「ランコム」が日本で初めてバーチャルストアをオープン 毎日ライブ配信でトークショー

 「ランコム(LANCOME)」は11月19〜22日、ブランドにとって日本初のバーチャルショップ「ランコム バーチャル ホリデー ストア」を開く。特設サイトにアクセスすると、パリ・シャンゼリゼ通りにある旗艦店をイメージしたバーチャル空間が広がり、人気美容液“ジェニフィック アドバンスト N”の世界観を楽しめる。

 店内は4つのゾーンに分かれており、ライブ配信ゾーンでは4日間にわたり、ゲストを呼んだスキンケアトークを行う。初日は道重さゆみとMatt、2日目は神崎恵、3日目は内田理央、最終日は関根りさとかじえりが登場する。限定ギフトゾーンでは“ジェニフィック”の定期便をはじめとするギフトが購入でき、ジェニフィックゾーンでは同美容液が誇る研究などについて学べるようになっている。肌測定ゾーンではAI技術を用いた肌測定が行え、自宅からも店頭のビューティテックが体験できる。また、各所にバーチャルの販売員も設置し、製品説明も受けられる。

 オープンに先立ち、12日にはプレス向けのイベントを行った。日本のブランドミューズの戸田恵梨香が登場し、一足先にバーチャル店舗を体験したほか、同じくミューズのアマンダ・サイフリッド(Amanda Seyfried)からの、ビデオメッセージを受け取った。

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「ビューティフルピープル」が「第38回毎日ファッション大賞」受賞 “モードにはまだまだ可能性がある”

 毎日新聞社は18日、「第38回毎日ファッション大賞」の授賞式を東京・恵比寿のEBiS303で開催した。今季はコロナウイルス感染症感染拡大防止策として、オンラインで式典を生中継。大賞に選ばれた「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」の熊切秀典デザイナー、新人賞・資生堂奨励賞は「コトハヨコザワ(KOTOHAYOKOZAWA)」の横澤琴葉デザイナーらが出席した。

 大賞の熊切デザイナーは受賞のスピーチで「僕がファッション業界を志すきっかけとなった川久保玲さん(『コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)』デザイナー)が第1回の大賞受賞されたこの賞を受賞でき、大変嬉しくこれを励みに今後も頑張っていきたい」と喜びを語った。今回の受賞理由になったという、洋服の内部に隠れている空間に着目した独自の型紙設計「サイドシー(Side-C)」については「常に新しい構造を意識していてモノ作りをしている。昨今『モードは死んだ』と言われることもあるが、そこにはまだまだ可能性があると信じている」とコメント。「コロナ禍で世の中の状況は変わったが、だからこそできることを見直し、楽しいものを考えるとき。このタイミングで賞を頂くことができたことは光栄に感じ、これからもブランド名にもある“美しいもの”を作り続けていきたい」と述べた。

 新人賞・資生堂奨励賞を獲得した横澤デザイナーには賞状とトロフィー、賞金100万円が贈られた。スピーチでは「1月に子どもが誕生し、しばらくは仕事復帰は難しいと思っていたが、出産と同じ年にこのような舞台に立たせていただけたことに驚いていて、感謝の気持ちでいっぱい」と明かした。従来は同賞の受賞者はファッションショーを披露する機会が設けられていたが、今回はトークショーを合わせたプレゼンテーションとして発表形式を変更。横澤デザイナーと、テキスト、テキスタイル、イラストレーションを手掛けるテキストレーターとして活動するはらだ有彩を招き、約20分間のトークショーを行った。披露したのは、コレクションライン、定番アイテムを集めたライン“トゥードゥー(TODO)”、再利用品を使用したライン “サムバディ(SOMEBODY)”、ZOZOの「ユアブランドプロジェクト」で開始したユニセックスのルームウエアを中心とする“シンク(SINK)”をミックスしたスタイリング。横澤デザイナーがコロナ禍に見かけて「キュンとした」という部屋着で近所に出歩いている人や、寝癖のついた髪型の人など生活感から生まれる親近感の着想を得たという。

 はらだ有彩は、横澤がスタートさせたばかりのユーチューブ(YouTube)チャンネルについて質問。「(横澤さんは)変わるということをポジティブに捉えている。開始されたユーチューブも気が抜けた雰囲気で楽しい。キメ過ぎないことを大切にされていると思う。日常のささいなことを見せることにはどういう意図がある?」とたずねると、横澤は「日常は切り離せないものであり、私はかっこつけるのは特ではない。誰でも朝寝坊したり、掃除をしたり、洗濯物を畳んだりすることはあるのに、そういうことを蔑ろにして人々は接している。人のそういう部分を見られたらもっとその人を好きになると思うが、『見たい!』と願っても見られないので、自分からユーチューブで見せちゃおうと始めた」と説明した。

 そのほか、鯨岡阿美子賞はファッション甲子園実行委員会が、話題賞には作業着のワークマンによるカジュアル業態「ワークマンプラス(WORKMAN PLUS)」が選ばれた。

第38回「毎日ファッション大賞」の受賞者は以下の通り。

大賞:熊切秀典 / 「ビューティフルピープル」デザイナー
新人賞・資生堂奨励賞:横澤琴葉 / 「コトハヨコザワ」デザイナー
鯨岡阿美子賞:ファッション甲子園実行委員会
話題賞:「ワークマンプラス」

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「あつ森」が「ジェラートピケ」のルームウエアに キャラなりきりのパジャマやフーディ

 マッシュスタイルラボの「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」は、ニンテンドースイッチ用ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)」とコラボしたルームウエアコレクション32型の販売予約受付を、ブランド公式ECおよび同社ブランドのECモール「ウサギ オンライン(USAGI ONLINE)」で11月18日スタートした。

 ブランドの特徴である着心地のいい素材と、「あつ森」ののんびりとした世界観を融合させた。ゲーム中で案内人として登場するキャラクター「つぶきち」、「まめきち」をモチーフにしたジャカード編みのセーター(5800円)や耳付きフードとふわふわした素材がかわいらしいパーカ(6800円)、フルーツ柄のセットアップ(プルオーバー5400円、ロング丈パンツ5200円)などをそろえた。

 表参道ヒルズで12月18〜25日に開催するポップアップストア「ジェラート ピケ クリスマスタウン」で先行販売し、1月13日からは一部のブランド直営店、渋谷パルコの任天堂直営店「ニンテンドー トーキョー」でも取り扱う。

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「パトゥ」CEOが語るトレーサビリティーへの取り組み 「ブランドビジネスで重要なのは生産背景の共有」

 2020年春夏シーズンにギョーム・アンリ(Guillaume Henry)=アーティスティック・ディレクターによって復活を遂げた「パトゥ(PATOU)」は、サステビリティに力を入れている。コレクション全体の10%は、“エッセンシャル”と呼ぶ定番アイテムで構成。シーズンを超えて使用できるアイテムとして提案している。またショッピングバッグや商品タグ、店内設備も環境に配慮し、リサイクル材料もしくはリサイクル可能な材料を100%使用している。さらに、トレーサビリティーに特化した製品追跡アプリを独自に開発。商品タグのQRコードを読み取ると、衣服や原材料の詳細だけでなく、サプライヤーのショートインタビューを再生することもできる。

 本アプリについてソフィー・ブロカール(Sophie Brocart)=「パトゥ」最高経営責任者(以下、ブロカールCEO)は、「トレーサビリティーの認証システムは大事だが、それ以上にブランドの透明性と生産情報の共有に重きを置いている。特に注力しているのが生産背景の可視化だ。私たちは早い段階から職人による手仕事やクリエーションプロセスの公開と説明、デザイナー以外のクリエーションに関わる全ての人々への敬意など、生産背景を消費者に共有することはブランドビジネスにとって重要だと考えてきた」と語る。近年加速するデジタル化や新型コロナウイルスのパンデミックも重なり、ブランドとしてその意識はさらに強まっているという。

