アイセイ薬局「クス」と生活の木がコラボ “リラックス”できる香りアイテムが登場

 アイセイ薬局のヘルスブランド「クス(KUSU)」はこのほど、アロマブランドを展開する生活の木とコラボし、ハンドクリームと入浴剤を発売した。“女性のリラックス”をテーマに掲げ、生活の木が4種の精油(ゼラニウム、ベルガモット、フランキンセンス、パルマローザ)をオリジナルでブレンドした甘すぎない香りが特徴。取り扱いはアイセイ薬局グループ店舗と「クス」公式のオンラインストアで展開する。

 “ハンドクリーム プロ 生活の木 フレッシュフローラルの香り”(40g、税込1360円)は、累計販売本数2万本を突破した「クス」の“ハンドクリーム プロ”初の香り付きとして登場する。お湯や水をはじくウォーターインオイルを処方し撥水性が高い。また、8つの美容保湿成分を配合し、潤いを与えながらサラサラとした使用感が特長。

 “薬用入浴剤 生活の木 フレッシュフローラルの香り”[医薬部外品](50g×1包、税込250円/50g×7包、税込1580円)は、「クス」初の薬用入浴剤で、乳白色や濃厚なとろみ感のある湯質が特長。伊豆大島産天然椿オイルなどの天然由来成分を配合し、潤いのある肌に導く。

 アイセイ薬局は、全国に396店舗(2021年11月1日時点)を展開し、薬剤師1500人を擁する。「クス」はアイセイ薬局初のヘルスブランドとして2019年にデビュー。“くらし、すこやか”をコンセプトに、日焼け止めやブレンドティーなど9アイテムを展開している。「クス」広報担当者は「薬剤師は患者から病気以外の日常の困りごとなどの相談を受けることが多い。そういった悩みを解決したいという思いから『クス』が誕生した。最近では、女性の活躍の場が広がっており、ライフスタイルにも大きな変化が起こっている。それに伴い、アイセイ薬局に寄せられる相談にも変化が見られ、『ライフスタイルでリラックスしていない』という声が集まった。そこで、心と体のバランスを整える“リラックス”できる香りに着目し、日常生活で使いやすいアイテムを開発した」と話す。

 アロマを展開する生活の木では、ウェルネス&ウェルビーイングへ事業領域を広げ、心身ともに豊かな暮らしを提案していることから、「クス」の「すこやかなくらしへの貢献」の思いに共感し、今回のコラボが実現した。

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日焼け止め「アリィー」が刷新 ビーチ規制に配慮した処方を採用

 カネボウ化粧品は2022年2月12日、高機能日焼け止めブランド「アリィー(ALLIE)」をリニューアルする。一部の国や地域、ビーチの規制(21年11月時点)に配慮した設計の「ビーチフレンドリー処方」を採用し、“アリィー クロノビューティ”シリーズ(5種、10品種)を発売する。イメージキャラクターには俳優の古川琴音を起用した。

 「アリィー」は、ハワイやパラオなど一部の国や地域、ビーチにおいて、特定の成分を含む日焼け止めの持ち込みや販売などを制限する動きに着目。「世界のどのビーチでも美しく楽しく過ごしてほしい」という願いを込め、今回の開発に至った。全製品とも、国内最高基準の紫外線防御効果があるSPF50+・PA++++で、こすれや汗、水に強い機能も搭載し、べたつきにくさを考慮した。ジェルタイプとミルクタイプの2種をそろえ、高輝度パール配合の“トーンアップ UV”や顔色補正効果を期待できる“カラーチューニング UV”などニーズに合わせたアイテムをラインアップする。

 パッケージも環境に配慮し、外装はFSC認証紙で、容器の一部にはバイオマス素材を採用した。22年3月からは、同ブランドが考えるサステナビリティに共感する企業や団体、顧客と共に取り組む活動“Think Sustainability Action”をスタート。ハワイ州観光局とタイアップし、海洋生物保護活動などを実施する。さらに、5月に発売予定の数量限定品では、外装の一部に、同ブランドが過去に使用した紙の店頭販促物を回収して再生した素材を使用する。同製品の売り上げの一部は環境保全活動団体に寄付する予定だ。

 同ブランドは22年に台湾や香港、タイ、マレーシア、韓国、シンガポール、24年には中国に進出し、アジア圏へのさらなる市場拡大を目指す。グローバルでプロモーションを積極的に打ち出し、25年の売り上げは21年の約2倍を目標に掲げる。

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クリスマス寒波に備えよ!おNEWのニットとお風呂で迎え撃つ猫的温活術【ニャンダフルなコスメたち】

 狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.14。猫にちなんで、毎月2(ニャー)日と22(ニャーニャー)日の2(ニャー)回更新しています。今回のテーマは「年の瀬の冷え対策」。アイルランドのクリスマス・イブにやってくる化け猫から温活の大切さへの気づきを無理やり得つつ、迫り来るクリスマス寒波に備え体を効率よく温める入浴剤をご紹介。

クリスマス・イブは、アイルランド版なまはげ“ユール・キャット”に気をつけろ!

 2021年もあっという間にクリスマス。今年は暖冬なのかしら? とのんきに構えていたら、本格的な寒さがやってきて、自分と愛猫たちの防寒対策に日々アワアワしている。

 皆さんは“ユール・キャット”をご存じだろうか。クリスマス・イブに現れるとアイルランドで言い伝えられている巨大な黒猫。なんでも、クリスマス・イブまでにセーターや手袋など新しい暖かい衣類を身につけていない子供はユール・キャットに丸のみされてしまうのだそうだ(時間通りにやるべきことを終わらせることができない子供や労働者をとって食い、ちゃんとできる子には新しい衣類がご褒美として与えられる、など諸説あり)。

 なぜ暖かい服?と思って調べてみると、アイルランドでは羊毛工業が盛んで、羊毛の刈り取りや加工の仕事に真面目に従事していれば雇用主から新しい服が支給されるが、新しい服を持っていないということは、ちゃんと働いていなかったとみなされ、その罰として(?)ユール・キャットに食べられてしまう、ということらしい。

 「泣く子はいねがあ〜!」でおなじみのなまはげは神の使いだが、どちらも年の瀬に怠け者が罰されるという点はとてもよく似ている。アイルランドではサンタと一緒に恐ろしい化け猫もセットでついてきてしまうというのは、なんだか気の毒な気もするが……。だが、なまはげがドアをバーン!と乱暴に開けて土足でどかどかと上がり込んできたら、泣いていなくても泣くし大人だって怖い。どうせとって食われるなら、オラオラした鬼よりも化け猫の方がいいなと猫狂いは思う(ちゃんと働け)。

あったかニット×お風呂で美と健康のインフラを整えよ

 ユール・キャットが日本までやってくることはないだろうから、セーターや手袋を新調する必要はないが、男性よりも筋肉量の少ない女性は、体の中で熱を生み出せる量が少ないから、しっかり防寒しておくことはいうまでもなく大切だ。

 体を冷やすことによって起こる不調はいろいろあるが、一番ネックになるのが血行不良。血流は栄養と酸素と健康を運ぶインフラなので、これが滞ると内臓の働きが悪くなり免疫力が低下。だるさや婦人科系の不調といったトラブルが起こりがちに。また、新陳代謝もスムーズに行われにくくなるため、シミやくすみ、むくみ、太りやすさといった美容的トラブルにも見舞われやすくなる。セーターや手袋でしっかり防寒することももちろん重要だけれど、冷えない体づくりを日々のルーティンの中でどれだけ実践できるかが、次のシーズンの美の明暗を分けそうだ。

