メンズコレドタバタ日記 “ギャルソン・デー”に訪れた今季最大の危機「『ミハラ』、もう間に合わない……」

 6月21日、晴れ。最高気温は23度。湿度も低くてベリー爽やか。昨日は久々に6時間寝て、元気いっぱい!朝ごはんも1時間半食べ続け(原稿を書きながら、ですよw)、ますます元気いっぱいです!さぁ、張り切って参りましょう。

10:20 「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン」

 パリメンズの金曜日は、“ギャルソン・デー”。「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME DES GARCONS JUNYA WATANABE MAN以下、ジュンヤ マン)」と「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS以下、プリュス)」が競演する日だからです。先攻は「ジュンヤ マン」。コンセプチュアルでアヴァンギャルドなウィメンズに対して、リアルクローズのメンズというブランド。どっちもできるんだから、渡辺淳弥さんとはつくづく多才なデザイナーです。余談ですが、ウィメンズの正式名称は「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン」で、「コム デ ギャルソン」と「ジュンヤ ワタナベ」の順番もメンズとウィメンズでは異なっています。記事を書く人間としては、気を使うところです(笑)。

 コレクションは、朝日を浴びる男性にぴったりの気取らないキレイめ。麻混でパリッとしたジャケパンに始まり、ステッチワークの効いたシャツや数少ないビビッドカラーのブルゾン(チューリップを描いた胸のワッペンがカワイイ)まで、「ジュンヤ マン」らしいハイブリッドを駆使しつつ、誰でも、気負わず着られる洋服ばかり。正直、派手好きな僕なんかは「もうちょっとなにか見たい」って思っちゃうけれど、「これくらいがちょうどいい」と思う人の方が多いのは事実でしょう。

11:30 「アン ドゥムルメステール」

 お次はパリコレの遅刻常習犯「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」です。今回も、この後に影響しそうなプチ遅延。「アン」流のマリン。スモークで満たされた空間が、フラジール(繊細な)少年たちの世界に誘います。

12:30 「ジュン.J」

 韓国代表「ジュン.J(JUUN.J)」のショーを見るため、再びセーヌ川左岸に逆戻りです。後半に向かうにつれてスポーティーなムードを増して独自性と説得力あるスタイルに進化しましたが、前半のフォーマルは再考の余地アリ。突飛すぎるし、二番煎じ感も否めません。

13:30 「ベルルッティ」

 「ベルルッティ(BERLUTI)」は、今季も冴えています。クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)には、時代を切り開くモードな「ディオール(DIOR)」より、現代をモダンに進化させる「ベルルッティ」の方が合っています。靴の手染め“パティーヌ”で名を馳せるメゾンならではの、色鮮やかなセットアップがエネルギッシュ。ウィメンズほどではありませんが、オーストリッチの羽根を多用しました。リアルファーから距離を置くブランドが増える今、羽根は新たな“ドラマティック素材”として注目を集めています。

14:40 「メゾン ミハラヤスヒロ」

 「ベルルッティ」が終わり、後輩オーツカが言うところの「BB」、つまり「貧乏バス」に乗り込みましたが、全く動きません。このクソ忙しい中(おっと失礼!)、界隈の大渋滞で15分経っても微動だにしない。

 「ヤバい!『メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)』に間に合わない!一昨日、あんなにワインをご馳走になったのに!」と焦ってバスを降り、大通りまで走ってUberをキャッチ。車でまた右岸に戻ります。Uberを捕まえた時点で、時刻は14:00スタートという予定時刻より20分遅れ。到着予定は14:33と出ております(OMG!)。慌ててPRの方にLINEしたら、「待ってます!」との心強いお返事!Uberの運ちゃん、頑張ってくれ!

 車は、後輩オーツカはもちろん、「ファッションプレス(FASHION PRESS)」の堀越さんと一緒。彼女、僕らがUberを待っている時、「乗せていただけませんか?」と声をかけてきたのです。エラい!アンタはエラい!話したことのない相手に勇気を持って直談判。なかなか出来ないですよ。焦りつつ、ムラカミは堀越ちゃん(ほぼ初対面ですw)の勇気と熱意に感動しました。

 なんてジーンとしている場合じゃない!時間は刻一刻と迫ります。PRの方からは電話が来て、いよいよ待っていられない様子!ショー開始10分前まではセーヌ川を挟んで反対側にいましたが、そこから右折、左折、カーブで旋回が全て上手く行き、間に合いました~!いや、正確に言えば、間に合わせていただきました~!ありがとう「メゾン ミハラヤスヒロ」!

 そんなドタバタの末拝見したショーは、大好き。大好物。最近の三原さんが得意とする、別の一着を前身頃か後ろ身頃にペタンとしたフェイクレイヤードな洋服はもちろん、クラフト感たっぷりのスニーカー(カラーブロッキングバージョン、オーダーしよっとw)、「ディスクユニオン(DISKUNION)」とのコラボアクセサリーまで大豊作。いやぁ、最後、「RIZAP」で鍛えた脚力でダッシュした甲斐がありました(笑)。

15:30 「ジル サンダー」

 そして、またセーヌ川の反対へ(も~、めんどくさい!)。「またUberか……」と思っていたら、香港のセレクトショップ「ジョイス(JOYCE)」のマネージャー、マイケルが「車、乗る?」と神の一声。マイケル!アンタええ奴やー!10数年、一緒にコレクションを見てきてヨカッタ!

 ってコトで余裕で着いた「ジル サンダー(JIL SANDER)」は、今回も優しいボリューム感でした。でも前回の方が、素材とパターンにどこよりもこだわっているカンジが強く伝わってきたかな。

 夫妻デザイナーは、今回も仲良く手を繋いで登場でした。

16:15 「ルイ・ヴィトン」

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の展示会では、気になっていたアクセサリーを激写!そちらは別記事でお楽しみください。

 3色のオーガンジーを重ねた洋服は、縫い付けられていて離れません。でも、それがいいんです。だってそれがヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の思い描くダイバーシティーだから。異なる個性の人間が1つになるのが大事で、バラバラになっちゃイカンのです。

16:45

 ようやく今日の昼ごはん。10分メシです。

17:20 「コム デ ギャルソン・オム プリュス」

 ゴハンを食べて向かうは「コム デ ギャルソン・オム プリュス」。歩いて10分と思ってたら、後輩オーツカの情報が間違っており、現在地から歩いて27分!間に合わん!どないなっとんのや、オーツカ!

