雨の日のロンドンではトレンチコートが主役! 2020-21年秋冬ロンドン・ファッション・ウイーク

 2月14~18日、2020-21年秋冬シーズンのロンドン・ファッション・ウイークが開催された。

 ロンドンらしくどんよりとした空の下、雨が降る日もあった今季のファッション・ウイーク。会場付近のストリートでは、春の到来を前にトレンチコートを着用している人が目立った。イギリス生まれのクラシックなトレンチコートは、もとは防水型の軍用コートとして「バーバリー(BURBERRY)」をはじめとするブランドが優れた製品を開発してきた歴史がある。そんな雨の日にぴったりのファッションでもあるトレンチコートは長めの丈がトレンドだ。クラシックなデザインからフリルをあしらったもの、チェック柄、レザー調やピンクなどブライトカラーまで、さまざまなスタイルのコートが見られた。

 ヘッドアクセサリーで周囲との差を見せつけた人も多く、つば広ハットにスカーフを合わせたクラシカルなスタイルや、カチューシャ、リボンといったアイテムでそれぞれが個性を演出していた。

 また最近は、ランウエイ、オフランウエイ共にロングブーツが復活の兆しを見せており、ロンドンのストリートでのトレンドも同様だった。しかし、若手ブランドや最新鋭のクリエイティブなデザインが多く集まるロンドンコレらしく、英国国旗をかたどったパンツやブルーに染めたヘアスタイル、印象的なアイメイクなど、トレンドを押さえながらも自分らしいスタイルを貫く人にも注目したい。

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渋谷ファッションの現在地 “渋谷発”不在はいつまで続く?

 渋カジ、コギャル、シティボーイなどさまざまなトレンドを生み出してきた、渋谷。1980年からこの街のファッションを追ってきた高野公三子「アクロス」編集長に40年にわたる渋谷ファッションを振り返ってもらった。そして、“渋谷発”といわれるトレンドが不在となって久しい昨今についても聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):振り返るとさまざまなファッションが渋谷から生まれていますね。

高野公三子「アクロス」編集長(以下、高野):ファッションは時代と社会、若者文化を映す鏡です。1980年から渋谷や原宿などで若者のストリートファッションを観察して取材する「定点観測」を実施していますが、2020年現在までに大きく4世代から5世代の若者たちがいろいろなスタイルを生み出しており、そこからインサイトの変化を読み解くことができます。

1980年代前半の渋谷ファッションを一言でまとめると“タコツボ化”。ジャパニーズプレッピーや女子大生ファッションなど、小さなトレンドが同時に存在していました。消費社会が本格化したのもこのころで、ファッションは自己表現の重要な手段のひとつになりました。

82年にはDC ブランドが台頭。84年にはモノからコトへと、ファッションが服だけでなくアートや建築、食などライフスタイルにも派生してファッション化社会が進んでいきました。80年代後半はアメカジをベースに、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」と「リーバイス(LEVI'S)」501のデニムを上品にアレンジした “渋カジ”の誕生につながっていきます。始まりは比較的裕福な家庭に育った私立大学付属の高校生たち──団塊ジュニア世代による和製WASPの登場と考察しています。“何を着るか”から“どう着るか”という価値に変化していきました。

WWD:大きなブームが起こると細分化していくのが世の流れですが、渋カジも同じ流れをたどっていきますね。

高野:はい。90年代のファッションはカルチャーとのクロスオーバーが特徴で、91年はイタリアンエレガンスやアウトドアテイストが混じった渋カジワイルダーなどへと細分化していきます。さらにヒップホップとアメリカンカルチャーが結び付き、女子には雑誌「JJ」が提唱した“毎日がパラダイス!今が楽しい!”というパラギャルが登場します。ポスト団塊ジュニア世代で、コギャルの始まりです。ブームの背景はLAカルチャーです。

カジュアルウエアの分脈でいうと、93年のJリーグ開幕でスポーツカジュアルが流行する一方、同年、フレンチカジュアルも台頭しました。チープシックなフランス人の日常着がテーマで、代表的なブランドは「アニエスベー(AGNES B.)」「ナイスクラップ(NICE CLAUP)」「クーカイ(KOOKAI)」「シップス(SHIPS)」。モノトーンがベースで、ボーダーにベレー帽、革ひもを首に巻くスタイルなどが流行しました。雑誌でいうと「キューティ」ですね。

次に台頭したのは、グランジファッション。マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)が発表したのが1993年で、変化して日本に入ってきました。90年代半ばからDJカルチャーが大流行します。DJがアンダーグラウンドで海外とつながっていったのもこの時期。オランダやドイツなどで開催されていたテクノ系イベントが日本に上陸し、第1次フェスブームに。あと若手写真家やアーティストが多数登場し、レコードショップやクラブ、ミニシアターなどもオープン。インディペンデントなメディアも多数創刊されるなど、インディーズブームだったといえるでしょう。クラブを会場に学生がファッションショーを開催したり、美容師ナイトなども大人気でした。

WWD:そして、90年代半ばにはガールパワーがどんどん強大に。

高野:ガールカルチャーと女子高生ブームの2大巨頭。実はインサイトは似ているんですが、ファッションの表現が体を強調するベクトルと隠すベクトルで違っていた。雑誌における“青文字”と“赤文字”の始まりです。ガールカルチャーでいうと、「エックスガール」「ミルクフェド」「アクアガール」「ビバユー」などが代表的なブランド。アップリンクやシネクイントなど単館映画館はこのトライブの子たちに人気でした。

WWD:ここから渋谷の全盛期が始まるわけですね。

高野:95年に渋谷109がコギャルをターゲットに大リニューアル。どんどんギャル度が過激になっていきます。森本容子さんを筆頭にカリスマ店員が次々登場。店長からディレクター、ブランドプロデューサーとサクセスストーリーを歩んでいく。その裏にはプロデューサーのギャル男あり(笑)。

WWD:その後、ギャル文化は渋谷から地方へ広がっていくわけですが。

高野:99年ごろの渋谷、特にセンター街は過激なメディア空間と化していきました。毎日TVで報道されたギャルカルチャーがガングロへと進化。全国各地に伝わり、地方のヤンキーカルチャーと結び付いて拡散していきました。一方、ギャルじゃない子やギャルから降りた子たちは裏原系女子、雑誌「ミニ」へとつながっていきました。

WWD:ギャルブーム後は、渋谷の街は落ち着きを見せていく?

高野:そうですね。2000年前後は神南エリアにセレクトショップが次々とオープン。「ユニクロ(UNIQLO)」が原宿にショップを設けるなど、渋谷〜原宿の街が大きく変化しました。古着の概念も大きく変わり、質屋やリサイクルショップ、フリーマーケットが一般化、セレクトショップへと進化していったのもこのころからです。00年前半は代官山が大人気。ギャルカルチャーの震源地となった渋谷センター街から神南〜原宿、代官山〜中目黒へと“渋谷カルチャー”が拡張されていったと「SHIBUYA2000調査」で考察しています。

WWD:ただ00年ごろからセレクトショップが誕生する一方、07年にはまたギャルブームが戻ってきますが、これはどういった流れで?

高野:00年代に入ると、1980年代生まれの“ウチら”世代が、2000年代半ば以降は1990年代生まれが“若者”として街に台頭していきます。“アーカイブ消費”と呼んでいるのですが、過去のいろいろな時代のスタイルをメディアで見てフラットに取り入れるのが特徴です。

インターネットの浸透で、情報量が急激に増えたことは大きいでしょう。ファッション、音楽、アートなど、各分野の情報量がタテに多過ぎて、ヨコ連動がなくなったのかもしれません。一方で30代になった団塊ジュニア世代が大人になって独特のスタイルを見せてくれたり、新人類世代の母が80年代生まれの娘と一緒に買い物をするなど、ファッショントレンドの受容者がエイジレス、ジェンダーレスになっていったのも2000年代の特徴です。渋谷の街は年齢層が広がり、若者だけの街ではなくなっていきました。百貨店離れが進んだのもこのあたりからです。

WWD:10年代前半からシティボーイが台頭してきますね。

高野:初期のシティボーイは現行の商品、今店頭で販売されている服が面白くないから、古着屋で掘り出し物を見つけ、例えば、トレンドのルーツである昔のロンドンメードの「バーバリー(BURBERRY)」を着る。町の中華料理店や昔ながらの喫茶店を再評価したり、ホンモノのカルチャーや価値を見直すという考え方をする、“情報偏差値”の高いトライブが台頭。12年にリニューアルした雑誌「ポパイ」の大ヒットはその流れです。それを底上げしたのが、大学卒業後就職したセレクトショップから数年して独立し、古着屋を始めた1980年代生まれの人たちでした。

WWD:シティボーイ以降、主だった渋谷発のファッションがないように感じられますが、それについては?

高野:2010年代最大の革命はSNSの浸透。アフターインターネットの時代になり、情報の発信者と受け手、つながり方が大きく変わり、場所性にあまり意味がなくなりました。オンライン上でのコミュニケーションが主になり、いつでもつながりっぱなし。ファストファッションをはじめとするグローバリゼーションの浸透もあって、わざわざ渋谷や原宿で会ったり消費する必要がなくなってしまった。

しかし「定点観測」では、数年前から感度の高い人を中心に、サイバー上から路上に戻ってきていると実感しています。また、過去のファッションを自由に新しい解釈でミックスしちゃうトライブが台頭していて、例えば「ジャパノロジスト」と呼んでいるのですが、日本のファッションやカルチャーに関心がある高学歴な外国籍の人たちもそのひとつ。彼・彼女らは、時代や青文字、赤文字などの日本的なカルチャーやファッションを自由にミックスしていて、新しい価値観が表徴されました。そういうルールチェンジや変化を見ることができる場所はやっぱり渋谷。オモテが大きく変わりつつある渋谷の街ですが、そもそも街は使う人たちのもの。渋谷は今路上に新しい人の流れが生まれているので、これから新しい何かが生まれる分岐点にあるのではないでしょうか。

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「ポール & ジョー」がインスタストーリーズGIFをリリース 愛猫“ジプシー”と“ヌネット”も登場

 「ポール & ジョー ボーテ(PAUL & JOE BEAUTE)」は2月22日、「猫の日」を記念してブランドアイコンである“猫”をモチーフにした「オリジナル インスタグラム GIFスタンプ」をリリースする。デザイナーのソフィー・メシャリーの愛猫である“ジプシー”と“ヌネット”や、ファンデーションプライマー、猫リップ、「リップスティック N」などが登場。

 「オリジナル インスタグラム GIFスタンプ」は、インスタグラムのストーリーズ投稿画面で画面上部の“スマイルマーク”をタップし、GIFから「ポールアンドジョー」「paulandjoe」と検索して利用することができる。

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「セカンドストリート」がアメリカ東海岸に初進出!

