人気DJのハニー・ディジョン、BLMとトランスジェンダーについて語る 「人種差別を解体するのは白人がやるべきこと」

 毎年6月の「プライド月間(Pride Month)」では、LGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークイアなどの性的少数者)の権利について啓発するイベントなどが開催されるが、今年は「黒人の命は大切(Black Lives Matter以下、BLM)」運動と融合しているケースも多く見られる。

 BLMは、5月25日に米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)氏が白人の警察官に首を押さえつけられて死亡したことを受けて、世界中で起きている抗議デモだ。黒人や有色人種の人々のための人権運動ではあるが、その中でもLGBTQ+の存在が見落とされがちなことは以前から指摘されており、最近では「全ての黒人の命は大切(All Black Lives Matter)」という包括的なスローガンも目にするようになった。

 ニューヨークとベルリンを拠点とする人気DJで、2019年にはコム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)と共にアパレルブランド「ハニー・エフィング・ディジョン(HONEY F—ING DIJON)」を立ち上げた黒人のトランスジェンダー女性、ハニー・ディジョン(Honey Dijon)に、BLM運動とインクルーシビティー(包括性)などについて米「WWD」が聞いた。

WWD:新型コロナウイルスの世界的流行やロックダウン(都市封鎖)による影響はあったか。

ハニー・ディジョン(以下、ディジョン):何もかもがいきなり止まったのでおかしな感じがしたが、私がアーティストとして伝えたいことは何も変わっていない。もうすぐ発売となる新しいアルバムでは、もともとこれまでよりも政治的なメッセージを込めるつもりだったし、制作に当たってはたくさんの黒人女性やクイアの人、そして伝統的な民族音楽家と組んだので、とてもタイムリーな作品になった。性的指向についてもいろいろ触れているため、6月15日にアメリカの最高裁判所が職場におけるLGBTQ+への差別的な扱いを違法とする判決を下したことを踏まえると、いっそう興味深く聴いてもらえると思う。

WWD:ファッション関係の仕事への影響はあった?

ディジョン:今はみんな「ファッションの役割とは?ファッションの意味って?」というような問いかけをしているので、ファッション業界にとって面白い時期だと思うし、コロナ後の世界における業界のあり方や人種差別への取り組みについて本気で考える必要がある。もう以前の世界には戻れないし、戻ったところでいいことがあるわけでもない。またひたすらショッピングをして、大量消費しろとでも?一方で、誰しも毎日服を着なくてはならないので、バランスが大切だ。

WWD:業界としても、社会としても、私たちは“快適でないこと”に慣れなくてはいけないのかもしれない。

ディジョン:アメリカ人は快適じゃないことを嫌うから前途多難かもしれないが、個人的には今後の変化を楽しみにしている。かつて公民権運動が起きたことによって啓発的でパワフルな音楽やアートがたくさん生まれたし、エイズ危機が起こった1980年代当時には、ニューヨークで素晴らしいアートが次々に誕生したと読んだことがある。インターネットが登場する前、人々は外に出て、誰かと出会い、面白いことに参加したり、何かを一緒に創り出したりした。私がクラブカルチャーを好きなのもこのためで、アーティストやミュージシャンがクラブで出会い、作品を生み出していく感じが最高だと思う。80〜90年代はカルチャーに変動が起きた時代だが、現在もそうした転換期にあると感じる。

WWD:現在あなたはベルリン在住だが、アメリカで起きていることをどう見ている?

ディジョン:(人種差別は)人道上の問題だということをみんな忘れがちではないだろうか。新型コロナウイルスは国境や人種、社会階層に関係なく誰でも感染する可能性があるので、ある意味では平等だ。しかしその後には(フロイド氏の事件に抗議する)暴動が起きて、アメリカの真の姿があぶり出された。人種差別が深く根付いているし、それを土台としてつくられた国だということが白日のもとに晒された。ヨーロッパはアメリカのそうした姿を見て、自らの過去における人種差別を省みることとなった。まさに世界を変える出来事だと思う。

WWD:あなたは最近ベルリンで行われたBLM運動に参加しているが、以前には黒人社会におけるトランスフォビアやホモフォビアについて話している。BLMとLGBTQ+の権利についての考えを教えてほしい。

ディジョン:ジェンダー、人種、セクシャリティー、社会的不公正は、さまざまなところで交差する。BLM運動においても「シスジェンダー(生まれ持った性別に違和感のない人。トランスジェンダーの対義語)の命は大切」ではなく、「全ての命は大切」と掲げている。ゲイの人の命ももちろん大切であり、自分にとって好ましくない属性の持ち主をこうした運動から排除してはならない。

実は同性愛者の権利運動でも、世間的に印象が悪くなるなどの理由で、最初はドラァグクイーンの参加は歓迎されなかった。こうしたことを考えると、理解を深めるための対話は常に続けていく必要がある。例えば、なぜブラックカルチャーにおいてクイアがこれほど忌避されたのか。私は教会の教えなど宗教的な理由もあるのではないかと推測しているが、(黒人の人々が感じている)どうしようもない無力感もあるのかもしれない。奴隷制があった時代、黒人は人間としての権利や尊厳を剥奪され、女性であれば強姦されるなど、あらゆる残虐な行為にさらされた。その後も社会的に権力を持つ側になることはなく、常に抑圧されてきた犠牲者だったので、同じグループ内でさらに弱い相手を抑圧してしまうのかもしれない。いずれにしても、アメリカは本当にたくさんの傷を癒す必要があるし、それはBLM運動内においても同じことだ。

WWD:「プライド」は祝祭的なものでもある。現在の社会的な混乱が落ち着いたら何を祝いたいか。

ディジョン:BLMや「トランスジェンダーの黒人の命は大切(Black Trans Lives Matter)」運動がトレンドで終わるのではなく、変化の始まりであってほしいし、不公正や差別を解体するものであってほしい。

私は、子どもの頃に教えられた“恐れ”に引きずられたり、私でない誰かが決めた定義に従ったりして人生を送りたくない。トランスジェンダーであること、また黒人であることの意味を自問したりもするが、小説家で公民権運動の活動家でもあったジェームズ・ボールドウィン(James Baldwin)が言ったように、私たち黒人が「ニグロ」という(被差別側の)人種をつくったわけではない。社会が黒人やトランスジェンダーに対して押し付けた定義は、私自身を何一つ表わしていないのに、それでネガティブな気持ちにならないようにするにはどうすればいいと思う?私はいつも、誰かがそう言ったからといって、それが本当なわけではないと言うようにしている。

WWD:あなたの気持ちや立場を理解するための助けとなる、本やアートのお薦めはある?

ディジョン:あなたたち(白人)を教育するのは、私の仕事ではないと思う。自分の無知や偏見の根がどこにあるのかを探したり、何をすればいいのかを考えたりするのは、あなたたち自身がやるべきことだ。人種差別を解体するのは黒人の仕事ではなく、白人の仕事。それはジェンダーについても、全く同じことだ。

WWD:みんなが自分で考えるようにするには、どうすればいいと思うか。

ディジョン:まず相手の言葉に耳を傾けて、その人が体験してきたことを知り、暴力的な行為や抑圧と闘うこと。とても気まずい話題だし、難しいことだけれど。

WWD:希望はあると思っている?

ディジョン:トランスジェンダーである私たちは、みんなを啓発できると思う。ただ自分らしくありたいだけなのに、世界中から「それは間違っている」と否定されて、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも傷つけられる痛みに耐えながら、私たちはジェンダーを変えている。そうした逆境にも折れない強さは、世の中で最も美しいものの一つだ。私たちは、どんなことがあっても自分らしく生きようという勇気を持っているし、それは誰にとってもパワフルで勇気づけられるメッセージだと思う。

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フェムテック専門店「ムーンド バイ LPC」が東京初進出 西武渋谷店の1階でポップアップ

 フェムテック専門店のムーンド バイ LPC(MOOND BY LPC)は6月30日〜7月6日、東京初のポップアップストアを西武渋谷店のA館1階にオープンしている。売り場の柱には、女性の裸のイラストと共に「#生理つらい」「#フェムテックって?」「#膣トレ」などの文字がデザインとして散りばめられており、インパクトのある内装になっている。

 同店では、生理の日にナプキン無しで着用できる台湾発の経血吸収型サニタリーショーツ「ムーンパンツ(MOON PANTS)」や、膣内に入れて経血を受け止める台湾発の月経カップ「フルムーンガール(FULLMOON GIRL)」をはじめ、英国発オーガニックデリケートゾーンコスメ「イエス(YES)」、韓国発ジェンダーニュートラル下着ブランド「インエー(INA)」、スウェーデンのフェムテックブランド「インティミナ(INTIMINA)」の月経カップ、オーストラリアのサニタリーアイテムブランド「ツノ(TSUNO)」のオーガニックコットンのナプキンなどを扱う。

 会期中には体について考えるアートプロジェクト「マイ ボディ アート プロジェクト(MY BODY ART PROJECT)」を実施する。店内に用意されたペンと紙で子宮の絵を描き、コメントを寄せると、店内の壁に飾られる。さらに「#マイボディマイチョイス」のハッシュタグをつけてSNSに投稿した人にはデリケートゾーンケアコスメをプレゼントする。

 ムーンド バイ LPCを運営するアジュマは1996年に創業したフェムテック専門会社で、女性向けのセックストイや生理用品などを扱う「ラブピースクラブ(LOVE PIECE CLUB)」を20年以上営んできた。現在は「ムーンパンツ」や「フルムーンガール」などの海外のフェムテック商品の輸入代理店も務める。昨秋には大阪の大丸梅田店の生理周期に寄り添った商品を扱う売り場「ミチカケ(MICHIKAKE)」にムーンド バイ LPCの1号店を開き、日本初のフェムテック専門店として話題になった。

西武渋谷店の会期後、7月1〜14日には大丸札幌店でポップアップストアを開く予定だ。
 
■ムーンド バイ LPC期間限定店
日程:6月30日〜7月6日
場所:西武渋谷店A館1階=プロモーションスペース
住所:東京都渋谷区宇田川町21-1

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モデルの浪花ほのかと元SKEの平松可奈子がそれぞれ新ブランド立ち上げ

 ECコンサルティング事業を手掛けるMycolor(森下将憲代表取締役)はこのほど、オスカープロモーション所属の浪花ほのかと平松可奈子それぞれをブランドプロデューサーに迎えた新ブランドを立ち上げた。

 浪花ほのかはファッション雑誌「ポップティーン(Popteen)」の専属モデルを務め、彼女のスタイルがファンから支持を集めていたことから今回、新ブランド「ティアレクローゼット(TIARECLOSET)」の立ち上げに至った。浪花は「“ティアレ”とはタヒチの国花に指定されている私の好きな花の名前です。花言葉は幸福。初めてのブランドということで、少しでも皆さんに幸福をお届けできたらいいなと思い名づけました」とコメントした。

 元SKEメンバーの平松可奈子はこれまでにもライフスタイルプロデューサーとして活動し、ブランドプロデュースを手掛けてきた。今回の新ブランド「シュエット ラテ(CHOUETTE LATTE)」では、身長152cmと小柄な平松が服を着るとスタイルダウンしてしまう自身の経験から、どんな体形の女性にも寄り添うアイテムをコンセプトに掲げる。平松は「“Chouette”はフランス語で"素敵”。“latte”は大好きなカフェラテからとりました。私はモデル体形ではありません。そんな私が感じてきた"服へのストレス"をブランドを通して向き合うとともに、体形が気になり自信をなくしてしまう、自分に合う服がわからない、そんな女の子たちに寄り添いトキメキを与え、素敵になるお手伝いができればと思っています」とコメントした。

 ブランド統括は松田有史Mycolorエグゼクティブプロデューサーが執り行う。今後はそれぞれがSNSを活用してブランドの周知および商品リサーチを行い、商品はECを主軸とした完全受注販売となる。また、ファンとの交流を深めるポップアップイベントなども予定してる。

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モデルの浪花ほのかと元SKEの平松可奈子がそれぞれ新ブランド立ち上げ

 ECコンサルティング事業を手掛けるMycolor(森下将憲代表取締役)はこのほど、オスカープロモーション所属の浪花ほのかと平松可奈子それぞれをブランドプロデューサーに迎えた新ブランドを立ち上げた。

 浪花ほのかはファッション雑誌「ポップティーン(Popteen)」の専属モデルを務め、彼女のスタイルがファンから支持を集めていたことから今回、新ブランド「ティアレクローゼット(TIARECLOSET)」の立ち上げに至った。浪花は「“ティアレ”とはタヒチの国花に指定されている私の好きな花の名前です。花言葉は幸福。初めてのブランドということで、少しでも皆さんに幸福をお届けできたらいいなと思い名づけました」とコメントした。

 元SKEメンバーの平松可奈子はこれまでにもライフスタイルプロデューサーとして活動し、ブランドプロデュースを手掛けてきた。今回の新ブランド「シュエット ラテ(CHOUETTE LATTE)」では、身長152cmと小柄な平松が服を着るとスタイルダウンしてしまう自身の経験から、どんな体形の女性にも寄り添うアイテムをコンセプトに掲げる。平松は「“Chouette”はフランス語で"素敵”。“latte”は大好きなカフェラテからとりました。私はモデル体形ではありません。そんな私が感じてきた"服へのストレス"をブランドを通して向き合うとともに、体形が気になり自信をなくしてしまう、自分に合う服がわからない、そんな女の子たちに寄り添いトキメキを与え、素敵になるお手伝いができればと思っています」とコメントした。

 ブランド統括は松田有史Mycolorエグゼクティブプロデューサーが執り行う。今後はそれぞれがSNSを活用してブランドの周知および商品リサーチを行い、商品はECを主軸とした完全受注販売となる。また、ファンとの交流を深めるポップアップイベントなども予定してる。

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ゲームカルチャー解体新書Vol.1 今、ゲームに注目する理由

 約15年にわたり、ファッションに軸足を置きながら、セールスやPR、企画立案の立場で国内外のブランドビジネスに関わらせていただいています。ファッション業界に携わっている私が、ファッション業界をはじめ、ゲーム業界で活躍している方々、ゲーム好きのゲストとの対談を交えながら、「ファッション × ゲーム」の可能性、新しい価値を提供することができたら。そんな想いと、「WWDJAPAN.com」編集長の村上さんのサポートがあり、この新連載をスタートさせていただきました。

ゲーム=デジタルネイティブ ファッション=アナログネイティブ

 まず、ゲームタイトルによって変わるので一概に言えませんが、20歳を超えると動体視力の低下が顕著に表れ、e-sports選手はアスリートの中でも最も選手生命が短いと言われています。また一般的には、「引きこもり」だとか「オタク文化」などと言う定説が浸透し、世間体や親子関係(特に親)の問題もあってか、日本国内においては成熟した産業になりきれない。e-sports大会の賞金額を比較しても、世界とは雲泥の差がある。こうしたe-sports業界の背景については、次回以降の対談で紐解いていきたいと思います。しかし、どうでしょう。賞金額などは別として、この業界特有のイメージのアップデートは、それほど難しくないのでは?海外はもちろん、私の周りにいるファッショニスタ、ミュージシャン、タレントら各業界には、ゲームをこよなく愛する多くの方々が存在しています。ファッションとの親和性はとても高く、ゲーム業界から生まれるスターが複数のフィールドで活躍する可能性は十分にある。そのフィールドの1つが、ファッションを中心とした業界ではないかと思うのです。

 さらに“アナログ最前線市場”のファッションは、今回の地殻変動によって、デジタル強化が生き残りの必須条件となっているのは周知の通り。ファッションが人に与える高揚感や自己表現、そして、外見だけでなく内面(心理)にも影響を与え、この恩恵を受けた沢山のファッションユーザーの間でも、ファッションは消費のプライオリティからランキング落ちしています。

 ブランド自体も、セレクトショップをはじめとした各取引先がこれまでのように買い付けてくれるか分からない。いや、かつての取引に戻る事はないと思う。生産数は激減し、工賃のチャージアップにより、急激なインフレが起こり、値付けは変えざるを得ないでしょう。

 結果、自走するにはブランド、そして各店舗は、それぞれに顧客を獲得し、顧客のために商品やサービスを提供する関係を構築する必要があります。でも、ファッションが急にデジタルシフトをすると、モノを押し付けるような「商品推し」なプロモーションや、ニッチな世界観の作り込み、クーポンやマークダウン戦略をしてしまうのが関の山です。 デジタルネイティブのゲーム業界が、ファッション市場にとっても、新しいドアの鍵を握っているのではないか。そして、そのドアの向こう側に登場するキーマン達は、今その時を待っていると信じてやみません。「ファッション業界 × ゲーム業界」。それぞれの立場にいる方々が抱えている問題、やりたい事などを語り、ここから生まれる面白いプロジェクトも随時発信していきたいと思います。次回Vol.01は、ゲームカルチャー協会の松岡雅幸さんとの対談を予定しています。

戸簾俊広: ジェムプロジェクター代表:2009年に国内外のファッション・ライフスタイルブランドのブランディング、PR、セールス、コンサルティングを手掛けるブランディングカンパニーGEM PROJECTORを設立。現在は、地方創生プロジェクトや会員予約制のテンポラリーレストランの立ち上げに向け奮闘する一方、「受信者から発信者へ」をテーマにしたオンラインサロンを運営

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ゲームカルチャー解体新書Vol.1 今、ゲームに注目する理由

 約15年にわたり、ファッションに軸足を置きながら、セールスやPR、企画立案の立場で国内外のブランドビジネスに関わらせていただいています。ファッション業界に携わっている私が、ファッション業界をはじめ、ゲーム業界で活躍している方々、ゲーム好きのゲストとの対談を交えながら、「ファッション × ゲーム」の可能性、新しい価値を提供することができたら。そんな想いと、「WWDJAPAN.com」編集長の村上さんのサポートがあり、この新連載をスタートさせていただきました。

ゲーム=デジタルネイティブ ファッション=アナログネイティブ

 まず、ゲームタイトルによって変わるので一概に言えませんが、20歳を超えると動体視力の低下が顕著に表れ、e-sports選手はアスリートの中でも最も選手生命が短いと言われています。また一般的には、「引きこもり」だとか「オタク文化」などと言う定説が浸透し、世間体や親子関係(特に親)の問題もあってか、日本国内においては成熟した産業になりきれない。e-sports大会の賞金額を比較しても、世界とは雲泥の差がある。こうしたe-sports業界の背景については、次回以降の対談で紐解いていきたいと思います。しかし、どうでしょう。賞金額などは別として、この業界特有のイメージのアップデートは、それほど難しくないのでは?海外はもちろん、私の周りにいるファッショニスタ、ミュージシャン、タレントら各業界には、ゲームをこよなく愛する多くの方々が存在しています。ファッションとの親和性はとても高く、ゲーム業界から生まれるスターが複数のフィールドで活躍する可能性は十分にある。そのフィールドの1つが、ファッションを中心とした業界ではないかと思うのです。

 さらに“アナログ最前線市場”のファッションは、今回の地殻変動によって、デジタル強化が生き残りの必須条件となっているのは周知の通り。ファッションが人に与える高揚感や自己表現、そして、外見だけでなく内面(心理)にも影響を与え、この恩恵を受けた沢山のファッションユーザーの間でも、ファッションは消費のプライオリティからランキング落ちしています。

 ブランド自体も、セレクトショップをはじめとした各取引先がこれまでのように買い付けてくれるか分からない。いや、かつての取引に戻る事はないと思う。生産数は激減し、工賃のチャージアップにより、急激なインフレが起こり、値付けは変えざるを得ないでしょう。

 結果、自走するにはブランド、そして各店舗は、それぞれに顧客を獲得し、顧客のために商品やサービスを提供する関係を構築する必要があります。でも、ファッションが急にデジタルシフトをすると、モノを押し付けるような「商品推し」なプロモーションや、ニッチな世界観の作り込み、クーポンやマークダウン戦略をしてしまうのが関の山です。 デジタルネイティブのゲーム業界が、ファッション市場にとっても、新しいドアの鍵を握っているのではないか。そして、そのドアの向こう側に登場するキーマン達は、今その時を待っていると信じてやみません。「ファッション業界 × ゲーム業界」。それぞれの立場にいる方々が抱えている問題、やりたい事などを語り、ここから生まれる面白いプロジェクトも随時発信していきたいと思います。次回Vol.01は、ゲームカルチャー協会の松岡雅幸さんとの対談を予定しています。

戸簾俊広: ジェムプロジェクター代表:2009年に国内外のファッション・ライフスタイルブランドのブランディング、PR、セールス、コンサルティングを手掛けるブランディングカンパニーGEM PROJECTORを設立。現在は、地方創生プロジェクトや会員予約制のテンポラリーレストランの立ち上げに向け奮闘する一方、「受信者から発信者へ」をテーマにしたオンラインサロンを運営

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「グッチ」がSNSで初のバーチャル試着&購入機能 スナップチャットと協業で

 「グッチ(GUCCI)」は6月29日、 SNSアプリのスナップチャット(SNAPCHAT)と協業し、AR(拡張現実)によるスニーカーのバーチャル試着&購入ができるサービスをスタートさせた。SNSのプラットフォーム上で決済までできるのは世界初の試みだ。バーチャル試着対応の商品は定番シリーズの新作4モデルで、2種類のカメラからメンズとウィメンズの2モデルを選べる。試着後、画面にある“購入する”ボタンを押すと、スナップチャットのアプリ上で「グッチ」公式サイトが開いて、決済できる。 ARレンズへは専用のスナップコードからアクセスできる。

 今回のサービスはアメリカとイギリス、フランス、イタリア、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、オーストラリア、日本で利用可能になる。これまで公式アプリのみでバーチャル試着のサービスを行ってきた「グッチ」は、1億人以上の「スナップチャット」ユーザーがいるアメリカなど各国でのサービス利用に期待する。

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「ビューティフルピープル」が写真家ロバート・メイプルソープとコラボ

 「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」は7月8日、写真家ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe)とのコラボアイテムを発売する。青山店や伊勢丹新宿本店、銀座三越、渋谷パルコなどで取り扱う。また先行発売として、6月26日から公式オンラインストアで販売を行い、一部商品は完売している。

 アイテムはユニセックス展開の全6型。「ビューティフルピープル」のベーシックラインに、“静寂と緊張”というテーマでセレクトした代表的な4点のモノクロ写真を掛け合わせた。またメイプルソープの写真とブランドのロゴをプリントした大きなタグが、ゼッケンのように生地に縫い付けられていることが特徴だ。定番アイテムのライダースジャケット(サイズ120〜160、各9万5000円、170〜190、各11万5000円)、コーチジャケット(34〜42、各5万4000円)、パーカ(150〜190、各3万8000円)、ボウリングシャツ(34〜42、各3万円)、Tシャツ(150〜200、各1万8000円)、トートバッグ(1万円)をラインアップ。

 またハードな印象のライダースジャケットにはユリの花を、はっ水機能を持つコーチジャケットには水面の写真を合わせて表現するなど、「ビューティフルピープル」らしいユーモアさも加えた。Tシャツとトートバッグは4作品全てのタグをそろえる。

 メイプルソープは米・ニューヨーク州ロングアイランド生まれの写真家。42歳の若さで死去。“植物”、 “ヌード”、“セックス”を主題に、被写体や色彩、ライティングなどの細部にこだわり、完璧な構図を追求した作品を発表してきた。また当時タブーとされていた同姓愛や性的描写など、常識を覆す数々の挑戦を写真で表現。2019年には没後30周年として、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で大回顧展「IMPLICIT TENSIONS:MAPPLETHORPE NOW」が開催された。これまで、「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」が17年春夏ピッティ・メンズ・コレクションにアーカイブ写真を採用するなど、ファッション界にも多大なる影響を与えてきた。

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藤原ヒロシと「タグ・ホイヤー」の第2弾コラボは“テクノロジーの針を少し逆に戻した”現代風ビンテージ

 「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」は、藤原ヒロシの「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」との第2弾となるコラボレーションモデル“タグ・ホイヤー × フラグメント デザイン キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ”を7月下旬に500本限定で発売する。今回ベースにしたのは1960~70年代の”フォーミュラ1“コレクションに使用されている“Cケース”だ。ケースサイズは44㎜と、“ホイヤー カレラ”をベースに仕上げた前回モデルの39㎜に比べて大きめだが、前回同様、ビンテージウオッチからインスピレーションを得て、藤原流に再解釈した。2018年に第1弾コラボモデルを発売した際には、店頭にブランド史上初の行列ができ、ショーケースに並ぶ前に完売してしまうなど、歴史的な反響があったという。完売必至の第2弾コラボの制作背景を藤原に聞いた。なお、取材は5月の緊急事態宣言下にリモートで実施している。

WWD:前回は1963年の“ホイヤー カレラ”のオリジナルモデルをベースにしていましたが、今回は?

藤原ヒロシ(以下、藤原):前回は僕のワガママというか、小さいサイズ(39㎜)をケースから作ってもらいました。そのときに、次回は大きいモデルを作るという約束だったので、今回は既存モデルをカスタムしていったんです。最初に指定されたモデルがいくつかあり、その中から僕が選んだのが、“フォーミュラ1”コレクションの“Cケース”(44㎜)というモデルでした。ケースはそれを流用して、中身のフェイスのデザインを変えていった感じです。

WWD:具体的にはどこを変えたのですか?

藤原:クロノグラフが2つのモデルは、現行では販売していないのですが、ビンテージの「タグ・ホイヤー」のモデルではあるんですね。そこからインスピレーションを得て、よりスポーツビンテージライクにしました。オリジナルモデルと見比べると、違いがはっきり分かると思います。

WWD:前回はレザーストラップとNATOストラップでした。今回スチールブレスレットを採用した理由は?

藤原:僕はこういうジュビリーブレスというビンテージっぽいブレスが好きなので、実は前回もスチールブレスを付けたかったのですが、時間がなく実現できなかったんです。今回は前回できなったことをやらせてもらいました。

WWD:デザイン面でもっともこだわった部分はどこですか?

藤原:ブレスレットと全体のスポーツビンテージみたいな感覚です。でも本当のビンテージにはならないように、例えば裏ぶたを赤いサファイアにしたりすることで、(オリジナルモデルが発売した)60年代の未来というか、ビンテージの近未来というか、現代風にアレンジしました。

WWD:その微妙なニュアンスはどのようにして表現するのですか?

藤原:「タグ・ホイヤー」もそうだし、時計はテクノロジーなのでそもそも近代的なものじゃないですか。どんどん新しくなっていくものの針を少し逆に戻す……そういう感覚は、僕の得意分野かも知れません。

WWD:改めて、実物を見た感想を教えてください。

藤原:イメージ通り、きれいに仕上がりました。サイズ以外は前回同様、自由にやらせてもらい、僕がイラストレーターで書いたデザインを忠実に再現してもらいました。僕は大きいサイズの時計をあまり着けませんが、今どきの時計が好きな人にはいいと思うし、一般的には着けやすいと思います。

WWD:デザインには別の案もあったのですか?

藤原:最初に2案デザインを提出したので、2つのフェイスのサンプルが上がってきました。もう一つのデザインは微妙な色の違いです。同じ黒でもアクセントにほかの色が入っていたりして、もう少しビンテージ感が強かったので、よりシンプルなモデルを選びました。

WWD:今後の「タグ・ホイヤー」とのプロジェクトは?

藤原:決まっていないです。ひとまず、第2弾まで。

WWD:(新型コロナウイルスの影響で)自宅で自粛していると、腕時計をする機会が少なくなりませんか?

