人気DJのハニー・ディジョン、BLMとトランスジェンダーについて語る 「人種差別を解体するのは白人がやるべきこと」

 毎年6月の「プライド月間(Pride Month)」では、LGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークイアなどの性的少数者)の権利について啓発するイベントなどが開催されるが、今年は「黒人の命は大切(Black Lives Matter以下、BLM)」運動と融合しているケースも多く見られる。

 BLMは、5月25日に米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)氏が白人の警察官に首を押さえつけられて死亡したことを受けて、世界中で起きている抗議デモだ。黒人や有色人種の人々のための人権運動ではあるが、その中でもLGBTQ+の存在が見落とされがちなことは以前から指摘されており、最近では「全ての黒人の命は大切(All Black Lives Matter)」という包括的なスローガンも目にするようになった。

 ニューヨークとベルリンを拠点とする人気DJで、2019年にはコム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)と共にアパレルブランド「ハニー・エフィング・ディジョン(HONEY F—ING DIJON)」を立ち上げた黒人のトランスジェンダー女性、ハニー・ディジョン(Honey Dijon)に、BLM運動とインクルーシビティー(包括性)などについて米「WWD」が聞いた。

WWD:新型コロナウイルスの世界的流行やロックダウン(都市封鎖)による影響はあったか。

ハニー・ディジョン(以下、ディジョン):何もかもがいきなり止まったのでおかしな感じがしたが、私がアーティストとして伝えたいことは何も変わっていない。もうすぐ発売となる新しいアルバムでは、もともとこれまでよりも政治的なメッセージを込めるつもりだったし、制作に当たってはたくさんの黒人女性やクイアの人、そして伝統的な民族音楽家と組んだので、とてもタイムリーな作品になった。性的指向についてもいろいろ触れているため、6月15日にアメリカの最高裁判所が職場におけるLGBTQ+への差別的な扱いを違法とする判決を下したことを踏まえると、いっそう興味深く聴いてもらえると思う。

WWD:ファッション関係の仕事への影響はあった?

ディジョン:今はみんな「ファッションの役割とは?ファッションの意味って?」というような問いかけをしているので、ファッション業界にとって面白い時期だと思うし、コロナ後の世界における業界のあり方や人種差別への取り組みについて本気で考える必要がある。もう以前の世界には戻れないし、戻ったところでいいことがあるわけでもない。またひたすらショッピングをして、大量消費しろとでも?一方で、誰しも毎日服を着なくてはならないので、バランスが大切だ。

WWD:業界としても、社会としても、私たちは“快適でないこと”に慣れなくてはいけないのかもしれない。

ディジョン:アメリカ人は快適じゃないことを嫌うから前途多難かもしれないが、個人的には今後の変化を楽しみにしている。かつて公民権運動が起きたことによって啓発的でパワフルな音楽やアートがたくさん生まれたし、エイズ危機が起こった1980年代当時には、ニューヨークで素晴らしいアートが次々に誕生したと読んだことがある。インターネットが登場する前、人々は外に出て、誰かと出会い、面白いことに参加したり、何かを一緒に創り出したりした。私がクラブカルチャーを好きなのもこのためで、アーティストやミュージシャンがクラブで出会い、作品を生み出していく感じが最高だと思う。80〜90年代はカルチャーに変動が起きた時代だが、現在もそうした転換期にあると感じる。

WWD:現在あなたはベルリン在住だが、アメリカで起きていることをどう見ている?

ディジョン:(人種差別は)人道上の問題だということをみんな忘れがちではないだろうか。新型コロナウイルスは国境や人種、社会階層に関係なく誰でも感染する可能性があるので、ある意味では平等だ。しかしその後には(フロイド氏の事件に抗議する)暴動が起きて、アメリカの真の姿があぶり出された。人種差別が深く根付いているし、それを土台としてつくられた国だということが白日のもとに晒された。ヨーロッパはアメリカのそうした姿を見て、自らの過去における人種差別を省みることとなった。まさに世界を変える出来事だと思う。

WWD:あなたは最近ベルリンで行われたBLM運動に参加しているが、以前には黒人社会におけるトランスフォビアやホモフォビアについて話している。BLMとLGBTQ+の権利についての考えを教えてほしい。

ディジョン:ジェンダー、人種、セクシャリティー、社会的不公正は、さまざまなところで交差する。BLM運動においても「シスジェンダー(生まれ持った性別に違和感のない人。トランスジェンダーの対義語)の命は大切」ではなく、「全ての命は大切」と掲げている。ゲイの人の命ももちろん大切であり、自分にとって好ましくない属性の持ち主をこうした運動から排除してはならない。

実は同性愛者の権利運動でも、世間的に印象が悪くなるなどの理由で、最初はドラァグクイーンの参加は歓迎されなかった。こうしたことを考えると、理解を深めるための対話は常に続けていく必要がある。例えば、なぜブラックカルチャーにおいてクイアがこれほど忌避されたのか。私は教会の教えなど宗教的な理由もあるのではないかと推測しているが、(黒人の人々が感じている)どうしようもない無力感もあるのかもしれない。奴隷制があった時代、黒人は人間としての権利や尊厳を剥奪され、女性であれば強姦されるなど、あらゆる残虐な行為にさらされた。その後も社会的に権力を持つ側になることはなく、常に抑圧されてきた犠牲者だったので、同じグループ内でさらに弱い相手を抑圧してしまうのかもしれない。いずれにしても、アメリカは本当にたくさんの傷を癒す必要があるし、それはBLM運動内においても同じことだ。

WWD:「プライド」は祝祭的なものでもある。現在の社会的な混乱が落ち着いたら何を祝いたいか。

ディジョン:BLMや「トランスジェンダーの黒人の命は大切(Black Trans Lives Matter)」運動がトレンドで終わるのではなく、変化の始まりであってほしいし、不公正や差別を解体するものであってほしい。

私は、子どもの頃に教えられた“恐れ”に引きずられたり、私でない誰かが決めた定義に従ったりして人生を送りたくない。トランスジェンダーであること、また黒人であることの意味を自問したりもするが、小説家で公民権運動の活動家でもあったジェームズ・ボールドウィン(James Baldwin)が言ったように、私たち黒人が「ニグロ」という(被差別側の)人種をつくったわけではない。社会が黒人やトランスジェンダーに対して押し付けた定義は、私自身を何一つ表わしていないのに、それでネガティブな気持ちにならないようにするにはどうすればいいと思う?私はいつも、誰かがそう言ったからといって、それが本当なわけではないと言うようにしている。

WWD:あなたの気持ちや立場を理解するための助けとなる、本やアートのお薦めはある?

ディジョン:あなたたち(白人)を教育するのは、私の仕事ではないと思う。自分の無知や偏見の根がどこにあるのかを探したり、何をすればいいのかを考えたりするのは、あなたたち自身がやるべきことだ。人種差別を解体するのは黒人の仕事ではなく、白人の仕事。それはジェンダーについても、全く同じことだ。

WWD:みんなが自分で考えるようにするには、どうすればいいと思うか。

ディジョン:まず相手の言葉に耳を傾けて、その人が体験してきたことを知り、暴力的な行為や抑圧と闘うこと。とても気まずい話題だし、難しいことだけれど。

WWD:希望はあると思っている?

ディジョン:トランスジェンダーである私たちは、みんなを啓発できると思う。ただ自分らしくありたいだけなのに、世界中から「それは間違っている」と否定されて、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも傷つけられる痛みに耐えながら、私たちはジェンダーを変えている。そうした逆境にも折れない強さは、世の中で最も美しいものの一つだ。私たちは、どんなことがあっても自分らしく生きようという勇気を持っているし、それは誰にとってもパワフルで勇気づけられるメッセージだと思う。

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フェムテック専門店「ムーンド バイ LPC」が東京初進出 西武渋谷店の1階でポップアップ

 フェムテック専門店のムーンド バイ LPC(MOOND BY LPC)は6月30日〜7月6日、東京初のポップアップストアを西武渋谷店のA館1階にオープンしている。売り場の柱には、女性の裸のイラストと共に「#生理つらい」「#フェムテックって?」「#膣トレ」などの文字がデザインとして散りばめられており、インパクトのある内装になっている。

 同店では、生理の日にナプキン無しで着用できる台湾発の経血吸収型サニタリーショーツ「ムーンパンツ(MOON PANTS)」や、膣内に入れて経血を受け止める台湾発の月経カップ「フルムーンガール(FULLMOON GIRL)」をはじめ、英国発オーガニックデリケートゾーンコスメ「イエス(YES)」、韓国発ジェンダーニュートラル下着ブランド「インエー(INA)」、スウェーデンのフェムテックブランド「インティミナ(INTIMINA)」の月経カップ、オーストラリアのサニタリーアイテムブランド「ツノ(TSUNO)」のオーガニックコットンのナプキンなどを扱う。

 会期中には体について考えるアートプロジェクト「マイ ボディ アート プロジェクト(MY BODY ART PROJECT)」を実施する。店内に用意されたペンと紙で子宮の絵を描き、コメントを寄せると、店内の壁に飾られる。さらに「#マイボディマイチョイス」のハッシュタグをつけてSNSに投稿した人にはデリケートゾーンケアコスメをプレゼントする。

 ムーンド バイ LPCを運営するアジュマは1996年に創業したフェムテック専門会社で、女性向けのセックストイや生理用品などを扱う「ラブピースクラブ(LOVE PIECE CLUB)」を20年以上営んできた。現在は「ムーンパンツ」や「フルムーンガール」などの海外のフェムテック商品の輸入代理店も務める。昨秋には大阪の大丸梅田店の生理周期に寄り添った商品を扱う売り場「ミチカケ(MICHIKAKE)」にムーンド バイ LPCの1号店を開き、日本初のフェムテック専門店として話題になった。

西武渋谷店の会期後、7月1〜14日には大丸札幌店でポップアップストアを開く予定だ。
 
■ムーンド バイ LPC期間限定店
日程:6月30日〜7月6日
場所:西武渋谷店A館1階=プロモーションスペース
住所:東京都渋谷区宇田川町21-1

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モデルの浪花ほのかと元SKEの平松可奈子がそれぞれ新ブランド立ち上げ

 ECコンサルティング事業を手掛けるMycolor(森下将憲代表取締役)はこのほど、オスカープロモーション所属の浪花ほのかと平松可奈子それぞれをブランドプロデューサーに迎えた新ブランドを立ち上げた。