 ゲオホールディングス(愛知県、遠藤結蔵社長)の子会社セカンドストリートUSA(2ND STREET USA、米国デラウェア州、菊地雅浩社長)は現地時間の2月22日、ニューヨーク市マンハッタン区ノーホー地区に、同社にとってアメリカ東海岸で初となる店舗「セカンドストリート ノーホー店」をオープンする。セカンドストリートUSAは当初、2019年10月中旬の開業を予定していたが、「諸所の申請の兼ね合いにより」(広報担当者)4カ月遅れのオープンとなった。敷地面積は約264平方メートル。販売だけでなく買い取りも行う。

 セカンドストリートはリユース店で、現在、日本全国に630店舗以上がある。2018年1月に海外初店舗となる「セカンドストリート メルローズ店」がロサンゼルスにオープンした。その後、20年2月までにカリフォルニア州に5店舗をドミナント出店した。セカンドストリート ノーホー店は、アメリカで6店舗目となる。

 セカンドストリート ノーホー店では「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「シャネル(CHANEL)」「グッチ(GUCCI)」などラグジュアリーブランドをはじめとする衣料品やバッグ、靴、アクセサリーなど約1万点を扱う。「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」などは“ジャパンブランドコーナー”として展開し、競合店との差別化を図る。

 セカンドストリートUSAは、「アメリカ国内で短期的に10店舗、中長期的には100店舗以上の展開を目指す」という。

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またまたミラノ日記Vol.2 「プラダ」に来るBLACKPINKのLISA追跡司令下る 「フェンディ」は優しきパンク

9:45 マックスマーラ

 さて2日目の朝は「マックスマーラ(MAX MARA)」。最近、いいカンジであります。一緒に取材している後輩記者マミーノ(イタリア仕様)によりますと、若い世代の女の子が「一生モノ」としてキャメルのベーシックコートを買うこともあるそう。僕は、今季も登場したテディベアコート、いつか手に入れたいモノです(笑)。

 ショーは、オトナっぽいムードと、そんな若い世代がウキウキするラブリーなテイストが上手に融合しています。キーディテールは、フリル。いくつも連ねスカートの裾、ジャケットの肩口、コートの袖などに加えます。でも素材は、メンズウエアにも使うフランネルやウール、それにデニム。色もネイビーとキャメル、グレーなどベーシックなので、“子どもっぽい”とも違います。良きバランスです。

 ヘア&メイクも、そんなバランスを模索しているようでした。大人っぽいスモーキーアイなのに、髪の毛の一部は編み込んでミサンガみたいにアレンジです。

11:00 ニューガーズ グループ

 「マルセロ・ブロン カウンティ・オブ・ミラン(MARCELO BURLON COUNTY OF MILAN)」や「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」を手掛け、最近は「アンブッシュ(AMBUSH)」や「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」を取り込んだニューガーズ グループ(NEW GUARDS GROUP)」のダヴィデ・ドゥ・ジーリオ(Davide De Giglio)最高経営責任者を取材。面白いエピソードたくさんだし、非常に勉強になりました!詳細は、「WWDジャパン」のミラの特集号と、「WWD JAPAN.com」で!

12:30 グッチ

 昨日、夢いっぱいのコレクションを見せてくれた「グッチ(GUCCI)」の展示会へ。幼き頃に戻ったかのようなコレクションには、レトロで、持ったり飾ったりするだけで昔夢中になったお人形遊びのお人形さんになれるようなアクセサリーがいっぱい。洋服は、とにかく首元や袖口にレースをあしらい、テクニックも盛り沢山だったことを再確認です。洋服は引き続き、装飾が少なめのリアル。明るい色使いは希望に溢れ、パフやフリル、ラッフルが「グッチ」らしさも醸し出しています。

 今、店頭にはミッキー・マウスがキーモチーフのコレクションが並んでいますが、来年は、デイジー・ダックだ!!

13:50 アンテプリマ

 さぁ、お次は荻野いづみサンの「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」。ご覧ください、この動画。流れるようなシルエット、柔らかな素材使い、そこに、自然由来の優しい色と柄。こんなに穏やかな気持ちになれる、オトナなコレクションありますでしょうか?「アンテプリマ」のコレクションを見ると、リブニットと同じ素材のスカートルックだったら「オイルヒーターでポカポカの部屋で微睡みたいね」とか、薄くパッドを入れたコートだったら「落ち葉がいっぱいの公園を歩きたいね」と、勝手に心地よいシーンを思い浮かべてしまうのはなぜでしょう(笑)?

 名物ワイヤーバッグは、ワイヤーの幅が3mmから2mmに改良され(マニアックな情報ですw)、ハンドルが長く柔らかくなったり、異素材も編み込めるようになったりと進化を遂げています。バックステージでは、そんな鉄板バッグ改良の理由を、いづみサンにインタビューさせていただきました。詳細は、こちらも「WWDジャパン」のミラノ特集号で!!

14:45 ベネトン

 歩いて「ベネトン(UNITED COLORS OF BENETTON)」のプレゼンテーションへ。会場がだいぶ暗いのは残念ですが、レインボーなヒョウ柄やカモフラ、カレッジストライプ、それにキース・ヘリング(Keith Haring)モチーフのビッグTにダボダボパンツのストリートルックです。バンビコラボもあるみたい。にしても、もうちょっと明るくできなかったかしら(笑)?

15:20 モンクレール

 さぁ「グッチ」同様、昨日は楽しませていただきました「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」の展示会へ。昨日と同じ場所で、ディスプレイを変えて10以上の最新コレクションを全部見せ!!です。

 それぞれのラインの詳細は、コチラにお任せ。昨日は、「まるでダウンのテーマパークだ!!」と思いましたが、今日はほとんどお買い物気分♪。23日には、会場を一般解放。昨年は1万人が来場したそうです(驚)。

16:30 プラダ

 モンクレールの展示会から、「プラダ(PRADA)」へ!!超絶焦りながら、会場に向かいます。その理由は、「WWDジャパン」のソーシャルエディターがBLACKPINKのLISAの来場情報をキャッチしたから!!しかも「黒髪に変わって、今期最大のバズな予感」と彼女。当日も日本から、「この服装なハズです」「ELLE Koreaの表紙にもなっています」などなど、続々情報が寄せられます。こ、これは、死ぬ気で撮らなアカンやつや……。「プラダ」に向かう「WWDジャパン」トリオ、気が引き締まります。ぶっちゃければ、スナップは“若いモン”に任せたいのですが、後輩記者マミーノは「フルラ(FURLA)」の展示会からの道中が渋滞で到着できず(泣)!!こうなったら、42歳のオジサンも頑張るしかありません。

 会場には、モノすごい数のファン!!早くもハッシュタグ「#LISAxPRADA」が誕生したようで、タグをプリントした紙を握りしめたファンが大勢です。急いで会場入りしようとすると、「LISA~」の声が聞こえる!!ヤバイ!!もう入っちゃった!?慌てて、中に入ります。

 が、まだLISAらしき人はいない!「あれ~、ドウナッテルノ??」と慌てていたら、もう一人の同僚、ヨーロッパ通信員のヤブちゃんが華麗にカメラに納めてくれました!!神様、LISAサマ、YABUNOさま!!コレで、ソーシャルエディターに怒られずにすみます(笑)。遅れて会場入りしたマミーノは、最後の最後までLISAの周りで粘り、結果、この素敵なインスタ投稿が誕生しております

 さて、話をコレクションに戻しましょう。ショーは、2020-21年秋冬メンズとおんなじ作り。前回はパリを思わせる騎士像でしたが、今回はニューヨークのロッカフェラーセンターを彷彿とさせるアトラス像の周りを、モデルが縦横無尽に歩きます。

 アトラス像ということは、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)の心の旅先は、ニューヨーク?

 そう言われると、序盤は“ザ・ワーキングウーマン”なパワフルなジャケット姿。ノートパソコンもガシガシ入れられちゃう大きなバッグに、フリンジや布地を縦に切り裂いたスカートのルックが続きます。ソルト&ペッパーのコートやジャケットには、パステルカラーのネクタイやフリンジスカート。

 フェイクファーのコートも加わってだんだん優しくなってくると、今度はシアーなチュールのパート。プリーツを寄せたビブ、NYの地下鉄では当たり前になった「ルルレモン(LULULEMON)」ガールを思わせるスパッツ&ブラトップと、あんなに力強かったフォーマルスタイルは、いつの間にか優しいスポーティに移り変わっているのでした。その後は、メンズ・コレクションとリンクする再生ナイロン“エコニル”を使ったアウター、ボアにラミネートのコート、パステルカラーで構成する「プラダ」の90年代ミニマリズムと、コレクションは目まぐるしく変化。とはいえ、今季はちゃんとしたジャケットとスカート推しと、相変わらずMDの断捨離傾向は顕著でした。

17:30 ファビアナ・フィリッピ

 ファビアナ・フィリッピ(FABIANA FILIPPI))は、自分たちらしさに原点回帰。正直、ちょっとデザイン性が高くなっていましたが、今回は控えめ。カラーパレットも落ち着いた1トーン主義に戻し、優しいニット、ストレスフリーのコートなどの提案に立ち返ります。

18:00 トラサルディ

 「ベネトン」以上にくらい会場です(苦笑)。思い出されるのは、大御所ジャーナリストのスージー・メンケス(Suzy Menkes)が、暗すぎてスマホの撮影に閉口していたことばかり。洋服も、「トラサルディ(TRUSSARDI)」のアイコンやコアバリューってなんだっけ?と再定義し切れていない印象で、正直、共感を誘ったり、あまたあるブランドからココを選ぶ決め手に欠けていたりの印象が否めません。

19:30 フェンディ

 シルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)の優しきパンクです!!「フェンディ」、大勝負!!シルエットのほとんど全てを、袖をもぎ取り、2サイズオーバーくらいの別の袖を取り付けたようなシルエットに改め、ニュー・プロポーションを提案です。プラスサイズモデルも登場するし、カレン・エルソン(Karen Elson)やリヤ・ケベデ(Liya Kebede)ら、40歳オーバーのスーパーモデルも登場して、明らかに何かから解放されようというムードが満載です。

 コートはおろか、ニットドレスにもコルセットやブラが内蔵された精緻なパターンが目白押しですが、少しふくよかになったカレン・エルソンさえ着こなせることを考えると、このコルセットは「画一的な体に導く」ためのアイデアではなく、ふくよかでもやっぱり美しい女性の曲線的な体を強調するためのアイデアのように思えます。出てくるのは、ノースリーブ、パワーショルダー、もしくは、ドロップスリーブのアイテムばかり。いずれも、二の腕が太くなってもなお着こなせそうなものばかりです。後半は、メッシュやレース、チュールなどの肌見せ素材も登場しますが、やっぱり、プラスサイズモデルも同じ素材のドレス姿。今季は「フェンディ」の誰でも着られる洋服、インクルーシブ・デザインなコレクションです。

19:50 ヘルノ

 お隣の(助かる!!)、「ヘルノ(HERNO)」へ。先月拝見したメンズ・コレクション同様、5年で土に還るナイロン、ベジタブルタンニン、リサイクルナイロン「エコニル」やリサイクルウールなど、いろんな方法でサステナブルの可能性を模索した商品が並びます。

 サステナブルについては、いろんな意見があり、現段階ではその全てに対応する素材や商品なんてありません。だからこそ「ヘルノ」は、あまたの選択肢を用意して、選んでもらうことに決めた。2020年の今時点においては、最も正しい選択だと思います。

21:05 モスキーノ

 さぁ、時差ボケで朝4時に起き、ランチなしで駆け抜た1日。もう限界であります。「モスキーノ(MOSCHINO)」さんよ、早く始まっておくれ。帰って、ジャンクなチーズバーガーが食べたいんだ(笑)。そう思っていた僕に、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)からケーキのプレゼントです。

 甘~い甘いケーキの世界。カラフルな色使いに、絞り口から出てくるフリフリのクリーム。それが、ドレスになっちゃいました!!正直彼のコレクションは、「よ~やるわ(苦笑)」って思うこともあるのですが、今回は、ステキ!!ラブいし、やっぱりケーキって、夢を見せてくれる!!ケーキの力を借りて、「モスキーノ」は今季、今の世界に必要な夢を届けてくれました。ありがとう、ジェレミー‼︎でもホテルに戻ったら、チーズバーガーも食べます(笑)。