藤原:どうでしょう。少し話は逸れますが、先日、時計ディーラーの友人と話すと、その人はもう時間を合わさないと言っていました。(時計の針を)常に10時10分にして、ブレスレットとして使っているみたいです。一方で僕は、普段から腕時計で時間を確認することが多いので、時計を時計として使うタイプです。

WWD:(自粛中ということもあり)自宅での時間の確認方法を教えてください。

藤原:実は自宅にある時計は、目覚まし時計だけですね。今は、ユーチューブやネットフリックスで好きな時間に好きなモノを見られるから時間の観念がずれてしまいがちですけど、僕は常にテレビをつけているので、それで時間を確認することが多いかな……「『ミヤネ屋』、2時か」みたいな感じです(笑)。

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「ベイプ」と“ガーフィールド”が初コラボ 猫耳“マイロ”が登場

 「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R)以下、ベイプ)」は7月4日、アメリカのネコのキャラクター “ガーフィールド(GARFIELD)”との初コラボ商品を発売する。 “ガーフィールド” は1978年にアメリカの新聞でデビューした漫画のキャラクターで、アニメや映画などをスタートしてからは世界中にファンを持つ。今回は“ベイビーマイロ(R)(BABY MILO(R))”と“エイプ ヘッド(APE HEAD)”と共に登場。 “ガーフィールド”の耳をつけた“マイロ”や“マイロ”タッチで描かれた “ガーフィールド”など、特別なデザインが目を引く。

 商品はメンズサイズのTシャツやフーディー、キャップ、バッグがそろい、一部はキッズサイズも用意する。全国の「ベイプ」店舗と「ベイプ」の公式ウェブサイトで取り扱う。

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「グッチ」や「プラダ」も参加 7月のミラノ・デジタル・コレクションのスケジュール発表

 イタリア・ファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)は、7月14〜17日に開催するミラノ・デジタル・ファッション・ウイークのスケジュールを発表した。2021年春夏メンズ・コレクションに加え、ウィメンズとメンズの21年プレ・スプリング・コレクションが披露される。

 「プラダ(PRADA)」や「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」「ディー スクエアード(DSQUARED2)」「エトロ(ETRO)」などのミラノ・メンズ常連組に加え、これまでメンズ期間中は展示会形式で発表していた「トッズ(TOD’S)」や「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」も参加する。また5月にコレクションの発表スケジュールの見直しを宣言していた「グッチ(GUCCI)」も名を連ねている。1998年以来の公式スケジュール復帰となった「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」は7月15日にショーのライブ配信を行う予定だ。

 日本からは、前シーズンもミラノ・メンズでショーを行った「ジエダ(JIEDA)」と、志鎌英明デザイナーの「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(CHILDREN OF THE DISCORDANCE)」が海外のファッション・ウイークに初参加する。

【ショースケジュール】(日時はすべて現地時間。変更の場合あり)

7月14日(火)
12:00 「MSGM」
13:00 「マリアーノ(MAGLIANO)」
14:00 「プラン C(PLAC C)」
13:30 「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」
14:00 「プラダ(PRADA)」
15:00 「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」
16:00 「ヴィヴェッタ(VIVETTA)」
16:30 「エディスマルセル(EDITHMARCEL)」
17:30 「フィリップ プレイン(PHILIPP PLEIN)」

7月15日(水)
10:00 「エトロ(ETRO)」
11:00 「レゾム(LES HOMMES)」
12:00 「MTLスタジオ マッテオ ラマンディーニ(MTLSTUDIO MATTEOLAMANDINI)」
13:00 「ファビオ クアランタ(FABIO QUARANTA)」
13:30 「APN73」
14:00 「M1992」
14:30 「ユナイテッド スタンダード(UNITED STANDARD)」
15:00 「スンネイ(SUNNEI)」
16:00 「セルダー(SERDAR)」
17:30 「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」

7月16日(木)
10:00 「シモーナ マルツィアーリ-MRZ(SIMONA MARZIALI-MRZ)」
11:00 「エルマンノ シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)」
12:00 「フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)」
13:00 「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」
14:00 「トッズ(TOD'S)」
15:00 「ディースクエアード(DSQUARED2)」
16:00 「ハン コペンハーゲン(HAN KJOBENHAVN)」
16:30 「ヌメロ 00(NUMERO 00)」
17:00 「デヴィッド カタラン(DAVID CATALAN)」

7月17日(金)
10:00 「イレブンティ(ELEVENTY)」
11:00 「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(CHILDREN OF THE DISCORDANCE)」
11:30 「ジエダ(JIEDA)」
12:00 「フェデリコ チーナ(FEDERICO CINA)」
12:30 「ゴール(GALL)」
13:00 「アンドレア ポンピリオ(ANDREA POMPILIO)」
14:00 「グッチ(GUCCI)」
15:00 「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」
16:00 「ミッソーニ(MISSONI)」

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7月1日からプラスチック製レジ袋有料化 マイバッグ無料配布や風呂敷推しなど各社の動きをチェック

 改正された「容器包装リサイクル法」に基づき、7月1日から各種小売店で使われているプラスチック製のレジ袋が有料化される。コンビニやスーパーなどへの影響が特に大きいが、ファッションやビューティ企業と関連のある店舗ももちろん有料化の対象だ。この機会にエコにフォーカスした販促を打ち出す企業もある。1日を前に、改めて有料化の意図をおさらいすると共に、各社の施策を紹介する。

 今回有料となるのは、小売店で商品を購入した際に提供される、持ち手の付いたプラスチック製レジ袋。「(プラスチックに関しては)廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題もある」(経済産業省)ことから、有料化となった。ただし、1.フィルムの厚さが50マイクロメートル以上で繰り返しの使用が可能な場合、2.海洋生分解性プラスチック配合率が100%の場合、3.バイオマス素材(化石燃料でなく動植物に由来する有機物である資源)の配合率が25%以上の場合は有料化から除外される。

 アパレルやビューティ業界ともつながりの深い小売店でいえば、百貨店は食品フロアでプラスチック製レジ袋の使用率が高い。三越伊勢丹ホールディングスは1日から、国内グループ百貨店全店で食品用のプラスチック製レジ袋を順次廃止する(取引先ショップがプラスチック製レジ袋を提供する際は有料)。その代わりに、グループ共通デザインの黒い無地の有料紙袋(大サイズ50円、小サイズ30円)を導入。FSC認証紙を使い、従来の紙袋よりも地厚にし、はっ水加工も施した。伊勢丹のアイコンとしておなじみのタータンチェック柄などのマイバッグ(900円)も同時に発売する。なお、食品フロア以外では1日以降も従来通り紙袋を無料で提供する。

 そごう・西武は食品に限らず、全15店の全売り場でレジ袋を有料化する。バイオマス素材を30%含むプラスチック製レジ袋は食品用が3~8円、一般用が5~70円。FSC認証紙の紙製レジ袋は一般用が10~50円、特選が100円。

 松屋はプラスチック製レジ袋を3~10円に有料化する。同時に松屋銀座本店で推しているのが“元祖マイバッグ”としての風呂敷だ。7階の呉服売り場に風呂敷を15サイズ約100種(550~2万7500円)そろえ、持ち手として使えるリングなども別売りで打ち出す。ジーンズのバックスタイルのようにポケットが付いたデニム地の風呂敷(1万3750円)などがおすすめ商品。

 SPAメーカーや専門店では、アダストリアが1日から、店頭で商品を購入した客に計50万枚のマイバッグを配布する「REBAGシュウカン」キャンペーンを実施する。同社は14年からマイバッグの利用促進・レジ袋の削減を目的に、レジ袋(紙製、プラスチック製問わず)の包装を辞退した客に自社EC「ドットエスティ」や店頭で使用できるポイント10ポイントプレゼントしてきた。その結果、年々レジ袋の辞退は増え、20年2月期までに累計で171万枚のレジ袋が削減できたという。同社が扱うプラスチック製レジ袋はフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のため、有料化はしない。

 しまむらは5月から、プラスチック製レジ袋をバイオマス素材を25%以上含むタイプに順次切り替えてきた。それによって、今回の有料化の対象からは外れる。また、「今後のさらなる制度変更を見据え」、一部サイズではプラスチック製に代えて紙製レジ袋を導入。7月1日以降もレジ袋はプラスチック製、紙製共に無料で提供する。

 また、「H&M」や「ユニクロ(UNIQLO)」「ジーユー(GU)」といったグローバルSPA、「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC & ECOLOGY)」を運営するストライプインターナショナルなどは、18年末以降、プラスチック製レジ袋に代えて紙製レジ袋の導入と有料化を進めてきた。

 レジ袋有料化の影響が最も大きいといっていいコンビニ業態はセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社がプラスチック制レジ袋を1枚3円(セブンイレブンはサイズによって違いあり)とすることを発表している。また、有料化を前にレジ袋削減の啓もうとして、さまざまな取り組みも行われてきた。JR東日本は「スノーピーク(Snow Peak)」、日本環境設計と組んでマイバッグを企画し、6月16日から駅内のコンビニ「ニューデイズ」などで500円以上の購入客に50万個を配布した。「ナチュラルローソン」はメルカリと組み、伊坂幸太郎や吉本ばなな、筒井康隆の小説を印字し付加価値を付けた、バイオマスプラスチック50%以上配合の“読むレジ袋”を6月24~26日に無料配布。両社とも既に配布は終了している。

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「エストネーション」が神奈川初出店 ニュウマン横浜に“海”を感じる立体フロア

 エストネーション(ESTNATION)は6月24日、ニュウマン横浜3~4階に神奈川地区初出店となる大型店をオープンした。メゾネットタイプの立体フロア構造となるストアは、売り場面積約560平方メートル。ファッションビル内に多層階の店舗をオープンするのは同社初だ。

 メインエントランスを構える4階では、横浜エリア初出店となる「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン(NICOLAI BERGMANN FLOWERS & DESIGN)」のインショップを併設するほか、ウィメンズ&メンズのトレンドおよびカジュアルアイテム、ホーム雑貨などをそろえる。

 3階では、オン需要を見込んだウィメンズのウエアや、「ジルサンダー(JIL SANDER)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」などのコレクションブランド、ジュエリー、さらにフレグランスなどのコスメティックを取りそろえる。

 「元町のクラシックなイメージや湘南の抜け感のある空気感を取り入れた」と堀江俊エストネーションチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)が語る店内は、4階のナチュラルな雰囲気と、3階のスチールやモルタルを基調としたシャープな雰囲気とのコントラストが際立つ。外光が差し込む店内には、フォトグラファー瀧本幹也の海の写真やシャルロット・ぺリアン(Charlotte Perriand)のビンテージのベンチなどが配置されており、コーナーごとに異なるテイストのアートやインテリアを楽しみながら買い物ができる。

 六本木ヒルズ店や銀座店はモードなイメージが強いが「横浜店では、よりエッセンシャルなテイストを感じてもらいたい。コンサバやクラシックでまとまるのではなく、時代の流れに沿って柔軟に変化する大人の男女に足を運んでもらえたら」と堀江CCOは語る。

 また、オープンを記念した限定&先行アイテムも幅広くラインアップ。エントランス付近には、ニコライ・バーグマンがカーネーションでペイントした絵を展示し、後日販売も予定している。

TEXT: ANRI MURAKAMI

問い合わせ先
エストネーション横浜店
045-534-7128

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東コレが10月開催決定 米オンライン展示会「ジョア」と提携してデジタル化を促進 翌年は開催時期を8月に移行

 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)は、2021年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」を10月12〜18日に開催することを発表した。3月に予定されていた20-21年秋冬シーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止し、1年ぶりのイベント実施となる。6月末から参加ブランドを募り、9月上旬に取材メディアやバイヤーの登録を開始。9月下旬に参加ブランドとコレクションスケジュールを発表する予定だ。

 発表形式については参加希望ブランドと話し合い、ファッションショーに限定せずに、新たな発表形式も取り入れてRFWTのデジタル化を促進。また米国発のオンライン展示会システム「ジョア(JOOR)」と提携し、144カ国、20万以上のバイヤーが利用するキュレーションマーケットプレイス「ジョア パスポート(JOOR PASSPORT)」を介して、オンライン上での商談をサポートする。

 また、JFWOは21年度の東京ファッション・ウイークの開催時期を変更することも明らかにした。従来10月中旬開催だった春夏シーズンの開催を8月末に移行。これまでパリやミラノ、フィレンツェなどの海外都市での春夏シーズンや、プレコレクションの発表が6月に行われていたことで、東京での開催時期と4カ月のギャップがあったが、8月末に移行することで2カ月弱に抑えることができる。秋冬シーズンは従来通り3月中旬の開催を予定する。

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「ザ・ボディショップ」の日本事業会社を英国本社がイオンから買収

 英国発ナチュラルコスメ「ザ・ボディショップ(THE BODY SHOP)」を展開するザ・ボディショップ・インターナショナル・リミテッド(以下、ザ・ボディショップインターナショナル)は6月30日、日本での事業を手掛けるイオンフォレストの株式を取得することを親会社のイオンと合意し、子会社化することを発表した。取得金額は非公表。10月から事業を引き継ぎ、社名をザ・ボディショップジャパンに変更し、社長には倉田浩美・元フルラジャパン社長が就任する。今後は本国直轄の子会社としてブランドの成長を推進する。

 日本でのザ・ボディショップ事業は、1990年からイオンフォレストがフランチャイジーとし手掛け、東京・原宿の路面店や商業施設などに出店してきた。ザ・ボディショップインターナショナルのデイビッド・ボイントン最高経営責任者は「日本は非常に重要な市場だ。約30年間、『ザ・ボディショップ』のビジネス基盤を構築してくれたイオンフォレストの関係者には感謝している。今後ザ・ボディショップジャパンにみんなを迎えることを心待ちにしている」とコメントした。

 今後「ザ・ボディショップ」は、ブランドのDNAである社会と環境にポジティブな変化をもたらす姿勢を貫き、自然から着想を得たサステナブルな方法で製造される製品を提案し続け、日本での存在感をより強固にしていく。

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「ケンゾー」新デザイナーによる初の旗艦店がNYにオープン

 「ケンゾー(KENZO)」は6月26日、ニューヨークのソーホーに新店舗をオープンした。同店は、2019年7月に就任したフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveira Baptista)新クリエイティブ・ディレクターが内装デザインを手掛けた初の旗艦店だ。春にオープンを予定していたが、新型コロナウィルスの影響で延期していた。

 内装は白い什器を使った明るい雰囲気で、フェリペが厳選した1970年代のオリジナルレザーの家具や、プレキシグラスのディスプレーで飾られたビンテージテレビなどが置かれている。また随所に植物などを配置し、ブランドのDNAである自然への取り組みや、フェリペが最も注力しているというオーガニック素材を使った新たな世界観を表現している。入り口はアートに特化したインスタレーションのスペースとしても設け、NYらしい芸術性やコミュニティーの発信地として活用する。

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「ルイ・ヴィトン」初のメンズ旗艦店を公開 NIGO®とコラボの巨大ダックがお出迎え

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、東京・渋谷に7月6日に開く世界初のメンズ旗艦店「ルイ・ヴィトン 渋谷メンズ店」を公開した。同店は2層構造で、1階のエントランスを抜けるとドラムセットのオブジェが出迎える。床や什器は木目調の温かみのある空間で、壁面に並んだバッグ類をはじめ、ウエアからアクセサリーまでメンズアイテムや限定品がずらりと並ぶが、店内は開放感のある雰囲気だ。

NIGO®コラボのスペースも

 1階奥にはNIGO®と協業した“ルイ・ヴィトン LVスクエアード コレクション”のコーナーを設け、壁面は同コレクションのキーカラーであるイエローで統一している。ひときわ目を引く高さ約3mのダックは、NIGO®のブランド「ヒューマンメイド(HUMAN MADE)」の象徴的なモチーフをアレンジしたもの。同コレクションのコインケースやバッグのハンドルにもあしわれている。またテーブルフットボール“バビフット”や“タイガラマ アンターティカ スニーカー トランク”などのキャッチーなアイテムも並び、ラグジュアリーとストリートカルチャーをシームレスにつなぐ遊び心溢れる売り場となっている。

2階には“オブジェ・ノマド コレクション”

 2階のイベントスペースには、ホーム&トラベルコレクションの“オブジェ・ノマド コレクション”が期間限定で並ぶ。アンドリュー・カドレス(Andrew Kudless)との「スウェル・ウェイブ・シェルフ」など複数のクリエイターと協業したインテリアと、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)=メンズ アーティスティック・ディレクターが手掛けたメンズのスニーカーやバッグが並ぶ。キャンプやホームバーなど5つの異なるテーマで展示し、同ブランドのメンズの世界観をシーンごとに表現している。2階は通常は一般客に開放していないため、入場には問い合わせが必要となる。

 7月6日から27日までの入店は事前予約制で、受け付けはブランド公式ホームページで7月1日に開始する予定だ。

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三陽商会3~5月期は42億円の最終赤字

 三陽商会の2020年3~5月期は売上高が57億円、営業損益は28億円の赤字、純損益は42億円の赤字だった。同社の20年2月期は14カ月決算(12月期から決算期を変更)だったため、前年同期との比較値は公表していない。

 同社発表によると、店頭売上高は3月が前年同月比44%減、4月は同71%減、5月は同70%減。新型コロナウイルスの感染拡大による主販路の百貨店の短縮営業・休業で落ち込んだ。さらに休業中の店頭販売員の給与や不動産賃借料として特別損失12億円を計上した。

 なお、2021年2月期の連結業績予想は、新型コロナの影響により「現段階では算出が難しい」として公表を見送った。期中には経営再建に向けた構造改革として、同社全体の約15%に当たる150店舗を閉める計画。「整理する店舗の選択や取引先との話合いを進めており、7~8割は(閉鎖の)めどが立っている」(同社広報)。

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キーマンたちに直撃 “スーツに見える作業着”が秘める、ファッションとしての可能性

 オアシススタイルウエアが企画・販売する、“スーツに見える作業着”「ワークウエアスーツ(以下、WWS)」が好調だ。企業の制服といった法人の売り上げと、消費者による個人の売り上げ双方を伸ばしている。中でも個人は「アバハウス(ABAHOUSE)」での取り扱いを皮切りに「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」や「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」など、有力セレクトショップとの取り組みを続々実施。ファッション業界からも注目を集め始めている。作業着として始まった「WWS」には、ファッションとしてどのような可能性を持つのか。同ブランドの卸先の中でも関係性の深いベイクルーズグループ内で、同ブランドとの取り組みを推進している北野浩規「417エディフィス(417EDIFICE)」商品開発マネージャーと栗原潤J.Sワークス取締役の2人と、樋口麗香「WWS」ディレクターと共に、その可能性を探る。

コロナ禍の中でも急成長
水道工事業発の「WWS」とは?

 「WWS」は、水道工事業を行うグループ会社が長年培ってきたノウハウを生かし、オリジナルの生地“アルティメックス(Ultimex)”から生まれる機能性と、フォーマル要素を併せ持つ。その2つの側面と、アパレル業界へのアプローチをはじめとするさまざまな施策を組み合わせることで、企業の制服といった法人の売り上げと、消費者による個人の売り上げの双方が大きく伸長。第一四半期(2020年3月1日~5月31日)の売り上げは前年同期比で332%を達成し、コロナ禍の中でも急成長を遂げている。

初の別注商品を制作した
「417エディフィス」が考える
「WWS」の可能性

 約1年前、「WWS」が初となる別注商品制作の取り組みを行ったのが、ベイクルーズグループの「417エディフィス」だ。同ショップの北野浩規商品開発マネージャーは「『417』として新規顧客の獲得を目指し、機能性や利便性の軸で、何か新しいことはできないかと考えていた。そんな中で水道工事業発の服で“スーツに見えますが作業着です”という、お客さまにダイレクトに刺さるであろうコンセプトを持つ『WWS』に可能性を感じ、取り組みを決めた」と経緯を語る。そうして生まれた別注商品は、実際に30~40代を中心とした新規顧客の獲得に一役買っているという。「オリジナルの生地により、シワになりにくく、洗えるという2つの点がお客さまに刺さっている」とも分析する。現在はANA(全日本空輸)とのトリプルコラボ商品の発売も控えているが「コロナもあって、お客様のマインドも変わっている。ショップとしてもお客さまのライフスタイルに寄り添った商品企画をしていくつもりだ。その中で、業種・年代を問わずに選ばれる『WWS』とは今後、一定のコミュニティーに強く刺さるような商品開発ができると考えている」と期待を見せる。

いい意味で“素朴”
さまざまな切り口に期待

 ベイクルーズグループでは、「ジャーナルスタンダード(JOURNAL STANDARD)」も「WWS」との取り組みを決定。男女兼用の別注商品を7月にウェブで先行受注形式で、8月には店頭で販売する予定だ。同ショップを運営するJ.Sワークスの栗原潤取締役は取り組みの経緯について「機能やサイズ感、トレンドなど切り口を変えて、これまでにもセットアップは多く取り扱ってきた。そういった中で何か違う切り口でセットアップやワークウエアを提案できないかと考えていた。『WWS』はいい意味で素朴で、間口が広い。その素朴さを残しつつ、何か切り口を足せばセットアップの取り入れ方も多様化するのではないかと考えた。その第一弾として、『ジャーナルスタンダード』では『WWS』との新たな取り組みとして“男女兼用”をテーマにした別注商品を加え、提案することにした」と説明する。今後の取り組みについては「1回だけでは伝わらないと思っているので、ディテールなどを変えながら、一緒に取り組みを続けていきたい。ただ、変にいじり過ぎてもいけない。この素朴さをベースにしつつ、バランスを取りながら取り組んでいくのがキモだと思っている」。

ファッション業界一筋の
ディレクターが考える
「WWS」の未来

 「WWS」のファッションとしての可能性を広げたのが、樋口麗香ディレクターだ。インポートブランドの卸など、18年にわたりアパレル業界一筋で働いて来た彼女は「WWS」のどこに可能性を感じたのか。「長くファッション業界で働く中で、ファッションはもっと身近な存在であるべきと考えるようになった。その中で、『WWS』という、仕事とファッションを繋げる服を、もう少しだけスタイリッシュに見せ、広げていくことができるのではないかと考えた」と語る。そうして彼女は「417エディフィス」を皮切りに、別注を軸としたセレクトショップとの取り組みを拡大させた。「『WWS』は男女問わず、困っている人たちのための服であってほしい。今後は女性視点から作る、機能系スーツを拡充したいと考えている。スーツの定義や仕事の幅が広がる中で、私たちとしては機能の面をシンプルに伝えつつ、ファッションの要素を盛り込むなどして発展させていく」。

問い合わせ先
オアシススタイルウェア
営業・広報窓口
suhara@oasys-inc.jp

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ラゲージブランド「リモワ」のアイウエアがデビュー 新カテゴリー拡大へ第一歩

 ドイツのラゲージブランド「リモワ(RIMOWA)」がアイウエアを世界の「リモア」の主要店とオンラインストアで7月9日に発売し、新分野への事業拡大に向けて第一歩を踏み出す。

 「リモワ」のアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)最高経営責任者は、「われわれは現代のあらゆる変化に直面しているが、『リモワ』はこれらの変化に真正面から応えるというビジョンを持って前進することを約束する。1年以上前から、お客さまの旅全体にわたる幅広い旅行ニーズに対応できるエコシステムに進化させる方法を模索してきた。『リモワ アイウェア』はブランドの進化における最初のエキサイティングな製品開発であり、ブランドの象徴であるラゲージを超えたコアデザインの価値を落とし込んでいる」と新しいカテゴリー進出に意欲を見せた。

 商品はユニセックスの2ラインのサングラスとオプティカルフレームがあり、サングラスの価格は3万4000~4万2000円。日本は、東京の銀座7丁目と表参道、大阪 心斎橋の各リモワストアと阪急うめだ本店(1回と8階)およびオフィシャルウエブサイトでサングラスが、オプティカルフレームは眼鏡専門店で販売される。

 「リモワ」は1898年にドイツ・ケルンで創業し、1937年にアルミニウムを、2000年にポリカーボネートを素材に取り入れるなど革新的に発展した。17年からLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下となった。「リモワ」のアイウエアは、LVMHとイタリアの大手眼鏡メーカー、マルコリン(MARCOLIN)との合弁会社ティリオス(THELIOS)が生産し、日本におけるオプティカルフレームの眼鏡専門店の販売はティリオスの日本の販売代理店であるヴィジョナイズが手掛ける。

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ラゲージブランド「リモワ」のアイウエアがデビュー 新カテゴリー拡大へ第一歩

 ドイツのラゲージブランド「リモワ(RIMOWA)」がアイウエアを世界の「リモア」の主要店とオンラインストアで7月9日に発売し、新分野への事業拡大に向けて第一歩を踏み出す。

 「リモワ」のアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)最高経営責任者は、「われわれは現代のあらゆる変化に直面しているが、『リモワ』はこれらの変化に真正面から応えるというビジョンを持って前進することを約束する。1年以上前から、お客さまの旅全体にわたる幅広い旅行ニーズに対応できるエコシステムに進化させる方法を模索してきた。『リモワ アイウェア』はブランドの進化における最初のエキサイティングな製品開発であり、ブランドの象徴であるラゲージを超えたコアデザインの価値を落とし込んでいる」と新しいカテゴリー進出に意欲を見せた。

 商品はユニセックスの2ラインのサングラスとオプティカルフレームがあり、サングラスの価格は3万4000~4万2000円。日本は、東京の銀座7丁目と表参道、大阪 心斎橋の各リモワストアと阪急うめだ本店(1回と8階)およびオフィシャルウエブサイトでサングラスが、オプティカルフレームは眼鏡専門店で販売される。

 「リモワ」は1898年にドイツ・ケルンで創業し、1937年にアルミニウムを、2000年にポリカーボネートを素材に取り入れるなど革新的に発展した。17年からLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下となった。「リモワ」のアイウエアは、LVMHとイタリアの大手眼鏡メーカー、マルコリン(MARCOLIN)との合弁会社ティリオス(THELIOS)が生産し、日本におけるオプティカルフレームの眼鏡専門店の販売はティリオスの日本の販売代理店であるヴィジョナイズが手掛ける。

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胸が大きな女性の悩みに光を当てたブランド「オーバーイー」 “街角の花屋”のような接客で悩みを共有

     胸が大きな女性のためのファッションブランド「オーバーイー(OVERE)」を運営するエスティームの代表を務めるのは、学生時代から自身の体形にコンプレックスを抱えていたという和田真由子さんだ。ブランドのモノ作りやライブ配信での接客術について、「WWDジャパン」6月29日号の販売員特集で掲載しきれなかった和田さんのインタビューを紹介する。

     和田さんは2016年にクラウドファンディングでブランドを立ち上げ、胸の大きな女性に向けたシャツを製作し、ジャケットやワンピースなどの商品も増やしていった。現在はオンラインでの販売を中心に、銀座に試着専用サロン(3月から休業中、7月に再開予定)を構えるほか、全国各地の商業施設でポップアップストアを開いている。また新型コロナウイルス感染拡大を受けて、インスタグラムのライブ配信を通したデジタル接客も強化中だ。

     ブランドコンセプトは“Hope you have a lovely day!(素敵な一日を!)”。この“ラブリー”はイギリス英語で日常的に使われ、「素敵な」「うれしい」「楽しい」「いいね」など幅広い肯定的な意味を持つ。この言葉のように、経営者でありながら自らも店頭に立つ和田さんもとても“ラブリー”な人で、多くのファンが付いている。

    WWD:ブランドを立ち上げた経緯は?

    和田真由子・エスティーム代表 以下、和田:学生時代に玄関の鏡に映った自分の姿を見て「胸が目立って、太って見える。これでは外に出られない」と、何を着たらいいのか分からなくなってしまい、外見や内面への自信を失って引きこもりを経験しました。これまで、「なぜ洋服で人生を諦めなければいけないのだろう」「なんで私に似合う服はないのだろう」と感じてきたことを周りの友人に話したら、「実は私も」と共感を得たんです。みんなが同じような悩みを抱えていたことに気がつき、16年にクラウドファンディングを通してブランドを設立しました。

    WWD:商品はどのように製作したのか?

    和田:最初はとても苦労しました。アパレルの知識のない中で洋服の作り方が分からず、OEM会社の方と試行錯誤で最初のシャツを完成させました。またお客さまと「一緒に“オーバーイーサイズ”を当たり前にしていきたい」という思いがあり、ツイッターで欲しい色や柄について積極的に質問したりして、本当のニーズをデザインに盛り込むようにしています。

    第一声は「いらっしゃいませ」
    よりも「こんにちは」

    WWD:販売で気をつけていることは?

    和田:今まで洋服選びに困ってきた人がお客さまに多いので、オンラインには細かい情報を載せるようにしています。サイズはバストを基準に表記していますが、そうすると丈感などが見落とされることも多いので試着モデルの身長なども記載しています。また、洗濯の表示も分かりやすさを徹底しています。サイズに関する悩みを全て排除したいので、通販でのサイズ交換と返品のサービスは当初から導入していました。

    WWD:代表の和田さんも店頭に立つことがあるが、対面での接客で心がけていることは?

    和田:店頭では“街角の花屋”のような接客を心がけています。第一声は「いらっしゃいませ」より「こんにちは」。まずは洋服のことではなく、人と人とのコミュニケーションを大切にするようにスタッフと共有しています。胸が大きいということは“ぜいたくな悩みだ”と思われてしまうこともあり、なかなか言い出しづらいけれど、会話を通して悩みを共有していきたいんです。お客さまから「スタッフが優しく対応してくれてうれしかった」という声をいただき、リピーターになってくださる方も多くいらっしゃいます。また、店頭で出会ったお客さま同士でお茶をしたり買い物をしたりとコミュニティーができているほか、お客さまがポップアップストアの販売スタッフとして応募してくださることもあります。

    WWD:接客をしていてやりがいを感じることはどんなとき?

    和田:お客さまが試着室から目を輝かせて出てくる瞬間です。この悩みを抱えている人たちにとって、これまで服を選ぶ基準は“着られるか”“着られないか”で、試着室は試練の場所だったんです。けれど、「オーバーイー」の試着室は洋服を楽しむ体験の場にしたい。購入する服だけを試着するのではなく、全部を着ていただいても大歓迎です。お客さまの選択肢を増やせることにもよろこびを感じています。「オーバーイー」をきっかけに、ファッションからメイクなど、今まで自然と諦めていたことに再チャレンジする人も多くいらっしゃいます。

    ライブ配信では些細なコメントも
    声に出して読む

    WWD:インスタグラムではライブ配信を行なっているが、どのように発信している?

    和田:普段SNSはツイッターをメインに運営しており、インスタグラムは全く更新できていない状態でした。コンテンツを作ったり、素敵な写真をアップすることよりも、ライブ配信をやってみようと昨秋から開始しました。配信のタイミングは新作発売の直前で、発売日当日に安心して買っていただけるようにしています。時間は一般的に仕事が終了する時間を考慮して午後8時頃。

    配信時にはサイズの参考になるよう、着用者の身長とバストサイズに加えて、骨格診断のスタイルを固定のコメント欄に明記して、口頭でも繰り返しお伝えします。また、些細なコメントでも全て声に出して読むよう心掛け、何度も同じ質問が来てもきちんと回答するようにしています。事前に質問箱を設置し、お客さまの懸念点を把握しておくのもよかったです。

    WWD:新型コロナウイルスの影響はどのように受けたか?

