三越伊勢丹HDがVRアプリ 仮想の伊勢丹新宿本店で買い物やエリア散策も

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)はこのほど、VR(仮想現実)を活用したバーチャル空間でのショッピングなどが楽しめるスマホ向けアプリ「レヴ ワールズ(REV WORLDS)」をスタートした。

 アプリは博報堂グループの映像制作会社・クラフター(東京・古田彰一社長)とCGworks(東京・金澤勇輝社長)との協業で制作した。アプリ上では、伊勢丹新宿本店の仮想店舗(以下、バーチャル伊勢丹)を中心とした新宿東口エリアの一部を再現。ユーザーは自作のアバターを操作し、バーチャル伊勢丹での買い物やエリア内の散策を楽しめる。

 バーチャル伊勢丹は24時間アクセス可能。現実の店舗で行われている催事をバーチャル上でも再現する。現在、36のコスメブランドが一堂に会する「イセタン メイクアップ パーティ」(〜3月30日)やバイヤー選りすぐりのワインをそろえた「世界を旅するワイン展」(〜3月26日)が仮想上でも開催されており、3月下旬からは洋菓子コーナーや本館3階の婦人服の自主編集売り場「リ・スタイル」が登場する。アプリから「三越伊勢丹オンラインストア」にジャンプし、実際の商品を購入することができる。仮想店内には販売員のアバターも配置され、彼らから商品やイベントの情報を得られるほか、3月中には、チャット機能を使っての接客も実装される予定だ。

 同社は2020年4月29日〜5月10日にかけて開催された世界最大級のバーチャルリアリティ(VR)上の展示即売イベント「第4回 バーチャルマーケット(以下、VM)」内の仮想都市「パラリアルトーキョー」にバーチャル伊勢丹をトライアル出店。バーチャル伊勢丹では同社の婦人靴のPB「エヌティー(NT)」やメンズブランド「ミノトール(MINOTAUR)」がデザインした、アバターの着せ替えアイテムなどを販売。同社EC「三越伊勢丹オンラインストア」に誘導して、実在の商品も販売した。想定の20倍を超える“来店客”でにぎわうなど一定の成果を得て、今回の事業化に至った。

 「レヴ ワールズ」は同社が推し進める、リアル店舗と変わらぬ買い物体験をオンライン上でも提供するOMO戦略の一環。アプリを通じ、デジタル上での客との接点拡大とコミュニケーション強化を図る一方、「目指す方向性はECとは真逆だ」と事業の仕掛け人である仲田朝彦三越伊勢丹HDチーフオフィサー室関連事業推進部担当。「自宅で単に商品をカートに入れて買うオンラインショッピングとは違うものにしたい。バーチャル伊勢丹では、販売員のアバターによる接客などを通じて、これまで百貨店が強みとしてきたリアル店舗でのアナログコミュニケーションをバーチャル上でも再現していきたい」。

 将来的には、アプリへの海外客の呼び込みや、観光業など他業種の参入を視野にいれる。「レヴ ワールズ」のソーシャルなプラットフォームとしての発展とともに、アバター衣装の販売や、実際の衣料品のCADデータを使ったバーチャル上でのテストマーケティング、バーチャルファッションショーなどさまざまな構想を思い描いている。

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オンワードと「アンリアレイジ」森永邦彦の雑貨ブランドがスタート

 オンワード樫山は「アンリアレイジ(ANREALAGE)」の森永邦彦デザイナーと協業の新ブランド「アンエバー(ANEVER)」を3月17日に立ち上げた。オンワードグループ公式ECサイト、「アンリアレイジ」渋谷パルコ店と公式ECで取り扱う。

 バッグ、アクセサリーなど雑貨が主軸のブランドで、「アンリアレイジ」の2021年春夏パリコレクションにも登場した。ドライフラワーを樹脂に閉じ込めたパーツを使用したアイテムが特徴。「花の命の瞬間を永遠に変える」ことでブランド名の由来、“A NEVER(一瞬)”と“AN EVER(永遠)”を表現している。

 ファーストシーズンはバッグ8型とアクセサリー13型を用意した。価格帯はバッグが5940~16万5400円、アクセサリーが2200~7700円。5月からはTシャツも販売する予定だ。

 公開したビジュアルとコンセプト動画には平手友梨奈が出演。音楽は山口一郎(サカナクション、NF)と青山翔太郎(NF)、演出は吉田ユニが担当した。

 同ブランドの立ち上げで、オンワード樫山は雑貨カテゴリーとD2Cビジネスの強化と拡大を狙っている。

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「サカイ」が「アー・ペー・セー」の協業プロジェクトに参加 定番デニムを解体したジャケットや“SA.P.C.AI.”ロゴのスエット

 「アー・ペー・セー(A.P.C.)」は、アーティストやブランドとの協業プロジェクト“アー・ペー・セー インタラクション(A.P.C. INTERACTION)”の第9弾として、「サカイ(SACAI)」とのコラボレーションアイテムを3月19日に発売する。両ブランドの直営店や公式オンラインストアで扱う。 

 アイテムは、「アー・ペー・セー」の定番のデニムジャケットやジーンズに、「サカイ」の異素材を組み合わせるテクニックを融合。さらに「サカイ」が多用するサイドジップが付くのも特徴だ。MA-1やプリーツスカートを掛け合わせたデニムジャケット(2色、各8万円)やデニムスカート(2色、各4万8000円)、デニムパンツ(2色、各4万8000円)のほか、両ブランドのロゴを掛け合わせた“SA.P.C.AI.”の文字を大胆に配したスエット(2色、各3万3000円)やパーカ(2色、各3万9000円)、Tシャツ(2色、各2万5000円)、トートバッグ(大2万7000円、小2万3000円)などをそろえる。サイズはXXSからXLまで用意し、ユニセックスアイテムがほとんどだ。キービジュアルはフォトグラファーのティム・エルカイム(Tim Elkaim)が撮影し、スタイリストのスザンヌ・コラー(Suzanne Koller)がアートディレクションを手掛けた。

 “アー・ペー・セー インタラクション”はこれまで、ラッパーのキッド・カディ(Kid Cudi)や女優のカトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)のほか、ストリートブランド「ブレインデッド(BRAIN DEAD)」、クリエイターのジャスティン・サンダース(Justin Saunders)が手掛けるレーベル「ジョウンド(JJJJOUND)」、「カーハートWIP(CARHARTT WIP)」などとコラボレーションしてきた。

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「ルイ・ヴィトン」の歴史的コラボが集結する展覧会 川久保玲から「シュプリーム」まで

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、過去のコラボレーションを振り返る展覧会“ルイ・ヴィトン &”を3月19日〜5月16日に東京・原宿のジング(JING)で開催する。入場には事前予約が必要で、同ブランドの公式サイトで受け付けている。

 会場内は10の展示スペースで構成。あらゆる分野のアーティストやデザイナー、ブランドとの協業の経緯や作品が見られる。日本人アーティストの池田亮司によるインスタレーション“クリティカルポイント”のスペースの先には、ルーツであるトランクをはじめ、バッグやスカーフ、プレタポルテ、アート作品が並び、フロアごとに趣ががらりと変わる空間演出も特徴だ。

空間丸ごと川久保玲コラボ

 「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」の川久保玲デザイナーとコラボレーションした“バッグ ウィズ ホールズ(BAG WITH HOLES)”を展示するスペースは、空間全体を巨大な“バッグ ウィズ ホールズ”のように演出し、同展のために川久保デザイナーと制作した特別な作品を展示している。ほかにもアーティストの村上隆や草間彌生、デザイナーの山本寛斎やNIGO®ら日本人との協業作品を展示するスペースも設けている。

 さらに2008年のリチャード・プリンス(Richard Prince)とコラボレーションしたナースシリーズや、15-16年秋冬メンズ・コレクションのクリストファー・ネメス(CHRISTOPHER NEMETH)、17-18年秋冬メンズの「シュプリーム(SUPUREME)」とのタッグが一堂に会するスペースも迫力満点だ。1階最後の展示スペースに設置した巨大なデジタルスクリーン“デジタリー・イン・モーション”は、前に立つ人の動きに合わせてグラフィックが変化するユニークな仕掛けが盛り込まれている。一般来場者は入場できない2階には、家具やホームグッズを展示する。

限定品も並ぶギフト店

 1階には建築家の菅原大輔がデザインしたギフトショップを併設。鮮やかなカラーリングのポップな空間に、アクセサリーやギフト、フレグランス、旅をテーマにした書籍などが並ぶ。同展限定のカードケース(3万1000円)と、マスコット“ヴィヴィエンヌ”の友人となる新キャラクター“ペチュラ”のミニサイズ(11万5000円)を50個限定で販売する。

