「ミキモト」銀座本店の壁に“Stay safe. Stay strong”の文字が光る 約4万個のガラスピースが点灯

 「ミキモト(MIKIMOTO)」は5月2日から、銀座4丁目本店のファサード壁面に“Stay safe. Stay strong”のメッセージを点灯している。文字を映し出すファサードには約4万個のガラスピースを使用しており、通常は海の輝きをイメージした演出をしているが、今回のメッセージの点灯には新型コロナウイルスの早期終息への願いを込めた。終了日は未定で、緊急事態宣言が解除されるまで実施する予定だ。

 「ミキモト」銀座4丁目本店は緊急事態宣言の発令に伴い、4月8日から臨時休業中。ミキモト創業者の御木本幸吉が残した「銀座の灯を一日たりとも消すな」という言葉のもと、“一日も早く、以前のように活気づく銀座の街へ”という思いを込めた。

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「グッチ」の20年プレ・フォール広告は野生動物保護 自然の中で撮影

 「グッチ(GUCCI)」は2020年プレ・フォール・コレクションの広告キャンペーンで、野生動物とその生息地の保護に光を当てている。

 キャンペーンでは、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクター監修のもと、長年のパートナーであるアラスデア・マクレラン(Alasdair McLellan)が撮影したモデルとシカやフクロウ、スカンク、リスなどが太陽の下で戯れるビジュアルを公開した。マクレランが監督した短編動画も「グッチ」公式ユーチューブチャンネルで公開している。

 ミケーレを象徴する自由な感覚を生かした折衷主義に沿って、モデルが草木に囲まれてフラフープやフルートの演奏を楽しみ、子どもの頃のような自然とのつながりを取り戻す姿を描いた。今年1月にミケーレが2020-21年秋冬のメンズ・コレクションで掲げたテーマの“無邪気さを取り戻す、幼少期への原点回帰”とつながる表現だ。

 同ブランドは2月に野生動物保護活動を支援するライオンズ基金に加盟しており、広告に動物を使用した際は媒体費の0.5%を同基金に寄付する。ライオンズ基金は、映画監督のクリストファー・ネリウス(Christopher Nelius)と、ロブ・ガルッツォ(Rob Galluzzo)製作プロダクション フィンチ(FINCH)創設者が18年9月に設立。国連開発計画主導のもと、動物保護、生物多様性、気候変動対策のため、今後5年以内に年間1億ドル(約107億円)を超える募金を集めることを目指す。

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「プラダ」が公式サイトをリニューアル 24時間限定コレクションも販売

 「プラダ(PRADA)」は、オンラインストアを含む公式ウェブサイト「PRADA.COM」を5月1日にリニューアルした。毎月1回、24時間オンライン限定で販売するコレクション“プラダ タイムカプセル“を開始し、ブラウジング機能もアップデートした。

 「プラダ タイムカプセル」は昨年12月にヨーロッパで先行デビュー。日本では7日、初回のコレクションを発売する。建築スタジオのOMAがデザインしたロゴを配したシャツ(予定価格 12万円)を22時から販売する予定だ。

 ブラウジング機能のアップデートでは、コレクションやイベント、ニュースをカテゴリーや年別で検索できるようにした。

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「ウジョー」が「リガーズ」と初のコラボレートでサングラス発売 イメージはトンボ

 西崎暢デザイナーが手掛けるファッションブランド「ウジョー(UJOH)」は、アイウエアブランド「リガーズ(RIGARDS)」と初のコラボレーションによるサングラスを発表した。

 トンボをイメージした2種類のデザインのうち1つは、サイズが違うフレームとレンズを重ねることによって、レンズが浮かんでいるように見えるのがポイント。超軽量のアルミニウムを使用し、デザインはユニセックスでブラックやグレーなど各6色ある。価格は、レンズが浮かんでいるように見えるフローティンググリップタイプが4万8000円、ベーシックタイプが4万5000円で、セレクトショップなどで販売中だ。

 「リガーズ」は、デザイナーのティ・クワ(Ti Kwa)らがフランス・パリで2011年に立ち上げたもので、バファローホーン、スターリングシルバー、銅や木などの天然素材にこだわったハンドメードによるアイウエアブランド。パリの国際眼鏡展「シルモ(SILMO)」に参加しており、今年のドイツの「ジャーマン・デザイン・アワード(GERMAN DESIGN AWARD)」などを受賞している。ブランド名の「リガーズ」は、フランス語で“見ること”を意味する。ブランドポリシーについて、「一番大事にしているのは、可能な限りサステナブルな天然素材を使い、シンセティックなもの(合成樹脂など)を減らす眼鏡作りがポイント」とコメントした。

 「ウジョ―」とは、デザイナーが知人の紹介でパリの展示会を訪れ、モノ作りの姿勢に共感してコラボレーションが実現したという。

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研究室で綿栽培 世界から脚光を浴びるスタートアップCEOに聞くその意義

 アメリカ・ボストンを拠点にするゲイリー(GALY)は、バイオテクノロジーを用いて綿栽培を可能にする技術を開発して注目を集めている。従来のコットン生産に比べて温室効果ガスの排出量を大幅に抑えることができ、水と土地の利用を80%以上削減できるという技術で、H&Mファウンデーション(H&M FOUNDATION)が主催するイノベーションコンペ「グローバルチェンジアワード(GLOBAL CHANGE AWARD)」をこの4月に受賞した。

 ルチアーノ・ブエノ(Luciano Bueno)=ゲイリー創業者兼最高経営責任者(CEO)は立ち上げの前は、世界最大の会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツ、DELOITTE TOUCHE TOHMATSU)やベンチャーキャピタルでM&Aや投資を行ってきた人物。19年に「フォーブス(Forbes)」誌の「フォーブスが選ぶ30歳未満の30人」に選出されて同年渡米し、ゲイリーを立ち上げバイオテクノロジーを用いた綿栽培に着手した。なぜ、彼はコットンに目をつけたのか。ブエノCEOに聞く。

WWD:コットンに取り組もうと思ったのはなぜ?

ルチアーノ・ブエノ(以下、ブエノ):ブラジル・サンパウロで高校の学費を稼ぐために友人にTシャツを販売することから始め、その後、世界最大の会計事務所のデロイト(デロイト・トウシュ・トーマツ、DELOITTE TOUCHE TOHMATSU)で、「プラダ(PRADA)」「カルヴァン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ザラ(ZARA)」を主なクライアントとして監査・コンサルティングに従事した。さらにその後、ベンチャーキャピタル事務所でM&A案件や投資などを行い、しばらくして、テキスタイル分野で最初の会社を立ち上げたがうまくいかなかった。けれど業界の裏側を知ったことで、実際どのように回っているのかを理解することができた。「フォーブス」誌の「フォーブスが選ぶ30歳未満の30人」に選ばれるなどして認めてもらい、EB-1ビザでグリーンカードを取得後渡米し、次に何をしようかと考えていると、食品分野で大きな動きがあることに気づいた。食品分野で何か大きな影響力のあることができないかと考えるようになり、原材料がカギになるという考えに至った。植物科学とバイオテクノロジーの学術分野で15年間取り組んでいるパウラ(・エルブル、Paula Elbl)と一緒にゲイリーをスタートさせた。

コットンに取り組もうと思ったのは、誰もがコットンが大好きだから。地球を犠牲にすることなくコットンを生産できたら素晴らしいと思わない?天然繊維こそが未来につながると私たちは信じている。

WWD:開発の進捗状況は?

ブエノ:まだ研究開発段階だが、最大の課題はうまく機能させることと、生産の拡大だろう。

WWD:どのように培養していくのか?

ブエノ:植物の幹細胞に直接働きかけ、最適な環境で培養して繊維へと変えていく。コットン栽培は通常180日間かかるが、約10分の1の18日間で成長する。さらに80%のリソース(水、土地、温室効果ガス排出)が削減でき、高品質なコットンになる。

WWD:培養プロセスをバイオテクノロジー初心者でもわかるように簡単かつ具体的に教えてほしい。

ブエノ:ここはわれわれの特許に関わるところなので、類推していただくしかないのですが、例えば、丈夫な子どもに育ってもらいたいと思って鉄分などの栄養を与えるのと同様に、培養コットンの細胞にも健全で強固になれる“最善の栄養”を与えている。

WWD:生産量拡大のための今後の計画は?

ブエノ:まずはコンセプトの証明を確実にする。そしてより大きな容器(バイオリアクター)へ拡大し、そして専用施設を建てる。

WWD:あなたが考える究極のサステナブルなファッション産業とは?

ブエノ:研究室で製造できる衣類――これがベストで、おそらく最もクレイジーな方法だろう。

WWD:現在の課題は?

ブエノ:ブランドを説得すること。「今、私たちのような取り組みに投資を行わないと、近い将来いろいろな意味で困るよ」と。今後はコットン生産に十分な土地がなくなるからね。

WWD:これまでの資金調達額は?

ブエノ:調達額は非公開だが、投資を募集している。

WWD:他に注目しているサステナブル技術は?

ブエノ:“クリーン・ミート(細胞培養による肉)”、自動運転、新たなバイオベース素材。素材に関しては、ファッションだけでなく家具や航空宇宙などの分野に影響を与えられるから。私の考えでは、全産業の制度を打ち破って変えられるポテンシャルがあるのは、イノベーションの中でもごく一部の分野だと思う。

WWD:注目しているファッションブランドは?

