資生堂の「ツバキ」など売却の布石は3年前から 競争激化のマス市場と距離置きコロナ危機脱却図る

 資生堂がドラッグストアや量販店などマス市場を中心に展開する、低価格帯のヘアやスキン、ボディーなどのパーソナルケア事業(日用品事業)を譲渡する。上半期をめどに、CVCアジア・パシフィックに約1500億円で売却し、その後、同事業を運営する新会社の株主として参画などを検討している。日用品事業には「ツバキ(TSUBAKI)」や「専科(SENKA)」「ウーノ(UNO)」など、売り上げ、知名度共に高いブランドが含まれ同事業を手放すのは大きな決断だ。今後は百貨店を主たる販路とする国内外のプレステージ市場にフォーカスする。
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 今回の譲渡には布石がある。資生堂は2019年、専門店向けブランド「ディシラ(DICILA)」を終了し、さらに同年、子会社の資生堂薬品が販売する皮膚用一般医薬品「フェルゼア(FERZRA)」と 「エンクロン(ENKURON)」をライオンに譲渡した。18年末にはホテルや旅館、フィットネスジム向けの業務用化粧品事業からの撤退を発表。アメニティーは資生堂をはじめとした大手化粧品メーカーがしのぎを削っており、当時は20年に開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックに向けたホテルの建設ラッシュが続いていたので撤退には驚いた。18年からの新3カ年計画で掲げたプレステージブランド事業を核とした選択と集中の一環だった。

 このことからも、今回の「ツバキ」や「ウーノ」などの売却は“既定路線”とも取れる。さらに新型コロナウイルスの感染拡大に伴う業績悪化は、選択と集中を加速させた。日用品事業は、19年12月期の売上高が全体の1割弱と小さくない数字だ。ただ将来を見据えると、日用品事業は日本国内が主販路であり海外への進出は難しく、日本国内の大幅なシェア拡大も見込みづらい。ドラッグストア市場は、競争が激化。たとえばシャンプー・コンディショナーなどのヘアケアアイテムは、10年ほど前までは大手メーカーが1000円以下の商品でシェアを分け合っていたが、近年はノンシリコーンやオーガニック・ナチュラルをうたう新興ブランドが1000円を超える価格帯の商品で台頭。大手メーカーも1000円台を中心に3000円を超える商品開発を進めているが、資生堂は激化する競争には参加せず、主力の高級化粧品に焦点を当てる。

 20年12月期は純損失300億円を見込むが、20年11月の会見で魚谷雅彦社長兼CEOは「中国は回復、欧米も回復基調にある」と述べ、中でもグローバルでのプレステージブランドのニーズの高まり、ECの拡大が成長へのアクセルと位置付けた。同社の国内市場は他社に比べてもインバウンド比率が高く、逆風はいまだ強い。マス市場を整理してグローバルでのプレステージ市場を拡大することで、コロナ危機からの脱却を図る。

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「アンリアレイジ」がレザースニーカーの「スピングルムーヴ」とコラボ ソックスで遊べるサイドゴアブーツなど

 「アンリアレイジ(ANREALAGE)」は、レザースニーカーブランド「スピングルムーヴ(SPINGLE MOVE)」とのコラボシューズを2021年春夏コレクションから発売する。4月上旬に発売予定で、「アンリアレイジ」直営店ほか、東京・原宿の「スピングルムーヴ キャットストリート ステージ ゼロ」や公式オンラインストアで扱う。

 コラボシューズは、クリアPVC素材とレザーを掛け合わせたアッパーに、天然クレープソールを配したサイドゴアブーツ(全2色、各3万6000円)、ウイングチップ(全3色、各3万8000円)の2型。シックな印象を受ける「スピングルムーヴ」のシューズとは異なり、ソックスでのコーディネートも楽しむことができ、遊び心溢れる「アンリアレイジ」らしい一品に仕上げている。

 「スピングルムーヴ」は、広島県府中市の工場で2002年1月に誕生。「ファッション」と「快適なはき心地」を融合させ、高温の釜に入れて作るバルカナイズ製法を採用し、職人が一足、一足を丁寧に製作している。

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「えんとつ町のプペル」コラボデザインのオーガニックハンドケアミストが登場

 エシカルな化粧品を開発・販売するエイチラボは、手指を清潔に保ちながらケアするオーガニック100%ハンドケアミスト“クリーン&リフレッシュ ハンドケアミスト”(50mL、1800円)の“えんとつ町のプペル”コラボデザインを2月1日に発売する。

 同製品は、一日に何度も消毒を行うことによって生じる手荒れや、苦手なアルコール臭によるストレス、刺激の強い商品への不安感などから継続使用ができない人や子どものため、独自処方によりアルコールの刺激や臭いの低減を実現したもの。

 主原料であるオーガニックアルコール(エタノール)は、フェアトレードで調達したものを使用し、その他の成分も全てオーガニック認証を受けたサステナブルな原料のみ(水を除く)を使用。

 潤いを与えて保護する保湿成分グリセリン、アルガンオイル(アルガニアスピノサ核油)で乾燥から肌を守って手荒れを防止。フランス産ラベンダー油(ラバンデュラハイブリダ油)やティーツリー葉油などオーガニック精油のみをブレンドした、みずみずしく爽やかな香りでリフレッシュ&リラックス効果をもたらす。

 “えんとつ町のプペル”はお笑い芸人で絵本作家の西野亮廣氏が原作等を務めた話題の映画。コラボレートに至った経緯に関して、ブランド担当者は「“えんとつ町のプペル”の物語は、新型コロナウイルス発生によって引き起こされている現状と重なる部分があり、その中で前を向いて現状を打破するために行動を起こさなければいけないというメッセージが込められている。また、西野氏が行っている絵本を通じて世界の子どもたちに夢を届ける活動に強く共感したため、コラボを申し出て実現した」とコメントした。

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環境配慮の生活に矛盾があって当然 エディターズレター(2020年11月26日配信分)

※この記事は2020年11月26日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

環境配慮の生活に矛盾があって当然

 昨年から今年にかけてサステナビリティに注力するビューティ企業が増えているように感じます。それに加えて、以前から取り組んでいたことを改めて発信する企業が目立つようになりました。先日も資生堂のグローバルブランド「SHISEIDO」が行うサステナブルな活動や製品開発を行うプロジェクト「サステナブル・ビューティー・アクションズ(以下、SBAS)」の発表会に参加したところです。プロジェクトを担当する方に話しを聞くと「当然企業全体としてサステナビリティは重要視しているが、まずはブランドとして何ができるかを考えてSBASを発信した」とのこと。大切なのはアクションを起こすことだと思っているので多いに共感できました。

 私自身も新しい生活様式になってから、自宅を自然エネルギーに切り替えたり、シリコン蓋(プラスチックラップの使用を減らす目的)を買い足したり、有機野菜のサブスクに申し込んだりと自分にできる範囲ではありますが環境に配慮した生活を心がけています。ただ必要以上にストイックにならないように気をつけています。以前に環境問題に関するセミナーを受けた際、講師が「環境に配慮するなら肉を食べることは避けた方がいい(畜産のCO2排出量は相当なのです)。しかし自分は肉も食べるし、矛盾があって当然」という言葉を発していて肩肘張らなくていいのだとほっとしました。サステビリティは持続することが重要なので、あくまでもできる範囲で構わないと思うのです。

 サステナビリティを真剣に受け止めがちなことも自分事化しにくいような気がしています。もちろん真摯に取り組むことが大切なのはわかっています。でももう少し気張らずにできたらもっと多くの人に受け入れられるのではないでしょうか。最近、あるビューティ企業の人から「サステナビリティで面白い取り組みをしている企業はありますか?」と質問を受けました。確かに面白ければ興味関心を持つ人は増えるかもしれません。そこで面白い取り組みを空想してみました。レジ袋が有料化になりエコバッグを持ち歩くことが必須になりつつありますが、忘れたときの無念感……。ボトルキープのようにエコバッグキープみたいな制度があったら、エコバッグを忘れたときの無念さから解放される気がします(まあ、今はコロナ禍で預かったりするのが難しいかもですが)。面白さを追求したサステビリティ。なんだかワクワクします。そういった取り組みを共有していきたいです。

BEAUTY ADDICT:メイクやスキンケアはもちろんのこと、ヘアケア、フレグランス、オーガニック、インナービューティ、美容医療、イベントまでさまざまなジャンルから、注目トピックを配信するメールマガジン。ビューティアディクト=美容大好き人間に向けた、今流行りのモノやコト、知っておきたいトピックスを厳選してお届けします。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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「ヴェレダ」から日本開発処方の新ヘアケアシリーズが登場 ブランド初の“スタイリング”ラインも

 今年創設100周年を迎える「ヴェレダ(WELEDA)」は3月15日、日本人の頭皮や髪の環境を考慮した日本開発処方のオーガニックヘアケアシリーズを発売する。ラインアップは、頭皮を健康に保つ“スカルプケア”ラインと、ブランド初の“スタイリング”ラインの2ラインで全5品をそろえる。

 “スカルプケア”ラインからは、1本でクレンジングやマッサージ、トリートメントの3役を兼ね備えたヘッドスパクレンジング“ローズマリー スカルプクレンジング”(200g、3000円)とスカルプエッセンスローション“スカルプ エッセンス”(115mL、3500円)が登場。

 “スタイリング”ラインからは、自然な艶とウェット感を演出するほどよいホールド力の“ヘアワックス”(30g、2200円)と、トリートメント効果のある“ヘアミスト”(115mL、2400円)、ホールド力のあるスタイリングフォーム“ヘアフォーム”(100mL、2400円)が登場する。

 全製品に、加齢や環境の変化による髪や頭皮の悩みに合わせて、植物エキス・オイル、エッセンシャルオイルなどを配合。頭皮と髪のコンディションに合わせた手入れをすることで、頭皮を健康に保ち、艶やかで美しい髪へと導く。

 「ヴェレダ」は1921年に、“人と自然の調和”を掲げ、スイス・アーレスハイムで誕生したオーガニックコスメブランド。創業時から、サステナビリティと原料生産者とのパートナーシップに配慮し、自然医薬品や化粧品を世界50カ国以上で展開する。今年はアニバーサリーイヤーを祝し、“YOU ARE NATURE”をテーマに限定企画やアイテムを展開する予定だ。

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2021年春のビューティカラーは「赤」 生命力と感情を揺さぶり、心を潤す色

 春はピンク。毎年、化粧品メーカーから発表される春のコレクションはピンクに染まる。ペールトーンなど柔らかい色調も多く、今シーズンはラベンダーカラーが多数見られるのが特徴だ。そんな潮流の中、ひときわ目を引く色がある。「赤」だ。広辞苑第7版(岩波書店)を引くと、赤は七色の一つ。血のような色。また、緋色・紅色・朱色・茶色などの総称とある。血、生命の色だ。美容の視点から赤という色を考えてみると、多くの人がまず連想するのは口紅だろう。口紅は「尻を赤くして異性を誘惑する猿」が起源という説があるそうだ。感情を大きく揺さぶり、心をも潤す色だ。

 赤という色をキーカラーの一つとする「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」と「ジバンシイ(GIVENCHY)」は限定品の新作を発表した。菅原里子シュウ ウエムラ PRマネージャーは「ブランド創設時より受け継がれてきたキーカラーの一つであり、メイクアップアーティストブランドとしてアーティストリーの象徴であり、不動の強さを備えるものとして捉えてきた」と話す。一方、2020年12月15日にどうからデビューしたウエルネスブランド「どう(dō)」は、美しい赤のパッケージが印象的だ。「赤はコンセプトである東洋を象徴する色。そして原料に使用している漢方生薬や、ブランドを展開する上で大切にしている古より続く伝統を彷彿させる色でもある」と、どうの松尾美里ファウンダーは述べた。新しい生活に入り、一年が過ぎようとしている今、強いエネルギーを孕む命の色「赤」に注目したい。

パッケージを印象付ける“赤”の力強さ

「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」

 意外性のある香りを提案。希少で貴重な香料を世界中から集めることに始まるコロン インテンス コレクション シリーズに新作が登場した。その香りに用いられたのは、アジアの大草原地帯に生い茂る、エキゾチックで大きなスカーレット ポピー。しなやかに葉を広げ、たまゆらに咲く小さな赤い花が気品のあるフローラル ノートを支える。ブランド史上初めて、鮮やかな深紅をパッケージに纏わせた。「ポピーの花のまるで鮮やかな彫刻のような様子からヒントを得た。彩光を放つ贅沢な宝石のようなこのボトルは、どんな環境でも輝きを放ち、誰もが目を奪われることだろう」(ワンジーナ・クリエイティブディレクター)。香りに深みを与えるアイリスに溶け出すバーリーとトンカビーン。甘やかでみずみずしく広がる、センシュアルなシャワー。“スカーレット ポピー コロン インテンス”(50ml、1万5600円 100mL、2万2600円)

「どう(dō)」

 養生文化に着目し、健やかな美しさを目指して誕生したウエルネスケアブランド、「どう」。ネイリストとして活動した中で生まれた“健康な爪に重要なのは、心身のバランス”との考えを形にした。オブジェのように美しいパッケージを赤が彩る。「赤には真実の心といった意味を持つ。またエネルギーを与え、しっかりと地に足をつける手助けをする性質がある色でもある。めまぐるしい時代の流れになびかざるをえない現代人に、根を張るような軸の強さを持たせてくれるのではないか」(松尾美里ファウンダー)。ビタミンやミネラルの豊富なコメヌカ油や椿油の、長く親しまれてきた2種のオイルを配合。2種ある香りは、ドイツはベルリンで活動する日本人調香師のRYOKOが手がけた。古より伝わる叡智が生きる有機的なアコードだ。“ネイル&キューティクルオイル・瀉 sha”、“同 補 ho”(各30mL、各5280円)

「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」

 燃え盛る炎を見るような、躍動的なオキシファイア。情熱にも似たパワフルさを感じさせるコレクションが登場した。「大胆なパッケージは、メタルが熔ける流動的なモーメントにインスパイアされたデザインであり、まるで秘めた強さを解き放つかのよう。リップメイクがもたらす楽しさとパワーを改めて感じて欲しい」(菅原里子PRマネージャー)。レッドにオレンジ、ラスティブラウンなどのカラーをラインアップする。「アイコンカラーの一つで、誰もが似合う赤“RD 163”を発表して以来、トレンドを加味した多様な赤を発信してきた。新しいコレクションは、めまぐるしい変化が起こる生活の中で、誰もが内側に潜めている強さを信じ、自分らしくいるためのメッセージを込めた」“ルージュ アンリミテッド アイアン レッド コレクション”(全12色・限定9色、既存3色、各3300円)※数量限定発売

唇、頬、目もとの“赤”が表情を鮮やかに描き出す

「ジバンシイ(GIVENCHY)」

 新しい一年の始まりを祝い「ジバンシイ」が毎年発売するルナ ニュー イヤー エディション。ゴールドのパールが煌めくマーブル・シェードのルージュは、唇に乗せることで2色が混ざり合いながらオレンジレッドに変化。唇のフォルムをも計算してクリエイトされたルージュを華やかな赤いパッケージで包み込んだ。「メゾンにとってアイコニックなカラーのひとつが赤。“ルージュ・ジバンシイNo.888”のマーブルのテクスチュアに使用した赤の色は、ブランドの代名詞のような存在のリップスティックのアイコニックシェード“ルージュ・ジバンシイ No.333ランテルディ”」(佐藤香恵PRマネージャー)。発売前から多くの注目を集め、SNSなどでも反響があったという。“ルージュ·ジバンシイ ルナ ニュー イヤー エディション No.888”(5100円)※数量限定発売

「アディクション(ADDICTION)」

 春先の、まだ少しキンと冷える朝にガーデンを歩き、深呼吸するような情景を思い描いて作られたコレクション。チークは「冷たい空気に自然と頬が染まる。そんな“ナチュラルさ”を再現。まるで生まれつきのような血色感を与えるクリアな発色にこだわって生まれた赤になっている」(内山奈穂ADDICTION PR)。今シーズンのコレクションには、リップカラーの“リップ オイル プランパー”の006、007の2色もレッドを名に付したアイテムもあり、まるでキャンディードロップのように、クリアでみずみずしく仕上げる。「一人一人異なる唇本来の色を生かしながら、ニュアンスチェンジを楽しんでもらえるクリアな赤。より自然体の自分を好きになって欲しいという思いのもとに誕生した」。“アディクション チーク ティント 003”(2800円)

「トーン(TO/ONE)」

 赤にある情熱のようなものとは異なる色を新作のマスカラに付与。「やわらかな灯のように心の緊張を和らげる、女性らしいレッドを目指した。例えば、どんな色にも白を混ぜるとほんのり強さを打ち消し柔らかくなるように、少しだけ白を差し入れ柔らかく溶け込むようなまろやかなレッド」(津覇雅実TO/ONE PR)。既存のマスカラのブラシとは異なる形状を採用することで、細部の短いまつげを残さずキャッチして美しいセパレートロングを実現した。マスクをつけるのが日常となった今「お客さまから『03のメロウレッドは、肌とけこむような色が派手になりすぎず使いやすい』との声が多い」という。“トーン ロング ラッシュ マスカラ(SL) 03”(7g、2800円)

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「居心地の良い場所」を与えてくれた皆さんにカムアウト エディターズレター(2020年10月23日配信分)

※この記事は2020年10月23日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「居心地の良い場所」を与えてくれた皆さんにカムアウト

 下のリンク1本目の記事に格納した動画にあるほど「自分を偽る」ことはありませんでしたが、同じくセクシャル・マイノリティーの自分にとって、最初の勤め先はフィットしていませんでした。

 地元の新聞社の20年以上も昔の話です。言う側に悪気があるワケでもありません。むしろ当時から、善意ゆえの言葉であることも理解していました。でも会社で上司から「お前も早く結婚しないと、田舎の支局に赴任した時に寂しいぞ」と諭され、署周りで警察官から「総務の婦警さんと合コンしたら?セッティングするよ」と言われるたび、「あぁ、またこのカンジか……」と思い、バリアやシールド、エヴァで言えば「A.T.フィールド」を展開。そのたびに薄ら笑いを浮かべて、事が収まるのを“やり過ごす”時間は、まぁまぁ“変な汗をかく”タイミングでした(笑)。

 そこからファッション業界に籍を置き、友人が増え、“変な汗をかく”機会はだいぶ減り、「そろそろ打ち明けてもいいかな~。別に、打ち明けなくてもいいんだけど」くらいの感覚のまま打ち明けたのが、このお手紙です(笑)。皆さま、これからもよろしくお願いします(照)。今、私が思うのは、「ファッション&ビューティ業界に巡り会えてよかった」「私の結婚と、孫の誕生を楽しみにしていた両親にはごめんなさい(2年前、打ち明けています)」、そして「自分が人口増に貢献できない分(現段階では!?)、産休・育休を取得する人には心から万歳三唱」くらいでしょうか(笑)。

 「ファッション&ビューティ業界に巡り会えて良かった」は、本当に、心の底から、そう思っています。前職では、地元の婦警さんと結婚して故郷に骨を埋める先輩も多く、「仲間」とか「同志」と呼べる人がいなかった私は、ただ漠然と不安でした。一方のファッション&ビューティ業界には、「仲間」や「同志」がたくさんいます。トム・フォードのようなロールモデルは、本当に心強い存在です。

 願わくば、このP&Gの取り組みなどを通して、ファッション&ビューティ業界が、昔の私のように漠然と不安だったセクシャル・マイノリティーに対して「『仲間』がいるよ!」「『同志』はきっと見つかるよ!!」「あなたも『仲間』で『同志』だよ!!」とのメッセージを発する事ができたら、とっても素敵ですね。

 皆さんは、私に「居心地の良い場所」を教えてくれた業界なんです。だから、もっと大勢に「居心地の良さ」を提供できるはず。そうなれたら、私たちの社会的存在意義は、ますます大きくなりますね。オフィシャルに発表した今日から、私も、もう一段ギアを入れ、皆さんと一緒に業界のダイバーシティー&インクルージョンに取り組みたいと思います。

 余談ですが、P&Gの記事内に登場する大倉ディレクターは、私と同じ静岡出身。母校も同じ、静岡高校です。とっても誇りに思います。

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターを週3回配信するメールマガジン。「WWD JAPAN.com」が配信する1日平均30本程度の記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
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ファッション通信簿Vol.63 トレンドの単色コーデからネット騒然の新生スターまで バイデン大統領就任式のファッションを米「WWD」が辛口ジャッジ!

 米「WWD」の人気企画「ファッション通信簿」では、ストリートからパーティー、レッドカーペットに至るまで、海外セレブたちのファッションを厳しくチェック。評価を絵文字でお伝えするとともに、それぞれのファッションポイントを勝手に辛口ジャッジ!

 第63回は、1月20日(現地時間)にワシントンで行われた第46代米大統領就任式から、ジル・バイデン(Jill Biden)夫人、カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領の夫のダグ・エムホフ(Doug Emhoff)、歌手で作曲家のガース・ブルックス(Garth Brooks)、レディー・ガガ(Lady Gaga)、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)、ハリス副大統領の継娘のエラ・エムホフ(Ella Emhoff)、詩人のアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)夫人、バーニー・サンダース(Bernie Sanders)バーモント州上院議員が登場。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)新大統領の就任が正式に決定した歴史的なシーンでも、米「WWD」の辛口コメントはとどまるところを知らない。サンダース上院議員の毛糸の手袋からガガのドレスやジェニファーのオールホワイトコーデまで、注目のファッションが目白押しだ。

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元「メルシーボークー、」デザイナー、宇津木えりの新ブランド 東京・表参道に試着ができるショールームをオープン

 元「メルシーボークー、(MERCIBEAUCOUP,)」デザイナーの宇津木えりによる新会社の大我は1月31日、新ファッションブランド「エリウツギ(ERIUTSUGI)」のショールームを東京・表参道にオープンする。2階にアトリエが入居する建物の1階をショールームとして開き、一般客が自由に来店して商品を試着できる場所となる。購入は受注生産制を採用し、オンラインストアでオーダーを受け付ける。

 オープン直後は、シーズンレスでジェンダーレスなウエア14型をそろえる。着物のシルエットからヒントを得たウールジャケット(7万円)をはじめ、袴のようなワイドパンツ(4万8000円)、デニムパンツ(3万〜3万6000円)やスカート(2万8000円)、Tシャツ(1万5000〜2万5000円)、ストール(2万4000円)など。日本国内の縫製工場で生産し、素材はコットンやウール、シルク、バンブーなど、天然素材を使用しているほか、できるだけ残布を出さないパターンにこだわり裁断を行っている。一部、店頭ですぐ購入できる商品として、フランス語で“熟考する”を意味する“Je reflechis”のロゴを入れたトートバッグ(2200円)とポーチ(3200円)も取り扱う。

 宇津木はブランド立ち上げの経緯について「この5〜6年、洋服が大量に作られて捨てられていくことを考えたときに、“洋服がよろこぶことをしてあげたい”と思った。それは長く着てもらえる服を作ること。納得して作った、デザイン性のある『エリウツギ』の定番をここでは見せていきたい」と説明。また「(これまでのファンには)『もっと商品はないの?』『柄や色はないの?』とガッカリされる方もいるかもしれない。テーマ性を持ったモノ作りも魅力的だけれど、それは今、私が心からやりたいことではない。今後の未来のことを熟考したモノ作りの重要性を感じている」と明かした。

 ショールームの立地は、表参道ヒルズの裏通りの小道を入った建物の1階。宇津木の30年来の友人であり、スピリチュアリストとして知られる江原啓之が2010年頃から「スピリチュアルワールドショップ」として運営し、所有していた物件を借りる形でオープンした。江原は「えりちゃんとは長年、家族ぐるみで長く親しくしている仲。前の会社を退職したときに『次は心からやりたいことをしたい!』と聞いて、このスペースを使ってほしいと提案した。大家として、楽しいことを思う存分やって欲しいし、今後も見守っていきたい」と語る。敷地内には新たなカフェも近日オープンする予定だ。

 宇津木えりはフランスでファッションを学び、複数のアパレルメーカーに勤務。00年にビギでファッションブランド「フラボア(FRAPBOIS)」を立ち上げ、05年にはエイ・ネットに入社し、翌年「メルシーボークー、」をスタート。同ブランドが20-21年秋冬シーズンで終了に伴い、エイ・ネットを退社。20年8月に新会社の大我を、国内デザイナーズブランドや海外ブランドで経験を積んだメンバーとともに設立した。

■「エリウツギ」ショールーム
オープン日:1月31日
定休日:土曜、日曜、祝日
住所:東京都渋谷区神宮前4-22-12 1階

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ワコールHDの10〜12月期は売上高2%減 国内ECが56%増

 

 ワコールホールディングス(HD)の2020年10〜12月期連結業績(米国会計基準)は、売上高が前年同期比2%減の417億円、営業利益が約8倍の27億円だった。EC(ネット通販)の伸びもあって秋以降は売上高の落ち込み幅が改善された。19年10月の消費増税による粗利益率悪化の反動と経費削減によって、営業利益は大幅に増えた。

 国内ワコールの売上高は前年同期比3%増の259億円、営業利益は同2.5倍の20億円。11月以降、コロナ感染拡大による来店者数の減少により厳しい状況ではあったが、自社ECの売上高が前年同期比56%増と実店舗の売り上げ減をカバーし、増収増益だった。海外ワコールは売上高が同7%減の101億円、営業損益が2億円の黒字(前年同期は3億円の赤字)だった。米ワコールは自社ECが同46%増、また19年に傘下に納めたインティメイツ・オンラインが同62%増と高成長した。だが、ロックダウンが続く欧州をカバーできなかった。ピーチ・ジョン事業は売上高が同19%増の28億円、営業利益は同8倍の5億円だった。市場のニーズにあった商品企画や反則が奏功した。自社ECの売上高は43%増と伸長した。

 各社ECの伸びが顕著で回復基調にあるが、コロナによる国内の緊急事態宣言の再発令や欧州のロックダウンのため先行きが見えないため21年3月期の計画は、昨年10月末発表から変わらず、売上高が前期比16.5%減の1560億円、営業損益は10億円の赤字(前期は66億円の黒字)を見込む。

