「内田理央、本気でTシャツビジネスに挑む」Vol.0 オタク時代に気づいたTシャツの魅力

 女優やモデルとして活躍する内田理央の普段着は、Tシャツやパーカなどカジュアルが多い。自身のグッズTシャツでは“普段着で着用できるファンT”をコンセプトに、ビキニ姿や虫眼鏡、目もと、幼少期の写真など、さまざまな要素を一つのイラストとして落とし込む。そこで本人が持つ独自の感性と個性を存分に生かしながら、ファッション性や売り方、ブランドの存在理由にまでこだわった「本気のTシャツビジネス」をスタート!「WWD JAPAN.com」が紹介する各界の先駆者にTシャツという商品や、プリントするイラスト、完成した洋服の売り方というビジネスについて学びながら、名前貸しとは全然違う、本気のTシャツビジネスを目指します。0回目は本人にTシャツの魅力について聞いた。

WWD:どうしてTシャツを作りたいと思った?

内田理央(以下、内田):今は女優・モデルを中心に活動していますが、学生時代はキャラクターTシャツを大量に所有するほどのオタクでした。当時は「オタク」と思われていたのに、モデルを始めて、ストリートテイストでキャラTを着こなすと「オシャレ」って言ってくれる。そこで「Tシャツが持つ力はすごいんじゃないか?」と思うようになりました。最近は、自分のグッズTシャツを販売しています。ファンの皆さんは楽しんで着用してくれますが、まだまだ「グッズ」。さらにTシャツの魅力・ビジネスについて知りたいと思いました。

WWD:これまでに製作したTシャツのデザインの着想源はどこから?

内田:コラージュを手掛けている友人に、自分が持つ色々なイメージを伝えて製作しています。親知らずを抜いた記念に製作したTシャツは、フロントに“OYASHIRAZU”を、バックには私が親知らずを抜いた時の写真をプリントしました。

WWD:それらを通して、Tシャツの可能性やデザインのポテンシャルを感じたんですね。

内田:新型コロナウイルスの影響で経営が厳しい企業や団体とコラボして、Tシャツを一枚でも多く販売することで少しでも社会貢献したいという思いも強いです。今年買った動物園のグッズTシャツは、普段着としてはなかなか着用しづらいものでした。みんなが購入して着用写真がSNSで広がれば、「動物園を救えるのに!」と勝手に悔しくなってしまいました。

WWD:Tシャツは奥が深く、生地やサイズ感、パターン、イラスト、売り方もさまざま。そのあたりを一緒に勉強する覚悟はある?

内田:知識のない人間がアパレル業界で実績を築くというのは、過去のタレントさんたちを見ても「大変な道のりだ」と覚悟しています。それでも今だからこそ、「Tシャツで世界を救いたい」と思っています。一から勉強したいです。

WWD: 3カ月〜半年ぐらいは“Tシャツ修行”を積まなければいけないかも。

内田:もちろんです!よろしくお願いします。

WWD:現段階でコラボしたい相手はいる?

内田:大好きな横浜中華街です(笑)。今年はなかなか行けなくて、落ち着いた時に小籠包だけ食べに行きました。私はずっと「小籠包のTシャツを自分で着たい」と憧れていて、特に応援したいと思っています。横浜中華街で働く人たちだけが着用するのではなく、ファッションが好きな人や若い人、中華街を知らない人など、いろいろな人が着用できるものを作りたいです。

WWD:今の夢は「老若男女が着用する小籠包Tシャツ」ですね(笑)。それが今後、どう変わるのか、乞うご期待ですね。

内田:それはとても難しいことですが、夢は大きく持ちたいと思います!

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一時停止が決まった「GO TO トラベル」 ファッション業界への還元はどの程度あった?

 コロナ第3波の拡大を受け、「GO TO トラベル(以下、GO TO)」の12月28日~1月11日の停止が発表された。「GO TO」の地域共通クーポンは使用対象店舗としてアパレル小売業も含まれており、ファッション業界としても今回の停止は無関係な話ではない。ただし、実際のところは「『GO TO』の還元は観光業や飲食業が中心で、ファッション小売業への還元はごく一部」と嘆く声も業界内からはこれまでも聞こえてきていた。5月にファッション小売業支援のための署名活動を立ち上げ、コロナの終息が見えない中でその後も政府や省庁に陳情を続けているシューズブランド「ユナイテッド ヌード(UNITED NUDE)」の青田行・日本法人社長に聞いた。

WWD:青田社長らが5月にオンライン署名活動を立ち上げ、その後も政治家や官僚などと面会して要望を伝え続けてきたことなどが背景の一つとなって、ファッション小売業も「GO TO」の対象となった。

青田行「ユナイテッド ヌード」日本法人社長(以下、青田):対象になるように働きかけてくださった方々にまずはお礼を言いたい。ただ、そのうえで「GO TO」によるファッション業界への還元は一部にとどまっているというのが実情だ。制度設計上、地域共通クーポンはやはりホテル内や飲食店などで使われるケースが圧倒的に多く、当社の店頭でクーポンを使用するお客さまは週に2~3人いるかどうか。ファッション小売店でもクーポンが使えるという認識を広める努力がもっと必要だと思っていたが、ここにきて感染第3波が広がって、状況も変わってきた。

WWD:感染再拡大の中で、今後の状況をどのように考えて、どんな動きをしているのか。「GO TO」は2020年度の第3次補正予算で、21年6月末までの延長(約1兆円の追加予算計上)も明らかになったが。

青田:今後、感染がさらに広がれば、一部地域には再び緊急事態宣言が発令される可能性もある。そうなると、われわれは“不要不急”業種としてまた休業を余儀なくされる。そこまでの状況には至らないとしても、消費が低迷する中でファッション小売業としても他の業界と同様、支援を得るために政府に対して働きかけを続けていくことは大切だ。5月以降、政治家や官僚の方と面会し、企業破綻も相次いだファッション業界の状況や業種を限定しない経済活性化策の必要性などを訴えてきた。引き続き、菅義偉内閣の有識者会議メンバーでもある国際政治学者の三浦瑠麗氏を通して、11月にも長坂康正・経済産業副大臣や永澤剛・経済産業省製造産業局生活製品課長などと面会する機会を得た。その場では、「GO TO」の仕組みに代わる、より小売業に直結する施策の必要性を伝えた。

WWD:具体的にどのような施策や支援を訴えたのか。

青田:「GO TO」は人の移動が伴うことで感染も拡大させてしまう恐れがある。しかし、小売業の活性化のためには旅行先のみで使えるクーポンである必要性はなく、地元で使える業種を問わない(=ファッション分野の小売りに限らない)買い物券のようなものの方が消費には直結する。また、「GO TO」は仕組みがやや煩雑で、どうすればクーポンの使用対象店舗になるのかが分からないといった声も業界内からは聞こえてきた。そこで、2019年10月の消費増税に伴って実施されたキャッシュレス・ポイント還元事業の仕組みを再度活用して、キャッシュレスで買い物をするお客さまは割り引くような形を来年度予算などで採るのはどうか、といったことも伝えた。その方式なら、小売店の側は既に一度経験していることなので新たな設備投資が必要ないし、お客さまも仕組みに慣れている。

WWD:引き続き、世の中には「経済優先・消費活性化推進は、すなわち人命の軽視だ」という批判の声もある。

青田:4~5月の緊急事態宣言下とは違い、今はコロナ禍でも「比較的影響がない、むしろ今までよりも好調だ」という人・業種と、その反対に「非常にダメージを受けている」という人・業種とに二極化していると思う。われわれの業界にも、好調企業と年末の資金繰りに苦労している企業がある。「影響がない、好調だ」という人には経済を回していってもらわないと、コロナでは助かっても経済面で困窮し立ち行かなくなるというケースが大いにあり得る。余裕がある人が経済を回すことをためらわないような、「消費をしてもいいんだ」と感じられるムード作りを政府や業界に対して訴えていくことが、今後も大切だと思っている。

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「キジマ タカユキ」から「オーラリー」と「スタイリスト私物」とのコラボキャップが発売

 「キジマ タカユキ(KIJIMA TAKAYUKI)」は、「オーラリー(AURALEE)」とスタイリストの山本康一郎の「スタイリスト私物」とコラボした帽子をウェブサイト上で抽選販売する。期間は12月19日10時から〜21日10時まで。当選者は22日12時から順次発表される。

 コラボした帽子は全2型。定番キャップのつばを7mmの厚さに変更し、アウターとのバランスを追求した“CASHMERE FLANNEL CAP”(2万5000円)と、昨年11月に発売した「スタイリスト私物」とのコラボモデル“LAYERABLE COTTON HAT”(1万6000円)。「オーラリー」が特別に製作したフランネル生地を使用した“CASHMERE FLANNEL CAP”は、厳しい環境のもとで育ったカシミヤ山羊の毛を100%使用し、ライナーにシンサレートの中綿を加えたことでボリュームと暖かさを兼ね備えた。また後ろ側のゴムギャザーによりフィット感を高め、内側のテープ裏にはサイズ調整用のベルクロアジャスターを付属した。

 “LAYERABLE COTTON HAT”は、昨年のモデルからブリムを5mm広げ、クラウンの角を取り、前回より丸みのあるシルエットに仕上げた。耐水・はっ水性を備えたコットン100%の高密度オックスを使用し、ウレタンコーティング加工を生地の裏側に施しハリ感を出した。本体内側にはフィット感を調整できるドローコードを付属したほか、オーバーサイズ設計によりキャップとのレイヤーが可能だ。

 また「キジマ タカユキ」代官山店において、両サンプルの試着を12月18日まで行っている。営業時間は16時から20時まで。

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男性2名が実践するファッションとしてのカラーメイク

 近年のメンズコスメ市場は、ベースメイクやカラーメイクを発表するブランドが相次ぎ、スキンケアだけでなく、BBクリームやファンデーション、さらにはカラーメイクを取り入れた男性も増加している。メイクを普通にしている韓国アーティストの台頭で中性的な“美”に憧れる若者が増加しているのに加え、ラッパーでファッションアイコンとしても人気を博すエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)やポスト・マローン(Post Malone)はネイルをファッションの一部として取り入れていることなどから、街中でネイルをしている男性を見かけることも珍しくなくなった。今回、メイクをファッションの一部として、メイクを含めたトータルファッションを楽しむ男性2人を取材した。

アクセサリー感覚で楽しむメイクやネイル

 

WWD:メイクはいつごろから始めた?

