
月別: 2020年3月
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世界の製造業インタビュー企画②「先進国フランスの試作市場へ」前編
テクノポートの稲垣です。今回は世界の製造業インタビュー企画です。第1回目の前回は、中国の工場運営者の方にインタビューを行いました。第2回目の今回は、切削部品加工受託業でフランスに事業展開を果たした、株式会社ダイショウの石塚社長にインタビューを行いました。前編の今回は
- 「なぜフランスを選んだ?」
- 「フランス企業のメールのやり取りの特徴は?」
- 「フランスでの協力企業(パートナー企業)の探し方は?」
- 「加工する時の材料の仕入れ先は?」
などの質問に対し、現地で会社を運営する方の生の声をお届けします!
フランスに進出の経緯について
フランスに進出した経緯は?
きっかけは、元々の本社があった神奈川県の茅ケ崎市の企業ネットワークでフランスに事業展開しようという話が挙がったことですね。加えて、我々の会社は試作をメインとして生業を立てているので、試作の市場は発展途上国ではなく、アメリカやヨーロッパ諸国などの先進国がターゲットになることも理由の一つですね。
なぜフランスを選んだ?
理由は大きく3つあります。
1つ目は、フランスは先進国の中でも航空機市場が大きいことです。我々の会社はもともと航空系、宇宙系に関する試作部品などを作っていました。なので、有名なエアバス社や軍事関連の企業も多いフランスに進出すれば、航空系、宇宙系の仕事に当たる確率が高いと思ったからです。
2つ目は、由紀精密さんがヨーロッパ市場を既に開拓していたことです。先ほど言った茅ケ崎の企業ネットワークの中に、精密加工業を専門とする由紀精密さんがいて、彼らが既にヨーロッパでの取引実績を持っていたことがもう一つの理由ですね。
3つ目は、家族の同意が得やすかったからですね。これは、半分冗談で半分真面目なんですけど、海外に家族を連れてくるとなったときに、奥さんに「うん」と言ってもらう必要があるんです(笑)。そうなったときに、ヨーロッパの中でもフランスは食文化や文化的な側面で日本人が持つ印象が良いんですよね。加えて、実際に現地で生活するとなったときに、美味しい食事が食べられないとなればストレスにもつながってしまうので、住むのが辛くなってしまいますよね。
現在の業務内容は?
現在は、アドバイザー的な立場の仕事が多いですね。具体的に言うと、(仕事を受けている)パートナ―企業の現場に行って、生産効率の改善、職場環境の改善などに貢献することがメインです。要するに、今までの経験を活かしてアドバイスや意見交換をしています。
なので、以前は一日中現場に立って機械を触っていることが多かったですが、現在では事務所にこもって仕事をする時間の方が長いです。
フランスでのビジネスについて
何語でコミュニケーションをしている?
90%はフランス語です。まず、フランス全体の話をすると、若い人ほど英語が話せる割合が高い印象を受けます。それは、フランスの多くの大学生が、半年から一年ほど外国に留学し語学を習得しよう、という姿勢を持っているからだと思います。
一方で、我々が取引している中小企業では、現場にいる職人さんを始め、フランス語しか話せない人が多いですね。大企業になると話は別で、英語が話せる人の割合は高くなると思います。
フランス企業はメールを使う?
使いますね。中国では、企業間でもSNSでやりとりすると聞きましたが、我々が仕事でSNSを使ったことはありません。SNSは信頼性のバックグラウンドが弱いので、図面などの重要書はメールで送るのが主流ですね。
これは直接的に関係ない話ですが、フランスではLinkedInというSNSの普及率が高いです。フランスでは、日本と違って終身雇用という文化はないので、次の会社に転職する時などにLinkedInが使われる印象がありますね。
フランス企業のメールのやり取りの特徴は?
