「ビュリー」路面2店舗目の青山骨董通り店がオープン 目印はハンドクリームの巨大な模型

 パリ発美容ブランド「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY、以下ビュリー)」は、国内7店舗目、路面店では1号店の代官山店に続く2店舗目となる東京・青山骨董通り店を8月28日にオープンした。

 新店舗は赤レンガ造りのビルに合わせたデザイン。ショップサインとして代表製品のハンドクリーム「ポマード・コンクレット」の巨大サンプルを掲示した。店内はブランドの根幹である“伝統とモダニティ”の融合を表すように、カウンター内は18世紀フランスを思わせるクラシカルな劇場をイメージした装飾、カウンターと向き合う壁面には理化学研究用の日本製のガラス管を一面にディスプレーした。複雑に絡み合ったガラス管はオイル製品のテスター器具としての機能も持ち、楽しみながらブランドの世界観を体験できるように設計。そのほか店舗奥には手を洗える水栓スペースを設けた。

 スキンケア製品や水性香水、くしなどの美容ツールを扱う「ビュリー」は17年4月に日本1号店を東京・代官山にオープンした。直近では6月に開業したニュウマン横浜に6店舗目を出店。植物を主原料に自然な製法で作られるスキンケアに加えてアーティスティックなパッケージや店舗デザインが支持されている。

The post 「ビュリー」路面2店舗目の青山骨董通り店がオープン 目印はハンドクリームの巨大な模型 appeared first on WWD JAPAN.com.

関西最後の「西武」が営業終了 堤家ゆかりの滋賀県で44年

 西武大津店(滋賀県大津市)が31日、最後の営業を終え、44年の歴史に幕を下ろした。2019年9月に閉店した西武高槻店に続き、同大津店も撤退したことで、「西武」の屋号を持つ百貨店が関西から姿を消すこととなった。

 最終日は朝10時の開店前に550人が行列を作った。開業時から同店を見守ってきた中高年はもちろん、若年層も含め幅広い年代の地元客が来店し、最後の買い物を楽しんだ。7月1日から閉店記念のサンクスセールを開催。最終日を除く8月の売り上げは前年同月に比べて2倍、最終日は同2.5倍で入店客数は約2万5000人だった。

 7階で開催されていた「44年のあゆみ展」にも大勢の人が詰めかけ、約100点の写真パネルに見入りながら写真を撮ったり、思い出を語り合ったりして懐かしんだ。正面玄関近くにはメッセージボードが設置され、「大津の自慢の西武さん、ずっといてくれると思っていたので残念」「約30年前のジョンレノン展が忘れられません」「やっぱり私の青春かな」など、閉店を惜しむ声や感謝の言葉、思い出のエピソードなどで埋め尽くされた。地元から愛された百貨店だったことが改めて伝わってきた。

 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、閉店セレモニーは行われず、通常の閉店体制だったが、夜8時の閉店が近づくと1階南出入口前には最後の瞬間を見届けようと数百人が殺到。同店の宮島潤店長が最後の客を見送り、深くお辞儀してシャッターが下りはじめると、「ありがとう」「さよなら」と声援が飛び交い、多くの拍手が送られる中、最後の営業を終了した。

 中学生のときに同店が開店し、大学生の2年間、エレベーターガールのアルバイトをしたという市内在住の主婦(58)は「めちゃくちゃ懐かしくてエレベーターの写真も撮った。開店当時はこの界隈で一番華やかな場所で学校帰りによく入り浸っていたが、最近は日常的に利用することはなくなった。あるのが当たり前になっていたのか、いよいよ閉店となると自分にとって大きな存在だったと気づき、寂しさが込み上げた」と、涙で言葉を詰まらせた。

 1979年から市内に住み、愛犬のトリミングで同店のペットショップをよく利用していたという男性(74)は「デパートでは珍しく、駅前から離れた不便な立地にあるのは、西武の堤さんが地元の発展を願っていたから。近隣のマンションの住民のなかには西武百貨店があるから引っ越してきたという人も多い。跡地はマンションになるそうで非常に残念」と名残を惜しんだ。

 西武大津店は、1968年に琵琶湖を埋め立てて開催された「びわこ大博覧会」の会場跡に、76年6月開業。滋賀県は西武グループの創業者、堤康次郎氏の出身地でゆかりが深く、大津市初の百貨店として市民らに親しまれてきた。しかし、バブル崩壊後の1993年をピークに業績が低迷。371億円だった売上高は19年2月期に99億円まで落ち込んでいた。低価格SPA(製造小売り)アパレルの台頭や郊外型ショッピングモールの勢力拡大、京都や大阪商圏への顧客流出、ECの急成長など、地方百貨店を取り巻く経営環境の激変に対応できず、業績悪化の一途をたどった。

 同店に隣接していた大津パルコも2017年8月に閉店。かつて西武王国といわれた土地柄だが、小売業でも権勢を誇った西武の存在感がさらに薄まる。同時に滋賀県は山形県、徳島県と同じく、県庁所在地に百貨店がない県となった。

 そごう・西武は31日に、そごう徳島店、そごう西神店(兵庫県)、西武岡崎店(愛知県)の営業も終えた。「西武」だけでなく、大阪発祥の「そごう」の屋号も関西から消えた。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

The post 関西最後の「西武」が営業終了 堤家ゆかりの滋賀県で44年 appeared first on WWD JAPAN.com.

「ジーユー」が福士蒼汰をイメージキャラクターに起用 メンズのブランディング強化

 「ジーユー(GU)」は2020年秋冬メンズのイメージキャラクターとして俳優の福士蒼汰を起用する。

 店頭、ウエブ、テレビCMなどのプロモーションに登場する予定で、“CPOシャツ”(2490円)のビジュアルを第1弾として公開した。「ジーユー」は今期、メンズのブランディングを強化しており、イメージキャラクターの起用を決めたもの。

 普段から「ジーユー」の服も着るという福士は「男性だけでなく女性も着られるアイテムがそろっている、ぜひファッションを楽しんでほしいとコメントした。

The post 「ジーユー」が福士蒼汰をイメージキャラクターに起用 メンズのブランディング強化 appeared first on WWD JAPAN.com.

