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海外Webマーケティングの本質|基礎・進め方・成功ポイント・事例
テクノポートの稲垣です。
現在「海外Webマーケティング事業」の責任者を務めています。
この記事を一読すると「海外Webマーケティング」に必要な情報が、一通り把握できるように執筆しました。
海外Webマーケティングの基礎
「海外Webマーケティング」とは?
私は「外国語Webサイトを活用した一連のマーケティング活動」と定義します。国内のWebマーケティングとの違いは「外国語サイトを使用する」という点です。(細かな違いは「国内のWebマーケティングとの違い」で説明しています)
そもそもの「マーケティング」「Webマーケティング」という言葉の定義については、以下の記事をご参照ください。

統計情報
海外Webマーケティングは、中小企業の販路開拓の方法として注目を集めています。
出典:2021年度|ジェトロ海外ビジネス調査 日本企業の海外事業展開に関する アンケート調査
こちらのグラフは、企業の今後3年程度の海外輸出方針に関する意識調査の結果です。2021年度の輸出方針を見ると、75.2%の企業が「さらに拡大を図る」と回答しており、過去最高の数字を記録しています。
出典:2021年度|ジェトロ海外ビジネス調査 日本企業の海外事業展開に関する アンケート調査
こちらは企業の規模別の今後3年程度の海外輸出方針の調査結果です。上のグラフが大企業、下のグラフが中小企業の輸出方針の調査結果です。ここから分かるように、中小企業で特に輸出拡大の傾向が高まっています。(2021年度で75.7%)
このような結果になった要因として、海外進出におけるデジタルの活用が挙げられています。(参照:海外事業拡大意欲は過去最低も、新規進出意欲は衰えず(世界、日本))具体的には以下のような海外販路開拓の方法です。
- 越境ECを活用したビジネスモデルの構築
- Zoomなどオンライン会議を活用した商談
- リモートによる代理店の育成と販売網の強化
海外Webマーケティングもこれらの活動に密接に関わっており、中小企業の海外販路開拓の手法として注目を集めています。
国内のWebマーケティングとの違い
国内のWebマーケティングとの違いを5つ説明します。
1. 市場規模
海外Webマーケティングの最大の特徴は、ターゲットとする市場が大きいことです。例えば、英語サイトを使って全世界向けにWebマーケティングを行う場合、英語話者は日本語話者の10倍以上存在するため、単純計算で国内の10倍以上の潜在顧客を発掘できる可能性があります。
これは言い換えると、海外の競合も多く競争が激しいということでもあります。つまり対象とするターゲット市場の大きさに比例して、競争に勝ち抜く難度も高いと言えます。
2. 言語
海外Webマーケティングは外国語でWebサイトを活用するマーケティング活動であるため、言語が違います。これはWebサイトの表記そのものはもちろん、競合企業の調査時に使用する言語、問い合わせをもらって顧客とやり取りする言語、貿易の実務で使用する言語、全てが外国語になります。
特に3つ目の「海外企業とのやり取り」は、中小企業の輸出ビジネスにおける課題として挙げられることが多いです。実際に、中小企業基盤整備機構が行った調査によると「外国語や貿易実務ができる人材の確保」が輸出における課題として最も多く挙げられています。(参照:平成 28 年度中小企業海外事業 活動実態調査報告書)
3. 文化
海外Webマーケティングでは、対象となる地域の文化的な違いが影響することもあります。例えば、外国語サイトのデザインは、日本企業のそれとは異なる特徴があります。一般的に外国、特に欧米企業のWebサイトのデザインは「配色」「画像と文章の配置」「顧客への訴求方法」で日本企業のそれとは異なる特徴を有していることが多いです。
詳しくは以下の記事で解説しています。

他にも宗教的な観点の違いで、問題が発生するおそれもあります。ターゲット地域が明確な場合は、十分に調査を行うことが必要です。
4. 手法
国内と海外では、使われているツールが異なることがあります。検索エンジンを例にとって考えると、2022年5月時点で国内で最も使われている検索エンジンは「Google(シェア76.39%)」です。一方で、世界最多の人口を有する中国ではGoogleではなく「Baidu(シェア84.27%)」が最も使われています。
一般的に、国内でWebマーケティングを行う場合はGoogleを中心に施策を実行することが有効です。一方で、海外Webマーケティングを行う際は、地域によってとるべき手法が異なることを考慮する必要があります。
