アシックスとカシオが協業 “Gショック”が自分だけのランニングコーチに

 アシックスはカシオ計算機と協業し、ランナー向けのコーチングサービス“ランメトリックス(RUNMETRIX)”を開発した。専用アプリ(無料)とモーションセンサー(1万4080円)、新開発の“Gショック”(5万7200円)を組み合わせ、ユーザーの目的に合わせたトレーニングメニューやフォーム改善策などを提供する。専用アプリは1月27日にローンチし、モーションセンサーと“Gショック”は3月4日からアシックスとカシオの直営店と、一部取り扱い店舗で販売する。

 0.1gの重さと1mmの動きを感知するモーションセンサーは、ワンクリップでパンツの腰部分に装着する。ランニングの軌跡や距離、速度、ペースのほか、重心移動や左右対称性、最大酸素摂取量、心拍数までさまざまな数値を計測し、アシックスが人工工学研究所で培ったビッグデータに照らし合わせて6項目からランニングを評価・分析する。評価結果からトレーニングメニューやフォーム改善策などを考案し、ユーザーの生活スタイルに合わせたスケジュールをアプリで提案する。専用の“Gショック”はモーションセンサーで計測した数値をリアルタイムで確認できる。いずれのツールも日常に取り入れやすいデザインを意識し、ブルーグリーンとブラックを基調にした。

 1月27日にオンラインで行った発表会には、廣田康人アシックス代表取締役社長COOと樫尾和宏カシオ計算機代表取締役社長らが登壇した。廣田社長は「われわれのランニングサイエンスの知見と、カシオの優れたウェアラブル機器技術を組み合わせ新しい体験価値を提供する。“ランメトリックス”を軸に、デジタルを活用したランニングエコシステムを構築し、健康で活気ある社会の実現に貢献していきたい」と意気込んだ。樫尾社長は「2年前にアシックスに声を掛け、共同開発を進めてきた。両社の強みを高次元で融合し、世界ナンバーワンのランニングサービスへと成長させる」と期待に胸を膨らませた。

 10月にはウオーキングに特化した“ウオーキングメトリックス”もローンチし、両サービスを軸に有料サービスの拡充や関連アイテムの開発なども行う。これらを含めて5年で売り上げ500億円、500万ユーザーの獲得を目指す。両社はこれを機にデジタルを活用したスポーツ分野におけるサービス・商品開発の協業を本格始動させ、今年中に合弁会社を設立する予定。

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世界で最も持続可能な企業、7位にケリング

 世界経済フォーラムのオンラインイベント「ダボス・アジェンダ」で、サステナビリティやESG(環境・社会・企業統治)の格付けランキングとして知られる「グローバル100」が発表された。「グローバル100」はカナダ・トロントを拠点にするメディアの「コーポレート・ナイツ(Corporate Knights)」が、「世界で最も持続可能な100社」をランキング形式で発表するもの。

 アパレル企業でランクインしたのは2社で、トップはケリング(KERING)で全体の7位(前年23位)だった。次いで、アディダス(ADIDAS)が76位(前年55位)。

 21年は全体で8080社、アパレル&アクセサリー部門では143社を対象に、リソースマネジメント、従業員マネジメント、財務管理、クリーンな収益と投資、およびサプライヤーの実績等の24項目の重要業績評価指標(KPI)が分析され、評価された。 ケリングは、「環境パフォーマンス」「クリーンな収益」「クリーンな投資」の項目で産業内で最高位にランク付けされた。また、「サステナビリティ指標と連動の報酬制度」(Sustainability Pay Link)では、さらに高い評価が与えられ、サステナビリティ活動の推進に関連する役員報酬についてのベストプラクティスで100%を獲得した。

 そのほか、ビューティ企業でランクインしたのは、「イソップ(AESOP)」や「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」などを傘下に持つナチュラ(NATURA & CO HOLDING)が42位(前年30位)、ユニリーバ(UNILIEVER)が79位(前年46位)だった。

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「レスポートサック」がお笑い芸人のEXITとのコラボバッグ、“イグレスポット”を発売

 「レスポートサック(LESPORTSAC)」は1月31日まで、SDGsの取り組みの一環として、お笑い芸人のEXITとのコラボバッグ“イグレスポット”を特設ECサイトで受注販売中だ。両者がミーティングを重ね、作り上げたデザインの中からユーザー投票で選ばれた2色を全4型で展開する。価格は4000〜8500円。EXITは「SDGs-1グランプリ2019」王者に輝いた実績を持つ。

 コラボバッグは、リサイクル資源で再生された新素材“レニュー(RENU)”を使用し2つのテーマをもとに製作。テーマ「EXIT YUME BOKIN」は、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」と目標10「人や国の不平等をなくそう」にフォーカスし、明るく楽しいイメージを学校との馴染みが深いモノでデザインした。2つ目のテーマ「EXIT RIN RIN PANIC」では、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」をりんたろーの特徴である“ワニっぽさ”で表現した。売り上げの一部はチャリティー団体に寄付される。

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「ナンバー」2021-22年秋冬コレクション

 「ナンバー(NO.)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。

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「ホワイトマウンテニアリング」2021-22年秋冬パリ・メンズ・コレクション

 「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」が2021-22年秋冬メンズ・コレクションを発表した。

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人気K-POPグループのITZYが語る プライベートのファッションや衣装について

 2019年に結成し、22日に初めて英語で構成したアルバム「Not Shy」をリリースした人気K-POPグループのITZY。メンバーは、YEJi、LiA、RYUJIN、YUNA、CHAERYEUNGの5人で、TWICEやNiziUが在籍しているJYPエンターテインメント所属。パフォーマンスやミュージックビデオで彼女らが着用した衣装には多くの注目が集まる。またITZYはデビュー3カ月の時点で「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の20年プレ・スプリング・コレクションに呼ばれ、20年春夏コレクションの発表にも出席した。

 ここでは、米「WWD」が衣装の裏話やメンバーの普段の装い、英語で収録した楽曲の経緯や背景についてインタビューを行った。

WWD:英語でレコーディングを行った感想は?韓国語の楽曲を収録するときと違いはあったか?

LiA:アルバム作りにあたって、みんなで英語をたくさん勉強した。

RYUJIN:アルバム全体を英語で制作するのはすごく難しかった。何度も発音を確認する必要があったけど、徐々に英語の歌詞を学ぶのが楽しくなっていった。

YEJi:英語と韓国語では歌の雰囲気が違って聞こえることに気がついたよ。表現の違いを比べてみるのも楽しかった。韓国語で同じアルバムを収録したことがあるのに、新しい歌を歌っているみたいだった。レコーディングのディレクションも別の方が行ったので、同じ曲に対してもらう指摘や感想が違っていたのも興味深かった。

WWD:明るい色や大胆な大柄を使用したスタイリングが特徴だが、ファッションのインスピレーションの源は?

YEJi:スタイリストがどんな色や柄を使った衣装を用意しても着こなせるように、普段から努力している。自信を与えてくれる衣装を着るのが好き。

LiA:私はいろんな国でどういったものが流行しているかチェックして、なぜトレンドとなっているかを理解するようにしている。

WWD:この2年間で特に気に入っている衣装と、その理由は?