 冷え対策で一番てっとり早いのがお風呂。温かい湯船にドボンと浸かるだけで、血流が一気に促され、人間の体を構成する37兆個の細胞一つ一つに酸素と栄養を十分に巡らせることが可能になる。以前、お風呂研究ウン十年の入浴博士に取材したところによると、血液が体内を一周するのにかかる時間はおよそ1分。だから最低でも10分は浸かることが大切で、温められた血液が体を10周することになり、皮膚表面だけでなく体の芯までしっかり温めることができるそうだ。ちなみに湯温は熱すぎず温すぎずの38〜40℃がベスト。入浴後の体温低下が緩やかで、ポカポカした状態が長持ちし、結果入眠もスムーズになるのだとか。

柚子湯からイタリアンスパまで。楽しく心地よく血流を巡らせる入浴剤

 お風呂タイムを快適にするには、やっぱり入浴剤。本日は冬至なので柚子の爽やかな香りを満喫できるものから、健康のインフラを整える重炭酸湯、温熱&美肌効果抜群の本格天然バスソルトまで、楽しく温活できて美にもアプローチできる一石二鳥な入浴剤をお届け。

柚子湯に入りそびれてしまった人、冬至じゃなくても柚子湯を楽しみたい人におすすめなのがこちら。「ハウス オブ ローゼ(HOUSE OF ROSE)」“日本の四季湯”は、四季折々の自然の素材をお風呂に入れる、日本に古くから伝わる“季節湯”をヒントに生まれた入浴剤。こちらは柚子の産地で有名な高知県産・ユズ果実エキスを配合した、香り豊かでリラクシーな一品。


 炭酸系の中でも、特に血行促進効果が高いとされるのが「重炭酸」。中でも、重炭酸温浴法に欠かせない重炭酸イオンを効率的に生み出す、重曹とクエン酸をタブレット化した「薬用 ホットタブ ウェルネス(HOT TAB WELLNESS)【医薬部外品】」は、微細な炭酸ガスを空気中に逃さず、お湯の中で重炭酸イオンに変化させるため、高濃度の重炭酸温浴効果を実現。効率良く全身の巡りをサポートしてくれる。


 ソルト系もまた、入浴時の温熱効果をサポートしてくれる頼もしいアイテム。こちらは、イタリアの伝統的なスパリゾート施設「テルメ ディ サルソマッジョーレ(TERME DI SOLSOMAGGIORE)」のバスソルト。地下2000m(約2000万年前の地層)から掘り出されるサルソマッジョーレ温泉塩に、天然由来の保湿成分をプラス。ミネラル成分たっぷりで入浴後はしっとり柔らかに。

 クリスマスから始まって冬至の柚子湯で着地する謎な展開になりましたが、とにかくお風呂にゆったり浸かって心と体を温めつつ、ユール・キャットに食われないようセーターやマフラーを新調してしっかり防寒を。猫のようにぬくぬくと温かくして良いお年をお迎えください!(10日後のニャンダフルなコスメたちvol.15もよろしくお願いします)

参考
カラパイア『「悪い子は食うにゃ!」アイスランドに伝わる恐怖のクリスマスキャットとは?』

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カインズが「東急ハンズ」買収 都市部のDIY市場を取り込む

 ホームセンター大手のカインズは22日、東急不動産ホールディングス傘下の東急ハンズを買収すると発表した。カインズは郊外を主戦場にしてきたが、大都市に強い東急ハンズの店舗網を取り込む。譲渡予定日は2022年3月31日で、譲渡額は非公表。

 1976年創業の東急ハンズは国内外86店舗を営業する。DIYや生活雑貨を中心に幅広い商材を扱うが、EC(ネット通販)などとの競合激化もあって収益性は悪化していた。コロナ下の21年3月期の売上高は前期比35%減の619億円で、営業赤字に転落した。

 89年設立のカインズは、1万平方メートル規模のホームセンターを28都道府県に227店舗運営する。親会社は売上高1兆円企業のベイシアグループ(群馬県前橋市)で、作業服のワークマンは兄弟会社になる。21年3月期の売上高は前期比10%増の4854億円だった。

 22日夜に記者会見したカインズの高家正行社長は「当社の基盤を東急ハンズに使ってもらい、磨きをかけたい。両社で新しいDIY文化を作る」と話した。カインズが持つオリジナル商品の開発基盤、ECやシステムなどのデジタル基盤、国内外の物流基盤を共有することで、カインズと東急ハンズの特色を維持しながら相乗効果を出していく。

 屋号については当面は「東急ハンズ」を継続するが、適切なタイミングで新しい名前に変える見通し。

 ベイシアグループはショッピングセンターのベイシア、ホームセンターのカインズ、作業服のワークマンなど、いずれも地方・郊外を主戦場にしてきた。だが、ワークマンがカジュアルウエア拡充によって都市部での出店を始めたのに続き、カインズも東急ハンズを取得して都心マーケットの攻略に乗り出すことになる。

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「ロンシャン」がリサイクル素材の新バッグでサステナビリティを加速 CEOが掲げる3つの指針

 「ロンシャン(LONGCHAMP)」は、サステナビリティに関する新たなCSRの取り組みを今夏から始動させた。2023年までに使用する全ナイロンを100%リサイクルナイロンに、レザーをレザーワーキンググループ(以下、LWG)のゴールド認証レザーに切り替える。また風力エネルギーによる脱炭素海上輸送サービスを提供する仏ベンチャー企業ネオライン社(Neoline)と提携し、輸送時のCO2排出量削減にも取り組む。ジャン・キャスグラン(Jean Cassegrain)最高経営責任者(CEO)に、ブランドが目指すサステナブル施策やリサイクル素材を使用した新コレクション“ル プリアージュ グリーン(Le Pliage Green)”について聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):新たなCSR指針で、リサイクルナイロンとLWG認証レザーへの100%シフトを発表した。2023年までという短期間での切り替えを決めた理由は?

ジャン・キャスグランCEO(以下、キャスグランCEO):チャレンジングに思うかもしれないが、サステナブルな取り組みはここ最近始めたことではない。ファッションブランドの多くが製造を外部に委託する中、われわれは家族経営で、職人を自社に抱えるメゾンとしてのルーツを持ち、フランス西部にある自社工場と工房で全商品を製造している。それにより、他社とは異なる“アルチザン(職人)のマインドセット(考え方)”がある。優秀な職人は、材料を無駄なく使うことにプライドを持ち、原材料と環境に敬意を払いながらモノづくりに励む。昔はそれを“サステナビリティ”や“エコ”と呼んでいなかっただけで、「ロンシャン」には創業時から根底にあり、大切にしてきた価値観だ。

WWD:リサイクルナイロンを採用した“ル プリアージュ グリーン”開発のきっかけは?

キャスグランCEO:人気シリーズ“ル プリアージュ”は、誕生して28年が経つ。このバッグは、ナイロン1枚とレザー数切れ、ファスナー、ボタンだけで作られたミニマルなバッグだ。われわれはこのミニマリズムをさらに進化させるべく、デザイン性を損なうことなく、カーボンフットプリント(商品のライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガス排出量)を減らす方法を模索し、“ル プリアージュ グリーン”が誕生した。

WWD:実際にカーボンフットプリントをどれくらい削減できた?

キャスグランCEO:リサイクルナイロンとLWG認証レザーに切り替えることで、カーボンフットプリントを20%削減できた。バッグのサイズによるが、カーボンフットプリントの排出量は1個につき2.5〜5kg、平均して4kgで、ガソリン車で15〜20km走行分に相当する。われわれは“ル プリアージュ”シリーズのほか、ラゲージコレクションやレザーバッグの裏地に用いる全てのバッグの生地を、2023年までにリサイクルナイロンに切り替える目標を掲げている。 “ル プリアージュ”シリーズの素材の切り替えは22年末までに完了する予定だ。

WWD:全体の何%にナイロンが使われている?

