「アジアから世界を目指す」ブランド60傑 新進気鋭の越境ECがアワード開催

アジア発のファッションブランドのみを集めたECサイト「60%」を運営するシックスティーパーセントはこのほど、ファッションアワード「アジアン ブランド60(ASIAN BRANDS 60)」の授賞式を表参道WALL&WALLで開催した。アジアのファッションシーンをけん引する60ブランドを選出し、その活動と功績を世界に発信するプロジェクトで、2025年1月に始動。日本からは「M A S U」や「トラッドマンズ ボンサイ(TRADMAN’S BONSAI)、アーティストのコインパーキングデリバリー(COIN PARKING DELIVERY)が受賞していた。

冒頭、コミッティーメンバーの松岡那苗シックスティーパーセント共同創業者は「シックスティーパーセントは“アジアのファッションを世界のメインストリームに”というミッションを掲げており、このアワードプロジェクトは7年越しに実現したもの。新しいアジアのファッションやカルチャーに出会えるすてきな機会になると思う」と話した。また、同じくコミッティーメンバーであり、同社の公式アドバイザーを務める「アンブッシュ(AMBUSH)」のVERBALは、「現在、シックスティーパーセントは2500以上のアジア発ブランドをサポートしているが、これはアジアの創造力と影響力を証明しているのではないか」とコメント。

授賞式イベントを彩るゲストとして、沖縄出身のラッパーであるチコ・カリート(CHICO CARLITO)が登場し、ミニライブを開催。授賞パートでは、出席がかなわなかった海外ブランドが目立ったものの、60ブランドの名前が全て読み上げられ、デザイナーらは松岡共同創業者から記念のクリスタルトロフィーを受け取った。その後、バンド・SEKAI NO OWARIのメンバーFukaseや、モデルのエリーローズ、俳優のディーン・フジオカら著名人も駆けつけ、記念パーティを実施した。

同アワードのスポンサーは、ヤマト運輸と、ミームコインのトレーディングボットであるボンクボット(BONKBOT)、ファーストトロフィー、レディトゥファッションの4社。

表彰ブランドは以下の通り。
「グーピーメイド(GOOPIMADE)」「リミックスタイペイ(REMIXTAIPEI)」「ネームセイク(NAMESAKE)」「ファンタシー(PHANTACI)」「ウィズダム(WISDOM)」「ロバート ウン(ROBERT WUN)」「チェンペン(CHENPENG)」「オスカー ウーヤン(OSCAR OUYANG)」「ウインドーセン(WINDOWSEN)」「タカ オリジナル(TAKA ORIGINAL)」「ペットツリーコア(PET-TREE-KOR)」「メルティングサッドネス(MELTING SADNESS)」「ディーオーイー チャイナ(DOE CHINA)」「オールドオーダー(OLD ORDER)」「スーパートーフ(SUPERTOFU)」「フィックスステュディオス(FFIXXED STUDIOS)」「パーソンソウル(PERSONSOUL)」「サミュエル グイ ヤン(SAMUEL GUI YANG)」「スクライ(SCRY)」「サグクラブ(THUG CLUB)」「ウェルダン(WE11DONE)」「サンサンギア(SAN SAN GEAR)」「ディスイズネバーザット(THISISNEVERTHAT)」「オープン ワイワイ(OPEN YY)」「エフエフエフポスタルサービス(FFFPOSTALSERVICE)」「ボヘミアンソウル(BOHEMSEO)」「バランサ(BALANSA)」「ジュンテ キム(JUNTAE KIM)」「キムヘキム(KIMHEKIM)」 「432エイチゼット(432HZ)」「シーツーエイチフォー(C2H4)」「ジュジュ(JUU JUU)」「デモ(DEMO)」「グロースリング&サプラ(GROUTHRINGS&SUPPLY)」「ヤッピ(YAT PIT)」「ソートウィーフレンズ(THOUGHTWEFRIENDS)」「ヴィクトリア(VICTORIA)」「ヤンヤンニット(YANYAN KNITS)」「ルー ダン(LUU DAN)」「ダーティコインズ(DIRTYCOINS)」「デイビスオリジナル(DAVIES ORIGINAL®)」「スペース アヴェイラブル(SPACE AVAILABLE)」「セパツ コンパス(SEPATU COMPASS)」「マンカインド(MANKIND)」「カンキースポーツ(KANKY SPORT)」「ハイジャックサンダルス(HIJACK SANDALS)」「ドミネイト(DOMINATE ®)」「テンクスインソムニア(THANKSINSOMNIA®)」「シャイニングブライト(SHINING BRIGHT)」「トラッドマンズ‘(TRADMAN’S)」「M A S U(エムエーエスユー)」「コイン パーキング デリバリー(COIN PARKING DELIVERY)」「ホソオギャラリー(HOSOO GALLERY)」「ワナバンコク(WANNA BANGKOK)」「ノーウェアスタジオ(KNOWWHERE STUDIO)」「リプリート(REPLEAT)」「タカラウォン(TAKARA WONG)」「アストロスタッフス(ASTROSTUFFS®)」「ウォーター ザ プラント(WATER THE PLANT)」「ビヨンドザバインズ(BEYOND THE VINES)」

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「ニールズヤードレメディーズ」が“フランキンセンス”プレミアムケアラインの処方を刷新

「ニールズヤードレメディーズ(NEAL'S YARD REMEDIES)」は、ブランドを代表するベストセラーシリーズ“フランキンセンス”から誕生したプレミアムケアラインの処方を刷新する。2つのエイジングケアシリーズ“フランキンセンス インテンス リフト”と“フランキンセンス インテンス”から、5製品が新成分配合の新処方に生まれ変わる。製品名は変更せず、価格も据え置き。2月19日の“フランキンセンス インテンス アイクリーム”のリニューアル発売を皮切りに、残りの製品も順次新処方に切り替える。

リニューアルのポイントは、アイテムの効果を引き出す新成分だ。外的ストレスから肌を守り、滑らかに整った肌に導く「ヘキサペプチド」と、ハリと肌触りの良さにアプローチする種子エキスを新配合。より滑らかなテクスチャーに進化し、肌なじみの良い軽やかな使用感に仕上げた。今回の刷新に伴い、シリーズの全製品がビーガン認証を取得した。

処方変更は、より深いエイジングサインをケアする“フランキンセンス インテンス リフト”シリーズから美容液と保湿クリームの2製品を、初期のエイジングサインをケアする“フランキンセンス インテンス”シリーズから美容液と保湿クリーム、目元用保湿クリームの3製品を対象とする。

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スキンケアブランド「フェルミュー」誕生 第1弾は1品5役の発酵クレンジングクリーム

スキンケアブランド「フェルミュー(FELMIU)」が2月19日にデビューした。3月15日、ブランド第1弾となる商品“ハッコウクリームクレンジング”(110g、2420円)を主要なバラエティーショップで発売する。2月19日にキューテン(QOO10)や楽天、Amazonで、3月1日にロフト(LOFT)の各店舗で先行販売を行う。

“ハッコウクリームクレンジング”は、毛穴の汚れやメイクをすっきりと洗い上げながらも、ガラクトミセス培養液などの5つの美容発酵成分が肌に潤いを与えて、艶がある“発光肌”に導く。汚れとクリームが結びつくと現れる“モロモロ”が、ウオータープルーフメイクや皮脂をオフ。毛穴ケア、保湿ケア、角質ケア、マッサージ、メイク落としの5役を果たす。香りは、金木犀と木を感じる、ほのかに甘く落ち着いた印象に仕上げた。

「フェルミュー」のブランドネームには、発酵を意味する“ファーメンテーション(fermentation)”と、あなたに届けたいという“ユー(you)”の2つの思いを込めた。今後も発酵をベースにスキンケアアイテムを拡充し、ブランドの認知と売り上げの拡大を目指す。

新商品発表会には、Matt Roseが登場

2月19日に行った新商品発表会には、タレントのMatt Roseが登場。“ハッコウクリームクレンジング”の紹介だけでなく、美肌を育むために重要なスキンケアのステップや、肌作りにおけるクレンジングの重要性もレクチャーした。

Mattは「美容において一番大事なことは、汚れを落とすことだと思っています。僕は30歳になってから、肌の乾燥が気になるようになりました。この“ハッコウクリームクレンジング”は、洗い上がりはしっとりするのに、汚れをしっかりとオフしてくれるのでとても気に入っています」とコメントした。

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「トム ブラウン」の自由で大胆な“マキシマル・プレッピー” クワイエットなNYコレで圧倒的存在感

「トム ブラウン(THOM BROWNE)」は、2025-26年秋冬コレクションを現地時間11日にニューヨークで発表した。ニューヨーク・ファッション・ウイークでの「トム ブラウン」のショーといえば、背景に敷かれた壮大で叙事詩的なストーリーも注目ポイントだ。今回は、自由を望む2羽の“鳥”(演者は人)を主役にした物語で、ルールに縛られないマキシマルなプレッピースタイルを表現した。

会場の中央に登場した2羽の鳥(演者は人)の周りには、折り紙で作られた2000羽の鳥のインスタレーション。2羽は自由に飛び回る鳥たちを見て、「こんなふうに自分らしくあれたら、なんてすばらしいだろう」と思いを馳せるところからショーは幕を開ける。

ランウエイは、自由を楽しむ鳥たちの楽園に見立てた。モデルたちの目元には、鳥の翼のような、躍動感のある大胆なフォルムのアイメイク。ショルダーラインやアームホールが極端に誇張されたジャケットやコートをまとい、ボトムスはパンツもスカートもあり、ミニ丈からフロアに擦るほどのマキシ丈まで幅広い。ギンガムチェックシャツの上から、ウインドウペーン、レジメンタルストライプ、さらにヘリンボーンツイードと、ルールに縛られることなく幾重にも重ねた柄×柄のレイヤードも見応えがある。

色鮮やかな鳥の模様からインスピレーションを得たと思われる、大胆な色柄のオンパレードだ。スパンコール、ブークレ糸、シルクリボン糸を組み合わせた赤・白・青・銀のツイードや、一着当たり3500個ものスワロフスキークリスタルを施したドレス。そのエメラルドグリーンのスワロフスキークリスタルを盗むカササギやサギを、シルクのインターシャ編みで施し、ユーモアを添えた。

「トム ブラウン」といえば、細身、短丈のパンツ、トリコロール柄のスーチングスタイルがアイコン。今回のランウエイでの表現はそういったリアルクローズの提案とはそぐわないものの、ユニフォーム(正装)のルールからの逸脱を楽しむ無邪気さ、ルールに縛られない自由を楽しむブランドのアティテュードは通底している。

パリやミラノのランウエイが華やかな装飾性を強めている中、ニューヨークは――それはリアルクローズに強いニューヨークらしさでもあるが――クワイエット・ラグジュアリーのムードがまだまだ主流だ。その分、色柄からディテール、スタイリングまで自由でマキシマルな「トム ブラウン」の存在感が、より引き立っていた。

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「コム デ ギャルソン・シャツ」2025-26年秋冬コレクション

「コム デ ギャルソン・シャツ(COMME DES GARCONS SHIRT)」が2025-26年秋冬コレクションを発表した。

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ダイソン対パナソニックの広告表示訴訟は二審もパナソニック勝訴 「ナノケア」に関する広告表現を巡る裁判

ダイソン(DYSON)が2022年6月にパナソニックのヘアドライヤー「ナノケア」の“EH-NA0G”の広告が不正競争防止法に違反するとして、広告の差し止めや抹消を求めてパナソニックを提訴した控訴審において、裁判所は2月19日、一審判決は妥当であり、ダイソンの請求はいずれも認められないとして訴えを退けた。一審においてもパナソニックが勝訴している。

判決を受けてパナソニックは、「控訴審では、ダイソンが実験をやり直して結果を追加で提出し再審理を求めるとともに、当社に対しては当社の実験結果をダイソンにも開示するよう求めた。しかし、実験結果は非常に重要な営業秘密であり、競合他社に開示することによる当社事業への影響は計り知れない。営業秘密保護の観点から可能な範囲で実験結果を提出した結果、裁判所には当社の広告表示が実験結果により裏付けられていることを十分ご理解いただくとともに、ダイソンが提訴時に行った実験及び控訴に際してやり直した実験のいずれも不適切なものであったことが確定するに至ったと考えている。」とコメント。一方のダイソンは「今後もユーザーの皆さまに寄り添い、科学的根拠にもとづく広告を展開していく」とコメントしている。

ダイソンは、「ナノケア」“EH-NA0G”のナノイー技術が髪への影響や潤い、保護に与える影響に関する複数の広告表示は不正確であり、公正な競争を阻害すると主張。具体的には、「EH-NA0Gで使用されている高浸透技術により『水分発生量が従来の18倍』になる」「EH-NA0Gは『髪へのうるおい、1.9倍』を与える」など、「ナノケア」に関するいくつかの広告表現を挙げた。その裏付けとして、一審では独立した第三者機関による実験結果を証拠として提出したが、その内容や結果が信頼性に欠けると判断され、「ナノケア」の広告が品質について消費者を誤認させると裏付けるには不十分として、ダイソンの請求をいずれも棄却した。これを受けてダイソンは、追加の検証試験の結果を控訴審で提出した。対してパナソニックは裁判において、一貫してダイソンが提出した実験は不適切であると主張。パナソニックの代理人である松田知丈弁護士によると、裁判所は、ダイソンが追加で提出した検証試験の結果を踏まえても、不適切な点があり、ダイソンの請求はいずれも理由がないと判断し、ダイソンの主張を退けたという。

髪質に与える影響を測定する統一的な基準や規格は業界に存在せず、企業において適切な方法で実験を行うことが必要になる。パナソニックによると、裁判所は、パナソニック側が実施している実験は科学的に相当と認められる方法により行われたこと、そしてその実験はパナソニックの表示内容を裏付ける内容であると認めたという。

松田弁護士は、「ダイソンが提訴時や公訴提起時に、『複数の広告表示が不正確であって消費者に誤解を与える』『一部の広告表示が消費者に誤解を与えるものであることを引き続き懸念している』といった情報発信を行ったことは、公正な市場競争の観点から消費者の商品選択に影響を与えかねないものだった。また、ダイソンが提訴および控訴の根拠としたダイソン側の実験結果がいずれも不適切だったにもかかわらず同社の営業秘密の開示を求めたことも非常に問題のある対応だったと考えている」とコメントしている。

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ダイソン対パナソニックの広告表示訴訟は二審もパナソニック勝訴 「ナノケア」に関する広告表現を巡る裁判

ダイソン(DYSON)が2022年6月にパナソニックのヘアドライヤー「ナノケア」の“EH-NA0G”の広告が不正競争防止法に違反するとして、広告の差し止めや抹消を求めてパナソニックを提訴した控訴審において、裁判所は2月19日、一審判決は妥当であり、ダイソンの請求はいずれも認められないとして訴えを退けた。一審においてもパナソニックが勝訴している。

判決を受けてパナソニックは、「控訴審では、ダイソンが実験をやり直して結果を追加で提出し再審理を求めるとともに、当社に対しては当社の実験結果をダイソンにも開示するよう求めた。しかし、実験結果は非常に重要な営業秘密であり、競合他社に開示することによる当社事業への影響は計り知れない。営業秘密保護の観点から可能な範囲で実験結果を提出した結果、裁判所には当社の広告表示が実験結果により裏付けられていることを十分ご理解いただくとともに、ダイソンが提訴時に行った実験及び控訴に際してやり直した実験のいずれも不適切なものであったことが確定するに至ったと考えている。」とコメント。一方のダイソンは「今後もユーザーの皆さまに寄り添い、科学的根拠にもとづく広告を展開していく」とコメントしている。

ダイソンは、「ナノケア」“EH-NA0G”のナノイー技術が髪への影響や潤い、保護に与える影響に関する複数の広告表示は不正確であり、公正な競争を阻害すると主張。具体的には、「EH-NA0Gで使用されている高浸透技術により『水分発生量が従来の18倍』になる」「EH-NA0Gは『髪へのうるおい、1.9倍』を与える」など、「ナノケア」に関するいくつかの広告表現を挙げた。その裏付けとして、一審では独立した第三者機関による実験結果を証拠として提出したが、その内容や結果が信頼性に欠けると判断され、「ナノケア」の広告が品質について消費者を誤認させると裏付けるには不十分として、ダイソンの請求をいずれも棄却した。これを受けてダイソンは、追加の検証試験の結果を控訴審で提出した。対してパナソニックは裁判において、一貫してダイソンが提出した実験は不適切であると主張。パナソニックの代理人である松田知丈弁護士によると、裁判所は、ダイソンが追加で提出した検証試験の結果を踏まえても、不適切な点があり、ダイソンの請求はいずれも理由がないと判断し、ダイソンの主張を退けたという。

髪質に与える影響を測定する統一的な基準や規格は業界に存在せず、企業において適切な方法で実験を行うことが必要になる。パナソニックによると、裁判所は、パナソニック側が実施している実験は科学的に相当と認められる方法により行われたこと、そしてその実験はパナソニックの表示内容を裏付ける内容であると認めたという。

松田弁護士は、「ダイソンが提訴時や公訴提起時に、『複数の広告表示が不正確であって消費者に誤解を与える』『一部の広告表示が消費者に誤解を与えるものであることを引き続き懸念している』といった情報発信を行ったことは、公正な市場競争の観点から消費者の商品選択に影響を与えかねないものだった。また、ダイソンが提訴および控訴の根拠としたダイソン側の実験結果がいずれも不適切だったにもかかわらず同社の営業秘密の開示を求めたことも非常に問題のある対応だったと考えている」とコメントしている。

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「ファッションの評価指標が数値化されること」について考える  藤嶋陽子立命館大学准教授

「WWDJAPAN」ポッドキャストの「サステナブルファッション・トーク」は、ファッション業界のサステナビリティに関する最新ニュースやトレンドをざっくばらんにお話しする番組です。本番組では、サステナビリティ担当記者木村和花がホストを務め、「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクター向千鶴とともにお届けします。

今回のゲストは先週に引き続き藤嶋陽子立命館大学社会学部准教授。ファッション研究の視点からサステナビリティを語ってもらいます。後半のテーマは「ファッションのさまざまな評価指標が数値化されること」について。今後、LCAなど環境関連の指標は消費に影響を及ぼしてゆくのでしょうか?