 慌ててダッシュで地下鉄に向かい(今度はルーブル美術館前を爆走ですw)事なきを得ましたが、ファッションウイークは油断大敵です。

 「プリュス」も最高でした。いつも通り性差なんてカンケーなくて、いつも通りスーツの力を訴えるけれど、何かにファイティングポーズとって「反骨」の精神を示しているというよりは、既成概念をフワッと「超越」、もしくはハナっから気にしてないカンジ。「反骨」だと時々息苦しく思えるのですが、今シーズンのセットアップはスカートルックばかりなのに“重たさ”とか“息苦しさ”とは無縁です。初めてスカートのセットアップをオーダーしようと思っています。

18:40 「ディオール」

 またセーヌ川を渡って、「ディオール」。キム・ジョーンズ(Kim Jones)になって2回目の春夏は大きく方向転換せず、引き続き端正なフォーマル。新時代のスーツは、キムに任せておけば安心です。大理石カラー、ライトグレー、ベージュ。色と素材、シルエットを使い分け、多彩なフォーマルを打ち出します。よ~く見ると、コートやジャケットのポケットは、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)が生み出したアイコン“サドルバッグ”の形。オーガンジーのブルゾンやシャツには、同じくガリアーノによる新聞プリントが施されています。

 スニーカーやブーツには、「ディオール」3代目デザイナーのマルク・ボアン(Marc Bohan)が生み出した“オブリーク”のモチーフが今季もしっかり。健在の“オブリーク”と言えば、キムが先シーズン提案した斜めに走るストール使いのフォーマル“タイユール(「斜め」を意味するフランス語) オブリーク”も健在です。キムの「ディオール」は、1年前のアイテムだって最新コレクションとコーディネイトして楽しめそう。マシュー・ウィリアムズ(Matthew Williams)とのチームワークで誕生したキャップ被っていた僕は、ホッと一安心、胸をなでおろしたのです。

 そのキャップは今季、色覚異常のアーティスト、ダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)と協業しました。コレクション全体を貫く褪せた色彩は、彼から刺激を得たものです。「リモワ(RIMOWA)」とコラボしたトランクも含め、相変わらず最高を提案するためベストパートナーとタッグを組むインクルージョン(包摂・包括性)なマインドが滲みます。

20:20 「カサブランカ」

 この時間(と言っても、本来の開始予定時刻は19:30でしたがw)は、「ゲーエムベーハー(GMBH)」と「カサブランカ(CASABLANCA)」がドン被り。“先輩権限”で「カサブランカ」を選んだら、場所がまさかのモンマルトルの丘の上!「ディオール」会場の左岸からは、メトロを乗り継いで50分の大冒険です。

 失敗した(笑)!5歳若いオーツカに任せれば良かった(笑)。最寄り駅を降りてからの風景と動画はこんなカンジ。坂と階段を登りまくりです。今日は左岸と右岸の往復ばっかり。走ったり、登ったり、なんて日だ。

 でも、ショーは予想以上に面白かった。こういうレトロテイストのストリート、新鮮です。

 フィナーレの映像を、カメラワーク抜群のお兄さんの奮闘と共にお楽しみください(笑)。

21:25 「バルマン」

 そして最後は、また左岸に!どないなっとんのや!

 「バルマン(BALMAIN)」は、もはやライブ。一般向けのチケットを1500枚販売した、壮大なB to B & Cのランウエイです。

 「カサブランカ」からの大移動だったため入場が遅れ、ステージははるか彼方。とりあえず、ピカピカしていることはわかります(笑)。全然見えないので周辺をウロウロすると、ホットドッグやお酒はもちろん、今日だけの限定グッズまで販売中!この売り上げは、HIV/AIDS撲滅のために使われます。

 昨日の「ヨシオクボ(YOSHIO KUBO)」含め、ショーにはいろんな形があって良い時代。だって、そこで見せる洋服がダイバーシティーに富んでいるんだから、その器だって多様であるべきです。そんなことを考え、パリメンズは4日目終了です。さぁ、この後は会食だ!

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「マディソンブルー」が支持され続ける理由 初のプレゼンに込めた意図は?

 2014年春夏の立ち上げ以来、瞬く間にロンハーマン(RON HERMAN)などの有力ショップに広がり、人気ブランドとなった「マディソンブルー(MADISONBLUE)」。19-20年秋冬は、表参道の路面店で初めてプレゼンテーションを行った。デザイナー兼ディレクターの中山まりこは、1980年代からスタイリストとして活動。立ち上げ当初は“スタイリストのブランド”として紹介されることも多かったが、設立から5年が経った今は「スタイリストをやっていたのは服を作るためだったんじゃないか」と語るほどモノ作りにのめり込んでいる。売り上げは一時の驚くような急伸からはやや落ち着いたものの、常に右肩上がりできているという。ブランドが支持され続ける理由を、中山の言葉から探った。

WWD:今回、初のプレゼンテーションを行った理由は?

中山まりこ(以下、中山):シャツ6型でブランドをスタートして、少しずつアイテムを増やしてきました。ただ、最近はブランドの世界観が広がって、商品数がすごく多くなっていた。すてきなパタンナーさんやいい生地屋さんに出会うと、どんどん「作りたい!」という気持ちになるんです。以前は展示会に来場したバイヤーさんとも1人1人お話ができていましたが、卸先も約50社に広がって、それも難しくなっていました。営業担当者やPRに対応を任せるというのが普通なんでしょうけど、そういう形にしたらなんだかモヤモヤ、悶々としてきちゃって。この2年くらい、「何か違うな」と感じていたんです。改めてブランドのことを伝える機会がほしいとずっと思っていて、それが形になったのが今回でした。

WWD:モヤモヤとした状態から抜け出したのは、何かきっかけがあったんですか?

