「エルメス」に感動し息を飲み「カサブランカ」の着想源“マサオさん”に癒される 2022年春夏メンズコレ現地突撃リポートVol.6

 2022年春夏シーズンのコレクションサーキットが本格開幕した。ほぼデジタル発表だった前シーズンから世界の状況は少しずつ好転し始めており、リアルでのショーやプレゼンテーションを開催するブランドも増えた。パンデミックを経て街はどう変化し、ファッション・ウイークはどう進化しているのか。現地からリポートする。

 ボンジュ〜ル!雨のち曇り、最高気温24度。2022年春夏メンズ・コレクションの最後の日記となるパリメンズ5&6日目をお届けします。終盤には私が好きなブランドのコレクション発表&展示会が盛りだくさんで、最後の最後までたくさんの胸キュンとサプライズが…!どうかこの感動を記事を通して多くの人と共有できますようにと願いつつ、今シーズンラストの“現突リポ(現地突撃リポート)”スタート!

6月26日 12:00 ロエベ

 “夜遊び”をテーマにした今季の「ロエベ(LOEWE)」の映像は、ディスコが舞台。コレクションは、ニューヨークを拠点に活動するドイツ人芸術家フローリアン・クラマー(Florian Krewer)から着想を得たそうです。ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)はいつものセクシーボイスで「今季のムードは“不器用な美しさ”」だと語り、弾けるような鮮やかなカラーで楽観主義を表現しています。密集する人だかりの中で踊る解放感と快楽、そこに生まれる一体感――パンデミックによって1年以上禁じられファンタジーを呼び起こすような映像でした。ロゴを模様にしたネオンカラーのトレンチコート、スパンコールで施されたアニマルプリントや背面に金属の飾り板を配したコートなど、きらびやかなルックが心を躍らせます。昨シーズンのウィメンズコレクションでは「カラーセラピー」という言葉を使って、色が人間心理に与える影響に興味を持っていたジョナサンの意図が、今回のメンズにもよく表れていると思います。ドレープが利いたチュニック、透け感のあるトップスやカットアウトの隙間から覗く素肌がさり気なくセクシー。服の形や性差、抑制、色彩などさまざまな固定観念から解き放たれたような、超快楽主義なコレクションでした。そして、イギリス人写真家のデイヴィッド・シムズ(David Sims)が撮影したルック写真が最高!ジョナサンが自身のブランドと「ロエベ」で常に掲げる“ユース(青春)”と今季のナイトライフ、短い夏といった全てに共通するキラキラした瞬間を捉えながらも、どこか儚さも漂います。

 ジョナサンが優れたデザイナーであり表現者だと感じるのは、自身のブランドと「ロエベ」がしっかり棲み分けできているところ。また、コレクションピースでは各シーズンのテーマを芸術的に表現しながら、その要素を取り入れつつウエアラブルに落とし込んだコマーシャルピースのバランスの良さにもあります。クリエーションが強すぎて「これいつ着るの?」的なルックに見えても、店頭に行けばちゃんと日常で着られる服が並んでいるんです!!ジョナサンのクリエーションが大好きなので、ついつい愛がダダ漏れで熱を込めて書いちゃいました(笑)。

6月26日 14:00 エルメス

 人って感動した時、本当に息を飲むんです。「エルメス(HERMES)」の展示会場でルックに触れて、何度息を飲んだか分かりません。リアルなショーには参加できませんでしたが、ショー映像を見ただけで、今シーズンのテーマである軽やかさやリラックス、自由の感覚といった要素が上質な生地と仕立ての良さで十分に伝わってきました。今季は屋外での活動が再開することを想像し、アウトドアのアクティビティや旅に適したルックとアクセサリーが展示会場に並んでいました。撥水加工が施されたナイロンのように見えるテクニカル素材をはじめ、コットンリネンやシルク混のコットンキャンバスなどは、軽量なうえにシワになりにくい機能を備えています。ファーストルックで登場したリバーシブルのコートや、やわらかいワニ革の淡いエメラルドグリーンのブルゾンでさえ、信じられないぐらいの軽さ!多くのルックの足元を飾ったハイカットのスニーカーも、ナイロン風のテクニカル素材を使用して軽快。息をさんざん飲みまくった中でもナンバーワンに息を飲んだのは、ショーでも際立っていたオレンジとピンクが美しいカシミアのカーディガン。袖を通すと、まるで綿菓子みたいに軽く、着ているというより包まれているような感覚を覚えました。「上質さの極み!さすが『エルメス』のなせるワザ」と感動しまくっていたら、私のリアクションがオーバーすぎて、担当してくれた現地プレスの方が若干引き気味でした(笑)。すみません。ショーに登場しなかったアクセサリーとしては、トラベルポーチやペイントが描かれたパスポートケース、初めて制作したというキャリーケースなど旅のお供となるアイテムが豊富でした。

6月26日 15:00 ポップアップショップめぐり

 パリメンズ時期に合わせて開かれた、ポップアップに2つ行ってきました。まずは、ベルリンを拠点にするストリートウェブメディア「ハイスノバイエティ(​HIGHSNOBIETY)」が1週間だけ開催した”Not In Paris”というショップ。ディレクションを務めたのは、パリの伝説的セレクトショップ「コレット(Colette)」でクリエイティブ・ディレクターを務めていたサラ・アンデルマン(Sarah Andelman)。20平米ほどのコンパクトなスペースは、観光名所であるカフェ・ド・フロール(Café de Flore)の店内を模した内装です。ECサイトでも販売している「ベイプ(BAPE)」「ロンシャン(LONGCHAMP)」「スケートルーム(THE SKATEROOM)」など、多くのブランドとのコラボアイテムが並んでいました。

 続いて、2021年春夏デビューの日本のブランド「イコーランド トラスト アンド インティメイト(EQUALAND TRUST AND INTIMATE)」のポップアップへ。日本古来の素材や染色方法を取り入れ、環境へ配慮した生産法を用いています。北マレのポップアップには地元客やドイツ人観光客が通りすがりにフラッと入店し、エシカルなコンセプトと素材感が気に入って購入していったそうです。植物からの原料で染色した黄色のドレス(248ユーロ、約3万3000円)と、日本産のリネンを使ったリラックスパンツ(198ユーロ、約2万6000円)が売れているとのこと。洗濯機で洗えるカシミアジャージーのカットソー(110ユーロ、約1万4000円)で男女問わず、肌触りの良さが好評で数枚購入する方も。販売担当者は「天然素材や植物を使った染色という、ナチュラル志向なコンセプトを気に入る人が多い」と教えてくれました。

 16年に及ぶ長期リノベーションを経て営業を再開した百貨店「サマリテーヌ(LA SAMARITAINE)」についてもリポートしたかったのですが、長蛇の列で入店を断念……。3日続けて行ってみましたが、どの日も30分以上の待ち時間。人々が「買い物したい!」と消費活動に意欲的な証拠なので、小売業にとっては明るい兆しかもしれませんね。外にいた店員のユニフォームがかわいかったのでパチリ。

6月26日 16:00 トラノイ

例年なら約150ブランドが出店する合同展示会「トラノイ(TRANOI)」は今季、若手デザイナーの支援を目的とした小規模な展示会を開催。パレ・ド・トーキョー内のスペースには20ほどの新進ブランドが並んでいたものの、かなり閑散としていて寂しい様子でした。私のお目当ては、昨年の「イエール国際モードフェスティバル(34e Festival International de Mode, d'Accessoires et de Photographie à Hyeres)」で会ったセリーヌ・シェン(Celine Shen)に話を聞くことでした。中国系フランス人の彼女は、パリ国立工芸学校でファッションデザインを学んだ後、「メゾン アライア(MAISON ALAIA)」でのインターンシップを経験。ペイントや墨を使ったアート制作にも取り組んでいて、今年3月には初の個展も開催しました。現在はブランドを本格的にデビューさせるためにコレクションピースの制作に挑戦中。「ベストだと思えるコレクションを、ベストなタイミングで出したい。今はまだ時期尚早なので、焦らずに進めているの」とのこと。フランスの文化放送局アルテ(Arte)から取材を受けるなど、少しずつ注目されているので、今後が楽しみです。

6月26日 18:00 カサブランカ

 今シーズンの「カサブランカ(CASABLANCA)」のテーマは"マサオさん”!もう1回言いますよ。“マサオさん”です。「え?サザエさんの夫?マスオですよ?」とか考えていたら、展示会場でデザイナーのシャラフ・タジェル(Charaf Tajer)が「マサオさんは僕の日本人の友人さ」と教えてくれました。"マサオさん"は東京でレストランに勤める男性で、タジェルとは10年以上親交があり、彼のスタイルにインスパイアされてコレクションを制作したとのこと。「日本は大好きな国で、これまで26回も行った。マサオさんは日本の文化や社会、ローカルしか知らないディープなスポットまで色んなことを教えてくれる大切な友人なんだ。でもパンデミックの影響で日本には1年半も行けていない。だから第2の祖国と呼べるぐらい愛している日本とマサオさんを思ってデザインしたんだ」とタジェル。1980〜90年代の日本の卓球文化から着想を得て、シルクのシャツに富士山や沖縄の海の風景、卓球の玉が飛ぶアニメ風のロゴを配したプリントが描かれています。コラボレーション以外で初めて展開するシューズは、バンブーの装飾が施されたローファーです。デジタル発表の映像で卓球をしていたのはフランスの卓球選手で、ラケットとボールは卓球用品メーカー「バタフライ(BUTTURFLY)」とのコラボレーション。映像でチラッと出てきた「フジフィルム(FUJIFILM)」とのコラボカメラの詳細は、近日中に発表されるそう。

 全体的にパステルカラーで彩られているのは、「昨年生まれた赤ちゃんのベビー用品を見ているうちに影響を受けたから」だと言います。原宿やカワイイスタイルも意識したのかを聞くと、「確かに、多くの外国人が日本といえばパステルカラーのカワイイスタイルをイメージするよね。でも日本の魅力ってそんな表層的なところじゃないし、むしろそことは切り離して見て欲しいって思ってる」と、話せば話すほど溢れる日本愛。何だかうれしくて癒されます。2年前の「WWDJAPAN」の取材でも日本愛を語り、日本をテーマにしたコレクションを作りたいと話していたので、今回はその念願が叶いました。「日本をテーマにしたコレクションなら10シーズンぐらい余裕で作れちゃうよ!だって、知れば知るほど魅力的な国で、決して僕の興味が失せることはないからさ」。

6月26日 20:00 フィップス

 ジェンダーフルイド(性的流動性)が声高々に主張される現代において、”男らしい”という表現を使うには注意が必要ですが、「フィップス(PHIPPS)」のコレクションは疑う余地なく“男らしい”ものでした。デザイナーのスペンサー・フィップス(Spencer Phipps)は展示会場で「パンクやミリタリー、スポーツ、バイカー、部族のそれぞれのコミュニティーで着る服が与える視覚的表現を調べ、現代にも精通する”男らしさ”を探った」と教えてくれました。レザーのパッチワークやスポーツユニフォームのアップサイクリング、バイカージャケットとテーラードをドッキングするなど、今季もDIY精神を貫いています。要素の盛り盛り感は否めませんが、創意工夫はピカイチでした!

