八村塁のルーツをたどる「ナイキ」“エア ジョーダン”が登場 ベナンと日本のデザインを融合

 「ナイキ(NIKE)」はNBAワシントン・ウィザーズ(Washington Wizards)に所属する男子バスケットボールの八村塁選手とコラボした“エア ジョーダン 34 PE”(2万1500円)を8月8日に日本限定で発売する。「ナイキ」公式ECサイトと一部の店舗で取り扱う。

 ベナン共和国出身の父と日本人の母を持つ八村をイメージし、左足はベナン共和国の、右足は日本の伝統のデザインからインスピレーションを受けたパターンを採用。シュータンにはそれぞれの国旗をあしらった。八村は「このデザインは僕の家族への思い。家族がいるからこそ頑張れる」とコメントした。

 「ナイキ」とのインタビューでは自身のファッションのこだわりやインスピレーションを語り、NBAロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)のレブロン・ジェームス(LeBron James)選手の着こなしを称賛した。

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ワコールHDが創業来初の赤字 21年3月期見通し

 ワコールホールディングス(HD)は31日、2021年3月期連結業績(米国会計基準)の純損益が37億円の赤字(前期は34億円の黒字)になりそうだと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による打撃によって、1949年の創業以来初の赤字になる。

 売上高は1580億円(前期比15.4%減)、営業損益は50億円の赤字(前期は66億円の黒字)の見通し。4〜6月期は世界的な店舗休業の影響を受けた。地域差はあるものの経済活動は徐々に再開していることから、消費環境は夏以降おおむね回復すると見る。

 同日発表した20年4〜6月期連結業績は、売上高が前年同期比39.7%減の285億円、営業損益が44億円の赤字(前年同期が36億円の黒字)、純損益が31億円の赤字(同11億円の黒字)だった。国内ワコール事業でのEC売上高は前年同期に比べて91%増えた。

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「マルニ」、キャンペーンビジュアルが人種差別的だと批判を受け謝罪

 「マルニ(MARNI)」は、新作ビーチサンダルのキャンペーンビジュアルが人種差別的だと批判されたことを受けてそれを削除し、公式インスタグラムで謝罪文を発表した。

 キャンペーンビジュアルはブラジル人の写真家エドガー・アゼベド(Edgar Azevedo)がブラジルで撮影した。水着と民族的なアクセサリーを着用した数人の黒人モデルが砂浜でポーズを取っているものだが、そのうちの一人が足元にある鎖につながれているように見えることや、「ジャングルで裸足(Barefoot in the jungle)」「着飾った白の女王は従順かつ彫刻のようだ(The adorned White Queen appeared compliant yet sculptural)」などのフレーズが使われていたことから、SNSを中心に批判の声が続出した。またファッション界のご意見番アカウント、ダイエット プラダ(Diet Prada)も批判的なコメントを投稿したため非難の声がいっそう広まった。

 同ブランドはこれを受けて、「最新のキャンペーンに侮辱的な表現があったことを深くお詫び申し上げる。ブラジルの写真家エドガー・アゼベドの視点を通じてアフロ・ブラジル文化の美しさを称賛することを意図していたが、正反対の結果となってしまった。制作の段階で見過ごされたことは許されるものではなく、心から申し訳なく思っている。『マルニ』は包括性を推進しており、世界中の多様な文化の美しさを称えている。ファッションや人間らしさを通じてより公平な世界を実現するべく尽力しているが、そうした努力がさらなる痛みをもたらしてしまったことをとても遺憾に思う。今後はより思慮深く、常に公平性の視点を持って制作するように努める。また、さらに包括的で多様性に満ちたファッション業界をつくるため、多様な人々の声に耳を傾けて、有色人種のクリエイターを支援していく」と公式インスタグラムに投稿した。

 また「マルニ」のフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)=クリエイティブ・ディレクターも、自身のインスタグラムに手書きの謝罪文を投稿。「『マルニ』の最新キャンペーンを腹立たしく思った全ての方々に謝罪する。これはブラジルとトロピカリア(ブラジルで1960年代に起きた芸術運動)をテーマとした2020年春夏コレクションのために制作されたもので、その美しさを捉えるべくブラジル人の写真家であるエドガー・アゼベドが撮影した。しかし私たちはこうした意図を、敬意と思慮を持って的確に伝えることができなかった。明確さに欠け、細部への目配りができていなかったのは許されないことだ。今回のことは大きな痛みをもたらしたが、重要な学びを得ることができた。今後はさらに努力し、私の仕事やクリエイティビティーの中心に多様性があることを証明していきたい。多様性と包括性はファッション業界における重要な柱であり、その実現に向けて闘い続けていく考えだ」と述べた。なお、同氏は黒人デザイナーのローレンス・スティール(Lawrence Steele)と12年来の恋人関係にある。

 ここ数年、ラグジュアリーブランドによる人種差別的な表現や文化の盗用が問題となっている。18年には「プラダ(PRADA)」による“プラダマリア(PRADAMALIA)”シリーズの黒いサルのようなキャラクターが黒人への侮辱だとして批判され、製品が販売中止となった。19年には「グッチ(GUCCI)」がECサイトで販売していたバラクラバ帽風のトップスが黒人差別と物議を醸したほか、インドのシーク教徒が巻くターバン風のヘッドスカーフが文化の盗用だと批判を受けて謝罪している。

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「WWDビューティ」がオンラインで「ヘア&メイク トレンドセミナー 2020−21FW」を開催 今からでもアーカイブで視聴可能

 「WWDビューティ」は7月28日、オンラインで「ヘア&メイク トレンドセミナー 2020−21FW」を開催した。主に全国の美容師に向け、20−21年秋冬シーズンのコレクション映像を見ながら、村上要「WWD JAPAN.com」編集長と「WWDビューティ」コレクションスタッフが、最新のヘア&メイクトレンドを解説した。

 ファッション、ビューティともにパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのトレンドキーワードを中心に解説。ウィメンズでは“プロテクション&タフネス”のキーワードでは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、デザイナーの間でも“外気から身を守る”ムードが高まったと紹介。「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」のように首まで完全に隠れるコートなどのアイテムがトレンドを形成したと解説した。

 “モダン ブルジョワ”のキーワードでは、アクセサリーやデザインディテールでアップデートしたトラディショナルで上品なルックが台頭したと話した。インナーとして登場したボウタイブラウスなどは“オンライン会議映え”するため、実際にセレクトショップで売れ始めていることにも言及した。

 ビューティトレンドでは“ボルドーリップ”というキーワードで、クラシックでエレガントなルックに合わせ、ひさびさに赤リップが戻ってきたことを解説。マットな赤リップが印象的だった「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のルックなどを紹介した。

 その後、協賛した15社のスポンサーが制作した、“イチオシアイテム”にスポットを当てた1分間動画の紹介を挟み、人気ヘアサロン「アルバム(ALBUM)」のNOBUプロデューサーとNATSUMIディレクターがゲストスピーカーとして登場。「“ウィズコロナ時代”の美容師の働き方」についてトークした。

 NOBUプロデューサーは、新型コロナによる営業自粛期間中に取り組んだこととして新人教育について言及。「5人の幹部それぞれが得意とする技術を、オンラインで新人にレクチャーした。それと合わせて各自がSNSでの発信に取り組み、2カ月の間にインスタグラムのフォロワー数を7万近く増やしたスタッフもいた」と語った。

 NATSUMIディレクターは、自粛期間中の自身のインスタグラムの投稿で、最も反響が大きかった“2分で小顔になれるマッサージ”動画を紹介。その制作意図とともに「保存数が6万2000にまで広がっている」と驚きの数字を紹介した。

 同トレンドセミナーは半年に1回行っており、次回は2021年2~3月に行う予定だ。

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ZOZO傘下入りの26歳のyutori社長を直撃 「30歳までの上場、いけるんじゃない?」

 インスタグラムを中核に古着やビンテージ風ウエアのファンによるコミュニティを創出した後、「ナインティナインティ(9090)」や「スプーン(SPOON)」などのD2Cブランドをスタート、さらにはバーチャルインフルエンサーのプロモートまでを手掛けるyutoriの片石貴展(たかのり)社長はこのほど、株式の51%をZOZOに売却した。「ZOZOのオンラインと、僕らのコンテンツでyutoriの上場を目指す」という。

 yutoriという社名から連想する「『緩やかな成長で満足』みたいな気持ちはない?」と投げかけると、「一切ない」と今年も27歳を迎える片石社長。ZOZOグループ入りの狙いは?

WWD:今回のZOZOグループ入りの背景は?

片石貴展yutori社長(以下、片石社長):「コロナ、ヤバい」という感覚が働き、2月くらいから資金を調達すべく、いろんな人にお会いしてきた。話しているうちに、ZOZOとは「一緒にやったほうが、相互補完できる」と思うようになった。最近のアパレル企業の上場と言えば、TOKYO BASEくらい。TOKYO BASEは、店舗というアセットがある“手堅いビジネスモデル”。ZOZOのインフラと、yutoriのコンテンツの双方が揃えば、めちゃくちゃ強くなれる。

WWD:具体的には、どんなビジョンを描いている?

片石社長:アパレルの商品企画や製造でシナジーが発揮できる。今あるD2Cブランドを大きくすることもできるし、数を増やすことも可能だ。僕らはこれまで、自分たちだけでブランドを作ってきた。蓄積してきたノウハウをシェアし、誰かと一緒にやるだけでも、新しい展望が待っている。

WWD:これまでのノウハウとは?

片石社長:レガシーブランドと違って、「知らない人に、知ってもらう」を考えながらビジネスを拡大してきた。インスタグラムのフォロワーを伸ばし、コンバージョンを上げ、売り上げを積み上げる経験を重ねている。小さな正方形の画面の中でブランドを伝えるには、ディテールではなく、アティチュードやメッセージ、グラフィックが大事。その文脈をどう作るのか?コンセプトとルック、プロモーションを立体的に組み合わせてきた。

WWD:ならば、業績は伸びている?

片石社長:去年の4~6月と比べると、今年のD2Cブランドの売り上げは9倍に達している。

WWD:yutoriという社名だから「こんなに成長しているし、もう十分」なんて思うことはない?

片石社長:一切ない(笑)。いい会社になってきたとは思うけれど、今回の資本・業務提携をきっかけにダイナミズムを追求し、自分たちの考えを広めたい。創業以来、「臆病な秀才の最初のきっかけを、創り続ける。」を目標に、洋服は好きだけど、アパレルの経験はない人たちと数字を作ってきた。自信が生まれ、火がついたり、変わったりしてきた子が増えている。作家より編集者タイプの僕は関わる人数が増えたほうが楽しいし、yutoriで自分に自信が持てるファッション好きが増えればと思う。ネットが当たり前のゆとり世代やZ世代は、数字とともに生きてきた。今の売り上げがもっと大きくなれば、それぞれの自信も大きくなるし、自信を持てる人が増えると思う。

WWD:例えば今のyutoriには、どんな風に自信を持ったスタッフがいる?

片石社長:ZOZOの会見で使ったグラフィックを作ったのは、今ハタチのスタッフ。渋谷の街でリアルに写真を撮り、それをデジタル上でコラージュした「デジタル・ストリート」なビジュアル。18歳で入社した彼は高校生の時、引きこもりだった。それが今はバーチャルインフルエンサー事業を手掛けるVIMでグラフィックデザインを担当するなど楽しそうで、自分のことを好きになっているカンジがする。創業時からのメンバーは今、大学のミスコンに出ている。それまでは部活動のマネジャーをやっていて、でも実はあんまり楽しくなくって、服は大好きだけど、業界には飛び込めないってカンジだった。それが今は、「ナインティナインティ」というブランドのクリエイティブを担当している。今は社員とアルバイトで30人程度の会社だが、これを機に新たな人材を獲得したい。

WWD:今欲しいのは、どんな人?

片石社長:正直、ビジネスの経験者が欲しい(笑)。これまでは本当に若い子たちだけで、一緒に育つ感覚だった。その感覚は必要。でも業界での経験が3、4年あれば、成長への道のりをショートカットできそう。今の最年長は28歳なので、30歳くらいの、しっかりした、ファッション好きが入ってくれれば。

WWD:片石社長の働き方も変わる?

片石社長:僕は今後、もっとZOZOと協働することになる。yutoriとZOZOを組み合わせたらどうなるかを想像して、実践する。既存ブランドや事業は、他のメンバーだけで大丈夫。得意な、人が楽しめる環境づくりにも今以上に注力したい。

WWD:上場はいつまでが目標?

片石社長:自分が30歳になる2023年のうちに上場したい。「いけるんじゃない?」って思う。起業して2年でこうなるとは思わなかったので、「みんなで頑張れば、いけるんじゃないかな?」と。

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グルッポタナカがLVMH傘下「パトゥ」の国内販売権を取得

 インポーターのグルッポタナカが、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)グループ傘下のコンテンポラリー・ブランド「パトゥ(PATOU)」の国内販売権を取得した。PRはグルッポタナカのグループ会社のイザが行い、ディストリビューション契約には田中タキ=イザ代表がブランドの日本展開のキーパーソンとなることが盛り込まれている。2020年プレ・フォールから、セレクトショップのイザのほかにエストネーション(ESTNATION)六本木ヒルズ店、ビオトープ(BIOTOP)代官山店、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)青山店、西武渋谷店のコンポラックス(COMPOLUX)、阪急梅田本店のD.エディット(D.EDIT)にて取り扱う。また、伊勢丹新宿本店、阪急梅田本店、イセタンサローネでのポップアップも決定している。

 ブランド再生のため「ジャン・パトゥ(JEAN PATOU)」は、2020年春夏シーズンからブランド名を「パトゥ」に改称。ギョーム・アンリ(Guillaume Henry)がアーティスティック・ディレクターに就任し、復活を遂げた。ブランドの魅力について田中代表は、「『カルヴェン(CARVEN)』時代からギョーム・アンリが最も得意とするクリエーションが『パトゥ』でよみがえった。かつて世界中の女性を魅了したパリのブランド『ジャン・パトゥ』と、パリをこよなく愛する21世紀に活躍するデザイナーのギョーム。眠れる森の美女が目を覚ますかのように、時空を超えて過去と現在のフレンチシックが結ばれた。ロマンティック&スポーティーでウエアラブルな実にパリらしいブランドだ」と話す。

 また新生「パトゥ」はサステナビリティにも注力する。「これからのファッションに最も求められるサステナビリティやトレーサビリティーをものづくりにおいて追求している。ワードローブにずっと置いておきたいと感じるような永遠のマストアイテムを集めた“エッセンシャル(essential)”ラインは毎シーズン展開していく」と田中代表。日本での今後の展望については、「“かわいくて、長く愛用でき、環境に優しいものを”のブランドコンセプトを大切に、新しいポジションのパイオニアを目指して育てていきたい。このタイミングでのスタートは大変なことばかりだが、だからこそ未来に向けたニュースタンダードを築くパリのリアルモードを、日本の女性たちにフレッシュにお届けしたい」と語った。

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グルッポタナカがLVMH傘下「パトゥ」の国内販売権を取得

 インポーターのグルッポタナカが、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)グループ傘下のコンテンポラリー・ブランド「パトゥ(PATOU)」の国内販売権を取得した。PRはグルッポタナカのグループ会社のイザが行い、ディストリビューション契約には田中タキ=イザ代表がブランドの日本展開のキーパーソンとなることが盛り込まれている。2020年プレ・フォールから、セレクトショップのイザのほかにエストネーション(ESTNATION)六本木ヒルズ店、ビオトープ(BIOTOP)代官山店、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)青山店、西武渋谷店のコンポラックス(COMPOLUX)、阪急梅田本店のD.エディット(D.EDIT)にて取り扱う。また、伊勢丹新宿本店、阪急梅田本店、イセタンサローネでのポップアップも決定している。

 ブランド再生のため「ジャン・パトゥ(JEAN PATOU)」は、2020年春夏シーズンからブランド名を「パトゥ」に改称。ギョーム・アンリ(Guillaume Henry)がアーティスティック・ディレクターに就任し、復活を遂げた。ブランドの魅力について田中代表は、「『カルヴェン(CARVEN)』時代からギョーム・アンリが最も得意とするクリエーションが『パトゥ』でよみがえった。かつて世界中の女性を魅了したパリのブランド『ジャン・パトゥ』と、パリをこよなく愛する21世紀に活躍するデザイナーのギョーム。眠れる森の美女が目を覚ますかのように、時空を超えて過去と現在のフレンチシックが結ばれた。ロマンティック&スポーティーでウエアラブルな実にパリらしいブランドだ」と話す。

 また新生「パトゥ」はサステナビリティにも注力する。「これからのファッションに最も求められるサステナビリティやトレーサビリティーをものづくりにおいて追求している。ワードローブにずっと置いておきたいと感じるような永遠のマストアイテムを集めた“エッセンシャル(essential)”ラインは毎シーズン展開していく」と田中代表。日本での今後の展望については、「“かわいくて、長く愛用でき、環境に優しいものを”のブランドコンセプトを大切に、新しいポジションのパイオニアを目指して育てていきたい。このタイミングでのスタートは大変なことばかりだが、だからこそ未来に向けたニュースタンダードを築くパリのリアルモードを、日本の女性たちにフレッシュにお届けしたい」と語った。

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ユナイテッドアローズがオリジナルスキンケア開発 ヤブ椿を使用した、ジェンダーフリー設計

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS以下、UA)は今夏、化粧品事業に本格参入し、オリジナルスキンケアブランド「ジュース(JUICE)」を立ち上げた。製品ラインアップは、肌や髪に使えるマルチオイル2品とリップや、ハンド・ボディーケアに使えるバーム、ボディークリームの4品6種(1800~9000円)。10月上旬にはボディ―スクラブとボディーウオッシュを追加する。7月10日からUAの原宿本店、青山ウィメンズストア、六本木ヒルズ店、エイチ ビューティ&ユースと公式オンラインストアで販売し、9月下旬から取り扱い店舗を拡大する。

 新ブランド「ジュース」は、3年をかけて開発。“真心と美意識のある明日をつくり、生活文化のスタンダードを創造し続ける”という経営理念のもと、美容はファッションの一部であるとの考え方からオリジナルコスメを開発した。ブランド名は“フレッシュなジュースを飲むことで肌が生き返るように”との思いに由来する。コンセプトは“肌と心の両方を満たすスキンケア”を掲げ、ヤブ椿オイルを中心に精油など厳選した原料を使用して、感性に訴える香りと心地よいテクスチャーによって洗練されたナチュラルケアとラグジュアリーな肌体験を提供する。

 キー成分の椿オイルの原料となるヤブ椿は佐賀県加唐島に自生する日本原種のカメリア・ジャポニカ種を使用。種から採れるオイルは皮脂の主成分と同じオレイン酸やビタミンEなどの美容成分を多く含み、高い保湿力がある。マルチユース性とジェンダーフリーにこだわり、気分や用途によって誰でも簡単に重ねづけやコーディネートを楽しめる処方を採用した。ボトルデザインは椿をイメージした深い緑を取り入れ、外国人客も意識して成分表示などを英字で印字した。

 また生産・製造過程ではサステナビリティを重視。農薬や肥料、除草剤などの化学成分を使用していないクリーンな土壌の原生林で育ったヤブ椿の実を島民が一つ一つ手摘みし、選別から搾油まで全て手作業で行い、搾りかすは肥料として土地に戻し循環させている。また高齢者が多い同島とパートナーシップを組むことで、地元の雇用創出と産業の発展に貢献するほか、島内で椿の植樹を行うなど持続可能な資源確保に向けた取り組みも行う。

 これまでUAは、国内外からセレクトしたスキンケアやヘアケア、キャンドルなどを展開してきた。「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」ではオリジナルの香水を販売していたが、本格的にオリジナル化粧品を開発したのは初めて。

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目の疲れをとる簡単アイケア ゴッドハンド山崎有香が教える1分間動画セルフエステVol.1

 スパ・エステティック業界で、卓越した手技や接客術を持ち話題を集めている“ゴッドハンド”が、1分間でできるセルフエステを動画でレクチャーする当連載。第1回は、昨年行なわれたエステ業界最大級のコンテスト“エステティックグランプリ”の顧客満足サロン部門でグランプリを受賞した、山崎有香「メディカルサロン Dr.いろは」代表兼エステティシャンが登場する。

3つのポイントで
目の疲れを軽減

 レクチャーするのは、簡単にできる3つのアイケア方法だ。1つは“目を疲れさせないマスクのつけ方”。マスクの上端が視界に入ると、目は対象物を見ればいいのかマスクを見ればいいのか分からずに混乱してしまい、必要以上に疲れてしまう。それを防ぐ対策として、マスクの中央をしっかりと折って鼻に沿わせ、視界に入らないようにすることを提案している。

テレワークや
オンライン会議後のケアに

 2つ目と3つ目は、最近特にテレワークやオンライン会議などで酷使しがちな、目の疲れを軽減させるマッサージ方法。ごく簡単な方法なのですぐに覚えることができ、仕事の合間でもできるメソッドになっている。

 山崎代表は、結婚を機にエステを学びはじめ、エステティシャンとしてサロンに勤務した経験を経て、3年半後に自宅でエステサロンをオープン。その後、中野区中野坂上、港区六本木へと移転し、現在は一戸建て風の隠れ家サロン「メディカルサロン Dr.いろは」を運営しスタッフ3人を抱える。

 「メディカルサロン Dr.いろは」では“細胞教育フェイシャル”と呼ばれる、マッサージと化粧品と機器を組み合わせ、肌の活性化を導くメニューが1番人気。使用する化粧品には徹底的にこだわり、常により良い商材を探していて、現在は再生医療に関する医療技術の研究開発を行っているサイセイが提供する、幹細胞培養液を導入している。

■メディカルサロン Dr.いろは
住所:東京都港区麻布台3-2-8
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜日

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6人の部門長が語るこれからの「WWDジャパン」 ファッション × ビューティ、デジタル × 紙で“ONE WWD”始動 

 INFASパブリケーションズは9月、ファッションとビューティ、デジタルと紙をシームレスにつなぐ組織改編を行う。キーワードは、“ONE WWD JAPAN”。両者をシームレスにつなぐことで変化に強い組織を目指す。ウィークリー「WWDビューティ」の編集部は「WWD JAPAN.com」編集部と統合し、ビューティ関連コンテンツは村上要「WWD JAPAN.com」編集長の下でSNS、デジタル、ウィークリー、新たにスタートする月刊誌、イベントの全メディアへ展開する。「WWDジャパン」編集部は引き続き向千鶴編集長のリードでファッションコンテンツの多くに責任を持ち、同じく各メディアへ届ける。1979年創刊のファッション業界紙にルーツをもつ「WWDジャパン」はどこへ向かうのか? “ONE WWD JAPAN”を形成する6つの部門長が方針を語った。

櫻井啓裕・取締役ビジネスプランニング部部長(以下、櫻井啓):大きな転換期の今、「WWDジャパン」はポストコロナ以降のファッションおよびビューティ産業の新たな歴史を作っていくためのプラットフォームでありたいと思っています。“ONE WWD JAPAN”のステートメントを強力に発信しながら組織を再編し、全ての部署が同じビジョンの下で業務を進める。

村上要「WWD JAPAN.com」編集長(以下、村上):“ONE WWD JAPAN”については、「『WWD JAPAN.com』で先陣を切らせていただきます!」と宣言したい(笑)。そのくらいの覚悟と信念で取り組む、大きなテーマだと思っています。ウェブは従来からファッション × ビューティでしたが、「WWDビューティ」編集部との統合により、そしてウィークリーの「WWDジャパン」におけるビューティコンテンツや月刊化する「WWDビューティ」まで手掛ける部隊となって、まさにファッションとビューティ、デジタルとプリントを跨ぐ集団となります。ユーザーの利便性を重視しながら、動画やライブ配信、音声、そしてオン&オフラインイベントやセミナーまでのコンテンツを生み出したいですね。

向千鶴「WWDジャパン」編集長(以下、向):ウイークリー「WWDジャパン」の肩書はこれまで“ファッション業界紙”でしたが、9月からは“ファッションとビューティの業界メディア”です。ビューティ市場はここ10年成長が著しく、「WWDビューティ」は2007年から独立して発行することで存在感を高めてきました。これからはその知見をもって再び一つになり毎週月曜日に紙と電子版を発行します。そもそも洋服もメイクもヘアも、広義の意味ではファッションだから、消費者はその間に壁を立てて考えたりはしませんよね。こと業界間となるとほぼ没交渉なのは産業構造が違うからという、作り手の理屈だけ。改めてもったいない!ファッションとビューティを仕事にする人たちが互いの可能性をもっと知る機会が増えれば、最終的には消費者に喜ばれる商品やオン・オフの売り場作りにつながると思う。“ONE WWD JAPAN”はそこをつなぐブリッジのような、サロンのような存在になります。

荒川晃久デザイン部部長(以下、荒川):たとえばファッション撮影を成功させるにはモデルをはじめ、スタッフのキャスティング、ヘア、メイク、洋服と全ての要素が一つのコンセプトをもとにした方程式で成り立つ必要があります。その要素の中でファッションとビューティの関係性、相性はかなり重要な要素です。その切っても切れない2つの業界が別々のコンテンツであることに違和感を覚えていました。ファッション業界とビューティ業界の橋渡しになる“ONE WWD JAPAN”のコンセプトは自然な流れであり、相互が理解を深めることのきっかけになり、その相乗効果は必ず撮影のクオリティーにも反映されていくと思います。

永松哲治販売部部長(以下、永松):販売部の仕事は“刊行物を売る”から“サービスを提供する”に変わっており、定期購読者には“ONE WWD JAPAN”だからできるサービスの提供を日々追求しています。デジタルの成長が著しいですが、ウイークリーの売り上げも好調です。4~5月の新型コロナウイルス感染拡大に伴う商業施設の休業やリモートワークが推奨された時期には、近年では例がないほど大変多くの定期購読のお申し込みをいただきました。この反響には驚き感謝する一方で、逆境の中でも有益な情報を得たい、前に進むのだ、というファッション業界、ビューティ業界の皆さんの気概を感じ、とても身の引き締まる思いでした。働き方が転換期を迎えている今、読者の環境にどれだけ寄り添えるのか、価値ある情報をどのような形でお届けするかが問われていると思います。

櫻井雅弘デジタルマーケティング部部長(以下、櫻井雅):“読者の環境にどれだけ寄り添えるか”は、重要ですよね。マーケティング視点で“ONE WWD JAPAN”を捉えると読者へ一方通行だった旧来のメディアモデルから“一人の読者”を中心として、その読者の行動、感情、目的などを伴った生活サイクルの中で、一貫したメディア体験を提供するモデルへ変化するためのコンセプトと言えます。「読者中心」を考えるときに最も注意しているのは「読者に求められている」ということを「量」で判断せず、「質」の視点に重きをおいて考えることです。今後の「WWDジャパン」は今まで以上に、ファッション・ビューティ業界の発展に必要なオピニオンを届けるメディアであることが役割だと考えています。そのためには今起きていることや今後の展望などに“気づき・動機・裏付け”を与えることが重要です。過去に基づくデータだけで施策を決定するのではなく、その人の今と将来に必要な本質的な価値を届ける目的のためのデジタル(データ)・マーケティングであることを念頭に、読者の皆さん「一人ひとりの“将来”の意思決定」に役立つ“ONE WWD JAPAN”をお届けしたいです。

デジタルは「60%でローンチ。
その後アップデート」

荒川:新型コロナの影響もあり、10年かかるだろうオンライン化が急速に発展していますよね。幸いにも、ここ数年で弊社は旧出版社という体質からメディアビジネスという体質に変化してきました。現在では、「WWDジャパン」というタブロイド紙の本質がさらに問われると同時に、ウェブでの情報提供のクオリティー担保は業界で生き残るための最低限の体制改革です。“ONE WWD JAPAN”が提供しようとしている“強化された”ファッションとビューティのあらゆるコンテンツは、アパレル業界に留まらず、他業界も巻き込む成長戦略として発展していくと期待しています。

村上:緊急事態宣言下で挑戦したライブ配信は、ユーザーとクライアントの双方からご評価いただき、新しい時代のビジネスにつながるであろう可能性を強く感じています。ただ、勢いでスタートした感もあり、そろそろアップデートが必要です。携わる人間の仕事が「作業化」した瞬間から、その意識を強く抱きました。8月には早速、週に2回お届けしていた紙面紹介プログラムを刷新します。デジタルの世界を取材して「60%でローンチ。その後アプデ」という考え方を学びました。デジタルは、修正できます(笑)。その特性を最大限に生かし、編集部員が常に、新たな気持ちで、興奮しながらコンテンツを生み出せる環境を整えるつもりです。

櫻井雅:デジタルに限らず全体に言えることですが、具体的に取り組んでいくことは、コンテンツ、コミュニケーション、フォーマットの3つを適切にパーソナライズすること。その時にも読者の個性や興味・関心などの今や過去のデータから導かれる提案に加えて、未来に向けて次に知るべきことが届けられるように、関心を拡張し、新たな気づきを提供する“ギフト”があることが大切だと考えています。そのためには、いわゆる“データ”だけでなく、個々の意見や感想を得ること、それに対してわれわれも丁寧に反応を示し、コミュニケーションをきちんと取ることを重ねて、それこそ読者の皆さんが店頭で行っているような接客・提案のような体験を、さまざまなタッチポイントで感じていただけるような仕組みやサービス作りを進めます。

櫻井啓:広告ビジネスという点では数字やメニューも大切ですが、それよりもより巨視的かつ長期的に捉えて、どういったコンテクストをクライアントと共に作っていくかがポイントになると思っています。それによりミクロの視点ではブランドのビジネスソリューションが提案できるし、マクロの視点では業界の活性化につながるから。ミクロとマクロを組み合わせて、一つの大きな物語を描く。それができるファッションメディアはBtoBに強いウイークリーに加え、より多くのオーディエンスを抱えるデジタルメディアを持つ「WWDジャパン」しかない。

向:「WWDジャパン」が今後注力したいキーワードは、サステナビリティとテクノロジー、そしてこれから業界を創るネクストリーダーの存在です。これらはファッションとビューティ共通ですが特にファッション業界は今、大量生産・大量廃棄からの脱却という課題に直面しており、サステナビリティの視点を持って業界自体を再設計するタイミングです。そもそもビジネスをデジタル上で始める若い起業家が増えており、“業界”の定義そのものが変わりつつあります。われわれの財産の一つが社会問題への意識が高い若い世代をフォロワーに持つSNSの存在。社内外の若い世代の声を“業界”に届けて揺り動かし発展に寄与したい。

6部門の連動で生み出す“ONE”の価値

櫻井啓:今まで以上に部門間を越えて連動して行きたい。売り上げの主体は広告や制作、イベントプロデュースなどビジネスプランニング部主導の領域がほとんどだったけれど、そのスキームも変えて行くべきだし、「WWDジャパン」はもっとビジネスを拡張できるポテンシャルがある。その一つは「WWDジャパン」しかできないような主催イベントだと思う。1月に開催した「ファッションロー」のセミナーなどが良い例で、エデュケーショナルなコンテンツは業界の活性化につながるし、われわれにも学びになります。ここはコンテンツを制作する編集部や販売部が主体になっていくし、デジタルマーケティング部が持つデータも活用できる。コロナ禍でリアルイベントは難しいかもしれないけれど、われわれが今一番力を入れている動画配信で行えればと思います。

櫻井雅:豊かな提案や読者の皆さんに届ける体験の元になるのは、やはり社内の各部門がそれぞれ現場で感じ取ってくる反応や意見ほど参考になるものはありません。デジタルマーケティング部としては個々の読者の反応や、コンテンツのパフォーマンスといったデータを取得、分析することはできますが、それを読者に良い形で還元するには、広告主に向き合うビジネスプランニング部、購読者に向き合う販売部、そして何よりファッション・ビューティ業界に向き合う編集部と今まで以上に連携・協調することが必要です。部門を横断して必要なメンバーが集まり、新しい施策を検討し、スピーディーに、村上が言うようにまずは60%で形にして読者の皆さんの満足度を測る。すでにいくつかの取り組みが動き出していますが、そういったプロジェクト型の協業をたくさん積み重ねていきたいと考えています。