    和田:素材を韓国で手配して中国で生産していることもあり、2月の商品から納期遅れが発生し、6月に入ってからようやく是正されてきました。また3〜4月に予定していたポップアップストアが中止になり、3月中旬からは銀座の試着専門店も休業しています。

    WWD:「オーバーイー」での今後の目標は?

    和田:3年目の今年は新しいことを始めるのではなく、コアな部分にもう一度立ち返りたいと思っています。これまでポップアップストアを立て続けに開いてきて、キャパオーバーになることもありました。ブランドとして提供したい体験をよりよく届けられるように、PDCAを回して一つ一つ見直しているところです。スタッフも“Lovely day(素敵な一日)”を過ごして働けるように、ブランドをブラッシュアップしていきたいです。

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グローバルアパレル専門商社イーアンドジェーがポストコロナのファッション企業サポートを強化

 グローバルアパレル専門商社のイーアンドジェー(E&J)は、新型コロナウイルスの影響で大きな変化の時を迎えている今、ファッション企業の新しいビジネスモデル構築をサポートするパートナーシップ拡大に力を入れる。

 イーアンドジェーの創業者の宮永えみり社長に事業の狙いを聞いた。

国内300ブランドの
サプライチェーンを手掛ける

WWD:イーアンドジェーのこれまでの歩みは?

宮永えみりイーアンドジェー創業者兼社長(以下、宮永):ファッションデザイナーである夫とともに2001年に東京で設立し、OEM(相手先ブランドの生産)を経て、ODM(相手先ブランドの企画生産)事業を拡大し、現在、中国、シンガポール、アメリカにオフィスを構えてグローバル企業に発展しています。創業以前の1994年に設立した中国の自社工場は、協力工場と共に現在まで累計5000万着以上のニットやジャージー製品を生産しました。カンボジアとミャンマーでもニット工場と提携し、アジアの生産基盤を築いています。

WWD:これまでの日本のファッション企業とのビジネスの実績は?

宮永:アジアの生産背景を生かし、丸紅など十数社の商社と連携しながら国内アパレルのサプライチェーンを担ってきましたが、2014年の丸紅ファッションリンクとの提携を契機にOEMとODM事業をさらに拡大し、これまで300以上のブランド開発に携わりました。中でも、ストライプインターナショナルの「アースミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC & ECOLOGY )」やマッシュスタイルラボの「スナイデル(SNIDEL)」のブランディングには早期から総合的に携わり、現在の成長に貢献しました。日本のビジネスは18年連続で増収増益です。

グローバルネットワークで
事業拡大

 宮永社長は1994年上海大学国際商業学院を卒業後、2014年中欧国際工商学院でEMBAを取得し、社長業を務めながらアメリカ・シリコンバレーのデ・アンザ・カレッジ(De Anza College)でビジネスとコンピューター情報システムを学んだ。中国で独資法人と現地法人2社を設立して、アジアのサプライチェーンを管理しているほか、商業施設の開発やギフトショップ「ヨミー(YOMMY)」を手掛けるなど多角化し、eコマース事業も拡大中だ。15年、シンガポールに会社を設立して、三カ国貿易と東南アジア市場拡大を実現した。16年、ハワイの不動産投資を通じてアメリカ市場に進出し、現在はニューヨーク・マンハッタンに居を構え、19年に設立したアメリカ法人E&J GLOBAL INC.から全社を統括する。

従来の繊維商社の領域を超えた
ブランディングが強み

WWD:イーアンドジェーの強みは何か。

宮永:この約20年間、従来の繊維商社の事業領域を超えたきめ細かなブランディングを国内アパレル企業と300ブランド以上手掛けた実力と信頼。そして、これらの実績に裏打ちされた企画、生産、営業、販売、プロモーションなどブランドビジネスに必要な総合力を持っていることです。われわれはグローバルなネットワークやマーケティング力など豊富な経験とノウハウを用いて、時には新規ブランド開発に一から携わり、SPAブランドからコレクションブランドまで多くを成功に導いてきました。市場の変化の兆しを早期に察知し、時代のニーズに適したソリューションを導き出す提案力や企画力には自信があります。

WWD:今後、日本のファッション企業とともに目指していることは?

宮永:新型コロナの影響で商環境が大きく変わろうとしている今、グローバル化やデジタル化による次世代型の成長戦略を日本のファッション企業とともに構築したいと思います。困難な時代ですが、解決策は必ずあります。当社も新しい一歩を踏み出す改革で、20年以上生き延びてきました。2020年は、新しいファッションビジネスのはじまりの時です。

問い合わせ先
イーアンドジェー
email@globalej.com

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追記:コティがキム・カーダシアンのコスメブランドの株式20%を取得 スキンケアやヘアケアに進出

【追記 2020年1月6日】2020年1月5日付で20%の株式の取得取引が完了した。キム・カーダシアンのスキンケアラインは2022年にローンチ予定。

 コティ(COTY)はキム・カーダシアン(Kim Kardashian)のコスメブランド「KKW ビューティ(KKW BEAUTY)」の株式20%を2億ドル(約214億円)で買い取る。現在「KKWビューティ」はメイクアップとフレグランスのみを手掛けているが、提携により今後はスキンケアやパーソナルケア、ヘアケア、ネイルもライセンス契約で展開する。

 同社は昨年11月に異父妹のカイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)がプロデュースする「カイリー・コスメティクス(KYLIE COSMETICS)」の株式51%を6億ドル(約642億円)で取得すると発表。ピーター・ハルフ(Peter Harf)=コティ最高経営責任者は「今回の取引はカイリーとのパートナーシップに似ているが、提携の規模はキムの方が小さい。これ以上の提携や計画は今のところなく、キムとカイリーのビジネスのポテンシャルを最大限に生かすことに集中する」とコメントした。

 キムは2017年に自身のビューティ企業を立ち上げ、デビュー製品となったクリーム状のコントゥアやハイライトのキットは5分以内に3万個売れたという人気だ。また、彼女は全てのSNSにおいて計3億のフォロワーを抱え、大きな影響力を持つ。一方のコティは2016年にプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)から41ブランドを買収してから、「リンメル(RIMMEL)」や「カバーガール(COVERGIRL)」などを擁するコンシューマー事業部が苦戦しており、キムとカイリーとの協業で復調を狙っている。

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求む!リモートでは味わえない“空気感” エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年5月29日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

求む!リモートでは味わえない“空気感”

 緊急事態宣言が全国解除となった今、約2カ月ぶりに対面での取材を行いました(もちろん感染の第2波、第3波を考えて極力リモートでの取材を継続中ではありますが、取材先の希望に沿って対応していきます。取材時はソーシャルディスタンスも保っています)。そこで感じたのは、やはり直接お会いして話を聞けるっていいなということです。リモート取材時に物足りないと思っていた空気感がビシビシ伝わってくるのです。モノ作りや経営に対する姿勢や思いがダイレクトに響いてきます。在宅勤務中に多くの皆さんにリモート取材にご協力をいただきましたが、画面越しだとその方の雰囲気や取り巻く空気みたいなものが伝わりにくく、もどかしさを感じていたんです。

 対面取材だと取材の合間の余談も楽しめます。余談って結構大切で、そのときの取材には直接関係なくても、情報の蓄積となって別の切り口での企画で役立つことが多いのです。時間が許す範囲であえて取材とは異なる話題を投げかけたりもします。だからついつい取材時間が長くなりがちなのは反省すべき点ではあります……。もちろん、リモート取材でも余談はあるのですが、やはり空気感がまるで違うのです(笑)。

 ビューティ業界はここにきてオンライン発表会が増えてきました。開催する側だけでなく出席する側も不慣れな部分が多いので、これからブラッシュアップされていくと思います。私自身は集中してプレゼンが聞けたのでオンラインのよさを感じました。しかし、やはり無機質な感覚はどうしても拭えないんですよね。これまでの発表会はブランドの世界観を表現した会場で、参加している時間はどっぷりとその雰囲気に浸れます。それがオンラインでは遠く及びません。ここでもやはり空気感です。将来的にはVRなどを使った発表会が普通になれば、それも解消される気がするのですが、今は空気感の有無とどう折り合いをつけていくかが私自身の課題でもあります。

BEAUTY ADDICT:メイクやスキンケアはもちろんのこと、ヘアケア、フレグランス、オーガニック、インナービューティ、美容医療、イベントまでさまざまなジャンルから、注目トピックを配信するメールマガジン。ビューティアディクト=美容大好き人間に向けた、今流行りのモノやコト、知っておきたいトピックスを厳選してお届けします。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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日本発の老舗スニーカーブランド「ムーンスター」が“コミュニティーブランド”へと進化

 福岡県久留米市発のムーンスター(MOONSTAR)は、147年の歴史を持つ老舗シューズメーカーだ。子ども靴や上履きをはじめとするスクールシューズ、スニーカー、ウオーキングシューズ、ワークシューズ、婦人靴、紳士靴など幅広いカテゴリーのシューズを手掛ける同社が大切にするのは、“使われてこそ 価値のあるものづくり”という思い。

 6月27日には、自社のモノ作りの哲学を体現した旗艦店「オルソー ムーンスター(ALSO MOONSTAR)」を福岡市・薬院にオープンしたと同時に、作り手と使い手をつなぐオウンドメディア「インユース(In use)」を公開した。創業150周年を前に、リアルとデジタルの両軸で“人、地域、文化とつながるコミュニティーブランド”を目指すブランドのルーツと魅力を探る。

福岡・久留米で続く
“丈夫で長く履ける靴作り”

 ムーンスターの歴史は1873年に、創業者の倉田雲平が立ち上げた足袋店「つちやたび」として福岡・久留米で始まった。西南戦争の軍事用足袋の受注を契機に大量生産を開始し、戦後は「月星」の名前でスポーツシューズやヴァルカナイズ製法(加硫圧着方式)の革靴を開発。50年代には定番商品となった上履きの生産、70年代には海外シューズブランドのライセンス契約などを経て、日本有数の総合履物メーカーに成長した。その後も技術に磨きをかけ、147年にわたり丈夫で長く履ける靴作りを続けている。

ムーンスターが発信する
“使われてこそ価値のあるもの”
という思い

 ムーンスターは創業150周年に向けた、「SPA化の拡大」「大人・シニア市場の拡大」「海外展開の拡大」の3つの成長戦略を掲げている。市場競争力を高めるため、“Made in Kurume”の国産でのブランディングを強化中だ。猪山渡ムーンスター社長に今後の展望を、同社のブランディングや商品企画に携わる宝蔵寺誠さんと、松永健太さんにブランドの魅力を語ってもらった。

作り手と使い手が
価値観を共有し、
“使うこと”について
考えていく場所「インユース」

 6月19日に公開した「インユース」は、ムーンスターのモノ作りや、その周辺にある価値観を丁寧に共有し、“使うこと”について考えていくオウンドメディア。作り手と使い手がつながることで、“暮らしを豊かにするものとはどういうものなのか”を見つけていく。コンテンツはムーンスター の価値観を共有する仲間と一緒に制作し、順次更新される。

モノ作りの哲学が詰まった
旗艦店でコミュニティーを築く

 ムーンスターは6月27日、同社の旗艦店「オルソー ムーンスター」を福岡市・薬院にオープンした。店名の「オルソー」は英語の “〜も”“また”“さらに”という意味の副詞や接続語。手間を掛け佇まいの美しい靴を届けることで"使用者に寄り添い主役を引き立てる"というムーンスターの思想をあらわしている。

 コンセプトは「惜しみない手間。」国産を中心に据えた旗艦店として、ムーンスターが積み重ねてきたモノ作りへの真摯な姿勢を表現するため、日本建築の基盤である大工・左官・石工の職人たちによる本質的な空間を目指している。店舗を形づくる素材は特別なものではないが、先人たちの経験や技術にならい、一つ一つの素材に職人が丁寧に手間を掛けている。そこにムーンスターの歴史と技術を受け継いだプロダクトを組み合わせることで、特別な佇まい。

 同店では、本社のある久留米で生産されるヴァルカナイズ製法の“Made in Kurume”をはじめ、限定品や足回りに関連したセレクトアイテム、靴を製造する過程で出た廃材をリサイクルした雑貨などが並ぶ。また、同社とゆかりのある作家やブランドによる企画展やイベントなどを開催するほか、モノ作りが体験できるワークショップなども行っていくなど、シューズショップを超えたライフスタイル提案を行い、コミュニティーを築いていく。

 猪山渡ムーンスター社長は「日本のスニーカーの発祥の地、久留米の本社工場で生産された商品の一部には“Made in Kurume”と表示をしている。その当社が147年にわたり築き上げた誰にもまねできない一足をご覧いただける拠点が、国家戦略特区として注目され、アジアのゲートウエイでもある福岡に持てたことに大きな意義を感じている。当社に上履きや子ども靴のイメージをお持ちの方にも、新しいムーンスターを見つけていだけるような拠点にしていきたい」と語る。

INFORMATION
ALSO MOONSTAR

オープン日:6月27日
営業時間:11:00〜20:00
住所:福岡市中央区薬院3-11-22
電話番号:092-401-0781


問い合わせ先
ムーンスター カスタマーセンター
0800-800-1792

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二子玉川から全国へ発信!ビームスのスタッフビデオ投稿「クロチャンネル」に注目

 「どうも~クロチャンネルで~す!」。どこか癖になるユーチューバー風のあいさつと屈託のない笑顔で新商品の紹介動画を投稿するのは、ビームス 二子玉川の黒澤亜美さんだ。ビームスのオウンドメディア内のスタッフビデオ投稿コンテンツで、異色の存在感を放っている。

 同じ店舗に勤めるスタッフのビデオ投稿にゲスト出演したことをきっかけに、1年ほど前に「クロチャンネル」を始めた。今では週に1回のペースで、これまでに約50本を投稿している。どうせやるなら見ている人に楽しみながら洋服のことを知ってほしいと、ユーチューバーのコメントや早送りの仕方、テロップの出し方などを研究した。撮影は、閉店後の店内でほかのスタッフにiPhoneを渡し、5分ほどで終了。なんとNGはほとんどない。

 担当売り場の「ビームス ボーイ」の新商品や人気が高い定番商品を、解説を交えながら紹介する。「『ビームス ボーイ』の洋服にはこだわりのあるものが多い。例えば、何年代のミリタリーアイテムから着想を得ているなどといった商品の背景を伝えたり、別注アイテムであればどこがポイントかなどを説明したりする」と黒澤さん。ただし、動画も接客の延長だと考え、「ビデオだから特別ではなく、商品の特徴やおすすめポイントを店頭でお客さまに伝えるのと同じ感覚で取り組んでいる」と続ける。

 撮影した動画は無料アプリの「VLLO」で編集し、サムネイルは無料お絵描きアプリの「アイビスペイントX」で作成している。ユーチューブを観て、見よう見まねで覚えた独自の編集や手書きの文字などに親近感が湧くと好評だ。動画を投稿する際のポイントは1分~1分半にまとめること。「移動中の電車の中でもデータ容量を気にしないで手軽にサクッと観てもらえるように、長くても2分以内に収めるようにしている」。動画には同じ店舗のスタッフをゲストとして呼ぶこともあり、バリエーションも豊富だ。1時間かからないほどの編集作業で、1本の動画が完成する。

 黒澤さんはビームスのコンテンツ内でスタイリングのスナップ投稿も行っているが、ビデオの反響はそれ以上だ。「動画を観ていただいたお客さまから接客してほしいという声をいただき、とてもありがたい。SNSで知ったビームスのない地域のお客さまから、二子玉川店にお問い合わせをいただくこともある」と、スナップでは分からない人柄にも興味を持ってもらっている。

 新型コロナウイルスによる店舗の臨時休業中には、ビームスのユーチューブコンテンツである「ビームス アット ホーム ビデオ(BEAMS AT HOME VIDEO)」に「クロチャンネル」の出張版「韓国語講座」も投稿した。「コロナを機にますます店頭だけではなく、オンラインを通しての発信が大切になっていくと思う。今後はインスタライブなど、生配信にもチャレンジしたい」と意気込む。

 6月29日号「WWDジャパン」の販売員特集では、黒澤さんのほかにもたくさんの“人間力”あふれる販売員を取材している。

ビームス公式オンラインの“ビームスビデオ”投稿を飛び出した出張版「クロチャンネル」

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ペッパーフード、「ランチ」事業100億円売却でも、先は「茨の道」のワケ

 「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスの行方が見えない。比較的好調な「ペッパーランチ」事業を子会社化し、それを外部に売却するのではないかという見通しが出ている。売却金額100億円という説もあるが、それが実現するのか?それが実現した時のペッパーフードはどうなるのか?
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居酒屋、ファミレスで客単価上昇のナゼ?テイクアウト・デリバリーじゃない要因がありそう

 居酒屋やファミレスなど、テーブルサービス主体の企業の月次報告を見ていて、奇妙なことに気づいた。閉店や営業時間短縮で、既存店売上高や客数が落ちているのは当然だが、客単価が上昇しているチェーンが目立つのだ。テイクアウトやデリバリーを強化した結果とも見えるが、それだけでない事情も考えられる。
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ウォルマートで「打倒アマゾン」に執念を燃やす男 ベゾスとの因縁も 鈴木敏仁のUSリポート

 アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する。今回は小売業の巨人・ウォルマートのEC戦略を解説。新興EC企業を相次いで買収するウォルマートの狙いとは?

 ウォルマート(WALMART)が中古ファッションECのスレッドアップ(THRED UP)と提携した。ウォルマートのサイト内にスレッドアップのページが追加され、およそ約7万5000アイテムがすでに出品されている。35ドル以上の買い物で送料は無料、返品はウォルマート店内で可能という条件はウォルマートに準じている。

 ざっと見る限り、婦人服、バッグ、アクセサリー、子供服、プラスサイズ、シューズといった一般的なカテゴリー分類なのだが、取り扱われているブランドをみると興味が湧いてくる。「コーチ(COACH)」「グッチ(GUCCI)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ザラ(ZARA)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」など、ウォルマートに存在し得ないブランドがずらりと並んでいるからだ。試しに「ルイ・ヴィトン」で検索したところ最高価格は2099.99ドルだった。低価格をうたって競合をなぎ倒してきたディスカウントストアの雄・ウォルマートとしてはありえない商品である。

 ウォルマートにとってこのスレッドアップはマーケットプレイスのセラーの1社という位置づけとなる。

 アマゾン(AMAZON)で商品検索するとプロパーと中古が混在して表示されることは、皆さんご存知だろう。アマゾンのマーケットプレイスはそもそも中古本からスタートしており、マーケットプレイスと中古販売は相性がよく、珍しいものではない。ただアマゾンの中古は家電や雑貨が中心で、衣料は少ない。有名ファッションブランドも当然ない。

 そういう意味でウォルマートとスレッドアップのパートナーシップは画期的といえる。

転機はジェット・ドット・コムの買収

 おそらく10年以上前であったならば両社が組むなどということはありえなかっただろう。

 ウォルマートのビジネスモデルの骨格は効率化による低価格戦略にあり、マーケティングやブランディングにリソースを集中させるような戦略を取ることはなかった。このオペレーションに主軸をおく小売企業と、若年層や都市生活者をターゲットとするファッション企業が組むのは難しい。

 この戦略が大きく転換したのがジェット・ドット・コム(JET.COM)の買収である。

 ジェット・ドット・コムはマーク・ロリー(Marc Lore)という業界では有名なアントレプレナーが2014年に創業した企業で、ウォルマートが買収したのは翌々年の16年、買収総額は33億ドルだった。わずか2年間でこの額は今考えても目が覚めるような買収案件だ。

 ロリーはこのジェット・ドット・コムの前におむつのネット販売を大成功させて、そのビジネスを10年にアマゾンに5億4500万ドルで売却している。あまり報じられていないのだが、売りたくないロリーに対してアマゾン創業者兼CEOのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)が脅すように買収攻勢をかけて、投資家にロリーが説得されて嫌々売ったらしい。そのためロリーはアマゾンを嫌っており、対アマゾンを旗印として改めて創業したのがジェット・ドット・コムなのである。

 ジェット・ドット・コムによる最初の資金調達ラウンドは14年末で8000万ドルを獲得した。その後数回のラウンドを経て最終的に2億2500万ドルを調達しているのだが、サイトがオープンしておらず、売り上げゼロの構想段階でこの調達額は過去に例がないと言われていた。投資企業によるロリーの手腕に対する評価額と言い換えてよい。ジェット・ドット・コムのサイトオープンは15年7月。ウォルマートによる買収はその翌年、ウォルマートCEOのダグ・マクミロン(Doug McMillon)とロリーが偶然出会い、意気投合して買収へと進んだと言われているのだが、おそらく打倒アマゾンが共通テーマだったのだろう。

 買収された後にロリーはEC事業の総責任者となった。ウォルマートのEC戦略はこのとき以降すべてロリーが統括してきたのだが、最初に明言した戦略は店舗とサイトは異なる道を行くということだった。店舗は今まで通り低価格を主軸としながら、ネットは全方向に拡大してゆくと掲げていた。

 ここでロリーが打った手がD2Cブランドの買収だ。モドクロス(MODCLOTH)、ボノボス(BONOBOS)、ムースジョー(MOOSEJAW)など10社弱を手に入れているのだが、すべてウォルマートのイメージとは相容れない若年層、高所得層、大都市生活者を対象とした企業である。ところがどれもいまだに黒字化していない。赤字を補填している黒字の店舗営業サイドとの確執があったりして売却プレッシャーがかかり、昨年10月にモドクロスを売却し、その後も売却のうわさはずっとくすぶっている。

 そのためD2Cの買収は単独で見ると失敗したようにみえるのだが、注目すべきはシナジー効果である。新興ネットブランドを傘下に抱えることによってウォルマート・ドット・コムのイメージが変わってきているのだ。スレッドアップがウォルマート・ドット・コムの中に入って売ることを決めたのも、実はこういった背景がある。

ウォルマートの実店舗の規模を利用する

 ウォルマートはこのジェット・ドット・コムを5月末に閉鎖している。33億ドルで買収した企業が4年後には消えてなくなった。その理由はロリーも含めたジェットの人材がウォルマートに吸収されたことと、既述のようにウォルマート・ドット・コムが進化してジェットが持っていた顧客層やブランド層を取り込めるようになったからだ。

 要するにジェットはウォルマートの“血肉”になったのである。

 私はロリーがジェットをテコにしてウォルマートのEC事業を手中に収めたのだと理解している。アマゾンに対抗するにはウォルマートの規模を利用する方が手っ取り早い。

 ちなみにウォルマートはこのコロナ渦で急増したEC需要をほぼ順調にこなしきっている。ロリーは店舗網を持っていることが強みだとしてストア・ピックアップに力を入れてきた。コロナ禍で人の接触が少なくなるという意味でストア・ピックアップ(とくに店員が車のトランクまで商品を運んでくれる「カーブサイド・ピックアップ」)にスポットライトが当たっており、この数年強化してきたことが全て成果となって表れているのだ。ロリーがいなかったらウォルマートはここまでうまく運べているかどうかは分からない。

 彼は買収したD2Cブランドは全てロングテールだと説明している。スレッドアップもロリーの構想上はウォルマート・ドット・コムのロングテールということだろう。見えないところでウォルマートのEC戦略は着々と進化を続けているのだ。

鈴木敏仁(すずき・としひと):東京都北区生まれ、早大法学部卒、西武百貨店を経て渡米、在米年数は30年以上。業界メディアへの執筆、流通企業やメーカーによる米国視察の企画、セミナー講演が主要業務。年間のべ店舗訪問数は600店舗超、製配販にわたる幅広い業界知識と現場の事実に基づいた分析による情報提供がモットー

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「アレキサンダー・マックイーン」2020年プレ・フォール・コレクション

 「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」が2020年プレ・フォール・コレクションを発表した。

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「M・A・C」が1000個限定の“超エクスクルーシブ”ラインを米国で発売 ストリートブランドのような“ドロップ形式”を採用

 「M・A・C」はアメリカで新ライン「アンダーグラウンド(UNDERGROUND)」を発売した。オンライン限定で各製品1000個のみを発売し、「M・A・Cラバー」プログラムの会員のみが購入できる。シーズンごとにではなく不定期に製品を発売する、ストリートブランドの“ドロップ形式”を採用し、3カ月に1〜2製品ずつ発売する予定だ。製品は最新のメイクアップトレンドを取り入れたもので、手作業でロット番号を記載している。

 ウコンワ・オジョ(Ukonwa Ojo)「M・A・C」グローバルマーケティング部グローバルチーフマーケティングオフィサー兼シニアバイスプレジデントは「『M・A・C』のような大規模なグローバルブランドだと、市場にトレンドやイノベーションを届けるには(時間やコストがかかり)困難な場合がある。われわれがしたかったのは、開発スタジオからすぐに消費者に届けられるような小ロットの製品を作ること。これにより最新のトレンドをリアルタイムで消費者の手にわたらせることができる」とコメント。

 サム・チョウ(Sam Cheow)=コーポレート イノベーション&プロダクト デベロップメント シニア バイス プレジデントは同ラインの実現には、製品開発や研究開発、サプライチェーンなどさまざまな部署の協力が必須だったという。「今年の1月頃にコンセプトを練り始めたが、さまざまなチームを横断して、どのように短時間で開発から製造、販売までを完結できるかを話し合った。インディーズブランドのように、市場の傾向やトレンドに素早く対応できるマインドセットを取り入れることができた」。

 第1弾製品は6月のプライド月間に合わせて作られたレインボー色のハイライトだ。同ブランドは20年以上にわたりLGBTQIA+コミュニティーを「ビバグラム基金」を通してサポートしてきている。

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「アジア人は男らしくない?」 ファッション業界のゲイのアジア人が考える“男らしさ”

 BLM運動で世界で人種差別への意識が高まり、くわえて6月がLGBTQ+の「プライド月間(Pride Month)」であることから、欧米では人種的にもマイノリティーであるゲイのアジア人への注目が集まっている。彼らはゲイ(Gay)とアジア人(Asian)をミックスした“ゲイジャン(Gaysian)”という白人目線の造語でひとくくりにされ、同じゲイコミュニティーからも“男らしくない”というレッテルを貼られてきた。ファッション業界のゲイのアジア人を中心に、白人中心的な“男らしさ”の定義をより多様にしようという動きが強まっている。

 ニューヨーク発のブランド「プライベート ポリシー(PRIVATE POLICY)」の共同創業者ハオラン・リー(Haoran Li)は、ゲイだけではなく、メディアでのアジア人男性全体の扱いがステレオタイプを生んでいると考える。映画「ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)」で日系人男性ユニオシ(Yunioshi)を白人俳優ミッキー・ルーニー(Mickey Rooney)が軽蔑的に演じたように、欧米はアジア人男性をネガティブに描いてきた。差別を受けているLGBTQ+であることにくわえ、このようなネガティブなアジア人男性のステレオタイプが“ゲイジャン”という言葉には隠れている。

 新たな男性性を追求する香港拠点のブランド「ポンダラー(PONDER.ER)」の共同創業者アレックス・ポー(Alex Po)は「男くさいスポーツマンだけが男性ではない。繊細で傷つきやすいから女性的なわけでもない」とコメントした。アジア人は物腰が柔らかだというステレオタイプがあるが、それを女性的だと決めつけてはいけない。もう一人の創業者であるデレック・チェン(Derek Cheng)は「周りに比べソフトで繊細な男の子といわれた僕たち2人をイメージして服をデザインしている」と言い、欧米社会の男性性の定義とは違うソフトな“男らしさ”をデザインで表現している。「ピンクを着ているとゲイって思われそうだから着られない?そっちの方が“男らしくない”よね」と自分らしくいられることが一番の“男らしさ”だと語った。彼らは世界中の男性や男の子のためにも男性性の定義を広げる必要があると考える。

 ファッションジャーナリストの益井祐は、そもそも歴史的にアジアにおける“男らしさ”は西洋に比べ柔軟だったと語る。ジェンダーの定義も多様で、アジアではヒゲや筋肉は西洋のように必ずしも男性であるために必要とされていない。益井自身もジェンダーにとらわれないストリートスタイルで知られるが、1990年代の日本のファッションでは中性的な“フェミ男”が登場し、体にピチッとフィットしたTシャツや長めのヘアスタイルがはやっていた。そして最近でも韓国や中国の男性アイドルは中性的な顔立ちで、ヒゲをそっているのが主流だ。「だから、アジア出身のデザイナーや服飾の学生はジェンダーレスなコンセプトをデザインに難なく取り込めるのではないか」とコメントし、「ザンダー ゾウ(XANDER ZHOU)」が2019年春夏コレクションで男性モデルにシリコーン製の腹部を着けて妊娠しているように見せた例を挙げた。

 プーマ ジャパン(PUMA JAPAN)のクリエイティブ・アンド・デザイン部で部長を務める市川穣嗣は、そもそも“ゲイジャン”という言葉でひとくくりにされ、個々の多様性が可視化されていないことが問題だと考える。日本のゲイ男性向けのミスターコンテスト「ミスター・ゲイ・ジャパン(MR GAY JAPAN)」のクリエイティブ・ディレクターも務める市川は、「この国のゲイの人々にも表に出て声を上げる機会を持ってほしかった」とコメントした。東京でも開催されたBLM運動の行進に言及し、「50年前に黒人トランス女性のマーシャ・P・ジョンソン(Marsha P. Johnson)がストーンウオールの反乱(Stonewall Riots)をリードしなければ現在のLGBTQ+の権利は存在しなかった」と声を上げることの重要性を強調した。今まで、存在を無視されてきたゲイのアジア人たちがきちんと声を上げ、可視化されることが、白人中心だった“男らしさ”の定義を広げることにつながるのだ。