参照
- Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats
- Search Engine Market Share China | Statcounter Global Stats
5. インターネット規制
国によってはインターネットへの接続に規制が設けられていることがあります。
代表的な例を挙げると、中国国内のサーバーを利用して情報発信を行う場合は「ICP(インターネット・コンテンツ・プロバイダー)」と呼ばれるライセンスを取得する必要があります。
これは中国政府がインターネット上での情報検閲を行っていることが関わっており、中国国外にサーバーを設置すると、中国国内ではサイトが表示されない、表示されても表示速度が非常に遅くなる、という問題が発生するおそれがあります。かなり技術的な内容ですが、国によってはこのような規制が設けられていることがあるので、注意が必要です。
海外Webマーケティングにおける課題と対策
中小企業が海外Webマーケティングに取り組む際に、直面することが予想される課題と解決策を3つ紹介します。これらの課題は、中小企業基盤整備機構の調査、および弊社のお客さまの声をもとに選定しました。
1 引き合いの獲得
海外Webマーケティングの目的である「海外のお客さまからの引き合いを獲得する」ことは、思っているより難しいです。特に、中小企業が外国語Webサイトから引き合い獲得を狙う場合は、海外の競合と比較した際の自社の製品・サービスの優位性を明確にしておく必要があります。なぜなら外国企業の立場から考えると、なるべく日本企業には仕事を依頼したくはないはずだからです。
例を用いて説明します。あるフランスの企業が仕事の発注先を探している場合を想定します。彼らの要求を満たすサービスを提供する企業が2つあり、1つはフランス国内、もう1つは遠国の日本にあると仮定します。
仮に2つの企業が全く同じ品質のサービスを同程度の価格で提供しているとします。その場合、おそらくほとんどの企業は発注先として前者のフランスの企業(同じ国内の企業)を選ぶはずです。なぜなら、遠国の日本企業に仕事を依頼するのは、貿易のやり取り、商習慣の違いの壁を乗り越える必要があり、かつ輸送中の事故のリスクをともなうためです。簡潔に言うと、デメリットが大きいです。
解決策「競争優勢性を全面的に訴求する」
したがって、海外の顧客から選ばれるためには、自社を選んでもらう理由が必要になります。言い換えると、海外のお客様が遠国の日本企業である自社に頼まなければいけない理由が必要です。わかりやすい例で言うと、海外の競合企業が解決できない課題に対して、自社の製品・サービスが解決策になる場合です。このような場合は、外国語Webサイトを活用して集客を行い、自社独自の強み、解決できる課題を全面的に訴求することで、引き合いの獲得が見込めます。
したがって、上記の競争優位性が明確でないまま、海外Webマーケティングを行っても、集客はできるが引き合いが来ない、引き合いはくるが受注に繋がらない、という課題に直面する確率が高いと言えます。マーケティングを始めるまでの戦略的な部分の話ですが、とても重要な内容なので最初に書かせていただきました。
2 貿易実務
海外企業との貿易実務を行うための「社内体制が整っていない」「詳しい人材がいない」という課題も発生します。特に中小企業の場合は、社内に貿易業務を行うための専門部署がない場合も多いため、社内の誰かを担当者として任せる必要が生じます。
また、貿易によって発生する料金を負担することが課題になる場合もあります。例えば、国内では輸送費を含めて十分利益が見込める製品が、海外への輸送になると採算が合わなくなってしまいほとんど利益が出ないことも考えられます。価格設定の工夫で解決できる場合は問題ありませんが、輸送コストが課題になり、海外からの取引獲得を諦めなければならない場合もあります。
解決策「外部の支援機関を活用する」
貿易の問題を一番手っ取り早く解決する方法は、外部の支援機関を活用する方法です。海外の貿易実務であれば、ジェトロをはじめ多数の企業が中小企業向けに支援を行っています。これらの企業を活用し専門家から助言をもらいながら、進めていく方法が確実かつ手間のかからない方法だと思います。
コスト面で上記の方法が難しい場合は、自社で全て行うことも方法の一つです。貿易実務を学習する手間と人件費はかかりますが、その分自社にノウハウが蓄積するというプラスの側面もあります。
3 現地の顧客対応