伊「ヴォーグ」9月号は100人100通りの表紙

 広告のため1年の中で最も分厚くなり表紙も各雑誌が力を入れる9月号、通称“セプテンバーイシュー”でイタリア版「ヴォーグ(VOGUE)」は、さまざまな年齢、ルーツ、ライフスタイルを持つ人物100人を表紙に起用した。同誌史上初めての取り組みで、多様性と包括性のメッセージを伝えている。また表紙に登場した人物はそれぞれ、イタリア版「ヴォーグ」公式インスタグラム(@vogueitalia)で自身のライフストーリーを語った60秒の動画を公開している。

 誌面では、劇作家ジェレミー・O・ハリス(Jeremy O. Harris)が書いたテキストを添えた、写真家タイラー・ミッチェル(Tyler Mitchell)によるBLM(Black Lives Matter=黒人の命は大切)運動に捧げるマニフェストが特集されている。さらに映画監督のマーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)とは、同氏が手掛けたジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)のドキュメンタリー「Made in Milan」の公開30周年を祝うインタビューも掲載している。

 表紙を飾るのはモデルのシンディ・クロフォード(Cindy Crawford)、パット・クリーブランド(Pat Cleveland)、ドナ・ジョーダン(Donna Jordan)や、売れっ子モデルのカイア・ガーバー(Kaia Gerber)、ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)、イリーナ・シェイク(Irina Shayk)、アレック・ウェック(Alek Wek)ら。

 ほかにもモデルで活動家もあるベサン・ハーディソン(Bethann Hardison)や初めてヒジャブでランウエイを歩いたウグバッド・アブディ(Ugbad Abdi)、プラスサイズモデルのプレシャス・リー(Precious Lee)、「#MeToo」運動のキーパーソンであるキャメロン・ラッセル(Cameron Russell)とトリッシュ・ゴフ(Trish Goff)も登場する。

 さらに社会的発信を続けるエミリー・ラタコウスキー(Emily Ratajkowski)やパロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)、LGBTQ+の権利啓発に力を入れるトランスジェンダーかつノンバイナリーモデルのインディア・ムーア(Indya Moore)や、エイジェンダー(無性)を自認するジュノ・ミッチェル(Juno Mitchell)らも起用。国際的な活動家や作家、写真家、アーティストなど幅広い人物が登場している。

 同誌のエマニュエル・ファルネティ(Emanuele Farneti)編集長は、「100枚の異なる表紙を制作するのはこれが初めて。一人一人が主人公として表紙に登場し、年齢や外見、肌の色の異なる個人に捧げたものになっている。待ちわびていた層に焦点を当てたポートレートの数々だ。距離やさまざまな制約が加わった中で、フレッシュなスタートを切った」と述べた。

The post 伊「ヴォーグ」9月号は100人100通りの表紙 appeared first on WWD JAPAN.com.

三井物産アイ・ファッションがエシカルなD2Cブランドを発売 初のファッションブランドに挑戦

 三井物産グループの繊維商社である三井物産アイ・ファッションは、ニュージーランド産メリノウールを主原料とするオリジナルのニットブランド「アニュアル(ANNUAL)」をeコマースで販売する。現在商品の予約を受付中で、9月9日に発送を開始する予定。同社初となるオリジナルのファッションブランドだ。

 ニュージーランド産メリノウールの特徴は、白度が高く、繊細で柔らかくて丈夫なこと。そして、リサイクルができるエシカルな素材であることだ。

 同社は事業の主軸を環境に配慮したエシカルに置き、その一環として消費者から回収した衣料品を再資源化するシステム「クロスループ」を開始した。「アニュアル」の商品も再資源化が可能で、商品に「クロスループ」のラベルを取り付けることで消費者に回収の協力を呼び掛ける。商品価格は2万~3万円。

 eコマースをメインに販売するがブランド認知度を高めるため、9月にバーニーズ ニューヨークの銀座本店と横浜店で、10月に同新宿店と福岡店でポップアップストアをオープンする。

 同社でエシカルな事業を中心的に担う商品開発室の米﨑尊路・室長は、「エシカルの考え方を理解してもらうためには自社から直接消費者に商品を届けることが必要だ。お客さまとのタッチポイントを得ることで、生の声をいただくことが今後の商品開発の改善につながる。それがなければ、商品の未来はない」と話した。

 同社は、紙糸から開発された繊維を使用したオリジナルブランド「ワ クロス(WA CLOTH)」も11月に行われる合同展「ルームス(rooms)」に出展後、21年春にスタートさせる予定だ。

■バーニーズ ニューヨークでの「アニュアル」のポップアップショップ
場所:銀座本店、横浜店
日程:9月18~27日
時間:11:00~20:00

場所:新宿店、福岡店
日程:10月2~11日
時間:11:00~20:00

The post 三井物産アイ・ファッションがエシカルなD2Cブランドを発売 初のファッションブランドに挑戦 appeared first on WWD JAPAN.com.

スパイバー傘下になった「ユイマ ナカザト」が “TV電話を使ったオートクチュール”を事業化

 中里唯馬が手掛ける「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」は、ビデオ通話を利用した新しいオートクチュールのサービス“フェイス トゥ フェイス(Face to Face)”をスタートさせた。7月7日にオンラインで開催されたパリ・オートクチュール・ファッション・ウイークで発表したもので、7月末から一般向けへのサービス提供を開始。

 内容は、依頼者が自身のシャツを「ユイマ ナカザト」へ送り、ビデオ通話でデザイナーの中里との15分間の対話を行う。その後、依頼者のエピソードや要望をくみ取りながら、中里がそのシャツを新しいデザインへとリメイクするというもの。価格は1着30万円。オンラインストアから注文でき、3週間~1カ月で商品が完成する。“特別な1着を長く大切に着る価値観”を伝えるため、お直しなどのアフターサービスも受け付ける。

 ユイマナカザトは人工タンパク質素材の開発で知られるスタートアップ企業のスパイバーに株式の過半数を2月に売却し、同社の子会社になったばかり。新サービスに込めた思いや、スパイバー傘下入りについて中里に話を聞いた。

WWD:“フェイス トゥ フェイス”を始めた理由は?

中里唯馬(以下、中里):1月にパリでクチュールを発表した後、新型コロナウイルスの影響で普段通りのモノ作りをすることが難しくなり、3月末には7月開催のパリ・オートクチュール・ファッション・ウイークがリアルでの実施を中止するという話が出てきたんです。「私たちに何ができるだろう?」と考えていたときに、世界中でミュージシャンたちが自宅から世界へダイレクトに音楽を発信している姿に感動し、私たちにも何かできることがあるのではないかと希望が湧いてきました。オンラインでも私たちに何かできるのではないかと思ったんです。そこでまずはチャリティーという形で、オンライン上で募った25人の方への服作りを始めました。洋服がネットで注文してすぐ届く時代に、オンライン上でのオートクチュールに挑戦したいと思ったんです。

WWD:アイテムをシャツに限定した理由は?

