ビリー・アイリッシュ、マイリー・サイラス、MIYAVI 「グッチ」ハリウッドのショーを鑑賞したスターたち

 「グッチ(GUCCI)」は11月3日、ロサンゼルスのハリウッドで2022年春夏に相当する「グッチ・ラブ・パレード」コレクションを発表した。いつもは観光客で賑わうハリウッド大通りを封鎖し、「グッチ」のロゴや大物俳優、ギリシャ神話の神々の名が施されたディレクターズチェアを来場者の席として道路脇に設置。モデルたちはチャイニーズ・シアターから登場し、エンターテインメント界の英雄の名が刻まれたウォーク・オブ・フェイムを歩いた。

 アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)が映画制作会社で働いていた母と、母が幼いころに話してくれた夢に満ちたハリウッドの街や映画の世界に思いを馳せた同コレクションの会場には、「グッチ」にゆかりのあるスターや俳優、映画監督の姿があった。

 ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)やマイリー・サイラス(Miley Cyrus)、リゾ(Lizzo)、タイラー・ザ・クリエイター(Tyler, The Creator)、マネスキン(Maneskin)らミュージシャンのほか、シエナ・ミラー(Sienna Miller)、ダコタ・ジョンソン(Dakota Johnson)、グウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)、トレイシー・エリス・ロス(Tracee Ellis Ross)、オークワフィナ(Awkwafina)ら俳優、さらにテニスのセリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)選手らが来場し、「グッチ」創設100周年とショーの開催を祝福した。ビリー・アイリッシュはアフターパーティーでショーについて「最高だった。すごく感激したけど、(『グッチ』らしいショーで)驚きはしなかった」と「グッチ」の世界観とスケールを理解しているからこそのコメントを寄せた。

 さらにモデルとしても、俳優のジャレッド・レト(Jared Leto)やマコーレー・カルキン(Macaulay Culkin)、ミュージシャンのセイント・ヴィンセント(St. Vincent)やスティーヴ・レイシー(Steve Lacy)ら豪華なメンバーがビョーク(Bjork)の「All Is Full of Love」をBGMにランウエイを歩いた。

 映画「ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明け(Crip Camp: A Disability Revolution)」を手掛けたジェームズ・レブレクト(James Lebrecht)監督は、「この音楽にライト、自分が変身したように感じる。服を着ると、自分の中の何かが持ち上がる感覚がするんだ。今夜『グッチ』が私のような車いすユーザーに服を着せたこと、美しくクリエイティブな姿を見てもらうことは私のコミュニティーにとって非常に意味のあること。私たちがそのように描かれることはあまりないから。このような動きはブランドがコミュニティーに属す映画スターを探す基準を変えるきっかけになると思う。そして私たちがブランドのコミュニティーの一員であることを公の場で見られる機会が増えれば、それだけ早く実現するだろう」と「グッチ」のインクルーシブなコミュニティーについてコメントした。

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増田セバスチャンの“Kawaii文化”展覧会 大阪・北加賀屋で11月21日まで

 Kawaiiカルチャーの伝道師として知られるアーティストの増田セバスチャン氏による展覧会「Yes, Kawaii Is Art」が、11月21日まで、大阪・北加賀屋で開催されている。増田氏の作品とアクティビストとしての活動を通して、“Kawaii”が持つ奥の深さと新たな可能性を体感する試みだ。アートの街として注目される北加賀屋の古いビルやリノベーション施設を活用した3つの会場を回遊しながら、世界に広がり続ける”Kawaii”を楽しめる。

 家具の倉庫として使われていた第1会場の「kagoo(カグー)」には、2014年のニューヨーク・チェルシー展で発表し、フロリダ、ミラノ、アムステルダムを巡回した部屋型インスタレーション作品「Colorful Rebellion-Seventh Nightmare(反抗的色彩)」を展示する。7つの大罪をテーマに、世界中のカラフルな素材を貼って作り上げた作品に、新たなインスピレーションを反映した2つの部屋を加え、21年版として披露している。日本での一般公開は今回が初めて。増田氏は「自分の脳内を体験してもらおうと思って作った作品。Kawaiiというのは表面だけでなく、もっと内面に由来するものだと感じてほしい」と話す。

 同会場には、京都芸術大学ウルトラファクトリーの「カラフル・ラボ」で学生たちと実施したリサーチプロジェクトの成果も展示する。戦後の少女文化から続くKawaii相関図や、世界に点在するKawaiiコミュニティの映像とともに、Kawaii文化の潮流やコミュニティの最新活動を一挙に公開している。

