導入事例作成で期待できる効果とは?制作フローや掲載方法も紹介

こんにちは、テクノポートの卜部です。今回は、導入事例をテーマに取り上げます。BtoB製造業にとって導入事例はどのくらい有効性の高いものなのか、そしてその効果を最大化するためにどのような準備が必要なのかを解説していきます。

導入事例の効果

BtoB製造業で、導入事例はどのような効果が期待できるのでしょうか?本記事では、BtoB製造業における導入事例とはどのようなものか、そしてその有効性についてお話しします。

導入事例とは

導入事例とは、企業が提供する製品やサービスが、実際の顧客にどのような効果をもたらしたかを、具体的な事例として示すものです。これは、成功事例や顧客の声を通じて、製品やサービスの価値を証明し、信頼性を高めるための重要なツールです。導入事例は、顧客の課題やニーズ、その解決策、具体的な成果などを明確に説明し、製品やサービスの利点を説明する手段として活用されます。

導入事例は、新規顧客に製品やサービスの魅力を伝えるだけでなく、既存顧客の満足度向上にも貢献します。他社の成功事例から学び、自社の価値を最適化する手助けとなるばかりでなく、事例を通じて具体的なビジネスシナリオや利益を示すことで、新たなビジネスチャンスを創出する道も開けます。導入事例は、信頼構築、受注獲得、既存顧客の維持など、多岐にわたるビジネスニーズに応える貴重なツールであり、BtoB製造業において欠かせない存在です。

BtoBにおけるコンテンツマーケティングと導入事例

マーケティング担当者にとって、コンテンツマーケティングは自社の専門知識や価値を共有する有効な手段です。なかでも重要なのが、集客のためのコンテンツになります。

その集客用コンテンツの代表格がSEO(検索エンジン最適化)コンテンツです。関連するキーワードで検索するターゲット顧客をWebサイトに誘導します。SEOコンテンツには、興味を持ったユーザーを顧客に変えるために、彼らのニーズに応える魅力的なコンテンツも必要です。

こうした中で、導入事例は特に強力です。実際の事例を通じて、顧客の課題がどのように解決され、どのような成果が出たのかを示すことで、読み手に共感を呼び起こし、信頼を構築します。

例えば、誰もが知る業界大手への提供実績を紹介する導入事例は、品質と信頼性を印象づけます。これにより、新規顧客はそのソリューションが実際に成果をもたらすのではないかと期待し、問い合わせや購買につながりやすくなります。

BtoB企業における導入事例の効果/メリット

BtoB企業にとって、導入事例は受注獲得や成果の証明に非常に効果的なツールとなります。以下でそのメリットについて簡単に説明します。

信頼性と説得力の向上:導入事例は、製品やサービスの実際の効果を示す手段として、他のマーケティングコンテンツよりも強力です。顧客はこの事例を通じて、企業が提供するソリューションに対する価値を理解し、購買意欲を向上させます。この具体例によって、信頼性と説得力を高めることが可能です。

効果の実証と興味喚起:導入事例は、製品やサービスの効果を、実際の結果をもって具体的に示すことができるので、潜在顧客の興味関心を引き付けられます。事例を通じて、顧客が抱える課題やニーズに対するソリューションを提供できるため、顧客は自社の製品やサービスに関心を持つようになります。

ターゲットへの適切な提案:導入事例は、特定の課題やニーズを持つ顧客に対して、適切な提案を行う際の重要な材料となります。事例を通じて、顧客が抱える問題がどのように解決されたのかを具体的に示すことで、顧客にとって魅力的なソリューションを提供できます。これにより、受注獲得の可能性が高まると同時に、顧客の満足度の向上が期待できます。

なぜ導入事例が受注獲得や成果出しにつながるのか?

導入事例は、具体的な成果や効果を示すための優れた手段です。顧客は、自身の問題や目標が事例を通じてどのように解決されたり達成されたりしたのかを見て、提供される価値を理解しやすくなります。この具体的な示唆によって、顧客は自社のニーズに合ったソリューションを見つけやすくなります。

また、導入事例を分析することは、他社の成功や失敗から学ぶ絶好の機会です。類似する業界やニーズを持つ企業の事例を見ることで、自社の製品やサービスの改善点を見つけられます。これにより、競争力を高めつつ、顧客に対する価値提供を向上させることができます。

導入事例は、営業担当者や社内関係者が顧客へのアプローチや説得を行う際の貴重なツールとしても有効です。具体的な実例を通じて、顧客の課題や問題がどのように解決されたのかを示すことで、社内外のステークホルダーを説得しやすくなります。また、事例は実績としての誇示にもなるため、企業の信頼性を高める効果もあります。

導入事例の構成

導入事例は、BtoB製造業において顧客との信頼関係を築き、製品やサービスの効果を示す重要な手段です。以下に、導入事例の構成要素を紹介します。

導入事例の構成要素

導入事例の主な構成要素は以下の3つです。

顧客の背景・課題

成功した導入事例を構築するには、顧客の背景と抱えていた課題を正確に伝えることが不可欠です。企業名、業界、規模などの基本情報を明示的に紹介することで、読み手は背景を理解しやすくなります。さらに、顧客が直面した具体的な課題や問題点を詳細に示し、どのような課題に取り組んだのかを明確にすることが重要です。

提供された製品/サービス

導入事例の中では、提供された製品やサービスの特徴と機能を明確に説明することが必要です。読み手に対して、どのような価値を提供する製品やサービスなのかを理解させることが目的です。さらに、なぜその製品やサービスが顧客の課題の解決策として選ばれたのかを詳細に説明することで、読み手は提供されるソリューションの有効性を理解できます。

製品導入プロセスと導入結果

導入事例の中で、製品導入のプロセスとその結果を示すことが重要です。導入プロセスのステップや具体的な取り組みを順に紹介することで、読み手は実際の導入過程を把握しやすくなります。さらに、製品導入後の成果や改善点を数値や具体的なデータとともに示すことで、製品やサービスの効果を具体的に証明できます。

導入事例は、顧客に対する価値提供と信頼構築において非常に効果的なツールです。これらの構成要素を適切に組み合わせることで、読み手は成功した導入事例を通じて、企業の実力と製品の効果を理解しやすくなるでしょう。

導入事例の掲載パターン

BtoB製造業における導入事例の掲載方法には、いくつかのパターンがあります。

記事コンテンツ

BtoB業界で最も一般的な掲載パターンです。ストーリー性を持たせた読み物として展開する方法や、顧客企業担当者との実際のやり取りをもとにした会話調の記事にする方法があります。読み手はストーリーや会話を通じて、実際のシナリオを想像しやすくなり、製品やサービスの具体的な価値を理解しやすくなります。

動画コンテンツ

顧客インタビューや製品デモの動画を通じて、導入事例を視覚的に表現する方法です。実際の顧客の声や体験を動画として提供することで、リアルな感覚を伝えられます。また、製品の実際の動作や効果を視聴者に示すことができるため、興味を引きやすくなります。

テンプレート型コンテンツ

課題、提供製品、解決方法、成果などを項目ごとに体系化した導入事例です。画像やグラフなどで補強することで、より効果的になります。テンプレート化されているため、制作がしやすく、項目ごとに整理された情報が読み手にわかりやすく伝わります。多くの事例をデータベースとして分類・整理する際にも有効な手法です。

複数事例のまとめコンテンツ

複数の類似事例を一つのページにまとめて掲載する方法もあります。例えば、1つのコンテンツの中で、異なるケースを比較検討していくようなもので、読み手は幅広い視点から理解できます。複数の業界やケースを取り上げることで、多様な読み手に対して興味を喚起し、より幅広い顧客層に対してアピールできます。

これらの導入事例の掲載パターンを組み合わせて活用すれば、BtoB製造業における製品やサービスの価値を多角的に伝えることが可能です。

必ず入れておいた方がよいもの

導入事例を効果的に活用するために、絶対に外せない要素をご紹介します。

具体的な成果指標

導入事例の中で、数値データや統計情報に裏付けられた具体的な成果を示すことは重要です。例えば、売上や生産性がどの程度向上したかの数値を提示することで、製品やサービスの実際の効果を読み手に明確に伝えることができます。これにより、顧客は導入事例の信憑性を高く評価し、自社にも同様の成果が期待できると考えやすくなります。

顧客の声やフィードバック

導入事例の中で、実際の顧客の声やフィードバックを引用することで、その信頼性を高められます。顧客が実際にどのように製品やサービスを評価し、どのような変化を感じたのかを明示することで、読み手は実際の使用者の満足度や評価を確認できます。これにより、導入事例の説得力が向上し、顧客の関心を引きやすくなります。

成功要因や課題解決についての洞察

顧客は、具体的にどのような戦略やアプローチが成功につながったのかを知りたいものです。導入事例の中で、成功への道のりや課題の克服に関する具体的な洞察を提供すれば、読み手はその企業や製品の実力を深く理解し、自社の課題にどのようにアプローチすべきかを考える材料とすることができます。

これらの要素を導入事例に組み込むことで、読み手は製品やサービスの実際の効果と価値をより具体的に把握し、導入事例が提供する洞察を活かして自社の課題に向き合えるでしょう。

導入事例の作成手順

ここでは、導入事例の一般的な制作の流れと、制作する上で肝となる顧客インタビューの方法やストーリーの組み立て方について説明します。

制作の流れ

導入事例を制作する大まかな流れは以下のようなステップとなります。

1.コンテンツの企画

最初に、導入事例の目的とターゲット読み手を明確に定義します。何を伝えたいのか、どのような価値やメッセージを提供するのかを検討します。これにより、読み手のニーズに合わせた事例を構築する基盤が整います。

2.情報収集

顧客に対してインタビューを行い、課題、解決方法、目標などを詳細にヒアリングします。具体的な数値指標やデータも収集し、製品やサービスの効果を具体的に裏付けます。

3.ストーリー構築

収集した情報をもとに、課題の発生から解決への流れをストーリーとして構築します。読み手が共感しやすいエピソードやハイライトを選んでストーリーに組み込むことで、事例がより魅力的になります。

4.コンテンツ制作

収集した情報やストーリーをもとに、事例の原稿を制作します。読み手にわかりやすいように説明を工夫し、図表や画像を準備して内容を補強します。

5.校閲・確認

関係者による査読を行い、内容や表現に問題がないかを確認します。また、フォーマットやデザインの整合性も確認し、読み手にわかりやすい形式に仕上げます。

6.公開・共有

完成したコンテンツをWEBサイトに設置するか、印刷して配布物として利用します。さらに、ソーシャルメディアやメール、案内状などを通じて、導入事例を共有し、読み手の関心を引きます。

これらのステップを追うことで、効果的な導入事例を制作し、BtoB製造業の製品やサービスの価値を効果的に伝えることができます。

顧客インタビューの方法

顧客インタビューは、事例の成否を決める肝となるポイントのひとつです。ここでは具体的にどのようなことを準備していくのかを説明します。

質問リストの用意

事前に質問リストを用意することが重要です。具体的な課題やニーズを引き出すための質問を準備し、効果的なインタビューを行う準備を整えましょう。

顧客に詳しい人との連携

あらかじめ営業など顧客に詳しい人と連携し、顧客の具体的な課題やニーズをより深く理解しておくとよいでしょう。これにより、インタビュー時に必要な情報を的確に引き出すことができます。

数値指標の検討と収集

事例に役立つ数値指標を事前に検討し、必要なデータを収集しておきましょう。収益増加率やコスト削減額など、具体的な成果を数値で示すことで、事例の説得力を高めることができます。

ストーリーの組み立て方

効果的な導入事例にはストーリーの組み立て方も重要なポイントとなります。以下の流れで組み立てるのが王道的なやり方です。

課題の背景としてのエピソード

導入部において、読み手の興味を引くエピソードで課題の背景を説明します。このエピソードを通じて、読み手が事例に興味を持つきっかけを提供します。

解決策への道

製品やサービスを検討し始めたきっかけにつながるエピソードを盛り込み、課題の深刻さを強調します。読み手になぜその製品やサービスを選んだのかを理解させ、選択の背後にある理由を明確にします。

プロセスと成果のハイライト

製品やサービスの採用から解決へ至るまでのプロセスをハイライトし、解決への希望を示します。具体的な数値やデータを用いて、製品やサービスの実際の成果や効果を証明します。

