資生堂がドラッグストアや量販店などマス市場を中心に展開する、低価格帯のヘアやスキン、ボディーなどのパーソナルケア事業(日用品事業)を譲渡する。上半期をめどに、CVCアジア・パシフィックに約1500億円で売却し、その後、同事業を運営する新会社の株主として参画などを検討している。日用品事業には「ツバキ(TSUBAKI)」や「専科(SENKA)」「ウーノ(UNO)」など、売り上げ、知名度共に高いブランドが含まれ同事業を手放すのは大きな決断だ。今後は百貨店を主たる販路とする国内外のプレステージ市場にフォーカスする。
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「ヴェレダ」は1921年に、“人と自然の調和”を掲げ、スイス・アーレスハイムで誕生したオーガニックコスメブランド。創業時から、サステナビリティと原料生産者とのパートナーシップに配慮し、自然医薬品や化粧品を世界50カ国以上で展開する。今年はアニバーサリーイヤーを祝し、“YOU ARE NATURE”をテーマに限定企画やアイテムを展開する予定だ。
向:もう一つ、重要なのが「フェンディ」の創業池であるローマの存在感だね。ボルゲーゼ美術館の大理石のカラーパレットや、ジャン・ロレンツォ・ベル二ーニ(Gian Lorenzo Bernini)の彫刻を思わせるドレープ。アクリスケースの中に立つモデルは美術館の彫刻のようでした。これはもう、アトリエの手仕事のなせる技以外の何物でもない。ファッションデザイナーの多くはローマの街とルネッサンス美術への憧れを抱いていますが、キムもそうなのか、見事な表現でした。
丸山:ゲスト枠でクチュールに参加した24歳のシャルル・ドゥ・ヴィルモラン(Charles de Vilmorin)は、初めてこうしたファッション・ウイークに参加。個人的に今季のクチュールでかなり注目していました。彼自身が描く色鮮やかな絵画をそのまま服に落とし込んだような世界観に圧倒されます。インスタグラムで初めて作品を見かけたときに「一体この人の頭の中はどうなっているんだろう」と思いました。
向:Z世代から新しい才能が飛び出しましたね。シャルル・ドゥ・ヴィルモランはどんなキャリアなの?
丸山:幼い頃からファッション業界を志していたそうで、中学生のころ学外研修でアルベール・エルバス(Alber Elbaz)がトップだった「ランバン(LANVIN)」で研修したのだとか。ちなみにヴィルモラン家はフランスの園芸と農業界のトップ企業を営む家系で、多くの男性を虜にした作家、ルイーズ・ドゥ・ヴィルモラン(Louise de Vilmorin)もその血筋。サンディカ・パリクチュール校(Ecole de la Chambre Syndicale de la Couture Parisienne)で学んでいるときは、そのルックスを生かしてモデルもしていたそうです。19年に卒業したのですが、その卒業制作のコレクションをコレクターが買い占め、その資金を元手にパンデミック最中の20年4月に自身の名を冠したブランドと公式サイトを設立。9月に初めてのカプセルコレクションを発表し、11月には「グッチ(GUCCI)」が行っていた映画祭「グッチフェスト(GUCCI FEST)」にも参加して、自身が制作したフィルムを公開していました。圧倒的スピードでオートクチュールに参加した訳ですが、その作品を見れば納得しますよね。
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下のスイスブランド「ウブロ(HUBLOT)」は1月26日、アーティスト村上隆とコラボレーションした時計“クラシック・フュージョン タカシムラカミ オールブラック(CLASSIC FUSION TAKASHI MURAKAMI All BLACK)”を発表した。世界限定200本で、価格は289万円。
新型コロナウイルスまん延の影響で、多くの人々の生活環境が予測もしていなかったかたちで変化し、以前よりも心が休まる場所を求める人々が増えている。同作品では、そんな社会情勢を背景に、2020年秋冬キャンペーンと同様の“Chase the light”と“光”をテーマに据えた。美しい自然に囲まれたアメリカ・ワイオミング州ジャクソンホールを舞台に、ルカ・サバットとレイブン・リンそれぞれが考える“光”について語る内容になっている。ブランド名の由来であるタトラ山脈を想起させる雪山で撮影することで、ブランドの原点に立ち返るという思いも込めた。