中山:実は3月にパリでポップアップストアを行っていたんです。その時にプレゼンテーションをしようと強く思いました。プレゼンをすれば、卸先にも編集者にも改めてブランドの世界観が伝えられるし、販売員を通してお客さま一人一人にも伝わるだろうって。パリのポップアップストアは、あえてファッション・ウイークから少し遅らせて行いましたが、何社かパリに残っていたバイヤーさんが来てくださいました。来られなかった方にも写真をお見せしたら、「展示会と全然違って見える」と言われたんです。バイヤーさんは通常、「何をどう買うか」という視点で展示会を見ている。それって、ブランドがどんな世界を見せたいかというのとは違うんですね。買い付けのための展示会ではなく、イメージを見せる場としての展示会ってすごく効果的。そう実感して、ブランドとしてこれまでとは違う扉を開いていくために、プレゼンを行うことを決めました。

外部と組んで、ブランドを一歩先へ

 

WWD:これまではデザインもディレクションも全て中山さんが担当していました。今回のプレゼンテーションは、ディレクターに編集者の鈴木哲也さん、スタイリストに「エクラ(eclat)」などで活躍されている池田奈加子さんを起用していたのが新鮮でした。

中山:今までは文字通り何から何まで自分で行っていました。でも、それを続けていると考えが詰まってくる。広がりがなくなってくるんです。今回鈴木さん、池田さんと組んだのは、外から見て「『マディソンブルー』はこうなっていくべき」といった意見がほしかったから。(服がそれだけで完成しているようなブランドではなく)人が着た時にその人らしさが出る服を作りたいと思ってブランドをやってきたから、見せ方や伝え方の部分でも一度外部の人に委ねてみたいなと思った。それによって、ブランドをもう一歩先へ進めたいと考えたんです。全部自分でやっていると、初期のフレッシュな感じではなくなってくる。当初はスタイリストとしての自分も残っていて、その中でモノ作りをしていたんだけど、だんだん作り手になってきて、今は服を作るためにスタイリストをしていたんじゃないかと思うほど感覚が変わっちゃいました。

WWD:中山さんと、ディレクターの鈴木さん、スタイリストの池田さんとで、意見がかち合ってしまうようなことはなかったんですか?

中山:2人をリスペクトしているから、そういうことはないです。鈴木くんは最初の展示会からうちのブランドを見てくれています。私は考え方とか服の買い方が男っぽくて、好きになると色違いでほしいとか、サイズ違いで着こなしたいとか思うタイプ。だから男の人の意見の方がしっくりくることが多いんです。その中でも、鈴木くんの意見は「私はこういうことが言いたかったんだ」っていうものと一番マッチすると思っていました。ウィメンズのスタイリングをお願いした池田さんは、大先輩であり大好きな人。池田さんはウィメンズの雑誌を作る人の目線、鈴木くんはちょっと先を見る目線と、みんな視点が違うので打ち合わせをすると一致しない部分はもちろんありました。でも、それはまるで自分の右脳と左脳が意見を闘わせているような感じ。決定するのは私です。2人共大人だから、そういう風にさせてくれました。自分一人でやっている時は強い信念があって、もちろん信念がなければ5年間ブランドを続けてくることはできなかった。でも、二人が入ることで信念を曲げるのではなく、器を広くして、おおらかになることがブランドにとって重要だと気付きました。信念を持つことと、凝り固まることは違います。悪い意味でのこだわりみたいなものを取っ払っていくことが、ブランドがステップアップしていくことだと感じました。

WWD:こだわりを取り払うというのは、具体的にどんなことですか?

中山:例えばモデルについて。ドメスティック(国内)のブランドって、よく海外モデルに服を着せてルックを撮るでしょう?それについて、スタイリスト時代から強い違和感を抱いていました。「パターンは日本人向けなのに、海外のモデルに着せるのはなぜ?」って。まあ、イメージの問題なんでしょうけれど。でも今の消費者って、そういうイメージだけではもう動きません。そういった考えから、「マディソンブルー」ではデビュー時から、あえてモデルではなく友人などを起用してルックを撮ってきました。でも、今回のプレゼンでは海外のモデルも起用していて、それは私にとって挑戦でした。鈴木くんが「今までの手法だと着用した人のイメージが前に出てしまう。『マディソンブルー』は服が強いから、ショーモデルに着て歩かせた方がより広がりが出る」と提案してくれたんです。

WWD:コンサバにならず、そんな風にどんどん新しいことに挑戦ができているブランドって、実はそんなに多くない気がします。

中山:ルーティーンで物事をやる、ということが私は本当にダメなんです。一昨年、昨年と、パリやらモロッコやらかなりいろんな場所を旅したんですが、今思えばそれもブランドの次の形を考えていたからこそだったんだと思います。去年はパリだけで4回行きました。どこかへ行くと手ぶらでは帰れないし、何かやらなきゃ気が済まないので、パリで素人のモデルに声を掛けて撮影をしたり、先ほど話したように3月にはサンジェルマン・デ・プレのアパートでポップアップストアを開いたり。カフェですてきなマダムをナンパして、「今そこでポップアップしてるから、是非来て。あなたには絶対似合うから」って呼び込んだりもしました。

針路は見えたから、あとは走るだけ

WWD:そのように試行錯誤した2年間を経て、ブランドの次の形として今何が見えていますか?

中山:2年間悶々と考えていたことで、今後の5年の進むべき針路は大方見えています。だからあとは走るだけ。今回プレゼンを行ったのももちろんその一環です。ブランドのスタンスとして、これまでは「買いたい人だけ買いに来てくれればいい」という受け身の姿勢でやっていました。今の時代は有名人がSNSに投稿したブランドが売れるなど、(ブランドやデザイナーが)消費されてしまいがち。消費されることに抵抗があって、そういった売り方、伝え方といかに差別化していくかをずっと考えてきました。たくさんの人に着てもらうより、ブランドを気に入ってくれるお客さま一人一人とコミュニケーションを取りたいと思ったから、直営店を出す際も最初はあえて目黒の駅からやや離れた立地を選びました。でもこの2年を経て、ブランドとしてだんだん発信がしたいと考えるようになってきた。やはり能動的に発信しないと伝わらないことがある。そう気付いたのがちょうど5年目の今というタイミングでした。ブランドを伝えるために、プレゼンは今後も続けます。少なくとも5年は続ける。それぐらい経つと、ブランドにとって大事だと思うことがまた変わるかもしれません。

WWD:今回はプレゼンテーションでしたが、さらに規模を大きくして、ランウエイショーを行う可能性もありますか?