 浪花ほのかはファッション雑誌「ポップティーン(Popteen)」の専属モデルを務め、彼女のスタイルがファンから支持を集めていたことから今回、新ブランド「ティアレクローゼット(TIARECLOSET)」の立ち上げに至った。浪花は「“ティアレ”とはタヒチの国花に指定されている私の好きな花の名前です。花言葉は幸福。初めてのブランドということで、少しでも皆さんに幸福をお届けできたらいいなと思い名づけました」とコメントした。

 元SKEメンバーの平松可奈子はこれまでにもライフスタイルプロデューサーとして活動し、ブランドプロデュースを手掛けてきた。今回の新ブランド「シュエット ラテ(CHOUETTE LATTE)」では、身長152cmと小柄な平松が服を着るとスタイルダウンしてしまう自身の経験から、どんな体形の女性にも寄り添うアイテムをコンセプトに掲げる。平松は「“Chouette”はフランス語で"素敵”。“latte”は大好きなカフェラテからとりました。私はモデル体形ではありません。そんな私が感じてきた"服へのストレス"をブランドを通して向き合うとともに、体形が気になり自信をなくしてしまう、自分に合う服がわからない、そんな女の子たちに寄り添いトキメキを与え、素敵になるお手伝いができればと思っています」とコメントした。

 ブランド統括は松田有史Mycolorエグゼクティブプロデューサーが執り行う。今後はそれぞれがSNSを活用してブランドの周知および商品リサーチを行い、商品はECを主軸とした完全受注販売となる。また、ファンとの交流を深めるポップアップイベントなども予定してる。

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モデルの浪花ほのかと元SKEの平松可奈子がそれぞれ新ブランド立ち上げ

 ECコンサルティング事業を手掛けるMycolor(森下将憲代表取締役)はこのほど、オスカープロモーション所属の浪花ほのかと平松可奈子それぞれをブランドプロデューサーに迎えた新ブランドを立ち上げた。

 浪花ほのかはファッション雑誌「ポップティーン(Popteen)」の専属モデルを務め、彼女のスタイルがファンから支持を集めていたことから今回、新ブランド「ティアレクローゼット(TIARECLOSET)」の立ち上げに至った。浪花は「“ティアレ”とはタヒチの国花に指定されている私の好きな花の名前です。花言葉は幸福。初めてのブランドということで、少しでも皆さんに幸福をお届けできたらいいなと思い名づけました」とコメントした。

 元SKEメンバーの平松可奈子はこれまでにもライフスタイルプロデューサーとして活動し、ブランドプロデュースを手掛けてきた。今回の新ブランド「シュエット ラテ(CHOUETTE LATTE)」では、身長152cmと小柄な平松が服を着るとスタイルダウンしてしまう自身の経験から、どんな体形の女性にも寄り添うアイテムをコンセプトに掲げる。平松は「“Chouette”はフランス語で"素敵”。“latte”は大好きなカフェラテからとりました。私はモデル体形ではありません。そんな私が感じてきた"服へのストレス"をブランドを通して向き合うとともに、体形が気になり自信をなくしてしまう、自分に合う服がわからない、そんな女の子たちに寄り添いトキメキを与え、素敵になるお手伝いができればと思っています」とコメントした。

 ブランド統括は松田有史Mycolorエグゼクティブプロデューサーが執り行う。今後はそれぞれがSNSを活用してブランドの周知および商品リサーチを行い、商品はECを主軸とした完全受注販売となる。また、ファンとの交流を深めるポップアップイベントなども予定してる。

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ゲームカルチャー解体新書Vol.1 今、ゲームに注目する理由

 約15年にわたり、ファッションに軸足を置きながら、セールスやPR、企画立案の立場で国内外のブランドビジネスに関わらせていただいています。ファッション業界に携わっている私が、ファッション業界をはじめ、ゲーム業界で活躍している方々、ゲーム好きのゲストとの対談を交えながら、「ファッション × ゲーム」の可能性、新しい価値を提供することができたら。そんな想いと、「WWDJAPAN.com」編集長の村上さんのサポートがあり、この新連載をスタートさせていただきました。

ゲーム=デジタルネイティブ ファッション=アナログネイティブ

 まず、ゲームタイトルによって変わるので一概に言えませんが、20歳を超えると動体視力の低下が顕著に表れ、e-sports選手はアスリートの中でも最も選手生命が短いと言われています。また一般的には、「引きこもり」だとか「オタク文化」などと言う定説が浸透し、世間体や親子関係(特に親)の問題もあってか、日本国内においては成熟した産業になりきれない。e-sports大会の賞金額を比較しても、世界とは雲泥の差がある。こうしたe-sports業界の背景については、次回以降の対談で紐解いていきたいと思います。しかし、どうでしょう。賞金額などは別として、この業界特有のイメージのアップデートは、それほど難しくないのでは?海外はもちろん、私の周りにいるファッショニスタ、ミュージシャン、タレントら各業界には、ゲームをこよなく愛する多くの方々が存在しています。ファッションとの親和性はとても高く、ゲーム業界から生まれるスターが複数のフィールドで活躍する可能性は十分にある。そのフィールドの1つが、ファッションを中心とした業界ではないかと思うのです。

 さらに“アナログ最前線市場”のファッションは、今回の地殻変動によって、デジタル強化が生き残りの必須条件となっているのは周知の通り。ファッションが人に与える高揚感や自己表現、そして、外見だけでなく内面(心理)にも影響を与え、この恩恵を受けた沢山のファッションユーザーの間でも、ファッションは消費のプライオリティからランキング落ちしています。

 ブランド自体も、セレクトショップをはじめとした各取引先がこれまでのように買い付けてくれるか分からない。いや、かつての取引に戻る事はないと思う。生産数は激減し、工賃のチャージアップにより、急激なインフレが起こり、値付けは変えざるを得ないでしょう。

 結果、自走するにはブランド、そして各店舗は、それぞれに顧客を獲得し、顧客のために商品やサービスを提供する関係を構築する必要があります。でも、ファッションが急にデジタルシフトをすると、モノを押し付けるような「商品推し」なプロモーションや、ニッチな世界観の作り込み、クーポンやマークダウン戦略をしてしまうのが関の山です。 デジタルネイティブのゲーム業界が、ファッション市場にとっても、新しいドアの鍵を握っているのではないか。そして、そのドアの向こう側に登場するキーマン達は、今その時を待っていると信じてやみません。「ファッション業界 × ゲーム業界」。それぞれの立場にいる方々が抱えている問題、やりたい事などを語り、ここから生まれる面白いプロジェクトも随時発信していきたいと思います。次回Vol.01は、ゲームカルチャー協会の松岡雅幸さんとの対談を予定しています。

戸簾俊広: ジェムプロジェクター代表:2009年に国内外のファッション・ライフスタイルブランドのブランディング、PR、セールス、コンサルティングを手掛けるブランディングカンパニーGEM PROJECTORを設立。現在は、地方創生プロジェクトや会員予約制のテンポラリーレストランの立ち上げに向け奮闘する一方、「受信者から発信者へ」をテーマにしたオンラインサロンを運営

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ゲームカルチャー解体新書Vol.1 今、ゲームに注目する理由

 約15年にわたり、ファッションに軸足を置きながら、セールスやPR、企画立案の立場で国内外のブランドビジネスに関わらせていただいています。ファッション業界に携わっている私が、ファッション業界をはじめ、ゲーム業界で活躍している方々、ゲーム好きのゲストとの対談を交えながら、「ファッション × ゲーム」の可能性、新しい価値を提供することができたら。そんな想いと、「WWDJAPAN.com」編集長の村上さんのサポートがあり、この新連載をスタートさせていただきました。

ゲーム=デジタルネイティブ ファッション=アナログネイティブ

 まず、ゲームタイトルによって変わるので一概に言えませんが、20歳を超えると動体視力の低下が顕著に表れ、e-sports選手はアスリートの中でも最も選手生命が短いと言われています。また一般的には、「引きこもり」だとか「オタク文化」などと言う定説が浸透し、世間体や親子関係(特に親)の問題もあってか、日本国内においては成熟した産業になりきれない。e-sports大会の賞金額を比較しても、世界とは雲泥の差がある。こうしたe-sports業界の背景については、次回以降の対談で紐解いていきたいと思います。しかし、どうでしょう。賞金額などは別として、この業界特有のイメージのアップデートは、それほど難しくないのでは?海外はもちろん、私の周りにいるファッショニスタ、ミュージシャン、タレントら各業界には、ゲームをこよなく愛する多くの方々が存在しています。ファッションとの親和性はとても高く、ゲーム業界から生まれるスターが複数のフィールドで活躍する可能性は十分にある。そのフィールドの1つが、ファッションを中心とした業界ではないかと思うのです。

 さらに“アナログ最前線市場”のファッションは、今回の地殻変動によって、デジタル強化が生き残りの必須条件となっているのは周知の通り。ファッションが人に与える高揚感や自己表現、そして、外見だけでなく内面(心理)にも影響を与え、この恩恵を受けた沢山のファッションユーザーの間でも、ファッションは消費のプライオリティからランキング落ちしています。

 ブランド自体も、セレクトショップをはじめとした各取引先がこれまでのように買い付けてくれるか分からない。いや、かつての取引に戻る事はないと思う。生産数は激減し、工賃のチャージアップにより、急激なインフレが起こり、値付けは変えざるを得ないでしょう。

 結果、自走するにはブランド、そして各店舗は、それぞれに顧客を獲得し、顧客のために商品やサービスを提供する関係を構築する必要があります。でも、ファッションが急にデジタルシフトをすると、モノを押し付けるような「商品推し」なプロモーションや、ニッチな世界観の作り込み、クーポンやマークダウン戦略をしてしまうのが関の山です。 デジタルネイティブのゲーム業界が、ファッション市場にとっても、新しいドアの鍵を握っているのではないか。そして、そのドアの向こう側に登場するキーマン達は、今その時を待っていると信じてやみません。「ファッション業界 × ゲーム業界」。それぞれの立場にいる方々が抱えている問題、やりたい事などを語り、ここから生まれる面白いプロジェクトも随時発信していきたいと思います。次回Vol.01は、ゲームカルチャー協会の松岡雅幸さんとの対談を予定しています。

戸簾俊広: ジェムプロジェクター代表:2009年に国内外のファッション・ライフスタイルブランドのブランディング、PR、セールス、コンサルティングを手掛けるブランディングカンパニーGEM PROJECTORを設立。現在は、地方創生プロジェクトや会員予約制のテンポラリーレストランの立ち上げに向け奮闘する一方、「受信者から発信者へ」をテーマにしたオンラインサロンを運営

