絶好調「#FR2DOKO?」が初の東北ツアー “感謝と怒り”の7日間を石川涼と振り返る

 「エフアールツー(#FR2)」の移動販売「エフアールツードコ?(#FR2DOKO?以下、ドコ?)」が絶好調だ。2月20日に茨城県からスタートして2カ月半、毎週末各地に赴き、必ず行列を作っている。詳しい場所は明かさず、地図コミュニケーションアプリ「ゼンリー(ZENLY)」を活用。客は位置情報を見ながら、まるで宝探しのように黄色い車を探す。4月24日に愛知県豊橋市と静岡県浜松市で開催した際には、過去最高の1日320万円を売り上げた。このゴールデンウイークは初めて7日間で6県を回る“東北ツアー”を開催。「ドコ?」限定の商品も「エクストララージ(XLARGE)」や「アトモス(ATMOS)」「プーマ(PUMA)」などとコラボし、ラインアップを拡充。これを機に移動販売車も従来の軽自動車から大型のミニバンに刷新して、アクセル全開で突き進んでいる。「エフアールツー」を手掛けるせーのの石川涼社長に東北ツアーを振り返ってもらった。

WWD:東北ツアーはどうだった?

石川涼せーの社長(以下、石川):予算を高く設定していたこともあって、結果的に予算には届かなかった。6日間のうち3日間が雨で、雨が降るとさすがに集客が減ってしまう。それでも平均で1日に200〜300人は来てくれた。1番売り上げたのは秋田。1人で40万円分買ってくれた20代の男の子がいて、それも大きかった。

WWD: 7日間連続(移動日の1日を含む)の「ドコ?」は初めてだったが。

石川:毎日本当にハードだった。毎回段ボールを全部積み下ろしして、雨が降ってきたらその対応もする。1カ所目を11〜13時の2時間で設定していたんだけど、ありがたいことに毎回お客さんの人数が予想を上回るから15時ぐらいにやっと終わってそこから移動。2カ所目を16時から予定しているのに、移動すると大体17時を過ぎる。昼ごはんもまともに食べられない。結局、2カ所目が終わるのが21時ぐらいで、そこから次の県に前乗りして、夜中の1〜2時にホテルに着いてそのまま寝るみたいな、その繰り返しだから。楽しかったけどね。

WWD:これまでは、軽自動車と社用車の2台で移動していた。今回から新しく導入したミニバン(ハイエースのグランドキャビン)の成果は?

石川:意外と2台の方が積めた(笑)。商品以外にも備品を積まなきゃいけないし、1台だと全ての荷物を奥から積んでいくから機動力も下がる。売り上げだけを見ると2台の方がいいけど、ドライバーを交代しながら移動できるから、スタッフの稼働を考えれば1台。その違いかな。

WWD:これまで、石川さん自らほとんどの現場に行っている。改めて、現場に行く理由は?

石川:一般的な会社は何かを改善するにも無茶苦茶時間がかかると思うけど、俺が行っていればその場で全部修正できるし、足りないものも全部その場で買える。スピード感を持ってよりいいものにするためっていうのが一番大きい。あとは例えば、雨ガッパ一つをとっても、黄色の車の周りに黄色のカッパを着ているスタッフがいた方が画になるなとか、ツアーの場合は移動距離をもう少し短縮して、1日に3〜4カ所回る方が効率がいいかなとか、いろいろ気付くことがある。そういうのも自分が行っていないと判断できない。スタッフのミスにも気付くから、毎回キレたりするけど……(笑)。

WWD:このご時世でスタッフをちゃんと叱れる関係もいいなと。それでも彼らがついてくるのはなぜだと思う?

石川:うちは“差別”するって言ってある。やっているスタッフは給料も上げるしボーナスも渡す。やらないやつは辞めればいい。本人たちにも言ったんだけど、俺に怒られて嫌だったら辞めろと。俺はこの事業が会社の中の一大事業になると思っているし、自分たちで考えて勝手に仕組みが回り始めたらそれを還元できる。だから毎日大事なところで怒っているけど、それが耐えられないなら辞めてもいい。でも本気でやる気があって、怒られてもへこたれない覚悟があるなら、ダメなところは毎日怒り続けてやる。だから選べと言ったら「やります」と言ってきた。それができるようになったら、すぐに数億円規模の事業に絶対なる。

WWD:何に対して注意する?

石川:何が大事か分かっていないから。この前も列が近隣の他店の前まで伸びてしまって、クレームが来た。それをどう対応するのかな?って2〜3分何も言わずに見ていたら何もしない。だからレジを一回止めさせて裏で怒らなきゃいけない。俺がいない設定で全部考えてくれないと任せられない。俺がいるときはいいけど、俺がいなくなったら誰が言うの?と。だから東北ツアーはとにかく厳しく接した。何がダメで、なぜダメか。それを裏で毎日言い続けた。

WWD:マスクの日焼けの跡も目立つ。

石川:毎日外にいたから。でもそれぐらいやらないと残れない。世の中には本気でやっている人たちがたくさんいて、その中で戦っていかなきゃいけないんだから、何もしないで売れようとしたって無理。だから俺は負けないよ、本気だから。

WWD:周りの反響は?

石川:この2カ月半で、「うちの在庫も売って欲しい」とか「うちの移動販売車も作れないか?」とか、オファーがたくさん来た。場所もルートもネットワークも、このまま続ければ蓄積されていくから、俺らがその移動販売のプラットフォームになれれば在庫を預かって全国に売りにも行ける。

WWD:今後の計画は?

石川:まずは、次回から1号車(軽自動車)と2号車(ミニバン)それぞれで、別々の場所に行く。それから、「ゼンリー」の仕組みは全世界で使えるからこのパッケージを世界に持っていく。まずはアジアから。インドネシアからはもうオファーが来ているから一番早いかも。

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廃棄ジーンズ20トンを買い取りリメイク販売 町工場の“覚悟”に大手百貨店が共鳴

 東京・足立区のヤマサワプレス(山澤亮治社長)は、アパレル製品のアイロン仕上げや検品などを主な業務とする、従業員数人の工場を営む。そんな小さな町工場が2021年春、計20トンにも及ぶ廃棄寸前の「リーバイス(LEVI’S)」のジーンズ“501”を海外の業者から買い取り、リメイクして販売するプロジェクトに乗り出した。三越伊勢丹や阪急阪神百貨店といった大手百貨店の協力も取り付け、業界に大きなうねりを生み出そうと奮闘している。

 現在、クラウドファンディングサイト「レディーフォー(READYFOR)」で500万円を目標金額とする資金調達を5月28日まで行っている。20トンのジーンズから再利用可能なものを仕分け、洗浄するだけでも膨大な手間がかかる。今回の調達資金も、そのほとんどは人件費に費やされる予定だ。回収したジーンズには、比較的状態がいいものもあれば、擦り切れていたり、頑固な汚れがついていたりと玉石混交。小さくカットされた部品なども混じっているが、そのすべてをリメイクのデザインとして生かせるか選別する。その後の洗濯なども含め、すべての工程でヤマサワプレスの職人が作業にあたる。

 ヤマサワプレスはビンテージ品や軍用品などの輸入卸業も手掛けている。今回のプロジェクトは、山澤社長が2019年6⽉、その買い付けのために渡米したことがきっかけになった。ロサンゼルスの古着店やフリーマーケットを回り、ある市場で廃棄寸前の大量の“501”ジーンズに出合った。“501”は山澤社長が中学生の時から穿き続けた、思い入れのある一本。そのジーンズがうずたかく積み上がった光景に、「使い道を考えるよりも、『何とかしたい』という思いが先走った」。これらは状態の悪さがゆえ、他の業者も回収を断念したものだったが、思い切って買い付けを決めた。

 今年4月には足立区竹ノ塚に倉庫を一棟借り、買い付けたジーンズをストックするとともに、リメイクジーンズのショップをオープンした。バギーやフレアシルエット、パッチワークデザインなど、“501”をベースに生まれ変わったリメイクジーンズ(1万3000円〜3万円)が並ぶ。数本のジーンズをつぎはぎして作ったスカート、ドレスなども製作した。山澤社長の「世代を問わず、さまざまな人に手にとってほしい」との思いが込もる。商品は全てリーバイスジャパンから、“501”の商標使用の許諾を得た上で、製作・販売している。

 仕入れたうち、15トン以上のジーンズが未だ手付かずのまま倉庫に積み上がる。今後、長い歳月をかけて徐々に減らしていくという。「“服を捨てないこと”を自分ごと化する入り口はたくさんある。リメイクデニムを穿くことがきっかけになればうれしい」と山澤社長。「われわれは小さな下請け会社だが、川中や川下からワクワクするストーリーを仕掛けられれば、業界はもっと面白くできる。そんな気概で取り組んでいきたい」。

大手百貨店2社が協力
デザイナーとのコラボを模索

 
 このプロジェクトに賛同しているのが、三越伊勢丹と阪急阪神百貨店だ。大手百貨店ならではのネットワークを駆使して、さまざまなアパレルデザイナーやメーカーとの協業の可能性を模索する。すでに国内外のコレクションシーンで活躍するデザイナーとのコラボによるリメイクジーンズの製作が進行しており、今後両百貨店の売り場で販売する予定だ。

 山澤社長に協業を持ちかけた神谷将太・伊勢丹新宿本店「リ・スタイル」バイヤーは、「リスクを取ってでも20トンのデニムを買い付けて、業界に自分たちのメッセージを発信しようという姿勢に共感した」と話す。「私たちはたくさんのお客さまとつながり、世界中のブランドやデザイナー、職人や工場とつながれるからこそ、このプロジェクトに力添えできることもある。過剰生産や大量廃棄といった課題の解決には、当社だけでは限界がある。規模の大小や競合を問わず、業界の枠組みを超えた連携で向き合っていくことが必要だ」。

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「ヴォーグ ジャパン」渡辺編集長が年内で退任

 コンデナストの「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」渡辺三津子編集長が、年内で退任する。後任は未定。

 現在、コンデナストではグローバルレベルで編集コンテンツの制作体制やワークフローの改革が進行しており、その中で自ら退任を決断したという。

 渡辺編集長は、東京女子大学卒業後、資生堂の企業文化誌「花椿」編集部に所属。その後、1996年にファッション誌「フィガロ・ジャポン」編集部、97年「エル・ジャポン」編集部を経て、2001年に「ヴォーグ ニッポン(VOGUE NIPPON)」ファッション・フィーチャー・ディレクターに就任。05年から同誌副編集長を務め、08年に編集長に就任した。就任以降はデジタルの強化を含め、時代に即したメディアの創設に尽力してきた。

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「ヴォーグ ジャパン」渡辺編集長が年内で退任

 コンデナストの「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」渡辺三津子編集長が、年内で退任する。後任は未定。

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 渡辺編集長は、東京女子大学卒業後、資生堂の企業文化誌「花椿」編集部に所属。その後、1996年にファッション誌「フィガロ・ジャポン」編集部、97年「エル・ジャポン」編集部を経て、2001年に「ヴォーグ ニッポン(VOGUE NIPPON)」ファッション・フィーチャー・ディレクターに就任。05年から同誌副編集長を務め、08年に編集長に就任した。就任以降はデジタルの強化を含め、時代に即したメディアの創設に尽力してきた。

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高島屋が都内でほぼ営業再開 日本橋の客「買い物できてうれしい」

 高島屋の都内4店舗(日本橋高島屋S.C.、タカシマヤタイムズスクエア、玉川高島屋S・C、立川高島屋S.C.)は12日、特選、衣料品などの大部分の売り場を再開した。同社は東京都からの休業要請に従い、4月25から食料品と化粧品、一部の婦人雑貨以外の売り場を休業していた。緊急事態宣言の延長で休業要請は継続しているものの、主要百貨店では他に先んじて営業範囲を拡大した。

 開店時刻の10時半。日本橋高島屋S.C.本館では、入り口に並んでいた30人ほどの客がぞろぞろと店内に入り始めた。平日の再開にも関わらず、1階特選フロアでは、間もなく待機列ができた売り場もあった。スタッフは客同士に適切な間隔を取るよう促し、入店人数が限られる中、ゆっくりと店内に誘導していく。

 飯塚武志店長は売り場の再開について「生活必需品の範疇であり、お客さまの要望に応じたもの」と強調するが、。フロアにより客入りはまちまちだ。上層の衣料品フロアはがらんとしており、宝飾品や美術品など、照明が落ちて休業中の売り場も点在する。6階ランドセル売り場には、さっそく購入相談カウンターに座る客もいた。同ランドセル売り場は現在、完全予約制で運営。平時であれば大型連休に販売のピークを迎えるが、今年は連休中を休業したため、「現在も問い合わせが続いている」(同社広報)という。小学1年生の母親の女性は、「売り切れてしまうかもと、あわてて来た」と話した。

開店から30分がたち、すでに買い物袋を提げた客の姿も。日本橋に住む50代の女性は、同店の食料品フロアを日常的に利用し、時間があるときは特選フロアや衣料品フロアも見て回るという。手に提げた大きな買い物袋の中身は、高級ブランドのバッグだ。「久しぶりにお気に入りの店で買い物ができてうれしい。ずっと品薄で、欲しかったバッグだった」と満足した様子。「百貨店は心の潤い。いつも開いているとうれしい」。

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タイ発スパブランド「パンピューリ」日本再上陸

 タイ発スパブランド「パンピューリ(PANPURI)」が日本に再上陸した。強みであるボディーケアアイテムに加え、スキンケアカテゴリーも強化。自然由来成分にこだわるクリーンビューティブランドとして訴求する。公式オンラインと伊勢丹新宿本店ビューティーアポセカリーで販売中だ。

 同ブランドは2003年に誕生し、スパ製品を中心に世界各国に展開してきた。日本は20年5月にコロナ禍による影響でジャパン社を精算したが「18年以上続くラグジュアリーなクリーンビューティブランド、アジア発のブランド、スパとプロダクトを展開するブランドの魅力を絶やしたくない」と長年ビューテイ業界に携わる川島一雄氏が20年7月に輸入代理店ロクシテカを設立して独占輸入販売権を取得した。

 これを機に、タイでも人気のスキンケアを拡充し、スキンケアブランドとしての認知度を高める。18年にはブライトニング、19年にエイジングケアコレクションを販売。4月下旬にはタイ東北地方で発見されたもち米や苔などを原料にした保湿力を高める“NRライスモスヒアクエンチコレクション”を発売した。8つのサイズのヒアルロン酸と組み合わせることで最大で120時間の水分保持をかなえた。洗顔料や化粧水など6アイテムをそろえる。価格は税込2750〜7150円。

 今後は直営店出店を進め、近い将来にスパ併設の旗艦店をオープンする予定だ。

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50〜60代市場はもっと盛り上がるべき! 「今週の特集お届け隊」 2021年5月10日号

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事はWWDジャパン2021年5月10日号からの抜粋です)

中村:今回の特集のきっかけは、40〜60代の女性が落ち着けるようなサロンがない!と問題になっているということからでした。どこもインスタで集客するようになってきているのですが、投稿する画像が若いモデルを使ったものが多く、最大市場である40〜60代の女性が行きたいと思えるサロンを見つけられないでいると。

五十君:ファッションも50〜60代向けのブランドはあったけれど、「着たい服がない」と言われ続けてきました。そこにヤングが主力だったアダストリアなどが参入し始めて、私も気になっていたところでした。ブランディングがしやすいし、カッコいいからというので、ファッションもヤング信仰が強いですが、マーケットの実情には合っていない。そこにチャンスがあるんだろうなと思います。

中村:そうですね。老眼鏡のビジュアルがモノだけか外国人がかけているものしかないことに、「それっておかしいんじゃないの」という話が出たように、今回は「今の業界に喝を!」という声がすごく多かったです。

五十君:私はミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラスの佐藤さんが「大人にこそ似合う服がある」と語っていて頼もしく感じたのですが、彼女自身、子育てがひと段落して今回本格復帰していて。かつては結婚や出産でこの業界の仕事から離れてしまう女性が多かったことも、50〜60代にフィットするブランドが出てこなかった要因かなと考えました。女性の働き方や社会進出とも関係がある話なのかもしれません。

中村:座談会では皆、「子どもが大学に行くようになってファッションもビューティも自由になった」と話していました。子どもの学校へ行く機会があったりすると、黒染めしたヘアで地味めな服であるべきという古い価値観に縛られてしまうそうです。でも、そこを終えた人たちはとにかく自由を謳歌していますね。

五十君:そうですよね。今回取材したブランドもすごく鮮やかでしたし、私も50〜60代市場については一度固定観念を取り払って臨むべきだと思いました。50〜60代市場が盛り上がってこの世代がもっと輝くと、下の世代の女性も自分の将来に希望が持てますよね。

【「新50〜60代“主役世代”に注目」その他記事】
■「ドゥーズィエム クラス」成長の立役者が実践する、“常識破り”な大人女性向けファッション
■世代別マーケのプロ、伊藤忠ファッションシステムが解説 注目の新50〜60代市場のつかみ方
■ヘア・ネイル・洋服・写真をパッケージで提案 巣鴨のシニア向け美容室に予約殺到!
■「60代女性を満足させる商品がない」 「素敵なあの人」編集長が語る“素敵世代”マーケットの今
■バブル期を20代で経験した“スパークリングブーマー”に着目した「ヘレナ ルビンスタイン」
■ハマれば投資を惜しまない! 50~60代おしゃれ女性による“ぶっちゃけ座談会”

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限定のFEILER新作アイテムをご紹介

こんにちは。

 

ドイツの老舗ブランド<フェイラー>より、ハンカチ・ポーチ・巾着バッグ・マルチケースなど、バーニーズ ニューヨーク限定の新作アイテムが登場!

今回のデザインは、人気のさくらんぼと<バーニーズ ニューヨーク ベビー>のアイコンであるライオンがモチーフ。

フェイラー>ならではの色柄の発色の良さが、可愛らしさを際立たせます。

5月14日(金)より、銀座本店・六本木店・横浜店・神戸店・福岡店・オンラインストアにてお求めいただけます。

 

2152101 限定のFEILER新作アイテムをご紹介

ハンカチ ¥2,420(税込)

2152102 限定のFEILER新作アイテムをご紹介

ハンカチ ¥2,420(税込) ※こちらはオンラインストア限定カラーのアイテムです。

 

2152095 限定のFEILER新作アイテムをご紹介

ポーチ ¥6,050(税込)

 

2152096 限定のFEILER新作アイテムをご紹介

巾着バッグ ¥8,250(税込)

 

2152097 限定のFEILER新作アイテムをご紹介

巾着トートバッグ ¥9,900(税込)

 

2152098 限定のFEILER新作アイテムをご紹介

マルチケース ¥14,300(税込)

 

2152100 限定のFEILER新作アイテムをご紹介

サッキングパッド ¥6,600(税込)

2152099 限定のFEILER新作アイテムをご紹介

スタイ ¥4,950(税込)

 

各アイテムは数量限定となりますので、この機会をお見逃しなく!

 

<フェイラー>新作アイテム発売

5/14 FRI. 11:00 – 銀座本店3F / 六本木店1F / 横浜店2F 神戸店2F 福岡店3F / オンラインストア

 

※全ての商品は先着販売とさせていただきます。

※当面の間、神戸店は土曜・日曜は臨時休業とさせていただきます。

※お電話でのお取置きは5月17日(月)11:00以降お承りいたします。

※商品は数に限りがございます。なくなり次第終了となりますので予めご了承ください。

※販売内容、販売方法、ルールは都合により予告なく変更となる可能性もございますので予めご了承ください。

感染拡大防止へのお願いと安全・安心への取組みについて>>>

 

吉野家、ライザップ共同開発第3弾。第1弾は定番化。筋肉系メニューにチャンス。

株式会社吉野家(本社:東京都中央区、代表取締役社長:河村 泰貴)が、ライザップ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:瀬戸 健)と共同開発した新商品「ライザップ辛(しん)牛サラダ」(店内税込660円、テイクアウト648円)を5月13日(木)11 時から全国の吉野家店舗で販売する。
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【焼肉店舗数ランキング】トップ「牛角」は600店を切っていた。老舗がしぶといのは焼肉ニーズの強さか

 焼肉業態がアツい。郊外型のテーブルオーダーバイキング形式の「焼肉きんぐ」が順調に店を増やす一方、居酒屋色が強いトップの「牛角」は、徐々に店舗数を減らしている。新興勢力が次々出現する中で、地殻変動が起きてきた。
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オンラインデリバリー大手のグロブリッジ、宅配ピザに参入。レモニカのグループ会社と提携。

オンラインデリバリー限定「東京からあげ専門店 あげたて」を展開する株式会社グロブリッジ(本社:東京都港区赤坂、代表取締役:大塚 誠)が、株式会社森山ナポリ(本社:石川県金沢市、代表:河村 征治)が業務提携し、デリバリーピザ業界のシェアNo.1獲得を目指すと発表した。
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「梅の花さん、買収した『さくら水産』にテコ入れしていますか?」コロナ禍の今、さくら水産が哀れで仕方ない

 株式会社梅の花(本社:福岡県久留米市、代表取締役:本多裕二)が、「さくら水産」などを展開する株式会社テラケンを買収したのが2019年3月。買収から約2年が経過した。梅の花は、事業基盤の拡大を目的としてテラケンを子会社化したが、コロナ禍で買収が裏目に出てしまったのか、さくら水産に一抹の不安を感じる。
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カウズが国内初の大型展覧会 新田真剣佑をサポーターに起用

 ニューヨークを拠点に活動するアーティストのカウズ(KAWS)は、国内初の大型展覧会「カウズ トウキョウ ファースト(KAWS TOKYO FIRST)」を東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで7月16日〜10月11日に開催する。

 同展では、初期の作品から最新作までの絵画や彫像、プロダクトの約150点を展示する。カウズが所持する未公開作品も披露するほか、AR作品や体験型のコーナーも設ける予定だ。展覧会名には、“原点回帰”という思いを込めて、2001年に渋谷パルコで開催した個展と同じタイトルを選んだ。また会場をより楽しむため、FMラジオ放送局J-WAVEのグローバー、長谷川ミラ、武藤千春による無料音声ガイドを用意する。コンパニオンの目“××”があしらわれた「名菓ひよ子」やコラボアイテムがそろう物販コーナーも設置する。

 展覧会のサポーターには俳優の新田真剣佑を起用。新田は「カウズの作品はもともと好きだったので、とても光栄だった。一つ一つの作品がユニークでカラフルなところが魅力。将来的にはコラボレーションもしてみたい」とコメントした。

 また「デュオ(DUO)」を擁するプレミアアンチエイジングが特別協賛する。同社の松浦清社長は、“世界中を旅する”巨大アートプロジェクト「カウズ:ホリデイ」では香港と静岡に出向き、自宅にも多くのフィギュアを飾るなど、カウズのファンであることを公言している。

■KAWS TOKYO FIRST
会期:7月16日〜10月11日
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー52階
入場料:6月に発表予定