特有の特徴というのはあまりないですね。敢えて言うならば、フランスの方が端的に用件を伝えて、回答も端的な感じがします。日本は文化的に遠回しな表現だったり濁したりする印象はあるけど、フランスは簡潔明瞭な文章が多いです。
フランスでの協力企業(パートナー企業)の探し方は?
現在のパートナー企業と出会ったきっかけは展示会です。フランスでは地元の行政が経済活性にしっかり機能していています。なので、我々の会社は地域の経済開発公社的なところと接触し、展示会を通して色々な会社を訪問させて頂き、結果的に現在のパートナー企業と巡り合うことができました。現在のパートナー企業以外にも、数地域からオファーを受けました。中には、日本にも支社がある企業があったり、なかなかグローバルです。
フランスでの営業の方法は?
展示会が多かったです。展示会では新規顧客を開拓するために、地元企業の展示ブースを探して訪問しました。ある日のパリで行われた「MIDEST」という下請け企業の展示会に参加した時の話ですが、その中で感じたことは、日本の技術は世界に太刀打ちできるということです。
MIDESTではフランス国内はもちろん世界各国の企業ブースを見て回りましたが、技術的に我々のレベルは見劣りしない、むしろ上位に食い込んでいけると感じました。それは我々の技術が特別であるというよりも、日本の技術力水準が高いことに起因していると思います。
加えて、パートナー企業の既存顧客にも営業に行ったりしました。この営業方法のメリットは、やはりパートナー企業が一緒にいると、顧客との距離が縮まりやすい事ですね。加えて、パートナー企業からしても、我々の技術を使って顧客に新しい価値を提供できるので相乗効果が生まれますよね。
一つ伝えておきたいことは、良い関係のパートナーに巡り合うことが大きなチャンスにつながるということです。製造は1社だけで完結できません。仕入れメーカーから仕上げメーカーまで必要です。その中で、良いパートナーに巡り合うということは、そのネットワークをすぐに使えて他企業とつながるチャンスをもたらします。一般に日本企業は技術力に優れているので、あとはどうやって営業につなげるか、注文につなげるか、といった部分が課題になると思います。
フランスでの加工業について
加工する時の材料の仕入先は?
大きく2つのパターンに分かれます。1つ目は、フランスを含めたヨーロッパの材料を使う場合です。我々が取引するお客さんの中でも軍事や航空関連事業の方は材料にうるさい場合が多いんです。具体的には、材料の原産地や規格をきっちり指定してきます。そうした場合は、ヨーロッパで材料を買って日本に輸送します。その後、日本で加工し、再びフランスに輸送します。
2つ目は、日本の材料を使う場合です。1つ目のパターンのような縛りがない場合は、JISにおけるISO相当品を使い日本で加工し、輸送してもらいます。この場合はもちろん日本で事前にお客さんに確認をとってから作ります。なので、加工材料はヨーロッパ材料か日本材料、加工は主に日本で行っています。
1つ例外として、ヨーロッパで加工を行う場合があります。それは、仕上げのメッキ加工です。日本のメッキ屋さんは基本的に海外材料の相当品で合っても、若干の成分違いがあれば品質保証ができない場合はが多いので、メッキ加工だけヨーロッパで行うことがあります。これ以外にも例外はあって、材料の違いによって工程が違ったり、受け入れ態勢が違ったりということはよくあります。面白いですよね。(笑)
材料の品質は同じ型番でも原産地によって違う?