向:記者の仕事は、本質的には10年前と変わっておらず、アウトプット先が紙に加えSNS、ウェブ、イベント、動画、時にコンサルティングと多面的になっているだけ。なんて、言うは易しでバランスが難しいのですが……。試行錯誤でようやく道筋が見えてきました。重要なのは、情報をいつ、どう届けるかを関連部署が連動して「設計」する視点です。だから記者が持ち込んだ情報を客観的に“研究”し、アウトプットに導くデジタルマーケティング部の存在は大きい。編集部についていえば、昔と大きく違うのは、記者一人一人の顔が見えること。これだけ個のメディアがあふれる中、有料メディアを選んでもらう理由は「信頼」にほかならない。「取材に基づく事実+分析、解説、オピニオン」を提供できる、年齢も嗜好もバラバラで顔が見える信頼できる個の集団、それが「WWDジャパン」です。

学びと交流の場として
セミナー・イベントを強化

永松:普段の取材を通して記者が感じる業界の課題や新しいビジネスの芽生えなどは、これまで記事を通して伝えてきましたが、今後は読者と直接コミュニケーションが取れるセミナーを積極的に開催します。4月に本格始動させる予定でしたが、コロナ禍の影響により仕切り直しを余儀なくされました。しかし、この間デジタルを活用したさまざまなトライができました。そして情報収集や学びの場としてニーズをとても感じています。記者や有識者を招き、読者の皆さんが抱えている課題を解決するための道筋やヒントになるような場を作りたいです。

村上:SNSの普及により「個」の時代となりました。インスタグラムはもちろん、TikTokやLINE LIVE、今はあらゆるプラットフォームに、身近なオピニオンリーダーが存在し、小さなコミュニティーを動かしています。私たちもそうなりたい。業界の革命児、ゲーム・チェンジャーを追い続けたいと思っていますが、最近は自身もゲーム・チェンジャーになりたいと思っています。そして願わくは、真面目な業界紙の記者だった同僚にもそうなってほしい。閉塞感の否めない業界を真面目に取材し続けるからこそ、自身にも閉塞感を抱いているスタッフがいるのだとしたら、私たち幹部の仕事は、彼らの前で、私たち自身の垣根を破壊することだと思っています。

荒川:“ONE WWD JAPAN”プロジェクトの社内への影響は大きい。“ONE WWD JAPAN”にいたるきっかけの一つにファッションやビューティ、編集コンテンツやタイアップ、プリントやウェブ、さまざまなソーシャルコミュニケーションツールなど、幅広いアウトプットが増えたことがあります。案件内容、進行、リソース、役割分担など、これまではプロジェクトを達成するための整理されるべき要素が散らかり、連携が困難でロスが多かった。これらが解決できれば、高い費用対効果が期待できると思います。また、部署の垣根を越えてプロジェクトごとにチームを結成できると、刺激し合い、新しい発見や学びを得て、モチベーションを上げるきっかけになる。デザイン部は発注を受ける際、最小限の情報でデザインを制作していましたが、 今後は“ONE WWD JAPAN”の一員としてキックオフからプロジェクトにかかわることにより、大きな流れや価値を理解し、プロジェクト自体への責任を感じ、クオリティーの高いデザインを制作できるようになると思います。

永松:「WWDジャパン」はファッションやビューティを学ぶ多くの学生たちに教材としても読んでいただいています。若い世代にはファッションやビューティに携わることの魅力をもっと伝えたいし、多様で多才な人材がどんどん業界に希望をもって飛び込んできてほしい。今回のパンデミックを経て、教育現場の方々もデジタル化の必要性と活用について試行錯誤されながら、新しい人材教育の形を探られていると思います。われわれも今、デジタル領域でさまざまなトライをしているので、一緒にできることや微力ながら貢献できることがないかと考えています。若い世代から得られる創造力や視点、感性は財産です。これを業界の皆さんと共有することも「WWDジャパン」のメディアとしての役割だと思いますし、なにより業界の未来を創ることだと思っています。

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佐田真由美らがサステナブルなマスクをデザイン 豊島のチャリティープロジェクトに賛同して

 繊維商社の豊島が手掛ける“生産農場から紡績工場まで遡ることができる”トレーサブルなオーガニックコットン糸「トゥルーコットン(TRUECOTTON)」から、環境保護をテーマとしたチャリティープロジェクト「セーブ・ネイチャー・アンド・アニマル・プロジェクト(Save nature and the animals project)」がスタートする。

 この第1弾は、モデルの佐田真由美、竹下玲奈、山田優、そしてスタイリストの白幡啓がデザインしたマスクとそれを収納する巾着型のポーチのセット販売だ。このマスクの特徴は、「トゥルーコットン」に洗濯可能な抗菌加工を施し、シームレスに編み上げることで長時間の着用によるごわつきなどを軽減した着け心地のよさ。夏場のマスク内の温度上昇を抑えるため、内部に装着できる保冷剤と、抗菌効果をさらに高めるフィルターシートも付属で販売する。価格は3800円で、売り上げの一部は希少な野生動物や自然環境の保護を行う環境保全団体WWFジャパンに寄付される。

 佐田真由美がデザインした生成りのマスクは、鮮やかなブルーのひもがアクセントのマスクケースとのセット。佐田真由美は同プロジェクトに賛同した理由について、「医療従事者の防護服のための援助金に関するニュースを見て、みんなで乗り越えなければいけないという思いが強くなっていた。環境問題についても本当に大切なテーマだと、いつも考えているのでWWFジャパンへのチャリティーにもとても共感できた。マスクは、デイリーに使いやすくなるよう、また老若男女を問わず使ってもらえるようなデザインと色を心掛けた」と話した。これらのマスクは、eコマースサイト「STYLEVOICE.COM」で7月31日から予約販売される。

 このチャリティープロジェクトでは今後、国内外のブランドとのコラボレーションが計画されている。

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ビジュアル・マーチャンダイジングがウィズコロナ時代に必要なわけ

 営業が再開されて店頭に活気が戻りつつあるが、かつてのようなにぎわいを取り戻し、さらに発展するためには“集客装置”が必要だ。そこで名乗りを上げたのが、ビジュアル・マーチャンダイジング(以下、VM)のプロフェッショナルであるVISUAL MERCHANDISING STUDIO(以下VMS)の堀田健一郎社長。堀田社長の言う、“VMの本質はコミュニケーションだ”の真意とは?旧知の仲であるラジーブ・シャルマ(RAJIV SHARMA)=マーク ジェイコブス ジャパン ジェネラルマネージャー(以下、GM)とのトップ対談から、VMの潜在能力を探りたい。

営業が再開された店頭で
VMはどう機能する?

ラジーブ・シャルマ=マーク ジェイコブス ジャパンGM(以下、シャルマ):自粛期間中にネットショッピングが活性化し、オンラインで事足りることに気付いた人も多い。だからこそ実店舗にはVMが必要だ。空間作りやその一部である販売員との会話を通じて、ブランドやショップの思考を感じてもらいたい。

堀田健一郎VMS社長(以下、堀田):コロナショックを受けて、僕の両親世代でもECで買い物ができるようになった。これからは、いっそう実店舗の力が試される時代だ。店舗をメディア化し、ますます個性を出していく必要がある。

シャルマ:事前にウェブでリサーチしてから買い物へ、という動きはさらに一般化するだろう。しっかり“助走”した上でたどり着いた店頭で、お客さまを落胆させないためにもVMが重要な役割を果たす。オンライン上で、われわれは常にターゲティングされている。つまり、自分の好きなものの情報は集まってくるが、“未知のもの”に遭う確率は減少している。通勤や通学の際に見かけるショーウインドーは、アナログに見えるがインパクトや気付きを与えるのに十分な装置と言える。

堀田:一方で、ビーコンを使った動線解析データなどによって什器の配置を換えたりディスプレーを替えたりと、デジタルとVMを融合した戦略も活発になるはずだ。

“VMの本質は
コミュニケーションである”(堀田)

堀田:僕が信念としているのは、“VMの本質はコミュニケーションだ”ということ。

シャルマ:確かにVMは、それまでそのブランドやショップのことを知らなかった人に気付いてもらうための、また既知の人には世界観や物語、コアバリューを伝えるためのツールだと言える。

堀田:MDを視覚化するという考え方から“VMD”としていたものを、2012年ごろから“VM”と呼ぶようになった。かつてはMDが用意した商品をもとにビジュアルを作っていたが、“どう見せたいのか?”からイメージを膨らませ、それに合わせて必要なSKUをMDに伝えて商品を準備するフローになった。VMSでは、この動きに合わせてSNSでの打ち出し方も提案している。VMDがMDに管理されMDのために活動していた時代から、現在はマーケティング活動の中で重要な役割を担い、新客を作り、同時に既存客を維持しながら売り上げを伸ばすためのキーファンクションとして機能し始めている。

VMのプロ人材を養成する
「VMアカデミー」を今秋開校!

 VMSは東京で9月5日から、大阪で9月12日から、ビジュアル・マーチャンダイザーを養成する「VMアカデミー」を開校する。従来のVMDの考え方から脱却し、最新のVM手法を理解して実践できるプロの人材を育てるという。第1弾となる基礎編では、初歩的な陳列テクニックなどは身に付いていることを前提に、今日的なVM知識をレクチャーする。堀田VMS社長は、「座学のほかにデモストアを使ったワークショップ、受講生同士のグループディスカッションも行い、手と頭を動かしてVMの理解度を深めていく」と説明する。2時間×10回の座学と研修(ワークショップ)を修めると修了証書が授与され、さらにVMのスペシャリスト資格である「VMS認定ディプロマ」の試験を受けられるようになる。

 2021年度からは応用編の開設も予定する。「ラグジュアリーブランドやセレクトショップ、大手SPAメーカーのVM担当者をゲスト講師に、リアルなVM制作現場や彼らの知見や考えを聞くことができる場にする」という。

“VMを通じて生まれる客・
店・販売員に良い環境に期待”
(シャルマ)

堀田:シャルマGMと出会ったのは、VMの潮流が変化し始めた12年ごろ。僕がVM責任者としてルイ・ヴィトン ジャパンに入社し、シャルマGMは当時一番の規模と売り上げを持つショップの店長だった。そして、そこではスタッフ全員がディスプレー作りに携わっていた。“優秀なVMD担当者に一任する”がまだ主流だった時代に、シャルマ店長が先頭に立って販売員によるレイアウト変更を行っていた。全スタッフにブランドおよびショップのビジョンが共有されていなければできないことであり、VMを通じてコミュニケーションが取れていた。シャルマ店長がVM作業を通じて各スタッフの能力を見いだして伸ばしているのも分かり、とても感動したことを覚えている。VMSでも、VMは店舗スタッフ全員で行うことが大事だと訴えている。“VMの本質はコミュニケーション”と言ったが、VMはチームワークの結束や人材育成にも役立つ。

シャルマ:店長からしたら、VMは売り上げを期待して戦略的に作るもの。一方でVM担当者が重要視するのは美しさ。どうしてもアート的な感覚になる。またショップスタッフは、機能的で販売しやすい空間を望む。それぞれの主張をくむのは難しいが、良いバランスが取れれば良い売り場になる。だからこそVMでコミュニケーションを図り、皆が理解を一つにする必要がある。そうして生まれるのが、お客さまにとって気持ちのいい環境、スタッフが誇りを持って仕事ができる環境、売れる環境だと思う。

堀田:「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のショップに行くと、VMでコミュニケーションしていることがよく分かる。VMの専門家が設営すればその瞬間は美しいだろうが、絶えず流動する店頭をどう維持し、時にアレンジしていくかも課題となる。

シャルマ:例えばECサイトはいくらトラフィックがあっても見た目は変わらないが、実際のディスプレーは人が触れば崩れてしまう。触れたくなるディスプレーに仕上がったことはうれしいが、繁忙期こそ多くのお客さまにきちんとしたものを見せたいもの。そこでスタッフは接客する者、ストックを補充する者、それらをフォローする者といったふうに連携しなくてはならない。これもVMというコミュニケーションツールがあってこそ実現する。

堀田:VMによって店舗フローに芯ができ、全スタッフが共通のゴールを目指せるようになる。VMは点ではなく面、いや立体になってこそ、その力が最大限に引き出される。

PHOTO : TAKUYA FURUSUE
TEXT : KAORI TOMABECHI

問い合わせ先
VISUAL MERCHANDISING STUDIO
03-3320-2053

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「住民以外も巻き込んで、カルチャーを守る」 渋谷区が異例のクラウドファンディングを立ち上げた狙いを区長に直撃

 東京都渋谷区は、渋谷区商店会連合会、渋谷区観光協会、渋谷未来デザインと共に、新型コロナウイルス感染症拡大で影響を受けている区内のファッション、理美容、飲食、エンターテインメントなどの事業者を支援するために、「YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング」を開始した。地方自治体がコロナで苦しんでいる産業支援のために給付金を支給する事例は多いが、渋谷区のようなクラウドファンディングでの商業振興は珍しい。渋谷区は全国で初めて同性のパートナーシップを認める(2015年)など、これまでも柔軟な取り組みが注目されてきた自治体。長谷部健区長に、クラウドファンディングの狙いを聞いた。

WWD:7月22日に、「YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング」がCAMPFIRE上でスタートした。期間は9月6日までで、目標金額は渋谷区とかけた4289万円。集まった資金は区内の事業者の支援に充てられる。クラウドファンディングを立ち上げたのはどんな意図から?

長谷部健渋谷区長(以下、長谷部):意図は単純明快です。渋谷の街の魅力を構成する大きな要素である、ファッションや理美容、エンタメ、飲食といった業界が新型コロナの影響で困っていて、アクションが滞っている。僕自身も原宿で生まれ育っているので、周りにあった洋服屋などが(コロナで)つぶれているのも見ている。近年は中国を中心とした観光客の方が収益の中心だったので、売り上げが7割減になったといった声もきます。一方でオーバーツーリズムの問題は解決した部分もありますが、だからといってそれでよしとは思わない。やはりこの街は、ファッションやエンタメなど、さまざまなカルチャーの発信がアクティブにあるからこそ、僕も皆さんもシティプライドを持ってやってきた。だから、そういったカルチャーの分野はできるだけ応援しないといけない。

WWD:給付金での支援ではなく、クラウドファンディングという形がユニークだ。

長谷部:渋谷区は東京23区特別区ですが、地方自治体の仕事は基本的にはそこに住む生活者を支えることです。だから、どうしても住民の教育や福祉、それにまつわる土木などの事業が優先になるし、商業振興を行うにしてもその土地に住んでいる事業者を対象にしていることが多かった。ただ、渋谷のカルチャーの大きな原動力になっている人たちが、区民じゃないということもある。この街の昼間人口は、住民(約23万人)の何倍もいます。そこに大きなジレンマがありました。渋谷区は基本的に住民税で運営している自治体なので、(住民ではない事業者を含む)商業振興には原資をかけづらい。でも、商業振興も置き去りにできない。渋谷区の住民税だけで(商業振興を)まかなうのは財政的にきついし、この街には住んでいないけど関心を持っている人はたくさんいる。そういう人たちと一緒になって、この街のカルチャーを守っていきたい。それでクラウドファンディングという形になりました。

さらに言えば、ウィズコロナ、アフターコロナのライフスタイルを探っていく中で、社会が未来へ向かうスピードが速くなるという面もあると思うんです。インターネットとの親和性などによって、生活のあらゆる面がコロナで進む面もある。だから、単にコロナで苦しんでいる事業者を支援するということだけでなく、コロナを経た新しいライフスタイルや社会のあり方を見据える。そのために、区の予算としても1億円を拠出して、クラウドファンディングで集まった資金と共に商業振興を行っていきます。

「なぜ区が給付金を出して振興してくれないんだ」と言われてしまうかもしれませんが、それが一番誤解してほしくない部分。特別区としてできることを追求する中で、この街を発展させてきた区民じゃない方々にもできる限りのことをしたい。一緒になってやっていくために、クラウドファンディングとして力を貸してほしい。コロナは個人を主語にして乗り越えていくものではなく、社会を主語にして乗り越えていく課題。みなさんとまとまって力を出していきたい。

WWD:調達した金額と渋谷区の予算をあわせて、具体的に事業者にどのような支援を行っていくのか。

長谷部:たとえば飲食店などは、マスクやフェイスシールドが不足して困っているので配布します。ファッション関連の事業者は、来街者や観光客が減って商品が売れなくなっている。そこでECを作って売っていく。ただ、既に確立されている「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」などと同じことをやっても意味がないですから、街の魅力と一緒になったECにしていく。たとえば、街にリアルに出店している人しか出せないような仕組みなどを考えています。最初は既存のECモールの中に渋谷区の店としてまとまって出店するようなイメージを描いていますが、おいおいは5月にスタートした5Gの通信網を生かした渋谷区公認の仮想空間「バーチャル渋谷」の中で、ショッピングモールやコンサートを観る仕組みを作ることもできると思っています。そういう未来へのチャレンジを楽しみながら一緒に行ってもらえないかという呼びかけが、今回のクラウドファンディングですね。これまで、渋谷のスクランブル交差点でファッションショーをしたいという声などもありましたが、実際はなかなか難しい。そういったことも、バーチャル空間ではスムーズにできるようになるかもしれません。

WWD:ファッションや理美容などの事業者からは、コロナショックに伴ってさまざまな陳情が届いている?

長谷部:いろんな人から毎日情報は聞きますし、苦労しているお店、なくなっていくお店を実際見ています。同時に頑張っているなとも感じたりね。(陳情に来た人には)お金はサポートできないけど、(スクランブル交差点など)今までできなかった場所で何か行動をして、ノイズをあげるという行動なら積極的に応援すると伝えています。ただし、一つのブランドや店を盛り上げるためだけの行動では意味がなくて、(渋谷区のECモールなど)新しいサイトを作ったり、新しいムーブメントを生み出したりするためのきっかけになることなら、応援しますよと話している。

WWD:行政が、民間の事業者に対して何をどこまでやるのかというのは難しい部分もあると思う。

長谷部:繰り返しになりますが、渋谷を誇りに思ってくれている渋谷区民ではない人はたくさんいます。ハロウィンの翌朝の掃除などにまさにそれが表れていて、渋谷に住んでいない人たちが、自分たちの街として渋谷を掃除してくれる。ここはそういうパワーがある街です。そういう人たちは納税者ではないですが、渋谷区を応援することができるという空気を作りたい。そのようにいろんな人を巻き込んでいくという意味で行政の関わりはもちろんあると思うし、関わるべきだと考えています。渋谷区が政令指定都市並みの税制や権限を持っていたらもっと色々できると思いますが、今できる範囲内でのベストを考えている。渋谷区には給付金を配り続ける体力はない。だったら、釣った魚を渡すのではなく釣り竿を渡そうという考えです。ネット上で商品が買えるような仕組みができれば、万一コロナの第二波、第三波がきて実店舗が閉まっても売り上げにつながる。渋谷区公式のサイトとなれば、ECとしての見え方も違うんじゃないかと期待しています。

WWD:ファッションで言えば、渋谷区は個店も多い街。個店で自立心が強いゆえ、ファッション業界はなかなかまとまったパワーにならないという面もコロナでは明らかになった。

長谷部:(渋谷区の今の主だったファッション産業は)DCブランドのマンションメーカーからスタートしましたからね。現在も渋谷区は自立心のある人の集まる街、上を向いている人が集まる街だと思う。(ファッションの事業者があまり横とつながりたがらないのだとすれば)それこそ行政はやる意味があると思います。行政が(ECなどの事業を先導することが)一番フェアでしょう?

WWD:ファッション業界に対して要望はあるか。

長谷部:本当は、誰かに言えば業界全体に広がるといった仕組みになっているとありがたいですが……(笑)。たとえば理美容業だと、大手美容室も入っている区内のネットワークがあります。それは徒弟制度だからという部分もあるのかもしれないですが、ファッション業界はそういう(ネットワークがきっちりしている)部分もあるけれど全然そうじゃない部分もある。僕は絵本の「スイミー」みたいな組織になるといいと思うんです。区役所内の組織のあり方についてもよく言っていることなんですが、(ファッション業界も)みんなで大きな一つの船に乗るのではなく、個が集合することで大きな課題に立ち向かうことができる業界だと思う。コロナは、街とみんなと一緒になって乗り越えていかないといけない課題ですから。

今まで、区とファッション業界が膝を突き合わせて話をすることはあまりありませんでした。僕が区長になった後、(区内に本社を構える)ビームスやアダストリアとは協定を結んで、そういった大手企業との話し合いは少しずつ始まっていましたが、ファッション業界との連携をもっともっと進めていきたい。区役所の職員がクールビズでビームスが手掛けたポロシャツ着ていますが、所内が明るくなりました。やっぱりファッションの力ってありますよね。業界の側から、(行政と一緒になって何ができるか)もっともっとアイデアを寄せてほしいです。

WWD:長谷部区長が考える、ファッションビジネスのおもしろさとは?

長谷部:原宿で生まれて、小学生のころは竹の子族やロカビリー族がはやっていましたし、同級生の親にはDCブランドやマンションメーカーを手掛けていた人もいました。ぼんぼんビジネスを当てて行って、あっという間にいなくなった人もいましたが、そこから続けることは大変だけど、華やかですてきな業界だなと感じていました。もちろん、ファッションに限らず、デザイン関係、映画監督、カメラマンなどの親を持つ子どももいて、うちみたいなサラリーマンの家庭もあった。僕は自分自身がおしゃれだとは思わないですし、おしゃれとなるとどちらかというと気恥ずかしくなってしまうタイプですが、そういう街で揉まれて育ってきた中で、ファッションを通して成長していった仲間もたくさんいる。だから服自体というよりも、そういういろんな人たちが作り出すカルチャーには思い入れがあります。渋谷区では全国で初めて同性のパートナーシップを認めましたが、それもLGBTQの人たちが周りにいたから気付けたことです。そういうさまざまなカルチャーがある街は誇りなんですよね。街に育てられたという感覚はあります。

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「住民以外も巻き込んで、カルチャーを守る」 渋谷区が異例のクラウドファンディングを立ち上げた狙いを区長に直撃

 東京都渋谷区は、渋谷区商店会連合会、渋谷区観光協会、渋谷未来デザインと共に、新型コロナウイルス感染症拡大で影響を受けている区内のファッション、理美容、飲食、エンターテインメントなどの事業者を支援するために、「YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング」を開始した。地方自治体がコロナで苦しんでいる産業支援のために給付金を支給する事例は多いが、渋谷区のようなクラウドファンディングでの商業振興は珍しい。渋谷区は全国で初めて同性のパートナーシップを認める(2015年)など、これまでも柔軟な取り組みが注目されてきた自治体。長谷部健区長に、クラウドファンディングの狙いを聞いた。

WWD:7月22日に、「YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング」がCAMPFIRE上でスタートした。期間は9月6日までで、目標金額は渋谷区とかけた4289万円。集まった資金は区内の事業者の支援に充てられる。クラウドファンディングを立ち上げたのはどんな意図から?

長谷部健渋谷区長(以下、長谷部):意図は単純明快です。渋谷の街の魅力を構成する大きな要素である、ファッションや理美容、エンタメ、飲食といった業界が新型コロナの影響で困っていて、アクションが滞っている。僕自身も原宿で生まれ育っているので、周りにあった洋服屋などが(コロナで)つぶれているのも見ている。近年は中国を中心とした観光客の方が収益の中心だったので、売り上げが7割減になったといった声もきます。一方でオーバーツーリズムの問題は解決した部分もありますが、だからといってそれでよしとは思わない。やはりこの街は、ファッションやエンタメなど、さまざまなカルチャーの発信がアクティブにあるからこそ、僕も皆さんもシティプライドを持ってやってきた。だから、そういったカルチャーの分野はできるだけ応援しないといけない。

WWD:給付金での支援ではなく、クラウドファンディングという形がユニークだ。

長谷部:渋谷区は東京23区特別区ですが、地方自治体の仕事は基本的にはそこに住む生活者を支えることです。だから、どうしても住民の教育や福祉、それにまつわる土木などの事業が優先になるし、商業振興を行うにしてもその土地に住んでいる事業者を対象にしていることが多かった。ただ、渋谷のカルチャーの大きな原動力になっている人たちが、区民じゃないということもある。この街の昼間人口は、住民(約23万人)の何倍もいます。そこに大きなジレンマがありました。渋谷区は基本的に住民税で運営している自治体なので、(住民ではない事業者を含む)商業振興には原資をかけづらい。でも、商業振興も置き去りにできない。渋谷区の住民税だけで(商業振興を)まかなうのは財政的にきついし、この街には住んでいないけど関心を持っている人はたくさんいる。そういう人たちと一緒になって、この街のカルチャーを守っていきたい。それでクラウドファンディングという形になりました。

さらに言えば、ウィズコロナ、アフターコロナのライフスタイルを探っていく中で、社会が未来へ向かうスピードが速くなるという面もあると思うんです。インターネットとの親和性などによって、生活のあらゆる面がコロナで進む面もある。だから、単にコロナで苦しんでいる事業者を支援するということだけでなく、コロナを経た新しいライフスタイルや社会のあり方を見据える。そのために、区の予算としても1億円を拠出して、クラウドファンディングで集まった資金と共に商業振興を行っていきます。

「なぜ区が給付金を出して振興してくれないんだ」と言われてしまうかもしれませんが、それが一番誤解してほしくない部分。特別区としてできることを追求する中で、この街を発展させてきた区民じゃない方々にもできる限りのことをしたい。一緒になってやっていくために、クラウドファンディングとして力を貸してほしい。コロナは個人を主語にして乗り越えていくものではなく、社会を主語にして乗り越えていく課題。みなさんとまとまって力を出していきたい。

WWD:調達した金額と渋谷区の予算をあわせて、具体的に事業者にどのような支援を行っていくのか。

長谷部:たとえば飲食店などは、マスクやフェイスシールドが不足して困っているので配布します。ファッション関連の事業者は、来街者や観光客が減って商品が売れなくなっている。そこでECを作って売っていく。ただ、既に確立されている「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」などと同じことをやっても意味がないですから、街の魅力と一緒になったECにしていく。たとえば、街にリアルに出店している人しか出せないような仕組みなどを考えています。最初は既存のECモールの中に渋谷区の店としてまとまって出店するようなイメージを描いていますが、おいおいは5月にスタートした5Gの通信網を生かした渋谷区公認の仮想空間「バーチャル渋谷」の中で、ショッピングモールやコンサートを観る仕組みを作ることもできると思っています。そういう未来へのチャレンジを楽しみながら一緒に行ってもらえないかという呼びかけが、今回のクラウドファンディングですね。これまで、渋谷のスクランブル交差点でファッションショーをしたいという声などもありましたが、実際はなかなか難しい。そういったことも、バーチャル空間ではスムーズにできるようになるかもしれません。

WWD:ファッションや理美容などの事業者からは、コロナショックに伴ってさまざまな陳情が届いている?

長谷部:いろんな人から毎日情報は聞きますし、苦労しているお店、なくなっていくお店を実際見ています。同時に頑張っているなとも感じたりね。(陳情に来た人には)お金はサポートできないけど、(スクランブル交差点など)今までできなかった場所で何か行動をして、ノイズをあげるという行動なら積極的に応援すると伝えています。ただし、一つのブランドや店を盛り上げるためだけの行動では意味がなくて、(渋谷区のECモールなど)新しいサイトを作ったり、新しいムーブメントを生み出したりするためのきっかけになることなら、応援しますよと話している。

WWD:行政が、民間の事業者に対して何をどこまでやるのかというのは難しい部分もあると思う。

長谷部:繰り返しになりますが、渋谷を誇りに思ってくれている渋谷区民ではない人はたくさんいます。ハロウィンの翌朝の掃除などにまさにそれが表れていて、渋谷に住んでいない人たちが、自分たちの街として渋谷を掃除してくれる。ここはそういうパワーがある街です。そういう人たちは納税者ではないですが、渋谷区を応援することができるという空気を作りたい。そのようにいろんな人を巻き込んでいくという意味で行政の関わりはもちろんあると思うし、関わるべきだと考えています。渋谷区が政令指定都市並みの税制や権限を持っていたらもっと色々できると思いますが、今できる範囲内でのベストを考えている。渋谷区には給付金を配り続ける体力はない。だったら、釣った魚を渡すのではなく釣り竿を渡そうという考えです。ネット上で商品が買えるような仕組みができれば、万一コロナの第二波、第三波がきて実店舗が閉まっても売り上げにつながる。渋谷区公式のサイトとなれば、ECとしての見え方も違うんじゃないかと期待しています。

WWD:ファッションで言えば、渋谷区は個店も多い街。個店で自立心が強いゆえ、ファッション業界はなかなかまとまったパワーにならないという面もコロナでは明らかになった。

長谷部:(渋谷区の今の主だったファッション産業は)DCブランドのマンションメーカーからスタートしましたからね。現在も渋谷区は自立心のある人の集まる街、上を向いている人が集まる街だと思う。(ファッションの事業者があまり横とつながりたがらないのだとすれば)それこそ行政はやる意味があると思います。行政が(ECなどの事業を先導することが)一番フェアでしょう?

WWD:ファッション業界に対して要望はあるか。

長谷部:本当は、誰かに言えば業界全体に広がるといった仕組みになっているとありがたいですが……(笑)。たとえば理美容業だと、大手美容室も入っている区内のネットワークがあります。それは徒弟制度だからという部分もあるのかもしれないですが、ファッション業界はそういう(ネットワークがきっちりしている)部分もあるけれど全然そうじゃない部分もある。僕は絵本の「スイミー」みたいな組織になるといいと思うんです。区役所内の組織のあり方についてもよく言っていることなんですが、(ファッション業界も)みんなで大きな一つの船に乗るのではなく、個が集合することで大きな課題に立ち向かうことができる業界だと思う。コロナは、街とみんなと一緒になって乗り越えていかないといけない課題ですから。

今まで、区とファッション業界が膝を突き合わせて話をすることはあまりありませんでした。僕が区長になった後、(区内に本社を構える)ビームスやアダストリアとは協定を結んで、そういった大手企業との話し合いは少しずつ始まっていましたが、ファッション業界との連携をもっともっと進めていきたい。区役所の職員がクールビズでビームスが手掛けたポロシャツ着ていますが、所内が明るくなりました。やっぱりファッションの力ってありますよね。業界の側から、(行政と一緒になって何ができるか)もっともっとアイデアを寄せてほしいです。

WWD:長谷部区長が考える、ファッションビジネスのおもしろさとは?

長谷部:原宿で生まれて、小学生のころは竹の子族やロカビリー族がはやっていましたし、同級生の親にはDCブランドやマンションメーカーを手掛けていた人もいました。ぼんぼんビジネスを当てて行って、あっという間にいなくなった人もいましたが、そこから続けることは大変だけど、華やかですてきな業界だなと感じていました。もちろん、ファッションに限らず、デザイン関係、映画監督、カメラマンなどの親を持つ子どももいて、うちみたいなサラリーマンの家庭もあった。僕は自分自身がおしゃれだとは思わないですし、おしゃれとなるとどちらかというと気恥ずかしくなってしまうタイプですが、そういう街で揉まれて育ってきた中で、ファッションを通して成長していった仲間もたくさんいる。だから服自体というよりも、そういういろんな人たちが作り出すカルチャーには思い入れがあります。渋谷区では全国で初めて同性のパートナーシップを認めましたが、それもLGBTQの人たちが周りにいたから気付けたことです。そういうさまざまなカルチャーがある街は誇りなんですよね。街に育てられたという感覚はあります。

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顔認証とAIを駆使した無人店舗で化粧品を購入してみた

 以前から注目されていたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり期待感が増している無人店舗。「アットコスメ」と協業し東京・新宿住友ビル地下にオープンした「セキュア AI ストア ラボ(SECURE AI STORE LAB)」もそのひとつだ。会員情報と顔認識システムを紐付け、入店から購入、退店までをデータで管理する同店。そのシステムを探りに店舗を訪れてみた。

◾︎顔認識の技術は
どこまで進んでいるの?