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「グッチ」がSNSで初のバーチャル試着&購入機能 スナップチャットと協業で

 「グッチ(GUCCI)」は6月29日、 SNSアプリのスナップチャット(SNAPCHAT)と協業し、AR(拡張現実)によるスニーカーのバーチャル試着&購入ができるサービスをスタートさせた。SNSのプラットフォーム上で決済までできるのは世界初の試みだ。バーチャル試着対応の商品は定番シリーズの新作4モデルで、2種類のカメラからメンズとウィメンズの2モデルを選べる。試着後、画面にある“購入する”ボタンを押すと、スナップチャットのアプリ上で「グッチ」公式サイトが開いて、決済できる。 ARレンズへは専用のスナップコードからアクセスできる。

 今回のサービスはアメリカとイギリス、フランス、イタリア、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、オーストラリア、日本で利用可能になる。これまで公式アプリのみでバーチャル試着のサービスを行ってきた「グッチ」は、1億人以上の「スナップチャット」ユーザーがいるアメリカなど各国でのサービス利用に期待する。

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「ビューティフルピープル」が写真家ロバート・メイプルソープとコラボ

 「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」は7月8日、写真家ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe)とのコラボアイテムを発売する。青山店や伊勢丹新宿本店、銀座三越、渋谷パルコなどで取り扱う。また先行発売として、6月26日から公式オンラインストアで販売を行い、一部商品は完売している。

 アイテムはユニセックス展開の全6型。「ビューティフルピープル」のベーシックラインに、“静寂と緊張”というテーマでセレクトした代表的な4点のモノクロ写真を掛け合わせた。またメイプルソープの写真とブランドのロゴをプリントした大きなタグが、ゼッケンのように生地に縫い付けられていることが特徴だ。定番アイテムのライダースジャケット(サイズ120〜160、各9万5000円、170〜190、各11万5000円)、コーチジャケット(34〜42、各5万4000円)、パーカ(150〜190、各3万8000円)、ボウリングシャツ(34〜42、各3万円)、Tシャツ(150〜200、各1万8000円)、トートバッグ(1万円)をラインアップ。

 またハードな印象のライダースジャケットにはユリの花を、はっ水機能を持つコーチジャケットには水面の写真を合わせて表現するなど、「ビューティフルピープル」らしいユーモアさも加えた。Tシャツとトートバッグは4作品全てのタグをそろえる。

 メイプルソープは米・ニューヨーク州ロングアイランド生まれの写真家。42歳の若さで死去。“植物”、 “ヌード”、“セックス”を主題に、被写体や色彩、ライティングなどの細部にこだわり、完璧な構図を追求した作品を発表してきた。また当時タブーとされていた同姓愛や性的描写など、常識を覆す数々の挑戦を写真で表現。2019年には没後30周年として、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で大回顧展「IMPLICIT TENSIONS:MAPPLETHORPE NOW」が開催された。これまで、「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」が17年春夏ピッティ・メンズ・コレクションにアーカイブ写真を採用するなど、ファッション界にも多大なる影響を与えてきた。

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藤原ヒロシと「タグ・ホイヤー」の第2弾コラボは“テクノロジーの針を少し逆に戻した”現代風ビンテージ

 「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」は、藤原ヒロシの「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」との第2弾となるコラボレーションモデル“タグ・ホイヤー × フラグメント デザイン キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ”を7月下旬に500本限定で発売する。今回ベースにしたのは1960~70年代の”フォーミュラ1“コレクションに使用されている“Cケース”だ。ケースサイズは44㎜と、“ホイヤー カレラ”をベースに仕上げた前回モデルの39㎜に比べて大きめだが、前回同様、ビンテージウオッチからインスピレーションを得て、藤原流に再解釈した。2018年に第1弾コラボモデルを発売した際には、店頭にブランド史上初の行列ができ、ショーケースに並ぶ前に完売してしまうなど、歴史的な反響があったという。完売必至の第2弾コラボの制作背景を藤原に聞いた。なお、取材は5月の緊急事態宣言下にリモートで実施している。

WWD:前回は1963年の“ホイヤー カレラ”のオリジナルモデルをベースにしていましたが、今回は?

藤原ヒロシ(以下、藤原):前回は僕のワガママというか、小さいサイズ(39㎜)をケースから作ってもらいました。そのときに、次回は大きいモデルを作るという約束だったので、今回は既存モデルをカスタムしていったんです。最初に指定されたモデルがいくつかあり、その中から僕が選んだのが、“フォーミュラ1”コレクションの“Cケース”(44㎜)というモデルでした。ケースはそれを流用して、中身のフェイスのデザインを変えていった感じです。

WWD:具体的にはどこを変えたのですか?

藤原:クロノグラフが2つのモデルは、現行では販売していないのですが、ビンテージの「タグ・ホイヤー」のモデルではあるんですね。そこからインスピレーションを得て、よりスポーツビンテージライクにしました。オリジナルモデルと見比べると、違いがはっきり分かると思います。

WWD:前回はレザーストラップとNATOストラップでした。今回スチールブレスレットを採用した理由は?

藤原:僕はこういうジュビリーブレスというビンテージっぽいブレスが好きなので、実は前回もスチールブレスを付けたかったのですが、時間がなく実現できなかったんです。今回は前回できなったことをやらせてもらいました。

WWD:デザイン面でもっともこだわった部分はどこですか?

藤原:ブレスレットと全体のスポーツビンテージみたいな感覚です。でも本当のビンテージにはならないように、例えば裏ぶたを赤いサファイアにしたりすることで、(オリジナルモデルが発売した)60年代の未来というか、ビンテージの近未来というか、現代風にアレンジしました。

WWD:その微妙なニュアンスはどのようにして表現するのですか?

藤原:「タグ・ホイヤー」もそうだし、時計はテクノロジーなのでそもそも近代的なものじゃないですか。どんどん新しくなっていくものの針を少し逆に戻す……そういう感覚は、僕の得意分野かも知れません。

WWD:改めて、実物を見た感想を教えてください。

藤原:イメージ通り、きれいに仕上がりました。サイズ以外は前回同様、自由にやらせてもらい、僕がイラストレーターで書いたデザインを忠実に再現してもらいました。僕は大きいサイズの時計をあまり着けませんが、今どきの時計が好きな人にはいいと思うし、一般的には着けやすいと思います。

WWD:デザインには別の案もあったのですか?

藤原:最初に2案デザインを提出したので、2つのフェイスのサンプルが上がってきました。もう一つのデザインは微妙な色の違いです。同じ黒でもアクセントにほかの色が入っていたりして、もう少しビンテージ感が強かったので、よりシンプルなモデルを選びました。

WWD:今後の「タグ・ホイヤー」とのプロジェクトは?

藤原:決まっていないです。ひとまず、第2弾まで。

WWD:(新型コロナウイルスの影響で)自宅で自粛していると、腕時計をする機会が少なくなりませんか?

藤原:どうでしょう。少し話は逸れますが、先日、時計ディーラーの友人と話すと、その人はもう時間を合わさないと言っていました。(時計の針を)常に10時10分にして、ブレスレットとして使っているみたいです。一方で僕は、普段から腕時計で時間を確認することが多いので、時計を時計として使うタイプです。

WWD:(自粛中ということもあり)自宅での時間の確認方法を教えてください。

藤原:実は自宅にある時計は、目覚まし時計だけですね。今は、ユーチューブやネットフリックスで好きな時間に好きなモノを見られるから時間の観念がずれてしまいがちですけど、僕は常にテレビをつけているので、それで時間を確認することが多いかな……「『ミヤネ屋』、2時か」みたいな感じです(笑)。

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「ベイプ」と“ガーフィールド”が初コラボ 猫耳“マイロ”が登場

 「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R)以下、ベイプ)」は7月4日、アメリカのネコのキャラクター “ガーフィールド(GARFIELD)”との初コラボ商品を発売する。 “ガーフィールド” は1978年にアメリカの新聞でデビューした漫画のキャラクターで、アニメや映画などをスタートしてからは世界中にファンを持つ。今回は“ベイビーマイロ(R)(BABY MILO(R))”と“エイプ ヘッド(APE HEAD)”と共に登場。 “ガーフィールド”の耳をつけた“マイロ”や“マイロ”タッチで描かれた “ガーフィールド”など、特別なデザインが目を引く。

 商品はメンズサイズのTシャツやフーディー、キャップ、バッグがそろい、一部はキッズサイズも用意する。全国の「ベイプ」店舗と「ベイプ」の公式ウェブサイトで取り扱う。

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「グッチ」や「プラダ」も参加 7月のミラノ・デジタル・コレクションのスケジュール発表

 イタリア・ファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)は、7月14〜17日に開催するミラノ・デジタル・ファッション・ウイークのスケジュールを発表した。2021年春夏メンズ・コレクションに加え、ウィメンズとメンズの21年プレ・スプリング・コレクションが披露される。

 「プラダ(PRADA)」や「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」「ディー スクエアード(DSQUARED2)」「エトロ(ETRO)」などのミラノ・メンズ常連組に加え、これまでメンズ期間中は展示会形式で発表していた「トッズ(TOD’S)」や「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」も参加する。また5月にコレクションの発表スケジュールの見直しを宣言していた「グッチ(GUCCI)」も名を連ねている。1998年以来の公式スケジュール復帰となった「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」は7月15日にショーのライブ配信を行う予定だ。

 日本からは、前シーズンもミラノ・メンズでショーを行った「ジエダ(JIEDA)」と、志鎌英明デザイナーの「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(CHILDREN OF THE DISCORDANCE)」が海外のファッション・ウイークに初参加する。

【ショースケジュール】(日時はすべて現地時間。変更の場合あり)

7月14日(火)
12:00 「MSGM」
13:00 「マリアーノ(MAGLIANO)」
14:00 「プラン C(PLAC C)」
13:30 「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」
14:00 「プラダ(PRADA)」
15:00 「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」
16:00 「ヴィヴェッタ(VIVETTA)」
16:30 「エディスマルセル(EDITHMARCEL)」
17:30 「フィリップ プレイン(PHILIPP PLEIN)」

7月15日(水)
10:00 「エトロ(ETRO)」
11:00 「レゾム(LES HOMMES)」
12:00 「MTLスタジオ マッテオ ラマンディーニ(MTLSTUDIO MATTEOLAMANDINI)」
13:00 「ファビオ クアランタ(FABIO QUARANTA)」
13:30 「APN73」
14:00 「M1992」
14:30 「ユナイテッド スタンダード(UNITED STANDARD)」
15:00 「スンネイ(SUNNEI)」
16:00 「セルダー(SERDAR)」
17:30 「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」