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パンテーンが“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”を公開 賛同サロンの本格募集を開始

 P&Gが展開するヘアケアブランド「パンテーン(PANTENE)」は、“あなたらしい髪の美しさを通じて、すべての人の前向きな一歩をサポートする”というブランド理念のもと、“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”を特設サイトで公開した。

 「パンテーン」は、これまでブランドメッセージ“#HairWeGo さあ、この髪でいこう。”のもと、ひとりひとりの個性について考えるきっかけ作りを、キャンペーンを通して展開してきた。昨年10月からは、就職活動において自分を偽らずに、自分らしさを表現できることを願うプロジェクト“#PrideHair”を始動。さらに12月から新たに、ひとりひとりの個性に寄り添うヘアサロンを日本全国へと広めていく“#PrideHair サロン”プロジェクトを立ち上げた。

 “#PrideHair サロン”プロジェクトの一環として、同ブランドが行ったLGBTQ+当事者と美容師との共創ワークショップや、SNSで届いた声をもとに完成させたのが“LGBTQ+フレンドリーマニュアル”だ。LGBTQ+に関する基礎知識から、店舗の設備や接客の心得などをLGBTQ+当事者の体験談とともに紹介している。

 マニュアルには“完全版”と“スマートフォン用簡易版”がある。スマートフォン用簡易版は完全版の一部抜粋で、全国のヘアサロンのスタッフが、スマートフォンで手軽に閲覧できる仕様になっている。

 また“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”の公開と併せて、“#PrideHair サロン”プロジェクトへの賛同サロンの募集も本格的に開始した。賛同サロンになった場合は、“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”の送付、およびプレスリリースやサイトで“賛同サロン”としてサロン名を掲示する。なお先着1000店舗のヘアサロンには、冊子化したマニュアルに加え、“LGBTQ+フレンドリー”を表明するオリジナルアイテムを送付する。

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「シスレー」のヘアケアラインがバーニーズで初のポップアップ

 「シスレー(SISLEY)は2月5日〜3月14日、ヘアケアライン「ヘア リチュアル」のポップアップショップをバーニーズ ニューヨーク銀座本店と六本木店に開く。これまで日本では百貨店のみでの扱いで、高級専門店に出店するのは初めてだ。

 「シスレー」は植物美容学(フィトコスメトロジー)と先端テクノロジーを融合し、最高品質の植物成分を使用したスキンケアを展開。スキンケア分野において40年以上にわたり培ってきた独自の研究成果を生かしたヘアケアは健やかな頭皮、美しい髪へと導く植物ベースの有効成分を高濃度に配合している。ポップアップでは五感に訴えかけながら美しい髪へと導くシャンプーやコンディショナー、頭皮用美容液などをラインアップする。

■POP UP STORE: HAIR RITUEL BY SISLEY
日程:2月5日〜3月14日
場所:バーニーズ ニューヨーク銀座本店 1F/六本木店1F
住所:東京都中央区銀座6-8- 7交詢ビル/東京都港区六本木7-7-7

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「プーマ」もカーボンプレート入り厚底シューズ ランニングの巻き返し目指す

 「プーマ(PUMA)」は、“誰でも履けるみんなの厚底”をコンセプトにした新ランニングシューズ“ディヴィエイト ニトロ(DEVIATE NITRO)”を2月18日に発売する。同社初のカーボンプレート搭載モデルだ。価格は1万8000円で、「プーマ」直営店と公式オンラインストアなどで扱う。

 カーボンプレート“イノプレート(INNOPLATE)”は、前足の外側で着地しても力を逃さない二股の形状で、初心者でも推進力を高めやすいのが特徴。ミッドソールには窒素ガス(ニトロガス)を注入し、高い反発力と柔らかなクッショニングを実現させた新素材“ニトロ フォーム(NITRO FOAM)”を採用している。かかとには着地時のブレを抑える樹脂パーツが、アウトソールには高いグリップ力でさまざまな路面に対応するラバーソールが付き、前足部は日本人になじむよう通常よりゆったりした足型にした。

 ほかにもシリーズ最軽量の“リベレイト ニトロ(LIBERATE NITRO)”(1万2000円)、耐久性に優れる“ベロシティ ニトロ(VELOCITY NITRO)”(1万5000円)、安定性の高い“エターニティ ニトロ(ETERNITY NITRO)”(1万5000円)の3型も同時発売する。

 発売に先駆けて関係者向けのオンライン発表会も開催。国内MDの担当者は「われわれはウサイン・ボルト(Usain Bolt)選手をはじめ多くのランナーを支えてきた。“ディヴィエイト ニトロ”をきっかけにランニング市場での認知拡大を図り、ランニング事業の再強化を目指す」と語った。

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キム・ジョーンズによる「フェンディ」や24歳の新たな才能に感嘆 クチュール後半5選

 2021年春夏オートクチュール・ファッション・ウイーク(1月25〜28日)は、コロナ禍での2度目のデジタル開催。クチュールメゾンはどのような服を、どのような方法で発信するのか、コレクションを長年取材する向千鶴「WWDジャパン」編集長と、「WWDジャパン」のSNSアカウントも運営する丸山瑠璃ソーシャルエディターがそれぞれの視点から語り合います。今日は1月27日、28日の2日間の参加ブランドから厳選した5ブランドについて紹介。

丸山:27日に発表予定していた「メゾン マルジェラ “アーティザナル” デザインド バイ ジョン ガリアーノ(MAISON MARGIELA 'ARTISANAL' DESIGNED BY JOHN GALLIANO)」「エリー サーブ(ELIE SAAB)」「ズハイル・ミュラド(ZUHAIR MURAD)」が発表を延期しました。パリ警察当局からの指示でショーやイベントに観客を招待できないことも影響したのかもしれません。少しスケジュールが寂しくなりましたが、27日は今季の目玉、キム・ジョーンズ(Kim Jones)による「フェンディ(FENDI)」が控えています!

FENDI

向:これぞラグジュアリー、これぞオートクチュール!パリ旧証券取引所で発表されたキム・ジョーンズによる「フェンディ」は歴史と手仕事と資本力とクリエイティビティが余すことなく注がれた素晴らしいコレクションでした。わずか19体だけど一つ一つの存在感が際立ち、一人一人のモデルの個性と呼応して見応えがありました。「家族」「ルーツ」というキーワードを受け取りましたが実際、親子で登場したモデルもいたよね?

丸山:はい、ケイト・モス(Kate Moss)と娘のライラ・モス(Lila Moss)が親子で、アジョワ・アボアー(Adwoa Aboah)と妹のケセワ・アボアー(Kesewa Aboah)、クリスティ・ターリントン(Christy Turlington)と甥のジェームス・ターリントン(James Turlington)も家族で登場していました。さらにナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、カーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)、デミ・ムーア(Demi Moore)、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)らキムやブランドと親交のある“ファミリー”と呼べるモデルが登場。超豪華なキャスティングにも驚きましたが、ジュエリーを手掛けるデルフィナ・デレトレズ・フェンディ(Delfina Delettrez Fendi)という本物の「フェンディ」ファミリーもモデルとして登場していたのにも驚きました。代々家族経営である「フェンディ」がいかに“ファミリー”に価値をおいているか、象徴していましたね。

向:インスピレーションの一つがイギリスの小説家ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)の「オーランド(Orlando)」でした。男性として生まれ、ある日目覚めたら女性の体となった主人公が最後は女性として生をまっとうする物語です。「フェンディ」が創業した3年後である1928年に書かれていますが当時としてはかなり前衛的な内容だったでしょう。それをキムはさらりと当たり前のこととして扱っている。ウルフがこのショーを見たら盛大な拍手を送るのではないでしょうか?1ルック目、2ルック目と丁寧に続けて見ていると、男性性や女性性は、自分の意思で選び取れるものだ、と思えます。

丸山:本をかたどったクラッチバッグが登場したほか、パールのクラッチバッグやブーツには「オーランド」からの引用が施されているそうです。キムは「『フェンディ』の経営は3代目、私は4代目が継ぐまでのゲストだ」とコメントしていましたが、「フェンディ」と同時期に誕生し、今ようやく理解されつつある「オーランド」のジェンダーやセクシュアリティは流動的なものという認識をメゾンのクリエイションに組み込み、当たり前のこととして次の世代に伝えたかったのかなとも思いました。

向:もう一つ、重要なのが「フェンディ」の創業池であるローマの存在感だね。ボルゲーゼ美術館の大理石のカラーパレットや、ジャン・ロレンツォ・ベル二ーニ(Gian Lorenzo Bernini)の彫刻を思わせるドレープ。アクリスケースの中に立つモデルは美術館の彫刻のようでした。これはもう、アトリエの手仕事のなせる技以外の何物でもない。ファッションデザイナーの多くはローマの街とルネッサンス美術への憧れを抱いていますが、キムもそうなのか、見事な表現でした。

VIKTOR&ROLF

向:「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」はコロナ下でモヤモヤ溜まったうっぷんを吹き飛ばすかのようなコレクションでしたね。ギラギラして軽快で、同時にサステナブルという。アンダーグランドなムードが漂いましたが会場は元軍需工場なんでしょ?

丸山:はい、「Het HEM」というアムステルダム郊外の施設なのですが、現在はコンテンポラリーアートの中心地となっているようです。コレクションのテーマは“クチュール レイヴ”。想像上のパーティー、またはこれから開催されるパーティーにインスパイアされたのだとか。メタルやレース、クリスタル、ジュエリーがどっさり施されたブラに合わせるのはボリューミーなチュールスカートやパフ、そしてリサイクルプラスチックで作られたピンクやシルバーのブーツ。ユーチューバーのジョジョ・シワ(JoJo Siwa)の宝箱をひっくり返したようなキラキラ&カワイイ要素とボディーコンシャスなシルエットやブラ、タイツが生み出すギラギラしたアングラ感とのギャップがよかったです。ショーの背景となっていたアートは、アーティスト集団RAAAFの「Still Life」というインスタレーション。工場の弾丸生産で残された材料で作られたものだそうです。コレクションもアップサイクルしたアイテム多数でしたね。

向:ヴィンテージレースやドレスの破片などアトリエに残るあらゆる素材をアップサイクルしています。このアイデアって今や多くのデザイナーが取り入れています。でも欲しくなるものとならないものがある。その違いって丸山さんはなんだと思う?

丸山:確かにそうですね。うーん、一概には言えませんがただアップサイクルするだけじゃなく、そこにブランドらしさが加えられていたりなど、何かしら付加価値がプラスされていると個人的には欲しくなるかもしれません。サステナブルであること自体が付加価値なのですが、サステナブルに生きたいならもっとそれに特化したブランドがある。でもそこで買わずにそのブランドで買う・買いたいと思うのは、デザイン性であったり何かしら付加価値があるからなのではないでしょうか。

向:ところでショーにおける音楽の重要性について思いを馳せたショーでもありました。デジタルコレクションって音楽が良いと、目では見ずともループして聴き続けたりしない?

丸山:分かります!ショーのために作られた音楽であることも多いので、ユーチューブなどでショーを繰り返し再生するしかないのですがスポティファイなどでも配信してほしいです。「ヴィクター&ロルフ」は“クチュール レイヴ”の名の通り、BGMはゴリゴリのクラブミュージックでしたね。カワイイ要素がありながらも、音楽のおかげでアンダーグラウンドなパーティー感もしっかり感じ取ることができました。

CHARLES DE VILMORIN

丸山:ゲスト枠でクチュールに参加した24歳のシャルル・ドゥ・ヴィルモラン(Charles de Vilmorin)は、初めてこうしたファッション・ウイークに参加。個人的に今季のクチュールでかなり注目していました。彼自身が描く色鮮やかな絵画をそのまま服に落とし込んだような世界観に圧倒されます。インスタグラムで初めて作品を見かけたときに「一体この人の頭の中はどうなっているんだろう」と思いました。

向:Z世代から新しい才能が飛び出しましたね。シャルル・ドゥ・ヴィルモランはどんなキャリアなの?

丸山:幼い頃からファッション業界を志していたそうで、中学生のころ学外研修でアルベール・エルバス(Alber Elbaz)がトップだった「ランバン(LANVIN)」で研修したのだとか。ちなみにヴィルモラン家はフランスの園芸と農業界のトップ企業を営む家系で、多くの男性を虜にした作家、ルイーズ・ドゥ・ヴィルモラン(Louise de Vilmorin)もその血筋。サンディカ・パリクチュール校(Ecole de la Chambre Syndicale de la Couture Parisienne)で学んでいるときは、そのルックスを生かしてモデルもしていたそうです。19年に卒業したのですが、その卒業制作のコレクションをコレクターが買い占め、その資金を元手にパンデミック最中の20年4月に自身の名を冠したブランドと公式サイトを設立。9月に初めてのカプセルコレクションを発表し、11月には「グッチ(GUCCI)」が行っていた映画祭「グッチフェスト(GUCCI FEST)」にも参加して、自身が制作したフィルムを公開していました。圧倒的スピードでオートクチュールに参加した訳ですが、その作品を見れば納得しますよね。

向:米「WWD」とのインタビューの中でシャルルが「オートクチュールには限界がありません」と語っていてこれはまさにオートクチュールの存在理由の一つだと思います。顧客のニーズに忠実に応えるのがオートクチュールの一面だけど、それだけじゃない。「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」のシュールなデザインを好んで買い上げる顧客がいるように、富裕層の顧客はデザイナーの才能に投資するパトロンでもあるのです。「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」は美術館などアートシーンがパトロンの役割を果たしていますしね。オートクチュールではこれまで伝統的にリミッターを外したクリエイティビティが賞賛されてきた。シャルルもその一人になり得ると思います。

丸山:そうですよね。インタビューでは「服は安く簡単に手に入るように売られ、着られるようにできていない。そこが好きなところだ」とも話していました。ファストファッションブランドが当然のように存在し、安く簡単に服を買うことが当たり前な世代でこのような視点が持てることは、本当に貴重だと思います。これからがとても楽しみです!

向:シャルルは「私は、メイクで人の性別に関係する部分を消して、本当の自分を明らかにするというアイデアが大好きです」とも話していますが、実際ファッションと同じくらいインパクトがあったのがメイクですね。顔だけではなく服にもメイクアップするという考え方かな?スポンサーと思われる「M・A・C」のカラーコスメが大活躍です。

丸山:ムービーでは鳥の鳴き声をBGMに、シャルルが銃口を通してモデルを見て、銃を打つとオレンジ色のペンキが飛び散るという演出でしたね。メイクは、ビューティ系インフルエンサーでもある友人のアナエル・ポストレック(Anaelle Postollec)が手掛けたそうです。インスタグラムを見たのですが、彼女のメイクアップもアーティスティックでした。

YUIMA NAKAZATO

丸山:人工クモの糸のスパイバー(SPIBER)の傘下に入った「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」が、そのバイオテクノロジーを活用して新たな服づくりの可能性を見せてくれました。クモは自ら作り出した糸の構造を水分によって変化させ何度でも復元できるそうなのですが、「ユイマ ナカザト」はこの自然のデザインと最先端のバイオテクノロジーで自由に形を変化させることができる生地を発明。そして、人の身体情報を生地に記憶させたそう。起用したのは義足モデルのローレン・ワッサー(Lauren Wasser)。彼女の身体情報を生地に記憶させて完成したのがムービーの最後に登場したカラフルな継ぎ目のない波打つドレスということですよね?向さんは「ユイマ ナカザト」のアトリエにも伺ったそうですが、中里唯馬デザイナーからお話を伺っていかがでしたか?

向:はい、オンラインインタビューを受けている中里さんをリアルに取材しました。作り手側の景色も確認したくて。3分42秒あたりから登場する不思議な機械にぜひ注目してください。あれは服に水分を加えるためのオリジナルのマシーンで、アトリエにありました。スパイバーが発明した糸が料理で言うところの“素材”なら、中里さんはそれを料理する“シェフ”。何℃のお湯に何分浸して何分乾かせば一番美しい形になるかなど、最高の仕上がりを求めて日夜研究しているそうです。

 中里さんの仕事は非常にハイテクですが、印象的だったのは中里さん自身がローレン・ワッサーに何度もインタビューをしてそのコミュニケーションから“ぴったり”の服を導き出したということ。結果、あの体の周りに浮遊するようなドレスが生まれています。それはワッサーの内なる強いエネルギーを会話から受け取ったから。“ぴったり”は必ずしもサイズ通りの“ぴったり”じゃない。そこにファッションデザイナーの感性が加わるのがオートクチュールの仕事なんですよね。ワッサーの義足は美しいゴールド色で、ドレスはそれともマッチしていました。

丸山:外出自粛期間の最中だった前シーズンは、着る人の思い出がこもったシャツを募集し、中里デザイナー本人が持ち主と対話しシャツをリメイクして返すという企画で、後にこのサービスの一般提供もスタートさせました。この“服に宿る人の記憶”というアイデアを、生地にバイオテクノロジーで身体情報を読み込ませるというところまで拡張させたのが驚きでした。

向:アルゴリズムにより導き出されるネット上の“オススメ”は、その人が過去に選択した言葉や情報をもとになっていますよね。結果、人々の嗜好がどんどん細分化されていて、私は最近そこに疑問を抱くし、時に恐怖すら覚えます。中里さんの対話から生まれるデザインはAIには今はまだできない領域だと思います。忘れかけた記憶を掘り起こし、ともすれば狭くなる私たちの意識をぐいっと広げるところが面白いです。

S.R. STUDIO. LA. CA.

丸山:ゲスト枠でクチュールに参加したスターリング・ルビー(Sterling Ruby)の「S.R. スタジオ. LA. CA.(S.R. STUDIO. LA. CA.)」は、“APPARITION(幻影)”と名付けた映像を発表。モデルがウオーキングする映像に重ねられた戦争跡のような映像は、ルビーが南カリフォルニア州のサバイバルゲーム施設で撮影したものだそう。BGMはエンジェルズ・オブ・ライト(Angels Of Light)の「Promise Of Water」という07年の曲なのですが、これは当時行われていたイラク戦争など世界で起きている暴力をメディアを通じてゴシップなどと同等に受け取ることについて歌った曲だそうです。 

向:なるほどですね。合成とはいえお墓でゲーム感覚のファッションショーとは不謹慎だな、と一人眉をひそめていたのですがサバイバルゲーム施設と聞いて安心しました。デジタルを生かし、社会的メッセージを込めるなどある意味とても今っぽい。ただ肝心な服はどんな人たちに好まれるのかイメージがわきませんでした。

丸山:ルビーは「顧客は25歳のミュージシャンから70歳のアートコレクターまで幅広い。だがみんなユニークな限定ものがほしいと思っている」と米「WWD」の取材に対し語っていました。確かにお値段も決して安くはないですが、顧客は“着るアートピース”を購入する感覚なのかもしれません。大きなフードと襟は、イギリスからアメリカに渡り、後に開拓者となった清教徒のファッションを着想としたそう。長細い形のバッグは、楽器を入れる道具箱にも見えれば、銃を入れるバッグにも見えます。ルビーは自身の作品で社会の中の暴力や圧力を扱いますが、ファッションや映像表現においてもさまざまな揶揄が発見できて興味深いですね。9月のパリコレで発表した映像もコレクションの発表はなかったもののトランプ政権や白人至上主義者を批判する含蓄のある内容でした。

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“サステナブルは現代のパンク” マリエと制作チームが4コマ新連載「プラスチックモンスター」を語る

 「WWDジャパン」は、2月1日号から4コマ漫画の新連載をスタートする。タイトルは、「プラスチックモンスター(Plastic Monster)」。太平洋を漂うプラスチックごみから生まれたモンスターと、その相方が織りなす日常のストーリーを展開する。プロデュースを手掛けるのは、マリエのブランド「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS)(以下、PMD)」だ。4コマ漫画が誕生した背景やこだわりをマリエと、制作チームのメンバーでストーリーを担当するコウスケ、イラストを担当するダンクウェルの3人に聞いた。

WWD:なぜ4コマ漫画を?

マリエ:きっかけは、「PMD」での体験です。自分たちで納品まで全てを行っていますが、ビニール袋で梱包しなければ商品を扱ってくれないECサイト、コンセプトに掲げるサステナブルやエシカルと現実の矛盾がもどかしかった。サステナブルに関しては、SNSなどでも自らメッセージを発信していますが、長期的な視点で考えるとブランドとして打ち出せるアイコニックなキャラクターが必要だと思い始めました。そんな時にコウスケさんと知り合い、彼の未来のビジョンにシンパシーを感じて、「プラスチック・ゼロに挑戦したい」と相談しました。「4コマ漫画とかあったらいいね」と盛り上がり、10年来の知り合いであるダンクウェルさんなら私の思いをすてきにキャラクター化してくれると、イラストを依頼しました。

WWD:テーマはどのように決めている?

マリエ:私が普段抱えているモヤモヤを箇条書きにして二人に提案しています。普段から「これは正しいのか?」「カッコいいことができないか?」と考え、心のどこかで矛盾を探しています。その“カッコいい”ことが、私にとってはサステナブルな活動。ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)の言葉にも通じますが、「サステナブルは現代のパンク」と考えています。社会への反発やメッセージがファッションに表れるように、2021年を生きる私たちのパンクは、大量生産や遺伝子組み換え作物など、今の世の中の当たり前に対する反発である“サステナブル”ではないでしょうか。漫画のテーマはファッションをメーンにしつつ、「ビニール袋は有料なのに、お箸やスプーンはなぜ無料?」といった、日常生活の疑問や矛盾も取り上げます。ファッションとは本来、“流行”を意味する言葉。ファッションを“洋服”だけでなく、“おしゃれなライフスタイルの一部”と捉え、ウエアラブルなもの以外にも着目したいです。

コウスケ:ファッション業界の廃棄問題など、皆さんに知ってもらいたい知識からビニール袋といった身近な日常生活のネタまでを幅広く扱うことで、4コマ漫画が皆さんの考えるきっかけになればうれしいです。

WWD:4コマ漫画では、相方の“アイツ”が毎回プラスチックモンスターにいたずらをして邪魔をする。最後にクスッと笑えるブラックユーモアも印象的だ。

コウスケ:プラスチックモンスターは社会や環境への意識が高く、常識のあるキャラクター。“アイツ”はいたずら好きで、プラスチックモンスターがやることを邪魔しがち。無意識に周りを困らせますが、どこか憎めないヤツという設定です。互いに違う常識や価値観を持っているのでぶつかりますが、“アイツ”が持つ価値観から見えるモノも伝えたくて、2個にしました。ストーリーに関しては、僕のベースに対してマリエさんから「もっとハードに表現してもいいんじゃない?」とフィードバックがあり、自分が守りに入っていることに気付かされます(笑)。

マリエ:意識していないと凝り固まって“当たり前”にとらわれてしまうので、毎回自分に「やりたいようにやっていいんだ」と言い聞かせています。ファッションだからこそ表現できるシュールさ、シニカルさ、ブラックジョークを詰めこまないとつまらないので、その点は意識しています。4コマを作るたびに学びがありますね。

WWD:キャラクターの見た目もユニークだ。太平洋を漂うプラスチックごみからできたモンスターだが、こだわったポイントは?

ダンクウェル:マリエさんの「社会や環境問題をもっと世の中に伝えたい」という要望を基にイメージしました。プラスチックモンスターはビニール袋をかぶっており、両耳はそれぞれ波と葉っぱでできています。ビニール袋で自然が覆われているイメージですね。足にはギプスをはめていて少し痛々しいけれど、クラシックなイメージに仕上げました。相方の“アイツ”は全身マントで覆われています。顔のサイドから出ているのは髪の毛ですが、コウスケさんのドレッドヘアを無意識に反映したのかも(笑)。描くときは、どのコマを切り取ってもTシャツやインテリアとなり得るくらいアートとして成立するようこだわっています。一方で、見る人に受け入れられないと意味がないので、キャッチーさは念頭に置いていますね。

WWD:4コマ漫画を通じて、自身の意識にも変化はあった?

コウスケ:マリエさんを見ていると自分もアンテナ広げなくちゃと思います。オーガニックは質だけでなく、農薬による子どもへの健康被害の軽減というメリットにもつながります。そんな連鎖は調べないと分からない。活動を通じて、自身も勉強しています。

ダンクウェル:サステナブルに関しては4コマ漫画を通じて学んでいる段階ですが、気付くことが大切だなと。先日インスタグラムに、海を漂うカラフルなプラスチックごみの写真に虹の絵文字をつけて「きれい」と投稿している人がいたんです。昔なら「なるほど、きれいだな」と思っていたかもしれませんが、今は「そう感じるんだ」と違和感を覚えます。自然と自分の意識が変わっていたことに気付きました。そんな人が増えたらと思います。

WWD:今後の「プラスチックモンスター」の計画は?