■LOUIS VUITTON &
開催期間:3月19日〜5月16日
営業時間:10:00〜20:00(最終入場は19:30)
住所:東京都渋谷区神宮前6–35-6 JING
定休日:無休
※入場には事前予約が必要

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“一家に一つある”「マキロン」から初めてニキビ治療薬が登場 日本初の処方

 第一三共ヘルスケアの殺菌消毒薬「マキロン」から初のニキビ治療薬ライン「マキロン® アクネージュ®」が3月12日、誕生した。同社は「マキロンs」の主成分であるベンゼトニウム塩化物を、日本で初めてOTCニキビ治療薬に殺菌成分として配合。フェイスラインやデコルテなどのニキビにアプローチできるローションと、あごや口元などのニキビにピンポイントで使えるクリームをそろえる。メインターゲットは繰り返しできる大人ニキビに悩む20〜30代だ。

 「マキロン」は1971年の発売以来50年に渡り、液体キズ薬の圧倒的シェア(国内)を獲得する。“一家に一つある”と言えるほど消毒液として馴染みのある国民的ブランドがニキビ治療薬を開発に着手したのは、「マキロンs」が一部の消費者の間でニキビ跡や傷に使われていたことにある。「SNSの口コミでニキビケアとして使用しているという声があったり、ニキビケアの特集で雑誌から取り寄せの問い合わせを多くいただいていたりした。ただあくまでもキズ薬なので、(当社からは)ニキビへのアプローチはできなかった」と河村典利・マーケティング部 BM第一グループ ブランドマネジャー。さらに市場調査をすると、4人に1人がニキビケアのためにOTCニキビ治療薬を使用しているにも関わらず、OTCニキビ治療薬に対する満足度は31.8%と低く、十分に満足できていない人は68.2%と大半を占めていたことが分かった※。「ニキビ治療薬はさまざまなハードルや規制で新しい成分が用いられることが少なく、従来のOTCニキビ治療薬に満足していない人が多かった。しかしライフスタイルの変化などで繰り返される頑固な大人ニキビに悩む人は多くいるのも事実。そこで『マキロン』の主要成分であるベンゼトニウム塩化物をニキビ治療薬に活用できると考えた」ことから約5年前に、「マキロン® アクネージュ®」の開発が始まったという。

 実際に研究を始めると、ベンゼトニウム塩化物がニキビを誘発するアクネ菌に対する殺菌効果が高いことが分かった。さらに生活習慣や環境要因が複合的に働き発生する大人ニキビは何度も繰り返しできることが多く、治りが遅いという特徴も考慮。「大人ニキビはストレスや食生活などさまざまな要因がある。さらに昨今は新型コロナウイルスの影響でマスク生活も欠かせなくなり、頑固な肌荒れに悩む人も増えている。ストレスを完全になくすことはできなくとも、早い段階で負のスパイラルを打ち止めることが大切」と田中美希・研究開発部 開発第一グループ。そのことから、ベンゼトニウム塩化物に加え、炎症を抑える成分(ローションはアラントイン、クリームはイブプロフェンピコノール)や角質を軟化して毛穴の詰まりを改善すサリチル酸(ローション)、血行を促進して肌のターンオーバーを促すトコフェロール酢酸エステル(クリーム)を配合。ローションとクリームで異なる処方を用いることにより、タイプや発生部位が異なるニキビに幅広くアプローチする。「スキンケアも手掛ける会社として、毎日ストレスなく使える使用感にもこだわった」という。

 初年度の売り上げは約5億円を目指す。2019年度のOTCニキビ治療薬の市場規模は約53億円で、そのおよそ1割となる。「まずはローションとクリームの2種を発売し、その後ほかのアイテムの投入も検討する」と河村ブランドマネジャー。なお、同社はほかにもボディーケアの「ミノン」や「トランシーノ」などを展開。ボディーケアの「ミノン」とスキンケアの「ミノン アミノモイスト」を合わせて100億円規模、「トランシーノ」は内服薬とスキンケア合わせて60億円規模の事業だ。

※第一三共ヘルスケア調べ

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皮革産業活性化プロジェクト「創悦」が神楽坂で展示会とショー

 日本皮革デザイン促進委員会による皮革産業活性化プロジェクト「創悦」は3月12日、神楽坂のフレンチレストラン「ラリアンス(L’ALLIANCE)」でインスタレーションショーと展示会を開催した。

 このプロジェクトは2015年に発足したが、皮革に関する日本の伝統技術と美的感覚を世界へアピールすべくパリやフィレンツェ、上海、バンコクなどでもPR活動を行っている。このプロジェクトを主に担当しているのがハンドバッグメーカーのクイーポだ。使われている素材は植物性タンニンでなめされた牛革や豚革が主だ。モチーフには葛飾北斎や円山応挙の絵などが使われている。アイテムはバッグやウエアの他に、羽子板やオセロ、将棋などのボードゲームをオールレザーで作ったシリーズも登場している。価格は、長財布2万円、コインケース6500円、トートバッグ4万2000円、革バッジ付きTシャツ5800円など。

 実際に販売もされているが、従来のクイーポ(KUIPO)の公式サイトに加えて、卸売りも新規に行う。また法人向けオンライン展示会システム「ジョア(JOOR)」を活用して、国内外の店舗への販売も始めた。すでにキプロスのセレクトショップから問い合わせがあったという。さらに空港のイベント他、各主力店舗でのフェア、美術館コラボなども予定しているという。現在クイーポの主力ブランドは「ゲンテン(GENTEN)」だが、これに次ぐ漢字由来ブランドの「創悦」をじっくり育てていきたいと同社。

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「ゾゾコスメ」500ブランド集め始動 新木優子がCMイメージキャラクターに就任

 ファッション通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」は3月18日、新サービス「ゾゾコスメ(ZOZOCOSME)」をスタートした。百貨店からドラッグ・バラエティーショップで展開する約500ブランドをそろえ、スキンケアやメイクアップ、ボディーケア、ヘアケア、ビューティ雑貨まで幅広いアイテムを扱う。独自に開発した肌色計測ツール「ゾゾグラス(ZOZOGLASS)」の無料配布も本日から開始する。

 同社が533万人のアクティブ会員にアンケート調査をした結果、「ファッション以外で取り扱いを希望するカテゴリーが圧倒的に化粧品だった」(伊藤正裕ZOZO取締役兼COO)ことから「ゾゾコスメ」を立ち上げた。特徴は体の3D計測の「ゾゾスーツ(ZOZOSUITS)」や足型の3D計測ツール「ゾゾマット(ZOZOMAT)」に次ぐ「ゾゾグラス」となる。カラーチップなどが搭載された眼鏡型の計測ツールをかけてアプリを起動し撮影することで、肌状態を分析。その人に最適なファンデーションを見つけ出すことができるほか、パーソナルカラーも提案する。現在はファンデーションの色提案を行うが、今後はリップやチーク、マスカラに対応。ARメイク機能にも活用していく。「インターネット上で買いにくいものをテックで解決していくのが当社の強み」と伊藤取締役兼COO。「ゾゾグラス」は50万件の予約があったという。

 取り扱いブランド(ショップ)は、「ディオール(DIOR)」や「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」「ゲランGUERLAIN)」「シスレー(SISLEY)」「セルヴォーク(CELVOKE)」「コフレドール(COFFRET D’OR)」「ワタシプラス(WATASHI+)」「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」など約500をそろえ、順次拡充する。マシュー・グラウドンELCジャパン社長は「コスメ市場にもたらされるゾゾの画期的なテクノロジーに感銘を受けた」として期待を寄せた。

 また、「ゾゾコスメ」のCMイメージキャラクターに女優の新木優子を起用した。「ファンデーション選びで苦労していたので高精度なゾゾメガネで自分に最適なファンデが見つかって嬉しい。新しい自分に出会う感覚でコスメを選んで欲しい」とコメントした。今後はTVCMやデジタルADの展開、トライアル・サンプル配布キャンペーンなどを実施し、「ゾゾコスメ」の認知拡大を図る。

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「ゾゾコスメ」500ブランド集め始動 新木優子がCMイメージキャラクターに就任

 ファッション通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」は3月18日、新サービス「ゾゾコスメ(ZOZOCOSME)」をスタートした。百貨店からドラッグ・バラエティーショップで展開する約500ブランドをそろえ、スキンケアやメイクアップ、ボディーケア、ヘアケア、ビューティ雑貨まで幅広いアイテムを扱う。独自に開発した肌色計測ツール「ゾゾグラス(ZOZOGLASS)」の無料配布も本日から開始する。

