業務改善プランナーの必要性

テクノポートの徳山です。前回「クラウドワークスと中小企業のクラウドソーシング活用を推進」という記事の中で、業務改善プランナーという役割を見出し、取組みを始めていく旨をお伝えしました。その続きとして、今回は中小企業にとってなぜ業務改善プランナーが必要なのかについてお伝えしたいと思います。

経営活動において「負の解消」を行うことの重要性

企業を経営していくためには様々な活動を行わなければなりません。その活動を大きく分けると「新規事業開発やマーケティングなど、業務拡大を狙う足し算となる活動」と「業務改善や働き方改革など、現在の負を解消していく活動」に分けられます。

今までテクノポートではWebマーケティング事業を中心に「足し算となる活動」ばかりに目を向けて支援を行ってきました。しかし、クラウドワークスさんとの取組みを行う過程で様々な企業から話を伺っていると、現実的には「負を解消する活動」に問題を抱えている企業が多いことに気付きました。

多くの経営者が「足し算となる活動」には積極的になりますが「負を解消する活動」にはなかなか目が行きません。私も小さな企業の経営者なので気持ちは分かります。普通の経営者であれば「足し算となる活動」のほうが面白いと感じるので、それに関連した活動を中心に行いがちです。経営者なので業務拡大を考えるのは当たり前の話ですが、どこかで「負を解消する活動」を行う機能を付けなければいつか企業経営が行き詰まってしまいます。

それなりの規模の企業であれば、幹部社員がそこを担ってくれますが、そのような存在の居ない小規模企業では負がどんどん積もっていく状態になってしまいます。

一般的なコンサル業は「足し算となる活動」の支援ばかり

そんな経営者を相手にしているからか、世の中一般のコンサル業と呼ばれる人たちが中小企業に対し行っている支援は、新規事業立ち上げや販促戦略の立案など、どちらかというと「足し算となる活動」の支援ばかりです。しかし、前述したように小規模企業では、圧倒的に「負を解消する活動」を行うための機能が欠けており、いざ「足し算となる活動」を始めても、土台が弱いので途中で行き詰まってしまうことが多いのではないかと感じています。

「足し算となる活動」はやはり花形ですし、魅力的に映りますが、この活動の大きなデメリットは失敗するリスクが大きいということです。新規事業立上げにおいても何本かに1本当たればいいという考えが一般的です。ゆえにそれなりの体力がないと成功に当たる前に力尽きてしまう、ということになります。

これに対し「負を解消する活動」のメリットはやればやっただけの成果が確実に出るところだと思います。「足し算となる活動」を成功させるよりも難易度は随分と低い場合が多いです。ですので、小規模企業が行うべき順番としては「負を解消する活動」をしっかり行い土台を固めた後に「足し算となる活動」を行うことなのではないでしょうか。

副業支援サービスも「足し算となる活動」に特化したものばかり

多くの会社で副業が解禁される中、様々な副業支援サービスがローンチされています。現状、ベンチャー企業に向けたサービスが多いということもあり、新規事業開発の支援など、「足し算となる活動」を支援する案件ばかりです。そのため、今まではコンサル業に依頼していた仕事を副業者に依頼する流れも増えてくると思います。ベンチャー企業であれば創業してからの期間が短く、負の要素が溜まっていないのでそれで良いと思いますが、小規模企業にとって使いこなすことのできるサービスがどれほどあるでしょうか。

そこで、弊社が行う事業(業務改善プランナー)は、他のサービスが狙っていない領域である「小規模企業の負の解消」に絞ったサービスを展開していきたいと考えています。体力のない会社に対し業務拡大を支援することは非常に難易度が高いことです。副業者が手弁当で支援するなら別ですが、そのような関係では長続きしないでしょう。逆に、やればやっただけ成果の出る「負の解消の支援」であれば、比較的難易度も低いです。大企業の仕事のやり方や業務フローを知っている人であれば十分に成果を出すことができると思います。

今後、ますます副業者が増えてきますが、それを使う企業側の要求が高すぎるとミスマッチが起き、副業したくてもできない人が増えていきます。そのような人たちに小規模企業の業務改善プランナーを担ってもらえたら嬉しいです。今回の活動を通じて副業者の方々へ小規模企業の業務改善という働き方を一つの選択肢として与えていくと共に、土台を固めた小規模企業が次のステップとして「足し算となる活動」に思う存分取り組める世の中を創っていければと思います。

ウォンテッドリー、従業員の定着を支援する特典サービス「Wantedly Perk」を開始

ウォンテッドリーは3月17日、同社が運営するビジネスSNS「Wantedly」の利用企業における従業員の定着や活躍のサポートを目的とした、エンゲージメント事業を開始すると発表。同日から、従業員がさまざまなサービスをリーズナブルに利用できる従業員特典サービス「Wantedly Perk」のベータ版を公開。Wantedly利用企業へ無償にて提供を開始する。
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クボタ、2025年をめどにSAP基幹システムをAzureで稼働、米Microsoftとの提携を更新 | IT Leaders

農業機械などを手がけるクボタは2020年3月17日、独SAPのソフトウェアを用いた基幹システムなどをパブリッククラウドのAzureに移行すると発表した。2025年をめどに移行を完了し、稼働を開始する。また、AIをベースとした新たな製品サービスを開発し、食料・水・環境の事業分野で展開する。

日立コンサルティング、チャットボット技術のSpontenaと資本提携 | IT Leaders

日立コンサルティングは2020年3月16日、チャットボット技術を持つSpontenaと資本提携したと発表した。Spontenaが実施する第三者割当による新株式の発行に応じ、発行する株式の9.1%を保有する。今後、日立コンサルティングが展開するデジタル関連のコンサルティングサービスと、Spontenaの持つチャットボット技術を組み合わせ、新たなデジタルサービス事業の創出に取り組む考えである。