日本材料とヨーロッパ材料の品質はそんなに感じないですね。なので、日本材料の品質は高いと思いますよ。それ以外は我々の感覚から言うと、中国材料に若干むらがあって使いづらいという印象です。同じ型番でも日本材料とヨーロッパ材料の品質の違いは切削加工上は感じません。ただし厳密に言うと配合などの違いがあります。材料の品質に関してはアジアメーカーなどと比べると品質の安全性が優れていると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?冒頭の4つの質問に対する答えをまとめると、
- 「なぜフランスを選んだ?」
→ 3つの理由(1. 航空機市場の規模、2. 由紀精密さんの実績、3. 家族の同意)
- 「フランス企業のメールのやり取りの特徴は?」
→ 端的に用件を伝えて、端的に回答
- 「フランスでの協力企業(パートナー企業)の探し方は?」
→ 地元の行政を通した展示会
- 「加工する時の材料の仕入れ先は?」
→ 2つのパターン(1. ヨーロッパの材料、2. 日本の材料)
となります。後編の次回は、フランスへの事業展開を日本企業の目線から掘り下げていきます。具体的には、
- 「フランスに事業展開を考える企業にアドバイスは?」
- 「フランス企業と日本企業を比較した時の特徴は?」
- 「日本の製造業企業がフランス語Webサイトを作る際に注意すべきことは?」
- 「アジア系の人、企業に対して差別はある?」
などの質問に答えていただきました!後編も、実際にフランス進出を果たした石塚さんならではの興味深い内容になっています。今回の内容がフランスへの事業展開に関心のある方の参考になれば幸いです。
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建築・内装・WEBデザイン業界も無視できない!?「意匠法改正」をざっくりと説明
中小企業専門の弁理士の亀山です。今回は、令和2年4月1日より施行される令和元年改正意匠法について、意匠法に不慣れな方のために、改正内容をざっくりとご紹介します。
令和元年意匠法改正の概要
久しぶりの大改正(平成18年の関連意匠導入以来?)ということで、知財業界では意匠法が盛り上がっていました。中小企業の方々の中には、「今まで、わが社は、意匠法と関係がなかった。だから、今回の改正も、わが社とは関係ないのでは?」こう思われる方も多いと思います。しかし、いままで意匠法と縁が薄かった業界も、今回の改正意匠法によって、意匠法を無視することができなくなってしまうケースがあります。今回は、その辺について、ザックリと説明したいと思います。
まずは、改正されるテーマは以下の通りです。
- 関連意匠
- 建築物の意匠
- 内装の意匠
- 画像の意匠
- 組物の意匠
これだけでは、何のことかサッパリなので、もう少しかみ砕いて説明します。
各テーマについてザックリと説明
1、関連意匠
- 従来:本意匠に類似する関連意匠までが保護範囲だった(保護範囲は親子関係まで)
- 改正後:関連意匠に類似する意匠まで保護範囲だった(保護範囲は親子のみならず孫以降にも及ぶ)
2、建築物の意匠
- 従来:建築物は、意匠法の保護対象ではなかった。
- 改正後:建築物も、意匠法の保護対象となった。
3、内装の意匠
- 従来:内装は、意匠法の保護対象ではなかった。
- 改正後:内装も、意匠法の保護対象となった。
4、画像の意匠
- 従来:意匠法で保護される画像は、物品に表示される操作用画像または表示画像に限られていた。
- 改正後:意匠法で保護される画像として、物品を含まない画像のみ意匠も保護対象となった。
組物の意匠
上記の2~4による保護範囲の拡充に伴って保護範囲が拡充された。つまり、細かいことはひとまず置いておいて、意匠法改正のキーワードは、「意匠権として保護される範囲が広がった」ということです。
これまで意匠法に馴染みのない方が気を付けたいところ