感情的な要素の強化

顧客の声や感謝のコメントを引用することで、ストーリーに感情的な要素を加えます。顧客の満足度や喜びを読み手に伝えることで、事例の説得力が高まります。

これらを通じて、読み手に魅力的な導入事例を提供し、製造業の製品やサービスの実際の価値を効果的に伝えることができます。

導入事例の掲載・共有方法

ここでは、制作した導入事例をどのように掲載し、シェア拡散を図っていくのかについて解説します。

導入事例の主な掲載媒体

導入事例を効果的に共有し、広く顧客にアピールするための掲載媒体について、デジタル・アナログの両方の手段をご紹介します。

デジタル媒体

自社サイト/ブログ
企業の公式Webサイトやブログに導入事例を掲載することで、訪問者に直接価値を伝えられます。

外部サイト
パートナー企業や業界専門のWebメディアなど、外部サイトに導入事例を提供することで、より多くの読み手に届けることができます。

SNS
Webサイトへの誘導だけでなく、SNS上で導入事例を掲載することも効果的です。コンテンツをシェアすることで、多くのユーザーにアプローチできます。

PDF
ダウンロード可能なPDFコンテンツとして導入事例を提供することで、リードの獲得に活用できます。

動画
動画コンテンツを活用することで、情報を視覚的に伝えられます。顧客の声や感想を生のまま伝えることで信頼性を高められます。

アナログ媒体

パンフレットやチラシ
イベントや展示会などで物理的な資料として配布することで、直接顧客にアプローチできます。

カンファレンスやセミナー
プレゼンテーションの際に導入事例を紹介し、受講者と共有できます。

プリント広告
新聞や業界誌に導入事例を広告として掲載することで、広く読み手に届けられます。

これらの媒体に掲載するコンテンツは、各々の媒体にあった伝え方がよいですが、同じ題材で、複数のコンテンツ展開を図るとよいでしょう。それにより、顧客の接点を増やし効果を高めることができます。

導入事例の共有方法

導入事例を効果的に共有する方法について、お伝えします。

WebサイトとSNS
企業のWebサイトのトップページやお知らせ欄で告知し、SNS上にも投稿して誘導や拡散を図りましょう。複数の告知用投稿文や画像を用意し、パターンを変えて投稿することで、多様なユーザーにリーチできます。

メールでの送信
顧客やリードに対してメールを送信して導入事例を共有しましょう。一斉配信やターゲティングメールの両方を活用して、効果的に読み手に届けます。

オンラインコンテンツプラットフォーム
YouTubeやSlideShareなどのプラットフォームに導入事例をアップロードし、広い対象に向けて共有することができます。

印刷物としての配布
パンフレットやチラシ、カタログなどの印刷物として導入事例を用意し、イベントなどで配布してアピールしましょう。

これらの方法を組み合わせて、効果的な導入事例の共有と広報活動を展開することで、BtoB製造業の価値を効果的に伝えられます。

導入事例で失敗しないためのコツ

最後に、導入事例を成功させるために注意しておきたいポイントを5つほど紹介します。

事例のネタ探しのコツ

日頃から顧客とのコミュニケーションを通じて、課題やニーズをヒアリングし、関係者と情報共有することが大切です。課題やニーズをテーマ別に分類し、成果がわかりやすいものを事例候補として選ぶことで、読み手に対する説得力を高めることができます。実名の事例が難しい場合は、架空の事例を検討するのもよいでしょう。また、競合他社の類似事例や業界トレンドからインスピレーションを得ることも有益です。

協力企業の探し方

過去の成功事例を持つ既存顧客に連絡し、協力を依頼することで信頼性を高められます。パートナー企業との共同プロモーションや業界で影響力をもつ関係者に協力を依頼し、相互メリットを共有できる関係を築くやり方もあります。関係構築がなかなか難しい際は、協力企業にインセンティブを提供するのもよいでしょう。協力意欲を高めることができます。

読み手が注目する情報の入れ方

読み手が注目する情報や要素を理解し、それに合わせて情報を提供することが重要です。選定理由を明確にし、なぜその製品やサービスを選んだのかを説明しましょう。具体的な数値や統計データを強調し、製品やサービスの効果を証明することで、事例の説得力が高まります。顧客の声やフィードバックはそのまま引用することで、信頼性や満足度をアピールできます。また、提供した製品やサービスの特徴がどのように課題を解決したかを詳細に説明することで、読み手に対する説得力を高めます。

顧客の声を的確にとらえるコツ

オープンクエスチョンを使って、客観的な声を引き出すことが大切です。顧客の体験の詳細を探ることで、真のニーズを理解できます。こちらから誘導質問をしないように心掛け、顧客の本音を引き出すよう努めましょう。顧客の感想やフィードバックは編集せずにそのまま引用することで、信頼性を高めることができます。

掲載媒体の選び方と効果的な共有方法

ターゲットのカスタマージャーニーに合わせて、接触媒体や手段を選ぶことが重要です。SNSはターゲットユーザーの属性や興味関心に合わせて、複数のプラットフォームを組み合わせて活用しましょう。展示会やセミナー、製品に関連するイベントのタイミングで事例を共有することで、関心を引きやすくなります。オンラインとオフラインの両方の媒体を組み合わせて広範な層にアプローチすることで、より多くの読み手にアピールできます。

まとめ

導入事例は、製品やサービスの実際の価値を示し、信頼性を高めるための重要なツールです。顧客の課題やニーズ、解決策、具体的な成果を明確に示すことで、新規顧客の獲得だけでなく既存顧客の満足度向上にも貢献します。導入事例は、コンテンツマーケティング戦略において特に強力であり、SEOコンテンツや興味を引くコンテンツとして効果的です。

BtoB企業にとって、導入事例は信頼性と説得力を高め、効果の実証と興味喚起を促進します。顧客のニーズに適切に対応し、適切な提案を行うための材料としても有効です。導入事例は、具体的な成果や効果を示す手段として顧客に訴求し、受注獲得や成果出しにつながります。顧客の声やフィードバック、成功要因や課題解決についての洞察を盛り込むことで、説得力を増すことができるでしょう。

導入事例は具体的な成果指標や顧客の声を示すことが不可欠ですが、それには、顧客インタビューの準備が重要です。そしてターゲットを行動喚起させるストーリーの組み立て方がポイントとなります。そうすることで、顧客に提供する価値を明確に示し、成功事例から学びながら持続的な成長を遂げることができるでしょう。

テクノポートは効果的な導入事例の制作を支援するサービスをご用意しています。導入事例に関して、ご相談やお手伝いが必要な場合は、お気軽にご連絡ください。

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導入事例とは?制作方法からインタビューのコツ、テンプレートやデザインまで全体解説

こんにちは、テクノポートの卜部です。この記事では、これまでに書いた導入事例についてのコンテンツを一覧にし、各ページへのリンクを提供しています。導入事例の制作を検討している方々にとって、このページを知りたい情報へのアクセスの基盤としていただけますと幸いです。

導入事例とは

導入事例とは、BtoB企業のWebサイトに掲載されるもので、その企業の製品やサービスがクライアントのビジネスにどのように利用され、どのような結果をもたらしたかを具体的に示したものです。

導入事例は、企業が自社の製品やサービスの価値を具体的に示し、潜在的な顧客にその効果を理解してもらうための重要なコンテンツです。また、顧客が自分たちの課題や目標に対して同様の解決策を見つけるための参考情報としても利用されます。

導入事例のメリット

導入事例は、商品やサービスの実際の効果や感想をまとめたコンテンツで、自社の信頼を高める重要な要素です。掲載には労力と時間がかかりますが、その価値は非常に大きいと言えます。

導入事例は商品やサービスの価値を顧客に感じてもらうための重要なツールです。顧客が抱える課題の解決方法を具体的に示すことで、商品やサービスの価値を強調できます。また、商談時には顧客の不安を和らげ、自社をまだ知らないユーザーにも認知してもらうきっかけとなります。

さらに、導入事例の制作過程では、顧客から直接詳細なフィードバックを得ることができます。これは商品改善のヒントとなり、新たなマーケティング戦略を練る上で貴重な情報源となります。

制作方法の全体

次はBtoB製造業における導入事例の効果的な制作方法について解説します。

導入事例の制作方法には、インタビューによる制作とテンプレートを活用した制作の2つの方法があります。インタビューによる制作は、リアリティを伝え、ユーザーの共感を引き出しやすいですが、ライターの能力によってコンテンツの品質に差が生じることがあるため、ライターの選定が重要です。テンプレートを活用した制作では、情報の整理と見た目の統一が可能で、ユーザーにとって読みやすいページを作成できます。

次に、導入事例の制作パターンとして、企業の課題解決パターン、他社との差別化パターン、具体的な活用方法紹介パターン、活用イメージを変えるパターンの4つを紹介しています。これらのパターンを適切に選び、自社の商品やサービスの魅力を最大限に伝えることが、新規顧客獲得につながる効果的な導入事例を制作するための秘訣となります。

インタビューのコツ

次に、導入事例のインタビューを成功させるためのポイントについて説明します。

導入事例のインタビューでは、事前の準備が全体の80%を占めると言われています。成功させるためには、競合の導入事例のリサーチ、質問内容の事前設定、インタビュー対象企業の調査、インタビューの目的の共有、脱線した話にも注意を払う、効果を具体的な事例や数値で語ってもらう、2台以上のレコーダーで記録するなどのステップが重要です。

導入事例のインタビューでは、次の質問内容が効果的です。導入前に抱えていた課題、選定の決め手となったポイント、導入後の変化、現在の不満点、そして今後の取り組み。

これらの質問を通じて、顧客の真実の声を引き出し、導入事例を魅力的に仕上げることが可能となります。インタビューは導入事例の品質を左右する重要なステップです。十分な準備があれば、初めての方でも自信を持って取り組むことができます。

記事の書き方

成功の鍵となる導入事例作成には、製品やサービスの選定、ターゲットとインタビュイーの選択、物語の構築、そして具体的な成果の提示が重要です。これらを適切に組み合わせることで、導入事例を効果的に編み立てることが可能となります。

また、導入事例の提示方法は、形式により異なります。Web記事では、読者が共感を覚える裏話の織り交ぜが推奨されています。一方、ホワイトペーパーでは、情報の視覚化や強調表現のデザインが効果を発揮します。

導入事例記事の構築においては、その型が大きな役割を果たします。具体的には、問題解決型、レビュー型、他社比較型、成功物語型、インタビュー型が存在します。これらの型を適切に活用し、自社の商品やサービスの魅力を最大限に伝達することが求められます。

記事の魅力を高めるためのテクニックも重要な要素です。タイトルに数字を含める、物語に展開と変化を持たせる、見出しで要点を簡潔に伝える、エピソードを具体的に描く、ネガティブな情報も公開するなどがその一例です。

テンプレート

導入事例のテンプレートについて、4つの主要な種類をご紹介します。

それぞれ、企業の課題解決を強調するもの、自社の独自性を際立たせるもの、具体的な使用方法を示すもの、そして製品やサービスのイメージを刷新するものです。これらのテンプレートを上手に用いることで、企業は自らの製品やサービスの魅力を効果的に伝えることが可能となります。

デザインのコツ

次に、導入事例のページデザインについて説明します。基本的な構成としては、導入事例の概要、背景、選定基準、導入後の効果、そして今後の展望や課題が考慮されます。自社と共通の特性を持つ企業の事例が読まれやすいため、業界や規模で分けていくつかの顧客を取り上げることをお勧めします。

デザイン面では、いくつかの工夫をすると良いでしょう。カテゴリで分けて検索性を向上させたり、冒頭に結論を配置すること、ビフォーアフターで比較を示すこと、さらには写真や動画を用いることが挙げられます。これらの工夫により、ユーザーは導入事例を理解しやすくなり、興味を引きやすくなります。

製造業における導入事例制作支援

テクノポートは、製造業を主体とする技術系企業のWebマーケティングを1000以上の企業に支援してきたという実績を持つデジタルマーケティング企業です。創業以来、製造メーカーやサプライヤーを対象に、Web戦略策定、サイト制作、オウンドメディア構築を行ってきました。

また、テクノポートでは導入事例の制作とインタビュー代行もサービスとして提供しています。豊富な取材経験を活かし、インタビュー、そしてコンテンツ制作までを一貫して対応します。技術分野に精通したライターやカメラマンが制作を担当し、売上増加に寄与するような導入事例コンテンツの企画から実施します。

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パワポを活用した効果的な導入事例の紹介

こんにちは。テクノポートの卜部です。「自社製品・サービスの導入事例のコンテンツを作りたいけど、Webサイトを編集するのはハードルが高そう…」という方におすすめなのが、パワーポイントで制作する方法です。