引き合いを獲得し、無事に貿易実務まで終えた後に発生する最後の課題が「現地の顧客対応」です。例えば、海外の企業に製品・部品を納品する場合、現地の顧客から以下のような注文を受ける可能性があります。
- 製品が故障したため直してほしい
- 不良品が混じっていたため交換してほしい
- 製品の使い方がわからないためデモを行ってほしい
全て国内の顧客であればそれほど大きな問題にならないことがほとんどですが、言語も違えば国も違う海外のお客様となると話は別です。中小企業で現地法人があり、そこで対処できる場合は問題ありません。しかし、現地に拠点がない場合はこれらの問題の解決が難しい場合もあります。
解決策「オンライン会議を活用する」
現地法人も海外の代理店もない地域のお客様対応の方法として「オンライン会議を活用する」方法があります。例えば、先の課題の中でも3つ目の「製品の使い方を説明する」ような場合は、日本と海外でオンライン会議を行い、実際に製品を見せながら顧客側で操作を行なってもらうことで、使い方の伝達が可能な場合もあります。
もちろんこの方法が全ての顧客対応で有効とは限らないため、どうしても現地での対応が必要な場合は、現地に代理店、パートナー企業に対応を依頼することが必要になります。
海外Webマーケティングの進め方
海外Webマーケティングの進め方を5つのステップで解説します。国内のWebマーケティングとは別で考える必要がある内容を厚めに解説しています。
STEP-1 目的設定
海外Webマーケティングに取り組む目的を整理します。海外Webマーケティングの目的として考えられるものを列挙します。
- 海外の顧客を開拓する(全世界 or 特定の地域)
- 海外の販売代理店を開拓する(全世界 or 特定の地域)
- 複数地域の中でどの地域から反響が来るのか調査する
これらの目的もさらに細分化すると以下のような要素を考慮する必要があります。
- 短期的に結果が欲しいのか、中長期的に問い合わせがくる仕組みを構築したいのか(もしくは両方)
- 製品・サービスの新しい用途を開発したいのか、既存の市場でシェアを取りに行くのか(もしくは両方)
- 特定の国に注力したいのか、全世界から広く問い合わせが欲しいのか
これらの目的設定によってとるべき手法を選択するため、明確に設定しておくことが必要です。
例えば「アメリカ市場において、現地の競合企業と比較された際に自社の製品・サービスが選ばれ、中長期的に問い合わせがくる仕組みを確立したい」のようなイメージです。
STEP 2 現状分析
1で設定した目的を軸に、現状分析および戦略立案を行います。現状分析で調べることは簡単に言うと「現状なぜ目的が達成されていないのか?」です。外国語サイトをすでに持っている場合は、主に以下の3つの成果が出ない原因を調べます。
- 認知されていない
- 認知されているが集客ができていない
- 集客ができているが問い合わせがこない
成果が出ない原因の分析方法および解決方法は以下の記事で説明しています。

また外国語サイトを現状持っていない場合でも、海外の競合をこの時点でリストアップしておく必要があります。ここでリストアップした競合は次のステップの戦略立案の際に活用します。私が競合をリストアップする際は、海外の検索エンジンで自社の製品・サービスに関連するキーワードを片っ端から検索していく、地道ですが確実な方法を取ります。
STEP-3 戦略立案
2で行った分析により、現状成果が出ていない原因に仮説が立っているはずです。この仮説を検証するため(原因となっている問題を解決するため)の施策を考えます。まず、数ある海外Webマーケティングの手法の中から、自社の目的にあった方法で有効だと思われる手法を選択する必要があります。
例えば、全世界向けに顧客の開拓(新市場の発掘)を行う場合、一般的に外国語Webサイトを活用した「海外SEO対策」との相性が良いです。詳しくは以下の記事で解説しています。

目的を達成できる手法であることはもちろん、自社の許容範囲(例:予算、対応可能な人員)を考慮して、実現可能な選択が必要です。
この段階で、間違っていてもいいので海外の顧客が自社を選ぶ理由を明確にします。この要素がはっきりしていれば、外国語サイトでアピールするポイントも明確になるため、仮説の検証がしやすく、仮説が間違っていた場合でも修正の必要性の判断が容易にできます。
STEP-4 施策の実行
戦略がきちんとまとまり、検証すべき仮説が明確になった次のステップとして施策を実行します。
この段階では特に頭を使う必要はないため、段取りを設定し淡々と工程を進めていきます。また、施策の実行段階になって初めて生じた疑問、思慮を要する事項が発生した場合は、STEP 1で立てた目的に立ち返って判断をすれば大きな問題にならないことがほとんです。