ブエノ:「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCON)」。ミニマリストでありながら常にトレンディーだから。

ゲイリーのコンセプトを表現した動画

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破綻のJ.クルー、事業再建へ 破産裁判所が承認

 日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を5月4日に申請していたJ.クルー グループ(J.CREW GROUP以下、J.クルー)の公聴会が、同5日にバージニア州の破産裁判所で開かれた。

 同社は米ヘッジファンドのアンカレッジ・キャピタル(ANCHORAGE CAPITAL)などの債権団と協議の上、総額20億ドル(約2120億円)以上となる負債のうち16億5000万ドル(約1749億円)を株式に転換することに合意し、4億ドル(約424億円)のDIP融資(倒産手続きに入っている企業に対する新規融資)を確保していた。今回の公聴会でこれが暫定的に承認されたため、当面の運転資金や債務返済などに充てて事業再建を目指す。また再建に当たっては取引先との関係を維持することが望ましいため、主なサプライヤーに対する未払金を2000万ドル(約21億円)まで支払うことも裁判所によって承認された。

 同社の主力ブランド「J.クルー」は、プレッピーでクラシックなカジュアルブランドとして人気を博し、一時はミシェル・オバマ(Michelle Obama)前大統領夫人やメーガン・マークル(Meghan Markle)=サセックス公爵夫人(メーガン妃)が愛用していることでも名を馳せたが、ここ数年はトレンドとの乖離などによる業績悪化に苦しんでいた。また同社が2010年11月に行った30億ドル(約3180億円)規模のLBO(レバレッジドバイアウト)に伴って負債が膨らんだことも、経営に重くのしかかった。債務返済のため、好調な姉妹ブランド「メイドウェル(MADEWELL)」の分社化と上場を計画していたが、その矢先に新型コロナウイルスが世界的に流行して断念している。

 5月4日の時点で、同社は「J.クルー」181店、「メイドウェル」140店、アウトレットストア170店を運営している。店舗の家主はおよそ140社で、賃料は月額2300万ドル(約24億円)に上る。事業再建に当たり、賃料の交渉も行っていく。

 J.クルーの20年1月通期の売上高は前期比2.2%増の25億4013万ドル(約2692億円)とわずかながらも増収だったが、新型コロナウイルスの影響による休業で、20年はその35%に相当する9億ドル(約954億円)程度の売り上げ減が見込まれるという。同社は世界中でおよそ1万3000人の従業員を抱えていたが、パートタイムの従業員を中心に1万1000人程度を一時解雇しており、現在業務に携わっているのは2000人の正社員のみとなっている。

 ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MOODY'S INVESTORS SERVICE)のラヤ・ソコリャンスカ(Raya Sokolyanska)=バイス・プレジデントは、「アパレル業界はここ数年、ECの台頭などによってすでに苦難に直面していた。そこに新型コロナウイルスによる休業措置が追い打ちをかけており、メーカーや小売店は滞留在庫を売り払って何とか手元資金を確保しようと必死になっている。J.クルーのように財務基盤が弱い小売りの経営破綻は今後さらに増えるだろう」と語った。

 なお、米高級百貨店を運営するニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)やJ.C.ペニー(J.C. PENNEY)も破産申請の準備中だと見られている。

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ユニクロ、UA、アダストリア4月度は売上高60~70%近く減 ニトリはリモートワーク特需で4%減に抑え込み

 専門店チェーン、セレクトショップの2020年4月期の売上高(既存店ベース)は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言を受けて、未曽有の大幅減となっている。ファッションやインテリア関連の小売りは休業要請対象には入っていないが、ファッションビル、ショッピングモールは軒並み休業しており、その影響がモロに出た。一方で、郊外ロードサイド店舗などで感染防止対策のもと営業を続けた企業の傷は比較的浅い。特に、リモートワークのインテリア特需も後押ししたニトリは、3月21日~4月20日の期間で前年同期比4.0%減の落ち込みに抑えている。

 ニトリは4月20日時点で、全545店舗中99店が休業、426店で営業時間短縮を実施していたが、「全国的なリモートワーク推奨によりホームオフィス家具需要が高まった」ことなどで、既存店売上高は前述の通り同4.0%減、既存店客数は同1.0%減と健闘。ただし、16日に緊急事態宣言が全国に拡大されたため、4月末までの数字になるとこれ以下に落ち込んでいる可能性はある。とは言え、まさに「不況こそチャンス」(似鳥昭雄ニトリホールディングス会長兼CEO)を地で行っている。一方で、販売員などからは店頭が混雑し感染リスクが高まっていることから休業を要望する声もSNSには出ている。これに対しては、「感染対策や営業時間短縮などをしっかり行い、販売員やお客さまの安全確保に努めている」(広報担当者)。

 しまむらの基幹業態「ファッションセンターしまむら」も、ニトリ同様3月21日~4月20日の集計で、既存店売上高は同28.1%減だった。休業店舗は5月7日時点で全1432店中26店。ファッション商品は不振だったものの、衛生用品やハンカチ、ルームウエア、玩具、寝具、タオル等がけん引した。「16日に緊急事態宣言が全国に拡大して以降は、同50%減前後まで落ち込み厳しかったが、ゴールデンウイークに入って気温も高く、やや盛り返した」(広報担当者)という。

 ユニクロ(4月1~30日)の国内既存店とECの売上高は、同56.5%減。約820店中、4月は最大で311店が休業、299店で営業時短を実施した。5月7日時点では休業が261店にまで減り、営業時短が349店となっている。「店頭にいらしたお客さまには春夏の新商品が好調」(広報担当者)で、客単価は同10.4%増。ウィメンズはワッシャーサテンスカートパンツ、メンズはウルトラストレッチジョガーパンツ、肌にあたる面が“エアリズム”になったコットンTシャツ、UVカット機能のコットンTシャツなどが売れ筋となった。「ECも新規客の流入や休眠客の再開でとても順調」だ。

 ロードサイドに店舗がなく、ファッションビルやショッピングモールへの出店が主となっている企業は非常に苦しい。ユナイテッドアローズ(UA、同)の小売りとECの既存店売上高は同62.4%減と落ち込んだ。全242店中、8日から179店を休業。順次休業店は増え、「4月末時点の営業店舗はアウトレット1店舗のみ」(広報担当者)という戦いになった。5月7日時点では6店が営業している。自社EC売上高は同92.8%増となったが、4月下旬から最大70%引きのセールを開始した効果が大きく、利益率は厳しい。他社ECモールなども含めたEC売り上げ全体は同25.0%増。「今後もセールはある程度継続していく見込み」だ。

 アダストリア(同)の既存店売上は同67.8%減。8日から国内約1240店中半数で休業、4月末時点で全店が休業となった。「EC販売は同20%増」(広報担当者)と、20年2月期のEC売上高伸長率(前期比16%増)を超えるペースでの推移となったものの、セールも多数行っており、利益率はUA同様厳しい状況だ。

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「ジンズ」が原点の雑貨事業から撤退 アイウエア事業に集中

 アイウエア企業のジンズホールディングスは、連結子会社のフィールグッドが運営しているウィメンズ雑貨の「ヒッチハイク(HITCH HIKE)」とメンズ雑貨の「ノーティアム(NAUGHTIAM)」の両事業から8月31日をもって撤退し、フィールグッドを解散すると発表した。

 2019年8月期の雑貨事業の売上高は前期比102%増の26億円、営業損益は1億4000万円の赤字(前期は2億4000万円の赤字)で、売上高に占める構成比率は4.3%だった。同社は撤退の理由について、「近年、成長が鈍化しており、今後の損益改善と安定した黒字化は困難との見通しから、経営資源を眼鏡事業に集中することを決断した」とコメントした。

 現在、「ノーティアム」は21店舗、「ヒッチハイク」は17店舗あり、今後閉店を進める。両業態は、バッグ、帽子、アクセサリー等の企画、生産、販売を手掛けている。

 雑貨の企画製作は、田中仁ジンズCEOが信用金庫を辞して1988年に起業した際、アイウエア事業より先に始めた事業。

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ワールドがECモール「ファッションウォーカー」事業をロコンドに譲渡

 ワールドは、100%出資子会社のファッションウォーカーについて、全株式をロコンドに譲渡することで合意したと7日発表した。同子会社は、ECモール「ファッションウォーカー(FASHION WALKER)」の運営や、他社のECサイト構築などを手掛けてきた。ワールドはこれらの事業を手放す一方で、より高い成長性と収益性が見込める自社EC「ワールド オンラインストア(WORLD ONLINE STORE)」やBtoBソリューション事業に経営資源を集中する。契約締結は6月、株式譲渡は7月を予定する。

 ECモール「ファッションウォーカー」は2005年に同名の運営会社により発足。当時人気だったF1層(20〜34歳の女性)向けの赤文字ブランドとともに急成長した。その後ワールドが11年に子会社ファッション・コ・ラボ(以下、FCL)を通じて買収。19年12月には100%出資子会社のファッションウォーカーを設立して、FCLからECモール事業を移管していた。

 一方、譲渡先のロコンドは1700以上のブランドを取り扱う靴とファッションの通販サイト「ロコンド(LOCONDO)」を運営。自社のECシステムと物流施設を活用した直営EC支援サービスや物流支援サービスなども展開する。「ECモール事業に関するノウハウの蓄積が深く、(ECモール『ロコンド』との)相乗効果も大きく見込める」(ワールド広報)ことから双方の合意に至ったという。

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#敦子スメ「新月・満月」ノート 今回はさそり座で満ちる満月(5月7日)深くつながりたい対象はなに?

