「バルマン」2021-22年秋冬パリ・コレクション

 「バルマン(BALMAIN)」が2021-22年秋冬コレクションをパリで発表した。

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「エヴァンゲリオン」のコスメグッズが“一番くじ”に初登場! アスカ・レイ・マリの描き下ろしイラストなどをデザイン

 バンダイ スピリッツ ロト・イノベーション事業部は、ハズレなしのキャラクターくじ“一番くじ”の最新作として、コスメグッズが必ず当たる“一番コフレ”シリーズから“一番コフレ EVANGELION coffret collection~シン・エヴァンゲリオン劇場版公開記念~”(1回891円 ※編集部調べ)を発売する。

 エヴァンゲリオンストア各店、ホビーショップ、ゲームセンター、ドラッグストア、アニメイト、ローソン、ミニストップなどで3月13日から順次取り扱う。

 “一番コフレ”とは、コンビニエンスストアなどで購入できる、コスメやコスメ雑貨だけをそろえた同社のキャラクターくじ。描き下ろしイラストを施したオリジナルコスメグッズを多数ラインアップして人気を博している。

 今回は「エヴァンゲリオン」の登場キャラクターをモチーフにしたグッズを多数用意。式波・アスカ・ラングレー、綾波レイ、真希波・マリ・イラストリアスの描き下ろしイラストをデザインし、それぞれのキャラクターをイメージしたカラーをセットしたメイクパレット。“A.T.フィールド”をモチーフにしたデザインのルースパウダー。エヴァのパイロットをイメージし、2色のカラーが楽しめるフェイスカラーなど、“一番コフレ”ならではの特別なデザインコスメがそろう。

 最後の1個を引くと手に入る“ラストワン賞”には、アスカ、レイ、マリの描き下ろしイラストを使用したスタンドミラーを用意。さらにメイクパレット3点セットが当たる“ダブルチャンスキャンペーン”も実施予定だ。

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「エヴァンゲリオン」のコスメグッズが“一番くじ”に初登場! アスカ・レイ・マリの描き下ろしイラストなどをデザイン

 バンダイ スピリッツ ロト・イノベーション事業部は、ハズレなしのキャラクターくじ“一番くじ”の最新作として、コスメグッズが必ず当たる“一番コフレ”シリーズから“一番コフレ EVANGELION coffret collection~シン・エヴァンゲリオン劇場版公開記念~”(1回891円 ※編集部調べ)を発売する。

 エヴァンゲリオンストア各店、ホビーショップ、ゲームセンター、ドラッグストア、アニメイト、ローソン、ミニストップなどで3月13日から順次取り扱う。

 “一番コフレ”とは、コンビニエンスストアなどで購入できる、コスメやコスメ雑貨だけをそろえた同社のキャラクターくじ。描き下ろしイラストを施したオリジナルコスメグッズを多数ラインアップして人気を博している。

 今回は「エヴァンゲリオン」の登場キャラクターをモチーフにしたグッズを多数用意。式波・アスカ・ラングレー、綾波レイ、真希波・マリ・イラストリアスの描き下ろしイラストをデザインし、それぞれのキャラクターをイメージしたカラーをセットしたメイクパレット。“A.T.フィールド”をモチーフにしたデザインのルースパウダー。エヴァのパイロットをイメージし、2色のカラーが楽しめるフェイスカラーなど、“一番コフレ”ならではの特別なデザインコスメがそろう。

 最後の1個を引くと手に入る“ラストワン賞”には、アスカ、レイ、マリの描き下ろしイラストを使用したスタンドミラーを用意。さらにメイクパレット3点セットが当たる“ダブルチャンスキャンペーン”も実施予定だ。

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新木優子やCocomiが「ディオール」2021-22年秋冬ショーの鑑賞スタイルを披露

 「ディオール」は3月8日、2021-22年秋冬コレクションをオンラインで発表。会場はヴェルサイユ宮殿の鏡の間で撮影した映像“Disturbing Beauty”を公開した。今季のマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターは今季、おとぎ話の世界を探究。おもちゃの制服に着想を得たブルーのカシミヤコート、フード付きのケープやコートは「赤ずきん」を連想させる。

 リアルでのショーは行わなかったが、世界の「ディオール」アンバサダーがそれぞれの場所から鑑賞し、ドレスアップスタイルを披露した。ファッションのジャパンアンバサダーである新木優子は、21-22年秋冬コレクションからレッドのプリントシルクのロングドレスを選んだ。ビューティのアンバサダーであるCocomiは、同コレクションのホワイトとブルーのチェックドレスにブーツを合わせた。

 そのほか、ペ・スジ(Bae Suzy)やアンジェラベイビー(Angelababy)、スキ・ウォーターハウス(Suki Waterhouse)らもショーを鑑賞した。

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朝比奈彩が働く女性に向けた服をデザイン アマゾンの「ザ・ドロップ」で30時間限定販売

 女優でモデルの朝比奈彩は3月10日、自身がデザインを手掛けたアパレルアイテム7型をアマゾン(AMAZON)が主催するファッションD2C事業の「ザ・ドロップ(THE DROP)」で発売した。完全受注生産で30時間限定で注文を受け付ける。受け付け終了時間は11日午後1時を予定している。

 働く女性をターゲットに、ジャケット(7790円)やスカート(6490円)、シャツ(5990円)などのほかにストレッチ素材を用いたセットアップ(トップス4290円、パンツ5490円)などリモートワーク時に着られるアイテムもそろえ、XS〜5XLの全9サイズで展開する。コーディネートのしやすさを考えシンプルで長く着られるデザインにこだわった。

 今回初めてデザインに挑戦したという朝比奈は「小さい頃からデザイナーに憧れていたので、とてもうれしかったです。初めて服作りの裏側やデザインの難しさを学ぶことができました。今回の取り組みを新たな一歩として将来、自分のブランドを持ちたいと強く思いました」とコメントした。

 「ザ・ドロップ」は世界各国のインフルエンサーが手掛けたコレクションをゲリラ式に販売するというもの。これまでに日本からは鈴木えみとバーチャルインフルエンサーのimmaがコレクションを発表した。今回は東京のヘルシーな女性像を体現する人物として朝比奈が起用された。

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「ドルチェ&ガッバーナ」VS「ダイエット プラダ」 中国での炎上騒動が訴訟に発展

 ファッション界のコピー品糾弾からゴシップまでカバーするアカウント「ダイエット プラダ」を運営するトニー・リュー(Tony Liu)とリンジー・シュイラー(Lindsey Schuyler)は、2019年に「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」が「売上損失およびブランドの棄損」として400万ユーロ(約5億1600万円)の損害賠償を求めてミラノの民事裁判所に提訴した件について、答弁書を提出したことを発表した。

 リューは「アジア系アメリカ人の自分が所属するコミュニティーは、たびたび誤解されることがある。米国に住む多くの有色人種と同じように、私自身も不正確で有害なステレオタイプを通して描写されることに傷つくことがある」とコメントしている。「ドルチェ&ガッバーナ」の代理人からはコメントを得られなかった。

 リューとシュイラーには、ニューヨークにあるファッションロー・インスティテュート(FASHION LAW INSTITUTE)とイタリアのAMSL法律事務所がついている。ファッションロー・インスティテュートは、フォーダム大学ロースクール(FORDHAM LAW SCHOOL)の中にある機関で、ファッションロー(ファッション業界に関する法律や法的問題)という分野を確立したことで有名だ。同機関の創設者、スーザン・スキャフィディ(Susan Scafidi)教授は「創設以来、ファッションロー・インスティテュートは業界人に無償のリーガルサポートを提供することがミッションだ。今回のケースでは、ファッション業界における高い倫理基準の保持、言論の自由の擁護、反アジア表現との闘争に尽力し、多様性や公平性、包括性を促進するために活動している個人をサポートしている」とコメントしている。

 事の発端は18年に「ドルチェ&ガッバーナ」がキャンペーンの一環で投稿した「箸で食べる」と題した3つのビデオだ。イタリア料理を箸で食べる方法を北京語でアジア人モデルに指南するという内容で、これが人種差別的と批判を受けた。

 これに加えてステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana)=デザイナーが送ったとされる中国を侮辱するメッセージがインスタグラムで公開され、これを「ダイエット プラダ」が取り上げ、非難したことでこの問題が大きく広がり、ファッション業界の中国人も大きく反発した。この騒動を受けて「ドルチェ&ガッバーナ」は18年11月に上海で開催予定だったファッションショーを開催数時間前にキャンセル。ブランドとステファノ=デザイナーはそれぞれ謝罪文を発表し、一連の投稿は「アカウントをハッキングされた」ためと主張している。その後も複数回に分けてブランドとデザイナーデュオは謝罪を繰り返すが、中国人および中国国内の怒りは収まらず、アリババ(ALIBABA)をはじめとする中国のEC企業が運営するECサイトからは同ブランドの製品が消えるなどブランドにとって大きな損失をもたらした。

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新オーナーが語る「ジル サンダー」買収 「ずっと夢見ていた」

 「ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」などを擁するOTBは3月5日、「ジル サンダー(JIL SANDER)」をオンワードホールディングス(ONWARD HOLDINGS以下、オンワードHD)から買収した。

 OTBが同ブランドに関心を示していることはかねてよりうわさとなっていたが、「ディーゼル」創始者のレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB会長によれば、買収交渉がスタートしたのは2020年10月。コロナ禍の影響や日本との時差によって複雑なやりとりとなったものの、最終的には合意に至った。買収金額は明らかになっていないが、同氏は「『ジル サンダー』のブランド価値に見合った、相当な額」だとしている。

 「ジル サンダー」はデザイナーのジル・サンダーによって1968年にドイツで創業。質の高い素材使いと洗練されたミニマルなデザインで、80年代から90年代にかけて世界中で人気を博した。99年にプラダ グループ(PRADA GROUP以下、プラダ)に買収されたものの、同社のパトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)最高経営責任者(CEO)と意見が合わず、サンダーは半年後に「ジル サンダー」を離れている。その後、プラダは2006年に英投資会社チェンジ・キャピタル・パートナーズ(CHANGE CAPITAL PARTNERS)に同ブランドを売却。08年にオンワードHDが傘下に収め、17年からルーシー・メイヤー(Lucie Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)夫妻がクリエイティブ・ディレクターを務めている。なお、20年2月に「プラダ」の共同クリエイティブ・ディレクターに就任して話題となったラフ・シモンズ(Raf Simons)は、05~12年に「ジル サンダー」のクリエイティブ・ディレクターを務めていた。

 ロッソ会長は、「私は昔からジル・サンダー氏をデザイナーとして敬愛しているし、『ジル サンダー』を獲得したいと何年も夢見ていた。同ブランドはオーナーやデザイナーが何度か変わったものの、美しくて質の高い、ミニマルなデザインの服を提供するというサンダー氏のビジョンを守り続けた。ラフ・シモンズ時代のデザインも非常によかった。今回の取引に当たって現在同ブランドを率いているメイヤー夫妻にも会ったが、実に素晴らしい人たちだ。クリエイティブの方向性にも、美しいプロダクトにも文句の付けようがない。モダンな解釈でブランドに新鮮味を与えてくれたし、クリエイティブ面を変更するつもりはない」と語った。

 一方で、「ジル サンダー」をさらに発展させるため、今後はマーチャンダイジングの改善とデジタル強化を推し進めるという。20年2月時点での店舗数は46店だが、存在感を高めるために販売網を拡大する。同ブランドは18年からアクセル・ケラー(Axel Keller)CEOが率いているが、ロッソ会長によれば、経営体制の見直しも視野に入れているという。ケラーCEOは18年2月にジル サンダーに入社し、同10月より現職。それ以前は「バレンシアガ(BALENCIAGA)」でコマーシャルディレクターを15年務めていた。

 OTBの20年12月通期決算は、売上高が前期比14.3%減の13億1000万ユーロ(約1689億円)、営業利益は同23.7%減の1350万ユーロ(約17億円)だった。決算発表の際、同社のウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)CEOは、「当社は成長目標を計画通りに達成しており、投資によって事業範囲を拡大することも可能な状態だ」とコメントしている。

 同社は以前から買収先を探しており、19年には財政難に陥っていたロベルト・カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)の買い手として有力視されていたが、最終的にはドバイの投資会社ビジョン・インベストメント(VISION INVESTMENT)が、ロベルト・カヴァリの親会社である伊投資会社クレシドラ(CLESSIDRA)から全株式を取得した。

 ロッソ会長は、「OTBはさまざまなブランドを擁しているが、価値観やライフスタイルなどの面でそれぞれ共通する部分がある。時代を超えた美しさを持つ『ジル サンダー』も、ほかの傘下ブランドとしっくりなじむだろう」と述べた。

 オンワードHDは20年12月、不採算事業から撤退して成長分野に注力する戦略の一環として、連結子会社のオンワードイタリアS.p.A.が保有するオンワードラグジュアリーグループ S.p.A.(以下、OLG)の全株式を伊投資会社NEMO S.R.Lに譲渡した。こうした動きにより、以前から臆測されていたOTBによる「ジル サンダー」買収が間近なのではないかと市場関係者は見ていたが、当時オンワードHDは「コメントを差し控える」としていた。

 同社が3月5日に発表した適時開示情報によれば、ジル サンダー事業の20年2月通期の売上高は4860万ユーロ(約62億円)、営業損失は1782万ユーロ(約22億円)、純損失は2274万ユーロ(約29億円)の赤字だった。

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「推し時計、燃ゆ」 日々ランチタイムに時計をニヤニヤ撮影する編集者の場合

 「推し、燃ゆ」が芥川賞を受賞し、“推し活”が豊かな生き方につながるとの認識が広まっている。そこで元来、推しの要素が強い時計の世界で、さまざまな人に“推し時計があることで得られる幸福感”や“そもそも、なぜ推しているのか?”などを聞き、時計の持つ“時間を知る”以上の価値について探ってみたい。

 1人目として登場してもらったのは、ニューヨーク発祥の時計オンラインメディア「ホディンキー(HODINKEE)」の日本版「ホディンキー・ジャパン」の和田将治ウェブプロデューサー兼編集者。彼の“推し活”は、ランチタイムの時計撮影だ。

WWD:毎日、昼休みに時計を撮影しているとか?

和田将治「ホディンキー・ジャパン」ウェブプロデューサー兼編集者(以下、和田):その日着けている時計に加えて、3本ほどを撮影用に常備しています。クライアントに急に会う場合にも、ストックは活躍してくれます。

WWD:時計の所有本数は?

和田:20本以上はあります。まずはブランドのシグネチャーモデルを集めようと思っていて、それが一周したらよりマニアックなものにトライしたいです。

WWD:和田さんのある一日について教えてください。

和田:当社はフレックスタイム制を導入していて、加えて現在は週に1~2日程度の出社なのですが、ランチタイムはだいたい12~15時の間です。東京・青山にある会社近くのフードトラックやコンビニで食べ物を買って、オフィスで食事時に撮影します。近所に住んでいたり起業していたりの友人もいるので、彼らを呼んでカフェやレストランに行くこともあります。友人も僕が時計マニアであることを知っているので、急に撮影を始めても放っておいてくれます(笑)。

WWD:この“推し活”を始めたのはいつごろ?

和田:「腕時計の読みもの」という個人ブログを立ち上げた2017年からです。その後、「ホディンキー・ジャパン」に参加して、本業が忙しくてブログは手付かず状態ですが……。ランチタイムに撮影して、帰宅時に電車の中でスマホで編集。2日に1度くらいのペースで、納得できる写真ができた時はインスタグラム(INSTAGRAM)にアップしています。編集には、アドビの有料アプリ「フォトショップ ライトルーム」を使っています。今はちょっと難しいのですがオフ会に参加して、人の時計を撮らせてもらうこともあります。また、これは役得ですが、ブランドから新作をお借りすることも。私的な活動ながら、撮影スキルが上がって媒体にも還元できているのではないかと思います。「ホディンキー」では編集者が自ら撮影することも多く、写真のクオリティーにもこだわっています。昨年末にアメリカで発売した紙版の「ホディンキーマガジン」にも僕の写真を掲載しました。

WWD:愛用のカメラは?

和田:「ライカ(LEICA)」のデジカメ“Q2”です。年始に約70万円で購入しました。「ライカ」は、「ホディンキー」の本国メンバーも使っていて憧れでした。貸してもらって撮りやすかったこともあり、“向こう10年使うから”と自分で自分に言い訳して決断しました(笑)。17cmまでオートフォーカスできるので、時計の着用自撮りや置き撮りに最適です。プロップとして映り込ませても絵になるのが「ライカ」の魅力ですね。“Q2”の前は富士フイルムの“X-E3”(約10万円)、さらにその前はiPhoneだったので、カメラもステップアップしていますね。

WWD:インスタグラムを通じてコミュニティーも広がっている?

和田:投稿をバイリンガルにしていることや、「ホディンキー」では日本版をアメリカにリフト(転載)することもあって、それを見たハリウッド俳優のマイルズ・フィッシャー(Miles Fisher)やプロサッカー選手のカルフィン・ヨン・ア・ピン (Calvin Jong A Pin)からDMをもらいました。海外の方からは「グランドセイコー(GRAND SEIKO)」について、「新作ってどうなの?」「日本での評価は?」などと聞かれることが多いです。現在、Jリーグの横浜FCに在籍するカルフィンとは、その後、家族ぐるみでバーベキューをする仲に。スイスの高級時計ブランド「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」や「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」を所有していて、チームメイトである“キングカズ(三浦知良)”に時計の手ほどきを受けているそうです。

WWD:時計コミュニティーならではの濃密な関係ですね。

和田:時計ってニッチなわりに“流派”みたいなものもあって、チャネルが合う人はレアなんです。また「ホディンキー」の記事には主観が入ることが多いので、読者は書き手の好みも分かります。時計好きって話したがりが多いし、海外の方はディスカッション文化を持つので輪が広がっていきます。僕のキャラクターも奏功しているのかと。“先生”のような人ならカジュアルには話し掛けづらいけれど、ちょっと何か聞くのにちょうどいいんだと思います(笑)。

WWD:和田さんにとって時計とは?

和田:コミュニケーションツールであり、アイデンティティーの表明。お気に入りを常に身に着けられて、いつでもそれを見られる。ついでに時間が分かってしまうという機能まである(笑)。高価・安価に関係なく、「結婚記念にもらった」とか「〇〇が好きで選んだ」とか「祖父の形見だ」とか、時計とその所有者のストーリーを聞くのも好きなんです。

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小松菜奈やBLACKPINKのJENNIE、G-DRAGONを遠隔撮影 「シャネル」2021-22年秋冬を鑑賞したアンバサダーたち

 「シャネル(CHANEL)」は3月9日、2021-22年秋冬コレクションをオンラインで発表した。ショーのカウントダウン映像には、小松菜奈やG-DRANGON、BLACKPINKのJENNIEらアンバサダーやゲストが、ショー動画の鑑賞を準備する様子が収められていた。さらに映像とは別に、フォトグラファーデュオのイネス・ヴァン・ラムスウィールド(Inez van Lamsweerde)とヴィノード・マタディン(Vinoodh Matadin)がリモート撮影したポートレート写真も公開した。

 小松菜奈は20-21年秋冬のメティエダール・コレクションのカシミアのトップスと、21年春夏コレクションのブラックのシルクパンツを着用。G-DRANGONは21年春夏のネイビーのコットンジャケットに“ボーイフレンド ウォッチ”や“ココ クラッシュ リング”を合わせた。JENNIEは21年春夏のブラックのコットンドレスを選んだ。

 ほかにもアンジェル(Angele)やマーガレット・クアリー(Margaret Qualley)、ウィットニー・ピーク(Whitney Peak)、カロリーヌ・ド・メグレ(Caroline de Maigret)、パク・スジュ(Soo Joo Park)、リウ・ウェン(Liu Wen)、ビクトリア・ソン(宋茜、Victoria Song)ら世界各国のアンバサダーが登場した。

 さらに、アトリエモデルのアマンダ・サンチェス(Amanda Sanchez)や、今回のコレクションのためのプレイリストを作成したサウンドデザイナーのミシェル・ゴベール(Michel Gaubert)らも映像とポートレートに登場している。

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業界の未来をスノーピークの女性社長らが語る ルミネと米「WWD」共催フォーラムレポ第2弾

 ルミネと米「WWD」は2月24日、「WWD オンライン リテール 2021 フォーラム」を開催した。日本のファッション・小売業界の活性化に向けて、国際色豊かなゲストスピーカーによる最新の知見を提供した。今に対処するだけでなく一歩先の未来を考えるきっかけづくりに生かしてほしいとの願いを込め、ほとんどのセッションは3月26日までオンデマンドで視聴可能だ。

 当日は編集部も、新しいアイデアや考えを楽しみに視聴した。登壇者はそれぞれの視点からサステナビリティやモノづくり、イノベーションなど、幅広いテーマについて語った。独自のオンライン戦略や小売りの活性化計画を通して、新型コロナのパンデミック前以上に「より良い社会」を見据えて動き出している。業界の最新ニュースを届ける1メディアとして、ファッション・小売業界の活性化のために企業の取り組みや情報を正しく・広く伝えることの必要性を実感。改めて、業界が抱える大量生産・消費・廃棄を生んでいる社会構造の変革に向けて、共に在りたいと思った。

 語られていた内容をもとに、フォーラムを理解するキーワード、「体験とつながり」「「パーパス(存在意義)」「”賢い“消費」「2次流通(セカンドハンド)」の4つを設定した。キーワードごとに第1弾と第2段に分け、各セッションの一部を紹介しながら参加企業の声や今後の展望をレポートする。

“賢い”消費

2次流通(セカンドハンド)

ルミネの展望

 今回のフォーラムでは、「ポストコロナ時代に向けての小売りの未来」「サステナビリティ」「企業価値について」など、われわれが向かうべき道について示唆に富んだ内容を聞くことができました。このフォーラムを契機として、さまざまな顕在的、潜在的な課題に対して議論を深化させ、ご参加いただいた各企業やブランドが多様に進化していくことを期待しています。結果、業界全体が活性化して、ひいては日本全体の活力につながれば、と考えております。

米「WWD」が
日本のファッション・
小売業界に期待すること

 本フォーラムが日本の小売りやブランドにとって、商品デザインからサプライチェーンの仕組み、店舗のコンセプト、カスタマーサービスまで、あらゆる側面のサステナビリティを見直すきっかけになることを願います。オンラインの活性化にも役立つコンテンツがそろっているので、日本の歴史や伝統の中にうまく取り込んでほしいと願っています。業界を追う一メディアとしても、今後プレゼンテーションで語られたトピックスを取り上げ、対話を深めていきたいと思います。

※オンデマンドの視聴は3月26日まで可能です。
※ダグ・スティーブンス=リテール・プロフェット創業社長のセッションはご視聴いただけません。
※参加費は無料です。
問い合わせ先
ルミネ海外事業部 フォーラム運営事務局
03-5334-0576

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被災した縫製工場、岩手モリヤ社長が見た「日本のアパレルの10年」 #あれから私は

 2011年3月11日、後にドラマ「あまちゃん」で知られることになる、海と山に囲まれた岩手県久慈市には高さ14メートルを超える津波が押し寄せた。600棟の家屋が被災し、死者・行方不明者は6人だった。市内の縫製工場、岩手モリヤにも津波が駐車場にまで迫り、ある従業員は家屋が流された。「WWDジャパン」は2011年の3月28日号で、震災から一週間後の3月18日に同社が早くも稼働を再開したことを伝えている。

 あれから10年。岩手モリヤの森奥信孝社長(67)は、今も忙しい日々を送っている。久慈市と隣の二戸市の縫製工場に呼びかけ、「北いわてアパレル産業振興会」を結成。地場発のファクトリーブランドを作ったり、ファッションショーを開催したりと、岩手発のものづくりを発信してきた。

 1988年創業の岩手モリヤは、月に約4000着のコートやジャケットを生産している。生産するアイテムは、業界ではいわゆる“プレタ”と呼ばれる高級ゾーンで、ジャケットで5〜8万円以上、コートだと10万円前後になる。主要な取引先はトゥモローランドやレリアン、三陽商会など。

 同社はもともと、婦人服の縫製工場としては卓越した技術で知られる企業だった。一時期技能実習生を採用したこともあったがすぐに止めて、ずっと地元雇用を続けており、現在も従業員の大半は地元久慈市の出身だ。難易度の高さで知られる、厚生労働省認定の国家資格である1級の婦人服製造の技能士を10人、2級だと26人も抱える。震災前に100人以上いた従業員は現在83人にまで減っているものの、技能士の資格保有者は4割を超える縫製工場はそう多くない。高価で知られる自動ハンガーシステムであるイートンや最新鋭の3DCAD、生地試験、従業員一人ひとりにタブレットを配布するなど、設備投資にも力を入れてきた。

 森奥社長の目から見て、日本のアパレル産業は何が変わり、何が変わらなかったのか。

WWDジャパン(以下、WWD):東日本大震災から10年。一番大きな変化は何でしょう?

