【2026年春夏メンズコレリポートVol.8】「サカイ」はドラマチックな違和感を、「アイム メン」の布と身体の関係を、「リック」は唯我独尊の美学を探求

今季も2026年春夏のメンズ・ファッション・ウイークを駆け抜けました。取材班は、コロナ禍前から久々にメンズコレサーキットに舞い戻った編集長・村上と、初参戦のヘッドリポーター・本橋。ヨーロッパを覆う熱波に負けないアツいリポートをお届けします。今回はパリ3日目。

バック・トゥ・ベーシックでも
アティテュード感じる「サカイ」

本橋涼介「WWDJAPAN」ヘッドリポーター(以下、本橋):これまでショー形式を貫いてきた「サカイ(SACAI)」が、今季は初めてプレゼンテーションへとフォーマットを変更しました。「服をじっくり見てほしい」という阿部千登勢デザイナーが、その背景にある思いを話してくれました。

構成としては、ブランドの本質であるハイブリッドな再構築性を保ちながらも、“バック・トゥ・ベーシック”。全体として多くのブランドに通底する“インテンショナル ステイプル”(意志ある定番)のムードを感じました。得意の再構築で、定番ピースもドッキングして「いま着たい服」へと着地させるバランス感が光りました。個人的に印象深かったのは、裾がねじれながら流れるようなラップパンツや、ミリタリーにエレガンスを忍ばせたショートブルゾン。ちゃんとスタイルに馴染むのに、どこか違和感がある。この“どこか”を探す過程が毎シーズン違うのが、「サカイ」というブランドの面白さではないでしょうか。

村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):今回は、パリの左岸に新しく構えたオフィス兼ショールームをお披露目する意味合いもあったのでは?と思います。テーマは、「EVERYDAY ALL DAY」。見ながら、竹内まりやの「毎日がスペシャル」を思い出しました。本橋さんが言う通り、どこか違和感があるステイプルだから、毎日着てもスペシャルな気分が味わえる。そんな洋服は「サカイ」の真骨頂であり、ゆえに展示会形式でじっくり見て欲しかったのかな?そんなふうに思います。

今季は、複雑なパターンワークに基づくドッキング以外でも、違和感のある定番を表現しています。例えば、コットンカシミヤのジャージーで作ったタキシードジャケットとトラウザー。着心地的にはジャケットはカーディガンのようだし、トラウザーはもはやスエット。なのに、もちろんちゃんとジャケットだし、ちゃんとトラウザーなので、究極働いている時も、夜のパーティーでも、家の中のリラックスウエアとしても着られそうです。この辺りの発想は、「ザ・ロウ(THE ROW)」に近いかな?そして、ジャージーだから毎日着られるけれど、タキシードだからスペシャルな気分が味わえる。これもまた「毎日がスペシャル」、じゃなかった「EVERYDAY ALL DAY」な洋服と言えますよね。

今回も争奪戦間違いなしの「カーハート(CARHARTT)」とのコラボレーションも、金ボタンをあしらい、フォーマル感が強くなりました。いつも通りの素材だから、まさに毎日着ても“へこたれない”けれど、着ればきっと気持ちが高揚するでしょう。これも「EVERYDAY ALL DAY」ですよね?本橋さんが印象深いと話していたラップパンツは、スーツ地のほか、カーゴパンツやチノ、デニムなどさまざまなバリエーションで用意しました。とっても大きく膨らむバナナシルエットなのでドラマチックだけれど、アイテム自体は日常着。これも「EVERYDAY ALL DAY」ですね。

「オム プリッセ」が機能なら、
「アイム メン」は関係を探求

本橋:「オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE)」は今季、ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)のゲスト・オブ・オナーとして、発表の舞台をフィレンツェへと移しました。ということでパリメンズは今季も「アイム メン(IM MEN)」。会場に入ると、白いランウエイに現れた演者たちが、まるでコンテンポラリーダンスのような所作で、服と身体の関係をなぞり始めます。ショーというより、“装いの実験”を目撃しているような感覚でした。

円盤のように広がる構築シャツ、左右非対称な開口部、シェイプを持たない布の配置。それらすべてが「着る」という動作を通じて、初めて意味を帯びていきます。前日に見た「ヘド メイナー(HED MAYNER)」のように、身体と服の関係性に主眼を置いたアプローチだと感じました。布の“機能”を探求する「オム プリッセ」に対し、「アイム メン」は身体との“関係性”に迫ります。

「オム プリッセ」は今季のフィレンツェでのショーで「OPEN STUDIO」という試みを打ち出し、世界の暮らしや文化、風土、自然から着想した新しいコレクションの地平を開きました。「アイム メン」は、パリでのこの“実験”がどんな服づくりにつながっていくのか。次なる展開に期待したいです。

村上:「昨夜のゲリラ豪雨は大丈夫でしたか?」と聞きたくなりましたが、会場の入り口には、形も文様も独特な壺の写真パネルが飾られていましたよね。あれは、陶芸家・加守田章二さんの作品。今季は、加守田さんの作品の色や柄、そして形を、どのように洋服で表現するか?を考えたそうです。確かに“ろくろ”で成形した壺って、三宅一生さんの哲学「一枚の布」に近いのかもしれません。だって、共に継ぎ目が一切存在しませんからね。

鱗のような文様は、ボンディングで表現しています。2枚の布を貼りあわせ、上のコットン生地に特殊な加工を施し、水洗いすると、特定の部分が剥がれて、下の生地のプリント柄が浮き出るそう。こうして加守田さんの作品のような立体的な柄を表現したし、土を焼いて作品に仕上げる際の“コントロールできない個性”みたいなものさえヴィンテージ加工のような風合いで再現しています。草花の灰を主成分とする灰釉(かいゆう)を使ったシリーズは、淡い青磁色と土色のコントラスト。“ろくろ”の文様は、抜染(無地染めの布に色を抜く薬を入れた型を置き、その部分の色を取り除いて模様を出す手法)で描いているそうで、正直若干“狂気”です(苦笑)。どんな技術と手間暇よ……。パンツに「一枚の布」的なシルエットを見ることができますね。文様が立体的なシリーズは、ジャカード生地で仕上げています。編んだ後、熱処理を施すことで布地を伸縮させて、文様の立体感を表現しています。これもまた、マニアックですね。

でもマニアックな技術を、マニアックに見せない努力が垣間見えるのが好印象です。やっぱり「一枚の布」っぽい洋服は、三宅一生さんの哲学に共感していないと袖を通しづらいかもしれませんが、漁網のリサイクルや、製品染のポリエステルのシリーズは、淡かったり鮮やかだったりの色彩かつコンテンポラリーなシルエット。「オム プリッセ」が日常着なイメージなのに対して、これまでのメンズラインは知的とか文化的な人間じゃないと受け入れてくれないようなムードを漂わせがちでしたが、コミカルなコンテンポラリーダンスとの共演含め、「あ、案外フレンドリーなブランドかも」と思わせてくれました。余談ですが私、帰国後にドキュメンタリー映画「創造の翼」、「アイム メン」を手掛ける河原遷、板倉裕樹、小林信隆さんのファースト・コレクションに密着した映画を見たんです。そこで気づいたのは、「3人とも、優しいんじゃね!?」ってこと(笑)。下の記事にある通り、3人のポートレート写真が若干コワかったので、そんな印象を抱いたのかもしれません(笑)。2回目のショーと映画で、「あ、着てみたいな」と素直に思っています。

本橋:「ブルー マーブル(BLUE MARBLE)」は、デザイナーのアントニー・アルヴァレズ(Antony Arvarez)が2022年のLVMHプライズのファイナリストにも選ばれた、新進気鋭のブランドです。パリを拠点にしながらも、優等生な“パリっぽさ”にとらわれない雑多さとグローバル感覚が面白いですね。

今季は、山岳民族モン族のテキスタイルや、サイケデリックなストライプ、ミリタリー的ギミックをミックスしながら、スポーツとサファリの要素を掛け合わせたルックが印象的でした。ボリュームのあるドローストリングパンツに、ラフに開いたシャツ。足元はミュール型のサンダルで、南国でも街中でも成立しそうな開放感のあるスタイルです。カテゴライズされない自由なムードが会場に漂っていました。あらゆる価値観が細分化・拡散している現在。だからこそ、「ブルー マーブル」のようにそれらをミクスチャーし、“ユニバーサルなスタイル”として提示する姿勢が、これまでにない説得力と面白さを帯び始めているように思います。

notギラギラな「アミリ」
引き算に面白み

本橋:ギラギラでセレブリティなイメージの強い「アミリ(AMIRI)」ですが、今季はその印象を良い意味で裏切られました。トラックスーツのようなリラックス感のあるセットアップに、透け感のあるシャツやシアーなニット、ロングスカーフを組み合わせるスタイル。フレアパンツやプリントスーツなど“ロック・ラグジュアリー”な世界を描きます。ダメージ加工、スキニー、レザー、ビンテージなどの要素を上質な素材やテーラリングでラグジュアリーに昇華させるDNAも残しつつ、今季は一段とメロウで、センシュアルな印象でした。

マイク・アミリ(Mike Amiri)デザイナー本人曰く、コレクションのテーマは「旅、空、時間、自由」。素材は軽く風を通すようなものが多く、足元もスリッポンだったりで、それゆえ今っぽいの気分が宿っていました。「アミリ」のような華やかなブランドが、力の抜けた引き算で表現しようとするとき、その振り幅に面白みが感じられます。

村上:先シーズンのゴリゴリなクラブ感、ナイトライフのイメージから比べれば、かなり軽やかになりましたが、それでも、このスタイルに共感しながら取り入れるのは日本人には少しハードルが高いですねぇ。ロサンゼルスの伝説的なホテル「シャトー・マルモン」にこもって作品を仕上げた友人にインスピレーションを得たと言いますが、友人、オシャレすぎやしませんか(笑)?1970年代のレトロなムードを漂わせながら、今っぽいソフトなテーラリングと黒人カルチャーを思わせる色使い、そビーチリゾートからナイトライフまでの多彩なスタイルをミックスしていますが、正直モデルでさえ、アジア系が着るとちょっと不思議な印象です。一番似合うのは黒人、そしてミディアム〜ロングヘアのブロンドの白人。そう感じてしまうのは、私がこのコミュニティーに属していないからでしょう。路線的には、「カサブランカ(CASABLANCA)」などと同じ方向性なのかな?万人受けはしないけれど、特定のコミュニティーに深く刺さるブランドになりたいのだと思いますが、日本にこのコミュニティー、あるでしょうか?「カサブランカ」はスポーツの要素とかステイプルな開襟シャツなど、日本人にとっても“取っ掛かり”がある印象ですが、「アミリ」はまだラグジュアリー・ストリートの次の一手を日本人に向けて発信する模索の段階という印象です。

「ヨウジ」は地球に警鐘
黒に浮かぶレタリング

本橋:「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」のショーは近年、地球環境へのメッセージを強く発信しています。今回も「この星で生きていること」への問いかけが静かに響くショーでした。