STEP-5 仮説検証・改善
施策の実行が一通り完了した時点から仮説の検証が始まります。要するに、現状分析の際に予想した「成果が出ない原因」と戦略立案の際に立てた「解決するための施策」は想定通りだったのか、という検証が始まります。
私の感覚ですが、多くの場合は仮説が思い通りに立証されることはありません。すなわち、考えてもいなかった原因が存在した、もしくは解決策が問題を解決するために不十分だった、という場合がほとんどです。
そのような場合、継続的な改善活動を行う必要があります。すなわち、成果が出ない原因の仮説とその解決策を見直し、成果が出るまで改善を繰り返すイメージです。言葉にするのは簡単ですが、これが最も難しくかつ担当者の思考能力が求められる作業だと思います。
海外Webマーケティングを成功させるポイント
次に海外Webマーケティングを成功させるポイントを3つ紹介します。国内のWebマーケティングに当てはまるポイントは割愛します。
ポイント1 妥協しない姿勢
個人的に、海外Webマーケティングを進める上で最も重要だと思う工程は「事前準備」です。具体的には以下のような作業です。
- 仮説の立案:現状の外国語サイトで反響が出ていない原因を洗い出す
- 解決策の立案:反響を出すための解決策を洗い出す
- キーワード調査:自社の製品・サービスを表す外国語キーワードの調査、海外の競合サイトが使用しているキーワードの調査
海外Webマーケティングを進める場合、慣れない外国語でこれらの作業をやらなければいけない上に、言語によっては国内より競合が多く準備作業の負荷が大きくなります。必然的にどこかで妥協したくなります。
ただ私は海外Webマーケティングにおいて、これらの作業の質が成功するかどうかを分けると考えます。なぜなら、海外の現地企業との競争に勝つためには、それ相応の戦略と徹底的な準備が必要だからです。
国内のWebマーケティングの場合は、地理的に不利な立場になることは少ないです。一方、海外Webマーケティングの場合、遠国の日本企業というだけで、不利な状況からスタートする場合もあります。したがって、海外の顧客から選ばれる理由を作るためにも、明確な戦略を持って海外Webマーケティングに取り組む姿勢、すなわち「準備を妥協しない」という姿勢が大切です。
ポイント2 粘り強い姿勢
海外Webマーケティングを始めるにあたって、現状成果が出ていない原因は無数に出てきます。例えば以下のようなものです。
- Webサイトのデザインが外国風じゃないから問い合わせが来ないのじゃないか?
- 翻訳がぎこちないから問い合わせが来ないのじゃないか?
- 海外の競合みたいにSNSを使って集客した方が良いんじゃないのか?
これらの要因ももちろん間違いではない場合が多いですが、盲目的にこれらの予想に頼らない方が良いと思います。海外Webマーケティングで成果が出ない原因は、ある程度体系的に整理できるため、まずは構造的に原因を把握することが大切です。
するとほとんどの場合、これらの原因よりももっと本質的な原因が見つかります。例えば、キーワード選定が間違っていた、あるキーワードの検索順位が落ちていた、など集客に直結する原因です。
一見するとこれらの原因の解決の方が、先に挙げたような原因の解決よりも難しいため、後回しになりがちです。ただ成果を出すためには、まず本質的な原因を根気強く解決していく姿勢、すなわち「粘り強い姿勢」が大切です。
ポイント3 思考し続ける姿勢
海外Webマーケティングに本格的に取り組み始めると、ある程度成果が出るタイミングがやってきます。ただ、一度成功した状態を作ったのにもかかわらず、ある時点から急に成果が出なくなることがあります。この一見すると原因不明の不調は、むしろチャンスととらえるべきだと私は思います。
なぜなら、問い合わせがこない原因を突き止め改善することで、現状よりさらに良い状態に改善できる可能性があるからです。当たり前と言えば当たり前ですが、多くの場合、調子が悪くなっても「とりあえず様子を見る」という選択をしてしまいがちであるため、あえて記載しました。
例えば、調子が悪くなった原因として「海外の競合サイトがページを更新し検索順位が落ちてしまった」と判明したとします。これは一見悪いことのように思えますが、同時に以下のような気づきを得るチャンスでもあります。
- 競合は何を意図してページを更新したのか?(競合の施策の方向性)
- 競合はどんなキーワードで集客を強化したいのか?(キーワード選定の方向性)
- 競合はその他に何を改善したのか?(Webサイト全体の方向性)