さて、「意匠権として保護される範囲が広がった」これをどうとらえてばよいのでしょうか?デザインを創作する側からみると、自分が創作したデザインに関し、いままでは著作物に限り著作権で保護されていた。(裏を返せば、著作物でないデザインは保護されなかった)これからは、著作物であるか否かにかかわらず、意匠権でも保護が可能となる。つまり、「デザインをたくさん制作して、意匠権を利用してたくさん保護を受けるぞ~」と思われる方も多くなるでしょう。
一方、デザインを利用する側から見ると、自分が利用したいデザインに関し、いままでは著作物に限り、著作権の処理(契約)をすればよかったものの、これからは、著作権で保護されないものも、意匠権で保護されてしまう。つまり、「著作物でないデザインも簡単には利用できなくなるぞ~」と思われる方も多くなるでしょう。
このように、デザインを創作する側と、デザインを利用する側とでは、法改正の捉え方が異なりますが、その原因は、「今まで意匠法で保護されていなかったデザインが、令和2年4月1日より、意匠法で保護されるようになった」にあります。例えば、お仕事を今まで通り行っていると、改正によって自分(自社)のデザインが保護されたはずなのに、保護の機会を失ってしまう場合もあるでしょう。また、今までは自由に使えた他人(他社)のデザインが、今回の改正によって意匠権で保護される結果、今までのように他人のデザインを自由に使えなくなってしまう場合もあるでしょうし、無断で使用した結果、「意匠権侵害だ!」と相手方から文句をいわれる場合もあるでしょう。
つまり、今回の改正によって、意匠権の効力が及ぶようになった業界において、令和2年4月1日以降、今まで通りお仕事を行っていると、大怪我をしてしまうこともあるわけです。これは、デザインを創作する側も利用する側にも当てはまることです。
大怪我をしたくない人が最低限知っておきたい部分
仕事で大怪我をしたい人なんていませんよね。今回は、そういう人のために、冒頭で掲げた改正テーマのうち、大怪我につながりやすい部分、すなわち「今まで意匠法で保護されていなかったデザインが、令和2年4月1日より、意匠法で保護されるようになった」部分について説明したいと思います。
さて、令和2年4月1日より、意匠法で保護されるようになったデザインは、「建築物の意匠」「内装の意匠」「画像の意匠」になります。「画像の意匠」は改正前から一部の画像について保護対象になっていましたが、今回の改正で大幅に広がったため、説明に加えました。関連意匠と組物の意匠に関する説明は、長くなるので割愛しました。興味のある方は特許庁の説明資料(本記事の末尾参照)をご覧下さい。
1、建築物の意匠
保護される建築物の例として、以下のようなものがあります。
住宅、寮、校舎、体育館、オフィス、研究所、工場、倉庫、ホテル、保養所、百貨店、量販店、飲食店、病院、保健所、公衆浴場、公衆便所、博物館、美術館、図書館、劇場、映画館、競技場、駅舎、車庫、神社、橋梁、トンネル、鉄塔、ガスタンク など・・・たくさんあります。
個人的には、倉庫のデザインやトンネルのデザインも保護されるのだなぁと思いました(もちろん、これまでに知られていたデザインは、新規性がないため、保護を受けません)。
= 出典:意匠の審査基準及び審査の運用 ~令和元年意匠法改正対応~ (特許庁) =
2、内装の意匠
保護される内装としては、「複数の物品からなり内装全体として統一的な美観(※)をおこさせるもの」になります。内装を構成する物品の例としては、以下のようなものがあります。
- 机、椅子、ベッド、衝立などの家具類
- 陳列棚などの什器類(販売商品等が含まれていても可)
- 照明器具など
(※)「統一的な美観」の説明は、長くなるので割愛します。興味のある方は特許庁の説明資料(本記事の末尾参照)をご覧下さい。
= 出典:意匠の審査基準及び審査の運用 ~令和元年意匠法改正対応~ (特許庁) =
3、画像の意匠
= 出典:意匠の審査基準及び審査の運用 ~令和元年意匠法改正対応~ (特許庁) =
意匠法により保護される画像として、従来の「物品等の部分に画像を含む意匠」(上図の(2))に加え、「画像意匠」(上図の(1)」が加わりました。意匠法で保護される画像のカテゴリーは2つあります。1つめは、操作用画像(機器の操作の用に供される画像)であり、2つめは、表示用画像(機能を発揮した結果として表示される画像)です。