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プラダ財団が神経科学のプロジェクトを構想中 ミウッチャ・プラダが明かす

 2月20日、「プラダ(PRADA)」のデザイナーのミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)はプラダ財団(Fondazione Prada)が今年中に神経科学の分野で3年間のプロジェクトを開始すること明らかにした。同プロジェクトは現在準備が進行中でタイトルも未定のため、ミラノ・ファッション・ウイークでのショーを直前に控えたミウッチャはプロジェクトの詳細までは語らなかった。

 「ファッション業界の仕事をするときに私は“グラマー”という言葉を使うことはないけど、財団で働くときはその言葉をもっと頻繁に使うわ。なぜなら、多くの識者たちが『プラダ』に科学の展覧会を行うように働きかけているから」と語り、「社会的影響力のある世界中の天才たちが参加すると言っていたわ」と付け加えた。

 1993年に設立されたプラダ財団のミラノ本社は、16年に建てられてかつては蒸留所として使用されていた7つの建物を改装した複合体で、新施設の“タワー(Torre)”を含む3つの新しい建物が加えられた。全ての建物がミラノ中心部より南のラルゴ・イサルコに位置しており、オランダ・ロッテルダムの建築事務所OMAのレム・コールハース(Rem Koolhaas)、クリス・ヴァン・ドゥイン(Chris Van Duijn)、フェデリコ・ポンピニョーリ(Federico Pompignoli)の3人によって設計された。プラダ財団の施設は2015年5月に初公開され、18年に完成・公開された“タワー”をもってすべての施設が完成し、同施設では「プラダ」の2018-19年秋冬のウィメンズ・ファッションショーも開催された。

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東京オリパラの公式スポーツウエアがお披露目 “ジャポニズム”を掲げアシックスが製作

 この夏に開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京オリパラ)で、日本代表選手団が表彰式や選手村などで着用するオフィシャル・スポーツウエアの発表記者会見が21日、都内で行われた。2015年から公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委員会)とゴールドパートナーシップを結ぶアシックス(ASICS)が手掛け、Tシャツやパンツ、スニーカー、バッグなど全17アイテムを提供する。

 コンセプトは”ジャポニズム(JAPONISM)”で、日本の伝統美と先進技術を掛け合わせた。メインカラーは前回大会でも採用された日の出を思わせる“サンライズレッド”で、朝日が昇る力強さをイメージ。プリントされた幾何学模様風のグラフィックは、”ジャパンチームキーグラフィック(JAPAN TEAM KEY GRAPHIC)”と名付けられた5色の赤からなるオリジナル柄で、”折形”や”かさねの色目”など日本の伝統的なデザインや技法に着想している。

 開発は”コンディショニング”、”ダイバーシティー”、”サステナビリティー”の3つのテーマを掲げた。日本の酷暑に対する暑熱対策として、前回大会のウエアと比較し5倍の通気性を実現。ジャケットは誰でも着脱が容易にできるよう新作ファスナーを採用し、Tシャツやポロシャツなどは1枚の生地から型取りしているため、1つとして同じデザインのウエアはないという。そして、原料の一部には、昨年日本全国で回収した約4トンの衣類からつくられたリサイクル糸を使用している。

 記者会見には、森喜朗・組織委員会会長や、尾山基アシックス会長、廣田康人アシックス社長、柔道女子78kg超級の素根輝選手、スポーツクライミングの楢崎智亜選手、元女子レスリング選手の吉田沙保里、元車いすバスケットボール選手の根木慎志らが登壇。廣田社長は、昨年のラグビーW杯時でゴールドウインが手掛ける日本代表ユニホームが20万着以上売れたことを引き合いに、明確な販売目標の数字は明らかにしなかったが、「東京ごとではなく日本ごとにしたい。できれば国民1人1着で、日本中を赤く染めたい」と意気込みを見せた。

 アシックス直営店と公式オンラインストアでは本日から、レプリカモデル29アイテムおよび応援グッズ33アイテムを順次販売しており、価格はレプリカモデルが800〜4万3000円、応援グッズが1800〜2万円。

 なお、東京オリパラの開会式などで着用する公式服装は紳士服チェーン大手のAOKIが、フィールドキャスト(大会スタッフ)およびシティキャスト(都市ボランティアスタッフ)のユニホームはアシックスが手掛けている。

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韓国で大人気のジェンダーレスコスメ「ラカ」から艶タイプのリップが登場

 韓国発のジェンダーニュートラルコスメ「ラカ(LAKA)」は2月21日、新作リップ「ウォータリーシアーリップスティック」(全8色、各1900円)を発売した。濡れたような艶と透明感のある発色をかなえたリップで、レッドやオレンジ、ピンク、コーラルなど男女ともに使える8色をそろえる。一部のロフトやプラザ、アットコスメストア、楽天の公式オンラインストアで販売中だ。

 「ラカ」は2018年5月に韓国で誕生し、ジェンダーに関係なく、その人その人の好みやその時の感情に合わせて自由に選べる製品を手掛けている。シンプルなデザイン、女性にも男性にもマッチするニュートラルなカラー、誰でも簡単に試すことができるシンプルさが特徴。韓国ではデビュー1年半強で圧倒的な人気を集め、大手化粧品リテーラーでも取り扱われており、19年9月に発売したアイシャドウパレット「ジャストアイパレット」は2週間で初回販売分が完売するほとの人気を得た。日本には19年12月に上陸、「ボタニスト(BOTANIST)」などでも販売されている。

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「マックスマーラ」2020-21年秋冬ミラノ・コレクション バックステージ

 「マックスマーラ(MAX MARA)」が2020-21年秋冬コレクションをミラノで発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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身体採寸技術「ボディグラム」がオーダースーツの世界を変える? 日本有数のテーラーが実際に使ってみた

 「ボディグラム(BODYGRAM)」は、独自AIを活用した身体採寸テクノロジーだ。同技術の最大の特徴は、その簡便性及びデータの正確性にある。計測の際はスマートフォンで正面と側面からの全身写真を撮影し、いくつかの必要数値を入力するだけ。服を着替えたり、撮影の際の背景に気を使ったりする必要がない。2019年には「ユニクロ(UNIQLO)」やファッションECの「ショップリスト(SHOPLIST)」などへ導入されたほか、フィットネス領域への参入も発表した。しかし、実際の計測精度はどの程度正確なのか?“採寸の専門家”とも言えるテーラー(スーツの仕立て職人)が実際に「ボディグラム」を使用し、ジン・コー=ボディグラム・ジャパンCEOの身体データを計測。自身の採寸結果と比較することでその精度を探った。

日本有数のテーラー
「ペコラ銀座」の
オーナー、佐藤英明氏が計測

 計測するのは日本有数のテーラーとも言われ、今年開業20周年を迎えた「ペコラ銀座」のオーナー、佐藤英明氏だ。まずは「ボディグラム」の専用アプリをスマートフォンで立ち上げ、ジンCEOの全身写真を正面と側面の2パターンで撮影。撮影後は数十秒の待機時間の後、計測結果が出る。「使用感はスーツを着て撮影しなければいけない“ゾゾスーツ(ZOZOSUIT)”などと比べても非常に簡単だった」と佐藤氏。その後は普段通りの手作業での採寸を実施。今回は佐藤氏がスーツを仕立てる際に採寸する箇所のほか、「ボディグラム」で現状計測できる体の部位を測ってもらった。

気になる採寸の結果は?

 結果は図表の通り。「ボディグラム」の計測位置に合わせた採寸ではあるものの、誤差は最大でも腰周りにおける1.3センチ差と、非常に小さい。この結果は同技術のAIによるもの。さまざまな人物の体型データを「ボディグラム」のAIに学習させ、計測の精度を上げているという。今後は大柄な人物や手足が長い人物など、学習データのバリエーションをより増やすことで、さらに精度を上げていく計画だ。

テーラー、佐藤氏が語る
「ボディグラム」が実現する
新たな世界

 佐藤英明「ペコラ銀座」オーナー : 「ボディグラム」を実際に使用してみたが、非常に簡単なUI/UXだった上、計測の誤差はかなり小さかった。僕自身は採寸を行って仮縫いし、最後にもう一度採寸して洋服を作っているが、現在は地方や海外のお客さまからのオーダーも入るようになり、商圏がどんどん広がってきている。そういった中で「ボディグラム」があれば、遠方のお客さまから前もって写真などのデータをいただき、事前に型紙を作ることができる。お客さまも店舗に何度も来ていただく必要がなくなるかもしれない。お客さま側から見ても「ボディグラム」というアプリがある、と分かっていれば行ったことがない店舗でも安心してデータを送れるだろう。ただ、テーラーによっては採寸する箇所が微妙に異なることもある。「ボディグラム」が店舗ごとに採寸位置をカスタマイズできるようになれば、テーラーの世界で新たな道を切り開くことができるかもしれない。

ジン・コーCEOが見据える
「ボディグラム」の次なるステージ

 ジン・コー=ボディグラム・ジャパンCEO : 「ボディグラム」は昨年、「ユニクロ」への導入を皮切りに既製服の世界に参入し、さらにはフィットネスやヘルス領域への参入を発表し、ヒューマンセントリック(人間中心の意)なサービスとしての普及も行っている。いずれもボディグラム社が重視している使いやすさと精度、そして信頼という3つのテーマのいずれかに合致しているものだ。ゆくゆくは需要と注目度が上がっているカスタマイズの世界にも進出したいと考えており、オーダースーツの領域ももちろん視野に入れている。今回は計測を“される”側ではなく“する”側の人物である「ペコラ銀座」の佐藤さんに使っていただいたことは非常にエキサイティングなことだったし、個々の計測者ごとに計測箇所の調整が必要だと認識した。今後も計測する側、される側双方のユーザビリティーを上げるために、投資を行っていくつもりだ。

PHOTO : KAZUO YOSHIDA

問い合わせ先
ボディグラム・ジャパン
pr@bodygram.com

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三陽商会の最終赤字が悪化 再建へ元ゴールドウイン大江副社長を招へい

 三陽商会は21日、2020年2月期(決算期変更に伴う14カ月の変則決算)の業績予想を修正し、最終損益が22億円の赤字に悪化しそうだと発表した。修正前の予想は15億円の赤字だった。消費増税による買い控え、暖冬による主力のコートの不振に加え、1月後半に発生した新型コロナウイルスの影響拡大が追い打ちをかけた。16年の“バーバリー・ショック”以来、4期連続の最終赤字の見通しだが、市況そのものの悪化で一層厳しい舵取りを迫られる。

 修正後の予想は、売上高が据え置きの680億円、営業損益が27億円の赤字(修正前は18億円の赤字)、経常損益が26億円の赤字(同17億円の赤字)となる。

 また三陽商会は同日、代表取締役兼副社長執行役員に元ゴールドウイン副社長の大江伸治氏(72)が5月末に就任する人事を発表した。大江氏は三井物産の繊維部門でキャリアを重ねたのち、ゴールドウインに転じて専務、副社長などの要職を歴任してきた。00年代のゴールドウインは90年代のスキーブームの反動が長引いて業績が低迷していたが、大江氏の主導によって財務やサプライチェーンの改革を断行し、現在のV字回復の素地を作った。今回の三陽商会での抜擢もその手腕が買われたもので、今年1月に就任した中山雅之社長をサポートする。

