「クロエ」が新デザイナーによるビジュアルとロゴ公開 幅広い世代のモデルを起用

「クロエ(CHLOE)」は、2月24日にパリで発表する2024-25年秋冬コレクションに先駆け、新クリエイティブ・ディレクター、シェミナ・カマリ(Chemena Kamali)による新しい「クロエ」の世界観を伝えるビジュアルを発表した。

“クロエ・ポートレート” と題した写真に登場するのは、幅広い世代、国籍のモデルたちで、その多くが過去に「クロエ」のショーでモデルを務めている。いずれもエッフェル塔とパリの街を背景に髪をなびかせて立っている。着ているのはバイヤーたちに今月一足早く公開したカマリによる2023年プレフォール・コレクションだ。浮遊感のある生地使いやケープコートのようなルーズなシルエット、パウダリーなカラーパレッはいかにも「クロエ」らしく、奇をてらうことなくメゾンのルーツを重んじる姿勢がうかがえる。カマリはリリースで「私は、クロエの放つエモーションやエネルギー、そして、その歴史とスピリットを体現する女性 たちをキャプチャーしたかったのです。そのエフォートレスに力強く、美しく、自由な姿を」というメッセージを発信している。

80年代にカール時代の「クロエ」で活躍したモデルも今後は登場

モデルを務めるジェシカ・ミラー(Jessica Miller)やナタリア・ヴォディアノヴァ(Natalia Vodianova)は2000年代前半にフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)による「クロエ」のランウエイを歩いていた。ほかにフェイフェイ・サン(FeiFei Sun)や、オルネラ・ウムトーニ(Ornella Umutoni)などを起用している。今後、80年代にカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が手掛けていた「クロエ」のショーで歩いたジェリー・ホール(Jerry Hall)や、ジェシカやナタリアと同世代のリヤ・ケベデ(Liya Kebede)、新世代モデルのクリスティン・ リンセス(Kristine Lindseth)などもソーシャルメディアや公式ウェブサイトに登場する予定だ。

また、ビジュアルと併せて新しいロゴも公開した。「クロエ」を一躍有名にしたラガーフェルドによる1970年代の「クロエ」のロゴにインスパイアされたもので、セリフ体のフォントは繊細でクラシックな印象を与える。このロゴは最近、公式インスタグラで、アーカイブ画像のフラッシュバックと併せて公開されている。なお、ラガーフェルは、1974年から83年までと、92年から97年までの2回、「クロエ」で仕事をしている

ロッタ・ヴォルコヴァなど気鋭のクリエイターを起用

81年にドイツで生まれたカマリは大学でファッションデザインを学んだ後、07年にセント・マーチン美術大学MA(CENTRAL SAINT MARTINS MAを卒業し、フィービー・ファイロのチームの一員として「クロエ」でのキャリアをスタートさせた。12年、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)のもとでデザイン・ディレクターとして「クロエ」に復帰。16年、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vacarello)のもとで「サンローラン(SAINT LAURENT)のデザイン・ディレクターに就任した。2024-25年秋冬から「クロエ」を率いる。

“クロエ・ポートレート”はデイヴィッド・シムズ(David Sims)が写真撮影を、フランク・ルボン(Frank Lebon)がムービーを制作。キャスティングにアシュリー・ブロコウ( Ashley Brokaw)、スタイリングにロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)といったトップクリエイターを起用している。

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上智発学生サステナブルブランド「カルテナ」がポップアップ リメイクワークショップも

上智大学発の学生サステナブルブランド「カルテナ(CARUTENA)」は2月12〜13日、東京・高円寺でポップアップを開催する。不要になった衣類をファッションアイテムにリメイクし販売する活動の一貫だ。会場では、テーマの“デニム”に基づき不要になったデニムをリメイクしたトートバッグや巾着、エコバッグ、サコッシュなどを販売する。デニムのほか、消費者から回収した生地をもとに製作した商品も扱う。また、デニムを用いたワークショップの開催も予定している。参加費は500円。

塩谷菜歩・共同代表は今回のポップアップについて、「私たち単独で行う初のポップアップです。ゼロウェイストで環境に配慮しつつ、ファッショナブルな空間作りにも力を入れました。ワークショップやフォトブースなどの仕掛けを通して、気軽にサステナブルファッションを学び、体感できる場所にしました」と語った。

「カルテナ」は2020年4月に設立。服の大量廃棄という現代社会における環境問題に取り組み、古着をリメイクした商品の販売や出張授業を通して、ファッションにおける持続可能性の重要性を訴える。

◼️2024 ポップアップ デニム コレクション
日時:2月12〜13日 
時間:12:00〜18:00
場所:GALLERY SUMMER of LOVE
住所:東京都杉並区高円寺南4-41-6
※入場料無料

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上智発学生サステナブルブランド「カルテナ」がポップアップ リメイクワークショップも

上智大学発の学生サステナブルブランド「カルテナ(CARUTENA)」は2月12〜13日、東京・高円寺でポップアップを開催する。不要になった衣類をファッションアイテムにリメイクし販売する活動の一貫だ。会場では、テーマの“デニム”に基づき不要になったデニムをリメイクしたトートバッグや巾着、エコバッグ、サコッシュなどを販売する。デニムのほか、消費者から回収した生地をもとに製作した商品も扱う。また、デニムを用いたワークショップの開催も予定している。参加費は500円。

塩谷菜歩・共同代表は今回のポップアップについて、「私たち単独で行う初のポップアップです。ゼロウェイストで環境に配慮しつつ、ファッショナブルな空間作りにも力を入れました。ワークショップやフォトブースなどの仕掛けを通して、気軽にサステナブルファッションを学び、体感できる場所にしました」と語った。

「カルテナ」は2020年4月に設立。服の大量廃棄という現代社会における環境問題に取り組み、古着をリメイクした商品の販売や出張授業を通して、ファッションにおける持続可能性の重要性を訴える。

◼️2024 ポップアップ デニム コレクション
日時:2月12〜13日 
時間:12:00〜18:00
場所:GALLERY SUMMER of LOVE
住所:東京都杉並区高円寺南4-41-6
※入場料無料

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タペストリー、買収したカプリ傘下の「ヴェルサーチェ」と「ジミー チュウ」売却も視野に? 市場関係者が憶測

年商120億ドル(約1兆7760億円)の巨大ファッション企業が誕生すると目されているタペストリー(TAPESTRY)によるカプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の買収だが、取引の完了後、タペストリーがカプリ傘下の「ヴェルサーチェ(VERSACE)」と「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を売却するのではないかとのうわさがアナリストなど一部の市場関係者の間で流れている。

「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリーは2023年8月10日、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ」「ジミー チュウ」を擁するカプリを85億ドル(約1兆2580億円)で買収した。その際、購入資金を調達するため、タペストリーは75億ドル(約1兆1100億円)のデットファイナンス(借り入れもしくは社債発行による資金調達)を行っている。この返済のため、ブランド売却を検討するのではないかという憶測だ。

タペストリーがカプリを買収するメリットとしては、レザーグッズに強い前者とウエアに強い後者という補完性の高さに加えて、タペストリーのラグジュアリーセクターへの進出という点が挙げられる。しかし、金融大手ウェルズ ファーゴ(WELLS FARGO)のアイク・ボルーチョウ(Ike Boruchow)=アナリストは、「『マイケル・コース』の北米における卸は以前として厳しい状態にあり、業績は芳しくない。『ヴェルサーチェ』と『ジミー チュウ』は、ラグジュアリー市場の減速の影響で売り上げが落ちている。一方、『コーチ』は一時期の人気ぶりは落ち着いたものの、業績は堅調だ」と分析。タペストリーは、値下げや割引の繰り返しによってブランド価値が下がっていた「コーチ」を立て直した実績があるため、デジタル化や定価販売を推進することで「マイケル・コース」も同様に再建し、“手の届くラグジュアリー”というポジショニングを強化する戦略も検討しているのではないかという。

同氏はまた、「タペストリーの経営陣が、カプリの持つラグジュアリーブランドを売却し、負債を返済することを選ぶ可能性もある。現在、タペストリーの株価は40ドル(約5920円)前後で推移しているが、買収したものも含めて6ブランドを運営した場合の株価が60ドル(約8880円)程度になると仮定すると、『ヴェルサーチェ』と『ジミー チュウ』を売却して負債を返済すれば、企業価値は縮小するものの、株価は70ドル(約1万360円)まで上がるかもしれないからだ」と説明した。

なお、買収取引の完了時期については明らかになっていない。タペストリーは2月8日に23年10〜12月期(第2四半期)を、カプリは10~12月期(第3四半期)決算を発表する。

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花王2023年12月期は減収減益 中国市場が失速

花王の2023年12月期連結決算(国際会計基準)は、中国市場の景気減速感が一段と色濃く表れ、売上高が前期比1.2%減(実質3.8%減)の1兆5325億円、営業利益が同45.5%減の600億円、純利益が同49%減の438億円だった。

化粧品事業は、東京電力福島第1原子力発電所の処理水(ALPS処理水)の影響を大きく受け、売上高が同5.1%減(実質6.7%減)の2386億円、営業損益が54億円の赤字(前期は141億円の黒字)だった。

日本では、構造改革による返品の計上や韓国のトラベルリテールにおける代理購買抑制などの影響を受け、売り上げは前期を下回った。コア売上高は「カネボウ(KANEBO)」や「ケイト(KATE)」などのグローバル戦略ブランド(G11)が好調を維持し、前期を上回った。

中国の売り上げは、ALPS処理水の影響でKOL(キー・オピニオン・リーダー)の活動
自粛や販売促進活動の抑制などで大幅に前期を下回った。

欧州では市場が低迷する中、「モルトンブラウン(MOLTON BROWN)」の新商品が順調に推移。さらに「センサイ(SENSAI)」はリニューアルした新商品や既存品のプロモーションが奏功し、売り上げは前期を上回った。

へルス&ビューティケア事業(スキンケア、ヘアケア・パーソナルヘルス製品を展開)は、売上高が同6.3%増(実質3.1%増)の3929億円、営業利益が同10.3%増(59億円増)の405億円だった。

スキンケア商品は、「ビオレ」のUVやメイク落としの新商品がヒットし、全体の売り上げが前期を上回った。ヘアケア商品の売り上げは伸長。日本では厳しい競争環境の中、「エッセンシャル(ESSENTIAL)」の新商品・改良品が順調に推移したほか、「ケープ」の新商品が貢献した。また、ヘアサロン向けブランド「オリベ(ORIBE)」の欧米展開を強化したところECを中心に好調に推移した。

24年12月期は、事業ポートフォリオ経営をさらに進展させ、事業変革領域にある事業の安定収益・成長ドライバー領域への転換を進める。具体的には、UVケア商品の海外展開(欧州・豪州・ブラジル・中国・アセアン)を加速するほか、グローバル戦略商品としてシート型の高付加価値商品を投入する。また、“次世代型”プレミアムヘアケア商品を発売するなどヘアケア事業の再興を図る。

連結業績予想は、売上高が同3.1%増(実質2.3%増)の1兆5800億円、営業利益が同116.5%増の1300億円、純利益が同123.4%増の980億円を見込む。化粧品事業は同7.1%増(実質)の2540億円、ヘルス&ビューティケア事業は同8.1%増(実質)の4220億円を予想する。

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「ニコアンド×ドムドム」コラボ第2弾は“80年代レトロ” 紙袋トートは予約分完売

アダストリアが運営する「ニコアンド(NIKO AND...)」と日本初のハンバーガーチェーンで知られる「ドムドムハンバーガー」(以下、ドムドム)によるコラボレーションブランド「ニコドム(NIKODOM)」の第2弾の発表会が2月7日に行われた。

今回のテーマは“80年代レトロ”。当時の「ドムドム」の店舗写真をプリントした長袖Tシャツや人気メニュー“ビッグドム トマト&チーズ”の具材をデザインしたスエット、シンボルマークの“どむぞうくん”をあしらったトートバッグなど、アパレルや雑貨が多数ラインアップする。「ドムドム」が全国に400店舗を構えた90年代の最盛期へと導いた当時のグラフィックやモチーフを懐かしく思う世代だけでなく、レトロブームのZ世代の心も掴み、SNSで話題を集めている。

オンラインサイトでは1月25日から予約販売を実施しており、すでに300点以上の予約を受け付けている。中でも、「ドムドム」のテイクアウト用紙袋をイメージして作ったコラボ初となる“ペーパートート”(5500円)は初日に予約分が完売。店舗では数量限定で取り扱い予定だが、完売必至だ。

また発表会では、コラボフードをお披露目。「ドムドム」の伝説的メニューとして知られる“お好み焼きバーガー”と「ニコアンド」の看板メニュー“ニコパン”の一番人気“タマゴサラダ”を掛け合わせた“お好み焼きニコパン”が登場し、「ニコアンド」のカフェ併設店舗で販売される。

渋谷109内のファッションショップでスタッフ経験もある藤﨑忍ドムドムフードサービス社長にアパレルグッズのお気に入りのポイントを聞くと、「実は、一部のアイテムの“どむぞうくん”は目がにっこりしている。そんな遊び心ある部分を楽しんでほしい。異業種コラボレーションのシナジーは大きいと考えている。現在は80〜90年代の事業規模に比べると小さいが、若い世代に知ってもらえるきっかけになってほしい」と答えた。

星野明アダストリア執行役員兼「ニコアンド」営業本部長は、「甘じょっぱいソースとふんわり甘いパンとの相性が抜群で、クセになる味」とコメント。また協業について、「業界の当たり前にとらわれず、お客さまの笑顔のために取り組みたいという思いが2度目のコラボレーションの実現になった。今後もぜひ期待してほしい」とコメント。

商品は2月7日に原宿の「ニコアンド トーキョー」のみで先行発売し、9日から一部の店舗と公式ウェブストア「ドットエスティ(.st)」で販売する予定だ。

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「MSGM」が大丸心斎橋に新店舗 2月9日オープン

「エムエスジーエム(MSGM)」は2月9日に、大丸心斎橋店 本館4階に新店舗をオープンする。日本で3店舗目。

店舗面積は約59平方メートル。店内では、マッシモ・ジョルジョッティ(Massimo Giorgetti)デザイナーが自身のタンザニア旅行からインスピレーションを受けて製作した2024年春夏メンズコレクションとウィメンズのリゾートコレクションを取り扱う。オープンを記念して商品の購入者を対象に数量限定でオリジナルのトートバッグをプレゼントする。

イタリア発の「エムエスジーエム」は、ジョルジョッティデザイナーが2009年にスタートし、メンズとウィメンズのコレクションを展開する。現代アートや音楽、ユースカルチャーと深いつながりを持ち、カラフルな色使いや大胆なグラフィック使いが特徴。日本ではアオイが代理店を務める。

■MSGM 大丸心斎橋店

オープン日:2月9日
場所:大丸心斎橋店 本館 4階
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋 1-7-1

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ダサくすればする程イケてる“ギークシック”って何?

今年急浮上しているトレンド“ギークシック”は、オタクを意味する“ギーク(Geek)”と洗練を意味する“シック(Chic)”が出合い、オタクっぽくなればなる程素敵なスタイルになるという造語だ。“ギークシック”の第一印象は「どこか親しげながら少しダサい」「これが本当にイケてるのかな?」と頭の中にはてなマークが浮かんだりもするけれど、ユニークで個性的なスタイルはどんどん目が離せなくなる。知的なイメージに現代的な洗練を与えることができる“ギークシック”スタイルを演出したいのなら、以下の3つのアイテムさえあればいい。

キーアイテム1. 分厚いプラスチック眼鏡

眼鏡は“ギークシック”ルックに欠かすことのできない必須アイテム。最近、Z世代のアイコンであるビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)がゴールデングローブ賞授賞式に丸いメガネを着用して出席して話題となったが、「ミュウミュウ(MIU MIU)」「ゼニア(ZEGNA)」をはじめ数多くのブランドのランウエイでゴーグルかと思う程の分厚いプラスチック素材のメガネを多数披露した。分厚いプラスチック眼鏡をスタイリングに取り入れればさまざまな色とフレームデザインで知的なイメージを見せるだけでなく、顔の特徴を強調して自分だけの個性をさらに生かすことができるはずだ。

キーアイテム2. ポロシャツ

クラシックでありながら多様なスタイリングが可能なポロシャツが“ギークシック”スタイルの流行とともにキーアイテムになると予想される。コロナ以降4年ぶりに2024年春夏ニューヨーク・ファッション・ウイークに復帰した「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」は、ブランドのアイコンであるポロシャツを幅広いデザインで披露し「グッチ(GUCCI)」「フェンディ(FENDI)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」「セオリー(THEORY)」でもポロシャツを活用したカジュアルなルックからフォーマルなルックまでさまざまな演出されたルックを目にする事ができる。特に「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のストライプ柄のポロシャツはいたずらっ子っぽい(お転婆な)魅力がプラスされ、“ギークシック”スタイルと相性抜群。

キーアイテム3. ベーシックニット

“ギークシック”スタイルに挑戦するために新しいアイテムを買うのが面倒だったら、ワードローブに一枚は必ずあるであろう、ベーシックなカラーのニットを活用してみると良い。重ね着がしやすいので、着心地の良いきちんとしたスタイルはもちろん、シャツと合わせてプレッピーなムードが加わったギークシックスタイルを簡単に完成させることができる。ギークシックのシックで都会的なツンとした魅力を強調したいのなら、体にフィットするウエスト丈のニットを選ぶこと。

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ユニクロ、24年春夏は「過去に例のない」大型キャンペーン実施 “話題性”で残暑に対抗

ユニクロ(UNIQLO)は2024年春夏、ジーンズと“エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ”をグローバルキャンペーンで打ち出す。各国共通素材でテレビCMなどを行い、それ以外にもパラシュートパンツ、“感動パンツ”、ブラトップ、“エアリズム”のインナー、Tシャツブランドの「UT」で順次大型キャンペーンを実施。「過去に例のない規模でのキャンペーンとなり、ユニクロがコンセプトとする“LifeWear”や今春夏掲げている“Lightness”(=軽さ)を発信する」と、マーケティング領域を担当する遠藤真廣ファーストリテイリンググループ執行役員。

2月9日の春物の本格立ち上げに合わせて、7日に社外のギャラリースペースで、モデルによるパフォーマンスなども組み込んだ大掛かりな展示会を行った。従来、春夏物の展示会は12月上旬に行ってきたが、今回は実際の店頭投入タイミングに引きつけての開催。社外スペースを借りての大型展示会自体、かなり久々だ。「(従来の展示会スケジュールでは)情報が出てもお客さまはすぐに商品を買うことができず、ストレスになっていた。お客さまが本当に必要とする情報を必要なときに発信」し、話題性につなげるのが狙い。メディア関係者に加えてインフルエンサーも多数招待し、情報発信に一層力を入れている。

24年春夏は「値上げはなし」

キャンペーンは「立ち上げ時期の商品政策の要」と位置付けるボトムスから開始する。2月12日にパラシュートパンツ(3990円)をテレビCMで打ち出し、3月12日にジーンズ(ウィメンズのドレープデニムタックパンツ3990円など計3型)でグローバルキャンペーンを開始、同15日から“感動パンツ”(3990円)でテレビCMを放映する。トップスでは、“エアリズム”インナー(1290円など)を同18日から、ブラトップを同25日から打ち出し、“エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ”(1500円)のグローバルキャンペーンは4月中旬を予定。「UT」は国内は5月の大型連休や夏休みに打ち出す。

ユニクロの23年9月〜24年1月の既存店売上高は、前年同期比4.4%減に沈んでいる。厚手のコートなどを多数そろえ、商品構成が暖冬に合っていなかったという面が大きいが、「(不安定な気候が今後も続くと予想される中では)商品構成もマーケティングもどちらも変えていくべき」と遠藤執行役員。例えば“エアリズム”インナーは、「夏の肌着」という訴求ではなく、「寒暖差の激しい気温の中で快適に過ごすための肌着」といったメッセージに変えて、夏だけでなく春〜秋の季節の変わり目を快適に過ごすためのアイテムとしてアピールしていく。他にも、ジーンズは肌触りの柔らかさやライトなタッチ、トラウザーのように見えるシルエットを打ち出し、重い、硬い、真夏には暑いといったイメージを覆す。

22年秋冬以降、シーズン毎に一部商品で値上げを行ってきた。今春夏は“エアリズム”のベーシック肌着を300円値上げして1290円としたことなど以外は、「基本的に値上げは行わない」という。

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“コジコジ メルヘンデパート”が伊勢丹新宿店に コラボ商品の一部ラインアップを公開