 この店舗を運営するセキュアは、オフィスや店舗のセキュリティーシステムやAI、クラウドサービスの企画や開発、販売、運営を手がける会社で、一般消費者向けのストア運営は初めてだ。自社で扱う最先端のAI技術、セキュリティー技術を店舗運営に生かすための実証実験の場が欲しくて、自分たちで運営しようと決めたんだそう。「失敗してもいいと思っているし、実際にトラブルはあるかもしれない。それでも自分たちで運営して何かあったらスピード感を持って対応し、作り上げたものを小売店に見ていただいた方が良いと思った」と平本洋輔セキュア取締役。

 店舗の特徴は、オフィスのセキュリティーでおなじみの⼊退室管理のデータに顔認識システム、ディープランニングによるAI技術を用いている点。会員カードやQRコードをかざすなどの必要はなく、モニターに顔を向けるだけで個人を認識する。ちなみに、顔認証システムは以前からあったが、2001年の米国同時多発テロを契機に注目度が加速。「顔認証システムは目鼻の位置を読み取る技術のほかに、顔の凹凸まで読み取る3次元の顔認識システムが生まれて精度が飛躍的に向上した」(平本取締役)そうで、技術も大幅に進化している。

◾︎会員登録と顔認証登録を済ませ
いざ店舗へ!

 店舗に入るには事前に会員登録をする必要がある。そこで名前や年齢のほか、クレジットカードの登録をしていざ店舗へ。店舗横には顔登録端末があり、そこに会員情報のQRコードをかざし、あらかじめ登録していた会員情報に顔のデータを追加する。それが完了したら入店ゲートへ……。入り口横にあるモニターに顔を向けてマスクを外したら顔の読み取りが完了し、ゲートが開いた。なお、現在の顔認証システムはマスクをしたままでも顔を読み取れる設定にもできるとのこと。

 ゲートの先にあるこぢんまりとした店内には、「アットコスメ ニッポン(@COSME NIPPON)」の製品がずらりと並び並び、ポップアップストアのような印象だ。「『アットコスメ』の製品や口コミ情報は貴重で、ぜひやらせていただきたいと声をかけた」(平松取締役)そうで、無人店舗を支えるものはデータと技術であることを改めて思い知る。

 天井にはセンサーとカメラが備え付けられていて、これにより来店客の動線を可視化しているという。棚の前に立ち商品を手に取ると、棚上部にあるモニターに製品説明が表示され、「アットコスメ」の製品紹介文や口コミ情報がモニターに表示される。購入を決めた製品があればそのままバッグに入れてOK。なんだか万引きをしているような気分になるが、製品が今どこにあるのか?はセンサーにより管理されていて、退店時の顔認証でクレジットカードから自動的に決済される。決済できなければ店から出ることができない(製品を棚に戻すしかない)ため、無人店舗でも万引きができないという仕組みだ。

 このシステムの便利なところは、什器に触れたりカードをかざしたりしなくても、顔を向けるだけで認証されるためタッチパネルなどに触れる回数を大幅に減らせるほか、会員情報を元に入店・退店の管理が行えるため、店内の人数制限が容易に行える点だろう。来店客の動線や製品を手に取る回数なども可視化でき、取り扱い製品の構成や陳列の変更などもデータを見ながら行える。そのほか、技術的には顔を認証する際に体温測定も可能とのことなので、ウィズ・コロナの時代に重宝されそうだ。同店は2021年3月末までオープンしている。

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ジェシカ・ジュンの美の秘訣とは? 「レブロン」グローバルアンバサダー就任

 「レブロン(REVLON)」のグローバルアブランドンバサダーに歌手、作家、女優、モデル、ファッションデザイナーとして活躍するジェシカ・ジュン(Jessica Jung)が就任した。アジアを中心に同ブランドのアイコン製品である「スーパー ラストラス」や「カラー ステイ」シリーズのほか、新商品の広告キャンペーンに登場する予定だ。

 ジェシカはアメリカ・サンフランシスコに生まれ、11歳で韓国に移住。パフォーマーとしてデビュー後、大人気ガールズグループのメンバーとして一躍スターとなった。その後、自身のファッション&ビューティーブランド「Blanc&Eclare」を立ち上げるなど、多岐にわたって活躍している。マルチな才能を持つ彼女の美しさの秘訣やアンバサダー就任の感想などを聞いた。

WWD:「レブロン」のグローバルアブランドンバサダーに就任した感想は?

ジェシカ・ジュン(以下、ジェシカ):すごくうれしいのと同時に、光栄に思います。幼少期をアメリカで過ごし、その頃から「レブロン」の広告を見て育ったということもあり、さらに特別に感じています。まだ実感が湧いていなくて、すごくドキドキしていますね。

WWD:ジェシカさんにとって“美”とは?

ジェシカ:私にとっての美しさは自由に自分自身を表現することです。外面の美しさも大事ですが内面の美しさのほうが重要で、いつもハッピーな人が美しい人だと思いますね。

WWD:美を磨くために普段から気を付けていることは?

ジェシカ:まず美しさを維持するために一番重要なのは、大切な人や好きな人たちと共に過ごすことです。好きな人たちと一緒にいることで内面的に強くなれるし、そういった気持ちが外面にも現れてくると思います。ケアに関しては、やっぱりスキンケアとベースメイクが大事ですね。土台が整っていると全てがキレイに見えますし、この2つは大事にしています。

ジェシカ・ジュンのメイクテクニックや注目のトレンドは?

WWD:「レブロン」の製品でお気に入りのものは?

ジェシカ:新製品「レブロン カラーステイ クッション ロングウェア ファンデーション」は、暑くなるこれからの季節にすごく使いやすいアイテムです。私も使っているんですが、皮脂をコントロールするパウダーが配合されているので、程よいマット感で端正な肌に仕上がります。パフでぽんぽんとタッチするだけできちんとカバーもしてくれて、すごく使いやすいです。さらに密着感があって崩れにくいロングラスティングなので、これからの季節は汗もかきますし、マスクも必須なので「レブロン カラーステイ クッション ロングウェア ファンデーション」はおすすめですね。

あと、「レブロン キス グロウ リップ オイル」です。カラーバリエーションも豊富で、単品で使ってもかわいいですし、ほかのリップの上から重ね塗りしてもふっくらとした艶のある仕上がりになるのでおすすめです。

WWD:ジェシカさんが実際に取り入れているメイクテクニックは?

ジェシカ:ベースメイクを大事にしているのですが、その中でも私のおすすめのテクニックは2色のファンデーションを混ぜて使う方法です。リキッドファンデーションもクッションファンデーションも同じように使っているんですが、自分の肌よりワントーン明るい色と暗い色をミックスして、自分の肌にぴったり合う色に調整して使っています。

WWD:この夏、注目しているメイクトレンドは?

ジェシカ:最近リップをオーバー気味に塗るのがトレンドなんじゃないかなと思っています。私のお気に入りは、アイシャドウブラシを使ってリップラインをぼかしながらオーバー気味に塗る方法です。そうするとナチュラルにボリューム感のある唇に仕上がります。

WWD:性別にとらわれず、メイクを楽しむ男性も増えていますがどう感じていますか?

ジェシカ:メイクは自己表現のひとつの方法なのですごくよいと思います。メイクで自分の表現の幅が広がるのは素晴らしいことですよね。

WWD:グローバルブランドアンバサダーとして伝えたいことは?

ジェシカ:新型コロナウイルスの影響もある中でとても不安な日々が続いています。新しい生活に慣れていかなくてはいけない大変な時期ではありますが、ポジティブな気持ちを忘れずに過ごしてほしいと思っています。アンバサダーとして、メイクを通じて新たなチャレンジをしていくので、皆さんに楽しく笑顔になっていただきたいです。

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東京・馬喰町の老舗ファッション書店「アスカブックセラーズ」、繊維問屋とのつながりが生んだ意外な大ベストセラー

 「アスカブックセラーズ」と聞いてピンと来た人は相当なファッション通、というかけっこうコアな業界人だろう。東日本最大のアパレル問屋街である東京・馬喰町エリアの、東日本橋駅B3出口から徒歩10秒、大手繊維商社モリリン東京支社のすぐそばの書店だ。30坪の店舗は、入り口でマスクと子ども用の数十種類のバスボムが出迎え、中に入ると左側には児童書や子ども向けの雑貨、右側にはファッション雑誌、正面に進むと文庫やマンガ、ビジネス書が雑然と並び、書店とも雑貨店とも言えない独特の品ぞろえだ。が、同時にふらりと立ち寄ったサラリーマンやOLが立ち読みをしていたり、ランドセルを背負ったまま学校帰りの小学生が座り込んでおもちゃを見ていたりする、昔ながらの書店の居心地の良さも漂わせている。

 かつてはイースト東京エリアで随一を誇るファッション専門雑誌&書籍をそろえていたユニークな書店は、「WWDジャパン」「ファッションニュース」の袖看板に名残りをとどめつつ、繊維問屋跡地に次々と建ったマンション、今なお残る繊維問屋、古き良き下町情緒など新旧の変化を映し出すユニークな書店として街に彩りを添えている。「アスカブックセラーズ」店主の河邊健太郎トリオ&カンパニー代表取締役に話を聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):ファッション雑誌からマスク、子ども用の雑貨まで、多種多様な商品を取り扱っていますね。

河邊健太郎店主(以下、河邊):いやあ、今は子ども向けの雑貨や日用品が売れてます。この場所に移転オープンをした当時はまだ繊維問屋や商社が多くて、ファッション専門の書籍や専門誌をかなり充実させたファッション専門書店にしたんですけど、正直あまり売れなかった。数年後に、ひょんなことから雑誌の納入先の繊維問屋から日用雑貨を仕入れられるルートができて、近隣のオフィスに勤めている女性をターゲットに、生活雑貨やキッチン雑貨、子ども用の日用品なんかを入れたら、それが売れた。ちょうどその頃から繊維問屋が減って、その跡地にマンションがどんどん建っていったので、若い女性に加え、小さな子ども連れの若い夫婦が増えました。一番売れているのは、小さい子ども向けの雑貨やおもちゃですね。このビルの2階も公文教室だし。書籍の仕入れは減らしましたが、ファッションの専門誌の方はむしろ休刊が多くて取り扱いが減った感じですね。

とはいえ、今でも外商を含めると本・雑誌の売り上げが全体の7割です。日用品や雑貨に比べて雑誌や本の方が単価は高いので。児童書もよく売れてます。

WWD:新型コロナの影響は?

河邊:4月から周辺のオフィスがクローズしたので街の人の数は激減しました。けど、うちのお客はオフィスワーカーだけでないので、お店はずっとオープンしていました。3月・4月はマスクや消毒液が売れました。

WWD:よく仕入れられましたね。

河邊:先ほども言ったように雑貨や日用品はファッション誌の納入先の地元の繊維問屋から仕入れていて、マスクなどもその繊維問屋から仕入れられたので。隣のドラッグストアチェーンではずっと売り切れているのに、なぜか「アスカブックセラーズ」では売っていました。価格も安かったですし、飛ぶように売れましたね。

WWD:高くしようとは思わなかった?

河邊:うちみたいな小さな店舗は、信用・信頼が第一なんです。そのときに売れても、高い値付けで地元の顔なじみのお客に嫌われたら主力の本や雑貨が売れなくなっちゃいますよ。とはいえ、マスクや消毒液を買っていったのは顔なじみのお客というより、見たことのない新規のお客でした。うちはSNSやウェブサイトもないのに、商品を並べるとどこからともなくお客が買いに来るので不思議でしたね。

WWD:開店は朝8時とかなり早く、街行事間は21時までと長い。なぜですか?

河邊:早いですか?先代、先々代からずっとそうだったからなあ。昔からやっている書店なら普通だと思います。朝の出勤前に立ち寄るお客さんも多いですよ。ただ、閉店時間は22時だったのを5年前に21時に変えました。隣のドラッグストアやドトールもそのくらいなんでね。1時間早めてだいぶ楽になりました。

WWD:1日の平均的なスケジュールは?

河邊:朝7時に店舗に来て、人形町の日本橋図書館に納品に行って戻ってきたら開店準備をして、8時に店を開けます。9時にアルバイトが来たら外商先への配達はお願いして彼・彼女が戻ってきたら、私は週1〜3回くらいのペースで雑貨を仕入れに馬喰町の問屋さんに打ち合わせに行っています。21時に閉店して家に帰るのは22時前くらいですね。

WWD:客層は?

河邊:店舗の方は男女問わず、このあたりのオフィスワーカーと近隣に住む若い夫婦と子どもがメーンです。移転オープンから考えると、客層に若い夫婦とその子どもはかなり増えました。あと、この数年で増えたお客はヘアサロンの人ですね。よくファッション雑誌を買いに来ます。この馬喰町エリアにオシャレなサロンや飲食店、デザイン事務所などが増えたことを実感しています。

WWD:小さな書店と言えば外商が重要だが、やはり売り先は繊維問屋?

河邊:そうです。書店の場合、外商と言っても配達料は無料だし、それほど積極的に営業を掛けているわけではありません。それでも近隣の書店が廃業すると引き継いでいるので、配達エリアはこの東日本橋・馬喰町を中心に浅草橋、岩本町くらいまで広がっています。それでもピーク時の半分くらいかなあ。納品の主力はやっぱりファッション雑誌です。最大の売り先は豊島さんで、その他はエトワール海渡さん、ブルーミング中西さん、コスギ(旧小杉産業)さんも多い。ご近所ですがモリリンさんは少ないです(笑)。けど社員の方には、よくご来店いただいています。

WWD:最近の売れ筋は?

河邊:うちに限らずだと思いますが、児童書ですね。「どっちが強いの?」シリーズ(KADOKAWA)、「科学漫画サバイバルシリーズ」(朝日新聞出版)は置くと飛ぶように売れていきます。ファッション雑誌・本だと売れているのは「ジゼル(GISELe)」と「ファッジ(FUDGE)」です。外商だと「ファッジ」が強く、来店客だと「ジゼル」の伸びがすごいです。きちんと個性があるからかな、と。あとマスクや消毒液などのコロナグッズも売れています。

WWD:ファッション関連の書籍や雑誌も店舗を見ると、まだ多いようにも見えるが。

河邊:面陳(雑誌や本を棚に立て、背ではなく表紙を見せて陳列すること)しているから、多く見えるのだと思います。実際に雑貨に比べて単価も高いですし、特に雑誌はこの数年で、付録のある宝島社を筆頭に価格が高くなってますよね。

WWD:これまでの最大のベストセラーは?

河邊:書籍だと岡本太郎の「自分の中に毒を持て」(1993年、青春出版社)と松下幸之助の「道をひらく」(1968年、PHP研究所)です。開店以来、コンスタントにずっと売れ続けているので、数百冊は行っているんじゃないかな。

WWD:書店経営の醍醐味は?

河邊:サラリーマンと比べて気楽なところですかね。朝早いのも、サラリーマン時代も朝7時から勤務していたので、そんなに変わりはないですし。もちろん苦労もあります。僕が跡を継ぎ、住居を兼ねていた店舗を移転させるときは、父とだいぶ揉めました。借金までして家賃を払う必要がなんであるんだってね。移転前は、それこそ外商が売り上げの8割の小さなお店でしたから。当初はファッション専門書店、その後は雑貨も売るようになって。自分で全部決められるところはやっぱり面白いですよ。

WWD:最後に「WWDジャパン」のイチオシは?

河邊:雑誌特集はいつも熟読しています。ファッション雑誌をずっと売っていますが、なかなか中の人の顔が見える機会はないので。

■アスカブックセラーズ
創業:1950年
店舗面積:30坪
営業時間:8時〜21時
休日:不定休
住所:東京都中央区東日本橋2-2-4 東日本橋駅前ビル
電話番号:03-3863-3417

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出版・メディア業界がコロナ禍で見た光明と課題

 コロナ禍でデジタルシフトが進む中、多くの雑誌・メディアが新しいビジネスを模索し、新施策を始めている。しかしながら、それらの試み全てが成功するわけではないし、周りと同じことをしても生き残れない。時流を読み、新しいことにチャレンジする精神も大切だが、各媒体の“らしさ”を追求した、独自のコンテンツを生み出していくことの重要性を改めて認識すべきだろう。ここでは、出版・メディア界のニュースやさまざまな雑誌・メディアのキーパーソンたちへの取材から見えた、今後に向けての光明と課題をピックアップして紹介する。(この記事は「WWDジャパン」7月27日号の雑誌・メディア特集の記事の抜粋です)

動画コンテンツに活路 媒体の独自性がキモ

 コロナ禍で各媒体が積極的に取り組んだものの1つが動画だ。すでに動画を取り入れているメディアは少なからずあったが、コロナ禍でライブ配信を中心にさらに加速。大手出版社では、講談社の「ViVi」が“ViViモデル”を起用したライブ配信企画「ViViフェス ライブ」をスタートし、小学館の「美的」は「美的.com」「美的GRAND」3媒体の編集長たちがニュース発信をする動画企画“美的サマーニュース”を立ち上げ、「小学館アドポケット」内で公開する。集英社の「シュプール」はコロナ禍で店頭でのタッチアップが難しいビューティ業界に対する解決策として、広告メニュー「チュートリアルBeauty動画プラン」をスタート。新製品やおすすめ商品の魅力・使い方を訴求する同プランを2020年末までの実施案件限定でスタートしている。

 各社が動画に本格的に着手し始めたことで、コンテンツが多数乱立している。その中で視聴される動画とは、どのようなものなのか。動画事業を軸に拡大しているワンメディアの明石ガクト代表取締役CEOは、メディアビジネスにおいては「調達」「加工」「配信」の3つのレイヤーに分かれるとし、中でも「調達」が重要であると説く。「動画の作り方という『加工』の部分はすぐにまねをされてしまうし、逆にうまくいっているところの真似をすればいい。『配信』に関しても今や、誰もが発信できる。そんな中でファッションメディアで優位性があるなと感じるのは、ほかでは連れてこられないような、『このメディアだったら出るよ』というインフルエンサーなど。そういった人をいかに見つけられるかだと考えている。重要なのはどんな動画を作るかではなく、どんな人を連れてきて動画を作るかだ」。

「おうち時間」&「学び」の情報への需要が高まる

 自粛期間や、テレワークで効率的に仕事をすることが可能になり時間ができたことから、日常生活における「工夫」や新しいことに対する「学び」への意欲が世間的に非常に高まっている。そのような状況下で、集英社の「LEE web」での「新型コロナ私たちの工夫」といった企画や「おうち時間」系のコンテンツに加え、マガジンハウスの「ハナコ(Hanako)」による「ハナコカレッジ」、光文社の「ヴェリィ(VERY)」による「ヴェリィ アカデミー」、コンデナスト・ジャパンの「ワイアード(WIRED)」による「ワイアード ユニバーシティ」といった“学校”も多数スタートしている。特に“学校”での教育系コンテンツは、もともと予備校などでビデオ授業が行われていたように、デジタルとの親和性が非常に高い。このことは企業のウェブセミナーなどでの反響を見ても伺い知ることができる。さらには、コロナ禍で時間が取れるようになった人が少なからずいることで、学ぶことへのハードルが下がったことも要因となっているのだろう。

オウンドメディア化が加速 編集者・企業の取るべき道は?

 表は、ここ1年の雑誌・メディアの創刊(ローンチ)・休刊(休止)リストだ。これを見ると、意外にも創刊(ローンチ)が多いことに気づくが、出版社が新しいメディアを立ち上げているのかというとそうではない。休刊は基本的に出版社発の雑誌が中心なのに対し、創刊に関しては企業がオウンドメディアとして立ち上げているケースが大半を占めている。中でも「ユニクロ(UNIQLO)」の雑誌「LifeWear magazine」を元「ポパイ(POPEYE)」編集長の木下孝浩氏が手掛けたり、楽天の「アールエフ マグ」を元「ギンザ(GINZA)」編集長の中島敏子氏が手掛けたり、はたまたアーバンリサーチが自社メディアを小学館とタッグを組んで作っていたりと、編集者や出版社が絡んでいることも多い。

 この流れは当分続くのだろうか。ファッション誌やIT業界を経て、起業後はオウンドメディアの立ち上げや運営のほか、地方創生など「編集視点」で幅広く活動をしているPomaloの澄川恭子チーフ・コンテンツ・オフィサーは、企業のオウンドメディアについて「現在は、自社ブランドのブランディング向上に関与する内容であれば、自社ブランドのアイテムが必ずしも登場しないコンテンツでも配信している。ただ、今後は会員誌やPR誌、機内誌、企業が出版する雑誌など、企業専用にカスタマイズされた雑誌・メディアで、それ自体で収益を上げられるメディア=ブランドパブリッシングに変わっていくのではないか」と予測する。今後は企業のオウンドメディアが従来の出版社が発行していたメディアと肩を並べ、その裏で編集者が活躍する時代が来そうだ。

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「自衛隊で居酒屋をやると喜ばれるんです」三光マーケ長澤社長。コロナ前から先読みしたジミな収益源とは?

 新型コロナウイルス都内感染者が21日連続で三桁を推移しており、より一層の在宅勤務や外食自粛を要請され、オフィス街を中心に展開している大手居酒屋チェーンでは行き詰まりを感じている。多くの居酒屋チェーンが業態転換、ゴーストレストランなど活路を見出しているなか、株式会社三光マーケティングフーズ(東京・中央区)が、コロナ前から取り組んでいた第二の収益源に手応えを感じている。コロナを先読みしていたのか?長澤社長に話を聞いた。
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「バーバリー」がブランド初の“ソーシャルリテールストア”を中国にオープン SNSとリテールを融合させた購買空間

 「バーバリー(BURBERRY)」は7月31日、リアルとデジタルの世界を融合させたブランド初の“ソーシャルリテールストア”を中国・深セン市内のショッピングモール深セン湾MIXCにオープンする。テンセント社と共同開発したメッセンジャーアプリウィーチャット(微信、WeChat)用の専用プログラムを駆使して、パーソナライズされた購買体験を提供する。

 店舗面積は539平方メートルで、それぞれ異なるコンセプトを持つ10の部屋で構成する。2020年秋冬コレクションに着想を得た鏡張りの空間では、ブランドのシンボルである“TB”モノグラムが体の動きに合わせて形を変えるインタラクティブな仕掛けを用意した。また店内には3つのフィッティングルームを設け、ウィーチャットプログラムで事前の予約ができるほか、プレイリストから好みの曲を選択してカスタマイズされた空間を演出することができる。

 ブランド創業者のトーマス・バーバリー(Thomas Burberry)にちなんで名付けたカフェスペース「トーマス・カフェ」では、英国と中国のお茶文化を反映したメニューを提供する。重厚感のあるカーテンと鏡で装飾し、食器にもブランドの世界観を表す自然や動物の要素を取り入れた。同スペースでは今後、ワークショップや展覧会、ライブパフォーマンスなどを開催する予定で、ブランドコミュニティーの交流を促す。

 最大の特徴であるウィーチャットの専用プログラムは、店内のデジタルスクリーンと連動した商品のQRコードをスキャンしたり、カフェや店舗のイベントを予約するなどしてブランドとの交流を深めていくことで、“バーバリーソーシャル通貨”を獲得できる仕組みだ。獲得した通貨を使ってパーソナライズされたエクスクルーシブなアイテムにアクセスすることができるほか、カフェでの特別メニューのオーダーや“トレンチエクスペリエンス”と称する、トレンチコートをテーマにした特別画像やムービーを受け取ることができる。

 リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)=チーフ・クリエイティブ・オフィサーは、「私は自然とテクノロジーという対照的な要素のバランスと、両者を結び付けるエネルギーに関心を持っている。同店ではこの関係性を追求し、新しいエキサイティングな手法でデジタルとリアルを融合した。また店内デザインのディティールに自然を取り入れるなど、あらゆる要素を通じて自然界への愛を表現した。インタラクティブな発見の旅を通じてコミュニティーを結び付けたい」とコメントした。

 「バーバリー」はファッション業界におけるデジタルリーディングカンパニーとして数々の先進的な取り組みを行ってきた。同店は「バーバリー」がこれまで培ってきたデジタルの知見を最大限に発揮した店舗となる。

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異色のシューズブランド「オールバーズ」が投資家からも支持される理由

 「地球にやさしい」「サステナブルな〇〇」――こうしたキャッチフレーズを目にすることが増え、多くの企業が環境や社会に配慮した製品を提案するようになってきている。しかし生活者の視点でなるべくサステナブルな製品を選ぼうとすると、それらの表現が意味するところは極めてあいまいだ。そもそもサステナビリティの解釈は十人十色で正解はなく、数値化することも難しい。しかし、企業はその曖昧さを少しでもわかりやすく、そして顧客をはじめとするステークホルダーとどうコミュニケーションするか、その方法も問われ始めていると言えるだろう。

 そんな中で、明確なメッセージを発信し、わかりやすい形で示して支持を集める企業がある。サンフランシスコ発のシューズ企業オールバーズ(ALLBIRDS)だ。2020年4月から全製品にカーボンフットプリント(温室効果ガス排出量)を表示し、“カーボンニュートラルを目指す”と宣言。オールバーズは、サッカーの元ニュージーランド代表のティム・ブラウン(Tim Brown)とバイオテクノロジーの専門家ジョーイ・ズウィリンジャー(Joey Zwillinger)という異色のタッグが2016年に創業し、「カーボンフットプリントを抑えながら、自然由来の原料を用いたモノ作り」を推進する。スニーカーから始まり、20年6月にはアンダーウエアの販売を開始。今後もカテゴリーを広げるという。これまで累計1億4000万ドル以上(約148億円)の資金を調達し、現在、世界主要都市に直営の20店舗を展開するまでに成長した。20年5月にはアディダス(ADIDAS)とカーボンフットプリントの低いスポーツシューズ開発のためのパートナーシップを結んだことでも話題になった。

科学的にも学術的にも証明できる方法

 カーボンフットプリントの削減には創業当時から取り組んで計測してきたというが、その数値の公開を始めたのは19年のこと。「企業として責任を持つために公開を決めた。加えて、業界内でカーボンフットプリントの対話を推し進めたいという思いもあった」と、ハナ・カジムラ(Hana Kajimura)=サステナビリティ・マネジャーは公開に至った経緯を語る。彼女は28歳の若さで同社の核となるサステナビリティ分野のマネジャーを務める。同社には“カロリー表示のように地球のためにカーボンフットプリントを知る”ことを当たり前にしたいという考えがあった。近年、食品でのカーボンフットプリントの表示は少しずつ増えてきたが、ファッションアイテムでは初めてのことだ。

 カーボンフットプリントを重視したのは「気候変動対策が地球で生きていくために最も大きな要素だから」だ。「カーボン排出の削減 で寄与することが一番わかりやすく、感覚的にではなく、科学的にも学術的にも証明できると考えた」と説明する。

 現在、企業に“透明性”を求める動きが加速しているが、透明性の考え方についてはどう考えるのか。「アカウンタビリティー(説明責任)の要素が大きい。つまり、ステートメントや企業方針、進捗状況などを顧客と共有することだとも言える。私たちは環境における透明性から着手した。加えて、*Bコープを取得し、その基準に沿って取り組んでいる」。サプライヤーの選定に関してもBコープの基準に照らし合わせて選んでいるという。「私たちは顧客や株主だけでなく、サプライチェーンの人々や従業員を含めて、われわれのビジネスに関与するあらゆる数値を計測・公開することで透明性を担保している」。

*Benefit Corporationの略で、米非営利団体B Lubが運営する認証制度。環境、社会に配慮した事業活動を行っているかや、アカウンタビリティー、透明性などから評価される。具体的にはガバナンス、従業員、コミュニティー、環境、顧客の観点からなる200点満点の認証試験において80点を獲得することが条件

 カーボンフットプリントを抑えるために、例えば再生エネルギーを用いているサプライヤーを選んでいるのかというとそうではない。「目標はもちろん再生エネルギーを用いて環境基準を満たしている相手だけれど、今組んでいるパートナーとは日常会話レベルで改善を目指して取り組んでいる」という。「製造業におけるサステナビリティは比較的新しいコンセプトでしょう?だからサプライヤーの中には当初戸惑う人も少なくなかった。でも日々対話を重ねることで理解してもらえるようになり、今ではサプライヤーからアイデアが来るようになった。皆がサステナブルな思考になってくれたのが本当にうれしい」とハナは笑顔で話す。今では「廃棄物の削減やリサイクルを推進したり。環境負荷が低い素材の提案もしてくれている」という。

環境負荷の低い素材開発にも取り組む

 オールバーズでは、すでにある環境に配慮した素材を用いることはもちろん、自社開発にも取り組む。「靴底のフォームはもともと石油由来が多かったが、ブラジルでパートナーを見つけてサトウキビ由来の原料で作ることができるようになり、今では業界全体に供給できるようになった」。もちろん100%サトウキビ由来は難しいが、「機能性とのバランスを大切にしている。これからさらにサトウキビ由来の比率を高めるように改善していく」。機能性と環境への負荷とのバランスは非常に難しいとされていることに関しては、「アートと科学のバランスのようなところはあるわね。ブランドコンセプトとして、自然由来の素材とリサイクル素材の利用を重視しながら、カーボンフットプリントゼロを目指していく。どうやってゼロを目指していくのか、その過程も公開することこそ私たちの透明性への取り組みよ」。

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「ベイプ」が「スター・ウォーズ」とのコラボコレクション発売 ダース・ベイダーやヨーダなどが“ベイビーマイロ”調に

 「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R)以下、ベイプ)」は8月1日、映画「スター・ウォーズ(STAR WARS)/エピソード5 帝国の逆襲」の公開40周年を記念したコラボコレクションを発売する。全国の「ベイプ」取扱店や公式オンラインストアのほか、ゾゾタウン(ZOZOTOWN)で取り扱う。

 コラボコレクションは、Tシャツやメディコム・トイ(MEDICOM TOY)とコラボした“ベアブリック(BE@RBRICK)”、ステッカーなどを用意。Tシャツは、「スター・ウォーズ」の人気キャラクターのダース・ベイダーやヨーダなどを“ベイビーマイロ”調のタッチで仕上げたものや、イラストレーターの生瀬範義氏が手掛けた同映画の公開当時のポスターのイラストをフロントに配したデザインなどを採用する。価格は8000〜9000円。また“ベアブリック”はカモ柄を至る所に散りばめたデザインに仕上げた。サイズは100%(2万4000円)、400%(2万4000円)、1000%(8万2000円)をそろえる。

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「ミズノ」が「エクストララージ」と初コラボ スニーカーやTシャツを発売

 「ミズノ(MIZUNO)」は8月1日、LA発ストリートブランドの「エクストララージ(XLARGE)」との初のコラボスニーカーを発売する。ミズノ トウキョウ(MIZUNOTOKYO)や「エクストララージ」直営店などで取り扱うほか、3日からは「ミズノ」公式オンラインストアで販売する。

 コラボスニーカーは、バレーボール用シューズの“コートセレクト(COURT SELECT)”をベースモデルに採用し、普段使いしやすい仕様にアレンジした。スエードとメッシュを組み合わせたアッパーや、「エクストララージ」らしいポップなカラーリングが特徴だ。価格は1万2500円で、サイズは23.0〜28.0cm、29.0cm。また同スニーカーのプリントを両面に配したTシャツも販売する。価格は5000円で、サイズはS〜XLをそろえる。

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花王の1〜6月期は化粧品事業が落ち込み減収減益 20年12月期を下方修正

花王の2020年1〜6月期連結決算(国際会計基準)は、新型コロナウイルスの影響により衛生関連製品は前年を大きく上回って推移した一方、インバウンド需要の減少や外出自粛の影響を受けて化粧品事業が落ち込み、売上高が前年同期比7.5%減(実質4.3%減)の6671億円、営業利益が同13.8%減の744億円、純利益が11.7%減の506億円だった。