LiA:「달라달라(DALLA DALLA)」のプロモーションで着用したジョガーパンツと、トップスはすごく気に入っている。

CHAERYEUNG:19年の年末特番できたネイビーのベルベットの衣装は、特に好きだった!20歳を迎えた夜でもあったので、すごく記憶に残っている。

YUNA:私は20年の年末特番で着た黒いレザーの衣装が気に入っている。全体の雰囲気も好きだし、ヘアメイクが衣装とマッチしていた。

WWD:プライベートでの自分自身のテイストはそれぞれどんな感じ?

CHAERYEUNG:一言でうまく説明できないけれど、他のメンバーよりドレスやスカートが好きかな。洋服の質感にもこだわっているよ。

YEJi:私はCHAERYEUNGのテイストとは正反対だと思う!彼女はもっとクラシカルな格好をするけど、私はもっとかっこいいものが好き。アクセサリーも結構違ったものを身につけていると思う。私がキャップとかビーニーをつけるとしたら、CHAERYEUNGはスカーフか時計を身につける。

RYUJIN:心地良さが最優先。あとは、ビンテージスタイルも好き。ビンテージっぽい雰囲気が好きかな。

WWD:ステージで着る衣装と、普段の格好との違いは?

YEJI:黒が一番好きな色なので日常的に黒いアイテムをよく身につけているけど、ステージではカラフルな衣装を着る。

RYUJIN:プライベートで好む格好と、ステージの衣装はかなり違う。休日はモノトーンの洋服で出かけることが多いかな。

YUNA:ステージでは目を引く衣装を着ているけど、普段はもっとナチュラルで着心地の良いものを着ることが多い。

WWD:ファッションアイコンはいる?

YUNA:私のファッションアイコンは、モデルのケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)。彼女が着る洋服はユニーク。彼女なりに着こなして、全ての洋服をスペシャルに魅せている。

WWD:普段の“これを着て行けば間違いない”服装はある?これなしでは生きていけないと思うようなアイテムは?

RYUJIN:間違いない!と思うアイテムは、コートとジャケット。最近はすごく寒いからもっぱらパファーダウンを着ているけど。ドレスは私の“マストハブ”アイテムかな。着心地もいいし、ビンテージっぽい雰囲気も演出してくれる。

YUNA:黒いジーンズや、ジョガーパンツを履くのが好き。アスレジャースタイルを好んで着ることも多い。

CHAERYEUNG:黒いコートかな。何にでも合わせられるアイテム。今のコートを着はじめてからもう3年になる。

WWD:過去2回、「ルイ・ヴィトン」のコレクション発表に出席しているが、その時の感想は?

YEJi:緊張したけど、すごくワクワクした。初めての経験だった。当時よりファッションへの理解が深まった今、もう一度出席してみたいと思う。ファッションへの知識も深まったので、もっと楽しむことができると思う。

LiA:忘れられない体験。機会をいただけたことを光栄に思う。

WWD:今ハマっているファッションは?

YEJi:最近はシュシュに夢中。とってもかわいいし、必須アイテムになるんじゃないかな。

YUNA:ワイドパンツが大好き。スキニージーンズより、はるかに着心地がいい。

WWD:英語版アルバム「Not Shy」のほかに、21年に何かサプライズはある?

YEJi:英語のアルバム発売で今年度のスタートを切れたことにワクワクする。21年はこのアルバムを皮切りに新しいプロジェクトをたくさん展開し、世界中にいるファンのみんなとコミュニケーションを深めていきたい。まず公式ファンクラブ“MIDAZY”を設立した。充実したコンテンツを用意しているので、期待していてほしい!

RYUJIN:このアルバムのほかにも、たくさん見せたいものがある。これからも新しいルックや楽曲、プロジェクトを楽しみにしていて欲しい。

LiA:今年もファンと一緒に作っていく夢みたいな時間を楽しみにしている。パンデミックが早く収束して、顔を合わせて会える日がまた来るよう祈っている。

CHAERYEUNG:今後の変化に前向きだ。ファンに会いたい。

YUNA:新しい楽曲やプロジェクトにワクワクしているし、とても楽しみ。新しい音楽とルックでみんなに会いたい。もうドキドキする!

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LVMHがオンライン版「ウォッチ ウィーク」を開催 時計3ブランドが参加

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、新作時計の発表の場として1月25日から29日の期間、「LVMH ウォッチ ウィーク 2021(LVMH WATCH WEEK 2021)」を開催している。同イベントは20年にドバイで初めて催されたもので、今年は新型コロナウイルスの影響によりオンライン化された。

 LVMH傘下の「ブルガリ(BULGARI)」「ウブロ(HUBLOT)」「ゼニス(ZENITH)」が参加しており、「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」は「大きなアナウンスメントを数日後に控えており、今回は参加できないが別途2月上旬に発表を行う予定」(フレデリック・アルノー(Frederic Arnault)=タグ・ホイヤーCEO)だという。

 初日となる25日のプレスカンファレンスには、ステファン・ビアンキ(Stephane Bianchi)=LVMHウオッチ&ジュエリー部門最高経営責任者(CEO)、ジャン・クリストフ・ババン(Jean Christophe Babin)=ブルガリ・グループCEO、リカルド・グアダルーペ(Ricardo Guadalupe)=ウブロCEO、ジュリアン・トルナーレ(Julien Tornare)=ゼニスCEOが登場し、異口同音に「実際に対面することはできなくとも、デジタル技術によって皆さんとライブでつながりを持てることを非常にうれしく思う」と話した。併せて、各工場の様子やアンバサダーとのトークセッションを配信した。

 プレスカンファレンスは全編英語で行われ、アジア・ヨーロッパ・中東・アフリカ地域の約1000人が視聴した。時計ジャーナリストの渋谷ヤスヒトは、「こういった状況下でも、時計ブランドは発信を続けなくてはならない。トップの所信表明からそれぞれの方向性は窺えたが、情報量が少なく、製品プレゼンとしては十分とは言えなかった」と話す。これを補填するため国・地域ごとに実機やサンプルが配られ、タッチ&フィールできる個別セッションも設定されている。

 昨年、ドバイのブルガリ リゾートで行われた「LVMH ウォッチ ウィーク」に参加した関口優「ホディンキー・ジャパン」編集長は、「個人的に『ウブロ』の工場は訪れたことがなく、CEO自ら紹介してくれる構成に満足した。ただし、ブースの作り込みなどでブランドの世界観をしっかり見せられるリアルイベントと違い、デジタルで伝えることの難しさもあらためて感じた」と課題についても触れた。

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「アレクサンドル・ヴォチエ」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「アレクサンドル・ヴォチエ(ALEXANDRE VAUTHIER)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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「フルラ」に新CEO 新体制で「変革の年」に臨む

 フルラ(FURLA)は2017年から最高経営責任者(CEO)を務めたアルベルト・カメルレンゴ(Alberto Camerlengo)の後任としてマウロ・サバティーニ(Mauro Sabatini)を指名した。サバティーニ新CEOは、「フルラ」の長年のサプライヤーで、18年からフルラ傘下に入ったレザーグッズの製造業を営むエッフェウノ(EFFEUNO)社の創業者だ。