中里:クチュールはオーダーメードなので、お客さまの採寸ができないのは致命的です。しかしシャツは、老若男女誰もが持っているアイテムで、シンプルな構造で、かつ体に沿った形をしているので、採寸ができない問題を解決できると思いました。依頼者の白シャツをお預かりして、丁寧に縫い目をほどいて、こちらで用意した白い生地を組み合わせながら新しい服に生まれ変わらせる作業を行いました。発表動画では白シャツに限定したのですが、今回事業化するにあたりシャツはどんな色柄でも、またTシャツもシャツの種類の一つなのでお受けしたいと思っています。

1週間で25件、最高月産50~100着の注文を受けることが可能

WWD:依頼者との対話からデザインを考えるプロセスはどのようなもの?

中里:15分間という時間を設けて、シンプルな質問をさせていただきます。どんな短い会話でも、そのシャツにまつわるエピソードが出てくるんです。お母さまから受け継がれたシャツをお送りくださった方がいましたし、安価なシャツだったとしても一人一人ユニークな思い出があって。私はそのビデオ通話が終わった後もその人のことを考えてデザインするので、15分間しかお話ししたことがない方ですが、デザインが終わった後には知り合いのような感覚になっていますね(笑)。依頼者の方に大変満足いただけて、成功体験になりましたし、個人的にはデジタル上でも温かみのある服が生まれるということを実感できました。

WWD:注文はどのくらい受けることができるのか?

中里:オートクチュール期間に発表した動画では、1カ月で25着を作ることができました。今後、内部のリソースを合理化し、チームとの連係がスムーズになれば1日4~5件、1週間で25件ほどお受けできるようになります。そうすれば最高月産50~100着の注文を受けることが可能です。

WWD:30万円という価格をつけた理由は?

中里:大量生産ではなく、クオリティーを担保しながら3週間~1カ月の時間をかけて1着をお作りします。一生大切にしたいと思っていただけるような服を生み出し、“高いものには理由がある”ということ体感していただけたらうれしいです。30万円には送料も含まれています。

スパイバーとの“新しい衣服の可能性を考える”という共通の価値観

WWD:スパイバーの傘下に入った理由は?

中里:共通の知人を介して2年前に山形にあるスパイバー本社に伺い、1年前にはコラボレーションが実現しました。スパイバーが開発した人工合成タンパク質「ブリュード・プロテイン(BREWED PROTEIN)」に初めて触ったときに、素材としてこんなに面白いものはないとわくわくしました。スパイバーのチームとは世代も近く、“新しい衣服の可能性を考える”という共通の価値観やビジョンを持っています。お互いをリスペクトし合いながら信頼関係を築き、一緒にいいものを作っていきたいという思いで一体化しようという決断になりました。

WWD:今後のコラボレーションは?

中里:19-20年秋冬では「ブリュード・プロテイン」を使って、立体的なテクスチャーを作ることができる素材「バイオ・スモッキング」を開発しました。原料を石油などの化石資源に頼らないサステナビリティの観点だけでなく、無駄を出さないオーダーメードのデザインと一緒に考えながら今後も研究開発することができれば、爆発力のあるものを生み出すことができると思います。長期的なパートナーシップを見据えて、僕も一員として新しい衣服の開発に携わっていきます。

WWD:今後もオートクチュール・ファッション・ウイークに参加していくのか?

中里:挑戦し続けたいと思っています。新型コロナや世界の状況を見ながら、その時に合ったベストなものを見せていきたいです。

The post スパイバー傘下になった「ユイマ ナカザト」が “TV電話を使ったオートクチュール”を事業化 appeared first on WWD JAPAN.com.

D2Cのブランディットがギークスなどから1億円を調達

 アパレルに特化したECサービスを展開するブランディットはこのほど、1億円の第三者割当増資を行った。リードインベスターはIT人材派遣大手のギークスで、三菱UFJキャピタルと既存株主で投資会社のディメンションが応じた。ブランディットは6月にアパレルに特化したECプラットフォーム「ブランディットシステム」の提供を開始しており、今回の増資でエンジニア採用を強化する。ブランディットは現在新たに3ブランドを準備しており、その資金にも充てる。

 同社は19年5月に、マークスタイラーのEC事業の責任者や動画配信プラットフォームのCANDEEの執行役員を務めた鍛治良紀氏が立ち上げたスタートアップ。インフルエンサーの佐野真依子を起用したD2Cブランド「トランク 88(TRANC 88)」の運営ノウハウをベースに、「ブランディットシステム」はECに必要な販売機能に加え、受発注や原価管理、販売開始日、配送データなどを一元管理できるなど、自社完結型のPDCAサイクルを回しやすい設計になっている。

The post D2Cのブランディットがギークスなどから1億円を調達 appeared first on WWD JAPAN.com.

「ノア」創業者ブレンドンに聞いた「アディダス」とのコラボレーションで伝えたいこと

 「ノア(NOAH)」はこのほど、「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS、以下アディダス)」とのコラボコレクションを発売した。ランニングシューズとアパレル、雑貨などをラインアップする。シューズにプラスチック廃棄物をアップサイクルして作った「アディダス」の新素材“プライムブルー(PRIMEBLUE)”を使用するほか、ウエアも全てリサイクルポリエステル100%。アイコニックな三つ葉のアイコン、“トレフォイル”を貝殻に置き換えるなど、海洋プラスチック問題にも訴えるコレクションだ。「ノア」の創業者であるブレンドン・バベンジン(Brendon Babenzien)は、かねてより環境問題についても積極的に目を向けている。コラボコレクションについての思いを聞いた。なお、「アディダス」の公式オンラインストアでは、すでに一部商品が売り切れている。

WWD:コラボレーションに至った経緯は?

ブレンドン・バベンジン(以下、ブレンドン):かなり前の話になるけれど、クリエイティブ分野で活躍する人々に向けた海洋プラスチック問題の会議に招待された。そのイベントのメインスポンサーが「アディダス」で、リサイクル海洋プラスチックで製造されたスニーカーのプロトタイプを発表した。当時はまだ開発初期段階の素材だったけれど、とにかく素晴らしいアイデアだったから、将来、リサイクル海洋プラスチック素材を使って何かしたいと思った。そのときはまだ「ノア」を起業してなかったから、「アディダス」と取り組む手段がなかったんだけど、その数年後にチャンスが訪れた。

WWD:コレクションのコンセプトは?