事業部別では、コンシューマープロダクツ事業(化粧品事業、スキンケア・ヘアケア事業、ビューマンヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業を総称)の売上高が同7.5%減(同4.1%減)の5511億円だった。化粧品事業は、花王中国がECの取り組みを強化して「フリープラス(FREEPLUS)」「キュレル(CUREL)」は順調に推移。しかし外出自粛や小売店の臨時休業の影響のほか、マスク着用によるメイクアイテムの売り上げが減少したことにより、売上高が同21.5%減(同20.7%減)の1099億円だった。

スキンケア・ヘアケア事業は、衛⽣意識の⾼まりで「ビオレu(BIORE U)」のハンドソープや⼿指の消毒液の売り上げが伸⻑。一方で、外出制限の影響を受けてUVケア製品などのシーズン品の売り上げが振るわず売上高が同10.4%減(同0.3%減)の1511億円だった。

唯一好調だったのはファブリック&ホームケア事業で、売上高が同5.8%増(同6.2%増)の1717億円だった。国内では衣料用洗剤や衣料用漂白剤が堅調に推移したほか、食器用洗剤も好調。また業務用製品では手指消毒液で増産体制を強化し、医療機関や飲食店、介護施設などにも供給した。

20年12月期の連結業績予想は、4月27日に発表した予想から下方修正。4月時点では売上高が前期比0.5%増の1兆5100億円、営業利益が同3.9%増の2200億円、純利益が3.9%増の1540億円としていたが、今回、売上高が前期比4.8%減(実質4.8%減)の1兆4300億円、営業利益が同10%減の1900億円、純利益が9.6%減の1340億円と発表。今後も新型コロナウイルスの影響は長期化すると踏まえ、粗利率の最も高い化粧品事業が今後の花王グループの業績を左右すると予想する。

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イタリア・ミラノ発ジュエラー「ポメラート」から初のハイジュエリーが登場

 イタリア・ミラノ発ジュエラー「ポメラート(POMELLATO)」から初のハイジュエリーコレクションが登場した。コレクション名は“ラ・ジョイア”で、イタリア語で喜びという意味だ。全165点から構成されるコレクションは、同ブランドを象徴する類稀なカラーストーンを贅沢に使用し、アイコニックな“ヌード”や“サッビア”などのシリーズをよりゴージャスでボリューム感のあるハイジュエリーに昇華している。また「ポメラート」ならではのクラフツマンシップを駆使してブランドのDNAともいえるチェーンやメッシュにぎっしりとダイヤモンドやカラーストーンなどのパヴェセッティングを施し、モダンで洗練されたハイジュエリーに仕上げている。

 “ジュエリーのプレタポルテ”を提案してきた「ポメラート」のハイジュエリーは、ガラやパーティーなどの特別な機会に着用するものではなく、シーンを選ばず着けて楽しめるものだ。中心価格帯は約500万円。約4000万円までのハイジュエリーをそろえる。

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「SHISEIDO」初の旗艦店が銀座に開業 VR活用の“バーチャルストア”も同時オープン

 資生堂は、グローバルブランド「SHISEIDO」の初の旗艦店「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」を7月31日に銀座にオープンする。同店舗は「SHISEIDO」の路面店として世界最大規模の店舗面積となり、ブランドの全製品と店舗限定品を扱う。また、同時にVRで実際に店舗を訪れたかのような体験、そして製品を購入できるバーチャルストアも旗艦店のサイト内にオープンする。

 資生堂の創業の地である旗艦店は、最新のテクノロジーとヒューマンタッチを融合させた、ブランドの世界観と“ジャパニーズビューティ”が体験できる施設。岡部義昭「SHISEIDO」チーフブランドオフィサーは、「旗艦店は、1.“モノよりコト”提案のブランド体感の場、2.銀座から世界に向けた情報発信基地の場、3.お客さまの要望やニーズを捉えた体験を同店舗で試し、その成功事例を世界中の店舗に展開するというイノベーションの象徴となる実験の場、以上3つの特徴がある。デジタルとヒューマンタッチのハイブリッドでおもてなしの心を伝えていく」とコメント。

 「SHISEIDO」のブランドコンセプト“ALIVE with Beauty”を体現した旗艦店は621平米の全3フロアからなり、1階は「美と遊ぶ」がテーマ。スキンケアやメイク製品をタッチパネルで比較検討できるデジタルテスターや、ブランドの代表アイテム「アルティミューン パワライジングコンセントレート N(以下、アルティミューン)」やファンデーションを非接触で試せるオートテスターを導入。「アルティミューン」美容液専用販売マシンも設置し、セルフで簡単に購入も可能だ。

 2階は「美をつくりだす」がテーマ。アプリを使用してスキンケアやメイク、インナービューティの個別無料レッスンを非接触型で受けることができる。気になるアイテムを使用するときはオリジナル動画を見ながらお客自身が実践し、BCがサポート。また、「アルティミューン」や対象の口紅などには無料の刻印サービス、ラッピングサービスを用意。

 地下1階は「美がめざめる」がテーマ。日本初導入のメディテーションカプセル「ソマドーム」を設置し、「アルティミューン」の香りをはじめ、音、光、温度など五感にアプローチした最先端のメディテーション体験で自身の美を引き出す。

 当初、旗艦店は4月にオープン予定だったが新型コロナウイルス拡大の影響を受け、7月に延期となった。「もともとデジタルでできることはデジタルで、人を介すことは人で行うとは決めていたが、“非接触”のサービスは約2年後を目処にと考えていた。コロナにより急遽、非接触のサービスを導入したり、リアルでもバーチャルでも同じ体験ができるようにとバーチャル店舗を同時にオープンさせたりした。また、コロナによって店頭のBCはお客さまに来店いただく“待ち”の姿勢だったが、旗艦店ではBCによるライブストリーミングを発信し、デジタルの場でお客に情報を与えるという“BCの働き方改革”を行う。旗艦店は成功事例を他店舗に広げていくという場でもあり、オリジナル動画を活用した非接触のカウンセリング体験などは他店舗にも応用していく」と述べた。

■SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE

住所:東京都中央区銀座3-3-13 阪急阪神銀座ビル
営業時間:11:00~20:00 不定休

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AUTOMOBILE COUNCIL 2020にバーニーズ ニューヨークのブースが登場

こんにちは。

この週末、バーニーズ  ニューヨークは7月31日(金)から8月2日(日)に千葉市 幕張メッセにて開催されるイベント「AUTOMOBILE COUNCIL 2020」に出展します!

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AUTOMOBILE COUNCIL は、1990 年代までに登場した世界のヘリテージカーが一堂に会する展示会で、2016 年にスタートし今年で5回目を迎えます。

”CLASSIC MEETS MODERN”をテーマに、日本車メーカーをはじめ、インポーターやサプライヤー、ヘリテージカー販売店などが多数出展し、往年の名車から最新モデルまでもが一堂に展示され、過去から現代にいたる歴史(=ヘリテージ)を俯瞰しながら日本の自動車文化を感じられる貴重な機会となります。

当初、4月上旬の開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により延期となり、7月末に開催をすることとなりました。

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会場では国内メーカーや輸入車インポーターによる車両展示だけではなく、ヘリテージカー販売店による車両販売やファッションを中心とした自動車関連グッズの販売など、カーライフや日常生活を豊かに楽しむ大人のためのイベントにバーニーズ  ニューヨークは賛同をして今回も出展いたします。

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バーニーズ  ニューヨークのブースでは、ヘリテージカーをイラストに起こしたビジュアルをベースに、バーニーズ  ニューヨークのヒストリーや世界観を本イベント限定のスペシャルディスプレイでご紹介いたします!

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また、名だたる高級車のシートにも使用され、世界中の愛好家を魅了してきた<コノリー>のレザーアイテムも展示いたします。

それに加えて、バーニーズ ニューヨークが提案するウェアやスカーフ、シューズなどバリエーション豊富に取り揃えてご紹介しますので、こちらもお見逃しなく!

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AUTOMOBILE COUNCIL 2020

7/31 FRI. – 8/2 SUN. 9:00 – 17:00 幕張メッセ

※7月31日(金)は、特別内覧日のためプレス関係者・一般来場者3,000名様限定とさせていただきます。

イベントの詳細や新型コロナウイルス感染防止対策につきましては、こちらをご覧ください>>>https://automobile-council.com/events/ac2020/

1440万通りから「お気に入り」を決められるか!? 「ロンシャン」の孝行バッグ“ル プリアージュ”をカスタム

 個性を尊重する潮流と、1点モノの制作が容易・可能になった技術革新の結果、ファッション&ビューティ業界では「パーソナライズ」や「カスタマイズ」、いわゆる世界に(ほぼ)1つの品物を作るサービスを提供するブランドや企業が増えています。そこで「WWD JAPAN.com」は、トレンドや最新ムーブメントを知るからこそのアイデアを形にしてもらいながら、サービスの利便性や価格、パソコンやスマホ使ったパーソナライズのユーザビリティーなどを検証します。

 今回挑戦するパーソナライズは、「ロンシャン(LONGCHAMP)」の定番バッグ“ル プリアージュ”。皆さん、多分一度はご覧になったことがあるだろう、折りたたみ可能な“アレ”です。このバッグは実に頑張り屋さんで、僕がバッグ業界の取材を担当していた10年以上前から、「ロンシャン」を支える大事な存在。コレが今なお売れているからこそ、「ロンシャン」は冒険できる。そして、コレは売れ続けるためにアップデートを重ねている。最近はこんな風に思いながら、ソフィ・ドゥラフォンテーヌ(Sophie Delafontaine)=アーティスティック・ディレクターの、案外エッジィなコレクションを取材しておりました。

 そんな「ロンシャン」の“ル プリアージュ”は、2003年にカスタムオーダーをスタート。バッグ本体(ナイロンやレザー、コットン)やフラップ&ハンドル(だいたいレザー)の配色を、それぞれ数色から選ぶカスタムオーダーは進化し続け、表参道や銀座のフラッグシップストアは、上層階にカスタムオーダー専用のスペースを設けるにいたりました。全国の百貨店などでは、カスタムオーダーのイベントにも積極的でしたねぇ。なんて思ったら、春からはついにパーソナライズに特化した“プリアージュ”の“マイ プリアージュ”が登場。7月にはバリエーションが大幅に広がり、3通りのサイズ、720万通りにも及ぶカラーリングパターン(!!)と、2万通り以上のアルファベット&数字を組み合わせ、世界で1つの“ル プリアージュ”を作るいうスーパー・パーソナライゼーションがデジタルで実現!!数学的に考えると、720万通りのカラーリング&2万通り以上の文字って、つまるところ1440億通りの組み合わせというケタ違いのバリエーションです(笑)。

 というワケで早速、オンラインサイトで挑戦してみましょう。初挑戦の人は、イラストレーターのfoxcoさんによるスペシャルサイトを見ると、何を、どう選んだら良いのか理解できると思われます。

 決めなきゃいけないのは、大きく分けて6つ。モデル、ボディの色、ハンドル&フラップの色、パーツの色、文字の色、文字の影の色、そしてフラップに施す刻印の文字と色です。全ては画面上で確認できるので、案外カンタン。1440億通りという数字にビビりましたが、特に色を変えると印象がダイナミックに変わるボディを考えるのは楽しいです。文字は7月から、アルファベットのみならず数字も可能に。さらにピリオドを入れる必要がなくなったので、例えば「NYC」や「CDG」「TYO」などの街、「BTS」などの推し(笑)、そして「YES」や「BLT」などの単語もイケるようになりました。一番悩むのは、ボディの色と文字の色&影でしょうか?個人的には今は、アクアグリーンやパウダーピンクなどのパステルカラーの気分。“元気いっぱい感”が表現できるイエローも気になります。文字の色と影は、それぞれの色を選択し直さなくても「入れ替える」ボタンをクリックすればカンタンに変わります。コレが、なかなか便利です。

 そして完成品は、誰が、どう見ても「カナメ ムラカミ」な“ル プリアージュ”です(笑)。これでお値段は4万700円!!悪くありません。しかもバッグのキャンバス地には、リサイクルポリエステルを採用。大きなトラベルバッグには、ペットボトル23本分のリサイクル素材を用い、プリントにおいても水の使用量を大きく削減しているそうです。

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ZOZOの4〜6月期は売上高19.4%増 「マルニ」「ステラ」も出店 再び成長軌道に

 ファションECモール「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの2020年4〜6月決算は商品取扱高(GMV)が前年同期比19.5%増の953億円、売上高が同19.4%増の336億円となった。前年の下期以降、これまでの高成長にやや陰りが出ていたものの、緊急事態宣言による店舗閉鎖で多くの出店テナントがEC販売を強化する中で、再び2ケタ以上の高い成長率へと戻した。澤田宏太朗社長兼CEOは「アパレル産業全体のデジタルシフトが進む中で、その波を先頭に立ってリードしていく」と語った。5月29日に出店した「ロエベ(LOEWE)」に加え「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」「マルニ(MARNI)」といった高級ブランドの出店も相次いでおり、10月以降はインフルエンサーを起用したD2Cブランドの販売なども計画。4〜6月の勢いを年間を通して維持する考え。

 営業利益は同33.9%増の104億円、経常利益は同37.5%増の104億円、純利益は同37.5%増の73億円だった。販管費率こそ同0.3ポイント悪化の22.9%だったものの、売上総利益率(商品取扱高比)を同1.0ポイントアップの33.9%とし、物流費や人件費の上昇をGMVの拡大で補った。

 ただ、出店テナントの在庫消化のためのセール長期化により、出荷単価(AOV)は同11.7%ダウンの7409円と大幅に下落した。

 新型コロナで非開示だった21年3月通期の見通しも公表し、GMVは前期比12.2%増の3873億円、売上高は同14.5%増の1437億円、営業利益は同41.6%増の395億円、経常利益は同42.9%増の395億円、純利益は同46.8%増の276億円を見込む。gmvの内訳は主力の「ゾゾタウン」が同7.2%増の3310億円、ペイペイモールで3.2倍の200億円、自社EC支援事業で同66.2%増の200億円になる。この数年開発を進めてきた広告事業も42億円の売り上げを見込む。

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なぜ、リジェネラティブ・オーガニックなのか? 「パタゴニア」が推進する気候危機への新たな取り組み

 「パタゴニア(PATAGONIA)」はこの春から、リジェネラティブ・オーガニック認証の関連製品をスポーツウエアと食品部門「パタゴニア プロビジョンズ(PATAGONIA PROVISIONS)」で販売している。リジェネティブ・オーガニック認証は最高水準のオーガニック基準で、すでに存在する認証制度を土台に新たな条件を追加した包括的な農業認証だ。土壌の修復や動物保護、労働者の生活向上を目的に、環境負荷を軽減するだけにとどまらずに、さらにその先を目指す。

 2017年に「パタゴニア」と他の米国ブランドが中心となってつくったリジェネティブ・オーガニック認証にはさまざまな条件がある。必須条件は有機認証の取得で、「土を守ること」を重視した認証制度であるため、「なるべく耕さない省耕起栽培または不耕起栽培であること」「植物による土壌被覆が農地の25%以上を占めること」「生産者が作物の種類と場所を周期的に替える輪作を行ない、3作物種以上または多年生作物の利用をしていること」「リジェネラティブな(再生を促す)管理が3つ以上であること」などがその他条件として挙げられる。そして、リジェネラティブ・オーガニック・アライアンス(Regenerative Organic Alliance)と呼ばれる第三者認証機関から、基準の達成度に応じてブロンズ、シルバー、ゴールドといったレベル別の認証を受けて商標を使用できるという仕組みだ。

 「パタゴニアは」7月30日から公式ウェブサイトや店頭で、リジェネラティブ・オーガニックに関するキャンペーンを予定している。それに先立ち、7月22日にメディアに向けたオンライン説明会が開催された。同説明会では、“なぜ、リジェネラティブ・オーガニックなのか?”というテーマのもとに、気候変動とアパレル産業の関係についてのビデオ上映や、金子信博・福島大学農学部食農学類教授による土壌の健康と気候変動の関係の講話などが行われた。

 佐藤潤一パタゴニア日本支社環境・社会部門シニアディレクターは、「ある研究によると、世界のアパレル業界と靴業界を合わせると、世界全体の8%(40億トン)の温室効果ガスを排出しているという。これは日本全体の排出量の約3.6倍、EU全体とほぼ同量だ。さらに、30年までにアパレル業界の排出量は49%増加するといわれている。排出の大部分は、繊維の生産、糸の加工、染色と仕上げだ。『パタゴニア』は、すでに再生可能エネルギーの導入などさまざまな二酸化炭素排出削減の取り組みを開始してきたが、今回さらに注目したのが、天然繊維、特にコットンの生産方法だ」と説明した。

 「パタゴニア」は、1996年から100%オーガニックコットンのみを使用しており、2020年からはリジェネラティブ・オーガニックへの取り組みを開始した。「世間ではオーガニックコットンの普及は現在もまだ広まっておらず、1%という極めて低い普及率だ。この現状を非常に危惧している」と佐藤氏。さらに、「近代的な工業型農業は環境を悪化させてきた。土壌内の有機物を使い果たし、それを化学肥料の投入などで無理やり延命している状態。これをリジェネラティブ・オーガニックは逆転させる可能性を秘めている」と続ける。

 「パタゴニア」は、気候変動緩和のために3つの解決策を実践している。1つ目は「二酸化炭素の排出を抑える」。25年までに再生可能な天然素材、もしくはリサイクル素材のみで製造することを掲げている。2つ目は「再生可能エネルギーへの転換」。電力を再生可能エネルギーに切り替えや、再エネ発電施設への投資を通じて25年までにカーボンニュートラル(実質排出ゼロ)のビジネスの実現を目指す。この2つはすでに他社でも取り組みが進んでいるが、「パタゴニア」がさらに注目しているのが「炭素を土に戻す」だ。

 説明会の中で金子教授は、「気候変動はさまざまな要因で起こるため、その影響の予想は極めて困難だ」としながらも、「二酸化炭素の濃度は近年増加を続けている。人間活動の影響が地球システムに何らかの影響を与えていることは明らかだ」と語った。実は、土壌には大気の2〜3倍に相当する炭素が土壌有機物として貯留されているという。「二酸化炭素濃度の増加は、化石燃料の消費以外に土地利用の変化が大きい。農業が森林や草原を切り拓いて農地にすることによって、土壌から炭素が二酸化炭素として大気に移動するからだ。だが、『土壌のかく乱を防ぐ』『地表を有機物で覆う』『輪作・混作をする』を3原則とした健康な土壌をベースに保全農業を実施すれば、大気中の二酸化炭素を逆に土壌に吸収させることができる。世界では、保全農業の面積は、1973~74年頃の280万ヘクタールから、2011年には44倍の1億2500万ヘクタールに広がった。だが、残念ながら日本ではまだ主流ではない。もし、1年に土壌炭素を0.4%増やすことができれば、大気中の二酸化炭素濃度の上昇を抑えることができる」と説明した。「パタゴニア」が掲げるリジェネラティブ・オーガニック農法もこれに寄与する。健康な土壌ははるかに多くの炭素を吸収するため、この農法が温室効果ガスを削減し、気候変動の抑制を助ける重要な手段になるという。それだけでなく、「収穫高も工業型農業と比較して6〜8倍にもなり得る」とイヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard)「パタゴニア」創業者は「リジェネラティブ・オーガニック」の取り組みを紹介する動画内で語っている。

 食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」では、調達先の一つであるニカラグアの農園ソル・シンプレ(Sol Simple)が20年春に世界初のリジェネラティブ・オーガニック認証を取得。そこで生産されたマンゴーを使った製品をすでに販売している。アパレルに関しては、ブランド初のリジェネラティブ・オーガニック認証のパイロット・コットンを育てるため、インドの150以上の農場と提携した。Tシャツの原材料であるコットンの栽培方法、そして農業のやり方を変えることは、土壌に炭素を戻すだけでなく、栽培農家の利益向上や地域の生態系の回復にもつながる。コットン栽培が解決策の一部になるとして、「パタゴニア」は今後さらなる取り組みを進めていく。

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「ジーナシス」が「M・A・C」とコラボキャンペーン ノベルティでミニサイズリップをプレゼント

 アダストリアが展開するウィメンズブランド「ジーナシス(JEANASIS)」は7月31日から、「M・A・C」とコラボレーションキャンペーンを開始する。全国の「ジーナシス」で1万2000円以上の購入者に、先着で「MINI M・A・C」のリップスティック3色から好みの色をプレゼントする。

 「ジーナシス」はこれまでにリサイクルダウンを使用した製品やサステナブル素材を使ったショッパーなど、地球環境に配慮した取り組みを行ってきた。今回は、自身に合ったサイズや量を見極めることで環境保全につながるという考えのもと、「M・A・C」のミニサイズシリーズ「MINI M・A・C」とコラボレーションした。

 また、「ジーナシス」の公式オンラインサイトでは、スタイリングに合わせたヘアメイクアップ・アーティストの吉﨑沙世子によるリップスティック3色を使用したサマーメイクを公開している。

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ポーラ・オルビスHD1~6月期は臨時休業費を特損計上し純利益9割減

 ポーラ・オルビスホールディングスの2020年1~6月期連結決算は、新型コロナウイルス感染拡大による店舗休業などが影響し、店舗事業を中心に展開する「ポーラ(POLA)」や「THREE」などの厳しい状況が続いて、売上高が前年同期比24%減の838億円、営業利益が同63.8%減の58億円、経常利益が同70.8%減の45億円だった。また臨時休業に伴う費用を特別損失に計上したことから純利益は同90.8%減の9億円とマイナス幅が広がった。

 事業部別ではビューティケア事業の売上高が同24%減の838億円。「ポーラ」は店舗休業や営業時間短縮が響き売上高が同30.3%減の479億円と大きく減収した。ただ、国内のEC売り上げは同62%増と伸長した。「オルビス(ORBIS)」はスマートフォンを活用したECチャネルへの誘導を強め、EC売り上げは好調だったものの全体では同11.5%減の227億円となった。「THREE」は同36.7%減の33億円、通販主力の「ディセンシア(DECENCIA)」は新規顧客を獲得し、同13%増と好調だった。

 20年12月期の連結売上高は前期比13.6%減の1900億円、営業利益が同39%減の190億円、経常利益が同46.1%減の165億円、純利益が同57.3%減の84億円を見込んでいる。

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ZOZOがZ世代起業家が率いるyutoriを子会社化

 「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOは、1993年生まれの起業家である片石貴展(たかのり)氏が率いるyutori株の51%を取得し、子会社化する。Yutoriは、日本最大級の古着コミュニティ「古着女子」やD2Cブランド「9090」「スプーン(SPOON)」、葵プリズムなど複数のバーチャルインフルエンサーの所属するVIMなど、10〜20代をターゲットにした複数の事業を展開しており、ZOZOはyutoriの買収でZ世代の攻略を加速する。今後ZOZOはyutoriのアパレル生産や在庫管理システムのサポートも行う。

 yutoriは片石氏が2018年4月に創業。エンジェル投資家の赤坂優氏や中川綾太郎氏らの出資、家入一真氏の率いるNOWなどから出資を受け、Z世代に向けた多彩な事業を矢継ぎ早に立ち上げている。

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アルマーニがYNAPと新契約 店頭とECの在庫を一括管理

 ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)社は、高級ブランドを扱う大手EC企業ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)と2025年まで提携を延長する新たな契約を結び、デジタル強化を図る。YNAPの持つ流通システム「ネクスト エラ(Next Era)」を導入し、オンラインと実店舗の在庫の統合やYNAPのグローバル物流ネットワークを生かして、商品間にオンラインとオフラインのシームレスなつながりを生み出す。新しい機能の数々は21年からアルマーニのウェブサイトに導入し始め、22年に完了予定だ。

 これにより、商品があるにもかかわらずオンラインでは売り切れと表示されてしまうことが避けられ、余剰在庫を減らすことができる。ジョルジオ・アルマーニ会長兼最高経営責任者は「廃棄を減らすことができるので、消費者にとっても責任ある方法で買い物できるようになる」と述べた。

 注文はYNAPの物流ネットワークに加え、物流センターやアルマーニのブティックを通して処理され、シーズンごとの全コレクションから幅広い品ぞろえを提供できる。例えば店頭に商品がなかった場合、統合されたデータを活用して販売員はオンラインストアから同じ商品を提示できる。さらに顧客は円滑な決済フローや詳細な商品情報、オンライン在庫の把握といったモバイル機能に加えて、配達期間の短縮も選択できる。

 YNAPは17年に「ヴァレンティノ(VALENTINO)」と協業で「ネクスト エラ」を開始。YNAPのテクノロジーとIBMとの提携による注文管理システムを組み合わせた流通システムだ。

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進化した「スック」の“諭吉ファンデ”を試してみた 「艶が増しスキンケア効果を実感」

 「スック(SUQQU)」が、人気のクリームファンデーション「エクストラ リッチ グロウ クリーム ファンデーション」をリニューアルし、「ザ クリーム ファンデーション」として9月4日に発売する。初代は16年9月に「エクストラ リッチ クリームファンデーション」として誕生したが、1万円というそれまであまりなかった高価格帯ながら、その使い心地のよさから、SNSでもたびたび話題になるほど人気のアイテムで、“諭吉ファンデ”の愛称で親しまれる存在だ。2代目の誕生後には、日本の人気ユーチューバーらが拡散したことでさらに人気が加速。その“諭吉ファンデ”が進化したという。さて、どう進化したのか?

 今回の進化のポイントは3つ。1つ目は、すべてのピグメントにアミノ酸誘導体コーティングを施すことでしっとりと粉感の少ないテクスチャーを実現したこと。2つ目は新たに緑茶エキスとシルクプロテインを追加し、計13種類の国産美容保湿エキスを配合したことでさらにスキンケア効果がアップしたこと。3つ目は明度だけでなく色調も選べる12色展開だ。イエローベージュオークル、ベージュオークル、ピンクベージュオークルの3つの色調をそろえたことで、使う人の肌色に合わせてより近いものを選ぶことができるようになった。

 名前も、「ザ クリーム ファンデーション」とシンプルに生まれ変わった。「特徴をあれこれ詰め込まず、『スック』が最も旬だと考えているファンデーションはまさにこれ!という意味合いも込めている」と小野芽以子エキップ「スック」PRマネージャーが話すように、新しい名前はそれだけでアイテムが何かを理解できて手が伸びやすくなりそうだ。

 一方で、進化したファンデーションをどうアピールするのか?日本人はもちろんだが、実は「スック」はインバウンド人気が非常に高いブランドだ。ただ、19年の中国電子商取引法(EC法)の施行や今回の新型コロナウイルスの影響で、これまでのようなインバウンドの拡大は望めないのが現状だ。小野PRマネージャーは、「日本人のお客さまにはポイントメイクが特に好評なので、“メイクの映える肌づくり”としてベースメイクを紹介していく」という。SNSでは自然発生的な“suqqu沼”などのハッシュタグがあり、そこから拡散されているカラーメイクとあわせてベースメイクを提案するという。加えて、10月にはスキンケア「ヴィアルム」の発売も控えており、多角的なアプローチが行われる。この戦略が「スック」人気をさらに後押しするかどうかに注目したい。

 さて最後に、実際に新旧クリームファンデーションを半分ずつ顔で塗り比べて1日過ごしてみた。塗った直後はあまり差を感じなかったが、時間がたつにつれてより艶が増したと感じたのは新しい方だった。「スック」が提案する“時間とともに肌の上で艶が成熟していく”というコンセプトを体感することができた。また、昨今はマスク生活による肌荒れも気になるところで、肌に負担がかからないようにしたいと思っている。新クリームファンデーションは塗っている間は乾燥せずにもちっとした肌の質感が続き、落とした後も肌が突っ張らず赤くなったりかさついたりしなかった。新 “諭吉ファンデ”はスキンケア成分がパワーアップしており、それも実感して心強く感じた。

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スターバックスがワーキングスペースを併設したカフェを銀座にオープン

 スターバックス コーヒー ジャパン(STARBUCKS COFFEE JAPAN)は7月30日、アイウエアブランド「ジンズ(JINS)」を手掛けるジンズホールディングスのグループ会社シンク・ラボ(THINK LAB)と協業し、ビジネス利用を意識した新店舗「スターバックス コーヒー CIRCLES 銀座店」を東京・銀座にオープンした(東京都中央区銀座3-7-6 CIRCLES 銀座)。

 同店は2フロアで構成され、1階は「スターバックス」の商品をそろえたカフェフロアで、キャッシュレス支払いにも対応するほか、事前に注文決済ができる「スターバックス」の「モバイルオーダー&ペイ」の受け取り用専用カウンターも設置する。持ち帰り利用も可能。

 2階は働く人を想定した“夢中になれる場所”をコンセプトとし、「ジンズ」の集中の研究から生まれた有料制のソロワーキングスペース「シンク ラボ(THINK LAB)」を導入した。同スペースでは研究に基づいて植物、自然音、気温・湿度、照明、オリジナルアロマなどで五感を刺激し、集中力を高める工夫が施されている。スターバックスが初めて設けたオリジナルのミーティングスペース「スマートラウンジ(SMART LOUNGE)」と併せて、一人で集中して考えるスペースと、複数人がつながりアイデアを共有するワークスタイルに合わせた空間が共存する。「シンク ラボ」は17席あり、利用料は1時間1200円、3時間2000円、6時間3000円。

 「シンク ラボ」は、ジンズが開発した集中力を測定できる眼鏡型デバイス「ジンズ ミーム(JINS MEME)」の研究成果を用いた“世界で一番集中できる場所”をコンセプトとするワークスペースで、2017年にスタートして以来、多くの企業が導入しているほか、今年2月に東京・汐留に直営店をオープンした。

 本社にも「シンク ラボ」を導入しているスターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文・代表取締役最高経営責任者は、「ジンズのイノベーションを起こす社風、すぐれたデザイン性を持っていることなど、当社と同じ価値観を共有できたことで協業が実現できた。本社の『シンク ラボ』は予約が取れないほどの人気だ。われわれは、人の居場所を作る会社という役割がベースにある。『シンク ラボ』には、働く人の新しい居場所としてポテンシャルがあると思う」。また、田中仁ジンズホールディングスCEO兼シンク ラボCEOは、「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、働く場所や時間が個人に委ねられるようになった。ビジネスはもちろん、読者や勉強にも使ってほしい。人それぞれのライフスタイルの幅を広げる提案をしたい」と語った。今後の多店舗化については、銀座店の動向次第で検討するとしている。

■スターバックス コーヒー CIRCLES 銀座店
オープン日:7月30日
時間:7:00〜22:30
住所:東京都中央区銀座3-7-6 CIRCLES 銀座

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フランフランがリモートワークの継続に伴い8月に本社を移転

 フランフラン(FRANCFRANC)は8月3日、東京・渋谷区神宮前の本社を北青山のスタジオを併設する「フランフラン フォレスト(FRANCFRANC FOREST)」に移転する。新型コロナウイルスの影響で働き方を見直し、リモートワークの継続に伴って本社機能を移し、現本社の契約は8月末で終了する。

 同社は2018年に「フランフラン フォレスト」を開設。総面積は1200平方メートルで、専用のインテリア撮影スタジオと社内外の関係スタッフが使用可能なコワーキングスペースから構成され、自社展示会や各種イベントなどの開催もしていた。同スタジオ開設の目的は、ウェブサイトやSNSに使用する写真や動画などのデジタルコンテンツを充実させるためだった。

 新型コロナウイルス感染拡大が続く中、リモートワークが定着しつつあり、オフィスの家賃をはじめとする固定費用の削減は多くの企業の課題となってくるだろう。

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フランフランがリモートワークの継続に伴い8月に本社を移転

 フランフラン(FRANCFRANC)は8月3日、東京・渋谷区神宮前の本社を北青山のスタジオを併設する「フランフラン フォレスト(FRANCFRANC FOREST)」に移転する。新型コロナウイルスの影響で働き方を見直し、リモートワークの継続に伴って本社機能を移し、現本社の契約は8月末で終了する。

 同社は2018年に「フランフラン フォレスト」を開設。総面積は1200平方メートルで、専用のインテリア撮影スタジオと社内外の関係スタッフが使用可能なコワーキングスペースから構成され、自社展示会や各種イベントなどの開催もしていた。同スタジオ開設の目的は、ウェブサイトやSNSに使用する写真や動画などのデジタルコンテンツを充実させるためだった。

 新型コロナウイルス感染拡大が続く中、リモートワークが定着しつつあり、オフィスの家賃をはじめとする固定費用の削減は多くの企業の課題となってくるだろう。

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「ボッテガ・ヴェネタ」ダニエル・リーが写真家のタイロン・ルボンとの短編映画を無料配信

 「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は、ダニエル・リー(Daniel Lee)=クリエイティブ・ディレクターとフォトグラファー兼フィルムメーカーのタイロン・ルボン(Tyrone Lebon)による短編映画「Bottega Veneta: Men」の配信を開始した。同映画はアイデンティティーや男性らしさ、服との関わりについて探るというコンセプトのもと、俳優やダンサー、アーティストなどさまざまな分野で活躍する10人を起用し、彼らの服を着るという行動に焦点を当てた。日常の何気ない行動でも、彼らにとってはパフォーマンスとして表現されるファッションについてインタビューしている。

 登場するのは、アイルランド出身の俳優、バリー・コーガン(Barry Keoghan)と写真家で映画監督のディック・ジュエル(Dick Jewell)、イギリス人画家のジョージ・ルイ(George Rouy)、スウェーデンの歌手、ネナ・チェリー(Neneh Cherry)、イギリス系フランス人ラッパーのオクタヴィアン(Octavian)、ダンサーのマイケル・クラーク(Michael Clark)、ネイジェリア出身の歌手のオボンジェイヤー(Obongjayar)、イタリア人バレエダンサーのロベルト・ボッレ(Roberto Bolle)、ミュージシャンのトリッキー(Tricky)、ローマン(Roman)。

 ルボンは、リーが「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、ブランドのキャンペーンビジュアルを手掛けてきた。2人でのブランドの映像制作は初めてだ。映画は8月6日まで、ストリーミング共有サービス「ムビ(MUBI)」と「ボッテガ・ヴェネタ」公式サイトで無料ストリーミング配信している。

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【動画】さよなら「ブルックス ブラザーズ」青山店 紺ブレをオーダーして表参道店オープンをお祝いしよう!

