秋元梢らの姿も 2020-21年秋冬パリ・ファッション・ウイーク ストリートスナップ200枚

 2020-21年秋冬パリ・ファッション・ウイークが2月24日~3月3日に開催された。ニューヨーク、ロンドン、ミラノに続くパリでは会期中に雨の降る日もあったが、連日おしゃれなファッショニスタたちでパリの街が彩られた。

 今季のパリではビッグシルエットがトレンドのようだ。肩や袖にボリュームのあるオーバーサイズのデザインはコートやジャケット、トップスなどさまざまなアイテムに取り入れられており、フリルやファーなどをあしらった大きなシルエットのファッションを楽しむ人も多かった。ボリュームのある特徴的なブラウスやドレスの袖をコートからのぞかせたスタイルも印象的で、中には長靴までビッグという上級者の姿も。

 また、大胆な柄やフリンジを長く垂らしたドレス、全身にチュールをあしらったデザインの衣服などでランウエイさながらのスタイルの来場者たちも人目を引いていた。青やピンクに染めたヘアスタイルや、ラインストーンを施したアイメイクなどで周囲との差を見せつける人も多かった。

 現在新型コロナウイルスが世界的に広がっていることもあり、マスク姿の来場者たちも見られた。オールブラックのコーデに合わせて黒いマスクを着けた人や、「シャネル(CHANEL)」の会場でカメリアをデコレーションしたマスクを着用する人、また日本からは秋元梢が洋服と同じ柄のマスクを着用し、発色のよい赤いコートを身にまとったスタイリッシュなコーディネートを見せていた。

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【1月15日まで|国立西洋美術館】 クラーナハ展―500年後の誘惑 画家の芸術の全貌を、当時のドイツの思想や文化、社会や政治の状況などと併せて読み解き、さらには彼の死後、近現代におけるその影響まで。 詳細はこちら→

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セレクトで人気のウィメンズ「サクラ」が満を持して直営店オープン 代官山に続き、4月には二子玉川にも

 ユナイテッドアローズやエストネーションなど、主要セレクトショップが軒並み買い付けているウィメンズの卸ブランド「サクラ(SACRA)」(インターリブ、小田昌敏社長)は3月13日、立ち上げ12年目で初となる直営店を代官山にオープンする。旧山手通り沿いのヒルサイドテラス1階で、アトリエからもすぐ。「卸の商売は順調だが、次の10年、20年を考えると、どこかのタイミングで直営も出す必要がある。自分たちで売っていくことで次のステップへ行きたい」と、小田恵広報担当は話す。多店舗出店は考えていないが、主要都市には出店の意欲があるといい、4月には二子玉川にも出店する。

 同ブランドはシンプルな中に少しだけひねりを利かせたデザインと、質の高い素材を使いつつも買いやすく設定した価格が支持されている。初の店舗は、以前は「ヴィヴィアン・ウエストウッド マン(VIVIENNE WESTWOOD MAN)」のショップが入っていた場所で、売り場面積は約85平方メートル。ガラス張りで通りからもよく見える空間を、あえてカーブを描くファサードで囲うようにした。「一見入りづらいかもしれないけど、お客さまがゆっくりくつろげる空間にしたかった」というのがその狙い。店内にはソファーもいくつか置いて、ドリンクなどもサーブしながら接客するという。

 「サクラ」というブランド名だけに、“和”の雰囲気を感じさせる内装もポイント。白い漆喰や蒔絵のような真ちゅうの壁や天井に、モルタル(コンクリート)を組み合わせてモダンに引き締めている。「売るためにもっとラックや棚を置くこともできたが、あえてゆとりを持たせて配置した。ここでブランドイメージを高めていくことで、卸先のセレクトショップにも還元できるはず」と期待する。

 特に同店限定アイテムなどは企画していないが、「今までは全ラインアップがそろう場所がなかったので喜んでいただけるのでは。アトリエスタッフも定期的に顔を出そうと思っている」。卸先での春物の売れ行きは新型コロナウイルスの感染拡大でここ数週間は鈍っているものの、それ以前は好調。「リラックス感のあるコート(4万7000円)やシルク混でラフなタッチのダブル前ジャケットなどの動きがよく、追加オーダーが入った。色は白やブラウンが人気。柄物のワンピースやスカートは近年は季節を問わず売れるようになっているが、今春物で出した小花柄のワンピース(3万6000円)やティアードスカート(2万9000円)も好評」だ。

 二子玉川の店舗は、4月15日に玉川高島屋SC本館2階にオープンする。また、3月19日~4月1日には、渋谷スクランブルスクエア4階にポップアップストアも予定。直営店が増えることで、「これまで卸販売だけではなかなか企画できなかった、より上質な商品も今後は増やしていきたい」という。

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ケリングが新型コロナウイルス対策で2億円超を寄付 イタリア各地の医療関連機関を支援

 3月11日、ケリング(KERING)は新型コロナウイルスの感染拡大に対する支援として200万ユーロ(約2億3600万円)を寄付することを発表した。ケリングの傘下には「グッチ(GUCCI)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「ブリオーニ(BRIONI)」「ポメラート(POMELLATO)」など、感染が拡大するイタリアで主な企業活動を行っているブランドが多い。

 寄付金は前述のケリング傘下のブランドにとって重要な地域でもあるロンバルディア、ベネト、トスカーナ、ラツィオの4州の医療機関や、同感染症対策に携わる機関への支援に充てられる。

 また同日には、ベネトン家の持ち株会社エディツィオーネ・ホールディング(EDIZIONE HOLDING)もトレビーゾ、ミラノ、ローマにある4つの病院に対して300万ユーロ(約3億5400万円)の寄付を行うことを表明した。イタリア人デザイナーのエリザベッタ・フランキ(Elisabetta Franchi)もコロナウイルスに感染した患者の治療にあたる病院に対して5万ユーロ(約590万円)を寄付し、“#ifyouwantyoucan”と題した募金活動に乗り出している。

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カウズの作品が“どこでも誰でも”楽しめるARアプリが登場 渋谷スクランブル交差点には巨大コンパニオンが浮かぶ

 ニューヨークを拠点に活動するアーティストのカウズ(KAWS)と、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を制作するアキュート・アート(Acute Art)が、スマートフォン用ARアプリ「Acute Art」でカウズの作品を購入、鑑賞、発見できるサービス「EXPANDED HOLIDAY」を開始した。アプリは、アップストア(App Store)とグーグル プレイ(Google Play)から無料でダウンロードすることができる。

 今回のサービスでは、期間限定の無料版と有料版、無期限の有料版の3つのサービスが提供される。無料版では3月12日から26日まで、渋谷スクランブル交差点をはじめとした世界12カ所で、目が×印のカウズの代表的なキャラクター「コンパニオン(COMPANION)」の巨大AR彫刻をアプリを通して鑑賞することができる。この巨大コンパニオンは、2012年に百貨店のメイシーズ(Maycy’s)のために制作されたバルーンタイプの作品がベースとなっており、AR彫刻で新たに生まれ変わらせた。

 期間限定の有料版は、AR彫刻のコンパニオンのサブスクリプションサービスだ。860円で7日間自由に表示・撮影することができ、コンパニオンは全3種。3800円を支払えば3種を並べて表示することも可能だ。無期限の有料版では、1.8mのAR彫刻のコンパニオンの永久保有権が購入できる。価格は1万ドル(約104万円)で、世界25個限定。自由に表示・撮影することができるのはもちろん、特定の箇所に設置し他ユーザーへの公開や、アキュート・アートの公式サイトを通じて永久保有権を他ユーザーに転売することもできる。転売する場合は、販売価格から30%の手数料が差し引かれ、販売者と購入者の両者がそれぞれ半額を負担することになる。