さくらももこ原作の作品「コジコジ(COJI-COJI)」は、伊勢丹新宿本店とコラボレーションしたポップアップイベント“コジコジ メルヘンデパート アット イセタン”を2月21日から27日まで開催する。商品はコラボレーションイラストを使用したものをはじめ約30アイテムをラインアップし、コラボレーションレストラン・カフェなど楽しい企画も用意した。三越伊勢丹オンラインおよびムードマーク バイ イセタンでも、2月21日午前10時から一部商品を取り扱う。

コラボレーションアイテムは、アクセサリーブランド「デモデ(DEMODEE)」がコジコジの愛くるしい世界観をミニチュアやプリントを用いて表現したバッグ(1万5400円)、チャーム(1万1000円)、ドール(1万3200円)や、「青山デカーボ」のグルテンフリー、植物素材で作ったさくら風味のクッキーを詰めた“コジコジ缶”(1430円)などをラインアップ。

「アイコニー(IKONIH)」のひのき木球やエッセンシャルひのきミスト(2750円)や、インドの刺しゅう工房の職人と共にハンドメードで製作している「タマオワールド(TAMAOWORLD)」のポーチ(各8800円)、ミニブローチ(各7150円)も用意。「クラシクス ザ スモールラグジュアリー(CLASSICS THE SMALL LUXURY)」は定番の草むらシリーズ、マイクロファイバーを使用したものなど色々な種類のハンカチーフをそろえ、「ザ スキップス(THE SKIPS)」は名入れが可能なカスタムモーテルキーホルダー(3080〜3410円)を販売する。

伊勢丹新宿本店 本館6階の親子カフェ「ラッテ チャノママ(LATTE CHANO_MAMA)」、「ハッピーホームキッチン」では、メルヘンの国の世界観をイメージしたコレボレーションメニューを楽しめる。詳細は後日、“コジコジ メルヘンデパート アット イセタン”の特設ページで発表する。

さらに、三越伊勢丹アプリをダウンロード後、会員登録して三越伊勢丹アプリ内のクーポン画面を提示し会場内で商品を購入した人を対象に、先着500人限定でオリジナルステッカーをプレゼントする。

■コジコジ メルヘンデパート アット イセタン
日程:2月21日〜27日
場所:伊勢丹新宿本店 本館6階 センターパーク/ザ・ステージ#6
住所:東京都新宿区新宿3-14-1

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【2024年バレンタイン】松屋銀座はギフトだけじゃない! チョコを通して食体験を提案

松屋銀座は2月14日までの期間、8階イベントスクエアでバレンタインイベント「GINZA バレンタインワールド」を開催している。「チョコと楽しむ食体験」をテーマに、82ブランドをそろえる。実演販売やイートインスペースでは過去最多の17ブランドを展開し、出来立てのデザートやチョコと意外な食材を組み合わせたメニューを介して、食体験を提案する。

パティシエが目の前で仕上げる
限定ショコラ・デセール

新進ショコラティエによる「限定ショコラ・デセール」では、パティシエが目の前で仕立てるデザートが入れ替わりで登場する。東京・神楽坂の日本茶を取り入れたデザートコースの専門店「ヴェール」(出店日:11〜14日)は、“いちごと薔薇のパフェ”(3850円、松屋銀座限定)と“柑橘と和栗のバシュラン”(2750円、松屋銀座限定)を提供する。「ユニ マサハル コウヅマ(UNIS -MASAHARU KOZUMA-)」(出店日:6〜10日)は、国産の柑橘とカカオを組み合わせたパフェ(3401円、松屋銀座限定)とブリオッシュに柑橘のコンフィとチョコレート、キャラメルソース、アイスを合わせたプレート(2901円、松屋銀座限定)を用意する。

大人の楽しみ
チョコとお酒のマリアージュバー

「チョコ×お酒のマリアージュバー」では、人気バー4店舗がお酒と嗜むチョコとともに入れ替わりで登場する。ハンガリーの蒸留酒、パーリンカを扱う「バー パーリンカ(BAR PALINKA)」(出店日:8〜10日)は、白葡萄が香るパーリンカに塩味の効いたブルーチーズチョコを合わせた“イルシャイ・オリヴェール パーリンカ ブルーチーズ”(セットで1650円)を提供する。カカオとボタニカルがテーマのバー「メメント モリ」(出店日:11〜14日)では、ウォッカにカカオパルプ(カカオの果肉)を入れた爽やかな飲み口のカクテルにフルーティなガナッシュを合わせた“カカオパルプフィズ パッションマンゴー”(セットで2001円)提供する。

好評だった「蕪木」のメニューが登場する
ショコラ サロン

また、去年初出店で好評だった、東京・蔵前に店を構える、自家製焙煎の珈琲と自家製チョコレートの「蕪木」(各日11〜19時30分)のメニューが楽しめるショコラサロンも用意する。フルーティーなボンボンショコラとコーヒーチェリーを樹上乾燥させて甘さを引き出して作ったコーヒーの組み合わせ(セットで1251円)やホットチョコレートに福島産フランボワーズのピュレとバラの香りを加えた松屋銀座限定の“ショコラショー(ルージュ)”(1100円、松屋銀座限定)を提供する。

そのほかにも
イートインにはさまざまなブランドが登場

イートインスペースでは、個性豊かなブランドのできたてを体験できる。「セイスト(SEISTE)」の“和栗とチョコレートのクラフトアイスクリーム”(1650円、松屋限定)は、和栗専門店の「リコ ドルチェ(RICO DOLCE)」の和栗と「田中屋せんべい総本家」のごま煎餅を使用している。「江戸久寿餅」の“大人のクズクズシェイク”(Sサイズ:1201円、Mサイズ:1301円、松屋銀座限定)は、江戸久寿餅の黒蜜ときなこ、九州産大豆“ふくゆたか”を使用した豆乳シェイクにラム酒に漬けたレーズンをトッピングした。そのほか、「レナーズ(LEONARD’S)」や「カカオサンパカ(CACAO SAMPAKA)」「ショコラティエ(CHOCOLATIER)」「パレドオール(PALET D’OR)」「浪漫須貯古齢糖」などのブランドが出店する。

ギフトにもご褒美にも
25種類の松屋銀座限定商品

今年は、毎年人気の品や松屋初登場ブランド、日本初上陸ブランドを含めた25種類の限定商品をそろえる。

日本らしさを生かしたチョコレート

日本人パティシエらによる、日本の食材を生かした品々が多く登場する。「浪漫須貯古齢糖」は、青森産の食材を多く利用した、ボンボンショコラアソートの最新作“ボンボンショコラアソート10”(4320円、松屋銀座限定)を販売する。そのほか、「ファミー バイ ミホサトウ(FAMMY BY MIHO SATO)」は、北海道産蝦夷ベリーやレモンコンフィ、積丹ジンを使ったボンボンショコラを集めた“リトルハート”(2801円、松屋銀座限定)を、「ナカムラ チョコレート(NAKAMURA CHOCOLATE)」はこし餡と桜葉で作る新作ガナッシュ“桜もち”や“抹茶”“柚子”のショコラなど日本の雅を表現した“ナカムラ セレクション”(2776円、松屋初登場)を用意する。「パティスリー ショコラトリー レシィ(PATISSERIE CHOCOLATERIE RECIT)」からは、ホワイトチョコレートのガナッシュと国産バラジャムを組み合わせた“レシィドゥローズコフレ”(2960円、松屋初登場)が登場する。

トップメゾンの傑作を集めたチョコレート

日本初上陸の「ラヴォラッティ(LAVORATTI)」は、北イタリアのチーズ“パルミジャーノ・レッジャーノ”にホワイト&ダークチョコレートを合わせた、ワインにも合うボンボンショコラ(3348円、松屋銀座限定)を用意した。「フィフス アヴェニュー チョコラティア(5TH AVENUE CHOCOLATIERE)」の“リカーセレクト”(3348円、松屋銀座限定)は、人気の“シャンパン”アイリッシュウイスキーの“ゴッドファーザーカクテル”、テキーラとコーヒーリキュールのカルーアが融合した“ブレイブ・ブルカクテル”の3種のリカーをセットにする。

「セイスト(SEISTE)」は、ミニマルな南米カカオで作った松屋限定のボックス“サウスアフリカ”(8640円、松屋銀座限定)を用意した。さまざまな素材の掛け合わせによって、フルーティな香りやウッディな香りなど、カカオの個性を引き出した。「ナーディル・ギュル(NADIR GULLU)」は、チョコレート生地にチョコレートソースを合わせた“ピスタチオ バクラヴァ”(2052円、松屋銀座限定)を用意した。

そのほか、ショコラブランド

そのほか、松屋銀座限定を含むさまざまなショコラブランドをそろえる。スイス ジュネーブ発の「トリスタン(TRISTAN)」は、ミルクパヴェとフランボワーズ、抹茶の3種のフレーバーがそろった“チョコレート ボックス”(3240円)を用意している。タイ バンコク発の「ガート ココア(KAD KOKOA)」は、もち米やタイティー、ポメロなど、タイならではのユニークな素材を使用した6種のショコラを合わせたセットを提供する。

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【2024年バレンタイン】松屋銀座はギフトだけじゃない! チョコを通して食体験を提案

松屋銀座は2月14日までの期間、8階イベントスクエアでバレンタインイベント「GINZA バレンタインワールド」を開催している。「チョコと楽しむ食体験」をテーマに、82ブランドをそろえる。実演販売やイートインスペースでは過去最多の17ブランドを展開し、出来立てのデザートやチョコと意外な食材を組み合わせたメニューを介して、食体験を提案する。

パティシエが目の前で仕上げる
限定ショコラ・デセール

新進ショコラティエによる「限定ショコラ・デセール」では、パティシエが目の前で仕立てるデザートが入れ替わりで登場する。東京・神楽坂の日本茶を取り入れたデザートコースの専門店「ヴェール」(出店日:11〜14日)は、“いちごと薔薇のパフェ”(3850円、松屋銀座限定)と“柑橘と和栗のバシュラン”(2750円、松屋銀座限定)を提供する。「ユニ マサハル コウヅマ(UNIS -MASAHARU KOZUMA-)」(出店日:6〜10日)は、国産の柑橘とカカオを組み合わせたパフェ(3401円、松屋銀座限定)とブリオッシュに柑橘のコンフィとチョコレート、キャラメルソース、アイスを合わせたプレート(2901円、松屋銀座限定)を用意する。

大人の楽しみ
チョコとお酒のマリアージュバー

「チョコ×お酒のマリアージュバー」では、人気バー4店舗がお酒と嗜むチョコとともに入れ替わりで登場する。ハンガリーの蒸留酒、パーリンカを扱う「バー パーリンカ(BAR PALINKA)」(出店日:8〜10日)は、白葡萄が香るパーリンカに塩味の効いたブルーチーズチョコを合わせた“イルシャイ・オリヴェール パーリンカ ブルーチーズ”(セットで1650円)を提供する。カカオとボタニカルがテーマのバー「メメント モリ」(出店日:11〜14日)では、ウォッカにカカオパルプ(カカオの果肉)を入れた爽やかな飲み口のカクテルにフルーティなガナッシュを合わせた“カカオパルプフィズ パッションマンゴー”(セットで2001円)提供する。

好評だった「蕪木」のメニューが登場する
ショコラ サロン

また、去年初出店で好評だった、東京・蔵前に店を構える、自家製焙煎の珈琲と自家製チョコレートの「蕪木」(各日11〜19時30分)のメニューが楽しめるショコラサロンも用意する。フルーティーなボンボンショコラとコーヒーチェリーを樹上乾燥させて甘さを引き出して作ったコーヒーの組み合わせ(セットで1251円)やホットチョコレートに福島産フランボワーズのピュレとバラの香りを加えた松屋銀座限定の“ショコラショー(ルージュ)”(1100円、松屋銀座限定)を提供する。

そのほかにも
イートインにはさまざまなブランドが登場

イートインスペースでは、個性豊かなブランドのできたてを体験できる。「セイスト(SEISTE)」の“和栗とチョコレートのクラフトアイスクリーム”(1650円、松屋限定)は、和栗専門店の「リコ ドルチェ(RICO DOLCE)」の和栗と「田中屋せんべい総本家」のごま煎餅を使用している。「江戸久寿餅」の“大人のクズクズシェイク”(Sサイズ:1201円、Mサイズ:1301円、松屋銀座限定)は、江戸久寿餅の黒蜜ときなこ、九州産大豆“ふくゆたか”を使用した豆乳シェイクにラム酒に漬けたレーズンをトッピングした。そのほか、「レナーズ(LEONARD’S)」や「カカオサンパカ(CACAO SAMPAKA)」「ショコラティエ(CHOCOLATIER)」「パレドオール(PALET D’OR)」「浪漫須貯古齢糖」などのブランドが出店する。

ギフトにもご褒美にも
25種類の松屋銀座限定商品

今年は、毎年人気の品や松屋初登場ブランド、日本初上陸ブランドを含めた25種類の限定商品をそろえる。

日本らしさを生かしたチョコレート

日本人パティシエらによる、日本の食材を生かした品々が多く登場する。「浪漫須貯古齢糖」は、青森産の食材を多く利用した、ボンボンショコラアソートの最新作“ボンボンショコラアソート10”(4320円、松屋銀座限定)を販売する。そのほか、「ファミー バイ ミホサトウ(FAMMY BY MIHO SATO)」は、北海道産蝦夷ベリーやレモンコンフィ、積丹ジンを使ったボンボンショコラを集めた“リトルハート”(2801円、松屋銀座限定)を、「ナカムラ チョコレート(NAKAMURA CHOCOLATE)」はこし餡と桜葉で作る新作ガナッシュ“桜もち”や“抹茶”“柚子”のショコラなど日本の雅を表現した“ナカムラ セレクション”(2776円、松屋初登場)を用意する。「パティスリー ショコラトリー レシィ(PATISSERIE CHOCOLATERIE RECIT)」からは、ホワイトチョコレートのガナッシュと国産バラジャムを組み合わせた“レシィドゥローズコフレ”(2960円、松屋初登場)が登場する。

トップメゾンの傑作を集めたチョコレート

日本初上陸の「ラヴォラッティ(LAVORATTI)」は、北イタリアのチーズ“パルミジャーノ・レッジャーノ”にホワイト&ダークチョコレートを合わせた、ワインにも合うボンボンショコラ(3348円、松屋銀座限定)を用意した。「フィフス アヴェニュー チョコラティア(5TH AVENUE CHOCOLATIERE)」の“リカーセレクト”(3348円、松屋銀座限定)は、人気の“シャンパン”アイリッシュウイスキーの“ゴッドファーザーカクテル”、テキーラとコーヒーリキュールのカルーアが融合した“ブレイブ・ブルカクテル”の3種のリカーをセットにする。

「セイスト(SEISTE)」は、ミニマルな南米カカオで作った松屋限定のボックス“サウスアフリカ”(8640円、松屋銀座限定)を用意した。さまざまな素材の掛け合わせによって、フルーティな香りやウッディな香りなど、カカオの個性を引き出した。「ナーディル・ギュル(NADIR GULLU)」は、チョコレート生地にチョコレートソースを合わせた“ピスタチオ バクラヴァ”(2052円、松屋銀座限定)を用意した。

そのほか、ショコラブランド

そのほか、松屋銀座限定を含むさまざまなショコラブランドをそろえる。スイス ジュネーブ発の「トリスタン(TRISTAN)」は、ミルクパヴェとフランボワーズ、抹茶の3種のフレーバーがそろった“チョコレート ボックス”(3240円)を用意している。タイ バンコク発の「ガート ココア(KAD KOKOA)」は、もち米やタイティー、ポメロなど、タイならではのユニークな素材を使用した6種のショコラを合わせたセットを提供する。

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英国が新潮流を作るデザイナーを輩出し続ける理由 若手発掘の第一人者サラ・モワーに聞く

英国はクリエイティブ産業が盛んだ。製造業が衰退したこともあり、特にトニー・ブレア政権下で“クール・ブリタニア”として方針を打ち出したことで、アート、音楽、ファッション産業で、多くのクリエイターを輩出してきた。教育と産業支援が充実しており、現在のファッション産業で活躍するデザイナーの多くは英国人、もしくは英国で学んだケースが多い。サステナビリティなどの新しい潮流も英国から生まれている。

ファッション分野で大きな役割を果たしてきたのが若手デザイナーの育成プログラム「ニュージェン(NEWGEN)」だ。発掘と選定に携わり、2009年からは委員長を務める英国を代表するファッションジャーナリストのサラ・モワー(Sarah Mower)「ヴォーグ・ドットコム」主任評論家は、「クリエイティビティこそが私たちのスーパーパワーであり、それは常に、世界をリデザインしようとする人々を、その第一歩からサポートすることを意味します」と語る。

「ニュージェン」は1993年に英国ファッション協議会(British Fashion Council、BFC)が設立。これまで支援を受けたデザイナーは300人を超える。故リー・アレキサンダー・マックイーン(Lee Alexander McQueen)やキム・ジョーンズ(Kim Jones)、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)やシモーン・ロシャ(Simone Rocha)、「アーデム(ERDEM)」のアーデム・モラリオグル(Erdem Moralioglu)、グレース・ウェールズ・ボナー(Grace Wales Bonner)や「アルワリア(AHLUWALIA)」のプリヤ・アルワリア(Priya Ahluwalia)、「エスエスデイリー(S.S. DALEY)」の(スティーヴン・ストーキー・デイリー(Steven Stokey-Daley)などがいる。

彼女は現在ロンドンのデザイン・ミュージアムで開催中の「ニュージェン」の設立30周年を記念した企画展「REBEL: 30 Years of London Fashion」のゲスト・キュレーターを務め、その歴史を紹介している。

いち早くサステナビリティに取り組む若手デザイナーたち

モワーは企画にあたり「若いデザイナーたちがファッション産業による環境破壊や廃棄物に対して、真っ先に意義を唱え始めていたことが明らかになりました。サステナビリティについてファッションコースを有する大学で教えられるよりもずっと前です。サステナビリティがカリキュラムに加えられるようになったのは、大学がけん引したのではなく、学生の圧力によるものでした」と振り返る。同展では、アートスクールの教育に焦点を当てた展示ブースもある。

「若者たちは私たち業界の長老たちに、私たちが彼らに教えるのと同じか、それ以上のこと、特にこれからのことを教えてくれます。例えば、クリストファー・レイバーン(Christopher Raeburn)は2009年、軍用パラシュートのデッドストックからコレクションをアップサイクルした最初の人物です。オルソラデ・カストロ(Orsola De Castro)は10年、ロンドンで初のエシカルファッションの展示会“Esthetica”を立ち上げました。15年前といえば、気候変動に関する会議や環境に関するファッション協定がまだなかった頃です。当初、彼らが理想主義者で世間知らず、さらには業界を批判するトラブルメーカーだと見下されたり、軽蔑されたりしていたことを鮮明に覚えています」。今でこそ、サステナビリティはデザインやビジネスの根底に据えるべきことになっているが、当時はまだまだ否定的だったことがわかる。「ニュージェンに参加したデザイナーたちは、スローガンTシャツを着ているというよりも、彼らは常に建設的です。問題を解決するために創造的に新しいシステムを考案し、自分たちの仕事のやり方を透明化し始めた最初のデザイナーたちでした。また、サプライチェーンにおける労働者の待遇や、グローバル・ノースによるグローバル・サウスへの繊維廃棄物の投棄をめぐる問題を提起しました」。

「こうした事実を表面化させ、ファッション好きを教育し、よりダメージの少ない新しいシステム作りに取り組むデザイナーには、フィービー・イングリッシュ(Phoebe English、再生可能な手法、廃棄物ゼロ、プラスチックの排除)、リチャード・マローン(Richard Malon、アップサイクル素材を使用した受注生産モデルへ移行)、プリヤ・アフルワリア(Priya Ahluwalia、インドとナイジェリアで目撃した、繊維廃棄物の投棄と黒人・褐色労働者の搾取を暴露)、ヘレン・カーカム(Helen Kirkum、チャリティー団体から回収した廃スニーカーをスニーカーの“リマスタリング”に使用)がいます」。

ロンドンの若手デザイナーにとってデッドストックの素材を使うことは当たり前になっている。「今日、彼らは総じてセクシーで完成度の高い服を作っていると自認していて、持続可能な実践としてのラグジュアリーファッションを再定義しています」。

30年続く「ニュージェン」の応募基準は、ここ数年でわずかに変わっただけだという。「傑出した才能と経済支援の必要性、そして2社以上の取引先(またはeコマース)を持っていることに加えて、最近では、デザイナーがサステナビリティ基準に準拠しているかどうかも問われます」。