ブレンドン:まず、海洋プラスチックに焦点を当てた。環境保全の話題に上がるようなシューズを作りたかったんだけど、それだけでは足りないと感じたんだ。僕自身がランナーということもあって、ランナー向きのシューズを作りたいと思ったんだけど、そのためにはもっと機能性が必要だった。今回発売したSLシリーズの初代モデル“SL72”にはクラシックスタイルに対する僕の愛と「アディダス」の伝統を、エントリーランナーに向けた超軽量ランニングシューズ“SL20”には僕のランニング愛とランニングにおける「アディダス」の姿勢をそれぞれ組み合わせている。

WWD:デザインに関しては?

ブレンドン:ほとんどの「ノア」の商品は比較的シンプルなんだ。その方が好きだからね。一番難しいのは、シンプルなアイテムでありながらそれ以外の意味を持たせることさ。だから“プライムブルー”を使うことが重要だった。そして誰でも手に取れるものにもしたかった。ランニングアパレルは見た目もよくて、機能性もしっかりあるものが欲しいと思ったけれど、僕はそこまで超高機能を求めていないから、昔のランニングスタイルからインスピレーションを得た。今使えるアパレル、そしてラン以外でも使えるものにしたかった。

WWD:グラフィックの貝殻に込めた思いは?

ブレンドン:まず、僕は(米NY州の)ロングアイランド出身だから、海の存在は僕のやること全てに影響を与えてきた。サーフィンや釣りは常に生活の一部だったよ。デザインする上で大事なのは色とグラフィックだから、(「アディダス」の)“トレフォイル”と似ていて、でも新しいものにしたいと思った。それにイメージは何かしら海とつながりを連想させるものじゃないといけない。そこから貝殻のデザインが“トレフォイル”の代わりになると考えた。貝類の漁業はロングアイランドのカルチャーにとって大事な役割を担ってきたし、ロングアイランドの人々は海の恵みによって経済を維持してきた。だけど1970~80年代から水質汚染と人口増加の被害を受けて、2019年10月の時点で、ロングアイランド東部におけるホタテは全滅してしまった。だけど、海や湾は非常に強い回復力を持っているから決して手遅れじゃない。海に対して敬意を示せば、生物は戻ってくることができるんだ。

WWD:今回のコラボレーションを生かして、自身のブランドでも取り組みたいことがあるとしたらどんな部分?

ブレンドン:僕たち大人がこれまで環境に与えてきた悪影響は計り知れない。だけど、今はそのダメージを少しでも改善できる立場にいる。「アディダス」は“プライムブルー”の開発に多くの労力を注いできて、僕たちもその素材を使ったシューズを開発することができた。コラボレーションによって行動に移すことができたし、その機会に本当に感謝しているよ。今後はブランドとしても小さなことを組み合わせて、海洋プラスチックの除去に取り組んでいきたいと思っているんだ。

The post 「ノア」創業者ブレンドンに聞いた「アディダス」とのコラボレーションで伝えたいこと appeared first on WWD JAPAN.com.

コロナ禍でも2カ月連続で売り上げは月215万円を達成 「アルバム」金内柊真のスター美容師への道 Vol.7

 ツイッターのフォロワー数14万超え、インスタグラムのフォロワー数11万超え、TikTokのフォロワー数9万超え、ユーチューブのチャンネル登録者数6万2000人超えの人気美容師・金内柊真。かつては芸能活動を行い、2018年8月にはアシスタントながら自身の著書「才能がなければその分努力すればいい」(KADOKAWA)を出版するなど、美容師の枠に収まらない存在として注目を集めている。昨年11月にスタイリストデビュー。今連載では、毎月の彼の売り上げの推移とともに、売り上げを伸ばすために何をやってきたか、また新人スタイリストならではの苦労などを紹介していく。今回は休業明けとなった6月と7月の話を聞いた。

WWD:今回は6月と7月の話を中心に聞いていきたい。まずは、売り上げはどうだった?

金内柊真(以下、金内):6月、7月共に月215万円で、お客さまの数は200人ほどでした。5月末までお店が休業していたこともあって、6月は待っていてくれたお客さまがたくさん来てくれました。来てくれたお客さまの中には「待っていてよかった」と言ってくれる人もいて、うれしかったです。その反動で7月はどうなるかなと少し心配していたんですが、ありがたいことに多くのお客さまが来てくれました。

WWD:数字的には満足のいく結果だった?

金内:そうですね。月200万円以上いけばいいと思っていたので満足です。最近はアシスタントも成長してしっかりとサポートしてくれるので、頼もしいです。

WWD:コロナの影響を感じることはある?

金内:僕自身は変わらないのですが、7月は6月と比べると店全体としてはさすがにお客さまの数は減ってきています。あと、7月中旬以降コロナの感染者数も増えてきて、お店全体が落ち着く時間は増えましたし、予約のキャンセルも多くなりました。それは仕方ないなと思っていて、お店としては感染対策をしっかりとやるだけです。来てくれたお客さまは満足してくれていて、他に行くところがない中で、美容室だけが唯一の楽しみと言ってくれる人も多いです。

WWD:7月は他のスタイリストが苦戦している中で、売り上げを維持できた要因は?

金内:6、7月は4月に上京してきた新社会人や新大学生で、ようやく美容室に来られたという人も多くて、ハイトーンカラーのメニューが人気でした。あとこれまでなかなか予約が取れなかったけどようやく取れたという新規のお客さまが多かったです。僕のように指名のお客さまが多いスタイリストはそこまで影響なかったですが、フリーの新客に頼っていた人は厳しそうです。

WWD:メニュー的には引き続きカラーが人気?

金内:夏という季節性もあって明るくする人は多く、カラーメニューは人気です。ハイトーンにする人も多いです。

WWD:マスクをするようになって、ヘアスタイルのニーズは変化している?

金内:前髪を短くする人は増えました。普段前髪をアイロンで巻いている人も「巻きがすぐ取れてしまうので、巻かなくていい長さにしたい」という人が増えました。あと、ばっさり切るよりも、暑いので首元をすっきりさせるために結べる長さにしておきたいという人は増えました。

WWD:8月は順調?

金内:ありがたいことに8月の予約は開始から1時間と最速で埋まりました。毎月15日に翌月の予約が開始されることが認知されてきた結果だと思います。

WWD:それだと売り上げについてはほぼ最大の状態?

金内:人数的にはマックスなので、あとはメニューの単価を上げていくか、店販の売り上げを伸ばしていくしかないです。ただ僕は店販を積極的におすすめしていなくて、お客さまから悩みを相談されたら提案するくらいで、店販比率は6〜9%くらいで推移しています。最近は家で過ごすことも多くなってきたので、ヘアケアに力を入れる人は増えています。あとドライヤーなど高単価な製品も売れていますね。

WWD:8月の目標は?