 サバティーニ新CEOはエッフェウノを創業し、18年以上CEOを務めるかたわら、11~13年にフルラで材料調達部門のバイス・プレジデントを務めた後、当時コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)の傘下にあった「ランセル(LANCEL)」のコンサルタントを務め、14年からは同じくリシュモン傘下の「ダンヒル(DUNHILL)」のサプライチェーンの再設計などを担当した。

 サバティーニ新CEOは、21年を「変革の年」と位置づけ、3月に完成するトスカーナ州の新工場の稼働に向けて準備を進めているという。

 ジョヴァンナ・フルラネット(Giovanna Furlanetto)社長は、「新たなチャレンジを引き受けてくれた。彼のエネルギッシュでポジティブな姿勢は、新たな局面を迎えるフルラに活力を与えてくれるだろう。彼が持つ柔軟さはフルラの協力企業とのリレーションを強化し、より迅速で革新的でダイナミズムのあるサプライチェーンを作ってくれると期待している」とマウロCEOを評価した。

なお、創業以来一族経営を続けてきたフルラネット社長によると、フルラを売却したり上場することは考えていないという。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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「ステファン ローラン」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「ステファン ローラン(STEPHANE ROLLAND)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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追記:ロクシタンの米国法人が破産法申請 日本事業は継続

【追記1月28日】日本事業はロクシタンジャポンが引き続き事業を継続する。同社広報は「ロクシタンU.S.とロクシタンジャポンは直接的な資本関係がなく、日本の事業に影響はない」とコメント。

 フランスの化粧品企業、ロクシタングループ(GROUP L'OCCITANE)の米国法人であるロクシタンU.S.(L'OCCITANE U.S.)は26日、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用をニュージャージー州の破産裁判所に申請した。新型コロナウイルスの影響で、実店舗の1割強を閉店する見込みだ。

 リージョナル・マネジング・ディレクターのヤン・タニーニ(Yann Tanini)は裁判所に提出する書類の中で「パンデミック前から実店舗の売り上げは落ちており、コロナが業績悪化にさらに追い討ちをかけた」と記している。同社は実店舗の閉店やリースの解約をめぐり地主との交渉を進めていたが、難航したことが破たんにつながったという。今後23店舗のリース解約を行う予定だ。

 米ロクシタンは36州およびプエルトリコに計166店舗を構え、グローバルの全売り上げの9.1%を占めている。2020年4〜12月の売上高は前年同期比21%減の1億1100万ドル(約115億円)だった。そのうち実店舗の売り上げは34%を占め、近年はECビジネスの方が好調だったという。同社は1億6100万ドル(約167億円)の資産と1億6200万ドル(約168億円)の負債を持ち、最大の無担保債権者は親会社のロクシタングループだ。また従業員1051人のうちパンデミック中に325人を一時解雇し、その中でも165人が復職、40人がリストラされた。

 なお、コロナの影響でサボン(SABON)の米事業も20年5月に米連邦破産法第11条の適用を申請した。

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米ロクシタンが破産法申請 新型コロナで一部閉店

 米ロクシタン(L'OCCITANE)は26日、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用をニュージャージー州の破産裁判所に申請した。新型コロナウイルスの影響で、実店舗の1割強を閉店する見込みだ。

 リージョナル・マネジング・ディレクターのヤン・タニーニ(Yann Tanini)は裁判所に提出する書類の中で「パンデミック前から実店舗の売り上げは落ちており、コロナが業績悪化にさらに追い討ちをかけた」と記している。同社は実店舗の閉店やリースの解約をめぐり地主との交渉を進めていたが、難航したことが破綻につながったという。今後23店舗のリース解約を行う予定だ。

 米ロクシタンは36州およびプエルトリコに166店舗を抱え、グローバルの全売り上げの9.1%を占めている。2020年4〜12月の売上高は前年同期比21%減の1億1100万ドル(約115億円)だった。そのうち実店舗の売り上げは34%を占め、近年はECビジネスの方が好調だったという。同社は1億6100万ドル(約167億円)の資産と1億6200万ドル(約168億円)の負債を持ち、最大の無担保債権者は親会社のロクシタン グループ(L'OCCITANE GROUPE)だ。また従業員1051人のうちパンデミック中に325人を一時解雇し、その中でも165人が復職、40人がリストラされた。

 なお、コロナの影響でサボン(SABON)の米事業も20年5月に米連邦破産法第11条の適用を申請した。

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「ルイ・ヴィトン」の親会社、20年は売上高5兆円超え 10~12月期のファッション・レザーグッズ部門は14%増収

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2020年12月通期決算は、売上高が前期比16.8%減の446億5100万ユーロ(約5兆6260億円)、純利益は同34.4%減の47億200万ユーロ(約5924億円)だった。

 部門別の売上高では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などのブランドを抱える主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同4.6%減の212億700万ユーロ(約2兆6720億円)だった。香水&コスメティクス部門は同23.2%減の52億4800万ユーロ(約6612億円)、ワイン&スピリッツ部門は同14.7%減の47億5500万ユーロ(約5991億円)、ウオッチ&ジュエリー部門は同23.8%減の33億5600万ユーロ(約4228億円)だった。

 四半期ベースで見ると、20年10~12月期の売上高は前年同期比6.3%減の143億300万ユーロ(約1兆8021億円)だった。7~9月期は同10.2%減の119億5500万ユーロ(約1兆5063億円)、4~6月期は同37.8%減の77億9700万ユーロ(約9824億円)だったことを考えると、順調に回復しているといえるだろう。

 これは主にファッション・レザーグッズ部門が好調だったことによるもので、10~12月期の売上高は同14.2%増の72億7300万ユーロ(約9163億円)と、同9.1%増だった7~9月期に引き続いての増収となった。ほかの部門も徐々に持ち直しているものの、前年同期をやや下回る結果となった。地域別では、下半期にアジアが2ケタ成長となったほか、米国と日本でも大幅に業績が回復した。

 ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者は、「20年は世界中が前例のない危機的な状況に陥ったが、当社は素晴らしい耐久力を発揮することができた。また環境保護や多様性の推進に取り組み、大胆なイノベーションを進めた。12月末にはティファニー(TIFFANY & CO.)を当社グループに迎え、その明るいニュースとともに21年をスタートできたことをうれしく思う。コロナワクチンの登場によってパンデミック収束への光明が見えつつあるものの、先行きはいまだ不透明だ。そうした中でも、当社はさらに業績を伸ばし、ラグジュアリー市場におけるリーダーとしての立場をいっそう強化できるものと確信している」と語った。

 同社は予想を上回る業績となったことを受け、21年4月15日に開催される株主総会で、20年の配当を1株当り6ユーロ(約756円)とすることを提案する。12月3日の時点で1株当たり2ユーロ(約252円)の配当が暫定的に支払われているため、今回の案が承認された場合には、株主に1株当たり4ユーロ(約504円)の差額を4月22日に支払うという。

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「ルイ・ヴィトン」の親会社、20年は売上高5兆円超え 10~12月期のファッション・レザーグッズ部門は14%増収