欧州を中心に、アパレルメーカーに対しての法規制が厳しくなっていることに対しては「ニュージェンにはビジネスや法律の重要な側面に関する指導やワークショップのセッションも含まれています。パネルメンバーには、サステナビリティやその他の専門分野に関する業界の専門家が含まれており、彼らは喜んで無償の指導を提供しています」。

多くの才能あるデザイナーを輩出してきた一方、多くのデザイナーが廃業にも追い込まれてきた。「そう、デザイナーは時代とともに創業と廃業を繰り返してきました。そして今日、業界全体が知っているように、卸売業と小売業が崩壊し、残酷なまでに厳しい時代になっています。しかしBFCは、数年後に自身の名を冠したブランドを閉じた『ニュージェン』のデザイナーたちのキャリアについて調べた結果、彼らの多くがインテリア、映画、コスチュームデザイン、アメリカやヨーロッパの大企業のトップポジション、その他多くの関連クリエイティブ産業へと転身していることがわかりました」。ファッション産業で廃業したからといって、クリエイティブである限り、クリエイティブ産業の別分野でも活躍し続けることができることがわかる。「これが、イギリスが国際的にファッション業界に貢献していることだと思います。私たちは、クリエイティビティこそが私たちのスーパーパワーであると信じています」。

運転資金の少ない若手の先進的で実験的な創作活動を継続して支援するには、都市の余白―若く資金に乏しいが意欲ある人材が活動し、交流するための廉価に賃貸可能な物件の集積地など―が必要になる。例えば英国のファッション産業では、古くはロンドンのカーナービーストリートやカムデンマーケットでファッションの新しい潮流が生まれたが、近年ではブリックレーンやオールドストリート、ハックニーまで拡張している。このような若手デザイナーが事業を起こせるような都市の余白を引き続き利用できるのであれば、英国のクリエイティブ産業は今後も注視していく必要があるだろう。

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英国が新潮流を作るデザイナーを輩出し続ける理由 若手発掘の第一人者サラ・モワーに聞く

英国はクリエイティブ産業が盛んだ。製造業が衰退したこともあり、特にトニー・ブレア政権下で“クール・ブリタニア”として方針を打ち出したことで、アート、音楽、ファッション産業で、多くのクリエイターを輩出してきた。教育と産業支援が充実しており、現在のファッション産業で活躍するデザイナーの多くは英国人、もしくは英国で学んだケースが多い。サステナビリティなどの新しい潮流も英国から生まれている。

ファッション分野で大きな役割を果たしてきたのが若手デザイナーの育成プログラム「ニュージェン(NEWGEN)」だ。発掘と選定に携わり、2009年からは委員長を務める英国を代表するファッションジャーナリストのサラ・モワー(Sarah Mower)「ヴォーグ・ドットコム」主任評論家は、「クリエイティビティこそが私たちのスーパーパワーであり、それは常に、世界をリデザインしようとする人々を、その第一歩からサポートすることを意味します」と語る。

「ニュージェン」は1993年に英国ファッション協議会(British Fashion Council、BFC)が設立。これまで支援を受けたデザイナーは300人を超える。故リー・アレキサンダー・マックイーン(Lee Alexander McQueen)やキム・ジョーンズ(Kim Jones)、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)やシモーン・ロシャ(Simone Rocha)、「アーデム(ERDEM)」のアーデム・モラリオグル(Erdem Moralioglu)、グレース・ウェールズ・ボナー(Grace Wales Bonner)や「アルワリア(AHLUWALIA)」のプリヤ・アルワリア(Priya Ahluwalia)、「エスエスデイリー(S.S. DALEY)」の(スティーヴン・ストーキー・デイリー(Steven Stokey-Daley)などがいる。

彼女は現在ロンドンのデザイン・ミュージアムで開催中の「ニュージェン」の設立30周年を記念した企画展「REBEL: 30 Years of London Fashion」のゲスト・キュレーターを務め、その歴史を紹介している。

いち早くサステナビリティに取り組む若手デザイナーたち

モワーは企画にあたり「若いデザイナーたちがファッション産業による環境破壊や廃棄物に対して、真っ先に意義を唱え始めていたことが明らかになりました。サステナビリティについてファッションコースを有する大学で教えられるよりもずっと前です。サステナビリティがカリキュラムに加えられるようになったのは、大学がけん引したのではなく、学生の圧力によるものでした」と振り返る。同展では、アートスクールの教育に焦点を当てた展示ブースもある。

「若者たちは私たち業界の長老たちに、私たちが彼らに教えるのと同じか、それ以上のこと、特にこれからのことを教えてくれます。例えば、クリストファー・レイバーン(Christopher Raeburn)は2009年、軍用パラシュートのデッドストックからコレクションをアップサイクルした最初の人物です。オルソラデ・カストロ(Orsola De Castro)は10年、ロンドンで初のエシカルファッションの展示会“Esthetica”を立ち上げました。15年前といえば、気候変動に関する会議や環境に関するファッション協定がまだなかった頃です。当初、彼らが理想主義者で世間知らず、さらには業界を批判するトラブルメーカーだと見下されたり、軽蔑されたりしていたことを鮮明に覚えています」。今でこそ、サステナビリティはデザインやビジネスの根底に据えるべきことになっているが、当時はまだまだ否定的だったことがわかる。「ニュージェンに参加したデザイナーたちは、スローガンTシャツを着ているというよりも、彼らは常に建設的です。問題を解決するために創造的に新しいシステムを考案し、自分たちの仕事のやり方を透明化し始めた最初のデザイナーたちでした。また、サプライチェーンにおける労働者の待遇や、グローバル・ノースによるグローバル・サウスへの繊維廃棄物の投棄をめぐる問題を提起しました」。

「こうした事実を表面化させ、ファッション好きを教育し、よりダメージの少ない新しいシステム作りに取り組むデザイナーには、フィービー・イングリッシュ(Phoebe English、再生可能な手法、廃棄物ゼロ、プラスチックの排除)、リチャード・マローン(Richard Malon、アップサイクル素材を使用した受注生産モデルへ移行)、プリヤ・アフルワリア(Priya Ahluwalia、インドとナイジェリアで目撃した、繊維廃棄物の投棄と黒人・褐色労働者の搾取を暴露)、ヘレン・カーカム(Helen Kirkum、チャリティー団体から回収した廃スニーカーをスニーカーの“リマスタリング”に使用)がいます」。

ロンドンの若手デザイナーにとってデッドストックの素材を使うことは当たり前になっている。「今日、彼らは総じてセクシーで完成度の高い服を作っていると自認していて、持続可能な実践としてのラグジュアリーファッションを再定義しています」。

30年続く「ニュージェン」の応募基準は、ここ数年でわずかに変わっただけだという。「傑出した才能と経済支援の必要性、そして2社以上の取引先(またはeコマース)を持っていることに加えて、最近では、デザイナーがサステナビリティ基準に準拠しているかどうかも問われます」。

欧州を中心に、アパレルメーカーに対しての法規制が厳しくなっていることに対しては「ニュージェンにはビジネスや法律の重要な側面に関する指導やワークショップのセッションも含まれています。パネルメンバーには、サステナビリティやその他の専門分野に関する業界の専門家が含まれており、彼らは喜んで無償の指導を提供しています」。

多くの才能あるデザイナーを輩出してきた一方、多くのデザイナーが廃業にも追い込まれてきた。「そう、デザイナーは時代とともに創業と廃業を繰り返してきました。そして今日、業界全体が知っているように、卸売業と小売業が崩壊し、残酷なまでに厳しい時代になっています。しかしBFCは、数年後に自身の名を冠したブランドを閉じた『ニュージェン』のデザイナーたちのキャリアについて調べた結果、彼らの多くがインテリア、映画、コスチュームデザイン、アメリカやヨーロッパの大企業のトップポジション、その他多くの関連クリエイティブ産業へと転身していることがわかりました」。ファッション産業で廃業したからといって、クリエイティブである限り、クリエイティブ産業の別分野でも活躍し続けることができることがわかる。「これが、イギリスが国際的にファッション業界に貢献していることだと思います。私たちは、クリエイティビティこそが私たちのスーパーパワーであると信じています」。

運転資金の少ない若手の先進的で実験的な創作活動を継続して支援するには、都市の余白―若く資金に乏しいが意欲ある人材が活動し、交流するための廉価に賃貸可能な物件の集積地など―が必要になる。例えば英国のファッション産業では、古くはロンドンのカーナービーストリートやカムデンマーケットでファッションの新しい潮流が生まれたが、近年ではブリックレーンやオールドストリート、ハックニーまで拡張している。このような若手デザイナーが事業を起こせるような都市の余白を引き続き利用できるのであれば、英国のクリエイティブ産業は今後も注視していく必要があるだろう。

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「アヴィレックス」×「ユニバーサルオーバーオール」の初コラボ 100周年を祝して

「アヴィレックス」×「ユニバーサルオーバーオール」の初コラボ

ミリタリーブランドの「アヴィレックス(AVIREX)」は2月10日、今年100周年を迎えた米国・シカゴ発のワークブランド「ユニバーサルオーバーオール(UNIVERSAL OVERALL)」とコラボしたセットアップを発売する。両ブランドの協業は初めて。

メンズは「ユニバーサルオーバーオール」のアイコンであるカバーオール(2万2000円)とメカニックパンツ(1万4850円)を、ウィメンズはカバーオール(2万2000円)とスカート(1万3750円)を用意する。素材は“フェード リップストップ コットン”で、ランダムに織った生地にバイオウオッシュ加工を施すことでビンテージライクに仕上げている。カバーオールの背面には、ニューヨークからフロリダへのロードマップをモチーフにした“ベトジャン”風の刺しゅうをあしらう。

両ブランドの直営店および公式オンラインストアで扱い、「アヴィレックス」の店舗で購入した客(先着300人)には非売品のバンダナをプレゼントする。

「アヴィレックス」は、1975年に米空軍正式指定業者として誕生したフライトジャケットをアイデンティティーとするブランド。

「ユニバーサルオーバーオール」は24年に創業した。

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「コスメデコルテ」がリップセラムを新発売 3つのプランプレベルを用意

「コスメデコルテ(DECORTE)」は4月16日、3段階のプランプレベルから選べる高保湿リップセラム“プランピング リップセラム”(全4色うち限定1色、各4620円)を発売する。カラーはプランプレベルの低いブルー“01 ブルー リリー”、プランプレベル中間のピンク“02 サクラ ブロッサム”、プランプレベルの高い“03 ブラックカラント”の新3色に加え、唇の水分に反応しその人だけの色に染まる限定のティントタイプ“04 ティント ピーチ”を用意した。

“プランピング リップセラム”は、肌を柔らかくして浸透感を高める同ブランドの先行乳液から着想を得た潤いアプローチ技術と、乾燥などの外的環境から肌を守るオイルの保湿感を1本に融合したリップセラムだ。肌に溶け込むようになじむオイルと、潤いを蓄える高純度オイルの2種を配合し、濃密な潤いとハリ感を与える。さらに、ふっくらとしたボリューミーな唇を演出するプランプ効果も兼ね備えている。

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コティが「マルニ」とライセンス契約締結 香水を皮切りに26年にビューティライン立ち上げ

米化粧品大手のコティ(COTY)はこのほど、「マルニ(MARNI)」とフレグランスとビューティ製品の開発および製造、販売に関するライセンス契約を締結した。2026年にフレグランスを発売するのを皮切りに、ビューティラインを立ち上げる。契約は2040年以降も続く予定。コティは昨年、「マルニ」の親会社であるOTB傘下の「ジル サンダー(JIL SANDER)」とのライセンス契約を更新しており、今回の「マルニ」との契約によりOTBとのパートナーシップを強化する。

コティのスー・Y・ナビ(Sue Y. Nabi)最高経営責任者(CEO)は、「『マルニ』はファッション業界で高く評価されており、特にアジアとヨーロッパでブランド力が高い。このライセンス契約はマルチカテゴリー展開の可能性があるファッションブランドにフォーカスする当社の戦略に沿ったものだ」とコメント。マルニのバーバラ・カロ(Barbara Calo)CEOは、「『マルニ』の進化における極めて重要な瞬間だ。ブランドの世界観にシームレスに融合するフレグランスとビューティ製品を通じて新たな機会を切りひらく」と述べた。

コティは現在、「グッチ(GUCCI)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「ヒューゴ・ボス(HUGO BOSS)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「クロエ(CHLOE)」「ダビドフ(DAVIDOFF)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「ジュープ(JOOP)」「ジル サンダー」「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」「エスカーダ(ESCADA)」などとライセンス契約を結んでいる。昨年、フレグランスライセンスを約20年間保有する「マーク ジェイコブス」と、新たにコスメラインのライセンス契約を締結したと発表した。

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「タケオキクチ」が布袋寅泰とコラボ ギタリズム柄を立体的に配したジーンズやバッグ

「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」は、ギタリスト・布袋寅泰とのコラボアイテムを発売する。2月9日12時から12日23時59分までの期間、「タケオキクチ」公式オンラインで先行予約を受け付けるほか、2月16日から「タケオキクチ」渋谷明治通り本店および公式オンラインで販売する。

同コラボは、布袋を象徴するギタリズム柄、Gマークを特殊な型押し技術で立体的にあしらったTシャツ(7700円)やデニムジャケット(3万9600円)、ジーンズ(2万9700円)、バッグ(1万7600円〜)をラインアップする。「タケオキクチ」の菊池武夫クリエイティブディレクターは、布袋のライブツアーでのコスチュームデザインを手掛けるなど、かねてより親交がある。

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「ア ベイシング エイプ®」と「アディダス」がコラボ カモ柄の“スタンスミス”を発売

「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」は、「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」とコラボしたスニーカーを発売する。メンズ、ウィメンズともに価格は2万5300円。2月6日に「アディダス」の“コンファームド”アプリで抽選受付を開始、2月10日から「ア ベイシング エイプ®」の正規取扱店舗および公式オンライン、アディダスオリジナルス フラッグシップストア原宿、その他の一部取扱店舗で販売する。

同スニーカーは、両ブランドのパートナーシップ20周年および「ア ベイシング エイプ®」の創業30周年を記念したもの。「アディダス」のスニーカー“スタンスミス(STAN SMITH)”を土台とし、「ア ベイシング エイプ®」を象徴するカモ柄を全体に配した。また“30”が目を引くシュージュエルや、随所にあしらわれた金文字など、本コラボならではの意匠が施されている。

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「ア ベイシング エイプ®」と「アディダス」がコラボ カモ柄の“スタンスミス”を発売

「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」は、「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」とコラボしたスニーカーを発売する。メンズ、ウィメンズともに価格は2万5300円。2月6日に「アディダス」の“コンファームド”アプリで抽選受付を開始、2月10日から「ア ベイシング エイプ®」の正規取扱店舗および公式オンライン、アディダスオリジナルス フラッグシップストア原宿、その他の一部取扱店舗で販売する。

同スニーカーは、両ブランドのパートナーシップ20周年および「ア ベイシング エイプ®」の創業30周年を記念したもの。「アディダス」のスニーカー“スタンスミス(STAN SMITH)”を土台とし、「ア ベイシング エイプ®」を象徴するカモ柄を全体に配した。また“30”が目を引くシュージュエルや、随所にあしらわれた金文字など、本コラボならではの意匠が施されている。

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「ルイ・ヴィトン」 ファレルが“ダミエ”をカラフルに再解釈したバッグを発売

“ダミエ・ポップ キャンバス”を用いた「ルイ・ヴィトン」の新作バッグ

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)メンズ・クリエイティブ・ディレクターがダミエ・パターンをカラフルに再解釈した“ダミエ・ポップ キャンバス”を用いた新作バッグを発売した。

ひし形の“チェス・メッセンジャー”(40万8100円)はヌメ革のトリミングが効いたデザインで、取り外し&調節可能なストラップが付属する。またバックパック“クリストファー MM”(53万2400円)は、ゆったりとした2つのサイドポケットが機能的だ。

PHOTOS : LOUIS VUITTON

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大人気の英「ガブリエル・シャネル」展 世界的ブランドを生んだ創業者の揺るぎない美学と先見性

ココ・シャネル(Coco Chanel)としても知られた「シャネル(CHANEL)」創業者の回顧展「ガブリエル・シャネル ファッション・マニフェスト(Gabrielle Chanel. Fashion Manifesto)」が現在、英国ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(以下、V&A)で開催中だ。同展は、2020年にフランスので開催された回顧展を再構成したもの。デザイナーのシャネルにフォーカスした展覧会が英国で開催されるのは初となる。会期はもともと23年9月16日から24年2月25日だったが、一般チケットは早々に完売(VAの会員はいつでも入場可能)。その後、12月からは特別に通常の開館時間前後にオープンする日程が設けられたが、そのチケットも売り切れるほどの人気で、24年3月10日までの会期延長が決まった。そんな話題の展覧会の模様をリポートする。

ビジネスを確立した革新的かつ先駆的な姿勢

「ガブリエル・シャネル ファッション・マニフェスト」展は、1909年にパリのマルシェルブ大通りのアパルトマンに帽子サロンを開き、その翌年に象徴的なカンボン通りに移転して帽子店「シャネル モード(CHANEL MODE)」をオープンしてから71 約60年にわたるシャネルというデザイナー、そしてメゾンの軌跡をたどるものだ。VAの前には、オーストラリア・メルボルンのビクトリア国立美術館と東京の三菱一号館美術館でも同様の展示が開催され、7月には中国の上海当代美術博物館への巡回も決まっている。VAの展覧会は、広いスペースと大掛かりなセット、そして新たに追加された約100点の作品によって、展示内容がさらに充実。200以上のルックと共に、アクセサリーやフレグランス、ジュエリー、テキスタイル、写真などが並び、ファッション好きだけでなく幅広い観客に向けた構成になっている。

展示は、シャネルの87年の生涯を振り返る年表からスタート。1883年8月19日にロワール地方ソーミュールの貧しい家に生まれ、母の死後は孤児として修道院で育ったという生い立ちから、1971年1月10日に30年以上暮らしていたホテル リッツ パリで亡くなるまでが記されている。帽子からファッションのキャリアを築いたシャネルだが、その成功から数年でウィメンズウエアも手掛け始め、12年にノルマンディ地方の海沿いにあるリゾート地ドーヴィルに初のブティックをオープン。15年にはバスク地方の高級リゾート地ビアリッツに初のクチュールメゾンを開いた。

シャネルの先見性を物語るのは、13年に発表したスポーツウエアだ。男性肌着用の素材と考えられていたジャージーを使ったミニマルなデザインは当時の装飾的なファッションとは対照的。しかし、着心地や動きやすさを兼ね備えた服はリゾートで過ごす富裕層から支持を集め、地味なジャージー素材をファッションとして扱ったことで彼女はフランスのファッション界に名を知らしめることになった。その一例として、会場には現存する最も古いアイテムの一つである16年春夏のシルクジャージーのブラウスが展示されている。そのデザインは漁師が着るプルオーバーから着想を得たもの。創業初期から常識にとらわれることなくメンズウエアのコードを女性の装いに取り入れ、動きやすく日常生活に寄り添うシンプルなワードローブというビジョンを掲げてきた。

また21年には、メゾンを代表する製品となる初のフレグランス“シャネル N°5(CHANEL N°5)を発表。24年にはフレグランスとビューティ製品の製造販売を担う会社ソシエテ デ パルファン シャネル(SOCIETE DES PARFUMS CHANEL)を立ち上げ、初のメークアップコレクションをローンチした。さらに、その3年後にはスキンケアラインも発表。今ではラグジュアリーメゾンやデザイナーズブランドがビューティビジネスを展開することが当たり前になっているが、「シャネル」はそれを20年代に成し遂げていた。シンプルなタイポグラフィを用いた白黒のミニマルなパッケージデザインは、シャネルの美学を反映したものであり、現在にも通じている。

それだけでなく、シャネルは20年代にリトルブラックドレスを制作することで、それまで喪服のイメージが強かった黒をスタイリッシュなワードローブの選択肢として再解釈。31年からは「今日、ファッションを浸透させるには映画の力が必要」という考えからハリウッド女優たちの衣装や私服のデザインを手掛けた。そして、20年代からのファッションとしてのコスチュームジュエリーの提案に加え、32年にはジュエリー業界の慣習にとらわれない彼女にとって初であり唯一のハイジュエリー・コレクションも発表。振り返ると、さまざまな面において革新的かつ先駆的であったことが分かる。