 また透明性を高めるために、サプライヤーの選定にも慎重だ。「サプライヤーの選択は、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)グループの他のメゾン同様、品質や技術的専門知識、サプライヤーの経験に基づいて慎重に判断している。長期にわたり建設的で信頼できる関係を築けるサプライヤーが理想」とブロカールCEO。特に原材料においては、ラグジュアリーブランドが求める品質を提供できるサプライヤーは限られていて、「そのほとんどがごく一部のイタリアの機織り職人だ」と説明する。

 サプライヤーの条件については、「パトゥ」とLVMHグループ双方の条件を満たす必要があるという。「独立機関の専門的な見解を得ながら、各サプライヤーを労働環境や条件に加えて環境活動も含めて監査している。サプライヤーは、われわれと契約を結ぶ際、LVMHグループが掲げる厳格な倫理およびコンプライアンス行動規範にも署名する必要がある」と語る。「もちろん監査を行ってもリスクはあるので完璧とは言えない。だが、トレーサビリティーを推進する上でこれらはブランドが優先すべき事項。強い関心を持ちながら可能な限り取り組んでいる」と、積極的な姿勢を示した。

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「パトゥ」CEOが語るトレーサビリティーへの取り組み 「ブランドビジネスで重要なのは生産背景の共有」

 2020年春夏シーズンにギョーム・アンリ(Guillaume Henry)=アーティスティック・ディレクターによって復活を遂げた「パトゥ(PATOU)」は、サステビリティに力を入れている。コレクション全体の10%は、“エッセンシャル”と呼ぶ定番アイテムで構成。シーズンを超えて使用できるアイテムとして提案している。またショッピングバッグや商品タグ、店内設備も環境に配慮し、リサイクル材料もしくはリサイクル可能な材料を100%使用している。さらに、トレーサビリティーに特化した製品追跡アプリを独自に開発。商品タグのQRコードを読み取ると、衣服や原材料の詳細だけでなく、サプライヤーのショートインタビューを再生することもできる。

 本アプリについてソフィー・ブロカール(Sophie Brocart)=「パトゥ」最高経営責任者(以下、ブロカールCEO)は、「トレーサビリティーの認証システムは大事だが、それ以上にブランドの透明性と生産情報の共有に重きを置いている。特に注力しているのが生産背景の可視化だ。私たちは早い段階から職人による手仕事やクリエーションプロセスの公開と説明、デザイナー以外のクリエーションに関わる全ての人々への敬意など、生産背景を消費者に共有することはブランドビジネスにとって重要だと考えてきた」と語る。近年加速するデジタル化や新型コロナウイルスのパンデミックも重なり、ブランドとしてその意識はさらに強まっているという。

 また透明性を高めるために、サプライヤーの選定にも慎重だ。「サプライヤーの選択は、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)グループの他のメゾン同様、品質や技術的専門知識、サプライヤーの経験に基づいて慎重に判断している。長期にわたり建設的で信頼できる関係を築けるサプライヤーが理想」とブロカールCEO。特に原材料においては、ラグジュアリーブランドが求める品質を提供できるサプライヤーは限られていて、「そのほとんどがごく一部のイタリアの機織り職人だ」と説明する。

 サプライヤーの条件については、「パトゥ」とLVMHグループ双方の条件を満たす必要があるという。「独立機関の専門的な見解を得ながら、各サプライヤーを労働環境や条件に加えて環境活動も含めて監査している。サプライヤーは、われわれと契約を結ぶ際、LVMHグループが掲げる厳格な倫理およびコンプライアンス行動規範にも署名する必要がある」と語る。「もちろん監査を行ってもリスクはあるので完璧とは言えない。だが、トレーサビリティーを推進する上でこれらはブランドが優先すべき事項。強い関心を持ちながら可能な限り取り組んでいる」と、積極的な姿勢を示した。

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「ビーツ」 × 「アンブッシュ」ワイヤレスイヤフォン発売 東京の夜の街からインスパイア

 アップル(Apple)傘下の「ビーツ・バイ・ドクタードレ(BEATS BY DR. DRE以下、ビーツ)」は、「アンブッシュ(AMBUSH)」とコラボしたワイヤレスイヤフォンを11月18日に発売した。現在、「ビーツ」公式オンラインストアは既に完売しており、「アンブッシュ」直営店のみ販売中だ。価格は1万9800円。

 「ビーツ」は2018年に、アマゾンファッション主催の特別プログラム「アット トウキョウ(AT TOKYO)」で「アンブッシュ」の公式ミュージックパートナーとして、ランウエイショーのサポートを行った。コラボプロジェクトとしては今回が初の試みとなる。

 高性能なサウンドや耐汗防水性能が特徴のワイヤレスイヤフォンは、東京の夜の光とエネルギーにインスピレーションを得て暗闇で光る機能を備えた。またオリジナルのコラボポーチが付属する。

 キャンペーンビジュアルには、「アンブッシュ」のクリエイティブ・ディレクターであるYOONとナイジェリア出身のシンガーソングライター、バーナ・ボーイ(Burna Boy)を起用した。

 VERBAL「アンブッシュ」CEOは「18年春夏コレクションで、非売品のヘッドフォンをルックの一環として使用した時は『商品化してほしい』という問い合わせが殺到した。今回は新しい形とコンセプトで届けることができることをうれしく思う」とコメントした。

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コーヒーの豆かすで染めた靴ひも? スターバックス別注の「オニツカタイガー」が発売

 「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京(以下、ロースタリー 東京)」は「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」のスニーカー”MEXICO 66 DELUXE”の別注モデルを発売する。

 価格は3万円。11月17〜23日に特設ウエブサイトで抽選で予約を受け付け、12月7〜13日に「ロースタリー 東京」で商品を受け渡す。

 日本の職人文化をテーマにした、 “NIPPON MADE”シリーズの定番モデル”MEXICO 66 DELUXE”をベースにしたスニーカーだ。

 内側の「オニツカタイガー」を象徴するストライプには「ロースタリー 東京」をイメージした銅色を採用、爪先部分にはエナメル加工を施した。また、「ロースタリー 東京」で使用したコーヒー豆のかすで染めた靴ひもを替えひもとして同封する。

 「ロースタリー 東京」は昨年2月、スターバックス(STARBUCKS)が東京・中目黒に開業した日本初のコーヒー焙煎施設(ロースタリー)併設型店舗。シアトル、上海、ミラノ、ニューヨークに続いて5店舗目で、限定メニューやグッズも取り扱っている。

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ファレル・ウィリアムスがスキンケアブランド「ヒューマンレース」を立ち上げ

 音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が、自身のスキンケアブランド「ヒューマンレース(HUMAN RACE)」を立ち上げた。11月25日に公式サイトで発売予定だ。

 ファレルは肌が綺麗だと定評のある人物で、インターネット上では25歳の時と45歳の写真を見比べてほとんど変わっていないことが都市伝説的に語られたりもしている。彼が重きを置く3分間のスキンケアルーチンをベースに、皮膚科医であるエレナ・ジョーンズ(Elena Jones)博士と共に開発した。

 アイテムはパウダークレンザー(35ドル、約3600円)、角質や毛穴の汚れを取り除くピーリング美容液(46ドル、約4700円)、保湿クリーム(48ドル、約4900円)の3種類をそろえた。3点セット100ドル(約1万円)でも販売する。それぞれエメラルドグリーンの廃棄物を再利用したパッケージで包装し、容器は詰め替え可能だ。