 この連載では、新月・満月の流れを最大限に引き出すためのサポートをしてくれるコスメやインナーケアアイテムも紹介していきます。第10回は5月7日の満月とおすすめコスメについてお伝えします。

今回の満月(5月7日)はさそり座

 5月はじめの満月は、7日にさそり座で起こります。私はオーガニックコスメに関わり勉強をし始めたころから、なんとなく星の動きは人の生活にも影響を及ぼしているのではないかな、またそれは人間にとってとても自然なことなのではないかと感じてきました。満月の日は出産が増えるなどの言い伝えが昔からありますが、今回の満月は、4月7日の天秤座の満月に発令された緊急事態宣言の“緊急事態措置を実施すべき期間”を終えた翌日の5月7日(結局31日まで延長されましたが)。偶然だとは思えませんね。オリンピックの延期が発表されたのは3月末の新月のタイミングでした。これはもう何らかのメッセージなのかなと思ってしまいます。今回のこの新月〜満月の期間に得た気づきやきっかけは、これから大切になっていきそうです。

 前回の新月ではこの期間を機に“本当に好きなものを見つけよう”というメッセージをお伝えしました。新月の行動が実るタイミングが満月ですから、今回もそのテーマの実りのような感じになるかもしれません。この満月が起こるのはさそり座。美川憲一の歌にもあるように、さそり座は好きな対象に一途に向かっていく星座。広く浅く、モテる、というよりもある程度対象に対し“絞り”が効いたイメージです。ここ数カ月で本当に深くつながりたい人やモノは何だったのか。そんな結果がそれぞれの内側で実るかもしれません。

今回の満月コスメ

 “深いつながり”を意味する蠍座はホルモンバランスや性などとも深く関わりがあります。そこでおすすめなのはホルモンバランスを整えてくれるアイテム。「アロメディカ(AROMEDICA)」の「フェミノール」は、日本のデリケートゾーンケア・アイテムのハシリといってもいいほどのロングセラー。イランイランやローズなど女性らしい香りのオイルローションです。「ブッシュフラワーエッセンス(BBUSH FLOWER ESSENCES)」の「セクシュアリティ」は飲むことで花々のエネルギーが感情に働きかけ、人との間に情熱を取り戻させる作用があるそうです。距離は取っても心のつながりはキープしたい今、試しに取り入れてみてはいかがでしょうか。

福本敦子(ふくもと・あつこ)/フリーランスPR・美容コラムニスト:コスメキッチンに14年間勤務後、現在はフリーランスPRとして活動するかたわら、ビューティコラムニストとしてイベント、SNSなど多方面で活躍。オーガニックに精通した知識を武器に、ライフスタイルに寄り添った独自のオーガニック美容論が、著名人やエディターをはじめ各方面から大人気。「#敦子スメ」は「読んだ瞬間試したくなる」と多くの反響を呼び、紹介した商品の欠品や完売も多数。2019年秋、初の書籍となる「今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本 by敦子スメ」を出版。発売前に増刷が決まるなど話題を呼んでいる。旅を愛し、占星術にも精通する instagram:@uoza_26

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アルマーニ、9月にメンズ、ウィメンズをショー発表

 「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」と「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」は、メンズとウィメンズの各ショーを9月に行うことを明らかにした。コレクションの発表方法についてはまだ計画段階にあるという。

 「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」のショーも2021年1月に延期される。ショーの開催地はこれまでのパリではなく、同ブランドが本社を構えるミラノのパラッツォ・オルシーニ(Palazzo Orsini)で開催される。なお、コレクションは秋冬と春夏を織り交ぜたシーズンレス形式となる。パラッツォ・オルシーニは1996年にジョルジオ・アルマーニが購入したミラノのボルゴヌオーヴォ通りに位置する17世紀の建造物で、2019年6月には「ジョルジオ アルマーニ」20年春夏メンズ・コレクションも開催した。

 また6月からは、「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」の顧客に向けて予約制でアトリエをオープンし、これまでのデザインを見学できる機会を設けるという。

 一方でイタリア・ファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)は4月6日、初のミラノ・デジタル・ファッション・ウイークを7月14〜17日に開催することを明らかにしており、そのほか各地のファッション・ウイークでも日程の延期やキャンセル、デジタル化など調整の動きが見られる。

 ゲストデザイナーとして「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢を招いた「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」も、今年7月に予定していたオートクチュール・コレクションの発表を21年1月に延期する。同じく7月に52年ぶりのクチュール発表を予定していた「バレンシアガ(BALENCIAGA)」も1月への延期を示唆している。

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D2Cコスメや美容メディアを運営するディネットが約3億円の資金調達を実施

 D2Cコスメブランド「フィービービューティーアップ(PHOEBE BEAUTY UP)」と美容メディア「ディネット(DINETTE)」を運営するディネットは、セレスやポーラ・オルビスホールディングス、丸井グループのD2C & Co.、MTGベンチャーズ、サティス製薬の計5社を引受先とした第三者割当増資を実施し、約3億円の資金調達を行った。

 今回調達した資金は、「フィービービューティーアップ」のブランド認知拡大および新規顧客の獲得を軸に、マーケティング施策の強化や人材の新規採用、今年以降に発売する新製品の開発、ポップアップストアを活用した店舗販促の展開などに投資する予定だ。

 「フィービービューティーアップ」は2019年2月に、第1弾のアイテムとして「まつげ美容液」を発売。19年11月には第2弾アイテムの「フェイスマスク」を発売し、「まつげ美容液」は、まつげエクステサロンに行けないユーザーからのニーズの高まりとともに“まつ育”アイテムとして注目が集まり売り上げも好調だ。加えて5月7日には第3弾となる「毛穴美容液」の発売を開始。今後もスキンケアに続きメイクアップなどラインアップをさらに増やしていく。

 今回投資したセレス 経営企画室の岩佐琢磨氏は、「前回のラウンドに続き、今回追加出資をさせていただいた。前回の出資以降、『フィービービューティーアップ』が着実に多くのユーザーから愛され、成長していく姿を見せていただいた。また、その背景にある尾崎(美紀代表)さんのプロダクトやユーザーに対して真摯に向き合う姿勢や推進力、そしてディネットのメンバーの皆さんのチームワークを非常にすばらしいと思っている。今後のさらなる成長を楽しみにしている」とコメントする。

 同社は“今日なりたい私をかなえる”をテーマに、17年4月からインスタグラムを軸にハウツーメイクや美容の悩み解決方法、新作コスメなどを中心に動画で分かりやすく紹介している。そして美容動画メディア運営の中でユーザーから集まった声をもとに、コスメブランド「フィービービューティーアップ」を開発。20年4月には尾崎代表が「Forbes 30 Under 30 Asia」に選出されるなど、注目を集めているスタートアップ企業だ。

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「ザ・ノース・フェイス」が初のキュレーションメディアを開始 サステナブルな社会の実現を訴える

 「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」はこのほど、初のキュレーションメディアサイト「ウィンドウ(WINDOW)」を立ち上げた。

 「ウィンドウ」では環境破壊や気候変動などをテーマに、サステナブルな社会を実現するためのコンテンツを発信していく。創業当時から地球や自然との関わり方を模索してきた「ザ・ノース・フェイス」のこれまでの取り組みの紹介や、アフデル・アジーズ(Afdhel Aziz)=コンスピラシーオブラブ(CONSPIRACY OF LOVE)創業者兼チーフ・パーパス・オフィサーのインタビューなどを掲載。さらに、「Interaction Project with Wilson Oryema」と題した企画内では、イギリスを拠点に活動する詩人で環境アクティビストのウィルソン・オリエマ(Wilson Oryema)が、旅の中で目にした風景や会話に着想を得た3編の詩と風景写真を収めている。

 今後は「ウィンドウ」と連携した店頭イベントなども開催予定だ。

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連載「今、デザイナーができること」Vol.4 井野将之「工場に影響が出ないように僕たちが食い止めたい」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界中で不透明な状況が続いている。そんなときに、ファッションは何ができるのか。生産者から販売員まで業界全体が不安を抱えている状況に、ファッションデザイナーたちは何を思うのか。日々変化する状況に対応しながら、それでもファッションの力を信じ続けるデザイナーたちの声を連載で紹介する。今回は、2018年に「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」のグランプリに選出された「ダブレット(DOUBLET)」の井野将之デザイナーの思いを紹介する。

DOUBLET

井野将之デザイナー

Q.今、デザイナーができることは?