シャネルと英国の深い関係

VAでの開催で新たに加えられたのは、英国の深い関係を示すパートだ。「シャネル」は20年代初頭からすでに英国から生地を調達しており、27年にはロンドンにクチュールサロンをオープンした。‚»して32年には、英国のテキスタイルメーカーと直接取引を行うため、現地法人のブリティッシュ シャネル(BRITISH CHANEL)を設立。翌年には、ウエスト・ヨークシャー州のカークヒートンに生産設備を備えたシャネル ブロードヘッド ファブリックス(CHANEL BROADHEAD FABRICS)も立ち上げた。

また、シャネルは個人的にも英国と強いつながりを持っていた。その背景には、英海運商のアーサー・エドワード・“ボーイ”・カペル(Arthur Edward 'Boy' Capel)や第2ヒュー・グロスヴェナー(Hugh Grosvenor)といった、彼女と恋仲にあった男性の影響がある。前者は、シャネルがパリやドーヴィルに店を開く際に資金援助したことでも知られる人物であり、彼女が愛しメゾンのアイコンの一つとなった白いカメリアも彼が贈った花に由来すると言われている。一方、後者との交際によりシャネルは英国で過ごす時間が増え、英国の上流階級との交流を深めた。そして、公爵が着ていたツイードジャケットは、彼女が女性用のツイードスーツを生み出すきっかけにもなった。

シャネルの復帰と数々のアイコンが誕生した50年代

39年に第二次世界大戦が始まった後、「シャネル」はクチュールメゾンを閉鎖。カンボン通りにあった5つのブティックのうち、31番地の店でフレグランスとアクセサリーの販売のみを継続した。そしてナチス・ドイツ占領下になったパリで、 ドイツ将校のハンス・ギュンター・フォン・ディンクラーゲ(Hans Günther von Dincklage)と関係を持ったシャネルは、その諜報活動に関与したとされる。44年にパリが解放されると、男爵との関係を理由に拘束された彼女は数時間の尋問を経て釈放されたが、スイスに亡命。約10年間ファッションの表舞台から姿を消した。同展では「戦時中のシャネルの活動は彼女のレガシーに影を落とし続け、過去70年間多くの記事や出版物のテーマとされてきた」と解説。諸説あるものの、“美談”以外のエピソードも取り上げることは、彼女の波乱万丈な人生を伝える上でも重要だろう。

53年、パリに戻ってきた70歳のシャネルはクチュールメゾンを再開し、54年2月5日に新作コレクションを発表。20 年代から 30 年代にかけて自身が手掛けてきたシグネチャーを時代に合わせて再解釈したデザインを披露した。復帰の理由について、彼女は「あるディナーで、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)が女性は決して素晴らしいクチュリエになることはできないと言ったから」と、後にライフ誌に明かしている。

また50年代には、今でも愛され続ける数々のアイコンが生み出された。55年2月には、キルティングステッチを施したチェーンバッグ“2.55”を発表。56年にはタイムレスなクラシックとなったブレードが施されたツイードスーツを、57年にはつま先をブラックで切り替えたバイカラーシューズを打ち出した。ツイードは「シャネル」と切っても切り離せない関係にあるもの。しなやかなツイードを使って動きやすいように仕立てられたスーツやセットアップなど54体がズラリと並ぶ部屋は、同展の目玉の一つになっている。

エフォートレスなエレガンスの追求

クチュール・コレクションを再開して以降、イブニングウエアの重要性は増し、50年代後半からはデイウエアとして考えられてきたスカートスーツをイブニングシーン向けに提案するアプローチも見られた。その多くは、金銀のラメ糸を用いた質感豊かな生地や複雑な模様を施したシルクなどで華やかに仕上げられている。一方、最後の部屋は、カンボン通りのクチュールサロンにある鏡張りの階段を再現した空間に、イブニングドレスを展示。当時のトレンドを汲みながらも着用する女性の快適さにこだわり、エフォートレスなエレガンスを追求したデザインがそろう。その中には、彼女が亡くなった2週間後に発表された最後のコレクションのドレスもあった。

シャネルは何よりもまず自分自身のためにデザインしてきたというが、アクティブなライフスタイルを送る自立した女性のための服は、その時代を生きる女性たちのニーズと願望をいち早く汲み取ったものだった。デザイナーとしての才能とビジネスセンスを併せ持ち、ファッションを通して女性を解放した彼女は、そのスタイルだけでなく生き方や姿勢においても多くの女性に影響を与え続けている。今回の展覧会からは、そんなガブリエル・シャネルの揺るぎない美学と先見性が感じられた。

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大人気の英「ガブリエル・シャネル」展 世界的ブランドを生んだ創業者の揺るぎない美学と先見性

ココ・シャネル(Coco Chanel)としても知られた「シャネル(CHANEL)」創業者の回顧展「ガブリエル・シャネル ファッション・マニフェスト(Gabrielle Chanel. Fashion Manifesto)」が現在、英国ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(以下、V&A)で開催中だ。同展は、2020年にフランスので開催された回顧展を再構成したもの。デザイナーのシャネルにフォーカスした展覧会が英国で開催されるのは初となる。会期はもともと23年9月16日から24年2月25日だったが、一般チケットは早々に完売(VAの会員はいつでも入場可能)。その後、12月からは特別に通常の開館時間前後にオープンする日程が設けられたが、そのチケットも売り切れるほどの人気で、24年3月10日までの会期延長が決まった。そんな話題の展覧会の模様をリポートする。

ビジネスを確立した革新的かつ先駆的な姿勢

「ガブリエル・シャネル ファッション・マニフェスト」展は、1909年にパリのマルシェルブ大通りのアパルトマンに帽子サロンを開き、その翌年に象徴的なカンボン通りに移転して帽子店「シャネル モード(CHANEL MODE)」をオープンしてから71 約60年にわたるシャネルというデザイナー、そしてメゾンの軌跡をたどるものだ。VAの前には、オーストラリア・メルボルンのビクトリア国立美術館と東京の三菱一号館美術館でも同様の展示が開催され、7月には中国の上海当代美術博物館への巡回も決まっている。VAの展覧会は、広いスペースと大掛かりなセット、そして新たに追加された約100点の作品によって、展示内容がさらに充実。200以上のルックと共に、アクセサリーやフレグランス、ジュエリー、テキスタイル、写真などが並び、ファッション好きだけでなく幅広い観客に向けた構成になっている。

展示は、シャネルの87年の生涯を振り返る年表からスタート。1883年8月19日にロワール地方ソーミュールの貧しい家に生まれ、母の死後は孤児として修道院で育ったという生い立ちから、1971年1月10日に30年以上暮らしていたホテル リッツ パリで亡くなるまでが記されている。帽子からファッションのキャリアを築いたシャネルだが、その成功から数年でウィメンズウエアも手掛け始め、12年にノルマンディ地方の海沿いにあるリゾート地ドーヴィルに初のブティックをオープン。15年にはバスク地方の高級リゾート地ビアリッツに初のクチュールメゾンを開いた。

シャネルの先見性を物語るのは、13年に発表したスポーツウエアだ。男性肌着用の素材と考えられていたジャージーを使ったミニマルなデザインは当時の装飾的なファッションとは対照的。しかし、着心地や動きやすさを兼ね備えた服はリゾートで過ごす富裕層から支持を集め、地味なジャージー素材をファッションとして扱ったことで彼女はフランスのファッション界に名を知らしめることになった。その一例として、会場には現存する最も古いアイテムの一つである16年春夏のシルクジャージーのブラウスが展示されている。そのデザインは漁師が着るプルオーバーから着想を得たもの。創業初期から常識にとらわれることなくメンズウエアのコードを女性の装いに取り入れ、動きやすく日常生活に寄り添うシンプルなワードローブというビジョンを掲げてきた。

また21年には、メゾンを代表する製品となる初のフレグランス“シャネル N°5(CHANEL N°5)を発表。24年にはフレグランスとビューティ製品の製造販売を担う会社ソシエテ デ パルファン シャネル(SOCIETE DES PARFUMS CHANEL)を立ち上げ、初のメークアップコレクションをローンチした。さらに、その3年後にはスキンケアラインも発表。今ではラグジュアリーメゾンやデザイナーズブランドがビューティビジネスを展開することが当たり前になっているが、「シャネル」はそれを20年代に成し遂げていた。シンプルなタイポグラフィを用いた白黒のミニマルなパッケージデザインは、シャネルの美学を反映したものであり、現在にも通じている。

それだけでなく、シャネルは20年代にリトルブラックドレスを制作することで、それまで喪服のイメージが強かった黒をスタイリッシュなワードローブの選択肢として再解釈。31年からは「今日、ファッションを浸透させるには映画の力が必要」という考えからハリウッド女優たちの衣装や私服のデザインを手掛けた。そして、20年代からのファッションとしてのコスチュームジュエリーの提案に加え、32年にはジュエリー業界の慣習にとらわれない彼女にとって初であり唯一のハイジュエリー・コレクションも発表。振り返ると、さまざまな面において革新的かつ先駆的であったことが分かる。

シャネルと英国の深い関係

VAでの開催で新たに加えられたのは、英国の深い関係を示すパートだ。「シャネル」は20年代初頭からすでに英国から生地を調達しており、27年にはロンドンにクチュールサロンをオープンした。‚»して32年には、英国のテキスタイルメーカーと直接取引を行うため、現地法人のブリティッシュ シャネル(BRITISH CHANEL)を設立。翌年には、ウエスト・ヨークシャー州のカークヒートンに生産設備を備えたシャネル ブロードヘッド ファブリックス(CHANEL BROADHEAD FABRICS)も立ち上げた。

また、シャネルは個人的にも英国と強いつながりを持っていた。その背景には、英海運商のアーサー・エドワード・“ボーイ”・カペル(Arthur Edward 'Boy' Capel)や第2ヒュー・グロスヴェナー(Hugh Grosvenor)といった、彼女と恋仲にあった男性の影響がある。前者は、シャネルがパリやドーヴィルに店を開く際に資金援助したことでも知られる人物であり、彼女が愛しメゾンのアイコンの一つとなった白いカメリアも彼が贈った花に由来すると言われている。一方、後者との交際によりシャネルは英国で過ごす時間が増え、英国の上流階級との交流を深めた。そして、公爵が着ていたツイードジャケットは、彼女が女性用のツイードスーツを生み出すきっかけにもなった。

シャネルの復帰と数々のアイコンが誕生した50年代

39年に第二次世界大戦が始まった後、「シャネル」はクチュールメゾンを閉鎖。カンボン通りにあった5つのブティックのうち、31番地の店でフレグランスとアクセサリーの販売のみを継続した。そしてナチス・ドイツ占領下になったパリで、 ドイツ将校のハンス・ギュンター・フォン・ディンクラーゲ(Hans Günther von Dincklage)と関係を持ったシャネルは、その諜報活動に関与したとされる。44年にパリが解放されると、男爵との関係を理由に拘束された彼女は数時間の尋問を経て釈放されたが、スイスに亡命。約10年間ファッションの表舞台から姿を消した。同展では「戦時中のシャネルの活動は彼女のレガシーに影を落とし続け、過去70年間多くの記事や出版物のテーマとされてきた」と解説。諸説あるものの、“美談”以外のエピソードも取り上げることは、彼女の波乱万丈な人生を伝える上でも重要だろう。

53年、パリに戻ってきた70歳のシャネルはクチュールメゾンを再開し、54年2月5日に新作コレクションを発表。20 年代から 30 年代にかけて自身が手掛けてきたシグネチャーを時代に合わせて再解釈したデザインを披露した。復帰の理由について、彼女は「あるディナーで、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)が女性は決して素晴らしいクチュリエになることはできないと言ったから」と、後にライフ誌に明かしている。

また50年代には、今でも愛され続ける数々のアイコンが生み出された。55年2月には、キルティングステッチを施したチェーンバッグ“2.55”を発表。56年にはタイムレスなクラシックとなったブレードが施されたツイードスーツを、57年にはつま先をブラックで切り替えたバイカラーシューズを打ち出した。ツイードは「シャネル」と切っても切り離せない関係にあるもの。しなやかなツイードを使って動きやすいように仕立てられたスーツやセットアップなど54体がズラリと並ぶ部屋は、同展の目玉の一つになっている。

エフォートレスなエレガンスの追求

クチュール・コレクションを再開して以降、イブニングウエアの重要性は増し、50年代後半からはデイウエアとして考えられてきたスカートスーツをイブニングシーン向けに提案するアプローチも見られた。その多くは、金銀のラメ糸を用いた質感豊かな生地や複雑な模様を施したシルクなどで華やかに仕上げられている。一方、最後の部屋は、カンボン通りのクチュールサロンにある鏡張りの階段を再現した空間に、イブニングドレスを展示。当時のトレンドを汲みながらも着用する女性の快適さにこだわり、エフォートレスなエレガンスを追求したデザインがそろう。その中には、彼女が亡くなった2週間後に発表された最後のコレクションのドレスもあった。

シャネルは何よりもまず自分自身のためにデザインしてきたというが、アクティブなライフスタイルを送る自立した女性のための服は、その時代を生きる女性たちのニーズと願望をいち早く汲み取ったものだった。デザイナーとしての才能とビジネスセンスを併せ持ち、ファッションを通して女性を解放した彼女は、そのスタイルだけでなく生き方や姿勢においても多くの女性に影響を与え続けている。今回の展覧会からは、そんなガブリエル・シャネルの揺るぎない美学と先見性が感じられた。

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大人気の英「ガブリエル・シャネル」展 世界的ブランドを生んだ創業者の揺るぎない美学と先見性

ココ・シャネル(Coco Chanel)としても知られた「シャネル(CHANEL)」創業者の回顧展「ガブリエル・シャネル ファッション・マニフェスト(Gabrielle Chanel. Fashion Manifesto)」が現在、英国ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(以下、V&A)で開催中だ。同展は、2020年にフランスので開催された回顧展を再構成したもの。デザイナーのシャネルにフォーカスした展覧会が英国で開催されるのは初となる。会期はもともと23年9月16日から24年2月25日だったが、一般チケットは早々に完売(VAの会員はいつでも入場可能)。その後、12月からは特別に通常の開館時間前後にオープンする日程が設けられたが、そのチケットも売り切れるほどの人気で、24年3月10日までの会期延長が決まった。そんな話題の展覧会の模様をリポートする。

ビジネスを確立した革新的かつ先駆的な姿勢

「ガブリエル・シャネル ファッション・マニフェスト」展は、1909年にパリのマルシェルブ大通りのアパルトマンに帽子サロンを開き、その翌年に象徴的なカンボン通りに移転して帽子店「シャネル モード(CHANEL MODE)」をオープンしてから71 約60年にわたるシャネルというデザイナー、そしてメゾンの軌跡をたどるものだ。VAの前には、オーストラリア・メルボルンのビクトリア国立美術館と東京の三菱一号館美術館でも同様の展示が開催され、7月には中国の上海当代美術博物館への巡回も決まっている。VAの展覧会は、広いスペースと大掛かりなセット、そして新たに追加された約100点の作品によって、展示内容がさらに充実。200以上のルックと共に、アクセサリーやフレグランス、ジュエリー、テキスタイル、写真などが並び、ファッション好きだけでなく幅広い観客に向けた構成になっている。

展示は、シャネルの87年の生涯を振り返る年表からスタート。1883年8月19日にロワール地方ソーミュールの貧しい家に生まれ、母の死後は孤児として修道院で育ったという生い立ちから、1971年1月10日に30年以上暮らしていたホテル リッツ パリで亡くなるまでが記されている。帽子からファッションのキャリアを築いたシャネルだが、その成功から数年でウィメンズウエアも手掛け始め、12年にノルマンディ地方の海沿いにあるリゾート地ドーヴィルに初のブティックをオープン。15年にはバスク地方の高級リゾート地ビアリッツに初のクチュールメゾンを開いた。

シャネルの先見性を物語るのは、13年に発表したスポーツウエアだ。男性肌着用の素材と考えられていたジャージーを使ったミニマルなデザインは当時の装飾的なファッションとは対照的。しかし、着心地や動きやすさを兼ね備えた服はリゾートで過ごす富裕層から支持を集め、地味なジャージー素材をファッションとして扱ったことで彼女はフランスのファッション界に名を知らしめることになった。その一例として、会場には現存する最も古いアイテムの一つである16年春夏のシルクジャージーのブラウスが展示されている。そのデザインは漁師が着るプルオーバーから着想を得たもの。創業初期から常識にとらわれることなくメンズウエアのコードを女性の装いに取り入れ、動きやすく日常生活に寄り添うシンプルなワードローブというビジョンを掲げてきた。

また21年には、メゾンを代表する製品となる初のフレグランス“シャネル N°5(CHANEL N°5)を発表。24年にはフレグランスとビューティ製品の製造販売を担う会社ソシエテ デ パルファン シャネル(SOCIETE DES PARFUMS CHANEL)を立ち上げ、初のメークアップコレクションをローンチした。さらに、その3年後にはスキンケアラインも発表。今ではラグジュアリーメゾンやデザイナーズブランドがビューティビジネスを展開することが当たり前になっているが、「シャネル」はそれを20年代に成し遂げていた。シンプルなタイポグラフィを用いた白黒のミニマルなパッケージデザインは、シャネルの美学を反映したものであり、現在にも通じている。

それだけでなく、シャネルは20年代にリトルブラックドレスを制作することで、それまで喪服のイメージが強かった黒をスタイリッシュなワードローブの選択肢として再解釈。31年からは「今日、ファッションを浸透させるには映画の力が必要」という考えからハリウッド女優たちの衣装や私服のデザインを手掛けた。そして、20年代からのファッションとしてのコスチュームジュエリーの提案に加え、32年にはジュエリー業界の慣習にとらわれない彼女にとって初であり唯一のハイジュエリー・コレクションも発表。振り返ると、さまざまな面において革新的かつ先駆的であったことが分かる。

シャネルと英国の深い関係

VAでの開催で新たに加えられたのは、英国の深い関係を示すパートだ。「シャネル」は20年代初頭からすでに英国から生地を調達しており、27年にはロンドンにクチュールサロンをオープンした。‚»して32年には、英国のテキスタイルメーカーと直接取引を行うため、現地法人のブリティッシュ シャネル(BRITISH CHANEL)を設立。翌年には、ウエスト・ヨークシャー州のカークヒートンに生産設備を備えたシャネル ブロードヘッド ファブリックス(CHANEL BROADHEAD FABRICS)も立ち上げた。

また、シャネルは個人的にも英国と強いつながりを持っていた。その背景には、英海運商のアーサー・エドワード・“ボーイ”・カペル(Arthur Edward 'Boy' Capel)や第2ヒュー・グロスヴェナー(Hugh Grosvenor)といった、彼女と恋仲にあった男性の影響がある。前者は、シャネルがパリやドーヴィルに店を開く際に資金援助したことでも知られる人物であり、彼女が愛しメゾンのアイコンの一つとなった白いカメリアも彼が贈った花に由来すると言われている。一方、後者との交際によりシャネルは英国で過ごす時間が増え、英国の上流階級との交流を深めた。そして、公爵が着ていたツイードジャケットは、彼女が女性用のツイードスーツを生み出すきっかけにもなった。

シャネルの復帰と数々のアイコンが誕生した50年代

39年に第二次世界大戦が始まった後、「シャネル」はクチュールメゾンを閉鎖。カンボン通りにあった5つのブティックのうち、31番地の店でフレグランスとアクセサリーの販売のみを継続した。そしてナチス・ドイツ占領下になったパリで、 ドイツ将校のハンス・ギュンター・フォン・ディンクラーゲ(Hans Günther von Dincklage)と関係を持ったシャネルは、その諜報活動に関与したとされる。44年にパリが解放されると、男爵との関係を理由に拘束された彼女は数時間の尋問を経て釈放されたが、スイスに亡命。約10年間ファッションの表舞台から姿を消した。同展では「戦時中のシャネルの活動は彼女のレガシーに影を落とし続け、過去70年間多くの記事や出版物のテーマとされてきた」と解説。諸説あるものの、“美談”以外のエピソードも取り上げることは、彼女の波乱万丈な人生を伝える上でも重要だろう。

53年、パリに戻ってきた70歳のシャネルはクチュールメゾンを再開し、54年2月5日に新作コレクションを発表。20 年代から 30 年代にかけて自身が手掛けてきたシグネチャーを時代に合わせて再解釈したデザインを披露した。復帰の理由について、彼女は「あるディナーで、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)が女性は決して素晴らしいクチュリエになることはできないと言ったから」と、後にライフ誌に明かしている。

また50年代には、今でも愛され続ける数々のアイコンが生み出された。55年2月には、キルティングステッチを施したチェーンバッグ“2.55”を発表。56年にはタイムレスなクラシックとなったブレードが施されたツイードスーツを、57年にはつま先をブラックで切り替えたバイカラーシューズを打ち出した。ツイードは「シャネル」と切っても切り離せない関係にあるもの。しなやかなツイードを使って動きやすいように仕立てられたスーツやセットアップなど54体がズラリと並ぶ部屋は、同展の目玉の一つになっている。