 11月5日から公開される第2会場の「音ビル」では、今年2月に東京・北千住で開催された体験型作品「Fantastic Voyage」を刷新して上演する。音や言葉のイメージが散りばめられた空間を透明なカプセルに乗って移動する仕掛けで、参加者の深層心理に潜り込むような体験ができる。さらに、築60年の文化住宅をリノベーションした文化複合施設「千鳥文化」の第3会場では、15年から原宿のシンボルだった世界時計を中心に、現在と過去の時間軸が交差する作品を展示する。会期は11月12日~21日。関連イベントとして、14日にはオリジナルブランド「6%DOKIDOKI」のストリートファッションショーが行われるほか、12~14日にはポップアップショップも開く。

 コロナで世の中が落ち込む中、増田氏は色彩で人々を勇気づけようと、世界中の「Kawaii Tribe(カワイイ一族)」に向けて声明文を発表。SNSやウェブなどデジタルを介して対話を続けてきた。

 本展覧会を主催した理由について増田氏はこう話す。「コロナのようなパンデミックが起きたのは、世界が物質的に豊かになりすぎて疲弊したため。コロナ禍を機にそのことをもう一度考える必要があるんじゃないかと思った。そして自分の色を改めて見つめ直してほしい。物質社会の象徴でもある工場地帯の無機質なこの町を舞台に選んだ意図はそこにある」

 木津川の河口付近の北加賀屋は、かつて造船業で栄えたが、工場の移転や高齢化による空き地、空き家問題が深刻化。町の再生をめざし、04年に始まったのが、近代化産業遺産の名村造船所大阪工場跡地などを活用したアートによる街づくりだ。

 仕掛け人のおおさか創造千島財団事務局長の木坂葵氏は「増田さんのような世界中に広がるカルチャーを生み出したアーティストに、ここで展覧会をやりたいといってもらえるのがうれしい。地道に活動を続けてきたおかげでクリエーターやアーティストに注目されるようになり、おしゃれな若者や新しい店もここ3年で増えている」と話す。

 10月16日から始まった秋のアートイベント会期中は、北加賀屋の各所で展覧会やトークイベントなどを開催。14日には、名村造船所大阪工場跡地の「クリエイティブセンター大阪」で、恒例のアート祭「すみのえアート・ビート2021」が開かれる。

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バナナ繊維の素材“バナナテックス”などアイデア満載のブランド4選 コペンハーゲン現地リポート 後編

 2022年春夏シーズンのコペンハーゲン・ファッション・ウイーク(以下、CPHFW)は、リアル&デジタルのハイブリッドなコンテンツに加え、CPHFWと提携を結んでいる国際ファッションフェアCIFF(COPENHAGEN INTERNATIONAL FASHION FAIR)も復活しました。環境保全に尽力するデンマークとあって、取材しているとどこに行っても“サステナビリティ”です。現地で出合った若手ブランドや企業をいくつかご紹介します。

姉弟によるクリーンなアップサイクル

 今季のCPHFWには、デンマーク発の3ブランドが初参加しました。初日のトップバッターは、18年創設の「ディヴィジョン(DIVISION)」です。デンマーク出身のナンナ&サイモン・ウィック姉弟(Nanna&Simon Wick)が立ち上げた、ユニセックスのストリートウエアブランドです。素材は全て古着を使用し、アップサイクルをデザインの核にしています。異素材の生地をつなぎ合わせたり、異なるボンバージャケットを組み合わせるなど、DIYのアイデアが詰まっていました。ミレニアル世代の姉弟は「新しい生地を購入するのではなく、倉庫に眠ったままの古着で洋服を作るのは自然なことだった」と語っていました。アップサイクルもDIYも見慣れた手法ではありますが、モデルのケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)やモナ・トゥガード(Mona Tougaard)が着用していることで現地では注目を集めたようです。ちなみにショーで足元を飾ったのは、パリ発のビーガンフットウエアブランド「ヴィロン(VIRON)」のシューズでした。