森奥信孝・社長(以下、森奥):日本のアパレル産業が縮小したことです。海外生産がさらに増える一方で、日本の縫製産業が支える“メードインジャパン”はどんどん減っていて、縫製産業の従事者の数は10年前と比較すると3割も減っています。現場で仕事をしていると実感するのが、アパレル側にモノ作りが分かる人が本当に減ったな、と。今はパタンナーですら現場に来ることはかなり減っていますし、昔みたいに良くも悪くも注文をつけるような人も減りました。人という面で空洞化が進んでいます。

WWD:というと?

森奥:仕様書やサンプルが来ても実際には量産には乗せられないような滅茶苦茶なものも多い。発注する側が全く現場を知らないからです。もちろん昔から無茶を言う人はいました。でもそれは工程や手間が増えるとか、前例がないから、とかそういうことでしたが、いまは単に実際に手を動かしたことがないから、あるいは現場を知らないからわからない、そういったことが増えています。

WWD:先行きも厳しいそうですね。

森奥:いや、希望は全然捨ててないですよ。だって、日本のファッションは日本で作らないと成立しないじゃない?これから日本のアパレルやブランドが生き残って成長するためには海外に出る必要がある。そのときに必要なのは何ですか?日本のもの作りですよ。われわれ縫製業は、胸を張って“これがメードインジャパンだ!”と製品を世界に発信したい。それだけのことはやっているんです。

WWD:日本のもの作りの強さとは?

森奥:例えば岩手モリヤでは、前身頃、後ろ身頃、両袖のアーム部分にクセ取りという、アイロンでフォルムを作る工程を入れています。これは工賃の多い少ないにかかわらず、全アイテムを対象にした標準工程です。作業時間としては20〜30分ほどですが、これを入れるか入れないかで、製品になったときのフォルムやシルエットの美しさが全然変わってくる。当社にとっては標準工程で仕様書にも入れていないですし、当然工賃には反映されない。当社の場合は他にも、ほぼ全商品の生地試験もやります。同じ品番の生地でも色が違うだけで、縮率などが変わるからです。当社は最新の3DCADソフトを入れていて、その生地試験の結果を見ながら、取引先からもらったCADデータをこちらで修正します。そうすればいい製品を作れるし、不良品の発生率も下がる。ではなぜそんなことをやっているか。それはいいものを作りたいからです。取引先から求められているからではないんです。こうした細かいこだわりは例を上げればキリがない。これは当社だけじゃないですよ。少なくとも私の知っている久慈の縫製工場はどこもそうしたテクニックをたくさん持っている。自主的に誇りを持ってやっているんです。だから強い。

WWD:にも関わらず、もう随分前から日本の縫製産業は減少し続けています。なぜでしょう?

森奥:それはグローバル化や海外企業の技術力の向上など、いろいろあると思いますよ。日本の縫製産業だって技能実習生を入れることで、延命を図ってきたようなところもある。でも、縮小の一因として日本のアパレルがモノづくりの現場を軽視してきた部分も小さくない。先ほど話したアパレル側が現場に入らないのは、その象徴です。

WWD:昔は違ったのでしょうか?

森奥:昔は本当にこだわりの強いパタンナーやデザイナーがいて、よく彼ら/彼女らも工場に来て、あれこれ注文をつけたり、あーでもない、こうでもないと一緒になって考えたりしたものです。実際、先ほどの「クセ取り」工程はそうしたブランドのパタンナーと当社のベテラン縫製技能士とのディスカッションから生まれたアイデアです。それを経営者の私が工場としての付加価値を上げるために、当社の標準的な工程にした。先ほど20〜30分の工程だと言いましたが、縫製工場の経営者は誰もが、一着あたりの生産性を1秒でも短くしようとしている中で、この20分30分は大きい。それでもやっているのは、いい服が作れれば、その一念です。

WWD:10年前の東日本大震災のことを教えてください。

森奥:当社は幸いにも工場の敷地の一部が浸水しただけで、直接的な被害はそう大きくはなかった。それでも従業員の中には家が流された人もいたし、すぐ裏手にあった久慈ソーイングさんは津波が直撃して工場はメチャクチャになった。振り返ってみても、被害が少なかったのは僥倖です。地震が起こった直後、うちの会社はすぐに裏手の高台に従業員を全員避難させました。あのときに帰宅させていたら、津波の被害に合っていたかもしれない。震災から一週間はライフラインが止まり、私も避難所で生活していました。わずか一週間で再稼働できたのは、ラッキーだったとしか言いようがない。いま振り返ってみても、地震そのものよりも、やはり影響が大きかったのは津波です。工場が津波を被った、被っていないかでかなり違う。

WWD:当時はどんな支援があったのでしょう?

森奥:県や市、それに多くのアパレル企業からも支援をいただきました。本当に感謝しています。震災から1ヵ月後に上京して支援をお願いした際には、ある有力な取引先のトップはその場で社員を集めて「とにかく出せるオーダーを出しなさい」と言ってくれた。ある小さなブランドも「一型しか出せませんが」と言いながら、オーダーを出してくれました。嬉しかった。復興を考えた場合、仕事をもらうことが何よりも大きな支援になったからです。

森奥:その一方で、あるアパレルの生産担当役員に「海外に出す分の数%でもいいから発注を回してほしい。それが非常に大きな支援になる」とお願いしたら、即座に「無理だね。うちも苦しいから」と断られたこともあった。取り付く島もなかった。悲しさもありましたが、それ以上に悔しかった。こちらは必死に日本で作り、日本のもの作りを守りたい、と思ってやってきましたが、実際にアパレル側はそうではなかったと感じたからです。これは当社だけじゃない。実際に久慈の同業者の中には納入が遅れた分の補償を求められた企業もあって、これには久慈の縫製企業が一丸となって阻止しました。どこかで日本のアパレルは、日本でのもの作りを自分の都合のいいようにしか考えていないところがある。それはこの10年、縫製産業が減り続ける一因にもなっていると感じています。

WWD:どうすればいいのでしょう?

森奥:冒頭にも言いましたが、かつてのようにデザイナーやパタンナーが工場に入って、一緒のもの作りというのは難しいと思います。では、どうするか。すでに現場では、量産できるように仕様書の作り直したり、生産ラインに応じて納期を提案したり、工場側が主導権を握っていることが多いんです。日本製は確かに高い。でも、こんなこと海外の工場とできますか?そもそも海外の工場は受注元から来た仕様書を改善して戻す、なんてことしませんよ。だからこれからは工場の時代だと思っています。当社には一級技能士が10人もいて、中には40年以上のキャリアがあって自分でパターンを引ける技能士もいる。

森奥:現在の3DCADソフトは、3Dのグラフィックには目を見張るものがありますが、型紙データを3Dに反映することはできない。ですが、テクノロジーが進化して、型紙(2D)を修正すれば、それがそのまま3Dバーチャル服も修正できるような3DCADソフトができれば、当社の一級技能士がパターンメイキングもできるようになる。これは大きい。工数を劇的に減らすことができる。そうなると、小ロット多品種の服作りも可能になるかもしれない。

WWD:未来は明るいですか?

森奥:明るいですよ。そう信じています。でも、足元は不透明で、グラグラしている。実は3月までは医療用ガウンでしのいできましたが、その後の4月5月は受注がほとんどないような状態です。当社は大半が地元雇用で、こちらに家があって家族もいる。県や地域をまたぐような流動性がないから、もし当社が倒産したら、こうした人材は埋もれることになる。これまで倒産した縫製工場はすべてそうやって、貴重な技術が失われてきたのです。それだけは絶対避けないと。明るい未来のために、あともう少しだけ生き残る必要がある。そのために必要なのは、日本のアパレルメーカーの姿勢です。それが、いま問われているのだと思います。

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イトキンがD2Cの新ブランド 働く女性にストレスフリーの服

 イトキンは、婦人服の新しいD2Cブランド「コンフィークチュール (COMFY COUTURE BY OFUON)」を今春から販売する。究極の着心地をテーマに掲げたニットとカットソーに特化したブランドで、新常態の働き方や生活に対応する。3月11日にネット通販(EC)サイトを開設するのと同時に、百貨店やファッションビルで展開する「オフオン(OFUON)」の26店舗でも取り扱いを始める。

 女性の新しい働き方に対応するため、オフィスワークでもリモートワークでも着まわしがきくブランドして企画した。ジャケット、コートからワンピース、カットソー、スカート、パンツといった幅広いアイテムは全て伸縮性に優れたニットのため、着心地がよく、余計なストレスがかからない。カジュアルすぎない品のあるデザインのため、オンライン会議でも見栄えがする。もともとニット製品に強みを持つ同社が、社内デザイナーおよび50数人の社内パタンナーの背景を生かして開発した。

 デザイナーの金礪亜貴(かねと・あき)さんは「今の働く女性が求めるきれい目でエレガントな雰囲気を大切にした。着心地やきれい目であることを表現するために、特に素材にこだわった。特にシームレスのニットは自信作だ」と話す。

 中心価格帯はカットソー4900〜6900円、ブラウス・ニット5900〜7900円、スカート・パンツ6900〜8900円、ワンピース8900〜1万1900円、ジャケット9900〜1万2900円。同社の百貨店ブランドに比べて買いやすい価格設定にした。ECに軸足を置いたブランドながら、既存の売り場を消費者との接点として最大限に活用する。

 同社のD2Cブランドとしては昨年秋にスタートしたリメイクブランド「リマイン(RE:MINE)」に続くプロジェクトになる。三宅英木副社長は「『コンフィークチュール』はイトキンを再びマーケットの真ん中に持っていく旗印に位置付けている。モノ作りの会社として、単に良いもの作るという姿勢から、マーケットニーズの一歩先を創造する企業へと変わる」と説明する。中期的に売上高20億〜30億円(小売りベース)の規模を計画する。

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「トモ コイズミ」や「ショーフィールズ」創設者ら登壇 ルミネと米「WWD」共催フォーラムレポ第1弾

 ルミネと米「WWD」は2月24日、「WWD オンライン リテール 2021 フォーラム」を開催した。日本のファッション・小売業界の活性化に向けて、国際色豊かなゲストスピーカーによる最新の知見を提供した。今に対処するだけでなく一歩先の未来を考えるきっかけづくりに生かしてほしいとの願いを込め、ほとんどのセッションは3月26日までオンデマンドで視聴可能だ。

 当日は編集部も、新しいアイデアや考えを楽しみに視聴した。登壇者はそれぞれの視点からサステナビリティやモノづくり、イノベーションなど、幅広いテーマについて語った。独自のオンライン戦略や小売りの活性化計画を通して、新型コロナのパンデミック前以上に「より良い社会」を見据えて動き出している。業界の最新ニュースを届ける1メディアとして、ファッション・小売業界の活性化のために企業の取り組みや情報を正しく・広く伝えることの必要性を実感。改めて、業界が抱える大量生産・消費・廃棄を生んでいる社会構造の変革に向けて、共に在りたいと思った。

 語られていた内容をもとに、フォーラムを理解するキーワード、「体験とつながり」「「パーパス(存在意義)」「”賢い“消費」「2次流通(セカンドハンド)」の4つを設定した。キーワードごとに第1弾と第2段に分け、各セッションの一部を紹介しながら参加企業の声や今後の展望をレポートする。

体験とつながり

パーパス(存在意義)

参加企業インタビュー
当事者として何を思う?

 ファッション産業全体が世界レベルで抱えていた社会問題を当事者として正しく認識し、学ぶことができたらと期待して視聴しました。問題に対する迅速な対応の必要性と、課題解決の実現に対する責任を感じています。業界に携わる全ての方々と共感を生むことで、課題やビジョンは業界での共通認識となり、結果、活性化につながります。幅広いテーマを多角的に捉えていて、さまざまな刺激をいただきました。

これからのファッションについて、
考えや心持ちはどう変化した?

 世界の変化の潮流や事例、知見を聞いて、これからの戦略の参考にしたいと思いました。主催のルミネおよび米「WWD」にはこれら最新事例を、参加者を巻き込んで実現することを期待しています。アパレル産業の根本的な課題を再認識出来たので、改革へ向けたモチベーションが上がりました。小売りに携わる方で、現状を変えたいと思っている全ての人に視聴してほしいです。

※オンデマンドの視聴は3月26日まで可能です。
※ダグ・スティーブンス=リテール・プロフェット創業社長のセッションはご視聴いただけません。
※参加費は無料です。
問い合わせ先
ルミネ海外事業部 フォーラム運営事務局
03-5334-0576

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「ジバンシィ」2021-22年秋冬パリ・コレクション

 「ジバンシィ(GIVENCHY)」が2021-22年秋冬コレクションをパリで発表した。

BACKSTAGE

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型破りなオリンピアンがブランド設立 「目標は2024年までにマザーズ上場」

 海や湖を遠泳するオープンウオータースイミングでオリンピックに2度出場したYASUこと福岡康が、ライフスタイルブランド「アイ スイム アンド トラベル アラウンド ザ ワールド(I SWIM AND TRAVEL AROUND THE WORLD)」を2020年12月に立ち上げた。運営は、福岡が亀井智史CFOと共にファンドや個人の出資を得て設立したアキレス・アンド・センチュリオ(Achilles&Centurio)だ。

 アイテムははっ水加工が施されたジャケット(6万8000円)やシャツ(2万1000円)、スエット(1万6000円)などベーシックなウエア5型とキャップやタオルで、販売は自社サイトが中心。ブランドを代表するジーンズ(3万3000円)は、「ハルヒト ジーンズ(HARUHITO JEANS)」の小西健太郎の協力を得て岡山で生産している。ヒップポケットには波型のステッチが入り、はっ水加工をかけ直すサービスも行う。主な顧客層に「泳ぐことをライフスタイルにしている人」を想定し、立ち上げ初月は水泳関係者らが購入して約1000万円を売り上げた。4月3、4日には代官山Tサイト ガーデンギャラリーでポップアップストアを開く。

 福岡は12年にロンドン、16年にリオデジャネイロ五輪に2大会連続出場し、リオでは8位に入賞。20年1月に現役を引退するまで年間200日の海外遠征をこなし、その中で「世界に通用する機能の服が作りたい」と構想を描いていった。ブランドはあくまで「ファッションではなく、ライフスタイルブランド。ファッションの感覚は取り入れたいけど、ブランドの軸は泳ぐこと」と強調する。

「絶対に成功できる。
目標が大きいとは思わない」

 ファーストコレクションのルックイメージには水泳大国オランダの五輪選手や関係者などを起用し、ブランドコンセプトを忠実に再現した。さらに競泳の塩浦慎理選手やパートナーのおのののか、種市暁にもモデルを依頼するなど、「泳ぐ」ことに関わる人をどんどん巻き込んでいる。今後は日常着をさらに充実させ、水泳用品やジム用ウエア、キッズアイテムなども拡充し、年間売上高2億円を目指す。将来的にはアキレス・アンド・センチュリオで水に関わる他の事業も立ち上げ「目標は2024年までに東証マザーズに上場」と夢は大きい。自身はオーストラリアとの二拠点で活動しているため海外での販路開拓も目指しており、「事業範囲は国内や海外というくくりではなく、地球」と何もかもが規格外だ。「水泳でいうと、まだバタ足ができるようになった程度。でも世界の水泳人口は多いし、その人たちにとって白ごはんのように当たり前の存在になれれば絶対に成功できる。目標が大きすぎ?僕はそうは思わない」。

 福岡を目標に向かって突き動かす原動力は、ファッションや人への強い愛情とパッションみなぎる行動力である。自らを「根っからのストリートヘッズ」と称する通り、街で偶然出会った憧れのファッション業界人にはサインを求めて一直線に突撃。五輪出場へのモチベーションは「個の存在感を高めて、憧れのファッション業界の先輩たちと肩を並べるため」というほど、型破りなアスリートだった。しかしビジネスの世界は、夢と希望だけで成功するほど甘くはない。それはオリンピックの舞台にまで上り詰めた福岡自身が一番分かっているはずだろう。ひたすら前向きな性格と、何事にも物怖じしないバイタリティーでビジネスの世界にも大きな波を起こせるのか、注目だ。

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「タカヒロミヤシタザソロイスト.」2021-22年秋冬パリ・コレクション

 「タカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATHESOLOIST.)」が2021-22年秋冬コレクションをパリで発表した。

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フェミニンゾーンケアブランド「アイム ラフロリア」がジムでポップアップを開催

 フェミニンゾーンケアブランド「アイム ラフロリア(I’M LA FLORIA)」を展開するメリア(MELLIA)は、ワークアウトスタジオ「グリットネーション 渋谷」で期間限定ポップアップショップを開催している。「アイム ラフロリア」全アイテムを用意し、期間は3月14日まで。「セルフラブ(自己愛)」をテーマに、世界水準の中でも低いとされている日本の女性の自己肯定感のアップを目指す。

 以前から「グリットネーション」に通っているという原由記メリア代表は、「『グリットネーション』はチームでともに場を楽しみながら体のバランスを整えることができる場所で、心から来てよかったと思える、背中を押してくれるトレーニングジム。私たちも女性の背中を押して毎日生き生きと活躍できるような提案をしたいと考えているので、シナジーを感じた。セクシャルウエルネスという言い方もしているが、その第一歩としてこういったコラボをすることでケアに加えて、内側から体もリフレッシュしてもらいたいという思いも届けたかった」と話す。

 和田由紀メリア代表は、「今までトレーニングをしたことがないという人もいると思うが、“トレーニングって面白い”“膣トレや膣ケアといった筋肉を鍛えると自分の健康状態が整う”という気づきになれば。心と体が整うことで、前向きになれたり、一歩踏み出すきっかけになれたりすることもある。ウエルネスという点で親和性のある所とコラボしていきたい」とコメント。

 メリアは「国際女性デー|HAPPY WOMAN FESTA」に賛同し、3月8日の国際女性デー当日には、“膣トレ”とよばれる膣とその周りのインナーマッスルである骨盤底筋を鍛えるピラティスとウォーキングのワンデーワークショップも開催した。

 なお、「アイム ラフロリア」は今年、多数のポップアップ開催を予定しているという。すでに大丸京都店(3月10〜23日)や大丸梅田店(4月7〜21日)での開催が決定している。原代表は、「直接ケア方法を知りたいというお客さまも多く、意識の高まりを感じている。指名買いはもちろん、デリケートゾーンケアが気になっていたという人の来店も多い。リアルでしっかりと商品を見てもらう機会を作りたい」と語る。

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「ミュウミュウ」2021-22年秋冬パリ・コレクション

 「ミュウミュウ(MIU MIU)」が2021-22年秋冬コレクションをパリで発表した。

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アシックスの新ライフスタイルブランド「ウノハ」は「大きな成長の一歩」 年間売上高50億円目指す

 アシックス(ASICS)は3月9日、女性向けライフスタイルブランド「ウノハ(UNOHA)」の発表会を行い、廣田康人社長COO、千田伸二常務執行役員、三浦亜友「ウィメンズ クリエイティブ スタジオ(Women’s Creative Studio)以下、WCS」マネジャーのほか、ゲストにモデルの河北麻友子とお笑い芸人のぺこぱが登壇した。

 同ブランドは、同社が注力するダイバーシティー&インクルージョンの一環として、女性社員を中心としたプロジェクト「WCS」のチームが立ち上げた。アイテムは木材パルプを原料とするリヨセル繊維を用いたトップスや、天然コットンを使用したスエットとパンツのセットアップなど、シーンを選ばずに着られるワンマイルウエアが中心だ。そのほか、レザーバッグやリサイクル素材を用いたスニーカーなどもそろえる。

 ブランドアイコンは、ブランド名の由来となった卯の花をモチーフに、“U”の文字を柔らかなタッチで表現した。三浦「WCS」マネジャーは「忙しい日々を過ごす人々が、『ウノハ』のアイテムを着用することでふとした瞬間に着心地の良さを感じたり、地球にも人にも優しい取り組みを通してサステナビリティに興味を持ったりする、日常に寄り添うブランドを目指したい」と語った。

 「WCS」の立ち上げをけん引した千田常務執行役員は、「われわれは女性社員が活躍できる環境と組織作りに努めてきた。今回の取り組みは、私の35年のキャリアの中でも初めてのチャレンジであり、大変緊張感を持って進めてきた。気付きも多く、たくさんの収穫があった。壁を感じることもあったが、確かな手応えを感じている」と話し、「今後、ユニセックスラインの立ち上げや海外進出も視野に入れ、5年目に年間売上高50億円を目指す」と展望を語った。

 さらに廣田社長は「昨年10月に策定した「ビジョン2030」では、デジタル強化と事業活動を通じたサステナブルな社会の実現を戦略目標に掲げている。『ウノハ』はウィメンズファッションへの参入という新たな挑戦であるとともに、デジタルとサステナビリティを中心に据えた大きな成長の一歩でもある」と話した。

 記者会見の後半では、河北とぺこぱが「ウノハ」のアイテムを着用して登場。ワンピースを着用した河北は「背中に少しだけインナーが見えるようなスリットが入っているデザインがとても可愛いし、シワもつきにくい。お家でリラックスする時もちょっとお出掛けする時も着たい」とコメントした。ユニセックのTシャツを着用したぺこぱは、マイクが飛ぶほどの派手な動きで登場し、「動きやすくて、いつもより全然キレが違いますね」と語った。

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「シャネル」2021-22年秋冬パリ・コレクション

 「シャネル(CHANEL)」が2021-22年秋冬コレクションをパリで発表した。

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「ミューラル」が名古屋の新鋭複合ショップ「ユルク」でポップアップ 限定コラボも発売

 村松祐輔と関口愛弓デザイナーによる「ミューラル(MURRAL)」は、名古屋のヘアサロン兼セレクトショップのユルク(jurk)とコラボレーションしたコレクションを3月12日に発売する。3月12〜16日にはユルクでポップアップイベントを行い、フラワーショップのエデンワークス(edenworks)による装花が内装を彩る。

 コラボコレクションは、「ミューラル」2021年春夏コレクションと同様に“コントラスト(Contrast)”がキーワードで、パレットに広がった色彩をモチーフにしたオリジナルプリントのアイテムや限定カラーのスーツ、ヘアアクセサリーをそろえる。同コレクションはユルクと「ミューラル」の公式ECサイトでのみで取り扱う。

 ユルクは20年8月に名古屋栄北に拡張移転し、1階にヘアサロン、3階にセレクトショップを構える。“ファッション、ライフスタイルにフィットした洗練されたデザイン”をコンセプトに、一人一人の個性に合ったヘアデザインとファッションを提案する。

■MURRAL POP-UP STORE
日程:3月12〜3月26日
時間:12:00-20:00
場所:ユルク
住所:名古屋市中区丸の内3-18-17徳三ビル3F

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Koki,が「ヴァレンティノ」の顔に 2021年春夏キャンペーンに抜擢

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、2021年春夏コレクションのキャンペーンビジュアルにモデルのKoki,を起用した。

 今シーズンは“ヴァレンティノ ディーヴァ キャンペーン(VALENTINO DI.VAs Campaign)”と題し、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエイティブ・ディレクターのビジョンを体現する国際的な人物を各国から起用。“多様な声や視点を持った価値(Different Value)”=“DI.VA”と解釈し、異なるカルチャーを持つ“ディーヴァ”たちを通じて、多面的な個性やインクルーシビティーなどを表現した。

 なお、Koki,を起用したビジュアルのインスピレーション源は、寺山修司監督の映画「草迷宮」だ。同キャンペーンは、21年春夏コレクション発売を記念して「ヴァレンティノ」表参道で3月12日から開催するインスタレーションに合わせてローンチする。

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札幌丸井三越、名古屋三越、岩田屋三越がトップ交代

 三越伊勢丹ホールディングスは9日、子会社の札幌丸井三越、名古屋三越、岩田屋三越のトップを4月1日付で交代すると発表した。

 丸井今井札幌本店、札幌三越を運営する札幌丸井三越の次期社長には、三越伊勢丹常務執行役員ストアクリエイショングループ長の神林謙一氏(52)が就く。現社長の栗原憲二氏は三越伊勢丹執行役員伊勢丹新宿本店長に異動する。

 名古屋三越栄店と名古屋三越星ヶ丘店を展開する名古屋三越の次期社長は、三越伊勢丹取締役常務執行役員MD統括部長の椎野聡氏(60)。現社長の笠原慶弘氏は三越伊勢丹HD執行役員に就任する。

 岩田屋本店と福岡三越の岩田屋三越の次期社長には、三越伊勢丹HD取締役執行役常務CFO兼三越伊勢丹取締役の伊倉秀彦氏(56)が就く。伊倉氏は三越伊勢丹HD取締役を兼任する。現社長の細谷敏幸氏は既報の通り、三越伊勢丹HDの社長に昇格する。

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デリバリー配達員にナンバープレートを。東京都が要請。

東京都がデリバリー代行サービス業者に対し、自転車の危険な走行を防ぐため、配達員のバッグなどに個別のナンバーを表示するよう、2月に設立された一般社団法人日本フードデリバリーサービス協会JaFDA(本社:東京都渋谷区、代表理事:末松 広行)に要請する。
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アトピーや乳がん患者などに多大な支持を得る下着「フリープ」の山本朱美  ランジェリー業界の開拓者vol.3

 新型コロナウイルスの感染拡大は、従来の商品やサービスの在り方に変化をもたらしている。対面のフィッティングを重視してきた下着業界にも影響を及ぼしているのは言うまでもない。ソーシャルディスタンスが重要視される中、接客やサービスにも変化が求められている。この連載では、コロナ禍に先んじて、既成概念に捉われない新領域の商品やサービスを生み出してきた下着業界の開拓者を紹介する。

 連載第3回は、下着メーカー島崎の自社ブランド「フリープ(FLEEP)」とODM事業の責任者である山本朱実・取締役営業部部長だ。2007年にスマイルコットン社の素材を使用した肌に優しいインナーブランド「フリープ」は誕生した。自社工場の高い縫製技術を最大限に生かし、縫い代を表に出すことで肌に当たらないようにするなど、丁寧かつこだわりのあるもの作りが高く評価され、年々売り上げを伸ばしてきた。最近はブランドの認知度も高まり、アトピー性皮膚炎や乳がん手術後の患者からも支持を得ている。

――「フリープ」のコンセプトと特徴は?

