売り場「グリーンエイジ エディット」では、家、自然、街をシームレスに行き来するライフスタイルを想定し、アパレルやアウトドアギア、自転車まで幅広く取りそろえる。併設する「リ・コンシェルジュ」のカウンターでは、アウトドア用品のレンタルやコメ兵による買い取り、京都紋付による黒染めなどを受け付け、モノを大切にする価値観に訴えかける。

数時間で入れ替わる催しで
“自然との共生”を広く発信

 「これまで小売業において“リアル”は店舗と同義だったように思うが、私たちはその枠を店の外まで広げていく。地域のコミュニティーと共存しながら自然共生型ライフスタイルを一緒に作り上げていく場所にしたい」と石田良太グリーンエイジ営業統括部ゼネラルマネージャー。そのような考えの下、ゾーンの中央にはグリーンエイジのコンセプトや価値観を体現する“場”を設けた。体験・イベントスペースの「コミュニティパーク」は催しを数時間ごとに入れ替える。たとえば、開店直後は惣菜マルシェ、昼過ぎにヨガ講座、昼下がりから夜にかけてワークショップ、映画上映といった具合だ。少なくとも年間500以上の催しを用意することになる。宮本ディビジョンマネージャーは「必死で準備をしてお客さまを楽しませたい」と話す。

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大阪・関西万博に向けて河川敷でSDGsイベント 環境問題を考えるファッションショー

 大阪・関西万博の関連イベント「すみのえSDGsアクション/大和川スマイルプロジェクト」が4月2日に開催された。2025年の万博会場の夢洲に流れ込む大和川の河川敷を会場に、SDGsをテーマにしたファッションショー、川の清掃活動や環境問題を学ぶ取り組みなどを通じて、万博への機運を醸成させた。

 ファッションショーでは、大阪モード学園の学生が川のゴミのプラスチック廃材などを用いたドレスを披露したり、500人の子供たちの笑顔がプリントされた巨大なドレスが登場したり、バラエティーに富んだ内容で来場者の目を楽しませた。清掃活動では地元住民など約530人が参加して、大和川の精霊から生まれたキャラクター「ヤマトちゃん」と一緒に河川敷のゴミを拾い集めた。

 笑顔の巨大ドレスの制作やイベント企画などを行ったNPO法人「MERRY PROJECT」の水谷孝次氏は「万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』。大和川の再生の思いをカタチにするために、8カ月アイデアを考えてやってきた」と話す。

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大阪・関西万博に向けて河川敷でSDGsイベント 環境問題を考えるファッションショー

 大阪・関西万博の関連イベント「すみのえSDGsアクション/大和川スマイルプロジェクト」が4月2日に開催された。2025年の万博会場の夢洲に流れ込む大和川の河川敷を会場に、SDGsをテーマにしたファッションショー、川の清掃活動や環境問題を学ぶ取り組みなどを通じて、万博への機運を醸成させた。

 ファッションショーでは、大阪モード学園の学生が川のゴミのプラスチック廃材などを用いたドレスを披露したり、500人の子供たちの笑顔がプリントされた巨大なドレスが登場したり、バラエティーに富んだ内容で来場者の目を楽しませた。清掃活動では地元住民など約530人が参加して、大和川の精霊から生まれたキャラクター「ヤマトちゃん」と一緒に河川敷のゴミを拾い集めた。

 笑顔の巨大ドレスの制作やイベント企画などを行ったNPO法人「MERRY PROJECT」の水谷孝次氏は「万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』。大和川の再生の思いをカタチにするために、8カ月アイデアを考えてやってきた」と話す。

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大阪・関西万博に向けて河川敷でSDGsイベント 環境問題を考えるファッションショー

 大阪・関西万博の関連イベント「すみのえSDGsアクション/大和川スマイルプロジェクト」が4月2日に開催された。2025年の万博会場の夢洲に流れ込む大和川の河川敷を会場に、SDGsをテーマにしたファッションショー、川の清掃活動や環境問題を学ぶ取り組みなどを通じて、万博への機運を醸成させた。

 ファッションショーでは、大阪モード学園の学生が川のゴミのプラスチック廃材などを用いたドレスを披露したり、500人の子供たちの笑顔がプリントされた巨大なドレスが登場したり、バラエティーに富んだ内容で来場者の目を楽しませた。清掃活動では地元住民など約530人が参加して、大和川の精霊から生まれたキャラクター「ヤマトちゃん」と一緒に河川敷のゴミを拾い集めた。

 笑顔の巨大ドレスの制作やイベント企画などを行ったNPO法人「MERRY PROJECT」の水谷孝次氏は「万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』。大和川の再生の思いをカタチにするために、8カ月アイデアを考えてやってきた」と話す。

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大阪・関西万博に向けて河川敷でSDGsイベント 環境問題を考えるファッションショー

 大阪・関西万博の関連イベント「すみのえSDGsアクション/大和川スマイルプロジェクト」が4月2日に開催された。2025年の万博会場の夢洲に流れ込む大和川の河川敷を会場に、SDGsをテーマにしたファッションショー、川の清掃活動や環境問題を学ぶ取り組みなどを通じて、万博への機運を醸成させた。

 ファッションショーでは、大阪モード学園の学生が川のゴミのプラスチック廃材などを用いたドレスを披露したり、500人の子供たちの笑顔がプリントされた巨大なドレスが登場したり、バラエティーに富んだ内容で来場者の目を楽しませた。清掃活動では地元住民など約530人が参加して、大和川の精霊から生まれたキャラクター「ヤマトちゃん」と一緒に河川敷のゴミを拾い集めた。

 笑顔の巨大ドレスの制作やイベント企画などを行ったNPO法人「MERRY PROJECT」の水谷孝次氏は「万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』。大和川の再生の思いをカタチにするために、8カ月アイデアを考えてやってきた」と話す。

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「クラランス」のエイジングケア美容液“ダブルセーラム”から春夏や男性にも適した軽やかなテクスチャーが登場

 「クラランス(CLARINS)」は4月27日、ブランドを代表するエイジングケア美容液“ダブル セーラム”から、軽やかなテクスチャーの“ダブル セーラムライト”(50mL、税込1万6500円)を発売する。

 “ダブル セーラム”は1985年の発売以来、スキンケアの専門性と植物研究を融合した2相のアイコニックな美容液として改良を重ねてきた。新商品の“ダブル セーラム ライト”は時代とともに変化するニーズに応えて、高温多湿になる季節や皮脂分泌量の多い男性、オイリー肌に傾きやすい若い世代にも使いやすい軽やかなテクスチャーを開発した。肌の保護膜に限りなく近い「水分7:油分3」の“黄金バランス”はそのままに、揮発性が高く軽い感触の植物由来オイルを3種配合することで、肌に素早く浸透しベタつかない使用感を実現した。小ジワや肌のハリなど目に見える全てのエイジングサインにアプローチする。

 新処方はクリーンビューティの基準に従い天然由来成分を優先的に配合したほか、オーガニック認証やフェアトレードの原料を最大限に使用。10種のオーガニック成分や6種のフェアトレード成分を含む20種類の植物エキスを配合した。ウォーターセラムとオイルセラムを1プッシュで供給するダブルダブルボトルにはリサイクル素材を35%使用し、外箱も持続可能な方法で管理された森林から調達している。

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「クラランス」のエイジングケア美容液“ダブルセーラム”から春夏や男性にも適した軽やかなテクスチャーが登場

 「クラランス(CLARINS)」は4月27日、ブランドを代表するエイジングケア美容液“ダブル セーラム”から、軽やかなテクスチャーの“ダブル セーラムライト”(50mL、税込1万6500円)を発売する。

 “ダブル セーラム”は1985年の発売以来、スキンケアの専門性と植物研究を融合した2相のアイコニックな美容液として改良を重ねてきた。新商品の“ダブル セーラム ライト”は時代とともに変化するニーズに応えて、高温多湿になる季節や皮脂分泌量の多い男性、オイリー肌に傾きやすい若い世代にも使いやすい軽やかなテクスチャーを開発した。肌の保護膜に限りなく近い「水分7:油分3」の“黄金バランス”はそのままに、揮発性が高く軽い感触の植物由来オイルを3種配合することで、肌に素早く浸透しベタつかない使用感を実現した。小ジワや肌のハリなど目に見える全てのエイジングサインにアプローチする。

 新処方はクリーンビューティの基準に従い天然由来成分を優先的に配合したほか、オーガニック認証やフェアトレードの原料を最大限に使用。10種のオーガニック成分や6種のフェアトレード成分を含む20種類の植物エキスを配合した。ウォーターセラムとオイルセラムを1プッシュで供給するダブルダブルボトルにはリサイクル素材を35%使用し、外箱も持続可能な方法で管理された森林から調達している。

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「イッセイ ミヤケ」が“ロードゥ イッセイ”から2つのビーガンフレグランスを発売 果実感あふれるピオニーとマスキュリンなベチバー

 「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」は4月19日、新作フレグランス“ロードゥ イッセイ ピオニー オードトワレ インテンス”(50mL、税込1万3200円/100mL、同1万8480円)と“ロードゥ イッセイ プールオム ベチバー オードトワレ インテンス”(50mL、税込1万230円/100mL、同1万4190円)を発売する。直営店や公式オンラインストア、取り扱い百貨店、資生堂の総合美容施設シセイドウ ザ ストア(SHISEIDO THE STORE)などで販売する。

 シリーズの原点である水(ロー)と植物の出合いをコンセプトに、自然を祝福する2つのビーガンフレグランスが登場した。 “ロードゥ イッセイ ピオニー オードトワレ インテンス”は、春の訪れを象徴するピオニーの香りをテーマにマリー・サラマーニュ(Marie Salamagne)調香師が手掛けた。伝統的な香料抽出法では取り出せないとされるピオニーの香りを、ローズと洋梨の天然由来成分のみを使用した香料をブレンドし再構築することで再現。シダーウッドの深みのあるベースにピオニーやホワイトラズベリーが重なる、アクアティックでナチュラルなフローラルアンバー調に仕上げた。

 男性向けフレグランス“ロードゥ イッセイ プールオム ベチバー オードトワレ インテンス”は、ウッディノートの中で最もエレガントなベチバーをキーノートに採用。ハイチの小規模農園で12カ月かけて栽培したハイチアンベチバーを調達した。ジンジャーとクラリセージがアクセントを添え、マスキュリンでアロマティックな香りにまとめた。

 ボトルは環境に配慮した改良を行い、原料の20%にリサイクルガラスを使用。キャップの素材にはプラスチックを一切使わず、持続可能な栽培環境で育つ100%天然木材を採用した。

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エディフィスが「ナイキ」に別注した完売御免のスイムショーツ 全8色で展開

 セレクトショップのエディフィスは4月14日、「ナイキ(NIKE)」に別注したスイムショーツを発売する。価格は7920円(税込)。

 同店は「毎シーズン、予約完売するカラーもあるほど人気」と話し、新色を加えた全8色で展開する。リサイクル素材を採用したもので、左裾のさりげないスウッシュと、左後ろ身ごろのビッグスウッシュが特徴だ。

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「フリープラス」がリブランディング 効率性とシンプルを両立したクリーンビューティブランドへ

 カネボウ化粧品の敏感肌向けブランド「フリープラス(FREEPLUS)」は7月8日、ブランドリニューアルを行う。今後は効率性とシンプルを両立させた「精簡スキンケア」を新コンセプトに、クリーンビューティブランドとして生まれ変わる。リブランディングに伴い、「フリープラス」は7月から花王公式通販サイト「My Kao Mall」専用アイテムとなる。

 ブランドリニューアルと同時に新スキンケア3品も登場する。弱酸性のふんわり泡が肌の汚れを落としてしっとりと洗い上げるクリーム状洗顔料“マイルドソープa”(100g、税込1980円、以下同)、さっぱりタイプとしっとりタイプをそろえ、肌のキメを美しく整える保湿化粧水“モイストケアローション(1・2)”(各160mL、各3080円)、同じくさっぱりタイプとしっとりタイプをそろえ、角層を潤いで満たして肌を健やかに保つ保湿乳液“モイストケアエマルジョン1・2”(各100mL、各3520円)をラインアップ。

 また、パッケージや容器は環境に配慮した素材を利用。箱は古紙を再生した素材を採用しているほか、“マイルドソープa”のチューブは、砂糖を精製した後に捨てられるサトウキビの搾りかすを原料として一部を再利用、“モイストケアローション”“モイストケアエマルジョン”のボトルは使用済みPETボトルから生み出された再生プラスチックを採用している。「My Kao Mall」では新製品および既存品含むブランド全アイテムが購入可能。

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合同展示会「ファッションワールド 東京」が開幕 サステナビリティブースは資源循環に焦点

 合同展示会「ファッションワールド 東京(FaW TOKYO )2023春」が4月5日、東京ビッグサイトで開幕した。中国企業の出展が戻り、前回の約2倍となる約750社が集まった。第3回を迎えた「サステナブル ファッション EXPO」には約200社が出展した。前回までは素材開発の打ち出しが際立っていたが、菊池孝宏・事務局次長によると「サステナビリティのブームは少し落ち着き、各社の向かう方向性が多様化している」という。フェムケアやスマート製品といったウェルネスや、メタバース、DXなどのキーワードのほか、今回特に焦点が当たったのが資源循環の取り組みだ。

 豊田通商は、繊維循環のインフラ構築を目指す新プロジェクト「パッチワークス(PATCHWORKS)」を披露した。同社はこれまで「パタゴニア(PATAGONIA)」とコットンTシャツの循環事業を進めてきた。そのスキームを拡大し、同社がハブとなってさまざまな小売やアパレルメーカーに循環型のサプライチェーン構築を呼びかける。集めた衣類は埋め立てや焼却処分をしないこと、透明性を持って再資源化することをポリシーに掲げ、まずは繊維への再生技術が確立されているポリエステルとコットン、ナイロンの単一素材に絞って回収を進める。