6月27日 14:00「ジル サンダー」

 パリメンズ最終日にデジタル発表でコレクションを披露した「ジル サンダー(JIL SANDER)」。今季もクローズアップや暗がりシーンが多く、“雰囲気系”の映像ではルックがよく見えませんでした。画像で見ると、日本のウールを使ったハリのあるコートやシャープなラインのシャツジャケット、首に巻いたふわふわのシルクのようなスカーフなど、生地に焦点を当てているルーシー&ルーク・メイヤー(Lucie & Luke Meier)の美学が伺えました。直線的なオーバーサイズのコートや、ボリュームを持たせた丸みのあるフォーム、ダボつかせたボトムの裾のシルエットも遊びがあって美しい!カラーブロックや広告を模したグラフィックはニューヨークの90年代のポップアートのようで、小物使いによってストリートウエアの要素がいつもより強めでした。

 「ジル サンダー」は今年3月に、オンワードホールディングスからOTBグループへ株式譲渡されたため、現在はOTB傘下として新たなディレクションや戦略への移行期間といったところ。またコレクション発表の数週間前に、ルーシーが第一子を出産したそう。会社とクリエイティブ・ディレクターの私生活の環境の変化が、今後どのようにデザインに現れてくるのか楽しみです!

6月27日 17:00 ルメール

 今シーズンのパリメンズを締めくくるのは、「ルメール(LEMAIRE)」の展示会です。コレクションは20世紀初頭に活動したアフリカ系アメリカ人画家、ジョゼフ・ヨアキム(Joseph Yoakum)の作品からインスピレーションを得たそうです。「ルメール」の魅力の一つであるニュアンスカラーの色彩は、風景画を描いたヨアキムの作品を反映させ、砂やレンガ、ダークな曇り空の色に染まっています。コレクションはほぼ全てユニセックスでの提案で、今季からXXSサイズが登場するとのこと。そういえば現ブランド名になる前の「クリストフ ルメール」時代にも、XXSサイズがありました。肌を“プロテクション”することをテーマにしていた前シーズンとは対照的に、シースルーや軽やかな素材使いで解放的な印象に。ナチュラルダイ(天然色素を使った染色)によって一つずつ色ムラの異なるアイテムや、洗うごとにやわらかく肌になじむ麻を通じて、時間をかけて”服を愛でる”楽しさを教えてくれます。ここ数シーズンは登場の少なかった、デニムを使ったアイテムも豊富でした。私のお気に入りは、撥水加工が施されたふわふわにふくらむレインコートです。「ルメール」の服は、着てみると意外なシルエットが生まれたり、ちょうどいいところにポケットがあったりと、機能性と美しさが緻密に計算されているのだと分かり、たくさんのうれしいサプライズを与えてくれます。

 クリエイティブ・ディレクターのクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)は、かつてDJをしていた経験もあるほど音楽好き。今季は過去にショーの音楽を担当したミュージシャンのトマガ(Tomaga)が描いたプリントのTシャツや、ドイツの楽器メーカー「ホーナー(HOHNER)」が制作した小さな笛とハーモニカのネックレスなど、コラボレーション作品にも音楽要素を発見。この笛は小さいのにかなりの音量だそうで、防災用としても機能しそう。移転したオフィス兼展示会場は、木のぬくもりとたくさんの観葉植物が飾られていて、なんだか癒されました〜。

本日のパン

 パリメンズ最後は、フランスで一番ベタなパン、フランスパン!ユネスコ世界遺産の無形文化遺産の候補となっているほどの伝統的なパン。小麦粉、イースト、塩、水のみで作られていますが、シンプルなものほど複雑で、作るには巧みな技術を要するそうです。フランスパンに欠かせないバターは、フランスではエシレ(Echire)派とボルディエ(Le Beurre Bordier)派に二分。私のお気に入りはボルディエの海藻入りバター。この海藻が何の種類のなのか分かりませんが、ほのかな磯の香りと塩気がバターの美味しさを引き立てて、大人な味でおいしいんです〜。唐辛子、にんにく&ハーブ、レモン&オリーブオイル、柚子などのバリエーションがあって、三ツ星レストランでも提供されています。お餅に海藻入りバターと少しのカラスミを乗せて海苔で巻いた、”カラスミ餅”は私の友人から好評なおつまみなので、ぜひお試しあれ。磯の香りを口いっぱいに楽しみながら、今季のビーチや旅をテーマにした各ブランドの映像を見返しつつ、来たる夏に胸が騒ぎます!多くのデザイナーが口にした「抑制から解放された自由な感覚」がそう遠くない未来で私たちを待っているはず。明るい未来に期待できる、2022年春夏シーズンでした!

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 2022年春夏シーズンのコレクションサーキットが本格開幕した。ほぼデジタル発表だった前シーズンから世界の状況は少しずつ好転し始めており、リアルでのショーやプレゼンテーションを開催するブランドも増えた。パンデミックを経て街はどう変化し、ファッション・ウイークはどう進化しているのか。現地からリポートする。

 ボンジュ〜ル!雨のち曇り、最高気温24度。2022年春夏メンズ・コレクションの最後の日記となるパリメンズ5&6日目をお届けします。終盤には私が好きなブランドのコレクション発表&展示会が盛りだくさんで、最後の最後までたくさんの胸キュンとサプライズが…!どうかこの感動を記事を通して多くの人と共有できますようにと願いつつ、今シーズンラストの“現突リポ(現地突撃リポート)”スタート!

6月26日 12:00 ロエベ

 “夜遊び”をテーマにした今季の「ロエベ(LOEWE)」の映像は、ディスコが舞台。コレクションは、ニューヨークを拠点に活動するドイツ人芸術家フローリアン・クラマー(Florian Krewer)から着想を得たそうです。ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)はいつものセクシーボイスで「今季のムードは“不器用な美しさ”」だと語り、弾けるような鮮やかなカラーで楽観主義を表現しています。密集する人だかりの中で踊る解放感と快楽、そこに生まれる一体感――パンデミックによって1年以上禁じられファンタジーを呼び起こすような映像でした。ロゴを模様にしたネオンカラーのトレンチコート、スパンコールで施されたアニマルプリントや背面に金属の飾り板を配したコートなど、きらびやかなルックが心を躍らせます。昨シーズンのウィメンズコレクションでは「カラーセラピー」という言葉を使って、色が人間心理に与える影響に興味を持っていたジョナサンの意図が、今回のメンズにもよく表れていると思います。ドレープが利いたチュニック、透け感のあるトップスやカットアウトの隙間から覗く素肌がさり気なくセクシー。服の形や性差、抑制、色彩などさまざまな固定観念から解き放たれたような、超快楽主義なコレクションでした。そして、イギリス人写真家のデイヴィッド・シムズ(David Sims)が撮影したルック写真が最高!ジョナサンが自身のブランドと「ロエベ」で常に掲げる“ユース(青春)”と今季のナイトライフ、短い夏といった全てに共通するキラキラした瞬間を捉えながらも、どこか儚さも漂います。

 ジョナサンが優れたデザイナーであり表現者だと感じるのは、自身のブランドと「ロエベ」がしっかり棲み分けできているところ。また、コレクションピースでは各シーズンのテーマを芸術的に表現しながら、その要素を取り入れつつウエアラブルに落とし込んだコマーシャルピースのバランスの良さにもあります。クリエーションが強すぎて「これいつ着るの?」的なルックに見えても、店頭に行けばちゃんと日常で着られる服が並んでいるんです!!ジョナサンのクリエーションが大好きなので、ついつい愛がダダ漏れで熱を込めて書いちゃいました(笑)。

6月26日 14:00 エルメス

 人って感動した時、本当に息を飲むんです。「エルメス(HERMES)」の展示会場でルックに触れて、何度息を飲んだか分かりません。リアルなショーには参加できませんでしたが、ショー映像を見ただけで、今シーズンのテーマである軽やかさやリラックス、自由の感覚といった要素が上質な生地と仕立ての良さで十分に伝わってきました。今季は屋外での活動が再開することを想像し、アウトドアのアクティビティや旅に適したルックとアクセサリーが展示会場に並んでいました。撥水加工が施されたナイロンのように見えるテクニカル素材をはじめ、コットンリネンやシルク混のコットンキャンバスなどは、軽量なうえにシワになりにくい機能を備えています。ファーストルックで登場したリバーシブルのコートや、やわらかいワニ革の淡いエメラルドグリーンのブルゾンでさえ、信じられないぐらいの軽さ!多くのルックの足元を飾ったハイカットのスニーカーも、ナイロン風のテクニカル素材を使用して軽快。息をさんざん飲みまくった中でもナンバーワンに息を飲んだのは、ショーでも際立っていたオレンジとピンクが美しいカシミアのカーディガン。袖を通すと、まるで綿菓子みたいに軽く、着ているというより包まれているような感覚を覚えました。「上質さの極み!さすが『エルメス』のなせるワザ」と感動しまくっていたら、私のリアクションがオーバーすぎて、担当してくれた現地プレスの方が若干引き気味でした(笑)。すみません。ショーに登場しなかったアクセサリーとしては、トラベルポーチやペイントが描かれたパスポートケース、初めて制作したというキャリーケースなど旅のお供となるアイテムが豊富でした。

6月26日 15:00 ポップアップショップめぐり

 パリメンズ時期に合わせて開かれた、ポップアップに2つ行ってきました。まずは、ベルリンを拠点にするストリートウェブメディア「ハイスノバイエティ(​HIGHSNOBIETY)」が1週間だけ開催した”Not In Paris”というショップ。ディレクションを務めたのは、パリの伝説的セレクトショップ「コレット(Colette)」でクリエイティブ・ディレクターを務めていたサラ・アンデルマン(Sarah Andelman)。20平米ほどのコンパクトなスペースは、観光名所であるカフェ・ド・フロール(Café de Flore)の店内を模した内装です。ECサイトでも販売している「ベイプ(BAPE)」「ロンシャン(LONGCHAMP)」「スケートルーム(THE SKATEROOM)」など、多くのブランドとのコラボアイテムが並んでいました。