 クレンザーは角質除去の効果を狙って、米粉とフルーツ酸(AHA)配合した。ピーリング美容液はハス酵素を原料とし、血色を良好する働きがあるとされる抗酸化ロータスとリンゴの抽出物を含む。保湿クリームにはスクワランなどを配合し、水分を閉じ込めて潤いを促進する。これらはすべてヨーロッパの化粧品規制が定める1300の禁止成分に準拠し、ビーガンで無香料だ。

 ファレルは、「肌の状態は日々のルーチンの積み重ねだと思う。そしてそれはスキンケアだけでなく、肌の健康に関することでもある。しかし男性として、私たちは肌をケアするよう育てられたり、アドバイスをされたりしたことはない。ただ起きて、出かける。私たちの顔は3分間の手入れに値するもの。顔を通して人とコミュニケーションを重ねるからね」と述べた。

 また自身のスキンケアルーチンに関して「いつも狂った男のように角質を除去している」と冗談を交えながら、「そうすることでより新鮮な肌の状態を保ち、皮膚の活性していない層を取り除くことができる。ナオミ・キャンベル(Naomi Cambell)にはずっと前に、毛穴を引き締めるために冷水で顔を洗うよう言われた」とコメントした。

 「ヒューマンレース」のコンセプトは「アディダス(Adidas)」とのコラボレーションから着想を得たという。ファレルは、「私たちが行ったキャンペーンはすべて、常に人類に関するものだった」と説明する。

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「心斎橋パルコ」招待客向けにプレオープン 式典に池松壮亮とコムアイ

 20日に全面開業する「心斎橋パルコ」のオープニングセレモニーが18日朝に行われた。テープカットの後、密を避けるために予定より20分早い9時40分に招待客向けにプレオープンした。パルコカード会員など特別招待客に制限され、静かな幕開けとなった。

 オープニングセレモニーでは、心斎橋パルコの広告ビジュアルムービーに起用された俳優の池松壮亮さんと、「水曜日のカンパネラ」のボーカルでモデルや役者としても活躍するコムアイさんのミニトークショーが行われた。池松さんは2014年の舞台「母に欲す」でパルコ劇場に出演、コムアイさんも15年に渋谷パルコで開催された「シブカル祭。」のテーマソングを担当するなど、パルコとは縁がある。今回のCM出演について、池松さんは「クリエイティブに優れたチームで制作され、パルコの覚悟と気合を感じた。あんなに踊るとは思わなかったが、あの衣装を着て動いているうちに、何か始まる感じがした」とコメント。コムアイさんは「外に出られない状況の中、広いスタジオで体を動かして汗をかいたので冬眠が溶けた感じがした。折り紙のような帽子を着られて楽しかった」と話した。

 また、心斎橋パルコへの期待に関して、池松さんは「人と人の距離がひらいていくなか、ここが人と人が触れ合える場になり、パルコに行けば人と出会える場になればいいと思う。生きる人たちの記憶と物語に必ず、この場があったという場であってほしい」といい、コムアイさんは「多様なお店があるので、違う世代の人たちが生活の中で自然に訪れるような公園みたいなパブリックな場になればいいと思う」と語った。

 一番乗りの男性4人組は早朝2時頃から並んだ。京都在住の大学生は「いろんなところにあるパルコが、自分の生活圏にできるということで興味がわいた。昔のパルコは知らないが、渋谷パルコみたいに最新のブティックがあって、いろんな芸術家の作品を置いている施設というイメージがある。ファッションだけでなくアートも好きなので、今日は空山基さんデザインのセクシーロボットを見るのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 大学でファッションを学ぶ奈良在住の20歳の男子大学生は「ギャルソンやサカイが好きなので、いつもは梅田の阪急メンズ館に行っていた。ニュースを見てパルコの存在を知ったので、これからは利用したいと思う。昔の心斎橋パルコは知らないが、渋谷パルコのようなおしゃれなイメージがある」と話した。

 心斎橋パルコは、大丸心斎橋店との回遊性を高め、百貨店顧客とは異なる新たな客層の獲得をめざす。コロナ禍によって賑わいが消えた心斎橋の新たなランドマークとして、地元からも期待が寄せられている。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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「クラークス」がデザートブーツの70周年モデル発売 限定店では世界限定1足のシューズも

 英国発の「クラークス オリジナルズ(CLARKS ORIGINALS)」は、デザートブーツの誕生70周年を記念したモデル“デザートブーツ 221”を11月20日に発売する。アッパーの素材はメンズとウィメンズでスエードを、ウィメンズでパテントレザーをそろえ、価格帯は3万〜3万4000円。木型は1950年の誕生から使い続けているものを広めにアレンジし、クッション性も向上させて快適性にこだわっている。また汚れにくく撥水性に優れたスエードや、リサイクル素材のオーソライト(OrthoLite)のインソールを採用するなど、素材使いも特徴だ。さらにイエローやブルー、グリーンやピンクなど7色の装飾と靴ひもが付属で付き、箱も70周年の特別仕様となる。

 発売に合わせて、11月20〜12月13日まで渋谷パルコ3階でポップアップストアを開く。2020-21年秋冬の新作が週替わりで並ぶほか、アーティストの河村康輔が“221”にアートワークを施した世界に1足しかないカスタムモデルも展示する。同シューズはポップアップ期間中に実施しているSNSキャンペーン参加者にプレゼントされる。

■CLARKS ORIGINALS POPUP STORE
日程:11月20〜12月13日
場所:渋谷パルコ3階
時間:11:00〜21:00

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東レ繊維事業の2020年4~9月期は減収減益 「ユニクロ」とのビジネスは「計画以上」

 東レの繊維事業の2020年4~9月期の売上高は前年同期比21.8%減の3300億円、営業利益は同50.0%減の158億円だった。

 国内外ともに新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、衣料用途は各国のロックダウンや店舗の閉鎖から需要が減退した。医療用白衣地やマスク用途での不織布需要の増加はあったものの、全体の減少をカバーするには至らなかった。

 戦略的なパートナーシップ契約を締結しているファーストリテイリングとは、独自の全自動一貫リサイクル設備を開発して導入し、国内で62万着の使用済みのダウン製品を回収、再利用して、「ユニクロ(UNIQLO)」の“リサイクルダウンジャケット”として11月に発売した。5年間で取引額1兆円を目指して締結したパートナーシップ契約は今年が最終年だが、同社は「今年は新型コロナの影響があったが、トータルでは計画以上だった。来年に向けては、現在議論している」と話した。リサイクルを含むグリーンイノベーション事業の売上高は22年度に1兆円を、防護服や医療用ガウンの展開、抗ウイルステキスタイルの開発などを含むライフイノベーション事業は同3000億円を目指している。

 21年3月期の繊維事業の売上高は7050億円、営業利益は360億円を予想している。

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「グッチ」が7日連続の映画公開で最新コレクション発表 ミケーレの思いは?

 「グッチ(GUCCI)」のクリエイティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は16日、1週間連続で7本のショートフィルムをアップして最新コレクションを紹介するプロジェクト「グッチフェスト(GUCCIFEST)」をスタートした。30年来の憧れという映画監督ガス・ヴァン・サント(Gus Van Sant)を招き、“終わることのない序曲(Ouverture of Something That Never Ended)”と銘打ったムービーとコレクションの発表を続けている。以前のインタビューで、「使い古されたシーズンという業界慣習を捨て去り、私の表現タイミングに近い頻度でショーを開催する。年に2回だけ集うこととし、そこで物語の新たな1章を共有する。それはイレギュラーで喜びにあふれ、完全に自由な1章だ。ルールやジャンルはブレンドされ、新たな空間や言語、コミュニケーションプラットフォームの中で発表する」としていたミケーレの思いとは?日本で唯一招かれた、ガス・ヴァン・サントとのオンライン会見のやりとりは、以下の通り。

今のスタイルの起源は「マイ・プライベート・アイダホ」

Q.なぜ、ガス・ヴァン・サントを選んだのか?