山本朱実・島崎取締役営業部部長(以下、山本):柔らかくて軽いスマイルコットン社の素材を使い、肌に当たる部分を極力フラットに仕上げたり、ゴムを使わずパワーネットを挟み込んだり、肌に優しい仕様にこだわっている。2007年のデビュー当時から日本アトピー協会推薦品として承認され、現在は乳がんの手術後の患者にも愛用してもらっている。19年は、月に一度ポップアップストアや医療機関で患者と接点を持つ相談会などを開催していたが、20年はそれができなかった。もどかしいが、取引先や顧客も同じ状況だ。コロナ禍だからといって患者がいなくなるわけでなく、医療機関のスタッフの相談にどのように対応するか試行錯誤している。若年層あればオンラインで相談もできるだろうが、年配層は難しい場合も多い。だから電話相談などを積極的に行っている。

――アトピー性皮膚炎患者に支持されるようになったきっかけは?

山本:10年に日本アトピー協会を通じて、横浜市の野村皮膚科医院の野村有子院長と出会ったことがきっかけだ。商品を見て「これだけ肌に優しいものなら、患者に紹介しましょう」と言われ、それから年3回、同医院のカフェの販売会に参加している。初めて患者や医者様の話を聞いたときは、いろいろな気付きの連続だった。例えば、肌に優しいと思って綿混レースを使っていたが、「綿混でも、レースが肌に直接触れると刺激になる」と言われてすぐにレースは全て肌に触れないように改善した。信頼できる医療関係者との出会いが、本当の意味で肌に優しいインナーブランドとして「フリープ」が成長するターニングポイントとなった。

下着が社会復帰を後押し

――乳がんの患者さんに浸透したのはいつから?

山本:2つのきっかけがあった。最初は13年に、岡山在住のブレストカウンセラーさんと出会ったこと。いくつかの病院と提携して患者と医療機関との間に入り、ブラジャーのアドバイスなどをしており、大阪の百貨店で「フリープ」を見て、術後の患者さんにも薦められると病院に紹介してくれた。ある日、大学病院の乳がんの認定看護師から本社に商品の説明に来て欲しいと連絡が入り、そこから広がって行った。2つ目は、元社員が紹介してくれた看護師との出会いだ。約300人登録がある日本乳がん看護研究会の代表世話人で、「フリープ」を気に入ってくれた。認定看護師が集まる年1回の勉強会では、ウィッグや下着など関連商品の企業展示があり、出展したところ、看護師にとても好評で、広まった。医療機関とのパイプを作ろうと戦略を立てて営業したというよりも、縁がつながって、想定していなかった領域に足を踏み込む結果になった。看護師や患者の要望やアドバイスを直接聞いて反映していなかったら、「フリープ」はここまで成長できなかった。

――「フリープ」がそこまで支持される理由は?

山本:医療関連の下着はデザインや色がかなり限られるのに対し、「フリープ」のナチユラルで心安らぐ雰囲気が受けたのだと思う。また、価格が手ごろなこともあり、「安心安全でリーズナブル。また、おしゃれ」という声が広がっていった。患者に「百貨店でも販売している誰もが使用している商品だ」と説明すると、「乳がんになったけれど、特殊な下着しか使えない悲しい状況じゃないのだ」と喜ばれたことが心に響いた。乳がんにより、あきらめなければならないのではなく、一般人と同じ下着をつけられることが、患者にとっては大きな励みになることを知った。見た目は通常の下着と変わらないけれども、細部まで配慮されているので術後の患者に使えることが「フリープ」の強みだと実感した。

――患者の接客で感じることは?

山本:乳がんの患者は、術後に社会復帰するケースが多く、乳房切除したことを知られたくないという思いが強い。接客して、ボディーラインがきれいに見えることを確認できると「ようやく社会復帰ができる」と言われることが多い。その明るい表情を見ると、下着が人生を変えることができるのだとうれしくなる。人に見えるものではないが、患者にとっては、前進する勇気を与える重要なものだと実感する。

ECに慣れていない顧客との接点を大切に

――コロナ禍にも関わらず、20年5〜10月が増収増益となった理由は?

山本:店舗が休業した4〜5月は、売り上げを自社ECと電話・FAXの注文でカバーし、20年5〜10月は前年同期比9%増になった。電話・FAXの注文は19年2月に、個別データを管理し効率的に注文を受ける顧客対応チームの体制を整えていたことが奏功した。店舗の休業中は、他社様同様、ECの売り上げが伸び、20年5〜10月は同32%増になったが、電話・FAXの注文はそれ以上に好調で2倍以上伸長した。電話注文は外注ではなく社内スタッフが対応するため、私自身もひたすら電話をとる日があった。顧客とゆっくり話して要望を聞くことができた貴重な時間だった。ECに力を入れているが、ECに慣れていない顧客もいる。そういう顧客との接点をどう持つか、これからも探っていきたい。

――これからの課題は?

山本:在庫は減らしつつも欠品しないよう適正な在庫管理をすること。自社工場と連携しながら、必要な時に必要な量を適宜提供していく体制作りは、今後「フリープ」が健全に成長するために不可欠だと考えている。もう一つは「フリープ」の存在を知らず、悩みを抱えている人にどのように発信していくかが課題だ。「こんな下着があるなんて。もっと早く知りたかった」という声を聞くたび、ブランド認知度を上げていかなければと思う。

川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター、日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身

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赤字12億円に転落の老舗焼肉チェーン「安楽亭」。好調な焼肉分野で「ころんでしまった」のは、なぜ?

 関東中心に焼肉店200店あまりを展開する株式会社安楽亭(本社:さいたま市、代表取締役:柳 先氏)が不振にあえいでいる。2021年3月期第3四半期は、売上高こそ吉野家から買収したアークミール分が上乗せとなり、前年同期比で66%のプラスとなったが、最終損益は12億円弱の赤字。通期でも最終赤字は避けられない見通しだ。コロナ禍で比較的好調と言われる焼肉業態だが、同社は完全に負け組となった。アークミール事業の不振が大きいが、それだけでない理由がある。 *「赤字40億円」の表現でしたが、12億円でした。お詫びして訂正します。
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赤字40億円に転落の老舗焼肉チェーン「安楽亭」。好調な焼肉分野で「ころんでしまった」のは、なぜ?

 関東中心に焼肉店200店あまりを展開する株式会社安楽亭(本社:さいたま市、代表取締役:柳 先氏)が不振にあえいでいる。2021年3月期第3四半期は、売上高こそ吉野家から買収したアークミール分が上乗せとなり、前年同期比で66%のプラスとなったが、最終損益は40億円弱の赤字。通期でも最終赤字は避けられない見通しだ。コロナ禍で比較的好調と言われる焼肉業態だが、同社は完全に負け組となった。アークミール事業の不振が大きいが、それだけでない理由がある。
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「業スー」ですか? いえ「餃スー」です。激安スーパーをパクリ、「業務用」と「会員価格」でコスパをアピール

 3月2日(火)、福岡市・中洲に「餃子スーパー酒場 博多中洲店」が開店した。「スーパーのように普段使いができる」がコンセプトだが、メニューブックも店内のPOPも著名な激安スーパーそっくりだ。コスパをアピールするための新しい手法だ。
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「エルメス」のメイクアップライン第2弾は“ローズ・エルメス” 初のチークや専用ポーチが登場

 エルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL以下、エルメス)は4月14日に、昨年3月に発売したメイクアップライン第1弾“ルージュ・エルメス”に続く第2弾“ローズ・エルメス”を発売する。製品はパウダーチーク、メイクブラシ、チーク専用ポーチ、リップスティックをそろえる。伊勢丹新宿本店、ジェイアール名古屋タカシマヤ、阪急うめだ本店のポップアップのほか、「エルメス」のビューティ製品取り扱い店などで販売する。
 
 新たに登場するチーク“ローズ・エルメス ファー ア ジュ プードル ソワユーズ”(全8色、各8200円)は、シルクのようなきめ細やかで滑らかなテクスチャーが特徴で、透明感のある美しい仕上がりをかなえる。カラーはローズをテーマにした全8色をそろえ、香りは“ルージュ・エルメス”の香りも手掛けた調香師のクリスティーヌ・ナジェルが、アルニカとサンダルウッドの香調にグリーンティーをきかせた香りを新コレクションのために生み出した。ホワイトとゴールドを基調としたケースは、チークを収めた円をあえて中心からずらしたデザインで遊び心を加え、曲線で女性らしさを表現。ケースは繰り返し使用でき、チークはリフィル(各4500円)交換可能となっている。そのほか、チークブラシ“ローズ・エルメス パンソー ファー ア ジュ”(1万100円)、トラベル用チークブラシ“ローズ・エルメス パンソー ファー ア ジュ ノマド”(5500円)、チークとチークブラシを収めるために特別にデザインしたポーチ“チークケース〈ポメット〉”(46万7000円)をラインアップする。

 さらに、レザーの手触りから着想を得たリップスティック“ローズ・エルメス ローズ ア レーヴル”(全3色、各7800円)も登場する。滑らかなテスクチャーは体温で溶けてしっとりとなじみ、唇を保湿しながら柔らかなマットな仕上がりをかなえる。

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赤楚衛二主演、おやすみ3分前の“キュン”を提供する「アモスタイル」のSNSドラマ

 トリンプ・インターナショナル・ジャパンは3月10日、「アモスタイル(AMOSTYLE)の公式インスタグラムでSNSドラマ「AM0:00 夢みるドラマ」を配信する。出演は若手俳優の赤楚衛二。同ブランドの人気アイテム“夢みるブラ”から派生したドラマは全16シーンで構成されており4月28日まで毎週水曜日AM0:00に2シーズンごと配信する。

 このドラマは「アモスタイル」の店頭で配布されている公式ビジュアルブック「アモスタイル ガールズジン」が着想源で、2021年のブランドのスローガンである“明日も、キュンとハッピーだ”を体現したもので、さりげない日常の中の女性目線の“キュン”を擬似体験できる。赤楚は、「日常の小さな幸せや優しさを表現したいと思ったので、演じるのではなく、“そこにいる”を心掛け、相手を思う気持ちを大事にした」とコメントしている。

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鏡の中のトレーナーと自宅で24時間オンラインフィットネス ヤギがへルスケア事業をパワーアップ

 繊維商社のヤギは、東京都や神奈川県でフィットネスクラブ「ワンサードフィットネス(ONE THIRD FITNESS)」の運営などを手掛けるワンサードレジデンス(ONE THIRD RESIDENCE)と「フィットネスミラー(FITNESS MIRROR)」事業における販売代理店契約を締結した。

 ワンサードレジデンスが開発した「フィットネスミラー」はミラー型のオンライントレーニング用デバイスで、鏡に映った自分の姿をモニターしながら、鏡の中のトレーナーの指示に従ってトレーニングできるというもの。筋力トレーニング、ヨガ、ピラティス、ダンス、ボクササイズなど多くのコンテンツが収録されており、「ワンサードフィットネス」の全店舗に導入されている。仕事や家事が忙しくてジムに通えない人、コロナ禍のステイホームにおけるオンライントレーニングなどの需要に対応する。価格は、月額1万2000円(24回分割プラン)など。

 ヤギのグループ会社でフィットネスブランドの販売やパーソナル健康管理アプリ開発などを手掛けるドリーム ボックス(DREAM BOX)との戦略的パートナーシップにより、「フィットネスミラー」を法人、個人に対して販売、レンタルの事業を展開するほか、新しいサービスやコンテンツの共同開発、イベントの開催も計画している。

 ヤギは先の中期経営計画で“新領域への挑戦”を掲げ、積極的なM&A(合併と買収)により繊維事業だけではなく異分野へ業容を拡大してきた。その1つが、2019年に全株式を取得してグループ会社化したドリーム ボックスだ。同社は、EMS(筋電気刺激)テクノロジーを取り入れた家庭用トレーニングウエア「アクティブ(ACTIVE)」などを手掛けており、ワンサードレジデンスとの相乗効果でウエルネス、ヘルスケア事業をパワーアップさせる考えだ。

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鏡の中のトレーナーと自宅で24時間オンラインフィットネス ヤギがへルスケア事業をパワーアップ

 繊維商社のヤギは、東京都や神奈川県でフィットネスクラブ「ワンサードフィットネス(ONE THIRD FITNESS)」の運営などを手掛けるワンサードレジデンス(ONE THIRD RESIDENCE)と「フィットネスミラー(FITNESS MIRROR)」事業における販売代理店契約を締結した。

 ワンサードレジデンスが開発した「フィットネスミラー」はミラー型のオンライントレーニング用デバイスで、鏡に映った自分の姿をモニターしながら、鏡の中のトレーナーの指示に従ってトレーニングできるというもの。筋力トレーニング、ヨガ、ピラティス、ダンス、ボクササイズなど多くのコンテンツが収録されており、「ワンサードフィットネス」の全店舗に導入されている。仕事や家事が忙しくてジムに通えない人、コロナ禍のステイホームにおけるオンライントレーニングなどの需要に対応する。価格は、月額1万2000円(24回分割プラン)など。

 ヤギのグループ会社でフィットネスブランドの販売やパーソナル健康管理アプリ開発などを手掛けるドリーム ボックス(DREAM BOX)との戦略的パートナーシップにより、「フィットネスミラー」を法人、個人に対して販売、レンタルの事業を展開するほか、新しいサービスやコンテンツの共同開発、イベントの開催も計画している。

 ヤギは先の中期経営計画で“新領域への挑戦”を掲げ、積極的なM&A(合併と買収)により繊維事業だけではなく異分野へ業容を拡大してきた。その1つが、2019年に全株式を取得してグループ会社化したドリーム ボックスだ。同社は、EMS(筋電気刺激)テクノロジーを取り入れた家庭用トレーニングウエア「アクティブ(ACTIVE)」などを手掛けており、ワンサードレジデンスとの相乗効果でウエルネス、ヘルスケア事業をパワーアップさせる考えだ。

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2020年商標出願件数ランキング 資生堂が3位にランクイン

 世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization、以下WIPO)の調査による2020年商標出願件数ランキングで、資生堂が3位にランクインした。出願件数は前年から70件増加の130件で5つ順位を伸ばした。前年(19年)のランキングで1位だったロレアル(L‘OREAL)は、前年から78件数を減らし115件を出願し5位だった。

 新型コロナウイルスに反して「イノベーションは立ち直りが早い傾向にある」とWIPOのダレン・タン(Daren Tang)ジェネラル・ディレクターは記者会見で見解を示した。ファッション・ビューティ企業は世界的にみても積極的に商標出願を行っているという。

 ファッション・ビューティ企業の商標出願件数の推移の一例は以下の通り。

【前年から出願件数が増加した企業】
・アバクロンビー&フィッチ ヨーロッパ(ABERCROMBIE & FITCH EUROPE SA):48件(前年38件)
・ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI):21件(前年10件)
・リシュモン インターナショナル(RICHEMONT INTERNATIONAL S.A.):17件(前年14件)
・モンクレール(MONCLER S.P.A.):16件(前年15件)
・ファーストリテイリング(FAST RETAILING):14件(前年13件)

【前年から出願件数が減少した企業】
・LVMH フレグランス ブランズ(LVMH FREGRANCE BRANDS):13件(前年25件)
・エルメス インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL):16件(22件)
・シャネル(CHANEL SARL):15件(前年21件)

 20年の国別出願件数は、米国が1万5件(前年1万90件)でトップを維持した。このうちアパレルおよびアクセサリー分野が8.8%のシェアを占めるという。これにドイツ(7334件)、中国(7075件)、フランス(3716件)、英国(3679件)が続く形となった。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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マシューの「ジバンシィ」は充実のバッグとチェーンアクセに注目 2021-22年秋冬展示会速報

 「ジバンシィ(GIVENCHY)」が、メンズとウィメンズの2021-22年秋冬コレクションを3月7日にデジタルで発表しました。マシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)=クリエイティブ・ディレクターのデビューシーズンとなった前季はルック写真の公開のみだったため、映像で披露したのは初です。内容は、パリ郊外の大きなスタジアムで撮影されたランウエイショーでした。マシューは「精密さ、優雅さ、ぜいたくさと共に現実味のあるリアルな服を作りたかった」という思いのもと、実用性とぜいたく感、快適性とプロテクト感を軸にして制作に取り組んでいます。ルックでは武装するようにレイヤーを重ね、グローブやネックウオーマーで体をプロテクトし、合成ゴムの未来的なシューズで足を完全に覆っています。そこに合わせるのが、ゴツいチェーンや南京錠がついたアクセサリーです。

 展示会場では、メンズのバッグが豊富に並んでいました。消防士のユニフォームやバッグから着想を得てデザインしたという数種類の新型バックパックは、実用性を重視した作りとのこと。ファーのキャップやバンダナが付いたハットもメンズアイテムでした。ウィメンズは、マシューが再解釈したアイコンバッグ“アンティゴナ”の素材や色違いがラインナップ。ほかにもミニバッグのカラーバリエーションを増やし、クラシックなショルダーバッグも登場しました。ショルダーストラップは、ジュエリーのようなチェーンか、安定感のあるレザーかを選ぶことができます。“V”の形状が印象的なハンドバッグ“カットアウト”はユニセックスでの提案です。ブランドの頭文字“G”をいくつも重ねたチェーンはマシュー得意のアイテムで、ネックレスやチョーカー、ピアスと存在感のあるジュエリーが豊富にそろいます。ちなみに、チェーンや南京錠、バッグに付いたバックルは結構重さがありました。個人的には、”G”の文字を半分に切ったクラッチバッグに心惹かれました。オブジェのように自宅に飾れたら、最高のぜいたくです!

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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渋谷スクランブルスクエアがスプリングフェア開催 春を感じるトレンド商品多数

 渋谷スクランブルスクエアは、スプリングフェア「スクランブル スプリング2021(SCRAMBLE SPRING2021」を開催中だ。「SPRING IS HERE. 今と、私と、HUGしよう。」をテーマに、新しい自分に出会えるファッションアイテムやライフスタイルグッズ、春の食卓を彩るスイーツ・デリなどを多数そろえた。期間は3月17日まで。

 「ナージー(NERGY)」はアクティブなライフスタイルをスタートする人たちに向けてロゴを刺しゅうしたフーディーやフラワープリントのタイツとブラトップのセットアップを、「パブリックトウキョウ(PUBLIC TOKYO)」は新生活に彩りを添えるファッションアイテムをバリエーション豊かに提案する。そのほか「ルコント(A.LECOMTE)」や「アースカフェ(URTH CAFE)」は、家族や友達と楽しみたい春らしいスイーツやデリ商品を販売する。レストランフロアでは、各レストランが旬の食材を豊富に使ったメニューを提供する。

 スペシャルコンテンツとして、モデルの佐田真由美とスタイリストの新居由梨がお互いにプレゼントしたいトレンドアイテムを探すショッピング動画を公式ウェブサイトで配信中だ。

■SCRAMBLE SPRING2021
日程:2月25日〜3月17日
場所:渋谷スクランブルスクエア
住所:東京都渋谷区渋谷2-24-12

問い合わせ先
渋谷スクランブルスクエア
03-4221-4280

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「クリスチャン ルブタン」株24%をフェラーリオーナー一族が約700億円で取得

 イタリアの財閥でフェラーリ(FERRARI)社のオーナーとしても知られるアニェッリ(Agnelli)家の投資会社エクソール(EXOR)は、5億4100万ユーロ(約697億円)を投じてクリスチャン ルブタン社の株式の24%を取得した。

 両社は「この提携は(クリスチャン ルブタンの)次のフェーズへの進化を加速させる」と共同で声明を発表。中国でのプレゼンス向上とデジタルおよびEC強化に取り組むという。

 株式取得は21年6月までに完了する見込みで、取締役7人のうち2人をエクソール側から任命する予定だ。ルブタン本人とビジネスパートナーのブルーノ・シャンベラン(Bruno Chambelland)は引き続き過半数株式を保有する。

 ルブタンはアニェッリ家とは数十年来の親交があると話す。アニェッリ家出身の母をもつジョン・エルカン(John Elkann)=エクソール会長兼最高経営責任者(CEO)とは20年ほど前に中国に出張した際に出会い、エルカン会長兼CEOの妹の映画プロデューサー兼ディレクターのジネブラ・エルカン(Ginevra Elkann)とは親友だという。

 エクソールは、2020年12月にエルメス・インターナショナル(HERMES INTERNATIONAL)が保有する中国発ライフスタイルブランドの「シャンシア(SHANG XIA)」に約8000万ユーロ(約100億円)を投資したばかりで、今後ファッション業界に進出する可能性があるとみられている。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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ミウッチャとラフはマークやレム・コールハースと何を話した? 「プラダ」2021-22年秋冬コレクション発表後の対話イベントで

 新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、各ブランドがさまざまな趣向を凝らしたデジテル形式のコレクション発表に力を注ぐ中で、「プラダ(PRADA)」は2月25日に2021-22年秋冬コレクションショーをデジタル形式で開催した。ショーの後にはユーチューブ(YOUTUBE)のファッションおよびビューティ部門トップのデレク・ブラスバーグ(Derek Blasberg)が司会を務めるパネルディスカッションが行われ、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)のほかにラフ・シモンズ(Raf Simons)、デザイナーのマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、アカデミー賞のノミネート経験を持つ映像監督で作家、プロデューサー業もこなすリー・ダニエルズ(Lee Daniels)、ショーの音楽を手掛けたプラスティックマン(Plastikman)ことリッチー・ホゥティン(Richie Hawtin)、建築家のレム・コールハース(Rem Koolhaas)、トランスジェンダーモデルのハンター・シェーファー(Hunter Schafer)がそれぞれリモートで参加した。

 ミウッチャは、「オーディエンスがいないとなれば、発言内容により一層意識を向けて雰囲気を作っていく必要がある。人がいないところで話をするのはいつも以上に難しいし、筋が通った見せ方や編集を行うのも以前と違って簡単ではない。そのうちリアルショーに戻ると思うが、デジタルショーで学んだことを無駄にしてはいけないし、両方の要素を組み合わせたら面白くなるだろう」と語った。

 ラフは、「リアルショーに慣れきっていたこともあり、コールハースとはライブ感のあるデジタルショーを作る方法や、空間と洋服を物理的にも心理的にもどのように結びつけるのかについてたくさん話をした。私たちはただショーの動画を撮影していたわけではない」とコメントした。

 「プラダ」は2021-22年秋冬シーズンのミラノ・ファッション・ウイークで、コールハースと彼の建築設計事務所OMAの研究機関であるAMOが考案した、色鮮やかなエコファーと大理石を部屋の床や壁に施した、1月のメンズショーと同じ空間演出でウィメンズ・コレクションを発表した。これに対してコールハースは、「ショーは前もって計画できるが、アドリブも強く求められる。常にオリジナリティーのあるアイデアで挑戦できる」と語った。

 ジャズシンガーのビリー・ホリデイ(Billie Holiday)の伝記映画、「The United States vs. Billie Holiday(邦題未定)」を監督したダニエルズは、主役を演じるグラミー賞ノミネート経験もあるシンガーソングライター、アンドラ・デイ(Andra Day)が劇中で着用する衣装を「プラダ」に依頼した。ダニエルズは、「無観客のファッションショーではフロントローのセレブなどほかに目を向ける存在がいないため、コレクションから目を離さずにひたすら集中することになる」と指摘した。

 ラフは21年春夏シーズンからミウッチャと共同でコレクションを手掛けているが、ランウエイショーの構成や映像化については、以前よりも簡単に決定を下せるようになったという。

 一方でコールハースは、「動画を用いたデジタルショーでは“服を背後から写すシーンで始まり、遠くに消えていきながら終わる”といった、さまざまな視覚的要素を取り入れられる」と述べた。

 ホゥティンは、「音楽はファッションやそのディテールと深く関わっており、リアルショーの時より親しみが増した気がする。デジタルショーと音楽は共生している。コールハースの建築と同じように、音楽はショーをサポートするための枠組みのようなものだ」と語った。

