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【基礎編】技術系メーカーが成果を上げるためのWebサイト戦略
こんにちは、テクノポートの永井です。ニッチと言われている製造業のWebマーケティングの中でも、メーカーかサプライヤーかでWeb戦略は大きく変わってきます。今回は「技術系メーカーが成果を上げるためのWebサイト戦略」について、弊社のノウハウを公開します。
技術系メーカーが成果を上げるための4つのポイント
メーカーのWeb担当者の方から下記のような相談をよく受けます。
- 問い合わせを増やしたい
- アクセスを伸ばしたい
- 製品を探しやすくしたい
これらは「Web戦略」をきちんと設定することで達成できるようになります。達成するためのWeb戦略のポイントは4つあります。
ポイント1.購入検討の前段階でターゲットにアプローチする
ポイント2.アクセス獲得のためのキーワードを選定する
ポイント3.競合との差別化ポイントを正確に把握し表現する
ポイント4.ユーザーが探しやすいサイト構成を作る
各ポイントをしっかり押さえてWebサイト制作を進めることで、反響の出るWebサイトが作れるようになります。それでは各ポイントの詳細を説明していきます。
ポイント1.購入検討の前段階でターゲットにアプローチする
Web戦略の基本は「ターゲットの行動を理解して、ターゲットが求める情報を提供する」ことです。そのため、まずターゲットの行動を理解してみましょう。ターゲットの行動は4つに分類できます。
- 情報収集段階:課題を解決する方法を探している
- 購入検討段階:課題を解決できる製品を探している
- 購入比較段階:課題を解決できる製品を比較している
- 購入決定段階:購入する製品を決めている
ここでは1,2を購買の初期段階、3,4を購買の後期段階として分けて説明します。
購買の後期段階のユーザーは、メーカーを絞った上で性能や価格を比較している段階になります。この段階のユーザーは絞ったメーカーから選ぶことを優先するため、新規メーカーを探すことはほとんどありません。つまり、この段階のユーザーにアプローチすることは極めて難しいと言えます。
一方、購買の初期段階のユーザーは抱えている課題に対してあらゆる情報を求めている段階です。課題を解決する方法も決まっていなければ、メーカーも絞っていない状況です。この段階のユーザーは積極的に検索を行うため、比較的アプローチしやすいと言えます。Webマーケティングのターゲットは、この「購買の初期段階のユーザー」が中心になります。
購買の初期段階で自社を知ってもらえれば、購入の後期段階で「エボークトセット」に入る確率が格段に上がります。ターゲットの選定でWeb戦略の7割が決まると言ってもいいほど大切なので、ここはしっかり検討してください。以上を踏まえた上で、Web戦略の流れを簡単にまとめると
- 購買の初期段階のユーザーに自社を見つけてもらう
- 購買の後期段階になったときに、自社製品が検討の中に入っている
- 自社製品の魅力を伝えて、問い合わせしてもらえるようにする
ということになります。
ポイント2.アクセス獲得のためのキーワードを選定する
「購買の初期段階のユーザーに自社を見つけてもらう」ためには、ユーザーが検索するキーワードで上位表示されなければなりません。例えば、購買の初期段階のユーザーは「課題解決系のキーワード」や「製品名+用途」などが多くなります。一方、購買の後期段階のユーザーは「製品名+機能」や「会社名」などが多くなります。このようにユーザーの検索キーワードは購買フローの状況によって変わるため、各段階に合わせてキーワードを選定しましょう。
また、メインターゲットは「購買の初期段階のユーザー」になりますが、「購買の後期段階のユーザー」もターゲットになりますので、全てのユーザーの検索キーワードを洗い出し、優先度をつけてください。
キーワードの選定のお役立ち記事
ポイント3.競合との差別化ポイントを正確に把握し表現する