中山:それは本当に分からない。今回も、1月に仲の良いモデル事務所の社長と話した時点では、「モデルを起用した発表をするつもりはない」って私言ってましたから。ただ、これは自分が顧客としてパリのブランドの現地でのショーに呼んでもらった際に感じたことですが、ショーは売り上げと連動していないとやる意味がないし、やってもつまらないですよね。顧客として見たそのショーは、見た後に気分が盛り上がって、思わずモンテーニュ通りの大型店に行きました。そこには他の顧客も詰めかけていて、担当の販売員とショーの感想を話し合いながら買い物をしていた。そういう形でショーとビジネスとが連動していないと、意味がないように私は感じる。東京のファッション・ウイークには、卸しかしていなくて直営店がない規模のブランドも参加してランウエイショーを行っています。それもそれでいいですが、うちのブランドのやり方ではない。今回のプレゼンには表参道店の顧客も招待しましたが、「プレゼンをします」とアナウンスしただけで、顧客の方は1カ月前から「何を着ていこうか」と販売員と盛り上がっていました。そういうやり取りを通して、販売員と顧客とのつながりはより深まります。うちのブランドはセールをしないからこそ、プレゼンで先を見せたり、つながりを生みだしたりといったことで顧客サービスをしていく必要がある。今後はお客さまを集めた食事会なども行っていきたいと思っています。お客さまの人生に関わりたいと言ったら大げさですが、「マディソンブルー」をきっかけにして、お客さま同士やお客さまと販売員との輪ができていけばいいなと思っています。

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「ヴェトモン」2020年春夏ショー来場者スナップ “キワモノ”がマクドナルドに集合

 「ヴェトモン(VETEMENTS)」は、パリ・メンズ・コレクション期間中の6月20日(現地時間)に2020年春夏コレクションをショー形式で披露した。舞台はなんとシャンゼリゼ通り沿いの「マクドナルド(McDONALD'S)」だ。店舗を丸ごと貸し切り、1階と2階の2フロアを使用してランウエイショーを行なった。開演中は混乱を避けるために歩道を封鎖するなど、一帯は騒然となった。招待客はもちろん、情報をつかんで「マクドナルド」周辺に集まった同ブランドのファンは個性派ばかり。肩が極端に突き出たジャケットや古着をボロボロにリメイクしたようなウエアなど、「ヴェトモン」らしいギリギリなファッションの若者たちをスナップした。

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「アットコスメ」がベストコスメ発表 2019年上半期コスメファンが注目したトレンドワードも

 アイスタイルは、2019年上半期ベストコスメ発表に伴い記者説明会を開催した。同社のベストコスメの特徴は「アットコスメ(@COSME)」に寄せられたクチコミ投稿をもとに集計している点で、「コスメデコルテ(DECORTE)」の「フェイスパウダー」が大賞になった。また、各部門の受賞製品や投稿に含まれるキーワードの出現率から、消費者の“19年上半期ビューティキーワード”が読み取れる。

 「2019年上半期は、肌の美しさを表現したアイテムが注目を集めた。要因は、写真加工アプリの利用が当たり前のものとなり、素肌が美しければきれいになれることをアプリに教えられ、アプリで加工された自分が美しさの基準になっていることにある」と原田彩子「アットコスメ」リサーチプランナーは今回の傾向について分析。スキンケアはもちろんのこと、変化をすぐに実感できるベースメイクアイテムへの関心も高まっており、それらの製品に関する投稿数は前年比で10ポイント以上増加しているという。

 素肌を美しく見せることが関心事のトレンドになり、クチコミで使われる言葉も「素肌感」が「素肌」を1.6倍上回った。大賞受賞の「フェイスパウダー」は1998年8月から続く人気製品だが、今年1月に“なりたい質感に合わせて選べる”をキーワードに全6色でリニューアル販売した。特に色を乗せずに艶感のある肌を作る新色のクリアカラーが支持されていることからも、素肌の美しさを演出するアイテムへの関心が高いことが分かる。

 また、17年頃からメディアでたびたび使われるようになった、パーソナルカラーの「ブルベ・イエベ」や、「トーンアップ」という言葉も19年上半期に上昇。「ブルベ・イエベ」は前年比1.3倍の出現数に、「トーンアップ」は同2.2倍になったという。今年に入ってからこれらキーワードを製品特徴に取り入れたリップやファンデーションが相次いで発売されていることも要因の一つといえるが、これらの言葉が消費者にも理解され、広く浸透したことがうかがえる結果となった。

 なお、今回のベストコスメは18年11月1日~4月30日の新商品が対象で、集計対象アイテム2895製品、クチコミ件数4万8082件から選出。各部門では、化粧下地部門は「ランコム(LANCOME)」の「UV エクスベール トーン アップ ローズ」、リキッドファンデーション部門は「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」の「アンリミテッド ラスティング フルイド」、チーク部門は「コフレドール(COFFRET D'OR)」の「コントゥアリップ デュオ」となった。

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神様、仏様、リック様! 「リック・オウエンス」の2020年春夏メンズコレに集った黒の崇拝者たち

 「リック・オウエンス(RICK OWENS)」は6月20日(現地時間)、パリ・メンズ・コレクションで2020年春夏メンズ・コレクションを発表した。同ブランドのショー会場周辺には、「リック・オウエンス」の芸術的な世界観を体現したかのような黒いウエアやDIYの奇抜な装飾を身に着けたファンが毎シーズン多数訪れ、異様な雰囲気となる。服だけではなく、シーズンによってトレンドが移り変わる中、ここは揺るがない。日本からは秋元梢や村上隆、モデルのTaikiとNoahらが来場した。

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「アロハ ブロッサム」と千代の富士がコラボ

 「アロハ ブロッサム(ALOHA BLOSSOM)」は6月29日、昭和の大横綱・千代の富士とのコラボコレクションを発売する。ビンテージアロハに見られるテキスタイルパターンで仕上げたアロハシャツ(3色、各1万8800円)、ワンピース(3色、各2万2800円)の2型をそろえ、千代の富士オンラインショップで販売する。また、29日から7月7日まで、「ネーム ストア」でアイテム全てを「アロハ ブロッサム」に入れ替えてイベントを行う。

 本コレクションでは、千代の富士が土俵の上で見せていた姿のほか、ギターを弾いたり、レイを下げたりしている写真を落とし込んだ。プリントは全て手捺染。フォトプリントの再現性に重きを置き計8回染色した。

 沖縄発の「アロハ ブロッサム」は、MONGOL800の上江洌清作が立ち上げたハワイアンシャツブランドだ。リュクスとリラックスをテーマに、“物事に対する価値観は十人十色、人それぞれである”をコンセプトにしている。

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北米など発売2カ月で完売 「キリアン」のパルファムリップスティックが今秋日本展開へ

 エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)傘下のフランス発ラグジュアリーパルファムブランド「キリアン(KILIAN)」は今秋、日本未上陸の「ル ルージュ パルファム」(全12種、予定価格6200円)を発売する。