マリエ:3月にイベントを予定しています。プラスチックモンスターの認知度を上げてファッションと融合させる取り組みで、オリジナルTシャツなどを発売します。プラスチックモンスターがこの世界に生まれたきっかけをストーリーで見せたいなんて話もしています。「サステナブルって楽しいものなんだ」「エンターテインメントなんだ」と思ってもらえたらうれしいですね。そして、このキャラクターに惚れていただけたら。見る人にどう伝わるか楽しみです。

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アーティスト村上隆が作ったオールブラックの「ウブロ」の時計が即完売

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下のスイスブランド「ウブロ(HUBLOT)」は1月26日、アーティスト村上隆とコラボレーションした時計“クラシック・フュージョン タカシムラカミ オールブラック(CLASSIC FUSION TAKASHI MURAKAMI All BLACK)”を発表した。世界限定200本で、価格は289万円。

 村上の代表作である“お花”をモチーフにしたもので、ボールベアリングシステムによりケース内の花びらが回転する仕様になっている。その花びらには、456個のブリリアントカットしたブラックダイヤモンドをセッティングした。“お花”の中心部にある“顔”(107個のブラックダイヤモンドを配置)は、サファイアガラス製の風防から飛び出た3D構造で、アーティスティックかつユニークに時計の既成概念を壊している。

 「ウブロ」と村上の出会いは2004年。世界最大の時計見本市だった「バーゼル・ワールド(BASEL WORLD)」の「ウブロ」のブースに、村上が訪れたことにさかのぼる。時を経て20年2月に工場を初訪問した村上は、「先進のテクノロジーとアルチザンスピリッツが共存することを実感した」と話し、「僕の友人・知人には周知の事実だろうが、僕はとても“難しい”人間(笑)。しかし、今回のコラボ製作においては一切ストレスを感じなかった。それだけ素晴らしい商品ができたということだと」と続けた。

 保証書に村上の直筆サインが入るアートピースといえる商品だが、発表後「即完売した」(プレス担当者)。ただし、両者はコラボ第2弾についても「検討中」だという。

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気鋭若手アーティスト8人が日本橋で合同作品展 社会のタブーに挑戦する“問題作”が一堂に

 東京を中心に活動する8人の若手アーティストでつくる、“世の中のタブー”をテーマにした合同展示会「ギャラリー オブ タブー(GALLERY OF TABOO)」が2月末まで東京・日本橋で開催されている。

 展示会のテーマは、社会において通常それに触れたり言語化されることのない、通念や深層心理などを作品を通じ表現すること。会場はビルの3層に分かれ、それぞれ「過去を知る」「現在に向き合う」「未来を瞑想する」というさらに細分化したテーマを設定している。

 展示会のキュレーターで、「WWDジャパン」でも活躍するフォトグラファー・小田駿一が出品したのは、おびただしいほどのタトゥーを全身に彫った男女を撮影したポートレート16点。小田は彼らを被写体に選んだ理由について、「(タトゥーが)言葉や文様を体に刻みつけるという、いわば“自分らしさ”の究極的な表現」として強烈なインスピレーションを受けたからだと語る。一方、さまざまなポージングやブレ・歪みなどの撮影手法を駆使することで、人間の葛藤や苦悩、克己などの心理を隠喩。「常に揺るがぬ自分」と「適応するために変わり続ける自分」を使い分けながら社会を生きる、人間のリアルな姿を浮き彫りにすることを目指した。

 神保町の老舗古書店の小宮山書店は、ロープアーティストのhajime kiyokoらにフォーカスし、インスタレーションとともに作品群を展示。過激なエロティックアートやフェティッシュなフォトプリントなど、書店の既成概念を覆すラインアップを並べた。

 出展者の中でも異色と言えるのが“第六感クリエイティブ”を自称するBORING AFTERNOON。展示会場の最上階にはコタツやコンポなどが置かれた憩いのスペースを設置。90年代のJ-POPを流しながら来場者とともにコタツで温まり、気分が向いた時に作りたいものを作る。この空間から生まれる新しい人間関係や思い出までを、“作品”として完成させていくという。

 今回の展示会は、新型コロナウイルスの影響で経済的に苦しむ地域の飲食店への貢献も目的とし、アート作品の販売収益の半分を日本橋料理飲食業組合などを通じて寄付する。

■Gallery of Taboo
住所:東京都中央区日本橋室町1-5-15 真光ビル3-5F(三越前駅より徒歩3分)
会期:1月14日〜2月28日(休館日なし)
時間:13:00〜20:00
入場料:無料

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「ルージュ・エルメス」から2021年春夏リミテッド・エディションが到着 砂漠のロード・トリップを想起する3色

 エルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL以下、エルメス)
は、メゾン初のメイクアップラインとして昨春デビューした「ルージュ・エルメス(ROUGE HERMES)」コレクションから、2021年春夏リミテッド・エディションを2月15日に数量限定で発売する。テーマは砂漠の風景に重なる鉱物の色合いやはかなく消える楽園、色鮮やかな蜃気楼など。価格は各8000円で、エルメス銀座店、エルメス 阪急うめだ本店、エルメス ジェイアール名古屋タカシマヤ、エルメス オンラインブティックなど、エルメスブティックを中心に取り扱う。

 カラー展開は、アンバーの色味が太陽に照らされた熱い砂を感じさせる“ベージュ・エブルイ”、南国の花ブーゲンビリアを思わせる“ローズ・オアシス”、燃えるように鮮やかな黄色味がかった深紅“コライユ・アクア”の3色をそろえる。テクスチャーはバッグの革の質感から着想したサテン調で展開する。リップスティック部分はレフィル交換が可能で、高品質なレザーを用いたケースは繰り返し使うことができる。

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「コンバース」とコラボしたリック・オウエンスが語る “スニーカー愛と破壊の美”

 「リック・オウエンス(RICK OWENS)」は2021-22年秋冬コレクションで、ディフュージョンラインの“ダークシャドウ(DRKSHDW)”と「コンバース(CONVERSE)」が協業したスニーカー“ターボダーク チャック 70(TURBODRK CHUCK 70)”を発表した。

 これは「コンバース」のアイコン的なモデル、“チャックテイラー(CHUCK TAYLOR)”をベースにしたもので、スクエア型のトゥとトゥキャップが特徴的だ。また「リック・オウエンス」のスニーカーに見られる長いシュータンが採用されており、そこには“ダークシャドウ”を象徴するモチーフであるペンタグラム(五芒星)が付けられている。男女兼用で、価格は165~170ドル(約1万6900〜1万7500円)の予定。発売時期は今のところ発表されていない。カラーは現在ブラックのみだが、いずれホワイトも発売する。

 「リック・オウエンス」が初めてスニーカーを発表したのは、06年に招待枠で参加したメンズ見本市の「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」でのことで、以降はブランドの人気アイテムの一つとなっている。興味深いのは、オウエンス自身は若い頃からスニーカーの持つ“リラックスした郊外の雰囲気”が好きになれず、ジムで運動をする際にもごついバイカーブーツを履いていたことだ。しかしパンクロックバンドの「ラモーンズ(Ramones)」がバイカージャケットに合わせてスニーカーを履いているのを見て、考えを変えたという。「彼らは『コンバース』の“チャックテイラー”を履いていたんだ。それで好きになり、『コンバース』の要素を取り入れたシューズを何年も作っていたら、今回のコラボレーションを提案された。自然でとてもいい流れだと思ったし、これまで『コンバース』を参考にした作品を発表してもうるさく言わずにいてくれたことへの思いもあり、協業することにした」と語った。

 コンバースのブランディス・ラッセル(Brandis Russell)=フットウエア部門グローバル・バイス・プレジデントは、「コラボレーションの目的は既成概念を破り、先進的なフィットやフォーム、機能性を追求することだが、リックはそうしたことの名人だ。彼は恐れることなく従来の型を破壊して、挑戦的な独自の美しさを『コンバース』にもたらしてくれた」と述べた。同社が四角いトゥのスニーカーを発売するのは、1908年の創業以来、初めてのことだという。

 オウエンスは、「私がデザインするスニーカーは、誇張されて仰々しく、少しグロテスクでもある。私は既存のものを壊したいと考えているが、それは完璧な美、もしくは伝統的な美の基準は非常に厳しく、そこから外れるものにとっては残酷だと思うからだ。(美の基準の)限界を押し広げることは、異なるアイデアを許容することを意味する」と説明した。

 「コンバース」はこれまでもさまざまな協業を行っており、2021年春夏シーズンには多くのブランドやデザイナーと組んで“スペシャルコラボ”を行うという。現時点で名前が挙げられているのは、キム・ジョーンズ(Kim Jones)のほか、「プレイ・コム デ ギャルソン(PLAY COMME DES GARCONS)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」「テルファー(TELFAR)」など。

 オウエンスはここ数年、「アディダス(ADIDAS)」「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」「モンクレール(MONCLER)」「チャンピオン(CHAMPION)」などと協業しているが、以前はコラボレーションを嫌っていたという。「キッチンに何人もシェフがいて、多数決で物事を決めるようなやり方は性に合わない。それに、コラボは“ハイプ(熱狂)”を煽るためだけのものだと思っていた。しかし、これは新たな人々と出会う素晴らしい方法だと気づいたんだ。ほかの人たちがどういうふうに仕事をするのかを間近で見られるし、いつもとは違うチームで仕事をするのも刺激的で楽しい。否応なく新しいことに挑戦するようになるので、協業はとても健全なことだと思う」とオウエンスは話し、最後に付け加えた。

 「とはいえ、自分にとって意味がある相手としか協業をしようとは思わないし、そもそもやってみようという気になったのもここ数年とかなり遅い。まあ、昔に比べれば私も随分フレンドリーになったからね」。

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ジャーナル スタンダードがウィメンズラインを集約 新コンセプトショップを表参道にオープン

 ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)はウィメンズラインを集約した新コンセプトショップ、ジャーナル スタンダード 表参道レディース店を2月1日にオープンする。

 「ジャーナル スタンダード レリューム(JOURNAL STANDARD RELUME)」東京・表参道店を同複合店舗にリニューアルする。「ジャーナル スタンダード 」「ジャーナル スタンダード レリューム」「ジャーナル スタンダード レサージュ(JOURNAL STANDARD L’ESSAGE)」のウィメンズラインを一つの店舗で販売するブランド初の試みだ。

 2月5~7日はオープンを記念しポップアップ“new suggestion”を開催。花瓶、花、写真など国内外のクリエイターのアイテムを取り扱う。8~18日は岡山発アパレルブランド「シオタ(CIOTA)」、19~21日はジュエリーブランド「ソワリー(SOIERIE)」のポップアップを行う。

 また商品の購入で、Lee Izumida(リー・イズミダ)のイラストをプリントしたショッパーとステッカーをプレゼントする。2万円以上購入した場合はマスクとマスクケースも付ける。どちらも数には限りがある。

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ZOZOがコスメ市場に本格参入、独自技術でお家で肌計測可能

 ファッション通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」は、本格的にコスメ市場に参入する。独自に開発した肌色計測ツール「ゾゾグラス(ZOZOGLASS)」を無料配布し、ユーザーが自分の肌にマッチしたファンデーションをリコメンドし、購入を促す。3月18日から、新サービス「ゾゾコスメ(ZOZOCOSME)」をスタートし、ドラッグストア・バラエティーショップや百貨店で取り扱うコスメブランドを約500扱い、スキンケアからカラーメイクまで販売する。伊藤正裕ZOZO取締役兼COOは、「肌色の計測は技術的に最も難易度が高いが、ユーザーがコスメを購入する際のベースになるもの。今後はこの技術をヘアやリップなど周辺アイテムにも応用し、ARを使ったバーチャルメイク機能も搭載していく」という。

 無料の「ゾゾグラス」の受付は本日29日から。これまで開発してきた体の3D計測の「ゾゾスーツ(ZOZOSUITS)」や足型の3D計測ツール「ゾゾマット(ZOZOMAT)」で開発したマーカー技術などに加え、新たに大量生産しても色ブレのないカラーチップの生産技術など、多彩な技術が盛り込まれているという。使い方はユーザーが「ゾゾグラス」をかけ、「ゾゾタウン」のアプリを起動し、カメラで撮影する。計測時間は約1分ほど。ヘモグロビンとメラニンを検出し、自分の肌の色や、髪やまゆげなどの基準色がわかる。

 コスメのネット通販モールの大手アイスタイルは、「アットコスメ(@COSME)」のEC売り上げが57億円(20年6月期)。「ゾゾタウン」は年間購入者数880万人(20年9月末)、会員の7割が女性を占め、平均の年間購入金額も4万3809円と高い。これら強力な会員基盤を生かし、「早急にナンバーワンを目指す」(伊藤取締役)考え。

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「オフ-ホワイト」が2021年春夏コレクションをデジタル上で初披露 メンズ、ウィメンズ共に

 「オフ-ホワイト ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」は2月2日20時に、メンズ、ウィメンズの2021年春夏コレクションをデジタルプラットフォーム上で初披露する。コレクション視聴希望者は公式サイトでの事前登録が必要だ。

 コレクションで発表されたアイテムは、「オフ-ホワイト」公式サイトとファーフェッチ(FARFETCH)で先行販売された後、全世界の取り扱い店舗で扱う。またコレクション発表後は、全世界のアーティストを招いたイベントも予定している。

 ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)は、「公共のプラットフォームを通じて、グローバルな言語で距離のある点と点をつなぐこと。何千マイル離れていても、つながること。それに挑戦したいと思っている」と語る。

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日本のティファニーに女性の新社長が就任 キャリア約30年のベテラン

 
 ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク(以下、ティファニー・ジャパン)は2月1日、ディメイ美代子ティファニー・グローバル セールス オペレーション ヴァイスプレジデントが新社長に就任すると発表した。ディメイ新社長は1992年、米ティファニー(TIFFANY & CO.)でキャリアをスタートし、リージョンおよびセントラル両方の業務に携わってきたベテランで、ティファニー・ジャパンの社長とリージョン グループ ヴァイスプレジデントを兼任する。9年間にわたりティファニー・ジャパンを率いてきたダニエル・ペレル(Daniel Perel)社長は同日に退任する。

 ティファニーは今年1月、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)グループの傘下に入った。

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キャンプシーンで人気の「メレル」が40周年 サステナブルに進化した新作発売

 今年ブランド誕生から40周年を迎える「メレル(MERRELL)」は1月29日、アニバーサーリーイヤーの新作第1弾として定番シューズの“ジャングル モック”をサステナブルな素材でアップデートした“ジャングル モック エコ”を公式ECサイトで数量限定で予約発売した。

 “ジャングル モック”シリーズの特徴であるフィット感と着脱のしやすさ、疲れにくさはそのままに素材は全て自然由来にこだわった。アッパーにはナチュラルな印象を演出するヘンプ素材を採用し、両サイドのストレッチゴアやかかと部分のプルタブにはリサイクル素材を使用した。ミッドソールとアウトソールにはもみ殻を配合し、従来のパフォーマンスを損なうことなく自然廃材の有効活用を実現した。サイズは22.5~28、29、30cmで価格は1万1000円。

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伊勢丹・神谷バイヤーに聞く、「リ・スタイル」の“個”が際立つ売り場の作り方

昨年8月にリニューアルした伊勢丹新宿本店の自主編集売り場「リ・スタイル」。1996年の誕生以来、ファッションのトレンドの最先端をゆく編集で一目置かれる売り場だ。今回のリニューアルでは、これまでのセレクションの個性に加え、スタッフの“個”が際立つ売り場が誕生した。神谷将太・三越伊勢丹 クロージング&アクセサリーⅠグループ 新宿婦人・婦人雑貨営業部リ・スタイル バイヤー にその意図について聞いた。

WWD:今回のリニューアルの経緯は?

神谷将太リ・スタイル バイヤー(以下、神谷):実は2019年6月ぐらいから計画していたリモデルです。そのころ肌感覚で行なっていたMDでは世の中の変化に対応できないのでは?と薄々感じていました。今、変化しなければいけないと。その時点でリモデルのポイントは、ブランドやMDの積み上げではない、“人”を軸にと考えていました。お客さまの心理や消費の変化を感じていたんです。

WWD:消費者の心理や購買の変化とは?神谷さん自身がその変化をどこから感じていた?

神谷:昔はお客さまがファッションに求めること、共感することに対して、大きなホームランが結構打てたんです。「パリコレでこういうのが出てきたので、今年はこれがトレンドです。だから着ましょう」みたいな。それが近年は大きなトレンドって見えづらい。お客さまはトレンドだから買うのではなく「自分がどうありたいか」で選んでいますよね。

今、モノ自体はECもあって、手に入れることのハードルは下がっています。だからこそその分、お客さまが「このブランドほしい」「このショップで買いたい」といった忠誠心というか、エンゲージメントを高めることが大切だと感じていました。

WWD:新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけではない?

神谷:違います。機能的なプラットフォームでは楽天やアマゾンなどには絶対勝てません。もう少し精神的というか、気持ちをつないでいけるデザイナーやお客さま、ブランド、そしてもちろん我々も含めて“人”を軸にしたプラットフォームを作りたいと思いました。ただ実はコロナの感染拡大により、リモデルオープンが2カ月以上も遅れたんです。工事が止まってしまって……。

MDはホームランではなく、小さな共感の積み上げが重要

WWD:人を軸にしたプラットフォームとは?

神谷:「リ・スタイル」というお店が、物の足し算で成り立っているショップとして見られるよりも、きちんとショップとしてのフィロソフィーやブランディングが見えるショップにしたい。それを構成するのが、ブランドや洋服はもちろんですが「人」もです。僕らバイヤーだったり、販売スタッフだったり。そういう人がいてショップは成り立っています。それがお客さまの愛着心や忠誠心など、エンゲージメントを裏付けるものとして確立しないと。モノ勝負ですが、百貨店の存在意義はもうそこではないと思います。お客さまとどうありたいか、共感ですね。

昔は週に何本もホームランを打つことがマーチャンダイズに求められましたが、今は小さくても共感の数を丁寧に積み上げることで、結果的にそれがショップのエンゲージメント、強みになることが重要だと思います。

WWD:リモデルオープン後の状況は?思い描いたプラットフォームは構築できているか?

神谷:休業明けの営業再開後のリベンジ消費は実際ありましたし、リモデルオープンの効果で売り上げは良かったです。その後、コロナの感染拡大なので落ち着いている印象ですが、ECは好調に推移しています。プラットフォームは出来ていると思います。たとえば、メインプロモーションの隣でスタイリストによる編集ゾーンも作る。前回は「ベージュ」を、今回は「白」をテーマに、違うスタイリストが色のキュレーションで編集しました。それを「リ・スタイル」の販売スタイリストが、個人のインスタアカウントで発信しています。リアル店舗がさまざまなイベントで変化しながら、それを目的に来る人、たまたま来た人、取り組むデザイナー、そして販売スタイリストと、みんなが集う場が割と作れていると思います。

課題はホームページでも同様の表現ができたらと思っていて、モノの情報はもちろんですが、「リ・スタイル」を構成する人やバイヤーなどの情報も載せたい。お客さまへのカスタマージャーニーというか、購買経験のつながりを出していきたいです。

WWD:どう購買経験のつながりを作る?

神谷:これまではバイヤーが買い付けたモノ、販売員がオススメしたモノを売るだけでした。でもリモデルで販売スタイリストは自主的にどういったショップを作るか、いわゆる「リ・スタイル」で取り扱う洋服以外のコスメやリビングアイテムなどを集積して、お客さまをお迎えしています。自主編集であり、自社社員がいる。それはかけがえのない強みだと思います。

個人アカウントの公認で、業務時間内作業が変わる

WWD:私自身、「リ・スタイル」の販売スタイリストの一人のインスタをフォローしています。百貨店の社員が個人アカウントを活用することは、昔の伊勢丹さんでは考えられないことだったのでは?ハードルはありましたか?

神谷: ありましたね。OKが出たのは最近です。みんな個人的にプライベートではSNSは使っていたと思うんです。それを会社が公認にしてバックアップする。たとえば、新宿本店のオフィシャルアカウントと、その子たちのアカウントを結びつけて発信することで、人を巻き込めると思います。また公認にすることで、ちゃんと業務時間内にインスタライブをやったり、スタイリングを発信したり……。ここ数年で業務内容が大きく変わりました。ただ業務時間内ですがビジネス目的ではないというか、自分の楽しみとしてやっているところがあると思う。

WWD:確かにみなさん、本当に楽しんで発信していると感じます。だから見ていて楽しいし、「これ、かわいい」と素直に思えます。

神谷:公認アカウントだとしても、プロモーション告知やインスタライブ、商品を紹介するだけじゃなく自宅で過ごしているシーンを投稿するなど、プライベートも織り交ぜていて。そこも含めて公認です。お客さまが共感するのは、自分を接客してくれている販売スタイリストがどういった生活をしているのか、リアリティーなんです。そういうことができるようになったのは、大きな変化ですね。

WWD:何か会社に働きかけをしたのですか?

神谷:はい。若い子たちはまさにSNSなどデジタルネイティブで、生まれた時からそれが普通でしょう?と。それが理解できると、バックアップしてくれるようになりましたね。昔みたいに新聞の折り込み広告を入れれば売れる、ではありません。一方的ではなくつながっていくことが大事で、そういう必然性や意義を会社が分かってくれたと思います。

WWD:販売スタイリストの人たちもやりがいがありますね。

神谷:あると思います。1年目、2年目からそういう発信ができるので。僕が若手のときはストック整理とか、そんなのばっかりでしたから(笑)。

WWD:先ほど出た、コスメやリビングアイテムなどをそろえるのも昔は難しかったのでは?

神谷:リモデルで蔦屋さんや香水ブランドさんと協業して商品を集めました。単にバイイングするのではなく、テーマを伝えてそれに合う商品を一緒に選ぶということです。昔ならば洋服以外をセレクトすることさえ難しかったと思いますが、変わりましたね。僕はこう解釈しているのですが、「リ・スタイル」で作る売り上げだけでなく「リ・スタイル」が起点となり全館への買い回りを活性化させる。だからこそ垣根を越えて「リ・スタイル」に商品をそろえる。そういう役割を自主編集は担っていると思います。

「バレンシアガ(BALENCIAGA)や「クロエ(CHLOE)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」など、ほかのセレクトショップが主力としてセレクトしているブランドが、百貨店ではショップとして存在しているので、セレクトだけのリソースでいうと限られます。ただお客さまから見たら境界線は分からない……。フロア全体で楽しんでもらうために、お客さまには「気付き」を感じてもらいたい。そのために「リ・スタイル」は存在したいです。

WWD:とはいえビジネスであり、利益を出さないといけない。

神谷:もちろん商売として構造を作っていかなければなりません。当然、ものすごく売れるブランドと、100人中1人が共感するブランドとありそのバランスは見極めています。さらにECはスタジオを内製化して戦略的に多数の型数を掲載するなどで、売り上げを上げています。こういった土台がしっかりしている。店頭の販売スタイリストはそういう土台があるからこそ、思い切ったキュレーションもできます。“個”を際立たせることができるんです。

WWD:どういった“個”なのでしょうか?

神谷:昔はみんなが同じようにできないといけませんでしたが、今は多様性ですよね。得意なことを見極めてあげるのはすごく大事です。インスタなどで自己を表現することが得意な人もいれば、そうじゃない人ももちろんいます。そうじゃない人が実はお客さまをすごく抱えていたりとか、新規のお客さまへの接客技術が優れているとか。そこをきちんと評価する風土はあると思います。インスタやメディアがビジネスにおいて重要な時代に、目立つ人がいるのは仕方ないことですが、百貨店の土台として大事なのは接客力です。店頭チームには新卒の子から60代までいて、60代の男性スタッフは人生経験がありめちゃくちゃオシャレで僕もアドバイスを受けることもあります。メディアで目立つ人、コンテンツを複数集めて面白いキュレーションをする人、ブランドを徹底的に深めて広げる人、ブランドとタッグを組むのが得意な人……。“個”をどんどん際立たせたいですね。

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「タトラス」が注目インフルエンサーを起用したドキュメンタリームービー公開 ブランドの原点に立ち返る

 「タトラス(TATRAS)」はこのほど、注目若手インフルエンサーのルカ・サバット(Luka Sabbat)とレイブン・リン(Raven Lyn)を起用したドキュメンタリームービーを公開した。

 新型コロナウイルスまん延の影響で、多くの人々の生活環境が予測もしていなかったかたちで変化し、以前よりも心が休まる場所を求める人々が増えている。同作品では、そんな社会情勢を背景に、2020年秋冬キャンペーンと同様の“Chase the light”と“光”をテーマに据えた。美しい自然に囲まれたアメリカ・ワイオミング州ジャクソンホールを舞台に、ルカ・サバットとレイブン・リンそれぞれが考える“光”について語る内容になっている。ブランド名の由来であるタトラ山脈を想起させる雪山で撮影することで、ブランドの原点に立ち返るという思いも込めた。

 ルカ・サバットはニューヨークやパリ、リオデジャネイロなどの世界各国の都市を舞台に、インフルエンサー、モデル、スタイリストとしても活躍する。レイブン・リンはアメリカを中心にインフルエンサー、モデルとしてさまざまなファッション誌の表紙を飾る。フィットネスやアウトドアなどにも取り組み、健康意識の高い層から支持を得る。

問い合わせ先
タトラスインターナショナル
03-5708-5188

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「スターリング ルビー スタジオ. LA. CA.」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「スターリング ルビー スタジオ. LA. CA.(S.R. STUDIO. LA. CA.)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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山井梨沙スノーピーク社長「自然界において世界一クリエイティブな会社に」 音声座談会「蓉子の部屋」Vol.8

 「蓉子の部屋」は、川島蓉子・伊藤忠ファッションシステム取締役/ifs 未来研究所所長が、毎回ゲストを招き“未来”について考える音声番組です。未曾有の状況の中、業界にはこれからの“未来”について考えなければならない現実に直面しています。そんな中、少しでも業界人に役立つヒントやカケラを音声配信でお届けします。近所のスーパーに行く時や、通勤・通学時に気軽に聞いてください(笑)。

 第8回は、アウトドアメーカーのスノーピークで社長を務める山井梨沙氏に迫りました。山井氏は2020年3月に32歳の若さで社長に就任。同社が培ってきた“ないものはつくるDNA”を受け継いだものづくりを次世代のフィルターを通し発信。14年の秋冬にアパレル事業を立ち上げ、18年からはプロダクト全般の統括のほか、「ローカル ウエア(LOCAL WEAR)」プロジェクトなど、新たな試みも率先して牽引してきました。音声座談会では、新潟県三条市に拠点を移す理由、ファッション業界に漂う閉鎖的な雰囲気について、「体験を売る会社にしていきたい」と話す理由などを聞きました。

川島蓉子:1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステム株式会社取締役。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。日経ビジネスオンラインや読売新聞で連載を持つ。著書に『TSUTAYAの謎』『社長、そのデザインでは売れません!』(日経BP社)、『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞社)、『すいません、ほぼ日の経営。』などがある。1年365日、毎朝、午前3時起床で原稿を書く暮らしを20年来続けている

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【家飲み】女子が牽引する「韓国グルメ」。トッポギやスンドゥブがスーパーに並ぶ!

