「アルケミスト」がコロナ抑制のチャリティーオークション 「レディメイド」×「オフ-ホワイト」×「クロムハーツ」を233万円で出品

 米マイアミのセレクトショップ「アルケミスト(ALCHEMIST)」のロマ・コーエン(Roma Cohen)クリエイティブ・ディレクターは、新型コロナウイルス感染拡大の抑制を目的としたチャリティーオークションを実施する。

 2015年に行った「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」との共同プロジェクト「クロムハーツ フォー アルケミスト」のために製作された、「レディメイド(READYMADE)」と「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」によるフィールドバックパックをリセールECの「ストックX(STOCK X)」に再出品し、マイアミ時間の8月7日10時から9日12時までオークションを開催する。最低落札価格は2万2000ドル(約233万円)で、日本からも入札が可能だ。

 バックパックは当時1万3500ドル(約143万円)で販売されたもので、購入したのは米ケンタッキー州ルイビルに住むブルック・スミス(Brooke Smith)氏。今回のチャリティープロジェクトはスミス氏の協力を得て開催されるもので、売り上げは同州の非営利慈善団体A.M.P.E.Dに全額寄付する。バックパックにはヴァージルが新たにアートペイントを加え、世界で一つだけの仕様になっている。

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「エルメス」丸の内がリニューアル 店舗周辺の苔、石壁、木の幹などが内装のヒントに

 エルメスジャポンは8日、「エルメス(HERMES)」丸の内店をリニューアルオープンする。丸の内店は1979年に日本初の店舗としてオープンし、2004年に現在の場所に移転した。「エルメス」の直営店はその土地とのつながりを大切にしており、店舗ごとに内装や取り扱いアイテムが異なる。2層からなる同店は内装に日本の伝統的な素材や技術を取り入れて、40年以上となるメゾンと日本のつながりを伝えている。

 同店が位置するのは皇居にほど近い丸の内仲通り沿いで、石畳の並木道がヨーロッパの街並みを思わせる。印象的なのは自然光の扱い方で、日中は黒いファサード越しに取り入れる光がプリズムのように店内に注ぐ。2階は窓いっぱいに緑が広がり、静かな別荘を訪れたような印象を受ける。店舗デザインを担当したのはパリの建築設計事務所レナ・デュマ・アルシテクチュール・ダンテリユール(RDAI)で、彼らの目を通した日本の美意識が反映されたインテリアが見応えがある。

 壁面の一部は左官職人による手作業で禅寺の石庭をほうふつとさせ、1階のラグの配色は、丸の内店周辺の自然や苔、石壁、木の幹などからイメージしたという。また、2階の床には竹を使用。可動収納式の間仕切りには職人の手すきによる和紙を用いるなど機能性と装飾が融合している。取り扱い商品は1階はホームコレクション、レザー、シルク、ジュエリーや時計に加えてサロンスペースを用意。2階にはメンズとウィメンズのプレタポルテやシューズをそろえる。

 オープンを記念して7日には花を積んだ馬車が店舗周辺を歩き、スタッフが通りがかかった人に花をプレゼントしていた。ソーシャル・ディスタンシングを保つため、事前の告知はナシ。偶然通りかかった人は石畳に響く馬のひずめの音や荷台いっぱいの花に歓声をあげていた。

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「アディダス」から“ウルトラブースト”と“4D”を大胆に融合した新シューズ

 「アディダス(ADIDAS)」は、最新のミッドソール“アディダス4D(ADIDAS 4D)”とランニングの人気シリーズ“ウルトラブースト(ULTRABOOST)”のファーストモデルを融合した“ウルトラ4D(ULTRA4D)”(2万8000円)を8月11日10時からに公式アプリで先行発売する。サイズは22〜31cm。

 “ウルトラブースト”のデビュー作を忠実に再現したブラックベースのカラーで、フィット感に優れたプライムニットをアッパーに採用している。ソールの前半分には衝撃吸収性と反発力を兼ね備えた“ブースト フォーム”が付く。後ろ半分のミッドソール“アディダス4D”は、数年間にわたるアスリートの走行データに基づいて開発された。UV硬化ポリウレタン混合樹脂を光と酸素で固めた、“ラティス”と呼ばれる入り組んだ構造が特徴だ。交差する細かい樹脂によって着地時の衝撃を分散し、安定感を維持させる。

 8月13日からはアトモス(ATMOS)やビリーズ(BILLY’S)の公式サイトのほか、キス トウキョウ(KITH TOKYO)、ミタスニーカーズ(MITA SNEAKERS)、スニーカーズエンスタッフ トウキョウ(SNEAKERSNSTUFF TOKYO)などでも販売する。

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インスタグラムが新機能「リール」を公開 ティックトックの牙城を崩せるか

 インスタグラムはショートムービーが作成できる新機能「リール(Reels)」を、アメリカをはじめとする50カ国で公開した。インスタグラム上のストーリーズ用カメラを使用して、音楽やカメラエフェクトを加えた15秒の動画の作成が可能になる。ほかにも動画の長さを設定できるタイマーや速度を変える機能、位置合わせツールを備えている。ユーザーは今までにないスピード感を体験できるようになった。

 さらに「リール」では自身の音源を使った動画の作成ができ、個人クリエイターは特に拡散しやすくなるとみられる。パブリックアカウントを持つユーザーが自身の楽曲を使用した場合、そのリールに使われている楽曲を他のユーザーも使用できるという。

 ショートムービーの分野では現在、中国発のティックトック(TikTok)が10〜20代を中心に圧倒的な人気を持っている。インスタグラムの親会社であるフェイスブック(FACEBOOK)社は数年前から新機能の開発に取り組んでいたとするが、米国でティックトックの使用禁止に向けた動きが加速しているタイミングでの開始となった。

 フェイスブック社は過去にスナップチャット(Snapchat)の24時間で投稿が消えるストーリー機能を取り入れたこともあり、ライバル企業の機能を取り入れる傾向について疑問の声も上がっている。同社のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)は、この動きに関するアメリカ合衆国下院司法委員会の問いに対して、マーケットの競争行為に反することは行っていないとしながら「他企業が行っているものを取り入れている」ことは認めている。インスタグラムの利用率はティックトックを上回っているものの、若いユーザーの急激な増加は脅威となっているようだ。

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インスタグラムが新機能「リール」を公開 ティックトックの牙城を崩せるか

 インスタグラムはショートムービーが作成できる新機能「リール(Reels)」を、アメリカをはじめとする50カ国で公開した。インスタグラム上のストーリーズ用カメラを使用して、音楽やカメラエフェクトを加えた15秒の動画の作成が可能になる。ほかにも動画の長さを設定できるタイマーや速度を変える機能、位置合わせツールを備えている。ユーザーは今までにないスピード感を体験できるようになった。

 さらに「リール」では自身の音源を使った動画の作成ができ、個人クリエイターは特に拡散しやすくなるとみられる。パブリックアカウントを持つユーザーが自身の楽曲を使用した場合、そのリールに使われている楽曲を他のユーザーも使用できるという。

 ショートムービーの分野では現在、中国発のティックトック(TikTok)が10〜20代を中心に圧倒的な人気を持っている。インスタグラムの親会社であるフェイスブック(FACEBOOK)社は数年前から新機能の開発に取り組んでいたとするが、米国でティックトックの使用禁止に向けた動きが加速しているタイミングでの開始となった。

 フェイスブック社は過去にスナップチャット(Snapchat)の24時間で投稿が消えるストーリー機能を取り入れたこともあり、ライバル企業の機能を取り入れる傾向について疑問の声も上がっている。同社のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)は、この動きに関するアメリカ合衆国下院司法委員会の問いに対して、マーケットの競争行為に反することは行っていないとしながら「他企業が行っているものを取り入れている」ことは認めている。インスタグラムの利用率はティックトックを上回っているものの、若いユーザーの急激な増加は脅威となっているようだ。

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「ディオール」から人気製品の特別セットが登場

 「ディオール(DIOR)」は人気アイテムの特別セットを限定で発売した。同ブランドのベストセラー製品「ディオール アディクト リップ マキシマイザー」と「ディオール アディクト リップ グロウ」の特別価格のセットや、「ディオール アディクト リップ マキシマイザー 012」と「ミス ディオール ハンド クリーム」のセットのほか、人気フレグランス「ミス ディオール」「ジャドール」の100mLサイズとクチュールデザインのリフィラブルスプレー10mLサイズをセットで販売する。リフィラブルスプレーは何度でも補充可能だ。

 さらに、9月にはメンズフレグランス「ソヴァージュ」の100mLサイズとクチュールデザインのリフィラブルスプレー10mLサイズのセットも登場する。

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「ゴアテックス」が秋に新テクノロジーを展開 “頑丈さ”“ストレッチ性”“透湿性”に特化

 「ゴアテックス(GORE-TEX)」で知られる高機能素材のW.L.ゴア&アソシエイツ(W. L. GORE & ASSOCIATES)は、“頑丈さ”“ストレッチ性”“透湿性”に特化した3種の新テクノロジーを採用した「ゴアテックス プロ(GORE-TEX PRO)」の製品を2020年秋から全世界で展開する。

 新しいテクノロジーに特化したのは、「ゴアテックス」素材の中で最も頑丈な「ゴアテックス プロ モスト ラギッド テクノロジー(GORE-TEX PRO MOST RUGGED TECHNOLOGY)」、最大20%のストレッチ性を備えた「ゴアテックス プロ ストレッチ テクノロジー(GORE-TEX PRO STRETCH TECHNOLOGY)」、優れた透湿性を実現する「ゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジー(GORE-TEX PRO MOST BREATHABLE TECHNOLOGY)」の3つだ。

 「ゴアテックス」はこれまで40年にわたり、防水透湿分野において、機能、品質、快適性、信頼を軸に開発してきた。中でも07年にスタートした「ゴアテックス プロ」製品は、過酷な環境下での長期的なアクティビティに対応する防水透湿ウエアの限界を押し上げ、その耐久性に優れた性能がユーザーに支持されている。

 マーク・マッキニー(Mark McKinnie)「ゴアテックス プロ」開発担当は今回の開発について、「新しい『ゴアテックス』の素材では特定の性能を向上させた。そのためパートナーブランドは、肩や腕のストレッチ性や肘と肩の頑丈さ、体幹部分の透湿性が求められるクライミング用ウエアや、透湿性や伸縮性よりも頑丈さが優先されるマウンテンスポーツウエアなど、ユーザーのニーズに応じてウエアを構築することができる」と話す。

 また、「ゴアテックス」は環境フットプリントの改善にも努めている。新製品はサステナビリティの面でも改善されており、マイクログリッドバッカー テクノロジーを採用した裏地には、あらかじめ原料自体に着色する染色方法“ソリューションダイ”を採用。製造時の水の使用量を大幅に削減した。さらに、ソリューションダイの表地6種とリサイクル素材を採用した表地9種がラインアップされている。

 新テクノロジーを採用した製品は、「アークテリクス(ARC' TERYX)」「バートン(BURTON)」「デサントオルテライン(DESCENTE ALLTERRAIN)」「ヘリーハンセン(HELLY HANSEN)」「パタゴニア(PATAGONIA)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」ほか、アウトドアメーカー各社から順次発売される予定だ。

 「ゴアテックス」を手掛けるW.L.ゴア&アソシエイツは1958年の創業。米デラウェア州ニューアークに本社を置き、現在の年間売上高は37億ドル(約3922億円)だ。

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FBに米300社以上が広告費増加 ヘイト対応へのボイコットにもかかわらず

 フェイスブック(FACEBOOK)がヘイトスピーチや人種差別的な投稿を放置しているとして、6月に全米黒人地位向上協会/全米有色人種地位向上協会(National Association for the Advancement of Colored People)などの市民団体によって「利益のためにヘイトを許すな(Stop Hate For Profit)」というボイコット・キャンペーンを立ち上げられ、米百貨店のノードストローム(NORDSTROM)やギャップ(GAP)をはじめとした多くの企業が広告の出稿を取りやめる動きが相次いだ。しかし、同時にフェイスブックに広告の出稿を増やす企業も続出している。

 今回の結果はボイコットの開始直前までの期間に基づいたものではあるが、アナリティクス企業のパスマティクス(Pathmatics)によると、フェイスブックの大型広告主の多くが7月の広告支出を増やしているという。7月は300以上の広告主が支出を20%、もしくはそれ以上増加させており、支出を大きく削減した広告主はおよそ150にとどまった。

 フェイスブックへの広告支出が増加した主要企業は以下の通り(1日当たりの平均支出額に基づいて算出)。

 AT&T150%増、スプリント(SPRINT)78%増、ギャップ158%増、J.C.ペニー(J.C.PENNY)272%増、ハースト マガジンズ(HEARST MAGAZINES)120%増、QVC 234%増、ルックスオティカ(LUXOTTICA)527%増、ウォール・ストリート・ジャーナル(THE WALL STREET JOURNAL)27%増、ポストメイツ(POSTMATES)74%増、ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)を傘下に持つL ブランズ(L BRANDS)164%増、ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)448%増、ノードストローム58%、タイム社(TIME INC.)281%増、メイシーズ(MACY’S)175%増、エコノミスト(THE ECONOMIST)79%増、アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)284%増、ロレアル(L’OREAL)40%増、アリババ(ALIBABA)89%増、イプシー(IPSY)72%増、ディズニー(DISNEY)傘下のマーベル・エンターテイメント(Marvel Entertainment)91%増、J.クルー(J.CREW)70%増、コーチ(COACH)35%増

 これらの企業による1日の広告費用は約1万ドル(約106万円)程度のものから高額なものでは約47万ドル(約4980万円)と幅広いが、ほとんどの企業では1日あたりおよそ3万ドル(約318万円)から10万ドル(約1060万円)の広告費を支出している。フェイスブックはこれらの企業から支払われる広告費をもとに、毎日数億ドルの収益を生み出している。

 ボイコット運動のリーダーによると、いまだ何百社もの企業がボイコットに参加していることを公表しており、少なくとも7月中はフェイスブックへの広告の出稿を取りやめていたという。しかしパスマティクスは、ボイコットに参加したパタゴニア(PATAGONIA)やアール・イー・アイ(REI)など主要ブランドを含む約100社の、出稿を取りやめる以前の1日の平均広告支出額は比較的少額の1万ドル程度だったことを明らかにしている。ベスト・バイ(BEST BUY)、ルルレモンアスレティカ(LULULEMON ATHLETICA)、リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS & CO.)、リーボック(REEBOK)も同様で、ボイコット参加以前にフェイスブックに充てていた1日当たりの広告費用は比較的少額であった。

 フェイスブックへの広告支出が高額だった企業で、7月の出稿を取りやめた主な企業は以下の通り。

 スターバックス(STARBUCKS)、ウォルマート(WALMART)、ターゲット(TARGET)、ファイザー(PFIZER)、プロアクティブ(PROACTIVE)、コンデナスト(CONDE NAST)、フールー(HULU)、JPモルガン・チェース(J.P. MORGAN CHASE)、ネットフリックス(NETFLIX)、ユニリーバ(UNILEVER)、リンクトイン(Linkedin)、マクドナルド(McDonald’s)、デル(DELL)、CVS、コールズ(KOHL’S)、ナイキ(NIKE)、サウンドクラウド(SOUNDCLOUD)、ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)、セールスフォース(SALESFORCE)、ウルタ(ulta)、アディダス(ADIDAS)、ブルームバーグ(BLOOMBERG)

 なおブルームバーグ、ダラー ゼネラル、コンデナスト、ウルタ、ウォルマート、ネットフリックス、マクドナルド、フールー、JPモルガン・チェースに関しては、フェイスブックへの出稿の取りやめを公言していない。これらの企業が出稿を取りやめた背景には、新型コロナウイルスの影響による広告予算の削減や、一連の社会問題に対する自社の明確な立場を明かさない方針を取ったことなどが考えられる。

 一連のボイコット運動のリーダーによると、およそ1100の企業が7月のフェイスブックへの出稿を取りやめており、この動きは米国だけでなく欧州やそのほかの地域にも拡大しつつあるという。しかし広告収入を主軸とするフェイスブックの現在出稿する広告主は800万以上に上り、またインスタグラムなども傘下に収めているため、同社は今回のボイコットによる影響をさほど大きくは受けていない様子だ。7月30日に公開された同社の2020年4〜6月期(第2四半期)の広告収入は、前年同期比10%増の183億ドル(1兆9398億円)。1日あたりのアクティブユーザー数は12%増の17億9000万人だった。一方でフェイスブックの広告主であった153社が7月に出稿を取りやめた影響により、7月全体の損失はおよそ1億4000万ドル(約148億円)に上り、1日あたり平均450万ドル(約4億7700万円)の損失が生まれた。しかし同社の19年の年間収益が700億ドル(1兆4200億円)だったことを考えると、年間の損失はわずか0.2%に満たないのが実際と言える。

 フェイスブックに対するボイコット運動のきっかけは、米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)氏が白人の警察官に首を押さえつけられて死亡した事件に端を発した抗議運動を受けて、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がツイッター(Twitter)に投稿した内容が批判を受けたが、フェイスブックは「同ツイートはフェイスブックの規約に違反していない」として、表示されたツイートを削除するなどの対応を行わなかった。ボイコット運動のリーダーは、フェイスブック側に改善の動きが見られない場合はさらなるアクションを起こす考えだとしているが、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)=フェイスブック最高経営責任者は7月29日、「問題を重視しているが、広告主の意見に基づいてポリシーを決定するつもりはないし、それが正しい行動だとも思わない」と発言している。

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東レ・繊維の20年4~6月の営業利益は50%減 各国のロックダウンや店舗の閉鎖が打撃

 東レの2020年4~6月の繊維事業は、売上高が前期比25.9%減の1450億円、営業利益は同50.3%減の72億円の大幅な減収減益だった。

 国内外ともに新型コロナウイルスによる生産活動・消費行動停滞の影響を受け、衣料用途においては各国でのロックダウンや販売店舗の閉鎖から需要が減退した。医療用白衣地やマスク用途での不織布需要の増加はあったものの、全体の減少をカバーするにはいたらなかった。海外子会社の中で主力の中国の売上高は前期比105億円減の401億円、営業利益は同7億円減の49億円で大きな影響を受けた。

 21年3月期の通期は下方修正し、売上高は期初の見通しを400億円下回る6850億円、営業利益は同50億円下回る320億円を見込んでいる。

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MTGが業績予想を上方修正 コロナ禍の巣ごもり消費で赤字幅縮小

 MTGは、19年10月~20年6月期の決算を発表した。売上高が前年同期比10.2%減の248億円。営業損益は9億4000万円の赤字(前期は73億円の赤字)、計上損益は6億3000万円の赤字(同74億円の赤字)、純利益は2億1000万円(同96億円の赤字)だった。同社の2019年9月期通期 決算は、19年5月に中国での不適切会計が明らかになったほか、中国での「リファ(RIFA)」不振などが響き純損益262億円を計上していた。

 四半期の2020年4〜6月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響により国内店舗や海外事業の売り上げが減少した一方で、“巣ごもり需要”が増加したことで国内EC事業が売り上げ計画を上回ったほか、構造改革による経費削減も奏功。売上高が前年同期比1%減の94億円で、自宅でのトレーニングやホームエステなどの需要により「シックスパッド(SIX PAD)」や「リファ」、5月に立ち上げた健康・衛生ブランド「ウィズマスク(WITH MASK)」と「ドゥキレイ」が売り上げに寄与した。営業利益は通販事業が好調だったため粗利率が改善されたほか、全社的な経費節減などもあり前年同期比39億円増の11億円で着地。純利益は同49億円増の10億円となった。

 また、4月に発表していた2020年9月期通期の業績予想を上方修正し、売上高340億円(4月発表時は320億円)、営業損益は1億円の赤字(同25億円の赤字)、計上利益は6000万円の赤字(同25億円の赤字)、当期純利益0億円(同25億円の赤字)とした。

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「ナイキ」が新作ヨガウエア発売 ヨガに特化した機能素材を体験

 「ナイキ(NIKE)」はこのほど、新作ヨガコレクションの発売に合わせてメディア関係者向けに体験イベントをオンラインで開いた。アイテムはジャンプスーツ(1万2100円、税込)、タンクトップ(6050円、同)、タイツ(1万1000円、同)で、参加者は新作を着用して約45分のセッションを行った。

 ウエアの生地には、「ナイキ」が2年以上かけて開発した機能素材インフィナロンを使用した。インフィナロンは、スパンデックスを改良し細い糸を多重に編んでいくことで密度を高めたもので、大きく体を動かしても生地が透けにくく、伸縮性とフィット感の程よいバランスを追求している。また、体と摩擦が起きにくい部分に縫い目を配することで、柔らかな着心地を実現させた。垂直方向の体の軸を大切にするヨガの特徴を反映し、全てのアイテムにロゴを縦向きにプリントした。

 実際に着用してヨガを行うと、タンクトップのストラップ部分は肩周りの負担が少なく、体の可動域を阻害しないように設計されていることが分かる。タイツは腰回りにホールド感がありながらも、軽く柔らかな着心地だった。

 カラーはジャンプスーツのみブルーの1色で、タンクトップとタイツはピンクとブラックの2色をそろえる。公式ECサイトと一部の「ナイキ」取り扱い店舗で販売中だ。

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YKKの20年4〜6月期は初の赤字に転落 純損失28億円

 YKK(未上場)は2020年4〜6月の純損益が28億円の赤字(前年同期は79億円の黒字)に転落した。赤字は、2011年3月期から四半期ごとの業績開示を開始して以来初めて。YKKはファスナーの世界最大手で世界72カ国・地域に拠点を持つ、日本のファッション部材企業きっての優良企業の一つだが、新型コロナ禍による世界的なアパレル産業の落ち込みが直撃した。売上高は前年同期比25.0%減の1400億円、営業利益は同99.3%減の7600万円、経常利益は同98.0%減の2億2900万円だった。

 エリア別では、売上高は前年同期の333億円から191億円に減少したアジア(中国を除く)の落ち込みが一番大きく、ついでラグジュアリーブランドを中心にファスナーを供給する欧州(EMEA)が132億円から78億円に、中国は267億円から184億円に落ち込んだ。

 ファスニング事業は、売上高が同42.0%減の500億円、営業利益は同95.1%減の7億2200万円だった。各国での都市封鎖や経済活動の自粛などが本格化、YKKも各地の工場が操業停止に追いこまれた。同社は報告書で「足元では段階的な移動制限の解除や小売店舗の再開に伴い、徐々に受注の持ち直しは見られるものの、極めて厳しい事業環境は継続している」という。

 なお国内の売り上げ比率が高く窓サッシなどを展開するAP事業は、売上高が同10.1%減の892億円、営業利益が同38.1%減の18億円となり、ファスニング事業に比べると落ち込み幅は少なかった。

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YKKの20年4〜6月期は初の赤字に転落 純損失28億円

 YKK(未上場)は2020年4〜6月の純損益が28億円の赤字(前年同期は79億円の黒字)に転落した。赤字は、2011年3月期から四半期ごとの業績開示を開始して以来初めて。YKKはファスナーの世界最大手で世界72カ国・地域に拠点を持つ、日本のファッション部材企業きっての優良企業の一つだが、新型コロナ禍による世界的なアパレル産業の落ち込みが直撃した。売上高は前年同期比25.0%減の1400億円、営業利益は同99.3%減の7600万円、経常利益は同98.0%減の2億2900万円だった。

 エリア別では、売上高は前年同期の333億円から191億円に減少したアジア(中国を除く)の落ち込みが一番大きく、ついでラグジュアリーブランドを中心にファスナーを供給する欧州(EMEA)が132億円から78億円に、中国は267億円から184億円に落ち込んだ。

 ファスニング事業は、売上高が同42.0%減の500億円、営業利益は同95.1%減の7億2200万円だった。各国での都市封鎖や経済活動の自粛などが本格化、YKKも各地の工場が操業停止に追いこまれた。同社は報告書で「足元では段階的な移動制限の解除や小売店舗の再開に伴い、徐々に受注の持ち直しは見られるものの、極めて厳しい事業環境は継続している」という。

 なお国内の売り上げ比率が高く窓サッシなどを展開するAP事業は、売上高が同10.1%減の892億円、営業利益が同38.1%減の18億円となり、ファスニング事業に比べると落ち込み幅は少なかった。

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「フミト ガンリュウ」に変化 2021年春夏で見せた新時代のリアルクローズ

 丸龍文人デザイナーが手掛ける「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」は7月、2021年春夏パリ・メンズ・コレクションをデジタルプラットフォームで発表した。今季は、機能的な素材やディテールはそのままに、ジャージーやチェックシャツといったリアルクローズも多数盛り込んでグッと日常的なコレクションとなった。

シーンに左右されない自由な日常着

 テーマは“フリーアクセス”で、「どんな情勢やムードにも対応するファッションとは一体どんなものなのか?これが今シーズンのクリエイションの発端でした」と丸龍デザイナーは振り返る。「常識やオケージョンを限定した服ではミスマッチが生じます。固定概念を超え、インドア、アウトドアといった境界線を自由に再構築する事で、“外着のような部屋着”と“部屋着のような外着”のどちらともいえる新たな汎用性を見出すことを目指しました」。例えばナイロン製の超ロングコートは、自宅でガウンのように着用することもできるし、パジャマの上に羽織ってそのまま外出することもできる。「自分のいるシーンや感情に左右されることなく自由に着られる、新しいコンセプチュアルのかたちが提案したかったんです」。

 ルックにはイギリスのファッション誌「アリーナ オム プラス(Arena Homme +)」のファッションディレクターを務め、ショーや広告など幅広い分野で活動するスタイリストのトム・ギネス(Tom Guinnes)を起用。彼がスタイリングからモデル、撮影まで全てを担当した。「今回の服が持つ側面を描くにあたり、多角的な視点での表現が必要でした。そこで、彼に全てをお願いしました」と丸龍デザイナー。ルック撮影はトムの自宅周辺で実施し、コレクションを着用した彼が本棚を整理したり、洗濯物をたたんだり、娘との時間を楽しんだりする日常を切り取った。「トムには『リラックスした、リアルなビジュアルであること。そして、屋内と屋外両方のシチュエーションで撮影して欲しい』とだけ伝えました」。具体的な注文をせず、表現に余白を残すことで“フリーアクセス”というテーマにつなげた。

 トムは「彼はコレクションを初めてからずっと、ワークウエアとスポーツウエアの機能性を素直に取り入れていると思う。私は控えめでミニマリストなフミトが好きだ。服がそれを物語っている。今回のルックはiPhoneで撮影した。私は写真家ではないから技術的なミスはたくさんあるだろう。でも、だからこそほかにない作品に仕上がった。このルックを通して、自然なムードと何の制約もない自由なスタイリングを体感してもらえたらうれしい」と語る。

現代社会のジレンマを投げかける

 ルックの発表と同時に、映像も公開した。暗い草原や街中にモニターを置き、そのモニターでルック撮影の様子を映すという意味深な内容について聞くと、丸龍デザイナーは「二律背反」とだけ答えた。これは二つの要素が拮抗する状態やジレンマを表す言葉だ。ルック撮影の様子を映像で切り取り、それらを放映する複数のブラウン管テレビを公園や街中に設置し、ダークなムードとモニターで流れる明るい映像を対比させる。これらの演出を通して、自然と都市、アナログとデジタル、リアルとフェイクなど、現代社会の相反する要素を考えるきっかけを与えたかったのだろう。