 同製品はブランド初のメイクアップ製品で、今年2月に北米、フランス、イギリス、ロシア、中東などの旗艦店を中心に発売。2カ月で7万個を売り上げ完売した(メーカー出荷ベース)。アジアでは8月に韓国の「新羅ホテル」内のブティックで先行発売し、日本では10月をめどに販売開始を目指す。

 アイテムは6種類の赤色それぞれにサテンとマット、2つの質感を用意した。パルファム製品にも使用している香料を用いて、ネロリ、バニラなどの甘い香りが広がる。また、ブランドの核の一つである芸術性の高いパッケージにもこだわり、エンボス加工を施した重厚感のあるケースを採用した。

 「キリアン」は世界的コニャックメゾン、ヘネシー家の創始者の子孫であるキリアン・ヘネシー(Kilian Hennessy)が2007年に立ち上げたブランドで、昨年10月に日本初上陸。三越日本橋本店、日本橋高島屋、大阪高島屋、伊勢丹新宿本店メンズ館に計4店舗を構える。コニャックの甘味や酒樽の木などを想起させる官能的な香りが中東や欧米で支持を集めている。

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イタリア発高級ダウン「ヘルノ」 19-20年秋冬は機能性×ファッション性を強化

 ダウンアウターを中心としたイタリアブランド「ヘルノ(HERNO)」は2019-20年秋冬、「ゴアテックス(GORE-TEX)」などの機能性素材の使用を打ち出してきた“ラミナー(LAMINAR)”ラインで、よりデザイン性を高めた商品をそろえている。ウールの表地に防風・透湿などの裏地を貼り合わせることで、「機能性はそのままに、イタリアならではの手の込んだ作り」(広報担当者)を表現する。

 グレンチェックの生地の上にフロッキープリントを重ねたショート丈ダウンコート(ウィメンズ17万8000円)など、凝った素材が特徴。表地に千鳥格子柄のウール・カシミヤを使ったメンズコート(20万5000円)は、スーツスタイルにも合うクラシカルな表情だ。「ダウンコートのスポーティーなイメージが苦手という人にも着てもらえるデザイン」になっている。

 ダウンアウターは18-19年秋冬が全般的に売り上げ好調だったことを受け、各社19-20年秋冬も新アイテムの提案や、新規ブランドの導入に力を入れている。

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「ベルルッティ」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「ベルルッティ(BERLUTI)」が2020年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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「ベルルッティ」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「ベルルッティ(BERLUTI)」が2020年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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「アン ドゥムルメステール」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」が2020年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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ユーチューブが動画内にバーチャルメイクの機能を導入

 グーグル(GOOGLE)傘下のユーチューブ(YOUTUBE)は6月18日、動画内にAR(拡張現実)を活用したバーチャルメイク機能「AR Beauty try on」を導入することを発表した。視聴者はユーチューブ上で、クリエイターがコスメを紹介する動画を見ながら自身の顔にも試すことができる。グーグルからの明確な導入予定はまだ発表されていないが、多くの媒体は今夏の公開予定と報じている。

 「AR Beauty try on」は、グーグルの検索機能に使用されているアンドロイド端末向けARプラットフォーム「ARCore」の技術を活用したもの。2016年に同社が買収したインフルエンサー・マーケティングプラットフォームのフェイムビット(FAMEBIT)を通じて利用できる。多くの消費者は新製品を購入する際に動画を参考にすることから、ブランドとクリエイターはよりパーソナライズ化した商品を視聴者に提案できる。コスメブランドでは「M・A・C」が初めて「AR Beauty try on」と提携し、月間20億人が視聴するユーチューブ市場に参入する予定だ。グーグルによると、いくつかのコスメブランドとのテストでは3割の視聴者がこの機能を活用し,平均80秒以上コスメを試したという。視聴者はさまざまな種類の製品を試すことができ、動画内のリンクを通じてブランド公式オンラインサイトから購入することも可能だ。

 ロレアルグループ(L’OREAL GROUP)傘下のモディフェイス(MODIFACE)とアマゾン(AMAZON)が、アマゾンのモバイルショッピングサイトとアプリ上でバーチャルメイク機能を提供するなど、ビューティと先端技術を融合させたサービス開発が続いている。

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「メゾン ミハラヤスヒロ」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」が2020年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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「メゾン ミハラヤスヒロ」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」が2020年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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メガネの田中が音楽をテーマにしたアイウエアを独占販売 ロックな眼鏡とは?

 全国に108 店舗(6月1日現在)を展開するメガネの田中チェーンは、異分野のクリエイターたちとのコラボレーションにより眼鏡の新たなデザインを発信するプロジェクトの第1弾として音楽をテーマにしたモデル「ウッドプレイズ(WOODPLAYS)」コレクション2モデル10種類を、6月23日からメガネの田中全店(神戸岡本店を除く)で独占販売する。

 「ウッドプレイズ」は1970~80年代の音楽に着想して、素材使いとクオリティーにこだわり、木をふんだんに使って職人が手仕事で仕上げた高い品質が特徴だ。1つのモデルは70年代のロックシーンを象徴するグラムロックの世界観を現代風にアレンジした“グラム・ロック”で、エレクトリックギターをモチーフに製作し、ウッド部分に高級銘木の紫光檀と紅檀を使用している。ギターの塗装職人が、ギター製作時と同じ手法で一本ずつ手塗りしたモデルもある。もう1つはブラジル音楽のボサノバから着想を得た“ボッサ”で、使い込むことで独特の風合いを出す阿根延緑檀と紅檀を使用している。どちららのモデルも日本製で、眼鏡フレームとサングラスがある。

 メガネの田中は広島に本社を置く1913年創業の老舗で、2018年3月期の売上高は118億円。

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花に溢れた「ルイ・ヴィトン」2020年春夏メンズ 仮想の街に込められたダイバーシティーへの思い

 2020年春夏シーズンのメンズコレクションを取材する記者2人が、見たまま感じたままにコレクションをレビューします。先輩記者Mは15年間メンズコレクションを見続けてきたベテラン、後輩記者Oは取材歴3年目。時には甘く時には辛口に、それぞれの視点で最新コレクションを語り合います。

後輩O:さて、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」はヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)がメンズ アーティスティック・ディレクターに就任して3シーズン目となりました。会場はドフィーヌ広場。モノグラム入りのベンチを設置したり、クレープやジェラートをサーブする屋台があったりして、一帯を街にしてしまいました。僕が「ルイ・ヴィトン」のショーを見たのはまだ2回目ですけど、ポップアップやパーティーといい、観客をワクワクさせる演出が本当に上手い。風船で作った帽子を被ってショーを見てる人もいましたし。