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【動画】「N.ハリウッド」尾花大輔の1日 誰もが慕うリーダーは「自分が全部正しいなんて思わない」 ファッション業界人辞典Vol.3

 「ファッション業界人辞典」は、ファッション業界で働く人にフォーカスし、その仕事柄を伝えます。業界のさまざまな職業を紹介しながら、「実際、どんな仕事をしているの?」「どうしたらその職に就けるのか?」などの疑問を解決。これからの若者たちの指針になるような情報や、業界人が気になるあの人の素顔や過去を、日々の仕事姿や過去の映像・写真を通して発信します。

 第3弾は、日本を代表するメンズブランド「N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)」の尾花大輔デザイナーが登場しました。動画では、小さな店から今の規模まで成長させた尾花デザイナーのリーダーシップの秘訣を解き明かします。「自分が全部正しいなんて思わない方がいい」と部下の意見を取り入れて変化を楽しむ姿勢や、スタッフ、バイヤーら関係者の声からその人柄へ迫りました。また貴重なオフィス内や普段通っているプールやジム、銭湯も密着。デザイナーに至るまでの経歴も聞きました。

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休業要請の継続で揺れる百貨店 営業拡大か、現状維持か

 5月末までの緊急事態宣言の延長を受け、12日から百貨店各社の休業も“延長戦”に入る。東京都と大阪府が商業施設への休業要請の継続を決定。高島屋が同日から都内4店舗の営業範囲を大きく拡大し、衣料品やラグジュアリーブランドなどの売り場を再開すると発表しているが、他社に追従する動きは見られない。5月末までの休業となれば、取引先を含めて経営への打撃は一層深刻になる。各社は難しい舵取りを迫られている。

 阪急阪神百貨店は大阪府の定める「生活必需品」のガイドラインに沿い、大阪にある店舗については、食料品と化粧品以外のフロアを12日以降も休業継続する。11日に配信形式で行われた親会社のエイチ・ツー・オー リテイリングの21年3月期決算会見で、荒木直也社長は「大阪の医療のひっ迫状況を考えれば、(休業継続は)やむを得ない状況」と語った。
 ただ5月末まで休業が継続すれば、基幹2店(阪急うめだ本店、阪神梅田本店)を1カ月以上も店を閉めることになり、「業績へのダメージは昨年4〜5月の緊急事態宣言時と同等になる」(山口俊比古・阪急阪神百貨店社長)と予想する。同社は当初、この会見で新中期経営計画の発表を見込んでいたが、足元のダメージを受け、22年3月期の業績予想の発表とともに見送った。「(休業要請対象の)ガイドラインの見直しも含めて、今後何らかの形で行政に働き掛けることを検討したい」(荒木社長)。

 一方で東京都は「生活必需品」のガイドラインを明確に定めておらず、休業する売り場の範囲は百貨店各社に委ねられている。三越伊勢丹は都内4店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店)の、婦人・紳士の服飾雑貨(傘や帽子、ハンカチなど)、靴、バッグ、リビングカテゴリーの12日再開を決めた。「要望の特に多かったリビング用品や、気候の変化に伴い必要になる身の回り品を優先した。あらゆる商品ジャンルで再開の準備は進めており、お客さまの声に耳を傾けながら柔軟に対応する」(同社広報)。

 そごう・西武は西武池袋本店、西武渋谷店で現状の営業体制(食料品、化粧品、一部の専門店以外を休業)を13日まで続け、それ以降の営業範囲の見直しを検討している。同様に食料品、化粧品を営業する大丸松坂屋百貨店は12日から、大丸東京店、松坂屋上野店のレストランなど一部の売り場を再開。大阪の3店舗(大丸心斎橋店、大丸梅田店、松坂屋高槻店)は現状の営業体制を維持する。

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エイチ・ツー・オー最終赤字247億円 21年3月期、阪急阪神百貨店が苦戦

 阪急阪神百貨店を中核にするエイチ・ツー・オー リテイリングの2021年3月期連結業績は、純損益が247億円の赤字(前期は131億円の赤字)だった。コロナ関連で54億円、減損損失で148億円の特別損失を計上した。イズミヤなどスーパーは堅調だったものの、百貨店事業の大幅な減収を痛手になった。売上高は前期比17.6%減の7391億円だった。

 百貨店事業は売上高が26.5 %減の3455億円、営業損益が131億円の赤字に転落した。昨年春の臨時休業を経て、10月以降はラグジュアリーブランドの回復もあって売上高は15%減ほどで収まっていたが、1月以降はコロナの第3波によって20%以上の落ち込みが続いた。免税売上高は88%減で終わった。

 22年3月期の業績予想は現時点では見送る。百貨店事業では、厳しい局面が当分続くとして販管費抑制などのコスト構造改革に努める。

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RECOMMEND: CHASOCHIMI

2021年春夏シーズン、新たにバーニーズ ニューヨークがおすすめするブランドやアイテムを不定期でスタッフ自らリコメンド!

本日はウィメンズチーム アシスタントバイヤーの小川郁が、バーニーズ ニューヨーク初登場のアクセサリーブランドをご紹介します。

 

こんにちは。

ウィメンズチームでジュエリー・アクセサリーを担当している、小川と申します。

 

今回は、5月14日(金)より銀座本店にて期間限定で登場する、陶磁器を使用したコスチュームジュエリーブランド<チャソチミ>をご紹介いたします。

chasochimi xo image RECOMMEND: CHASOCHIMI

 

チャソチミ>は“あたらしいホウセキ”をコンセプトに、陶磁器ならではの独特な質感や、デザイナーの感性が生み出す造形やペイントで、コスチュームジュエリーの新たな愉しみ方を提案しています。

 

こちらのブランドは、土台作りから絵付けまでの全ての工程を、デザイナー自身によって製作しています。

窯の僅かな温度の差でも仕上りに大きな変化が生まれるため、2つとして同じ作品が存在しないのが特徴です。

 

カラーリングも、同じ色でも少しずつニュアンスが異なるので、青色だけでもこのバリエーション!

 

BLUE RECOMMEND: CHASOCHIMI

 

今回の期間限定イベントでは、“旅するアクセサリー”をコンセプトに、世界10ヶ国の花々をイメージしたバーニーズ ニューヨーク限定モデルを全て1点もので20型ご用意いたします。そのラインナップがこちら!

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この1年で私たちのライフスタイルや価値観は大きく変化し、会いたい人に会えない、行きたい場所にいけない、このような沢山の辛抱の中で、私にとっての大きな変化は、旅をする機会を失ったことでした。

 

「旅の“非日常”を、日常に。」

 

そんな想いを世界各地の花々とともにアクセサリーに投影させて、<チャソチミ>の人気のシグネチャーモデルでもあるスライスハートの2連ピアスに1つずつ手描きでペイントをほどこし、特別なピアスに仕立てていただきました。

日本でいう桜のような国花や、その国の原産の花をモチーフにしています。

意外性のある国と花の組合せもあるので、どの国がどの花か、予想するのも楽しみ方のひとつです。

 

また、身に着けることでポジティブな気持ちになるよう、花言葉にもこだわって花をチョイスしているので、今の気持ちとリンクするものや、背中を押されるものを選んでいただけると嬉しいです。

 

「大人だからハートはちょっと…。」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大人の女性のシンプルなワードローブにこそ、遊び心のあるアクセサリーが映えるので、ぜひ手にとってご覧いただきたいです!

 

image1 RECOMMEND: CHASOCHIMI

こちらは、南アフリカをイメージしたカラーのピアス。ブラックをアクセントにモードに仕上げました。

プライス: ¥19,800(税込)

 

image2 RECOMMEND: CHASOCHIMI

こちらは、ロシアをイメージした向日葵のピアス。上級者は柄もののウェアに柄もののアクセサリーをコーディネートするのもおすすめ。

プライス: ¥19,800(税込)

 

期間中は限定ピアスに加え、人気の定番ピアス・イヤリング・ネックレス・ブレスレットも取り揃えて一堂にご紹介。

さらに、イベント期間中<チャソチミ>のアクセサリーをお買上げいただいた方に先着で、オリジナルのジュエリークロスをお渡しいたします。

 

お出掛けが特別な今だからこそ、身に着ける人も、それを見る人もハッピーな気持ちになって欲しい。

そして着けない時はアートピースのようにお家で眺めて、思い入れのある土地、いつか訪れてみたい土地に思いを馳せて、楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

 

OGAWA RECOMMEND: CHASOCHIMI

POP UP STORE: CHASOCHIMI

5/14 FRI. – 5/30 SUN. 銀座本店1F

※イベント内容・スケジュールは予告なく変更となる可能性がございます。予めご了承ください。

 

 

「ミュウミュウ」が「リーバイス」をリメイク スパンコールの輝く“501”ジーンズも

 「ミュウミュウ(MIU MIU)」は「リーバイス(LEVI'S)」とコラボレートし、リメイクジーンズのカプセルコレクションを発表した。1000着の数量限定で発売する。価格はデザイン次第で、980ドル(約10万5000円)や5800ドル(約62万6000円)など。5月中旬にロンドンのセルフリッジ(Selfridges)と上海のショッピングモール「IAPM」でデビューし、その後5月25日〜6月6日にロサンゼルスの「ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)」で販売。「ミュウミュウ」の店舗やECには6月18日から並ぶ予定だ。

 「ミュウミュウ」を擁するプラダ・グループ(PRADA GROUP)のミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)は2020年12月、“アップサイクルド バイ ミュウミュウ(Upcycled by Miu Miu)”プロジェクトを発足。第1弾では、世界中から集めた1930~70年代のドレスやワンピースを同氏が刺しゅうやリボン、スパンコール、クリスタルビーズなどを使って「ミュウミュウ」らしくリメイクした。今回もアイテムは全て一点物。それぞれのアレンジは手作業で施されている。

 本コラボでは1980〜90年代の「リーバイス」のシグネチャーモデル“501”ジーンズやデニムジャケットに、スパンコールやパール、刺しゅう、レザーなどを加えてアレンジ。“501”ジーンズはメンズを使用し、膝丈とフル丈の2種類をそろえた。ジャケットはパフスリーブや白いレースを使ったフリルの襟などを施した。腰部分のジーンズのタグもライトピンクに変更し、両ブランドのロゴを記した。

 キャンペーンには、俳優のエマ・コリン(Emma Corrin)とモデルのリラ・モス(Lila Moss)、ジョージア・パーマー(Georgia Palmer)を起用した。フォトグラファーのジョニー・デュフォート(Johnny Dufort)が撮影。コリンはパフスリーブのデニムジャケットと、スパンコールが輝く“501”ジーンズを着用。モスは全体がビーズで飾られたセットアップに、パーマーはレザーで装飾されたアイテムを着ている。デザインを通してマスキュリニティー(男性性)やフェミニニティー(女性性)の揺らぎを遊び心満載に表現した。

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「休業継続の可否はテナントの声も聞いて決めて」 商業施設に“アクティビスト”経営者が要望

 東京都内の百貨店や大型商業施設で、5月12日以降の営業再開・拡大に向けた動きが広がっている。東京都は現時点で12日以降も休業要請を継続しているが、「再開を決めた一部ファッションビルや百貨店は、われわれテナントや取引先と向き合って、丁寧に意見を聞いてくれた」と、シューズブランド「ユナイテッド ヌード(UNITED NUDE)」日本法人の青田行社長は話す。青田社長は昨年の1度目の緊急事態宣言時から、ファッション小売業支援の署名運動を立ち上げたり、政治家に陳情を行ったりといった活動を継続。一匹狼が多い日本のファッションの中小企業リーダーには珍しい、“アクティビスト”タイプの経営者だ。青田社長に、テナント企業が今何を思っているのかを聞いた。

WWD:都内の商業施設で、 12日以降の営業再開・拡大の動きが広がっている。施設側とテナントとの間にはどのようなやり取りがあったのか。
青田行「ユナイテッド ヌード」日本法人社長(以下、青田):テナントや取引先に、営業を再開するか否かについて非常に丁寧にヒアリングをしてくれたデベロッパーや百貨店もあった。ルミネやパルコ、高島屋、伊勢丹新宿本店などがそうだ。他方、ヒアリングなどはなく、休業継続を文書一枚で一方的に通知してきた施設もあった。5月の大型連休商戦に対して、われわれは施設側から売り上げ目標を持たされていたにも関わらずだ。ファッションブランドであれば、どこも当社と同じように連休に向けて商品を仕込んでいたと思う。それに対し、メールだけで休業継続を告げてくるというのはやや荒っぽいように感じた。

WWD:政府は12日以降は百貨店などへの休業要請を営業時短要請に切り替えると発表した。一方で、東京都は休業要請を継続。方針の違いに業界が振り回されている。
青田:休業要請はあくまで「要請」であって、休業するかしないかは各施設の判断だ。ファッションが生活必需品となるのかどうかは国も自治体もはっきりと基準を示しておらず、事業者の判断に委ねられている。そういう事情は私もよく理解しているし、営業再開と休業継続のどちらが正しいかなんて現時点では答えはない。ただ、施設として休業を継続するならするで、取引先に対してしっかりと考えを説明してほしい。営業再開するか否かについての施設の判断は、われわれ取引先の全社員の生活に関わってくるものだ。ヒアリングなどがなく、向き合う姿勢を感じない一部の施設に対しては、「われわれ取引先やその先にいるお客さまを見ずに、一体どこを向いて商売をしているのか」と感じる部分もあった。

WWD:「百貨店や大型商業施設を狙い撃ちするように休業要請が出されている」といったような声も業界内外で聞かれる。
青田:事業者であるわれわれが自分の考えを持って、声をあげていくことの重要性を感じている。声をあげれば、国や自治体は無視ができなくなる。「休業に協力してください」という呼びかけに対し、われわれは意思表示をしっかりした方がいい。声をあげないから、業界として舐められてきた部分もあるように思う。世の中を見ていても、(百貨店や商業施設に同情的な声が広がっており)昨年の緊急事態宣言時とは風向きが大きく変わっているのを感じる。今回、テナントや取引先にヒアリングをしてくれる施設が出てきたことも大きな変化だ。今もまだ営業再開するかどうか他社の様子をうかがっている施設もあるが、施設側とテナント側とが互いに向き合っていくことが求められていると思う。

 この先も緊急事態宣言が発令されることはあるだろうし、国と自治体で言っていることが違って、事業者が判断をしなければいけないケースは出てくると思う。(コロナ禍以降、施設からのテナント撤退などのニュースも多いが)取引先とコミュニケーションをしっかり取って判断していく姿勢があるかどうかは、テナント側が今後施設とどう付き合っていくかという部分にも影響してくると思う。

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資生堂とアクセンチュアが7月に合弁会社設立 DX化を加速

 資生堂は、デジタル領域で多くの支援実績を持つアクセンチュアとデジタルマーケティング業務とデジタル・IT関連業務を提供する合弁会社、資生堂インタラクティブビューティーを7月に設立する。資本金は1億円で資生堂が過半を出資。両社から約250人の社員が所属し、デジタルを活用した事業モデルへの転換・組織構築を加速する。

 資生堂は、2月にアクセンチュアと戦略略的パートナーシップを結び、デジタルマーケティングの加速、グループ全体の基幹業務システムの統一・標準化、及びデジタル専門分野での社員のスキル向上を図ることを進めていた。今回の合弁会社設立でそれらを強めることはもちろん、「デジタルフォーメーション(DX)を推進し、お客さま一人一人に合わせたパーソナライズされたサービスを生涯にわたりデジタル、リアル問わずシームレスに提供できるような、ビューティをよく知るデジタル・IT専門家集団になる」と魚谷雅彦資生堂社長兼CEOは語る。

 資生堂インタラクティブビューティーは、「すべての人生を健やかでリッチに。デジタルとテクノロジーを駆使して一人ひとりの明日のビューティー体験を創造する。」をミッションに掲げ、アクセンチュアが有するデジタルとITの専門性や優れた人材育成プログラムを導入する。従業員には生産性の高い働き方や最新のデジタル・IT教育機会を提供。消費者にはパーソナライズされた店頭とオンラインを融合したサービスなどを行う。また、資生堂やグループ会社にデジタルマーケティング業務、デジタル・IT関連業務を提供することで、日本・世界のビューティ業界に資するような取り組みを進める。

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合成ダイヤで「時代遅れの業界に改革を」 27歳の女性デュオ「キマイ」が急成長

 合成ダイヤモンドの市場が急速に拡大している。ダイヤモンド専門の市場調査を行うポール・ジムニスキー・ダイヤモンド・アナリティクス(Paul Zimnisky Diamond Analytics)によると、2018年の世界のダイヤモンドジュエリー市場の年間売上高は約9兆円で、うち合成ダイヤが占める割合は3%だったのが現在は22%に伸び、35年には売上高が現在よりもさらに8倍に拡大すると見られている。国内では合成ダイヤモンドに特化した「シンカ(SHINCA)」や「プライマル(PRMAL)」がデビューし、欧米でも新たなジュエリーブランドが続々と参入している。

 中でも注目なのが、ロンドン発の「キマイ(KIMAI)」だ。同ブランドは18年に約100万円の資本金で設立し、19年には約1億3000万円の資金調達に成功。20年には売上高は非公開ながら、約2500%増という年間成長率を記録したという。ブランド設立後すぐにメーガン・マークル(Meghan Markle)やエマ・ワトソン(Emma Watson)、ジェシカ・アルバ(Jessica Alba)らのセレブリティーが着用したことも後押しし、ファッション誌やビジネス誌で数多く取り上げられた。

 同ブランドを立ち上げたのは、ベルギー・アントワープのダイヤモンドトレーダーの家庭で育った27歳のシドニー・ノイハウス(Sidney Neuhaus)とジェシカ・ワーチ(Jessica Warch)の2人だ。合成ダイヤモンドと100%リサイクルのゴールドを使用したジュエリーと、ビスポークの婚約・結婚指輪を約2万5000円〜20万円の価格帯で提供している。英セレクトショップのブラウンズ(BROWNS)とブラウンズ イースト(BROWNS EAST)で取り扱われているものの、基本はDtoCでの販売が中心だ。合成ダイヤの市場は今後どこまで拡大するのだろうか。またし烈な争いを制するために他ブランドとの差別化すべきこととは。「キマイ」共同創業者のジェシカ・ワーチに聞いた。

合成ダイヤで業界を進化させられる

ーー「キマイ」立ち上げまでの経緯は?

ジェシカ・ワーチ(以下、ワーチ):私はロンドンのビジネススクールで金融を学び、新興企業に勤めていたの。20年来の幼なじみであるシドニーはロンドンで宝石鑑定士として働いていて、2人で合成ダイヤを知った直後から試作品を一緒に作っていたわ。その後私たちは仕事を辞め、互いの貯金を崩して資本金約100万円で18年に「キマイ」のECサイトを立ち上げた。2カ月後、当時は公的な立場にあったメーガン・マークルが私たちのイヤリング“フェリシティ”を着用したことで売り上げは一夜にして急増し、その年に資金調達に成功したわ。現在も“フェリシティ”はベストセラー商品の一つよ。

ーー合成ダイヤについて知ったのはいつ?

ワーチ:シドニーと一緒に、地元アントワープの宝石商の元を訪れたときね。合成ダイヤモンドの普及によって、私たちが愛するダイヤモンドジュエリー業界をよりサステナブルかつエシカルに進化させ、次世代のニーズに合った商品を提供できると感じたわ。

ーー合成ダイヤになぜ可能性を感じた?

ワーチ:私たちはダイヤモンドトレーダーの家庭で育ったから、ダイヤモンドジュエリー業界で働きたいとは長年思っていたの。でも18歳のころ、この業界がいかに環境破壊に加担し、サプライチェーンの透明性が欠如しているかという深刻な問題に気づいて、時代遅れの業界に幻滅したわ。それから何か新しい方法で改革したいと模索し、合成ダイヤなら業界の問題解決につながると確信したのよ。

ーー業界が抱える問題とは?

ワーチ:原石を採掘するために大量の土を掘ることで土壌汚染を引き起こしやすくなるし、採掘時に排出する二酸化炭素も問題ね。また“ブラッド・ダイヤモンド(紛争ダイヤモンド)”と言われているように、ダイヤモンドの原石の売買が紛争の原因になっていることもある。サプライチェーンが不透明だから、ダイヤがどこから採れたのかを知るのはほぼ不可能だし、採掘場での児童労働から低賃金、無償労働、人権問題などはとても深刻よ。

ーーその問題が合成ダイヤによってどう改善される?

ワーチ:現在契約しているインドの生産工場は太陽光発電を用いているから、二酸化炭素排出量は大幅に削減できる。工場の労働環境と賃金も基準を満たしているし、良好な信頼関係を築けているわ。天然ダイヤは、採掘から購入者の手元に届くまでに15のプロセスを要するのだけど、「キマイ」の商品は6に短縮して追跡もできる。それに作業工程を省くことで、価格帯を一般的な相場よりも30〜40%下げることができたわ。製品はアントワープにあるアトリエで職人が手作業し、パッケージはリサイクルダンボールで、配送はカーボンニュートラルで徹底しているわ。

最終的にはデザインと品質

ーー天然ダイヤと合成ダイヤは生産背景以外でどう違う?

ワーチ:合成ダイヤは天然ダイヤと物理的な特性が同じで、見た目だけでは宝石商でも区別ができないの。旧式のダイヤモンド検出器でも鑑別できないから、特別な機械が必要なぐらいよ。「キマイ」の合成ダイヤはIGI(International Gemmological Institute)鑑定書付きで、0.5カラット以上の場合は要望に応じてGIA(Gemological Institute of America)、またはHRD(Hoge Raad voor Diamant)の鑑定書を取得できるわ。

ーー「キマイ」の顧客層は?

ワーチ:欧米の28〜45歳の女性ね。婚約・結婚指輪に関しても、女性の顧客が大半を占めているわ。新製品を毎月発売するサイクルが奏功して、リピートにつながっている。ダイヤモンドをより身近に感じてもらいたいという思いでブランドを立ち上げたから、女性顧客のリピート率が高い現状に満足しているわ。今後は消費者と情報を共有し、コミュニティー作りに力を入れていくつもりよ。特に、消費者に合成ダイヤについて伝えていくことが必要ね。合成ダイヤが宝石か否かという定義や、ダイヤの種類についても基準がまだあいまいなの。だから、調達した資金を教育のコンテンツ制作にもあてて、合成ダイヤの正しい知識を伝えていきたいわ。

ーー合成ダイヤの市場はさらに拡大しそうだが、ほかとの差別化はどう図る?