着る人が完成させるニットウエア

 2つ目は、ウィメンズのリブリットウエアブランド「エ ローエ ホーベ(A. ROEGE HOVE)」です。創設者のアマリエ・ ローエ・ホーベ(Amalie Roge Hove)は、デンマーク王立美術アカデミーでニットデザインを学び、「マーク ケンリー ドミノ タン(MARK KENLY DOMINO TAN)」と「セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)」でテキスタイルデザイナーを経験し、19年に同ブランドを立ち上げました。イタリアやドイツのオーガニック素材を使用し、デンマークの伝統的なニットウエアの技術で生産しています。伸縮性の高いリブニットは着る人の体型によってシルエットが変わり、“ニットボディコン”なスタイルを生み出します。だから、ハンガーにかかっている状態では洋服のアウトラインは見えてきません。体の曲線に合わせてストライプが波打ったり、カットアウトが浮かび上がったりと、着ることでデザインが完成し、洋服としての機能を果たすというアイデアに興味をそそられました。

アップサイクルを無国籍ムードに

 3つ目は、CPHFW最終日にデビューコレクションを披露したニットウエアブランド「ルイーズ リン ビヤーゴ(LOUISE LYNGH BJERREGAARD)」です。デザイナーのルイーズはデンマーク出身で現在はパリに拠点を置き、7月のパリ・オートクチュール ・ファッション・ウィーク期間中にオフスケジュールでリアルのショーを実施。そして今季のCPHFWの公式スケジュールに参加し、本格的なデビューとなりました。彼女はロンドンの名門セント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)でニットデザインを修了し、ニューヨーク拠点の「エコーズ ラッタ(ECKHAUS LATTA)」でテキスタイルデザイナーとして経験を積んだ後、自身の名を冠したブランドを立ち上げました。コレクションの70%は古着や廃棄布を使ったアップサイクルで、ゼロウェイストをポリシーに掲げています。ハンドニットの温かみと脱構築なデザイン、テクノ文化から影響を受けたコンセプチュアルなアイデアをミックスしたクリエイションです。彼女のスタイルには無国籍な雰囲気があり、特にガーリーでハッピームードのデイリーウエアが多いコペンハーゲンでは異彩を放っていました。今後コマーシャルピースをどのように構成するのか気になるところ。

バナナがバッグに生まれ変わる

 国際ファッションフェアCIFFの取材では、持続可能な自然素材を自社生産するスイス・チューリッヒ生まれのブランド「クエスチョン(QWSTION)」に出合いました。注目は、独自開発したバナナの繊維を紡績加工した世界初のテクニカル素材バナナテックス(Banantex)です。バナナといっても食用ではなく、マニラ麻と呼ばれる同属の植物の樹皮が原料です。クリスチャン・カーギ(Christian Keagi)=共同創設者兼クリエイティブ・ディレクターは「この植物を使う利点は、化学肥料や殺虫剤なしで育ち、成長が早いこと。マニラ麻は古くから船舶のロープとして使用されるなど、耐久性・耐水性にも優れている」と言います。バナナテックスを使ったバックパックやPCカバーなどを制作しており、軽量なバックパックは耐荷重100kgという丈夫な作り。ハンドルには植物でなめした革、ファスナーなどの金属部品はリサイクル可能な軽量アルミニウムを使用しています。同社が台湾の紡績メーカーと約3年かけて共同開発したバナナテックスですが、今後も特許申請しない方針とのこと。「知的財産よりも、サステナブルな素材を業界で共有して、より良い未来と環境作りに重きを置いているから」と理由を語っていました。

二次流通市場参入を狙う新企業も

 二次流通や中古品市場が著しく成長する中、最近増えているのがリコマース(再販)事業です。CIFFでは、今年4月に始動したばかりのBtoBスタートアップ企業のクリエイト・トゥ・ステイ(Create 2 Stay)にも話を聞きました。同社と提携したブランドは、値札と表示タグにQRコードが付与されます。購入者は新品か中古の洋服を売りに出す際、QRコードをスキャンして申請すると、同社が製品の受け取り、在庫管理やクリーニング、中古オンライン販売、配送まで、二次流通を一括してくれます。新品で製品を購入する際は、後に売りに出したらどれぐらいの金額で再販される価値があるのか表示し、購入者は二次流通前提で購入できるという仕組みです。提携したブランドは、製品がリコマースで売れたらマージンを受け取ることができます。洋服を循環させる方法でもありますね。同社のモーテン・リネット(Morten Linnet)共同創設者は「二次流通市場のアイクティブなユーザーである、ミレニアル世代とZ世代を対象にしたブランド向けのサービスである。再販価値を事前に知ることで新商品の購入意欲を促進しながら、所持品を手放す罪悪感も少ない。一つのアイテムのライフサイクルも延長させることができる」と説明してくれました。個人的には再販ありきで商品を購入するという考えに全く共感できませんが、活況な市場なのでリコマース事業の発展には引き続き注目しています。