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ロレアルは24年度も業界水準以上の好業績 今年は米国と西南アジア、Z世代や男性、高齢者に注目

ロレアル(L’OREAL)の2024年12月期決算は、売上高が前期比5.1%増の434億8000万ユーロ(約6兆9133億2000万円)、営業利益率が同6.7%増の86億8700万ユーロ(約1兆3812億3300万円)、純利益が同3.6%増の64億800万ユーロ(約1兆188億7200万円)の増収増益だった。一方で第4四半期の売上高は前年同期比2.5%増の110億8000万ユーロ(約1兆7617億2000万円)と、第3四半期の同3.4%増、第2四半期の同5.3%増から鈍化。中国の不調、北米の軟化、リュクス事業部の業績悪化により予想を下回った。金融テクノロジー企業ビジブル・アルファ(VISIBLEALPHA)は、同3.9%の伸びを見込んでいた。

北米の売上高は前年同期比1.4%増加したが、北アジアは同3.6%減少。リュクス事業は同1%増にとどまった。ニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)=ロレアル 最高経営責任者(CEO)は、「中国の景気低迷で依然として厳しい北アジアを除けば、売上高は1ケタ台後半で推移した」と述べる。経営幹部によると同社は、「ミュウミュウ(MIU MIU)」のビューティライセンス契約や韓スキンケア「ドクタージー(DR.G)」の買収、スイス発の総合スキンヘルスカンパニーであるガルデルマ(GALDERMA)とオマーンを拠点とする高級フレグランス「アムアージュ(AMOUAGE)」の少数株式を取得することで、ポートフォリオをより豊かにしたという。世界のビューティ市場の見通しについては楽観的であり、今年も売り上げと利益の成長率は市場全般を上回るとみている。

アナリストの見解

米投資会社ジェフリーズ(JEFFERIES)のモリー・ワイレンゼック(Molly Wylenzek)=アナリストは、「ビューティ市場の成長は鈍化し始めている。こんな状況下におけるロレアルの楽観的な見通しや業績への自信、特に5.2%の成長を遂げるという野望は達成できるか注視すべきだろう」と懐疑的な見解を述べる。また総合証券会社・投資銀行スタイフェル(STIFEL)のロジェリオ・フジモリ(Rogerio Fujimori)=株式リサーチアナリストによる、「引き続き利益率は高い。今年も好調を継続するだろう」との見解もある。

人事

同社は2月6日、創業者の孫娘であるフランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズ(Francoise Bettencourt Meyers)が28年間勤めた取締役を退くと発表。後任には、マイヤーズ一族の持株会社でロレアルの34.7%の筆頭株主であるテティス インベスト(TETHYS INVEST)のアレクサンドル・ベネ(Alexandre Benais)副CEOが就任する予定だ。副会長職は息子のジャン・ヴィクトール・マイヤーズ(Jean Victor Meyers)が引き継ぎ、弟のニコラ・マイヤーズ(Nicolas Meyers)も取締役に加わる。この人事は4月29日の年次株主総会で投票される。

3領域に焦点を絞る

ロレアルはビューティ市場での存在感をさらに高めるべく、若年層を中心とする人口増と経済成長が期待できる地域、今後ますます存在感を発揮するだろう人々、そして業界をけん引するテクノロジーの追求に注力する。

世界最大のビューティ企業が注力する地域は?

イエロニムスCEOによると、「米国は人口が増加している数少ない先進国で、潜在的な消費者は5年後には1200万人増えると予想される」。若く、特にメイクアップやフレグランスなどのビューティに情熱を注ぐラテン系人口が、これに拍車をかけるとみている。自らが複数の人種の血を引いていると捉える消費者は過去10年間で3倍以上に増え、米国人口の10%以上を占める。この数値は今後も上がり続け、新たな美容ニーズを生む可能性がある。同氏は、「世界の富裕層の3分の1を米国が占め、彼らの消費の60%が国内で起こっている」と続ける。

また、20億人の潜在的な消費者がいる新興市場にも注目している。「インドや中東、特にサウジアラビアは大きなチャンスだ。だからこそ、急成長中のオマーン発フレグランス『アムアージュ』への投資を決めた」。

今後存在感を高めると期待する消費者像は?

イエロニムスCEOは、「世界には42億人のビューティ消費者が存在するが、我々そのうちわずか13億人としかつながっていない」と述べ、10年以内に20億人の消費者とつながる展望を明らかにした。Z世代はすでに潜在的な消費者の20%以上を占め、5年間後にはさらに1億5000万人増加する可能性がある。「Z世代は新興市場で最大の消費者クラスターだ。急速に裕福になり、デジタルに精通し、美容への関心が高い彼らをコアターゲットに据える。ニキビは当社の各ブランドにとって重要な焦点となるだろう」。

もう一つのターゲットは男性だ。男性向け製品は世界のビューティ市場の10%未満に過ぎないが、「ビューティ製品の4分の1は男性が使用しており、将来的には半分になる可能性がある」という。すでに男性が売り上げの3分の1を担うフレグランスカテゴリーをさらに強化する計画だ。それぞれの悩みを解決するヘアケア製品のほか、スキンケアの浸透に注力する。すでに中国では男性の50%以上がスキンケアを習慣化しており、ヨーロッパでは32%に上昇している。

さらに、現在世界人口の21%、美容需要の28%を占める60歳以上にも注目。10年以内に10億人以上に膨れ上がる高齢者層は、半数以上が先進国に住むと見通し、「この世代は、年齢を重ねるほど美容にお金をかける傾向にある」。その額は平均年間400ドル(約6万800円)以上でY世代の2倍、Z世代の2.5倍に当たる。

テクノロジーの追求

テクノロジーの追求ではロンジェビティ(長寿)をテーマに据え、連携を進めている。AIを活用し、5分でパーソナライズされた肌分析を提供する卓上ハードウエアデバイス「セル バイオプリント」や、「ランコム(LANCOME)」の美容液“アプソリュ インテンシブエッセンス”(30mL、5万5000円/レフィル30mL、4万6750円)を開発した。

また「消費者の長寿やウェルエイジングへの関心に応えるには、従来のビューティ市場の枠を超えたソリューションが必要」との考えから、サプリンメント事業に着手。「化粧品と美容サプリメントは150億ユーロ(約2兆3850億円)の市場であり、ビューティ市場よりも速く成長している」。

イエロニムスCEOは、「美容医療という第4の領域にも注目している。この市場で勝負に挑むのか、それとも既存の局所的なダーマスキンケア『スキンシューティカルズ(SKINCEUTICALS)』や『スキンベターサイエンス(SKINBETTER SCIENCE)』と共に市場の外にとどまるのかを検討している。中国や北米のクリニックに参入し、ガルデルマに出資したのは、同市場を観察し理解するためだ」と述べた。

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ロレアルは24年度も業界水準以上の好業績 今年は米国と西南アジア、Z世代や男性、高齢者に注目

ロレアル(L’OREAL)の2024年12月期決算は、売上高が前期比5.1%増の434億8000万ユーロ(約6兆9133億2000万円)、営業利益率が同6.7%増の86億8700万ユーロ(約1兆3812億3300万円)、純利益が同3.6%増の64億800万ユーロ(約1兆188億7200万円)の増収増益だった。一方で第4四半期の売上高は前年同期比2.5%増の110億8000万ユーロ(約1兆7617億2000万円)と、第3四半期の同3.4%増、第2四半期の同5.3%増から鈍化。中国の不調、北米の軟化、リュクス事業部の業績悪化により予想を下回った。金融テクノロジー企業ビジブル・アルファ(VISIBLEALPHA)は、同3.9%の伸びを見込んでいた。

北米の売上高は前年同期比1.4%増加したが、北アジアは同3.6%減少。リュクス事業は同1%増にとどまった。ニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)=ロレアル 最高経営責任者(CEO)は、「中国の景気低迷で依然として厳しい北アジアを除けば、売上高は1ケタ台後半で推移した」と述べる。経営幹部によると同社は、「ミュウミュウ(MIU MIU)」のビューティライセンス契約や韓スキンケア「ドクタージー(DR.G)」の買収、スイス発の総合スキンヘルスカンパニーであるガルデルマ(GALDERMA)とオマーンを拠点とする高級フレグランス「アムアージュ(AMOUAGE)」の少数株式を取得することで、ポートフォリオをより豊かにしたという。世界のビューティ市場の見通しについては楽観的であり、今年も売り上げと利益の成長率は市場全般を上回るとみている。

アナリストの見解

米投資会社ジェフリーズ(JEFFERIES)のモリー・ワイレンゼック(Molly Wylenzek)=アナリストは、「ビューティ市場の成長は鈍化し始めている。こんな状況下におけるロレアルの楽観的な見通しや業績への自信、特に5.2%の成長を遂げるという野望は達成できるか注視すべきだろう」と懐疑的な見解を述べる。また総合証券会社・投資銀行スタイフェル(STIFEL)のロジェリオ・フジモリ(Rogerio Fujimori)=株式リサーチアナリストによる、「引き続き利益率は高い。今年も好調を継続するだろう」との見解もある。

人事

同社は2月6日、創業者の孫娘であるフランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズ(Francoise Bettencourt Meyers)が28年間勤めた取締役を退くと発表。後任には、マイヤーズ一族の持株会社でロレアルの34.7%の筆頭株主であるテティス インベスト(TETHYS INVEST)のアレクサンドル・ベネ(Alexandre Benais)副CEOが就任する予定だ。副会長職は息子のジャン・ヴィクトール・マイヤーズ(Jean Victor Meyers)が引き継ぎ、弟のニコラ・マイヤーズ(Nicolas Meyers)も取締役に加わる。この人事は4月29日の年次株主総会で投票される。

3領域に焦点を絞る

ロレアルはビューティ市場での存在感をさらに高めるべく、若年層を中心とする人口増と経済成長が期待できる地域、今後ますます存在感を発揮するだろう人々、そして業界をけん引するテクノロジーの追求に注力する。

世界最大のビューティ企業が注力する地域は?

イエロニムスCEOによると、「米国は人口が増加している数少ない先進国で、潜在的な消費者は5年後には1200万人増えると予想される」。若く、特にメイクアップやフレグランスなどのビューティに情熱を注ぐラテン系人口が、これに拍車をかけるとみている。自らが複数の人種の血を引いていると捉える消費者は過去10年間で3倍以上に増え、米国人口の10%以上を占める。この数値は今後も上がり続け、新たな美容ニーズを生む可能性がある。同氏は、「世界の富裕層の3分の1を米国が占め、彼らの消費の60%が国内で起こっている」と続ける。

また、20億人の潜在的な消費者がいる新興市場にも注目している。「インドや中東、特にサウジアラビアは大きなチャンスだ。だからこそ、急成長中のオマーン発フレグランス『アムアージュ』への投資を決めた」。

今後存在感を高めると期待する消費者像は?

イエロニムスCEOは、「世界には42億人のビューティ消費者が存在するが、我々そのうちわずか13億人としかつながっていない」と述べ、10年以内に20億人の消費者とつながる展望を明らかにした。Z世代はすでに潜在的な消費者の20%以上を占め、5年間後にはさらに1億5000万人増加する可能性がある。「Z世代は新興市場で最大の消費者クラスターだ。急速に裕福になり、デジタルに精通し、美容への関心が高い彼らをコアターゲットに据える。ニキビは当社の各ブランドにとって重要な焦点となるだろう」。

もう一つのターゲットは男性だ。男性向け製品は世界のビューティ市場の10%未満に過ぎないが、「ビューティ製品の4分の1は男性が使用しており、将来的には半分になる可能性がある」という。すでに男性が売り上げの3分の1を担うフレグランスカテゴリーをさらに強化する計画だ。それぞれの悩みを解決するヘアケア製品のほか、スキンケアの浸透に注力する。すでに中国では男性の50%以上がスキンケアを習慣化しており、ヨーロッパでは32%に上昇している。

さらに、現在世界人口の21%、美容需要の28%を占める60歳以上にも注目。10年以内に10億人以上に膨れ上がる高齢者層は、半数以上が先進国に住むと見通し、「この世代は、年齢を重ねるほど美容にお金をかける傾向にある」。その額は平均年間400ドル(約6万800円)以上でY世代の2倍、Z世代の2.5倍に当たる。

テクノロジーの追求

テクノロジーの追求ではロンジェビティ(長寿)をテーマに据え、連携を進めている。AIを活用し、5分でパーソナライズされた肌分析を提供する卓上ハードウエアデバイス「セル バイオプリント」や、「ランコム(LANCOME)」の美容液“アプソリュ インテンシブエッセンス”(30mL、5万5000円/レフィル30mL、4万6750円)を開発した。

また「消費者の長寿やウェルエイジングへの関心に応えるには、従来のビューティ市場の枠を超えたソリューションが必要」との考えから、サプリンメント事業に着手。「化粧品と美容サプリメントは150億ユーロ(約2兆3850億円)の市場であり、ビューティ市場よりも速く成長している」。

イエロニムスCEOは、「美容医療という第4の領域にも注目している。この市場で勝負に挑むのか、それとも既存の局所的なダーマスキンケア『スキンシューティカルズ(SKINCEUTICALS)』や『スキンベターサイエンス(SKINBETTER SCIENCE)』と共に市場の外にとどまるのかを検討している。中国や北米のクリニックに参入し、ガルデルマに出資したのは、同市場を観察し理解するためだ」と述べた。

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映画「ウィキッド ふたりの魔女」と「カシラ」がコラボ 2人の魔女をテーマに帽子7型

「カシラ(CA4LA)」は3月7日公開の映画「ウィキッド ふたりの魔女」の公開を記念し、同作とのコラボアイテムを2月26日に発売する。「カシラ」一部店舗および公式オンライン、ゾゾタウン、楽天ファッションで取り扱う。

「ウィキッド ふたりの魔女」コラボ
バケットハットやニット帽、キャップなど

コラボアイテムは、主人公の“エルファバ”と“グリンダ”、2人の魔女をイメージした7型を制作。“エルファバ”をモチーフとしたアイテムは、凹凸のあるテクスチャーと斜めに入れた切り替えが特徴のバケットハット(1万2100円)と、箔プリントをあしらい、形状保持に優れるサーモ糸で仕立てたベレー帽(9900円)、螺旋状に編み立て、劇中の帽子を表現したニット帽(7700円)をそろえる。また“グリンダ”をテーマとしたアイテムは、ドレスに着想を得てコルセットを思わせる編み上げを配し、蝶の刺しゅうをあしらったキャップ(1万3200円)、サーモ糸で仕立てたベレー帽(9900円)、ラメ糸を編み込んだニット帽(7700円)を販売する。そのほか“WICKED”ロゴを刺しゅうしたキャップ(1万1000円)もラインアップする。

映画「ウィキッド ふたりの魔女」は、監督をジョン・M・チュウ(Jon M. Chu)、主演をシンシア・エリヴォ(Cynthia Erivo)とアリアナ・グランデ(Ariana Grande)が務める。小説「オズの魔法使い」で少女ドロシーが迷い込むオズの国において、後に“悪い魔女”と呼ばれる“エルファバ”と、“善い魔女”と語られる“グリンダ”の物語を2人の視点から描く。3月7日公開。

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映画「ウィキッド ふたりの魔女」と「カシラ」がコラボ 2人の魔女をテーマに帽子7型

「カシラ(CA4LA)」は3月7日公開の映画「ウィキッド ふたりの魔女」の公開を記念し、同作とのコラボアイテムを2月26日に発売する。「カシラ」一部店舗および公式オンライン、ゾゾタウン、楽天ファッションで取り扱う。

「ウィキッド ふたりの魔女」コラボ
バケットハットやニット帽、キャップなど

コラボアイテムは、主人公の“エルファバ”と“グリンダ”、2人の魔女をイメージした7型を制作。“エルファバ”をモチーフとしたアイテムは、凹凸のあるテクスチャーと斜めに入れた切り替えが特徴のバケットハット(1万2100円)と、箔プリントをあしらい、形状保持に優れるサーモ糸で仕立てたベレー帽(9900円)、螺旋状に編み立て、劇中の帽子を表現したニット帽(7700円)をそろえる。また“グリンダ”をテーマとしたアイテムは、ドレスに着想を得てコルセットを思わせる編み上げを配し、蝶の刺しゅうをあしらったキャップ(1万3200円)、サーモ糸で仕立てたベレー帽(9900円)、ラメ糸を編み込んだニット帽(7700円)を販売する。そのほか“WICKED”ロゴを刺しゅうしたキャップ(1万1000円)もラインアップする。

映画「ウィキッド ふたりの魔女」は、監督をジョン・M・チュウ(Jon M. Chu)、主演をシンシア・エリヴォ(Cynthia Erivo)とアリアナ・グランデ(Ariana Grande)が務める。小説「オズの魔法使い」で少女ドロシーが迷い込むオズの国において、後に“悪い魔女”と呼ばれる“エルファバ”と、“善い魔女”と語られる“グリンダ”の物語を2人の視点から描く。3月7日公開。

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サウンドアーティストのトモコ・ソヴァージュの人と空間に宿るエネルギーを増幅させる音楽表現 

PROFILE: トモコ・ソヴァージュ

PROFILE: 横浜市出身、2003年からパリ在住。06年以降、南インドの伝統的な楽器であるジャラタランガムからインスピレーションを得て、水という素材の流動性を生かした電子音響楽器、waterbowlsを考案。水と磁器の椀を調律し、それらを振動させ、通常は聞こえないに等しい小さな音を拡大し、水波が音を揺らす独自の手法を生み出す。自身のパフォーマーとしての役割は、制御可能な環境と偶然性との間で調和を探る庭師のようなものと捉えている。ヨーロッパを中心に世界各国でパフォーマンス、録音作品、インスタレーションを発表している

ファッションデザイナーで現代美術作家の髙橋大雅が立ち上げた「タイガタカハシ(TAIGA TAKAHASHI)」の後身である「T.T」は、2024年12月に「T.T I-A 02 遺物の声を聴く 応用考古学の庭」を東京・草月会館で開催した。同年4月京都祇園にオープンした総合芸術「T.T I-A(Taiga Takahashi Institute of Archeology)」に続くプロジェクトだ。

同展は髙橋が最も影響を受けた芸術家の一人であるイサム・ノグチ(Isamu Noguchi)の作品「天国」を主な展示空間とし、髙橋が収集した過去の遺物や約300点に及ぶビンテージの服飾資料と、それらから着想を得て制作した衣服や彫刻作品を公開した。ノグチが表現した抽象的な時間と空間の交錯や自然との調和を髙橋の視点で「応用考古学の庭」として再構築したものだ。

さらに今回、髙橋の作品の核を成す芸術の要素に“音の次元“を加えることの皮切りとして、水を使った音楽表現で知られるパリ在住のサウンドアーティスト、トモコ・ソヴァージュ(Tomoko Sauvage)のライブパフォーマンスが行われた。

インド音楽から着想を得たという彼女の音楽は、水を張った磁器やガラスのボウルを楽器とし、水中マイクやエフェクターなどを組み合わせ、演奏空間の特性を音響として取り入れ一体化。水や石など自然界の物質から胎内音のようなサウンドを引き出し、アンビエントや電子音楽などのジャンルを超えた新たな音楽表現を生み出した。

今回のイベントでは照明を落とした「天国」の石段をステージとし、「Lunar」シリーズからインスパイアされたという白妙の衣装で、石庭を流れる水の音やつくばい(蹲)内部の水音を増幅させ幻想的な音楽世界を展開した。

空間全体が一つの音響装置のような、静ひつながらも印象深いパフォーマンスを披露した彼女に、現在の音楽表現に至った背景や自身の創造性について、また「T.T」との共通項でもあるイサム・ノグチから受けた影響やクラフトマンシップに対する想いについて話を聞いた。

「インド音楽最古の技法とエレクトロニックを融合し、偶発的な音響効果を新しい次元の楽器へと昇華する」

――音楽活動をはじめた当初はジャズを演奏されていたそうですが、そこから現在の水を使って演奏するという音楽表現に辿り着いた経緯について教えてください。

トモコ・ソヴァージュ(以下、ソヴァージュ):パリに活動拠点を移す前はNYでジャズ・ピアノの勉強をしていたんですが、テリー・ライリー(Terry Riley)やアリス・コルトレーン(Alice Coltrane)など、アメリカの音楽家に大きな影響を与えたインド音楽に興味を持ったんです。ジャズは今でも好きですが、当初からジャズのフィールドでオリジナリティーを追求するのは難しいと感じていて、自分自身のサウンドや音楽と言えるものを模索していました。

パリに移住してからインド音楽の教室でヒンドゥスターニー音楽における即興演奏の勉強をはじめました。フランスはかつてインドに植民地を持っていたこともあり、アジア文化に非常に造詣の深い国で、インド音楽のコンサートも頻繁に行われています。

ある時パリの音楽博物館で、一晩中インド音楽が繰り広げられるイベント『インドの夜』が開催されました。最初の演者が現代音楽アンサンブルのICTUS(イクタス)で、そこにテリー・ライリーがキーボードで参加し「In C」を演奏したりと、非常にゴージャスな夜でしたね(笑)。

そのイベントで、“ジャルタラング“という南インドのカーナティック音楽で使われる古い伝統的な楽器が演奏されたんです。古代インドの性愛論書のカーマ・スートラにも記述があるインド音楽でも最古の楽器で、磁器のお椀に水を張り、その水嵩によって音程を調律しながらお椀のふちを竹の棒で叩くシンプルな打楽器です。この演奏に強いインスピレーションを受けて、次の日には自宅のキッチンで手持ちの器を使って、ジャルタラングの手法を試し始めたんです。

当時は電子音楽については全く頭になかったんですが、試行錯誤する中で偶然“水中マイク“の存在を知り、遊び心で水を張った器の中にマイクを入れてみたら、人生が変わるような衝撃を受けたんです。

――セッティングも色々なバリエーションを編み出せる印象を持ちましたが、楽器の構成なども徐々に発展していったのでしょうか?