「ユーザーが購買の後期段階になったときに、自社製品が検討の中に入っている」ようにするためには、自社製品のメリットを伝えなければなりません。自社の良さを伝えるために、まずは競合を知ることが大切です。Webマーケティングの場合、競合は2種類に分類します。
1つめは実際の競合。これは会社規模やシェアなど、お客様に提案したときに検討に入っている企業です。2つめはWeb上の競合。これは設定キーワードで検索したときに、上位に表示される企業です。
アクセスではWeb上の競合に勝たなければならず、技術では実際の競合に勝たないといけません。競合の製品を知った上で、自社がどのような情報をユーザーに提供すればよいのか検討して、コンテンツを作ってください。
技術の見せ方のお役立ち記事
ポイント4.ユーザーが探しやすいサイト構成を作る
最後にサイト構成の作り方を紹介します。サイト構成は「ユーザーが探しやすい」ことが基本になります。購買フローの各段階によって探し方が変わってくるため、すべてを網羅できるような検索システムが必要です。
検索システムの例としては、主に以下のようなものがあります。
- カテゴリー検索(用途、機能、サイズ、品番など)
- 自由検索(キーワード入力)
- レコメンド(おすすめ商品)
カテゴリー検索は非常に使いやすく、わかりやすい点が特徴です。その反面、製品点数が多くなってくるとカテゴリー分類が複雑化し、カテゴリー分類を探すのに時間がかかることもあります。そのため、分類方法は慎重に決めなければなりません。
自由検索は汎用性が高く使いやすいのですが、製品が少ない場合は検索結果が出てこないことも多くあります。その場合、検索キーワードをこちらで絞ることも必要になります。レコメンドは新製品やよく売れる製品をPRしやすい反面、お客様がその製品を求めていない場合は効果が薄くなります。どの検索方法が絶対的にいいというわけではなく「ユーザーが探しやすい」ことをベースに様々な検索方法を設置してみてください。
まとめ
技術系メーカーが成果を上げるためのWeb戦略のポイントは4つあります。
ポイント1.購入検討の前段階でターゲットにアプローチする
ポイント2.アクセス獲得のためのキーワードを選定する
ポイント3.競合との差別化ポイントを正確に把握し表現する
ポイント4.ユーザーが探しやすいサイト構成を作る
これらをうまく活用して、自社にあったWebサイト戦略を検討してみてください。
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【2021年版】中小製造業が海外進出で失敗する3つの理由と対策
テクノポートの稲垣です。この記事は、以下のような課題を抱えている方に読んでいただきたい内容になります。
▶︎中小企業の海外進出が失敗する主な原因は?
▶︎海外進出の失敗の影響を抑えるために必要な準備は?
▶︎海外進出で失敗しないための戦略は?
そこで、この記事では以下の内容について解説します。
・中小企業が海外進出に失敗する3つの理由
・中小企業が海外から撤退できた要因3選
・中小企業が海外進出で失敗しないための戦略
なお本記事で使用するデータは、すべて参考文献へのリンクを記載しています。ご自身でデータの内容を確認したい方は、ご参照ください。
この記事を執筆しているテクノポート株式会社は「外国語サイトの制作・運用のサポート」を通して、企業様の海外販路開拓を支援しています。(サービスの実績はこちらからご覧いただけます)
中小企業が海外進出する割合
失敗する理由に入る前に、まずどれくらいの中小企業が海外展開しているのかを確認します。
こちらの図は、中小企業庁が1997年から2018年における「中小企業の海外展開比率」を表したグラフです。
参考資料:中小企業庁:2021年版「中小企業白書」 第3節 グローバル型・サプライチェーン型企業の目指す方向性と支援の在り方
グラフが示す通り、中小企業の海外展開の動き(直接輸出と直接投資)はともに増加傾向が続いており、統計が開始された1997年の時に比べ、どちらも約5%の増加が確認できます。
日本企業の海外拠点数を調べたこちらの記事でも解説しているように、ASEANを中心しとたアジア諸国への進出が特に目立ちます。
参考記事


海外進出に失敗する3つの理由
「海外進出の失敗」とは?