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バナナ繊維の素材“バナナテックス”などアイデア満載のブランド4選 コペンハーゲン現地リポート 後編

 2022年春夏シーズンのコペンハーゲン・ファッション・ウイーク(以下、CPHFW)は、リアル&デジタルのハイブリッドなコンテンツに加え、CPHFWと提携を結んでいる国際ファッションフェアCIFF(COPENHAGEN INTERNATIONAL FASHION FAIR)も復活しました。環境保全に尽力するデンマークとあって、取材しているとどこに行っても“サステナビリティ”です。現地で出合った若手ブランドや企業をいくつかご紹介します。

姉弟によるクリーンなアップサイクル

 今季のCPHFWには、デンマーク発の3ブランドが初参加しました。初日のトップバッターは、18年創設の「ディヴィジョン(DIVISION)」です。デンマーク出身のナンナ&サイモン・ウィック姉弟(Nanna&Simon Wick)が立ち上げた、ユニセックスのストリートウエアブランドです。素材は全て古着を使用し、アップサイクルをデザインの核にしています。異素材の生地をつなぎ合わせたり、異なるボンバージャケットを組み合わせるなど、DIYのアイデアが詰まっていました。ミレニアル世代の姉弟は「新しい生地を購入するのではなく、倉庫に眠ったままの古着で洋服を作るのは自然なことだった」と語っていました。アップサイクルもDIYも見慣れた手法ではありますが、モデルのケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)やモナ・トゥガード(Mona Tougaard)が着用していることで現地では注目を集めたようです。ちなみにショーで足元を飾ったのは、パリ発のビーガンフットウエアブランド「ヴィロン(VIRON)」のシューズでした。

着る人が完成させるニットウエア

 2つ目は、ウィメンズのリブリットウエアブランド「エ ローエ ホーベ(A. ROEGE HOVE)」です。創設者のアマリエ・ ローエ・ホーベ(Amalie Roge Hove)は、デンマーク王立美術アカデミーでニットデザインを学び、「マーク ケンリー ドミノ タン(MARK KENLY DOMINO TAN)」と「セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)」でテキスタイルデザイナーを経験し、19年に同ブランドを立ち上げました。イタリアやドイツのオーガニック素材を使用し、デンマークの伝統的なニットウエアの技術で生産しています。伸縮性の高いリブニットは着る人の体型によってシルエットが変わり、“ニットボディコン”なスタイルを生み出します。だから、ハンガーにかかっている状態では洋服のアウトラインは見えてきません。体の曲線に合わせてストライプが波打ったり、カットアウトが浮かび上がったりと、着ることでデザインが完成し、洋服としての機能を果たすというアイデアに興味をそそられました。

アップサイクルを無国籍ムードに

 3つ目は、CPHFW最終日にデビューコレクションを披露したニットウエアブランド「ルイーズ リン ビヤーゴ(LOUISE LYNGH BJERREGAARD)」です。デザイナーのルイーズはデンマーク出身で現在はパリに拠点を置き、7月のパリ・オートクチュール ・ファッション・ウィーク期間中にオフスケジュールでリアルのショーを実施。そして今季のCPHFWの公式スケジュールに参加し、本格的なデビューとなりました。彼女はロンドンの名門セント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)でニットデザインを修了し、ニューヨーク拠点の「エコーズ ラッタ(ECKHAUS LATTA)」でテキスタイルデザイナーとして経験を積んだ後、自身の名を冠したブランドを立ち上げました。コレクションの70%は古着や廃棄布を使ったアップサイクルで、ゼロウェイストをポリシーに掲げています。ハンドニットの温かみと脱構築なデザイン、テクノ文化から影響を受けたコンセプチュアルなアイデアをミックスしたクリエイションです。彼女のスタイルには無国籍な雰囲気があり、特にガーリーでハッピームードのデイリーウエアが多いコペンハーゲンでは異彩を放っていました。今後コマーシャルピースをどのように構成するのか気になるところ。