野口:今年の初夏くらいからです。新型コロナウイルスの影響で、人と会いづらくなっていた状況だったので家にいる時間が長くなっていました。それを逆手にとって自宅でいろいろ試したり、研究したりして過ごしていました。始めるにはちょうど良いタイミングだったと思います。

WWD:きっかけは何だった?

野口:アクセサリーを着用するような感覚でネイルをしている男友達がいて、はじめはネイルに興味を持ちました。普段黒い服しか着ないので、体の一部に色があるのが新鮮で楽しかったです。メイクも目元にカラーがあってもいいかなとネイルの延長で始めました。ファッションに挿し色を加えるような感覚で、今では日々自分の好きなカラーを探していて、完全に“沼”にハマっています。

WWD:メイクを始めて気づいたことはあった?

野口:その日の気分は大きく変わります。先ほども言いましたが、黒い服しか着ないので、街中で目立たないようとどこか意識しています。でもメイクをしていると少し視線を感じるので、それが良い緊張感で生活にハリが生まれました。決して目立ちたいわけでないんですが(笑)

WWD:どのようにメイクの情報を得ているの?

野口:ユーチューブでも見るような韓国っぽい“メンズメイク”は、自分のしたいイメージとは異なっていたので、あまり参考にならないなと思っていました。ピンタレスト(PINTEREST)で探しているうちに、ネイルとメイクをしている海外のモデルを見つけて自分でも真似できそうだなと思って参考にしています。

WWD:メイクをする時の基準は?

野口:ネイルの色によって気分が変わるので、今日は(インタビューを受けるので)落ち着いた印象の緑を塗っています。目元には「ウズ(UZU)」のカーキのアイライナーやマスカラを引いています。「ウズ」は友人が使っていて興味を持ちました。気分を上げたいときは暖色系のコスメを使用して、オンオフ関係なく自由に楽しんでます。

WWD:メイクをするようになったら、周囲の人もメイクも気になるようになった?

野口:メイクを始めるまでは全く分からなかったんですが、自身で使用することで色んなブランドがあって、どういったメイクができるといった理解度も深まりました。街中の女性のメイクを見てどんな風に自分に落とし込めるか、どうすればファッションとして取り入れられるかを考えています。

WWD:ネイルや目元以外のメイクはしない?

野口:以前にBBクリームを試してみたんですが、肌を覆いつくすような印象だったので現状ネイルとアイメイク以外はしていないですね。ただ何かほかに楽しめるものがあれば取り入れたいなと思います。最近では眉ティントにも興味があります。ネイルと同じようにしばらく色が持つので、カラーが楽しめていいんじゃないかなと思います。

WWD:買い物は店頭?オンラインサイト?

野口:お店の雰囲気や店員さんと話すのは緊張するのでオンラインで買うことが多いです。ネイルをしている友人も買い物に行くときに「彼女さんにプレゼントですか?」と聞かれると話していて、まだ男性がメイクやネイルをすることに世の中は慣れていない、理解が追い付いていないのかなと感じています。

WWD:メイクをしたい男性に向けて何かアドバイスするとすれば?

野口:どの色やどんな物を使うのが正解と考える必要はないと思います。ブルーべース、イエローベースなど自分の肌に合ったパーソナルカラー診断もありますが、自分が楽しいと思うカラーを使えばいいと思いますし、ロジカルに考える必要はないって伝えたいです。

メイクも合わせたファッションを意識

 

WWD:メイクをはじめたきっかけは?

定岡:中学2年生のころにK-POPアーティストのビッグバン(BIGBANG)にハマり、男性がアイラインやリップなど、メイクをしていることに衝撃を受けたのがきっかけです。当時、周囲にはメイクをしている男性がおらず、化粧品の知識もなかったので、最初は軽くファンデーションをしたり、眉毛を描いたりと初歩的なことから始めました。

WWD:そこからどのようにメイクを覚えた?

定岡:"渋谷系メンズ"雑誌「メンズエッグ(men's egg)」がギャル男風メイクのファンデーションの塗り方や眉毛の整え方などが特集していて、それを参考にしていました。今でこそユーチューブなどでもメイクのハウツー動画が溢れていますが、当時はメンズ雑誌から情報を得るしかなかったんです。

WWD:女性向け雑誌は読んでいなかった?

定岡:当時、メンズ誌は肌や眉の整え方など身だしなみとしてのメイクしか載っていなかったので、次第に姉や妹が買っていた「セブンティーン(Seventeen)」(集英社)などを読み始めて、アイシャドウやリップの塗り方など徐々にカラーメイクの勉強をしていました。

WWD:どうやって自分に合うコスメを探していった?

定岡:以前、韓国コスメショップで働いていたほど韓国コスメが好きなんですが、成分にもこだわっているものも多い反面、ファンデーションなどはなかなか、肌に合うものを見つけられませんでした。なので百貨店で外資系ブランドのBAさんにアドバイスをもらったり、手につけて色味を確認したりして探しました。

WWD:店頭でタッチアップもしてもらう?

定岡:実は、今まで顔にタッチアップしてもらった経験がないんです。メンズメイクがどんどん普及すればいいなと思う反面、現状男性がタッチアップしている光景はまだまた珍しいですし、僕自身も少しタッチアップを受けるのに抵抗があります。韓国コスメショップで働いていた時に、店外で入りたそうにしていた男性のお客さんに声をかけると、「メイクの知識もなく女性しかいなくて恥ずかしくて……」と言っていて、僕と同じように周囲の目を気にしているんじゃないかと感じました。はやく世間の理解が深まればなと思います。

WWD:どれくらいの頻度でメイクしている?

定岡:毎日です。仕事の時は現場にメイクさんがいても自分でしちゃうくらいこだわりが強いですし、コンビニに行くときでさえメイクは欠かせないです。いつもメイク道具は持ち歩いていて特にUVカット効果の高い日焼け止めは欠かせません。

WWD:メイクにはどれくらい時間をかける?

定岡:大体1時間~1時間半です。仕事上、朝がとても早い時もありますがそれでも欠かさずメイクをします。メイク後の自分が好きだし、自信を与えてくれる。それが一日のモチベーションにもなるのでメイクをする時間は、僕にとってはすごく大切で楽しい瞬間です。

WWD:マスク生活を強いられる今、メイクにも何か変化はあった?

定岡:リップはマスクを外した時に塗るようにしています。顔の大部分が隠れているので見えている目元は、特に以前よりもメイクで遊ぶようになりました。これまで使ってこなかったマスカラを塗り始めたり、アイシャドウもピンクなどの明るい色を取り入れたりしています。マスカラは「ウズ(UZU)」を愛用していて、肌が暗めなので主張が強くなり過ぎないようにコッパー(ブロンズカラー)などのブラウン系を使っています。

WWD:こだわっているメイクのポイントは?

定岡:最近はホワイトのアイラインです。今まではブラウン系のアイシャドウは使っていましたが、「ウズ」ホワイトのアイラインを使うようになってから、カラーを引き立ててくれるオレンジやイエローなど原色系のアイシャドウを使うようになりました。これまでリップやアイブロウなどは使用していましたが、本格的にカラーメイクを始めたのは「ウズ」を使用し始めたのがきっかけです。

WWD:メイクを始める前後で何か変わったことは?

定岡:沖縄出身でよく日焼けしていたこともあり、肌が黒いのがコンプレックスでした。メイクはそういったコンプレックスをカバーしてくれて自信をくれるので、メイクをしている自分のほうが100倍くらい好きです。コンプレックスをなくしてくれる生活に欠かせない存在です。今はファッションの一部としても取り入れています。

WWD:どんな風に取り入れている?

定岡:アイラインって昔は黒系のカラーが多くて目を大きく見せたり、強調したりというイメージでした。今は目元にカラーを持ってきて、アクセサリー感覚でファッションに合わせたメイクにハマっています。例えば、今日の少しモードなコーディネートだと白いレザーのベストと刺し色のオレンジを目元にアイラインの色でリンクさせています。メイクも込みのファッションを意識しています。

WWD:どうすれば男性のメイクにもっと理解が深まると思う?

定岡:メイクをしている男性がもっと“自分”を発信していかなきゃいけないと思います。
どうすればメンズメイクが広まるのか、当たり前になるのかを僕も日々考えています。

WWD:メイクに一歩踏み出せない男性に言葉をかけるなら?