7月16日(木)
10:00 「シモーナ マルツィアーリ-MRZ(SIMONA MARZIALI-MRZ)」
11:00 「エルマンノ シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)」
12:00 「フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)」
13:00 「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」
14:00 「トッズ(TOD'S)」
15:00 「ディースクエアード(DSQUARED2)」
16:00 「ハン コペンハーゲン(HAN KJOBENHAVN)」
16:30 「ヌメロ 00(NUMERO 00)」
17:00 「デヴィッド カタラン(DAVID CATALAN)」

7月17日(金)
10:00 「イレブンティ(ELEVENTY)」
11:00 「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(CHILDREN OF THE DISCORDANCE)」
11:30 「ジエダ(JIEDA)」
12:00 「フェデリコ チーナ(FEDERICO CINA)」
12:30 「ゴール(GALL)」
13:00 「アンドレア ポンピリオ(ANDREA POMPILIO)」
14:00 「グッチ(GUCCI)」
15:00 「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」
16:00 「ミッソーニ(MISSONI)」

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7月1日からプラスチック製レジ袋有料化 マイバッグ無料配布や風呂敷推しなど各社の動きをチェック

 改正された「容器包装リサイクル法」に基づき、7月1日から各種小売店で使われているプラスチック製のレジ袋が有料化される。コンビニやスーパーなどへの影響が特に大きいが、ファッションやビューティ企業と関連のある店舗ももちろん有料化の対象だ。この機会にエコにフォーカスした販促を打ち出す企業もある。1日を前に、改めて有料化の意図をおさらいすると共に、各社の施策を紹介する。

 今回有料となるのは、小売店で商品を購入した際に提供される、持ち手の付いたプラスチック製レジ袋。「(プラスチックに関しては)廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題もある」(経済産業省)ことから、有料化となった。ただし、1.フィルムの厚さが50マイクロメートル以上で繰り返しの使用が可能な場合、2.海洋生分解性プラスチック配合率が100%の場合、3.バイオマス素材(化石燃料でなく動植物に由来する有機物である資源)の配合率が25%以上の場合は有料化から除外される。

 アパレルやビューティ業界ともつながりの深い小売店でいえば、百貨店は食品フロアでプラスチック製レジ袋の使用率が高い。三越伊勢丹ホールディングスは1日から、国内グループ百貨店全店で食品用のプラスチック製レジ袋を順次廃止する(取引先ショップがプラスチック製レジ袋を提供する際は有料)。その代わりに、グループ共通デザインの黒い無地の有料紙袋(大サイズ50円、小サイズ30円)を導入。FSC認証紙を使い、従来の紙袋よりも地厚にし、はっ水加工も施した。伊勢丹のアイコンとしておなじみのタータンチェック柄などのマイバッグ(900円)も同時に発売する。なお、食品フロア以外では1日以降も従来通り紙袋を無料で提供する。

 そごう・西武は食品に限らず、全15店の全売り場でレジ袋を有料化する。バイオマス素材を30%含むプラスチック製レジ袋は食品用が3~8円、一般用が5~70円。FSC認証紙の紙製レジ袋は一般用が10~50円、特選が100円。

 松屋はプラスチック製レジ袋を3~10円に有料化する。同時に松屋銀座本店で推しているのが“元祖マイバッグ”としての風呂敷だ。7階の呉服売り場に風呂敷を15サイズ約100種(550~2万7500円)そろえ、持ち手として使えるリングなども別売りで打ち出す。ジーンズのバックスタイルのようにポケットが付いたデニム地の風呂敷(1万3750円)などがおすすめ商品。

 SPAメーカーや専門店では、アダストリアが1日から、店頭で商品を購入した客に計50万枚のマイバッグを配布する「REBAGシュウカン」キャンペーンを実施する。同社は14年からマイバッグの利用促進・レジ袋の削減を目的に、レジ袋(紙製、プラスチック製問わず)の包装を辞退した客に自社EC「ドットエスティ」や店頭で使用できるポイント10ポイントプレゼントしてきた。その結果、年々レジ袋の辞退は増え、20年2月期までに累計で171万枚のレジ袋が削減できたという。同社が扱うプラスチック製レジ袋はフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のため、有料化はしない。

 しまむらは5月から、プラスチック製レジ袋をバイオマス素材を25%以上含むタイプに順次切り替えてきた。それによって、今回の有料化の対象からは外れる。また、「今後のさらなる制度変更を見据え」、一部サイズではプラスチック製に代えて紙製レジ袋を導入。7月1日以降もレジ袋はプラスチック製、紙製共に無料で提供する。

 また、「H&M」や「ユニクロ(UNIQLO)」「ジーユー(GU)」といったグローバルSPA、「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC & ECOLOGY)」を運営するストライプインターナショナルなどは、18年末以降、プラスチック製レジ袋に代えて紙製レジ袋の導入と有料化を進めてきた。

 レジ袋有料化の影響が最も大きいといっていいコンビニ業態はセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社がプラスチック制レジ袋を1枚3円(セブンイレブンはサイズによって違いあり)とすることを発表している。また、有料化を前にレジ袋削減の啓もうとして、さまざまな取り組みも行われてきた。JR東日本は「スノーピーク(Snow Peak)」、日本環境設計と組んでマイバッグを企画し、6月16日から駅内のコンビニ「ニューデイズ」などで500円以上の購入客に50万個を配布した。「ナチュラルローソン」はメルカリと組み、伊坂幸太郎や吉本ばなな、筒井康隆の小説を印字し付加価値を付けた、バイオマスプラスチック50%以上配合の“読むレジ袋”を6月24~26日に無料配布。両社とも既に配布は終了している。

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「エストネーション」が神奈川初出店 ニュウマン横浜に“海”を感じる立体フロア

 エストネーション(ESTNATION)は6月24日、ニュウマン横浜3~4階に神奈川地区初出店となる大型店をオープンした。メゾネットタイプの立体フロア構造となるストアは、売り場面積約560平方メートル。ファッションビル内に多層階の店舗をオープンするのは同社初だ。

 メインエントランスを構える4階では、横浜エリア初出店となる「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン(NICOLAI BERGMANN FLOWERS & DESIGN)」のインショップを併設するほか、ウィメンズ&メンズのトレンドおよびカジュアルアイテム、ホーム雑貨などをそろえる。

 3階では、オン需要を見込んだウィメンズのウエアや、「ジルサンダー(JIL SANDER)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」などのコレクションブランド、ジュエリー、さらにフレグランスなどのコスメティックを取りそろえる。

 「元町のクラシックなイメージや湘南の抜け感のある空気感を取り入れた」と堀江俊エストネーションチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)が語る店内は、4階のナチュラルな雰囲気と、3階のスチールやモルタルを基調としたシャープな雰囲気とのコントラストが際立つ。外光が差し込む店内には、フォトグラファー瀧本幹也の海の写真やシャルロット・ぺリアン(Charlotte Perriand)のビンテージのベンチなどが配置されており、コーナーごとに異なるテイストのアートやインテリアを楽しみながら買い物ができる。

 六本木ヒルズ店や銀座店はモードなイメージが強いが「横浜店では、よりエッセンシャルなテイストを感じてもらいたい。コンサバやクラシックでまとまるのではなく、時代の流れに沿って柔軟に変化する大人の男女に足を運んでもらえたら」と堀江CCOは語る。

 また、オープンを記念した限定&先行アイテムも幅広くラインアップ。エントランス付近には、ニコライ・バーグマンがカーネーションでペイントした絵を展示し、後日販売も予定している。

TEXT: ANRI MURAKAMI

問い合わせ先
エストネーション横浜店
045-534-7128

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東コレが10月開催決定 米オンライン展示会「ジョア」と提携してデジタル化を促進 翌年は開催時期を8月に移行

 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)は、2021年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」を10月12〜18日に開催することを発表した。3月に予定されていた20-21年秋冬シーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止し、1年ぶりのイベント実施となる。6月末から参加ブランドを募り、9月上旬に取材メディアやバイヤーの登録を開始。9月下旬に参加ブランドとコレクションスケジュールを発表する予定だ。

 発表形式については参加希望ブランドと話し合い、ファッションショーに限定せずに、新たな発表形式も取り入れてRFWTのデジタル化を促進。また米国発のオンライン展示会システム「ジョア(JOOR)」と提携し、144カ国、20万以上のバイヤーが利用するキュレーションマーケットプレイス「ジョア パスポート(JOOR PASSPORT)」を介して、オンライン上での商談をサポートする。

 また、JFWOは21年度の東京ファッション・ウイークの開催時期を変更することも明らかにした。従来10月中旬開催だった春夏シーズンの開催を8月末に移行。これまでパリやミラノ、フィレンツェなどの海外都市での春夏シーズンや、プレコレクションの発表が6月に行われていたことで、東京での開催時期と4カ月のギャップがあったが、8月末に移行することで2カ月弱に抑えることができる。秋冬シーズンは従来通り3月中旬の開催を予定する。

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「ザ・ボディショップ」の日本事業会社を英国本社がイオンから買収

 英国発ナチュラルコスメ「ザ・ボディショップ(THE BODY SHOP)」を展開するザ・ボディショップ・インターナショナル・リミテッド(以下、ザ・ボディショップインターナショナル)は6月30日、日本での事業を手掛けるイオンフォレストの株式を取得することを親会社のイオンと合意し、子会社化することを発表した。取得金額は非公表。10月から事業を引き継ぎ、社名をザ・ボディショップジャパンに変更し、社長には倉田浩美・元フルラジャパン社長が就任する。今後は本国直轄の子会社としてブランドの成長を推進する。

 日本でのザ・ボディショップ事業は、1990年からイオンフォレストがフランチャイジーとし手掛け、東京・原宿の路面店や商業施設などに出店してきた。ザ・ボディショップインターナショナルのデイビッド・ボイントン最高経営責任者は「日本は非常に重要な市場だ。約30年間、『ザ・ボディショップ』のビジネス基盤を構築してくれたイオンフォレストの関係者には感謝している。今後ザ・ボディショップジャパンにみんなを迎えることを心待ちにしている」とコメントした。

 今後「ザ・ボディショップ」は、ブランドのDNAである社会と環境にポジティブな変化をもたらす姿勢を貫き、自然から着想を得たサステナブルな方法で製造される製品を提案し続け、日本での存在感をより強固にしていく。