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ジャンポール・ゴルチエがオリジナルマスクをデザイン 利益はエイズ撲滅団体に全額寄付

 ファッションデザイナーのジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ウイットに富んだマスクを手掛けた。マスクは彼のシグネチャーであるマリンテイストのボーダーの上に真っ赤なリップマークをあしらったデザインで、素材にはヨーロッパの衛生基準に基づいた3層のポリエステルを使用。ゴルチエがこのほどアンバサダーに就任したフランスのエイズ撲滅のために活動する団体シダクション(Sidaction)のために手掛けたもので、オンラインストアから1枚12ユーロ(約1400円)で購入できる(ただし配送はフランス国内のみ)。利益は全て同団体に寄付され、新型コロナの蔓延を防ぎながらエイズ撲滅への支援も行える取り組みになっている。

 1994年に設立されたシダクションは、エイズに関する研究や予防、エイズ患者への支援プログラム提供のため、フランス国内外の合わせて約100の組織に資金を提供している。フランスの人気歌手リヌ・ルノー(Line Renaud)が副会長を務め、80年代からエイズへの意識を高めるとともに、研究資金の調達に貢献してきた。

 一方、公私共にパートナーであったフランシス・メヌージュ(Francis Menuge)を90年にエイズで亡くしたゴルチエは同団体の強力な支援者であり、「ルノーにアンバサダーになってほしいと頼まれたとき、迷いはなかった」とコメント。「エイズとの闘いは何よりも個人的なストーリーであり、特に重要と考えている。この機会に若者に語りかけ、意識を高めていきたい。いつかワクチンが開発されることを願っている」と続けた。

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ファッションレボリューションがウェビナー開催 スパイバー取締執行役や松島「ワイアード」編集長らが登場

 ファッション産業の透明性を推進するNPO団体ファッションレボリューションジャパンは6月27日、“ヘルシーなファッションを考える”と題したウェビナーを開催した。同イベントは毎年4月のファッションレボリューションデーに合わせて開催されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期となっていたもの。全体は2部構成で約150人が参加し、うち30%を学生が占めた。

 第1部は、小出大二郎・豊島オーガビッツプロデューサー、池村祐子レンチングファイバーズジャパンマーケティング事業開発マネージャー、菅原潤一スパイバー取締執行役が、「これからの“よい”素材とは何か」をテーマにトークセッションを行なった。

 小出氏は豊島が2005年から取り組むオーガニックコットンプロジェクト「オーガビッツ(ORGABITS)」や、「コンバース(CONVERSE)」とのコラボで話題になった廃棄食料を染料に活用するプロジェクト「フードテキスタイル」などについて紹介し、「これまでの洋服はデザインなどの見える部分だけが注目されていた。しかし現在の消費者は素材の生産工程も含めた背景に注目している」と指摘した。菅原氏は「これからの時代のよい素材とは機能性、コスト、環境性能の3軸を満たすものだろう。社内でもレンチンググループの“テンセル”素材は評価が高い。今後はお互いの知見を合わせながら協働してさらによい素材の開発を目指したい」とコメントした。

 第2部は松島倫明「ワイアード(WIRED)」日本版(コンデナスト・ジャパン)編集長、千原徹也れもんらいふアートディレクター、文化人類学者の辻信一氏という全くフィールドの異なる3人が、これからの服の役割やテクノロジーとクリエイティビティの可能性などについて語った。

 イベントの最後には小泉進次郎・環境大臣がビデオメッセージで登場。「新型コロナウイルスで大きな経済的打撃を受けたいま、環境省は脱炭素社会、循環型社会、地方分散型社会へ移行し、経済の再設計を目指す。ファッション業界の皆さまが変わることでその動きは加速していくと確信している。環境省はファッションを愛する皆さまと一緒に経済社会の再設計を成し遂げたい」と語った。

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ユニリーバに次ぎロレアルもスキンケア製品から美白関連の名称を取り下げると発表

 ロレアル(L'OREAL)はスキンケア製品に関して、今後“ホワイト”“ホワイトニング”“ライト”“ライトニング”“フェア”“フェアネス”といった名称の使用を廃止すると発表した。先週、ユニリーバ(UNILEVER)も同様に美白に関連する言葉を使わないと発表したばかりだ。また、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JOHNSON & JOHNSON)も美白製品の販売を中止する。

 ロレアル傘下のブランドでは「ランコム(LANCOME)」の「ブラン エクスペール」シリーズや「ガルニエ(GARNIER)」の「スキン ナチュラルズ ホワイト コンプリート マルチ アクション フェアネス クリーム」などを美白系のスキンケアアイテムとして展開している。なお、日本ロレアルは日本側の具体的な展開についてコメントを控えている。

 こういった流れの背景には、5月末に米国で黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)氏が白人警察に押さえ付けられて死亡し、これにより全世界中で人種差別への抗議活動が広まったことがある。アジアを中心に人気の美白製品だが、「白人のような“白い・明るい肌”が美しい」という考えを広めるという懸念で販売中止や製品名の変更の発表が続いている。しかし日本では美白製品が「白人への憧れ」という考えで人気とは限らないとして、SNSなどで話題となっている。

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「モンクレール ジーニアス」と藤原ヒロシの「フラグメント」がコラボ 山下智久出演のショートフィルムも

 「モンクレール(MONCLER)」のクリエイターコラボプロジェクト「モンクレール ジーニアス 2020(MONCLER GENIUS 2020)」は、藤原ヒロシとのコラボ“7 モンクレールフラグメント ヒロシ・フジワラ(7 MONCLER FRAGMENT HIROSHI FUJIWARA)”を7月2日に発売する。コレクションは一部の「モンクレール」店舗および公式EC、セレクトショップで取り扱う。

 黒を基調に黄色や青色をアクセントに使用したコレクションで、ナイロンやウールなど異なる素材を掛け合わしたデザインが特徴。ライトグリーンが印象的なアウター(21万3000円)、イギリス最古のモーターサイクルウエアブランド「ルイスレザーズ(LEWIS LEATHERS)」と製作したジャケット(39万5000円)、クール&ザ・ギャング(Kool & the Gang)のアルバムのカバーアートをプリントしたウインドブレーカー(19万8000円)、藤原のお気に入りのパリにあるレストランの経緯度がデザインされたニット(7万9000円)も同コラボに含まれている。

 また、昨年の同コラボに引き続き山下智久を起用したショートフィルムを発表する。伊東玄己が監督を務め、人の性格や個性が日々の選択で形成されることから“選択”をテーマに制作した。動画はユーチューブで視聴できる。

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H&M、20年3〜5月期の売り上げは50%減 コロナ禍で赤字転落

 H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ AB以下、H&M)の2019年12月〜2020年5月期(上期)決算は、売上高が前年同期比22.9%減の836億1200万スウェーデンクローナ(約9197億円)、営業損益は前年同期の69億4000万スウェーデンクローナ(約763億円)の黒字から34億9800万スウェーデンクローナ(約384億円)の赤字に、純損益は同じく53億7200万スウェーデンクローナ(約590億円)の黒字から30億6300万スウェーデンクローナ(約336億円)の赤字となった。

 新型コロナウイルスの世界的な流行によって大半の店舗を休業せざるを得なかったため、20年3〜5月期(第2四半期)の売上高は同50.1%減の286億6400万スウェーデンクローナ(約3153億円)、純損益は前年同期の45億6900万スウェーデンクローナ(約502億円)の黒字から49億9100万スウェーデンクローナ(約549億円)の赤字となった。5月31日の時点で同社はおよそ5050店を運営しているが、その7%程度に当たる350店がいまだ休業している。一方、ECの売上高は現地通貨ベースで同32%増と好調だったが、実店舗の売り上げ減を補うには至らなかった。

 ヘレナ・ヘルマーソン(Helena Helmersson)最高経営責任者は、「この危機的な状況の中で尽力してくれた全ての従業員に心から敬意を表する。現在は多くの店舗が営業を再開しており、売り上げも予想より速いペースで回復している」と語った。同氏はまた、「パンデミックによって消費者動向は急激に変化している。ファッション業界における小売りのデジタル化がいっそう加速することは明白であり、当社も数年前から取り組んでいるデジタル強化、店舗の最適化、販売チャネルの統合などをさらに推進していく」と述べた。

 H&Mは以前から販売網の最適化のため閉店や新規出店を伴う店舗の統廃合を行っているが、新型コロナウイルスの影響を踏まえて、20年の閉店数は当初の計画よりも多い170店、新規出店は計画を下回る130店となる予定だ。

 なおライバルである「ザラ(ZARA)」などを擁するインディテックス(INDITEX)も、以前から店舗とECの完全な統合を目指して店舗の統廃合を進めている。同社は4月30日の時点で7412店を運営しているが、21年までに全体の13〜16%に当たる1000〜1200店を閉じる計画を発表。主に小型店や不採算店を統廃合する一方で、最新の販売支援システムなどのデジタル技術を備えた店舗を新たに450店ほどオープンする。

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J.フロント3〜5月期は営業赤字271億円 コロナ休業で売上高6割減

 J.フロント リテイリングの2020年3〜5月期業績(国際会計基準)は、本業のもうけを示す営業損益が271億円の赤字(前年同期は127億円の黒字)になった。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言によって、大丸、松坂屋、パルコなどの店舗が2カ月近く休業したことが響いた。業績悪化に伴う減損損失115億円を計上したことも打撃になった。

 日本基準の売上高に相当する総額売上高は前年同期比58.6%減の1134億円だった。主力の大丸松坂屋百貨店においては、3月は毎週火曜を臨時休業にし、4月8日以降は緊急事態宣言に基づいてほぼ全店を休業、5月の連休明けから一部の食品売り場を再開したものの、多くの店舗は宣言が解除された5月下旬まで営業再開できなかった。純損益は203億円の赤字(前年同期は71億円の黒字)に転落した。

 また同社は見送りになっていた21年2月期の通期業績予想を発表した。総額売上高が8050億円(前期比29.0%減)、売上収益が3320億円(同30.9%減)、営業損益が300億円の赤字(前年同期が402億円の黒字)、純損益が260億円の赤字(同212億円の黒字)を見込む。下期(9〜2月)総額売上高は16.1%減と予想する。牽引役だったインバウンド(訪日客)による免税売上高も年間ゼロを想定する。

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紳士服のコナカが接触冷感マスク発売 通気性にも優れたワイシャツ生地を使用

 コナカは7月3日に、ワイシャツ素材を使用した接触冷感性マスク“クール ムーブ 洗える立体マスク”を、紳士服のコナカとフタタあわせて限定50店舗、スーツセレクトの限定100店舗で発売する。また公式ECサイトでは6月29日から、7月中旬発送分の予約販売を開始する。

 同アイテムには国内の工場で生産したワイシャツ生地を使用した。接触冷感性、吸水速乾、通気性に優れており、洗濯後もアイロンをかけずに繰り返し着用することができる。実際に同社が検証を行ったところ、同アイテム着用時の表面温度は不織布マスクと比較してマイナス4℃程度の差があること、またマスク内の湿度の比較では不織布マスクより常に3%程度低いことがわかった。マスクの外側はストレッチ性のある柔らかい肌触りのニット生地を用い、息苦しさを軽減する立体構造にもこだわった。カラーは白、サックス、ブルーの3色で、それぞれSサイズとMサイズをそろえる。価格は1000円。

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アパレルのセルフ返品 「スマリ」、年内2000拠点に拡大 ネット通販拡大に対応

 三菱商事のセルフ返品サービス「スマリ(SMARI)」が拡大している。「スマリ」は首都圏のローソンに設置されている専用の返品ボックスを使ったセルフ型の返品サービスで、現在約1000カ所に設置し、ファッションECモールの「ロコンド」やグローバルSPAなど10社が契約している。三菱商事は利用者の増加を受け、年内に返品ボックスの設置箇所を首都圏のローソンなど2000拠点に拡大する。

 「スマリ」は既存のコンビニ物流を使い、製品を配送し終えたコンビニの配送トラックの空きスペースを使う、いわゆる”静脈物流”を活用しており、同事業の担当者である三菱商事物流開発部の島田貴博氏は「アプリと専用ボックスを駆使することで、利用者は24時間365日の利用が可能できる一方、利用者のみで作業を完結し、静脈物流を活用するため、ビジネスモデルが物流業界や小売業界全体の負荷を必要以上に増やさない設計になっている」と語る。EC事業者にとっても、宅配便などの従来の返品物流よりも配送コストが安い特徴がある。

 現在は「ロコンド」のほか、「ショップリスト」やアパレルのレンタルサービス「エアクローゼット」、D2Cブランド「アルティーダウード」などが契約しており、今後は大手アパレルなどにも事業者を拡大し、7月にはクリーニングサービスもスタートする。

 グローバルSPAなどの取扱いもスタート、緊急事態宣言下の5月の取扱高は巣ごもり消費などで取扱高は前月比の1.3倍に拡大しているが、「まだまだ取扱い能力には余裕がある。返品に限らず、今後はネット通販全体でタッチポイントを増やしていく必要があり、新型コロナで人との接触を抑える”セルフ”型の需要も広がっている。専用ボックスの設置を拡大することで、ユーザーを拡大させたい」という。専用ボックスの設置場所も現在は、三菱商事が2017年に子会社化したローソンのみだが、今後はローソン以外にも広げていく考え。

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第1弾マスクは即日完売 快適下着ブランド「スロギー」から夏用マスクが登場 

 トリンプ・インターナショナル・ジャパンは6月29日、快適下着ブランド「スロギー(SLOGGY)」の累計760万枚を販売したシリーズ“スロギーゼロフィール”の素材を使用した“スロギーマスク”の新柄2つと、夏向けの新商品“スロギーコットンマスク”3色をスロギー公式オンラインストアで発売した。
 
 同社は5月末、縫製なし1枚仕立てで程よく伸びてフィットし、何度も洗濯して使用できる“スロギーマスク”を発売したところ即日完売した。第2弾の“スロギーマスク”のプリントはネイビーベースのノスタルジックな花柄と、ホワイトベースの鮮やかなひまわり柄2つで価格はともに980円。“スロギーコットンマスク”は吸水速乾機能と汗に対する消臭機能がある綿混の素材を使用しており、ピンク、ブルー、ホワイトの3色展開で価格は各980円だ。

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「オークリー」がMLB大谷翔平選手とパートナーシップ締結 「最高のパフォーマンスに欠かせない」

「オークリー(OAKLEY)」は、アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)のロサンゼルス・エンゼルスで活躍する大谷翔平選手とパートナーシップを結び、その一環として“大谷翔平シグネチャーコレクション”を7月下旬にオークリーストアや「オークリー」にeコマースサイトで発売する。

 同コレクションは、カリフォルニアのオークリー本社で大谷選手が30本以上フィッティングした中から選んだ“レーダーEV(RADAR EV)”(2万7200円)、“フロック スキン ライト(FROGSKINS LITE)”(2万2700円)、“マーセナリー(MERCENARY)”(3万100円)の3モデルをラインアップしたもの。フレームの内側には”OHTANI“のロゴが刻印されているほか、2モデルには日本をイメージした和柄のプリントがあしらわれている。また、レンズは約15年をかけて研究開発された“プリズム(PRIZM)”を採用した。

 大谷選手は今回のパートナーシップ締結にあたり、「さまざまなスポーツカテゴリーのトップアスリートがそろう“チームオークリー”の一員となれたことにとてもワクワクしています。どんな状況でも、適切なギアを身に着けることが大切だと思っています。自分自身にとって最高のパフォーマンスに欠かせない『オークリー』の革新的なテクノロジーは、僕のシグネチャーコレクションでも確かめることができます。これからフィールドでもプライベートでも着用できることを楽しみにしています」とコメントした。

 大谷選手が加わる“チームオークリー”には、今年のアメリカンフットボウルのスーパーボウルチャンピオンとMVPを獲得したパトリック・マホームズ(Patrick Mahomes)、2017 年にMLB ルーキー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ(Aaron Judge)、過去2度にわたりマスターズチャンピオンを手にしたプロゴルファーのバッバ・ワトソン(Bubba Watson)のほか、日本からはイチロー、松山英樹、平野歩などの選手が名を連ねている。

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東京ヴェルディと機能服「ミノトール」が異業種タッグ ファッションの力でクラブの伝統を世界へ発信

 スポーツクラブの東京ヴェルディと泉栄一デザイナーのメンズブランド「ミノトール インスト(MINOTAUR INST)」は、eスポーツ用のアパレルを共同製作し、「ミノトール インスト」の公式オンラインストアで6月29日から購入予約を受け付ける。アイテムはスポーツライン“ミノトールジム(MTRGYM)”の半袖Tシャツ(1万2000円)と長袖Tシャツ(1万5000円)の2型。素材はペットボトルを再利用したもので、優れた吸湿速乾性を備えており、泉デザイナーが得意とするミニマルなデザインと都市生活を快適にする機能性を融合させている。取り扱い店舗は「ミノトール インスト」の直営店と、同ブランドの卸先である海外のセレクトショップを予定しており、「チームのグッズではなく、あくまでファッションアイテムとして売っていきたい」と泉デザイナー。そう意気込む理由は、シンプルなTシャツの胸元に映える東京ヴェルディのロゴに特別な思いがあるからだった。

両者をつないだデザイン界の巨匠

 サッカーで有名な東京ヴェルディは、2019年にクラブ創立50周年を迎えた。1993年のJリーグ発足当時は多くのスター選手が所属し、初代チャンピオンに輝くなど華々しい歴史を築いてきた。しかし05年のJ2降格や親会社の撤退、有名選手の流出が相次ぐなど、チームの成績も経営も苦しい時期が続いた。そして節目となる50周年を機に、大きくリブランディングを実行する。主力のサッカーに加え、新規参入した野球やバスケットボール、eスポーツチームなど所属する17競技のチーム全てが東京ヴェルディの名を掲げる、総合型クラブへと舵を切った。指揮をとるのは熊本浩志アマダナCEOで、チームのクリエイティブセンター長としてまずは全チームをつなぐ新たなロゴとユニホームのデザインに着手した。同氏が起用したのは、デザイン界の巨匠であり、泉デザイナーも敬愛するネヴィル・ブロディ(Neville Brody)だった。泉デザイナーは「若い頃からDJをやっていたので、レコードや周辺のカルチャーを通じてネヴィルは当然知っていた。熊本さんからの依頼に即答したものの、彼のタイポグラフィーやロゴを使うということにはプレッシャーもあった。僕にとってはそれぐらい大きな存在」と述べる。

“オールヴェルディ”で売上高100億円目指す

 熊本クリエイティブセンター長のリブランディングの成果は着実に実を結んでおり、ユニホームの売り上げは3.7倍に跳ね上がり、グッズの売り上げも倍増した。サッカークラブの売上高は、現在所属するJ2のリーグの平均が15〜16億円であるのに対して、19年度は19億円。楽天が運営するヴィッセル神戸のJリーグ史上最高売上高の114億円にはまだまだ及ばないものの「“オールヴェルディ”で100億円を超えたい」と熊本クリエイティブセンター長。そのためのエンジンの一つとして「もっとファッションのイメージを付けていきたい。“東京”を掲げるからにはファッションは切り離せない」と続けた。「ミノトール」の販路であるフランスやスペインでの販売が実現すれば、ネヴィル・ブロディが手掛けたロゴが付くウエアを通じて、東京ヴェルディの知名度は広がるかもしれない。

 スポーツチームがファッションを通じて知名度を広げるマーケティングは、フランスのパリ・サンジェルマンFC(PARIS SAINT-GERMAIN FC)が有名だ。日本でも渋谷・明治通り沿いにベイクルーズグループが運営する公式ストア「PSG ストア トウキョウ」を運営するなど、ファッション事業にも積極的だ。

“デジタルアスリート”のための服

 また、eスポーツのウエアというのも今回の協業のポイントだ。東京ヴェルディは、観戦者の高齢化が進むプロサッカービジネスの将来を危惧し、16年にeスポーツチームを結成した。市場はまだ小さいものの、若年層ファンの取り込みと海外進出に可能性を感じており、事業の一つして現在注力している。熊本クリエイティブセンター長は「eスポーツってスポーツなの?という議論が日本ではまだある。事業として参入しているメーカーもあるが、選手たちが袖を通すユニホームには正直ピンとこなかった」と振り返る。しかし泉デザイナーと企画を進める中で出たキーワード“デジタルアスリート”という言葉に光明を見出した。「とてもしっくりきた。選手はもちろん、昼夜パソコンと向き合っている僕たち全員も“デジタルアスリート”じゃないかと。筋肉質なスポーツ選手が似合うスポーティーなものではなく、普段でも着られるデザインであるべきだという結論に至った」。泉デザイナーも「機能服は得意だし、eスポーツはもともと興味があった。欧米のようにカルチャーとして定着してほしい」と期待する。東京ヴェルディは今後、歴史あるサッカークラブと新進のeスポーツチームを“オールヴェルディ”として運営することで、eスポーツの競技としての地位向上を目指している。

 新型コロナウイルスの影響という予想外の事態に見舞われたものの、リブランディングは奏功し始めている。中断していたJリーグも再開され、スポーツの活気が徐々に戻ってきた。あとはスポーツチームを名乗る以上、最も効果的なPRにつながるのは本業の成績だろう。東京ヴェルディの勝負はこれからだ。

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この夏、大活躍しそうな新トレンドのドライシャンプー 中野製薬のブランド「セトル」から誕生

 ヘアケアメーカーの中野製薬から4月に誕生した新ブランド「セトル(Settle)」。 “美容室の店販を活性化させる”という目的で、新たな価値を創造するブランドとしてスタートし、第1弾として「ドライシャンプー」を販売している。ドライシャンプーはもともと海外で人気のアイテムで、“ 洗い流さないシャンプー”のことだ。日本でもこの1~2年で美容感度の高い女性を中心に話題となっている。「セトル ドライシャンプー」の特長は、頭皮の余分な皮脂や汚れを取り除き頭皮環境を整えるとともに、根元をふんわりとさせるスタイリング剤の機能も併せ持つところ。スプレータイプで拭き取り不要なので、仕事終わりやスポーツ後などのスタイリング剤としても気軽に使用できる。また、仕事中にリフレッシュしたいときや頭皮のニオイが気になるとき、ヘアカラーやパーマをした日のシャンプー代わりに使用することもできる。

美容師だからこそのしっかり
とした提案で
新たな店販の価値を
つくることができる

 海外のサロンで働いていたときは、ドライシャンプーはスタンダードなアイテムとして認知されていましたが、日本では一部の美容感度の高い人は使ったことがあるものの、まだまだ。だからこそ、美容師が“ドライシャンプー”の説明をしっかりとすることで、興味を持ってくれるお客さまも多いです。「セトル ドライシャンプー」は、ヘアカラーを絡めるとおすすめしやすい。特にハイトーンカラーの場合、その日にシャンプーしてしまうとヘアカラーの褪色が早くなってしまうので、「今日はドライシャンプーだけにすればカラーの持ちもよくなる」と伝え、実際にカラー後に使って説明しています。ほかにも“髪の制汗剤”といったイメージで話すことが多いです。香りがよく、頭皮のニオイケアにも使えるので、「汗をかいたときとかにこれがおすすめだよ」と伝えています。サイズ的にも持ち運びしやすいので、これからの季節はビジネスでもプライベートでも常に持っていたいアイテム。

スポーツ後やディナー前に活躍
これからの季節に
持ち歩きたいアイテム

 これまでにドライシャンプーは使用したことがあり、とても便利だけれど、毛先が乾燥する印象でした。この「セトル ドライシャンプー」は、スプレータイプでしっかりと噴射されるので、頭皮に使うときはとても便利。実際に使用してみると、頭皮のベタつきを抑えてくれるだけではなく、根元にボリュームが出るのも実感。気にしていた毛先が乾燥してきしきしすることもなく、さらさらな髪に。2種ある香りも、両方ともくせが無くて好きな香り。これからの汗ばむ季節は、ぜひ持ち歩きたい。スポーツの後や、ディナー前の化粧直しのタイミングなどに活躍しそう。

さまざまなシーンで活躍する
ドライシャンプー

 スタイリング剤としても根元のボリュームアップなどにも使えるので、仕事終わりのスタイリングやスポーツの後、夏場でニオイが気になるとき、アウトドア、ヘアカラーやパーマした日のシャンプー代わりなど、幅広いシーンで使用できる。香りは“ナチュラルフローラル”と“フルーティーフローラル”の2種があり、気分によって使い分けることもできる。

植物由来の美容成分を配合

 保湿効果の高いシュガースクワラン※1、ワサビノキ種子エキス、ダイズ種子エキス、シアバター※2といった植物由来成分を配合し、髪や頭皮だけでなく全身にも使用できるので、ボディーシート感覚で使うことも可能だ。また、皮脂吸着パウダーが皮脂や汗を吸着しベタついた髪や頭皮をさらさらにし、ベタつきのなくなった根元はふんわりとボリュームアップする。

※1スクワラン「 シュガースクワラン」は日光ケミカルズの登録商標です ※2シア脂

問い合わせ先
中野製薬
0120-075570

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ジンズがドイツでダブル受賞 上海の店舗空間と眼鏡デザインの創造性を評価

 アイウエア企業ジンズホールディングスは、ドイツ・エッセンのノルトライン=ヴェストファーレン・デザインセンター(DESIGN ZENTRUM NORDRHEIN WESTFALEN)が主催する国際的なプロダクトデザイン賞「レッド ドット アワード(RED DOT AWARD )2020」において、1万件を超える応募作品の中からプロダクトデザイン部門のインテリア建築・インテリアデザイン カテゴリーで最高賞を受賞した。

 対象は、建築家の石上純也が手掛けた中国のジンズ上海环球金融中心店の独創的な店舗デザイン。その特徴は、最長12メートルにおよぶコンクリート製の5つのカンチレバーテーブルで構成された店舗空間で、長く伸びたテーブルは草原に漂う雲を表現し、テーブルに落ちる影も店舗デザインの一部としている。

 また、「ジンズ デザインプロジェクト」の第1弾となったジャスパー・モリソン(Jasper Morrison)による2017年発売のモデル“ニューノーマル”も、デザイン性の高い製品に贈られる賞「レッド ドット ウィナー(RED DOT WINNER)2020」に選出された。

 17年にスタートした「ジンズ デザインプロジェクト」は世界的なデザイナーとの協業で眼鏡の本質からデザインすることをコンセプトとしたもので、これまでジャスパー・モリソンのほか、コンスタンティン・グルチッチ(Konstantin Grcic)、ミケーレ・デ・ルッキ(Michele De Lucchi)、アルベルト・メダ(Alberto Meda)、ロナン&エルワン・ブルレック(Ronan & Erwan Bouroullec)と協業した眼鏡を発表し、日本だけでなく「ジンズ」の店舗がある中国、アメリカ、台湾、フィリピンでも販売されている。同賞の授賞式は、現地時間6月22日にオンラインで行われた。

 ジンズ上海环球金融中心店と「ジンズ デザインプロジェクト」は昨年、建築・デザイン系ウエブメディアの「デザインブーム(DESIGN BOOM)」がキュレーションする「ザ デザイン プライズ(THE DESIGN PRIZE )2019」も受賞している。

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美容・ファッション界も“アフターデジタル”の時代に 知っておくべきOMOとは?

 近年、デジタル化が進む中でO2O(Online to Offline)という言葉が多く聞かれるようになった。これはオンラインからオフラインでの行動を促進することで、ウェブで配ったクーポンを消費者がリアル店舗で使用するなどといったことが当てはまる。

 しかしその一歩先にいるのが中国で、中国では新しいデジタル化が進んでいる。それがOMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインの融合)だ。O2Oがデジタルとリアルという2つの“場所”を行き来するという概念であるのに対し、OMOではその境目がなく、消費者がサービスを受けたり購買したりすることのすべてがデジタル化されるのだ。

 日本でもOMOはデジタルトランスフォーメーション(DX、Digital Transformationn)の高まりの中で注目されている。一部ではすでに変化が訪れており、ファッション界や美容業界も例外ではない。そこで著書「アフターデジタル」の中で中国のOMOについて解説している藤井保文・ビービット東アジア営業責任者に、日本で必要なデジタル化の方法を聞いた。

WWD:藤井さんは著書「アフターデジタル」の中で、中国を例にOMOについて解説しているが、中国のOMOはどう進んでいる?

藤井保文(以下、藤井):中国は今、全ての支払いがモバイル上で行われている。移動やシェアリング、フードデリバリーやレストランまで、全ての行動がオンライン化しつつある中で、デジタルと融合してない“純粋なリアル”と言うものがなくなってきている。その状態が進化すると、デジタルの中にリアル全体が内包される形になる。

WWD:日本でもそのようなOMOが実現される可能性はあるのか?

藤井:日本の場合、企業構造がデジタルとリアルで分かれているので、うまくいかないということになっている。しかし今後は「リアルがデジタルに内包される」ことに対応できる企業が勝っていくのではないか。

WWD:リアルとデジタルの融合に関し、データの取得が話題に上がることが多い。

藤井:日本の企業はデータを得ることが先に来てしまっている印象だ。しかし本来、そのデータからどういう体験価値をつくるのかという目標を先に置かなければいけない。集めたデータを体験に還元することで、さらにユーザーが滞留し、より多くのデータが蓄積するというのが正しい流れで、やみくもにデータを保持することは、リスクがある上にコストも掛かる。

WWD:活用するために有益なデータとはどういうものか?