 大江氏は3月1日に副社長執行役員として入社し、5月末の株主総会を経て代表取締役に就く予定だ。

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日本テニス協会が花王「ビオレUV」とスポンサー契約を締結

 サンケア専門ブランド「ビオレUV」を展開する花王は、日本テニス協会とスポンサー契約を締結した。同協会は「ビオレUV」をオフィシャル日焼け止めとして採用する。花王はトッププロアスリートへの製品提供や400万人以上いると言われているテニス愛好家に向けて、テニス協会が主催する大会やイベントなどを通して屋外での紫外線対策の重要性などを訴える。都内で行われた会見には、プロテニスプレイヤーでリオデジャネイロ五輪日本代表の穂積絵莉選手とテニスの日本代表女子ユースチームメンバーの内藤祐希選手が出席した。

 福井烈テニス協会理事は「テニスは炎天下で長時間戦うため、暑熱対策が重要だ。全ての選手が安心、安全にプレーできように、『ビオレUV』を通じて太陽光対策を強化する。同時に日焼け止めの重要性や対策についても共に啓もう活動を行っていく」と述べた。

 穂積絵莉選手は「ほとんどの試合や練習を屋外で行う私たちにとって、日焼け止めは欠かせないアイテム。日焼け止めを使うのと使わないのでは、疲労感が格段に違うことを感じている。『ビオレUV』と共に健康に気を付け世界にチャレンジしたい」とコメントした。

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新型コロナの影響で「ヴォーグ」「GQ」のコンデナスト・ジャパンが在宅勤務

 「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」「GQ ジャパン(GQ JAPAN)」「ワイード(WIRED)」などを発行するコンデナスト・ジャパン(本社:東京都渋谷区)は、新型コロナウイルス感染症拡大の抑止を目的として、正社員、契約社員、業務委託、派遣社員アルバイト、インターンを含む全従業員を対象に在宅勤務を実施すると発表した。期間は2月25日~3月6日。

 在宅勤務中はメールや電話に加え、Slack、Zoomといったオンラインツールを活用し、通常業務を行うほか、取引先各社との連携や採用活動も在宅勤務にて行う。また、主催イベントは参加人数にかかわらず中止または延期。海外出張も原則禁止とする。

 今後の政府・専門機関の発表と行動計画をもとに、状況次第で6日以降も在宅勤務を延長する可能性があるとした。

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新型コロナと有力アーティストを魅了する糸と布 【高橋瑞木の香港アート&テキスタイル 連載vol.3】

 新型コロナウイルスは香港のアート事情にも大きな影響を与えている。水戸芸術館現代美術センターのキュレーターを経て、現在は香港のCHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile)で共同ディレクターを務める高橋瑞木氏による連載3回目は新型コロナウイルスが与えた香港アート界への影響について。

 1月下旬の旧正月直前、香港と周辺諸国のテキスタイルとアートについての執筆を進めていた矢先に、新型コロナウイルスの感染が中国で判明し、あれよあれよという間に香港も感染防止のための非常態勢に突入した。私は旧正月の休暇で、1月24日から成田空港経由でメキシコへと渡航したのだが、成田空港内のドラッグストアはすでにマスクを購入する客の長蛇の列。2月5日の復路で成田空港に再び到着したときは、すでにマスクが販売されていた棚は空っぽだった。

 2003年にSARSの流行を経験している香港は、感染防止には不特定多数が集まる場所になるべく行かないことが一番と、政府は公立の文化施設の臨時休館や大掛かりなイベントのキャンセルを宣言(それでも中国との国境や中国からの人の流入の制限を早期に実施しなかったことで批判を受けている)。街中を行き交う人たちは、ほぼ全員がマスクを着用している。この原稿を書いている2月中旬現在では、学校や企業も自宅待機やネットによる授業や業務へと切り替えているところが多い。CHATもこうした決定を受けて、旧正月以来閉館をしている。渾身の展覧会、「須藤玲子の仕事-NUNOのテキスタイルができるまで(Sudo Reiko : Making NUNO Textile)」は、香港のオーディエンスからも大好評で、中国からの団体客の訪問なども予定されていただけに、この臨時休館は苦渋の決定だった。その代わり会期を1週間延長して、2月の最終週に再度開館する予定になっている。ちなみに、こんな非常事態にも関わらず須藤氏のテキスタイル作りに関わっている滋賀のなかにし染工の中西一平氏と、福井で和紙を製作している滝製紙所から滝英晃氏が、NUNOの展覧会を見に弾丸で香港を訪れてくれた。貸し切り状態の展覧会会場で、ゆっくりと時間をかけながら展覧会を満喫した両氏のフットワークの軽さと好奇心に、日本のもの作りの未来に光明を見る思いがした。

 香港の観光産業やホスピタリティービジネスは、昨年からの抗議活動に続いての新型コロナウィルス騒動で大打撃を受けている。アートに関して言えば、毎年3月に開催される世界最大規模のアートフェア「アートバーゼル香港(ART BASEL HONGKONG)」が中止になったため、世界各国からアート関係者やアートラヴァーが香港に訪れる賑やかな機会が流れてしまった。

 そんな状況でも、すでに香港をベースに活動するアート関係者たちは事態が収束を迎える頃合いを見計らいながら、粛々と企画やイベントの準備を進めている。CHATも春の展示のオープンを予定より1週間延期して、3月20日から開催することになっている。「Unconstrained Textiles: Stitching Methods, Crossing Ideas(自由なテキスタイル:縫い合す方法、交差する思考)」というタイトルの現代アートのグループ展は、香港、タイ、中国、韓国、アメリカ、フィリピン、日本にルーツを持つアーティストの作品を紹介する展示だ。香港からは各国のビエンナーレやトリエンナーレから引っ張りだこの楊嘉輝(サムソン・ヤン)、タイと中国からは注目のアーティストのカウィータ・ヴァタナジャンクール(Kawita Vatanajyankur)、ビ・ロンロン(毕蓉蓉、Bi Rongrong)、韓国からは北朝鮮の刺繍職人とのコラボレーションした作品で「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」にも大きく取り上げられたハム・キョンア(Ham Kyungha)、優れたミッドキャリアの画家に送られるロバート・デ・ニーロJrプライズを先日受賞した韓国系アメリカ人のバイロン・キム(Byron Kim)、伝説的キュレーターのハロルド・ゼーマン(Harald Szeemann)が1969年にスイスで企画した有名な展覧会「態度が形になるとき(Live in Your Head: When Attitudes Become Form)」に、唯一東南アジア系のアーティストとして三回したロンドン在住のフィリピン人アーティストのデヴィッド・メダラ(David Medalla)、日本からは去年の原美術館での個展も記憶に新しい加藤泉が参加することになっている。この7人のアーティストたちが、作品のコンセプトや理想とする形、テクスチャーや色を実現するため、どのような方法でテキスタイルの素材や技法を用いているのかを紹介する「テキスタイルの視点から現代美術を鑑賞してみる」展覧会となる。

 実はテキスタイルが盛り上がっているのは、香港とCHATだけではない。香港の現代アートの老舗オルタナティブスペース「パラサイト(Para Site)」でも、実は昨年冬からトンガの伝統的なテキスタイルの展覧会が開催された。布には、繊維を織り上げるだけでなく木の皮をたたいてできるものがあるが、トンガの伝統的なテキスタイルは後者で、抽象的なパターンが描かれたテキスタイルをショッキングピンクに塗られたギャラリーに陳列した展覧会は、展示物と空間のデザインの間にユニークなシナジーを生み出し、それらを作り上げる女性たちの優れた技術と古びることのない美しさを伝える興味深いものだった。

 また、旧正月前にはマレーシアのコタキナバル(KOTA KINABALU)をベースに活躍するアーティストのイー・イ・ラーン(Yee I-Lann)の個展が東南アジアを代表する、フィリピンの現代アートギャラリー「シルバーレンズ・ギャラリー(SILVERLENS GALLERY)」で開催中だったので、弾丸トリップでマニラを訪れた。イ・ラーンは近年サバでパンダナスという植物の葉を使って織物を作っている職人たちとコラボレーションしながら作品を制作しており、シンガポールのナショナルギャラリーに委託された大型の作品が去年お披露目されたばかりだ。個展では色とりどりの織物が壁を覆っており、その織物のひとつひとつにテーブルや机が織り込まれている。聞くところによれば、大航海時代にポルトガルの植民地になってテーブルや机が生活にもたらされる以前は、現地の人々はこのマットの上で食事をし、物を書いたりしていたという。イー・ランと職人たちによる織物は、机とテーブルを「マットに戻した」作品だということだ。植民地化による現地の人々の伝統や生活習慣の変化について言及している作品だが、同時に現在でも残るマット織りの職人たちの見事な高い技術と色彩感覚が強く印象に残った。

 アートからパンデミックまで、盛りだくさん過ぎたこの2カ月。来月には少し状況が好転していることを望まずにいられない。

高橋瑞木(たかはし・みずき)/CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)共同ディレクター:ロンドン大学東洋アフリカ学学院MAを修了後、森美術館開設準備室、水戸芸術館現代美術センターで学芸員を務め、2016年4月CHAT開設のため香港に移住。17年3月末から現職。主な国内外の企画として「Beuys in Japan:ボイスがいた8日間」(2009)「新次元:マンガ表現の現在」(2010)「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」(2011)「高嶺格のクールジャパン」(2012)、「拡張するファッション」(2013、以上は水戸芸術館)「Ariadne`s Thread」(2016)「(In)tangible Reminiscence」(2017、以上はCHAT)など

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投資会社が「ヴィクトリアズ・シークレット」を570億円で買収 渦中のトップは退任

 Lブランズ(L BRANDS)は、ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)の株式55%を投資会社のシカモア・パートナーズ(SYCAMORE PARTNERS)に5億2500万ドル(約572億円)で売却する。同社は今後、「バス&ボディーワークス(BATH & BODY WORKS)」のみに集中し、創業者のレスリー・ウェクスナー(Leslie Wexner)会長兼最高経営責任者(CEO)は退任する。

 株式譲渡は2020年7月までには完了するとみられ、「ヴィクトリアズ・シークレット」のランジェリー事業やビューティー事業、若年層向けブランド「ピンク(PINK)」もシカモア・パートナーズに譲渡する。また、ピンクのエイミー・ホーク(Amy Hauk)CEOをはじめとする各事業のトップの進退は明らかになっていない。

 退任を発表したウェクスナー会長兼CEOは、ヴィクトリアズ・シークレットのここ最近の業績不振や、児童買春の容疑がかけられていたが2019年8月にニューヨークの独房で自殺した米国の富豪ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)と交友関係にあったことで批判されていた。また、自身も社内におけるセクシャルハラスメント行為を指摘されていた。退任後は決定権を持たない名誉会長職に就くという。

 ウェクスナー会長兼CEOは、「この企業の新たな歴史の幕開けだ。これまでも伝えているように、小売りビジネスに変化はつきものだ。これまでに何度もビジネスの進化に合わせて方向転換してきたが、今こそが経営権を新たなトップに引き継ぐときタイミングだと考えた」と同社の取引先に向けて声明を発表している。

 Lブランズは株式売却益で同社の負債額を減らす狙いだ。ムーディーズ(MOODY’S)のクリスティーナ・ボニ(Christina Boni)バイス・プレジデントは、ヴィクトリアズ・シークレット売却で負債額が最大で10億ドル(約1090億円)は減ると予測する。