随所に「Don’t look back, be free in black」「Human activity for Love」といったレタリングを施し、環境問題や人間の行動に対する強い思いをにじませました。核戦争や海洋汚染、マイクロプラスチックといった現代の危機を想起させるワードが、黒の布地に浮かび上がることで、強いリアリティーを帯びていました。半袖シャツやルーズなパンツによるリラックスした装いから、艶を帯びたパジャマルックにつながり、後半にはシアー素材やジュエリーをあしらったルックも登場。軽やかさと装飾性が交差する中に、ヨウジならではの緊張感が漂い、服に込められたメッセージが引き立ちます。

服にできることは限られている。けれど、服だからこそ伝えられる言葉もある。そんな信念が満ちていたように思います。

村上:私は「カンペールラボ(CAMPER LAB)」のコレクションへ。「マルニ(MARNI)」出身のアキレス・イオン・ガブリエル(Achilles Ion Gabriel)は、「カンペール」のポップでカラフルな世界にあっているなぁ、と思っていましたが、「カンペール ラボ」はど迫力!!ムードはハッピーやカラフル、プレイフルというより、デムナ(Demna)による「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「ヴェトモン(VETEMENTS)」よろしく、ちょっとしたディストピアです。アキレス、幅広いなぁ。

スニーカーの新作は、つま先にスパイク。オーバーサイズのセットアップには歪んだチェックをあしらい、ボロボロのキーネックニットやカーゴショーツを組み合わせます。ウエスタンブーツはスクエアのソールです。正直、「バレンシアガ」感が強いけれど、こういうテイストが好きな人は確実に存在しますからね。「カンペール」に対しての「カンペールラボ」という位置付けなら、このくらい振り切ってくれた方が、見る側にとっても買う側にとっても、実にわかりやすくて選びがいがあると思いました。

韓国カジュアルだけじゃない
「システム」の心地よい“裏切り”

本橋:1990年に韓国で誕生したコンテンポラリーブランド「システム(SYSTEM)」は、2019年からはパリ・ファッション・ウイークの期間中に現地での発表を継続しています。

“オフィス・デイドリーム(Office Daydream)”と題された今回のコレクションでは、日常の反復から逃れたいという願望を、軽やかな素材や色彩、構築的なシルエットの中にそっと忍ばせました。ピュアホワイトを基調に、ベージュやライトグレー、そして差し色のネイビーやピンク、オレンジ。都会のなかで風を感じるようなルックは、まさに“夢見るオフィスウエア”です。タフタやシアー素材をレイヤードしたルックの軽やかさ、ジャンプスーツや半袖シャツの柔らかなバランス感は、フォーマルとフェミニンの境界を軽々とまたいでいました。風になびく布がインスタレーションとして空間を泳ぐ演出「Echoes of Air」も美しく、都市と夢のはざまを連想しました。

韓国ブランドというとストリートやカジュアルのイメージが強いかもしれませんが、「システム」はそれを心地よく裏切ってくれるような、詩的な洗練を感じさせるコレクション。個人的にも非常に好印象で、今後も注目したい存在です。

もはやパリで出初式!
リック様は今回も唯我独尊

村上:私のフィナーレは、「リック・オウエンス(RICK OWENS)」。「愛の寺院」と名付けられた今回のコレクションは、アメリカから見たヨーロッパの美学を表現しているそうです。キーモチーフのハーネスは、西洋絵画の中で妖精が半人半獣の自然の精霊を捕らえるための花輪からイメージを膨らませたものだそう(笑)。さすがリック様、アウトプットはロックでパンクでも、そこには美学が通底しています。環境認証を取得したナイロンで作ったスイムショーツや、ボリュームたっぷりながらシアーな素材で軽やかなジャケットやパーカなど、今季は装飾を捨て去り、黒と肉体の関係性にフォーカスした雰囲気です。

ただ、ショーまでシンプルにならないのがリック様。今季は、モデルが梯子を降り、プールにダイブし、びしょ濡れになると今度は梯子を上がり、最後は出初式よろしく逆さまに!!上述したハーネスと繋げたカラビナをセットにガッチリ固定して、命綱にしています(笑)。リック様のモデルは、いつもスーパー厚底ブーツやボリューム優先で重たそうな洋服などを着て「お疲れ様!」って感じですが、今季はもはや命懸け。無論、信者の皆様は拍手喝采!私も大興奮して映像を撮りまくり、灼熱の3日目を終了しました。

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【2026年春夏メンズコレリポートVol.8】「サカイ」はドラマチックな違和感を、「アイム メン」の布と身体の関係を、「リック」は唯我独尊の美学を探求

今季も2026年春夏のメンズ・ファッション・ウイークを駆け抜けました。取材班は、コロナ禍前から久々にメンズコレサーキットに舞い戻った編集長・村上と、初参戦のヘッドリポーター・本橋。ヨーロッパを覆う熱波に負けないアツいリポートをお届けします。今回はパリ3日目。

バック・トゥ・ベーシックでも
アティテュード感じる「サカイ」

本橋涼介「WWDJAPAN」ヘッドリポーター(以下、本橋):これまでショー形式を貫いてきた「サカイ(SACAI)」が、今季は初めてプレゼンテーションへとフォーマットを変更しました。「服をじっくり見てほしい」という阿部千登勢デザイナーが、その背景にある思いを話してくれました。

構成としては、ブランドの本質であるハイブリッドな再構築性を保ちながらも、“バック・トゥ・ベーシック”。全体として多くのブランドに通底する“インテンショナル ステイプル”(意志ある定番)のムードを感じました。得意の再構築で、定番ピースもドッキングして「いま着たい服」へと着地させるバランス感が光りました。個人的に印象深かったのは、裾がねじれながら流れるようなラップパンツや、ミリタリーにエレガンスを忍ばせたショートブルゾン。ちゃんとスタイルに馴染むのに、どこか違和感がある。この“どこか”を探す過程が毎シーズン違うのが、「サカイ」というブランドの面白さではないでしょうか。

村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):今回は、パリの左岸に新しく構えたオフィス兼ショールームをお披露目する意味合いもあったのでは?と思います。テーマは、「EVERYDAY ALL DAY」。見ながら、竹内まりやの「毎日がスペシャル」を思い出しました。本橋さんが言う通り、どこか違和感があるステイプルだから、毎日着てもスペシャルな気分が味わえる。そんな洋服は「サカイ」の真骨頂であり、ゆえに展示会形式でじっくり見て欲しかったのかな?そんなふうに思います。

今季は、複雑なパターンワークに基づくドッキング以外でも、違和感のある定番を表現しています。例えば、コットンカシミヤのジャージーで作ったタキシードジャケットとトラウザー。着心地的にはジャケットはカーディガンのようだし、トラウザーはもはやスエット。なのに、もちろんちゃんとジャケットだし、ちゃんとトラウザーなので、究極働いている時も、夜のパーティーでも、家の中のリラックスウエアとしても着られそうです。この辺りの発想は、「ザ・ロウ(THE ROW)」に近いかな?そして、ジャージーだから毎日着られるけれど、タキシードだからスペシャルな気分が味わえる。これもまた「毎日がスペシャル」、じゃなかった「EVERYDAY ALL DAY」な洋服と言えますよね。

今回も争奪戦間違いなしの「カーハート(CARHARTT)」とのコラボレーションも、金ボタンをあしらい、フォーマル感が強くなりました。いつも通りの素材だから、まさに毎日着ても“へこたれない”けれど、着ればきっと気持ちが高揚するでしょう。これも「EVERYDAY ALL DAY」ですよね?本橋さんが印象深いと話していたラップパンツは、スーツ地のほか、カーゴパンツやチノ、デニムなどさまざまなバリエーションで用意しました。とっても大きく膨らむバナナシルエットなのでドラマチックだけれど、アイテム自体は日常着。これも「EVERYDAY ALL DAY」ですね。

「オム プリッセ」が機能なら、
「アイム メン」は関係を探求

本橋:「オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE)」は今季、ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)のゲスト・オブ・オナーとして、発表の舞台をフィレンツェへと移しました。ということでパリメンズは今季も「アイム メン(IM MEN)」。会場に入ると、白いランウエイに現れた演者たちが、まるでコンテンポラリーダンスのような所作で、服と身体の関係をなぞり始めます。ショーというより、“装いの実験”を目撃しているような感覚でした。

円盤のように広がる構築シャツ、左右非対称な開口部、シェイプを持たない布の配置。それらすべてが「着る」という動作を通じて、初めて意味を帯びていきます。前日に見た「ヘド メイナー(HED MAYNER)」のように、身体と服の関係性に主眼を置いたアプローチだと感じました。布の“機能”を探求する「オム プリッセ」に対し、「アイム メン」は身体との“関係性”に迫ります。

「オム プリッセ」は今季のフィレンツェでのショーで「OPEN STUDIO」という試みを打ち出し、世界の暮らしや文化、風土、自然から着想した新しいコレクションの地平を開きました。「アイム メン」は、パリでのこの“実験”がどんな服づくりにつながっていくのか。次なる展開に期待したいです。

村上:「昨夜のゲリラ豪雨は大丈夫でしたか?」と聞きたくなりましたが、会場の入り口には、形も文様も独特な壺の写真パネルが飾られていましたよね。あれは、陶芸家・加守田章二さんの作品。今季は、加守田さんの作品の色や柄、そして形を、どのように洋服で表現するか?を考えたそうです。確かに“ろくろ”で成形した壺って、三宅一生さんの哲学「一枚の布」に近いのかもしれません。だって、共に継ぎ目が一切存在しませんからね。

鱗のような文様は、ボンディングで表現しています。2枚の布を貼りあわせ、上のコットン生地に特殊な加工を施し、水洗いすると、特定の部分が剥がれて、下の生地のプリント柄が浮き出るそう。こうして加守田さんの作品のような立体的な柄を表現したし、土を焼いて作品に仕上げる際の“コントロールできない個性”みたいなものさえヴィンテージ加工のような風合いで再現しています。草花の灰を主成分とする灰釉(かいゆう)を使ったシリーズは、淡い青磁色と土色のコントラスト。“ろくろ”の文様は、抜染(無地染めの布に色を抜く薬を入れた型を置き、その部分の色を取り除いて模様を出す手法)で描いているそうで、正直若干“狂気”です(苦笑)。どんな技術と手間暇よ……。パンツに「一枚の布」的なシルエットを見ることができますね。文様が立体的なシリーズは、ジャカード生地で仕上げています。編んだ後、熱処理を施すことで布地を伸縮させて、文様の立体感を表現しています。これもまた、マニアックですね。