金内:有休などもあって出勤日数は少なくなるのですが、売り上げは200万円を目指したいです。そのためには1日あたりの売り上げを高めに設定して、それを達成できればと思います。

The post コロナ禍でも2カ月連続で売り上げは月215万円を達成 「アルバム」金内柊真のスター美容師への道 Vol.7 appeared first on WWD JAPAN.com.

「バオ バオ」に類似したバッグの販売等を巡る裁判でイッセイ ミヤケとバルコスが和解

 イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、バッグメーカーのバルコス(BARCOS)のブランド「ハナアフ(HANAA-FU)」が展開するバッグがイッセイ ミヤケのバッグブランド「バオ バオ イッセイ ミヤケ(BAO BAO ISSEY MIYAKE、以下バオ バオ)」の商品と類似する特徴を備えているとして、不正競争防止法違反等を理由に製造、販売および輸入等の差し止めを求め東京地方裁判所に仮処分の申し立てを行っていた件について、両社が和解に達したと発表した。

 イッセイ ミヤケによると、東京地裁はバルコスの商品4種のうち、“アリエス ネオ(ARIES NEO)”など3種については販売等の行為が不正競争防止法に違反すると判断したという。また、これを前提として両社間で和解協議を重ねた結果、バルコスが3種の商品について製造、販売および輸出入を中止するなどの内容で和解が成立したという。その他の和解条件は非開示だ。

 イッセイ ミヤケは、「本件でも当社の主張が裁判所においておおむね認められる結果となった。当社としては、広く知られたデザインにフリーライドする不正競争行為の範囲を確認する上で、本件の和解もまた、意義のある結果であると考えている」とコメントしている。一方でバルコスは「早期解決のために和解を選んだ。また、上場を控える当社として早期に和解できたことは有意義であったと考えている」とコメントしている。

 イッセイ ミヤケによると、2019年1月末に業界紙にバルコスの商品の広告が大きく掲載されているのを発見し2月から両社の間で協議を行い、販売差し止め等の対応をバルコスに求めたが、バルコスはイッセイ ミヤケ側の要求に応じなかったため解決の見込みがなくなったと判断して、仮処分の申し立てに踏み切ったという。

 「バオ バオ」の商品は、物を入れるとタイルのようなピースの境界部分が折れ曲がり、外観が立体的に変形する点が特徴だ。今回和解の対象となった商品3種もタイルのようなピースがバッグ側面にあしらわれ、境界部分が折れ曲がって立体的に変化するという特徴を有している。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

The post 「バオ バオ」に類似したバッグの販売等を巡る裁判でイッセイ ミヤケとバルコスが和解 appeared first on WWD JAPAN.com.

お客も店も喜ぶ「米国産ポテト」の魅力。味良し、低原価、そして販促支援も【PR】

 肉バルやビアパブ、居酒屋などの定番メニューである「ポテトフライ」。無意識に食べているが、万人に喜ばれるメニューである。テイクアウトでは付け合わせでよく目にすることが多い。ポテトには様々な産地があるが、飲食店の多くが「米国ポテト」を選んでおり、その理由についても質問をぶつけてみた。
Posted in 未分類

「ロクシタン」の簡単にまとまるヘアミルク 広がりやうねりを抑えて“さら艶”髪に

 夏は日焼けやシミ・ソバカスを防ぐために、日焼け止めを塗るなど肌への紫外線対策を行う人は多いが、髪も同様に紫外線ダメージを受けている。紫外線ダメージや湿気で、うねったり広がったり思うように髪がまとまらず悩んでいる人も多いのではないだろうか。

 ヘアケアやスキンケア製品などを展開する南フランス・プロヴァンス地方発祥のライフスタイルコスメティックブランド「ロクシタン(L'OCCITANE)」から、そんな悩みにアプローチしたヘアミルクが登場した。

簡単に24時間まとまる髪へ

 まとまった健康な髪にはケアが不可欠だ。“ファイブハーブス リペアリング”シリーズから登場した「リペアリングヘアミルクセラム」(100mL、3900円)は、髪を内側からも外側からも補修しながら、湿気によるクセやうねりなどの広がりを抑えて、熱や日差しから保護し、指通りの良い髪に仕上げる1本3役のヘアミルクだ。タオルドライした髪に塗布するだけで、艶感と潤いを与え簡単にまとまる。時間のない朝のスタイリングにも最適で、加えて一日中効果が持続するという。その効果は、湿度75%の環境でもクセやうねりを抑え、230度の高温からも髪を保護する。また、環境に配慮したシリコンフリーで、98%自然由来成分配合の優しい処方も特徴だ。

厳選したヘアケア成分

  “ファイブハーブス リペアリング”はアンジェリカ、ゼラニウム、ラベンダー、イランイラン、スウィートオレンジの厳選した5種のハーブから抽出したエッセンシャルオイルが髪を補修する、ダメージケアに特化したシリーズ。シリーズ共通成分のブラックオーツエキス、ソイプロテクト、サンフラワーオイルを配合した「リペアリングリッチコンプレックス」が髪を内側からも外側からも集中補修する。髪のダメージをケアし、天然の保護膜が潤いを閉じ込めてうねりや広がりを抑えるほか、ドライヤーやアイロン、日差しなどの熱からも保護する。

「リペアリングヘアミルクセラム」
好評の声続出

ライブ配信で長井かおりが
使い方指南

 「ロクシタン」と「WWD JAPAN.com」は8月27日にライブ配信を行った。ヘア&メイクアップアーティストの長井かおりを招いて、「リペアリングヘアミルクセラム」の使い方を紹介した。長井は「ロクシタン」について、「植物の力を私たちに教えてくれる、歴史ある身近な存在のブランドです。誠実でサステナブルなブランドとして、業界を長くけん引していると思っています。加えて、店舗や製品パッケージは心躍る色やデザインです。入りたくなる店舗づくりや、人に贈りたくなるコスメブランドという印象も強いです」と語り、ブランドに信頼を寄せている。9月も日中はまだまだ厳しい日差しが続き、乾燥も気になり始める季節がやってくる。夏に受けたダメージをセラムで補修して秋のお洒落を楽しんでみては?

問い合わせ先
ロクシタン
0570-66-6940

The post 「ロクシタン」の簡単にまとまるヘアミルク 広がりやうねりを抑えて“さら艶”髪に appeared first on WWD JAPAN.com.