操作用画像の例として、具体的には、オンラインショップにおける商品購入用の画像デザインや、スマホのアイコン用画像、コピーの操作パネルの画像等があります(上図(1)(2)における左側)。表示用画像の例として、具体的には、(測定装置)における測定結果表示画像、壁に投影された時計画像や、針が電子表示で動く電子メトロノーム画像等があります(上図(1)(2)における右側)。
このように、今回の改正によって、すべての画像が意匠法で保護されるわけではありません。意匠法保護される画像として、前述の操作用画像・表示用画像になります。こちらが覚えにくければ、「もともとはハードウェアだった部品(操作ボタンや時計の針)が、デジタル表示として置き換わった画像」として理解してもらってもよいです。
※なお、コンテンツ画像は、改正にかかわらず、意匠法の保護対象とはなっておりませんが、こちらは著作物なので、著作権で保護されます。
今回の改正に影響が大きな業界
今回の意匠法改正によって、「建築物の意匠」「内装の意匠」「画像の意匠」が、保護対象として追加されました。このため、当該分野においてデザインを創作する方と、そのデザインを利用する方は、お仕事をする中で、それぞれ留意する必要があるでしょう。「建築物の意匠」であれば、建築デザイン業界が関わりが深いでしょうし、「内装の意匠」であれば、内装デザイン業界が関わりが深いでしょう。
また、「画像の意匠」にかかわりが深いところは、ユーザインタフェース(UI)をデザインする業界やウェブデザイン業界になるでしょう。デザイン制作を外部に発注する場合、それを受注して制作する場合には、その制作物の意匠権(正確には、意匠登録を受ける権利)が、発注者側に帰属するのか、受注者側に帰属するか等を、あらかじめ契約書などで定めておくとよいでしょう。
もっと詳しく知りたい方へ
知的財産権制度説明会 -知的財産権について学べます(参加費・テキスト無料)-(特許庁)のページにある「知的財産権制度説明会テキスト」をご参照ください。
まとめ
令和元年意匠法改正の概要は以下の通りです。
- 関連意匠
- 建築物の意匠
- 内装の意匠
- 画像の意匠
- 組物の意匠
ですが、意匠法に馴染みのない方は、こちらで理解してください。
- 意匠権の保護範囲として、建築物・内装が、新たに加わり、画像が結構広がった。
- 意匠権を気を付けなければならない業界としては、建築デザイン業界、内装デザイン業界、UIデザイン・WEBデザイン業界がある。
- デザイン制作する側は、デザインが権利で保護できることを理解しておく。
- デザインを利用する側は、デザインに権利があることに気をつける。
- 制作する側と利用する側との間の権利の調整は、発注時に契約書にて定めておくことがベター。
何かの参考になれば幸いです。
建築・内装・WEBデザイン業界も無視できない!?「意匠法改正」をざっくりと説明
中小企業専門の弁理士の亀山です。今回は、令和2年4月1日より施行される令和元年改正意匠法について、意匠法に不慣れな方のために、改正内容をざっくりとご紹介します。
令和元年意匠法改正の概要
久しぶりの大改正(平成18年の関連意匠導入以来?)ということで、知財業界では意匠法が盛り上がっていました。中小企業の方々の中には、「今まで、わが社は、意匠法と関係がなかった。だから、今回の改正も、わが社とは関係ないのでは?」こう思われる方も多いと思います。しかし、いままで意匠法と縁が薄かった業界も、今回の改正意匠法によって、意匠法を無視することができなくなってしまうケースがあります。今回は、その辺について、ザックリと説明したいと思います。
まずは、改正されるテーマは以下の通りです。
- 関連意匠
- 建築物の意匠
- 内装の意匠
- 画像の意匠
- 組物の意匠
これだけでは、何のことかサッパリなので、もう少しかみ砕いて説明します。
各テーマについてザックリと説明
1、関連意匠