でもマニアックな技術を、マニアックに見せない努力が垣間見えるのが好印象です。やっぱり「一枚の布」っぽい洋服は、三宅一生さんの哲学に共感していないと袖を通しづらいかもしれませんが、漁網のリサイクルや、製品染のポリエステルのシリーズは、淡かったり鮮やかだったりの色彩かつコンテンポラリーなシルエット。「オム プリッセ」が日常着なイメージなのに対して、これまでのメンズラインは知的とか文化的な人間じゃないと受け入れてくれないようなムードを漂わせがちでしたが、コミカルなコンテンポラリーダンスとの共演含め、「あ、案外フレンドリーなブランドかも」と思わせてくれました。余談ですが私、帰国後にドキュメンタリー映画「創造の翼」、「アイム メン」を手掛ける河原遷、板倉裕樹、小林信隆さんのファースト・コレクションに密着した映画を見たんです。そこで気づいたのは、「3人とも、優しいんじゃね!?」ってこと(笑)。下の記事にある通り、3人のポートレート写真が若干コワかったので、そんな印象を抱いたのかもしれません(笑)。2回目のショーと映画で、「あ、着てみたいな」と素直に思っています。

本橋:「ブルー マーブル(BLUE MARBLE)」は、デザイナーのアントニー・アルヴァレズ(Antony Arvarez)が2022年のLVMHプライズのファイナリストにも選ばれた、新進気鋭のブランドです。パリを拠点にしながらも、優等生な“パリっぽさ”にとらわれない雑多さとグローバル感覚が面白いですね。

今季は、山岳民族モン族のテキスタイルや、サイケデリックなストライプ、ミリタリー的ギミックをミックスしながら、スポーツとサファリの要素を掛け合わせたルックが印象的でした。ボリュームのあるドローストリングパンツに、ラフに開いたシャツ。足元はミュール型のサンダルで、南国でも街中でも成立しそうな開放感のあるスタイルです。カテゴライズされない自由なムードが会場に漂っていました。あらゆる価値観が細分化・拡散している現在。だからこそ、「ブルー マーブル」のようにそれらをミクスチャーし、“ユニバーサルなスタイル”として提示する姿勢が、これまでにない説得力と面白さを帯び始めているように思います。

notギラギラな「アミリ」
引き算に面白み

本橋:ギラギラでセレブリティなイメージの強い「アミリ(AMIRI)」ですが、今季はその印象を良い意味で裏切られました。トラックスーツのようなリラックス感のあるセットアップに、透け感のあるシャツやシアーなニット、ロングスカーフを組み合わせるスタイル。フレアパンツやプリントスーツなど“ロック・ラグジュアリー”な世界を描きます。ダメージ加工、スキニー、レザー、ビンテージなどの要素を上質な素材やテーラリングでラグジュアリーに昇華させるDNAも残しつつ、今季は一段とメロウで、センシュアルな印象でした。

マイク・アミリ(Mike Amiri)デザイナー本人曰く、コレクションのテーマは「旅、空、時間、自由」。素材は軽く風を通すようなものが多く、足元もスリッポンだったりで、それゆえ今っぽいの気分が宿っていました。「アミリ」のような華やかなブランドが、力の抜けた引き算で表現しようとするとき、その振り幅に面白みが感じられます。

村上:先シーズンのゴリゴリなクラブ感、ナイトライフのイメージから比べれば、かなり軽やかになりましたが、それでも、このスタイルに共感しながら取り入れるのは日本人には少しハードルが高いですねぇ。ロサンゼルスの伝説的なホテル「シャトー・マルモン」にこもって作品を仕上げた友人にインスピレーションを得たと言いますが、友人、オシャレすぎやしませんか(笑)?1970年代のレトロなムードを漂わせながら、今っぽいソフトなテーラリングと黒人カルチャーを思わせる色使い、そビーチリゾートからナイトライフまでの多彩なスタイルをミックスしていますが、正直モデルでさえ、アジア系が着るとちょっと不思議な印象です。一番似合うのは黒人、そしてミディアム〜ロングヘアのブロンドの白人。そう感じてしまうのは、私がこのコミュニティーに属していないからでしょう。路線的には、「カサブランカ(CASABLANCA)」などと同じ方向性なのかな?万人受けはしないけれど、特定のコミュニティーに深く刺さるブランドになりたいのだと思いますが、日本にこのコミュニティー、あるでしょうか?「カサブランカ」はスポーツの要素とかステイプルな開襟シャツなど、日本人にとっても“取っ掛かり”がある印象ですが、「アミリ」はまだラグジュアリー・ストリートの次の一手を日本人に向けて発信する模索の段階という印象です。

「ヨウジ」は地球に警鐘
黒に浮かぶレタリング

本橋:「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」のショーは近年、地球環境へのメッセージを強く発信しています。今回も「この星で生きていること」への問いかけが静かに響くショーでした。

随所に「Don’t look back, be free in black」「Human activity for Love」といったレタリングを施し、環境問題や人間の行動に対する強い思いをにじませました。核戦争や海洋汚染、マイクロプラスチックといった現代の危機を想起させるワードが、黒の布地に浮かび上がることで、強いリアリティーを帯びていました。半袖シャツやルーズなパンツによるリラックスした装いから、艶を帯びたパジャマルックにつながり、後半にはシアー素材やジュエリーをあしらったルックも登場。軽やかさと装飾性が交差する中に、ヨウジならではの緊張感が漂い、服に込められたメッセージが引き立ちます。

服にできることは限られている。けれど、服だからこそ伝えられる言葉もある。そんな信念が満ちていたように思います。

村上:私は「カンペールラボ(CAMPER LAB)」のコレクションへ。「マルニ(MARNI)」出身のアキレス・イオン・ガブリエル(Achilles Ion Gabriel)は、「カンペール」のポップでカラフルな世界にあっているなぁ、と思っていましたが、「カンペール ラボ」はど迫力!!ムードはハッピーやカラフル、プレイフルというより、デムナ(Demna)による「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「ヴェトモン(VETEMENTS)」よろしく、ちょっとしたディストピアです。アキレス、幅広いなぁ。

スニーカーの新作は、つま先にスパイク。オーバーサイズのセットアップには歪んだチェックをあしらい、ボロボロのキーネックニットやカーゴショーツを組み合わせます。ウエスタンブーツはスクエアのソールです。正直、「バレンシアガ」感が強いけれど、こういうテイストが好きな人は確実に存在しますからね。「カンペール」に対しての「カンペールラボ」という位置付けなら、このくらい振り切ってくれた方が、見る側にとっても買う側にとっても、実にわかりやすくて選びがいがあると思いました。

韓国カジュアルだけじゃない
「システム」の心地よい“裏切り”

本橋:1990年に韓国で誕生したコンテンポラリーブランド「システム(SYSTEM)」は、2019年からはパリ・ファッション・ウイークの期間中に現地での発表を継続しています。

“オフィス・デイドリーム(Office Daydream)”と題された今回のコレクションでは、日常の反復から逃れたいという願望を、軽やかな素材や色彩、構築的なシルエットの中にそっと忍ばせました。ピュアホワイトを基調に、ベージュやライトグレー、そして差し色のネイビーやピンク、オレンジ。都会のなかで風を感じるようなルックは、まさに“夢見るオフィスウエア”です。タフタやシアー素材をレイヤードしたルックの軽やかさ、ジャンプスーツや半袖シャツの柔らかなバランス感は、フォーマルとフェミニンの境界を軽々とまたいでいました。風になびく布がインスタレーションとして空間を泳ぐ演出「Echoes of Air」も美しく、都市と夢のはざまを連想しました。

韓国ブランドというとストリートやカジュアルのイメージが強いかもしれませんが、「システム」はそれを心地よく裏切ってくれるような、詩的な洗練を感じさせるコレクション。個人的にも非常に好印象で、今後も注目したい存在です。

もはやパリで出初式!
リック様は今回も唯我独尊

村上:私のフィナーレは、「リック・オウエンス(RICK OWENS)」。「愛の寺院」と名付けられた今回のコレクションは、アメリカから見たヨーロッパの美学を表現しているそうです。キーモチーフのハーネスは、西洋絵画の中で妖精が半人半獣の自然の精霊を捕らえるための花輪からイメージを膨らませたものだそう(笑)。さすがリック様、アウトプットはロックでパンクでも、そこには美学が通底しています。環境認証を取得したナイロンで作ったスイムショーツや、ボリュームたっぷりながらシアーな素材で軽やかなジャケットやパーカなど、今季は装飾を捨て去り、黒と肉体の関係性にフォーカスした雰囲気です。

ただ、ショーまでシンプルにならないのがリック様。今季は、モデルが梯子を降り、プールにダイブし、びしょ濡れになると今度は梯子を上がり、最後は出初式よろしく逆さまに!!上述したハーネスと繋げたカラビナをセットにガッチリ固定して、命綱にしています(笑)。リック様のモデルは、いつもスーパー厚底ブーツやボリューム優先で重たそうな洋服などを着て「お疲れ様!」って感じですが、今季はもはや命懸け。無論、信者の皆様は拍手喝采!私も大興奮して映像を撮りまくり、灼熱の3日目を終了しました。

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【2026年春夏メンズコレリポートVol.7】 「アミ パリス」の雷鳴と「ルメール」の静けさの中に現れた、意思を纏う“ステイプル”

今季も2026年春夏のメンズ・ファッション・ウイークを駆け抜けました。取材班は、コロナ禍前から久々にメンズコレサーキットに舞い戻った編集長・村上と、初参戦のヘッドリポーター・本橋。ヨーロッパを覆う熱波に負けないアツいリポートをお届けします。今回はパリ3日目。

“ダイバーシティー”を風化させない
「ジャンヌ フリオ」の意思

本橋涼介「WWDJAPAN」ヘッドリポーター(以下、本橋):「ジャンヌ フリオ(JEANNE FRIOT)」と聞いて、ピンとくる読者の方は少ないかもしれません。2026年春夏コレクションは、すべてのモデルをLGBTQIA+キャストで構成したランウエイで始まりました。ラメのピンク、タイダイ、チェック、スリット、オールデニムといった予定調和的でないディテール(この中でディテールと呼べるのは、スリットだけかと)からは、感情の濃淡がありありと伝わってきて、キッチュなかわいさの中に「社会に対する意志」が同居していたように思います。

ドナルド・トランプ大統領の再登板によって保守的なジェンダー観への揺り戻しが国際社会でも騒がれるなか、このショーのメッセージは一層力強く響くかもしれません。

刷新ではなく拡張
らしさ失わない「ルメール」

本橋:今季の「ルメール(LEMAIRE)」は、ウール×ポリエステルやナイロン混のドライシルクなど、軽やかで柔らかな定番を多用。“ルメールラバー”としては、そこに個人的な安心感を覚えましたし、やっぱり信頼できるなと再確認するような時間でもありました。

印象的だったのは、やはりその“着崩し”の妙。テーラードの上からレザーのエプロンを重ねたり、スカーフのように腰に巻いたストールがスカートのように揺れたり。アイウエアをジュエリーのように見せるスタイリングなども含め、完璧に構築された装いではなく、即興的な感覚で構成されたレイヤードが、日常へのリアリティを感じさせました。