 衣類の再資源化は、回収した後の分別や解体作業にコストがかかる。同プロジェクトでは、参加企業から消費者に呼びかけ、消費者自身に作業してもらう。一部では学校教育の一環として、分別・解体作業を行なった。回収後は、ナカノが2次選別(取りきれていない資材や異物の除去)を行い、提携するリサイクル工場で繊維に戻す。参加企業には回収だけでなく、再生した糸を購入してもらいリニアエコノミーからの脱却を促す。さらにどのようなデザイン設計であればリサイクルがしやすいかなど、リサイクルの過程で得られた情報は企業にフィードバックし循環型を前提としたモノづくりをサポートする。

 同プロジェクトを主導する鬼形智英担当は、「繊維循環は社会のインフラとして整備されるのが理想だと考えている。今回の取り組みは、その一助になる活動だ。金銭的なメリットだけでなく、次世代に何を残すべきかを同じ目線で考えてくれる企業に参加してほしい」と話す。現在ポリウレタンの分離技術の開発なども進んでいるという。

 丸紅は、同社が出資する米拠点のスタートアップ企業サーク(CIRC)との取り組みを大きく紹介した。「ザラ(ZARA)」の親会社のインディテックス(INDITEX)なども出資する注目企業で、綿とポリエステルの混紡素材を分離して新たなセルロース繊維原料とポリエステル原料にケミカルリサイクルする特許技術を有する。アメリカでは量産化に向けて開発が進む。丸紅は台湾の紡績工場などと、サークの原料を糸にする仕組みを構築中だ。22年には古着回収を目的とした100%子会社エムサーキュラーリソーシーズを設立し、日本国内での繊維循環のスキーム構築に向けて動き始めている。

 一般社団法人繊維育英会が進める循環型プロジェクト「ウィゾール(WITHAL)」では、「回収した繊維を余す事なく、再生できる」点をアピールした。参加企業が設置した回収ボックスで回収した衣料のうち、綿100%の素材は糸に戻し、それ以外の素材は全て「パネコ」「リフモ」といったリサイクルボードの原料として活用する。22年に始動し、現在までに約20社が参加する。非営利団体としての立場を活かし利用料は1店舗あたり2000円〜と低価格で設定して間口を広げる。
 

 資源循環の取り組みは、副資材にも広がっている。大手副資材メーカーの東京吉岡は、製造・流通・保管の工程で衣類を保護する透明のリサイクルポリエチレン袋を大きく打ち出した。使用済みの袋を回収し、同社が手配するリサイクル工場でペレット化したのち、新たな袋に再生する。環境省主導の「製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」に参加して算出した結果によると、通常のポリエチレン袋と比較して約82%の二酸化炭素排出を削減できるという。

 “土に還る素材”として注目が集まる生分解性素材も、適切な堆肥化までのプロセスをどう構築していくかかが課題だ。バイオ由来の生分解性ポリエステルの開発・販売を行うV&A JAPANは、自社で回収および堆肥化までを行うことで透明性を担保している。

 各社に話を聞くと、特にアウトドアブランドやユニフォームメーカーで取り組みが先行している。より複雑な混率の商品を扱う一般アパレルのプレイヤーたちも巻き込み解決策を模索していくことが業界全体で循環型へシフトしていく鍵となるだろう。

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合同展示会「ファッションワールド 東京」が開幕 サステナビリティブースは資源循環に焦点

 合同展示会「ファッションワールド 東京(FaW TOKYO )2023春」が4月5日、東京ビッグサイトで開幕した。中国企業の出展が戻り、前回の約2倍となる約750社が集まった。第3回を迎えた「サステナブル ファッション EXPO」には約200社が出展した。前回までは素材開発の打ち出しが際立っていたが、菊池孝宏・事務局次長によると「サステナビリティのブームは少し落ち着き、各社の向かう方向性が多様化している」という。フェムケアやスマート製品といったウェルネスや、メタバース、DXなどのキーワードのほか、今回特に焦点が当たったのが資源循環の取り組みだ。

 豊田通商は、繊維循環のインフラ構築を目指す新プロジェクト「パッチワークス(PATCHWORKS)」を披露した。同社はこれまで「パタゴニア(PATAGONIA)」とコットンTシャツの循環事業を進めてきた。そのスキームを拡大し、同社がハブとなってさまざまな小売やアパレルメーカーに循環型のサプライチェーン構築を呼びかける。集めた衣類は埋め立てや焼却処分をしないこと、透明性を持って再資源化することをポリシーに掲げ、まずは繊維への再生技術が確立されているポリエステルとコットン、ナイロンの単一素材に絞って回収を進める。

 衣類の再資源化は、回収した後の分別や解体作業にコストがかかる。同プロジェクトでは、参加企業から消費者に呼びかけ、消費者自身に作業してもらう。一部では学校教育の一環として、分別・解体作業を行なった。回収後は、ナカノが2次選別(取りきれていない資材や異物の除去)を行い、提携するリサイクル工場で繊維に戻す。参加企業には回収だけでなく、再生した糸を購入してもらいリニアエコノミーからの脱却を促す。さらにどのようなデザイン設計であればリサイクルがしやすいかなど、リサイクルの過程で得られた情報は企業にフィードバックし循環型を前提としたモノづくりをサポートする。

 同プロジェクトを主導する鬼形智英担当は、「繊維循環は社会のインフラとして整備されるのが理想だと考えている。今回の取り組みは、その一助になる活動だ。金銭的なメリットだけでなく、次世代に何を残すべきかを同じ目線で考えてくれる企業に参加してほしい」と話す。現在ポリウレタンの分離技術の開発なども進んでいるという。

 丸紅は、同社が出資する米拠点のスタートアップ企業サーク(CIRC)との取り組みを大きく紹介した。「ザラ(ZARA)」の親会社のインディテックス(INDITEX)なども出資する注目企業で、綿とポリエステルの混紡素材を分離して新たなセルロース繊維原料とポリエステル原料にケミカルリサイクルする特許技術を有する。アメリカでは量産化に向けて開発が進む。丸紅は台湾の紡績工場などと、サークの原料を糸にする仕組みを構築中だ。22年には古着回収を目的とした100%子会社エムサーキュラーリソーシーズを設立し、日本国内での繊維循環のスキーム構築に向けて動き始めている。

 一般社団法人繊維育英会が進める循環型プロジェクト「ウィゾール(WITHAL)」では、「回収した繊維を余す事なく、再生できる」点をアピールした。参加企業が設置した回収ボックスで回収した衣料のうち、綿100%の素材は糸に戻し、それ以外の素材は全て「パネコ」「リフモ」といったリサイクルボードの原料として活用する。22年に始動し、現在までに約20社が参加する。非営利団体としての立場を活かし利用料は1店舗あたり2000円〜と低価格で設定して間口を広げる。
 

 資源循環の取り組みは、副資材にも広がっている。大手副資材メーカーの東京吉岡は、製造・流通・保管の工程で衣類を保護する透明のリサイクルポリエチレン袋を大きく打ち出した。使用済みの袋を回収し、同社が手配するリサイクル工場でペレット化したのち、新たな袋に再生する。環境省主導の「製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」に参加して算出した結果によると、通常のポリエチレン袋と比較して約82%の二酸化炭素排出を削減できるという。

 “土に還る素材”として注目が集まる生分解性素材も、適切な堆肥化までのプロセスをどう構築していくかかが課題だ。バイオ由来の生分解性ポリエステルの開発・販売を行うV&A JAPANは、自社で回収および堆肥化までを行うことで透明性を担保している。

 各社に話を聞くと、特にアウトドアブランドやユニフォームメーカーで取り組みが先行している。より複雑な混率の商品を扱う一般アパレルのプレイヤーたちも巻き込み解決策を模索していくことが業界全体で循環型へシフトしていく鍵となるだろう。

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「オニツカタイガー」から新作スニーカー“エクスカリバー” 1980年代のランニングシューズに着想

 「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は4月7日、1980年代のランニングシューズに着想した新作スニーカー“エクスカリバー(X-CALIBER)”を発売する。

 柔らかなスエード製のレッドとクリーム、リサイクル材を使用したテキスタイルとスエードを組み合わせたグリーンの3色をラインアップし、価格はいずれも1万7600円(税込)。グリーンには白のスペアシューレースも付属する。

 機能面では、衝撃緩衝性のある“フューズゲル(FUZEGEL)”をかかと部に、反発性があり快適な履き心地を実現する“オーソライトX-40(ORTHOLITE X-40)”を中敷きに採用する。

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ゴールドウイン・葉山町・葉山マリーナ、「海と山の環境保全活動」で協定

 ゴールドウインと葉山町(神奈川県)、京急グループの葉山マリーナーは29日、連携と協力に関する包括協定を締結した。海や山林などの自然環境に親しみ、守り育てることの大切さの理解推進に向けて、3者の資源を有効活用することで、町民生活の質の向上および地域活性化を図る。

 連携項目には「1.海の生物等に親しむ事業の推進に関すること」「2.里山管理や山の動植物等に親しむ事業の推進に関すること」「3.町内の自然環境の保全活動事業の推進に関すること」「4.その他本協定の目的の達成のために必要と認められること」を掲げる。

 第1弾の具体的な取り組みとして、5月20日に「稚魚放流・クルージング体験」を葉山町内の小学校高学年を対象に実施する。町の資源である豊かな自然環境を、次世代を担う子どもたちに知ってもらうきっかけの場とする。漁業協同組合の協力で水産資源の大切さを学び、葉山マリーナーの協力で乗船や海から町を眺める体験を提供する。さらにゴールドウインの「ヘリーハンセン(HELLY HANSEN)」と葉山マリーナが共同運用する海洋浮遊ごみ回収機“シービン(SEABIN)”を通じて、海の環境問題を学ぶ。

 今後は、海の生物に親しむ潮干狩り活動や、里山管理を目的としたタケノコ掘り活動、ゼロ・ウェイストを目標にした“はやまクリーンプログラム”といった、葉山町が推進してきた自然環境事業を軸に、継続的な連携を図る方針だ。

 29日に行われた会見でゴールドウインの渡辺貴生社長は、「当社はさまざまなスポーツアパレルブランドを通じて、スポーツの楽しさを広げる活動をしてきた。葉山町は、山と海が隣接する素晴らしい自然環境が整っており、『葉山マリーナ』とは1983年の『ヘリーハンセン』の日本導入時から40年の付き合いがある。この環境を素晴らしいものにしていけるよう共に取り組み、我々のノウハウや経験、製品を通じて、海や山での楽しみ方をサポートできたらうれしい」と話した。

 また「モノを作るアパレル産業は、環境に大きなインパクトを与えている。シービンを含め、ローインパクトになるような産業のあり方、新素材の開発・回収、新たな製品に生まれ変わらせる取り組みにも引き続き注力していく」と話した。

 ゴールドウインはアウトドア事業での知見を生かし、自治体との連携を深めている。葉山町以外にも、富士箱根伊豆国立公園の箱根町(神奈川県)、南アルプス国立公園のふもとの北杜市(山梨県)、知床国立公園のある斜里町(北海道)とそれぞれ協定を結び、エリアの環境に応じた取り組みを進めている。

 「葉山マリーナ」には、13年に「ヘリーハンセン」、22年4月に「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」が出店。昨年11月からシービンを設置し、共同運用している。

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日本初!「メゾンスペシャル」からPLA100%のカットソー、有力企業3社がタッグ

 「メゾンスペシャル(MAISON SPECIAL)」を展開するPLAY PRODUCT STUDIOとハイケム、小野莫大小工業(以下、小野メリヤス)の3社は4月1日から、ポリ乳酸繊維(PLA)繊維のフィラメント糸を100%使用したカットソーを販売する。PLA繊維は、原料にとうもろこしなどのデンプンを使用し、二酸化炭素の排出を大幅に抑えられる一方で、耐熱性などが低く染色が難しかった。化学原料商社であるハイケムは独自にポリマーの配合などに工夫を加えた「ハイラクト」を開発、小野メリヤスやタキヒヨーなどの有力企業とテキスタイル開発を行っていた。

 「メゾンスペシャル」は自社ECサイト上で予約受付をすでに開始している。価格は1万1000円(税込み)。オーバーサイズのパターンを使い、男女兼用で3サイズ。鮮やかで明るいブルー、イエロー、ホワイト、ブラック、ラベンダーの5色展開になる。

 ハイケムは、2020年8月に中国の食品添加物大手の豊原(ほうげん)集団との提携を発表。PLA原料の旺盛な需要に応えるため、豊原集団は子会社を通じて急ピッチでPLA増設を行っており、21年に10万トン、25年までに100万トンにまで引き上げる計画を発表していた。ハイケムは日本展開のパートナーとして、独自の改良を加えたPLA繊維ブランド「ハイラクト」を、小野メリヤスなどの有力企業と組んで、テキスタイルや製品開発を進めている。同事業を率いるハイケムの高裕一(たか・ゆういち)取締役は「早急に日本で流通するポリエステル繊維の20%をPLA繊維に置き換えたい」と野心的な計画を掲げている。

 PLA繊維は生育過程で二酸化炭素を吸収するとうもろこしなどの植物を原料としているためカーボンニュートラルな素材であり、生分解性も併せ持つことから、次世代のサステナブル素材として注目を集め、20年以上前からユニチカや東レが事業化し、日本でも展開していたが、耐熱性の低さから染色が難しく、衣料分野では停滞していた。ハイケムは、PLA分野で世界3位の生産能力を持つ豊原集団と提携し、原料の価格を大幅に引き下げるとともに、小野メリヤスやタキヒヨーといった日本で高いテキスタイル開発力を持つ企業と組んで、製品開発を進めている。小野メリヤスは、独自開発した撚糸技術をベースにしたハイゲージカットソー素材「コズモラマ」で、欧米ラグジュアリーブランドを筆頭に国内外の有力ブランドにテキスタイルを供給しているが、同社の小野元延社長は「この数年で欧州の高級ブランドからはサステナビリティに配慮した商品のニーズが急速に高まっていた。PLA繊維『ハイラクト』を使ったテキスタイルは、大きな武器になる」と指摘する。