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「ケンゾー」新デザイナーによる初の旗艦店がNYにオープン

 「ケンゾー(KENZO)」は6月26日、ニューヨークのソーホーに新店舗をオープンした。同店は、2019年7月に就任したフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveira Baptista)新クリエイティブ・ディレクターが内装デザインを手掛けた初の旗艦店だ。春にオープンを予定していたが、新型コロナウィルスの影響で延期していた。

 内装は白い什器を使った明るい雰囲気で、フェリペが厳選した1970年代のオリジナルレザーの家具や、プレキシグラスのディスプレーで飾られたビンテージテレビなどが置かれている。また随所に植物などを配置し、ブランドのDNAである自然への取り組みや、フェリペが最も注力しているというオーガニック素材を使った新たな世界観を表現している。入り口はアートに特化したインスタレーションのスペースとしても設け、NYらしい芸術性やコミュニティーの発信地として活用する。

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「ルイ・ヴィトン」初のメンズ旗艦店を公開 NIGO®とコラボの巨大ダックがお出迎え

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、東京・渋谷に7月6日に開く世界初のメンズ旗艦店「ルイ・ヴィトン 渋谷メンズ店」を公開した。同店は2層構造で、1階のエントランスを抜けるとドラムセットのオブジェが出迎える。床や什器は木目調の温かみのある空間で、壁面に並んだバッグ類をはじめ、ウエアからアクセサリーまでメンズアイテムや限定品がずらりと並ぶが、店内は開放感のある雰囲気だ。

NIGO®コラボのスペースも

 1階奥にはNIGO®と協業した“ルイ・ヴィトン LVスクエアード コレクション”のコーナーを設け、壁面は同コレクションのキーカラーであるイエローで統一している。ひときわ目を引く高さ約3mのダックは、NIGO®のブランド「ヒューマンメイド(HUMAN MADE)」の象徴的なモチーフをアレンジしたもの。同コレクションのコインケースやバッグのハンドルにもあしわれている。またテーブルフットボール“バビフット”や“タイガラマ アンターティカ スニーカー トランク”などのキャッチーなアイテムも並び、ラグジュアリーとストリートカルチャーをシームレスにつなぐ遊び心溢れる売り場となっている。

2階には“オブジェ・ノマド コレクション”

 2階のイベントスペースには、ホーム&トラベルコレクションの“オブジェ・ノマド コレクション”が期間限定で並ぶ。アンドリュー・カドレス(Andrew Kudless)との「スウェル・ウェイブ・シェルフ」など複数のクリエイターと協業したインテリアと、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)=メンズ アーティスティック・ディレクターが手掛けたメンズのスニーカーやバッグが並ぶ。キャンプやホームバーなど5つの異なるテーマで展示し、同ブランドのメンズの世界観をシーンごとに表現している。2階は通常は一般客に開放していないため、入場には問い合わせが必要となる。

 7月6日から27日までの入店は事前予約制で、受け付けはブランド公式ホームページで7月1日に開始する予定だ。

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三陽商会3~5月期は42億円の最終赤字

 三陽商会の2020年3~5月期は売上高が57億円、営業損益は28億円の赤字、純損益は42億円の赤字だった。同社の20年2月期は14カ月決算(12月期から決算期を変更)だったため、前年同期との比較値は公表していない。

 同社発表によると、店頭売上高は3月が前年同月比44%減、4月は同71%減、5月は同70%減。新型コロナウイルスの感染拡大による主販路の百貨店の短縮営業・休業で落ち込んだ。さらに休業中の店頭販売員の給与や不動産賃借料として特別損失12億円を計上した。

 なお、2021年2月期の連結業績予想は、新型コロナの影響により「現段階では算出が難しい」として公表を見送った。期中には経営再建に向けた構造改革として、同社全体の約15%に当たる150店舗を閉める計画。「整理する店舗の選択や取引先との話合いを進めており、7~8割は(閉鎖の)めどが立っている」(同社広報)。

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キーマンたちに直撃 “スーツに見える作業着”が秘める、ファッションとしての可能性

 オアシススタイルウエアが企画・販売する、“スーツに見える作業着”「ワークウエアスーツ(以下、WWS)」が好調だ。企業の制服といった法人の売り上げと、消費者による個人の売り上げ双方を伸ばしている。中でも個人は「アバハウス(ABAHOUSE)」での取り扱いを皮切りに「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」や「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」など、有力セレクトショップとの取り組みを続々実施。ファッション業界からも注目を集め始めている。作業着として始まった「WWS」には、ファッションとしてどのような可能性を持つのか。同ブランドの卸先の中でも関係性の深いベイクルーズグループ内で、同ブランドとの取り組みを推進している北野浩規「417エディフィス(417EDIFICE)」商品開発マネージャーと栗原潤J.Sワークス取締役の2人と、樋口麗香「WWS」ディレクターと共に、その可能性を探る。

コロナ禍の中でも急成長
水道工事業発の「WWS」とは?

 「WWS」は、水道工事業を行うグループ会社が長年培ってきたノウハウを生かし、オリジナルの生地“アルティメックス(Ultimex)”から生まれる機能性と、フォーマル要素を併せ持つ。その2つの側面と、アパレル業界へのアプローチをはじめとするさまざまな施策を組み合わせることで、企業の制服といった法人の売り上げと、消費者による個人の売り上げの双方が大きく伸長。第一四半期(2020年3月1日~5月31日)の売り上げは前年同期比で332%を達成し、コロナ禍の中でも急成長を遂げている。

初の別注商品を制作した
「417エディフィス」が考える
「WWS」の可能性

 約1年前、「WWS」が初となる別注商品制作の取り組みを行ったのが、ベイクルーズグループの「417エディフィス」だ。同ショップの北野浩規商品開発マネージャーは「『417』として新規顧客の獲得を目指し、機能性や利便性の軸で、何か新しいことはできないかと考えていた。そんな中で水道工事業発の服で“スーツに見えますが作業着です”という、お客さまにダイレクトに刺さるであろうコンセプトを持つ『WWS』に可能性を感じ、取り組みを決めた」と経緯を語る。そうして生まれた別注商品は、実際に30~40代を中心とした新規顧客の獲得に一役買っているという。「オリジナルの生地により、シワになりにくく、洗えるという2つの点がお客さまに刺さっている」とも分析する。現在はANA(全日本空輸)とのトリプルコラボ商品の発売も控えているが「コロナもあって、お客様のマインドも変わっている。ショップとしてもお客さまのライフスタイルに寄り添った商品企画をしていくつもりだ。その中で、業種・年代を問わずに選ばれる『WWS』とは今後、一定のコミュニティーに強く刺さるような商品開発ができると考えている」と期待を見せる。

いい意味で“素朴”
さまざまな切り口に期待

 ベイクルーズグループでは、「ジャーナルスタンダード(JOURNAL STANDARD)」も「WWS」との取り組みを決定。男女兼用の別注商品を7月にウェブで先行受注形式で、8月には店頭で販売する予定だ。同ショップを運営するJ.Sワークスの栗原潤取締役は取り組みの経緯について「機能やサイズ感、トレンドなど切り口を変えて、これまでにもセットアップは多く取り扱ってきた。そういった中で何か違う切り口でセットアップやワークウエアを提案できないかと考えていた。『WWS』はいい意味で素朴で、間口が広い。その素朴さを残しつつ、何か切り口を足せばセットアップの取り入れ方も多様化するのではないかと考えた。その第一弾として、『ジャーナルスタンダード』では『WWS』との新たな取り組みとして“男女兼用”をテーマにした別注商品を加え、提案することにした」と説明する。今後の取り組みについては「1回だけでは伝わらないと思っているので、ディテールなどを変えながら、一緒に取り組みを続けていきたい。ただ、変にいじり過ぎてもいけない。この素朴さをベースにしつつ、バランスを取りながら取り組んでいくのがキモだと思っている」。

ファッション業界一筋の
ディレクターが考える
「WWS」の未来

 「WWS」のファッションとしての可能性を広げたのが、樋口麗香ディレクターだ。インポートブランドの卸など、18年にわたりアパレル業界一筋で働いて来た彼女は「WWS」のどこに可能性を感じたのか。「長くファッション業界で働く中で、ファッションはもっと身近な存在であるべきと考えるようになった。その中で、『WWS』という、仕事とファッションを繋げる服を、もう少しだけスタイリッシュに見せ、広げていくことができるのではないかと考えた」と語る。そうして彼女は「417エディフィス」を皮切りに、別注を軸としたセレクトショップとの取り組みを拡大させた。「『WWS』は男女問わず、困っている人たちのための服であってほしい。今後は女性視点から作る、機能系スーツを拡充したいと考えている。スーツの定義や仕事の幅が広がる中で、私たちとしては機能の面をシンプルに伝えつつ、ファッションの要素を盛り込むなどして発展させていく」。

問い合わせ先
オアシススタイルウェア
営業・広報窓口
suhara@oasys-inc.jp

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ラゲージブランド「リモワ」のアイウエアがデビュー 新カテゴリー拡大へ第一歩

 ドイツのラゲージブランド「リモワ(RIMOWA)」がアイウエアを世界の「リモア」の主要店とオンラインストアで7月9日に発売し、新分野への事業拡大に向けて第一歩を踏み出す。

 「リモワ」のアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)最高経営責任者は、「われわれは現代のあらゆる変化に直面しているが、『リモワ』はこれらの変化に真正面から応えるというビジョンを持って前進することを約束する。1年以上前から、お客さまの旅全体にわたる幅広い旅行ニーズに対応できるエコシステムに進化させる方法を模索してきた。『リモワ アイウェア』はブランドの進化における最初のエキサイティングな製品開発であり、ブランドの象徴であるラゲージを超えたコアデザインの価値を落とし込んでいる」と新しいカテゴリー進出に意欲を見せた。

 商品はユニセックスの2ラインのサングラスとオプティカルフレームがあり、サングラスの価格は3万4000~4万2000円。日本は、東京の銀座7丁目と表参道、大阪 心斎橋の各リモワストアと阪急うめだ本店(1回と8階)およびオフィシャルウエブサイトでサングラスが、オプティカルフレームは眼鏡専門店で販売される。