“常に刷新する”というより、“常に拡張していく”。そんな静かな進化のあり方が、「ルメール」の真骨頂なのかもしれません。見慣れたシルエットや素材でも、ほんの少しのズレや重ね方の妙で、新しい空気をまとっている。だから、自分らしさを自然と表現できる服なのだとあらためて実感しました。

村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):ショーに出てきたモデルは、まず会場を一瞥(いちべつ)。その後は前を見据えて、自然体ながら自信や余裕を感じさせる歩き方でしたね。「周囲に関心がないワケじゃない」、でも「あんまり右往左往することなく、自分を信じて前を向く」男性や女性像を醸し出そうとしているのかな?と思いました。

洋服ではなく、モデルの所作について語り始めることに違和感を覚える人もいるでしょうか?でも「ルメール」的なブランドは、ファッションというよりスタイルのブランド。ゆえに洋服のみならず、時にはそれ以上に、描き出そうとしている人間像を捉えることが重要だと思っています。

自信のある男女による今シーズンのスタイルは、ノンシャラン(気取らない様を表す言葉)なスタイリングや即興的なレイヤードがハマりましたね。幅広ラペルのチェスターコートには、コットンポプリンで軽やかなシャツ&ショートパンツ。普通ならもっとエレガントなコーディネートをするのでしょうが、これがノンシャランや即興的と表現したくなる所以。でもシンプルかつ端正なシルエットなので、カッコ良いんです。描くのは「オシャレはガマン」というほどファッション・アディクトではない男女なので、組み合わせるアイテムはビスコースやシルクツイルなど、柔らかく肌を撫でるような素材使い。スカートの一部は生地をたくし上げているので尚更、歩くたびにドレープが揺れ、美しく涼やかです。ミラノでは「ブリオーニ(BRIONI)」で同じことを感じましたが、これだけ暑いと、柔らかな生地が足の脛の辺りを撫でながら“たわんでいる”様子って、すごく良いですね。「あぁ、涼やかな素材に体を撫でられているんだろうなぁ」という印象を抱かせます。

と同時に「くぅ〜」という、ナゾなオノマトペさえ飛び出してしまうほど、洒落ているんだからさすがです。ムラカミ的に真似したいスタイリングテクニックは、メッシュで作ったソックスのつま先や踵をカットアウトしてサンダルと合わせたウィメンズのスタイリング、そして、本橋さんも指摘した無機的で冷たい光を放つシルバーのテンプルをタイピンのようにアクセサリー感覚で胸ポケットに差し込んだジャケットスタイル。共に「こんなにオシャレな人、いないよ!」と突っ込んでしまいそうですが、ゆえに「ルメール様!マネさせてください!」って思ってしまいました。

世間には、こうした“クワイエット・ラグジュアリー”のブランドを、「スタイリングだけのブランドじゃないの?」と評する傾向もあります。確かにデムナ(Demna)の「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のように、「まだ見ぬ、洋服の革新的な可能性」を追求するブランドではありません。でも、だからと言って、何にも工夫していないアイテムをカッコよくスタイリングして誤魔化しているブランドではないんです。例えばハイゲージのニットとタンクトップのレイヤードルックを見ると、それぞれは違うネックライン、しかも微妙に普通じゃなくて、相当なこだわりが伺えます。ボックスシルエットのジャケットには緩やかにカーブしつつもストレート基調、一方コンパクトなブルゾンにはゆったりと広がるフレアなど、パンツのシルエットと裾の処理だけでもいくつもバリエーションを用意しています。「神は細部に宿る」を有言実行していますね。でも、ショーで見せるスタイリングは、あくまで参考程度の一例というカンジ。「スタイリングは、どうぞご自身で、ご自由に」というムードを醸し出しているのも、実に今っぽくて共感しちゃいます。

気負わぬミックスがうますぎ!
「アクネ ストゥディオズ」

本橋:アフォーダブル・ラグジュアリーの代表格として、アイテム軸でも、コーディネートでも、ビジュアルでもシーンをけん引している「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」は、今季も人気が集まりそうでした。テーマは「スクーターで繰り出す大学生」。

完璧さを求めず、気負いのないテイストミックスや即興的なレイヤードが今の気分にぴたりと重なります。大学生が履いていそうなトランクスを思わせるストライプ柄のボクサーショーツやタイトなストライプシャツ、レザーのセットアップやダスティーな加工ジーンズ。清潔感とユルさ、辛味のバランスが絶妙です。

バッグは20万〜60万円と、ラグジュアリーが高騰するなかで“手の届く高嶺の花”と言える価格帯。韓国セレブの着用が目立ち、日本でも20〜30代を中心にファンを拡大中です。青山に新旗艦店もオープンし、日本市場でもさらなる拡張が期待できそうです。

村上:私は「アニエス ベー(AGNES. B)」の展示会へ。シアサッカーのセットアップや、ノーラペルのジャケット、開襟シャツにグルカサンダル、さまざまなラフィア素材のアクセサリーなど、涼やかなフレンチスタイルが並びます。抹茶グリーンやスカイブルーなど、鮮やかな色合いもポイント。ですが、私のお気に入りは、拾った石で作った指輪です(笑)。石に思い浮かぶ柄をフリーダムに描いて、なんと指輪に。同じアイデアで作った貝殻のブローチもありました。材料費はそんなにかからないけれど、手間暇は意外とかかるヤツ(笑)。全世界で100個くらい作れるかな?って感じらしく、案外争奪戦になるかも!私は、1つ買います(買えるかなw?)。

ひと味違うミニマル
身体感覚を哲学する「ヘド メイナー」

今季の「ヘド メイナー(HED MAYNER)」は、“脱・構築”という言葉がまさにしっくりきます。フォーマルな装いをベースにしながらも、ジャケットの肩はストンと落ち、パンツは腰で緩やかに括られ、シャツの襟はねじられている。モデルの動きに合わせて自然に生まれるシワやズレがそのまま美しさとなり、「着ること自体がスタイリング」と言いたくなるような服でした。服そのものはミニマルですが、そのアプローチは「ルメール」の静けさとも異なり、より身体の感覚に根ざした造形を追求した、哲学的な服にも感じました。

村上:雰囲気、ちょっと変わりましたよね。以前はとにかく巨大で、ある意味「シェルター」とか「モニュメント」的な感覚の洋服だなぁ、と思って見てきましたが、そろそろ極端なオーバーサイズのシルエットは終焉ムード。ゆえに、かどうかはわかりませんが、序盤のシルエットは随分現実的になりました。今シーズンは、ゴブランや地厚のリネン、伝統的なスーツ地など、レトロなムードが漂う生地を多用し、仕立ての良さがわかる程度のボリューム感にまとめました。肩の力はだいぶ抜けた印象です。ただ、まだ「『ヘド メイナー』の人」になってしまう印象で、「『ヘド メイナー』を着ている人」になるには、もう極端なシルエット以外の“何か”が必要な印象です。朝イチの「ルメール」は、そこにアティチュードや佇まい、生き方、価値観などのムードを盛り込んでいるけれど、「ヘド メイナー」はそんな付加価値を何に設定して、それをどう盛り込んでいくのでしょう?

村上:私は「タトラス(TATRAS)」のプレゼンテーションへ。アウター、特に冬のダウンに傾倒してきましたが、一念発起してトータルブランド、ライフスタイルブランドへの進化を遂げようとしています。無論、それでも薄手のダウンベストなどは登場しますが、例えばクロップド丈のハンティングジャケットやフェイクレイヤードの合繊ブルゾン、MA-1、ハイカラーの将軍ジャケットなど、アウターのバリエーションが豊かに。加えて爽やかなチェックのシャツから、カモフラ柄のTシャツ、ワンサイズオーバーくらいで今っぽいシルエットのフーディ、カーゴパンツからビーチリゾートにもぴったりなボタニカルモチーフのリラックスパンツまで、スタイリングで語れるブランドへの進化が始まりそうです。「ヘルノ(HERNO)」あたりの進化に触発されているのかな(笑)?「ヘルノ」が機能やミニマルな美しさを追求するなら、「タトラス」は何を大事にしながらライフスタイルブランドを目指すのか?本領発揮となりそうな26-27年秋冬コレクションを待ちたいと思います。

村上:「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」、メチャクチャ良かったですね。以前はデザイナーの出自でもあるアフリカンなエキゾチックムードは面白いものの、若干民族衣装的なスタイルとスリムな黒人しか着こなせなさそうなシルエットで「難しいな」と思っていましたが、個性を失わないまま、うまくリアリティを担保しています。勝因は、ひとえに“ちゃんとしている”からでしょう。サヴィル・ローでスーツ作りを学び、今なおオーダーが入れば自分でスーツを仕立てるという彼女が作るのは、ほんのりウエストをシェイプした端正なチェスターコートやジャケットなど。スーツ地のショートパンツはもちろん、洗いをかけたコットンで作ったグルカ仕様のパンツまで、「あぁ、美しいシルエットだな」と思えるんだから、さすがです。そこにアースカラーのニットポロや、トラックパンツ、スキッパータイプのリブニットなど、アフリカンなムード漂うアイテムを組み合わせ、さらにはヒップハングのデニムでストリートのムード、ボウタイ付きのブラウスでジェンダーを超越した世界観を纏わせます。ロンドンとアフリカを行き来する間に立ち寄った、別の国のムードやスタイルも掛け合わせたようで、コレクションは唯一無二なのにユニバーサルです。

で、そんなルールを超越したスタイルで、ロンドンらしいロックなムードを醸し出しているのもサイコー!そんなロッキンな反骨精神を、私はラストルックのリアム・ギャラガー(Liam Gallagher)そっくりのモデルから感じ取りましたが、ウェールズさん、合っていますか(笑)?エレガントの中にひと匙の反骨精神。フレッシュな若手らしくて良いですねぇ。

ベレー帽や、足元のデッキシューズやモンクストラップ、それに勲章を思わせるブローチなど、アクセサリー使いも少しずつ上手になっています。レトロと土っぽさ、モダンとエレガンスが絶妙に入り混じる、彼女にしか生み出すことができないコレクションに思わずウルっと来てしまいました。

村上:最後の「アミ パリス(AMI PARIS)」、焦りましたね(笑)。ヴィクトワール広場を借り切ったショーは、周囲の道路を封鎖。大渋滞に巻き込まれるわ、入口がどこかわからないわで15分遅れくらいでショー会場にたどり着くと、「もうすぐゲリラ豪雨がやってくるので、急いで!」と急かされました(笑)。確かに空には暗い雲が立ち込め、時折雷鳴が轟いています。傘も配られ“臨戦体制”な中、ショーは始まりました。

ショーが始まると、小雨ながらも雨が降り出し、雷はいっそう激しく。緊張感はピークに達しますが、コレクションはピースフルでフリーダム、遊び心があるカワイイフレンチシックです。ボックスシルエットのジャケットに対して、シャツやパンツはオーバーサイズやリラックスシルエットで曲線的。「ルメール」同様、「アミ パリス」もステイプル、定番品のシルエットを一捻りして、スエットの下からシャツの裾を大きめに覗かせたり、ジャケットから大きめの襟を出してスカーフとコーディネートしたり、シャツとポロニットのレイヤードスタイルをロールアップでアピールしたり。「ルメール」よりも分かりやすい“オシャレなレイヤード感”があり、可愛くて、でもやっぱり自由にコーディネートできそうで、「あ、こりゃ売れるわ」と素直に思いました。