そこで、今回はパワーポイントを使った導入事例コンテンツの作り方をご紹介します。日頃からパワーポイントを使う機会が多い方は、本記事を参考にしながら、実際に作ってみていただけたら幸いです。

パワーポイントで導入事例を作るメリット

さまざまな媒体で活用できる

パワーポイントで導入事例集を作ることで、以下のようにさまざまな媒体で活用することが可能です。

  • Webサイトからダウンロードできる資料(ホワイトペーパー)として掲載する
  • メルマガに資料を添付して配信する
  • 一部を抜き出して、営業資料に組み込み商談の際に使用する
  • 企業のSNSに掲載する

導入事例集を紹介し、具体的なメリットを見込み顧客に提示できれば、スムーズに話を進めることもできるでしょう。

手軽に作成できる

Webサイトを編集する場合だと、外部に依頼したり、コーディングが必要となったりすることがありますが、パワーポイントであれば、普段から使用している方も多いのではないでしょうか。パワーポイントという使い慣れているツールで手軽に作れるのは大きなメリットです。

縦型にすべきか、横型にすべきか

パワーポイントで導入事例を作成するメリットを見てきましたが、パワーポイントは通常横長のフォーマットです。縦型で作成された導入事例もありますが、それぞれの特徴を解説します。

縦型の特徴

  • 文字量が多く、書籍や冊子のような読み物として制作する場合は縦型が適しています。
  • PCのディスプレイでは少し視認性が悪くなるため、印刷で使用するシーンがメインになります。

横型の特徴

  • 図やイラストをメインで説明し視覚的に訴える場合は横型が適しています。
  • PCのディスプレイに最適化されているので、ダウンロード用のホワイトペーパーの用途で使われることが多いです。

パワーポイントテンプレートの選定とカスタマイズ

では実際にパワーポイントを使って、どのように導入事例集の作成を進めれば良いのかを解説します。

導入事例に適したテンプレートの選び方とポイント

もちろんゼロからパワーポイントのスライドを作っても良いのですが、既にあるテンプレートを活用することで効率的に制作できます。

テンプレートは、以下のサイト等で無料で入手することが可能です。

・プレゼンデザイン
https://ppt.design4u.jp/template/
ビジネスシーンで使いやすいシンプルなテンプレートがある。

・Canva
https://www.canva.com/
登録が必要だが、Canva上でプロクオリティのデザインが可能。

・Slides Carnival
https://www.slidescarnival.com/
テンプレートとマッチするアイコン素材まで用意されている。

テンプレートは、業界や製品・サービスに関連するデザインやカラースキームを選ぶことで、一貫性のある資料になるでしょう。

テンプレートのカスタマイズ

選択したパワーポイントのテンプレートはそのまま使うのではなく、自社のブランドに合ったデザインにカスタマイズする必要があります。具体的には、以下の3点をまずカスタマイズしましょう。

  • メインカラーは企業のブランドカラーに変更する
  • フォントも社内で統一する
  • 自社のロゴを挿入する

パワーポイントを使った視覚的な表現のコツ

パワーポイントを使って導入事例をどのように魅力的にみせればよいのか、表現のコツを紹介します。

グラフや図表を活用する

導入時の効果は、見込み顧客がすぐに理解できるようわかりやすく表現する必要があります。導入企業へのアンケート結果などは視覚的にわかるよう、グラフや図表を使ってまとめましょう。

テキストや数字のみだとわかりにくい内容も、インフォグラフィックを活用すると情報がすっきり整理されます。

イメージや写真を掲載する

実際の商品の写真や、サービスを利用しているシーンなどを掲載しましょう。そうすることで、見込み顧客が具体的に導入後の状態を想像できます。

もし、写真がないという場合は、イメージに近い素材を探して挿入します。

ビフォーアフターを色で表現する

商品・サービスの導入前と導入後の変化について、一目見て内容が入ってくるデザインにするのが良いでしょう。Beforeはグレーなどの抑え目なカラーを使用し、Afterではコントラストをつけて違いを強調しましょう。

まとめ

Webサイトで導入事例コンテンツを作るのはコストも時間もかかるしハードルが高そう…という場合は、まずパワーポイントで作ってみましょう。

アンケート、取材や写真などの素材集め、デザイン作業と手間はかかりますが、一度作れば他媒体にも展開できる上、改めて自社製品の強みに気づくこともできます。

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成果を生む導入事例記事を書くコツを徹底解説(型・テクニック・書き方・活用方法)

こんにちは。テクノポートの卜部です。導入事例記事はマーケティングや営業活動に効果的です。しかし、魅力的なものに仕上げるにはどうすればいいかわからず、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、成果を生むための導入事例記事を作るポイントを徹底解説します。リード獲得や成約率向上につなげたい方は、ぜひ最後までお読みください。

導入事例記事とは?重要性や効果を解説

導入事例記事とは、商品やサービスを導入したきっかけや得られた効果を、実際に利用した顧客にヒアリングしてまとめたものです。同じような課題を抱える顧客の興味づけや商談時の説明資料にも活用できます。顧客起点で語られた言葉を使うので現実味があり、共感を呼びやすいのが特徴です。

導入事例記事を正しく活用できれば、商品やサービスは知らないけれど、悩みを解決したくて困っている潜在顧客に広くリーチできます。そのため、リードの獲得や問い合わせ増加が見込める施策として多くの企業が取り組んでいます。

効果的な導入事例記事を書くための5つの型

導入事例記事が相手に与える印象は、書く内容や順番によって大きく変わります。代表的な5つの型を紹介するので、内容や目的に合わせて使い分けていきましょう。

問題解決型

問題解決型の導入事例はオーソドックスな構成です。商品やサービスの利用者と導入効果の概要から始まり、問題(目的)、解決策、実際に得られた効果の順番で記事を制作します。内容の信頼性を高めるため、導入前後の変化をデータや指標で具体的に示す必要があります。

レビュー型

実際に使っている姿を想像してもらいたいときに使う導入事例記事の型です。ユーザーが実際に使っている方法や普段の取り組みを詳細に説明します。いろいろなニーズに対して柔軟に対応できる商品やサービスの紹介に向いています。

他社比較型

他社よりも優れている点や独自性をアピールできるような事例を記事にする方法です。自社を利用してくれている顧客に、他社からの変更を決意したポイントをヒアリングして記事にします。他社の商品やサービスで問題解決できない理由と、自社なら解決できる根拠を示すことで優位性を訴求します。

成功物語型

フルオーダーで顧客の要望に徹底的に応える商品やサービス向けの型です。「一筋縄ではいかない課題に顧客以上にコミットして取り組み、最後は目的を達成する」といったストーリーで話を展開していきます。一緒に難題に取り組んでくれるパートナーを探している顧客に刺さるでしょう。

インタビュー型

取材の内容をもとに、話の順序や文体を整えて記事を制作する方法です。以下3パターンのうち、いずれかで記事を書いていきます。

  • ひとり語り
  • 会話形式
  • 第三者視点

写真を組み合わせることで、担当者の人柄や明るい雰囲気を訴求できます。親しみをもって読み進められる記事に仕上がります。

導入事例記事を魅力的に見せる5つのテクニック

ただ情報をまとめただけの導入事例記事は読まれません。おもにネット上に掲載する導入事例記事は、悩みを抱えている人の目に止まり、読み進めてもらうための工夫が必要です。これから紹介する5つのテクニックを使って、読者を記事に引き込んでいきましょう。

タイトルには数字を含める

タイトルはその記事を読むかどうかを判断するとても重要な要素です。どんなに記事の内容がよくても、読み進めてもらえなければ意味がありません。

読者の興味を引くには、数字を入れるのが効果的です。導入前後の変化を数字で示してインパクトのあるタイトルにしましょう。「改善した」「利益がアップした」のような抽象的な内容よりも「前年比+30%の増収増益を達成」「生産性が3倍に向上」のように数字を入れたほうが効果の大きさを実感してもらえます。「本当にこんな効果が出るの?」と思ってもらえたら勝ちです。具体的な成果で相手の目を引き、記事に読者を誘導しましょう。

ストーリーは「起承転結」と変化をつける

導入事例記事には共感を呼ぶストーリーが必要です。そこで「起承転結」で話を展開しましょう。日本人であれば一度は聞いたことがあるくらいベタな展開ですが、読者を引き込める話の展開方法です。

さらに面白いストーリーにするため、話の中に感情の波を作ることを意識してみてください。型にあてはめるだけでなく変化もつけることで、最後まで読んでもらいやすい内容に仕上がります。

見出しで簡潔に内容を伝える

導入事例記事は、ぱっとみて読者に読むべきかどうかを判断してもらう必要があります。そのためには見出しの内容が重要です。全体を流し読みした程度でも内容が伝わるように、簡潔で情報密度の高いワードにしましょう。

最初から最後まで読んでもらえなかったとしても、自社の商品やサービスの良さが伝わればOKです。むしろ内容がよくわからないまま読み進めた結果「思っていたのと違った」となると、お互いに損です。見出しを読んだだけで内容がわかるようにしておけば、ユーザビリティが高まり、多くの人に導入事例を届けられます。

エピソードは具体的に書く

受注の決め手になったポイントや解決したときのシーンがリアルに伝われば、読み手の頭の中にも自社が抱えている問題を解決する姿が映り、購買意欲を高められます。

リアリティのある内容は、担当者本人からしか聞き出せません。商談時に交わした営業担当者との会話や発注を決意したときに感じたことなど、重要な局面での話はインタビュー時に細かく聞いておきましょう。このようなやり取りは世の中に一つしかないストーリーになるので、深く掘り下げてみてください。

ネガティブな情報もオープンにする

導入時のトラブルや顧客が不満に感じていることも正直に記載しましょう。トラブルにも真摯に対応したことや、今はまだ実現できていないことを示すことで信頼性が高まります。できること・できないことが明確になり、今後導入する顧客の期待値も調整できるでしょう。

導入事例記事の書き方

導入事例記事は、大きく分けて5つの要素で構成します。

  • タイトル
  • 導入後の効果
  • 導入前の状況
  • 製品(技術の使用感)
  • まとめ

伝えたい内容や型によって内容や順番をアレンジしましょう。考える際のポイントは、読み手が魅力的に感じるかどうかです。自分たちの伝えたいことを優先しないように気をつけましょう。

導入事例を今すぐ作りたい方は、関連記事「最も効果的な導入事例の書き方の具体例とテンプレートを紹介」をぜひ参考にしてください。

導入事例記事の活用方法3選

導入事例記事は、Webサイト上に掲載するだけでなくさまざまな活用方法があります。そこで代表的な3つの方法を紹介します。

SNSで発信する

SNSは拡散性が高いため、共感を生みやすい導入事例記事と相性のよいツールです。自社アカウントだけでなく、広告と組み合わせることでたくさんの人に露出できます。ビジネスでも使える代表的なSNSは以下の3つです。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter

取り扱っている商品やサービスに応じて適切な媒体を選択しましょう。

ホワイトペーパーにしてリード獲得に使う

導入事例記事はホワイトペーパーとしても活用できます。導入事例の概要をサイト上で公開し、詳細をダウンロードしてもらう際に顧客情報を入力してもらいます。

問い合わせにつながらなくても、継続してコミュニケーションを取れる接点は残るため、リード育成に活用できます。オウンドメディアにおけるSEO記事内での訴求やセミナーの特典など、活用できる場面は無数にあります。制作したものはどんどん活用していきましょう。

営業活動に使う

顧客が抱える課題と解決策を起点に話を展開する導入事例記事は、営業活動でも活躍します。とくに「自社の悩みには気づいているけど、解決策がわからない」といった潜在顧客へのアプローチに効果を発揮するでしょう。顧客から悩みを聞き出し、導入事例を根拠に提案すると、提案内容に信ぴょう性が出ます。相手も自社の悩みが解決して利益につながるのであれば、自然に商品にも興味を寄せてくれますよ。

まとめ

導入事例記事は、マーケティングや営業における重要な役割を果たします。関連記事「最も効果的な導入事例の書き方の具体例とテンプレートを紹介」と組み合わせて、魅力的な内容に仕上げていきましょう。

ぜひこの記事を参考に、導入事例記事の重要性を理解し、新規顧客の開拓や商談に活用していきましょう。

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受注に繋がる導入事例の構成テンプレートを紹介

こんにちは。テクノポートの卜部です。製造業において、導入事例のページは問い合わせ数アップにつながる重要なコンテンツです。

しかし、「作ったことがないため、作り方がわからない…」「本当に問い合わせや受注が増えるのか、よくわからない…」という方もいらっしゃるかと思います。

そこで、企業の特徴や強みに合わせて活用できる導入事例ページのテンプレートをご紹介します。これらのテンプレートを使うことで、さくっと導入事例が作れるようになるので、ぜひ読んでいただけたら幸いです。