 これに対してラフは、「音楽は映像にエネルギーをもたらし、最終的な結果に大きく貢献する」とした。

 ダニエルズはビリー・ホリデイの映画で「プラダ」と協業したことについて尋ねられると、「ミウッチャの素晴らしい仕事を抜きにしても、ミウッチャはビリーと同じく強い女性だ。彼女に衣装を依頼するのは緊張したが、アーティストとしてとても真剣に取り組んでくれた。当初から彼女が100%の力で取り組んでくれると思っていたし、ビリーの命を衣装に吹き込むことができる人はミウッチャ以外に思いつかなかった」と話した。

 シェーファーは、「ドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA(Euphoria)』に出演したことで、衣装やメイクによってさまざまなシーンが強調されたり、クールな効果を付けたり、何かを引き出せたりすることを実感して、大きな学びを得た」とコメントした。

 また、ミウッチャが映画や文学に関心を持っていることから、ほかのパネリスト達がどういった分野に関心を持っているのかを尋ねるシーンもあった。

 ホゥティンは空間や彫刻と答え、コールハースは「お互いが別の惑星から来た者同士だと想定して、仕事相手が目指しているものや彼らの習慣、文化、美学などを理解し、自分の視点やそれが意味するものを解釈するのに役立てている。また、スピード感のあるファッション業界とのコラボは楽しかった。たった15秒で何かすごいものを作り上げることができる。人類学の細かな部分とファッションの直感的なひらめきを掛け合わせるのは非常に素晴らしい」と述べた。

 マークは、「映画、芸術、音楽に加えて“人生のアート”にも関心がある。生きている以上、あらゆるレベルでの人生経験が必要だ。私たちが実践していることは、“綺麗なインテリア”といった類いの、生活を彩るための美的要素に過ぎない」と語った。

マークやレム・コールハースが語る“プラダらしさ”

 また司会者のブラスバーグがパネリストに“プラダネス(Pradaness、プラダらしさ)”の定義を訊ねると、ミウッチャが苦笑する場面もあった。

 マークは「“プラダネス”とは、ミウッチャ自身のことさ。ミウッチャとラフは共同でコレクションを手掛けているが、やはりミウッチャの類いまれなるセンスや着眼点、文化、知性、ファッションへの愛には感銘を受ける。“プラダネス”と、イタリア人映画監督のミケランジェロ・アントニオーニ(Michelangelo Antonioni)、フェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)、ルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti)らが手掛けた映画には、“何でも受け入れる懐の深さ”という点において通ずるものがある。はっきりと言い表せないが、そうした要素を随所に感じる」とコメントした。

 ミウッチャや彼女の夫でプラダ共同最高経営責任者でもあるパトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)とも長年にわたって仕事をしてきたコールハースは、「ミウッチャは何かを嫌いに思うとき、ただ普通に嫌ったり拒絶したりするのではなく、対象のあらゆる側面を検討して、そこから得たエネルギーをほかの何かに生かしている。とても素晴らしいと思う」とコメントし、これに同意するラフの傍らでミウッチャが笑っている、というシーンもあった。

 ミウッチャは、「マークが言ったように、ファッションはインスピレーションと人生に深く根ざしている分野だ。私たちは基本的に、建築や音楽、そしてそのパフォーマーたちと関わりながら物語を伝えていかなければならない。突き詰めていくとファッションは人生なので、他者の介入が必要になる」とコメントした。

 マークは、「こうしたやりとりは興味深くて勉強にもなるし、クリエイティブな方向性を感じる。確かに以前は忙しいスケジュールに文句を言っていたが、実際に休みを取るのは変な気がしたし、難しくもあった。まさにハムスターが車輪の中で走っているように、休むことができない感じがしていた。しかし今季はまだショーを開催しておらず、今は休みがあることで文句を言っている。休めなかった日々が恋しい。私は尊敬する人びとにかなり関心があるため、今回のパネルディスカッションは非常に興味深い」と語った。

 するとコールハースは、「緊急性のある地球温暖化やサステナビリティの分野では科学者との協力関係も必要だが、そこには美学や忍耐がほとんどないため、一般的にテンポが遅いと言われる建築業界のスピードは加速し、結果的にはかなり思い切った変化を引き起こしている。突如として緊急性のある事態に直面したことで、すべての優先事項を無視しなければならなくなった。新鮮だし、みんなで協力する必要がある」と話した。

 ミウッチャは、「私もそう思う。今回のパネルディスカッションでは気軽な問題について話をしたが、今現在、多くの政治的問題や業界としての正しい行動に対する責任、変化に貢献すること、そして多様性、ジェンダー、生態系といった問題に真剣に取り組むことが求められている。すべてを解決することはできないが、責任を持って積極的に行動することが大切だ。こうした問題を取り上げて、正しい方向に一歩踏み出していくことが重要だ」と述べた。

 今回で3度目の開催となる対話形式のイベント、“プラダ・インターセクションズ(Prada Intersections)”は、ミウッチャとラフがよりダイナミックな創造性を求めてファッション業界以外の人びとコミュニケーションを図り、新しい意見に触れることを目的としている。2人は1月に開催された2021-22年秋冬シーズンのメンズショー終了後にも、世界の大学やカレッジから選ばれた学生たちとリモート形式で対話する機会を設けた。また20年9月には、ショーに先駆けて公式ウェブサイトで両者への質問を募り、2人の対談のライブ配信も行った。

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アレキサンダー・ワン、告発内容を認める声明を発表 性的暴行被害者らに謝罪

 アレキサンダー・ワン(Alexander Wang)は、一連のセクシャルハラスメント疑惑に対し、再び自身のインスタグラム上で声明を発表した。

 ワンは3月9日、「最近、私の過去の行いについて複数人から告発を受けた。私は彼らが声を上げる権利を支持しており、その意見に注意深く耳を傾けた。体験を語るのは容易ではなかっただろうし、彼らに苦痛を与えるような行動をしてしまったことを後悔している。こうした個人的なやりとりについていくつか意見が相違する点はあるものの、今後はよりよい手本となるべく、私の知名度や影響力を使って有害な行為に対する認識を広めていきたい。人生とは学びと成長の場であり、今回学びを得たからには、より向上したいと思う」と投稿。1月5日付の声明では疑惑を全面的に否定していたが、今回は告発の内容を認めたと受け取れるものとなっている。

 事の発端は、2020年12月28日にモデル兼グラフィックデザイナーのオーウェン・ムーニー(Owen Mooney)が、17年にニューヨークのクラブで有名な男性デザイナーに局部などを触られたと告発する動画を投稿したことだ。その際、加害者の名前は伏せられていたが、「ワンに対する同様の告発を見たことがある。ワンではないか?」とのコメントが寄せられ、ムーニーは次の投稿で相手がワンだったことを公表した。ワンはこれを否定したものの、その後も同様の告発が相次いでいた。

 被害者らの代理人を務めているリサ・ブルーム(Lisa Bloom)弁護士は、2月24日の時点では「訴訟を起こすかどうかについてはまだ明らかにできない」と述べていた。しかし3月9日に、「被害者の方々はアレキサンダー・ワン本人と会い、彼らが体験したことや、その痛みや苦しみを伝える機会を得た。われわれは同氏の謝罪を受け入れ、前進することにした」と、やはり自身のインスタグラムに投稿している。

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「リック・オウエンス」2021-22年秋冬コレクション

 「リック・オウエンス(RICK OWENS)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。

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「ショーメ」がドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ」とコラボ 大地真央が億越えジュエリー着用 

 フランス・パリ発ジュエラー「ショーメ(CHAUMET)」は4月10日にスタートするドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ」とコラボレーションする。このドラマは、東海テレビ・フジテレビ全国ネットの「オトナの土ドラ」シリーズ第33弾だ。主演は大地真央で、助演が松本まりか。ポスターで大地はパリから取り寄せた「ショーメ」の2億8000万円相当のジュエリーまとっており、ドラマ全話で同ブランドのジュエリーやウオッチを着用する。大地はポスター撮影後に「ものすごいジュエリー。2億円以上の重さだった」とコメント。

 原作は林真理子の小説で東村アキコによりマンガ化されている。大地は高価なファッションやジュエリーをまとう美容クリニックの敏腕経営者の中島を演じる。松本は編集者兼ライターである菊池いづみ役。名古屋出身の還暦を迎える中島の嵐のようなエネルギーに翻弄されながらも成長するアラフォー女性を演じる。

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エドウインがジーンズ回収プロジェクト“コア”を始動

 エドウインはこのほど、自社工場で生地の裁断時に生まれるくずや客がはかなくなったジーンズを回収して、デニム生地やジーンズにリサイクルする“コア(CO:RE)”プロジェクトをスタートした。回収期間は3月1日から31日までで、「状態は不問。エドウインの製品でなくてもよい」(プレス担当者)という。“コア(CO:RE)”とはCOtton:REcycleを略した造語で、「ジーンズを資源として活用し、環境負荷を減らす循環型プロジェクトだ」と説明する。

 ステップは以下の通りで、エドウインの自社工場および協力工場で行う。①客のはかなくなったジーンズを「回収」、②回収したジーンズを用途ごとに選別して加工しやすい状態にする「選別・前処理」、③ジーンズを綿(わた)の状態に戻して新たな綿とブレンドして糸にする「反毛・紡糸」、④糸を染色してデニム生地を織る「染色・織布」、⑤「縫製・加工」、⑥完成した商品を新たな客に届ける「販売」。

 “コア”プロジェクトに参加するためには、はかなくなったジーンズを「エドウイン(EDWIN)」や「リー(LEE)」「サムシング(SOMETHING)」の直営店などに持参するか、発送する。発送の場合は、まずエドウインの公式サイトから返却キットを申し込む。指定の住所に返却キット(専用袋、佐川急便の着払い伝票、返却の手引書)が届いたら、専用袋にジーンズを入れて送る仕組みだ。返却キットには、エドウイン傘下の直営店やオンラインストアで使える1000円分のクーポンが同封され、店舗への持参者にも同じものがプレゼントされる。

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被災地に仕事を生んできた気仙沼ニッティングが語る地方発ビジネスの未来 #あれから10年

 気仙沼ニッティング(御手洗瑞子社長)は、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市を拠点にする手編みニットメーカーだ。被災した人々が誇りを持って働ける仕事を地域に作り出すという意図で、2012年にプロジェクトがスタート。13年に法人化した。気仙沼の編み手たちが一つ一つ丁寧に編むセーターは熱烈なファンを集め、14万円のフルオーダーのカーディガンは現在も1年半待ち。クリスマスなどの季節ごとに、編み手のもとにはファンから多くのメッセージカードが届くという。震災をきっかけに始まったビジネスが、地方やファッション小売りの未来を切り開いている。

WWD:立ち上げ当初から、地域に根づいた産業を作る、働く人が誇りを持てる仕事を生み出す、ということを掲げてきた。
御手洗瑞子社長(以下、御手洗):われわれは最初から、復興支援のための1~2年のプロジェクトではなく、地域でずっと続く産業を作ろうという考え方でした。震災直後は仮設住宅での孤独や喪失感を紛らわせるために、ミサンガを編むプロジェクトや千羽鶴を折るプロジェクトなどがいくつもあって、それとわれわれの編み物のワークショップを同一視していた人もいたと思います。でも、地域の人たちからのそういった受け止められ方も徐々に変わってきました。あのころ多数あった復興支援のプロジェクトは、今は町の中からほぼなくなっています。気仙沼ニッティングの編み手も、自分の行っていることはプロフェッショナルな職人の仕事なんだと自負していると思います。

WWD:地域の中で編み手を組織し、商品を途切れず作っていく仕組みを整えるのは大変な部分も多かったのでは。
御手洗:技術を持った編み手が増えたことは、立ち上げからの9年間で大きな手応えを感じている部分です。技術の向上は手仕事では一番時間のかかる部分であり、同時にこの事業にとってのコア。編み手の登録者数は現在50人ほどで、50~60代の女性が中心です。地方の女性は家の仕事の大半を担っているケースが多く、家族や自身の体調不安などもあって、毎日毎月同じ時間働けるというものではありません。コロナ禍の影響でみなで集まって編む活動も中止しています。家族のためにセーターを編むのではなく販売する商品なので、設計図の細部まで完璧に再現できないといけない。料理人にとっての大根の桂むきと同じで、手が慣れて、細かい図面まで編めるようになるには時間がかかります。

 編みの技術が習熟するように、1人の編み手が一定期間は同じ型を編み続けるようにしていますが、1型しか編めないと、その年にその商品が売れないと編み手の仕事が減ってしまう。商品の販売状況だけでなく、そういった編み手のキャリアプランも同時に考えて仕事を割り振っていかないといけない。編み手それぞれの力量や仕事に割ける時間などを考慮しつつ、会社としてどんな状況でも商品を作れる仕組みを作ってきました。編み手が習熟する中で生産のキャパシティーも徐々に大きくなっていて、フルオーダーのカーディガン“MM01”のウィメンズは2年前はお届けまで2年半待ちでしたが、今は1年半にまで短縮できています。セミオーダーや既製品など、フルオーダー以外の商品もそろえています。

WWD:この1~2年の間に、ファッションの世界でもSDGs(持続可能な開発目標)が強く意識されるようになってきた。考えてみると、気仙沼ニッティングは立ち上げ当初からそうした考え方を持っていた。
御手洗:気仙沼ニッティングを立ち上げたときは国連サミットでSDGsが提唱される前でしたし、会社としてそれをポリシーとして前面に打ち出していたわけでもありません。ただ、時間をかけて手編みで作る以上は、普遍的で古くならず、長く使える商品を提案したいという考え方が自然だった。必要だと思ってやってきたことが、気付いたら世の中全体の標語(SDGs)になっていた、という感じです。

 「いいものを長く使いたい」という価値観が見直されてきていることは強く感じますし、世の中が一旦そこに気付いた以上、こうした考え方は不可逆なものだと思います。いま、購入から5~6年たった商品をメンテナンスのために気仙沼に送ってきてくれるお客さまが非常に増えています。1着作るのに時間をかけている分、編み手や私は売れた後も「サイズは合っていたかな?」「気に入っていただけたかな?」とすごく気にしている。そんなふうに送り出した商品が大事に着られていて、「これからも着続けたいから直してほしい」と言われるんです。これほど作り手冥利に尽きることってありません。戻ってきた商品を見て、「こんなに着ていただけたんだ!」って感じられるのは、9年続けてきたからこそだと思います。

「地方には、個々の力では生めない歴史や文化がある」

WWD:ファンとの間に強いコミュニティーができているのを感じる。コミュニティーをいかに作り出すかは、これからの時代のブランドビジネスに欠かせない視点だ。
御手洗:確かにリピーターのお客さまは非常に多くて、日頃からお礼のメールもたくさんいただきますし、クリスマスなどには編み手宛てにメッセージカードも大量にいただきます。ただ、コロナ禍の前までは、東京・北参道で直営店も運営していて、そこでは“ニットオーナーズデー”と題した顧客向けイベントなども開いていたので、よりコミュニティー感が強かったかもしれません。コロナ禍で気仙沼との行き来が難しくなり、東京店は20年8月に閉めました。売り手とお客さまとのコミュニケーションが直営店の目的だったので、それができないなら直営店を運営していても意味がないなと思って。

 幸い卸販売の形に切り替えることができ、ふるさと納税の返礼品にもなったことで、これまで気仙沼ニッティングの名前は知っていても、買ったことはなかったという新規のお客さまを取り込むことにつながっています。コロナ禍で身動きは取れなくなりましたが、新しいことに挑戦し、新規のお客さまやパートナーとつながることができ、手応えを感じています。

WWD:気仙沼ニッティングは地方発ビジネスの成功例だ。地方の活性化は日本全体の課題でもある。
御手洗:コロナ禍であらゆる打ち合わせや会議がオンラインで可能になり、地方でビジネスをすることの不利な点はかなり減ったと思います。地方を拠点にしつつ、マーケットとしては日本全体、もしくは世界を狙うということができるようになりました。地域に紐づいているブランドの方が個性やキャラクターは濃くなるから、むしろ地方発のブランドの方がこれからは有利になると思う。浮ついた言葉で「うちのブランドにはこういうストーリーがあります」と説明するのとは違って、地域に根付いた技術や素材を使い、地域の歴史の延長線上にあるブランドなら、時間軸の長い個性を持てますから。歴史や文化という、個々の力では生み出せないものが地方にはあります。

 うちの編み手も、「小さい頃に漁師だった父親が編んでくれたセーターを着ていた」といった話を何でもないことのように話します。気仙沼のような漁師町は、漁網を繕うために編み物が盛んだったという話は多くの人にとっては知らないこと。こういった地域の物語を背景にしながらモノ作りをして、商品として届けていくことは、まるで現代の民俗学みたいです。知らなかったことを知って「面白い」と思ってもらえることは、「かわいい」「かっこいい」といったことと共に大切だと思っています。

WWD:これから地方で起業しようと考えている人に、先輩としてひと言を。
御手洗:気仙沼では待機児童問題も聞きません。子どもを連れて出勤しても、私が手が離せない間は子育てのベテランである編み手の誰かが子どもを見てくれる。東京では妊娠して満員電車に乗るのも大変そうですが、こちらはそういった問題とも無縁で、そんな点でもやはり地方は東京よりも有利だと感じます。経理や労務などの担当者を地方で探すのは確かに大変だと思いますが、今ならその部分だけを東京の企業や個人にアウトソーシングすることもできる。自分の経験から言って、若い時に地方で起業するというのはとてもいいと思います。

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「午後の紅茶」発売35周年でリニューアル ロングセラー商品に学ぶ「愛され続ける」秘訣

 今年発売35周年を迎えるキリンビバレッジの「午後の紅茶」は、フラッグシップ商品である「ストレートティー、ミルクティー、レモンティー」をリニューアルし、3月9日に全国発売する。飲料市場における紅茶カテゴリーの売上シェア50%※1を占め、全清涼飲料において好意度第2位※2を誇るブランドは、35年でどのような商品開発やコミュニケーション戦略を行ってきたのか。「午後ティー」の愛称で親しまれる国民的紅茶ブランドのリニューアルから、ロングセラーであり続ける秘訣を探る。

「幸せなときめきを届ける」
味わいとパッケージ

「午後の紅茶」は、1986年に日本初※3のペットボトル入り紅茶として誕生した、市場のパイオニアだ。多くのロングセラー商品がそうであるように、消費者の嗜好に合わせてマイナーチェンジされる味わいや発信されるキャッチコピーは、時代の合わせ鏡として「売れ続ける商品」作りのヒントが隠されている。
 35年目のリニューアルでは、「いつでもお客様に幸せなときめきを届ける」というブランド・パーパス(社会的存在意義)を軸に、健康意識の高まりや、紅茶を飲むと“少し気持ちが上がる”ベネフィット(商品から得られる良い効果)に応えた施策を、商品とキャンペーンの双方から訴求する。
 まず味覚では、茶葉のブレンドを見直した。フレーバーごとに相性の良いスリランカ産の品種を使用して、「すっきり感」と「茶葉の香り」を高めることで「午後ティー史上最高おいしい!」を実現したという。パッケージでは、背景をダイヤ柄に変更して、ティーポットのイラストを大きく配置。おいしさと上品な可愛いらしさを同時に連想させるデザインにすることで、正統派で上質なイメージを強めた。

絶え間ない商品開発の努力で
ペットボトル紅茶を日本の“文化”に

 今でこそ、日本において「午後の紅茶」を知らない人は極わずかだろうが、商品が誕生した1986年は紅茶といえば本場・英国と同じく、家庭で淹れるホットティーが主流だった。「それから35年の間に、私たちの『午後の紅茶』が、ペットボトルで紅茶を飲むという今では当たり前の習慣を作ってきたという自負がある」と加藤麻里子シニアブランドマネジャー。ただ当時の商品開発に当たっては超えるべきハードルも数々あった。その一つが、「紅茶は冷やすと濁る」という性質で、当時は“おいしそうな透明感”をアイスティーで出すのは困難だった。この課題を解決したのが、キリンビバレッジの独自技術「クリアアイスティー製法」で、日本初のペットボトル入り紅茶の商品化を可能にした。
 発売から徐々に売上を伸ばしていった「午後の紅茶」は、1996年の小型ペットボトルの発売をターニングポイントに、紅茶を日常的に飲む習慣をさらに普及させていく。無糖茶市場が盛り上がる2006年には、“紅茶=甘い・高いカロリー”の固定概念を払拭するために、「20年目の新提案。実はヘルシー」のキャッチコピーで、「午後の紅茶」から遠のいていたユーザーの再トライアル化に成功。10年に発売した「エスプレッソティー」は男性の缶コーヒーユーザーを捉え、11年に登場した「おいしい無糖」は「おにぎり公式飲料!?」という意外性のあるキャッチコピーと新たな飲用シーンの提案で、無糖紅茶の市場定着に貢献した。19年に発売した、甘くない・微糖の“午後の紅茶 ザ・マイスターズ ミルクティー”は大人層の気分転換のシーンにマッチして、大ヒット商品へとつながっている。

 時代に合わせて、さまざまなフレーバーや企画商品を柔軟に打ち出す「午後の紅茶」だが、「ストレートティー、ミルクティー、レモンティー」は「ブランドイメージを形成するフラッグシップ商品。嗜好品としてのおいしさを追求している」と話す。リニューアルの商品開発では、通常の10倍となる約3000人の意見を参考にした。常温テストも行い、飲み切るまでの味わいにも徹底的にこだわった。「『午後の紅茶』を飲む人だけでなく、飲まない人にも『おいしい』と言っていただける商品を作るのに苦労した」と振り返る。
 徹底した市場調査から導き出される「午後の紅茶」流のマーケティングだが、過去のリニューアルでは苦戦もある。商品パッケージからブランドのアイコン、アンナ・マリア婦人の似顔絵を消したときに「約3年間、売り上げが低迷した。ブランドは無形資産と言われるように、「午後の紅茶」の明朝体のフォントだけでなく、婦人とセットで見ると直感的に『午後の紅茶』だと認識されていたことが分かり、何かが無くなったり加わったりするだけで、ブランド価値が揺らぐことに気付かされた」と話す。
 「午後の紅茶」は、今後さらに半世紀愛されるブランドを目指して「まずは今年1年、お客さまに支えられた感謝をさまざまなかたちで伝えていく」。リニューアル商品発売の3月以降も、やさしさ・おいしさ・ときめきをコンセプトにしたキャンペーンを続々と予定している。ビジネス面では「清涼飲料全体で紅茶市場のシェアは約5%※4と低く、まだ伸びしろがある。NO.1ブランド※5として、さらに多くの人に紅茶を飲んでいただけるきっかけを作っていきたい」と展望を語る。

茶葉から広がるCSV活動

 「午後の紅茶」は、商品と親和性のある地域や国でCSV活動を続けてきたが、今年はその取り組みを強化して、社外にも発信していく。日本に輸入される紅茶葉の46%※6占め、「午後の紅茶」にも使用するスリランカ紅茶葉の産地支援プロジェクト「キリン スリランカフレンドシップ」 の一環では、07年に農園の子どもたちが通う学校へ図書を寄贈する「キリンライブラリー」をスタート。13年からは、農園従事者の生活と労働環境の向上を目指して「レインフォレスト・アライアンス認証」取得の支援プログラムも続けている。茶葉をフックにした社会貢献からも、「午後の紅茶」のおいしさを伝えることを推進していく。

※1 ※4 2019年「清涼飲料関係統計資料」全国清涼飲料工業会調べ
※2 2020年3月 キリンビバレッジ調べ
※3 株式会社食品マーケティング研究所調べ(1986年当時の主要飲料販売メーカー及び製罐メーカーを対象としたヒアリング調査による)
※5 株式会社食品マーケティング研究所調べ(2020年実績)
※6 財務省「貿易統計」

のんだあとはリサイクル。
PHOTO:SHUHEI SHINE

問い合わせ先
キリンビバレッジお客様相談室
0120-595955

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新聞を発行した「ロエベ」と、映像でも余韻を感じさせる「ヨウジ ヤマモト」 パリコレ対談Vol.2

 2021-22年秋冬シーズンのパリ・ファッション・ウイーク(以下、パリコレ)が3月10日までオンライン上で開催中です。ここでは4〜6日に発表された中から厳選した9ブランドをご紹介。過去8年間パリコレやミラノコレを取材してきたベルリン在住の藪野淳ヨーロッパ通信員と、ウィメンズ・コレクションを担当する大杉真心「WWDジャパン」記者が対談形式でリポートします。

「ビューティフル ピープル」で冨永愛が熱演!鏡に映るもう一人の姿

大杉:「ビューティフル ピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」は2021年秋コレクションで発表した新たなパターンテクニック「ダブルエンド(double-end)」を発展させたコレクションでした。「ダブルエンド」は単なる2ウエイではなく、上下をひっくり返すことで新しい形の服になるアイデアです。動画では、日本を代表するモデルの冨永愛さんを起用していましたね!鏡のような演出で、鏡面に映った姿と同じ服を着ていても、別の着方をしているという表現でした。愛さんが鏡の向こうの自分に笑いかけたり、にらみ合ったりする演技が強く、別人格がいるようでドラマチック。引き込まれました。

藪野:パンツも上下逆にできるのには驚きでした。ちなみに「ビューティフル ピープル」の後に披露された「ヴィクトリア/トマス(VICTORIA/TOMAS)」も先シーズンからコンセプトを変えていて、今季も全てのウエアがリバーシブル仕様のコレクション。実際のところ、リバーシブルや2ウエイってどちらかの着方の方が好みだったり素敵だったりして、結局1パターンでしか着ないということも多いですよね。両方を高い完成度に持っていくのはなかなかチャレンジングですが、こういう“一着で二度おいしい“的な提案は増えてくるんですかね?