 今、「家飲み」にも広がっている外食発のグルメと言えば、見逃せないカテゴリーがあります。「韓国グルメ」です。そのトレンドを作っていると言われるのは若い女子たち。おじさん世代が想像している以上に韓国好きの女子は多く、家飲みで韓国グルメを楽しむスタイルは、今後ますます広がりそうです。
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店をやりたい人と、店を託したい人をつなぐ無料サイト「店タク」オープン。新たな軒先ビジネス。

業務委託による店舗展開を行う株式会社ムジャキフーズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:田代 隼朗)が、店をやりたい人「店カツ」と、店を託したい人「店タク」をつなぐ無料のコミュニティサイト『店タク』をオープンさせた。
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資生堂が“正しい手消毒”など感染予防プロジェクトを開始 医療現場に一部商品の利益全額寄付も

 資生堂は2月1日から、感染予防に取り組む“資生堂 Hand in Hand Project”を開始する。プロジェクトを通じて「正しい手指の消毒による感染予防」「手洗いや消毒による手荒れを防ぐハンドケア」を多くの人に伝えるほか、同社が販売する一部商品の利益全額を医療現場のサポートのために寄付する。実施期間は4月30日まで。

 同プロジェクトは、賛同する取引先企業や消費者と一緒に感染予防に取り組むことで全国の医療従事者に敬意と感謝の意を伝えることが目的。2月1日に特設サイトを公開し、手を守る習慣が浸透するための情報や今後の取り組みについて順次発信していく。またプロジェクト期間中は、ハンドソープや消毒液、ハンドクリームの利益全額を医療現場に寄付。対象商品は「S 手指消毒用エタノール液(指定医薬部外品)」や、21日に発売した「資生堂 ハンドクリーム N」を含む全21アイテムで、寄付金額や寄付先団体などの詳細はプロジェクト終了後に開示予定。

「資生堂 Hand in Hand Project」を通じた寄付対象商品

■薬用ハンドソープ(医薬部外品) 販売名:薬用ハンドソープ na
■薬用ハンドソープ (つめかえ用)(医薬部外品) 販売名:薬用ハンドソープ na
■薬用ハンドソープ(つめかえ用2L)(医薬部外品) 販売名:薬用ハンドソープ na
■S 手指消毒用エタノール液(指定医薬部外品) 販売名:S 手指消毒用エタノール液 NA
■S 手指消毒用エタノール液(つけかえ用)(指定医薬部外品) 販売名:S 手指消毒用エタノール液 NA
■S 手指消毒用エタノール液(携帯用)(2021年3月上旬発売予定)(指定医薬部外品) 販売名:S 手指消毒用エタノール液 NA
■資生堂 ハンドクリーム N
■イハダ 薬用消毒ハンドジェル(指定医薬部外品) 販売名:資生堂 薬用消毒ハンドジェル(2020年12月より一部店舗で先行発売・2021年3月より全国展開)
■クレ・ド・ポー ボーテ クレームプールレマン (医薬部外品)
■SHISEIDO アルティミューン パワライジング ハンドクリーム
■ベネフィーク ハンドクリーム
■ばら園 ローズハンドクリーム RX(医薬部外品)
■モイスト 薬用ハンドクリームUR <S>(医薬部外品)
■モイスト 薬用ハンドクリームUR <L>(医薬部外品)
■尿素10%クリーム (チューブ)(指定医薬部外品) 販売名:やわらかスベスベクリームN
■尿素10%クリーム (ジャー)(指定医薬部外品) 販売名:やわらかスベスベクリームN
■ハンドクリーム 薬用スーパーさらさら(医薬部外品) 販売名:ハンドクリーム (薬用さらさら)a
■ハンドクリーム 薬用モアディープ (チューブ)(医薬部外品)
 販売名:ハンドクリーム (薬用モアディープ)a
■ハンドクリーム 薬用モアディープ (ジャー)(医薬部外品)
 販売名:ハンドクリーム (薬用モアディープ)a
■シーブリーズ スムースハンドジエラート ピンクグレープフルーツ(2月上旬 数量限定発売)
■シーブリーズ スムースハンドジエラート ボタニカルスイート(2月上旬 数量限定発売)

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「ルイ・ヴィトン」が銀座並木通り店で初のチョコレート 川久保玲や村上隆とのコラボを振り返る展覧会も

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は3月20日、リニューアルした銀座並木通り店をオープンする。7階建ての建物には、ブティックやカフェに加えて初めてチョコレートを取り扱うスペースも用意する。また、オープンから2カ月間、同ブランドのこれまでのコラボレーションプロジェクトを集めた展覧会「ルイ・ヴィトン &(Louis Vuitton &)」を開催する。

 銀座並木通り店は1981年に、「ルイ・ヴィトン」の日本初の直営店として開店。店舗建替えに伴い、東京銀座朝日ビルディングに移転オープンしていた。今回リニューアルオープンを迎える建物の外観は東京湾の水面を彷彿とさせる作りで、建築は青木淳とアメリカ出身のピーター・マリノ(Peter Marino)が担当した。

 最上階には須賀洋介が手掛ける「ル カフェ ヴィー (LE CAFE V)」と「ル ショコラ ヴィー(LE CHOCOLAT V)」をオープン。2020年2月に「ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋」にオープンしたカフェとは異なり、今回はカジュアルさを意識したという。チョコレートは正方形やブランドのモノグラムを模した形に作られ、ボックスで販売する。

 展覧会では10の展示室を設けてクリエイティブなコラボレーション作品を展示。特に日本に焦点を当て、川久保玲や村上隆のほかにも、藤原ヒロシや故山本寛斎氏、草間彌生との取り組みを紹介する。村上隆は12年にわたって「ルイ・ヴィトン」とコラボし、“モノグラム・マルチカラー”シリーズや、目玉や桜をモチーフにしたバッグ・コレクションといった人気アイテムを生んだ。

 6階にはVIP・VICサロンを構え、旅に着想を得た“オブジェ・ノマド コレクション”を配置。ほかにも、 “LVオリ・ライン スニーカー”や青と紫を基調とした“タンブール”ウオッチなどの限定品を販売。また、2014年に発表した川久保玲とのコラボトート“バッグ・ウィズ・ホール”をリエディットして限定販売。中のものが落ちないように、ライナーとしてバッグを販売する際に使われる布製の保護バッグを使用する。

 マイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトン会長兼最高経営責任者は、このリニューアルオープンと展覧会の展開について「全ては、世界で最も先進的で洗練されたラグジュアリーマーケットである日本市場へのエンゲージメントのために取り組んでいる。この2つのプロジェクトはビスポークストアやイベント、コンテンツに関する新時代を象徴する。パリでやったことを、日本で再現するつもりはない。日々何かが起こっているのであり、常にエンゲージメントを意識している。リニューアルに着手してから5年が経つが、21年現在も作業を継続できているのは幸運なことだ。本当のエンゲージメントとは、出店をするだけではない。それはただの商業にすぎない。われわれが目指すのは文化的交流だ」と語った。

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「ルイ・ヴィトン」が銀座並木通り店で初のチョコレート 川久保玲や村上隆とのコラボを振り返る展覧会も

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は3月20日、リニューアルした銀座並木通り店をオープンする。7階建ての建物には、ブティックやカフェに加えて初めてチョコレートを取り扱うスペースも用意する。また、オープンから2カ月間、同ブランドのこれまでのコラボレーションプロジェクトを集めた展覧会「ルイ・ヴィトン &(Louis Vuitton &)」を開催する。

 銀座並木通り店は1981年に、「ルイ・ヴィトン」の日本初の直営店として開店。店舗建替えに伴い、東京銀座朝日ビルディングに移転オープンしていた。今回リニューアルオープンを迎える建物の外観は東京湾の水面を彷彿とさせる作りで、建築は青木淳とアメリカ出身のピーター・マリノ(Peter Marino)が担当した。

 最上階には須賀洋介が手掛ける「ル カフェ ヴィー (LE CAFE V)」と「ル ショコラ ヴィー(LE CHOCOLAT V)」をオープン。2020年2月に「ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋」にオープンしたカフェとは異なり、今回はカジュアルさを意識したという。チョコレートは正方形やブランドのモノグラムを模した形に作られ、ボックスで販売する。

 展覧会では10の展示室を設けてクリエイティブなコラボレーション作品を展示。特に日本に焦点を当て、川久保玲や村上隆のほかにも、藤原ヒロシや故山本寛斎氏、草間彌生との取り組みを紹介する。村上隆は12年にわたって「ルイ・ヴィトン」とコラボし、“モノグラム・マルチカラー”シリーズや、目玉や桜をモチーフにしたバッグ・コレクションといった人気アイテムを生んだ。

 6階にはVIP・VICサロンを構え、旅に着想を得た“オブジェ・ノマド コレクション”を配置。ほかにも、 “LVオリ・ライン スニーカー”や青と紫を基調とした“タンブール”ウオッチなどの限定品を販売。また、2014年に発表した川久保玲とのコラボトート“バッグ・ウィズ・ホール”をリエディットして限定販売。中のものが落ちないように、ライナーとしてバッグを販売する際に使われる布製の保護バッグを使用する。

 マイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトン会長兼最高経営責任者は、このリニューアルオープンと展覧会の展開について「全ては、世界で最も先進的で洗練されたラグジュアリーマーケットである日本市場へのエンゲージメントのために取り組んでいる。この2つのプロジェクトはビスポークストアやイベント、コンテンツに関する新時代を象徴する。パリでやったことを、日本で再現するつもりはない。日々何かが起こっているのであり、常にエンゲージメントを意識している。リニューアルに着手してから5年が経つが、21年現在も作業を継続できているのは幸運なことだ。本当のエンゲージメントとは、出店をするだけではない。それはただの商業にすぎない。われわれが目指すのは文化的交流だ」と語った。

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爆裂!健康美容マニア道 美肌を作る奥ゆかしい三種の神器

 1日8食、ジャンクフード漬けの超不健康児から超健康優良児へと大変身を遂げたフリーアナウンサーの名越涼。およそ15年かけて自らの体で人体実験を繰り返してきた結果、“超絶良かったもの”だけをここで余すことなくお伝えする。今回は毎日取りたい三種のサプリについて。

 美肌作りのために確実にとっておきたいマストアイテムってある。よく、「即効性のあるものって何?」と聞かれるのだけど、最終的に揺るがない、ぶれない肌を目指すのであれば、底上げをしてくれるものをコツコツ取り続けるのが一番の近道。かくいう私も、以前は即効性のあるものを求めてサプリを探求し続けていたのです。その長い旅路の先に見つけた一つの答えは「奥ゆかしいサプリほど後々うれしい結果をもたらしてくれる!」ということ。美肌は1日にしてならず。でも続けた分だけ、驚くほどちゃんと応えてくれる。今回は、2021年のマストバイ“奥ゆかしい”三種の神器(サプリ)のご紹介!

ツルスベ肌を目指すなら、ハトムギ

 まず一つ目は、いわずとしれたデトックスの女王・ハトムギ。漢方の生薬としても「ヨクイニン」という名前で昔から重宝されてきたもの。アミノ酸が穀物の中で一番優れていて、栄養価が高いだけでなく、肌の水分代謝を促し、潤いや艶を与えてくれるというなんとも頼もしい存在。さらに、腎臓の働きを活発にしてくれ、老廃物の排出をスムーズに。炎症を抑える効果もあって、気になるブツブツやイボにも働きかけてくれる万能穀物。コツコツ続けることによって確実に肌の状態を改善してくれる、超・必須アイテムなのであります。それゆえ、私は錠剤と粉末のタブル使い。粉末はほんのり香ばしくて、ヨーグルトやスムージーとも相性ばっちり。腹持ちがいいので、小腹が空いた時にもおすすめ。内側から潤うもっちり肌を目指すなら、1日も早いハトムギ生活を。

健康的な土台は、アミノ酸で作られる

 二つ目は、こちら。「え…醤油?」と、驚くなかれ。私も、このアイテムを知った時、そして味わった時に目をパチクリさせた。「しょ、しょ、醤油を薄くした感じやん‼︎(驚)」と。そう、この「醸造アミノミックス」は醤油と同じように、大豆を原材料にし、麹菌の発酵パワーを活用して作られたもの。人が必要とする20種類の必須アミノ酸・非必須アミノ酸のうち18種類がしっかりと含まれているだけでなく、菌酵素やオリゴ糖なども有するアミノ酸ドリンクなのです。液体なので吸収が早く、食前だと40分ほどで体にしっかりと働きかけてくれるそう。人間の体の20%はタンパク質でできていて、そのタンパク質を作る成分がアミノ酸。わずか20種類のアミノ酸の組み合わせが健康的な髪・爪・肌はもちろんのこと、筋肉やホルモンなど10万種類以上のタンパク質を作っているのだというのだから、その重要性はいわずもがな。毎日消耗していくものだからこそ、日常的な相棒として常備しておきたいスーパーアイテムなのです。

縁の下の力持ち・鉄分

 最後はこちら、鉄分。体にとってものすごく大事な鉄の重要性は以前からこのコラムでも伝えているけど、鉄分って取るのが難しい。そもそも鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、体に吸収されやすいヘム鉄は、牛ヒレ肉ならおよそ200g、鶏レバーならおよそ70gを毎日摂取しないといけないし、とはいえ過剰に取りすぎると体に害を及ぼす恐れがあるのです。成人女性の5人に1人が鉄不足といわれていて、貧血になると血液が酸素を運べなくなってしまうので、疲れやすくなったり頭が痛くなったり、さらには肌にも影響が(泣)。何かいい鉄はないかな〜と探していた時に出合ったのがこの「VOR」。主成分は阿蘇カルデラのリモナイトという、ヘム鉄を含む天然の鉄と12種類のミネラルを併せ持つ天然の恵み。嬉しいのは、リモナイト原料を1日200g食べても無毒性であり、過剰摂取には至らないという検査結果があるということ(HP情報より)。何事もやりすぎは禁物だけど、これならばと安心して摂取できる縁の下の力持ちなのです。

 と、いうことで美肌を作る三種の神器(サプリ)、いかがでしたか。
急ぎたくなる…けど急がば回れを実感する今日このごろ。心強い味方になってくれる強力なパートナーが一つでも見つかりますように(願)。

名越涼/フリーアナウンサー。香港出身。福井と愛知のテレビ局アナウンサーを経て独立。司会やライター、セミナー講師、企画・プロデュースなど幅広く活躍するパラレルワーカー。趣味・特技は手作り発酵食、食文化研究、ヨガ(歴15年)eスポーツと農業にも精通

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「グッチ」が新たな環境戦略発表 環境再生型農業支援を推進

 「グッチ(GUCCI)」はこのほど、新たな環境戦略を発表した。これまで取り組みを進めてきたカーボンニュートラルに加えて、森林やマングローブ林の保護と再生、自社サプライチェーンにおける環境再生型農業に投資し、さらに自然環境にポジティブな変化を生み出すことを目指す。

 「グッチ」は2018年以降、自社の事業活動とサプライチェーン全体においてカーボンニュートラルを実現してきた。今回発表した環境戦略はこれまでの取り組みを発展させたもので、温室効果ガスの排出の回避と削減は引き続き優先させながら、同時に生物多様性の保護と気候変動対策を目的に、サプライチェーン全体の改革を推進する。

 マングローブ林は一般的な森の最大約10倍の炭素を蓄えることができるが、世界のマングローブ林の30〜50%がすでに失われ、毎年2%ずつ削減し続けている。「グッチ」はホンデュラスの森林保全プロジェクト「モスキティア ブルー カーボンREDD+プロジェクト」に資金提供を行ない、これにより約5000haにおよぶマングローブ林と28万5000ha以上の森林が伐採から保護される。

 同戦略のもう一つの柱となる環境再生型農業に向けた取り組みは、国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナル(CONSERVATION INTERNATIONAL)、サウスポール(SOUTH POLE)、ネイティブ(NATIVE)と共同で、環境再生型農業プロジェクトの実行可能地域の特定と規模拡大を目的とした調査を進行し、グッチ製品に再生可能な原材料を供給することを目指す。また、サプライチェーンだけでなく、生産者に対しても環境再生型農業に切り替えるよう奨励している。そのほかにも再生可能エネルギーへの切り替えやサステナブルな原料調達、循環型ビジネスモデルの推進などにも取り組む。 

 マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzari)=グッチ社長兼最高経営責任者は「新たな『環境戦略ポートフォリオ』は科学に基づき、気候変動を緩和する重要な生態系を保護および再生することで、生物多様性と気候を将来にわたって持続可能にするものだ。私たちは、自然を気候変動の犠牲者から気候に変化をもたらす原動力へと変えるための具体的な活動とシステムを広めることが、地球温暖化へのソリューションのひとつになると考える。この方法は、最終的に私たちの地球の未来を救うことになるだろう」とコメントした。

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もうファンデはベージュでなくていい? マスクで激変のベースメイク事情と注目の新作

 昨年の今頃、1年以上もマスク着用の習慣が続くとは、いったい誰が想像できただろうか?コロナ禍で最も変化した美容習慣は間違いなく、マスク着用の影響による「ベースメイク」であると思う。そして現在進行形で、女性の関心事でもあるはずだ。

 確かにこの1年、電車や街中で見かける女性で「ファンデーションをきっちり塗っている人」は減少したように思える。その一方で(特に大人の女性で)、「完全にスッピン」と思われる人も、あまり見かけなかった。近所の外出時は別として、出勤もしくは、不特定多数の人とすれ違う場所に出かける場合、日本女性にとって「ファンデーションをつけること」は、それだけ重要な習慣なのだと思う。それゆえに、多くの女性がファンデーションの機能や仕上がりに対して、今も一定の試行錯誤をしているのではないかと想像している。

美しい仕上がりより「崩れない」「肌に負担をかけない」こと

 マスクでほとんど顔が隠れている以上、「他者の目から見た美しい仕上がり」は、以前ほど重視されなくなった。代わりに必要とされるのが「湿気でヨレない」「こすれに強い」機能である。フィット感は以前からあるニーズだけれど、ファンデがマスクにつくことを通して「見える化」された面が大きい。

 もう1つ、マスク着用で浮上した機能が「肌に負担をかけない、ストレスフリーの使い心地」だ。マスク内の高温・高湿度環境によって、肌が敏感に傾く女性が増えたこと。さらに昨年のコラムでも記した通り、女性は肌の上にファンデーション、その上をマスクで覆うという「二重の密閉状態」にある。感覚的な話しで恐縮だが「素肌が楽に呼吸できるような」ベースメイクを求める気持ちは、とても共感できる。

多くの女性が「メイク習慣を変えた」ことのポジティブな側面

 マスク着用によって、多くの女性が「強制的にベースメイクを見直さざるを得なかった」こと。これは長期的に考えると、ポジティブな側面もあるように思う。この期間にファンデーションではなく下地を試してみた人、また顔全体に塗らず部分的にカバーするなど、塗り方の工夫をした人もいるだろう。

 その結果「ファンデーションでなくても、肌は均一に見える」「肌全部をカバーしなくてもいい」という気づきがあったのではないか。実は前述のような下地の使用や塗り方は、プロのメイクアップアーティストが実践する「自然な肌作り」のテクニックでもある。コロナ禍の強制的な経験により、まずはファンデーションの常識から解放されること。そして自然な肌作りの方法を体験することは「いつかマスクを外す日」にきっと役立つはずだ。

 そして、2021年春はまさに「これまでのファンデーションの概念」を越えるような、ベースアイテムが続々登場する。マスク着用が続きそうな今、次世代のベースメイクのキーワードとともに、注目の新作アイテムをご紹介したい。

ファンデーションは「ベージュでなくていい」という新発想

 これまで日本女性の間には、ファンデーション=「ベージュ」という概念が存在していたはず。ファンデ選びの重要なテーマは「いかに自分の肌色に合ったベージュを見つけるか」でもあった。一方マスク着用を通して俄然注目度が高まったのが「ピンク」や「パープル」のトーンアップ下地である。これらの下地は、女性たちに「ベージュでなくても、肌の均一感や明るさを際立てる」「1品でも案外美しく仕上がる」という美肌体験をもたらした。

 このようなトーンアップ下地は、今後も引き続き注目されると思う。個人的に最も印象的だったのは、「スリー(THREE)」の“アドバンスドエシリアルスムースオペレーター プライマー”だ。木材を原料とした、軽量かつ弾力性に優れた「スムースファイバー」を配合し、実に不思議な感触を実現している。プライマーのほうから肌に吸いついてくるようなフィット感を叶え、密着後は肌の上でネット構造を形成し、保湿効果も期待できる。肌のノイズを解消しながら、ほんのり血色感を添え、素肌美が際立つ仕上がりが手に入る。

 ファンデーションの分野で斬新なコンセプトを打ち出したのが、「RMK」の“カラーファンデーション”である。「ファンデーションは、ベージュだけじゃない」という、KAORIヘアメイクアーティストの発想から生まれ、ベージュは一色も存在しない。ピンクやグリーン等の明るいパステルカラーは、肌色をコントロールする顔料を中心に構成され、透明感に優れているのが特徴だ。薄膜で素肌の質感を生かしながら、足りない色を補って明るいトーンへと導いてくれる。双方ともにストレスフリーの使い心地とマスクへのつきにくさ、そしてリモートワークでも活躍する自然な仕上がりを叶えるアイテムといえる。

高機能UVケアで「見えないダメージ」から肌を守り抜く!

 外出の機会が減り「UVケア」の使用頻度が減ったことは、「意外な落とし穴」ではないかと考えている。一般的な不織布のマスクは一定量の紫外線を透過すること。リモートワークの際に日差しの入る場所で過ごしていると、気づかぬうちに紫外線ダメージを蓄積する可能性があるからだ。この状況が長期化するほど、やがてシミやくすみを自覚する女性が増えるのではないだろうか。そこで注目したいのが、1品で何役もこなす「多機能 UVケア」である。

 花王が展開する「ビオレ(BIORE)」の“ビオレUV バリア・ミー ミネラルジェントルミルク”は、自然界に存在する植物や、食品業界の技術からヒントを得て、肌に微粒子を付着しにくくする新技術を搭載。ナノサイズの紫外線散乱剤を用いて、肌表面にキメより微細な凹凸を作りだし、ホコリやPM2.5、花粉などの付着を防ぐ働きがある。新型コロナウイルスの流行で高まった「目に見えないダメージ要因から肌を守りたい」というニーズに応える製品といえる。肌をトーンアップする働きで、下地としても活躍するはず。

 カネボウ化粧品のベストセラー「アリィー(ALLIE)」から登場する“カラーチューニングUV”は、「ノーファンデ UV」というコピーの通り、日焼け止め1品で肌を作り込めるアイテムだ。PUはくすみを飛ばし毛穴をぼかす光の効果で、まるでもともと肌の透明感が優れていたかのような仕上がりが手に入る。「アリィー」が誇る国内最高基準の紫外線防止効果、そしてマスクのこすれに強いフリクションプルーフ効果、マスク内の湿気に強いスーパーウォータープルーフ効果も頼もしい。

 日焼け止め単体のニーズは減ったとしても「1品でメイクが終わる」「崩れにくい」「見えないダメージから肌を守る」となれば話しは変わってくる。加えて多機能UVケアは、手頃な価格帯&ドラッグストアで手に入る製品が充実しており、今後ベースメイクの定番アイテムとして浸透するのではないかと思う。

パウダーに注目。メイクに加え「スキンケア効果の持続」も?