 同社が533万人のアクティブ会員にアンケート調査をした結果、「ファッション以外で取り扱いを希望するカテゴリーが圧倒的に化粧品だった」(伊藤正裕ZOZO取締役兼COO)ことから「ゾゾコスメ」を立ち上げた。特徴は体の3D計測の「ゾゾスーツ(ZOZOSUITS)」や足型の3D計測ツール「ゾゾマット(ZOZOMAT)」に次ぐ「ゾゾグラス」となる。カラーチップなどが搭載された眼鏡型の計測ツールをかけてアプリを起動し撮影することで、肌状態を分析。その人に最適なファンデーションを見つけ出すことができるほか、パーソナルカラーも提案する。現在はファンデーションの色提案を行うが、今後はリップやチーク、マスカラに対応。ARメイク機能にも活用していく。「インターネット上で買いにくいものをテックで解決していくのが当社の強み」と伊藤取締役兼COO。「ゾゾグラス」は50万件の予約があったという。

 取り扱いブランド(ショップ)は、「ディオール(DIOR)」や「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」「ゲランGUERLAIN)」「シスレー(SISLEY)」「セルヴォーク(CELVOKE)」「コフレドール(COFFRET D’OR)」「ワタシプラス(WATASHI+)」「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」など約500をそろえ、順次拡充する。マシュー・グラウドンELCジャパン社長は「コスメ市場にもたらされるゾゾの画期的なテクノロジーに感銘を受けた」として期待を寄せた。

 また、「ゾゾコスメ」のCMイメージキャラクターに女優の新木優子を起用した。「ファンデーション選びで苦労していたので高精度なゾゾメガネで自分に最適なファンデが見つかって嬉しい。新しい自分に出会う感覚でコスメを選んで欲しい」とコメントした。今後はTVCMやデジタルADの展開、トライアル・サンプル配布キャンペーンなどを実施し、「ゾゾコスメ」の認知拡大を図る。

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45秒で乾くネイルカラーが誕生 「ネイルズ インク」のスピーディネイルカラーコレクション

 イギリス発のネイルブランド「ネイルズ インク(NAILSINC)」は、ブランド史上最速の45秒で乾く“45セカンド スピーディ ネイルカラーポリッシュ”を3月19日に発売する。45秒で乾くトップコート“45 セカンド トップコート”は以前から人気を集めているが、超速乾タイプのカラーポリッシュは今回が初めて。スムーズにコントロールできるフラットワイドなオーバルブラシや一塗りで鮮やかな発色、濡れたような艶はそのままに、速乾性を追求した。

 シアーピンクやオーロラピンクパール、ソフトブラウン、ボルドーなど、ナチュラルな色みからビビッドな色みまで全15色(各2350円)がそろう。

 「ネイルズ インク」は、昨年日本上陸5周年を迎えた1999年創業のイギリス発のネイルブランド。ルミネ新宿やルミネ横浜といったファッションビルにも出店し、ネイルもファッションを表現するための一つとして発信している。今年2月末に表参道のフラッグシップストアを閉店したが、移転を予定しているという。

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45秒で乾くネイルカラーが誕生 「ネイルズ インク」のスピーディネイルカラーコレクション

 イギリス発のネイルブランド「ネイルズ インク(NAILSINC)」は、ブランド史上最速の45秒で乾く“45セカンド スピーディ ネイルカラーポリッシュ”を3月19日に発売する。45秒で乾くトップコート“45 セカンド トップコート”は以前から人気を集めているが、超速乾タイプのカラーポリッシュは今回が初めて。スムーズにコントロールできるフラットワイドなオーバルブラシや一塗りで鮮やかな発色、濡れたような艶はそのままに、速乾性を追求した。

 シアーピンクやオーロラピンクパール、ソフトブラウン、ボルドーなど、ナチュラルな色みからビビッドな色みまで全15色(各2350円)がそろう。

 「ネイルズ インク」は、昨年日本上陸5周年を迎えた1999年創業のイギリス発のネイルブランド。ルミネ新宿やルミネ横浜といったファッションビルにも出店し、ネイルもファッションを表現するための一つとして発信している。今年2月末に表参道のフラッグシップストアを閉店したが、移転を予定しているという。

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資生堂の「グレイシィ」新ミューズに菅野美穂 大人女性の“簡単&上質メイク”を提供

 資生堂はメイクアップブランド「グレイシィ(GRACY)」の新ミューズに女優の菅野美穂を起用する。3月21日に発売する「プレミアムBBクリーム」(1200円)の新広告動画を18日から公式サイトで公開し、21日からTV放映。忙しい毎日を送る40代以上の女性をターゲットに、低価格メイクアップ市場で愛用者を拡大していく。

 2007年に誕生した「グレイシィ」は、大人女性に“上質できれい”を訴求するブランドとしてドラッグストアとGMSを中心に1万8000店舗で展開。今春から「わたしは3分、ハッピーのコツ」を新タグラインに設定し、ブランド価値を刷新する。岡田依子・資生堂ジャパンメイクアップマーケティング部 ヴァイスプレジデントは、「ブランドのターゲットである40代以上のメイク市場は、より低価格化が進んでいる。充実しつつも忙しい毎日を送り、メイクアイテムにあまりお金をかけられないのが現状だ。いま“簡単&上質”の価値が求められている中、『グレイシィ』は大人女性の上質をかなえるアイテムに生まれ変わる。そして今回、短時間で“上質なきれい”が手に入り、自然に笑顔がこぼれる“ハッピー&スマイル”を体現するミューズとして菅野さんを起用した」とコメントした。

 第1弾商品として、保湿クリームや化粧下地、コンシーラー、ファンデーションなど1品7役、わずか3分でメイクが完了するBBクリーム「プレミアムBBクリーム」を3月21日に発売。同商品の発売に合わせ、菅野が登場する広告動画「プレミアムBBクリーム」編を公式サイトで公開するほか、「プレミアムパクト」編、「わたしは3分、ハッピーのコツ」編も順次公開する予定。

 ミューズに起用された菅野は、「女性はとにかく忙しいので、わずか3分で自分の気持ちを切り替えられる“明るさ重視メイク”はとても大事。『グレイシィ』でハッピー&スマイルな毎日を楽しんでほしい」とアピールした。

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金属アレルギーにも対応、高純度・高硬度のシルバージュエリー「サラース」始動

 「金属アレルギーの人の助けになるジュエリーを作りたい」――「アヤミ ジュエリー」を手掛けるジュエリーデザイナーの宗形あやみは、純度99.9%の純銀にこだわったジュエリーブランド「サラース(SARARTH)」を立ち上げ、4月30日に自社ECで発売する。これまで、シルバーの高純度と高硬度を両立するのは難しいとされていたが、その加工技術を開発して特許を取得。実は、宗形の両親はジュエリーの製造・販売を行うミスティーコレクションを営んでおり、同社が「アヤミ ジュエリー」を手掛けている。宗形は大手SPA傘下のアクセサリーブランドのデザイナーとしても活躍しているが、「サラース」立ち上げを機に、家業に専念する。

WWD:「サラース」を立ち上げたきっかけは?

宗形あやみデザイナー(以下、宗形):実は私自身金属アレルギーなんです。どうしても同じ境遇の人の助けになるジュエリーが作りたいと3年前から本格的に金属アレルギーについて調べ始めました。どうにかできるんじゃないかと。そうすると、ピュアシルバーが実は肌に優しい貴金属であることを知ると同時に、ジュエリーとしてピュアシルバーを用いるには硬さが必要であることも分かりました。一般的には銅などを混ぜて合金化することで硬さを担保しますが、それによって金属アレルギーが引き起こされる可能性があるんです。そのため、ピュアなまま硬さを保つための研究開発を兄(家業を継いだ宗形幸太郎代表)と長年一緒に取り組んでいた職人さんとともに始めました。1年に及ぶ試行錯誤の結果、独自の表面硬化処理方法を発見。ピュアシルバーを一般的な銀製品(SV925合金)やプラチナ製品(Pt950合金)と同等の表面の硬さに維持することに成功しました。

WWD:高純度・高硬度の両立は初めての技術ということでしょうか。

宗形:そうです。一般的に、金属加工ではピュアシルバーは硬くなっても自然に戻ってしまうと言われていますが、この製法で作ったピュアシルバーは元の硬さに戻りません。研究所や専門家にも相談してみたところ、口をそろえて不思議な現象だと言われ、これで私と同じ境遇の方たちの助けになるかもしれない!と、運命のように感じ、ブランドを立ち上げようと決心しました。

WWD:ブランドコンセプトを“PURE SILVER FOR SKIN, PURE LIGHT FOR ALL”とした意図は?

宗形:高純度のシルバーで肌に寄り添う光、を提案したいという思いを込めました。純銀は肌に優しい鉱物であり、地球が私たちに授けてくれたものでもあります。シルバーはこれまで山を切り崩して採掘されていたけれど、これ以上、山を崩すことのない仕組みを作りたいとも考えています。

WWD:シルバーの調達先は?

