「エムエム6 メゾン マルジェラ」 × 「ザ・ノース・フェイス」がいよいよ発売 

 「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA以下、エムエム6)」は10月12日10時に、2020年秋冬ロンドン・ファッション・ウイークで発表した「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE以下、TNF)」とのカプセルコレクションを発売する。「エムエム6 」の一部直営店や「TNF」特設サイト、伊勢丹新宿店などで扱う。

 同コレクションは、「TNF」が1990年に開発したアウトドアでの過酷な天候に対応する機能的な”エクスペディション システム(Expedition System)”シリーズを「エムエム6」のデザインとシルエットで表現した。「TNF」を象徴するブラックショルダーとヴィヴィッドカラーのコントラストを効かせたデザインや、機能性を兼ね備えたテキスタイルに、「エムエム6」らしい彫刻的なサークルシルエットを融合させたほか、保護性と断熱性を向上させた。

 アイテムは、「TNF」の代表的な “ヌプシ(NUPTSE)” ジャケットや“ヒマラヤン”コートのほか、ケープ状の“マウンテン(MOUNTAIN)”ジャケット、“デナリ(DENALI)”ジャケットを用意。 “デナリ”ジャケットは、ジャケット、トップス、ドレスをそろえ、アウターにはスリーブ部分の開閉位置を調整できるダブルジッパー、またはトリプルジッパーを取り入れた。また “マウンテン”ジャケットのインナーとして取り付けることもできる。全アイテムのフロントには、キャッチーな両ブランドのロゴを刺しゅうで施し、バックには白いシングルステッチでラベルを縫い付けた。そのほかアクセサリーは、ダウンの“ヌプシ”のロングマフラーや、”タビ”のように指先が分かれたロンググローブ、「TNF」のボストンバッグの“キャンプダッフル(Camp Duffel)”をベースに製作したサークル型のバックパックやクラッチなどをそろえる。全てユニセックスで着用可能なデザインに仕上げた。

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マスクもおしゃれに取り入れる 21年春夏ミラノ・ファッション・ウイーク

 9月22~28日、2021年春夏ミラノ・ファッション・ウイークが開催された。新型コロナウイルスの影響からリアルなイベントとデジタルショーケースを織り交ぜての開催で、24日に発表されたミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)が共同で手掛けた「プラダ(PRADA)」の初コレクションが大きな話題を集めた。

 例年とは違った届け方を模索するファッション・ウイークだが、会場付近にはファッショニスタが集まり、ストリートも華やいでいる。今シーズンのミラノではジャケットを着用した人が多く、アースカラーやパステルカラーでシックにきめている。何より例年と一味違うのは多くの人がマスクを着用していることだ。感染症対策を行いながらも存分にファッションを楽しんでいる姿が見られた。

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ファッションユーチューバーのなかむが伊勢丹メンズ館に期間限定スペース“お店出しちゃいました”

 ファッションユーチューバーのなかむは、“なかむ、伊勢丹メンズ館にお店出しちゃいました。”と題したキュレーションイベントを伊勢丹新宿本店メンズ館2階のポップアップスペースで行う。期間は9月30日~10月13日。同フロアからなかむがピックアップしたアイテムをそろえるほか、なかむが運営するショップ、リュー(LIEU)で扱う商品も出品する。またイベントに向けて製作したオリジナルTシャツ(4000円)も数量限定で販売する。

 会場には「ラフ シモンズ(RAF SIMONS)」「トーガ ビリリース(TOGA VIRILIS)」「ニードルズ(NEEDLES)」「OAMC」「ミドリカワ(MIDORIKAWA)」「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」など国内外のデザイナーズブランドから選んだコートやジャケット、ニットなどの秋冬物を用意する。リューからは「ダイリク(DAIRIKU)」「ユウキ ハシモト(YUKI HASHIMOTO)」「コウタ グシケン(KOUTA GUHIKEN)」「ニューレーベル(NULABEL)」「エド ロバート ジャドソン(ED ROBERT JUDSON)」などの一押しを出品する。

 そのほか、なかむが手掛けるアクセサリーブランド「6:4(ブラス)」の新作リングなどの受注会も行う。

■なかむ、伊勢丹メンズ館にお店出しちゃいました。
日程:9月30日~10月13日
場所:伊勢丹新宿本店メンズ館2階 ポップアップスペース
住所:東京都新宿区新宿3-14-1

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「バレンシアガ」が乳がんの予防研究を支援 “ウィー アー ピンク”コレクション発売

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は10月1日に、乳がんの予防研究を支援する目的で制作したカプセルコレクション“ウィー アー ピンク”を一部の店舗と公式オンラインストアで発売する。

 ユニセックスのアイテムで構成される同コレクションは、乳がん予防の啓発に使用されているループ型のピンクリボンをジュエリーやウエアに取り入れた。フーディーやロングスリーブ、Tシャツの背中には、「バレンシアガ」のロゴの上に“WE ARE PINK”のスローガンをプリントした。

 “ウィー アー ピンク”製品による収益の10%がフランスのがんセンター、キュリー研究所(Institut Curie)の研究プログラムに寄付される。この研究のプログラムは、簡単な採血で診断が可能な循環腫瘍DNAを測定する早期乳がん再発の検出方法などの研究を進める。

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「ナイキ」がヴァージルとの新作コラボスニーカー発売 96年のアトランタ五輪に着想したゴールドカラー

 「ナイキ(NIKE)」は10月1日、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)とコラボレーションした新作スニーカー “ナイキ × オフ-ホワイト ラバー ダンク(NIKE X OFF-WHITE RUBBER DUNK)”を発売する。価格は2万1000円で、「ナイキ」公式アプリ「NIKE SNKRS APP」や南青山のナイキラボ MA5(NIKELAB MA5)のほか、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)などの一部店舗で取り扱う。

 地域ごとに展開カラーが異なり、日本では1996年のアトランタ五輪をイメージしたユニバーシティ ゴールドのみの取り扱いとなる。そのほかUS圏はグリーン ストライク、EU圏・中東・アフリカ圏はユニバーシティ ブルーを販売する。

 同スニーカーは、スケートボードシューズ“ダンク ロー”と、2000年代に多くのシリアスランナーが着用した“ペガサス 2006(PEGASUS 2006)”を掛け合わせたモデルだ。隙間を深めにくり抜いて屈曲性を高めたソールの中にエア ユニットを配置するなど、テクニカルなイノベーションを持つ一方で、ラバーのカップソールにはエアを施し、それが外から見えるように仕上げた。

 ヴァージルは「ヒールにエアを配置することは、コラボレーションの初期にも行なっていた。同スニーカーは過去のアイデアを新しい時代に活用しようとするもので、目的を持ち、現代のカルチャーにあった新しいデザインを生み出そうとしている。現代のフットウエアで最高の発明の一つが、『エアをクッション要素として使う』というナイキのアプローチであると言っても過言ではない」と語る。

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マンダムから除菌ブランドが誕生 除菌・消臭スプレーを発売

 マンダムは、初の除菌ブランド「エムエーティ ピュア(MA-T PURE)」をスタートさせ除菌市場に参入する。第一弾として11月上旬、除菌・消臭スプレー(170mL1200円、360mL2000円)を発売。アルコールフリー、パラベンフリー、無香料処方だ。

 同ブランドは、新型コロナウイルスの影響で衛生面や健康を守りたいという気持ちも強くなる中で、“いちばん、大切な人のために”をキーメッセージに立ち上げた。配合する「MA-T(要時生成型亜塩素酸イオン水溶液)」は、反応すべき菌やウイルスが存在するときに、必要な分だけ水性ラジカルを水の中で生成し、菌やウイルスを攻撃・分解するメカニズムを持つ。肌荒れや乾燥などの皮膚刺激や人体への影響を抑えながら、除菌効果を実現する。

 キッチンや食卓、エコバッグ、布マスクなど身の回り品の除菌や消臭に活用できるスプレーで、全国のドラッグストアやホームセンター、スーパーなどで取り扱う。

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AMIAYAやアリアナさくらが増上寺を歩いた「アツシ ナカシマ」のコレクション バックステージには初披露のアイライナーも登場

 「アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)」はミラノ・ファッション・ウイークで、2021年春夏のショーをオンライン配信した。

 コレクションのテーマは“和魂洋才”で、「日本古来の精神を尊重し、西洋から優れた知識と技術を摂取し活用して、調和と発展を目指したい」という思いを込めた。特攻服からインスピレーションを得た刺しゅうを施したトレンチコートやシャツ、日本画をリスペクトした龍や虎のイラストが入ったアウターなどが登場した。

 撮影場所には“日本の美しい文化を世界に発信したい”という意図から、600年以上の歴史を持つ増上寺を選択。AMIAYAやアリアナさくら、AKIRA、TaikiとNoah、NANAといった人気モデルがランウエイに見立てた境内をウオーキングした。

 モデルのヘア&メイクに関して、ヘアのヘッドアーティストを務めた雑賀英敏「トニーアンドガイ(TONI&GUY)」インターナショナルアーティスティックディレクターは「日本の髪の美しさといえば艶。フォルムはシンプルにし、面を作って艶感を強調することを心掛けた」とコメント。メイクのヘッドを務めた松森あず沙ヘア&メイクアップアーティストは「全体的にモデルの個性を生かしつつ、和を意識した切れ長のアイラインをポイントにした」と話した。