 未曾有の状況で手探りするブランドが多い中、丸龍デザイナーは自分のやるべきことを冷静に考えて実行したようだ。「ショーは作り手の届けたい情報を一度に発信できるドラマチックかつ合理的な方法です。しかし、あくまでも伝えるための手段の一つであり、表現することが最終的なゴールではありません。プロダクトそのものに重きを置くこと。その上で、その瞬間に最も相応しい形で届けること。これができればよいのではないでしょうか」。

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コロナと在宅勤務でスーツ売れず 4〜6月期、青山商事とAOKIが70億円台の営業赤字

 紳士服専門店大手の青山商事とAOKIホールディングス(HD)の2020年4〜6月期連結業績は、共に大幅な営業赤字を計上した。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言での臨時休業や時短営業に加えて、在宅勤務の浸透によって顧客のスーツ離れに拍車がかかった。両社とも不確定な要素が多いとして21年3月期の業績予想の発表を見送っている。

 青山商事は、売上高が前年同期比48.3%減の288億円、営業損益が74億円の赤字(前年同期は12億円の黒字)、純損益が92億円の赤字(同41億円の赤字)だった。主力である「洋服の青山」「ザ・スーツカンパニー(THE SUIT COMPANY)」といったビジネスウエア事業の既存店売上高は55.9%減で終わった。収益改善のため非効率な32店舗を閉めた。

 AOKIHDは、売上高が前年同期比39.5%の262億円、営業損益が75億円の赤字(前年同期は2億2800万円の黒字)、純損益は64億円の赤字(同2億8800万円の赤字)だった。ファッション事業だけでなく、同社の多角化の一つの柱であるアニヴェルセル・ブライダル事業の売上高が挙式・披露宴の中止・延期によって同95.5%減まで落ちた。

 高単価で稼ぎ頭だったスーツの低迷はコロナ以前からの続いており、青山商事もAOKIHDも業績悪化に苦しんできた。コロナを機に在宅勤務をするビジネスマンが増加し、スーツの出番がますます減ることが予想される。ECの強化はファッション企業全体の課題だが、紳士服専門店にはスーツ以外の新しい収益源の確保が不可欠になっている。

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「メイベリン ニューヨーク」の新作ムービーを錦戸亮と赤西仁のユーチューブチャンネル「NO GOOD TV」で公開

 「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は8月7日18時から、ジャパン・ブランドサポーターに就任した歌手で俳優の錦戸亮と歌手の赤西仁との共同プロジェクト「N/A」によるユーチューブチャンネル「NO GOOD TV」内で新作ムービーを公開する。8月14日からは一部地域でテレビCMも放送する。
 
 新作ムービーは、「メイベリン ニューヨーク」のブランド理念を表現したブランドムービーと、「ラッシュニスタN」にフォーカスしたキャンペーンムービーの2本仕立てとなっている。ブランドムービーでは、モデルの阿部朱梨、世界的ダンサーのRIEHATA、アパレルプロデューサーやDJなどさまざまな肩書を持つ植野有砂が出演する。それぞれの世界で活躍する3人が、自分の好きなことに向かって自分らしく力強く突き進んでいく姿を描く。「ラッシュニスタN」のキャンペーンムービーは錦戸と阿部が出演し、カップルの日常を描く内容となっている。

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「ジレット ヴィーナス」が「あつ森」で肌用デザインを公開 ニキビやそばかすを表現

 かみそり製品を手掛ける「ジレット ヴィーナス(GILLETTE VENUS)」は、ニンテンドースイッチのゲーム「あつまれどうぶつの森(あつ森)」用に“スキンクルーシブ サマー ライン”と題したデザインを公開した。肌にまつわるインクルージョン(包摂・包括性)に重きをおいたデザインの数々で、2つの語を組み合わせた“スキンクルーシブ”を提案している。また8月31日には著名人とゲーム内で、“スキンクルーシブ”やファッションに関連するトピックを扱うユーチューブ配信イベントを開催する。

 デザインは肌のトーンとタイプの組み合わせ次第で全264種類をそろえる。プレーヤーがキャラクターで表現できる肌のタイプは、ニキビやそばかす、セルライト、腕の毛、傷痕、シワ、アトピー、手術痕などで、ダウンロード用のコードは公式ウェブサイトのルックブックに掲載している。

 同ブランドは「マイ スキン マイ ウェイ」というキャンペーンを通じて、さまざまな身体的特徴の女性を起用して、肌のあり方や見せ方における“美しさ”は一つではないというメッセージを発信。フォトレタッチの廃止や「そる理由も私が決める」というフレーズを使用して、女性の自己決定権や主体性を打ち出す広告も行ってきた。アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony Van Dijk)=シニア・ブランド・ディレクターは、「ゲームは空想上のものだが、その中のキャラクターとつながれるよう好きなだけ正確に自分を表現できるようにしたい。『ヴィーナス』を売るのではなく、キャンペーンを盛り上げていきたい」と語った。

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コロナ休業中の在庫消化に手応え アダストリアが描く「ファッションロスのない世界」

 大量生産・大量廃棄といった従来型のアパレルのビジネスモデルに、社会から厳しい目が向けられるようになっている。これを受けて各社さまざまな策を講じているが、ここ数年、福袋の廃止、セールの抑制などで在庫圧縮を進めてきたのが、「ニコアンド(NIKO AND…)」「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」などを運営するアダストリア(福田三千男会長兼社長)だ。今春は同社も店舗休業を余儀なくされたが、いまだに在庫過多に苦しむ競合他社もある中で、アダストリアは在庫コントロールに一定の手応えを得ているという。在庫問題は、サステナビリティやCSR(企業の社会的責任)の意識にも直結するもの。同社のCSR担当役員である福田泰己取締役に聞いた。

WWD:毎年作成しているCSRレポートの2019年度版では、CSRポリシーとして「ファッションのワクワクを、未来まで。」を策定した。ビジョンとしては「ファッションロス(衣料品廃棄)のない世界」も掲げている。その意図は?

福田泰己取締役(以下、福田):アダストリアは上場が04年ということもあって、創業間もないヤングカジュアルファッションの会社と見られることもあるが、実は1953年に創業した企業だ。100年企業を目指す中で、「なくてはならぬ人となれ、なくてはならぬ企業であれ」を理念として掲げている。アパレル産業はモノ作りによって環境に負荷を与えてしまう部分もある。それを認識しつつ、「なくてはならぬ企業」となるべく、本業の中で負荷を一つずつ減らし、改善していくことを目指している。ただし、それを責務や義務として行うのではアダストリアらしくない。あくまで楽しんで行ってこそだ。それで、「ファッションのワクワクを、未来まで。」というポリシーを策定した。

毎年、CSRレポートは株主総会(5月)を目途に作成しているが、ポリシーやビジョンを策定したのは今回から。従来のレポートはその年に行った活動内容を紹介するのみだった。そこがこれまでとは違う点だ。ビジョンとして掲げた「ファッションロスのない世界」というワーディングは、お客さまと社員のどちらにとっても分かりやすい。他にも「未来に繋がるものづくり」というビジョンのもと、25年までに使用する全コットンをサステナブルなものに切り替えるといった目標も設定している。目標が具体的になったことで、サステナビリティの意識を行動により移しやすくなったと思う。会社のPL(売上高や損益)よりも、CSRがまず大命題としてわれわれの中になければならないと、いっそう感じられるようになったと思う。

WWD:7月1日からのプラスチック製ショッピングバッグ有料化に合わせて、アダストリアでは50万枚のエコバッグを客に無料配布した。また、買い物袋を辞退した客にポイント還元する取り組みは、既に5年間継続してきている。

福田:CSRやサステナビリティというとどうしても重々しくなりがち。われわれはコーポレートスローガン「Play fashion!」のもと、お客さま目線でどういったアクションならばサステナブルで同時に楽しめるか、楽しんでいただけるかを考えている。エコバッグの配布もその一環だ。洗濯して繰り返し使えるおしゃれなエコバッグをご提供すれば、お客さまには喜んでいただけるし、結果としてプラスチックごみも減らせる。そうした考えで、50万枚という少なくはない数のエコバッグを工場にあった残反を生かして生産した。これも通常なら「1枚あたりの工賃はいくら」といった考え方が先行してしまうものだと思うが、サステナブルな取り組みを楽しんで進めることができるようなムードになっている。

WWD:そうは言っても、CSRと経済活動の両立において難しいと感じる面もあるか?

福田:当社は生活者と近い目線を持った社員が多く、環境に無配慮で収益を追求する、といった考え方はそもそも薄い。「とにかく儲けたい」というような変な考え方の人がいない会社だと思う(笑)。若い世代の社員も多いため、彼らにとっては、「とにかく儲けたい」といった価値観自体が楽しくないんだと思う。だから、CSRを実現するために会社をコントロールをしているという意識はあまりない。

「春物の消化は例年通り、もしくはそれ以上の結果に」

WWD:アパレル業界の大量廃棄には、一般社会からも厳しい目が向けられるようになっている。

福田:アダストリアでは、少なくとも在庫の焼却処分はもう行わないと決めている。残った在庫は当社が出店していない地域のオフプライスストアで販売したり、第三国に輸出する業者に販売するなど、何らかの再利用やリサイクルにまわす。もちろん一番いいのは売り切って在庫をゼロにすること。しかし、店頭を商品で埋める以上、どうしても在庫ゼロにはならない。ゼロに近づけるために最大の努力をし、それでも残ってしまったものは、当社で手掛ける「キッズローブ(KIDSROBE)」という子ども・ベビー服のレンタル事業や、在庫をアップサイクルして販売する「フロムストック(FROMSTOCK)」事業に生かしている。このような、在庫にまつわるさまざまな施策や事業のアイデアが、17年にスタートしたアダストリア・イノベーションラボなどを通して、社内で有機的、自発的に生まれるようになってきた。

WWD:デベロッパーの反対を押し切り、18年初からは福袋販売も中止した。福袋のために新たに商品を生産し、それを大量に余らせるようなアパレルビジネスのあり方はあまりにも無駄が多いという考えからだ。セールを前提とした大量生産の仕組みについても、ここ数年変えようと努力してきている。

福田:セールの抑制にしても、期末在庫をいかにゼロに近付けられるかがカギだ。在庫に関しては、当社は業界内の平均よりもかなり高い水準で残さず進めることができている。ただ、今年は店舗が自主休業となった4、5月に相当な金額の在庫を抱えてしまったことは確か。休業を受け、既にできあがった商品を工場に発注キャンセルするケースも業界内では聞いた。ただ、当社は(福田三千男)会長の号令のもと、4、5月分の全量をキャンセルせず、工場への値引きも求めなかった。その分夏物の発注量を抑えることで在庫をコントロールし、春物を売り切れと指令が出た。その結果、春物の消化は例年通り、もしくはそれ以上という結果になった。

WWD:アダストリアの7月の国内既存店売り上げは前年同月比19.9%減だった。夏物の発注量を抑えたことで商品が足りず、その結果売り上げを落としたと見受けられたが、無駄に作って余らせるよりも、売上高を落としてでも売り切れる量を作るべきという考え方を象徴していると感じた。

福田:夏物の発注量を抑えた結果、在庫が薄いのではないかという懸念は確かに出ていた。ただ、今年に関しては在庫コントロールがよくできた方だと思う。特に6月は“リベンジ消費”で各社好調だったと思うが、それでも春夏の在庫をさばききれなかった企業はあったと思う。セールが長期化して価格が崩れており、安いから売れたという部分もある。秋以降、適価に戻った時に状況がどうなるかはまた別の問題で、今後もしっかり見ていく必要がある。

WWD:休業中の在庫の発注キャンセルについては、SNS上で批判を集める企業も出た。これまでなあなあで済まされてきたいびつな業界の商習慣が、いよいよ許されなくなっている。

福田:今は企業の姿勢が筒抜けになる時代だ。休業してしんどいのはどの店も同じだし、小売りが厳しければ工場だって苦しい。そこに発注キャンセルで商品を突き返すような動きはサステナブルではない。それでコロナ禍は切り抜けられたとしても、今後そういった企業にどこまでお客さまや取引先、社員がついていくのかは疑問だ。アダストリアは、「なくてはならない企業」という理念があるからブレないんだと思う。サステナブルはもちろんこれからの世の中のキーワードだが、真摯であること、公平・公正であることも同様だと思う。どこかが苦しい時には助けるという姿勢が、お客さまからも取引先からも共感を集める時代だ。発注キャンセルや大量廃棄などの問題でファッション業界を見る世の中の目は厳しいが、個別の企業の問題を業界全体の問題と捉えられてしまうと、店頭で頑張って働いている人(販売員)がつらい。だからこそ、当社なりに世の中に対してできるアクションをしていくことが肝要だと思っている。そうすれば、世の中のファッション業界を見る目も変わっていくはず。うちの社員は出戻り(他社を経験し、再び入社する人)が多いが、そんなふうに戻ってきたいと思えるような企業であることが大事だと思う。

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「エルマンノ シェルヴィーノ」2021年プレ・スプリング・コレクション

 「エルマンノ シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)」が2021年プレ・スプリング・コレクションを発表した。

 

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予約150万枚突破 アクアバンクの“マイナス3℃以上ひんやり感じる”マスク

 ウオーターサーバーや健康機器を手掛けるアクアバンク(AQUA BANK)の夏用マスク“クールマックス プレミアム(以下、クールマックス)”は予約150万枚を突破した。“クールマックス”はQ-MAX値0.5以上で、着用時に「マイナス3℃以上ひんやり感じられる」という。Q-MAXとは接触冷湿感評価値のことで、人の肌から物への熱の移動量を数値化したものだ。0.2以上が冷たく感じる目安で、多くの冷感マスクの数値は0.3前後だという。0.5という数値を可能にするのが、超高分子量ポリエチレンに冷感素材のアイスシルクを5.3%混紡した新素材だ。熱伝導率・拡散率が一般的な繊維の中では最も高く、丈夫で軽量、耐摩耗性や弾力性にも優れている。

 フィルター機能によって、ウイルスや飛沫、花粉を99%遮断するので安心。耳ひもの長さが調節できるアジャスター付きでフィット感も抜群だ。堅牢検査もしっかりされており、繰り返し洗濯して使えるので経済的だ。水を吹きかけて着用すれば、ひんやり度もアップするという。価格は2枚入りで880円、アクアバンクのホームページで先行予約販売中。8月11日から順次発送され、ゆくゆくはドラッグストアなどでも発売される予定だ。

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マイクロプラを削減せよ 伊藤忠ファッションシステムが認証基準を作り、自ら生地開発

 伊藤忠ファッションシステムは、自社の検査機関「エイチシー ラボ(HC LAB)」でマイクロプラスチック排出量の検査とマイクロプラスチックの削減認証「レスマイクロプラスチック(LESS MICRO PLASTIC)」をスタートした。同時に親会社の伊藤忠商事と協力し、1年をかけてマイクロプラスチックの排出量を50%削減したフリース生地の開発に成功。大手スポーツアパレルなどへの提案も開始する。担当者である伊藤忠ファッションシステム事業開発推進グループの河合秀彰氏は「繊維製品がマイクロプラスチック排出の大きな原因と言われてきたが、世界的にもこれまで明確な基準や認証はなかった。できることから取り組むことで、アパレル産業の環境負荷低減に貢献したい」という。

 伊藤忠ファッションシステムは、ポリエステルなどの化学繊維の起毛素材を検査。脱落量の平均値を1平方メートルあたり0.53グラムと割り出し、「レスマイクロプラスチック」では、脱落量がその半分以下の0.25グラムのテキスタイルを認証する。山本氏は、「日本では脱落した繊維の9割は下水処理場などで除去されると言われているが、国や地域によってはそのまま海や川に流され、環境汚染につながることもある。まずは繊維製品自体のマイクロプラスチック排出を減らすことが、マイクロプラ削減の第一歩だと考えた」という。

 生地の開発を担当した伊藤忠スポーツウェア課の山本直樹氏は「特殊な技術を使うわけではなく、糸や生地の組織など生地の設計で複数の要素を組み合わせることで成功にこぎつけた」という。開発に成功したのはポリエステルを使ったスポーツ・アウドドア向けのフリース素材だが、今後はブランケットなどにも広げる考え。

 「エイチシー ラボ」は伊藤忠ファッションシステムが繊維大手のユニチカと協業し、ヒューマンセントリック”を掲げて2018年5月に東京・有明に開設した素材と衣服の検査機関になる。

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セイコーHDが和光本館をリニューアル ミュージアムも移転してアンバサダーに市川海老蔵を指名

 セイコーホールディングス(以下、セイコーHD)は8月6日、運営する東京・銀座の和光本館の2階に「グランドセイコーブティックフラッグシップ和光」をオープンした。さらに8月19日には、東向島にあった「セイコーミュージアム 銀座」を銀座・並木通りに移転させ地下1階、地上5階でオープンする。「セイコーミュージアム 銀座」では時計の販売は行わないが、同社にとって和光本館、ギンザ シックス(CINZA SIX)内のセイコーブティック、「グランドセイコーブティック銀座」「セイコードリームスクエア」「セイコー プロスペックスブティック 銀座」に続く銀座エリア6拠点目となる。これに先駆けて8月5日には記者発表会を行い、歌舞伎俳優の市川海老蔵をセイコーHDのアンバサダーに起用することも発表した。

 和光本館は6月にも1階を全面改装しており、柱やショーケースのデザインおよびレイアウトを一新。銀座の代名詞ともなっているショーウインドーをスケルトンにして、歩道から館内が見えるようにした。また「IWC シャフハウゼン(IWC SCHAFFHAUSEN)」と「オフィチーネ パネライ(OFFICINE PANERAI)」の扱いを開始した。

 「グランドセイコーブティックフラッグシップ和光」のオープンにより、同ブランドオーナーの住空間(リビング、ラウンジ、ライブラリー、ウオッチバー)を再現しながら、主力ブランドである「グランドセイコー(GRAND SEIKO)」を拡充。セイコーHDの創業者の服部金太郎の曾孫である服部真二・代表取締役会長兼グループ最高経営責任者兼最高顧客責任者は、「『グランドセイコー』の哲学やアーカイブを堪能いただけるほか、カスタマイズを世界で初めて受注する」と説明する。文字盤のカラーオーダーや針の形状変更、ケースへの彫金などを受け付ける。

 「セイコーミュージアム 銀座」は1981年に設立された「セイコー時計資料館」を母体とし、セイコーHDの製品だけでなく世界の時計を収蔵する。「“時のミュージアム”として社会貢献の一端を担う」と位置付ける。

 記者発表会に出席した市川は、「歌舞伎座のある銀座は僕の生活の一部。和光本館にも何回も来ている。リニューアルに伴い、沿道から内部を見られるようになり、いっそう入りやすくなった」と話した。また歌舞伎界の現状については、「高齢のファンも多いため、コロナショック後の再スタートがなかなか難しい。とはいえ、生でお届けすることが歌舞伎の醍醐味だと考えており、公演形態に十分に気を付けながら前進したい」と述べた。

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「グッチ」がキッズ向け日本限定iPadアプリ 想像力を育てる26ゲームなど

 「グッチ(GUCCI)」は日本限定のキッズ向けiPadアプリ「Gucci Kids Playgroud」をスタートさせた。アプリでは、遊び心溢れる子どものイマジネーションを育てることを目的に、Speed(スピード)とMemory(記憶)、Logic(考える)、Drawing(お絵かき)の4つのカテゴリーに分かれたゲームを設ける。ゲームは各カテゴリーに1つずつで、全て無料で楽しめる。またオプションで年間登録すると、全26ゲームの全てのレベルが利用可能になり、アップデートされる新しいゲームやチャレンジなどが通年で体験できる。保護者はユーザープロファイルを通じて、アクティビティーごとに4つのエリアで遊ぶ子どもの状況と上達を確認できる。

 アプリのデザインは、これまでもコレクションでタッグを組み、春には「グッチ」のチルドレンズコレクションを手掛けた日本人アーティストのヒグチユウコを起用し、擬人化されたネコやイヌに加え、架空の生き物たちが登場する絵本のような世界に彩られている。

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「タトラス」のカプセルコレクションが発売 ビンテージバンダナやイギリス空軍のカモ柄に着想

 イタリアを拠点とするファッションブランド「タトラス(TATRAS)」は、2020年春夏のカプセルコレクションを発売した。バンダナ柄をメインとしたアイテム全8型をそろえる。渋谷や日比谷、大阪の「タトラス」直営店と公式オンラインストアで取り扱う。

 ビンテージのバンダナをパッチワークしたオリジナルプリントをはじめ、イギリス空挺部隊に着想したカモフラージュ柄、ゼブラやレオパードをモチーフにしたアニマル柄など、個性あふれるパターンを採用。これらをパーカ(3万4000円)、ロングスリーブシャツ(3万4000円)、ハーフスリーブシャツ(2万8000円)、Tシャツ(1万6000円)、コットンショーツ(2万8000円)、コットンパンツ(3万円)など全8型に落とし込んだ。表面にポリエステル、裏地に綿を用いたダブルフェイス素材やバイオウオッシュ加工でクタッとした風合いを出したコットン生地など、夏でも快適に着用できる素材も特徴だ。

問い合わせ先
TATRAS渋谷店
03-6803-8356

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「ルイ・ヴィトン」2021年春夏メンズ・コレクション

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が2021年春夏メンズ・コレクションを発表した。

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タキヒヨーがLA発ラグジュアリー・ゴルフブランド「ジーフォア」と国内代理店契約を締結

 繊維商社のタキヒヨーは、アメリカ・ロサンゼルスのラグジュアリー・ゴルフアパレルブランド「ジーフォア(G/FORE)」と日本国内の正規代理店契約を締結した。

 2011年に設立された「ジーフォア」は、鮮やかな色使いのゴルフグローブをはじめ、ゴルフシューズ、アクセサリー、アパレルなど幅広く手掛けている。機能性とファッション性、クラシック感とモダンなアスリートのイメージを融合させたデザインが特徴で、ゴルファーはもちろん俳優やミュージシャンなどセレブリティーにも愛用者が多いという。価格はシューズが3万円代~4万円代など。タキヒヨーは大手ゴルフ用品専門店を中心に卸売りを拡大するとともに、10月上旬には新宿西口ハルク店に出店を予定している。

 同社が以前から販売しているゴルフ&カジュアルウエアブランド「ゾーイ(ZOY)」に加え、先ごろ韓国のコーロンインダストリーFnCとアパレルのライセンス契約を締結したゴルフウエア「ワック(WAAC)」と合わせて3つのゴルフウエアブランドを、8月5日に「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」に出店した。

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タキヒヨーがLA発ラグジュアリー・ゴルフブランド「ジーフォア」と国内代理店契約を締結

 繊維商社のタキヒヨーは、アメリカ・ロサンゼルスのラグジュアリー・ゴルフアパレルブランド「ジーフォア(G/FORE)」と日本国内の正規代理店契約を締結した。

 2011年に設立された「ジーフォア」は、鮮やかな色使いのゴルフグローブをはじめ、ゴルフシューズ、アクセサリー、アパレルなど幅広く手掛けている。機能性とファッション性、クラシック感とモダンなアスリートのイメージを融合させたデザインが特徴で、ゴルファーはもちろん俳優やミュージシャンなどセレブリティーにも愛用者が多いという。価格はシューズが3万円代~4万円代など。タキヒヨーは大手ゴルフ用品専門店を中心に卸売りを拡大するとともに、10月上旬には新宿西口ハルク店に出店を予定している。

 同社が以前から販売しているゴルフ&カジュアルウエアブランド「ゾーイ(ZOY)」に加え、先ごろ韓国のコーロンインダストリーFnCとアパレルのライセンス契約を締結したゴルフウエア「ワック(WAAC)」と合わせて3つのゴルフウエアブランドを、8月5日に「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」に出店した。

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無印とローソンの接近 エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年6月24日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

無印とローソンの接近

 「無印良品」を運営する良品計画とコンビニ大手のローソンの提携が話題です。

 6月17日からローソンの都内3店舗で試験的に靴下や肌着、文具、レトルトカレー、化粧水などの販売を始めました。今後、取り扱い店舗の拡大やプライベートブランドの共同開発なども検討されているそうです。国内の「無印良品」の店舗数は437店(2020年2月期)、一方でローソンは約1万4000店。「無印良品」はローソンと手を組むことで、商圏を一気に広げることができます。

 このニュースの意外性はローソンと「無印良品」という組み合わせです。

 「無印良品」は長年ファミリーマートで販売されてきました。もともと良品計画とファミリーマートは旧セゾングループの仲間同士でした。その後、紆余曲折を経てファミリーマートは現在、伊藤忠商事の子会社になっています。両社は仕入れ条件などの面で折り合いがつかず、19年1月末に提携が解消されました。それから1年半、コンビニの棚から「無印良品」は消えていたのです。

 「無印良品」は衣食住の幅広いアイテムを取り扱い、「生活の基本となる、あらゆる分野の商品でお客さまがまず思い浮かべるブランドになる」(松崎暁・良品計画社長)ことを掲げています。消費者の生活の最も近くにあるコンビニに商品を置けないことは大きな機会損失でした。

 新型コロナウイルスの影響で自宅での過ごし方を見つめ直す機運が高まっています。リモートワークも当たり前になり、自宅を快適な環境にしたいと考える人は増えている。ハレの商材ではなく、身近な衣食住の商材を扱う「無印良品」にとっては追い風です。

 コンビニの棚に並べられる商品は靴下や文具など小ぶりなものに限られるでしょうが、「無印良品」は5月からアマゾン、6月から楽天市場での取り扱いを開始しました。1676万ダウンロードを誇るショッピングアプリ「MUJIパスポート」をはじめ、これまでは自社ECに囲い込むことを基本戦略にしてきたわけで、方針転換といえるでしょう。圧倒的な集客力を誇るアマゾンと楽天市場への出店によって新規顧客を取る。緊急事態宣言による店舗休業が背中を押した面もあるでしょう。消費者の生活圏とスマホの中に深く入り込む「無印良品」から目が離せません。

MARKET VIEW:ファッション市場で日々発信されるホットなニュースを、「WWDジャパン」のビジネス担当記者がコンパクトに解説するメールマガジン。ニュースを読み解くヒントを提供します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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センスと体形でブランドを体現するプラスサイズ販売員 プニュズ吉澤綾花

 2014年にタレントの渡辺直美がウィゴーとともに立ち上げたファッションブランド「プニュズ(PUNYUS)」。彼女の個性を打ち出しつつ、目玉焼きをモチーフにした総柄プリントは、多くのアパレル関係者に衝撃を与えた。当時、国内では大きなサイズを展開するメーカーはあっても、大きな売り場や専門的に打ち出す店はなく、いわゆるプラスサイズの服は通販での購入が多かった。デザインも通勤服のようなコンサバなものやフェミニンなものが主流だった。そうした中で「プニュズ」は、おしゃれをしたいプラスサイズ体形の女性にとって大きな驚きだった。ルミネエスト店の吉澤綾花店長も「プニュズ」との出合いで仕事を変え、今では太っていることをコンプレックスに思う人たちの気持ちを前に向かせようと奮闘している。

―もともとはフリーでヘアメイクの仕事をしていたそうですが、どんな働き方でした?

吉澤綾花さん(以下、吉澤): 例えば、午前中は写真館などで七五三とかの記念撮影のヘアメイクに入り、お昼ごろからはバンドのヘアメイクでライブ会場に行き、夜は出勤前のホストのヘアメイクという感じで、1日中働いていました。ただ、フリーランスなので働く時間も自分でコントロールでき、メリハリをつけて仕事をしていた感じです。ですが、あるときケガで入院をすることになり、休んでいたらやる気がうせてしまいまして(苦笑)。ヘアメイクの仕事は楽しかったんですけどね。なんだかんだで1年くらい休職していました。いつまでも休んでいるのもな…と思っていたときに、ずっとファンだった(渡辺)直美さんがプロデュースするブランドができると聞いて、すぐにオープニングスタッフに応募しました。

―その話を聞いたときに「コレだ!」と思いました?