 米ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)が7月8日に、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用をデラウェア州の破産裁判所に申請したことで、一躍“時のブランド”となった「ブルックス ブラザーズ」だが、今回の「出張インタビュー」の収録はその直前の7月2日に行った。目的は、8月30日で41年の歴史に“一時的”に幕を閉じる青山店で「ブルックス ブラザーズ」の、そしてアメリカントラッドの象徴である紺ブレをオーダーして、9月4日に予定される表参道店のオープンを迎えよう!というものだ。案内をお願いしたのは、日本で唯一のブランドアンバサダーである大平洋一さん。

 ブルックス ブラザーズ ジャパンの株式の60%は破たんした米本社が保有するが、同社広報は「当社はダイドーリミテッドとの合弁会社であり、財務的にも独立している。米本社から融資などの支援を受けていないし、未回収の債権もない。つまり重大な影響を受けることはない」と話す。事実、日本でのビジネスは継続するし、青山店の閉店を“一時的”と書いたのは、本計画が青山エリアの再開発に伴うものであり、小布施森一ブルックス ブラザーズ ジャパン社長が、「建て直されるビル内に、あらためて“新・青山店”を開店する予定だ」と話すからだ。

 個人的に、アメトラにはメンズ服の(ほぼ)全てが詰まっていると思う。つまりそれは服装の基本であり、基本が分かった上でのハズシなのか否かは、着こなしに大きく影響する。とはいえ表参道を歩く人が皆、紺ブレになるとは思えず、ファンとして“200年ブランド”の火を消さないために、今回はオーダーという方法で少しだけ協力した。米本社の整理の一環として米国内の3工場が8月15日で閉鎖され、“MADE IN USA”が失われてしまうのでは?という一抹の寂しさはあるものの、「挑戦の場」(小布施社長)と位置付ける表参道店のオープンは楽しみでならない。

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「アシックス」がランナー向けマスク発売 飛沫の拡散を抑えながら快適な呼吸を

 「アシックス(ASICS)」は、飛沫の拡散を抑えながら快適な呼吸ができるランナー向けマスク“アシックスランナーズフェイスカバー”を9月中旬から「アシックス」直営店と公式ECサイトなどで発売する。価格は3800円。

 同アイテムは、呼吸がしやすいようにマスク本体と口との間に適度な空間を持たせた立体設計。本体部分は2層構造で、リサイクルポリエステルを31%配合した外層はマスク内にこもった熱気を吸収し乾燥させることで不快な蒸れを軽減する。内側は下部にメッシュ素材を用いることで呼気を下方に排出し、飛沫の拡散を抑制しながらマスク内の通気性を確保する仕組みになっている。素材は抗菌加工を施した速乾性に優れたもので、繰り返し使用することが可能。マスクの両サイドのゴムひもを後頭部で留め、ドローコードで調整することでフィット感も保つことができる。

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資生堂が副作用に悩む男性ガン患者に向けて、メイク・スキンケアのハウツー動画を配信

 資生堂は7月28日、資生堂ライフクオリティーメイクアップサイトで男性がん患者に向けてスキンケアやメイクアップのテクニックを紹介する動画を公開した。ガン治療の副作用による外見の変化や肌の悩みに対して、スキンケアやメイクアップで補正するハウツー動画で、視聴のほかダウンロードも可能だ。

 ガン治療などの副作用で肌や頭皮の乾燥、 眉の脱毛などで外見の変化が現れる。動画は肌が荒れやすくなったり、脱毛で眉がまばらになったりとさまざまな副作用に対して、男性のためのビューティの知識と、簡単に補正できるテクニックを紹介。 指で眉を描く方法や、 指1本でできる顔色の補正、乾燥が激しい肌への化粧水や乳液のつけ方など具体的なスキンケア・メイクアップ方法を知ることができる。

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コロネット新社長 「インポーターでなく“ナビゲーター”」と語るビジネスの展望

 伊藤忠商事子会社で海外ブランド輸入卸大手のコロネットの新社長に、七宮信幸氏(51)が7月1日付で就任した。同社は1947年創業の老舗インポーターで、2003年から伊藤忠商事傘下に入っている。七宮新社長も同社で長年ブランド畑を歩んできた商社マンだ。新型コロナウイルス感染症という未曾有の事態でトップについた七宮社長は、この時代をどう切り抜けるのか。またインポートビジネスをどう展望し、社員を導くのか。それらについて話を聞いた。

WWD:新社長としての抱負は?

七宮信幸社長(以下、七宮):コロネットという伝統ある会社の企業価値を継承し、かつ進化させながら基盤を作っていく。創業者の桃田(有造)さんの言葉にある「最高級の商品と最新のブランドを消費者に届けていく」という姿勢は貫きつつ、ブランドのナビゲーターとしてキラりとひかる会社にしたい。そのためには社員一人一人に輝いてもらわないといけない。私を含む経営陣は、その土台をつくることが最大のミッションだ。

WWD:ブランドの“ナビゲーター”とは?

七宮:われわれはインポーターと呼ばれているが、本質としてはナビゲーターという表現の方が適切だと思っている。最高級のブランドをただ引っ張ってくるだけじゃなく、新たなエリアでどんなビジネスを行うかーーその指南役として、ブランド成長の一翼を担っているからだ。これまではビジネスエリアが日本市場だけだったが、これからはアジアを中心とした海外市場にも裾野を広げていきたい。会社を成長させるためだけでなく、日本のデザイナーズの海外での継続的なビジネス展開という積年の課題のソリューションとしても提案できるだろう。そのカギとなるのは、伊藤忠商事が業務提携を結んだ「ジョア(JOOR)」だ。世界最大規模のBtoBマーケットプレイスである「ジョア」を用いて、われわれがショールーム機能をもちつつ、海外で売ることもできる。

WWD:いわゆるインポーターの役割も変化している。

七宮:その通り。そもそもインポーターが成長してきた理由は、洋服に知りたい情報がたくさん詰まっていたからだ。ネットがない時代は、雑誌を読んだりテレビを見たりすることに加え、洋服が新しい情報の発信源だった。ところが、今は状況が大きく変わってきている。SNSによって洋服の情報は瞬時に伝わってしまうし、だれでも理解できる。そして、情報自体がお金になる。その一方、手軽に情報が享受できる分、本当に面白いものが少なくなったのも事実だ。ではそんな時、どんな情報を伝えていくのか。服だけじゃなく、美と健康の商材が大きな価値を持つようになっている。この新たな分野を積極的に開拓したい。もちろんそれらの商材の伝え方も、オンラインとオフラインを超えたやり方になる。

WWD:つまり、ビューティの扱いを増やしてECも強化する?

七宮:そうだ。ビューティはこれまでも「フィンギー(THE FINGGY)」というブランドを扱っていたが、もっと拡大したい。もちろん何でもいいわけではなく、最高級の品質を保つブランドに限定していく。ECについても、まだ発表はできないがいろいろと考えていることがある。その他、洋服のインポートも人気のテイストは強化していく。メンズは「ヤコブ コーエン」「ムーレー(MOORER)」など強い特徴を持つ上品なブランドが人気だ。このカテゴリーでいくつか交渉しているブランドがある。ウィメンズは本来コロネットが得意とするゾーン。ラグジュアリーなデザイナーズという会社の新たな顔となるブランドと、サステナビリティという新たな価値観を持つブランドの話を進めている。

WWD:この状況でも、かなりの攻めの姿勢だ。

七宮:これらはあくまでセカンドステップだ。この危機を乗り越えるために、まずは“削る”“防ぐ”をとにかく進める。秋は新商品の仕入れを若干抑制し、身軽にする。減らすという意識ではなく、過剰な供給はすべきでないという判断だ。そして、厳選したものを着実に売っていく。6月は、セールを前倒したから悪くなかった。次の焦点は秋の売り場の鮮度をいかに保つかにある。

WWD:コロナを機にビジネスの考え方は変わったか?

七宮:一時は海外ブランドがジャパン社を作り、自分たちで運営する流れがあった。しかし、ローカルのパートナーやリスク分散のためのラインが必要だという考えが再浮上し、インポートビジネスのチャンスが拡大しているように感じる。そのほか、卸が主軸のビジネス構造が、われわれにとっては適当なのではと考えるようになった。これまで、ブランドのアライアンスを高めるためのフィジカルストアをどんどんつくる時代が続いていた。しかし、コロナによってそれが一気にリスクとして表面化した。リテールの比率を高めれば高めるほどリスクが高まり、アメリカではこのブランディングがすでに崩壊している。われわれの現在の売上比率は卸が60%、直営で40%。アフターコロナでもこれをキープしていきたい。

WWD:とはいえ、卸もなかなか厳しいご時世だ。

七宮:もちろん商売自体は厳しい。しかし、特に地方の専門店には、コンセプトや志を貫き、「ウチはこうだから、これを扱うんだ」という熱量があるお客さまも多い。そんなお店と一緒に新たなブランドを育て、ホールセールを盛り上げていくことは可能だと思っている。

WWD:ところで、ご自身がファッションに目覚めたきっかけは?

七宮:子どものころからずっと洋服が好きだった。小学6年〜中学1年のころは、原宿の「ラフォーレ(LAFORET)」の裏に復活した「ヴァン(VAN)」という店に電車で通い、ボタンダウンやチノパンといったアイビースタイルに触れた。中学から高校まではDCブーム全盛期。「メンズビギ(MEN’S BIGI)」のスタジャンを目指してマルイに並んだし、渋谷の「バックドロップ(BACK DROP)」でアメカジやメジャーリーグ、NBA関連のウエアに親しんだ。大学では「バナナ リパブリック(BANANA REPUBLIC)」や「リーバイス(LEVI'S)」「ハンティングワールド(HUNTING WORLD)」などが支持され、インポートブランドへの熱がどんどん高くなった。特に好きだったのは「アルマーニ(ARMANI)」。「このブランドってどんな会社がやっているんだろう」と興味を持ったのが、伊藤忠商事入社のきっかけだった。

WWD:改めてファッションビジネスの面白さは?

七宮:ミーハーであることが仕事につながることだ。ミーハーということは、世の中の流れに敏感であること。服もコスメも音楽もカルチャーも、最先端のものを知っていたいという気持ちがある。全社員総会でも「究極のミーハーになり、半歩先を見て欲しい」と伝えた。「こんな面白いブランドがあるんだ」「こんなアイテムがあるんだ」という発見が、ファッションビジネスの第一歩となる。そのミーハー心を忘れず、会社一丸となって成長させていきたい。

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「エバーレーン」に学ぶ“徹底した透明性”とは 「時代遅れのビジネスに変革を」

 2011年に誕生したサンフランシスコ発のオンラインSPAブランド「エバーレーン(EVERLANE)」は、“徹底した透明性(Radical Transparency)”を理念に掲げ、倫理的なサプライチェーンの構築を目指す。公式ホームページでは、それぞれの製造工場との出合いに関する背景ストーリーが紹介されているほか、各商品の材料費から人件費、出荷コストに至るまでの製造原価も分かりやすく開示されている。

 今、人種問題や一時解雇などで批判されている同ブランドだが、モノ作りのコンセプトとしては新しく受け入れられ、現在は日本を含む世界38カ国で展開するまでに成長。共同創業者のマイケル・プレイズマン(Michael Preysman)最高経営責任者(CEO)に透明性にこだわる理由をメールで聞いた。

WWD:なぜ透明性にこだわるのか?

マイケル・プレイズマン(Michael Preysman)最高経営責任者(CEO)(以下、プレイズマン):透明性を追求することは信頼を築くことにつながるからだ。私たちは商品の質やモノの真価を伝えるための情報を開示することで、消費者が賢い選択をするための力を与えたいと思っている。製造原価の開示に加え、各工場では、適正な賃金、妥当な労働時間、労働環境などの要素を評価するためのコンプライアンス監査を行なっている。さらに、主要な製品ラインで新たにライフサイクルアセスメント(LCA:製品の“一生”、またはその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法)を実施して、製造工程における環境への影響も把握しようと努めている。これらの全ての情報によって、私たちは説明責任を果たすことができ、周りの人々と地球を守ることにもつながっていると考えている。

WWD:全ての商品において完全な透明性を実現しているのか?

プレイズマン:パーフェクトではないが、常に倫理的な素材の調達のために何ができるかを考えている。何年もかけて現在の最高の工場とパートナーを見つけたが、毎年、第2次サプライヤーおよび第3次サプライヤーにも追加の監査を行うなどして、原材料から完成品までのサプライチェーンを完全に透明化するための改善を日々行なっている。

WWD:あなたは「エバーレーン」を始めるまでファイナンスの世界に身を置いてきた。異業種でのバックグラウンドによるメリットはあったか?

プレイズマン:ファイナンスの分野に身を置いたのはごくわずかな期間だったが、そこでの経験は今の仕事のための基盤となった。日々店を訪れ、買い物をするなかで、小売業界の時代遅れのビジネスモデルを変革し、何か新しいことを始めるチャンスがあるのではないかと思った。そして私は幸運なことに、「エバーレーン」を成長させるための素晴らしいチームをつくることができた。

WWD:創業以来顧客層に変化はあったか?

プレイズマン:最初の顧客層はニューヨークやサンフランシスコのような米国の主要都市が中心だったが、ここ数年でビジネスがグローバルに拡大し、私たちの商品は多くの人から共感を得られることがわかった。今は1000万人以上のグローバルコミュニティーを持っている。

WWD:今年4月に約290人の従業員を一時解雇したことが報道されたが、それについてのコメントはあるか?

プレイズマン:新型コロナウイルスは世界的に大きな影響を及ぼしていて、「エバーレーン」も例外ではない。3月に店舗を無期限に閉鎖したとき、運営コストを削減するために難しい決断を迫られた。あらゆる面から検討した結果、才能のあるチームメンバーの多くを手放さなければならなかった。私はこんなことが「エバーレーン」で起こるとは想像してもいなかった。二度とこのような措置をとる必要が生まれないことを望む。私たちのビジネスが正常化するにつれ、元チームメンバーを再度迎え入れることを待ち望んでいる。

WWD:今後挑戦したいことは?

プレイズマン:私たちは真に倫理的なサプライチェーンを構築する必要があり、環境を考慮することなくして真に透明であることができないことに気付いた。今、地球が危機に瀕している事実は否定できず、私たち全員に気候変動を止める義務がある。そこで私たちは2021年までにサプライチェーンから全てのバージンプラスチックを取り除くことで、バージンプラスチックへの依存度を減らすことに取り組む。再生ペットボトルから作られたアパレルとアクセサリーのコレクションである“リニュー(RENEW)”を通じて、これまでに650万本のプラスチックボトルをリサイクルした。今年からは、従来使用していたコットンを23年までに全て認定オーガニックコットンに替えることに取り組んでいる。今後も「エバーレーン」は、業界に永続的な影響を及ぼす必要な変化を生み出していきたい。

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「セリーヌ」2021年春夏メンズ・コレクション

 「セリーヌ(CELINE)」が2021年春夏メンズ・コレクションを発表した。

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そごう・西武がアーティストに学ぶ“リモート映えメイク”をライブ配信

 そごう・西武は7月31日、特設サイト上でアーティストが教える“リモート映えメイク”のハウツーをライブ配信する。動画で紹介するアイテムは、西武・そごうのECサイト「e.デパート」で購入できる。

 同イベントでは、新型コロナウイルスの感染拡大によりマスク着用が常態化したことや、リモートワークが普及したことで増えたメイクの悩みにアプローチするために企画した。「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のナショナル・メイクアップアーティストJO TAKAHASHIをゲストに迎えて、24日に発売したメイクアイテムを中心に、マスク着用中や、外した時、リモートワーク中などのシーンでも手直し一つで雰囲気を変えられるメイクのハウツーをライブ配信する。

 「イヴ・サンローラン」の製品を「e.デパート」で1万1000円以上購入した人から先着でオリジナルポーチを配布する。

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手書き注文、キリ価格。サイゼリヤが次々打つ”珍手”の真意はどこに?

 サイゼリヤが、「不可思議」なオペレーションを次々に実行している。メニュー価格を50円、100円のキリの良い数字に改訂したり、注文の方法を紙での手書きにしたりといったところだ。「我が道を行く」のサイゼリヤだけに違和感は少ないが、その真意はどこにあるのか?
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「ルイ・ヴィトン」20-21年秋冬キャンペーンはニコラ・ジェスキエールが撮影 デザイナー自らカメラを持つ

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)=ウィメンズ・アーティスティック・ディレクターが、2020-21年秋冬コレクションのキャンペーンビジュアルの撮影を手掛けた。

 ジェスキエールは今回自らカメラを持つことについて、「及ばずながら以前から挑戦してみたいことだった」と述べ、「ブランドに新しい視点を加えられたら面白いと考えた。そしてブランドは、私という若手フォトグラファーに任せるというリスクを負ってくれた」と語った。

 カテゴリーを超えたコミュニケーションによる一貫したキャンペーンにするべく、マイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトン会長兼最高経営責任者とデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=ルイ・ヴィトン エグゼクティブ・バイス・プレジデントに今回の提案を自ら持ちかけたという。「私は彼らに『きっとやれると思う』と伝えた」と明かした。

 駆け出しの頃には自身の作品を撮影したり、古い「ライカ(LEICA)」で個人的な写真を撮ってきたという。「成熟と経験を経て、自信を持って新しいポジションを担うことができるようになったのだと思う」と語った。

 また同キャンペーンは多彩なモデルを起用している。キャスティングされたのは、年内公開予定の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(No Time to Die)」に出演するフランス出身の俳優、レア・セドゥ(Lea Seydoux)やイギリス出身の短距離選手のディナ・アッシャー・スミス(Dina Asher-Smith)、トランスジェンダーモデルとして活躍するクロー・キアン(Krow Kian)、俳優のステイシー・マーティン(Stacy Martin)、ベルギーを拠点にする歌手のルース・アンド・ザ・ヤクザ(Lous and the Yakuza)、モデルのマリアム・ド・ヴァンゼル(Mariam de Vinzelle)といった面々だ。

 撮影中も、キャストの性格や表現方法を探るためにジェスキエールはたびたびメイク室に入り込んで会話をしていたという。また撮影を終え、「『ルイ・ヴィトン』にとってハンドバッグがどれほど重要で大好きだと思っていても、それをビジュアルで表現するのは難しい」と感想を述べた。レア・セドゥを写したビジュアルでは手を頭の後ろに組むことで笑顔とポーズで楽しさを表現しながら、モノグラムの“ドーフィーヌ”バッグを肘にかけて見せる手法を発見したという。

 ほかにも、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエィティブ・ディレクターも21年プレ・スプリング(リゾート)コレクションのキャンペーンビジュアルの撮影を自ら手掛けている。

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『ゼットンのビアガーデン、今年は手抜き?』に、鈴木社長が「ちょっと待った」。ゼットンが創造するアウトドア事業の可能性とは?

 先日、フードリンクニュースで『ゼットンのビアガーデン続々オープン。しかし、今年は何かが違う。控えめ?手抜き?』とのタイトルで記事を掲載。その記事にゼットン、鈴木伸典社長から「ちょっと待った!」の声が上がった。そこで今回、ゼットンが創造するビアガーデン、アウトドア事業の想いを鈴木社長が語ってくれた。そこには、一歩先行く戦略的なシステムが構築されていた。
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アークランド「東京たらこスパゲティ」が2号店。「五右衛門」が独占する和風スパゲティ市場に挑戦。

「かつや」等を展開するアークランドサービスホールディングス株式会社(本社:東京都 千代田区、代表取締役 社長:臼井 健一郎)の子会社、株式会社バックパッカーズ(本社:東京都千代田区、代表:佐藤 卓)が、たらこスパゲティ専門店「東京たらこスパゲティ」2号店を東京・原宿に7月31日(金)、オープンさせる。
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小島健輔リポート 「セシルマクビー」が超えられなかったアパレル専門店の壁

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。かつて一斉を風靡した「セシルマクビー」が事実上の事業撤退を発表した。アパレルビジネスの視点から挫折の背景を読み解く。

 「セシルマクビー(CECIL MCBEE)」で知られるジャパンイマジネーションが展開する105店中、「セシルマクビー」の全43店舗を含む92店舗を閉店するというニュースは業界のみならず青春期に顧客だった多くの女性たちの関心を呼んだが、長年の変化を乗り越えてきた「アパレル専門店」の終焉を象徴する“事件”でもあった。

 破綻して従業員や取引先に迷惑をかける前に自ら事業を整理するという木村達央オーナー会長兼社長の決断の過程と心情は松下久美氏※1、 “白ギャル”モテ服でブレイクしたが若者のファッション離れと同質化に呑み込まれたという若者ファッションカルチャーからの解説は増田海治郎氏の記事※2が秀逸だから、私は「アパレル専門店が時代の波をどう乗り越え、どんな変化に行き詰まったのか」というビジネス視点から同社の軌跡と挫折を語ってみたい。

※1:Yahoo!ニュース個人「セシルマクビーが店舗・ECともに事業終了、マルキューで14年間トップを独走、決断した木村社長を直撃」(7月20日)
※2:東洋経済オンライン「セシルマクビー撤退示す『今後危ないブランド』」(7月24日)

ギャルブランドの人気沸騰と凋落

 渋谷にギャル文化が芽生えたのは渋カジと同じく、バブルがはじけた1992年ごろからといわれるが、渋谷109にギャルブランドがそろって爆発的に売れ出し“ギャルの聖地”となったのは、「エッグ(EGG)」(当時ミリオン出版)が創刊されて安室奈美恵がデビューした95年から96年にかけてと記憶している。

 当時のギャルファッションは「アルバローザ(ALBA ROSA)」や「ミジェーン(ME JANE)」に代表されるガングロ系の“黒ギャル”と、「バーバリー・ブルーレーベル(BURBERRY BLUE LABEL)」や「ラブボート(LOVE BOAT)」に代表されるアムラー系の“白ギャル”が対照的だった。「セシルマクビー」は前身の「新宿デリカ」のOL感覚をどこかに残してか、渋谷109の中ではおとなしめの白ギャル派で、とんがり過ぎない安心感とファストな新規商品投入が高校生中心にボリューム客を捉えていた。

 ギャルファッションが全国的なブームとなったのは規制緩和で経済が活気づいた00年以降で、黒ギャルが衰退する一方、白ギャルが“モテ系”“愛され系”に変貌してギャルからOLへ広がり、04年から08年にかけて渋谷109の屋号は金沢や福岡、町田や静岡に広がっていった。総本山の渋谷109の売り上げも年々伸びてピークの09年3月期には286億5000万円に達したが、08年9月の「H&M」、09年4月の「フォーエバー21(FOREVER21)」の上陸以降はファッストファッションに押されて年々売り上げを落とし、19年3月期は138億6000万円まで落ち込んだ。20年3月期は改装効果とインバウンドで11年ぶりに回復し146億円に迫ったが、コロナ禍で振り出しに戻ってしまった。

 ギャルファッションの衰退要因は、(1)支持世代が卒業して駅ビルのOLや郊外SCのギャルママとなり、(2)後継世代の人口が減少して“通過市場”(中学・高校の数年間で卒業してしまう)と化し、(3)ブランドが乱立して価格競争に陥りODM依存に流れ、(4)同質化してバラエティーも魅力も失ったことだった。そこに(5)ファストファッションが上陸して急速に多店化し、OLやギャルママ層が駅ビルや郊外SCに流れたと総括されるが、何よりギャルブランドが開発力と独自性を失ったことが大きいと思う。

ジャパンイマジネーションの成長と挫折

 06年にデリカから社名を変更したジャパンイマジネーションの売り上げも00年代に伸びてピークの07年1月期には242億2400万円、「セシルマクビー」も160億円に達したが、地方のファッションビルなどにも店を広げて販売効率も在庫回転も陰り出し、経常利益率は05年1月期の18.4%をピークに、売り上げピークの07年1月期には13.7%まで落ちていた。

 「セシルマクビー」は幾度リコンセプトしても勢いを回復せず、ギャルを卒業したOL層を追って開発した「ビーラディエンス(BE RADIANCE)」などお姉さんブランドも伸び悩む中、「スタニングルアー(STUNNING LURE)」(17年、瀧定大阪から買収)や「デイシー(DEICY)」「ナイン(NINE)」(16年、破綻したディータイムスシーから事業譲受)、キャラクター性の強い「アンクルージュ(ANK ROUGE)」(10年スタート)や「ジェイミー・エーエヌケー(JAMIE ANK)」(18年スタート)などは小粒でも固定客がついて収益性が高く、今回の事業整理でも「ナイン」を除き事業を継続する。

 09年以降の売り上げの暗転でギャルファッションのアパレルも次々と業績が悪化。09年2月期には売り上げ125億4000万円まで伸ばしたララ・プランも、わずか2年後の11年2月期には79億円まで落ち込んで23億円の赤字を計上し、11年8月末に民事再生法を申請して破綻した。その後もギャルアパレルの身売りや事業再編が続き、14年8月には「リップ・サービス」などを展開していたオルケスが破綻している。

 ジャパンイマジネーションの売り上げも落ち込みに歯止めがかからず、15年1月期(4億2500万円の純損失)以降は赤字経営が続き、19年2月期(16年から決算期変更)では売り上げが131億5000万円まで落ち込んで損失が15億円にも達し、直近の20年2月期も121億1000万円まで落ちてかなりの損失を出していた。過去の蓄積があって無借金とはいえ、根本的な事業整理が急務となっていた。そこにコロナ危機がのしかかったのだから、もはや一刻の猶予も許されなかったのだろう。

事業整理で破綻を回避

 今回の事業整理では、リコンセプトしても浮上しない基幹事業の「セシルマクビー」など凡庸な5ブランドの店舗とECを撤退し(「セシルマクビー」はライセンス事業に絞る)、小粒でも独自性があってECやD2Cに適し、今後も高い収益性が望める4ブランドに絞った。実際、「ジャパンイマジネーション全社ではEC化率が2割に満たないが、『アンクルージュ』は25~30%で、コロナ禍ではもっと高まっていた」と木村会長兼社長は松下氏のインタビューに答えている。

 整理後の事業規模は4ブランドの26店舗とECで、年商40億〜50億円まで縮小するから、全従業員570人のうち70人ほどしか残せないが、退職金は規定通り支給し、人材紹介会社と契約して再就職も支援する。仕入先への支払いも遅滞なく行うと答えているから、大蔵省出身の父親が創業したデリカを引き継いだ学習院大卒の紳士にふさわしいきれいな引き方だ。土壇場まで引っ張って破綻し、従業員を路頭に迷わせ取引先に多大な損失を負わせる例が多い中、無借金のまま事業を整理するという木村氏の決断は称賛に値する。

 同社の財務状況を知っているわけでなく近年の決算推移からの推察になるが、営業損失の出血を根本的に止めるには、財務が耐えられるうちに不採算店舗と不採算事業を整理撤収し、退職金が払えるうちに従業員を解雇して再就職も支援するという決断になったと思われる。

生業型品ぞろえ店からバイイングSPAへ

 アパレル業界は需要に倍する供給が常態化して値引き販売が繰り返され、店舗も増えすぎて人口当たりのアパレル店舗数が米国の2.52倍、英国の1.82倍に達する状況では、コロナ危機がなくてもいずれブランドも店舗も半減せざるを得なかったはずだ。

 アパレル専門店を取り巻く環境は調達面と販売面の両方から幾度も変化に直面し、そのたびに流通コストが上がり、調達原価率が切り下げられ、プレーヤーが世代交代してきた。

 80年代前半まではアパレル専門店の大半が商店街の自前店舗であったため家賃負担が軽く、ブランド商品を65%前後で買い取り仕入れしても、正価販売率が高く期末セールでほとんど売り切れるため、家業経営なら十分に成り立っていた。ブランドメーカーの生産原価も小売正価の40〜45%と高く、今日より格段にお値打ち感があった。

 その後、百貨店が消化仕入れになり、アパレル専門店も企業化して多数の従業員を雇用し、駅ビルやSCへのテナント出店が大半になって出店投資や家賃の負担がかさんだため、利幅の薄いブランド商品からオリジナル商品に変わり、調達原価率も切り下げられていった。

 とはいえ、アパレルチェーンが商品開発チームを抱えるのは例外的で、メーカーやODM業者が次々に持ち込む企画を短サイクルに仕入れて自店ブランドで売るという日本型ファストファッションが生まれた。「セシルマクビー」の黄金期はこの「バイイングSPA」の典型的な成功例で、毎週のように新商品が入り、国内縫製に徹して原価率が45〜48%と高くお値打ち感があって、年間に20回近く高速回転していた。H&Mの商品回転が2.92回、「ザラ(ZARA)」のインディテックス(INDITEX)でも5.01回だから(いずれも前期本決算)、格段にファストな生鮮商売だった。今日でも「スプレイ」や「リビー&ローズ」(どちらも同じ会社)は似たような仕組みで高速回転しているから(海外縫製だが)、年商100億円規模までなら効率的な商売なのではないか。

バイイングSPAから自社企画型一括調達SPAへ

 90年代には多くのバイイングSPAが駅ビルやSCに全国展開してナショナルチェーン時代を築いたが、2000年の定期借家契約導入を契機に没落し、多少なりとも社内に商品企画機能を持って、より低コストに商品調達する「自社企画型SPA」に世代交代していった。

 90年代までの普通借家契約では出店時に基本家賃の50カ月分以上もの差し入れ保証金を要し、運転資金が圧迫されて短サイクル仕入れのバイイングSPAにとどまり、価格の切り下げに限界があった。それに対して、00年以降の定期借家契約で多店化した新手のアパレルチェーンは出店時の負担が10カ月分程度の敷金に収まり、運転資金が豊富で自社企画商品の一括大量買い取りが可能になり、売価も原価率もナショナルチェーンより切り下げて世代交代が進んだ。