先輩M:それは、ワタクシのことですね。今更思ったのですが、後ろの方にジャマでしたかね(笑)。失礼しました。演出は、ヴァージルのプランを実行できるLVMHの資本力にもビックリだけど、最初から初志貫徹しているのは、誰でも共感できる価値にフォーカスを当てること。虹色のランウエイで大勢を巻き込むこと、キング・オブ・ポップのマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の影をチラつかせること、晴れた日に公園に行ってお茶したりジェラートを食べたりすること。どれも、人種や性別、宗教、価値観に関係なく「そうそう、いいよね」って言える当たり前を大事にしてる。

後輩O:そうですね。素直に感動できます。今回の演出もとても響きました。一瞬、旅行にでも来たような気分にさせてくれましたし。コレクションは、またまたボリューミーなシェイプでしたね。一点一点のサイズが大きいし、オーガンジーを3重にレイヤードしたシャツや、プリーツが入って裾に向かって広がるアウターなんかはさらに巨大。スーツもストリートウエアの感覚で作っているから、自由で面白い。反面、顧客幅はかなり絞られそうな気はしました。この春からメンズのプレを強化したり、ベーシックな定番アイテムを“ステープルズ エディション バイ ルイ・ヴィトン(STAPLES EDITION BY LOUIS VUITTON)”としてブランド化したりと、着やすいアイテムを増やした分、コレクションは自由な感覚で作っているということなんでしょうか?

先輩M:そうだね。ベーシックは別ラインでしっかり提案する体制を整えた分、今回のコレクションは冒険が多かった。身頃を全部切り離した後にヒモでつなぎ直したブルゾンとか、総プリーツのブルゾンとか。セットアップは上下が異なるパステルカラーで、シルエットこそ変わらないけれどフレッシュ。若い世代が憧れてくれそうだった。とはいえ、やっぱりポイントはアクセサリー。今回は“モノグラム”も“ダミエ”も、フロッキープリントみたいな3Dモチーフ。こちらはネオンカラーゆえにキャッチーで、またも争奪戦が繰り広げられそう。

後輩O:3Dのダミエかわいかったですねー。ヴァージルは本当にアクセサリーが上手い。コレクション取材をしていても、チェーン付きのボックス型のショルダーバッグ“ソフトトランク”を持っている人をたくさん見かけます。バリエーションで見せていた三角形のボストンバッグも良かったし、ほかにも色々ありました。トートやワンショルダー、クラッチを連ねた“着るバッグ”もついに出てきましたね。ここ数シーズンはポケットがたくさんついたブルゾンやベスト、パーツウエアが数多く出てきて、それらのことを分かりやすく“着るバッグ”と表現していましたが、まさか本気のやつが出てくるとは。

先輩M:ずっと「トランクやバッグからスタートした『ルイ・ヴィトン』らしい洋服とは?」って考えているからね。色も、素材も、形もさまざまなバッグは、ダイバーシティー(多様性)を何よりも重んじているヴァージルらしいし、やっぱりアクセサリーがビジネスの柱の「ルイ・ヴィトン」らしい。今シーズンは、「花は1つとして同じものがない」って考えのもと、SMAPの「世界で一つだけの花」みたいなコレクションを見せてくれました。いろんなバッグを、いろんな人が、いろんな風に楽しんでくれると、ファッション業界はまだまだ元気になれるね。

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「ディオール」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「ディオール(DIOR)」が2020年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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人工皮膚技術を用いた新発想スキンケア「ボノトックス セカンドスキンクリーム」誕生

 韓国・江南に本社を置くボノトックスジャパン(BONOTOX Japan)は、独自技術を用いた高密着エイジングケアパック「ボノトックス セカンドスキンクリーム」(7315円)を6月19日から販売開始している。同製品は医療密閉療法に着目し、人工皮膚の技術をもとに美容成分タンパク質で作られたジェル状のパックだ。

 肌に塗布すると“第二の皮膚(セカンドスキン)”のように皮膜化し、肌をコーティングする。医療用人工皮膚の研究を行っていた医師が開発した独自技術「セカンドスキン」で、美容成分膜形成技術と効果的に肌に美容成分を届けるナノサイズ多重層カプセルにより、新発想のスキンケアが実現した。使用方法は、化粧水などの通常のスキンケアを行ったあとにジェルを塗布し、30分以上おいた後に皮膜化したパックをはがす。長時間の使用を推奨しており、そのまま睡眠することも可能だ。パックが保湿環境を保ちながら肌の奥まで美容成分を届け、潤いに満ちたハリのある肌へ導く。

 ボノトックスのラ・ミリョン最高経営責任者(CEO)は、「ボノトックスの本社は韓国・江南だが、ここ日本をマーケティングの中心とし、日本から常に新しいニュースを発信していく予定だ。事業理念は既存の製品に類似した製品は絶対に作らないということ。今後もボノトックスは他社には決して真似することのできない革新的なビューティアイテムを打ち出す計画がすでに整っている」とコメント。チェ・インヒ最高執行責任者(COO)は「2018年から積極的にマーケティングを行い、販売ルートを拡大している。まずは韓国から始め、19年の前半に日本、続いてベトナム、タイで販売を開始する。後半は中国、ロシアでの販売を予定しており、アジア全域に販売ルートを拡大していく予定だ。20年にはアメリカ、ヨーロッパまでマーケティングを広げていく計画で、グローバルビューティ業界のパイオニア的存在に成長したい」と今後の展開について語った。現在オンライン販売が中心だが、店頭ではギンザ シックスのオトナプラザを皮切りに、秋以降には大手百貨店でも取り扱い開始を予定しており、国内全般に販売チャネルを構築していく。

【エディターズ・チェック】
「既存の製品に類似した製品は絶対に作らない」という強い理念が感じられる斬新な製品に記者も驚きました。従来の固まるタイプのパックとは違い、肌にジェルを塗布すると極薄のフィルムのようになり、まさに“セカンドスキン”!多少つっぱる感覚はあるものの、べたつきもなくそのまま寝ても抵抗感のないつけ心地。剥がす際もつるりと簡単に取れるのもうれしいところです。昨今は消費者も化粧品に対してより高い効果実感を求め始めていると感じます。人工皮膚のビューティテック戦争が予想されますが、今後は同社の製品展開はもちろん、他社による医療技術を用いた製品の登場にも期待が高まります。