 ハイケムはPLAがポリエステルに比べて製造時にも二酸化炭素の排出を86%削減できることなどを検証。さらに「ハイラクト」専用のウェブサイトを立ち上げるなど、PLAに関する情報発信も積極的に行っている。

 ハイケムは高い研究開発技術で知られるユニークな化学原料商社で、PLA繊維「ハイラクト」のほかにも、二酸化炭素からポリエステル原料を生産する技術開発を、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の大型助成を受けて、富山大学などと組んで進めており、「5〜10年以内には商業生産に入りたい」(高取締役)という。

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日本初!「メゾンスペシャル」からPLA100%のカットソー、有力企業3社がタッグ

 「メゾンスペシャル(MAISON SPECIAL)」を展開するPLAY PRODUCT STUDIOとハイケム、小野莫大小工業(以下、小野メリヤス)の3社は4月1日から、ポリ乳酸繊維(PLA)繊維のフィラメント糸を100%使用したカットソーを販売する。PLA繊維は、原料にとうもろこしなどのデンプンを使用し、二酸化炭素の排出を大幅に抑えられる一方で、耐熱性などが低く染色が難しかった。化学原料商社であるハイケムは独自にポリマーの配合などに工夫を加えた「ハイラクト」を開発、小野メリヤスやタキヒヨーなどの有力企業とテキスタイル開発を行っていた。

 「メゾンスペシャル」は自社ECサイト上で予約受付をすでに開始している。価格は1万1000円(税込み)。オーバーサイズのパターンを使い、男女兼用で3サイズ。鮮やかで明るいブルー、イエロー、ホワイト、ブラック、ラベンダーの5色展開になる。

 ハイケムは、2020年8月に中国の食品添加物大手の豊原(ほうげん)集団との提携を発表。PLA原料の旺盛な需要に応えるため、豊原集団は子会社を通じて急ピッチでPLA増設を行っており、21年に10万トン、25年までに100万トンにまで引き上げる計画を発表していた。ハイケムは日本展開のパートナーとして、独自の改良を加えたPLA繊維ブランド「ハイラクト」を、小野メリヤスなどの有力企業と組んで、テキスタイルや製品開発を進めている。同事業を率いるハイケムの高裕一(たか・ゆういち)取締役は「早急に日本で流通するポリエステル繊維の20%をPLA繊維に置き換えたい」と野心的な計画を掲げている。

 PLA繊維は生育過程で二酸化炭素を吸収するとうもろこしなどの植物を原料としているためカーボンニュートラルな素材であり、生分解性も併せ持つことから、次世代のサステナブル素材として注目を集め、20年以上前からユニチカや東レが事業化し、日本でも展開していたが、耐熱性の低さから染色が難しく、衣料分野では停滞していた。ハイケムは、PLA分野で世界3位の生産能力を持つ豊原集団と提携し、原料の価格を大幅に引き下げるとともに、小野メリヤスやタキヒヨーといった日本で高いテキスタイル開発力を持つ企業と組んで、製品開発を進めている。小野メリヤスは、独自開発した撚糸技術をベースにしたハイゲージカットソー素材「コズモラマ」で、欧米ラグジュアリーブランドを筆頭に国内外の有力ブランドにテキスタイルを供給しているが、同社の小野元延社長は「この数年で欧州の高級ブランドからはサステナビリティに配慮した商品のニーズが急速に高まっていた。PLA繊維『ハイラクト』を使ったテキスタイルは、大きな武器になる」と指摘する。

 ハイケムはPLAがポリエステルに比べて製造時にも二酸化炭素の排出を86%削減できることなどを検証。さらに「ハイラクト」専用のウェブサイトを立ち上げるなど、PLAに関する情報発信も積極的に行っている。

 ハイケムは高い研究開発技術で知られるユニークな化学原料商社で、PLA繊維「ハイラクト」のほかにも、二酸化炭素からポリエステル原料を生産する技術開発を、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の大型助成を受けて、富山大学などと組んで進めており、「5〜10年以内には商業生産に入りたい」(高取締役)という。

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「トミー ヒルフィガー」がショーン・メンデスとコラボ 地球環境を意識したニュー・クラシックのお披露目にロンドンは大騒ぎ

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、カナダ出身のシンガーソングライター、ショーン・メンデス(Shawn Mendes)とのコラボレーションによる2023年春「トミー x ショーン クラシックス リボーン」コレクションをロンドンにて発表した。

 発売日となった3月20日、ロンドンのショップにはショーンのファンが多く駆けつけ、雨天にも関わらず開店前から長蛇の列を成した。午後には、リージェント・ストリートにある店舗でショーンとデザイナーのトミー・ヒルフィガーを迎えたストアイベントを開催。夜には、コレクションの発売を記念したディナー会が開かれ、キャンペーンキャストに起用されたジョージア・メイ・ジャガー(Georgia May Jagger)やアオキ・リー・シモンズ(Aoki Lee Simmons)、パメラ・アンダーソン(Pamela Anderson)、ジョーダン・ダン(Jourdan Dunn)、ショーンの妹アリーヤ・メンデス(Aaliyah Mendes)などが駆けつけた。コレクションは、現在販売中だ。

 今回のコラボコレクションは、スター&ストライプのラガーシャツやツイルチノ、バーシティジャケットなど、28ピースのメンズウエアとウィメンズウエアからなる。近年、スキニーからボクシーへとシルエットの好みが移り変わったというショーン自身の趣向に沿いながら、誰しもが着用しやすいリラックスしたフィット感でまとめ上げた。中でもショーンのイチオシである、現在のトレンドを取り入れたクロップドトップスは、ファン層の多くを占めるティーン世代の心を鷲掴みにしそうだ。

 デザインのインスピレーション源となったのは、90年代以前の「トミー ヒルフィガー」のプレッピースタイル。「クラシックを志向したからといって、ただのプレッピーでは退屈だ」と話すトミーは、現代的なシェイプやこだわりの生地を用いた「ツイスト」と、熱狂的な若年ファンを抱えるスター、ショーン・メンデスのキャラクターを加えることで、今日にふさわしいクラシックを描き出した。

 2人が目指したのは、ただファッションと音楽を組み合わせるだけではない、深みと社会的意義のあるコレクションだ。その最たるものは、サステナビリティへの取り組み。工場などで裁断した端材は再加工。色のついたパウダーにする新技術で作った染料を使用し、リサイクル繊維から快適な新繊維を生み出す最先端技術を結集するなど、どの製品もが持続可能性の高い工程を経て作られている。

 娘が運営するブランド「フー・アンド・フー(FOO AND FOO)」が推進するサステナビリティに感銘を受けたことが、自身のブランドでの推進につながったと話すトミー。この社会は持続可能でなければならないとし、「大きな流通を持つ私たちだからこそ、リーダーになることができる」と、多額の資金を投入し、環境問題に取り組むようになった。デニムを洗い加工する際、インディゴ染料が海や川に流れてしまうことを防ぐため、6年前からはレーザーを用いた加工に切り替えた。親会社が拠点を置くアムステルダムには、より持続可能性を向上させる方法を研究するチームも設置しており、服のレンタルや、ビンテージとなった過去コレクションの回収・再販など、循環型の仕組みづくりにも励んでいる。

 トミーは「本当の意味でのハートとソウルを持った、素晴らしい24歳」と、環境負荷について真剣に考え、自ら学ぶショーンを称えた。3年ほど前に、ファストファッションがいかに環境に影響を及ぼしているかを知ったショーンは、自身のアーティスト・マーチャンタイズにも最大限のサステナビリティを求めるようになった。

 1998年に生まれ、両親がファンだった「トミー ヒルフィガー」の服を着て育ったショーンは、このブランドを通してファッションや服に対しての理解を深めてきたという。そんな彼は、「こうしてコラボできるのは大変光栄なこと。夢を見ているようだ」と話し、このコレクションでの環境問題への取り組みが、「トミー ヒルフィガー」のブランド規模だからこそ成せる世界的なインパクトを残せることに、より意義を見出している。製品そのものをサステナブルに作るだけではなく、その思想を周囲へと広げていくことも大切なこと。ショーンは、「よりサステナブルなものへと押し進めるダイヤルの回転のひとつひとつが、最終的に世界を変えることになると信じている」と語った。

 トミーは「本当の意味でのハートとソウルを持った、素晴らしい24歳」と、環境負荷について真剣に考え、自ら学ぶショーンを称えた。3年ほど前に、ファストファッションがいかに環境に影響を及ぼしているかを知ったショーンは、自身のアーティスト・マーチャンタイズにも最大限のサステナビリティを求めるようになった。

 1998年に生まれ、両親がファンだった「トミー ヒルフィガー」の服を着て育ったショーンは、同ブランドを通してファッションや服に対しての理解を深めてきたという。そんな彼は、「こうしてコラボできるのは大変光栄なこと。夢を見ているようだ」と話し、このコレクションでの環境問題への取り組みが、「トミー ヒルフィガー」のブランド規模だからこそ成せる世界的なインパクトを残せることに、より意義を見出している。製品そのものをサステナブルに作るだけではなく、その思想を周囲へと広げていくことも大切なこと。ショーンは、「よりサステナブルなものへと押し進めるダイヤルの回転のひとつひとつが、最終的に世界を変えることになると信じている」と語った。

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伊藤忠ファッションシステムがサステナビリティ経営の分析・リポートサービス開始 企業成長と社会課題解決を支援

 伊藤忠ファッションシステム(以下、IFS)は、サステナビリティ経営支援の新たなソリューション「ショートレビューサービス(簡易診断サービス)」の提供を開始した。同サービスでは、企業のサステナビリティ経営の推進度を分析し、現状と課題を踏まえて、今後取り組むべき優先タスクを順序立ててリポートしてくれる。

 診断は4ステップで、1.質問票に回答 2.個別ヒアリング 3.総合分析 4.分析レポート作成&報告。所要期間は、約1カ月だ。

 ショートレビューで示される課題に対して、それらに対応する社内体制や計画作りを促すほか、追加でIFSの研究員やコンサルタントによる個別サポートを受けることも可能。「企業の強みを生かした継続的な価値提供実現のサステナビリティ支援」を目的に、企業のリソースの一部となる戦略策定からサポートしてくれる。

 小安光司・経営戦略室室長兼サステナビリティコンサルタントは、IFSがサステナビリティ経営を支援する理由について「現在、地球は環境破壊が後戻りできなくなる“ティッピングポイント”がいつ来るか分からない非常に危険な状況だ。環境に対する各国の法規制・ルール整備も進んでいるなか、特に企業にとっては、対応の遅れが自社の存続の危機を招きかねないという時代の潮目にある。しかし、複雑に絡み合う環境問題への対応は難易度が高いため、多くの企業が適切な対策を講じることができずにいる。利益の極大化を追求しながら、環境対策を始めとした社会価値も創出するという難題に挑まなければならない」と語る。

 これらに対するIFSのソリューションの1つが、今回の「ショートレビューサービス」だ。「多くの企業は、環境に良いものを作っても売れないのではないか?という不安から積極的に動けず、需要待ちや生活者の行動変容待ちの傾向にある。私たちは総合コンサルティング会社であり、多彩な支援サービスを行っている。中でも、生活者のインサイトを基にした行動変動の予測と促進、国内および海外のネットワークを用いた事業支援が、特徴であり強みだ。

 そのため、一般的なコンサルティングファームと違って、戦略策定にとどまらず、必要に応じて商品やサービスを一緒に開発したり、販売のお手伝いをしたりすることも可能だ。例えば企業のサーキュラーエコノミー化などは、自社の経営資源の範囲を超えるため1社単独ではできず、実現に向けてエコシステムが必要となる。年間200の案件を遂行する私たちの顧客基盤や国内外のネットワーク、伊藤忠グループアセットをコーディネートする力がここに生きている」と話す。

 IFSはサステナビリティ経営の潮流をリスクマネジメントの深化やイノベーション創出の機会と捉え、新たなサービスの提供で、企業の成長と社会課題の双方が前進する経営変革を支援する。社会課題を解決しながら、企業が存続・成長していく機会となるのがサステナビリティ経営であり、その出発点となるのが「ショートレビューサービス」だ。

問い合わせ先
伊藤忠ファッションシステム 経営戦略室 サステナビリティ事業支援
sustainability_support@ifs.co.jp

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「ザボディショップ」がロングセラーの“Eシリーズ”を45年ぶりにリニューアル 環境に配慮したビーガン仕様に

 英国発の自然派化粧品ブランド「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」は4月13日、ロングセラーのスキンケアシリーズ“Eシリーズ”(全4品、税込2420〜3740円)を刷新する。1977年の発売から45年にわたって親しまれてきた同シリーズが、エシカルなコンセプトになって生まれ変わる。

 今回のリニューアルでは、ラズベリーの種を乾燥させコールドプレス製法で抽出した油分と天然のビタミンEを多く含んだ保湿成分のラズベリーシードオイルをシリーズ共通で配合。潤いを与えることで乾燥や空気中のちりやほこりなどの外的ダメージから肌を保護し、みずみずしくふっくらした肌に導く。配合成分はラズベリージュースの製造過程で残った種を再利用することで、環境にも配慮した。また、世界最古のビーガン協会である英ビーガンソサエティ(THE VEGAN SOCIETY)を取得し、ビーガン仕様となった。

 ラインアップは、ラズベリーシードオイルに加えソヤオイルなどの保湿成分を配合したクリーミーなテクスチャーの洗顔料“E フェイスウォッシュ”(125mL、税込2420円)、肌の角質層のすみずみまで潤いで満たす化粧水“E トナー”(250mL、税込2750円)、小麦とトウモロコシから抽出した天然由来のヒアルロン酸を配合する保湿クリーム“E デイクリーム”(50mL、税込3410円)、コミュニティフェアトレードで調達したシアバターとオリーブオイルを配合した“E インテンスクリーム”(50mL、税込3740円)の全4品。