 続いて、2021年春夏デビューの日本のブランド「イコーランド トラスト アンド インティメイト(EQUALAND TRUST AND INTIMATE)」のポップアップへ。日本古来の素材や染色方法を取り入れ、環境へ配慮した生産法を用いています。北マレのポップアップには地元客やドイツ人観光客が通りすがりにフラッと入店し、エシカルなコンセプトと素材感が気に入って購入していったそうです。植物からの原料で染色した黄色のドレス(248ユーロ、約3万3000円)と、日本産のリネンを使ったリラックスパンツ(198ユーロ、約2万6000円)が売れているとのこと。洗濯機で洗えるカシミアジャージーのカットソー(110ユーロ、約1万4000円)で男女問わず、肌触りの良さが好評で数枚購入する方も。販売担当者は「天然素材や植物を使った染色という、ナチュラル志向なコンセプトを気に入る人が多い」と教えてくれました。

 16年に及ぶ長期リノベーションを経て営業を再開した百貨店「サマリテーヌ(LA SAMARITAINE)」についてもリポートしたかったのですが、長蛇の列で入店を断念……。3日続けて行ってみましたが、どの日も30分以上の待ち時間。人々が「買い物したい!」と消費活動に意欲的な証拠なので、小売業にとっては明るい兆しかもしれませんね。外にいた店員のユニフォームがかわいかったのでパチリ。

6月26日 16:00 トラノイ

例年なら約150ブランドが出店する合同展示会「トラノイ(TRANOI)」は今季、若手デザイナーの支援を目的とした小規模な展示会を開催。パレ・ド・トーキョー内のスペースには20ほどの新進ブランドが並んでいたものの、かなり閑散としていて寂しい様子でした。私のお目当ては、昨年の「イエール国際モードフェスティバル(34e Festival International de Mode, d'Accessoires et de Photographie à Hyeres)」で会ったセリーヌ・シェン(Celine Shen)に話を聞くことでした。中国系フランス人の彼女は、パリ国立工芸学校でファッションデザインを学んだ後、「メゾン アライア(MAISON ALAIA)」でのインターンシップを経験。ペイントや墨を使ったアート制作にも取り組んでいて、今年3月には初の個展も開催しました。現在はブランドを本格的にデビューさせるためにコレクションピースの制作に挑戦中。「ベストだと思えるコレクションを、ベストなタイミングで出したい。今はまだ時期尚早なので、焦らずに進めているの」とのこと。フランスの文化放送局アルテ(Arte)から取材を受けるなど、少しずつ注目されているので、今後が楽しみです。

6月26日 18:00 カサブランカ

 今シーズンの「カサブランカ(CASABLANCA)」のテーマは"マサオさん”!もう1回言いますよ。“マサオさん”です。「え?サザエさんの夫?マスオですよ?」とか考えていたら、展示会場でデザイナーのシャラフ・タジェル(Charaf Tajer)が「マサオさんは僕の日本人の友人さ」と教えてくれました。"マサオさん"は東京でレストランに勤める男性で、タジェルとは10年以上親交があり、彼のスタイルにインスパイアされてコレクションを制作したとのこと。「日本は大好きな国で、これまで26回も行った。マサオさんは日本の文化や社会、ローカルしか知らないディープなスポットまで色んなことを教えてくれる大切な友人なんだ。でもパンデミックの影響で日本には1年半も行けていない。だから第2の祖国と呼べるぐらい愛している日本とマサオさんを思ってデザインしたんだ」とタジェル。1980〜90年代の日本の卓球文化から着想を得て、シルクのシャツに富士山や沖縄の海の風景、卓球の玉が飛ぶアニメ風のロゴを配したプリントが描かれています。コラボレーション以外で初めて展開するシューズは、バンブーの装飾が施されたローファーです。デジタル発表の映像で卓球をしていたのはフランスの卓球選手で、ラケットとボールは卓球用品メーカー「バタフライ(BUTTURFLY)」とのコラボレーション。映像でチラッと出てきた「フジフィルム(FUJIFILM)」とのコラボカメラの詳細は、近日中に発表されるそう。

 全体的にパステルカラーで彩られているのは、「昨年生まれた赤ちゃんのベビー用品を見ているうちに影響を受けたから」だと言います。原宿やカワイイスタイルも意識したのかを聞くと、「確かに、多くの外国人が日本といえばパステルカラーのカワイイスタイルをイメージするよね。でも日本の魅力ってそんな表層的なところじゃないし、むしろそことは切り離して見て欲しいって思ってる」と、話せば話すほど溢れる日本愛。何だかうれしくて癒されます。2年前の「WWDJAPAN」の取材でも日本愛を語り、日本をテーマにしたコレクションを作りたいと話していたので、今回はその念願が叶いました。「日本をテーマにしたコレクションなら10シーズンぐらい余裕で作れちゃうよ!だって、知れば知るほど魅力的な国で、決して僕の興味が失せることはないからさ」。

6月26日 20:00 フィップス

 ジェンダーフルイド(性的流動性)が声高々に主張される現代において、”男らしい”という表現を使うには注意が必要ですが、「フィップス(PHIPPS)」のコレクションは疑う余地なく“男らしい”ものでした。デザイナーのスペンサー・フィップス(Spencer Phipps)は展示会場で「パンクやミリタリー、スポーツ、バイカー、部族のそれぞれのコミュニティーで着る服が与える視覚的表現を調べ、現代にも精通する”男らしさ”を探った」と教えてくれました。レザーのパッチワークやスポーツユニフォームのアップサイクリング、バイカージャケットとテーラードをドッキングするなど、今季もDIY精神を貫いています。要素の盛り盛り感は否めませんが、創意工夫はピカイチでした!

6月27日 14:00「ジル サンダー」

 パリメンズ最終日にデジタル発表でコレクションを披露した「ジル サンダー(JIL SANDER)」。今季もクローズアップや暗がりシーンが多く、“雰囲気系”の映像ではルックがよく見えませんでした。画像で見ると、日本のウールを使ったハリのあるコートやシャープなラインのシャツジャケット、首に巻いたふわふわのシルクのようなスカーフなど、生地に焦点を当てているルーシー&ルーク・メイヤー(Lucie & Luke Meier)の美学が伺えました。直線的なオーバーサイズのコートや、ボリュームを持たせた丸みのあるフォーム、ダボつかせたボトムの裾のシルエットも遊びがあって美しい!カラーブロックや広告を模したグラフィックはニューヨークの90年代のポップアートのようで、小物使いによってストリートウエアの要素がいつもより強めでした。

 「ジル サンダー」は今年3月に、オンワードホールディングスからOTBグループへ株式譲渡されたため、現在はOTB傘下として新たなディレクションや戦略への移行期間といったところ。またコレクション発表の数週間前に、ルーシーが第一子を出産したそう。会社とクリエイティブ・ディレクターの私生活の環境の変化が、今後どのようにデザインに現れてくるのか楽しみです!

6月27日 17:00 ルメール

 今シーズンのパリメンズを締めくくるのは、「ルメール(LEMAIRE)」の展示会です。コレクションは20世紀初頭に活動したアフリカ系アメリカ人画家、ジョゼフ・ヨアキム(Joseph Yoakum)の作品からインスピレーションを得たそうです。「ルメール」の魅力の一つであるニュアンスカラーの色彩は、風景画を描いたヨアキムの作品を反映させ、砂やレンガ、ダークな曇り空の色に染まっています。コレクションはほぼ全てユニセックスでの提案で、今季からXXSサイズが登場するとのこと。そういえば現ブランド名になる前の「クリストフ ルメール」時代にも、XXSサイズがありました。肌を“プロテクション”することをテーマにしていた前シーズンとは対照的に、シースルーや軽やかな素材使いで解放的な印象に。ナチュラルダイ(天然色素を使った染色)によって一つずつ色ムラの異なるアイテムや、洗うごとにやわらかく肌になじむ麻を通じて、時間をかけて”服を愛でる”楽しさを教えてくれます。ここ数シーズンは登場の少なかった、デニムを使ったアイテムも豊富でした。私のお気に入りは、撥水加工が施されたふわふわにふくらむレインコートです。「ルメール」の服は、着てみると意外なシルエットが生まれたり、ちょうどいいところにポケットがあったりと、機能性と美しさが緻密に計算されているのだと分かり、たくさんのうれしいサプライズを与えてくれます。

 クリエイティブ・ディレクターのクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)は、かつてDJをしていた経験もあるほど音楽好き。今季は過去にショーの音楽を担当したミュージシャンのトマガ(Tomaga)が描いたプリントのTシャツや、ドイツの楽器メーカー「ホーナー(HOHNER)」が制作した小さな笛とハーモニカのネックレスなど、コラボレーション作品にも音楽要素を発見。この笛は小さいのにかなりの音量だそうで、防災用としても機能しそう。移転したオフィス兼展示会場は、木のぬくもりとたくさんの観葉植物が飾られていて、なんだか癒されました〜。

本日のパン

 パリメンズ最後は、フランスで一番ベタなパン、フランスパン!ユネスコ世界遺産の無形文化遺産の候補となっているほどの伝統的なパン。小麦粉、イースト、塩、水のみで作られていますが、シンプルなものほど複雑で、作るには巧みな技術を要するそうです。フランスパンに欠かせないバターは、フランスではエシレ(Echire)派とボルディエ(Le Beurre Bordier)派に二分。私のお気に入りはボルディエの海藻入りバター。この海藻が何の種類のなのか分かりませんが、ほのかな磯の香りと塩気がバターの美味しさを引き立てて、大人な味でおいしいんです〜。唐辛子、にんにく&ハーブ、レモン&オリーブオイル、柚子などのバリエーションがあって、三ツ星レストランでも提供されています。お餅に海藻入りバターと少しのカラスミを乗せて海苔で巻いた、”カラスミ餅”は私の友人から好評なおつまみなので、ぜひお試しあれ。磯の香りを口いっぱいに楽しみながら、今季のビーチや旅をテーマにした各ブランドの映像を見返しつつ、来たる夏に胸が騒ぎます!多くのデザイナーが口にした「抑制から解放された自由な感覚」がそう遠くない未来で私たちを待っているはず。明るい未来に期待できる、2022年春夏シーズンでした!