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「コム デ ギャルソン・オム プリュス」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」が2020年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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総合格闘家の宇野薫がオリジナルブランドのアニバーサリーイベント開催

 総合格闘家の宇野薫が手掛けるオリジナルブランド「ワンハンドレッド アスレチック(ONEHUNDRED ATHLETIC 以下、100A)」を運営する宇野薫商店は、会社設立20周年を記念して、東京・中目黒のセレクトショップ、ブリック&モルタル(BRICK & MORTAR)中目黒店で6月25~30日にアニバーサリーイベントを開催する。同イベントでは、「100A」ディレクターの宇野薫と交流のあるアーティストの村上周、高木耕一郎、神山隆二、JUN(80KIDZ)、SUNSHINE JUICE / Lefts, が協力して、柔術着をベースにしたアートワークを展示して販売するほか、「ニューエラ(NEW ERA)」など「100A」とゆかりのあるブランドとコラボレートしたスペシャルアイテムを販売する。

 宇野薫は1975年、神奈川県生まれ。UFC、プロ修斗、HERO‘S、DREAM、VTJ など数々のリングやケージで戦い、デビューして23年目の現在は柔術大会、グラップマッチにも挑戦している。

 「『100A』は本格的なトレーニングウエアであると同時に、デイリーウエアとして着やすいスポーツアパレルだ。『100A』を着ることでモチベーションを刺激するような、生活のさまざまなシーンで100%のパフォーマンスを発揮できるブランドを目指したい」と話した。

■ワンハンドレッド アスレチック ジュウジュツギ アートエキシビション & 100A ポップアップストア
日程:6月25~30日
場所:ブリック&モルタル中目黒店
住所:東京都目黒区中目黒1-4-4

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メンズコレドタバタ日記 パリ3日目は「LV」パークで遊んでカール様にお別れ告げる

 6月20日、雨のち曇り。最高気温の予想は21度。肌寒い。今日も睡眠時間は‪4時間未満。猛烈に眠い‬……。眠すぎる。多分、横になったら1分で寝られる(笑)。でも木曜日は、毎週発行する週刊紙の山場。寝てられない。というワケで、大量のゴハンを食べつつ、ホテルで校正と原稿作りの嵐。

 ちなみに朝は、このくらい食べております(笑)。

‪9:00 「バレンシアガ」

 今日の朝イチは、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」。プレコレクションの展示会は毎シーズン、メンズコレ期間中に開かれます。

 普通プレは「前」という名前の通り、そのあとすぐに発売するメインと連動するのが一般的ですが、今回から「バレンシアガ」のプレは前のメインコレクションとリンク。つまりこちらの20年プレスプリングは、19-20年秋冬と同じ世界観を有しています。デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)は20年プレスプリングを19-20年秋冬と一緒に考えて、その分20年春夏について考える時間を増したそう。相変わらず、ベストの追求が最優先で、業界の慣習にはとらわれません。

 ということで春夏にもかかわらず、コレクションにはフェイクファーやウールのコートも登場。シルエットは引き続き、合わせの位置をずらした“シフテッド(Shifted)”です。

‪10:50‬ 「キディル」

「キディル」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 お次は「キディル(KIDILL)」。ランウエイ形式のプレゼンテーションです。80’sパンクの潔い直球勝負!原色に動物モチーフ、“改造”と言うべきハイブリッドなど、朝からパンチをガツンと食らったカンジ。

 モデルも、エラそうって言うかナマイキって言うか、いいカンジ!スーパーモヒカンヘアは、前が見えるのかな?

 なんて思ってたら、ゲストもパンク!彼、パンツ丸見えなんですけど(笑)!

11:25‬ 「オム プリッセ イッセイ ミヤケ」

「オム プリッセ イッセイ ミヤケ」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 イッセイミヤケは今シーズン、「イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)」に代わり「オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE)」の2020年春夏を発表。こちらもネオンカラーの原色が盛りだくさん。モデルも走ったり、飛んだり、回ったり元気いっぱいです(笑)。雨が止んで、爽やかな空気に包まれた公園でのプレゼンは、幸せな気持ちにさせてくれます。

「オム プリッセ イッセイ ミヤケ」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 フィナーレでは七色のテープを持ったモデルが、そのテープを編み込むようにグルグル回ります。6月10日発売の「WWDジャパン」インクルージョン(包摂・包括性)&ダイバーシティー(多様性)特集では、I&Dの先進企業ピンタレスト(PINTEREST)が多様な人間と交わることを「編む」と表現しているという話を紹介しました。この演出を見て、「まさに『編む』だなぁ」なんて思い。清々しい気分です。

12:00‬ 「サルバム」

 続く「サルバム(SULVAM)」も今シーズンは爽やか。ピュアにキレイでクリーンなセットアップ。そこにほんのり「サルバム」っぽい荒々しさの“かけら”を残しました。でも時間がメチャクチャなくって、5分で退散。デザイナーの藤田さんにもご挨拶できず(涙)。スケジュールとは言え、どうにかならないものですかね、こういうの。

13:00‬ 「リック オウエンス」

「リック・オウエンス」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

「リック・オウエンス」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 と思ったら、今度はダークサイド⁉

 出ました、「リック オウエンス(RICK OWENS)」です。会場はセメントの山。このためにぶちまけたセメントは固まっておらず、溶岩のようにおどろおどろしい。続いてローブのような洋服を羽織った男性が現れ、祈りとも呪いともとれる声を出しながらタイコをポンポン。それがBGMです。アナーキーだわ~。

 とは言え、ショーにはスパンコールのジャケットなども登場し、いつもより洗練されたムード。「チャンピオン(CHAMPION)」とのコラボスエットは、ロンパースみたいなパターンです(笑)。

13:45‬ 激混みのバス

 本日、パリは市内いたるところで大渋滞。どうやら60カ所以上で道路工事の真っ最中らしく、朝乗ったタクシーも通行止めに遭遇しました。ってことでバス移動するも、これがまた激混み!!全然進みません(泣)

‪14:00‬‬ 「ヴァレンティノ」

 昨日コレクションを発表した「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の展示会へ。ニードルパンチや総刺しゅうにうっとりしたり、驚いたり。アクセサリーは別記事をお楽しみに。

‪14:40‬ 「ルイ・ヴィトン」

「ルイ・ヴィトン」のショー会場

 さぁ、待ってましたの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」です。会場は、セーヌ川に浮かぶ小島のドフィーヌ広場。ここには公園を取り囲むようにカフェやレストランが立ち並んでいますが、なんと、この一角をぜ〜んぶ借り切ってショー会場にしちゃいました。もちろん周辺の店舗は臨時休業。となると営業補償を支払わなくちゃなワケで、「『ルイ・ヴィトン』は一店舗につき幾ら払うんだろう?」「ここには何軒あるんだろう?」なんて“いやらしい”ことを考えてしまいがちですが、素直に、ありがたく楽しみましょう!!