 マスク着用が続くにあたり、注目したいのが「仕上げにパウダーを使うこと」だ。本来パウダーはファンデの定着を高め、きめ細かな質感に整えるアイテムだが、プラスアルファの効果が期待できるからである。

 効果の1つは、メイクとスキンケアの中間的な存在である「スキンケアパウダー」の働き。「SHISEIDO」の“資生堂 ホワイトルーセント ブライトニング スキンケアパウダー N”は、美白有効成分m-トラネキサム酸を配合した、医薬部外品だ。サラリと軽やかな感触で、スキンケアの最後になじませると、素肌そのものをケアする働きが期待できる。もちろんメイクアップの仕上げに使うことも可能で、肌の均一感を高める働きも。リモートワーク時に、薄化粧効果によって活躍してくれそうだ。

 もう1つ注目したいのが「パウダーによるスキンケア効果の持続」である。資生堂の研究によると、マスク着用時、ベースメイクの仕上げにパウダーを使うと、ファンデの下に塗布したスキンケアの持続効果が認められるという。前述のホワイトルーセントのようなスキンケアパウダーだけでなく、一般的なパウダーでも同じ効果が期待できる。個人的におすすめなのは、「ジバンシイ(GIVENCHY)」の“プリズム・リーブル”だ。シルキーな感触でキメを整え、白色光を構成する色を再現した絶妙な4色が、明るさと透明感を演出。1989年に初代が登場して以来、32年愛され続ける名品であり、こちらも薄化粧ニーズに応えてくれる。

 改めて(美容に限らず)何ごとにおいても、長年の価値観や習慣を変えるのは本当に難しい。そういう意味で、マスク着用習慣はある種ベースメイクの常識を変える、思わぬきっかけになるのではと思う。今後ますます、女性たちの間にナチュラルなベースメイクのテクニックが浸透したり、今回ご紹介したような既存の枠を越えるベースアイテムが登場することを、心から願いたい。それは「いつか、マスクを外す日」に、きっと役立ってくれるはずだから。

宇野ナミコ:美容ライター。1972年静岡生まれ。日本大学芸術学部卒業後、女性誌の美容班アシスタントを経て独立。雑誌、広告、ウェブなどで美容の記事を執筆。スキンケアを中心に、メイクアップ、ヘアケア、フレグランス、美容医療まで担当分野は幅広く、美容のトレンドを発信する一方で丹念な取材をもとにしたインタビュー記事も手掛ける

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「フェンディ」2021年春夏オートクチュール・コレクション バックステージ

 「フェンディ(FENDI)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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キム・ジョーンズ加入の「フェンディ」がクチュールを披露 自身初のウィメンズについて語る

 「フェンディ(FENDI)」は1月27日、キム・ジョーンズ(Kim Jones)の加入後初となる2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。会場は、パリ旧証券取引所。上から見るとアイコニックな“ダブルF”のロゴが並ぶガラス張りの迷路のようなセットを用意し、ロマンチックなコレクションを披露した。

 「私は行動派。(時機を)待つことが助けになることもあるとは考えていない」。そう語るキムが本格的にウィメンズウエアを手掛けるのは初め手のことだが、昨年9月に「フェンディ(FENDI)」のオートクチュール、プレタポルテ、ファー・コレクションのアーティスティック・ディレクターに就任してすぐにコレクションに取り掛かったという。

 迷うことなく今回のテーマに選んだのは、作家ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)が恋人のヴィタ・サックヴィル・ウェスト(Vita Sackville-West)に捧げた小説「オーランドー(Orlando)」と、画家やインテリアデザイナーとして活動し、妹のウルフと共にブルームズベリー・グループの一員でもあったヴァネッサ・ベル(Vanessa Bell)だ。彼は大人になってからずっとこの2人の女性を称賛してきたとし、家の本棚には初版の「オーランドー」やブルームズベリー・グループの作家たちの作品が並んでいることを明かす。そして、「『フェンディ』が創業したのは1925年で、『オーランドー』が出版されたのは1928年。文字通り、歴史上の同じ時代から来ている。そして、今でもとても現代的でつながりを感じるものであることが興味深いと思った」と振り返る。

 そんな長い歴史を持つ「フェンディ」にとって“ファミリー”は重要な要素であり、キムはその点も大切にしている。今回のコレクション制作には、メンズウエアとアクセサリーのアーティスティック・ディレクターを務めるシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)と、シルヴィアの娘でジュエリーを手掛けているデルフィナ・デレトレズ・フェンディ(Delfina Delettrez Fendi)も携わっており、デルフィナはモデルとしてショーにも登場。それだけでなく、初の親子共演となるケイト・モス(Kate Moss)と娘のライラ(Lila)、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、クリスティ・ターリントン(Christy Turlington)と甥のジェームス(James)、カーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)、デミ・ムーア(Demi Moore)、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)といった、キム自身や「フェンディ」とつながりの深いモデルを多く起用した。また、ルックの一つは、同ブランドで54年間、ファーやウィメンズウエアをデザインしてきた故カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏のスケッチから引用したものだという。

 今回発表されたのは19ルックで、これだけでキムのウィメンズウエアに対する視点を完全に理解するのは難しいが、テーラリングとドレスを織り交ぜており、大胆な装飾に秀でている。ファーストルックは、オフショルダーのネックラインが印象的なシルクのような黒のパンツスーツをまとったムーア。胸元まで垂れる大ぶりなイヤリングと本型のクラッチがアクセントを加えている。また、ハディッドが着用した水のようにきらめく透明なケープや繊細なビーズ刺しゅうをあしらったイブニングドレスをはじめ、ドレスは高い位置で絞ったエンパイアウエストと長いトレーンという時代感のあるデザインが特徴。さりげなくセンシュアルでありながら実にロマンチックに仕上げられているのが絶妙だ。そして、ウルフと夫のレナードが出版した手刷りの本やローマにあるボルゲーゼ美術館を想起させる大理石模様の艶やかなドレスとマントに身を包んだキャンベルがショーを締めくくった。

 キムは「ダンヒル(DUNHILL)」や「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ、そして現在も手掛けている「ディオール(DIOR)」のメンズで結果を出した後に「フェンディ」に加入したが、彼にはブランドを理解するための自分なりのやり方があるようだ。「新たなメゾンに加わったら、何がその柱で、顧客が何を求めているかを考える」と話し、そこからさらに拡げる道を模索するという。「フェンディ」においても、彼は故ラガーフェルド氏が2015年に始めたファーを中心としたクチュールを得意としていることを理解している。今回は同ブランドのクチュールにとって初の春夏となるが、「私は彼らが提案できるものの幅を広げたかった。会社がすでに持っているものと持っていないものを見て、それをどうやって広げていくかを考えるのが好きなんだ」と語る。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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削らないジェルネイルを展開のネイルセレクトが初のコンセプトショップ開設

 ソフトジェルネイルのパラジェルや、ボディーケアブランド「パラスパ(PARA SPA)」を手掛けるネイルセレクトは2月1日、同製品を使ったネイルやスパメニューを体験できるサロン及びショップを渋谷にオープンする。

 同社は、爪の表面を削らないソフトジェルネイル、パラジェルを2010年から販売。従来のように爪を保護する表面の層を削らずに密着させることができるため、爪への負担を抑えながら美しいジェルネイルを楽しむことができると人気だ。「パラスパ」は精油やオーガニック素材配合のボディーケアブランド。爪〜手全体をふっくらと整えるハンドオイルやバスエッセンス、ボディークリームなどトータルにケアできるアイテムをそろえる。

 1階フロアでは「パラスパ」製品の体験・購入のほか、オリジナルの香りを調合できるアロマオイルバーを併設。ラベンダーやシダーウッドなど10種類の精油からいくつか選んでアロマスプレーが作れる(無料)メニューだ。2階では完全個室のプライベートな空間でネイルとスパの同時施術も可能とし、リゾートスパのような癒やしの時間を提供する。また、「手肌のケアまで含めて美しくなってほしい」という思いからスパメニューを豊富に用意し、ジェルネイルのデザインは単色カラーが中心で、複雑なアートは行わない。約250色のネイルカラーでトレンドや質感(艶やマット)を提案する。

 営業時間はショップは平日11〜19時まで、サロンは平日9時〜17時までとし、土休日は休み。女性が9割以上を占めるネイル業界にあって、結婚や妊娠などライフスタイルの変化による離職率は高いことから、サロンで働くスタッフが長く働きやすい環境を整えるという試みにも注目だ。

■パラスパガーデン(1階)/パラスパサロン(2階)
営業時間:平日11:00〜19:00(1階)、平日9時〜17時(2階)
住所:渋谷区道玄坂1-15-12 CAN渋谷道玄坂ビル1階、2階

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ラグジュアリーECのエッセンスがアーティストとのコラボプロジェクト 第一弾はクィアの黒人劇作家と協業

 カナダ発のラグジュアリーECのエッセンス(SSENSE)はこのたび、アーティストやクリエイターなどとコラボレーションして、アパレルや雑貨を制作するプロジェクト「エッセンス ワークス(SSENSE WORKS)」を発足した。第一弾として黒人劇作家でクィア(男性にも女性にも区分されない独自性)のジェレミー・O・ハリス(Jeremy O. Harris以下、ジェレミー)と協業し、ジャケット(3万9500円)やシャツ(3万3500円)、パーカ(3万9500円)、スカート(3万7500円)、ソックス(4500円)などを発売した。「エッセンス ワークス」立ち上げの経緯やジェレミーとの協業の理由などをエッセンスのソニア・トマス(Sonia Thomas)=ブランド開発部門シニアディレクターに聞いた。

WWD:「エッセンス ワークス」を立ち上げた理由と狙いは?

ソニア・トマス(以下、ソニア):エッセンスの見方は、ニューラグジュアリーやEC、クリエイティブプラットフォーム、テック企業など人によってさまざまです。「エッセンス ワークス」では、クリエイターのクリエイティビティをエッセンスというフィルターを通して表現するプラットフォームを提供したいです。ジェレミーはジャンルを超えた創造性と文化的影響力を体現していて、世に伝え、拡散したいと思いました。私たちはジェレミーの革新的な作品には注目しており、「エッセンス マガジン(SSENSE MAGAZINE)」3号目の表紙などのプロジェクトを共にすることで関係性を深めてきたんです。

WWD:コレクションのコンセプトは?

ソニア:ジェレミーはこの協業で、作家のゾラ・ニール・ハーストン(Zora Neale Hurston)や、歌手のエセル・ウォーターズ(Ethel Waters)、画家のジェイコブ・ローレンス(Jacob Lawrence)、写真家のタイラー・ミッチェル(Tyler Mitchell)、映画監督のジャニクザ・ブラボー(Janicza Bravo)、そして写真家カール・ヴァン・ヴェクテン(Carl Van Vechten)など、人々を喜ばせ、歴史を紡いできた黒人の作家やアーティストへのオマージュを捧げる“オリジナルの劇”を構想したんです。ジェレミーの未発表の脚本の一部をパーカやTシャツなどにプリントや刺繍であしらい、トートバッグにはセリフの全文をのせました。

WWD:性差を感じにくいデザインやシルエットのジェンダーニュートラルなアイテムが中心だが、エッセンスではあえてメンズ/ウィメンズウエアに区分している。

ソニア:エッセンスは、5万以上のアイテムと600以上のブランドを取り揃えており、ショッピング体験を可能な限り簡単に案内できるよう努力しています。ジェンダーアイデンティティ(性自認)に関する意識が高まっていますが、現時点では多くの一般消費者はアイテムを購入する際に、性別で選択するメンタルモデル(物事の見方や行動に大きく影響を与える固定観念)を持っています。

WWD:今回のコレクションも含めてECの売れ行きは?

ソニア:エッセンスは幸運にも順調に推移しています。世界中のチームが遠隔で仕事をする中で「エッセンス ワークス」を開発して立ち上げるのは、とても大きなチャレンジでした。コレクションも順調で、トラウザーやスカートなどのテーラードアイテムに強い関心が寄せられています。

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「ディオール」のタロットの世界や「シャネル」の小さな結婚式 クチュール前半7選

  2021-22年秋冬メンズ・ファッション・ウイークが終了し、21年春夏オートクチュール・ファッション・ウイーク(1月25〜28日)が開幕しました。コロナ禍での2度目のデジタル開催で、クチュールメゾンはどのような服を、どのような方法で発信するのか、コレクションを長年取材する向千鶴「WWDジャパン」編集長と、ウィメンズブランド担当の大杉真心記者がそれぞれの視点から語り合います。今日は1月25日、26日の2日間の参加ブランドから厳選した7ブランドについて紹介します。

“ムキムキ筋肉ドレス”の「スキャパレリ」

向千鶴「WWDジャパン」編集長(以下、向):オートクチュール・ファッション・ウイークが開幕しました。ライブ配信のコアタイムが日本の夜ですがから、仕事や家事が終わって一段落した時間にリラックスして見るのがオススメです。ファンタジー溢れるオートクチュールを通じて多くの方にショートトリップを楽しんでいただきたい。

大杉真心「WWDジャパン」記者(以下、大杉):トップバッターは「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」です。デザイナーのダニエル・ローズベリー(Daniel Roseberry)は、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」で経験を積んだアメリカ人デザイナーで、先日の大統領就任式でレディー・ガガ(Lady GaGa)の衣装を担当したことでも話題になりましたね。

向:私は就任式を最後までライブで見て寝不足になった派なのですが、厳重な警備体制下で常に緊張感があった式典の空気をガガは一気に華やかに盛り上げました。特にボリュームのあるスカートの後姿がガガを最高に美しく見せており、 “一世一代の場では、やはりパリのオートクチュールが選ばれるのだな”と思ったけど、そうか、ダニエルはアメリカ人でしたね。納得です。

大杉:今回のテーマは「231 second of Haure Couture(オートクチュールの231秒間)」で、3分51秒にコレクションの制作現場やフィッティング風景、撮影、モデルの着用シーンが凝縮されていました。

向:「スキャパレリ」と言えば1920年代にパリで勃興した“超現実”表現のシュールレアリスム。創業者のエルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)は芸術家のサルバドール・ダリ(Salvador Dalí)などと親交が深く、現代的な表現をすれば“ぶっ飛んだ”デザインを世に送り出していました。現代のダニエルはそのDNAをしっかり引き継ぎ、痛快に“ぶっ飛んで”くれましたね。

大杉:序盤からムキムキな筋肉をかたどったコルセットに釘付けに!これ、去年のクリスマスにキム・カーダシアン(Kim Kardashian)のためにデザインしたムキムキドレスの進化系なんですね。「スキャパレリ」といえばショッキングピンクがDNAですが、あのイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)による有名なリボンルックがムキムキに再現されていました(笑)。

向:創業当時に独創的な「スキャパレリ」を支持したパリの上流階級の女性たちの懐の深さや好奇心の強さには脱帽ですが、今の時代にその役割を果たしているのがキムやガガのようなアーティストたち。オートクチュールとショービジネスの関係は密接ですね。奇抜であると同時にクチュールメゾンの技を生かしてどこまでも真面目に美しさを追求し、着る女性をきれいに見せています。

大杉:他にも大振りの茄子のようなゴールジュエリーや、大きな南京錠も迫力がありましたし、聖母像の絵画のように乳を飲む赤ん坊が付いたルックもぶっ飛んでました。今スポットライトが当たっているアメリカ人クチュリエとして、ダニエルは今後も注目していきたいですね。

神々しい「イリス ヴァン ヘルペン」のクリエイション

大杉:前回は不思議な雰囲気の映像作品に挑んだ「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」でしたが、今回はシンプルなランウエイ形式になりましたね。このブランドは3Dプリンターを駆使して、ドレスそのものがSF映画の衣装のように細かく、奇抜なので、全身をしっかり見れる見せ方でよかったと思いました。コクーンに包まれているかのように立体的なケープのドレス、生物のひだのよう広がったスカートなどから、創造性の豊かさを感じます。

向:まるでボディーペインティングかのように身体と一体化したドレスが美しかったです。身体と装飾、身体と服と空間の関係性を追求するその探求心がすごい。服というより、もはやボディーメッセージですね。私、日本に点在する縄文文化の資料館を見て回るのが趣味なのですが、そこで展示されている縄文人の装飾に通じるものがあるな~なんて思いながら見ていました。

大杉:往年のスーパーモデル、ナタリア・ヴォディアノヴァ(Natalia Vodianova)も登場しましたね。羽のような装飾が付いたラストルックは本当に神々しく、気高さを感じてしまいました。細かく見てみるとネイルアートもとても素敵で、これらは日本出身のネイルアーティストの松永英知さんが担当したそう。

「ディオール」のミステリアスで多元的な美しさ

大杉:また1本の映画を見終わったように、惹き込まれてしまいました。前回に引き続き、イタリア人映画監督マッテオ・ガローネ(Matteo Garrone)による映像です。タロットの世界が広がったお城の中で、1人の女性がジェンダーを超えた自分探しの冒険をするという内容で、愚者、節制、女教皇、吊るし人、悪魔などお馴染みのカードのサインたちが登場人物として出てくるのもワクワクしました。

向:インビテーションがズシリとしているから何かと思えばタロットカードそのもの!ショーはそこから始まりました。映像は非常に美しく、非常にミステリアス。以前、「ディオール(DIOR)」のオートクチュールのショーの後に “仮面パーティ”に参加したことがあります。そのときに感じた「仮面をつけていると人は素直に大胆になる」という体験を思い出しました。タロットに導かれることで女性たちがどんどん自分の本心や本年に忠実になってゆく。そんな束の間の解放感を提供してくれた気がします。

大杉:ムッシュ、クリスチャン・ディオール本人も占星術に惹かれていたという話がありますが、アーティスティック・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)は「不確実な時代に、ミステリアスで多元的な美しさを探った」という風に語っています。まさにコロナ禍に入ってから「風の時代」についてなどスピリチュアルな話を聞く機会が増えて、占星術関連の書籍も売れているそう。そういった占いへの注目が高まる中、今このような提案するマリア・グラツィアは本当に時代を捉えているな、と感心してしまいます。

向: 12星座を刺しゅうしたドレスはマリア・グラツィアのお気に入りで今回も登場しましたね。ちなみに「ディオール」には12星座のリングも定番であります。私はマリア・グラツィアへのインタビュー当日に「話のネタに」と思って自分の星座であるおうし座のリングを購入したことがあります。慌てて買ったので実はそれが牡羊座のリングだったというオチつきなのですが……。マリア・グラツィアと大いに盛り上がったからよいのですけどね。

大杉:なんと!SNSのコンテンツでは、実際にマリア・グラツィアをはじめ、アトリエのスタッフたちがタロット占いを受ける姿も紹介していたのも面白かったです。これまで通り、このコレクションに合わせて世界中のアンバサダーたちのスナップがSNSで掲載されていましたが、日本からは新木優子さんが登場していました。

少人数が参列する結婚式のような「シャネル」ショー

向:「シャネル(CHANEL)」は、家族が集う少人数の結婚式をイメージしたそう。花のアーチをくぐってモデルたちがグラン・パレの階段を降りてくる開幕のシーンは、一点の曇りもない幸福感に満ちていました。今こそ「シャネル」にはこうあってほしい。厳しさやシリアスさは「シャネル」には不要です。ザ・ロネッツ(The Ronettes)の「ビー・マイ・ベイビー」のアレンジ曲が胸にしみました。

大杉:無観客ショーと思いきや、ペネロペ・クルス(Penelope Cruz)やマリオン・コティヤール(Marion Cotillard)、リリー・ローズ・デップ(Lily Rose Depp)ら豪華なアンバサダーたちが客席にいましたね。段々に重なったフリルスカート、マクラメ刺繍のロングドレスなどから、紳士服から着想を得た、ウエストコートとパンツのセットアップまで、華やかなパーティの参列客のようなウエアがそろっていました。

向:ロング&リーンの1920年代調が軸にありましたね。それを彩るのは刺しゅうや羽根飾りといったシャネル傘下の工房の仕事です。ヴィルジニーは、「私は常に女性たちが自分のワードローブにどんなアイテムを加えたいのかと考えています」と話していますが、 この顧客に寄り添うヴィルジニー流の「シャネル」がすっかり安定感を得たと思います。

大杉:最後には白馬に乗った花嫁が登場しましたね。この祝福ムードは、カンボン通り31番地のオートクチュール サロンのリニューアルに関連しているとのことです。

ローマから無観客ショーを行った「ヴァレンティノ」

向:「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は本拠地のローマにあるコロンナ美術館で無観客ショーを発表しました。映画「ローマの休日」のラスト、アン王女が記者会見を開いたシーンのロケ地で、天井のフレスコ画など会場は見どころ満載です。ローマはイタリアの中でも特別な場所であり、「ヴァレンティノ」はその歴史の中から生まれたことを再確認しますね。パリコレではこの荘厳な光景を見ることはできません。

大杉:前回、巨大ドレスに度肝を抜かれましたが、今回はよりリアルなレイヤードスタイルを楽しむクチュール、という新しい方向性に切り替えてきましたね。クチュールといえば、装飾をたっぷりのせたドレスをイメージしますが、ドレスのオケージョンが減る中でピッチョーリはリアルな世界で着用するクチュールを目指したのではないか、と思いました。スパンコールをのせたタートルネックインナーの上からワンピースを重ね着したり、ふんわりとしたコートドレスがあったりと日常着のようなアイテムばかり。クチュールでは初めてのメンズも登場していました。顔一面に金色のグリッターを塗ったメイクも目を引きましたね!1ルックずつ商品説明と製作者の名前が記載されていて、リスペクトを感じました。

向:どこか着物を思わせる直線的なフォームと鮮やかな色が力強かったです。ところで音楽は、マッシヴ・アタック(Massive Attack)のロバート・デル・ナジャ(Robert Del Naja)が担当です。ナジャってバンクシーの正体か!?なんて噂されたこともある人でしょ?そのナジャとアーティストのマリオ・クリンゲンマン(Mario Klingemann)が組んだ「ヴァレンティノ」の映像作品が29日に発表されるそうですね。なんと人口知能に「ヴァレンティノ」のオートクチュールのメイキング映像などを3か月間学習させて作ったとか。究極の手仕事であるオートクチュールとAIのコラボレーションだなんて未知でゾクゾクするわ~。楽しみ。

総刺しゅうにうっとりする「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」

向:「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」で特に見てもらいたいのは、ブルーのベルベットの美しさかな。ピークドショルダーのジャケットやドレスに合わせる帽子などいろいろなところに艶のあるブルーのベルベットが使われていて効果的でした。

大杉:今回はデザイナーのジョルジオ・アルマーニが、ミラノへの思いを込めて制作したコレクションだったそうですね。キラキラ輝く総刺しゅうのジャケットとパンツのセットアップからはじまり、素材の美しさにうっとりとしました。歴史的建造物であるオルシーニ宮殿を舞台に、部屋の鏡に反射して、バックスタイルが見える演出も素敵でした。

向:「手入れたが行き届いている」という言葉がショーを見ている間、ずっと頭にありました。服のカッティング、モデルの身のこなし、「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(GIORGIO ARMANI BEAUTY)」を使っているのであろう肌の質感や指先のネイル、それらはごく自然に見えるけど緻密に計算されているに違いない!外光と鏡の反射の光も考慮して生まれているのでは?と思いました。ショーのバックステージでデザイナーのミスター・アルマーニは自らモデル一人一人のメイクをチェックしますが、その美意識の高さがデジタルコレクションにも表れていますね。

「AZファクトリー」でエルバスがついにカムバック!

向:いよ!待ってました!アルベール・エルバス(Alber Elbaz)がファッションビジネスに戻ってきました。「AZファクトリー(AZ FACTORY)」はコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)とのジョイントベンチャーによるプレタポルテの新ブランドです。2015年に彼が「ランバン(LANVIN)」を去ったときは「着る服がなくなる」と本気で嘆く女性がたくさんいました。それほどアルベールが作る服は女性にとっての強い味方なのです。私も嬉しいです。

大杉:テレビ番組風のコミカルな演出で、見ているのが楽しかったです。それぞれのウエアごとにエルバス本人が作った思いを語っていて、XXXSからXXXXLまで対応するストレッチ素材のドレス、女性一人で着脱が楽なファスナー、ポインテッドスニーカーの“スニーキーパンプス”、ヨガやストレッチができるアクティブウエア、最後には“ハグ”や“キス”の温もりを感じるパジャマまで、おしゃれな通販番組みたいでした(笑)。

向:アルベールはクリエイティブ・ディレクターというより、ファッション・デザイナーなのですよね。ブランドのためにブランディングを請け負うのではなく、女性のために服をデザインし仕立てる人。以前「僕はすべての年代のすべての女性を美しくしたい。彼女たちに尽くすデザイナーなんだ」といった趣旨のことを語っていたのが印象的で、今回のコンセプトもそこにあります。多様性あるモデルキャスティングなどから変わらぬポリシーを見ました。

大杉:最後にはアナ・ウィンターをはじめ、マーク・ジェイコブス、リック・オウエンス、「クロエ」の新クリエイティブ・ディレクターで注目を集めるガブリエラ・ハーストらの声援のコメントがあり、見所も満載。しかも、すぐ買える「シーナウ、バイナウ(SEE NOW, BUY NOW)」形式で、今日から公式サイト、「ネッタポルテ」「ファーフェッチ」で発売しましたね。ドレスは9万~21万円、トップス3万~4万円、スニーカー6万7000円、アクセサリが3万~9万円と、クチュールと身構えずとも、手に届く価格帯にも驚きがありました。

向:さあ、日本ではどこの店が販売するのでしょうか?ディストリビューターはどこ?記者としては次はそこを追いかけないとね。

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「ケンゾー」が2021年春夏コレクションのキャンペーン公開

 「ケンゾー(KENZO)」はこのほど、フェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveira Baptista)による2021年春夏コレクションのキャンペーンビジュアルを公開した。同キャンペーンは“ディスタンスフォトグラフィー”をコンセプトにグレン・ルックフォード(Glen Luchford)が撮影し、ジェーン・ハウ(Jane How)がスタイリングを手掛けた。

 ルックフォードのビンテージアーカイブをもとにロサンゼルスやハバナ、ニューヨーク、マラケシュなどの世界の都市を捉えたイメージは、物理的な旅行が難しい時代に、オリヴェイラ・バティスタが制作のテーマに掲げる“Going Places”の精神を呼び起こすという思いを込め、若々しい遊牧民の精神、多様性、楽観主義、自由といった「ケンゾー」のビジョンを表現した。

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トイレ広告で、年10万円の副収入。2月から全国展開。

デザインのぼり旗の開発販売を行う株式会社トランプス(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:井口 正文)が、飲食店のトイレにポスターを貼るだけで定期収益源を提供するトイレ広告『ハレルヤ!』を企画・開発、首都圏限定モニター100店舗にて、2021年1月よりテスト展開を開始、2月より全国展開を行う。
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庄や、フードファイターMAX鈴木と組みゴースト開店。ギルティ飯で若者狙う。

居酒屋「庄や」など飲食店を全国に展開する株式会社大庄(本社:東京都大田区、代表取締役社長:平 了寿)が、フードファイターの「MAX鈴木」氏とコラボし、1月29日(金)にウーバーイーツ内にて、ゴーストレストラン「MAX鈴木の背脂飯店」をオープンさせる。
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政治・社会問題を扱うファッションメディアが増加 読者からの期待に応えて

 社会が大きく変わった2020年、ファッションメディアもこれまでになく政治的及び社会的問題に対する立場を示すようになった。新世代の読者は自分たちが日常的に読む媒体に多くを期待し、その結果、媒体は社会不安や法律、人種差別、環境問題といったより幅広いトピックを取り上げるようになっている。

 例えばイギリス発のファッション&カルチャー誌「i-D」のウェブサイトを見てみると、一般的なファッションニュースに加えて、ウガンダの若者がどのように独裁政権に向き合っているかといった話題から、ウクライナのカムガール(オンライン配信を行うモデル)の生活や、生まれつき顔に跡のあるナイジェリア出身の活動家が自身の経験を語るコラムまでを扱っている。

 またベルリンを拠点にするストリートウェブメディア「ハイスノバイエティ(HIGHSNOBIETY)」は、20年末に発覚したデザイナーのアレキサンダー・ワン(Alexander Wang)の性的暴行疑惑について掘り下げ、ファッション業界が十分に取り上げていないことに疑問を投げかけた。コンテンツはほかにも、家庭内暴力を“女性の問題”とすることの間違いや、ポーランドで人工中絶を違憲とする判決が下されたことを受けて、アーティストのバーバラ・クルーガー(Barbara Kruger)によるプロチョイス(人工妊娠中絶の選択権を求め、合法化を支持する派)メッセージ「あなたの身体は戦いの場(Your Body is a Battleground)」を扱ったものなどがある。