渋谷区によるコロナで苦しむ事業者向けクラウドファンディング 10月17日にファッションECモールを立ち上げ

 東京都渋谷区が渋谷区商店会連合会、渋谷区観光協会、渋谷未来デザインと共に立ち上げた「YOU MAKE SHIBUYAクラウドファンディング」は10月17日、渋谷区公認のECモールを立ち上げる。コロナ禍によるインバウンド(訪日外国人客)減、来街者減に苦しむ区内のファッション事業者の支援が目的で、区内に直営店や卸先を持つブランドやデザイナーが主対象。モール出店のための初期費用は不要とし、「集客や販促はモール主体で行うことで、小規模なブランドやデザイナーでも出店しやすいようにする」と、同クラウドファンディング広報担当はコメントしている。

 同ECモールは、毎年3月、10月に渋谷区で開催してきた街をあげたファッションイベント「SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL(以下、シブハラフェス、プロデューサーは松井智則ワンオー社長。前身は2011年にスタートしたシブフェス)」と連携して運営。今後は同ECモールとしてまとまった形で、中国など海外大手ECモールへの出店も目指し、失われたインバウンド消費を取り戻す。モールが立ち上がる10月17日と翌18日には、「シブハラフェス」の一環として、渋谷区による配信プラットフォームを使ったデジタルファッションショーも開催。デジタルショーとECモールをつなげる狙い。ECモールへ出店するブランドやショップは9月から本格的に募集する。

 「YOU MAKE SHIBUYAクラウドファンディング」は、コロナ禍に苦しむ渋谷区内の事業者を支えるために7月22日にCAMPFIRE上でスタート、9月6日まで。8月31日現在で約1400万円が集まっており、渋谷区予算から拠出する1億円とあわせてさまざまな支援を行う。ファッション産業と同様に打撃の大きいエンターテインメント産業支援としては、渋谷区公認の配信プラットフォームを構築するとともに、区内の文化施設でのオンライン配信環境整備などを進めていく。

The post 渋谷区によるコロナで苦しむ事業者向けクラウドファンディング 10月17日にファッションECモールを立ち上げ appeared first on WWD JAPAN.com.

「オーバーコート」大丸デザイナーが語るNYの今とこれからのビジネス

 大丸隆平氏がニューヨークに渡ったのは2008年。現在、チャイナタウンにオフィスを構える大丸製作所2の代表として、ニューヨーク・ファッション・ウイークに参加するブランドをはじめとする多くのブランドのパターンメーカー、クリエイティブのコンサルタントを担い実力をつけてきた。15年には自身のブランド「オーバーコート(OVERCOAT)」を始動し、毎シーズンコレクションを発表。日本での卸も順調だった。そんな矢先に、新型コロナによって自身やニューヨーク自体のビジネスも大きな変更を余儀なくされたという。今回、日本で初めて開催する展示会のために一時帰国した大丸代表。多くサポートがあり開催実現に至ったという。ニューヨークの現状や自身を取り巻く状況について話を聞いた。

 「オーバーコート」はその名の通り、コートからスタートしたブランドだ。店の入り口などの日よけに使われているオーニング素材に注目し、「雨にも強いこの素材でグラフィカルな柄をコートにしてみたらどうだろうか」というアイデアからブランドの立ち上げにつながった。これまで培ってきたパタンナーとしての技術を生かし、プレタポルテでもオートクチュールのような着心地をブランドのコンセプトとしている。肩にプリーツを入れることで男女誰が着用してもフィットするパターンのコートは、そのデザイン哲学を反映させた代表的なデザインだ。

 現在、日本ではユナイテッドアローズ、トゥモローランドのエディション、ビオトープ、バーニーズ ニューヨーク、伊勢丹新宿本店、福岡のダイス&ダイス、名古屋のキンク、海外ではディエチ コルソ コモ(10 CORSO COMO)、パリのル・ボンマルシェ(LE BON MARCHE)百貨店などで販売されている。

 当初、6月にパリで「オーバーコート」メンズの2021年春夏コレクションとウィメンズのプレ・コレクション(リゾートコレクション)を発表する予定だったという。大丸代表は「しかし新型コロナの感染がニューヨークやパリであっという間に拡大し、パリでの発表は無理だなということになった。そうこうしているうちにニューヨークもロックダウンに入り、仕事も途中のままできなくなってしまった。パターンメーカーの仕事は、職種的にリモートではできない。ミシンや裁断の台をスタッフの家に交代に置くことも考えたが、住んでいる家もそれぞれなので、効率を考えたら無意味だった。ニューヨークが静まり返って、街自体のエネルギーがゼロになった瞬間があり、不思議な世界にいた」という。「当時は、スタッフのモチベーションを維持することを優先し、連絡をまめにするようにしていた。なんとか気分が落ち込まないように、簡単な仕事を無理やりつくって手を動かしてもらうようにしていた」。

ユナイテッドアローズの栗野氏が手を差し伸べてくれた

 パリで発表できず、今後の見通しがつかない中、手を差し伸べてくれた人たちがいた。その一人が、ずっと気にかけてくれていたという栗野宏文ユナイテッドアローズ上級顧問クリエイティブディレクション担当だった。「『ニューヨークもコロナで大変だろうから、ユナイテッドアローズのスペースを貸すから、日本で展示会を開催したらどうか』と提案してくれた。ユナイテッドアローズだけでなく他のセレクトショップのバイヤーも買い付けができる展示会場として、同社の場所を提供してくれた」という。

 それによって初めて日本で展示会を開いた。また西麻布のギャラリーのスペースを借りて、親しい友人や知り合いを招いた個人オーダー会も8月上旬に開催した。「受注会では驚くほどオーダーがあって多くの人が個人買いしてくれた。バイヤーのオーダーも付き、本当に感謝しかない。ファッション自体が衰退しているのかというとそうではなかった。江戸時代の呉服屋で着物を売っていた当時ときっと変わらないような、対面で話をしながら購入してもらうスタイル。来てくれた人がいろんな人に宣伝してくれて、また人がやって来るという状態だった。自分自身も皆さんにコレクションの説明をしたことで、より理解してもらいやすかった」。その結果、卸は昨対比で1割減にとどまり、個人オーダーは逆に5倍の数となった。

 「オーバーコート」の21年春夏コレクション自体製作はままならなかったが、実際に生地サンプルに触れられなくても、これまでの経験と勘でこうしたら面白くなるんじゃないかと想像を働かせながら制作に取り組んだという。「結果的にそれがよかった。面白くとらえられた」。生地においては、中伝毛織、小松マテーレ、宇仁繊維が生地を一部提供してくれるなど協賛してくれたという。