宗形:一般家庭や企業からリサイクルしたシルバーを使用しています。

WWD:これまでなかったピュアシルバーを加工するのは難しいのでは?

宗形:鋳造も磨きも一般的なSV925合金の常識が通用しないため、安定的に量産できるまでにとても時間がかかりました。ピアスポストを取り付けるには溶接材(ろう材)が必要ですが、これを使用すると製品の純度が落ちてしまいます。そのため、ピアスポストは宝石の石留めをする技術を流用しています。とても手間がかかりますが、こだわりの一つです。チェーンは、まだ一種類しか作れていないので、デザインの幅を広げるためにも今後の課題です。

WWD:これまでに扱ったことがない素材となれば、生産体制を整えることも大変そうですね。

宗形:はい。一般的な銀合金(SV92など)に使用される銅は、そばでいうところのつなぎ粉のような役目を持っています。ピュアシルバーのみの製造は十割そばのように素材に滑らかさを持たせることができません。そのため、一つの製品を作る際に最低4つは鋳造してその中で最も質が良いものだけを使用しています。これはうれしい誤算でしたが、余った製品はそのまま別の製品に再利用できます。これもピュアシルバーだからこそできることです。

WWD:デザインへのこだわりは?

宗形:ピュアな鏡面を生かすほかにないデザインを目指しました。「サラース」は全てを映し出すピュアな鏡のように見るままの世界を映し出します。自然の光が映し出されて輝く、というコンセプトを表現したいとも考えました。自然の荒々しさのような強さ感じられるフォルムラインと地球を優しさで包み込むような花などの植物の生命の宿りから着想を得た丸みを帯びたフォルムライン。この2つの思いを込めてデザインしています。

WWD:鏡面のような輝きはどのように出すのですか?

宗形:鋳造と同じぐらいに磨くことも難しい素材です。純銀を鏡面加工することは熟練の職人のみが可能にしてくれます。

WWD:この輝きはキープできるのですか?

宗形:家庭用の中性洗剤で洗ってもらえれば、輝きは戻ります。硬度が高いとはいえ、シルバーなので傷付きやすく、傷も味として楽しんでもらえればうれしいです。

WWD:パッケージにもこだわったとか?

宗形:プラスチックは不使用、包装紙やパッケージ類は環境への負荷に配慮し全て自然由来の環境対応紙を使用しています。紙素材パッケージでどのような表現ができるのかと考え、紙に精通した京都西陣の「かみ添」店主、嘉戸浩(かど・こう)氏にピュアシルバーをイメージした唐紙の作品を依頼しました。穏やかな質感や光を受けて輝く雲母(きら)の美しさを手に取ったときに感じてもらいたいです。

WWD:不要になったジュエリーを引き取る還元プログラムもあるとか?

宗形:金属アレルギーで付けられないなど不要になったジュエリーを送っていただければ、ポイントとして還元します。回収したジュエリーは、日本自然保護協会が行っている絶滅危惧種や自然環境を守る活動に使用されますが、シルバーに関しては、ゆくゆくは、新たな「サラース」のために活用できればとも考えています。

WWD:今後の展望は?

宗形:他業種に高硬度のピュアシルバーを活用できないか模索するつもりです。業界問わず、工業系やカトラリー業界なのかもしれないですし、面白いと思っていただき、私たちのピュアシルバーに救われる方がいるならば率先してさまざまな領域に役立てたいです。

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青山に“眼鏡通り”出現? 「アイヴァン」が骨董通りに旗艦店オープン

 アイヴァンは、眼鏡ブランド「アイヴァン(EYEVAN)」の旗艦店「アイヴァン 東京ギャラリー」を3月19日、青山・骨董通りにオープンする。

 設計デザイン事務所のトリップスター(TRIPSTER)がデザイン監修した店舗は細長く、窓のない長屋のような空間。床はコンクリートの洗い出し仕上げ、アーチを描く木製の天井、銅や真ちゅうを使用したショーケースなどは工房を思わせる。

 注目したいのは空間デザインだけでなく、クリエイターと協業して作り上げる、さまざまなカルチャーを融合した店舗演出だ。入店してすぐの壁に沿ったギャラリーのようなショーケースには、スタイリストの宇佐美陽平のディレクションによる“ジャズ”をテーマとした服とのコーディネートが並ぶ。中には、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」が“ジャズ”をテーマにした2017年春夏コレクションの作品も。デザイン事務所のナイジェルグラフが手掛けたジャズピアニストのビル・エヴァンス(Bill Evans)と歌手のアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)のポートレートのイラスト入りバッグも用意した。今後、半年に1回の割合でテーマを変えた店舗演出を行い、眼鏡を軸とする新しいファッションメッセージを発信していく予定だ。

 “着る眼鏡”をコンセプトとして1972年にスタートした「アイヴァン」は、クラシックなデザインとメード・イン・ジャパンの高い品質が特徴だ。「アイヴァン 東京ギャラリー」では、「タカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)」のデザイナー、宮下貴裕と協業した眼鏡の新ブランド「タカヒロミヤシタザレフトアイ.(TAKAHIROMIYASHITATheLeftEye.)」も販売する。

 アイヴァンは「アイヴァン」から発展した「アイヴァン 7285」、「アイヴォル(EYEVOL)」のほか、同社が運営するニューヨークの眼鏡ブランド「モスコット(MOSCOT)」の路面店を含めると骨董通りに4店舗を構える。このほか、骨董通りは「フォーナインズ(999.9)」、「ディータ(DITA)」、オプティカルテーラー クレイドル(OPTICAL TAILOR CRADLE)など複数の眼鏡店が軒を連ねる“眼鏡通り”になっている。

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ユニクロとメルカリが包括協定を締結 高額転売を抑制

 「ユニクロ(UNIQLO)」を運営するファーストリテイリングとフリマアプリ「メルカリ(MERCARI)」の運営企業メルカリは3月17日、「安心・安全な取引環境の構築に向けた包括協定」として、「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結した。両社で商品情報や商品画像などを共有することで、新商品発売直後の「メルカリ」上での注意喚起や、発売前の無在庫出品・著作権侵害の抑制などにつなげる。メルカリが一次流通企業とこのような協定を結ぶのは初めて。

 19日には「ユニクロ(UNIQLO)」とデザイナー、ジル・サンダー(Jil Sander)氏のコラボライン「+J」の2021年春夏商品の発売が控えている。9年振りの復活販売となった「+J」の20-21年秋冬物(20年11月発売)は、店頭に多数の客が詰めかけると同時に、「メルカリ」など二次流通市場で発売後すぐに高額で転売されるケースも多く、問題視されていた。協定締結は「『+J』21年春夏の発売に合わせた面もあるが、メルカリとは以前から安全な取り引きのために話し合いをしてきた」とファーストリテイリング広報。

 高額で転売する行為自体は違法ではないが、「店頭にもまだ在庫がある商品などが発売後すぐにマーケットプレイスに出品され、高値で売られるのはお客さまをあおることになる」(ファーストリテイリング広報)。そこで、ファーストリテイリングは協定に基づき、商品情報や商品画像などをメルカリに共有。「事前に発売日などが共有されていれば、お客さまにアプリ上のウィンドウなどで注意喚起ができる」(メルカリ広報)。「ユニクロ」の広告画像を二次使用した出品も多いため、今後はそうした著作権侵害にも対応していく考えという。

 メルカリは21年1月に、取り引きの透明性追求のための「マーケットプレイスの基本原則」を発表していた。「高額転売などの問題はメルカリだけでは対応ができない。ファーストリテイリングだけでなく、一次流通企業との対話を今後も進めていく」とメルカリ広報。メルカリは、現時点では高額転売など「価格を理由にした出品の規制は行っていないが、新商品発売後に一時的に価格が高騰している商品などにアラートを出す機能を現在開発しており、初夏に実装予定」(メルカリ広報)という。また、ファーストリテイリングは「メルカリだけでなく、他のフリマアプリ運営企業とも同様の取り組みを進めていきたい」(ファーストリテイリング広報)。

 「ユニクロ」は現在まで3年連続で、「メルカリ」上で、出品・購入ともに最も多く取り引きされたブランドとなっている。

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ユニクロとメルカリが包括協定を締結 高額転売を抑制

 「ユニクロ(UNIQLO)」を運営するファーストリテイリングとフリマアプリ「メルカリ(MERCARI)」の運営企業メルカリは3月17日、「安心・安全な取引環境の構築に向けた包括協定」として、「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結した。両社で商品情報や商品画像などを共有することで、新商品発売直後の「メルカリ」上での注意喚起や、発売前の無在庫出品・著作権侵害の抑制などにつなげる。メルカリが一次流通企業とこのような協定を結ぶのは初めて。