 ヴィクトリアズ・シークレット売却のニュースが報道された翌日(現地時間20日)のLブランズ株価は大幅に下落。終値は前日比3.6%減の23.42ドル(約2552円)となった。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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「エミリオ・プッチ」2020-21年秋冬ミラノ・コレクション バックステージ

 「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」が2020-21年秋冬コレクションをミラノで発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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美容室で話題のUVスプレー「ミーファ」 “選べる香り”が人気で最新作は“爽やかな月曜の朝”

 ヘアメーカーのナプラは2月21日、「ミーファ フレグランスUVスプレー」から新しい香り「フレッシュマンデーモーニング」を発売した。SPF50+・PA++++と高いUVカット力を持ち、髪にも肌にも全身マルチに使えるスプレータイプの日焼け止めだ。さらには花粉やPM2.5などの汚染物質も防ぐアイテムもある。選べる香りも人気の秘訣で、ブランドのローンチから7年目となる今年、新作「フレッシュマンデーモーニング」の登場で、香りのラインアップは全7種となった。

新作は男女でシェアして楽しめる
ウッディーな香り

 2月21日に登場した新作は「ミーファ フレグランスUVスプレー フレッシュマンデーモーニング」。レモンやライムなどの柑橘系の香りに、ジャスミンやアンバーなどをブレンドした朝陽のようなすがすがしい香りで、一日のスタートを軽やかに彩る。フレッシュで爽やかな香りから、甘く女性らしい香りまでそろう「ミーファ フレグランスUVスプレー」の中で、男女でシェアして楽しむことにも適したアイテムになっている。服を着替えるように、日々の気分や出掛けるシーンによって選べるラインアップに、魅力的な香りが加わった。

アイテムごとにこだわりの
天然由来保湿成分も配合

 「ミーファ フレグランスUVスプレー」は、UVや香りだけでなく“保湿効果”も魅力の1つだ。共通保湿成分として、セイヨウノコギリソウエキスやカニナバラ果実エキスなど6種のオーガニックハーブエキスを配合している。また「テンダーリリィ」には肌にも髪にも潤いを与えるイチジク樹皮エキス、「オリエンタルジャスミン」にはベタつきにくくさらっと使い心地のよいヘーゼルナッツ油など、アイテムごとに独自の保湿成分が入っている。

「ミーファ」のラインアップ

新製品
「フレッシュマンデーモーニング」

問い合わせ先
ナプラ
0120-189-720

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バンタンが2021年春、名古屋に3スクール開校 ファッション教育の激戦地に

 クリエイティブ分野のスクールを運営するバンタンは2021年4月1日に、名古屋に3つの学校を開く。東京、大阪に次ぐ3拠点目。開校するのは、ファッションとヘアメイクを学ぶバンタンデザイン研究所のほか、ゲームプログラム、キャラクターデザイン、グラフィックを学ぶバンタンゲームアカデミー、そして今年4月に東京に開校するIT専門校バンタンテックフォードアカデミーの3校だ。先ごろ、名古屋駅近くのJPタワー名古屋に入学事務局を兼ねた拠点を開設し、入学検討者向けの説明会を随時行っている。

 名古屋には昨年、モード学園などを運営する日本教育財団が国際ファッション専門職大学を開いたほか、名古屋デザイナー学院や名古屋ファッション専門学校、中部ファッション専門学校など地元に根付いた伝統校などライバルは多い。バンタンは名古屋進出の理由について、「人口が増加している名古屋において、東京、大阪と同じようにバンタンの価値を広めたい」とコメントしている。

 1965年創立のバンタンは東京に6拠点、大阪に4拠点あり、ファッション、ビューティ関連のほか、グラフィックデザイン、映画映像、フォト、スケートボード、ゲーム、アニメ、eスポーツ、パティシエ、カフェなどの多分野においてクリエイティブな人材を育成している。

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「優しい空間は人の脳をダメにする」 設計事務所があらゆる場所を“占拠”する新プロジェクトを始めた理由

 昨年12月、東京・原宿に真っ青な見た目の建築が現れた。デザイン・設計事務所のDAIKEI MILLS(ダイケイ・ミルズ)がオープンした多目的建築「スクワット(SKWAT)」だ。

 「スクワット」は、英国の売れないアーティストが空きマンションなどを不法占拠してアトリエとして活用するムーブメント“スクワッティング(SQUATTING)”に着想を得たプロジェクトで、同物件は元クリーニング店の古家を“占拠”。青をテーマカラーとして外観を塗りたくり、画像を大きくプリントして糊付けしただけの壁面や、プロジェクトロゴを貼っただけのブロックなど、あえて簡易な内装でコンセプトを表現している。

 オープニング企画として、期間限定のアートブックストア「サウザンドブックス(Thousandbooks)」を2月22日まで開いている。アートブックのディストリビューションを行うtwelvebooks(トゥエルブブックス)と組み、1000冊近いタイトルを1000円均一で販売中だ。企画は不定期で入れ替え、常に新鮮なコンテンツを提供する。

 プロジェクトの発起人である中村圭佑ダイケイ・ミルズ代表は、南青山のエイベックス本社やライフスタイルショップ「シボネ青山」、原宿の「ロク ビューティアンドユース ユナイテッドアローズ シンジュク」などを手掛ける人気設計家だ。そんな中村代表が、反社会的な意味もはらんだ「スクワット」をスタートさせた理由とはーープロジェクトのボートメンバーで「サウザンドブックス」の仕掛け人でもある濱中敦史twelvebooks代表とともに、「スクワット」への思いを語ってもらった。

WWD:“スクワッティング”という反社会的なムーブメントをテーマにした理由は?

中村圭佑DAIKEI MILLS代表(以下、中村):今は「誰もが楽しめる場所こそ至高」という考えが浸透していますが、実はもっとパンクな場所を求める人も存在するんじゃないかと思って“スクワッティング”をテーマにしました。

濱中敦史twelvebooks代表(以下、濱中):道を歩いていて「なんかやばいのあるじゃん!」って思ってもらえたらうれしいよね(笑)。今の世の中には、どんな人でも安心して利用できる“優しい空間”が多すぎて、全然面白くない。店に入るときに胸がざわつく感覚はネットでは生み出せないので、入るのに少し勇気がいる空間や、外から見ても全貌がわならない空間の方がリアルでは価値があると思います。

中村:みんな頭が良いから最大公約数的なデザインとサービスがあふれてしまっているんですよね。もちろんビジネスとしては正解かもしれないけど、それでは人の心は動かせない。それ以上の価値を生み出さないと実店舗をやる意味はなくて、僕は雑多的で排他的な要素にその可能性を見出しています。

濱中:でも、「スクワット」と同じことを建築や設計を理解していない人が真似しても、ただの味気ない空間で終わってしまうんですよね。

中村:敷地の本質を読み解いて、そこから最適なアプローチを見出さないといけないからね。「スクワット」は分かりやすいコンセプトですが、実はかなり考え込んで作り上げています。今後はこの物件以外にもプロジェクト拠点を増やし、敷地ごとの特性を踏まえたさまざまなコンテンツを提供していく予定です。

WWD:いつからプロジェクトを構想していた?

中村:1年ほど前から考えていました。僕は設計事務所としてたくさんのクライアントと仕事をしていますが、いずれの案件もBtoBです。もちろん楽しい仕事ですが、納品して終わりではなく、継続的に関われる空間づくりや一般人と関わりが持てるデザインにずっと関心があったんです。

濱中:中村が大枠のアイデアを持っていて、それを聞いた僕たちが「面白いね」と共感して参加しました。僕のほかに2〜3人がウェブ周りなどで携わっています。コンセプトを固め、実現に向けて動き出したのは昨年の11月くらいですね。

WWD:ふたりは昔からつながりがあった?

濱中:もともとバカントという会社で一緒に働いていました。その職場はビジネスと遊びのバランスが絶妙だったし、コアメンバーの主張も全然違ったから予定調和ではない面白いアプローチができていました。今はメンバーそれぞれが独立してやりたいビジネスをやっていますが、「あの頃の空気感で何か作りたいよね」という話はずっとしていました。

WWD:原宿の「スクワット」は内装がかなり簡易的ですね。

中村:なるべくお金をかけないようにして、“不法占拠”というコンセプトを体現しました。内装については、仮に「明日出て行け」と言われても出ていけるくらいにライトに仕上げています(笑)。現代社会には完成度の高いサービスやコンテンツがたくさんあるから、それらをうまく活用すれば面白い空間を作れる。お金をかければいくらでも豪華にできますが、それだけじゃつまらないですからね。

WWD:階段が非常に急でびっくりしました(笑)

中村:すみません(笑)。お金をかけないメリットの1つが、親しみやすさを残せることです。急な階段や今っぽくない照明はトレンドでないですが、おばあちゃんの家みたいな安心感が保てるんです。

濱中:あと、遊びに来た人の会話のネタになります。階段については、もしかすると「不親切な店だな」と思われるかもしれないですが、今のところは肯定的な反応しかありません。

中村:深く考えなくても利用できる親切すぎる空間って、人の脳みそをダメにするんですよね。一つ一つの行為に責任を持たないし、記憶にも残らない。でも、アートと対峙するときって、何か特別なことを考えたり、そこから派生して深いことを考えたりするんです。だから体験自体にドキドキ感や特別感があるし、記憶にも残る。僕たちはそれがやりたいから、「スクワット」も“アートプロジェクト”として位置付けています。

WWD:「スクワット」のオープニング企画として「サウザンドブックス」を構想した理由は?

中村:「スクワット」のボートメンバーたちとオープニング企画について話し合っていたときに、「本が置いてある場所ってふらっと立ち寄りやすいよね」という意見に行き着いて本を扱うことに決めました。

濱中:販売しているのはtwelvebooksの不良在庫やB級品がメインです。言ってしまえば在庫処分やセールと同じなんですけど、「サウザンドブックス」は「スクワット」という専用の空間で一冊一冊丁寧に提案しているから、書店の隅っこで雑に積み上げたり、道端で段ボールに入れて販売するのとは全く違います。売り方が違うから、同じセール品でも買い手のテンションは違って、ポジティブに買ってもらえます。本を扱うプロとして、セールの新しいあり方を提案できたのは嬉しいですね。

中村:「スクワット」というムーブメント自体、空きマンションなどの資源を有効活用しようというサステナブルな考えを含んでいるので、不良在庫をなくすという目的も親和性が高かったんです。

濱中:基本は1000円均一ですが、タイトルによっては3000円のものもあります(笑)。そのいい加減な感じも楽しんでもらいたいですね。

WWD:メディア露出が少ないですが、大々的にPRをしない理由は?

濱中:草の根的な広がり方のほうが健全だと考えているからです。ネット社会では、意図的なバズよりも一般人の口コミが一番ピュアで価値がある。今回も記者さんの純粋な好奇心から声をかけてもらえましたし、そういう人を大切にしたいんです。

中村:本当に興味のある人は自分で情報を掴んで来店してくれるんですよね。

濱中:インスタグラムのDMで「年明けはいつからオープンしますか?」とわざわざ連絡をくれた人もいたよね。その人は空っぽのリュックを背負って、自転車で駆けつけてくれました。そんな熱量のある人にアプローチできているのは本当に嬉しいです。

WWD:「スクワット」はみなさんの本業に良い影響をあたえていますか?

