婦人靴のSPA「オリエンタルトラフィック(ORIENTAL TRAFFIC)」をファッションビル中心に出店するダブルエーが、百貨店向け婦人靴メーカーの卑弥呼を傘下に収めたのは2020年5月のこと。そのタイミングで卑弥呼社長に就任したのが新井康代氏だ。ダブルエー最古参メンバーの1人としてその成長を支えてきた新井社長は、卑弥呼社員の声にしっかり耳を傾けつつ、ダブルエーのノウハウを注入。初年度(21年1月期)で黒字化を達成し、その実績から「WWD NEXT LEADERS 2021」に選ばれた。
また同施設は、建物や都市に関する環境性能評価システムLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)のプラチナ認証を取得する予定であり、それに加えて建物利用者の健康面に配慮した室内環境評価システムWELL(WELL Building Standard)のゴールド認証を目指している。
ネイチャーズウェイが展開するナチュラルメイクアップブランド「ナチュラグラッセ(NATURAGLACE)」は4月23日、アーバンリサーチが手掛ける「センスオブプレイスバイアーバンリサーチ(SENSE OF PLACE BY URBAN RESEARCH、以下センスオブプレイス)」とコラボレーションしたアイテムを発売する。環境に配慮した素材を採用したポンチョ、ベスト、スカート、Tシャツの4型をそろえ、価格帯は税込3190~6490円。センスオブプレイス全店とアーバンリサーチのオンラインストアで取り扱う。
両社の提携は、フランソワ・アンリ・ベナミアス(Francois Henry Bennahmias)=オーデマ ピゲ最高経営責任者(CEO)と、「アイアンマン」などに“ウォーマシン”役で出演するハリウッド俳優のドン・チードル(Don Cheadle)の友情が発端だった。ベナミアスCEOは、「マーベルとの提携を思い付いたのはもう15年も前のことだが、2017年に長年の友人であるドンに話したところ、『それなら、すぐに実現しよう!』とその場でマーベルに電話をかけてくれた」と振り返る。
今後は、引き続きデジタルに注力しながら、B to BとB to B to Cのビジネスに加えてB to Cのビジネスに挑む予定だ。佐藤クリエイティブディレクターは、「今回の件も含め、進化のスピードが本当に早い。6年前、最初にうかがった時とは全く別の会社になっているくらい。b-exには、常に倍速のようなスピード感で進化して欲しい」とエールを送る。福井社長は、「社会的課題に取り組みたい。SDGs、特に環境問題を解決するプロジェクトをご一緒できたら」と佐藤クリエイティブディレクターへラブコールを送った。
歓送迎会シーズンを迎え、危惧されていた新型コロナウイルスの感染拡大が現実となった。その中で資生堂は「正しい手指の消毒による感染予防」と「手洗いや消毒による手荒れを防ぐハンドケア」を実施する“手守り習慣”の大切さを伝える「資生堂 Hand in Hand Project」を4月30日まで実施中だ。3月中旬からは人気動画クリエーターのKemioを起用し、新型コロナウイルス感染経験者と医療従事者と言葉を交わすインタビュー動画「資生堂 Hand in Hand CALL」をユーチューブやテレビCMで放映し、関心を集めている。
“手守り習慣”の第2フェーズ
ケミオを起用した「資生堂 Hand in Hand CALL」
「資生堂 Hand in Hand CALL」はKemioが電話インタビューで新型コロナウイルス感染経験者から感染経路や症状だけでなく、隔離期間に感じたことや不安だったことなどを聞く様子を映し出す。医療従事者にも話を聞いて、医療現場で感じていることや感染予防の大切さを伝える。Kemioを起用した理由について、「卒業・入学など人生の節目を迎える期間は外出が多くなるので、若い層に“手守り習慣”の重要性を知ってほしかった」と石川由紀子資生堂ジャパンチーフマーケティングオフィサーは語る。Kemioも「自粛生活が1年以上も続いている中で、自粛疲れもあって日々の手洗い・うがいをおこたってしまうというか、このくらいで大丈夫なんじゃないかと思ってしまっていた。“手守り習慣”というのを今一度考えて取り組んでいけば、少しずつ前の生活に戻っていくのではないか」とコメントする。
手指の消毒は日常化しているものの、この時期を“手守り習慣”の第2フェーズととらえ、昨年末からプロジェクトを実現するためのチーム作りが始まり、1カ月弱で小売店にも協力を得た大きな取り組みを実らせた。
プロジェクトのきっかけは魚谷社長のメール
石川由紀子資生堂ジャパンチーフマーケティングオフィサー
PROFILE:(いしかわ・ゆきこ)大学卒業後、株式会社 資生堂に入社。以来、一貫してマーケティング領域に従事。「ツバキ(TSUBAKI)」(2006年)、「プリオール(PRIOR)」(15年)など新ブランド導入のプロジェクトをリードし、現在は日本市場における全てのブランドマネジメントに携わる