なぜ導入事例は効果的なのか

まず、導入事例ページを作ることによるメリットを3つ解説します。

信頼性が上がる

何かを購入するとき、口コミを事前に確認するという方は多いのではないでしょうか。

同じように、導入すべきか迷っている見込み顧客にとって、実際に導入した企業の声は重要な検討材料です。製品やサービスの価値が企業の声により実証されるため、見込み顧客側からの信頼度が高まります。

実際に導入する一押しになる

見込み顧客が、導入事例に載っている企業や組織と同じ状況に置かれた際に、製品やサービスがどのように役立つのかを知ることができます。

「こんなふうに課題を解決できるんだ!」と理解できる、詳細な活用イメージは、実際に導入するための一押しになります。

販売プロセスをスムーズに進めることができる

「導入企業がどのように活用しているのか」を理解した状態での問い合わせが増加し、販売プロセスをスムーズに進めることができます。つまり、受注確度の高い見込み顧客に集中して営業ができるようになります。

企業の課題解決をアピールできる導入事例テンプレート

多くの製造業は、生産性や品質、コスト、新規開拓などの課題を抱えています。こういった課題を、自社の商品やサービスによって解決できることをアピールするストーリーは、導入事例における一般的な構成です。

目的と期待できる効果

通常のコーポレートサイトでは、製品やサービスを軸にした情報が掲載されていますが、業界や企業の具体的な課題とそれに対するソリューションにまで言及されているケースは多くありません。顧客目線の情報を導入事例として公開すれば、個々の企業により具体的な検討を誘発させることができるでしょう。

導入企業への質問項目の例

  • 導入企業が持っていた課題は何か
  • 当社を知ったきっかけ
  • 商品・サービスの導入によりどのように課題を解決できたか
  • 商品・サービスに対する社内のフィードバック内容

ページ構成のテンプレート

  1. 会社概要の説明:導入企業の事業内容を簡単に説明します。
  2. 直面していた課題:導入企業が抱えていた課題や、なぜその課題を解消するための投資を行うに至ったかを説明します。
  3. 課題解消のための情報収集:対象製品やサービスの情報収集をどのように行ったか、また、情報収集を通じて得た選定基準やポイントも説明します。
  4. どうやって当社を知ったか:当社を知った方法やきっかけ、また、そのときの第一印象を説明します。
  5. 当社を選んだ理由:当社への発注の決め手となったことは何かを説明します。
  6. 導入よる課題解消と効果:導入によって抱えていた課題がどのような形になったか、またその効果を具体的な数値を交えて説明します。
  7. 導入への社内外からの評価:導入後の社内外からの評価や、導入前に抱いていた印象に対するギャップや発見などを説明します。
  8. 他企業へのアドバイス:当製品やサービスを導入しようとしている他の企業へのアドバイスがあれば説明します。

他社との差別化をアピールできる導入事例テンプレート

どの企業の商品・サービスにするか悩んでいるが、どれも選ぶに足るだけの要素がない、という状況の見込み顧客に対して有効なテンプレートです。

目的と期待できる効果

競合が多い商品・サービスを取り扱っている場合、他社との違いをしっかり伝えることで、見込み顧客に選んでもらえる確率が上がります。また、情報を整理することで自社の強みを再確認するきっかけにもなります。

導入企業への質問項目の例

  • 選定時に重要視したポイント
  • 導入の決め手となったのは何か
  • 他に比較した商品はあるか(事例には掲載しませんが、参考までに聞いてもよいでしょう)

ページ構成のテンプレート

  1. 会社概要の説明:導入企業の事業内容を簡単に説明します。
  2. 選定時の基準・ポイント:導入企業が持っている、商品・サービスを選ぶ際の基準を説明します。
  3. 当社を選んだ決め手:当社への発注の決め手となったこと、意思決定までのプロセスを説明します。
  4. 活用方法:業務上どのように活用しているのか、具体的に説明します。
  5. 活用した所感:活用してみてどうだったのか、社内のフィードバックを説明します。
  6. 他企業へのアドバイス:当製品やサービスを導入しようとしている他の企業へのアドバイスがあれば説明します。

具体的な活用方法を紹介する導入事例テンプレート

導入企業が、商品・サービスを実際にどのように活用しているのかを伝えられるテンプレートです。写真や動画を掲載すると、わかりやすいコンテンツになるでしょう。

目的と期待できる効果

製品・サービスを導入することで、従来の業務フローがガラッと変わる場合、見込み顧客は「本当にうまく活用できるのか」という不安を抱くでしょう。具体的な活用方法を導入事例に掲載することで、その不安を払拭できます。

導入企業への質問項目の例

  • どのように活用しているのか
  • 使いやすさはどうか
  • 使用するにあたり、つまずいたポイントはあるか
  • 独自に工夫している点はあるか

ページ構成のテンプレート

  1. 会社概要の説明:導入企業の事業内容を簡単に説明します。
  2. 活用シーンと活用方法:業務上どのようなシーンでどのように活用しているのか、具体的に説明します。
  3. 活用した所感:活用してみてどうだったのか、社内のフィードバックを説明します。
  4. 導入の効果:数字を使って定量的に、導入効果を説明します。
  5. 独自に工夫している点:導入企業が得たノウハウや、うまく活用している方法があれば、説明します。

活用イメージを一新できる導入事例テンプレート

新規顧客を開拓していきたい場合、商品・サービスとあまりイメージが結びつかない業界の企業にインタビューをしてみましょう。これまでにはない、新たなアイデアを持った見込み顧客からの問い合わせがくる可能性が高まります。

目的と期待できる効果

商品・サービスがまだ普及していない業界に、導入イメージを持ってもらえるというメリットがあります。固定化されたイメージを変えることができます。

導入企業への質問項目

  • 導入企業が持っていた課題は何か(業界特有の課題を聞く)
  • この​​商品・サービスを導入した目的
  • この​​商品・サービスを導入した経緯

ページ構成のテンプレート

  1. 会社概要の説明:導入企業の事業内容を簡単に説明します。
  2. 導入前に抱えていた課題:導入企業が抱えていた課題やなぜその課題を解消するための投資を行うに至ったかを説明します。
  3. 解決方法を模索したプロセス:対象製品やサービスの情報収集をどのように行ったか、また、情報収集を通じて得た選定基準やポイントも説明します。
  4. 導入の決め手:当社への発注の決め手となったことを説明します。
  5. 導入後の効果:数字を使って定量的に、導入効果を説明します。
  6. 今後の展望:商品・サービスを活用し、今後どのようなことをやりたいかを説明します。

まとめ

導入事例のコンテンツは、テンプレートを用意しておくことで、効率的に制作できます。また、一度制作した導入事例はホームページに掲載することはもちろん、展示会でのチラシや営業資料、セールスレターや広告などに使用できます。

今回ご紹介した4つのテンプレートの中から、自社の状況・目指す状態にマッチするものを選び、ぜひ参考にしながら制作してみてください。

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導入事例インタビューを成功に導く7つのコツと具体的な質問内容を解説

テクノポートの卜部です。導入事例を魅力的な内容に仕上げるには、インタビューでいかに情報を引き出すかが重要です。しかし、うまく進行できるのか不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、インタビューを成功させるコツや当日質問する内容について解説します。「インタビューを成功させたい」と考えている方には、必見の内容になっています。ぜひ最後までお読みください。

導入事例インタビューは難しくない

「インタビュー」という言葉だけで苦手意識を感じている方は多いでしょう。しかし、事前の準備さえしっかりしていれば、トークの才能がなくても話を引き出せます。

導入事例におけるインタビューは、おおよそ聞くべき内容が決まっています。準備した質問に沿って話を進めていけば問題ありません。あとは自社商品のメリットやデメリット・導入による効果について深く情報を掘り下げていけば、必要な材料がそろうでしょう。

なお、質問内容は後ほど詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

導入事例インタビューを成功させる7つのコツ

「インタビューは準備が8割」といわれています。これから解説する7つのコツを参考に、万全の状態で当日を迎えてください。それぞれ詳しく解説していきます。

競合の導入事例をリサーチする

まずは、ライバル企業の導入事例をチェックしましょう。他の人が書いた記事であれば、読者目線で読めます。印象に残るポイントをピックアップしていけば、記載すべき内容や顧客が重要視しているポイントが見えてきます。

他にも優位性をアピールできる点がないかも探してみましょう。スペックやサービスの内容・アフターフォローなど、比較できる部分がないか調査してみてください。

質問内容をあらかじめ決めておく

限られた時間で必要な情報を引き出すには、何を聞くかが重要です。こちらが知りたい情報は質問からしか引き出せないと考えてください。

質問内容を考えるコツは、導入事例の構成を作ってしまうことです。事例を見る人が魅力的に感じる内容を想像しながら骨組みを作りましょう。事前に調べておいたライバルサイトの構成を参考にすれば、聞くべき情報を整理できます。

インタビュー対象企業のことを調べておく

インタビューは相手のことを理解したうえでのぞむべきです。よく調べていれば、質問内容の解像度が高まるでしょう。

顧客と接する機会が少ないのであれば、担当の営業マンにあらかじめヒアリングしておきましょう。とくに、自社の商品やサービスがどのように使われているのか、どういった声をもらっているのかを聞いておくことをおすすめします。

「普段のやり取りまでよく知っているな」と思ってもらえれば、より深い情報まで話をしてもらいやすくなります。相手を尊重していることも伝わるので、質問に対して前向きに答えてもらえますよ。

インタビューの目的を共有する

インタビューの目的は、依頼したタイミングで伝えておきましょう。事前に共有しておくことで、話す内容を調べてきてもらえます。質問する内容もあわせて連絡しておくのがおすすめです。

また、インタビューの冒頭でも改めて目的を伝えてください。あらかじめ何について話をするのかを認識してもらうことで、話が分散しにくくなります。

脱線した話でも油断しない

話が脱線したとしても、聞き漏らさないようにしましょう。休憩時間やインタビュー終了後の雑談中に顧客の本音が出ることもあります。

気になる点があれば、時間の許す限り深掘りしてください。一度きりのインタビューなので、より多くの情報を集めましょう。

効果を具体的な出来事や数字で語ってもらう

「商品やサービスを導入する前の状態」や「改善による効果」は客観的なデータで示してもらいましょう。導入前後の変化を数字で語ることで、納得感を与えられるからです。

「利益率が大幅に改善した」よりも「前期比で+30%の増収増益につながった」のほうが、効果の大きさを実感できます。定性的な効果であれば具体的なエピソードがよいでしょう。実際に効果を実感した人に同席してもらうか、事前にヒアリングしてもらうこともお願いしてみましょう。

2台以上のレコーダーで記録する

インタビュー内容は必ず録音しておきましょう。メモを取る必要がなくなり、話を聞き出すことに集中できます。

レコーダーは2つ以上使って録音することをおすすめします。2台以上で録音していれば、1つが電池切れになったり、故障したり、容量がいっぱいになったりしてもリカバリーできます。ほとんどメモを取らないことを前提にのぞむので、念入りに準備しましょう。

導入事例インタビューで的確に話を引き出せる質問内容

導入事例のインタビューでは、記者のように機転を利かせる必要はありません。決まった型に沿って質問していき、相手の回答を掘り下げていきます。

最低限聞いておくべき5つの質問と、詳しい話を引き出すコツをまとめたので、ぜひ参考にしてください。

商品やサービスを導入する前に抱えていた課題

自社の商品を利用する以前に顧客が解決したいと思っていた課題を聞き出しましょう。

1社が抱えている悩みは、多くの潜在顧客に共通した悩みでもあります。導入事例の冒頭に記載することで、商品やサービス名を知らない見込み客にも情報を届けられるでしょう。

また、どのような企業に求められているかを知ることによって、需要のある顧客に営業活動を集中させることができるといったメリットもあります。成約率を高めるために重要な情報なので、詳細まで聞いておきましょう。

選定の決め手になったポイント

導入時に抱えていた課題が明確になったら、なぜ自社が選ばれたのかを質問してみましょう。顧客が価値を感じている独自の強みが明確になります。

導入事例の強みは、「第三者が語ること」にあります。自分たちでアピールするよりも、口コミのほうが信用される傾向があり、成約につながりやすくなります。Amazonで商品を購入する際に、高評価のレビューがたくさんついているほうを選びたくなるのと同じ原理です。