 カウズがサービスを提供した理由について「彫刻を作るとき、その重さや建物に設置する方法など、ロジスティックな問題を考えないといけない」と話すように、昨今のアートシーンではARやVRが新たな展示の場として注目を集めている。仮想空間であれば、たとえ巨大作品であっても大規模な設営や巨額の運搬費を抑えることができ、端末さえあれば世界中のファンにリーチすることができるからだ。

 なお、無料版が展示される12カ所は以下の通り。

・渋谷スクランブル交差点/日本(東京)
・タイムズスクエア/アメリカ(ニューヨーク)
・ブルックリン美術館/アメリカ(ニューヨーク)
・ルーヴル・ピラミッド/フランス(パリ)
・ミレニアム・ブリッジ/イギリス(ロンドン)
・香港観覧車/中国(香港)
・国立中正紀念堂/台湾(台北)
・東大門デザインプラザ/韓国(ソウル)
・ビクトリア国立美術館/オーストラリア(メルボルン)
・イビラプエラ公園/ブラジル(サンパウロ)
・イスラム美術館/カタール(ドーハ)
・セレンゲティ国立公園/タンザニア

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ヴァージル・アブロー × NIGO®のコラボ「ルイ・ヴィトン LVスクエアード コレクション」全ルックが解禁

 昨年12月にコラボレーションが発表され注目を集めていた、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)と「ヒューマン メイド(HUMAN MADE)」などを手掛けるNIGO®による「ルイ・ヴィトン LVスクエアード コレクション」のルックブックが公開された。2020年プレ・フォール・コレクションの一部として登場する。

 本プロジェクトは、長年にわたる2人の友情から実現。“クロスポリネーション(異花受粉)”をテーマとし、ヴァージルが提唱する伝統的なテーラリングと、ロンドンのサブカルチャーの歴史からインスピレーションを得たNIGO®の世界観が融合した一度限りのカプセル・コレクションとなる。

 東京というフィルターを通して1960年代のロンドンを中心に流行したモッズ時代の男性像を描いた本作では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のシグネチャーであるモノグラム×ダミエの組み合わせや拡大したダミエなど、斬新かつグラフィカルなデザインが印象的だ。アイテムはコートやフライトジャケット、モッズスーツをはじめとするプレタポルテから、トートバッグや“キーポル”などのレザーグッズ、シューズ、アクセサリーまで幅広いラインアップとなる。

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@itbuyer_fun 展示会IT・ハードバイヤーコミュニティ

それで先のテーマで誰のAIか?なんて言葉を使ったが、そこでは全くその手の話をしていないのでここで補足したい。

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@itbuyer_fun 展示会IT・ハードバイヤーコミュニティ

誰のためのAIか? 世の中のブームは大手のどこかの情報システムのためのAIかな?

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元「ギンザ」編集長が監修、楽天が読んで買えるウェブファッション誌

 楽天の運営するファッションECモール「楽天ファッション(RAKUTEN FASHION)」は3月12日、読んで買えるウェブファッション誌「アールエフマグ(RF mag)」をスタートする。元「ギンザ(GINZA)」編集長の中島敏子氏が監修を務め、クオリティの高いビジュアルやスタイリング、商品紹介などのコンテンツを提供する。更新頻度は不定期だが、月に数回程度で、コンテンツページから商品ページに遷移できる。

 今回は、色と柄にフォーカス。パステルやストライプなどのアイテムをピックアップしたモデルシューティング画像を掲載。関連商品のサムネイルとリンクをそのすぐ下に置き、気になったアイテムが購入できるようになっている。

 楽天は、昨年10月から東京ファッション・ウィークの冠スポンサーに就くと同時に「楽天ファッション」をリニューアル。ファッションECの大々的な強化に着手しており、中島氏を「楽天ファッション」のエグゼクティブ ファッション クリエイティブディレクターとして招聘していた。

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@BFrance_Japan フランス貿易投資庁-ビジネスフランス

フランスの 出展企業について掲載いただきました🇫🇷 ✨いずれも面白い プロダクトを開発しています😊映像も併せてご覧下さい 「フレンチテック」計20社まとめ フランスではIoTやヘルスケアにどう挑んでいるのか| Business + IT by

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「バレンシアガ」の広告で注目を集める日本人のタロウって何者? 多才な23歳の素顔

 パリの観光名所の一つで、多くの観光客でにぎわうオペラ座周辺に「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の大きな広告が飾られている。そのモデルの中の一人が日本人のタロウ・イマイ(Taro Imai)だ。23歳のタロウは同ブランドの2019-20年秋冬パリ・コレクションでランウエイデビューを飾ってから3シーズン連続で起用され、今季はいよいよ広告にも登場。現在は東京を拠点にモデルとして活動しているほか、DJや新宿のセレクトショップ「ジャックポット(Jackpot)」のスタッフとしての顔も持つ。筆者はパリのショールームで偶然知り合った彼に対して(今どきのミレニアルズなのかな)と少々身構えていたが、実際に話すと腰が低くて愛想もよく、固定概念を見事に打ち砕かれた。「バレンシアガ」のモデルとしてスカウトされた経緯や東京での日常、今後の目標についてをショーを終えた後のパリで聞いた。

−「バレンシアガ」のモデルにスカウトされた経緯は?

タロウ・イマイ(以下、タロウ):19-20年秋冬のショー本番から約3カ月前に、インスタグラムのダイレクトメッセージで連絡が届きました。後で分かったのですが、キャスティング・ディレクターのドラ(・ディアマント、Dora Diamant)が、僕が東京でDJしている姿を見てくれたのがきっかけのようです。最初のメッセージはとても定型文っぽい感じでしたね。メッセージを受け取ったときは初めてのヨーロッパ旅行でロンドンとパリに偶然1カ月滞在していたタイミングで、「パリにいるからショールームに行ける」と伝えたんですが「いやいや、まだ来なくていいから」と返事がきました(笑)。

−その後、正式な決定までの流れは?

タロウ:最終的に決定してもらったのはショー2日前のリハーサルの連絡でした。パリに入るまでに洋服のサイズや健康診断書を送るなどを何度もやりとりしました。僕が初めてランウエイモデルに起用される前シーズンにプラズマさんがショーに登場していたので、「WWD JAPAN.com」の彼の取材記事を読んで、決定までの流れが同じように進んでいることがうれしかったです。先方から返事が届くたびに「まだ落とされていないんだ」とワクワクしっぱなし。英語もろくに話せませんが、質問事項や回答を必死で訳して連絡をとっていました。

−それから3シーズン続けてランウエイを歩いてますが、まだ緊張する?

タロウ:緊張しないって言うと嘘になりますけど、それよりもうれしかったり楽しかったりする気持ちの方が大きいです。「バレンシアガ」という一流メゾンやパリという世界の舞台よりも、過去に経験した東京ファッション・ウイークや文化服装学院の文化祭でモデルを務めた時の方がもっと緊張しました。

−パリコレより日本の方が緊張するのはなぜ?

タロウ:文化服装学院の文化祭は約2万人も観客が入るため、単純に人が多いというのも理由の一つです。演劇型のショーなので笑顔だったり、顔を引き締めたりといった演出も加わりますし、放課後にウオーキングの指導を3~4カ月受けたので、時間を重ねた分緊張感も高まりました。洋服を作る学生も先生方も一生懸命取り組んでいることを知っていたので、その分失敗できないという思いもありましたから。

−東京のファッション・ウイークではどのブランドのショーを歩いた?

タロウ:「サルバム(SULVAM)」でスタイリストを務める猪塚慶太さんからインスタグラムを通じて連絡をいただきました。今から3年前で、ちょうど卒業間近。僕は目立ちたがり屋だし好奇心も強いので、二つ返事で承諾しました。18~20歳まで文化服装学院の文化祭でモデルを経験しましたが、学校以外のショーへの出演や、お金をいただいて仕事として請け負ったのは「サルバム」が初めて。大きなターニングポイントだったと思います。

−モデルの道に本格的に進んだのは「サルバム」のショーがきっかけ?