ミケーレ:ガスと働けるなんて、本当に光栄だ。彼の「マイ・プライベート・アイダホ(My Own Private Idaho)」を見たのは、30年以上前。感動した。自分自身が何者なのかをより深く理解できるようにり、以来、Tシャツに茶色のコーデュロイパンツを合わせ、ケープのようにフェイクファーのコートを羽織っている。全ての指に指輪を、両方の手首にバングルをつけるようになったのも、あれ以来だ。

Q.映画で発表する洋服は、どのように映った?

ミケーレ:ランウエイよりずっと自由で、解放されているように思えた。「衣装」とも違う。洋服は映画の中に溶け込み、映画も洋服の中に溶け込んだ。そして、私が思い描くストーリーを余すことなく伝えている。私が重んじている「対話」のツールとして、完璧だ。もしミケランジェロ(イタリアのルネサンス期を代表する彫刻家で画家)が現代に生きていたら、彼は映画監督になっているだろう。映画は、とてもパワフルだ。

ガス:映画に現れる洋服が全て「グッチ」というのは、私には新鮮な経験だった。普段は子役にも3コーディネートを提案し、どれが好きか選んでもらう。だから演者にフィットするんだ。でも「グッチ」の洋服だけでも、それは何も変わらなかった。映画に自然と溶け込んだ。

オンライン会見が開かれたのは、11月13日の昼間(イタリア時間)。ミケーレとガス・ヴァン・サントは、「今日、ようやく作品が完成した」と語った。構想段階は遠隔でのキャッチボールを繰り返したが、撮影はリアル。ローマで、1カ月を費やした。

Q.ファッションショーに比べ、準備は大変だった?

ミケーレ:とても疲れた。でも食事さえ忘れ、夜明けと共に眠りにつく日々は、とっても楽しかった。

ガス:いまだコロナが猛威を振るうローマでの撮影は、決して簡単なものではなかった。(感染の再拡大に伴い)政府の規制は日を追うごとに強くなった。だが状況が厳しくなるにつれ、やり甲斐が増したのも事実。こんな状況下で作品作りを続けることの意味が増したからね。

ミケーレ:これまで洋服は、ファッションショーの直前までに仕上げれば間に合った。でも、今回はそれじゃダメ。(映画の撮影をスタートした)1カ月前には、揃っていなくちゃならない。撮影に1、2年を費やすことさえ珍しくない映画とのコラボレーションは、とっても大変だと痛感した(笑)。でも、挑戦する価値があったと思う。

ガス:ただ振り返れば、大変だったのは皆がPCR検査を受けたことくらいだったかもしれない。撮影期間中、ローマの街は普段よりずっと静かだった。

Q.7つのショートムービーに分けた理由は?

ミケーレ:決して終わることのない「時間」を描いてみたかった。クリエイティビティーは、循環する。決して終わらない。新たなキックオフは、過去の延長戦なのかもしれない。そんな感覚だ。映画では、従来よりもスローな生活を描きたかった。今「ラグジュアリー」なのは、「時間がゆっくり流れること」。急いで飛行機に搭乗するのではなく、自宅でゆっくり一杯の紅茶を楽しむ。そんなイメージだ。
ガス:ありふれた、でも美しい場所での撮影もポイントだね。7つのエピソードは、すべてが美しく繋がっていない。大きな作品の中の、バラバラのエピソードかもしれない。蚤の市みたいな感覚かもしれないね。大きなフェアに、個性的な店が軒を連ねている。

ビョークなら、洋服に「命」を与えられるかも

Q.次のコレクションもムービーを通して発表するとしたら、どんな映画を作りたい?

ミケーレ:難しい質問だ。ハリウッド映画からドキュメンタリーまで、いろんな映画を見ている。母が映画産業に携わっていたからね(編集部注:母親は、イタリアの映画会社でプロデューサーのアシスタントを務めていた)。人生の中で一番泣いたのは、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。ビョーク(Bjork)は、素晴らしいパワーをもたらしてくれるだろう。ファッションにとって必要な力だ。昔は、コスチュームデザイナーになりたかった。今回映画を作って、自分の仕事はデザイナーなのか、コスチューム・デザイナーなのか、曖昧になった。でも、それで良い。私の仕事は、洋服に「命」を与えることだ。

撮影はローマで行われ、俳優兼アーティストのシルヴィア・カルデローニ(Silvia Calderoni)が主役を務めた。ほかにもビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)やハリー・スタイルズ(Harry Styles)、スペイン出身の作家であるポール・B・プレシアード(Paul B. Preciado)、美術評論家のアシール・ボニート・オリバ(Achille Bonito Oliva)、アーティストのダリウス・コンサリー(Darius Khonsary)、歌手兼俳優のルハン(鹿晗、Lu Han)、俳優で劇作家のジェレミー・O・ハリス(Jeremy O. Harris)、振付師のサシャ・ヴァルツ(Sasha Waltz)らが出演する。

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「グッチ」が7日連続の映画公開で最新コレクション発表 ミケーレの思いは?

 「グッチ(GUCCI)」のクリエイティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は16日、1週間連続で7本のショートフィルムをアップして最新コレクションを紹介するプロジェクト「グッチフェスト(GUCCIFEST)」をスタートした。30年来の憧れという映画監督ガス・ヴァン・サント(Gus Van Sant)を招き、“終わることのない序曲(Ouverture of Something That Never Ended)”と銘打ったムービーとコレクションの発表を続けている。以前のインタビューで、「使い古されたシーズンという業界慣習を捨て去り、私の表現タイミングに近い頻度でショーを開催する。年に2回だけ集うこととし、そこで物語の新たな1章を共有する。それはイレギュラーで喜びにあふれ、完全に自由な1章だ。ルールやジャンルはブレンドされ、新たな空間や言語、コミュニケーションプラットフォームの中で発表する」としていたミケーレの思いとは?日本で唯一招かれた、ガス・ヴァン・サントとのオンライン会見のやりとりは、以下の通り。

今のスタイルの起源は「マイ・プライベート・アイダホ」

Q.なぜ、ガス・ヴァン・サントを選んだのか?

ミケーレ:ガスと働けるなんて、本当に光栄だ。彼の「マイ・プライベート・アイダホ(My Own Private Idaho)」を見たのは、30年以上前。感動した。自分自身が何者なのかをより深く理解できるようにり、以来、Tシャツに茶色のコーデュロイパンツを合わせ、ケープのようにフェイクファーのコートを羽織っている。全ての指に指輪を、両方の手首にバングルをつけるようになったのも、あれ以来だ。

Q.映画で発表する洋服は、どのように映った?

ミケーレ:ランウエイよりずっと自由で、解放されているように思えた。「衣装」とも違う。洋服は映画の中に溶け込み、映画も洋服の中に溶け込んだ。そして、私が思い描くストーリーを余すことなく伝えている。私が重んじている「対話」のツールとして、完璧だ。もしミケランジェロ(イタリアのルネサンス期を代表する彫刻家で画家)が現代に生きていたら、彼は映画監督になっているだろう。映画は、とてもパワフルだ。

ガス:映画に現れる洋服が全て「グッチ」というのは、私には新鮮な経験だった。普段は子役にも3コーディネートを提案し、どれが好きか選んでもらう。だから演者にフィットするんだ。でも「グッチ」の洋服だけでも、それは何も変わらなかった。映画に自然と溶け込んだ。

オンライン会見が開かれたのは、11月13日の昼間(イタリア時間)。ミケーレとガス・ヴァン・サントは、「今日、ようやく作品が完成した」と語った。構想段階は遠隔でのキャッチボールを繰り返したが、撮影はリアル。ローマで、1カ月を費やした。

Q.ファッションショーに比べ、準備は大変だった?