ワーチ:合成ダイヤを扱うブランドが増えた理由は、製造技術の向上によって品質が格段に上がったことと、消費者が環境負荷が少ない製品を望んでいるから。これからはサプライチェーンの透明性がさらに重要になるわ。同時に、再生可能なエネルギー源や、リサイクル貴金属をどう使うかも大事ね。でも、私たちがここまで成長できているのはサステナビリティの取り組みだけでなく、デザインと品質にこだわってきたからこそ。これからも顧客からの意見を取り入れて、ほかと差別化を図っていきたいわ。

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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ワークマンの店舗売上高20%増 21年3月期

 ワークマンの2021年3月期業績は、売上高に相当する営業総収入が前期比14.6%増の1058億円、営業利益が同25.0%増の239億円、純利益が同27.5%増の170億円だった。大幅な増収に加えて、プライベートブランドの伸びが利益の底上げに寄与した。

 店舗の売上高を合計したチェーン全店売上高は同20.2%の1466億円だった。「ワークマン」「ワークマンプラス」「#ワークマン女子」の期末店舗数は純増38の906店舗になった。コロナ禍にあっても既存店売上高は前期比14.2 %増の高い伸びを維持している。既存店の1店あたりの売上高は1億6025万円で、1日あたりの客数は前年実績よりも21人多い166人になった。

 22年3月期予想は、営業総収入が前期比7.0%増の1144億円、営業利益が同7.8%増の266億円、純利益が同6.5%増の181億円。チェーン全店売上高は6.5%増の1561億円を見込む。

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営業再開および営業時間変更のお知らせ

いつもバーニーズ ニューヨークをご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。

 

5月12日(水)より、バーニーズ ニューヨーク銀座本店・六本木店・神戸店は営業を再開いたします。

また、新型コロナウイルス感染防止ならびにお客様・従業員の健康と安全確保の観点から、当面の間はバーニーズ ニューヨーク銀座本店・六本木店・横浜店・神戸店・福岡店の5店舗にて短縮時間営業、ならびに神戸店は土曜・日曜は引続き臨時休業とさせていただきます。

これに伴い、バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンターの受付時間も変更させていただきます。

アウトレット神戸三田店はアウトレットモールに準じ営業時間の短縮や休業をさせていただきます。

ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申しあげます。

 

※状況により変更となる可能性がございます。予めご了承ください。

 

【5月12日(水)より営業再開】

バーニーズ ニューヨーク銀座本店・六本木店・神戸店

 

【バーニーズ ニューヨーク銀座本店・六本木店・横浜店・神戸店・福岡店】

営業時間: 11:00 – 19:00

※5月12日(水)より当面の間とさせていただきます。

※神戸店は土曜・日曜は臨時休業とさせていただきます。

 

【バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター】

受付時間: 11:00 – 19:00

※5月12日(水)より当面の間とさせていただきます。

アディダスのキーマンが語る “キノコの菌製”人工レザーの課題と可能性

 キノコの菌から作った“人工マッシュルームレザー”が注目を集めている。動物を犠牲にすることなく、環境への負荷も従来の動物の皮革と比較すると極めて低いことから、有力ブランドが新興企業と組んで開発を進めている。

 “マッシュルームレザー”は再生可能なキノコ類の菌糸体(マイセリウム)から作られており、約2週間で製造できる。一方、皮革1キログラムを生産するのに要する水の量は1万7000リットルにのぼり、畜産は、世界の温室効果ガス排出量の約18%を占めている。水リスクが高いエリアで行われていることも多く、現在アマゾンの森林伐採地域の70〜80%が家畜の牧草地として使用されているなど、生態系の破壊の要因のひとつになっている。また、一般的な合成皮革は布地をベースに合成樹脂を塗り、表面層を天然の革に似せているため石油由来だ。

 「エルメス(HERMES)」は米国のスタートアップ企業のマイコワークス(MYCOWORKS)と開発した「シルヴァニア」を用いたバッグを3月に発表し、今年中に発売する。アディダス(ADIDAS)もまた4月15日に、米ボルトスレッズ(BOLTTHREADS)が運用する「マイロ(MYLO)」を用いた“スタンスミス”を発表し、今後12カ月以内に商品化する予定だ。しかし、革新的技術を用いた新素材だけに量産化に向けた課題は多い。スケールアップをどうするのか、強度をどのように担保するのか、均一性をどう保つのか、使用中のケアや廃棄はどうするのか、100%バイオベースが可能か――ちなみに「マイロ」は、強度を担保するために仕上げに石油化学製品を用いているため、ドイツ規格協会に60~85%がバイオベースと認定されているが生分解はしない。

 アディダスで「マイロ」に取り組む、デイヴィッド・カス(David Quass)ブランド サステナビリティ・グローバルディレクター、ダーラン・キル=フューチャーチーム テクノロジークリエイション シニアマネジャー、ニコラ・グルーネウェフ(Nicholas Groeneweg)フューチャー・シニアマネジャー、マーティン・ラヴ(Martin Love)オリジナルズ カテゴリーディレクター、4人のキーマンに「マイロ」運用への課題とその可能性を聞いた。

WWD:「マイロ」を用いたプロダクトの拡大をどのように進めるのか?

ニコラ・グルーネウェフ=フューチャー・シニアマネジャー:近い将来、「マイロ」素材の商業化の可能性が立証されることに期待を寄せている。今後12カ月以内に“マイロ スタンスミス”の限定版第1号モデルを発売できるよう取り組んでいる。価格帯は同じカテゴリーの類似プロダクトに合わせられるよう目指している。その後、少しずつ規模を拡大しながら種類を増やし、「マイロ」をほかのプロダクトやシリーズに導入していく予定だ。

デイヴィッド・カス=ブランド サステナビリティ・グローバルディレクター(以下、デイヴィッド):アスリートや消費者のニーズに合わせて革新的なコンセプトを生み出すことは、市場におけるポジションを高め、当社のビジネス戦略の重要な要素になっている。われわれは当社のバリューチェーン全体で、サステナビリティの実現につながること――画期的で新たなテクノロジーやプロセスを生み出す技術への投資を行っている。また、デジタル化の可能性を探りながら、われわれの革新的なコンセプトの源を確保することに努めている。

WWD:「マイロ」は「リサイクルを前提に開発された素材」とオンラインカンファレンスで話していた。将来、“スタンスミス マイロ”は“フューチャークラフト.ループ(Future Craft. Loop)”のようなモノマテリアル化/単一素材化を目指すのか?

デイヴィッド:今のところは“スタンスミス マイロ”はコンセプトフットウエアで、ケミカルリサイクル(使用済みの資源を科学的に分解して原料に戻し再度活用すること)に対応させる計画はない。

ダーラン・キル=フューチャーチーム テクノロジークリエイション シニアマネジャー:現時点で“スタンスミス マイロ”はコンセプトにすぎないが、そう遠くない未来に必要なテストを実施し、リサイクル可能か、まだその段階ではないかの判断ができるだろう。

われわれの目標は“END PLASTIC WASTE (廃棄プラスチックをなくす) ”だ。そのために、2024年までに全てのポリエステルをリサイクルポリエステルに切り替えることを目指している。また、30年までにCO2排出量を30%削減し、50年までにカーボンニュートラルを実現するという、壮大な目標を立てている。この目標を実現するために、成長を維持しながら、ビジネスの抜本的な見直しを図っている。そこでまず行っているのは、どんな素材をどのように活用するかを見直すこと。次に目を向けているのは、再生や再構築が可能な“Made with nature (自然とのコラボレーション)”のプロダクトを作ること。これが“END PLASTIC WASTE” に向けたイノベーションの長期戦略となっている。

新素材「マイロ」の導入は、“Made with nature”コンセプトのプロダクトを通じて未来を築くというアディダスの大きな目標において重要な進展だ。

当社が掲げるモノ作りのコンセプト“再生のループ(Regenerative Loop)”の最終目標は、天然由来の成分から開発された素材や、研究室で開発された細胞由来・タンパク質由来の素材を用いてプロダクトを作ることだ。

WWD:「マイロ」の優位性は?

デイヴィッド:「マイロ」には農業分野から見ても土地利用面積の削減につながり、しかも14日のリードタイムで収穫できるという2つの点で環境に利点がある。また、「マイロ」は汎用性が高く、多種多様な着色や仕上げ加工が可能なので、アディダスではゲームチェンジャーとなる最新素材を使用する初のモデルにクラシックな“スタンスミス”を選択した。

WWD:規模拡大に関して現在の課題は?

マーティン・ラヴ=オリジナルズ カテゴリーディレクター:規模拡大はそれほど困難ではない。むしろプロセスの方に手間がかかる。素材からフットウエアを生み出すために、12カ月かけて開発を進めてきた。開発が完了した現在、次のステップとして、段階的に量産化の試験を行いながら、大量生産への対応とその際の品質を分析する段階に入っている。1足のフットウエアなら多くの手間をかけて神経を注ぐことができるが、今後は数百足、数千足でも均一に作らなければいけない。当然、ある程度の時間がかかる。

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ボロボロの三光マーケ、「居酒屋やめるってよ」。「金の蔵」を転換する寿司業態は均一価格店か?

 居酒屋「金の蔵」などを展開する三光マーケティングフーズが、事実上、居酒屋事業を見切る決断をした。業績低迷の中、大箱・空中階居酒屋というビジネスモデルの「修正」を模索してきたが、コロナの長期化で大きく方向転換した。次の柱の一つは「寿司」。だが、こちらも簡単にはいかない競争市場でもある。
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スシロー買収で「京樽」ブランドはなくなるの? 買収金額、隠れたメリット、次の一手を予測する

 回転寿司トップの「スシロー」を展開するフード&ライフカンパニーズ(旧スシローグローバルHD、以下スシロー)が、吉野家HDから老舗持ち帰り寿司チェーン、京樽を4月に買収した。テイクアウト部門を強化するのが大きな狙いと言われているが、それだけではない。買収金額や次の一手を予測する。
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Kokiが「エスティ ローダー」の人気ファンデーション“ダブル ウェア”の最新動画に登場 サンプルがもらえる特典も

 「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」のグローバル スポークスモデルに3月に就任したモデルのKokiが、ブランドのロング&ベストセラー ファンデーション“ダブル ウェア”の最新動画に登場した。

 動画では素肌感 VS カバー力をテーマに、Kokiが高いカバー力と崩れにくい高機能で圧倒的人気のファンデーション“ダブル ウェア”を纏ってあらゆるシーンをフレッシュかつポジティブに過ごす姿を2種類の仕上がりで表現している。アクティブなスポーツシーンでも、きちんとメイクをしたいときでも、そしてマスク生活の中でも、さまざまなライフスタイルにおいて24時間崩れにくくストレスフリーな肌へと導いてくれる。

 また現在、“ダブル ウェア ステイ イン プレイス メークアップ”(全10色、各30mL、税込各6600円)を購入した人を対象に、“ダブル ウェア”をさらに美しく仕上げるためのツールとして人気の“スーパー プロフェッショナル メークアップ スポンジ”(4個入り、税込1320円)を2個プレゼントするキャンペーンを数量限定で実施中(なくなり次第終了)。さらに6月30日までの期間限定で「エスティ ローダー」をLINEのお友達に追加すると、“ダブル ウェア ステイ イン プレイス メークアップ“2回分と、“スーパー プロフェッショナル メークアップ スポンジ“ミニサイズ1個のサンプルをプレゼントしている。

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UAが業績悪化を受けて在庫消化の仕組みを強化 21年3月期は営業赤字66億円

 ユナイテッドアローズ(以下、UA)は、コロナ禍による業績悪化を受けて在庫消化促進のための仕組みを強化し、粗利益率の改善に努めている。また、OMO推進を2022年3月期の最重点課題として、予定通り自社ECの切り替えを進める。

 「21年3月期は年間を通じて在庫過多となり、粗利益率を大きく痛める結果となった」(松崎善則社長執行役員CEO)ことから、昨年9月に“在庫改善プロジェクト”を立ち上げていた。同プロジェクトのもと、21年春物から仕入れを抑制すると共に、「これまではMD職と近い業務内容になっていたディストリビューター職の役割を改めて明確化し、店頭・ECの在庫配分や、売上高や粗利益の計画をもとにした在庫消化促進を担うものへと分離」(決算説明資料)させた。

 今春の在庫状況は、4月25日からの緊急事態宣言で4都府県の一部店舗が休業する中でも、「そこまで膨らんではいない。長袖トップスなど、大型連休に販売を見込んでいた商品で一部既にセールにかけている商品はあるが、基本的には夏のセールを前倒しして値引きするようなことはしない」(松崎社長)と手応えを語る。

 OMO促進のカギとする新しい自社ECサイトは、「店頭の顧客IDとECのIDを連動させ、接客や返品・交換などが、店舗でもECでも同様に行えるようにする」。新規客の取り込みのため、他社とのポイント連携なども進める考え。

 4月25日からの4都府県での緊急事態宣言下では、UA単体の全236店のうち、4月末で97店を休業していた。その後、デベロッパーの判断により一部店舗は営業を再開。休業した店舗の販売員は「近隣店舗の応援や、EC支援などにまわってもらった。現時点では販売員を休みにすることなく対応できている」という。

 21年3月期の連結業績は売上高が前期比22.7%減の1217億円、営業損益が66億円の赤字(前期は87億円の黒字)だった。22年3月期連結業績は売上高が前期比2.5%増の1248億円、営業利益30億円を見込む。「コロナ禍の影響を見込んでかなり保守的に計画を立てている。(春商戦では3度目の緊急事態宣言に見舞われたが)この段階での影響は軽微」という。

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「セリーヌ オム」が新作スニーカー 2021-22年秋冬のスポーティーなカプセルコレクションも発売

 「セリーヌ オム(CELINE HOMME)」は、新作のスニーカー“CT-03”とカプセルコレクション“モノクローム”を5月14日に発売する。どちらも「セリーヌ オム」を販売する全店舗で取り扱う。

 スニーカー“CT-03”は1980~90年代をイメージしたハイカットシューズで、足首にストラップを巻き付けたようなデザインが特徴的だ。正面の2カ所とかかとにはロゴを配した。同アイテムは2021年春夏コレクションで初登場した“セリーヌ トレーナー(CELINE TRAINER)”の3型目だ。価格は税込10万4500円で、ホワイトとオレンジの2色を用意する。

 同日発売のカプセルコレクション“モノクローム”は、ロゴを多用したスポーティーなアイテムが中心。ジャケット(同30万2500円)やブルゾン(同22万5500円)、フード付きジャケット(同18万7000円)、セーター(同15万9500円)、ジップパーカー(同10万100円)、フーディー(同8万9100円~)、Tシャツ(同5万1700円~)、ジョギングパンツ(同7万9200円~)、バケットハット(同5万1700円)、キャップ(同4万5100円~)、バンドゥー(同3万4100円)、バンドバイザー(同4万9500円)、ソックス(同1万3200円)を用意する。

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ルミネとパルコが営業拡大 12日からアパレル含めて調整 

 ファッションビル大手のルミネとパルコは現在休業中の5月12日以降の営業について、営業ショップの拡大に向けて調整に入った。衣料品やファッション雑貨を含めたテナントに対して、5月12日以降の営業再開に向けての通達を出し、テナントと個別の調整を始めている。ただ、営業する店舗やフロアに関しては、「館の構造などで1ショップだけを開けることが難しい館もあり、いつ、どの館を再開するのか、結果的には再開できない可能性もある。そうした事も含めて現在は調整中」(パルコ広報)としており、営業再開の時期や館については今後ウェブサイトを通じて発表していく。都内で多数のショップを運営するユナイテットアローズの松崎善則社長執行役員も10日の決算会見で「各デベロッパーと調整中だ」と語った。

 ルミネは「営業の変更については12日の午前までにアナウンス」、パルコは「全館で統一の対応ではなく、各館で対応が異なる。アナウンス時期も調整中」という。現在は各テナントと水面下で調整を進めており、営業再開については館やフロア、ショップによってずれる可能性がありそうだ。

 政府と各自治体の要請を受け、4月25日からファッションビルや百貨店などの都心の大型商業施設は休業していたが、ファッションビルのテナントの多くを占めるアパレルや雑貨に関して「生活必需品」に入るか否かの線引きが曖昧だった。すでに阪急阪神百貨店が12日以降の化粧品や服飾雑貨の再開をアナウンスしている。

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高島屋がほぼ全館営業へ 都内4店舗でファッションフロア再開

 高島屋は12日から、都内4店舗の全館営業(一部の売り場を除く)を再開する。これまで都内の百貨店(専門店との複合業態は百貨店部分)は食料品や化粧品など一部の売り場以外を休業していたが、衣料品やラグジュアリーブランドなどのフロアも開ける。宝飾品、美術品、ゴルフ用品を扱う売り場は、都の要請に従い休業を継続する。大阪の2店舗(高島屋大阪店、高島屋堺店)は府の要請に従い、引き続き食料品、化粧品以外の売り場を閉める。

 全館営業を再開するのは、日本橋高島屋S.C.、タカシマヤタイムズスクエア(渋谷区)、玉川高島屋S・C、立川高島屋S.C.。「これまでは行政の“短期集中”の感染対策方針を受けて人流抑制に協力すべく、大型連休前後に限って休業措置をとってきた」と高島屋広報。都は10日時点で百貨店への休業要請を継続しているが、そもそも対象範囲については明確なガイドラインがなく、これまでの休業も自社判断で実施してきた。「連休中にも百貨店のファッションフロアなどでお買い物をされたいというお客さまのニーズが多くあり、(全館営業の)再開を決めた」。なお日本橋高島屋S.C.、玉川高島屋S・Cの専門店部分に関しては、ファッションや雑貨を扱う店舗、レストランなどの営業をすでに順次再開している。

 百貨店への休業要請が解除される京都の2店(高島屋京都店、高島屋洛西店)は、平日の全館営業を再開する(休日は食料品フロア以外を休業)。

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エスティ ローダーが「ウーバーイーツ」と協業 米国で「ジョー マローン ロンドン」の香水の宅配

 米エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)は5月7日、ウーバー(UBER)と協業し、「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」と「オリジンズ(ORIGINS)」の製品の宅配サービスを提供を開始した。ウーバーが昨年11月に買収した宅配サービス「ポストメイツ(POSTMATES)」とウーバーの宅配サービス「ウーバーイーツ(UBER EATS)」を通じて、米国の60店舗からの宅配が可能だ。化粧品企業がウーバーと協業するのは初めて。

 ウーバーの宅配サービスの売り上げは前年比150%増と急成長しており、今後はアルコールや食品、化粧品に対象を広げる狙いだ。ジュリー・キム(Julie Kim)=ウーバー グローバル・ヘッド・オブ・メンバーシップは「この1年、ウーバーの宅配サービスのニーズが激増している。消費者はレストランのテイクアウトに留まらず、あらやゆ分野において宅配を求めている」と語る。

 エスティ ローダーは以前、「M・A・C」でも同様の宅配サービスを提供した。昨年10月(ポストメイツがウーバー傘下になる前)に、同サービスと協業し、ECの購入品の当日配送を行った。

 またエスティ ローダーは先日、2021年1〜3月期の決算を発表した。スキンケア売り上げが前年同期比31%増を記録し、全体の売上高を同16%増に導いた。そのほかフレグランスも同30%増、ヘアケアは同8%増だった。一方でメイクアップは同11減%と厳しい状況が続く。スキンケアの需要の拡大により、同カテゴリーの売り上げはメイクアップの倍以上になったという。

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エスティ ローダーが「ウーバーイーツ」と協業 米国で「ジョー マローン ロンドン」の香水の宅配

 米エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)は5月7日、ウーバー(UBER)と協業し、「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」と「オリジンズ(ORIGINS)」の製品の宅配サービスを提供を開始した。ウーバーが昨年11月に買収した宅配サービス「ポストメイツ(POSTMATES)」とウーバーの宅配サービス「ウーバーイーツ(UBER EATS)」を通じて、米国の60店舗からの宅配が可能だ。化粧品企業がウーバーと協業するのは初めて。

 ウーバーの宅配サービスの売り上げは前年比150%増と急成長しており、今後はアルコールや食品、化粧品に対象を広げる狙いだ。ジュリー・キム(Julie Kim)=ウーバー グローバル・ヘッド・オブ・メンバーシップは「この1年、ウーバーの宅配サービスのニーズが激増している。消費者はレストランのテイクアウトに留まらず、あらやゆ分野において宅配を求めている」と語る。

 エスティ ローダーは以前、「M・A・C」でも同様の宅配サービスを提供した。昨年10月(ポストメイツがウーバー傘下になる前)に、同サービスと協業し、ECの購入品の当日配送を行った。

 またエスティ ローダーは先日、2021年1〜3月期の決算を発表した。スキンケア売り上げが前年同期比31%増を記録し、全体の売上高を同16%増に導いた。そのほかフレグランスも同30%増、ヘアケアは同8%増だった。一方でメイクアップは同11減%と厳しい状況が続く。スキンケアの需要の拡大により、同カテゴリーの売り上げはメイクアップの倍以上になったという。

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「ヴァンズ」の共同創業者ポール・ヴァン・ドーレンが死去 スケートカルチャーの必須ブランド

 「ヴァンズ(VANS)」は5月8日、ポール・ヴァン・ドーレン(Paul Van Doren)共同創業者が死去したことを明らかにした。90歳だった。死因は公表されていない。

 同社は、「ポールは単なる起業家ではなく、イノベーターだった。製品のデザイン、流通、マーケティングにおいて大胆な実験を行うと共に、その数字や効率性に対する才能によって家業の靴屋を世界的なブランドに育て上げた。ご家族の皆様と、数え切れないほどのヴァンズファミリーに愛と力をお送りする」とコメントを発表した。同氏は4月27日に、自伝「オーセンティック:ア・メモワール・バイ・ザ・ファウンダー・オブ・ヴァンズ(Authentic: A Memoir by the Founder of Vans)」を上梓したばかりだった。

 1930年にマサチューセッツ州ボストンで生まれた同氏は、14歳で学校を中退し、シューズメーカーのランディーズ・ラバー・カンパニー(RANDY'S RUBBER COMPANY)に就職。スニーカーの組立ラインの最適化を行った功績を認められ、カリフォルニア州の生産拠点に栄転した。64年には、ブランドの認知度を上げるためにサーフィンの世界的なイベントである全米オープン・オブ・サーフィン(The U.S. Open of Surfing)に出店した。その際、ハワイの伝説的なサーファー、デューク・カハナモク(Duke Kahanamoku)にカスタムメイドのスニーカーを提供したことから、同社はサーフィン・コミュニティーから注目されることとなった。その後、経営陣との意見の相違から同社を退職。66年に「ヴァンズ」の前身となる靴店、ヴァン・ドーレン・ラバー・カンパニー(VAN DOREN RUBBER COMPANY)を家族と共に創業した。

 グリップ力の強い“ワッフルソール”を特徴とする「ヴァンズ」のスニーカーは、まず西海岸のスケーターからの支持を得た。スケートボードでは利き足の靴底が早くすり減ってしまうと聞き、片方の靴のみでも購入できるようにするなど、顧客のニーズに応えることで人気を拡大していった。