吉澤:思いました(笑)。「プニュズ」立ち上げのときのビジュアルが本当にツボにハマりました。いろいろなジャンルのスタイル提案はありましたが、私自身がアメコミやフィフティーズが好きだったので、中でもフィフティーズっぽいスタイルとポップな目玉焼き柄のアイテムにすっかりとりこになりました。もともとロカビリーが好きで、ピンナップガール風のファッションに憧れていて、「こういうブランドならアパレルやってみたい」と思ったんです。

―ロカビリーとかフィフティーズに興味を持ったきっかけは?

吉澤:音楽からです。この曲調が好きだなと思って調べたら、それがロカビリーだった。私は何でもウィキペディアで調べるのが好きで、ロカビリーを深掘りしていったら当時のファッションやインテリアなど、時代背景も含めて全てが自分好みだったんです。

―ピンナップガールのイラストとか可愛いですよね。でも、それまでフリーで仕事をしていたのに、会社に所属することになることに抵抗はありませんでしたか?

吉澤:抵抗がないというより、想像できませんでした。大変そうな仕事という感覚もなく、人と話すことが好きだったので、お客さまと会話して楽しい買い物時間を過ごしてもらえればいいなとは思っていました。それにヘアメイク時代の経験を生かして、服だけでなく髪色や髪形、お肌の色などから、一味違うコーディネート提案をしていけるとも考えていました。

―確かに、それは接客の強みになりそうですね。

吉澤:なので、接客そのものは特に抵抗はなかったです。むしろヘアメイクの仕事よりも合っているんじゃないかと(笑)。実際にやってみると、それより毎日届く段ボールの量とその整理の方が大変でした。思った以上に体力を使う仕事なんだと、あらためて思い知らされましたね。仕事は楽しいけど、足はクタクタでした。でも、ショップに「欲しい服がない」という悩みを持ったお客さまが来られたり、「ブログを読んで、会いに来ました」と言ってくれるお客さまがいたり、「いつも参考にしています」なんて言われるとよかったなあって思います。今はプラスサイズ向けの雑誌もあって、専属モデルさんもいますが、まだまだ店にはプラスサイズのスタッフは少ないので、私が店頭で直接お客さまの悩みを聞いて、提案できる役目を担っているんだと実感しています。

―昔前はプラスサイズが買えるのは百貨店くらいで、あとは通販雑誌で買うのが主流だったと思いますが、今は?

吉澤:最近はネット通販の利用が多いようです。「プニュズ」も立ち上げの頃はネットで見ている方が多かったので、スタッフたちと「ショップに来て試着して買ってくれる人が増えるといいね」と話していました。

―吉澤さんは服を買うときどうされていたんですか?

吉澤:それまでは古着屋やヤフオク、メンズブランドなどで買っていました。ヤフオクとかで買うときは、ちゃんと着られるかサイズを何度も確かめていました。前から直美さんのSNSでいつもどんな服を着ているかチェックしていたんですが、インスタで海外のファッションサイトで服を買っていると紹介している投稿をきっかけに、私も海外から買うようになりました。

―服を買うにも一苦労ですね。

吉澤:国内のメーカーのプラスサイズの服は体形をカバーするデザインが多くて、胸から下は全てゆったりしている感じで、グッとくるデザインが少なくて……。特に体形を気にすることなく、ピンナップガールのようにウエストをキュッと締めて、胸元が開いたデザインでもいやらしさを感じないトップスで、ヘルシーでセクシーな服となると、もう国内で手に入れるのは絶望的でした。

―フィフティーズスタイルは個性的でかわいいけど、それを専門的に展開するブランドって少ない。そう考えると、直美さんのファッションセンスは体形に関係なく、憧れる人は多いですよね。

吉澤:そうなんです。だから絶対面接に受かりたくて、面接の前に開催された直美さんとチェキが撮れるとあるイベントには精一杯おしゃれして参加しました(笑)。当日はピンナップガール風のスタイルで行ったんですけど、会場にはプニュズの関係者もいて「あの派手な子は何だ!」とざわついたと後から聞きました。その後の面接でも「あのイベントにいた子だ!」となったそうです(笑)。面接も一般的な質問というより、「その服はどこで買ったの?」という感じで逆に質問され、不思議な感じで面白かったです。

―先ほど「試着をして買う方を増やしたい」と言っていましたが、試着されない方が多いのですか?

吉澤:体形にコンプレックスがあるからか「着られなかったらどうしよう」と思う方も多く、試着しているのを他人に見られたくないから試着をしたがらないのです。「プニュズ」は6Lサイズまで展開していて、私でも着られるサイズがあるからとにかくお店に来てみてくださいと、事あるごとに伝えています。来店される方も徐々に増えてきていますが、まだ不安をお持ちで通販で買う方もいるでしょうが、そういう不安も解消できると思うのでぜひ来店してもらいたいなと思います。

―ずいぶん試着に対してネガティブなイメージを持たれているのですね。

吉澤:なので、ショップもいろんなところに工夫をしています。フィッティングルームは大きい方でも試着しやすいように一般的なショップのより広くしていますし、常にスタッフみんなでどんな言葉を掛けたら気持ちよく試着してもらえるか話し合っています。少し極端ですが、お客さまには「買わなくてもいいから、一回着てみてくださいね」と声を掛けています。ショップに足を運んでくれたということは、少しでもブランドに興味があって、着てみたいという気持ちがあるのだと思うので、とにかく着て、どんなふうに見えるのか体験してほしいと思いながら接しています。どんな体形でも純粋にオシャレを楽しんでほしいので、脚を出したくないけどスカートにチャレンジしたいという方には「夏にタイツを履いてもいいんですよ」と伝えて、チャレンジしやすいアドバイスをしています。だってコーディネートには正解も間違いもないじゃないですか。

―そうですよね!

吉澤:最近はプラスサイズの方だけでなく、バレーボール選手や柔道選手といったアスリートの方がプライベートでお買い物に来られることも増えています。全方向的にいろんな体形の方に着ていただけるブランドとして定着しつつあるなと感じています。

―プニュズで働いていてよかったことはありますか?

吉澤:プニュズを通じてイメチェンされる方が本当に多くて、そこに関われるのはうれしいです。初めてのデートに着ていく服を一緒に選んだりするときなんかは、お客さまの大切な時間の一部に関わらせてもらって、こっちまでドキドキします。その後に素敵な報告をしに来てくれると、さらにうれしくなります。

―プニュズが一歩前に踏み出すきっかけになっているんですね。

吉澤:そうです。そのせいか、この何年かで試着したがらない人が前より減ったようにも感じています。

―それは良よった!では、最後にこれからの目標は?

吉澤:店頭に立ってはいたいとは思うのですが、私の分身のような…、というかオンラインストアのモデルをやったり、私の思いを受け継いでくれるスタッフを育てていきたいですね。

苫米地香織:服が作れて、グラフィックデザインができて、写真が撮れるファッションビジネスライター。高校でインテリア、専門学校で服飾を学び、販売員として働き始める。その後、アパレル企画会社へ転職し、商品企画、デザイン、マーケティング、業界誌への執筆などに携わる。自他ともに認める“日本で一番アパレル販売員を取材しているライター”

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「オーラリー」 × 「ニューバランス」第3弾は軽快で繊細なハイテクシューズ

 ニューバランス(NEW BALANCE)は、「オーラリー(AURALEE)」とのコラボレーション第3弾となるスニーカー“オーラリー × ニューバランス フューエルセル スピードリフト(AURALEE × NEW BALANCE FUELCELL SPEEDRIFT)”を8月15日に発売する。価格は2万4000円。カラーはライムイエローとチャコールの2色で、サイズは23cm〜29cmをそろえる。

 ベースとなったのは、ニューバランスが今年発表した本格的なランニングシューズ“フューエルセル”シリーズの“スピードリフト”だ。ミッドソールに高い反発弾性を備えたパフォーマンスモデルに、半透明のリップストップをアッパーに使用したり、さらに2種類の素材重ねて3層構造にしたりしてファッション性を高めている。素材の重なりによってワントーンの色使いに奥行きが生まれ、繊細さと軽快さが融合した一足となっている。

 「オーラリー」には珍しいハイテクシューズを選んだのは「自分が一番履きたいと思ったモデルだったから」と岩井良太デザイナー。さらに「クラシックなイメージが強いニューバランスには新鮮なタイプだったし、『オーラリー』が得意なナチュラルで品のいいウールのパンツに合わせるのも面白そう」と続けた。

 ニューバランスと「オーラリー」の公式オンラインストアのほか、東京・日本橋浜町のティーハウス ニューバランス(T-HOUSE New Balance)とニューバランス 六本木 19:06で販売する。ティーハウス ニューバランスでは発売に合わせて、現代アーティストの玉山拓郎によるコラボシューズをイメージしたインスタレーションを8月15〜25日に開催する予定だ。

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「エックスフラッグ ラボ」がコラボプロジェクト開始 第1弾は「アンブロ」「アトモス」FC東京とコラボ

 ミクシィのエンターテインメント事業ブランド「エックスフラッグ(XFLAG)」は、新たなコラボプロジェクト「エックスフラッグ ラボ」を開始する。第1弾として8月8日に、「エックスフラッグ」がスポンサーを務めるJリーグクラブのFC東京、同チームのユニフォームを手掛ける「アンブロ(UMBRO)」、スニーカーブランドの「アトモス(ATMOS)」とコラボしたコレクション「“東京”パック」を発売する。アイテムはスニーカーとTシャツをそろえる。

 スニーカーは「アンブロ」の最新モデル“バンピーエックス”をベースに、「アンブロ」が手掛けるFC東京のユニホームに着想を得たデザインだ。サイドにはそれぞれが拠点とする渋谷の経緯度を立体的なプリントで表現し、ヒール部分には“東京”の文字を刺しゅうで表現した。カラーはホワイトとブラックで、価格は1万5000円。Tシャツはスニーカーにも施したストライプ柄をボックスデザインでプリントし、“東京”の文字をモザイク調であしらった。スニーカーと同じくホワイトとブラックをそろえ、価格は4500円。

 「エックスフラッグ」渋谷店、「アトモス」各店と公式サイトで、数量限定で取り扱う。

 「エックスフラッグ ラボ」では今後ゲーム、スポーツ、アニメーションの分野を合わせたコラボレーション企画に取り組む。

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「空調服(TM)」と「タケオ キクチ」がコラボ ファン付きプルオーバー

 暑さ対策・熱中症対策商品を手掛ける「空調服(TM)」は8月6日に、菊池武夫がディレクションする40~50代をターゲットにしたメンズブランド「フォーティーカラッツ アンド ゴーニーゴ バイ タケオキクチ(40CARATS&525 BY TAKEO KIKUCHI」とのコラボレーションウエアを発売した。「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」の公式オンラインストアや渋谷明治通り本店、有楽町丸井店で取り扱う。カラーはカーキの1色展開で、価格は5万9000円。

 菊池は「以前から真夏の工事現場での作業従事者のスタイルに興味があり、彼らの夏の必需品である『空調服(TM)』の存在を知り、昨年夏に試着するつもりで作業着ショップで購入した。散歩好きの私には無くてはならないアイテムとなった。ただ自分が満足出来るデザインではなく、同社にコラボ企画をお願いした」と語る。

 コラボウエアは5部袖のプルオーバーをベースに、身幅にゆとりを持たせ、裾のスピンドルやフロントジップを締めてファンを回した時に大きく膨らむように設計した。タウンユースや夏のレジャー、防災時など、さまざまなシーンでの着用が可能だ。また高密度なポリエステルタフタ生地を採用。生地に加えた特殊な加工による適度なハリ感と、化繊ながら天然素材のような表情が特徴だ。さらに、はっ水加工やUV遮へい率90%、手洗い可能という夏に適した機能を備えた。

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アダストリアが韓国のセレクトショップ「エーランド」の国内展開でパートナー契約 今秋都内に1号店

 アダストリアは6日、韓国のセレクトショップ「エーランド(ALAND)」と日本国内展開におけるパートナー契約を締結したと発表した。2020年秋には都内に1号店となる路面店をオープンする。同日には、日本公式のインスタグラムアカウントも開設した。なお初年度の売上高や今後の出店計画は未定としている。

 「エーランド」は2005年設立。ストリートテイストを軸にファッション、コスメ、雑貨など700を超えるブランドをそろえ、若者を中心に支持を得ている。韓国国内では明洞、ホンデ、カスキロルなど流行の中心地に9つの直営店を構え、海外では米国、香港、タイにも店舗を持つ。

 アダストリアは日本国内マーケットにおける店舗運営ノウハウを生かし、主に店舗展開と運営面でサポートする。「韓国ファッションやコスメ、カルチャーは日本の10〜20代の若者から圧倒的支持を得ているものの、国内外ではそれらを体験し購入できるリアルな場が少ないのが現状。また、新型コロナが蔓延する状況下で韓国旅行ができず、消費者のニーズはより高まっている」と分析する。一方、同社へのメリットとして「ブランドポートフォリオに韓国ファッションを加えることで、マルチブランド展開をさらに充実させることができる」としている。

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「テバ」が次世代アウトドアブランドとコラボ サステナブルな限定モデル発売

 スポーツサンダルのパイオニアとしても知られる「テバ(TEVA)」は、次世代アウトドアブランドの「コトパクシ(COTOPAXI)」と協業して限定サンダルとウインドブレーカーを7月29日に発売した。全てのアイテムは「コトパクシ」の製造工程で生じた残布やリサイクル素材を使用。「テバ」公式サイトで8800円から購入可能だ。なお日本ではサンダルのみの販売。

 「コトパクシ」はユタ州に2店を構える新興ブランド。2013年の創業以来“ギアー フォー グッド(Gear for Good)”という信念のもとに、環境問題や発展途上国の貧困といった社会問題の解決に取り組んでいる。その姿勢は注目を集め、アメリカのミレニアル世代から厚い支持を得ているという。

 このコラボでは「テバ」の看板商品“オリジナル ユニバーサル”サンダルの男女用をそれぞれネオンカラーにアレンジした。ウインドブレーカーは、再利用のポリエステルタフタを使用してユニセックスに展開。優れた耐久性とはっ水性を持たせた。

 サンダルのストラップにはペットボトルなどをリサイクルして作られたレプリーブ(REPREVE)ポリエステルと、「コトパクシ」の残布の組み合わせを採用している。またミッドソールには非常に軽量で、塩素を含まないことから無公害のプラスチック素材といわれるEVA樹脂が使われている。

 「テバ」と「コトパクシ」はともにサステナブルな資源の調達や生産に重点をおくブランドだ。「テバ」のアンダース・バーグストロム(Anders Bergstrom)=ゼネラルマネジャーは「このコラボレーションは、何よりも価値観が合うことを称えるものだ。だからこそ、話題性が優先された多くのコラボレーションとは一線を画していると思う」と語った。

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「サカイ」がドーバー限定のMA-1を発売 

 「サカイ(SACAI)」は8月7日、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)との限定コレクション「サカイ ジェム(SACAI GEM)」の新作を発売する。メンズ、ウィメンズ共にMA-1をベースに、バンダナをイメージしたペイズリー柄を刺しゅうで施した。

 ウィメンズのMA-1は背面にプリーツを加え、メンズにはサイドにジップを施すことで、さまざまな着こなしを実現。共にブラックとカーキの2色展開だ。ウィメンズは16万4000円、メンズは16万9000円となる。

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NEW ARRIVALS: REPLAY

こんにちは。

PRの新井です。

本日は、バーニーズ ニューヨーク銀座本店で展開をスタートしている<リプレイ>限定コレクションのご紹介です。

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バーニーズ ニューヨークでは、型崩れしない独自開発のストレッチデニム“ハイパーフレックス”シリーズが人気のデニムパンツ<リプレイ>にオーダーした、セルビッジ仕様の“ハイパーセルビッジ”デニムをバーニーズ ニューヨーク銀座本店で展開しています。

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スリムストレートシルエットにハイパーストレッチ素材のフレキシブルでクリーンな本アイテム。

この夏に最適なワンウォッシュモデルとウォッシュモデルは、絶大な人気を誇る“ハイパーフレックス”のリプレイストレッチテクノロジーとセルビッジファブリックを兼ね備えており、セルビッジファブリックでありながら伸縮性が体感できる一本です。

エレガントな表情の中にもクラフツマンシップを感じられるようなディテールや快適性にも優れているスペシャルピースです。

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今回の限定コレクションでは、リラックスムードが高まる中で最新のコンフォータブルなトレンドエッセンスを用いたデニムパンツやチノパンツ、ウェアなど幅広いラインナップでご紹介しています。

ぜひバーニーズ ニューヨーク銀座本店店頭でご体感くださいね!

 

限定アイテムの詳細につきましては、こちらをご覧ください>>>

https://safarilounge.jp/online/fashion/column/detail.php?id=5317

 

「アディクション」の「ザ アイシャドウ」リニューアルでSNSに登場した“特定班”って何者? 編集部が勝手に妄想

 ビューティにまつわるニュースを編集部員が語り合う「WWDビューティポッドキャスト」は、「WWD JAPAN.com」や週刊紙「WWDビューティ」の中から編集部が気になるニュースやトピックスをピックアップし、解説と共にお届けします。

 第4回は、「WWDビューティ」7月16日号の巻末コーナー「ビューティパトロール」に掲載した、「アディクション(ADDICTION)」のブランドを代表するアイテム「ザ アイシャドウ」のリニューアルの発表からSNSで起きた“バズ”について詳しく紹介します。

 人気アイテムということもあり、今回のリニューアルで関心を集めたのが既存の全99色の“残留”“廃番”について。SNSに登場した“特定班”と呼ばれる熱心なファンについて、「WWD JAPAN.com」デジタルデスクの福崎明子と元ウェブメディアでエディターを務め、「WWDビューティ」でソーシャルパトロールを担当する浅野ひかる「WWDビューティ」記者が話します。

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資生堂1~6月期連結決算 休業中の従業員給与や店舗維持費など響き純損益213億円の赤字

 資生堂の2020年1~6月期連結決算は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を全地域で受け売上高が前年同期比26%減の4178億円となった。利益面は市場環境の低迷に加え、減産に伴う工場生産性の悪化により営業損益が34億円の赤字(前年同期は689億円の黒字)、経常損益が63億円の赤字(同679億円の黒字)。休業中の従業員給与や店舗・工場維持費などを特別損失として計上したことから純損益は213億円の赤字(同524億円の黒字)と厳しい結果となった。

 事業別の売上高は、日本事業が同31.9%減の1505億円。eコマースが同19%増と伸長したものの、緊急事態宣言解除後も続く小売店の時短営業や来店客数減などの影響を受け、百貨店や量販店ブランドなどを中心に売り上げが低迷した。さらにインバウンド売り上げも70%超減となった。

 中国事業は、同7.1%減の1000億円。3月下旬以降の感染者数減少により回復傾向となり、プレステージブランドが50%増とプラスに転じた。さらにeコマースも同35%増と好調だったものの、価格面での競争激化や香港市場の回復が難しかった。

 トラベルリテール事業は、中国の海南島や韓国の市中免税店を中心に成長しているものの、米州や欧州、日本などの落ち込みが響き同19%減の516億円だった。そのほか、アジアパシフィック事業は同27.8%減の261億円、米州事業は同42.1%減の367億円。欧州事業が同27.5%減の349億円、プロフェッショナル事業が同22.1%減の56億円、その他が同28.3%減の121億円だった。

 第3四半期以降の緊急事態宣言やロックダウンを想定していないことから通期連結業績見通しを公表した。ニューノーマル(新しい日常)に応じた新製品のプロモーション強化や役員基本報酬の一部返上(CEO30%、ほか10~15%)、設備投資の見直しなどを進め、売上高は前期比15.8%減の9530億円、営業利益が同100%減の0円、経常損益が65億円の赤字、純損失が220億円の赤字を見込む。

 また、中期計画「WIN2023」を策定。自社開発やオープンイノベーション、戦略的M&Aを推進し、ジャパニーズビューティや、クリーンやナチュラル、メンタル・ウエルネスカテゴリーなどを含むスキンビューティ領域を強化する。魚谷雅彦資生堂社長兼CEOは「デジタルを活用した事業モデルへの転換を加速する。また、アジア圏の早期回復を実現させる。23年に収益の完全復活を目指し、不退転の決意で臨む」と述べた。

 10月には、美容機器メーカーのヤーマンとの合弁会社エフェクティムが稼働する。「2年前から契約に向け話し合いをスタートしていた。21年初めには、両社の専門性を駆使した新ブランドの商品を発表し戦略についても発信する」と魚谷社長は語った。

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ビームスと「ディーン&デルーカ」「ジップロック」のトリプルコラボ バッグを発売

 ビームスのレーベル“ビームス クチュール(BEAMS COUTURE)”は「ジップロック(ZIPLOC)」、「ディーン&デルーカ(DEAN & DELUCA)」とのトリプルコラボで保冷機能のあるクーラーバッグを8月7日に発売する。大きいサイズ(4000円)と小さいサイズ(3000円)を用意する。

 「ディーン&デルーカ」で人気のクーラーバッグをベースにしたアイテムで、まるで「ジップロック」がくっついたかのようなデザインが特徴だ。有料化されたプラスチック製ショッピングバッグの代わりにマイバッグとしても役立ててほしいという。

 ビームスと「ディーン&デルーカ」の公式ECサイトで取り扱う。

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資生堂とヤーマンが合弁会社設立 2021年に新ブランドを日本と中国で発売

 資生堂は8月6日、ヤーマンとの合弁会社設立契約の締結を発表した。合弁会社名はエフェクティム。資本金は4億9000万円で出資比率は資生堂が65%、ヤーマンが35%。梅津利信・資生堂執行役員が社長を務める。

 資生堂は2014年から続く中長期戦略で、他社の知見を融合させたビジネスモデルの構築を戦略の一つに掲げている。一方のヤーマンは、得意とする美容機器ビジネスを中心に日本発のグローバルブランド企業の確立を目指しており、両社の目的が合致した。

 エフェクティムは10月から事業を開始。まずは中国を注力市場と位置づけ、資生堂が持つ皮膚科学技術と、ヤーマンが持つ美容機器の知見と技術を生かした新ブランドを立ち上げる。新ブランドはエイジングケアや美容機器に関心がある消費者を対象とし、2021年に中国と日本市場で販売する予定。

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「レベッカ ミンコフ」から初の香水 ビーガンでグルテンフリーな成分を使用

 ニューヨークブランド「レベッカ ミンコフ(REBECCA MINKOFF)」は、初めてのフレグランス「レベッカ ミンコフ オードパルファム」を8月中に発売する。3種類のサイズから取り扱いを開始し、価格は30〜95ドル(約3700〜1万円)。アメリカのメイシーズ(MACY'S)やQVC、公式オンラインサイトなどで販売する。

 初めてのフレグランスは、大手香料メーカーのジボダン(GIVAUDAN)の調香師と共に作られ、ビーガンでグルテンフリーなものになっている。また、3種類あるサイズのうちの2種類は詰め替え可能だ。外箱には、環境に配慮したFSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)認定の素材を使用する。香調の中心はジャスミンとタバコの葉の香りで構成し、トップノートはベルガモットとカルダモンを配合した。

 同ブランドは2019年にプレミア グループ(THE PREMIERE GROUP)と長期ライセンス契約を結び、ビューティ事業を開始。フレグランスが最初の取り組みとなった。デザイナーのレベッカ・ミンコフは、「フレグランスは私がずっとずっと作りたかったもの。当初からサステナブルなパッケージと成分を使用することは明確に考えていた」と語った。業界筋は初年度1000万ドル(約10億円)の売り上げと予想している。

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鎌倉シャツがリネンのマスクを発売 夏にぴったりな麻素材

 “鎌倉シャツ”の愛称で知られるメーカーズシャツ鎌倉は8月7日から公式ECサイトと直営店でマスクを販売する。

 シャツの生地にも使われる麻素材で、夏らしい涼しげなマスクだ。内側はコットンガーゼが二重になっており、鼻の部分にはワイヤーが通っている。価格は1000円で、製造はシャツの縫製をする国内の工場で行っている。

 同ブランドはコットン素材のマスクをすでに販売しており、東京・練馬光が丘病院の医療従事者にプライベート用として寄贈もしている。

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せーのが「エフアールツー」初の海外店をタイ・バンコクにオープン ファッションとアートの発信地に

 メンズファッションブランド「ヴァンキッシュ(VANQUISH)」などを手掛けるせーのは、海外初となる「エフアールツー(#FR2)」の路面店をタイ・バンコクに7月31日にオープンした。

 店舗は、高架鉄道スカイトレイン(BTS)のサイアム駅前のサイアム スクエア ソイ3 (SIAM SQUARE SOI 3)にあり、サイアムセンターやサイアム ディスカバリーといった若者に人気の施設も近い。

 同店では、6月に東京・原宿のイベントスペース、エフアールツー ギャラリーで行った、グラフィックデザイナーやアートディレクター、コラージュアーティストとして活動している河村康輔のアート展を計画している。

 せーのはタイに合弁で現地法人を設立しており、「ヴァンキッシュ」の直営店を2015年から構えている。また、シンガポールにも現地法人を年内に設立する予定で、「アジア市場しか可能性はない」という石川涼せーの社長の拡大戦略は続く。

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ユナイテッドアローズが業績悪化を受け、3つの政策を発表

 ユナイテッドアローズ(UA)は、コスト構造改革、EC、働き方改革、在庫の見直しなどを目的とした3つの重点取り組み政策を発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、同社の2020年4~6月期業績は営業損益が50億円の赤字。5日の決算会見で同社の竹田光広社長執行役員は「非常に厳しい結果」と語り、変革を一気に進める考えを示した。

 1つ目は「稼ぐ力を取り戻す」。近年の暖冬や天候不順、新型コロナウイルスの影響による消費減退などで従来のビジネスモデルは通用しないと考えて、事業構造から抜本的に見直し、MD精度の向上を図る。20-21年秋冬物は調達量を現段階で2割減らす。2つ目は「低コスト体質に切り替える」。固定費の縮小を目的に、一部の不動産家賃を再考。また、残業を削減するなどして本社の人件費を抑制する。3つ目は「フリーキャッシュフローの追求」。実店舗を中心としてきた従来のビジネスに対して、不採算店舗や事業のスピーディーな見直しを進め、働き方改革と合わせてコスト削減を目指す。

 竹田社長執行役員は「UAは働く方々やハレの場の衣装、外に出ることを前提としたファッションビジネスで成長してきた。ただし、現代のお客さまの消費の変化に対して、スーツのMDを見直し、ウィズコロナ、アフターコロナに向けた商品改革を行っていく必要がある。実店舗の在り方を見直し、店舗の中から新たな接客スタイルに変えていく」とコメントした。

 なお、5月に発表した23年3月期を最終年度とする中期経営計画については、再検討しているという。「初年度の21年3月期は“新型コロナをどう乗り切るか”、22年3月期は“企業体力の改善”、23年3月期は“従来のリアル中心のビジネスモデルからOMO(オンラインとオフラインの融合)への転換”が大きな方向性となるだろう」と説明した。

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D2Cスキンケアブランド「アジャイル・コスメティクス・プロジェクト」が初の実店舗を「ベータ」に開設 