 バックステージで使用したアイライナーは、同ブランドが初めて手掛けたジェンダーフリービューティラインの“ニブ リクイドアイライナー BK1”。美容健康商材の企画製造などを手掛けるイースマイルとの協業で、日本の技術を駆使して毛先のバラつきを抑えたニブ筆を採用。独特の弾力とコシがあり、アイライナー初心者でもきれいにラインを引けるように設計されている。

 日本の愛媛県でしか採取できない成分であるマテラ鉱石を配合し、人の手のようなぬくもりを演出、“落ちにくい、にじまない、でも肌に優しい”処方を実現した。和を想起させる幾何学模様に、マテラ鉱石が生み出す自然の模様を組み合わせ、ブランドのシグネチャーの一つである“直線美”を表現したデザインにも注目だ。公式サイトのほか、来春には店頭での販売も予定している。

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花王、新社長に長谷部専務が昇格 澤田現社長は会長に

 花王は29日、2021年1月1日付けで、長谷部佳宏・代表取締役専務執行役員が新社長に就任すると発表した。澤田道隆・社長執行役員は、代表権のない取締役会長に就く。8年ぶりの交代となる。

長谷部氏は1990年に花王に入社し、2003年に化学品研究所所長、08年にハウスホールド研究所室長、11年にビューティケア研究センター ヘアビューティ研究所長などを経て14年に執行役員。現在は研究開発部門統括(15年から)、先端技術戦略室統括(18年から)、コンプライアンス担当(19年から)、代表取締役専務執行役員(19年から)に就いている。

 長谷部氏の新社長就任理由は、「構想力があり、それに基づくリーダーシップを発揮している点。また、今後の花王グループの成長には技術革新をベースとしたイノベーションと先端技術の導入が大事でありそれに秀でている点、トップマネジメントの視点と企業理念に基づく発言や対応があり安定感がある点」(門永宗之助・社外取締役 取締役会議長 取締役・監査役選任審査委員会議長)などが挙げられた。

 長谷部氏は、「新型コロナウイルスの影響は社会のあり方を変えている。また地球環境問題は深刻である。こんな中でも、消費者は花王に期待して消費していただいている。しかしそれは、多くの物質を使い多くの廃棄物を出している会社でもあるということ。これからは“消費しにくい会社”へと舵取りをしなければいけず、これまでの“数と量”から“質と絆”への会社に切り替えていく。そうすることで社会問題にも切り込める会社になれる」と語った。

 澤田氏は1981年に花王石鹸(現・花王)に入社し、99年に素材開発研究所所長、2003年にサニタリー研究所長に就き、08年に取締役執行役員を経て12年から現職。澤田氏は、「社長に就任した際、生理用品やおむつなどの紙製品、次いで化粧品を伸ばしたいと思った。化粧品に関しては、ここ3年間はカネボウ化粧品の村上由泰社長とともに大改革の戦略(グローバルポートフォリオの策定)を行なったこともあり、この2つは事業という意味で方向性を出せた。そして9期8年6カ月やってきた中で成果が出たこと出なかったことはあるが、次の花王グループの成長を支えるには新事業の創造が大事である。それを自身の任期の間に事業として見える形にできなかった。それを具現化できる人にバトンタッチしたいと思っていた。長谷部新社長は必ず達成してくれると思っている」と述べた。新事業とは、“人の命を守る事業領域”を検討しているという。

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ビジョナリーHDが新型コロナ遺伝子検査キットを販売 感染・重症化リスクを判定

 眼鏡専門店チェーンのメガネスーパーを中核企業とするビジョナリーホールディングスは、新型コロナウイルスの感染・重症化リスクの検査が可能なコロナ遺伝子検査キットを全国に300以上ある同社の全店舗および同社eコマースで10月2日に発売する。

 コロナ遺伝子検査キットは、昨年12月に同社が資本提携したエムスリーの子会社でゲノム検査を行うレクサ(REXA)が開発したもので、頬の細胞を採取して、DNA情報をもとに遺伝的要因・環境的要因から新型コロナウイルスの感染リスク・重症化リスクを測定する。1万1900円のミニマルプランと1万4900円のスタンダードプランの2種類があり、購入者は検査申込書の登録、同意書の記入、試料採取を行い、質問票と検体を送付すると約1カ月後に結果がメールで送られる。スタンダードプランは、測定結果と合わせて「新型コロナ感染・重症化リスクへのコントロール方法」「新しい生活様式を送る上でのリスク」「新しい生活様式を送る上でのリスクへのコントロール方法」も紹介する。

 同社は、リスクを測定・可視化することで自身の体質の正確な把握が可能となり、正しい対策を行うことで新型コロナウイルス感染のリスクコントロールに役立てられるとしている。

 なおこの検査は、新型コロナの感染を調べるPCR検査や抗原検査、感染実績を調べる抗体検査とは異なる。

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「ナイキ」が新たなスポーツ施設を豊洲にオープン 多様性やサステナビリティを意識

 「ナイキ(NIKE)」は三井不動産レジデンシャルと共同で新たなスポーツ施設、トーキョー スポーツ プレイグラウンド サポーテッド バイ スポーツ バイ アート(TOKYO SPORT PLAYGROUND SPORT × ART)を10月10日にオープンする(東京都江東区豊洲6-4-1)。入場には「ナイキ」アプリからの事前登録が必要となる。施設のデザインは「ナイキ」と、米国ポートランドのインクルーシブ・プレイグラウンド(年齢や障害の有無にかかわらず多様な人々が遊べるユニバーサルデザインを採用した公園)のデザインをサポートする非営利団体ハーパーズ・プレイグラウンド(HARPER'S PLAYGROUND)が共同で手掛けた。

 総面積約6995平方メートルの同施設は、1周280mのランニングコースやバスケットボールコート、スケートボードプラザ、広場など、さまざまなスポーツを楽しむことができる6つのエリアで構成される。各エリアにはそれぞれ“エア マックス”などの「ナイキ」の代表的なスニーカーに着想を得たグラフィックをデザインした。「ナイキ」のアプリをはじめとするデジタルツールを活用し、施設利用者が一緒にスポーツを楽しむことができる参加型イベントなども開催する。

 設計には年齢やスポーツの経験、障害の有無にかかわらず全ての人がストレスなくスポーツを楽しむことができるインクルーシブデザインを取り入れた。施設内は車椅子での移動にも支障がないように段差をなくし、スケートボードプラザの回転遊具はエリア内の様子を360度見渡すことができるなどの工夫を凝らした。さらにクラブハウス内には使いやすさにこだわったジェンダーレストイレや、車椅子でも利用可能なシャワールームなどを設置した。

 またサステナビリティも意識し、ランニングトラックやバスケットコート、広場のフロア素材には、ナイキ製品の製造工程で発生する廃材や使用済み製品を再利用した“ナイキ グラインドア”を使用した。ラウンジスペースの内装材、椅子やテーブル、小物には、倉庫などの外壁に使われていた板材、家屋解体で発生する廃材、産業廃棄物の木材パレットなどを再利用した。施設内に自動販売機はなく、無料のウオーターサーバーを設置してゴミの削減にも取り組む。

■TOKYO SPORT PLAYGROUND SPORT × ART
オープン日:10月10日
時間:平日 15:00〜21:00 / 土日祝日 10:00〜21:00
住所:東京都江東区豊洲6-4-1

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伊藤忠とクラボウがタッグ、日本の“サステナブルアパレル連合”結成を呼びかけ

 伊藤忠商事とクラボウは25日、環境に配慮した商品開発やビジネスモデルの創出などを目的とした戦略的パートナーシップ契約を締結した。同時に、伊藤忠はクラボウの海外生産拠点であるタイ・クラボウ(本社タイ・バンコク)株式の一部を取得する。グローバルな生産、販売体制の連携強化をれぞれの強みであるサステナブル原料とテキスタイル技術を組み合わせた新商品の開発や新規ビジネスの開拓をめざす。さらに、繊維業界にとって重要課題となっているサステナブル社会の実現にめざす取り組みとなる「アパレル サステナブル コンソーシアム(仮称)」の設立を計画しており、日本の繊維・ファッション企業に幅広く参加を呼びかける。

提携後初の画期的な新商品が近々完成

 提携の狙いについて、クラボウ繊維事業部・事業推進部の中川眞豪部長は「繊維素材メーカーが単独でサステナブルな取り組みを行なってもできることには限りがある。他社との共創をテーマに社会に新たな価値を創出していきたい」と説明する。

 同事業部は1993年にものづくりの基本姿勢として「ヒューマン・フレンドリー発想」を打ち出し、サステナブルな素材、製品の開発とサービスの提供を行なってきた。同社独自のアップサイクル技術「ループラス」や原綿改質技術「ネイテック」、サステナブルインサレーション「エアーフレイク」は国内外で高い評価を得ている。ここ数年はモノ売りからコト売りへとビジネス転換を図り、独自技術を基本とした新規ビジネスの構築をめざしてきた。

 一方、原料部隊を有する伊藤忠のファッションアパレル第三部は、オーガニックコットンをはじめ、循環型ポリエステル「レニュー」、最先端セルロース繊維「メッツァ・リヨセル」などのサステナブル原料を中心としたグローバルなバリューチェーンの構築をに力を入れている。「川中分野が不足している当社にとっては、アセアンに生産拠点を持ち、紡績から織、加工まで技術力の高いクラボウと戦略的パートナーシップを結ぶことで、我々のユニークな原料が生きてくるという狙いがある。そうしないとなかなかマーケットに受け入れられにくいという思いがあり、互いに意気投合した」と、同社ファッションアパレル第三部の大室良麿部長は振り返る。今回の契約提携を弾みとし、両社の取り組みを加速度的に進めたい考えだ。