また、自分たちが考えている強みが現実とずれていないかも確認できます。新しい発見があれば、商談時の訴求にも使えますよ。強く印象に残っている場面や決め手になったポイントを具体的に聞いておきましょう。

商品やサービスを導入した後の姿

顧客は導入したことによる変化に価値を感じ、購入を決意します。費用対効果の良し悪しを決めるポイントにもなるので、効果は数値で教えてもらいましょう。

従業員の声も重要です。「作業に時間がかかるのは仕方がないとあきらめていたけど、このサービスを導入したおかげで定時に帰れるようになった」のように、実際に使っている人の言葉を記載することでリアリティが増します。

導入事例を読んだ人が、具体的に場面を思い浮かべられるくらいの具体性をもたせましょう。

不満に感じているポイント

どんな商品やサービスにも、満たせないポイントや不具合のリスクがあります。インタビューではあえて不満に感じている部分も質問しましょう。悪い部分をあえて見せることで、顧客の不信感を取り除けます。

たとえば、想定していない初期トラブルが発生したときに迅速にカバーしたエピソードがあれば、逆に安心感を与えられるでしょう。

また、インタビューは顧客の本音を聞けるチャンスでもあります。サービスの改善に活かせるだけでなく、新商品開発のヒントにもなるのでしっかり耳を傾けましょう。

今後の取り組み

インタビューでは、現状の姿だけでなく今後の展望も聞いておきましょう。事例に記載することで、まだ導入していない企業の危機感を高められます。

今後の取り組みを記載することは、顧客にも恩恵があります。先進的な取り組みをしていることをアピールできるからです。今後の関係強化にも役立つでしょう。

快諾してもらえる導入事例インタビューの依頼方法

導入事例のインタビューを申し込むときは、担当者に電話や対面で話をしましょう。インタビューを受ける側の時間を奪うことになるため「あなただからお願いしたい」という思いを伝えてください。

合意をもらった後でも、改めて取材内容を書面にまとめて送付しましょう。インタビュー相手の負担を減らすことを心がけてください。同時にメリットを示すことが重要です。導入事例の掲載が、認知度向上や実績のアピールにつながることを伝えましょう。

取材日は相手の都合に合わせて負担をかけないようにしてください。また、公開する前に原稿を見せることを約束して、情報漏えいや誤解を招く情報が出る心配を取り除きましょう。

まとめ

インタビューは導入事例の質を決める重要なイベントです。準備がしっかりできてさえいれば、はじめての方でも自信をもってのぞめます。ぜひ本記事を参考に、成功のコツを実践して、万全の体勢で当日を迎えましょう。

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導入事例の制作方法。新規顧客獲得につながる作り方を解説

テクノポートの卜部です。BtoBの製造業における導入事例ページは、商品やサービスの良さを具体的に伝えるために非常に重要なページです。しかし、「導入事例を制作しても、読んでもらえるか不安」「本当に新たな顧客獲得につながるのかな…」とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。

そこで本記事では、導入事例の効果的な制作方法をお伝えします。

導入事例とは

導入事例とは、商品やサービスを導入した顧客の体験談をまとめたものです。検討中のユーザーにとっては、非常に参考になる「口コミ」の役割を果たすため、本記事で解説する方法を参考に、導入事例ページを充実させていきましょう。

効果的な導入事例の制作方法

効果的な導入事例の制作方法は2つあります。それぞれ解説します。

インタビューして導入事例を制作する

ライターが実際に商品やサービスを導入した顧客にインタビューし、コンテンツを制作する方法です。実際の声を口語表現で載せることで、リアリティを伝えられ、検討中のユーザーの共感を得やすくなります。

ただし、ライターの力量によってコンテンツの品質に差が出るため、ライター選びは慎重に行う必要があります。

テンプレートを活用して導入事例を制作する

決まった構成のテンプレートに従って導入事例を制作し、体裁を整えるのも有効な方法です。この場合、導入の背景、課題、導入後の成果といったユーザーが気になる内容を盛り込んだ構成にしましょう。

テンプレートを活用することで、情報の整理ができ、見た目も整うので、ユーザーにとっても読みやすいページとなります。

初めて導入事例ページを制作するといった初心者の方におすすめの方法です。

導入事例の制作パターン

自社の商品やサービスの強みを整理し、以下のどのパターンで制作するのが適しているか考えてみましょう。

企業の課題解決パターン

顧客がもともと抱えていた課題を解決した、具体的な事例を紹介するパターンです。ユーザーが同様の課題を抱えていた場合、自社ならどのように解決できそうかといった想像を膨らませる「ヒント」の役割を果たします。

ビフォーアフターの形式で示すのが、ユーザーにとってわかりやすくなります。

他社と差別化パターン

競合が多い業界の場合、他社と比較して自社がどのように優れているかを伝えるパターンが有効です。この場合、顧客に「なぜ、この商品・サービスを選んだのか」を具体的にヒアリングできると良いコンテンツになるでしょう。

顧客が選んだ決め手をしっかり整理し記載することで、自社の強みを明確化することができます。

具体的な活用方法紹介パターン

顧客が、実際にその商品やサービスをどのように活用しているかを伝えるパターンです。検討中のユーザーの「本当にうまく活用できるかな」といった悩みを払拭することが可能です。

写真や動画を入れることで、より興味を持ってもらえるコンテンツになります。

活用イメージを変えるパターン

新規顧客開拓を行いたい場合、自社の商品、サービスとは結びつきにくい業界の事例を紹介するのが有効です。「そんな活用方法があるのか」と新たな発見をしてもらうことで、固定化されてしまうイメージを一新でき、新たな顧客の獲得にもつながります。

まとめ

導入事例を制作する方法としては、インタビューもしくはテンプレートの活用があります。実際に制作に取りかかる前に、商品やサービスの魅力が一番伝わるパターンを考えましょう。これらの工程を正しく行うことで、顧客獲得につながる効果的な導入事例を制作できます。

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成功する導入事例ページのデザインのコツ

こんにちはテクノポートの卜部です。Webサイトにおける導入事例のページは、自社の商品やサービスをより身近に感じてもらい、興味を持ってもらうために非常に重要なコンテンツです。

特にBtoBの製造業には欠かせないものですが、「作ったけど成果につながらない」「そもそもどう作ればいいのか…」といったお悩みもあるかと思います。

そこで本記事では、成果につなげるための導入事例ページのデザインについて解説します。

導入事例デザインのフロー

導入事例ページをデザインするまでの基本的なフローは以下になります。

  1. 導入事例を掲載する顧客(企業)を選定
  2. 導入事例ページの構成の検討
  3. コンテンツの制作
  4. 導入事例ページのデザインに落とし込み

ユーザーは自社と共通点のある企業の事例を読むことが多いため、業界や規模別でいくつか顧客をピックアップしてみるとよいでしょう。

多くの顧客を掲載できれば、それだけ実績があるという安心につながります。また、知名度のある顧客を掲載できれば、信頼につながります。

導入事例ページの基本構成

導入事例ページのおおまかな基本構成は以下のようになります。

導入事例の概要と背景

その顧客が持っていた課題を詳細に書きましょう。どんな思いがあり、自社の商品・サービスを導入するに至ったのかを説明することで、共感を得られます。

導入に至るまでの選定基準

機能やコスト、アフターフォローなど、さまざまな要素がある中で導入の決め手となったものは何かを記載します。これにより、競合との違い・自社の強みが明らかになります。

導入後の効果

自社の商品・サービスを導入したことでどのような良い変化があったのか、インタビューした内容を詳細に記載します。

今後の展望や課題

顧客が、自社の商品・サービスを導入したことで見えてきた今後の展望や新たな課題があれば記載しましょう。

導入事例ページのデザインのコツ

よりわかりやすい導入事例ページにするための、デザインのコツを解説します。

カテゴリ分けして検索性を高める

検討中のユーザーが興味のある導入事例をすぐに絞りこめるように、カテゴリ分けのボタンを設置するのがよいでしょう。カテゴリの内容は、業種や規模、地域や課題別など、自社にあったものを選定しましょう。

冒頭に結論を載せる

ページの冒頭、つまりタイトルに導入した結果や効果を載せることで、検討中のユーザーが興味を持ちやすくなります。

ビフォーアフターで示す

ビフォーアフター画像を設置し、導入事例の効果を具体的に示すことで、検討中のユーザーが具体的なイメージを抱くことができるようになります。

写真や動画を入れる

顧客との写真やインタビュー動画も掲載できると、ページにより臨場感が出て、読んでもらえるコンテンツになります。

参考になる導入事例のデザイン5選

テクノポート株式会社

出典:テクノポート株式会社

サムネイルを設定し、企業が一覧化されています。

クリックすると詳細が見られ、写真とともにインタビュー形式で導入した効果などがわかるようになっています。

株式会社アコースティック・アドバンス

出典:株式会社アコースティック・アドバンス

音環境を改善するためのパネルを販売している企業です。実際に設置した際の写真が掲載されており、導入したらどのようになるのかが具体的にイメージできます。

株式会社ユニフォームネット

出典:株式会社ユニフォームネット

インタビュー形式で、顧客の歴史や特徴なども聞きながら、製品・サービス導入までのストーリーが自然に描かれています。顧客と良い関係が築けていることがコンテンツ内容からもわかり、安心感につながります。

株式会社村田製作所

出典:株式会社村田製作所

顧客の課題と導入効果がビフォーアフターで掲載されており、わかりやすい構成となっています。カテゴリは課題別で分けられています。

京セラ株式会社

出典:京セラ株式会社

「種別・用途・業界・製品タイプ」とさまざまなカテゴリが用意されており、検索性に優れています。導入事例の数も多く、検討中のユーザーにとって安心につながります。

まとめ

導入事例ページのデザインは、カテゴリ分けやビフォーアフター画像、写真や動画の設置などを考慮し、ユーザーの興味を引きやすくすることが重要です。また、ページ冒頭に結論を載せることで、ユーザーが導入事例を理解しやすくなります。

これらに気をつけながら、成果につながる導入事例のページを制作してみましょう。

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最も効果的な導入事例の書き方の具体例とテンプレートを紹介

こんにちは。テクノポートの卜部です。BtoB企業のマーケティングにおいて、導入事例コンテンツの掲載は効果的な手法です。しかし、導入事例の記事をどのような流れで書けばよいか、またはどのように表現すればよいか、多くの方が悩んでいます。

今回の記事では、導入事例のストーリーの立て方や書き方を中心に、導入事例の効果や事前に整理すべき情報、表現のコツまでをご紹介します。

導入事例の重要性と制作前の準備

導入事例の具体的な書き方に入る前に、まずはそのメリットと事前に整理するべき内容を解説します。

メリットと目的

自社HPに導入事例のコンテンツを載せることの主なメリットは、「信頼性(製品品質)の証明」と「具体的なソリューションの提示」の2つです。この2つを達成することが同時に目的にもなります。

例えば、製造業の会社の場合は、大手企業に製品導入事例があれば、それだけで製品の品質が一定の水準を超えているという証明になります。日系の大手製造業企業は求める品質レベルが高く、納入実績があれば一種の信頼性の保証になります。

具体的なソリューションの提示は、一般的な製品紹介ページは誰にでも当てはまるように作る必要があり、具体性が欠けてしまうケースがあります。導入事例の場合は、個社のニーズに対する具体的なソリューションを説明できるため、潜在顧客が導入事例を見ることで、よりリアルなケースを想起させられます。

製品・サービスの選定

導入事例を制作する前に押さえるべきことは何でしょうか。当然のことのように思えますが、まずはどの製品(サービス)の導入事例を作るかを決める必要があります。製品の選定基準は各社いろいろあると思いますが、特に重点的に販売したい製品、カスタマイズ可能なもので具体的な使用方法が他ページで説明しきれていない製品などが挙げられます。

ターゲットとインタビュイーの選定

導入事例を作る製品(サービス)が決まったら、インタビュイーを選びます。過去の導入先企業の中でインタビューや記事掲載を許諾してくれそうな企業をリストアップし、営業マン経由で打診していきます。

このとき覚えておきたいことは「インタビューや記事掲載の許諾をしてくれそうな関係構築が既にできている企業」だけの選定基準で選ぶべきではない、ということです。もう一つ重要な選定基準としては、インタビュイーの企業がその製品(サービス)を今後売り出していくターゲットの業界、または近い業界に属しているということです。