藤井:今までは属性データの時代で、年代や職業などで区切っていた。しかし、実際には会社員や主婦、20代や40代と同じ属性であっても一人一人ニーズは違うので、属性データではあまり活用できない。

そこで先ほど話した中国のように、食事から移動まで何でもデータ化するという「行動データ」の時代になってくるのではないか。個人が求めるものは、その人のキャラクターやモード(状況)によって変わるはず。例えばアスリートモードのときに、ビジネスアイテムをレコメンドするといったズレが、行動データがあれば減ってくる。

WWD:行動データを取るには、これまでのような顧客接点では難しい。

藤井:例えば5年に1度だけ買い物に来るとか、基礎化粧品しか買わない、というデータでは不十分だ。最適な提案はユーザーの自己実現やペインポイント(困っていること)に寄り添うことで、そのためには継続的かつ高頻度で、そしてリアルタイムにデータを取得する必要がある。ユーザーに高い価値提供やソリューションを提供するというふうにならないといけない。

接客とデジタル両方が必要 
中国の成功事例

WWD:メーカーは物を作って売るだけでなく、継続的なサービス提供が必要になってくるのか?

藤井:著書内でも解説しているが、現在はメーカー、サービサー、プラットフォーマーの3つのレイヤーがある。サービサーは配車やフードデリバリー、コンテンツ配信など、プラットフォーマーは楽天やアリババなどを指す。時価総額などを見ても分かるが、現在は消費者と接点を持てるサービサーやプラットフォーマーが強い。なので、そもそもデジタル対応するというときに、自社はどのレイヤーで戦うべきかと考える必要がある。

WWD:その中で、メーカーが実際にできることは何なのか?

藤井:顧客接点の利便性を高める、オフライン・オンラインの選択ができるといったEC対応や、接客におけるデジタル化というものはすでに多く事例があるので、それをまねることで実現が可能だ。

しかしメーカーからサービサーに上がろうとすると、プロダクト中心の売り方は変える必要がある。中国の平安保険は保険会社でありながら、遠隔医療プラットフォーム「ピンアングッドドクター」を運営していて、このサービスを軸に保険の営業を行い、ユーザー体験を向上させている。

※平安保険:1988年中国・深センで創業した保険会社。保険事業から保険銀行投資へと拡大して金融全般、さらには生活サービスにまでビジネスを広げている

WWD:メーカーがサービスを展開せずとも、プラットフォーマーやサービサーと提携してデータを活用する方法もあるのでは?

藤井:中国でも、新興の「ラッキンコーヒー」や個人店にお客を奪われたスターバックスが、アリババと提携してデータを活用するという事例がある。しかしこの手法はメーカーとして生きる選択肢だ。データは結局サービス側にあり、データを活用するため統合するのには大きなコストと時間が掛かる。

WWD:メーカーにとって理想的なデータの取得とはどのようなものか?

藤井:そもそも消費者は高頻度で服や化粧品を買わないし、複数のブランドで購買する。頻繁に買わないところにデータを渡そうとは思わないはずだ。D2Cブランドはライフスタイルの提案や世界観みたいなものを売っているという点で理想的で、消費者の関心は商品以外に及ぶ。サービサーとメーカーのハイブリッドのような形を目指すのもありだと思う。中国の平安保険はこれに近い形だ。

営業マンは押し売りをせず、ユーザーに便利なアプリの説明を行う。そうしてアプリのサービスを使ってもらい、営業機会や内容が営業マンに伝わるという仕組み。保険や金融商品の質ではなく、サービスからの顧客流入が成長要因だ。

平安保険の事例で注目すべきは、同社が第三者からのデータは使わず自社データのみで回していること。利用目的が明確であれば、1社のデータだけで十分に戦えるということが分かる。

WWD:平安保険の営業マンは、アパレルや美容業界で言うところのショップ店員や美容部員になる。

藤井:その通りで、美容部員やショップ店員のような属人的な関係性・技術だけでは、顧客が店に来たとき以外の状況が全くわからない。しかし普段からサービスを使ってもらえれば、その人のニーズがつかめる。OMOはオフラインをないがしろにするものではなく、中国でもオンライン・オフラインの利点と欠点を理解し、相互補完の活用をしている。

私は顧客接点を3つの接点から説明している。パーソナライズされた接客はハイタッチ、大勢に対して配信したりテンプレートの対応をするのがロータッチ、デジタルで便利さやお得感を出せるのがテックタッチ。平安保険の場合はテックタッチだけでなく、営業マンが真剣に相談に乗ったり、丁寧にアプリの使い方を教えたりというハイタッチがあるから伸びた。

WWD:つまりデジタル化を進めるにあたって、リアルでの接し方も変わってくるということか?

藤井:顧客接点の「上から見た接点」の図だと、テックタッチは広く接点が持てるので、一番外側にある。しかし中心はハイタッチ、つまりリアルな人を介する。ショップ店員や美容部員は、歴史もあるし、技術もあるプロ。だからこそ、自社サービスに参加してもらうきっかけを与える役割が担える。例えば多様な機能が用意されたサービスだと、ユーザーが最適なサービスを見つけ出せない場合があるので、サポートを人が行うということもできる。

WWD:これまでの話を総合すると、単に“デジタルを活用する”だけでなく、全体的な売り方の変革が必要になりそうだ。

藤井:そもそも、消費者にとってはデジタルとリアルの区別ってあまりない。例えばアレクサを通じて買い物するとき、音声を認識する・商品を検索する・発送する技術などが絡んで顧客体験をつくるが、ユーザーが気にするのは「買えるかどうか」だけ。社会の構造とメーカーの構造が違う形になってしまっているが、企業側はオフラインとオンラインのチャネルでどう売るかを考え、KPIを連携した方がいい。今あるものに加えてデジタルを導入するという考え方ではなく、大きな視点から企業の仕組みそのものについて考えるべきだ。

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「ニューバランス」が人気モデルの日本製スニーカー“M1300JPJ”を発売 価格は6万8000円

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」は7月17日、人気モデル“M1300”の発売35周年を記念して、初の日本製スニーカー“M1300JPJ”を発売する。価格は6万8000円で、サイズは24.0〜29.0、30.0cm。公式オンラインストアや、発売日同日にオープンするコンセプトストア「ティーハウス ニューバランス(T-HOUSE NEW BALANCE) 」(東京都日本橋浜町3-9-2)で取り扱う。また特設サイト上では、購入抽選の申し込み受付を6月29日から開始する。

 “M1300JPJ”は、2018年1月にグローバル・パートナーシップ契約を締結した“現代の名工”とも呼ばれる三村仁司が率いる「ミムラボ(M.Lab)」の工房で製作。普段はアスリート向けのランニングシューズを製造している職人たちが、縫製から1足1足手作業による吊り込みまでをフルハンドメイドで行った。米国製では、機械を用いて吊り込みするところを手作業にすることで、より足にフィットするスニーカーに仕上げた。またアッパーには、創業105年を誇るタンナーの山陽が厳選したステアハイドを使用した。通常のモデルでは、染色工程での色のばらつきが大きく出ることや、高コストである事を理由にメイン材に使用することが少なかった素材だ。

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「エストネーション」で年間1億5000万円を売るスペシャリストにその極意を聞く

 エストネーション(ESTNATION)六本木店には年間1億5000万円を売る販売員がいる。6月29日号の「WWDジャパン」の販売員特集で掲載しきれなかった青木栄治さんのインタビューを紹介する。

 青木さんを「WWDジャパン」で取り上げるのは今回が2回目。1回目はエストネーションで初めてシニアセールススペシャリストというポジションができた2013年で、年間1億円以上を売る販売員として紹介した。そして19年、シニアセールススペシャリストとしてのトータル売り上げが10億円を突破した。4~5年にわたって希望していた海外コレクションの買い付けにも、15年から年2~4回同行するようになる。店頭の販売員が買い付けにも同行するのは、「エストネーション」としては異例のことだ。近年の売り上げ平均は1億5000万円で、多い年は1億8000万円を売る。客単価は17万円で、一度に320万円を売ったこともあるという。

 前職を含めると販売員歴は20数年になる。「企画やPR、MD、マネジングなども経験してきましたが、自分に向いているのは販売員だと気付きました」と、穏やかな口調で青木さんは言う。初対面でも構えさせない不思議な安心感があり、丁寧な話し口調にもユーモアを交える。あらゆる分野の引き出しの多さが光るが、嫌味がない。

 顧客は約80人。そのうち密な関係を築くのは25人で、企業の社長やタレントなどが名を連ねる。近年は紹介も増えている。シーズンの始まりには各顧客向けにコーディネートを組む。顧客は予約制のプライベートルームへとやって来る。「時間が限られている方が多く、その時間内で接客を組み立てます」。顧客に向けた商品がコーディネートされている。


 顧客の希望に添うのはもちろんだが、「未経験の新しい扉をノックします。こちらの提案を信用して買っていただける関係性があります。これからはやる商品も必ず提案します。購入いただいた商品がその後いい結果を生み出す打率の高さがあるかもしれない(笑)」と話す。ポイントは、「正しい情報を的確に伝えること」。ブランドやデザイナーの背景はもちろん、取材中の雑談でも、ブランドのマニアックな人事情報までを把握していることに驚かされた。「情報をアップデートしていないとお客さまに伝えられない」。情報を得るのは業界紙からインスタグラムまで幅広い。加えて、「買い付けに同行するようになり、1年先を見ることができるようになり、それが生きていると感じます」。顧客の求めるものとエストネーションとしての提案を合致させるセレクトがディレクター陣からも好評だが、もちろん、特定の顧客向けにも買い付ける。青木さんの顧客向けの買い付け予算は5000万円で「100%に近い消化率」だという。

 顧客のクローゼットを把握しているのも強みだ。時には顧客のクローゼットを“仕分け”して二次流通に乗せ、その売り上げはポイント化、もしくは現金で顧客に還元している。このサービスは現在試行期間中だというが、今後はさらに広げていく予定だ。

コロナ前とコロナ後の変化

 「『コロナよりも餅を詰まらせて亡くなる人が多い』とおっしゃって足を運んでくださる顧客さまもいます。こちらも細心の注意を払いながら接客しています」と話す。

 「コロナ禍でクローゼットを整理する方が増えています。街を歩いていても服が捨てられている光景を何度も目にしたし、顧客さまのクローゼットの整理のお手伝いも増えて、あらためてお客さまの分母を増やす必要があると感じました」。

 店を再開してからの入店者数はコロナ前の約6割にとどまるものの、「リアル接客の醍醐味は、意外性のある提案。コロナで客足が少ない分だけ、ゆっくり提案できるとも思っています」。パンデミックで気付いたのは、「いいサービスをするためにはストレスフリーであることが大切だということ。接客の見直しのいいタイミングだった」。以前は、仕事用の携帯に連絡が入ると休みの日でも店まで駆け付けた。「人の洋服を選ぶことが好きで遊び感覚でした。でも時間をしっかりと分けることも必要だと気付きました」。

 青木さんが長年販売員を続けるモチベーションに“販売員の地位向上”がある。エストネーションでも、買い付けにも行く販売員として若手のモチベーションアップにもつながっている。「販売のスペシャリストを目指して入社する人も増えた」と笑顔を見せる。ただ販売するのではなく、その経験やデータを有効活用した企画や事業開発にも取り組んでいる。前述した買い取りサービスもその一つだ。「販売するだけではなくその後のサービスがあるかないかも責任の一つだと考えています。サステナビリティはファッション業界全体の課題になっていますが、いち販売員としてできることから取り組んでいます」。

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ジェイグループ、名古屋・錦に「イグジットニシキ」開業。コロナ禍中で横丁は賑わうか。

株式会社ジェイグループホールディングス(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:新田 治郎)が、7月1日に名古屋・錦三丁目に3つの建物を1本の通路でつなげた飲食専門施設「EXIT NISHIKI イグジットニシキ」をグランドオープンさせる。33店舗が入居する。
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新シーズン開幕を飾るのは「エルメス」 2021年春夏メンズを7月5日にオンラインで発表

 「エルメス(HERMES)」は、2021年春夏メンズ・コレクションを公式サイトで日本時間7月5日21時に発表する。舞台演出家のシリル・テスト(Cyril Teste)とコラボレーションし、ライブパフォーマンス形式で最新のコレクションを披露するという。7月9〜13日に予定している21年春夏パリ・メンズのオンラインでの開催に先駆けて発表されるため、新シーズンの開幕を飾る本格的なデジタルプレゼンテーションとなる。

 今回のパフォーマンスを指揮するテストは、2000年に照明家のジュリアン・ボイザード(Julien Boizard)と作曲家のニヒル・ボーデュアス(Nihil Bordures)とともにコレクティフ MxM(Collectif MxM)を設立し、同団体のアーティスティック・ディレクターとして活動している。観客の前で演劇を進行させながら、映像の撮影から編集、ミキシングまでをリアルタイムで行う“フィルミック パフォーマンス”など、演劇と映像を融合した手法を得意としている。

 デジタルを用いた初のコレクションにテストとの協業を選んだのは、「エルメス」がかねてよりアートや音楽とのつながりを大切にしてきたからこそだろう。19年3月にロンドンで開催した大規模なメンズのイベント「STEP INTO THE FRAME」や、同年8月に東京・原宿で開いた「ラジオエルメス」でも、ファッションをあらゆるカルチャーと結びつけることで、ヴェロニク・ニシャニアン(Veronique Nichanian)=アーティスティック・ディレクターが描く男性像をさまざまな世代の人々に届けてきた。

 21年春夏シーズンは、多くのブランドがデジタルでの発表を行う予定だ。服そのものの魅力がどこまで伝わるのか未知数ではあるものの、従来のランウエイショーよりも音楽や演出、ストーリーなどでより総合的に世界観を伝えられそうな期待感はある。そして先陣を切る「エルメス」は、何よりもその手法を得意としている。デジタルコレクションの可能性を探る意味でも、注目が集まりそうだ。

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新シーズン開幕を飾るのは「エルメス」 2021年春夏メンズを7月5日にオンラインで発表

 「エルメス(HERMES)」は、2021年春夏メンズ・コレクションを公式サイトで日本時間7月5日21時に発表する。舞台演出家のシリル・テスト(Cyril Teste)とコラボレーションし、ライブパフォーマンス形式で最新のコレクションを披露するという。7月9〜13日に予定している21年春夏パリ・メンズのオンラインでの開催に先駆けて発表されるため、新シーズンの開幕を飾る本格的なデジタルプレゼンテーションとなる。

 今回のパフォーマンスを指揮するテストは、2000年に照明家のジュリアン・ボイザード(Julien Boizard)と作曲家のニヒル・ボーデュアス(Nihil Bordures)とともにコレクティフ MxM(Collectif MxM)を設立し、同団体のアーティスティック・ディレクターとして活動している。観客の前で演劇を進行させながら、映像の撮影から編集、ミキシングまでをリアルタイムで行う“フィルミック パフォーマンス”など、演劇と映像を融合した手法を得意としている。

 デジタルを用いた初のコレクションにテストとの協業を選んだのは、「エルメス」がかねてよりアートや音楽とのつながりを大切にしてきたからこそだろう。19年3月にロンドンで開催した大規模なメンズのイベント「STEP INTO THE FRAME」や、同年8月に東京・原宿で開いた「ラジオエルメス」でも、ファッションをあらゆるカルチャーと結びつけることで、ヴェロニク・ニシャニアン(Veronique Nichanian)=アーティスティック・ディレクターが描く男性像をさまざまな世代の人々に届けてきた。

 21年春夏シーズンは、多くのブランドがデジタルでの発表を行う予定だ。服そのものの魅力がどこまで伝わるのか未知数ではあるものの、従来のランウエイショーよりも音楽や演出、ストーリーなどでより総合的に世界観を伝えられそうな期待感はある。そして先陣を切る「エルメス」は、何よりもその手法を得意としている。デジタルコレクションの可能性を探る意味でも、注目が集まりそうだ。

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今週のスケジュール(2020年6月29日〜2020年7月5日)

FASHION

29 MON
ナインアワーズ
ナインアワーズ半蔵門 プレス内覧ツアー
11:00〜 
ナインアワーズ半蔵門
(東京都千代田区麹町3-5-20)

1 WED
日本化学繊維協会
記者会見
13:15〜14:00
野村コンファレンスプラザ日本橋YUITO 日本橋室町野村ビル5階・大ホール(b)
(東京都中央区日本橋室町2-4-3)

BEAUTY

29 MON
マッシュビューティーラボ
「セルヴォ―ク」新製品発表会 (1日まで開催)
10:00~ オンライン配信

1 WED
第一三共ヘルスケア
新製品発表会(3日まで開催)
11:00~ オンライン配信

コスメシューティカル
「アクティバート 」新製品発表会
11:00~/14:00~ オンライン配信

2 THU
バイエル薬品
新製品発表会
17:00~17:45 オンライン配信

3 FRI
ジョー マローン ロンドン
新製品発表会
11:00 ~/14:00~/16:00 ~ オンライン配信

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「グッチ」の最新アートブック ブルース・ギルデンがローマで撮影

 「グッチ(GUCCI)」はこのほど、アートブック「Beaten & Blown by the Wind」をイギリス・ロンドンの出版社IDEAから出版した。撮影はアメリカ人フォトグラファーのブルース・ギルデン(Bruce Gilden)が手掛けた。

 同作品は、イタリア・ローマを舞台に、「グッチ」2020年プレ・フォール・コレクションのアイテムを着用した人々のポートレートを収録した。中には、イタリアのミュージシャンのアシール・ラウロ(Achille Lauro)、イタリアの女優でモデルのベネデッタ・バルジーニ(Benedetta Barzini)、アメリカのファッションモデルで活動家のベサン・ハーディソン(Bethann Hardison)らも登場する。ハイコントラストの白黒写真で、ローマに暮らす多様な人々の内面を表現した。

 IDEAのオンラインショップをはじめ、イタリア・フィレンツェのグッチ ガーデン、ニューヨークのグッチ ウースター ブックストアなどで取り扱う。価格は200ドル(約21000円)。

 アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=「グッチ」クリエイティブ・ディレクターは、「ブルースは人間性を詩的なまなざしで見つめる、素晴らしい人だ。彼も私も人々の顔というものに情熱を抱き、その表情、個性、ルックスへのこだわりを持っている。私はポートレートの熱心なコレクターだ。フォトグラファーと共に撮影に臨むことは他者の目を通して見ることになる。ブルースの目を通して見るのは魅力に満ちた体験で、まるで実験室の顕微鏡で物事を見ているような気分だった」とコメントした。

 ギルデンは「こういった形で写真集を作ったことはこれまで一度もなかった。私にとってチャレンジとなる撮影だったが、結果としてミケーレとクリエイティブなコラボレーションができたと思う。ローマは撮影の舞台としては申し分なく、とても刺激的な街だった。美しい建築物とその歴史、ローマの人々がそういった無二の環境の中で行き交うさま、ローマの高台の公園にある彫像と美しい雲の共演、眼下に広がるローマの街のパノラマなど、それらすべてが写真の魅力を高めてくれる」とコメントした。

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「太っている人が着たい究極の服」ができるまで SNS世代が仕掛けるブランド誕生までの軌跡 後編

 スニーカーのキュレーションメディア「足元倶楽部」や、メンズファッションのキュレーションメディア「SNS世代」をインスタグラム上で運営する株式会社いいねは6月20日、アパレルD2Cブランド「カロリイ(CARORIE)」をローンチした。同ブランドが“bigger”と呼ぶ、体の大きい人に向けて、ストレッチ性や速乾性があり、かつシワになりにくい生地で作られたベーシックアイテムをそろえる。第一弾のアイテムはTシャツ(1万6000円)とカットソー(1万8000円)、シャツ2型(各2万8000円)、ボトムス2型(各3万円)の計6型。現在、公式サイトで受注販売中で、9月以降順次配送する。同ブランドには身長175cm、体重100kgと、自身も“ヘビーウェイト”ないいね社長である小林稜氏の、並々ならぬこだわりと熱意が込められている。しかし、小林氏はファッションに関する専門知識は全く持たない“素人”だ。「本当に分からないことだらけだった」と語る彼が、ブランド立ち上げまでに辿った軌跡を追ったコラムを、前後編に分けてお届けする。(前編の記事はこちら

 知人に紹介された振り屋との取り組みが決まり、実際にサンプルの作成に進むことになった。しかし、そこでもさまざまな試行錯誤があったようだ。特に最初に作ったサンプルはうまくいかなかったという。「1stサンプルはデザイン性を強くしたのですが、結果的に上級者向けで、ショップで試着しないと分からない服、ネット上で売るのが想像できない服になってしまいました」と小林氏は問題点を話す。そこで今度はアイテムをベーシック路線にシフト。チーム体制も一新し、振り屋が依頼していたパタンナーも交えて綿密に打ち合わせを行い、次のサンプルの作成に当たった。しかし、仕上がった2ndサンプルでは、サイズ感の問題が浮上した。「ネック部分や極端にサイズ感を変えて見たところ、デカすぎて僕が着たら甚平のようになってしまいました」と苦笑交じりに反省する。そこで、3rdサンプルではサイズを調整。実際に販売するモノとほぼ同じ、6型の商品が仕上がった。「周囲のブランドを手掛けている方々からは『(サンプルを)3rdまで上げたのか』と驚かれました(笑)。“bigger”のための服として、生地も大量に使っていることもあり、価格も当初想定していた価格よりは上がってしまいました。でも、僕としては妥協できなかった」と語る。

 そうして3月末、小林氏が「太っている人が着たい究極の服」と呼べるモノが完成した。しかしそんな折、新型コロナウイルスの影響で、物流などさまざまな面が不透明になり、4月に予定していたブランドのスタートも一度保留になってしまう。ただ、小林社長は何もせずにコロナの収束を待っていたわけではなかった。「自粛期間中はサンプルを毎日着用し、毎日洗うことで生地感などに変化が出るのかなどを調べていました」と語る。「でも、生地は全然くたらないなど、ポジティブなギャップが非常に多かった。改めて自信が持てたし、モチベーションも上がりました」と振り返る。

 アイテムの機能性やデザインを自身で着て確認する傍ら、インスタグラムアカウントでの発信や、EC構築サービスを使ってのサイト開設など、着々と準備を進めていく。「インスタ上では、『カロリイ』の服だけでなく、僕が思う“bigger”のファッションなどについて、飾らずに発信していくつもりです。ブランドのSNSアカウントは一方通行になりがちですが、『カロリイ』では、フォロワーとコミュニケーションを取り、“bigger”にとって有益な情報を発信していければいいなと思っています」。

 小林氏はSNS上でのメディア運営を行っており、インフルエンサーとのコネクションもある。そういったリソースはどのように活用するつもりなのかと尋ねると、意外にも「あまり活用する気はないんです」と話す。「もちろん今まで自分が培ってきたコネクションなどは活用できるのかもしれません。でも、そういった人たちを巻き込む、といよりは、『カロリイ』のアイテムに興味を持ってくれたり、共感してくれたりした人と、何か一緒に取り組めれば、程度に思っています」。

 そうこうするうちに政府の緊急事態が東京でも解除され、ブランドローンチの準備も徐々に再開。6月20日、ブランドを始動することとなった。しかし、これで終わりではない。「ブランドをローンチして、やっとスタートラインに立った感覚です」と小林社長。「これから売れない理由や売れる理由を分析したり、ネットやリアルの場でお客さんのフィードバックを得たりしながら進んでいくつもりです。『カロリイ』はもちろんビジネスとして考えていますが、作って共感したいという気持ちが強いです」。

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「バカラ」からヴァージルとコラボしたグラスが登場 シリアルナンバー入り

 フランス発クリスタル「バカラ(BACCARAT)」は7月にヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)とコラボレーションしたコレクション“クリスタル クリア”のグラスを発売する。シャンデリア、ベース4型、グラスから構成されるコレクションの名称は“クリスタル クリア”=“明白な(クリア)”という意味と“透明なクリスタル”をかけてつけられた。今年2月にパリで発表された同コレクションは、アブローらしいストリートとラグジュアリーが融合したデザインが特徴だ。

 日本ではグラスのみを「バカラ」の直営店と公式オンラインショップ、一部限定店で発売する。グラスは、ファストフード店のドリンクカップを思わせるふたとストロー付きで、底にはアブローのブランドロゴとシリアルナンバーが刻印されている。世界限定4000個で価格は6万3000円。アブローは、「あらゆるクリエイションにおいて、最高のものとコラボすることに興味がある。このコレクションは私のアート活動の延長線上にある」とコメントしている。

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イギリスのフェムテック企業3選 生理痛からセックス、更年期の悩みを手助け

 世界中でフェムテック(女性が抱える健康問題をテクノロジーで解決するサービスやモノ)市場が急成長している。イギリスでは主にベンチャー企業やスタートアップが多く、昨今では企業数と投資額は伸び続けているという。さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ウエルネス分野や生活の質(Quality of Life)の向上への関心がますます高まっていることから、フェムテック市場の拡大が予想される。ロックダウン前に渡英して取材した、女性の体に関するタブーや悩みをテクノロジーで解決しようと取り組む、イギリスの企業3社を紹介する。


オーガニック生理用品と
“CBDオイル” 「オーネ」

 イギリスのフェムテック市場では、生理用品を扱う企業が大半を占めている。2018年に立ち上げられたスタートアップ企業「オーネ(OHNE)」もその中の一つで、100%オーガニックコットンのタンポンと、ホルモンバランスを整えて生理痛を緩和する効果が期待できるCBDオイルを扱っている。公式オンラインで単体の販売と、生理サイクルに合わせてタンポンを届ける定額制サービスを行っている(配送はイギリス国内のみ)。大麻草から抽出されるCBDオイルは昨今、美容製品として販売される機会が増えており、イギリスでは生理痛緩和のために開発されたのは同社のオイルが初めて。オイル数滴を浴槽に入れて入浴したり、直接下腹部に垂らしてマッサージしたりすることで効果が期待できるという。同社は地球環境に配慮し、生産の過程はすべて水力発電を使用。包装やアプリケーターは再生プラスチックのみを使用している。

 同社を立ち上げた共同創始者のニッキー・ミケルソン(Nikki Michelson)とリア・レムフリーペプロー(Leah Remfry-Peploe)は幼なじみで、起業のきっかけは自身の経験からだという。ミケルソンは20代半ばで甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが異常に働き、更年期障害のような症状を引き起こす病気)と診断された。「10代の頃は肌に問題があり、気分の浮き沈みがありました。 そのときに服用した医療品のCBDは画期的な薬でした」と語った。レムフリーペプローは「地獄のような月経期に体に起こっていること、どうコントロールすべきなのかを、私たちはもっと知る必要があると思います」という。ニッキーはザンビア共和国で社会事業に携わっていた経験があり、同社の売り上げの一部をザンビア共和国の女性たちに清潔な生理用品、衛生的なトイレ環境、生理に関する教育が向上するための支援金として寄付している。

セクシャルヘルスの音声ガイド
「ファーリー」

 音声ガイドアプリ「ファーリー(FERLY)」は、セクシュアル・セルフケアの練習や、女性が自身の体を理解して心と体がつながるマインドフル・セックスを実現するためのオーディオガイドを提供している。個人アカウントを作成すると、官能的なストーリーを受け取り、日記を付けるスペースがあり、セルフプレジャーを探求する機会をユーザーに与えている。共同創始者ビリー・クインラン(Billie Quinlan)とアンナ・フシュラク(Anna Hushlak)は、女性起業家をサポートするグローバルな組織団体「ウーマン・オブ・ウエアラブル(Women of Wearable)」が昨年発表した、「フェムテックで活躍する100人のイギリス人女性」で名を連ねた。

 性的暴行被害の経験を持つ共同創始者の2人は、女性の精神的・感情的な健康を変革するために同社の立ち上げに至ったという。クインランは「イギリスの女性の45%は実際に外陰部のことを理解していません。51%が性交中に痛みや不安を感じており、世界の3人に1人が性的暴行の被害者とも言われています。これら高い数字は女性がセックスについて理解したり、考えたりすることに対する世間とのギャップがあるからだと思います」と起業の理由になった社会の問題点を語る。「現代社会で人々は、上流を泳ぐ魚のような人生を歩んでいますが、セクシュアリティーに関しては、快楽と喜びに満ちた健康的で甘い時間であるべきなのです。女性の快楽とセクシュアリティーを巡るタブーを破り、心身ともに健康で、女性であることの喜びを自身で発見するための手助けを目的に、サービスを提供しています」。商品を通して肉体的なサポートを提供する企業とは異なり、感情面にアプローチするというのが同社の特徴である。

更年期障害の症状に向き合う 
「カンディ」

 イギリスのフェムテック関連企業で高い投資金を得たのが、17年に立ち上げられたスタートアップ企業カンディ(KANDY)である。起業から1年で、2500万ポンド(約34億円)という莫大な資金を調達した。同社は生理によって健康被害を訴える人々を助けるために治療学の研究・開発をする臨床検査事業。特に、閉経期症状の治療に専念し、ホルモン補充療法に代わる非ホルモン性代替薬(NT-814)を開発したことで、大きな注目を浴びた。ほてりや夜間の目覚め、睡眠障害、情緒不安定など、閉経期の複数の症状に対処するために役立つ薬である。

 閉経期の移行時には女性の75%に更年期障害のさまざまな症状が現れ、1~2年、中には10年以上続く場合もあるという。創始者のメアリー・カー(Mary Kerr)は「これらの症状は生命を脅かすことはありませんが、日常に影響を与え、心身ともに衰弱させ、社会生活や家庭内で問題が引き起こされます」と説明する。同社の指針について「最大の課題は、何百万人もの女性の更年期障害が日常的にどれほど影響を与えているのかについて、広く理解の欠如を克服することです」と語った。