ソヴァージュ:基本的なセッティングはオリジナルのジャルタラングに倣い、ピアノと同じように一番低い音を左側に設置します。今回のライブでは6つの器を使用しましたが、音数を増やしたい場合は器を増やすことで調整可能です。伝統的なジャルタラングの演奏では半月状に器をダブルやトリプルにセッティングすることもあります。

現在のセッティングのベースは2010年頃に完成して、基本的に変えません。水滴を使って演奏する時は、上から水滴が落ちるシステムを取り入れることもあります。

器については、最初はチャイナタウンで手に入れた安い磁器を使って演奏していましたが、2009年頃に磁器の産地として有名なリモージュという都市のセラミック研究所から、レジデンシーで磁器を作らないかというオファーがありました。

ヨーロッパにはアートを尊重する文化が根付いており、花瓶や食器など商業的な器の生産に限らず、新しい表現に挑戦しているアーティストとのコラボレーションを非常に重要だと考えているので、私の活動にも興味を持ってもらえたんです。

セラミック研究所は、基本的には著名なデザイナーとコラボレーションしてハイエンドな作品を作っているところで、私のプロジェクトにはあまり予算がつかなかったんですが、担当者のアイディアにより、ちょうど別の企画で制作されていた磁器のベルの型を半分に切り、私のボウルの型として制作を進めることができました。

しかもベルのプロジェクトは大きな予算がついていたので、音の響き方などのリサーチもされていました。それを利用できたのは本当に幸運で、今では私もベルの勉強をしていて、「ボウルは逆さまのべル」というテーマで今後の表現に繋げていきたいと考えています。

こうした経緯からセラミック研究所で様々なサイズのボウルを作ってもらい、現在のセットアップになりました。最近はそこにガラスのボウルを追加しています。

――トモコさんはご自身の楽器をエレクトロ・アコースティックと呼んでいますが、そこに込められた意味について教えてください。

ソヴァージュ:アコースティックの楽器を使っても、ショーでマイクを使った時点でアコースティックではなくなります。ですが私はマイクを楽器の一部と捉えて積極的に取り入れ、エレクトロ・アコースティックと定義しています。サンプリングした音は一切使用せず、その場で鳴らした音を増幅し、エフェクターなどで変容させるなどをして出力します。

音響の中に、スピーカーからの音をマイクが拾う瞬間に生じる“ハウリング“という現象があります。一般的にハウリングは音響上のトラブルと認識されますが、それを逆に効果として音楽に取りいれてしまおうと考えたんです。

私の演奏方法の場合、水中マイクを使用する時点でハウリングの問題がありました。ハウリングを避けるには音量を抑えなければならず、表現の限界を感じていた。ある時、このハウリングの音を美しいと感じる瞬間があり、それをきっかけに考え方を180度方向転換してみたところ、音楽表現の幅が完全に広がりました。

以前から水滴をマイクで拾ってパーカッションのように出力するなど工夫していましたが、フィードバックを取り入れるようにしてからは完全に別次元の楽器にすることができたと思っています。

フィードバックの世界は奥が深くて、部屋の音響やサウンドシステムによって完全に左右されます。演奏する環境によって音が変化するので包括的に考慮した演奏をしなければいけない。コントロールできない現象も多々あるので、逆にそれを活かす姿勢での音作りを大事にしていますね。

――コントロールできないものに対して、ライブや即興の場面で自分自身がいかに柔軟に反応できるかが重要だと感じます。

ソヴァージュ:音響のフィードバックは本番のサウンドシステムがあって初めて確認できるものです。最初は手探り状態で、ショーの最中に新たなテクニックを思いつくことが何度もありました。現在ではコントロールできる割合が高くなっていますが、それでも演奏のたびに発見があるので、やはり経験の積み重ねは大切ですね。

また、音響スタッフの方々から学ぶことも大きいです。私がやりたいことをよく理解してくれるので、アドバイスをもらいながら一緒に音響空間を作り上げていくことができます。

演奏を介し、人々と空間に宿るエネルギーを増幅させる音楽表現

――今回「T.T I-A 02」の会場となった草月会館は歴史的に日本の前衛芸術とゆかりが深い場所です。音響の観点からもインスピレーションの観点からも、演奏する空間が持つ歴史や空気感、建築特性などが重要だと思いますが、これまでショーを行ってきたなかで、特に印象深かったステージについて教えてください。

ソヴァージュ:これまで世界各地の工場跡や教会、図書館やミュージアム、フランスの市が運営するメディアテークなど、実に様々な場所でコンサートを重ねてきました。

中でも印象深かった場所は、ポルトガルのリスボンにある水博物館の一部「アモレイラスの貯水池(Reservatório da Mãe d’Água das Amoreiras)」です。ハンガリー人建築家の設計によるドーム状の天井に覆われた神殿のような建物で、内部は植物に覆われた祭壇から流れ出る水で満たされ、エメラルドグリーンの水面にステージが浮かぶ非常に美しい空間です。

また「Fischgeist」というアルバムをレコーディングしたベルリンのプレンツラウアー・ベルクにある旧地下貯水池も特別な場所です。19世紀に建てられた建物内部にはリング状のフロアが何層も重なる巨大な空間が広がっていて、中は夏でも寒いくらい。東ドイツ時代には魚を市場に卸す前の貯蔵庫として使用されていたようで、演奏している間も巨大な水槽のような建物を魚の幽霊が回遊するイメージが浮かんでいたので、アルバムを「Fischgeist(魚の幽霊)」というタイトルにしたんです。

私の演奏には室内の反響が必要なんですが、イベントのオーガナイザーがある意味クレイジーじゃないと実現できないようなフェスが好きで、何度かマニアックな屋外会場で演奏したこともあります。

イタリアのアルプス山中の廃村で公演したときは、道路が開通していないので車が使えず森を歩いて機材を運びましたし、ウガンダのナイル川源流で開催されたフェス「Nyege Nyege」も会場まで辿り着くのが至難の業でしたね(笑)。

――今回イサム・ノグチの作品「天国」をステージとして演奏されたことで、相互作用を感じたりインスピレーションを受けた要素はありますか?

ソヴァージュ:イサム・ノグチは個人的にも好きで、<彫刻作品や家具は人間と関わってこその存在であり、相関性がドラマを創出する。そのための空間を作りたい>というノグチの思想に共感しています。

私は音楽も空間と人との相関性のドラマではないかと考えていて、自分は演奏を通して空間とそこに存在する人と物を振動させ、エネルギーを循環させている。そう捉えると、私の音楽表現がノグチの考える空間に繋がるかもしれません。

2021年にバービカンセンターでノグチの回顧展が開催された際、キュレーターから依頼をいただいて「Barbican Sessions」に出演したことがあります。その時は金属の彫刻作品「Mountains Forming」と石で製作されたつくばいに直接マイクで触れて、対話するようなイメージで演奏しました。

今回の舞台となった「天国」は、上段から下段へと絶えず水が流れ落ちていく。ノグチが作ったこの水の流れを意識したパフォーマンスにしようと思いました。水路にいくつかマイクを設置し、水中にもマイクを入れる。すると通常は聞こえない隠れた音……つくばいの水たまりから泡が出る音などが増幅されて聞こえてきたんです。結果として今回もノグチの作品と対話できたのではないかと思います。

アート・音楽・ファッションを繋ぐ、伝統工芸や民藝のサスティナブル精神

――今回のショーで着用された曲線的で発光するような白い衣装は、トモコさんの水を用いた音楽表現やノグチの石庭に溶け込み、空間全体がインスタレーションのように一体化していた印象を持ちました。

ソヴァージュ:今回の衣装は「トミー・ジュスカス(Tommy Juskus)」というロンドンのデザイナーが作ってくれました。彼は「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」等のメゾンでキャリアを積んだ後、サステナブルなアプローチでの服作り等、自分が本当にやりたいことを模索していました。そして数年前「ミュージシャンの服を作る」というプロジェクトを立ち上げ、私に連絡をくれたんです。先ほどのバービカンセンターでのショーを控えていたタイミングで、彼とアイデアを出し合って、ノグチの世界観や作品にインスパイアされた衣装を制作してもらうことになりました。

私は貝殻等、自然界の流動的な素材を使って音を作っているので、衣装はそういうものを意識したフォルムであると同時に、ノグチの「Lunar」シリーズから着想を得たデザインになっています。

また、ファッションにおいていかにサステナブルであれるか、工芸や民藝、手仕事などの重要性についても議論を重ねました。私は常に自分の手を使って演奏しているので、自身の音作りの手法は、工芸や民藝、手仕事などと親和性がありますし、水や焼き物を使ったパフォーマンスは循環性が一つのテーマであるとも言えます。

今回のイベント「T. T」が“クラフト“というテーマを重視している点にも共感しています。“奄美の泥染“等、衰退しつつある伝統技術や産業に注目して新しい形で提示している。演奏する際に使った座布団も備長炭の墨染で、細部までデザインが行き届いていました。

私はもともと伝統工芸や民藝、クラフトマンシップに関心があって、音楽表現においても非常に影響を受けています。今回は「T. T」からインスパイアされた要素もありますし、ノグチの作品にも工芸の要素があるので、トミーがデザインした衣装をまとって「天国」を舞台に演奏できたのは素晴らしい経験でした。

PHOTOS:MASASHI URA

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「ラッシュ」が「ひつじのショーン」とコラボ ハンドメイドにこだわった全6種

英国発のナチュラルコスメブランド「ラッシュ(LUSH)」は3月6日、英国のアニメーション制作スタジオ、アードマン・アニメーションズ(Aardman Animations)の人気作品「ひつじのショーン」とコラボレーションし、限定コレクションを発売する。4日から公式アプリで先行販売を行う。

ラインアップは、ビーガンコスメアイテム全6種。ものづくりのエキスパートがタッグを組み、ハンドメイドにこだわったフレッシュなアイテムを用意する。

いたずら好きのひつじと素敵な仲間たちが登場

顔の黒い部分だけをスプレーで一つひとつを色付けしたこだわりのバスボム“ショーン”(1080円)や、眠たげなティミーの目を筆で描いたラベンダーとカモミールの香りのバブルバー“スリーピーティミー”(1280円)、牧羊犬ピッツァーを模ったマンゴーバターの香りのボディーバーム“ピッツァー”(1960円)、甘くウッディな香りの3匹のいたずらブタのシャワージェリー“いたずらブタ”(155g、1400円)といった愛らしいキャラクター型のアイテムを展開する。

さらに、ゼラニウムとクラリセージ香る牧場主のトラクター型ソープ“トラクター”(1360円)と、モッシーボトム牧場に吹く爽やかな風と刈りたての芝生をイメージしたボディースプレー“モッシーボトム”(200mL、6800円)もラインアップ。「ひつじのショーン」の世界観を存分に楽しめるコレクションとなっている。

ハンドメイドイベント開催

本コレクションの発売を記念し、3月6日と8日に「ラッシュ」新宿店でハンドメイドライブを開催する。イベントでは、神奈川県にある製造工場キッチンのシェフがハンドメイド工程を披露。8日にはショーンも会場に登場する。

■“ひつじのショーン×ラッシュ”ハンドメイドライブ

日程:3月6、8日
場所:「ラッシュ」新宿店
住所:東京都新宿区新宿3-26-6 FFビル
時間:両日ともに1回目、16:00〜/2回目、18:00〜

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創業105年目で初!シャボン玉石けんが初の日焼け止めを発売 シンプル処方にこだわったバームタイプ

無添加石けんなどの製造、販売を行うシャボン玉石けんは3月3日、創業105年目にして初となる日焼け止め“シャボン玉UV”[SPF35・PA++++ UV耐水性★](40g、1980円)を全国のドラッグストアや自社通信販売などで発売する。同製品は2024年3月に立ち上げた新しいスキンヘルスケアブランド「アワーシャボン(OUR SHABON)」の第2弾となり、無添加石けんで培ってきた品質基準と肌と環境への安心をもとに、紫外線A波はPA++++、UV耐水性は★を取得した製品を開発した。

5つの天然由来成分で仕上げた
こだわりのシンプル処方

創業初の日焼け止め開発は、同社の製品を愛用している消費者から「安心安全な日焼け止めがほしい」という要望や商品開発者への思いから実現。紫外線吸収剤に含まれる一部成分がサンゴ礁に影響を与えるという調査報告により世界的に環境配慮型の日焼け止めが望まれるようになっている中、肌や環境に配慮しつつ紫外線をブロックする成分の選定、開発を進めてきた。

製品は天然由来の酸化亜鉛、ヒマワリ種子油、ホホバ種子油、ミツロウ、キャンデリラロウのみで構成したシンプルな処方で、シンプルさと安心感にこだわった結果、剤型はバームタイプに行き着いた。SPF35、PA++++のUVカット力のほか、水に触れる長時間の屋外活動も想定してUV耐水性★も備えた。防腐剤や抗炎症剤、香料は使用せず、パッケージにはアルミ製ジャー容器と紙箱を採用することで、プラスチックフリーを実現している。

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ビームスから「ニードルズ」別注アイテム 黒を基調としたウエア3型をラインアップ

ビームス(BEAMS)は2月21日、「ニードルズ(NEEDLES)」に別注したアイテムを発売する。ビームス一部店舗および公式オンラインで取り扱う。

「ニードルズ」別注アイテム
スタジャンとパーカ、トラックパンツ

別注アイテムは、「ニードルズ」のスクリプトロゴを配したスタジャン(4万8400円)、蝶のモチーフをあしらったジップアップパーカ(3万8500円)とトラックパンツ(2万6400円)のセットアップを制作。全てにチャコールグレーのテープで意匠を施した。

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ビームスから「ニードルズ」別注アイテム 黒を基調としたウエア3型をラインアップ

ビームス(BEAMS)は2月21日、「ニードルズ(NEEDLES)」に別注したアイテムを発売する。ビームス一部店舗および公式オンラインで取り扱う。

「ニードルズ」別注アイテム
スタジャンとパーカ、トラックパンツ

別注アイテムは、「ニードルズ」のスクリプトロゴを配したスタジャン(4万8400円)、蝶のモチーフをあしらったジップアップパーカ(3万8500円)とトラックパンツ(2万6400円)のセットアップを制作。全てにチャコールグレーのテープで意匠を施した。

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「日本大好き」なフランス人デザイナーによる、日本人のためのシューズ「ラカド」

今年8月、フランス人デザイナーのローランス・デカド(Laurence Dacade)が手掛けるシューズブランド「ラカド(LACADE)」が本格始動する。デビューコレクションは全5型で、価格帯は5万〜8万円台。メイドインジャパンにこだわり、全て東京・浅草の工場で製作している。このほど来日したデカドに、シューズの特長や日本とのつながり、今後の目標を聞いた。

デカドは2002年、自身の名を冠したシューズブランド「ローランス・デカド(LAURENCE DACADE)」をスタートした。エレガントな佇まいと歩きやすさを両立したデザインが特長で、これまで「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「バルマン(BALMAIN)」、「カール・ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」などとコラボした。現在はフランスのビッグメゾンでチーフシューズデザイナーも務めている。

「ラカド」のシューズは、日本の女性のファッションに着想している。デカドは、5型に共通しているかかと部分のスタッズを「日本の女性はロングスカートがよく似合う。このデザインは、スカートからのぞくと良いアクセントになるだろう」と説明する。デザイン画にはソックスまで描き込み、どのシューズも日本で定番の足元コーデを前提にしている。フラットなシューズに支持が集まる日本市場に向け、あえてハイヒールはラインアップしない。

そんな「ラカド」の成り立ちを語る上で欠かせないのは、1人の日本人女性。ブランドの創立者である麻生千明氏の存在だ。彼女は02年に米・ニューヨークのグレッグ ミルズ ショールームでホールセールビジネスのキャリアを積んだのち独立し、09年に南青山にショールーム アイコン(19年に解散)を立ち上げた。現在は、フリーのセールスエージェントとして活躍している。麻生創立者は、「私がグレッグ ミルズ ショールームで働き始めた年に、ローランスは『ローランス・デカド』を立ち上げ、商談に来た。そこから親交が深まり、今では20年来の友人だ」と振り返る。デカドは「『ラカド』は千明とのフレンドシップ(友情)から誕生した。そもそも私がシューズのデザインを始めたきっかけも、とある日本のブランドからの依頼だった。その後、『ローランス・デカド』を初めて買い付けてくれたのも日本のショップ。日本とは何かと縁がある人生だったと思う」と続ける。

しばらくは、公式ECやポップアップストア、セレクトショップへの卸で販売し、認知を獲得していく。麻生創立者は、「まずは日本でゆっくりとブランドを育てたい。身につける人の生涯に寄り添うシューズ作りを心がけているため、全く焦る必要はないと感じている。タイミングが来たら、アジア、そして世界へ羽ばたける準備も整えていけたら」と展望する。

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「日本大好き」なフランス人デザイナーによる、日本人のためのシューズ「ラカド」

今年8月、フランス人デザイナーのローランス・デカド(Laurence Dacade)が手掛けるシューズブランド「ラカド(LACADE)」が本格始動する。デビューコレクションは全5型で、価格帯は5万〜8万円台。メイドインジャパンにこだわり、全て東京・浅草の工場で製作している。このほど来日したデカドに、シューズの特長や日本とのつながり、今後の目標を聞いた。

デカドは2002年、自身の名を冠したシューズブランド「ローランス・デカド(LAURENCE DACADE)」をスタートした。エレガントな佇まいと歩きやすさを両立したデザインが特長で、これまで「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「バルマン(BALMAIN)」、「カール・ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」などとコラボした。現在はフランスのビッグメゾンでチーフシューズデザイナーも務めている。