キャリアコンサルティング、全社員にLINE WORKSを導入、チャットボットで勤怠入力 | IT Leaders

人材を育成する教育事業や新卒学生を対象とする職業紹介事業を展開するキャリアコンサルティングは、全社員約160名にLINEベースの企業向けサービス「LINE WORKS」を導入した。勤怠管理、顧客問い合わせの自動通知などのチャットボット活用と、迅速なコミュニケーション環境の整備で、業務効率化を図る。LINE WORKSを提供するワークスモバイルジャパンが、2020年3月16日に発表した。

データ起点でムダとスリム化の根拠を抽出─トヨタシステムズのデータ駆動型カイゼン | IT Leaders

トヨタシステムズは、830あるという老朽システムのスリム化にデータ起点のアプローチで取り組んでいる。データモデリングおよびデータプロファイリングで既存システムのムダとその根拠を抽出、ユーザーの同意を得たうえで効率的にシステム改修を進めることができているという。2020年3月5日、一般社団法人日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)主催の「データマネジメント2020」のセッションに登壇したトヨタシステムズ 情報管理本部 設計管理IT部 工程・用品グループ ゼネラルマネージャの小野里樹氏が取り組みを解説した。

トヨタ、ブロックチェーン活用を強化–2020年度中に実サービスレベルの実証実験目指す

トヨタ自動車、トヨタファイナンシャルサービスは3月16日、ブロックチェーンを活用した、実サービスに近いレベルでの実証実験を2020年度中に開始すると発表した。これは、トヨタグループ横断組織「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」が中心となって進めているもので、モビリティ事業者とサービス事業者がシームレスに連携する時代が到来し、ユーザーにカスタマイズされたサービスの提供を目指し、ブロックチェーン技術の導入を検討する。
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クライム、AWS環境向けバックアップ製品に新版、Amazon S3 Glacierにアーカイブ可能に | IT Leaders

クライムは2020年3月13日、Amazon Web Services(AWS)環境のサーバーやデータをバックアップするソフトウェアの新版「N2WS Backup & Recovery Ver3.0」を提供開始した。新版では、Amazon S3上のバックアップデータをAmazon S3 Glacierにアーカイブできるようにした。価格(税別)は、年額48万円から。開発会社は、米N2WS。

エイベックス、新会社「コエステ」設立–DJ KOO、May J.など「コエカタログ」に追加

エイベックスは、東芝デジタルソリューションズからの出資を受け、AI・音声合成技術を活用し、一般ユーザーやタレント・著名人の「コエ(声)」を収集・蓄積して様々なサービスで活用する「コエステーション事業」を開始すると発表した。2月に設立した新会社「コエステ株式会社」で取り組む。
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働き方改革にともなうシステム導入を実施している企業は3割弱にとどまる―JIPDECとITRが調査 | IT Leaders

一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)とアイ・ティ・アール(ITR)は2020年3月16日、国内企業のIT/情報セキュリティ責任者を対象に実施した「企業IT利活用動向調査2020」の一部結果を速報として発表した。働き方改革を経営目標として掲げている企業が半数近くに上る一方で、テレワーク制度や在宅勤務制度を整備している企業は3割を下回り、働き方改革にともなうシステム導入を実施している企業は3割弱にとどまる。

市民は公共サービス向上のためなら個人情報の共有に前向き―アクセンチュア調べ | IT Leaders

アクセンチュアは2020年3月16日、市民の大半は公共サービス向上のためなら個人情報を行政機関と共有することに前向きとする調査結果を発表した。回答者の84%(日本は79%)は、よりパーソナライズされた公共サービスが得られるなら、個人情報を行政機関と共有しても構わないと答えている。さらに41%(日本は20%)は、公共サービスが向上するなら個人情報を複数の行政機関と共有してもよいと回答している。

新規事業開発の“誤解”と“新常識”–予測できない「VUCA時代」を乗り切る思考法とは

世の中は今、VUCA時代に突入していると言われる。変化の激しい、予測困難な状況にあるという意味だが、これは新規事業を創出していくうえでも頭に入れておくべき事柄だ。従来は当たり前とされてきた考え方とは異なる、今の時代に沿った新しい常識をもってビジネスを考えていくべきではないか。そこで、企業の新規事業開発を支援するWHITEの吉田氏が、新規事業開発において誤解されているポイントと、それに代わる新常識を解説し、“楽しくなる”新規事業開発を提言する。
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パナソニック、Osaka Metro用アプリを開発–GPSなしでも「ARナビゲーション」で案内

パナソニックとパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)のスマートフォン用アプリ「Osaka Metro Group案内アプリ」を開発したと発表した。「LinkRay」を活用した「ARナビゲーション」機能を備え、目的地まで案内する。
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ユニオンテック、データ活用で最適、正確マッチング–工事発注会社と工事会社をつなぐ新サービス

ユニオンテックが、データベースを活用した建設業のマッチングサービスを始める。独自に作成した約5000社の「企業プロフィール情報」から、仕事を依頼したい会社を選び出し、紹介することで、工事発注会社の仕事効率化を目指す。
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IoT導入事例ファイル6:品質保証・品質管理にIoTを活用する5社の事例

こんにちは、AI/IoTに注目する盛岡在住ライターの宮田文机です。本連載では、毎回ものづくり企業におけるさまざまなAI/IoTの活用事例をまとめています。今回は、品質保証・品質管理にIoTを活用する5社の事例をご紹介します。

紙と人に頼った手法がQA・QCのボトルネックになっている

企業が信頼性を確保し顧客満足を高めるため、品質保証(QA:Quality Assurance)や品質管理(QC:Quality Control)は非常に重要です。しかし、従来の紙と人による品質保証・管理手法は限界を迎えつつあります。長年TQM(Total Quality Management)活動に取り組み、世界中で高い評価を得てきた日本製品の競争力に陰りがみられる原因のひとつは品質保証・品質管理におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れではないでしょうか?

