
日: 2019年12月4日
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なぜIoTに注目が集まっているのか?
こんにちは、マスターブラックベルトの津吉です。
時々リコールといった製品の不具合に関するニュースがテレビや新聞に流れますが、ものづくりを日頃行っている皆さんは製品の不良品質とどのように付き合っていますか?不良品質に伴うコストをどのように考えていますか?今回は不良品質に伴うコストとそれを防ぐためのコストについて考えてみたいと思います。
不良品質に伴うコスト(Cost of Poor Quality: COPQ)
一概に不良品質に伴うコストと言っても、実際には様々なコストに分類することができます。
防止コスト:製造プロセスの管理や、そこでの製品検査や点検に伴うコストです。そのための社員教育やトレーニング費用も含みます。統計的手法を用いた分析や設計レビューに使われる時間なども防止コストに含まれます。
評価コスト:サプライヤーから送られてきた材料の受入検査、または外部機関に依頼した製品の評価費用(検査や点検)、そしてISO-9001のような外部監査費用などが評価コストに含まれます。
測定器等のコスト:品質対策に使われる機材や測定器等のコストが含まれます(製品の製造目的以外に使われるもの)。
内部エラーコスト:スクラップ品の原材料費、手直しに伴う人件費などが含まれます。また悪い歩留まりを見越した余分な在庫も内部エラーコストに含まれます。
外部エラーコスト:不良品の返品や値引き、品質契約違反に伴う罰金や罰則に伴うコスト、苦情処理に伴う人件費、補償に伴う交換部品や人件費などが含まれます。
顧客が蒙るコスト:不良品が原因で顧客の工場が稼働停止になったり、顧客の設備にダメージを与えた場合の補償費用です。また稼働停止期間中の代替製品や代替サービスの費用も顧客が蒙る(顧客に補償する)コストに含まれます。
顧客の不満足に伴うコスト:不良品が原因で顧客が不満を持てば、その声は市場に広まります。結果的にその製品の売上や市場シェアの低下を招きます。
評判を失うことに伴うコスト:不良品質が企業の評判を落とすことになれば、一つの製品だけに留まらず、他の製品の売上や市場シェアの低下をも招きます。上場企業であれば株価にも悪影響を与え、株主集団訴訟に発展することもあるでしょう。
不良品質に伴うコストの影響
「制御可能な不良品質コスト(防止コスト、評価コスト、測定器等のコスト)」を1とすると、「不良品質の結果に伴うコスト(内部エラーコスト、外部エラーコスト)」は10、そして「間接不良品質コスト(顧客が蒙るコスト、不満足に伴うコスト、評判を失うコスト)」は100になると一般的に言われています。
逆に言えば、不良品質を防ぐためにたった1のコストを支払うことで、100の「間接不良品質コスト」が防げる計算になります。
この不良品質に伴うコストの影響度合いは、私たちの感覚とも一致するのではないでしょうか。
例えば最近あったS自動車会社のリコール費用は800億円以上に上ると言われています。リコールの原因は測定データの改ざんでした(人員不足と教育体制の機能不全のため)。品質管理費用を少しばかり惜しんだために、その100倍以上のリコール費用を払うことになった良い例です。
シックスシグマやIoTを導入する理由
不良品質を改善するシックスシグマでは統計的工程管理を行うため、シックスシグマを導入する際は社員教育や統計処理ソフトウェアが必要になります。これは不良品質の「防止コスト」に当たります。
しかし「防止コスト」は「不良品質の結果に伴うコスト」や「間接不良品質コスト」に比べれば遥かに安くすみます。つまり企業がシックスシグマ等の改善プロジェクトを推し進める理由は、「防止コスト」の相対的安さにあります。
同じ理由から、「測定器等のコスト」に当たるIoT(Internet of Things)の導入も進んでいます。IoTの導入は決して安くはありませんが、やはり「不良品質の結果に伴うコスト」や「間接不良品質コスト」に比べれば遥かに安くすむため、今IoTに注目が集まっているようです。
機会があれば皆さんの職場でも、不良品質に伴うコストを計算してみては如何でしょうか。きっとそれを防ぐための対策費用の方が遥かに安いはずです。