タロウ:そうですね。もともとはバイヤー志望で文化服装学院に入学したのですが、学べば学ぶほど自分には違うなと感じていました。モデルの仕事は可能性に限界がなくて、自由度が高いと思い方向転換したんです。何事もやってみないと分からないじゃないですか。京都で生まれ育って上京する前は、パリにモデルとして来るなんて想像もつきませんでしたから。目の前に来たチャンスを逃さずに、行動に移してみると何かしら得られるものがあります。頭で考えていても何も始まらないし、一番後悔しない道を選ぶことが大切だと学びましたね。

−学校卒業後はどのような生活を送っていたのですか?

タロウ:午前中にモデルの仕事をこなし、日中はショップスタッフとして店頭に立ち、夜はDJとして活動する日々でした。事務所には所属せず、人の紹介などで仕事が入りました。ルックブックや雑誌の撮影、「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」がミレニアルズ向けの日本限定コレクションの発売を記念して開催されたファッションショーに出ました。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の広告の撮影は、ほかの仕事と流れが違ってとても思い出深いです。

−これまでとはどのような点が違った?

タロウ:私服に「ヴァレンティノ」のジャケットを羽織ってバッグを持つだけの撮影だったんです。確かTシャツは「ユニクロ(UNIQLO)」で、「ディッキーズ(DICKIES)」のボトムスと「カンゴール(KANGOL)」のハットという私服でキャスティングに行くと、「パーフェクト!」と言われそのまま撮影に移りました。ズラッと並ぶ「ヴァレンティノ」の洋服の中から「好きに着てみて」と言われ選んだのがレザージャケットで、そのまま採用されました。

先輩たちのように
“かっこいい大人”になりたい

−モデルのほかに現在はDJやショップスタッフとしても働いているそうだが?

タロウ:中学からヒップホップが好きで、DJとして活動し始めたのは専門学校を卒業してモデルの活動をスタートしたのと同時ぐらいです。クラブでのDJや、ファッション関係のレセプションパーティーなど知人を通して声が掛かったら引き受けています。「ジャックポット」での仕事は、オーナーに「働いてみないか」と誘ってもらったのがきっかけです。

−生計はどのようにして立てている?

タロウ:DJの仕事は現金で貰えますが、モデルのギャランティーは2~3カ月後に振り込まれるので時差があり、収入はアップダウンするのが現状です。でも頑張ったら頑張った分入ってくるし、さぼったらその分苦しくなる、そうやって分かりやすく成果が出る方が自分には合っています。

−今後は何を目指していく?

タロウ:まずはもっと自立して、社会的に大人になりたい。いろいろな経験を通して内面は成長していると感じてますが、かっこいい先輩たちを見ると自分はまだまだです。今の環境は恵まれていて、幸運がたまたま重なって努力以上の結果を得られているだけ。時代の流れは速いし、ずっとこの状況が続かないと分かっているから、漠然とした焦りもあります。

−大人の定義とは?

タロウ:年齢ではなく、周りを巻き込んで仕事をできる人です。先輩たちを見ていると、それぞれがその人にしかできない職を持っていて、個々の強みを生かしながらかっこいい人同士がつながり、仕事をしています。だから彼らが僕にしてくれたように、才能があると思った人にチャンスを与えて一緒に何かを作る仕事がしたい。あとは単純ですけど、後輩をご飯に連れて行った時にご馳走してあげられる大人になりたいです(笑)。

−デジタルでのコミュニケーションが当たり前なミレニアル世代には珍しく、人と直接関わることを大切にしている印象だが?

タロウ:“ミレニアル世代だから”という固定概念に違和感を覚えることは多々あります。少なくとも僕は、時代がどんなに移り変わっても、人と人との直接的なつながりは大切でありものだと考えています。年齢や国籍を問わず個性に対するリスペクトは重要で、言葉を超えて分かり合える瞬間って絶対にある。海外に来る機会が増えて、英語には敬語があまりないけれど、目と目を合わせて話せばリスペクトは伝わると学びました。インスタグラムでスカウトされるなどSNSは名刺代わりの役割を果たしますが、それが全てではない。センスだったり人間性だったり、スマホの画面越しからは見えない“人物”を捉えられるのも僕にとっての大人の概念の一つです。そのためにも「自分にはコレだ」と自信を持って言える一つの道を極めたい。

−モデルの道を極めるつもりは?

タロウ:まだ決めていません。興味のあることに次々と挑戦しながら、自分にしか作れない道を作っていくのが理想です。良くも悪くも予定調和では進まない時代を生きていて、意外なところで素敵な人や仕事と出合うことがあることを学びました。だって初めてのヨーロッパ旅行中に「いつかモデルの仕事でここに戻ってきたい」と思っていたら、数日後に「バレンシアガ」からスカウトのメッセージが届き、数カ月後にはランウエイを歩いていたんですから。たとえ失敗をおかしても、自分で出した決断に対して後悔するタイプではないので、とにかく行動に移して経験を積むことが今は大事ですね。最近は「ブラックアイパッチ(BLACKEYEPATCH)」のルックブックで初めてディレクションにも挑戦しました。デザイナーが僕にチャンスをくれて、モデルの仕事とはまた全然違うやりがいを感じました。そういった仕事や、今こうして取材を受けているのも、全ては知人からの紹介でつながっている。縁って本当に大事だなと思います。

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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文化学園の教職員が新型コロナに感染 学生の全館立入りを禁止、学校見学も中止

 文化学園(東京・渋谷区)は、教職員1名が新型コロナウイルスに感染していることが3月11日に判明したと発表した。同教職員は3月5日以降出勤しておらず、現在入院中だが容体は安定しているという。同教職員と接触したと思われる教職員などは自宅待機の上、健康観察を行っている。

 同学園では3月11日に予定していた遠藤記念館大ホールでの卒業式を中止して、クラス単位での学位授与式とすることをすでに決めていたが、これによって授与式も中止となった。3月12日から22日までの期間、学生の全館立入りを禁止し、学校見学も中止とした。今後については、保健所と連携を図り適切に対応するとしており、状況によっては立ち入り禁止期間を延長する場合もあるという。

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「フランフラン」の “壁ジェニック術”とは? テレワークで見直す自宅のインテリア

 新型コロナウイルスの影響でテレワークが広がっている。自宅で過ごす時間が長いため、あらためて自宅のインテリアを見直す人もいるだろう。人気の高い北欧のインテリアは、冬が長く家の中で過ごす時間が長いため、どれだけ快適に過ごせるかという視点からデザインされている。通常、長時間オフィスで過ごす私たちも在宅勤務がしばらく続くと、いやおうなしに住空間に目が行く。気分転換に模様替えでもしようかなという気分になる人もいるだろう。とはいえ、家具の買い替えはお金もかかるし、使えるものはできるだけ長く使うのがサステナブルだ。このような状況に「フランフラン(FRANCFRANC)」は、気軽に部屋をデコレーションできる“壁ジェニック術”を提案している。新作の“アートボードセット”や“アクリルネオンオブジェ”“リムーバブルウオールペーパー”を使えば、簡単に壁をコーディネートできるというものだ。

初心者におすすめの“アートボードセット”

 壁にはポスターもなく、掛かっているのはカレンダーくらい……というような初心者にぴったりなのが、5枚1組になったコーディネートいらずの“アートボードセット”だ。モノクロを基調にしたデザインなので、さまざまなテイストの部屋にも合うし、何気なく組み合わせて誰もが簡単にデコレーションを楽しめる。価格もセットで2800円(税込み)とお得感たっぷりだ。