定岡:他人からどう見られるか、メイクをしている自分がどんな風に思われるか不安な気持ちになる男性も多いはずです。僕も昔はそうでした。自分のメイクが周囲にどう思われるか不安で、なるべく自然に見えるように気を使いましたし、不安で鏡ばかり見ていました。だけど今ではメイクをすることで自信も持てたし、今では「誰かの目を気にして躊躇する必要はない。もっと自分らしさを表現したほうがいい」と強く思います。

WWD:ダイバーシティの価値観が広まりつつある現在、“メンズメイク”という言葉に違和感を感じる?

定岡:女性が必ずメイクをしなければいけないという決まりはないし、逆に男性だからメイクをしちゃいけないという決まりもない。だから誰がしていてもおかしくない世の中になればいいなと思います。そういった意味では“メンズメイク”という言葉がなくなるほど寛容な社会になればなと思います。

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アディダス、「リーボック」売却検討を認める 有力候補はバーニーズの親会社

 アディダス(ADIDAS)は14日、かねてより話にあがっていた傘下ブランド「リーボック(REEBOK)」の売却を検討していると正式に認めた。売却先にはブランドマネジメント企業のオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)が有力視されている。

 アディダスは新たな5カ年計画の一環として、「『リーボック』の今後の戦略の見直しを開始した。売却と、われわれの一部であり続けることの両方が可能性として挙がっている。正式な決定は21年3月10日に発表する」と述べた。

 ABGと契約し、“NBA史上最高のセンター”と呼ばれるシャックことシャキール・オニール(Shaquille O'Neal)は、一年以上前から「リーボック」の獲得への興味を示していた。2015年にABGと契約を結んで知的財産の所有及び管理をし、自身の名を冠した「シャック ブランド(SHAQ BRAND)」を国際的に拡大したオニールは、90年代にNBAで「リーボック」のアンバサダーを務めていた。

 情報筋によると、「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEWYORK)」「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」「フォーエバー21(FOREVER 21)」を持つABGは、「リーボック」の獲得に間違いなく関心があるという。ABGは他にも、「ボルコム(VOLCOM)」「スパイダー(SPYDER)」など50を超えるブランドや資産を管理している。

 「リーボック」は06年にアディダスに31億ユーロ(約3193億円)で買収されて以来、業績は長らく低迷しており、新型コロナウイルスの影響で店舗の休業を余儀なくされたことから欧米を中心に売り上げが激減した。16年に導入した強化戦略が奏功し18年にようやく黒字化したが、20年の「リーボック」の1~6月期の売上高は前年同期比27.2%減の6億ユーロ(約756億円)となった。マット・オトゥール(Matt O'Toole)=リーボック社長は、現段階でのコメントを控えている。

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「WWDJAPAN.com」読者が選ぶ2020年ベスコスは?「無印」「シャネル」「ダヴィネス」が人気

 「WWDビューティ」は現在、今年最も売れた化粧品をたたえる「WWDビューティ ベストコスメ2020」を毎日発表している。また、公式インスタグラムアカウント(@wwd_jp)では、フォロワーに「今年買って良かった」と思うスキンケア、メイクアップ、ヘアケアをそれぞれ聞いた。そんなフォロワーが選ぶベスコスはプチプラからデパコス、D2Cブランドなど分野や価格帯も多岐にわたり、アイテムもさまざまだった。ここでは各カテゴリーで回答数が多かったブランドをランキング形式で紹介する。

スキンケア

1位 無印良品 “導入化粧液”“アルガンオイル”“ホホバオイル”など
2位 アルビオン “薬用スキンコンディショナー エッセンシャル”など
3位 イプサ “ザ ・タイムR アクア”など

 スキンケアでは「無印良品」が圧倒的に人気で、中でも“導入化粧液”が多くの支持を集めた。また「アルビオン」の“薬用スキンコンディショナー エッセンシャル”や「イプサ」の“ザ ・タイムR アクア”など、「WWDビューティ ベストコスメ 2020」のスキンケア部門にランクインした不動のベストセラーも見られた。

メイクアップ

1位 シャネル “ルージュアリュールラック””ボームエサンシエル”など
2位 アディクション “ザ アイシャドウ”
3位 ディオール “サンク クルール クチュール”など

 メイクアップは「シャネル」がトップで、10月に発売したばかりの艶タイプのリップ“ルージュアリュールラック”という回答が多かった。「アディクション」は今年の夏にリニューアルした“ザ アイシャドウ”が支持を集め、その中でもスパークルタイプが人気だった。また「ディオール」もリニューアルしたアイシャドウパレット“サンククルール クチュール”が好評だった。

ヘア

1位 ダヴィネス “オーセンティックオイル”“オーセンティックバター”など
2位 エヌドット “ポリッシュオイル”“ナチュラルバーム”など
2位 モロッカンオイル “トリートメント”など
2位 コタ “スタイリング ベース B7”“スタイリング ベース B5”など

 ヘアはサロン専売品がほとんどで、ヘアオイルがトップを独占。「ダヴィネス」の“オーセンティックオイル”や「エヌドット」の“ポリッシュオイル”、「モロッカンオイル」の“トリートメント”など、はやりのウエットヘアを簡単にかなえるアイテムが目立った。いずれもブランドを代表するアイコン製品だ。

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「ディウカ」2021年春夏コレクション

 「ディウカ(DIVKA)」が2021年春夏コレクションを発表した。

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ムスリムモデルのハリマ・アデンがインスタで振り返る「ヒジャブとモデル活動」

 新型コロナウイルスによるロックダウンにより多くの人が自身を見つめ直し、価値観をも再考することになった。ケニアの難民キャンプで生まれアメリカで育った、ソマリアにルーツを持つモデルのハリマ・アデン(Halima Aden)もその一人だ。彼女は11月末、自身のインスタグラムでヒジャブとともに活動してきたこれまでのモデル人生を振り返り、ファッション業界でのキャリアがヒジャブを着用する女性としての彼女のアイデンティティーを反映していなかったと結論づけた。フランクな絵文字やコメントを交えた複数のストーリー投稿で自身の体験をまとめながら、ファッション業界の人種や宗教に対する価値観について当事者として声をあげたのだ。その背景には、彼女と共により多くの時間を過ごしてきた母親からの影響も大きかったという。

 アデンは2016年11月に開催された「ミスUSA」のミネソタ代表を決めるコンテストにヒジャブを着用して出場したことが話題になった。入賞を逃したものの多くのメディアに取り上げられるきっかけとなり、ヒジャブを着用したモデルとして初めて有名ファッション誌の表紙にも起用されるなど、ファッション業界に新風をもたらした人物だ。

 インスタグラムの最初の投稿には、17年に彼女を「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)のキャンペーンに起用したリアーナ(Rihanna)に感謝の意を表明しながら「これが本当のハリマ。これが私の立ち返るところ」とコメントした。続けて「マイノリティーの中のマイノリティーでいることは簡単ではない。私の“ヒジャブの旅”は山あり谷ありだった。新型コロナ禍と業界から距離を置いたことにより、私が旅のどこで道を踏み外したのか気づくことができた」と書き出している。

 “ヒジャブの旅”の中で彼女は後悔している仕事をいくつも上げており、その中にはジーンズを頭から被せただけのものもある。“あなたのスタイルを探そう(FIND YOUR STYLE)”と書かれた広告の写真を引用して、「なぜスカートやワンピースしか着ないのに、ジーンズを頭に載せることに同意してしまったのだろう」とコメントした。

 ほかにもニット帽を被り、その下からはみ出すようにスカーフを巻いているものや、イエローを使用したアイメイクを施して目元だけを写したものも、自身のアイデンティティーに添うものではなかったと振り返っている。アデンは自分の価値観に反することをしたことを後悔しながら、同時にムスリムのスタイリストの少なさにも言及している。

 「この業界が、私でさえ葛藤している“つつましさ”で私を称賛する限り、私の心は救われない。その間にも私の同志は利用されて傷ついている。私は今自分のために立ち上がっているけれど、ファッションの中で自分の魂を見失ってしまったすべての人々のためにも、このようなスタンスをとっている。私たちはファッションによる評価を必要とすることはない」と語った。

 また黄色いスカーフをターバンのように身に付けた写真を引用して、「みんなから“ホットなヒジャブ着用者”だと思われたがっていたのを覚えている。それ自体がもう目的を見失っているのに。正直言うと、それはめちゃくちゃなだけだった」とコメントした。

 一方で女友達からの応援やサポートは、彼女の振り返りの中でたびたび見られる。「ヒジャブについて自分を振り返ってみると、友人たちに囲まれている時が一番心強かった。これこそ私が今、自分自身について探っているテーマだ」と言う。エティハド・トレーニング・アカデミー(Etihad Training Academy)で制服とヒジャブを着た女性と手を繋いでいる写真のコメントには、「これは、私が正しいことをした時。それは、素晴らしいことに取り組み、ステレオタイプを打ち破る他のヒジャブ着用者と交流を重ねていくこと」と語る。

 「私はファッション業界の間違った部分にいたが、この業界がランウエイショーや雑誌だけの世界でないと知ることができてよかった。現在は恩返しをしながら、本当の変化をもたらしているブランドがたくさんある。本当の意味でシステムを変えるためには、このような対話をもっと増やしていかなければいけない。それ以上も以下もない」とし、アデンはファッション業界に急いで復帰するつもりはないと述べた。そして、「私はこれからも自分らしいユニークな方法でキュートでいるわ!」と締めくくった。