本橋:トレンドカラーになりそうなバターイエローに抹茶グリーン、さりげないけれど存在感を放つシワ加工のスカーフや、洋服と同じ素材で作った巨大バックルのベルト、手首に引っ掛けて持つトライアングルシェイプのバッグなど、キャッチーだったりトレンドになりそうだったりのアイテムをちゃんと押さえているのも「アミ パリス」の上手いところですね。

パリメンズ期間中に訪れたショップは、超巨大。そもそもヴィクトワール広場を借り切ってショーを開く辺りに規模感を感じずにはいられませんでしたが、ショーが終わった数分後にはまさかのゲリラ豪雨がスタート!多分広場に円形に配置した椅子や音響はズブ濡れになったと思うけれど、肝心のショーは無事に乗り切りました。「アミ パリス」、持ってるなぁ(笑)。

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【2026年春夏メンズコレリポートVol.7】 「アミ パリス」の雷鳴と「ルメール」の静けさの中に現れた、意思を纏う“ステイプル”

今季も2026年春夏のメンズ・ファッション・ウイークを駆け抜けました。取材班は、コロナ禍前から久々にメンズコレサーキットに舞い戻った編集長・村上と、初参戦のヘッドリポーター・本橋。ヨーロッパを覆う熱波に負けないアツいリポートをお届けします。今回はパリ3日目。

“ダイバーシティー”を風化させない
「ジャンヌ フリオ」の意思

本橋涼介「WWDJAPAN」ヘッドリポーター(以下、本橋):「ジャンヌ フリオ(JEANNE FRIOT)」と聞いて、ピンとくる読者の方は少ないかもしれません。2026年春夏コレクションは、すべてのモデルをLGBTQIA+キャストで構成したランウエイで始まりました。ラメのピンク、タイダイ、チェック、スリット、オールデニムといった予定調和的でないディテール(この中でディテールと呼べるのは、スリットだけかと)からは、感情の濃淡がありありと伝わってきて、キッチュなかわいさの中に「社会に対する意志」が同居していたように思います。

ドナルド・トランプ大統領の再登板によって保守的なジェンダー観への揺り戻しが国際社会でも騒がれるなか、このショーのメッセージは一層力強く響くかもしれません。

刷新ではなく拡張
らしさ失わない「ルメール」

本橋:今季の「ルメール(LEMAIRE)」は、ウール×ポリエステルやナイロン混のドライシルクなど、軽やかで柔らかな定番を多用。“ルメールラバー”としては、そこに個人的な安心感を覚えましたし、やっぱり信頼できるなと再確認するような時間でもありました。

印象的だったのは、やはりその“着崩し”の妙。テーラードの上からレザーのエプロンを重ねたり、スカーフのように腰に巻いたストールがスカートのように揺れたり。アイウエアをジュエリーのように見せるスタイリングなども含め、完璧に構築された装いではなく、即興的な感覚で構成されたレイヤードが、日常へのリアリティを感じさせました。

“常に刷新する”というより、“常に拡張していく”。そんな静かな進化のあり方が、「ルメール」の真骨頂なのかもしれません。見慣れたシルエットや素材でも、ほんの少しのズレや重ね方の妙で、新しい空気をまとっている。だから、自分らしさを自然と表現できる服なのだとあらためて実感しました。

村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):ショーに出てきたモデルは、まず会場を一瞥(いちべつ)。その後は前を見据えて、自然体ながら自信や余裕を感じさせる歩き方でしたね。「周囲に関心がないワケじゃない」、でも「あんまり右往左往することなく、自分を信じて前を向く」男性や女性像を醸し出そうとしているのかな?と思いました。

洋服ではなく、モデルの所作について語り始めることに違和感を覚える人もいるでしょうか?でも「ルメール」的なブランドは、ファッションというよりスタイルのブランド。ゆえに洋服のみならず、時にはそれ以上に、描き出そうとしている人間像を捉えることが重要だと思っています。

自信のある男女による今シーズンのスタイルは、ノンシャラン(気取らない様を表す言葉)なスタイリングや即興的なレイヤードがハマりましたね。幅広ラペルのチェスターコートには、コットンポプリンで軽やかなシャツ&ショートパンツ。普通ならもっとエレガントなコーディネートをするのでしょうが、これがノンシャランや即興的と表現したくなる所以。でもシンプルかつ端正なシルエットなので、カッコ良いんです。描くのは「オシャレはガマン」というほどファッション・アディクトではない男女なので、組み合わせるアイテムはビスコースやシルクツイルなど、柔らかく肌を撫でるような素材使い。スカートの一部は生地をたくし上げているので尚更、歩くたびにドレープが揺れ、美しく涼やかです。ミラノでは「ブリオーニ(BRIONI)」で同じことを感じましたが、これだけ暑いと、柔らかな生地が足の脛の辺りを撫でながら“たわんでいる”様子って、すごく良いですね。「あぁ、涼やかな素材に体を撫でられているんだろうなぁ」という印象を抱かせます。

と同時に「くぅ〜」という、ナゾなオノマトペさえ飛び出してしまうほど、洒落ているんだからさすがです。ムラカミ的に真似したいスタイリングテクニックは、メッシュで作ったソックスのつま先や踵をカットアウトしてサンダルと合わせたウィメンズのスタイリング、そして、本橋さんも指摘した無機的で冷たい光を放つシルバーのテンプルをタイピンのようにアクセサリー感覚で胸ポケットに差し込んだジャケットスタイル。共に「こんなにオシャレな人、いないよ!」と突っ込んでしまいそうですが、ゆえに「ルメール様!マネさせてください!」って思ってしまいました。

世間には、こうした“クワイエット・ラグジュアリー”のブランドを、「スタイリングだけのブランドじゃないの?」と評する傾向もあります。確かにデムナ(Demna)の「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のように、「まだ見ぬ、洋服の革新的な可能性」を追求するブランドではありません。でも、だからと言って、何にも工夫していないアイテムをカッコよくスタイリングして誤魔化しているブランドではないんです。例えばハイゲージのニットとタンクトップのレイヤードルックを見ると、それぞれは違うネックライン、しかも微妙に普通じゃなくて、相当なこだわりが伺えます。ボックスシルエットのジャケットには緩やかにカーブしつつもストレート基調、一方コンパクトなブルゾンにはゆったりと広がるフレアなど、パンツのシルエットと裾の処理だけでもいくつもバリエーションを用意しています。「神は細部に宿る」を有言実行していますね。でも、ショーで見せるスタイリングは、あくまで参考程度の一例というカンジ。「スタイリングは、どうぞご自身で、ご自由に」というムードを醸し出しているのも、実に今っぽくて共感しちゃいます。

気負わぬミックスがうますぎ!
「アクネ ストゥディオズ」

本橋:アフォーダブル・ラグジュアリーの代表格として、アイテム軸でも、コーディネートでも、ビジュアルでもシーンをけん引している「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」は、今季も人気が集まりそうでした。テーマは「スクーターで繰り出す大学生」。

完璧さを求めず、気負いのないテイストミックスや即興的なレイヤードが今の気分にぴたりと重なります。大学生が履いていそうなトランクスを思わせるストライプ柄のボクサーショーツやタイトなストライプシャツ、レザーのセットアップやダスティーな加工ジーンズ。清潔感とユルさ、辛味のバランスが絶妙です。

バッグは20万〜60万円と、ラグジュアリーが高騰するなかで“手の届く高嶺の花”と言える価格帯。韓国セレブの着用が目立ち、日本でも20〜30代を中心にファンを拡大中です。青山に新旗艦店もオープンし、日本市場でもさらなる拡張が期待できそうです。

村上:私は「アニエス ベー(AGNES. B)」の展示会へ。シアサッカーのセットアップや、ノーラペルのジャケット、開襟シャツにグルカサンダル、さまざまなラフィア素材のアクセサリーなど、涼やかなフレンチスタイルが並びます。抹茶グリーンやスカイブルーなど、鮮やかな色合いもポイント。ですが、私のお気に入りは、拾った石で作った指輪です(笑)。石に思い浮かぶ柄をフリーダムに描いて、なんと指輪に。同じアイデアで作った貝殻のブローチもありました。材料費はそんなにかからないけれど、手間暇は意外とかかるヤツ(笑)。全世界で100個くらい作れるかな?って感じらしく、案外争奪戦になるかも!私は、1つ買います(買えるかなw?)。

ひと味違うミニマル
身体感覚を哲学する「ヘド メイナー」

今季の「ヘド メイナー(HED MAYNER)」は、“脱・構築”という言葉がまさにしっくりきます。フォーマルな装いをベースにしながらも、ジャケットの肩はストンと落ち、パンツは腰で緩やかに括られ、シャツの襟はねじられている。モデルの動きに合わせて自然に生まれるシワやズレがそのまま美しさとなり、「着ること自体がスタイリング」と言いたくなるような服でした。服そのものはミニマルですが、そのアプローチは「ルメール」の静けさとも異なり、より身体の感覚に根ざした造形を追求した、哲学的な服にも感じました。

村上:雰囲気、ちょっと変わりましたよね。以前はとにかく巨大で、ある意味「シェルター」とか「モニュメント」的な感覚の洋服だなぁ、と思って見てきましたが、そろそろ極端なオーバーサイズのシルエットは終焉ムード。ゆえに、かどうかはわかりませんが、序盤のシルエットは随分現実的になりました。今シーズンは、ゴブランや地厚のリネン、伝統的なスーツ地など、レトロなムードが漂う生地を多用し、仕立ての良さがわかる程度のボリューム感にまとめました。肩の力はだいぶ抜けた印象です。ただ、まだ「『ヘド メイナー』の人」になってしまう印象で、「『ヘド メイナー』を着ている人」になるには、もう極端なシルエット以外の“何か”が必要な印象です。朝イチの「ルメール」は、そこにアティチュードや佇まい、生き方、価値観などのムードを盛り込んでいるけれど、「ヘド メイナー」はそんな付加価値を何に設定して、それをどう盛り込んでいくのでしょう?

