B2B製造業は活用すべき?Google広告のススメ

マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、Web広告と、その代表選手でもある「Google広告」について取り上げます。

昨今、どんな企業でもWebサイトを活用した見込み客の獲得に力を入れています。リレーションのある少数の顧客に対してのルート営業を主軸としていたB2B製造業でも例外ではありません。コロナ禍で非対面の営業スタイルが浸透したことや、環境の変化に備えて新しい市場、顧客を開拓する必要性が出たことで、

「自社製品をWEBサイトで紹介し、新たな見込み客を集めたい」

としてデジタルマーケティングの体制強化を図る企業も多いようです。実際、ウェビナーや動画コンテンツの活用を増やしたり、自社ブログやオウンドメディアを立ち上げたりするB2B企業がこの1-2年で一気に加速しています。

見込み客が集まらない

「未知の見込み客」へのアプローチは容易ではありません。新しいデジタルコンテンツが日々量産され、世の中にあふれている中、潜在顧客に気づいてもらうのは難しいでしょう。見込み客が集まらないと悩んでいる企業は多く、特に中小企業では顕著になっています。

中小企業の場合、もともとコンテンツマーケティングや広告宣伝にかけられる予算が少なく、専任の担当者がいないケースも珍しくありません。限られた予算の中でメディア広告を実施しても効果が得られない、効果が見えないことが多々あります。

今回は、限られたリソース・予算しかない中小企業でも有効なオンラインで未知の見込み客に働きかける方法について言及したいと思います。

未知の顧客に働きかける方法

オンラインで未知の見込み客に働きかける方法は、大きく2種類あります。ひとつはSEO対策、もうひとつはWeb広告です。

SEO対策

SEO対策は、ネット検索経由で情報収集をする未知の顧客にアプローチする方法です。ターゲットユーザは、「検索キーワード」にちなんだテーマに関心があって、情報収集しています。彼らが検索するキーワードからニーズを読み取って、そのニーズに即したコンテンツを提供することで、興味関心のあるユーザをサイトに誘導します。

この方法はニーズが顕在化したユーザの獲得に有効です。しかし、自社サイトが検索エンジンの上位に表示されなければ、多くののユーザを集客できません。サイト立上げから効果をあげるまでに時間がかかるのが難点です。また、Googleアルゴリズムの理解など専門知見が必要になります。

Web広告

一方、Web広告は、ネット上の各種媒体に広告を出稿するものです。広告媒体として、出版社が提供するオンラインメディアや、Google、Yahooなどの検索エンジン、Facebook、TwitterなどのSNSなどがあります。

かつては、B2B製造業の場合、専門メディアへのバナー広告やPR記事が主流でした。しかし、ここ数年、GoogleやYahooが提供する広告出稿サービスやSNS広告の普及が進んでいます。クリック課金型で費用対効果が見えやすく、少額予算でも始められるのが特徴です。

従来、こうしたクリック課金型の広告は、広告代理店、運用代行業者が行うことが一般的でした。しかし、最近ではAIの高度化などで専門知識がなくてもツールを使えるようになったため、企業の担当者が社内で運用するケースが増えています。

今回取り上げるGoogle広告も、代表的な広告出稿サービスのひとつです。

Google広告とは?

Google広告は、Googleが提供するサービスです。Google AdSenseというサイト運営者向けの広告配信サービスから、広告を世界中のWebサイトに表示させることができます。クリック課金型の広告で、リンクのクリックによって費用が発生します。

Google広告の費用はオークション形式で決まります。そのため、競合と広告の品質で掲載の優先度が変わります。広告は全部で5種類。検索連動型広告、ディスプレイ広告、ショッピング広告、動画広告、アプリ広告です。

B2B製造業で主に使われる広告は以下の3種類です。

  • 検索連動型広告(リスティング広告)
  • ディスプレイ広告
  • 動画広告

それぞれ、簡単に紹介します。

検索連動型広告(リスティング広告)