「ラカド」のシューズは、日本の女性のファッションに着想している。デカドは、5型に共通しているかかと部分のスタッズを「日本の女性はロングスカートがよく似合う。このデザインは、スカートからのぞくと良いアクセントになるだろう」と説明する。デザイン画にはソックスまで描き込み、どのシューズも日本で定番の足元コーデを前提にしている。フラットなシューズに支持が集まる日本市場に向け、あえてハイヒールはラインアップしない。

そんな「ラカド」の成り立ちを語る上で欠かせないのは、1人の日本人女性。ブランドの創立者である麻生千明氏の存在だ。彼女は02年に米・ニューヨークのグレッグ ミルズ ショールームでホールセールビジネスのキャリアを積んだのち独立し、09年に南青山にショールーム アイコン(19年に解散)を立ち上げた。現在は、フリーのセールスエージェントとして活躍している。麻生創立者は、「私がグレッグ ミルズ ショールームで働き始めた年に、ローランスは『ローランス・デカド』を立ち上げ、商談に来た。そこから親交が深まり、今では20年来の友人だ」と振り返る。デカドは「『ラカド』は千明とのフレンドシップ(友情)から誕生した。そもそも私がシューズのデザインを始めたきっかけも、とある日本のブランドからの依頼だった。その後、『ローランス・デカド』を初めて買い付けてくれたのも日本のショップ。日本とは何かと縁がある人生だったと思う」と続ける。

しばらくは、公式ECやポップアップストア、セレクトショップへの卸で販売し、認知を獲得していく。麻生創立者は、「まずは日本でゆっくりとブランドを育てたい。身につける人の生涯に寄り添うシューズ作りを心がけているため、全く焦る必要はないと感じている。タイミングが来たら、アジア、そして世界へ羽ばたける準備も整えていけたら」と展望する。

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【一粒万倍日】「ルイ・ヴィトン」からメンズの新作レザーコレクション “ダミエ”をデニムに再解釈

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、「天赦日」「一粒万倍日」「寅の日」の3つの吉日が重なる最強開運日の3月10日に向けて、2025年春夏メンズ・コレクションからメゾンを象徴するチェックプリントをデニムに加工した“LV バーズ・ダミエ デニム”で仕上げた新作レザーグッズを発売した。

ポップなデザインのレザーグッズ

ラインアップは、大ぶりのデニムのスクエアと原色のアクセントを加えたスクエアを交互に配し、際立つレッドの“Marque L. Vuitton Deposee”のシグネチャーをあしらったポケットサイズの財布“ポルトフォイユ・ミュルティプル”(H9×W11.5×D1.5cm、11万4400円)と、触り心地のよいデニムにビンテージ風のスクエアが伝統を想わせるデザインのコンパクトな財布“カードケース オーガナイザー・ドゥ ポッシュ”(H11×W8×D1cm、9万7900円)、ダミエのチェックパターンをオーバーサイズに再解釈したデザインで、小ぶりのフックとチェーン付きの“カードキーケース ポシェット・クレ”(H7×W12×D1.5cm、7万5900円)の全3アイテム。

新作バッグも

さらに同デザインシリーズから、20世紀初頭に登場したメゾンのバッグ“スティーマー”に着想した小ぶりのシティバッグ“ナノ・スティーマー”(40万4800円)と、ヌメ革のトップハンドルと取外し可能なショルダーストラップが1930年代に誕生したバッグ“スピーディ”のオリジナルモデルを彷ふつとさせる“スピーディ・バンドリエール 18”(40万4800円)、オーバーサイズのマルチカラーのチェックと立体的な雰囲気が魅力的な“カーゴ・ウェアラブル ウォレット”(34万8700円)の新作バッグ全3アイテムも展開している。

3月10日は最強開運日

3月10日は、一粒の籾(もみ)が豊かに実り万倍もの稲穂になるといわれる“一粒万倍日”、 すべての神が天に登り、万物の罪を許す“天赦日”、 “虎は千里行って千里帰る”と言われることから、出て行ったものが戻ってくるという意味を持つ“寅の日”のトリプルラッキーデーだ。また、“一粒万倍日”は財布を買ったり、使い始めたり、贈ったりするのに適した日とされる。

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【一粒万倍日】「ルイ・ヴィトン」からメンズの新作レザーコレクション “ダミエ”をデニムに再解釈

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、「天赦日」「一粒万倍日」「寅の日」の3つの吉日が重なる最強開運日の3月10日に向けて、2025年春夏メンズ・コレクションからメゾンを象徴するチェックプリントをデニムに加工した“LV バーズ・ダミエ デニム”で仕上げた新作レザーグッズを発売した。

ポップなデザインのレザーグッズ

ラインアップは、大ぶりのデニムのスクエアと原色のアクセントを加えたスクエアを交互に配し、際立つレッドの“Marque L. Vuitton Deposee”のシグネチャーをあしらったポケットサイズの財布“ポルトフォイユ・ミュルティプル”(H9×W11.5×D1.5cm、11万4400円)と、触り心地のよいデニムにビンテージ風のスクエアが伝統を想わせるデザインのコンパクトな財布“カードケース オーガナイザー・ドゥ ポッシュ”(H11×W8×D1cm、9万7900円)、ダミエのチェックパターンをオーバーサイズに再解釈したデザインで、小ぶりのフックとチェーン付きの“カードキーケース ポシェット・クレ”(H7×W12×D1.5cm、7万5900円)の全3アイテム。

新作バッグも

さらに同デザインシリーズから、20世紀初頭に登場したメゾンのバッグ“スティーマー”に着想した小ぶりのシティバッグ“ナノ・スティーマー”(40万4800円)と、ヌメ革のトップハンドルと取外し可能なショルダーストラップが1930年代に誕生したバッグ“スピーディ”のオリジナルモデルを彷ふつとさせる“スピーディ・バンドリエール 18”(40万4800円)、オーバーサイズのマルチカラーのチェックと立体的な雰囲気が魅力的な“カーゴ・ウェアラブル ウォレット”(34万8700円)の新作バッグ全3アイテムも展開している。

3月10日は最強開運日

3月10日は、一粒の籾(もみ)が豊かに実り万倍もの稲穂になるといわれる“一粒万倍日”、 すべての神が天に登り、万物の罪を許す“天赦日”、 “虎は千里行って千里帰る”と言われることから、出て行ったものが戻ってくるという意味を持つ“寅の日”のトリプルラッキーデーだ。また、“一粒万倍日”は財布を買ったり、使い始めたり、贈ったりするのに適した日とされる。

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「キス」×「サロモン」再び コラボシューズ“XT-ウィスパー”2色をラインアップ

「キス(KITH)」は、“キス ウーマン スプリング 2025”コレクションから、「サロモン(SALOMON)」とのコラボシューズ“XT-ウィスパー(XT-WHISPER)”を発売した。「キス」全店舗および公式オンライン、公式アプリで取り扱う。

「サロモン」コラボ
シューズ“XT-ウィスパー”

コラボシューズは、デリシオーソ&ダーク シトロンとバニラ&トランスペアレント イエローの2カラーを制作。それぞれヒールとタン部分、ソックライナーに「キス」ロゴをあしらう。

“キス ウーマン スプリング 2025”

本コレクションは、パッチワークやプリーツ、テーラリングといった要素をコートやジャケット、トップス、ドレス、ボトムスなどウエアに落とし込んだ。そのほかスムースナッパレザーにフォイル加工の「キス」ロゴを配した“ケイティ バッグ(KATIE BAG)”や、プレミアムナッパレザーで仕上げた“アイリーン トート(IRENA TOTE)”、キャップやビーニーなどのヘッドウエア、また“クラシック”コレクションからアップリケを配したスタジャンやトラックジャケットなどもラインアップする。

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「プーマ」×「ACミラン」×「オフ-ホワイト」によるサッカーユニホームが発売

「プーマ(PUMA)」は、イタリアの名門サッカークラブ「ACミラン」と、「オフ-ホワイト(OFF-WHITE)」とのコラボレーションによる新ユニホームコレクションを2月14日に発売した。オーセンティックジャージー(3万3000円)とレプリカ(2万5300円)の2種を販売する。

本コレクションは「オフ-ホワイト」が初めてデザインを手がけるユニフォームとしてピッチで着用される特別なコレクション。“Dreamland”をコンセプトで、ユニホームの襟内側には“63”という数字がプリントされており、これは、ACミランが1963年に初のヨーロッパカップ優勝を果たしたこと、そして同年にマーティン・ルーサー・ キング・ジュニアが“I Have a Dream”のスピーチを行ったことに由来している。

また「オフ-ホワイト」のシグネチャーデザインが反映されおり、オーセンティックおよびレプリカ共に象徴的なジップタイが付属されている。選手の名前には「オフ-ホワイト」の特徴的なクォーテーションマークで囲まれ、「Diavoli(悪魔)」というACミランの愛称がエンブレム内に組み込まれている。

アイテム一覧

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「プーマ」×「ACミラン」×「オフ-ホワイト」によるサッカーユニホームが発売

「プーマ(PUMA)」は、イタリアの名門サッカークラブ「ACミラン」と、「オフ-ホワイト(OFF-WHITE)」とのコラボレーションによる新ユニホームコレクションを2月14日に発売した。オーセンティックジャージー(3万3000円)とレプリカ(2万5300円)の2種を販売する。

本コレクションは「オフ-ホワイト」が初めてデザインを手がけるユニフォームとしてピッチで着用される特別なコレクション。“Dreamland”をコンセプトで、ユニホームの襟内側には“63”という数字がプリントされており、これは、ACミランが1963年に初のヨーロッパカップ優勝を果たしたこと、そして同年にマーティン・ルーサー・ キング・ジュニアが“I Have a Dream”のスピーチを行ったことに由来している。

また「オフ-ホワイト」のシグネチャーデザインが反映されおり、オーセンティックおよびレプリカ共に象徴的なジップタイが付属されている。選手の名前には「オフ-ホワイト」の特徴的なクォーテーションマークで囲まれ、「Diavoli(悪魔)」というACミランの愛称がエンブレム内に組み込まれている。

アイテム一覧

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レディー・ガガが「トム ブラウン」のクチュールに“侵食”されながら激辛チキンに挑戦 

レディー・ガガ(Lady Gaga)が最新シングル「アブラカダブラ」のプロモーションのため、シーン・エバンス(Sean Evans)がホストを務めるユーチューブのトーク番組「Hot Ones」に出演した。ガガは、「トム ブラウン(THOM BROWN)」2024-25年秋冬オートクチュールコレクションから、モスリン生地と馬毛のキャンバス、かぎ針編みの糸で作られた花がついたブーケに着想を得た襟をつけて登場した。

動画内では「ミア・ゴセット(MIA GOSSET)」のシルバーのブレスレットと大きなオーバルカットの婚約指輪も披露。ガガは去年9月、長年付き合っていた実業家のマイケル・ポランスキー(Michael Polansky)との婚約を発表していた。

ガガは、自身が身につけた大きな衣装を指し、「ファッションに侵食されているから片手で食べるね」とジョークを飛ばしながら、徐々に辛くなっていく10本の手羽先を食べる同番組のメーン企画、“イート ホット ウィングス(eat hot wings)”に挑戦した。

ガガは、3月7日にリリースする8枚目のアルバム「メイヘム」の準備中だ。

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レディー・ガガが「トム ブラウン」のクチュールに“侵食”されながら激辛チキンに挑戦 

レディー・ガガ(Lady Gaga)が最新シングル「アブラカダブラ」のプロモーションのため、シーン・エバンス(Sean Evans)がホストを務めるユーチューブのトーク番組「Hot Ones」に出演した。ガガは、「トム ブラウン(THOM BROWN)」2024-25年秋冬オートクチュールコレクションから、モスリン生地と馬毛のキャンバス、かぎ針編みの糸で作られた花がついたブーケに着想を得た襟をつけて登場した。

動画内では「ミア・ゴセット(MIA GOSSET)」のシルバーのブレスレットと大きなオーバルカットの婚約指輪も披露。ガガは去年9月、長年付き合っていた実業家のマイケル・ポランスキー(Michael Polansky)との婚約を発表していた。

ガガは、自身が身につけた大きな衣装を指し、「ファッションに侵食されているから片手で食べるね」とジョークを飛ばしながら、徐々に辛くなっていく10本の手羽先を食べる同番組のメーン企画、“イート ホット ウィングス(eat hot wings)”に挑戦した。

ガガは、3月7日にリリースする8枚目のアルバム「メイヘム」の準備中だ。

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「ケースティファイ」×「ディーゼル」 アイコニックな“Dロゴ”型アイテムも登場

スマートフォンケースなどのアクセサリーを展開する「ケースティファイ(CASETIFY)」は、「ディーゼル(DIESEL)」とコラボした“DIESEL + CASETiFY”コレクションを発売した。両ブランドの公式オンラインストア及び「ケースティフファイ」店舗と専用アプリ、「ディーゼル」一部店舗で販売中だ。

「ディーゼル」のユニークな視点で
テックアクセサリーを再考

本コレクションでは、先端のデザインと日常生活における実用性を組み合わせることで、ファッションと機能性の境界を押し広げるテックアクセサリーを展開。「アップル(APPLE)」や「サムスン(SAMSUNG)」、「グーグル(GOOGLE)」デバイス対応のスマートフォンケース(1万3992円〜)や“Dロゴ”を模ったグリップスタンド(1万3992円)テックアクセサリー(6996円〜)、マグネット式ワイヤレス充電器(1万791円)などの”MagSafe”対応アクセサリーをラインアップする。

デザインのテーマは、“グランジ”と“バンダナ”。“グランジ”ラインは、ダメージ加工とインダストリアルな要素を特徴とした「ディーゼル」の美学を表現したデザイン。“バンダナ”ラインは、「ディーゼル」2025年春夏コレクションの鮮やかなプリントを落とし込んだデザインとなっている。

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「ケースティファイ」×「ディーゼル」 アイコニックな“Dロゴ”型アイテムも登場

スマートフォンケースなどのアクセサリーを展開する「ケースティファイ(CASETIFY)」は、「ディーゼル(DIESEL)」とコラボした“DIESEL + CASETiFY”コレクションを発売した。両ブランドの公式オンラインストア及び「ケースティフファイ」店舗と専用アプリ、「ディーゼル」一部店舗で販売中だ。

「ディーゼル」のユニークな視点で
テックアクセサリーを再考

本コレクションでは、先端のデザインと日常生活における実用性を組み合わせることで、ファッションと機能性の境界を押し広げるテックアクセサリーを展開。「アップル(APPLE)」や「サムスン(SAMSUNG)」、「グーグル(GOOGLE)」デバイス対応のスマートフォンケース(1万3992円〜)や“Dロゴ”を模ったグリップスタンド(1万3992円)テックアクセサリー(6996円〜)、マグネット式ワイヤレス充電器(1万791円)などの”MagSafe”対応アクセサリーをラインアップする。

デザインのテーマは、“グランジ”と“バンダナ”。“グランジ”ラインは、ダメージ加工とインダストリアルな要素を特徴とした「ディーゼル」の美学を表現したデザイン。“バンダナ”ラインは、「ディーゼル」2025年春夏コレクションの鮮やかなプリントを落とし込んだデザインとなっている。

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大丸梅田店のフェムテック売り場「ミチカケ」営業終了していた オープンから5年

大丸松坂屋百貨店の大丸梅田店は、大阪・関西万博に向けてインバウンドの取り込みも念頭に、5階フロアの段階的な改装を進めている。それに伴い1月14日、フェムテック売り場「ミチカケ」の営業を終了した。

「ミチカケ」は2019年11月に営業をスタート。“女性のリズムに寄り添う”をコンセプトに、約900㎡の売り場に生理グッズやセクシャルグッズなどを集積・販売した。百貨店としては先進的な試みとして話題を集め、“西日本最大級のフェムテック展”をうたう「ミチカケ・ウェルネスアクション」でフェムテック関連商品やサービスを展示するなど、館を超えたさまざまな試みでフェムテックの普及に取り組んできた。

ただ、それから消費者の価値観やニーズが変化する中で、「“女性のための”という形でターゲットを限定する売り場のあり方、コンセプトも含めて時代に合わせた再検討が必要」との考えの下、営業終了を決めた。現在のところは、別の形態での再スタートやフェムテック商品の別の売り場の取り扱いなどの計画はないという。

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着物の「やまと」がパリに初の常設店 

着物の「やまと」は、パリに常設店を4月上旬に開く。2024年1月から約1年にわたって営業したポップアップストアが好評だったことを受けて本格進出を決めた。矢嶋孝行社長は「パリはさまざまな国のクリエイターが交わる場所。売り上げも大切だが、それ以上にパリに常設の拠点を置くことでコラボレーションの機会が生まれ、着物に新しい価値が加わることを期待している」と話す。

パリのマレ地区に店舗面積83平方メートルの路面店を出す。ポップアップストアで展開していた女性向けの「キモノ バイ ナデシコ(KIMONO BY NADESHIKO)」と男性向けの「ワイ&サンズ(Y. & SONS)」の2ブランドを売る。

常設店出店を視野に、23年にフランス法人を設立した。24年にポップアップストアを営業した際は、フランス国内の客が半分、国外の客が半分だった。ファッションに造詣の深いクリエイティブな職業の人たちの購買が多く、日本の伝統文化やものづくりの背景に対する関心が高かった。着物の着こなし方は自由で、羽織りの着物をコートのような感覚でジーンズやスカートに合わせるコーディネートが人気だという。羽織りの着物の中心価格は10万円弱。

常設店では、ポップアップストアでは難しかった意匠をこらした空間を作る。着物への造詣が深い日本人スタッフが接客し、織りや染めなどの技法、着付けや手入れ方法などを伝える。着物だけでなく、手ぬぐいや小物入れなど比較的手頃な価格の雑貨も充実させ、エントリーユーザーも利用できるようにする。

矢嶋社長の意気込みは強い。「昨年のポップアップストアを通じて、インドの刺繍専門家やセネガルのアーティストと結びつきができた。パリで活躍するスタイリストやデザイナーも店に足を運んでくれた。これらと日本の産地を結びつければ、新しい着物文化が生まれるかもしれない。パリから着物の可能性を広げていきたい」と話す。

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着物の「やまと」がパリに初の常設店 

着物の「やまと」は、パリに常設店を4月上旬に開く。2024年1月から約1年にわたって営業したポップアップストアが好評だったことを受けて本格進出を決めた。矢嶋孝行社長は「パリはさまざまな国のクリエイターが交わる場所。売り上げも大切だが、それ以上にパリに常設の拠点を置くことでコラボレーションの機会が生まれ、着物に新しい価値が加わることを期待している」と話す。

パリのマレ地区に店舗面積83平方メートルの路面店を出す。ポップアップストアで展開していた女性向けの「キモノ バイ ナデシコ(KIMONO BY NADESHIKO)」と男性向けの「ワイ&サンズ(Y. & SONS)」の2ブランドを売る。

常設店出店を視野に、23年にフランス法人を設立した。24年にポップアップストアを営業した際は、フランス国内の客が半分、国外の客が半分だった。ファッションに造詣の深いクリエイティブな職業の人たちの購買が多く、日本の伝統文化やものづくりの背景に対する関心が高かった。着物の着こなし方は自由で、羽織りの着物をコートのような感覚でジーンズやスカートに合わせるコーディネートが人気だという。羽織りの着物の中心価格は10万円弱。