これらの中で自社でも参考にできるものがあれば、積極的に取り入れていくことで施策を強化できます。したがって、どんな些細な変化にもアンテナを張っておき、何か変化があれば原因をつきとめ改善しようとする姿勢、すなわち「思考し続ける姿勢」が大切です。
海外Webマーケティングを行う上での注意点
海外Webマーケティングを行う上で、頭に入れておくべき注意点を3つ紹介します。私の独断と偏見で選びました。
注意点1 海外の検索エンジン
特に広告を出稿する場合や、中国、ロシアなどの独自の検索エンジンが広く使われている地域向けに海外Webマーケティングを行う場合は、検索エンジンの使用率を必ず確認しましょう。
例えば、以下のグラフが示すように、中国では検索エンジンとしてBaiduが最も多く使われています。(2022年5月時点のデータ)
出展:Search Engine Market Share China | Statcounter Global Stats
したがって、中国市場向けに広告出稿を行う場合は、GoogleではなくBiaiduを使用することで、より多くの潜在顧客に情報発信できることがわかります。国別の検索エンジンの使用率はこちらのサイトで確認できます。
注意点2 翻訳は簡潔に
海外Webマーケティングにおける翻訳を自社で行う場合は、簡潔にわかりやすい翻訳を重視することが大切です。
この主張を説明する前に、ネイティブの翻訳と機械翻訳の違いを考えます。例えば日本語を英語に翻訳する場合、ネイティブが書く英語と我々の書く英語(もしくは機械翻訳の英語)の最大の違いは何かと言うと「文章の読みやすさ」だと考えます。
なぜなら、どちらの翻訳方法も基本的に意味は通じるからです。現に多少ネイティブにとって文章が読みにくい場合でも、彼らが求める情報(製品・サービス)が記載されており、文章の意味が十分伝わる場合は彼らは問い合わせをしてくるからです。(現に弊社のお客さまでも問い合わせは来ています)
だからと言って、ネイティブ翻訳は必要ないかと言われるとそうでもないと思います。なぜならネイティブの書く文章の方が、自然な文法・表現が使われており、ネイティブにとって読みやすいからです。すなわち、ネイティブ翻訳を導入することで「文章が読みにくいから」という理由で、本来くるはずだった問い合わせを失う可能性がなくなるイメージです。
ここで最初の主張に戻ります。我々非ネイティブが翻訳をするときに意識することは「文章が読みにくい」と感じさせないことです。すなわち、できるだけ簡潔にわかりやすい文章を書き「文章が読みにくい」という減点を減らすことです。簡単にできる工夫としては、以下のようものが挙げられます。
- 箇条書きを使用する
- 表を使う
- 長文は短く区切る
- シンプルな文法・単語を使う
我々日本人も、外国人が書く日本語の文章が読みにくいと感じることがあると思います。逆の立場になったときにも、あの減点をなるべく減らしましょう、という意味です。
注意点3 時間がかかる
海外Webマーケティングで効果が出るまでには、国内よりも時間がかかる場合が多いです。
1つ目の理由は、シンプルに難度が高いからです。一般的に海外Webマーケティングでは、国内よりも競合が多いです。(もちろん市場や言語によって変わります)その分、競争が激しいため、勝ち抜くためにはそれなりの試行錯誤が必要になるためです。
もう1つの理由は、国内のWebマーケティングでは思いもよらない原因で成果が出ない、という現象が起こり得るからです。例えば、以下のような原因です。
- 外国語キーワードの選定が間違っていた
- 翻訳が冗長でわかりにくい
- 海外の顧客が求める情報が載っていない(例:返品対応の方法、取引・配送の流れ、海外拠点情報)
これらの成果が出ない原因は、国内のWebマーケティングでは起きる可能性が低いため、海外Webマーケティングならではの改善ポイントになります。すなわち、これらの改善活動が必要になる場合は、時間がかかる傾向があります。
海外Webマーケティングの成功事例
ここでは弊社が実際に海外Webマーケティングを支援した実例を紹介します。
株式会社メルテック
本社 | 千葉県流山市 |
---|---|
社員数 | 100名 |
事業内容 | フォトエッチング加工、エンコーダ用スケールの設計、製造、販売 |
取材記事 | 英語サイトで「海外の新規顧客開拓」と「製品の需要調査」を実現 |
株式会社メルテックは、エッチング加工を主事業とする金属薄板加工を行っています。このエッチング加工の技術を用いて製造することができる製品の一つに「エンコーダー用スケール」と呼ばれる部品があります。これに関するキーワードを中心に、海外Webマーケティング支援を行いました。