ここからは、故障の予知やリアルタイムのデータ取得で品質保証・品質管理を行う5社の先進事例をご紹介します。

事例1:故障の「予知」で理想的な保守を実現した株式会社前川製作所

産業用冷凍機並びに各種ガスコンプレッサー、冷凍・冷蔵倉庫冷却設備などを製造・販売・施工する株式会社前川製作所。

万が一機械が故障、停止した場合にはユーザーに対して大きな損害を与えてしまうため、故障を予防し品質保証を徹底することが最重要課題となっていました。従来は早期の消耗品交換等によって対応していた前川製作所ですが、交換にあたって人的コストや消耗品コストが発生するため頭を悩ませていました。

そこで導入されたのが冷凍機に設置したセンサーから稼働データを収集し、故障の予兆や推定される異常個所をメール配信してくれるシステムです。機械学習により装置ごとの差異や周辺環境も考慮してくれる同システム。

導入後は予知に従いベストなタイミングで保守交換を行うことが可能になった上、異常個所が高い精度で特定されるため品質保証の制度も高まったといいます。

事例2:3Dデータの測定で鋳造の精密さ・自由度を高めた株式会社木村鋳造所

静岡県で自動車用プレス金型用鋳物や工作機械・産業機械用鋳物の製造・販売を行う株式会社木村鋳造所。発泡スチロール模型を製造することで早く安価に少量多品種生産を実現できるフルモールド鋳造法を強みとしています。

そこで品質管理に導入されたのが非接触型の自動測定・検査機「ATOS」。完成品の3Dデータをレーザーで測定することで模型とのズレを見抜けます。

模型の3Dデータを取得することにはほかの利点もあり、例えば耐圧・耐熱などのシミュレーションを行うことも可能に。その結果、手間やコストを抑えつつより自由度の高いものづくりに取り組めるようになりました。

蓄積された3Dデータはいつでも呼び出すことができるため、類似品を製造する際に参考とすることができるのも大きな利点といえるでしょう。

事例3:リアルタイムに生コンの品質を把握できるシステムを開発した株式会社東伸コーポレーション

神奈川県横浜市で生コンクリートを製造・販売する株式会社東伸コーポレーション。

製造直後から化学変化が始まる生コンクリートの品質保持は熟練者の経験と勘が必要であり、特にミキサー車に積み込んだ製品の品質保持の負担の大きさが問題とされていました。

その状況をがらりと変えたのが生コンクリートの性状変化データをリアルタイムで確認できる管理システム「Smart Agitator®」です。海外ベンチャーと東伸コーポレーションを含む数社で設立されたGNNMJ社が開発した同システムは走行中のミキサー車からでも正確なデータを取得できるよう設計されています。

Smart Agitator®の導入後は誰でも品質を把握し管理できるようになっただけでなく、生コンの品質が劣化する状況についてデータをもとに分析できる状況も整いました。

事例4:可食性プリンタを遠隔・リアルタイムで保守点検する株式会社ニューマインド

平成24年に設立された比較的若い企業である株式会社ニューマインド。

特殊プリンタ事業に特化した同社ではケーキやせんべいなどの食品にフルカラー印刷が行える可食性プリンタ機器を取り扱っています。同商品は通常顧客である食品メーカーの製造ラインに組み込まれて稼働するため、故障の原因特定が困難という問題を抱えていました。

衛生面など手厚いケアが必要な可食性プリンタの保守を遠隔・リアルタイムで行えるようニューマインドが導入したのが顧客企業のWi-Fiや有線ネットワークを利用してプリンタの稼働状況や温度・湿度といった環境データを取得するシステムです。

プリンタの保守点検にIoTによるデータ取得を活用するシステムは、キヤノンやリコーといった大手企業でも用いられています。
遠隔・リアルタイムで品質保証が行える点、データを製品の開発や顧客サービスの充実に生かせる点に多くの企業が注目しているようです。

事例5:生産管理システムをカスタマイズしTQMを進めた株式会社笠原成形所

最後に紹介するのは新潟県南魚沼市でプラスチック成形業に従事する株式会社笠原成形所です。TQMを重視する同社では生産に関わるデータを各従業員がスムーズに呼び出し活用できる仕組みの構築を目指していました。

そこで導入されたのが生産管理システム「MICS」です。開発企業とカスタマイズを重ね、複数のメーカーの成形機の稼働状況を一覧で把握する、成形機から金型のショット信号を取得するなど自社に適した機能を盛り込んだ同システム。従業員に一人一台支給したタブレット端末から生産データや機械使用時の注意点を把握できるようになったことで紙で情報を管理していた以前に比べ、大きく全社的な品質管理が前に進んだそうです。

DXに対する意識の高さに加え、元からある機能や使用感で妥協せず工夫を重ねたことで理想の環境を実現できた例といえるでしょう。

まとめ

品質保証(QA)・品質管理(QC)にIoTを活用する5社の事例を見てきました。日本企業の強みである品質を世界基準で維持し続けるには、AI/IoTの活用が不可欠といっても過言ではありません。現在紙と人だけで品質管理に取り組んでいるならば、問題や不便がないか、それはDXにより解決できないかと検討してみることをおすすめします。