SNS映え空間を目指すなら

 アメリカのドラマに出てくるような空間づくりには新作のネオンライトを使った“アクリルオブジェ”がぴったり。ハイヒールや口紅などポップでキャッチーなモチーフなので、まるでおしゃれなカフェのようなSNS映えする雰囲気が楽しめる。価格は6800円(税込み)。

部屋のアクセントに季節感を取り入れて

 日本には壁紙の文化がないため、多くの住宅の壁は無地だ。殺風景な部屋に季節感を手軽に加えたいならシーズンごとに新色や新柄が登場する“リムーバブルウオールペーパー”がおすすめだ。春夏の新作はビビッドカラーやボタニカル柄など、部屋を明るく演出してくれるものがそろう。リムーバブルなので簡単に貼ってはがせるというのも安心だし、幅が45cm、長さが250cmと言うサイズは部屋のアクセントとして使える。価格は無地が2500円(税込み)、柄が2800円(税込み)。

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「リック・オウエンス」が「チャンピオン」とコラボ メンズ全29型、ウィメンズ全35型を用意、同コラボ限定ロゴも

 「リック・オウエンス(RICK OWENS)」は3月12日に、「チャンピオン(CHAMPION)」とのコラボコレクションを発売した。南青山の「リック・オウエンス」直営店や伊勢丹新宿本店、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)などで取り扱う。

 アイテムは、メッシュショーツやオーバーサイズのトーガ、ボディースーツのほか、軽量の素材を使用したフード付きウインドブレーカーや裏地のないトレンチコート、チャンピオンのシグネチャーであるリバースウィーブのスエット、メッシュとナイロンで製作したバケットハットやキャップのアクセサリー類などメンズ全29型、ウィメンズ全35型を用意した。カラーパレットは、「リック・オウエンス」を象徴するブラックとホワイトのモノクロで表現。価格は7000〜11万4000円となる。またTシャツやパーカ、スエットなどには、五芒星をモチーフに製作したロゴと「チャンピオン」のロゴをブラック × グレー × ホワイトの配色で組み合わせた同コラボ限定ロゴを配した。

 同コラボコレクションについて、リック・オウエンス(Rick Owens)は「90 年代にブランドをスタートさせたとき、『チャンピオン』のロゴと『ジャンパトゥ(JEAN PATOU)』の香水ラベルの中間をとったようなロゴを手書きで作っており、両ブランドともビンテージのカリグラフィー(西洋の様式化した手書き文字)に似たような雰囲気を持っていた。当時は意識していなかったが、振り返ってみるとそのロゴのバランス感が現在にも通じるものだと気付いた。『チャンピオン』の工場は、私のイタリアの工場から15km離れたところに位置し、同じ地域で環境に配慮した条件のもと、完全にイタリア製の商品を生産することができた」とコメント。

 またイメージビジュアルには、リックと普段から親交が深いモデル兼スタイリストのタイロン・ディラン(Tyrone Dylan)らを起用した。タイロンは「リック・オウエンス」2020-21年秋冬パリ・メンズ・コレクションにおいて、ファーストルックのモデルにも登場するなど、ほぼ毎シーズンのように起用されている。本人の公式インスタグラムでは「リック・オウエンス」の洋服を自身が身にまとったピクチャーであふれている。

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イタリア、薬局と食料品店以外の店は全て休業 新型コロナの感染拡大抑制のため

 イタリアのジュゼッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相は3月11日夜(現地時間)、薬局や食料品店などの生活必需品を取り扱っている店を除く全ての店を12日から4月3日まで休業とすることを発表した。3月9日に国内全域での移動制限が発動されたばかりだが、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、今回の措置に踏み切った。なお、企業活動や工場の操業は安全対策を講じた上での継続が認められている。

 ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)はミラノ市内にある旗艦店、ホテル、レストランを、グッチ(GUCCI)はミラノとベニスの旗艦店を11日の夜からただちに休業した。イタリア全土が封鎖という厳しい状況の中で短縮営業を続けていたベネトン グループ(BENETTON GROUP)や伊百貨店リナシェンテ(RINASCENTE)も、国内の全店舗を12日から休業とした。

 ミラノ・ローディ・モンツァ・ブリアンツァ商業連盟(Confcommercio Milano, Lodi and Monza and Brianza)のマルコ・バルビエリ(Marco Barbieri)事務局長は、「ミラノなどでは小売店の50%程度がすでに一時休業していたが、今回の発表を受けて、当連盟としてはローンの返済猶予や税金の減免措置、フリーランスに対する月額500ユーロ(約5万9000円)の支給などを含めた支援策を国に求めていく」と語った。

 イタリアのラグジュアリー業界団体アルタガンマ(Altagamma)のマテオ・ルネリ(Matteo Lunelli)=プレジデントは、「ラグジュアリー業界はこうした危機的な状況の際には真っ先に影響を受けるので、短期的には大きな経済的損失をこうむると思うが、事態が収束すれば売り上げはすぐに元に戻るだろう。2020年下期には回復に向かうことを願っている」と述べた。

 イタリア商業連盟(Confcommercio)によれば、新型コロナウイルスが猛威を奮っているミラノはイタリアの国内総生産(GDP)のおよそ10%を占めているため影響が大きく、20年の経済損失はイタリア全体で150億ユーロ(約1兆7700億円)に上る可能性があるという。

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「自宅で買い物を楽しんで」マッシュがECで一斉セール

 マッシュホールディングスは、同社が運営する公式EC「ウサギオンライン(USAGI ONLINE)」およびブランドのECで、全アイテムの価格が11%引きとなるセールを3月12~22日の間実施する。新型コロナウイルスの蔓延で、「外出を控える方も多い中、自宅でお買い物を楽しんでいただきたい」(同社広報)と企画した。

 対象となるのは、マッシュスタイルラボは「スナイデル(SNIDEL)」「フレイ アイディー(FRAY I.D)」など10ショップ、マッシュビューティーラボは「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」「セルヴォーク(CELVOKE)」など7ショップ。

 価格のオフ率とセールの日数は、東日本大震災の「3.11」を意識したもの。さらに、同セール期間中に得た利益の11%を被災地支援に充てるという。

 同社は2016年から、「マッシュパークプロジェクト」と題した被災地復興支援を開始。年に一度、東京・麹町の本社を一般開放し、顧客向けにセール品の販売や音楽ライブなどを盛り込んだチャリティーイベントを実施している。物販の売り上げ全額を、被災地に公園を建設するための費用に充てており、20年夏には宮城県女川町で「マッシュパーク オナガワ」が完成予定だ。

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旭化成第45代キャンペーンモデルに橘遥菜 美の秘訣は「毎日3リットルの水を飲むこと」

 旭化成は、2020年のグループキャンペーンモデルに橘遥菜を起用すると発表した。橘は神奈川県出身の大学3年生で、ホリプログループ モデルエージェンシーのブースに所属している。旭化成は1976年から毎年キャンペーンモデルを起用しており、初代のアグネス・ラム(Agnes Nalani Lum)をはじめ、これまで松嶋菜々子、片瀬那奈、久慈暁子などを輩出し、橘は45代目となる。記者会見の主なやりとりは以下の通り。

WWD:旭化成に対して持っているイメージは?

橘遥菜(以下、橘):「サランラップ」の会社という印象が強いです。そして、繊維の「ベンベルグ(BEMBERG)」(旭化成が世界で唯一生産する再生セルロース繊維・キュプラのブランド)は知っています。ビジュアルで着用しているチェック柄のワンピースは「ベンベルグ」を使用していますが、肌触りがよく快適な着心地です。

WWD:自身のチャームポイントは?

橘:高い身長と脚です。脚が露出する服をよく着ています。

WWD:美しさを保つ秘訣は?

橘:毎日3リットルの水を飲みこと。そしてバランスのよい食事をとることを心掛けています。

WWD:好きなファッションブランドは?