 D2Cブランド「アジャイル・コスメティクス・プロジェクト(AGILE COSMETICS PROJECT)」は8月、ブランド初の店舗を新宿と有楽町にオープンした米国シリコンバレー発の体験型店舗「ベータ(B8TA)」に出店した。

 同ブランドは2018年11月に誕生。製品に記載しているQRコードや、インタビュー・ミートアップセッションなどを通じ、顧客とのコミュニケーションを蜜に行い製品をアップデートさせている点が特徴で、製品名にバージョン名を記載している。売り上げは順調に推移しているといい、「コロナ禍において“おうち時間”でのスキンケアニーズが高まっていること、同時にデジタルなどに接する機会も増えていることから、ブランドページへの流入や新客も2倍の成長を見せている」と担当者。購入前に手に取って試してみたいという声もあり、初の出店を決めた。

 店舗での取り扱い製品は、プロジェクト第1弾製品である二層式保湿ブライトニングオイル「白いオイル (ver.1.24)」(30mL、6400円)、昨年6月に発売を開始し、約半年で容器デザインのバージョンアップを行った「時計遺伝美容液(ver.1.08)」(30mL、7000円)、 両製品のミニサイズをセットにした14日間集中キット(4500円)の3種類となる。

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NYコレが完全デジタル化 ブランドや消費者、プレス、バイヤーなど誰でも使えるプラットフォームを開設

 アメリカファッション協議会(COUNCIL of FASHION DESIGNERS of AMERICA以下、CFDA)は、国内のファッション業界向けのビジネスツールを兼ねた総合デジタル・プラットフォーム「ランウエイ360(Runway360)」を立ち上げる。公開はニューヨーク・ファッション・ウイーク(9月14〜16日開催予定)の開幕前だ。

 「ランウエイ360」は、コレクション発表やPR、販売、消費者への働きかけといったブランドビジネスにおけるツールを網羅しており、デザイナーが業界関係者や消費者と直接つながることができる。デザイナーはバーチャルのプレスカンファレンスの開催や参考資料の配布、ファッションショーやプレスキットのリリースができるなど、販売の促進や米国ファッションにおけるクリエイティビティーを披露する場として機能する。また世界中の小売業者やプレス、消費者を対象に、AR/VRを駆使した360°の動画やライブ配信、ECおよびSNSとの連係やショッピング機能が提供され、9月のファッション・ウイーク終了後も永続的に利用することができる。

 ブランド、消費者、プレス、取引顧客など誰もがアクセス可能な「ランウエイ360」では、各ユーザーのプロフィールに合わせたサービスが提供される。例えば、デザイナーは50人限定でコレクションを公開することができたり、各自のページにBtoB向けのデジタル・マーケットプレイスのニューオーダー(NuORDER)や卸売りシステムを設置したり、またユーザーはそのページからデザイナーのプロフィールページにアクセスし、360°の拡張現実を用いたコレクションの閲覧やプレスキット、プライベートイベント、AR/VR体験といったソーシャルメディアを通じたコミュニケーションを行うことができる。

 「ライブ ナウ(Live Now)」というページでは、ウィメンズ、メンズ、新人、サステナビリティの4つのカテゴリー別に、ファッション・ウイークの公式スケジュールとブランド、コレクションを紹介。期間中はライブ配信されているコレクションが特集される。ユーザーはお気に入りのショーを登録し、SNSを通じてシェアすることもできる。またデザイナーは、過去のコレクションを公開することも可能だ。CFDAは今回イベントを開催しないが、どの場所で行われるショーも「ランウエイ360」でライブ配信する。

 スティーブン・コルブ(Steven Kolb)CFDAプレジデント兼最高経営責任者(CEO)は、「デジタル・プラットフォームを駆使してファッション・ウイークを現代風にまとめた。ニューヨーク・ファッション・ウイークでのコレクション発表のベースとなるだろう。また年間を通じて、ブライダルおよびジュエリー・ウイークやプレ・コレクションといったその他のマーケットにも適用できる。誰でもアクセスが可能で、年間を通じてデザイナーのコレクションをサポートするという点は、ミラノ・デジタル・ファッション・ウイークでの取り組みと似ている。今シーズンはどのデザイナーも、これまでのような本格的なランウエイショーをリアルタイムで行うことはないだろう。全てがデジタルで行われるはずだ」とコメントした。

 「ランウエイ360」はECサイトとしての機能はないが、消費者やバイヤーはお気に入りアイテムを登録し、プレオーダーや購入が可能だ。デザイナーはこうした情報をeメールなどで情報が共有され、人気の高いルックやコレクションを知ることができる。「コンテンツは私たちではなくデザイナーが作成する。私たちはそれをプラットフォームにつなげるだけだ。デザイナーはルックブックの写真や動画を投稿することもできる。これはデザイナーをサポートするためのビジネスツールだ。柔軟性が高く、各ブランドの需要に合わせてカスタマイズできるプラットフォームにしたい」とコルブ=プレジデント兼CEO。なお、ブランドは「ランウエイ360」に無料参加が可能で、CFDAはこれによる収益化を考えていないという。
 
 また、BtoBパートナーであるニューオーダーは、新人デザイナーや有色人種のデザイナーによるビジネスのサポートを目的とした、バーチャル販売ショールームを含む一連のサービスを提供する。ヒース・ウェルズ(Heath Wells)=ニューオーダー共同創設者兼共同CEOは、「新しい世代のデザイナーやブランドに技術やツールを提供することで、彼らの将来の成功をサポートできることをうれしく思う」とコメントした。
 
 コルブ=プレジデント兼CEOは、「ファッション業界が変革の時にある今、革新的なビシネスツールが必要だ。ソーシャル・ディスタンシングや移動制限がある世の中で、『ランウエイ360』は画期的な存在だと言える。デジタル・プラットフォームは新型コロナウイルスの影響を受けた今だけでなく、将来的に従来のようなファッションショーが行われる場合にも役立つ」とコメントした。将来的に従来のランウエイショーが行われた場合は、ブランドはプラットフォーム上でショーの動画を配信もでき、ショーのコメントやコレクションのインスピレーション源などの投稿も可能だ。

 なお、「ランウエイ360」はニューヨークの総合デザインスタジオ、デ ヤン(De-Yan)が開発。モバイル版にも対応している。

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ランジェリー業界のゲームチェンジャー vol.6 外務省勤務から下着デザイナーへ転身した「ナオランジェリー」の栗原菜緒

 下着業界はファッション業界に比べるとメディア露出が少なく、またサイズの展開が多いため、在庫管理が複雑、生産工程で使用する資材が多い、生産ロットが大きいなどの理由から新規参入が難しいといわれてきた。大手の下着メーカーやアパレルメーカーによる市場の寡占によってなかなか新陳代謝が進まない印象だったが、ここ数年でD2Cブランドが増加している。また、異業職種からのデザイナー転身やSNSを通じたコミュニティーの活性化など、下着業界では30代の女性を中心に新たなムーブメントが起こっている。下着業界に新風を吹き込むゲームチェンジャーらにインタビューし、業界の今、そして今後の行方を探る。

 第6回に登場するのは、栗原菜緒「ナオランジェリー(NAO LINGERIE)デザイナー。外務省勤務からランジェリーデザイナーを目指し、物作りの経験がほぼゼロからブランドを立ち上げたという異色の経歴の持ち主だ。個人デザイナーのブランドとしては珍しく日本橋高島屋にコーナーが常設されるなど、その経歴や活躍は人気テレビ番組の『ガイアの夜明け』や『セブンルール』などでも取り上げられ話題になった。下着を作って売るだけでなく社会活動にも熱心に取り組み、下着を通じて“女性の尊厳と自尊心を守る”というブランドコンセプトを実践している。

――服飾専門学校や美大卒のデザイナーが多い中、異色の経歴だが?

栗原菜緒「ナオランジェリー」デザイナー(以下、栗原):高校生のときから外交官を目指していたので大学在学中に外務省でアルバイトを始めて、卒業後もアルバイトをしばらく続けました。『日本の素晴らしさを世界に広めたい』という夢があったのですが、実際に勤務すると、官僚の仕事と私の夢の実現は異なることが分かりました。それに気付いたときには、大学の同級生らは有名企業に勤めて活躍していて焦りました。『私も好きなことを仕事にしたい、好きな仕事で夢を実現しよう』と思い、ランジェリーデザイナーとしてブランドを立ち上げようと決心しました。その後、補整下着専門店に勤めたのが下着に関わる初めての仕事で、1セット十数万円の補正下着を販売する中で、自分の理想のランジェリー像が具体的にイメージできるようになりました。コンサルティング会社に就職してからは多くの新規事業に携わり、ブランディングやマーケティングを約2年間経験したことが起業にも役立ち、28歳でランジェリーデザインを学ぶためにミラノに留学し、帰国後29歳で会社を設立して「ナオランジェリー」をスタートさせました。

――ランジェリーに興味を持った理由は?

栗原:中学生の頃からランジェリーが好きで、洋服よりも下着姿の自分の方が好きだし、きれいだと思ったんです。私の中学時代はヤマンバギャル全盛期。私も流行にのりたかったけれど、学校も家庭も厳しくてかないませんでした。肌を焼いてガングロには近づいたけれど、その中途半端な感じがすごく嫌で……。ただ、時代の流れや他人の視線に左右されるファッションの流行にはのれないけれど、限られたお小遣いの中で買ったお気に入りのランジェリーを身に着けると、人の目に触れなくても自分が表現できると感じました。また、家長(男性)を大切に扱う旧家に生まれ、女性である私は軽んじられていると思いながら育ったことも理由の一つです。そのような環境下でもきれいな下着を身に着けると自分が大切な存在で、自分が存在する意味があると感じられました。そんな経験から、ブランドコンセプトを“女性の尊厳、自尊心を守る”としました。

――ランジェリーブランドを設立するにあたっての一番の苦労は?

栗原:工場探しと資金の調達です。工場は十数社連絡をとって、会ってもらえたのは4社。下着業界には何のつてもありませんでしたから、ネットで検索と連絡の繰り返しでした。ワイヤー入りのブラジャー1枚の縫製工賃は5000円、ロットも1型400枚からと言われ途方に暮れる中、工賃も抑えて100枚から縫ってくださる工場が見つかりスタートできました。その工場は、ちょうどお父さまから息子さんへ代替わりするときで、「若い人を応援しよう、工場も変わっていこう」という思いがあり、オーダーを受けてくださいました。資金は貯金と銀行からの融資、あとは銀座のクラブで週5日働いてためました。ただ、そのお金も1年でなくなりましたから、銀座のクラブでのアルバイトはブランド設立後にまた復活。一時は伊勢丹新宿本店のポップアップストアで一日接客した後、夜は銀座のクラブで接客をすることもありました(笑)。投資してもらうという選択もあったと思いますが、私は自分のブランドをコントロールされるのが嫌でそれを選びませんでした。

児童養護施設にファーストブラを
寄付するなど、自らの体を
大切にする啓蒙活動も

――デビューコレクションは何型?

栗原:全てワイヤー入りのブラで6型、そのうち1型は2色展開で、700枚の在庫を抱えてスタートしました。コーディネートショーツはタンガ(Tバック)だけ。自分がタンガしかはかないから、それでいいかと思ったんです。今振り返るともちろん無謀だったと思いますし、何も知らなかったからできたとつくづく思います。こんなに大変だとは思いませんでしたが、もう後戻りできない状況でした(笑)。現在、経営は“安定”とまでは言えませんが、ブランドデビューしてから6年たって売り上げは年々順調に伸び、毎シーズン新型と新色を継続的に発表できるようになりました。

――ランジェリーデザイナーとして一番の喜びは?

栗原:“女性の尊厳を守る”というブランドのコンセプトがお客さまに伝わっていると感じることです。デザイナーである私自身が銀座本店や百貨店、地方のホテルでの出張販売などで直接接客することもあり、お客さまとの関係が近くて濃いんですね。「ナオランジェリー」を着けて「初めて自分の体が愛おしく感じられた」「女性としてステップアップできた」「パートナーとの関係が改善された」とお手紙をいただくこともあります。ランジェリーを通して、これからもお客さまの人生に寄り添っていければうれしいです。

――今後の夢は?

栗原:今年から来年にかけて海外進出に挑戦する予定で、海外の展示会出展も計画しています。また、社会活動もさらに積極的にやっていきます。現在、児童養護施設のファーストブラを着用する年齢の女の子たちに弊社のノンワイヤーコットンブラを寄付しています。それくらいの年齢の女の子にとって、自分の体を大切に思うこと、生まれ持った体を好きになることは、その後の人生にとても重要です。今後は商品を寄付するだけでなく、そんな話もできるようになりたいと思っています。

――下着業界に期待することは?

栗原:大きいメーカーも小さなブランドも、それぞれオリジナリティーを持ち、互いを尊重し合い、切磋琢磨できる業界になればいいと思います。ランジェリーは心と密接に関係するので、女性に自信を与え、活躍を後押しできる存在。下着業界全体で女性のエンパワーメントを底上げできればうれしいです。

川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター、日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身

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「ルイ・ヴィトン」が上海での2021年春夏メンズのショーを公式サイトでライブ配信

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、8月6日19時30分(日本時間)に上海で開催する2021年春夏メンズのランウエイショーを公式サイトでライブ配信する。同サイトの特設ページではショー開始までのカウントダウンとともに、カラフルなチェーンのアクセサリーが映るティーザー動画や画像も掲載している。

 同ブランドは7月、メンズはこれまでの春夏や秋冬というコレクションや発表のスケジュールを改め、今後はシーズンレスの体制に移行することを発表している。さらに今回はサステナビリティを多分に盛り込むことも表明しており、リサイクル素材や過去のコレクションを再利用したアイテムも登場する予定だ。

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プレミアアンチエイジングから攻めのオーガニック新スキンケア誕生

 プレミアアンチエイジングは10月21日に、新スキンケアブランド「イミュノ(IMMUNO)」をスタートさせる。エコサートやCOSMOSなどオーガニック認証のある天然由来原料などを積極的に使用し、製品の主成分が天然由来90%を目指すエイジングケアシリーズだ。価格は3500~6500円。公式サイト、全国のコスメキッチンで販売する。

 同ブランドは攻めのエイジングケアをかなえるオーガニックコスメを追求し、皮膚科学の視点で選んだオーガニック素材を使用した。製品は先行型オイル美容液「アドバンスド エッセンスオイル AG」(30mL、6500円)を中心に、クレンジングバームや洗顔料、化粧水、クリーム、日焼け止め乳液の全6品をラインアップする。全製品に共通してパラベン、鉱物油、石油系合成界面活性剤、アルコール、合成ポリマー、合成香料、合成着色料は不使用で、動物実験を行わず、オーガニック認証登録された工場で製造する。さらに、外装や容器も軽量化やリサイクル素材を使用するなど、環境に配慮したパッケージを採用した。

 プレミアアンチエイジングはエイジングケアにこだわり自然の力と科学との融合を軸に、エイジングケアブランド「デュオ(DUO)」や「カナデルCANADEL)」を展開し、9月18日には新スキンケアブランド「シトラナ(SITRANA)」もスタートする。

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「時短営業には従えません」串カツ田中、ダンダダンなどチェーン企業でも22時以降営業続行

 コロナ感染者拡大を防ぐ目的で、東京都は8月3日から31日まで酒類を提供する飲食店、カラオケ店に対して22時までの営業時間短縮の要請を求めたが、前回の営業時間短縮要請とは訳が違い、要請に従う店がある一方、22時以降も営業を続ける店も増えている。
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「店舗を良くしたい」の行動が誤解!? 元ファストリ上席執行役員の心に火をつけた“トーチング”回顧録Vol.1

 ファーストリテイリンググループで社内改革を推進する「有明プロジェクト」をけん引し、史上最年少で上席執行役員に昇格した神保拓也はこのほど、人の「心に火をつける。」ことを目指し、株式会社トーチリレーを設立した。まず取り組む同社の主たる事業は、「心に火をつけることを主題に置きつつも、ティーチングやコーチングとは一線を画すサービス」。ただ、その料金はタダだ。なぜ神保は、タダで「トーチング」を始めたのか?人の心に火が付くことで起こった、ファーストリテイリング時代の「奇跡」をたどり、「トーチング」の原点を探る。

 神保拓也・代表取締役“隊長”のトーチリレー、人の「心に火をつける。」素晴らしさの原体験は、ファーストリテイリング勤務時代、「ユニクロ(UNIQLO)」の関東のとある店舗にあるという。幹線道路のロードサイドにある、ごくごく普通の店舗だ。

 それは、5年前の話。神保“隊長”は、本部社員が店舗を定期的に訪問しサポートする制度で、その店舗を訪問。それは「ユニクロ」の「お客様第一」、そして「店舗が主役、店長が主役、スタッフが主役」というカルチャーを体現する制度だった。訪れた店舗の店長は、当時25歳。実力があれば最短半年で店長に昇格できる実力主義の人事制度で、その職に就いていた。ただ何かがうまく機能しておらず、店舗は監査を受けると低い評価を突きつけられた。

 一般的に、店舗の「問題」はさまざまだ。「在庫は揃っているか?」「欠品はないか?」「アルバイトスタッフの数は足りているか?」「清掃は行き届いているか?」などは巡回する時、上司が確認するポイントだろう。だが神保“隊長”は、「『店舗オペレーション』が主役ではなく、『人』が主役であるべき」と考え、「『人』にフォーカスした巡回を心がけた」。「そこで働いてくれている人の心に、火がついているか?」を確認して回ったという。すると見えてきたのは、「店長と、このロードサイド店を含め複数の店舗を束ねるスーパーバイザー(以下、SV)の関係性が良くなかった」という、この店舗最大の問題。SVは監査のたびに低い評価を受ける店長に不満を持ち、一方の店長は実力主義でのし上がった自分を評価してくれないSVに不満がある。そして店長とSVの不和が、「夫婦喧嘩に動揺する子どものように」スタッフを悩ませていた。

 店長は店舗に着任して早々、「20代で執行役員になります。だからさっさと結果を出して、半年で、大きな店に異動します」と、自分を追い込むためでもあるビッグマウスを吐き、スタッフに総スカンを食らっていた。しかし店長は間もなく、一人じゃ何にもできなくて、先輩スタッフの方が仕事ができることに気づく。そしてスタッフは、不器用ながら努力する店長を応援するように。結果、店長とスタッフの関係性は急速に改善。ただスタッフと仲良くなることと、店舗が改善することは別。なかなか成果が出なくて、店長とSVはコミュニケーション不全の状態に。そこで神保“隊長”は、店長室に自らの名刺を置き、店長とスタッフに「何かあったら、電話してこい」とのメッセージを残したという。

 するとある時、店舗の女性スタッフが泣きながら「このままでは、店長が壊れてしまう」と電話をかけてきた。

 店舗には相変わらず問題があり、SVは欠品やサイズの不備などを指摘していた。なのに店長は、社内公募のフィリピン短期留学に参加して2週間不在に。SVが激怒している最悪のタイミングで監査が入り、この店舗は再び低い評価を受けた。連続の低評価でSVは激怒し、店長は意気消沈。店長は監査の際に店舗を不在にしていたこと、連続して「低評価」だったことの責任を感じ、SVに責任感の欠如を問いただされ、激しく凹んでしまったという。赴任した当初は無鉄砲なくらいだった店長が小さくまとまり、「日に日に元気がなくなっている」という電話。スタッフは、「このままでは、辞めてしまうかもしれない」と心配した。店長とSVの信頼関係が悪化したため、店舗の雰囲気も日に日に悪くなったという。そこで神保“隊長”は改めて、SVと店長、そしてスタッフと面談することにした。

 面談で気付いたのは、店長も、SVも、スタッフも、3者3様で「店舗をよくしたい」と思い、自発的に動いていたこと。でも「その言動が、相手に誤解されて伝わっていた」。そこで神保“隊長”は、店長とは「SVに認めてもらうには、自身の何が課題なのか?」、SVとは「あの店長に変わってもらうためには、自身も何を変えなければいけないのか?」、そしてスタッフとは「店長とSVがあんな状態の時、みんなは一体、何をすればいいのか?」をディスカッション。その時それぞれは、「登る山がわからないから、登り方も何もない状態」。そこでそれぞれに複数回、「心に火をつける」トーチングを実施した(つづく)。

今週のトーチング格言

「0次産業が重要だ!!」

連載では最後に、神保“隊長”から取材中に飛び出した名言をお伝えします。今週の格言について神保代表は、「1次産業の農林水産業からさまざまな仕事が広がり、今は6次産業やインダストリー4.0や5.0と言われているけれど、1次以上の産業は、全て人のつながりの上に成り立っている。だから人は0次。そして0次が変わらないと、世の中は良い方向に変わらない。トーチングは、人の心に火を灯す0次産業のビジネスなんです」という。

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「鎌倉シャツ」を作った夫婦の物語 玉置美智子著「シャツとダンス」

 「鎌倉シャツ」の創業者で会長の貞末良雄氏(79)を描いた「シャツとダンス〜『アパレルの革命児』が起こした奇跡〜」(玉置美智子著、文藝春秋刊)に、次のような場面がある。1970年代半ば、貞末氏はヴァンヂャケットに勤務していた。酒の席で部下が愚痴をこぼし、貞末氏が諭す。

「百貨店からはしょっちゅう掛け率、掛け率といわれて大変ですよ」

 掛け率を下げるとは、つまり、百貨店がヴァンに支払う商品の仕入れ代金を安くすることだ。定価1万円の商品を7000円より5000円で仕入れて売ったほうが百貨店の利益が増える。利益は2000円増だ。

 「百貨店の掛け率を下げればヴァンは、自分たちの利益を確保するために原価率を下げる。そうやってどんどん落ちていくプロパー消化率(編集部注:定価で売れた割合のこと)に対して、掛け率と原価率を低くしてバランスをとっていったんだ。それでプロパー消化率が50%を切る頃には、原価率は20%、ってわけだ。そのうち15%になるよ。お客さんを犠牲にした負のスパイラルだ」

 半世紀近く前の話なのに、現在のアパレル業界の課題とあまり変わりないことに驚く。アイビーで一世を風靡したヴァンは、放漫経営がたたって78年にあっけなく倒産した。現在、アパレル業界ではコロナが引き金となった経営破綻や事業再編が相次いでいる。だが、コロナ前から「お客さんを犠牲にした負のスパイラル」に陥っていた。失敗の本質はいつの時代も変わらないのだ。

 貞末氏のアパレル人生は50歳過ぎまで挫折と苦労の連続だった。ヴァンを含めて勤務したアパレルや小売業5社は全て倒産する。顧客目線を忘れた企業はどうなるのか、嫌というほど体験してきた。

 53歳の貞末氏がこれまでの失敗を糧に立ち上げたのが、1993年創業のメーカーズシャツ鎌倉だった。どうすればお客さんは満足してくれるのかを、徹底的に考え抜いた。中間コストを削減したSPA(製造小売り)モデルを構築する。国内工場で作った高品質なシャツを4900円(当時)で提供する。商品をシャツ1本に絞って決して作りすぎない。価格への信頼性を守るためセールはせずに定価で売り切る。鎌倉市のコンビニの2階からスタートした小さなシャツ屋はじわじわと支持を集め、都心に店舗を持つ頃には鎌倉シャツの愛称で呼ばれるようになっていた。2012年には紳士服の聖地であるNYマディソンアベニューにも出店する。日本を代表するスペシャリティーストア(専門店)になった。

 ここで描かれているのは、貞末氏一人のサクセスストーリーではない。もう一人の主人公としてスポットライトが当てられるのが、貞末氏の妻で鎌倉シャツ社長(現在は退任)のタミ子氏だ。ヴァンの同僚だった二人のなれそめから、夫婦それぞれの複雑な生い立ち、ヴァン倒産で経済的にも苦労する家族の姿まで詳細に書かれている。

 専業主婦だったタミ子氏は、40代半ばで夫とともにシャツ屋の経営者になる。貞末氏がサプライチェーンの構築に注力する一方で、タミ子氏は毎日休まずに店頭に立ち、抜群のコミュニケーション力で鎌倉シャツのファンを増やしていく。ホスピタリティーが高く評価されている同社の販売スタイルを確立したのがタミ子氏だった。

 だが、創業25周年を目前にした18年8月、タミ子氏は脳出血で倒れる。貞末氏と家族による介護の日々が始まる。

 重度の後遺症を患ってしまったタミ子氏の体を支えながら、貞末氏は自問自答する。半世紀近く夫婦であり、その半分はビジネスパートナーであった。彼女をビジネスの世界に入れたために、いらぬ苦労をかけてしまったのではないか。心の中で詫びる。「タミ子さんの優しい夫になりたいんだ、なれるだろうか」――。そして、貞末氏は一つの決断を下す。

 この本はファッション小売業の要諦を学ぶビジネス書であると同時に、夫婦の飾らない愛情をつづったドラマでもある。タイトルの「シャツとダンス」は夫婦の絆を象徴するあるエピソードから取られた。

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「ジンズ」のハイエンドラインがD2C業態にリニューアル 「ミノトール インスト」とのコラボアイテムも

 アイウエア企業のジンズが展開するハイエンドライン「ジェイ オブ ジンズ(J OF JINS)」は8月5日に、“COMFORT TECHNOLOGY”というコンセプトのもと、D2C業態にリニューアルしブランド名を「ジェイ アイウエア ラボ(J EYEWEAR LAB)」に変更した。それに伴い、同日に公式オンラインストアをオープンし、無償で30日間返品交換を行うサービス「TRY NOW -30DAYS TRIAL-」を導入した。

 6日には、ブランド初となるポップアップストアを渋谷・宮下公園「ミヤシタパーク」3階の「ミノトール インスト(MINOTAUR INST)」にオープンする。アメリカ・シリコンバレーを拠点とするカーボン(CARBON)社の3Dプリンター技術を活用した、高機能サングラス“ニューロンフォーディー(NEURON4D)”の定番モデルのほか、「ミノトール インスト」とのコラボモデルも数量限定で販売。同コラボモデルは、紫外線で色が変化する調光レンズを高強度で搭載し、テンプルを反射加工で施した。価格は定番モデルが2万8000〜3万円で、コラボモデルが3万2000円だ。さらに、購入者全員にビッグクリーニングクロス(メガネ拭き)をプレゼントする。

■“ニューロンフォーディー”ポップアップストア @ 「ミノトール インスト」
日程:8月6日〜9月3日
時間:11:00〜21:00
会場:「ミヤシタパーク」南館3階
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10

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話題ソールの新色も 「ミズノ」がラフォーレ原宿で機能ライン“rhrn”のポップアップ

 「ミズノ(MIZUNO)」は、2019年に発表したアーバンユーティリティーシリーズ“rhrn”の第2弾を、ラフォーレ原宿で開催中のポップアップストアとドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で8月7日に先行発売する。

 第2弾のアイテムは、「ミズノ」が7月に発表して話題を集めた高反発素材“ミズノ エナジー(MIZUNO ENERGY)”をソールに使用したシューズ“rhrn2”(2万5000円)をはじめ、ジャケット(3万4000円)、半袖のトップス(2万2000円)、ショーツ(2万円)のアパレル3型をそろえる。“rhrn2”のソールは雲をイメージした形状とカラーで、“ミズノ エナジー”の特徴である反発性と浮遊感を表現。ニットアッパーは靴下の構造を採用し、高い通気性と耐久性を持たせている。アパレルはトップアスリートも着用するはっ水性に優れた生地を使用し、立体裁断や脇下に施したドットなどのディテールで機能性を向上させた。ストリートファッションを意識したビッグシルエットで、若年層へのアピールも狙う。

 ラフォーレ原宿2階のポップアップストアは8月17日まで開催しており、“rhrn”のほかにも「エクストララージ(XLARGE)」とのコラボレーションアイテムや秋冬シーズンの新作シューズ、若い客層向けのアパレルなども並ぶ。ストアの一角にはアーティストの山本勇気が描いた“rhrn2”の作品も展示されている。

 “rhrn”第2弾は11日から「ミズノ」直営店や公式オンラインショップでも販売し、シューズはミタスニーカーズ(MITA SNEAKERS)やヌビアン(NUBIAN)、ビームス(BEAMS)の一部店舗でも取り扱う。

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ユナイテッドアローズの4~6月期は営業赤字50億円 「エメル リファインズ」は退店へ

 ユナイテッドアローズ(UA)の2020年4〜6月期業績は、売上高が前年同期比40.8%減の221億円、営業損益が50億円の赤字(前年同期は31億円の黒字)、経常損益が49億円の赤字(同31億円の黒字)、純損益が35億円の赤字(同19億円の黒字)で減収減益となった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言を受けて、実店舗の稼働率が、4月が約26%、5月が約30%にとどまったことが大きく影響した。特に単体売上の約37%を占める関東圏店舗の休業期間が長かったことが響いた。単体売上高では、既存店売上高は小売りが同63.7%減と大きく下回り、ネット通販が同39.6%増と伸長するも、小売+ネット通販合計でも同37%減となった。

 連結の売上総利益率は前年同期から11.3ポイント低下し、43.4%。コロナ禍を受け、春夏商品の在庫消化を目的に4月末から段階的にセールを拡大したことが大きく響いた。早期にセールを開始したものの、長期化で消化速度が低下。7~8月もセール販売で消化促進を図るが、消化できなかったものは来年度に持ち越して販売、残りをアウトレットで販売する予定だ。

 なお、ウィメンズの「エメル リファインズ(EMMEL REFINES)」は今春夏で実店舗、ネット通販の営業を終了し、秋冬からは「グリーンレーベル リラクシング(GREEN LABEL RELAXING)」内のオリジナルレーベルとして継続する。7月末の実店舗数は5店。

 21年3月期の連結売上高は同16.7~20%減の1259億~1310億円、営業損益は50億~70億円の赤字を見込む。

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「ルイ・ヴィトン」が初のユニセックス・ファインジュエリー“LV ヴォルト”を発売

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は8月14日に、メゾン初となるユニセックスの新作ファインジュエリー“LV ヴォルト(LV VOLT)”を松屋銀座店、表参道店、メゾン大阪御堂筋、横浜高島屋店、西武池袋店、松坂屋名古屋店で世界先行発売する。なお、阪急うめだ本店では8月12日から25日まで期間限定ストアをオープン。その他国内店舗では9月15日から順次販売する。

 ウオッチ&ファインジュエリー部門アーティステック・ディレクターのフランチェスカ ・アムフィテアトロフ(Francesca Amfitheatrof)が手掛けた同コレクションは、メゾンを象徴するイニシャル“L”と“V”に着想を得たデザインが特徴だ。「ルイ・ヴィトン」のクラフツマンシップを生かした精緻でグラフィカルなシルエットが印象的で、リングやペンダント、ブレスレット、ピアス・イヤリングなど、幅広いラインアップで展開する。価格はリングが37万6000〜115万5000円、ペンダントが27万2000〜106万円、ブレスレットが23万7000〜410万円、ピアス・イヤリングが17万8000〜199万円だ。

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「カラー」がパリコレに帰ってきた 超実験的なムービーに込めたデザイナーの思いとは?