 その後、「ヴァンズ」は伝説的なスケートボードチーム、ズィーボーイズ(Z-BOYZ)のメンバーであり、プロスケーターおよびサーファーであるステイシー・ペラルタ(Stacy Peralta)やトニー・アルバ(Tony Alva)を招き、デザインなどについて意見交換を行っている。こうしたつながりから後にスケートチームやサーフチームを保有することとなり、スケートやサーフィンなどのユースカルチャーに不可欠のブランドとなった。同社は現在、全米オープン・オブ・サーフィンのタイトルスポンサーでもある。

 82年に公開された映画「初体験/リッジモント・ハイ(原題:Fast Times at Ridgemont High)」ではショーン・ペン(Sean Penn)が演じたキャラクターが「ヴァンズ」のスニーカーを履いていたことからさらに人気が高まり、世界的なブランドとなった。

 ヴァン・ドーレン氏は80年に一度「ヴァンズ」を離れて引退しているが、同社はその4年後に1200万ドル(約12億円)の負債を抱えて経営難に陥り、日本の民事再生法に相当する米国連邦破産法第11章を申請。同氏は再建策の一環として社長職に復帰した。

 90年代にはディズニー(DISNEY)社やストリートブランドとして人気となりつつあった「シュプリーム(SUPREME)」などと、2000年代以降は「カール・ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」「ケンゾー(KENZO)」など多数のブランドと協業している。

 2004年、「ヴァンズ」は「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「ティンバーランド(TIMBERLAND)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)に3億9600万ドル(約427億円)で買収され、売上高20億ドル(約2160億円)以上のブランドに成長した。なお、VFCは20年11月に「シュプリーム」を21億ドル(約2268億円)で買収する契約を締結している。

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「エディー・バウアー」をABGが買収 アウトドア分野の強化を図る

 ブランドマネジメント企業オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)とスパーク・グループ(SPARC GROUP以下、スパーク)が、「エディー・バウアー(EDDIE BAUER)」を買収する。金額などは公開されていないが、ABGが同ブランドの知的財産権を獲得し、スパークがブランド事業を担うことで合意したという。6月1日に最終決定する予定だ。ABG広報は、「エディー・バウアー」の店舗閉鎖や従業員の解雇については「運営や人員配置に関する情報はまだ明らかでない」と述べた。

 「エディー・バウアー」は、シアトル生まれの伝統的なアウトドアブランド。1920年にエディー・バウアーがテニスウエアの販売のためにブランドを設立した。68年に売却して以来、ジェネラル・ミルズ(GENERAL MILLS)やスピーゲル(SPIEGEL)がブランドを運営したが、2009年にデラウェア州で日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を申請。投資会社のゴールデン・ゲート・キャピタル(GOLDEN GATE CAPITAL)が買収し、その運営グループであるPSEBグループが所有した。従業員は1000人超で、推定年間売上高は5億ドル(約540億円)と見られている。契約成立後も本社はダミアン・ファン(Damien Huang)社長の下、シアトルに留まる。

 ABGはアメリカで経営破綻をしたファッション企業やブランドを買収し、再建に注力する投資ファンド。この15カ月の間にバーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)や「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」などを買収してきた。スパークは、ABGと米不動産投資信託会社サイモン・プロパティー・グループ(SIMON PROPERTY GROUP)が半々の出資比率で設立した合弁会社。今回の契約で「エディー・バウアー」の素材調達から製品設計・開発、販売、戦略、ECまでを管理し、アメリカとカナダに位置する300店舗も運営する。これによりスパークが運営する「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」「エアロポステール(AEROPOSTALE)」「ノーティカ(NAUTICA)」「フォーエバー21(FOREVER21)」といったブランドの売り上げは計86億ドル(約9300億円)になる見込みだ。

 ファッションに加えてエンターテインメントやメディア、ホームなど幅広い事業を手掛ける中、ABGは本契約でアウトドア事業に本腰を入れる。すでに他ブランドに適用している成長戦略を「エディー・バウアー」でもすぐに実施する計画だ。アメリカ中心のブランドをラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど国際的に展開し、アウトドアライフが人気のエリアにも進出する。中国と韓国の一部エリアでは、初期の成長を促すためにすでに商品の発売が計画されているという。またこれまでの消費者を維持しながら、若い消費者を引き付けるために同ブランドのマーケティングとブランド開発を図る。コンテンツを強化してオンラインフォロワーを開拓し、ブランドの核を生かしたコラボレーションに乗り出すという。

ジェイミー・ソルター(Jamie Salter)ABG会長兼最高経営責任者(CEO)は、「世界のアウトドア市場は20年、飛躍的に成長した。スパークとファン社長、『エディー・バウアー』チームと協力してこのブランドを新しい局面に導きたい」とコメント。また、「エディー・バウアー」のECビジネスを「堅調」とし、オンラインでの販売が20年の売上高の約50%を占めたことを評価した。

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高島涼が手掛ける「+81」の実店舗が東京・五本木に リアル限定品やイベントでECと差別化

 ファッションディレクターの高島涼は、自身が手掛けるコンセプトストア「+81」のリアル店舗を5月18日に東京・五本木にオープンする。これまでECサイトのみだったが、リアル店舗限定の商品や不定期イベントなどを企画して差別化する。開業を記念し、「ラキネス(RAKINES)」のリネンシャツ(3万7400円、税込 以下同)とパンツ(3万9600円)、「M A S U(エムエーエスユー)」のアクセサリー、「コーキ(KHOKI)」のトートバッグなどの別注品を販売する。

 高島は1992年生まれ。インスタグラムやユーチューブなどを中心にファンを獲得し、SNSの合計フォロワー数は26万を超える。自身のファッションブランド「リョウ タカシマ(RYO TAKASHIMA)」をはじめ、メディアやブランドのディレクター、インフルエンサーとして幅広く活動。昨年9月にはECサイトとして「+81」をローンチし、 “Seamless”をテーマに国内外からファッション・カルチャーを発信する。

■+81
オープン日:5月19日
営業時間:12:00〜19:00(営業時間変更などはSNSを要確認)
住所:東京都目黒区五本木2-15-7 市川ビル1階

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アパレル業界は「回復・再出発」できるか 5月13日に“ソーシングジャーナル サミット”を開催

 環境、労働、消費者の観点からファッションに関する情報を発信する米「WWD」の兄弟的メディア「ソーシングジャーナル(Sourcing Journal)」は5月13日、“ソーシングジャーナル サミット”を香港からバーチャル開催する。テーマは、「回復と再出発(Recovery & Reinvention)」。登壇者を交えて新型コロナの感染拡大による業界の現状や、経済への影響に対する対処法などについて講じるほか、パンデミックで露呈した業界の問題に切り込む。

 本イベントでは農業や繊維の専門家集団が運営する非営利企業コットン インコーポレイテッド(COTTON INCORPORATED)や繊維業界のサステナビリティ認証機関であるブルーサイン(BLURSIGN)などから代表者ら22人を招待。「アメリカ・アジア貿易のこれから」「レジリエンス(回復力)の構築」「ファッションテックを推し進めるイノベーション」など、幅広いトピックスを8つのセッションで語る。

 “ソーシングジャーナル サミット”は2018年に初めて開催。以来毎年ニューヨークと香港から、多彩なスピーカーによるアパレルのサプライチェーンについての知見を提供し続けている。これまで多くのブランドや工場、小売パートナーといった幅広い業種の経営陣が参加した。

ソーシングジャーナル サミット 香港
「回復と再出発(Recovery & Reinvention)」

日時:2021年5月13日(木)9:30〜14:30(現地時間8:30〜13:30)
言語:英語
費用:399ドル(約4万3000円)
※クーポンコード【DISJapan50】の入力で50%オフ獲得

プログラム:
1. 緊急事態への備え:レジリエンスの構築
2. 適応せよ:注文の品数より頻度で勝負
3. デジタル・プロトタイピングは新たな常識になるか
4. パワーシフト:サステナビリティの負担を再分配
5. これからのファッション:アメリカ・アジア貿易の未来
6. 原材料の透明性:マージン管理の方法
7. 将来の取り組み:ファッションテックを推し進めるイノベーション
8. 物流の見直し:キャパシティから交通、コストまで

お申し込み:特設ページにて受付中(ページは全て英語です)

チケット購入はこちら

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アパレル業界は「回復・再出発」できるか 5月13日に“ソーシングジャーナル サミット”を開催

 環境、労働、消費者の観点からファッションに関する情報を発信する米「WWD」の兄弟的メディア「ソーシングジャーナル(Sourcing Journal)」は5月13日、“ソーシングジャーナル サミット”を香港からバーチャル開催する。テーマは、「回復と再出発(Recovery & Reinvention)」。登壇者を交えて新型コロナの感染拡大による業界の現状や、経済への影響に対する対処法などについて講じるほか、パンデミックで露呈した業界の問題に切り込む。

 本イベントでは農業や繊維の専門家集団が運営する非営利企業コットン インコーポレイテッド(COTTON INCORPORATED)や繊維業界のサステナビリティ認証機関であるブルーサイン(BLURSIGN)などから代表者ら22人を招待。「アメリカ・アジア貿易のこれから」「レジリエンス(回復力)の構築」「ファッションテックを推し進めるイノベーション」など、幅広いトピックスを8つのセッションで語る。

 “ソーシングジャーナル サミット”は2018年に初めて開催。以来毎年ニューヨークと香港から、多彩なスピーカーによるアパレルのサプライチェーンについての知見を提供し続けている。これまで多くのブランドや工場、小売パートナーといった幅広い業種の経営陣が参加した。

ソーシングジャーナル サミット 香港
「回復と再出発(Recovery & Reinvention)」

日時:2021年5月13日(木)9:30〜14:30(現地時間8:30〜13:30)
言語:英語
費用:399ドル(約4万3000円)
※クーポンコード【DISJapan50】の入力で50%オフ獲得

プログラム:
1. 緊急事態への備え:レジリエンスの構築
2. 適応せよ:注文の品数より頻度で勝負
3. デジタル・プロトタイピングは新たな常識になるか
4. パワーシフト:サステナビリティの負担を再分配
5. これからのファッション:アメリカ・アジア貿易の未来
6. 原材料の透明性:マージン管理の方法
7. 将来の取り組み:ファッションテックを推し進めるイノベーション
8. 物流の見直し:キャパシティから交通、コストまで

お申し込み:特設ページにて受付中(ページは全て英語です)

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「グッチ」がアニメ「ばなにゃ」とコラボ カプセルコレクションを発売

 「グッチ(GUCCI)」が、日本のアニメ「ばなにゃ」とコラボした。海外でアニメを配信するプラットフォーム、クランチロール(Crunchyroll)との提携で実現した。

 コラボアイテムはキャラクターの“ばなにゃ”や“とらばなにゃ”のプリントが施されたTシャツとスエットにスニーカー、アクセサリーを14点そろえた。アクセサリーはネックレスや、ガラスビーズとスパンコースをあしらったブローチなど3種類。一部オンライン限定と、店頭で取り扱う。価格は、5万3900〜13万2000円。

 「ばなにゃ」は雑貨や文具を扱うクーリアが手掛けるオリジナルキャラクター。2016年に矢立きょう監督によりアニメ化が実現し、バナナにひそむ不思議な生物“ばなにゃ”の生態を描いている。2019年に同シリーズ第2部となる「ばなにゃ ふしぎななかまたち」を配信した。

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プチバトーが掲げる3つの新ガイドライン「自由」「品質」「持続可能」

 プチバトー(PETIT BATEAU)は、新ガイドラインに「自由」「品質」「持続可能」を掲げて、ブランドDNAの発信を強化する。その一環として、4月末にブランドプラットフォームを開設し、“子どもと自然”をテーマにした大々的な広告キャンペーンを実施。「長く着られるのは、最高のサステナブル」を使命として、生産から販売までを一貫して担うトレーサビリティーを強みに、オーガニックコットンの使用率向上や、環境負荷の少ない生産システムの導入などを積極的に行っている。加速するサステナビリティ推進とデジタル化の指揮を執る、ギヨーム・ダルーゼ(GUILLAUME DARROUSEZ)最高経営責任者(CEO)に、プチバトーのミッションを聞いた。

「ミッションは、
子どもたちと自然をつなぐこと」

WWD:プチバトーのコアバリューは何か?

ギヨーム・ダルーゼ=プチバトー最高経営責任者(以下、ダルーゼCEO):創造性、責任感、楽観主義だ。1893年の創業以来、プチバトーは製品の品質を中核に据えてきた。フランス・トロワの自社工場では、ニット技術を基に、責任を持って長年愛用してもらえる服作りをしている。楽観主義とは、子どもたちの目線で 世界を見渡し「不可能なことは無い」と考えること。これは私たちの姿勢でもある。

WWD:新しいガイドラインに掲げた「自由」「品質」「持続可能」とは?

ダルーゼCEO:「自由」を最も表しているのが、 100年前に世界で初めてウールレギンスの足の部分をカットして、ショーツを製作したこと。このイノベーションが息づいている。「品質」に関しては、綿糸の選定や、厳しい品質管理テストが、競争力の源泉となってきた。「品質」は、今「持続可能」を指すようになった。全ての決定において、環境と地球の保護という概念を盛り込んでいく。

WWD:今回の広告キャンペーンでこだわった点は?

ダルーゼCEO:キャンペーンで伝えたいのは、循環型経済への取り組み。プチバトーの製品は耐久性があり、高品質なため、お下がりとして受け継がれ、リセールすることも可能だ。これを改めて大きな声で伝えたい。まずは5月に、中古品回収サービスを開始する。

WWD:プチバトーが大切にする、子どもへの思いとは?

ダルーゼCEO:新たなブランドミッションは、子どもたちと自然をつなぐこと。それは、子どもたちが自然と触れ合うことで、創造性や自信を育み、その結果、地球を守る意志を持つようになることを確信しているからだ。

WWD:ダルーゼCEO自身は、製品のどこが気に入っている?

ダルーゼCEO:子どもの頃に、プチバトーのTシャツを着ており、着心地の良さ、柔らかさ、耐久性の良さなど、思い出はたくさんある。私自身が一生プチバトーのファンだ!

WWD:デジタル化は得意なフィールドだが、どのような改革を予定している?
ダルーゼCEO:プチバトーは早い段階からEコマースに投資してきた。デジタルシフトの変革期において、優位性を感じている。2025年までに、売上高のEC比率を50%に高めたい。

WWD:中長期的な目標は?

ダルーゼCEO:第1は、ブランドプラットフォームの強化。第2は、日本と中国、そしてヨーロッパで、デジタルトランスフォーメーションを通じて利益を生み出すことだ。第3は、組織を簡素化して機動性と生産性を高めること。お客さまの声に耳を傾けながら、適切なサービスと体験を提供し続けたい。社会は困難な状況にあるが、プチバトーは楽観的だ。新しい消費者のニーズや 環境問題にも対応できると信じている。

プラットフォーム開設で
ブランドDNAを発信

 新たなプラットフォームには、ブランド、ミッション、CSRの取り組みに関する、3つのセクションを盛り込んだ。ブランドヒストリーやCSRに対する目標を、ホームページで 誰でも簡単に知ることができる。開設後もアップデートしながら、イヴ・ロシェ グループ全体のCSR活動についても紹介予定。企業背景から、ブランドを深く理解することができる。

2025年までに全製品を
環境配慮の素材に

 2025年までに、環境に配慮した製品率100%達成を目標に掲げる。これに先駆けて、20年春夏から新生児向けの全製品に、オーガニックコットンを使用している。さらに新生児向けの全製品とベビー・キッズ・大人用の下着とパジャマなどは、350以上の有害化学物質をクリアした、世界トップレベルの認証「エコテックス®スタンダード100」も取得している。

コットン染色に関わる
水の使用量41%削減

 フランス・トロワの自社工場では、2015年に浄水システムを導入し、コットン染色に関わる水の使用量41%削減した。さらにグループ全体で、フランスの企業として初めて、利益だけでなく公益を重んじる企業に与えられる“ミッション・カンパニー”の地位を獲 得。25年までに、さらに厳しい「Bコーポレーション」の認証取得を目指す。

TEXT : ANRI MURAKAMI

問い合わせ先
プチバトー・カスタマーセンター
0120-190-770

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「M・A・C」がディズニー映画「クルエラ」の限定コレクションを発売

 「M・A・C」は5月14日、5月27日公開のディズニー映画「クルエラ」との限定コラボレーションコレクション“ディズニー クルエラ コレクション by M·A·C”を発売する。同作品の主人公クルエラをイメージした白と黒のツートンカラーの限定パッケージで展開する。

 同作品はアニメーション映画「101匹わんちゃん」に登場するヴィラン(悪役)、クルエラ・ド・ビルを主人公にした実写映画で、主演はエマ・ストーンが務める。“ディズニー クルエラ コレクション by M·A·C”は、深紅のリップと白と黒のツートンカラーのヘアスタイルで1970年代後半〜80年代前 半のパンクとニューウェーブの時代を体現するクルエラにインスピレーションを受けて制作。“リップスティック”(限定3色、各税込3630円)や“デュアル エンディッド プロ ロングウェア アイ ライナー”(税込3850円)、“パウダー ブラッシュ デュオ”(税込5280円)、“スモール アイシャドウ × 8”(税込7370円)などをラインアップする。

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「UT」が「呪術廻戦」とコラボ、6月4日発売

 「ユニクロ(UNIQLO)」のグラフィックTシャツブランド「UT」は6月4日、人気漫画・アニメの「呪術廻戦」とのコラボ商品「呪術廻戦 UT」第1弾を全国の店舗とECで発売する。漫画イラストを元にしたグラフィックが特徴で、第2弾としてアニメ版のイラストを生かした商品も発売予定という。

 第1弾商品はメンズのTシャツ7柄(各1500円)、キッズ4柄(各990円)。第2弾商品の発売日や詳細は未公表。

 「UT」は昨年8月、同様に人気漫画・アニメの「鬼滅の刃」ともコラボし、漫画版コラボの第1弾、アニメ版コラボの第2弾を販売していた。今夏は「呪術廻戦」以外では、人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」、人気アニメ「ワンピース(ONE PIECE)」(共に発売済)、オンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンド(LEAGUE OF LEGEND)」(5月17日発売)などとのコラボをラインアップしている。

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「RMK」新クリエイティブディレクターにNYで活躍するYUKIを起用

 メイクアップブランド「RMK」を有するエキップは5月10日、「RMK」の新クリエイティブディレクターに米・ニューヨークを拠点に世界で活躍する日本人メイクアップアーティストのYUKI(ユウキ)を起用すると発表した。8月6日発売予定の2021年秋コレクションからプロダクト開発、キャンペーンのディレクションなどに携わり、ブランドの方向性を決める重要な役割を担っていく。

 YUKIクリエイティブディレクターは東京でヘアスタイリストのキャリアをスタート。2011年に渡米し、メイクアップアーティストのパット・マクグラス(Pat McGrath)のチームに参加。チームのリーディングアーティストとして数々のショーのメイクアップデザインを手がけた。独立後はさまざまなエディトリアル、バックステージ、広告キャンペーンを担い、現在も世界中のファッション誌やブランドとコラボレート続けている。細心かつ正確なテクニックから生み出されるメイクアップにストリートのバイブス、カジュアル感をミックスさせる独特のスタイルを得意とする。なお、「RMK」が男性のクリエティブディレクターを起用するのは初となる。

 今回の起用にエキップの前澤洋介社長は、「類まれなる才能に加え、圧倒的なクリエイティビティーをもつYUKI氏とのコラボレーションは誇りであり、無限の可能性を感じる。さらなる飛躍の原動力となり、今後の『RMK』がエキサイティングな展開になることは間違いない」と期待を寄せた。

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商業施設への協力金 1000平方メートルごとに日額20万円に拡充

 政府は、休業要請に応じた百貨店やショッピングセンター(SC)への協力金の拡充を7日に発表した。日額の協力金はこれまで1施設に20万円、テナントに2万円としていたが、施設には床面積1000平方メートルごとに20万円、テナントは100平方メートルごとに2万円を支給するよう変更する。3回目の緊急事態宣言が出た4月25日にさかのぼって適用される。

 従来の協力金は面積に関係なく一律だったため不公平感が問題になっていた。都内の百貨店であれば1日の売上高は数億円になるため、補償として少なすぎると不満も上がっていた。今回の拡充では、休業する床面積が5万平方メートルの百貨店や商業施設の場合、日額1000万円の協力金が支払われることになる。

 政府は7日に発表した緊急事態宣言の延長に際し、商業施設への休業要請を取り下げた。しかし、東京都と大阪府は人流抑制が十分でないとして独自に休業要請の継続を決めた。東京都と大阪府にある百貨店とSCは5月末まで休業を強いられることになる。

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「無印良品」が北海道にワーケーション施設を開業 22年4月開業予定

 良品計画のグループ企業MUJI HOUSE(松﨑曉社長)は、北海道の上士幌町と組み、ワーケーション(企業滞在型)施設として「無印良品の家」を立ち上げる。開業は2022年4月の予定。同施設を起点に、食料自給率や再生可能エネルギー電力自給率の高さから「“日本有数のサステナブルな街”と言われている」上士幌町の発信や、外部企業も巻き込んだ商品開発などにつなげる。

 上士幌町は畑作や酪農が盛んな十勝平野の北端にあり、大雪山国立公園のふもとに位置する。観光面では、色とりどりの熱気球があがるイベントなどでも知られる。町として「家畜のふん尿肥料による資源循環型農業、バイオガス発電によるエネルギーの地産地消」など、循環型社会の構築を進めているといい、そうした考え方に「感じ良い暮らし」の実現を掲げる「無印良品」が共感して協業に至った。

 「無印良品の家」は通常は住宅として販売されているが、栃木・那須高原では貸し別荘として運営されている。上士幌町でのワーケーション施設の運営により、コロナ禍による消費者の暮らし方や働き方の変化に対応する。なお、今事業の事業開発と運営はデジタル分野の広告やブランディングを専門とするスパイスボックスが担う。

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マグロ王子が大手町に降臨。「鮪のシマハラ、コロナだからこそ出店しなきゃいけないんですね」

 マグロに特化した鮮魚居酒屋「鮪のシマハラ」を展開する、鮪のシマハラ株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役:島原慶将)が、5月下旬、東京・大手町カンファレンスセンター地下1階に「鮪のシマハラ」3店舗目となる大手町店をオープンする。今年3月には水道橋店をオープンさせており、何故、コロナ禍で出店を加速するのか。「マグロ王子」こと、島原慶将氏を直撃取材した。
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【月次速報】4月、22社中6社は19年レベルに回復。8割に満たない5社はドコだ

 4月の月次速報。前年は初めての緊急事態宣言があり、大幅に売上を落とした。今年は時短要請があったものの、2度目の緊急事態宣言は解除されており、反動で大幅に数字を伸ばしたところが多い。2019年水準に戻したところも6社ある。だが、一方で19年対比8割に満たないところは5社。3たびの緊急事態宣言延長の中、苦しい戦いを迫られる。
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「メットガラ」2021のホストにティモシー・シャラメ、ビリー・アイリッシュ、大坂なおみ選手らが就任