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2020年12月通期決算は、売上高が前期比16.8%減の446億5100万ユーロ(約5兆6260億円)、純利益は同34.4%減の47億200万ユーロ(約5924億円)だった。

 部門別の売上高では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などのブランドを抱える主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同4.6%減の212億700万ユーロ(約2兆6720億円)だった。香水&コスメティクス部門は同23.2%減の52億4800万ユーロ(約6612億円)、ワイン&スピリッツ部門は同14.7%減の47億5500万ユーロ(約5991億円)、ウオッチ&ジュエリー部門は同23.8%減の33億5600万ユーロ(約4228億円)だった。

 四半期ベースで見ると、20年10~12月期の売上高は前年同期比6.3%減の143億300万ユーロ(約1兆8021億円)だった。7~9月期は同10.2%減の119億5500万ユーロ(約1兆5063億円)、4~6月期は同37.8%減の77億9700万ユーロ(約9824億円)だったことを考えると、順調に回復しているといえるだろう。

 これは主にファッション・レザーグッズ部門が好調だったことによるもので、10~12月期の売上高は同14.2%増の72億7300万ユーロ(約9163億円)と、同9.1%増だった7~9月期に引き続いての増収となった。ほかの部門も徐々に持ち直しているものの、前年同期をやや下回る結果となった。地域別では、下半期にアジアが2ケタ成長となったほか、米国と日本でも大幅に業績が回復した。

 ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者は、「20年は世界中が前例のない危機的な状況に陥ったが、当社は素晴らしい耐久力を発揮することができた。また環境保護や多様性の推進に取り組み、大胆なイノベーションを進めた。12月末にはティファニー(TIFFANY & CO.)を当社グループに迎え、その明るいニュースとともに21年をスタートできたことをうれしく思う。コロナワクチンの登場によってパンデミック収束への光明が見えつつあるものの、先行きはいまだ不透明だ。そうした中でも、当社はさらに業績を伸ばし、ラグジュアリー市場におけるリーダーとしての立場をいっそう強化できるものと確信している」と語った。

 同社は予想を上回る業績となったことを受け、21年4月15日に開催される株主総会で、20年の配当を1株当り6ユーロ(約756円)とすることを提案する。12月3日の時点で1株当たり2ユーロ(約252円)の配当が暫定的に支払われているため、今回の案が承認された場合には、株主に1株当たり4ユーロ(約504円)の差額を4月22日に支払うという。

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デンマーク発家具「フリッツ・ハンセン」の日本トップに女性 ブランドマネジャーが昇格

 デンマーク発家具「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」の日本支社長に1月20日、ブランドマネジャーの相澤真諭子が昇格した。2016年夏以来、日本支社長は不在で、ダリオ・ライシェル(Dario Reicherl)フリッツ・ハンセン・アジア地区最高経営責任者(CEO)が日本市場を統括してきた。

 相澤支社長は06年にフリッツ・ハンセン入社。PR、マーケティングなどを経て、16年以降はブランドマネジャーとして日本市場における人事や予算管理などを行なってきた。相澤支社長は、「タイトルが変わったが、今までの業務と大きな違いはない。今まで、チームの関係性構築に注力し、誰もが自由に発言できる働きやすい環境を作ってきた。デンマーク本社のカンファレンスにも、全員で参加する。少数精鋭のチームで一人一人が担当分野のプロフェッショナルでブランドアンバサダーだ」とコメントしている。「ホワイトマウンテニアリンング(WHITE MOUNTAINEERING)」の相澤陽介デザイナーは相澤支社長の兄だ。

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「シャネル」2021年春夏オートクチュール・コレクション バックステージ

 「シャネル(CHANEL)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

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地元の産業を支え、新たな市場を開拓する若き経営者たちの挑戦 奈良・ニット、履き物編【下】

 前回の記事、地元の産業を支え、新たな市場を開拓する若き経営者たちの挑戦 奈良・靴下編【上】に続き、今回紹介するのは、髙井大介・髙井ニット代表取締役と川東宗時・川東履物商店代表の2人だ。ニット製品と履き物(サンダル)を経営する彼らは、昔からある古き良き商品をリファインして若い世代の視点からアプローチし、マーケットを開拓している。さらに今回も、これまで海外のラグジュアリービジネスに長らく携わり、昨年12月に中小企業向けコンサルティングとして奈良に赴任した小杉一人・広陵・高田ビジネスサポートセンターKoCo-Bizセンター長を交え、それぞれが描くビジネスの未来像を語る。

WWD:髙井ニットと川東履物商店の事業内容を聞きたい。

髙井大介・髙井ニット代表取締役(以下、髙井):奈良県大和高田市で横編みニットを製造しています。もともと大和高田市は、大和木綿を使った大和絣(やまとがずり)の産業があり、当社は1921年に創業しましたが機械化して衰退し、67年から横編みニットをスタートしました。創業からは私で5代目、横編みニット業から数えると3代目です。

川東宗時・川東履物商店代表(以下、川東):奈良県では1950年以前から大和高田市のみならず各地域で農業の合間に草履を作ってきた歴史があり、雪駄、畳草履などがお祭りでも使われてきました。それからゴム素材のヘップサンダルなどバリエーションも増え、地域によっては革靴を製造しているところもあります。私は家業としては1952年創業の4代目になります。

WWD:髙井ニットがオリジナルブランドを立ち上げた理由は?

高井:2015年に自社ブランド「コトユイ(COTOYUI)」をスタートさせました。OEM(他社ブランドの製品を製造すること)の場合、相手のリクエストに応えているだけで、社員はどういったブランドの何をやっているのかといった全体像が分からない。そこで自分たちが作りたい商品を作ろう。ブランドのキャラ、ロゴが目立つような商品ではなく、社員やパートさんも着たいと思えるような“最高の普段着”のニットを作ろうと思ったんです。

天然素材でホールガーメント、性別、年齢に関係なくユニセックスでシンプル、そして長く着られるもの。モノではなくコトを発信していくのが必要だと思い、コトを結びつけるという意味で「コトユイ(結い)」にしました。素材はオーガニックコットンで、染料はオーストラリアのエアーズロックの赤土やバリ島のバトゥール湖の黒褐色土といったような土を微粒子に分解し、その粒子で染めあげる技法「彩土(はに)染め」を用いています。

WWD:現在のOEMとオリジナルの比率は?

髙井: OEMが8割、オリジナルが2割。売り上げも同じくらいの比率です。将来的には同じくらいの比率くらいに持っていきたいです。

WWD:オリジナル商品を作って実際に販売することで、消費者の反響がダイレクトに伝わったり、小売りを学べたりするなど、B to B の点のビジネスから、より視野の広い視点でビジネスをデザインできるということか?