A.現在、最も難局に直面しているのが営業自粛中の小売業なので、何かできないかと毎日模索している。小売業の苦境の影響が、僕たちブランドのような卸業を通過して、生産側の工場へと及んでいくことに危機感を持っている。もし、その流れが工場まで届いてしばらく経過してしまうと、その地点から再びよい流れに押し戻すことはとても困難になる。ブランドはその間にいるので、なんとか僕たちで食い止めて押し戻したい。ファッションを通じてできることを考え、行動する必要がある。


【自社での動き】

 11万以上のフォロワーを有するブランドの公式アカウントを活用し、全国の卸し先店舗を一つ一つストーリー機能にリンクを付けて投稿。また“一日店長”として取扱店のアカウントで顧客からの質問に答えたり、トークショーに出演したりと、小売店をデジタルで少しでも支援したいという意思が伝わってくる。


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武骨なアメカジブランドがオンライン動画に活路 Zoomやユーチューブで客との距離縮める

 緊急事態宣言が延長され、店頭で買い物する機会はますます遠のいた。デジタルとは縁の薄い存在に見えた武骨なアメカジブランドも、新たなチャネル開設のためインスタグラムやZoom、ユーチューブを活用し始めた。硬派なビジュアルと熱いスピリットは動画との相性がいいのか、予想していた以上の効果を上げるブランドもあるようだ。アメカジブランドの取り組みを追った。

IGTVによりEC売り上げが3倍に!
毎週金曜日の新作“ドロップ”も好調

 2015年にスタートし、現在国内約60店舗、海外約40店舗に商品を卸す帽子ブランド「ザ エイチダブリュードッグアンドコー(THE H.W. DOG & CO.)」は、4月7日にインスタグラムの動画アプリIGTVで配信を始めた。弦巻史也代表は、「新型コロナウイルスの感染拡大により店舗を閉店せざるを得ない状況となり、来店いただけないお客さまに向けて動画による商品説明を行っている」と話す。

 “コロナショック”下で、毎週金曜日の19時に新作1~4型を発表する試みも始めた。自社ECにアップし、IGTVで解説する。中でも、ECのみで販売する黒に限定した“ブラキッシュ コレクション(BLACKISH COLLECTION)”は1分で完売するほどの人気で、「コロナの影響でオーダー品のキャンセルなどもあり、ブランド全体としてはマイナス成長だが、4月のEC売り上げだけ見れば前年同月比で3倍を記録した」という。帽子はフィッティングが重要で、また卸先のECとのバッティングを考慮し、「ECやインスタは、これまではあくまで実店舗に誘導するためのものだった」と言い、実際に原宿にある実店舗の売り上げが7~8割を占めたが、“コロナショック”を機にデジタルが“攻める装置”に変化した。

 アフターコロナを見据えては、2月に本格稼働させたばかりだったアトリエ仕事に尽力する。「自分の腕を磨くために構えた。1900年製のクラシックな測定器を使って、帽子をビスポーク(特別注文)する。帽子は英国発祥でその後、米国に伝わった。そのため、“帽子は欧米のもの”という考えが海外を中心に根強い。目標は日本を代表する帽子ブランドとして、そんな欧米の人からも認められること」と意気込む。

Zoom使ったオンライン接客サービスを導入し、
ユーチューブチャンネルも開設

 1996年にデビューし、東京・原宿と高円寺、京都、福岡に店舗を持つネイティブアメリカンスタイルのシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ(FIRST ARROW'S)」は、4月末からウェブ会議システムのZoomを使ったオンライン接客サービス“F.A.コンシェルジュ”を開始した。利用者はまず、オフィシャルホームページ上の特設バナーをクリックして希望日時やIDなどを入力する。追ってブランドからZoom経由でミーティングの通知が届き、動画による対面接客が受けられる仕組みだ。すでに購入や修理の相談を受けており、「商品を見ながら話ができるため、数段スムーズになった」(伊藤代表)と言い、「サービス名の通り、コンシェルジュのようなサービスを提供したい」と続けた。

 4月21日には、ユーチューブチャンネル「ファーストアローズ オフィシャル」も開設した。伊藤一也代表はレースにも参加するビンテージの「ハーレーダビッドソン(HARLEY DAVIDSON)」や、1930年代に米国で生まれたカスタムカー“ホットロッド”など自身の趣味も披露して、「“こんな人間が『ファーストアローズ』というブランドを作っているんだ”ということを知ってもらいたい。視聴者を笑顔にしたい」と話す。今後は商品紹介はもちろん、国内外のイベントで好評の彫金をライブで見せることも予定する。

5月末に動画を用いたウェブ展示会を企画。
オンライン上でオーダーも受け付ける

 2005年スタートで東京・恵比寿と原宿、大阪に店舗を持つ、アメリカンビンテージをモチーフとするメンズアパレルブランド「ジェラード(JELADO)」は、4月14日にユーチューブで「ジェラード チャンネル」を本格始動した。後藤洋平代表をはじめとするスタッフが出演してブランドについて語ったり、主力アイテムであるジーンズについて全国の卸先から色落ちサンプルを取り寄せて、はき方や洗濯の回数による個体差を見せながら解説したりしている。

 “コロナショック”を受けての動きに見えるが、後藤代表は「1年ほど前から、海外ショップ向けの新たなアプローチ方法として翻訳機能を持つユーチューブでの配信を考えていた。ジーンズやレザーアイテムの場合、海外バイヤーの買うべき日本ブランドは決まってしまっており、新規で展示会に出展してもビジネスにつながりにくい実状がある。もちろん“コロナショック”が、スタートを早めるきっかけにはなった」と答える。ジェラードは現在全店舗を閉めているが、ユーチューブ効果もあり、4月のEC売り上げは10~15%増(前年同月期)となっている。

 また今後については、「5月の最終週に予定する2020-21年秋冬展示会から、動画を用いたウェブ展示会を企画している。ファッション業界のクラウド管理を行うSTRAWBERRY JAMSと提携してオンライン上でオーダーを受け付けるつもりだ」と話す。また、「ファーストアローズ」がスタートさせたZoomによるコンシェルジュサービスも導入する。「ユーチューブに積極的にスタッフを登場させるのは、人間性や体形を視聴者に知ってもらい指名を受けるため。現在は、そのためのトレーニング期間と言える」。

 いずれのブランドも代表自らがプロジェクトの先頭に立ち、また出演している点がポイントだ。後者については、近くて遠い存在である彼らが動画を通じて、肉声でブランドや商品について語ることは一般ユーザーにとって有益であり、ブランドにとっても不特定多数の視聴者に配信できることはメリットとなっている。レザー、ジーンズ、ビンテージなどをモチーフとする武骨なブランドの、“これまでに培ったイメージを毀損するのでは?”と危惧する人もいるかもしれないが、しかし新たな一歩を踏み出したブランドの代表者の表情は総じて晴れやかで、さらなる一手の創出についても余念がない。「まずは重い腰を上げる必要がある」(伊藤一也「ファーストアローズ」代表)、「今できることをやらなければならない」(後藤洋平「ジェラード」代表)、「ありがたいことに新たな試みに対して、すぐに結果に出ている」(弦巻史也「ザ エイチダブリュードッグアンドコー」代表)と先達たちが言うように、まずはトライしてみることの重要さを取材を通じて再認識した。

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モンクレールCEOが語る ロックダウンと今後の展望

 イタリアでは新型コロナウイルスの影響で3月9日からロックダウンが続いており、モンクレール(MONCLER)の2020年1〜3月期決算は売上高が前年同期比18.0%減となった。しかしレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼最高経営責任者(CEO)は、同社の今後に自信があるという。スキルや才能、財政面での強みを生かし、CEO自身とチームのエネルギーを注ぎ込むことで“以前より強い企業”になっていくための長期的戦略を掲げている。

 ルッフィーニCEOは今回のインタビューで、新型コロナウイルスのパンデミックが収束した後のシナリオだけでなく、個人的な記憶や好きな音楽を取り入れた充電方法、そしてチームとのつながりの重要性も語ってくれた。

WWD:モンクレールの従業員専用の非公開インスタグラムアカウントの開設を思いついたきっかけは?

ルッフィーニCEO:ロックダウン中にみんなが考えていたと思うが、私はステイホームを意識するようになった当初から、顧客とのコミュニケーションだけでなく社内のコミュニケーションも重要だと考えていた。コレクションはもちろんのこと、サプライチェーンや物流を守ることは必須だ。しかし、それよりも先に維持しなければならなかったのはモンクレール従業員の士気、そして物理的に離れていても従業員同士のつながりを保つことだった。従業員がひとつになることが私たちにとっての基盤だ。今は再開の話でもちきりだが、現時点では家族の一員だと感じられるようなモチベーションの高いチームでいることが何より大切だ。

WWD:世界では多くの企業が従業員に休暇をとらせ、また何百万人もの人が職を失っている。だから、あなたの考え方はその対極にあると言える。ロックダウン当初は従業員たちが孤独を感じ、ブランドとのつながりを失うかもしれないと感じる可能性を危惧していた?

ルッフィーニCEO:私たちの持つ価値観が失われれば、非常に大きな損失となるのは明らかだった。私がまず真っ先に考えたのは、従業員の健康と給与を守るのが急務だということだった。しかし、モンクレールでは常に“社員の士気”がキーワードということもあり、3つ目の問題点は間違いなくそれだと思った。従業員の士気が足りなければ企業としての成長はない。この1カ月半の道のりは簡単ではなかったが、本当に難しいのは、イタリアのロックダウン措置が段階的に解除される5月4日からだと思う。そこで市場でのダメージを目の当たりにするだろうからね。政府がどのように対応し、市場には何が起こるか。私たちの仕事は、コレクションを届けるべく企業活動の再会に向けて準備をすることだ。しかし、消費者の考え方がどう変わっているかわからない。私たち企業に課せられた部分は努力できるが、市民や企業へのサポートなど、政府が行わなければならない部分も多い。でも、米国や中国をはじめとしたすべての政府がうまく対応しているようにも見える。消費者感情は政府の動きにかかっている。今回の危機で、企業は間違いを正し、適切な優先順位をもって現状に即した形をとる機会に恵まれた。私は自分たちを気の毒だとは思わないようにしているし、市場に柔軟に対応できることが大きな利点のひとつであると考えている。そして私たちは、以前とは違う新たな戦略を構築する。ただ先を急ぐのではなく、企業価値を見直し、過去を振り返りながら新しい未来を創っていく。

WWD:イタリアのジュゼッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相は4月26日、ロックダウンの規制を5月4日、18日、そして6月1日と段階的に緩和する方針を発表したが、これについてどう思う?