キャスグランCEO:ナイロンのパーセンテージは非公開だが、ご存知の通りコレクション全体のかなりのボリュームを占めているので、相当なインパクトがあるはずだ。テキスタイルを切り替えることは大規模なプロジェクトであり、本気の証でもある。

WWD:“ル プリアージュ グリーン”の各素材を詳しく教えてほしい。

キャスグランCEO:サプライヤーの詳細は公表していない。“ル プリアージュ”のような人気商品は必ず複数のサプライヤーと契約している。“ル プリアージュ グリーン”の場合は2社。100%リサイクルナイロンと70%リサイクルナイロンを扱うサプライヤーと取引しており、それぞれリサイクル製品の国際認証であるGRS(グローバル・リサイクル・スタンダード)認証を取得している。ハンドルとフラップはLWGのゴールド認証レザーを採用している。そのほかのパーツも、ファスナーと”ロンシャン・ホース”の刺しゅう糸は90%リサイクルポリエステル、スナップボタンなどの金具は30%リサイクルメタルを使用している。

WWD:素材を切り替える上で大変だった点は?

キャスグランCEO:リサイクル素材を用いながら、従来の“ル プリアージュ”と同じデザインや品質、強度、耐久性を可能にすること。われわれの顧客は、“ル プリアージュ”に長年親しんでおり、異なる製品を求めていない。ずっと愛してきた“ル プリアージュ”がほしいのだ。だからこそ、見た目も使い心地も耐久性も従来の“ル プリアージュ”と同じにすることが重要だった。アップデートは、レザーをグリーンで縁取ったり、メゾンの象徴である馬のマークを少し大きくしたりしたくらいだ。

WWD:バッグのリペアを積極的に行っているが、今後はバッグを回収してリサイクルする可能性もある?

キャスグランCEO:リサイクルの新たな方法を常に模索しているが、現在はリペアに注力している。フランスのスグレに修理工場を構え、フランス国内では年間6万点以上を無償でリペアしており、そのうち3万点が“ルプリアージュ”シリーズだ(日本は有料)。それが今できるベストだと思っている。古いバッグを回収して新しいものに生まれ変わらせるのは簡単ではない。シンプルな“ル プリアージュ”のバッグでも、レザーやファスナーを一つ一つ手作業で外す必要があり、手間暇がかかる。まだ効率的な方法を見つけられていないのが現状だ。

WWD:新たなCSR指針のひとつに「製造と輸送時に発生するCO2排出量を削減」も掲げている。これはサプライチェーンの協力なしに実現は難しいのでは?

キャスグランCEO:われわれは、サプライチェーンを全てコントロールしている。ときに製造パートナーに依頼することもあるが、彼らとは必ず独自のガイドラインと基準を設けて運営している。ほかにも、国内6つと国外5つの工房で、自然光を最大限取り入れた施設を運営している。LEDに切り替えるなど、電気や熱をはじめ、工場や店舗を含む全施設のエネルギー消費量を削減している。工房付近には1万2500本の植樹も行い、CO2排出量の軽減に貢献した。

WWD:再生可能エネルギーへの切り替えも検討している?

キャスグランCEO:再生可能エネルギーについては、フランスではまだ明確なシステムが整っていない。再生可能エネルギーをうたう企業もあるが、真実を知るすべがないのが現状だ。だから、われわれはまずエネルギーの消費量を抑えることを優先している。

WWD:輸送時のCO2削減の取り組みについては?

キャスグランCEO:輸送時のCO2排出に関しては、主力製品の“ル プリアージュ”が軽量かつ折りたためるアイテムであることに助けられている。おかげで一度にたくさん輸送することができる。また最近は空輸ではなく、よりCO2排出量の少ない船便にこだわっている。風力エネルギーによる脱炭素海上輸送サービスを提供するネオライン社と提携し、今後仏サン=ナゼールと米ボルチモア間の輸送はネオライン社の貨物船で行う。これにより80~90%のCO2排出量削減が可能となる見込みだ。

WWD:ネオライン社と提携した経緯を教えてほしい。

キャスグランCEO:二つのメリットが考えられた。一つ目は、ネオライン社が風力エネルギーを使用しているため、環境負荷が少ないこと。二つ目は、ネオライン社がわれわれと同じフランス西部で創業した企業で、港が「ロンシャン」の主要工場とロジスティクスセンターに近く、輸送時のCO2排出量を抑えられることだ。ネオライン社のプロジェクトには、私たち以外にもミシュランやクラランス(CLARINS)など、複数の仏企業がサポートしている。

WWD:開通はいつ?ネオライン社の船便による輸送エリアの拡大予定は?

キャスグランCEO:仏サン=ナゼールと米ボルチモア間は、2024年に開通予定だ。船は工事中で、さらなる資金調達が必要だ。将来的にはフランスからアジアへの運航も可能かもしれないが、通常輸送より倍の時間がかかるため(通常の船便で5週間程度)、現時点では残念ながら現実的ではない。でも、きっとほかの解決法が見つかるだろう。

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「ロンシャン」がリサイクル素材の新バッグでサステナビリティを加速 CEOが掲げる3つの指針

 「ロンシャン(LONGCHAMP)」は、サステナビリティに関する新たなCSRの取り組みを今夏から始動させた。2023年までに使用する全ナイロンを100%リサイクルナイロンに、レザーをレザーワーキンググループ(以下、LWG)のゴールド認証レザーに切り替える。また風力エネルギーによる脱炭素海上輸送サービスを提供する仏ベンチャー企業ネオライン社(Neoline)と提携し、輸送時のCO2排出量削減にも取り組む。ジャン・キャスグラン(Jean Cassegrain)最高経営責任者(CEO)に、ブランドが目指すサステナブル施策やリサイクル素材を使用した新コレクション“ル プリアージュ グリーン(Le Pliage Green)”について聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):新たなCSR指針で、リサイクルナイロンとLWG認証レザーへの100%シフトを発表した。2023年までという短期間での切り替えを決めた理由は?

ジャン・キャスグランCEO(以下、キャスグランCEO):チャレンジングに思うかもしれないが、サステナブルな取り組みはここ最近始めたことではない。ファッションブランドの多くが製造を外部に委託する中、われわれは家族経営で、職人を自社に抱えるメゾンとしてのルーツを持ち、フランス西部にある自社工場と工房で全商品を製造している。それにより、他社とは異なる“アルチザン(職人)のマインドセット(考え方)”がある。優秀な職人は、材料を無駄なく使うことにプライドを持ち、原材料と環境に敬意を払いながらモノづくりに励む。昔はそれを“サステナビリティ”や“エコ”と呼んでいなかっただけで、「ロンシャン」には創業時から根底にあり、大切にしてきた価値観だ。

WWD:リサイクルナイロンを採用した“ル プリアージュ グリーン”開発のきっかけは?

キャスグランCEO:人気シリーズ“ル プリアージュ”は、誕生して28年が経つ。このバッグは、ナイロン1枚とレザー数切れ、ファスナー、ボタンだけで作られたミニマルなバッグだ。われわれはこのミニマリズムをさらに進化させるべく、デザイン性を損なうことなく、カーボンフットプリント(商品のライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガス排出量)を減らす方法を模索し、“ル プリアージュ グリーン”が誕生した。

WWD:実際にカーボンフットプリントをどれくらい削減できた?