検索エンジンでユーザが検索するキーワードに関連する広告を検索結果の画面に表示するものです。広告は、検索窓のすぐ下か一番下に掲載されます。

能動的に情報収集しているユーザに対して表示されるので、目的やニーズが顕在化したターゲット層へのアプローチに適しています。また、ターゲットをさらに絞り込むことも可能です。地域や曜日、時間帯、ターゲットの興味関心などで絞り込みできます。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、Googleディスプレイネットワーク(GDN)と呼ばれています。Googleと提携するWebサイトやアプリに配信される広告のことです。提携サイトのバナー枠で配信されます。静止画像、動画、テキスト形式で配信できます。

Google提携サイトは非常に多く、広い範囲のユーザに訴求できます。漠然としたニーズをもつ潜在層へのアプローチにも有効です。非常に詳細なターゲット設定が可能で、地域、年齢、性別はもちろん、家族構成や世帯年収、興味関心分野、購買意欲の高さ、サイトの閲覧履歴などから細かく指定できます。一度自社サイトに来訪したユーザに対してリマーケティングできるのもディスプレイ広告の特長です。

動画広告

YouTubeに掲載される広告です。「インストリーム」「ディスカバリー」「バンパー」「アウトストリーム」「マストヘッド」の5タイプあり、掲載場所や時間、課金方式が異なります。

YouTube広告は広告の目的によって配信すべきタイプが異なります。ブランディングや認知度アップに向いているのは、動画の中で再生されるインストリーム広告やバンパー広告です。一方、商品の比較検討や購買促進には、YouTube内の検索結果や関連動画の横に表示されるディスカバリー広告が向いています。

Google広告の活用事例

具体的にどんな広告が出稿されているのか、活用事例を紹介します。

B2B製造業におけるキーワードは、業界特化の用語が多く、基本、一般の個人が検索することはほとんどありません。そのワードで検索されている時点で、ほぼ関係者による情報収集ということになります。それが見込み客の可能性も高いです。つまり、その検索ワードに対して検索連動型広告を出稿することで、具体的に情報収集している顕在化した「未知の見込み客」に効率よくアプローチできます。

例えば、「協働ロボット」というキーワードで検索すると、以下のようにロボットメーカーや、部品メーカーの広告が上位にズラリと並びます。

検索連動型広告でも競合が多いキーワードだと、自社の広告を上位に表示させるために工夫が必要となります。Google広告はオークション形式ですが、単に入札単価をあげれば広告が上位に表示されるわけではありません。検索キーワードと広告文がどれだけ関連性が高いかや、リンク先のランディングページの利用のしやすさ、広告文との親和性なども影響します。

どのキーワードで広告を出稿するかは、Googleが提供している「キーワードプランナー」というツールで調査してから決めるといいでしょう。検索ボリュームや入札単価の範囲、競合がどれだけ多いかなどを調べることができます。

まとめ

Webサイトで未知の見込み客を集める方法として、Web広告は有効な手段です。Google広告は代表的なWeb広告のひとつです。広告は全部で5種類ありますが、B2Bでは、検索連動型広告、ディスプレイ広告、動画広告がよく使われます。

中でも、少額から始められて、ニーズが顕在化した情報収集中の顧客に有効な広告が検索連動型広告です。B2B製造業におけるキーワードは、見込み客による可能性が高いので、効率よくアプローチできます。

Google広告はオークション形式ですが、単に入札単価をあげても広告が上位に表示されるわけではありません。検索キーワードと広告文、ランディングページとの親和性や使い勝手が影響します。ターゲットのニーズに寄り添った質の高いコンテンツが必要です。