ルッフィーニCEO:私たちの健康に対する危機は経済危機と同様に大きなインパクトがあり、社会に対する大きなリスクも存在している。イタリア人のことをよく知っているならわかると思うが、私たちはもっと早くに活動を再開することもできる。うまくやれるし、健康に関する規則を守りながら必要な仕事に戻ることが可能だ。普段の8月は夏休みを取っていたが、6月にコレクションが発表される前の現時点で40日間も休んでいることを考えると、仕事量は膨大で私たちはリスクを抱えている状態だ。オンラインで働くのはとても簡単だが、私たちの業界では生地の手触りを確かめ、試作品を作って改良するなど、人の手を使う作業も当然ある。産業のそうした部分は会社で行う必要性がある。

WWD:ロックダウンが終わる前に生産拠点を再始動してもいいのか?

ルッフィーニCEO:それは4月27日から可能だ。輸出があるから、すでに4月の4週目からベネト州トレバゼーレゲの拠点を開けて試作品のデザインやリサーチ、開発を限られた人数で行っている。そこを第一にして少しずつ再開していく。従業員全員が同時に職場に戻れるとは思わない。私たち経営陣は落ち着いており、必要とされる優先事項や注意点を承知している。ウイルスの再流行が起きてはならない。規則に従って注意深く作業することを絶対的に最優先としなければならない。業界やそこで働く人びと、そして企業を守らなければならない。さもないと私たちにとってもイタリアにとってもよくない結果となるだろう。

WWD:一部マーケットでは店舗を再開している?

ルッフィーニCEO:中国、そしてドイツやノルウェーなどいくつかの欧州市場で再開している。イタリアでは政府の指示に従って18日から再開する予定だ。まずは生産拠点を再開することが重要で、店舗は安全が確保され次第オープンする。中国や韓国のような状況はヨーロッパでは難しいと思う。中国では日によっては昨年と同様の営業成績も見られるが、欧州やイタリアではそうはいかないだろう。中国には多くの現地顧客がいるが、ヨーロッパでの顧客は40%が旅行客だからだ。アメリカでは新型コロナ危機を打開するために必死の対応がなされているが、米国の店舗をオープンさせるのは最後になると予測している。

WWD:ところで、個人的な充電方法はある?

ルッフィーニCEO:私にはエネルギーがある。それを自分の中で見つけ出そうとしているし、仕事を再開するのに必要な士気も十分にある。この1カ月半の間に起こったことにある意味では満足もしている。うまく仕事を進めるやり方をチームから学ぶことで力をもらえた。会社とのつながりや大家族の一員であると感じられたことからも多くのエネルギーをもらえた。私もチームのみんなも再開の準備はできている。いつどのように再開するのかは私たちだけの問題ではないが、できるだけ早く活動を再開することをみんなが待ち望んでいる。

WWD:ロックダウン中に新しい自分を発見した?いつも以上に自分を見つめ直したということはあった?自粛生活の期間で驚きなどはあった?

ルッフィーニCEO:テクノロジーのすごさをあらためて認識したのは確かだ。私はテクノロジーが大好きだが、それが今回このような働きをするとは思ってもみなかった。オフィスにいるのと同じようにお互いを近くに感じながら仕事ができたからね。社員のつながりを保つために、その日の出来事をチームでシェアするプログラム「エナジープラン(Energy Plan)」を発足させたのだが、それがいい例だ。テクノロジーがみんなのエネルギーを生み出した。本社で働く700人の従業員が参加しており、5月からは世界中の従業員もこれに加わる。それから、社員の健康と給与を保証しなければと考えていたときに、彼らの存在そのものが私自身を守り、安心させてくれていることにも気が付いた。従業員たちは強く、それが私を助けてくれた。何かを与えようとしたときに、全てが自分に返ってくる。この気付きは現状においてなくてはならないものでもある。

WWD:今回のようなスマートワーキング(オンラインを活用した効率のいい働き方)は、長期的に行われるべきだと思う?

ルッフィーニCEO:これまでにスマートワーキングをネガティブに捉えたことは一度もないが、その方向に完全にシフトする機会がなかった。今は素晴らしいやり方だと感じている。デスクが隣り合わせの職場に全員同時に戻ることは難しいだろうから、5月もこの仕事のやり方を続けるつもりだ。子どもがいる人や年老いた家族の世話が必要な人にとっても助けになるだろう。

WWD:インスタグラムの非公開アカウントでは曜日ごとに異なるアクティビティーを発信しており、月曜日はみんなで“モンクレールでの最高の瞬間”をシェアしているそうだが、ルッフィーニCEOの“最高の瞬間”とは?

ルッフィーニCEO:この取り組みは多くの記憶が呼び戻されることもあって大好きなんだ。みんなも話しているように、証券取引所での上場初日のことは私にとっても非常に重要な出来事だった。昨年に初開催したイノベーションのためにアイデアを出し続けるイベント、ハッカソンや、「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」の立ち上げもそうだ。この取り組みはみんなに多くの活力を与えてくれるし、つながりを保つこともできれば記憶のアルバムにもなる。

最高の瞬間について最初に語ったのは私だった。数カ月前の話になるが、昨年12月に英国ファッション協議会(The British Fashion Council)が開催した「ザ ファッション アワード(The Fashion Awards) 2019」でビジネス・リーダー賞を受賞して帰って来たとき、チームのみんながカフェテリアで私を迎えてくれた。全く予期していなくて、大きなサプライズだった。受賞したとき以上に強く美しく心を動かされた。

WWD:非公開インスタグラムでは、毎週木曜日にルッフィーニCEOがゲストを招いてトークをするというが、どのようなゲストを呼んでいる?

ルッフィーニCEO:モンクレールには5つの基本的な価値観があり、ゲストとはその価値観について話をする。毎週100~200人がリアルタイムで視聴している。最初のゲストはイベント会社ヴィラ ユージェニー(VILLA EUGENIE)創業者のエティエンヌ・ルッソ(Ethienne Russo)だった。彼をトップバッターにしたのは、ちょっとクレイジーだからだよ(笑)。彼は「モンクレール ジーニアス」や「モンクレール グルノーブル(MONCLER GRENOBLE)」のショーで私たちに多くの感動を与えてきた。それからジャーナリストのニコラ・ポロ(Nicola Porro)、ルカ・デメオ(Luca De Meo)=ルノー(RENAULT)会長兼CEOも招いた。彼には素晴らしいマネジメント能力がある。トヨタ(TOYOTA)からフィアット(FIAT)に至るまで世界の自動車業界で経験を積み、現在は日本でのスキャンダル後のルノーを再建している。彼らとのトークによって人や価値観を深く知り、将来につなげていきたい。

WWD:ゲストを交えたトークや、従業員専用のインスタグラムアカウントそのものを一般公開することは考えている?

ルッフィーニCEO:私たちにとっての個人的なプロジェクトを公開したいとは思わないが、将来的に続けていくことはできるし、私たちのコミュニケーションの一部にもなり得るだろう。誰かを除外したりはしたくないが、今のところは私たち社員だけのものであり、外部とシェアすることはしないだろう。しかし、新たな展開があるかどうかは様子を見たい。

WWD:過去の広告キャンペーンのイメージをSNSに投稿するなど、コミュニケーションの手法にも変化が見られるが、それによって不確実な状況に直面している現在の世界の不安が軽減されると思う?

ルッフィーニCEO:外部とのコミュニケーションも社内と同じ方法を取っている。パンデミックによって全てのものが古くなり、タイミングを失ってしまった。かわいい女性がかわいいジャケットを着ても今の状況にはそぐわないということだ。過去にうまくいっていたことも価値観が変われば不適切となり、変える必要が出てくる。消費者が求めているものは変わった。製造が停止していたこともありキャンペーンを変更することはできなかったが、フォトグラファーのアニー・リーボヴィッツ(Annie Leibovitz)やブルース・ウェーバー(Bruce Weber)による過去のキャンペーンが現在の価値観にマッチしていると感じた。彼らは現在もまだ通用するし、一緒にいるというメッセージも感じられる。過去は私たちの未来だ。もちろん消費者に向けたコミュニケーションは、現在の価値観に合致した全く別の力強いものにするためにも再考が必須だ。困難な状況はこれからも続くだろうが、落胆している場合ではない。危機を脱する頃にはより強くなっているだろう。

WWD:20年1〜3月期決算の売上高についてアナリストと電話で話をした際にあなたは、必要であれば「モンクレール ジーニアス」のプロジェクトを再考することも視野に入れていると認めていた。とにもかくにも会社にとっての長期的ビジョンの必要性を強調していたが、それについて詳しく話してもらえるか?