常設店では、ポップアップストアでは難しかった意匠をこらした空間を作る。着物への造詣が深い日本人スタッフが接客し、織りや染めなどの技法、着付けや手入れ方法などを伝える。着物だけでなく、手ぬぐいや小物入れなど比較的手頃な価格の雑貨も充実させ、エントリーユーザーも利用できるようにする。

矢嶋社長の意気込みは強い。「昨年のポップアップストアを通じて、インドの刺繍専門家やセネガルのアーティストと結びつきができた。パリで活躍するスタイリストやデザイナーも店に足を運んでくれた。これらと日本の産地を結びつければ、新しい着物文化が生まれるかもしれない。パリから着物の可能性を広げていきたい」と話す。

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パルコが新カード、平林奈緒美がデザイン

パルコは2月19日から、新しいクレジットカードの新規受付を開始する。新しい「パルコカード」はアートディレクターの平林奈緒美がデザインし、2026年2月末までに申し込めば10年間年会費無料など様々な特典を用意している。発行はJFRカード。

新カードではパルコポイントに加え、パルコポイントのほか大丸松坂屋ポイントなどに移行・交換できる「キラ(QIRA)ポイント」の2つのポイントが貯められる。パルコポイントはランクに応じてポイントが貯まる仕組み。

入会特典として来年2月末までに申し込むと10年間年会費が無料になるほか1500円を上限にキャッシュバック。また、5月6日までに申し込むと通常特典に加えて1000円を上限にキャッシュバックする。

券面はアートディレクターの平林奈緒美により、シンプルでユニセックスなデザインに仕上がっている。

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「ジバンシイ」からオードリー・ヘプバーンの干支に着想したコレクション 人気アイテムが限定デザインで登場

「ジバンシイ(GIVENCHY)」は3月1日、“クチュール コレクション 2025”を数量限定で発売する。2月21日からギンザ シックス(GINZA SIX)店と公式オンラインストアで、26日から横浜高島屋店で先行販売を行う。

ブランドに受け継がれるレガシーに敬意を

本コレクションの着想源は、創設者ユベール・ド・ジバンシィ(Hubert De Givenchy)の永遠のミューズであったオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が誕生した1929年の干支の巳(蛇)。「ジバンシイ」のタイムレスなエレガンスを象徴するアイコニックな全3アイテムを、蛇の神秘的な美しさを落とし込んだクチュール仕立ての限定パッケージで展開する。

光で肌悩みを洗い上げるフェイスパウダー

“プリズム・リーブル”(9020円)は、“見えないフィルター”をまとったような効果をかなえる“マイクロナイズド パウダー”と、立体感のある粉艶をもたらす“プリズマティック ライト テクノロジー”で清らかな透明感のある仕上がりを実現する4色構成フェイスパウダー。今回はパステルカラーをセットにした“パステル・シフォン”を限定デザインで用意する。

スキンケア発想のクッションファンデーション

“プリズム・リーブル・スキンケアリング・グロウ・クッション”[SPF45・PA+++](1万120円)は、伸びが良く軽い付け心地のテクスチャーとグロウに輝く使用感が魅力のクッションファンデーション。今回は明るいクールベージュカラーの“1-C105”を限定デザインで用意する。

パワフルで大胆なリップスティック

“ルージュ・アンテルディ・シルキー“(6050円)は、内側から放つような深みのある輝きをもたらすリップスティック。コメヌカロウ、ヒマワリ種子ロウ、ミツロウの3種類を独自にブレンドしたカラー・トラップ・ワックスにより、長時間の潤いと発色を実現する。今回は、ミステリアスで深みのある“331 スパイシー・レッド“カラーを限定デザインで用意する。

“クチュール メイクアップ キャンペーン”

本コレクションの発売を記念し、“クチュール コレクション 2025”のアイテムを含む2製品以上を購入すると“ブラック クチュール ポーチ”を数量限定でプレゼントするキャンペーンを実施する。キャンペーン開始日は各店舗の発売日に準ずる。

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「ジバンシイ」からオードリー・ヘプバーンの干支に着想したコレクション 人気アイテムが限定デザインで登場

「ジバンシイ(GIVENCHY)」は3月1日、“クチュール コレクション 2025”を数量限定で発売する。2月21日からギンザ シックス(GINZA SIX)店と公式オンラインストアで、26日から横浜高島屋店で先行販売を行う。

ブランドに受け継がれるレガシーに敬意を

本コレクションの着想源は、創設者ユベール・ド・ジバンシィ(Hubert De Givenchy)の永遠のミューズであったオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が誕生した1929年の干支の巳(蛇)。「ジバンシイ」のタイムレスなエレガンスを象徴するアイコニックな全3アイテムを、蛇の神秘的な美しさを落とし込んだクチュール仕立ての限定パッケージで展開する。

光で肌悩みを洗い上げるフェイスパウダー

“プリズム・リーブル”(9020円)は、“見えないフィルター”をまとったような効果をかなえる“マイクロナイズド パウダー”と、立体感のある粉艶をもたらす“プリズマティック ライト テクノロジー”で清らかな透明感のある仕上がりを実現する4色構成フェイスパウダー。今回はパステルカラーをセットにした“パステル・シフォン”を限定デザインで用意する。

スキンケア発想のクッションファンデーション

“プリズム・リーブル・スキンケアリング・グロウ・クッション”[SPF45・PA+++](1万120円)は、伸びが良く軽い付け心地のテクスチャーとグロウに輝く使用感が魅力のクッションファンデーション。今回は明るいクールベージュカラーの“1-C105”を限定デザインで用意する。

パワフルで大胆なリップスティック

“ルージュ・アンテルディ・シルキー“(6050円)は、内側から放つような深みのある輝きをもたらすリップスティック。コメヌカロウ、ヒマワリ種子ロウ、ミツロウの3種類を独自にブレンドしたカラー・トラップ・ワックスにより、長時間の潤いと発色を実現する。今回は、ミステリアスで深みのある“331 スパイシー・レッド“カラーを限定デザインで用意する。

“クチュール メイクアップ キャンペーン”

本コレクションの発売を記念し、“クチュール コレクション 2025”のアイテムを含む2製品以上を購入すると“ブラック クチュール ポーチ”を数量限定でプレゼントするキャンペーンを実施する。キャンペーン開始日は各店舗の発売日に準ずる。

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【2025年春コスメ】“トラック オイル”からピンク色の桜の香りが限定登場 店舗スタッフが発案

ナチュラルケアブランド「トラック(TRACK)」は2月28日、髪や体などマルチに使用できる“トラック オイル”のミニサイズ(30mL、3190円)から、春限定の桜の香りを発売する。ルクア大阪店とJR名古屋駅直結のタカシマヤ ゲートタワーモール店の直営2店舗で取り扱う。

“トラック オイル サクラ”はブランド初の試みとして、ルクア大阪店のスタッフが企画から考案した。天然由来成分を高配合したマルチ美容オイルで、手肌にのせた瞬間軽やかに広がり、すっと肌になじむ心地よいテクスチャーが特徴だ。髪に潤いや艶感、まとまりをもたらし、全体を美しく整える。

香りは、芳醇で優美なソメイヨシノをイメージ。時間の経過と共にライラックやバニラのパウダリーな甘さが溶け込むように広がり、奥行きのある余韻をもたらす。

ルクア大阪店で限定セットを販売

同日、「トラック」ルクア大阪店オープン1周年と、ルクア大阪開店10周年を記念した限定セット“ルクア店1st記念セット”(3300円)も発売する。“トラック オイル サクラ”と桜のバスソルトを、ピンクとグレーの春らしいオリジナルボックスに入れて提供する。

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【2025年春コスメ】“トラック オイル”からピンク色の桜の香りが限定登場 店舗スタッフが発案

ナチュラルケアブランド「トラック(TRACK)」は2月28日、髪や体などマルチに使用できる“トラック オイル”のミニサイズ(30mL、3190円)から、春限定の桜の香りを発売する。ルクア大阪店とJR名古屋駅直結のタカシマヤ ゲートタワーモール店の直営2店舗で取り扱う。

“トラック オイル サクラ”はブランド初の試みとして、ルクア大阪店のスタッフが企画から考案した。天然由来成分を高配合したマルチ美容オイルで、手肌にのせた瞬間軽やかに広がり、すっと肌になじむ心地よいテクスチャーが特徴だ。髪に潤いや艶感、まとまりをもたらし、全体を美しく整える。

香りは、芳醇で優美なソメイヨシノをイメージ。時間の経過と共にライラックやバニラのパウダリーな甘さが溶け込むように広がり、奥行きのある余韻をもたらす。

ルクア大阪店で限定セットを販売

同日、「トラック」ルクア大阪店オープン1周年と、ルクア大阪開店10周年を記念した限定セット“ルクア店1st記念セット”(3300円)も発売する。“トラック オイル サクラ”と桜のバスソルトを、ピンクとグレーの春らしいオリジナルボックスに入れて提供する。

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岡田将生が語る「小林秀雄」と「映画への想い」 映画「ゆきてかへらぬ」インタビュー

PROFILE: 岡田将生/俳優

PROFILE: (おかだ・まさき):1989年8月15日生まれ、東京都出身。2006年デビュー。近年の主な出演作に、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)、「ドライブ・マイ・カー」(21)、「大豆田とわ子と三人の元夫」(21)、「1秒先の彼」(23)、「ゆとりですがなにか インターナショナル」(23)、「ラストマイル」(24)、NHK連続テレビ小説「虎に翼」(24)、「ザ・トラベルナース」(24)、「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」(24)などがある。現在日曜劇場「御上先生」(TBS)が放送中。

さまざまな役柄を演じながら、そこに不思議な透明感と色気を感じさせる俳優、岡田将生。2月21日から公開される映画「ゆきてかへらぬ」で演じるのは実在の文芸評論家、小林秀雄だ。天才詩人といわれた中原中也、女優の長谷川泰子との濃密な三角関係を描いた本作は、名脚本家、田中陽造が40年以上前に書いた幻の脚本を、巨匠・根岸吉太郎監督が映画化したもの。中原中也を木戸大聖。長谷川泰子を広瀬すずが演じて火花散る競演に引き込まれる。岡田はどんな想いで作品に挑んだのか。そこに潜む映画への熱い想いを聞いた。

小林秀雄を演じて

——本作のどんなところに惹かれて出演を決めたのでしょうか。

岡田将生(以下、岡田):まず、脚本を読ませていただいた時に、読み物としてすごく面白かったんです。登場人物が少ない中で緻密に物語が描かれていて、この作品だったら自分が演じたい役、やりたい芝居ができるかもしれないと思ったのが、この作品に惹かれた理由の一つでした。

——いま岡田さんがやりたいこと、というのは?

岡田:例えば、小林秀雄という役は知的でありながら、どこか色気がある。そして、中原中也と長谷川泰子の間に入って三角関係になるじゃないですか。脚本を読んだ時に、三角関係において小林が受動的なのか能動的なのかが分からなかったんですよ。そこに惹かれるところがあって。自分が何かを求めていながらも、それを求める代わりに何かを失ってしまう、という状況が好きなんですよね。それがどうしてなんだろう、と思っていて。だから、小林を演じることで、自分が好きなこと、やりたいことを見つめ直すことができるのではないかと思ったんです。

——撮影に入る前に、小林秀雄という人物を知るために何か準備されたことはありますか?

岡田:脚本を読んでから撮影に入るまで時間があったので、根岸監督から頂いた資料に目を通したり、小林さんの本を読んだりしました。でも、小林さんがどんな人かは分からないまま撮影に入ったんです。分からないから演じるのが面白いんですよ。小林さんを演じていて大切にしていたことは、泰子を通じて中原を見るということでした。そして、泰子と中原の関係を、ある種、達観したような距離で見ることで小林秀雄というキャラクターが際立つのではないかと思いました。だから(広瀬すずさん、木戸大聖さんと)3人でリハーサルをする時は、自分はどういう立ち位置にいて、2人をどんな風に見ているのが正解なんだろう、ということを一番考えていました。

——広瀬すずさん、木戸大聖さんとの共演はいかがでした?

岡田:広瀬さんとは、以前、朝ドラ(「なつぞら」)で共演させて頂いたので、彼女の集中力や現場の雰囲気はよく分かっていました。だから、現場では必要以上の会話はしませんでしたし、そうなるだろうなと思っていました。大聖とは撮影の合間に話をしていましたけど、彼は無我夢中で中原中也になろうとしていましたね。今回の映画は3人それぞれが役に集中しないと成立しないので、毎日、撮影が終わるとすごい疲労感なんです。この映画は中也と泰子の物語なので、僕は2人を支える柱になれれば、と思っていました。その支えようとする気持ちが小林という役に通じると思ったんです。でも、それは僕が2人より年上だったのも関係あるかもしれないですね。僕は2人とは10歳くらい離れているんですけど、2人の喧嘩のシーンのエネルギーのぶつかり方の激しさを見たら入っていけそうにない。大丈夫? 疲れてない?って思ったりして(笑)。

——中原中也、長谷川泰子、小林秀雄が織りなす濃密な関係についてはどう思われました?

岡田:運命共同体になろうとしている人たち、という気がしました。特に泰子に関しては、そういう関係になろうとする気持ちが強いように思えましたね。それは僕が小林の目線で見ていたからかもしれませんが。最初、中也と泰子が付き合っていて、そこに小林が出てきて空気が変わるじゃないですか。2人だけだとグラグラした関係だけど、小林が入ると妙に安定するんですよね。それがこの映画の面白さだと思います。現場に入った時はどんな風に演じようか不安があったんですけど、3人で初めて本読みをやった時に、すっと腑に落ちたところがあったんです。映画の中で3人がボートに乗るシーンがあるんですけど、3人が座る位置が絶妙なんですよ。少しでも位置がずれるとボートは沈んでしまうかもしれない。3人の関係性が、あのボートのシーンに象徴されていたと思います。

中原中也と小林秀雄の関係

——三角関係で特に興味深いのは中也と小林の関係です。1人の女性をめぐって対立しながらも、相手に対するリスペクトは失われていないし、文学に対する情熱を共有していて絶交するようなことにはならない。

岡田:小林が中也と2人で話をしていて、付き合っている泰子の愚痴を言うシーンがあるんですけど、それが面白くて。これは僕が20代だったら分からなかった感覚でした。30代になったことで小林の人間臭さが分かるようになった気がします。あれは中也と小林の関係性がよく分かるシーンです。

——大正時代という背景も、この物語の重要な要素だと思いました。西洋の影響を受けて日本の文化が大きく変わろうとしている中で、小林と中也は詩人のランボーや海外の文学に刺激を受けていて、そういう開かれた感性や文学に対する一途な思いが2人を結びつけている。

岡田:大正時代は変化の時代で、それを受け入れられる人と受け入れられない人がいたと思います。小林や中也は変化を受け入れた上で、それを自分のものにしようとした。今はいろんな情報が溢れ返っていますけど、当時は情報が限られているぶん、一つのことに対する情熱の注ぎ方がすごいんですよ。ランボーという詩人がヤバい!ということになるとランボーの話ばかり。それって、小学生が学校の休み時間に好きなもの話をしているみたいな感じだなって、小林を演じていて思いました。そういえば、僕は初舞台でランボーの役を演じさせてもらったんですよ。その時にランボーの詩集を初めて読みました。だから、この映画で中也がランボーを読んで感動しているのを見て不思議な感覚になりました。あの舞台をやったことが、こんな形で活きてくるんだなって。

——不思議な縁ですね。岡田さんが根岸監督の作品に出演されるのは初めてでしたが、いかがでした?

岡田:根岸監督は撮影に入る前も入ってからもとても紳士的で、少年のようにまっすぐな眼差しで映画を撮っている姿が輝いて見えました。3人の主人公をとても愛でていることも伝わってきて、それにグッときたんです。小林秀雄は前髪を指でくるくる回す癖があるとか、そういう細かいことも教えてくださって、「このシーンだったら、それがやれるかもしれない」というのを自分で精査してやってみたりしました。そういうことが監督に伝わって僕のこと信頼してくださったのかもしれませんが、演技に関してはほぼ任せてくれましたね。そして、僕の方から監督に「このシーンでの動きは……」など、細かいことを尋ねるのはやめようと思ったんです。

——それはどうしてでしょう。

岡田:監督の視線が中也の視線だということが分かったからです。だから、僕が監督と密に話すより、監督の様子を離れたところから見ている方が小林っぽい気がしたんです。監督が中也に夢中だったので、木戸大聖という役者の底上げがとてつもなかった。監督は大聖に対して熱っぽく、時には厳しく接していて、撮影をしている間に大聖がどんどん中原中也になっていったんです。共演していて、木戸大聖なのか中原中也なのか分からない時が何度もありました。

映画への熱い想い

——この映画では大掛かりなセットも組まれていますが、そういった環境が演技に与えた影響も大きかったのではないでしょうか。

岡田:大きいですね。美術の完成度が高いと芝居がしやすくなるんです。役者は余計なことをしなくても、その場に立っているだけでシーンが成立するというか。今回の撮影では、映画だからこその素晴らしいセットに圧倒されました。この映画に参加したいと思ったのは、もっと映画の現場を体験したいという思いもあったんです。

——映画の現場は特別な何かがあるのでしょうか。

岡田:最近は映画もドラマも現場は変わらなくなってきたと言われますけど、まず時間のかけ方が違うんです。映画は時間をかけて撮影しているので、我々役者が役に向き合う時間も違ってくる。ワンショットワンショットの強度も違うと思います。だから、役者もすごく集中しなくてはいけなくて、そうした一つひとつの積み重ねが2時間前後の映画になっていく。それがすごく尊い作業に思えるんです。

——映画の現場だからこその緊張感があるんですね。

岡田:僕はいちばん最初の仕事が映画だったんです。しかも、フィルム撮影でした。こんな贅沢なことはないぞ、と当時、現場のスタッフさんから言われたんですけど、デビューしたばかりだったのでよく分かっていなかったんです。歳を重ねるにつれて、その大切さが分かるようになってきて。その時のスタッフさんと現場で会うこともあるんですけど、今ではほとんどデジタル撮影になっていて。フィルムはお金も時間もかかってしまうので。だから、自分はとても幸運なスタートを切れたんだなって思いますし、だからこそ映画という現場を大事にしたいと思っています。

——根岸監督が少年のような眼差しで映画を撮っていた、というお話でしたが、岡田さんにとっても映画の現場は初心に返る場所なんですね。

岡田:映画の撮影は時間がかかる分、体力も精神力も消耗しますし、日に日に自分が削られていくように感じますが、完成した作品を観た時に諦めずに撮ったカットが良かったりするとうれしいんです。また頑張ろうと思える。そういうことを経験しているから、どんなに撮影が大変でもワクワクするんです。撮影をしている時は35歳の身体ではなく、10代の身体になっているような気持ちがするんですよね(笑)。

PHOTOS:YUKI KAWASHIMA
STYLING:YUSUKE OISHI
HAIR & MAKEUP:REICO KOBAYASHI

ジャケット 5万5000円、カーディガン3万1900円、パンツ 2万9700円、シューズ 5万2800円/全てニードルズ(ネペンテス 03-3400-7227)、ネックレス 5万3350円/END(アルファPR 03-5413-3546)