村上:私は「タトラス(TATRAS)」のプレゼンテーションへ。アウター、特に冬のダウンに傾倒してきましたが、一念発起してトータルブランド、ライフスタイルブランドへの進化を遂げようとしています。無論、それでも薄手のダウンベストなどは登場しますが、例えばクロップド丈のハンティングジャケットやフェイクレイヤードの合繊ブルゾン、MA-1、ハイカラーの将軍ジャケットなど、アウターのバリエーションが豊かに。加えて爽やかなチェックのシャツから、カモフラ柄のTシャツ、ワンサイズオーバーくらいで今っぽいシルエットのフーディ、カーゴパンツからビーチリゾートにもぴったりなボタニカルモチーフのリラックスパンツまで、スタイリングで語れるブランドへの進化が始まりそうです。「ヘルノ(HERNO)」あたりの進化に触発されているのかな(笑)?「ヘルノ」が機能やミニマルな美しさを追求するなら、「タトラス」は何を大事にしながらライフスタイルブランドを目指すのか?本領発揮となりそうな26-27年秋冬コレクションを待ちたいと思います。

村上:「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」、メチャクチャ良かったですね。以前はデザイナーの出自でもあるアフリカンなエキゾチックムードは面白いものの、若干民族衣装的なスタイルとスリムな黒人しか着こなせなさそうなシルエットで「難しいな」と思っていましたが、個性を失わないまま、うまくリアリティを担保しています。勝因は、ひとえに“ちゃんとしている”からでしょう。サヴィル・ローでスーツ作りを学び、今なおオーダーが入れば自分でスーツを仕立てるという彼女が作るのは、ほんのりウエストをシェイプした端正なチェスターコートやジャケットなど。スーツ地のショートパンツはもちろん、洗いをかけたコットンで作ったグルカ仕様のパンツまで、「あぁ、美しいシルエットだな」と思えるんだから、さすがです。そこにアースカラーのニットポロや、トラックパンツ、スキッパータイプのリブニットなど、アフリカンなムード漂うアイテムを組み合わせ、さらにはヒップハングのデニムでストリートのムード、ボウタイ付きのブラウスでジェンダーを超越した世界観を纏わせます。ロンドンとアフリカを行き来する間に立ち寄った、別の国のムードやスタイルも掛け合わせたようで、コレクションは唯一無二なのにユニバーサルです。

で、そんなルールを超越したスタイルで、ロンドンらしいロックなムードを醸し出しているのもサイコー!そんなロッキンな反骨精神を、私はラストルックのリアム・ギャラガー(Liam Gallagher)そっくりのモデルから感じ取りましたが、ウェールズさん、合っていますか(笑)?エレガントの中にひと匙の反骨精神。フレッシュな若手らしくて良いですねぇ。

ベレー帽や、足元のデッキシューズやモンクストラップ、それに勲章を思わせるブローチなど、アクセサリー使いも少しずつ上手になっています。レトロと土っぽさ、モダンとエレガンスが絶妙に入り混じる、彼女にしか生み出すことができないコレクションに思わずウルっと来てしまいました。

村上:最後の「アミ パリス(AMI PARIS)」、焦りましたね(笑)。ヴィクトワール広場を借り切ったショーは、周囲の道路を封鎖。大渋滞に巻き込まれるわ、入口がどこかわからないわで15分遅れくらいでショー会場にたどり着くと、「もうすぐゲリラ豪雨がやってくるので、急いで!」と急かされました(笑)。確かに空には暗い雲が立ち込め、時折雷鳴が轟いています。傘も配られ“臨戦体制”な中、ショーは始まりました。

ショーが始まると、小雨ながらも雨が降り出し、雷はいっそう激しく。緊張感はピークに達しますが、コレクションはピースフルでフリーダム、遊び心があるカワイイフレンチシックです。ボックスシルエットのジャケットに対して、シャツやパンツはオーバーサイズやリラックスシルエットで曲線的。「ルメール」同様、「アミ パリス」もステイプル、定番品のシルエットを一捻りして、スエットの下からシャツの裾を大きめに覗かせたり、ジャケットから大きめの襟を出してスカーフとコーディネートしたり、シャツとポロニットのレイヤードスタイルをロールアップでアピールしたり。「ルメール」よりも分かりやすい“オシャレなレイヤード感”があり、可愛くて、でもやっぱり自由にコーディネートできそうで、「あ、こりゃ売れるわ」と素直に思いました。

本橋:トレンドカラーになりそうなバターイエローに抹茶グリーン、さりげないけれど存在感を放つシワ加工のスカーフや、洋服と同じ素材で作った巨大バックルのベルト、手首に引っ掛けて持つトライアングルシェイプのバッグなど、キャッチーだったりトレンドになりそうだったりのアイテムをちゃんと押さえているのも「アミ パリス」の上手いところですね。

パリメンズ期間中に訪れたショップは、超巨大。そもそもヴィクトワール広場を借り切ってショーを開く辺りに規模感を感じずにはいられませんでしたが、ショーが終わった数分後にはまさかのゲリラ豪雨がスタート!多分広場に円形に配置した椅子や音響はズブ濡れになったと思うけれど、肝心のショーは無事に乗り切りました。「アミ パリス」、持ってるなぁ(笑)。

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「ニューエラ」×「コンバース」 ネイビーのスエードを配したシューズ“ウエポン”

「ニューエラ(NEW ERA)」は8月22日、「コンバース(CONVERSE)」とコラボしたシューズ“ウエポン スエード OX NE(WEAPON SUEDE OX NE)”を発売する。価格は1万5400円。「ニューエラ」一部店舗および公式オンラインで取り扱う。

コラボシューズ
“ウエポン スエード OX NE”

コラボシューズは、「コンバース」を代表するバスケットボールシューズ“ウエポン(WEAPON)”を土台とし、クラシカルなベースボールキャップをイメージして制作。アッパーにはスエードを配し、左かかと部分にフラッグロゴを刺しゅうする。

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「ニューエラ(NEW ERA)」は8月22日、「コンバース(CONVERSE)」とコラボしたシューズ“ウエポン スエード OX NE(WEAPON SUEDE OX NE)”を発売する。価格は1万5400円。「ニューエラ」一部店舗および公式オンラインで取り扱う。

コラボシューズ
“ウエポン スエード OX NE”

コラボシューズは、「コンバース」を代表するバスケットボールシューズ“ウエポン(WEAPON)”を土台とし、クラシカルなベースボールキャップをイメージして制作。アッパーにはスエードを配し、左かかと部分にフラッグロゴを刺しゅうする。

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「リンメル」が高保湿リップバームを発売 バターのようにとろける質感

コスメブランド「リンメル ロンドン(RIMMEL LONDON)」は9月12日、バターのようにとろける濃厚な質感の高保湿リップ“オーマイグロス リップバターバーム”(全6色、各1540円)を全国の取り扱い店舗で販売する。8月29日からは、ロフト(LOFT)で先行販売を実施する。

同アイテムは、うるおい成分のスクワラン、アボカド油、ヒアルロン酸Naを配合し、ひと塗りで1日中保湿ケアがかなうリップバーム。カラーは、レッドベルベットやバブルガムなど、じゅわっと色づく血色カラーを6色用意した。ほかのアイテムと組み合わせることで、さらに鮮やかな発色が楽しむことができる。1本で、血色感のあるぷるんとした唇と保湿ケアを実現するアイテムだ。

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「リンメル」が高保湿リップバームを発売 バターのようにとろける質感

コスメブランド「リンメル ロンドン(RIMMEL LONDON)」は9月12日、バターのようにとろける濃厚な質感の高保湿リップ“オーマイグロス リップバターバーム”(全6色、各1540円)を全国の取り扱い店舗で販売する。8月29日からは、ロフト(LOFT)で先行販売を実施する。

同アイテムは、うるおい成分のスクワラン、アボカド油、ヒアルロン酸Naを配合し、ひと塗りで1日中保湿ケアがかなうリップバーム。カラーは、レッドベルベットやバブルガムなど、じゅわっと色づく血色カラーを6色用意した。ほかのアイテムと組み合わせることで、さらに鮮やかな発色が楽しむことができる。1本で、血色感のあるぷるんとした唇と保湿ケアを実現するアイテムだ。

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“夏バテ肌”対策にプラスαの一手を! ビューティ系インナーケア8選

とにかく暑い2025年夏。夏バテによる食欲減退や睡眠不足、紫外線ダメージやエアコンによる乾燥、大量の汗による乾燥や肌ダメージなどなど、過酷な夏な肌トラブルも抱えがち。いつもと違う肌状態になったら、正しい食事や睡眠、スキンケアに加えてインナーケアも取り入れてみるのも良いかもしれません。近年はビューティ企業からも美容視点のサプリメントや栄養機能食品が続々登場しています。肌や髪を作る土台となるタンパク質たっぷりのソイプロテイン、紫外線対策に欠かせないビタミンCのほか、腸活の定番になりつつある乳酸菌など、各ブランドの個性と工夫が詰まったインナーケア製品をご紹介!自分に合ったアイテムを探してみて。

ニューリズム
(NU+RHYTHM)

コーセー初のインナーケアブランド 第1弾は酵母プロテインパウダー

コーセーが2024年9月にローンチした初のインナービューティブランド「ニューリズム(NU+RHYTHM)」。第1弾製品の美容プロテイン“イースト プロテイン アソートセット”(25g×14包、5980円※編集部調べ)は、パン酵母から抽出した高たんぱく質原料の酵母プロテインや森永製菓が独自開発したフルーツ由来の健康素材パセノール、11種類のビタミンやコラーゲンペプチド、乳酸菌、GABAなどを配合している。1回分ずつに分けた個包装タイプで、フレーバーはリッチココア、ほうじ茶ラテ、パッションフルーツ、コーンスープの4種をそろえた。食欲が落ちた時でも取り入れやすい味わいと、シェイカーなしでも摂取できるよう“溶けやすさ”にこだわっている。

◼︎製品概要

“イースト プロテイン アソートセット”(25g×14包、5980円※編集部調べ)
公式サイト>>

アットコスメプラス
(@cosme+)

アイスタイルのインナーケア市場参入製品はセラミドと7種のビタミン配合サプリ

美容プラットフォーム、アットコスメ(@COSME)発のインナーケアブランドが7月にデビューした。第1弾製品“ザ ベーシック サプリメント”は美肌作りのサポートに特化したパウダータイプのサプリメントで、多くの肌悩みの原因となる乾燥に目を向け。肌の水分保持をサポートするセラミドと、ターンオーバーや皮脂バランスを助けるビタミン7種を掛け合わせた。飲み飽きないようピュアセラミド、フレッシュピーチ、ビターオレンジと3種のフレーバーをラインアップ。店舗では10包入り単品を1144円、30包入り単品を3262円で販売し、ブランド公式オンラインストアではサブスクリプション(30包入り、2980円)で販売している。

◼︎製品概要

“ザ ベーシック サプリメント”(全3種、10包、1144円/30包、3262円/サブスクリプション30包入り、2980円)
公式サイト>>

ユンス
(YUNTH)

「ユンス」による2種のビタミンCを掛け合わせたパウダー状サプリ

生ビタミンCのスキンケアで支持を集める「ユンス(YUNTH)」がこの夏発売した“リポソーム生ビタミンC”(2.5g×28包、3960円)は、高吸収型のリポソーム化ビタミンCと、素早く広がる即攻型ビタミンCをそれぞれ1000mgずつ配合したパウダー状のサプリメント。大量に摂取しても体外に排出されやすいビタミンCの特性を受け、時間差で常に必要な量を体内に巡らせられる設計に仕上げた。レチノール(ビタミンA)や、無色カロテノイドが豊富に含まれているホワイトトマトエキスも取り入れ、体の中から美をサポートする。パウダーは人工甘味料などを添加していないためビタミンCの酸味が感じられるため、酸味が苦手な人には水や炭酸、ジュースなどに溶かす飲み方を推奨している。