 ファッションの祭典である「メットガラ(MET GALA)」2021のホストに、ティモシー・シャラメ(Timothee Chalamet)、ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)、詩人のアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)、テニスの大坂なおみ選手が選ばれた。

 例年5月に開催されてきた「メットガラ」だが、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止になった。21年は“イン・アメリカ:ア・レキシコン・オブ・ファッション(In America: A Lexicon of Fashion)”をテーマに9月13日に開催が決定。8〜12日に開催されるニューヨーク・ファッション・ウイークと同時期に行う。

 「メットガラ」を主催する「ヴォーグ(VOGUE)」は、「この4人は、アメリカンスタイルを象徴する“個人主義(インディビジュアリズム)”を体現する。コンセプトへのアプローチはそれぞれ違えど、ファッションを通して自身のことを表現してきた。テーマに関連する情熱を持っている人たちだ。アメリカのファッションをもとに、確固たるパブリックイメージを築いた」と語った。

 「メットガラ」を皮切りに同テーマで開催される展示会は9月18日に、メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)でスタート。同美術館の衣装研究所(Costume Institute)の75周年を祝って、アメリカのファッションについて深く掘り下げる。衣装研究所によるエキシビジョンは、9月中旬と22年5月の2部構成で開かれる予定だ。

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「ウィザード」2021-22年秋冬コレクション

 「ウィザード(WIZZARD)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。

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「クロムハーツ」がカスタマイズした「ロールス・ロイス」車が誕生 ドレイクとコラボで制作

 ラッパーのドレイク(Drake)が新作アルバム「Certificated Lover Boy」の発売を記念して、「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」とコラボした。アパレルやアクセサリーなどに加えて、「ロールス・ロイス(ROLLS ROYCE)」のSUV“カリナン(Cullinan)”をカスタマイズ。マイアミ現代美術館(Institute of Contemporary Art, Miami)に展示する。

 「クロムハーツ」を象徴するクロスモチーフでボンネットオーナメントを作成し、エアコン操作部分にはスターリングシルバーを使用。ホイールは“クロムハーツ プラス”モチーフで装飾し、外周に“F—k You”と彫られている。内装はほぼ全面に黒のキルティングとエンボス加工のレザーを使用。サンバイザーにはドレイクの名前が施されている。ボディーは黒を基調に、メタリック加工で仕上げた。

 制作は、オーダーメイドに特化する自動車メーカーのマンソリー(MANSORY)と共に2年にわたって進めた。ローリー・リン・スターク(Laurie Lynn Stark)「クロムハーツ」オーナーは、「シートベルトからエアバッグまで、全ての細かい部品まで共に手掛けた。われわれのジャケットの美学や心地よさをレザーのキルティングで表現し、車のインテリアとしての品質も保証されている。われわれのステッチを見せて、車用にアレンジしてもらった」とコメント。

 ドレイクと「クロムハーツ」のコラボコレクションではユニセックスジーンズ(3085ドル、約33万円)やプルオーバーパーカ(550ドル、約5万9000円)に加えて、胸にハートが施されたテディベアなどの限定アイテムも販売。マイアミの店頭で取り扱う。

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百貨店、休業要請の延長に憤り「死活問題なのに場当たり的すぎる」

 緊急事態宣言の延長で東京都と大阪府が商業施設への休業要請を継続したことを受けて、百貨店が窮地に立っている。休業が5月末まで長期化すれば、売り上げが激減して百貨店の経営だけでなく、ファッションブランドなど取引先の存続や雇用への影響が深刻さを増す。人流の抑制には理解を示しながらも、小売業の中で百貨店とショッピングセンター(SC)だけをスケープゴートにする政府や自治体のコロナ対策に不信感を募らせる。

 「死活問題なのに、あまりに場当たり的すぎる」。

 百貨店関係者は政府や都への憤りを隠さない。「短期集中」の触れ込みだったため、犠牲を払って4月25日から5月11日の休業要請に応じたものの、結局5月末まで延期になった。人流抑制のエビデンス(証拠)や宣言解除の目安となる数値さえ示さず、百貨店やSCに休業要請を繰り返すやり方に振り回された。

 6日の時点では、緊急事態宣言が延長されても政府は休業要請を解除すると報道されていた。大手百貨店もそれを見越した動きをとった。高島屋は日本橋や玉川(二子玉川)の専門店街についてはアパレルも含めて全体の約8割の営業を6日から再開した。他の百貨店も水面下で営業再開の準備を進めていた。日本百貨店協会や日本ショッピングセンター協会も同日、休業要請の対象から除外することを求める要望書を出して、政府や都府県を牽制した。

 しかし7日午後に事態は急変する。菅義偉首相は7日夜の会見で、百貨店やSCに対して休業要請を取りやめると発表したものの、東京都と大阪府の両知事は感染拡大の危機が収まっていないとして休業要請の延期を打ち出した。この場合、政府よりも店舗が立地する自治体の決定が優先される。百貨店とSCは再び3週間の休業を余儀なくされることになった。

 昨年4月から5月にかけての臨時休業との違いは、百貨店とSCだけが休業を強いられている点だ。銀座や新宿などの繁華街では、百貨店とSCの休業を尻目に、カジュアルSPA(製造小売り)やラグジュアリーブランドの大型店、セレクトショップ、家電量販店、雑貨店などが時短営業を続けている。当然ながら客足は営業中の店舗に流れる。昨年来、百貨店とSCはネット通販(EC)を強化しているが、効果は一部にとどまる。百貨店とSCだけでなく、取引先やテナントの不満も鬱積していった。百貨店関係者は「もちろん自治体の求めには最大限協力する。でも、なぜ百貨店とSCだけが対象になるのか。(現在までの休業期間の)人流に関するデータなどを示して説明するのがスジだろう」とその場しのぎの対策を批判する。

 百貨店の関係者は「きのう(7日)の昼までは営業再開に向けた調整をしていたのに、ゼロベースで考え直すことになった。各担当者が週末返上で交渉に駆け回っている」ともらす。三越伊勢丹ホールディングスは休業要請のガイドラインにある「生活必需品は除外」に関して、食品と化粧品以外にも広げられないか検討に入った。

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過去最大赤字のワールド鈴木社長 今期の黒字化は「何としてでも果たす」 

 2021年3月期に過去最大となる171億円の最終損失を計上したワールドは今期(22年3月期)、屋台骨のブランド事業の立て直しで黒字化を目指す。24年3月期までの中期的な展望としては、デジタル事業、プラットフォーム事業における非アパレル分野への拡大に注力。アパレルに偏重した収益構造の抜本的な改革を急ぐ。

 今期は本業のもうけを示すコア営業利益を80億円と予想する。前期に250億円の営業赤字を計上したブランド事業の黒字転換(営業利益51億円の計画)が前提となる。「黒字化はなんとしてでも果たす」(鈴木信輝社長)。不振の百貨店・SCブランドは粗利益のコントロールや販売員のデジタル活用などを進めるとともに、商品企画を抜本的に見直す。「マーケットをきちんと見て商品企画をするという、ブランドらしさをつくる当たり前の部分に目を向ける。独自の素材開発や新しい感度を持った人材の投入も必要になる」。

 コロナ禍でも堅調なブランドへの投資シフトも進める。比較的値ごろなSC業態「デッサン(DESSIN)」「シューラルー(SHOO・LA・RUE)」の出店を加速し、ライフスタイルブランドの「ワンズテラス(ONE’STERRACE)」「212 キッチン ストア(212 KITCHEN STORE)」は店舗の大型化を進める。前期に2度にわたって実施した構造改革(計12ブランドの撤退、期末店舗数309の純減、希望退職者募集による434人の退職)により、69億円の利益の押し上げ効果を見込む。

 中期戦略においては、デジタルとプラットフォームの事業領域を非アパレル分野にも拡大し、持続的な成長が可能な体質を作る。「これまでアパレルに頼ってきた事業構造から脱却し、新しいワールドグループを目指す」。

 デジタル事業では今期、自社の生産・物流・店舗運営などのノウハウをBtoB外販するソリューションビジネスにおいて、在庫コントロールや基幹システムのサポートメニューを追加するなど、顧客の裾野を広げる。オフプライス業態の「アンドブリッジ(&BRIDGE)」の出店や古着チェーンの「ラグタグ(RAGTAG)」のEC強化にも力を入れる。テクノロジーを活用した原料ロスが出ない生産モデルの開発や、個人デザイナーに生産基盤を提供し、消費者をつなぐプラットフォーム「ワールド ファッション クラウド」(仮称)のテスト運用も開始する。事業全体の営業赤字幅を10億円に縮小(前期は20億円の赤字)し、23年3月期での黒字転換を目指す。

 プラットフォーム事業では、子会社アスプルンドを中心に、アパレルの店舗内装のノウハウを生かした空間設計などをカフェやホテルなどへも外販。事業全体では医療用ガウン特需の反動で減益となるものの、外部収益を前期比81%増の230億円まで拡げる。

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私を変えた3人のデザイナー【トミー・ヒルフィガー編】 マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」

通学中に、デザイナーのトミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)がパーソンズで講演するという1枚のポスターが目に止まり、参加した。

講演会での出来事は、鮮烈に覚えている。彼は何百人もの聴衆の前で、自身の生い立ちやブランドを設立した背景、ロゴのカラーの意味について話してくれた。私は彼の言葉をなんとか理解しようと、必死にメモを取りながら聞いた。

当時「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、設立して25周年を迎えたところだった。その1年前、私は幸運にもニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で開催されたブランド創立25周年記念パーティーに参加。オペラハウスの階段で行われたファッションショーをはじめ、米ロックバンドのストロークス(The Strokes)によるライブパフォーマンスも行われた。

そのころから、私の中で一つの疑問があった。

「トミー ヒルフィガー」は、アメリカを代表するデザイナーズブランドだ。でも当時の日本では、デザイナーズブランドという認識は薄く、“スポーツブランド”または“R&Bブランド”という印象が強かった。彼はその事実を知っているのか。それについてどう考えているのか。どうしても知りたかった。

講演会終盤の質疑応答の時間に、私は手を挙げた。「こんな質問をしたら会場からつまみ出されるのではないか」と怖かったが、チャレンジしたかった。

「私は日本から来ました。英語が分かりづらかったらごめんなさい。日本では、あなたのブランドはデザイナーズブランドだと思われていません。スポーツブランド、またはR&Bと精通するブランドだと思われています。そのことをご存知ですか?それについてどう思いますか?今後、日本でのブランドイメージを変えるつもりはありますか?」と、率直に聞いた。緊張は頂点に達していた。

すると彼は、「内緒だよ!僕は日本でのイメージにもちろん気付いている。だから今度、東京・原宿に大きなフラッグシップストアを構えるんだ。今、君を招待したよ!」と答えてくれた。

私は「Thank you」と言いつつ、震えと緊張で泣きそうになりながら、自分の席に戻った。講演会が終わり、自分が質問できたことに満足しながら会場を後にしていると、「トミー ヒルフィガー」のチームが近づいてきて、「あの質問をしたのは君だね?最高の質問だったよ。原宿に旗艦店をオープンする際は、君を招待するよ」と話してくれた。

実際、翌2012年4月、アジア初の最大規模の旗艦店「トミー ヒルフィガー」表参道店がオープンした時、トミー・ヒルフィガーは飛行機代を出して本当に私を招待してくれた。

それ以降も、彼には何度も会う機会に恵まれた。私は毎回彼に質問を投げかけ、彼は常にストレートなアンサーで返してくれた。そのたびに、彼のビジネスセンスとデザインセンスに感化された。彼は世界をデザインしている。ビジネスセンスとデザインセンス、創造力が持続可能な社会を生むと学んだ、とても大切な出会いだった。

次週、「フィリップ・リムとの出会い」につづく……

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しまむら4月度は一昨年比4%増 一度離れた客がコロナ禍で再度定着

 専門店チェーン、セレクトショップの2021年4月度売上高(既存店ベース)は、2019年4月との比較で「20%前後の落ち込み」という声が多く上がった。コロナ禍でほぼ1カ月間休業していた店舗が多かった20年4月との対比では、売り上げが2倍前後という声が目立つ。引き続き、足元商圏に強い業態の堅調が目立った。

 「ファッションセンターしまむら」の売上高は、19年4月との対比で4.3%増。気温上昇に伴い、初夏物・夏物の衣料や肌着が売れた。「一度離れてしまっていたお客さまが、コロナ禍をきっかけに再度リピーターになっているという声が店頭からはあがっている」と広報担当者。「実需に合わせた商品構成など品揃えの改善に長らく取り組んできたことで、(再来店した客の)定着につながっている」と見る。ただし、計測期間が3月21日〜4月20日のため、コロナ禍の状況がより悪化した月末を含む他社に比べると数字がやや上振れしている可能性はある。

 「ユニクロ(UNIQLO)」(4月1〜30日)の売上高は、19年4月に対し「2割弱の落ち込み」(広報担当者)。4都府県で25日以降緊急事態宣言が発令されたこともあり、「お客さまの外出が減り、月後半はなかなか売り上げが伸びなかった。5月以降も都心の人出は少なく、足元商圏で集客できる店に人が集まるといった状況が続いており、地域差が大きい」。

 アダストリア(同)の売上高は19年4月比で20.2%減。「上旬は気温も高くいい滑り出しだったが、中旬以降、コロナ禍の再拡大で客足が鈍った。ただし、緊急事態宣言が出た都内でも営業を続けている路面店や、東京と近接する神奈川の川崎、武蔵小杉、千葉の船橋などの店舗の売り上げは悪くはない、消費ムード自体が大きく減退しているという印象ではない」と広報担当者。

 ユナイテッドアローズ(同)は19年4月に対し27.3%減。「無印良品」(同)は20年4月に対し41.3%増、19年4月比は非公表。

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作曲家の阿部海太郎が奏でる“記憶をなくす”メロディー 音声座談会「蓉子の部屋」Vol.11

 「蓉子の部屋」は、川島蓉子・伊藤忠ファッションシステム取締役/ifs 未来研究所所長が、毎回ゲストを招き“未来”について考える音声番組です。未曾有の状況の中、業界は“未来”について考えなければならない現実に直面しています。そんな中、少しでも業界人に役立つヒントやカケラを音声配信でお届けします。近所のスーパーに行く時や、通勤・通学時に気軽に聞いてください(笑)。

 第11回は、作曲家の阿部海太郎が登場。同氏は楽曲をはじめ、コンサートの企画やアルバム制作など、優れた美的感覚と知性から生まれる音楽表現に多方面から注目が集まっています。これまで森山開次が演出・振付の「星の王子さま ―サン=テグジュペリからの手紙―」やNHK「日曜美術館」テーマ曲、ドラマ「京都人の密かな愉しみ」、映画「ペンギン・ハイウェイ」などを手掛けてきました。音声座談会では、「最初は作曲家を目指していなかった」と話す理由や曲作りの苦悩、そして「メロディーが持つ再現の可能性」について聞きました。また音声内では、手巻きオルゴールの生演奏も流しています。優しい音の群れが心に染み入り、記憶の一部をなくしていくような感覚に陥ります。是非、お聞きください。

川島蓉子:1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステム株式会社取締役。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。日経ビジネスオンラインや読売新聞で連載を持つ。著書に『TSUTAYAの謎』『社長、そのデザインでは売れません!』(日経BP社)、『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞社)、『すいません、ほぼ日の経営。』などがある。1年365日、毎朝、午前3時起床で原稿を書く暮らしを20年来続けている

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小松マテーレ、抗ウイルスマスク好調、純利益31.6%増 21年3月期

 合繊生地大手の小松マテーレの2021年3月期決算は売上高が前期比17.8%減の300億円、営業利益が同12.1%減の14億円、経常利益が同11.0%減の19億円、純利益が同31.6%増の18億円だった。コロナ禍の長期化で主力のテキスタイル事業が大幅な減収減益を強いられたものの、マスクを中心とした製品事業がカバーした。純利益の増加は期中に清算した中国子会社の土地の売却益8億6600万円によるもの。佐々木久衛社長は「コロナ禍を契機に不採算事業の抜本的な見直しとビジネスモデルの再構築に取り組んだ。ネット通販で抗ウイルスのマスクが爆発的に売れて、主力のテキスタイル事業をカバーした」という。

 売上高の約65%を占める衣料ファブリック部門の売上高は同23.6%減の192億円。主力の欧州の高級ブランド向けのテキスタイル販売が、ロックダウンなどにより営業活動が大幅に制限され、同31.5%減と苦戦した。カーシートや湿布剤などの資材ファブリック事業も含めたテキスタイル事業の営業利益は同45.0%減の8億6000万円だった。

 一方で好調だったのがコロナ禍をきっかけにスタートした抗ウイルスマスク販売。ネット通販のスタートにより、売上高は倍増の16億9600万円、営業利益は5億円(前期は1700万円)と大幅に拡大し、テキスタイル事業の減益分をカバーした。

 22年3月期の見通しは、売上高が300億円(前期比6.6%増)、営業利益が14億円(同27.0%増)、経常利益が19億円(同20.0%増)、純利益が18億円(同2.2%増)。中山大輔専務取締役は「渡航ができないなど営業活動は現在も制限されているが、主力の欧州高級ブランドからの受注はコロナ前の水準まで戻りつつある」とし、主力のテキスタイル事業の復調を見込んでいる。

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島精機、赤字幅が178億円に拡大 コロナで生産調整が長期化 21年3月期

 横編機大手の島精機製作所の2021年3月期決算は、純損失が178億円(前期は84億円の損失)と2年連続の赤字となり、赤字幅も拡大した。一昨年から続く暖冬に伴うアパレル市場の低迷に加え、コロナ禍も加わったことで世界規模でのファッション市場の低迷が長期化しており、セーターやスニーカー生産に使用する横編機で高いシェアを持つ同社に大きな影響を与えた。売上高は同26.3%減の244億円で、ピーク時の18年3月期の718億円と比較すると約3分の1にまで落ち込んだ。稼働率の低迷を受け、減損損失として101億円を当別損失として計上した。

 売上高の大半を占める横編機の売上高は同32.0%減の155億円。販売台数は4705台(前期は5117台)で、うち新鋭機「ホールガーメント(WG)」機は764台(同1026台)だった。トルコやバングラデシュなどの落ち込みが激しく、全エリアで低調に推移したものの、「第1四半期(20年4〜6月)がボトムで、徐々に上向いている」(島三博社長)という。

 22年3月期は売上高280億円(前期比14.3%増)、営業損失70億円、経常損失63億円、純損失64億円と、3年連続の赤字の見通し。

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アルノー氏も投資 仏リファービッシュ携帯のマーケットプレイスが日本上陸

 フランスのリファービッシュ(整備済み)中古スマホ販売の大手のバックマーケット(Back Market)が日本での事業を本格的にスタートした。同社は2014年に設立されたスタートアップで、6年で欧州ファービッシュ市場におけるトップ企業に成長している。2018年にはベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)会長兼CEOが個人で投資を行うなど投資家から注目を集めている。

 現在欧米12カ国で事業展開しており3月にアジア初となるバックマーケットジャパンを設立した。リファービッシュとは“整備済み品”を意味し、回収されたスマートフォンやタブレットの中古品を検査・テスト・クリーニング、必要であれば修理を行い販売される。全通信会社で利用可能なSIMフリー端末を新品の30~70%の価格で販売する。バックマーケットは、販売者と消費者をつなぐマーケットプレイスであり、独自の品質基準を設けている。

 上陸にあたり同社は「バックマーケットは“新品がすべて”というテック消費のあり方に疑問を抱いたところから始まった。世界では年間5000万トンの電子廃棄物(e-waste)が出ていると言われている。そんなテック消費に革命を起こすべく生まれたのがバックマーケットだ。われわれのミッションはリファービッシュに価値と信頼をもたらすこと。全商品、最低1年の保証付きでクオリティの高い中古・リファービッシュの電子機器を提供している」と説明している

 ティボ・フグ・ド・ラローズ共同創業者兼CEOは4月末の時点で「日本でローンチをして、1か月が経ち、すでに、フランス及び米国のローンチ時と比べて、過去最高の売り上げを記録しておりよい滑り出しだ。今後、採用活動を強化し、この勢いを保ちながら日本の消費者の需要・期待に応えていきたい。24年までに、日本をバックマーケットにおける売上トップ5の市場にする」と話している。 21年には日本事業に10億円の投資を予定しており、数カ月内に有償保証や買い取りサービスの追加、商品カテゴリーの拡充も行う計画だ。

 環境意識の高まりで特に若い世代では電子廃棄物への関心も高まっている。欧米と比べて新品嗜好が強いと言われる日本市場でリファービッシュが浸透するかが注目される。

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「ルイ・ヴィトン」「シャネル」「ディオール」などが中国で続々と価格改定 46%値上げしたバッグも

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」などのラグジュアリーブランドは、コロナ禍が一足早く落ち着いた中国市場での値上げに踏み切っている。

 例えば、「ルイ・ヴィトン」のエントリーモデルで肩に掛けられる小型バッグ“ポシェット・アクセソワール(Pochette Accessories)”は4200人民元(約6万7200円)から6150人民元(約9万8400円)と46.4%値上げされた。同様に、「シャネル」の“ミニ スクエア クラシック フラップ(Mini Square Classic Flap)”は2万1600人民元(約34万5600円)から2万8500人民元(約45万6000円)と31.9%の値上げとなっている。為替の影響も多少あるかもしれないが、かなり大幅な値上げだといえるだろう。なお、「エルメス(HERMES)」は3〜6%の値上げを実施している。

 こうした価格変動をモニタリングしている中国の人気ファッション・インフルエンサー、ミスターバッグ(Mr. Bags)によれば、ラグジュアリーブランドは全ての商品を一度に値上げするのではなく、特定のバッグやシリーズを値上げした後、しばらく様子を見てから別のバッグなどの価格改定を行っているという。

 値上げの多くは2020年に行われたが、21年にもこうした傾向が続きそうだ。「グッチ(GUCCI)」は3月9日に中国市場で“ネオ ヴィンテージ GGスプリーム(Neo Vintage GG Supreme)”シリーズを15%、“ホースビット 1955(Horsebit 1955)”シリーズを5%程度値上げした。これにより中国では2万500人民元(約32万8000円)となったバッグが、英国では1670ポンド(約25万円)とおよそ8万円近く安く購入できる。

 国内外でこれほど大きな価格差があることは、中国の代理購入業者にとってまたとないビジネスチャンスだろう。中国では19年1月にECを広くカバーする電子商務法(中華人民共和国電子商務法)が施行され、代理購入業者の登録と納税を義務付けているが、こうしたことを加味してもかなりの儲けが出ることは容易に想像できる。一方、中国の消費者が値上げを気にしている様子はあまりない。新価格に改定される前には店舗に行列ができるものの、それ以上の混乱はないようだ。