 2017-18年秋冬を最後にパリから離れていた「カラー(KOLOR)」が、5シーズンぶりにパリ・メンズに帰ってきた。パリへの帰還を飾る2021年春夏メンズ・コレクションは、デジタルをプラットフォームとするプレゼンテーションでの発表となった。26台のiPhoneを駆使して360度からルックを切り取る全く新しい映像で、ブランド設立から15年以上経過しても攻める姿勢を崩さない阿部潤一デザイナーの強い意志を伝えた。

 取材班は7月上旬、都内のスタジオで行われた同撮影のバックステージに潜入した。その映像とともに、同コレクションに込められた阿部デザイナーの思いを探る。

スマートフォンを通じて過去のコレクションと現代の空気をつなぐ

 今シーズンは「『2011年秋冬コレクションの世界観を、現在の空気で表現したらどうなるのか?』という設定でコレクションを製作した」と語る阿部デザイナー。当時はスマートフォンが登場したばかりで、SNSも今ほど浸透していなかった。そんな過去と現在社会をつなぐ表現として、スマートフォンによる撮影を考案したのだろう。

 ただスマートフォンで撮影するだけでは面白くない。そこで、円型の装置に26台のiPhoneを搭載し、360度撮影できる機材を特注。縦方向でルックを切り取り、靴の裏から頭のてっぺんまでを見せた。誰もが驚いたこの手法は、単に奇をてらったわけではなかった。「ランウエイショーでは真上と真下からルックを見ることは出来ない。それを収めることで、ビジュアルやムービーで表現する意味が更に増すのではと考えた」。

 実験的な表現は今シーズンに限ったことではない。パリ・メンズから離れ、ルックのみで発表したシーズンでも、街中でのシューティングやコラージュなどほかにない表現に挑戦していた。「僕たちは服を作っている。アイテムのデイテールや空気感を感じられるのは、人間が着ている状態を目の前で見られるランウエイショー以上のものはないかもしれない。しかし、プレタポルテのランウエイは1960年代から変わっていない。何か違う形で表現ができないかと数シーズン試行錯誤してきた。今回もその延長で、僕らの伝えたい空気や気分を発信したつもりだ」。

ユース感と技術を備える新たなクリエイション

 コレクションの発表手段だけでなく、そのクリエイションも年々進化している。ナイロンやキュプラといった独特の素材使いでクラシックなムードに新鮮さを加えるクリエイションが人気で、ここ数年はキャッチーなモチーフ使いで若者のファンも増やしている。今シーズンも「コカ・コーラ(COCA-COLA)」のロゴをオマージュした“CONCLEAT”というレタープリントや、ブランドタグを無数に複製した柄のアイテムを用意した。しかし、上質な素材と確かな技術で作られるから、ユース感あるアイテムでも大人に受け入れられる。そのバランスは、長い経験を重ねる阿部デザイナーだからこそ実現するものだ。

 年齢を重ねても立ち止まらず、常にチャレンジングな姿勢を貫く。そこから新たなクリエイションと表現が生まれるーーこれが今の「カラー」の強さだ。今シーズンでその凄みを存分に見せつけた阿部デザイナーは、今後どんなコレクションを見せてくれるのか。パリ・メンズの“第2幕”に期待が高まる。

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ワールドが「オゾック」「ハッシュアッシュ」など5ブランド廃止で358店閉鎖、希望退職200人募集

 ワールドは2021年3月期、収益力の抜本的な改善に向けた構造改革を実施する。グループ内の5ブランドを廃止するほか、継続ブランドも含めた不採算店舗を整理し、全体の15%に当たる計358店舗を閉鎖する。加えて、40歳以上の社員を対象に希望退職者200人を募集する。これらの改革は期中に全て完了する。新型コロナウイルスで大きなダメージを受ける中、課題だったブランド事業のテコ入れを一気に進めるとともに、コストの見直しにより収益体制の強化を図る。

 廃止するのは「ハッシュアッシュ(HUSHUSH)」「サンカンシオン(3CAN4ON)」「アクアガール(AQUAGIRL)」「オゾック(OZOC)」「アナトリエ(ANATELIER)」で、いずれもSC・ファッションビル販路のブランド。これらの20年3月期業績は赤字で、「今後の黒字化のめどが立たない」(同社)ことから終了を決めた。閉鎖358店のうち、ブランド終了に伴うものは214店で、残りの144店は継続ブランドの低収益店が対象。中には異なるブランド同士の店舗統合なども含まれる。「現在の収支が黒字であっても、立地の将来性や条件の妥当性などを総合的に検討し、継続か閉鎖か決めていく」(同社広報)。

 人員整理の募集条件は40代以上の社員で、期間は9月14〜30日。販売員は対象外となり、閉鎖となる店舗スタッフは配置転換する。そのほかコスト削減策として、テレワーク推進と事務所面積の縮小、役員の月額報酬10%減額などを講じる。

 同社は5年前(2016年3月期)にも、上山健二社長(現会長)の下で13ブランドの廃止と約500店を閉鎖する構造改革を実施した。以降、デジタルを活用したリユース、サブスクリプション事業や、生産・販売システムを他社に提供するBtoBのプラットフォーム事業を柱とする「ワールド・ファッション・エコシステム」の構築を推進。リアル店舗偏重からの脱却により、利益を出せるビジネスモデルへの転換を進めてきた。一方、ブランド事業については収益力の回復が遅れており、新型コロナの打撃を受けた20年3月期の売上収益は前期比4.5%減(2145億円)だった。

 グループ全体では、21年3月期は最終赤字への転落を予想している(20年3月期は純利益80億円)。同社は「来期(22年3月期)以降の確実な復活と次の成長フェーズへの移行を図るため、大規模な事業の選択と集中、改革のスピードをこれまで以上に加速する」としている。

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新作の口紅を楽しめる透明マスク エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年6月29日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

新作の口紅を楽しめる透明マスク

 今、ビューティ業界は秋冬の新製品発表会が盛んに行われています。緊急事態宣言が全国で解除になってから1カ月が経ちますが、ソーシャル・ディスタンシングを保つためにオンラインでの発表会が中心です(一部ブランドでは1媒体限定など少人数で対面発表会も行われています)。カラーメイクの新作では口元(口紅やリップグロスなど)にフォーカスしたブランドが数多くありました。商品企画は1年以上前から進行しているため、開発当時は新型コロナウイルスの影響などは予想できなかったので当然ですよね。しかし現状はマスクが必須の生活です。「WWDビューティ」6月4日号で「マスク必須でトレンドに変化の兆し アイビューティ特集」を掲載しましたが、マスク姿にはアイメイクがポイントになりますよね。

 個人的にはナチュラルメイクを好んでいるため、目元はおとなしめで、口元はオーガニックブランドの色つきリップクリームなどを使うことが多くなっていました。しかし、ここまでカラーメイクをしない生活が続くと物足りなくなってきています。特に「口紅をつけて外出したい」という思いが強くなっています。発表会で口紅の話を聞くとウキウキしている自分がいるんです。メイク好きの女性なら、それはなおさらですよね。でも新作の口紅をつけて外を歩くにはマスクの改良が必要です。ファッションブランドを見るとオリジナルのマスクを次々と販売して話題となっています。ブランドの世界観があって視覚的にも楽しめるのでいいですよね。

 そこでふと浮かんだのが透明マスクです。透明マスクがあれば口紅を楽しめますし、マスクにつかないベースメイクも売れると思うんです。この話を編集部のメイク好き若手記者にしたら「面白そう!ウチがプロデュースしたらいんじゃないですか」と盛り上がりました。通気性がよく、メイク崩れも起こしにくい透明マスク――開発してもらえませんか(笑)。

BEAUTY ADDICT:メイクやスキンケアはもちろんのこと、ヘアケア、フレグランス、オーガニック、インナービューティ、美容医療、イベントまでさまざまなジャンルから、注目トピックを配信するメールマガジン。ビューティアディクト=美容大好き人間に向けた、今流行りのモノやコト、知っておきたいトピックスを厳選してお届けします。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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ミラノ発「プランC」がスポーツをテーマにしたカプセルコレクション 初のキッズも登場

 ミラノ発のファッションブランド「プラン C(PLAN C)」は8月5日、スポーツをテーマにしたカプセルコレクション“GO SPORTY”を日本先行で発売した。ブランドのアイコニックなキャラクターのフィリッポ(Phili)とビアンカ(Bianca)がテニスやサッカー、野球、陸上競技、スケートボードなどを楽しむ姿が描かれたキャッチーなアイテムをそろえる。イラストはミラノ在住のアーティストGGTが担当した。

 商品はユニセックスで楽しむことができ、ブランド初のキッズアイテムも登場する。ラインアップは、Tシャツ(1万3000円、キッズ9000円)、スエット(2万3000円、キッズ1万4000円)、バッグ(1万2000〜2万5000円)、コインケース(9500円)、ノートブック(2000円)、キーホルダー(3800円)などで、通常のコレクションよりも手頃な価格帯が魅力だ。

 また、同コレクションのポップアップストアも開いており、阪急うめだ本店(8月5〜18日)、伊勢丹新宿本店本館(8月19〜25日)、エストネーション六本木ヒルズ店(8月27日〜9月9日)、京都バル(9月18日〜10月4日)を巡回する。オンラインでは、エル・ショップ(8月5日から)のほか、阪急百貨店公式通販サイト(8月7日から)、三越伊勢丹オンライン(8月7日)、エストネーションのオンラインストア(9月10日から)で取り扱われる。

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FEILERから新作の限定アイテムが登場!

こんにちは。

8月に入り、連日暑い日が続いていますね。

 

さて8月12日は、「#ハイジの日」というのをご存じでしょうか?

<フェイラー>の人気柄“ハイジ”を愛する<フェイラー>ファンが作った記念日です。

ハイジ柄は、てんとう虫や蝶々・小鳥・花々など、ドイツの野にいる小さな生き物たちがシュニール織で描かれたもの。その愛らしいデザインに魅了される方が多く、毎年お気に入りのアイテムをSNSに投稿し、シェアしています。

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このたび<フェイラー>から、バーニーズ ニューヨーク限定のハイジ柄と、ライオンモチーフを大きく取り入れたボーダー柄の新作アイテムが登場!8月11日(火)銀座本店・新宿店・横浜店・神戸店・福岡店・オンラインストアにて発売します。

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ポーチ ¥5,500

2136037 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

巾着トートバッグ ¥9,000

2136039 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

マルチケース ¥13,000

2136043 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

ハンカチ ¥2,200

2136041 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

スタイ ¥4,500

2136042 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

サッキングパッド ¥6,000

2136596 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

ファブリックバスケット ¥10,000

2136040 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

ベビーカーポーチ ¥14,000

2136031 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

ポーチ ¥6,500

2136032 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

巾着トートバッグ ¥10,000

2136033 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

ジャバラポーチ ¥12,000

2136034 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

マルチケース ¥14,000

 

さらに、昨年完売した人気のライオン顔ポーチも登場!

2136035 FEILERから新作の限定アイテムが登場!

ポーチ ¥10,000

 

お気に入りのアイテムをSNSにアップして、一緒に「#ハイジの日」を盛り上げましょう!

各アイテムは数量限定となりますので、この機会をお見逃しなく!

 

<フェイラー> 新作アイテム発売

8/11 TUE.  銀座本店3F / 新宿店9F / 横浜店2F / 神戸店2F / 福岡店3F / オンラインストア

 

※全ての商品は先着販売とさせていただきます。お電話でのお取置きなどは承れませんので予めご了承ください。

※商品は数に限りがございます。なくなり次第終了となりますので予めご了承ください。

 

感染拡大防止へのお願いと安全・安心への取組みについて

バーニーズ ニューヨークでは、お客様ならびに従業員の健康と安全に配慮し、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、お客様に以下のご対応をお願いしております。

 

・店内でのマスク着用をお願いいたします。

・レジや試着室には間をあけてお並びくださいますようお願いいたします。

・混雑時は入場制限させていただく場合がございます。

 

また店舗運営にあたって、下記の対応を行っております。

 

・従業員のマスク常時着用

・従業員の勤務前の検温(37.5℃以上は勤務不可)、体調確認

・従業員の定期的な手洗い、うがい、手指の消毒

・消毒液を使用した定期的な店内清掃、消毒液を使用した試着後の試着室の清掃

・接客時のお客様との一定距離の確保、およびお客様に直接触れる接客の自粛

 

お客様に安心してお買物いただくため、ご理解ご協力のほど、よろしくお願い申しあげます。

「サマンサタバサ」からオリジナルマスク 抗菌や撥水、紫外線防止機能付きの3層構造

 「サマンサタバサ(SAMANTHA THAVASA)」は8月7日、オリジナルフラワープリントのマスクを全国の「サマンサタバサ」で発売する。4日から公式オンラインサイトで先行予約を開始している。3枚組で2700円。

 マスクは抗菌・防塵機能を持つ2枚のインナーレイヤーと防塵・撥水に加えてUVプロテクト機能で汗や日差しにも強いポリエステル製のアウターレイヤーの3層構造。オリジナルフラワープリントのホワイト2枚、アイスブルー1枚の3枚組のセットで約30回洗って使用できる。抗菌材は厳しい品質基準をクリアした米・デュポン(DUPONT)のシルヴェイダーTM930を採用しており高い抗菌機能を持つ。

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パリの国際眼鏡展「シルモ」が開催形式をキャラバン型に変更 日本企業は海外営業に苦慮

 フランス・パリで10月2日から5日の4日間、パリ・ノール見本市会場で開かれる予定だった国際眼鏡展「シルモ(SILMO)」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催形式を変更し、フランス国内と近隣諸国の都市を回る小規模のキャラバン型にすると発表した。688社が出展を登録していたが、従来通りの開催を断念した。

 スケジュールは、フランス国内のパリで10月3・4日、ボルドーで同12日、レンヌで同19日、リヨンで同26日に開催されるほか、デンマーク・コペンハーゲンで同4日、ベルギー・ブリュッセルでも予定されている。実施概要や参加方法など詳細については、今後発表される予定だ。

 これに対し、「シルモ」に毎年出展している増永眼鏡は「参加するかどうかは未定だが、参加する場合はヨーロッパ市場全域を統括している現地の代理店が対応すると思う。従来のように、日本サイドがハンドリングすることはない」と話した。また、アイヴァンは「(情報が不十分なため参加は)現段階では未定」としている。売り上げ全体に占める海外の割合が約70%を占める増永眼鏡をはじめ、海外の売上比率が高い日本企業は多く、今年はミラノの「ミド(MIDO)」やニューヨークの「ビジョンエキスポ(VISION EXPO)」など主要な国際眼鏡展が中止や延期となる中、各社とも海外営業の対応に苦慮している。海外の売り上げが全体の70%を占めるシャルマンの本庄正亨・社長は欧米のビジネスの動向について「4月は各国のロックダウンなどで売り上げはゼロに近かったが、5月から上向きはじめ、6、7月は前年同期と比較して20~30%減まで回復した。予想より早い回復だったが、今後は予断を許さない」と話した。

 なお、日本最大級の国際眼鏡展「IOFT」は10月27日から3日間、東京ビッグサイトで開催される予定だ。

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「ディオール」がスニーカー“B23”のカスタマイズサービス開始

 「ディオール(DIOR)」はこのほど、メンズスニーカーの“B23”シリーズを自分好みのシューレースチャームで飾ることができるカスタマイズサービスを「ディオール」店舗と公式オンラインサイトで開始した。

 “B23”シリーズは、ホワイトとブラックの“ディオール オブリーク”パターンにクリアラバーのパネルを重ねたデザインが特徴で、ハイトップ(13万2000円)とロートップ(12万1000円)をそろえる。カスタマイズできるシューレースチャームは、メゾンを象徴するコード“CD”シグネチャーや“DIOR”ロゴなどをシルバーやゴールド、マットブラックでそろえた。価格はいずれも2万1000円。

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「アナ スイ」がジャパン社のもと新体制スタート 「ディスカウントストア以外ならどんな販路も考えたい」

 「アナ スイ(ANNA SUI)」が新体制で日本のビジネスを進めている。3月末で三越伊勢丹ホールディングス(HD)が婦人衣料および雑貨のマスターライセンサーから撤退したが、4月1日付でジャパン社がスタートし、加藤圭氏が社長に就任。7月14日には、ジャパン社主導でバラの花柄をプリントしたガーゼマスク(700円)をファミリーマートで発売し話題になった。今回のマスクのように、「今後はジャパン社が率先して新しい販路を開拓し、マーケティングをしていく」(加藤社長)考えだ。

 加藤社長はもともと、三越伊勢丹HD時代の「アナ スイ」と契約し、ブランディングコンサルタントなどを務めていた。三越伊勢丹HDと「アナ スイ」の契約終了にあたり、アナ・スイ本人と三越伊勢丹HDの両者から相談を受け、ジャパン社を立ち上げることに至ったという。三越伊勢丹HDが事業から撤退した4月以降も、化粧品のアルビオンやバッグ・革小物のクイーポなど国内のライセンシー11社は、ライセンス商品の生産・販売をそれぞれ続けている。

 ジャパン社で加藤社長が強く意識しているのが、「コアなファンをもっと探すこと」。ブランドとして以前からの根強いファンはいても、近年はなかなか新しいファンをつかめてこなかったという経緯がある。「ファンになってくれそうな層を点でマーケティングしていきたい。たとえば、あるアイドルグループのファンがブランドと親和性がありそうならば届けたいし、アーティストとブランドに共通点が見込めそうなら同様に届けたい」。具体的には、ステージ衣装やライブグッズなどで協業し、そうしたアイドルやアーティストのファンの間でブランドの認知を高め、ロイヤリティーの高いファンを生み出すイメージを描く。そのようにして、日本だけでなくアジアでのファン獲得も目指す。

 販路の考え方も、百貨店中心だったこれまでから広げていく。「ディスカウントストア以外なら販路として考えたい」とし、コンビニでマスクを販売したような仕掛けも積極的に行っていく。マスクはファミリーマートの澤田貴司社長に直接プレゼンして実現した。商品としてマスクを選んだのは、「女性が使いやすいもので、日用品というジャンルはとてもいいと考えた」から。マスクならばライセンシー11社の領域と重ならない点もポイントだった。ライセンシー各社も基本的に主販路は百貨店であり、今後の販路政策は彼らにとっても課題ではある。「ジャパン社から特にライセンシーに対して指示などはしないが、マスクのようにわれわれがまず新しい販路を作っていくので、そこに共感してもらえたら嬉しい」。

 ジャパン社としては実店舗の出店は現状想定していないという。その分、ECでブランドの世界観をしっかり伝えていく。これまでは化粧品やウエアなど、ライセンシーによってECサイトが別だったが、ジャパン社のもとで、本国からのインポートのウエアと一部ライセンシー商品(化粧品、バッグ・革小物、傘、アクセサリーなど)を集めた統合ECサイトをローンチ。秋以降はEC用の倉庫もライセンシーを超えて同一にし、カテゴリーの異なるアイテムでもギフトラッピングなどに対応する。

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構想10年!「バーチャル伊勢丹」発起人の大いなる野望

 コロナ禍の中、三越伊勢丹ホールディングスでは現実世界を超えたビジネスの発想も生まれている。同社は4月29日〜5月10日にかけて開催された世界最大級のバーチャルリアリティ(VR)上の展示即売イベント「バーチャルマーケット(以下、VM)」内の仮想都市「パラリアルトーキョー」に、伊勢丹新宿本店の仮装店舗(以下、バーチャル伊勢丹)をトライアル出店した。HIKKY(東京、舟越靖社長)の主催で18年に始まり、第4回となったVMには過去最多のクリエイター1400組超、企業43社が出展。来場者も過去最多の70万人超にのぼった。

 VMで販売されたのは「バーチャルアイテム」と呼ばれるアバター着せ替え用の3DCG素材。バーチャル伊勢丹では同社の婦人靴のPB「エヌティー(NT)」やメンズブランド「ミノトール(MINOTAUR)」がデザインした着せ替えアイテムなどを出品。さらに同社ECに誘導して、実在の商品も販売した。仮想現実の世界ではコロナの影響もなければ、集客の制限もない。バーチャル伊勢丹も想定の20倍を超える“来店客”で大いににぎわった。

 発案者は同社チーフオフィサー室関連事業推進部の仲田朝彦氏。「2021年中にはファッション領域でバーチャル伊勢丹を事業化したい」と意気込む。単なるアバター衣装の販売ビジネスにとどまらず、「アパレルブランドのCADデータを活用したデータ販売」「バーチャルファッションショー」などさまざまな可能性を思い描く仲田氏に、今後の展望を聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):VMに出店するというアイデアはいつから?

仲田朝彦・三越伊勢丹HDチーフオフィサー室関連事業推進部担当(以下、仲田):入社(2008年)からずっとですね。当時はアップルのiPhoneが登場したエポックメイキングな年でもあったのですが、(地図アプリの)「グーグル アース(GOOGLE EARTH)」でワシントンD.C.の街並みが3Dマップ上にリアルに映し出された姿を見て、驚愕しました。同時に、「いつかここ(仮想世界)に百貨店を建てたい!」とすごくワクワクしたのを覚えています。それから10年余り。社内プレゼンは3回失敗しましたが、今回ようやくトライアルにこぎつけました。CGのノウハウは独学で、バーチャル伊勢丹も僕の“手作り”です。でも特別な技術やスキルがあるわけではなくて、すごいのはCGソフトの方。しかもそれが無料で手に入る世の中です。バーチャル世界での不動産開発はリアルの世界と違って、膨大な労力も手間もいらない。やるかやらないか、それだけです。

WWD:なぜ百貨店がバーチャル領域でチャレンジすべきだと思ったのですか?

仲田:百貨店には販売員の接客はもちろん、商品自体の価値、陳列のノウハウなどさまざまな価値が凝縮しているのに、当社の営業利益率は2%ほど。“対価“としては、あまりに少ないのではないかと常々思ってきました。入社当時、大学の同級生に「百貨店?オワコンじゃん」と言われた悔しさも、ずっとくすぶっていましたね。それからしばらく働いているうち、お客さまと商品・サービスの間に立って付加価値を生み出す販売員の力は、百貨店の財産だと実感しました。同時に「接客の価値は、売るものがモノじゃなくても、リアルではなくバーチャルの世界でも、生かせるのではないか?」と感じて、今回のバーチャル伊勢丹はそれを実証する場でした。

バーチャルでも「おもてなし」 拡大するアバター市場に商機

WWD:成果は?

仲田:今回のVMには企業40社と約1400サークル(個人など小規模のコミュニティ単位)がブース出店しました。東京タワーや歌舞伎座など、東京のランドマークを再現した仮想都市に、伊勢丹新宿本店の1/10スケールのバーチャル伊勢丹を出店しました。当社の婦人服のPBである「エヌティ」から伊勢丹のチェックをあしらった商品や文化服装学園とのコラボアウター、メンズブランド「ミノトール」などの商品を用意し、一部商品はECに誘導して販売しました。アバターは現実世界とは性別が違う人間、猫やサルなどで作ることもできるので、尋常ならざる姿のお客さまが次々と伊勢丹新宿本店の中に入ってくる光景に私自身、「どう接客したらいいんだろう…」と硬直してしまいましたが……。チャットですぐに打ち解けることができました。リアルでもバーチャルでも、接客に求められるものはやはり「おもてなし」でしたね。ECへの流入率は、通常のウェブ広告の5倍という結果で、SNSでは「初任給でファッションデータを買いました」なんて方もいらっしゃり、もう感無量でした。

WWD:今後はバーチャル伊勢丹をどうブラッシュアップする?

仲田:バーチャル上なら、圧倒的な商品群はそのままに、現実の百貨店のフロア構成を超えて自由にカスタマイズすることができます。たとえば「こだわりの食器でワインを楽しむ」といったコーナーも、リアル店舗であれば地下1階と5階という垣根があって難しいですが、バーチャル上なら軽やかに飛び越えられます。販売員にはバーチャルソムリエとして常駐してもらい、アドバイスも受けられるようにするなど、百貨店のさまざまな価値を掛け合わせるアイデアが生まれます。今年12月には伊勢丹新宿本店の食品フロアを切り出してVMに再出店します。そこではアバターアイテムのほか、食品宅配ECの「イセタンドア(ISETAN DOOR)」と連携して販売します。そこでさまざまな課題を洗い出してブラッシュアップし、21年度中にはファッション領域で事業化を目標にしています。

WWD:アバター衣装販売はビジネスとしてのポテンシャルをどう見ていますか?