テクノポートは製造業の現場経験・工業知識をもつ技術ライターがコンテンツの執筆を対応いたします。ぜひご相談ください。

Googleで求人情報だけを検索可能に|Googleしごと検索

こんにはテクノポートの永井です。

企業の採用活動が難しくなる中、ついにGoogleが求人検索サービスを日本でリリースしました。リクナビやマイナビなどの求人サイトへの登録や求人検索エンジンであるindeedなどに加えて、Googleも求人業界に参加です。

もちろんGoogleで求人が検索できるようになったからといって、これまでの方法が廃れるわけではありませんが、新しい情報としてGoogleしごと検索についての情報を共有します。

1.Googleしごと検索(Google for jobs)とは

Googleしごと検索(Google for jobs)はGoogleを使って求人情報のみを検索するサービスです。Googleの画像検索、動画検索、ニュース検索と同列のイメージです。アメリカでは2017年から導入されていたサービスで、2019年1月に満を持して日本にリリースされました。

求職者はGoogleで検索する際に、希望条件にプラスして「求人」を入れることで、検索画面の下に求人情報が出てくるようになります。求人以外にも、バイト、パート、正社員などの雇用形態も対象になります。また、Googleしごと検索専用のページに移動すると、住んでいるところからの距離やその他の条件での検索も可能です。

検索結果として表示されるのは文字情報だけで、画像は出てこないため採用条件を比較しやすくなっています。

2.Googleしごと検索に掲載するには?

では、どのようにすれば掲載されるのでしょうか。基本的にはホームページや画像検索と同じで、「Googleが自動で読み取って、勝手に掲載される」ことになります。ただし、Googleの基準に合わせることで検索されやすくすることは可能です。

例えば、ホームページであればサイトマップを送信したり、画像であればaltタグに名前を入れるのと同様に、しごと検索では「構造化データ」を作ります。構造化データはサイトには表示されない情報で、Googleが読み取るためのメタタグの一種で、下記の情報を設定できます。

実際には、

“hiringOrganization”: {
“@type”: “Organization”,
“name”: “MagsRUs Wheel Company”,
“sameAs”: “http://www.magsruswheelcompany.com”
}

のような記述が必要になりますが、Googleが提供している「構造化データ マークアップ支援ツール」を使うことで比較的簡単に作ることができます。

さらに、「Indexing API」という支援ツールを使えば求人情報をすぐにGoogleしごと検索に表示させたり、削除することも可能です。

手順としては

  1. 採用ページを作る
  2. 構造化データ マークアップ支援ツールで構造化データを作り、htmlに入れる。
  3. Indexing APIを使いGoogleに知らせる

になります。

【参考】

3.求職者はどのように応募してくるのか

Googleしごと検索はindeedとは違い直接応募をすることはできず、情報が掲載されているサイトにリンクをしています。そのため、応募する方法は従来と同じで、

  1. 自社のホームページや採用ページから応募してくる。
  2. 求人情報を検索しているサイト(リクナビ、マイナビ、dodaなど)から応募してくる。

のどちらかになります。大手求人サイトはGoogleしごと検索に対応しているようなので、求人サイトに掲載していれば問題はありません。

4.Googleしごと検索は中小製造業にとって有利に働くのか?

Googleしごと検索がリリースされたことで、求人情報を多くの人に見てもらえる可能性が高くなったことは確かです。

しかし、Googleしごと検索で探しやすくなった情報は、職種、地域、採用条件など他社と比較されやすい条件の情報であるため、独自の良さを知ってもらうという点については難しいと言えます。

例えば、リクナビやマイナビなどの求人サイトは採用条件以外に、画像を使うことで企業の雰囲気や仕事内容など自社の強みを伝えることができますが、Googleしごと検索ではそれができません。この点は仕事のやりがいなどを強みとしている企業にとっては使いづらいかもしれません。

まとめ

Googleしごと検索が使えるようになったことで、自社の採用情報がより多くの人に見てもらえるようになりました。ただし、機能は限定的で文字情報だけです。求職者にとっては求める職種を条件で比較しやすくなることは良いことかもしれませんが、Googleしごと検索では給与や年間休日以外の企業の良さを伝えることは難しい状況です。