エフォートレスなエレガンスの追求

クチュール・コレクションを再開して以降、イブニングウエアの重要性は増し、50年代後半からはデイウエアとして考えられてきたスカートスーツをイブニングシーン向けに提案するアプローチも見られた。その多くは、金銀のラメ糸を用いた質感豊かな生地や複雑な模様を施したシルクなどで華やかに仕上げられている。一方、最後の部屋は、カンボン通りのクチュールサロンにある鏡張りの階段を再現した空間に、イブニングドレスを展示。当時のトレンドを汲みながらも着用する女性の快適さにこだわり、エフォートレスなエレガンスを追求したデザインがそろう。その中には、彼女が亡くなった2週間後に発表された最後のコレクションのドレスもあった。

シャネルは何よりもまず自分自身のためにデザインしてきたというが、アクティブなライフスタイルを送る自立した女性のための服は、その時代を生きる女性たちのニーズと願望をいち早く汲み取ったものだった。デザイナーとしての才能とビジネスセンスを併せ持ち、ファッションを通して女性を解放した彼女は、そのスタイルだけでなく生き方や姿勢においても多くの女性に影響を与え続けている。今回の展覧会からは、そんなガブリエル・シャネルの揺るぎない美学と先見性が感じられた。

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渋谷パルコ新店長に平松有吾氏

渋谷パルコは3月1日付で、店長に平松有吾・渋谷パルコ店次長が昇格する。現任の塩山将人店長は、大丸松坂屋の執行役員大丸札幌店長に異動することが1月30日に発表されていた。

平松新店長は、2016年の建て替え前も含め渋谷パルコの営業現場での経験が長く、リニューアル時にはラグジュアリーブランドを筆頭に、バラエティに富んだテナントリーシングの導入に手腕を発揮した。

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「イプサ」青山の旗艦店がブラック&グリーンに! 期間限定の特別な店舗装飾に

「イプサ(IPSA)」は2月29日までの期間、青山の旗艦店「イプサ アオヤマ(IPSA AOYAMA)」をブラックとグリーンの特別な装飾に模様替えしている。ブラックは13日に新発売するブランド最高峰の化粧水“エッセンスローション アルティメイト”(150mL、9900円)を象徴するカラーで、グリーンは同商品のキー成分である砂漠植物をイメージした。

店舗の装飾だけでなく、“エッセンスローション アルティメイト”の限定キャンペーンも用意している。同店で、購入または店頭予約するとアクセサリーや小物を収納できるオリジナルマルチケースを先着順でプレゼントする。

「イプサ」青山店では自分に合った化粧品を見つけられる肌測定を行えるほか、ワークショップやセミナーの開催、イベントなどのさまざまなコンテンツを提供している。

■IPSA AOYAMA
住所:東京都港区北⻘山3‐10‐13 FPG links OMOTESANDO
営業時間:11:00〜19:00
定休日:毎月第3火曜日

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イタリア靴「サントーニ」のウィメンズが日本市場で本格再始動

日本市場で本格再始動するイタリアの靴ブランド「サントーニ」ウィメンズ

イタリアの靴ブランド「サントーニ(SANTONI)」のウィメンズが日本市場で本格再始動する。代理店業務はサードカルチャー(東京、増田聖子社長)が行う。

同ブランドは2023年秋、日本再上陸を果たした。これに合わせて、日本人の足を意識した甲高で幅広のモデルを製作。デザイン面については、「『サントーニ』のアイコンであるダブルバックル型ブーツに装飾をあしらい、華やかに見せている」と話す。

「サントーニ」ウィメンズは大丸神戸店(2月28日~3月12日)を皮切りに、三越日本橋本店(3月6~12日、4月24日~5月7日)、高島屋大阪店(3月6~12日)、京都高島屋(6月5~18日)とポップアップツアーを行う。

「サントーニ」は1975年に創業した。

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「カルティエ」、新キャンペーンにBLACKPINKのジスやポール・メスカルを起用 “トリニティ”の100周年を祝して

「カルティエ(CARTIER)」は2月6日、アイコニックな“トリニティ(Trinity)”コレクションが今年100周年を迎えることを祝して行う新たなキャンペーンに、BLACKPINK(ブラックピンク)のJISOO(ジス)、俳優のヤラ・シャヒディ(Yara Shahidi)とポール・メスカル(Paul Mescal)、K-POPグループGOT7(ガットセブン)のジャクソン・ワン(Jackson Wang)、ミュージシャンのラビリンス(Labrinth)を起用したことを発表した。

アルノー・カレズ(Arnaud Carrez)=カルティエ シニア・バイス・プレジデント兼チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)は、「“トリニティ”は、思いや多様性を伝えるメッセンジャーだ。100周年というアニバーサリーは、友情、家族愛、忠誠心など、あらゆる形の愛を祝福する、素晴らしい機会だと考えている。当ブランドのヘリテージにとって不可欠であり、最も普遍的な、時代を超えて引き継がれていくこのコレクションの新キャンペーンには、それぞれ個性的なキャラクターを持つ『カルティエ』のアンバサダーである5人を起用した。彼らは全員若いが、100年にわたって存在しているコレクションの顔として意図的にそうしている」と語った。

JISOOは、「“トリニティ”が象徴する“愛・友情・忠誠”は、私が人生で大切にしている価値観とも強く響き合うため、今回のキャンペーンに参加できてとても光栄に思う。キャンペーンを通じて、“トリニティ”のタイムレスな輝きや魅力を感じ取ってもらえたらうれしい」と述べた。

撮影は昨年10月に行われた。今回起用された5人は、それまで正式に顔を合わせたことはなかったが、「(撮影で)それぞれが持つ多様な世界が出合い、交流し、美しい記憶を作ったことで、生涯のつながりを得ることができた」とラビリンス。撮影では、「カルティエ」のクラフツマンシップに対する情熱と、自身の音楽に対する情熱の類似性を感じたという。

メスカルは、「このキャンペーンは、他者とのつながりやオリジナリティーを表現している」と話し、シャヒディは「“トリニティ”は個性や多様性を祝福しつつ、互いのつながりを育んでくれる。『カルティエ』ファミリーのみんなと共に、こうした価値観を祝うことができてうれしく思う」とコメント。ワンは、「“トリニティ”には普遍的な魅力があるため、誰もが自分らしく、かつ深いレベルでつながることができる」と述べた。

新キャンペーンのビジュアルは3月15日に披露し、4月1日から看板などに登場。フル動画は4月3日に公開する。また、「カルティエ」は今回のキャンペーンのほかにも、写真家、画家、映像作家らおよそ100人のアーティストに“トリニティ”と愛の絆に関するアートの制作を依頼。詳細は明らかにされていないが、完成したアートワークは世界の主要都市で展示する予定だという。カレズ=シニア・バイス・プレジデント兼CMOは、「カルチャーは“愛”の大きな柱の1つなので、“トリニティ”を祝することは、カルチャーを祝福することでもある」と説明した。

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「ボッテガ・ヴェネタ」が日本の公園を舞台にした2024年サマーコレクション キャンペーンを公開 アレック・ソスが撮影

「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」は、日本を舞台に撮影された2024年サマーコレクション キャンペーンを公開した。今シーズンのキャンペーンでは、発見や冒険のスピリットを表現していて、「マグナム・フォト」のフォトグラファー、アレック・ソスが東京の公園を舞台に撮影。エネルギッシュであると同時に、想像性、遊び心にあふれているビジュアルが完成した。

「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブ・ディレクターであるマチュー・ブレイジーマチュー・ブレイジーは、「オデッセイは自由と希望に満ちあふれた旅です。公園という空間には、自由や喜び、試行錯誤、発見があります。自分だけの冒険が生まれたり、挑戦してみたり、ありとあらゆる方法で自分を体験できる場所です」とコメント。

撮影を担当したアレック・ソスは、「マチューのクリエイションにふれるとき、私は2つの世界を同時に体感しています。1つはあらゆる感覚と深く結びついたフィジカルな世界。もうひとつは幻想の世界です。このキャンペーンでは遊び心を意識しました。公園は、マチューの独創性にあふれたイマジネーションのメタファーのように感じました。私の写真にも多様なセレンディピティ(予期せぬ発見)を取り入れたかったのです」と話す。


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渋谷パルコの2Gが、ファレルが最⾼ブランド責任者を務めるNFTプロジェクトの催事

2G POP UP STUDIOで行うDOODLESのポップアップイベント

デイトナ・インターナショナルが渋谷パルコで運営するツージー ポップアップ スタジオ(2G POP UP STUDIO)は2⽉9⽇から11⽇まで、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が最⾼ブランド責任者を務めるNFTプロジェクト「ドゥードゥルズ(DOODLES)」のイベントを行う。

ツージー ポップアップ スタジオ限定のアート作品(27万5000円)に加えて、ドゥードゥルズ×「G-SHOCK」のコラボ時計(2万7500円)やパーカ(1万4300円)、キャップ(8800円)などを販売する。

コラボ時計は「G-SHOCK」の“DW-6900”をベースにしたもので、ミントグリーンのケースとピンクの⽂字盤の組み合わせがポップだ。そこにアートワークを散りばめる

ドゥードゥルズは、アーティストのバーント・トースト(Burnt Toast)によるカラフルでユニークなデザインが特徴のPFP(SNSで使⽤するプロフィール画像)タイプのNFTを活用したプロジェクト。2023年にロンドンとニューヨークにオフィスを構えるアニメーションスタジオのゴールデンウルフ(GOLDEN WOLF)を買収したり、シカゴでリアルイベントを開催したりと、NFTの枠を超えた活動を行う。

日程:2⽉9〜11⽇
時間:11:00〜21:00
場所:渋⾕パルコ2階 ツージー ポップアップ スタジオ
住所:東京都渋⾕区宇⽥川町15-1

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「スナイデル ビューティ」から3周年記念の限定コレクション 初のリップシェイパーも

「スナイデル ビューティ(SNIDEL BEAUTY)」は、ブランドデビュー3周年を記念した限定コレクションを発売する。2月15日から先行予約を開始し、3月3日から全店舗と公式オンラインストアで数量限定販売する。

3色のアイパレット“テイラード カラー アイズ”(4950円)は、フェミニンな色と輝きのモーヴピンクが瞼に幸福感とモードなニュアンスを与える“06 ロイヤル ガーデン”と、ロマンティックに輝くラベンダーとミントグリーンが春らしく調和する“07 デイジー スプリング”の2種類を用意する。

“ピュア リップ ティント”(2970円)からは限定の新色2色が登場。青みニュアンスのあるピーチピンクの“EX02 スウィート ピーチ ティー”、赤みニュアンスのアプリコットオレンジ“EX03 アプリコット ティー ソーダ”をそろえる。

そのほか、軽やかなテクスチャーと上品な光沢感で唇をボリュームアップするリップグロス“ピュア リップ ラスター”(2970円)や、今回初となるリップライナー“ピュア リップ シェイパー”(2530円)、ティータイムを連想させる華やかな香りのヘアミスト“パフュームド ヘア ミスト テ フルール”(25mL、3960円)などを用意する。

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「スナイデル ビューティ」から3周年記念の限定コレクション 初のリップシェイパーも

「スナイデル ビューティ(SNIDEL BEAUTY)」は、ブランドデビュー3周年を記念した限定コレクションを発売する。2月15日から先行予約を開始し、3月3日から全店舗と公式オンラインストアで数量限定販売する。

3色のアイパレット“テイラード カラー アイズ”(4950円)は、フェミニンな色と輝きのモーヴピンクが瞼に幸福感とモードなニュアンスを与える“06 ロイヤル ガーデン”と、ロマンティックに輝くラベンダーとミントグリーンが春らしく調和する“07 デイジー スプリング”の2種類を用意する。

“ピュア リップ ティント”(2970円)からは限定の新色2色が登場。青みニュアンスのあるピーチピンクの“EX02 スウィート ピーチ ティー”、赤みニュアンスのアプリコットオレンジ“EX03 アプリコット ティー ソーダ”をそろえる。

そのほか、軽やかなテクスチャーと上品な光沢感で唇をボリュームアップするリップグロス“ピュア リップ ラスター”(2970円)や、今回初となるリップライナー“ピュア リップ シェイパー”(2530円)、ティータイムを連想させる華やかな香りのヘアミスト“パフュームド ヘア ミスト テ フルール”(25mL、3960円)などを用意する。

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「メゾン マルジェラ」“陶器人形メイク”の全貌を公開! パット・マクグラスが語る

「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」2024年“アーティザナル”コレクションで登場したモデルたちのガラスのような“陶器人形メイク”がSNSで話題を呼んだが、担当したメイクアップアーティストのパット・マクグラス(Pat McGrath)がその秘密をついに明かした。2月2日のインスタグラム・ライブで、マクグラスは“陶器人形”肌の作り方をエアブラシマシンとフェイスマスク調合液を使って披露した。

マクグラスのインスタグラム・ライブの前半では、ジミー・ポール(Jimmy Paul)、ケイティ・ジェーン・ヒューズ(Katie Jane Hughes)、アリエル・テハダ(Ariel Tejada)といった有名人を含む1万7000人の視聴者に、“磁器人形メイク”のインスピレーションを説明した。「ジョン(・ガリアーノ、John Galliano)との最初の打ち合わせの時、彼は私を月明かりに照らされたパリのセーヌ川沿いに連れて行ってくれて、陶器の肌を持つ人形たちのデザイン画を描いてくれたの」とマクグラスは説明した。「ジョンが私たちに望んだのは、別世界を想起させるほど幽玄な、ほとんどノーメイクのメイクアップ。新しい次元への挑戦だったわ」。

マクグラスは、「パット・マクグラス ラボ(PAT MCGRATH LABS)」の“ディヴァイン・スキン:ローズ001エッセンス(Divine Skin: Rose 001 Essence)”でモデルたちの肌を整えた後、“サブライム パーフェクション ファンデーション(Sublime Perfection Foundation)を使用。目元には、“マザーシップ・アイ・サブリミナル・アイシャドウ・パレット(Mothership I Subliminal Eyeshadow Palette)”のシェードを組み合わせた。頬には“ディヴァイン・ブラッシュ:レジェンド・グロー・カラーバーム(Divine Blush: Legendary Glow Colour Balm)”を円を描くようにのせ、人形のような見た目に仕上げた。“ブリッツブラウン”カラーの“パーマジェル ウルトラグライド アイペンシル(PermaGel UltraGlide Eye Pencil)”を唇の中央ににじませて立体感を出し、“マットトランス リップスティック(MatteTrance Lipstick)の“ギネヴィア”でムーディーな深紅に唇を仕上げた。マクグラスいわく、「いつも唇の端を指で囲んでぼかすこと」が完璧なリップのためのルールだという。

ガラスのような肌の下準備として、マクグラスは顔の大部分にセッティング・パウダーをつけるのではなく、代わりに“サブライム・パーフェクション・アンダー・アイ・ブラーリング・パウダー(Sublime Perfection Under Eye Blurring Powder)”を薄くまぶした。その後、綿棒で口、鼻、目頭の近くをパッティングし、ピールオフ・マスクの混合液が浮き上がるのを防ぐ。

続いて、マクグラスはプラスチックのスプーンを使って、4つのピールオフ・フェイスマスクを蒸留水で泡立て、エアブラシマシンに送り込める程度に薄めた。使用したのは「フリーマン(FREEMAN)」の“リニューイング・キューカンバー・ピールオフ・ジェル・フェイシャル・マスク(Renewing Cucumber Peel-Off Gel Facial Mask)、「ケ・ベラ(QUE BELLA)」の“ハイドレイティング・パイナップル・ピールオフ・フェイス・マスク(Hydrating Pineapple Peel-Off Face Mask)”、「ダゲット アンド ラムズデル(DAGGETT AND RAMSDELL)」の“ピールオフ・フェイシャル・マスク(Peel-Off Facial Mask)”、「プロート(PROOT)」の“カレンデュラ・ピールオフ・マスク(Calendula Peel-Off Mask)”だ。そして、その調合液をモデルの顔に霧吹きで吹きかけ、プラスチックスプーンで目を覆いながら、薄く均一に塗った。ドライヤーで固め、この工程を8回繰り返すことで、ガラスのように輝く“磁器人形肌”を作り出した。目元を艶やかに仕上げるために、マクグラスは“ピーチ・パーバージョン”と“フレッシュ・アストラル”の2色の“ラスト・リップ・グロス(Lust Lip Gloss)を使った。

また最後に、マクグラスの手掛けるガラススキン製品がもうすぐ発売することも明かした。

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地域に利益を還元しながら、社会をより良くする【シロ 福永敬弘社長】

PROFILE: 福永敬弘/シロ社長

福永敬弘/シロ社長
PROFILE: (ふくなが・たかひろ)1973年広島生まれ。大学卒業後、リクルートに入社。雑誌編集長やメディアプロデュース責任者などを経て、2014年にシロに入社。経営全般の戦略立案や、新規・海外事業の実行を担当。16年、専務取締役に就任。21年、社長に就任した PHOTO : TAMEKI OSHIRO

シロは2023年4月、創業の地である北海道砂川市にモノ作りと環境、観光をテーマにした付帯施設「みんなの工場」をオープン。同市の活性化を目的に、砂川市民と子どもたちを主役に進めてきた町づくり“みんなのすながわプロジェクト”にとって、シンボリックな存在が完成した。「みんなの工場」は全面ガラス張りで、同社が大切にする透明性を発信。今井浩恵会長は社会課題の解決と経済性の両立に挑む起業家としてアワードを受賞するなど、再び注目度が高まっている。福永敬弘社長に23年を振り返ってもらった。
(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

創業地の北海道・砂川で
市民と進める町づくり

WWDJAPAN(以下、WWD):2023年は、念願の体験型複合施設「みんなのすながわプロジェクト」が形になった。

福永敬弘シロ社長(以下、福永):形になり、人流が生まれ、砂川市民のみなさんや行政から一定の理解を得られるようになった。とはいえ4月末のオープン以来、施設への来場者数は23万人。年間150万人の計画にはほど遠い。コンテンツの拡張など、やるべきことは多い。

WWD:当初から、「形になれば、理解していただけることがある」の一方、「形になって、新たに見える課題もある」と言っていた。

福永:市民の皆さんの反応は、間違いなくポジティブになった。いくら砂川市全体の活性化のためとは言え、オープン前の民間企業による施設は皆さんにとって「得体のしれないもの」。だがオープンして人流が生まれ、「みんなの工場」だけでなく、近隣のトンカツ屋まで含め、点ではなく線で潤ってきた。すると違和感や不安は払拭されていく。

WWD:一方の課題は?

福永:一番は交通インフラだ。駅から歩ける距離ではないのでシャトルバスを運行しているが、1時間に1本では足りない。レンタカーなどでの来場が増えれば、駐車場の拡充も必要だろう。砂川市だけではなく、鉄道会社との協議が必要になる。「みんなの工場」の雇用も課題だ。今は「シロ(SHIRO)」のブランド力で、従業員には砂川市に移住してもらっている。新規採用と異動をあわせて40人強、新卒も6人、砂川市で働き始めてくれた。われわれの「ふるさと納税」による税収アップで、砂川市の子どもの医療費が来年、高校生まで無料になるのは移住の一助になった。地域とブランドで町を共創する関係性が生まれつつある。今までの砂川市は、「旭川に行くとき、通過する町」。行政とは、こんな現状に歯止めをかけたいと話している。タッグを組んで、遊べて、滞在できる町にしたい。来年以降は、市内の砂川パークホテルの改装に着手する。年間6000万円の赤字ホテルに20億円を投資して、砂川市のコミュニティスペースに変える。町が変われば、付近の住民も変わるだろうし、新しい発想を持つ移住者が増える。周囲の飲食施設も変われば、砂川市に滞在する時間が楽しくなり、地元の充実は「みんなの工場」の雇用に寄与する。地元の牛乳を使ったソフトクリームなどの小さなソフトから、ホテルを筆頭とする大規模なハードまで。利益を地域に還元しながら、「シロ」の故郷から世の中、社会をより良くするビジネスに挑む。

WWD:訪れているのは、どんな人?

福永:約6万人が道外からだ。売り上げは、周辺人口は最も少ないのに全31店舗の中で「圧倒的1番店」。インバウンド的な特需はなく、ローレル時代からのファンも多い。

WWD:砂川を含め、23年の商況は?