 すでに、伊藤忠傘下の「エドウィン」で、クラボウの「ループラス」を採用するほか、「レニュー」のカジュアルウェアやワーキングウェアでも取り組みが始まっているという。さらに、レニューを採用した中綿素材「エアフレーク」が近々完成予定で、「象徴的な商品として大々的に売っていきたい」(クラボウの中川部長)と意欲を見せる。 

今年度内にコンソーシアムの基本構想策定

 構想中の「アパレル サステナブル コンソーシアム」は「単独では困難なサステナブル社会の実現をめざし、川上から川下まで繊維業界全体を巻き込んだ初めての試み」(大室部長)。事務局をクラボウと伊藤忠商事が共同で運営する。2020年度内に基本構想をまとめ、同年度末をめどに賛同企業の募集を始める。

 パートナー企業は生産、流通、小売など各専門分野の企業・団体を中心に大学・研究機関、マスコミを含めて想定しており、幅広い参画を呼びかける。3 Rへの取り組みや新技術の創出、新ビジネスモデルの構築、エシカル消費の促進で参画企業と連携を図り、ビジネスを前提とした取り組みで循環型社会の実現をめざす。

 繊維業界紙向けの合同取材で、伊藤忠の大室部長は「サステナブル社会の実現にあたってはサプライチェーンの多岐に渡る分野が関与してくるのでコンソーシアムが大きな役割を果たすことになると思う。世界をリードする日本発のファッション協定につながる取り組みにしていきたい」と意気込みを語った。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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「エルメス」元従業員らによる偽“バーキン”製造販売事件に実刑判決

 高品質のクロコダイルレザーを入手し、「エルメス(HERMES)」で培ったノウハウを利用して、同ブランドのアイコンバッグの一つ“バーキン(BIRKIN)”の完成度の高いレプリカを製作し販売したとして元従業員を含む10人がフランスで起訴された事件について、裁判所は全員に実刑を言い渡した。フランス通信社が報じた。

 最も重い刑で3年の実刑と20万ユーロ(約2400万円)の罰金刑が課された。

 この集団は2011年から14年の間に“バーキン”の模倣品約148個を香港を中心としたアジア地域の顧客に販売し、400万ユーロ(約4億8000万円)以上を得たという。購入した顧客は模倣品だと知らずに購入した。この事件は「エルメス」のバッグの盗難容疑で男を取り調べる中で発覚した。この集団には、当時現役だった従業員や元従業員7人が含まれる。

 裁判資料によると、模倣品には正規品の切れ端や盗んだメタルパーツを使用し、2万3500~3万2000ユーロ(約282万~384万円)で販売したという。当時、正規品は4万4000ユーロ(約528万円)で販売されていた。また、これらは「エルメス」の従業員が個人で使用することを条件にマイバッグを作ることができる設備で製作された。正規品と見分けるために流れ星の判が押されている。

 エルメスは200万ユーロ(約2億4000万円)の損害賠償を請求したが、裁判所は損害額を58万ユーロ(約7000万円)と認定した。本件についてエルメスからはコメントを得られていない。

 検察によると、従業員だった者のうちの1人はレザーを裁断するエキスパートで、同社を退社する際に“バーキン”のパターンを含む機密書類を持ち出したとされている。また、もう1人の従業員はイタリアにある同社の子会社の元役員で、エキゾチックレザーの仕入れを担当していたという。この子会社は別の模倣品スキャンダルにも関係している。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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デジコレでドタバタ対談 ニューノーマルに対応する「エムエム6」に共感、約25分間の「マルニ」に戸惑い

 2021年春夏シーズンのミラノ・ファッション・ウイークが閉幕しました。ニューヨーク、ロンドンに続き、今回も“できるだけリアルタイムに近いペース”で取材を進めていきます。今回は9月25〜27日(現地時間)に開催されたミラノ・ファッション・ウイークから、話題のブランドや編集部が面白いと思ったデザイナーをピックアップして紹介。今回はメンズ、ウィメンズともに各都市のコレクションを取材してきた「WWD JAPAN.com」の村上要編集長と大杉真心記者がリポートします。

テレビ会議風に見せた「トッズ」の心地いいコレクション

村上:「トッズ(TOD'S)」の新クリエイティブ・ディレクター、ヴァルター・キアッポーニ(Walter Chiapponi)のセカンド・コレクションは、前回以上に若々しくフレッシュになったね。まずデザインを“てんこ盛り”にするのではなく、パステルからネオンまでさまざまな色の力を借りて、定番になり得るベーシックなバッグ&シューズを今っぽくまとめた姿勢が好印象です。ムービーに登場するバッグは、ほとんどがミニサイズ。シューズはキトゥンヒールやウエッジソール、それにぺたんこシューズ。今の時代感を捉えているなぁ、と思います。ウエアも、柔らかなレザーを多用したシンプルデザイン。

大杉:心地いい色使いでしたね。テレビ会議のような設定の映像で、モデルが近くに寄って映るので、素材の風合いやステッチの色まで、伝わってきました。おっしゃる通り、バッグのサイズ感、シューズのヒールの高さに安心感がありました。特にホーボーバッグがエレガントで仕事からプライベートまでカバーするオンオフ兼用として売れそう。インフルエンサーや歌手が登場するなど、仕掛けも面白かったですね。

村上:Zoomっぽい画面構成だったけれど、撮影場所は1カ所。メンズのプレゼンテーション会場でおなじみの場所でした(笑)。インフルエンサー的な人たちは、正直、登場しなくてもよかった気がするけれど……。素敵なコレクションだったので洋服やアクセサリーだけに集中したかったけれど、一般消費者はやっぱりインフルエンサーを見たいのかな(笑)。

大杉:私はデジタルフロントローのようで、よいと思いました。オリヴィア・パレルモ(Olivia Palermo)やブライアン・ボーイ(Bryan Boy)、デレク・ブラスバーグ(Derek Blasberg)ら常連から、中国の俳優のリウ・ハオラン(劉昊然)、韓国の女優パク・ミニョン(Minyoung Park)まで世界中のインフルエンサーやセレブリティーが集合。終盤にかけてパーティーのような演出になり、「遠くにいてもデジタルでつながれるよ」というようなメッセージが伝わってきてきました。

長すぎる……!「マルニ」は世界中で撮影した約25分間の映像

村上:ん~、ワタクシ、日本でも有数のフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)ファンを自認しておりますが、この24分52秒のムービーについては、彼をかばいきれないかもしれません(笑)。既存のランウエイのあり方を見直し、世界に住む、いろんな人の日常風景を切り取ろうとしているのは理解したつもり。でも、それは他のブランドもみんな同じ。で、他のブランドは限られた時間内に映像をコンパクトに収めているんだから、「マルニ(MARNI)」も頑張ろうよ!!というのが正直な感想です。

大杉:長かったですね……。ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、パリ、シドニー、上海、東京、デトロイト、LAなど世界中から、ホームビデオのようなカジュアルな撮影の手法は素敵だったんですが、途中で手ブレに酔い、内容が詰め込まれすぎてコレクションに集中できなかったです。

村上:フランチェスコは、いろんなアイデアが次々に溢れ出るタイプだって分かっているけれど、不思議系の断片的な映像を25分繋げただけで、その多くを感じ取ってほしいというのは、なかなか難しい。日本語のパートさえ、「で、今は何が起こっているの!?」という感じでした。単純に、僕が読み取れないだけかもしれないけれど、カメラのアングルが定まらない前半部分を筆頭に、これを25分見続けるのは大変でした。

大杉:東京からはモデルのモトーラ世理奈ちゃんが、ボーイフレンドでありミュージシャンの佐藤緋美(Charaと浅野忠信の息子)の仕事現場にドッキリカメラ風で侵入するようなシーンがありましたね(笑)。こういった、地域ごとで分かる人にしか分からないシーンが多いのかもしれません。

モデルたちの自然な笑顔が溢れる、ハッピーな「MSGM」

村上:「マルニ」に比べ、「MSGM」の潔さ!同じように、いろんな世界に住む女の子のプチインタビュー集だけど、すっごく可愛かったし、ハッピーな気持ちになれた。ホルターネックのニットトップスにバルーンスカート、腰回りだけ布を寄せたコットンドレス、洗いざらしのコットンタンクにフレアパンツなど、いつもより少しシンプルだけど、まだまだ元気いっぱいな「MSGM」の洋服を着たら、こんなに素直に、自分のことを語れるようになるのかな?という想像を掻きたて、自分とブランドに対してポジティブになれるような気がします。

大杉:インタビューも「名前は由来は?」「最初に覚えたダンスステップは?」など、それぞれのルーツを引き出すパーソナルな質問で、見ている人が共感できるポイントが多かったですね。モデルたちの自然に生まれる笑顔も素敵でした。洋服も「MSGM」らしいカラフルな色と柄のゆったりとしたシルエットのドレスや、甘すぎないフリルスカートなどリラックス感があり、個性がありながらもチャレンジしやすい服がそろっていました。

ウィットを加えて、ニューノーマルに対応する「エムエム6 メゾン マルジェラ」

村上:「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」がこの週末見た中で一番面白かった。脱構築、トロンプルイユ、ジェンダーレス、体と布の関係性など、なかなか説明しづらい「マルジェラ」のアイデンティティーを、すごくわかりやすく表現していたね。

大杉:はい、メゾンのトロンプルイユのテクニックをふんだんに使いながら、ニューノーマルの新たな需要を捉えていましたね。断ち切られたクロップドのシャツやジャケットなど、上半身を上品に見せるビデオ会議に対応したアイテムや、ウエストがゴムになったパンツやワンピースなどワンマイル感覚のものが印象的でした。