ルッフィーニCEO:失ったものを回復させるのは当然だが、長期的戦略を見失ってはいけない。20年度の結果を改善する方法はあるが、長期的視野を持ってブランドを存続させていくことが重要だ。私には明確なビジョンがあり、それを進化させることはあっても変更することはない。この四半期の結果だけに目を向けるのはブランドにとってよくない。先を見据えて来年、再来年の「モンクレール」を考えていくべきだ。

WWD:では、最後にすこし軽い話題を。非公開インスタグラムで音楽のプレイリストを作成していたが、あなたにとって音楽とはどんなもの?

ルッフィーニCEO:音楽はとても大切だ。家に帰ったらすぐに音楽を流す。音楽には素晴らしいパワーがあるからね。古い音楽が好みだ。古い記憶には心が強く揺さぶられる。プレイリストにはお気に入りの2曲を入れた。ひとつはマイケル・ナイマン(Michael Nyman)の「Time Lapse」、もうひとつはウンベルト・トッツィ(Umberto Tozzi)の「Ti Amo」さ。

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パリの大型素材見本市、9月開催実行を表明 中止の場合は返金

 パリの大型素材見本市「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION以下、PV))は、9月15〜17日の同見本市を従来のスケジュール通りに行うと発表した。PVは50カ国から約2000社が出展し、世界110カ国から約6万人の業界関係者が来場する、最も重要なファッション素材の見本市の一つ。新型コロナウイルスの感染拡大による世界のアパレル産業の混乱が続く中、開催実行を表明することで混乱の収束につなげる狙いがある。出展条件の緩和や来場者の無料化、中止の場合の返金など、アパレル産業全体への支援も盛り込む。

 6月10~11日にミラノで開催予定だったデニム素材に特化したサテライト展「デニム・プルミエール・ヴィジョン」と7月1~2日にパリで開催予定だったプレ・コレクション向けのサテライト展「ブロッサム・プルミエール・ヴィジョン」は中止する一方で、9月のパリ展に集約。出展企業の声を受けて、可能な限り遅く出展申し込みが行えるようにした。また、8月31日までに申し込めば入場希望者は無料にする。

 加えて出展企業のコレクションを集めたBtoBのeコマースプラットフォーム「プルミエール・ヴィジョン・マーケットプレイス(PREMIERE VISION MARCKET PLACE以下、マーケットプレイス)」のデジタルサービスを5月中旬から無償化し、当面の間、追加費用や出品点数の制限なしで利用できるようにする。加えて、これまで約12か国で出展社向けに行っていた新シーズンのトレンドカラーや素材、インスピレーションなどの方向性を示すミーティングを取り止め、デジタルツールを活用して発信していく。また、次回の会期では多様化したツールを用いて、会場のトレンドエリアに展示される素材やモード情報、トレンドセミナーやカンファレンスもオンラインで見ることができるようにしたい意向だ。

 ジル・ラスボルド(Gilles Lasbordes)PVゼネラルマネジャーはコメントを発表した。

 「われわれは、厳しい影響を及ぼすこの危機からの脱却に向け、ファッション業界やアパレルブランドとともに活動していきたい。マーケットへの具体的なサポートを示すため、全ての可能な選択肢を検討した。その一方で、深刻なまでに影響を受けたケースもある経済活動を再始動するため、企業が互いに助け合うことをあらためて切実に求めるだろうと考える。もちろん、衛生管理には厳格に努めなければならない。その一方で、クリエイティブなサポートを維持するため、われわれは迅速に出展企業へ提供されるモード情報のデジタル化を決定した。9月を見通してさらに推し進める予定だ。3月中旬にはすでに出展企業に対して『マーケットプレイス』上への無制限の素材掲載を無償化した。これは、出展企業がクライアントとコンタクトを取り続け、サンプル注文やその後の本発注を受け付けることができるようにするためである。

 最後に、『プルミエール・ヴィジョン・パリ』に関しては、出展申込期限を可能な限り後ろ倒しにして条件を緩和した。われわれはすでに、行政の開催禁止命令によって万が一見本市が中止となった場合も、100%のリスクを引き受けることを決定している。PVチーム一同は、姿を見せた新たな脅威に立ち向かうため、業界とは利害を完全に共有している」。

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パリの大型素材見本市、9月開催実行を表明 中止の場合は返金

 パリの大型素材見本市「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION以下、PV))は、9月15〜17日の同見本市を従来のスケジュール通りに行うと発表した。PVは50カ国から約2000社が出展し、世界110カ国から約6万人の業界関係者が来場する、最も重要なファッション素材の見本市の一つ。新型コロナウイルスの感染拡大による世界のアパレル産業の混乱が続く中、開催実行を表明することで混乱の収束につなげる狙いがある。出展条件の緩和や来場者の無料化、中止の場合の返金など、アパレル産業全体への支援も盛り込む。

 6月10~11日にミラノで開催予定だったデニム素材に特化したサテライト展「デニム・プルミエール・ヴィジョン」と7月1~2日にパリで開催予定だったプレ・コレクション向けのサテライト展「ブロッサム・プルミエール・ヴィジョン」は中止する一方で、9月のパリ展に集約。出展企業の声を受けて、可能な限り遅く出展申し込みが行えるようにした。また、8月31日までに申し込めば入場希望者は無料にする。

 加えて出展企業のコレクションを集めたBtoBのeコマースプラットフォーム「プルミエール・ヴィジョン・マーケットプレイス(PREMIERE VISION MARCKET PLACE以下、マーケットプレイス)」のデジタルサービスを5月中旬から無償化し、当面の間、追加費用や出品点数の制限なしで利用できるようにする。加えて、これまで約12か国で出展社向けに行っていた新シーズンのトレンドカラーや素材、インスピレーションなどの方向性を示すミーティングを取り止め、デジタルツールを活用して発信していく。また、次回の会期では多様化したツールを用いて、会場のトレンドエリアに展示される素材やモード情報、トレンドセミナーやカンファレンスもオンラインで見ることができるようにしたい意向だ。

 ジル・ラスボルド(Gilles Lasbordes)PVゼネラルマネジャーはコメントを発表した。

 「われわれは、厳しい影響を及ぼすこの危機からの脱却に向け、ファッション業界やアパレルブランドとともに活動していきたい。マーケットへの具体的なサポートを示すため、全ての可能な選択肢を検討した。その一方で、深刻なまでに影響を受けたケースもある経済活動を再始動するため、企業が互いに助け合うことをあらためて切実に求めるだろうと考える。もちろん、衛生管理には厳格に努めなければならない。その一方で、クリエイティブなサポートを維持するため、われわれは迅速に出展企業へ提供されるモード情報のデジタル化を決定した。9月を見通してさらに推し進める予定だ。3月中旬にはすでに出展企業に対して『マーケットプレイス』上への無制限の素材掲載を無償化した。これは、出展企業がクライアントとコンタクトを取り続け、サンプル注文やその後の本発注を受け付けることができるようにするためである。

 最後に、『プルミエール・ヴィジョン・パリ』に関しては、出展申込期限を可能な限り後ろ倒しにして条件を緩和した。われわれはすでに、行政の開催禁止命令によって万が一見本市が中止となった場合も、100%のリスクを引き受けることを決定している。PVチーム一同は、姿を見せた新たな脅威に立ち向かうため、業界とは利害を完全に共有している」。

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2021年春夏パリメンズもオンラインで開催

 イタリア・ファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)がミラノ・デジタル・ファッション・ウイークの初開催を発表した数時間後、フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、サンディカ)も7月9〜13日に映像を使ったオンラインショーケースを開催することを明らかにした。同イベントは2021年春夏メンズ・コレクションに特化したもので、専用プラットフォームを中心に構成。公式スケジュールに従って行われる。参加ブランドは、クリエイティブなフィルムや映像作品を披露。その他のコンテンツを収められる編集セクションも設ける。

 また、サンディカが手掛ける若手ブランドに特化したショールーム「スフィア(SPHERE)」も、バーチャル・ショールームとして開催する。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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ミラノ・デジタル・ファッション・ウイークが7月に初開催 メンズやプレ・スプリングを発表

 イタリアファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana 以下、CNMI)は7月14〜17日、初のミラノ・デジタル・ファッション・ウイークを開催する。参加ブランドは、2021年春夏メンズ・コレクションやウィメンズ&メンズの21年プレ・スプリング・コレクションを披露する予定。CNMIの公式ウェブサイトやインスタグラム(INSTAGRAM)、フェイスブック(FACEBOOK)などのデジタルプラットフォームを駆使して、幅広い層に訴求する。

 イタリアでは5月4日からロックダウン(都市封鎖)が段階的に緩和され、製造業や建設業、B2Bビジネスなどが再開した。カルロ・カパサ(Carlo Capasa)CNMI会長は、「当初の計画では6月中旬に(デジタル・ファッション・ウイークを)開催する予定だったが、まだ(ブランドは)生産を再開したばかり。コレクションが完成するのは7月第2週頃になるため、タイミングが合わなかった」と話す。また、初のデジタル・ファッション・ウイークについては、公式スケジュールによって時間帯を割り振られた各ブランドが「映像や無観客ショー、広告キャンペーン撮影の舞台裏、インタビューなどさまざまな形式で発表を行う。ウィメンズのプレ・スプリングを披露するブランドもあれば、メンズのプレ・スプリングや春夏コレクションを見せるブランドもある。これは(新型コロナ)ウイルスにより加速した業界の変化の一部。私たちは協会として、そのための舞台を提供する」と説明。さらに、ウェビナーや業界のキーパーソンによるプレゼンテーションのライブ配信、エンターテインメントやライブパフォーマンスも企画するほか、プラットフォーム上にショールームに特化したセクションも設ける計画だ。