中村:設計事務所としての新プロジェクトに派生しています。「スクワット」を見て、「数カ月間使わないスペースがあるから何かやらない?」と声をかけてくれる人がいて、実際に動き始めました。

濱中:「スクワット」は僕たちのポートフォリオでもあるんだよね。BtoBではできないことを「スクワット」で実現して、その姿勢に共感してくれた人が新たなビジネスを持ちかけてくれるんです。

中村:本業に還元されることはプロジェクトの狙いでもありました。どこかで利益を生まないと、遊びの延長といっても長続きしませんからね。ある意味、営業活動です(笑)。

WWD:今後の展望は?

中村:東京のいろんな物件をスクワットしていきます。それぞれにテーマカラーを定めて、マップとして見たときにあらゆる箇所が占拠されていたら面白いと思います。最新情報はインスタグラムを通して発信していくので、気になる人はチェックしてみてください。

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「エミリオ・プッチ」2020-21年秋冬ミラノ・コレクション

 「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」が2020-21年秋冬コレクションをミラノで発表した。

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“使いかけコスメ売買”の動きを可視化 アイスタイルがメルカリと包括業務提携

 アイスタイルは20日、フリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリとの包括業務提携の締結を発表した。両社の顧客IDを連携させるほか、「メルカリ」から流通データの提供を受ける。化粧品メディア「アットコスメ」、小売店「アットコスメストア」、EC「アットコスメ ショッピング」からなるアイスタイルのデータベースにメルカリから取得した二次流通データを組み合わせ、“使いかけコスメ売買”の動きを可視化する。

 年間4900億円(2020年6月期第2四半期決算時)の流通がある「メルカリ」だが、10〜30代の女性利用者が多いこともあり“コスメ・美容”は注力カテゴリーのひとつとなっている。特に、19年は商品のバーコードを読み取ると製品情報が表示される“バーコード出品機能”が導入され出品が手軽になったこともあり、コスメ・美容カテゴリーの流通規模は約400億円(前年比30%増)に成長したが、メーカー側は二次流通上の消費者動向が掴みにかった。

 アイスタイルとメルカリの取り組みは盛り上がる二次流通と一次流通をつなぐもので、野辺一也メルカリ執行役員は「この化粧品カテゴリーを充実させるとともに、メーカーのビジネスにも大きく寄与していきたい」とコメント。吉松徹郎アイスタイル社長は「400億は百貨店の化粧品フロア以上。二次流通について化粧品業界はどう見極めていけばいいのかという問題があるが、一番大切なのは“見える化”することだと思っている。二次流通の現状を、メーカーに共有して認識していきたい」と提携の意図を説明した。アイスタイルはメーカーやブランドを対象にしたマーケティング支援サービス「ブランドオフィシャル」を運用しており、「メルカリ」内の二次流通データを活用して消費者動向の詳細な分析に役立てる予定だ。

 メルカリPR担当者によると、「メルカリ」には正規の価格では手が出せない高級ブランドの口紅を中高生が購入するなど、ブランド側にとって“将来顧客”となりえるユーザーも多いという。今回の提携ではそのほか、「メルカリ」上で製品検索をするとアイスタイルが持つ製品情報を表示や、検索しても出品されていなかった製品に対して一時流通先を案内するなどの取り組みも視野に入れている。

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感情を解き放つエモーショナルな「スタディオファイブ」独創性で魅せる心揺さぶるランジェリー

 鮮烈な色彩と大胆なデザイン、他にはない独創性で、多くのファンを魅了するワコールのプレステージブランド「スタディオファイブ」。同ブランドはデビュー時から一貫して東京でデザインを行い、高い品質と常識にとらわれない新しい感覚のランジェリーを発信し続けている。その独自の世界観はデザインをはじめ、ドラマチックなイメージビジュアルでも表現されている。見て、触れて、まとって感じる、心を揺さぶられるランジェリーの魅力をお伝えしよう。

“理性的な人生はつまらない。
感情的な女であれ。”

 「スタディオファイブ」は、従来のワコールのランジェリーの常識を超えた新しい感覚を打ち出すブランドとして1982 年にデビューした。フェミニンでエレガントなスタイルが多いランジェリー市場において、下着にこだわる大人の女性をターゲットに都会的で個性のあるラインアップを展開し、ファッション感度の高い女性を魅了し続けている。ひときわ目を引くカラーコンビネーション、個性溢れるモチーフのオリジナルレース、細部まで計算されたフォーム、全てが唯一無二の存在感を放つ。長年続くその人気を支えているのは、ワコールのプレステージブランドにふさわしい妥協を許さないモノ作りだ。「スタディオファイブ」の独創性は、デザインはもちろんのこと、最高級の素材使いと、熟練した職人による丁寧なモノ作りに支えられている。

2020年春夏コレクションは
パリのナイトクラブから着想

 2020年春夏コレクションは池谷由利子「スタディオファイブ」チーフデザイナー自身が魅せられた、フランス・パリのナイトクラブで繰り広げられるレビューショーがテーマだ。見る人を魅了する官能的なステージ、大人の社交場としての洗練された雰囲気を独自の世界観で表現。老舗ナイトクラブのフレンチカンカンの衣装、妖艶なライト、アールデコのインテリアなどがイメージソースだ。彼女は「セクシーなランジェリーを、まずは自分のためにまとってほしい。美しいランジェリーを着けることで気持ちが上がる、その感覚を楽しんでもらえるとうれしい」と語る。それが他にはない唯一無二のデザインに込められた思いだ。


問い合わせ先
ワコールお客様センター
0120-307-056

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「マックスマーラ」2020-21年秋冬ミラノ・コレクション

 「マックスマーラ(MAX MARA)」が2020-21年秋冬コレクションをミラノで発表した。

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「フェンディ」2020-21年秋冬ミラノ・コレクション バックステージ

 「フェンディ(FENDI)」が2020-21年秋冬コレクションをミラノで発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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#敦子スメ「新月・満月」ノート 今回の新月(2月24日)は行き違いが起こりやすい時期

星占いとの出合い

 オーガニックコスメとの出合いや、コスメキッチン在籍中に占い師・ジョニー楓さんのイベントを担当したのをきっかけに星占いに興味を持ち、独学しました。現代では、占いとしてこれはラッキー、アンラッキーという区別に使われることもありますが、良い悪いではなく自然の流れとしての月の動きに、地球上で生活しているわたしたちは知らずに影響を受けています。この連載では、月の動きの中で活用できるものを知り、うまく生かしていただくための付き合い方をお伝えしていきたいと思います。新月・満月の流れを最大限に引き出すためのサポートをしてくれるコスメやインナーケアアイテムも紹介していきます。第5回は、2月24日の新月とおすすめコスメについてお伝えします。

 今回の新月は“振り返り”に注目です。本来であれば“始まり”の新月ですが、今回は過去に気持ちが向く水星逆行期。この期間は次の満月の3月10日まで続きます。見直し、メールの誤送信、予定の変更などコミュニケーションや連絡の面で行き違いが起こりやすい時期です。ビジネスシーンでもそれを感じる人も多いかも。待ち合わせ場所や日程、データのバックアップ、電車の乗り違えなどには要注意。ぜひ、身近なところで感じる逆行感に注意してみてください。

 今回の新月コスメは、過去を振り返る水星逆行にちなんで、昔から日本にある老舗ブランドや、ブランド内で最初に作られた古株アイテムに注目です。新月というと“新たに見つける、始める”イメージですが、今回は過去を振り返って再発見するような、そんなアイテムを紹介します。

 私は、ビューティ業界に身を置いて15年ほど経ちますが、やっぱり本気なアイテム作りのブランドは皆に愛され、自然と息が長くなるのだなあと思います。オーガニックコスメの魅力を深く伝えているイタリア生まれの「アルジタル(ARGITAL)」の歯磨き粉「グリーンクレイ歯みがき(セージ)」は、ブランドにとっても初めて作った産声アイテムなんだそうです。シチリア産のグリーンクレイが含まれ、歯や歯茎の汚れをピタッと吸着して、セージのエキスが口内に清涼感をもたらします。男性にもおすすめな一品です。もう1つの「Dr.ハウシュカ(DR. HAUSCHKA)」も、昔から日本で売っているドイツ生まれの老舗ブランド。誕生は1967年です。硬めのオートミールのようなペースト状のテクスチュアが独特の「クレンズクリーム」は、ペタペタと顔にタッチするように使用する昔ながらのアイテム。春先に気になる角質を落とす洗顔料として長年親しまれるロングセラーです。両方とも、オーガニックコスメの良さを体感しやすい古株アイテムです。ぜひお試しを。

福本敦子(ふくもと・あつこ)/フリーランスPR・美容コラムニスト:コスメキッチンに14年間勤務後、現在はフリーランスPRとして活動するかたわら、ビューティコラムニストとしてイベント、SNSなど多方面で活躍。オーガニックに精通した知識を武器に、ライフスタイルに寄り添った独自のオーガニック美容論が、著名人やエディターをはじめ各方面から大人気。「#敦子スメ」は「読んだ瞬間試したくなる」と多くの反響を呼び、紹介した商品の欠品や完売も多数。2019年秋、初の書籍となる「今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本 by敦子スメ」を出版。発売前に増刷が決まるなど話題を読んでいる。旅を愛し、占星術にも精通 instagram:@uoza_26

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「フェンディ」2020-21年秋冬ミラノ・コレクション

 「フェンディ(FENDI)」が2020-21年秋冬コレクションをミラノで発表した。

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「プラダ」2020-21年秋冬ミラノ・コレクション バックステージ

 「プラダ(PRADA)」が2020-21年秋冬コレクションをミラノで発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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「プラダ」2020-21年秋冬ミラノ・コレクション バックステージ

 「プラダ(PRADA)」が2020-21年秋冬コレクションをミラノで発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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「買うことを減らすのは不可能」 サステナビリティ推進のイタリア素材見本市会長が提案する「より良くする方法」とは?

 イタリアの素材見本市「ミラノ・ウニカ」会長のエルコレ・ボット・ポアーラ(Ercole Botto Poala)=レダ(REDA)社長は、2月に開催された21年春夏展で任期を終える。ポアーラ会長は、同見本市のコンセプトを2019年春夏向けから“サステナビリティの追求”にシフトチェンジし、9月の秋冬展の開催時期を7月に早めるなど市場ニーズに応えてきた。任期終了を発表した翌日の2月5日、レダのブースにポアーラ会長を訪ねた。

「サステナビリティは企業が生き延びるための必須項目」

WWD:会長職おつかれさまでした。会長職を振り返ると?

エルコレ・ボット・ポアーラ「ミラノ・ウニカ」会長(以下、ポアーラ):いやあ、肩の荷が下りたよ。その荷はお腹についちゃったけどね(笑)。

在任中に「ミラノ・ウニカ」がなくならなくてよかった。実は開催し続けることは当然のことではない――「ウニカ」はもともと3つの異なる素材見本市を一緒にしたものだったから。私が会長職に就いて行ったことはトレンド傾向やクリエイティビティへの投資、そしてサステナビリティにも注力した。今回もイノベーティブなスタートアップ企業にフォーカスしたエリアを新設したが、前進させることができたと思う。伝統的な生地の世界に新しさをもたらすことが必要だと感じた。

WWD:サステナビリティ推進に舵を切ったのは功績だったと思う。

ポアーラ:大変だったことは、美的感覚を備えたサステナブルな生地作り。生地は美しくなければならないからだ。今はいろんなタイプの生地が出てきてずいぶん簡単に作れるようになったが、当初は表現するのが難しかった。

WWD:来場者の変化は?