本題に入る前に、この記事における「海外進出の失敗」という言葉の定義を明確にしておきます。
この記事では海外進出の失敗とは、撤退という意味と同義になります。厳密には「本国の親企業が在外子会社の企業活動に対する支配を放棄すること」と定義します。(参考文献:日本企業の海外進出と撤退についての一考察)
結論
それでは、本題の海外進出に失敗する3つの理由を紹介します。
結論からまとめると、海外進出で失敗する3つの理由は「①現地市場での売上の減少」「②輸出の低迷」「③コストの増加」です。これらの理由は、2020年12月の日本貿易振興機構の「2020年度 海外進出日系企業実態調査」のデータを参照しています。
以下では順にそれぞれの要因について解説します。
①現地市場での売上の減少
回答グループ | 「事業縮小もしくは移転・撤退の理由」として回答した割合, % |
---|---|
製造業全体 | 46.0 |
中小企業(非製造業含む) | 50.9 |
最も大きな理由とも言えるのが「現地市場での売上の減少」です。
こちらの理由が原因で事業縮小もしくは移転・撤退をした回答した企業は、大企業、中小企業関わらず最も高い比率となっています。
製造業の場合、東南アジアにおいて現地の日本企業から獲得していた案件が急になくなる(もしくは規模が縮小する)ことによって利益の確保が難しくなることが典型的なケースとして挙げられます。
タイのバンコクに拠点を構えて、現地の日本企業向けに部品調達を行っていた会社が、急に仕事がなくなり現地企業から新規の仕事を獲得するか、撤退するかの選択を迫られるケースもあると言われています。
②輸出の低迷
回答グループ | 「事業縮小もしくは移転・撤退の理由」として回答した割合, % |
---|---|
製造業全体 | 51.2 |
中小企業(非製造業含む) | 36.6 |
製造業全体で見ると、先ほどの「現地市場での売上の減少」より高い比率であったのが「輸出の低迷」です。
輸出が低迷する原因として、物流コストが上昇傾向にあることが挙げられます。物流コストの上昇にともない、海外に拠点を持つ日本企業が生産部品供給を現地で完結させたいという需要が強まり、結果として輸出に対する需要が低迷していると考えられます。
例えば、以前は中国から部品を輸入していたベトナムの日本企業メーカーが、物流コストを抑えるために現地の部品供給先に切り替えます。この動きによって、中国からの部品供給が低迷するといった流れです。
③コストの増加
回答グループ | 「事業縮小もしくは移転・撤退の理由」として回答した割合, % |
---|---|
製造業全体 | 37.0 |
中小企業(非製造業含む) | 30.8 |
こちらの「コスト」とは、主に原材料・部品の「調達コスト」「人件費」のことを指します。
調達コストの上昇は、物流コストの上昇の影響を受けていることが主な原因であると考えられます。調達コストが増加した結果、利益の確保が難しくなり、撤退の選択を迫られる企業が多いと言えます。
人件費の問題については、近年では中国を含めたアジア諸国の人件費の高騰が続いていることが関わっていると言えます。アジア諸国の人件費が高騰している主な理由として、現地の低賃金労働者が収入の増加を目的に海外へ出稼ぎに行くことが増えていることが挙げられます。
海外から撤退できた要因3選
次に海外からの撤退経験を有する日本企業が、撤退できた要因として挙げた3つの取り組みを紹介します。なおこれらのデータは、「中小企業による海外撤退の実態 −戦略的撤退と撤退経験の活用−」のデータを参考にしています。
それでは要因として挙げた企業の比率が高いものから順に紹介します。
①独資での進出(回答企業の比率:37.0%)
撤退できた要因として最も挙げられたのが、「独資での進出」です。一般に独資で法人を設立するメリットとして「製品や技術情報の流出リスクが少ない」ことや「経営の自由度が高い」が挙げられますが、撤退の際にも、特に後者の「経営の自由度が高い」ことが有利に働くと言えます。(一方で、独資での法人設立のデメリットは、投資資金が高く、現地での販路開拓が難しいことが挙げられます。詳しくはこちらの記事を参照してください)