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伊オンワードラグジュアリーグループの全株式を譲渡 オンワードHD、欧州事業悪化で

 オンワードホールディングス(HD)は、連結子会社オンワードイタリアS.p.A.が保有するオンワードラグジュアリーグループ S.p.A.(以下、OLG)の全株式を譲渡した。

 譲渡先は伊投資会社のNEMO S.R.Lで、売却額は非公表。これまでオンワードグループとの取引関係はなかった。OLGは2018年10月設立、資本金は2000万ユーロ。ラグジュアリーブランドの衣料品とシューズの製造・販売を主幹事業としてきたが、新型コロナウイルスの影響で足元の欧州の事業環境が急速に悪化していた。2020年2月期の売上高は1億2454万ユーロ、営業損益は1478万ユーロの赤字、純損益は1354万ユーロの赤字だった。

 オンワードHDは19年10月にイタリア事業の縮小や韓国事業からの撤退などを盛り込んだ「グローバル構造改革」の実施を発表。新型コロナの影響で事業の選択と集中の加速を余儀なくされる中、今回の事業譲渡もその改革の一環となる。譲渡日は12月11日。

 なお米WWDは、「ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」などを擁するOTBがオンワードHDの「ジル サンダー(JIL SANDER)」獲得に向けて動いており、両者はすでに交渉の席についているとも報じている。この件に関してオンワードHDは「コメントを差し控える」(同社広報)としている。

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「WWDビューティ ベストコスメ2020」アウトバストリートメント&スタイリング剤・新製品部門

 「WWDビューティ ベストコスメ2020」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで今年もっとも売れた製品を発表。アウトバストリートメントとスタイリング剤の新製品は、バラエティー・ドラッグストアのみで集計した。アウトバストリートメント1位は「アンドハニー(&HONEY)」の“メルティ モイストリペアオイル”となった。「うねり・くせ毛ケアができるオイル。パッケージの可愛さもSNS映えする」とのコメント。2位は「エイトザタラソ(8 THE THALASSO)」の“バランシングセラム&スムースリペア 美容液オイル”と、「ヘアレシピ(HAIR RECIPE)」の“和の実 さらとろライスオイル”が同率となった。スタイリング剤では、ヘアだけでなく手指、ネイル、ボディーケアにも使えるバームが人気を集めた。また、ウエットスタイルの人気も継続中で、もみこむだけでウエットな艶が表現できるアイテムもランクインした。スタイリング剤1位は「プリュスオー(PLUS EAU)」“ポイントリペアピュア”。「マスカラタイプのスタイリング剤で、手を汚さずヘアのお直しができる。衛生的で時代の流れとマッチしていた」との意見。2位は「ボタニスト(BOTANIST)」“ボタニカルヘアバーム”。3位は「ロンドGINZA WITH ミラボーテ」“グロスバーム24H”という結果になった。

アウトバストリートメント・新製品部門

1位 “メルティ モイストリペアオイル”

「アンドハニー」

 製品の90%以上をマヌカハチミツ・ローヤルゼリー、アルガンオイル、プロポリスなどの保湿&保護成分で構成した“メルティ モイストリペアオイル”。マヌカハチミツ60%、ローズハチミツ20%、国内産生ハチミツ20%と、3種類のハチミツを独自比率で配合することで、髪の水分量を高め、うねり・くせ毛のケアを実現。ヘアオイルはシャワーローズハニーの香り。シャンプー、トリートメントと併用しても香りがケンカすることなく、ほのかな香りのレイヤードが楽しめる。(100mL、1400円)

2位 “バランシングセラム&スムースリペア 美容液オイル”

「エイトザタラソ」

 ベタつかず、サラリとしたテクスチャーの“スムースヘアオイル”。髪や頭皮も肌と同じように老化する事実に着目した、スキンケア処方の美容液オイル。リンゴ果実培養細胞エキスなど3種の植物幹細胞エキスのほかに、褐藻エキスである「ラミナリアオクロロイカエキス」を保湿成分として配合。シャンプー新製品部門に“スムースシャンプー”もランクインしており、インバスアイテムとの併用率も高い。(100mL、1400円)

2位 “和の実 さらとろライスオイル”

「ヘアレシピ」

 米1000粒から1滴しか取れない貴重な国産ライスオイルで作った“和の実 さらとろライスオイル”。ライスオイルに含まれるオレイン酸が、日本人の分厚く硬いといわれるキューティクルにしっかり浸透し、リノール酸がキューティクルを補修。また、米に含まれる「ガンマ-オリザノール」が、紫外線A波、紫外線B波を吸収し、紫外線ダメージから髪と地肌をプロテクト。髪だけでなく、地肌や手、ボディーオイルとマルチに使える。(53mL、2000円)


スタイリング剤・新製品部門

1位 “ポイントリペアピュア”

「プリュスオー」

 マスカラ形状のスタイリング剤で、髪の乱れが気になる部分をサッとなでるだけでスタイルが整う“ポイントリペアピュア”。一般的なアイメイク用マスカラよりも大型のブラシにジェル状の保湿ケア剤がついており、乱れた髪を包み周りの髪になじませる。手を汚さず、アホ毛やトップの短い浮き毛、まとめ髪のえり足などを抑える。人気のシースルーバングの仕上げにもいいと人気を集めた。ポーチに入るサイズで持ち運びにも便利。(10mL、1100円)

2位 “ボタニカルヘアバーム”

「ボタニスト」

 毛先にもみこむと、動きのあるウェットスタイルが作れると支持された「ボタニスト」“ボタニカルヘアバーム”。カカオ脂・シア脂・アーモンド油などの植物オイルがベースで、手に取ると体温でオイル状のテクスチャーになり、肌にスッとなじみ髪に潤いとツヤを与える。ヘアだけでなくハンドクリームとしても使える。「ボタニスト」インバスアイテムと併用する人も多い。レモングラスとゼラニウムの香り。(32g、1500円)

3位 “グロスバーム24H”

「ロンドGINZA Withミラボーテ」

 ヘアサロン「ロンド」とミラボーテが共同開発した“グロスバーム24H”。保湿成分であるシアバターを配合し、自然なまとまりと柔らかさのある質感が出せる。髪に潤いを与えながら毛束感を出せるため、初心者でも人気のウエットスタイルを作りやすい。オイルやクリームと比較すると軽い仕上がりで、カールや巻き髪などエアリーなスタイルにオススメ。シリコーン・パラベンフリーでハンド、ボディーの保湿クリームとしても使える。(40g、1600円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT : MISA KOTAKE

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創業125年を物語るクラフツマンシップの輝き 「スワロフスキー」のホリデーコレクション販売中

 オーストリア発のクリスタルブランド「スワロフスキー(SWAROVSKI)」が、クリスマスに向けたホリデーコレクションを「スワロフスキー」ストアと公式オンラインストアで販売中だ。

 特徴は、創業125年を物語る伝統のクラフツマンシップと革新的なテクニックを融合してパワーアップした品質とデザインだ。低温で固まるセラミックに手作業で1 つ1 つクリスタルをはめ込む「スワロフスキー」独自のポインティアージュ技法をはじめ、カットやセッティングの精緻な技術によってその輝きにさらに磨きをかけた。

 「スワロフスキー」の代表的モデルであるクラシックな“テニス(TENNIS)”に繊細なカットを施した“テニス デラックス(TENNIS DELUXE)”のネックレスは、フォーマルなシーンにも着用できるラグジュアリーなデザインにアップデートされた。「スワロフスキー」のアイコニックなシリーズである“スパークリングダンス(SPARKLING DANCE)”の新作は、バレリーナのチュチュからインスピレーションを得たエレガントなデザインだ。また、“ヴィットーレ(VITTORE)“のリングはペアシェイプやスクエアカットのジルコニアが象徴的で、タイムレスなデザインは手持ちのリングやジュエリーとの組み合わせも楽しめる。クリスマスシーズンに着用する高級感のあるアクセサリーとして、また大切な人に贈るギフトとして提案する「スワロフスキー」ならではのコレクションだ。

 現在、「スワロフスキー」はファミリーの5代目が経営を担っており、世界約170カ国におよそ3000店のショップを構える。伝統と革新に裏打ちされたモノ作りは世界で評価を高めている。

問い合わせ先
スワロフスキー・ジャパン(コンシューマーサービス) 
0120-10-8700

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「#FR2」の石川涼がスニーカーヘッズの為のファッションブランドをスタート 第1弾は“エア マックス 95”

 「#FR2」などを手掛けるせーのの石川涼社長がスニーカーヘッズ(熱狂的なスニーカーコレクターを指す)の為のファッションブランド「ザ・ネットワーク ビジネス(THE.NETWORK BUSINESS)」をスタートする。“Social Sneakers Service® for sneaker heads worldwide(世界中のスニーカーヘッズのためのソーシャルスニーカーサービス)”をコンセプトに、アトモス(ATMOS)と「ザ・ネットワーク ビジネス」の公式オンラインサイトで販売する。