村上:例えば、横に切った2枚の写真を上下に貼り合わせた写真のムービーを1カット入れるだけで、その後続く脱構築ルックの特徴が一発でわかるようになっている。「メゾン マルジェラ」よりもクスリと笑えるユーモアも存在するブランドらしさも光っていました。個人的には、背中にスカーフを縫い付けたTシャツが秀逸!アレさえあれば、来年の春夏以降は、突発的なZoomミーティングもコワくないね。部屋が片付いていなくても、背中のスカーフを広げればバレない(笑)。

大杉:とても欲しいです!(笑)。おまけにドレスに早変わりする椅子のカバーまでありましたね。

ハリウッドで撮影した「モスキーノ」のパペットショー

大杉:「モスキーノ(MOSCHINO)」はドールハウスのランウエイを作り、ミニチュアサイズのコレクションを人形に着せてショーを披露しました。デザイナーのジェレミー・スコット(Jeremy Scott)はアメリカ・ロサンゼルス在住ということもあり、ハリウッドで撮影を行ったそうです。業界おなじみの米「ヴォーグ(VOGUE)」のアナ・ウィンター(Anna Wintour)編集長やヘイミッシュ・ボウルズ(Hamish Bowles)インターナショナル・エディター・アット・ラージ、英「ヴォーグ」のエドワード・エニンフル(Edward Enninful)編集長らもミニチュアサイズになってフロントローに座っていましたね。

村上:この週末のBEST 2です。ジェレミーが「パペットショーじゃないよ!ファッションショーだよ!」って言っていたけど、全編パペットショー。コレ、サンプルの生地代が抑えられて、サステナブルだね(笑)。確かに、デジタル上の洋服は、もはやモデルが着られる等身大じゃなくて良いのかも。大きなリボンと内臓コルセットが特徴のドレスは、いつもの「モスキーノ」よりずっとエレガント。ブロケードの素材をたっぷり(と言っても人形サイズだから、多分20cm四方あれば一着作れそうだけれど)使って、いつも以上にタイムレスな美しさを追求したのかな?ジェレミー・スコットは、実物よりスマートでした(笑)。

大杉: 1950年代のクチュールに着想を得たドレス群で、とてもクラシカルでしたね。従来はウエアにファンタジーの要素を詰め込んでいますが、今季は人形自体がファンタジーだったので、バランスが取れていたような気がします。過去にはバービーの洋服を原寸大にするコレクションがありましたが、その逆パターンというちょっとしたストーリー性も感じました。

シンプル・イズ・ベストの「ジョルジオ アルマーニ」

村上:ムービーで迷走しているブランドは、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」で学んでいただきたい!「変に頑張るなら、シンプルに見せろ!!」「シンプルに見せられるくらい、いいものを作れ!!」。そんなアルマーニ御大の声が聞こえて着そうです。アルマーニファンなら誰もが欲しいライトグレーのセットアップで始まったコレクションは、シンプルにランウエイを見せるだけ。でもそれが、柔らかく揺れる布の生地感、刹那的な描写では判別しがたい繊細な模様、そして、「買おうか、買うまいか?」と悩むアクセサリーをじっくりチェックするにはちょうど良い。シンプル・イズ・ベストを再認識させてくれました。今シーズンは、今まで以上に着心地の良さそうな洋服がいっぱいだね。

大杉:まさに無観客ショーのお手本ですね。クレーンカメラで上から撮影するなど、多角的なアングルで服を見ることができ、テンポのいい画面の切り替えも見やすかったです。ウエアは目に優しいニュートラルなカラーパレットと柔らかい素材感で、上品なリラックス感がありました。

村上:ちょっぴりオーバーサイズのジャケットやカシュクール風のトップスなど、新しい提案も。ウィメンズに比べると登場回数が少なかった、メンズのガウチョパンツルックは、ちょっと可愛らしかった。終盤のセージ色のドレスルックは、ただただ美しかったね。オーガンジーのブラウスに葉っぱモチーフをプリントして、布の重なりで色の陰影を楽しむスタイルは、もはや癒しでした。最後にアルマーニさんが出てこなかったのは、ちょっと残念!

深海の「ヴェルサーチェ(VERSACE)」神殿(!?)

村上:深海の「ヴェルサーチェ(VERSACE)」神殿(!?)のセットだけを写す冒頭が1分以上に及んだのはナゾですが、その後はめくるめく「ヴェルサーチェ」ワールドでしたね。トロピカルを思わせる極彩色のカラーパレット、ヒトデのモチーフ、ネオプレンの素材遣い、ミニ丈のワンピやブラトップ、ホットパンツ!!深海の宮殿じゃなくて、地上の楽園を舞台にした方が、気分的には盛り上がったけれど。いつもはボディコン路線だけれど、今シーズンは伸縮するプリーツやネオプレン使いが多く、いつもより着心地も良さそう。このブランドもプラスサイズモデルを起用するなんて、時代はすっかり変わったんだと実感しました。

大杉:モデルの人数も従来のショーと変わらず大勢いて、パワフルなウォーキングも力強かったです。去年はジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)が登場するなど、セレブモデルの印象が強いですが、さすがに今回はビッグネームのモデルはいませんでしたね。ウエットスーツ風のドレスはヘルシーでセクシー。マルチストライプのリゾート着や、原色の水着など、次の夏が待ち遠しくなるワクワク感のあるウエアがそろっていました。

サスペンス調の「サルヴァトーレ フェラガモ」

村上:「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」は世界中がストレスを感じている今、サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)の作品にインスピレーション源を得るなんて大丈夫?と思ったけど、杞憂でした。暗めのBGMの代わりに、洋服はスカイブルーやクリームイエロー、ラベンダーなど、明るめの色使い。ポール・アンドリュー(Paul Andrew)はここ最近、シンプルに徹することで、いつでも、どこでも、誰でも着られる洋服を生み出して着た印象だけど、今回もラペルのないジャケット、デザイン的要素はスリットだけのレザースカートなど、汎用性の高い洋服がいっぱいです。サスペンス調だと、足元のクローズアップも違和感がないね(笑)。キトゥンヒールのサンダル、ポインテッドトウのバレエシューズ“ヴァラ(VARA)”の変形版とも言えるメリージェーン、柔らかなレザーを使ったブーティが、とにかく歩きまくるモデルたちの足元を彩っていました。

大杉:映像は、映画「Call Me By Your Name(君の名前で僕を呼んで)」などでファンの多い、ルカ・グァダニーノ(Luca Guadagnino)監督によるもので、ロケーションや構図にも強いこだわりを感じました。遠くから人を眺めたり、怪しい行動を追いかけたりと、ミステリアスで魅力的な人に惹かれる心理をうまく表現していましたね。このサスペンス調にしたのは、不透明な時代に生きる人々をヒロインにして、エールを送るというメッセージが込められているそう。明るい色使いからもエネルギーをもらえますね。

村上:それにしても、このドラマ仕立てムービーは、モデルの演技力が問われますね。みんなメイクが若干濃いめでしたが、なかなかの演技力でした。バッグ開けたら、アイコンモチーフ“ガンチーニ”をあしらった財布やカードケースがどっさり!!「え!?10分間のサスペンスは、殺人事件じゃなくて、万引きの話!?」ってズッコケました(笑)。

和のテイストを強めるも、「アツシ ナカシマ」らしさって何だっけ?

村上:メガブランドのショーの直前だったり、新型コロナウイルスに伴うロックダウンだったりで、ミラノ・コレクションを取材しつつも、なかなか見る機会に恵まれなかったのが「アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)」。「あれ~、こんなにニッポンだったっけ!?」というのが率直な印象です。イロイロ思うところがあったのかな?とはいえ、「これまでのシーズンとの連動性は?」とか「ここまでニッポンにしちゃうと、海外でどうなんだろう?」など思うこともありますが、長年見続けてきた大杉さんは、どう思う?

大杉:今回は日本で見せるということもあったのか、和のテイストを強く出してきましたね。ブランドのコンセプトは「モダンとクラシックの融合」だったと思うんですが、ここ数シーズンは毎回テイストがガラッと変わるので「アツシ ナカシマ」らしさって何だっけ?と分からなくなっている部分もあります。今回は東京都港区の大本山増上寺で無観客ショーを行い、モデルにはAMIAYAやノアとタイキらを起用。中には、ファッションプロデューサーのMBとのコラボウエアが含まれていて、さらに、初のビューティアイテムとしてアイライナーまで作ったそう。話題はたくさんあるのですが、「アツシ ナカシマ」の世界観とブランドイメージを今一度固めて欲しいと思います。

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楽天と東コレがデザイナー支援でいよいよ本格タッグ キーマン2人が目指すもの

 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)と楽天は、10月12日から開催する「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」で両者による取り組みを本格始動する。楽天が立ち上げた日本発ブランドの支援プロジェクト「バイアール(by R)」では、「ダブレット(DOUBLET)」と「ファセッタズム(FACETASM)」の「RFWT」でのファッションショー開催を支援する。

 両者は昨年8月に東京ファッション・ウイークの冠スポンサー契約を締結し、わずか2カ月後に「RFWT」が開催された。初回は準備期間がほとんどなかったため、2020年3月開催の第2回に向けて両者は取り組みの準備を水面下で進めていた。しかし新型コロナウイルスの世界的な感拡大を受けて中止を余儀なくされ、いよいよ今回が本格的な協業のスタートとなる。楽天のファッション事業を率いる松村亮執行役員とJFWOの今城薫ディレクターに、10月の「RFWT」にかける思いや今後目指す方向性について聞いた。

「日本のデザイナーの発信と支援を」

WWD:コロナ下で開催される10月の「RFWT」はどのような内容になる?