仲田:近年はSNSの浸透でオンラインとオフラインの垣根がなくなりつつあります。ここ数年は“ドラゴンクエスト10(スクウエア・エニックス)”や“ファイナルファンタジー(同)”といった家庭ゲーム内でもSNSのようなコミュニティが無数に生まれるなど、どんどんソーシャルな要素が色濃くなっています。そういった背景からアバターファッションの存在感が増しており、あるゲーム内の一つの衣装だけで数億円の収益につながっている事例も生まれています。IT専門の調査会社IDC Japan(東京都)の試算では、アバター用アイテムの世界市場規模は19年末で5兆円、23年で17兆円。しかも、これはコロナ禍以前の予測です。日本の百貨店の市場規模が6兆円弱(2019年度、日本百貨店協会調べ)ですから、それをもうすぐ上回ることになります。アバター市場の中で、圧倒的なけん引役は日本です。アニメやマンガなど文化的な土壌が豊かで、バーチャル世界とも親和性が高いことなどが要因です。アバター衣装はデータゆえ原価が圧倒的に安く、輸送費もかからない。ですから高収益な商品が無限に生み出せます。百貨店店舗は24時間営業。お客さまも現実の自分の体型に関わらず、着られないと諦めていた服も楽しめますから、ビジネスチャンスは大きいと思います。

他業種の参入でBtoBビジネスの可能性が広がる

WWD:とはいえ、アバターの着せ替えのためにで数十万、数百万円と買う人はいるんでしょうか?

仲田:相当レアだと思います(笑)。ですからゲームで終わらせず、興味をリアルの洋服につなげることが必要になってきます。バーチャル上でなら、たとえば全身柄物のような、現実世界よりも少し攻めたようなアイテムも着用できますよね。ファッションは「成功体験」が大事です。百貨店に身を置いて思うのは、50万〜60万のスーツを購入されるお客さまは、お金があるばかりではなくて、それに何らかの対価があると知っているからです。「おしゃれをしてみたら異性にモテた」とか「自分に自信がついた」とか。バーチャル上でもそういった成功体験が生まれるでしょうし、それが現実世界でのファッションの興味にもつながると思うのです。それも若い世代ほど、ネットの世界は現実世界と同等、それ以上に“リアル”ですから。ですが一番重要なのは、三越伊勢丹以外のプレイヤーがバーチャル世界に参入し、多様性が生まれることです。現在の取り組みのままでは着せ替えゲームの延長。バーチャル世界に小売業やそのほかの企業が参入すればそこに社会が生まれ、職業が生まれる。人々が仮想空間のピカデリーで映画を見たり、スポーツ観戦をしたり、レストランを利用したりするようになれば、TPOが生まれる。そうなると、アバターファッションの価値も高まるし、それ以外にも様々なビジネスチャンスが生まれると思います。

WWD:他社との協業では、どんなビジネスが考えられる?

仲田:今構想にあるのは、アバター衣装を活用したBtoBのソリューションビジネスです。現実では消費環境の変化で「服が余る時代」に突入しています。余らせないよう商品企画も売れ筋に走り、同じような服が増えて消費者のファッションへの意欲はますます萎んでいく。そういった構造的な問題にメスを入れるには、バーチャルという角度からのアプローチもあり得ると思います。具体的には、アパレルブランドやメーカーに、商品のテストマーケティングとしての場として活用して頂きたい。「挑戦的だけど、売れるかな……」というデザインを、まずはアバターアイテム化してもらってバーチャル伊勢丹で販売し、需要予測の指標として役立てていただく。商品化に至らぬまま倉庫に眠っていたラフやCADデータなどを元に、バーチャル上で作ってみたらヒットつながるかもしれません。また、若手デザイナーの発掘の場にもなるでしょう。仮想世界でデザインした服が話題になれば、百貨店やメーカーなどへの商談にもつながります。館の外では、商品のリードタイムがゼロであることを生かした即売形式のバーチャルファッションショーや、(バーチャル世界の)街中で素敵なファッションのアバターとすれ違ったときに、そのアイテムがワンクリックで買える仕組みなどを思い描いています。そこで私たちは何らかのマージン(手数料)をいただく。

WWD:すごい世界ですね。実現すれば、リアル店舗の役目はどうなるのでしょう?

仲田:めちゃくちゃハードルが上がると思います。現在、視覚と聴覚に関してはバーチャル上でもリアルをかなり再現できます。そして触覚、嗅覚、味覚も、これからの5G時代ではリアルだけのものであり続けるとは限らない。そうなると、現実の店舗の価値はどうなっていくのか?これはあくまで想像ですが、馴染みの販売員とお客さまの間で交わされる笑顔だったりとか、空気感だったりとか、そういった人と人が居合わせる現場にしか分からない「雰囲気」が価値として残っていく。そうなると、やはりそれを作り出せる人の価値がよりフォーカスされていくようになると思います。

WWD:なるほど。夢が広がりますね。

仲田:当社の現在の顧客平均年齢は40代後半ですが、バーチャルマーケットは若者20〜30代の若者が多く、ユーザーの7割が外国人。国内のスマホユーザーは5500万人といわれていますが、世界には20億人います。バーチャルの世界で三越伊勢丹ブランドを多方面で発信できれば、無限の可能性が眠っています。……と、ここまでの話を当社の上層部にプレゼンしたところ、失敗した3回目までは皆さん意識が飛んでいましたが(笑)、4回目では「すごい未来だね」と拍手をしてくれました。しかし、「これは夢のような話ではなくて、今やるべきなんだ」と分かってもらわなくちゃいけない。だから今は必死に足を動かして、絵に描いた餅で終わらせぬよう、ビジョンを共有しながら一緒に取り組めるパートナーを探しているところです。

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9月のNYコレ不参加の「マイケル・コース」 21年春夏は10月15日にデジタルで発表

 デザイナーのマイケル・コース(Michael Kors)は、2021年春夏シーズンの「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」を、10月15日午前9時(米国東部時間)にブランドの公式SNSやデジタルプラットフォームを通して披露すると発表した。同ブランドは先日、9月のニューヨーク・ファッション・ウイークに参加しないことと、今後はプレ・コレクションを中止して商品発表を春夏・秋冬の2シーズンに絞ることを表明していた。

 毎シーズン、ショーの前にメディアに向けて行っていたコース自身によるコレクション紹介は、14日にライブ動画配信の形で実施する。「バーチャルな世界の中で、メディアにも顧客にも、ウエアやアクセサリーを細部まで確実に見てもらえるようにすることが私にとって最優先事項」とコースはコメントしている。

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匠のメード・イン・ジャパンと“新しい生活様式”グッズに注目 「第15回 ライフスタイル Week 夏」が9月に開催

 リード エグジビション ジャパンは9月2~4日に、日常生活を豊かにする逸品が集結する商談展「第15回 ライフスタイル Week夏」を東京ビッグサイト(西展示棟)で開催する。

 今展は、雑貨EXPO、ベビー&キッズEXPO、ファッション雑貨EXPO、テーブル&キッチンウェアEXPO、DESIGN TOKYO、ヘルス&ビューティグッズEXPO、インテリア雑貨EXPO、文具・紙製品展(ISOT)の8つの専門展で構成され、初出展の110社を含む410社が出展する。新しいライフスタイルの提案をコンセプトとしたさまざまな領域の最新商品が一堂に会する総合展として毎年開催し、時代のニーズに合わせたコンテンツの充実を図っている。

匠の伝統と最新技術が融合した
メード・イン・ジャパン商品が集結

 中でも毎回話題を集めているのが、日本の伝統と最新技術を融合したメード・イン・ジャパンの商品群だ。例えば、ファンプロジェクトが手掛ける”LOCAセラミックフィルター”は、佐賀県の伝統産業品である有田焼の製造技術から生まれた独自のコーヒーギア。アルチザンの二重タンブラーは、新潟県燕三条の金属加工技術と富山県高岡市の着色技術がコラボレートして生まれた独特の機能と色合いが特徴だ。伝統の高い技術力をベースに生まれた“メード・イン・ジャパン”商品は、海外でも一つのブランドとして評価が高い。

ウィズコロナの“新しい生活様式”
グッズのエリアを新設

 そして今会期は雑貨EXPO内に“新しい生活様式グッズフェア”を設けた。新型コロナウイルス感染拡大の影響から日常生活や働き方が大きく変わり、“リモートワーク、感染対策、おうち時間、癒し、フィットネス”の関連商品を扱う企業が増えた。パソコンやスマートフォンの周辺機器、機能性マスクや非接触グッズ、家飲みグッズやおうち学習用品、自宅でできるトレーニング用品やフィットネスグッズなど、“新しい生活様式”を充実させる商品をそろえる。

次世代のビジネスモデルが
見つかる無料セミナー充実

 新型コロナが終息しても、商環境や消費者マインドはコロナ以前には戻らない。今後、経営環境はどう変わり、次世代のビジネスモデルに何が必要なのか――。このヒントととなるのが、各業界をリードするキーパーソンたちによる無料セミナー(事前申し込み制)だ。ネット販売とリアル店舗の融合、マーケットを作るブランディング、新しいリテールの在り方などポストコロナに必要なヒントが見つかるかもしれない。

 また、ノベルティーグッズやギフト商材を集めた「販促EXPO」も同時開催する。購買意欲を高めるためのノベルティー製作、印刷・DMサービスなどを手掛ける320社が出展。売り上げ増につながる効果的なプロモーションの強化やコミュニティ作りのために注目したい。

 リード エグジビション ジャパンは、政府、自治体及び展示会業界のガイドラインを基に新型コロナウイルス感染防止対策を講じて、出展社、来場者の安全を確保し開催するとしている。

INFORMATION
第15回 ライフスタイル Week 夏

構成展示会:雑貨EXPO、ベビー&キッズEXPO、ファッション雑貨EXPO、テーブル&キッチ
ンウェアEXPO 、DESIGN TOKYO、ヘルス&ビューティグッズEXPO、インテリア雑貨EXPO、
文具・紙製品展(ISOT)
日程:2020年9月2日(水)~4日(金)
時間:10:00~18:00(最終日のみ17:00終了)
会場:東京ビッグサイト(西展示棟)
住所:東京都江東区有明3-11-1
入場料:招待券持参者は無料(招待券がない場合は5000円)

問い合わせ先
ライフスタイル Week 事務局
(リード エグジビション ジャパン)
03-3349-8505

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「プーマ」がランニングの新ソールをMITと共同開発 泡状素材で衝撃を吸収

 「プーマ(PUMA)」は、米マサチューセッツ・工科大学(MIT)と共同開発した新ソール“グゼティック(XETIC)”を発表した。同素材を用いた新ランニングシューズ“カリブレート ランナー(CALIBRATE RUNNER)”を8月7日に発売する。価格は140ユーロ(約1万7500円)。ホワイトとブラックの2色を用意する。

 “グゼティック”は、オーセチック素材(Auxetic Materials)と呼ばれる泡状の素材を圧縮して硬質化させたソールで、着地時の衝撃を効率よく吸収する八の字型の空洞が特徴だ。運動力学を研究するMITのラボとともに何通りものデザインを考案し、コンピューターで衝撃吸収を実験。その結果をもとに最適な空洞デザインを採用した。

 オンライン発表会にはソール開発を手掛けたハイコ・デセンス(Heiko Desens)「プーマ」クリエイティブ・ディレクターとローマン・ジラード(Romain Girard)「プーマ」シニア ヘッド オブ イノベーションが登壇。デセンス氏はMITとの共同開発について、「最新のツールとソフトを使って納得のいくまで新素材を研究できた。かけがけのない経験だ」と振り返る。また、「ランニングだけでなく、日常のありとあらゆるシーンに対応する。ゆくゆくはトップランナー向けのシューズにも採用されるかもしれない」と展望する。

  “カリブレート ランナー”は、アッパーにフィット感のあるニット素材を採用。ホワイトは繊細なグラデーションとシルバーのコーティングでシンプルに仕上げ、ブラックは鮮やかなグリーンでアクセントを効かせた。ジラード氏は「ソールの機能はもちろん、洗練されたデザインも魅力。カジュアルからストリート、テック系のファッションまで幅広いスタイルになじむモデルだ」とデザイン面の魅力をアピールした。今後はレトロなランニングスニーカーをイメージしたマルチカラーのほか、ドイツのポルシェ・デザイン(Porsche Design)と協業したモデルも発売予定だ。

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「ザ・ノース・フェイス」が「湘南国際マラソン」のスポンサーに 世界初の“環境配慮型マラソン”に賛同

 ゴールドウインの「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は、2021年2月28日開催予定の「第15回湘南国際マラソン」の大会スペシャルスポンサーを務める。同大会はプラスチックごみの削減を目的とした世界初の試みとして、ランナーがマイボトルを持参する“マイボトル・マラソン”に取り組む予定で、関係者が4日に会見を行った。

 「ザ・ノース・フェイス」は大会のウエアやロゴ入りのマイボトルおよびカップを提供する。森光ゴールドウイン常務執行役員は「『ザ・ノース・フェイス』が普及に努めてきたトレイルランニングは自然の中で行うので、できるだけごみを減らす工夫をしてきた。一方で、ロードランニングではいまだに使い捨てプラスチックなどが使われている。ランニング市場において両者の境界線が曖昧になっている中で、われわれの知見を生かした環境配慮型のロードランニングのあり方を提案したい」とコメントした。

 参加者は400mLのマイボトルやマイカップを携行して走行し、コース上に500カ所以上設けられた給水スポットで給水を行う。給水スポットは従来よりも大幅に数を増やすことで、混雑や密集状態を避ける狙いだ。

 この取り組みにより、これまで2万人を超える参加者のために用意していた3万1500本のペットボトルと50万個の使い捨てカップを削減する。加えて、参加Tシャツやスタッフウエアにリサイクルペットボトルが原料の繊維を用いるほか、大会プログラムの電子化など包括的な改善を通して約6tの二酸化炭素の排出量削減に貢献する。

 監修を務めた高田秀重・東京農工大学教授は「プラスチックごみは有害物質の“運び屋”で、海洋汚染の原因となっている世界的な課題だ。日本全体では数億本に近い未回収ペットボトルが海や川に流出している。今回の大会で削減が見込める3万本のペットボトルは、荒川の河口でボランティアが1年間で回収する量に匹敵し、大変意義のある取り組みだ。これまでは短期的な経済効率やタイムを競うことに注力していたが、これからは何のために走るのか、大会の本質を見据え、持続可能な方法を探っていくことが重要だろう」と同大会への期待を寄せた。

 大会名誉会長の河野太郎防衛相は、「今回導入する給水システムは、災害時の防災にも役に立つ。『湘南国際マラソン』は地元ボランティアの協力で成り立ってきた大会なので、スポーツイベントとしてだけではなく、地域防災に貢献する可能性も探りたい」と述べた。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大に伴う同大会の開催可否は12月に最終判断する。

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イオンモールがミャンマーに1号店 23年開業

 イオンモールがミャンマーに進出する。親会社イオンと共に現地の大手不動産会社シュエタン・リアルエステートと合弁会社を設立し、最大都市のヤンゴン郊外に2023年に1号店となる大型ショッピングセンターを開く。同社は20年2月期で中国および東南アジアに30モールを運営しているが、26年2月期には計70モールに増やす計画を掲げている。特に中間所得者層の増加が著しい東南アジアでの存在感を高める。

 イオンモールの東南アジアへの出店は、ベトナム、カンボジア、インドネシアに続く4カ国目。すでにベトナムで5モール、カンボジアとインドネシアでそれぞれ2モールを運営するほか、新たに5モールの開発を進めている。

 ミャンマーでの出店地はヤンゴンの中心部から約10キロメートルの再開発エリア。宅地開発が進められており、近い将来には100万人超の商圏になると見られている。GMS(総合スーパー)のイオンを核店舗にした総賃貸面積約6万9000平方メートルに、約200店舗を誘致する。

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オンラインとオフラインの前に、組織はマージしているか?︎ エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年6月29日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

オンラインとオフラインの前に、組織はマージしているか?︎

 先日、弊社の紙面紹介プログラム「Read More」で特集担当記者から「OMO(Online Merges with Offline)」と「O2O(Online to Offline)」の違いを聞いて、確立すべきは「OMO」なんだと納得した直後、下のリンクの記事を読み、改めて「会社として、OMOをどう推進すべきか?」を考えています。「Read More」をご覧になっていない方に簡単に説明しますと(お時間がある方は、リンクの2本目をどうぞ)、「O2O」は、オンラインとオフラインをつなぐという思考ゆえ、両者を区別しているのでアウト!!それは売る側の都合で、消費者には関係ありません。対する「OMO」の「M(Merge)」とは「融合する」の意味で、もはやオンラインとオフラインを区別しないのです。担当記者からは「リアルは、デジタルの一部」という名言、長年リアルを大事にしてきた皆さんにはショッキングなくらいの格言が飛び出し、「あぁ、そうだよな」と思った次第です。

 下の記事は、そんな「OMO」を推進するために大事なポイントを解いています。業界人が理解すべきは、「ポイントとなるのは(デジタルで)商品が売れた場合、売り上げの数パーセントがインセンティブ(成果報酬)として給与に加算されるのと同時に、その販売スタッフが所属する店舗の売り上げとして計上されるということだ」。ここです!コレ、試験に出ます。てか、出します(笑)。個人はもちろん、チームの評価になるって大事ですね。この評価基準の有無で、オフラインに携わるスタッフのオンラインに対するモチベーションは、大きく変わることでしょう。

 想像してください。もし、販売スタッフの着用コーデが売れても、個人もチームも評価されなかったら?それならだ~れも、わざわざ自分を晒して着用コーデをアップなんかしないですよね?リンクで紹介するアプリサービスを開発した社長も、「数億円かけて一元化しても店舗の販売員がECでの売り上げになることを嫌がり、ECサイトへの誘導をとめていた」と、個人もチームも評価しないサービス設計を反省しています。では、販売スタッフだけが評価されて、チームは評価されなかったら?個人は頑張るかもしれませんが、「あの子は、店頭での接客はおざなり。SNSばっかりじゃん!!」みたいな陰口や、「どうしても自分を晒せない私は……」みたいにクヨクヨするスタッフが出現することでしょう。でもそれが、販売スタッフはもちろん、チームも評価されたら?「あの子がSNSを頑張っている分、私たちは店頭を盛り上げようよ!」とか「私は自分を晒せないから、せめて撮影を手伝ったり、ハッシュタグを一緒に考えよう!」みたいな発想になるかもしれない。少なくともSNSでバンバン売るスタッフに「ありがとう!」という言葉を投げかけたくなるでしょう。他人のデジタル上での販売を“自分ごと”化できるのです。ステキ。

 評価基準一つで、組織は大きく変わりそうですね。そしてOMOの推進には、評価基準や組織の変革が不可欠であることも想像させます。余談ですが銀座三越の上層階にある免税店の失敗は、特選フロアのスタッフがインバウンド顧客の免税店への送客を敬遠したから、と言われました。自分が売れば評価につながる、でも、免税店への送客では評価にならない。となれば、知名度の低い上層階は苦戦するでしょうし、同じ店舗、時には同じブランドのスタッフにさえ不要な縄張り争いを生んでしまう。誰の得にもならなそうです。

 オンラインとオフラインのマージ(融合)には、組織のマージが不可欠です。アナタの組織は、マージしていますか?

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターを週3回配信するメールマガジン。「WWD JAPAN.com」が配信する1日平均30本程度の記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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ピザハット、駐車場まで届ける「お車ピザ」開始。簡易ドライブスルー。

日本ピザハット株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:中村 昭一)が、「ピザハット」で事前予約したピザを車で受け取りに来られたお客に対し、スタッフが駐車場まで届け、お客は車内で受け取れる新サービス「お車ピザ」を、8月3日(月)より開始する。
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居酒屋「てっぺん」の真実:「居酒屋甲子園」「本気の朝礼」は、なぜ生まれたのか?

 2004年、東京・自由が丘にオープンした居酒屋「てっぺん」。ハイテンション系朝礼と呼ばれ、真似をする店が続出した「本気の朝礼」を開発し、次回で15回を数える居酒屋業界最大のイベント「居酒屋甲子園」の母体となった店だ。創業者である大嶋啓介は、既に46歳。30歳で始めた事業は業界に大きな影響を与えた。その意義はどこにあったのか(敬称略)。
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クチュール&メンズ初のオンライン開催、結果はいかに? ユーチューブとSNSアナリティクス企業が分析

 フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、サンディカ)は、初めてオンライン開催した7月6〜8日の2020-21年秋冬パリ・オートクチュール・ファッション・ウイークと9〜13日の21年春夏パリ・メンズ・コレクションのデジタルショーにおける結果を明らかにした。サンディカによる詳細な分析結果はないが、ユーチューブ(YouTube)とSNSアナリティクス企業のリッスンファースト(LISTENFIRST)がそれぞれ詳細なデータを発表した。

 サンディカは、6〜13日の公式スケジュール用に制作された動画の再生回数が、合計で1940万回を記録したと発表した。各プラットフォームでの再生回数の内訳はユーチューブの560万回と、中国版のツイッターのウェイボー(微博、WEIBO)と動画配信サイトのビリビリ(哔哩哔哩、Bilibili)、そしてテンセント ビデオ(騰訊視頻、Tencent Video)を合わせた1380万回だ。

 動画コンテンツは、ファッション、ラグジュアリー、ビューティ分野のデータテクノロジー企業、ローンチメトリックス(LAUNCHMETRICS)の協力を得て立ち上げた2つのデジタルプラットフォームに投稿された。サンディカのウェブサイトで9月15日まで閲覧が可能なこれらのプラットフォームでは合計20万2000アクセスを記録し、閲覧回数は49万回に達した。

 サンディカのパスカル・モラン(Pascal Morand)会長は、「今回の結果に大変満足しているし、励みになる。フィジカルなファッション・ウイークの来場者が通常5000人程度であることを考えると、デジタル版はより多くのオーディエンスに向けて発信できた結果となった」とコメントした。

 ローンチメトリックスがSNS上の声をもとに独自のアルゴリズムを用いて割り出した計8日間のファッション・ウイークにおけるメディアへの影響の試算額(Media Impact Value、MIV)は、全体で6510万ドル(約69億円)に相当する。そのうち5080万ドル(約54億円)がクチュール、1430万ドル(約15億円)がメンズによるものだ。同社は19年に開催したクチュール・ウイークの影響試算を5670万ドル(約60億円)と推計しており、同年のメンズは3570万ドル(約38億円)だったとしている。

 モラン会長は、通常のショー形式のイベントではインフルエンサーをはじめとする参加者がコンテンツをオンライン上で投稿・シェアすることによりMIVが4〜5倍に上がるとした上で、「今回のオンラインイベントは通常の形式に匹敵こそしないが、失敗だったというわけでもない。ただし従来のファッションショーの代替ではない。今年のファッション・ウイークは普段と異なる形式で行ったが、私たちは従来のファッション・ウイークの重要性も再確認した。9月はフィジカルとオンラインの両方でショーを行う可能性もあるが、いい方向に向かうといい」とコメントした。

参加ブランドはユーチューブなどとパートナーシップ締結

 ローンチメトリックスによると、今回行われたデジタル形式のファッション・ウイークは従来に比べてより広く世界に発信され、アジアからのアクセスが全体の10%以上を占めていたという。なお通常はフランス、アメリカ、イギリスからの参加が中心だ。

 また、小さなブランドにとっては露出の機会が増えるというメリットもあった。拡散の見込みがあるデジタル資産の重要性を踏まえると、今後はフィジカルとデジタルの両方を活用した共有価値の高いコンテンツを生み出すブランドが勝者になると言えそうだ。

 今回のファッション・ウイークには公式カレンダーに名を連ねたオートクチュールの33ブランドと、メンズの67ブランドが参加したが、サンディカはコンテンツを広めるために、グーグル(GOOGLE)、ユーチューブ、インスタグラム(INSTAGRAM)、フェイスブック(FACEBOOK)などの主要プラットフォームや、フランスの放送局カナル・プリュス・グループ(CANAL + GROUPE)、「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」、中国のコミュニケーションエージェンシーのハイリンク(HYLINK)ともパートナーシップを締結した。

 ユーチューブのスポークスパーソンによると、80ブランドがサンディカとユーチューブのパートナーシップに参加しており、今回初めてオンライン動画シェアのプラットフォームに参入するというブランドも19あったという。なおクチュールでは、初参入の8ブランドを含む30ブランド、メンズでは初参入の11ブランドを含む51ブランドがユーチューブとの提携に参加した。

 動画再生回数が最も多かったオートクチュールのブランドは「ディオール(DIOR)」「シャネル(CHANEL)」「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」で、メンズは「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール」「トム ブラウン(THOM BROWNE)」だった。

 また、ユーチューブがクチュールの傑作動画として選出したのは「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」「ディオール」「イリス ヴァン ヘルペン」だった。メンズでは「ディオール」「トム ブラウン」「リース クーパー(REESE COOPER)」「ウェルダン(WE11DONE)」「ブルー マーブル(BLUE MARBLE)」「ヘンリック・ヴィブスコフ(HENRIK VIBSKOV)」「アミリ(AMIRI)」、新興ブランドの「キッドスーパー ストゥディオス(KIDSUPER STUDIOS)」「クール TM(COOL TM)」、そしてセーヌ川に浮かぶ船上でショーを撮影した「バルマン(BALMAIN)」だ。

期間中の関連ツイート数はオートクチュールが396件、パリ・メンズが3311件

 一方でリッスンファーストは、両ファッション・ウイークにおいて最もソーシャル・エンゲージメント(社会的関与)のスコアが高かったブランドのトップ10をランキング形式で発表した。ランキングは、反応の大きさやコメント、シェア、リツイート、“いいね”の件数、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムのフォロワー数の伸びやツイッターでのメンションなどにより算出。最高スコアを獲得したクチュールのブランドは「シャネル」で、パリのグラン・パレ(Grand Palais)でショーを開催した前年同時期からは21.66%下がる結果となり、動画の視聴回数は約550万回だった。

 クチュールのスコアランキングは2位の「ラルフ & ルッソ(RALPH & RUSSO)」から順に「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「ヴィクター&ロルフ」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「エリー サーブ(ELIE SAAB)」「ラウル ミシュラ(RAHUL MISHRA)」「メゾン ラビ ケイルーズ(MAISON RABIH KAYROUZ)」「アガノヴィッチ(AGANOVICH)」と続く。なお、パリ・オートクチュール・ファッション・ウイークについて直接言及したツイートは396件にとどまり、1万5000件以上のツイートが行われた19年7月1〜4日の結果を大きく下回る結果となった。

 「ジャンバティスタ ヴァリ」はソーシャル・エンゲージメントのスコアを前回から500%以上と大きくアップさせた。インスタグラム上のオーディエンスは大きなピンクのイブニング・チュールドレスに大きな反応を示し、同ブランドは多くのレスポンスを獲得した。 

 ソーシャル・エンゲージメントのスコアで1位を獲得したメンズのブランドは「ディオール」で、スコアは前年同時期と比べて51.25%アップした。今回のコレクションでコラボレーションを行ったガーナ人アーティストのアモアコ・ボアフォ(Amoako Baofo)から着想を得たコレクションのメーキング動画は、フェイスブックで17万回以上再生された。