橘:「ザラ(ZARA)」や「スナイデル(SNIDEL)」など。体のラインが美しく見えるタイトなデザインが好きです。ルミネやららぽーとなど、たくさんのお店が集まっているショッピングセンターに友人とよく買い物に行きます。

WWD:目指しているモデルやタレントは?

橘:菜々緒さんや森星さんなど。旭化成の歴代キャンペーンモデルの中では、松嶋菜々子さんに幼少のころから憧れていました。私も同じ旭化成のキャンペーンモデルを務めていることが夢のようです。

WWD:最近ハマっていることは?

橘:佐藤健主演のTVドラマ「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)を見ています。リアルな恋愛ドラマを見てキュンキュンするのが好きです。

WWD:将来の夢は?

橘:最初にモデルになりたいと思ったのは高校2年生のころ。モデルになるためのレッスンを受けましたが事務所に入れず、モデルの世界は厳しいなぁと思っていったんあきらめたのですが、大学生になって将来のことを考えたとき、自分のやりたい仕事はモデルだと思って再挑戦しました。将来はファッションショーや雑誌、バラエティーなど幅広く活躍できるモデルになりたいと思います。

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極寒を知る道産子が作る最強のメイド・イン・北海道のダウンジャケット 道内で6次産業化も視野に

 凍てつくような寒さを経験している北海道出身者たちが立ち上げた「ホッカイドウ ダウン プロジェクト(HOKKAIDO DOWN PROJECT)」は、ダウンアイテムを軸に道内での6次産業化を目指して結成されたプロジェクトだ。6次産業化とは生産(1次産業)から加工(2次産業)、販売(3次産業)までを取り込み、経営の多角化を図る考え方で、6次とはそれらの数字を合計した呼び名で、地域複合を目指すローカルを中心に広がっている。同プロジェクトのダウンブランド「レタール ヌイ(RETAR NUY)」はクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー(CAMPFIRE)」を介しての受注生産を行っていて、2日間で目標金額に到達した。記録的な暖冬の影響でアウターの売り上げ不振に悩む企業も多く、かつ群雄割拠のダウン業界にあえて挑む理由は何なのか——? 同プロジェクトの責任者で「レタール ヌイ」のディレクターを務める大崎信哉に話を聞いた。

WWD:「ホッカイドウ ダウン プロジェクト」を発足させた経緯は?

大崎信哉(以下、大崎):私が札幌で「ベセル(BetheL)」というショップを立ち上げてちょうど10年経つのですが、地方からファッションを発信する難しさを常に感じていました。そんな中、2年前に札幌パルコの新店オープンを控えた前日に、北海道胆振東部地震が起こったんです。その後3日以上も停電が続き、生活必需品以外の購買に対して自粛ムードも高まり、館内はガラガラ。そのときに、北海道から全国へファッションを通じて自分たちのメッセージを発信できないかと強く思うようになりました。何が自分たちの強みなのかをあらためて考えるきっかけでした。

WWD:具体的に強みとは何でしょうか?

大崎:あれこれと考えて導き出した結果が“寒さへの対策”でした。極寒の冬の生活を知っている自分たちならではの視点でモノ作りをしようと。暖かいウエアを作ることを検討した結果がダウンアイテムでした。安易な発想かもしれませんが、単純なプロダクトアウトではなく、その背景ごとブランディングにつなげようと。それがダウンを軸にした北海道内で完結する6次産業化というアイデアであり、プロジェクト全体の方針です。また、北海道在住者が作るダウンアイテムと聞くと“暖かそう”というイメージは持てても、“ファッション”のイメージは湧きにくい。その中で都会的なデザインで、発信の仕方もブランドからの一方的なコミュニケーションではないアプローチをすることで、洗練されたイメージを持ってもらえると考えています。

WWD:6次産業化を確立するためのアイデアとは?

大崎:北海道の一部は北緯45〜55度にまたがる良質なダウンが採れるダウンベルトにかかっているんです。ですが、日本国内で羽毛の採取を目的とした農場は存在しない。全てが食肉を目的としており、その副産物としてダウンアイテムや布団などに利用されています。であれば、国内初の産業を北海道から生み出せるのではないかと考えたのと同時に使命感も生まれました。1次産業は羽毛の採取を目的とした農場「北海道ダウンファーム」の開拓、2次産業は縫製工場「北海道ダウンフェザー」、3次産業として実際にアイテムを販売するブランド「レタール ヌイ」です。

WWD:ダウンアイテムだけの収益ではなく産業化することでビジネスしていくと?

大崎:ダウンアイテムを作ることがプロジェクトの出発点ですが、その過程で新しい発見もあり、モノ作りのストーリーが固まっていきました。まずは、羽毛の生産に関して、渡り鳥の経由地としても知られる大沼という街に知人がいたので聞いてみると、鳥インフルエンザが蔓延する懸念を理由に断られました。現状は生産農家を探している状況です。鳥インフルエンザで殺処分された鳥を埋却する土地は広大なため、開発コストが膨大ですので、産官学連携で羽毛の生産を目的とした農場の開発を進めていきたいと考えています。一方で食肉を目的としたダックを生産している農場は北海道にもありますので、そのような農場との連携も検討しています。

北海道の生活がモノ作りの基盤

WWD:ダウンブランド「レタール ヌイ」の特徴は?

大崎:ブランド名のレタールはアイヌ語で“白い”、ヌイは“炎”という意味です。白を雪に見立てて、寒い冬を暖かくするというメッセージを込めました。テーマは“街着”。ラグジュアリーとも本格的なアウトドアブランドとも土俵は違うと思っています。当初は北海道という地名から連想する技術力の高さをアピールする方がしっくりくると考えていましたが、巨大ブランドというライバルには太刀打ちできないですし、いずれ自分たちのやりたかった道内での産業開拓ができなくなると感じたんです。そのときにアウトドアという言葉の持つ意味を考えました。私たちにとって一番アウトドアな時間は通勤だったり、買い物だったり、何気ない日常なんです。そうするとプロユース向けのアイテムは完全にオーバースペック。街で着られるダウンの最高峰を作ろうと思い、機能や型数を絞ってその分を素材やクオリティーに投資しました。

WWD:ファーストモデルのポイントは?

大崎:ファーストモデルはオーセンティックなモデル1型に絞りました。時代や流行に左右されずに長く着られるデザインとパターンです。そこに道産子ならではのアイデアをプラスしました。フロントファスナーが曲線を描いた作りになっているのは、首回りにゆとりとボリュームを持たせることで閉じたときにネックウオーマーのように暖かさを確保し、ファスナーを開けた場合でも立ち襟がキープされ、だらしなく見えないようデザインしています。

WWD:北海道での生活がモノ作りの基盤になっている。

大崎:そうですね。北海道の吹雪は強烈です。当然フードをかぶって一番上までファスナーを締める。そのときに感じた顎から首回りにかけての窮屈さを軽減するために何度もパターンを引き直しました。腕回りのフィット感も重要です。袖を通したときに腕が柔らかいダウンに包まれるような感覚を感じてもらえるはずです。これまでラグジュアリー、本格的なアウトドアブランドを問わず、たくさんのダウンジャケットを着てきましたが、ボリュームがあればあるほど、腕や胸周りが窮屈に感じる場合も少なくありませんでした。その圧迫感を軽減することも徹底しました。ほかには、止水ファスナーや丸洗いが可能な点、そして軽さですね。ポーランド産のスーペリアホワイトグースダウン800FPを使用していて、重さはメンズのMサイズで約900gほどです。

WWD:北海道の生活は車社会でもあり、ダウン離れの声も聞きます。

大崎:ここ数年のダウンブームが異常だったのだと感じています。10万円以上するブランドのダウンを着ている人が札幌でも増えましたが、昨年くらいからその傾向も落ち着いてきた印象です。

WWD:では、なぜダウンのプロジェクトを?