バナナがバッグに生まれ変わる

 国際ファッションフェアCIFFの取材では、持続可能な自然素材を自社生産するスイス・チューリッヒ生まれのブランド「クエスチョン(QWSTION)」に出合いました。注目は、独自開発したバナナの繊維を紡績加工した世界初のテクニカル素材バナナテックス(Banantex)です。バナナといっても食用ではなく、マニラ麻と呼ばれる同属の植物の樹皮が原料です。クリスチャン・カーギ(Christian Keagi)=共同創設者兼クリエイティブ・ディレクターは「この植物を使う利点は、化学肥料や殺虫剤なしで育ち、成長が早いこと。マニラ麻は古くから船舶のロープとして使用されるなど、耐久性・耐水性にも優れている」と言います。バナナテックスを使ったバックパックやPCカバーなどを制作しており、軽量なバックパックは耐荷重100kgという丈夫な作り。ハンドルには植物でなめした革、ファスナーなどの金属部品はリサイクル可能な軽量アルミニウムを使用しています。同社が台湾の紡績メーカーと約3年かけて共同開発したバナナテックスですが、今後も特許申請しない方針とのこと。「知的財産よりも、サステナブルな素材を業界で共有して、より良い未来と環境作りに重きを置いているから」と理由を語っていました。

二次流通市場参入を狙う新企業も

 二次流通や中古品市場が著しく成長する中、最近増えているのがリコマース(再販)事業です。CIFFでは、今年4月に始動したばかりのBtoBスタートアップ企業のクリエイト・トゥ・ステイ(Create 2 Stay)にも話を聞きました。同社と提携したブランドは、値札と表示タグにQRコードが付与されます。購入者は新品か中古の洋服を売りに出す際、QRコードをスキャンして申請すると、同社が製品の受け取り、在庫管理やクリーニング、中古オンライン販売、配送まで、二次流通を一括してくれます。新品で製品を購入する際は、後に売りに出したらどれぐらいの金額で再販される価値があるのか表示し、購入者は二次流通前提で購入できるという仕組みです。提携したブランドは、製品がリコマースで売れたらマージンを受け取ることができます。洋服を循環させる方法でもありますね。同社のモーテン・リネット(Morten Linnet)共同創設者は「二次流通市場のアイクティブなユーザーである、ミレニアル世代とZ世代を対象にしたブランド向けのサービスである。再販価値を事前に知ることで新商品の購入意欲を促進しながら、所持品を手放す罪悪感も少ない。一つのアイテムのライフサイクルも延長させることができる」と説明してくれました。個人的には再販ありきで商品を購入するという考えに全く共感できませんが、活況な市場なのでリコマース事業の発展には引き続き注目しています。

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Kokiや大政絢が「セリーヌ」銀座店のリニューアルを祝福

 「セリーヌ(CELINE)」は、東京・銀座のギンザシックス内の店舗を11月6日にリニューアルオープンした。1階と2階のフロアには、エディ・スリマン(Hedi Slimane)アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターがセレクトしたアートピースや、ウッドやレザーのルースファニチャーなどを設置する。

 リニューアルを記念して、限定商品や2022年春コレクションの一部先行販売を行う。限定商品は、犬のグラフィックが付いたセーター(税込13万4000円)や、ジョギングパンツ(同10万4500円)、フーディー(同9万5700円)のほか、ブラウス(同22万5500円)、ドレス(同31万3500円)などを用意する。先行販売商品は、カーディガン(同17万6000円)やアスレチックスエット(同13万7500円)、ジョギングパンツ(同10万4500円)などをそろえる。

 5日の関係者プレビューには、Kokiや大政絢、大平修蔵、松島花らが会場の雰囲気を楽しんだ。

■「セリーヌ」銀座店
オープン日:11月6日
場所:GINZA SIX セリーヌ銀座
住所:中央区銀座6-10-1

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Kokiや大政絢が「セリーヌ」銀座店のリニューアルを祝福

 「セリーヌ(CELINE)」は、東京・銀座のギンザシックス内の店舗を11月6日にリニューアルオープンした。1階と2階のフロアには、エディ・スリマン(Hedi Slimane)アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターがセレクトしたアートピースや、ウッドやレザーのルースファニチャーなどを設置する。

 リニューアルを記念して、限定商品や2022年春コレクションの一部先行販売を行う。限定商品は、犬のグラフィックが付いたセーター(税込13万4000円)や、ジョギングパンツ(同10万4500円)、フーディー(同9万5700円)のほか、ブラウス(同22万5500円)、ドレス(同31万3500円)などを用意する。先行販売商品は、カーディガン(同17万6000円)やアスレチックスエット(同13万7500円)、ジョギングパンツ(同10万4500円)などをそろえる。