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「太っている人が着たい究極の服」ができるまで SNS世代が仕掛けるブランド誕生までの軌跡 前編

 スニーカーのキュレーションメディア「足元倶楽部」や、メンズファッションのキュレーションメディア「SNS世代」をインスタグラム上で運営する株式会社いいねは6月20日、アパレルD2Cブランド「カロリイ(CARORIE)」をローンチした。同ブランドが“bigger”と呼ぶ、体の大きい人に向けて、ストレッチ性や速乾性があり、かつシワになりにくい生地で作られたベーシックアイテムをそろえる。第一弾のアイテムはTシャツ(1万6000円)とカットソー(1万8000円)、シャツ2型(各2万8000円)、ボトムス2型(各3万円)の計6型。現在、公式サイトで受注販売中で、9月以降順次配送する。同ブランドには身長175cm、体重100kgと、自身も“ヘビーウェイト”ないいね社長である小林稜氏の、並々ならぬこだわりと熱意が込められている。しかし、小林氏はファッションに関する専門知識は全く持たない“素人”だ。「本当に分からないことだらけだった」と語る彼が、ブランド立ち上げまでに辿った軌跡を追ったコラムを、前後編に分けてお届けする。

 「太っている人のための服を作ろう」。彼がそう考えたのは、昨年の10月、メンズファッションのメディア「SNS世代」を立ち上げてしばらくしてからのことだ。仕事上、ファッション系インフルエンサーとの交流も多かったが、どこかファッションを楽しみ切れていないという気持ちがあったという。「服に興味を持ち始めたのは約5年前。自分でメディアを立ち上げた頃でした。それ以降、古着やデザイナーズなど、さまざまな服を着てきました。でも、丈が長すぎたり、ボタンが閉まらなかったり、摩耗しやすかったり、ストレッチがきかなかったり……。太っているが故に、気になるポイントがいくつか出てきました。オーバーサイズの服もありますが、太っている人と一口に言っても体型がさまざまなので、ただサイズが大きければ良い、というわけでもない。自分の中で完璧だと思える服は、まだ世の中にないなと感じていました」と当時を振り返る。

 中でも小林氏が作りたかったのが、“品の良い服”だ。「太っている人のための服で調べると、なぜかアメカジ系の服が多い。でも僕が作りたかったのは、品の良さをベースに、どこかしらに可愛らしさが感じられるような服。“清潔感”や、“太っていないように見える”といったこともキーワードとして考えていました」。

 ブランド立ち上げを決意してからは、怒涛の日々を過ごすことになる。まず、知人のデザイナーに相談を持ち掛けた。「僕はファッションにこだわりはあるけれど、知識はない。ブランドを始めるには、誰かに助けてもらうしかないと最初から考えていました」。ブランド名やコンセプトの決定に始まり、生地の選定やパタンナーの選定など、ブランドを作る上での必要なプロセスなどを知っていく。そんな中で、「カロリイ」というブランド名も決まった。「多くの“bigger”たちに愛されるような、チャーミングかつキャッチーな名前にしたいとずっと考えていました。また、『カロリイ』はラテン語で“熱”という意味もあります。個人的に、ファッションに対してのこだわりには、“熱量”がベースにあると思っていて。“カロリイ”は、人が摂取し、消費するものでありつつ、ファッションとも結びつくのではないかと思い、名付けました」と説明する。

 その後も、知人やその周囲のファッション業界人、D2Cブランドの関係者、そしてブランドのターゲットである“bigger”たちに日々相談しながら、ブランドの戦略や作るアイテムについての考えを固めていく。「中でも『カロリイ』にとっては、ターゲットが命。体の大きい人たちが何を求めているのか、服に対してネガティブに感じていること、どういった機能があれば嬉しいか、などは一通り聞きました」。そういったヒアリングと同時並行で、生地や縫製工場、パタンナーを探し続けていたという。「生地はさまざまな生地展を巡り、縫製工場やパタンナーさんは紹介ベースで自分の目で見に行きました。後はやりたいこと、やろうとしていることを包み隠さず話し、一緒に取り組めるか否か、相談を続けていきました」。

 そんな中で辿り着いたのが、とあるファッション業界で働く知人に紹介された振り屋(注文をもらい、工場に生産を依頼する企業)だ。国内のデザイナーズブランドを多数手がけているというこの振り屋との取り組みを決めた経緯について「僕が用意できるのは企画書やイメージ、あとはイメージを伝えるための私物や写真。それを全部、自分の熱量と共にぶつけてみたところ、フィーリングが合い、一緒にモノ作りをすることになりました」と小林氏。そこからは商品のラインアップ決めに始まり、デザイン画の作成、トワル組み(立体化したデザインをトルソーに着せてシルエットなどの確認を行うこと)、サンプルの作成と進むことになる。

 以降は、実際のモノ作りの工程に進むことになる。「お客さんとダイレクトにつながるD2Cモデルでやっていこうとする中で、中途半端なモノを作ったら、お客さんに伝わらなくなってしまう。妥協は許せませんでした」と小林氏。トワル組みでは、通常使われるシーチングの生地ではなく、より具体的にイメージできるよう、実際に使う生地を使用。サンプルに関しても、通常は1度サンプルを作った後、修正を加えて商品化するという流れが多いが、「カロリイ」では3度のサンプル作成を経ることになる。(後編に続く)

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「太っている人が着たい究極の服」ができるまで SNS世代が仕掛けるブランド誕生までの軌跡 前編

 スニーカーのキュレーションメディア「足元倶楽部」や、メンズファッションのキュレーションメディア「SNS世代」をインスタグラム上で運営する株式会社いいねは6月20日、アパレルD2Cブランド「カロリイ(CARORIE)」をローンチした。同ブランドが“bigger”と呼ぶ、体の大きい人に向けて、ストレッチ性や速乾性があり、かつシワになりにくい生地で作られたベーシックアイテムをそろえる。第一弾のアイテムはTシャツ(1万6000円)とカットソー(1万8000円)、シャツ2型(各2万8000円)、ボトムス2型(各3万円)の計6型。現在、公式サイトで受注販売中で、9月以降順次配送する。同ブランドには身長175cm、体重100kgと、自身も“ヘビーウェイト”ないいね社長である小林稜氏の、並々ならぬこだわりと熱意が込められている。しかし、小林氏はファッションに関する専門知識は全く持たない“素人”だ。「本当に分からないことだらけだった」と語る彼が、ブランド立ち上げまでに辿った軌跡を追ったコラムを、前後編に分けてお届けする。

 「太っている人のための服を作ろう」。彼がそう考えたのは、昨年の10月、メンズファッションのメディア「SNS世代」を立ち上げてしばらくしてからのことだ。仕事上、ファッション系インフルエンサーとの交流も多かったが、どこかファッションを楽しみ切れていないという気持ちがあったという。「服に興味を持ち始めたのは約5年前。自分でメディアを立ち上げた頃でした。それ以降、古着やデザイナーズなど、さまざまな服を着てきました。でも、丈が長すぎたり、ボタンが閉まらなかったり、摩耗しやすかったり、ストレッチがきかなかったり……。太っているが故に、気になるポイントがいくつか出てきました。オーバーサイズの服もありますが、太っている人と一口に言っても体型がさまざまなので、ただサイズが大きければ良い、というわけでもない。自分の中で完璧だと思える服は、まだ世の中にないなと感じていました」と当時を振り返る。

 中でも小林氏が作りたかったのが、“品の良い服”だ。「太っている人のための服で調べると、なぜかアメカジ系の服が多い。でも僕が作りたかったのは、品の良さをベースに、どこかしらに可愛らしさが感じられるような服。“清潔感”や、“太っていないように見える”といったこともキーワードとして考えていました」。

 ブランド立ち上げを決意してからは、怒涛の日々を過ごすことになる。まず、知人のデザイナーに相談を持ち掛けた。「僕はファッションにこだわりはあるけれど、知識はない。ブランドを始めるには、誰かに助けてもらうしかないと最初から考えていました」。ブランド名やコンセプトの決定に始まり、生地の選定やパタンナーの選定など、ブランドを作る上での必要なプロセスなどを知っていく。そんな中で、「カロリイ」というブランド名も決まった。「多くの“bigger”たちに愛されるような、チャーミングかつキャッチーな名前にしたいとずっと考えていました。また、『カロリイ』はラテン語で“熱”という意味もあります。個人的に、ファッションに対してのこだわりには、“熱量”がベースにあると思っていて。“カロリイ”は、人が摂取し、消費するものでありつつ、ファッションとも結びつくのではないかと思い、名付けました」と説明する。

 その後も、知人やその周囲のファッション業界人、D2Cブランドの関係者、そしてブランドのターゲットである“bigger”たちに日々相談しながら、ブランドの戦略や作るアイテムについての考えを固めていく。「中でも『カロリイ』にとっては、ターゲットが命。体の大きい人たちが何を求めているのか、服に対してネガティブに感じていること、どういった機能があれば嬉しいか、などは一通り聞きました」。そういったヒアリングと同時並行で、生地や縫製工場、パタンナーを探し続けていたという。「生地はさまざまな生地展を巡り、縫製工場やパタンナーさんは紹介ベースで自分の目で見に行きました。後はやりたいこと、やろうとしていることを包み隠さず話し、一緒に取り組めるか否か、相談を続けていきました」。

 そんな中で辿り着いたのが、とあるファッション業界で働く知人に紹介された振り屋(注文をもらい、工場に生産を依頼する企業)だ。国内のデザイナーズブランドを多数手がけているというこの振り屋との取り組みを決めた経緯について「僕が用意できるのは企画書やイメージ、あとはイメージを伝えるための私物や写真。それを全部、自分の熱量と共にぶつけてみたところ、フィーリングが合い、一緒にモノ作りをすることになりました」と小林氏。そこからは商品のラインアップ決めに始まり、デザイン画の作成、トワル組み(立体化したデザインをトルソーに着せてシルエットなどの確認を行うこと)、サンプルの作成と進むことになる。

 以降は、実際のモノ作りの工程に進むことになる。「お客さんとダイレクトにつながるD2Cモデルでやっていこうとする中で、中途半端なモノを作ったら、お客さんに伝わらなくなってしまう。妥協は許せませんでした」と小林氏。トワル組みでは、通常使われるシーチングの生地ではなく、より具体的にイメージできるよう、実際に使う生地を使用。サンプルに関しても、通常は1度サンプルを作った後、修正を加えて商品化するという流れが多いが、「カロリイ」では3度のサンプル作成を経ることになる。(後編に続く)

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「セルヴォーク」2020年秋冬コレクションは“ウェットマット”の新感覚リップが登場

 「セルヴォーク(CELVOKE)」は8月1日、2020年秋冬メイクアップコレクションを発売する(一部限定発売)。価格帯は2800〜6200円。

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「ノア」大阪店は老舗そば屋を改装 カップ麺も食べられる“ヌードル ショップ”

 ベイクルーズ グループが運営する「ノア(NOAH)」は、大阪・南堀江に6月27日にオープンする国内2号店の詳細を発表した。住所は大阪府西区南堀江1-15-13で、店名は元そば屋の建物を改装したことから、「ノア ヌードル ショップ(NOAH NOODLE SHOP)」と名付けられた。

 2019年春にスタートした大阪店のプロジェクトは、100年以上の歴史を持つそば屋「堀江やぶ」の建物をリノベーションすることから始まったという。内装デザインは「ノア」の創業者、ブレンドン・バベンジン(Brendon Babenzien)の妻で共同創業者のエステル・ベイリー・バベンジン(Estelle Bailey-Babenzien)が手掛けた。建物の歴史や土地柄を感じさせる要素を残しながら「ノア」の新たな空間を表現していきたいと、日本的な空間を極力生かして再利用した。

 ノア ヌードル ショップにはキッチンスペースも併設されており、お湯を注いで食べられるインスタントのマグカップヌードルを提供するほか、ブレンドンの母親のレシピで作られたというピーカンサンディースも用意する。また、通常のコレクションアイテムのほかにほうろう製のオリジナルマグカップなどもラインアップする。

 大阪店のオープンを記念し、木彫りの熊をプリントした限定Tシャツ(6000円)も販売する。

■ノア ヌードル ショップ
オープン日:6月27日
時間:11:30〜20:00
定休日:不定休
住所:大阪府西区南堀江1-15-13

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カニエ・ウェストが「ギャップ」とコラボ 「イージー」と新ライン立ち上げ

 カニエ・ウェスト(Kanye West)は「ギャップ(GAP)」とコラボレーションし、自身のブランド「イージー(YEEZY)」の新ラインを立ち上げる。2021年に「ギャップ」の店舗およびECで販売する予定だ。カニエの監修下、「イージー」のデザインスタジオはメンズ、ウィメンズ、キッズのアイテムを手掛け、「ギャップ」の手頃な価格帯で販売する。

 カニエは10代のときにシカゴで「ギャップ」の店員として働いていた経験もあり、久しぶりにブランドに“戻る”ことになる。同社は協業により両ブランドにとって、新たな顧客層の獲得を狙う計画だ。

 マーク・ブレイトバード(Mark Breitbard)「ギャップ」グローバルヘッドは「カニエを『ギャップ』ファミリーに招き入れたことをとてもうれしく思う。彼はとてもクリエイティブな才能を持ち、共に素晴らしいパートナーシップを築けるだろう」とコメント。

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「ヴァレンティノ」がクチュールを7月にローマで発表 巨匠ニック・ナイトを迎え生配信

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、7月21日にイタリア・ローマで2020-21年秋冬オートクチュール・コレクションをパフォーマンス形式で発表し、その様子を生配信する。会場となるのはローマ郊外の映画撮影所、チネチッタ スタジオ(Cinecitta Studios)。現状を重んじて、必要な安全対策を講じた上で開催される」というショーには、イタリア在住のジャーナリストやエディターのみを招待する予定だ。

 ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエィティブ・ディレクターは「人の手によって作られたクチュールの価値をデジタルにおいても最大化するため」、ファッション・フォトグラファーやフィルムメーカーとして早くからデジタルでの表現に取り組んできたニック・ナイト(Nick Knight)の協力を得ることを明かした。

 「ヴァレンティノ」は、人間味はデジタル効果で取って代われるものではないと強調。ライブパフォーマンスは「クチュールの創造性と想像力、そして感情を表現し、人間味とデジタルの両方を一つにし、どちらか一方では成し遂げられなかった対話を可能にするはずだ」とコメントした。
 
 なお、7月6〜8日にはフランスオートクチュール·プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode、通称サンディカ)主導による初のデジタル・クチュール・ファッション・ウイークが開催される予定だが、「ヴァレンティノ」はこれにも参加し、7月8日18時(現地時間)に同コレクションのインスピレーション源を披露するという。
 

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「ディーゼル」がオンラインで“24時間ノンストップパーティー” 東京を皮切りに世界9都市で開催

 「ディーゼル(DIESEL)」は毎年6月に世界中で行われる「プライド月間」を祝し、27日、クイア・オンライン・ダンス・パーティーを手掛けるクラブ クアランティン(Club Quarantine)と連携したデジタルイベント「24アワー・ワールドワイド・プライド・パーティー(24Hour World Wide Pride Diesel Party)」を行う。16時に東京からスタートし、上海とテルアビブ、バルセロナ、ロンドン、サンパウロ、ニューヨーク、トロント、ロサンゼルスの全9都市で順次開催され、各国のDJがイベントを盛り上げる。参加には事前エントリーが必要で、「ディーゼル」の公式インスタグラムからアクセスできる。

 「ディーゼル」はLGBTQI+コミュニティーをサポートしてきており、現在はレインボーカラーをあしらった2シーズン目のプライドコレクションを発売中だ。今後、親会社のOTBが運営するOTB基金(OTB Foundation)とともに、LGBTQI+に関わるテーマを扱うSF LGBTセンター(San Francisco Lesbian Gay Bisexual Transgender Community Center)とTGEU(Transgender Europe)の二つの国際的プロジェクトへの支援を発表している。

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高島屋が岡山高島屋を完全子会社化 

 高島屋は26日、連結子会社である岡山高島屋を完全子会社化すると発表した。両備ホールディングス(岡山市)が保有する株式33.4%を取得する。株式譲渡日は7月1日。

 高島屋岡山店(当時)は1973年開店。2004年からは高島屋の会社分割により、子会社の岡山高島屋が運営してきた。10年には岡山で運輸業などを手掛ける両備HDと資本提携を締結。物流や店舗運営、ポイントカードサービスなどの分野で支援を受け、地域密着型のビジネスを展開してきた。なお、資本関係の解消後も、百貨店事業における提携は続ける方針という。

 岡山高島屋の2020年2月期業績は、売上高186億円、営業損益は9400万円の赤字、純損益は20億円の赤字。近年は粗利が大きい衣料品の苦戦や配送料の高騰などで収益性が低下し、ここ数年は黒字と赤字を行ったり来たりする状況だった。今回の完全子会社により、「トップダウンの意思決定を早め、収益構造改革をスピード感を持って遂行していく」(高島屋広報)としている。

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VERDYがBLM運動を支援するオリジナルTシャツ発売 売り上げ利益を全額寄付

 アーティストのVERDYは6月27日に、米ミネソタ州ミネアポリスで起きた黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)氏の白人警官による暴行死事件を受け、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」の抗議運動への支援を目的としたオリジナルTシャツをオンラインで発売する。

 黒人カルチャーから影響を受けてきたVERDYが、人種的差別や警察による暴力行為、不平等に関する問題意識を高めたいという思いのもと製作した。

 オリジナルTシャツは、白地にオリジナルキャラクターのVICKと“STOP RACISM”のメッセージをプリントしたデザインと、黒地に“Black Lives Matter”の文字をプリントした2型。価格はそれぞれ約6400円(60ドル)。売り上げ利益の全額をGIRLSPACE、SUMMAEVERYTHANG、BLACK ARTIST FUND、TRANSLAWCENTERの4団体に寄付する。

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「カルバン・クライン」がKANDYTOWNのIOのバンドセットをサポート 無料オンラインライブ

 「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」は、東京・世田谷エリアを拠点とする総勢16人のヒップホップ・クルーKANDYTOWNメンバー、IOのバンドセットの無料オンラインライブをサポートする。ライブは6月26日20時から、スペースシャワーミュージック(SPACE SHOWER MUSIC)の公式ユーチューブアカウントで配信。

 ソロ活動としてもヒップホップの名門レーベル、デフ・ジャム・レコーディングス(DEF JAM RECORDINGS)に所属するIOが、「カルバン・クライン ジーンズ(CALVIN KLEIN JEANS)」2020年春夏コレクションで、シーズンビジュアルとムービーのモデルを務めたことから今回のサポートに至った。

 出演メンバーは、IOのバンドセットでのライブを支えているWONKの荒田洸と井上幹、KANDYTOWNのNEETZら7人。

 またスペースシャワーミュージックの公式インスタグラムで、「カルバン・クライン ジーンズ」のロゴキャップ(黒、白の2色、各5人)と、香水「シーケー エブリイワン(CK EVERYONE)」(5人)が当たるキャンペーンを行う。

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日経BP発行のラグジュアリーメディア「ダズル」「エ ルージュ」「ニッケイリュクス」の3媒体が休刊・停止

 日経BP社はライフスタイル誌「ダズル(DAZZLE)」、美容誌「エ ルージュ(etRouge)」の2誌の休刊とライフスタイル系ウェブメディアの「ニッケイリュクス(NikkeiLUXE)」の停止を発表した。「ダズル」は10月12日発行号で、「エ ルージュ」は10月6日発行号で休刊。「ニッケイリュクス」は9月30日で更新を停止する。今後はこれまでに培った媒体ブランドを生かした企画や事業を模索するという。

 「ダズル」は2009年、「エ ルージュ」は14年、「ニッケイリュクス」は17年に創刊。女性向けのラグジュアリーメディアとして、ファッションやビューティ、カルチャー、旅などのコンテンツを提供しており、雑誌は書店販売ではなく、会員への直送形式を取り、広告収入をメインとしていた。休刊・停止の理由について「社会環境の激変やメディア業界を取り巻く諸条件のもと、発行継続の基盤が整わず、現段階では雑誌の休刊、サイトの更新停止をすることとし、将来の可能性に備えることにした」としている。

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「ロエフ」1号店が東京ミッドタウンにオープン 厳選した価値あるモノを提案

 ユナイテッドアローズのオリジナルレーベル「ロエフ(LOEFF)」はこのほど、東京ミッドタウンのガレリア2階に1号店をオープンした。新型コロナウイルスの影響で、約2カ月遅れてのオープンとなった。

 東京ミッドタウンの客層が「ロエフ」の求めている客層と近かったことだけではなく、公園や美術館といった周辺の環境も出店に至った理由だという。店舗面積は約115平方メートルで、設計はケース・リアルの二俣公一が担当した。「ロエフ」の鈴木里香ディレクターは、「『ロエフ』の洋服も“普通だけどかっこいい”を大切にしている。ケース・リアルの手掛けてきたほかの内装を見て、優しいけど凛としているところが好きだったのでお願いした。美術館や博物館のように老若男女が入りやすく、落ち着いた雰囲気でゆっくりと買い物が楽しめるような店にしたいと伝えた」と話す。

 光と影のコントラストが利いたモダンな店内には、「ロエフ」のフルラインアップと、厳選した価値あるモノをセレクトする。「本当にいいものは決して上代が高いだけではない。今回そろえた『コーチ(COACH)』のバッグも、価格以上にクオリティーが高くて、丈夫で使いやすいから。『ロエフ』のポリシーと同じで本当に価値があるものを紹介したい」と鈴木ディレクター。店内に生けた花は、鈴木ディレクターがプライベートでも利用している東横線学芸大学駅の花善に依頼した。艶やかなものが苦手という鈴木ディレクターのイメージは“ナウシカの地下室”だ。

 新型コロナの中でのオープンについて、「職業に関係なく、この2カ月は全ての人が今までの自分とこれからの自分について考えた時期だと思う。私自身もいろいろな人に支えられてオープンを迎えられたので、本当に考えた結果、お客さまに尽くしていくしかないことを再認識した。その思いをしっかりお客さまに伝えられるように頑張っていきたい」。

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高橋メアリージュンがアメカジ「ジェラード」の公式動画に登場

 日本のアメカジブランド「ジェラード(JELADO)」は、モデル・女優の高橋メアリージュンを起用した動画を公式ユーチューブチャンネルで公開した。狙いについて後藤洋平ジェラード代表は、「アメカジの魅力を広く、主に女性に知ってもらいたい。現在、『ジェラード』の女性客の割合は1%程度だが、Tシャツだけでなくネルシャツやジーンズ、アウターなどをXSサイズで購入・着用してくださる方がいる。大手SPAの商品などでアメカジに触れた方の、“より良いものを着たい”という次のステップの受け皿になりたい」と話す。後藤代表は現役のキックボクサーでもあり、所属する渋谷のジムでエクササイズする高橋を指導したことが縁で今回の出演が実現した。

 「ジェラード」は“次のステップ”として首の伸びない高品質な白のTシャツや、旧式の吊り編み機によって独特の風合いと柔らかさを出したスエットなどを提案する。「量販アイテムと比べれば値は張るが、“良いものを選び長く着る”がアメカジの精神だ。サステナブルな昨今の動向にもマッチしていると思う。東京・恵比寿と原宿、大阪にある『ジェラード』の直営店では、パートナーと来店して女性にプレゼント購入する顧客も多い。自分の高額な買い物を正当化するための行動だが(笑)、『ジェラード』も共に女性を取り込めれば来店頻度も上がるはずだ」と続けた。

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ナイキ、20年3〜5月期は830億円の赤字

 ナイキ(NIKE)の2020年5月通期決算は、売上高が前期比4.3%減の374億300万ドル(約3兆9647億円)、純利益は同36.9%減の25億3000万ドル(約2681億円)だった。20年3〜5月期(第4四半期)で見ると、売上高は前年同期比38.0%減の63億1300万ドル(約6691億円)で、純損益は前年の9億8900万ドル(約1048億円)の黒字から、7億9000万ドル(約837億円)の赤字に転落した。

 地域別での売上高は、北米が前期比8.9%減の144億8400万ドル(約1兆5353億円)、欧州・中東・アフリカが同4.7%減の93億4700万ドル(約9907億円)、中国(中国語圏)が同7.5%増の66億7900万ドル(約7079億円)、中国を除くアジア太平洋地域と中南米が同4.3%減の50億2800万ドル(約5329億円)だった。

 新型コロナウイルスの世界的な流行によって、同社でも世界中にある店舗の多くが3月半ば頃から休業を余儀なくされたことが売り上げに大きく影響した。5月半ばにはそのうちの40%が、6月25日の時点ではおよそ90%が営業を再開しており、客足も週ごとに増加している。なお中国市場ではほぼ全ての店が営業を再開していて、成長率も現地通貨ベースで例年並みに戻りつつあるという。

 また、多くの国でロックダウン(都市封鎖)が実施されていた20年3〜5月期におけるECの売上高は前年同期比75%増となり、売り上げ全体の30%を占めた。通期でも前期比47%増と好調だったが、実店舗の売り上げ減を補うには至らなかった。

 ジョン・ジョセフ・ドナホー2世(John Joseph Donahoe II)社長兼最高経営責任者は、「ビジネス環境が急激に変化する中、『ナイキ』ブランドは引き続き世界中の消費者から強く求められており、全ての市場でECの売り上げが伸びている。今後もデジタル化などの事業機会に投資し、業界をけん引する企業として長期的に成長していきたい」と語った。

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アマゾンが模倣品対策に本腰 専門チームを結成

 アマゾン(AMAZON)は模倣品対策を専門に行う「模倣品犯罪ユニット(Counterfeit Crimes Unit以下、CCU)」を結成した。CCUは元連邦検察官や捜査官、データアナリストなどによって結成されたチームで、模倣品と疑われるアイテムの検知や模倣品を取り扱う業者を発見し、訴訟提起を行う。CCUの第一の目的は意図的にアマゾンの規約違反を犯していると疑われる出品者を摘発することだが、最終的な目標は「アマゾン」に掲載される商品一覧に模倣品を一切表示させないことだという。

 同社は2019年の1年間で模倣品対策に従業員8000人と5億ドル(約530億円)を投入している。また、同期間中に侵害品と疑われるアイテム60億点を検知し、侵害品を扱う業者2500万アカウントを業者が商品を掲載する前にブロックしているという。

 「模倣品を販売しようとした場所や模倣品取り扱い業者の所在地にかかわらず、法に基づいて可能な限り最大限の責任を負わせると警告している」とアマゾンはコメントしている。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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ユニリーバが全製品に「ホワイトニング」など美白に関する名称の使用を廃止

 ユニリーバ(UNILEVER)はスキンケア製品における“ホワイト”や“ホワイトニング”といった名称を使うことを廃止する。また、インドを中心にアジアで展開する「フェア&ラブリー(FAIR & LOVELY)」のブランド名も数カ月以内に変更するという。

 「ダヴ(DOVE)」「ポンズ(POND'S)」「ヴァセリン(VASELINE)」などを手掛ける同社はより「多様なビューティの価値観」を発信したいとして、全製品から“フェア”“フェアネス””ライト”“ライトニング”といった美白に関する言葉の使用もやめる。サニー・ジェイン(Sunny Jain)=ユニリーバ ビューティ&パーソナルケア プレジデントは、「われわれはあらゆる肌色に対応し、多様性を受け入れるグローバルなブランドポートフォリオを築くことに力を入れている。“フェア”や“ホワイト”といった言葉は、偏った美の価値観に準じている(可能性がある)ことを認識している。健康的な肌に導くことを発信するべく、製品に使う言葉を見直す必要があると考えた」と話す。

 「フェア&ラブリー」に関しては、すでに東南アジアで広告やプロモーション、パッケージを変更しているという。「コミュニケーション方法を見直し、これからはさまざまな肌トーンの女性をモデルに起用する。過去の広告の中には多様性への配慮が欠けるものも存在するが、それらは今のブランドの価値観とは異なる。今後は肌の色に関係なく、美しく艶やかな肌に導くスキンケアブランドでありたい」とジェイン=プレジデント。

 同ブランドは2014年から女性のエンパワーメントを打ち出すプロモーションにシフトし、19年からは(美白の効果をうたう)ビフォー・アフターの写真の使用を中止している。フェイスクリームはインドで最も売れているホワイトニングクリームとされており、そのほかBBクリームや洗顔などをそろえている。同社は製品を肌の“漂白”を行うものではなく、ビタミンB3やグリセリン、日焼け止め材などを配合して肌を守るものだと主張する。なお、新しいブランド名は法的に認められ次第、発表する予定だ。

 また、先日同じく化粧品大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(JOHNSON & JOHNSON)が美白効果があるとされてきた化粧品の販売を中止すると発表した。これを受け、日本では美白製品は「白人に憧れて求めているとは限らない」といった困惑の声がSNSで集まっている。一方で東南アジアなどでは肌の漂白をするような粗悪な美白製品が出回っており、問題視されている。

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ジェンダーフリーなサロン体験を 「プライド月間」で米パンテーンが美容室などに寄付

 ヘアケア製品を手掛ける米パンテーン(PANTENE USA)は、毎年6月のLGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー等の性的少数者)コミュニティーの権利啓発を促す「プライド月間」に合わせて、ジェンダー規範から自由(ジェンダーフリー)なサロン体験の普及を促進する「ドレスコード・プロジェクト(DRESSCODE PROJECT)」に寄付する。