大杉:そう言えば、ミラノで発表した「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」も、インサイドアウト(裏返し)、アップサイドダウン(逆さま)など、リバーシブルで2パターンの着こなしができる提案をしていました。「ビューティフル ピープル」は3月15日に東京でファッションショーを開催予定で、その内容は今回のパリコレ動画の続編となるそうなので、来週の発表も楽しみです!

風が吹き荒れる海辺を舞台にした「リック・オウエンス」

藪野:「リック・オウエンス(RICK OWENS)」はライブショーの配信でしたが、今回も舞台はパリではなくイタリア・ベネチアの南にあるリド島です。かつてはカジノだったという歴史ある建物をバックに開催した21年春夏シーズンに対し、今季のランウエイはビーチにあるコンクリートの桟橋。冬の海と曇り空という背景が、どこか物悲しい雰囲気を漂わせます。

大杉:風が吹き荒れる海辺で、冬の厳しい寒さが伝わってきました。バックステージも映し出され、リック本人もモデルへ着せ付けをしていましたね。今季のファッション・ウイークも終盤ですが、モデル全員がマスクを着用していた唯一のショーだったと思います。ただ普通のマスクではなく、黒やグレーで首元まで垂れ下がるロング丈で、ファッションとして提案されていたのがよかったです。

藪野:コレクションは1月に披露されたメンズ・コレクションと同じく「ゲッセマネ(Gethsemane)」という題名で、これはキリストが磔の前夜に祈りを捧げた庭のことだそう。メンズに通じる地面を引きずるほど長いコートやパワーショルダーのボンバージャケット、袖が取り外せるダウンジャケットなどが登場しました。ウィメンズではほぼ全てのモデルがレザーのボディースーツを着用。マーメイドラインのロングドレスも印象的でしたね。

「ロエベ」は新聞でコレクション発表

大杉:「ロエベ(LOEWE)」は前シーズン、ファッションショーが開催できない代わりに壁紙をプレス関係者に送って原寸大のルックを見せるという試みをしていましたが、今回は新聞を作っちゃいましたね!“【特報】ロエベ ファッションショーを中止”という見出しが入った“ロエベ新聞”は、朝日新聞の折り込みで都内一部の定期購読者に配布したそうですね。フランスでは「ル・フィガロ(Le Figaro)」 、イギリスでは「タイムズ(The Times)」、アメリカでは「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」と取り組んだそう。クリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の発想には驚かされます。

藪野:ジョナサンは毎朝、新聞を読むのが好きだそう。新聞を使った理由については、「多くの観客にショーを届けるためにメディアを手段として使うことを考えた。自分たちがやろうとしていることに対して、より多くの人に興味を持ってもらえるように広く配信したかった」と話していました。ちゃんと発行される国の言語に翻訳もされているというところから彼の本気度が伺えます。コレクションは視覚的に訴える鮮やかな色と幾何学なモチーフが印象的でしたが、ジョナサンはカラーセラピーについて考え、気持ちを明るくしてくれる色を取り入れたとのこと。ここ数シーズン顕著なドラマチックなボリュームやドレープの使い方も見られる一方で、1920年代の乗馬用ジャケットなどからヒントを得たという縦長シルエットのテーラリングやドレスのようにまとうレザーコートなどもあり、充実したラインアップで着飾ることの楽しさを伝えているように感じました。「ロエベ」と言えばレザーグッズも重要ですが、その辺りはどうでしょう?

大杉:弊紙が全国百貨店を対象に行った取材によると「ロエベ」は今、日本でとても好調です。映画「となりのトトロ」とのコラボレーションも話題になりまし、SNSで露出が多く、幅広い世代から支持を得ています。動画の中でジョナサンが「新しいアイコンとしてタイムレスで、ジュエリーのようなバックを目指した」と話していたショルダーバッグの“ゴーヤ(GOYA)”バッグに一目惚れ。個人的にも欲しいと思っています。

藪野:価格が気になるところですね。また、ブランドを代表する定番バッグ”アマソナ(AMAZONA)”も久々にコレクションでフューチャーされていました。オリジナルの南京錠付きデザインですが、より上質なレザーや進歩した技術力を駆使して、より洗練されたアイテムに仕上げたとのことです。形状は横長の長方形に加え、新たに正方形に近いものが登場。カラフルなレザーとアナグラムのジャカード生地で提案されています。

「イッセイ ミヤケ」の“静かだけど堂々としている服”

藪野:「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」のテーマは、“As the Way It Comes to Be -生まれたままで-“。是枝裕和監督の映画作品「そして父になる」や「海街diary」で撮影監督を務めた瀧本幹也さんがディレクションした映像を通して、コレクションを発表しました。無機質なビルと自然の中で、有機的なフォルムと色が際立っていましたね。特にしなやかな曲線を描くプリーツが目を引きました。大杉さんは、東京で実際のアイテムも見てきたんですよね?

大杉:はい。普段、展示会を行っているホールが上映室になっていて、編集長の向と私の2人で事前に映像を拝聴するという贅沢な機会をいただきました。その後、デザイナーの近藤悟史さんに説明を受けながら、実際のアイテムに袖を通してきました。今季は自然の普遍的な美しさに着目して、「静かだけど堂々としている服を作りたかった」という近藤さんの言葉が印象に残りました。特殊な素材加工を強みとする「イッセイ ミヤケ」には珍しく、無染色のウールやオーガニックコットンのそのままの色と風合いを生かしたウエアシリーズもありました。ウールコートは柔らかく、軽くて、細部まで近藤さんのこだわりが詰まっています。詳しいレポートも書いたので是非合わせて読んでいただけたら嬉しいです。

「ニナ リッチ」の無観客ショー(仮)

大杉:「ニナ リッチ(NINA RICCI)」は青い椅子を並べたランウエイをモデルが歩く、無観客ショーの映像でした。ルシェミー・ボッタ―(Rushemy Botter)とリジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)のデュオによる「ニナ リッチ」は透明感があって、近未来的な印象です。ジャケットのセットアップとスポーツウエアのようなパーカのレイヤードや、膝上丈のコートと千鳥格子のカラータイツの組み合せたスタイリングは、軽やかでフレッシュ。多数のモデルが被っていたクラウンの高い帽子もカラフルで目を引きました。藪野さんはZoom上で取材もしましたが、ルシェミーとリジーはどのようなことを話していましたか?

藪野:僕が取材したのは映像の公開前で「先シーズンよりもランウエイショーに近い形にしたけれど、普通とは違うクリエイティブな映像を目指した」とリジーが話していたのですが、実際に見て納得しました。確かに普通のショーのように始まりますが、スーパースローモーションや逆再生、合成を取り入れることで不思議な映像になっていましたね。コレクションはというと、2人は「クチュールメゾンとしてのヘリテージを大切にしながらも日常の中で着られるものを作りたい」という思いを持っていて、今季から価格帯を見直してより手の届きやすいブランドを目指すようです。コレクションも「アイテムの型数を絞ってより色と形にフォーカスした」と言います。デザインは、得意とするテーラリングにユーティリティーやスポーツウエアの要素、そしてクチュール由来の形状をミックス。細長いシルエットのスーツは、1940年代のアーカイブから着想を得たもので、ガーメントダイのナイロンやウールを使ったワークジャケットや取り外しできるスカーフ付きのダッフルコートは後ろが少しふくらんだコクーンシェイプが特徴になっています。遊び心のあるアクセサリーも彼らの魅力ですが、イヤリングはメゾンを代表する香水“レールデュタン(L’AIR DU TEMPS)”の瓶の蓋からヒントを得た鳥のデザイン。そして大杉さんが気になった帽子は、ファーストコレクションで披露したハットを作る時に使った木型の形を再現したそうですよ。

動きの余韻を感じさせる「ヨウジ ヤマモト」

藪野:「ヨウジ ヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」は、昨年9月のパリコレで見たリアルショーの中でも特に心に残っているブランドなのですが、やっぱりリアルで見たいな〜と思いました。というのも、「ヨウジ ヤマモト」のショーにはモデルが歩いた後に余韻が漂うような独特な雰囲気があるから。今回の映像では、モデルがゆっくりと歩く動画に、白黒の動画や写真を重ねるように織り交ぜることで、そんな余韻の表現を試みているようにも感じました。

大杉:そうですね。映像でもドレープが美しいカーテンのかかった会場と、少しさみしい女性の歌声の演出がエモーションに訴えかけてきて、ブランドの世界観が感じられました。大きな安全ピンがボタンになったロングジャケット、紐やチェーンを大胆に垂らしたロングドレスなどは、今の不安定な世の中や、脆さを表しているようで、世の中の心境とリンクしているように思います。ラストには「リミフゥ(LIMI FEU)」のコレクションも登場しましたね。

3都市をつないだ「エルメス」のパフォーマンス

藪野:「エルメス(HERMES)」は、「Triptych(三部作)」と題して、ニューヨーク、パリ、上海の世界3都市をつないだ壮大なコレクション発表でした。最初の舞台はニューヨークで、振付師のマドリーヌ・オランダー(Madeline Hollander)演出によるウォーキングとダンスを組み合わせたような生き生きとしたパフォーマンスを7人の女性ダンサーが披露。そこからパリでのランウエイショーへと移り、上海での振付師グ・ジャニ(Gu Jiani)監修による中国の伝統舞踊の動きを取り入れた女性ダンサー5人のパフォーマンスで締めくくられるというものでした。全体を通して、女性の力強さが表現されているように感じましたね。

大杉:オンタイムで映像を見ていたのですが、ちょうど音声SNS「クラブハウス」で「マルタン・マルジェラとパリで仕事をして着たカナコさんに当時の話をお聞きする」というトークルームが立ち上がって、副音声にして聞いていました。パリでスタイリストとして活動されている日本人女性のカナコ・コガさんは、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)がウィメンズ・アーティスティック・ディレクター時代の「エルメス」のデザインチームに所属されていた方。現「エルメス」のウィメンズのアーティスティック・ディレクターを務めるナデージュ・ヴァンヘ・シビュルスキー(Nadege Vanhee-Cybulski)は当時、マルタンの元で「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MARTIN MARGIELA)」が「女性のためのワードローブ」を提案する“4”ラインのデザインを担当していたという話をしていました。今回のコレクションを見ていると、ナデージュは師匠であるマルタンのデザインを継承しているのが分かります。マルタンがかつて「エルメス」でデザインしたレザーストラップをコートの留め具に施したり、ブランケットのようなコートがあったり、腕には二重巻きの時計ストラップ “ドゥブルトゥール(Double Tour)”を付けたアップルウオッチ(Apple Watch)の新作もありました。とてもマニアックですが(笑)、そんな発見も面白いですよね。

藪野:なるほど。「クラブハウス」ではそんな貴重な裏話が聞けることもあるんですね。コレクションでは、多くのモデルがデニムやレザー、ギャバジン、ダブルフェイスカシミアのハリのあるコートやジャケットの下に、セカンドスキンのような透け感のあるハイネックニットを着用。ミディ丈のプリーツドレスやポルカドット柄のドレスもハイネックで、首元とウエストにスモッキングが施されているのが印象的でした。ショーに先駆けて公開されたドキュメンタリーの中で、ナデージュは「今回のコレクションは出かけたい、この服を着たいという気持ちを掻き立てることが重要だった。技巧や動き、センシュアリティーを忘れることなく、心地良さやプロテクションを表現できる素材にこだわった」と話していましたね。

大杉:アクセサリーでは、メゾンを代表するバッグの“バーキン(BIRKIN)”が登場しました。ネイビーのカーフレザーとデニムを合わせた異素材ミックスのデザインが新鮮です。また、スマートフォンを収納できるミニバッグや、口紅を入れて首から下げられるリップスティックケースもあり、売れそうですね。

独自のデザインコードを再考した「ロク」

藪野:「ロク(ROKH)」は毎シーズン、デザイナーであるロク・ファン(Rok Hwang)自身の思い出が出発点になっていますが、今季はブランドの歩みを振り返ったそう。そして、「ロク」のデザインコードとは何かを再考。トレンチコートやジーンズ、テーラリング、イブニングドレスといったカテゴリーごとに分析するとともに再構築し、折衷的に組み合わせたといいます。

大杉:いつもよりギラギラした雰囲気がありましたね。薄暗いコンクリート打ちっ放しの空間を歩くモデルたちは、黒い総レースのビスチェにデニムスカートを合わせ、レオパード柄のコートの上から太ベルトでウエストマークをするなど、ボディコンスタイルです。派手なデザインでも下品にならず、洗練された雰囲気を保てているのは「ロク」の絶妙な丈感や、装飾のバランスなのだと思いました。2ピースに分かれる変形トレンチコートや、ワンショルダーのテーラードジャケットなど、ギミックを入れたアイテムは“「ロク」らしさ”を確立していると思います。

藪野:これまでと比べてよりセンシュアルでフェティッシュな雰囲気でしたが、「ロク」らしいを感じるコレクションに仕上げていていましたね。「WWD」NY版には、「スタイルの衝突が新鮮で刺激的だと感じた。人々は社交的なアティチュードを持ったフェミニンなものを求めている」とアフターコロナのファッションについて話していましたが、まさにそれを形にしたコレクションでした。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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元エンジニアの学生からアントワープを代表する若手デザイナーに 気鋭ブランド「ナマチェコ」の深みを増す服作り

 2015年に始動した気鋭ブランド「ナマチェコ(NAMACHEKO)」が、メンズ市場で存在感を強めている。デビュー直後は10万円のシャツや30万円のコートなど上顧客向けのコレクションだったが、最近は3万円代のデニムなどリーズナブルなアイテムも増やして若年層の支持を拡大。現在、国内で約20、海外で約40のアカウントを持つまでに成長している。

 デザイナーのディラン・ルー(Dilan Lurr)は、大学で土木工学を専攻していた元エンジニア。服飾学校に通っていたわけではなく、プライベートワークで制作した映像作品の衣装がパリの有力ショップ「ザ・ブロークン・アーム(THE BROKEN ARM)」に買い付けられ、ブランドを設立した。以降、18年春夏シーズンからパリ・メンズ・コレクションに参加し、19年には若手デザイナーの登竜門「インターナショナル・ウールマーク・プライズ(INTERNATIONAL WOOLMARK PRIZE)」のファイナリストに選出されるなど、着実にキャリアを伸ばす。デビューから5年、「最初はデザイナーを続けるつもりはなかった」と語る彼に、深みを増す服作りの哲学を聞いた。

WWD:2021-22年秋冬コレクションはいつもよりもダークな印象を受けたが、テーマは?

ディラン・ルー(以下、ディラン):ドイツの映像作家ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(Rainer Werner Fassbinder)から着想を得て、社会に抗う若いアウトサイダーをテーマにした。ファッションは時代をリフレクトすることが重要で、10年後にコレクションを見た時に「あの時の服だ」と分からないといけないと思う。今回は不透明な世の中を映しているから、ダークに見えるのは当然。でも、シリアスな面だけを切り取っているわけではないんだ。僕は若者たちから大きなインスピレーションを受けていて、彼らは気候変動やサステビリティなど、社会問題に向き合い、ずっと行動し続けてきた“闘争する世代”。コロナを悲観するだけじゃなく、世の中が変わるきっかけだとポジティブに捉えているから、そのエネルギーも感じ取ってくれたらうれしい。

WWD:時代のムードは具体的にどこに落とし込んだ?

ディラン:これまでは、外出するときにシーンに合わせたドレスアップが必要だった。でも今はほとんど家にいて、「快適な服を着ること」が命題になっている。家で快適に着られて、そのまま外出してもきちんとして見える服が作りたかったから、柔らかさと耐久性を備えるモヘアを、ニットやパンツ、コートなど多くのアイテムに使ってみた。モヘアは大好きだけどここまで多用したことはなかったし、リラックスし過ぎないよう毛を短くするなど、素材の特徴と向き合う良い機会にもなったよ。

WWD:コロナで服作りのプロセスは変わった?

ディラン:リモートでできる仕事じゃないから、実際それほど変わっていない。ブランドに携わる人たちの仕事を無くしたくないから、生産ラインもほとんど変えていない。昨日は車でニット工場とアーカイブの保管工場に行って、最新コレクションの打ち合わせをしてきた。オンラインのコミュニケーションが増えたけど、服は実物を見ないと分からないからね。

デザイナーとしての決意
土木工学で培った「実用性」

WWD:服作りの技術はどうやって習得している?

ディラン:コレクションを作りながら毎日勉強している。大学では土木工学を専攻していて、ファッションデザイナーになることが目標ではなかったんだ。でも服には興味があって、学生時代からドーバーストリートマーケット(DOVER STREET MARKET)をはじめいろんなブティックに通っていた。未経験からここまでブランドを拡大できたのは、パターンや生産、ディストリビューション、ニットプログラマーなど、素晴らしいチームとクリエイターに出会えたおかげ。でも、全工程が僕のシグネチャーでないとコレクションがブレてしまうから、デザイン以外もきちんとディレクションするように意識しているよ。

WWD:ブランドスタートから5年が経ち、服作りの姿勢は変化した?

ディラン:完全に変わった。正直に言うと、最初はファッションデザイナーを続ける明確なビジョンを持っていなかったんだ。ブランドを続けるうちにデザイナーとしての自覚が徐々に芽生えてきて、今季のコレクション制作中に「僕はデザイナーだ」と受け入れることができた。加えて、「アントワープを拠点とする新世代のデザイナー」という自覚も生まれた。アントワープシックスやマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)など、ここから生まれた素晴らしいブランドに恥じないよう、本気でコレクションに向き合う覚悟ができた。

WWD:逆に変わらないことは?

ディラン:自分が興味のあることをそのまま表現すること。アイデアは毎回異なっても、「僕」という軸があるからブランドに一貫性を持たせられる。あとは、土木工学で学んだ“実用性のあるデザイン”を服作りにも応用すること。例えば、一見難しく見えるコレクションでも、オーディエンスが「日常に取り入れてみたい」と思う絶妙なラインに挑戦し続けている。服である以上、毎日着られないと意味がないからね。“実用性”はサステナビリティにもつながる。廃棄を最小限まで減らし、100年使える建築物を作る姿勢は、建築業界の前提条件だから。

WWD:3万円代のデニムジャケットなど手ごろなアイテムを増やしているのも“実用性”を強化しているから?

ディラン:言われてみればそうかもしれない。こだわり抜いたカシミアニットも7000ドルでは一部の人しか着られない。最初はそれでいいと思っていたけど、今はもっと多くの人に繋がりたいと思っている。予算を考えず自由に作るのも面白いけど、手にとれる価格に自分のアイデアを最大限詰め込むのも腕の見せ所だし、若い世代にも手にとって欲しいからね。

WWD:「ナマチェコ」らしさをどう定義する?

ディラン:自分の存在の延長だから、特定のものはない。僕は毎日30~40のオークションサイトを開いて、気鋭ブランドの洋服から誰かが捨てた古いカーペットまで、自分が面白いと思うモノをくまなくチェックする。1日3本見るほど映画好きで、昨日は(ミケランジェロ・)アントニオーニ、(ピエル・パオロ・)パゾリーニ、黒沢(明)の作品を鑑賞した。それらの経験が全て絡み合って、一つのコレクションに帰着している。特徴を強いて言うなら、映画作りに近いことかな。コレクションを作るとき、ルックごとに明確なキャラクターを思い浮かべて、それらを組み合わせるように服を作って行くから、映画作りに似ていると思う。

WWD:今後の展望は?

ディラン:より多くの人に自分の服を届けるために、淡々と準備を進めるだけ。好きなことを突き詰めているから、今もフレッシュにデザインができている。ありがたいことにビジネスも好調で、「デザイナーは間違った道じゃないよ」と背中を押されてるみたいだ。落ち着いたらショーをやりたい。ショーのフィナーレに、モデル全員がランウエイに向かって行く瞬間が一番幸せだから。

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GOD BLESS YOUの期間限定ストアを開催!

こんにちは。

バーニーズ ニューヨーク六本木店・福岡店では、3月13日(土)・14日(日)の2日間限定で、クリエイティブディレクターBB LIONさんが手がける人気ブランド<ゴッド ブレス ユー>の期間限定ストアを開催。2021年春夏シーズンの新作コレクションを、他店に先駆けてご紹介します!

 GOD BLESS YOUの期間限定ストアを開催!

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今シーズンは、リゾートのアクアブルーの海からインスパイアされたコレクションとなります。

バッファローチェックのロングスリーブシャツが新たに登場するほか、アクアブルーが映えるTシャツやロングスリーブTシャツ・ジップフーディをご用意。

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もちろん、サコッシュやトートバッグ・ハットなどのアクセサリーも取り揃え、充実のラインナップでご紹介します。

女性も着られるユニセックスデザインなので、カップルや家族でコーディネートを楽しんだり、プレゼントにもおすすめです。

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新作コレクションを一堂にご覧いただけるこの機会を、ぜひお楽しみください。

 

【注意事項】 

・混雑状況により整理券を配布する場合がございます。

・商品は数に限りがございます。ご入店の際に商品が完売している場合がございますので予めご了承ください。

・深夜や早朝からのお並びはご遠慮ください。また近隣の店舗にご迷惑がかかる場合、トラブルなどが発生した場合には急遽販売を中止させていただく場合がございます。

・販売方法は、状況によりやむをえず変更となる可能性もございますので予めご了承ください。

・店舗内外に関わらず、スタッフの指示に従っていただけない場合や、金品の受け渡し、キャッチ行為、迷惑行為などトラブルが見受けられた際には販売をお断りさせていただく場合がございます。

・お車でご来店されるお客様は駐車場に止めてからご来店いただきますようお願いいたします。近隣は路上駐車禁止区域になりますので、駐車違反となりましても当店は一切関与いたしません。

また駐車の関係で販売時間に遅れましても権利は無効となりますので、予めご了承ください。

・当日の状況により、お会計にお時間をいただく場合がございます。お時間に余裕を持ってお越しください。

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2020年統計に見る悲しい現実 日本は貧乏になり衣料消費は20年間で半減した 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。アパレル市場の低迷が叫ばれるようになって久しいが、コロナ禍の2020年を経てアパレル消費はどう推移したのだろうか。

 コロナに蹂躙された2020年の消費統計が出そろったが、アパレル消費は業界の実感通り大幅に落ち込んだ。それ以上にシリアスだったのが、00年からの20年で日本人が本当に貧しくなり、不要不急の支出、とりわけ衣料消費が半減したことだ。コロナ禍のカタストロフィからのアパレル再生は、まず現実を直視することから始まるのではないか。

20年の衣料消費は8掛け弱に落ち込んだ

総務省の家計調査では消費支出総体が前年から5.3%減少し、「食料」支出が1.6%、「保険医療」支出が2.0%伸びる中、「被服・履物」支出は18.4%、「アパレル」(洋服・シャツ・セーター)支出は20.2%も落ち込んだ。経済産業省の商業動態統計でも小売業売り上げ全体(自動車・機械・燃料小売業を除く)が0.8%、スーパーの飲食料品が6.7%伸びる中、「織物・衣服・身の回り品」小売業売り上げは21.4%、百貨店+スーパーの衣料品売り上げも26.4%も減少しているから、アパレル消費は8掛け弱に落ち込んだと推計される。

米国商務省発表の小売統計(自動車・機械・燃料小売業、飲食サービスを除く)でも、食品スーパーなどエッセンシャル小売業が伸びて小売売り上げ全体が6.9%、無店舗小売業(大半がEC)が22.1%も伸びる中、衣料品・アクセサリー小売業は26.4%も売り上げを落としているから、わが国のアパレル消費が8掛け弱に落ち込んだのも不思議はない。日本百貨店協会の発表した20年の衣料品売り上げは前年から31.1%、身の回り品売り上げは27.1%も落ち込んだから、高価格帯ほど落ち込みが大きかったと推察される。

 そんな中でもユニクロやワークマン、しまむらや西松屋など低価格で定番商品や機能商品に強いチェーンは堅調だったから、アパレルでもエッセンシャルシフト(生活必需品志向)は確実に進んでいる。コロナ禍で表面化したとはいえ、実はコロナのはるか以前からエッセンシャルシフトは始まっていた。00年からの20年間で家計のアパレル消費支出は45.7%減とほぼ半減したが、世界の先進国で唯一、賃下げで所得水準が落ち込む一方、社会保障負担の肥大と度重なる増税で日本人はすっかり貧乏になり、不要不急のアパレル支出が真っ先に切り詰められていったのではないか。