一方で、合弁で法人を現地に設立する場合は、進出前の段階であらかじめ撤退の基準を明確に決めて、進出前にパートナー企業と合意形成をしておく必要があると言えます。
②撤退の決断の早さ(回答企業の比率:33.3%)
撤退できた要因として次に多かった回答項目が、「撤退の決断の早さ」です。こちらの行動は単に撤退を迫られた状況下での決断の早さだけではなく、進出時に撤退の条件を具体化しておくことが重要であると言えます。
撤退の条件の策定に加えて、以下のような事前準備も必要になると考えられます。
・税理士・会計士への相談
・パートナー企業との事前交渉
・現地従業員、現地日本人スタッフの処遇の決定
・撤退資金の調達
・現地政府、自治体との交渉
③現地パートナーの協力(回答企業の比率:30.9%)
「撤退の決断の早さ」の次に多くの回答を集めたのが、「現地パートナーの協力」です。現地パートナーとビジネス上で良好な関係を築くことは、現地で仕事の受発注を円滑に行うことに加え、撤退する上でも重要だと言えます。
現地パートナー企業との関係性の重要さを示すデータとして、2012年の中小基盤整備機構の調査によると、「現地パートナー企業とのトラブル」を撤退理由として挙げた企業は全体の23.6%にのぼり、3番目に大きな理由として挙げられています。(1位は受注先、販売先の開拓・確保の困難性(27.6%)、2位は生産・品質管理の困難性(23.6%))
海外進出で失敗しないための戦略
最後に、海外進出の撤退の要因を考慮した上で、中小製造業が海外進出で失敗しないための戦略をご紹介します。今回は、弊社が主に海外進出をサポートさせていただいている「中小製造業の海外進出」に焦点を絞って戦略を説明します。
中小製造業全体の海外進出戦略
まず製造業の業種に関わらず、全体として共通の戦略を説明します。
国内の戦略を応用する
海外進出で失敗しない企業の特徴として、国内のニッチな分野で戦略を立てて成功している企業は、海外でも成功しやすいということが言えます。なぜなら、国内でも海外でも利益を上げる構造の根幹となる考え方に大きな違いはないからです。
海外進出という言葉を聞くと、世界の競合と戦うために何か特別な戦略が必要ではないか、と考えられる方が多いと思います。しかし実際は、国内の市場で生き抜くために考え抜かれた戦略が海外の市場開拓においても通じることが多いと感じます。加えてほとんどの中小製造業の場合、市場開拓にかけられる予算を考慮すると、世界的なシェアを取りに行くことは難しいため、国内で強みが活きるマーケットをそのまま海外に拡張する形が最も安全な方法であると言えます。
また、進出する上での最低条件として、質の高い製品・サービスが提供できることに加えて、独資での進出が望ましいと言えます。(理由は海外から撤退できた要因の①独資での進出を参照してください)
メーカーの海外進出戦略
次に中小製造業の中でも、メーカーの海外進出戦略を説明します。
現地語でWebサイト構築する
中小完成品メーカーが海外で自社製品を販売する場合、海外の「販売代理店」を通して自社製品を販売する方法が一般的です。
しかし、大企業に比べ、中小企業が優秀な販売店を捕まえるこは難しい現実があります。理由として、優秀な販売代理店は有名企業がコンタクトをとっている可能性が高く、代理店側も売上が見込める製品、すなわち大企業の有名な製品を販売したい傾向があることが挙げられます。
この問題を解決する一つの方法として、中小完成品メーカーは、外国語(少なくとも英語と現地語)で自社製品について理解してもらえるサイトを構築することをおすすめします。外国語のWebサイトは、見込み顧客への自社および自社製品の紹介の役割もありますが、自社の製品を売ってくれる販売店の獲得を狙う意味もあります。
加えて、外国語Webサイトから候補となる販売代理店が見つかると、展示会に参加する必要性も抑えられるという副次的なメリットもあります。