 今日の上位を占めるアパレルチェーンの多くは、そんな「一括調達SPA」だが、低コストで調達するためにロットがケタ違いに大きくなり、店舗を増やしても正価では売り切れず値引き販売が常態化するようになった。原価率は高くても正価の36.5%(ユニクロ)から44.3%(ワークマン)で、多くのアパレルチェーンは31〜33%、タイムセールなど値引き販売を乱発するチェーンでは20%を切る。大ロット一括調達で調達コストは下がっても値引きや売れ残りが増え、ユニクロやワークマンを除けば、お値打ち感は80年代の半分ほどに落ちたように感じられる。

時代の変化を乗り越えたアパレル専門店の終焉

 70年代の駅ビルに発して90年代にバイイングSPAの仕組みを確立したデリカは高回転・高収益で、巨額の保証金を差し入れても資金力に余裕があり、普通借家から定期借家への世代交代も乗り越え、00年代中葉の爆発的成長期を迎えてジャパンイマジネーションに社名を変更した。
08年以降はマーケットに逆風が吹く中、突出した商品開発力と巨大ロット調達でコストを切り下げてシェアを伸ばす巨人ブランドと、ファンを捉えて少数の店舗とECで直販する魅力的なミニブランドに挟撃され、短サイクルODM調達のバイイングSPAゆえ同質化してお値打ち感もアピールできず、業績が悪化していった。

 そんな経緯を振り返っても、凡庸なバイイングSPAの基幹ブランドを廃止して、小粒でも独自性がある自社開発型のブランドを残す、という同社の事業整理の判断は極めて的確だ。

 私が学生アルバイトとして人生で初めて売り場に立った「セシルマクビー」(当時は「デリカ」)がなくなるのも、多くの人々が同社を離れるのも寂しいが、整理再編されたジャパンイマジネーションが新たなサクセスストーリーを歩むことを祈りたい。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。近著は店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)

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ラッパーkZmがバーチャルライブ開催 「ナイキ」がスポンサーでVERDYとのコラボも

 ヒップホップ集団YENTOWNに所属するラッパーのkZmは7月31日〜8月2日に、クリエイティブ集団PARTYとコラボしたバーチャルライブイベント「ヴァーチャル ディストーション(VIRTUAL DISTORTION)」を開催する。バーチャルスポンサーは「ナイキ(NIKE)」が務める。

 同イベントは、無料の専用アプリ「kZm LIVE VARP」を介して参加が可能。バーチャル空間上では、kZmが4月に発売してアップルミュージックのアルバム総合ランキングで1位を獲得したセカンドアルバム「DISTORTION」の世界観を、CG映像と組み合わせて再現する。会場ではkZmが3Dスキャニングされた「ナイキ」の“エアフォースワン”を着用してライブパフォーマンスを行うほか、「DISTORTION」で共演するRADWIMPSの野田洋次郎やBIM・LEXなどのアーティストも出演する予定だ。さらに、アーティストのVERDYやクリエイティブ集団YouthQuakeとの限定コラボアイテムも同イベント内で販売する。

 kZmは「表現者としては当たり前だが、やはり誰もやっていないことがしたい。コロナの影響でライブができなくなり、何か普通の配信以外の形がないかと考えていたところ、縁あってPARTYのみなさんとつながり、今回のイベントに至った。リアルのライブとは違った表現なので、みんなに思いっ切り楽しんでもらえたらうれしい」とコメントした。

 kZmは1994年生まれ。幼少時からブラック・ミュージックやバスケットボールに親しみ、2015年からYENTOWN所属。「ナイキ」の“エアフォースワン”アンバサダーを務めるなどファッションアイコンとしても注目を集める。

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「サステナブル・ファッション・サークル」がポップアップ開催 kurkku主導で「アンリアレイジ」、コムアイなどが参加

 レストランやフードストア、商業施設などを手掛けるkurkku(クルック)はこのほど伊藤忠商事と協業して、ファッションデザイナーやクリエイター、小売店が一丸となってサステナブルな価値観を広めるためのプロジェクト「サステナブル・ファッション・サークル」を発足させた。第1弾として、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「ミナ ペルホネン(MINA PERHONEN)」、イラストレーターのWALNUT、水曜日のカンパネラのコムアイ、森本千絵が率いるクリエイティブ集団goenらによるサステナブルな素材を用いたTシャツを、協力小売店の新宿伊勢丹本店、渋谷パルコ、ナノ・ユニバース(NANO・UNIVERSE)で発売する。

 Tシャツには、kurkkuのオーガニックコットン農法への移行サポートプロジェクト「プレオーガニックコットン」のもと、オーガニックコットンに認定される前に収穫された無農薬で育てられたコットンを使用した。Tシャツは各7920円(税込)。売り上げの5%をコロナ禍で経済的に苦しむひとり親家庭を支援する活動に寄付する。具体的な寄付先は後日ホームページで発表する。

 7月29日から三越伊勢丹と渋谷パルコのECサイトで先行予約の受け付けを開始した。8月5〜11日には伊勢丹新宿本店2階と渋谷パルコでポップアップストアを開き、8月14日からナノ・ユニバースの公式ECサイトで先行予約を受け付けて28日から店頭で販売する。

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12時間にわたる「グッチ」のオンラインショー、1週間で3520万回再生 ブランド史上最多数に

 ミラノメンズのデジタル・ファッション・ウイーク最終日の7月17日、「グッチ(GUCCI)」が12時間にわたるストリーミング配信で披露した“エピローグ・コレクション”が、1週間のうちに全世界で3520万回以上再生され、ブランド史上最も再生回数の多いオンラインイベントとなった。

 今回のショーは、“エピローグ・コレクション”の広告キャンペーンの撮影の様子を映し出したものだが、内容の予告なしの12時間におよぶ配信は「グッチ」公式サイトとユーチューブ、ツイッター、インスタグラム、ウェイボーを通して、世界中から注目を集めた。5年前に現職に就いたアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)はこれまでに、2018-19年秋冬コレクションのステージとして手術室をほうふつとさせるグリーンのセットを取り入れるなどさまざまな試みを行ってきた。今回のコレクションでは、ミケーレ率いるデザインチームのスタッフをモデルに起用するという新たなスタイルを披露した。

 マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼最高経営責任者(CEO)は、「私たちは新型コロナウイルスの感染拡大以前から、ブランドのコミュニティー活性化のためにはデジタルテクノロジーと人間同士の直接的な関わり合いの両方が大切だということを確信していた。テクノロジーやSNSはただのツールではない。表現に意味を持たせ、ミケーレが持つ想像力を世界のオーディエンスに向けて発信することができる。ミケーレは“エピローグ・コレクション”を通じて、限定的なショーの空間で本来はステージ裏にいるスタッフを映し出し、コレクションを発信するまでのプロセスをオープンに見せることで、コレクションの全貌とわれわれ『グッチ』の真の姿を世界にシンプルに披露した。ポストコロナの世界では、今まで以上にこのアプローチ法を強めていきたい」と語った。

 また、「グッチ」は温室効果ガスの排出量削減にも取り組んでおり、全てのデジタルストリーミング配信におけるCO2の排出量が測定されている。そこで排出されたCO2はウェブサイトやSNS上でのエネルギー消費とも関連させて相殺される形でカーボンニュートラルを実現している。CO2排出量のデータは第三者が測定しており、各ウェブサイトおよびSNS上での再生回数とともに計測された。

 “エピローグ・コレクション”は、二酸化炭素の排出量と吸収量が同じとされるカーボンニュートラルであり、さらに環境や社会、経済面を考慮してイベントのサステナビリティを定めるISO20121にも認定されている。「グッチ」は20年春夏シーズンのフィジカル形式のショーで、世界で初めてISO20121に認定されたが、今後ファッションショーだけでなく、デジタルイベントを通じたコレクション発表や広告キャンペーンに向けたサステナブルな取り組みに対してもISO20121の認定を拡大している。

 なお“エピローグ・コレクション”では、プラスチック製品を使わないケータリングや、堆肥化が可能なパッケージの利用、現場での廃棄物管理やリサイクル活動も行われた。

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ファストリ上席執行役員が独立してタダで始めた「トーチング」 正気で商機を感じているの!?

 ファーストリテイリンググループで社内改革を推進する「有明プロジェクト」をけん引し、史上最年少で上席執行役員に昇格した神保拓也はこのほど、人の「心に火をつける。」ことを目指し、株式会社トーチリレーを設立した。まず取り組む同社の主たる事業は、「心に火をつけることを主題に置きつつも、ティーチングやコーチングとは一線を画すサービス」。ただ、その料金はタダだ。おそらく世界屈指の高給取りのサラリーマンだった神保は、どうしてタダで「トーチング」を始めたのか?ボランティアなのか?その背景に迫った。

 ティーチングでもコーチングでもない「トーチング」について神保は、「目標という山を見つける、目標という山に登るためのトーチに火をつけるサービス」と話す。心に火が灯れば、山は見つかる。心に火が灯っていれば、山に登っていける。目標が見つからなかったり、目標はあるけれど「悪天候で、心の火がくすぶって」いたりする人に向け、手を差し伸べ、背中を押す仕事だ。

 6月にスタートしたトーチングの最初の客は、現役高校生だった。大学の付属高校に通っていた彼の悩みは、そのまま進学するか、海外の大学にチャレンジするか?さまざまな切り口から「登る山を見つけるお手伝いをさせてもらった」結果、「何をすべきか?目標は何なのか?を明確にでき、以前より肩の力を抜いて物事に取り組めるようになった」との連絡があったという。トーチング料は、高校生の彼に限らず本当にタダ。依頼者には各人に約2時間を費やしてトーチングを重ねている。直近の主たる収入源は、毎月2時間だけ時間を割くB to Bのコンサルティングで、時給は20万円。時給としては非常に高額だが、ファーストリテイリングの上席執行役員だった神保の月収は、40万円まで下がった。

 なぜ、無料なのだろう?そう聞くと神保は、フリースに代表される「ユニクロ(UNIQLO)」の「服の民主化」の話をする。フリースは、「アウトドア好きなど、一部の人に向けた商材を一般に解き放って」大ヒット。ファーストリテイリングの柳井正・代表取締役会長兼社長の間近に身を置き、「一部に独占されていた何かを、世に解き放つ」ビジネスにチャンスを感じたという。そこで目指したのは、「コーチングの民主化」。「コーチングも、一部の人に利用が限られているサービス。人の悩みに高尚や低俗などの違いはなく、進路相談も夫婦喧嘩も本人には重要」と考えた。民主化に際しては、「『傾聴しなければならない』『質問しなければならない』『評価(承認)しなければならない』などのルールに縛られているコーチングでは、心に火はつかない」と、独自のトーチングに昇華した。

 心に火がついて大変身を遂げた人や組織も、ファーストリテイリング時代に目の当たりにした。それは、本社勤務の人間が店舗をサポートする「スポンサー制度」での出来事。神保は、店長とスーパーバイザー(複数の店舗を統括する店長の上司)の“わだかまり”が、店舗スタッフにも悪影響を与え、結果低迷しているロードサイド店舗のスポンサーを務め、1年で全国800以上の店舗の中でNo.2に選ばれるまでのサクセスストーリーを目の当たりにした。神保は、「店舗の心に火をつけるために巡回したが、僕がやったのは、そこまで。火はどんどん燃え広がった。そこから先の奇跡は、僕ではなく、彼ら自身が起こしたこと」と話す。店舗スタッフは、全国No.2に喜ぶのではなく、「優勝できなくて悔しい」と涙を流したという。「山が見つかり、山の登り方がわかった人間は、ここまで変われるんだ」と実感した。

 とはいえ、月商40万円では、従業員を抱える会社は成り立たない。本人は、「1日、午前と午後で2組にトーチングできれば、1年で700人、2年で1400人の心に火がつき、コアなファンはトーチングを口頭伝承してくれる」と言うが、それでも稼ぎは月間40万円のままだ。マネタイズの第一弾は、これまで、そしてこれからのトーチングのやり取りや金言・格言、心に火がつくまでのプロセスを、神保自らが記した“秘伝”の「トーチング日記」。月額1000円でオンライン配信する。「日本で100人なら、中国では1300人に販売できるはず」と日記は多言語化。加えて7月下旬からは、「トーチング日記」の“あとがき”を動画で届ける「トーチングラジオ」の配信もスタートした。引き続きトーチングは無料だが、それは、日記やラジオとして届けるコンテクストの素になるコンテンツを「無料で仕入れること」でもあるという。

 ファーストリテイリングでも「特定の人たちに限られていたものを、世の中の大勢に解き放った」。ただ、「心に火をつけるトーチングは、ファーストリテイリングに携わる人だけが求めていることなのか?世の中は、悩みだらけ。このままファーストリテイリングで高い給与をもらいながら、特定の人の悩みだけに向き合うべきなのだろうか?」と考え、「柳井さんのためより、大勢のために」と独立した。トーチングをサステイナブルなモノ、持続可能なビジネスにしたいと思っている。目標は、「家族(第1の場所)にも、職場(第2の場所)にも相談できない悩みが相談できるサードプレイスになること。そして、全ての根源である人の心に火を灯すことで、世の中をもっと明るくする」ことだ。


 「WWD JAPAN.com」は8月から、神保拓也トーチリレー代表取締役“隊長”が「ユニクロ」時代、スポンサーを務めた店舗のスタッフの心に火を灯し、奇跡に導くまでを振り返る連載をスタートします。ご期待ください。


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「カンサイ ヤマモト」がブランドライセンス事業を継続 娘の山本未來もプロデューサーとして加入

 7月21日に急性骨髄性白血病で死去した山本寛斎氏が会長を務めていた寛斎スーパースタジオは、「カンサイ ヤマモト(KANSAI YAMAMOTO)」のブランドライセンス事業を継続することを発表した。今後はクリエイティブチームでデザインやプロデュースを手掛けていく。

 「カンサイ ヤマモト」や「カンサイ」などのブランド商標を保有する同社は、ライセンス契約のもとでビジネスウエアやカジュアルウエア、ユニホーム、バッグ、アイウエア、雑貨などを展開する。またファッションにとどまらず、パッケージデザインや空間デザイン、イベントプロデュースなども手掛けている。山本寛斎氏の弟の山本斎彦が社長を務めており、娘で女優の山本未來も今年年初からプロデューサーとして所属し、女優業を続けながら事業に携わっていくという。

 山本未來は寛斎スーパースタジオについて自身のインスタグラムで「『これで役者は全てそろった!』と言われた父の言葉を胸に今後も女優業を続けるかたわら、表現者であり、父のクリエイションを間近で見続けた人間の1人として、長年父が信頼を置いてきたチームと共に、寛齋の『元気』を継承し、果敢にチャレンジしていきたいと思っております」とコメントを発表している。

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「ラ・プレリー」がスイスの建国記念日の8月1日のEC売り上げを氷河保全に寄付

 スイス発のスキンケアブランド「ラ・プレリー(LA PRAIRIE)」は、社会貢献事業の一環としてスイスの建国記念日の8月1日のECサイト売り上げを氷河保護に取り組む団体に寄付する。
 
 同取り組みは、ブランドのインスピレーション源であるスイスの自然、中でも地球温暖化の影響でアルプス山脈の氷河が危機に瀕していることから、その保全・保護を行うために行う。

 氷河の保全・保護することで、次世代のために資源を守ることを目的に、スイス連邦チューリッヒ工科大学の氷河学部門の研究プロジェクトに寄付し、氷河の現地調査に必要な人員やデータ運用に充てられる。企業、個人、財団など新しい研究や人材を支援するETH財団を通して寄付される。

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オルセン姉妹の「ザ・ロウ」が資金難か メンズ終了の可能性も

 アシュリー・オルセン(Ashley Olsen)とメアリー・ケイト・オルセン(Mary-Kate Olsen)姉妹が手掛けるブランド「ザ・ロウ(THE ROW)」が資金難に陥っているとの憶測が広まっている。

 複数の情報筋によれば、これは新型コロナウイルスの影響によるものだけでなく、以前から資金繰りに不安があったという。ロックダウン(都市封鎖)が解除された後、同ブランドのニューヨークとロサンゼルスにある旗艦店も営業を再開しているが、ブランド全体で大幅な人員削減が行われているようだ。

 主なところでは、ウィメンズウエアの共同デザイン・ディレクターであるジェームズ・ロビンソン(James Robinson)とアナ・ソフィア・ホーブナー(Anna Sophia Hovener)、メンズウエアのデザイナーであるポール・エルバース(Paul Helbers)が退任したとみられている。かつて「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MARTIN MARGIELA)」のメンズウエアを率いていたエルバースが退任したことで、2018年10月にスタートした「ザ・ロウ」のメンズ・コレクションも終了するのではないかと推測する関係者も多い。またデザイン、制作、営業などの部門でも人員整理が進められており、チームによっては以前の半数以下となっている。これらに伴い、現在はアシュリーが最高経営責任者を、メアリー・ケイトがクリエイティブ・ディレクターを務めているという。

 資金繰りという点では、19年8月に米バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK以下、バーニーズ)が経営破綻したことも「ザ・ロウ」にとって不運だった。バーニーズは同ブランドの主要な卸先だったため、破綻の際には370万ドル(約3億9200万円)の売掛金が未回収となり、2番目に大きな債権者となっている。

 06年に設立された「ザ・ロウ」は、上質な素材使いやミニマルでモダンなデザインに定評がある。ロンドンのサヴィル・ロウに敬意を込めて付けたというブランド名が示す通り、コートやジャケットが2300~4900ドル(約25万~51万円)、シャツが650~2000ドル(約6万8000~21万円)、スカートが1600~2500ドル(約16万~26万円)と高価格帯の商品を扱っており、公式インスタグラムなどでもラグジュアリーでアーティスティックなイメージを打ち出している。しかし信頼できる情報筋によれば、同ブランドは手元資金を確保するために、相当な量の在庫をディスカウントストアなどに売却したようだ。

 こうした資金難に加えて、「ザ・ロウ」は人種差別的なブランドだと従業員らから指摘されているという。本社に黒人の専門職は一人もおらず、アジア系の従業員もごくわずかしかいない上に、昇進や昇給の機会もほとんどないと告発されている。

 米「WWD」がこれらについて問い合わせたところ、同ブランドは、「現在は20年プレ・フォールおよび秋冬コレクションの生産を行っているほか、21年春夏コレクションの制作にも着手している。新型コロナウイルスの影響によって発生したサプライチェーンでの遅延や混乱に対応するため、ほかのブランドと同様に『ザ・ロウ』でも間接費の削減に取り組んでいる。また当ブランドでは以前から多様性や包括性を推進しており、それを否定するような不正確なゴシップに対するコメントは差し控えたい。メンズウエア、アクセサリー、ECなどを含め、今後も利益を上げられるブランドとして成長していくものと確信している」と回答した。

 オルセン姉妹は最近、公私ともに困難に直面している。メアリー・ケイトは15年に銀行家のオリヴィエ・サルコジ(Olivier Sarkozy)と結婚したものの、20年5月に離婚。また19年10月には「ザ・ロウ」の社長を務めていたデイビッド・シュルト(David Schulte)が退任したが、同氏はオルセン姉妹と「ザ・ロウ」、そして親会社のデュアルスター・エンターテインメント(DUALSTAR ENTERTAINMENT)を相手に訴訟を起こしている。

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「コム デ ギャルソン・シャツ」2021年春夏メンズ・コレクション

 「コム デ ギャルソン・シャツ(COMME DES GARCONS SHIRT)」が2021年春夏メンズ・コレクションを発表した。

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ゲームカルチャー解体新書Vol.2 ゲーム課金とファッションの相性とは?

 約15年にわたり、ファッションに軸足を置きながら、セールスやPR、企画立案の立場で国内外のブランドビジネスに関わらせていただいています。ファッション業界に携わる私が、ファッション業界をはじめ、ゲーム業界で活躍している方々、ゲーム好きのゲストとの対談を交えながら、「ファッション × ゲーム」の可能性や新しい価値を提供することができたら。そんな想いで新連載をスタートさせていただきました。

戸簾俊広(以下、戸簾):ゲストを迎えての初回は、ゲームカルチャー協会の松岡政幸・代表理事に来ていただきました。ゲームカルチャー協会とは、どういう団体なのでしょう?

松岡政幸ゲームカルチャー協会代表理事(以下、松岡代表理事):大義を持って活動している団体です。海外に比べると日本は、大会の賞金が少額。ゲーマーのポジションや法的なルールも課題が多く、スケールし辛い環境です。そんな課題を内閣府と通じて、ユーザー目線で解決しようという機関です。首相官邸のホームページにも紹介してもらっているんですよ。

戸簾:松岡さんの大義を聞いて、「ゲーム業界とファッション業界がつながったら、面白そう」って思ったんです。ファッション業界は、ゲーム業界と最も積極的にコラボレーションすべき業界だと思っています。

松岡代表理事:日本独自の課金モデル「ガチャ」は、ヨーロッパでは法律で禁止されているんです。逆にそのくらい「ガチャ」には市場力がありますから、海外の主流であるアバター課金のビジネスモデルは、日本人には馴染みが薄いかもしれません。でも日本でもアバター課金が広がれば、ファッションが絡むのは当たり前になりそう。最近、良い事例が出始めましたね。「あつまれどうぶつの森(あつ森)」です。「あつ森」のマイデザインには企業やブランドが参入していて、ブランドの洋服やメイクが登場しています。

戸簾:普及すればファッション業界にとって、明るい未来の可能性になりますね。

松岡代表理事:海外市場の大きさも魅力的ですよ。特にリーチを増やすなら、インドネシアなどのスマホ大国を狙うべきです。スマホが当たり前の国は、ページビューが圧倒的に多いんです。今日本で一番メジャーなスマホゲームは「モンスターストライク」で、ユーチューブの公式チャンネル登録者数は約105万人。ところが海外では「リーグ・オブ・レジェンド」という作品が有名ですが、MOBAという同様のゲームジャンルのモバイルバージョン「モバイル・レジェンド」っていうゲームのユーチューブの公式チャンネル登録者数は約715万人です。インドネシア専用のアカウントだけでも約90万人が登録しています。母数が全然違うんです。こうした視点でゲーム業界を見ると、ファッション業界の方にも魅力的に映りませんか?

戸簾:日本と海外では、なぜこんなに市場成長も大会の賞金も、ゲーマーポジションも違うのですか?

松岡代表理事:もちろん人口の影響も大きいのですが、一番の問題は法的環境です。日本のゲーム業界は、景品表示法と賭博法、風俗営業法という3つの法律で規制されています。まず景品表示法では賞金の最高額が10万円までと規制され、賭博法では参加費の一部を賞金に充てることが禁止され、風営法ではゲームセンターなどの施設ではイベントを主催することさえできません。非常に厳しい、日本らしい法環境です。それをくぐり抜けるべく、日本eSports協会(JeSU)が立ち上がりました。JeSUはプロライセンスを発行できる機関で、消費者庁に申し込み大会開催の許可を得たものだけにプロライセンスを発行。パフォーマーやインフルエンサーなどのプロの人には、「出演料」という名目でギャラを支払います。そうすると、金額が変わるんです。

戸簾:なるほど!ゲーマーの方々は、そういう事情を知ってるんですか?

松岡代表理事:人それぞれですが、僕みたいにゲームの大会で知り合った人とコミュニティを広げたい人もいれば、好きな事で稼ぎたい人もいます。単純に名誉で頑張っている人もいるんですよ。

戸簾:オリンピックの公式種目なんて話もあるんだから、国は夢を見られる環境を整えて欲しいですね。ファッション業界がサッカーや草野球チームみたいに「ゲームチーム」を作って、ゲームのコミュニティーの中で人気者になって、その販売員とコミュニケーションできる機会があっても良いですね。

松岡代表理事:ゲームカルチャー協会は立ち上げて1年ぐらいですが、メンバーには東京大学を卒業後にアクセンチュアを経てアプリ開発のスペシャリストになった吉積礼敏さんや、スクエア・エニックス米国法人の最高執行責任者だった岡田大士郎さんら強いネットワークを有しています。面白い事ができますよ。

戸簾:最近、ネガティブな話も多かったから、とても楽しかったです。今回は本当にありがとうございました。

戸簾俊広: ジェムプロジェクター代表:2009年に国内外のファッション・ライフスタイルブランドのブランディング、PR、セールス、コンサルティングを手掛けるブランディングカンパニーGEM PROJECTORを設立。現在は、地方創生プロジェクトや会員予約制のテンポラリーレストランの立ち上げに向け奮闘する一方、「受信者から発信者へ」をテーマにしたオンラインサロンを運営

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「トキオン」アートプロジェクトがスタート 第1弾は横尾忠則と大友昇平が「グッチ」のエレメントを大胆にアレンジ

 INFASパブリケーションズとジュンによる合弁会社のTOKIONは、「トキオン(TOKION)」アートプロジェクトをスタートさせた。第1弾は美術家の横尾忠則とアーティストの大友昇平と「グッチ(GUCCI)」とのコラボレーションが実現した。

 テーマはGGパターンや「グッチ」のブランドロゴといったエレメントを両アーティストがどう自由にアレンジし、作品に落とし込むか。横尾は自身の代表作でもある「HANGA JUNGLE」展のモチーフと「廣家/KOHKE」の2作品にGGパターンをコラージュ。決まった様式を持たない制作スタンスが生むファンタジー性は同作でも明確に表現されている。大友はボールペンで描き上げたとは思えないような緻密で圧倒的な描写力でサングラスを掛けた花魁風の女性の背景に「グッチ」のエレメントを描いた。両者の作品はオリジナルボックスに入ったB3サイズのポスターが付くデラックス版の雑誌として限定販売する。価格は9800円で、TOKION THE STORE(トキオン・ザ・ストア)と公式ECサイトのほか、代官山蔦屋書店、六本木蔦屋書店、銀座蔦屋書店でそれぞれ販売する。

 また、両アーティストが手掛けたアートワークは渋谷駅構内のB1出口付近に8月2日まで掲出されているほか、横尾の新たなコラージュ作品がミヤシタパークにオープンした「グッチ」の店舗ファサードにデザインされている。

 7月28日に発売した復刊号の通常版の価格は2800円。特集は“OBSERVE(観察する)”で、あることやものを観察することで、当たり前の日常を見直したり、新たな気付きや発見のきっかけとなるような、余白を持たせた構成だ。仕様は通常の雑誌とは異なり、オリジナルボックスに6冊の冊子と3枚のポスターを封入している。参加するコントリビューターはフランス人アーティストのピエール・スーラージュ(Pierre Soulages)や美術家の横尾忠則、お笑い芸人のコロッケら、1組8人が参加し、それぞれの“OBSERVE”を表現している。

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三越伊勢丹HDの最終赤字600億円 21年3月期見通し

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は29日、2021年3月期連結業績の純損益が600億円の赤字(前期は111億円の赤字)になりそうだと発表した。売上高は8230億円(前期比26.5%減)、営業損益は380億円の赤字(前期は156億円の黒字)の見通し、新型コロナウイルスの休業による大幅な減収に加えて、関連した特別損失112億円を計上する。

 同日発表した20年4〜6月期連結業績は、売上高が前年同期比53.3%減の1316億円、営業損益が89億円の赤字(前年同期は80億円の赤字)、純損益は305億円の赤字(同60億円の黒字)だった。緊急事態宣言によって首都圏の店舗では2カ月近く休業を余儀なくされた。

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三菱商事ファッションが3DCGでサステナブルな服作り DXで大量生産、大量廃棄をなくす

 三菱商事グループのファブレス(自社工場を持たない)メーカー、三菱商事ファッションが、3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)を駆使した服作りのデジタルスキームを開発し、アパレルメーカーやセレクトショップが導入を始めている。

 特徴は、2Dパターンを3Dで確認・修正するモデリング技術、生地を正確にスキャンして3D画像に反映させるスキャニング技術、そして3Dのモデリングデータからeコマース掲載用に高精度のCGを短時間で制作するスキームなどだ。パターンCADデータと生地スワッチがあれば、CGを自由に制作することもできる。これにより、サンプル製作のプロセスの削減、先行受注による在庫の削減、ささげ業務の削減、生産工程のリードタイムの短縮などさまざまな手間と時間を節約でき、大量生産、大量廃棄をしないサステナブルな服作り、利益改善、拡大するeコマースビジネスへの効率的な生産スキームの提供などが可能となる。

 このデジタルスキームは、4月に同社に開設されたデジタル事業推進本部が開発した。DX(デジタルトランスフォーメーション)が今のサプライチェーンに求められている小ロット、QR(クイックレスポンス)の生産体制確立につながり、OEM(相手先ブランドの生産)、ODM(相手先ブランドの企画生産)のシステム改善にも貢献しそうだ。

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シチズン時計が子会社の希望退職者550人を募集

 シチズン時計の連結子会社であるシチズン時計マニュファクチャリング(埼玉県、白井伸司社長)は希望退職者の募集を行う。同社は北海道から鹿児島まで全国に17の工場を持ち、従業員数は3022人(4月現在)。募集する希望退職者の数は、その約2割に当たる550人を予定する。募集期間は10月14日~11月18日で、退職日は12月31日。

 希望退職者を募る理由についてシチズン時計は、「スマートウオッチの拡大などにより、クオーツ時計の縮小傾向が続いている。これに伴い、当社の当該ムーブメント外販事業に対する需要も減少し、シチズン時計マニュファクチャリングでは生産の合理化やコスト削減などの損益改善を図ってきた。しかし商況は厳しさを増しており、中長期的にも大幅な回復が見込めないことから、今後の市場規模に見合った人員の適正化のために希望退職を募集する」と説明する。

 広報担当者によると、「シチズン時計本体で同計画の予定はない」。

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「デサント」から新作熱中症対策アイテム登場 頬を冷やすフェイスガード

 デサント ジャパンは、シャープが独自開発した蓄冷剤を用いた暑熱対策アイテム“適温クーリングフェイスガード”を8月上旬に公式ECサイトと「デサント(DESCENTE)」直営店、シャープ公式ECサイト「ココロストア(COCORO STORE)」で数量限定で発売する。

 “適温クーリングフェイスガード”(4000円)は、12℃で一定に保つ蓄冷剤“TEKION”をフェイスガードの頬の部分に挿入することで深部体温の上昇を抑制する機能を持つ。6月に同じ蓄冷剤を用いたグローブ型の商品“コア クーラー”(3600円)を発売したところ好評だったことから、今回フェイスガードタイプの商品開発に至った。頬のくぼみに蓄冷剤がフィットして運動中もずれにくく、鼻と口元を覆うため夏場の飛沫防止エチケットアイテムとしても提案する。同アイテムの特徴である蓄冷剤は、氷や保冷剤を用いる従来のような場合に温度が低すぎて血管が収縮するため冷却効果が十分に発揮されないことに着目し、12℃の温度で体に負担をかけない冷却効果にこだわった。カラーはブラックとブルーの2色をそろえる。

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この春大ヒットした「ルージュ・エルメス」 詰め替え式リップの秋冬限定カラーが登場

 エルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL以下、エルメス)は9月23日に、メゾン初のメイクアップライン「ルージュ・エルメス(ROUGE HERMES)」コレクションから秋冬の新色を数量限定で発売する。ラインアップはローズをテーマとした今季を象徴する3色のリップスティックで、価格は各8000円。エルメス銀座店、エルメス オンラインブティックのほか、エルメス伊勢丹新宿本店本館2階=センターパーク/ザ・ステージ#2と、エルメス 阪急うめだ本店2階 HANKYU BEAUTYエルメスのポップアップストア「エルメス・イン・カラー(Hermes in Colors)」での取り扱いも予定する。また世界各国のエルメスブティックの一部でも今秋から順次発売する。
 
 カラー展開はローズウッドを想起させる落ち着いたカラーから生き生きとした明るいピンク、青みを帯びた深みのあるローズカラーまでがあり、カラーに合わせてサテン2色とマット1色を用意した。同コレクションはサステナビリティの観点から質の高い素材を用いて繰り返し長く使える設計を採用しており、中身の詰め替えが可能な容器となっている。リップスティックの既存カラーの詰め替え用レフィルは4400円で、9月末から販売予定だ。

 エルメスは香水事業に続く化粧品事業として、同コレクションによってメイクアップ事業に参入。今年3月の世界同時発売の際、日本ではブティック前に開店前から行列ができたほか、公式サイトにもアクセスが殺到した。リップスティックを皮切りにファンデーションやスキンケア製品など品目を拡充する予定で、香水、メイクアップ、スキンケアを化粧品事業の3本の柱として育成する計画がある。

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今年で創刊25周年 雑誌「VERY」がコロナ禍で開拓する新たなビジネスとは?