ポアーラ:昨年からサステナビリティへの興味が高まっているように感じる。それは、ミレニアルズとジェネレーションZの影響だろう。市場調査によると現在、売り上げの30%を占めるのが彼らの世代で、5年後には50%になるといわれている。彼らの世代、そしてさらに次の世代はサステナビリティに対する関心が高い。つまり、サステナビリティは企業が生き延びるための必須項目ということだ。

今、若い女性が世界に向かって叫んでいる。彼女の心配事に対して、私たちはその答えを出さなければいけない。叫ぶのは簡単だが彼女も年を重ねるし、そうすればさらに若い世代が続くので要求に応えなければならなくなるだろう。

WWD:叫ぶことも勇気がいるし、大変なことだと思う。業界を見渡してサステナビリティの進捗は?

ポアーラ:現在、オーガニックコットン、ノンミュールジング(ミュールジングとはうじ虫の寄生を防ぐため子羊の臀部の皮膚と肉を切り取ること)のウール、リサイクル糸などを用いた生地が多く提案されているが、でもそれはサステナビリティの一部分でしかない。生産工程におけるサステナビリティが需要なんだが、それをどう理解していいのかわからない人が業界内でも多い。また、マーケティングでサステナビリティを打ち出している企業が多く見られるが、実質的なことに取り組んでいる企業は少ない。本当の意味でサステナビリティ意識が足りない。

WWD:気候変動が危機的状況なのに、サステナビリティに実質的に取り組んでいる企業が少ないのはなぜだと思う?

ポアーラ:今世界中で起こっていることに対して、皆が意識しない理由がわからない。「ミラノ・ウニカ」は生地を提案する場で、1年後に店頭に出る商品のためのものであり、未来を見ているところでもある。未来を見つめなければいけない指名がある。もちろん、未来のことを語るのだから間違うこともあるが、個人的にはうまくいったといえるだろう。

レダの最新の取り組みは?

WWD:レダは原料のウールの動物福祉やトレーサビリティーを徹底し、さらに設備投資をして環境に配慮した生産態勢を整えている。さらに、若手社員育成にも積極的だ。サステナビリティマネジャーは20代半ばで、さらに大学にも通うチャンスを与えて授業料まで負担している。

ポアーラ:世界をよくしようと思ったら機械頼みというわけにはいかない。人があってのサステナビリティだからね。ヒューマンサステナビリティだ。

WWD:直近の業績は?

ポアーラ:2019年は増収で1億2300万ユーロ(約145億円)だった。でもこれにはトリックがあり、毛織物メーカー「コメロ(COMERO)」を買収したからだ。その分を除けば18年と同程度だ。20年の見通しはマイナスになる。1ケタ減が2ケタ減か――新型コロナウイルスの影響もあるから2ケタ減になるだろう。

「買うことを減らすのは不可能。よりよいものを意識的に買うことが重要」

WWD:2021年春夏シーズンは、旭化成のストレッチファイバー“ロイカV550”を用いた生地「レダ フレキソ(REDA FLEXO)」を前面に打ち出した。

ポアーラ:旭化成の “ロイカV550”は、有毒な化学物質を含まない原料を用いている。ネガティブなものを地球に戻さない認証であるC2C(クレイドル・トゥ・クレイドル)認証を取得していて、分解して自然に戻る糸だから環境に優しい。そうはいっても、私はそもそも100%サステナブルな商品はないと考えている。私たちがやらなければいけないのは、さらにサステナビリティを推進していくことだ。

WWD:ファッションはどんどん新しいものを作って売っていく産業だが、シーズンごとに商品を提案すること自体にも疑問が出てきている。どういう仕組みがいいと思うか。

ポアーラ:サステナビリティの一番の敵は、皆がよい状態でいようとすること。自分が必要としている以上のものを買うから捨てることになる。私たちが学ばなければいけないのは、前に買ったものよりも良いものを買うこと。人間は自分がいい状態になりたいと思うもので、それを否定できない。だから「少なく買いなさい」ということは幻想でしかない。

会社というのは、リサーチをして投資して、生き残っていかなければいけない。人間の習性として、石器時代からずっとよりよくなろうとやってきた。でもたくさん生産して皆がリッチになると地球はそれだけ苦しくなる。でもそれをやめるのは不可能だから、作るもの、買うものをよりよくしていくことしかできない。

食品も捨てないようにするとか。顔を洗ったり歯を磨いたりするときに水を垂れ流さないようにするとか。次に買う車はハイブリッドや電気のものにするとかね。洋服は商品に認証があるもので、前に買ったものよりも環境へのインパクトが少ないかどうかを考えること。

政治家にありがちだが、「2050年にはそういう問題が少なくなっている」という発言をするのではなく、毎日少しずつインパクトを少なくするためにできることを積み重ねること。50年にはその人たちは誰もいないからね(笑)。

WWD:私の周りでも毎日できることに取り組み始めた人は増えてきた。一方、何を選べば環境への負荷が低いのかというのが複雑で、わからないまま選べずにいる。

ポアーラ:ほかの産業でも議論されていることだが、政府がそのうち法律を作ってファッション業界もトレーサビリティーを明確に表示するようになっていくと思う。時間の問題だろう。

WWD:個人的なサステナブルアクションは何をしている?

ポアーラ:いっぱいお金を使うこと(笑)。「テスラ」の電気自動車を買った。ちょっと変な音がするんだけどね(笑)。歯を磨くときは水道を止める――これはずっと前からの習慣でもある。アフリカでの兵役のときには水がなかったからね。毎日、自分たちによる環境への負荷をなるべく少なくするように心がけているよ。会社では、認証を取って取り組んでいる。自分では測ることができないから、第三者機関に依頼して少しでも負荷を少なくすることに取り組んでいる。

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「プラダ」2020-21年秋冬ミラノ・コレクション

 「プラダ(PRADA)」が2020-21年秋冬コレクションをミラノで発表した。

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@tokyoart_event 展示会&アートイベントbot

【1月15日まで|国立西洋美術館】 クラーナハ展―500年後の誘惑 画家の芸術の全貌を、当時のドイツの思想や文化、社会や政治の状況などと併せて読み解き、さらには彼の死後、近現代におけるその影響まで。 詳細はこちら→

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斜め45度の横顔を美しく見せるアイウエア メガネの田中チェーンと山本浩未が共同開発

 全国に100店舗以上を手掛けるメガネの田中チェーンは2月22日に、ヘアメイクアップアーティストの山本浩未と共同開発したウィメンズのオリジナルブランド「モアジェ(MOI JE)」の眼鏡フレーム4型とサングラス2型を全国のメガネの田中チェーンで発売する。

 “大人の女性は斜め45度の横顔が重要”という山本の考えから、顔のシルエットをシャープに見せるため、アイラインを引いたような上昇ラインを描くリフトアップしたデザインや、表情を明るく見せるメイクをしたようなハイライト効果のある素材使いが特徴で、山本の知識とアイデアが詰まった商品だ。店頭では、同社オリジナルのiPadアプリ「メガネの田中 印象分析」を用いた診断結果に基づいて、顔の特徴を4種類に分類し、それぞれに似合う「モアジェ」を販売員がアドバイスする。価格は2万9000円(レンズ代別)。

 メガネの田中チェーンの創業地と同じ広島県出身の山本は、「大人の横顔をすてきに見せるカギは、ハイライトと上昇ライン。これまでは、この2つをメイクでかなえてきたが、自分でも眼鏡が手放せなくなってから、眼鏡にはメイクに負けないくらいの美人効果があることに気づいた。リフトアップ効果をかなえるフレームラインやハイライト効果を狙ったカラーリングで、顔のシルエットや肌のトーンを瞬時に洗練させることができる。ファッションアイテムのように楽しみながら、自信が持てる横顔を手に入れてほしい」とコメントしている。

 デイミアン・ホール(DAMIAN HALL)=メガネの田中チェーン社長は「これまで女性客に対する提案が足りなかった。今年は、女性客の満足度を高める商品開発やサービスに力を入れたい」と話した。

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斜め45度の横顔を美しく見せるアイウエア メガネの田中チェーンと山本浩未が共同開発

 全国に100店舗以上を手掛けるメガネの田中チェーンは2月22日に、ヘアメイクアップアーティストの山本浩未と共同開発したウィメンズのオリジナルブランド「モアジェ(MOI JE)」の眼鏡フレーム4型とサングラス2型を全国のメガネの田中チェーンで発売する。

 “大人の女性は斜め45度の横顔が重要”という山本の考えから、顔のシルエットをシャープに見せるため、アイラインを引いたような上昇ラインを描くリフトアップしたデザインや、表情を明るく見せるメイクをしたようなハイライト効果のある素材使いが特徴で、山本の知識とアイデアが詰まった商品だ。店頭では、同社オリジナルのiPadアプリ「メガネの田中 印象分析」を用いた診断結果に基づいて、顔の特徴を4種類に分類し、それぞれに似合う「モアジェ」を販売員がアドバイスする。価格は2万9000円(レンズ代別)。

 メガネの田中チェーンの創業地と同じ広島県出身の山本は、「大人の横顔をすてきに見せるカギは、ハイライトと上昇ライン。これまでは、この2つをメイクでかなえてきたが、自分でも眼鏡が手放せなくなってから、眼鏡にはメイクに負けないくらいの美人効果があることに気づいた。リフトアップ効果をかなえるフレームラインやハイライト効果を狙ったカラーリングで、顔のシルエットや肌のトーンを瞬時に洗練させることができる。ファッションアイテムのように楽しみながら、自信が持てる横顔を手に入れてほしい」とコメントしている。

 デイミアン・ホール(DAMIAN HALL)=メガネの田中チェーン社長は「これまで女性客に対する提案が足りなかった。今年は、女性客の満足度を高める商品開発やサービスに力を入れたい」と話した。

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ラグジュアリーもリセールに本腰? エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年10月16日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

ラグジュアリーもリセールに本腰?

 「バーバリー(BURBERRY)」が米ラグジュアリー・リセールの「ザ・リアルリアル(THE REALREAL)」と提携しました。何をするかというと、買った商品を売りたいと考える顧客に「ザ・リアルリアル」を紹介したり、「ザ・リアルリアル」の顧客に「バーバリー」について知らせていくそうです。

 つまり、すでに「バーバリー」でクローゼットが満杯の顧客には、服を販売してクローゼットに空きを作ってもらい、「ザ・リアルリアル」で「バーバリー」の中古品を買う人には「バーバリー」直営店での新作のショッピングに招待するということです。

 そうです、リセールで「バーバリー」を買う人は、「バーバリー」というブランドのファンである可能性が高く、今後顧客になりうる人かもしれません。

 “循環型”はサステイナビリティーへのアプローチにおける重要なキーワードの1つで、消費活動においては、つまり“捨てずに再利用”です。ひたすら新商品を作っては売り、売ったら売りっぱなし、売れなければ廃棄、というファッション業界のこれまでのルーティーンはサステイナブルではないと見なされています。そしてその解決法の1つとして、リセールが注目されてきているのです。

 売りっぱなしにせず、その後も顧客に寄り添いながら新たな経済活動を生み出す――ファッション業界の新しいスタンダードになりそうな予感です。

 でもこれ、自社で全部できたら最高じゃないですか?