キャスグランCEO:リサイクルナイロンとLWG認証レザーに切り替えることで、カーボンフットプリントを20%削減できた。バッグのサイズによるが、カーボンフットプリントの排出量は1個につき2.5〜5kg、平均して4kgで、ガソリン車で15〜20km走行分に相当する。われわれは“ル プリアージュ”シリーズのほか、ラゲージコレクションやレザーバッグの裏地に用いる全てのバッグの生地を、2023年までにリサイクルナイロンに切り替える目標を掲げている。 “ル プリアージュ”シリーズの素材の切り替えは22年末までに完了する予定だ。

WWD:全体の何%にナイロンが使われている?

キャスグランCEO:ナイロンのパーセンテージは非公開だが、ご存知の通りコレクション全体のかなりのボリュームを占めているので、相当なインパクトがあるはずだ。テキスタイルを切り替えることは大規模なプロジェクトであり、本気の証でもある。

WWD:“ル プリアージュ グリーン”の各素材を詳しく教えてほしい。

キャスグランCEO:サプライヤーの詳細は公表していない。“ル プリアージュ”のような人気商品は必ず複数のサプライヤーと契約している。“ル プリアージュ グリーン”の場合は2社。100%リサイクルナイロンと70%リサイクルナイロンを扱うサプライヤーと取引しており、それぞれリサイクル製品の国際認証であるGRS(グローバル・リサイクル・スタンダード)認証を取得している。ハンドルとフラップはLWGのゴールド認証レザーを採用している。そのほかのパーツも、ファスナーと”ロンシャン・ホース”の刺しゅう糸は90%リサイクルポリエステル、スナップボタンなどの金具は30%リサイクルメタルを使用している。

WWD:素材を切り替える上で大変だった点は?

キャスグランCEO:リサイクル素材を用いながら、従来の“ル プリアージュ”と同じデザインや品質、強度、耐久性を可能にすること。われわれの顧客は、“ル プリアージュ”に長年親しんでおり、異なる製品を求めていない。ずっと愛してきた“ル プリアージュ”がほしいのだ。だからこそ、見た目も使い心地も耐久性も従来の“ル プリアージュ”と同じにすることが重要だった。アップデートは、レザーをグリーンで縁取ったり、メゾンの象徴である馬のマークを少し大きくしたりしたくらいだ。

WWD:バッグのリペアを積極的に行っているが、今後はバッグを回収してリサイクルする可能性もある?

キャスグランCEO:リサイクルの新たな方法を常に模索しているが、現在はリペアに注力している。フランスのスグレに修理工場を構え、フランス国内では年間6万点以上を無償でリペアしており、そのうち3万点が“ルプリアージュ”シリーズだ(日本は有料)。それが今できるベストだと思っている。古いバッグを回収して新しいものに生まれ変わらせるのは簡単ではない。シンプルな“ル プリアージュ”のバッグでも、レザーやファスナーを一つ一つ手作業で外す必要があり、手間暇がかかる。まだ効率的な方法を見つけられていないのが現状だ。

WWD:新たなCSR指針のひとつに「製造と輸送時に発生するCO2排出量を削減」も掲げている。これはサプライチェーンの協力なしに実現は難しいのでは?

キャスグランCEO:われわれは、サプライチェーンを全てコントロールしている。ときに製造パートナーに依頼することもあるが、彼らとは必ず独自のガイドラインと基準を設けて運営している。ほかにも、国内6つと国外5つの工房で、自然光を最大限取り入れた施設を運営している。LEDに切り替えるなど、電気や熱をはじめ、工場や店舗を含む全施設のエネルギー消費量を削減している。工房付近には1万2500本の植樹も行い、CO2排出量の軽減に貢献した。

WWD:再生可能エネルギーへの切り替えも検討している?

キャスグランCEO:再生可能エネルギーについては、フランスではまだ明確なシステムが整っていない。再生可能エネルギーをうたう企業もあるが、真実を知るすべがないのが現状だ。だから、われわれはまずエネルギーの消費量を抑えることを優先している。

WWD:輸送時のCO2削減の取り組みについては?

キャスグランCEO:輸送時のCO2排出に関しては、主力製品の“ル プリアージュ”が軽量かつ折りたためるアイテムであることに助けられている。おかげで一度にたくさん輸送することができる。また最近は空輸ではなく、よりCO2排出量の少ない船便にこだわっている。風力エネルギーによる脱炭素海上輸送サービスを提供するネオライン社と提携し、今後仏サン=ナゼールと米ボルチモア間の輸送はネオライン社の貨物船で行う。これにより80~90%のCO2排出量削減が可能となる見込みだ。

WWD:ネオライン社と提携した経緯を教えてほしい。

キャスグランCEO:二つのメリットが考えられた。一つ目は、ネオライン社が風力エネルギーを使用しているため、環境負荷が少ないこと。二つ目は、ネオライン社がわれわれと同じフランス西部で創業した企業で、港が「ロンシャン」の主要工場とロジスティクスセンターに近く、輸送時のCO2排出量を抑えられることだ。ネオライン社のプロジェクトには、私たち以外にもミシュランやクラランス(CLARINS)など、複数の仏企業がサポートしている。

WWD:開通はいつ?ネオライン社の船便による輸送エリアの拡大予定は?

キャスグランCEO:仏サン=ナゼールと米ボルチモア間は、2024年に開通予定だ。船は工事中で、さらなる資金調達が必要だ。将来的にはフランスからアジアへの運航も可能かもしれないが、通常輸送より倍の時間がかかるため(通常の船便で5週間程度)、現時点では残念ながら現実的ではない。でも、きっとほかの解決法が見つかるだろう。

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ドラバラはマスク生活のニーズを捉えたアイテムが好調 「WWDJAPAN 2021下半期ベストコスメ」を読み解く

 「WWDJAPAN」は、「WWDJAPAN」の12月20日号および「WWDJAPAN.com」で「2021年下半期ベストコスメ」の結果を発表中だ。全国の百貨店とセミセルフショップ、バラエティーストア、ドラッグストア、ECのバイヤーに21年5〜10月に“売れた”アイテムをヒアリングし、この間発売された新製品の各部門ベスト3と、新製品と既存品を合わせた全製品(総合)の各部門ベスト3が出そろった。ここでは、ドラッグストア・バラエティーショップでのランキング結果をもとに、下半期ベストコスメから読み解ける市場のトレンドを紹介する。

スキンケアは消費者ニーズにマッチしたロート製薬が人気

 スキンケアはロート製薬が強さを見せつけた。化粧水部門は全製品(総合)では「メラノCC」の“メラノCC薬用しみ対策美白化粧水”、新製品では「肌ラボ(R)」の“極潤 薬用ハリ化粧水”が1位、美容液部門は全製品(総合)で「オバジ(OBAJI)」の“C25セラム ネオ”と「メラノCC」の“メラノCC薬用しみ集中対策 プレミアム美容液”が1、2フィニッシュ。化粧水部門はほかにも“ナチュリエ スキンコンディショナー”などがランクインしており、1000円前後の購入しやすい価格かつ毎日たっぷり使える大容量が人気。そういった点においては、ロート製薬のスキンケアには詰め替え用があるため(一部除く)うまく消費者ニーズをとらえた形だ。一方で美容液は1品で高い効果が期待できる高価格帯が支持を集めた。

 クレンジング・洗顔部門は、「WWDJAPAN」でも不動の人気を誇る、「デュオ(DUO)」のクレンジングバームが全製品(総合)の1・2位に輝いた。中でも1位の“ザ クレンジング ブラックリペア”は21年3月に発売されたばかりのアイテムで、“洗う”ブランドイメージが定着しているブランドへの信頼感、そして在宅時間が増えた“巣ごもり”需要が追い風となったようだ。