映画「ゆきてかへらぬ」

■映画「ゆきてかへらぬ」
2月21日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

京都。まだ芽の出ない女優、長谷川泰子(広瀬すず)は、まだ学生だった中原中也(木戸大聖)と出逢った。20歳の泰子と17歳の中也。どこか虚勢を張るふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。東京。泰子と中也が引っ越した家を、小林秀雄(岡田将生)がふいに訪れる。中也の詩人としての才能を誰よりも知る男。そして、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。男たちの仲睦まじい様子を目の当たりにして、泰子は複雑な気持ちになる。しかし、泰子と出逢ってしまった小林もまた彼女の魅力に気づく。本物を求める評論家は新進女優にも本物を見出した。そうして、複雑でシンプルな関係がはじまる。ひとりの女が、ふたりの男に愛されること。それはアーティストたちの青春でもあった。

監督:根岸吉太郎
脚本:田中陽造
出演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生
田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑
配給:キノフィルムズ
©︎2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
https://www.yukitekaheranu.jp/

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「ギークス ルール」がアニメ「キルラキル」とのコラボTシャツを発売 初のシルクスクリーンポスターも ビジュアルにはあのを起用

「ギークス ルール(GEEKS RULE)」は、2013年にアニメーションスタジオ「TRIGGER」初のオリジナル作品「キルラキル」とのコラボレーションしたTシャツ3型(各1万2100円)と初となるシルクスクリーンポスター(100部限定)を発売する。

コラボアイテムは2月22日11時から「グレイト(GR8)」の店頭で販売を開始し、23日10時から「グレイト」のオンラインでも販売する。また、24日 12時~26日12時まで「ギークス ルール」で抽選販売を行う。

今回のコラボは以前から「ギークス ルール」と親交のあったBUMP OF CHICKENのベーシストである直井由文の呼びかけの元、TRIGGER、「グレイト」、「ギークス ルール」が集結し実現した。さらに本コレクションのキービジュアルには、直井とかねてより親交のあるあのをモデルに起用した。

Tシャツ

Tシャツは「キルラキル」の最もアイコニックなティーザーポスタービジュアル、雑誌用に描き起こされた神衣鮮血を纏った纏流子(まとい・りゅうこ)のインパクトあるビジュアル、雑誌「月刊ニュータイプ」の表紙イラストをそれそれ特別に採用。また、この3作品の絵は全て本作のキャラクターデザインを担った、すしおによるイラストになる。また、日本国内での商品には通常使用されない海外版のロゴを2型には使用するなど、スペシャルなコレクションとなっている。プリントは全て高度な分版処理によるシルクスクリーン15版を使用。緻密ながらインパクトあるタッチのイラストを、ブラックボディに再現した。

Tシャツ vol.01

Tシャツ vol.02

Tシャツ vol.03(「ギークス ルール」オンライン限定販売)

シルクスクリーンポスター

「ギークス ルール」では初となるシルクスクリーンポスターも100部限定で展開。横尾忠則や田名網敬一など数々のアーティストの作品を手掛けてきたシ「360°GRAPHICS」に制作を依頼し、今作は本工房が特許を持つネオ・シルクスクリーンという手法でプリントしている。価格は3万3000円。

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「ギークス ルール」がアニメ「キルラキル」とのコラボTシャツを発売 初のシルクスクリーンポスターも ビジュアルにはあのを起用

「ギークス ルール(GEEKS RULE)」は、2013年にアニメーションスタジオ「TRIGGER」初のオリジナル作品「キルラキル」とのコラボレーションしたTシャツ3型(各1万2100円)と初となるシルクスクリーンポスター(100部限定)を発売する。

コラボアイテムは2月22日11時から「グレイト(GR8)」の店頭で販売を開始し、23日10時から「グレイト」のオンラインでも販売する。また、24日 12時~26日12時まで「ギークス ルール」で抽選販売を行う。

今回のコラボは以前から「ギークス ルール」と親交のあったBUMP OF CHICKENのベーシストである直井由文の呼びかけの元、TRIGGER、「グレイト」、「ギークス ルール」が集結し実現した。さらに本コレクションのキービジュアルには、直井とかねてより親交のあるあのをモデルに起用した。

Tシャツ

Tシャツは「キルラキル」の最もアイコニックなティーザーポスタービジュアル、雑誌用に描き起こされた神衣鮮血を纏った纏流子(まとい・りゅうこ)のインパクトあるビジュアル、雑誌「月刊ニュータイプ」の表紙イラストをそれそれ特別に採用。また、この3作品の絵は全て本作のキャラクターデザインを担った、すしおによるイラストになる。また、日本国内での商品には通常使用されない海外版のロゴを2型には使用するなど、スペシャルなコレクションとなっている。プリントは全て高度な分版処理によるシルクスクリーン15版を使用。緻密ながらインパクトあるタッチのイラストを、ブラックボディに再現した。

Tシャツ vol.01

Tシャツ vol.02

Tシャツ vol.03(「ギークス ルール」オンライン限定販売)

シルクスクリーンポスター

「ギークス ルール」では初となるシルクスクリーンポスターも100部限定で展開。横尾忠則や田名網敬一など数々のアーティストの作品を手掛けてきたシ「360°GRAPHICS」に制作を依頼し、今作は本工房が特許を持つネオ・シルクスクリーンという手法でプリントしている。価格は3万3000円。

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BUMP OF CHICKEN・直井由文、「TRIGGER」、「GR8」、「GEEKS RULE」の豪華コラボによるアニメ「キルラキル」Tシャツ制作の裏側を語る

「ギークス ルール(GEEKS RULE)」の最新作として、アニメーション作品「キルラキル」とのTシャツ(3型)とシルクスクリーンポスター(100部限定)が、2月22日から「グレイト(GR8)」で、24日から「ギークス ルール」で販売される。

「キルラキル」は2013年にアニメーションスタジオ「TRIGGER(トリガー)」初のオリジナルTVアニメ作品として制作されたもので、今回放送時から大ファンで、いつかTシャツを作りたかったというBUMP OF CHICKENのベーシスト・直井由文の呼びかけにより、「TRIGGER」「グレイト」「ギークス ルール」がコラボレーションして、企画が実現した。

また、キービジュアルに直井と以前から親交があったというあのを起用し、「キルラキル」の主人公、纏流子(まとい・りゅうこ)の世界観を表現した。

本プロジェクトについて、発起人となったBUMP OF CHICKENの直井由文と、「TRIGGER」の若林広海(クリエイティブプロデューサー)、「グレイト」の高橋善将(スペシャルプロジェクトマネージャー)、「ギークス ルール」の畠中一樹の4人に話を聞いた。

「TRIGGER」「ギークス ルール」「グレイト」とのコラボの裏側

WWD:今回、チャマ(直井)さんが「キルラキル」のTシャツを作ろうと思った経緯から教えてもらえますか。

直井由文(以下、直井):知らない人からしたら、「何でこの組み合わせなの」っていうのがあると思うので、詳しく話しますね。

もともと僕は子どもの頃からアニメ全般が好きだったんですが、中でも「TRIGGER」が制作した「キルラキル」というアニメがすごい好きで、いつかはこの作品のTシャツを作りたいなとずっと思っていたんです。それで「作りたい」って友達に言っていたら、その内の1人から連絡が来て、「キルラキル」でキャラクターデザインを担当したアニメーターのすしおさんを紹介してくれて。実際にすしおさんとお会いした時に、「キルラキル」の話をしたら、「TRIGGER」の若林さんの連絡先を教えてくれて、すぐに連絡をしました。

WWD:それはどれぐらい前だったんですか?

若林広海(以下、若林):確か映画の「プロメア」を作っている時だから2018年ごろだったと思います。

直井:若林さんと最初に会った時に「キルラキル」のTシャツを作らせてほしいと伝えたら、すぐ「いいんじゃないですか」って返事をくれて。そこから「こんな絵柄を使って、できればビンテージみたいなかっこいいTシャツを作りたい」とずっと考えていました。自分もインディーズ時代からBUMP OF CHICKENのグッズ制作を担当していたので、物を作ることは好きだったんですけど、「キルラキル」のTシャツに関しては、満足のいくクオリティーのものは自分だけでは作れないなと思っていて。

そこで「グレイト」の高橋くんの登場で、彼とはかなり付き合いが長くて。最初に会ったのって、10年以上前だよね?

高橋善将(以下、高橋):多分2014年くらいでしたよね。

直井:だから10年以上の付き合いなんですが、その高橋くんが去年の4月に渋谷パルコでやっていた「ギークス ルール」の展示に連れて行ってくれて、(「ギークス ルール」の)畠中さんを紹介してくれたんです。そこからこのプロジェクトが本格的に始まって、今回ようやく念願のTシャツが完成した。

畠中一樹(以下、畠中):「ギークス ルール」は、これまでは1990年代〜2000年代初頭のアニメ作品がメインなので、「キルラキル」はそれらと比べると比較的新しめの作品なんです。だから、なんで今回「ギークス ルール」が「キルラキル」のTシャツを作るのかっていうと、それはチャマさんからのオファーがあったからなんです。

直井:そこは、僕としてもしっかりと伝えておきたいですね。その上で、デザインにもちゃんと「ギークス ルール」のルールを入れていて、ファーストビジュアルを選ぶとか、ファッションとしても楽しめるとかは、しっかりと考えて作りました。

WWD:もともとは5年前からずっと考えていた企画だったんですね。

直井:そうです。ただ自分が「キルラキル」を好きで、このTシャツが欲しかったからっていうだけで、今回3人に協力してもらって、ようやく実現できて、めちゃくちゃ嬉しいですね。だから仕事というよりも趣味に近くて、感覚としては“公式同人誌”を作るみたいなノリでやっているプロジェクトです。

WWD:若林さんは最初にチャマさんから話があって、すぐOKだったんですね。

若林:「キルラキル」は2013年に放送されたアニメなんですが、今このタイミングで、チャマさんがプロデュースしたTシャツを出すのって、意味分からないじゃないですか(笑)。でも、そこが逆に面白いなと思って。チャマさんくらい「キルラキル」愛が強い方が作ったTシャツなら、作品のファンの方々にも受け入れてもらえると思いました。

直井:自分が10代のころは、アニメTシャツを着ていたらすごくバカにされたんですよ。今はそれがビンテージで人気になったりもしていますが、それに大きく貢献してきたのが「グレイト」と「ギークス ルール」だと思っていて。高橋くんとはずっと一緒に何かやりたいねって話していて、それが10年越しくらいでかなう。「キルラキル」は洋服をテーマにしたアニメなんですけど、そのTシャツを今回このスタッフで作れたのは、自分的にはめちゃくちゃ感慨深いんですよね。

3パターンの絵柄について

WWD:チャマさんと「ギークス ルール」の畠中さんが去年の4月に出会って、すぐ制作に入ったんですか?

畠中:そうですね。渋谷パルコの会場でお会いして、すぐ今回のプロジェクトに関わる全員が集まる場をセッティングしてもらって、そこから動き出しました。

直井:みんな集合だって言って(笑)。僕は全員と面識がありましたけど、若林さんは畠中さんや高橋くんとは初対面だったりするので、最初はそれぞれを紹介してっていう感じで。

WWD:今回、3パターンの絵柄が発売されますが、どう決めたんですか?

若林:最初の会議に僕が「キルラキル」のイラストの全データが入っているハードディスクを持っていって、そのイラストを見ながら「どれを使いたいですか?」って聞いて、みんなで話し合いましたね。

直井:メイン(vol.1)となっているのは、「キルラキル」のファーストビジュアルのポスターのイラストなんですけど、これは絶対に作りたいって思っていたので、まずはこれを決めて。あとはみんなでいろんなイラストを見ながら、「これもいいよね」って言いながら楽しんで決めていきました。

直井:でも、この2つ目(vol.2)は確かここの4人が選んでないイラストだよね?

畠中:そうですね。これは雑誌用に描き下ろされたビジュアルなんですが、うちのデザイナーが、「これかっこいいんじゃないか」って選んで作ってきたデザインです。それで皆さんに見せたら、気に入っていただけて。

直井:今回、このTシャツだけバックプリントがあって、唯一日本語で「キルラキル」って書かれているんです。他のTシャツは「KILL la KILL」が英語になっているんですけど、それは海外で配信された時に使っていた英語ロゴで。この英語ロゴのTシャツは日本では見たことがなかったので、これを使いたいって若林さんに話して。でも、このロゴを使うのもまた別の許可が必要で大変だったんだよね。

若林:この英語ロゴは基本的には海外商品用に使用していたもので、国内の商品では日本語ロゴを使うルールになっていました。なので、ライツ担当の方へチャマさんのデザイン意図をお伝えして今回特別に許可を出してもらいました。

直井:英語ロゴを使いたかった理由の一つとして、「キルラキル」を知らない人にも「キルラキル」のTシャツを届けたいという想いがあって、だからファッション好きが着たいと思えるデザインにしたかった。日本語ロゴよりかは着やすいかなと思って。あと日本人の「キルラキル」ファンからすると、この英語ロゴのTシャツがようやく手に入るっていうのがめちゃくちゃ熱い。

若林:3つ目(vol.3)は「月刊ニュータイプ」というアニメ雑誌の表紙に使われたイラストですね。

畠中:確かすしおさんが大好きだった「アキラ(AKIRA)」をオマージュして描いたイラストなんですよね。あのよく見る金田のビジュアルをリスペクトを込めて描いたイラストで、そういう部分も含めていいなと思って。

WWD:なるほど。最初、そのハードディスクにはどれくらい絵柄があったんですか?

若林:多分世に出ている「キルラキル」の公式版権イラストは全て入っていたので、選びたい放題ではありました。でも、特に説明したわけではないですが、結果的に全部すしおさんが描いたイラストになったのが個人的に面白かったですね(笑)。他のアニメーターが描いたイラストもたくさんあったんですけど、やっぱりすしおさんのイラストを選ぶんだなって。

直井:やっぱり自然とすしおさんのイラストを選んでいましたね。

WWD:最近は、アニメのビンテージTシャツってかなり高騰していると思うんですが、「キルラキル」は特にそういうビンテージ市場でも人気なんですか?

直井:どうだろう。「キルラキル」はもともと公式のアパレル商品が少ないんですよね。ブート系も少ないですし。だからそういったビンテージとしての市場価値っていうところは一切考えてないです。最近は原作を知らなくても、アニメTシャツを着る若い人もいるじゃないですか。Tシャツを通して、もしかしたらアニメを見てくれるんじゃないかっていう想いもあるので、別に「キルラキル」を知らない人でも「かっこいい」と思って、着てほしいんです。

「ギークス ルール」初のシルクスクリーンポスター

WWD:今回シルクスクリーンのポスターも100部限定で販売します。「ギークス ルール」では初のシルクスクリーンポスターですよね。

直井:これも僕が作りたいって言ったんです。昔のアニメって意外とポスターがなくて。今回こんな素晴らしいスタッフと一緒に公式でやらせてもらえているので、絶対にポスターも残したいなと思って。

それで「モノクロのドット絵でシルクスクリーンのポスターを作りたい」って言ったら、全部畠中さんが用意してくれて。実物見たんですけど、めちゃくちゃかっこいいんで、ぜひ、「グレイト」で実際のポスターを見てほしいです。

畠中:これは、横尾(忠則)さんや田名網(敬一)さんなどの作品を手掛けてきた版画工房「360°GRAPHICS」で作ってもらったんですが、そこが独自に開発した技法のネオ・シルクスクリーンというシルクスクリーン印刷とジークレー印刷を組み合わせた手法でプリントしています。全部にシリアルナンバーが入っていて、サイズは部屋に飾りやすいB3(横364mm×縦515mm)ですね。

WWD:Tシャツやポスターのデザインが固まったのって大体いつごろでしたか?

畠中:去年の6月にはデザインが固まって。そこからイラストの許可取りやプリントの色の調整とかで時間がかかって。

直井:そんな前だっけ。すごくかかったよね。本当はもっと早く出す予定だったんです。

若林:ちょうど去年の7月から今年の2月17日まで「天元突破グレンラガン対キルラキル展」っていう原画展を、全国を回りながらやっていたんで、そのタイミングに出るといいよねみたいな話でしたよね。

直井:全然間に合わなかった(笑)。でも、それでも若林さんがチームにいてくれたから、実際にサンプルを見ながら「ここは少し違うんじゃないですか」とか話せたのは、本当に良かった。伝言ゲームにはならないし、そこの時間的ロスはなかったので。

畠中:色に関しては、本当に細かいところまでこだわっていて、制服の赤いリボンや「鮮血」の目の色とか、多分遠目で見たら分からないぐらいのところなんですけど、そこを微調整していって。やっぱり作品の根幹に関わるところなんで。

直井:みんなアニメーターさんのことをめっちゃリスペクトしているんで。当たり前の話ですけど、ここまでの絵を描くには、努力プラス才能、あと情熱が必要だと思うので。だから、僕らもそこは妥協できなかったし、自分にとってはこのTシャツ自体、値段がつけられないほど価値があって、アートだと思っています。

キービジュアルには、あのがモデルとして登場

WWD:キービジュアルにはモデルとしてあのさんが出ていますが、起用の理由は?

直井:今回は、すっごい真剣にふざけたくて。だから本当に仲がいい人だけでやりたいっていうのが大前提としてあって、昔から交友があるあのちゃんにお願いしました。そしたら、すぐOKの連絡がきて。あのちゃんからしたら、俺がなんで「キルラキル」のTシャツを作ってるのか意味が分かんなかったと思うけど、本当に忙しい中、1時間だけ撮影の時間をもらえて。あのちゃんは「キルラキル」を知らなかったと思うんですけど、メイクも主人公の纏流子に寄せてくれて、完璧でした。撮影もフォトグラファーはBUMP OF CHICKENでもお世話になっている太田好治(よしはる)さん、スタイリストも普段からBUMP OF CHICKENのスタイリングをやってくれている髙田勇人(はやと)さんにお願いして。みんなで楽しく撮影しました。

「キルラキル」の魅力

WWD:話を聞いているとチャマさんの「キルラキル」愛がすごく伝わってきますが、「キルラキル」のどこにハマったんですか。

直井:纏流子っていうキャラクターがめちゃくちゃ魅力的なのも大きいんですが、内容も「キルラキル」は当時リアルタイムで見ていて、「これをテレビで放送するんだ」っていう衝撃があって。テレビアニメって制作時間も短いだろうし、制限も多い中で、毎回驚きの連続で。なんだろう、大ふざけを真剣にやっている感じなんですが、それでいて、監督を今石(洋之)さん、シリーズ構成・脚本を中島(かずき)さん、キャラクターデザインをすしおさんが担当していて、アニメとしてのクオリティーがめちゃくちゃ高い。ストーリーもふざけた部分もありつつ、最終的に哲学なんです。「服を着るってどういうことなんだろう」っていう。だから今回は「グレイト」での販売は絶対にやりたかったんです。

WWD:販売方法としては、2月22日11時から「グレイト」の店頭で販売して、23日10時から「グレイト」のオンラインで販売、24日12時から「ギークス ルール」のオンラインで抽選販売を行うと?

直井:そうですね。ただ、この“Vol.3”のデザインのTシャツだけは「ギークス ルール」のオンライン限定で販売します。

若林:「キルラキル」は特に北米のファンが多いタイトルなので、海外のファンの方々にはオンラインで手に入れてほしいですね。

畠中:そういや何で北米でも人気があるんですかね?