周りの助けがなければどうなっていたか分からない

 また、クリエイションにおいては、「オーバーコート」のロゴのデザインを手掛け、「セリーヌ(CELINE)」とも長年仕事をしているアートディレクター兼グラフィックデザイナーのピーター・マイルズ(Peter Miles)が手を差し伸べてくれて21年春夏コレクションでコラボが実現した。マイルズが制作した鮮やかなグラフィックが「オーバーコート」のコレクションに大胆に用いられている。ダイナミックで鮮やかな色使いが印象的だ。「普段から連絡をとっていて、ピーターにはマスクを作ってあげたりしていた。声をかけてくれて本当にうれしかった」。ニューヨークは9月からデジタルをメインとするファッション・ウイークを開催する流れになっているが、大丸代表は「デザイナーの間では実際のところは新作を作る状況ではないという声が大きい。また、パリは卸のシステム自体が崩壊している。そんな中、周りのサポ―トによって、コレクションを制作でき、日本で展示会、受注会を開催することができた。皆さんに生かされてここに来た。それがなければどうなっていたか分からない」。

 パターンやクリエイティブのコンサル業に関しては、「型数は少ないけれど一緒にやろうというニューヨークブランドやデザイナーもいる。プラバル・グルン(Prabal Gurung)もその一人だ。ロサンゼルスやロンドンといったニューヨーク以外からの発注も徐々に戻ってきている。ニューヨークはそもそもモノ作りの基盤があまりない街だが、さらに整っていない環境にいるデザイナーから依頼が増えたため、素材から量産まで全ての工程をこちらから提案して任せてもらうという事例が増えてきている。卸のビジネスが減ってきているから手のいい技術を持つ工場も減っている」と大丸代表。

 「オーバーコート」に関しては、「ただ従来通りの商品を作って卸すということだけでは売れない。「『提案する』に重点を置き、お客さまや店頭のスタッフの方にストーリーやモノ作りへのこだわりを伝え、変化するライフスタイルにも対応できる服作りを意識している。21年春夏コレクションでは、カジュアルな型にテーラリングの要素をプラスし、家でもリラックスして着られるけど、そのまま散歩にも行ける、または会社にも着ていけるよう、素材やパターンを工夫している」。

 「軸足はパタンナー。オートクチュールの着心地をプレタで着られる。そしていろんな人種の人にも合い、着る場所を選ばないような服を目指している。作者の思いがあっても、手が離れてからは着る人が主役。服はプロダクトだと思うから、作者の意図から離れたときにプロダクトの本質が伝わる。究極を言えば作者の思いはどうでもよい、だからきちんとモノ作りに真摯に向き合う。僕が今着ているパンダのTシャツも最初にデザインした人がいて、それをパクった人がいてチャイナタウンで売られている。その人の手から離れて遠いところにいる。それが面白い」。

The post 「オーバーコート」大丸デザイナーが語るNYの今とこれからのビジネス appeared first on WWD JAPAN.com.

ワンピースの着回しポイントは足元にあり 決め手は“トレンド靴”

 暑さが残る時期に、体を締めつけないワンピースは頼りになるウエアです。組み合わせに頭を悩ませずにすむ点でも、重宝で楽ちん。そして、ありきたりを抜け出す着こなしの決め手となるのが“靴”。足元を替えるだけで、トレンド感がアップします。

 たとえば、ニューヨーク・ファッション・ウイークに登場したファッショニスタは、ロマンチックな花柄ワンピースのお供に、フリンジがどっさり付いたウエスタンブーツをチョイス。スタイリングの勘所は、フェミニンなワンピースをそのままの雰囲気で着ないで、別のテイストを靴で持ち込むところ。今回は2020年プレ・フォール・コレクションから、“知恵あり”なアレンジにフォーカスしてみました。

“スニーカー、スポサン”でストリートフェミニンに昇華

 ワンピース姿に軽快なムードを与えてくれるのは、やはり白のスニーカー。どんなワンピースにもフレッシュ感を加えてくれるから、“とりあえず白スニ”的な使い方が可能に。ヘルシーな雰囲気が添えられるのも健康意識を高めたい時代のムードにマッチします。

 「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」のワンピースはドッキングやアシンメトリーなど遊び心がたっぷり。足元に白スニーカーを選ぶことによって、ワンピースのデザイン性を生かしつつ、まとまりすぎるのを防ぐ好コーデに整いました。

 ここ最近、出番がぐっと広がってきたスポーツサンダル(スポサン)。ドレッシーな装いとのマッチを試すテクニックも登場してきました。見慣れたサンダルよりもワイルドな気分を取り込めます。

 「シー ニューヨーク(SEA NEWYORK)」のワンピースは、愛らしいパフスリーブがポイント。裾のティアードもたおやかな表情を生んでいます。その裾下に迎えたのは、やや武骨なスポサン。総柄のフェミニンワンピースとは真逆のスポサンで、タフネスにドレスダウンしてみせました。

“ローファー、ドレスシューズ”で、ハンサムフェミニンに味付け

 クラシックなテイストを帯びた「紳士×淑女」風のジェンダーミックスでも、靴がキーピースになります。ワンピースに紳士靴を合わせるコーデは大人女性向きです。

 「トリー バーチ(TORY BURCH)」が組み立てたのは、女っぽさとメンズ感が入り交じるミックスコーデ。斜めに流れ落ちるようなラッフルが印象的なワンピースに、トラッドの目印的なローファーを合わせて、ロマンチックと英国テイストを響き合わせました。

 ミニマルなワンピースと、王道メンズシューズのマッチングは、中性的な雰囲気を濃くします。全体をモノトーンでまとめれば、さらに“ジェンダーフリュイド”なたたずまいに。

 「ザ・ロウ(THE ROW)」のノースリーブワンピースは、オーソドックスに見えて、布の表情を引き出すディテールが繊細。内に秘めたセンシュアルなシルエットにあえてメンズ風革靴を迎えて、抑制的なムードを添わせました。

“ロングブーツ、ウエスタンブーツ”で、タフ&ドレッシーが共存

 2020年秋冬はロングブーツがカムバックの兆し。柔らかい素材のワンピースにクールなブーツをぶつけて、足元からニュアンスをずらすコーデを試せます。

 「ミントデザインズ(MINTDESIGNS)」のワンピースは、レイヤードのように見えるドッキング型。身頃を斜めに横切るジップ使いがアイキャッチーです。若干シースルーな裾に、ロングブーツを組み込んで硬質感をプラス。裾回りに複雑な雰囲気を醸し出しました。

 やや癖の強いブーツを取り入れれば、足元から装いのイメージをプロデュースできます。ブーツを生かしやすい秋冬は、ウエスタンブーツをはじめコンバットブーツ、乗馬ブーツ、ワークブーツなど、それぞれに異なるテイストを呼び込めます。

 「アリス アンド オリビア(ALICE + OLIVIA)」が打ち出したのは、1970年代ヒッピー風の装い。マルチカラーの総柄ワンピースは、フラワーチルドレンの奔放さを呼び覚ますかのよう。ベージュのウエスタンブーツを添えて、型にはまらない自由な雰囲気も印象づけ、さらにハットとのコンビネーションでウエスタン気分も強めました。

 残暑シーズンから秋口にかけても、風が通りやすいワンピースは出番が途切れません。秋以降は、アウターで隠れない靴の印象度がさらに増すので、今年らしいシューズを引き合わせて、ワンピースコーデのテクニックに磨きを掛けてみてください!