“まつ育”はもはや毎日の定番に

 メイクアップはコロナ禍のマスク着用生活で引き続きUVベースと目元ケアに人気が集中。ベースメイク部門は、上半期ベストコスメでもランクインしていた「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE POSAY)」の“UVイデア XLプロテクショントーンアップ ローズ”や「マキアージュ(MAQUILLAGE)」の“ドラマティックパウダリー EX“、そして7月に登場した「プリマヴェスタ(PRIMAVISTA)」の“スキンプロテクトベース(トーンアップ)”が上位に入り、「ファンデーションを使わずベースだけで軽やかにしたい」「肌にフィットしてマスクでも崩れにくい仕上がりにしたい」というニーズに対応するアイテムが好調だ。アイメイク部門は、富山の製薬会社が開発した「水橋保寿堂製薬」の“エマーキット”が全製品(総合)の1位に輝き、“まつ育”はもはや毎日のケアの一つになりつつある。

ティントがマスク生活の味方 リップが復活の兆し

 今回のランキング結果は、リップ復調の兆しも感じさせる。リップ部門の全製品(総合)と新製品ともに首位を飾ったのは「ケイト(KATE)」の“リップモンスター(05)”だ。累計出荷数120万本(2021年4月20日〜10月31日)を突破し、セルフメイクの口紅市場においてシェア55%を超える(インテージSRI/2021年5月10日~5月16日)ヒットを記録。品薄状態が続いたため、ブランドはお詫びと増産体制を整える発表をおこなったほど。もちろんブランド側にとってはお客との出合いの機会を逃してしまう見過ごせない事態。しかしコロナ禍のビューティ業界で最も大打撃を受けたと言っても過言ではないリップカテゴリーにこのような“悲鳴”が上がるのはうれしい限りだ。そのほか、「セザンヌ(CEZANNE)」“ウォータリーティントリップ”や「ロムアンド(ROM&ND)」の“ジューシーラスティングティント”、「オペラ(OPERA)」の“リップティント N”がランクインしており、「落ちない・色移りしない」を打ち出すティントリップは、マスク生活において強い味方になっている。

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ドラバラはマスク生活のニーズを捉えたアイテムが好調 「WWDJAPAN 2021下半期ベストコスメ」を読み解く

 「WWDJAPAN」は、「WWDJAPAN」の12月20日号および「WWDJAPAN.com」で「2021年下半期ベストコスメ」の結果を発表中だ。全国の百貨店とセミセルフショップ、バラエティーストア、ドラッグストア、ECのバイヤーに21年5〜10月に“売れた”アイテムをヒアリングし、この間発売された新製品の各部門ベスト3と、新製品と既存品を合わせた全製品(総合)の各部門ベスト3が出そろった。ここでは、ドラッグストア・バラエティーショップでのランキング結果をもとに、下半期ベストコスメから読み解ける市場のトレンドを紹介する。

スキンケアは消費者ニーズにマッチしたロート製薬が人気

 スキンケアはロート製薬が強さを見せつけた。化粧水部門は全製品(総合)では「メラノCC」の“メラノCC薬用しみ対策美白化粧水”、新製品では「肌ラボ(R)」の“極潤 薬用ハリ化粧水”が1位、美容液部門は全製品(総合)で「オバジ(OBAJI)」の“C25セラム ネオ”と「メラノCC」の“メラノCC薬用しみ集中対策 プレミアム美容液”が1、2フィニッシュ。化粧水部門はほかにも“ナチュリエ スキンコンディショナー”などがランクインしており、1000円前後の購入しやすい価格かつ毎日たっぷり使える大容量が人気。そういった点においては、ロート製薬のスキンケアには詰め替え用があるため(一部除く)うまく消費者ニーズをとらえた形だ。一方で美容液は1品で高い効果が期待できる高価格帯が支持を集めた。

 クレンジング・洗顔部門は、「WWDJAPAN」でも不動の人気を誇る、「デュオ(DUO)」のクレンジングバームが全製品(総合)の1・2位に輝いた。中でも1位の“ザ クレンジング ブラックリペア”は21年3月に発売されたばかりのアイテムで、“洗う”ブランドイメージが定着しているブランドへの信頼感、そして在宅時間が増えた“巣ごもり”需要が追い風となったようだ。

“まつ育”はもはや毎日の定番に

 メイクアップはコロナ禍のマスク着用生活で引き続きUVベースと目元ケアに人気が集中。ベースメイク部門は、上半期ベストコスメでもランクインしていた「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE POSAY)」の“UVイデア XLプロテクショントーンアップ ローズ”や「マキアージュ(MAQUILLAGE)」の“ドラマティックパウダリー EX“、そして7月に登場した「プリマヴェスタ(PRIMAVISTA)」の“スキンプロテクトベース(トーンアップ)”が上位に入り、「ファンデーションを使わずベースだけで軽やかにしたい」「肌にフィットしてマスクでも崩れにくい仕上がりにしたい」というニーズに対応するアイテムが好調だ。アイメイク部門は、富山の製薬会社が開発した「水橋保寿堂製薬」の“エマーキット”が全製品(総合)の1位に輝き、“まつ育”はもはや毎日のケアの一つになりつつある。

ティントがマスク生活の味方 リップが復活の兆し

 今回のランキング結果は、リップ復調の兆しも感じさせる。リップ部門の全製品(総合)と新製品ともに首位を飾ったのは「ケイト(KATE)」の“リップモンスター(05)”だ。累計出荷数120万本(2021年4月20日〜10月31日)を突破し、セルフメイクの口紅市場においてシェア55%を超える(インテージSRI/2021年5月10日~5月16日)ヒットを記録。品薄状態が続いたため、ブランドはお詫びと増産体制を整える発表をおこなったほど。もちろんブランド側にとってはお客との出合いの機会を逃してしまう見過ごせない事態。しかしコロナ禍のビューティ業界で最も大打撃を受けたと言っても過言ではないリップカテゴリーにこのような“悲鳴”が上がるのはうれしい限りだ。そのほか、「セザンヌ(CEZANNE)」“ウォータリーティントリップ”や「ロムアンド(ROM&ND)」の“ジューシーラスティングティント”、「オペラ(OPERA)」の“リップティント N”がランクインしており、「落ちない・色移りしない」を打ち出すティントリップは、マスク生活において強い味方になっている。

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ヴァージル・アブローに寄せられた追悼文を訳しながら考えたこと【翻訳日記:今を読み解くキーワード 第3回】

 「WWDJAPAN」の翻訳担当による連載「翻訳日記:イマを読み解くキーワード」では、翻訳した米国版「WWD」のニュースを引用し、その言葉が日本語や英語でどのように使われているかなどを考察。注目のニュースから英語的な感覚を養い、物事を新たな角度から見るきっかけを提供する。連載を担当するのは、「WWDJAPAN」で翻訳を主に手掛ける先輩Kと後輩M。気づけば翻訳の道に入ってはや四半世紀の先輩Kと、入社2年目でミレニアルとZ世代の狭間を生きる日英バイリンガルの後輩Mが交換日記を交わすように話を深めていく。

 3回目のテーマは追悼文の翻訳。ニュース記事でありながらも、故人への思いなどの感情を表現した文章を翻訳する際の苦悩や、追悼文を巡る成り立ちや文化的背景などの裏話を語る。11月28日に急逝したヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)に寄せられた業界人や著名人らのコメントを起点に考える。