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「ミズノ」が東京五輪体操・トランポリン日本代表のユニホーム発表 コシノヒロコがデザイン

 「ミズノ(MIZUNO)」は、体操競技・トランポリン日本代表の新ユニホームを発表した。コシノヒロコ=デザイナーが“日本らしさ”をテーマに、男女2種類ずつデザインした。7月23日に開幕する東京オリンピックをはじめ、国際大会で着用する。

 男子は、「ハネ柄」と「書画」の2種類。“ハネ”は漫画でスピード感を表現する際に用いる技法で、書画は勢いのいい筆使いが特徴の絵画ジャンルだ。いずれもトランポリン競技の跳躍感を表現した。

 女子は、「一筆書き」と「蝶」の2種類。一筆書きでは、かすれた筆跡部分にスワロフスキーのクリスタルガラスを添えた。蝶では羽のパターンを忠実に再現し、自然が持つ力強さと美しさを表した。

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オンワードのEC専業「アンクレイヴ」 好調支える若手企画チームの躍動

 オンワード樫山の20代後半〜30代向けEC専業ウィメンズブランド「アンクレイヴ(UNCRAVE)」が順調にファンを広げている。2020年春夏のスタートから1年余りでインスタグラムの公式アカウントのフォロワーは3万を超え、初年度(21年2月期)はコロナ禍以前に組んだブランドの売り上げ予算も達成した。価格と品質のバランスに加え、若手企画チームによる等身大目線の商品企画が、女性のリアルなニーズを捉えている。

 ブランド名は“無駄なものを求めない”の意で、過度な装飾性を排したミニマルなセットアップ提案を主軸として打ち出す。「自社の百貨店ブランドと同等の生産背景」(国府美咲MD)による品質と、実店舗を持たないなどコスト抑えて実現する、リーズナブルな価格のバランスが武器だ。秋冬物のトップス、パンツ、スカートなどは1万〜2万円台が中心で、ウールコートでも4万円を切る。

 プロモーション面では、広告戦略に頼らず、SNSを中心に口コミでじわじわと広める方針を取ってきた。国府MDは「新作やスタイリングの投稿をするたびに、熱心なリアクションが多数ある。純粋に服のよさが伝わり、エンゲージメントの高いファンを増やすことができる」と手応えを話す。

 ストロングポイントは、お値打ち感だけではない。大事にしているのは、「ターゲット(20代後半〜30代の女性)と同じ目線に立つこと」。20-21年秋冬では、厚手のウールメルトン素材を使用したコート類がヒットした。メルトン素材特有のごわごわした着心地を排除し、撥水・撥油性も備えるなど、顧客の声を元に機能面を重視した。ダッフルコート(税込3万9600円)は6000件以上、ピーコート(同3万7400円)は1700件以上の再入荷待ちが出た。21-22年秋冬も継続販売する。

 「厚手のコートが市場で売れないと言われる中でも、他にないものが作れれば、お客さまに必ず響く」と自信を深める。国府MDは29歳ながら、ディレクターを除けば企画チームの最年長として中心的な役割を担う。「若いチームだからこそフランクに、のびのびと仕事ができている。今までのアパレルブランドのように、シーズンテーマはこれ、トレンドはこれ、と頭でっかちに考えず、私たちが本当に欲しいと思う服を突き詰めていきたい」。

 21-22年秋冬は、従来の黒、ブルーグレーなどのシックなカラーリングに、ピンクやイエローなどのニュアンスカラーを取り入れる。一部のブルゾンなどはユニセックスで着用できるようにするなど、新しい試みで新客の獲得を目指す。

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「オサジ」ホームフレグランス調香専門店を蔵前にオープン 自分好みの香りを調香できる体験型ストア

 日東電化工業の「オサジ(OSAJI)」は7月3日、ブランド初のオリジナルホームフレグランス調香専門店「kako -家香-」を東京・蔵前にオープンする。場所は蔵前の国際通りに面した文具店カキモリの跡地。調香体験ができる常設のワークショップスペースを設けるほか、「オサジ」のアイテムをフルラインアップでそろえる。

 同店は、家紋のように代々受け継がれるような自分たちだけの“家の香り(ホームフレグランス)”を作ることにフォーカスした店舗。「オサジ」の遠藤洋介ジェネラル・マネジャーは「肌のお手入れはスキンケアに加え、インナーケアや睡眠、心をリラックスさせることも大切だ。『オサジ』では、香りは日々の暮らしにエッセンスを与える重要な役割だと考えており、(コロナ禍で)家で過ごす時間が長くなったいま、気持ちの切り替えや心地よさを感じられる“家の香り”に着目した」と話す。

 ワークショップでは、同店オリジナルのブレンドエッセンシャルオイル12種類を使い、自分好みの香りを調香できる2種のコースを用意。エッセンシャルオイル10mLを作るプラン(税込4000円)と、エッセンシャルオイル10mL・ルームフレグランススプレー100mLをセットで作るプラン(税込6000円)で、それぞれ所要時間は約60分。調香後、30分ほどでその場で製作したアイテムの引き渡しが可能だ。ワークショップは予約制で、公式サイトで受け付けている。なお、一度調香したレシピはシリアルナンバーが付与され、リピート購入ができる(エッセンシャルオイルは税込2750円、ルームフレグランススプレーは税込2200円)。今後、洗剤や柔軟剤の展開も検討するという。

 「オサジ」は2017年に誕生し、東京・谷中に第1号店となる路面店を構えている。「もともと谷中、清澄白河、蔵前エリアに出店したく場所を探していた。今回『カキモリ』と縁があり、念願であった蔵前に出店ができた」という。今年に入ってからは百貨店への出店も加速しており、京都の藤井大丸、松坂屋上野店、東武百貨店池袋店、そごう大宮店に直営店をオープンした。「デビュー時はスキンケアと雑貨を展開していたが、19年にメイク製品をラインアップに加え、今では立ち上げから3倍以上のアイテムを揃えている。昨年はSNSでネイルが話題になり20代後半~30代のお客さまが増えたが、ブランドの知名度をさらに高めるべく、出店を通じてタッチポイントを増やしていきたい」と話す。

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SNSで上半期注目の美容トレンドをリアル調査 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」の結果とともに紹介

 「WWDJAPAN」6月28日号と「WWDJAPAN.com」は、「上半期ベストコスメ」全21部門の結果を発表した。全国の百貨店とセミセルフショップ、バラエティーストア、ドラッグストアのバイヤーに21年1〜4月に“売れた”アイテムをヒアリング。各部門1〜4月の間に発売されたニュープロダクト(新製品)と、これまでに発売された既存品を含めた全製品からヒーロープロダクト(総合)のベスト3を選出した。結果からは、昨年来のコロナ禍が、支持されるスキンケア&メイクアップにも大きく影響していることがわかった。

 リアルな消費動向を探るため、「WWDJAPAN」は公式インスタグラムとツイッター(ともに@wwd_jp)で上半期の美容トレンドについてユーザー調査を行った。その結果とともに「WWDJAPAN 上半期ベストコスメ」を振り返る。

注目のメイクトレンドは
“落ちないリップ”と“ノーファンデメイク”

 上半期に注目したメイクトレンドを聞いたところ、44%が「落ちないリップ」、34%が「ノーファンデメイク」と回答した。ともにマスク着用の常態化が支持の大きな理由だ。バラエティー・ドラッグストアでは、色持ちの良いティントタイプの「セザンヌ」や「フジコ」「オペラ」「リカフロッシュ」のリップがランキングの上位を占めた。
 ベースメイクも「マスクに色がつかないか」「崩れにくいか」が購入の決め手になっている。百貨店・セミセルフ ベースメイクの新製品1位には、「マスクにつかないストレスフリーな使い心地が人気」とバイヤーがコメントする「RMK」のカラーファンデーションが輝いた。
 そもそもファンデーションを塗らないという人も増え、下地やコンシーラー、パウダーで肌を仕上げるノーファンデメイクが支持を集めた。百貨店・セミセルフショップのベースメイク総合1位は「クレ・ド・ポー ボーテ」のくすみを補正してワントーン明るい肌に仕上げる化粧下地「ヴォワール コレクチュールn」が獲得。ベージュではないファンデーションや、下地やパウダー、日焼け止めが人気を集めている。

ベースメイクは艶肌支持が圧倒的

 ここ数年艶肌ブームはずっと続いているが、コロナ禍でも変わらず人気だ。在宅勤務によるリモート会議中にPCの画面に写った自分の顔のくすみや暗さに気づく人も多い。艶肌はトーンアップして生き生きとした印象に見せてくれるのがポイントだ。スキンケア成分配合でツヤのある仕上がりをかなえる「シャネル」の“サブリマージュ レサンス ドゥ タン”や、肌を保湿しながら透明感をアップする「ディオール」の“ディオールスキン フォーエヴァー クッション パウダー”がランクインした。

アイメイクはナチュラル派が大半

 マスクをすることで、顔の印象を作る際の目元の重要度が増している。昨年からカラーアイライナーやカラーマスカラを打ち出すブランドも多く、リップメイクが楽しめない中で目元のカラーメイクを楽しむ人が増えた。一方で今回行ったユーザー調査では64%がナチュラル派。百貨店・セミセルフショップでは4色アイシャドウパレットがアイメイクの上位を占めたが、ドラッグ・バラエティでは「ウズ」の「まつ毛美容液」や「水橋保寿堂製薬」の「エマーキット」がランクイン。まつ毛美容液がアイメイク部門でランクインするという、例年とは大きく異なる特徴が現れた。

毛穴ケアが注目度NO.1
マスク荒れケアと美白への関心も高い

 スキンケアに関しては毛穴ケアが34%、マスク荒れケアが26%、美白ケアが25%、敏感肌ケアが15%という結果だった。皮脂量が増える春から夏にかけては、毛穴ケアへの注目が高まるのは例年の傾向だ。クレンジング・洗顔では「シュウ ウエムラ」や「ファンケル」「デュオ」といった毛穴やくすみ対策もできる美容効果の高いアイテムが人気だった。また、「スック」の“ポア クレンジング セラム”や「タカミ」の“スキンピール”といったプラスαのポイントケアも支持された。

 加えてマスク着用による摩擦やムレ、乾燥から、肌荒れに悩む人が増加。マスク荒れケアへの意識が高まっている。乾燥による肌に潤いを補給してバリア機能をサポートする「VT」の”シカデイリースージングマスク”や、「dプログラム」の“アレルバリア ミストN”が人気だった。百貨店・セミセルフショップの乳液・クリームで新製品1位に輝いた「ディオール」の“カプチュール トータル セル ENGY リッチ クリーム”には「マスク着用により保湿力の高いクリームの需要が高まった」とバイヤーからのコメントが寄せられた。

韓国コスメの人気は続く

 これまで韓国コスメへの支持が圧倒的だったが、今回の調査では約3割が中国コスメを支持。昨年はドラッグストアやバラエティーショップで中国コスメの取り扱いが増え、最近では宮脇咲良が「フラワーノーズ」のアジアブランド大使に就任するなどニュースもある。中国コスメはさらに躍進するだろう。

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「バルクオム」が美容室市場で好調 秘訣はスキンケアメニューの提案にあった

 メンズスキンケアブランド「バルクオム(BULK HOMME)」は、2020年10月からヘアサロン市場での展開を強化、売り上げ・取り扱いサロン数を伸ばしている。「バルクオム」といえばメンズスキンケアを代表するブランドの1つで、ECでの展開が中心。そうしたブランドがサロン市場に注力する理由と、サロンでの提案内容について担当者に聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):ヘアサロン市場を強化し始めた経緯は?