 同ブランドは、89年に化粧品業界で初めて化粧品の動物実験反対のキャンペーンを実施するなど、いち早く環境に配慮した取り組みを行ってきた。2023年末までに全商品でビーガンソサエティ認証を取得することを目指している。

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サザビーリーグがLA発「アウターノウン」を本格始動 “サステナビリティを牽引する存在になる”

 サザビーリーグは2022年に独占販売契約を締結した、米ロサンゼルス発のメンズ、ウィメンズブランド「OUTERKNOWN(アウターノウン)」を23年秋冬シーズンから本格始動する。これまで、「RHCロンハーマン(RHC RON HERMAN)」で取り扱ってきたものを、秋冬からセレクトショップなどへの卸し販売をスタートし、オンラインストア開設も計画している。

 同ブランドは、現役プロサーファーであるケリー・スレーター(Kelly Slater)が、15年にクリエイティブ・ディレクターのジョン・ムーア(John Moore)と共に設立し、企業理念のひとつに「アパレル界のサステナビリティを牽引する存在になる」ことを掲げている。西海岸のハッピーでリラックスしたムードをまといつつ、責任あるものつくりや労働環境・コミュニティ作りなどを実践する先進的なブランドだ。

 象徴的なアイテムはオーガニックコットン使いの“ブランケットシャツ”で、まさにブランケットを羽織るような着心地の良さと種類豊かなチェック柄が特徴。他にもオーガニックコットン×リサイクルポリエステルを使用したスエットのブルオーバーやパンツ、オーガニックコットン×リネンのきれいな色のジャンプスーツ、先進的なサステナブル経営で知られるベトナムのデニム工場サイテックス(SAITEX)で作ったジーンズなどカジュアルなアイテムが揃う。

 米国では、修理、再販のサービスにも力を入れており、補修を保障として行っているほか、独自のプラットフォームで愛着ある商品を販売・購入できるシステムを展開している。

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米シアトル発ランニングシューズブランド「ブルックス」 技術開発を支える“ブルーライン”の取り組み

 米シアトル発の「ブルックス(BROOKS)」は、1914年創業のランニングシューズブランド。100年を超える歴史を持つ老舗であり、同時にイノベーションにも積極的に取り組んでいる。今やソールに使用することが当たり前になったEVA素材を、1975年に初めてランニングシューズに搭載したのが「ブルックス」であり、防水透湿素材の「ゴアテックス(GORE-TEX)」をランニングシューズに初めて使用したのも「ブルックス」だ。近年では、ランナーが着地する際のかかとのブレを軽減するサポートテクノロジー「ガイドレール2.0」を導入するなど、進化を続けている。

 「ブルックス」の技術開発を支えているのが、“ブルーライン”と呼ばれるチーム。“ブルーライン”は、シビアにタイムを競うエリートランナー向けのシューズを開発し、その機能の一部がより多くの層に向けたインラインのシューズへと落とし込まれる。「最新技術をシューズに搭載し、最初に市場に出すのがわれわれ“ブルーライン”の役割。日々多くのランナーと話し、シューズに求めていること、シューズに背中を押してほしい部分を聞き出して開発に生かしている」と、来日した「ブルックス」のニキル・ジェイン(Nikhil Jain)ブルーライン シニアマネジャーは話す。

 例えば、2022年7月に発売したインラインモデルの“グリセリン20(GLYCERIN20)”は、21年にエリートランナー向けに開発された“オーロラ(AURORA)”をベースにしている。「“オーロラ”には、“DNA ロフト V3”というクッションソールを初めて搭載した。エリートランナーから“オーロラ”に対して寄せられたフィードバックを反映し、幅広いランナーに受け入れられる機能・デザインに落とし込んだのが“グリセリン 20”だ。耐久性にも配慮し、より大量に生産できる工程を採用している」とジェインマネジャー。「われわれは素材や色の選択、設計、機能などあらゆる面で、エリートランナーからファンランナーまで全てのランナーにとってのベストを追求している」と、ジョナサン・ギスバート(Jonathan Guisbert)アドバンスドフットウエア デザイナーも続ける。

 ジェインマネジャーやギスバートデザイナーは来日に合わせて、日本の駅伝ランナーや中距離を専門にする陸上選手、一般のファンランナーからも熱心に聞き取りを行った。併せて、3月5日に行われた東京マラソンも視察。日本ではファンランナーであっても、スピード志向のカーボン入り厚底シューズをはいているケースが多いことに驚いたという。「(タイムを競うのか、完走がゴールなのかなど) “ラン ハッピー(走る喜び)”は各ランナーによって異なる。『ブルックス』はランニング専業ブランドとして、あらゆる志向のランナーのハッピーを叶えるシューズをそろえている」とジェインマネジャーは強調する。

 サステナビリティの面では、「ブルックス」は流通量の最も大きなモデル“ゴースト(GHOST)”をブランド初のカーボンニュートラルシューズと位置づけている。リサイクル素材を使用し、再生可能エネルギーを使用する工場で生産。さらにカーボンオフセットを購入することで、削減しきれない二酸化炭素排出量を補っている。「最も流通量の多いモデルでカーボンニュートラルに取り組んでいるのが『ブルックス』の特徴。エリートランナー向けのシューズであっても、機能重視でサステナビリティはおざなりといったことがないよう、再生素材の使用などにしっかり取り組んでいる」(ギスバートデザイナー)という。

問い合わせ先
アキレスお客様相談室
0120-89-4192

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「ホソオ」の東京初ショールーム兼ストアが東京ミッドタウン八重洲にオープン

 細尾はこのほど、自社テキスタイルブランド「ホソオ(HOSOO)」の東京初のショールーム兼ストアを東京ミッドタウン八重洲にオープンした。

 京都の旗艦店とミラノのショールームに続いて三店舗目となる「ホソオ トウキョウ」は、東京ミッドタウン八重洲1階のエントランスに位置する。

 店舗デザインは京都店同様ホソオ アーキテクチャーが手がけた。天井高4メートルに及ぶ窓から自然光が降り注ぐ店内には、200種類以上のテキスタイルコレクションが陳列する。このテキスタイルセラーには6パターンの空間照明が用意されており、さまざまな環境でのテキスタイルの見え方がシミュレーションできる。店頭では、西陣織の伝統的な素材である箔を用いたアートピースや、セラーから好みの生地を選んでオーガーできるテキスタイルアート、オリジナルの家具の生地のオーダーも可能だ。

 オープンを記念し、限定のスリープウェアも発売。最上級の絹糸で織り上げたシルク100%の生地を2022年収穫のニホンムラサキで染め上げたセットアップを展開する(3サイズ、各17万6000円)。細尾は、奈良・平安時代から貴族階級を中心に実践されている自然染色や植物染めの研究を行う「古代染色研究所」を展開している。22年には、京都・丹波に古代染色植物の農園を、23年にはその横に古代染色工房を開設し、ニホンムラサキをはじめとする古代染色植物の栽培と染色を一貫して自社で行っている。

 なお、東京ミッドタウン八重洲正面入り口に飾られている高さ11メートル、幅7.5メートルアート作品は、細尾の西陣織とFRP(繊維強化プラスチック)、LEDビジョンを組み合わせたものだ。

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ヒット本著者に聞く パーパス思考が重要な理由

 企業は「何のために存在するのか、社会においてどのような責任を果たすのか」というパーパス(社会的存在意義)が問われ始めている。しかし、「パーパス」は抽象的な言葉ゆえ、その本質や採り入れ方を理解するのは簡単ではない。そこで、『パーパス 「意義化」する経済とその先』(NewsPicksパブリッシング)共著者でビジネスデザイナーの岩嵜博論・武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科教授にパーパス思考をビジネスに取り入れる利点について聞いた。

WWD:パーパスとビジョンとの違いは、またパーパスの再定義によって企業にもたらせる利点とは?

岩嵜博論・教授(以下、岩嵜):パーパスが企業活動の中心にあると、何のためにこの活動をしているかが明確にシェアできるので、ステークホルダーをはじめとしたさまざまな人たちと領域横断でコラボレーションしていくときに進めやすくなる。ビジョン、ミッションとパーパスの違いを船に例えると、ビジョン、ミッションは企業がなりたい姿を一方的に示しているので、船はその企業しか入らないサイズの「小さな船」、パーパスは企業がけん引する「大きな船」で、提唱する企業だけでなく、あるべき世界に共感する多くのステークホルダーが乗ることができるもの。企業は多くの共感を集める大きな船をステークホルダーと共同でつくり、実現に向けて協働していくことになる。そういう時代が到来しつつある。

WWD:確かに、何のためにやっているのかがわからないと気持ちがぐらつき、いい仕事に繋がらない。

岩嵜:「何のため」が明確でパワフルだとステークホルダーはそのために自立的、自発的に動くことができるようになる。そうなると自分ごと化できるようになる。組織論的にもパーパスを定義することは強味になる。

WWD:アパレル企業の中ではパタゴニア(PATAGONIA)がパーパスを明確にして成功していると感じる。2019年に企業理念(パーパス)を「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」と変えてから、さまざまなプロジェクトがスピード感を持って形になっている。各部署の現場のスタッフがそれぞれの持ち場で何ができるかを考え、それを実現するために組織全体で支援しているように見える。

岩嵜:ステークホルダーには、顧客はもちろん従業員やサプライヤー、株主や地域の人なども挙げられパーパスは、それらの意識をつなげる力がある。

「とにかく実行すること。小さくても実行を重ねることが重要」

 

WWD:ファッション企業が、突然明確でパワフルなパーパスを掲げるのはイメージやビジネスモデルなどさまざまなしがらみがあって難しい側面もある。

岩嵜:ビジョン、ミッションの時代と大きく違うのは掲げて終わり、表面的なところを飾って終わりではなく、実行することが大事だということ。小さくても実行を重ねていくことが重要になる。大きな企業であれば、新しい事業やブランドを作って実行していくことが大切になる。例えば「無印良品」は、店舗の大改革を進めていて“地域土着化”した店舗も増えている。当たり前だったチェーンオペレーションを否定し、その方法を乗り越えて、地域課題を解決する地域密着型の店を作ることに舵を切っている。全ての店舗を変えるのは難しいが、着実にそういう店を増やしている。小さく始めたことがうまくいけば応用していくことができる。

 そもそもアパレル企業は、ビジネスモデル自体も考え直さなければいけないだろう。回収やリセール、リペアなどを行うことが求められるだろう。長期的に見ると、いいものをリペアしながら長く着る方向に向かうと思うから。ここ数十年が異常だった。異常な大量生産・大量消費の無責任な数十年に生活者が気付き始め、若い人を中心に心理的な負担を持ち始めている。それに対してどう備えるか。パタゴニアは、かなり前からリペアを行っており、巨大なリペア工場がある。そうした実績から回収やリセールも行っているが、こうした事業が儲かっているのか、と疑問には思う。

WWD:パタゴニアはリペアやリセールだけでは黒字化できていないと聞いたことがある。パーパス経営が成功していると感じるアパレル企業とその理由は?

岩嵜:わかりやすいのはいろんな面でパタゴニアだろう。修理工場を作り、バリューチェーンを見直し、結果として利益率が高いビジネスができている。売価をキープして直販化も進めており、ここ10年で卸売りを相当止めて直販化している。ECも強化していて、独特のウェブデザインだが、メディアECも早くから始めている。会員に送るダイレクトメールはプロダクトにフォーカスしたものではなく、いいコピーとビジュアルが付いたストーリー。そんなことができる企業はあまりないし、相当考えられていると思う。パーパスを掲げるだけでなく、バリューチェーン、コミュニケーション、セールス全てを見直し、一気通貫したパーパス的アプローチが整っている。

 ナイキ(NIKE)もパタゴニアと似ていて、成長ドライブがパーパス思考とデジタルトランスフォーメーションで、うまくいっていると感じる。著名アナリストのベネディクト・エバンスの最近のレポートでも、2010年の直販比率は10%弱だったのが今や約40%に伸びているとあった。彼らの成長を支えているのが直販。デジタル顧客データを駆使して直販率を上げているように見える。

 新興ブランドのスニーカー「オン(ON)」もパーパスドリブンとデジタルトランスフォーメーションで奏功している。

 ビジネスの本質はパーパス思考×デジタルだろう。パーパスを掲げるだけでは既存ブランドと同じかもしれない。顧客と直接つながるルートを持つことと、ビジネスそのものの変革をセットにすることで効果を発揮する。

アパレル産業はどこに進むべきか

WWD:アパレル産業をどう見ているか。

岩嵜:バリューチェーンをどう再構築するか、そして、どう新しいビジネスを作るかが重要になる。アパレルは買う前も買った後もブラックボックスが多すぎる。どこから来て、捨てた後どうなるのかが分からない。ブラックボックスを透明化することは必要だろう。ビジネス全体を変革して、その際に領域横断も必要になる。重要なポイントは包括的に見ること。学生によく「鳥の目、虫の目」と伝えているが、「虫の目」でディテールを見て、「鳥の目」になって全体を見る。個々のディテールがどうあるべきか、全体はどうなっているか。時間軸も超越する必要があり、過去、現在、未来がどうあるべきかを数十年単位で見るような包括的な視点が理想だ。

 アパレルは外圧も大きく変革の機運がある。そして、実は変革しやすい産業ではないかとも思う。もちろん設備投資は必要だが、作っているものがライトウエイトだから、他の産業に比べると恵まれていると感じる。やろうと思えば、戦略がそこにあれば変革できるのではないか。アパレルビジネスが面白いのは外圧があること。外圧と向き合いポジティブにとらえて、自らを変えるきっかけにすることが大事だと思う。それがこれからのアパレルビジネスの成否を分けるのではないか。

WWD:注目している動向は?