後輩M:今回は私が苦戦に苦戦を重ねた、追悼文の翻訳についてお話ししたいと思います。28日にヴァージルが亡くなった際、あまりに急であったことへの衝撃や、彼が残した功績・仕事を称えるため多くの著名人や業界人らが追悼の言葉をSNSで呟いたり、米「WWD」に寄せたりしました。WWDJAPANではウェブ記事としてもまとめたほか、急遽特集ページを作るなどしました。

先輩K:本当に突然の訃報で、私も驚きました。故人に敬意を払いながら、悼む方々の気持ちも表し、かつニュース媒体のコメントであることをバランスよく成立させるのは難しいですよね。

後輩M:そもそも今回このテーマにしよう!と思ったきっかけは、「I miss you(アイ ミス ユー)」の翻訳でした。寂しい気持ちや会いたい気持ちを表現するために日常的にもよく使う言葉なのですが、だからこそ改めて翻訳に向き合った時に「どう訳したら良いのだろう!?」と頭が真っ白になってしまったんです。

先輩K:一般的には、そのまま「〇〇がいなくて寂しい」という風に訳すことが多いです。

後輩M:はい。生活から故人がいなくなって寂しいことを表すには適切だと思うので、記事でも基本的にはそのように訳しました。もしくは「惜しまれる」などと書きましたが、「I miss you」はもっと能動的で、「ずっと愛しているよ!」くらいの熱量がこもっている感覚があって……。

先輩K:そもそも日本の文化では「愛している」と日常的に口にすることはあまりないですし、日本の新聞や報道で「愛」という言葉を目にすることは少ないというのもあって、適訳がないのかもしれません。原文に「love」とあっても、企業トップの話であれば「敬愛」や「尊敬」と翻訳するケースがほとんどです。

後輩M:夏目漱石が「I love you(愛している)」を「月がきれいですね」と訳しなさいと学生に教えたという都市伝説がありますが、それぐらい意訳して、「I miss you」も「私の心はあなたのものよ」はどうかなんて考え出す始末でした。

先輩K:あくまでニュース記事で、小説の翻訳ではないということは念頭におきましょう(笑)。本当はどういう思いが込められているのかなど、本人にしか分からない、事実の裏付けが取れない部分を勝手に翻訳するわけにもいかないですもんね。

後輩M:はい。もう一つ表現に頭を抱えたのが、「Rest in Power(レスト イン パワー)」でした。「安らかにお眠りください」という追悼の言葉は、英語では「Rest in Peace(レスト イン ピース)」、または略して「R.I.P」と書かれるのが一般的です。亡くなっている方に対してあまり使われない「Power(パワー)」をどのように追悼の言葉として表現すべきか悩みました。

先輩K:アメリカ公民権運動の中で、黒人活動家によって発せられた黒人結集のスローガンに「ブラックパワー」はよく使われており、そこからきている言い回しですね。俳優のチャドウィック・ボーズマン(Chadwick Boseman)氏が亡くなったときに、この言い回しをよく見かけました。生前に人種差別や偏見、社会問題と闘った人を讃える意味で、安らかに、そしてブラックパワーの誇りや力を胸に眠ってください、というニュアンスが込められています。公開している記事では「力とともにお眠りください」と訳しています。

後輩M:ブラックコミュニティーのこれまでの歩みや闘いといった、社会的・文化的背景を知らないと訳せないですね。

先輩K:ボーズマン氏が主演を務めた「ブラックパンサー(Black Panther)」は、メジャーな作品では初めての黒人スーパーヒーロー映画でした。アメリカに生きるブラックコミュニティーに勇気や感動、夢を与えたという点でとてもエンパワリングなものだったんです。そのような背景もあって、彼が亡くなったときに多くの方が使ったのだと思います。

後輩M:ヴァージルもそういう存在だったわけですよね。

先輩K:本当にそうでしたね。ラグジュアリーブランドの多くは欧州を拠点に長い歴史を持っていますが、米国出身の黒人として、そうしたメゾンの代表的な存在の一つである「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターを務めたのはまさに快挙でした。

後輩M:背景知識も汲み取った翻訳が追悼文ではなおさら大切ということですね。ほかにも追悼文で多く使われた言葉は、「My heart goes out to your family」「My thoughts are with your family and friends」というものでした。これも、「寄り添っているニュアンスをどう訳そう?」と考えさせられました。

先輩K:これは気持ちのこもっている言葉であると同時に、追悼の際の定形文でもあるので、日本語でそれに該当する「ご家族にお悔やみを申し上げます」などとしています。話者の社会的な立場や故人との関係性などによって、日本語として不自然でないように訳すことが重要です。直訳的な意味としては、「ご家族の皆さまのことを思う」ですね。

後輩M:英語独特なのかはわかりませんが、「Thinking of you=あなたのことを考えている」というのは愛情表現の一つですよね。例えば、私がイギリスで出会った友達に日本から連絡をとるときも、「I think about you a lot!」(物理的に離れていてもあなたを思っているし、気持ちはいつも一緒だよ!)と言うことで愛情を表現しますが、日本語にはない言い方のように感じます。

先輩K:一緒にいない時も相手のことを気にかけていて、「私の心はあなたのそばにいるよ」と伝えるという愛情表現ですね。

後輩M:訃報を訳しながら、ヴァージルは本当にたくさんの人々から愛されていたんだと感じました。悲しいニュースにまだ実感もわかない人も多いと思いますが、彼がこの業界に見せてくれた夢や後進に示した道は、多くの人々の心に残って若者たちを勇気づけていくと思います。

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「バルミューダ」初の旗艦店は体験の場 トーストやコーヒーを提供する2階に行例も

 「バルミューダ(BALMUDA)」初の旗艦店が11月、東京・南青山に登場した。2層約300平方メートルの同店舗は、ファッションブティックが並ぶ表参道のショッピングエリアにある。寺尾玄バルミューダ社長が5月に散歩中に、この物件を見つけたのがきっかけだ。天井が高くすっきりとした店内は、ギャラリーのような雰囲気。1階で製品を展示販売し、2階は、体験を提供するラウンジになっている。店舗の壁にはイタリアから取り寄せたビンテージのレンガを用いたり、アーチ形のデザインを施してヨーロッパ風の趣の店舗に仕上げた。BGMはなく、静かな空間にキッチン家電はもちろんのこと、照明や空調など全製品16点を美術作品のように展示している。私が同店舗を訪れたのは平日の夕方だったが、老若男女さまざまな人が来店し、思い思いに製品に触れていた。

引き算で必要な機能にフォーカスしたスマホ

 「バルミューダ テクノロジーズ(BALMUDA TECHNOLOGIES以下、バルミューダ)」は、第一弾5Gスマートフォンを旗艦店オープン直前に発売。旗艦店では、SIMフリーモデルとソフトバンクモデル両方を体験できるコーナーがある。アンドロイド搭載の同スマホは5Gで最小・最軽量。スマホ以外の生活を楽しむためのツールとして開発された。

 スマホは多くのアプリや機能があるが、「バルミューダ」のスマホの特徴は、スケジュール、メモ、計算機、ウオッチ、カメラ機能にフォーカスした独自のアプリが特徴だ。スケジュールは、ピンチイン・ピンチアウトにより、1目で1週間のスケジュールが確認できる。また、天気や気温も表示してくれる。メモはカラー分けされており、付箋を貼る感覚で優先度の高いものから並べ替えられるようになっている。計算機は、ボタンにより億単位で表示が可能。また、ドル、ユーロ、ポンド、元のレート計算ができて履歴も残るようになっており、経営者などに便利な機能付きだ。ウオッチ機能は、目覚ましやカウントダウンなど、目的別に心地良い音で知らせてくれるというもの。これら音楽は、寺尾社長による作曲だ。カメラのモードは、フォト、料理、人物、夜景モードとシンプル。アプリで溢れかえるスマホから、本当に必要なアプリを使い勝手よくアレンジし搭載したのが「バルミューダ」のスマホ。引き算により生み出された経営者をはじめ、多忙な人々にぴったりの一台といえる。