福永:売上高は、前年比13.2%増。客数も同13%増で、年間のお買い上げ客数は300万人を超えた。過去数年は新規:リピートが65:35だったが、今年は逆転。リピーターが過半数を超えた。3年に及んだコロナ禍で接客できなかった状況が改善され、220SKUの中からニーズに合う商品をご案内できるようになったのが大きい。引き続きフレグランスの売り上げが過半数を占めており、むしろシェアは増加しているが、スキンケアやメイクアップも成長している中、フレグランスの勢いが上回っているだけのこと。日本の香水市場に風穴を開けた自負もあるのでネガティブには捉えていない。一方、23年はスキンケアで10、コスメティックで28アイテムを新商品として発売した。今後もプロダクトアウトを続けることで、フレグランスとスキンケア、メイクアップの理想的なバランスを探りたい。

WWD:23年は、「ふるさと納税」にも積極的だった。

福永:昨年は8億円の寄付額を集めた。砂川市の他、ラワンぶきを調達している同じ北海道の足寄(あしょろ)町、酒かすを頂戴している北海道夕張郡栗山町の3市町で、産地の素材を原材料に使っている商品を「ふるさと納税」の返礼品に選んでいただいている。砂川市の子どもの医療費と給食費が無料になるのは、われわれの「ふるさと納税」の返礼品による税収アップによるもの。「ふるさと納税」は大都市に集まりがちなお金を地方にまわし、行政の施策にまで反映できる可能性を感じている。

WWD:新たな販路では、アジアでの拡販にも意欲的だ。

福永:現在、海外売り上げのシェアは全体の2%弱。9月に実店舗を立ち上げた台湾、ようやく商標権が決着して越境ECがスタートした中国は、年間2億円前後の売り上げを見込んでいる。海外においては、さまざまな国々からオファーをいただいている。薬事などにもスピーディーに対応できるのは、工場を持つ私たちの強み。24年は、韓国やタイなどで本格的なビジネスが始まるだろう。

会社概要

シロ
SHIRO

自社内に製品の開発から販売まで全ての機能を持ち、創業当初からエシカルな信念に基づくモノづくりを続けている。国内外で見つけた素材の力を最大限に引き出すスキンケア、メイク、フレグランスを提案。日本全国に展開するほか、ロンドンや台湾に実店舗を構え、米国や中国ではEC販売を行う。製品に使う素材同様、厳選した食のセレクト「シロ ライフ」、素材のおいしさを伝える「シロ カフェ」、美しさを体感できるサロン「シロ ビューティー」などの業態も手掛けている。2021年6月から「みんなのすながわプロジェクト」を推進。23年4月には新工場と付帯施設を含む「みんなの工場」をオープン。今春、北海道の長沼町に一棟貸しの宿泊施設「MAISON SHIRO」の開業を目指す

問い合わせ先
シロ カスタマーサポート
info@shiro-shiro.jp

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進化したウェルネスビューティを未来へ 【マッシュビューティーラボ 豊山YAMU陽子社長】

PROFILE: 豊山YAMU陽子/マッシュビューティーラボ社長

豊山YAMU陽子/マッシュビューティーラボ社長
PROFILE: (とよやま・やむ・ようこ)2005年にマッシュスタイルラボのファッション事業の立ち上げに参加し、「スナイデル(SNIDEL)」「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」「フレイ アイディー(FRAY I.D)」「リリー ブラウン(LILY BROWN)」といった主力ファッションブランドの成長・拡大に寄与。マッシュスタイルラボ取締役を経て、23年4月1日より現職。リテール企画本部長を兼任し、「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」「ビープル(BIOPLE)」など小売業態の売り場編集力と企画力の底上げを図る PHOTO:YUKIE SUGANO

マッシュビューティーラボは「コスメキッチン」「ビープル」を柱に日本のナチュラル&オーガニック市場を長年リードしてきた。2023年4月にマネジメント層の人事を刷新。数々のファッションブランドを育てあげてきた豊山YAMU陽子氏が社長に就任。推進力のある新組織体制のもと、次なるステージへと向かう。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

「心地いいイノベーション」を推進し、話題性と消費者に届ける幸せを最大化

WWDJAPAN(以下、WWD):社長就任から半年以上が経過した。

豊山YAMU陽子社長(以下、豊山):当社は人の24時間を豊かにし、笑顔を届ける「ウェルネスデザイン」をグループスローガンに掲げており、大きな役割を果たすビューティ事業を担うことに身の引き締まる思いだ。その中でナチュラル・オーガニックビューティ業界の方々は、われわれと深くつながりながら、そのプレッシャーを取り払ってくれて感謝している。

WWD:就任時に感じた課題への取り組みは?

豊山:今、クリーンビューティなどさまざまな言葉が飛び交っているが、枠にとらわれない新しいオーガニックビューティを私たちが提案しなければと感じている。古来のオーガニックの素晴らしさを伝えるのも使命だが、その一方で、時代の流れと共にオーガニックの伝え方にも多様性が必要になっている。ファッション分野出身の私には、それを具現化することが期待されていると日々痛感している。私は「心地いいイノベーション」を得意としてきた。オーガニックという変わらない価値を届けつつ、話題性を作りお客さまに届ける幸せを最大化させたい。

WWD:2023年の業績を振り返っての感想は?

豊山:22年8月期の売上高は164億円(エコストアジャパンを含む。以下同)で、23年は172億円。24年は185億円を目標とする。その中で、「ビープル」が前年比10%増と順調に推移している。食品やサプリメントなどインナービューティを主力とする事業だが、コロナ禍を経験したことでインナーケアに対する人々の意識が高まった結果だと思う。また、インバウンドのお客さまがメイド・イン・ジャパンの食品を大量買いされるケースも目立つ。22年2月、屋号からコスメキッチンの名を外したが、「ビープル」はどんな店なのかお客さまにしっかり浸透した。サプリメントだとハードルが高いお客さまでも、ちょっとしたドリンクやお菓子などからインナーケアをスタートできる。そんなコミュニケーションができるのが「ビープル」の面白さ。最近は、出店依頼も多くいただいている。また、24年は世界有数のトラフィックを誇るターミナル駅構内へ「ビープル」の新業態を出店予定だ。東京には今、世界中から観光客が戻り、ビーガンなど多種多様な人も多い。そこでは、その人たちが気軽に買い物できる場所を提供するという新たなミッションを与えてもらった。

WWD:22年にブランド事業部を立ち上げ、プライベートブランドの見直しを図ったが、23年の売り上げ状況は?

豊山:「セルヴォーク(CELVOKE)」「トーン(TO/ONE)」は横ばいで、「スナイデル ビューティ(SNIDEL BEAUTY)」が前年比39%増と成長した。店舗限定商品が大きな話題となり、即日完売のニュースが何度も届いた。店舗限定は大変だが、お客さまからもデベロッパーからも期待は大きく、最近は海外からのオファーも増えている。そのようなステージに至ったことがうれしいし、苦労のかいがある。

WWD:23年7月、「トリロジー(TRILOGY)」との総販売代理店契約も話題になった。

豊山:契約後リローンチした際は、「肌を輝かせる、赤のオーガニック」というコンセプトを打ち出し、関わる全員でそのベクトルに向かうコミュニケーションを実現したことが功を奏した。主力商品である“ローズヒップオイル”は価格を少し下げたこともあるが、リローンチ後の9〜11月の売り上げは前年比354%増に。現在、マッシュグループ全体で、ブランドの理念に共感・リスペクトし、その歴史を重んじながら世に発信していくライセンス事業に力を注いでおり、「トリロジー」もその一つ。われわれは未来につながるウェルネスビューティを育てるのがミッションだと思っている。

WWD:デジタルとリアル店舗のバランスと施策は?

豊山:グループ全体で23年8月期のEC比率は33%。24年デジタルは最も注力したいポイントの一つだ。デジタルコミュニケーションは大きな課題で、優秀なスタッフをアサインして、変革するプロジェクトを昨年キックオフした。接客の熱量が届けづらいデジタルでは、起爆剤として価格商戦に手を伸ばしがちだ。それでは本来私たちが伝えたいことが伝わらないと気付き、売上高を上げると同時に、今後は目的を明確にしたPR訴求に切り替えていく。ウェルネスをキーワードに、ファッションとビューティをつなげた訴求をデジタルで挑戦したい。

WWD:24年のアクションは?

豊山:2月に「エッフェオーガニック(F ORGANICS)」をリニューアルするので、まずはそれを成功させたい。素晴らしいオーガニックスキンケアを作っていると自負しているので、現在シリーズで約9億5000万円の売り上げを25億円規模に成長させるため、多様性を備えたブランドに進化させる。また、20周年を迎える「コスメキッチン」はすでに確固たるイメージがあると思うが、新たなライフスタイルを発信する新生コスメキッチンとして、さまざまなチャレンジを行っていく。2月にリニューアルする「エッフェオーガニック」を皮切りに、新しい形のウェルネスビューティを提案する。

会社概要

マッシュビューティーラボ
MASH BEAUTY LAB

マッシュグループの傘下として2010年に設立。ナチュラル&オーガニックコスメのセレクトショップ「コスメキッチン」や「メイクアップキッチン(MAKEUP KITCHEN)」、コスメに加え食品やインナーケアアイテムをそろえる「ビープル」を運営する。「セルヴォーク」「トーン」「スナイデル ビューティ」などプラベートブランドも充実し、22年に発表した「ミティア オーガニック(MITEA ORGANIC)」ではファミリーマートと協業。「ミートゥデイ(ME TODAY)」「トリロジー」などと独占販売契約を締結している

問い合わせ先
マッシュビューティーラボ
お問い合わせフォーム

TEXT:YOSHIE KAWAHARA

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独創性ある本物の製品を武器に、グローバルカンパニーへ【ヤーマン 山﨑貴三代社長】

PROFILE: 山﨑貴三代/ヤーマン社長

山﨑貴三代/ヤーマン社長
PROFILE: (やまざき・きみよ)大学卒業後、ヤーマンに入社。マーケティング部門や海外部門を経て、1999年に社長に就任。日本で初めてミネラルコスメを市場に投入し、化粧品市場の新カテゴリーを開拓した。美顔器をはじめ、ヘアケアやオーラルケアなど幅広く美容機器を展開し、美容機器市場をリードするヒット商品を世に送り出す。メーカーとしてモノ作りに真摯に取り組み、効果実感を生み出すテクノロジーの開発を使命に掲げる PHOTO:SHUNICHI ODA

スローガンに「美しくを、変えていく。」を掲げるヤーマンは、美容機器を日常的に使用するという新しい美容習慣を提案し、ヒット商品を世に生み出してきた。世界40の国と地域で展開し市場を拡大する中、グローバルブランドとしてさらに成長するための拠点として、初の旗艦店「ヤーマン ザ ストア ギンザ(YA-MAN the store GINZA)」を2023年11月にオープンした。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

“ゴーインググローバル”の拠点が
昨年11月、銀座に完成

WWDJAPAN(以下、WWD):設立45周年の23年をどう振り返るか?

山﨑貴三代社長(以下、山﨑):11月に当社の全製品をそろえる初の旗艦店をオープンできた。長い間さまざまな場所を検討したが、世界から人が集う銀座、そして大通りに面した1階にこだわって物件を探し、われわれが目指す“ゴーインググローバル”の拠点となる場が完成した。1、2階で構成し、2階には顔専門のトレーニングジム「フェィス・リフト・ジム」を設け、長年の表情筋研究から生まれたメソッドを体感していただける。1階中央には、5148個のLEDをあしらった“美肌光ステーション”を設置。当社の美容機器に使用するLEDを全身で浴びることができる。

WWD:22年に研究開発拠点「表情筋研究所」を開設したが成果は?

山﨑:表情筋研究所は5年で100億円の投資が決定しており、昨年はスペースも2倍に拡張し研究者の数も増えた。さまざまな知見を持つ研究者がチームに加わり、検証実験環境も整備したことで、それまで外部に依頼していた細胞試験なども自社でできるようになり、研究スピードが上がった。美容機器のテクノロジーだけでなく、化粧品との融合など、機器と化粧品の両方を展開するわれわれにしかできない開発を進め、新たな潮流を作るのが使命だと思っている。旗艦店「ヤーマン ザ ストア ギンザ」のフェィス・リフト・ジムでは肌データを収集し、表情筋研究所にフィードバックして、そこから新たな研究開発につなげる。旗艦店オープン時に先行発売した、ウエアラブルLED美顔器“ブルーグリーンマスク”や、6月に発売した愛用スキンケア化粧品を最適な波形で浸透させるAI美顔器“ハケイ”は表情筋研究所の研究成果から生まれた。

WWD:商品やカテゴリーで、23年の売り上げをけん引したのは?

山﨑:美顔器は10万円以上の高価格帯のものが好調だ。美顔器市場全体を正確な数字で把握するのは難しいが、23年は、店頭は前年比30〜50%増で伸長している印象だ。化粧品にお金をかけるより美顔器に投資、という動きが見られる。22年はヘアケア製品やオーラルケア製品、メンズシェイバーなど、カテゴリーを横へ広げ順調に推移した。今後はこれをどう進化させ、深めていくかが重要だ。

WWD:目元のリフトアップにフォーカスした11月発売の美顔器も今までになかった製品として話題を呼んでいる。

山﨑:日本初※1の伸びる電極シートによる目元用美顔器“デザインリフト”は大変好評をいただいている。この製品は、高い伸縮性と通電性を両立した新素材「ストレッチフィットシート」を採用し、抜群のフィット感がEMS(電気刺激)で眼輪筋や側頭筋にアプローチするもの。高い技術力を持つ日本ならではの新素材と出合い、当社が独自研究により美容機器に応用し誕生した。「あっ!」と驚く提案をし続けていることがわれわれの強みだ。

WWD:“ゴーインググローバル”を掲げているが、海外事業の進捗は?

山﨑:23年6月に、ウエアラブルEMS美顔器“メディリフト プラス”が米国FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を取得し、秋にECやメディカルスパでの展開をスタートした。海外事業は、今後これがどう推移していくかが非常に重要になる。また中国では、Tモールの11月11日(独身の日)セールでブランド別美容機器部門販売実績2位を獲得した。処理水問題などの影響もあり中国ブランドに1位を譲ったが、中国では15年からブランディングに注力し今に至り、「美容機器を買うならヤーマン」との声を多くいただいている。今後は現地百貨店への出店などオフライン展開にも力を入れていく。国によって主戦場となるチャネルは異なるが、海外ビジネスは米国と中国がカギとなる。

WWD:サステナビリティ分野での取り組みはどうか。

山﨑:サステナブルな取り組みの一環として、旗艦店「ヤーマン ザ ストア ギンザ」では、当社製品以外も含めて使わなくなった美顔器やヘアドライヤーなどの美容機器の回収プログラムをスタートした。不要な美容機器を持ち込んでくれた人には、購入金額から割り引きするサービスを提供する。肌や髪の悩みは年齢により変化し、必要なケアや商品も変わる。このプログラムが使っている美容機器の買い替えや最新機種に興味を持つきっかけになればと願っている。

WWD:24年の目標と実現のための具体的な施策は?

山﨑:“ゴーインググローバル”を推進し、25年に売上高500億円を目指す。その達成のために一番重要なのは、メーカーとして全身全霊でモノ作りに取り組むこと。常にお客さまのニーズを深掘りし、メーカーとして提供するべき真実を追求し、“本物”を作り続けてお客さまに届けるのがわれわれの仕事だ。“本物”というのは、志と独創性溢れる製品のこと。24年も日本発の美容機器&化粧品メーカーであるわれわれにしかできない大型新製品を発表する予定なので、ぜひ期待してほしい。

※1 日本マーケティングリサーチ機構調べ。調査概要:2023年10月期、日本初であることの証明・検査調査

会社概要

ヤーマン
YA-MAN

1978年に設立。半導体検査装置の輸入・販売からスタートし、美容機器分野に事業を拡大。体内脂肪重量計をはじめ、特許技術を搭載した画期的な美容機器を開発。新しい美容習慣の創出を目指し、美容機器業界をけん引する。2007年にミネラルコスメブランド“オンリーミネラル”の販売を開始。20年には顔専門トレーニングジム「フェイス・リフト・ジム」をオープン、22年には研究開発ラボ「表情筋研究所」を本社内に開設した。23年11月に初の旗艦店となる「ヤーマン ザ ストア ギンザ」をオープン。同店を拠点に海外市場をさらに拡大する

問い合わせ先
ヤーマン
0120-776-282

TEXT : YOSHIE KAWAHARA

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「ブライトリング」がヴィクトリア・ベッカムと限定“クロノマット36” 1500本限定発売

スイスの時計ブランド「ブライトリング」(BREITLING)はこのほど、デザイナーやファッションアイコンとして知られるヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)と共同デザインした“クロノマット オートマチック36 ヴィクトリア・ベッカム コレクション”を発表した。1500点限定で全世界で販売している。価格は72万6000円〜。

ファッションと機能性が融合した
デザインで女性顧客の獲得を強化

ベッカムがデザインした“クロノマット オートマチック36 ヴィクトリア・ベッカム コレクション”は、エレガントなカラーリングとスリムな佇まいで女性も楽しみやすい印象だ。「ブライトリング」のジョージ・カーン(Georges Kern)最高経営責任者は、「シックで素晴らしい時計が出来上がった。ダイヤルは、ヴィクトリアによるオリジナルのユニークな色が揃っている。スイスの時計メーカーは伝統を重んじるが、『ブライトリング』は常に革新的で挑戦を続けるブランド。新しい視点で女性客を増やしたい」と語る。

今回の共同デザインではダイヤルにペパーミント、ミッドナイトブルー、ダブグレーなど、ベッカムがセレクトした新たなカラーを使用。ケースもステンレススチールのみならず、特別に復活させたイエローゴールドなど、「ヴィクトリア ベッカム」が得意とするユニークなカラーリングをそろえた。秒針には“VB”のイニシャルをあしらうなど、限定モデルならではのデザインは随所に施されているが、金属製のルーローブレスレット(円柱を重ねたような独特な形状のブレスレット)やライダータブ(パイロットがグローブをはめた手でも操作できるようベゼルに施す4つの小さな突起)など、“クロノマット”の特徴も生きている。

NYのイベントには
ベッカム本人も登場

ニューヨークで行われたローンチイベントにはヴィクトリア・ベッカム本人も来場。「ヴィクトリア ベッカム」のワンピースにラボグロウンダイヤモンドをあしらった“クロノマット オートマチック36 ヴィクトリア・ベッカム コレクション”のダブグレーを着用したシックなコーディネート姿だった。初の時計デザインとなった今回のコラボレーションについては、「『ブライトリング』と『ヴィクトリア ベッカム』は、同じ価値観を持っている。オーバーラップしているところがあり、共同デザインもスムーズに進んだ。自分でも身につけたいと思うものをデザインした」と語っている。

デザインのこだわりについては、「『ヴィクトリア ベッカム』ではユニークな色を取り入れることが多いので、今回は色を特別に作ってもらった。いつもフェミニンな時計ではつまらないので、マスキュリンなデザインができてとても嬉しい。デザインはマスキュリンだが、カラーはフェミニン。絶妙なバランスになっている」という。

マリオ・ソレンティ(Mario Sorrenti)が撮影を手がけた今回のキャンペーンビジュアルからは「ヴィクトリア ベッカム」のファッション性とスイスの老舗時計メーカーの機能性が融合したコラボレーションだと伺える。「現代社会ではみんな時間をスマートフォンで確認するけれど、私は時計をつけた時の感覚が好き。服装やジュエリーに合わせて楽しみたい」とベッカム。華奢な時計を好む日本人女性に向け、今回の限定モデルの着こなしについてアドバイスを求めると、「日本人の女性はとてもシックでエレガント。綺麗な格好をする女性たちが多いけれど、新しいものに挑戦したらそれも好きになると思う。大きめの時計もクールだから」と語った。

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売り上げ目標達成に向けターゲットとマーケットを拡大する【ベイクルーズ 杉村茂CEO】

PROFILE: 杉村茂/ベイクルーズ取締役CEO

杉村茂/ベイクルーズ取締役CEO
PROFILE: (すぎむら・しげる) 1962年8月22日生まれ。神奈川県出身。アパレルメーカーを経て84年にベイクルーズに入社。2003年、同社初の子会社ジョイントワークスの初代社長を務め、14年9月1日から現職。趣味はスポーツ観戦とスニーカー収集 PHOTO:YOW TAKAHASHI

ミドル層からの支持を基盤に成長してきたベイクルーズ。ここからさらにマーケットを広げファンの絶対数を増やしていくことが成長のカギになる。2024年は売上高前期比16%増の数字を掲げてビジネス規模の拡大を目指す。2月の虎ノ門ヒルズ ステーションタワーへの新たな大型店舗の出店は大きな挑戦だ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

成長のカギは
絶対的なファンの増加

WWDJAPAN(以下、WWD):今年2月には虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに大型複合店舗のオープンを控える。

杉村茂取締役CEO(以下、杉村):ビジネス街である虎ノ門での大型店は当社にとってもチャレンジであり、最初の2〜3年は苦労する前提だ。目指すは全盛期のパリのコレットやミラノのコルソ・コモのように世界の業界人の目的地になる店。もちろん日本のお客さんにも買ってもらいたいが、世界の業界人が日本に来たときは必ず見にきて、感動してもらえる場所にしたい。今まで当社にいなかった層にお客さんになってもらうきっかけにもなる。アパレル以外にも、飲食やアート業態も出店する。服以外にも興味があるいろんな人が集まってほしい。

WWD:2023年9月に始まった45期の注力領域は?