今後ターゲットとする潜在顧客に近い業界の導入事例でないと、具体的な導入イメージが想像されにくく、導入事例閲覧後の問い合わせ率が上がりづらいためです。

導入事例のストーリーと書き方

次に、導入事例制作の大事なポイントとストーリーの具体的な組み方を紹介していきます。

「ストーリー」と「具体的な効果」が大事

導入事例制作の際には「ストーリー」と「具体的な効果」が最も重要です。「ストーリー」は導入事例記事の起承転結の流れを指し、「具体的な効果」は数字を含む製品導入後の効果を指します。

今回「ストーリー」は以下の流れを一例にして、それぞれの項目について詳しく説明していきます。

  1. 導入後の効果
  2. 導入前の状況
  3. 製品(サービス)の使用感
  4. まとめ

「具体的な効果」は取材の際のインタビューの際に注意すべきことで、例えば「御社サービスを導入することで作業時間の短縮ができた」ではなく、「〇〇時間(もしくは●●%)の作業時間短縮に成功した」とインタビューにおいて具体的な数値を聞き出し、それを記事に必ず含めましょう。

それでは「ストーリー」ごとの書き方を紹介していきます。例については、弊社テクノポートはSEOコンテンツの制作をしていますので、弊社サービスの導入事例を作るつもりで一例として記載しています。

1.導入後の効果

【書き方】

  • 冒頭に効果を説明。読者が一番知りたい情報は「効果」であるため、一番頭に記載することで興味を生み出し、読み進めてもらうようにする
  • 導入効果は可能な限り定量的に表現し、読者に「先を越されて悔しい」と思わせることができることがベスト
  • 具体的にどのような提案を受け、どのような施策を実施したかも説明

【例】
HPのセッション数が2,000から6,000の3倍になり、問い合わせ数も10件から20件の2倍になりました。テクノポートからSEOコンテンツの制作を含めたHPリニューアル案の提案を受け発注し、半年に渡りSEO対策を実施しました。

2.導入前の状況

【書き方】

  • 導入前の課題は、読者が共感できる情報を記載
  • 候補サービスは、自社サービス以外に課題解決のためにどのようなサービスを検討したかを記載
  • 信頼性や客観性を高めるために「採用理由」だけではなく「比較基準」も書くことが大事

【例】
弊社は営業マンによるルートセールスや紹介ベースで案件を獲得してきましたが、新規顧客の獲得数に課題がありました。そこでWebを中心とした集客に力を入れることになり、さまざまな施策を検討しました。

広告やSEOやウェビナーなど、いろいろな方法があることはわかりましたが、優先順位の付け方がわかりませんでした。テクノポートからは一つ一つの施策の特徴と、費用に対する想定問い合わせ数を教えてもらい、優先順位をつけて取り組むことができました。また、製造業に対する豊富な実績も採用利用の一つです。

3.製品(サービス)の使用感

【書き方】

  • 実際に現場で導入された後の使用感についてを伺う。期待値とのズレや想定外のメリットなど、導入前に想定していたこと、想定していなかったことの両方を書く

【例】
テクノポートに依頼する前の一番の懸念は「効果が出ない場合、どのような軌道修正をするか」ということでした。毎月レポート報告と改善提案をもらうのですが、開始から2~3ヶ月はなかなか効果が出ませんでした。その際にSEOコンテンツを投下するページを大幅に変える提案を再度受け、それを実施することで効果が出始めました。

初期の提案通りにならない事態になっても、実施内容を柔軟に変えていただいたことが成功につながったと思います。

4.まとめ

【書き方】

  • 課題解決のためのサービス選びを行う際のコツや注意点を伺う。サービス選定中の読者へ役立つ情報提供を心がける

【例】
Webマーケティングの施策にはいろいろな種類があります。それぞれの費用対効果を想定でもいいので理解することが重要で、そうすると着手の順番が自ずと決まっていきます。自社サービスだけを盲目的におすすめしてくる会社には要注意で、常に客観的な視点をもった会社に依頼することをおすすめします。

テンプレートを公開

上記のストーリーと書き方をまとめたテンプレートを公開しています。以下より閲覧・DLできますので、参考にしてみてください。

テンプレートダウンロード

表現のコツ

最後に表現のコツについて説明します。導入事例のコンテンツは主にHP上の記事形式で公開する場合と、ホワイトペーパーにする場合の2パターンがあります。それぞれの表現のコツを見ていきましょう。

Web記事の場合

HP上に公開する場合はテキストベースの表現が多くなるので、読み物として人を離さない工夫が必要になります。そのためには感情的な裏話なども入れる必要があるでしょう。主に以下のような内容を織り込んでみてください。

  • 対象となる課題に対して今までどのような対策をしてきたか、またはその苦労話
  • 依頼先企業を選定する際や社内説得する際の苦労話
  • 効果があったときの安堵の気持ちや上司からの評価などに対する喜び

ホワイトペーパーの場合

ホワイトペーパーではインフォグラフィックや強調の表現をデザインで行いやすくなります。以下のような手法を使って、記憶に残りやすいホワイトペーパーを作成してみてください。

  • 導入前と導入後の比較をわかりやすくイラスト化したり、数字を強調したデザインにする
  • 図やグラフを用い、効果を視覚的にわかりやすくする
  • 概念や技術説明のためにインフォグラフィックを用いる

まとめ

導入事例の効果や事前に整理すべき情報、ストーリーの立て方や書き方、表現のコツをご紹介しました。導入事例は自社製品(サービス)を訴求するためには効果的なコンテンツですが、その書き方を誤ると効果が出ない場合があります。

本記事のストーリー立てや書き方を参考に自社の製品やサービスに合わせた内容にアレンジしてみてください。

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導入事例を掲載する4つのメリットを紹介(必要性・掲載手順・掲載許可のコツ)

こんにちは。テクノポートの卜部です。導入事例とは、商品やサービスを利用して得られた効果や感想をユーザー目線でまとめたコンテンツのことで、自社の信頼を高めるために導入事例は必須です。

しかし、顧客への掲載許可や取材・記事の制作が必要になるため、「労力に見合う価値があるのか」と疑問を感じる方も多いでしょう。

そこでこの記事では、導入事例の掲載が必要な理由や得られるメリットを具体的に解説します。ホームページからの問い合わせや成約数を増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。

導入事例の掲載が必要な理由

サービスの導入を検討している顧客は不安を抱えています。営業担当者の言っていることやカタログに書いてあることに対し、「本当に期待している効果が得られるのか」を疑っているからです。つまり、買い手に不都合なことは黙っていると消費者は思っています。そこで、実際にサービスを導入した第三者の声が必要です。

いわば、Amazonにおけるレビューのようなものです。サービスに満足している人がいることと、成約した理由が見える化することで顧客の不安が和らぎます。

このように、成約に対する心理的なハードルを下げるために、導入事例の掲載が必要なのです。

導入事例を掲載する4つのメリット

導入事例を掲載して得られる効果を4つ紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

商品やサービスに価値を感じてもらえる

顧客は、商品やサービスの特徴・メリットにはあまり魅力を感じていません。気にしているのは「サービスを導入した未来の姿」です。

具体的には、購入を決意した企業が商品を購入する前にどのような課題を抱えていて、導入して得られた効果は何なのかを気にしています。

そこで、ビフォー・アフターが語られている導入事例を見せれば、より良い未来を思い描いてもらえるのです。そうすれば、商品やサービスに価値を感じてくれるので、成約率の向上が期待できます。

商談時のアピールポイントになる

商談時、顧客の心は振り子のように揺れ動いています。サービスに魅力を感じていたとしても、いざ契約となると不安になるからです。

そんなときに導入事例を見せれば、第三者の声で安心してもらえます。契約の決め手になったポイントだけでなく、改善を希望する点も正直に記載されていれば、購入しても許容できる問題かどうかを判断してもらえるでしょう。

また、企業によっては社内稟議を通す必要があるため、裏付けになる情報を探している担当者もいます。こういうときも、導入事例をまとめた資料が役に立ちます。決裁者にそのまま紹介するだけで得られる効果を示せるからです。

このように、導入事例をあらかじめまとめておくことで、商談や客先の決裁における判断材料として活用してもらえます。

自社をまだ知らないユーザーにも認知してもらえる

商品の特徴やメリットはプロダクトを起点にしたセールスなので、ニーズを感じているユーザーにしか届きません。

しかし、導入事例であれば、商品を知らない人にも届きやすくなります。なぜなら、顧客起点で書かれているからです。どういう悩みを抱えていて、どのように解決したかが示されているので、似たような悩みを持つユーザーの興味を引けます。

つまり、商品を知らない状態でも、Webページや冊子を読んでもらえます。課題の解決方法とセットで商品やサービスを紹介したり、会社概要を読んだりしてもらうことで見込み顧客との接点を作り出していきましょう。

顧客から詳細なフィードバックがもらえる

導入事例のコンテンツを制作するには、顧客へのインタビューが欠かせません。検討段階から導入した後の状態まで詳細に語ってもらうので、普段は聞けない話をしてもらえます。

例えば、サービスのどういうところに魅力を感じて成約したのか、使ってみて良かったこと・悪かったことが聞けます。ユーザー視点でないと気がつけない強みやウィークポイントが明確になるのです。

導入事例の制作を通じて、商品の改善ポイントや訴求方法の見直し、新商品を開発するヒントが手に入るでしょう。

導入事例の掲載に必要な手順5ステップ

導入事例の制作には、顧客の協力が不可欠です。円滑に進めていくには事前の準備が重要になるので、ここでしっかり手順を確認しておきましょう。

1.商品を購入してくれた顧客から承諾を得る

まずは自社のクライアントから取材と掲載の許可をもらう必要があります。候補を選ぶ際は、何を伝えたいのかを基準に選択しましょう。

紹介できるような事例が豊富にない場合は、商品やサービスの活用に積極的な企業を選択してください。導入後の取り組みや目指している姿、すでに達成できたポイントなどをまとめることによって、読みごたえのある記事になります。

2.事前準備をする

許可が取れたらインタビューに向けて準備を進めていきます。

あらかじめ取材の構成を組んでおき、インタビューで目的の材料が集まるようにしてください。導入により誰が・何を・どうやって解決していったのかが分かる内容にしておきましょう。その際に同業他社の導入事例を参考にするのもおすすめです。

また、ホームページ担当者が記事を作成するのであれば、顧客と直接やり取りしているスタッフにあらかじめヒアリングしておき、案件の理解を深めておく必要があります。

万全の準備をして取材にのぞみましょう。

3.インタビューをする

インタビュー当日はボイスレコーダーを持参して会話を録音します。電池切れや故障も想定して、予備を持って行くのがおすすめです。できるのであれば、顧客の現場になれている営業担当者に同行してもらいましょう。写真撮影や見学などの交渉がやりやすくなるからです。

また、魅力的な導入事例を作成するには写真も重要です。カメラを持参するか、プロのカメラマンに同行を依頼し、実際に商品が使われている姿や改善後の様子など、記事の材料になりそうなものを画像に残しておいてください。

改善前後の差や得られた成果は、具体的な数字でヒアリングしましょう。できる限り素材をたくさん集めることを心がけてください。

4.記事にまとめる

ヒアリングした内容のまとめ方は大きく分けて3パターンあります。

  • 質疑応答形式
  • 対談形式
  • 一人語り

ただの文字起こしにならないように注意が必要です。情報を取捨選択し、分かりやすくなるように並べ替えてください。記事を読んだ後、読者にどういう姿になっていてほしいのかを考えるのがポイントです。

初稿が完成したら編集でブラッシュアップします。社内でOKが出たら、インタビュー相手の企業にも必ずチェックしてもらいましょう。

5.ホームページ・メディアに掲載する

公開前に再チェックしてレイアウトに乱れがないか、最新版が反映されているかをチェックしましょう。また、自社のホームページに公開するだけでは見てもらえる人に限りがあります。プレスリリースサイトやインタビュー先の企業にも掲載を依頼しましょう。

さらに、ホワイトペーパーとして活用するのもおすすめです。業界や用途別など、顧客の属性に合わせた事例集を作成し、見込み顧客の創出に活用しましょう。

導入事例掲載の許可を取る3つのコツ

顧客に掲載許可をもらうといっても、何をすればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。そこで、クライアントに許可をもらうのに必要な3つのコツを解説します。