 5日の関係者プレビューには、Kokiや大政絢、大平修蔵、松島花らが会場の雰囲気を楽しんだ。

■「セリーヌ」銀座店
オープン日:11月6日
場所:GINZA SIX セリーヌ銀座
住所:中央区銀座6-10-1

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盛況「ファッションワールド」で見たサステナビリティ最新動向 差別化が課題

 合同展示会「ファッションワールド東京2021秋」は、10月18日から20日まで東京ビッグサイトで開催し、来場者数は3日間合計で前回比150%の1万9383人となった。特に前回から本格スタートしたサステナビリティを切り口にしたゾーンは出展社数が倍増したこともあり活況で終日多くの人でにぎわった。アパレルとサステナビリティの現在地が見える同展の様子をリポートする。

 出展社数は約200社で、前回から倍増。出展者の大半は繊維商社やテキスタイルメーカー、染色、副資材、業界団体など川上の企業だ。来場者は日を追うごとに増え、最終日は7368人となった。ただしサステナビリティに関してリサーチ段階の企業が多く、ブース内で即商談にはなかなか至らないという声が多い。充実しているセミナーへの参加や情報収集を目的とする来場者が多いようだ。

 2004年に発足した東レ合繊クラスターも同展に今回初出展した。運営する木下淳史東レ北陸支店支店長は来場者の反響から「動き出している感触がある。2021年は後で振り返ればあの時が(アパレルがサステナブルに舵を切る)ターニングポイントだったと思う年になるのではないか」と手ごたえを語る。同クラスターは北陸の中小企業を中心とした89社が加盟し、高機能・感性を強みにしている。今回はその中でも植物由来高機能、非フッ素撥水などサステナブルに通じる切り口で展示していた。このように、サステナビリティのフィルターをかけることで、自社や団体の強みを再発見・提案するケースは多い。

 東レインターナショナルの「トレイン(TORAIN)」もそのひとつだ。従来から高機能素材を得意とする同社だが、そこに「もっと長く使うことはできないか」という観点を入れて商品開発を進めた。結果、加水分解に強い防水生地とシームシーリング技術を組み合わせた機能ウエアが誕生した。防水・透湿・防風性を高めたことで通常3年程度で始まる加水分解が、「トレイン」では10年と製品寿命が長くなったという。素材にはリサイクルポリエステル糸を採用。同社は2025年にすべての「トレイン」製品への環境配慮型素材の採用を目指しており、今回の提案はその第一歩となる。

 出店者数が増えたことで差別化が課題になっている。再生ポリエステル、生分解性素材、裁断くずや落ち綿の活用は特に多くが打ち出しておりプラスαの特徴が求められる。豊島の「エコリッチ(ECORICH)」は裁断くずから生まれた糸で、染色を行わず最大48のカラーバリエーションをそろえる。デザイナーにとっては嬉しい選択肢だ。また同社の漂着ペットボトルゴミを原料とした繊維「UpDRIFT」は、消費者が参加しやすい仕組みをセットで提案する。沖縄の縄文企画と日本旅行の2社と連携して教育旅行で利用できるプログラムを訴求。沖縄・八重山諸島の海洋ごみ問題に関する事前学習、現地でのごみ回収活動の実践、回収したごみから繊維加工を経て製品化したものを学生の手に戻す循環型のプログラムを提案している。

わかりやすいメッセージ、情熱的な接客

 サステナビリティに関して“勉強中”の来場者が多い中で、いかに目立ち、わかりやすくメッセージを発信するかは重要だ。そういった意味で三井物産アイ・ファッションが仕掛ける「バナナクロス(BANANA CLOTH)」は、キャッチーなビジュアルでひときわ目をひき、前回に引き続きにぎわっていた。同ブースには3日間を通して、約2000人が来場したという。米崎尊路三井物産アイ・ファッションMD企画部マーケティング室室長は「昨年より来場者からの専門的な質問が増え、サステナビリティに関する知見が溜まっている印象を受けた」という。「バナナクロス」は、「ダブレット(DOUBLET)」が2022年春夏コレクションで採用するなど認知が広がっている。