今城薫JFWOディレクター(以下、今城):昨年のようにリアルのショーを開けない状況のため、現状23ブランドがオンラインで、13ブランドがリアルでの発表を行う予定だ。オンラインでのコレクション配信やSNSの発信など、日本人ならではの丁寧なサポート力を生かしてデジタルを強化していきたい。

WWD:「バイアール」を立ち上げた狙いは?

松村亮・楽天執行役員(以下、松村):日本のデザイナーを応援するのが主たる目的で、物販につなげたいわけではない。具体的な支援内容は公表できないが、東京ファッション・ウイークのタイトルスポンサーとしてはもちろん、世界に出ていくブランドを「バイアール」を通して発信・支援していきたい。「ダブレット」と「ファセッタズム」は6月のパリでコレクションを発表するはずだったが、こういった状況でかなわなかった。今後もグローバルで活躍していくブランドなのにもったいないという観点から、今回はこの2ブランドに自然と決まった。

今城:2ブランドが東京で発表するのはひさしぶりだし、支援する背景も明確だ。ほかのスポンサーと組んで実施する取り組みもあるが、「バイアール」を10月の目玉企画としてアピールしていきたい。ファッション・ウイークの主役は参加ブランドであるべきだ。「バイアール」や8月に「楽天ファッション」内に開いた東コレ参加ブランドの商品を中心に扱う「E-POP UP STORE」など、ブランドを発信するコンテンツを徐々に充実させて強いファッション・ウイークにしていきたい。

「新しいステップに進むべき時期」

WWD:「E-POP UP STORE」の成果は?「バイアール」とともに今後も継続する予定?

松村:想定していた以上にページは見られているが、今後はさらにキュレートしていきたい。コアなファンだけでなく、まずは多くの人にブランドのことを知ってもらうことが次のチャレンジだ。そのためには作り手の思いや背景を伝えることが必要なので、メディア的な役割も担わないといけない。今のようにポップアップを継続するのか常設にするのかは要検討だが、続けるべきことだとは思っている。マスの消費者と「E-POP UP STORE」に出店しているブランドをつなぐことはわれわれのミッションだから。

WWD:JFWOと楽天で東コレをどのようなファッション・ウイークにしていきたい?

今城:ファッションは今や服だけではない。音楽やアート、車などカルチャーの全てがファッションだ。東京はカルチャーに強い街としてこれまでもファッション・ウイークでさまざまなイベントを仕掛けてきたが、スポットでしかなかった。これからはお互いに協力してさらに強化し、継続して色を強めていきたい。世界中でリアルでのファッション・ウイークが再開されているタイミングだからこそ、新しいステップに進むべき時期だと考えている。リアルでのイベント開催はまだ難しいかもしれないが、オンラインで何らかのかたちで表現したい。

松村:われわれもスポンサーとして成長できるサポートをしていきたい。今城さんの言う東京のカルチャーを強く発信していくためには、既存のBtoBの仕組みはベースとしつつも、エンドユーザーを巻き込むことが大事だ。われわれはユーザーとの広いつながりが強みなので、ECなどを通じたさまざまなアプローチでカルチャーを発信できると考えている。「楽天ファッション」は日本を拠点にファッションビジネスを行っているので、日本のファッション産業を成長させていかないといけない。デザイナーズファッションの領域において日本が有力なポジションを維持できるかどうかを考えて、ファッション・ウイークが掲げる理想を実現できるように支援したい。

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ポーラがサステナビリティ推進の一環で「女性のエンパワーメント原則」に署名

 ポーラはこのほど、「女性のエンパワーメント原則(Women’s Empowerment Principles、以下、WEPs)」に署名したことを発表した。「WEPs」はグローバル・コンパクトとUNウィメン(UN WOMEN)が2010年3月に共同で作成した、女性の活躍推進に積極的に取り組むための行動原則のこと。「トップのリーダーシップによるジェンダー平等の促進」「機会の均等、インクルージョン、差別の撤廃」「健康、安全、暴力の撤廃」「教育と研修」「事業開発、サプライチェーン、マーケティング活動」「地域におけるリーダーシップと参画」「透明性、成果の測定、報告」の7原則で構成される。

 ポーラは6月に、29年に迎える創業100周年に向けて“誰もが美しく生きることができる社会”を目指す「サステナビリティ方針」を発表。SDGs(持続可能な開発目標)の目標数値を社会・経済・環境に分類してゴールを定めた。その一つとして「ジェンダー、年齢、地域格差、さまざまな壁の解消」を掲げている。今回の「WEPs」への賛同と署名を機に、女性のエンパワーメントおよびダイバーシティー推進をさらに強化し、全ての人が活躍できる持続的な社会への貢献を目指す。

 現在、同社の女性役員の割合は約40%で、女性管理職の割合は約30%を占める。育児休暇制度やテレワークをはじめとした人事制度の推進に加え、意欲と能力のある女性従業員の活躍の場の拡大や管理職への登用、公平性のある人事評点など、性別やライフステージに関係なく一人一人の能力を十分に発揮できる環境づくりを推進する。

 「WEPs」は、日本企業では251社が署名(20年4月10日時点)。化粧品業界では資生堂と花王が10年に署名し女性の活躍推進に取り組んでいる。

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6~8月のアパレル求人数は25%減と「クリーデンス」が発表 パタンナー、販売職への打撃大きく

 パーソルキャリアが運営するアパレル・ファッション業界専門の転職支援サービス「クリーデンス(CREDENCE)」が、コロナ禍が求人動向に与えた影響を発表した。2020年6~8月に同社が扱った求人数は前年同期比25.0%減。「採用市場は7月を境に徐々に回復基調にある。21年4月以降は企業によって回復レベルは高くなる」と見込むが、「リーマンショック時はそれ以前の状態に戻るのに3年以上かかった。今回もそれと同等、もしくはそれ以上の時間がかかる」と読む。

 6~8月の求人数は、正社員は同17.1%減に踏みとどまったものの、契約社員は同44.8%減と大幅な下落。職種別求人数では、パタンナーが同58.7%減、店長・販売職が同38.2%減と大きく打撃を受けている。パタンナーは、「コロナ禍による業績悪化で海外工場にパターンを外注する企業が増加した」。店長・販売職はコロナ禍以前は人材採用難で正社員化などが進められ、売り手市場が続いていたが、「売り手市場から買い手市場への変化が顕著になっている」。一方で、EC強化が各社の急務となったことで、EC・通販関連の求人数は同3.1%増と増えている。

 今後、採用ニーズが高まると見込むのは、引き続き「ECサイト構築やデジタルマーケティングを行う人材」「業務効率化、コスト削減推進のためのデータ活用、オートメーション化の知見がある人材」。また、コロナ禍からの早急な立て直しのために、「商品企画、販売計画などを担うMDやデザイナーを求める企業も増える」と見込む。

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編集長は今月何した? マックイーンの新店で癒され、LVでアドレナリン、開店前の伊勢丹で秋物チェック

 こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向です。9月に入り、少しずつイベントが動き出しました。慎重に、でも盛り上げることを諦めず、ですね。そして週刊紙「WWDジャパン」は今月から“ファッション&ビューティ”のメディアにリニューアルしました!ここには書いていませんが連日、社内ではファッション×ビューティでいかに盛り上げるかの特集ミーティングが続いています。面白くなってきました。

9月1日(火)
マックィーン新旗艦店で
サラの包容力に触れる

 「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」と言えばいまだに黒くて強くてスカルでサディスティックだと思ってしまう方もいるでしょう。そんなファッションラバーのあなたはどうぞ一度、新コンセプトでオープンした表参道店に行ってみてください。サラ・バートン(Sarah Burton)の懐に包まれるような温かさを体感すると、リー・マックイーンの呪縛からゆるゆると解かれ、「時代は進んだのだ、そしてマックイーンというブランドはやはり力強い」と思えるハズ。力強さの理由のひとつは自然に敬意を払ったインテリアでしょう。本当に素晴らしい!店を訪れたらぜひ試着室に入ってその空間を体感してください。母の胎内にいるような(覚えてないけど)、不思議な気分になりますよ。

9月2日(水)
水曜日、開店前の伊勢丹新宿は
やる気に満ちていた

 8月末~9月頭の水曜日の朝、開店前の伊勢丹新宿本店の従業員通用口に立っていると、知り合いが次々と登場します。水曜日は伊勢丹のプロモーションの切り替えのタイミングで、業界関係者が設営や応援販売にくるからです。バイヤーも勢ぞろい。秋の立ち上がりのこの時期は皆さん気合が入っていて、こちらもアドレナリンが出ます。

 この日は本館1階にオープンした自主編集売り場「イセタン シード」などを見に来ました。全館から100ブランド約1300点を選んで並べてあり、広い百貨店をくまなく歩かずとも一押し商品をまとめて見ることができるというコンセプト。フロアごと、セクションごとに分断されがちな百貨店のMDをエイヤッと再編集しており“何かありそう”と思わせます。思い切りましたね~。待ち合わせ場所にも最適です。開店前の1時間に少しで多くの新しい売り場を見ようと走り回っていると、伊勢丹で応援販売をしていた時代を思い出します。新商品の立ち上がりってなんだかんだ店頭はテンションが上がるのですよね。