髙井:オリジナルブランドで学べることも多くありますが、一方でOEMを請け負ってきたからこそ、さまざまな要求に応えることで技術革新が進んだ側面もあります。OEMを止めてしまい、オリジナル商品のみに舵を切ったことで技術革新が止まった企業もあります。だからこそOEMも続けるべきだと思っています。

小杉一人広陵・高田ビジネスサポートセンターKoCo-Bizセンター長(以下、小杉):オリジナルのビジネスを創造していくことは良いことだと思いますし、そうしていかないと地域産業が衰退していくと感じます。ただし、全ての企業がそうできるとは限りません。センスやタイミングもありますし、事業承継の問題もあります。OEMは減少傾向とはいえ、日本企業が海外工場に発注する分を取り戻していく施策を1事業者単位ではなく、地域や企業連合で考えていく必要もあると思います。

川東:当社の場合、繊維商社を辞めて3年前に戻って来た際には、OEMは少なく、自社商品を作っていたのですが、名前とかアルファベットを入れただけの名ばかりのマークで本来の意味でのブランドにはなっていませんでした。生き残るにはどうすべきかと考え、オリジナルブランド「ヘップ(HEP)を立ち上げました。

当時の市場は厳しく、価格競争しか行われていなかったので、当然のことながら安くて大量に作れるところが勝ちますし、競合他社も同じ工場で製造を委託しているため、どんどん安さを求めれば疲弊していきます。一方でホームセンターや町の商店街で売っている市場はシュリンクしていく。

サンダルでブランディングした企業がこれまでなかったので、それをする一人目になろうと2020春に「ヘップ」をスタートしたんです。そもそも「ヘップサンダル」の「ヘップ」とは、1954年の映画「ローマの休日」でオードリー・ヘップバーン演じる王女アンが窮屈な生活から抜け出し、市場などで買い物を楽しんでいるシーンの中で、ヒールからサンダルに履き替える場面があり、それを国内のサンダル業界では「ヘップサンダル」と呼ぶようになったのですが、一般の人にはほとんど知られていません(笑)。

オリジナルブランド「ヘップ」は、年齢でセグメントを考えておらず、それほど安くなくても買いたくなるような、心のフックに触れる商品やビジュアルを意識しています。現在はジャーナルスタンダード、中川政七商店、アコメヤなどのショップや、湯河原にある旅館「THE RYOKAN TOKYO」、ホテル、高円寺にある老舗銭湯「小杉湯」などに御し、「ヘップ」を販売してもらうなど、競合他社がおらず、その店にサンダルでは自社のみ展開できるような流通で販売しています。当社は自社工場を持っておらず、だからこそ地域の工場と組んで一緒に作ることで、仕事や雇用を生み出していきたい。自分はプランナー、ディレクションといった動き方に近いと思います。それぞれの工場の得意とすることを生かして、さまざまな履き物を届けたいです。現在の卸と直販の売り上げは同じ比率くらいです。

WWD:今後、どのように地元の産業を盛り上げていきたいか。

高井:OEMでも一社ごとに別々で受注するのではなく、ニット、カットソー、布帛といった異業種がつながり、まとめて仕事を請け負えば、奈良で一貫したブランドを作れるのではと考えています。実際に話し合いはスタートしており、業種、同世代、父親世代といった垣根を越えて話せば、新しく見えてくることもあると思っています。一つ成功例を作れば広がっていけるのではないかと。

川東:私はこれまで単純にやっていることがカッコイイほうが良いと思っていました(笑)。3年前に地元に戻って父親と一緒に工場をまわってみると、賃金が低い中、職人が背中を丸くして作っている。そして人手不足で量をこなせないといった現状がありました。自分たちをやっていることに誇りを持ってほしい、そして誇りを持てる産業にしたい。自分たちがやっていることがテレビや雑誌で紹介され、作り手にもそれが伝わるようなことをしていきたいです。

WWD:オリジナルブランドをどのように販売、PR、ブランディングしていこうと考えているか?

高井:現在、20数社が出資して、松屋銀座と共同経営で7階に売り場を作っており、5人が運営メンバーで松屋銀座とやりとりをしています。常設店は松屋銀座のみですが、それが発信力となり、催事やポップアップの依頼も来ます。自社ECは3月にオープン予定で、そこでもさまざまな情報を発信していきたいです。

川東:サンダルの場合、「そろそろ春服が欲しい」はあるが、「サンダルが欲しい」にはなかなかならないので、買うなら「『ヘップ』で」となるように、SNSをメインに思い出してもらう回数を増やしていきたいです。ただ、ファッションのフィールドに足を踏み入れるとアウトドアやスポーツブランドなどライバルが多いので、サンダルが1足しかないような場所が欲しい。生活必需品であり、気楽に履ける、実際に届けるところまでをデザインしていきたい。コロナ禍では、ワンマイル需要の提案に舵を切り替えました。オンラインショップも4月に立ち上げたところ良かった。女性誌に取り上げられたことで、若い女性からの反響も大きかったです。

WWD:小杉氏とは今後どのような話し合いをしている?

高井:昨年からディズニーとライセンス契約でオーガニックタオル、ハンカチを製造することになり、ベビーに特化した授乳ケープ、フード付きポンチョ、ベビー腹巻きなどを百貨店の催事などで販売しています。何を作っているのか、どこで販売しているのかよく分からない従業員に対して、やりがいにもつながると思っています。小杉さんにはメディアにどう出したり進めていけばよいかなどを相談しています。

また、奈良県で自分たちがやっていることを発信するオープンファクトリーが3月にスタートします。繊維に限らず酒、鉄鋼、金属企業を含めた約20数社を見学できるものです。それにより、今の環境でよいのかを含めてのやりがい、意義、意味合いを見出してくれて、社員の意識が変わってくれればと期待しています。

川東:小杉さんのようなコンサルティングを担ってくれる人がいなければ、実際に表参道などを歩いてフィールドワークする以外に調べる手段はなかったと思います。東京に長く住んでいないともらえないような意見を聞くことができています。

WWD:小杉氏は普段、彼らとどのような頻度、内容でコンサルティングをしているのか?

小杉:昨年12月8日に開設し、これまで2、3回お会いしています。主にブランディングやSNSまわりの相談とで、新商品開発などはこれからの流れでサポートしていきたいと考えています。ブランディングは各社さまざまで、ファクトリーブランドの利点を生かした形で、特にデイリーウエアとしてブランドを確立させるために、どのような販路や広告活動を行えばいいのか、ディスカッションを重ねています。OEM企業特有のものは作れるが、自社のオリジナリティーを求められた時に、何が強みであるかを見極めることが難しいところもあります。

WWD:小杉氏は、それぞれのビジネスをどう見ているのか?