営業活動に積極的に関わる
2つ目の戦略は、メーカー自身が現地での顧客開拓、クロージングに積極的に関わることです。先ほども説明したように、優秀な販売代理店は大手企業、有名企業に持っていかれてしまう可能性が高いです。したがって、販売代理店に現地での顧客の発掘からクロージングまで全て任せてしまうと、成果に結びつかないケースが多いです。
したがって、現地での新規顧客開拓で失敗しないためには、少なくとも販売店が独り立ちするまでは、中小企業自らが営業活動に積極的に関わる必要があると言えます。また現地の販売代理店は、製品のメンテナンスや現地の顧客対応、現金やり取りが必要な場合に使われることが多いため、そもそも営業活動に十分な時間を確保できないケースも考えられます。
加工業の海外進出戦略
最後に加工屋の海外進出戦略を説明します。
現地の異業種と積極的に関わりを持つ
日本の加工屋が海外進出する際の主な理由の一つとして、「現地の日本企業向けの部品供給」が挙げられます。この目的での海外進出自体は問題ありませんが、現地の日本企業からの仕事が減った時のためにリスクを分散させる仕組みを作っておくことはとても重要です。(中小企業が海外進出に失敗する3つの理由で説明したように「現地市場での売上の減少」が中小企業全体で最も大きな原因となっています)
このリスク分散の方法として、現地の異業種の企業を含めたさまざまな業界と繋がりを築いておくことが挙げられます。具体的な手法には、海外の現地企業から見つけてもらえるようなサイトを作ることが考えらえれます。こうすることで、現地の日本企業からもらえる仕事が減った時に、困らなくなる仕組みを作ることができます。
したがって、加工業が海外に拠点を作る場合、現地の日本企業からの仕事を受けつつ、現地の企業からも仕事を受注できるようなマーケティング活動を同時並行で行う方法が安全であると言えます。
まとめ
本記事では、以下の内容を解説しました。
- 中小企業が海外進出する割合:年々増加傾向
- 海外進出に失敗する3つの理由:①現地での売上の減少、②輸出の低迷、③コストの増加
- 海外から撤退することができた要因3選:①独資での進出、②撤退の決断の早さ、③現地パートナー企業との協力
- 海外進出で失敗しないための戦略:中小製造業全体(国内の戦略を応用)、メーカー(現地語Webサイトの構築、営業活動への参加)、加工業(異業種との関わりを持つ)
海外進出を成功につなげるために、本記事の内容が少しでも役に立てば幸いです。
この記事を執筆しているテクノポート株式会社は「外国語サイトの制作・運用のサポート」を通して、企業様の海外販路開拓を支援しています。(サービスの実績はこちらからご覧いただけます)
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中小製造業が市場動向把握や経営の参考にできるさまざまな白書
製造業のエンジニアで、製造業系ライターとして活動している一之瀬です。
コロナ禍による社会情勢の変化やDXの推進など、ものづくり業界は急速に変化を続けています。経営戦略の立案やマーケティング施策の構築をするために、市場動向や経済の流れを把握したいと考えても、変化の速い状況では自社だけで的確な情報収集や分析を行うのは簡単ではありません。
効率よく市場動向や世の中の流れを理解し、さらに他社の取り組み事例などを把握するためには、中小企業庁や経済産業省などが発行している、さまざまな「白書」が参考になります。
この記事では、ものづくり業界に有用な白書として、「中小企業白書」「ものづくり白書」「オープンイノベーション白書」の3つについて解説します。
中小企業白書
中小企業白書(小規模企業白書)は、中小企業庁が毎年発行しています。中小企業庁のHPからダウンロードでき、経時的な変化を確認したい場合にも過去数年分の白書を見ることができます。