経済の停滞と国民負担増で貧乏になった日本人

 家計調査の消費支出はコロナ禍で前年から5.3%減少したが、00年からは12.4%も減少している。どうしてこんなに消費支出が細ってしまったのだろうか。

 国税庁発表の国民平均給与は00年の461.0万円から20年は431.2万円と6.5%の減少だが、この間の社会保険料や所得税、消費税の増税で国民負担率は00年の36.0%から20年は44.6%と8.6ポイントも上昇しており、それを差し引いた実質消費支出力は00年の295.0万円が20年には238.9万円と19.0%も減少している。家計調査の消費支出は支払った消費税を含んでおり、それを差し引いた実質消費支出は00年の362.7万円が20年には303.2万円と16.4%も減少しているから、実質消費支出力の19.0%減少に近い。

 国税庁の平均給与は個人単位、家計調査の収入と支出は家族単位なので後者の方が大きくなるが、家計調査の勤労収入にはシリアスな変化が見られる。家計名目勤労収入は00年から20年に1.7%(10万8756円)しか増加しておらず、国民負担を差し引けば実質17.3%(109万5750円)も減少しており、この間に世帯主勤労収入が6.2%(34万0644円)も減少したのを64.1%(42万1068円)も増加した配偶者勤労収入が補った構図が見て取れる。女性の社会進出といえば聞こえは良いが、勤労戦士となって家計を支える必要に迫られたのが現実ではなかったか。

沈みゆく落日の日本

 少子高齢化に伴う社会負担増もともかく、異次元緩和による過剰な資本供給が株価と不動産価格を押し上げ企業の内部留保を肥大させてマネーゲームに走らせる一方、労働生産性の停滞と労働分配率の低下が勤労収入を低下させて来たことは否めない。

 19年の日本の人時生産性は47.9ドルと米国の6掛け強に過ぎずOECD37ヶ国中21位まで落ち、一人当たり生産性は81,183ドルとOECD主要37カ国中26位まで滑り落ちた。90年には15位、00年には21位だったから、まさに釣瓶落としの転落だった。これでは賃金は上がらず、97年を基準とした賃金指数は16年段階でスウェーデンが138.4、オーストラリアが131.8、フランスが126.4、イギリスが125.3、ドイツが116.3、米国も115.3と伸びたのに日本だけ89.7と賃下げで、97年にはOECD加盟国中11位だったのが15年には17位、OECD平均水準の86.7%まで落ちている。

 一人当たりGDPも96年には6位まで上昇したのに、19年は4万3279ドルとOECD平均4万6691ドルの93%ほどに甘んじ、OECD37カ国中21位、主要7カ国の最下位に落ち込んだ。GDP規模も00年までは米国に次ぐ世界第2位の経済大国を誇っていたのに10年には中国に抜かれ、19年は米国の4分の1、中国の36%ほどに過ぎない極東の小国に転落している。00年から19年のGDP成長率はわずか5.4%と、2.09倍に伸びた米国、11.64倍に爆発的成長を遂げた中国とは比較すべくもない(日本生産性本部、全労連の発表などから要約)。

 今日の日本には、もはやコロナを克服してオリンピックを強行する国力など残っておらず、東日本大震災の復興費用にコロナ対策の際限なき財政支出とオリンピックの清算が加わり、遠からず消費税率を15%に上げて財政赤字の圧縮を急がざるを得ない。そうなれば社会保険料の上昇と合わせて国民負担率は50%を超えるから、消費は凍り付いてしまう。極東の軍事情勢は日に日に緊張を増しているから国家と国民の安寧を守るべく軍備の増強にも財政支出が必要で、国民生活はますます貧しくなる。そんな非常事態下で華やいだおしゃれが復活すると期待するのは無理がありすぎる。もはや現実を正視するしかない。

アパレルの過剰供給は解消されたのか

 過半が売れ残る過剰供給に陥っていたアパレル需給はコロナ禍のカタストロフィでリセットされたのだろうか。結論からいうと売り上げの激減ほどには供給量は圧縮されず、コロナ禍で2次流通に放出されたり持ち越された在庫が積み上がったことに加え、巣ごもり生活での断捨離と収入減による換金で消費者のタンス在庫が大量に放出されたから、新古品と中古品に圧迫されて新作品の販売はさらに苦しくなる。

 衣料品供給量のピークは18年の38億8932万点で、19年は38億1672万点、コロナ禍の20年は34億1005万点と前年より10.7%減少した。これには下着やナイティ、手袋やストールなども含まれるから、貿易統計の品目ごとにアパレル(外衣)を選別して集計する必要がある。キャミソールやTシャツ、ルームウエアやエクササイズウエアなど判定の難しい品目が増えて誤差は避けられないが、今回、17年までさかのぼって再集計を試み、選別した品目の輸入数量に国内生産の外衣数量を合わせてアパレルの総供給数量とした。

 アパレル供給量のピークは18年の25億8810万点で、19年は1.6%減の25億4630万点、コロナ禍で発注が絞られた20年は10.3%減の22億8340万点だったと推計される。金額ベースの販売統計とはそのまま比較すべきでないが、20%強の販売減に対して10.3%の供給減では過剰供給はむしろ酷くなる。家計調査のアパレル平均購入点数も年間21.18点と19年から14.0%減少し、総世帯数を掛けたアパレル総購入点数も12億1970万点と19年から13.2%減少しているから、10.3%の供給減では在庫が積み上がったはずだ。

 家計調査の購入は20年中だが輸入数量は21年の春物も含んでおり統計的精度は問えないが、消化率は19年の55.2%(旧集計基準では48.2%)から20年は53.4%に1.8ポイント低下したと推計される。発注時点ではコロナ禍が21年春夏まで続くと想定しない発注も少なからずあっただろうから、昨年からの持ち越し品も加わって21年春夏も過剰供給が続くと見る。

非常時体制の手綱を緩めるな

 コロナ禍にも懲りずに過剰供給が解消されず、格段に安価な持ち越し流通在庫や消費者放出の中古衣料が市場に氾濫するから、割高な新作品の販売は圧迫され価格も通らない。ワクチンの供給が遅れてコロナの収束も遅れ、オリンピックの開催も困難になるのは明々白々で、国民の生計も国家財政も窮乏し日本が斜陽の坂を転げ落ちていく中、何が起きても事業と雇用の継続を守り抜く非常時体制を徹底するべきだ。

 いつかコロナが収束しても日本の凋落と国民の貧困化は止まらず、かつてのようなおしゃれ消費が戻るとはとうてい期待できない。ならば手堅い予算でリスクを避け、浮ついたトレンドを追うより質実なエッセンシャルアイテムの開発とサプライの継続に注力するべきではないか。

 ECやSNSによる顧客直結のD2C、DX(デジタルトランスフォーメーション)で受注生産するC2M※1.や製販同盟のVMI※2.など流通のコストとロスを最小化する事業革新、店舗発信のライブコマースやリモートオーダー、C&C(クイック&コレクト)やテザリング※3.など地に足が着いた販売努力を推し進め、価格とお値打ち、事業規模をわきまえるならファッションビジネスには生き残る余地があるが、その前に業界の過剰供給体質を徹底して潰しておく必要がある。加えて、現実を正視しようとせず見たい虚像だけを追う多幸症的ギャンブル体質、ものづくりを過信して販売現場を軽視し使い捨てるクリエイション至上体質も根底から是正する必要がある。

 3月12日から実施されるユニクロとジーユーの「税抜き価格」表示特例措置終了に伴う同一価格での「税込価格」移行は9.1%の実質一斉値下げで、アパレルのエッセンシャルシフトと低価格化が一段と加速し、アパレル事業者の淘汰が進んで業界の過剰供給体質と多幸症的ギャンブル体質も強制的にリセットされるかもしれない。アパレル業界は勝者による掃討戦の段階に入ったと腹をくくるべきだろう。

※1.C2M(Customer to Manufactory)…ネットやショールームで受注してからデジタル生産や3Dプリンタで素早く生産して“個客”に届けるパーソナル対応の無在庫販売手法

※2.VMI(Vendor Managed Inventory)…あらかじめ定めた陳列棚割と販売計画に基づいてベンダーに在庫管理と補給(補充生産も含む)を委任する取引形態

※3.テザリング…店舗間で在庫を融通して在庫効率を高めるローカル・ディストリビューション手法で、修理加工の集約やC&Cの店出荷と連携される

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。著書に店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)、12月11日に出版した「アパレルの終焉と再生」(朝日新書)

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「評価が曖昧」そんな組織には、一体どう働きかけたら? 業界の悩みを「心に火を灯して」解決しますVol.1

 ファッション&ビューティ業界は「変革」を謳っているけれど、実は「どう変わったらいいのか?」さえ見つからない人はいませんか?目指す姿は見えているけれど、実は迷っていたり、くじけそうになったりしている人はいませんか?そんな「登るべき山」が見つからなかったり、山は見えているけれど道を照らすトーチの火が消えそうだったりのアナタに、人の「心に火をつける。」ことを目指す神保拓也トーチリレー代表取締役“隊長”が向き合います。

 初回の「心に火をつけたい」と願う相談者は、国内の大手アパレルメーカーで長年現場を経験した後に昇進し、現在はセールストレーナーを務める女性Aさん。「私は、マネジャーに向いているのか?」「ブランドとして、何を目指したら良いのか?」「ブランドや組織は、変わることができるのか?」ーー。神保“隊長”は、絡み合う複数の悩みを紐解きながら、彼女の心に、登るべき山に向かうためのトーチの火を灯してくれました。

「店頭にいた頃から『評価基準が曖昧』と感じている」

神保拓也トーチリレー代表取締役“隊長”(以下、神保“隊長”):Aさん、こんにちは。ではまず、私のトーチングを受けようと思ったきっかけを教えてください。

Aさん:「ユニクロ(UNIQLO)」のスタッフの心に火を灯すまでを紹介した、「WWDJAPAN.com」の記事を見て、「ビビッ」と来ました。(ごくごく普通の「ユニクロ」の店舗をサポートしていた当時の神保“隊長”には)私と共通するところがあったんです。私は今、店舗向けのセールストレーナーとして、現場の士気やショップの想いを引き上げられないか?と思っています。でも現職での経験は浅く、私一人がアツくなってもダメ。自分のチカラも蓄えたいんです。記事を読んで、感動しました。「私が店長だった時にこんな人がいたら、もっと良い経験ができたのかな?」と思ったし、自分は熱量高く仕事に臨んでいると自覚もできました。でも心の火は、頻繁にくすぶります。火を灯し続けられるようになりたいんです。

神保“隊長”:セールストレーナーとしてのキャリアはどれくらいでしょうか?

Aさん:就任して2年半です。直近は、エリアトレーナー。その前は、店長を17年間務めました。

神保“隊長”:今の仕事は、自分に向いていると思いますか?

Aさん:正直、「プレイヤー向きなのでは?」とも思っています。もちろんアドバイスが結果に繋がったり、店長から「成果が出た」と報告を受けたり、うれしいこともあります。でも、成功体験を積むまでには至っていません。

神保“隊長”:一人のトレーナーが担当する店舗の数は、いくつくらいですか?

Aさん:今は5店舗。直営店を含む、関東近郊20の店舗を3人で分担しています。

神保“隊長”:私の前職では、店長の上司にあたるスーパーバイザーは教育のほか、エリアの売り上げについても責任を負っていましたが、Aさんの組織も同様ですか?

Aさん:同じです。売り上げは、評価の対象の1つです。ただ、数字責任は営業も負っています。

神保“隊長”:数字は、どこまで追いかけていますか?

Aさん:週明けには「何がよかったのか?悪かったのか?」を電話で聞いた後、「今週はどうする?どうやって戦う?」という店長の想いを聞き、アドバイスしています。また店舗では、オペレーションがうまく機能しているか?を確認しながら、店内美化も含めて総合的にアドバイス。自分が接客して聞いた、消費者の声をフィードバックすることもあります。

神保“隊長”:現在、最も悩んでいることを教えてください。組織の悩みでしょうか?それとも、自分が役目を果たし切れていないという悩みになるでしょうか?

Aさん:両方だと思います。会社の仕組みについては店頭にいた頃から、「評価基準が曖昧」と感じていました。もちろん個人の売り上げ、店舗の売り上げ、お客さまに対するサービスなどを評価してもらいましたが、試験があるワケではなく、何をもって昇格なのかは明確ではありません。上司によってバラバラで、ブランドして、会社として「ふわっとしている」と思います。「1つの基準を設けて欲しい」、上司にそう話しましたが、はぐらかされてしまいました。年間の予算に対して何%達成すれば評価してもらえるのか?インバウンドがない今は、国内のお客さまで予算の何%を達成したら良いのか?個人の目標なのか?店舗の目標なのか?SNSはどう評価するのか?曖昧なんです。

神保“隊長”:現場の悩みを吸い上げる仕組みがないから「暖簾に腕押し」なのかもしれません。会社で改革を担うのは、どの部署ですか?

Aさん:おそらく、経営企画がその権限を持っているんだと思います。

神保“隊長”:あいまいですね(笑)。

Aさん:あいまいですね(苦笑)。おそらく、経営企画とブランドの長が話をしているんだと思います。今の上司は割と「君なら、どうしたい?」と聞いてくれるのですが、「その声は、生かしてくれるのかな?」って思っています。

神保“隊長”:Aさんの周りに、「この会社、ブランドをもっと良くしたい」と思っている人は、どのくらいいるでしょうか?

Aさん:店長で言えば、20人中5人は間違いないと思います。セールストレーナーは、3人とも同じ意見です。販売部長は、話せばわかる人。販売課長は、私に近い人。営業も3人のうち1人は、かな?

「あるべき」論は、飲み会で気持ちよくなれるけれど……

神保“隊長”:安心しました。仲間になってくれそうなメンバーは少なくありませんね。だから、話を続けますね。本当に組織を変えたいのなら、正解や「あるべき」論を言っている場合じゃありません。今の話は、おそらく大勢の方が「そうだそうだ」と納得するし、理解している人がいて報われる想いの同僚もいるでしょう。飲み会で話をすれば、きっと盛り上がるし、気持ちよくなれるでしょう。でも変革者の仕事は、ここから。変革を山登りに例えたら、Aさんはまだ1合目にたどり着いただけです。歩みを進めないと。このままでは、何も変わりません。変わらない原因に目を向けないと、組織は変わらないんです。“変革者もどき”がハマるワナは、「あるべき」論を作っただけで世の中が変わると期待してしまうこと。普通の人は、これで終わりかもしれません。でも、変革者の仕事はここから。変えるためのボトルネックを見つけ、握りつぶされないために仕掛け、1人じゃダメなら仲間を募る。こういうコトに脳みそを使うんです。変わるときは、誰かが、面倒な役割を実行しないと。会社の経営が悪くなるのは、経営者の怠慢です。でも、変革者が現れなかったのも要因の1つです。面倒でもAさんは、「私がやるか」と立ち上がる“バッドコップ”にならないと。その役割を担う人は、シンドいだけです。なのに給料は変わらない。会社のことを思っているのに、嫌われてしまうかもしれない。矛盾との戦いです。でも、それをやる人しか、変革者にはなれません。

Aさん:私は、変革者なのでしょうか?

神保“隊長”:ここにいることが、変革者の資質があることの証明です。私に相談したいほど組織を救いたいと思っていて、頼まれてもいないのに今ここにいる。その時点で、周りから頭一つ抜きん出ているんです。Aさんは、自分の“守備範囲”を超えて、心に火を灯そうとしているんです。方法は、2つあると思います。まず1つは、「あるべき」論を考えるのは一休みして、押さなきゃいけないスイートスポットを見つけること。そして2つ目は、仲間づくりです。孤軍奮闘するだけでは、組織は変えられません。変革者は強引にでも仲間を作らないと、自分の心が折れてしまいます。僕も、自分の組織では同志を作ってきました。僕の心だってすぐにくすぶって消えちゃうし、「登るべき山」だって下山したいって思っちゃう(笑)。それでも前に進めるのは、僕がスゴいのではなく、へこたれた時でも前に進める環境づくりを頑張っているから。その代わり、旗を振るのは自分です。変革は、「なんで私が、こんなことまで?」と思ってからが変革です。そこで「やめた」と思うのなら、会社や組織を憂うこともやめるべきです。

Aさん:具体的には、どうすれば?

神保“隊長”:仲間を作るには、最初の1人を作ることです。まずは「あるべき」論を叫ぶのをやめ、誰に、どんな状況で、どう切り出せばいいのか?を考えましょう。自分が思っていることを別の人が話し始めると、「この人も、私と同じ想いなんだ」とその人の胸はざわつくものです。そうなれば、勝ちパターンです。できない話じゃないでしょう?もう、頭に候補は思い浮かんでいるはずです。

Aさん:そう言えば最近、優秀な方が経営企画に異動しました。

会社のゴミを拾う人は、重宝がられるに違いない

神保“隊長”:戦うべきものがわからないまま戦ってきたこれまでは、きっとシンドかったと思います。でも、組織の構図が見えていることは、大きなプラスです。僕の前職は、何か特別なことをやっていたわけではなく、地道に3足990円のソックスを積み重ねて年間で2兆円(神保“隊長”が勤務していた当時)を達成した会社です。現場で頑張った経験を持つ人が、例えば本部でマーケティングも頑張っています。そんな人は、店舗をないがしろにはしないんです。一方、そういう経験がない人は「マーケ最適」で考え、部分最適・部署最適に陥ってしまう。構図が見えてからが勝負なんです。面倒かもしれませんが、会社のゴミを拾いましょう。ゴミや落ち葉を拾ってくれる人がキライな人は、いないハズ。みんな、「どうして、そんな面倒なことをやってくれるの?」って思うでしょう。すると、悩みは向こうから寄ってきます。「あの人なら、やってくれるんじゃないかな?」というムードが醸成されます。そして色々話すと勘が良くなり、ゴミのたまりやすい場所、組織のガンがわかってきて、ガンの温床になっている仕組みの問題に気づきます。そんな人は、会社から重宝がられるに決まっていますよね?事実とともに、「人」を憎まず、「仕組み」を憎むことができるんですから。「あるべき」論を言って誰かのせいにしている人とは、全然違うんです。説得力が、ハンパじゃないんです。変革とは、そういうものです。変わることはシンドいけれど、変わらずに死を待つよりはシンドくない。僕にこう言わせているのは、変革者候補のAさんの想いです。きっと、変われるし、組織も変えられると思います。応援しています。

【心に火がついたAさんの感想】
 あの日の相談は、「評価制度を変えたい」がメーンでした。会社に長く勤めてはいるものの、現場で育ってきた私にとって「本部に入る」は転職に近いことでした。今まで店頭でやってきた職務やルーティーンは、ほぼ役に立たず、まして詳しい仕組みや問題は誰に言ったら解決するのか?未だにわからないのが現状です。

 神保さんが私に言ってくださった、「仲間を作ること」と「会社のガンは、どこにあるのかを知ること。『誰が悪いのか?』ではなく、『そうさせている仕組みは、何なのか?』を知ること」の2つは、私にとって新しい気づきとなりました。こんな風に教えてくれる上司は今までにいなかったし、仕事において大切なことを教えていただきました。本当にありがとうございました。


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「評価が曖昧」そんな組織には、一体どう働きかけたら? 業界の悩みを「心に火を灯して」解決しますVol.1

 ファッション&ビューティ業界は「変革」を謳っているけれど、実は「どう変わったらいいのか?」さえ見つからない人はいませんか?目指す姿は見えているけれど、実は迷っていたり、くじけそうになったりしている人はいませんか?そんな「登るべき山」が見つからなかったり、山は見えているけれど道を照らすトーチの火が消えそうだったりのアナタに、人の「心に火をつける。」ことを目指す神保拓也トーチリレー代表取締役“隊長”が向き合います。

 初回の「心に火をつけたい」と願う相談者は、国内の大手アパレルメーカーで長年現場を経験した後に昇進し、現在はセールストレーナーを務める女性Aさん。「私は、マネジャーに向いているのか?」「ブランドとして、何を目指したら良いのか?」「ブランドや組織は、変わることができるのか?」ーー。神保“隊長”は、絡み合う複数の悩みを紐解きながら、彼女の心に、登るべき山に向かうためのトーチの火を灯してくれました。

「店頭にいた頃から『評価基準が曖昧』と感じている」

神保拓也トーチリレー代表取締役“隊長”(以下、神保“隊長”):Aさん、こんにちは。ではまず、私のトーチングを受けようと思ったきっかけを教えてください。

Aさん:「ユニクロ(UNIQLO)」のスタッフの心に火を灯すまでを紹介した、「WWDJAPAN.com」の記事を見て、「ビビッ」と来ました。(ごくごく普通の「ユニクロ」の店舗をサポートしていた当時の神保“隊長”には)私と共通するところがあったんです。私は今、店舗向けのセールストレーナーとして、現場の士気やショップの想いを引き上げられないか?と思っています。でも現職での経験は浅く、私一人がアツくなってもダメ。自分のチカラも蓄えたいんです。記事を読んで、感動しました。「私が店長だった時にこんな人がいたら、もっと良い経験ができたのかな?」と思ったし、自分は熱量高く仕事に臨んでいると自覚もできました。でも心の火は、頻繁にくすぶります。火を灯し続けられるようになりたいんです。

神保“隊長”:セールストレーナーとしてのキャリアはどれくらいでしょうか?

Aさん:就任して2年半です。直近は、エリアトレーナー。その前は、店長を17年間務めました。

神保“隊長”:今の仕事は、自分に向いていると思いますか?

Aさん:正直、「プレイヤー向きなのでは?」とも思っています。もちろんアドバイスが結果に繋がったり、店長から「成果が出た」と報告を受けたり、うれしいこともあります。でも、成功体験を積むまでには至っていません。

神保“隊長”:一人のトレーナーが担当する店舗の数は、いくつくらいですか?

Aさん:今は5店舗。直営店を含む、関東近郊20の店舗を3人で分担しています。

神保“隊長”:私の前職では、店長の上司にあたるスーパーバイザーは教育のほか、エリアの売り上げについても責任を負っていましたが、Aさんの組織も同様ですか?

Aさん:同じです。売り上げは、評価の対象の1つです。ただ、数字責任は営業も負っています。

神保“隊長”:数字は、どこまで追いかけていますか?

Aさん:週明けには「何がよかったのか?悪かったのか?」を電話で聞いた後、「今週はどうする?どうやって戦う?」という店長の想いを聞き、アドバイスしています。また店舗では、オペレーションがうまく機能しているか?を確認しながら、店内美化も含めて総合的にアドバイス。自分が接客して聞いた、消費者の声をフィードバックすることもあります。

神保“隊長”:現在、最も悩んでいることを教えてください。組織の悩みでしょうか?それとも、自分が役目を果たし切れていないという悩みになるでしょうか?

Aさん:両方だと思います。会社の仕組みについては店頭にいた頃から、「評価基準が曖昧」と感じていました。もちろん個人の売り上げ、店舗の売り上げ、お客さまに対するサービスなどを評価してもらいましたが、試験があるワケではなく、何をもって昇格なのかは明確ではありません。上司によってバラバラで、ブランドして、会社として「ふわっとしている」と思います。「1つの基準を設けて欲しい」、上司にそう話しましたが、はぐらかされてしまいました。年間の予算に対して何%達成すれば評価してもらえるのか?インバウンドがない今は、国内のお客さまで予算の何%を達成したら良いのか?個人の目標なのか?店舗の目標なのか?SNSはどう評価するのか?曖昧なんです。

神保“隊長”:現場の悩みを吸い上げる仕組みがないから「暖簾に腕押し」なのかもしれません。会社で改革を担うのは、どの部署ですか?

Aさん:おそらく、経営企画がその権限を持っているんだと思います。

神保“隊長”:あいまいですね(笑)。

Aさん:あいまいですね(苦笑)。おそらく、経営企画とブランドの長が話をしているんだと思います。今の上司は割と「君なら、どうしたい?」と聞いてくれるのですが、「その声は、生かしてくれるのかな?」って思っています。

神保“隊長”:Aさんの周りに、「この会社、ブランドをもっと良くしたい」と思っている人は、どのくらいいるでしょうか?

Aさん:店長で言えば、20人中5人は間違いないと思います。セールストレーナーは、3人とも同じ意見です。販売部長は、話せばわかる人。販売課長は、私に近い人。営業も3人のうち1人は、かな?

「あるべき」論は、飲み会で気持ちよくなれるけれど……

神保“隊長”:安心しました。仲間になってくれそうなメンバーは少なくありませんね。だから、話を続けますね。本当に組織を変えたいのなら、正解や「あるべき」論を言っている場合じゃありません。今の話は、おそらく大勢の方が「そうだそうだ」と納得するし、理解している人がいて報われる想いの同僚もいるでしょう。飲み会で話をすれば、きっと盛り上がるし、気持ちよくなれるでしょう。でも変革者の仕事は、ここから。変革を山登りに例えたら、Aさんはまだ1合目にたどり着いただけです。歩みを進めないと。このままでは、何も変わりません。変わらない原因に目を向けないと、組織は変わらないんです。“変革者もどき”がハマるワナは、「あるべき」論を作っただけで世の中が変わると期待してしまうこと。普通の人は、これで終わりかもしれません。でも、変革者の仕事はここから。変えるためのボトルネックを見つけ、握りつぶされないために仕掛け、1人じゃダメなら仲間を募る。こういうコトに脳みそを使うんです。変わるときは、誰かが、面倒な役割を実行しないと。会社の経営が悪くなるのは、経営者の怠慢です。でも、変革者が現れなかったのも要因の1つです。面倒でもAさんは、「私がやるか」と立ち上がる“バッドコップ”にならないと。その役割を担う人は、シンドいだけです。なのに給料は変わらない。会社のことを思っているのに、嫌われてしまうかもしれない。矛盾との戦いです。でも、それをやる人しか、変革者にはなれません。

Aさん:私は、変革者なのでしょうか?