木下達哉「バルクオム」スペシャルリテールディビジョン ディビジョンマネージャー(以下、木下):コロナ禍でリアルショップのテスターやサンプルが試しにくい状況となり、お客さまに「バルクオム」製品を手に取ってもらう機会が減っていました。その一方でブランド認知は高まっており、「ユーチューブやツイッターで見たことあるけど、どんな使用感なんだろう」「いい香りって聞くけど、どんな香りなんだろう」などと、“興味はあるのにタッチポイントがない”という状況の男性が多かったんです。そうした状況下で「製品とお客さまとの接点を作るには……」と考えたとき、男性が定期的に赴く場所としてヘアサロンに着目しました。

WWD:それ以前もヘアサロンでの取り扱いはあった?

木下:ありましたね。取り扱いサロンは拡大中でした。ただサポート体制が整っていなかったため、昨年10月を機に体制を強化しました。具体的には、「バルクオム」の公式の体験メニューを設けたり、メニューの宣伝に使う画像を提供したりと、細かなサポートを始めました。メニュー名に「バルクオム」とつける提案も行いました。

WWD:どんなメニューを設けた?

木下:お店単位でアレンジしてもらっているのですが、ヘアカット+ヘアケア+スキン(頭皮)ケアといったメニューが一般的です。例えば、ヘアカットと「バルクオム」製品を使用したシャンプー&トリートメントの後、タオルドライをし、“頭皮用美容液”を使ったヘッドマッサージを施す“簡易ヘッドスパ”メニューは人気ですね。メンズカットのオプションメニューはあまり多くないので、「オプションによって差別化することで、男性客の顧客化をサポートできれば」という思いから提案を始めました。タオルドライ後にイスを倒し、スチームを当てながら“美容液マスク”をし、“乳液”をつけ、フェイシャルマッサージを施すというメニューも人気です。普段からフェイシャルマスクを使っている男性は少ないので、新鮮な体験になっていると思います。

WWD:乳液も使わない人が多い。

木下:そうなんです。男性には“化粧水が先か乳液が先か”分からない人も多い。信頼を得ている美容師がケア方法を伝えることで、ヘアサロンに“正しいスキンケアを体験できる場”という付加価値が生まれれば、という思いもあります。

WWD:こうしたメニューの料金は?

木下:サロンによって違いますが、通常のメニュー料金+ワンコイン(500円)というお店が多いですね。お手軽な金額ですが、シナジー効果もあるようで、「メニューを設定したら『バルクオム』の店販売り上げが4倍に伸びた」というサロンもあります。体験してもらって良さが伝わると、店販品購入のハードルは下がりますね。

WWD:サロン店販で人気のアイテムは?

木下:売り上げ1位は“洗顔料”(100g、2200円)、2位が“化粧水”(200mL、3300円)、それから“乳液”(100g、3300円)“シャンプー”(200g、3300円)“トリートメント”(180g、3300円※価格は全て税込)と続きます。サロンではヘアケアよりもスキンケアの方が売れていますね。“洗顔料”がエントリーとなり、ヘアケアに手を伸ばしていただくケースも多いです。

WWD:現在の取り扱いサロン数は?

木下:関東圏を中心に、全国で500店舗くらいです。昨年5月に放送を開始した、木村拓哉さんを起用したテレビCMの影響が大きく、一気にブランド認知と信頼度が上がりました。6月と7月は、取り扱い店舗数が前月の約2倍になり、それ以降も増えています。昨年の5月は、ちょうど緊急事態宣言が解除された頃。家でテレビを見ている美容師が多かったことも、影響力が高かった要因の1つだと分析しています。

WWD:一般的にサロン専売品は、“サロンでしか買えない製品”が好まれる。ECで売れている「バルクオム」が、サロンでも人気の理由をどのように分析している?

木下:まず「バルクオム」の認知が高まった分、「試してみたい」というニーズも高く、サロンユーザーに「あの『バルクオム』が行きつけの美容室で体験できる」と好意的に思ってもらえたことが大きいと考えています。また、使うのに専門的な技術を必要としないハードルの低さから、ホームケアの提案につなげやすい、という理由もあると思います。

WWD :サロン市場での現在の売り上げと、今後の目標は?

木下:ブランド全体の売り上げから見ると、サロン市場での売り上げはまだまだ少ないですが、伸び率は高いです。昨年10月から今年3月までの前年同期比は約130 %増で、緊急事態宣言下も、導入サロンの多くが客数を落とさなかったと聞いています。しかし、導入店舗におけるメニューの導入率はまだ10~15%程度。30%くらいにまで伸ばすのが当面の目標ですね。

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有楽町マルイ、売り場内に「撮影スタジオ」 入居テナントがSNSやECで活用

 丸井は、有楽町マルイ内にテナントなどが利用できる撮影スタジオを7月1日に開く。ファッションブランドなどを中心に店頭の販売員がSNSやネット通販(EC)で情報発信するケースが増えていることに対応する。撮影だけでなく、会議やセミナーなどにも使用できる。

 婦人服ブランドが軒を連ねる3階にシェアスタジオ「スタジオゼロワン」を開設する。用途によってレイアウト変更が可能な60平方メートルのスペースに、撮影用の照明や音響機材を完備し、高速通信の環境も整えた。有楽町マルイに入居するテナントだけでなく、出店していないD2Cブランド、インフルエンサー、個人なども利用可能。利用時間は11:00から20:00まで。使用料金は1時間6600円(税込)だが、オープニング価格として当面は1時間5500円(税込)で貸し出す。

 近年、アパレルや化粧品、食品などの分野では店頭からの情報発信が盛んになっている。その場合の課題だった撮影設備や通信環境を完備することで、よりクオリティー高いコンテンツ制作が可能になる。SNSやオウンドメディア、ユーチューブ、ライブコマースなど多岐に利用できる。またやスタジオは売り場に隣接しているので、買い物客にライブ感をアピールする場としても機能する。

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接客術を音声公開 25歳女性記者が都内最大級の時計専門店でコンシェルジュ体験

 地上5階・地下1階からなる都内最大級の時計専門店「イシダ新宿」が、6月19日にリニューアルオープンした。目玉の一つが、新設されたコンシェルジュ制度だ。「WWDJAPAN」編集部で最も若く、「経営層への取材機会も増え、身だしなみや礼儀として、そろそろちゃんとした時計が欲しい……」と思っていた高級時計ビギナーの木村和花記者(25歳)に、この新サービスを体験してもらった。

 事前に小林信介コンシェルジュに渡したのは、木村記者の好みのデザインや色、予算感など。このパーソナルデータをもとに小林コンシェルジュが選んだのは、1830年創業のスイスブランド「ボーム&メルシエ(BAUME & MERCIER)」、アイコンモデルの“レベルソ”がキャリア女性にも人気の「ジャガー・ルクルト(JAEGER LECOULTRE)」、“3大時計ブランド”である世界最古(1755年創業)のマニュファクチュール(時計の心臓部であるムーブメントから自社一貫製造する時計メーカー)「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」の3本。

 時に時計の奥深さに圧倒され、時に直径数十ミリメートルに宇宙を詰め込むクラフツマンシップに感動した木村記者は、最後に何を選ぶのか!?小林コンシェルジュの話術にも注目しながらお聞きいただきたい。

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「ブルガリ」がミラノでハイジュエリーイベントを開催 新作コレクション“マニフィカ”を発表(前編)

 イタリア・ローマ発ジュエラー「ブルガリ(BVLGARI)」は6月4日、「ブルガリ ホテル ミラノ(BVLGARI HOTEL MILANO)」で新作ハイエンドコレクション“マニフィカ(MAGNIFICA)”の発表イベントを開催した。昨年はデジタル形式で発表。今年は、経済再開へと向かいつつあるミラノを選んだ。イベントの前夜には、スカラ座でプライベートコンサートと晩餐会が行われ、翌日、花々で埋め尽くしたホテルの庭で新作ハイジュエリーとハイエンドウオッチを発表した。“マニフィカ”コレクションは世界各国で披露される予定。最初の目的地は日本で、6月末に発表する。

ローマへの壮麗な
美への賛辞

 「ブルガリ」は1884年にローマで創業。“マニフィカ”とは、イタリア語で“荘厳”という意味で、約120点のハイジュエリーのうち半数以上は1億円超えだ。コロナ禍でブランドの真髄に立ち帰り、永遠のインスピレーション源であるローマへの賛辞、最高級の宝石、創業以来磨かれてきたクラフツマンシップを融合させた究極のハイジュエリーコレクション。使用した宝石は、世界で4番目に大きい約131カラットのスピネルや約62カラットのエメラルド、5石計約473カラットのパライバトルマリンなど、目を見張る物ばかりで、「ブルガリ」の石のバイイング力は驚くほど。これら宝石の魅力を最大限に引き出すのは、ジュエリー部門のクリエイティブ・ディレクターであるルチア・シルヴェストリ(Lucia Silvestri)の役割。ローマのバロック建築様式や芸術を着想源に、大胆かつ緻密なデザインで見る者を魅了するジュエリーに仕上げている。

日常への第一歩、
ミラノをたたえるイベント

 ミラノで開催された“マニフィカ”の発表イベントは、長いロックダウン明けを祝うかのような華やかさだ。ジャン・クリストフ・ババン(Jean Christophe Babin)=ブルガリ グループ最高経営責任者は、「今回のイベントは、イタリアのクラフツマンシップをたたえるものだ。ミラノはビジネスの中心地という印象が強いが、デザインの中心地でもある。新型コロナに打ち勝ったミラノへの敬意を示すと共に、このイベントが、ミラノが日常に戻る第一歩になれば」とコメントしている。

ミラノのアイコニックな観光名所で
初のジュエリーショー
ガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世でのショー

 「ブルガリ」は、ラグジュアリーブティックやレストランが軒を連ねるガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世で、“マニフィカ”コレクションのランウエイショーを行った。ショーに先駆け、世界的なテノール歌手であるアンドレア・ボッチェッリ(Andrea Bocelli)と指揮者兼ピアニストでのベアトリーチェ・ヴェネツィ(Beatrice Venezi)が演奏を披露。アーチ形のガラス天井とモザイクの床が美しくエレガントなアーケードに荘厳なジュエリーを着用したモデルが登場し、幻想的な夢の世界に誘うショーが繰り広げられた。