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

The post ワンピースの着回しポイントは足元にあり 決め手は“トレンド靴” appeared first on WWD JAPAN.com.

「テイクアウトに注力。でも弁当は売らない」。売れなかった役者が作った繁盛店が取り入れる「変わった仕掛け」の数々

 神奈川県川崎市の新丸子駅から徒歩2分という好立地に、2019年1月にオープンした居酒屋「ウラサカバ 満月Do(まんげつどぅー)」。繁盛店を数多く世に送り出している楽コーポレーション(以下、楽)から独立した高山隆志氏が作った人気店だ。駅近くには新しい商業施設が並ぶエリアもあるが、同店は昔ながらの商店街の並びにある。地元に溶け込んだ佇まいにはユニークな仕掛けが多くある。
Posted in 未分類

大衆肉酒場ビーフキッチンで、凪ラーメン販売。ランチで稼がないと。

株式会社奴ダイニング(所在地:東京都千代田区、代表取締役:松本 丈志)が運営する大衆肉酒場「ビーフキッチンスタンド 」で、煮干ラーメン店「ラーメン凪」(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:生田 悟志)とのコラボメニューの提供を6月から順次始めている。
Posted in 未分類

「シュウ ウエムラ」が“信頼できる”ヒーロー製品に注力 コロナ禍でも“市場平均を上回るパフォーマンス”を達成

 「アジアのマーケットをリードする日本発の最先端メイクアップアーティストブランド」を目指して近年リポジショニングを行ってきた「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」。中でもメイクアップにフォーカスし、24色展開でアジア人の肌ニーズに応えたベースメイク「アンリミテッド」シリーズや最新のメイクアップトレンドを反映し、アジア人の肌に映えるカラーをそろえるリップスティック「ルージュ アンリミテッド」シリーズが大ヒットし、2019年の売り上げは2年連続で前年比2ケタ増を達成した。

 20年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大といった類例のない状況の中で、ブランドを象徴するヒーロー製品にフォーカスした戦略を推進。これらヒーロー製品や、ロングセラー製品のクレンジングオイルなどのプロモーションに注力した。その理由に、3月に新事業部長に就任したルシアン・バラバン(Lucien Baraban)氏は「店頭で今までのように自由に製品が試せないことから、消費者はとにかく“信頼できる”製品を求めている。そのため、長年愛用されてきた製品には力がある」と話す。その結果、「メイクアップ市場全体が大きな打撃を受けていたにも関わらず、『シュウ ウエムラ』は市場平均を上回るパフォーマンスを保つことができた」と振り返る。狙い通りに、スキンケア効果が高い「アルティム8∞ スブリム ビューティ クレンジング オイル」や、マスクにも付きづらいと好評の「アンリミテッド ラスティング フルイド」がよく動いたという。

 また、7月7日に公式ECサイトをリニューアルしたことも奏功した。「バーチャルでメイクアップを試せるデジタルツールを追加するなど、CX(カスタマー体験)を大幅に向上させた。デジタル限定のサービスの充実もポイントだ」と話す。その例として「アンリミテッド ラスティング フルイド」のテスター3色、下地2色を送料の450円のみで提供する「トライアル サシェ セット」を提供したり、色が合わなかった場合に「アンリミテッド 」ファンデーションの色の変更サービスなどを行った。多色展開にこだわっているからこそ、これまでデジタルだと難しかった“色選び”のハードルを下げるのが狙い。またスキンケアでは配達サイクルや「アルティム8∞ スブリム ビューティ クレンジング オイル」をはじめとした、人気のクレンジング オイル4種から自由に選べるお得な「クレンジング オイル定期お届け便」をスタートし、リピーター獲得にも取り組んだ。

 秋以降も引き続きベースメイク、リップ、クレンジングオイルに注力する。8月19日に発売した艶タイプの「アンリミテッド グロー フルイド」に続き、9月1日にはゆずをはじめとする天然由来成分を91%配合し、初めて100%再生プラスチックで作られた容器を採用した自然派クレンジング オイル「ボタニック クレンジング オイル」、また16日には「ルージュ アンリミテッド アンプリファイド」シリーズがパッケージを刷新し、色も加えてリニューアル発売する。ビジュアルは、グローバルブランドアンバサダーとして渡辺直美を起用し、幅広い層へのリーチを目指す。「ニューノーマルの時代に、消費者の購買意識も変化しているが、『シュウ ウエムラ』は引き続きルーツであるメイクアップアーティストリーに軸をおき、またアジア人のニーズに応え続ける」。

The post 「シュウ ウエムラ」が“信頼できる”ヒーロー製品に注力 コロナ禍でも“市場平均を上回るパフォーマンス”を達成 appeared first on WWD JAPAN.com.

今週のスケジュール(2020年8月31日〜2020年9月6日)

FASHION

2 WED
ミーレ・ジャパン
「Miele Dishwashers Stories」プレス向けコラボイベント
14:00〜15:00 
オンライン配信

3 THU
永井酒造
新製品発表会「Mizubasho Artist Series 水芭蕉アーティストシリーズ」
14:30〜 東京ミッドタウン日比谷 6階ドローイング ハウス・オブ・ヒビヤ
(東京都千代田区有楽町1-1-2)

BEAUTY

1 TUE
デミコスメティクス
新ブランド発表会
14:00~
オンライン配信

2 WED
アジュバンコスメジャパン
新ブランド発表会(3日も開催)
14:00~14:30
オンライン配信

3 THU
ナリス化粧品
新製品発表会
13:00~
オンライン配信

ロレアルグループ
「アンクル ド ポー ルクッション」イベント
12:00〜21:00 MORIO STUDIO
(東京都港区南青山6-5-45)

The post 今週のスケジュール(2020年8月31日〜2020年9月6日) appeared first on WWD JAPAN.com.