- 従来:本意匠に類似する関連意匠までが保護範囲だった(保護範囲は親子関係まで)
- 改正後:関連意匠に類似する意匠まで保護範囲だった(保護範囲は親子のみならず孫以降にも及ぶ)
2、建築物の意匠
- 従来:建築物は、意匠法の保護対象ではなかった。
- 改正後:建築物も、意匠法の保護対象となった。
3、内装の意匠
- 従来:内装は、意匠法の保護対象ではなかった。
- 改正後:内装も、意匠法の保護対象となった。
4、画像の意匠
- 従来:意匠法で保護される画像は、物品に表示される操作用画像または表示画像に限られていた。
- 改正後:意匠法で保護される画像として、物品を含まない画像のみ意匠も保護対象となった。
組物の意匠
上記の2~4による保護範囲の拡充に伴って保護範囲が拡充された。つまり、細かいことはひとまず置いておいて、意匠法改正のキーワードは、「意匠権として保護される範囲が広がった」ということです。
これまで意匠法に馴染みのない方が気を付けたいところ
さて、「意匠権として保護される範囲が広がった」これをどうとらえてばよいのでしょうか?デザインを創作する側からみると、自分が創作したデザインに関し、いままでは著作物に限り著作権で保護されていた。(裏を返せば、著作物でないデザインは保護されなかった)これからは、著作物であるか否かにかかわらず、意匠権でも保護が可能となる。つまり、「デザインをたくさん制作して、意匠権を利用してたくさん保護を受けるぞ~」と思われる方も多くなるでしょう。
一方、デザインを利用する側から見ると、自分が利用したいデザインに関し、いままでは著作物に限り、著作権の処理(契約)をすればよかったものの、これからは、著作権で保護されないものも、意匠権で保護されてしまう。つまり、「著作物でないデザインも簡単には利用できなくなるぞ~」と思われる方も多くなるでしょう。
このように、デザインを創作する側と、デザインを利用する側とでは、法改正の捉え方が異なりますが、その原因は、「今まで意匠法で保護されていなかったデザインが、令和2年4月1日より、意匠法で保護されるようになった」にあります。例えば、お仕事を今まで通り行っていると、改正によって自分(自社)のデザインが保護されたはずなのに、保護の機会を失ってしまう場合もあるでしょう。また、今までは自由に使えた他人(他社)のデザインが、今回の改正によって意匠権で保護される結果、今までのように他人のデザインを自由に使えなくなってしまう場合もあるでしょうし、無断で使用した結果、「意匠権侵害だ!」と相手方から文句をいわれる場合もあるでしょう。
つまり、今回の改正によって、意匠権の効力が及ぶようになった業界において、令和2年4月1日以降、今まで通りお仕事を行っていると、大怪我をしてしまうこともあるわけです。これは、デザインを創作する側も利用する側にも当てはまることです。
大怪我をしたくない人が最低限知っておきたい部分
仕事で大怪我をしたい人なんていませんよね。今回は、そういう人のために、冒頭で掲げた改正テーマのうち、大怪我につながりやすい部分、すなわち「今まで意匠法で保護されていなかったデザインが、令和2年4月1日より、意匠法で保護されるようになった」部分について説明したいと思います。
さて、令和2年4月1日より、意匠法で保護されるようになったデザインは、「建築物の意匠」「内装の意匠」「画像の意匠」になります。「画像の意匠」は改正前から一部の画像について保護対象になっていましたが、今回の改正で大幅に広がったため、説明に加えました。関連意匠と組物の意匠に関する説明は、長くなるので割愛しました。興味のある方は特許庁の説明資料(本記事の末尾参照)をご覧下さい。
1、建築物の意匠
保護される建築物の例として、以下のようなものがあります。
住宅、寮、校舎、体育館、オフィス、研究所、工場、倉庫、ホテル、保養所、百貨店、量販店、飲食店、病院、保健所、公衆浴場、公衆便所、博物館、美術館、図書館、劇場、映画館、競技場、駅舎、車庫、神社、橋梁、トンネル、鉄塔、ガスタンク など・・・たくさんあります。