 19日には「ユニクロ(UNIQLO)」とデザイナー、ジル・サンダー(Jil Sander)氏のコラボライン「+J」の2021年春夏商品の発売が控えている。9年振りの復活販売となった「+J」の20-21年秋冬物(20年11月発売)は、店頭に多数の客が詰めかけると同時に、「メルカリ」など二次流通市場で発売後すぐに高額で転売されるケースも多く、問題視されていた。協定締結は「『+J』21年春夏の発売に合わせた面もあるが、メルカリとは以前から安全な取り引きのために話し合いをしてきた」とファーストリテイリング広報。

 高額で転売する行為自体は違法ではないが、「店頭にもまだ在庫がある商品などが発売後すぐにマーケットプレイスに出品され、高値で売られるのはお客さまをあおることになる」(ファーストリテイリング広報)。そこで、ファーストリテイリングは協定に基づき、商品情報や商品画像などをメルカリに共有。「事前に発売日などが共有されていれば、お客さまにアプリ上のウィンドウなどで注意喚起ができる」(メルカリ広報)。「ユニクロ」の広告画像を二次使用した出品も多いため、今後はそうした著作権侵害にも対応していく考えという。

 メルカリは21年1月に、取り引きの透明性追求のための「マーケットプレイスの基本原則」を発表していた。「高額転売などの問題はメルカリだけでは対応ができない。ファーストリテイリングだけでなく、一次流通企業との対話を今後も進めていく」とメルカリ広報。メルカリは、現時点では高額転売など「価格を理由にした出品の規制は行っていないが、新商品発売後に一時的に価格が高騰している商品などにアラートを出す機能を現在開発しており、初夏に実装予定」(メルカリ広報)という。また、ファーストリテイリングは「メルカリだけでなく、他のフリマアプリ運営企業とも同様の取り組みを進めていきたい」(ファーストリテイリング広報)。

 「ユニクロ」は現在まで3年連続で、「メルカリ」上で、出品・購入ともに最も多く取り引きされたブランドとなっている。

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「ミスター・ジェントルマン」2021-22年秋冬東京コレクション

 「ミスター・ジェントルマン(MISTERGENTLEMAN)」が2021-22年秋冬コレクションを東京で発表した。

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バーニーズ横浜店がアウトレット併設へ

 バーニーズ ジャパンは3月18日、バーニーズ ニューヨーク横浜店 6階をアウトレット「バーニーズ ウェアハウス(BARNEY’S WAREHOUSE)」に転換する。 バーニーズ ニューヨーク各店で販売していたウエア、バッグ、シューズ、ジュエリーをはじめベビーギフトからホームアクセサリーなどをそろえる。これまで4~6階にそろえていたメンズアイテムを4~5階に集約して6階をアウトレットのフロアとした。

■バーニーズ ウェアハウス
オープン日:3月18日
住所:神奈川県横浜市中区山下町36-1バーニーズ ニューヨーク横浜店 6階
定休日:不定休

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快進撃続けるベイクルーズECの新トップ、野田副社長が語る「真のDX」

 昨年9月、ベイクルーズのEC統括のトップに野田晋作・上席取締役副社長が就任した。ベイクルーズのECと言えばこの数年、年率20〜30%成長という快進撃を続けており、昨年にはEC事業で500億円に達した。一方、野田副社長は、「ジェイエス バーガーズカフェ(J.S. BURGERS CAFE)」「ラデュレ(LADUREE)」などの飲食事業を筆頭に、数々の新規事業を立ち上げてきた同グループのキーマンの1人だ。

 しかしその野田副社長がなぜ今、EC事業なのか。実は野田副社長は、EC事業とは無縁のように見えて17年前のベイクルーズの自社ECサイトの立ち上げメンバーの1人なのだ。「当時、僕はPRやプロモーションを行う部署にいて、当時のトップ窪田祐社長(現会長)からトップダウンで自社EC事業を立ち上げよ、というミッションが下り、ウェブサイトを運営していた僕らの部署が担当することになった」。当時、大手アパレルやセレクトショップにとって、ECと言えば「ゾゾタウン」などのECモールでの販売が中心で、自社で独自のオンラインサイトを作って販売する、今で言う「自社EC」に本格的に取り組む企業はまだ少なかった。ささげ(撮影・採寸・原稿)や物流などを一括して請け負う「ゾゾタウン」はブランド側からすると手間がほとんどかからず、しかもよく売れた。また、社内の発注や管理など在庫の運用権限はリアル店舗だった。「本当に大変だった。『ゾゾ』に任せれば手間もなく売れるのに、当時は『なぜ?』とも思った。ほぼゼロからのスタートで、サイトの運営から出荷まで自分たちでやっていたけど、もちろん売り上げが簡単に上がるはずもない。だからこそ、振り返ってみればこの経営判断がいかに正しく、どれだけ先見の明に優れていたのか、実感を持って言える」。
 
 野田氏が担当になって2〜3年ほどして、経験者を外部から募集し、引き継ぐことになった。そのときに面接に来たのが、後に同社のEC事業の成長の立役者になる村田昭彦氏(現グラニフ社長)だった。「面接で何を話したのかはほとんど覚えていないけど、この人ならやれるな、と思ったことはよく覚えている。当時、ECに長けているという人材の多くがシステム側で、テックファーストの考え方だった。いくらECの知識があっても、時に頭を下げてでも粘り強く交渉して在庫を確保する必要もあったし、その上トレンドに左右されるファッションへの理解も必要だった。その点、村田さんはアパレル出身で、しかも雰囲気は柔らかいのに交渉も長けていると感じた」という。

 この見方は、まさに正鵠を得ていた。村田氏の指揮の下、裏側で在庫の一元化や顧客IDの統合などを進めた同社は、ファッション企業屈指のEC運営体制を築き上げた。およそ14年ぶりにECに復帰した野田氏は「仕組み化は、自社ながら”すごい“の一言。重要なのは物流の基軸になる倉庫だろうと思って、着任してすぐに行ったのだが驚嘆した。詳細は言えないが、アナログとデジタルが見事に融合し、不測の事態にも柔軟に対応でき、しかも全く無駄がない」。

 コロナ下でも、野田副社長の率いるEC事業は絶好調だ。2020年8月期のEC売上高は、前期比29%増の510億円。成長をけん引しているのはEC売り上げの8割近くを占める自社EC「ベイクルーズストア」で、同37%増の391億円だった。巨人ユニクロを除けば、ファッションアパレル企業で最大規模のEC売り上げになる。野田副社長が見据えるのは「リアルとネット、ファッションとデジタルの2つが融合した次のステージ」だ。「着任して2万件のお客様アンケート全てに目を通した。使い勝手の向上やアソートの仕方といった細かい部分の修正と改善に関してはすでに大小含め膨大な数を着手している。ただ、僕の役割は、あえて言葉を選ばずに言うなら現在のECを引っ掻き回すこと。ファッションで本来、最も重視すべきは感情を揺さぶること。それはアンケート調査にも答えが出ていない。体験価値の向上が、どこかでイコールユーザービリティの向上だけになってしまっていなかったか。その本質的な部分をもう一度見直したい」。

 いま野田氏が最優先課題として取り組んでいるのは、ECを筆頭にしたテクノロジーを活用した新しいファッションビジネスの仕組みだ。「もちろんこれはEC事業部だけの話ではなく、全社的なプロジェクトだが、リアルとデジタルが本当に最初から融合した新しい仕組みができる手応えを感じている。テクノロジーを使って無駄を削ぎ落としつつ、本質的な顧客体験価値の向上をどう図るか。生産から販売まで全体を見直している、今このときだからこそ挑戦できる」。ECで名実共にトップのベイクルーズだが、次のステージに向けて貪欲にひた走る。「挑戦するからこそ、見える景色がある。リアルとデジタルが融合したECのネクストステージを必ず実現する」。

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「ステラ マッカートニー」もキノコの菌から作った人工レザーの服、「エルメス」も先日発表 

 ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)は3月18日、キノコ由来の人工レザー「マイロ(MYLO)」を用いた衣服を2型発表した。今回発表したアイテムは販売予定はないが、今後発表するコレクションに「マイロ」を取り入れていく予定だ。

 「マイロ」は無限に再生可能なキノコ類の地下根系である菌糸体(マイセリウム)から作られており、バイオテックベンチャーのボルトスレッズ(BOLT THTRADS)が開発し、かねてから注目を集めていた素材。ステラ マッカートニーは2017年7月にボルトスレッズとパートナーシップを締結し、18年には「マイロ」を用いたアイコンバッグ“ファラベラ”のプロトタイプを発表。同年ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で開催された「ファッションド フロム ネイチャー」展で展示していた。20年10月には、アディダス(ADIDAS)とケリング(KERING)、ルルレモン(LULULEMON)とともにボストスレッズと戦略的パートナーシップを結び、21年中の商品化を目指している。