詳しい施策の内容は割愛しますが、海外SEO対策のみにより、現在では北米、ヨーロッパを中心に世界各国から引き合いが来ています。
まとめ
本記事では「海外Webマーケティングの本質」と題して、私が考える海外SEO対策に関する見解、ノウハウを説明しました。
海外Webマーケティングを任せられる業者をお探しでしたら、お気軽にテクノポート株式会社にお声がけいただければ嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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D2Cブランドには大きく分けて2つの型があります。これから話す2つの型の違いは、「顧客が得たい体験」です。この2つの正体を把握しておくことで、D2Cブランド立ち上げの失敗を未然に防ぐことができます。
こんにちは。誇りある技術を持つ企業がシナジーを起こすブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。
D2Cブランドは立ち上げだけでなく運営にも、時間・お金・マンパワーがかかります。だからこそ自社のブランドを長く愛されるブランド育てるための戦略を、始める前に理解しておくことが重要です。
【使い切る】デイリーブランド型D2C
ここで話すデイリーブランドとは、食品や日用品などの使って消えるような、いわゆる「消耗品」を指します。このデイリーブランド型のD2Cビジネスは、商品が顧客の生活の一部となって一人ひとりに何度も購入されることで成立します。
そして、顧客がデイリーブランド型のブランドに求めることは「快適な日常」です。そのため、サブスクリプションしやすい商品設計・商品訴求が重要です。
【デイリーブランド型に必要な商品設計・商品訴求】
- 買い続けられる価格設定
- 使い続けることで快適な生活を維持できる機能
- 買い続けることに面倒がない仕組み
【形が残る】スペシャリティブランド型D2C
ここで話すスペシャリティブランドとは、使用し続けても専門的な形や性能が残るものを指します。多くの製造業が挑戦しているのはこの型です。上記のデイリーブランドとは異なり、使い続けても無くならない性質があります。このカテゴリーでは機能性や耐久性に優れ、一般より高価格な商品が展開されています。
しかし機能性・耐久性に優れて長く使えるということは、言い換えるとなかなか買い換えないということでもあります。つまり、顧客が一度購入したら、次の商品の買い替えまで長く時間がかかるので、回転率が悪いため、ビジネスモデルとして考えたときに、一時的に大きな売り上げを上げられても、継続的な収益があげづらいことから、ブランド立ち上げに苦戦するケースが多いのです。顧客にとっても「特別な買い物をしたい」という願いがあります。そのため、スペシャリティな商品には、長く使ううちに“人に自慢したくなる仕掛け“が必要なのです。
【スペシャリティブランド型に必要な商品設計・商品訴求】
- 高価格でも買いたくなるブランドの世界観
- 思わず人に話したくなるスペックやデザイン
- 顧客との中長期的コミュニケーション
製造業のためのD2Cビジネスブランディング
1人の顧客が連続して購入するデイリーブランド型のサブスクビジネスと異なり、スペシャリティブランド型は1人のコアなファンが次のコアファンを呼び寄せるブランディングが重要です。イメージしやすいのは、あなた自身しよしているお気に入りの品物にまつわる、出会いと現在に至るエピソードです。少し高いかな?と思いながらもワクワクしながら購入した時の気持ち。そして今も気に入って使い続けているシーン。また、その様子を見た友人が「それいいね。」と声をかけてくれたことなどです。
スペシャリティブランド型は、まるで波紋のようにコアな商品をコアなファンが愛用し、コアな仲間が集まってくる仕組みづくりによって、買い替え需要が少ないスペシャリティブランドでも、上記の図のように、常に顧客が途絶えない導線設計をすることが可能になるのです。
まとめ
デイリーブランド型は、継続して購入される価格設定と機能、私して継続して購入したくなる発信時期と内容が重要です。一方スペシャリティブランド型は、使い続けられるスペックとアフターフォローの仕組み、そして長く使い続けたくなる特別感・ブランドの世界観の発信を心がけることが欠かせません。自社商品が、どちらのタイプかを見極めて、顧客に愛される商品設計・商品訴求を考えましょう。
The post 製造業のための失敗しないD2C入門。D2Cにも種類があるのを知っていますか? first appeared on モノカク.