 20年から21年にかけて価格改定されたブランドバッグの値上がり幅トップ15を以下に紹介する。

1. 「ルイ・ヴィトン」“ポシェット・アクセソワール”
4200人民元(約6万7200円)→ 6150人民元(約9万8400円)、46.4%増

2. 「シャネル」“ミニ スクエア クラシック フラップ”
2万1600人民元(約34万5600円)→ 2万8500人民元(約45万6000円)、31.9%増

3. 「ルイ・ヴィトン」“ポッシュ・トワレ 26(Toiletry Pouch 26)”
3450人民元(約5万5200円)→ 4450人民元(約7万1200円)、28.9%増

4. 「ルイ・ヴィトン」“ミュルティ・ポシェット・アクセソワール(Multi Pochette Accessories)”
1万2500人民元(約20万円)→ 1万6000人民元(約25万6000円)、28.0%増

5. 「プラダ(PRADA)」“リ エディション(Re-Editon)2005”
8700人民元(約13万9200円)→ 1万1000人民元(約17万6000円)、26.4%増

6. 「ディオール」“サドル ミニバッグ(Saddle Mini Bag)”
2万人民元(約32万円)→ 2万5000人民元(約40万円)、25.0%増

7. 「シャネル」“スモール クラシック フラップ(Small Classic Flap)”
3万7600人民元(約60万1600円)→ 4万6800人民元(約74万8800円)、24.5%増

8. 「ディオール」“レディ ディオール ミニ バッグ(Mini Lady Dior)”
2万7000人民元(約43万2000円)→ 3万3000人民元(約52万8000円)、22.2%増

9. 「ディオール」“ブック トート ミニ(Mini Dior Book Tote)”
1万6000人民元(約25万6000円)→ 1万9500人民元(約31万2000円)、21.9%増

10. 「シャネル」“ミディアム クラシック フラップ(Medium Classic Flap)”および“2.55 リイシュー(2.55 Reissue)”
4万2600人民元(約68万1600円)→ 5万1500人民元(約82万4000円)、20.9%増

11. 「ディオール」“30 モンテーニュ(30 Montaigne)”
2万2500人民元(約36万円)→ 2万7000人民元(約43万2000円)、20.0%増

12. 「シャネル」“ラージ クラシック フラップ(Large Classic Flap)”
4万7100人民元(約75万3600円)→ 5万6100人民元(約89万7600円)、19.1%増

13. 「グッチ」“ジャッキー ミニ(Mini Jackie)”
1万4300人民元(約22万8800円)→ 1万6900人民元(約27万400円)、18.2%増

14. 「ディオール」“レディ ディオール ミディアム バッグ(Medium Lady Dior)”
3万4000人民元(約54万4000円)→ 4万人民元(約64万円)、17.6%増

15. 「グッチ」“GGマーモント スーパーミニバッグ(Super Mini GG Marmont)”
6450人民元(約10万3200円)→ 7500人民元(約12万円)、16.3%増

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ヨーロッパで日本発の価値を示し、機能とデザインで評価される「ワコール」の若代祥世 ランジェリー業界の開拓者 vol.7

 新型コロナウイルスの感染拡大は、従来の商品やサービスの在り方に変化をもたらしている。その影響は下着業界にも及んでいるのは言うまでもなく、ライフスタイルが大きく変わるなか、既成概念に縛られない新たな価値観の提供や働き方にも変革が求められている。この連載では、コロナ禍に先んじて新領域の商品やサービスを生み出してきた下着業界の開拓者を紹介する。

 最終回となる第7回に登場するのは、ワコールホールディングスの100%子会社で、主に欧州事業を担うワコール ヨーロッパの若代祥世「ワコール(WACOAL)」ランジェリーディレクターだ。日本と中国でパタンナー・デザイナーの経験を積んだ後、2016年に渡英。日本のワコールの開発力とヨーロッパの市場が求めるデザインの美しさを融合させ、18年にはパリ国際ランジェリー展の「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」をアジア発のブランドとして初めて受賞し、その存在感をヨーロッパで確実なものにした。

――現在の仕事内容を教えてください。

若代祥世「ワコール」ランジェリーディレクター(以下、若代):ワコールヨーロッパが30カ国で展開する「ワコール」ブランドのランジェリーディレクターとして、シーズントレンドの情報収集、デザインや商品構成の立案、フィッティングの確認、コスト管理、全体のスケジュール管理などを行っている。それに加え、日本のワコールで開発された機能や新素材を企画担当に紹介するイノベーションミーティングの運営責任者も兼任している。「ワコール」のデザインチームは4人で、日本人は私だけだ。

――現在のイギリスと仕事環境の状況は?

若代:昨年3月末にロックダウンを経験して以来、規制緩和と引き締めの繰り返しが続いている。リモートワークになって1年になるが、最初のロックダウンでは、多くの同僚が一時帰休(Furlough)になった(*)。デザインチームにそれをどう説明するか、数日眠れなかった。3シーズン分のサンプルと仕事道具を自宅に移動し、出社は2週間に1回程度。材料やサンプルを取りに行く時だけ出社している。21年秋冬コレクションはベテランデザイナーと私の2人で手掛け、リモートワークのコツをつかむことができた。その後、一時帰休から復帰したメンバー2人が加わり、22年春夏コレクションを制作した。

*新型コロナ感染拡大防止のために英国政府が行う企業向け支援策で、休職している間の賃金の8割を政府が補助する(上限あり)。

言葉の壁や文化の違いを超えた“強固なチームワーク”が支えに

――コロナ禍の前と後では、仕事の仕方は変わった?

若代:マネジメントの仕方が大きく変わった。会社に行けず、直接会うことができない中で、私たちを助けたのは“強固なチームワーク”だ。チームワークが必要だと頭では理解していたつもりだったが、本当の意味は理解できず行動できていなかったのがコロナ禍前の私だった。イギリスは新型コロナウイルスの感染者も多いし、テレビでは失業者のニュースが流れ、同僚は自身の生活に不安な思いを抱えていた。そのような状況下で安心して働けるように、本人だけでなくその家族にも気を配るようになり、チーム全体で助け合えるようになったことはもの作りにプラスになっている。“強固なチームワーク”というものを理解し、体で習得することができたことは貴重な経験。チームが一体となる感覚は、日本と欧州の差、言葉の壁、文化の違いを超えたもので、今後も仕事を進める上で大きな助けになるに違いない。

――デザイナーの仕事内容に日本とヨーロッパで違いはあるか?

若代:私が日本のワコールでデザイナーをしていたころは、新機能開発を熱心に行った。シーズンごとに新機能を打ち出したキャンペーン商品を提案していたので、新開発素材の情報収集やワコール人間科学研究所(以下、人科研)との開発ミーティング、キャンペーンプロジェクトの運営と、とにかく新商品の開発に全力を注いでいた。一方、ワコール ヨーロッパでは継続品の新色開発が約7割、新商品の開発が約3割という仕事配分だ。これは、欧州内の多くの国へ広く円滑に販売していく方法と、日本という一つの国で新商品を浸透させていく販売方法の違いだと思う。欧州ではそれぞれの国に主力ブランドがあり、その中で各ブランドの特性を表現する必要がある。優れたフィッティングと継続品の実績がブランドの信頼につながるため、商品の約7割が継続品だ。

――欧州は広くて体型も好みも異なる。その中で同じ商品を売る難しさは?

若代:各国のデザインやフィッティングの好みを理解しつつ、より多くの消費者の期待に応え、「ワコール」らしさを表現すること。それが欧州で「ワコール」の存在感を示すことであり、私の仕事。18年秋冬から継続している“レース パーフェクション”と、19年に発売した“ラフィネ”は、この欧州戦略の成功例だ。

“3D スマート&トライ”を欧州へ

――欧州で日本生まれのワコールが存在感を示すために必要なこととは?

若代:「ワコール」のアイデンティティーを商品で表現すること。“日本文化と欧州文化の融合”を具現化できるのは、欧州の中でも日本生まれの「ワコール」だけ。また、“人間科学とファッションの融合”という弊社の強みは、イノベーションを求める欧州市場から期待されており、仕事をする上でも一番面白いところだ。その期待に応えることで、「ワコール」の存在感を増すことができると確信している。

――それを実現するために、どのような商品開発をしている?

若代:ブランドを象徴するコレクションが、21年秋冬シーズンに3つある。一つが、パリのノートルダム寺院をイメージしてデザインした“ルミエール ドルチェ”。19年の同寺院の火災のニュースを見て動揺したが、復興を願う気持ちはパリや欧州の人々と同じで、その思いを表現した。ほかのコレクションに比べて価格が高く、コロナ禍では厳しいかと思ったが、フランスの小売店からの支持が高く多く受注を受けた。もう一つが、日本の美しさと欧州の感覚を融合したコレクション“桜”だ。日本のレースメーカーと開発し、桜とその澄んだ空気のイメージを、欧州の女性が好む、パッドなしのバルコニーブラなどで表現した。次に「ワコール」が得意とするイノベーション技術を発揮した “グロワール”だ。これは日本でも使用されている日本製のナノファイバーを生地に編み込み、ブラジャーのバックベルトとショーツのヒップ部分に使用することで、脇やヒップ下を適度に抑えてボディーラインを整える。日本のクラフツマンシップが光る商品を提案できたと思う。

――今後の目標と、それを達成するための課題は?

若代:この連載の第1回目に登場した篠塚と人科研のメンバーとともに“3D スマート&トライ”を欧州で展開する準備を進めている。このプロジェクトを達成するにはさまざまな課題があるが、解決の糸口は強固なチームワークによるアイデアの抽出にあると感じている。欧州の消費者に「ワコールの」“人間科学とファッションの融合”と、“デジタルが結ぶ新しい下着体験”を楽しんでもらいたい。

川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身

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田谷が美容室「TAYA」など33店舗を閉鎖、銀座コア店や青山店も

 美容室チェーン「タヤ(TAYA)」など全国に117店舗の美容室を運営する田谷は、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化したことを受け、構造改革プラン「T9」を発表した。その一環として2022年3月期中に5ブランドのサロン「タヤ」「タヤアンドコー(TAYA&CO.)」「シャンプー(SHANPOO)」「ミッシェルデルヴァン(MICHEL DERVYN)」「カペリプント N.Y.(Capelli Punto N.Y.)」の内、経営効率が悪化した33店舗を閉鎖する。すでに5月31日には「タヤ」の銀座コア店や青山店など13店舗の閉鎖が決定している。「T9」ではそのほか、新人事制度の導入やECサイトを含む“ネット関連事業”の本格稼働、組織再編などに取り組み、再成長を目指す。

 田谷の21年3月期決算は、売上高が前期比22.4%減の67億円、営業損益が12億円の赤字(前期は3億円の赤字)、経常損益が12億円の赤字(同4億円の赤字)、純損益は10億円の赤字(同3億円の赤字)だった。今期の業績予想は、新型コロナの影響で適正かつ合理的な算定をすることが困難であるため、現段階では未定とした。

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【家飲み】塚田農場の「家飲み便」。生産者を支援する塚田らしい気遣いがステキだぜ

 外食チェーンの通販サイトが増えている。家飲みでも"ちょっと贅沢"需要を狙い、自社ブランドのメニューを販売するだけではなく、各社とも様々な工夫を凝らしている。なかでも、エー・ピーカンパニーの子会社である塚田農場プラスの通販サイト「おうち塚田農場 家飲み便」は、手間と時間を省いた酒飲みにはうれしいアイテムが揃っている。
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物語コーポレーションが焼肉チェーン日本一を宣言?「かるびとはらみ」で、牛角・焼肉ライクのマーケットを奪取

 株式会社物語コーポレーション(本社:愛知県豊橋市、代表取締役社長:加藤 央之)が、「焼肉きんぐ」に次ぐ第二の柱として、2021年4月26日(月)、埼玉県ふじみ野市に「焼肉 かるびとはらみ(以下、かるびとはらみ)」1号店をオープンさせた。「焼肉きんぐ」は、全国で263店舗を展開(4月現在)、「焼肉きんぐ」と連動して、焼肉チェーン日本一を本気で獲りにきた。
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「アフター・コロナ」と「アフター・チャイナ」への究極の選択 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。コロナ禍で大打撃を受けるファッション業界は、同時にサステナビリティやサプライチェーンの問題にも対応を迫られている。未曽有のピンチにどう臨むべきなのか。

 コロナ禍の2020年は通勤着が激減して購入単価も落ち衣料消費が8掛けに萎縮し、環境省「SUSTAINABLE FASHION」リポートでは「なるべく新たに買わず、リペアして大切に長く使い、リユース・リサイクルして衣料廃棄を減しましょう」(筆者要約)とさらなる萎縮を求められ、直近では3回目の緊急事態宣言に直撃され、新疆綿問題では欧米と中国の板ばさみとなって「人道か商売か」の究極の選択を迫られる四面楚歌のアパレル業界だが、そろそろアフター・コロナ(A.C.)を見極めて事業の抜本的再構築を急ぐときではないか。

サステナブル“革命”の衝撃

 環境省「SUSTAINABLE FASHION」レポートは「これからのファッションを持続可能に」をテーマに、衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を軽減するには何をすべきか、消費者とファッション業界の両方に平易な言葉で提言しているが、業界には極めて厳しい内容だ。

 「ファッションと環境の現状」では、商品企画段階、原材料調達・紡績・染色・裁断・縫製の生産段階、輸送・物流段階、販売・利用・排出段階、回収・リペア・リユース・リサイクル段階と、データをそろえていかに環境負荷が大きいか図で示し、「より安くより多くって、いいこと?」と問いかけ、「ファッションと環境へのアクション」では、消費者として取り組めること、ファッション企業として取り組めることを左右に対比して具体的なアクションを提議している。

 とりわけ消費者に対しては「今持っている服を長く大切に着よう」「リユースでファッションを楽しもう」「先のことを考えて本当に必要な服だけ買おう」「買わないこともサステナブル」と、安易な「衝動買い」や「使い捨て」を戒め、「長く着られる服」を慎重に選んで購入し、シェアやリペア、リユースで一着を長く楽しむ「サステナブルファッション」を推奨している。

 消費者がそんな提案を実行すれば「新品」衣料の購入は激減し、コロナで8掛けに萎縮したアパレル市場はさらに縮んでしまう。「買い替え」と「使い捨て」を否定されてはアパレル業界は拡販する術を失い、事業の縮小を迫られる。加えて安価なリユース(中古衣料)が広がれば割高な「新品」の販売は今以上に圧迫されるから、アパレル業界にとっては「死亡宣告」にも等しい。

 実際、先進国の中古衣料が流れ込んだアフリカやアジアの後進国では現地のアパレル産業が壊滅し、ナイジェリアやベトナムなど中古衣料の輸入を禁止したり制限する国も多くなっている。長年の過剰供給で流通在庫もタンス在庫も膨れ上がった状態からリユースシフトが進めば、「流通在庫十年分、タンス在庫百年分」と揶揄されてリユースが主流となり「新品」市場が8分の1に激減した着物業界の二の舞になりかねない。衣料消費が本当に「サステナブル」になればアパレル業界は壊滅してしまう。

サステナブルMDと時間軸の転換

 サステナブル“革命”がどの程度の勢いで進むのか予測する術はないが、アパレル企業が取るべき対応は明白だ。それは商品とMD(マーチャンダイジング)、商品財務と流通戦略の二軸の転換に他ならない。
まずは「買い替え」と「使い捨て」をあおる「ファスト商品」から長く使える「ランニング商品」や「インベスティメント商品」に商品開発の軸を移し、マーチャンダイジングとサプライの継続性を確立することだ。

 アパレル商品には、ワンシーズン使い捨ての消費財たる「ファスト商品」、数シーズン着回せるタフな多年性消費財たる「ランニング商品」、大切に使えば10年以上も着られる耐久消費財としての「インベスティメント商品」の3種がある。近年は低価格化が進んで使い捨ての「ファスト商品」が広がるにつれ、定番的な「ランニング商品」は割高なNB(ナショナルブランド)から「ユニクロ」など手頃なSPA(製造小売り)商品に代わり、フィットのトレンドが激変する中、値が張る「新品」のブランドもの「インベスティメント商品」が敬遠される一方、ユーズドでは人気アイテムとなっていた。

 トレンドに左右されず耐久性もある定番的「ランニング商品」、それにものづくり神話やブランド価値も加わる「インベスティメント商品」は賞味期間も販売期間も長い。何年も微細な改良を続けて継続販売するから、シーズン末に売れ残っても叩き売る必要がなく、翌シーズンに持ち越して「正価」で販売すれば良い。

 そんな「長く着られる服」「長く売れる服」に軸足を移せば、過剰供給と叩き売りで損なわれた「正価信頼感」や「愛着感」が復活し、マーチャンダイジングが安定して顧客が継続し、サプライヤーとの関係もサステナブルになる。過剰供給と叩き売りのロスとコストが抑制される分、原価率が高まって「お値打ち感」も回復し正価消化率も高まるが、在庫回転と資金回転はガクンとスローになる。

 サステナブルなマーチャンダイジングはスローなマーチャンダイジングと同義であり、ていねいに作って大切に売る分、スローな時間軸での在庫運用と資金マネジメントが問われる。アトリエ生産する欧州の高級ブランドなど年に2回転もしないし、ワインやシャンパンの事業では1回転するのに何年も要する。「インベスティメント商品」はそんな時間軸の中で“熟成”されていくのだ。

 在庫回転がスローな分、資金の余裕と売上金の回収速度が問われるから、拡販より継続を重視し、ランニングコストが低く売上金回収の早いD2C流通に注力するべきで、ランニングコストが高く売上金回収の遅い百貨店や商業施設は回避されるべきだ。

A.C.世界への究極の選択

 A.C.とは「アフター・コロナ」だけでなく「アフター・チャイナ」(中国なき世界)という意味も大きい。A.C.世界を展望するとき、生産でも販売でも中国に依存するかしないかで戦略は180度異なる。

 中国の暴力的覇権と人権抑圧に目をつむっても商売を取るなら、生産地としても市場としても中国の存在を謳歌できるが、欧米市場から締め出されるリスクが生じる。欧米の要求に同調するなら新疆綿どころか中国生産の綿製品すべてを回避するしかなく、そんなことをすれば中国市場から確実に締め出される。

 新疆綿は中国生産綿花の8割以上を占め、その紡績や染色、製品化は中国の各地で行われるから、新疆綿の使用を否定するなら中国生産の綿糸と綿製品の全てを回避するしかなく、中国生産から撤退するに等しい。急速な経済成長でコストが上昇しているとはいえ、長年の取引で品質も安定し、小ロット短サイクル対応も可能な中国生産を捨てられるのかと躊躇しているうちに、世界的な脱中国のサプライチェーン再編に置いていかれるかもしれない。

 日本のアパレル業界にとっては南アジアぐらいしか移転する産地が見出せないが、欧米のアパレル業界には南アジアに加え、南欧・東欧・ロシア、アフリカ・中近東、中南米という選択肢もあり、中国を切り捨てる決断は容易だ。すでに電子部品や医薬品など戦略物資については中国の隔離が始まっており、政治的対立が極まればアパレル生産でも中国を切り捨てる覚悟はできている。中国は成長する魅力的な巨大市場でもあるが、欧米のアパレル事業者はカントリーリスクを見極めて撤退を始めている。

 「商売と政治は別」などと煙幕を張る経営者もいるが、欧米と中国の対立はもはやそんな日和見を容認する段階ではなく、軍事的にも日本が対中国AAJI包囲陣(QUAD=アメリカ、オーストラリア、日本、インドの枠組み)の中枢に組み込まれた以上、双方から「show the flag」と迫られることになる。もはや中国は生産地としても市場としても企業の存亡に関わるカントリーリスクとなったのではないか。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。著書に店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)、12月11日に出版した「アパレルの終焉と再生」(朝日新書)

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「アフター・コロナ」と「アフター・チャイナ」への究極の選択 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。コロナ禍で大打撃を受けるファッション業界は、同時にサステナビリティやサプライチェーンの問題にも対応を迫られている。未曽有のピンチにどう臨むべきなのか。

 コロナ禍の2020年は通勤着が激減して購入単価も落ち衣料消費が8掛けに萎縮し、環境省「SUSTAINABLE FASHION」リポートでは「なるべく新たに買わず、リペアして大切に長く使い、リユース・リサイクルして衣料廃棄を減しましょう」(筆者要約)とさらなる萎縮を求められ、直近では3回目の緊急事態宣言に直撃され、新疆綿問題では欧米と中国の板ばさみとなって「人道か商売か」の究極の選択を迫られる四面楚歌のアパレル業界だが、そろそろアフター・コロナ(A.C.)を見極めて事業の抜本的再構築を急ぐときではないか。

サステナブル“革命”の衝撃

 環境省「SUSTAINABLE FASHION」レポートは「これからのファッションを持続可能に」をテーマに、衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を軽減するには何をすべきか、消費者とファッション業界の両方に平易な言葉で提言しているが、業界には極めて厳しい内容だ。

 「ファッションと環境の現状」では、商品企画段階、原材料調達・紡績・染色・裁断・縫製の生産段階、輸送・物流段階、販売・利用・排出段階、回収・リペア・リユース・リサイクル段階と、データをそろえていかに環境負荷が大きいか図で示し、「より安くより多くって、いいこと?」と問いかけ、「ファッションと環境へのアクション」では、消費者として取り組めること、ファッション企業として取り組めることを左右に対比して具体的なアクションを提議している。

 とりわけ消費者に対しては「今持っている服を長く大切に着よう」「リユースでファッションを楽しもう」「先のことを考えて本当に必要な服だけ買おう」「買わないこともサステナブル」と、安易な「衝動買い」や「使い捨て」を戒め、「長く着られる服」を慎重に選んで購入し、シェアやリペア、リユースで一着を長く楽しむ「サステナブルファッション」を推奨している。

 消費者がそんな提案を実行すれば「新品」衣料の購入は激減し、コロナで8掛けに萎縮したアパレル市場はさらに縮んでしまう。「買い替え」と「使い捨て」を否定されてはアパレル業界は拡販する術を失い、事業の縮小を迫られる。加えて安価なリユース(中古衣料)が広がれば割高な「新品」の販売は今以上に圧迫されるから、アパレル業界にとっては「死亡宣告」にも等しい。

 実際、先進国の中古衣料が流れ込んだアフリカやアジアの後進国では現地のアパレル産業が壊滅し、ナイジェリアやベトナムなど中古衣料の輸入を禁止したり制限する国も多くなっている。長年の過剰供給で流通在庫もタンス在庫も膨れ上がった状態からリユースシフトが進めば、「流通在庫十年分、タンス在庫百年分」と揶揄されてリユースが主流となり「新品」市場が8分の1に激減した着物業界の二の舞になりかねない。衣料消費が本当に「サステナブル」になればアパレル業界は壊滅してしまう。

サステナブルMDと時間軸の転換

 サステナブル“革命”がどの程度の勢いで進むのか予測する術はないが、アパレル企業が取るべき対応は明白だ。それは商品とMD(マーチャンダイジング)、商品財務と流通戦略の二軸の転換に他ならない。
まずは「買い替え」と「使い捨て」をあおる「ファスト商品」から長く使える「ランニング商品」や「インベスティメント商品」に商品開発の軸を移し、マーチャンダイジングとサプライの継続性を確立することだ。