小杉:川東さんは昔からある古き良き商品をリファインしてアプローチし、新しいライフスタイルの領域に持っていこうとしているところが面白いですね。決して新しいモノ、マーケットではないですが、コロナもあり、周りも変わっていくタイミング。歴史やバックグランドもありながら、新たな領域に入っていくのが面白い。Z世代ならではの新しい視点で見みられていると思います。

髙井さんは、“最高の普段着”を目指しているのが今の時代の流れに合っています。そしてワンマイルウエアよりもクオリティーが高い。髙井さんはあえて自らが職人になる道を選ばず、経営者として“企業ブランディング”に注力しており、これまでの経営スタイルとは異なります。これまで紹介してきた3社はコンサルティングをする中でも特殊で目立っていました。このような経営スタイルや組織の在り方をITやテックベンチャーがトライすることはあっても、OEM企業がやるというのが画期的的だと思います。背負う歴史や慣習があるからこそ、実はゼロからスタートするより大変なんです。彼らたちが新しい商品、働き方をデザインし、アパレル業界を引っ張っていってほしいと思っています。

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「ジョルジオ アルマーニ」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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「エミ」と「プーマ」が初のコラボウエア発売 シルエットにこだわったワンピースなど

 マッシュスタイルラボが展開するウィメンズブランド「エミ (EMMI)」は1月27日、「プーマ(PUMA)」との初のコラボレーションウエアを全国の店舗と公式ECサイトで発売した。

 同コレクションは「プーマ」の現代女性に合わせたモダンなストリートウエアを提案する新ライン“インフューズ”をベースに、「エミ」のクリアで女性らしいデザインを落とし込んだ。アイテムはリサイクル素材を使用したワンピース(9000円)、スカート(1万2000円)、Tシャツ(5500円)で、ミニマルなデザインとシルエットにこだわった。ワンピースとTシャツには「エミ」のメッセージをさりげなく施した。

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「ヴァレンティノ」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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保育士から憧れのブランドの販売員へ 努力を重ね27歳で店長に スナイデル半田あかり

 「スナイデル(SNIDEL)」は女心をくすぐるデザインだけでなく、店頭での秀逸なスタイリング提案なども後押しし、2005年にスタートして以降、20代の女性を中心に常に人気ブランドのトップを走り続けてきた。特に旗艦店の新宿ルミネ2店は、19年8月のリニューアルの際に初日売上高1875万円をたたき出して話題となった。横浜ルミネ店の半田あかり店長は、その旗艦店で働くことを目標に、保育士から転職して「スナイデル」で働き始めた。今では「スナイデルの顔と言えば半田さん」というほど、社内からも、またお客さまからも信頼されている存在になった。半田さんに目標やスタッフ育成について話を聞いた。

―これまでも保育士から転職した販売員を何人が取材してきたことはありますが、半田さんはなぜショップスタッフになろうと?

半田あかりさん(以下、半田):高校時代から「スナイデル」が好きだったのですが、保育士をしている母も姿を見て、学生時代には保育士の道に進むか、アパレルに進もうかと決めきれず、大学では午前中に保育の勉強をして、午後はアパレルでアルバイトをしていました。卒業するときに保育士も素敵な仕事だし、一度は現場で働いてみようという思いがあったので、保育士として働きました。でも、10代の頃から憧れの「スナイデル」で働きたいという思いも捨てきれず、当時顧客として通っていた名古屋店のスタッフの方に相談をして、転職を決断しました。

―「スナイデル」のどんなところが好きですか?

半田:女の子らしさもありつつ、着やすいという意味でのカジュアルさもあって、さらにミニやレースなど女性が心惹かれる要素が全部詰まっているところです。高校時代に勇気を出して買った1着を身につけた時、祖母に「この服が一番あかりに似合うよ」と褒めてもらえたことがきっかけになって、「スナイデル」がより好きになりました。そう言われて「私って、こういう服が似合うんだ」と自信がつきましたね。

―身内から「似合う」と褒められると、お世辞抜きでいってもらえた感じがして嬉しいですよね。実際に販売の仕事をしてみてどうでしたか?

半田:そうですね。保育士とは違うベクトルで体力もいるし、精神力も必要な仕事だと思いました。でもそれ以上に、私自身がその仕事に進むと決めたからには120%で取り組もうとするタイプでして、まずは「一番店に入りたい」という目標を掲げ、入社してからは全力投球で働いてきました。

―一番店というのは?

半田:新宿ルミネ2店です。実は入社前の面接で新宿ルミネ2店に配属希望を伝えていたんですが、その時は叶わなかったのです。そこで最初の配属先の渋谷マルイ本館店で店長に何をしたら、一番店に配属されるのかを聞き、そこでアドバイスをいただき、それに沿って目標に向かっていました。

―結局、一番店で働くことはできたのですか?

半田:できました!入社して半年後に異動となりました。当時の新宿ルミネ2店には約20人のスタッフが在籍しており、私は10番目よりもちょっと下でした。次に掲げた夢は「プレスになること」でしたが、お店での業務に励むうちに「現場のことをもっと知りたい」という想いが芽生え、途中からは「27歳で店長になる!」という目標に切り替えたのです。

―ほう!結果は?

半田:達成できました!19年に横浜ルミネ店の店長になりました。もう少しで28歳になるところでした。

―すごい!私自身は目標を立てて行動することが苦手です(苦笑)。でも、そういう方はけっこう多いと思います。目標の立て方と達成するためのコツを教えてください。

半田:ありがとうございます。私の場合は、自分のなりたい理想像がステージが変わると出てくるので、その理想像と今の私に足りないものは何かを考え、それを補うために何をすべきか考えています。そうすると色んな目標が出てくるんです。最初に配属された店舗では、とにかく個人売り上げで常に上位に入ることを意識しました。まずは数字で評価を得て、さらに信頼関係を築くことも大切にしていました。信頼されるスタッフになれるよう、できることをコツコツと積み上げました。店長になると決めたときも同じで、10番手からコツコツと上に上がることを意識して、個人売り上げやカード獲得など、数字で見える結果を出し続けつつ、スタッフからもお客さまからも信頼してもらえる関係性を作ってきました。それと店長を目指すと決めてからはマネジメントの勉強もしました。特に店長になったら自分のことだけを考えるのではなく、スタッフたち、上司や本部のことも考えていく必要があるので、コミュニケーションを重視するようにもなりました。

―その考え方はどうやって身につけてきたのでしょうか?

半田:よく周囲から「意外」と言われるのですが小学生の頃は少年野球、中高ではバレーボール部に所属し、キャプテンをしていたのです。少年野球の時はチームに女子は私一人で、レギュラー取れないと悔しくて頑張りましたね。

―いや、それは意外でした。

半田:そうなんです(笑)。例えば野球はチームプレーじゃないですか、チームメートの中から選ばれた9人が試合に出ますが、中にはベンチだけの子、ベンチにも入れない子がいます。そんな中で甘えた気分でやっている姿を見せると、父親から「試合にも出られない子たちのことを考えてみろ」と叱られました。バレーボール部の時も、体育館に入るときに履き替えた靴が揃えられないと「体育館に入る資格はない!」と怒られました。勉強に関しては全く厳しくなかったのですが、礼儀に関しては厳しかったですね。今でも、スナップで結果を出せるスタッフもいれば、頑張っても上手くいかない子もいて、そのスタッフに優先的に写真を撮らせる時間を設けたりとか、色んな方法でバックアップするよう考えています。

―例えば、中々目標が持てないスタッフにはどういうアドバイスをしますか?

半田:これまで多くのスタッフと接していると、物事に対して燃えるタイプもいればそうじゃないタイプがいるなど、人それぞれで全くタイプが違うと理解すべきだな、と感じています。だからまずは自分が仕事を楽しんでいる姿や、たとえ大変な業務でもやりがいを感じている姿を見せることが重要だと思っています。本当に年々指導の仕方も変わってきていて、一昔前なら教えられたことは一回で覚えて、何度も聞き返すと怒られるということもありましたが、今ではそれで辞めてしまう子もいます。私の場合はそのような上下関係の指導というよりは、スタッフ一人ひとりが目立てること、輝けることを考えるようにしています。その子が得意とすることを見出して、自信がつくように導くことが一番大切なのだと感じています。

―自己肯定感を上げていくことですね。その子の得意とすることを見つけるのは大変だと思うのですが、どうしているんでしょうか?