◼︎製品概要

“リポソーム生ビタミンC”(2.5g×28包、3960円)
公式サイト>>

ビー
(BE)

体内のリズム&バランスをテーマにした新インナーケアライン

4月23日にスキンケア5品とインナーケア5品をリニューアルしたサステナブルビューティーブランドの「ビー(BE)」。新たなインナーケアラインは体内のリズム&バランスを意識。たんぱく質などの働きをスムーズにするビタミンと体の機能を助けるミネラルを天然素材から水で抽出した“ビタミンバランスN”(120粒、5940円)、アスタキサンチンの赤い色が印象的なオイルサプリ“ビューティーオイル”(120粒、8100円)、日常の動きを効率化する“デイリーワークアウト”(90粒、5400円)などのサプリメントや、天然由来原料99%でできた美容系エナジードリンク“カラアクティブ”(50mL、691円/10本セット、6840円)を展開する。ほか、乳酸菌と15種の国産野菜を詰め込んだ人気の“Beグリーン GF”(3g×30袋、6480円)はグルテンフリーに変更している。

◼︎製品概要

“ビタミンバランスN”(120粒、5940円)
“ビューティーオイル”(120粒、8100円)
“デイリーワークアウト”(90粒、5400円)
“カラアクティブ”(50mL、691円/10本セット、6840円
“Beグリーン GF”(3g×30袋、6480円)
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ファチュイテ
(FATUITE)

“連鎖エイジング”に着目したブランド初のサプリ

酸化や糖化、炎症が互いに悪影響をおよぼす“連鎖エイジング”に着目し開発したスキンケアブランド「ファチュイテ(FATUITE)」初のインナーケアサプリメント“ブライテスト アドバンストサプリメント”(120粒入り、9720円)。特許技術によって吸収率を高めた高吸収型クルクミン、カロテノイドを鮭の約8000倍高含有するヘマトコッカス藻を原料としたアスタキサンチン、果物の女王と呼ばれるマンゴスチンの果皮から抽出したロダンテノンBを柱に、エイジングケアをサポートする。7月24日に発売したところ24時間で1万個が完売し、現在は定期コースの受付を停止中。単品販売のみ対応している。

◼︎製品概要

“ブライテスト アドバンストサプリメント”(120粒入り、9720円)
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トーン
(TO/ONE)

1日1包でビタミンC1000mg&乳酸菌1億個&フローラエキスを摂取

マッシュビューティーラボのナチュラル&オーガニックメイクアップブランド「トーン(TO/ONE)」が6月に発売した、ブランド初のビューティサプリ“ドリーム フローラ VC ショット”(2g×7包、1296円/2g×30包、4968円)。体内ですぐに働く水溶性のビタミンC、リポソームカプセルに内包したビタミンC、油脂でコートした持続吸収型ビタミンCを組み合わせたほか、肌状態にも深く関わるとされる腸内環境も意識。生きて腸まで届く有胞子性乳酸菌を1億個と、乳酸菌サポート成分として水溶性食物繊維のイヌリン、水分を吸うと膨らむサイリウムハスク、食物繊維の一種である難消化性デキストリンも配合している。1日1包の手軽さと、ほどよい酸味がクセになるグレープフルーツに、スパイシーなカルダモンのアクセントを忍ばせた飲みやすいフレーバーも魅力だ。

◼︎製品概要

“ドリーム フローラ VC ショット”(2g×7包、1296円/2g×30包、4968円)
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カラダととのうエンユー
(ENN YOU)

クラシエが立ち上げた“おいしい漢方ドリンク”ブランド

クラシエ漢方研究所が監修したドリンクブランド「カラダととのうエンユー(ENN YOU)」は、イキイキと体を巡らせたい時や体を温めたい時、スッキリしたい時などシチュエーションに合わせて選べるよう3つの味をそろえた。ナルコユリの根やハトムギの種子を配合した“巡 レモネード味”、ベニバナ、マイカイの花エキスを取り入れた“温 ジンジャーラテ味”、麻の実やダイダイの“快 黒ごま味”(各125g、各378円※編集部調べ)を用意した。それぞれのドリンクベースはライスミルクで、ほんのり自然な甘みが和漢素材とマッチする。

◼︎製品概要

“巡 レモネード味”(125g、378円※編集部調べ、以下同)
“温 ジンジャーラテ味”(125g、378円)
“快 黒ごま味”(125g、378円)
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ドクターズ ナチュラル レシピ
(DR.S NATURAL RECIPE)

食欲がない時にも嬉しい スイートコーン味の美容プロテイン

アンファーが展開するナチュラルフードブランド「ドクターズ ナチュラル レシピ(DR.S NATURAL RECIPE)」が限定発売したのは、スイートコーン味の美容プロテイン“ボタニカルライフスーププロテイン(スイートコーン味)”(350g、3780円)。甘いドリンクタイプのプロテインが苦手な人や日々の食事に取り入れたい人に向け、スープ感覚で楽しめる味に仕上げた。ソイプロテインにアサイーやチアシード、キヌアなど含む17種類のスーパーフード、プルーンやいちじくなどの35種類の植物素材を使用した有機植物発酵エキスを配合。17種類の乳酸菌と5種類のビフィズス菌、腸内の善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖で腸活をサポートしつつ、11種類のビタミンと亜鉛、8種類のビタミンも組み合わせた。置き換えダイエットや食欲がない時の栄養サポートにも活用でき、湯やホットミルクなどと混ぜれば温かいスープとして楽しめる。

◼︎製品概要

“ボタニカルライフスーププロテイン(スイートコーン味)”(350g、3780円)
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“夏バテ肌”対策にプラスαの一手を! ビューティ系インナーケア8選

とにかく暑い2025年夏。夏バテによる食欲減退や睡眠不足、紫外線ダメージやエアコンによる乾燥、大量の汗による乾燥や肌ダメージなどなど、過酷な夏な肌トラブルも抱えがち。いつもと違う肌状態になったら、正しい食事や睡眠、スキンケアに加えてインナーケアも取り入れてみるのも良いかもしれません。近年はビューティ企業からも美容視点のサプリメントや栄養機能食品が続々登場しています。肌や髪を作る土台となるタンパク質たっぷりのソイプロテイン、紫外線対策に欠かせないビタミンCのほか、腸活の定番になりつつある乳酸菌など、各ブランドの個性と工夫が詰まったインナーケア製品をご紹介!自分に合ったアイテムを探してみて。

ニューリズム
(NU+RHYTHM)

コーセー初のインナーケアブランド 第1弾は酵母プロテインパウダー

コーセーが2024年9月にローンチした初のインナービューティブランド「ニューリズム(NU+RHYTHM)」。第1弾製品の美容プロテイン“イースト プロテイン アソートセット”(25g×14包、5980円※編集部調べ)は、パン酵母から抽出した高たんぱく質原料の酵母プロテインや森永製菓が独自開発したフルーツ由来の健康素材パセノール、11種類のビタミンやコラーゲンペプチド、乳酸菌、GABAなどを配合している。1回分ずつに分けた個包装タイプで、フレーバーはリッチココア、ほうじ茶ラテ、パッションフルーツ、コーンスープの4種をそろえた。食欲が落ちた時でも取り入れやすい味わいと、シェイカーなしでも摂取できるよう“溶けやすさ”にこだわっている。

◼︎製品概要

“イースト プロテイン アソートセット”(25g×14包、5980円※編集部調べ)
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アットコスメプラス
(@cosme+)

アイスタイルのインナーケア市場参入製品はセラミドと7種のビタミン配合サプリ

美容プラットフォーム、アットコスメ(@COSME)発のインナーケアブランドが7月にデビューした。第1弾製品“ザ ベーシック サプリメント”は美肌作りのサポートに特化したパウダータイプのサプリメントで、多くの肌悩みの原因となる乾燥に目を向け。肌の水分保持をサポートするセラミドと、ターンオーバーや皮脂バランスを助けるビタミン7種を掛け合わせた。飲み飽きないようピュアセラミド、フレッシュピーチ、ビターオレンジと3種のフレーバーをラインアップ。店舗では10包入り単品を1144円、30包入り単品を3262円で販売し、ブランド公式オンラインストアではサブスクリプション(30包入り、2980円)で販売している。

◼︎製品概要

“ザ ベーシック サプリメント”(全3種、10包、1144円/30包、3262円/サブスクリプション30包入り、2980円)
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ユンス
(YUNTH)

「ユンス」による2種のビタミンCを掛け合わせたパウダー状サプリ

生ビタミンCのスキンケアで支持を集める「ユンス(YUNTH)」がこの夏発売した“リポソーム生ビタミンC”(2.5g×28包、3960円)は、高吸収型のリポソーム化ビタミンCと、素早く広がる即攻型ビタミンCをそれぞれ1000mgずつ配合したパウダー状のサプリメント。大量に摂取しても体外に排出されやすいビタミンCの特性を受け、時間差で常に必要な量を体内に巡らせられる設計に仕上げた。レチノール(ビタミンA)や、無色カロテノイドが豊富に含まれているホワイトトマトエキスも取り入れ、体の中から美をサポートする。パウダーは人工甘味料などを添加していないためビタミンCの酸味が感じられるため、酸味が苦手な人には水や炭酸、ジュースなどに溶かす飲み方を推奨している。

◼︎製品概要

“リポソーム生ビタミンC”(2.5g×28包、3960円)
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ビー
(BE)

体内のリズム&バランスをテーマにした新インナーケアライン

4月23日にスキンケア5品とインナーケア5品をリニューアルしたサステナブルビューティーブランドの「ビー(BE)」。新たなインナーケアラインは体内のリズム&バランスを意識。たんぱく質などの働きをスムーズにするビタミンと体の機能を助けるミネラルを天然素材から水で抽出した“ビタミンバランスN”(120粒、5940円)、アスタキサンチンの赤い色が印象的なオイルサプリ“ビューティーオイル”(120粒、8100円)、日常の動きを効率化する“デイリーワークアウト”(90粒、5400円)などのサプリメントや、天然由来原料99%でできた美容系エナジードリンク“カラアクティブ”(50mL、691円/10本セット、6840円)を展開する。ほか、乳酸菌と15種の国産野菜を詰め込んだ人気の“Beグリーン GF”(3g×30袋、6480円)はグルテンフリーに変更している。

◼︎製品概要

“ビタミンバランスN”(120粒、5940円)
“ビューティーオイル”(120粒、8100円)
“デイリーワークアウト”(90粒、5400円)
“カラアクティブ”(50mL、691円/10本セット、6840円
“Beグリーン GF”(3g×30袋、6480円)
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ファチュイテ
(FATUITE)