 アパレル商品には、ワンシーズン使い捨ての消費財たる「ファスト商品」、数シーズン着回せるタフな多年性消費財たる「ランニング商品」、大切に使えば10年以上も着られる耐久消費財としての「インベスティメント商品」の3種がある。近年は低価格化が進んで使い捨ての「ファスト商品」が広がるにつれ、定番的な「ランニング商品」は割高なNB(ナショナルブランド)から「ユニクロ」など手頃なSPA(製造小売り)商品に代わり、フィットのトレンドが激変する中、値が張る「新品」のブランドもの「インベスティメント商品」が敬遠される一方、ユーズドでは人気アイテムとなっていた。

 トレンドに左右されず耐久性もある定番的「ランニング商品」、それにものづくり神話やブランド価値も加わる「インベスティメント商品」は賞味期間も販売期間も長い。何年も微細な改良を続けて継続販売するから、シーズン末に売れ残っても叩き売る必要がなく、翌シーズンに持ち越して「正価」で販売すれば良い。

 そんな「長く着られる服」「長く売れる服」に軸足を移せば、過剰供給と叩き売りで損なわれた「正価信頼感」や「愛着感」が復活し、マーチャンダイジングが安定して顧客が継続し、サプライヤーとの関係もサステナブルになる。過剰供給と叩き売りのロスとコストが抑制される分、原価率が高まって「お値打ち感」も回復し正価消化率も高まるが、在庫回転と資金回転はガクンとスローになる。

 サステナブルなマーチャンダイジングはスローなマーチャンダイジングと同義であり、ていねいに作って大切に売る分、スローな時間軸での在庫運用と資金マネジメントが問われる。アトリエ生産する欧州の高級ブランドなど年に2回転もしないし、ワインやシャンパンの事業では1回転するのに何年も要する。「インベスティメント商品」はそんな時間軸の中で“熟成”されていくのだ。

 在庫回転がスローな分、資金の余裕と売上金の回収速度が問われるから、拡販より継続を重視し、ランニングコストが低く売上金回収の早いD2C流通に注力するべきで、ランニングコストが高く売上金回収の遅い百貨店や商業施設は回避されるべきだ。

A.C.世界への究極の選択

 A.C.とは「アフター・コロナ」だけでなく「アフター・チャイナ」(中国なき世界)という意味も大きい。A.C.世界を展望するとき、生産でも販売でも中国に依存するかしないかで戦略は180度異なる。

 中国の暴力的覇権と人権抑圧に目をつむっても商売を取るなら、生産地としても市場としても中国の存在を謳歌できるが、欧米市場から締め出されるリスクが生じる。欧米の要求に同調するなら新疆綿どころか中国生産の綿製品すべてを回避するしかなく、そんなことをすれば中国市場から確実に締め出される。

 新疆綿は中国生産綿花の8割以上を占め、その紡績や染色、製品化は中国の各地で行われるから、新疆綿の使用を否定するなら中国生産の綿糸と綿製品の全てを回避するしかなく、中国生産から撤退するに等しい。急速な経済成長でコストが上昇しているとはいえ、長年の取引で品質も安定し、小ロット短サイクル対応も可能な中国生産を捨てられるのかと躊躇しているうちに、世界的な脱中国のサプライチェーン再編に置いていかれるかもしれない。

 日本のアパレル業界にとっては南アジアぐらいしか移転する産地が見出せないが、欧米のアパレル業界には南アジアに加え、南欧・東欧・ロシア、アフリカ・中近東、中南米という選択肢もあり、中国を切り捨てる決断は容易だ。すでに電子部品や医薬品など戦略物資については中国の隔離が始まっており、政治的対立が極まればアパレル生産でも中国を切り捨てる覚悟はできている。中国は成長する魅力的な巨大市場でもあるが、欧米のアパレル事業者はカントリーリスクを見極めて撤退を始めている。

 「商売と政治は別」などと煙幕を張る経営者もいるが、欧米と中国の対立はもはやそんな日和見を容認する段階ではなく、軍事的にも日本が対中国AAJI包囲陣(QUAD=アメリカ、オーストラリア、日本、インドの枠組み)の中枢に組み込まれた以上、双方から「show the flag」と迫られることになる。もはや中国は生産地としても市場としても企業の存亡に関わるカントリーリスクとなったのではないか。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。著書に店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)、12月11日に出版した「アパレルの終焉と再生」(朝日新書)

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すかいらーく、「ジョナサン」を見限り「新型ファミレス」に注力。キーワードは「小さな非日常体験」と「客単価1500円」

 すかいらーくグループがブランドの再構築を急いでいる。低迷する「ジョナサン」を中心に総合ファミレス業態がコロナ禍で苦戦しているからだ。新戦力は、上質喫茶の「むさしの森珈琲」とハワイアンの「ラ・オハナ」。共通するのは「小さな非日常体験」だ。
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百貨店4月度は19年比2〜3割減 店舗休業も富裕層へのアプローチに活路

 主要百貨店5社の2021年4月度業績は、19年4月と比較して、おしなべて2〜3割減だった。20年4月との比較では2〜7倍の水準。これは「緊急事態宣言」の発出(20年4月8日〜)で全国的な店舗休業となった反動。

 19年4月と比較した売上高は、三越伊勢丹が約30%減、高島屋が27.4%減、大丸松坂屋百貨店が34%減、そごう・西武が約20%減、阪急阪神百貨店が36%減だった。インバウンドの穴に加え、売り上げボリュームの多くを占める衣料品が各社とも半減程度と足を引っ張った。「暖かい気候になっても、自粛ムードでおしゃれをして外出するというモチベーションが感じられない」(高島屋広報)「『ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)』といった部屋着などを除けば全体的に低調」(大丸松坂屋百貨店広報)。

 25日以降は緊急事態宣言の発令で、4都府県の店舗が休業。三越伊勢丹は25日以降、伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店の売上高が19年4月比で約6割減。「営業フロア(食品、化粧品)に加えてリモートショッピングの押し上げもあり、なんとか踏みとどまっている状況」(三越伊勢丹広報)。

 これまで旺盛な消費が見られた国内富裕層には、デジタル施策でアプローチする。大丸松坂屋百貨店は4〜5月にリアル店舗での実施を計画していた外商顧客向け催事を、ビデオ通話形式に切り替えて行った。「(ライブショッピングでは)アートやラグジュアリーがよく売れた。どれだけたくさん売るかではなく、一点単価が高い商品で勝負できるという感覚も芽生えている」(大丸松坂屋広報)。高島屋は20年秋に自社ECにラグジュアリーカテゴリーを新設。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)「ロエベ(LOEVE)」など9ブランドの商品を取り扱っている。

 5月6日、菅義偉首相が「緊急事態宣言」発令地域での5月末までの効力延長を表明したが、各社の受け止めはさまざま。高島屋は「(延長されれば)仕方がない、やむを得ない」との受け止め。一方、「昨年の店舗休業から1年が経ち、徐々にではあるがライブショッピングのノウハウが溜まってきていた。(リアル店の休業で)失った売り上げを全てすくい取れるわけではないが、知恵を使おうという前向きなムードが出てきた」(大丸松坂屋百貨店広報)「インフルエンサーを起用した化粧品のライブコマースなど、今できること、今あるリソースで戦う」(そごう・西武広報)といった前向きな声も上がる。

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アダストリア「レプシィム」初のコスメライン“センアム”誕生 天然繊維に着目した成分配合

 アダストリアのファッションブランド「レプシィム(LEPSIM)」は5月5日、天然繊維に着目したコスメライン「センアム(SEN AMU)」を立ち上げた。デビュー製品は、リップ、マルチカラー、ネイルポリッシュ、化粧下地、フェイスパウダー、クレンジング、トリートメントマスクの7アイテムをラインアップし、価格帯は税込550~1980円。全国の「レプシィム」店舗と公式ECサイト「ドットエスティ(.st)」で販売する。

 「レプシィム」は40代以上の女性をコアターゲットとし、「ファッションを通じて大人の女性を笑顔にする」をコンセプトに清潔感のあるシンプルなアイテムを中心に展開する。今回、「洋服だけでなく大人の女性の日常に寄り添いながら彼女たちの『笑顔になる瞬間』をより多く作りたい」という思いから、初のオリジナルコスメライン「センアム」を立ち上げた。

 「センアム」は天然繊維にこだわり、シルクや麻、藍、羊毛などの天然繊維由来の保湿成分を配合したアイテムをそろえる。6月下旬にはハンドクリーム、今秋には化粧水や美容液などのスキンケア製品を発売する予定だ。

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ワールド最終赤字171億円 21年3月期、2度の構造改革で

 ワールドの2021年3月期連結業績(国際会計基準)は、純損益が171億円の赤字(前期は80億円の黒字)になった。最終赤字としては過去最大になる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗の臨時休業やその後の消費低迷を受けて、昨年8月と今年2月に公表した2度の構造改革によって巨額の特別損失を計上した。

 売上高に相当する売上収益は前期比23.7%減の1803億円。EC(ネット通販)売上高は同15.4%増、売上高に占めるEC化率は7.7ポイント増の21.8%に上昇したものの、リアル店舗の既存店売上高の31.9%減のダメージが大きかった。本業のもうけを示すコア営業損益は64億円の赤字(前期は135億円の黒字)だったが、下期(9〜3月)は黒字を確保した。計12ブランドの事業終了もあって、期末店舗数は純減309の2194店舗になった。希望退職の実施によって434人が退職した。

 22年3月期の業績予想は、売上収益で前期比8.9%増の1964億円、コア営業利益で63億円、純利益で35億円を見込む。

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NBAスター選手が“プレステ5”と異色コラボ PSロゴや“○×△□”がバッシュデザインに

 「ナイキ(NIKE)」は、NBAのロサンゼルス・クリッパーズに所属するポール・ジョージ(Paul Gerge)選手と、ソニーの人気ゲーム機器“プレイステーション5(以下、プレステ5)”とのコラボレーションシューズ“PG 5 PS EP”を5月14日に発売する。価格は1万4300円(税込)で、ナイキのECアプリ「NIKE SNKRS」と一部店舗で扱う。

 白と青を基調とする“プレイステ5”のカラーリングで既存モデル“PG 5”をアレンジ。右足のシュータンには“プレステ”のロゴを配し、ヒールなど一部のパーツにはコントローラーに着想した“○×△□”の図形をエンボス加工している。伸縮性のあるメッシュアッパーや、アッパーに直接縫い付けられた“ナイキ エア”、高いグリップ力など同モデルの機能性も継続する。

 「長年にわたって“プレステ”の大ファン」というジョージ選手は、「コラボシューズはこれまでのシグネチャーの中でもお気に入り。(プレステへの)情熱を共有してくれるコミュニティーにとても感謝している」とコメントする。

 ジョージは1990年アメリカ合衆国生まれ。大学2年の終わりにNBAへのアーリーエントリー(大学卒業を待たずドラフトに参加すること)を行い、1巡目10位でインディアナ・ペイサーズから指名されNBA入りを果たす。当初の注目度は高くなかったが入団後に急成長を遂げ、リーグ屈指のオールラウンダーとして活躍。2017〜19年にオクラホマシティ・サンダーでプレーし、19年から現チームに所属する。

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「ステラ マッカートニー」「シャネル」「アディダス」も続々導入 ビーガン素材のレザーってどんなもの?

 動物の権利や環境問題への関心の高まりに合わせて、動物に由来する成分を使用しないビーガン素材の人工レザーが増えている。

 一般的にビーガンとは動物性のものや、動物に害のある生産過程を経たものを可能な限り搾取せずに暮らすライフスタイルを指す。肉から魚、卵、乳製品、はちみつまで、動物由来のものを一切口にしないことに加えて、食だけに限定するのではなく、身の回りの製品から動物由来のものをできるだけ避ける考えとして浸透している。そんな考えをもとにしたビーガンレザーは、パイナップルの葉やサボテン、キノコなどを使用する。

 中には動物由来の成分への代わりとして、石油に由来する合成繊維が使用されるケースも多い。これらは生分解(微生物の働きによって無機物まで分解されること)もできないので環境問題へのアプローチとして疑問視されることもある。植物由来のビーガンレザーはその点、動物に害を及ぼさないだけでなく、プラスチックの使用量も抑えられる。これら次世代の皮革は、より人道的で、資源を大量消費せず、環境汚染に加担しない新たな素材として急成長している。

 アメリカに住む成人を対象としたマテリアル・イノベーション・イニシアチブ(Material Innovation Initiative)とノースマウンテン・コンサルティンググループ(North Mountain Consulting Group)による調査では、回答者の55%が動物性レザーより“ビーガンレザー”を好むと述べ、興味のある事柄には動物福祉(アニマルウェルフェア)やサステナビリティをあげた。動物性のレザーを好む人の80%も植物ベースの代替品を購入することに抵抗はなく、25%は前向きと答えている。

より良い植物由来のレザー開発に励む企業の取り組み

 21年2月には、100%植物由来の“プラントレザー”の開発に成功した注目のスタートアップ企業ナチュラル・ファイバー・ウェールディング(NATURAL FIBER WELDING、以下NFW)とサンフランシスコ発のスニーカーブランド「オールバーズ(ALLBIRDS)」が提携を結んだ。同ブランドはサステナブルなレザー開発のために、NFWが持つ技術「Mirumテクノロジー」に200万ドル(約2億1000万円)を投資すると発表した。「Mirum」はコルクパウダーやもみ殻、ココナッツの繊維など、植物ベースの廃棄物を活用する新素材だ。見た目や手触り感にこだわり、さまざまなアレンジが可能だという。

 ほかにもサンフランシスコのスタートアップ企業ボルトスレッズ(BOLT THREADS)は、キノコの菌から作った人工レザー「マイロ(MYLO)」を開発。牛皮では数年かかる皮の成長が、「マイロ」は2週間で完成する。生産時の温室効果ガスや、工程にかかる水とエネルギーを削減した。同社は実際の商品開発に向けて、「アディダス(ADIDAS)」やケリング(KERING)、「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」、ルルレモン(LULULEMON)とパートナーシップを結んでいる。

 スー・レビン(Sue Levin)=ボルトスレッズ チーフマーケティング・オフィサーは、「牛皮は食肉産業の副産物であり、本来なら廃棄するものを使っているという見方もあるが、ファッション業界の抱える問題の一つであることは間違いない。工業的な畜産は倫理及び環境的観点から衰退傾向にある。明らかに大きな変革の流れが起こっている」と述べた。牛皮メーカーはよりクリーンな生産環境に改善を試みているが、依然として有害ななめし工程や動物虐待の可能性、労働者の健康と安全への懸念があり、アマゾンの森林破壊に影響を与えていると指摘する。

 「ブランドが植物由来のレザーを長期的に定着させるためにできることは、毎年一定量の材料の買い付けを約束することだ」と、英国ロンドン発のアナナス・アナム(ANANAS ANAM)、メラニー・ブロワイエ・エンゲルケ(Melanie Broye-Engelkes)最高経営責任者(CEO)。買い付けを確約することで、材料メーカーはより正確に需要を把握でき、コストの削減につながる“好循環”を生むと説明する。アナナス・アナムは環境負荷が極めて低い天然由来素材“ピニャテックス(Pinatex)”の開発で脚光を浴び、以来「H&M」「ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)」「シャネル(CHANEL)」といったブランドが同素材を採用している。

 価格設定は、材料や調達を語る上で重要だ。牛皮とは異なり、“ピニャテックス”や他のビーガンレザーは単一のシートで販売されている。従来のレザーに多い穴や断片的な部分が少ないので廃棄物が削減でき、その結果コストの削減につながるという。エンゲルケCEOは「安価な合成レザーのポリウレタンやポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride、PVC)と価格で競うことは難しい。しかしこれらビニール製の素材は、環境負担を考慮していないということに注意を払うべきだ。これらの材料はエンドユーザーやブランド、もしくは気候変動に対して規制を実施できる立場にある政府などの意識の変化に伴い段階的に衰退していくだろうから、われわれの使命は価格帯で争うことではない。より少なく、より賢い消費を訴えている」と語った。

“本当”のビーガンレザーの定着に向けて

 一方でアシュリー・ホールディング(Ashley Holding)循環イノベーション・コンサルタントは、“ビーガン”素材の多くは宣伝されるほどクリーンではなく、石油化学製品の使用量も高いのではないかと考えている。例えばブランドは特定の素材の使用をプロモートしても、実際の製品にはごく一部しか使用されていないケースや、強度と耐久性のために植物由来の成分をプラスチックポリマーと結合する場合もあると言う。これらはプラスチックとしてリサイクルも、自然成分として堆肥化もできないという最悪のケースで、“フランケンシュタイン”な物質になってしまっている。

 「“本当”の植物由来のレザーを見分けるには、成分を細かく調べることが大切だ。素材の一部か全体が生分解性かどうかで環境への影響は大きく変わる。一般的に、皮をなめす際に動物のレザーほど化学物質を使った処理はしないが、植物由来のレザーでもさまざまな結合剤や添加剤を使うことがあるため、注意が必要だ」という。柔らかさで評判の高い人工レザーの「マイロ」は、それでも仕上げにある程度の石油化学製品を使用しているため、ドイツのDIN-ゲプリューフト(DIN-Gepruft)規格に基づいて60〜85%がバイオベースと認定されている。

 完全に植物ベースでありながら、製品のクオリティーを維持することは非常に難しい。レビン=ボルトスレッズ チーフマーケティング・オフィサーは、「100%がバイオベースになることが目標であるべきだと信じている。しかしこれらの素材がどれほど進化できるかは、新素材を取り入れるブランドや消費者の数による。消費者の多くは、サステナビリティのために品質に妥協しないこともわかっている。柔らかさや耐久性、しなやかさでブランドや消費者が満足するバイオベースのレザーはまだ出会ったことがない。しかし努力は続けていく」と言う。

 アナナス・アナムは、欧州連合(EU)による化学物質を管理する規則「リーチ(REACH)」に準拠した水性ポリウレタンコーティングを使用しており、“ピニャテックス“の成分の10%を占める。同社は21年、ポリウレタンの使用量を半分にするバイオベースの樹脂の使用を開始。これにより、製品の95%がバイオベースになる。エンゲルケCEOは「今後100%植物由来となる見通しはついている。近いうちに、より正しい“レシピ”で作られた製品が出るだろう」と述べた。

 素材の成分の表記や宣伝方法は時に混乱を招くケースも多いが、それでも動物性のものの代わりとして発展するビーガン素材への関心は高まり続けている。レビン=ボルトスレッズ チーフマーケティング・オフィサーは、生物学に目を向けて政府を巻き込んだ規模の施策などが必要となると言う。NFWのルーク・ハヴェラール(Luke Haverhals)創業者兼CEOも「技術的な解決策を講じるには、まず問題を定義・認識することが大事」とし、業界全体でバイオテクノロジーの分野の透明性と、誇張表現を注視すべきだと語った。

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スモールビジネスで奈良を元気に 中川政七商店がけん引するプロジェクト ウィズコロナで進化する幸せ産業

 奈良が好きだ。平城京にしても、東大寺にしても、春日神社にしても、規格外のどーんとしたサイズ感やおおらかさはほかの地にはない。ふと歩くと古墳にあたり、そんな悠久の歴史も、そこにただ存るもの、と捉えている包容力が奈良にはある。古都・奈良は、洗練されたカフェやグルマンが通うレストランが多い街でもある。モノづくりを極めるような工房や店舗も点在し、若草山のキッシュ専門カフェ「レ・カーセ(LE CASE)」や、紙帳織りのブックカバーなどで知られる奈良蚊帳専門店「ならっぷ」は、私のお気に入りだ。道を極めるスペシャリストを尊ぶ土壌がこの地にはあるように感じる。

体感して学べる商業施設「鹿猿狐ビルヂング」 注目は「ジリン」

 奈良晒(さらし)の問屋から始まり、300年以上の歴史を紡いできた中川政七商店が、4月14日にオープンした奈良の拠点「鹿猿狐ビルヂング」には心をつかまれた。中川政七商店の奈良本店、歴史を辿る展示、機織りや茶道の体験など、体感し、学べる商業施設だ。「猿田彦珈琲」やミシュランのスターシェフによるすき焼き店「きつね(きは七が三つの文字)」など、魅力的な飲食店も出店している。注目は、中川政七商店が運営する3階のコワーキングスペース「ジリン(JIRIN)」だ。

 工芸をベースにしたモノづくりに取り組み、全国のつくり手と協業してきた中川政七商店。工芸メーカーの経営コンサルティングや合同展示会の開催など、あらゆる方面から工芸の活性化に携わってきた。「ジリン」では、これまで 同社が積み重ねてきた事業のノウハウを提供する場となる。

 設計を手掛けたのは、建築家・内藤廣氏。古い街並みになじむ空間は、窓際の席につくと近隣の瓦屋根が連なる先に興福寺の五重の塔が望めて心地いい。壁一面にはBACH幅允孝氏がセレクトしたライブラリーも設置。奈良の工芸文化に関する書籍や、経営に関する実用書などが並び、発想のヒントになりそうだ。

 月額会員だけでなく、ドロップインでの利用も歓迎している。Wi-Fi・電源はもちろん、シュレッダー、ミニキッチン、コピーやスキャナーなどの複合機などもあり、有料でミーティングルームを使用することも可能。登記や郵便も受け付けている。

 会員の月定額は、税込1万1000円から1万6500円。法人会員でも2万2000円だ。ドロップインにいたっては3時間1100円、1日でも1650円と非常にリーズナブル。学生割引も設定している。この価格設定からも、「ジリン」は営利目的ではなく、奈良のまちづくりを担う「エヌパーク プロジェクト(N.PARK PROJECT)」の拠点として機能していることがうかがえる。

奈良のまちづくりを担う「エヌパーク プロジェクト」 ヘップサンダル、カレーなどのスモールビジネスも誕生

 「エヌパーク プロジェクト」の掲げるビジョンは、「スモールビジネスで奈良を元気にする!」。開店時のサポートやコンサルティング、セミナーやワークショップなどの学ぶ機会を提供するなど、10人未満の小規模事業の立ち上げから、発展するための必要な要素を学び、実践するまでを総合的にサポートしている。

 「ジリン」では、中川政七商店による経営講座も開催され、その受講をきっかけにしてデビューしたスモールビジネスもある。川東履物商店が2020年に立ち上げたヘップサンダル「ヘップ(HEP)」は、講座がきっかけでデビューしたブランドだ。現在では、全国セレクトショップで販売し、「ズッカ(ZUCCA)」とコラボレーションも行うなど、地場産業のPVCサンダルをファッションアイテムに進化させた。また果実園によるフルーツブランド&カフェ「堀内果実園」は、中川政七商店のコンサルティングを経て、今では全国的に人気のブランドに成長している。

 奈良出身の店主が2020年にオープンした「菩薩咖喱」もその一例だ。もともとイベント出店や間借りでカレーを販売していたが「エヌパーク プロジェクト」による支援で事業計画書の作成や管理会計を学び、広報のサポートを受け、実店舗開業に踏み切った。「奈良をカレーの総本山にする!」がコンセプトだ。感覚ではなく、計画して進めることで、3年で目指した売上目標を2カ月で達成した。2号店、3号店の出店も視野に入れているという。

 奈良では、今、魅力的なスモールビジネスが次々と誕生している。「これらをより加速させ、奈良を魅力ある都市に導くことは、日本の工芸を元気にすることにつながる」と中川政七商店は信じている。 

 次回、関西出張があるときは、奈良まで足を延ばし、「ジリン」で仕事をしたい。心地のいいコワーキングスペースは多々あるが、わざわざそのために回り道をしたいと思う場所は初めてだ。何かが起こりそうなエネルギーを感じ、刺激を受け、ふわっと包まれるように身をゆだねたい。

 作業に疲れたら中川政七商店 奈良本店内のライブラリーでまったりするもよし、茶論で一服するもよし、ちょっと菩薩咖喱まで足を延ばしてスパイスチャージをしてもいい。仕事が終わったら猿田彦珈琲で乾杯しよう。
すでに「エヌパーク プロジェクト」の狙い通り、奈良のまちを元気にする歯車の一環になっているのかも……!? でもそんな巻き込まれ方なら大歓迎だ。朝から晩までこのエリアでゆったり過ごすことが、まちの経済を動かし、スモールビジネスの成功がまちの活性源となるのだ。

間庭典子(まにわ・のりこ)/フリーライター:婦人画報社(現ハースト婦人画報社)を退社後、ニューヨークへ渡る。現在は東京を拠点に各メディアに旅、グルメ、インテリア、ウエルネスなど幅広いテーマで執筆。著書に「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」「走れば人生見えてくる」(共に講談社)など

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気候危機への平和的な訴えに600人が“共鳴” デプトのエリと小野りりあんがハンガーストライキに挑んだ理由

 デプトカンパニー代表のエリ(eri)とモデルで気候アクティビストの小野りりあんはこのほど、気候危機への対応を求める「ピースフル クライメイト ストライキ(Peaceful Climate Strike以下、PCS)」をオンラインで実施した。

「PCS」は日本政府に対して、温室効果ガス削減目標(NDC)を60%以上に引き上げることや、脱原発・脱炭素社会に向けた対策を求める活動だ。4月17日からの1週間、著名人やアーティスト、専門家を招いた気候危機に関するトークショーや音楽ライブなどのコンテンツをオンラインで発信し、20日からの4日間は水と塩のみを口にするハンガーストライキに挑んだ。最終日には約600人が彼女たちに“共鳴”し、24時間のハンガーストライキを実施した。大きなムーブメントを起こした2人に「PCS」にかけた思いを聞いた。

WWD:「PCS」を終えて約1週間が経ちました。体調は?