ミケーレ:とても疲れた。でも食事さえ忘れ、夜明けと共に眠りにつく日々は、とっても楽しかった。

ガス:いまだコロナが猛威を振るうローマでの撮影は、決して簡単なものではなかった。(感染の再拡大に伴い)政府の規制は日を追うごとに強くなった。だが状況が厳しくなるにつれ、やり甲斐が増したのも事実。こんな状況下で作品作りを続けることの意味が増したからね。

ミケーレ:これまで洋服は、ファッションショーの直前までに仕上げれば間に合った。でも、今回はそれじゃダメ。(映画の撮影をスタートした)1カ月前には、揃っていなくちゃならない。撮影に1、2年を費やすことさえ珍しくない映画とのコラボレーションは、とっても大変だと痛感した(笑)。でも、挑戦する価値があったと思う。

ガス:ただ振り返れば、大変だったのは皆がPCR検査を受けたことくらいだったかもしれない。撮影期間中、ローマの街は普段よりずっと静かだった。

Q.7つのショートムービーに分けた理由は?

ミケーレ:決して終わることのない「時間」を描いてみたかった。クリエイティビティーは、循環する。決して終わらない。新たなキックオフは、過去の延長戦なのかもしれない。そんな感覚だ。映画では、従来よりもスローな生活を描きたかった。今「ラグジュアリー」なのは、「時間がゆっくり流れること」。急いで飛行機に搭乗するのではなく、自宅でゆっくり一杯の紅茶を楽しむ。そんなイメージだ。
ガス:ありふれた、でも美しい場所での撮影もポイントだね。7つのエピソードは、すべてが美しく繋がっていない。大きな作品の中の、バラバラのエピソードかもしれない。蚤の市みたいな感覚かもしれないね。大きなフェアに、個性的な店が軒を連ねている。

ビョークなら、洋服に「命」を与えられるかも

Q.次のコレクションもムービーを通して発表するとしたら、どんな映画を作りたい?

ミケーレ:難しい質問だ。ハリウッド映画からドキュメンタリーまで、いろんな映画を見ている。母が映画産業に携わっていたからね(編集部注:母親は、イタリアの映画会社でプロデューサーのアシスタントを務めていた)。人生の中で一番泣いたのは、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」。ビョーク(Bjork)は、素晴らしいパワーをもたらしてくれるだろう。ファッションにとって必要な力だ。昔は、コスチュームデザイナーになりたかった。今回映画を作って、自分の仕事はデザイナーなのか、コスチューム・デザイナーなのか、曖昧になった。でも、それで良い。私の仕事は、洋服に「命」を与えることだ。

撮影はローマで行われ、俳優兼アーティストのシルヴィア・カルデローニ(Silvia Calderoni)が主役を務めた。ほかにもビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)やハリー・スタイルズ(Harry Styles)、スペイン出身の作家であるポール・B・プレシアード(Paul B. Preciado)、美術評論家のアシール・ボニート・オリバ(Achille Bonito Oliva)、アーティストのダリウス・コンサリー(Darius Khonsary)、歌手兼俳優のルハン(鹿晗、Lu Han)、俳優で劇作家のジェレミー・O・ハリス(Jeremy O. Harris)、振付師のサシャ・ヴァルツ(Sasha Waltz)らが出演する。

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時計見本市「ウオッチ&ワンダー」が2021年4月のリアルイベント開催を断念

 スイスを代表する時計見本市「ウオッチ&ワンダー ジュネーブ(WATCHES & WONDERS GENEVA)」は、2021年4月7~13日に予定していたリアルイベントの開催を断念した。出展者委員会は「新型コロナによる健康危機およびその不確実性を鑑み、最も責任ある決断をした」とコメントした。代わりに同期間、20年に立ち上げたデジタルプラットフォームを刷新する。

 時計ジャーナリストの渋谷ヤスヒトは、「G7のフランスやドイツに比べて日本ではあまり報道されていないが、スイスは欧州で新型コロナの影響を最も受けた国の1つ。ジュネーブ州は11月1日に緊急事態宣言を再発令し、2日から部分的ロックダウンを実施している。医療もひっ迫しており、リアルイベントの中止は妥当と言える。ただし20年のリアルイベント中止決定が会期のふた月前だったことを考えると、5カ月前となる今回の決定は早かった」と話す。

 「ウオッチ&ワンダー ジュネーブ」の前身である「S.I.H.H.(サロン・インターナショナル・オート・オルロジュリ)」に参加していた「カルティエ(CARTIER)」「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」などコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)傘下のブランドや、ケリング(KERING)傘下の「ジラール・ペルゴ(GIRARD-PERREGAUX)」「ユリス ナルダン(ULYSSE NARDIN)」、「エルメス(HERMES)」に加えて、世界最大の時計見本市だった「バーゼル ワールド(BASEL WORLD)」から「シャネル(CHANEL)」や「ロレックス(ROLEX)」「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE )」なども新たに参加する。

 出展者委員会は「参加ブランド数を50にする」とも話しており、「『ブルガリ(BVLGARI)』や『タグ・ホイヤー(TAG HEUER)』を擁するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)や、『オメガ(OMEGA)』や『ブレゲ(BREGUET)』を抱える世界最大の時計企業スウォッチ グループ(SWATCH GROUP)の動向も気になる」(渋谷)。

 「ウオッチ&ワンダー ジュネーブ」のデジタルプラットフォームでは各ブランドの新作時計や最高経営責任者や開発者の動画プレゼンテーションが閲覧できるほか、大手ファッションECサイト「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」とメンズファッションECサイト「ミスターポーター(MR PORTER)」との提携により9月からネットショッピングも可能になった。

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「ディオール」から初のホームウエアコレクション 新木優子もショー鑑賞時に着用

 「ディオール(DIOR)」は、ブランド初となるラウンジウエア(ホームウエア)を集めたカプセルコレクション“ディオール シェモワ(DIOR CHEZ MOI)”を発売する。

 マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が自粛期間中にデザインしたコレクションで、家の中で快適に、かつファッションを楽しむことができる。プリントはローマ在住のアーティスト、ピエトロ・ルッフォ(Pietro Ruffo)によるもの。タロットや占星術に熱心であったムッシュ ディオールにオマージュを捧げ、星座のモチーフを天地や大陸、動植物とリンクさせた世界地図のモチーフを採用したほか、メゾンのコードのひとつでもある“トワル ドゥ ジュイ(Toile de Jouy)”を再解釈した。

 コレクションはパジャマ、バスローブ、ポンチョなどリラックスウエアをそろえる。アンバサダーの新木優子も“ディオール シェモワ”のパジャマを着用して、パリで開催された2021春夏コレクションのショーを鑑賞した。

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再ロックダウンのパリ、セルフマッサージの人気が高まり日本式「KOBIDO」やフェイスヨガがブームに 海外ビューティ通信パリ編

 世界に目を向けると日本とは異なる美容トレンドが生まれている。そこで、連載「海外ビューティ通信」では、パリやニューヨーク、ソウル、ベルリンの4都市に住む美容通に最新ビューティ事情をリポートしてもらう。(本文中の円換算レート:1ユーロ=122円)

 全土で再びロックダウン(都市封鎖)が実施されているフランスではセルフマッサージに注目が集まっている。特に美容好きのパリジェンヌの間で「KOBIDO」という言葉を頻繁に耳にする。日本人にはあまりなじみのない単語だが、KOBIDOは「古美道」と書き、日本古来より受け継がれてきた美顔道を指す。約540年前から存在し、按摩師の技術を取り入れた48の手技から成るフェイスマッサージのメソッドなのだ。