“連鎖エイジング”に着目したブランド初のサプリ

酸化や糖化、炎症が互いに悪影響をおよぼす“連鎖エイジング”に着目し開発したスキンケアブランド「ファチュイテ(FATUITE)」初のインナーケアサプリメント“ブライテスト アドバンストサプリメント”(120粒入り、9720円)。特許技術によって吸収率を高めた高吸収型クルクミン、カロテノイドを鮭の約8000倍高含有するヘマトコッカス藻を原料としたアスタキサンチン、果物の女王と呼ばれるマンゴスチンの果皮から抽出したロダンテノンBを柱に、エイジングケアをサポートする。7月24日に発売したところ24時間で1万個が完売し、現在は定期コースの受付を停止中。単品販売のみ対応している。

◼︎製品概要

“ブライテスト アドバンストサプリメント”(120粒入り、9720円)
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トーン
(TO/ONE)

1日1包でビタミンC1000mg&乳酸菌1億個&フローラエキスを摂取

マッシュビューティーラボのナチュラル&オーガニックメイクアップブランド「トーン(TO/ONE)」が6月に発売した、ブランド初のビューティサプリ“ドリーム フローラ VC ショット”(2g×7包、1296円/2g×30包、4968円)。体内ですぐに働く水溶性のビタミンC、リポソームカプセルに内包したビタミンC、油脂でコートした持続吸収型ビタミンCを組み合わせたほか、肌状態にも深く関わるとされる腸内環境も意識。生きて腸まで届く有胞子性乳酸菌を1億個と、乳酸菌サポート成分として水溶性食物繊維のイヌリン、水分を吸うと膨らむサイリウムハスク、食物繊維の一種である難消化性デキストリンも配合している。1日1包の手軽さと、ほどよい酸味がクセになるグレープフルーツに、スパイシーなカルダモンのアクセントを忍ばせた飲みやすいフレーバーも魅力だ。

◼︎製品概要

“ドリーム フローラ VC ショット”(2g×7包、1296円/2g×30包、4968円)
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カラダととのうエンユー
(ENN YOU)

クラシエが立ち上げた“おいしい漢方ドリンク”ブランド

クラシエ漢方研究所が監修したドリンクブランド「カラダととのうエンユー(ENN YOU)」は、イキイキと体を巡らせたい時や体を温めたい時、スッキリしたい時などシチュエーションに合わせて選べるよう3つの味をそろえた。ナルコユリの根やハトムギの種子を配合した“巡 レモネード味”、ベニバナ、マイカイの花エキスを取り入れた“温 ジンジャーラテ味”、麻の実やダイダイの“快 黒ごま味”(各125g、各378円※編集部調べ)を用意した。それぞれのドリンクベースはライスミルクで、ほんのり自然な甘みが和漢素材とマッチする。

◼︎製品概要

“巡 レモネード味”(125g、378円※編集部調べ、以下同)
“温 ジンジャーラテ味”(125g、378円)
“快 黒ごま味”(125g、378円)
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ドクターズ ナチュラル レシピ
(DR.S NATURAL RECIPE)

食欲がない時にも嬉しい スイートコーン味の美容プロテイン

アンファーが展開するナチュラルフードブランド「ドクターズ ナチュラル レシピ(DR.S NATURAL RECIPE)」が限定発売したのは、スイートコーン味の美容プロテイン“ボタニカルライフスーププロテイン(スイートコーン味)”(350g、3780円)。甘いドリンクタイプのプロテインが苦手な人や日々の食事に取り入れたい人に向け、スープ感覚で楽しめる味に仕上げた。ソイプロテインにアサイーやチアシード、キヌアなど含む17種類のスーパーフード、プルーンやいちじくなどの35種類の植物素材を使用した有機植物発酵エキスを配合。17種類の乳酸菌と5種類のビフィズス菌、腸内の善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖で腸活をサポートしつつ、11種類のビタミンと亜鉛、8種類のビタミンも組み合わせた。置き換えダイエットや食欲がない時の栄養サポートにも活用でき、湯やホットミルクなどと混ぜれば温かいスープとして楽しめる。

◼︎製品概要

“ボタニカルライフスーププロテイン(スイートコーン味)”(350g、3780円)
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資生堂パーラーが“真夏のパフェフェア”第2弾を開催 富良野メロンや岡山県産桃など

資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェは8月31日まで、2025“真夏のパフェフェア”第2弾を開催している。メニューはシャインマスカットとぶどう(3000円)、富良野メロン(3000円)、無花果(3000円)、桃(4000円)を使った旬のフルーツパフェ4種で、華やかな盛り付けと旬のフルーツを最大限に生かした味わいで目と舌にぜいたくなひとときを提供する。

産地にこだわった4種のフルーツパフェを用意

“長野県産シャインマスカットと三種の葡萄パフェ”は、シャインマスカットと葡萄のみずみずしい豊潤な味わいが特徴だ。“北海道 富良野市産“富良野メロン”パフェ”は、寒暖差の激しい山々に囲まれ育った富良野メロンを使用。果肉を追熟しており、芳醇な風味が広がる。プチプチとした食感と優しい甘さが特長の“和歌山県産無花果のパフェ”は、無花果をシャーベットとソース、赤ワインで煮込みコンポートに仕上げた。“岡山県産桃のスペシャルパフェ”は、明治の頃から受け継がれてきた伝統的な岡山県産の桃を使用。瀬戸内の穏やかな気候で育った果肉は柔らかくジューシーな食感だ。

期間限定デザート2種も同時提供

また、同期間で“今月のおすすめデザート”も2種(各2700円)用意する。“岡山県産希少バナナ“ドレーヌ”とコーヒークレーム 無花果のソルベ添え”は、コーヒーのほろ苦さと幻のバナナ“ドレーヌ”の濃厚な甘さのマリアージュを楽しむことができる。“長野県産シャインマスカットとナガノパープルのシャルロット仕立て”は、葡萄とカシスのムースやプルーンのジャム、カシスクリームを葡萄の形に見立てた。

◼️2025“真夏のパフェフェア”第2弾

日程:8月1~31日
時間:火~土曜日 11:00~21:00(L.O.20:30)
   日曜・祝日 11:00~20:00(L.O.19:30)
場所:資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェ
住所:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル3階
定休日:月曜日(祝日は営業)
※予約不可

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資生堂パーラーが“真夏のパフェフェア”第2弾を開催 富良野メロンや岡山県産桃など

資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェは8月31日まで、2025“真夏のパフェフェア”第2弾を開催している。メニューはシャインマスカットとぶどう(3000円)、富良野メロン(3000円)、無花果(3000円)、桃(4000円)を使った旬のフルーツパフェ4種で、華やかな盛り付けと旬のフルーツを最大限に生かした味わいで目と舌にぜいたくなひとときを提供する。

産地にこだわった4種のフルーツパフェを用意

“長野県産シャインマスカットと三種の葡萄パフェ”は、シャインマスカットと葡萄のみずみずしい豊潤な味わいが特徴だ。“北海道 富良野市産“富良野メロン”パフェ”は、寒暖差の激しい山々に囲まれ育った富良野メロンを使用。果肉を追熟しており、芳醇な風味が広がる。プチプチとした食感と優しい甘さが特長の“和歌山県産無花果のパフェ”は、無花果をシャーベットとソース、赤ワインで煮込みコンポートに仕上げた。“岡山県産桃のスペシャルパフェ”は、明治の頃から受け継がれてきた伝統的な岡山県産の桃を使用。瀬戸内の穏やかな気候で育った果肉は柔らかくジューシーな食感だ。

期間限定デザート2種も同時提供

また、同期間で“今月のおすすめデザート”も2種(各2700円)用意する。“岡山県産希少バナナ“ドレーヌ”とコーヒークレーム 無花果のソルベ添え”は、コーヒーのほろ苦さと幻のバナナ“ドレーヌ”の濃厚な甘さのマリアージュを楽しむことができる。“長野県産シャインマスカットとナガノパープルのシャルロット仕立て”は、葡萄とカシスのムースやプルーンのジャム、カシスクリームを葡萄の形に見立てた。

◼️2025“真夏のパフェフェア”第2弾

日程:8月1~31日
時間:火~土曜日 11:00~21:00(L.O.20:30)
   日曜・祝日 11:00~20:00(L.O.19:30)
場所:資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェ
住所:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル3階
定休日:月曜日(祝日は営業)
※予約不可

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【2025年秋コスメ】「ヒンス」“ローズ×エスプレッソ”コレクション登場 モーヴローズの人気ティントなど

から、

韓国のコスメブランド「ヒンス(HINCE)」は、温かみのあるローズモーヴカラーを中心とした新作コスメコレクション“ローズプレッソコレクション”を発売する。8月13日に「キューテン(QOO10)」の公式ショップで先行販売し、10月11日に全国のバラエティーストアで順次販売する予定だ。ほか、楽天市場、アットコスメショッピング(@COSME SHOPPING)、ゾゾタウン(ZOZOTOWN)、阪急ビューティーオンライン(HANKYU BEAUTY ONLINE)、ミーコ(MEECO)などのオンラインストアでも取り扱う。

同コレクションは、「ローズとエスプレッソの濃密なブレンディング」に着想を得た。韓国ではやっているトレンドカラー“モカムース”と、ブランドのシグネチャーカラー“アリュール・ローズ”の色味を中心に、クラシックかつモダンな秋冬ムードを演出するティントリップ、単色アイシャドウ、マルチバームをラインアップする。

人気ティントリップから秋冬のムードに寄り添う2色

“ロウグロウジェルティント”(1760円)は、唇そのものが色付いたような自然な血色感と、みずみずしい艶感を演出するウォータリーティントリップ。カラーは、秋冬のムードに寄り添う洗練された2色が登場。エスプレッソのように深みのあるシナモンローズ“ローズプレッソ”と、柔らかなモーヴローズ“アリュール・ローズ”を用意する。

単色アイカラーには万能なブラウン&抜け感のあるローズブラウン

“シングルアイシャドウ”(各1210円)は、滑らかな質感と高密着な処方で、まぶたに自然になじむ単色アイシャドウだ。エスプレッソのようなブラウン“モカプレッソ”は、陰影メイクやアイブロウ、シェーディングにも使える万能カラー。“アリュールローズ”は、血色感と透明感を兼ね備えたニュートラルなローズブラウンで、目元に穏やかな印象と抜け感を与える。単色使いはもちろん、組み合わせ次第で自然な立体感を演出できる。

唇にも頬にも使えるローズトーンのマルチバーム

“ロウグロウ デューイーボール”(1815円)は、しっとりとした艶感と自然な発色で、唇にも頬にも使えるマルチバーム。新色“ベアデュー”は、肌なじみのよいブラッシュドローズで、ほんのりとした血色感をプラスする。やさしいローズトーンで、他のカラーと重ねても使いやすいマルチに活躍する1色だ。

商品一覧

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