 第1弾は、12月17日に発売する“ナイキ エアマックス95 OG(NIKE AIR MAX 95 OG)”のネオンイエローから着想を得たスエットパーカとスエットパンツのセットアップ。USコットンを使用した肉厚のヘビーウエイト素材で、全体にネオンイエローのグラフィックをプリントする。価格は3万6000円。ノベルティーとして、スニーカーの行列などに並んだときに便利な折りたたみ椅子が付く。

 “エア マックス 95”の発売日と同じく、17日に発売する。

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「モロッカンオイル」からカラートリートメントが登場 ヘアカラーの悩みをカバー

 アルガンオイル配合のヘアケア製品を展開する「モロッカンオイル(MOROCCANOIL)」から、カラーヘアマスク“モロッカンオイル カラー デポジティング マスク”が誕生した。髪を健康的に保つ「モロッカンオイル」ならではのヘアケア効果があり、トレンドに合わせたカラーリングやカラーした髪の色落ちやダメージなどの悩みをカバーできる全7色をラインアップする。一時的なカラーリングを手軽に楽しめるため、“おこもり美容”でホームカラーに挑戦する感度の高い層から注目を集めている。

色落ちしたカラーを
短時間でリフレッシュ

 ここでは、染める前の髪色がダークからライトブラウンまで対応する“ボルドー”を使用した髪のビフォー、アフターを紹介。ボルドーカラーは、肌なじみのよい暖色カラーとして幅広く支持されており、「モロッカンオイル」のヘアカラーでは、深みのある色を演出する。シャンプー後、タオルドライした髪にマスクを塗布し、5〜7分放置してすすぐだけで簡単にカラーチェンジが可能だ。また、毛先だけやインナーカラーを染めるなど、ポイントカラーを楽しむこともできる。

混ぜ合わせて
理想の色を作ることも可能

ヘアトリートメントとの
ダブル使いで潤い&艶をキープ

 “モロッカンオイル カラーデポジティングマスク”を使った後は、カラーした髪をさらに艶やかにキープする“モロッカンオイル トリートメント”のダブル使いがおすすめ。

 “モロッカンオイル カラー デポジティング マスク”は、アルガンオイルや美容成分を配合し、瞬時に髪に浸透しやすく、内側から艶のある髪に導く。べたつかない処方で、アウトバストリートメントからスタイリンまでマルチに活用できる。両アイテムとも「モロッカンオイル」ならではの、ほのかに甘く香る官能的な香りが特徴だ。

問い合わせ先
モロッカンオイル ジャパン
0120-440-237

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「鬼滅の刃」×「アナ スイ」 襧豆子の着物の柄、胡蝶姉妹の髪飾りなどをモチーフにした48アイテム

 バンダイはTVアニメ「鬼滅の刃」と「アナ スイ(ANNA SUI)」のコラボコレクション“ANNA SUI meets 鬼滅の刃”を発売する。12月17日から「アナ スイ」の日本公式オンラインストアとバンダイのファッション公式オンラインストアで予約を受け付ける。

 「アナ スイ」のモチーフである蝶、バラやゴシックなデザインと「鬼滅の刃」のキャラクターの世界観の融合をテーマにしている。竈門襧豆子の着物柄の麻の葉をデザインしたバッグ、胡蝶姉妹の蝶の髪飾りや羽織をデザインしたスカーフなど全48アイテムを販売する。

 バッグ(2種、3万800円税込)、カシュクールエプロン(2種、1万1000円税込)、マイクロファイバーハンカチ(4種、1100円税込)、タイツ(4種、2640円税込)、マルチスカーフ(4種、3850円税込)、ネックレス(3種、1万4300円税込~)傘(4種、5500円税込)、Tシャツ(4種、5830円税込)、ソックス(4種、2750円税込)、2つ折り財布(2種、1万9800円税込)、キャップ(2種、5500円税込)、ピアス(1万5400円税込)、ポーチ(2種、3300円税込)などを用意した。

 「鬼滅の刃」は吾峠呼世晴の、同名の漫画作品を原作としたTVアニメ。アクセサリーブランド「ジャムホームメイド(JAM HOME MADE)」や「ジーユー(GU)」とのコラボも発表している。

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日本発“冷え”と“巡り”に注目した温活ショーツが登場 「マクアケ」先行で1000万円売り上げ

 下着やコスメなど女性の美と健康に寄り添う商品の企画・販売を行うシルキースタイルは、12月15日、温活ショーツ「オンド ミュウ(ON DE MIU)」ビューティーショーツを公式ウェブサイトで発売する。「オンド ミュウ」は同社初の自社ブランドで、多くの女性が悩む“冷え”や“巡り”に着目しながら下着としての美しさも追求した大人のための温活インナーを提供。

 東洋医学の観点から約2年かけて開発されたビューティーショーツは”よもぎ蒸し“から着想を得た蓄熱素材の“αオーラわた”を使用した“子宮あたためクロッチ”と素材をクロスさせた構造が体に合わせて伸び縮みする“解放クロスフリー設計”が特徴でいずれも特許出願中だ。温め機能と17ものパーツから構成されるショーツは総レースでエレガントなデザインで、メード・イン・ジャパン。クリスタルフェザー、ディープサファイア、モナコクォーツ、ダリアルビーの4色展開で、価格は5500円。

 クラウドファンディング「マクアケ(MAKUAKE)」で10月1日〜11月29日に先行発売したところ、当初の目標の34倍の約1000万円以上を売り上げたという。シルキースタイルでは、新たな発想の下着サブスクリプションサービスもスタートする。

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「ランボルギーニ」が東京の新拠点「ザ ラウンジ トウキョウ」で最新V10モデルを日本初披露

 イタリアのスーパースポーツカーブランド「アウトモビリ・ランボルギーニ(AUTOMOBILI LAMBORGHINI)」は、自然吸気V10エンジンを搭載した“ウラカン(HURACAN)”の最新モデル“ウラカンSTO”を発表した。11月18日のオンラインによる世界発表の後、20日に東京・六本木の「ランボルギーニ」の体感スペース「ザ ラウンジ トウキョウ(THE LOUNGE TOKYO)」で、世界で初めて実車が披露された。

レーシングテクノロジーが
注ぎ込まれたロードカー

 “ウラカンSTO”は、同一仕様のマシンで競うワンメイクレースに参戦している“ウラカン スーパートロフェオ(HURACAN SUPER TROFEO)EVO”と、2018、19、20年のデイトナ24時間レースを3連覇、セブリング12時間耐久レースを2連覇した“ウラカンGT3 EVO”のレーシングテクノロジーを活用して生まれたロードカーだ。この戦績を誇る高い技術力を注ぎ込まれた車両性能が、(数々のレースを勝ち抜いた)“実話に基づいている(BASED ON A TRUE STORY)”というモットーの由来となっている。

サーキットを走行しているような
エモーション

レース経験を生かした技術的ノウハウを有する“ウラカンSTO”は、まるでサーキットを走行しているような臨場感が得られる

 特筆すべき特徴は、レーシングマシンのテクノロジーから生まれたエアロダイナミクス(走行時の空気抵抗)、自在なステアリングと高性能ブレーキシステム、ボディーの75%以上にカーボンファイバーを使用して実現した軽量化だ。最高出力640hp(470kW)、最大トルク565Nm/6500rpmの自然吸気V10エンジンを搭載し、0-100km/hはわずか3.0秒、0-200km/hは9.0秒という加速力で最高速度は310km/hに到達する。レーシングカーさながらの高揚感とエモーションを体感できる。2021年春以降のデリバリー予定だ。

「ランボルギーニ」を体感できる
ラウンジがオープン

 “ウラカンSTO”日本初披露の会場となった「ザ ラウンジ トウキョウ」は、「ランボルギーニ」が運営する常設の施設としてアメリカ・ニューヨークに続く2拠点目で、運営はイタリア・ボローニャの本社が直接行う。地下1階、地上3階の建物で、1階はイベントスペース、2階はオーナーとのコミュニケーションフロア、3階はイタリア料理でもてなすホスピタリティーゾーンを設置した。注目点は、イタリア本社以外では初となる「ランボルギーニ」の個人オーダープログラム“アド・ペルソナム(Ad Personam)”専用スタジオを地下1階に常設していることだ。

 スタジオ内にはシートやホイール、内外装素材、ボディカラーなどの多彩なオプションが展示されており、それらのサンプルを見ながら3Dのコンフィギュレーションプログラムを用いて、細部までこだわった自分だけの1台をオーダーすることができる。その仕上がり具合は、VR(仮想現実)で確認することも可能だ。現在、日本で販売された「ランボルギーニ」の約80%が“アド・ペルソナム”で仕上げられているという。

 「ランボルギーニ」の情報発信拠点である「ザ ラウンジ トウキョウ」はオーナーが自由にくつろげるリラックスした空間で、「ランボルギーニ」のコアコンセプトである“インフォーマルなラグジュアリー”という世界観を表現した。また、オーナーだけでなく、一般向けのミーティングやイベント、展示会など幅広い目的で利用が可能だ。

 日本市場における「ランボルギーニ」のビジネスは成長を続けており、この勢いは新型コロナ禍においても衰えていない。独自のレーシングスピリットを象徴した渾身の新モデルの発表、ブランドのDNAやイタリア文化を発信する新しいコミュニケーションスペース「ザ ラウンジ トウキョウ」のオープンで、「ランボルギーニ」は身近な存在としてさらに注目を集めそうだ。