岩嵜:「修理する権利」だ。世界的に注目されていて、アップル(APPLE)も対応せざるを得なくなっているし、自分で修理ができてパーツ交換ができるスマートフォンを提供しているオランダのスタートアップ「フェアフォン(FAIRPHONE)」は、着実に売り上げが伸びているし、先日4900万ユーロ(約70億円)の資金調達をした。リペアは大事になるだろう。

WWD:アパレルの場合、低価格帯だとリペアサービスを売価に吸収しづらいので事業化するのは難しい。

岩嵜:価格帯を上げて長持ちするモノを作り、リペアを含めて利益を出せるビジネスへの変革が必要になる。その点で自動車産業から学べることは多い。車は購入時に加えて、車検や点検などの費用を消費者は払いメンテナンスしており、結果として長持ちするし、中古車市場もある。中古車市場は早くからDXされていて、オークションはどこからも入札できるようになっている。あるいは、キッチンウエアの「ストウブ」や「ル・クルーゼ」に表れている消費者心理に近いかもしれない。家電も売価を上げている。例えばドライヤーや炊飯器、洗濯機の価格帯は上がっているが、それでも一定数売れている。数字を見たわけではないけれど、おそらく売る数量は減っても売り上げは変わっていないのではないか。

成功のカギはパーパス思考×DX

WWD:リペアやリセールを視野に入れるとして、数十年単位で見られないジレンマを抱える企業も少なくない。

岩嵜:事業の成果をどのスパンで出すかと、事業そのものをどのスパンで考えるかは異なる。事業そのものの過去50年とこれからの50年を考えつつ、単年度で利益をどう出すかも「鳥の目、虫の目」で考えることになる。どのビジネスもそうだが、近視眼的になり過ぎると四半期、単年度予算はクリアできても長期的に見ると負のサイクルに入り、気づいたら抜けられないということが起こる。

WWD:成長と環境や社会課題の改善の両立を狙う企業も増えてきているが、両立の難易度は高いと感じる。企業の理想的な姿とは?

岩嵜:規模は企業が決めればいい。ある程度の規模感に留めることもできるし、永遠に成長したいという考え方もある。抑えるメカニズムはない。ただし、規模に応じた社会的責任を果たさないと、ステークホルダーから支持が得られない。サステナビリティの制約に企業はそれぞれどう向きあうかが大切になる。

 デザインはどっちかではなく、どう両立し得るかを考える統合という考え方を大事にしている。成長とサステナビリティが両立できる、トレードオフを乗り越えたソリューションが出せる。それがデザインの力で、グローバルではデザイン人材が活躍している。日本では要素還元(分解したそれぞれの要素を良くすれば最終的に合体させればよりよくなること)が主流だが、なかなかそうはならない。「鳥の目虫の目」で見ていく必要がある。

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ヒット本著者に聞く パーパス思考が重要な理由

 企業は「何のために存在するのか、社会においてどのような責任を果たすのか」というパーパス(社会的存在意義)が問われ始めている。しかし、「パーパス」は抽象的な言葉ゆえ、その本質や採り入れ方を理解するのは簡単ではない。そこで、『パーパス 「意義化」する経済とその先』(NewsPicksパブリッシング)共著者でビジネスデザイナーの岩嵜博論・武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科教授にパーパス思考をビジネスに取り入れる利点について聞いた。

WWD:パーパスとビジョンとの違いは、またパーパスの再定義によって企業にもたらせる利点とは?

岩嵜博論・教授(以下、岩嵜):パーパスが企業活動の中心にあると、何のためにこの活動をしているかが明確にシェアできるので、ステークホルダーをはじめとしたさまざまな人たちと領域横断でコラボレーションしていくときに進めやすくなる。ビジョン、ミッションとパーパスの違いを船に例えると、ビジョン、ミッションは企業がなりたい姿を一方的に示しているので、船はその企業しか入らないサイズの「小さな船」、パーパスは企業がけん引する「大きな船」で、提唱する企業だけでなく、あるべき世界に共感する多くのステークホルダーが乗ることができるもの。企業は多くの共感を集める大きな船をステークホルダーと共同でつくり、実現に向けて協働していくことになる。そういう時代が到来しつつある。

WWD:確かに、何のためにやっているのかがわからないと気持ちがぐらつき、いい仕事に繋がらない。

岩嵜:「何のため」が明確でパワフルだとステークホルダーはそのために自立的、自発的に動くことができるようになる。そうなると自分ごと化できるようになる。組織論的にもパーパスを定義することは強味になる。

WWD:アパレル企業の中ではパタゴニア(PATAGONIA)がパーパスを明確にして成功していると感じる。2019年に企業理念(パーパス)を「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」と変えてから、さまざまなプロジェクトがスピード感を持って形になっている。各部署の現場のスタッフがそれぞれの持ち場で何ができるかを考え、それを実現するために組織全体で支援しているように見える。

岩嵜:ステークホルダーには、顧客はもちろん従業員やサプライヤー、株主や地域の人なども挙げられパーパスは、それらの意識をつなげる力がある。

「とにかく実行すること。小さくても実行を重ねることが重要」

 

WWD:ファッション企業が、突然明確でパワフルなパーパスを掲げるのはイメージやビジネスモデルなどさまざまなしがらみがあって難しい側面もある。

岩嵜:ビジョン、ミッションの時代と大きく違うのは掲げて終わり、表面的なところを飾って終わりではなく、実行することが大事だということ。小さくても実行を重ねていくことが重要になる。大きな企業であれば、新しい事業やブランドを作って実行していくことが大切になる。例えば「無印良品」は、店舗の大改革を進めていて“地域土着化”した店舗も増えている。当たり前だったチェーンオペレーションを否定し、その方法を乗り越えて、地域課題を解決する地域密着型の店を作ることに舵を切っている。全ての店舗を変えるのは難しいが、着実にそういう店を増やしている。小さく始めたことがうまくいけば応用していくことができる。

 そもそもアパレル企業は、ビジネスモデル自体も考え直さなければいけないだろう。回収やリセール、リペアなどを行うことが求められるだろう。長期的に見ると、いいものをリペアしながら長く着る方向に向かうと思うから。ここ数十年が異常だった。異常な大量生産・大量消費の無責任な数十年に生活者が気付き始め、若い人を中心に心理的な負担を持ち始めている。それに対してどう備えるか。パタゴニアは、かなり前からリペアを行っており、巨大なリペア工場がある。そうした実績から回収やリセールも行っているが、こうした事業が儲かっているのか、と疑問には思う。

WWD:パタゴニアはリペアやリセールだけでは黒字化できていないと聞いたことがある。パーパス経営が成功していると感じるアパレル企業とその理由は?

岩嵜:わかりやすいのはいろんな面でパタゴニアだろう。修理工場を作り、バリューチェーンを見直し、結果として利益率が高いビジネスができている。売価をキープして直販化も進めており、ここ10年で卸売りを相当止めて直販化している。ECも強化していて、独特のウェブデザインだが、メディアECも早くから始めている。会員に送るダイレクトメールはプロダクトにフォーカスしたものではなく、いいコピーとビジュアルが付いたストーリー。そんなことができる企業はあまりないし、相当考えられていると思う。パーパスを掲げるだけでなく、バリューチェーン、コミュニケーション、セールス全てを見直し、一気通貫したパーパス的アプローチが整っている。

 ナイキ(NIKE)もパタゴニアと似ていて、成長ドライブがパーパス思考とデジタルトランスフォーメーションで、うまくいっていると感じる。著名アナリストのベネディクト・エバンスの最近のレポートでも、2010年の直販比率は10%弱だったのが今や約40%に伸びているとあった。彼らの成長を支えているのが直販。デジタル顧客データを駆使して直販率を上げているように見える。

 新興ブランドのスニーカー「オン(ON)」もパーパスドリブンとデジタルトランスフォーメーションで奏功している。

 ビジネスの本質はパーパス思考×デジタルだろう。パーパスを掲げるだけでは既存ブランドと同じかもしれない。顧客と直接つながるルートを持つことと、ビジネスそのものの変革をセットにすることで効果を発揮する。

アパレル産業はどこに進むべきか

WWD:アパレル産業をどう見ているか。

岩嵜:バリューチェーンをどう再構築するか、そして、どう新しいビジネスを作るかが重要になる。アパレルは買う前も買った後もブラックボックスが多すぎる。どこから来て、捨てた後どうなるのかが分からない。ブラックボックスを透明化することは必要だろう。ビジネス全体を変革して、その際に領域横断も必要になる。重要なポイントは包括的に見ること。学生によく「鳥の目、虫の目」と伝えているが、「虫の目」でディテールを見て、「鳥の目」になって全体を見る。個々のディテールがどうあるべきか、全体はどうなっているか。時間軸も超越する必要があり、過去、現在、未来がどうあるべきかを数十年単位で見るような包括的な視点が理想だ。

 アパレルは外圧も大きく変革の機運がある。そして、実は変革しやすい産業ではないかとも思う。もちろん設備投資は必要だが、作っているものがライトウエイトだから、他の産業に比べると恵まれていると感じる。やろうと思えば、戦略がそこにあれば変革できるのではないか。アパレルビジネスが面白いのは外圧があること。外圧と向き合いポジティブにとらえて、自らを変えるきっかけにすることが大事だと思う。それがこれからのアパレルビジネスの成否を分けるのではないか。

WWD:注目している動向は?

岩嵜:「修理する権利」だ。世界的に注目されていて、アップル(APPLE)も対応せざるを得なくなっているし、自分で修理ができてパーツ交換ができるスマートフォンを提供しているオランダのスタートアップ「フェアフォン(FAIRPHONE)」は、着実に売り上げが伸びているし、先日4900万ユーロ(約70億円)の資金調達をした。リペアは大事になるだろう。

WWD:アパレルの場合、低価格帯だとリペアサービスを売価に吸収しづらいので事業化するのは難しい。

岩嵜:価格帯を上げて長持ちするモノを作り、リペアを含めて利益を出せるビジネスへの変革が必要になる。その点で自動車産業から学べることは多い。車は購入時に加えて、車検や点検などの費用を消費者は払いメンテナンスしており、結果として長持ちするし、中古車市場もある。中古車市場は早くからDXされていて、オークションはどこからも入札できるようになっている。あるいは、キッチンウエアの「ストウブ」や「ル・クルーゼ」に表れている消費者心理に近いかもしれない。家電も売価を上げている。例えばドライヤーや炊飯器、洗濯機の価格帯は上がっているが、それでも一定数売れている。数字を見たわけではないけれど、おそらく売る数量は減っても売り上げは変わっていないのではないか。

成功のカギはパーパス思考×DX

WWD:リペアやリセールを視野に入れるとして、数十年単位で見られないジレンマを抱える企業も少なくない。

岩嵜:事業の成果をどのスパンで出すかと、事業そのものをどのスパンで考えるかは異なる。事業そのものの過去50年とこれからの50年を考えつつ、単年度で利益をどう出すかも「鳥の目、虫の目」で考えることになる。どのビジネスもそうだが、近視眼的になり過ぎると四半期、単年度予算はクリアできても長期的に見ると負のサイクルに入り、気づいたら抜けられないということが起こる。

WWD:成長と環境や社会課題の改善の両立を狙う企業も増えてきているが、両立の難易度は高いと感じる。企業の理想的な姿とは?

岩嵜:規模は企業が決めればいい。ある程度の規模感に留めることもできるし、永遠に成長したいという考え方もある。抑えるメカニズムはない。ただし、規模に応じた社会的責任を果たさないと、ステークホルダーから支持が得られない。サステナビリティの制約に企業はそれぞれどう向きあうかが大切になる。

 デザインはどっちかではなく、どう両立し得るかを考える統合という考え方を大事にしている。成長とサステナビリティが両立できる、トレードオフを乗り越えたソリューションが出せる。それがデザインの力で、グローバルではデザイン人材が活躍している。日本では要素還元(分解したそれぞれの要素を良くすれば最終的に合体させればよりよくなること)が主流だが、なかなかそうはならない。「鳥の目虫の目」で見ていく必要がある。

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「ブリリアージュ」から5年ぶりに単色チーク発売 初の紙パッケージ採用

 嶋田ちあきヘア&メイクアップアーティストが手掛けるメイクアップブランド「ブリリアージュ(BRILLIAGE)」はこのほど、約5年ぶりとなる単色チーク“チークブラッシュ”(全2色、税込各4400円)を発売した。環境にも配慮しブランド初となる紙のパッケージを採用。パッケージカラーも従来の黒や白と異なりチークの色を反映した。公式サイトや百貨店などで販売する。

 “チークブラッシュ”は高純度のピュアホワイトマイカをパウダーベースに使用し、皮脂と混ざりあってもくすみにくく鮮やかな発色が持続するほか、肌温で溶けるメルティングポイントオイルを配合し、密着感を保ちメイク崩れやよれを防ぐなど機能性の高さがポイントだ。2色を扱い、ピンクプラムカラーは粒径の異なる4種をパールを配合、ラ フランスカラーには偏光パールなど7種のパールをブレンド配合し、奥行きを出し、多幸感あふれる血色を演出する。

 そのほか、石油系界面活性剤やパラベン、紫外線吸収剤、合成香料、エタノールは不使用で、肌への負担を軽減する。

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「ブリリアージュ」から5年ぶりに単色チーク発売 初の紙パッケージ採用

 嶋田ちあきヘア&メイクアップアーティストが手掛けるメイクアップブランド「ブリリアージュ(BRILLIAGE)」はこのほど、約5年ぶりとなる単色チーク“チークブラッシュ”(全2色、税込各4400円)を発売した。環境にも配慮しブランド初となる紙のパッケージを採用。パッケージカラーも従来の黒や白と異なりチークの色を反映した。公式サイトや百貨店などで販売する。

 “チークブラッシュ”は高純度のピュアホワイトマイカをパウダーベースに使用し、皮脂と混ざりあってもくすみにくく鮮やかな発色が持続するほか、肌温で溶けるメルティングポイントオイルを配合し、密着感を保ちメイク崩れやよれを防ぐなど機能性の高さがポイントだ。2色を扱い、ピンクプラムカラーは粒径の異なる4種をパールを配合、ラ フランスカラーには偏光パールなど7種のパールをブレンド配合し、奥行きを出し、多幸感あふれる血色を演出する。