個人的には、倉庫のデザインやトンネルのデザインも保護されるのだなぁと思いました(もちろん、これまでに知られていたデザインは、新規性がないため、保護を受けません)。
= 出典:意匠の審査基準及び審査の運用 ~令和元年意匠法改正対応~ (特許庁) =
2、内装の意匠
保護される内装としては、「複数の物品からなり内装全体として統一的な美観(※)をおこさせるもの」になります。内装を構成する物品の例としては、以下のようなものがあります。
- 机、椅子、ベッド、衝立などの家具類
- 陳列棚などの什器類(販売商品等が含まれていても可)
- 照明器具など
(※)「統一的な美観」の説明は、長くなるので割愛します。興味のある方は特許庁の説明資料(本記事の末尾参照)をご覧下さい。
= 出典:意匠の審査基準及び審査の運用 ~令和元年意匠法改正対応~ (特許庁) =
3、画像の意匠
= 出典:意匠の審査基準及び審査の運用 ~令和元年意匠法改正対応~ (特許庁) =
意匠法により保護される画像として、従来の「物品等の部分に画像を含む意匠」(上図の(2))に加え、「画像意匠」(上図の(1)」が加わりました。意匠法で保護される画像のカテゴリーは2つあります。1つめは、操作用画像(機器の操作の用に供される画像)であり、2つめは、表示用画像(機能を発揮した結果として表示される画像)です。
操作用画像の例として、具体的には、オンラインショップにおける商品購入用の画像デザインや、スマホのアイコン用画像、コピーの操作パネルの画像等があります(上図(1)(2)における左側)。表示用画像の例として、具体的には、(測定装置)における測定結果表示画像、壁に投影された時計画像や、針が電子表示で動く電子メトロノーム画像等があります(上図(1)(2)における右側)。
このように、今回の改正によって、すべての画像が意匠法で保護されるわけではありません。意匠法保護される画像として、前述の操作用画像・表示用画像になります。こちらが覚えにくければ、「もともとはハードウェアだった部品(操作ボタンや時計の針)が、デジタル表示として置き換わった画像」として理解してもらってもよいです。
※なお、コンテンツ画像は、改正にかかわらず、意匠法の保護対象とはなっておりませんが、こちらは著作物なので、著作権で保護されます。
今回の改正に影響が大きな業界
今回の意匠法改正によって、「建築物の意匠」「内装の意匠」「画像の意匠」が、保護対象として追加されました。このため、当該分野においてデザインを創作する方と、そのデザインを利用する方は、お仕事をする中で、それぞれ留意する必要があるでしょう。「建築物の意匠」であれば、建築デザイン業界が関わりが深いでしょうし、「内装の意匠」であれば、内装デザイン業界が関わりが深いでしょう。
また、「画像の意匠」にかかわりが深いところは、ユーザインタフェース(UI)をデザインする業界やウェブデザイン業界になるでしょう。デザイン制作を外部に発注する場合、それを受注して制作する場合には、その制作物の意匠権(正確には、意匠登録を受ける権利)が、発注者側に帰属するのか、受注者側に帰属するか等を、あらかじめ契約書などで定めておくとよいでしょう。
もっと詳しく知りたい方へ
知的財産権制度説明会 -知的財産権について学べます(参加費・テキスト無料)-(特許庁)のページにある「知的財産権制度説明会テキスト」をご参照ください。
まとめ
令和元年意匠法改正の概要は以下の通りです。
- 関連意匠
- 建築物の意匠
- 内装の意匠
- 画像の意匠
- 組物の意匠
ですが、意匠法に馴染みのない方は、こちらで理解してください。
- 意匠権の保護範囲として、建築物・内装が、新たに加わり、画像が結構広がった。
- 意匠権を気を付けなければならない業界としては、建築デザイン業界、内装デザイン業界、UIデザイン・WEBデザイン業界がある。
- デザイン制作する側は、デザインが権利で保護できることを理解しておく。
- デザインを利用する側は、デザインに権利があることに気をつける。
- 制作する側と利用する側との間の権利の調整は、発注時に契約書にて定めておくことがベター。
何かの参考になれば幸いです。