 ショーの前にはクレープやジェラートの屋台が登場し、エッフェル塔の模型やシャボン玉のお土産も。大道芸人は風船の帽子を作ってくれました。それを被って、ランウエイショーを楽しみましょう(笑)。


「ルイ・ヴィトン」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 今シーズンもヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の「ルイ・ヴィトン」は、キャッチーなアクセサリーが目白押し。もともとアクセサリーブランドだった「ルイ・ヴィトン」における洋服の在り方を考える彼はデビュー以降、“着られるバッグ”を提案し続けています。今回はついに、バッグがマジで洋服になっちゃいました(笑)。

‪15:30‬ 「ヨシオ クボ」

 お次は「ヨシオ クボ(YOSHIO KUBO)」。すでに記事化した、船上でのVRランウエイを体験です。セーヌ川に浮かぶ船に入ると、椅子&VRゴーグル。

 装着すると、この写真のみんなが、三重県・尾鷲の海岸を歩くランウエイショーが見れちゃうワケです。


「ヨシオ クボ」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 こんな風にゴーグル姿でランウエイを見る様子は、相当シュールです(笑)。でもVRでほとんど全部、洋服のことはわかっちゃいますね。素材感さえ、実際のランウエイで見るのとあまり変わりません。となると実際のショー会場では、僕たちは何を見たらいいのか?何を感じるべきなのか?そんなことを考える良いきっかけになりました。

‪‪17:00‬‬ 「ドリス ヴァン ノッテン」

「ドリス ヴァン ノッテン」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 さぁ、セーヌ川の左岸、サン=ジェルマンから4番線に長いこと揺られ、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」にやってきました。現代の男らしさを考えるスーツ、そして花柄とレオパード。肩にパッドをしっかり入れた、ウエストマークのスーツが主流です。かっちりしたスーツで男らしく、そこに光沢素材の花柄シャツを堂々合わせる。それが一番男らしい。そんなメッセージを受け取りました。

18:30‬ カール・ラガーフェルドのお別れ会

カール・ラガーフェルドのお別れ会の会場の様子

 今日のパリメンズは特別スケジュール。カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)のお別れ会のためです。「シャネル(CHANEL)」と「フェンディ(FENDI)」、そして「カール ラガーフェルド」が共催したイベントの中身は、別記事をご参照。パリのシンボルであり、カールが「シャネル」で幾度となく壮大なショーを開いたグラン・パレが舞台です。

 イベントは、カールの半生を捉えたでっかいパネルに囲まれながら、アラン・ヴェルテメール(Alain Wertheimer)=シャネル共同オーナーからシルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)=「フェンディ」クリエイティブ・ディレクター、それに親交の深かったデザイナーやジャーナリスト、スタイリストを書籍に囲まれたカールの自室に招き、思い出を語ってもらった映像の上映会。もちろんカールの秘蔵映像も満載で、「『フェンディ』のFFロゴ(FUN FURという意味なのですよ)は3秒で思いついた」とか、その「フェンディとの契約の時、大遅刻した」とか、「部屋中に散らかる紙は一枚一枚、何を描き、どこに置いたか覚えている。3つの部屋に散らかるのは、ドイツ語、イタリア語、そしてフランス語を付したデッサン。あ、領収書だらけの部屋もあるから、汚い部屋は全部で4つ(笑)」など、お茶目なシーンも盛りだくさんでした。

 残念ながら映像は撮影NGでしたので、会場の雰囲気だけをお伝えします。映像、映画化されるんじゃないかな?

21:00‬ 「ヴェトモン」

「ヴェトモン」2020年春夏パリ・メンズ・コレクション

 本日のラストは、「ヴェトモン(VETEMENTS)」です。会場は、シャンゼリゼ通りの「マクドナルド(McDONALD'S)」。「LV」には及びませんが、こちらも丸ごと貸し切りました。コレクションは、いつもどおりの誇張したシルエットと、古着を大解剖したような足し算のピースのオンパレード。フライドポテトを持ってウォーキングするモデルは、もはやただの「『マクド』のお客さま」ですね(笑)。

 ということで、本日は‪21:30‬に終了!健全!久しぶりに、ちゃんと寝ます。

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クリスチャン・ルブタンの展覧会が開催 2020年フランス国立移民史博物館で

 シューズデザイナー、クリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)の作品とクリエイティビティーに焦点を当てた展覧会が、2020年2月25日から7月28日までフランス国立移民史博物館で開催される。キュレーターを務めたのは19世紀の装飾芸術のスペシャリスト、オリヴィエ・ギャべ(Olivier Gabet)だ。

 同展ではクリスチャン・ルブタンのインスピレーション源や創造の過程を明らかにし、デザイナー自身のパーソナルコレクションやコレクションの中から選ばれた特に貴重な作品を通して、彼のビジョンを紹介する。展示されるシューズには、これまで未公開だった作品も含まれる。

 また、ルブタンが尊敬する職人たちのクラフツマンシップを紹介するコーナーでは、パリの工房メゾン・デュ・ヴィトライユが手掛けたステンドグラスのパネル、セビーリャ製の銀のかご、ブータン製のキャバレーの彫刻などを展示する。ルブタンにとって大切な存在であるアーティストたちとのコラボレーションの数々も初披露される予定だ。登場するアーティストは、映画監督兼写真家のデヴィッド・リンチ(David Lynch)、 ニュージーランド人マルチメディアアーティストのリサ・レイハナ(Lisa Reihana)、イギリス人デザイナーデュオのウィテカー・マレム(Whitaker Malem)、スペイン人振付師のブランカ・リー(Blanca Li)、パキスタン人アーティストのイムラン・クレシ(Imran Qureshi)。

 国立移民史博物館ではコンテンポラリーなクリエーションに焦点を当てた新しいイベントプログラムを同展に合わせて実施する。

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