IoT導入事例ファイル6:品質保証・品質管理にIoTを活用する5社の事例

こんにちは、AI/IoTに注目する盛岡在住ライターの宮田文机です。本連載では、毎回ものづくり企業におけるさまざまなAI/IoTの活用事例をまとめています。今回は、品質保証・品質管理にIoTを活用する5社の事例をご紹介します。

紙と人に頼った手法がQA・QCのボトルネックになっている

企業が信頼性を確保し顧客満足を高めるため、品質保証(QA:Quality Assurance)や品質管理(QC:Quality Control)は非常に重要です。しかし、従来の紙と人による品質保証・管理手法は限界を迎えつつあります。長年TQM(Total Quality Management)活動に取り組み、世界中で高い評価を得てきた日本製品の競争力に陰りがみられる原因のひとつは品質保証・品質管理におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れではないでしょうか?

ここからは、故障の予知やリアルタイムのデータ取得で品質保証・品質管理を行う5社の先進事例をご紹介します。

事例1:故障の「予知」で理想的な保守を実現した株式会社前川製作所

産業用冷凍機並びに各種ガスコンプレッサー、冷凍・冷蔵倉庫冷却設備などを製造・販売・施工する株式会社前川製作所。

万が一機械が故障、停止した場合にはユーザーに対して大きな損害を与えてしまうため、故障を予防し品質保証を徹底することが最重要課題となっていました。従来は早期の消耗品交換等によって対応していた前川製作所ですが、交換にあたって人的コストや消耗品コストが発生するため頭を悩ませていました。

そこで導入されたのが冷凍機に設置したセンサーから稼働データを収集し、故障の予兆や推定される異常個所をメール配信してくれるシステムです。機械学習により装置ごとの差異や周辺環境も考慮してくれる同システム。

導入後は予知に従いベストなタイミングで保守交換を行うことが可能になった上、異常個所が高い精度で特定されるため品質保証の制度も高まったといいます。

事例2:3Dデータの測定で鋳造の精密さ・自由度を高めた株式会社木村鋳造所

静岡県で自動車用プレス金型用鋳物や工作機械・産業機械用鋳物の製造・販売を行う株式会社木村鋳造所。発泡スチロール模型を製造することで早く安価に少量多品種生産を実現できるフルモールド鋳造法を強みとしています。

そこで品質管理に導入されたのが非接触型の自動測定・検査機「ATOS」。完成品の3Dデータをレーザーで測定することで模型とのズレを見抜けます。

模型の3Dデータを取得することにはほかの利点もあり、例えば耐圧・耐熱などのシミュレーションを行うことも可能に。その結果、手間やコストを抑えつつより自由度の高いものづくりに取り組めるようになりました。

蓄積された3Dデータはいつでも呼び出すことができるため、類似品を製造する際に参考とすることができるのも大きな利点といえるでしょう。

事例3:リアルタイムに生コンの品質を把握できるシステムを開発した株式会社東伸コーポレーション

神奈川県横浜市で生コンクリートを製造・販売する株式会社東伸コーポレーション。

製造直後から化学変化が始まる生コンクリートの品質保持は熟練者の経験と勘が必要であり、特にミキサー車に積み込んだ製品の品質保持の負担の大きさが問題とされていました。

その状況をがらりと変えたのが生コンクリートの性状変化データをリアルタイムで確認できる管理システム「Smart Agitator®」です。海外ベンチャーと東伸コーポレーションを含む数社で設立されたGNNMJ社が開発した同システムは走行中のミキサー車からでも正確なデータを取得できるよう設計されています。

Smart Agitator®の導入後は誰でも品質を把握し管理できるようになっただけでなく、生コンの品質が劣化する状況についてデータをもとに分析できる状況も整いました。

事例4:可食性プリンタを遠隔・リアルタイムで保守点検する株式会社ニューマインド

平成24年に設立された比較的若い企業である株式会社ニューマインド。

特殊プリンタ事業に特化した同社ではケーキやせんべいなどの食品にフルカラー印刷が行える可食性プリンタ機器を取り扱っています。同商品は通常顧客である食品メーカーの製造ラインに組み込まれて稼働するため、故障の原因特定が困難という問題を抱えていました。

衛生面など手厚いケアが必要な可食性プリンタの保守を遠隔・リアルタイムで行えるようニューマインドが導入したのが顧客企業のWi-Fiや有線ネットワークを利用してプリンタの稼働状況や温度・湿度といった環境データを取得するシステムです。

プリンタの保守点検にIoTによるデータ取得を活用するシステムは、キヤノンやリコーといった大手企業でも用いられています。
遠隔・リアルタイムで品質保証が行える点、データを製品の開発や顧客サービスの充実に生かせる点に多くの企業が注目しているようです。

事例5:生産管理システムをカスタマイズしTQMを進めた株式会社笠原成形所

最後に紹介するのは新潟県南魚沼市でプラスチック成形業に従事する株式会社笠原成形所です。TQMを重視する同社では生産に関わるデータを各従業員がスムーズに呼び出し活用できる仕組みの構築を目指していました。

そこで導入されたのが生産管理システム「MICS」です。開発企業とカスタマイズを重ね、複数のメーカーの成形機の稼働状況を一覧で把握する、成形機から金型のショット信号を取得するなど自社に適した機能を盛り込んだ同システム。従業員に一人一台支給したタブレット端末から生産データや機械使用時の注意点を把握できるようになったことで紙で情報を管理していた以前に比べ、大きく全社的な品質管理が前に進んだそうです。