 ステラ・マッカートニーは「私は『ステラ マッカートニー』のコミュニティーが、サステナビリティのためにラグジュアリーな魅力を妥協する必要は決してないと信じている。『マイロ』を採用することでその両立が実現する。今回発表する稀少でエクスクルーシブなアイテムには、ファッション業界を革新し、より思いやりのあるものにするというステラ マッカートニーとボルトスレッズ共通のコミットメントが具現化されている。これは、私たちの仲間である生き物や地球を犠牲にすることとは対照的なものとして、美しいラグジュアリー素材の誕生を見据えた取り組みだ」とコメントを発表。

 ボルトスレッズのダン・ウィドマイヤー(Dan Widmaier)共同創業者兼CEOは「新たな高品質のバイオマテリアル(生体材料)の開発は、重要な技術的課題であると同時に、人々と地球にとって非常に大きなチャンスでもある。ステラ、そして彼女のチームには、『マイロ』の存在を世界に発信するための長期的なパートナーシップとサポートをいただき、非常に感謝しており光栄だ。今回発表した2つのアイテムに『マイロ』が採用されたということは、バイオマテリアルの持つ美しい魅力と性能の両方における大きな前進であるばかりか、これらを衣料品の素材として採用する準備が整い、いよいよ市場への投入が始まりつつあることを意味するものでもある。これは、大規模な生産に向けた具体的な進歩であり、『マイロ』が地球にとって大きなプラスの影響を与えるチャンスなのだ」とコメントを発表した。

 今回発表した「マイロ」素材のアイテムは、ブラックのビスチェトップとパンツで、どちらも、リサイクルナイロンの上に菌糸体ベースの素材を重ねた素材でどちらもロンドンのスタジオで手作業で作られた。

 ボルトスレッズによると「マイロ」は、柔らかく、しっかりとした質感が特徴。バイオベース素材として認定された、自然界に存在する再生可能な成分を主に作られている。ボルトスレッズは、菌糸体が最もよく成長する林床の下で起こる仕組みを研究室で再現し、木くずやおがくず、空気、水を用いて「マイロ」を作成する方法を開発した。

 環境への影響を最小限に抑えるようにデザインされたプロセスで、「マイロ」は14日以内に製造できるという。通常、皮革1キログラムを生産するのに要する水の量は1万7000リットルにのぼり、また、畜産は、世界の温室効果ガス排出量の約18%を占めており、生態系の破壊の要因のひとつとなっている。現在、アマゾンの森林伐採地域の70〜80%が家畜の牧草地として使用されている。

 ボルトスレッズは、09年創業。カリフォルニア州エメリービル拠点。ベンチャー企業専門メディアのクランチベースによると、これまで累計2億1300万ドル(約230億円)を調達している。

 キノコの菌糸体から作られる人工レザーの課題の一つは強度と耐久性で、先日「エルメス」がマイコワークス(MYCOWORKS)と開発した菌糸体から作られた人工レザーは、エルメスのなめし工房で仕上げることで、強度と耐久性を高めている。「エルメス」が発表した商品は発売予定だ。なお、マイコワークスはボルトスレッズと同じくカリフォルニア州メリービル拠点。

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【赤字企業ランキング】 赤字額が売上高の4割を超える「ヤバい」5社。100億〜200億円クラスがダメージ大きい

 コロナで赤字決算続出の今期。主要上場企業で最終損益が赤字となった35社をピックアップ。赤字額を基準にランキングを作った。50億円以上の赤字を計上したのは、全体の4割にあたる13社。また、売上高との対比で赤字額が売上高の4割を超える企業も5社あった。
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【赤字企業ランキング】 赤字額が売上高の4割を超える「ヤバい」5社。100億〜200億円クラスがダメージ受ける

 コロナで赤字決算続出の今期。主要上場企業で最終損益が赤字となった35社をピックアップ。赤字額を基準にランキングを作った。50億円以上の赤字を計上したのは、全体の4割にあたる13社。また、売上高との対比で赤字額が売上高の4割を超える企業も5社あった。
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【赤字企業ランキング】これは「ヤバい」! 赤字額が売上高の4割を超える5社。100億〜200億円クラスがダメージ受ける

 コロナで赤字決算続出の今期。主要上場企業で最終損益が赤字となった35社をピックアップ。赤字額を基準にランキングを作った。50億円以上の赤字を計上したのは、全体の4割にあたる13社。また、売上高との対比で赤字額が売上高の4割を超える企業も5社あった。
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日本のオフプライスストアは離陸できるのか 「アンドブリッジ」最大店舗に見る突破口 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。さまざまなファッションブランドの売れ残りを編集して販売するオフプライスストアの存在感が高まっている。今回はワールドが今月出店した最大店舗を例にとって、オフプライスストアの成否を検証する。

 需要に倍する過剰供給にコロナ禍の販売激減が加わって過剰在庫があふれる中、オフプライスストアの出店が加速しているが、売れ残り品や過剰在庫をかき集めた品ぞろえでは魅力に乏しく、必ずしも期待通りの売り上げにはなっていない。そんな中、意図したマーチャンダイジングで選択的に調達する「アンドブリッジ」は顧客の支持を得て出店を加速しつつある。3月13日に開店した450坪級の最大店舗、ニューポートひたちなか店(茨城県)に突破口を探ってみた。

多店化するオフプライスストアだが…

 ゲオの子会社ゲオクリアが2019年4月25日に横浜の港北に開業した「ラック・ラック クリアランスマーケット」1号店(427坪)を皮切りに、同年9月14日にはワールドとゴードン・ブラザーズ・ジャパンの合弁会社アンドブリッジが埼玉の西大宮に「アンドブリッジ」1号店(300坪)を開設。在庫処分業者ショーイチの「カラーズ」、PPIH(ドン・キホーテ)の「オフプラ」などオフプライスストアが一気に広がった感があるが、各社とも必ずしも順調に多店化しているわけではない。

 先行した「ラック・ラック クリアランスマーケット」は21年3月26日開店のミーナ津田沼店(155坪)で期間限定店舗も含め10店に達しているが、この間に八尾店(大阪)をリノアス八尾店に移設、ゲオの店舗内に開設した御経塚店(石川)を閉店。初期の郊外やローカルからターミナルの商業施設内に出店が移り、店舗面積も初期の350〜450坪級から150〜200坪級にコンパクト化して出店を加速している。ショーイチの「カラーズ」も百貨店への商品供給の「カラス」12店を含め国内が26店に増え、ベトナム、マレーシア、カンボジアに7店を展開しているが、店舗規模が小さく品ぞろえも限られる。

 「アンドブリッジ」は1号店のにしおおみやファッションモール店(356坪/売り場面積300坪)、20年3月開店のニトリモール相模原店(144坪/売り場面積100坪)、20年8月開店の浅草ROX店(200坪/売り場面積180坪)、20年9月開店のイオンモール京都店(220坪/売り場面積200坪)と出店し、3月13日開店のニューポートひたちなか店(450坪/売り場面積400坪)が5号店になる。にしおおみやファッションモール店はロードサイドのストリップセンター立地、ニトリモール相模原店は首都圏郊外のビル型パワーセンター立地、浅草ROX店とイオンモール京都店は都心の商業施設立地(いずれも期間限定だが継続している)、ニューポートひたちなか店は平面型パワーセンター立地と、さまざまな立地と店舗規模を検証している段階だ。

 店舗フォーマットも商品調達と店舗運営の仕組みも確立して順調に多店化しているのが激安プライスライン型の「タカハシ」で、20年8月期で東京圏の郊外に平均160坪の41店舗(計7065坪)を布陣して87億円を売っている。オフプライスストアの一番のネックである品ぞろえと商品調達の不安定性を問屋サプライの活用で最小化するなど合理的な仕組みが特筆される。

フルプライス店より低い販売効率

 多店化が進むオフプライスストアだが、果たしてどれだけ売れているのだろうか。在庫は順調に消化回転し、利益は確保できているのだろうか。

 オフプライスストアの販売効率はアウトレットストアと比較されるが、アウトレットモールのアウトレットストアが郊外大型モールのテナント店より平均して5割り増しの販売効率を稼ぐのに対し、前述した各社の販売効率は類似立地のフルプライス店舗より押し並べて低い。200坪級の中型店では7〜8掛けほどでも、400坪級の大型店では5〜6掛けに落ちるケースが見られる。在庫回転もフルプライス店より低く、放出在庫を倉庫に抱え込むと3〜4回転にとどまる。