リリー・オルドリッジや
キアラ・フェラーニが来場

 “マニフィカ”の発表イベントには、「ブルガリ」のアンバサダーであるリリー・オルドリッジ(Lily Aldridge)をはじめ、同じくアンバサダーを務めるキアラ・フェラーニ(Chiara Ferragni)やエステル・エスポシト(Ester Exposito)などのセレブリティーや顧客、プレス関係者が来場した。ゲストは、花々で彩られた「ブルガリ ホテル」の緑豊かな庭園で“マニフィカ”コレクションを見た後に、屋外でミシュラン3つ星スターシェフであるニコ・ロミート(Niko Romito)の特別メニューを楽しんだ。

問い合わせ先
ブルガリ ジャパン 
03-6362-0100

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「ブルガリ」がミラノでハイジュエリーイベントを開催 新作コレクション“マニフィカ”を発表(前編)

 イタリア・ローマ発ジュエラー「ブルガリ(BVLGARI)」は6月4日、「ブルガリ ホテル ミラノ(BVLGARI HOTEL MILANO)」で新作ハイエンドコレクション“マニフィカ(MAGNIFICA)”の発表イベントを開催した。昨年はデジタル形式で発表。今年は、経済再開へと向かいつつあるミラノを選んだ。イベントの前夜には、スカラ座でプライベートコンサートと晩餐会が行われ、翌日、花々で埋め尽くしたホテルの庭で新作ハイジュエリーとハイエンドウオッチを発表した。“マニフィカ”コレクションは世界各国で披露される予定。最初の目的地は日本で、6月末に発表する。

ローマへの壮麗な
美への賛辞

 「ブルガリ」は1884年にローマで創業。“マニフィカ”とは、イタリア語で“荘厳”という意味で、約120点のハイジュエリーのうち半数以上は1億円超えだ。コロナ禍でブランドの真髄に立ち帰り、永遠のインスピレーション源であるローマへの賛辞、最高級の宝石、創業以来磨かれてきたクラフツマンシップを融合させた究極のハイジュエリーコレクション。使用した宝石は、世界で4番目に大きい約131カラットのスピネルや約62カラットのエメラルド、5石計約473カラットのパライバトルマリンなど、目を見張る物ばかりで、「ブルガリ」の石のバイイング力は驚くほど。これら宝石の魅力を最大限に引き出すのは、ジュエリー部門のクリエイティブ・ディレクターであるルチア・シルヴェストリ(Lucia Silvestri)の役割。ローマのバロック建築様式や芸術を着想源に、大胆かつ緻密なデザインで見る者を魅了するジュエリーに仕上げている。

日常への第一歩、
ミラノをたたえるイベント

 ミラノで開催された“マニフィカ”の発表イベントは、長いロックダウン明けを祝うかのような華やかさだ。ジャン・クリストフ・ババン(Jean Christophe Babin)=ブルガリ グループ最高経営責任者は、「今回のイベントは、イタリアのクラフツマンシップをたたえるものだ。ミラノはビジネスの中心地という印象が強いが、デザインの中心地でもある。新型コロナに打ち勝ったミラノへの敬意を示すと共に、このイベントが、ミラノが日常に戻る第一歩になれば」とコメントしている。

ミラノのアイコニックな観光名所で
初のジュエリーショー
ガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世でのショー

 「ブルガリ」は、ラグジュアリーブティックやレストランが軒を連ねるガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世で、“マニフィカ”コレクションのランウエイショーを行った。ショーに先駆け、世界的なテノール歌手であるアンドレア・ボッチェッリ(Andrea Bocelli)と指揮者兼ピアニストでのベアトリーチェ・ヴェネツィ(Beatrice Venezi)が演奏を披露。アーチ形のガラス天井とモザイクの床が美しくエレガントなアーケードに荘厳なジュエリーを着用したモデルが登場し、幻想的な夢の世界に誘うショーが繰り広げられた。

リリー・オルドリッジや
キアラ・フェラーニが来場

 “マニフィカ”の発表イベントには、「ブルガリ」のアンバサダーであるリリー・オルドリッジ(Lily Aldridge)をはじめ、同じくアンバサダーを務めるキアラ・フェラーニ(Chiara Ferragni)やエステル・エスポシト(Ester Exposito)などのセレブリティーや顧客、プレス関係者が来場した。ゲストは、花々で彩られた「ブルガリ ホテル」の緑豊かな庭園で“マニフィカ”コレクションを見た後に、屋外でミシュラン3つ星スターシェフであるニコ・ロミート(Niko Romito)の特別メニューを楽しんだ。

問い合わせ先
ブルガリ ジャパン 
03-6362-0100

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超大作の「トム ブラウン」、やさしさにあふれた「ポール・スミス」などパリメンズ後半を先輩後輩がプレイバック 「アリックス」「ワイプロ」は変化の兆し

 2022年春夏メンズコレクションは、ロンドンとミラノが終了し、舞台はパリへ。海外からの現地リポートも随時更新中ですが、ここでは日本でリモート取材中の先輩&後輩コンビがダイジェスト対談をお届けします。ここでは、後半(6月26〜28日)に登場した11ブランドをプレイバック!ヤギがいたり、目からビームが出たり、30分の超大作があったりと、後半も情報量多めでお伝えします。

【対談メンバー】
先輩・大塚:海外コレクション取材歴5年目。「WWDJAPAN」副編集長。昨年からランニングにハマって2ケタ減量に成功。サイズダウンによりファッション欲がさらに上昇。

後輩・美濃島:昨年から海外コレクション取材をスタート。「WWDJAPAN」記者としてデザイナーズやスポーツを取材するも、最近みるみる巨大化。サイズアウトする服が続出。

実験的映像でブランドの武器をアピール

大塚:「カラー(KOLOR)」はまたすごい見せ方だったねー。トレッドミルのようなマシンをモデルがウオーキングして服の動きを見せつつつ、無人カメラがディテールをクローズアップするという手法。

美濃島:360度カメラを使った2021年春夏に似てると思ったら、今回も映像作家・田中裕介さんのディレクションでした。サカナクション山口一郎さんが担当した音楽は、静かなテクノで映像に集中できるし、盛り上げるとこは盛り上げてくれて飽きず見られました。

大塚:見た目は何だか近未来っぽくてすごいんだけど、“静”と“動”を両立させて服の魅力を分かりやすく伝えられる。とっても理にかなっている手法だと思った。特に「カラー」のような大胆さと緻密さを併せ持つブランドにはピッタリ。今回も異素材ミックスやパーツのコラージュがすごかったね。

美濃島:ワンピースに襟を4つ重ねたニットポロを組み合わせたり、ロングシャツの見頃に左右異なるシャツをくっつけたり、ピークドラペルのジャケットの襟の上にショールカラーのニットを合わせたり。ぱっと見どうなってるかわからないほど複雑な組み合わせなのに、素材や色合いが計算し尽くされていて全く破綻していません。少女漫画のプリントなど、攻めのモチーフもあってその振り幅も面白かったです。

まかさの“お寺ンウエイ” モデルが本堂に集結

大塚:「ヨシオ クボ(YOSHIO KUBO)」の日本シリーズがいよいよ極まってきた。今回の舞台はお寺で、まさかの寺ンウエイ。「幽玄」をテーマに、ブランドらしいエッジを効かせたストリートウエアのディテールを盛り込んでました。僧衣を思わせるトップスのシルエットや、着たときにドレープが生まれるバイアスのカッティング、ややくすんだカラーパレットは、時間の経過によって朽ちていく物の美しさを表現しているのだとか。今シーズンは「カサブランカ(CASABLANCA)」や「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」も日本をテーマにしていたけれど、本家の表現はやっぱりひと味違うわ。どちらが大衆に受け入れられるかどうかはさておき、ギリギリの表現に挑んだ姿勢は素晴らしい。

美濃島:最後、本堂にモデルが集結するシーンはなかなかシュールでしたが(笑)、日本ブランドというイメージ作りは文句なしで1位です。はかまのようなワイドショーツや頭から顔を袈裟で包む“裏頭(かず)”に着想したフードブルゾンなど、自衛のために武装した僧侶“Warrior Monk”をスポーツウエアをベースに表現していました。日本の伝統を感じさせるパキっとした赤に、未来的なリフレクター素材を織り交ぜるなど、時代を超越する組み合わせも面白かった。

スナック、空港、ダイバーシティ
映像という“おもちゃ”を存分に楽しむ

大塚:「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」は空港での撮影だったのかな?前シーズンの映像でも登場した場末っぽいスナックから始まり、しかもカラオケのムービーにまたプレスの佐藤さんが出演していて笑っちゃった。美濃島さんは現場も取材したんだよね?

美濃島:はい、羽田空港第2ターミナルでの撮影でした。某アーティストのMVにインスパイアされてこのロケーションを選んだのですが、通常なら絶対に使用許可は降りない場所。今した実現しない映像なので、作り手も受け手も「ああ、あの時撮ったんだな」とメモリアルなシーズンになったと思います。

大塚:前回のコマ送り映像もすごい労力だったそうだけど、今回は意外とさらっとしてなね。

美濃島:映像はシンプルですが、実は演出にすごく凝ってるんです。多様性を表現するため50人以上のモデルが登場し、モデル1人1人に「虫取り網」「ダンス」「テニス」「マジック」などの演技テーマを設定。演技を嘘くさいものにしないため、オーディション時に趣味や特技をヒアリングしたそうです。当日も「動かされてるんじゃなく、自分から動く感じで」と自ら指導する姿があり、三原康弘デザイナーの妥協なき姿勢にシビれました。「次はリアルだから、映像はこれが最後。映像という“おもちゃ“を思う存分楽しみたい」という三原康弘デザイナーの思いが詰まっています。

大塚:前回は三原デザイナーも映像に登場してたけど、今回はどうだったのかな?

美濃島:警備員を模して、オレンジのつなぎ姿でちらっと登場しています。スナックを舞台とした冒頭など、クスっと笑える要素を盛り込むのは、「普通にショーを見せても早送りしたくなる。飽きずに見てもらうには、コメディが大事だ」と考えているから。三原デザイナーは毎シーズン、各ブランドの映像をくまなくチェックするそうで、長年業界をけん引し続けているのは、この姿勢があるからんだなと感服しました。

大塚:うわー、本当にすごいね。発表形式が変わって一番大変なのはブランドのはずなのに。常に前を向いてる姿勢にこちらが元気づけられるよ。

美濃島:バチバチの演奏を披露していたのは、インストバンドLITE。「ショーの演奏は初めて。しかも『ミハラ ヤスヒロ』で、こんな場所できるなんて、事件です」と語っていましたが、緊張した様子はなく、毎回最高の演奏でした。ライブシーンではモデルたちも自然と体が揺れ、本当のライブのよう。映像にBGMを後乗せするだけでもいいですが、ここでもリアルの強さが出たと思います。

大塚:服はいつもよりも少し大人の印象を受けたのだけど、実際もそんな感じ?