 同ファッション・ウイークには、すでに7月に“フィジタル(フィジカルとデジタルを合わせた造語)”形式で21年春夏コレクションを披露することを発表した「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」などのビッグブランドも参加予定。加えて、喫緊の課題となっている若手デザイナー支援のため、CNMIは彼らにデジタルコンテンツの制作資金を提供する。

 なお、CNMIは3月末、新型コロナの流行を鑑みて6月19〜23日に予定されていた21年春夏ミラノ・メンズ・ファッション・ウイークを延期し、9月22〜28日のウィメンズ・ファッション・ウイークと同時開催することを発表した。カパサ会長はこの計画に変更はないとし、「7月にデジタルで発表するブランドが、9月に物理的なイベントを行うこともあり得る」とコメント。パンデミックによる不確実性について触れつつ、「私たちはそれぞれのブランドに決断の自由を与えているが、これは時代を反映したもの。今、確固たる戦略を決めるのは非常に難しい」と話す。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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元ライフスタイルメディア社長がフェムテック企業「メデリ」を立ち上げ 自身の不妊治療の経験から思いを語る

 女性向けライフスタイルメディアである4MEEEの社長を務めていた坂梨亜里咲氏が、社長退任後にフェムテック事業を行うメデリ(MEDERI)を立ち上げた。3月3日には、医師や専門家の監修のもとに妊娠や出産に関わるサービスを展開するウーマンウエルネスブランド「ウブ(UBU)」をスタートさせ、子どもを望む女性に向けたサプリメントとコーチングカードが届く定期ボックス「ウブ サプリメント」を発売した。発売に先立って行ったクラウドファンディングでは、目標額を超える総額260万円以上を集めた。

 同社の立ち上げのきっかは、坂梨氏の不妊治療の経験だった。20代後半に妊娠しにくい体だということが判明して、30歳の現在まで不妊治療に多くの時間を費やし、さまざまな問題を抱えながら自身のライフステージや思いと向き合ってきた。「不妊に関する日本人の知識はとても低い。産みたいのに産めない人がたくさんいるのではないでしょうか。私の経験は無駄なことではなく、一人でも多くの女性を自分が望む未来に導きたい」と語る坂梨代表に、フェムテック事業をスタートさせたきっかけや今後の展望を聞いた。

WWD:メディアの運営から、なぜフェムテック事業をスタートさせようと思った?

坂梨亜里咲(以下、坂梨):前職は女性向けライフスタイルメディアの4MEEEで社長を務めていたんですが、自分がこのメディアのターゲットではなくなったなと感じてから、ほかに熱中できる世界を作りたいと考えていました。そこで着目したのが自身の不妊治療の経験です。私は結婚を機に受けたブライダルチェックで妊娠にくい体だということ知り、人生最大の悲しみを経験しました。それから多くのお金と時間を費やし、不妊治療を3年間続けてきました。私の症状は重く、もっと早く気付ければよかったという後悔や経験から、フェムテック事業をスタートさせることを決意しました。

社名は、わたし(I)を愛でる(MEDERU)を組み合わせて“メデリ(MEDERI)”にしました。多忙な20代、30代の女性には自分を愛でる時間や自分と向き合う時間が必要だと感じたからです。

WWD:第一弾プロジェクトの「ウブ(UBU)」はどういったブランド?

坂梨:「ウブ」は医師や専門家が監修するウーマンウェルネスブランド。初めての経験の“初(うぶ)”や、産むことの“産(うぶ)”をブランド名に込めました。妊娠、出産のジャンルを担っていきたいと考えています。最初は妊よう力(妊娠して、出産することができる能力)を知るチェックキットに着手したのですが、さまざまなハードルがあり、手こずっていました。そんな折に取締役から「もう少し一般の人が日常に取り入れやすいものでもいいんじゃない?」とアドバイスを受け、第一弾はサプリメントになりました。思い返してみれば、私が妊娠準備を始めたときに真っ先に取り入れたのもサプリメントでした。

WWD:サプリメントはどういった商品?

坂梨:医師、助産師、管理栄養士の協力を得て作りました。サプリメントは実感を得るためのものではなく、赤ちゃんを迎え入れるための体内環境を整えるための葉酸、ビタミンD、ラクトリンを含んだものです。毎月、妊娠や出産にまつわる知識ブックと一緒に届けます。さらに、未婚女性、既婚女性、パートナーに向けたセルフコーチングカードも作り、知識を取り入れるためのサポートも行います。未来を届けている感覚ですね。まだ具体的に妊娠を考えていない人にも、自身の体と向き合うきっかけとして飲んでいただきたいです。

WWD:最初に取り組んだチェックキットの発売予定は?

坂梨:チェックキットの発売は5月を予定しています。このチェックキットは膣内フローラをチェックするもので、子宮や膣内にはたくさんの細菌が存在し、良性な乳酸菌が多いと妊娠率が高いことがわかっています。その菌の数と生活習慣などのアンケート結果と組み合わせ、妊よう力を診断します。現状は解析料金が高くなるため販売価格も高価ですが、そこをいかに安くできるかが今の課題です。

この検査は妊娠準備の初歩向けのキットになっていて、妊よう力の理解や自分の体と向き合うきっかけにしてほしいと思っています。まずは関心を持っていただいて、クリニックでさらに細かいチェックを受けてもらいたい。不妊にはさまざまな要因があり、膣内フローラだけではありませんが、自分の体を知ることの第一歩にしてほしいと考えています。

WWD:目標を超える額を集めて注目の高さがうかがえるが、今回クラウドファンディングを行った理由は?

坂梨:クラウドファンディングはPRやニーズの調査のほか、ブランドの思いを知ってもらうために実施しました。「ウブ」に共感してくれる人や企業を募集することも目的の一つでした。

WWD:メディアを運営していた経験があるが、情報発信はどう行っていく?

坂梨:4月1日に妊娠・出産にまつわる知識情報を発信するウェブメディア「ウブ プラス」をオープンしました。著名人へのインタビューを中心にコンテンツを構成し、20〜30代女性がこれから直面する初めてのライフイベントに寄り添うメディアとして情報を発信していきます。

WWD:今後はどういった展開を考えている?

坂梨:タイミング法の不妊治療、パートナーと性交渉をしている人や不妊に向けたプロダクトを製作していきたいです。ゆくゆくは手ごろな費用で卵子凍結をできるスキームを行っていきたいなと思っています。また、企業のモチベーション管理システムへの導入を視野に入れています。しかし、企業にヒアリングをしてみると「辞めた人の卵子はどうするんですか?」「卵子凍結は意外に高いからそれを福利厚生にするのは難しい」など壁があるなと感じました。なので、まずは一般消費者向けに展開し、ゆくゆくは企業向けのサービスも含めて「ウブ」「メデリ」を確立していきたい。活動に共感してくださるフレンドシップカンパニーも募集していきたいです。

日本人の不妊に関するとてもに低い。産みたいのに産めない人がたくさんいるのではないでしょうか。人生の判断軸になるものを20代、30代の女性に提供できたらと思っています。私の経験は無駄なことではなく、一人でも多くの女性をその人が望む未来に導きたいと思っています。

WWD:新型コロナウイルスが不妊治療にも影響を与えていると聞くが。

坂梨:4月1日に日本生殖医学会が不妊治療の延期を患者に提案するよう推奨する声明文を発表しました。私自身、昨年は治療をペースダウンしていましたが、今年の夏から本格的な治療を再開しようと考えていた矢先のことでした。 先日かかりつけ医と話したところ、新型コロナのことが要因で踏み込んだ治療がしばらくできなくなりました。 ショックで戸惑いもありましたが、母体から胎児への感染の可能性があるかもしれないと思うと恐ろしく、同時に納得もしたというのが本音です。

このような緊急事態を経験しあらためて感じたのは、自分の意向と合ったかかりつけ医を見つけることの大切さです。そして、これから妊娠準備においても自宅でできるケアが重要となること。私自身、不妊治療を受け
る者のひとりとして、オンライン診療、妊よう力にまつわるチェックキット、そしてそれぞれを掛け合わせた取り組みが鍵となるのではと考えています。

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倒産?売却?「いきなり!ステーキ」、不可解な子会社設立。想定できる3つのシナリオ

 「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスが4月30日、"いきなり"子会社設立の情報開示を行った。「いきなり!ステーキ」に次ぐ事業「ペッパーランチ」を事業分割で子会社に移管するという内容だが、これを見て、投資家界隈ではさまざまな意見が飛び交っている。3つのシナリオを検証しよう。
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アルコールに大麻!? アメリカの巣ごもりで伸びる“悪いもの”消費

 新型コロナウイルスの影響により各国で外出制限や店舗の休業措置が取られていることから、ECの利用率が大幅に伸びている。家の中で快適に過ごすためのルームウエアやインテリア雑貨などが売れていることは想像に難くないが、自宅にこもらざるを得ないストレスを発散するため、アメリカではアルコールや大麻といった“悪いもの”の消費が増えているという。

 米調査会社ハリス・インサイツ・アンド・アナリティクス(HARRIS INSIGHTS AND ANALYTICS)のリポートによれば、消費者の5人に1人が「新型コロナウイルスの影響によって以前よりもアルコール摂取量が増加した」と回答している。18〜35歳の若者に限定すると、それがおよそ3人に1人になるという。