問い合わせ先
ランボルギーニ カスタマーセンター
0120-988-889

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キム・ジョーンズ手掛ける「フェンディ」のデビューは自身初のオートクチュール 21年1月にパリで発表

「フェンディ(FENDI)」は、2021年1月27日にパリでキム・ジョーンズ(Kim Jones)新ウィメンズ・アーティスティック・ディレクターによる初のコレクションとなる21年春夏オートクチュール・コレクションを披露する。9月の就任当初は21年2月にミラノ・ファッション・ウイークでのデビュー予定としていたが、前倒した。新型コロナウイルスのパンデミックによる先行き不透明な状況のため、観客を迎えてのショーになるかは現時点では未定だが、パリ旧証券取引所(Palais Brongniart)を会場に発表を行う。
 
 キムにとって初めてのウィチュールとなる同コレクションの制作には、メンズウエアとアクセサリーのアーティスティック・ディレクターを務めるシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)と、シルヴィアの娘でジュエリーを手掛けているデルフィナ・デレトレズ・フェンディ(Delfina Delettrez Fendi)も携わる。また、「フェンディ」は15年から“オートフリュール”と呼ぶファーを生かした秋冬のオートクチュールのみをパリやローマで発表しているが、春夏シーズンに向けて制作するのは今回が初めてとなる。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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キム・ジョーンズ手掛ける「フェンディ」のデビューは自身初のオートクチュール 21年1月にパリで発表

「フェンディ(FENDI)」は、2021年1月27日にパリでキム・ジョーンズ(Kim Jones)新ウィメンズ・アーティスティック・ディレクターによる初のコレクションとなる21年春夏オートクチュール・コレクションを披露する。9月の就任当初は21年2月にミラノ・ファッション・ウイークでのデビュー予定としていたが、前倒した。新型コロナウイルスのパンデミックによる先行き不透明な状況のため、観客を迎えてのショーになるかは現時点では未定だが、パリ旧証券取引所(Palais Brongniart)を会場に発表を行う。
 
 キムにとって初めてのウィチュールとなる同コレクションの制作には、メンズウエアとアクセサリーのアーティスティック・ディレクターを務めるシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)と、シルヴィアの娘でジュエリーを手掛けているデルフィナ・デレトレズ・フェンディ(Delfina Delettrez Fendi)も携わる。また、「フェンディ」は15年から“オートフリュール”と呼ぶファーを生かした秋冬のオートクチュールのみをパリやローマで発表しているが、春夏シーズンに向けて制作するのは今回が初めてとなる。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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百貨店の本当の“余命” 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。百貨店に関してネガディブな報道が飛び交っているが、中には首を傾げたくなる記事もある。じっくり検証してみた。

 コロナ禍が長引いて、またぞろアパレルや小売業の“余命”予測が流行りのようだが、安直な計算で無闇に不安をあおる記事が横行している。「プレジデント・オンライン」の「『三越伊勢丹の“余命”はあと2年強』経済アナリストが試算する百貨店社の末路」と銘打った記事など、あまりに経営の現実から乖離して不安をあおるだけの無責任な計算だ。不要な誤解が広がらないよう百貨店の経営実態に即した“余命”を真っ当に計算して提示することにした。

経済アナリストが計算した百貨店の“余命”

 「プレジデント・オンライン」の記事は経済アナリストの馬渕磨理子氏によるもので、各社の2020年2月期と同3月期の実績を基準に売上総利益が7掛け、販管費が8掛けになって営業赤字が続いたと仮定した損失が最新中間期末の現預金を食い潰すのに何カ月かかるかという計算だ。それによれば三越伊勢丹ホールディングス(HD)は28カ月、高島屋は170カ月、エイチ・ツー・オー リテイリング(H20)など19カ月しか“余命”がない。

 その計算では三越伊勢丹HDは毎月16億円、高島屋は7億円、H20は14億円の赤字を垂れ流して現預金を食い潰していくが、J.フロント リテイリング(JFR)は14億円の黒字になって永遠の“余命”となる。現預金はキャッシュフローの一端に過ぎず、借り入れを増やせば容易に増やせるものだから“余命”の計算に使うには不適切で、借り入れ能力の元となる純資産、あるいはそれに含み益を加えた実態株主資産を基準とするべきだ。

 あまりに経営の現実から乖離した安直な計算で、“余命”を宣告された3社がその期限に前後して破綻する可能性はゼロだから、3社もアホらしくて反論もしないようだ。執筆者も三越伊勢丹HDには土地・建物が約7000億円、H20にも同2500億円の資産があるから資産を売却すれば“余命”は伸ばせると最後に補足しているが、企業の“余命”を予測してメディアにさらすには安直に過ぎるのではないか。

大手百貨店企業の“余命”は意外に長い

 企業が破綻するのはキャッシュフローの突発的異変(黒字倒産)でもない限り「超過債務」状態に陥ってからで、信用ある大企業は純資産(株主資本)が大きくマイナスにならないと破綻しない。今日の過剰資金供給環境では大企業の黒字倒産はあり得ないし、例え決算書上で純資産がマイナスになっても、不動産や有価証券の含み益で追加融資を受けられるし、売却して益出しすることもできるから即破綻ということはないが、最も現実に近い“余命”は純資産を食い潰すまでの期間だ。

 各社の今中間期末の純資産を起点に、通期の予想純損失が今後も続くという最悪の事態を想定すれば「超過債務」に陥るのに何年かかるかという計算をしてみたが、最も短いH20でも10.92年、三越伊勢丹で11.33年、高島屋で11.71年、不動産業化するJFRは20.32年と各社とも当分、破綻しそうにない。

 純資産対比の運転資金比率は三越伊勢丹HDで11.5%、高島屋で9.3%、H20で10.0%と低く、余命に関わるほど財務上の負担を考慮する必要がない。不動産業化が進むJFRでは棚資産が前期から半減しており、買掛金と営業債務が一括されているため正確ではないが、預かり売上金で492億円余の回転差資金が生じている計算になる。不動産投資が嵩んで純資産対比借入金比率は115.4%と、H20の70.7%、高島屋の54.1%、三越伊勢丹HDの36.1%より頭抜けて高いが、この順に不動産業化が進んでいるということだ。

 今中間期のような異常事態が続くとは思えないから非現実的に厳しい計算方法だが、それでも最低10年は潰れそうもないという結果だったから、各社の膨大な含み益を考えれば“余命”は半永久的な域になる。この結果を見て「百貨店は永遠です!」と言いたくなるかもしれないが、残念ながら小売業態としての百貨店はすでに“死に体”で、ことアパレルの消化仕入れ販売に関しては「終わった」と言わざるを得ない。
大手百貨店各社は過去の資本蓄積が厚く、都心の一等地に構える店舗の不動産価値も高く、アパレルメーカーやテナント出店型アパレルチェーンのような財務のひっ迫はないが、大手4社を比較すると「脱百貨店」の進展度合いで業績や財務状態に少なからぬ格差が開いており、もはや「百貨店業」として比較する意味さえ疑われる状況になっている。

「脱百貨店」の進展による明暗

 かつて「百貨店」として最も成功していた三越伊勢丹HDが「脱百貨店」が遅れて業績が暗転する一方、高島屋は子会社の東神開発を軸とした商業施設事業とクレジット・金融事業に救われ、JFRは百貨店のハイブリッド化という不動産事業化とパルコ事業に救われているどころか、永遠不滅と言いたくなるほどキャッシュフローが改善されている。H2Oは関西圏に集中した百貨店事業が例外的に上手く行っており、コロナ禍で百貨店事業が暗転する一方で食品事業(阪急オアシスとイズミヤの食品スーパー部門)が急浮上するなど、多分野化が報われた感がある。

 三越伊勢丹は20年3月期で百貨店事業売り上げが94.9%も占めたがセグメント利益は15.9%に過ぎず、その割に資産の73.5%も使って資本効率が極めて悪い。クレジット・金融事業は、売り上げは2.1%に過ぎないがセグメント利益の41.0%を占め、使用資産も15.4%と資本効率が高い。不動産事業も売り上げは3.0%だがセグメント利益は43.1%を占めて最大で、使用資産も11.1%と資本効率が高い。

 今中間期では百貨店事業が212億9700万円の赤字に転落し、クレジット・金融事業が12億8500万円、不動産事業が29億9700万円の黒字を計上しても焼け石に水で合計170億1500万円の赤字に沈み、「脱百貨店」の遅れに直撃された。

 高島屋は20年2月期で百貨店事業売り上げが89.1%と三越伊勢丹HDよりは低いが、セグメント利益は29.5%に過ぎず、使用資産は66.1%も占めて資本効率が悪い。クレジット・金融事業は売り上げこそ2.0%に過ぎないが、セグメント利益は20.7%を占め、使用資産は9.6%と資本効率が極めて高い。商業開発事業は売り上では5.2%だがセグメント利益は42.2%も占めて最大で、使用資産も22.4%と資本効率が金融事業並みに高い。建装業は売り上げの3.8%、セグメント利益の7.6%を占め、受注事業ゆえ使用資産は1.8%と限られる。

 今中間期では百貨店事業が138億8800万円の赤字に転落したが、クレジット・金融事業が21億600万円、商業開発事業も郊外施設に救われて32億3800万円の黒字を計上し、合計赤字額を86億6500万円と三越伊勢丹HDのほぼ半分に押しとどめている(三越伊勢丹と高島屋は「事業」と言わず「業」としているが、他社とそろえて「事業」と表記した)。

