パンツの裾に異変が生じています。ハーレムパンツやジョッパーズなどの人気がじわじわと浸透する中、パンツの裾に靴ひもやストラップを巻き付けるトリッキーな小技を好む人が増えてきました。よく見かけるのは、足首に巻くサンダルのストラップをパンツの上からぐるぐると巻き付けるスタイル。他にも、靴ひもや共布ベルト、リボンを巻くバリエーションも登場しています。足首を引き締めつつ、動きを加えるアイデアが足元にウィットを添えてくれます。
写真は、ジョガーパンツの上からシューレースを無造作に巻き付けたスタイル。ジャスト裾ラインより少し上で絞ると、裾が遊んでスレンダーな印象に。チャンキーヒールとのコンビネーションが生きて、ジョガーパンツにフェミニンさが備わりました。今回はパンツの裾を絞るアレンジ技をご紹介します。
足首をほっそり見せるサンダルのストラップ巻き
サンダルといえば、サマールックの“お約束”アイテムですが、本来足首に巻くストラップをあえてパンツの上から巻き付ければ、印象が様変わりします。
オールブラックの装いを提案した「アイレネ(IRENE)」。シンプルな黒コーデに、“足首ぐるぐる巻き”で意外な動きを添えました。ゆったりとした黒パンツを途中で絞ることで、足首にかけて再び広がるハーレムパンツ風のシルエットに。また、“足首ぐるぐる巻き”は、裾が遊ぶのを防ぎ、足さばきが軽快になる実用的なメリットもあります。足首が引き締まって映るおまけ付きです。
2枚目の「キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)」も、すっきりしたトップスとパンツのセットアップ。センタープレスのきれいめパンツと優美なポインテッドトーのコンビネーションに、“足首ぐるぐる巻き”がリズムをプラス。巻き付ける高さを左右で少しずらすと、さらに動きのあるアシンメトリーなスタイリングに仕上がります。
共布ベルトで裾絞り 足さばきも軽やかに
パンツの裾に絞りを加えたデザインも登場しています。共布ベルトを使うことで、絞り部分が目立ちすぎず、自然にまとまります。
ラップパンツ風のシルエットが印象的な「ローベリーテ アンド シーオー(ROBELITE & CO.)」は、ゆったりとしたパンツの裾を絞ることで、ハーレムパンツのようなスタイリングに。裾が遊びすぎず、動きやすいのも魅力です。
パンツの裾にスリットが入ったタイプはよく見かけるようになりましたが、“巻き巻き”(どういう意味でしょう?)のアレンジを取り入れれば、さらに視線を引き込む効果を発揮します。2枚目の「スエサダ(SUESADA)」は、深いブルーのアウターとパンツのセットアップ。留め具付きの裾ベルトがポイントで、裾をスリットの下で絞ることで程よい肌見せも演出できます。ベルトを外すとスリットが広がり、フレアなシルエットにスイッチ。気分次第で履き分けができる、重宝したいディテールです。
ボーダーTシャツにスパイス リボンやドローコードでインパクト
ありきたりなカジュアルな装いにスパイスを加えるうえでも、裾を絞る小技は役に立ちます。
「ジェイシーエム(J.C.M)」は、サイドラインが入ったジャージーパンツの裾をリボンで絞りました。マリン調のボーダーTシャツとも好相性で、白リボンがキュートに足首の引き締め効果を発揮しています。
裾にドローコードを仕込んだパンツなら、手軽に裾を絞るスタイリングに挑戦できます。2枚目の「フィル ザ ビル(FILL THE BILL)」は、爽やかなボーダーTシャツにニッカボッカ風のパンツの裾をドローコードで絞りました。ウエストもドローコード式なので、遊ばせたコードの端が上下で響き合い、リラックスした表情を生んでいます。着心地が楽なうえに足さばきがいいパンツは、この夏出番が多くなりそうです。
靴のストラップを、パンツの上から巻き付けたり、パンツに付属の裾ベルトで絞ったりと、選べるバリエーションはさまざま。手持ちのベルトやリボンでも代用できるので、いつものパンツルックにマンネリムードを感じたら、とりあえずパンツの裾を絞ってみてはいかが。
ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い
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川島蓉子:1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステム株式会社取締役。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。日経ビジネスオンラインや読売新聞で連載を持つ。著書に『TSUTAYAの謎』『社長、そのデザインでは売れません!』(日経BP社)、『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞社)、『すいません、ほぼ日の経営。』などがある。1年365日、毎朝、午前3時起床で原稿を書く暮らしを20年来続けている
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身