2階の体験ラウンジは平日も満席

 階段を上がると2階はカウンターとベンチが置かれたラウンジスペースになっている。ゆったりとした空間には、「バルミューダ」製品のデザイン画などが展示してある。ここでは、“バルミューダ ザ トースター”で焼いたトーストやクロワッサン、コーヒーメーカーの“バルミューダ ザ ブリュー”で入れたコーヒーを無料で提供。このラウンジでは、トーストやコーヒーの味だけでなく、トーストが焼き上がる時間やコーヒーを入れる時間なども体験してもらうのが目的だ。平日だというのに、ベンチもほぼ満席。限定数を設けておらず、土日は行列ができることもあるという。カウンターに座り、「メゾンカイザー(MAISON KAYSER)」のトーストと「バルミューダ」が「スターバックス(STARBUCKS)」とコラボレーションしたコーヒーをいただく。提供するパンは定期的にブランドが変わるそうだ。

 家電の体験スペースというと、さっと食べてさっと立ち去るイメージだが、まるで、カフェのカウンターでくつろぐイメージだ。ここでの体験が奏功してか、期間店で一番売れているのがコーヒーメーカーだという。トースターやコーヒーメーカーだけでなく“バルミューダ ザ ごはん”で炊いたご飯を提供することもあるようだ。ゆくゆくは、ワークショップなども企画するという。「バルミューダ」の旗艦店は、ブランド体験を見事に体現した店舗だ。

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カッシーナが「ザ・コンランショップ」の日本事業を投資ファンドに売却

 イタリア高級家具「カッシーナ(CASSINA)」などを扱うカッシーナ・イクスシー(以下、カッシーナ)は、傘下の英国発ライフスタイル「ザ・コンランショップ(THE CONRAN SHOP以下、コンラン)」の日本における事業を三井物産、三井住友銀行、日本政策投資銀行の3社により設立されたMSD企業投資会社(以下、MSD)へ売却する。カッシーナが運営する「コンラン」は英国本国のライセンスを受けて、インテリアや生活雑貨などの企画開発及び販売などを行っている。同社は2014年、コクヨの連結子会社であるLmDインターナショナルから100%株式を取得。赤字が続いたが、雑貨の割合を減らし家具を増やしたことにより、20年に黒字化した。今年3 月に伊勢丹新宿本店5階に出店。森康洋カッシーナ社長は、「“おうち時間の増加で、投資企業などからの『コンランショップ』への関心が高まった。さらなる成長を加速させるために売却を決定した」とコメントしている。カッシーナからMSDへの100%株式譲渡は年内に行われる。

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銀座出店に続き神戸本店を拡張移転 ヘアサロン「スクリーン」がコロナ禍でも挑戦を続ける原動力とは

 兵庫県・神戸で2014年に創業したヘアサロン「スクリーン(SCREEN)」は、昨年6月の東京・銀座出店に続き、今年秋に神戸にある本店を拡張移転した。神谷翼代表取締役とKAORI代表、福井優生マネージャーの3人で立ち上げてから7年。来春には新しいメンバーを迎え、33人の体制になる。コロナ禍で先が読みにくく、出店や採用を躊躇するヘアサロンが多い中でも果敢に挑戦する「スクリーン」は、今最も勢いのあるヘアサロンの一つだ。厳しい状況でも挑戦し続ける原動力を神谷代表取締役と、KAORI代表に聞いた。

WWD:コロナ禍にも関わらず、2年連続の出店と拡張移転となりました。どのぐらい前から本店の移転を考えていましたか。

神谷翼代表取締役(以下、神谷):正直にいうと4年ほど前から考えていました。移転前の本店は1階と2階の2フロアの店舗でしたが、スタッフが増えかなり手狭になっていました。けれども7年半前に3人でオープンしたお店には思い入れがありましたし、心の底から気に入った物件が見つからない限り変えたくないという強い思いがありました。そんなときにこの物件が見つかりました。

WWD:拡張移転先は神戸を代表する街並み、旧居留地ですね。

神谷代表:この物件に出合ったのは銀座店をちょうどオープンした去年の4月ごろ。店舗が面する大丸神戸店の裏側の通りは、僕が神戸を訪れてこの場所で0からお店を始めたいと思った場所です。いつかはこの通り沿いに出店したいという思いがありました。けれども銀座店のオープンや新型コロナウイルスが流行し始めた直後だったので、物件は気に入ったもののすぐには決断できませんでした。

心が離れやすい今だからこそ
みんなで一緒に働ける場所を作りたい

WWD:それでも今回の拡張移転を決断したのはなぜ。

神谷代表:まずは銀座店の形を作って、相乗効果で神戸を盛り上げて結果が出たら決断しようと思っていました。コロナ禍でスタートした銀座店は、僕たちの予想以上にたくさんのお客さまに支持していただき、早い段階で形ができました。スタッフを数人銀座店に移動させたので穴はできたものの、銀座のメンバーが頑張っている分、神戸のメンバーも触発されたようで、神戸本店の売り上げは落ちるどころか好調でした。美容業はお客さまから本当に必要とされる仕事だと実感できました。

 それでもコロナ禍がいつ終息するか分からない中、決断には勇気がいりましたね。最後の最後まで僕たちの始まりの場所をなくしてもいいのかも悩みました。けれども、本店のキャパシティーでは僕やKAORIのお客さまで席が埋まってしまうこともあり、「スクリーン」で頑張ってくれているスタッフたちのこれからのチャンスを広げるためにも未来を見据えて決断しました。

KAORI代表(以下、KAORI):最初のお店を残して、もう1店舗出店するという方法も考えました。けれども、こんな時代だからこそ、本店を移転してリセットしてでもみんなが集まってチームで仕事をした方が強いのかなと結論が出ました。人と人との距離が開いて、気持ちが離れやすい今、バラバラで働くよりも一箇所に集まった方がパワーが集まるはずです。心をもう一度通わせ合うためのリスタートの場所という意味を持たせた時に、本店を移転するということに納得ができました。

神谷代表:新店舗の出店や移転はスタッフへのサプライズという意味も大きいです。一番身近な彼ら・彼女らが、どこに出店したら一番驚くのか、どんなお店に作り上げたら喜んでくれるのか。常に考えています。本店の拡張移転は、ギリギリまで悩んで物件を契約した3日後に発表しました。スタッフの中には「本店をなくしてまで……」と思った子もいるかもしれません。それでもたくさんの選択によって今があるんです。何かを大きく変えるときには失うものもあるけれど、失うことでまた大きなチャンスが生まれるはずです。僕らが美容師としての本質を変えなければ、失うものはないんだと思います。

不安定な状況でも
これまでの積み重ねがあるから決断できる

WWD:昨年の新卒入社のスタッフを含めて、「スクリーン」全スタッフがリアルで集まったのは新店舗のお披露目の時が初めてだったとか。

KAORI:神戸と銀座の店舗を、スタッフを行き来させたいという思いはあります。体調管理をして、PCR検査をしながら、探り探りです。会えない時間が長い今だからこそ、私たちは美容師という仕事をしているからこそ、人との繋がりや思いを大切にし続けることは欠かせません。それをスタッフも意識してくれていて、今回みんなが集合できたことで一緒に働くことの価値を高めていけたらいいですよね。
 