 そのKOBIDOをフランスで一躍有名にしたのが、フェイシャリストとして活躍するデルフィーヌ・ラングロワーズ(Delphine Langlois)。パラスホテルの高級エステルームで13年働いた後、古美道の26代目家元であり医師でもある望月正吾から数年かけて技術を学び、自身のスタジオを開設。今年、アカデミーを立ち上げた。「KOBIDOのフェイスマッサージは顔筋をつかみ、つまみ、スピーディーに筋肉収縮を働きかけます。リフティングと引き締め効果が高く、エイジングケアの芸術です。アカデミーには日本の技術を学びたいというエステティシャンが既に2000人も登録しているのですよ」とデルフィーヌ。フェイスマッサージに天然石のかっさやフェイスローラーを加えたメニューや、その人の顔の形や悩みに応じてパーソナライズした自宅でできるマッサージ法を伝授する個人レッスンも受けられる。彼女がオリジナルで開発したローズクォーツのフェイスマスクとアイマスクは、肌を鎮静させ目元のクマやくすみを取り除く効果も期待できるという。

 KOBIDOのほかにも、フェイスヨガも注目されている。「フェイスヨガ(YOGA du VISAGE)」の著者シルヴィー・ルフラン(Sylvie Lafranc)は、その名の通りフランスでフェイスヨガを広めるヨガマスターだ。米国のスキンケアブランド「オダシテ(ODACITE)」や、昨年スタイリストのメラニー・ヒューン(Melanie Huynh)が始めたホリスティックビューティブランド「ホリデルミ(HOLIDERMIE)」にも、セミナー講師として度々招待されコラボレーションを行っている。シルヴィーが打ち出すのは約50から構成される顔の筋肉のこりをほぐし、適度なボリュームと硬さを取り戻す、エイジングケアを目的としたフェイスヨガだ。コラーゲンの工場と呼ばれる繊維芽細胞を刺激することで細胞を活性化させ、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の消失を防ぐという。シルヴィーは「以前の美容は美しくなるためには苦しみが伴うといわれていましたが、今日のフェイシャルヨガは美しくなるためには幸せである必要があるという逆の発想を提案しています。美と幸福、自己愛は全てつながっています」と言う。

 シルヴィーは最近フランス人がセルフマッサージに興味を持ち始めている現状を、「化粧品が全てではなく、自分でエイジングの予防や癖の改善を行うことは楽しい時間で、既にスキンケアに必要不可欠なステップです。今欧州では再びロックダウンが実施されていますが、エステや美容皮膚科に行くことが困難な時期だからこそ、自分で自分をいたわり自宅でフェイスヨガを行うことは自分の顔と肌を知る良いきっかけとなるでしょう」と語る。

 前出のデルフィーヌも「多くのエイジングケアコスメはもちろん表皮に働きかけますが、ただ化粧品を塗布するだけでは効果が発揮されないことを語っていません。顔の老化は筋肉のたるみ、リンパの滞り、再生力の低下等が原因で、それらは毎日数分のフェイスマッサージによって改善できます」と話す。彼女たちはほぼ毎日インスタライブや個人レッスンを行い、セルフフェイスマッサージやフェイスヨガを伝授している。既に美容業界でも注目の的となり、新しいムーブメントとしてフランス人の心をつかんでいる。

須山佳子(すやま・けいこ)/コンサルタント:2001年に渡仏しMBAを取得。ファッション業界で働き、09年に日本の美容ブランドを欧州市場へ売り込むコンサルティング会社を設立。取引先は欧州の高級百貨店、美容ストア等。パリ市内でポップアップストア「Bijo;」主宰。インスタグラムアカウントは@bijo.paris

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高橋悠介が新ブランド「CFCL」で業界の固定観念に挑む 「服で世の中は変えられる」

 「イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)」を6年にわたって率いた高橋悠介が今年2月に独立し、2021年春夏シーズンから新ブランド「CFCL」を立ち上げた。デビューシーズンは糸から制作したニットを使い、3Dコンピューター・ニッティングと島精機製作所のホールガーメント技術を用いた無縫製のニットウエア22型をそろえる。ミニマルなデザインと遊び心のあるフォーム、シワになりにくく洗濯機で洗えて速乾性にも優れているという機能面、コート7万9000円やドレス3万9000~5万9000円、シャツ3万2000円という手の届きやすい価格帯が好評で、卸先は40店舗が決まるという上々のスタートを切った。伊勢丹やユナイテッドアローズなど国内主要店をはじめ、中国・上海のギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)やSKP、エッセンス(SSENSE)など海外アカウントも半数近くを占める。そして、サステナブルの意識が強いのも同ブランドの特徴の一つだろう。一点一点の物作りからビジネスのやり方まで、移りゆく時代や人々の生活に寄り添う最適なかたちを目指す。

全プロダクトの70%が再生素材

WWDジャパン(以下、 WWD):「CFCL」というネーミングの由来は?

高橋悠介「CFCL」デザイナー(以下、高橋):ネーミングは“クロージング・フォー・コンテンポラリー・ライフ”の頭文字からとった。ブランド名を自分の名前にして服にパーソナルな感情を込めるというより、時代が求める服を作り、世の中をよく変えていきたいという思いで名付けている。前職で服を作ることは社会を作ることだというのを学んだ。技術と革新性で社会をよくしていこうという思いが会社の根底にあり、今の自分にも生かされている。

WWD:イッセイ ミヤケ時代はメンズを手掛けていたが、なぜウィメンズなのか?

高橋:僕のルーツの一つであるコンピューター・ニッティングでワンピースを作りたいと思ったことがきっかけ。でもたまたまスカートやワンピースがあるだけでウィメンズ6割、ユニセックス4割という構成だ。それと物作りにおいてウィメンズやメンズという分け方はあまり関係ないと思っている。

WWD:ブランド設立の経緯は?

高橋:学生時代からいつかは自分のブランドを立ち上げたいと考えていて、人との出会いや時代の流れなどがいろいろと一致したタイミングだったので設立する決意をした。

WWD:時代の流れとは?

高橋:機能的な服や環境に配慮したものが求められているなと感じている。例えば公園で子供と遊んだ後に仕事をし、夜はそのままヒールを履いてレストランに行くまでが一着で完結できて、自宅で洗うこともできる。ジュエリーや小物で自由に味付けができて、生活に寄り添うような服が作りたかった。それと、ラグジュアリーの価値観も変化している。わかりやすい高級感だけではなく、生産背景や環境、サプライチェーンの透明性が証明されているオーガニックなものもラグジュアリーだとする価値観がファッションでも生まれ始めている。今後はその考えがより広がっていくはずだ。

WWD:サステナビリティにこだわるということ?

高橋:その部分を押し出していきたいわけではなく、社会全体がそういう意識になるきっかけの一つになればいいと考えている。ファッションでもその価値観を与えることができるはずだから。そのためにスタートのタイミングからCSO(Chief Sustainability & Strategy Officer)という役職を設けて岡田康介さんに参加してもらっている。環境に配慮したビジネスやクリエイションは責任をもって徹底していきたい。現在は全プロダクトの70%を再生素材が占めており、服のラベルにその使用率を記載している。今は20〜100%だが、近い将来全て100%にしたい。そのためには量が必要になるので、もし生産しているメーカーがあれば話を聞いてみたい。ただ、最終的には服に魅力がないといけないので、モードの文脈を取り入れたクリエイションにもこだわっていきたい。

精鋭を集めたクリエイション

WWD:日本のデザイナーズで立ち上げからサステナブルを徹底しているブランドは珍しいのでは?

高橋:特別なことをしているわけではなく、将来当たり前になることを前もってやっているだけ。サステナブルをセールスポイントにしているブランドも最近は増えているが、それだけでは続かないと思う。僕たちは物でサステナブルを訴求するというより、ただ物作りに対してしっかり責任を持ちたい。

WWD:再生素材以外に取り組んでいることは?