今回の変化によって採用しやすくなるわけではありませんが、自社の採用を告知するための無料の手段が一つ増えたことは歓迎すべき点です。せっかく使えるようになったわけですから、文字情報だけで自社をPRできるようにGoogleしごと検索対策をしていきましょう。

2018年8月 googleのコアアルゴリズムアップデート

こんにちは、ものづくり経革広場の渡部です。もう先月の話になりますが、2018年8月1日にgoogleのコアアルゴリズムが大幅にアップデートされました。検索の順位変動に敏感な方は「順位が急に上がった」「順位が急に下がった」と思った方もいらっしゃるかもしれません。常日頃アップデートを繰り返しているgoogleの検索アルゴリズムですが、今回のアップデートで大きく変わったことと、今後の対策について考えてみたいと思います。

どのようなアップデートがあったのか?

まずどのようなアップデートがあったのかについてですが、googleの公式はtwitterで下記の様にツイートしています。

ーざっくり日本語訳ー

今週年に数回行うコアアルゴリズムのアップデートをしました。3月にも伝えた様に今後もまだ続くよ。

具体的にどんな風に変わったのかは言及されていませんが、3月にもあったような大幅なアップデートがあったとのことです。3月にあったGoogleのアルゴリズムのアップデートの方向性として「YMYL」というキーワードがあり、どうやらそれに関するアップデートの様です。

「YMYL」とは

「your money or your life」の略です。

どこかのCDショップのキャッチコピーみたいですが、お金や健康など「人生を大きく左右するような」コンテンツに関しては、「専門性」や「権威性」などを考慮して、信頼性があるかどうか品質をしっかりチェックして評価しますというガイドラインです。

少し前のことになりますがDeNAが運営していたキュレーションサイトが、すべて閉鎖になった事件がありました。専門的な知識が薄いとされる人でも内容がちゃんとしていれば、(リライトがほとんどだったのが問題でしたが)上位表示されていたのですが、google側でも対策をし、信頼できる情報源と思われるものを上位表示するようにガイドラインが変更になっています。

今後の対策は?

googleのアナウンスからすると年内にあと1回はコアアルゴリズムのアップデートを残している様に思います。現状公式からアナウンスされている内容や今回順位変動で、上位に上がったサイトをいくつか調べて、今後の対策を考えました。

1、専門的な知見をもってオリジナルのコンテンツを作る

キュレーションサイトで問題になったのが、リライトといって他の記事の順番を書き換えるなどしてコンテンツを作成する手法です。御社のサイトもどこか他のサイトからコピペした内容を一部書き換えたりして、コンテンツを作っていませんか?もしそのようなコンテンツがあるとすれば要注意です。ペナルティとまではいきませんが、今後順位が下がってしまう危険性がありますので、自社の言葉で再度書き直すようにしてください。

2、情報の拡散に努める

SNSなどを使って自社の情報の拡散に努めてください。先ほど「信頼できる情報源」とお伝えしましたが、その指標となるものの一つが「被リンク」です。ただ、対策としてSEO業者などから「被リンクを購入する」という様な手法はやめましょう。有益な情報であれば、自社の情報は自然とSNSやブログからリンクが張られるはずです。そのような有益な被リンクを集めるためにも1でお伝えした様な自社オリジナルのコンテンツを作ることに力を入れて頂ければと思います。

3、定期的に対策キーワードの順位を調べる

大幅なアップデートは年に数回とはいえ、日常的にgoogleの検索アルゴリズムは変更されていますので、小さなアップデートでいきなり大きく変動することもあります。以前に紹介したGRCを利用するなど、対策キーワードの順位を定期的に調べておきましょう。

今後もgoogleの検索アルゴリズムの動向には目を光らせておきますので、情報が入りましたらご連絡します。