美濃島:黒やカーキ、ベージュなど落ち着いた色味がベースですが、ジャケットやコートの肩が思い切りはみ出ていたり、いたるところに切り込みがあったり、パンツが超ワイド&ねじれのパターンワークだったりと、ルックでは伝わらない存在感がありました。マルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)を彷彿させるマウンテンハットは「カシラ(CA4LA)」との、サングラスは「ブラン(BLANC)」とのコラボモデル。GUとの協業も記憶に新しいですが、こんな時だからこそ、いろんなものづくりに挑戦しようという三原デザイナーの気概が伺えました。

目にもやさしいアウトドアワールド

大塚:「ポール・スミス(PAUL SMITH)」の映像がビックリするぐらい進化していてきれいだったわ!まず空間ですよ。天井は水面のように優雅に波打ち、地面はパステルイエローでもはやヘヴン。:同様に、キーカラーの一つがイエローだったり、ヒマワリのモチーフを多用したり、レジャーへの欲求を優しく盛り込んでいたのかな。

美濃島:緑ではなく、イエローや赤などで自然を表現する感覚は、カラッとした気候を持つヨーロッパならではかも。水平線や地平線を思わせるボーダーも差し込み、自然の壮大さと優雅さ届けます。映像は徐々に照明が暗くなり、最後は夕日のような優しいオレンジに。音楽もゆったりしていて、とても癒されました。

大塚:アウトドア仕様のユーティリティージャケットや軽快なショーツを、テーラリングと自然に融合させるバランス感も素敵。何より、カラーリングのセンスで勝利です。マルチストライプのバッグもかわいかった。

美濃島:ペイントが途中で切れるクリエイションが可愛かったですね!僕は「ポーター(PORTER)」とのコラボバッグが気になりました。

超フリーダム&ジェンダーレス

大塚:最近の「ロエベ(LOEWE)」、めっちゃ好き。今シーズンはナイトクラブがインスピレーション源だから色使いがまあまあサイケだし、デヴィッド・シムズ(David Sims)撮影のルック写真も素人モデルを起用したフリーダムなムード。でも服の細部をよく見るとディテールが凝りまくっていて、「着てみたい」欲に駆られるんです

美濃島:ルックではサッカーしてたり、バイクに乗ってたり、目からビーム出しちゃったりと本当に自由。ロープを無数に垂らしたパンツやビーチでたむろする人々のイラスト、丸いくり抜きディテール、突如現れるサテンのリボンドレス、スパンコールでギラギラのワンピースなど、クリエイションの軸は正直よくわかりませんが、“洋服を通して楽しさを伝えたい”という思いはビシビシ伝わってきます。

大塚:クラフツマンシップを大切にするブランドは“服”というより“作品”になってしまうことも珍しくないのだけど、今シーズンの「ロエベ」はパワーみなぎるスタイルが先行しているからワクワクしたし、純粋に楽しかったよ。

美濃島:緑と黒のアナグラムの総柄は過去のシーズンからのキャリーオーバーで、サボテン由来のレザーなど、サステナブルな要素も盛り込みます。アイコンバッグ“パズル”はソフトな質感とビッグサイズにアレンジ。象のバスケットバッグはこれでもかと装飾され、持ち歩くだけで小さな悩みが吹き飛びそうでした。

冒頭のCGに一瞬ヒヤリ

大塚:「サルバム(SULVAM)」の映像は、まさかのゲームのようなCGからスタート!「え、こっちの方向性でいくの!?」と驚いていたら、キャラクターが手にするスマートフォンの中で人間が登場。正直、安心した(笑)。

美濃島:冒頭が意外すぎて、別ブランドの動画見てるのかと焦っちゃいました。モデルが登場しても背景がCGキャラの接写になり、終始集中力を削がれました。

大塚:テーラードやジェンダーフリュイドのフォームは変わらず、今回はものすごくテキスタイルを頑張ったのだなと伝わってきた。ピッチも太さもランダムなボーダー柄や編み地が多彩に変化するニット、アニマル柄のような複数のパターンなど、表面がめまぐるしく変化して面白かったな。ただ、個人的にやっぱり気になったのは真骨頂のテーラリング。序盤のネイビーパートのパイピングシリーズがかっこよかった。

美濃島:裏地を伸ばして揺らめかせたり、襟のパターンを左右で変化させたり、肩や裾をくりぬいたりとクラフト感あるテーラードも健在でしたね。水墨画のような和風な総柄は、軽やかだけど「ラルバム」らしい“悪さ”もあって個人的にドンピシャでした。

“超えられない山はない”

大塚:「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」の映像はロケーションがすごすぎ。「ファッションを通じて“超えられない山はない”」というたくましいメッセージを込めていたみたいなんだけど、壮大すぎて「っひゃー」って声出たわ。

美濃島:いやー、「ロードオブザリング」のワンシーンのみたいな映像でしたね。山のてっぺんでの撮影でしたが、あそこまでどうやって移動したんだろう。

大塚:今シーズンは都市生活とアウトドアの境界線の超越を目指したのだとか。ブランドとしてはずっと向き合ってきたテーマだとは思うけれど、あくまでファッションからのアプローチ。カラーパレットは必要最小限に、デザインとしても主張する機能的ディテールや花のモチーフがいっそう映えます。世間は自粛の反動でアウトドアへの欲求が高まっているし、ブランドにとっても追い風になるかもね。

美濃島:アウトドア市場は絶好調ですし、ファッション×アウトドアに参入するブランドは多いですが、ここまで高次元で融合させる技術とセンスはさすが。「バブアー(BARBOUR)」と協業したハンティングジャケットや「ダナー(DANNER)」とコラボしたモカシンブーツなど、人気のコラボも継続していました。

“いい子ちゃん”では終わらせない

大塚:「ダブレット(DOUBLET)」は前シーズンのほっこりムードから一転。パンク一直線のぶっ飛ばし系クリエイションで大笑いしました。会場は三鷹のオーガニック農園で、ティーザー画像もそこで飼っているヤギを前面に押し出すもんだから、てっきり地球に優しい系のほっこりクリエイションなんだろうなと思っていたのに、まんまとやられた。これ、絶対チームぐるみでの確信犯だよね(笑)。

美濃島:案内から完全に騙しにかかってました(笑)。会場でもディズニーみたいな平和なBGMが流れていたのに、ショーがスタートすると一転。ネオンが光りゴリゴリのパンクミュージックが鳴り響き、ヤンキーのようなスタイルが連発されます。マッシュルームレザーをはじめ、実はサステナブルな素材がふんだんに盛り込まれているそうで、スタイルとのギャップに驚かされました。ザ・真面目な優等生キャラは性に合わないのでしょうね。

大塚:モデルは実はオマージュキャラがいて、冒頭のナンシー・スパンゲン(Nancy Spungen)をはじめ、ジョン・ライドン(John Lydon)やスー・キャットウーマン(Sue Catwoman)、シンディ・ローパー(Cyndi Lauper)や映画「タクシードライバー」のトラヴィスとか、もはやパンクとか関係なくてんこ盛り。そういうキャラ探しも楽しいね。

美濃島:だ、誰1人気付きませんでした(汗)。そういうネタがあると何度も映像で確認したくなりますね。視聴者を飽きさせないコメディ要素が、デジタルコレクションには必要かもしれません。

若者路線は吉と出る?

大塚:「ダンヒル(DUNHILL)」は前シーズンから方向性を大胆チェンジ。Z世代を意識したクリエイションにガラリと変わったね。

美濃島:テーマは“アイデンティティー“。上質なジャケットをオーバーサイズで、そこにフーディーやシェル、キャップを合わせて着崩すスタイルです。若干既視感もありますが、今っぽいです。

大塚:今シーズンは春夏だからか、よりスポーティーでキャップやマーブル柄のアクセをぐいっと主張してくる感じ。もともとクラシックをモダンに進化させてきたブランドなだけに、とてもきれいにまとめているスタイルもあれば、ちょっと強引かもねーというルックがあるのも正直なところ。

美濃島:超かっこいいマーブル模様は、アメリカ人アーティストのエレン・キャリー(Ellen Carey)によるもの。トップスからハット、アイコン“ロックバッグ“にまで採用して、キャッチーさを添えていました。コートは下身頃を取り外してブルゾンとしても着られるギミック。いろんな挑戦が見られますが、消費者がどんな反応をするのか気になりますね。

大塚:センスがあるのは間違いないので、今後はZ世代に“「ダンヒル」である必要性”をどこで感じさせるのかに注目していきたいです。

超大作に込めたメッセージを勘ぐる

大塚:さあ、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」様がすごいの投下してきましたよ。パリメンズ最終日に30分の映像という超大作。ゆるみそうな気分がビシッと引き締まるわ(笑)。

美濃島:今シーズン最長じゃないですか?めちゃくちゃ構えてPCに向かうと、美しい原っぱを走る男子が映し出されました。

大塚:この男性がスポーツの祭典に出場するためにトレーニングを積む日常を過ごし、いよいよ本番の日を迎える。この時点ですでに16分。そして準備万端で競技場に足を踏み入れると……パーンとアニメーションに切り替わるという意外な展開に。シュールなアニメが約7分間続き、男の帰路を追いかけて映像が終了。音楽もいいし、映像もきれい。でもトム様、僕たちはこの映像で何を語ればよいのでしょうか(涙)。

美濃島:大塚さん、僕らは何も語らなくていいんです。朝日とともに目覚め、一日中草原を走り周り、心地よい疲労とともに家に帰り、夕日を眺めてから就寝する。途中までただそれだけの繰り返しですが、1日ごとの景色が違って見えて、人生は毎日の繰り返しなんだなと感動すら覚えました。コレクションビデオというより完全に映画。洋服はルックで見せればいい。全ブランドそれだと困りますが、これくらい作り込んでくれるなら大歓迎です。スーツスタイルに身を包んだときの高揚感は、ドレスアップとハレの場の大切さを物語っていました。すごい映像体験だったな。

コーマシャルも意識する大人な「ワイプロ」

大塚:はい、いよいよ終盤戦だよ!お次は「ディーゼル」のクリエイティブ・ディレクター就任でノリに乗ってるグレン・マーティンス(Glenn Martens)の「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」。今シーズンの映像は“Y”の字のランウエイを複数人のモデルたちがランダムに歩く演出。つまんだりねじったりするヒネリエイションは変わらずなのだけど、なんかこうコマーシャルを意識する余裕が出てきたというか。数年前までは足し算だらけで奇抜だったのか、いい意味できれいにまとめるセンスがついてきたのはやはり資金力からくるソレなのか。

美濃島:Yを模したピアスや布をねじったようなバッグなど、売れ線アイテムがちゃんと用意されてましたね。ネックがいくつもあったり、ウエストが二重になったりといつものグレン節のクリエイションですが、落ち着いたカラーパレットのためか落ち着いた印象も受けました。

大塚:途中から「フィラ(FILA)」とのがっつりコラボが出てきたね。

美濃島:「フィラ」とのコラボはロゴテープをぐるぐる巻いたり、前身頃が取り外せるスナップ式だったりと、実験的なアプローチが爆発していました。デジタルとフィジカルを組み合わせて“フィジタルショー“と冠していたのには笑いました。

「アリックス」からハードウエアがなくなった!