 そのほか、石油系界面活性剤やパラベン、紫外線吸収剤、合成香料、エタノールは不使用で、肌への負担を軽減する。

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「トム フォード」が“プラスチック イノベーション賞”の受賞3社を発表 レジ袋などの代替素材コンペ

 「トム フォード(TOM FORD)」は、“トム フォード プラスチック イノベーション プライズ”の受賞者を発表した。

 レジ袋などに使われる化石燃料由来の薄膜プラスチックの代替となる、生分解および大量生産可能な新素材の開発を目的としたコンペティションで、海藻ベースの家庭用堆肥を提供するアメリカの会社スゥエイ(SWAY)、野生生物や海に安全なパッケージを製造するインドを拠点とする企業ゼロサイクル(ZEROCIRCLE)、ロンドンを拠点とするスタートアップ企業ノットプラ(NOTPLA)の3社が受賞した。スゥエイに60万ドル(約7980万円)、ゼロサイクルに25万ドル(約3325万円)、ノットプラに15万ドル(約1995万円)の賞金が贈られる。

 同賞は、「トム フォード」と非営利の環境保護団体ロンリー ホエール(LONELY WHALE)が2020年に創設。21年に応募受付を開始した。世界26カ国から64のエントリーがあり、選考(材料試験)にはナイキ(NIKE)やジョージア大学、シアトル水族館などが協力した。

 トム・フォードは、「この賞を創設したのは、私たちの子どもが世界を滅ぼしてしまうのではないかという恐怖心を抱いたからだ。この世界は子どもたちにとって、もはや暮らしやすいものではない。私は解決策の一部になりたかった。このコンペで素晴らしい才能を目にし、“不可能を可能にする希望”を感じることができた。受賞3社のプランが業界や市場に拡大すれば、地球の進路を劇的に変えられるだろう」と述べる。

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「チカ キサダ」とヨガウエアの「トゥー ユナイテッドアローズ」が協業 全6型のカプセルコレクションを発売

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)のヨガウエアとデイリーウエアを展開する「トゥー ユナイデットアローズ(TO UNITED ARROWS)」は「チカ キサダ(CHIKA KISADA)との協業によるカプセルコレクションを発表した。ラインアップしたのはカットソー(1万6500円税込、以下同)やレギンス(1万7050円)、タンクトップ(9790円)、ブルゾン(4万7300円)、バッグ(6600円)、オールインワン(3万6300円)の6型。現在、ユナイテッド アローズ オンラインで予約を受け付けている。4月14日からは、「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」のECサイトと原宿本店、渋谷スクランブルスクエア店、六本木ヒルズ店、心斎橋店、札幌店、名古屋店でも取り扱う。

 今回のコレクションでは、両ブランドの世界観を共存させて表現したアイテムをそろえた。「トゥー ユナイテッドアローズ」のサステナブルなコンセプトのもとで、アイテムには環境配慮素材を使用したり、レギンスの残反をバッグに活用したりと工夫を凝らしている。また、「チカ キサダ」のアイコン的なディテールであるチュールはリサイクルポリエステル素材で取り入れた。

「チカ キサダ」は、バレエのエレガンスとパンクの生命力のはかなさと強さ、相反するイメージの融合から生まれる強いエレガンスをコンセプトとする。シグネチャーラインは、都市で生き、動き続ける、新しい上質さを求める人々のための服を目指している。

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天然アナツバメの巣を採用したサステナブルコスメ「美巣」が初の直営店をギンザ シックスに開設

 エムスタイルジャパンは3月13日、天然アナツバメの巣を活用したサステナブルコスメ「美巣(BI-SU)」の初となる直営店をギンザ シックス(GINZA SIX)に期間限定でオープンした。ツバメの巣がある洞窟の曲線を生かした店舗デザインで、インナーケアやスキンケア、ヘアケアなど全商品を集積する。

 「美巣」は2011年に誕生。マレーシアのボルネオ島で採取した100%天然アナツバメの巣のみを使用した、健康食品や化粧品などを公式サイトを中心に販売する。その中で、百貨店でポップアップを展開し、ブランドの知名度を高めてきた。大丸東京店で行ったポップアップが好調だったことから、初の直営店の出店につながった。「美巣」ギンザシックス店は、「底知れぬ生命のパワーが眠る神秘のアナツバメの巣を世界へ。」 をテーマに、「地球の再生を目指すリジェネラティブなブランドであることをアピールする」(同社広報担当者)のが狙いだ。

 店舗面積は約25㎡。店舗デザインは「自然感」「無垢感」「紡ぐ」をキーワードとした。全体を白で統一し、壁面には巣を採取する洞窟をモチーフにしたスペースを設け、自然感を演出する。無垢感は100%天然アナツバメの巣を採用していることを表現するため、店舗カウンターには無垢材を使用。紡ぐは店舗や商品を通して1本の糸から作られるツバメの巣を顧客につなげていく。

 同社はマレーシアのボルネオ島のジャングルにある洞窟で、ヒナが巣立った後に二度と使われない役目を終えた巣を採取することにこだわる。稲富幹也エムスタイルジャパン社長は、自然環境に負荷をかけないサステナブルなモノ作りをモットーとし、自らがボルネオ島に出向き“ツバメの巣ハンター”としても活躍している。

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「オニツカタイガー」から新作スニーカー“コロラド エイティファイブ” 異素材ミックス感が特徴

 「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は、新作スニーカー“コロラド エイティファイブ(COLORADO EIGHTY-FIVE)”を発売した。クリームとホワイトの2色展開で、価格は各1万6500円(税込)。

 「1980年代のトレイルランニングシューズから着想を得た」というデザインと、スムースレザー・スエード・リサイクル材を用いたテキスタイルの異素材ミックス感が特徴で、ライニングにはパイル素材をあしらい「履き心地の良さを意識した」。また、スペアシューレースが付属し、スタイリングに合わせて付け替えられる。

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「オニツカタイガー」から新作スニーカー“コロラド エイティファイブ” 異素材ミックス感が特徴

 「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は、新作スニーカー“コロラド エイティファイブ(COLORADO EIGHTY-FIVE)”を発売した。クリームとホワイトの2色展開で、価格は各1万6500円(税込)。

 「1980年代のトレイルランニングシューズから着想を得た」というデザインと、スムースレザー・スエード・リサイクル材を用いたテキスタイルの異素材ミックス感が特徴で、ライニングにはパイル素材をあしらい「履き心地の良さを意識した」。また、スペアシューレースが付属し、スタイリングに合わせて付け替えられる。

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 「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は、新作スニーカー“コロラド エイティファイブ(COLORADO EIGHTY-FIVE)”を発売した。クリームとホワイトの2色展開で、価格は各1万6500円(税込)。

 「1980年代のトレイルランニングシューズから着想を得た」というデザインと、スムースレザー・スエード・リサイクル材を用いたテキスタイルの異素材ミックス感が特徴で、ライニングにはパイル素材をあしらい「履き心地の良さを意識した」。また、スペアシューレースが付属し、スタイリングに合わせて付け替えられる。

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「ケイト・スペード ニューヨーク」が30周年で刷新 パントン社と開発したグリーンが新シグニチャーカラーに

 「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」は、創業30周年を記念してパントン社と共同開発した“ケイト・スペード グリーン”を発表し、ブランドをリニューアルした。未来への可能性や前向きなスピリットを表現した新たなシグニチャーカラーと共に、“完璧ではないけれど特別なライフスタイルを送る”世界中の女性たちをエンパワーメントする。

 “ケイト・スペード グリーン”は、ブランド創業当初のシグネチャーカラーであるグリーンにオマージュを捧げたものだ。同時にローンチした2023年スプリング・キャンペーンでは、“IT ALL STARTED WITH (~がすべての始まり)”と冠したビジュアルやムービーを発表。予期せぬ出来事や遠回りも前向きに捉える“ケイト・スペード ウーマン”の物語に「あらゆるものが冒険に成り得る」というポジティブなメッセージを込めた。

 限定カプセルコレクションでは、アパレルからジュエリー、シューズに至るまで、“ケイト・スペード グリーン”一色で表現したアイテムを発売。アイコンバッグ“サム(SAM)”もサステナブルに進化して、色鮮やかな同コレクションに加わった。

 ブランドの原点でもある“サム”は、1993年当時まだ一般的でなかったナイロンをいち早くバッグの素材に取り入れ、織ネームをあえて外側に縫い付けたシンプルかつ革新的なブランドのエッセンシャルアイテムだ。今シーズンは、このクラシックなモデルをリサイクルナイロン100%のオリジナル素材でアップデート。内側にもリサイクルポリエステル100%の素材を用いながら、ハンドルやフラップなどにレザーをミックスすることで、洗練された印象に仕上げた。

 さらにストアのショッパーにも“ケイト・スペード グリーン”のイメージを反映。ブランドのコードであるストライプやポルカドットを組み合わせたギフトボックスやショッピングバッグが、全てリユースまたはリサイクル可能な素材で生まれ変わった。

 視覚にダイレクトにアプローチする新たなアイデンティティーで、ブランドの未来に向けた一歩を踏み出す。

問い合わせ先
ケイト・スペード カスタマーサービス
050-5578-9152

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「サンローラン」が新作バッグ2型を発売  リサイクルナイロンを使用した“カメラバッグ”“ビッグトート”

 「サンローラン(SAINT LAURENT)」はアイコニックなシグネチャーを正面に配した“シティ サンローラン”ラインから新作バッグ“カメラバッグ”(18万5900円〜税込、以下同)と“ビッグトート”(26万2900円)を発売する。どちらもリサイクルナイロン素材を採用しており、カラーはネイビーとブラックの2色をそろえる。商品は、全国のサンローラン ブティックと公式サイトで取り扱う。

 “カメラバッグ”は都会的かつテクニカルなデザインで、カジュアルな服装に合わせると、シャープでクールな印象になる。調整可能なストラップは、好みのスタイルに合わせて短くしたり長くしたりすることができ、前面と背面、さらに内側には複数のポケットを配置している。

 “ビッグトート”はどんな服装にも合わせやすいニュートラルなデザインで、日常使いはもちろん、ジムバッグやトラベルバッグとしても活躍する。リサイクルナイロンとレザーを融合することで、軽さと光沢感を兼ね備えた。ストラップは長さの調整と取り外しが可能だ。

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「サンローラン」が新作バッグ2型を発売  リサイクルナイロンを使用した“カメラバッグ”“ビッグトート”

 「サンローラン(SAINT LAURENT)」はアイコニックなシグネチャーを正面に配した“シティ サンローラン”ラインから新作バッグ“カメラバッグ”(18万5900円〜税込、以下同)と“ビッグトート”(26万2900円)を発売する。どちらもリサイクルナイロン素材を採用しており、カラーはネイビーとブラックの2色をそろえる。商品は、全国のサンローラン ブティックと公式サイトで取り扱う。

 “カメラバッグ”は都会的かつテクニカルなデザインで、カジュアルな服装に合わせると、シャープでクールな印象になる。調整可能なストラップは、好みのスタイルに合わせて短くしたり長くしたりすることができ、前面と背面、さらに内側には複数のポケットを配置している。

 “ビッグトート”はどんな服装にも合わせやすいニュートラルなデザインで、日常使いはもちろん、ジムバッグやトラベルバッグとしても活躍する。リサイクルナイロンとレザーを融合することで、軽さと光沢感を兼ね備えた。ストラップは長さの調整と取り外しが可能だ。

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ホームレスを救うシェルタースーツ 「クロエ」ともコラボしたデザイナーが信じるファッションの力

バス・ティマー/シェルタースーツ ファンデーション創設者

PROFILE:オランダ・アーネムにあるArtEZ芸術大学卒業後、自身のブランド「バス ティマー」を設立。友人の父親がホームレス生活で凍死したことをきっかけに、デッドストックを使ったシェルタースーツを2014年に考案した。その後、非営利団体シェルタースーツ ファンデーションを立ち上げ、世界各地のホームレスに配布し続けている。20年には、米「タイム」誌の「次世代のリーダー」に選ばれた

 シェルタースーツは、オランダ人バス・ティマー(Bas Timmer)が2014年にホームレス支援のために作った、命を守るためのスーツだ。そのジャケットと寝袋をつないだシンプルな1着が、ティマーの「たくさんの人を助けたい」という思いと共に反響を呼び、100着、1000着、1万着と徐々に生産数が増加。現在は非営利団体シェルタースーツ ファンデーション(Sheltersuit Foundation)を世界各地に設立し、デッドストックの生地のみを使ったシェルタースーツを各国のホームレスに提供している。その活動が現「クロエ(CHLOE)」クリエイティブ・ディレクターのガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)の目に留まり、ハーストが「クロエ」を率いて初のシーズンとなった2021-22年秋冬コレクションで協業が実現。知名度を広げると、ティマーはその後もさらなる支援資金調達のために「シェルタースーツ」をブランド化し、昨年3月にはパリでコレクションを発表した。ティマーは、なぜホームレスの支援を続けるのか。シェルタースーツ誕生の裏側からスーツに込める思い、パリでコレクションデビューを飾るまでを、本人に聞いた。

きっかけは友人の父親の死

WWDJAPAN(以下、WWD):シェルタースーツの構想が浮かんだ経緯を教えてほしい。

バス・ティマー(以下、ティマー):元々大学でファッションの勉強をしていて、自身のブランド「バス ティマー(BAS TIMMER)」を立ち上げ、フーディーやタートルネック、マフラーなど、冬服をメインに作っていた。デンマーク・コペンハーゲンでのインターン時代、街中でたくさんのホームレスを見かけ、「自分が作った服が、寒い中を路上で過ごす彼らの助けになるのでは」と思い、ホームレスのために服を作って無料で配布することを母親に相談してみたんだ。でも、「無料で服を配ったら、誰もあなたの服を買ってくれなくなる」と心配された。正直その答えをすぐには受け入れられなかったが、ひとまず母親の言葉に従うことにした。

WWD:そこからシェルタースーツ ファンデーション設立に至った理由は?