 販売効率が低いのは売り場の大きさに見合った品ぞろえができないからで、集めやすい供給過剰の類似商品に偏ってバラエティーを欠き、大型店の方が販売効率が低いのはレイアウトや商品配置、編集陳列のスキルがないからで、消化回転も低位にとどまる。ブティックサイズの小型店はともかく、中〜大型店では大きいほど島の出前打ち出し(元番地陳列の3倍は売れる)を多数展開できるから、スキルさえあれば大型店ほど販売効率が高くなる。

 米国のオフプライスストアはアウトレットストア同様、フルプライス店舗より3割から倍ほど販売効率が高いから、類似立地なら平均して5割増しと見てよいだろう。米国のオフプライスストアで最も販売効率が高いのがフルプライス百貨店の売れ残り著名ブランドがそろう「ノードストロム・ラック」で、年間坪あたり2万1210ドルとフルプライス百貨店の「ノードストロム」の1万6226ドルを30.7%上回る。ロスストアーズが1万5304ドル、米国内TJXが1万3486ドルと続き、メイシーズの7300ドル、コールズの6760ドルより格段に高い。在庫回転もTJXが6.32回転、ロスストアーズが6.09回転と、フルプライスのメーシーズの2.90回転、コールズの3.46回転より断然速い(いずれもコロナ前の20年1月期)。

計画的な品ぞろえと能動的・選択的な調達が不可欠

 米国の大手オフプライスチェーンがどうして販売効率が高く在庫回転も速いのか、大幅値引きのオフプライスに加え、品ぞろえがフルプライス店と遜色ないことが決定的な要因と思われる。

 米国の百貨店はコレクションシーズンにおけるエクスクルーシブバイイングの買取制だからベンダーによる期中補給がなく、シーズンの後半は売れ筋が抜けて売れ残りばかりになり、値引き訴求で在庫を減らすしかなくなる。オフプライスストアもバルク買取だが、コレクションシーズンに限定されることなく新旧の流通在庫(当然に現品)が手に入るから補充が効き、シーズン末期まで品ぞろえを維持できる。オフプライスという魅力に加え、品ぞろえの充実がフルプライス店との効率格差をもたらしていると見る。

 わが国のオフプライスストアは過剰在庫や売れ残り在庫の受け皿に過ぎず、フルプライス市場からあぶれた商品をオフプライスで売っても魅力は限られ、販売効率は低位に止まらざるを得ない。在庫処分業者が展開するオフプライスストアなど放出在庫を選択せずに引き取り、仕分けも品ぞろえ構築もおろそかでは魅力がなく、販売効率が低いのは当然だろう。計画的に品ぞろえを構築したフルプライス店に負けない販売効率を稼ぐには、それ以上に魅力を発揮する品ぞろえ計画と能動的・選択的な調達が不可欠なのは言うまでもない。

 米国の大手オフプライスチェーンは「最初に商品展開計画ありき」で、それを実現すべく世界中の集散拠点から新旧シーズンの商品をソーシングして選択的に調達し、不足する商品はブランドメーカーと組んで開発調達している。米国のエクスクルーシブバイイングは小売チェーンが特定品番を独占買取するものだからオフプライスストアには回ってこないはずだが(売り切れない小売チェーンが放出することもある)、ディティールを多少変えてロット買取の別注品番にすれば入手できる。そうやって毎シーズン、大手オフプライスチェーンと取引しているアパレルや服飾のメーカーが少なくないようだ。

 わが国のオフプライスストアでも「タカハシ」は品ぞろえ計画の実現と供給の継続を重視してベンダーとの直取引が大半で、不足商品はベンダーへの別注や工場への仕様書発注で確保している。しまむらと同じような郊外生活圏立地にありながら年間の坪販売効率は132万円と、しまむらを6割以上上回る。

 フルプライス市場からあぶれた商品を受け身で品ぞろえしてはオフプライスストアの採算は成り立たず、多店舗展開など夢のまた夢と腹を括るべきだろう。

「アンドブリッジ」ニューポートひたちなか店の詳細

 ニューポートひたちなかは26万余平方メートルの敷地に5000台の平面駐車場をホームセンターのジョイフル本田とファッションモール「ファッションクルーズ」が囲む平面構成のパワーセンターで、延べ床面積は約12万3000平方メートル、「ファッションクルーズ」のテナント数は106店(独立店舗含む)、ジョイフル本田と合わせた年商は260億円を超えるという最大級のパワーセンターだ。

 「ファッションクルーズ」内には「グローバルワーク」や「スタディオクリップ」「ライトオン」や「ウィゴー」などのアパレル店のほか、「ABCマート」や「無印良品」、「MIプラザ」や「トイザラス」、「スポーツオーソリティ」などがそろい、ワールドも「シューラルー」や「ザ・ショップTK」「ワンズテラス」を出店している。広大な駐車場を囲んで「ユニクロ」「TOHOシネマ」「モンベル」が独立店舗を構え、「アンドブリッジ」は「モンベル」と「TOHOシネマ」の間に店舗を新築して出店している。

 「アンドブリッジ」ひたちなか店はロフト感覚の2階部分を備えた延べ床450坪の建築で、売り場面積は400坪。年間4億円の売り上げを見込んでいるから年坪100万円、月坪では8万3333円になる。客単価は6000円、商品単価は2500円を想定している。カテゴリー別の売り上げ構成はウイメンズ45%、メンズ20%、キッズ5%、服飾雑貨20%、生活雑貨5%、インポートセレクト5%と見込んでいるが、開店直後の感触からはキッズの比率が高くなりそうだ。

 1階は国内ブランドのウィメンズ、メンズ、キッズとシューズ、服飾雑貨、生活雑貨で構成され、2階はインポートブランドのセレクト構成となっている。向かって左手の入り口を入ると吹き抜けの空間に生活雑貨と服飾雑貨がキオスク感覚のワゴン陳列で並び、手前と奥の2カ所にスタイリング提案のステージ、左手中央にレジカウンターが配され、右手前からウィメンズ、キッズと並び、キッズの後ろにメンズ、ウィメンズの後ろにシューズが位置している。2階のロフトには入って正面奥から吹き抜けの階段を登り、ロフトの奥側も抜き抜けになっていて1階奥のメンズとシューズが見下ろせる。1階の売り場はキッズ側を除いて什器列がレジカウンターに垂直に並んでおり、レジからの見通しも良い。

 内装デザインや什器システム、照明は1号店から踏襲されているが、床が明るいモルタルグレーになり壁から黒いシートがなくなって反射が明るくニュートラルになった分、演色性が改善されて商品が新鮮に見えるようになり、中古衣料店的なビンテージ感が消えたのは良いことだと思う。

品ぞろえとVMD

 品ぞろえは他社のオフプライスストアと比べればダントツに魅力的で、ブランドのランクとテイストがきっちりまとまっていて知名度のあるブランドがそろっていることに加え、3月半ばの春物実需と初夏物提案というシーズンサイクルにジャストミートしたアイテムとルックがそろい、ベージュにピンクとパープル、ホワイトにミントグリーンとサックスといった配色提案もフルプライス店の水準を超えていた。加えて、フルプライス流通からあぶれた売れ残り品とは思えない鮮度やキャラのある魅力的な商品も散見された。ワールドのMD構築とVMDスキルの高さはもちろんだが、「先に品ぞろえ計画在りき」の能動的な選択調達ゆえの品ぞろえ精度が評価される。

 それでも「品ぞろえ計画」の実現率は50%程度に留まるというから、不安定なオフプライス品の調達だけでは限界がある。米国大手オフプライスチェーンとの販売効率格差の多くは「品ぞろえ計画」実現率の差と考えられるから、多店化する過程でいずれブランドメーカーとタイアップした計画調達も加えざるを得ないが、アンドブリッジの松下剛社長はその可能性をはっきりと否定した。23年3月期中と計画する20店舗体制(都心近郊300坪型16店、郊外500坪型4店)まではともかく、それを超えて多店化する段階では方針を転換する必要が出てくるのではないか。

 開店当初のにしおおみや店では4割近かったワールドのブランド在庫も相模原店では3割程度に落ち、適品が何とかそろったひたちなか店の開店では1割強まで抑制できたから、アウトレットの「ネクストドア」との棲み分けも進んだ。

 売り場の分類はカテゴリー、テイスト&ランク、ブランド別にまとめているのはこれまでと同様だが、その中はカラー配列が優先されていた初期のにしおおみや店とは異なり、上下2段ハンギングも活用してルックとアイテムに分かりやすく分類して陳列していた。カラー配列は雑多な構成となる中古衣料店に多い陳列手法で、バラ残になった複数の類似ブランドをまとめて売り切る段階はともかく、ブランド単位に訴求する段階ではオフプライスストアには向かないと思われる。