大崎:ニッチな客層に向けているからです。事業に共感してくれて、それに見合う製品を開発すれば北海道に限らず顧客はいるはずだと信じています。それに毎回ダウンジャケットだけを作っていくわけでもないですし、サステイナブルな取り組みになるよう進めているところです。狙っているのはリサイクルダウンや、自社で1次産業をプロデュースすることで採れたダウンの副産物を他業種に利用することも徹底させたいと考えています。

WWD:ニッチな客層に向けたアプローチとは?

大崎:「レタール ヌイ」は他のブランドよりも顧客に寄り添いたいと考えています。例えば定期的に顧客との話し合いの場を設け、そこでの意見やアイデアを次シーズンに反映させられるような、濃密なコミュニケーションから新商品が生まれるという考え方です。ファーストモデルを購入してくれた顧客とデザイン会議を設けてもいいでしょうし、実際にSNSで非公開のグループをつくっているので、ファーストサンプルを試着していただいた顧客と意見交換できる仕組みもあります。徐々にそれが価値になって、 “一人ひとりに向けたブランド”というメッセージにつながっていくことが理想です。

WWD:新進ブランドにしては1型のみで8万5000円(税込)という価格設定も攻めていますね。

大崎:生産数の問題もありますが、10万円前後のダウンを作っているブランドと比較しても、素材やクオリティーも劣っていないですし、1シーズン着ていただけたらその理由もわかっていただけると思っています。

WWD:第2弾、第3弾の想定は?

大崎:顧客の声を徹底的に吸い上げたモノ作りをします。試着会では、男性からはスーツの着用を想定したモデルの希望や、女性であればヒップが隠れる丈でもっとタイトなシルエットが欲しい、もう少しボリュームを抑えたアイテムも欲しいといった声がありました。そのような要望に応えられるよう、丈の長いモデルのほか、日本各地の冬の平均気温を考えてエリアごとに最適なボリュームのモデルを作ろうとも考えています。大きなブランドではできないサービスこそ自分たちの強みですから。そのために、卸しや大々的な販路の拡大ではなく、「ベセル」のECと実店舗での販売を検討しています。その考え方にいかに共感を得られるかがこれからの勝負です。

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@ysabelanderz .

if my child’s first words aren’t p-p-p-pink wig thick ass give me whiplash i think big get cash make em blink fast now look at what you just saw this is what you live for ahhhh i’m a mother fucking monsta ion want it

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王者「ボッテガ・ヴェネタ」に挑む「ロエベ」「ディオール」 ロンドンのバッグトレンド最前線

 前シーズンのロンドン・ファッション・ウィークでは、ダニエル・リー(Daniel Lee)=クリエイティブ・ディレクターによる「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のバッグ愛用者がダントツで多かったが、2月開催の20-21年のオフランウエイではさまざまな対抗馬も登場。次なるトレンドバッグの座をめぐり、あらゆるブランドが来場者を飾った。ロンドンで人気が高かったバッグをご紹介。

とはいえ「ボッテガ ヴェネタ」

 ロンドンでは一時期に比べて勢いが落ち着いたとはいえ、「ボッテガ ヴェネタ」の人気はやっぱり高い。“ザ・ポーチ”の人気は高く、ほかにも“カセット”や新型の“ジョディー”も見られた。クラシックやエレガンスなスタイルにも合うバッグとして、人気はしばらく続きそう。

次期王者を狙う「ロエベ」

 実用性とデザイン性を兼ね備えたバッグとして人気な「ロエベ(LOEWE)」は、今季のロンドンで多く見かけた。特に、会期の数週間前に発売となった新型“バルーン”を早くも取り入れるロンドン女子が多数。「ロエベ」のアイコニックなバッグとして今後注目を集めそうだ。

大穴は「ディオール」や
英国ブランドか

 アクセサリー感覚で持つデコラティブなミニサイズのバッグが一時ブームとなったが、クラシックなスタイルが台頭した影響もあってか、装飾は少なめの実用的なミドルサイズが復活しているようだ。特徴としては、ジオメタリックで構築的なフォームである点。「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」といったラグジュアリーブランドのほかに、英国発「ワドラー(WADDLER)」やLA発「スタウド(STAUD)」なども見られた。

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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「ハイドロゲン」が17周年記念のポップアップストア イタリアで不吉な“17”がテーマの理由とは?

 イタリア発のラグジュアリースポーツウエアブランド「ハイドロゲン(HYDROGEN)」は同ブランドの最高経営責任者(CEO)兼デザイナーのアルベルト・ブレーシ(Alberto Bresci)のラッキーナンバーである“17”にちなんで、ブランド設立17周年を記念したポップアップストアを開く。場所は東京・原宿のキャットストリートB-SIDEで、期間は3月13~22日。

 “17”はブレーシCEO兼デザイナーのラッキーナンバーであるものの、イタリアでは忌み数とされている。そこから着想を得て、会場は“ラッキーとアンラッキー”“生と死”といった相反するイメージを黒と白の世界で表現する。誰もが行き来できる公園“ハイドロゲン パーク”をテーマに、17のファッションやフードのブランドとコラボレーション。期間中はライブペインティングやダンス、ダブルダッチなどのパフォーマンスも実施する。

 商品ラインアップは以下の通り。伊自動車メーカー「アルファ・ロメオ(ALFA ROMEO)」とのジップパーカ(4万8000円)、伊ジュエリーブランド「アナメ(ANAME)」とのスカルリング(2万7000円)、デニムブランド「デンハム(DENHAM)」とのカバーオール(6万8000円)、「福井洋傘」との傘(3万9000円、4万3000円)、パリのイラストレーター、ホネット(HONET)とのカットソー(半袖7000円、長袖9000円)、ハワイ発「アイランドスリッパ(ISLAND SLIPPER)」とのスリッパ(1万8000円)、レインウエアブランド「ケーウェイ(K-WAY)」とのマウンテンパーカ(5万2000円)、伊スポーツメーカー「カッパ(KAPPA)」とのパーカ(3万2000円)とTシャツ(1万4000円)、「モレスキン(MOLESKINE)」とのノートブック(2万3000円)、「エス・テー・デュポン(S.T.DUPONT)」とのライター(1万8000円)とキャンドルライター(2万5000円)、京都の着物ブランド「スコープココ(SCOPE COCO)」との着物(受注生産)、「スペルガ(SUPERGA)」とのスニーカー(2万6000円)、京扇子「山武扇舗」との扇子(6000円)。また、「ハイドロゲン」の創業地である伊パドバの老舗コーヒーメーカーとのコーヒーやジェラート、白と黒をイメージしたパスタなども並べる。

 なお、新型コロナウイルスへの対策として、会場入り口で消毒および体温測定を実施する。

■HYDROGEN 17
日程:3月13~22日
会場:キャットストリート B-SIDE
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-2 B-SIDE
時間:11:00〜19:00

問い合わせ先
三喜商事
03-3470-823

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卒業式・入学式の中止でスーツ売れず 青山商事の最終赤字203億円に拡大

 紳士服最大手の青山商事は、2020年3月期連結業績予想を下方修正した。純損益は203億円の赤字(修正前は20億円の赤字)を見込む。前期実績は57億円の黒字だった。ビジネススーツの長期低迷に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて卒業式や入学式の見送りが相次いだことが響いた。不振が続く紳士服専門店や靴修理「ミスターミニット」を運営する子会社の特別損失を計上する。

 修正後の売上高は2190億円(同2355億円)、営業損益は4億円の赤字(同90億円の黒字)を見込む。

 屋台骨であるビジネスウエア事業の既存店売上高は下期(10〜3月)で前年同期比8%減と予想していた。だが、繁忙期である3月の販売が大きく減少する見込みとなり、同25%減前後の着地へと下方修正した。紳士服専門店にとって2〜3月は、大学や専門学校の卒業式や入学式、企業への入社式などモチベーション需要の繁忙期にあたる。これが新型コロナによる各種式典の中止によって販売機会を失った。消費増税や暖冬による販売不振も重なったため、店舗に関わる減損損失50億円を計上する。