DXに対する意識の高さに加え、元からある機能や使用感で妥協せず工夫を重ねたことで理想の環境を実現できた例といえるでしょう。

まとめ

品質保証(QA)・品質管理(QC)にIoTを活用する5社の事例を見てきました。日本企業の強みである品質を世界基準で維持し続けるには、AI/IoTの活用が不可欠といっても過言ではありません。現在紙と人だけで品質管理に取り組んでいるならば、問題や不便がないか、それはDXにより解決できないかと検討してみることをおすすめします。

攻撃メールの82%はWord/Excelの旧形式「doc/xls」を利用―デジタルアーツ調べ | IT Leaders

デジタルアーツは2020年3月16日、同社製品のユーザーから同意の下で収集した情報を基に、攻撃メールに使われる文書ファイルの種類と、そのファイルが業務で使われる割合について調査した。攻撃メールの82%は、Word/Excelの旧型式のファイル(doc/xls)を利用している。これらを使わないというルールを設けることでマルウェア感染リスクを軽減できるとしている。

セブン-イレブン実験店舗で顔認証決済やサイネージ視聴時間測定の実証を開始 | IT Leaders

セブン-イレブン・ジャパンは、2019年12月にリニューアルオープンした実験店舗「セブン-イレブン麹町駅前店」(東京都千代田区)において、顔認証決済の実証と、サイネージの視聴時間を測定する実証を開始する。これらの技術を提供したNECが2020年3月13日に発表した。
Posted in AI

グーグル兄弟会社Verily、新型コロナのオンラインスクリーニング開始へ–まずカリフォルニア州で

グーグルの親会社Alphabet傘下のライフサイエンス部門であるVerilyは、新型コロナウイルス感染症の検査プログラムを受ける資格があるかどうかを判断するオンラインスクリーニングをサンフランシスコのベイエリアで16日に開始する計画だと発表した。
Posted in 未分類

IIJ、リモートアクセスVPN環境を初期設定込みで2020年5月末まで無償提供 | IT Leaders

インターネットイニシアティブ(IIJ)は2020年3月13日、在宅勤務およびテレワークを実現するリモートアクセス環境を、2020年5月末まで無償で提供すると発表した。リモートアクセスサーバー機能を備えたVPNルーター機器を、初期設定を施した上で提供する。RDP(Remote Desktop Protocol)によるリモートデスクトップ接続に使える。

グリー、RPA運用管理の効率向上を目指し、JP1の定型業務自動化ツールを導入 | IT Leaders

グリーは、RPAツールの運用管理を効率化するため、日立製作所の「JP1 Client Process Automation(JP1/CPA)」を導入した。導入済のデスクトップ型RPAツールの実行やスケジューリングを自動化したほか、基幹システムのジョブ管理で利用しているJP1/Automatic Job Management System 3(JP1/AJS3)と連携して、部分的に自動化していた業務の全自動化、一元管理を実現した。2020年3月12日、JP1/CPAを提供するアシストが発表した。
Posted in RPA

Chatwork、SaaSベンダー9社によるテレワーク支援のオンライン展示会

Chatworkは、SaaSベンダー9社が一堂に会する「テレワークオンライン展示会」を開催している。「テレワークお役立ち資料集」や「テレワークお役立ちツール集」を紹介しているほか、企業のテレワークのサポートをしている弁護士と、テレワークを推進するツールベンダーが有志として集まる「テレワークカンファレンス」も実施する。
Posted in 未分類

[ブックレビュー]苦手な英文法を克服–「世界でいちばんシンプルな英文法の本」

「英文法」が苦手という声はよく聞かれるが、実は「英文法用語」が苦手なだけなのかもしれない。本書で説明される英文法は、本当にシンプルだ。文法用語の意味も含めて、押さえておくべき基本、あるいは、よく分かっていなかった語句の使い分け方など、サッと読めて、「そういうことだったのか」と分かる。
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[ブックレビュー]苦手な英文法を克服–「世界でいちばんシンプルな英文法の本」

「英文法」が苦手という声はよく聞かれるが、実は「英文法用語」が苦手なだけなのかもしれない。本書で説明される英文法は、本当にシンプルだ。文法用語の意味も含めて、押さえておくべき基本、あるいは、よく分かっていなかった語句の使い分け方など、サッと読めて、「そういうことだったのか」と分かる。
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SIE、映画「プレデター」の世界観がテーマのPS4向け非対称型マルチプレイゲーム

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、PS4用ソフト「Predator: Hunting Grounds」を、4月24日に発売する。映画「Predator(プレデター)」の世界観をテーマに、ジャングルの奥地を舞台として、プレデターと人類の戦いが繰り広げられるオンライン非対称型マルチプレイアクション/シューティングゲームとなっている。
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NRI、自社データセンターにNRI専用の「Oracle Cloud」を構築、2020年Q2から利用開始 | IT Leaders

野村総合研究所(NRI)は2020年3月13日、米OracleのIaaS型クラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」を、自社のデータセンターに導入すると発表した。これによりNRIは、Oracle Cloud Infrastructureが備えるクラウド機能群を、自社データセンターで利用できるようになる。サービス開発などで社内利用する。2020年第2四半期からの稼働を予定している。

パンデミックで目立つ自粛と狼狽、データ分析・活用はどこへ消えた? | IT Leaders

WHOからパンデミック認定がなされた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。感染拡大が止む気配は見えず、世界レベルで経済や社会に深刻な影響を与えている。数年来叫ばれてきたデータ分析・活用は、こうした緊急事態でこそ威力を発揮するはずなのだが、日本のIT企業や関連団体から目立つ動きがない。