若林:すごくマニアックな話になっちゃうんですけど、「TRIGGER」が立ち上がったのがちょうどアメリカで日本のアニメが本当に盛り上がり始めたタイミングだったんです。僕らが「GAINAX(ガイナックス)」を出て「TRIGGER」を作って、これから海外でもアニメを盛り上げるぞっていうタイミングで世に出したのがこの「キルラキル」でした。もともと同じ監督と脚本家のチームで制作した「天元突破グレンラガン」という作品が北米ですごく人気あって。それと同じチームが新しいスタジオで新しいアニメを作るっていうので、海外でも注目を浴びていました。今って基本的にアニメ制作はデジタルでの作業がメインなんですけど「キルラキル」はアニメーション作画も背景美術も手描きにこだわっていたんです。キャラクターやストーリーは昭和の少年漫画のカルチャーが入っていたりしてレトロな雰囲気がありつつ、映像自体は当時の最新技術でカッコいいアニメーションが見れる。だから、当時海外のアニメファンからは「これまで見たことないジャンルのアニメだ!」とよく言われてましたね。

「ギークス ルール」は“技術オタク”

WWD:「グレイト」で、アニメTを売る時のお客さんの反応はどんな感じなんですか。

高橋:「ギークス ルール」と一緒に仕事させていただくことで、普段うちで取り扱っているブランドを着ながら、アニメTも着るっていう感じで、ファッションとしてアニメTを着る人が増えましたね。「ギークス ルール」とは最初の「新世紀エヴァンゲリオン」の時から一緒に取り組みをさせてもらっていますが、やる度に反響があって、すごい人気です。

直井:本当にアニメTシャツって、イラストの破壊力がすごくて、それをかっこよく仕上げるって難しいんだよね。でも、それをやっているのが「ギークス ルール」で。「ギークス ルール」は90年代とかの海外のブートの雰囲気を、日本の技術で忠実に表現している。しかも15版も重ねていて、普通汗かいたらベタってなっちゃうんですけど、「ギークス ルール」は重くなくてベタってしないんですよ。それでいて、絶妙な色もしっかりと表現していて、人気の秘訣は技術力なんだと思う。

畠中:本当にチャマさんの言う通りで。「ギークス ルール」の「ギークス」ってみんな「アニメオタク」の意味だと思っているんですけど、実は「技術オタク」の意味でつけたんです。かなり技術にこだわっているので、そこに注目してもらえたのはめちゃくちゃありがたいです。

直井:いつも「ギークス ルール」のTシャツを見て、これはどうやって作ってるんだろう、とずっと思っていて。自分たちでもやろうとしたけど、元のグラフィックのデータを作る時点で印刷のことまで考えて作らないと同じようにはできなくて。それをするにはいろんなことを考慮しながらやらないといけなくて、簡単にはできない。だから実はめちゃくちゃすごいことをやっているんです。本当に今回のプロジェクトに関わっているのは全員、それぞれの業種のオタクなんですよ。まだ「ギークス ルール」のアイテムを見たことない人は、ぜひ「グレイト」の店頭でその技術力を見てみてほしい。

WWD:最後に、今後もこのプロジェクトは継続的にやっていくんですか?

直井:確約はできないんですけど、やりたいことはいろいろあるんで、楽しみにしておいてくださいって感じです。

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BUMP OF CHICKEN・直井由文、「TRIGGER」、「GR8」、「GEEKS RULE」の豪華コラボによるアニメ「キルラキル」Tシャツ制作の裏側を語る

「ギークス ルール(GEEKS RULE)」の最新作として、アニメーション作品「キルラキル」とのTシャツ(3型)とシルクスクリーンポスター(100部限定)が、2月22日から「グレイト(GR8)」で、24日から「ギークス ルール」で販売される。

「キルラキル」は2013年にアニメーションスタジオ「TRIGGER(トリガー)」初のオリジナルTVアニメ作品として制作されたもので、今回放送時から大ファンで、いつかTシャツを作りたかったというBUMP OF CHICKENのベーシスト・直井由文の呼びかけにより、「TRIGGER」「グレイト」「ギークス ルール」がコラボレーションして、企画が実現した。

また、キービジュアルに直井と以前から親交があったというあのを起用し、「キルラキル」の主人公、纏流子(まとい・りゅうこ)の世界観を表現した。

本プロジェクトについて、発起人となったBUMP OF CHICKENの直井由文と、「TRIGGER」の若林広海(クリエイティブプロデューサー)、「グレイト」の高橋善将(スペシャルプロジェクトマネージャー)、「ギークス ルール」の畠中一樹の4人に話を聞いた。

「TRIGGER」「ギークス ルール」「グレイト」とのコラボの裏側

WWD:今回、チャマ(直井)さんが「キルラキル」のTシャツを作ろうと思った経緯から教えてもらえますか。

直井由文(以下、直井):知らない人からしたら、「何でこの組み合わせなの」っていうのがあると思うので、詳しく話しますね。

もともと僕は子どもの頃からアニメ全般が好きだったんですが、中でも「TRIGGER」が制作した「キルラキル」というアニメがすごい好きで、いつかはこの作品のTシャツを作りたいなとずっと思っていたんです。それで「作りたい」って友達に言っていたら、その内の1人から連絡が来て、「キルラキル」でキャラクターデザインを担当したアニメーターのすしおさんを紹介してくれて。実際にすしおさんとお会いした時に、「キルラキル」の話をしたら、「TRIGGER」の若林さんの連絡先を教えてくれて、すぐに連絡をしました。

WWD:それはどれぐらい前だったんですか?

若林広海(以下、若林):確か映画の「プロメア」を作っている時だから2018年ごろだったと思います。

直井:若林さんと最初に会った時に「キルラキル」のTシャツを作らせてほしいと伝えたら、すぐ「いいんじゃないですか」って返事をくれて。そこから「こんな絵柄を使って、できればビンテージみたいなかっこいいTシャツを作りたい」とずっと考えていました。自分もインディーズ時代からBUMP OF CHICKENのグッズ制作を担当していたので、物を作ることは好きだったんですけど、「キルラキル」のTシャツに関しては、満足のいくクオリティーのものは自分だけでは作れないなと思っていて。

そこで「グレイト」の高橋くんの登場で、彼とはかなり付き合いが長くて。最初に会ったのって、10年以上前だよね?

高橋善将(以下、高橋):多分2014年くらいでしたよね。

直井:だから10年以上の付き合いなんですが、その高橋くんが去年の4月に渋谷パルコでやっていた「ギークス ルール」の展示に連れて行ってくれて、(「ギークス ルール」の)畠中さんを紹介してくれたんです。そこからこのプロジェクトが本格的に始まって、今回ようやく念願のTシャツが完成した。

畠中一樹(以下、畠中):「ギークス ルール」は、これまでは1990年代〜2000年代初頭のアニメ作品がメインなので、「キルラキル」はそれらと比べると比較的新しめの作品なんです。だから、なんで今回「ギークス ルール」が「キルラキル」のTシャツを作るのかっていうと、それはチャマさんからのオファーがあったからなんです。

直井:そこは、僕としてもしっかりと伝えておきたいですね。その上で、デザインにもちゃんと「ギークス ルール」のルールを入れていて、ファーストビジュアルを選ぶとか、ファッションとしても楽しめるとかは、しっかりと考えて作りました。

WWD:もともとは5年前からずっと考えていた企画だったんですね。

直井:そうです。ただ自分が「キルラキル」を好きで、このTシャツが欲しかったからっていうだけで、今回3人に協力してもらって、ようやく実現できて、めちゃくちゃ嬉しいですね。だから仕事というよりも趣味に近くて、感覚としては“公式同人誌”を作るみたいなノリでやっているプロジェクトです。

WWD:若林さんは最初にチャマさんから話があって、すぐOKだったんですね。

若林:「キルラキル」は2013年に放送されたアニメなんですが、今このタイミングで、チャマさんがプロデュースしたTシャツを出すのって、意味分からないじゃないですか(笑)。でも、そこが逆に面白いなと思って。チャマさんくらい「キルラキル」愛が強い方が作ったTシャツなら、作品のファンの方々にも受け入れてもらえると思いました。

直井:自分が10代のころは、アニメTシャツを着ていたらすごくバカにされたんですよ。今はそれがビンテージで人気になったりもしていますが、それに大きく貢献してきたのが「グレイト」と「ギークス ルール」だと思っていて。高橋くんとはずっと一緒に何かやりたいねって話していて、それが10年越しくらいでかなう。「キルラキル」は洋服をテーマにしたアニメなんですけど、そのTシャツを今回このスタッフで作れたのは、自分的にはめちゃくちゃ感慨深いんですよね。

3パターンの絵柄について

WWD:チャマさんと「ギークス ルール」の畠中さんが去年の4月に出会って、すぐ制作に入ったんですか?

畠中:そうですね。渋谷パルコの会場でお会いして、すぐ今回のプロジェクトに関わる全員が集まる場をセッティングしてもらって、そこから動き出しました。

直井:みんな集合だって言って(笑)。僕は全員と面識がありましたけど、若林さんは畠中さんや高橋くんとは初対面だったりするので、最初はそれぞれを紹介してっていう感じで。

WWD:今回、3パターンの絵柄が発売されますが、どう決めたんですか?

若林:最初の会議に僕が「キルラキル」のイラストの全データが入っているハードディスクを持っていって、そのイラストを見ながら「どれを使いたいですか?」って聞いて、みんなで話し合いましたね。

直井:メイン(vol.1)となっているのは、「キルラキル」のファーストビジュアルのポスターのイラストなんですけど、これは絶対に作りたいって思っていたので、まずはこれを決めて。あとはみんなでいろんなイラストを見ながら、「これもいいよね」って言いながら楽しんで決めていきました。

直井:でも、この2つ目(vol.2)は確かここの4人が選んでないイラストだよね?

畠中:そうですね。これは雑誌用に描き下ろされたビジュアルなんですが、うちのデザイナーが、「これかっこいいんじゃないか」って選んで作ってきたデザインです。それで皆さんに見せたら、気に入っていただけて。

直井:今回、このTシャツだけバックプリントがあって、唯一日本語で「キルラキル」って書かれているんです。他のTシャツは「KILL la KILL」が英語になっているんですけど、それは海外で配信された時に使っていた英語ロゴで。この英語ロゴのTシャツは日本では見たことがなかったので、これを使いたいって若林さんに話して。でも、このロゴを使うのもまた別の許可が必要で大変だったんだよね。

若林:この英語ロゴは基本的には海外商品用に使用していたもので、国内の商品では日本語ロゴを使うルールになっていました。なので、ライツ担当の方へチャマさんのデザイン意図をお伝えして今回特別に許可を出してもらいました。

直井:英語ロゴを使いたかった理由の一つとして、「キルラキル」を知らない人にも「キルラキル」のTシャツを届けたいという想いがあって、だからファッション好きが着たいと思えるデザインにしたかった。日本語ロゴよりかは着やすいかなと思って。あと日本人の「キルラキル」ファンからすると、この英語ロゴのTシャツがようやく手に入るっていうのがめちゃくちゃ熱い。

若林:3つ目(vol.3)は「月刊ニュータイプ」というアニメ雑誌の表紙に使われたイラストですね。

畠中:確かすしおさんが大好きだった「アキラ(AKIRA)」をオマージュして描いたイラストなんですよね。あのよく見る金田のビジュアルをリスペクトを込めて描いたイラストで、そういう部分も含めていいなと思って。

WWD:なるほど。最初、そのハードディスクにはどれくらい絵柄があったんですか?

若林:多分世に出ている「キルラキル」の公式版権イラストは全て入っていたので、選びたい放題ではありました。でも、特に説明したわけではないですが、結果的に全部すしおさんが描いたイラストになったのが個人的に面白かったですね(笑)。他のアニメーターが描いたイラストもたくさんあったんですけど、やっぱりすしおさんのイラストを選ぶんだなって。

直井:やっぱり自然とすしおさんのイラストを選んでいましたね。

WWD:最近は、アニメのビンテージTシャツってかなり高騰していると思うんですが、「キルラキル」は特にそういうビンテージ市場でも人気なんですか?

直井:どうだろう。「キルラキル」はもともと公式のアパレル商品が少ないんですよね。ブート系も少ないですし。だからそういったビンテージとしての市場価値っていうところは一切考えてないです。最近は原作を知らなくても、アニメTシャツを着る若い人もいるじゃないですか。Tシャツを通して、もしかしたらアニメを見てくれるんじゃないかっていう想いもあるので、別に「キルラキル」を知らない人でも「かっこいい」と思って、着てほしいんです。

「ギークス ルール」初のシルクスクリーンポスター

WWD:今回シルクスクリーンのポスターも100部限定で販売します。「ギークス ルール」では初のシルクスクリーンポスターですよね。

直井:これも僕が作りたいって言ったんです。昔のアニメって意外とポスターがなくて。今回こんな素晴らしいスタッフと一緒に公式でやらせてもらえているので、絶対にポスターも残したいなと思って。

それで「モノクロのドット絵でシルクスクリーンのポスターを作りたい」って言ったら、全部畠中さんが用意してくれて。実物見たんですけど、めちゃくちゃかっこいいんで、ぜひ、「グレイト」で実際のポスターを見てほしいです。

畠中:これは、横尾(忠則)さんや田名網(敬一)さんなどの作品を手掛けてきた版画工房「360°GRAPHICS」で作ってもらったんですが、そこが独自に開発した技法のネオ・シルクスクリーンというシルクスクリーン印刷とジークレー印刷を組み合わせた手法でプリントしています。全部にシリアルナンバーが入っていて、サイズは部屋に飾りやすいB3(横364mm×縦515mm)ですね。

WWD:Tシャツやポスターのデザインが固まったのって大体いつごろでしたか?

畠中:去年の6月にはデザインが固まって。そこからイラストの許可取りやプリントの色の調整とかで時間がかかって。

直井:そんな前だっけ。すごくかかったよね。本当はもっと早く出す予定だったんです。

若林:ちょうど去年の7月から今年の2月17日まで「天元突破グレンラガン対キルラキル展」っていう原画展を、全国を回りながらやっていたんで、そのタイミングに出るといいよねみたいな話でしたよね。

直井:全然間に合わなかった(笑)。でも、それでも若林さんがチームにいてくれたから、実際にサンプルを見ながら「ここは少し違うんじゃないですか」とか話せたのは、本当に良かった。伝言ゲームにはならないし、そこの時間的ロスはなかったので。

畠中:色に関しては、本当に細かいところまでこだわっていて、制服の赤いリボンや「鮮血」の目の色とか、多分遠目で見たら分からないぐらいのところなんですけど、そこを微調整していって。やっぱり作品の根幹に関わるところなんで。

直井:みんなアニメーターさんのことをめっちゃリスペクトしているんで。当たり前の話ですけど、ここまでの絵を描くには、努力プラス才能、あと情熱が必要だと思うので。だから、僕らもそこは妥協できなかったし、自分にとってはこのTシャツ自体、値段がつけられないほど価値があって、アートだと思っています。

キービジュアルには、あのがモデルとして登場

WWD:キービジュアルにはモデルとしてあのさんが出ていますが、起用の理由は?

直井:今回は、すっごい真剣にふざけたくて。だから本当に仲がいい人だけでやりたいっていうのが大前提としてあって、昔から交友があるあのちゃんにお願いしました。そしたら、すぐOKの連絡がきて。あのちゃんからしたら、俺がなんで「キルラキル」のTシャツを作ってるのか意味が分かんなかったと思うけど、本当に忙しい中、1時間だけ撮影の時間をもらえて。あのちゃんは「キルラキル」を知らなかったと思うんですけど、メイクも主人公の纏流子に寄せてくれて、完璧でした。撮影もフォトグラファーはBUMP OF CHICKENでもお世話になっている太田好治(よしはる)さん、スタイリストも普段からBUMP OF CHICKENのスタイリングをやってくれている髙田勇人(はやと)さんにお願いして。みんなで楽しく撮影しました。

「キルラキル」の魅力

WWD:話を聞いているとチャマさんの「キルラキル」愛がすごく伝わってきますが、「キルラキル」のどこにハマったんですか。

直井:纏流子っていうキャラクターがめちゃくちゃ魅力的なのも大きいんですが、内容も「キルラキル」は当時リアルタイムで見ていて、「これをテレビで放送するんだ」っていう衝撃があって。テレビアニメって制作時間も短いだろうし、制限も多い中で、毎回驚きの連続で。なんだろう、大ふざけを真剣にやっている感じなんですが、それでいて、監督を今石(洋之)さん、シリーズ構成・脚本を中島(かずき)さん、キャラクターデザインをすしおさんが担当していて、アニメとしてのクオリティーがめちゃくちゃ高い。ストーリーもふざけた部分もありつつ、最終的に哲学なんです。「服を着るってどういうことなんだろう」っていう。だから今回は「グレイト」での販売は絶対にやりたかったんです。

WWD:販売方法としては、2月22日11時から「グレイト」の店頭で販売して、23日10時から「グレイト」のオンラインで販売、24日12時から「ギークス ルール」のオンラインで抽選販売を行うと?

直井:そうですね。ただ、この“Vol.3”のデザインのTシャツだけは「ギークス ルール」のオンライン限定で販売します。

若林:「キルラキル」は特に北米のファンが多いタイトルなので、海外のファンの方々にはオンラインで手に入れてほしいですね。

畠中:そういや何で北米でも人気があるんですかね?

若林:すごくマニアックな話になっちゃうんですけど、「TRIGGER」が立ち上がったのがちょうどアメリカで日本のアニメが本当に盛り上がり始めたタイミングだったんです。僕らが「GAINAX(ガイナックス)」を出て「TRIGGER」を作って、これから海外でもアニメを盛り上げるぞっていうタイミングで世に出したのがこの「キルラキル」でした。もともと同じ監督と脚本家のチームで制作した「天元突破グレンラガン」という作品が北米ですごく人気あって。それと同じチームが新しいスタジオで新しいアニメを作るっていうので、海外でも注目を浴びていました。今って基本的にアニメ制作はデジタルでの作業がメインなんですけど「キルラキル」はアニメーション作画も背景美術も手描きにこだわっていたんです。キャラクターやストーリーは昭和の少年漫画のカルチャーが入っていたりしてレトロな雰囲気がありつつ、映像自体は当時の最新技術でカッコいいアニメーションが見れる。だから、当時海外のアニメファンからは「これまで見たことないジャンルのアニメだ!」とよく言われてましたね。

「ギークス ルール」は“技術オタク”

WWD:「グレイト」で、アニメTを売る時のお客さんの反応はどんな感じなんですか。

高橋:「ギークス ルール」と一緒に仕事させていただくことで、普段うちで取り扱っているブランドを着ながら、アニメTも着るっていう感じで、ファッションとしてアニメTを着る人が増えましたね。「ギークス ルール」とは最初の「新世紀エヴァンゲリオン」の時から一緒に取り組みをさせてもらっていますが、やる度に反響があって、すごい人気です。

直井:本当にアニメTシャツって、イラストの破壊力がすごくて、それをかっこよく仕上げるって難しいんだよね。でも、それをやっているのが「ギークス ルール」で。「ギークス ルール」は90年代とかの海外のブートの雰囲気を、日本の技術で忠実に表現している。しかも15版も重ねていて、普通汗かいたらベタってなっちゃうんですけど、「ギークス ルール」は重くなくてベタってしないんですよ。それでいて、絶妙な色もしっかりと表現していて、人気の秘訣は技術力なんだと思う。

畠中:本当にチャマさんの言う通りで。「ギークス ルール」の「ギークス」ってみんな「アニメオタク」の意味だと思っているんですけど、実は「技術オタク」の意味でつけたんです。かなり技術にこだわっているので、そこに注目してもらえたのはめちゃくちゃありがたいです。

直井:いつも「ギークス ルール」のTシャツを見て、これはどうやって作ってるんだろう、とずっと思っていて。自分たちでもやろうとしたけど、元のグラフィックのデータを作る時点で印刷のことまで考えて作らないと同じようにはできなくて。それをするにはいろんなことを考慮しながらやらないといけなくて、簡単にはできない。だから実はめちゃくちゃすごいことをやっているんです。本当に今回のプロジェクトに関わっているのは全員、それぞれの業種のオタクなんですよ。まだ「ギークス ルール」のアイテムを見たことない人は、ぜひ「グレイト」の店頭でその技術力を見てみてほしい。

WWD:最後に、今後もこのプロジェクトは継続的にやっていくんですか?