 また、パンプスやハイヒール離れで靴修理の需要が減少している「ミスターミニット」の運営子会社についても減損損失40億円を計上する。さらに昨年12月に全店舗を閉めて日本事業から撤退した「アメリカンイーグル」に関する事業整理損84億円も計上するため、大幅な最終赤字に転落する。

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「グラインド」を発行するミディアムが破産 一部雑誌は継続の意向

 帝国データバンクによると、「グラインド(GRIND)」などを発行するミディアムは3月6日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債額や2018年12月期末時点で約2億円。

 同社は1988年10月に設立。カタログの受託編集のほか、メンズファッションカルチャー誌の「グラインド」や「オーリー(Ollie)」、女性向けのストリート誌「パーク(PERK)」、女性向けライフスタイル誌「ナイスシングス(nice things.)」などを発行。今回の件を踏まえ、3月に発行を予定していた号は全て発売を中止。ミディアムをはじめ各媒体の公式サイトはアクセスできない状態になっている。

 なお、ミディアムが発行していた一部の媒体事業は他社に譲渡し、継続する意向で、継続媒体の一部スタッフも引き続き関わっていく予定だという。

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幸楽苑、最終赤字に転落。史上初販促「ラーメンライブ」は開催できるか?

株式会社幸楽苑ホールディングス(本社:福島県郡山市、代表取締役社長:新井田 昇) が、 2020年3月期に最終赤字4億円に転落すると業績予想を修正した。前年の最終利益は10億9百万円だった。売上高380億円、前年比7.9%減。営業利益6億円、前年比63.3%減。
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どんな気候でも売れる“シーズンレス商品”って結局何なの? 大事なのは「同じアイテムをいかに売りつなぐか」の視点

 異常気象の傾向が強まり、春夏秋冬に根差したこれまでのアパレルMD戦略が過去の遺物となりつつあります。直近では2年連続で暖冬を経験し、「どんな気象条件下でも売り続けられる定番品をいかに持つか」という考え方が、ファッション関連各社の間で急速に広がっています。最近では、“ステイプル(STAPLE=季節や流行に関係ない基本的で主要なアイテム、などの意)”とも呼ばれるようになってきたこうした定番品ですが、「じゃあ具体的にどんなアイテムが日本のマーケットでは“ステイプル”なの?」と疑問に思っている人も多いはず。そんなことを考えていたら、先日お邪魔した展示会でまさにドンピシャなアイテムに出合ったのでご紹介します。

 訪問先はアダストリアの子会社、エレメントルールが運営するセレクト業態「カオス(CHAOS)」の2020年夏展でした(もちろん、消毒やマスク着用など、新型コロナウイルス対策は万全にして展示会をされていました)。夏展なので4~6月投入商品がメインだったのですが、MDさんと話していると、テーマは自然と「長過ぎる夏商戦をどう乗り切るのか」という業界の共通課題に。旧来のアパレルカレンダーでは7月以降はもう秋ですが、近年は9月も10月もまだまだ暑くてアウターやニットを買うなんてありえない。初夏物のボリュームたっぷりのチュニック風ブラウスを見せながら、「去年はこういうブラウスが実は11月まで売れ続けたんですよ」と話されていたのが印象的でした。

 そう聞くとそのブラウスも“ステイプル”と呼んでよさそうですが、「カオス」では実際に、年間通して同じ型、同じ素材で売り続けている実績商品が他にあるんだとか。冒頭に写真を載せた、深いV開きのカフタン風ロングドレス(6万1000円)がそれで、売り切れては作るというサイクルを絶えず繰り返しているそう。素材はコットンがメインで、粗野なタッチを出すために少しだけアルパカなども混ざっていますが、暑苦しさはなし。夏に着れば風が抜けて涼しそうです。一枚で着た時にインナーのストラップがはみ出さないよう、肩にはストラップ留めもしっかり付いていました。「私は秋冬はインナーにタートルネックを合わせています」とMDさん。上からざっくりしたセーターを着てもよさそうです。

 それ以外にも、ダブル前のジャケットと側章付きパンツのセットアップなどを年間通して販売しているアイテムとして紹介いただきました。それもステキでしたが、こちらは「結婚式二次会など、華やかなシーンを想定したオケージョンアイテムを常にそろえておく」といった考え方に近いかも。海外ブランドでも、エレガントなスーツやジャケットを“ステイプル”として打ち出す動きは多いですが、日本の大多数の女性にとっては、前述のドレスの方がスタイリングや着用シーンが想定しやすくて、“ステイプル”と言われた時の納得感が大きい気がします。

「EC専業ブランドは
商品を半年間で売り切る必要がない」

 “ステイプル”という言葉を私が初めて目にしたのは、19年10月14日号の「WWDジャパン」内の20年春夏ミラノ・コレクション特集でした。「プラダ(PRADA)」がぐっとシンプルになり、型数自体も減らしたことなどを“ステイプル”と紹介していましたが、それを読んだ当時の印象は「長く着られる、エッセンシャルな定番品に回帰しているんだな~」といった感じ。正直、ファッション業界の定番回帰は定期的に訪れるものなので、そこまで注目していなかったんですよね。ちなみに、定番回帰の流れは不景気になるとやってくるというのが私見です。前回は08年のリーマンショック後、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)の「セリーヌ(CELINE)」がけん引する形で本質回帰やミニマル回帰がうたわれ、それがより広いマーケットに伝わってノームコアファッションブームになったと記憶しています(そして今また、新型コロナウイルスショックの中で定番回帰の流れがあるというのは、今後の更なる景況悪化を暗示するようでもあってなんとも意味深です)。

 そんなふうに、最初はそこまで注目していなかった“ステイプル”という概念ですが、自分ごと化して考えられるようになったのはある人のインタビューがきっかけ。それは、今年の年明けに行った宮井雅史さんのインタビューです。宮井さんは19年春のデビュー以来、30~40代のウィメンズ市場で一気に知名度を獲得したクロスプラスのEC専業ブランド「ノーク(N.O.R.C)」のトータルプロデューサーなどを務めています。「どうして『ノーク』はこんなに快進撃なんですか?」といったことを聞きに行った取材だったのですが、宮井さんは元々オンワード樫山歴が長く、商品開発室室長なども務めていた人物だけに、旧来型のアパレルメーカーとEC専業ブランドの戦い方の違いを熟知していました。そして、「EC専業ブランドはこうすれば売れる」「こうしないと売れない」ということを、ものすごくロジカルに語ってくださいました(そのインタビューはこちら)。

 宮井さんの話の中でも特に新鮮だったのが、「店頭の鮮度アップを常に考えねばならない実店舗のビジネスとは違って、EC専業ブランドはECのサムネイル画像さえ変えれば、投入から時間が経ったアイテムでも再度新鮮に見せることができる。それゆえ、半年間で商品を売り切る必要がなく、年間通して販売ができる。逆にいえば、同じアイテムをいかに売りつなぐかという視点が重要になる」というものでした。これってまさに、“ステイプル”の発想ですよね。

 そんな考えのもと、デビューシーズンの19年春夏の「ノーク」は「スカートとワンピースで商品の約5割を構成した」そうです。なぜなら、「シーズンレスアイテムといえばスカート(やワンピース)」と考えたから。スカートやワンピースなら、ニットとコーディネートすれば冬でも売れるからシーズンレス、という発想です。これ、先ほどの「カオス」のサックドレスの提案の仕方にまさに重なるものです。