 JFRは20年2月期で百貨店事業売り上げが66.1%まで落ちたが、ハイブリッド化で採算性が改善されてセグメント利益の47.5%と最大を占め、使用資産も40.7%と利益貢献に見合っている。次いでパルコ事業が売り上げの28.0%、セグメント利益の29.2%を占め、使用資産も29.7%と利益貢献に見合っているから、パルコの買収は成功だったと評価される。不動産事業は売り上げの4.2%にとどまるがセグメント利益は18.1%も占めて収益性が高く、使用資産も22.8%と利益貢献にほぼ見合っている。クレジット・金融事業は売り上げの1.7%、セグメント利益で5.1%、使用資産も6.8%と限られる。

 今中間期では百貨店事業が213億5700万円の赤字、パルコ事業も26億400万円の赤字に転落し、不動産事業が16億3400万円、クレジット・金融事業が4億5300万円の黒字を稼いでも焼け石に水で、合計赤字は218億7300万円と4社で最大となった。不動産事業の都心集中がコロナ禍では裏目に出たわけで、東神開発のような郊外対応が急がれよう。

 H2Oは20年3月期で百貨店事業売り上げが52.7%とJFRよりさらに低いが、セグメント利益は62.0%も占めるほど好調で、使用資産も19.8%と資本効率も突出して高い。食品事業(スーパーマーケット)は売り上げの39.5%、資産の13.3%を占めるが、14年に経営統合したイズミヤが不振でセグメント利益は25億300万円の赤字だった。不動産事業は売り上げの1.0%に過ぎないが、セグメント利益は22.3%も占め、使用資産も15.5%と資本効率が高い。

 今中間期では百貨店事業が34億5600万円の赤字に転落、不動産事業も3億1800万円、その他事業も14億2800万円の赤字に転落したが、イズミヤの食品スーパー部門を分割して阪急オアシスと運営を統合した食品部門がコロナ禍で急浮上して29億200万円のセグメント利益を稼ぎ、合計赤字は23億100万円と4社で最もダメージが浅かった。

会社は残るが「百貨店」も従業員も消えていく

 日本の大手百貨店企業は簡単には潰れないことが分かったと思うが、これまでの「百貨店業」が続けられるわけではない。3フロアも4フロアも埋めてきたアパレルは業績悪化で退店が加速し半分も維持できないし、インバウンドが潰えた化粧品もこれ以上は広がらない。

 ハイブリッド化して定借賃貸のテナントに切り替えるにしてもアパレル関連は半減するし、化粧品も広がらず、雑貨や飲食ばかりになるが、コロナが収束しない限り、飲食も当分は苦しい。D2CブランドやRaaS※1.のショールームストアも話題にはなるが広がりは限られるから、いずれ売り場は埋まらなくなるし、その前に家賃収入が目減りして旨味がなくなってしまう。上層階はいっそオフィスに切り替えたいが、リモートワークの定着でそれも難しくなってきた。

 ECに活路を求めるにしても、ECモール事業者に対するアドバンテージとなるC&C(クリック&コレクト)※2.利便を提供するには店舗数の桁が致命的に足らないし(米国のコールズやしまむら級の千店前後の店舗数が必要)、それ以前に受注引き当てシステムや物流システムの段階で行き詰まり、大半を外部に依存する“張子の虎”で終わりかねない。それらのほとんどを実現してEC比率が30%を超えたニーマンマーカス(NEIMAN MARCUS)やノードストローム(NORDSTROM)とてフルプライス(百貨店)部門の赤字を埋めきれなくなり、ニーマンマーカスは破綻し、ノードストロムも減収減益を止められなくなっている。唯一、突破口となりそうなのはコールズ(KOHL’S)がアマゾン(AMAZON)と提携し、中国の銀泰百貨店がアリババ傘下で再生したように、フロント・決済・物流を備えたプラットフォーマーと連携することだろう。

 不動産業への転換は資本効率を高め財務体質を強固なものにするかもしれないが、その過程で「百貨店業」に従事して来た人々の9割を振り落とすことになるし、投資利回りもじりじりと下がっていく。会社は永らく残るが、「百貨店業」は遠からず一部の都心旗艦店や郊外・地方のサテライトストアを残して消えていき、従業員も大半が離散していく。

 コロナを契機にライフスタイルも社会関係も消費行動も都心集中志向から生活圏分散志向に転じ、服装マウンティングの必要も薄れてお洒落を競う意味もなくなり、久しく元には戻らないだろうから、商業施設もアパレルも生活圏へシフトし、カジュアル化・低コスト化が加速する。百貨店企業は不動産業化と並行して郊外シフトと低コスト化を急ぐべきだろう。


※1. RaaS(Retail as a Service)…小売事業者が蓄積する顧客データや販売ノウハウに、テクノロジーを掛け合わせ、支援サービスを開発・提供すること
 
※2. クリック&コレクト(C&C)…EC受注に顧客の近隣店舗の在庫を引き当て、店渡しやローカル直行宅配で最速かつ送料なしで届けるローカルOMO(店舗とECの融合)体制 

 

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。近著は店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)

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食べ合わせの科学分析で分かったジントニックのポテンシャル。「ボンベイ・サファイアで始まる、居酒屋のカンパイ」【PR】

 ジンが注目され、居酒屋でもジンを使用したドリンクが強化されている。ジンと言えば、ジントニックが定番であるが、ジンソーダを提供する居酒屋も増えてきている。ジンは、数種類のボタニカル(スパイスやハーブ)が使われており、香り、味わい、余韻があることで、主にスパイスを使った料理との相性が良いと言われているが、居酒屋では一体どんな料理とのペアリングを秘めているのだろうか。
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「時短だから仕事少ない方がいいよね」は「余計なお世話」 バロック・ママ社員による新部署での挑戦

 バロックジャパンリミテッドは、CSR強化や社員へのサステナビリティの観点から、ママ・パパ世代の働きやすさを考慮した「Eコンテンツ開発部」を新設し、同部署から10月に既存ブランド「イム(Y/M)」をEC専業ブランドとして再始動した。従来からある「EC事業部」は既存ブランドの通販業務を担っているのに対し、「Eコンテンツ開発部」はコンテンツやブランド開発から一気通貫で担当する。これにより「アパレルのEコンテンツの最大化と事業化」を目指す。

 「Eコンテンツ開発部」には、現在4人のママ社員が在籍。全員が「スライ(SLY)」「マウジー(MOUSSY)」「ロデオクラウンズ(RODEO CROWNS」の店長やMD、営業などで活躍し、産休・育休から復帰した経験豊富な敏腕メンバーだ。中でも第1号メンバーの牛込里沙マネジャーは、組織から仕組み作りまでを任せられる同部署のキーマンでもある。

 そもそも発足のきっかけは、「20代から会社を支えてくれている社員のライフスタイルの変化を受けて」と熊川大輔・上席執行役員 営業統括本部 副本部長。「店舗管理やスタッフ同士のコミュニケーションは、時短勤務だと難しいこともある。決定力とパワーのある子たちを既存事業に復帰させたかったのが本音だが、これらの課題解決に挑戦する新たな部署を作ってみようと思った」と加える。以前からの構想を、新型コロナウイルスとベテラン社員たちの産後復帰が重なったことが後押した。

 現場では、MDと生産に関する業務をペアで取り組み、急な休みでも「その人しかできない」状況を回避。内装から手作りしたという本社の1フロアには、デスクから撮影スタジオまでが1カ所にまとめられ、「(定時に帰るには)社内の移動時間でさえもったいない」というママたちの意見が、作業動線にまで反映されている。

メリットは「子育てを軸にサポートしあえる“雰囲気”」

 ママ・パパ世代を集めて“部署化”する効果について「1番のメリットは、理解してカバーし合える環境にある。子どもが体調不良のとき、快く休ませてあげられる“雰囲気”が大切。たとえ相手が悪く思っていなくても、心苦しい環境はある」と牛込マネジャーは語る。「育休復帰後の業務内容」や「子育てと仕事の両立」は、アパレルに限らず全ての企業の課題だが、この“休みづらさ”が“子育てへの理解のなさ”と表現される場合も多い。一方で「仕事へのモチベーションはとても高い。1番、結果主義の部署かもしれない」と補足する。

 4人が手掛ける「イム」は、アパレルD2Cブランドのプラットフォーム事業「YOUR BRAND PROJECT Powered by ZOZO」の1ブランドとして10月21日に、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」で先行発売。「ウェア(WEAR)」公式ユーザーのウェアリスタである社内外の6人をディレクターに迎えた商品は、当初の見込み売上に対して120%と好調なスタートを切っている。特にウェアリスタの1人である「Misatoさんとのコレクションが売れ筋」で、カフタンニットワンピースは、200枚が完売。今後はコラボメンバーを増やし、反響のあるコレクションは単体でのブランド化も検討する。

 発足間もない「Eコンテンツ開発部」だが、牛込マネジャーは「時短だからそんなに仕事を与えない方がいいよね、は余計なお世話(笑)。それも周囲の優しさだが、女子の気持ちをもっと繊細にくみ取る必要がある」。実は牛込マネジャー自身、育休開けにスピード感がゆるやかな部署に配属され、「今日与えられた仕事が1時間で終わった。物足りない」と、逆に熊川大輔・副本部長を呼び出したエピソードがあるという。