 H&Mは4月に地元スウェーデンのリセールプラットフォームのセルピーと提携し、傘下の「アンド アザー ストーリーズ(& OTHER STORIES)」のコーナーを作って中古品販売に乗り出していましたが、そのセルピーを今月買収しました。セルピーはさまざまなブランドを扱っていますが、今後H&M傘下のブランドの扱いが増えていくのは間違いないでしょう。

 もちろん真贋問題などもあるので、単にプラットフォームを買収すればいいという話ではありません。しかしリセールを自らがすることで得られるネットワークと情報もだいぶ魅力的でしょう。

 サステイナビリティーの先駆者、ステラ・マッカートニーはすでに2017年から「ザ・リアルリアル」と取り組みを始めていました。さて、次はどこがどこと組むのでしょうか?大いに注目です。

VIEWS ON WWD U.S.:米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説するメールマガジン。「WWDジャパン」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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まだ、あなたが知らないニューヨーク最新トレンド ファッション性が求められるライフスタイルブランド全盛期

 ニューヨークで活躍する名物クリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載第5回。仕事とは別に、月に1度は新しいレストランを開拓しながら情報交換する2人。“You’d Better Be Handsome”は、2人がときにゲストを交え、ニューヨークのトレンドや新常識について雑談するコラム 。今回は、ますます増えていくおしゃれアーリーステージ系ブランドについて。サブスクリプション制はどこまで増えていくのか?歯ブラシから空気清浄機まで、ハイセンス戦争が繰り広げられる市場トレンドについてトーク。

 本日のランチは、昨年末に「ソーホーグランドホテル(SOHO GRAND HOTEL)」の1階にオープンしたカジュアルなダイナー「ソーホーダイナー」(320 West Broadway, New York NY 10012 Ph. 212 965 3011)にて。ややレトロな内装で、昔からあるダイナーよりは数倍おいしく、ヘルシーな選択肢もあるのが嬉しい。暖かくなったら屋外にもテーブルが用意されるらしい。

スティービー:ちょっとおしゃれな普通のダイナーに見えるけど、24時間オープンて、ありそうで実は珍しい。

メイ:昔からチェルシーにあるレストラン、その名も「カフェテリア(CAFETERIA)」とかテレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ(SEX AND THE CITY)」に登場する店があるけど、あそこも確か24時間だったよ。

スティービー:懐かしい!

メイ:ファッション・ウイーク中はすごく混んでいたよね。

スティービー:ショーそのものは数も減って、特に今シーズンは静かだけど。ネットでほぼ同時にショーが見られるようになってから、ショーにがんばって行く人たちも減っているのでは?

メイ:そうね、インビテーションをリクエストして、ちゃんとくるかどうか確認して、混んでいる会場で人をかき分けて自分のシートを探してようやく座ったら頭しか見えなかった、なんてことになるなら、最初からスマホで見た方がいいと思う人が増えても仕方がない。

スティービー:バイヤーやエディターはそもそもショールームにしか顔を出さない人もたくさんいるし。実際に手にとってみるのって大事だし。

メイ:というか、ファッションに対しての憧れの気持ちが以前のようにはないというのもある。ファッションのプラットフォームが大きく変わっている今、ショーの形態も変化していくはず。

スティービー:数年前に話題になった“シーナウ・バイナウ(SEE NOW, BUY NOW)”も、もはや死語。ショーで発表された直後に、半年待たずに消費者が購入できるということで大きなブランドが取り入れていたよね。

メイ:アイデアとしては画期的だったけど、私が一回も利用しないでいるうちに誰も口にしなくなってしまった。

スティービー:ファッションだけじゃなく、いまはテレビ番組や映画も、自分の都合に合わせて楽しむという時代。

メイ:今年のアカデミー賞でも ネットフリックス(NETFLIX)で制作された「マリッジストーリー(MARRIAGE STORY)」や「アイリッシュマン(IRISHMAN)」がノミネートされていた。

スティービー:まずは映画館でちょろっと上映し、そのあとは好きなときに家にいて観られるネットフリックスでというシステム。以前だったらテレビで観られるような作品は、そもそもオスカーに選考されてなかったけど、そんなこと誰ももう言わない。映画=映画館の時代はとっくに終わっている。

メイ:結局ファッションもネットショッピングが主流になっているし。

商品の背景にあるストーリーで共感を

スティービー:だけど、今シーズンの商品をただ並べるだけだと全く響かない。それぞれが持つストーリー性が求められている。

メイ: 最近はどこの会社でも、文章が上手に書けるというよりは、物語を生み出せる作家的な人材を起用することが成功の鍵というのが常識。私が大学を出た頃は、文学部の人たちは就職先がなくて大変だったのに!

スティービー:「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」や「エッセンス(SSENSE)」みたいなECサイトも編集記事に力を入れているのは、そこが大事だと分かっているから。作家性が求められているのは、物語を生み出し、共感を持ってもらわないとものが売れない時代だから。

メイ:「ネッタポルテ」は、「ポーター(PORTER)」という雑誌を前から出しているよね。トップモデルがいつもカバーを飾っている。私の日本のスタイリストやエディターの友人らも、いろんなショップからトークショーによく呼ばれている。商品をただ置いても売れないから、ストーリー性を与えているところが同じ。

スティービー:リテールの未来は暗いけど、一方で勢いがあるのはライフスタイル系ブランド、しかもアーリーステージの。

メイ:そうね、地下鉄や駅貼りの広告も、ネットフリックスやアマゾン(AMAZON)、それに映画ポスターかライフスタイル系のブランドばかり。

スティービー:なんでもないプロダクトにファッションのエッセンスを盛り込み、シンプルでひねりの利いたグラフィックというのが共通している。

メイ:私のクリエイティブエージェンシーでも最近ライフスタイル系の依頼も多い。

スティービー:クリエイティブ・ディレクターが最初からがっつり入って、ストーリーを文字とビジュアルで作り上げていけるかどうかが成功の鍵だからね。

ライフスタイルブランドを中心にアーリーステージのビジネスが活況

メイ:アーリーステージ系で分かりやすいところといえば、やっぱり「キャスパー(CASPER)」かな?

スティービー:シンプルなベッドマットレスにどんどんストーリーを与えて、今度ベッドマットレスを買うときはトライしてみようかなという気持ちにさせる。

メイ:ベッドのマットレスといえば、ちょっと前まではブルーミングデールズのインテリアフロアか、街のあちこちにあるチェーン店とかでトライして買うしかなかった。長い間使うものなのに、ちゃんと寝て試すこともできないままに。

スティービー:眼鏡の「ワービーパーカー(WARBY PARKER)」もいい例。眼鏡店は街中にあるけれど、どこで買ったらいいか分からない、システムがいまいちクリアじゃなかったところに目をつけて、ウェブで注文し、似合わなかったらすぐに返品できるというシステムと、豊富な種類、買いやすい値段で爆発的な人気になった。

メイ:5つ選んで家で試せる。フレームだけだと、100ドル(約1万900円)以下のものも充実している。眼鏡って高いし失敗できないから。

スティービー:ネットで安定した人気が出てから出店するパターンも、ここから出てきたのかも。

メイ:ファッションのベーシックだけを売る「エバーレーン(EVERLANE)」も、卸をしないことで、作り手にも買い手にもお得感があるシステムが受け入れられた。企業の信念みたいなものが最初からクリアだったから。

スティービー:どこでも買えるのに、どこで買ったらいいか分からないようなビタミン、シェーバー、スーツケース、下着、シーツ、歯ブラシ―そういったカテゴリーが一気におしゃれになったのは、これらのスターター系のおかげ。

多機能よりもコンセプトが洗練されているかの“ハイセンス戦争”

メイ:私も「クイップ(QUIP)」の電動歯ブラシを使っている。前から電動歯ブラシが欲しかったけど、洗面所が狭くなりそうなデザインばかりで買いたくなかった。「クイップ」は普通の歯ブラシとサイズ的にも大差がないし、なによりデザインがシンプルなのがいい。

スティービー:テクノロジーで言うと、大手家電メーカーのモノの方が数段いいかもしれないけど、そもそもたくさんの機能が付いていても使わないし、パッケージが大昔のままで逆に驚かされることも多い。

メイ:サブスクリプションについてはどう思う?私は歯磨き粉とブラシの替えが定期的に届くから忘れなくていい一方で、歯磨き粉は3つくらいたまってる。

スティービー:僕は、家で空気清浄機の「モレキュール(MOLECULE)」を使っている。デザインがすっきりしていて邪魔にならないし、フィルターのリフィルが定期的に届くから助かる。

メイ:女性用シェーバーの「フラミンゴ(FLAMINGO)」、ウェルネスやサプリの「ヒムス(HIMS)」や「ハース(HERS)」のほかにも、私が最近サプスクリプションしてるのは環境に優しい洗濯洗剤「ドロップス(DROPPS)」とか。

スティービー:買い物に出掛けなくても、クレジットカードにどんどんチャージされるわけだね。

メイ:そういえばスティービーは最近、「アウェイ(AWAY)」のスーツケースをいくつか買ってたよね?

スティービー:パントンとの限定コラボカラーがかわいかったから。でも「アウェイ」のスーツケースはシンプルなデザインだけど色展開も豊富だし、スマホ用バッテリーが付いているタイプもある。なんでもないデザインだけれど、追加料金でパーソナライズもしてくれる。定番スタイルが225~295ドル(約2万5000〜3万2000円)と買いやすい値段。

メイ:修理をすぐしてくれると聞いた。スーツケースってアフターケアが実は大事だから。

スティービー:これまではテクノロジーを優先にモノ作りをしてきたブランドが多いけど、デザインがいいのは当たり前で、コンセプトが洗練されているか、“人の心を動かす見せかけでない物語”がしっかりあって、それがちゃんと伝わっていくか、そしてそれをトータルでどう見せていくかが問われる。

メイ:女性の下着のブランドも、気になっているのがいくつかある。「サードラブ(THIRD LOVE)」や「ネガティブアンダーウエア(NEGATIVE UNDERWEAR)」。まず着る人のことを考えて作っているデザイン。それとネットで買って、家で試着して、気に入らなければすぐに返品できるってラク。

スティービー:すぐに返品できるからこそ、買ってみようかなという気になる。返せないかもと思ったらネットショッピングは難しい。アメリカだけかもしれないけれど、知識のない店員と無駄なおしゃべりするのも面倒だし。

メイ:日本にはまだまだ知識と意欲のあるスタッフがいる感じだけど、ささっと買いたいときにはあの丁寧さが正直めんどくさいなーと感じることも……。

スティービー:アーリーステージ系のブランドの特徴は、広告に積極的なことだといえる?

メイ:もちろん!アーリーステージブランド全盛期とはいえ、似たようなブランドが毎日次々と現れては消えていっているのも事実。彼らは、電車の中吊り広告や、地下鉄の駅を全部1ブランドで埋め尽くすステーションドミネーション、ビルボード、バス停広告など、メッセージ性のあるビジュアルキャンペーンにもすごく積極的だし面白い。今のニューヨークの街をいちばん輝かせているのは、こういうブランドなのかもね。

メイ/クリエイティブディレクター:ファッションやビューティの広告キャンペーンやブランドコンサルティングを手掛ける。トップクリエイティブエージェンシーで経験を積んだ後、独立。自分のエージェンシーを経営する。仕事で海外、特にアジアに頻繁に足を運ぶ。オフィスから徒歩3分、トライベッカのロフトに暮らす

スティービー/ファッションエディター:アメリカを代表する某ファッション誌の有名編集長のもとでキャリアをスタート。ファッションおよびビューティエディトリアルのディレクションを行うほか、広告キャンペーンにも積極的に参加。10年前にチェルシーを引き上げ、現在はブルックリンのフォートグリーン在住

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