電通、「2019年 日本の広告費」を発表–ネット広告費がテレビを抜き2兆円突破

電通は3月11日、日本の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2019年 日本の広告費」を発表した。2019年の総広告費は通年で6兆9381億円で、8年連続でプラス成長。成長を続けるインターネット広告領域やイベント関連が総広告費全体を押し上げた。
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福邦銀行がオンプレミスの分散系システムをIBM Cloudに移行、福井銀行のシステム運用と連携 | IT Leaders

福邦銀行は、分散系システムをIBMのパブリッククラウド「IBM Cloud」に移行し、2020年6月30日から稼働させる。福井銀行と福邦銀行の包括連携に向けた取り組みの1つである。福井銀行は2019年に分散系システムをIBM Cloud上で稼働させている。日本IBMが2020年3月13日に発表した。

AIとスタイリストが好みに合った服を届ける「DROBE」–試着後に不要なものは返品可能

独自の「スタイリング AI」とスタイリストが嗜好や体型、予算に応じた商品(洋服、靴、ファッション雑貨)を協働でスタイリングし、セレクトした商品を定期的に届けるパーソナルスタイリングサービス「DROBE」がサービスの提供を開始した。
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新型コロナ、影響を受ける飲食店や日々の食生活を応援するフードテック企業たち

新型コロナウイルスの影響で、飲食店の予約や来店客が減少しているところが増えている。そうした中、フードテック企業が通販やレシピサービスなど、さまざまな形で飲食店や家庭を支援する施策を始めている。ここでは、そうした取り組みを紹介する。
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新型コロナ、影響を受ける飲食店や日々の食生活を応援するフードテック企業たち

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イグニション・ポイントと三菱電機が実体験から語る–大企業で新規事業を創出し続ける方法

「企業成長に欠かせないイノベーションの起こし方」というテーマで開催された2020年のCNET Japan Live 2020。大企業による新規事業創出やベンチャー企業との協業、オープンイノベーションの取り組みが急増している中、三菱電機 未来イノベーションセンターの担当者2人が、新規事業を創出し続ける方法について話した。
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「テレワークの実施レベルを把握し、対象者を適切に定めよ」―5つの失敗要因をガートナーが指摘 | IT Leaders

ガートナージャパンは2020年3月12日、コラボレーションと勤怠管理の観点から、オフィスワーカー向けにテレワークを推進する際の注意点を解説した。実施レベルにあわせてテレワークの対象者を適切に決めることが大切だとした。また、国内企業のテレワークが失敗する要因として、資料が自宅から閲覧できないなど、5つの課題を解説した。

世界の製造業インタビュー企画②「先進国フランスの試作市場へ」後編

テクノポートの稲垣です。今回は世界の製造業インタビュー企画です。第2回目後編の今回は前回の記事に引き続き、切削部品加工受託業でフランスに事業展開を果たした、株式会社ダイショウの石塚社長へのインタビューをお届けします。後編の今回は、

  • 「フランスに事業展開を考える企業にアドバイスは?」
  • 「フランス企業と比較した時の日本企業の特徴は?」
  • 「日本の製造業企業がフランス語Webサイトを作る際に注意すべきことは?」
  • 「アジア系の人、企業に対して差別はある?」

などの質問に対し、現地で会社を運営する方の生の声をお届けします!

フランス進出について

ドイツ進出とフランス進出の違いは?

私個人としては、ドイツに進出する方が楽だと思います。なぜかと言うと、ドイツは今までの進出してきた日本企業とのつながりが多いからです。要は、歴史や経験値がフランスよりも深いということです。今私が言ったことは、実際に展示会に行ってみるとよく分かると思います。ドイツの展示会に出展している日本企業の数は、フランスのそれと比較すると断然多いです。なので、一般にフランスに進出しようとする日本企業の数は、ドイツに進出しようとする企業に比べて格段に少ないように感じます。

ですが、フランスに進出のチャンスがないわけではない思います。自分の仲間内ではフランスは日本人が想像するより工業国だよ、進出のチャンスはあるよ、という話をよくしますからね。

フランスに事業展開を考える企業にアドバイスは?

一つ確実に言えることは、ヨーロッパに支社を設けた方が良いということです。なぜかと言うと、例えば何かトラブルがあったときに、対応してくれる営業窓口や支店があるのと、ないのでは受注の幅が大きく変わるからです。

自分の経験から言うと、展示会に出展してお客さんが興味を持ってくれて「すごく良い品質だね!一回買ってみようかな。」と言ってくれることはよくあります。その後にお客さんが「ところでおたくはヨーロッパに支社はあるの?」と訊かれて、「ちょっとまだないんですよね。」と言うと、途端に「残念だなぁ」というリアクションが返ってくるんですよね。こういった考えの根底には、やはりヨーロッパから見ると日本は遠いアジアの国の一つ、という認識があると思います。

お客さんからしたら、ただでさえ輸送費の影響で高い買い物になるのに、サポートがヨーロッパで受けられないとなると、さらに不安ですよね。つまり、ヨーロッパに支店を持つということは、お客さんの不安を減らすと言う意味で価値があるんです。

支店はヨーロッパにあればいい?

ヨーロッパにあればいいと思いますよ。というのは、ヨーロッパにおいて国境はさほど関係ないですから。逆に、ヨーロッパに支店がないとなると、ちょっと遠いなぁという印象を持たれちゃいますね。また、既にヨーロッパのどこかに支店があるなら、どんどんほかの国にも進出した方が良いと思いますよ。

フランス進出に英語は必要?