 11年に創刊したロンドン発のファッション・カルチャー誌「ハンガー(Hunger)」の創設者であり写真家のランキン(Rankin)は、ファッションを超えたトピックを扱うことが同誌に期待されていることだと考えているという。そして、「これまでも軸となるコンテンツを幅広く探求してきたし、今後もそうしていくだろう。このアプローチはサイトのアクセスにも現れていて、多くのユニークユーザーがセレブリティーのインタビューからフォトエッセイ、解説記事までさまざまなコンテンツをクリックしている」とコメント。「未来は今この瞬間に存在していて、私たちがどこに導かれているかを知るためにそこに目を向けようと思わなければいけないだけだ。未来を変えるためには、今への向き合い方を変えるよう努力しなければいけない。新型コロナウイルスのパンデミックは世界を席巻し、これまで体験したことのない集団ヒステリーを生み出している。自分を振り返る時間も多く与えられ、おそらく私たちの物事への取り組み方や私たちが消費するものを変えている。これまで以上に多くのコンテンツへのアクセスが可能になり、媒体は紙でもデジタルでも提供する編集コンテンツの幅を広げている」と語った。

 ファッション学生を読者に多く抱える「1 グラナリー(1 GRANARY)」は、ファッションコンテンツを教育やサステナビリティ、政治意識といったより大きい文脈で語ったときに読者のエンゲージメントが高くなる傾向にあるという。同媒体でオンライン記事を手掛けるナターサ・スタモウリ(Natassa Stamouli)は、「20年は、このアプローチに対する強い需要があった。世界中のファッションスクールで何が起こっているかを掘り下げ、業界全体に疑問を投げかけることがわれわれの責任だと感じている。クリエイティブな学びがどのようにパンデミックの影響を受けるか、また新興デザイナーや中小企業、人々がどのように立ち向かっているかを報道し続ける」と述べた。

 同じく、ファッションを大きな文脈を取り上げた際に特に反響を得ているのは、ロンドンのファッション・カルチャー誌の「ザ・フェイス(The Face)」だ。同誌は19年の復刊以来、ファッションや音楽、エンターテインメントといったカルチャーを、政治、環境、人種、格差といった幅広い議題と結びつけてきた。21年現在ウェブサイトには男性のプラスサイズの需要やパンデミックが人々の精神的健康に与える影響といったコンテンツが並ぶ。また誌面では、コロナ禍で最前線に立ち続ける配達員やスーパーで働く人々を取り上げ、表紙に起用した。

 ジェイソン・ゴンザルベス(Jason Gonsalves)「ザ・フェイス」ブランドディレクターによると、業界の中にはこういった考え方への理解に苦しむ人も一定数存在するという。しかし同誌ウェブサイトのユニークユーザーは400万に達し、約600万のページビューを生み出している。競合他社と比較してサイトの滞在時間は7〜8倍だと明かし、今後も姿勢を変えることはないという。

 このようなファッションメディアの変化が、“表面的な時代”の終わりを表していると分析するのは、ドイツのファッション雑誌「アハトゥン・モード(Achtung Mode)」を創設したマルクス・エブナー(Markus Ebner)だ。「私たちは世界全体で深刻な問題を抱えていて、読者は信頼でき、意見を持つメディアを求めている。それは、規範となるようなジャーナリズムやファッションストーリー。私たちの仕事は訓練が必要な職業であるにもかかわらず、インフルエンサーの台頭でそれが変わった。しかし、パンデミックによって中身のない惰性が露呈することになった」と語る。

 一方、中国では報道や出版に関する規制が多く、メディア報道の傾向に違いが見られる。過去42年間で経済的に急成長を遂げた中国では、政治的およびデリケートな問題を公に語ることが法律に違反する可能性を持つ。中国のファッション&アート誌「ルージュ・ファッション・ブック(Rouge Fashion Book)」のリリー・チャウ(Lily Chou)編集長によると、多くの人がポジティブなものや、癒されるコンテンツを求める傾向にあるという。「中国の生活状況が向上しているので、人々はより質を高める方法を模索している。食べ物や旅行、音楽、ペット、もしくは甘い言葉など、笑顔になるものや、心が温まるコンテンツが人気だ」と述べた。

 “グリンプス(Glimpse)”と題した最新号では、20年の状況を基に将来の予測を試みている。表紙にはファン・ビンビン(范冰冰)、ジョウ・ジェンナン(周震南)、小松菜奈を起用し、それぞれがノスタルジアやタイムトラベル、回想を表現している。

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「バナナ・リパブリック」がサステナビリティで冨永愛を起用 動画を公開

 「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」は1月28日に、サステナビリティをテーマにしたキャンペーン動画を公開した。モデルの冨永愛を起用した。

 2021年春から環境に配慮したアイテムを強化し、企業としてよりサステナビリティに向けた活動を本格化することを表した動画だ。

 冨永愛が個人のサステナビリティへの意識、「バナナ・リパブリック」の活動に賛同した理由、アイテムの魅力などを語っている。

 「バナナ・リパブリック」のほか、「ギャップ(GAP)」や「オールドネイビー(OLD NAVY)」を擁するギャップ社は“商品の製造に携わる人々、環境に利益を還元すること”を企業理念に掲げている。

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居酒屋なのにビルの「大家」でもある「ジェイプロ」の強みと弱み。新田社長はゼットン稲本氏がアニキと呼ぶ、隠れ有名人

 名古屋に本拠を置くジェイグループホールディングス(HD)。居酒屋業態を主力に多業態展開を図り、現在150店舗。ブライダル事業も手がける東証マザーズ上場の中堅外食企業だ。不動産収入という安定収益を持つ一方、なかなかヒット業態を産み出せていない。
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アシックスとカシオが協業 “Gショック”が自分だけのランニングコーチに

 アシックスはカシオ計算機と協業し、ランナー向けのコーチングサービス“ランメトリックス(RUNMETRIX)”を開発した。専用アプリ(無料)とモーションセンサー(1万4080円)、新開発の“Gショック”(5万7200円)を組み合わせ、ユーザーの目的に合わせたトレーニングメニューやフォーム改善策などを提供する。専用アプリは1月27日にローンチし、モーションセンサーと“Gショック”は3月4日からアシックスとカシオの直営店と、一部取り扱い店舗で販売する。

 0.1gの重さと1mmの動きを感知するモーションセンサーは、ワンクリップでパンツの腰部分に装着する。ランニングの軌跡や距離、速度、ペースのほか、重心移動や左右対称性、最大酸素摂取量、心拍数までさまざまな数値を計測し、アシックスが人工工学研究所で培ったビッグデータに照らし合わせて6項目からランニングを評価・分析する。評価結果からトレーニングメニューやフォーム改善策などを考案し、ユーザーの生活スタイルに合わせたスケジュールをアプリで提案する。専用の“Gショック”はモーションセンサーで計測した数値をリアルタイムで確認できる。いずれのツールも日常に取り入れやすいデザインを意識し、ブルーグリーンとブラックを基調にした。

 1月27日にオンラインで行った発表会には、廣田康人アシックス代表取締役社長COOと樫尾和宏カシオ計算機代表取締役社長らが登壇した。廣田社長は「われわれのランニングサイエンスの知見と、カシオの優れたウェアラブル機器技術を組み合わせ新しい体験価値を提供する。“ランメトリックス”を軸に、デジタルを活用したランニングエコシステムを構築し、健康で活気ある社会の実現に貢献していきたい」と意気込んだ。樫尾社長は「2年前にアシックスに声を掛け、共同開発を進めてきた。両社の強みを高次元で融合し、世界ナンバーワンのランニングサービスへと成長させる」と期待に胸を膨らませた。

 10月にはウオーキングに特化した“ウオーキングメトリックス”もローンチし、両サービスを軸に有料サービスの拡充や関連アイテムの開発なども行う。これらを含めて5年で売り上げ500億円、500万ユーザーの獲得を目指す。両社はこれを機にデジタルを活用したスポーツ分野におけるサービス・商品開発の協業を本格始動させ、今年中に合弁会社を設立する予定。

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世界で最も持続可能な企業、7位にケリング

 世界経済フォーラムのオンラインイベント「ダボス・アジェンダ」で、サステナビリティやESG(環境・社会・企業統治)の格付けランキングとして知られる「グローバル100」が発表された。「グローバル100」はカナダ・トロントを拠点にするメディアの「コーポレート・ナイツ(Corporate Knights)」が、「世界で最も持続可能な100社」をランキング形式で発表するもの。

 アパレル企業でランクインしたのは2社で、トップはケリング(KERING)で全体の7位(前年23位)だった。次いで、アディダス(ADIDAS)が76位(前年55位)。

 21年は全体で8080社、アパレル&アクセサリー部門では143社を対象に、リソースマネジメント、従業員マネジメント、財務管理、クリーンな収益と投資、およびサプライヤーの実績等の24項目の重要業績評価指標(KPI)が分析され、評価された。 ケリングは、「環境パフォーマンス」「クリーンな収益」「クリーンな投資」の項目で産業内で最高位にランク付けされた。また、「サステナビリティ指標と連動の報酬制度」(Sustainability Pay Link)では、さらに高い評価が与えられ、サステナビリティ活動の推進に関連する役員報酬についてのベストプラクティスで100%を獲得した。

 そのほか、ビューティ企業でランクインしたのは、「イソップ(AESOP)」や「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」などを傘下に持つナチュラ(NATURA & CO HOLDING)が42位(前年30位)、ユニリーバ(UNILIEVER)が79位(前年46位)だった。

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「レスポートサック」がお笑い芸人のEXITとのコラボバッグ、“イグレスポット”を発売

 「レスポートサック(LESPORTSAC)」は1月31日まで、SDGsの取り組みの一環として、お笑い芸人のEXITとのコラボバッグ“イグレスポット”を特設ECサイトで受注販売中だ。両者がミーティングを重ね、作り上げたデザインの中からユーザー投票で選ばれた2色を全4型で展開する。価格は4000〜8500円。EXITは「SDGs-1グランプリ2019」王者に輝いた実績を持つ。

 コラボバッグは、リサイクル資源で再生された新素材“レニュー(RENU)”を使用し2つのテーマをもとに製作。テーマ「EXIT YUME BOKIN」は、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」と目標10「人や国の不平等をなくそう」にフォーカスし、明るく楽しいイメージを学校との馴染みが深いモノでデザインした。2つ目のテーマ「EXIT RIN RIN PANIC」では、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」をりんたろーの特徴である“ワニっぽさ”で表現した。売り上げの一部はチャリティー団体に寄付される。

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「ナンバー」2021-22年秋冬コレクション

 「ナンバー(NO.)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。

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「ホワイトマウンテニアリング」2021-22年秋冬パリ・メンズ・コレクション

 「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」が2021-22年秋冬メンズ・コレクションを発表した。

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人気K-POPグループのITZYが語る プライベートのファッションや衣装について

 2019年に結成し、22日に初めて英語で構成したアルバム「Not Shy」をリリースした人気K-POPグループのITZY。メンバーは、YEJi、LiA、RYUJIN、YUNA、CHAERYEUNGの5人で、TWICEやNiziUが在籍しているJYPエンターテインメント所属。パフォーマンスやミュージックビデオで彼女らが着用した衣装には多くの注目が集まる。またITZYはデビュー3カ月の時点で「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の20年プレ・スプリング・コレクションに呼ばれ、20年春夏コレクションの発表にも出席した。

 ここでは、米「WWD」が衣装の裏話やメンバーの普段の装い、英語で収録した楽曲の経緯や背景についてインタビューを行った。

WWD:英語でレコーディングを行った感想は?韓国語の楽曲を収録するときと違いはあったか?

LiA:アルバム作りにあたって、みんなで英語をたくさん勉強した。

RYUJIN:アルバム全体を英語で制作するのはすごく難しかった。何度も発音を確認する必要があったけど、徐々に英語の歌詞を学ぶのが楽しくなっていった。

YEJi:英語と韓国語では歌の雰囲気が違って聞こえることに気がついたよ。表現の違いを比べてみるのも楽しかった。韓国語で同じアルバムを収録したことがあるのに、新しい歌を歌っているみたいだった。レコーディングのディレクションも別の方が行ったので、同じ曲に対してもらう指摘や感想が違っていたのも興味深かった。

WWD:明るい色や大胆な大柄を使用したスタイリングが特徴だが、ファッションのインスピレーションの源は?

YEJi:スタイリストがどんな色や柄を使った衣装を用意しても着こなせるように、普段から努力している。自信を与えてくれる衣装を着るのが好き。

LiA:私はいろんな国でどういったものが流行しているかチェックして、なぜトレンドとなっているかを理解するようにしている。

WWD:この2年間で特に気に入っている衣装と、その理由は?

LiA:「달라달라(DALLA DALLA)」のプロモーションで着用したジョガーパンツと、トップスはすごく気に入っている。

CHAERYEUNG:19年の年末特番できたネイビーのベルベットの衣装は、特に好きだった!20歳を迎えた夜でもあったので、すごく記憶に残っている。

YUNA:私は20年の年末特番で着た黒いレザーの衣装が気に入っている。全体の雰囲気も好きだし、ヘアメイクが衣装とマッチしていた。

WWD:プライベートでの自分自身のテイストはそれぞれどんな感じ?

CHAERYEUNG:一言でうまく説明できないけれど、他のメンバーよりドレスやスカートが好きかな。洋服の質感にもこだわっているよ。

YEJi:私はCHAERYEUNGのテイストとは正反対だと思う!彼女はもっとクラシカルな格好をするけど、私はもっとかっこいいものが好き。アクセサリーも結構違ったものを身につけていると思う。私がキャップとかビーニーをつけるとしたら、CHAERYEUNGはスカーフか時計を身につける。

RYUJIN:心地良さが最優先。あとは、ビンテージスタイルも好き。ビンテージっぽい雰囲気が好きかな。

WWD:ステージで着る衣装と、普段の格好との違いは?

YEJI:黒が一番好きな色なので日常的に黒いアイテムをよく身につけているけど、ステージではカラフルな衣装を着る。

RYUJIN:プライベートで好む格好と、ステージの衣装はかなり違う。休日はモノトーンの洋服で出かけることが多いかな。

YUNA:ステージでは目を引く衣装を着ているけど、普段はもっとナチュラルで着心地の良いものを着ることが多い。

WWD:ファッションアイコンはいる?

YUNA:私のファッションアイコンは、モデルのケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)。彼女が着る洋服はユニーク。彼女なりに着こなして、全ての洋服をスペシャルに魅せている。

WWD:普段の“これを着て行けば間違いない”服装はある?これなしでは生きていけないと思うようなアイテムは?

RYUJIN:間違いない!と思うアイテムは、コートとジャケット。最近はすごく寒いからもっぱらパファーダウンを着ているけど。ドレスは私の“マストハブ”アイテムかな。着心地もいいし、ビンテージっぽい雰囲気も演出してくれる。

YUNA:黒いジーンズや、ジョガーパンツを履くのが好き。アスレジャースタイルを好んで着ることも多い。

CHAERYEUNG:黒いコートかな。何にでも合わせられるアイテム。今のコートを着はじめてからもう3年になる。

WWD:過去2回、「ルイ・ヴィトン」のコレクション発表に出席しているが、その時の感想は?

YEJi:緊張したけど、すごくワクワクした。初めての経験だった。当時よりファッションへの理解が深まった今、もう一度出席してみたいと思う。ファッションへの知識も深まったので、もっと楽しむことができると思う。

LiA:忘れられない体験。機会をいただけたことを光栄に思う。

WWD:今ハマっているファッションは?

YEJi:最近はシュシュに夢中。とってもかわいいし、必須アイテムになるんじゃないかな。

YUNA:ワイドパンツが大好き。スキニージーンズより、はるかに着心地がいい。

WWD:英語版アルバム「Not Shy」のほかに、21年に何かサプライズはある?

YEJi:英語のアルバム発売で今年度のスタートを切れたことにワクワクする。21年はこのアルバムを皮切りに新しいプロジェクトをたくさん展開し、世界中にいるファンのみんなとコミュニケーションを深めていきたい。まず公式ファンクラブ“MIDAZY”を設立した。充実したコンテンツを用意しているので、期待していてほしい!

RYUJIN:このアルバムのほかにも、たくさん見せたいものがある。これからも新しいルックや楽曲、プロジェクトを楽しみにしていて欲しい。

LiA:今年もファンと一緒に作っていく夢みたいな時間を楽しみにしている。パンデミックが早く収束して、顔を合わせて会える日がまた来るよう祈っている。

CHAERYEUNG:今後の変化に前向きだ。ファンに会いたい。

YUNA:新しい楽曲やプロジェクトにワクワクしているし、とても楽しみ。新しい音楽とルックでみんなに会いたい。もうドキドキする!

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LVMHがオンライン版「ウォッチ ウィーク」を開催 時計3ブランドが参加

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、新作時計の発表の場として1月25日から29日の期間、「LVMH ウォッチ ウィーク 2021(LVMH WATCH WEEK 2021)」を開催している。同イベントは20年にドバイで初めて催されたもので、今年は新型コロナウイルスの影響によりオンライン化された。

 LVMH傘下の「ブルガリ(BULGARI)」「ウブロ(HUBLOT)」「ゼニス(ZENITH)」が参加しており、「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」は「大きなアナウンスメントを数日後に控えており、今回は参加できないが別途2月上旬に発表を行う予定」(フレデリック・アルノー(Frederic Arnault)=タグ・ホイヤーCEO)だという。

 初日となる25日のプレスカンファレンスには、ステファン・ビアンキ(Stephane Bianchi)=LVMHウオッチ&ジュエリー部門最高経営責任者(CEO)、ジャン・クリストフ・ババン(Jean Christophe Babin)=ブルガリ・グループCEO、リカルド・グアダルーペ(Ricardo Guadalupe)=ウブロCEO、ジュリアン・トルナーレ(Julien Tornare)=ゼニスCEOが登場し、異口同音に「実際に対面することはできなくとも、デジタル技術によって皆さんとライブでつながりを持てることを非常にうれしく思う」と話した。併せて、各工場の様子やアンバサダーとのトークセッションを配信した。

 プレスカンファレンスは全編英語で行われ、アジア・ヨーロッパ・中東・アフリカ地域の約1000人が視聴した。時計ジャーナリストの渋谷ヤスヒトは、「こういった状況下でも、時計ブランドは発信を続けなくてはならない。トップの所信表明からそれぞれの方向性は窺えたが、情報量が少なく、製品プレゼンとしては十分とは言えなかった」と話す。これを補填するため国・地域ごとに実機やサンプルが配られ、タッチ&フィールできる個別セッションも設定されている。

 昨年、ドバイのブルガリ リゾートで行われた「LVMH ウォッチ ウィーク」に参加した関口優「ホディンキー・ジャパン」編集長は、「個人的に『ウブロ』の工場は訪れたことがなく、CEO自ら紹介してくれる構成に満足した。ただし、ブースの作り込みなどでブランドの世界観をしっかり見せられるリアルイベントと違い、デジタルで伝えることの難しさもあらためて感じた」と課題についても触れた。

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「アレクサンドル・ヴォチエ」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「アレクサンドル・ヴォチエ(ALEXANDRE VAUTHIER)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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「フルラ」に新CEO 新体制で「変革の年」に臨む

 フルラ(FURLA)は2017年から最高経営責任者(CEO)を務めたアルベルト・カメルレンゴ(Alberto Camerlengo)の後任としてマウロ・サバティーニ(Mauro Sabatini)を指名した。サバティーニ新CEOは、「フルラ」の長年のサプライヤーで、18年からフルラ傘下に入ったレザーグッズの製造業を営むエッフェウノ(EFFEUNO)社の創業者だ。

 サバティーニ新CEOはエッフェウノを創業し、18年以上CEOを務めるかたわら、11~13年にフルラで材料調達部門のバイス・プレジデントを務めた後、当時コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)の傘下にあった「ランセル(LANCEL)」のコンサルタントを務め、14年からは同じくリシュモン傘下の「ダンヒル(DUNHILL)」のサプライチェーンの再設計などを担当した。

 サバティーニ新CEOは、21年を「変革の年」と位置づけ、3月に完成するトスカーナ州の新工場の稼働に向けて準備を進めているという。

 ジョヴァンナ・フルラネット(Giovanna Furlanetto)社長は、「新たなチャレンジを引き受けてくれた。彼のエネルギッシュでポジティブな姿勢は、新たな局面を迎えるフルラに活力を与えてくれるだろう。彼が持つ柔軟さはフルラの協力企業とのリレーションを強化し、より迅速で革新的でダイナミズムのあるサプライチェーンを作ってくれると期待している」とマウロCEOを評価した。

なお、創業以来一族経営を続けてきたフルラネット社長によると、フルラを売却したり上場することは考えていないという。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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「ステファン ローラン」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「ステファン ローラン(STEPHANE ROLLAND)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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追記:ロクシタンの米国法人が破産法申請 日本事業は継続

【追記1月28日】日本事業はロクシタンジャポンが引き続き事業を継続する。同社広報は「ロクシタンU.S.とロクシタンジャポンは直接的な資本関係がなく、日本の事業に影響はない」とコメント。

 フランスの化粧品企業、ロクシタングループ(GROUP L'OCCITANE)の米国法人であるロクシタンU.S.(L'OCCITANE U.S.)は26日、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用をニュージャージー州の破産裁判所に申請した。新型コロナウイルスの影響で、実店舗の1割強を閉店する見込みだ。

 リージョナル・マネジング・ディレクターのヤン・タニーニ(Yann Tanini)は裁判所に提出する書類の中で「パンデミック前から実店舗の売り上げは落ちており、コロナが業績悪化にさらに追い討ちをかけた」と記している。同社は実店舗の閉店やリースの解約をめぐり地主との交渉を進めていたが、難航したことが破たんにつながったという。今後23店舗のリース解約を行う予定だ。

 米ロクシタンは36州およびプエルトリコに計166店舗を構え、グローバルの全売り上げの9.1%を占めている。2020年4〜12月の売上高は前年同期比21%減の1億1100万ドル(約115億円)だった。そのうち実店舗の売り上げは34%を占め、近年はECビジネスの方が好調だったという。同社は1億6100万ドル(約167億円)の資産と1億6200万ドル(約168億円)の負債を持ち、最大の無担保債権者は親会社のロクシタングループだ。また従業員1051人のうちパンデミック中に325人を一時解雇し、その中でも165人が復職、40人がリストラされた。

 なお、コロナの影響でサボン(SABON)の米事業も20年5月に米連邦破産法第11条の適用を申請した。

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米ロクシタンが破産法申請 新型コロナで一部閉店

 米ロクシタン(L'OCCITANE)は26日、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用をニュージャージー州の破産裁判所に申請した。新型コロナウイルスの影響で、実店舗の1割強を閉店する見込みだ。

 リージョナル・マネジング・ディレクターのヤン・タニーニ(Yann Tanini)は裁判所に提出する書類の中で「パンデミック前から実店舗の売り上げは落ちており、コロナが業績悪化にさらに追い討ちをかけた」と記している。同社は実店舗の閉店やリースの解約をめぐり地主との交渉を進めていたが、難航したことが破綻につながったという。今後23店舗のリース解約を行う予定だ。

 米ロクシタンは36州およびプエルトリコに166店舗を抱え、グローバルの全売り上げの9.1%を占めている。2020年4〜12月の売上高は前年同期比21%減の1億1100万ドル(約115億円)だった。そのうち実店舗の売り上げは34%を占め、近年はECビジネスの方が好調だったという。同社は1億6100万ドル(約167億円)の資産と1億6200万ドル(約168億円)の負債を持ち、最大の無担保債権者は親会社のロクシタン グループ(L'OCCITANE GROUPE)だ。また従業員1051人のうちパンデミック中に325人を一時解雇し、その中でも165人が復職、40人がリストラされた。

 なお、コロナの影響でサボン(SABON)の米事業も20年5月に米連邦破産法第11条の適用を申請した。

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「ルイ・ヴィトン」の親会社、20年は売上高5兆円超え 10~12月期のファッション・レザーグッズ部門は14%増収

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2020年12月通期決算は、売上高が前期比16.8%減の446億5100万ユーロ(約5兆6260億円)、純利益は同34.4%減の47億200万ユーロ(約5924億円)だった。

 部門別の売上高では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などのブランドを抱える主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同4.6%減の212億700万ユーロ(約2兆6720億円)だった。香水&コスメティクス部門は同23.2%減の52億4800万ユーロ(約6612億円)、ワイン&スピリッツ部門は同14.7%減の47億5500万ユーロ(約5991億円)、ウオッチ&ジュエリー部門は同23.8%減の33億5600万ユーロ(約4228億円)だった。

 四半期ベースで見ると、20年10~12月期の売上高は前年同期比6.3%減の143億300万ユーロ(約1兆8021億円)だった。7~9月期は同10.2%減の119億5500万ユーロ(約1兆5063億円)、4~6月期は同37.8%減の77億9700万ユーロ(約9824億円)だったことを考えると、順調に回復しているといえるだろう。

 これは主にファッション・レザーグッズ部門が好調だったことによるもので、10~12月期の売上高は同14.2%増の72億7300万ユーロ(約9163億円)と、同9.1%増だった7~9月期に引き続いての増収となった。ほかの部門も徐々に持ち直しているものの、前年同期をやや下回る結果となった。地域別では、下半期にアジアが2ケタ成長となったほか、米国と日本でも大幅に業績が回復した。

 ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者は、「20年は世界中が前例のない危機的な状況に陥ったが、当社は素晴らしい耐久力を発揮することができた。また環境保護や多様性の推進に取り組み、大胆なイノベーションを進めた。12月末にはティファニー(TIFFANY & CO.)を当社グループに迎え、その明るいニュースとともに21年をスタートできたことをうれしく思う。コロナワクチンの登場によってパンデミック収束への光明が見えつつあるものの、先行きはいまだ不透明だ。そうした中でも、当社はさらに業績を伸ばし、ラグジュアリー市場におけるリーダーとしての立場をいっそう強化できるものと確信している」と語った。

 同社は予想を上回る業績となったことを受け、21年4月15日に開催される株主総会で、20年の配当を1株当り6ユーロ(約756円)とすることを提案する。12月3日の時点で1株当たり2ユーロ(約252円)の配当が暫定的に支払われているため、今回の案が承認された場合には、株主に1株当たり4ユーロ(約504円)の差額を4月22日に支払うという。