クライアントが取材を受けるメリットを明確に示す

取材を申し込むときには、相手側が得られるメリットもしっかり伝えましょう。

例えば、以下の3つがあげられます。

  • 企業の知名度が上がる
  • 導入したサービスの保守や改善を受けやすくなる
  • 担当者の社内アピールになる

会社だけでなく、インタビューを受ける担当者にも利益があることを伝えましょう。

クライアントの都合の良い日に合わせる

日程はクライアントの都合に合わせましょう。インタビューのために、わざわざ時間を作ってくれていることを忘れないでください。また、取材日は遅くても2週間前には決めておくべきです。相手先で社内調整が必要になることも考慮しましょう。

日程が近づいてきたら、念のためリマインドメールを送ってください。無事に取材当日を迎えるため、こちらからアクションを起こしていきましょう。

取材内容を書面にまとめる

取材を受けてくれる人と密に連絡が取れていても、上司に許可がもらえなければ取材はできません。そこで、取材内容を文書にまとめて、相手先の担当者が社内に回すだけにしておきましょう。6W1Hを明確にするのが文書作成のポイントです。

こちらから依頼しているので、「相手の手間をいかに減らすか」を意識してください。

まとめ

導入事例は購入を検討しているユーザーの背中を押す役割がある重要なコンテンツです。ユーザー目線の意見なので、同じ悩みを持つ見込み顧客に自社商品を認知してもらうきっかけになります。制作するのには労力と時間が必要ですが、作成した後は優秀な営業マンとしてWeb上で活躍してくれます。

ぜひこの記事を参考に、まずは掲載許可をもらうところから始めてみてください。

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製造業における導入事例コンテンツの作り方

製造業における導入事例の意義

製造業においては、製品の「品質」が導入の重要な決定要因になるのは周知の通りです。導入事例のコンテンツは、製品の品質を一番手っ取り早く証明することができると言えるでしょう。例えば、国内大手の電機メーカーへの導入実績があれば、一般的に大手の電機メーカーは品質の要求レベルが非常に高いため、その要求品質をクリアしているということを実証できます。

導入事例のコンテンツで見るべきところは「その製品導入によりどのような効果が生まれるか」ですが、製造業においては導入されていること自体にも大きな価値が認められることに特徴があります。

製造業のマーケティングにおける導入事例の位置付け

製造業を中心としたBtoB企業のマーケティングにおいて、導入事例のコンテンツはどのような位置付けにあるのでしょうか。

導入事例コンテンツの目的は大きく分けて「認知目的」と「問い合わせ率増加」の2つに分けることができます。それぞれ見ていきましょう。

認知目的の導入事例コンテンツ

認知目的の導入事例コンテンツは、主にSEOの手法を使って閲覧数の増加を果たします。自社の顧客が検索しそうなキーワードをタイトルやテーマに設定し、導入事例のコンテンツの流れに沿って製品やサービスの紹介を行います。

問い合わせ率増加目的の導入事例コンテンツ

問い合わせ率増加を目的とする導入事例コンテンツは、TOPページやその他の製品紹介ページから流入してきた顧客が問い合わせや見積もり依頼をするきっかけとなります。こちらが皆様がよく見る導入事例ページです。

製造業の導入事例の構成要素

導入事例ページの構成(流れ)には以下などがあります。この流れに沿ってインタビューやコンテンツを作ると説得力のあるものが作れるでしょう。

①導入事例の概要と背景
あなたの会社の製品を導入するに至った背景や動機をまずは記載します。

②導入に至るまでのプロセスと選定基準
導入する背景にあった課題を解決するために、どのような製品を比較したか、製品を導入するために行った検証プロセスや選定基準を記載します。

③導入後の効果や成果の評価
製品導入後の効果や社内の評価を記載します。

④今後の展望や課題
今後に予定しているさらなる改善施策や新しく生じた課題などを記載します。

業種別の導入事例の例

製造業と一口に言っても様々な業種があります。

ここではサプライヤー系、メーカー系、システム系の3つに分けて導入事例コンテンツの例を紹介します。

サプライヤー系

樹脂加工や金属加工など、製造加工業と呼ばれる業種がサプライヤー系です。サプライヤー系の会社は、顧客の名前を出し導入事例のコンテンツを作ることは難しいことが多いです。顧客の名前を出せない理由としては、例えば実際に消費者に製品を届けるスマホメーカーでは、スマホの部品を作る会社は何十~何百に及びますが、ブランディングやレピュテーションリスクを踏まえて、掲載許可を出す企業が少ないのが現状です。

サプライヤー系の実績コンテンツの出し方としては「制作実績」があります。これは、導入事例のように実際の顧客名を出さずに作り出した製品ベースで紹介する形です。

京都府の合成樹脂の成形会社である岡本化成株式会社様は、製造実績として様々な製品を紹介しています。

岡本化成株式会社 – 製造実績
https://www.okamotokasei.co.jp/works/category/

メーカー系

機器や製品を作るメーカー系の企業ですと、豊富な導入事例のコンテンツを作ることが可能になります。これは顧客がエンドユーザーであることが多く、サプライヤー系で見られるようなレピュテーションリスクなどが特になく、顧客から掲載許諾を取ることが可能になるためです。

例えば京セラ株式会社では、豊富な導入事例のページを公開しています。

京セラ株式会社 – 導入事例
https://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/office/phone/user_case/?navi

システム系

システム系の導入事例でも、お客様の許諾を得て公開するコンテンツは多いです。

例えばCAEツールを提供しているサイバネットシステム株式会社では、以下のような導入事例を公開しています。

サイバネットシステム株式会社 – CAEクラウド導入事例
https://www.cybernet.co.jp/caecloud/case_study/aws/

製造業の導入事例の魅力的な見せ方

今回の記事では、導入事例コンテンツを作る際の3つのポイントを紹介します。

グラフやチャートを活用した可視化

グラフやチャートなどを挿入し、視覚的にもわかりやすいコンテンツにすることが重要です。文字だけのコンテンツもありますが、例えばその製品の導入によって「作業時間が10時間から5時間に減少した」ということを伝えるためには、文字だけではなくグラフにし「作業効率50%改善!」と大きく表記したほうがわかりやすく、印象に残りやすいコンテンツになります。

写真や動画を取り入れたリアルな表現

インタビュイーの写真や動画を挿入することで、より情報がリアルに感じられます。写真や動画のコンテンツも適宜追加していきましょう。

インタビュー記事による裏話や人間ドラマの紹介

製品を導入するに至った合理的な軌跡だけではなく、裏話や人間ドラマなどの情報も入れることにより、読む人の感情に訴えかけ、より心に残るコンテンツが仕上がります。半ば本題とはそれるような個人的なエピソードもヒアリングし、コンテンツに載せてみましょう。

製造業の導入事例の効果的な活用法とは?

導入事例のコンテンツはWebサイトに載せるだけではなく、様々な活用方法があります。

主に次の5つの活用方法が挙げられます。

  1. Webサイトに掲載
  2. メールマガジンにて配布
  3. パンフレットなど販促物に掲載
  4. セミナーなどで紹介
  5. 構成を変えて二次利用も積極的に

詳細は次の記事に載せていますので、参考にしてみてください。

まとめ

製造業における導入事例の意義から構成要素、業種別の例や活用方法までを紹介しました。目的を定めてそれに沿った導入事例を作成し、顧客に説得力を持って製品をアピールしてみましょう。

テクノポートでは取材インタビュー・執筆・ホワイトペーパーデザインまでを承っております。些細なことでもどうぞご相談ください。

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IoT導入事例ファイル6:品質保証・品質管理にIoTを活用する5社の事例

こんにちは、AI/IoTに注目する盛岡在住ライターの宮田文机です。本連載では、毎回ものづくり企業におけるさまざまなAI/IoTの活用事例をまとめています。今回は、品質保証・品質管理にIoTを活用する5社の事例をご紹介します。

紙と人に頼った手法がQA・QCのボトルネックになっている

企業が信頼性を確保し顧客満足を高めるため、品質保証(QA:Quality Assurance)や品質管理(QC:Quality Control)は非常に重要です。しかし、従来の紙と人による品質保証・管理手法は限界を迎えつつあります。長年TQM(Total Quality Management)活動に取り組み、世界中で高い評価を得てきた日本製品の競争力に陰りがみられる原因のひとつは品質保証・品質管理におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れではないでしょうか?

ここからは、故障の予知やリアルタイムのデータ取得で品質保証・品質管理を行う5社の先進事例をご紹介します。

事例1:故障の「予知」で理想的な保守を実現した株式会社前川製作所

産業用冷凍機並びに各種ガスコンプレッサー、冷凍・冷蔵倉庫冷却設備などを製造・販売・施工する株式会社前川製作所。

万が一機械が故障、停止した場合にはユーザーに対して大きな損害を与えてしまうため、故障を予防し品質保証を徹底することが最重要課題となっていました。従来は早期の消耗品交換等によって対応していた前川製作所ですが、交換にあたって人的コストや消耗品コストが発生するため頭を悩ませていました。

そこで導入されたのが冷凍機に設置したセンサーから稼働データを収集し、故障の予兆や推定される異常個所をメール配信してくれるシステムです。機械学習により装置ごとの差異や周辺環境も考慮してくれる同システム。

導入後は予知に従いベストなタイミングで保守交換を行うことが可能になった上、異常個所が高い精度で特定されるため品質保証の制度も高まったといいます。

事例2:3Dデータの測定で鋳造の精密さ・自由度を高めた株式会社木村鋳造所

静岡県で自動車用プレス金型用鋳物や工作機械・産業機械用鋳物の製造・販売を行う株式会社木村鋳造所。発泡スチロール模型を製造することで早く安価に少量多品種生産を実現できるフルモールド鋳造法を強みとしています。

そこで品質管理に導入されたのが非接触型の自動測定・検査機「ATOS」。完成品の3Dデータをレーザーで測定することで模型とのズレを見抜けます。

模型の3Dデータを取得することにはほかの利点もあり、例えば耐圧・耐熱などのシミュレーションを行うことも可能に。その結果、手間やコストを抑えつつより自由度の高いものづくりに取り組めるようになりました。

蓄積された3Dデータはいつでも呼び出すことができるため、類似品を製造する際に参考とすることができるのも大きな利点といえるでしょう。

事例3:リアルタイムに生コンの品質を把握できるシステムを開発した株式会社東伸コーポレーション

神奈川県横浜市で生コンクリートを製造・販売する株式会社東伸コーポレーション。

製造直後から化学変化が始まる生コンクリートの品質保持は熟練者の経験と勘が必要であり、特にミキサー車に積み込んだ製品の品質保持の負担の大きさが問題とされていました。

その状況をがらりと変えたのが生コンクリートの性状変化データをリアルタイムで確認できる管理システム「Smart Agitator®」です。海外ベンチャーと東伸コーポレーションを含む数社で設立されたGNNMJ社が開発した同システムは走行中のミキサー車からでも正確なデータを取得できるよう設計されています。

Smart Agitator®の導入後は誰でも品質を把握し管理できるようになっただけでなく、生コンの品質が劣化する状況についてデータをもとに分析できる状況も整いました。

事例4:可食性プリンタを遠隔・リアルタイムで保守点検する株式会社ニューマインド

平成24年に設立された比較的若い企業である株式会社ニューマインド。

特殊プリンタ事業に特化した同社ではケーキやせんべいなどの食品にフルカラー印刷が行える可食性プリンタ機器を取り扱っています。同商品は通常顧客である食品メーカーの製造ラインに組み込まれて稼働するため、故障の原因特定が困難という問題を抱えていました。

衛生面など手厚いケアが必要な可食性プリンタの保守を遠隔・リアルタイムで行えるようニューマインドが導入したのが顧客企業のWi-Fiや有線ネットワークを利用してプリンタの稼働状況や温度・湿度といった環境データを取得するシステムです。

プリンタの保守点検にIoTによるデータ取得を活用するシステムは、キヤノンやリコーといった大手企業でも用いられています。
遠隔・リアルタイムで品質保証が行える点、データを製品の開発や顧客サービスの充実に生かせる点に多くの企業が注目しているようです。

事例5:生産管理システムをカスタマイズしTQMを進めた株式会社笠原成形所

最後に紹介するのは新潟県南魚沼市でプラスチック成形業に従事する株式会社笠原成形所です。TQMを重視する同社では生産に関わるデータを各従業員がスムーズに呼び出し活用できる仕組みの構築を目指していました。

そこで導入されたのが生産管理システム「MICS」です。開発企業とカスタマイズを重ね、複数のメーカーの成形機の稼働状況を一覧で把握する、成形機から金型のショット信号を取得するなど自社に適した機能を盛り込んだ同システム。従業員に一人一台支給したタブレット端末から生産データや機械使用時の注意点を把握できるようになったことで紙で情報を管理していた以前に比べ、大きく全社的な品質管理が前に進んだそうです。

DXに対する意識の高さに加え、元からある機能や使用感で妥協せず工夫を重ねたことで理想の環境を実現できた例といえるでしょう。

まとめ

品質保証(QA)・品質管理(QC)にIoTを活用する5社の事例を見てきました。日本企業の強みである品質を世界基準で維持し続けるには、AI/IoTの活用が不可欠といっても過言ではありません。現在紙と人だけで品質管理に取り組んでいるならば、問題や不便がないか、それはDXにより解決できないかと検討してみることをおすすめします。

IoT導入事例ファイル6:品質保証・品質管理にIoTを活用する5社の事例

こんにちは、AI/IoTに注目する盛岡在住ライターの宮田文机です。本連載では、毎回ものづくり企業におけるさまざまなAI/IoTの活用事例をまとめています。今回は、品質保証・品質管理にIoTを活用する5社の事例をご紹介します。

紙と人に頼った手法がQA・QCのボトルネックになっている

企業が信頼性を確保し顧客満足を高めるため、品質保証(QA:Quality Assurance)や品質管理(QC:Quality Control)は非常に重要です。しかし、従来の紙と人による品質保証・管理手法は限界を迎えつつあります。長年TQM(Total Quality Management)活動に取り組み、世界中で高い評価を得てきた日本製品の競争力に陰りがみられる原因のひとつは品質保証・品質管理におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れではないでしょうか?