中小企業白書には、第一部に中小企業の動向として、経済の現状や雇用、リスクなどが取り上げられています。また、動向以外の部分は発行される年によってまとめ方が異なっており、2021年発行分では、労働生産性や開廃業の状況などの実態、企業のタイプごとに目指す政策の方向性や公的な支援の在り方が整理されています。
また、第二部はその年によって内容が大きく異なり、2020年版では「新たな価値を生み出す中小企業」として、付加価値の創出に向けた取り組みや適正な価格設定、取引関係の構築などが掲載されています。
また、2021年版では「危機を乗り越える力」として、財務基盤や感染症を踏まえた経営戦略やデジタル化、事業承継やM&Aなど、その年の社会情勢に応じた内容がまとめられています。
製造業だけでなくさまざまな業種の中小企業が置かれている現状や取り組みの方向性、具体的な取り組みが紹介されているため、参考になる情報が見つけられるでしょう。
概要がまとめられたものや章ごとにまとめられた電子データもダウンロードできるため、まずは目次を確認してポイントだけを掴むことが可能です。
ものづくり白書
ものづくり白書(製造基盤白書)は経済産業省が毎年発行している白書で、中小企業白書と同様に、経済産業省のHPで過去数年分の白書を確認することが可能です。
発行は経済産業省が行っていますが、ものづくりには経済産業省の管轄領域だけではなく幅広い領域が関わってくるため、厚生労働省と文部科学省が加わり3つの省が共同で製作しています。経済面だけでなく、幅広い観点でまとめられていることが分かります。
ものづくり白書は、「ものづくり基盤技術振興基本法」という法律に基づいて、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策に関する報告書としての位置づけになっています。そのため、掲載されている内容は、政府の施策とその結果に関する内容が中心です。
第1節には足元の状況として、製造業の業績動向や経営判断などが整理されています。また、第2節はその年の状況に応じて内容が大きく変わります。2021年版はコロナウイルス感染症の影響を踏まえ、「レジリエンス(サプライチェーン強靭化)」「グリーン(カーボンニュートラル)」「デジタル」の3つの観点から官民の最新動向を分析しています。
オープンイノベーション白書
オープンイノベーション白書は、日本のイノベーション創出の現状と課題、日本企業のイノベーション実現に向けての方策の掲示を目的としています。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が策定しているもので、最新は2020年5月に策定された第三版です。
はじめにオープンイノベーションの重要性や変遷、各国・各業界におけるイノベーション創出の経緯が整理され、次に日本のオープンイノベーションの現状、日本と海外の取り組み事例、最後に課題や方策とNEDOの取り組みがまとめられています。
オープンイノベーションに取り組みたいと考えつつも、なかなか具体的な行動に着手できない場合には、具体的な手法や他の企業の取り組みを知ることができるため、参考になる資料となるでしょう。
約300ページとボリュームは大きいですが、概要版や各章ごとに分割されたPDFが準備されています。まずは概要版でポイントを掴み、必要と感じた部分だけ参照することで、効率よく情報収集ができるでしょう。
まとめ
2020年春以降、コロナ禍の影響により中小製造業を取り巻く環境は大きく変化しました。社会情勢は少しずつ落ち着いてはいますが、ものづくり業界に生じた変化は今後も継続し続けていくことが予想されます。
市場動向や経済の流れに加えて、他の企業の取り組みなどをさまざまな白書を通して把握することで、自社のWebマーケティングや経営施策に対する新たな気づきやアイディアを発見できる可能性があります。
自社単独では難しい情報収集などは、今回紹介したような白書をうまく活用して、スピードの速い業界の変化を乗り切っていきましょう。
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