 光文社の「ヴェリィ(VERY)」は今年、創刊25周年を迎えた。現在は「ファッションの力でママたちを応援する」ことと「ジェンダーギャップを埋める」ことの2つを軸に、コンテンツを生み出している。同誌の今尾朝子編集長は「ターゲットである30〜40代のママたちの中では、新しい夫婦像が生まれている一方で、未だに変わらない価値観に苦しんでいる人もいるという状況。仕事の面においても、働くママがここ数年増えており、読者の中では7~8割が有職者だが、復職や共働きなどの面で、いろいろな葛藤を感じている人たちも多い。それは取材を重ねていて感じている」とここ数年の読者像の変遷を説明する。(この記事はWWDジャパン7月27日号の雑誌・メディア特集を加筆したものです)

 読者像の変化に合わせて企画も徐々に変わってきている。「“頑張らない”や“簡単”といったキーワードから、“ロジカル”“効率的”に変わってきていたが、それにも限界が来ているような印象を受ける。やはり夫や会社などの考え方が変わらないと難しい」。そういった考えをもとに実施した企画の1つが、同誌2019年1月号の「『きちんと家のことをやるなら働いてもいいよ』と将来息子がパートナーに言わないために今からできること」だ。掲載ボリュームとしては大きくはない企画だったが、雑誌にしては珍しい、長めのタイトルとママたちの実態を捉えた内容で、大きな話題となった。

 そんな「ヴェリィ」は現在、チャネルの多様化を進めている。3月にはラグジュアリー・メディア「ヴェリィ ネイヴィ(VERY NAVY)」をスタート。表紙には2019年12月号で「ヴェリィ」のカバーモデルを卒業した滝沢眞規子を起用し、本誌の4〜6月号と10〜12月号の別冊として出すほか、インスタグラムアカウントや「ヴェリィ」のウェブサイト内にカテゴリーを新設した。同メディアスタートの背景について「滝沢さんは専属モデルとして光文社に所属してくれていたので、『ヴェリィ』卒業前から、彼女の次を考える責任を感じていた。彼女は私生活にラグジュアリーをうまく取り込み、楽しんでいる。そして光文社には、ラグジュアリー誌がなかった。さらには『ヴェリィ』の読者の中にも、ラグジュアリーに興味を持っている人がいたが、『ヴェリィ』としてはマスを狙っていたので、なかなかラグジュアリーを取り扱えなかった。そこで滝沢さんを起用して、『ネイヴィ』を始めてみようと考え、まずは広告を見込める4〜6月と10〜12月の特別付録として出した」と語る。今のところ「ネイヴィ」は好調で、4〜6月の3号合計で33社が協賛に付き、集広目標の115%を達成。付録として出したことにより「ヴェリィ」本誌の実売も好調だという。

コロナ禍のデジタル施策の成果は?

 デジタル施策に関してはどうなのか。「コロナ禍で、本誌は6月・7月を合併号として、25年の歴史の中で初めて発売を見送ったが、その間『おうちVERY応援月間』として、ウェブやSNSのコンテンツに編集部一丸となって取り組んだ。それも要因にあり4月19日〜5月15日の約1ヶ月間で、PV数は43%増、新規ユーザーは67%増と良い結果が出ている。また、自粛期間中のママたちの“3食疲れ(3食食事を作ることへの疲れ)”にも対応できればと思い、更新が止まっていたインスタアカウントの『クッキングヴェリィ』も再スタートしたところ、あっという間に1.6万から3万フォロワーに増えた」と手応えを感じているようだ。

 また、同誌はママのための学びの時間を提供するコンテンツ「ヴェリィ アカデミー」も6月6日にスタート。第一弾は車のサブスクリプションサービスである「キントー」の協力のもと、“話題のサブスク「キントー」から考える、子育て世代の『変化に強くなる』3つのヒント”をテーマに、ツイッター上でライブ配信を実施。当日は10万人以上が視聴し、総再生回数は14万回を超えた。「ママたちにはインプットをする時間が足りない。その中でどうインプットをするのかを考えた時、デジタル上で空いている時間に学ぶイベントを立ち上げたらいいのではないかと考えていた。同じタイミングで『キントー』さんとはリアルイベントを行う、という話をしていて。コロナでリアルイベントはできなくなってしまったけど、オンラインでならできるだろう、というところで私たちのアイデアと合致し、スポンサーが付いたという形で大きな規模でイベントが実施できた」と経緯を話す。今後は料理に関する「クッキングアカデミー」なども検討しているという。

 チャネルを多様化している「ヴェリィ」だが、これまでのコンテンツ制作で培ってきた、30〜40代のママたちへのインサイトを活用したビジネスの多角化も模索中だ。「クライアントの広告予算の中でも、雑誌に振り分けるようなことはやはり減ってきている。『ヴェリィ』がターゲットとしている世代に響くようなキャッチコピーを考えたり、ニーズに合った商品開発をしたり、PR施策をしたりと、今後はある種のコンサルティング会社のような役回りもこなしていくことになると思うし、既にやっていることもある。『ヴェリィ』は25年間、若いママたちが考えていること、感じていること、欲していることにせいいっぱいの答えを返せるよう、考え続けてきた。その強みを生かしていきたい」。

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「エテュセ」秋コレクションはファッションに合わせたワントーンスタイルを提案

 「エテュセ(ETTUSAIS)」は、秋のファッショントレンドやシーンに合わせたコレクション「ニュアンスワントーンスタイル」を発売する。8月20日にティントルージュ(全8色。1500円)、9月17日にアイシャドウ(全6種、1400円)、 アイライナー(全6種、1200円)、 ベースメイクアイテム(全7種、1500円~1800円)を展開する。

 「エテュセ」は今年、ブランド誕生30周年を迎えリブランディングし、アートディレクターに吉田ユニを起用。このほど、吉田氏が制作した「ニュアンスワントーンスタイル」を表現したビジュアルを公式サイトで公開した。ヘアメイクだけでなく、表情や仕草、背景色まで含めて表した5つビジュアルを発信している。

 また、コーディネート提案として、スタイリストの樋口かほりがスタイリングを担当したビジュアルも公開。ファッションのシーズントレンドである異素材を組み合わせて同系色で纏めたスタイリングと、 立体感が際立つ質感の異なるグラデーションメイクが特徴だ。

 さらに、「エテュセ」とファッションのECサイト「フィフス(FIFTH)」は、 ライフスタイルショップ「WTW」が8月1日に東急プラザ表参道に期間限定オープンするショールーミング店舗「WTW OMOTESANDO」内に、ユーザーとのコミュニケーションの場としてフィッティングルームとメイクブースを設置(8月20日にオープン)し、 スタイリングギャラリーとして共同運営する。 同スペースでは、9月17日発売の製品をいち早く試すことが出来る。

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ランジェリー業界のゲームチェンジャー vol.5 世界に一つのビスポークランジェリーで女性に自信を与える「チヨノ・アン」のイェガー 千代乃・アン

 洋服に比べると使用する資材やサイズ展開が多く生産ロットも大きい下着は新規参入が難しく、大手下着メーカーやアパレルメーカーによる市場の寡占が顕著だ。新陳代謝もあまり進まなかった印象の下着業界だが、ここ数年D2Cブランドが増加したり、SNSを通じた情報発信が活発になったりして、30代の女性を中心に新たなムーブメントが起こっている。そんな下着業界に新風を吹き込むゲームチェンジャーらにインタビューし、業界の今、そして今後の行方を探る。

 第5回に登場するのは、ビスポークランジェリーブランド「チヨノ・アン(CHIYONO ANNE)」のイェガー 千代乃・アン 代表兼デザイナー。海外で育ち、日本に留学中に下着が女性のマインドにもたらす影響について研究した。ロンドンでデザインと技術を学び、日本で起業というプロフィールからも分かるように、国際的な感覚と独自の感性を併せ持つデザイナーで、その物作りに対する姿勢はテレビ番組の「情熱大陸」で紹介され注目を浴びた。一対一の会話から生まれる世界で一つのランジェリーを身に着けることで、その人自身の美しさを表現し、自信を持ってほしいと願いながら製作に取り組む。

――オーダーメード、オートクチュールでなく“ビスポーク”とする理由は?

イェガー 千代乃・アン代表 / デザイナー(以下、イェガー):“ビスポーク”とは、私がテーラー技術に触れたサヴィル・ロウで使われる言葉です。ご存知のように“bespeak(to be spoken for/会話する)”が語源で、顧客とデザイナー兼クラフツマンが会話しながらともにイメージする一点ものを作り上げていくというもので、その2者の関係性に深さがあります。それは私のデザイナーとしての哲学です。こちらのデザインを押し付けるのではなく、顧客とのコミュニケーションから生まれるデザインを大切にしたいと常に思っています。顧客が心地よいと感じるもの、美しいと感じるものを一緒に発見するプロセスはとても貴重な経験です。自分の中の新しい一面を知り、自分のために作られたランジェリーを身に着けることで自信が生まれ、幸せをさらに感じられるようになっていくと信じています。

――さまざまな選択肢がある中で“ランジェリー”を選んだ理由は?

イェガー:いくつか理由がありますが、その一つが、10代のころに自分に合う下着が見つけられなかったことです。当時、イギリスに住んでいたのですが、小柄な私の体形に合う小さなサイズのブラジャーはジュニア用で少しある程度。私はファッションが大好きで、友人たちはランジェリーのおしゃれを楽しんでいるのに、私はそれができないことにすごくコンプレックスを感じていました。もう一つは3歳から習っていたバレエのレッスンでの経験です。私が所属していたロイヤル・バレエ団には採寸して体にぴったり合ったコスチュームを作ってくれる衣装係がいて、その衣装はどの服より、どの下着より体にフィットして動きやすく、最高の着心地。それを着て踊ると心から自由になれ、自分を表現することができました。その忘れられない感覚と経験が、ビスポークランジェリーを選んだ主な理由です。

19歳のときに見た下着広告に
カルチャーショックを受け、
日本での起業を決意

――イギリスで起業するという選択もあったと思うが、なぜ日本で?

イェガー:私が通っていたロンドン大学の東洋アフリカ学院は非常にリベラルで、マイノリティーの声を大事にし、フェミニズムに対する関心が高く、活動家の友人もたくさんいました。そのような環境の中で生活していた私は、19歳で日本に留学したときに見たある下着の広告にすごく驚きました。それは、体の段差を防ぐ下着を紹介するものでしたが、年齢を重ねた女性の体を否定するもののように感じられ、大きなカルチャーショックでした。似たような表現はほかにも多くあり、固定概念によるプレッシャー、それがコンプレックスにつながるのだと強く感じました。美しさの在り方は人それぞれであるということを伝えたい、ありのままの体が美しいということを伝えたい、それを実現するには完璧にフィットするランジェリーを作ることだと思い、日本での企業を決心しました。留学を終えてイギリスに戻り、大学院でファッションビジネスやデザイン、技術について学び、再び日本へ帰ってきました。しばらくはモデルをしながら起業のための資金をためて、24歳のときにブランドを設立しました。

――イギリスから移住し、24歳で起業するまでの苦労は?

イェガー:当時は日本語もあまり話せませんでしたから、確かにハードルは高かったです。本気でランジェリーの仕事をやろうとしているのに、ハーフだから、若いから、モデルだからという理由でなかなかビジネスの中身を見てもらえず、スタートまで困難がありましたが、今、振り返ればその経験も日本文化を理解するために役立ちました。そのとき感じたことがブランドコンセプトやビジネスモデルにも生かされ、エンジンにもなりましたし、女性たちに自分の体を好きになってほしい、自信を持って欲しいと思うようになりました。

――現在、オーダーのサイクルは?

イェガー:週1〜2日を顧客との時間に充てて、1日3枠をご用意しています。6割以上がリピーターになってくださっているのは、技術者にとって大きな励みです。回を重ねるごとに顧客の満足度のレベルも上がりますから、それにチャレンジするのも大好きです。家族や友人を紹介してくださる顧客も多く、自分の喜びを大切な人とシェアしてもらえるのはうれしいですね。

――今後の目標は?

イェガー:現在いる4人の縫製スタッフを育ててチームを大きく、そして強くし、地方や海外でもさらに多くの注文を受けられるようにしたいと思っています。スタッフがそれぞれの得意分野の技術を磨き、その分野では私を超えてほしいです。生産能力を上げること、プロモーションを強化すること、リピーターを大切にすること、そのバランスが永遠の課題です。

――現在の下着業界をどう見るか?

イェガー:最近はインディペンデンドなランジェリーブランドやそれらを販売するセレクトショップが増え、経血吸収型ショーツへの参入も多いですね。しかも、それらを手掛けるのは同世代の女性たちで、誇らしいしすごくわくわくします。アプローチはそれぞれ違うかもしれませんが、女性を幸せにしたいという目的は同じのはず。さまざまな個性がそろうことで発信力も強まり、大きなパラダイムシフトになると思います。

川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター、日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身

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「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン」2021年春夏コレクション

 「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME DES GARCONS JUNYA WATANABE MAN)」が2021年春夏コレクションを発表した。

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ソーシャルディスタンシングもUVカットもお手のもの! つば広ハットで魅せる夏の装い

 暑い日射しを遮ってくれる夏の味方は、つばの広い帽子です。どこか懐かしいバケットハットはしばらく前から人気ですが、2020年春夏シーズンのランウエイでは、多くのブランドがエレガントでボリューム感のある新モデルを投入。広いつばはソーシャルディスタンシングや紫外線(UV)カットの両面で役立つので、この夏はつば広帽をコーディネートのキーピースに迎えたくなります。

 「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」は、背中側がすだれのように長くなった、異形のつば広ハットを披露。後頭部の日焼けを防ぐ効果が期待できるうえ、背中側からの視線も受け止めてくれそう。不規則に波打つつばも、気負わない雰囲気を印象づけます。この夏に向けて、さまざまなブランドから、普段使いにも役立つ帽子コーデが提案されています。

深めクラウンはノーメークでも安心 小顔効果も発揮

 髪と頭を収めるクラウン部分が深いタイプは、程よく顔の上半分が隠れて、ノーメークでも安心してかぶれます。マスクとの兼ね合いで、メイクを控えたい昨今の事情にも好都合。ミステリアスなムードだけでなく、小顔効果まで引き出してくれます。

 「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」の帽子ルックは、どこかサファリ気分のたたずまい。軽やかトレンチコートにショートパンツを引き合わせて、“街中アウトドア”の装いにまとめ上げました。バケットとクロッシェ(釣鐘帽)をミックスしたかのような、深いクラウンのハットで、クール&マニッシュのムードを全体にまとわせています。

甘めレーシーワンピースを上品クールに味付け

 つばが広く、リボンをクラウンに巻いた優美なタイプは“女優帽”とも呼ばれ、装いにエレガンスを寄り添わせてくれます。麦わら帽子のように、つばがフラットな形はサマールックになじませやすいシルエットです。

 「セリーヌ(CELINE)」のニットワンピースはレース編みが涼しげ。つばの広いハットで、さらに夏のムードを濃くしています。70年代ヒッピーの感覚がどこか漂うスタイルを、上品テーストにアレンジ。帽子の黒リボンと、レザーバッグ、ロングブーツを響き合わせて、清涼感の高い“白×黒”コーデに整えました。

バケット×ストローで休日リラックスムード

 帽子を取り巻く近ごろの新傾向は、異なるタイプを融け合わせたような“ハイブリッド”のシルエット。夏のカジュアル帽子の代表的なストローハットも、人気の続くバケットハットの形と組み合わせた新顔が登場しています。

 オーバーサイズのリラクシングなトップスを主役に迎えて、伸びやかなコーデを組み上げたのは「ディオール(DIOR)」。フロントポケットが印象的なゆったりパンツは、ワンマイルのお出かけにぴったり。植物素材のバケットハットがナチュラル感をプラス。オフ感たっぷりの自然体コーデに仕上がりました。

特大日除けハットでマリン気分を満喫

 紫外線をブロックしたい夏にこそかぶりたいのが、つばが破格に広い“スーパー女優帽”。広いつばに主張があるから、着こなしのイメージチェンジャーを任せられます。周囲とのスペースを確保できるソーシャルディスタンシング効果が見込める点でも、この夏に使える帽子です。

 「ランバン(LANVIN)」はスカーフ柄のようなモチーフを全面にあしらったプリントワンピースで、リゾートやマリンのテーストを呼び込みました。海のムードを漂わせる決め手は、海賊風のつば広ハット。正面を折り上げて、顔周りを明るく演出。ビッグバッグでボディの華奢感を印象づけています。

顔をくるんで、ドラマチックな特別感

 大胆なビッグハットは、さっぱりしがちなサマールックに華やぎをもたらしてくれます。時に試したいのは、帽子をキーピースに据えたスタイリング。全体をワントーンでまとめれば、ドラマチックな着映えが完成します。

 「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」は、布をふんだんに使った、たっぷりドレープのドレスで、ファビュラスな装いに導きました。艶美でミステリアスなドレス姿に、同じ色のつば広ハットが主張と特別感を上乗せ。大ぶりのフラワーモチーフも添えて、顔周りを華やがせました。

 つば広ハットはかぶるだけで、夏コーデのムードを変えてくれるため、手軽な着回しに役立ちます。手持ちのワードローブから別の表情を引き出すうえでも重宝するので、UVカットとソーシャルディスタンシングも兼ねて、夏の装いに取り入れてみては。



ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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新型コロナウイルスで変わった米国の世代別の消費動向

 新型コロナウイルスは、あらゆる世代の消費者の美容に対するアプローチ方法を変えた。「世界的な健康危機と、全人種に対する真の公平性を求める社会的な動きの影響で、購買方法から使用するブランドに期待することまで、全てが変わった。新型コロナウイルスの感染拡大により、人々が買うものや買う場所、新ブランドに対する関心にも影響を与えており、ビューティカテゴリーも例外ではない」とマーケティング・リサーチ会社イプソス(IPSOS)のクリストファー・ハル (Kristopher Hull)=シニアバイスプレジデント兼シニアクライアントオフィサーは語る。

 世界中で外出自粛が解除される中、人々が容姿を気に掛けることは依然重要のようだ。マーケット調査会社のミンテル(MINTEL)が米国で世論調査を行ったところ約60%は容姿に対して、何を優先するかは変わらないと回答し、美容製品にお金をかける額についても変わらないと答えた人は50~60%に上った。

 ラリッサ・ジェンセン(Larissa Jensen)=NPDグループ(NPD GROUP)バイスプレジデント兼ビューティインダストリーアドバイザーは、米国市場について「スキンケアは、業界全体のほぼ半分の割合を占めるまでに成長している。これは過去に前例がないほどだ。消費者とのエンゲージメント率は今もなお高いままだ」と、言及している。しかし、そのエンゲージメント率の度合いは世代によって大きく異なる。ここでは、新型コロナウイルスで変わった世代別の世代ごとに変化したビューティの消費動向について探る。

ジェネレーションZ

 アメリカでの新型コロナウイルス流行の間、メイクアップの売り上げは減少したジェネレーションZだったが、「メイクをあまりしないことが要因の大半だ」とジェンセン=バイスプレジデント兼アドバイザーは指摘する。「若い消費者はオンラインで買い物をする傾向にあるという事実と、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンラインが消費者の唯一の販売チャネルとなったことを踏まえると、若い世代の潜在的な好みが分かる」と続ける。さらに、多くのジェネレーションZは、ロックダウンにより18歳や21歳の誕生日やプロム、卒業式などといった一世一大のイベントを自粛せざるを得なかった。「『どこへも行く場所がないのに、なぜオシャレをするのか?』と思っているだろう」。

 しかし、「不振の世代には、ブランドと接点を持つことで彼らを刺激して、さらには楽しませるチャンスがある」とキャサリン・ビショップ(Kathryn Bishop)=ザ フューチャーラボラトリー(THE FUTURE LABORATORY)フォーサイト・エディターは語り、「店頭で体験できることを模倣するのではなく、テクノロジーを活用して、バーチャルリアリティーやゲームなどを提供すれば、テクノロジーに対して関心の高い若い世代に響くと考える」とマイケル・ノルト(Michael Nolte)=ビューティストリームズ(BEAUTYSTREAMS)クリエイティブ・ディレクターは言う。

 心身ともに健康であることも重要な焦点だ。イプソスが米国の消費者を対象に新型コロナウイルスの世界的な流行以来、何がより重要なのかを調査したところ、「ジェネレーションZとミレニアル世代の両方にとって身の安全が最も重要であり、約40%の人が新型コロナ以降、それをより重要視していると」とハル=シニアバイスプレジデントは述べた。新型コロナ以前から、ジェネレーションZはブランドメッセージやマーケティングをSNSで発信する事に対してオープンで、彼らは『#BLM(黒人の命は大切)』運動などの人種抗議活動の際に、一番声を上げて変革を求めた世代だ」とサラ・ジンダル(Sarah Jindal)=ミンテル グローバル ビューティ&パーソナルケア部門 アソシエイトディレクターは言う。

ミレニアル世代

 イプソスによると、米国がロックダウン中、1989~1995年に生まれたミレニアル世代のうち約15%が新しい美容製品を試したという。中でもクレンジングとフェイシャルケアが人気で、「彼らが新製品を試した割合は、ジェネレーションX(1960年代初頭~1980年代に生まれた世代)やベビーブーム世代(1946~1964年生まれの世代)より3倍も高かった。新しいブランドを試したことがある人の約50〜66%は、新型コロナウイルス収束後もそのブランドを使用続けたいと思っているはずだ」とハル=シニアバイスプレジデントは言う。

 ミレニアルズの考え方が精神的な健康に傾倒していることからも、ブランドはセルフケア製品やサービスにもっと力を入れるようになるかもしれない。例えば、英国のヘアサロンのハーシェソンズ(HERSHESONS)の場合、新型コロナウイルスの世界的な流行で営業停止を余儀なくされたが、顧客のためにZoomを使用したチャットサービスを導入した。予約したミレニアル世代の多くは、髪に関するアドバイスを求めていたのではなく、代わりにヘアスタイリストとの会話を望んでいた。このケースはビューティやウェルネスブランドの将来のサービスの可能性を示唆している。ミレニアル世代は美容に関して「ブランドを予約したり、少人数間で新しいアイテムを試したりと特別な体験を求めているのかもしれない」とノルト=ビューティストリームズ クリエイティブ・ディレクターは言う。

ジェネレーションX〜ベビーブーム世代

 新型コロナウイルスの世界的な流行中、ジェネレーションX世代は普段から使っているような、信用できるブランドに頼る傾向にあった。「彼らは信頼するブランドの美容部員や口コミを信頼している。ジェネレーションXにアプローチしたいブランドは、この世代の口コミをどうやって利用するかを考える必要がある」とキャサリン・ビショップ(Kathryn Bishop)= ザ フューチャーラボラトリー フォーサイト・エディターは言う。

 イプソスは米国の高齢消費者に、新型コロナウイルスの世界的流行以来、彼らにとって何がより重要なのかを調査したところ、引き続き身の安全が重要であることに加えて、身体の健康にも言及していたという。ミンテルによると、新型コロナウイルスの世界的流行が続く中、ベビーブーム世代は新型コロナ感染のリスクをますます気にするようになった。「特にジェネレーションXとベビーブーム世代にとって、このリスクと不安は長期にわたって続くことだ。彼らがどれだけ早くこの状況から抜け出し、“普通”の生活に戻るための準備に影響を与えるだろう。 "小売りやブランドの観点から、彼らのような消費者にどうやって対応していくかを考えることは、本当に重要になってくるだろう」とビショップ= ザ フューチャーラボラトリー フォーサイト・エディターは話す。

 イプソスによると米国のベビーブーム世代は、新型コロナの世界的な流行の中、高級美容製品を購入した人の割合がそれまでの約14%から約44%まで上昇した。38%のベビーブーム世代、53%のジェネレーションX、約26%のジェネレーションZとミレニアル世代に見られるように特に年齢層が高い消費者は、オンラインで購入したものを今後も継続したい意向をみせているが、それでも年齢層にとっては実店舗が主要な購買チャネルである。

 年齢層が高いベビーブーム世代やそのなかでも比較的高齢な人は、しばしほかの世代と孤立している故に、買い物することは彼らにとって他者と関りを持つ意味がある。コミュニケーション能力に優れたプロの販売員の接客は、ただ何かを販売するだけでなく、交流することでもある。それは実店舗での購買において、本当の付加価値を持つことになるだろう」とノルト=ビューティストリームズ クリエイティブ・ディレクターは言う。

 新型コロナウイルスの世界的な流行以前から、ビューティのデジタル領域の発展が目覚ましい。SNSや動画配信を通してユーザーとコミュニケーションを図ったり、AR(拡張現実)によるコスメのシミュレーションができたりとさまざまなコンテンツを打ち出してきた。一方で外出自粛の影響で人との関りが薄れていくことに物足りなさを感じている世代も多く、デジタル分野の親和性が高いミレニアル世代も例外ではない。収束の目途が見えない未曽有の状況で新たな取り組みを余儀なくされる中、消費者の動向は原点回帰的な動きが強まっているようだ。

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ゼンショーの新・焼肉店は「キャンプを回転寿司」にして、ド満席だった

 外食最大手のゼンショーが焼肉分野で新たな試みを始めている。アウトドアのキャンプをコンセプトに意欲的な店を出店した。流行の「体験型」とも言える店だが、単なる目新しさだけでなく、生産性を高める仕組みも取り入れており、この分野でもナンバーワンになろうという意思を感じた。
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金沢チャンピオンカレー、コロナ禍の米国に海外初出店。テイクアウトノウハウで勝負。

「金沢カレー」の元祖、株式会社チャンピオンカレー(本社:石川県野々市市、代表取締役:南 恵太)が、米国カリフォルニア州ロングビーチの飲食モール、「SteelCraft Long Beach」で海外1号店を出店した。また、8月中旬にはロサンゼルス市リトルトーキョーエリアにおいて、旗艦店となる「Champion's Curry Little Tokyo」を開店させる。同社初の海外出店。
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音声座談会「蓉子の部屋」 Vol.2藤野英人レオス・キャピタルワークス代表取締役会長「一人一人がユーチューバーになる時代に」

 「蓉子の部屋」は、川島蓉子・伊藤忠ファッションシステム取締役/ifs 未来研究所所長が、毎回ゲストを招き“未来”について考える音声番組です。未曾有の状況の中、業界はこれからの“未来”について考えなければならない現実に直面しています。そんな中、少しでも業界人に役立つヒントやカケラを音声配信でお届けします。近所のスーパーに行く時や、通勤・通学時に気軽に聞いてください(笑)。第2回は、藤野英人レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長に迫りました。「お金そのものに価値はない」「お金は“過去の努力の缶詰”であり“未来の可能性への缶詰”」「一人一人がユーチューバーになる時代に」など、藤野会長兼社長が考える“自分自身の人生のための投資”について語ります。

川島蓉子:1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステム株式会社取締役。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。日経ビジネスオンラインや読売新聞で連載を持つ。著書に『TSUTAYAの謎』『社長、そのデザインでは売れません!』(日経BP社)、『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞社)、『すいません、ほぼ日の経営。』などがある。1年365日、毎朝、午前3時起床で原稿を書く暮らしを20年来続けている。

藤野英人レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長:国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークス創業。JPXアカデミーフェロー、明治大学商学部兼任講師。一般社団法人投資信託協会理事。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用するほか、投資啓発活動にも注力する。著書に「お金を話そう。」(弘文堂)、「投資家みたいに生きろ」(ダイヤモンド社)などがある

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居酒屋甲子園2代目理事長がのめりこむ「ゴーストFC」。月90万円の利益を作る勝算は?