 メンズのランキングは2位の「ルイ・ヴィトン」から順に「ロエベ(LOEWE)」「エルメス(HERMES)」「パロモ スペイン(PALOMO SPAIN)」「トム ブラウン」「ランバン(LANVIN)」「リック・オウエンス(RICK OWENS)」「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」と続く。ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)がメンズ アーティスティック・ディレクターを務める「ルイ・ヴィトン」は、“メッセージ・イン・ア・ボトル(Message in a bottle)”と題した21年春夏コレクションのランウエイショーを8月6日に上海で行う予定だが、そのプロモーション動画の再生回数はツイッター(TWITTER)、フェイスブック、ユーチューブで合わせて1450万回以上を記録した。

 また、今回のパリ・メンズに関するリアルタイムのツイート数は3311件にとどまり、19年6月18〜23日の11万7879件と比べて大きく落ち込む結果となった。
 
 リッスンファーストのトレーシー・デイヴィッド(Tracy David)=チーフ・マーケティング・オフィサーは、「それぞれのコレクションは注目を集めているが、通常のファッション・ウイークでの発表方法がもたらすほどの影響は感じられない。主催者は今後のデジタル・ファッション・ウイークについて、全ての動画をひとつのアカウントのもとで公開したり、ファッション・ウイークに華やかさを加えるためにオンライン上でセレブリティーと連携したりすることなどを検討した方がいいかもしれない」と指摘した。
 
 世界の有名ブランドに関するデータ、コミュニケーション活動、広報戦略を分析するDMRグループ(DMR GROUP)は、ロンドン、パリ、ミラノのデジタル・ファッション・ウイークにおいて、ソーシャルメディアでのキャンペーンにおける価値を意味するEMV(Earned Media Value)が1070万ユーロ(約13億円)に相当するとリポートした。なおこのEMV値は、10万のウェブサイトと2万5000のソーシャルメディアから算出されている。2021年春夏メンズやウィメンズ&メンズの21年プレ・スプリングを披露した7月14〜17日開催のミラノ・デジタル・ファッション・ウイークにおけるEMVは624万ユーロ(約7億7000万円)で、続いてパリの268万ユーロ(約3億3000万円)、ロンドンはこれら3つのファッション・ウイークにおけるEMVの合計の17%に相当する181万ユーロ(約2億2000万円)だった。

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コロナ関連倒産、飲食店が最多。東京都自粛で力尽き、9月には急増しそう。

新型コロナウイルス関連の倒産が8月3日で全国で400件に達したと帝国データバンクが報じた。業種別では「飲食店」が54件で最多で、「ホテル・旅館」(48件)、「食品卸」(27件)、「アパレル・雑貨小売店」(25件)、「建設」(21件)、「食品製造」(19件)など。
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あの頃、輝いていた「ギャップ」を訪ねて リニューアルした新宿店で創業当時のムードを体感

 「ギャップ(GAP)」が1969年に米サンフランシスコで創業した、「リーバイス(LEVI’S)」のジーンズやレコードのセレクトショップだったことを知っている人って、それほど多くはないと思います。かく言う83年生まれの私もその存在を認識した中学時代には既に、「ギャップ」はロゴスエットが看板アイテムのSPAになっていました。というわけで、私にとって「ギャップ」のイメージは、ザ・アメリカのSPA(アメリカの~というよりも、そもそもSPAというものの先駆け的な存在ですが)です。よほどの「ギャップ」通やジーンズ通、流通業界通を除いて、日本の多くの方の認識も同様ではないでしょうか。

 そんな「ギャップ」ですが、ご存知の通り近年はなかなか苦しい状況が続いています。「オールドネイビー(OLD NAVY)」なども含めたギャップ社全体の2020年第1四半期(2月2日~5月2日)の売上高は前年同期比43%減、純損益は9億3200万ドル(987億円)の赤字と発表されています。もちろんこれにはコロナ禍がダイレクトに影響していますが、コロナ以前からの業績不振と、それにまつわるてんやわんや(「オールドネイビー」の分社化断念、大規模な店舗閉鎖、トップの辞任など)は、この記事の一番下に貼り付けた関連記事群を読んでいただければと思います。

 言葉を選ばずに言えば、やや迷走気味に感じる近年の「ギャップ」。どんな組織にとってもこういった局面で重要なのは、自らの原点を思い出すことではないでしょうか。オリジナリティが何かを問い直し、元来自分たちが伝えたかった価値は何なのか、競合にはない個性が何かを見つめ直す。コロナ禍が負のスパイラルを加速させているファッション業界において、こういった原点の問い直しプロセスが必要だと感じるブランドは「ギャップ」以外にも非常に多くあります。もちろんブランドだけでなく、われわれメディアにとってもそれは同様なんですが。

 さて、その「ギャップ」の原点は冒頭にも書いた通り、1969年にカリフォルニアで創業したジーンズ&レコードショップです。しかし、そうしたストーリーは今や日本の多くの人に忘れられている。もしくはそもそも知られていない。……ですが、このほどリニューアルオープンした「ギャップ」の新宿フラッグス店は、そうした「ギャップ」の原点や背景にあるストーリーを感じさせる作りになっています。個人的に面白いなと感じたので、紹介させてください。

 新宿フラッグス店リニューアルの最大のポイントは、カフェ併設型の店舗になったこと。カフェがあるのは世界中の「ギャップ」でもここだけだそうです。ただ、カフェそのものよりも是非注目していただきたいのが、その横にある書籍やレコードのコーナー。座ってコーヒーが飲めるスペースになっているんですが、そこにブランドの歴史を解説したボードなどが飾ってあります。

 その解説ボードを見て、「ああ、『ギャップ』って、ヒッピームーブメントやカウンターカルチャー全盛の時代のアメリカで生まれた、ユース(若者)の店だったんだな」という事実に私は改めて出合いました。業界紙記者としてそういった知識は頭の片隅には入っていましたが、「ギャップ」創業者のフィッシャー夫妻の妻、ドリス(Doris Fisher、現会長のお母さん)がおしゃれなセブンティーズファッションでキメた写真を見て、「ギャップ」がどんな時代感の中で生まれてきたのか、初めてイメージを伴って理解できたような気がします。

 同コーナーには「ギャップ」創業当時にはやっていた曲のレコードなんかも展示してあります。音楽に詳しくない私にはスライ&ザ・ファミリー・ストーンくらいしか分かりませんでしたが、並べられたレコード群のややサイケデリックなジャケットを見るだけでも、「こういう雰囲気の時代だったのね~」と想像がしやすい。ドリス・フィッシャーの写真もそうですが、やはり、ビジュアル表現の持つ力って偉大ですね。ちなみにこのレコード群、新宿フラッグスの上層階に入っているタワーレコードで買えるそうです。

 「ギャップ」の過去のキャンペーンビジュアルを集めた写真集(2006年発行)も置いてあり、自由に閲覧ができます。これが今見ても色褪せず非常にかっこいいんですよ。キム・ベイシンガー(Kim Basinger)やブルック・シールズ(Brooke Shields)といった往年のハリウッドの大女優がいたり、ジャズトランぺッターのマイルス・デイヴィス(Miles Davis)がいたり、映画監督のスパイク・リー(Spike Lee)がいたり。なんてきれいな人なんだと改めて驚いたのがリー・ラジウィル(Lee Radziwill)でした。ジャクリーン・ケネディ・オナシス(Jacqueline Kennedy Onassis)の妹です。実にアメリカ的人選ですよね。日本人では工藤夕貴や冨永愛のビジュアルが収蔵されています。「ギャップ」のシンプルなカットソーやジーンズ姿で写真に映る彼らはみな、眼差しが強くてとてもかっこいい。フォトグラファーもアニー・リーボヴィッツ(Annie Leibovitz)やスティーブン・マイゼル(Steven Meisel)など、巨匠中の巨匠です。

 なんというかこの写真集、かつて世界が(言い過ぎ?少なくとも私が)憧れたアメリカのイメージの凝縮みたいに感じたんですよね。あの頃、「ギャップ」の広告にアメリカを感じていた人は少なくないと思います。そう考えると当時の「ギャップ」の存在感って本当にすごいですね。そして繰り返しになりますが、ビジュアルの持つ力って偉大だなと感じます。ただし、そういったキラキラしたアメリカのイメージそのものが幻想だったんだと気付かされたのが、トランプ大統領以降のアメリカ社会な気もしますが。

 というわけで、つらつら書いてきて結局何が言いたいかというと、こういった背景のストーリーを知ると、「ギャップ」の見え方がこれまでとはちょっと違ってくるよねということです。品質や価格、デザインの点で、今は「ギャップ」より「ザラ(ZARA)」や「ユニクロ(UNIQLO)」を選ぶという人が少なくないと思いますが、「ギャップ」ってそもそもこういった出自やマインドのブランドだったんだということを知ると、もう少し感じ方に奥行きが出ると言いますか。もちろん、それだけで人が「ザラ」や「ユニクロ」でなく「ギャップ」を買うようになるかというと、世の中そんなに甘くはありません。正直、今の「ギャップ」の商品や売り方からは、創業当時のストーリーやかつての強いビジュアルから伝わってくるような自由を貴ぶ雰囲気を感じることは難しいですから。

 ラグジュアリーブランドを取材すると、メゾンの歴史というものをいかに大切にしているか、それをどう価値判断の基準にしているかが繰り返し繰り返し語られます。メゾンの歴史や職人技を紹介する展覧会も、過去10年間でかなり増えました。モノが飽和し、モノそのものよりも文脈や物語を消費したがる時代の中では、歴史こそがブランディングになるからですが、これってなにもラグジュアリーブランドに限った話ではなく、「ギャップ」のようなより身近なブランドだって同じだなと思います。先日、「セシルマクビー(CECIL MCBEE)」の全店閉店の記事のために同ブランドの出自をたどった際も、改めてすごく面白いなと感じたんですよね。「セシルマクビー」は残念ながらその幕を降ろしますが、歴史を生かす企画(たとえば昔購入した商品とその思い出をタグ付けしてSNSに投稿してもらい、そこからどうにか新作購入につなげるキャンペーンなど)を試してみれば、また何らかの違う形のムーブメントを生む可能性もあったんじゃないかと考えたり。歴史だけはお金を払って買うことができません(M&Aなどは別)。歴史を重荷にするか財産にするかは、ブランドにとって分かれ道ですね。身近な存在のブランドほど、歴史が重荷になってしまいがちのように感じます。

 話を戻しますが、「ギャップ」は来年から、カニエ・ウェスト(Kanye West)の「イージー(YEEZY)」とのコラボラインを10年間の長期契約で販売すると発表しています。今を時めくカニエが10代の下積み時代に地元シカゴの「ギャップ」でアルバイトしていた(まさに「ギャップ」がキラキラ輝いていた時代!)縁から生まれたコラボだそうです。そう聞くと、「ギャップ」の歴史にカニエ自身の成功物語も重なって、ダブルでエモい。まさにヒップホップ的だしアメリカ的ですね。あの頃輝いていた「ギャップ」を知る世代にも、カニエ好きな新世代キッズにも響くコラボになるのかもしれないと期待が高まります。というわけで、新宿に立ち寄った際には「ギャップ」新宿フラッグス店で「ギャップ」の歴史に触れてみるのも楽しいと思います。

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【社説】都の自粛要請に従う必要なし!「自分達の店は自分達で守る」

 東京都がコロナの陽性確認者数が増えたことに対し、8月3日(月)から31日(月)まで「酒を提供する飲食店」やカラオケ店に対し、営業を夜22時までに短縮するという要請を出している。フードリンクニュースは、これに正面から異を唱えたい。「自粛要請に従う必要なし!」と。(編集長・遠山敏之)
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やさしくニュースを解説するライブ番組「Dig IT」スタート 初回は「相次ぐブランド休止の理由とは?」

 「WWD JAPAN.com」はニュースをやさしく解説するライブ配信番組「Dig IT」を8月6日にスタートさせます。同番組は、毎週木曜(年末年始やお盆休み、ゴールデンウイークは除く)の20時に公式ユーチューブチャンネル“WWD JAPAN VIDEOS”で配信します。初回は、「イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)」や「セシルマクビー(CECIL MCBEE)」など、相次ぐブランド休止の理由などを解説します。

 7月までお届けしてきた紙面紹介プログラム「Read More」の進化版として、紙面やウェブで取り上げたニュースの中で私たちが「皆さんに、詳しく知ってほしい!!」と思うニュースはもちろん、読者の方々の業界に関する疑問や質問、社内の若手スタッフが「もっと知りたい」と思うトピックスについて解説します。配信後は、公式ユーチューブチャンネルに格納しますので、以降はオンデマンドでお楽しみいただけます。

【8月6日20時配信「Dig IT」プログラム】
・「イッセイ ミヤケ メン」など相次ぐブランド休止
・デニムはなぜ売れなくなったの?
・記者おすすめ「マスクかぶれ」解消グッズ

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「セリーヌ」2021年春夏メンズはティックトック上のユースを描写 20代と30代の記者がそれぞれの視点で解説

 エディ・スリマン(Hedi Slimane)による「セリーヌ(CELINE)」は7月29日、2021年春夏メンズ・コレクションを発表した。コレクションは“THE DANCING KID”と題してティックトック(TikTok)上でクリエイティビティーを発揮する若者をドキュメンタリーのように“記録”したもので、ティックトックが生んだE-boyや昨今のスケートカルチャーに着想を得たアイテムやスタイルを打ち出した。国内外のメンズコレクション担当としてエディのクリエイションを追いかけてきた30代記者・大塚千践「WWDジャパン」ニュースデスクと、ロックダウン中にティックトックにハマった25歳記者・丸山瑠璃ソーシャルエディターが対談し、それぞれの視点で今回のコレクションを読み解く。

丸山:「セリーヌ」の2021年春夏メンズは、見る人によって評価が分かれそうなコレクションでしたね。なので、「WWD JAPAN.com」でも異なる視点を持った記者がそれぞれの解釈を反映させたコレクション・リポートにすべく、対談形式でお届けします。早速ですが、長年エディのクリエイションを見てきた大塚さんは今回のコレクション、どう思いましたか?

大塚:いろいろな意見があるけれど、誰が見ても一目瞭然で変えてきたよね。最近だと英国での滞在から着想した不良少年のテーラード“テッズ”や、セルジュ・ゲンズブール(Serge Gainsbourg)を想起させる直球のフレンチ、そしてそれらをよりクラシックにしたフォーマルなどさまざまな引用はあるけれど、全て“フレンチシック”であることにこだわっていた。でも今季は、一見するとアメリカ西海外のスケーター風なストリート路線。エディ好きなら「いよいよ出してきたな」感があって受け止められるかもしれないけれど、戸惑った人は多いだろうね。

丸山:「え、そこから?」な質問で恐縮ですが、エディはアメリカ西海岸のスケーター風なスタイルが実は好きなのでしたっけ?ひたすらロックなスタイルが好みなのかと思っていましたが……。確かに一見アメリカ西海岸のスケーター風なストリート路線なのですが、外出自粛期間中にティックトックをずっと見ていた自分からするともう、ティックトッカーが歩いているようにしか見えませんでした。「あ!ティックトックにこういうスタイルの人いる!わかる〜!」の連続でした。

大塚:スケーターのスタイルを追求したというより、ロックも含め身の回りのユースカルチャーを積極的にフックするのが彼のクリエイションの礎だから、今回はティックトッカーがズバリだったんでしょう。正直、完全に予想外だったわ(笑)。ただ「サンローラン(SAINT LAUREN)」にいたころはアメリカの西海岸に住んでいたし、今回のコレクションにもそのムードは当然入っているとは思うけどね。実際に「サンローラン」の16年春夏メンズでも、今回のようなパームツリーやアニマル、チェックやボーダーといった柄を連打していたから、2つのコレクションをつなげる人も多いんじゃないかな。

丸山:今「サンローラン」16年春夏メンズを見てきましたが、確かに似ていますね。両者の違いは何でしょう?それとも同じことを繰り返そうとしている?

大塚:いや、「サンローラン」ではカート・コバーン(Kurt Cobain)起点のグランジを、「セリーヌ」ではティックトッカーの自由なミックス感覚を描いたという明確な違いはあって、若者の価値観の移り変わりを見ているようで面白いね。正直、ティックトックについて全く知らないんだけど、ティックトッカーってこんな自由にファッション楽しんでるんだなーというのが伝わってきたから興味出たもん。

丸山:そう、ティックトックっていろんなスタイルの人がいるんですよね。そして一つのスタイルに縛られずさまざまなテイストのスタイリングを楽しむ人もいる。コレクションは、彼らのスタイルをそのまま描写してきたかリミックスしているようでした。今回大きな引用元となったE-boyからは、部分的なヘアカラーやゴツめのネックレス、TシャツとロンTのレイヤード、ボーダーシャツ、バンドTシャツ、動くたびに揺れるピアスなどをピックアップ。一方西海岸のスケーターからは、スケーターシューズやタイダイアイテムやパームツリーモチーフなどをピックアップしていました。

そのほかにも踊りやすいスエットパンツやそこからチラ見せするロゴ入りのアンダーウエア、ロックダウンで外に出れないからこそのパジャマっぽいパンツやユルいニット、さらに古着店で見つけてきたようなアイテムの数々も、ティックトックでよく見かけるアイテム。ジェンダーフリュイドな価値観を持つユーザーが多いティックトックではスカートをはくメンズも珍しくありません。そんな“ティックトッカーあるある”なアイテムや6人のアーティストの作品を取り入れたプリントやモチーフなど、さまざまな要素で構成されていたものの、スタイリングの妙はさすがでした。こんなに複雑なのにバランスがよいスタイリングのティックトッカーはなかなかいないですね。

大塚:なるほど、エディの強みってMDのバランス感で、“売るアイテム”をちゃんと意識的に作れること。でも最近の「セリーヌ」はスタイル先行の印象で、“売るアイテム”がコレクションとちょっとなじんでいないようにも見えていたんだよね。例えばロゴ入りのアイテムとかキャッチーなアクセサリーとか。それを今回はスタイルになじませてきた、もしくはなじむスタイルを選んできたのはさすがだなと思った。

あとヘルメットにも驚いたのだけど、さすがにティックトッカーにあんな人はいないよね(笑)?会場のポール・リカール・サーキット(Circuit Du Castellet)はF-1のフランスグランプリ開催地だからそれにちなんだものだと思うけれど、ショーの場所としてここを選んだのもF-1や音楽フェスなど開催中止になった数々のイベントに対するエディの思いが込められているんだよね。最後に登場したLEDライト付きのジャケットも、そんなイベントに捧げる「夜を取り戻す」ってメッセージがあるらしい。

丸山:自分はティックトック脳すぎてヘルメットは初心者のスケーターを表しているのか!?と一瞬思ったのですが、間違いなくF-1へのオマージュだと思います(笑)。光るジャケットはそのメッセージだけでなく、ティックトックユーザーたちのベッドルームからもインスパイアされているそうですよ。彼らの間で自分たちのベッドルームをLEDライトで装飾したり、夜空のプロジェクターをつけたりすることがはやっているんです。実はあのLEDライトは「アマゾン(AMAZON)」で15ドル(約1600円)くらいで買えちゃうのも、ティーンに普及した理由の一つかもしれません。いち早くコレクションを身につけていたチェイス・ハドソン(Chase Hudson)とアンソニー・リーヴス(Anthony Reevs)もコレクション発表後に早速暗いベッドルームでジャケットを着用していました。ちなみにティーザー動画で意味深に映っていたネイルは、モデルがほとんどポケットに手を突っ込んで歩いていたので全然見えず(泣)。商品化への望みはありますか?

大塚:ネイルはまだ情報がないけど、期待はできるんじゃない?ティーザー動画であれだけ主張していたってことはシーズンを象徴するピースの一つな訳だし。色もかわいかったもんね。あとLEDライト付きのジャケットも商品化されるかわからないけど、ちょっと着てみたい。ただショー会場でもこれを着るのはめちゃくちゃ勇気いるよね。暗がりで「あいつまだ光ってるよ」的な(笑)。そういえばショーのBGMもティックトック発なんでしょ?

丸山:会場が暗転してるときにピカピカ光ってたらめちゃくちゃ目立ちますね(笑)。自分は、ライブやフェスで出演アーティストにぜひ着用してほしい!と思いました。21年夏にはショーもフェスも開催できるといいですね……!そう、BGMはティックトックでヒット音源をリリースし続けているラッパー、ティアグス(Tiagz)の「They Call Me Tiago (Her Name Is Margo)」という曲。彼はティックトック上でバズっている音をサンプリングしてくるのが特徴で、その制作の裏側も公開しているのですが、ティックトックではやるビートやバズるポイントを徹底的に研究していて、かなりの戦略家です。

エディと音楽は切っても切れない関係ですが、ティックトックは音楽市場に絶大な影響力を持っています。ビルボードのチャート上位に入るにはティックトックでバズることがもはや必須なレベルです。大塚さん、この画像、8月1日のビルボードのトップ10なのですが、このうち何曲がティックトックでヒットしたものか当ててみてください。

大塚:ビルボードといえば音楽のトレンドがわかるランキングでしょ。僕が好きなロックはいつの間にかランキングとは縁遠くなってしまったけれど、丸山さんがそこまでいうならティックトックで人気の曲も2、3曲は入ってるんじゃないの?

丸山:実は、正解は8曲です。7月17日にリリースしたばかりのDJキャレド(DJ Khaled)とドレイク(Drake)の曲以外の8曲全て、ティックトックで2万以上の投稿があります。6位の「Savage」なんて3000万投稿もあります(計測は8月3日時点)。再生回数じゃなくて、投稿数ですよ!

大塚:えええ!?8曲ってほぼ全部じゃん。ティックトックってそんなに浸透しているんだ……。

丸山:そうなんです。でも、意外とみんなこれらの曲がティックトックでヒットしているからということを知らないのではないでしょうか。もしくは、まだ世間がティックトックによいイメージを持っていないから、知ってても隠しているのかもしれません。バズっている曲をユーチューブで見ると、コメント欄で「ティックトックから来てない人は“いいね”して」や「ティックトックがこの曲を台無しにした」というコメントに大量に“いいね”がついていたりします。これを見ると、ティックトック内でどれだけ評価されていても、実際に才能があっても、ティックトックというだけでバイアスがかかって評価が低くなるという現状があるのかもしれません。だからこそエディがティックトック発の音源を採用したのはすごく意味があることなんです。もともと彼は自宅のガレージでライブしていたようなインディーズバンドの曲をショーのBGMに採用したり、ショーに招待して彼らに注目が集まるように努めてきました。そんな彼がティックトック発の曲を採用したことは、ティアグスの才能を認めてスポットライトを当てようとしているのかもしれないと私は解釈しました。エディと世界的なブランドに認められることで、ティックトック発のクリエイターに降りかかるネガティブなイメージを払拭できるかもしれません。

大塚:まあでも新しい価値観が生まれるときって、反対の声も自然と大きくなりますから。それこそエディが「セリーヌ」で初めてコレクションを発表したときも否定的な声が多かった訳で。ただ裏を返せば注目度が高いということだし、ティックトックは安全性の面などで最近情報が錯綜しているけれど、今が文化として浸透していくかどうかの岐路なのかもね。

丸山:そうですね。このコレクションやアイデアは3月までには完成していたそうで、ここまで事が大きくなる前なのですが、疑惑の真偽にかかわらず、ティックトックのクリエイターの才能は正当に評価されるべきだと思います。「よくわからないけど若い子がキャピキャピ踊っているだけでしょ」という大人が少なくない中、そういったバイアスなしにエディがきちんと評価してくれたということは、クリエイターの励みになるのではないでしょうか。そして、自身が彼らの才能を評価していることをティックトック上の元ネタを知っている人にしかわからない方法で、いわば大人にはわからない方法でBGMやアイテムなどによって若者に伝えようとしたのかもしれません。ユースへの共鳴と大人への反骨精神みたいなものは、エディのクリエイションの根幹にあるものですし、今回のコレクションでエディがいつの時代も若者から人気を集める理由があらためてわかった気がします。

チェイス・ハドソンらと同様、発表前にいち早くコレクションを身につけていたカーティス・ローチ(Curtis Roach)も、ロックダウン中に作った「Bored In The House」という音源がヒットし、タイガ(Tyga)とコラボするほどのスターになった人物なんですが、彼の「エディ・スリマンが俺の名前知ってるんだって!」というツイートにはうるっときました。

大塚:そうそう。エディがフックして知名度が急上昇するバンドが昔は山ほどいたから。若い世代のスタイルをガラリと変えたし。10年以上前にエディがお気に入りのバンドのライブに行って客のファッションチェックをしていたら、大塚調べで4割がピチピチのパンツ、2割がピタピタのテーラードジャケットを暑いのに脱がない、1割がヒールブーツみたいな感じだった記憶(笑)。そしてさっきからティックトックについて無知をさらしまくっているわけですが、ファッション界で今後影響力を高めていきそうな、最低限覚えておいた方がいいティックトッカーを教えてください!

丸山:エディが19年末に撮影してキャンペーンに起用したノエン・ユバンクス(Noen Eubanks)は絶対覚えておいていただきたいです!今回も早速コレクションを着用した4人のうちの一人になっていますが、彼を起点にエディが10代のアイドルを撮影するポートレートシリーズ、“PORTRAIT OF A TEEN IDOL”が始まったので、かなり重要人物です。彼のスタイルはまさにE-boy。今回のコレクションへの影響も大きいのではないでしょうか。

それから、「プラダ(PRADA)」の20-21年秋冬のショーにも招待されていたチャーリー・ダメリオ(Charli D'Amelio)も最低限覚えておいた方がいい人物です。彼女はティックトックで現在一番フォロワーが多い(8月3日時点で7600万)のですが、彼女が使った音源やダンスはほぼヒットすると思っていいくらい、ティックトック内のエコシステムを回すほどの影響力があります。彼女が自分の音源を使ってくれると、作ったクリエイターは大喜びして、他の人にもわかるように曲名を「チャーリーが使ってくれた曲!」とかに変えたりするんです(笑)。

大塚:全然知らなかった……。でもリアルなユースカルチャーへの理解が深まると、今シーズンの「セリーヌ」もまた違って見えて面白いね。勉強します!