 「アンドブリッジ」はブランド単位の陳列訴求をトコロテン運用する固定什器構成で、売り切り段階の編集陳列で使うサークル什器などが一切なく(代わりにシューズなどパッケージ商品の売り切りに便利なワゴン什器が使われている)、オフプライスストアの編集消化プロセスが見えない。これは「品ぞろえ計画」に基づいてゴードン・ブラザーズが調達した商品を消化仕入れで回していくというオフプライスストアらしからぬ「アンドブリッジ」特有の仕組みによるもので、バラ残になってブランド単位に訴求できなくなった段階からの編集消化を想定していないと推察される。

在庫回転と損益

 在庫はこれまでの店舗では年間5.5回転ペースで回っているというから、年坪100万円の販売効率で完結(消化仕入れ)する計算では売価で18万円余の坪在庫になる。「正価」対比の平均調達原価率が15%で粗利益率が50%と目論んでいるから平均70%オフでの販売と逆算され、「正価」では60万6000円の坪在庫になるから不足はないが、消化仕入れで残ってゴードン・ブラザーズやワールドが引き取る在庫はどのくらいあるのだろうか。ひたちなか店ではゴードンから調達した在庫が7割でワールドが独自に調達した在庫が3割ほどだというから、ゴードンの負担も軽減されたのではないか。

 相模原店の開店時には平均64%オフ(「正価」対比36%)で販売して50%の粗利益率を見込んでいたから調達原価率は18%と推計されたが、コロナ禍の過剰在庫放出で調達原価率は3ポイント(16.7%)ほど低下したことになる。調達原価率は衣料品では15%までに収まるが服飾雑貨や生活雑貨では25〜30%と高く、割引率か構成比を抑制しないと粗利益率が圧迫される。

 損益はこれまでと同じく売り上げ対比50%の粗利益率から販管費35%を差し引いて15%のEBITDAを確保するとしているから、減価償却費を2.5%と見れば営業利益率は12.5%になる。4529店を展開する米国のTJXが10.6%、1805店を展開するロス・ストアーズが13.5%だから(20年1月期)、わずか5店舗のアンドブリッジにしては高い目標だ。

 販管費35%の中身だが、ローカル立地パワーセンター内独立店舗の賃料が月坪1万円を超えるとは思えないから、端境月の最低保証を考慮しても売り上げ対比12%まで、2層400坪の店舗を年中無休で10時間営業するには開店閉店業務や週末祭日対応も含めて正社員勤務時間換算で8人分の人件費が必要だから、間接費まで含めて売り上げ対比9%と見る。これに光熱費や販売資材費、キャッシュレス決済手数料や物流費を合わせても10%にはならないから、予算の9掛けも売れば35%に収まるはずだ。

 実際、ひたちなか店は正社員3人、パート6人、正社員換算7.5人で運営するとしているから、繁忙時の増員も合わせれば私の推計に近い。年坪100万円という販売効率は推定600坪の「ユニクロ」が16億円も売る(年坪267万円)大規模モール並みのパワーセンターでは高い目標ではないから、よほど地域顧客のニーズとすれ違わない限り予算はクリアできるだろう。

オフプライスストアの3つの生命線

 損益は辻褄が合うが、それは消化仕入れで50%の粗利益率がデフォルトされるというアンドブリッジ(ワールドとゴードンブラザーズ・ジャパンの折半出資)とゴードンブラザーズ・ジャパンの同盟関係ゆえのミラクルであり、オフプライスストア一般に通ずるものではない。米国の大手オフプライスチェーンの粗利益率はTJXで32.9%、ロス・ストアーズで32.0%、重衣料中心ウエアハウス型のバーリントン・ストアーズでも41.8%だから(20年1月期)、選択的な調達でも「正価」対比15%までで適品がそろうとしてもハードルは高い。

 オフプライスストアの生命線は一に「品ぞろえ計画」、二に「適品調達」、三に「販売消化編集」であり、そのどれが欠けても採算ラインには乗らない。とりわけ難しいのがフルプライス市場の動向に左右される「適品調達」で、過剰供給にコロナ禍の売り上げ激減が重なって供給が潤沢な現状でも適品をそろえられない事業者が離陸できるとは到底思えない。ワールドとゴードン・ブラザーズの同盟は三つの生命線がそろう最強の組み合わせであり、「アンドブリッジ」が順調に多店化できないようでは誰もうまくはいかないだろう。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。著書に店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)、12月11日に出版した「アパレルの終焉と再生」(朝日新書)

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「ミスター・ジェントルマン」は前に進む オオスミタケシの創造性は愛と共に生き続ける

 「ミスター・ジェントルマン(MISTERGENTLEMAN)」は17日、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」で2021-22年秋冬コレクションを発表した。スケジュール上は映像での発表とアナウンスしていたものの、東コレ公式会場の渋谷ヒカリエには関係者約180人が招待され、リアルショーを生中継するかたちとなった。今年1月に逝去したオオスミタケシさんと、吉井雄一デザイナーの2人が手掛けた最後のコレクションだからか、会場にはどこか張り詰めた空気を感じた。

細部への徹底的なこだわり

 ショー本番まで約2時間となり、モデルたちが真っ白なランウエイを歩くリハーサルがスタートした。歩く位置やスピード、ターンの勢い、視線などに細かい指示が飛ぶ。フィナーレのシーンでは、モデルがずらりと並ぶフォーメーションから、白いバラを持つ手の角度にまで微調整が入る。さらにショー開始のライティングとBGMスタートのタイミング、光の入り方まで、籠谷友近率いいるヴィジョンズ アンド パラドックス(VISIONS AND PARADOX)の演出チームが会場内を忙しく駆け回ってベストな状態に仕上げていった。これはきっとオオスミさんの最後のコレクションだからではなく、いつも通りの「ミスター・ジェントルマン」なのだろう。思えば、ここのショーはいつだって完璧に作り込まれていた。セットやBGMなどを含め、見た人をワクワクさせてくれるハッピーなエンターテインメントだったからだ。そんな慌ただしい現場の隅で、吉井デザイナーは静かに見守っていた。オオスミさんの写真を横に置いて。

服に込めた愛と平和への願い

 そしていよいよ本番。ブラックのドレスコードをまとった真っ黒の来場者によって、真っ白のランウエイがいっそう際立つ。座席には白いバラが一輪置かれており、開演を待つ間はそれぞれがバラを手に取りながらオオスミさんへの思いを馳せていたのだろう。ショー会場によくある賑やかな談笑ムードは少なく、無言でランウエイを見つめる来場者が多かった。いよいよショーが始まり、40人のモデルたちが続々と登場する。今シーズンのコレクションには、危機や不安に直面している人類に対する愛や平和への願いが込められている。服にのせたのは、“FREE YOUR MIND(心の解放)”“PRACTICE NONVIOLENCE(非暴力の実践)”“LOVE IS LOVE(愛はどんな形であれ愛)”というストレートなメッセージ。複数の編み地にフリンジやポンポンを付けたファンシーなニットや超ロング丈のプリーツシャツ、前後反転したエコファージャケットなど、ベーシックアイテムに違和感のあるディテールを加える手法はいつも以上に強い。それらにレッグカバーやアームカバーなどのパーツウエアを組み合わせてキャッチーさが加えたり、シルエットに強弱を付けたり、パテントとウールの素材感を対比させたりする巧みなバランスのレイヤードでスタイルを構築していく。「ヨシコ クリエーション(YOSHIKO CREATION)」とのアクセサリーや「サキアス(SAKIAS)」とのシューズなど、人気のコラボレーションも継続した。そして、サプライズのアイテムも登場した。オオスミデザイナーが「フェノメノン(PHENOMENON)」で使っていた“レモンツリーカモ”と“ブルータイガーカモ”がタイツに差し込まれていたのだ。

 モデルが一斉に登場する圧巻のフィナーレを終え、吉井デザイナーが登場。感極まった表情で横にいる“大きな天使”を称えると、涙が溢れてきた。いつも通りショーの高揚感でワクワクしていたものの、1人足りないのだと最後の最後で実感したからだ。ただ、決してこれで終わりではない。正直、今夜は“最後のコレクション”として取材するつもりだった。しかし今日の現場の一体感は“最後”という表現よりも、“新しい一歩”という言葉がぴったりだった。もちろん、別れはとても悲しいし、無理やり前向きになろうとしているわけではない。でもオオスミさんが残した創造性や世界への愛は、間違いなくチームに受け継がれていると確信した。吉井デザイナーをはじめとする作り手によって形となり、メディアやファンら受け取り手がそれぞれに思いを馳せることで、前へ前へと進んでいく。今夜のショーは、そんな僕たちの希望を証明してくれた。

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