杉村:この2年間、安売りしてお客さんをがっかりさせるのはやめましょう、結果として利益を出す構造を作りましょう、とスタッフに働きかけてきた部分は浸透した手応えがある。だから今度は規模を拡大するために、あえて売上高にこだわる。この2年間で培ってきた利益構造を前提に、売上高は前期比16%増を目指す。当社にとっては、かなりハードルの高い数字だ。ターゲットとマーケットを拡大して絶対的なファンの数を増やしていかないことには達成できない。店長たちには、今までの使い古した引き出しばかりではなくて、新しい引き出しをもっともっと増やしてほしいし、結果が出ればきちんと還元していく方針だと伝えている。

WWD:現場の工夫に加えて、経営側からはどんなサポートをしていくのか?

杉村:セールの抑制は浸透してきたものの、モノ作りの部分で在庫を残さない仕組み作りが必要だ。たとえば、無理に製品を作らずに生地や付属の在庫は残していいと伝えている。そのぶん、発注するタイミングや状況を慎重に見極めたり、別のブランドと連携して活用したりしてもらう。パンデミックや世界情勢など予想できない外的要因にも対応できる考え方が問われる時代になった。

WWD:市場がモノ消費からコト消費にながれている中で、ファッション市場のポテンシャルをどう見ている?

杉村:服を買う人たちみんながファッションを好きで買っているわけではない。そういう人たちにもっと服の楽しさやこだわりを伝えていこうと思えば、まだまだ可能性はある。当社は真ん中(ミドルマーケット)に偏りがちで、地方のショッピングセンター(SC)にはほとんど出ていない。そういうところに対しても、ベイクルーズなりの解釈でマーケットを広げることはできる。

WWD:24年に仕掛けていくことは?

杉村:手薄だったマスボリュームに向けては、伊藤忠商事がライセンスを持つ「アウトドアプロダクツ(OUTDOOR PRODUCTS)」の国内アパレルおよびブランドストア運営に関するパートナーシップ契約を締結した。春には東京・中目黒に路面店を出店予定で、そこを皮切りに駅ビルや郊外の大型SCに積極的に出店していく。もう一つは、アッパーマーケットへの挑戦だ。パリコレを経験している日本人デザイナーと組んで新ブランドを立ち上げる。海外でショーや展示会を開くことも見据えている。

WWD:23年はどんな1年だった?

杉村:44期(23年8月期)は、増収増益で過去最高の利益が取れた。この4年でECの売上高は100億円ほど増えた。とはいえ高い予算を掲げているのでそこには若干届かなかった。来客数も何も手を打たなければ自然には戻ってこない。いろいろ変えていく必要を感じている。店舗の人材獲得も深刻な課題だ。

WWD:業界全体で人材獲得が課題に挙がっているなかで、ベイクルーズが23年久しぶりにリアルで開催した入社式では、ファッション好きな若手が集まり熱気を感じた。

杉村:人材不足の部分では、店で一人前に仕事ができる人が少ないということ。バランスの取れたチーム体制や新人教育は引き続き課題だ。24年は新卒を23年の倍以上採用した。継続して採用を行っていると優等生ばかりが集まってしまう。学歴に関係なく多様な人材を入れるように意識している。人材が枯渇するとその業界はどんどん廃れてしまう。去年は役員以外の社員全員の給料を、月額2万円、年間で25万円程度、総額8億円賃上げした。プライドを持って仕事をしろと言っても、社員の生活水準をきちんと上げていかないと口先だけになってしまう。ある社員はランチに使える予算が限られていると言っていた。本社の前に出ているキッチンカーのランチも厳しいと。地方から1人で出てきて、自分で家賃を出して生活していたら、そうなるのはよくわかる。自分自身もそういう時代があった。でも月2万円給料が上がったら、お昼に食べたいものを食べられるくらいにはなる。すごく大事なことだ。働きがいはもちろんだが、一人一人の生活水準が上がるようなサポートは会社として必要だと思っている。

会社概要

ベイクルーズ
BAYCREW'S

1977年設立。アパレル、家具、飲食、フィットネス事業を展開。2016年に売上高1000億円を突破。17年に本社オフィスを渋谷キャストに移転。21年にベイクルーズとファッション事業のジョイントワークス、フレームワークス、JS.ワークス、ルドーム、ラクラス、家具事業のアクメ、飲食事業のフレーバーワークスを統合。他にラデュレジャポン、ウィルワークス、台湾ベイクルーズ、ル・プチメック、Foodies USA. Incを傘下に持つ。23年8月期の連結売上高は1389億円、期末店舗数は409店舗

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売り上げ目標達成に向けターゲットとマーケットを拡大する【ベイクルーズ 杉村茂CEO】

PROFILE: 杉村茂/ベイクルーズ取締役CEO

杉村茂/ベイクルーズ取締役CEO
PROFILE: (すぎむら・しげる) 1962年8月22日生まれ。神奈川県出身。アパレルメーカーを経て84年にベイクルーズに入社。2003年、同社初の子会社ジョイントワークスの初代社長を務め、14年9月1日から現職。趣味はスポーツ観戦とスニーカー収集 PHOTO:YOW TAKAHASHI

ミドル層からの支持を基盤に成長してきたベイクルーズ。ここからさらにマーケットを広げファンの絶対数を増やしていくことが成長のカギになる。2024年は売上高前期比16%増の数字を掲げてビジネス規模の拡大を目指す。2月の虎ノ門ヒルズ ステーションタワーへの新たな大型店舗の出店は大きな挑戦だ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

成長のカギは
絶対的なファンの増加

WWDJAPAN(以下、WWD):今年2月には虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに大型複合店舗のオープンを控える。

杉村茂取締役CEO(以下、杉村):ビジネス街である虎ノ門での大型店は当社にとってもチャレンジであり、最初の2〜3年は苦労する前提だ。目指すは全盛期のパリのコレットやミラノのコルソ・コモのように世界の業界人の目的地になる店。もちろん日本のお客さんにも買ってもらいたいが、世界の業界人が日本に来たときは必ず見にきて、感動してもらえる場所にしたい。今まで当社にいなかった層にお客さんになってもらうきっかけにもなる。アパレル以外にも、飲食やアート業態も出店する。服以外にも興味があるいろんな人が集まってほしい。

WWD:2023年9月に始まった45期の注力領域は?

杉村:この2年間、安売りしてお客さんをがっかりさせるのはやめましょう、結果として利益を出す構造を作りましょう、とスタッフに働きかけてきた部分は浸透した手応えがある。だから今度は規模を拡大するために、あえて売上高にこだわる。この2年間で培ってきた利益構造を前提に、売上高は前期比16%増を目指す。当社にとっては、かなりハードルの高い数字だ。ターゲットとマーケットを拡大して絶対的なファンの数を増やしていかないことには達成できない。店長たちには、今までの使い古した引き出しばかりではなくて、新しい引き出しをもっともっと増やしてほしいし、結果が出ればきちんと還元していく方針だと伝えている。

WWD:現場の工夫に加えて、経営側からはどんなサポートをしていくのか?

杉村:セールの抑制は浸透してきたものの、モノ作りの部分で在庫を残さない仕組み作りが必要だ。たとえば、無理に製品を作らずに生地や付属の在庫は残していいと伝えている。そのぶん、発注するタイミングや状況を慎重に見極めたり、別のブランドと連携して活用したりしてもらう。パンデミックや世界情勢など予想できない外的要因にも対応できる考え方が問われる時代になった。

WWD:市場がモノ消費からコト消費にながれている中で、ファッション市場のポテンシャルをどう見ている?

杉村:服を買う人たちみんながファッションを好きで買っているわけではない。そういう人たちにもっと服の楽しさやこだわりを伝えていこうと思えば、まだまだ可能性はある。当社は真ん中(ミドルマーケット)に偏りがちで、地方のショッピングセンター(SC)にはほとんど出ていない。そういうところに対しても、ベイクルーズなりの解釈でマーケットを広げることはできる。

WWD:24年に仕掛けていくことは?

杉村:手薄だったマスボリュームに向けては、伊藤忠商事がライセンスを持つ「アウトドアプロダクツ(OUTDOOR PRODUCTS)」の国内アパレルおよびブランドストア運営に関するパートナーシップ契約を締結した。春には東京・中目黒に路面店を出店予定で、そこを皮切りに駅ビルや郊外の大型SCに積極的に出店していく。もう一つは、アッパーマーケットへの挑戦だ。パリコレを経験している日本人デザイナーと組んで新ブランドを立ち上げる。海外でショーや展示会を開くことも見据えている。

WWD:23年はどんな1年だった?

杉村:44期(23年8月期)は、増収増益で過去最高の利益が取れた。この4年でECの売上高は100億円ほど増えた。とはいえ高い予算を掲げているのでそこには若干届かなかった。来客数も何も手を打たなければ自然には戻ってこない。いろいろ変えていく必要を感じている。店舗の人材獲得も深刻な課題だ。

WWD:業界全体で人材獲得が課題に挙がっているなかで、ベイクルーズが23年久しぶりにリアルで開催した入社式では、ファッション好きな若手が集まり熱気を感じた。

杉村:人材不足の部分では、店で一人前に仕事ができる人が少ないということ。バランスの取れたチーム体制や新人教育は引き続き課題だ。24年は新卒を23年の倍以上採用した。継続して採用を行っていると優等生ばかりが集まってしまう。学歴に関係なく多様な人材を入れるように意識している。人材が枯渇するとその業界はどんどん廃れてしまう。去年は役員以外の社員全員の給料を、月額2万円、年間で25万円程度、総額8億円賃上げした。プライドを持って仕事をしろと言っても、社員の生活水準をきちんと上げていかないと口先だけになってしまう。ある社員はランチに使える予算が限られていると言っていた。本社の前に出ているキッチンカーのランチも厳しいと。地方から1人で出てきて、自分で家賃を出して生活していたら、そうなるのはよくわかる。自分自身もそういう時代があった。でも月2万円給料が上がったら、お昼に食べたいものを食べられるくらいにはなる。すごく大事なことだ。働きがいはもちろんだが、一人一人の生活水準が上がるようなサポートは会社として必要だと思っている。

会社概要

ベイクルーズ
BAYCREW'S

1977年設立。アパレル、家具、飲食、フィットネス事業を展開。2016年に売上高1000億円を突破。17年に本社オフィスを渋谷キャストに移転。21年にベイクルーズとファッション事業のジョイントワークス、フレームワークス、JS.ワークス、ルドーム、ラクラス、家具事業のアクメ、飲食事業のフレーバーワークスを統合。他にラデュレジャポン、ウィルワークス、台湾ベイクルーズ、ル・プチメック、Foodies USA. Incを傘下に持つ。23年8月期の連結売上高は1389億円、期末店舗数は409店舗

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小売業からプラットフォーマーへ、24年はその準備の年【アダストリア 木村治社長】

PROFILE: 木村治/アダストリア社長

木村治/アダストリア社長
PROFILE: (きむら・おさむ)1969年生まれ、茨城県出身。90年に福田屋洋服店(現アダストリア)に入社し、店長などを経験。2001年に独立してワークデザイン設立。同社は07年にドロップ(トリニティアーツの前身)と経営統合し、11年にトリニティアーツ代表取締役社長に就任。16年にアダストリア常務、18年副社長を経て21年取締役社長、22年から代表取締役社長 PHOTO:SHUHEI SHINE

自社EC「ドットエスティ(.ST)」が好調で、アパレルECの勝ち組の代表格となったアダストリア。2024年も、「ドットエスティ」上の提供サービスを拡大し、アパレル小売業の枠を超えた成長を描く。約30ブランドを擁するマルチブランド戦略、積極的な海外投資、実店舗とECの両輪成長が独自性を生んでいる。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

「ドットエスティ」と実店舗の両輪で
過去最高業績を達成

WWDJAPAN(以下、WWD):2023年3〜11月期は過去最高業績を達成した。特に何が寄与したのか。

木村治社長(以下、木村):通期の24年2月期でも、売上高が前期比11.3%増の2700億円、営業利益が同56.3%増の180億円、純利益が同59.1%増の120億円を達成できる見込みで、過去最高を更新する。円安、原料高で厳しい1年だったが、価格見直し(値上げ)を行うと共に、無駄な値引きを抑え、「適時・適価・適量」方針のもと、商品企画や生産のあり方、在庫管理の徹底に常に努めてきた成果だ。21年に素材開発部を立ち上げて以降、自社独自の素材開発により一層力を入れていることも利益確保につながっている。種まきを行った新ブランドや新事業は、芽が出たものも、まだまだなものもある。ただ、マルチブランド戦略のもと、それら全てがデータとして蓄積されているということは財産だ。生産面では、中国もコスト上昇している中でASEAN生産も広げ、計画生産によってコストを抑えている。来期以降はインド生産もトライしていく。

WWD:24年に注力するポイントは。

木村:23年は好業績を達成したが、客数はコロナ前と比較してまだ完全には戻っていないし、厳しい状況は続くかもしれない。大量に生産し、大量に売るという価値観自体が時代と合わなくなっている。引き続き、客数増よりも重点目標である利益確保のために品質やデザイン価値を高め、その分価格を上げる。例えば「ハレ(HARE)」「ジーナシス(JEANASIS)」は、客単価が2ケタ増のペースだ。単に値上げするだけではお客さまの心は離れてしまうが、1点1点どう付加価値を高めるか考えているなら、お客さまとの信頼関係は崩れない。

WWD:自社ECの「ドットエスティ」が成長をけん引している。

木村:「ドットエスティ」は引き続き注力事業の1つであり、会員数は1710万人を突破した。店舗スタッフによる投稿コンテンツ“スタッフボード”の効果が大きく、お客さまと店舗スタッフとのつながりが非常に強まっている。国内約1300の実店舗を持っていることとECが、当社の成長の両輪としてうまく回っている。社内インフルエンサーが増えたことで、インセンティブや教育制度も強化した。「ドットエスティ」は22年春に他社にも開放し、現在8社9ブランドを扱っている。他社へのオープン化により、当社のポートフォリオで手薄な部分を補完できており、購買層も広がっている。23年はJR九州と組んで、“スタッフボード”の人気店舗スタッフが登場する旅行企画も「ドットエスティ」上で行った。そういった地方創生企画も可能であり、ほかにも多様な切り口が「ドットエスティ」では考えられる。23年10月にはフリマサービスも開始した。ゆくゆくはお客さま同士での売買やイベント共有なども可能にし、「ドットエスティ」でカバーするサービスを充実させ、ID(会員登録)の価値をさらに高めていく。“スタッフボード”は自社でシステム開発しており、今後はベンダーとして他社に販売も予定している。ここまでデジタルに投資ができている企業は業界の中でも限られており、投資できている企業がここからさらに伸びる。

WWD:海外事業では台湾が絶好調だ。

木村:台湾は昨年、事業開始20周年を迎え、ローカル化も順調、トップも現地人材だ。23年は22店出店し、現在64店。来期も積極出店して一気に勢いに乗る。コロナ禍中も出店し続けた中国本土はまだ回復途上だが、今後も投資を続ける。23年4月にはタイのバンコクにも「ニコアンド(NIKO AND…)」を初出店し、順調だ。フィリピンにも子会社を2月に設立し、24年に出店を計画している。

WWD:ブランド別では、「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が順調に伸びている。

木村:われわれの強みは、約30ブランドを展開するマルチブランド体制を採りつつも、主力の「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」「スタディオクリップ(STUDIO CLIP)」の4ブランドでそれぞれ200億円以上、合計で1100億円超の売り上げがある点。これがあるからデジタルをはじめとした大型投資ができるし、社員の賃金も上げられる、サステナビリティも追求できる。この4ブランドはここからさらに成長させられる。「グローバルワーク」は現在の売上高が約500億円だが、1000億円規模を目指せる。国内は人口減で縦積みが厳しくなる以上、海外がますます重要になるし、会社全体としての成長ではM&Aも考えている。

WWD:コロナ禍中に、苦しくても投資をやめなかったことが花開いた。

木村:福田(三千男会長)が指揮を執っていた時代から、システムにも物流にも投資をしてきた。ファッションだけでなくライフスタイルブランドも手掛けていることで、当社には多種多様な大量のデータが蓄積されている。データ分析の担当者がDX部門にも、各ブランド内にも、マーケティングチームにもおり、分析内容を週次、月次、四半期といったターム別に落とし込み、改善している。データを分析し掛け合わせることで新しい事業につながる。ただの小売りから、新しいプラットフォーマーになっていく。24年はそのスタートの年だ。

会社概要

アダストリア
ADASTRIA

1953年に茨城県水戸市で福田屋洋服店として創業。93年にポイントに商号変更。2013年にアダストリアホールディングスとしてトリニティアーツなどをグループ化。15年にアダストリアホールディングス、ポイント、トリニティアーツを統合し、アダストリアに社名変更。主要ブランドは「グローバルワーク」「ニコアンド」など。2023年2月期は売上高が前期比20.3%増の2425億円、営業利益が同75.4%増の115億円だった

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小売業からプラットフォーマーへ、24年はその準備の年【アダストリア 木村治社長】

PROFILE: 木村治/アダストリア社長

木村治/アダストリア社長
PROFILE: (きむら・おさむ)1969年生まれ、茨城県出身。90年に福田屋洋服店(現アダストリア)に入社し、店長などを経験。2001年に独立してワークデザイン設立。同社は07年にドロップ(トリニティアーツの前身)と経営統合し、11年にトリニティアーツ代表取締役社長に就任。16年にアダストリア常務、18年副社長を経て21年取締役社長、22年から代表取締役社長 PHOTO:SHUHEI SHINE

自社EC「ドットエスティ(.ST)」が好調で、アパレルECの勝ち組の代表格となったアダストリア。2024年も、「ドットエスティ」上の提供サービスを拡大し、アパレル小売業の枠を超えた成長を描く。約30ブランドを擁するマルチブランド戦略、積極的な海外投資、実店舗とECの両輪成長が独自性を生んでいる。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

「ドットエスティ」と実店舗の両輪で
過去最高業績を達成

WWDJAPAN(以下、WWD):2023年3〜11月期は過去最高業績を達成した。特に何が寄与したのか。

木村治社長(以下、木村):通期の24年2月期でも、売上高が前期比11.3%増の2700億円、営業利益が同56.3%増の180億円、純利益が同59.1%増の120億円を達成できる見込みで、過去最高を更新する。円安、原料高で厳しい1年だったが、価格見直し(値上げ)を行うと共に、無駄な値引きを抑え、「適時・適価・適量」方針のもと、商品企画や生産のあり方、在庫管理の徹底に常に努めてきた成果だ。21年に素材開発部を立ち上げて以降、自社独自の素材開発により一層力を入れていることも利益確保につながっている。種まきを行った新ブランドや新事業は、芽が出たものも、まだまだなものもある。ただ、マルチブランド戦略のもと、それら全てがデータとして蓄積されているということは財産だ。生産面では、中国もコスト上昇している中でASEAN生産も広げ、計画生産によってコストを抑えている。来期以降はインド生産もトライしていく。

WWD:24年に注力するポイントは。

木村:23年は好業績を達成したが、客数はコロナ前と比較してまだ完全には戻っていないし、厳しい状況は続くかもしれない。大量に生産し、大量に売るという価値観自体が時代と合わなくなっている。引き続き、客数増よりも重点目標である利益確保のために品質やデザイン価値を高め、その分価格を上げる。例えば「ハレ(HARE)」「ジーナシス(JEANASIS)」は、客単価が2ケタ増のペースだ。単に値上げするだけではお客さまの心は離れてしまうが、1点1点どう付加価値を高めるか考えているなら、お客さまとの信頼関係は崩れない。