 「リモワ」は1898年にドイツ・ケルンで創業し、1937年にアルミニウムを、2000年にポリカーボネートを素材に取り入れるなど革新的に発展した。17年からLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下となった。「リモワ」のアイウエアは、LVMHとイタリアの大手眼鏡メーカー、マルコリン(MARCOLIN)との合弁会社ティリオス(THELIOS)が生産し、日本におけるオプティカルフレームの眼鏡専門店の販売はティリオスの日本の販売代理店であるヴィジョナイズが手掛ける。

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ラゲージブランド「リモワ」のアイウエアがデビュー 新カテゴリー拡大へ第一歩

 ドイツのラゲージブランド「リモワ(RIMOWA)」がアイウエアを世界の「リモア」の主要店とオンラインストアで7月9日に発売し、新分野への事業拡大に向けて第一歩を踏み出す。

 「リモワ」のアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)最高経営責任者は、「われわれは現代のあらゆる変化に直面しているが、『リモワ』はこれらの変化に真正面から応えるというビジョンを持って前進することを約束する。1年以上前から、お客さまの旅全体にわたる幅広い旅行ニーズに対応できるエコシステムに進化させる方法を模索してきた。『リモワ アイウェア』はブランドの進化における最初のエキサイティングな製品開発であり、ブランドの象徴であるラゲージを超えたコアデザインの価値を落とし込んでいる」と新しいカテゴリー進出に意欲を見せた。

 商品はユニセックスの2ラインのサングラスとオプティカルフレームがあり、サングラスの価格は3万4000~4万2000円。日本は、東京の銀座7丁目と表参道、大阪 心斎橋の各リモワストアと阪急うめだ本店(1回と8階)およびオフィシャルウエブサイトでサングラスが、オプティカルフレームは眼鏡専門店で販売される。

 「リモワ」は1898年にドイツ・ケルンで創業し、1937年にアルミニウムを、2000年にポリカーボネートを素材に取り入れるなど革新的に発展した。17年からLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下となった。「リモワ」のアイウエアは、LVMHとイタリアの大手眼鏡メーカー、マルコリン(MARCOLIN)との合弁会社ティリオス(THELIOS)が生産し、日本におけるオプティカルフレームの眼鏡専門店の販売はティリオスの日本の販売代理店であるヴィジョナイズが手掛ける。

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胸が大きな女性の悩みに光を当てたブランド「オーバーイー」 “街角の花屋”のような接客で悩みを共有

     胸が大きな女性のためのファッションブランド「オーバーイー(OVERE)」を運営するエスティームの代表を務めるのは、学生時代から自身の体形にコンプレックスを抱えていたという和田真由子さんだ。ブランドのモノ作りやライブ配信での接客術について、「WWDジャパン」6月29日号の販売員特集で掲載しきれなかった和田さんのインタビューを紹介する。

     和田さんは2016年にクラウドファンディングでブランドを立ち上げ、胸の大きな女性に向けたシャツを製作し、ジャケットやワンピースなどの商品も増やしていった。現在はオンラインでの販売を中心に、銀座に試着専用サロン(3月から休業中、7月に再開予定)を構えるほか、全国各地の商業施設でポップアップストアを開いている。また新型コロナウイルス感染拡大を受けて、インスタグラムのライブ配信を通したデジタル接客も強化中だ。

     ブランドコンセプトは“Hope you have a lovely day!(素敵な一日を!)”。この“ラブリー”はイギリス英語で日常的に使われ、「素敵な」「うれしい」「楽しい」「いいね」など幅広い肯定的な意味を持つ。この言葉のように、経営者でありながら自らも店頭に立つ和田さんもとても“ラブリー”な人で、多くのファンが付いている。

    WWD:ブランドを立ち上げた経緯は?

    和田真由子・エスティーム代表 以下、和田:学生時代に玄関の鏡に映った自分の姿を見て「胸が目立って、太って見える。これでは外に出られない」と、何を着たらいいのか分からなくなってしまい、外見や内面への自信を失って引きこもりを経験しました。これまで、「なぜ洋服で人生を諦めなければいけないのだろう」「なんで私に似合う服はないのだろう」と感じてきたことを周りの友人に話したら、「実は私も」と共感を得たんです。みんなが同じような悩みを抱えていたことに気がつき、16年にクラウドファンディングを通してブランドを設立しました。

    WWD:商品はどのように製作したのか?

    和田:最初はとても苦労しました。アパレルの知識のない中で洋服の作り方が分からず、OEM会社の方と試行錯誤で最初のシャツを完成させました。またお客さまと「一緒に“オーバーイーサイズ”を当たり前にしていきたい」という思いがあり、ツイッターで欲しい色や柄について積極的に質問したりして、本当のニーズをデザインに盛り込むようにしています。

    第一声は「いらっしゃいませ」
    よりも「こんにちは」

    WWD:販売で気をつけていることは?

    和田:今まで洋服選びに困ってきた人がお客さまに多いので、オンラインには細かい情報を載せるようにしています。サイズはバストを基準に表記していますが、そうすると丈感などが見落とされることも多いので試着モデルの身長なども記載しています。また、洗濯の表示も分かりやすさを徹底しています。サイズに関する悩みを全て排除したいので、通販でのサイズ交換と返品のサービスは当初から導入していました。

    WWD:代表の和田さんも店頭に立つことがあるが、対面での接客で心がけていることは?

    和田:店頭では“街角の花屋”のような接客を心がけています。第一声は「いらっしゃいませ」より「こんにちは」。まずは洋服のことではなく、人と人とのコミュニケーションを大切にするようにスタッフと共有しています。胸が大きいということは“ぜいたくな悩みだ”と思われてしまうこともあり、なかなか言い出しづらいけれど、会話を通して悩みを共有していきたいんです。お客さまから「スタッフが優しく対応してくれてうれしかった」という声をいただき、リピーターになってくださる方も多くいらっしゃいます。また、店頭で出会ったお客さま同士でお茶をしたり買い物をしたりとコミュニティーができているほか、お客さまがポップアップストアの販売スタッフとして応募してくださることもあります。

    WWD:接客をしていてやりがいを感じることはどんなとき?

    和田:お客さまが試着室から目を輝かせて出てくる瞬間です。この悩みを抱えている人たちにとって、これまで服を選ぶ基準は“着られるか”“着られないか”で、試着室は試練の場所だったんです。けれど、「オーバーイー」の試着室は洋服を楽しむ体験の場にしたい。購入する服だけを試着するのではなく、全部を着ていただいても大歓迎です。お客さまの選択肢を増やせることにもよろこびを感じています。「オーバーイー」をきっかけに、ファッションからメイクなど、今まで自然と諦めていたことに再チャレンジする人も多くいらっしゃいます。

    ライブ配信では些細なコメントも
    声に出して読む

    WWD:インスタグラムではライブ配信を行なっているが、どのように発信している?

    和田:普段SNSはツイッターをメインに運営しており、インスタグラムは全く更新できていない状態でした。コンテンツを作ったり、素敵な写真をアップすることよりも、ライブ配信をやってみようと昨秋から開始しました。配信のタイミングは新作発売の直前で、発売日当日に安心して買っていただけるようにしています。時間は一般的に仕事が終了する時間を考慮して午後8時頃。

    配信時にはサイズの参考になるよう、着用者の身長とバストサイズに加えて、骨格診断のスタイルを固定のコメント欄に明記して、口頭でも繰り返しお伝えします。また、些細なコメントでも全て声に出して読むよう心掛け、何度も同じ質問が来てもきちんと回答するようにしています。事前に質問箱を設置し、お客さまの懸念点を把握しておくのもよかったです。

    WWD:新型コロナウイルスの影響はどのように受けたか?

    和田:素材を韓国で手配して中国で生産していることもあり、2月の商品から納期遅れが発生し、6月に入ってからようやく是正されてきました。また3〜4月に予定していたポップアップストアが中止になり、3月中旬からは銀座の試着専門店も休業しています。

    WWD:「オーバーイー」での今後の目標は?

    和田:3年目の今年は新しいことを始めるのではなく、コアな部分にもう一度立ち返りたいと思っています。これまでポップアップストアを立て続けに開いてきて、キャパオーバーになることもありました。ブランドとして提供したい体験をよりよく届けられるように、PDCAを回して一つ一つ見直しているところです。スタッフも“Lovely day(素敵な一日)”を過ごして働けるように、ブランドをブラッシュアップしていきたいです。

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グローバルアパレル専門商社イーアンドジェーがポストコロナのファッション企業サポートを強化

 グローバルアパレル専門商社のイーアンドジェー(E&J)は、新型コロナウイルスの影響で大きな変化の時を迎えている今、ファッション企業の新しいビジネスモデル構築をサポートするパートナーシップ拡大に力を入れる。

 イーアンドジェーの創業者の宮永えみり社長に事業の狙いを聞いた。

国内300ブランドの
サプライチェーンを手掛ける

WWD:イーアンドジェーのこれまでの歩みは?

宮永えみりイーアンドジェー創業者兼社長(以下、宮永):ファッションデザイナーである夫とともに2001年に東京で設立し、OEM(相手先ブランドの生産)を経て、ODM(相手先ブランドの企画生産)事業を拡大し、現在、中国、シンガポール、アメリカにオフィスを構えてグローバル企業に発展しています。創業以前の1994年に設立した中国の自社工場は、協力工場と共に現在まで累計5000万着以上のニットやジャージー製品を生産しました。カンボジアとミャンマーでもニット工場と提携し、アジアの生産基盤を築いています。

WWD:これまでの日本のファッション企業とのビジネスの実績は?

宮永:アジアの生産背景を生かし、丸紅など十数社の商社と連携しながら国内アパレルのサプライチェーンを担ってきましたが、2014年の丸紅ファッションリンクとの提携を契機にOEMとODM事業をさらに拡大し、これまで300以上のブランド開発に携わりました。中でも、ストライプインターナショナルの「アースミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC & ECOLOGY )」やマッシュスタイルラボの「スナイデル(SNIDEL)」のブランディングには早期から総合的に携わり、現在の成長に貢献しました。日本のビジネスは18年連続で増収増益です。

グローバルネットワークで
事業拡大

 宮永社長は1994年上海大学国際商業学院を卒業後、2014年中欧国際工商学院でEMBAを取得し、社長業を務めながらアメリカ・シリコンバレーのデ・アンザ・カレッジ(De Anza College)でビジネスとコンピューター情報システムを学んだ。中国で独資法人と現地法人2社を設立して、アジアのサプライチェーンを管理しているほか、商業施設の開発やギフトショップ「ヨミー(YOMMY)」を手掛けるなど多角化し、eコマース事業も拡大中だ。15年、シンガポールに会社を設立して、三カ国貿易と東南アジア市場拡大を実現した。16年、ハワイの不動産投資を通じてアメリカ市場に進出し、現在はニューヨーク・マンハッタンに居を構え、19年に設立したアメリカ法人E&J GLOBAL INC.から全社を統括する。

従来の繊維商社の領域を超えた
ブランディングが強み

WWD:イーアンドジェーの強みは何か。

宮永:この約20年間、従来の繊維商社の事業領域を超えたきめ細かなブランディングを国内アパレル企業と300ブランド以上手掛けた実力と信頼。そして、これらの実績に裏打ちされた企画、生産、営業、販売、プロモーションなどブランドビジネスに必要な総合力を持っていることです。われわれはグローバルなネットワークやマーケティング力など豊富な経験とノウハウを用いて、時には新規ブランド開発に一から携わり、SPAブランドからコレクションブランドまで多くを成功に導いてきました。市場の変化の兆しを早期に察知し、時代のニーズに適したソリューションを導き出す提案力や企画力には自信があります。

WWD:今後、日本のファッション企業とともに目指していることは?