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「ルイ・ヴィトン」の親会社、6月以降は業績が上向きに

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2020年1〜6月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比26.6%減の183億9300万ユーロ(約2兆2623億円)、純利益が同84.0%減の5億2200万ユーロ(約642億円)の減収減益だった。

 部門別の売上高では、ファッション・レザーグッズ部門が同23.3%減の79億8900万ユーロ(約9826億円)、香水&コスメティクス部門は同28.8%減の23億400万ユーロ(約2833億円)、ワイン&スピリッツ部門は同20.1%減の19億8500万ユーロ(約2441億円)、ウオッチ&ジュエリー部門は同38.2%減の13億1900万ユーロ(約1622億円)だった。

 「ルイ・ヴィトン」や「ディオール(DIOR)」などのスターブランドを抱える主要事業のファッション・レザーグッズ部門と、「モエ ヘネシー」が堅調なワイン&スピリッツ部門は20年上半期も黒字だったが、それ以外の部門は全て赤字に転落した。また売れ残った商品の減価償却費を計上したことや、生産工程の固定費を吸収しきれなかったことによって粗利益が大きく削られた結果、純利益も大幅に減少した。

 地域別での売上高は、フランスが同34.0%減の14億1900万ユーロ(約1745億円)、フランスを除く欧州地域が同32.5%減の29億2400万ユーロ(約3596億円)、米国が同22.5%減の44億7700万ユーロ(約5506億円)、日本を除くアジア地域が同23.3%減の62億7700万ユーロ(約7720億円)、日本は同29.5%減の12億7500万ユーロ(約1568億円)と軒並み減収となった。

 ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者(CFO)は、「かつてこれほどネガティブな要素がそろったことはないが、明るい兆しも見えている。多くの国でロックダウン(都市封鎖)が解除されたことに伴い、当社の傘下ブランドも店舗の営業を再開しているため6月は売り上げがかなり改善したし、7月はさらなる改善が期待される。月を追うごとに平常レベルに近づいてきており、その動きは今後も続くだろう」と語った。

 ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者は、「当社はこの危機的な状況の中で比類のない耐久力を発揮した。6月以降は業績が上向きになっているものの、下半期も油断せずに気を引き締めて事業を展開し、ラグジュアリー業界をリードする企業としての立ち位置をさらに強化していきたい」と述べた。

 20年4〜6月期(第2四半期)で見ると、ファッション・レザーグッズ部門が中国で65%以上の成長率となっており、市場が順調に回復していることが分かる。6月に入ってからは米国と日本で「ディオール」が好調だった一方で、「ルイ・ヴィトン」はほぼ横ばいの売り上げとなった。

 ロックダウン中、多くのブランドや小売店でECの売り上げが増加した。LVMHは主要ブランドでオンラインショップを展開しているほか、傘下の百貨店ボン・マルシェ(LE BON MARCHE)が小規模なECサイト「24セーブル(24 SEVRES)」を手掛けているものの、基本的にはECにあまり積極的でないことで知られている。

 ギヨニーCFOは、ロックダウン中におけるECの売り上げ増加について推測するのは時期尚早だとしながらも、今後はより積極的に取り組んでいく可能性があることを示唆した。同氏は、「ファッション・レザーグッズ部門や化粧品のセレクトショップ『セフォラ(SEPHORA)』などのECが非常に好調だったため、実店舗での売り上げ減少を部分的に補うことができた。ここ6カ月間におけるECでの売上高を考えると、将来的には実店舗と共に当社のグローバルセールスを支える“本物の”販売網となる可能性があると思う」と分析した。

 売り上げが激減する中で財務状態の健全化を図るため、同社は20年の設備投資を40%削減することを第1四半期決算の時点で発表しているが、従業員を解雇する予定はないという。ギヨニーCFOは、「多少の調整はあるかもしれないが、大幅な人員削減などというばかげたことは考えていない。状況が回復してきた際に業績を伸ばすためにも、資本や人材の基盤を維持しておきたいからだ」と説明した。

 同氏はまた、「この危機的な状況を乗り越え、企業としてさらに発展していくことに自信を持っており、今後についても楽観視している。しかし再び環境が激変した際に迅速に対応できるようにするため、忘れてはならないことが2つある。まず現在の状況がいつ収束するのかについては先行きが読めず、さらなる難局に直面するかもしれないと肝に銘じておくこと。そして、観光客を対象としたトラベルリテール事業が回復するにはかなりの期間がかかるだろうということだ」と話した。

 LVMHは19年11月に162億ドル(約1兆7172億円)超相当でティファニー(TIFFANY & CO.)を買収しているが、ギヨニーCFOによれば、独占禁止法に関連した申請などが複数の国で保留となっているという。同氏は、「物事は前進しているが、承認がいつ下りるかなどについては分からない」とコメントした。なお20年6月2日にはLVMHの経営陣が招集され、ティファニーにとって最大の市場であるアメリカの情勢悪化について話し合いが行われている。

 モルガン・スタンレー(MORGAN STANLEY)銀行のエドアール・オーバン(Edouard Aubin)=アナリストらのリポートによれば、LVMHはロックダウンの解除が遅かったアメリカへの依存度が高いため、ラグジュアリー業界の中でも新型コロナウイルスの影響を大きく受けるのではないかという。その一方で、「消費者はこれ見よがしな派手さがなく、時間とともに価値が低下しない商品を求めるようになっている。今後はエッジーなブランドよりも、『ルイ・ヴィトン』『ディオール』『フェンディ(FENDI)』『セリーヌ(CELINE)』などの、クラシックで質が高く安心感のあるメジャーブランドがいっそう人気を集めると思われる。これらのブランドを傘下に持つLVMHはそうした流れの恩恵を受けるだろう」と述べている。

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リアーナの「フェンティ スキン」が始動 知っておきたい3つのこと

 歌手であり実業家としてファッション業界のダイバーシティーをけん引するリアーナ(Rihanna 本名:ロビン・リアーナ・フェンティ)が、スキンケアブランド「フェンティ スキン(Fenty Skin)」を立ち上げ、7月31日から販売している。「フェンティ スキン」のウェブサイトから購入可能で、日本にも発送を行っている。

 2年以上の歳月をかけて開発されたという同ブランドは、リアーナが手掛けるコスメライン「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA以下、フェンティ ビューティ)」で打ち出した多様化と包括性の精神を継承。ジェンダーレスでどんな肌タイプにも合う商品開発に新たに取り組んでいる。ここでは、そんな新ブランドの知っておくべき3つのことを紹介する。

商品ラインアップは?

 まずは「トータル クレンズ リムーブ イット オール クレンザー」「ファット ウオーター ポア リファイニング トーナー セラム」「ヒドラ バイザー インビジブル モイスチャライザ ブロード スペクトラム サンスクリーン」の3種類を提案。ブランドの公式ツイッター(@fentyskin)によると、いずれの製品も「肌を輝かせるとともに、毛穴やシミを目立たなくする」ことを目指したという。価格は25〜35ドル(約2600〜3700円)だ。

 「トータル クレンズ リムーブ イット オール クレンザー」は皮脂のコントロールや洗浄、外部の刺激から肌を守る効果が期待できる。成分にはバルバドスチェリー、ギンクゴ・ビロバ、緑茶、イチジク、カリンが含まれている。

 「ファット ウオーター ポア リファイニング トーナー セラム」はナイアシンアミドを配合したハイブリッド製品で、シミの発生を抑え肌のトーンを均等に導く。とろみのあるテクスチャーでコットンいらずだ。

 「ヒドラ バイザー インビジブル モイスチャライザ ブロード スペクトラム サンスクリーン」はピンクがかった日焼け止めで、白浮せず塗ることができる商品。カラハリメロン配合で、肌に潤いも与える。

「フェンティ スキン」のターゲット層は?

 「フェンティ ビューティ」同様ダイバーシティーと包括性に重きを置いており、全ての肌タイプやジェンダーを対象にしている。リアーナは自身のツイッター(@rihanna)に「@fentyskinを手掛ける上ですべての肌タイプをカバーできるように取り組むのは難しかった。でもみんなは、私は挑戦が大好きだと知っているでしょう」と投稿した。

 また「フェンティ スキン」の公式インスタグラム(@fentyskin)に投稿した動画で、自身も有色人種の女性という立場からスキンケアに関する悩みをシェアし、「最高の材料を使いたかった。そして、値段が高くなるのは避けつつ、最高な製品を作りたかった。目指したのは、私が今まで使ってきたモノ、出合ったモノ、市場に出回っていて私を混乱させてきたすべてのモノより良いモノ。素晴らしい製品や美しい肌は、みんなが手に入れられるものであるべき」と語った。

キャンペーンに起用されたのは?

 「フェンティ スキン」の発売キャンペーンには、リアーナと交友のある数々の著名人が参加している。起用されたのは、ラッパーのエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)やリル・ナズ・X(Lil Nas X)、トミー・ジェネシス(Tommy Genesis)、モデルのパロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)やハリマ・アデン(Halima Aden)といった面々だ。

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D2Cジュエリー「アルティーダ ウード」の多目的スペースが登場 ネイルや占いなどの体験も提供

 サザビーリーグが運営するD2Cジュエリーの「アルティーダ ウード(ARTIDA OUD)」は8月7日に東京・渋谷松濤に多目的スペースの「ジ アナザー ミュージアム(THE ANOTHER MUSEUM以下、ミュージアム)」をオープンする。同ブランドは2018年4月にスタートしたD2Cジュエリーブランドの先駆け的存在で、“ありのままの姿が放つきらめき(RAW SCENTS OF GLIMMER)”をコンセプトに、石の個性を生かした感度の高いジュエリーを手に取りやすい価格で提案している。ECによる販売を中心にポップアップショップなども開催し、ファンを増やしてきた。

 「ミュージアム」は砂漠の中の美術館をイメージしておりブランドの世界観が体感できる贅沢な空間だ。約104平方メートルの同スペースはジュエリーの販売をはじめ、ブライダルドレスとジュエリーのレンタルサービスなども行う。ジュエリーショップとしてオープンするのは毎月10日間だけで、予約制だ。ここで販売するジュエリーは新作と店舗限定品だけだが、サンプルをそろえてショールームとしての役割も果たす。ジュエリーショップとしてオープンする10日間以外はブライダル相談のアポイントメントや撮影、ネイルや占いなどの体験を提供する。また、アーティストやクリエターらとのコラボレーションも行っていくという。

 オープン記念の限定ジュエリーの中心価格帯は2万~6万円程度。オリジナルのブライダルドレスはインドのサリーに使用されるシルクを使用したモダンなデザインが特徴だ。6泊7日のレンタル料はドレスが16万5000円、ジュエリーが3300~7万7000円、ベールが2万2000円。

 「アルティーダ ウード」の安部真理子ディレクター兼デザイナーは、「非日常的な空間で特別感を味わってもらいたい。ECとは異なる体験の場にしていきたい」とコメントしている。

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「オークリー」が日本人アーティストとのコラボモデル販売とWHOへの寄付で新型コロナ終息を願う

 イタリアのアイウエア企業ルックスオティカ(LUXOTTICA)は、アメリカのスポーツ&ライフスタイルブランド「オークリー(OAKLEY)」と、ニューヨーク在住の日本人アーティストの山口歴(やまぐち・めぐる)とのコラボレーションによるサングラス“ココロ コレクション(KOKORO COLLECTION)”を世界で順次販売する。

 “心”を意味する名前の同コレクションは、プロ・アマチュアを問わず世界のあらゆるアスリートの心を一つにするという思いを込めて製作された。デザインの特徴は、プラスチックシートに載せて乾かした絵の具をカットし、シートから剥がして3Dの筆跡/ブラシストロークをコラージュするかのように張り付けるという、山口歴独自の手法をサングラスで実現したことだ。「オークリー」のエンジニアが特殊な仕様の機械を使用して仕上げた。全12モデルで、価格はオークリーストア渋谷店限定モデルの1万9400円から、シールドレンズが特徴的な3万4600円のモデルまである。なお山口歴は8月10日まで、西武渋谷店で作品展を開催中だ。

 また同時に、「WHO(世界保健機関)のための新型コロナウイルス感染症連帯対応基金」に20万ドル(約2000万円)を寄付すると発表した。

 どちらも新型コロナ感染拡大の終息を願うプロジェクトだ。

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「マスク荒れ」増加! 女性のリアルな声と正しいスキンケア法を伝授

 最近目にする機会が増えたのが、「マスク荒れ」に関するニュースや美容記事だ。新型コロナウィルスの流行が始まってから4カ月以上、冬場から継続している場合は半年以上も(しかも夏場まで……!)マスク着用の習慣が続いているわけで、確かにこれは過去に経験したことのない状況といえる。果たして実際に「マスクによる肌荒れ」は増加しているのか?もしそうなら、肌とどう向き合えば良いのか? 今回は、資生堂 グローバルイノベーションセンターの、菊田雅之研究員にお話しを伺った。

20~30代では、過半数の女性が「マスク荒れ」を実感中

 資生堂には、接客をつとめる店舗のビューティーコンサルタントから「コロナ禍を経て肌が敏感に傾いている」「肌荒れしている」というお客さまの声が急増しているという意見が寄せられたという。「そこで実際に20~40代の女性にウェブを通じてアンケート調査を実施し、コロナ禍後に美容で変化したことを尋ねました。『マスクをつけることで肌荒れするようになった』が38.4%、同じくマスク着用により『肌がかゆくなるようになった』が43.3%。『ニキビができやすくなった』が、34.3%という回答を得ています」(菊田研究員)。

 内訳をひもとくと、年代によってマスクによる肌荒れの内容に差があるようだ。「『かゆみが気になる』は20~30代が多く、20代が52.9%、30代が51.5%と、ともに過半数を超えました。『ニキビが出来やすい』は20代が最も多く55.9%。『肌荒れするようになった』も20代が67.6と最も多く、これは敏感に傾く人とニキビが出来やすくなる人が混在していることや、生活習慣も関係していると考えられます」(菊田研究員)。

 いずれにせよ、マスク着用により肌荒れを感じている女性は、全体の約4割近くにのぼり、特に20~30代では過半数の女性が何がしかの肌不調を感じている。確かに「マスク荒れ」は増加しているといえそうだ。

夏のマスク内は「湿度」「汗」「皮脂」の三重苦

 「マスク着用によって肌荒れが生じる原因の1つは、マスク内の湿度が高くなることです」と、菊田研究員。湿度が高いと聞くと、一見肌には良さそうに思えるかもしれないけれど……?

 「一般的な生活シーンにおいて、快適な湿度は50~60%と言われています。湿度が過剰な環境下にいると、肌の最外層を守る角層がいわばふやけた状態となります。この状態の角層は外部環境の影響を受けやすくなり、マスク着脱時に水分量が急激に変化しやすい。バリア機能にも影響を及ぼし、水分が蒸散しやすくなる。これは、お風呂上がりの肌と似た状態ですね」(菊田研究員)。

 ちなみに医療現場で用いられる密閉性の高い「N95マスク」を着用した場合、内部の湿度は約80%まで上がるという論文も。一般的な不織布のマスクはそこまで気密性が高くないとはいえ、マスク内が高湿度であるのは間違いない。

 「加えて夏場は皮膚温が上昇し、汗や皮脂の分泌も増加します。過剰な汗が原因で、かゆみを引き起こすことがある。また同じく過剰な皮脂がアクネ菌のエサとなり、ニキビを誘発する原因となります」(菊田研究員)。

マスクの「つけ外し」に要注意。温度差も肌荒れの要因?

 実はマスク荒れの要因は「マスクをつけたり外したりする行為」にも存在するという。飲み物を口にする時など、日常生活の中には一瞬マスクを外すシーンが必ず存在するはずだ(ここ最近外を歩いている時など、暑くて一瞬マスクを外し『ぷはっ』と息をついてしまう)。1日に何度か繰り返すマスクの着脱によって、肌とマスクがこすれ、角層がダメージを受けること。さらにマスク内の高温・高湿環境から、いきなり肌が外気にさらされて、温湿度の変化を受けることも問題だ。

 「資生堂の研究で、急激な温度・湿度の変化により、肌内部で酵素カスパーゼ14の働きが低下することが判明しています。カスパーゼ14は、肌のバリア機能や保湿機能の育成に関与する酵素。つまり、肌が急激な温度・湿度の変化を感知すると、バリア機能や保湿機能の低下の要因となります」(菊田研究員)。

 マスク着用でただでさえ角層がふやけて弱っているところに、突然温度・湿度の急激な変化を経験することで、バリア機能低下に拍車がかかってしまうというわけだ。これらの要因が複合的に重なった結果、多くの女性がかゆみ、ニキビ、肌荒れといった「マスク荒れ」を実感しているように思う。

マスク荒れには「低刺激のスキンケア」を

 マスク荒れやストレスの影響か、コロナ禍後「スキンケアに対する女性たちの意識」も変化しているようだ。「前述のアンケート調査では、コロナ禍を経て『肌を守れるようなスキンケアを使いたい』という回答が71.1%にものぼりました。また『保湿を重視するようになった』という回答も55.2%と、過半数を超えています」(菊田研究員)。

 具体的には、どのようなお手入れをすべきなのか?バリア機能が低下すると、洗顔や保湿、衣服が肌に触れるなど、普段なら何でもないことが刺激になる。「このような肌状態の時には、まず低刺激性のスキンケアをお使い頂くと安心です。お手入れのうえで大切なのは、肌に摩擦をなるべく与えず、しっかり保湿することです」(菊田研究員)。

 汗や皮脂の分泌が増加する夏は、帰宅したらすぐに肌に付着した汚れを落とそう。クレンジングにはとろみやクッション性のあるテクスチャーを選び、肌に負担を与えずに汚れを浮き上がらせる。洗顔料はたっぷり泡立て、泡をクッションにして同じくやさしく汚れを落とすのがポイントだ。

 「バリア機能を立て直すために、夏場であっても手厚い保湿が必要です。肌がデリケートに傾いているときは、ちょっとした摩擦も刺激になることがあります。化粧水や乳液は、手のひら全体で丁寧に塗布を。クリームも手のひらでそっと肌を押さえるようになじませると良いでしょう」と、菊田研究員。手のひらを用いると「自身の肌状態を確かめながらお手入れできる」という利点もある。

 以下に、敏感肌用ベーシックケアの注目アイテムをご紹介したい。この夏から秋にかけては、高機能敏感肌ケアが続々登場する予定であり、新製品を中心にセレクトしてみた。

肌の常在菌バランスに注目し、自ら潤う力を育む化粧水 「d プログラム」

 資生堂の敏感肌総合ブランド「d プログラム(D PROGRAM)」のベーシックケアが、2020年8月21日に新処方へと進化を遂げる。今回新たに注目したのは、肌の上に存在する「皮膚常在菌」のバランスだ。スキンマイクロバイオーム研究を背景に、敏感肌特有の常在菌バランスを解明。肌に有効な働きを持つ「美肌菌」の働きを促し、自ら潤う状態へと導くことを目的としている。「モイストケア ローション MB」は、まろやかな感触で角層深部まで潤いで満たす化粧水。美肌菌を味方につけ、バリア機能を健やかに保ちたい。

ヒルドイドの成分とコーセーの技術を融合した敏感肌シリーズ 「カルテ」

 保湿・抗炎症薬「ヒルドイド」の開発を手掛けるマルホの技術と、コーセーが長年培った化粧品の製剤技術を融合し、9月16日に誕生するのが「カルテ(CARTE)」の「ヒルドイドシリーズ」だ。マルホから医薬部外品に始めて提供される「ヘパリン類似物質HD」を配合し、肌の保湿機能を担うラメラ構造の再構築をサポート。「モイスチュア クリーム」は、濃密な感触が肌の上で滑らかにとろけ、深い潤いで密閉するクリーム。バリア機能を立て直し、もっちりとした健やかな肌へと導いてくれる。

敏感肌特有の「老化サイン」に注目したエイジングケア 「ミノン」

 1973年から敏感肌を見つめ続けてきた「ミノン(MINON)」から、8月25日に誕生するのは待望のエイジングケアシリーズだ。敏感肌に生じるエイジングサインを研究し、弾力低下の根本要因として脂肪層に注目。9種類のアミノ酸に加え、新たにハリシェイプペプチドを配合し、内側からふっくらと満たされた肌へと導く。「アミノモイスト エイジングケアミルククリーム」は、乳液とクリームの中間のようにやわらかな感触。軽やかに広がり、しっかり潤いを閉じ込めて、ハリのある健やかな肌を手に入れたい。

サステナブルな低刺激ライン登場 「雪肌精」

 ブランド誕生35周年を迎えた、コーセー「雪肌精(SEKKISEI)」に、9月16日サステナブルな処方にこだわった「クリアウェルネスシリーズ」が誕生する。透明感を追求するブルーの高機能ラインに加え、新たにホワイトの「低刺激ライン」を設置。「クリアウェルネス ジェントル ウォッシュ」は、ポンプひと押しで、ふわふわの泡が誕生する低刺激処方の洗顔料だ。きめ細かくクッション性に優れた泡は、肌を摩擦することなく汚れを吸着。肌本来の潤う力をサポートしながら、スッキリ汚れを落とせるはず。

美容液オイル配合の、敏感肌用トリートメントクレンジング 「フリープラス」

 国内外で支持されているカネボウの敏感肌シリーズ「フリープラス(FREEPLUS)」。最新作は、美容液成分を配合した「オイルセラムクレンジング」だ。メイクとなじみの良いアミノ酸系の洗浄オイルと、保湿作用に優れた美容液オイルをベストなバランスでブレンドし、自然にメイクになじんで軽やかに浮き上がらせる。べたつきを残すことなく、こすらずにスルッと洗い流せる処方は、フィット感の高いUVケアを使用する夏場の敏感肌の頼もしい味方。洗顔後は、キメの整ったしっとり滑らかな肌へと導いてくれる。

今後ますます存在感を増す「敏感肌ケア」

 今回ご紹介したアイテムは、当然コロナ禍以前から開発が進められていたものだ。つまりそれだけ、近年女性たちの間に「敏感肌対策のニーズ」が高まっていた証といえる。「マスク着用」や「ライフスタイルの変化」といった、思いもかけないコロナ禍によるストレスで、その潜在的な敏感肌ニーズが一気に加速した面も大きい。

 「肌が敏感に傾く要因には、睡眠や食生活も関係しています。ストレスケアも含め、ライフスタイル全般の見直しが必要となります」と、菊田研究員。その肝心のライフスタイル自体が、大幅な変化を余儀なくされている今。これまで以上に「敏感肌スキンケア」の存在感は、高まるのではないだろうか。

 睡眠時間を確保する、リラックスする時間を取り入れる、など自分にできる可能な範囲でライフスタイルを見つめ直すと同時に、敏感肌ケアは「揺らぎやすい肌のために、今できること」の1つでもある。実は外出の機会が増えて以降、首筋や顔に赤みやかゆみが生じ、個人的にも敏感肌ケアのありがたさを実感中だ。肌の揺らぎを感じた時の1つの対策として、女性を心理的にもサポートしてくれる存在であると思う。

宇野ナミコ:美容ライター。1972年静岡生まれ。日本大学芸術学部卒業後、女性誌の美容班アシスタントを経て独立。雑誌、広告、ウェブなどで美容の記事を執筆。スキンケアを中心に、メイクアップ、ヘアケア、フレグランス、美容医療まで担当分野は幅広く、美容のトレンドを発信する一方で丹念な取材をもとにしたインタビュー記事も手掛ける

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専門店7月度業績は好不調の明暗くっきり セール前倒し響きUA、アダストリアは売り上げ減

 専門店チェーン、セレクトショップの2020年7月度売上高(既存店ベース)は、明暗がはっきり分かれる結果となった。マスクや食品など、日用品に近い商品を扱う業態は客数を伸ばして6月に続き好調を維持。一方で、トレンドのファッション商品を強みとする業態は、セール分散の影響も受けて売り上げを落としている。

 ワークマンの売上高は前年同月比21.4%増だった。認知拡大によって客数が同20.5%増と伸びた効果。「ファッション商品の拡大などでこの間新客を獲得してきたが、7月は長引いた梅雨により、そういった商品よりもレインウエアやレインブーツが売れた」と広報担当者。

 「無印良品」の直営店、卸、ECの合計売上高は同14.8%増、なかでも食品カテゴリーが同49.5%増という大幅な伸び。食品の伸びに引っ張られる形で客数も同20.5%増と伸ばし、まさにここ数年の食品強化策の成果が出ている。生活雑貨も“巣ごもり”需要で調理器具や文房具類が売れて同16.1%増。それらに比べると衣服・雑貨は同5.3%増と弱く、「やや勢いに欠ける」(広報担当者)。

 「ファッションセンターしまむら」の売上高(6月21日~7月20日)は同9.1%増だった。昨年、一昨年7月が2ケタの落ち込みだったという要素はあるが、引き続き“巣ごもり”需要でリラクシングウエアやインテリア関連商品が伸長。レイングッズも好調だったという。

 ユニクロの店舗とECの売上高は同4.4%増。大きなセールやコラボの打ち出しなどはなかったが、話題の“エアリズム マスク”効果などで客数は同2.5%増だった。売れ筋は、キャンペーンで打ち出した“感動パンツ”、“エアリズム”関連商品、“プリーツスカートパンツ”などの夏物商品。「郊外と都心といった、立地による集客のバラつきも収まってきており、都心店にもお客さまは来ている」と広報担当者。

 一方で、ユナイテッドアローズ(UA)の小売りとECの合計売上高は同15.3%減。本来ならば7月はセールで売り上げの山ができる時期だが、「今年は4月末から段階的にセールを行っているため、売り上げが分散している。コロナ再拡大の影響で大型都市の店舗の売り上げが弱いことも影響した」と広報担当者。

 「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」「ニコアンド(NIKO AND…)」などを抱えるアダストリアの売上高は同19.9%減だった。ただし、客単価は同4.0%増と伸びている。「6月にセールを前倒しした結果、休業中の滞留在庫の消化が順調に進んだため、7月は無理なセールを行わなかった」(広報担当者)と、手応えを語る。

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米紳士服テイラード・ブランズも経営破綻 スーツ離れとコロナ禍で資金難に

 米紳士服チェーン「メンズ・ウエアハウス(MEN’S WEARHOUSE)」「ムアーズ(MOORES)」「ジョス・エー・バンク(JOS A. BANK)」などを展開するテイラード・ブランズ(TAILORED BRANDS)は8月2日、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用をテキサス州の破産裁判所に申請した。

 同社の傘下ブランドはスーツが主力商品であるため、オフィスファッションのカジュアル化によるスーツ離れを背景に近年は業績が低迷していた。そこに新型コロナウイルスの影響で店舗の休業を余儀なくされたことが追い打ちをかけた。また2014年に「ジョス・エー・バンク」を18億ドル(約1908億円)で買収した際の負債も経営に重くのしかかっていた。

 破産法の適用申請に当たって、同社は再建支援策への同意を主な債権者の75%以上から得ている。これにより、少なくとも6億3000万ドル(約667億円)の債務が削減できる見込みだ。また既存の貸し手から5億ドル(約530億円)のDIP融資(倒産手続きに入っている企業に対する新規融資)も確保しているという。

 同社の20年1月通期決算は、売上高が前期比4.1%減の28億8126万ドル(約3054億円)、純損益は前期の8324万ドル(約88億円)の黒字から8227万ドル(約87億円)の赤字となっている。ただしこれには非継続事業の損失が計上されており、継続事業のみの純利益は同74.2%減の2536万ドル(約26億円)となっている。

 また20年2〜4月期(第1四半期)で見ると、売上高が前年同期比60.4%減の2億8670万ドル(約303億円)、純損益が前期の714万ドル(約7億5684万円)の黒字から、2億6988万ドル(約286億円)の赤字に転落した。この時点で同社の手元資金は2億4420万(約258億円)で、債務はおよそ14億ドル(約1484億円)だった。

 手元資金に余裕がないことから、同社は7月1日が期日だった610万ドル(約6億4660万円)の利子が支払えず、経営破綻するのではないかとの臆測が広まっていた。なお同社は米国とカナダで運営するおよそ1400店のうち最大500店を閉鎖し、20%の人員削減を行うことを7月中旬に発表している。

 アパレルおよび小売業界では、新型コロナウイルスの影響による経営破綻が相次いでいる。5月には米百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)を運営するニーマン・マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)、米百貨店のJ.C.ペニー(J.C.PENNY)、J.クルー グループ(J.CREW GROUP)が、7月には米ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)と、「アン テイラー(ANN TAYLOR)」や「レーン ブライアント(LANE BRYANT)」などを展開する米アパレルチェーンのアセナ・リテール・グループ(ASCENA RETAIL GROUP)が破綻している。また8月2日には、米老舗百貨店チェーンのロード&テイラー(LORD & TAYLOR)と、その親会社である新興ファッションテック企業ル・トート(LE TOTE)が経営破綻を発表したばかりだ。

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