 それを受けて「時短だからと変に仕事量を減らすのではなく、きちんと役割を与えた方が生き生きと働いている。会社はノルマを定めて、ルールはスタッフが決める方が、今の時代に合っているのでは」と熊川大輔・副本部長。

 産休・育休復帰で不安を抱えるママ社員が、仕事の感覚を取り戻せる環境を作ることは、さまざまな内情を抱える社員の多様な働き方の後押しになり、会社全体の活性化につながる。

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大トロを焼肉のように焼く「焼うお いし川」。30代女子をコロッとイカせて、客単価1万円を稼ぐ

 東京・築地にある「焼うお いし川」。大トロをはじめとした新鮮な海鮮を焼肉のようにロースターで焼いて食べる店だ。コンセプトは「肉を使わない焼肉」。これが30代女性に受けており、客単価は1万円近いが、予約しないと入りにくい状況だ。
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クセになる香り。和食料理人もハマっている台湾スパイス「馬告(マーガオ)」

 痺れブームの火付け役が「ホアジャオ(花椒)」であれば、台湾ブームの火付け役は「マーガオ(馬告)」ではないか。マーガオは、山椒のような刺激に爽やかなレモングラスの香りが特徴で、収穫量も限られているレアスパイスである。カレーや中華はもちろん、和食でも重宝されている。
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無限ループも可能に!?フィンランド発スタートアップが仕掛ける“サステナブル繊維革命”

 フィンランドの名門研究所VTT(フィンランド技術研究センター)からスピンアウトしたスピノバ(SPINOVA)は、木材パルプや農業廃棄物の小麦や大麦、わらといった天然素材の繊維質からセルロース繊維を精製する技術を開発したスタートアップ企業だ。レーヨンなどのビスコース繊維の生産時に長らく課題となっていた有害物質も一切使わず、廃棄物も出さず、しかもそうして生産した繊維はリサイクル可能で、服から服へ循環する無限ループも可能になるという。この画期的技術は世界中から注目を集めており、欧州セルロース繊維大手のレンチング・グループ(LENZING GROUP)は2015年の創業当初から出資。また、世界最大のパルプ生産者の一つであるブラジルのスザノ・パペル・エル・ローサ(SUZANO PAPEL EL CELULOSA)からも資金を調達しており、現在の調達額は2500万ユーロ(約31億5000万円)。スザノ・パペル・エル・ローサとは合弁で商業生産に向けた工場設立を計画中だ。「世界一サステナブルな繊維を開発した」とうたうユハ・サルメラ(Juha Salmela)=スピノバ共同創業者兼チーフ・テクニカル・オフィサー(CTO)にオンラインインタビューを行った。

WWD:スピノバは“世界一サステナブルな繊維の生産技術を開発した”と打ち出しているが、具体的にどのような繊維なのか。

ユハ・サルメラ共同創業者兼CTO(以下、サルメラ):全てがナチュラルなセルロース繊維で、現在は原料を木材にしているが、将来的には農業廃棄物の小麦や大麦、わらやタンパク質を含む他の廃棄物の利用も可能になる。わらに関してはフィンランドのエネルギー会社と協業して、すでに小麦のわらを原料にしたドレスのプロトタイプも作った。

WWD:木材からセルロースをつくる際に、劇薬を使わずクリーンに製造できるとか。

サルメラ:はい。私たちは天然素材を分解するために、溶解性のある有害な化学物質は一切使用しない(溶剤は製紙ではよく使われる無害な流動性の添加物)。また、機械的に行うので、洗浄もなく、廃棄も出ない。それこそが他のビスコースやテンセル、モダールやリヨセルモダールなどの既存のビスコース繊維生産と異なる点だ。私たちは木材パルプやその他のセルロース繊維からマイクロフィブリル化(ミクロ化)したセルロースを精製し、その後、水とファイバーの懸濁液の流動性質を修正し、天然ファイバーを特別にデザインしたノズルを通して押し出している。クモが糸を出すのに少し似ている。このセルロースファイバーを非常に細いノズルに通すことができ、この技術もわれわれが開発した専門性の高い技術の一つだ。そして最後に、懸濁液から水分を蒸発させれば、ファイバーが完成する。

WWD:その際に使われる水の使用料も少ないとか。

サルメラ:はい。バリューチェーン全体でみると綿花栽培と加工に比べて99%削減できる。

WWD:原料がわらでも木材由来と同じものができる?

サルメラ:はい。手触りは非常に似たものになる。フィラメント(単繊維)のサイズ次第だ。重要なのは、木の種類やわらといった農業廃棄物の種類ではなく、生産するフィラメントの細かさで、なぜならそれが手触りに最大の違いをもたらすからだ。そして、とても重要な点は繊維をリサイクルできるという点で、私たちの作った繊維を精製工程に戻してリサイクルすることは非常に簡単で、品質も悪くならない。

WWD:コットンやセルロース繊維は服から服のリサイクルを行う際に、繊維が短くなり強度が落ちると聞いたことがあるが、スピノバの技術では強度は落ちないということ?

サルメラ:まさにその通りだ。それが鍵になっている。われわれはファイバーを化学的に分解しないので、繊維の長さは損なわれない。マイクロフィブリル化されたセルロースを機械的に精製し、再度つなぎ合わせている。そのため、品質は退化するのではなく、改善される。

WWD:それは分子レベルまでは戻さないということ?

サルメラ:そうだ。分子レベルのリサイクルではない。基本的には、生地を再び機械的に精製し、先ほど説明したのと同じサイクルをたどることになる。機械的精製後、押し出し、乾燥、そして新しいファイバーができる。

WWD:つまり繊維から繊維の無限ループが作れるということ?

サルメラ:そう願っている。これは理論的には実現可能で、科学者としてはこの仮説が有効かどうかを実験して確かめたいと思っている。今のところ、少なくとも数回のアップサイクル(品質を改善したリサイクル)が可能であることが分かっている。

WWD:他社の繊維と比較して、堅牢度、毛玉、コストなどはどうか?

サルメラ:われわれのファイバーは、ビスコースに似ている。乾燥した状態では綿の特質に近く、綿はぬれると強くなるが、われわれのファイバーの強度はぬれた状態ではビスコースに近い。でも、綿の強度にするのが目標だ。私たちの繊維の手触りは、他のどのセルロース繊維とも異なる。もっとナチュラルな手触りで、人工セルロースとは違って、麻や綿に近い。まだ、かなり粗いので肌に直接触れられるレベルではないため下着のようなものではなく、デニムやシャツ向けだが、現在改良に取り組んでいる。

WWD:価格については?

サルメラ:正確な価格は今はいえないが、商品になったときに、綿に対して競争力がなければ難しいと思っている。最初はもっと高額になってしまうだろうが。
WWD:現在の生産量と今後の見通しは?

サルメラ:今は年間3t程度だが、現在、商用向けの工場を設計している真っ只中で、2年後に完成する予定だ。そうすれば、商業規模になる。フル稼働で5万t程度の生産が可能になる。

ブレイクスルーは他分野の研究の融合

WWD:開発にあたり、ブレークスルーのポイントになったことは?

サルメラ:われわれのイノベーションは、紙パルプの研究とクモの巣紡績の研究の融合によって起きた。オックスフォード大学で開催されたカンファレンスで、クモの巣とタンパク質とナノセルロースの類似性を説明したクモ研究の第一人者のプレゼンテーションを聞いたとき、「この自然のプロセスと同じように木材繊維を紡績してテキスタイルにできないか」というアイデアがひらめいた。EUのプロジェクトの一環としてVTTで技術革新を推進し、このアイデアの特許を申請した。この技術がVTTのバイオマテリアル研究の責任者であるヤンネ・ポラネン(Janne Poranen)の目に留まり、事業がスピンアプトされることになった。VTTでは資金調達が難しかったので。適した人材を確保して、最高のチームを作った。最適な人材を得て、仕事に取り組むことが全てだからね。

WWD:チームは何人?

サルメラ:現在は40人。そして、もう一つ大事なことは、私たちの価値を分かり合える適切なパートナーを見つけ、工業規模までもっていくことだ。私たちには、工業生産規模にするための良いパートナーや良いオーナーたちがいる。良いチーム、良いオーナー、商用生産のための良いパートナーというコンビネーションが、これを可能にする。私たちには「マリメッコ(MARIMEKKO)」などブランドパートナーもいる。

WWD:「マリメッコ」とのコラボアイテムは今後販売される?

サルメラ:買えればよかったのだが、今はプロトタイプだ。生産できる繊維が少ないため、今はオーガニックコットンやリヨセルと混合している。

WWD:あなた自身、繊維が専門ではないのに、なぜ繊維に取り組もうと思ったのか?

サルメラ:イノベーションのためだ。クモが糸を紡ぐように、私もファイバーを紡げるのではないかと気付き、これが非常に大きな発見だった。なぜならテキスタイル業界をよりサステナブルにすることは明らかだったから。だから、必ずやり遂げようと決心した。

WWD:最後にあなたにとってサステナブルな素材とは?

サルメラ:本当にグリーンウォッシングが多いので、このトピックや言葉に関して嫌悪することがあるが、もしポリエステルで作っていてもその商品が25年持つというのであれば、ポリエステルでさえサステナブルになる。その商品のライフサイクル全体がサステナブルでなければならないと思う。

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