やはり英語は必要ですね。それは、欧州展示会は国際即が豊かだからです。出展した中小企業の展示会MIDESTの場合、ヨーロッパの国はもちろん多いですけれど、北アフリカのモロッコ、中東の国を始め、中国、台湾企業も出展しています。先ほど紹介した、我々より前にフランスに進出した由紀精密さんは、我々と同じくフランスに支社があります。その支社に勤める従業員の方の一人に日本人なんですけど、英語とフランス語をしっかり話す女性の方がいるので、その違いは大きいですね。

理想的には、事務所には英語を話せる現地の人が常駐してすぐに電話が取れる、という状況ですね。例えば、ドイツに進出するなら英語が話せるドイツ人が常駐しているようなイメージです。

フランス語ができなくてもビジネスはできる?

私のフランス語もまだまだなんですが、ヨーロッパはそういう人達でも対等にビジネスをやっていけるような受け入れ態勢があると感じます。それは、ヨーロッパの中でもフランスは移民の多い国で、移民の中には読み書きが十分にできないという方も多いんですよね。そうした理由もあって、ヨーロッパは言葉が流暢ではない人を受け入れる態勢が日本よりあると思います。

加えて、ビジネスにおいて重要なのは品物です。品物が評価対象なので、そこがしっかりしていれば問題ないと思います。

フランスの日本企業ついて

フランス企業と比較した時の日本企業の特徴は?

良い質問ですね。よく言われるのは、「質」と「繰り返し精度の高さ」ですね。後者の繰り返し精度の高さと言うのは、繰り返し同じ品質の製品を作り続け、安定供給ができる技術力のことです。このおかげで、お客様から重要部品を依頼されることもあります。こういった細部までこだわって作るという力に関しては、日本企業はすごいと思います。おそらく、より良いものを作ろうという意識や気質の違いがそうさせていると思います。

対して、こちらの企業は最低基準さえ満たしていればOKという考えが普通です。わかりやすく言うと製品の裏面に傷があったとしても、その部分が機能的に問題なければOKという感覚です。

フランスで成功している日本企業の特徴は?

製造業に限って言うと、技術が優れている企業です。よく言われる海外に進出する企業が直面する課題として、値段と技術のバランスがあります。海外で商品を売るには当然、輸送費や関税といったコストがかかりますからね。その中でも成功している企業は、値段が持つ以上の技術的な価値を提供できる企業だと思います。要は、替えがきかないような製品を持っているような企業は、我々の周りでも成功している印象がありますね。

加えて、高い技術力はお客さんとの信頼関係に直接的につながります。信頼関係の構築に必要な継続的な仕事の受注という面でも、技術力は必要ですよね。

日本製品に対するリスペクトはあるか?

結論から言うと、日本人が思っているほど「ジャパンクオリティ」みたいな感覚はこっちにはありませんね。全体的にリスペクトしている感じは受けます。ですが、やはり会社対会社が基本です。日本企業といってもピンからキリまでありますからね。

日本企業に対するイメージは?

一般的に言うと、遠いなぁという印象ですね。なので、ただでさえ距離が遠くて輸送費もかかるので、その中でお客さんと関係を構築するのは難しいと思います。ただ、お客さんが一度日本企業と取引して良い品物をもらっているとか、試しに一回注文を受けてそれがすごく良い経験になった、などの経験値があると日本企業に対する印象は大きく変わると思います。

フランスのネット事情について

フランスのWebサイトを見る時に特に注意してみる内容は?

日本と同じですけど、更新頻度ですね。要は、情報が新鮮かどうかです。あとこれはWebサイトの見方の話ですが、Webサイトを見る時はあくまでも参考程度に見ています。というのは、Webサイトというのは実際の内容よりも良く見せるようにできているからです。なので、情報をうのみにせず、大事なことは実際に会って確認することを心がけています。

日本企業とヨーロッパのWebサイトの違いは?

製造業に限って言うと、ヨーロッパのWebサイトの方が洗練されている感じがしますね。そうなる理由の一つは、業界以外の人にも分かりやすいデザインにする必要があるからだと思います。フランスは地元の行政が製造業を支援していて、製造業のWebサイトにも県のロゴやリンクが貼ってある場合が多いです。すなわち、地域のリンクを通して業界以外の人が見に来るケースも多いので、直観的に分かりやすいデザインにしているんだと思います。

フランス語Webサイトを作るにあたって、Google翻訳でも十分意味は通じるか?

ある程度は通じると思います。しかし、ネイティブの翻訳は必ず必要だと思います。例えば、私たち日本企業が中国企業からダイレクトメールをもらった時に、中国企業(外国企業)の日本語はすぐ分かりますよね。特に、日本企業は外向企業からの拙い日本語メールに対する免疫が少ないと思います。

先ほども言った通り、ヨーロッパには現地語に不慣れな外国人が比較的多く、受け入れ態勢もあります。なので、Webサイトの出来が外国語チックでも日本より受け入れてくれる可能性はあると思います。ただし、業界の専門用語、専門的な話をするにはGoogle翻訳だと不十分です。

これは参考の話ですが、私の前の会社のパートナー(フランス企業)の中で日本語Webサイトを作ろうという話がありました。その際に私は翻訳担当として参画しました。これがそのWebサイトです。当時はフランス語も不慣れでしたが、加工現場の経験のおかげで専門用語に関しては苦労しませんでした。なので、外国語HPを作る際の理想としては、専門用語を知る翻訳家に翻訳してもらうことだと思います。

フランスのネットで日本企業のサイトがヒットしたことはあるか?