神保“隊長”:ここにいることが、変革者の資質があることの証明です。私に相談したいほど組織を救いたいと思っていて、頼まれてもいないのに今ここにいる。その時点で、周りから頭一つ抜きん出ているんです。Aさんは、自分の“守備範囲”を超えて、心に火を灯そうとしているんです。方法は、2つあると思います。まず1つは、「あるべき」論を考えるのは一休みして、押さなきゃいけないスイートスポットを見つけること。そして2つ目は、仲間づくりです。孤軍奮闘するだけでは、組織は変えられません。変革者は強引にでも仲間を作らないと、自分の心が折れてしまいます。僕も、自分の組織では同志を作ってきました。僕の心だってすぐにくすぶって消えちゃうし、「登るべき山」だって下山したいって思っちゃう(笑)。それでも前に進めるのは、僕がスゴいのではなく、へこたれた時でも前に進める環境づくりを頑張っているから。その代わり、旗を振るのは自分です。変革は、「なんで私が、こんなことまで?」と思ってからが変革です。そこで「やめた」と思うのなら、会社や組織を憂うこともやめるべきです。

Aさん:具体的には、どうすれば?

神保“隊長”:仲間を作るには、最初の1人を作ることです。まずは「あるべき」論を叫ぶのをやめ、誰に、どんな状況で、どう切り出せばいいのか?を考えましょう。自分が思っていることを別の人が話し始めると、「この人も、私と同じ想いなんだ」とその人の胸はざわつくものです。そうなれば、勝ちパターンです。できない話じゃないでしょう?もう、頭に候補は思い浮かんでいるはずです。

Aさん:そう言えば最近、優秀な方が経営企画に異動しました。

会社のゴミを拾う人は、重宝がられるに違いない

神保“隊長”:戦うべきものがわからないまま戦ってきたこれまでは、きっとシンドかったと思います。でも、組織の構図が見えていることは、大きなプラスです。僕の前職は、何か特別なことをやっていたわけではなく、地道に3足990円のソックスを積み重ねて年間で2兆円(神保“隊長”が勤務していた当時)を達成した会社です。現場で頑張った経験を持つ人が、例えば本部でマーケティングも頑張っています。そんな人は、店舗をないがしろにはしないんです。一方、そういう経験がない人は「マーケ最適」で考え、部分最適・部署最適に陥ってしまう。構図が見えてからが勝負なんです。面倒かもしれませんが、会社のゴミを拾いましょう。ゴミや落ち葉を拾ってくれる人がキライな人は、いないハズ。みんな、「どうして、そんな面倒なことをやってくれるの?」って思うでしょう。すると、悩みは向こうから寄ってきます。「あの人なら、やってくれるんじゃないかな?」というムードが醸成されます。そして色々話すと勘が良くなり、ゴミのたまりやすい場所、組織のガンがわかってきて、ガンの温床になっている仕組みの問題に気づきます。そんな人は、会社から重宝がられるに決まっていますよね?事実とともに、「人」を憎まず、「仕組み」を憎むことができるんですから。「あるべき」論を言って誰かのせいにしている人とは、全然違うんです。説得力が、ハンパじゃないんです。変革とは、そういうものです。変わることはシンドいけれど、変わらずに死を待つよりはシンドくない。僕にこう言わせているのは、変革者候補のAさんの想いです。きっと、変われるし、組織も変えられると思います。応援しています。

【心に火がついたAさんの感想】
 あの日の相談は、「評価制度を変えたい」がメーンでした。会社に長く勤めてはいるものの、現場で育ってきた私にとって「本部に入る」は転職に近いことでした。今まで店頭でやってきた職務やルーティーンは、ほぼ役に立たず、まして詳しい仕組みや問題は誰に言ったら解決するのか?未だにわからないのが現状です。

 神保さんが私に言ってくださった、「仲間を作ること」と「会社のガンは、どこにあるのかを知ること。『誰が悪いのか?』ではなく、『そうさせている仕組みは、何なのか?』を知ること」の2つは、私にとって新しい気づきとなりました。こんな風に教えてくれる上司は今までにいなかったし、仕事において大切なことを教えていただきました。本当にありがとうございました。


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出店なかなか進まぬ「焼肉の和民」、まだ20店強。「銀行の壁」による資金不足補うため、FC募集を4月開始

 外食大手のワタミが居酒屋店舗のうち120店を2022年3月末までに業態転換すると発表した新業態「焼肉の和民」。2020年10月の1号店から5カ月が経ったいま、現在21店にとどまっている。無借金を誇っていたワタミだが、コロナで財務が毀損し、思うような資金調達ができなくなっていることが原因だ。渡邉美樹代表取締役会長兼グループCEOはFC展開を開始すると宣言した。
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「頭、大丈夫ですか?」東京・神田で42坪、86席を新規オープン。「大衆酒場あげもんや」が、一世一代の大勝負に出た

 居酒屋撤退が相次ぐなか、コロナ禍にも全く動じることなく店舗数を着実に増やしているのが、ワンズトライン株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役:山内仁)が運営する「大衆酒場あげもんや」である。「家族3世代が楽しめる居酒屋=NEXT酒場」をコンセプトに掲げ、2020年は4店舗を出店。今回、直営店の集大成となる「大衆酒場あげもんや神田店」を3月8日(月)にオープンした。
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エディ・スリマンが6年ぶりに個展 上海で音楽をテーマに

 フランスのギャラリー「アルミネ・レッシュ(Almine Rech)」は3月19日〜4月30日、「セリーヌ(CELINE)」アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターを務めるエディ・スリマン(Hedi Slimane)の個展「サン オブ サウンド(Sun of Sound)」を上海で開催する。エディにとって2014年以来6年ぶりの個展で、中国では初めてとなる。

 同展では、音楽シーンに焦点を当てたエディの作品の数々を展示する。エディの音楽遍歴を表現するサウンド・インスタレーションやイギリス出身のミュージシャンであるピーター・ドハーティ(Peter Doherty)の生涯をたどる「ロンドン・バース・オブ・カルト(London, Birth of a Cult)」、ビデオ・インスタレーションの「ベルリン(Berlin)」を披露する。

 14年にフランス・パリのピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団(Fondation Pierre Berge Yves Saint Laurent)で開催した写真展「ソニック(Sonic)」も展示。ルー・リード(Lou Reed)やキース・リチャーズ(Keith Richards)、エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)といった名だたるミュージシャンを撮り下ろしている。

 上海の「アルミネ・レッシュ」では同期間中、ニューヨークを拠点とするアーティスト、ピーター・ハーレイ(Peter Halley)による個展「スリー・ペインティングス(Three Paintings)」も展示する。

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「イザベル マラン」2021-22年秋冬パリ・コレクション

 「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」が2021-22年秋冬コレクションをパリで発表した。

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関西で人気のバッグ「イアクッチ」 好調を支える“地道な”PR戦略

 「WWDジャパン」2月22日号では、「2020年秋冬に売れたものは何だった?」をテーマに特集を組み、定期購読者向けの別冊付録>「20年秋冬ビジネスリポート」では、全国41店舗の百貨店に20年8~12月の商況をアンケート調査した(「ビジネスリポート」は単品でも販売中)。婦人バッグは、コロナ禍のリモートワークの推進で需要が減少し、全体的に苦戦ムードだった。しかしそんな中でも、関西の百貨店3店舗(高島屋大阪店、あべのハルカス近鉄本店、大丸神戸店)で前年同期の売り上げと比較した伸長率ランキングで突如1位に躍り出たブランドが、イタリア発のバッグブランド「イアクッチ(IACUCCI)」だ。

 「イアクッチ」は、パオロ・イアクッチ(Paolo Iacucci)と妻ナルー(Nalu Iacucci)によって1976年に創業。素材の調達から生産までの全工程をイタリアで行い、 高品質なものづくりとミニマルなデザインが特徴だ。日本ではパルが2019年春夏から独占販売権を取得し、現在は東京と関西圏に計7店舗の直営店を構える。主な価格帯は、3万円代後半〜5万円代前半。「ロンシャン(LONGCHAMP)」や「フルラ(FURLA)」「ヴァジック(VASIC)」「ジャンニ キアリーニ(GIANNI CHIARINI)」などが競合ブランドといえる。

 主要顧客層は30~40代女性。アイテムの売れ筋1位は、中央にブランドのイニシャル“I”を大胆に配した“ソルベット”のキャンバスシリーズだ。アイコニックなデザインに加え、キャンバス地には弱撥水加工を施すなど機能性にも優れる。「購入客の中心は有職者の女性で、通勤用バッグとして購入する人が多い。A4書類が入るMサイズのトートバッグが一番人気」(高島屋大阪店)、「シンプルかつ粋なデザインでアイコンバッグとして定着。季節ごとに発売されるカラーや素材違いも、顧客からの支持が高い」(あべのハルカス近鉄本店)との声が上がっている。“ソルベット”シリーズに次ぐ売れ筋は、上質な仔牛のレザーを使用したトートバッグ“ジブリ”、ワンショルダーバッグの“テア”。「“ソルベット”シリーズ以外のデザインバリエーションの増加が売り上げを後押しした」(大丸神戸店)と、“ソルベット”シリーズ以外の人気も上がっている。

 「イアクッチ」の前年8~12月の既存店売り上げは前年比17%増と堅調だが、前述の高島屋大阪店では150%増、あべのハルカス近鉄本店は50%増、大丸神戸店は31%増と大幅伸長しており、関西での注目度の高さが伺える。順調に推移してきたかと思えば、「初年度は厳しかった」と、岩井一馬パル第9事業部「イアクッチ」ブランド長。「当初はイタリア本国の企画をそのまま販売していたが、日本のマーケットに響かなかった。そこで20年からは、日本のディレクターが中心となって日本向けのデザインに手直ししたところ奏功した」と、好調に転じた理由を語る。

 売り上げを伸ばした具体的な施策については、「店舗数が少ない分、立ち上げ当初からウェブ広告や雑誌掲載を中心にPRしてきた。コロナ期間中はSNSでの発信をさらに強化した。ブランドの公式アカウントだけでなく、店舗や個人アカウント、パルグループの公式アプリ『パルクローゼット』でも発信した結果、店頭に目的買いの顧客が増加した」と、“地道な”取り組みが結果につながったのだという。前述の3店舗からも、好調の理由に「地道に、徐々に」といったコメントが目立った。

 2月下旬にはジェイアール京都伊勢丹に新店舗をオープン。「クオリティーと価格の好バランスがわれわれの強み」という実直なものづくりと地道にコツコツ積み重ねるPRがどこまでビジネス拡大につながるのか。今後の動向に注目したい。

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名鉄が金沢の百貨店「めいてつ・エムザ」を売却

 名古屋鉄道は8日、連結子会社の金沢名鉄丸越百貨店(石川県金沢市、石川仁志社長)と金沢スカイホテル(同、岩瀬正明社長)の全株式をディスカウントスーパーのヒーロー(茨城県牛久市、小栗政克社長)に売却すると発表した。譲渡額は非公表。コロナ禍による消費低迷と観光客減少を受けて百貨店とホテルの事業再編を決断した。

 金沢名鉄丸越百貨店は「めいてつ・エムザ」の屋号で百貨店を運営する。JR金沢駅からも近い観光名所の近江町市場の前に立地しており、市内一の繁華街である香林坊とのアクセスも良い。だが、この数年は赤字続きで、20年3月期業績は売上高が前期比7.3%減の117億円、純損益が17億円の赤字(前期は3600万円の赤字)だった。

 金沢スカイホテルはめいてつ・エムザの建物の上層階で「ANAホリデイ・イン・金沢スカイ」を経営している。コロナ以降、国内外の観光客の減少が打撃になっていた。

 名古屋鉄道は百貨店事業としてめいてつ・エムザのほか、名鉄百貨店本店(名古屋駅前)と同一宮店を運営し、ショッピングセンター事業として東京・銀座のメルサおよびイグジットメルサを展開している。

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ファッション通信簿Vol.64 ハイファッションからニシキヘビまで着こなす!?  ブリトニーの自由すぎるファッションを米「WWD」が勝手にジャッジ!

 米「WWD」の人気企画「ファッション通信簿」では、ストリートからパーティー、レッドカーペットに至るまで、海外セレブたちのファッションを厳しくチェック。評価を絵文字でお伝えするとともに、それぞれのファッションポイントを勝手に辛口ジャッジ!

 第64回はブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)の歴代ファッションが登場。豪華なドレスを着こなす一方で、カジュアルな装いや、時にはニシキヘビまでもを取り入れるファッションセンスには脱帽するしかない。私生活での恋愛遍歴だけでなく、ファッションでも自由を愛するブリトニー――彼女に下される評価はいかに!?

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コーセーが国際女性デーに「女性応援ブランド賞」を受賞

 コーセーは3月8日、持続可能な社会づくりに貢献すると共に自身もいきいきと輝き、さらなる活躍が期待できる女性を表彰する「国際女性デー|HAPPY WOMAN AWARD for SDGs」で企業部門の「女性応援ブランド賞」を受賞した。

 同アワードは2019年にスタート。同社は、1985年にコーセーグループで初めて女性の取締役が就任し長きにわたり多様な価値観を受容する企業文化が根付いていること。医療従事者支援プロジェクト「You are my HERO」や「#ケアワーカーをケアしよう」プロジェクトへの賛同など化粧品メーカーとして“美”を通じて世の中を明るくする活動を推進することなどが評価を得た。

 小椋敦子コーセー執行役員 情報統括部長は「社内のダイバーシティを推進しつつ、社会にもメッセージを発信する活動など、企業全体で推進してきた活動に理解と支持をもらえ受賞につながったことに感謝する。今後も“美”の持つポジティブな価値を積極的に発信し、明るく健やかな社会づくりに貢献する」とコメントした。

 なお、企業部門は同社のほかオイシックス・ラ・大地も受賞。個人部門には女優の黒柳徹子と歌手のAI、女優の剛力彩芽、タレントのマリエ、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 プリンシパル・サステナビリティ・ストラテジストの吉高まり、Colabo代表理事の仁藤夢乃、ハローキティが選ばれた。

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「スック」の2021年夏コレクションは“黄昏時の海辺”からインスピレーション

 「スック(SUQQU)」は、2021年夏コレクション“シーサイド サンセット グロウ”を5月7日に発売する。“黄昏時の海辺”からインスピレーションを得たウォームトーンやヌーディなグラデーションが作れるアイシャドウやカラーアイライナー、リップなどがそろう。明るくヘルシーな中に大人の切なさを秘めた色を提案する。

 注目は21年春に刷新された4色アイシャドウパレット“シグニチャー カラー アイズ”(限定色2種、各7000円)の限定カラー。マット、メタリック、パール、ディープカラーの異なる4種の質感と輝きで、暮れゆく海辺のきらめきを目元につくり出す。サンドベージュとコッパーオレンジで夕陽に染まる海辺を表現する“104 黄昏染 -TASOGAREZOME-”と、空と海が青みがかったピンクに染まる幻想的な情景を表す“105 宵汐空 -YOISEKISORA-”の2種をそろえる。

 そのほか、フェルトタイプのカラーアイライナー“ニュアンス アイライナー”(限定色2色、各3000円)や艶とソフトマット2種の質感から選べるリクイドリップ“コンフォート リップ フルイド”(グロウ 限定色2色/フォグ 限定色2色、各5000円)、夏らしいヘルシーな艶肌をつくる“リタッチ プレスト パウダー”(限定色1種、6500円)などをラインアップする。

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バルクオムと刀が資本提携 短期間でメンズスキンケアブランド国内シェアNo.1を目指す

 メンズスキンケアブランド「バルクオム(BULK HOMME)」を展開するバルクオムは、マーケティングノウハウのライセンシングカンパニーの刀との資本提携を発表した。刀との協業により消費者視点のブランド設計やコミュニケーション戦略強化などを通じて事業成長を加速。数年内でメンズスキンケアブランドの国内シェアNo.1獲得を目指す。

 バルクオムは「世界のメンズビューティをアップデートする」というビジョンのもと「世界No.1シェアのブランドをつくる」ため、刀が持つ広い事業領域における高度なマーケティングノウハウを取得してより消費者に向き合うブランド設計を共に行う。刀は「マーケティングとエンターテイメントで、日本を元気に」を重視し、提携先企業にマーケティングノウハウを指南。世界でも戦える経営サポートを行なっている。今回はバルクオムの“世界中の男性がスキンケアをすることがスタンダードという世の中を創る”思いに共感し、資本提携に至った。

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「ティファニー」がマーケティングのクリエイティブ・ディレクターを任命 ビューティのエキスパート

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下のティファニー(TIFFANY & CO.)は、マーケティングとコミュニケーションのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターにルバ・アブ・ニマ(Ruba Abu-Nimah)を指名した。同氏が4日、自身のインスタグラムで就任を明かした。詳細は明かされていないが、ブランドのクリエイティブなビジョンの舵取りを担い、商品開発には関わらないとされている。

 ルバ・アブ・ニマ新クリエイティブ・ディレクターは、「エル(ELLE)」や「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」、資生堂などで要職を務めたベテラン。前職は、「レブロン(REVLON)」のバイス・プレジデント兼クリエイティブディレクターだ。20年夏には、デザイナーのフィリップ・リム(Phillip Lim)と共に、レバノンの首都ベイルートで起こった大規模な爆発に対する復興支援など、商品を通して社会問題の解決に取り組むコラボプロジェクトを開始した。

 業界からは、スタイリストのスザンヌ・コラー(Suzanne Koller)やアラスター・マッキム(Alastair McKimm)、サミラ・ナサー(Samira Nasr)「ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)」エディター、コレット(Colette)のクリエイティブ・ディレクターを務めていたサラ・アンデルマン(Sarah Andelman)などから祝福の声が寄せられた。

 ティファニーは21年1月、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」などを擁するLVMHによって買収された。新体制のティファニーでは、「ルイ・ヴィトン」からアンソニー・ルドリュ(Anthony Ledru)が次期最高経営責任者(CEO)、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの次男であるアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)がプロダクトおよびコミュニケーション部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデント、マイケル・バーク(Michael Burke)が取締役会プレジデントに、それぞれ就任した。

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「イッセイ ミヤケ」が自然の普遍的な美しさを表現 “一枚の布”で大胆さとリアルな”着やすさ”を両立

 「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」は2021-22年秋冬コレクションをデジタル上で開催中のパリ・ファッション・ウイークで発表した。今季は「As the Way It Comes to Be(生まれたままで)」をテーマに、デザイナーの近藤悟史率いるデザインチームが自然の普遍的な美しさに向き合った。ブランドの核にある“一枚の布”というコンセプトをそのままに、大胆なデザインで、よりリアルな”着やすさ”も重視した。

 近藤デザイナーは「これまでは“風をはらむ”や“まわる”など抽象的なキーワードで服作りをしてきたが、今季はもっと具体性を持って表現しようと考えた。石、貝殻、卵の色、水の流れ、光など、誰でも想像できる自然を自分たちのモノづくりに載せて、内面から出るエネルギーを感じられるコレクションにしたかった」と語る。

時間をかけて作った
“静かだけど堂々としている服”

 デザインは「自然の有機的な形を服に取り入れた」手法と「自然の強さをありのままに服で表現する」手法の2つの切り口で挑んだ。ファーストルックは前者の表現で、一枚の四角い布に伸縮性のある糸を部分的に織り込んで成形したドレス。川の流れをイメージした、不揃いのプリーツが特徴だ。また大胆に湾曲したプリーツと、大きな穴があいたグレーのドレスは、“灯と影”を描写したもので、プリーツに沿ってコンパクトに折りたたむことができる。

 後者の「自然の強さをありのまま表現する」手法を代表するのが、京都の伝統技法である墨流しで石を描いたシャツやドレス。水面に染料を垂らしてマーブル模様を作り、手作業で染色しているため、一枚一枚で柄が異なる1点モノになる。“月影にかすむ大輪の花”をイメージしたドレスは、シルク織物にほぐしの技法で染めのような模様を描いたもの。1枚の四角い布をベースにしたパターンで、生地を端まで無駄なく使用している。さらに、素材本来の色や風合いを生かしたウエアにも取り組んだ。羊毛を脱色・染色せずそのまま色を使った“ロー ウール(RAW WOOL)”のコートや、茶綿と緑綿のオーガニックコットンで仕立てたトレンチ風のジャンプスーツを提案。合成繊維で形状記憶を生かしたモノ作りを得意とする「イッセイ ミヤケ」では目新しい素材使いだ。

 近藤デザイナーは「前シーズンに“コンパクトになる洋服”を作り、箱に詰めてパリへ送ったときに『次はこれまでとは違った新しいチャレンジをしたい』と感じた。自然と向き合って、よりパーソナルなものを作ろうというアイデアが浮かんだ。コロナ以前は半年に3週間〜1カ月出張することもあったが、今は日本でモノ作りに集中できる環境にある。今季は丁寧に素材を作って、一点一点の服に時間をかけて、静かだけど堂々としている服を作ることができた」と説明した。

 コレクション動画は関東にある建築物と自然を背景に撮影。ブランドのコンセプトやデザインの強さを失わずに、よりモダンでリアルな“静かだけど堂々としている服”を見せることに成功した。

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「ジーユー」が吸水ショーツを1490円で フェムケア市場に本格参入

 「ジーユー(GU)」は国際女性デーである3月8日を皮切りに、女性の健康をサポートする新プロジェクト「ジーユー ボディ ラボ(GU BODY LAB)」を始動する。オムロン ヘルスケアや「ルナルナ(LUNALUNA)」を運営するエムティーアイ(MTI)と共同で女性の健康に関する情報発信活動を行うと同時に、吸水ショーツ、着圧ソックス、シェイプウエアなどを発売し、フェムケア市場に本格参入する。

 発売当日に行われたメディア向け新商品発表会には、椎名玲子ジーユー グローバル商品本部 VCP部門 インナーチームリーダーが登壇。同プロジェクトについて「女性の健康リテラシーの向上に寄与することで、個々人が自分らしく前向きになれる社会の実現に貢献したい」と、その意義を述べた。
 
 3月8日に発売された商品群の中で、もっとも注目されるのが吸水ショーツ“トリプルガードショーツ”(1490円)だ。約15〜20mLの水分を吸収する機能があり、クロッチ部分には抗菌防臭機能をもたせている。吸水ケア、サニタリーショーツとして使用できるショーツで5色展開(ピンクは国際女性デー限定カラー)、SからXLまでの4サイズ展開だ。

 すでに、2019年から女性起業家を中心に吸水ショーツブランドの立ち上げが相次いでいるが、中心価格帯は3900〜6900円。吸水量に違いはあるが、“トリプルガードショーツ”の1490円という価格は圧倒的な値頃感がある。「興味はあるけれど、購入するに至るにはまだハードルがある」とこれまで感じていた層を取り込み、これをきっかけに市場に吸水ショーツが根付くことが期待される。椎名インナーチームリーダーも「手に取りやすい価格にすることで、女性が自らのからだについて考えるきっかけになれば」とその開発意図を語った。130名のモニターを対象に行ったアンケートでは、「吸収力がすごくておどろいた」「この楽さを他の人にも伝えたい」などの回答が寄せられているという。

 発売に合わせ、原宿の「ジーユースタイルスタジオ(GU STYLE STUDIO)」には同プロジェクトの商品と活動を紹介するスペシャルブースが設けられている。14日までの期間は、同ブースに来店してジーユー公式アプリのダウンロード、および店頭で該当アンケートに回答した毎日先着200名(合計1400名)に“トリプルガードショーツ”をプレゼントするイベントも開催している。

「女性の健康リテラシーの向上」目指し情報発信にも注力

 「ジーユー ボディ ラボ」の活動は、商品を販売するだけでなく、女性の健康問題に関連する情報発信も大きな柱だ。オムロン ヘルスケアと協業し、同社が長きにわたって女性の健康管理に貢献してきた知見を今後の商品開発に活かす。また、7月にはオムロン ヘルスケアの運営する「オムロン式美人」とエムティーアイが運営する「ルナルナ」より情報を受け、「女性の健康リテラシーの向上」を目的とした「フィメール ライフスタイル ファクトブック」を「ジーユー」のEC内で公開予定だ。

 ジーユーがオムロン ヘルスケア、エムティーアイと組み、20〜40代の5000人の女性を対象に行った意識調査では、約87%の女性が生理前・生理中にからだや心に変化を感じていることが分かった。しかし、その対策として「何もしていない」との回答が1位(34.4%)となったことに、椎名インナーチームリーダーは驚いたという。それを受け、女性特有の悩みに関する知識の浸透が必要との結論に至り、商品の販売だけに止まらず、情報発信にも力を入れていくこととなった。

