日本発売前日の5月31日には、世界25カ国からメディア、著名人らを招いて東京でグローバルローンチイベントを日本初開催。場所は、六本木ヒルズ、「綱町三井倶楽部」「ピザスライス2(PIZZA SLICE2)」「ロアラブッシュ(Leau a la bouche)」の4会場。それぞれの会場では、リストウオッチのコンセプトとなった5都市を連想させる空間とインスタレーションを演出。中でもニューヨークをテーマにしたピザスライス2では、この日のためにニューヨークからグラフィティーアーティストのスタッシュ(STASH)が来日し、ライブペイントを披露するなど、特別な一夜に華を添えた。
その後「ワンオーク東京(1 OAK TOKYO)」で開催したアフターパーティーでは、TOKYO No.1 SOUL SETの川辺ヒロシやラッパーのスラック(5lack)、エレクトロミュージックユニットのYoung Juvenile Youthらのライブが披露され、世界中から訪れた関係者たちを音楽でもわかせた。
会場の新博物館は、もともと19世紀半ばにフリードリッヒ・アウグスト・シュテーラー(Friedrich August Stueler)が設計。しかし、第2次世界大戦で壊滅的な被害を受け、約60年間修復されることなく風雨にさらされてきた。その後、2003年からデイヴィッド・チッパーフィールド(David Chipperfield)が元のファサードや内装を生かしながらの修復に取り組み、09年に再び一般公開された。そんなベルリンの歴史と復興を物語る同館がファッションショーに使用されるのは今回が初めて。アートと深いつながりがあり、常に建築に通じるアプローチでデザインを手掛けるブランドらしいロケーションだ。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。
リリー・オルドリッジ(左)とウィメンズ・ウエア・デザイナー部門を受賞したブランドン・マックスウェル MATT BARON /REX / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC リック・オウエンスWWD / REX / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC アクセサリー・デザイナー賞を受賞したオルセン姉妹 MATT BARON /REX / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC ファッション・アイコン賞を受賞したジェニファー・ロペス MATT BARON /REX / SHUTTERSTOCK (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA以下、CFDA)は、2019年「CFDAアワード」の授賞式を6月3日にニューヨークのブルックリン美術館で開催した。同アワードは、特筆すべき功績があったアメリカ人ファッションデザイナーに贈られ、今年で38回目を迎える。ウィメンズ・ウエア・デザイナー部門、メンズ・ウエア・デザイナー部門、アクセサリー・デザイナー部門などに分かれる。
ウィメンズ・ウエア・デザイナー部門は、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)や「ロダルテ(RODARTE)」のケイト&ローラ・マレヴィ(Kate & Laura Mulleavy)姉妹らを抑えてブランドン・マックスウェル(Brandon Maxwell)が受賞した。5月6日に開催された「メット・ガラ(MET GALA)」で共同ホストを務めたレディー・ガガ(Lady Gaga)が衣装を脱ぎ続けて4ルックを披露したことが話題となったが、マックスウェルはその衣装を手掛けたデザイナーとしても知られる。
ロンドンの名門セント・マーチン美術大学(Central Saint Martins BA)が毎年行っているファッションショーが5月30日に開催され、プリント、ニットウエア、ウィメンズ、メンズなど各学科から43人の学生が参加した。多数の著名デザイナーを輩出した同校のコレクションは注目度が高く、ファッション関係者も多く訪れるが、今年の優勝者はその斬新な作品でひときわ注目を集めた。
準優勝には、ボタンが並ぶウィメンズのジャケットや形状記憶素材を使用したドレスなどを発表した、スイス出身のポーリーン・ドゥ・ブロネー(Pauline De Blonay)が輝いた。また、すぐにでもパリのメゾンで通用するような高い技術力でメンズウエアをデザインした日本人のフミカ・オオシマ(Fumika Oshima)と、1980年代にインスパイアされた肩を強調したブラウスやスカートなどが印象的だったアゼルバイジャン出身のフィダン・ノブルゾバ(Fidan Novruzova)が同率3位に入賞した。
今年の審査員は、写真家のマイケル・コスティフ(Michael Costiff)、デザイナーのグレース・ウエールズ・ボナー(Grace Wales Bonner)とリチャード・マローン(Richard Malone)、英「ヴォーグ(VOGUE)」誌の編集者オリビア・シンガー(Olivia Singer)のほか、セント・マーチン美術大学の教授陣やロレアル プロフェッショナルの代表者らが務めた。