ティマー:それから数年後、僕の友人2人の父親がホームレスになり、路上で凍死したというニュースを耳にした。友人の父親は、母国オランダでシェルターを訪れたそうだが、薄いブランケット1枚しかもらえず、そのまま路上で夜を過ごし、低体温症で亡くなってしまった。その話を聞いたとき、「あのときアクションを起こしていれば……」と罪悪感を覚え、悔しくて、人を助けたいという使命感に駆られた。そこで、「日中も着られて、夜の寒さからも守ってくれるものを作ろう」と、最初のシェルタースーツを手掛けた。初代シェルタースーツは、ファスナー付きのジャケットに手持ちの寝袋を付けたシンプルなデザインだった。それを持ってシェルターを回っていたら、一人の男性を紹介されたんだ。彼は最初僕を怪しがっていたけれど、シェルタースーツを見せると表情が変わり、「友人にもシェアしたい」と言ってくれた。その瞬間、「もっとたくさんの人のために作らなければ」と思い、最初の100着を作った。

WWD:シェルタースーツはこれまでに何着作った?

ティマー:シェルタースーツとシェルターバッグを合わせて2万個だ。シェルターバッグはバックパック状で、広げると1人用の寝袋になる。

WWD:デザインは自身で手掛けている?

ティマー:初代シェルタースーツもシェルターバッグも、昨年デビューしたファッションレーベルも、私が全てデザインした。今はサポートメンバーも増え、素材調達の専任メンバーも在籍している。

WWD:現在活動に関わっている人数は?

ティマー:ここ8年ほどで、数百人がわれわれの事業を支えてきた。オランダで工場を立ち上げ、労働権利を得たシリアからの難民を雇うところからスタートした。オランダの工場では現在25人、南アフリカのケープタウンの工場では、女性15人が働いている。ファッションブランドのチームを含めると、現在メンバーはグローバルで50〜60人ほどだ。

WWD:デザインのこだわりは?

ティマー:一番重要なのは機能性。はっ水性に優れ、高い保温性を有するなど、機能性と品質を大切にしている。次に見た目の美しさ。見た目が美しくなければ、誰も使おうと思わない。路上で過ごすホームレスの人々にも好みがある。だからなるべく多くの人が魅力的に感じてくれるよう、美しくデザイン性に長けたスーツを意識している。われわれはデッドストックの素材をアップサイクルしているが、アップサイクルの強みは、全てがオリジナルで、1点ものであることだ。ベージュからブルー、ビビッドピンクまで、人々のいろいろな趣味嗜好に合ったアイテムを作ることができる。

WWD:デッドストックはどれぐらい調達している?

ティマー:1着のシェルタースーツを作るのに、テントなどに使われるはっ水性の素材を5m(寝袋2.5個分)要する。企業に声をかけて、デッドストックや廃棄予定の素材をもらえないか交渉している。ほかにも寝袋を作る会社からは、生産過程のミスで売れなくなった、ファスナーが故障した寝袋を1000個提供してもらっている。

WWD:今では逆に「提供したい」と声をかけてくるブランドも多いのでは?

ティマー:もちろん。最近は「3M」や「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」「アークテリクス(ARC'TERYX)」といった世界中のブランドから声がかかっている。それでもまだまだ足りない。もし「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」のような大手アウトドアブランドが素材や商品を寄付してくれるなら大歓迎だ。

ホームレス支援には賛否両論

WWD:シリアからの難民に仕事を与え、雇用を生み出すことへの思いとは?縫製などはどのように教えている?

ティマー:シリアで内戦が起きて以来、多くの難民がヨーロッパに避難してきた。難民の多くは縫製工場で働いていた経験があったが、オランダ語が話せないため、難民キャンプや施設に閉じこもっていた。われわれがオランダで工場を立ち上げたとき、彼らに「ボランティアで働かないか」と声をかけてみたところ、多くが喜んで働いてくれた。当初は工場で働いてもらう代わりに語学レッスンを提供したり、住む場所を一緒に探したり、ビザなどの書類申請を手伝ったりしていた。その後寄付金を集り、彼らにきちんと賃金を支払えるようになるまで工場をコツコツと成長させてきた。「助けを必要とする人を支援したい」という思いもあったし、彼らのスキルを生かせるチャンスでもあった。

WWD:では、縫製は特別に教えていないということ?

ティマー:当初は必要なかった。それよりも、オランダのカルチャーや言語を教えた。最近は従業員も増えたので、主に南アフリカの工場では縫製のレクチャーも行っている。

WWD:最初は厳しい声もあったと聞いた。現在、反響はどう変わった?

ティマー:“ホームレスを助ける”というセンシティブな社会問題に携わっていたので、最初はネガティブな声も多かった。批判の多くは、「シェルタースーツをホームレスの人に配ると、ホームレス状態から脱却しようと思わなくなる」といったおかしな意見だった。ホームレスの人は、誰もが住む場所や仕事を欲しがっている。シェルタースーツを与えたからといって、その思いは変わらないはずなのに。シェルタースーツはホームレス生活を促しているわけではなく、むしろ路上生活を強いられた人々を守っている。そして、シェルタースーツを介してソーシャルワーカーとホームレスの信頼関係が強まり、彼らを支援しやすくなる。これはオランダの大学と研究して実証したデータなので、それを証明できるようになってからは、周りの意見もだいぶ変わった。今は、多くのシェルターがわれわれの事業に賛同してくれている。

WWD:展開国は?

ティマー:オランダ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、南アフリカ、アルゼンチン、パナマ、メキシコ、コロンビア、オーストラリア、アメリカ(ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス)だ。ギリシャのレスボス島やシリアの難民キャンプにも多く寄付している。日本でホームレスの問題がどれほど深刻か分からないが、近い将来日本でもシェルタースーツ ファンデーションを立ち上げたい。そもそもレーベルを立ち上げたのも、世界中にファンデーションを設立するためだ。

「クロエ」とのコラボも話題に

WWD:昨年は「クロエ」ともコラボレーションした。その経緯は?

ティマー:アメリカでシェルタースーツ ファンデーションを立ち上げるためにニューヨークへ行ったときに、ガブリエラ・ハーストに出会ったのがきっかけだ。その出会いから3カ月たったころ、彼女から「『クロエ』のクリエイティブ・ディレクターに就任した」と電話があり、「シェルタースーツ ファンデーションとコラボレーションしたい」と言われた。そして、シェルタースーツ ファンデーションの資金調達のためのチャリティーバックパックと、2021-22年秋冬コレクションのランウエイピースをいくつかデザインした。アイテムは全て「クロエ」とシェルタースーツのデッドストックで製作した。

WWD:ハーストからはどんな要望があった?

ティマー:一番大きなリクエストは、社会的な影響を残すこと。そして、デッドストックの素材からアップサイクルすることと、自社工場でエシカルに製造すること、またバックパックの収益をシェルタースーツのために還元すること、といった条件を話し合った。でも、デザインは自由にやらせてくれた。

WWD:メゾンとの協業で学んだことは?今後もファッションブランドとの協業を考えている?

ティマー:多くを学んだし、これからもたくさんのファッションブランドと協業していきたい。コラボして良かったのは、私たちが掲げる“People Helping People(人が人を助ける)”というメッセージを多くの人に届けられたこと。ビッグメゾンとコラボしたことによって団体の活動をたくさんの人に知ってもらえるきっかけになったし、コラボで得られた収益でより多くの人々を支援できた。そしてわれわれだけでなく、コラボした相手側にもポジティブな影響を与えられたと思う。「クロエ」の社員は、パリのホームレスを支援するために、シェルターなどでボランティアをしているそう。大きなインパクトを残すためにも、今後も多くのブランドと協業したい。

WWD:「シェルタースーツ」をブランド化した理由は?本格的な事業化も視野に入れている?

ティマー:シェルター ファンデーションでは寄付を募り、その寄付金で作ったスーツやバッグを無償で提供している。ブランドとして「シェルタースーツ」レーベルを立ち上げたのは、その収益をファンデーションにさらに還元するため。レーベルはファンデーション同様、“アップサイクルした素材を使う”というフィロソフィーを持ち、別の事業だが、考えや目的は同じだ。互いに支え合えるよう今後も営んでいく。

WWD:ブランド設立後、パリで開催したファーストコレクションの手応えは? 

ティマー:個人的にはとても良い反応だったと思う。計3回ショーを行ったが、各回にプレスや評論家など、ファッション業界の著名人が多く駆け付けてくれた。ファッション好きもたくさんSNSに投稿してくれて、われわれが発信するメッセージをポジティブに受け止めてくれたようだ。ショーを通じて、ファッションは“ソーシャル・グッド”を生み出すツールとして活用できる、ということを発信できたと思う。実際の服にもポジティブなコメントをたくさんもらった。

WWD:ブランドでは、ジャケットやセットアップなど、シェルタースーツ以外のバリエーションも広がった。デザインにおいて意識した点、発想を変えた点は?

ティマー:デザインするに当たり、難しいと感じた点はいくつかあった。1つ目は、デッドストックを用いること。というのも、そもそも企業から提供してもらう素材しか使えないので、素材を自由に選ぶことができない。従来のファッションブランドだと、まずはデザインをスケッチしてから素材を調達し、そこから生産を始めるが、私たちの場合は素材調達から始まり、それに合わせてデザインする必要がある。そういう意味では、通常のデザインプロセスとは全く異なる考え方だった。

 また、われわれはなるべく多くの人を支援したいという思いがあるため、あらゆる人が着られるジェンダーレスなデザインを意識した。ストリートウエアとしてだけでなく、ビジネスシーンでも着られるよう意識した。例えば、ウールコートは一見とてもクラシカルだが、裏地はファンキーでビビッドな色を使い、ストリートウエアの要素を取り入れた。ポンチョやバッグなど、一部のアイテムはシェルタースーツ ファンデーションでも使える機能性だ。

WWD:「シェルタースーツ」として伝えたいメッセージ、目指すゴールは?

ティマー:助けを求める人を支援する大切さを伝えること。周りに苦しんでいる人がいれば、手を差し伸べてあげてほしい。彼らの助けになるだけでなく、他人を支えることは自分のためにもなる。私は、ファッションは美しいものを人々に提供するだけでなく、人々を助けるパワーがあると信じている。特に、今の時代はますます環境汚染が進み、経済力がない人にとってはどんどん生きづらい世界になっている。ビジネスを通して、そんな困難な状況にいる人を助けたい。シェルタースーツ ファンデーションを、支援を必要とする全ての国で立ち上げ、経済的に困窮している人々を雇い、素晴らしい製品を一緒に作っていきたい。

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レリアンからアップサイクルのD2Cブランド「ループール」がデビュー 自社ブランドの残反を活用

 レリアンから今春、D2Cの新ブランド「ループール(LOOPOOL)」がデビューした。ファーストシーズンは、幾何学レースのトップス(1万1000円)や異素材を組み合わせたタイトスカート(1万8700円)、2ウェイドレス(2万5300円)、レイヤードしたフレアスカート(2万5300円)、キャミソールドレス(1万5400円)、インポート生地を使ったトレンチコート(3万800円)など全13型がそろう。

 「ループール」は新原料の調達を減らし、CO2の削減など環境負荷を軽減することを掲げたアップサイクルブランド。今年55周年を迎える主力ブランドの「レリアン(LELIAN)」や「ネミカ(NEMIKA)」、ライセンス事業の「ランバン(LANVIN)」といった同社7つのブランドや業態などで残った原料や資材など廃棄予定の素材を生地メーカーから調達し、活用する。

 「春夏や秋冬といったシーズンも区切らず、生地が調達できたタイミングで、原料の特徴や分量に合わせてデザインを考え、新作を発表。分量の少ないものは、生地を使い合わせたり、アクセサリーのパーツにしたり、使用面積を抑える工夫をしている。これにより、型数を限りながらも質の良い商品を安価で提供することができる」と同社。またターゲットとしては当初、SDGsの教育を受けてきたミレニアル世代の女性を考えていたが、購入者は年齢層も幅広く、コートについては男性の購入者もいたため、今後はエイジレス、ジェンダーレスといった層も視野に入れるという。公式ECサイトでは、すでに売り切れの商品も多いが、トレンチコートとキャミソールドレスは継続品番として検討。幾何学レースのトップスと異素材のタイトスカートも別の廃棄予定の原料を用いて販売する予定だ。

 同社は2021年、世界のアパレル産業が地球環境への問題に直面する中、社内でサステナビリティ活動を推進する委員会を立ち上げるなど、SDGsに対する関心を高めた。「ループール」はその一環として設立。「設立時に“ファッションを楽しみながら、SDGsの活動に参加する”というコンセプトを掲げたが、『誰かのためになっても、別の誰かが困ってしまうのであれば、SDGsの観点から外れてしまう』という考えに向き合った」。この課題をクリアするために約2年を費やし、ローンチに至ったという。今後は、ポップアップショップなどでの販売なども検討している。

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アイスダンス選手の小松原組、着物をアップサイクルしたユニホームを着用

 フィギュアスケートのアイスダンス選手、小松原組が現代和服ブランドの「ニーツ(niitu)」とコラボレーションし、着物をアップサイクルしたユニホームを着用することを発表した。美里のユニフォームには、祖母が着用しなくなった着物の生地を襟部分に使用。公私ともに美里のパートナーである小松原尊のユニホームには、同じ生地を襟部分の裏地にあしらった。
 
 小松原組の小松原美里は健康や環境、動物保護の観点から、約5年前にヴィーガンに移行。植物由来の革を使用したスケート靴や、ヴィーガンやクルエルティフリーのメイク道具、生分解性の素材やリサイクルポリエステル素材を使用した衣装を選ぶ中で、自身のユニホームに関しても地球環境に配慮したユニホームを着用したいと考えるようになったという。「ニーツ」のデザイナー、新津祥太と新津志朗兄弟は美里のその想いに共感し、オリジナルのデザインを手掛けた。