高橋:日本ではまだ5社しか認証を取得していないBコーポレーション(B Corporation、B corp)にも申請している。B corpは環境や社会への配慮、透明性などの基準を満たしている企業に与えられる民間認証だが、取得することでブランド価値を高めたいのではない。従業員の雇用や福利厚生、物作りで排出する産業廃棄物やCO2の量などに対し、最初の段階から向き合うためだ。それに、透明性が証明されている服を着たいという人が今後は増えていくはずだから。

WWD:会社は何人で運営している?

高橋:会社として運営しているが、社員は雇っていない。CSOのほかにも、Seiya Nakamura 2.24の中村聖哉さんがCMO(Chief Marketing Officer)としてマーケティング全般を担っている。またCLO(Chief Legal Officer)として小松隼也さん、AD兼スタイリストとして大田由香梨さんも参加してもらうなど、専門的なスペシャリストを集めてチームを組んでいる。

WWD:なぜその運営体制に?

高橋:今の時代は能力さえあれば会社に属さなくても仕事はできる。会社としてのビジネスや、クリエイションも身の丈に合ったオーガニックなやり方によりシフトしていくはずだ。デザインは全て僕1人が3Dコンピューター・ニッティングで行い、なるべく人の手を介さない作り方をしているので価格帯も抑えられている。原価率を無理して抑えているわけではないので、ビジネスとしても持続可能だ。工場あっての会社だしブランドなので、無理なことは絶対にしない。

WWD:今後の展望や狙いは?

高橋:次に向けてニット以外の素材も作っているし型数も徐々に増やしていきたいが、ブランド名の“コンテンポラリー・ライフ”に沿いながら時代が求める服を作り続けることは変わらない。定番の型数を増やしていき、シーズンが古いから着られない、発売してからすぐ安売りされるといったファッション業界の固定観念を変えていきたい。

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【決算まとめ】赤字企業で「危うい度」高いのは、大戸屋、「サルバトーレ」のワイズ。ロイヤルも結構ヤバい

 3月期決算企業の上半期、12月決算の第3四半期決算が出てきた。コロナで赤字続出は、予想通りだが、ゼンショーホールディングス(HD)や、すかいらーくHDなどの超大手企業ですら赤字に苦しんでいる。ただ、本当に危うそうなのは、中堅企業だ。
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【決算まとめ】200億円赤字のすかいらーくより「危うい率」高いのは、大戸屋、「サルバトーレ」のワイズ。ロイヤルも結構ヤバい

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語源から想像した「育む」の魅力 エディターズレター(2020年8月7日配信分)

※この記事は2020年8月7日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

語源から想像した「育む」の魅力

 久々ビューティ業界に“どっぷり”浸かることになり、今、いろんな方々にお会いしています(オンラインも多数です)。すると案の定ファッション業界の話になりまして(ファッション業界の皆様、朗報です。やっぱりビューティ業界は、ファッションに興味津々ですw)、良きも悪きもざっくばらんに話して本心を伺うのですが、結構な頻度で「『育む』の姿勢があればいいのに!」とのお声を頂戴します。

 なるほど。確かに「育む」は、ビューティ業界ではよく聞く言葉、なのにファッション業界ではなかなか聞かない言葉です。

 ビューティの「育む」は、説明するまでもありませんね。スキンケアでは、お客さまの健やかな肌を「育む」。ホリスティックなら、心地よいライフスタイルを「育む」。最近はメイクアップにさえスキンケア成分を配合していますから、「装いながら『育む』」なんて解釈も可能です。で、百貨店ブランドの美容部員などは、まさに消費者の肌を「育む」接客をすることで、その関係性さえ「育んで」いるワケです。

 一方ファッションは、消費者をどう「育んで」いるでしょうか?ん~、例えば地方のセレクトショップは顧客のワードローブを把握してクローゼットを「育んで」いるでしょうし、他の小売りも外商顧客や上顧客には「育む」接客を少なからず実践しているでしょうが、ビューティほどではないかもしれません。思い浮かんだのは、「ブルネロ クチネリ」。毎シーズンのクリエイションはもちろん、接客においても「昨年のアレにピッタリ」なんて提案をしてくれます。ワードローブを「育む」提案で、素敵ですよね。

 「育む」という言葉の語源は「羽(は)で含(くく)む」、つまりは親鳥が小鳥を大事に「羽で包んで育てる」にあるそうです。「羽で包まれた」小鳥は、どんな気持ちでしょう?安心感を覚え、甘え、離れず、なんだか親離れ・子離れに苦労しそうです(笑)。でも、この関係性がブランドと消費者で構築できたら、最高じゃん!!「大辞林」で語源を調べながら、そんなコトを考えました。

 ファッション業界は、どうすれば「育む」のマインドを取り入れられるでしょうか?経年変化が楽しめる商品?結構地道な直筆のお手紙?双方向なLIVE配信?それも含めたOMO?イロイロありそうですね。でも一番大事なのは、下のリンク1本目で紹介している通り、そしてビューティ業界の美容部員の接客のように「販売する」こと自体が、「関係性を『育む』こと」と認識することでしょう。「売っておしまい」の人が多すぎる!一度ビューティ業界の方に、「育む」ってなんですか?と聞いてみるのも良いかもしれません。

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターを週3回配信するメールマガジン。「WWD JAPAN.com」が配信する1日平均30本程度の記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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VFはなぜ「シュプリーム」を買うのか 4度目のドメイン転換劇 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。人気ブランド「シュプリーム」のM&A(買収、合併)で話題を集めた米VFコーポレーション。巨額投資の狙いは何なのか、そもそもVFとはどんな企業なのか。

 米国最大のアパレルメーカー、VFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VF)が11月9日、ストリートブランドの「シュプリーム(SUPREME)」を21億ドルで買収すると発表して話題を呼んだが、その破格の買収額もともかく、これまで幾度もブランドの買収と放出を繰り返してドメインを転換して来たVFがアウトドアやワークよりラグジュアリーストリートにフォーカスしたことが注目される。

「シュプリーム」買収の背景

 VFはジーンズ部門をスピンアウトする前の19年3月期では過去最大の138億4866万ドル、スピンアウト後の20年3月期でも104億8856万ドルを売り上げた全米最大のアパレルメーカーで、アクティブ部門(「ヴァンズ(VANS)」「キプリング(KIPLING)」「ナパピリ(NAPAPIJRI)」)、アウトドア部門(「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「アイスブレーカー(ICE BREAKER)」「アルトラ(ALTRA)」)、ワーク部門(「ディッキーズ(DICKIES)」「レッドキャップ(RED KAP)」「ウォールス(WALLS)」)が売り上げの99.6%を占める。19年3月期で売り上げの18.0%(24億9177万ドル)、セグメント利益で13.7%を占めていたジーンズ部門(「ラングラー(WRANGLER)」「リー(LEE)」「ロック&リパブリック(ROCK&REPUBLIC)」)を19年5月にコントア・ブランズ(KONTOOR BRANDS)社としてスピンアウトし、ニューヨーク市場に上場している。

 20年3月期では卸しの売り上げが58.1%、直営店とEC(ネット通販)のD2C売り上げが41.4%を占め、ロイヤルティ収入は0.5%と限られる。ECはD2C売り上げの28%を占めると開示されているから、全社売り上げに占める比率は11.6%、12億1580万ドルほどになる。海外売り上げが過半だった「ティンバーランド」の買収を契機に海外売り上げ比率が年々高まり、買収前は3割にとどまっていた海外売り上げは47.4%まで上昇している。