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「ルイ・ヴィトン」の親会社、20年は売上高5兆円超え 10~12月期のファッション・レザーグッズ部門は14%増収

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2020年12月通期決算は、売上高が前期比16.8%減の446億5100万ユーロ(約5兆6260億円)、純利益は同34.4%減の47億200万ユーロ(約5924億円)だった。

 部門別の売上高では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などのブランドを抱える主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同4.6%減の212億700万ユーロ(約2兆6720億円)だった。香水&コスメティクス部門は同23.2%減の52億4800万ユーロ(約6612億円)、ワイン&スピリッツ部門は同14.7%減の47億5500万ユーロ(約5991億円)、ウオッチ&ジュエリー部門は同23.8%減の33億5600万ユーロ(約4228億円)だった。

 四半期ベースで見ると、20年10~12月期の売上高は前年同期比6.3%減の143億300万ユーロ(約1兆8021億円)だった。7~9月期は同10.2%減の119億5500万ユーロ(約1兆5063億円)、4~6月期は同37.8%減の77億9700万ユーロ(約9824億円)だったことを考えると、順調に回復しているといえるだろう。

 これは主にファッション・レザーグッズ部門が好調だったことによるもので、10~12月期の売上高は同14.2%増の72億7300万ユーロ(約9163億円)と、同9.1%増だった7~9月期に引き続いての増収となった。ほかの部門も徐々に持ち直しているものの、前年同期をやや下回る結果となった。地域別では、下半期にアジアが2ケタ成長となったほか、米国と日本でも大幅に業績が回復した。

 ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者は、「20年は世界中が前例のない危機的な状況に陥ったが、当社は素晴らしい耐久力を発揮することができた。また環境保護や多様性の推進に取り組み、大胆なイノベーションを進めた。12月末にはティファニー(TIFFANY & CO.)を当社グループに迎え、その明るいニュースとともに21年をスタートできたことをうれしく思う。コロナワクチンの登場によってパンデミック収束への光明が見えつつあるものの、先行きはいまだ不透明だ。そうした中でも、当社はさらに業績を伸ばし、ラグジュアリー市場におけるリーダーとしての立場をいっそう強化できるものと確信している」と語った。

 同社は予想を上回る業績となったことを受け、21年4月15日に開催される株主総会で、20年の配当を1株当り6ユーロ(約756円)とすることを提案する。12月3日の時点で1株当たり2ユーロ(約252円)の配当が暫定的に支払われているため、今回の案が承認された場合には、株主に1株当たり4ユーロ(約504円)の差額を4月22日に支払うという。

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デンマーク発家具「フリッツ・ハンセン」の日本トップに女性 ブランドマネジャーが昇格

 デンマーク発家具「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」の日本支社長に1月20日、ブランドマネジャーの相澤真諭子が昇格した。2016年夏以来、日本支社長は不在で、ダリオ・ライシェル(Dario Reicherl)フリッツ・ハンセン・アジア地区最高経営責任者(CEO)が日本市場を統括してきた。

 相澤支社長は06年にフリッツ・ハンセン入社。PR、マーケティングなどを経て、16年以降はブランドマネジャーとして日本市場における人事や予算管理などを行なってきた。相澤支社長は、「タイトルが変わったが、今までの業務と大きな違いはない。今まで、チームの関係性構築に注力し、誰もが自由に発言できる働きやすい環境を作ってきた。デンマーク本社のカンファレンスにも、全員で参加する。少数精鋭のチームで一人一人が担当分野のプロフェッショナルでブランドアンバサダーだ」とコメントしている。「ホワイトマウンテニアリンング(WHITE MOUNTAINEERING)」の相澤陽介デザイナーは相澤支社長の兄だ。

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「シャネル」2021年春夏オートクチュール・コレクション バックステージ

 「シャネル(CHANEL)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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地元の産業を支え、新たな市場を開拓する若き経営者たちの挑戦 奈良・ニット、履き物編【下】

 前回の記事、地元の産業を支え、新たな市場を開拓する若き経営者たちの挑戦 奈良・靴下編【上】に続き、今回紹介するのは、髙井大介・髙井ニット代表取締役と川東宗時・川東履物商店代表の2人だ。ニット製品と履き物(サンダル)を経営する彼らは、昔からある古き良き商品をリファインして若い世代の視点からアプローチし、マーケットを開拓している。さらに今回も、これまで海外のラグジュアリービジネスに長らく携わり、昨年12月に中小企業向けコンサルティングとして奈良に赴任した小杉一人・広陵・高田ビジネスサポートセンターKoCo-Bizセンター長を交え、それぞれが描くビジネスの未来像を語る。

WWD:髙井ニットと川東履物商店の事業内容を聞きたい。

髙井大介・髙井ニット代表取締役(以下、髙井):奈良県大和高田市で横編みニットを製造しています。もともと大和高田市は、大和木綿を使った大和絣(やまとがずり)の産業があり、当社は1921年に創業しましたが機械化して衰退し、67年から横編みニットをスタートしました。創業からは私で5代目、横編みニット業から数えると3代目です。

川東宗時・川東履物商店代表(以下、川東):奈良県では1950年以前から大和高田市のみならず各地域で農業の合間に草履を作ってきた歴史があり、雪駄、畳草履などがお祭りでも使われてきました。それからゴム素材のヘップサンダルなどバリエーションも増え、地域によっては革靴を製造しているところもあります。私は家業としては1952年創業の4代目になります。

WWD:髙井ニットがオリジナルブランドを立ち上げた理由は?

高井:2015年に自社ブランド「コトユイ(COTOYUI)」をスタートさせました。OEM(他社ブランドの製品を製造すること)の場合、相手のリクエストに応えているだけで、社員はどういったブランドの何をやっているのかといった全体像が分からない。そこで自分たちが作りたい商品を作ろう。ブランドのキャラ、ロゴが目立つような商品ではなく、社員やパートさんも着たいと思えるような“最高の普段着”のニットを作ろうと思ったんです。

天然素材でホールガーメント、性別、年齢に関係なくユニセックスでシンプル、そして長く着られるもの。モノではなくコトを発信していくのが必要だと思い、コトを結びつけるという意味で「コトユイ(結い)」にしました。素材はオーガニックコットンで、染料はオーストラリアのエアーズロックの赤土やバリ島のバトゥール湖の黒褐色土といったような土を微粒子に分解し、その粒子で染めあげる技法「彩土(はに)染め」を用いています。

WWD:現在のOEMとオリジナルの比率は?

髙井: OEMが8割、オリジナルが2割。売り上げも同じくらいの比率です。将来的には同じくらいの比率くらいに持っていきたいです。

WWD:オリジナル商品を作って実際に販売することで、消費者の反響がダイレクトに伝わったり、小売りを学べたりするなど、B to B の点のビジネスから、より視野の広い視点でビジネスをデザインできるということか?

髙井:オリジナルブランドで学べることも多くありますが、一方でOEMを請け負ってきたからこそ、さまざまな要求に応えることで技術革新が進んだ側面もあります。OEMを止めてしまい、オリジナル商品のみに舵を切ったことで技術革新が止まった企業もあります。だからこそOEMも続けるべきだと思っています。

小杉一人広陵・高田ビジネスサポートセンターKoCo-Bizセンター長(以下、小杉):オリジナルのビジネスを創造していくことは良いことだと思いますし、そうしていかないと地域産業が衰退していくと感じます。ただし、全ての企業がそうできるとは限りません。センスやタイミングもありますし、事業承継の問題もあります。OEMは減少傾向とはいえ、日本企業が海外工場に発注する分を取り戻していく施策を1事業者単位ではなく、地域や企業連合で考えていく必要もあると思います。

川東:当社の場合、繊維商社を辞めて3年前に戻って来た際には、OEMは少なく、自社商品を作っていたのですが、名前とかアルファベットを入れただけの名ばかりのマークで本来の意味でのブランドにはなっていませんでした。生き残るにはどうすべきかと考え、オリジナルブランド「ヘップ(HEP)を立ち上げました。

当時の市場は厳しく、価格競争しか行われていなかったので、当然のことながら安くて大量に作れるところが勝ちますし、競合他社も同じ工場で製造を委託しているため、どんどん安さを求めれば疲弊していきます。一方でホームセンターや町の商店街で売っている市場はシュリンクしていく。

サンダルでブランディングした企業がこれまでなかったので、それをする一人目になろうと2020春に「ヘップ」をスタートしたんです。そもそも「ヘップサンダル」の「ヘップ」とは、1954年の映画「ローマの休日」でオードリー・ヘップバーン演じる王女アンが窮屈な生活から抜け出し、市場などで買い物を楽しんでいるシーンの中で、ヒールからサンダルに履き替える場面があり、それを国内のサンダル業界では「ヘップサンダル」と呼ぶようになったのですが、一般の人にはほとんど知られていません(笑)。

オリジナルブランド「ヘップ」は、年齢でセグメントを考えておらず、それほど安くなくても買いたくなるような、心のフックに触れる商品やビジュアルを意識しています。現在はジャーナルスタンダード、中川政七商店、アコメヤなどのショップや、湯河原にある旅館「THE RYOKAN TOKYO」、ホテル、高円寺にある老舗銭湯「小杉湯」などに御し、「ヘップ」を販売してもらうなど、競合他社がおらず、その店にサンダルでは自社のみ展開できるような流通で販売しています。当社は自社工場を持っておらず、だからこそ地域の工場と組んで一緒に作ることで、仕事や雇用を生み出していきたい。自分はプランナー、ディレクションといった動き方に近いと思います。それぞれの工場の得意とすることを生かして、さまざまな履き物を届けたいです。現在の卸と直販の売り上げは同じ比率くらいです。

WWD:今後、どのように地元の産業を盛り上げていきたいか。

高井:OEMでも一社ごとに別々で受注するのではなく、ニット、カットソー、布帛といった異業種がつながり、まとめて仕事を請け負えば、奈良で一貫したブランドを作れるのではと考えています。実際に話し合いはスタートしており、業種、同世代、父親世代といった垣根を越えて話せば、新しく見えてくることもあると思っています。一つ成功例を作れば広がっていけるのではないかと。

川東:私はこれまで単純にやっていることがカッコイイほうが良いと思っていました(笑)。3年前に地元に戻って父親と一緒に工場をまわってみると、賃金が低い中、職人が背中を丸くして作っている。そして人手不足で量をこなせないといった現状がありました。自分たちをやっていることに誇りを持ってほしい、そして誇りを持てる産業にしたい。自分たちがやっていることがテレビや雑誌で紹介され、作り手にもそれが伝わるようなことをしていきたいです。

WWD:オリジナルブランドをどのように販売、PR、ブランディングしていこうと考えているか?

高井:現在、20数社が出資して、松屋銀座と共同経営で7階に売り場を作っており、5人が運営メンバーで松屋銀座とやりとりをしています。常設店は松屋銀座のみですが、それが発信力となり、催事やポップアップの依頼も来ます。自社ECは3月にオープン予定で、そこでもさまざまな情報を発信していきたいです。

川東:サンダルの場合、「そろそろ春服が欲しい」はあるが、「サンダルが欲しい」にはなかなかならないので、買うなら「『ヘップ』で」となるように、SNSをメインに思い出してもらう回数を増やしていきたいです。ただ、ファッションのフィールドに足を踏み入れるとアウトドアやスポーツブランドなどライバルが多いので、サンダルが1足しかないような場所が欲しい。生活必需品であり、気楽に履ける、実際に届けるところまでをデザインしていきたい。コロナ禍では、ワンマイル需要の提案に舵を切り替えました。オンラインショップも4月に立ち上げたところ良かった。女性誌に取り上げられたことで、若い女性からの反響も大きかったです。

WWD:小杉氏とは今後どのような話し合いをしている?

高井:昨年からディズニーとライセンス契約でオーガニックタオル、ハンカチを製造することになり、ベビーに特化した授乳ケープ、フード付きポンチョ、ベビー腹巻きなどを百貨店の催事などで販売しています。何を作っているのか、どこで販売しているのかよく分からない従業員に対して、やりがいにもつながると思っています。小杉さんにはメディアにどう出したり進めていけばよいかなどを相談しています。

また、奈良県で自分たちがやっていることを発信するオープンファクトリーが3月にスタートします。繊維に限らず酒、鉄鋼、金属企業を含めた約20数社を見学できるものです。それにより、今の環境でよいのかを含めてのやりがい、意義、意味合いを見出してくれて、社員の意識が変わってくれればと期待しています。

川東:小杉さんのようなコンサルティングを担ってくれる人がいなければ、実際に表参道などを歩いてフィールドワークする以外に調べる手段はなかったと思います。東京に長く住んでいないともらえないような意見を聞くことができています。

WWD:小杉氏は普段、彼らとどのような頻度、内容でコンサルティングをしているのか?

小杉:昨年12月8日に開設し、これまで2、3回お会いしています。主にブランディングやSNSまわりの相談とで、新商品開発などはこれからの流れでサポートしていきたいと考えています。ブランディングは各社さまざまで、ファクトリーブランドの利点を生かした形で、特にデイリーウエアとしてブランドを確立させるために、どのような販路や広告活動を行えばいいのか、ディスカッションを重ねています。OEM企業特有のものは作れるが、自社のオリジナリティーを求められた時に、何が強みであるかを見極めることが難しいところもあります。

WWD:小杉氏は、それぞれのビジネスをどう見ているのか?

小杉:川東さんは昔からある古き良き商品をリファインしてアプローチし、新しいライフスタイルの領域に持っていこうとしているところが面白いですね。決して新しいモノ、マーケットではないですが、コロナもあり、周りも変わっていくタイミング。歴史やバックグランドもありながら、新たな領域に入っていくのが面白い。Z世代ならではの新しい視点で見みられていると思います。

髙井さんは、“最高の普段着”を目指しているのが今の時代の流れに合っています。そしてワンマイルウエアよりもクオリティーが高い。髙井さんはあえて自らが職人になる道を選ばず、経営者として“企業ブランディング”に注力しており、これまでの経営スタイルとは異なります。これまで紹介してきた3社はコンサルティングをする中でも特殊で目立っていました。このような経営スタイルや組織の在り方をITやテックベンチャーがトライすることはあっても、OEM企業がやるというのが画期的的だと思います。背負う歴史や慣習があるからこそ、実はゼロからスタートするより大変なんです。彼らたちが新しい商品、働き方をデザインし、アパレル業界を引っ張っていってほしいと思っています。

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「ジョルジオ アルマーニ」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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「エミ」と「プーマ」が初のコラボウエア発売 シルエットにこだわったワンピースなど

 マッシュスタイルラボが展開するウィメンズブランド「エミ (EMMI)」は1月27日、「プーマ(PUMA)」との初のコラボレーションウエアを全国の店舗と公式ECサイトで発売した。

 同コレクションは「プーマ」の現代女性に合わせたモダンなストリートウエアを提案する新ライン“インフューズ”をベースに、「エミ」のクリアで女性らしいデザインを落とし込んだ。アイテムはリサイクル素材を使用したワンピース(9000円)、スカート(1万2000円)、Tシャツ(5500円)で、ミニマルなデザインとシルエットにこだわった。ワンピースとTシャツには「エミ」のメッセージをさりげなく施した。

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「ヴァレンティノ」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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保育士から憧れのブランドの販売員へ 努力を重ね27歳で店長に スナイデル半田あかり

 「スナイデル(SNIDEL)」は女心をくすぐるデザインだけでなく、店頭での秀逸なスタイリング提案なども後押しし、2005年にスタートして以降、20代の女性を中心に常に人気ブランドのトップを走り続けてきた。特に旗艦店の新宿ルミネ2店は、19年8月のリニューアルの際に初日売上高1875万円をたたき出して話題となった。横浜ルミネ店の半田あかり店長は、その旗艦店で働くことを目標に、保育士から転職して「スナイデル」で働き始めた。今では「スナイデルの顔と言えば半田さん」というほど、社内からも、またお客さまからも信頼されている存在になった。半田さんに目標やスタッフ育成について話を聞いた。

―これまでも保育士から転職した販売員を何人が取材してきたことはありますが、半田さんはなぜショップスタッフになろうと?

半田あかりさん(以下、半田):高校時代から「スナイデル」が好きだったのですが、保育士をしている母も姿を見て、学生時代には保育士の道に進むか、アパレルに進もうかと決めきれず、大学では午前中に保育の勉強をして、午後はアパレルでアルバイトをしていました。卒業するときに保育士も素敵な仕事だし、一度は現場で働いてみようという思いがあったので、保育士として働きました。でも、10代の頃から憧れの「スナイデル」で働きたいという思いも捨てきれず、当時顧客として通っていた名古屋店のスタッフの方に相談をして、転職を決断しました。

―「スナイデル」のどんなところが好きですか?

半田:女の子らしさもありつつ、着やすいという意味でのカジュアルさもあって、さらにミニやレースなど女性が心惹かれる要素が全部詰まっているところです。高校時代に勇気を出して買った1着を身につけた時、祖母に「この服が一番あかりに似合うよ」と褒めてもらえたことがきっかけになって、「スナイデル」がより好きになりました。そう言われて「私って、こういう服が似合うんだ」と自信がつきましたね。

―身内から「似合う」と褒められると、お世辞抜きでいってもらえた感じがして嬉しいですよね。実際に販売の仕事をしてみてどうでしたか?

半田:そうですね。保育士とは違うベクトルで体力もいるし、精神力も必要な仕事だと思いました。でもそれ以上に、私自身がその仕事に進むと決めたからには120%で取り組もうとするタイプでして、まずは「一番店に入りたい」という目標を掲げ、入社してからは全力投球で働いてきました。

―一番店というのは?

半田:新宿ルミネ2店です。実は入社前の面接で新宿ルミネ2店に配属希望を伝えていたんですが、その時は叶わなかったのです。そこで最初の配属先の渋谷マルイ本館店で店長に何をしたら、一番店に配属されるのかを聞き、そこでアドバイスをいただき、それに沿って目標に向かっていました。

―結局、一番店で働くことはできたのですか?

半田:できました!入社して半年後に異動となりました。当時の新宿ルミネ2店には約20人のスタッフが在籍しており、私は10番目よりもちょっと下でした。次に掲げた夢は「プレスになること」でしたが、お店での業務に励むうちに「現場のことをもっと知りたい」という想いが芽生え、途中からは「27歳で店長になる!」という目標に切り替えたのです。

―ほう!結果は?

半田:達成できました!19年に横浜ルミネ店の店長になりました。もう少しで28歳になるところでした。

―すごい!私自身は目標を立てて行動することが苦手です(苦笑)。でも、そういう方はけっこう多いと思います。目標の立て方と達成するためのコツを教えてください。

半田:ありがとうございます。私の場合は、自分のなりたい理想像がステージが変わると出てくるので、その理想像と今の私に足りないものは何かを考え、それを補うために何をすべきか考えています。そうすると色んな目標が出てくるんです。最初に配属された店舗では、とにかく個人売り上げで常に上位に入ることを意識しました。まずは数字で評価を得て、さらに信頼関係を築くことも大切にしていました。信頼されるスタッフになれるよう、できることをコツコツと積み上げました。店長になると決めたときも同じで、10番手からコツコツと上に上がることを意識して、個人売り上げやカード獲得など、数字で見える結果を出し続けつつ、スタッフからもお客さまからも信頼してもらえる関係性を作ってきました。それと店長を目指すと決めてからはマネジメントの勉強もしました。特に店長になったら自分のことだけを考えるのではなく、スタッフたち、上司や本部のことも考えていく必要があるので、コミュニケーションを重視するようにもなりました。

―その考え方はどうやって身につけてきたのでしょうか?

半田:よく周囲から「意外」と言われるのですが小学生の頃は少年野球、中高ではバレーボール部に所属し、キャプテンをしていたのです。少年野球の時はチームに女子は私一人で、レギュラー取れないと悔しくて頑張りましたね。

―いや、それは意外でした。

半田:そうなんです(笑)。例えば野球はチームプレーじゃないですか、チームメートの中から選ばれた9人が試合に出ますが、中にはベンチだけの子、ベンチにも入れない子がいます。そんな中で甘えた気分でやっている姿を見せると、父親から「試合にも出られない子たちのことを考えてみろ」と叱られました。バレーボール部の時も、体育館に入るときに履き替えた靴が揃えられないと「体育館に入る資格はない!」と怒られました。勉強に関しては全く厳しくなかったのですが、礼儀に関しては厳しかったですね。今でも、スナップで結果を出せるスタッフもいれば、頑張っても上手くいかない子もいて、そのスタッフに優先的に写真を撮らせる時間を設けたりとか、色んな方法でバックアップするよう考えています。

―例えば、中々目標が持てないスタッフにはどういうアドバイスをしますか?

半田:これまで多くのスタッフと接していると、物事に対して燃えるタイプもいればそうじゃないタイプがいるなど、人それぞれで全くタイプが違うと理解すべきだな、と感じています。だからまずは自分が仕事を楽しんでいる姿や、たとえ大変な業務でもやりがいを感じている姿を見せることが重要だと思っています。本当に年々指導の仕方も変わってきていて、一昔前なら教えられたことは一回で覚えて、何度も聞き返すと怒られるということもありましたが、今ではそれで辞めてしまう子もいます。私の場合はそのような上下関係の指導というよりは、スタッフ一人ひとりが目立てること、輝けることを考えるようにしています。その子が得意とすることを見出して、自信がつくように導くことが一番大切なのだと感じています。

―自己肯定感を上げていくことですね。その子の得意とすることを見つけるのは大変だと思うのですが、どうしているんでしょうか?

半田:私の場合はコミュニケーションを取ることです。常にミーティングすることですね。ミーティングといっても、レジカウンターの中で軽く話すときもあれば、カフェなどに場所を移してじっくり話すときもありますし、内容によって変えています。例えば新しい仕事を任せたときなどは必ず振り返りをしています。月に一回は必ずスタッフ一人ひとりと必ず向き合ってミーティングしています。

―そういうのは、保育の勉強や保育士としての経験も生かされているのでしょうか?

半田:そうですね、かなり生かされていると思います。2年間の保育士経験がなかったら、この年齢でこの位置にいないかもしれません。大学卒業したての20代前半の保育士である自分を、どうしたら保護者の方から信頼してもらえるのか、色んな事を考えて実行していました。

―どんなことをされていたんですか?

半田:特に気を付けたことは、子供のことをでくるだけ細かく伝えることです。担任している子供はもちろん、兄弟がいれば連絡帳には兄弟たちとの様子も書くようにしていました。2年間しか在籍していませんでしたが、今でも当時の保護者の方が「オンラインストアを見たらあかり先生がいた」と連絡をくれます。そういうのを通じで、子どもたちにも先生が頑張っていることが伝わると嬉しいです。それに見てくれている方がいると思うと、簡単にはこの仕事、辞められません。

―これまで「一番店で働く」「店長になる」と2つの目標を達成してきました。今後の目標は?