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日清紡&ネスレ日本がタッグ、廃棄紙パックから「衣服」生産 社団法人「アップサイクル」設立

 日清紡子会社で繊維商社のニッシントーア・岩尾とネスレ日本、凸版印刷、CNCら14社・団体はこのほど、廃棄資源や食品残さのリサイクル率向上を目的とした社団法人アップサイクルを立ち上げた。リサイクル率の高いイメージのある紙製容器・包装だが、家庭から排出される73.8万トンのうち、実はわずか2.7%しかリサイクルされていないという。アップサイクルはニッシントーア・岩尾の森原博テキスタイル部長が代表理事を務め、理事にはネスレの嘉納未來・執行役員コーポレートアフェアーズ統括部長が就く。会員には他に日本ロレアル、メットライフ生命、艶金なども参加する。設立の背景についてネスレの嘉納執行役員は「小売店を通して消費者に販売するメーカーの立場だと、消費者から出る廃棄物を回収するのは難しかった。社団法人化することで、幅広い企業の参加につなげ、消費者の行動変容に促したい。今後は小売店や行政など、幅広い業種・業界に積極的に働きかけていく」と呼びかける。

 アップサイクル設立の第一弾として、ニッシントーア・岩尾が廃紙や間伐材から紙糸「ツムギ(TSUMUGI)を生産し、衣服として展開する。すでに昨年10月に、お笑い芸人のロングコートダディがデザインしたTシャツ「サステナの虎」を5500円(税込み)で販売している。また、ネスレ製品の空きパッケージを回収するボックスを、東京・原宿のカフェ「ネスカフェ 原宿」や神戸、松山などのリサイクルセンターなど10カ所に設置。改修後はアップサイクルして、「ネスカフェ原宿」などネスレ日本の直営店のユニフォームとして使用する。

 ニッシントーア・岩尾の森原部長は「紙糸は吸湿性や軽量性が特徴。一般の人に身近な衣服を通してアップサイクルをもっと身近に感じてほしい。まずは繊維でスタートするが、今後は他の素材や製品にも広げたい」という。

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「カンペール」のユニセックスライン“カースト”から2023年春夏シーズンの新色が登場

 スペイン・マヨルカ発のシューズブランド「カンペール(CAMPER)」は、ユニセックスライン“カースト(KARST)”から2023年春夏シーズンの新作を発表した。価格は税込2万7500円で、「カンペール」の直営店と公式オンラインストアで販売中だ。

 “カースト”は、マヨルカ島のトラムンタナ山脈で水に浸食された岩場の地型を表すカーストから命名。語源通り自然に着想し、石の自然な曲線を彷ふつとさせる丸みを帯びたアウトソールが特徴だ。また、アウトソールにはサトウキビから抽出した成分を30%含むEVAを使用しており、リサイクルPET素材のライニングとシューレースを組み合わせることで、廃棄物を最小限に抑えながら最大限の耐久性を実現している。

 今シーズンは、ピンクとカーキ、ホワイト、ブラックの4色を用意。さらに、4月からアッパーの素材をニットにアップデートした新作も展開する予定だ。

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「イデー」による“ハンド バイ プール”が皆川明デザイナー監修の新作 ポップアップも

 良品計画が運営するインテリアブランド「イデー(IDEE)」は、「ミナ ペルホネン(MINA PERHONEN)」の皆川明デザイナーが監修したシリーズ“ハンド バイ プール(H& by POOL)”の2023年春夏コレクションをイデーショップオンラインで3月10日に発売する。

 “ハンド バイ プール”は、生産現場や倉庫で生まれた残反や残糸、端切れなどを活用し、日本のものづくりで仕立てたアップサイクルな衣服を取り扱う。2023年春夏コレクションでは、涼しげなシフォンや綿、麻などの素材を中心に生地を集めたほか、新たにシルエットにこだわったデニムシリーズをスタートした。麻100%を使用したブルーのワンピース(税込2万9700円)やスタンドカラーのシャツ(同1万9800円)、コットン素材のニットベスト(同9900円)、スタンドカラーのブラウス(同1万9800円)、デニムスカート(同2万5300円)などを用意する。

 4月12〜25日には伊勢丹新宿店でポップアップストアをオープン。“ハンド バイ プール”の商品だけでなく、ブランドの取り組みに共感した3人のアーティストが生地の端材や廃棄プラスチックから製作した作品も販売する。またコレクションツアーとして、イデーショップ各店で期間限定販売も実施する。

■H& by POOL ポップアップストア
会期:4月12~25日
場所:伊勢丹新宿店=本館5階センターパーク/ザ・ステージ#5
参加アーティスト:anima forma、Ph.D.、本多沙映

■H& by POOL 2023年春夏コレクションツアー
3月10~28日:イデー東京
3月10日〜4月3日:イデーショップ自由が丘店、イデーショップ六本木、デリエ イデー
4月28日~5月22日:イデーショップ二子玉川店、イデーショップ日本橋店、イデーショップ ヴァリエテ 渋谷店、アタッシェ ドゥ イデー新宿店
5月26日~6月19日:イデーショップ ヴァリエテ 柏店

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YKKは好調から一転、下期失速、1.7%の減益 期初見通しを大きく下回る 23年3月期

 YKKは、2023年3月期のファスナー事業が売上高が前年比8.7%減の3801億円、営業利益が同1.7%減の416億円、ファスナー販売数量は93.9億本(前年は102.9億本)になりそうだと発表した。売上高以外は期初の見通しを大きく下回った。上期は堅調に推移していたものの、下期に入ると米国市場が震源地となり、流通在庫の増加に伴うアパレル・小売側の急激な発注減により、アジア地域でのアパレル生産が急減した。YKKは巻き返しのため、4月から営業本部の一部機能をベトナムに移転するほか、世界各国のファスナー工場に各地域の状況に応じて開発したファスナー機械の供給を開始する。大谷裕明社長は「22年3月期からスタートした中期経営計画の中で、『より良いものを、より安く、より早く、よりサステナブルに』を掲げているが、中でも今は瞬発力の重要度がどんどん高まっている。大量のオーダーを瞬時に供給できる体制作りが急務。積極的に投資する」と語り、デジタルを活用した無停止・無人生産ラインの構築を柱としたスマートファクトリーの実現に向けて、本格的な研究開発をスタートした。

 ベトナムに移転するのは、営業本部の商品戦略部の一部機能で、東京からは約20人ほどが異動するほか、現地でもナショナルスタッフを雇用する。大谷社長は「コロナ禍を挟んで、世界のアパレル生産の構造が一変しつつある」と指摘。YKKが独自に集計したアパレルの加工貿易統計によると、2010年に51%だった中国のシェアは21年度に30%に減少する一方、ベトナムは10年8%→21年18%に、バングラデシュも10年6%→22年12%に拡大した。ベトナム、バングラデシュを合計するとすでに中国と匹敵する規模になり、22年以降もこの傾向はさらに加速する。「想定以上のスピードで世界情勢と事業環境が変化している。ベトナムもこれまではスポーツを中心とした縫製拠点だったものの、アイテムもカジュアルウエアやボトムスにも広がっている。中長期的なスパンで考えると、ベトナムの重要性はますます高まる」と大谷社長。

 コロナ禍の反動で22年3月期はファスナー販売が過去最高の102.9億本に達するなど、世界的なアパレル生産の増産景気で好調だった。23年3月期も9月までは堅調に推移したものの、「米国を筆頭にインフレが進み、限られた可処分所得の中で衣料品消費に急ブレーキがかかっている。定番アイテムのようにシーズン性がない物より、シーズンごとに新商品を出すようなアイテムの動きが特に悪く、流通在庫が積み上がり、発注にも急ブレーキがかかった」という。売上高こそ原燃料高騰で価格転嫁を行い、期初の計画比で7.8増になったものの、ファスナーの販売数量は前年比12.5%減、営業利益は17.1%減と大きく減少した。

 YKKはジーンズやスポーツウエア、高級バッグ・雑貨分野で高いシェアを有しており、世界のアパレル産業の先行指標の一つになっている。同社の22年度下期以降の業績下振れは、世界のアパレルの上半期の業績と連動しそうだ。

 23年度はサステナビリティへの対応も強化する。繊維部材を再生ポリエステル糸に切り替えた環境配慮型ファスナー「ナチュロン」は、22年度に全体の25%だったが、23年には44%、30年度には100%に拡大する。繊維部材は再生ポリエステル糸を使っているが、今後はエレメント(引き手)なども再生材化する。

 24年3月期の見通しは売上高3942億円、営業利益497億円、ファスナー販売数量は100.8億本を計画する。大谷社長は「有力な需要家の動向を踏まえると、23年上期までは不透明感が続くものの、下期からは回復に向かう」として、設備投資は448億円と、前年の378億円から大幅に積み増す。中国やASEANで240億円を投じて生産能力を引き上げるほか、日本でも黒部事業所へのDX投資などで118億円を投じる。

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「ザボディショップ」新宿店が循環型店舗にリニューアル ボディーソープなどのリフィルステーションも設置

 イギリス発の自然派化粧品ブランド「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」は3 月3 日、旗艦路面店の新宿店をリニューアルオープンした。国内で18店舗目となる循環型店舗、チェンジメーカーズワークショップストアとして生まれ変わった。同店は2006年にオープンし、リニューアルは2012年以来の3回目となる。

 チェンジメーカーズワークショップストアは、店内環境にリサイクル可能な素材や廃棄予定の再生プラスチック、古材やFSC 認証を受けた木材、堆肥化可能な容器など、ほぼ100%サステナブルなアップサイクルや再生に適した素材を使用した店舗のこと。「ザボディショップ」では世界各国で同店舗の導入を推進する。新宿店では、解体された家屋の古材と古道具を販売する建築建材のリサイクルショップを運営するリビルディングセンタージャパンから古材を仕入れ、天井の梁やレジカウンターに採用。また、レジカウンターのサイド部分や什器には、引退した東海道新幹線の車両アルミをリサイクルして活用した。これらは全て接着剤を使用せず組み立て、リユース・リサクルがしやすい仕様にこだわった。

 また、世界各地でその地域社会の声を反映したデザインを導入しており、新宿店はアートを通じて環境問題へのメッセージを発信するアーティストのニキ ローレケ(Niky Roehreke)氏が店舗内装や什器の一部を描いた。ニキ氏は手のモチーフを得意とし、レジ奥の壁には循環をテーマに手と植物のイラストを施した。「一人一人の“手”によって行動すれば、社会全体の意識も変わってくると信じている。できることから今アクションを起こすことが大事」とニキ氏はイラストに込めた思いを語った。

 そのほか、入り口中央のシンクエリアでは人気商品の香りやテクスチャーを楽しみながら、よりインタラクティブな買い物体験を提供する。プラスチック削減の取り組みとして推進する詰め替え用サービス「リフィルステーション」も店内に設置。道路側に置くことで、リフィルサービスの啓もうも行う。同サービスは、専用のアルミボトル(300mLサイズ)とポンプを購入し、人気の高いボディーシャンプー6 種(モリンガ、ブリティッシュローズ、ストロベリー、アーモンドミルク&ハニー、シア、ピンクグレープフルーツ)、ハンドソープ2 種(ティーツリー、シア)の計8 種から、好きなものを詰められる。

 「1976年の創業以来、社会と環境の変革を追求する事業を行い、チェンジメーカーとしてビューティ業界に革新をもたらしてきた。新宿店は“ポジティブな変化を起こす力は文字通り自分の手の中にあるのだ” というチェンジメーカーとしての体験を具現化した」と倉田浩美ザボディショップジャパン社長はコメント。人とコミュニティ、地球に変革をもたらす店舗として、今後はワークショップなどを通じて発信していく。

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「デシグアル」と蜷川実花がコラボコレクション発売 バルセロナでの撮り下ろし写真をコラージュ

 スペイン・バルセロナ発の「デシグアル(DESIGUAL)」は、写真家・映画監督の蜷川実花が手掛けるファッションブランド「エム/ミカ ニナガワ(M / MIKA NINAGAWA)」とのカプセルコレクションを発表した。

 3月1日に「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の特設ページで先行発売し、国際女性デーの3月8日から銀座と原宿、心斎橋のデシグアルストア3店舗、公式オンラインストアで取り扱う。3月8~14日には、渋谷パルコと阪急うめだ本店でポップアップストアを開催予定だ。

 全4型のコレクションは、蜷川がバルセロナで、同プロジェクトのために1週間かけて撮り下ろした写真をコラージュプリント。同氏ならではの視点で、ブランドとバルセロナの確固たる絆を描写し、「⽣きる喜び、鮮やかな⾊使い、⼤胆であることの⼤切さ」を想起させるようなイメージに仕上げたという。全てのアイテムには、持続可能な方法で生産された「BCI(ベター・コットン・イニシアチブ)」認証のコットンを使用した。

 カプセルコレクションに採用されたコラージュ写真は、3月以降に銀座店の外観ファサードや⼼斎橋店の内装デザインとしても登場予定だ。

 なお、「デシグアル」は2023年春夏シーズンから、新たなブランドステートメントに“New World. New Desigual”を掲げる。一連のキャンペーンでは、“NEW ELEGANCE”“NEW ENERGY”といったパワフルなメッセージと共に、ブランドの自由な精神や数年で大きく変化した人々の価値観などを表現。デイリーウエアをサステナブルな素材や高品質な生地、モダンなフォルムでアップデートし、鮮やかなプリントやカラーが目を引くコレクションに仕上げた。

 蜷川とのコラボに加え、22年秋冬でも好評だったフランスの新進気鋭ブランド「メトロピエール(MAITREPIERRE)」との最新コラボコレクションも3月中旬に発売予定だ。

問い合わせ先
デシグアル 東京 銀座中央通り
03-6264-5431

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