 「ドレスコード・プロジェクト」はLGBTQ+の顧客向けに、個人の性表現を尊重するサロンや美容室の運用を目的として2017年に始まったグローバルな取り組みだ。自分の認識している性や出生時に当てられた性別などから、現代社会のジェンダー観に属していないと感じる人にとって、髪を切りに行くことが不安を生むこともある。この取り組みの狙いは会員制サロンや店舗、スタイリスト、美容室などに継続的な資源とトレーニングを提供し、全ての人が肯定される体験につなげること。

 今回米パンテーンは、インスタグラムでノミネートされたジェンダー包括性の高い複数のサロンに計8万ドル(約848万円)のほか、最大150店のサロンの会員費を免除するために3万ドル(約318万円)を寄付する。この支援のきっかけは「プライド月間」だけでなく、新型コロナウイルスの感染拡大によって大きな経済的損害を被ったサロン業界を考えてのことだ。多くのヘアサロンが閉店に追い込まれ、解雇も相次いだことを踏まえて金銭的援助に乗り出たという。

 ジェンダー規範に縛られないサロン体験は、ヘアスタイルの表現に使われる言葉を見直すことや、多くの料金表に使われている男性・女性用のメニューに選択肢を増やすことなどが含まれる。女性らしい髪型や男性らしい髪型といった慣習的なステレオタイプに基づいた表現方法をやめて、髪型の説明に特化した表現に言い換えることもできる。このようなサロン体験を提示するクリスティン・ランキン(Kristin Rankin)「ドレスコード・プロジェクト」設立者は、「立ち上げたきっかけはトランスジェンダー女性の顧客がお店に来て、その次の日にツイッターで『初めて美容室で女性らしく扱ってもらえた』とメッセージをくれたこと。それぞれの感じるままに、自分を見せられたらいいと思う」と語り、現状について「男か女のどちらかに属していないと、簡単に排除されてしまう」と述べた。ほかにも「ドレスコード・プロジェクト」は、会員向けにジェンダーフリーな髪型のカウンセリングや、サロンのメニューにジェンダーの包括性を促進するガイドラインを設けている。

 ランキン設立者は欧州パンテーンと2018年以来パートナーシップを結んでおり、同ブランドのグローバルアンバサダーとしても活躍している。しかし米国に向けてキャンペーンが発信されるのは今年が初めてだ。「プライド月間」は6月いっぱいで終わるが、米パンテーンと「ドレスコード・プロジェクト」は引き続き手を組む。進行中のプロジェクトの一つである「ジェンダーフリー ヘアカット クラブ(Gender-free haircut club)」では寄付金や地域の協力者によって、金銭的余裕のないLGBTQ+の当事者に無料のヘアカットを提供しており、米パンテーンはその取り組みへの支援も行っている。「私たちは取り組みを世界規模のものにしようとパンテーンとともに協業している」とランキン設立者は語った。

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「雪肌精」が「SEKKISEI」へ 35周年で初のリブランディング

 
 コーセーは9月16日、ブランド誕生35周年を迎えた主力スキンケア「雪肌精(SEKKISEI)」を初めてリブランディングする。グローバル化の加速と新たな接点を拡大するためブランドロゴを「SEKKISEI」に変更。ラベルや印刷のないシンプルなボトルデザインとし、外装にもリサイクル率の高い段ボールを使用するなど環境に配慮した取り組みも進める。

 「雪肌精」は1985年に誕生。複数の植物を組み合わせた和漢発想のスキンケア製品を展開し、“白い肌より、雪の肌”をコンセプトに透明感のある肌をかなえてきた。現在、日本を含め16の国と地域で展開し、主力製品の化粧水はブランド誕生時から2020年3月までで累計販売本数6150万本を超えるほど支持されてきた。これまで処方やパッケージデザインを変えずに展開してきたが、「環境問題やクリーン・ナチュラルマーケットの台頭、生産した地域や都市のブランド化、新型コロナウィルスの影響で世界の潮流が変化していることからリブランディングすることを決めた」と、鎌田昌人コーセー コンシューマーブランド事業部 事業部長は述べる。

 「SEKKISEI」は“地球のめぐみから美しさをいただく”をテーマに、新シリーズ“クリアウェルネス”を打ち出す。コアターゲットは20~30代前半となる。35年間透明感のある肌に向き合ってきた中で、改めて透明感のある肌を研究したところ、肌の彩度と色相、キメの流れが関係していることが判明。これらを整えることで、肌トラブルが起こりにくい健やかで透明感あふれる肌を実現していく。そのために、潤いバリアをかなえる国産原料のみで作られた独自成分のイトワを全製品に配合した。

 製品は肌悩みや肌質に合わせ、皮膚の酸化に着目して透明感を加速させる“効能タイプ”と、アルコールフリーや無香料、無着色、無鉱物油などで低刺激処方の“フリータイプ”を用意する。いずれも化粧水や洗顔料などをそろえる。

 ボトルデザインは水のしずくをイメージし、シンプルでミニマルなデザインに変更した。ブランドカラーも従来の“雪肌精ブルー”から瑠璃色に変えた。ボトルにはバイオマスPETを使用し、ロゴはエンボス加工を用いて印刷をなくした。外装は日本のリサイクル率が90%以上といわれる段ボール素材を使い、印刷にはバイオマスインキを使っている。製品の取り扱い説明書はデジタル化する。

 ブランドのイメージキャラクターは、2012年から起用する女優の新垣結衣がグローバルミューズとして今後も務める。“クリアウェルネス”シリーズには、女優の清原果耶と新たな1人を採用する。発表は後日となる。最高峰シリーズの“雪肌精みやび”ではフィギュアスケーターの羽生結弦選手を継続してグローバルミューズを務める。

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“新たな世界”で企業が進むべき方向は? 黒人女性エディターの公開書簡

 米ミネソタ州ミネアポリスで5月25日に黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)氏が白人の警察官に首を押さえつけられて死亡した事件を受けて、世界中で抗議運動が行われている。企業も寄付などで運動を支援しているが、当事者である有色人種の人々を中心に、それだけでは十分ではないという声も上がっている。

 米「ソーシングジャーナル(Sourcing Journal)」の編集者、タラ・ドナルドソン(Tara Donaldson)も、そうした“不満”を感じている一人だ。同氏が投稿した公開書簡を紹介する。

 「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動に関するメールが、さまざまな企業から毎日のように送られてくる。私は黒人の女性だが、それらに勇気づけられるどころか、最近はもはやいらつきのもととなっている。なぜか。ほとんどの場合、そうした声明は白人の最高経営責任者が書き、白人の取締役たちが確認し、白人の広報担当者が発表している。それで「当社は人種差別に反対する運動を支持します」とか、「多様性を推進しています」と言われても、全く胸に響かないからだ。

 今回の抗議運動の盛り上がりを受けて、多くの企業やブランドがインスタグラムに黒の四角い画像を投稿したり、何かしらのメッセージを発信したり、人種差別と闘う団体に寄付をしたりしている。そうした支援活動が悪いわけではないが、以前から人種差別に反対し、不公正の是正に取り組み、取締役レベルを含めて雇用の多様性を推進してきたという体(てい)を装っても、実際には付け焼き刃であることを見透かされていると思って間違いない。だからといって、何も発言しないのも問題だ。下手なことを言うよりはと安全策のつもりで沈黙しているのかもしれないが、その“沈黙”は逆に企業やブランドの姿勢を雄弁に物語るため、企業の社会的責任に敏感な最近の消費者に「もう買わないブランド」として認識されてしまう。

 つまりこれは何を言っても、もしくは言わなくても批判されるという、ほぼ勝ち目のない議題なのだが、ではいったいどうすればいいのだろうか。答えは簡単で、行動あるのみである。

 多くの企業は、これまでもさまざまな人種や属性の人たちに門戸を開いてきたし、有色人種の管理職もいると主張するかもしれない。しかし、たとえ黒人の管理職や取締役がいても、経営上の決定権を持つ人間が全員白人なのであれば、努力は不十分だと言わざるを得ない。また多様性に関する部門を率いる“チーフ・ダイバーシティー・オフィサー”なる役職を設けたり、有色人種の人たちを顧問やアドバイザーとして採用したりして意見を聞き、「当社は多様性に取り組んでいる」と満足してしまうのもよくあるパターンだ。

 ファッション業界におけるサステナビリティへの対応を考えると、分かりやすいかもしれない。原材料や素材を全てオーガニックなものや再生したものに切り替え、二酸化炭素排出量を減らすべく努力し、G7サミットで気候変動に関する協定への署名を呼びかけるなど、本腰を入れた活動をする企業がある一方で、従来から何も変わっていない商品に「サステナビリティに取り組んでいます」とシールを貼って終わりにする不誠実な企業も存在する。多様性も同じことだ。奨学金制度や教育プログラムを継続的に支援し、さまざまなバックグラウンドを持つ若者を採用した上で、白人以外の人たちも管理職に就ける道筋をしっかりつくり、人種による偏見がなくなるよう尽力するといった本気の行動は、言葉の何倍も雄弁にその企業やブランドの価値を語ってくれる。

 今回のムーブメントもあって、今後はサステナビリティだけでなく雇用の多様性について関心を持つ消費者が増えることは想像に難くない。透明性やオーセンティシティー(信頼できる本物であること)が重視される昨今、口先ばかりで行動が伴っていないことが明らかになった際には、回復が不可能なほどの失墜もあり得ると覚悟するべきだろう。

 意思決定の場に有色人種の従業員がいないことには、さまざまな弊害がある。その一つとして、ブラックフェイス(黒人に扮して顔を黒く塗る)表現のキャラクター製品を発売したり、“クールな猿”というような言葉がプリントされた衣服を黒人モデルに着用させたりといった、人種差別的な間違いを犯してしまうことがあるだろう。一人でも黒人の従業員がいれば、「これは人種差別だ、やめたほうがいい」と声を上げて止めただろうし、有色人種の従業員がその場にいるだけでも「これは差別的ではないだろうか」とチーム全員が立ち止まって考えるきっかけとなる。企業やブランドが、白人ではない人々や、社会的に恵まれていない立場の人々を無視して物事を進めてしまう理由に、その姿が見えていないことが挙げられる。

 これを防ぐためには、まず意思決定の場にさまざまな人種や属性の人がいるようにすることが重要だ。また、サプライチェーンのことも忘れないようにしたい。縫製工場は大抵バングラデシュなどの発展途上国にあり、労働者は経済的に困窮していることが多い。彼らを搾取することは構造的な人種差別の一種であり、ファッション業界が真剣に取り組むべき問題だ。

 企業が本気で多様化に取り組めば、売り上げも増加する。従業員や経営陣にいろいろな人種がいることで、白人しかいない場合と比べて、より幅広く豊かなアイデアに基づいた画期的な商品が生まれるからだ。またその商品を販売する際にも、多様なバックグラウンドを持つチームが担当したほうが幅広い消費者層に届くプロモーションができるに違いないし、これから主な購買層となっていく若者たちの心にも響く。意思決定の場にあらゆる属性の人がいて、インクルーシブでバランスの取れた事業運営ができれば、従業員と消費者のいずれからも信頼を得ることができるだろう。“新たな世界”で企業が進むべきは、この方向だ。

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NATSUMI「アルバム」ディレクター兼渋谷店長が提案 ショートにもロングヘアにもぴったりな“ダイソン エアラップ スタイラー”の使いこなし術

 「梅雨に髪の毛がまとまらない」「オンライン会議が増えてきたけど髪型がうまく整えられない」など、ヘアスタイリングに関する悩みは尽きない。そんな悩みを解決するため「アルバム(ALBUM)」のNATSUMIディレクター兼渋谷店店長が、ダイソン(DYSON)のスタイリングツール“ダイソン エアラップ スタイラー”(5万4000円 編集部調べ)を使って、自分でも簡単に仕上げることができるスタイリングを紹介する。

 今回、NATSUMIディレクターに提案してもらうのは、ショートとロングヘアそれぞれに合う“エアラップ”の使い方。ショートヘアには梅雨時でも広がらないスタイリング方法を、ロングヘアは顔まわりが気になるオンライン会議で華やかに見える髪形の作り方について伝授してもらった。

 NATSUMIディレクターは、「“エアラップ”を使いこなすコツは毛束を少しずつとって巻いていくことと、巻きたい毛束の中間に当てて毛先を巻き付けること。アイロンとは異なり熱くならないので、毛束を手でホールドし、冷風を当てることでスタイルがキープしやすくなる」と話す。

 “エアラップ”はドライヤーもカールもヘアブラシも1台でまかなうことができるアイテム。独自開発のダイソンデジタルモーターV9が毎分最大11万回転して、高速・高圧の風の力で髪を乾かしカールつける。また独自のインテリジェント・ヒートコントロールが風温を毎秒40回以上測定し、温度が150℃を超えないよう制御することで、過度な熱ダメージを防ぎ、髪本来の艶を守りながらスタイリングすることが可能だ。アタッチメントの着脱は、スタイラー上部のボタンを押し固定を解除して行う。アタッチメントはプレスタイリングドライヤー、スムージングブラシ、カーラー(30mmと40mm)がある。

問い合わせ先
ダイソンお客さま相談室
0120-295-731

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NATSUMI「アルバム」ディレクター兼渋谷店長が提案 ショートにもロングヘアにもぴったりな“ダイソン エアラップ スタイラー”の使いこなし術

 「梅雨に髪の毛がまとまらない」「オンライン会議が増えてきたけど髪型がうまく整えられない」など、ヘアスタイリングに関する悩みは尽きない。そんな悩みを解決するため「アルバム(ALBUM)」のNATSUMIディレクター兼渋谷店店長が、ダイソン(DYSON)のスタイリングツール“ダイソン エアラップ スタイラー”(5万4000円 編集部調べ)を使って、自分でも簡単に仕上げることができるスタイリングを紹介する。

 今回、NATSUMIディレクターに提案してもらうのは、ショートとロングヘアそれぞれに合う“エアラップ”の使い方。ショートヘアには梅雨時でも広がらないスタイリング方法を、ロングヘアは顔まわりが気になるオンライン会議で華やかに見える髪形の作り方について伝授してもらった。

 NATSUMIディレクターは、「“エアラップ”を使いこなすコツは毛束を少しずつとって巻いていくことと、巻きたい毛束の中間に当てて毛先を巻き付けること。アイロンとは異なり熱くならないので、毛束を手でホールドし、冷風を当てることでスタイルがキープしやすくなる」と話す。

 “エアラップ”はドライヤーもカールもヘアブラシも1台でまかなうことができるアイテム。独自開発のダイソンデジタルモーターV9が毎分最大11万回転して、高速・高圧の風の力で髪を乾かしカールつける。また独自のインテリジェント・ヒートコントロールが風温を毎秒40回以上測定し、温度が150℃を超えないよう制御することで、過度な熱ダメージを防ぎ、髪本来の艶を守りながらスタイリングすることが可能だ。アタッチメントの着脱は、スタイラー上部のボタンを押し固定を解除して行う。アタッチメントはプレスタイリングドライヤー、スムージングブラシ、カーラー(30mmと40mm)がある。

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BARNEYS at HOME #48【COTTON CITIZEN】 バーニーズ ニューヨークスタッフおすすめの一品:<コットン シチズン>カットソー

バーニーズ ニューヨークのスタッフがおすすめのファッションアイテムをピックアップしてご紹介!

今日ご紹介するのはメンズバイヤー髙橋がおすすめする<コットン シチズン>のカットソーです!

<コットン シチズン>は今シーズンより展開を始めたニューブランドです。

カリフォルニア産のスーピマコットンを100%使用した着心地の良いカットソーを中心に展開しております。

シンプルなデザインの中にもひねりを加えたディティールがポイントです。

IMG 6190 BARNEYS at HOME #48【COTTON CITIZEN】  バーニーズ ニューヨークスタッフおすすめの一品:<コットン シチズン>カットソー

ご紹介したアイテムはオンラインストアにてお求めいただけます。

 

COTTON CITIZEN<コットン シチズン>クルーネックカットソー

https://onlinestore.barneys.co.jp/supplier/supplier_05098/2127795.html?dwvar_2127795_color=1540&cgid=supplier_05098#sz=60&start=4?2020_bjyoutube

 

COTTON CITIZEN<コットン シチズン>Vネックカットソー

https://onlinestore.barneys.co.jp/supplier/supplier_05098/2129354.html?dwvar_2129354_color=1540&cgid=supplier_05098#sz=60&start=1?2020_bjyoutube

 

COTTON CITIZEN<コットン シチズン>ロングスリーブカットソー

https://onlinestore.barneys.co.jp/supplier/supplier_05098/2127796.html?dwvar_2127796_color=0100&cgid=supplier_05098#sz=60&start=3?2020_bjyoutube

 

バーニーズ ニューヨーク オンラインストア

https://onlinestore.barneys.co.jp/top?2020_bjyoutube

 

 

次回の更新をお楽しみに!

“デニム不況”なんのその! 伊「リプレイ」好調続く

 ジーンズブランド「リプレイ(REPLAY)」を運営するイタリアのファッションボックス(FASHION BOX)の2019年度の売上高は、前年比10.3%増の2億6230万ユーロ(約312億1370万円)だった。特にEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同30%増の2800万ユーロ(約33億3200万円)で、売上高の11%を占める。

 ファッションボックスは1981年の創業。2011年に日本法人を設立して百貨店約25、専門店やセレクトショップ約100、直営店8の計約130店舗で展開している。主要アイテムであるジーンズが売り上げの半分を占め、日本での平均単価は3万5000円ほど。エントリーモデルは2万円から用意し、一方でイタリア製やハンドメードによる8万円の限定モデルも扱う。

 デニムは久しく“冬の時代”が続いているが、勝てる秘訣はどこにあるのか?マテオ・シニガリア(Matteo Sinigaglia)=ファッションボックス最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。


WWD:ここ数年、“ジーンズ不況”を伝えてきた。その中にあって「リプレイ」は好調だ。その最大の要因は?

マテオ・シニガリア=ファッションボックスCEO(以下、シニガリア):19年度は全ての指標において前年度を大幅に上回ることができた。これまで「リプレイ」が取り組んできた長年の努力が結実した形だ。10年以降、われわれは“健康”“サステナブル”“クラフツマンシップ”を意識したジーンズ開発を行ってきた。ここにマーケットリサーチなどの販売戦略を結び付け、エンドユーザーと密につながることを目指した。ファッションボックスは世界50カ国以上で店舗を展開しており、売上高の89%を輸出が占める。19年度は全ての市場が成長したが、特に中東(49%増)、東ヨーロッパ(36%増)、アジア(10.6%増)、南ヨーロッパ(8.1%増)がけん引した。流通経路別では卸が14.1%増、小売店(既存店ベース)が6.4%増、ECが8%増だった。コロナショックにより20年は非常に厳しい年になると予想されるが、製品イノベーション路線を継続し、十分な投資をしながらブランド価値を顧客に伝えることに注力する。市場の回復に備え、事業を強化していく。

WWD:「リプレイ」の顧客層とは?

シニガリア:男女比は6:4。年齢層は25~40歳が中心だが、日本では45歳以上からも支持されている。

WWD:特に何が売れている?

シニガリア:機能とファッションを融合して、15年に発売した“ハイパーフレックス(HYPERFLEX)”が広く受け入れられている。また17年にスタートした経年変化感を選べる“エイジド(AGED)”もジーンズ愛好者に人気で、バラの刺しゅうがアイコンのセルフリバイバルライン“ローズレーベル(ROSE LABEL)”も女性客の注目を集め始めている。

WWD:EC化率は?

シニガリア:12%だ。日本も、ほぼ同等の約11%になっている。

WWD:日本では、「ブランドやシリーズごとに個体差があり、“フィッティングこそ命”のジーンズをECで販売するのは難しい」との声も根強い。

シニガリア:“ハイパーフレックス”が象徴的だが、「リプレイ」はどんな体形の人にもフィットしやすい伸縮性に富んだ“インテリジェント(知的)”なジーンズを開発することで解決策を示した。

WWD:コロナショックによる「リプレイ」への影響は?またイタリアの現在の状況は?

シニガリア:新型コロナは世界経済を減速させた。当然、「リプレイ」も例外ではない。影響は来年にまで及ぶだろう。とはいえ、イタリアは確実に回復に向かっている。しかし、夏季の収益の核となる観光業(ホテル、レストラン、美術館など)は引き続き多大な影響を受けるはずだ。

WWD:日本人ユーザーはデニムについての知識レベルが高い。また多くのブランドやビンテージについても熟知している。“プロ・コンシューマー”に対して、「リプレイ」はどうアプローチする?

シニガリア:確かに日本のユーザーはデニムについて独特な審美眼と文化を持っている。そんな彼らに“エイジド”やセルビッジモデルが人気だ。また日本向けに特別な商品も作っている。

WWD:「WWDジャパン」は、18年に「デニムだってサステナブル」という特集を組んだ。その後、サステナブルであることはデニム業界で当たり前になった。デニム担当としては“サステナブルの次”が気になっている。

シニガリア:「リプレイ」は10年から本格的にサステナブルに取り組む先駆的な1社であり、レーザー加工技術(“リプレイ レーザー ブラスト”)や天然顔料染め(“リプレイ ライフ”)、水使用量削減プロジェクト(“リプレイ ウオーター ゼロ”)を開発・推進してきた。サステナブルな試みは当初“対処型”だったが、これを“能動型”にシフトしている。つまり環境配慮型資源の優先使用だ。具体的には、リサイクルコットンとリサイクルポリエステルの混紡生地を採用した“ハイパーフレックス・リユース”を20-19年秋冬に発売する。現在、ジーンズの生産過程において廃棄物が出ることは避けられないが、われわれは資源およびエネルギーの回収、再利用に努めている。綿を糸に紡ぐ際には一般的に1割が失われるが、これも再利用する。また、リサイクルポリエステルはポリエステルを新規生産するのに比べてエネルギー使用量が少なく、結果として石油の使用や二酸化炭素の排出量を軽減できる。併せて、次のプロジェクトも始動させる予定だ。現時点では詳しく話せないが、高レベルの健康と主体的サステナビリティに引き続き取り組んでいく。

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「ブロック エフエム」 × 「グロー」の週替わりライブパフォーマンス 6月の大トリはSIRUP

 「グロー(gloTM)」とインターネットラジオ局「ブロック エフエム(block.fm)」によるコラボ音楽プロジェクト「グロー × ブロックエフエム ライブ “Defy The Rules of Satisfaction”(満足の価値観に挑もう)」の週替わりライブ配信企画に、シンガーソングライターのSIRUPが出演する。ライブ配信は「グロー」公式インスタグラムアカウント(@glo.japan)で6月27日20時スタートだ。6月限定の同企画にはこれまでに、ラッパー兼ダンサーのJP THE WAVYやシンガーソングライターのマイカ・ルブテ、国内外のアップカミングな音楽シーンを牽引してきたプロデューサーのstarRoらが出演。大トリを飾るSIRUPは、新曲を織り交ぜながら特別なパフォーマンスを披露する予定だ。

 SIRUPは、2017年に小袋成彬率いるトーキョー レコーディングス(Tokyo Recordings)がサウンドプロデュースを手掛けたアルバム「Synapse」でデビューした気鋭アーティスト。ラップと歌を自由に行き来するボーカルスタイルに加え、ネオソウルやR&B、ゴスペルやHIPHOPなど複数の音楽ジャンルが融合しつつ洗練されたサウンドで聞く人を魅了する。18年にリリースしたセカンドEP「SIRUP EP2」の収録楽曲「LOOP」はユーチューブで1500万回以上再生され、「Do Well」はホンダのテレビCMに起用されるなど、知名度もうなぎのぼりだ。19年にリリースした初のフルアルバム「FEEL GOOD」はアップルミュージックのR&Bチャートで9カ月連続1位を獲得し、2020年3月にリリースしたEP「CIY」も同チャート1位に輝いている。

 「グロー」と「ブロック エフエム」のコラボプロジェクトは5月にスタート。第1弾の企画では石野卓球やtofubeats、DJ HASEBE、m-floのメンバーでもある☆Taku Takahashiの計4組によるライブパフォーマンスが行われた。

■glo(TM) × block.fm LIVE “Defy The Rules of Satisfaction”(満足の価値観に挑もう)
日程:2020年6月27日20:00~
出演:SIRUP
視聴:「グロー」公式インスタグラムアカウント(@glo.japan)から
※20歳以上の人のみ参加可能

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家庭の食卓が”映える”。オニオンリングタワー、ハインツがテイクアウト無償支援

 洋風クッキングソースメーカーのハインツ日本株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:スティーブン・ブリッグス) は、飲食店のテイクアウトやデリバリーメニューを支援するプロジェクトを開始し、2020年7月上旬より持ち帰り用オニオンリング をタワー状に盛り付けられるキットを飲食店へ無償提供を開始する。
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家庭の食卓が”映える”。オニオンタワーリング。ハインツがテイクアウト無償支援

 洋風クッキングソースメーカーのハインツ日本株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:スティーブン・ブリッグス) は、飲食店のテイクアウトやデリバリーメニューを支援するプロジェクトを開始し、2020年7月上旬より持ち帰り用オニオンリング をタワー状に盛り付けられるキットを飲食店へ無償提供を開始する。
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英国デザイナー3人が決起、医療用ガウン自給の道を開拓できた背景

 新型コロナウイルスのパンデミックにより、英国では 感染者の増加で、病院やケアホームなどの医療現場では 医療用防護服(PPE)の確保が急務になった。3月下旬からの始まったロックダウン(都市封鎖)で制約された状況下、デザイナー3人が集まり、ボランティアでの医療用ガウン供給を目指してNPO団体「EDN(Emergency Designer Network)」を結成した。設立当初はデザイナー10人ほどの参加を想定していたが、 企業や工場、デザイナーやパタンナーなど、現在の参加者は大小合わせて約170に達し、 無償で医療用ガウンなどを供給している。

 パンデミックも収束に向かいつつある今は、今後起こり得る第2波を想定し、ストックを生産し続けたり、改良を目指した開発を行ったりするなど、支援を継続しているという。主要メンバーであるデザイナーのホリー・フルトン(Holly Fulton)、ベサニー・ウィリアムズ(Bethany Williams)、フィービー・イングリッシュ(Phoebe English)、PR兼仲介役のコゼット・マックリーリー(Cozette McCreery)の4人に、EDN結成のきっかけと支援の内容、そして今後の支援の形について尋ねた。

――結成の経緯は?

ホリー・フルトン(以下、ホリー):欧州各地でロックダウンが相次いで発表されていた3月中頃、PPE(医療用防護服)の生産を手伝ってくれないかと複数の病院や団体から連絡が入った。こんなに小規模なデザイナーに連絡が来るとはと、逼迫した状況であることをすぐに理解した。

ベサニー・ウィリアムズ(以下、ベサニー):同じ頃、私の生産拠点の一つであるイタリアの工場からも、国のためにPPEを作るラインに切り替えると連絡が入ってきていた。

ホリー:その後すぐにかつての恩師からも、PPEを作ってある病院を助けてもらえないか、 という連絡が入った。一度にこれほどの数の連絡が入るほど事態が深刻なのだと理解した。すぐにフィービー(・イングリッシュ以下、フィービー)とベサニーに声を掛けてEDNを設立した。名前もこのタイミングで自然と決まった。

コゼット・マックリーリー(以下、コゼット):これまで英国はPPEを主にトルコからの輸入に頼ってきたため、早急なストックの確保が必要だった。

ホリー:パンデミックのためにケタ違いの不足が生じて、国内での早急な生産が求められていた。サステナブルな生産を続けてきたフィービーの知識とネットワーク、ローカルでの生産が得意なベサニーに頼れば、迅速な流れを生み出すことができると思った。
※注:ベサニーは、 イタリアの社会改善プログラムへのサポートとしての生産以外は自身のブランドの生産をすべて英国内で行っている

――それぞれの得意分野でタッグを組んだ。

ホリー:2人に連絡した直後に、これはジョイントネットワークにして参加者を募り、ひとつのムーブメントにすることでより効果的に動けるのではないか、と思いついた。実際、EDNのようなことをプロジェクトとして立ち上げたいという声も聞こえてきていたし、私のインスタグラムの投稿のあとには、メディアも含めてすぐに反響があった。徐々に参加者が増えていき、現在は約170の企業や工場、デザイナーやブランドなどが無償の支援に参加してくれている。

有事には一丸となってチームワークを発揮する

――コゼットはどの時点で参加したのか。また、役割は?