 大麻やCBD(大麻草成分)、アルコール、アダルト関連テクノロジー分野への投資を専門とする米投資会社バイス・ベンチャーズ(VICE VENTURES)のキャサリン・ドカリー(Catharine Dockery)創業パートナーは、「セルフケアの手段としてこれらの商品を購入する人が増えている。ニコチンを含有するガム『ルーシー(LUCY)』なども、自宅を煙で汚すことなくニコチンを摂取できる商品として人気を集めている」と語った。なおアメリカの一部の州では、娯楽用の大麻も合法となっている。

 米バイオテクノロジー企業オーソゴナル・シンカー(ORTHOGONAL THINKER)のアレックス・スパイザー(Alex Speiser)最高経営責任者(CEO)は、「医療目的の大麻をオンラインで注文できるカリフォルニア州のスタートアップ企業メドウ(MEADOW)も、飛躍的に業績を伸ばしている。人々は新型コロナウイルスを怖れると同時に、自宅で過ごす時間が長くて退屈している。“悪いもの”を生活に取り入れることで気を紛らせ、ストレスを軽減しているのだろう」と分析した。

 同氏はまた、「08年のリーマン・ショックなどに端を発した世界的な大不況の頃から、心の健康に関する消費が急激に増加した。今回の危機的な事態の収束後も、そうした傾向がさらに進むことが予想される。今後は、幻覚をもたらすような非合法の薬物なども使用するサイケデリック療法も、対処法として認められるようになるかもしれない」と述べた。

 しかし気が沈むようなこの状況をうまく乗り切るには、互いに思いやりを持って支え合うことが一番だと専門家らは口をそろえる。ドカリー創業パートナーは、「世界中の人々が同じ恐怖や苦しみを味わっており、この苦境を乗り越えるためには協力し合うしかない。“悪いもの”を提供している企業は、誰もが精神的にも肉体的にも大変な思いをしていることを認識するべきだ」と説く。

 スパイザーCEOは、「パンデミックを経験したことで、人々の中で何が重要かの定義が変化している。幸せな人生を送るために最も重要なのは、心身ともに健康であることだ。これを機に、グローバルな大手ブランドばかりではなく、地元の小さな店や事業をサポートしようという機運が高まっているのも素晴らしいことだと思う」と話した。

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【アフターコロナをどう見る?】「米国は支援が厚いけど、期待できない日本では自粛営業を考え直したほうがいい」元ハイエナ・井戸実氏

 「コロナ後」の外食マーケットがどうなるのか? キーマンに聞く企画。第3回は、暴れん坊の印象とは裏腹に、実は冷静な視点で経営を見ている、元「ロードサイドのハイエナ」の井戸実氏。米国にも進出し、現地事情にも詳しい井戸氏が吐く毒舌。そしてアフターコロナの姿は?
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編集長は先週何した? リモートワークで脳内ドタバタ1カ月

 こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向です。リモートワークを始めて約1か月。自宅で仕事だなんてラクそう、と思ったのは初日の午前中だけ。慣れないオンライン取材や会議で椅子に座りっぱなしなのに脳内は漫画みたいにバタバタし、一生忘れない桜の季節になりました。多くの働く人が今きっと同じですよね。ある意味、気づきに溢れたこの1か月を振り返ります。外出していないため、写真はどうしたって地味になるのですが!

3月第3週
ほぼ人がいないオフィスで
ARのカウズで遊ぶ

 弊社はこの前の週から在宅勤務が始まりましたが、私自身はこの頃はまだ時々出社していました。本来なら翌週からは東コレ。中止が決まった今、自分たちにも何かできないかとマスク姿で打ち合わせのために渋谷に出かけて静まり返る神南エリアに驚いたり、編集部がある六本木のビームスのウインドーに飾られた春色の服に励まされたり。そんな中、拡張現実(AR)で楽しむ小っちゃいカウズ(KAWS)にハマって、人がいない編集部で歩き回わりました。はたから見たらシュールな光景だったはず。アートは現物を所有するもの、という観念が崩れました。

3月第4週
満開の桜をバックにした表紙撮影

 厚労省から「3つの“密”を避けて外出を」というメッセージが出たのは3月23日のこと。4月6日号の特集「新入社員AtoZ」の制作チームは表紙撮影をスタジオではなく、早朝の屋外で短時間で行いました。結果「イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)」を着て全力疾走する吉倉あおいさんの背後には満開の桜が!表紙を桜が飾るのは「WWDジャパン」史上初かも(笑)。理想は毎週「史上初」な絵作りです。

 特集を担当した24歳の美濃島記者が、「取材で会ったアパレル業界の同世代がみんなアツくて刺激をもらった」と話すのを聞いてさらに春を実感。でも今年の新入社員の多くは、自宅勤務が続いていますよね……。自分がジーンズメーカーの新入社員の時は、最初の数カ月はひたすら縫製・洗い工場でのお手伝いと物流での出荷・返品業務でした。体を動かす研修から得られるものは多かった。そういったことができずに家で学びを続けている今年の新入社員の皆さんは、さぞかしじれったいかと思います。

 でもこの経験はこれからの仕事に必ず役に立ちます! なぜなら多くの人が同じ環境に強制的に置かれている今、皆さんは消費者の気持ちが痛いほどわかる仕事人としてそのキャリアをスタートさせているから。リモートワーク・ネイティブの実感は今後必ず活きてきます。

4月第1週
特集「コロナに負けるな」に向けて
動き出す

 4月20日号の特集を急きょ「コロナに負けるな 知恵を集めよう」に変更することを4月6日に決定。この危機を乗り越えるヒントなんて見つかるのか?と手探りで始めて校了までは10日という短期間。編集部一丸、といっても何もかもリモートで怒濤の取材開始です。

 特に大変だったのは小売りチームで、4月7日に緊急事態宣言が出たことで、営業・臨時休業に関する情報が飛び交い、特集の内容も二転三転。新型コロナの感染の広がりと政府や企業の対応をウオッチしながらの制作は困難でしたが、週刊紙ならではとも言えます。

 同時に世界中の人が自宅にいるため、海外在住の人からもオンラインでサクッと話を聞かせてもらえる、なんて利点も。自宅の椅子にずっと座っているのに、国内外の大勢の人と常時つながっている、不思議な感覚です。取材はたくさんしましたがとにかく写真がない!というか、全部オンラインのキャプチャーになっちゃう。

 校了したのは17日。取材させていただいた方の多くは不安を抱えつつも、どこか清々としていたのが印象的でした。ルーティーンが突如断ち切られたことで「心のどこかで違うと思っていたことはやっぱり違ったと気づいた」。そんな感じでしょうか。断捨離の嵐の後は、テクノロジーの助けを借りながらよりシンプルで、そして人肌感ある豊かさへ向かいたい。そう思います。

4月第2週
初のユーチューブライブ配信が
楽しかった!

 17日には弊社初・人生初のユーチューブライブ配信をしました。予定していたトレンド&ビジネスセミナーを延期したため、同セミナー担当の販売部部長が急きょ企画。台本は手作りです。弊社スタッフとゲストの方が画面に次々と登場し、ファッションとビューティのトレンドや今思うことをざっくばらんに話しました。

 ぶっつけ本番だから最初はカメラのどこを見たらよいかも分からなかったですが、慣れてくると楽しい!配信中に入ってくるコメントにアドレナリンを出しつつあっという間に3時間が過ぎました。「料理や仕事をしながら3時間、ラジオ感覚で聴いていました」というコメントをもらい目からうろこ。やってみて分かることってたくさんありますね!すっかり楽しくなったので弊社はこれからユーチューブでガンガン盛り上がる所存です。

4月第3週
自宅の外壁工事に苦悶しつつ
「ユニクロ」特集完成

 在宅で週刊紙を毎週作るのは無理!かと思いきや結構できちゃう、ということがわかってきたこの頃。自宅を快適な仕事空間にするために工夫を始めました。が!突如(ではなく私が忘れていただけだけど)、自宅マンションの外壁工事が始まりました。

 唯一の屋外であるベランダの前に足場が組まれてビニールで覆われ、一日中「キュイ〜ン」と鳴り響く地獄(仕方ないけど)の在宅勤務。オンライン会議のマイクも工事の音を拾ってしまうため、基本ミュートで自分が話すときだけマイクをオン。なかなかの苦行だけど、漫画みたいでなんだか笑えます。

 そんな中、27日号「ユニクロ」特集を校了。元同僚でジャーナリストの松下久美氏と編集部の五十君記者の力作です。表紙に登場していただいた方の中には、元「ポパイ」編集長である木下さん(現グローバルクリエイティブラボ東京・クリエイティブディレクター)の姿も。

 実は今書いているこの編集長日記、しばらくサボっていたのですが「編集長日記を楽しみにしています」という木下さんからの伝言を真に受けて再開しました。木下さん、最後まで読んでくれていますか〜?

 この日記をアップする5月7日はゴールデンウィーク明けながら、引き続き自宅で過ごすなど多くの方が制約ある生活を続けているかと思います。どうぞ、お体を大切に。思いやりとユーモアと諦めない心を忘れずに頑張りましょう!

リモートワーク中は「WWDジャパン」は電子版で確認。最新号はこんな感じにインタビューが充実しています!

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