 VFはこれまで何度もマーケットの変化を見据えてブランド資産を果敢に入れ替え、06年12月期の62億2000万ドルから14年12月期の118億8200万ドルまで売り上げを伸ばして全米最大のアパレルメーカーの地位を確固たるものにしたが、08年まで最大部門だったジーンズ部門の売り上げが年々減少する中、次のブランド資産入れ替えを迫られた。11年に「ティンバーランド」(買収額20億ドル)、17年に「ディッキーズ」(同8億2000万ドル)を買収してアウトドア&アクションスポーツ部門(18年4月にアウトドア部門とアクティブ部門に分割)を強化してきたもののジーンズ部門の売り上げ減少を補えず、業績が頭打ちになっていた。

 19年3月期までは順調に伸びてきたワーク部門とアウトドア部門も20年3月期では売り上げが伸びず減益に転じ、アクティブ部門も4%しか伸びず微増益に止まり、ジーンズ部門のスピンアウトで減少した売り上げを補うにも次の大型買収が不可避の課題となっていた。セグメント利益率を見てもワーク部門5.7%(前期7.6%)、アウトドア部門11.1%(同11.7%)に対してアクティブ部門は23.1%(同23.8%)とダントツだったから、買収対象はアクティブ部門に絞られた。その回答が「シュプリーム」の買収で、アクティブ部門にストリートラグジュアリーを加えて成長を加速させる戦略に出た。

 メンズカジュアル市場ではアウトドアやアクションスポーツが伸びてもアーバンカジュアルが苦戦する中、デジタルネイティブな若い成功者にカルト的人気を博しているのが「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」や「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD」「ヴェトモン(VETEMENTS)」「リック・オウエンス(RICK OWENS)」などストリートラグジュアリーブランドで、「ナイキ(NIKE)」から「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」までコラボが広がりプレミアムが付いて転売されるほど人気の「シュプリーム」はベストの選択だった。売り上げの60%以上をECで売り、45%が米国外からの売り上げで、店舗は全世界に12店舗(うち6店舗が日本)しかないプレミアムなD2Cというのも、今後の成長性を期待させる。

VFは3度、変身した

 VFは1899年に手袋メーカーとして創業。1920年代には社名に残る「バニティ・フェア(VANITY FAIR)」というランジェリーメーカーに転じ、69年には「リー」を展開するH.D.リー(H.D.LEE)社、86年には「ラングラー」を販売するブルーベル(BLUE BELL)社を買収してジーンズ部門が主力となり、全米最大のアパレルメーカーとなって社名もVFコーポレーションに変わった。

 00年には破綻寸前だった「ザ・ノース・フェイス」を買収、02年には「ノーティカ」も買収(17年に放出)、04年には「ヴァンズ」「ナパピリ」、05年には「リーフ」も買収してアウトドア&アクションスポーツ部門やスポーツウエア部門を拡大し、06年には祖業のランジェリー部門を売却している。07年には「セブン・フォー・オール・マンカインド(SEVEN FOR ALL MANKIND)」を買収(16年に放出)し、同年買収のヨガ&アスレチックウエア「ルーシー(LUCY)」と合わせてコンテンポラリー部門を新設。一時はセレブカジュアルのブームに乗ったがリーマンショックを契機にブームは終焉し、以降はジーンズ部門もコンテンポラリー部門も売り上げを落としていく。

 代わってけん引役となったのが成長著しい「ザ・ノース・フェイス」を柱とするアウトドア&アクションスポーツ部門で、09年12月期でジーンズ部門を抜いて最大部門となり、11年買収の「ティンバーランド」が加わって12年12月期には全社売り上げの53.9%と過半を占めるに至った。

 17年夏には「ディッキーズ」を買収してイメージウエア部門(ワーク&ユニフォーム)の拡大を図り、全社売り上げの62.7%に達したアウトドア&アクションスポーツ部門をアクティブ部門とアウトドア部門に分割した。18年を3カ月変則決算として体制を再構築し19年3月期の売り上げは12.1%伸びたが、20年3月期は期末にコロナ禍が始まって2.2%増とブレーキがかかり、営業利益率もピークの14年12月期の15.1%から19年3月期は12.1%(スピンアウトしたジーンズ部門を除くと11.6%)、20年3月期は8.8%と落ち込み、次の成長を牽引するパワーブランドが希求されるに至った。

 その答えが「シュプリーム」だったわけだが、これでVFは創業以来、手袋→ランジェリー→ジーンズ→アウトドア&アクションスポーツと3度の変身に続く第4の変身に挑戦することになる。

財務逼迫下での「シュプリーム」買収

 「シュプリーム」の買収でVFコーポレーションは少なくとも5億ドル、24年までに海外を合わせ10億ドルの売り上げも狙えるとしているが、19年5月にスピンアウトしたジーンズウエア部門は19年3月期で24億9177万ドルを売って3億50万ドルのセグメント利益を計上していたから、「シュプリーム」が10億ドル売れても減少した売り上げの4割しか埋められないし、売り上げ対比20%といわれる「シュプリーム」の収益力を持ってしても5億ドルでは営業利益は1億ドルでしかなく、10億ドル売ってもまだ1億ドル足らない。

 では次のストリートラグジュアリーブランド買収に動くかというと、コロナ以前から逼迫していたVFの財務状況では困難と言わざるを得ない。「シュプリーム」の売り上げを10億ドルどころか20億ドルにする方が確実で手早いはずだ。それだけのポテンシャルが「シュプリーム」にはあるし、VFの生産背景と流通体制に乗せれば容易に拡販できるだろう。だが、それではストリートラグジュアリーの規範を逸脱して「シュプリーム」の先鋭なイメージを損なうリスクがある。

 買収してもシュプリームの創業者も主要メンバーも残り、VFのスティーブ・レンドル(Steve Rendle)CEOも「何も干渉しない」としているが、逼迫した資金繰りの中で21億ドルも投資する以上、相応の見返りを求めるのは必定だ。「シュプリーム」の先鋭な魅力を損なわないでVFの売り上げに貢献させるには、これまでも傘下の「ヴァンズ」や「ザ・ノース・フェイス」「ティンバーランド」と散発的に行ってきたコラボ企画を拡大するのが現実的な選択と思われる。

 VFは「ティンバーランド」の買収で多額の負債を抱え、コロナ直前の20年3月期末でも純資産33億5700万ドルに対して借入金が38億3800万ドルと14.3%超過し、純資産に対する必要運転資金比率も98.0%と逼迫していた。コロナ禍の21年3月期上半期(4〜9月)では売り上げが前年同期の70.4%に落ち込み、営業利益こそかろうじて7314万ドルの黒字としたものの純損益は2889万ドルの赤字に沈み、運転資金回転日数が20年3月期の114.5日から180.6日に伸びて純資産対比の必要運転資金が122.2%と超過。借入金も56億9400万ドルに膨れ上がって純資産対比で193.3%と倍近くまで悪化した。それに比べればオンワードホールディングスの20年8月中間期の129.4%など、まだ余裕のうちかも知れない。

 財務がそこまで逼迫する中、21億ドルという「シュプリーム」の買収資金をどう捻出するのか不思議に思える。「ティンバーランド」の買収は手元現金5億ドル、コマーシャルペーパー7億ドル、タームローン8億ドルだったとされるが、現在の財務状況では手元資金からの捻出は難しい。「リーフ」に加えて「ディッキーズ」の企業向け作業服を含むワーク部門も売却を計画しているから、第4のドメイン再構築劇はかなりドラスティックなものになるだろう。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。近著は店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)

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ゴースト人気で住宅街物件は「プチバブル」! 「賃料1〜2割は上昇」。逆に繁華街空中階は4割引も

 外食の立地が大きく変わっている。繁華街の人出が減り、住宅街が再度注目されている。さらに実店舗を持たず、テイクアウトやデリバリーで事業を作るゴーストレストランの隆盛がそれを加速させる。首都圏の物件状況はどう変わっているのか。
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