 店舗を持たず、デリバリーで売り上げを立てるゴーストレストラン。多くの企業が参入する中で、「居酒屋甲子園」2代目理事長を務めた株式会社夢笛(本社:広島県福山市)の高橋英樹社長は、ゴーストのフランチャイズ加盟に活路を見出している。既にタピオカミルクティー「ゴンチャ」と、うな丼の「宇奈とと」に加盟した。うまくいくのか?
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「セリーヌ」がメンズショーのライブ配信でネイルを発表か? TikTokでも意味深なティーザーを公開

 エディ・スリマン(Hedi Slimane)による「セリーヌ(CELINE)」は7月29日23時(日本時間)に、2021年春夏メンズコレクションのショーを同ブランドの公式サイトと公式インスタグラムでライブ配信する。

 これに先駆け、エディ自身が"THE DANCING KID(踊る子ども)"をテーマに撮影したティーザーを2種類公開している。1つ目は、テーマが記された横断幕が空にたなびくモノクロの映像で、2つ目はデニムジーンズを着用したメンズモデルが自身の爪にネイルを施す映像だ。2つ目に映っているネイルポリッシュのパッケージはブラックのキャップにグラスボトルで、エディが同ブランドで初めて手掛けたフレグランスのパッケージに似ているため、ネイルポリッシュのローンチの可能性を示唆しているようにも見える。

 また同ブランドのティックトック(TikTok)公式アカウントの初投稿として、同様のティーザーを公開。2つ目の映像の音源に合わせ、19年に同ブランドの広告にも起用されたノエン・ユバンクス(Noen Eubanks)やチェイス・ハドソン(Chase Hudson)、アンソニー・リーヴス(Anthony Reeves)、カーティス・ローチ(Curtis Roach)らティックトックのトップクリエイターそれぞれが「セリーヌ」のロゴが入ったアイテムを着用した動画を投稿している。"THE DANCING KID"というテーマは、ティックトックで特に人気を集めるジャンルのダンスとも関連がありそうだ。

 「セリーヌ」は3月に男女合同でショーを行なったが、コレクションの方向性によってはメンズのみのショーを再び行う可能性があることを米「WWD」に明かしていた。

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オンワードの「23区 オム」がブランド休止

 オンワード樫山のメンズブランド「23区 オム(23区HOMME)」が2020年春夏シーズンをもって休止する。全国の百貨店店舗および直営店の営業、ECでの販売は順次終了する。

「23区オム」は同社の主力ウィメンズブランド「23区」から派生する形で1995年にスタート。40代以上の男性をターゲットに、品質にこだわったスーツやシャツ、パンツなどフォーマルからカジュアルまで幅広く提案してきた。同社のメンズブランドでは「J. プレス(J.PRESS)」「五大陸」「ジョゼフ(JOSEPH)」などに並ぶ主力ブランドだったが、近年は主販路である百貨店の客離れに伴い業績が低迷。20年2月期のブランド単体の売上高は前期比5.3%減の21億円だった。

親会社のオンワードホールディングスは20年2月期から今期にかけて百貨店販路を中心に約1400店舗を閉店する一方、カスタマイズやライフスタイル分野、ECへ経営資源の集中を進めている。今回の「23区 オム」の休止も、この事業構造改革の一環とみられる。

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「ディオール」が人気アイシャドウをリニューアル ランウエイから着想を得た全13色をラインアップ

 「ディオール(DIOR)」はブランドを象徴するアイシャドウパレット「サンク クルール」をリニューアルする。7月29日に公式オンラインブティックと一部百貨店で先行発売し、8月7日から全国販売する。

 リニューアルして新登場する「サンク クルール クチュール」(全13色、各7600円)は、クリーミーな質感のパウダーがまぶたにしっかりとフィットし、あらゆるスキントーンになじんで美しい仕上がりを長時間キープ。アロエベラとパインオイルのスキンケア成分を新配合し、軽やかなつけ心地をかなえる。カラーはランウエイのルックから着想を得た多彩な13色をラインアップする。

 また、新たなパッケージデザインとカールアップ効果を強化した人気マスカラ「マスカラ ディオールショウ アイコニック オーバーカール」(全4色、各4200円)と、ショーのバックステージから生まれたぺンシルアイライナー「ディオールショウ 24Hスティロ ウォータープルーフ」(全12色、各3000円)も上記と同じ日程で発売する。

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伊勢丹新宿本店の新サービス“マッチパレット”に予約続々 5秒の全身計測でスタイル提案

 伊勢丹新宿本店は7月15日、本館3階のイセタンパーソナルラボ(以下、パーソナルラボ)で、新サービス“マッチパレット”をスタートさせた。このサービスは、ワコール(WACOAL)の3Dボディースキャナーを利用して全身のサイズを計測し、販売員が体形に合うアイテムやスタイリング、ブランドを提案するというものだ。

 伊勢丹新宿本店の3階にあるパーソナルラボは、カスタムメードやリフォームなどのサービスを提供するサロンのようなスペースだ。そこの一角に3Dボディースキャナーが設置されている。担当の販売員に案内され、セルフでボディースキャナーの測定を行う。下着での測定か、またはヌード寸法を希望する場合は専用のブラジャーが用意されている。測定が終わりタブレットに個人情報を入力すると、計測データと体形が分析されたプリントを渡され、左には18カ所の採寸データが、右には、採寸データに基づくサイズチャート(号、サイズ、インチ)とボディーサイズ(体の丸み、ウエストから上半身、下半身の形状)が記されている。ここまで詳細に自分の体のデータを見たことがない人がほとんどのはずだ。バストやウエストだけでなく、左右の腕の長さや太さ、股下などの計測データにより客観的に自分の体を知ることができる。
 
 “マッチパレット”は“似合うに出合う”マッチングサービスで、効率よく新たなブランドやアイテムを探せるというもの。3Dボディースキャナーの計測データをもとに、ブランドごとのサイズ感やトレンドを熟知した販売員がタブレットで9タイプの体形に振り分け、それぞれに合うアイテムやブランドを紹介してくれる。 “マッチパレット”公式LINEアカウントからオンラインチャットサービスを受けることもでき、伊勢丹新宿本店の公式オンラインショップで購入することも可能だ。3階の約50ブランド約1万点から商品を提案するというサービスだが、ゆくゆくはフロアを超えて買い回りのできるパーソナルショッピング体験を提供するという。

 3Dボディースキャナーのシステムはワコールの提供で、“マッチパレット”を体験すると3階のマ・ランジェリーのワコールコーナーで「ブラてびき」とボディー用美容液「ナイトピージェル」のサンプルが進呈される。さらに、ワコールのブラジャーを購入すると、下着専用洗剤“ランジェリーウォッシュ”のプレゼントがある(先着、数量限定)。

 三越伊勢丹の宮田雅文クロージング&アクセサリー1グループ 新宿婦人・婦人雑貨営業部ブランドショップ担当(婦人・肌着)フロアマネジャーによると、7月17日の時点で、“マッチパレット”の予約は約150人程度ということだった。内訳は30分のワンポイントコースが約4割、90分のコンサルティングコースが約6割。初日には50~60代の女性客の利用があり、コンサルテーション後に婦人服フロアでの買い周りがあったという。一方で、予約の内容は20~30代のデジタルに抵抗のない若い層も取り込めているようだ。“マッチパレット”のサロンで選んだ洋服のフィッティングも可能だが、館内の各売り場でもフィッティングできるよう臨機応変に対応していくという。

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通販ブランドから“ビューティブランド”へ 「オルビス」初の体験型施設が表参道にオープン

 オルビス(ORBIS)が、旗艦店「スキンケア ラウンジ バイ オルビス」を7月17日に東京・表参道にオープンした。自身の肌状態を理解し、正しいスキンケアを学ぶためのコンテンツやアプリ会員限定のスキンケアトリートメント、ワークショップ、さらには初のジュースバーなど、“パーソナル““体験”がキーワードになるショップだ。

 1987年の創業以来、通信販売と直営店舗での展開を行なってきた「オルビス」が、なぜ今、体験型の店舗を?と思うかもしれないが、これはブランドが2018年から行なっているリブランディングの一つだという。オルビスの小林琢磨社長は、「リブランディングではブランドロゴ・コーポレートカラーの変更や『オルビスユーシリーズ』『ディフェンセラ』といった戦略的商品も登場させている。今回の旗艦店は、リブランディングの一環として、心地よくいられる生活をサポートするために、“自身を知る”ためのショップだ」とコメントした。

 では、“自身を知る”とはどういうことなのか。同社がメイクもファッションも大好きという“今どき”の女性に調査したところ、「正しいスキンケアの方法がわからない」「自分に合っているアイテムを知りたい」という声が多かったそうで、おしゃれの感度が高い人でも、意外と基本的なことを理解していなかったのだ。そこで「スキンケアを学ぶきっかけがない人に向けて、五感で心地よさを満たしながら、自分らしい“美しさ”を見つける場所を提供したい」とショップを作った。続けて、「モノ作りには自信があるので、店舗以外でも製品を正しく使ってほしく、それを伝えるためのお客さまの拠点作りをしたかった」とブランド統括グループ クリエイティブディレクターの小椋浩佑氏。

 そして誕生した「スキンケア ラウンジ バイ オルビス」のコンセプトは、“自分の肌を知り本来の力を引き出す体験”の場。2フロア構成で、1階は誰もが入りやすいオープン&インクルーシブなフロア、2階はプライベート&エクスクルーシブなアプリ会員限定のフロアとなっている。「FEEL」「LEARN」「TAKE」を軸に、自身の心地よさや美しさを見つけるコンテンツを豊富にそろえているのが特徴だ。

 以前の「オルビス」は30〜50代がメインだったが、リブランディング後はその構成に変化が出始めているという。「『オルビスユー』の登場が新客を獲得し、20代後半〜30代のナチュラル・オーガニック志向のお客さまが増えた。今回の出店目的の1つとして、これまでのお客さまとのつながりの強化はもちろん、表参道エリアへの出店で、“ブランドの世界観に共感してもらえる人”との接点を増やすという目的もある。これまで接点を設けられていなかった表参道エリアに訪れる年間5万~6万人規模の来街者との、新たなブランド体験としての接点の構築を目指す」と小椋氏は語る。

 では、ショップの中に入った人に対する接点はどうか。これまでブランド体験の一つとして、18年から全国の直営店で、肌の水分や油分、くすみ、ハリ、キメなどを測定して“肌偏差値”を診断する「パーソナルスキンチェック」を導入していたが、新たに一人一人のファンデーションとメイクを提案する「パーソナルファンデーションチェック」サービスも開始した。今後、“未来肌”診断など新サービスの提供を控えており、“体験型”の進化も続いていきそうだ。

 また、朝8時からオープンするジュースバーは、その日の気分や状態を診断して選ぶ「インナー カラー ジュース」(Sサイズは650円、Lサイズはボトル入りで1200円。“飲むスキンケア”の「オルビス ディフェンセラ」もついている)を提供する。さらに、アプリ会員限定だが2階のパウダールームは無料で利用でき、半個室で1時間、メイク直しはもちろん、仮眠、瞑想もできてしまうのは忙しい毎日を過ごしている人の強い味方になりそうだ。

 「“通販ブランド”というイメージから脱却し、“ビューティブランド”としてブランドの世界観や思いが選ばれる存在になりたい」(小椋氏)という、その「思い」の体現の場に期待したい。

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アンダーアーマー、不正会計の疑い 米当局から通知

 アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)は7月27日、米証券取引委員会(The Securities and Exchange Commission以下、SEC)から不正会計の疑いで法的措置を受ける可能性があるとの通知を受け取ったことを明らかにした。

 これは“ウェルズ・ノーティス(Wells Notice)”と呼ばれるもので、調査対象に釈明の機会を与えるため事前に送付される。今回、SECはアンダーアーマーの2015年7〜9月期(第3四半期)から16年10〜12月期(第4四半期)の会計処理を調査した結果、売り上げを前倒しに計上して収益が好調であるように見せかけた疑いがあるとして、同社のケビン・プランク(Kevin Plank)創業者兼エグゼクティブ・チェアマンと、デイビッド・バーグマン(David Bergman)最高財務責任者にこの通知を送付した。

 同社はSEC向けの開示資料で、「会計処理は適切に行っており、解決に向けてSECと対話を進めていく」と述べているが、さらなるコメントは差し控えるとした。なお同社は、会計処理を巡って17年からSECの調査対象となっていたことを19年11月に発表している。

 アンダーアーマーはここ数年ほど業績が低迷しており、17年と18年はそれぞれ50億円程度の赤字を計上。19年は売上高が前期比1.4%増の52億6713万ドル(約5583億円)、純利益は9213万ドル(約97億円)と赤字を脱出したものの、20年1〜3月期(第1四半期)は新型コロナウイルスの影響もあり、売上高は前年同期比22.7%減の9億3024万ドル(約986億円)、純損益は前年同期の2247万ドル(約23億円)の黒字から5億8968万ドル(約625億円)の赤字となっている。

 ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス(Ross School of Business, University of Michigan)のエリック・ゴードン(Erik Gordon)教授は、「こうした不正会計などを行っているのはアンダーアーマーだけではない。アパレルや小売業界では、返品条件を緩やかにしてでも過剰に商品を販売して、とりあえず当期の売り上げ目標を達成し、返品などによる損失は来期に回していくという“慣例的な手法”が長年まかり通っている。今回のSECによる通知は、そうした手法は違法だと業界全体に対して警告したとみることもできるだろう」と語った。

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「エルメス」が中国で人気沸騰 ドラマの影響からSNSで話題に

 中国のテレビドラマ「三十而已(Nothing But Thirty)」のあるシーンがSNS上で注目を集め、中国で「エルメス(HERMES)」熱が盛り上がっている。このドラマは、中国都市部での生活から生まれる葛藤やプレッシャーを30歳の女性3人の視点から映しており、ファッション好きな人々を夢中にさせている。

 話題になったのは、トン・ヤオ(童瑶)演じる主人公がセレブ妻の集まりに「シャネル(CHANEL)」の2017年発売の限定バッグを持って参加した際に、他のメンバーがみんな「エルメス」の“バーキン”や“ケリー”を持ってきていたというシーン。その後SNSに投稿された集合写真から彼女だけが切り取られていたのを見て、コネを駆使して3日で“ケリー”を手に入れる。そして次の集まりでは「エルメス」を持って参加して、仲間として認められるという展開だ。

 インフルエンサーたちがSNSで取り上げたことを発端に、今や中国版のツイッターのウェイボー(微博、WEIBO)やウィーチャット(微信、WeChat)で、同ドラマや「エルメス」のバッグ、購入方法などを巡って熱い議論が交わされている。

 さらに同ドラマでは、セレブ妻の中でも37万ドル(約3900万円)の“ヒマラヤ クロコダイル ニロティカスマット バーキン”を持つ女性がヒエラルキーのトップとされ、紫色のクロコダイル製の“ケリー”などのレザー製のバッグを持つ女性たちは彼女ほど裕福ではないと表現されている。中国の富裕層社会における「エルメス」の価値をうまく表し、視聴者も「エルメス」欲がかき立てられる結果になっている。

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ミヤシタパーク屋上に藤原ヒロシプロデュースの「スタバ」がオープン 限定グッズも販売

 スターバックス コーヒー ジャパン(STARBUCKS COFFEE JAPAN)は8月4日に、藤原ヒロシがプロデュースした新店舗を東京・渋谷の複合施設ミヤシタパークの屋上に位置する渋谷区立宮下公園内にオープンする(東京都渋谷区神宮前6-20-10)。公園店舗としては都内5都内5カ所目となる

 店舗デザインは、広い公園敷地内の唯一の店舗であることを、海外の長い道の途中に存在するガソリンスタンドと重ね合わせてイメージした。店舗の正面と側面のガラス戸がフルオープンする仕様で、外部の緑の植栽に合わせて床面の一部もグリーンにデザイン。また公園施設に使用されているメッシュを天井部に用いた。店舗面積は約119平方メートル。

 また同店限定で、藤原ヒロシが率いるデザイン集団「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」とのコラボグッズも通年で販売する。「スターバックス」の人気定番商品である5種類のボトルとタンブラーに同店のIDとなる“MYST”の文字と“FRGMT”のロゴをあしらったアイテム(2500円~)や、「スターバックス」としては初となるロゴTシャツ(6900円)が登場する。

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「エクセル」史上最年少の若さで部長に就任 どんなキャリアでも常に“楽しんでいたい”

 常盤薬品工業の人気メイクブランド「エクセル」は30年以上の歴史を持ち、売り上げは右肩上がりが続いている。その好調の裏には、昨年11月にマーケティング統括部の部長に30歳という史上最年少の若さで就任した田島奏氏の功績も大きい。兼務する商品プランナー業ではブランドの全製品の企画開発を手掛け、トレンドと使いやすさを兼ね備えたアイテムでヒットを連発している。

WWD:常盤薬品工業に入社した経緯や理由は。

田島奏・常盤薬品マーケティング統括部部長(以下、田島):中学生の頃から、“化粧品は自分の目で選んで自由に試したい”という思いがあったため、セルフ化粧品を好んで使用していました。当時から「なめらか本舗」のスキンケアや「エクセル」のアイシャドウなどは愛用していましたね。学生時代にドラッグストアでアルバイトもしていましたが、常盤薬品工業の製品はいつもインパクトが強く、毎回新製品の入荷を楽しみにしていました。消費者と販売者の目線、そのどちらにも魅力を感じたことが入社の決め手となりました。

WWD:入社後の、これまでの業務について教えてください。

田島:入社1年目は営業、その後は商品企画部に異動となり、現在はマーケティング統括部部長兼「エクセル」ブランドをメイン担当とする、化粧品全般の商品企画(プランナー)です。もともと、もの作りをしたい気持ちで入社しましたが、作った商品がどんなふうに商談され、どんなインパクトがあれば小売側に魅力的だと思われるかが約1年の営業経験を通じて理解出来たと思います。どれだけ頑張って作った商品でも店頭に並ばなければお客さまの手にも届かないので、このやりとりを肌で感じ経験できたことは大きかったですね。とはいえ、営業的な視点に偏りすぎると「売りやすいもの、確実に売れるもの」という考えに陥りやすくなる懸念もあるので、やはり基本はメーカーの商品企画を担う者として、新たな価値を世に送り出すことを念頭に置くよう心がけています。

WWD:史上最年少でマーケティング統括部部長に就任。どういった点が評価されたと思いますか。

田島:評価いただいた点は、ここ数年間担当してきた「エクセル」の成長に寄与したことだと思います。昨年までの約6年間は、ブランド全体のマネジメントを行いながら全商品の企画を一人でやっていました。私が「エクセル」に携わるようになった2013年当時は、売り上げの半分近くがアイブロウだった。同アイテムを軸にしながら、ここ数年はアイシャドウやそのほかのアイテムの強化と充実をし、最大のターニングポイントは15年に発売したアイシャドウ「スキニーリッチシャドウ」です。この商品をきっかけに、爆発的にブランドの知名度が上がり、売り上げも大幅に伸長しました。ただ、これらのヒット商品を世に送り出せたのも先輩方が長年作り上げてきた礎があって成し遂げられたこと。正直、部長拝命は全く想像もしていなかったので当初は戸惑いしかなかったです。キャリアについても、自分の感覚が衰えない限りずっと商品企画を続けたいというタイプだったので……。しかし、商品企画との兼任を認めてもらったことや、これまで積み重ねてきた経験を生かし部全体に波及させていくことも私の使命であると感じたことから、とにかくチャレンジという気持ちで一歩踏み出してみることにしました。

WWD:部⻑としての苦労ややりがいは。

田島:まだまだ手探りの状態ではありますが、マーケティング統括部は商品企画やデザインなど部内で5つのグループに分かれているので、それらの横のつながりをどう作っていくかが課題でもありやりがいだと感じています。当社のメンバーは各々の思いやこだわりが強い分、意見がまとまらないこともしばしば。ただ、向かうべき方向はブランドチーム皆同じはずなので、そこをどう束ねていくか、道筋を示していくかが私に課せられた責務だと思っています。

WWD:では、プランナー業務での苦労ややりがいについては。

田島:薬機法や商標の関係で、言いたいことや付けたい商品名、色名がほぼ使用できないのが最も苦労している点です。そのしがらみの中で語彙やアイデアを絞り出すのがプランナーの腕の見せどころであり、醍醐味ともいえるかもしれません。最もやりがいを感じるのは、SNSで「色が可愛い!」「お気に入りのコスメ」などの生の声に触れた瞬間ですね。自分が生み出したもので誰かが少しでも嬉しい気持ちになれたり、可愛くなって自信を持てたり、もしかすると人生まで変えることが出来るかもしれないこの仕事を、心から誇りに思います。大切にしているのは、常に自分の企画を客観視し、疑いを持つこと。「本当にこれがベストな配色なのか」「使い方の説明は本当にこれで十分か」など、あらゆる角度から客観視することを重視して、企画の進行途中で大きく色味を変えることもしばしばです。

WWD:これまで携わった製品で思い出深いものは?

田島:どのアイテムも壁にぶち当たっていますが、「スキニーリッチシャドウ」の開発は、ブラウンとベージュ系だけでアイシャドウを作ると決めたものの、4色入り×4SKUで一度に16色開発せねばならず、微妙な色の差やニュアンスをつけることなど、当時は一人だったので本当に苦労しましたね。デザインについても、これまでの「エクセル」のパレットアイシャドウに比べて薄くしたり、社内の反対を受けながらも容器色を既存品と異なるブラウンカラーにしたりするなどデザイナーと二人三脚で何度も改良しました。さまざまな苦難を乗り越え最後までこだわり抜いたことが、結果としてこの商品がこれほど多くの人に愛されることにつながったと思うので、本当に頑張ってよかったと感じています。

WWD:今後、「エクセル」をどのように成長させていきたいですか。

田島:「エクセル」はこれまで、「こんなコスメがあったら毎日のメイクが楽しくなる」というリアルな発想で商品を生み出してきました。その結果、多くの人がブランドのファンとなって、新商品を心待ちにしてくれています。今後もわれわれのスタンスは基本変えるつもりはありません。これからもお客さまの毎日に心地よくフィットしながらも、どこかきらりと光る存在でありたいと願っています。10月20日には、4種の質感の異なる単色アイシャドウ「エクセルアイプランナーS/R/F/D」と、粉っぽさのない新感覚のマットリップ「リップベルベティスト」が登場します。このアイテムも、色、質感、きらめきなどに徹底的にこだわり抜きました。普段使いにもアクセント使いにも必須な一品となると思います。

WWD:仕事によって自身がどのように成長したいですか。

田島:何事においても、全体像から物事の本質を捉えられるようになりたいですね。今の立ち位置になってからは、その必要性をより肌で感じています。この見方は仕事だけでなく人生においても重要なことだと思い、今後も仕事を通じて養っていきたい力です。また、この先の具体的なキャリアは未知ですが、トキメキやワクワクを生み出すメーカーで働く以上、どんな状況でも常に“楽しんでいたい”と思っています。

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不屈の「コム デ ギャルソン・オム プリュス」 2021年春夏のショーで見せた8分間の輝き

 「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS以下、オム プリュス)」は、2021年春夏コレクションを東京・南青山の本社で発表した。7月にオンラインで開かれたパリ・メンズ・コレクションには参加せず、国内でバイヤー、スタッフ、メディア向けに3回のミニショーを行った。会場は本社7階のフロア。新型コロナウイルスの感染予防対策で約40の座席は間隔をとって配置されていた。パリでのショーはいつも大混雑で、スタンディングの場合は服が見えるポジションを素早く確保したり、ランウエイが見える隙間を探すのに苦労したりしていることを考えると異様な空間であり、張り詰めた空気に緊張感が高まった。

逆境に屈しない“メタル アウトロー”たち

 定刻の10時になると壁面にはアーティストのアルベルト・ビタール(Alberto Bitar)が手掛けた映像が投影され、無機質なフロアをモノクロのパリの街が彩る。登場したモデルたちはその風景と呼応するような無彩色で、全身メタリックな素材のウエアをまとっていた。デザイナーの川久保玲がテーマに掲げたのは“メタル アウトロー”。宇宙服のようにギラギラした化繊から、アルミホイルのようなシワっぽいもの、箔をプリントした素材まで、服にメタリックなポイントを取り入れて逆境を乗り越える強さを表現した。細身のスーツや燕尾服、ラップスカートや膝丈のショーツなど「オム プリュス」らしいウエアが、さまざまな光沢によって異質な強さを手に入れる。

 ほかにも共通していたのは、全てのルックがテーラードを中心に構成されていたことだ。パンクなピタピタのスーツやパステルカラーのリラックスフォーマル、ライダースジャケットのカジュアルやシックなブラックドレスなど、あらゆるスタイルでジャケットやコートを打ち出した。メンズの定番服を重ねて縫い付けたり、破いたり、再構築したり、左右非対称にしたりすることで“王道”を破壊していく。とはいえ退廃的な重たさはなく、複雑な構造を読み解いていく楽しさがある。定番となった「ナイキ(NIKE)」とのコラボシューズも軽快だ。ショー開始前に抱いていた緊張感はいつしか高揚感へと変わり、8分間のショーはあっという間にフィナーレを迎えた。

 新型コロナウイルスの影響でファッション業界全体が窮地に立ち、現在は上質でタイムレスな服さえも売れない状況が続いている。またファッションショーに対しても、合理性の観点から懐疑的な声が増えつつある。そんなファッションの魔法が解けつつある中でも“アウトロー”を貫く「オム プリュス」の強い姿勢はたくましく、フィジカルのショーだからこそ感情がここまで揺さぶられたのかもしれない。「簡単で楽な服ばかり選んではいないか?」「つくられた価値観に無意識に流されてはいないか?」「意志と覚悟をもってファッションと向き合っているか?」――「オム プリュス」のショーはいつもそんなメッセージとともに見る者の背中をぐいっとつかみ、思考をファッションの本質へと引き戻してくれる。

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「オーシャンズ」を傘下に収めた「フォーブス」運営会社の成長の秘けつ

 アメリカを拠点に、世界40カ国で展開するグローバル経済誌「フォーブス」の日本版「フォーブス ジャパン(Forbes Japan)」は、紙面やウェブ、イベント、そして外部メディアの支援など多角的なビジネスを行っている。特に日本でのビジネスは世界各国の「フォーブス」の中でも、一つの成功例として評価されているという。日本版を発行するリンクタイズの角田勇太郎・取締役社長は同誌のビジネスモデルについて「部門横断でありとあらゆるアセットを使い、ニーズによって組み替えながら、各クライアントに合わせたソリューション型のスタイルでビジネスを行なっている。これは紙媒体の販売から始まった、縦割り型の構造の出版社とは大きく異なる」と語る。(この記事はWWDジャパン7月27日号の雑誌・メディア特集の記事を加筆したものです)

 また、同社は、2019年8月にメンズ誌「オーシャンズ(OCEANS)」を発行するライトハウスメディアを傘下におさめ、ライフスタイル領域への拡大も図っている。このことについて角田社長は「『フォーブス ジャパン』が立ち上がって、今年で6周年となるが、企業としての成長曲線を描いていくためには、『フォーブス ジャパン』がこれまで培ってきたネットワークやノウハウなどを使い、新しいことに取り組まないといけないと考えていた。そんな中で、『オーシャンズ』から、デジタル戦略で相談や協業の話があった。お互いにいろいろと議論を重ねていく中で、ブランドイメージやユーザー像、コンテンツなどの面で『オーシャンズ』と『フォーブス ジャパン』は相性がよいのではないかという結論に至った」と経緯を話す。

 しかしなぜ、提携や協業ではなく、子会社化する必要があったのか。「『よくライトハウスメディアが経営難で、それを買い取ったのか?』と聞かれるがそうではない。『オーシャンズ』は14年間、出版社のビジネスモデルでしっかりと利益を出していた。現在も紙媒体の定期購読者を2万人も抱えている。ただ、デジタルが経営課題であり、かつ伸び代だった。『オーシャンズ』が今後、成長するためには、デジタル戦略を推進するパワーが必要不可欠だろう、と話し合った末、提携や協業といった分離状態よりも、経営の指揮をわれわれが取った方が『オーシャンズ』としてもより拡張しやすいだろうという話になった」と説明する。

「オーシャンズ」と「フォーブス」の相乗効果

 その後は「オーシャンズ」の働き方やKPIの見直しなどを徐々に進め、1月にはオフィスを統合した。「手前味噌だが、『オーシャンズ』のスタッフは本当にいい人たちばかりで、働き方や進め方が変わっても、心がブレるような人がほとんどいなかった。今年は“デジタルブースト”を目標に掲げ、『フォーブス ジャパン』のノウハウやリソース、アセットを注入している。実際にPV数も過去最高数を更新しているほか、動画の制作能力やイベントの実施体制など、準備も整っている。今年の下期は仕掛けていきたい。リンクタイズとしても、『フォーブス ジャパン』と『オーシャンズ』とを横断した広告の提案などを始めている。ビジネス誌で“オン”の側面が強い『フォーブス ジャパン』と、余暇、つまり“オフ”の部分を提案できる『オーシャンズ』との組み合わせで、より立体的な広告になることができると考えている」と期待を見せる。

 ただ、拡大を続けている同社にも、コロナ禍の影響はもちろんあった。販売部数への影響は軽微だったものの、6月発売の号は「フォーブス ジャパン」「オーシャンズ」共に発行見送り。3〜5月は広告出稿の突然のキャンセルが起きたり、リアルイベントの開催が不透明になったりした。ただ、角田社長は前向きだ。「7月発売号はオンラインでの取材や、紙面づくりの大きな見直しを行い、リモートでの校了が可能となった。現在はコロナ後にも生かせる編集スタイルを模索中だ。また、イベントに関しても年内は全てオンラインで実施すると決め、さまざまな取り組みを行なうことで、既にいくつかのスポンサーもついている。その中で、リアルでやるべきこと、オンラインでやるべきことが見えてきた。コロナ後はリアル、オンライン双方で複合的にイベントができるのではないかと考えている」。

 「フォーブス ジャパン」としては今後、「グローバルとの連携の強化」と「新規ビジネスの開拓」に力を入れていく計画だ。「『フォーブス』のグローバルとしての強みを活用し、イベントやデジタル領域で複数国を横断したようなプロジェクトを考えている。実際に日本でもコロナで中止になってしまったが、中国・蘇州と大阪でコラボしたイベントを企画していた。新規ビジネスでは、『フォーブス』からの派生ビジネスや、他メディアのDX(デジタルトランスフォーメーション)の支援の強化を考えている。派生ビジネスでいうと、昨年スタートした『フォーブス ジャパン キャリア』が好調で、今年は2〜2.5倍の成長を見込んでいる。今後もいろいろと仕掛けていきたい。DXの支援では、“modify”というデジタルメディアのためのCMSを35メディアに導入している。今後は導入先の拡大はもちろん、新たなプロダクトの開発も行なっていくつもりだ」。

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次世代店舗の大本命 シリコンバレー発「ベータ」が日本上陸

 米国シリコンバレー発の体験型店舗「ベータ(B8TA)」が8月1日、新宿マルイ本館1階と有楽町電気ビル1階にオープンする。店舗面積は新宿店が122平方メートル、有楽町店が256平方メートル。主目的を販売ではなく来店客の“体験”と“発見”に据え、海外の最新ガジェットや日本のモノ作りを生かした商品、D2Cブランドのコスメ、ファッション、フードなど幅広い商品全145種類以上をそろえる。また、出品ブランドの世界観を体現した空間である“エクスペリエンスルーム”を新宿に1箇所、有楽町に3カ所用意。新宿ではEC構築支援サービスの「ベイス(BASE)」が、有楽町にはグーグル(GOOGLE)と「カインズ(CAINZ)」が出店し、もう1カ所はイベントスペースとしている。

 「ベータ」は2015年、米サンフランシスコ近郊のパロアルトに最初の店舗をオープン。「リテールを通じて人々に“新たな発見”をもたらす」ことをミッションに掲げた“RaaS(Retail as a Service、小売りのサービス化)”企業として、出店企業から月額費用をもらい、リアル店舗運営に必要な従業員の手配、接客トレーニング、在庫管理、物流、POSなどを提供。さらに、店舗内にカメラを設置し、来店客の行動データも出店企業側へ提供している。企画から「ベータ」への出品は約4週間ほどで、オンラインショップに出品するような手軽さでリアル店舗に出店できるのが特徴だ。現在、ガジェット系を中心に累計1000ブランド以上が出品、米国に23店舗、ドバイに1店舗の計24店舗を構える。

 日本では、サンフランシスコのベンチャーキャピタルであるエボリューション・ベンチャーズ(Ecolution Ventures)との合弁でジャパン社を設立。丸井グループや三菱地所、カインズ、凸版印刷からの出資を受けている。7月28日に行われた発表会に登場した、ベータ・ジャパンの北川卓司カントリーマネジャーは日本上陸の経緯について「サンフランシスコの店舗への来店客に日本人が多かったということや、アジア進出を視野に入れていた中で日本はサービスに対する感度が高かったこと、そして日本で出資企業が見つかったことの3点が大きい」と説明する。

 店舗の什器や壁面のデザインは米国の店舗を踏襲。同社が“テスター”と呼ぶ、販売を主目的としない接客を行う店舗スタッフは丸井からの出向も含め各店舗8人以上の体制を取る。「各社のオンラインへの参入が増える中で、差別化を図るためにオフラインのプレゼンスを自社店舗で上げたいという意識が高まっている。しかし、商業施設への出店はコストが高く、路面店は準備すべきことが多い。当社では、月額30万円前後のサブスクリプションモデルで、魅力的な場所への出店をオンライン上でどこからでも可能にしている。また、“テスター”も、出店企業側の直接トレーニングや独学可能なオンラインシステムなどを導入し、訓練しているほか、来店客の行動データもソリューションとして提供している。これらにより、“リアル店舗出・ブランド体験コストの最小化”や“ブランドの世界観・イメージを維持した売り場づくり、体験提供”、そして“オフライン店舗のデータを活用した一歩先のマーケティング”といったメリットが生まれると考えている」と北川カントリーマネジャー。今後の出店計画に関して具体的な名言は避けたものの、「もちろん検討している」と話す。

 発表会には、出資企業の代表者たちも登壇した。そのうちの1人である丸井の青野真博・取締役社長は「16年にアメリカの『ベータ』の店舗に行ったが、非常に驚いた。アメリカでは、小売りの未来の象徴として支持、尊敬されている。小売りのビジネスをわれわれも長く営んできたが、モノを買うこと自体はいつでもどこでもできるようになっているため、今のままでは難しく、リアル店舗の価値を考える必要が出てきている。さらには小売では個人や中小、スタートアップが新しいサービスや商品を開発している。『ベータ』はそういった人たちが気軽に、新宿や有楽町に出店してお客さまと触れ合ったり、世界観をお披露目したりするプラットフォームだ。当社もいろいろなリソースを活用して、一緒に新しい小売りの姿を作っていけたらと思っている」と期待を見せた。

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「ミヤシタパーク」そろり開業 入場は事前予約の9000人のみ

 三井不動産は28日、渋谷区との共同事業として開発した複合施設「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)」の物販エリアを開業した。新型コロナウイルスの感染防止策として、入場を事前予約した約9000人に制限。オープン前のメディア露出も抑えていたため、混雑もなく静かなスタートとなった。

 当面は同様に入場者数をウェブサイトで事前予約した1日9000人に制限し、出入り口も集約する。3階建ての屋上に設けた公園には予約なしでも入場できる。開発前の区立宮下公園と同様にスポーツをテーマにした公園には芝生の広場だけでなく、スケートパークやボルダリングウォール、ビーチバレーやビーチサッカーなどに使用できる砂のコートもある。

 ミヤシタパークは山手線と明治通りに挟まれた全長330mの区立宮下公園を公園、商業、ホテルなどが一体となった複合施設に作り変えた。商業施設には約90店舗が入る。ホテルは8月1日から、飲食エリアは4日からそれぞれオープンする。

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