宮永:新型コロナの影響で商環境が大きく変わろうとしている今、グローバル化やデジタル化による次世代型の成長戦略を日本のファッション企業とともに構築したいと思います。困難な時代ですが、解決策は必ずあります。当社も新しい一歩を踏み出す改革で、20年以上生き延びてきました。2020年は、新しいファッションビジネスのはじまりの時です。

問い合わせ先
イーアンドジェー
email@globalej.com

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追記:コティがキム・カーダシアンのコスメブランドの株式20%を取得 スキンケアやヘアケアに進出

【追記 2020年1月6日】2020年1月5日付で20%の株式の取得取引が完了した。キム・カーダシアンのスキンケアラインは2022年にローンチ予定。

 コティ(COTY)はキム・カーダシアン(Kim Kardashian)のコスメブランド「KKW ビューティ(KKW BEAUTY)」の株式20%を2億ドル(約214億円)で買い取る。現在「KKWビューティ」はメイクアップとフレグランスのみを手掛けているが、提携により今後はスキンケアやパーソナルケア、ヘアケア、ネイルもライセンス契約で展開する。

 同社は昨年11月に異父妹のカイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)がプロデュースする「カイリー・コスメティクス(KYLIE COSMETICS)」の株式51%を6億ドル(約642億円)で取得すると発表。ピーター・ハルフ(Peter Harf)=コティ最高経営責任者は「今回の取引はカイリーとのパートナーシップに似ているが、提携の規模はキムの方が小さい。これ以上の提携や計画は今のところなく、キムとカイリーのビジネスのポテンシャルを最大限に生かすことに集中する」とコメントした。

 キムは2017年に自身のビューティ企業を立ち上げ、デビュー製品となったクリーム状のコントゥアやハイライトのキットは5分以内に3万個売れたという人気だ。また、彼女は全てのSNSにおいて計3億のフォロワーを抱え、大きな影響力を持つ。一方のコティは2016年にプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)から41ブランドを買収してから、「リンメル(RIMMEL)」や「カバーガール(COVERGIRL)」などを擁するコンシューマー事業部が苦戦しており、キムとカイリーとの協業で復調を狙っている。

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求む!リモートでは味わえない“空気感” エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年5月29日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

求む!リモートでは味わえない“空気感”

 緊急事態宣言が全国解除となった今、約2カ月ぶりに対面での取材を行いました(もちろん感染の第2波、第3波を考えて極力リモートでの取材を継続中ではありますが、取材先の希望に沿って対応していきます。取材時はソーシャルディスタンスも保っています)。そこで感じたのは、やはり直接お会いして話を聞けるっていいなということです。リモート取材時に物足りないと思っていた空気感がビシビシ伝わってくるのです。モノ作りや経営に対する姿勢や思いがダイレクトに響いてきます。在宅勤務中に多くの皆さんにリモート取材にご協力をいただきましたが、画面越しだとその方の雰囲気や取り巻く空気みたいなものが伝わりにくく、もどかしさを感じていたんです。

 対面取材だと取材の合間の余談も楽しめます。余談って結構大切で、そのときの取材には直接関係なくても、情報の蓄積となって別の切り口での企画で役立つことが多いのです。時間が許す範囲であえて取材とは異なる話題を投げかけたりもします。だからついつい取材時間が長くなりがちなのは反省すべき点ではあります……。もちろん、リモート取材でも余談はあるのですが、やはり空気感がまるで違うのです(笑)。

 ビューティ業界はここにきてオンライン発表会が増えてきました。開催する側だけでなく出席する側も不慣れな部分が多いので、これからブラッシュアップされていくと思います。私自身は集中してプレゼンが聞けたのでオンラインのよさを感じました。しかし、やはり無機質な感覚はどうしても拭えないんですよね。これまでの発表会はブランドの世界観を表現した会場で、参加している時間はどっぷりとその雰囲気に浸れます。それがオンラインでは遠く及びません。ここでもやはり空気感です。将来的にはVRなどを使った発表会が普通になれば、それも解消される気がするのですが、今は空気感の有無とどう折り合いをつけていくかが私自身の課題でもあります。

BEAUTY ADDICT:メイクやスキンケアはもちろんのこと、ヘアケア、フレグランス、オーガニック、インナービューティ、美容医療、イベントまでさまざまなジャンルから、注目トピックを配信するメールマガジン。ビューティアディクト=美容大好き人間に向けた、今流行りのモノやコト、知っておきたいトピックスを厳選してお届けします。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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日本発の老舗スニーカーブランド「ムーンスター」が“コミュニティーブランド”へと進化

 福岡県久留米市発のムーンスター(MOONSTAR)は、147年の歴史を持つ老舗シューズメーカーだ。子ども靴や上履きをはじめとするスクールシューズ、スニーカー、ウオーキングシューズ、ワークシューズ、婦人靴、紳士靴など幅広いカテゴリーのシューズを手掛ける同社が大切にするのは、“使われてこそ 価値のあるものづくり”という思い。

 6月27日には、自社のモノ作りの哲学を体現した旗艦店「オルソー ムーンスター(ALSO MOONSTAR)」を福岡市・薬院にオープンしたと同時に、作り手と使い手をつなぐオウンドメディア「インユース(In use)」を公開した。創業150周年を前に、リアルとデジタルの両軸で“人、地域、文化とつながるコミュニティーブランド”を目指すブランドのルーツと魅力を探る。

福岡・久留米で続く
“丈夫で長く履ける靴作り”

 ムーンスターの歴史は1873年に、創業者の倉田雲平が立ち上げた足袋店「つちやたび」として福岡・久留米で始まった。西南戦争の軍事用足袋の受注を契機に大量生産を開始し、戦後は「月星」の名前でスポーツシューズやヴァルカナイズ製法(加硫圧着方式)の革靴を開発。50年代には定番商品となった上履きの生産、70年代には海外シューズブランドのライセンス契約などを経て、日本有数の総合履物メーカーに成長した。その後も技術に磨きをかけ、147年にわたり丈夫で長く履ける靴作りを続けている。

ムーンスターが発信する
“使われてこそ価値のあるもの”
という思い

 ムーンスターは創業150周年に向けた、「SPA化の拡大」「大人・シニア市場の拡大」「海外展開の拡大」の3つの成長戦略を掲げている。市場競争力を高めるため、“Made in Kurume”の国産でのブランディングを強化中だ。猪山渡ムーンスター社長に今後の展望を、同社のブランディングや商品企画に携わる宝蔵寺誠さんと、松永健太さんにブランドの魅力を語ってもらった。

作り手と使い手が
価値観を共有し、
“使うこと”について
考えていく場所「インユース」

 6月19日に公開した「インユース」は、ムーンスターのモノ作りや、その周辺にある価値観を丁寧に共有し、“使うこと”について考えていくオウンドメディア。作り手と使い手がつながることで、“暮らしを豊かにするものとはどういうものなのか”を見つけていく。コンテンツはムーンスター の価値観を共有する仲間と一緒に制作し、順次更新される。

モノ作りの哲学が詰まった
旗艦店でコミュニティーを築く

 ムーンスターは6月27日、同社の旗艦店「オルソー ムーンスター」を福岡市・薬院にオープンした。店名の「オルソー」は英語の “〜も”“また”“さらに”という意味の副詞や接続語。手間を掛け佇まいの美しい靴を届けることで"使用者に寄り添い主役を引き立てる"というムーンスターの思想をあらわしている。

 コンセプトは「惜しみない手間。」国産を中心に据えた旗艦店として、ムーンスターが積み重ねてきたモノ作りへの真摯な姿勢を表現するため、日本建築の基盤である大工・左官・石工の職人たちによる本質的な空間を目指している。店舗を形づくる素材は特別なものではないが、先人たちの経験や技術にならい、一つ一つの素材に職人が丁寧に手間を掛けている。そこにムーンスターの歴史と技術を受け継いだプロダクトを組み合わせることで、特別な佇まい。

 同店では、本社のある久留米で生産されるヴァルカナイズ製法の“Made in Kurume”をはじめ、限定品や足回りに関連したセレクトアイテム、靴を製造する過程で出た廃材をリサイクルした雑貨などが並ぶ。また、同社とゆかりのある作家やブランドによる企画展やイベントなどを開催するほか、モノ作りが体験できるワークショップなども行っていくなど、シューズショップを超えたライフスタイル提案を行い、コミュニティーを築いていく。

 猪山渡ムーンスター社長は「日本のスニーカーの発祥の地、久留米の本社工場で生産された商品の一部には“Made in Kurume”と表示をしている。その当社が147年にわたり築き上げた誰にもまねできない一足をご覧いただける拠点が、国家戦略特区として注目され、アジアのゲートウエイでもある福岡に持てたことに大きな意義を感じている。当社に上履きや子ども靴のイメージをお持ちの方にも、新しいムーンスターを見つけていだけるような拠点にしていきたい」と語る。

INFORMATION
ALSO MOONSTAR

オープン日:6月27日
営業時間:11:00〜20:00
住所:福岡市中央区薬院3-11-22
電話番号:092-401-0781


問い合わせ先
ムーンスター カスタマーセンター
0800-800-1792

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二子玉川から全国へ発信!ビームスのスタッフビデオ投稿「クロチャンネル」に注目