直井:確約はできないんですけど、やりたいことはいろいろあるんで、楽しみにしておいてくださいって感じです。

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「ディーゼル」が「ファッションタスクフォース」に参加 産業のサステナビリティを支援

「ディーゼル(DIESEL)」はこのほど、英国王チャールズ三世が2020年に設立した「持続可能な市場のためのイニシアチブ ファッションタスクフォース(Sustainable Markets Initiative Fashion Taskforce)」に加盟した。OTBグループ会長兼ディーゼル創始者のレンツォ・ロッソ(Renzo Rosos)は、加盟ブランドのCEOらと連携しファッション産業のサステナビリティを推進する。

同タスクフォースは、ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)創業者兼元会長のフェデリコ・マルケッティ(Federico Marchetti)が議長を務め、「プラダ(PRADA)」や「バーバリー(BURBERRY)」「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」などが参加する。設立以来、再生型農業プロジェクト、デジタル・プロダクト・パスポート(DPP)、トレーサビリティーを注力領域として取り組んできた。

ロッソは、「ファッション業界全体においてサステナビリティは“考え方”として根付くべきものだ。ファッションタスクフォースは国王チャールズ三世の支援とフェデリコのリーダーシップのもと、この目標へ向かう重要なさらなる一歩となるだろう。私たちはこの取り組みに参加し、ビジョンや革新的なアプローチを他のメンバーと共有できることをうれしく思う。協力し合い、未来を見据えた行動を取ることこそが、業界を真に変革する唯一の方法だ」とコメントした。

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「レスポートサック」“エッセンシャル”ラインが好調 現代人をトリコにする超軽量バッグのヒミツ

「レスポートサック(LESPORTSAC)」のプレミアムライン“エッセンシャル”が売れている。同ブランドの他商品と比較するとやや高価格のため、これまで40〜50代の女性を中心に人気を博してきたが、ここ2年で30代の男女にまでファン層を拡大。2024年の売上高は前年比86%増、19年比で191%増と安定した伸長率を誇っており、全体の売り上げの15%ほどを占める主力商品に育ってきている。そんな“エッセンシャル”の人気の理由は、ファッションとの親和性や圧倒的な軽量感にある。

ファッションと機能性の両立

“エッセンシャル”は、シンプルで洗練されたエッセンスを取り入れつつ、ブランドスローガン「LIGHTEN YOUR WORLD」を落とし込んだ究極のシリーズだ。最も軽量なベルトバッグは124グラム、デビュー以来人気が続くアーバンバックパックは412グラムと、持っていることを忘れるくらい軽い。ジェイアール名古屋タカシマヤの澄田英志=営業第1部ハンドバッグ・財布小物グループマネージャーは、「抜群の軽量感はもちろん、収納力など、身につける人の気持ちまで軽くするような実用性が人気のヒミツではないか」と分析する。一方、高品質なアウターに使用する生地“マイクロリップストップナイロン”を採用し、ファッションとの親和性を向上。阪急うめだ本店の春風信介=ハンドバッグ・雑貨営業部ディビジョンマネージャーも、「ブランドを主張しすぎることなく、どのようなファッションにも合う希少なシリーズ。例えるならアップルウォッチのような存在で、ブランドよりスタイルを重視する昨今のお客さまのニーズをうまく捉えている」とうなずく。

新作コレクションは
ライムがキーカラー

1泊分ほどの荷物が収納できるダッフルバッグから、ちょっとした外出に適したベルトバッグまで、幅広いサイズ感をラインアップしているのも特長。すっきりとしたラインや流線的なシルエットなど、どのバッグもドイツの美術学校・バウハウスが提唱するミニマリズムの原理を体現している。中でも人気なのは、バックパックやビッグトートなど、圧倒的な軽量感を実感できるバッグ。YouTuberがその軽さや使い勝手を紹介するなど、口コミでも認知が広がっているという。ブラックやグレー、ホワイトなどベーシックなカラーに人気が集まっているほか、各シーズンの限定色も話題を呼んでいる。2025年春コレクションではライムをキーカラーに打ち出し、春先のファッションを爽やかにアップデートする。

クオリティーのヒミツは“日本製”にあり

“エッセンシャル”が持つファッションとの親和性や機能性は、北陸の産地の卓越した技術に裏付けられている。生機(きばた)は特殊な糸を織ることができる石川県、染色やコーティングは福井県で行っており、それぞれの技術が合わさることで“エッセンシャル”の圧倒的な軽さや肌触りを生み出している。「糸の数や太さ、配列まで、ブランド側の要求を設計の段階から忠実に再現しており、それが完成時の品質につながっている。細かいところまで徹底的に向き合っているのが日本の産地の強みだ」(レスポートサックジャパンの神代香織マーケティング シニアマネジャー)。同ブランドが「日本製の素材ならでは」と自信を持って語る生地感は、ジェイアール名古屋タカシマヤの澄田グループマネージャーも太鼓判を押す。「軽さが特長のナイロン生地である一方、しっかりとしたハリ感と上品な光沢感も兼ね備えている。年齢や使用シーンを問わない生地感のため、ファン層の拡大にも寄与している」。

現代人の負荷を軽減させるバッグとして

ブランド発祥の地・ニューヨークのスタイリッシュかつシンプルなデザインと、日本の卓越した技術を掛け合わせた“エッセンシャル”シリーズ。神代香織マーケティング シニアマネジャーは、「今後はファッションとの親和性や機能性を体験できるようなイベントを開催したい。これからも今を生きる人の物理的・心理的な負荷を軽減する存在でありたい」と展望を語る。多様化する現代人のライフスタイルに寄り添うバッグとして、今後も唯一無二の存在を貫く。

問い合わせ先
レスポートサックジャパン
0120-141-333

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「レスポートサック」“エッセンシャル”ラインが好調 現代人をトリコにする超軽量バッグのヒミツ

「レスポートサック(LESPORTSAC)」のプレミアムライン“エッセンシャル”が売れている。同ブランドの他商品と比較するとやや高価格のため、これまで40〜50代の女性を中心に人気を博してきたが、ここ2年で30代の男女にまでファン層を拡大。2024年の売上高は前年比86%増、19年比で191%増と安定した伸長率を誇っており、全体の売り上げの15%ほどを占める主力商品に育ってきている。そんな“エッセンシャル”の人気の理由は、ファッションとの親和性や圧倒的な軽量感にある。

ファッションと機能性の両立

“エッセンシャル”は、シンプルで洗練されたエッセンスを取り入れつつ、ブランドスローガン「LIGHTEN YOUR WORLD」を落とし込んだ究極のシリーズだ。最も軽量なベルトバッグは124グラム、デビュー以来人気が続くアーバンバックパックは412グラムと、持っていることを忘れるくらい軽い。ジェイアール名古屋タカシマヤの澄田英志=営業第1部ハンドバッグ・財布小物グループマネージャーは、「抜群の軽量感はもちろん、収納力など、身につける人の気持ちまで軽くするような実用性が人気のヒミツではないか」と分析する。一方、高品質なアウターに使用する生地“マイクロリップストップナイロン”を採用し、ファッションとの親和性を向上。阪急うめだ本店の春風信介=ハンドバッグ・雑貨営業部ディビジョンマネージャーも、「ブランドを主張しすぎることなく、どのようなファッションにも合う希少なシリーズ。例えるならアップルウォッチのような存在で、ブランドよりスタイルを重視する昨今のお客さまのニーズをうまく捉えている」とうなずく。

新作コレクションは
ライムがキーカラー

1泊分ほどの荷物が収納できるダッフルバッグから、ちょっとした外出に適したベルトバッグまで、幅広いサイズ感をラインアップしているのも特長。すっきりとしたラインや流線的なシルエットなど、どのバッグもドイツの美術学校・バウハウスが提唱するミニマリズムの原理を体現している。中でも人気なのは、バックパックやビッグトートなど、圧倒的な軽量感を実感できるバッグ。YouTuberがその軽さや使い勝手を紹介するなど、口コミでも認知が広がっているという。ブラックやグレー、ホワイトなどベーシックなカラーに人気が集まっているほか、各シーズンの限定色も話題を呼んでいる。2025年春コレクションではライムをキーカラーに打ち出し、春先のファッションを爽やかにアップデートする。

クオリティーのヒミツは“日本製”にあり

“エッセンシャル”が持つファッションとの親和性や機能性は、北陸の産地の卓越した技術に裏付けられている。生機(きばた)は特殊な糸を織ることができる石川県、染色やコーティングは福井県で行っており、それぞれの技術が合わさることで“エッセンシャル”の圧倒的な軽さや肌触りを生み出している。「糸の数や太さ、配列まで、ブランド側の要求を設計の段階から忠実に再現しており、それが完成時の品質につながっている。細かいところまで徹底的に向き合っているのが日本の産地の強みだ」(レスポートサックジャパンの神代香織マーケティング シニアマネジャー)。同ブランドが「日本製の素材ならでは」と自信を持って語る生地感は、ジェイアール名古屋タカシマヤの澄田グループマネージャーも太鼓判を押す。「軽さが特長のナイロン生地である一方、しっかりとしたハリ感と上品な光沢感も兼ね備えている。年齢や使用シーンを問わない生地感のため、ファン層の拡大にも寄与している」。

現代人の負荷を軽減させるバッグとして

ブランド発祥の地・ニューヨークのスタイリッシュかつシンプルなデザインと、日本の卓越した技術を掛け合わせた“エッセンシャル”シリーズ。神代香織マーケティング シニアマネジャーは、「今後はファッションとの親和性や機能性を体験できるようなイベントを開催したい。これからも今を生きる人の物理的・心理的な負荷を軽減する存在でありたい」と展望を語る。多様化する現代人のライフスタイルに寄り添うバッグとして、今後も唯一無二の存在を貫く。

問い合わせ先
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0120-141-333

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EC拡大で注目度急上昇の「返品DX」、損保ジャパンが外資と組んで本格参入へ

顧客体験の向上により業績を伸ばそうとする企業が増える中、ECの返品にまつわる顧客体験の向上で売り上げ・収益の伸長を支援しようという新しい返品DXサービスが登場した。損保ジャパンが日本エマージェンシーアシスタンス(EAJ)と協業して提供する「リターンプラス(Return+)」だ。

「返品DX」が注目されるワケ

このサービスの最大の特徴は、EC事業者側が負担する返品送料のコストキャップ保証だ。返品をフリー(無料)にする場合、返品率の上昇に伴うコスト増が企業にとって重荷になりがちだ。「リターンプラス」では事前に返品率を予測し、万が一、予測を上回る返品送料負担が発生した場合でも、企業は安心して返品無料化策を導入できることになる。購入者にはECでの購入ハードルを下げ、サイズやイメージが合わなければ返品できるという安心感を、EC事業者にはコストの上振れリスクを回避しながら売り上げ向上や利用者拡大を目指せるという安心感を提供する。

2つ目の特徴は、米国発の返品プラットフォーム「ナーバー(Narvar)」との連携によるユーザーが直感的に操作できる専用の返品用ページと管理システムだ。返品ポリシーの事前設定により、カスタマーサポート部門による顧客対応や返品情報の記入が原則不要になり、売り上げ拡大に比例して増大しがちな人件費やコストを抑制することができるようになる。返品理由の項目を設定することで、マーケティングやモノ作りにも活用できることになる。

3つ目は物流会社と連携して静脈物流網を整備し、お客さまが自身の都合に応じて自宅引き取りやコンビニ持ち込みなど返品手段を選ぶことを可能にしている点だ。事業者は自社で手配する必要がなく、返品先も倉庫、オフィス、店舗などにカスタマイズ設定できるため、コストも時間も削減につなげることが可能になるという。

それにしてもなぜ異業種である損保ジャパンがファッションECを中心とした返品フリーのサービスを開発したのか。その背景や期待される効果などを、損保ジャパンの情報通信産業部開発課で新規事業を担当する曽我純也課長と川上美咲氏、山﨑貴弘氏の3人に聞いた。

3人の担当者が語る、損保ジャパンが「返品DX」に参入する理由

――なぜ損害保険会社がファッション業界のECに着目してサービスを開発することになったのか?

川上美咲(以下、川上):世界でEC市場が年々成長を続けるなかで、国内で特に右肩上がりの高い伸びで拡大しているマーケットがアパレル小売り市場だった。しかもアパレルECにおける物流費のシェアが大きいことに着目。発展を支援できるような商品・サービスの提供ができないかと4 年前から検討してきた。ECの最大の課題は購入前に商品を試すことができないこと。しかも返品の手続きが煩雑であることがECでの買い物を阻害する要因の一つになっていた。EC 化率の高いアメリカや英国ではすでに返品しやすいソリューションが普及し、返品周りの顧客体験の向上が業界や経営のテーマにも上がって来ていた。その流れを鑑みて、日本でも返品関連のソリューションのニーズが高まると考え、昨年8月に「リターンプラス」を発表した。

――損保ジャパンとNarvar、EAJの各々の役割は?

曽我純也課長(以下、曽我):カスタマーサポートに強みがあるEAJが、「リターンプラス」のサービス提供者、事業主体としてEC事業者に返品送料のコストキャップ保証を提供し、損保ジャパンは「リターンプラス」を運営する事業者のビジネスを支援する損害保険を提供する。商品購入後の顧客体験に焦点を当てたポストパーチェス改善のリーディングカンパニーである米国発のナーバーがシステム周り、返品のオンライン化、自動化を担当し、商品購入者が円滑に返品ができるインターフェイスを提供する。グローバルでの導入実績も豊富で、さまざまな環境でECサイトを構築され、システム連携などつなぎの部分でも柔軟に対応いただけ、日本でも安心して多くの事業者にサービスをお届けできることになる。EAJはこれらのナーバーが提供する返品UI、物流、返品送料のコストキャップ保証、カスタマーサポートまでワンパッケージで提供していくことになる。

返品をポジティブに
返品送料無料で顧客満足度を高める

――あらためて、「リターンプラス」のサービスの特徴と、導入した場合、どのようなメリットが創出されるのか?

川上:最大の特徴は「返品送料のコストキャップ保証」にある。返品フリーにした際に返品数や返品コストがどの程度増えるか予測しにくく、上振れするのが不安だという事業者も多い。予算超過のリスクを軽減するための保険サービスとして、企業やブランドごとに返品送料コストキャップ保証サービスを提供していく。

繰り返しになるが、ECの課題は試着できないこと。購入前に買ったり触ったりサイズを確認したことがないものは購入しずらい。とくに買ったことのないお店では躊躇しがちだ。そのうえ、返品に送料がかかる、返品手続きがわかりづらい、といったことがあればなおさらネックになる。返品をフリー(無料)にして、購入者が5ステップで返品の配送手配までシステムで完了できるようにして返品にまつわる顧客体験を改善することで、購入のハードルを下げ、コンバージョンレートを上げ、まとめ買いも誘発し、売り上げアップに寄与できる。平均単価が1万5000円前後のアパレルブランドと行った「返品フリー・自宅で試着キャンペーン」では、売上高が対前年同期比で23%増、コンバージョン率は16%増など、あらゆる指標で効果が確認できました。購入者へのインタビューやアンケートでも、80%のお客さまが返品無料が購買意欲向上につながったと回答。いつもより高い商品の購入や複数の商品購入につながったというコメントもあり、手応えを感じた。キャンペーンだけ、あるいは、優良顧客や会員ランクの上位の方向けのロイヤリティプログラムのメニューとしても活用いただき、LTV(ライフタイムバリュー)を高める施策としても有意義だと思う。

――「リターンプラス」を導入すると返品が増え、コストも上がりそうだが、コスト削減にもつながるという理由は?

山﨑貴弘(山﨑):返品ソリューションを導入する企業が増えつつあるが、今でも返品を電話で受けたり、問い合わせフォームに対応したり、商品に同封した返品用紙の内容を改めて手入力するなど、人手に頼っている企業が多いと聞く。これでは売り上げが上がれば上がるほどコストが増大し続けてしまう。返品をオンライン化・自動化するとともに迷いにくいUIにすることで、問い合わせを極力減し、省力化・省人化することで返品サポートコストが削減できる。また、オンライン化によるデータ連携で、いつ、どこに、どれくらい返品が戻ってくるのかを踏まえてタイムリーに検品・加工し、美品は再販し、それ以外はアウトレットに送るなど、返品在庫のスムーズな運用にもつながる。

――返品をマーケティングにどのように生かしていくことを提案しているのか?

山﨑:ここも非常に重要なポイントだ。商品購入後にお客さまがご意見やご不満などをお持ちだったとしても黙認されがちだ。ストレスのない返品体験によって返品理由を企業にフィードバックしやすくし、商品やサービスの改善に生かし、今後の成長に役立ててもらいたい。また、返品後の確認メールやメッセージの開封率は非常に高い。これをマーケティングや顧客接点の機会ととらえ、代替商品やオススメ商品を提案したり、新たな情報発信も行うことができる。返品先を店舗に設定することで、来店動機につなげることも可能だろう。

また、アパレルの大きな課題が廃棄の削減だ。返品理由を明確化してマーケティングやモノ作りに生かせたら、大量生産・大量消費から脱却して本当に必要なものだけを作ることや、自分たちのブランドを好きで愛してくれる人たちの期待に応え続けることで、ロイヤリティの向上やサステナビリティにもつなげてほしい。返品フリーにすることで、ニーズにフィットした愛着が持てる商品を長く着用してもらえたり、連携先のリバースロジスティクスを活用することでCO2の抑制などにもつながるはずだ。

――今後の導入予定や、推奨ジャンル等は?

曽我:百貨店やアパレル、郊外型チェーンストアやD2Cのインナー企業などと話を進めているところで、本格導入はこれからだ。サイズやフィット感、素材感、コーディネートなどを試着して確かめたいシューズや布帛のシャツやワンピース、ジャケット、コートやデザイン性の高いアイテム、D2Cブランド、価格帯で言うと中価格帯以上の単価の商品を扱うブランドやストアとの相性が良さそうだ。返品はコストという意識から、良い返品体験が売り上げ、収益、ロイヤリティ向上につながると認識が変わり、実感する企業やブランドが増えてほしい。とくに、店舗だけ、ECだけの利用ではなく、両方を利用いただくことで、1人の方の年間買上げ額が3倍近くなるというデータがあるように、OMO(オンラインとオフラインの融合)やユニファイドコマースを進める中で、返品体験は売上げ、ロイヤリティ、LTVなどを伸ばすうえで重要な役割を果たせると思う。

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