 フェムテック・ケア市場は2025年までに5兆円規模(出典:FEMTECH FORUM2020)になるとされ、今後さらなる市場拡大が見込まれる。プレーヤーが増えるということは、女性たちの選択肢が増えることにつながる。それが健やかな人生をおくるための一助になることを期待したい。

川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター、日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身

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ポーラが女性支援活動を開始 リンクルショットの売り上げ一部を寄付

 ポーラは、国際女性デーの3月8日から女性や地域の可能性を広げるため、寄付活動などさまざまな取り組みを開始する。

 寄付活動では、シワ改善のパイオニア製品“リンクルショット”シリーズの3月売り上げの一部を、女性支援団体へ寄付する。寄付金は世界で困難な状況にある女性と少女のための支援活動に役立てる。

 そのほか公式ホームページで女性のビジネスリーダーの活動を紹介する。同社はポーラショップを経営する責任者約3800人を有するが、彼らは美容活動に加えて積極的に地域を盛り上げ地方創生に貢献する。それらの活動を順次紹介する。

 及川美紀ポーラ社長は「1911年に女性解放運動家・平塚らいてうが“元始女性は太陽であった。真正の人であった。今、女性は月である。 他に依って生き、他の光によって輝く、 病人のやうな青白い顔の月である”と語った。 110年後の今、改めて私はこの言葉を届けたい。自分の意志で道を拓く、主体的選択をできる女性を増やしたい。 そして、みなさんと一緒に創りたい。“自分と社会の可能性を信じられる、つながりであふれた社会”を」と述べた。

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伊藤忠・岡藤会長が語る「ライバル、繊維、ファミマ」

 「伊藤忠の3冠はもう手の届くところにある」ーー伊藤忠商事の岡藤正広会長兼CEOは2月、大阪市内で一部のメディア限定の記者懇談会で、こう語り始めた。岡藤会長の言う3冠とは純利益、株価、時価総額のこと。伊藤忠は純利益が4000億円(21年3月期通期の見通し)、株価は直近で3383円、時価総額は5兆3616円になる。ライバルであり、長らく総合商社のトップとして君臨してきた三菱商事は純利益が2000億円、株価は3045円、時価総額は4兆5240億円円(ともに3月8日の終値)で、3月8日時点では三菱商事を突き放して総合商社の中でトップの数字となる。会社の現在を示す純利益、決算の数字だけでなくトータルの経営成績と言える株価と時価総額。この3冠は、名実ともに総合商社のトップになることを示す。岡藤会長の発言の一部を抜粋する。

岡藤正広会長CEO(以下、岡藤):最後の最後まで何が起こるかわからんけど、この5年間(2015年3月期〜20年3月期)に21年3月期(予想)を加えた税後利益(=純利益)の合計は伊藤忠が2兆3948億円、三菱商事が2兆1771億円。単年度ではなく、複数年度で見れば、すでに当社が上回っている。そう考えると3冠だって、普通に行けば固い。ただ、体力の差は歴然としている。これを今後はキャッチアップしていかないとあかん。

一方、岡藤会長は出身である繊維カンパニーには檄を飛ばす。

岡藤:伊藤忠が生活産業を看板として掲げている限り、衣食住の中の衣を担う繊維カンパニーはもっと頑張らなあかん。赤字の事業会社も出てきているし、過去ののれん代を処理したり、逆に3年で償却するところを前倒しで1年で処理したりと、今年度は思い切った処理をいろいろ行うことになる。勝負は来年度以降やな。悪いからって(現場は)パニックになっているかもしらんけど、冷静になって、どこで儲かるんか見極めなあかん。商社は今の時代にあってるのかを常に自問自答しないと。ワシの目から見ても半分くらいは将来的には存在しないようなビジネスモデルもある。

岡藤:子会社であるアパレルの事業会社のトップに会うとかなり厳しいことを言うたってる。でも、それは愛の気持ちや。繊維という看板は絶対に残さなあかん。みんなコロナ禍のことを言い訳にするけど、せやったら先手先手を取らなあかんのや。理由付けをしている人間は成長せえへん。早く予測し、楽観視しないで先手を打つ。繊維・アパレルやったら、仕入れを抑え、必要やったら店を閉めて、時には人を減らしたり、工場を閉めたりも、必要かもしれん。でもそれをやらな、工場だけじゃなく企業そのものがなくなってしまうんや。

岡藤:でもな、会長になってわかったけど、繊維はホンマに恵まれてるんや。繊維のOBはほんまに暖かい人たちやから。大阪に来るとよう分かる。今は3冠やなんや言ってるけど、伊藤忠だってほんの20年前には本当につらい時期があった。そんな苦労をしているOBたちが、繊維のOBは今でも頑張れ頑張れって現役の社員や事業のことを、心から暖かく応援してくれはるんや。もちろんお金のためやない。他の総合商社は繊維の看板を降ろしてしまって、残ってるのは伊藤忠だけや。もし繊維の看板がなくなったら、そのOBたちがどんなに悲しむか。だから現役の社員たちはそのことを心に留めて、もっともっとがんばらなあかんのや。

コロナ禍、低迷するアパレル市況の中で活路はをどう拓くべきか。その一つとして顧客起点のマーケティングを挙げる。

岡藤:繊維・ファッションに関しては難しく考えなくてもいい。むしろシンプルや。プロパーで販売し、できるだけ在庫を少なくする。そのために商品と販売の仕組みをどう作り変えるか。今はそれだけを考えればいい。それに繊維の中にも磨けば光る事業やブランドはまだまだある。看板を降ろさず、本体の中に繊維事業を置いているから、情報の量も質も他の商社とは段違いに高いし、業界全体で何かあったら伊藤忠を頼ってくれてもいる。まだ立て直せる目はたくさんあるはずや。

岡藤:これからの商社にとって大事なのは、顧客との接点や。それが新たなビジネスの種になる。他の総合商社を見回しても、これだけの顧客接点を持っている商社ははない。ヤナセだって以前は外車販売やったけど、いまは富裕層との接点を生かして、外車販売以外にも手を広げて、それが非常にうまく行っている。マーケットインとはそーゆうことや。

昨年8月に約5800億円を投じ、完全子会社化したファミリーマートについて、どう見ているのか。小売の中でも最も難易度の高いと言われるコンビニエンスストアを、どう成長軌道に乗せるのか。3月1日付でファミリーマートの新社長に就任した細見研介氏は、岡藤会長の繊維カンパニー時代からの懐刀とも言える存在だ。

岡藤:ファミマは、伊藤忠の虎の子や。「コンビニ」とは思ってへん。膨大な顧客接点を持つ、生活産業事業の最重要拠点やと位置づけている。ファミマに絞って言えば今はまず、日販を上げること。つまりはお客さんにもっと足を運んでもらうこと。それが最優先や。そうすれば自ずと、次の打ち手が見えてくる。

岡藤:彼の持ち味は突破力と(繊維カンパニーで培った)マーケティング力や。繊維でも成功も失敗もいろいろな経験をした。ファミマに行くにあたって、ワシの書いた「かけふ(か=稼ぐ、け=削る、ふ=防ぐ、岡藤会長が社長就任後に掲げたコーポレートメッセージ)の書を持ち込んだ。相当な覚悟でのぞんでいる。

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「ゲラン」が女性養蜂家の育成・支援プログラムにアンジェリーナ・ジョリーを起用

 「ゲラン(GUERLAIN)」は3月8日、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)と取り組む女性養蜂起業家育成プログラム 「Women for Bees(ウーマン・フォー・ビー)」にアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)をゴッドマザーとして迎えた。

 同プログラムはフランス養蜂観測所(OFA)と協業し、ロシアやエチオピア、カンボジアなどで女性養蜂家の育成を支援する。仏・プロヴァンス地方のサントボームにあるOFAの拠点で、6月21日から30日間の研修を行う予定だ。毎年5つのユネスコ生物圏保護区から、5年間で50人の女性が参加。参加者はOFAの専門的技術・ 知識から養蜂場の運営方法など、さまざまな理論と実践の基礎を身につけ、研修終了時にはプロの養蜂家になることが可能だ。プロジェクトを通して25のユネスコ生物圏保護区内に2500の巣箱を2025年までに設置し、1億2500万匹のミツバチを拡充する。

 アンジェリーナは「女性はスキルや知識を身につけると、誰かの役に立ちたいと思うようになるもの。 世界中からこのプログラムに参加する女性たちに会えることを心待ちにしている。 彼女たちについて知り、彼女たちの文化や環境、その中でのミツバチが果たす役割について学ぶことが楽しみだ。『Women for Bees』が、女性養蜂家の自立と彼女たちの地域社会の向上につながることを願う」とコメント。

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納品書の作成から多言語の海外取引まで オンライン展示会ツール「デクスター」を大阪のスタートアップ企業が開発

 大阪のスタートアップ企業のワンドテクノロジーズ(ONE'D TECHNOLOGIES)は、アパレルに特化したオンライン展示会ツール「デクスター(DEXTRE)」をローンチした。「デクスター」はオンライン上で受注管理から入金管理、オンライン展示会、海外販売までを一元化していることが特徴で、多言語・多通貨対応(12カ国語・23通貨)、貿易条件別の価格分岐にも対応している。初期費用は無料。使用料は最も安い年契約で月額2万円、3月末までベータ版で無料になっている。

 「デクスター」の機能は大きく分けて1.受注管理、2.商品管理、3.オンライン展示会、4.海外販売対応の4つ。

 1.受注管理では分類別の受注集計から、納品書、請求書、入金管理、帳票の作成などに対応。2.商品管理では商品画像や動画、商品分類コードなども含めた商品の一元管理ができる。

 3.オンライン展示会では静止画や動画、HTML5などのメディアを使え、取引先に合わせた条件設定も可能。4.海外販売対応では12言語に対応し、貿易条件や通貨、価格条件などもバイヤーごとに設定が可能で、コマーシャルインボイスの作成機能や、煩雑なデポジット(保証金)など、請求書の発行から入金管理まで海外取引に必要な機能をそろえている。

 同社によると、紙を中心に行っていた業務をテレワーク中でも同じ感覚でデジタル化し、オンライン上でいつでもどこでも業務を可能にすることを目指しており、複数の部署にまたがるメンバーの誰もが使いやすく見やすいUI/UXを追求しているという。今後はモデル撮影や商品撮影の支援、D2C型のEC支援事業、さらには販売管理システムだけでなく、生産管理も含めたプラットフォーム構築の実現も目指すという。

 ワンドテクノロジーズはエンジニアの森川源士代表取締役CEO兼CTOが2021年に大阪で創業。同社の取締役としてセレクトショップの経営者や貿易実務経験者が脇を固めている。

問い合わせ先
ワンドテクノロジーズ
info@oned-technologies.com

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草木染めランジェリーの「リブラ」が植物染料プリントの新作

 “花の命を着る。”をコンセプトに掲げる草木染めランジェリーブランド「リブラ(LIV:RA)」はこのほど、天然植物でプリントしたオーガニックコットンのランジェリーの予約販売を公式ECサイトで開始した。

 アイテムはブラ(6980円、税込)とショーツ(4980円、同)で、デザインは2種類。90年の歴史を持つ京都の藤田染苑が開発した天然植物を原料とするプリント技法で、藍、エンジュ、茜、マリーゴールドなどを用いている。生地には環境に配慮したモノづくりを行う「ビオリ プロジェクト(BIORE PROJECT)」のオーガニックコットン100%使用。生地のQRコードを読み込むと製造工程を追跡することができる。

 予約受け付けは3月31日まで。商品の発送は5月下旬を予定。

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クラウドファンディング開始15分で目標金額達成 スピード感あるもの作りのD2Cブランド「シシ」

 SISIが展開する新クリーンビューティスキンケアブランド「シシ(SISI)」から今年1月、第1弾製品として“はがさないマスク”の「ロザリティ ウォータリーマスク」(50g、6400円)が誕生した。同製品は公式発売に先駆けてクラウドファンディングサービスのマクアケ(Makuake)で先行販売し、開始わずか15分で目標金額30万円を達成。達成率949%の284万9140円でプロジェクトを終了した。そして2月24日、同社はネイチャーラボとサティス製薬、個人投資家などから総額1億円の資金調達を実施。これによりマーケティングの強化、ユーザーニーズに応える新商品の開発、新サービスの投資、事業展開に向けた採用強化を推進する。いま勢いのあるSISIの澤田実加代表にクラウドファンディング早期達成の理由やスピード感のあるもの作り、今後の展開について聞いた。

WWD:第1弾製品「シシ」は、基本処方が完成してわずか 6 カ月でプレローンチするスピード感。開発の経緯は?

澤田実加SISI代表(以下、澤田):いいプロダクト作りの条件はチームに良い開発者がいること。そのため請負型のOEMではなく、パートナーシップという形で開発者を巻き込めるようなチーム編成を組んでいるため、スピード感を持ちながら肌への本質的な効果としての有効性、使いやすさ即時的な効果実感という意味での機能性、毎日使い続けたくなる嗜好性を兼ね備えたもの作りができる。また、開発だけが頑張ってもビジネスサイドの意思決定が遅くてローンチが遅れることも起こりやすい。そのため、ビジネスの意思決定をスムーズに行うようにしっかりとユーザー感覚のある少人数ビジネスチームを編成している。

WWD:なぜ第1弾製品は“はがさないマスク”に?

澤田:世の中に飽和しているクリームや乳液などのカテゴリーを新ブランドから出しても、ユーザーにとっては選択肢が多すぎてわざわざ使う理由が見い出しにくい。そして現代女性にとっては、ブランドが製品の使い方を定義するよりも、ライフスタイルや肌質に合わせた使い方の幅があることがとても重要だと思った。普段のスキンケアにプラスしたり、スリーピングマスク使いしたり、疲れたときはオールインワンでも対応できたり。塗るタイプの美容マスクは競合製品が少なく新規性がまだまだあると考えている。いま、スキンケアが毎日の義務的なルーティンから楽しむものへと意識が変わっている理由もあり、美容マスクの需要が伸びている。一方、忙しい女性にとっては毎日シートマスクをするたった15分が取れないという課題も。当社はそんな悩みを、プロダクトを通じて解決していきたい。

WWD:「ロザリティ ウォータリーマスク」のキー成分である “Rosality”の特徴、開発のこだわりや苦労点は。

澤田:この商品は世界のエキスパートが集結し、現代ストレスと肌の関係に着目して開発したレスキューアイテム。ローズの香り成分を、効果をもたらす機能性成分に変革した“Rosality”を配合している。チャレンジした点は、みずみずしい感触でありながら保湿感をキープする製品へと仕上げたこと。保湿感を求めるとベタつきが気になる一方、軽すぎると冬場は物足りない。朝も夜も、夏も冬もどんな肌質でも気持ちよく使えてしっかり潤う商品を目指した。

WWD:なぜクラウドファンディング(マクアケ)を活用したのか。早期達成した理由は。

澤田:クラウドファンディングを選んだ理由は2つある。1つ目は、公式販売前にプロダクトマーケットフィット(PMF)を確認したかったから。時代に合った良いものを作っている自負がありつつも、店頭販売ではないD2C の新ブランドは最初の1個を買ってもらうことが大変であるということも痛感していた。コミュニケーションがお客さまに伝わるか、どんな層が興味を持ってくれるかを確認したかった。2つ目は、クラウドファンディングで化粧品を取り扱えるようになったこと。数ある化粧品の中で早期にオピニオンリーダーに注目してもらえるようにPR視点でクラウドファンディングを活用した。クラウドファンディングが成功した理由は、初日の売上目標を高く設定して何が何でも初速をつけることに注力したから。マクアケと注目されているD2Cブランドとの合同イベント実施やビジネスメディアへの寄稿を含め、精力的にPR 活動を行なった。そういった入念な準備が非常に大事。そして、なによりも支援してくれるお客さまがいたからに尽きる。

WWD:ブランドの今後の展開について。

澤田:「自分を思い大切にする習慣をつくるブランド」の「シシ」は、美容を基軸にしながらプロダクトを通じてお客さまの日々の悩みに寄り添える製品展開をしていく。あえて製品のラインアップを持たず、一つ一つのアイテムに個性があるユニークなパワーアイテムを展開していくブランド作りをしていきたいと考えている。そして今の時代に必要とされている製品をスピード感を持って届け、製品だけでなくブランドのファンになってくれるお客さまを増やす。お客さまとリアルで会えるポップアップも今後やっていきたい。

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イッセイミヤケが宮前義之による新ブランド 「エイポック」を発展

 イッセイ ミヤケは、新ブランド「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE以下、エイポック エイブル)」 を立ち上げ、東京・南青山に路面店を3月13日にオープンする。デザインは2019-20年秋冬シーズンまで「イッセイ ミヤケ」のウィメンズ・コレクションを手掛けてきた宮前義之が担当する。

 「エイポック」は創業デザイナーの三宅一生が1998年に開始した服作りのプロセスで、コンピューターの最新技術を駆使して、生地作りの段階で1本1本の糸に裁断や縫製のための情報を内包した“一枚の布”を生み出すプロジェクト。新ブランド「エイポック エイブル」では、宮前率いるデザインチームが「エイポック」の服作りを発展させ、異分野や異業種とも協業していく。

 デビューコレクションでは、宮前デザイナーが「イッセイ ミヤケ」のウィメンズ・コレクションで開発した“スチームストレッチ”の技術を復活させる。高温の蒸気を当てることで布を縮め、独自のストレッチ素材を生み出す製法で、立体的な模様が特徴。「エイポック エイブル」では“スチームストレッチ”を“タイプ・オー(TYPE-O)”という素材名で提案し、幾何学柄のジャケット(12万円)などをそろえる。一部植物由来原料を使用したポリエステルと綿ポリエステルを混織し、軽量で、通年着用できるアイテムだ。4月上旬には、着る人が自由に形を変えることができる素材“タイプ・ユー(TYPE-U)”を使ったジャケット(5万8000円)を発売する。一部アイテムは公式オンラインストアでも扱う。

 宮前デザイナーは「『エイポック』によるモノ作りは、点から線へ、線から面へと拡張し続けてきた。“点”はチームの仕事、“線”はあらゆる方向に伸びるコミュニケーション、“面”は人々の繋がりによって生まれるプラットフォーム。 新たな繋がりによって創造は無限に広がる。チームと共にさまざまな問いを立てながら、あらゆる境界を越えて、 縦横無尽に駆け回り、次の時代の衣服を探求し現実化(ABLE)していく。『エイポック』 の服作りは多くの人との共同作業で面白い。ワクワクするような出会いや発見は、希望に満ちたもの作りの始まり。未来への期待が膨らむさまざまなプロジェクトを準備している」とコメントしている。

■A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / AOYAMA
オープン日:3月13日
営業時間:12:00~19:00(新型コロナウイルス感染対策の影響で営業を短縮。通常は11:00~20:00)
住所:東京都港区南青山 5-3-10 FROM-1st

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「ザ・リアル」業界のDX エディターズレター(2020年12月21日配信分)

※この記事は2020年12月21日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editor's Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「ザ・リアル」業界のDX

 皆さんは、ヘア業界にどんな印象を抱いていますか?

 「ザ・リアル」と思っている方も多いのではないでしょうか?おっしゃる通り!今年はインスタグラムでの動画配信による「セルフカットのレクチャー」なんてハナシもあったし、20年後には一家に一台ヘアカットロボットなんて時代が到来しているかもしれないけれど、少なくとも現段階では「リアル店舗に行かなくちゃ、ヘアスタイルは(そんなに)変わらない」。もっと言えば、「リアルに手を加えなければ、リアルな自分のヘアスタイルは全然変わらない」は間違いありません。

 ゆえにこの世界は、サロンスタイリストのSNS活用を除き、DXが遅い業界だと勝手に思ってきました。ところが最近、それが変わり始めています。

 まずはウエラのヘアカラーブランド「イルミナカラー」が、バーチャルモデルでのキャンペーンにトライし、コレがなかなかに成功していると聞きます。「え⁉︎『リアルにどんな髪色になるのか?』が大事なヘアカラーで、自由に色が変えられるデジタル使っちゃっていいの⁉︎」と思ったアナタ!ワタシも、おんなじことを思いました(笑)。だって今なおリアルにヘアカラーを使ったモデルシューティング、私たちもやっていますもの。「イルミナカラー」のキャンペーンは、単なる打ち上げ花火ではなく、「イルミナカラー使ってヘアカラーしているサロンに行きたい」というモチベーションを高めるために効果があったそうです。うむー、世の中、変わっています。

 ドラッグストアに目を向ければ、セルフで行うヘアカラーや毛染めのスペースでDXが体験できるそう。バーチャルメイク技術を応用し、バーチャルヘアカラーができるようになりました!この目的は、サステナブル。これまで棚にポップとして飾られていた色とりどりの毛束は、実は全部プラスチック。そのゴミは年間数十トンだそうで、バーチャルヘアカラーは、この問題を一気に解決します。小売店からは若干の抵抗感が示されているそうですが、多分、時間が解決するでしょう。

 「ザ・リアル」な業界さえ頑張ってDXに取り組んでいるんだから、我々ももう言い訳できませんね(笑)。何度もお話している通り、DXはゴールではなく過程、もしくは手段だと思いますが、ヘア業界のDXに驚き、なんだか勝手に自信が芽生えたのです。

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターを週3回配信するメールマガジン。「WWD JAPAN.com」が配信する1日平均30本程度の記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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2021年春夏シーズン、新たにバーニーズ ニューヨークがおすすめするブランドやアイテムを不定期でスタッフ自らリコメンド!

3回目となる本日は、ウィメンズチーム アシスタントバイヤーの菅野 あゆ子が新たにお取扱いをスタートするニットをご紹介します。

 

こんにちは

MD部ウィメンズチームの菅野です。

 

今回ご紹介するのは、バーニーズ ニューヨーク初登場となる、着心地を追求したニットブランド<ニットバー>です。

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“今まで自分の歩んできた軌跡を誇りに思いつつ、もっと自分の体が愛おしくなるような、大人の体に自信をもたせてくれる究極のニットづくりを目指した”という<ニットバー>のアイテムは、まさに着る人に寄り添うような、体にフィットする着心地の良さが特徴です。

また、女性の内面が引き立つようなミニマルな美しさ、体のラインを綺麗に見せてくれる胸のカッティングなど、デザインにもブランドのこだわりが投影されています。

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デザイン、企画は日本で、生産はイタリア・ペルージャのファクトリーで行われており、

職人のこだわりが詰まった上品な逸品に仕上がっています。

 

世界最良の原料として知られるアラシャンカシミヤや極細シルク糸といった上質な素材を使用したアイテムは“セカンドスキンのようにしなやかにフィットする”というブランドコンセプトの通り、肌触りがとてもよく、まるで着ていないかのような軽い着心地です。

 

一度手を通したら感動する軽さに、

自分自身、一日着用していても「あ…そういえばこれニットだったっけ!」と錯覚するほどです。

 

 

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こちらは適度な透け感に、背中の絶妙な空きがエレガントさを演出してくれるカシミヤ70%、シルク30%の長袖ニット。季節の端境期に活躍する一枚です。

カラー: NAVY・BLACK

サイズ: 1・2

プライス: ¥49,500(税込)

 

 

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こちらは、ほどよい厚みがポイントのノースリーブニット。

大変繊細な極細シルク糸を4本撚り合わせた密度の高い生地は光沢感があり、体のラインを綺麗に見せてくれます。

また、腕を細くすっきりと見せてくれるアームホールも魅力的。

一枚でのスタイルはもちろん、ジャケットなどのインナーとしても重宝します。

カラー: BROWN ・IVORY・LIGHT BLUE

サイズ: FREE

プライス: ¥39,600(税込)

 

温かみのある素材と職人の技が詰まったこの春大活躍間違いなしのニット。

バーニーズ ニューヨーク銀座本店にてご紹介中です。

この機会に是非ご覧ください。

 

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「パスポートなしで行ける韓国」が月商750万円。「梨泰院ルーム」が連日満席の「もみだれ辛ホルモン 獅子楼」

 焼肉店激戦区である大阪・福島に2020年10月にオープンした「もみだれ辛ホルモン 獅子楼」は、全国的に主流のつけだれは置かず、焼肉、ホルモンはすべてもみダレで食べるスタイル。他にも「フォークでさけるヘレステーキ」や、「梨泰院ルーム」など、ユニークな施策が満載。女性を中心に早くも人気を集めている。
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カフェカンパニー、ディズニーと契約。カフェ&ギフトショップを渋谷に出店。

「WIRED CAFE」など約80店舗を展開するカフェ・カンパニー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:楠本 修二郎)が、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社とのライセンス契約を結び、東京・渋谷ヒカリエ7Fに、カフェ&ギフトショップ「Disney HARVEST MARKET(ディズニー・ハーベスト・マーケット)」を今春にオープンさせる。
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「エリー サーブ」2021-22年秋冬パリ・コレクション

 「エリー サーブ(ELIE SAAB)」が2021-22年秋冬コレクションをパリで発表した。

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