半田:私の場合はコミュニケーションを取ることです。常にミーティングすることですね。ミーティングといっても、レジカウンターの中で軽く話すときもあれば、カフェなどに場所を移してじっくり話すときもありますし、内容によって変えています。例えば新しい仕事を任せたときなどは必ず振り返りをしています。月に一回は必ずスタッフ一人ひとりと必ず向き合ってミーティングしています。

―そういうのは、保育の勉強や保育士としての経験も生かされているのでしょうか?

半田:そうですね、かなり生かされていると思います。2年間の保育士経験がなかったら、この年齢でこの位置にいないかもしれません。大学卒業したての20代前半の保育士である自分を、どうしたら保護者の方から信頼してもらえるのか、色んな事を考えて実行していました。

―どんなことをされていたんですか?

半田:特に気を付けたことは、子供のことをでくるだけ細かく伝えることです。担任している子供はもちろん、兄弟がいれば連絡帳には兄弟たちとの様子も書くようにしていました。2年間しか在籍していませんでしたが、今でも当時の保護者の方が「オンラインストアを見たらあかり先生がいた」と連絡をくれます。そういうのを通じで、子どもたちにも先生が頑張っていることが伝わると嬉しいです。それに見てくれている方がいると思うと、簡単にはこの仕事、辞められません。

―これまで「一番店で働く」「店長になる」と2つの目標を達成してきました。今後の目標は?

半田:「店長になる」という目標を達成して約1年間が過ぎ、最近はオンラインストアに掲載する着用画像の撮影などにも呼んでいただけるようになったり、スナイデル ホームにも携わらせてもらえるようになったり、仕事の幅も広がってきました。いずれは「スナイデル」というブランドを引っ張っていけるような、ブランドの顔になれるような人物になりたいと思っています。最近は、自分の成果や取り組みをプレゼンする機会をいただけているので、今後も積極的に発表していきたいと思います。

苫米地香織:服が作れて、グラフィックデザインができて、写真が撮れるファッションビジネスライター。高校でインテリア、専門学校で服飾を学び、販売員として働き始める。その後、アパレル企画会社へ転職し、商品企画、デザイン、マーケティング、業界誌への執筆などに携わる。自他ともに認める“日本で一番アパレル販売員を取材しているライター”

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「AZファクトリー」2021年春夏オートクチュール・コレクション

 「AZファクトリー(AZ FACTORY)」が2021年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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エイガールズから極上インナーウエア「マル」誕生

 和歌山を拠点にニットを生産するテキスタイルメーカーのエイガールズ(A-GIRL’S)はシームレスインナーウエアブランド「マル(MALU)」を始動し、1月30日から自社ECサイトGRISALで販売する。コンセプトは「最上級の原料だけを使い、丁寧に時間をかけて編み上げる継ぎ目のないシームレスなインナーニット」。第一弾はカシミア100%のインナーニット6型をそろえ、価格帯は1万1000~1万8000円。今後シルクやコットン(海島綿)で展開していく。

 「マル」はブランド名の由来にもなっている、小寸のビンテージ丸胴機械を用い、原料そのままの良さを生かす編技法で、糸への負荷をできる限り抑え、手編みのような膨らみと柔らかさを実現。また、1本の糸から編み上げるため、製品工程での生地のロスが少ない。カシミアは、ラグジュアリーブランド御用達の名門カリアッジ社(Cariaggi Lanificio spa)から調達。内モンゴルのアラシャン地方に生息するカシミア山羊の原毛を用い、「マル」のために紡績段階から開発している。カリアッジ社は、創業当初から原料から糸ができるまで全てトレースできるモノ作りを推進。環境に配慮したモノ作りでも知られるメーカーだ。デザインはあらゆる洋服の邪魔にならない気の利いたカッティングがポイント。 

 エイガールズは「ザ ロウ(THE ROW)」や「ジェームス パース(JAMES PERSE)」などのOEM(相手先のブランドの生産)も手掛ける。実は、長年「マル」の手法で国内外のブランドのOEMを行ってきたが、今回のようなカシミアやシルクなどを用いると高額になり製品化が難しかったという背景がある。山下装子・取締役副社長は「私たちが本当にいいと思う商品が世の中に出ていかないことがとても悲しかった。『マル』を通じて、“世の中になかった”商品を提案していきたい」という。

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「ザ・ノース・フェイス」が新ランニングシューズを発表 ソール構造にこだわり

 「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は最新のソールを使用したトレイルランニングシューズ“フライト ベクティブ(FLIGHT VECTIV)”を1月26日に発売した。

 体への負担を軽減しエネルギーを効率の良い走りに変えること、足のトラブルへの配慮、さまざまな天候への対応をポイントに開発したソールだ。蹴り出しの推進力を高める構造、横ブレを抑え安定感を与える“3Dカーボンプレート”、グリップ力を発揮する生分解性素材ベースのラバーを使用している。

 長距離のトレイルランを考慮したテクノロジーで、より速さを追求したランナーに向けたアイテムだという。

 メンズ、ウィメンズ共に値段は2万8050円(税込)で、ホワイト×ブラックの1色展開。一部店舗と公式オンラインストアで販売し、全国の直営店舗と取扱店でも順次販売する予定だ。

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「イトリン」から初の美白スキンケア発売

 ACROは3月3日、プレミアムオーガニックスキンケア「イトリン(ITRIM)」から初の美白スキンケアライン“ルリホワイト”(全6品、1万〜2万4000円)を全国11の百貨店や公式ECサイトなどで発売する。

 同ブランドは2018年に誕生。既存の“エレメンタリー”は土台を作り上げるベーシックなエイジングラインを扱う。20年には悩み対策としてたるみ・シワに着目した“クレセント”ラインを発売。今回は悩み対策の第2弾となり、くすみ・シミにフォーカスした。「美白、ホワイトニグ=白ではなく、大人の肌は段々濁ってくる、この濁り・よどみを清らかにするのが“ルリホワイト”となる」とPR担当者。

 同社は大人のくすみ・シミが紫外線やブルーライト、PM2.5、ウイルスなど外的内的因子が複合的にからまってできていることに着目した。これら多角的な要因にアプローチするため、ジャーマンカモミール油とコウジ酸を主成分に配合。さらに、共通成分としてヘチマ水とメリッサ葉エキス、ローズマリー葉水を組み合わせた独自のグリーンサイエンスフォーミュラも加え、透明度の高い潤いに満ちた肌に導く。

 製品のラインアップは、化粧水と乳液、クリーム、美容液、ボディー乳液の6品。共通成分のほか、化粧水にはポンカンエキス、乳液にはシソエキスなど肌の生理機能・構造に合わせてアイテム別に国産の成分を配合する。いずれも天然由来成分98%以上となる。スキンケアステップは化粧水、乳液、クリーム美容液を提唱する。「セラムが最後の仕上げとして使用する理由は、肌(ホメオタシス)を整えてからつけることで、より深く適確に作用するため」という。ボディー乳液は二の腕や脇の下、おしり、Vラインなど体のくすみやシミが気になる箇所に対応する。