9月2日(水)
「ルイ・ヴィトン」のショーに
テンションうなぎのぼり

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が、東京でドカンとやってくれました。2001年春夏メンズ・コレクションの会場に着くと久しぶりにテンションがうなぎのぼり。この時期にこの規模のイベントを開くことは決断だし、調整が山ほど必要だったはず。“ファッションを通じてワクワクを生み出して届けるのだ~”というヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の情熱がビシバシ伝わってきます。最後に東京湾海上に花火が打ちあがったときはジワリと来ました。そして、デジタルコレクションがリアルのショーとは別の編集であり、なおかつリアルと同じくらいのインパクトがあるのがすごい。下の画像はリアルとデジタルのスクショを織り交ぜてみました。

9月15日(火)
今年も楽しんだ
「日本メガネ大賞」の審査会

 3年目となる「日本メガネ大賞」の審査会へ。在宅勤務が増えたことでコンタクト使用者がメガネ派へ転向するケースが増えていますよね。オンライン会議でほぼスッピン+メガネの女性の姿をよく見ます。メガネはもはやメイクの一部なのです。表情を決定づけるフレームの色やカタチ、質感は重要。そんなことを考えながらじっくり選ばせていただきました。

9月16日(水)
「アルペン」の会見は
“数字で語るデザイン”

 スポーツ専門店「アルペン」の自社ブランド「ティゴラ(TIGORA)」の事業説明会へ。おもしろかったのが、デザインの説明に数値がバンバン出てきたことです。ストレッチが効いたパンツの説明は「横に14%、縦に8.5%の伸縮率があります」となり、とても軽いコートのアピールは「540グラムです」。そしてとても保温性が高いアウターについては、「着ると体感温度は約5.9℃上がります」と超具体的でした。さすがスポーツが出自の会社ですね。見た目はシンプルなデザインが多いからこうやって数値で聞くと納得。接客もしがいがありそうです。

9月16日(水)
今秋一番の話題
「心斎橋パルコ」のオンライン会見

 この秋、商業施設の一番の話題は11月後半に開業する「心斎橋パルコ」でしょう。この日はオンラインで記者会見が開かれ出店テナントなどが発表されました。「サカイ(SACAI)」など人気ブランドがそろうデザイナーゾーンに加えて、1フロア丸ごとの「無印良品」や、8階のスポーツに新しい提案がありそう、と予想しています。

9月17日(木)
最新号と
在宅勤務のお供

 今月から「WWDジャパン」はファッション&ビューティの週間紙としてリニューアルしました。生活では服とメイクは切っても切れない関係ですが、“ファッション業界”と“ビューティ業界”となるとほぼ没交渉なのが現実。百貨店の売り場もきっちり分かれていますよね。掛け算をすればより豊かな提案ができるはずなのにもったいない!という訳で「WWDジャパン」は両方のビジネス情報を同時に得ることができる構成に変えました。特に今月は毎週、ファッション×ビューティをテーマにした特集を連打。私自身、これまでほぼ取材してこなかったビューティの話題がバンバン耳に入ってくるようになり刺激的です。

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編集長は今月何した? マックイーンの新店で癒され、LVでアドレナリン、開店前の伊勢丹で秋物チェック

 こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向です。9月に入り、少しずつイベントが動き出しました。慎重に、でも盛り上げることを諦めず、ですね。そして週刊紙「WWDジャパン」は今月から“ファッション&ビューティ”のメディアにリニューアルしました!ここには書いていませんが連日、社内ではファッション×ビューティでいかに盛り上げるかの特集ミーティングが続いています。面白くなってきました。

9月1日(火)
マックィーン新旗艦店で
サラの包容力に触れる

 「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」と言えばいまだに黒くて強くてスカルでサディスティックだと思ってしまう方もいるでしょう。そんなファッションラバーのあなたはどうぞ一度、新コンセプトでオープンした表参道店に行ってみてください。サラ・バートン(Sarah Burton)の懐に包まれるような温かさを体感すると、リー・マックイーンの呪縛からゆるゆると解かれ、「時代は進んだのだ、そしてマックイーンというブランドはやはり力強い」と思えるハズ。力強さの理由のひとつは自然に敬意を払ったインテリアでしょう。本当に素晴らしい!店を訪れたらぜひ試着室に入ってその空間を体感してください。母の胎内にいるような(覚えてないけど)、不思議な気分になりますよ。

9月2日(水)
水曜日、開店前の伊勢丹新宿は
やる気に満ちていた

 8月末~9月頭の水曜日の朝、開店前の伊勢丹新宿本店の従業員通用口に立っていると、知り合いが次々と登場します。水曜日は伊勢丹のプロモーションの切り替えのタイミングで、業界関係者が設営や応援販売にくるからです。バイヤーも勢ぞろい。秋の立ち上がりのこの時期は皆さん気合が入っていて、こちらもアドレナリンが出ます。

 この日は本館1階にオープンした自主編集売り場「イセタン シード」などを見に来ました。全館から100ブランド約1300点を選んで並べてあり、広い百貨店をくまなく歩かずとも一押し商品をまとめて見ることができるというコンセプト。フロアごと、セクションごとに分断されがちな百貨店のMDをエイヤッと再編集しており“何かありそう”と思わせます。思い切りましたね~。待ち合わせ場所にも最適です。開店前の1時間に少しで多くの新しい売り場を見ようと走り回っていると、伊勢丹で応援販売をしていた時代を思い出します。新商品の立ち上がりってなんだかんだ店頭はテンションが上がるのですよね。

9月2日(水)
「ルイ・ヴィトン」のショーに
テンションうなぎのぼり

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が、東京でドカンとやってくれました。2001年春夏メンズ・コレクションの会場に着くと久しぶりにテンションがうなぎのぼり。この時期にこの規模のイベントを開くことは決断だし、調整が山ほど必要だったはず。“ファッションを通じてワクワクを生み出して届けるのだ~”というヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の情熱がビシバシ伝わってきます。最後に東京湾海上に花火が打ちあがったときはジワリと来ました。そして、デジタルコレクションがリアルのショーとは別の編集であり、なおかつリアルと同じくらいのインパクトがあるのがすごい。下の画像はリアルとデジタルのスクショを織り交ぜてみました。

9月15日(火)
今年も楽しんだ
「日本メガネ大賞」の審査会

 3年目となる「日本メガネ大賞」の審査会へ。在宅勤務が増えたことでコンタクト使用者がメガネ派へ転向するケースが増えていますよね。オンライン会議でほぼスッピン+メガネの女性の姿をよく見ます。メガネはもはやメイクの一部なのです。表情を決定づけるフレームの色やカタチ、質感は重要。そんなことを考えながらじっくり選ばせていただきました。

9月16日(水)
「アルペン」の会見は
“数字で語るデザイン”

 スポーツ専門店「アルペン」の自社ブランド「ティゴラ(TIGORA)」の事業説明会へ。おもしろかったのが、デザインの説明に数値がバンバン出てきたことです。ストレッチが効いたパンツの説明は「横に14%、縦に8.5%の伸縮率があります」となり、とても軽いコートのアピールは「540グラムです」。そしてとても保温性が高いアウターについては、「着ると体感温度は約5.9℃上がります」と超具体的でした。さすがスポーツが出自の会社ですね。見た目はシンプルなデザインが多いからこうやって数値で聞くと納得。接客もしがいがありそうです。

9月16日(水)
今秋一番の話題
「心斎橋パルコ」のオンライン会見

 この秋、商業施設の一番の話題は11月後半に開業する「心斎橋パルコ」でしょう。この日はオンラインで記者会見が開かれ出店テナントなどが発表されました。「サカイ(SACAI)」など人気ブランドがそろうデザイナーゾーンに加えて、1フロア丸ごとの「無印良品」や、8階のスポーツに新しい提案がありそう、と予想しています。

9月17日(木)
最新号と
在宅勤務のお供

 今月から「WWDジャパン」はファッション&ビューティの週間紙としてリニューアルしました。生活では服とメイクは切っても切れない関係ですが、“ファッション業界”と“ビューティ業界”となるとほぼ没交渉なのが現実。百貨店の売り場もきっちり分かれていますよね。掛け算をすればより豊かな提案ができるはずなのにもったいない!という訳で「WWDジャパン」は両方のビジネス情報を同時に得ることができる構成に変えました。特に今月は毎週、ファッション×ビューティをテーマにした特集を連打。私自身、これまでほぼ取材してこなかったビューティの話題がバンバン耳に入ってくるようになり刺激的です。

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新生「ジバンシィ」の初のビジュアルが公開 マシュー・ウィリアムズによるハードウエアにフォーカス

 「ジバンシィ(GIVENCHY)」は、新クリエイティブ・ディレクターのマシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)による初の広告ビジュアルを発表した。今後、ウィメンズとメンズの両コレクションでシンボルとして打ち出していくハードウエアにフォーカスしたもの。ウィリアムズの長年の友人であり、写真家の巨匠のニック・ナイト(Nick Knight)が撮影した。

 ウィリアムズは6月にクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、パリでの新生活からインスピレーションを得て、愛着を感じた場所や象徴的なエンブレムをデザインに取り入れているという。特にセーヌ川の橋に飾られる南京錠”ラブ ロックス(Love Locks)”の写真がこのハードウエアのシグニチャーを生み出すきっかけになったという。これらのハードウエアはユニセックスのアクセサリーとして提案される。