「資生堂 Hand in Hand Project」のビジュアル
同プロジェクトのきっかけは、魚谷雅彦資生堂社長兼最高経営責任者(CEO)のメールだった。同社は昨年6月から消毒液を生産し医療施設や特定の地域に販売していたが、12月には全国で販売できるほどの供給体制を構築。そこで魚谷社長兼CEOから「消毒液で利益を得るのではなく、社会に役立つこと、利益を医療従事者に還元できないか」と投げかけがあったという。石川チーフマーケティングオフィサーが手を挙げ1月6日にキックオフした。営業、マーケティング、PR、リスクマネージメント、ファイナンスなど各部門からメンバーが集結。「一つのプロジェクトにこれだけのメンバーが集まるのは稀なケース。短期間でパフォーマンスを発揮するには必要な人材が集まった」(石川チーフマーケティングオフィサー)。それぞれが通常の業務と並行して週2回(通常の新規プロジェクトは週1回ペース)の定例会議を実施。メンバーは各部門の要職者だったこともあり、迅速かつ完成度高く物事が進み、2月1日に「資生堂 Hand in Hand Project」にスタートし、公式サイトもオープンした。
協力の和が広がり展開店舗は600から1500店舗に拡大
「資生堂 Hand in Hand Project」対象製品
医療従事者への感謝と敬意を届ける意味も持つ「資生堂 Hand in Hand Project」の対象商品は「S 手指消毒用エタノール液(指定医薬部外品)」や「資生堂 ハンドクリーム N」など全21アイテム。これら商品の利益を医療現場に寄付するものだが、プロジェクトの認知拡大と商品を販売するには小売店の協力が欠かせなかった。「通常半年かけて商談を行うが営業担当が奮闘し2週間で600店が参画してくれた」。その後もプロジェクトに共鳴する小売店が増え、現在では1500店舗まで拡大する。「今回のプロジェクトは社内横断、容器などのサプライヤー、小売店、お客さまがハンドインハンドで協力して成立したもの。その思いを医療現場に届けたい」。また、「不透明な時代にスピード感をもって行動することが重要。自主的に部署を横断し自主的に動き完成するプロジェクトは今後増えていくだろう」と述べた。
主力のシリーズは4つ。デザイナーの故高田賢三氏をディレクターに迎えて8年前にスタートした「マスナガ デザインド バイ ケンゾータカダ(MASUNAGA DESIGNED BY KENZO TAKADA)」は、同社の今のクリエイションを象徴するコレクションだ。高田氏は眼鏡デザインに意欲的で、春の新作は生前に残した豊富なアイデアを増永眼鏡のデザインチームが商品化したもの。高田氏が常にこだわっていたのは、ラグジュアリーな眼鏡の表現と日本の伝統文化に対するオマージュ。パントシェイプとクラウンシェイプを合わせた新作のオールメタルフレームは、ダブルフロントリムによって空間を作ることで、日本的な“間”の美学を表現したデザインがポイントだ。
創業年を冠した「マスナガ シンス 1905 (MASUNAGA SINCE 1905)」は、ニューヨークの代表的な建物の1つであるフラットアイアン・ビルディングからインスピレーションを得たデザイン。全てのパーツを異なるチタン素材で構成した繊細な色のコントラストと、スライド式のヨロイ(フレームとテンプルがつながる部分)にリムロックがドッキングされた新しい機構が特徴だ。
3月に神宮前で開催した「ウノハ」ポップアップストアの様子 PHOTO:KAZUSHI TOYOTAアパレル(5300円~1万8000円)PHOTO:KAZUSHI TOYOTA シューズ(8500円~1万2000円)PHOTO:KAZUSHI TOYOTAバッグ(3000円~1万5000円)PHOTO:KAZUSHI TOYOTAブランドメッセージは“Here for every moment” PHOTO:KAZUSHI TOYOTA
ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載も第18回。“You’d Better Be Handsome”では、セレブ情報に敏感なレイチェル(Rachel)も加わって、ニューヨークのトレンドや新常識について毎回トーク。今回は、現在1210億ドル(約13兆2000億円)と言われているメンタルウエルネス市場について。コロナの影響でロックダウンが始まった昨年春から1年間の間に、アメリカでは6人に1人が新たにセラピー(心理カウンセリング)を始めたという統計も。90%以上の人々が、1つまたは2つ以上のうつ系の症状を持っていると言われている。
メイ:アプリだけじゃなくて、リモートで爆発的な人気を呼んだエール大学の授業、「ウエルビーイングの科学(SCIENCE OF WELLBEING)」を知っている?有名大学のオンライン授業が受けられるコーセラ(COURSERA)上で無料で受けられるんだけど、なんと受講者数が300万人を超えたそう。しかも2020年3月だけで63万人が申し込んだのだとか。