ここからは、故障の予知やリアルタイムのデータ取得で品質保証・品質管理を行う5社の先進事例をご紹介します。

事例1:故障の「予知」で理想的な保守を実現した株式会社前川製作所

産業用冷凍機並びに各種ガスコンプレッサー、冷凍・冷蔵倉庫冷却設備などを製造・販売・施工する株式会社前川製作所。

万が一機械が故障、停止した場合にはユーザーに対して大きな損害を与えてしまうため、故障を予防し品質保証を徹底することが最重要課題となっていました。従来は早期の消耗品交換等によって対応していた前川製作所ですが、交換にあたって人的コストや消耗品コストが発生するため頭を悩ませていました。

そこで導入されたのが冷凍機に設置したセンサーから稼働データを収集し、故障の予兆や推定される異常個所をメール配信してくれるシステムです。機械学習により装置ごとの差異や周辺環境も考慮してくれる同システム。

導入後は予知に従いベストなタイミングで保守交換を行うことが可能になった上、異常個所が高い精度で特定されるため品質保証の制度も高まったといいます。

事例2:3Dデータの測定で鋳造の精密さ・自由度を高めた株式会社木村鋳造所

静岡県で自動車用プレス金型用鋳物や工作機械・産業機械用鋳物の製造・販売を行う株式会社木村鋳造所。発泡スチロール模型を製造することで早く安価に少量多品種生産を実現できるフルモールド鋳造法を強みとしています。

そこで品質管理に導入されたのが非接触型の自動測定・検査機「ATOS」。完成品の3Dデータをレーザーで測定することで模型とのズレを見抜けます。

模型の3Dデータを取得することにはほかの利点もあり、例えば耐圧・耐熱などのシミュレーションを行うことも可能に。その結果、手間やコストを抑えつつより自由度の高いものづくりに取り組めるようになりました。

蓄積された3Dデータはいつでも呼び出すことができるため、類似品を製造する際に参考とすることができるのも大きな利点といえるでしょう。

事例3:リアルタイムに生コンの品質を把握できるシステムを開発した株式会社東伸コーポレーション

神奈川県横浜市で生コンクリートを製造・販売する株式会社東伸コーポレーション。

製造直後から化学変化が始まる生コンクリートの品質保持は熟練者の経験と勘が必要であり、特にミキサー車に積み込んだ製品の品質保持の負担の大きさが問題とされていました。

その状況をがらりと変えたのが生コンクリートの性状変化データをリアルタイムで確認できる管理システム「Smart Agitator®」です。海外ベンチャーと東伸コーポレーションを含む数社で設立されたGNNMJ社が開発した同システムは走行中のミキサー車からでも正確なデータを取得できるよう設計されています。

Smart Agitator®の導入後は誰でも品質を把握し管理できるようになっただけでなく、生コンの品質が劣化する状況についてデータをもとに分析できる状況も整いました。

事例4:可食性プリンタを遠隔・リアルタイムで保守点検する株式会社ニューマインド

平成24年に設立された比較的若い企業である株式会社ニューマインド。

特殊プリンタ事業に特化した同社ではケーキやせんべいなどの食品にフルカラー印刷が行える可食性プリンタ機器を取り扱っています。同商品は通常顧客である食品メーカーの製造ラインに組み込まれて稼働するため、故障の原因特定が困難という問題を抱えていました。

衛生面など手厚いケアが必要な可食性プリンタの保守を遠隔・リアルタイムで行えるようニューマインドが導入したのが顧客企業のWi-Fiや有線ネットワークを利用してプリンタの稼働状況や温度・湿度といった環境データを取得するシステムです。

プリンタの保守点検にIoTによるデータ取得を活用するシステムは、キヤノンやリコーといった大手企業でも用いられています。
遠隔・リアルタイムで品質保証が行える点、データを製品の開発や顧客サービスの充実に生かせる点に多くの企業が注目しているようです。

事例5:生産管理システムをカスタマイズしTQMを進めた株式会社笠原成形所

最後に紹介するのは新潟県南魚沼市でプラスチック成形業に従事する株式会社笠原成形所です。TQMを重視する同社では生産に関わるデータを各従業員がスムーズに呼び出し活用できる仕組みの構築を目指していました。

そこで導入されたのが生産管理システム「MICS」です。開発企業とカスタマイズを重ね、複数のメーカーの成形機の稼働状況を一覧で把握する、成形機から金型のショット信号を取得するなど自社に適した機能を盛り込んだ同システム。従業員に一人一台支給したタブレット端末から生産データや機械使用時の注意点を把握できるようになったことで紙で情報を管理していた以前に比べ、大きく全社的な品質管理が前に進んだそうです。

DXに対する意識の高さに加え、元からある機能や使用感で妥協せず工夫を重ねたことで理想の環境を実現できた例といえるでしょう。

まとめ

品質保証(QA)・品質管理(QC)にIoTを活用する5社の事例を見てきました。日本企業の強みである品質を世界基準で維持し続けるには、AI/IoTの活用が不可欠といっても過言ではありません。現在紙と人だけで品質管理に取り組んでいるならば、問題や不便がないか、それはDXにより解決できないかと検討してみることをおすすめします。

IoT導入事例ファイル5:情報やノウハウの共有・継承にIoTが貢献する4社の事例

こんにちは、AI・IoTに注目する盛岡在住ライターの宮田文机です。

製造業界の目下の課題として挙げられるのが人材不足ではないでしょうか? 経済産業省によると国内における製造業の従業員数は1997年から2017年までの20年で約20%も減少しています(「2019年度版ものづくり白書」経済産業省)。特に従業員数が300人以下のいわゆる中小企業における人手不足は長期化しているとのこと。

さらに団塊の世代の引退がその傾向に追い打ちをかけます。熟練技能者・技術者の雇用延長によってなんとか現場が成り立っているものの、その状況は長くは続かないだろうと焦りを覚える方も少なくないのではないでしょうか?

IoTを導入し、情報共有をスムーズにしたり、熟練技能者の持つ技能を形式知化したりすることでそういった状況に歯止めをかけることが出来るかもしれません。

本記事ではIoTを情報・ノウハウの共有に活用する方法を具体的な例を用いて解説いたします。

事例1:ベテランの見積もり作成ノウハウを形式知化した株式会社IBUKI

株式会社IBUKIは山形県西村山郡にて射出成型用の金型の設計・製造やプラスチック成型品の施策・量産に従事する60名規模の中小企業です。個別受注にて毎回違った形状の製品を製造することが多い金型製造。そのため見積もりには長年の経験と知識が必要であり、2016年時点で工場長一人しか対応できず業務の偏りが生じていました。

そこでノウハウを工場長だけが持つ「暗黙知」から、誰もが参照できる「形式知」にする取り組みが開始されたのです。その際導入されたのが、熟練者のノウハウを学習し見積もりを自動作成してくれるAI。形状や納期などのキーワードで検索すればAIが指定キーワードに関連する過去の見積もり資料を提示してくれ、さらに細かく製品仕様や金型仕様といった情報を入力することで、10年近く現場経験を積んだベテラン技能者と同等の精度で見積もりを出してくれます。

結果として以前は半日以上かかっていた見積もりに伴う実績収集の時間は30分程度に短縮され、若手社員や営業社員でも見積もりを作成できるようになるなど大きなメリットが得られました。

事例2:高難度な塗装技術をロボットに再現させる株式会社ヒバラコーポレーション

茨城県那珂郡東海村で原子力・火力・水力発電関連機器や鉄道車両関連機器などの塗装に従事するヒバラコーポレーション。40名規模ながら遠隔地における塗装業務のコンサルティングサービスを展開し、地域未来牽引企業に認定されるなど大きな存在感を発揮しています。

その活躍を支えるのが自社開発の生産管理システム「HYPAX(ハイパックス)」。93年に代表取締役に就任した小田倉久視(おだくら・ひさみ)社長は元SEであり、ITの活用に積極的な姿勢を持っていました。そこでまず取り組んだのが紙の資料のデジタル化。社内にIT活用の気風が浸透したところでいよいよ熟練工の技術をデータ化、ロボットに再現させる「HYPAX」を導入し、同時にセンサーを用いて工場を遠隔監視するシステム開発に着手しました。

その結果、わずかな気温や湿度の差に左右され、習得に時間がかかる高度な塗装技術を、ロボットに再現させることが可能になり、生産性は30%近く増加したそうです。さらに再現した技術を他社に提供する新たなビジネスの機会の創出にもつながりました。

事例3:どこでも見れる映像で教育を効率化した株式会社小林製作所

小林製作所は石川県白山市にて100名近くの規模で板金加工・塗装・組立てなどを行う企業です。人件費が抑えられるアジアに発注が向く傾向のある板金加工。そのため多品種大量生産や短納期対応など技術力で独自性を発揮することが不可欠となっています。しかし、高度なノウハウはなかなか言葉では伝わりませんし、教えるたびに熟練者の時間が割かれるのは非効率です。

そこで同社が導入したのがIoTで技術を伝承するシステムでした。まずは事務所や工場などに約200台のウェブカメラを設置、製造に関する映像や画像をすべて保存し、検索できるようにします。その内容は部品に貼りつけられたバーコードに紐づけられており、その内容を読み込むことで製造過程の映像や画像を見ることができるのです。早送りやスロー再生も自在なうえ、ポイントについてコメントを書き込むことも可能な同システム。ノウハウを簡単に引き出せることで作業時間は約15%短縮できたということです。

同社が取得する作業内容や品目などについてのデータは作業工程を適切に振り分け、製造を効率化することにも役立っています。

事例4:他社と連携し情報の管理体制を見直した株式会社エー・アイ・エス

株式会社エー・アイ・エスは東京都江戸川区で精密板金加工を行う中小企業。従業員は16名程度と今回紹介する中でも最も人数の少ない工場となっています。規模が足りずIT投資をしたくてもなかなかできないという状況の同社でしたが、異なる町工場が3社連携する「つながる町工場プロジェクト」に参加したことで、工場のIoT化が進展していったといいます。

そこで取り組んだ課題のひとつが情報の一元管理による共有。以前同社では案件情報の管理ツールが統一されておらず、Excel・Accessなど登録場所がバラバラになってしまい二重登録が発生するなど非効率の温床となっていました。そこで導入したのが情報連携ツール「Contexer(コンテキサー)」。製品の着手・完了情報や写真などをスマホやタブレットといった手持ちの端末から登録することで一元管理できる同システムは情報の整理を仕組化し、案件ごとの情報の呼び出しを容易にしました。

さらに3Dモデルと結びつけることで、新人工員が組立て順序を確認しながらものづくりに取り組む際にも役立っているそうです。

まとめ

AI・IoTによりスマートファクトリー化を推し進めることでノウハウ継承や情報共有を容易にした4社の事例をご紹介しました。
人手不足や後継者問題が叫ばれて久しい製造業界ですが、現在もGDPの2割弱を占める日本の基幹産業であり、発展し続けることが求められています。

そのために情報の共有を促進するIoTは大いに活用できるはずです。