 ゴールドフィニッシュの“ジバンシィ ロック”はUロックを採用し、シンプルで幅の細いボディーが特徴的。エキゾチックレザーのエンボス加工を入れた南京錠は、底部にアシンメトリーな穴があり、小ロックをつけて使用することができる。

 動画では、ラッパーでソングライターのプレイボーイ・カルティ(Playboi Carti)が声の出演をして、カルティによる”Givenchy”の正しい発音と間違った発音を、高解像度プリンターの映像に合わせて流している。

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新生「ジバンシィ」の初のビジュアルが公開 マシュー・ウィリアムズによるハードウエアにフォーカス

 「ジバンシィ(GIVENCHY)」は、新クリエイティブ・ディレクターのマシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)による初の広告ビジュアルを発表した。今後、ウィメンズとメンズの両コレクションでシンボルとして打ち出していくハードウエアにフォーカスしたもの。ウィリアムズの長年の友人であり、写真家の巨匠のニック・ナイト(Nick Knight)が撮影した。

 ウィリアムズは6月にクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、パリでの新生活からインスピレーションを得て、愛着を感じた場所や象徴的なエンブレムをデザインに取り入れているという。特にセーヌ川の橋に飾られる南京錠”ラブ ロックス(Love Locks)”の写真がこのハードウエアのシグニチャーを生み出すきっかけになったという。これらのハードウエアはユニセックスのアクセサリーとして提案される。

 ゴールドフィニッシュの“ジバンシィ ロック”はUロックを採用し、シンプルで幅の細いボディーが特徴的。エキゾチックレザーのエンボス加工を入れた南京錠は、底部にアシンメトリーな穴があり、小ロックをつけて使用することができる。

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「ジェイ ダブリュー アンダーソン」2021年春夏コレクション

 「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」が2021年春夏コレクションを発表した。

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「マメ」21年春夏は“窓”から広がる妄想の旅 21年春夏パリコレのトップバッターとして映像を配信

 黒河内真衣子がデザインする「マメ(MAME KUROGOUCHI)」が、2021年春夏コレクションをムービーとルック画像で発表した。デジタルとリアルを併用する形で9月28日にスタートした21年春夏パリ・ファッション・ウイーク公式スケジュールのトップバッターという位置付けで、現地時間の同日午後5時にムービー、写真を配信。配信に先立ち、アポイントメント制でメディアをアトリエに招いて黒河内がじっくりと製作背景を説明した。ステイホーム期間中、黒河内が考えていたことをたどるような、私的で詩的なコレクションだ。

 シーズンテーマは“窓”。「コロナ禍以前は、1週間の半分は日本各地の素材産地を訪ねる日々を送っていた。地方で撮りためた写真を見返してみると、なぜか窓が多い。四角い枠をどう使っているか、その窓をカーテンでどう隠しているかといったことが自分にとって面白いんだと思う」と黒河内。「新しい家に引っ越して一番最初に決めるのはカーテンだし、引っ越すときに置いていかれることが多いのもカーテン。窓にカーテンが吊るされたままの空き家に地方で出合うと、時間が生み出すテクスチャーによってなんとも言えない記憶の色をしている。こんな人が住んでいたのかな、隣の明かりが灯っている家にはどんな人が住んでいるんだろうと、妄想が広がっていく」と続く。

 もともと、多くの人が見落としているような日常生活の欠片を着想源に、たおやかな女性らしさを表現していくのが「マメ」の持ち味。今季もそれが十分発揮されている。一ついつもと違ったのは、コロナ禍で以前のようにさまざまな場所には行けなくなったことだ。「窓についてリサーチを始めたころ、コロナで外出ができなくなり、今度は家の中から窓を見つめることになった」。不安をかき立てるニュースも多い期間だったが、黒河内にとっては「モノ作りに向き合うことができ、すごく穏やかに過ごすことができた」時間だ。「家のカーテンを体に巻き付けてドレープを作って、そのボリューム感をスタッフに共有したりしていた。祖母の家でお洋服屋さんごっこをしていた少女の頃に戻ったかのような、とても愛おしい時間だった」。

風をはらむシルエット、光を通す透け感がポイント

 自宅にこもる中でも、スーパーなどに買い出しに行く際には、近所の家の窓を観察して後でスケッチにまとめるなどしていた。「近所にある町工場のカーテンの柄からイメージを広げて、図案をおこしたのがこれ」と、押し花などが挟まれたスケッチブックと共に見せてくれたのは、織り柄の凹凸感で花のモチーフを表現したエレガントなドレス。以前、繊細なメッシュのドレスについて「ゴミ置き場のカラスよけのネットから着想した」と明かされて驚いたこともあったが、黒河内の視線を通せば、見慣れた日常の風景もキラキラと輝いてくる。

 窓辺で揺れるレースのカーテンのように、透け感のある素材や、風をはらむシルエット、日に焼けたような生成りを含む白のグラデーションが今季の特徴だ。シルクにナイロンを混ぜることで、水面の反射のような光沢感を出したサックドレスや、窓辺に飾ったアイリスやユリの花を刺しゅうで表現したドレープたっぷりのドレスやブラウス。モデルに生地を当てて素材を選ぶことができなかったため、自宅の窓に生地を当てて質感を確認したというエピソードも面白い。作りこんだ素材は「マメ」の強みだが、産地を直接訪ねることができない今は、テレビ会議などで職人とコミュニケーションを取った。「産地に行けないことはとてももどかしかったが、『こんなこと初めてやるよ』と言いながら、職人さんたちがテレビ会議に対応してくれたのは嬉しかった。会議のセットアップには時間がかかって大変だったけれど、いつもとは違う形でコミュニケーションが深まった」。

MOVIE : YOSHIYUKI OKUYAMA

 写真家の奥山由之が撮影したムービーは、古いサスペンス映画のような、きれいなのに心がザワザワするような映像が特徴。「コレクション製作過程の、少女に戻ったような感覚の話や、田舎の夕暮れのセンチメンタルな感じといったことを伝えたら、8ミリビデオで撮ろうと提案された」のだという。ルック画像の撮影は野田祐一郎が担当。どちらも黒河内の出身地である長野で撮影している。「祖母の家に昔からかかっていた、私も、私の母親も祖母も気に入っているレースのカーテンを送ってもらって撮影の背景に生かしてもいる。そんなふうに、人の記憶がしみ込んでいるカーテンのように愛される服をどれだけ作ることができるかを大事にしたい」。

 「マメ」は10年にスタートし、今年で10周年。18-19年秋冬からはパリでプレゼンテーションやランウエイショーを行っている。20年春夏からパリ・コレクションの公式スケジュールに参加して、初日のオープニングショーを行っている。

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【フードリンクニュースhome】「居酒屋から誕生した2つのレモンサワー」。その行方は?

 「フードリンクニュースhome(ホーム)」は、飲食店での感動を家庭に広めるためのマーケティングニュースとして、定期的に配信していく。昨今、飲食店で誕生、定着した商品が量販店を通じて家庭でも楽しむことができる例が増えている。初回は、居酒屋を中心にブームが一気に加速したレモンサワー。居酒屋から誕生した2つのレモンサワーの量販店での動向に注目した。
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高木琢也「オーシャントーキョー」代表がNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に3度目の出演 コロナ禍でスタッフに語ったこととは?

 カリスマ美容師・高木琢也「オーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)」代表は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に異例となる3度目の出演をする。放送は9月29日の22時30分~23時15分。

 テーマは“泣けど、ボヤけど、闘う者たち”。高木代表は、新喜劇座長の小籔千豊、銀座クラブのママの白坂亜紀とともに出演。新型コロナウイルスの影響でサロン予約のキャンセルが続出するなど、未曽有の危機にどう立ち向かったのか、5カ月間にわたる知られざる記録を放送する。コロナ禍の中、高木代表がスタッフを集めて語った内容は必見だ。

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高木琢也「オーシャントーキョー」代表がNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に3度目の出演 コロナ禍でスタッフに語ったこととは?

 カリスマ美容師・高木琢也「オーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)」代表は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に異例となる3度目の出演をする。放送は9月29日の22時30分~23時15分。

 テーマは“泣けど、ボヤけど、闘う者たち”。高木代表は、新喜劇座長の小籔千豊、銀座クラブのママの白坂亜紀とともに出演。新型コロナウイルスの影響でサロン予約のキャンセルが続出するなど、未曽有の危機にどう立ち向かったのか、5カ月間にわたる知られざる記録を放送する。コロナ禍の中、高木代表がスタッフを集めて語った内容は必見だ。

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「一人ハンバーグ」が来ている! 福岡発の渋谷「極味や」は長蛇の列

 「いきなり!ステーキ」のヒット以来、「一人ステーキ」、「焼肉ライク」のブレイクで「一人焼肉」が定着してきたが、それに続きそうなのが、「一人ハンバーグ」である。きっかけは、2019年11月、「渋谷パルコ」のリニューアルにあたり、地下1階のレストラン街「カオスキッチン」にオープンした「極味や」だ。オープンするや否や、連日長蛇の列ができる人気店となり、「カオスキッチン」随一の繁盛店となった。4〜5月の緊急事態宣言を受けて再開した後も、変わらぬ人気を誇っている。果たして「一人ハンバーグ」は定着するだろうか。
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老舗居酒屋チェーンは、なぜダメになったのか? “老衰”へと向かうしかない「ボンボン体質」

 居酒屋ブームを巻き起こした老舗の大手居酒屋チェーンが苦しんでいる。コロナの影響が大きいが、実は低迷は10年以上前から始まっている。原因は時代の変化についていけなくなったということに尽きるが、新興チェーンほどのスピード感がなかった理由が裏にある。
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ファッション業界人も知るべきビューティ展望 アパレル企業のコスメ市場への参入その背景にある“消費額の変化”