 同ブランドの20年度売上高は前年比約30%増、中国を中心とした越境ECを含むと150%増と大幅に伸長した。「お客さまがクリーンビューティーやサステナビリティーに関心が高くなり、それに対応したブランドであること、閉塞的な気持ちになりがちな時期に製品の芳香が心的にも寄り添えていることが好調の一因」と宮崎稔章社長は分析する。人気製品はフェイシャルゴマージュのほか、マスクをしていても心地よいという点からフェイスケアパウダーやEEクリームなど。「今年も『イトリン』に注力する」と意気込む。

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ネット通販のアパレルは3割も 「返品が当たり前」のアメリカ 鈴木敏仁USリポート

 アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。米国と日本の消費文化の違いはたくさんあるが、代表的なものが返品に対する考え方だろう。デジタル化で変化する米国の返品事情を報告する。

 小売業界団体のNRF(全米小売業連盟)によると2020年の年末商戦の売り上げは、前年の同じ時期に比べて8.3%増と予想を超えて大きな伸びに終わったという。過去5年間の平均値は3.5%増、19年末は4%増だった。NRFの予想では3.6~5.2%増だったので、例年と予想を大きく上回った。パンデミックが始まって以来、大手小売企業は異常ともいえる増収増益を続けており、歳末もその延長で終わったことになる。

膨大な返品が頭痛のタネ

 失業率が急増し消費は冷え込むかと思いきや逆に振れているわけだが、原因はいくつかある。

 1つ目は規制がかかった外食やレジャーといった分野の支出がモノに流れたこと。2つ目は中小のローカル小売店は壊滅的となったが、チェーンストアはデジタルシフトなど息を継ぐために必要な資金力があり営業を継続できたこと。3つ目は株高に代表される資産バブルが起きて給料は減ったが金融資産は増えたという人が増えて財布の紐が緩んだこと。

 そしてこの8.3%という高い成長率を支えているのがネット通販だった。NRFによると、ネット通販の売り上げは24%増。別の調査機関によると32.2%増(Adobe Analytics)、45.2%増(Digital Commerce 360)。ECは調査機関によってバラツキがあり複数の数値が出てくるのだが、非常に高い成長率で終わったことは間違いない。

 アメリカでは例年の恒例行事といえるのが、年末商戦後の年明けにやってくる返品の山である。日本人には返品は失礼だという倫理観があるので大問題とはなりづらい。だが、アメリカ人には返品に対する罪悪感のようなものは皆無なので、小売企業にとって返品は大きな頭痛の種になる。

 返品政策は企業戦略や競合状況に左右される。百貨店のノードストローム(NORDSTROM)が無条件返品を謳っているのは有名だが、これは顧客に対する高いサービスの一貫である。一方を競合が激しいと返品政策が緩くなる傾向がある。ウォルマート(WALMART)が急成長している時期にノードスロームと同じ無条件返品としていたことがあるが、これは競合企業に対抗するためである。

 NRFによると20年の返品総額は全体の10.6%にあたる4280億ドルと試算されている。この10%前後という数値はおおよそ業界の標準数値と思って良いのだが、記事にあるようにオートパーツの19.4%、アパレル12.2%、そしてハウスウエアの11.5%と商材の特性によってバラツキがある。

年末商戦だけで7兆円超の返品

 これがネット通販(EC)になるとまた様相が異なってくる。昨年は大きなECシフトが起きたため売り上げが爆増しているのだが、ECの返品率はリアルのおよそ2倍の20%前後が業界標準なので、年末商戦後の返品ボリュームはさらに急増していると推定できる。さらにギフトが中心となる歳末は普段よりも返品率が高くなるので(およそ30%前後と言われる)、おそらく莫大な商品が返品フローへと逆流していることだろう。

 20年末の年末商戦返品額が700億ドルを超えると予測する調査会社があり、これは日本円にすると7兆円超という巨額な数字である。

 そしてこれもまたカテゴリーによって異なるのだが、EC市場における返品率は、アパレルが29%、家電16%、ホーム関連商品11%などで、アパレルがダントツで返品率が高い。届いた商品を試着して合わないから返品するという“買い方”に起因する理由だけではなくて、アマゾン(AMAZON)のプライムワードローブのように複数の商品を送り不必要なものを返品してもらうという“売り方”に起因する理由もあり、返品が増える要素が他のカテゴリーに比して多いのである。

 またECでは売りづらかった靴というカテゴリーで無料返品をうたい文句にして急成長したのがザッポス(ZAPPOS)で、この企業がパイオニアとなって業界標準を作ってしまったと考えている。消費者はもはや無料返品ポリシーを持っていないEC企業では買わなくなってしまっているのである。

鈴木敏仁(すずき・としひと):東京都北区生まれ、早大法学部卒、西武百貨店を経て渡米、在米年数は30年以上。業界メディアへの執筆、流通企業やメーカーによる米国視察の企画、セミナー講演が主要業務。年間のべ店舗訪問数は600店舗超、製配販にわたる幅広い業界知識と現場の事実に基づいた分析による情報提供がモットー

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“鬼才”スパイスW下遠野社長、成功する店は「金閣寺」と同じ。「分かりやすさと映えること」

 内装業からスタートし、飲食店、店舗企画・リーシング、商業施設運営など幅広い事業を手がけるスパイスワークスホールディングス(本社:東京都台東区)の下遠野 亘社長。経営する飲食店も100店規模となったが、いまも次々と新しいことにチャレンジしている。その一つが鹿児島産のカンパチを手数料ゼロで居酒屋に提供する仕組み。次世代の店つくりのキーワードを聞くと「外に出る勢いだ」という。それって何?
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「冷めたほうが美味しい」というお洒落コロッケ。1個270円ながら、ワインのつまみに、プチギフトに人気

 2020年10月に東京・麻布十番にオープンした「ComeStai?」(コメスタイ)は、リゾットコロッケの「アランチーニ」の専門店。コロッケでありながら、「むしろ冷めた方が美味しい」を売り文句にしているのがユニークで、ギフトとしても喜ばれそうな商品に仕立てています。2020年に話題になった「から揚げ」に次ぐアイテムとして、「コロッケ」に注目する向きが出ている中、このリゾットコロッケ・アランチーニも要注目です。
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「バレンシアガ」が青山店限定アイテム発売 アーカイブを再構築

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は2021年春夏コレクションの発売に合わせ1月29日に、昨年拡張リニューアルオープンした東京・南青山の旗艦店限定アイテム5型を発売する。

 アイテムはアーカイブを繋ぎ合わせて生まれたTシャツ(7万円)、ロングスリーブTシャツ(8万円)、フーディー(13万円)が登場する。ロングスリーブTシャツはブラックのみで、そのほかはブラックとマルチカラーで展開する。アイテムに施した“BALENCIAGA”のロゴはそれぞれの文字をキーボード記号やエッフェル塔、インターロッキング B、過去のポリティカルキャンペーンのリファレンスやEst.1917のロゴなど、さまざまなシーズンを想起させる要素を組み合わせて表現した。

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