エリ:ハンスト中は吐き気や筋肉痛などの低血糖の症状が出ましたが、精神的には元気でした。現在体調は問題ないですが、食欲がまだ戻っていません。

小野:私はだいぶ回復しています。ハンスト中は本当に辛くて、体力的にもギリギリの状態でしたが、とても良い時間でした。

WWD:前回りりあんさんを取材したのは2年前、飛行機を使わずに世界の活動家に会う旅をしていた時でした。帰国後はアクティビストとしての注目度がかなり高まった印象です。

小野:2020年の2月に帰国してからはとにかく目の前のことに精一杯でしたが、これまでの活動の積み重ねでエリと「PCS」を実行できました。やっと今、大きな変化を生み出せている実感があります。

2人の女性が平和的に強く訴えることに意味がある

WWD:そもそも2人の出会いは?

エリ:りりあんとは15年程ほど前に一緒に仕事をしたことがありました。私もIPCC(気候変動変動に関する政府間パネル)の「1.5℃特別報告書」を読んだことがきっかけで声を挙げる活動に取り組むようになり、彼女のアクションに賛同したり、参加したりするようになって再会したんです。

WWD:2人はこれまでもSNSやイベントなどさまざまな発信を積極的に続けていました。今回なぜ、体に負担がかかるハンガーストライキを選択したのですか?

小野:NGO団体の350.orgが気候変動解決に向けた運動をまとめた「クライメート・レジスタンス・ハンドブック」を参考にしました。そこには社会を動かすためには、ハッシュタグや署名などと同時に、みんなが真似できないような切実さが伝わるものも実践することでパワーが大きくなると書かれていました。これまで気候ムーブメントの中でハンガーストライキを実践した人はいませんでしたが、日本が意思決定をする大事なタイミングの今だからこそ挑戦する価値があると思ったんです。

エリ:気候危機の問題は本当に時間がありません。現実と社会が取り組むスピードの遅さに、今の発信だけでは足りない、ほかに何ができるだろうかと悩んでいました。そんな時にりりあんからの誘いがあり、挑戦したいと思えました。ハンガーストライキは男性が実践する印象があるので、女性2人が平和的に、かつ強く抗議することにも意味があるんです。

WWD:どんな反響がありましたか?

エリ:企画してから約3週間で、40人近いサポートメンバーがボランティアで集まってくれたことに驚き、これこそ市民運動だと感じました。最終日には24時間限定の「共鳴のハンガーストライキ」を実施し、約600人が参加してくれました。これだけの人々が苦痛を伴うアクションに参加し、共に意思を表明してくれたことは大きな収穫でした。前半は、水原希子さんや二階堂ふみさん、コムアイさんらに出演してもらい、普段リーチできないような多くの人にこの問題を知ってもらうことができました。

WWD:出演者もコンテンツも、従来の気候ムーブメントとは違ったクリエイティビティーを感じました。

エリ:私たちはそれぞれアプローチの仕方が違うので、今回はそれがパズルのようにうまくマッチしたと思います。ファッションがベースの私のスキルを使って、従来の気候アクションとは違う見せ方をする手伝いができました。今後も変化を加速させるためには、さまざまなアクションが同時多発的に起こることが理想です。

小野:私はこれまで活動家の子たちと一緒に動いてきましたが、コロナで一体感がなくなってしまったと感じていました。でも今回をきっかけに再び点と点が強くつながれたのではないでしょうか。自宅で24時間行うハンガーストライキというアプローチによって、気候危機に対して強い思いを持つ多くの人たちを巻き込むことができました。本来は国会の前で実施して、大きな渦を起こすことが理想でしたが、期間中は毎日たくさんのリポストやハッシュタグの投稿があり、人々のつながりを可視化できたことはオンラインならではのメリットでした。

WWD:一方で、日本政府は22日の気候サミットでNDCを2030年比で46%減とし、「PCS」が目指していた60%以上の引き上げには至りませんでした。

小野:若い子たちが命がけで戦ってきて、たくさん泣いているのも見てきました。私自身この子たちの未来を守るのに不十分だったなと悔しい思いでいっぱいでした。一方で、今回の「PCS」を通して多くの人が声を挙げるスタートラインに立ってくれました。NDCは何度でも再提出できるので、ここからだという気持ちです。

エリ:気候危機を語るには科学的根拠が大切です。私たちは国際環境シンクタンクNGO「クライメート・アクション・トラッカー」のデータに基づいて、「産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑えるためにはNDCを60%以上に引き上げることが必要」と訴えてきました。46%減は、国民の生活を守れる数値だとは到底思えない。もちろん決定権のある層に訴えることは大切ですが、小泉環境大臣と話をしたときに「国民からのプレッシャーが足りない」という意見も聞きました。国民がNDCを理解し、話題にしていくこと、未来を作っていく意思をちゃんと持つことが今後の課題です。

ファッション業界に求められる変化 何を作るかではなく、どう作るか

WWD:「PCS」が18日にユーチューブで配信していた「ファッションと気候変動」の回は衝撃でした。世界の温室効果ガス排出量に占めるファッション業界からの排出は、飛行機や船などの移動手動の排出量よりも多く、30年までに30%増えるという推計などの数値に驚きました。

小野:ぜひ業界の人に見てほしい。そして知るプロセスを、仲間と一緒に共有してほしいです。誰かと一緒に知ることで対話が生まれ、アイデアが実現できると思うから。

エリ:人間は創造することを許された動物で、創造をやめるべきではありません。ただ、ゼロからイチを生み出すだけがモノ作りではなく、既存の物を新しく生まれ変わらせたり、循環させることもモノ作りなのです。今まではどんなものにニーズがあるのか、どうしたら安くたくさん売れるのかといった目標のためにプロセスを構築していました。しかしこれからは、何を作るかではなく、どう作るかを先に考えることが大切です。むしろそうではないともうファッションは成り立ちません。ファッションに携わる人たちは、環境問題に興味があるないに関わらず、きちんと学ぶことが必須です。

WWD:「PCS」で起こったムーブメントを次にどうつなげますか?

エリ:6月には主要7カ国首脳会議(G7サミット)、11月には「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議」(COP26)が予定されています。都度「PCS」のみんなでアクションを起こしていくつもりです。

小野:今回一歩踏み出してくれた人たちとさらに学なびを深める場を設けるなど、このパワーを継続させるための方法を考えています。政府の人たちとの意見交換会や海外の活動家らとの協働方法も模索していきたいです。

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気候危機への平和的な訴えに600人が“共鳴” デプトのエリと小野りりあんがハンガーストライキに挑んだ理由

 デプトカンパニー代表のエリ(eri)とモデルで気候アクティビストの小野りりあんはこのほど、気候危機への対応を求める「ピースフル クライメイト ストライキ(Peaceful Climate Strike以下、PCS)」をオンラインで実施した。

「PCS」は日本政府に対して、温室効果ガス削減目標(NDC)を60%以上に引き上げることや、脱原発・脱炭素社会に向けた対策を求める活動だ。4月17日からの1週間、著名人やアーティスト、専門家を招いた気候危機に関するトークショーや音楽ライブなどのコンテンツをオンラインで発信し、20日からの4日間は水と塩のみを口にするハンガーストライキに挑んだ。最終日には約600人が彼女たちに“共鳴”し、24時間のハンガーストライキを実施した。大きなムーブメントを起こした2人に「PCS」にかけた思いを聞いた。

WWD:「PCS」を終えて約1週間が経ちました。体調は?

エリ:ハンスト中は吐き気や筋肉痛などの低血糖の症状が出ましたが、精神的には元気でした。現在体調は問題ないですが、食欲がまだ戻っていません。

小野:私はだいぶ回復しています。ハンスト中は本当に辛くて、体力的にもギリギリの状態でしたが、とても良い時間でした。

WWD:前回りりあんさんを取材したのは2年前、飛行機を使わずに世界の活動家に会う旅をしていた時でした。帰国後はアクティビストとしての注目度がかなり高まった印象です。

小野:2020年の2月に帰国してからはとにかく目の前のことに精一杯でしたが、これまでの活動の積み重ねでエリと「PCS」を実行できました。やっと今、大きな変化を生み出せている実感があります。

2人の女性が平和的に強く訴えることに意味がある

WWD:そもそも2人の出会いは?

エリ:りりあんとは15年程ほど前に一緒に仕事をしたことがありました。私もIPCC(気候変動変動に関する政府間パネル)の「1.5℃特別報告書」を読んだことがきっかけで声を挙げる活動に取り組むようになり、彼女のアクションに賛同したり、参加したりするようになって再会したんです。

WWD:2人はこれまでもSNSやイベントなどさまざまな発信を積極的に続けていました。今回なぜ、体に負担がかかるハンガーストライキを選択したのですか?

小野:NGO団体の350.orgが気候変動解決に向けた運動をまとめた「クライメート・レジスタンス・ハンドブック」を参考にしました。そこには社会を動かすためには、ハッシュタグや署名などと同時に、みんなが真似できないような切実さが伝わるものも実践することでパワーが大きくなると書かれていました。これまで気候ムーブメントの中でハンガーストライキを実践した人はいませんでしたが、日本が意思決定をする大事なタイミングの今だからこそ挑戦する価値があると思ったんです。

エリ:気候危機の問題は本当に時間がありません。現実と社会が取り組むスピードの遅さに、今の発信だけでは足りない、ほかに何ができるだろうかと悩んでいました。そんな時にりりあんからの誘いがあり、挑戦したいと思えました。ハンガーストライキは男性が実践する印象があるので、女性2人が平和的に、かつ強く抗議することにも意味があるんです。

WWD:どんな反響がありましたか?

エリ:企画してから約3週間で、40人近いサポートメンバーがボランティアで集まってくれたことに驚き、これこそ市民運動だと感じました。最終日には24時間限定の「共鳴のハンガーストライキ」を実施し、約600人が参加してくれました。これだけの人々が苦痛を伴うアクションに参加し、共に意思を表明してくれたことは大きな収穫でした。前半は、水原希子さんや二階堂ふみさん、コムアイさんらに出演してもらい、普段リーチできないような多くの人にこの問題を知ってもらうことができました。

WWD:出演者もコンテンツも、従来の気候ムーブメントとは違ったクリエイティビティーを感じました。

エリ:私たちはそれぞれアプローチの仕方が違うので、今回はそれがパズルのようにうまくマッチしたと思います。ファッションがベースの私のスキルを使って、従来の気候アクションとは違う見せ方をする手伝いができました。今後も変化を加速させるためには、さまざまなアクションが同時多発的に起こることが理想です。

小野:私はこれまで活動家の子たちと一緒に動いてきましたが、コロナで一体感がなくなってしまったと感じていました。でも今回をきっかけに再び点と点が強くつながれたのではないでしょうか。自宅で24時間行うハンガーストライキというアプローチによって、気候危機に対して強い思いを持つ多くの人たちを巻き込むことができました。本来は国会の前で実施して、大きな渦を起こすことが理想でしたが、期間中は毎日たくさんのリポストやハッシュタグの投稿があり、人々のつながりを可視化できたことはオンラインならではのメリットでした。

WWD:一方で、日本政府は22日の気候サミットでNDCを2030年比で46%減とし、「PCS」が目指していた60%以上の引き上げには至りませんでした。

小野:若い子たちが命がけで戦ってきて、たくさん泣いているのも見てきました。私自身この子たちの未来を守るのに不十分だったなと悔しい思いでいっぱいでした。一方で、今回の「PCS」を通して多くの人が声を挙げるスタートラインに立ってくれました。NDCは何度でも再提出できるので、ここからだという気持ちです。

エリ:気候危機を語るには科学的根拠が大切です。私たちは国際環境シンクタンクNGO「クライメート・アクション・トラッカー」のデータに基づいて、「産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑えるためにはNDCを60%以上に引き上げることが必要」と訴えてきました。46%減は、国民の生活を守れる数値だとは到底思えない。もちろん決定権のある層に訴えることは大切ですが、小泉環境大臣と話をしたときに「国民からのプレッシャーが足りない」という意見も聞きました。国民がNDCを理解し、話題にしていくこと、未来を作っていく意思をちゃんと持つことが今後の課題です。

ファッション業界に求められる変化 何を作るかではなく、どう作るか

WWD:「PCS」が18日にユーチューブで配信していた「ファッションと気候変動」の回は衝撃でした。世界の温室効果ガス排出量に占めるファッション業界からの排出は、飛行機や船などの移動手動の排出量よりも多く、30年までに30%増えるという推計などの数値に驚きました。

小野:ぜひ業界の人に見てほしい。そして知るプロセスを、仲間と一緒に共有してほしいです。誰かと一緒に知ることで対話が生まれ、アイデアが実現できると思うから。

エリ:人間は創造することを許された動物で、創造をやめるべきではありません。ただ、ゼロからイチを生み出すだけがモノ作りではなく、既存の物を新しく生まれ変わらせたり、循環させることもモノ作りなのです。今まではどんなものにニーズがあるのか、どうしたら安くたくさん売れるのかといった目標のためにプロセスを構築していました。しかしこれからは、何を作るかではなく、どう作るかを先に考えることが大切です。むしろそうではないともうファッションは成り立ちません。ファッションに携わる人たちは、環境問題に興味があるないに関わらず、きちんと学ぶことが必須です。

WWD:「PCS」で起こったムーブメントを次にどうつなげますか?

エリ:6月には主要7カ国首脳会議(G7サミット)、11月には「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議」(COP26)が予定されています。都度「PCS」のみんなでアクションを起こしていくつもりです。

小野:今回一歩踏み出してくれた人たちとさらに学なびを深める場を設けるなど、このパワーを継続させるための方法を考えています。政府の人たちとの意見交換会や海外の活動家らとの協働方法も模索していきたいです。

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オールバーズがカーボンフットプリントの計測ツールをオープンソース化

 サンフランシスコ発のスタートアップのオールバーズ(ALLBIRDS)はこのほど、専門家と共同開発したカーボンフットプリント(CO2e・温室効果ガス)を算出できるライフサイクルアセスメント(LCA)ツール(英語版)を自社ウェブサイトで公開した。LCAは、商品やサービスの原料調達から廃棄、リサイクルまでのライフサイクル全体を通しての環境負荷を定量的に算定する手法で、近年、非常に重視されるようになっている。
 
 同社は気候変動を最重要課題ととらえ、“カーボンニュートラル”を目指すと宣言。2020年4月から、製造過程から廃棄までに排出されるカーボンフットプリントを全てのアイテムに表示している。「測ることは減らすことにつながり、気候変動を逆転させる大きな一歩になる」という信念がある。

 また、4月27日に開いたオンラインミーティングで、2025年までにウールの調達を環境再生型の農場から行うと発表した。環境再生型農業は土壌を修復・改善しながら自然環境の回復を目指す農法。土壌が健全化することで、温暖化の原因である炭素を土壌に閉じ込めることができるため、気候変動や生物多様性の損失に対しての有効的な方法の一つとして注目を集めている。ウールに着目した理由をハナ・カジムラ(Hana Kajimura)=サステナビリティ・マネジャーは「『オールバーズで調達する素材の20%がウールで、CO2排出量は全体の80%を占める。ウールの調達は優先事項だと考えた』と話した。

 オールバーズがすでにオープンソース化した“100%植物由来のレザー”は、「ティンバーランド(TIMBERLAND)」や「アグ(UGG)」が用いており、今回のLCAツールが業界にどれだけ浸透するかも注目だ。

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「シャネル」の日本製フレームが海外へ? 世界最大の伊眼鏡企業が福井県に一大製造拠点オープン

 世界最大の眼鏡企業であるイタリアのルックスオティカ グループ(LUXOTTICA GROUP SPA以下、ルックスオティカ)は先ごろ、日本製眼鏡フレームの約95%を生産する福井県の鯖江市に製造拠点をオープンした。2018年に買収した福井めがね工業との新しい施設だ。「レイバン(RAY-BAN)」など傘下ブランドの一部で日本生産を進めていたが、新拠点誕生で本格化する。

 自動車学校跡地を利用した約1万1000平方メートルの敷地には、1日に約1000本を生産する工場のほか、製品&研究開発センター、ショールームなどが設置され、200人以上が勤務する。「伝統的な価値や文化に由来する製品が誕生する場所、デジタル技術と職人の手仕事のスキルが出合う場所、伝統と革新的なアイデアが融合する場所、技術的ノウハウとマルチメディアコンテンツが混ざり合う場所」をコンセプトとするルックスオティカの新たな理念を示す場所という位置付けだ。社屋の前に禅の要素を取り入れた庭園を作るなど、日本的要素も取り入れた。

 福井県の眼鏡業界関係者は、「100年以上の歴史がある伝統的な鯖江とは違うヨーロッパの先進的なモノ作りとの相乗効果で、新しい文化が生まれるきっかけになる。“サバエ”が、世界でさらに有名になるだろう。海外からの受注増につながればいい」と期待を示した。

 ルックスオティカの20年12月期の売上高は144億ユーロ(約1兆8000億円)。「シャネル(CHANEL)」「ブルガリ(BVLGARI)」「プラダ(PRADA)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」などのラグジュアリーブランドのほか、「レイバン」「オリバーピープルズ(OLIVER PEOPLES)」「アラン ミクリ(ALAIN MIKLI)」という有力な眼鏡ブランドなどを数多く手掛けており、圧倒的なブランド力を持つ。チタン素材を中心とする日本製の品質は世界で評価が高く、ルックスオティカが展開する150カ国以上の販売先で存在感をさらに強めそうだ。

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「社会問題をファッションで解決」を目指すD2C「ココ」 規格外の真珠でアクセサリー製作

 「社会問題を解決する」をコンセプトとし、工場に眠っているサンプル生地やB反を活用した服作りを進めているファッションブランドの「ココ(COXCO)」は、商品化されにくい真円以外のアコヤ真珠を使ったアクセサリーを企画し、自社ECサイトなどで販売を始めた。「真円の真珠ネックレスを1本作るにはバケツ一杯分の真珠が必要とも言われる。真珠の国内生産量が減少している中で、これまではじかれてしまった規格外の真珠に光を当てることで、今ある資源を大切にできる」とココの西側愛弓社長は話す。

 国内でのアコヤ真珠の養殖は、バブル景気の終わりや1990年代半ばに問題になった母貝の感染症などを経て、年々減少してきた。2010年代以降の年間生産量は約20トン(1995年は63トン)と、横ばいで推移。「消費者の方に、そういった真珠養殖の背景と共に、『規格に沿った真円だけが美しいわけではない』という価値観を伝え、ファッションを通して世の中に多様性を広げていきたい」と西側社長。こうした思いから、真珠の生産量日本一である愛媛県にある宇和海真珠に自らアプローチし、企画にこぎつけたという。

※農林水産統計より

 商品は、リング1型2サイズ(各1万8480円=税込)と、ピアス1型(2万350円)。購入者には、商品の生産過程や似顔絵付きの生産者紹介などを盛り込んだ小冊子を同封する。

 併せて、今春夏も使われずに眠っていたサンプル生地やB反を使ったワンピースとシャツの製作を継続。同じ生地がそろうわけではないため、1点1点色合いやシルエットが微妙に異なるのが特徴。首元でクロスしたドローコードがポイントのワンピースは2万5300円、ユニセックスで着られるカラーレスシャツは2万900円。生地調達は、繊維商社のヤギと、ヤギのグループ会社のイチメンと組んで行っている。

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「酒なし」でもお客が入る「韓国夜市酒場」。ビル1棟が”映える”梅田韓国ビルは20代女子ばかりだった

 ビル1棟すべてが韓国旅行気分を満喫できるフォトジェニックな韓国グルメ業態の「梅田韓国ビルディング」が2021年4月、大阪・梅田にオープンした。共に大阪市内で多業態を展開する、株式会社ミートアート(本社:大阪府大阪市、代表取締役:松浦晃男氏)と、株式会社イニシエート(本社:大阪府大阪市、代表取締役:古川雄三氏)が同じコンセプトのもとに出店。日本初上陸のメニューから本格的な韓国料理までを楽しめるという。宣言下、酒類提供なしでも20代女子がかなり入っていた。
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