 「どうも~クロチャンネルで~す!」。どこか癖になるユーチューバー風のあいさつと屈託のない笑顔で新商品の紹介動画を投稿するのは、ビームス 二子玉川の黒澤亜美さんだ。ビームスのオウンドメディア内のスタッフビデオ投稿コンテンツで、異色の存在感を放っている。

 同じ店舗に勤めるスタッフのビデオ投稿にゲスト出演したことをきっかけに、1年ほど前に「クロチャンネル」を始めた。今では週に1回のペースで、これまでに約50本を投稿している。どうせやるなら見ている人に楽しみながら洋服のことを知ってほしいと、ユーチューバーのコメントや早送りの仕方、テロップの出し方などを研究した。撮影は、閉店後の店内でほかのスタッフにiPhoneを渡し、5分ほどで終了。なんとNGはほとんどない。

 担当売り場の「ビームス ボーイ」の新商品や人気が高い定番商品を、解説を交えながら紹介する。「『ビームス ボーイ』の洋服にはこだわりのあるものが多い。例えば、何年代のミリタリーアイテムから着想を得ているなどといった商品の背景を伝えたり、別注アイテムであればどこがポイントかなどを説明したりする」と黒澤さん。ただし、動画も接客の延長だと考え、「ビデオだから特別ではなく、商品の特徴やおすすめポイントを店頭でお客さまに伝えるのと同じ感覚で取り組んでいる」と続ける。

 撮影した動画は無料アプリの「VLLO」で編集し、サムネイルは無料お絵描きアプリの「アイビスペイントX」で作成している。ユーチューブを観て、見よう見まねで覚えた独自の編集や手書きの文字などに親近感が湧くと好評だ。動画を投稿する際のポイントは1分~1分半にまとめること。「移動中の電車の中でもデータ容量を気にしないで手軽にサクッと観てもらえるように、長くても2分以内に収めるようにしている」。動画には同じ店舗のスタッフをゲストとして呼ぶこともあり、バリエーションも豊富だ。1時間かからないほどの編集作業で、1本の動画が完成する。

 黒澤さんはビームスのコンテンツ内でスタイリングのスナップ投稿も行っているが、ビデオの反響はそれ以上だ。「動画を観ていただいたお客さまから接客してほしいという声をいただき、とてもありがたい。SNSで知ったビームスのない地域のお客さまから、二子玉川店にお問い合わせをいただくこともある」と、スナップでは分からない人柄にも興味を持ってもらっている。

 新型コロナウイルスによる店舗の臨時休業中には、ビームスのユーチューブコンテンツである「ビームス アット ホーム ビデオ(BEAMS AT HOME VIDEO)」に「クロチャンネル」の出張版「韓国語講座」も投稿した。「コロナを機にますます店頭だけではなく、オンラインを通しての発信が大切になっていくと思う。今後はインスタライブなど、生配信にもチャレンジしたい」と意気込む。

 6月29日号「WWDジャパン」の販売員特集では、黒澤さんのほかにもたくさんの“人間力”あふれる販売員を取材している。

ビームス公式オンラインの“ビームスビデオ”投稿を飛び出した出張版「クロチャンネル」

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ペッパーフード、「ランチ」事業100億円売却でも、先は「茨の道」のワケ

 「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスの行方が見えない。比較的好調な「ペッパーランチ」事業を子会社化し、それを外部に売却するのではないかという見通しが出ている。売却金額100億円という説もあるが、それが実現するのか?それが実現した時のペッパーフードはどうなるのか?
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居酒屋、ファミレスで客単価上昇のナゼ?テイクアウト・デリバリーじゃない要因がありそう

 居酒屋やファミレスなど、テーブルサービス主体の企業の月次報告を見ていて、奇妙なことに気づいた。閉店や営業時間短縮で、既存店売上高や客数が落ちているのは当然だが、客単価が上昇しているチェーンが目立つのだ。テイクアウトやデリバリーを強化した結果とも見えるが、それだけでない事情も考えられる。
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ウォルマートで「打倒アマゾン」に執念を燃やす男 ベゾスとの因縁も 鈴木敏仁のUSリポート

 アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する。今回は小売業の巨人・ウォルマートのEC戦略を解説。新興EC企業を相次いで買収するウォルマートの狙いとは?

 ウォルマート(WALMART)が中古ファッションECのスレッドアップ(THRED UP)と提携した。ウォルマートのサイト内にスレッドアップのページが追加され、およそ約7万5000アイテムがすでに出品されている。35ドル以上の買い物で送料は無料、返品はウォルマート店内で可能という条件はウォルマートに準じている。

 ざっと見る限り、婦人服、バッグ、アクセサリー、子供服、プラスサイズ、シューズといった一般的なカテゴリー分類なのだが、取り扱われているブランドをみると興味が湧いてくる。「コーチ(COACH)」「グッチ(GUCCI)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ザラ(ZARA)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」など、ウォルマートに存在し得ないブランドがずらりと並んでいるからだ。試しに「ルイ・ヴィトン」で検索したところ最高価格は2099.99ドルだった。低価格をうたって競合をなぎ倒してきたディスカウントストアの雄・ウォルマートとしてはありえない商品である。

 ウォルマートにとってこのスレッドアップはマーケットプレイスのセラーの1社という位置づけとなる。

 アマゾン(AMAZON)で商品検索するとプロパーと中古が混在して表示されることは、皆さんご存知だろう。アマゾンのマーケットプレイスはそもそも中古本からスタートしており、マーケットプレイスと中古販売は相性がよく、珍しいものではない。ただアマゾンの中古は家電や雑貨が中心で、衣料は少ない。有名ファッションブランドも当然ない。

 そういう意味でウォルマートとスレッドアップのパートナーシップは画期的といえる。

転機はジェット・ドット・コムの買収

 おそらく10年以上前であったならば両社が組むなどということはありえなかっただろう。

 ウォルマートのビジネスモデルの骨格は効率化による低価格戦略にあり、マーケティングやブランディングにリソースを集中させるような戦略を取ることはなかった。このオペレーションに主軸をおく小売企業と、若年層や都市生活者をターゲットとするファッション企業が組むのは難しい。

 この戦略が大きく転換したのがジェット・ドット・コム(JET.COM)の買収である。

 ジェット・ドット・コムはマーク・ロリー(Marc Lore)という業界では有名なアントレプレナーが2014年に創業した企業で、ウォルマートが買収したのは翌々年の16年、買収総額は33億ドルだった。わずか2年間でこの額は今考えても目が覚めるような買収案件だ。

 ロリーはこのジェット・ドット・コムの前におむつのネット販売を大成功させて、そのビジネスを10年にアマゾンに5億4500万ドルで売却している。あまり報じられていないのだが、売りたくないロリーに対してアマゾン創業者兼CEOのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)が脅すように買収攻勢をかけて、投資家にロリーが説得されて嫌々売ったらしい。そのためロリーはアマゾンを嫌っており、対アマゾンを旗印として改めて創業したのがジェット・ドット・コムなのである。

 ジェット・ドット・コムによる最初の資金調達ラウンドは14年末で8000万ドルを獲得した。その後数回のラウンドを経て最終的に2億2500万ドルを調達しているのだが、サイトがオープンしておらず、売り上げゼロの構想段階でこの調達額は過去に例がないと言われていた。投資企業によるロリーの手腕に対する評価額と言い換えてよい。ジェット・ドット・コムのサイトオープンは15年7月。ウォルマートによる買収はその翌年、ウォルマートCEOのダグ・マクミロン(Doug McMillon)とロリーが偶然出会い、意気投合して買収へと進んだと言われているのだが、おそらく打倒アマゾンが共通テーマだったのだろう。

 買収された後にロリーはEC事業の総責任者となった。ウォルマートのEC戦略はこのとき以降すべてロリーが統括してきたのだが、最初に明言した戦略は店舗とサイトは異なる道を行くということだった。店舗は今まで通り低価格を主軸としながら、ネットは全方向に拡大してゆくと掲げていた。

 ここでロリーが打った手がD2Cブランドの買収だ。モドクロス(MODCLOTH)、ボノボス(BONOBOS)、ムースジョー(MOOSEJAW)など10社弱を手に入れているのだが、すべてウォルマートのイメージとは相容れない若年層、高所得層、大都市生活者を対象とした企業である。ところがどれもいまだに黒字化していない。赤字を補填している黒字の店舗営業サイドとの確執があったりして売却プレッシャーがかかり、昨年10月にモドクロスを売却し、その後も売却のうわさはずっとくすぶっている。

 そのためD2Cの買収は単独で見ると失敗したようにみえるのだが、注目すべきはシナジー効果である。新興ネットブランドを傘下に抱えることによってウォルマート・ドット・コムのイメージが変わってきているのだ。スレッドアップがウォルマート・ドット・コムの中に入って売ることを決めたのも、実はこういった背景がある。

ウォルマートの実店舗の規模を利用する

 ウォルマートはこのジェット・ドット・コムを5月末に閉鎖している。33億ドルで買収した企業が4年後には消えてなくなった。その理由はロリーも含めたジェットの人材がウォルマートに吸収されたことと、既述のようにウォルマート・ドット・コムが進化してジェットが持っていた顧客層やブランド層を取り込めるようになったからだ。

 要するにジェットはウォルマートの“血肉”になったのである。

 私はロリーがジェットをテコにしてウォルマートのEC事業を手中に収めたのだと理解している。アマゾンに対抗するにはウォルマートの規模を利用する方が手っ取り早い。

 ちなみにウォルマートはこのコロナ渦で急増したEC需要をほぼ順調にこなしきっている。ロリーは店舗網を持っていることが強みだとしてストア・ピックアップに力を入れてきた。コロナ禍で人の接触が少なくなるという意味でストア・ピックアップ(とくに店員が車のトランクまで商品を運んでくれる「カーブサイド・ピックアップ」)にスポットライトが当たっており、この数年強化してきたことが全て成果となって表れているのだ。ロリーがいなかったらウォルマートはここまでうまく運べているかどうかは分からない。

 彼は買収したD2Cブランドは全てロングテールだと説明している。スレッドアップもロリーの構想上はウォルマート・ドット・コムのロングテールということだろう。見えないところでウォルマートのEC戦略は着々と進化を続けているのだ。

鈴木敏仁(すずき・としひと):東京都北区生まれ、早大法学部卒、西武百貨店を経て渡米、在米年数は30年以上。業界メディアへの執筆、流通企業やメーカーによる米国視察の企画、セミナー講演が主要業務。年間のべ店舗訪問数は600店舗超、製配販にわたる幅広い業界知識と現場の事実に基づいた分析による情報提供がモットー

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