 もちろん、ドレスやスカートだけが“ステイプル”なわけではありません。ブランドの特性によって何が“ステイプル”なのかは違ってきます。たとえば、「ユニクロ(UNIQLO)」の店頭を見ていて感心するのは、冬でも“エアリズム”を売っていること。なんとなく、冬は“ヒートテック”で“エアリズム”は夏、という勝手なイメージを抱いておりましたが、車移動が多い地方都市だと、「車に乗ってアウターを着ていると暑いからインナーは“エアリズム”がいい」っていうニーズも多そうですもんね(地下鉄移動が多い都市圏でも、ダウンアウターを着て地下鉄に乗ると暑いですし)。ゆえに「ユニクロ」は“エアリズム”を年間通して打ち出している。つまり「ユニクロ」にとって、“エアリズム”は“ステイプル”なんだと思います。「ユニクロ」だと、ブラトップとか靴下も同様ですね。

 とはいえ、下着や靴下を扱っているのは「ユニクロ」だから。ファッションブランドは、おしゃれ着としての自社の“ステイプル”を追求しなければいけませんよね(もちろん「ユニクロ」もおしゃれ着分野でも模索していますが)。それってブランドのアイデンティティーや得意な分野をあらためて問うことになります。カジュアルブランド、たとえば「ジーユー(GU)」が、いくら“ステイプル”だろうからってガチのスーツ出しても「スーツは別で買おうかな……」となってしまいそうですし。というわけで、「あのブランドでコレが売れているからうちも作ろう!」「今シーズンはこれがトレンドらしいからうちもとりあえず企画しよう!!」(だけ)では、ますますダメな世の中になっているなとあらためて感じます。

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【スナックママの独り言】お客さんはね、「猫」なのよ。新型コロナなんか関係ないわ

 馴染みになったスナックがある。カウンターが10席ほどと、テーブル2つの小上がり。小上がりにお客が入っているのはあまり見かけないが、カウンターは常連でいつもほぼ埋まっている。ママは妙齢の、ふくよかな「お母さん」なんだが、時々スルドイことを言う。
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「100%土に還る服」に元東コレデザイナーが挑戦するワケ

 サステナビリティへの関心の高まりで、国内外でいわゆるサステナブランドが次々と誕生している。オーガニックコットンやリサイクルといったエコロジーな素材使い、フェアトレードなどのエシカルへの配慮など、様々なコンセプトや取り組みを打ち出している。背景にあるのは、従来のトレンドを起点にした大量生産型の産業モデルへの反発や疑問だろう。かつて学生時代に東コレブランド「ナオシサワヤナギ(NAOSHI SAWAYANAGI)」を立ち上げた澤柳直志「シンクスドットデザイン(SYNCS.DESIGN)」クリエイティブ・ディレクターも、その1人だ。3月中旬からクラウドファンディングの「マクアケ(MAKUAKE)」で100%和紙糸を使ったカットソー“ペーパー”を発表する。今なぜサステナブルなのか、「100%土に還る服」は、ファッションの何を変えるのか。澤柳氏に聞いた。

WWD:今なぜサステナブルな新プロジェクトを?

澤柳直志(以下、澤柳):「ナオシサワヤナギ」は2013年からコレクション発表を行っておらず実質的には休止状態。その後もいくつかのブランドを立ち上げたが、現在は16年に設立したシンクスドットデザインでスタートしたOEM・ODM事業が、大手商社などからの受注などで軌道に乗った。そこで一昨年あたりからもう一度オリジナルブランドを立ち上げたいと考えた。当初は、かつての自分の名を冠したデザイナーブランドを考えた。アパレルの大量廃棄などが社会的な問題になる中で、ふと自らのこれまでのプロジェクトを見直してみると、それは単なる自分のエゴを満足させるだけで、「単に新たな廃棄物を生み出すだけでは?」という疑問が頭から離れなくなった。

そうした中で行き着いたのが、「100%土に還る」というコンセプトだった。学生時代にブランドをスタートし、10数年間業界に身をおいてきたが、ファッションを楽しむこと自体が悪いとはどうしても思えなかった。だったら、環境への負荷をできるだけ減らせばいい。無駄なものは作らず、かつ廃棄しても環境負荷をかけずに土に還って、また土から生まれる素材。そこで出合ったのが、和紙繊維メーカーのキュアテックス社(CURETEX、本社:東京都世田谷区)だった。

WWD:和紙糸は、コットンやウールといった天然素材と何が違うのか。

澤柳:「キュアテックス ヤーン」が「エコテックス スタンダード100」などの認証を得ているなどもあるが、最大のポイントは服の後に農業資材としてリサイクルできることが大きい。キュアテックス社は福井県にある自社工場で紙を細くスリット(切り目を入れること)するところから、撚って糸にして、天日干しして仕上げるまでの一貫工程を持ち、同社はすでに農業資材で商業化しており、全国の農家などとネットワークもある。それに和紙糸は単に環境負荷が低いだけでなく、アパレル分野も含め、すでに商業化されており、しかも吸水速乾や抗菌性、防臭性、軽量性などの機能を兼ね備え、素材としてのスペックも高い。キュアテックス社とは今回はカットソーを作るため、何度も一緒に試作品を作って完成にこぎつけた。現在上梓されている和紙糸商品に比べても、糸の細さや強度などの面でどこよりも高いクオリティに仕上がったと自負している。

WWD:セールスポイントはサステナブルであること?

澤柳:サステナブルであることはもちろん全面に打ち出して訴求するが、ファッション性の高いストリートウエアとしての完成度も追求した。身頃の表側には織物を、裏面と袖は丸編みにすることでデザイン性を高くした。ワンポイントで“ペーパー”という刺繍もいれるが、こちらも100%和紙糸を使うなど、「100%土に還る」ことにこだわっている。価格は1万円。あえて明かさないが、クラウドファンディングという受注生産だからこそできる高い原価率だ。まずはカットソーからだが、シャツやデニムなどにも今後はアイテムを広げていく。

WWD:今後はこの和紙糸を独占的に使用しながら、ビジネスを広げていく?

澤柳:そういった考え方は本当にナンセンスだと思う。そもそもキュアテックス社が前向きに協力してくれたのは、彼らがこの“ペーパー”をきっかけに和紙糸を衣料品分野で広げるため。もちろんこの糸を作るため僕らも大きな貢献をした自負はあるが、彼らの販路を制限していい理由にはならない。16年にシンクスドットデザインを設立し、OEMを通じて国内外の大手商社やニッター、繊維機械メーカーとのビジネスのつながりを通じ、海外、特に中国のスピード感やスケール感を体感してきた。振り返ってみて小規模でインディペンデントであることにはいい面も悪い面もあるが、今はすごく狭い世界のことだな、と思う。人材系という異業種のナンバーズ社に合流して、契約書もろくにかわさない旧来型のアパレル業界のやり方がいかに特殊かも実感した。きれいごとを言うつもりはないが、冒頭にも言ったとおり、このプロジェクトのゴールはアパレル産業が循環型に転換する一助になること。変なエゴを通すことは産業としての魅力や可能性を削ぐことになる。

WWD:今後は?

澤柳:目指すは、“環境へのネガティブインパクトがゼロ”になるビジネスにシフトすること。本業のOEMが一時的に減ってもしょうがないと思っている。この“ペーパー”でこだわったのも、単に糸だけでなく、製品トータルで環境負荷がゼロ、あるいは極限までゼロに近いこと。土に還ることを考えたら、化学染料を使った染色加工もできない。今回「マクアケ」で発表する“ペーパー”は、そういったこともあって染色や加工は施していない。今後の商品では環境負荷の低い染色や加工方法も同時並行で開発していく。回収スキームも水面下ではほぼ確立しており、すでに長野のりんご果樹園や牡蠣の養殖家などと提携し、回収した服を資材として再利用する準備も整っている。

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