資生堂 Hand in Hand Project資生堂 Hand in Hand Project資生堂 Hand in Hand Project資生堂 Hand in Hand Projectの寄付対象商品
資生堂は2月1日から、感染予防に取り組む“資生堂 Hand in Hand Project”を開始する。プロジェクトを通じて「正しい手指の消毒による感染予防」「手洗いや消毒による手荒れを防ぐハンドケア」を多くの人に伝えるほか、同社が販売する一部商品の利益全額を医療現場のサポートのために寄付する。実施期間は4月30日まで。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
大杉:序盤からムキムキな筋肉をかたどったコルセットに釘付けに!これ、去年のクリスマスにキム・カーダシアン(Kim Kardashian)のためにデザインしたムキムキドレスの進化系なんですね。「スキャパレリ」といえばショッキングピンクがDNAですが、あのイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)による有名なリボンルックがムキムキに再現されていました(笑)。
大杉:前回は不思議な雰囲気の映像作品に挑んだ「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」でしたが、今回はシンプルなランウエイ形式になりましたね。このブランドは3Dプリンターを駆使して、ドレスそのものがSF映画の衣装のように細かく、奇抜なので、全身をしっかり見れる見せ方でよかったと思いました。コクーンに包まれているかのように立体的なケープのドレス、生物のひだのよう広がったスカートなどから、創造性の豊かさを感じます。
大杉:無観客ショーと思いきや、ペネロペ・クルス(Penelope Cruz)やマリオン・コティヤール(Marion Cotillard)、リリー・ローズ・デップ(Lily Rose Depp)ら豪華なアンバサダーたちが客席にいましたね。段々に重なったフリルスカート、マクラメ刺繍のロングドレスなどから、紳士服から着想を得た、ウエストコートとパンツのセットアップまで、華やかなパーティの参列客のようなウエアがそろっていました。
向:どこか着物を思わせる直線的なフォームと鮮やかな色が力強かったです。ところで音楽は、マッシヴ・アタック(Massive Attack)のロバート・デル・ナジャ(Robert Del Naja)が担当です。ナジャってバンクシーの正体か!?なんて噂されたこともある人でしょ?そのナジャとアーティストのマリオ・クリンゲンマン(Mario Klingemann)が組んだ「ヴァレンティノ」の映像作品が29日に発表されるそうですね。なんと人口知能に「ヴァレンティノ」のオートクチュールのメイキング映像などを3か月間学習させて作ったとか。究極の手仕事であるオートクチュールとAIのコラボレーションだなんて未知でゾクゾクするわ~。楽しみ。
またベルリンを拠点にするストリートウェブメディア「ハイスノバイエティ(HIGHSNOBIETY)」は、20年末に発覚したデザイナーのアレキサンダー・ワン(Alexander Wang)の性的暴行疑惑について掘り下げ、ファッション業界が十分に取り上げていないことに疑問を投げかけた。コンテンツはほかにも、家庭内暴力を“女性の問題”とすることの間違いや、ポーランドで人工中絶を違憲とする判決が下されたことを受けて、アーティストのバーバラ・クルーガー(Barbara Kruger)によるプロチョイス(人工妊娠中絶の選択権を求め、合法化を支持する派)メッセージ「あなたの身体は戦いの場(Your Body is a Battleground)」を扱ったものなどがある。
コラボバッグは、リサイクル資源で再生された新素材“レニュー(RENU)”を使用し2つのテーマをもとに製作。テーマ「EXIT YUME BOKIN」は、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」と目標10「人や国の不平等をなくそう」にフォーカスし、明るく楽しいイメージを学校との馴染みが深いモノでデザインした。2つ目のテーマ「EXIT RIN RIN PANIC」では、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」をりんたろーの特徴である“ワニっぽさ”で表現した。売り上げの一部はチャリティー団体に寄付される。