半田:「店長になる」という目標を達成して約1年間が過ぎ、最近はオンラインストアに掲載する着用画像の撮影などにも呼んでいただけるようになったり、スナイデル ホームにも携わらせてもらえるようになったり、仕事の幅も広がってきました。いずれは「スナイデル」というブランドを引っ張っていけるような、ブランドの顔になれるような人物になりたいと思っています。最近は、自分の成果や取り組みをプレゼンする機会をいただけているので、今後も積極的に発表していきたいと思います。

苫米地香織:服が作れて、グラフィックデザインができて、写真が撮れるファッションビジネスライター。高校でインテリア、専門学校で服飾を学び、販売員として働き始める。その後、アパレル企画会社へ転職し、商品企画、デザイン、マーケティング、業界誌への執筆などに携わる。自他ともに認める“日本で一番アパレル販売員を取材しているライター”

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「AZファクトリー」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「AZファクトリー(AZ FACTORY)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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エイガールズから極上インナーウエア「マル」誕生

 和歌山を拠点にニットを生産するテキスタイルメーカーのエイガールズ(A-GIRL’S)はシームレスインナーウエアブランド「マル(MALU)」を始動し、1月30日から自社ECサイトGRISALで販売する。コンセプトは「最上級の原料だけを使い、丁寧に時間をかけて編み上げる継ぎ目のないシームレスなインナーニット」。第一弾はカシミア100%のインナーニット6型をそろえ、価格帯は1万1000~1万8000円。今後シルクやコットン(海島綿)で展開していく。

 「マル」はブランド名の由来にもなっている、小寸のビンテージ丸胴機械を用い、原料そのままの良さを生かす編技法で、糸への負荷をできる限り抑え、手編みのような膨らみと柔らかさを実現。また、1本の糸から編み上げるため、製品工程での生地のロスが少ない。カシミアは、ラグジュアリーブランド御用達の名門カリアッジ社(Cariaggi Lanificio spa)から調達。内モンゴルのアラシャン地方に生息するカシミア山羊の原毛を用い、「マル」のために紡績段階から開発している。カリアッジ社は、創業当初から原料から糸ができるまで全てトレースできるモノ作りを推進。環境に配慮したモノ作りでも知られるメーカーだ。デザインはあらゆる洋服の邪魔にならない気の利いたカッティングがポイント。 

 エイガールズは「ザ ロウ(THE ROW)」や「ジェームス パース(JAMES PERSE)」などのOEM(相手先のブランドの生産)も手掛ける。実は、長年「マル」の手法で国内外のブランドのOEMを行ってきたが、今回のようなカシミアやシルクなどを用いると高額になり製品化が難しかったという背景がある。山下装子・取締役副社長は「私たちが本当にいいと思う商品が世の中に出ていかないことがとても悲しかった。『マル』を通じて、“世の中になかった”商品を提案していきたい」という。

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「ザ・ノース・フェイス」が新ランニングシューズを発表 ソール構造にこだわり

 「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は最新のソールを使用したトレイルランニングシューズ“フライト ベクティブ(FLIGHT VECTIV)”を1月26日に発売した。

 体への負担を軽減しエネルギーを効率の良い走りに変えること、足のトラブルへの配慮、さまざまな天候への対応をポイントに開発したソールだ。蹴り出しの推進力を高める構造、横ブレを抑え安定感を与える“3Dカーボンプレート”、グリップ力を発揮する生分解性素材ベースのラバーを使用している。

 長距離のトレイルランを考慮したテクノロジーで、より速さを追求したランナーに向けたアイテムだという。

 メンズ、ウィメンズ共に値段は2万8050円(税込)で、ホワイト×ブラックの1色展開。一部店舗と公式オンラインストアで販売し、全国の直営店舗と取扱店でも順次販売する予定だ。

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「イトリン」から初の美白スキンケア発売

 ACROは3月3日、プレミアムオーガニックスキンケア「イトリン(ITRIM)」から初の美白スキンケアライン“ルリホワイト”(全6品、1万〜2万4000円)を全国11の百貨店や公式ECサイトなどで発売する。

 同ブランドは2018年に誕生。既存の“エレメンタリー”は土台を作り上げるベーシックなエイジングラインを扱う。20年には悩み対策としてたるみ・シワに着目した“クレセント”ラインを発売。今回は悩み対策の第2弾となり、くすみ・シミにフォーカスした。「美白、ホワイトニグ=白ではなく、大人の肌は段々濁ってくる、この濁り・よどみを清らかにするのが“ルリホワイト”となる」とPR担当者。

 同社は大人のくすみ・シミが紫外線やブルーライト、PM2.5、ウイルスなど外的内的因子が複合的にからまってできていることに着目した。これら多角的な要因にアプローチするため、ジャーマンカモミール油とコウジ酸を主成分に配合。さらに、共通成分としてヘチマ水とメリッサ葉エキス、ローズマリー葉水を組み合わせた独自のグリーンサイエンスフォーミュラも加え、透明度の高い潤いに満ちた肌に導く。

 製品のラインアップは、化粧水と乳液、クリーム、美容液、ボディー乳液の6品。共通成分のほか、化粧水にはポンカンエキス、乳液にはシソエキスなど肌の生理機能・構造に合わせてアイテム別に国産の成分を配合する。いずれも天然由来成分98%以上となる。スキンケアステップは化粧水、乳液、クリーム美容液を提唱する。「セラムが最後の仕上げとして使用する理由は、肌(ホメオタシス)を整えてからつけることで、より深く適確に作用するため」という。ボディー乳液は二の腕や脇の下、おしり、Vラインなど体のくすみやシミが気になる箇所に対応する。

 同ブランドの20年度売上高は前年比約30%増、中国を中心とした越境ECを含むと150%増と大幅に伸長した。「お客さまがクリーンビューティーやサステナビリティーに関心が高くなり、それに対応したブランドであること、閉塞的な気持ちになりがちな時期に製品の芳香が心的にも寄り添えていることが好調の一因」と宮崎稔章社長は分析する。人気製品はフェイシャルゴマージュのほか、マスクをしていても心地よいという点からフェイスケアパウダーやEEクリームなど。「今年も『イトリン』に注力する」と意気込む。

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ネット通販のアパレルは3割も 「返品が当たり前」のアメリカ 鈴木敏仁USリポート

 アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。米国と日本の消費文化の違いはたくさんあるが、代表的なものが返品に対する考え方だろう。デジタル化で変化する米国の返品事情を報告する。

 小売業界団体のNRF(全米小売業連盟)によると2020年の年末商戦の売り上げは、前年の同じ時期に比べて8.3%増と予想を超えて大きな伸びに終わったという。過去5年間の平均値は3.5%増、19年末は4%増だった。NRFの予想では3.6~5.2%増だったので、例年と予想を大きく上回った。パンデミックが始まって以来、大手小売企業は異常ともいえる増収増益を続けており、歳末もその延長で終わったことになる。

膨大な返品が頭痛のタネ

 失業率が急増し消費は冷え込むかと思いきや逆に振れているわけだが、原因はいくつかある。

 1つ目は規制がかかった外食やレジャーといった分野の支出がモノに流れたこと。2つ目は中小のローカル小売店は壊滅的となったが、チェーンストアはデジタルシフトなど息を継ぐために必要な資金力があり営業を継続できたこと。3つ目は株高に代表される資産バブルが起きて給料は減ったが金融資産は増えたという人が増えて財布の紐が緩んだこと。

 そしてこの8.3%という高い成長率を支えているのがネット通販だった。NRFによると、ネット通販の売り上げは24%増。別の調査機関によると32.2%増(Adobe Analytics)、45.2%増(Digital Commerce 360)。ECは調査機関によってバラツキがあり複数の数値が出てくるのだが、非常に高い成長率で終わったことは間違いない。

 アメリカでは例年の恒例行事といえるのが、年末商戦後の年明けにやってくる返品の山である。日本人には返品は失礼だという倫理観があるので大問題とはなりづらい。だが、アメリカ人には返品に対する罪悪感のようなものは皆無なので、小売企業にとって返品は大きな頭痛の種になる。

 返品政策は企業戦略や競合状況に左右される。百貨店のノードストローム(NORDSTROM)が無条件返品を謳っているのは有名だが、これは顧客に対する高いサービスの一貫である。一方を競合が激しいと返品政策が緩くなる傾向がある。ウォルマート(WALMART)が急成長している時期にノードスロームと同じ無条件返品としていたことがあるが、これは競合企業に対抗するためである。

 NRFによると20年の返品総額は全体の10.6%にあたる4280億ドルと試算されている。この10%前後という数値はおおよそ業界の標準数値と思って良いのだが、記事にあるようにオートパーツの19.4%、アパレル12.2%、そしてハウスウエアの11.5%と商材の特性によってバラツキがある。

年末商戦だけで7兆円超の返品

 これがネット通販(EC)になるとまた様相が異なってくる。昨年は大きなECシフトが起きたため売り上げが爆増しているのだが、ECの返品率はリアルのおよそ2倍の20%前後が業界標準なので、年末商戦後の返品ボリュームはさらに急増していると推定できる。さらにギフトが中心となる歳末は普段よりも返品率が高くなるので(およそ30%前後と言われる)、おそらく莫大な商品が返品フローへと逆流していることだろう。

 20年末の年末商戦返品額が700億ドルを超えると予測する調査会社があり、これは日本円にすると7兆円超という巨額な数字である。

 そしてこれもまたカテゴリーによって異なるのだが、EC市場における返品率は、アパレルが29%、家電16%、ホーム関連商品11%などで、アパレルがダントツで返品率が高い。届いた商品を試着して合わないから返品するという“買い方”に起因する理由だけではなくて、アマゾン(AMAZON)のプライムワードローブのように複数の商品を送り不必要なものを返品してもらうという“売り方”に起因する理由もあり、返品が増える要素が他のカテゴリーに比して多いのである。

 またECでは売りづらかった靴というカテゴリーで無料返品をうたい文句にして急成長したのがザッポス(ZAPPOS)で、この企業がパイオニアとなって業界標準を作ってしまったと考えている。消費者はもはや無料返品ポリシーを持っていないEC企業では買わなくなってしまっているのである。

鈴木敏仁(すずき・としひと):東京都北区生まれ、早大法学部卒、西武百貨店を経て渡米、在米年数は30年以上。業界メディアへの執筆、流通企業やメーカーによる米国視察の企画、セミナー講演が主要業務。年間のべ店舗訪問数は600店舗超、製配販にわたる幅広い業界知識と現場の事実に基づいた分析による情報提供がモットー

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“鬼才”スパイスW下遠野社長、成功する店は「金閣寺」と同じ。「分かりやすさと映えること」

 内装業からスタートし、飲食店、店舗企画・リーシング、商業施設運営など幅広い事業を手がけるスパイスワークスホールディングス(本社:東京都台東区)の下遠野 亘社長。経営する飲食店も100店規模となったが、いまも次々と新しいことにチャレンジしている。その一つが鹿児島産のカンパチを手数料ゼロで居酒屋に提供する仕組み。次世代の店つくりのキーワードを聞くと「外に出る勢いだ」という。それって何?
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「冷めたほうが美味しい」というお洒落コロッケ。1個270円ながら、ワインのつまみに、プチギフトに人気

 2020年10月に東京・麻布十番にオープンした「ComeStai?」(コメスタイ)は、リゾットコロッケの「アランチーニ」の専門店。コロッケでありながら、「むしろ冷めた方が美味しい」を売り文句にしているのがユニークで、ギフトとしても喜ばれそうな商品に仕立てています。2020年に話題になった「から揚げ」に次ぐアイテムとして、「コロッケ」に注目する向きが出ている中、このリゾットコロッケ・アランチーニも要注目です。
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「バレンシアガ」が青山店限定アイテム発売 アーカイブを再構築

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は2021年春夏コレクションの発売に合わせ1月29日に、昨年拡張リニューアルオープンした東京・南青山の旗艦店限定アイテム5型を発売する。

 アイテムはアーカイブを繋ぎ合わせて生まれたTシャツ(7万円)、ロングスリーブTシャツ(8万円)、フーディー(13万円)が登場する。ロングスリーブTシャツはブラックのみで、そのほかはブラックとマルチカラーで展開する。アイテムに施した“BALENCIAGA”のロゴはそれぞれの文字をキーボード記号やエッフェル塔、インターロッキング B、過去のポリティカルキャンペーンのリファレンスやEst.1917のロゴなど、さまざまなシーズンを想起させる要素を組み合わせて表現した。

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メンズコレ最終日は「ジル サンダー」「Y/プロ」「アリックス」に一言 編集長&若手記者2人のパリメンズ5選

大澤錬「WWDJAPAN.com」記者(以下、大澤):連日の登場、失礼します(笑)。本日はパリメンズ最終日の厳選5ブランドを振り返ります。最終日まで僕らも一気に駆け抜けてきました!今シーズンもデジタルならではの試みや、限られた人数の中でのショーなど、発表の仕方はさまざま。前シーズンよりもアップデートが進みました。本日もよろしくお願いします。

村上要「WWDJAPAN.com」編集長(以下、村上):デジタルでも「あぁ、もう最終日なのか……。寂しいな」という気持ちは変わりませんね(笑)。そう思うのは、良いコレクションが多かった証拠です。

最終日トップバッターは「ジル サンダー」

村上:「ジル サンダー(JIL SANDER)」は、「ステキなコレクションなんだろうな」って思うけれど、「見せ方は、コレが正解?」とも考えました。暗がりや切り替え、クローズアップが多い“雰囲気系”のムービーだと、絶妙なプロポーションバランスや素材感、控えめなディテールは分かりづらいですね。起毛感の高いネルシャツ素材のブルゾンや、ハニカム構造が独特なニット、0.5サイズオーバーくらいのシャツドレスなど、「ちゃんと見たい!!」と言う欲求に駆られるアイテムが多いから尚更。感度が高く、自分を持っているから自由に解釈できるファンが多そうなブランドであることを考えると、シンプルに全容を見せて、「あとはご自由に判断してください」って任せちゃうくらいの見せ方で良かった気がします。そんなにデジタルが得意なブランドじゃないから、その辺りは少しずつ学んでいくのかな?

大澤:全体的に映像が暗く見づらいので、僕は食い入るように見てしまいました。個人的にはダブルフェイスのトレンチコート、パステルカラーのロングブーツがお気に入り。コートやニットに施されたポートレートは、1920年代にフローレンス・アンリ(Florence Henri)が撮影したバウハウスの女性アーティストやデザイナーたちだそうです。大胆に“MOTHER”と記したシルバーネックレスは、家族の重要性・大切さを表現しています。メニューの構成はさすがの一言ですね。

初のキッズウエアを発表

村上:さぁ、今シーズン一番難解なムービーですよ。「トム ブラウン(THOM BROWNE)」です。アイコニックなスーツを着たキッズたちが、仕事して、遊んで、ゴミを投げ捨てたり、牛乳を吹き出したりで終了という、全編モノクロ2分チョイのムービーでした。コレは一体、どう解釈したら良いのでしょうか(笑)?単純にキッズウエアのローンチをお知らせするものなのか?それとも、郷愁を誘うことも狙っていたのか?相変わらず、多くを語らないまま一石を投じるカンジ。キライじゃありません(笑)。

大澤:今回は初のキッズウエア(2〜10歳向け)を発表するためのムービーだそうです。クリエイションは大人向けのコレクションと変わらないようですね(笑)。「トム ブラウン」は直営店も含めて独自の世界観があり、面白いブランドと思っていますが、クリエイションの変化が少なく寂しさも感じます。ムービー自体は「キッザニア」で働くキッズたちを見ているようで、朗らかな気持ちになりました。日本でも「トム ブラウン」を身にまとった子どもたちを見られるといいですね。

「Y/プロ」が少しリアルクローズに

村上:「ディーゼル(DIESEL)」のクリエイションも手がけることになったグレン・マーティンス(Glenn Martens)の「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」は、もっとアバンギャルドになると思っていたけれど、むしろちょっぴりリアルになりました。極端なプロポーションは控えめ。もちろん、随所で生地をひねったり、穴を開けたりで“たわんだ洋服”が多いけれど、少なくとも「どう着たらいいのか?」はちゃんとわかる。小難しいのは疲れちゃう今のムードを感じたのかな?折り返すとウエスタンブーツ風のディテールが現れて、あたかも履いているように見えるデニムとか、面白かった。大胆でありながら、消費者を置いてきぼりにもしない。「ディーゼル」でも、上手いことやってくれそうな気がします。

大澤:今回は少しだけ落ち着いた「Y/プロ」でしたね。「着るのに一苦労」というのは少なそう。トータルで着こなすのはハードルが高いけど、一点一点のアイテムを入れ込むだけで、コーディネートはかなり変わりそうです。コロナ明けに、ストリートスナップを撮られたい人には「もってこい」(笑)。今シーズンは古着の要素が強かったように思います。作業着のようなナイロンのセットアップ、キルティングジャケット、ウオッシュ加工のストレートジーンズ、スタジャンなど。また「カナダグース(CANADA GOOSE)」とのコラボアイテムも引き続き発表していました。

「ユニクロ U」との差別化はいかに⁉︎

村上:「ルメール(LEMAIRE)」は、やっぱり秋冬の方がいいですね。ルックを構成するアイテムが増えてコーディネイトで見せられると、どうしても比較されてしまう「ユニクロ U(UNIQLO U)」との違いが際立ちます。ちょっとだけ肩パッドを入れたジャケットや、少しだけ贅沢に生地を使ったシャツドレス、部分的なファー使い、それにグラデーションなどの積み重ねが「ユニクロ U」との明確な差別化につながっていて、「あぁ、2つのブランドを続ける意味があるんだな」って実感できます。

大澤:僕には大人っぽすぎるので、普段あまり拝見することがないブランドでした。冒頭は「ユニクロ U」のイメージが強すぎるあまり、変化を感じなかったのが正直なところです。終盤に差し掛かると、グラデーションのコートやシャツ、マキシコート、ファーブルゾン、赤のセットアップなど、よりファッショナブルな印象へと変わりました。個人的には「ユニクロ U」との両立の難しさを感じました。カジュアルダウンしすぎても難しいし、大人の雰囲気を醸し出すと若い世代には刺さらない。ターゲット層が狭いのかなと感じてしまいました。

パリメンズ最後の砦は「1017 アリックス 9SM」

大澤:フィナーレを務めるのは「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」。期待が大きいからこそ、写真だけなのは残念に思いました。「ジバンシィ(GIVENCHY)」のトップに就任して以降、クリエイションの質がさらに上がったように思います。上質な日常着に、メタルバックルやカラーリングで少し遊び心を加え、良い意味で大人っぽさが滲み出ている。バッグやアクセサリーを強く打ち出している点も、「デザイナーが継続的に強く推していきたいアイテム」というのが伺えますね。ダンベルのような形をしたハンドバッグ、オールレッドのムートンも気になりました。

村上:パリメンズのフィナーレが写真だけなのはちょっぴり残念ですが、クリエイション自体は随分変えてきましたね。最初はメタルバックル付きのストリートから始まって、直近はブラックのフォーマル路線でしたが、今シーズンはその中間を突いてきたカンジ。シャープなカッティングながら、ベビーピンクやスカイブルーなどの可愛らしい色合いで、モードやストリート一辺倒でもありません。「ジバンシィ」とも明確に差別化できていて、素直に「良き新機軸に挑戦しているな」って思えます。

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日本を代表するスキーブランド「フェニックス」をニコラ・フォルミケッティがよみがえらせる

 日本を代表するスキーブランドとして知られる「フェニックス(PHENIX)」のクリエイティブ・ディレクターに、ニコラ・フォルミケッティ(Nicola Formichetti)が就任する。新たにアウトドアライン「プラスフェニックス」(+PHENIX)」もデビューさせるとともに、企画、MD、PRなどすべてにおいてディレクションを行っていく。本格的にニコラが手がけるウエアが登場するのは、2022年春夏からになるが、撮影やスタイリングなどにはすでに参画している。

 ニコラは現在、ロサンゼルスを拠点にレディー・ガガ(Lady Gaga)のクリエイティブ・ディレクターを務め、彼女の公の場でのスタイリングやMVのディレクションを担当。これまでも「ディーゼル(DIESEL)」や「ミュグレー(MUGLER)」「ユニクロ(UNIQLO)」や自身の「ニコパンダ(NICOPANDA)」などを手がけてきた。
 
 ニコラは26日、電話インタビューで、「歴史あるブランドのクリエティブに参画できて、とても光栄だ。スポーツは自分のパッションの源でもあるので、自分が創り上げるクリエティビティーと、『フェニックス』がこれまで築いてきたDNAを融合することで、ブランドの歴史をモダンに反映した新しいアイテムが生まれることを確信している。スキーだけでなく、街で着られる、家の中でも快適で、散歩もできて、軽いスポーツができるようなものが欲しかったので、『+フェニックス』を新たにデビューさせる。すごくかわいくて、ストリート系で、着やすくて、スキーからインスピレーションを受けた、カジュアルでカラフルで遊び心があるラインになる。日本だけでなく世界でも大きく打ち出していく。僕は半分日本人だから、日本発のブランドを世界で飛躍させるためのサポートをしたいとずっと思ってきたし、それができるのがうれしい」と語った。

 また、「スポーツとファッションが今後さらに身近になれるような広げ方をしていきたい。僕も今やっているけれど、メディテーションをしたり、自然の中を歩いたり、走ったり、ヨガをしたり、ジムに行くなど、日常の中で体を動かすことがもっともっと大事になってくると思う。モノをデザインする際、変にトレンドを追った最先端のファッションではなく、モダンだけれども、何年も長く着られるようなものが求められている。ストリートやスポーツのトレンドはサイクルが長いし、コレクションごとに新しいものを提案するというよりも、少しずつアップデートするようなところも気に入っている」と話す。

 「もちろん『フェニックス』でも、デザイン、広告、マーケティング、デジタル活用などを通じてブランドをカッコよく面白くしていく。今はバーチャルとリアルで両方生きているようにしていかなければならない時代。僕はもともとバーチャルとかAI(人工知能)とかアバターなどが大好きで、ガガともいろいろ仕掛けてきたし、映画みたいなシューティングも得意だから、そういった手法も取り入れたい。たとえば、オキュラスみたいなVRで体を動かすこともできるし、プレステや任天堂wiiなどのゲームの服をカッコよくすることもできる。もちろん、テクノロジーを道具として使っていくことはいいと思うし、バーチャルでスキーをするのも楽しいだろうけれど、やっぱり、家にばかり閉じこもらないで、実際に体を動かすことが重要だ。僕も新しくスキーに挑戦するつもりだよ」とバーチャルとリアルを融合しつつも、自身の体験やスポーツの重要性を訴える。

 旧フェニックス社の営業終了に伴い、ブランドを取得した志風音の西村健太社長はニコラを起用した理由や「フェニックス」の可能性について、「以前から知り合いだったニコラ氏から偶然連絡をもらい、話しているうちに、お互いのタイミングと方向性が合致した。『フェニックス』は日本人にとって圧倒的な認知がある。ブランドの歴史、シェア率こそが『フェニックス』が持っているポテンシャルだと思う。phenixテクノロジーの心臓部であるTECHをはじめ、これまで培ってきたことを事業承継することは非常に大きな価値がある。衣食住の『衣』の中でも、業界は細かくセグメントされており、その商流・慣習は各ジャンルによって異なっている。長い歴史を持つ『フェニックス』に、われわれが幅広い事業から得たマーケティングのノウハウをクロスさせることで、従来のルールに捉われず、セグメントされた業界の壁を越え、スキー・アウトドア業界に新しい価値を生み出せると確信している」と意気込む。

 新生・フェニックスの売上高は、初年度(21年秋冬~22年春夏)にスキーウエアで10億円、「+フェニックス」で5億円、営業利益は1億5000万円を予定する。5年後までにブランド全体で30億円規模にまで拡大させたい意向。2021年3月期の志風音の業績は、売上高37億円、経常利益4億2000万円で着地する見込み。5年後には、売上高100億円を目指しており、「フェニックス」はそのけん引役として期待する。

 「+フェニックス」のコンセプトは、「DNAであるスキーのテイストを派生しながら、テクニカルな素材や機能を使い、雪山、登山、キャンプ、都会、ビジネスなど、組み合わせによって、どんなシチュエーションにも対応できる、多様性を持ったアイテムを提案するアーバンアウトドアブランド」。

 街着で着られるアウトドアラインとして、スタイリッシュなデザイン性・機能素材・安価なプライスを実現し、パフォーマンス度が高いミドルラインとサステナブル&機能性を用いた素材を軸とし、スキーウエア「フェニックス」のデザインをハイブリットさせ、様々なシチュエーションに適応するハイラインの2ラインでメンズ、ウィメンズを展開する。

 ファーストシーズンでは、多機能素材を用いたテックジャケット・パンツのほか、軽量素材と撥水機能を持ち合わせたダウンジャケット、マウンテンパーカ―、小物類など、多種多様なアイテム約60型を展開予定。ハイラインとミドルラインで構成し、ハイラインはダウンジャケットで2万1890~2万7940円、機能素材ジャケットで1万9800~2万9920円、機能素材パンツ1万9800円、ポンチパーカー1万5950~1万7930円、パンツ1万4960~1万5950円。ミドルラインはTシャツ5,940円~、パーカ1万1990円、スウェット1万2980円、パンツ1万1990~1万4960円、雑貨類2970~4950円など(すべて税込み)。1月27日から志風音のショールーム(日本橋馬喰町)で行う展示会でお披露目する予定だ。

松下久美:ファッション週刊紙「WWDジャパン」のデスク、シニアエディター、「日本繊維新聞」の小売り・流通記者として、20年以上にわたり、ファッション企業の経営や戦略などを取材・執筆。著書に「ユニクロ進化論」(ビジネス社)

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英ECエイソスが「トップショップ」買収に意欲 ブーフーは百貨店デベナムズを獲得

 英アパレルECを運営するエイソス(ASOS)は、2020年11月に経営破綻した英アルカディア・グループ(ARCADIA GROUP以下、アルカディア)傘下の「トップショップ(TOPSHOP)」や「トップマン(TOPMAN)」など4ブランドの買収に向けて交渉中であることを明らかにした。

 同社は、「当社の顧客ベースと親和性の高い、強力なブランドを獲得する魅力的な機会だと考えている」とコメント。しかし他社も関心を示しているため、買収が成立するかどうかは未知数だとの見方を示した。

 ほかの買い手候補としては、20年に「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」や「フォーエバー21(FOREVER 21)」、米「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」を傘下に収めた米ブランドマネジメント会社のオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)、英スーパーマーケットチェーンのアズダ(ASDA)を買収した実業家のモーシン・イッサ(Mohsin Issa)とズーバー・イッサ(Zuber Issa)兄弟、中国のアパレルEC企業シェイン(SHEIN)、そして破綻した英百貨店デベナムズ(DEBENHAMS)を買収したばかりの英ECアパレル企業ブーフー(BOOHOO)などが有力視されている。

 英調査会社グローバルデータ(GLOBALDATA)のクロエ・コリンズ(Chloe Collins)=リテール部門シニア・リテール・アナリストは、「エイソスは『トップショップ』と客層が似ている上に、グローバルな事業展開をしている点が有利だ。中国企業のシェインは英国市場に慣れておらず、イッサ兄弟はアズダなどファミリー層がメインのブランドを得意としている。ブーフーはデベナムズを買収したばかりであることを考えると、エイソスとABGの一騎打ちになるのではないか」と分析した。

 エイソスは今回の買収が実現した場合には手元資金でまかなうとしており、業績が安定していることがうかがえる。実際、同社の20年9~12月期の売上高は前年同期比23.3%増の13億2580ポンド(約1882億円)と好調だった。コロナ禍でオケージョン用のドレスなどの売り上げは減少したものの、アクティブユーザー数が110万増の2450万となったことによって全体としては増収となっている。

 アルカディアは英国内で400以上、海外で20以上の売り場を展開。従業員は全体で1万3000人ほど抱えている。同社は以前から経営破綻の危機に陥っており、19年6月には同社を所有する大富豪のフィリップ・グリーン(Philip Green)卿の妻が私財を投じて救済した。しかし年金も赤字となっており、およそ3億5000万ポンド(約497億円)の不足があると見られている。

 海外メディアの報道によれば、EC事業のみを展開しているエイソスは「トップショップ」などの実店舗には関心がなく、買収が成立した際には従業員の多くが失職する可能性が高いという。アルカディアが所有する不動産は別途売却されることになっており、今回の買収には含まれていない。

 ブーフーは1月25日、デベナムズを5500万ポンド(約78億円)で買収した。しかしこれはデベナムズのブランド、デベナムズが運営するブランド、ウェブサイトなどの事業資産が対象であり、やはり実店舗は含まれていない。従って在庫処理のために行われている閉店セールが終わり次第、全店が閉じられ、従業員のほとんどが解雇される。

 デベナムズはECへの参入が遅れたことなどが影響して業績が悪化し、19年4月に事実上の経営破綻に陥った。その後も店舗の営業を続け、債権者所有の新会社の下で再建を図っていたものの、20年4月に2回目の破綻となった。なおアルカディアは、デベナムズに「トップショップ」をはじめとする傘下ブランドを多数出店していた、最大のテナント会社だった。

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