コゼット:検査をしてないから正確には断定できないが、3月中旬に自分に新型コロナウイルスのような症状が出ていた。「シブリング(SHIBLING)」の休止以降は主にアドバイザーの仕事をしていて、ファッション・ウイークの間に行われるショーのサポートを含むいくつかの仕事をキャンセルせざるを得なくなり、心身ともにつらくなっていた。そんな中、インスタグラム上で支援を呼びかけるホリーの投稿が目に留まった。

――この時点で3月下旬、それはまさに英国でロックダウンが始まった時期だ。

コゼット:ホリーのことは知っていたので、症状の回復とともに連絡を入れた。仕事の予定もなくなっていたし、EDNにはPR的な役割が必要だと感じたので、自ら名乗り出た。PR以外にも、ホリーと事務的なことを分担し、政府や企業との仲介役も担当している。ただただ支援したいという気持ちで参加をしたけれど、きっとみんな同じ気持ちだったと思う。参加後は、デザイナー時代のつながりを通してさまざまな連絡が私に入ってきた。ユークス ネッタポルテ(YOOX NET-A-PORTER)やマッチズファッション ドットコム(MATCHESFASHION.COM)はそれぞれボランティアでEDNの配送を担当してくれたし、英アパレルブランドの「レイス(REISS)」やヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)も加わってくれた。多種多様の企業や団体、個人から支援を受け、EDNは各所をつなぐハブとなり、現在に至っている。

ホリー:EDNの活動を通して、予測不可能な状況においても、英国のファッション産業がいかに的確にそして素早く対応できるかということを政府に示すことができた。

過去のやり方を上書きして新しくスタートしよう

ホリー:EDNが現在支援している医療用ガウンに使う生地は、通常使用されているものと異なる生地だが、代用的に使える生地を探して完成させた。政府の認定を正式に受けたものではないが、病院側にも確認をした上で、代用品として届けている。

ベサニー:フィービーは多くのデータベースとコンタクトを持っているから、フィービーと「レイス」とで話し合いをして、英国内で材料を調達することに尽力してくれた。

その後、大きく分けて2つの方法で行っていくことに決めた。1つは、中小規模の工場と小規模(個人を含む)のデザイナーたち、もう1つは大型工場。「レイス」は、素材調達以外にも、工場と私たちをつなぐことにも大きく関わってくれた。

ホリー:EDNの活動を通して一番驚いたのは、実は、PPEや医療用ガウンとひとことで言っても各病院や施設ごとに規格がバラバラで、英国の中でスタンダードとなる規格が存在しなかったこと。

――英国内のどこにいても同じ医療サービスを受けられるという、英国の医療システム(NHS、国民保険サービス)のことから考えてみても驚きだ。

ホリー:ガウンの規格を統一する提案をして、型を作ることが最初の仕事だった。入手した見本からフィービーが型を起こし、それをベースとした。

ベサニー:驚くスピードでたくさんの工場が協力をしてくれた。

コゼット:PPEの生産に関する会議には政府からも参加をしてくれて、仲介に入ってくれた他の組織を通しながら話し合いを進めていた。政府は自国のサプライチェーンのことをあまり把握できていなかった。もちろん確認をとる場所やガイドラインが数多く存在するのは仕方のないことだけれど、今回はスピードが重要。弁護士と話し合い、PPEの生産は諦め、その代わりスクラブと呼ばれる医療用ガウンキットの生産を支援することにした。これは現在も生産中で、私も縫ったわよ!

ベサニー:政府の介入や承認なんて待っていられないくらい緊急の状況だったので、病院と直接やり取りをし、なんとかシステムを構築した。その後国内で、政府の介入や承認なしでも医療用ガウンを作ってくれるという工場を探した。

フィービー:当初はロンドン市内だけだった生産も、今はウェールズ、ダービシャー、スコットランドへと拡大して、大きな“ネットワーク”になった。

ホリー:サステナブルな視点も入れ、ガウンは使い捨てではなく再利用できるようにし、運搬方法ではカーボンフットプリントを抑えている。困難もあったが、英国内の生産者と医療関係者が直接話す機会を持ち、その話し合いの過程を見られたことには、デザイナーとしても刺激を受けた。

ベサニー:もともとファッション業界の人たちは短時間で物事を完成させることに慣れている。最終目的のためにひとつずつ問題を解決し、集中して働き続けることは得意なことだ。

フィービー:私たちの活動で注目すべき点は、全て自国で賄えているという点。従来はPPEを輸入に頼っていたのだから。今までは英国内で生産されていたものは一つもなかった。自国で生産できるということは、すなわち、無駄な待ち時間をカットできるということ。特に今回のような緊急を要する事態においては、よりスピーディーに、プロセスも簡潔に、自国で作れることが分かったというのは大きなことだったと思う。

ホリー:ゆくゆくはPPEを作れるように、現在は生産側と新作を目下開発中よ。

ロックダウン後の活動

――ロックダウンが終われば、EDNの支援も終了するのか?

コゼット:今後に向けては、ロックダウンの解除後も生産支援を続けることにしている。病院関係者と話し合い、いつ来るか分からない第2波に向けて、ストックを増やすために医療用ガウンを作り続けることにした。EDNは生涯続く組織ではない。ただ、英国内でPPEを生産していくことができるというレールは敷けた。今年の年末か、または来年の年始か……万が一同じような事態が発生したとしても、すぐに連絡の取れる確固たる場所がある。あとは「この時期にPPEが◯枚必要、生産よろしく!」とそれぞれが稼働するためのボタンを押すだけ。そうして仕上がったPPEを配送してくれるのは英国内の工場――輸入品ではない。

ホリー:ロックダウンは緩和されてはきたけれど、第2波を含む今後に向けて、開発も続けている。まずは医療用ガウン用の素材。NHS(国民保険サービス)の医療従事者からのヒアリングをもとにして、ワークウエアに特化した生地のキャリントン(CARRINGTON)というサプライヤーが素材の開発に協力してくれている。従来の素材は、着用時には熱がこもってとても暑くなることが分かったので、より快適に作業を行えるように熱を逃がすことのできるクール素材を開発中。これはICU(集中治療室)での実験に持ち込む段階まで進んでいる。

次にサステナビリティの視点から、可能な限り全てを再利用できる仕様にしている。従来のPPEの素材はほとんどがプラスチックで、全てがシングルユース(一度の着用で破棄される)。例えば1人の医師がAという部屋に入るときにPPEを着用し、処置が終わったら捨てる。でもその日に再度Aの部屋に行くことがあるなら、また新しいPPEを着用してまた捨てるという具合に、1人1日1枚で済むものではなく、着用するたびに破棄していたと聞いたのでこちらも再利用できる仕様を開発中。少なくとも10回は着用できるようなものを目指している。しかしながらPPEとなればそれなりの殺菌処理や熱処理が必要となるので、耐え得る強い素材や生産の方法を工場や企業と研究中。例えば、縫製だと生地の合わせ目にどうしても隙間ができてしまうので、より高度な防護の視点とより強度の高い製品を目指して、熱シールによる接着での継ぎ合わせを同時進行で開発していて、これには、普段は車の生産に携わる企業が尽力してくれている。

医療用ガウンは、20~30回の洗濯に耐えられるような物を目指して作っていて、こちらはファブリックアドバイザーに間に開発の全ての段階に携わってもらっていて、そのおかげで全てがスムーズに進んでいる。生地には医療ガウンを含むワークウエアに特化した、約200年もの歴史がある「ベルテックス(BALTEX)」という生地のサプライヤーに携わってもらっている。パターンには2種類、イタリア政府の認可を得たパターンと、英国内の2つの団体からOKをもらったEDN独自のパターンの2つを採用している。私たちの作ったガウンはとても好評で、パターンの形がよいせいか、着ていて気分がいいと人気が高いらしいのよ。写真の笑顔を見て!私たちに届く医療関係者からの感謝の手紙を読んで、私たちが役に立てているのだなぁと実感している。

これだけ多くの人と時間を費やしているのだから、最終的には英国のスタンダードをつくりたいと思っていて、NHSに正規採用されることを目指して力を尽くしている。NHS側に作業着を作るための知識があまりなかったことが分かったので、EDNを通した話し合いで解決したいと思っている。せっかく必要な各所がつながり合えていて、しかもみんなボランティアで協力してくれているのだから、大きなチャンスよね!自国生産となるとやはりコストの面での危惧はあるけれど、今後は政府がPPEの国内生産を新しい試みとして視野にいれてくれたらと願っている。

フィービー:パンデミックを通して、サプライチェーンがどれくらい相互依存をしているか、また今回のようなたったひとつの原因で、もろく崩れやすいことも理解できたはず。私たちの活動で注目すべき点は、全て自国で賄えているという点。プロセスも簡潔になり、よりスピーディーに、待ち時間なしでPPEが作れるようになった。

コゼット:有事においての自国の生産業の能力と迅速な連携を証明できた。今後の国内産業の発展にとって重要な功績を残せたと思っている。

ベサニー:何よりこのEDNに参加して分かったのは、ファッション産業の人たちの優しさ。そして英国内のデザイナーや生産に携わる人々、みんなが一つになれたこと。問題にぶつかっても冷静に解決をし、難しそうな問題も可能にしてしまう姿を見せられたこと。EDNだけではなく、例えばケリング(KELING)やLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)もPPEのサポートなどに動いてくれた。こうした動きが、パンデミックの時期に限ったことではなく、新しいファッション産業の考え方として根付いてほしい。

Shiho Koike Stitson:アパレルの営業職、PR、スタイリストのアシスタントなどを経て2004年にバーニーズ ジャパンに入社。ウィメンズPRとしてアパレルやアクセサリーをメインに、ビューティやブライダル、インテリアまで幅広いジャンルのPRを経験し、結婚を機に同社を退職。英国に移住し、フリーランスとしてPR、通訳、コーディネーターなどをしながら目下子育てにいそしむ。出産をきっかけに興味が高まったオーガニックな物やサステナブルなことをロンドンで探究中

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【外食市場20年5月】4月より少し回復し売上3割減。居酒屋は9割ダウンのまま。

一般社団法人日本フードサービス協会(本部:東京都港区、会長:赤塚 保正)による 協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2020年5月度は、4月に次いで新型コロナウイルスの影響により深刻な事態が続いた。解除後も繁華街立地、夜の時間帯、休日等では客足の戻りは鈍く、外食全体の売上は前年比67.8%と、4月の60.4%よりいくぶん回復したものの大幅な減少となった。
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ゼットンのビアガーデン続々オープン。しかし、今年は何かが違う。控えめ?手抜き?

 新型コロナウィルスの影響で、全国的に縮小傾向にあるビアガーデン市場。開催中止、開催時期の延期の施設が相次いでいるなか、ビアガーデン事業に強みを持つ株式会社ゼットン(東京都・港区 代表取締役社長 鈴木伸典氏)が、全国各地でビアガーデンをオープンさせた。しかし、今年のゼットンが手掛けるビアガーデンは何か違う?
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解除後、デリバリーを継続する店舗は半数以下。テイクアウトは続ける。

今後もテイクアウトを継続していくという飲食店は約6割、デリバリーは2割強。生鮮品ECサービス「魚ポチ」を運営する株式会社フーディソン(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:山本 徹)が同サイト内で6月8日~13日に営業方針・仕入に関するアンケート調査を実施した。回答は首都圏の325件。
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店舗販売員がデジタル上で月8000万円売る時代 「スタッフスタート」を活用した売り方の一歩先

 コロナ禍で店舗が休業を余儀なくされていたとき、販売員はどう過ごしていたのだろうか?――「自宅からでも販売員が『スタッフスタート(STAFF START)』を活用して商品を販売できていたかどうかで、その店舗の、引いてはブランドや企業の売り上げには大きく差が出ていた」と話すのは、実店舗の販売スタッフのオムニチャネル化を推進するアプリケーションサービス、「スタッフスタート」を運営するバニッシュ・スタンダードの小野里寧晃社長だ。

 “販売スタッフのオムニチャネル化”とはどういうことかというと、販売スタッフが着用したコーディネート写真をブランドのECサイトや各個人のインスタグラムなどのSNSに投稿するというもの。商品の下げ札に付いているバーコードを読み取るだけで、投稿写真に簡単に商品情報をひも付けることができ、購入につなげられる。ポイントとなるのは商品が売れた場合、売り上げの数パーセントがインセンティブ(成果報酬)として給与に加算されるのと同時に、その販売スタッフが所属する店舗の売り上げとして計上されるということだ。インセンティブのパーセンテージは、契約するブランドや企業によっても異なるが、最大で7%で設定しているところもあるという(一部、インセンティブも設けていない導入ブランドもある)。2020年4月にはこの「スタッフスタート」の評価システムが特許を取得した。

 現在、導入ブランド数は800を超え、「スタッフスタート」を活用して月額売り上げ最高約8000万円を記録する販売スタッフも出てきた。1回の投稿における売り上げ最高額は約600万円。コロナ禍で店舗が閉まっていた際には、自宅に商品を発送してコーディネートを投稿することで、ECの売り上げを伸ばしたブランドもあった。コーディネート写真の投稿数はコロナ前後比(19年11月から2020年1月と、20年2月から4月の各3カ月)で、284%に増加。同時に「スタッフスタート」経由の商品売り上げもほぼ2倍になった。

 16年9月にサービスをスタートして以降、「スタッフスタート」の導入数は年々増え、19年1~12月の「スタッフスタート」経由の流通総額は前年同期比3倍の約412億円。アダストリア、オンワードホールディングス、ベイクルーズ、フリークスストア、パルなど大手アパレルやセレクトショップを中心に導入されている。年内1000億円も視野にはいってきた。

 小野里社長は、「かつては実店舗とECサイトの在庫を一元化して、より実店舗に近いECサイトを作ろうとしていました。でも実際のところは、数億円かけて一元化しても店舗の販売員がECでの売り上げになることを嫌がり、ECサイトへの誘導をとめていた。そこで気づいたのは、『評価のオムニチャネル化』が重要であり、それが本当の意味での店舗とデジタルの一体化につながるということ。コロナ禍でさまざまなことがスピードアップし、販売員は店舗だけではなくデジタル上でも販売することで、本当の意味でのウェブとリアルの融合に近づいたのだと思います。同時にこのコロナ禍でも自宅で販売できたため、雇用を維持することにもつながった」と話す。

 この「スタッフスタート」が特徴的なのは、売り上げ上位ランキングや自分の順位がスマホでいつでも確認できることだ。「これによってモチベーションにもつながる。面白いのは、都心のショップスタッフより地方のスタッフの方が上位にいることが多いということです。というのも、トラフィックの多い都心の駅周辺の店などは次から次へと来店する顧客に随時対応しなければならず、一方、地方ではゆっくり接客できるので、その合間に『スタッフスタート』を活用して売り上げを伸ばすことができるのです」。地域性やトラフィックの多い少ないにかかわらず、自分の努力次第で結果が出せるというわけだ。「また自分の投稿によって売れた場合、プッシュ通知が来るようになっているためうれしくなる。上からの指示命令でなく能動的に動けるようになる」と小野里社長。売り上げの効果測定にかんしては、コーディネートなどのデジタル接客のみならず、SNSからの集客や売り上げ、店頭でのQRメモ経由(店頭で顧客が気に入った商品をQRコードに変換し、顧客のスマホへECサイトの商品URLを案内すること)の売り上げ全てが計測できるようになっている。

 では、実際に売り上げ上位ランキングのトップにいる人たちは、ほかの販売スタッフと比べて何かが秀でているのだろうか。「実はいたって普通の人たちです(笑)。キーワードは“共感”。消費者は実際に試着できない場合、なおさら自分の体形に合った人を探すので、ぽっちゃりしている人でも、コンプレックスがある人でも売れる。同じように悩んでいる人がいるのですから」と小野里社長。

事前に売れるかどうかを販売員が予想する“目利き”機能

 小野里社長から見た今のアパレル業界の課題は何だろうか。「なんといっても在庫問題。販売スタッフを起点としてアパレル業界をよくしていきたい。そこで“バイヤー機能”と“商品偏差値機能”を設けた。“バイヤー機能”とは、サンプル品を販売スタッフが売れそうか、売れなそうかをジャッジするというもので、スマホ上で簡単に評価できる。普段、顧客と一番接点の多い彼らの意見はAIよりも確かなのでは。これにより、発注の量を調整することで在庫ロスを少なくすることに貢献できるし、販売員にとっても“目利き”として評価されれば、その後のMD(マーチャンダイジング)などへのキャリアパスにつながるかもしれない」。

 一方、“商品偏差値機能”は、セールになっても売れない、つまり評価の低い商品を積極的にコーディネートに取り入れて投稿して売れた場合、販売スタッフのインセンティブも高くなるという仕組みだ。「食べログに例えると、よく売れる商品は4.5、セールになっても売れないものは2.5のように評価で分けることによって、販売スタッフが売りやすい商品ばかりを投稿することも少なくなります。商品を生産する前の“バイヤー機能”と販売後の“商品偏差値機能”により、できるだけ在庫の適正化を図れるようにしたい。“バイヤー機能”はすでに実装しており、“商品偏差値機能”は秋にスタートさせる予定」だという。

 コロナ禍では、ショップスタッフがライブコマースで商品を販売するブランドや企業も一気に増えた。ライブコマースの可能性をどう見ているのか。「動画は“過程や工程”を見せるのに有効なため、個人的にはコスメやトレーニングといった分野は動画で見せたほうが効果的で相性がよいと思っています。ただ、ファッションに関してはライブ動画にする必要性はあまり感じていません。くるっと回って服の後ろを見せたい場合はいいかもしれないですが、あえて時間拘束のあるライブにしなくてもよいのでは。“販売員のインフルエンサー化”でいえば、現在は圧倒的にインスタグラムが多いですが、ツイッターやユーチューブ、LINEの公式アカウントでも販売できるので、個々のキャラクターに合った売り方ができています」。

ファッション以外でも販売スタッフが評価されるように

 最近ではファッションのみならず、化粧品業界で初めてコーセーが「メゾン コーセー」で「スタッフスタート」を導入し、美容部員のメイクやスキンケア商品の紹介画像をサイトにアップしている。「今後は、ファッション、ビューティのみならず、ウエディング、美容室、書店、家電、ドラッグストア、ネイルサロン、ヨガ、ボディーメイクやトレーニングといった分野にも拡大させたいと考えています。例えば結婚式場でいうと、ブライダルプランナーがおすすめプランを投稿し、予約が成立すればその人の評価になるというもの」と小野里社長。

 今後は投稿場所を増やすべく、自社ECや個人のSNS以外にも、大手モールとの提携も進んでいる。現在では三井不動産が展開するECサイト「三井ショッピングパーク アンドモール(&mall)」上にも、そのブランドがテナントとして入っている場合、コーディネートを投稿できるようになっている。さらには今年2月に「メルカリ」ともコンテンツ提携し、メルカリ内のコーディネートから服を探す“コーデ機能”において、コーディネート画像から直接アパレル企業の自社ECサイトに移動できるようになった。

 「われわれは“ファッションテック”企業ではなく“スタッフテック”。常に販売起点でビジネスを考えています。“店舗をなくしちゃいけない、なくさせない、雇用も守る”――それが合言葉。これからも誰もやったことのないサービスを提案していきたい」と小野里社長。その考えのルーツとなるものは何なのか。「それはやっぱり人が好きで、販売員が好きだからなのだと思います。音楽でもファッションでも『自分が信じた好き』を信じ続けている人が諦めなくてよいようにサポートしていきたい。そして実際に商品を見たいし、行きたいし、感じたい。リアル、サイコーです(笑)」。

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アパ産の新理事長にワールドの上山会長が就任 北畑レナウン元社長の後任

 日本アパレル・ファッション産業協会(以下、アパ産)は6月25日に定時総会を開き、上山健二ワールド会長が新理事長に就任した。「当協会は1979年に団体として発足したが、当時と比べアパレルビジネスの事業環境は大きく変化している。今年は特に、新型コロナウイルスの影響で本当にしんどい思いをした。苦境ともいうべき時期だからこそ、団体として役割がある」と上山理事長。団体として「一企業では手が届かないことに注力する」という。

 2018年に理事長に就いた前任の北畑稔レナウン元社長は任期を1年残して退任。理事としては新たに大江伸治三陽商会社長兼社長執行役員と畑誠リンク・セオリー・ジャパン社長最高経営責任者が加わった。

 第39期(2021年3月期)の基本活動方針の1つとしては、昨年スタートしたという縫製工場の視察などを例にあげながらCSR関連の取り組みを紹介。7月15日には環境配慮型の資材を集めた合同展を行う予定。また、新型コロナ禍を受け、「今年は(会員企業から)年会費はいただかない」という。

 アパ産はアパレルメーカーを中心に、小売企業やアパレル資材・機械メーカー、商社など計317団体が加盟(正会員が172団体、賛助会員が145団体)する業界団体。

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伝説のクラブ「スタジオ54」の設立者が語る光と影 成功から投獄生活まで 後編

 米ニューヨークの「スタジオ54(STUDIO54)」は、多くの人がその名を耳にしたことのある伝説のナイトクラブだ。このクラブはブルックリン出身の若者2人イアン・シュレーガー(Ian Schrager)とスティーブ・ルベル(Steve Rubell)が1977年に設立。セレブリティーやアーティスト、デザイナーなどさまざまな人々が集う社交場として一世を風靡した。ルベリは89年に死去したが、シュレーガーは80年代にモーガンズ・ホテルグループ(MORGANS HOTEL GROUP)を立ち上げ、ブティックホテルの先駆けである「モーガンズ ニューヨーク(MORGANS NEW YORK)」や「ロイヤルトン ホテル(ROYALTON HOTEL)」などをプロデュース。現在はマリオット・インターナショナル(MARIOTT INTERNATIONAL以下、マリオット)と協業でホテル「エディション(EDITION)」を手掛け、自身の会社で「パブリック・ホテル(PUBLIC HOTEL)」を運営している。米「WWD」とのインタビューでシュレーガーは「スタジオ54」の成功と失敗、脱税の罪で投獄された経験などについて語った。ここでは、前編に続き後編を紹介する。

WWD: 「スタジオ54」におけるお気に入りの思い出は?

イアン・シュレーガー(以下、シュレーガ-):「スタジオ54」がオープンしたとき、米「ニューヨーク・ポスト(New York Post)」紙の一面に掲載されたことだ。ナイトクラブがニューヨークの新聞に掲載されることなど前代未聞だった。オーバーオールと麦わら帽子をかぶったシェールの写真が掲載されたよ。スティーブが朝5時に電話してきて、「やったぜ。『ニューヨーク・ポスト』の1面だ」と言ったんだ。オープン後間もなく開かれたビアンカ・ジャガー(Bianca Jagger)の誕生パーティーもいい思い出だ。デザイナーのエルサ・ペレッティ(Elsa Perretti)やモデルのパット・クリーブランド(Pat Cleveland)、デザイナーのロイ・ホルストン・フロウィック(Roy Halston Flowick)や彼の同僚だったジョー・ユーラ(Joe Eula)らがビアンカの誕生パーティーを開きたいと電話してきた。パーティーには約100人のセレブリティーが来た。裸体にペイントを塗りたくった人もいたよ。長い金髪の女性が馬に乗ってビアンカのバースデーケーキを持ってきた。彼女が馬から下りると、赤いドレスを着たビアンカがその白馬に乗った。たぶん、そのドレスは「ホルストン(HALSTON)」だったはずだ。そして、ビアンカが白馬に乗った写真は世界中に広まったよ。ふつうはクラブに動物なんかいないけど、われわれはパンサーやヒョウをスタジオに入れたりして、クラブの概念そのものが変わったんだ。毎晩こんなショーを開いて楽しんでいただけさ。

WWD: スタジオが持っていた中毒性に関して責任を感じるか?ある人にとっては単なる社交場が、他の人にとっては命取りになったが……。

シュレーガー:麻薬中毒のこと?私はスタジオで起こったことに対しては全く責任を感じていない。もし、スタジオのことで問題を抱えていた人がいたとしたら残念だけど。スプーンを持った男と月の小道具があったが、多くの人はそれがコカインの使用を暗示ていると思っていた。それは、アングラなナイトクラブが破壊的であるという先入観の一つに過ぎない。その小道具はコカインの使用の暗示でも何でもなかった。われわれはスタジオ内の麻薬使用とは一切関係がなかった。他の場所の方がよっぽど麻薬が蔓延していたと思う。

WWD: 脱税の罪に関しては?

シュレーガー:罪を犯したことは認めるが、われわれは、いわば拳銃を使えないギャングのようなものだった。スタジオを開いてから金がどんどん入ってくるようになった。スティーブが「ニューヨークマガジン(New York Magazine)」のインタビューを受けて、「われわれはマフィアよりも稼いでいるが誰にも言うな」という彼の言葉が掲載された。ばかなことをしたものだ。われわれがスタジオを始めたのは金もうけのためではなく、成功したかっただけだ。地道だったし、特に散財もしなかった。ただ、方向を間違って愚かなことをしたせいで破滅寸前だったというのは確かだ。

WWD: ビジネスを統括していた人物はいたか?

シュレーガー:いたが、われわれも経営に関わっていたから関係ない。われわれ全員の落ち度だ。クラブの天井に現金が隠されていたというのは、全くの作り話だ。私は車のトランクに現金を隠していた。警察にしょっ引かれたかもしれないし、盗難にあったかもしれないのに……。それくらい愚かだったから、逮捕されて罰せられたのは当然のことだ。そして、ニューヨーク中がそれを知ることになった。

WWD:刑務所はどうだったか?どうやって刑期を乗り切ったのか?

シュレーガー:ひどかった。刑務所ではたくさん本を読んだよ。デヴィッド・ハルバースタム(David Halberstam)の「最良の、最も聡明な人々(The Best and Brightest)」を読んだのを覚えている。そのとき、スティーブと私は刑務所内の大部屋にいて、ホテル事業を始めようと決めたんだ。

WWD: 13カ月間の刑務所生活で感じたことは?

シュレーガー:犯罪者らと一緒にいるわけだから、不安だったよ。スティーブと私は、ルフトハンザ(LUFTHANSA)強盗団の一人や、リドリー・スコット(Ridley Scott)監督の映画「アメリカン・ギャングスタ―(American Gangster)」に登場するフランク・ルーカス(Frank Lucas)と一緒だった。刑務所は本当にひどいところだ。人間性や個人としての裁量全てを奪われるから。普段当たり前の、自分でものごとを決断できるという自由はない。ずいぶんと苦しんだよ。刑務所の生活から得たものは何もない。人生が破滅する寸前の大失敗からは多くを学び、人間的に強くなった。その経験が倫理の基準やさまざまな考え方を変えた。でも刑務所に入らずにそれができたらよかったのにと思う。なぜなら、刑務所では全てを失うからだ。投獄された傷は今でも癒えないし、恥ずかしいと思っている。この後もずっとそうだろう。一番下の子どもにはまだ、(投獄されていたことを)話していないし、年上の子どもらにも長いこと話していなかったよ。

WWD:その経験がどのように今日の自分に影響しているか?

シュレーガー:法律やルールを守るのが当然のことだと思うようになった。素晴らしい人物はルールに沿ってものごとを行い、決して手抜きはしない。ビジネスを一緒にしているマリオットの職員をはじめ成功した人々はみんな正直で誠実だ。それは今の私の姿でもある。憂鬱なときは、投獄されていたときの自分を思い出すとすぐに気がまぎれるものさ。

WWD:今までやったことがないことでやってみたいことは?

シュレーガー:いまだに私はありとあらゆるものに関心があるんだ。ドキュメンタリーを撮影してからは映画作りには興味がなくなったけど。映画製作にはあまりにも多くの人が関わるからね。ブロードウエイの劇を手掛けてみたいと思っていたこともあったけど、今は全く状況が変わった。マリオットや自分のホテルを多く手掛けているからね。今でも20~30年前同様に、いそがしく働いているよ。自分の仕事を愛している。そうでなきゃ、成功できないからね。一生懸命やっているだけ。ファッション業界では、ノーマ・カマリ(Norma Kamali)がまさにそうだった。

WWD: 「スタジオ54」のような場所は現在も存在するか?

シュレーガー:もちろん、可能性はあるさ。ドイツの東ベルリン地区やスペインのイビサ島に似たようなクラブがある。スマートフォンで写真を撮れる時代だから70年代とは状況は違うが、時代が変わっても人間は変わらないよ。人間は常に楽しいと思う触媒を探している。ファッションは変化するが、車は車、飛行機は飛行機、冷蔵庫は冷蔵庫、機能性が進化しただけの話。人間は社交的な動物なんだ。「スタジオ54」を再現することは100%可能だと思うよ。

WWD:「スタジオ54」を再開する予定は?

シュレーガー:それは、過去に私が実現したこと。今は結婚し、5人の子どもがいて幸せな生活を送っているよ。

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ニトリ、20年3〜5月の営業利益2割増 コロナ禍ものともせず

 ニトリホールディングスの2020年3〜5月の売上高は前年同期比3.9%増の1737億円になった。4・5月に最大で全体の約17%にあたる110店舗が営業時間短縮や臨時休業を強いられたものの、ネット通販や営業継続店舗の売り上げ増がカバーした。売上総利益率は同2.4ポイントアップの56.3%、営業利益は同22.3%増の372億円、経常利益は同21.6%増の373億円、純利益は同25.4%増の255億円と、大幅な増益になった。似鳥昭雄会長兼CEOは「危機下では”ディストネーションストア”であることが圧倒的な強みになる。それが来店につながり、新規顧客の掘り起こしにつながった」と語った。

 休業店舗も含む既存店の売上高は3月が10.9%増、4月が4.0%減、5月が0.6%増、3〜5月累計で2.0%増。驚異的な数字になった背景を、白井俊之社長兼COOは「以前から推進してきたオムニチャネル戦略が功を奏し、リアル店舗と自社ECサイト相互の乗り入れが増加した」という。ネット通販は4割増の168億円で、過去最高の売上高になった。

 6月23日に発表した6月の月次(5月21〜6月20日)の既存店売り上げも同47.4%増と、引き続き好調に推移しているものの、期初に発表していた21年2月期通期の、売上高6532億円(前期比1.7%増)、営業利益1122億円(同4.4%増)、経常利益1133億円(同3.4%増)、純利益757億円(11.6%増)の見通しは据え置いた。「今はある種の異常事態。上期全体の様子を見て考える」(似鳥会長)という。

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