ないですね。グローバルに事業展開している大手を除くと、日本企業のHPが引っかかったことはないです。

これは余談ですが、フランスを含めたヨーロッパで検索を行う方法は2種類あります。1つ目は、現地の言葉で検索する方法。2つ目は、英語で検索する方法です。後者の英語で検索する方法はグローバルな検索結果が表示されるので、もしかしたら英語で検索すると日本企業HPが引っかかる可能性はあるかもしれないです。ただ、私個人としてはフランス語検索することがほとんどなので、分からないですね。

日本の製造業企業がフランス語Webサイトを作る際に注意すべきことは?

専門用語の翻訳精度です。これは良くある話なんですが、エンジニアが現地の中小企業町工場に行って英語で話しても通じない、専門用語も英語だと通じないというケースです。

私事ですが、ブログで日仏の専門用語辞典を作っています。

先ほど言った経験をする方がいれば、自分のブログページを見て写真を見せながら説明すれば伝わると思います。英語とフランス語に対応していて、発音もついているので役に立ててもらえれば幸いです。

フランスの現状について

フランス生活で日本ギャップを感じる?

ギャップはすごいありますね。日本は色々なものが綺麗に整っていて、人もインフラもしっかり整っていると思います。一方で、日本にいると自分もしっかりしなければ、と堅苦しくなってしまう面もありますよね。なので、フランスの価値観になれてしまうと、もう日本には戻れない気がします。(笑)こういったギャップは、日本とフランスの違いというより、日本と外国の違いだと思います。

海外に住んでみて初めて日本という国の特殊性、優れている部分を感じましたね。加えて、現地の人の考え方の違い、文化の違いなんかも分かります。その辺は、海外旅行では感じられない貴重な経験だと思っています。

アジア系の人、企業に対する差別はある?

私自身あまり感じたことはないです。これは先ほども言った理由で、特にビジネス上では差別はないです。国ではなく会社対会社で取引しますからね。

一つ意識して欲しいことは、日本人はアジア人の一員であるという認識が必要だということです。フランスの人からしてみれば、中国も日本も遠いアジアの国の一部ですからね。その中でもう一歩関係性を進めて、日本の文化の違いなどについて話せるような仲になれば良いですよね。

フランスの治安は?

治安が悪いと感じたことはないですね。例外的に、特に都市部では文化も価値観も違う色々な人種の人がいるので、ある程度のトラブル、治安の悪さみたいなものはあります。テロもあります。

ただ、一つフランスに来て分かったことを伝えさせてください。

例えば、フランスでテロが起こったとなると「フランスってあぶねぇ」って日本から見ると思いますよね。ところが、実際は特定の地域に住む特定の人が犯した事件なので、フランスの国全体が危ないことはないんです。フランスで何か事件が起こると、日本から「大丈夫なの?」って心配されることもあるんですが、現場から場所が違えばほとんど関係なかったりするんですね。なので、今回のコロナウイルスの件でフランス国内のアジア系の飲食店が襲撃されたり、人種差別を受けた、みたいなニュースが日本ではクローズアップされますが、その外から見た報道の仕方と受け取り方に必ずギャップが存在するので、現地の人間はそこに違和感を感じてしまいます。

実際に事件を起こしているのは、全体数の内のほんのわずかな人達ですよね。報道や記事はメディアが売るために作るわけなので、必ず情報の受けて側が責任を持って取捨選択する必要があると思います。ブログでもそういう話を挙げているので、フランスに実際住んでみて感じた価値観の違い、文化の違いなんかを感じていただけたら嬉しく思います。

コロナウイルスの影響は?

日本の人からすると、フランスに住んでいるからコロナウイルスは関係ないと思われがちですが、実際そうではないんです。ヨーロッパは地続きなので、私の住んでいる地域だとイタリアやスイスの国境が近いんですね。なので、イタリアの北部でコロナウイルスが拡大しているニュースの方にむしろ注意しています。(2月23日インタビュー時)

最後に

最後に、少しだけ自分の話をさせてください。私がフランスに来た当初は、工場も何から何まで売って来ました。つまり、ずっこけたらそれでおしまいという訳です。誰からの保証もありませんでした。つまり、ビジネスをしに来ていると同時に、生き方を選択しに来たんです。中小企業って日本国内でもそうですが、仕事と家庭が表裏一体なんですよね。会社の売り上げが上がれば家族も円満で、会社の売り上げが落ちれば家庭内にも不和が生じる、みたいな。(笑)

そういうバックグラウンド中で、こっちに来てたくさん苦労をしてきました。なので、今回のインタビューを通して、メディアの情報だけからは分からない、現場の生の声と言うものを感じてもらえれば嬉しく思います。あと今後、この世界の製造業インタビュー企画を通して、世界中で働く日本の製造業事業者の座談会みたいなものが開けると面白いと思います。裏話とかも聞けそうですよね。(笑)

まとめ

いかがでしょうか。冒頭の4つの質問に対する答えをまとめると、

  • 「フランスに事業展開を考える企業にアドバイスは?」

→ ヨーロッパに支社を設けた方が良い

  • 「フランス企業と日本企業を比較した時の特徴は?」

→ 日本の中小企業は「質」と「繰り返し安定供給する力」が高い

  • 「日本の製造業企業がフランス語Webサイトを作る際に注意すべきことは?」

→ 専門用語の翻訳精度を保つこと

  • 「アジア系の人、企業に対して差別はある?」

→ 差別はなく、ビジネス上問題になることもない

のようになります。現代ではメディアやインタ―ネットを通して、誰もが簡単にオンライン上のデータにアクセスできます。しかし今回のインタビューを通して、石塚さんのような現場で働く生の方の声ほど説得力のある情報はないと改めて実感しました。今回の内容がフランスへの事業展開に関心のある方の参考になれば幸いです。

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