WWD:自社ECの「ドットエスティ」が成長をけん引している。

木村:「ドットエスティ」は引き続き注力事業の1つであり、会員数は1710万人を突破した。店舗スタッフによる投稿コンテンツ“スタッフボード”の効果が大きく、お客さまと店舗スタッフとのつながりが非常に強まっている。国内約1300の実店舗を持っていることとECが、当社の成長の両輪としてうまく回っている。社内インフルエンサーが増えたことで、インセンティブや教育制度も強化した。「ドットエスティ」は22年春に他社にも開放し、現在8社9ブランドを扱っている。他社へのオープン化により、当社のポートフォリオで手薄な部分を補完できており、購買層も広がっている。23年はJR九州と組んで、“スタッフボード”の人気店舗スタッフが登場する旅行企画も「ドットエスティ」上で行った。そういった地方創生企画も可能であり、ほかにも多様な切り口が「ドットエスティ」では考えられる。23年10月にはフリマサービスも開始した。ゆくゆくはお客さま同士での売買やイベント共有なども可能にし、「ドットエスティ」でカバーするサービスを充実させ、ID(会員登録)の価値をさらに高めていく。“スタッフボード”は自社でシステム開発しており、今後はベンダーとして他社に販売も予定している。ここまでデジタルに投資ができている企業は業界の中でも限られており、投資できている企業がここからさらに伸びる。

WWD:海外事業では台湾が絶好調だ。

木村:台湾は昨年、事業開始20周年を迎え、ローカル化も順調、トップも現地人材だ。23年は22店出店し、現在64店。来期も積極出店して一気に勢いに乗る。コロナ禍中も出店し続けた中国本土はまだ回復途上だが、今後も投資を続ける。23年4月にはタイのバンコクにも「ニコアンド(NIKO AND…)」を初出店し、順調だ。フィリピンにも子会社を2月に設立し、24年に出店を計画している。

WWD:ブランド別では、「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が順調に伸びている。

木村:われわれの強みは、約30ブランドを展開するマルチブランド体制を採りつつも、主力の「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」「スタディオクリップ(STUDIO CLIP)」の4ブランドでそれぞれ200億円以上、合計で1100億円超の売り上げがある点。これがあるからデジタルをはじめとした大型投資ができるし、社員の賃金も上げられる、サステナビリティも追求できる。この4ブランドはここからさらに成長させられる。「グローバルワーク」は現在の売上高が約500億円だが、1000億円規模を目指せる。国内は人口減で縦積みが厳しくなる以上、海外がますます重要になるし、会社全体としての成長ではM&Aも考えている。

WWD:コロナ禍中に、苦しくても投資をやめなかったことが花開いた。

木村:福田(三千男会長)が指揮を執っていた時代から、システムにも物流にも投資をしてきた。ファッションだけでなくライフスタイルブランドも手掛けていることで、当社には多種多様な大量のデータが蓄積されている。データ分析の担当者がDX部門にも、各ブランド内にも、マーケティングチームにもおり、分析内容を週次、月次、四半期といったターム別に落とし込み、改善している。データを分析し掛け合わせることで新しい事業につながる。ただの小売りから、新しいプラットフォーマーになっていく。24年はそのスタートの年だ。

会社概要

アダストリア
ADASTRIA

1953年に茨城県水戸市で福田屋洋服店として創業。93年にポイントに商号変更。2013年にアダストリアホールディングスとしてトリニティアーツなどをグループ化。15年にアダストリアホールディングス、ポイント、トリニティアーツを統合し、アダストリアに社名変更。主要ブランドは「グローバルワーク」「ニコアンド」など。2023年2月期は売上高が前期比20.3%増の2425億円、営業利益が同75.4%増の115億円だった

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値引きに頼らないファッションビジネスへ脱皮【ストライプインターナショナル 川部将士社長】

PROFILE: 川部将士/ストライプインターナショナル社長

川部将士/ストライプインターナショナル社長
PROFILE: (かわべ・まさし)1972年生まれ、神奈川県出身。95年一橋大学社会学部卒業後、住友商事に入社。99年住商リテイルストアーズ(現トモズ)へ出向、2008年バーニーズ ジャパンへ出向、16年住商ブランドマネジメントに出向して社長就任、18年フェイラージャパンに出向して社長就任、22年9月住友商事に帰任し11月に退職。12月にストライプインターナショナルに入社、23年2月から現職。学生時代はラグビーに注力 PHOTO:SUGURU TANAKA

2023年2月に、住友商事出身で元フェイラージャパン社長の川部将士氏が社長に就任し、新体制となったストライプインターナショナル。創業者によるトップダウン型企業から、社員自ら考えて進んでいく組織へと脱皮を進めている。値引きを抑えることで、指標にしている営業利益率は想定以上のスピードで改善している。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

営業利益率5%を達成

WWDJAPAN(以下、WWD):社長就任から丸一年。手応えは。

川部将士社長(以下、川部):想定していた以上の手応えだ。外から見ていた以上に、自力のある会社だと感じた。収益改善を進める中で、売上高ではなく営業利益率を指標としているが、23年2〜10月期では5%台にまで高まった。業界内で高水準ではないが、前年同期は赤字だったことを考えれば、想定以上のスピードで利益が出せる体質へと変わっている。方針さえ明確になれば、ミッションをしっかりこなせる会社だ。売上高をかつての水準まで回復させることも将来的に考えてはいるが、中身が伴わない状態で売り上げだけ追求しても、うまくはいかない。

WWD:利益率改善には値引き抑制が効いているのか。

川部:ここ数年はかなりセール偏重の商売をしてきた。ファッションの会社として、最初にお客さまに伝えるべきは商品やブランドの魅力であり、できるだけ値引きせず売る努力をしよう、しっかり接客しようと社内で伝えてきた。同時に、仕入れもコントロールしている。需給のバランスの中で、最終消化のために値引きすることはもちろんあるが、安易なタイムセールはしない。その意識改革だけでも、粗利はかなり改善できた。

WWD:一丸となるため、まずは社内に向けたパーパスも策定した。

川部:「ファッションの力で笑顔輝くあしたを創る」だ。リーダー約30人に集まってもらい、4日間のワークショップで議論し決めた。私自身は横で見ていたが、社員からこの言葉が出てきたことで、やはり値引きに頼った商売ではなく、ファッションビジネスをやりたいという思いを強く感じた。われわれの服を着ることで、お客さまが前向きに生きていこうと思えるような、そんなブランドでありたいという思いがこもっている。

WWD:以前は創業者が引っ張るトップダウン型組織だった。

川部:経営層が変わった今、皆の意識を変えて、会社の新しい運営形態を作っていかなければいけない。今はあらゆることが猛スピードで変化していく時代であり、成功体験を持っている人が必ずしも正しいとは限らない。だからこそ、皆で挑戦を重ねるしかない。活力ある若い人たちがいかに挑戦していくかにしか答えはない。ただし、強力なオーナーシップの下、言われたことをこなす形で働いてきた社員が、自主自律で動いていく組織に変わるのは時間もかかる。だからこそまずパーパスを策定し、そこに向けて自分は何に挑戦するかを考えられるようにした。

WWD:23年は適時・適量・適価で売り切るといった商売の基本に改めて注力したが、24年の課題は何か。

川部:より戦略的に、会社をどう成長させていくかを考えていく。ファッションビジネスの軸は、クリエイション、カスタマーコミュニケーション、サプライチェーンの3つだ。ネットへの常時接続を前提に社会もビジネスも変わっていく中、その3つも変えていく必要がある。正直に言って、当社は業界の中でやや遅れている。マーケットへの挑戦権を得るために、まずは3領域で最低限のアップデートを行い、加えて他社との差別化も必要となる。

WWD:具体的に何から始めるのか。

川部:3つのボタンを同時に押すような気持ちだが、まずカスタマーコミュニケーション、いわゆるOMO領域が先行している。顧客とのコミュニケーションの軸であるブランドアプリ、SNS、LINE、自社ECサイトの4つで、強化すべき部分は多い。お客さまとつながる回数を増やさないと今はブランド力が落ちてしまう。LINE登録を店頭でしっかり促すなど、基礎的なところから進めている。その上で、次はクリエイションを強化。サプライチェーンマネジメントにも本格的に着手する。当社はモノ作りや物流において、商社や物流業者に任せっきりになってしまっている部分が大きい。全て自社で行うという考えはないが、流れを把握し、自ら課題を見出して解決していく組織になることが、SDGsの観点でも不可欠だ。昨年9月にサプライチェーン本部を立ち上げたが、流れを見える化し、パートナー企業と議論ができる形を作る。それが、原料高騰や物流問題対応にもつながっていく。

WWD:一部ブランドでは既に好循環も生まれ始めている。

川部:最大ブランドの「グリーン パークス(GREEN PARKS)」は業績も伸びている。端境期のMDコントロールが好調で、再現性のある成功事例を作ることができている。「アメリカンホリック(AMERICAN HOLIC)」も堅調だ。見直し中の「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC&ECOLOGY)」は、チームの議論の中から新しい指針が出てきている。これらマスマーケット向け3ブランドとミドルマーケット向けの他のブランドとでは、9月に事業部も分けた。

WWD:24年度の数値目標は。

川部:営業利益率5%という、26年1月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画で掲げた目標は1年目で既に達成できたが、24年度は人材へのさらなる投資や、ECプラットフォームの刷新も進めるため、横ばいの見込みだ。会社としての基盤強化に投資していく1年にする。

会社概要

ストライプインターナショナル
STRIPE INTERNATIONAL INC.

1994年に岡山県でセレクトショップとして開業。95年にクロスカンパニー設立、99年に「アース ミュージック&エコロジー」を立ち上げてSPA企業に転換。2000年に東京本部を開設、12年にキャンをグループ化、16年に現社名に変更した。「アース」のほか、「グリーン パークス」「アメリカンホリック」「イェッカヴェッカ」などを擁する。23年1月期の売上高は前期比4.1%減の607億円、営業損失は10億円(前期は15億円)

問い合わせ先
ストライプインターナショナル
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値引きに頼らないファッションビジネスへ脱皮【ストライプインターナショナル 川部将士社長】

PROFILE: 川部将士/ストライプインターナショナル社長

川部将士/ストライプインターナショナル社長
PROFILE: (かわべ・まさし)1972年生まれ、神奈川県出身。95年一橋大学社会学部卒業後、住友商事に入社。99年住商リテイルストアーズ(現トモズ)へ出向、2008年バーニーズ ジャパンへ出向、16年住商ブランドマネジメントに出向して社長就任、18年フェイラージャパンに出向して社長就任、22年9月住友商事に帰任し11月に退職。12月にストライプインターナショナルに入社、23年2月から現職。学生時代はラグビーに注力 PHOTO:SUGURU TANAKA

2023年2月に、住友商事出身で元フェイラージャパン社長の川部将士氏が社長に就任し、新体制となったストライプインターナショナル。創業者によるトップダウン型企業から、社員自ら考えて進んでいく組織へと脱皮を進めている。値引きを抑えることで、指標にしている営業利益率は想定以上のスピードで改善している。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

営業利益率5%を達成

WWDJAPAN(以下、WWD):社長就任から丸一年。手応えは。

川部将士社長(以下、川部):想定していた以上の手応えだ。外から見ていた以上に、自力のある会社だと感じた。収益改善を進める中で、売上高ではなく営業利益率を指標としているが、23年2〜10月期では5%台にまで高まった。業界内で高水準ではないが、前年同期は赤字だったことを考えれば、想定以上のスピードで利益が出せる体質へと変わっている。方針さえ明確になれば、ミッションをしっかりこなせる会社だ。売上高をかつての水準まで回復させることも将来的に考えてはいるが、中身が伴わない状態で売り上げだけ追求しても、うまくはいかない。

WWD:利益率改善には値引き抑制が効いているのか。

川部:ここ数年はかなりセール偏重の商売をしてきた。ファッションの会社として、最初にお客さまに伝えるべきは商品やブランドの魅力であり、できるだけ値引きせず売る努力をしよう、しっかり接客しようと社内で伝えてきた。同時に、仕入れもコントロールしている。需給のバランスの中で、最終消化のために値引きすることはもちろんあるが、安易なタイムセールはしない。その意識改革だけでも、粗利はかなり改善できた。

WWD:一丸となるため、まずは社内に向けたパーパスも策定した。

川部:「ファッションの力で笑顔輝くあしたを創る」だ。リーダー約30人に集まってもらい、4日間のワークショップで議論し決めた。私自身は横で見ていたが、社員からこの言葉が出てきたことで、やはり値引きに頼った商売ではなく、ファッションビジネスをやりたいという思いを強く感じた。われわれの服を着ることで、お客さまが前向きに生きていこうと思えるような、そんなブランドでありたいという思いがこもっている。

WWD:以前は創業者が引っ張るトップダウン型組織だった。

川部:経営層が変わった今、皆の意識を変えて、会社の新しい運営形態を作っていかなければいけない。今はあらゆることが猛スピードで変化していく時代であり、成功体験を持っている人が必ずしも正しいとは限らない。だからこそ、皆で挑戦を重ねるしかない。活力ある若い人たちがいかに挑戦していくかにしか答えはない。ただし、強力なオーナーシップの下、言われたことをこなす形で働いてきた社員が、自主自律で動いていく組織に変わるのは時間もかかる。だからこそまずパーパスを策定し、そこに向けて自分は何に挑戦するかを考えられるようにした。

WWD:23年は適時・適量・適価で売り切るといった商売の基本に改めて注力したが、24年の課題は何か。

川部:より戦略的に、会社をどう成長させていくかを考えていく。ファッションビジネスの軸は、クリエイション、カスタマーコミュニケーション、サプライチェーンの3つだ。ネットへの常時接続を前提に社会もビジネスも変わっていく中、その3つも変えていく必要がある。正直に言って、当社は業界の中でやや遅れている。マーケットへの挑戦権を得るために、まずは3領域で最低限のアップデートを行い、加えて他社との差別化も必要となる。

WWD:具体的に何から始めるのか。

川部:3つのボタンを同時に押すような気持ちだが、まずカスタマーコミュニケーション、いわゆるOMO領域が先行している。顧客とのコミュニケーションの軸であるブランドアプリ、SNS、LINE、自社ECサイトの4つで、強化すべき部分は多い。お客さまとつながる回数を増やさないと今はブランド力が落ちてしまう。LINE登録を店頭でしっかり促すなど、基礎的なところから進めている。その上で、次はクリエイションを強化。サプライチェーンマネジメントにも本格的に着手する。当社はモノ作りや物流において、商社や物流業者に任せっきりになってしまっている部分が大きい。全て自社で行うという考えはないが、流れを把握し、自ら課題を見出して解決していく組織になることが、SDGsの観点でも不可欠だ。昨年9月にサプライチェーン本部を立ち上げたが、流れを見える化し、パートナー企業と議論ができる形を作る。それが、原料高騰や物流問題対応にもつながっていく。

WWD:一部ブランドでは既に好循環も生まれ始めている。

川部:最大ブランドの「グリーン パークス(GREEN PARKS)」は業績も伸びている。端境期のMDコントロールが好調で、再現性のある成功事例を作ることができている。「アメリカンホリック(AMERICAN HOLIC)」も堅調だ。見直し中の「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC&ECOLOGY)」は、チームの議論の中から新しい指針が出てきている。これらマスマーケット向け3ブランドとミドルマーケット向けの他のブランドとでは、9月に事業部も分けた。

WWD:24年度の数値目標は。

川部:営業利益率5%という、26年1月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画で掲げた目標は1年目で既に達成できたが、24年度は人材へのさらなる投資や、ECプラットフォームの刷新も進めるため、横ばいの見込みだ。会社としての基盤強化に投資していく1年にする。

会社概要

ストライプインターナショナル
STRIPE INTERNATIONAL INC.

1994年に岡山県でセレクトショップとして開業。95年にクロスカンパニー設立、99年に「アース ミュージック&エコロジー」を立ち上げてSPA企業に転換。2000年に東京本部を開設、12年にキャンをグループ化、16年に現社名に変更した。「アース」のほか、「グリーン パークス」「アメリカンホリック」「イェッカヴェッカ」などを擁する。23年1月期の売上高は前期比4.1%減の607億円、営業損失は10億円(前期は15億円)

問い合わせ先
ストライプインターナショナル
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韓国発「ミュード」代表のレミが語る「約1000本のマスカラを試した私が、世界中の人が満足できるマスカラを作ったわけ」

韓国の人気インフルエンサーであるレミ(Raemi)が手掛けるメイクブランド「ミュード(MUDE)」がロフトや東急ハンズ、アットコスメストア、アインズ&トルペなどで日本展開をスタートし、好調な滑り出しをきった。レミが化粧品マーケティング会社で培ったノウハウから生まれた韓国アイドルのようなまつげをかなえる“インスパイア カーリング マスカラ”が代表アイテムで、若い世代を中心に高い支持を集める。世界各国のマスカラを使用する中で自身がこだわりぬいた“マスカラ愛”やブランドに対する思いをレミが語った。

WWD:自身が代表を務めるミュードメイトで「ミュード」を立ち上げたきっかけは?

レミ・ミュードメイト代表(以下、レミ):化粧品マーケティング会社に勤務していたころ、3年半で世界各国の1000個以上のマスカラを調査しました。インスタグラマーとしても活動していたのでそれをレビューすることも。約24万のインスタのフォロワーは、韓国はもちろんさまざまな国の人がいました。フォロワーの声に耳を傾けると、国ごとにマスカラに対する悩みがあることが分かりました。韓国と日本は、「冬にマスカラがにじみやすい」という声が、東南アジアのように四季がない国では「湿度が高いとカールがキープできない」といった声がありました。世界中の人が満足できるマスカラを作りたいと考え、独立することを決め2020年7月にミュードメイトを設立し「ミュード」を立ち上げました。

WWD:マスカラに着目した背景は?

レミ:私はもともとアイメイクに興味があり、中でもマスカラにはこだわりがありました。韓国のマスカラはスキニーなタイプが多く、日本はロングラッシュタイプが多かったので2つを重ねて使用するのも普通のことでしたね。使う際に選ぶ基準はにじまない、クレンジングで落ちやすい、毎日使っても健康的なまつげをキープできること。自分がほしいと思えるマスカラを開発したかったのです。また、他のメイクアイテムに比べてマスカラは一度気に入ると使い続け顧客化につながるアイテムだとデータ分析で理解していました。これらからマスカラは必須アイテムでした。

自信作のマスカラは100万個超販売

WWD:デビュー時に発売した “インスパイア カーリング マスカラ”は、各オンラインメディア・モールでの売り上げランキング1位を多数獲得した。

レミ:開発には1年半かかり、化学研究員の父親に協力してもらい成分開発にも力を入れました。メイクアイテムでもスキンケアのような効果が期待できる自然由来のフィトケラチンとビオチンを配合し、まつ毛も保護しています。もちろんカールのキープ力も抜群です。この商品は、マスカラのレビューをしていた私が自信を持って開発したことから、多くの人を魅了することができデビューから現在までで100万個以上売れ、ベストセラー商品となっています。

WWD:中心顧客層や年商は?

レミ:韓国は20〜30代ですね。韓国版セフォラと話題の店舗、シコル(CHICOR)などに約20店舗出店していますが、売り上げの70%がECサイトになります。売上高は20年が10億ウォン(約1億1000万円)、21年が30億ウォン(約3億3000万円)、22、23年が66億ウォン(約7億3000万円)。23年はオリーブヤングのオンラインを強化するなど、事業の精度を高めることに注力し、順調に推移しています。海外の売上高が約60%を占め、香港や台湾、中国など8つの国と地域で展開。1月にはベトナムに参入しました。

WWD:日本では昨年、伊藤忠商事と日本市場における独占輸入販売契約を結んだ。

レミ:20年7月にブランドを立ち上げ、翌月にはQ10に出店しました。21年に韓国企業経由で日本のバラエティーショップで販売したのですが、情報把握が難しく22年に休止することに。今回、伊藤忠商事とタッグを組むことで、新商品の展開がスムーズになりますし、日本の声を素早くフィードバックしてもらえる環境になりました。日本の中心顧客層は10〜20代と韓国と比べ少し若い世代に支持されています。30〜40代からはオフラインでも購入したいとの要望があり、バラエティーショップやドラッグストアでも展開しているので、反応に期待しているところです。

WWD:今後の展開は?

レミ:売上高のシェア66%を占めるマスカラは引き続き強化します。主軸の“インスパイア カーリング マスカラ” “インスパイア ロングラッシュ カーリング マスカラ”などの新色や、日本限定色などを発売する予定です。韓国ではクッションファンデーションを扱っていますが、リニューアルする計画もあります。スタート時に発売したリップアイテムはコロナ禍で足踏みをしてしまったので、1月に発売したマットな仕上がりですがパサつきや感想しにくい“ソフトブラーティント”で再攻勢をかけます。

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