神谷:3人でスタートした「スクリーン」のスタッフがどんどん増えていることに喜びがあります。集合写真を撮るときに、一人一人は小さくなってしまうけれども、幅が増えていることがすごく嬉しくてチームの活力になっています。コロナ禍で安心安全を重視して、コンパクトにやらなければいけないことも重々分かっていますが、今回拡張移転を決断したように、自分たちが一番大切にすべきものを、最も形にしやすい手段を今は取るべきだと考えています。

WWD:本店移転は「スクリーン」にとって大きな意味合いがありますね。

神谷:コロナ禍でも銀座店をオープンして、今回の拡張移転ができたのは、本当にお客さまのおかげです。「強く展開するね」「思い切りがある」と言われることもありますが、僕らはものすごく悩んでいます。それでも一時的な思いつきではなく、毎日1つ1つの積み重ねをすることで今が成り立っているんです。不安定なコロナ禍でも、毎日お客さまが来てくださることに勇気をもらっています。そして、僕たちについてきてくれるスタッフにも背中を押してもらっています。僕らだけではこれからの「スクリーン」は作れない。「スクリーン」の第2章が始まります。

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資生堂が13億人利用の中国のチャットアプリ運営会社と3年間のパートナー契約締結

 資生堂は12月21日、中国の大手インターネット&テクノロジーカンパニー、テンセントと3年間のグローバル戦略的パートナーシップを締結した。これにより、D2Cモデルの構築とSNS、Eコマースを掛け合わせた商品の販売促進を行うソーシャルコマースの強化や、デジタルを活用した美容体験を進化させ世界中の中国人消費者に新たなサービスを提供する。

 同社は中長期経営戦略「WIN2023 and Beyond」の主要戦略の一つとして、デジタル事業モデルへの転換・組織構築を掲げる。今回の提携はその一環となる。本提携で得たノウハウを資生堂グループ全体で活用し、デジタルトランスフォーメーションの加速とデジタル能力開発の強化により、グローバルでの成長につなげる。

 テンセントは中国最大のソーシャルメディア事業者で、月間アクティブユーザーが約 13 億人(テンセント調べ)のインスタントメッセンジャーアプリのウィーチャット(WeChat)を運営するなど、D2C プラットフォームや消費者エンゲージメントの優れたノウハウを所有する。

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 資生堂は12月21日、中国の大手インターネット&テクノロジーカンパニー、テンセントと3年間のグローバル戦略的パートナーシップを締結した。これにより、D2Cモデルの構築とSNS、Eコマースを掛け合わせた商品の販売促進を行うソーシャルコマースの強化や、デジタルを活用した美容体験を進化させ世界中の中国人消費者に新たなサービスを提供する。

 同社は中長期経営戦略「WIN2023 and Beyond」の主要戦略の一つとして、デジタル事業モデルへの転換・組織構築を掲げる。今回の提携はその一環となる。本提携で得たノウハウを資生堂グループ全体で活用し、デジタルトランスフォーメーションの加速とデジタル能力開発の強化により、グローバルでの成長につなげる。

 テンセントは中国最大のソーシャルメディア事業者で、月間アクティブユーザーが約 13 億人(テンセント調べ)のインスタントメッセンジャーアプリのウィーチャット(WeChat)を運営するなど、D2C プラットフォームや消費者エンゲージメントの優れたノウハウを所有する。

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下半期ベスコスで注目の傾向は? 「今週の特集お届け隊」2021年12月20・27日号

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年12月20・27日号からの抜粋です)

中村:恒例のベストコスメで、僕はバラエティー&ドラッグストア&ECを担当しましたが、今回はリップのベストが新製品も総合も全部ティント系、分かりやすい傾向でした。明らかに“マスクに付かない”が求められていますね。

牧田:百貨店でもティント系がランクインしています。今まではアイメイクばかりでしたが、マスクを外した際にやはり口紅はつけていたい、でもマスクに口紅がつくのはイヤということですね。ティントには唇が乾燥するという印象があったのですが、保湿成分を配合し、つけ心地もアップしたものが増えています。

中村:「ロムアンド(ROM&ND)」などを輸入している韓国高麗人参社の、ヒットの先見の明があると評判のキム・ナユン代表も「来年は、カラーコスメやベースコスメでスキンケア効果のあるものが絶対にくる」と言っていましたが、やはりそういう傾向があるんですね。

牧田:百貨店ではスキンケア重視が継続していて、メーカー側も定番アイテムをアップデートして発売しました。そのあたりはやはり強かったです。

中村:バラエティーショップでは、人気サロンや美容師がプロデュースした商品がランクインしているのが新しい動きですね。今まではサロンで売っているものを特別に扱っている感じだったのですが、これらはドラバラ用に開発された商品で、ヒットしています。

牧田:サロンブームが広がってますね。

中村:フレグランスでは金木犀の香りが売れましたね。ピンポイントで花の名前が出てきて、いろんなアイテムで売れたというのは、結構珍しいことでしたよね。香りを嗅いでも、あんまり特別感を覚えなかったんですけど(笑)。

牧田:マイルドな香りでしたよね。30代後半以上にはトイレの芳香剤のイメージがあるのですが、20代には新鮮だったようですね。花には癒されますし、2022年春夏のメイクの新製品でも花からのインスピレーションを得た製品が多いです。何か新しい花にスポットが当たっても面白いかも。

中村:タンポポとか出てきてほしいですね。

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下半期ベスコスで注目の傾向は? 「今週の特集お届け隊」2021年12月20・27日号

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年12月20・27日号からの抜粋です)

中村:恒例のベストコスメで、僕はバラエティー&ドラッグストア&ECを担当しましたが、今回はリップのベストが新製品も総合も全部ティント系、分かりやすい傾向でした。明らかに“マスクに付かない”が求められていますね。

牧田:百貨店でもティント系がランクインしています。今まではアイメイクばかりでしたが、マスクを外した際にやはり口紅はつけていたい、でもマスクに口紅がつくのはイヤということですね。ティントには唇が乾燥するという印象があったのですが、保湿成分を配合し、つけ心地もアップしたものが増えています。

中村:「ロムアンド(ROM&ND)」などを輸入している韓国高麗人参社の、ヒットの先見の明があると評判のキム・ナユン代表も「来年は、カラーコスメやベースコスメでスキンケア効果のあるものが絶対にくる」と言っていましたが、やはりそういう傾向があるんですね。

牧田:百貨店ではスキンケア重視が継続していて、メーカー側も定番アイテムをアップデートして発売しました。そのあたりはやはり強かったです。

中村:バラエティーショップでは、人気サロンや美容師がプロデュースした商品がランクインしているのが新しい動きですね。今まではサロンで売っているものを特別に扱っている感じだったのですが、これらはドラバラ用に開発された商品で、ヒットしています。

牧田:サロンブームが広がってますね。

中村:フレグランスでは金木犀の香りが売れましたね。ピンポイントで花の名前が出てきて、いろんなアイテムで売れたというのは、結構珍しいことでしたよね。香りを嗅いでも、あんまり特別感を覚えなかったんですけど(笑)。

牧田:マイルドな香りでしたよね。30代後半以上にはトイレの芳香剤のイメージがあるのですが、20代には新鮮だったようですね。花には癒されますし、2022年春夏のメイクの新製品でも花からのインスピレーションを得た製品が多いです。何か新しい花にスポットが当たっても面白いかも。

中村:タンポポとか出てきてほしいですね。

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