 ファッションとビューティ、オフラインとオンラインを結びつける「WWDジャパン」がスタートするビューティ・インサイトは、「WWD JAPAN.com」のビューティニュースを起点に識者が業界の展望を語る。識者は、美容媒体の編集長やコンサルタント、エコノミスト、そしてサロンスタイリスト。ビューティ業界の半歩先は、ファッション業界の“道しるべ”にもなるだろう。今週はエコノミストによる「新規参入」と「流通」の話。(この記事はWWDジャパン2020年9月21日号からの抜粋です)

今週の識者 崔真淑/エコノミスト

識者が選んだ注目ニュース

「ジーユー」がコスメ市場に本格参入 日本製にこだわり環境にも配慮

 「ジーユー(GU)」は9月4日に新コスメブランド「フォーミーバイジーユー(#4me by GU)」をスタートさせ、コスメ市場に本格参入した。製品はリップ、リップグロス、クリームアイシャドウ、マルチパレットの4種をラインアップする。価格は590~1490円。“コスメはもっと自由になれる”をコンセプトに、服だけではなくメイクでもトレンド感を簡単に取り入れられるアイテムをそろえる。肌になじむ発色とテクスチャーが特徴で、ベーシックなカラーとトレンドカラーの両方を取り入れたラインアップでさまざまなメイクを楽しめる提案だ。「ジーユー」は2015年にリップグロスなどを発表していたが、今回は成分を含め全てを日本製にこだわり制作した。

オルビスが通販向け出荷ラインに無人搬送ロボットを導入

 ポーラ・オルビスグループのオルビスは、通販向け出荷作業の主要拠点であるオルビス東日本流通センターの通販用出荷ラインの刷新に伴い、集荷から方面別仕分けまでを独自に自動化した「ティーキャリーシステム」を新設し8月25日から本格稼働させた。また、これを機に同グループであるディセンシアの通販商品の出荷作業も統合し、9月14日から「ティーキャリーシステム」での出荷を開始。グループの中でもECを主軸に展開するオルビスとディセンシアの出荷作業を統合することで、物流のオートメーション化、スマート化のシナジー効果を発揮していく。「ティーキャリーシステム」とは、新たに採用した小型自動搬送ロボットを最大限活用した出荷システムだ。

 「ジーユー」が新コスメブランド「フォーミーバイジーユー(#4me by GU)」をスタートさせたが、最近はニトリやヤクルトなどの異業種がコスメ市場へ参入するケースが相次いでいる。特にサザビーリーグやユナイテッドアローズなどファッション関連からの参入が目立っているが、それにはいくつかの理由があるようだ。

 もちろん、一般的に化粧品は原価率が低いため、そこにビジネスの可能性を見いだしているという点はあるが、“女性の化粧品への支出額が景気や年齢に左右されにくい”という側面が大きい。下表の「婦人服と化粧品の消費額」を見れば分かるように、1990年には婦人用洋服に対して一世帯の女性は年間平均6万3574円支出していたが、約30年後の2019年には3万424円と半減している。一方、化粧品に対する支出額は1990年には2万9131円で、2019年には3万1257円とほとんど変わっていない。

30年経っても変わらないコスメへの支出額

 アパレルにおいてはユニクロのように大量供給できる企業が登場して単価が下がった。それに加え、日本の人口の高齢化もアパレルに対する支出額低下の要因の1つになっている。アパレルは数年間使える耐久財であり、10~20代は「トレンドを追いかけたい」「最新のファッションを身につけたい」という欲求もあるが、30代以降は以前に購入した服を着回したり、自分のライフスタイルに合ったファッションが定着して購入頻度が減るケースが多い。それに対して化粧品に関しては、年齢による購買意欲の低下がない。例えば20代は美白、30代はシミ・シワの予防、40代はエイジングケア、50代は健康など、年齢問わず一定の悩みがあり、加えて消耗品であるため安定した定期購入が期待できる点が大きな魅力となって新規参入を促している。

 しかし、参入するケースが増えているという状況とは裏腹に、コスメ事業に参入して成功したというニュースはあまり耳にしない。その点今回の「ジーユー」の参入はメイクアイテムをメインに据えているところがポイントで、アパレルという既存商品とのコ-ディネートを提案するというコンセプトがどう受け入れられるのか注目だ。

EC強化の次なるステップは?

 「オルビスが通販向け出荷ラインに無人搬送ロボットを導入」のニュースは、化粧品業界の流通へのIT投資が動き出したニュースとして注目している。

 化粧品業界は、他業界と比較して流通におけるIT投資が遅れている。流通に関しては、進化させるとなるとアウトソーシングで専門企業に委託するか、ポーラ・オルビスグループのように自社のシステムをIT化により強化していくかの2通りの道がある。大手企業はアウトソーシングしているところが多いが、シーボンのように比較的大きな企業でも、流通まで自前で手掛けているケースもある。それには顧客との情報共有、トラブルがあった際の柔軟な対応など、繊細な化粧品を扱う業種ならではのメリットもあり、一概にアウトソーシングした方が良いとは言えないが、いずれにしても進化の必要性に迫られているようだ。

 あくまで参考までのデータだが、レノボ・ジャパンによる「コロナ禍における働き方の変化と、在宅勤務へのテクノロジーの貢献に関する意識調査」によると、日本では「在宅勤務時の生産性がオフィスでの執務時に比べて低い」との回答が40%と、調査対象の10カ国平均の13%を大きく上回る。生産性の低さが日本での在宅勤務定着・拡大に向け克服すべき課題として明らかになった。日本で在宅勤務の生産性が低い理由として、自らの勤務先企業がテクノロジーに十分な投資を行っていないことを67%が挙げている。

 化粧品メーカーにおいても当てはまる部分はあり、ECやバーチャルメイクへのIT投資は進んできているものの、流通を含めそれ以外の分野へのIT投資は遅れている。

 化粧品業界では新型コロナの影響による自粛期間を経て、ECに対するIT投資の重要性を認識し、さらなる強化を図る動きも多く見られる。しかし、ECやライブコマースのチャネルに注力して販売力を向上させても、次のステップとして流通の壁に突き当たり、そこのIT化を強化していかなければデジタル戦略は続かない。オルビスのニュースはそれを見越した取り組みと見られ、今後他社の動向にも注目していきたい。

先週のビューティニュース アクセスランキング

(集計期間:9月7日~9月13日)

宝塚花組トップスターの柚香光がチャコットコスメのアイコンに

 オンワードグループのチャコットは、2020年秋からコスメブランド「チャコット フォープロフェッショナルズ」のイメージモデルに、宝塚歌劇団花組トップスターの柚香光を起用する。チャコットでは創業70周年を迎えた20年から「人生を、芯から美しく。」をブランドフィロソフィーに掲げ、新たなブランディングを開始。よりブランドを拡大し新市場を切り開くことを目指している。さらなる一般消費者との接点を拡大するためにチャコットのコスメにフォーカスし、コスメ単独としては初めての宣伝を行う。なおチャコットのコスメは、ステージ用ならではの落ちにくさや発色の良さ、安心して使える点などが高く支持されてる。

マンガでビューティを発信のカメダが36の質問に回答

 連載企画「インフルエンサー名鑑Vol.3」は、美大出身で漫画家を志したほどの画力によるイラスト、ほかのアカウントに負けないビューティなどの情報量、そして全ての投稿に漂うポジティブオーラで、瞬く間に頭角を現したカメダ。フォロワーからは、「カメダさんを変えたコスメは?」「今までで一番衝撃が走ったコスメは?」などビューティに関するさまざまな質問が届いたが、特に「ホントに、ホントの一番コスメ」への興味・関心が高かった。ポジティブマインドの秘訣を含め、質問と回答を一挙に公開する。

「YSL」の新作クッションファンデーションをJO1がお試し

 「イヴ・サンローラン」は9月4日、人気のクッションファンデーション“アンクル ド ポー ルクッション(全7色、各8000円)”をリニューアル発売した。素肌感をかなえる仕上がりはそのままに、フィット感などをパワーアップさせている。発売前日の3日にはイベントを開催し、グローバルボーイズグループのJO1が来場。全員黒のスーツ姿に“アンクル ド ポー ルクッション”をつけて登場した。

「シロ」の限定シリーズから“キンモクセイ”の香りが再び登場

 「シロ」は10月8日、限定フレグランスシリーズの“キンモクセイ”の香りから、香水とルームフレグランスをオンラインストアで発売する。今年の“キンモクセイ”シリーズは、上品な甘さの中に、ほのかに香り立つ洋酒のようなアクセントが特徴だ。「オードパルファン」(3800円)は、キンモクセイの香りを3段階で表現。洋酒を連想させる華やかでフルーティーな香りから、キンモクセイの甘く懐かしさを感じる香りなどを調香した。

永野芽郁が「雪肌精」新シリーズのミューズに就任

 コーセーは、「雪肌精」の“クリアウェルネス”シリーズのミューズに女優の永野芽郁を起用し、新CMを9月16日から放送している。「雪肌精」は、今年ブランド誕生35周年を機に、初めて全面的なリブランディングを実施。その一環として、“クリアウェルネス”を9月16日から販売。コアターゲットは20~30代前半で、製品は肌悩みや肌質に合わせた2タイプをそろえる。皮膚の酸化に着目して透明感を加速させる“効能タイプ”と、アルコールフリーで低刺激処方の“フリータイプ”を用意した。

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