 タキヒヨーは、落ち綿を再紡績した「ザニューデニムプロジェクト」を前面に打ち出した。中米グアテマラのアイリステキスタイルと2018年にディストリビューター契約を結んだプロジェクトだ。3年が経過した今、いわゆる“ニュース”ではないが、プロジェクトを立ち上げた杉山雄大サステナブルチームチーフがブース内で言葉を尽くして語る様子に来場者は引き込まれる。紡績業と併せてコーヒー農園も経営するアイリステキスタイルは落ち綿も堆肥として用いるなど循環を自社内で実現している。消費者に伝えたいのはきっとこういったものづくりの背景だ。

 会期中に数多く開かれるセミナーの中では、開発途中のイノベーションの話が飛び出すこともある。世界最大級のデニム生地メーカーであるイスコは、山崎彰也イスコジャパン社長が登壇し、香港のエイチケーリタ(HKRITA)とのパートナーシップ締結を発表した。同社はリサイクル素材を最低50%以上混合する「イスコ・アールトゥー・フィフティプラス(ISKO R-TWO™ 50+)」を発表するなど、リサイクル素材と再利用素材の活用を進めている。エイチケーリタの技術「グリーンマシーン」は綿とポリエステルの混合素材を完全に分離し、大規模にリサイクルすることができる画期的な技術でイスコはデニムブランドとして初めてライセンス契約を結んだ。

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外部人材を起爆剤に ワールド、赤字のブランド事業を再構築

 ワールドが低調が続く主力のブランド事業において人材改革に本腰を入れる。アパレル業界の枠組みにとらわれず、外部の人材を積極的に招へい。グループにないノウハウを生かし、商品企画や店舗運営などの仕組みを再構築する。

 同社の2021年4〜9月期連結業績(国際会計基準)はコア営業損益が19億円の赤字(前年同期がは83億円の赤字)で、期初計画の営業黒字11億円は達成できなかった。感染拡大の深刻化により、ブランド事業の営業損益が24億円の赤字(前年同期は152億円の赤字)と、引き続き足を引っ張ったことが要因だ。

 5日にオンラインで会見した鈴木信輝社長は「(アパレル事業の不振は)コロナという環境要因のせいだけにはできない。人(社員)、もの(商品)、器(組織)が従来のまま変われていないことも非常に大きい」話した。構造改革により、昨年9月からの1年間で、既存の従業員は希望退職者からの応募を含め434人減った。今後は外部人材の積極登用に舵を切り、「われわれが常識だと思っていた物の作り方やお店の見せ方などをここで全て一度破壊する。『勝てる組織』に作り替えていきたい」とする。すでに子会社インターキューブの「ドレステリア(DRESSTERIOR)」は、19年に三陽商会から転籍した靏博幸社長の就任以降、商品企画などの見直しが進み、「売り上げはかなり改善傾向にある」。これを好事例に他ブランドでの改革も進める方針だ。

 緊急事態宣言の解除(10月1日)以降、ブランド事業の業績は足元では回復傾向にある。だが鈴木社長は「(コロナ禍以前と)同じような服が、同じように売れるわけではない」と気を引き締める。「お客さまのニーズを踏まえた華やかさや機能性などがある服が求められている。ひと工夫、ふた工夫が必要だ」。

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阪急阪神百貨店、本社オフィス面積4割減へ 在宅勤務を恒久化

 エイチ・ツー・オー リテイリングとその中核企業である阪急阪神百貨店は、働き方改革の一環として大阪・梅田の本社オフィスを移転し、オフィス面積を4割減らす。フリーアドレスやリモートワークの推進、ノートパソコンやスマートフォンの一層の活用によって、出社率を6割以下に抑える。

 両社は阪急うめだ本店と阪神梅田本店の近くの2カ所に主なオフィスを構え、約850人の本社スタッフが働く。これを2022年8月下旬に大阪梅田ツインタワーズ・サウスの14階に移転し、オフィスの規模を集約する。同ビルの低層部には10月に建て替え開業した阪神梅田本店が入る。

 コロナ禍以降、両社はリモートワークを導入し、出社率を7割程度にしてきた。本社スタッフは近くの店舗の仕事にかかわるため、現場でしかできない仕事も多いが、さまざまなツールの活用や業務改革によって在宅でも生産性を保つ工夫を重ねた。この働き方をコロナにかかわらず常時運用にしてく。

 新常態で働き方の見直しが進む中、率先して新しいスタイルを導入する。業務のデジタル化も一気に進めて、生産性の向上や働き方の選択肢による優秀な人材の確保を狙う。

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