大塚:2022年春夏メンズの最後は、こちらも勢いに乗るマシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)の「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」。映像のロケーションは広大な海がバックで、(まさか、トム様路線!?)と一瞬レッドブルを買いに行きかけたのだけど、こちらはリック様路線で、シンプルなランウエイショー形式の演出でした。

美濃島:リック様路線ですが、爽やかさは皆無。ざらついた質感とダイナミックな音楽で、おどろおどろしささえありました。

大塚:同じ海辺だけど、こっちは夕暮れ時だったしね。映像を手掛けたのは、アーティストのジョーダン・ヘミングウェイ(Jordan Hemingway)。ここのブランドは常に都会的なイメージを発信してきたから、自然の中で見るのは新鮮だったわ。海辺ランウエイから山ランウエイ、崖ランウエイなどシーンが多彩に切り替わるので飽きずに見られたし。

美濃島:人工的なクリエイションと自然のコントラストが際立った映像でしたね。モノトーンのカラーパレットやテック感のある素材感、直線的なパターンワークなどマシューらしさはうっすら続いていますが、代名詞のハードウエアが皆無。ぱっと見だと「1017 アリックス 9SM」だと気づかないかも。

大塚:スポーティーかつインダストリアルな一時期のウリを意図的に削ぎ落としているのかなと。よく見ると名残はあるのだけど、ストリートキッズたちが夢中になったバックルの“バ”の字もないからね。着やすくなっているのかもしれないけど、シグネチャーでしかできない冒険心も忘れないでほしいとは思うかな。

美濃島:かつてのやり方に飽きているならよいですが、意識的に削ぎ落としてるなら、むしろガンガンせめていって欲しいです。アクセサリーはけっこう頑張ってて、流線形のプラットホームサンダルはヒットしそうですね。

<後半戦を終えて>

美濃島:後半戦は予算のあるブランド多めで、どれも見応えがありました。個人的には「ポール・スミス」と「トム ブラウン」がヒット。各国でワクチン接種が進んでいるし、次はいよいよリアルショー復活かも。でも、映像は作り手のメッセージを込めやすいし、表現の幅が無限大なので、シーズンごとに最適な方法を選ぶのが当たり前になるといいですね。

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超大作の「トム ブラウン」、やさしさにあふれた「ポール・スミス」などパリメンズ後半を先輩後輩がプレイバック 「アリックス」「ワイプロ」は変化の兆し

 2022年春夏メンズコレクションは、ロンドンとミラノが終了し、舞台はパリへ。海外からの現地リポートも随時更新中ですが、ここでは日本でリモート取材中の先輩&後輩コンビがダイジェスト対談をお届けします。ここでは、後半(6月26〜28日)に登場した11ブランドをプレイバック!ヤギがいたり、目からビームが出たり、30分の超大作があったりと、後半も情報量多めでお伝えします。

【対談メンバー】
先輩・大塚:海外コレクション取材歴5年目。「WWDJAPAN」副編集長。昨年からランニングにハマって2ケタ減量に成功。サイズダウンによりファッション欲がさらに上昇。

後輩・美濃島:昨年から海外コレクション取材をスタート。「WWDJAPAN」記者としてデザイナーズやスポーツを取材するも、最近みるみる巨大化。サイズアウトする服が続出。

実験的映像でブランドの武器をアピール

大塚:「カラー(KOLOR)」はまたすごい見せ方だったねー。トレッドミルのようなマシンをモデルがウオーキングして服の動きを見せつつつ、無人カメラがディテールをクローズアップするという手法。

美濃島:360度カメラを使った2021年春夏に似てると思ったら、今回も映像作家・田中裕介さんのディレクションでした。サカナクション山口一郎さんが担当した音楽は、静かなテクノで映像に集中できるし、盛り上げるとこは盛り上げてくれて飽きず見られました。

大塚:見た目は何だか近未来っぽくてすごいんだけど、“静”と“動”を両立させて服の魅力を分かりやすく伝えられる。とっても理にかなっている手法だと思った。特に「カラー」のような大胆さと緻密さを併せ持つブランドにはピッタリ。今回も異素材ミックスやパーツのコラージュがすごかったね。

美濃島:ワンピースに襟を4つ重ねたニットポロを組み合わせたり、ロングシャツの見頃に左右異なるシャツをくっつけたり、ピークドラペルのジャケットの襟の上にショールカラーのニットを合わせたり。ぱっと見どうなってるかわからないほど複雑な組み合わせなのに、素材や色合いが計算し尽くされていて全く破綻していません。少女漫画のプリントなど、攻めのモチーフもあってその振り幅も面白かったです。

まかさの“お寺ンウエイ” モデルが本堂に集結

大塚:「ヨシオ クボ(YOSHIO KUBO)」の日本シリーズがいよいよ極まってきた。今回の舞台はお寺で、まさかの寺ンウエイ。「幽玄」をテーマに、ブランドらしいエッジを効かせたストリートウエアのディテールを盛り込んでました。僧衣を思わせるトップスのシルエットや、着たときにドレープが生まれるバイアスのカッティング、ややくすんだカラーパレットは、時間の経過によって朽ちていく物の美しさを表現しているのだとか。今シーズンは「カサブランカ(CASABLANCA)」や「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」も日本をテーマにしていたけれど、本家の表現はやっぱりひと味違うわ。どちらが大衆に受け入れられるかどうかはさておき、ギリギリの表現に挑んだ姿勢は素晴らしい。

美濃島:最後、本堂にモデルが集結するシーンはなかなかシュールでしたが(笑)、日本ブランドというイメージ作りは文句なしで1位です。はかまのようなワイドショーツや頭から顔を袈裟で包む“裏頭(かず)”に着想したフードブルゾンなど、自衛のために武装した僧侶“Warrior Monk”をスポーツウエアをベースに表現していました。日本の伝統を感じさせるパキっとした赤に、未来的なリフレクター素材を織り交ぜるなど、時代を超越する組み合わせも面白かった。

スナック、空港、ダイバーシティ
映像という“おもちゃ”を存分に楽しむ

大塚:「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」は空港での撮影だったのかな?前シーズンの映像でも登場した場末っぽいスナックから始まり、しかもカラオケのムービーにまたプレスの佐藤さんが出演していて笑っちゃった。美濃島さんは現場も取材したんだよね?

美濃島:はい、羽田空港第2ターミナルでの撮影でした。某アーティストのMVにインスパイアされてこのロケーションを選んだのですが、通常なら絶対に使用許可は降りない場所。今した実現しない映像なので、作り手も受け手も「ああ、あの時撮ったんだな」とメモリアルなシーズンになったと思います。

大塚:前回のコマ送り映像もすごい労力だったそうだけど、今回は意外とさらっとしてなね。

美濃島:映像はシンプルですが、実は演出にすごく凝ってるんです。多様性を表現するため50人以上のモデルが登場し、モデル1人1人に「虫取り網」「ダンス」「テニス」「マジック」などの演技テーマを設定。演技を嘘くさいものにしないため、オーディション時に趣味や特技をヒアリングしたそうです。当日も「動かされてるんじゃなく、自分から動く感じで」と自ら指導する姿があり、三原康弘デザイナーの妥協なき姿勢にシビれました。「次はリアルだから、映像はこれが最後。映像という“おもちゃ“を思う存分楽しみたい」という三原康弘デザイナーの思いが詰まっています。

大塚:前回は三原デザイナーも映像に登場してたけど、今回はどうだったのかな?

美濃島:警備員を模して、オレンジのつなぎ姿でちらっと登場しています。スナックを舞台とした冒頭など、クスっと笑える要素を盛り込むのは、「普通にショーを見せても早送りしたくなる。飽きずに見てもらうには、コメディが大事だ」と考えているから。三原デザイナーは毎シーズン、各ブランドの映像をくまなくチェックするそうで、長年業界をけん引し続けているのは、この姿勢があるからんだなと感服しました。

大塚:うわー、本当にすごいね。発表形式が変わって一番大変なのはブランドのはずなのに。常に前を向いてる姿勢にこちらが元気づけられるよ。

美濃島:バチバチの演奏を披露していたのは、インストバンドLITE。「ショーの演奏は初めて。しかも『ミハラ ヤスヒロ』で、こんな場所できるなんて、事件です」と語っていましたが、緊張した様子はなく、毎回最高の演奏でした。ライブシーンではモデルたちも自然と体が揺れ、本当のライブのよう。映像にBGMを後乗せするだけでもいいですが、ここでもリアルの強さが出たと思います。

大塚:服はいつもよりも少し大人の印象を受けたのだけど、実際もそんな感じ?

美濃島:黒やカーキ、ベージュなど落ち着いた色味がベースですが、ジャケットやコートの肩が思い切りはみ出ていたり、いたるところに切り込みがあったり、パンツが超ワイド&ねじれのパターンワークだったりと、ルックでは伝わらない存在感がありました。マルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)を彷彿させるマウンテンハットは「カシラ(CA4LA)」との、サングラスは「ブラン(BLANC)」とのコラボモデル。GUとの協業も記憶に新しいですが、こんな時だからこそ、いろんなものづくりに挑戦しようという三原デザイナーの気概が伺えました。

目にもやさしいアウトドアワールド

大塚:「ポール・スミス(PAUL SMITH)」の映像がビックリするぐらい進化していてきれいだったわ!まず空間ですよ。天井は水面のように優雅に波打ち、地面はパステルイエローでもはやヘヴン。:同様に、キーカラーの一つがイエローだったり、ヒマワリのモチーフを多用したり、レジャーへの欲求を優しく盛り込んでいたのかな。

美濃島:緑ではなく、イエローや赤などで自然を表現する感覚は、カラッとした気候を持つヨーロッパならではかも。水平線や地平線を思わせるボーダーも差し込み、自然の壮大さと優雅さ届けます。映像は徐々に照明が暗くなり、最後は夕日のような優しいオレンジに。音楽もゆったりしていて、とても癒されました。

大塚:アウトドア仕様のユーティリティージャケットや軽快なショーツを、テーラリングと自然に融合させるバランス感も素敵。何より、カラーリングのセンスで勝利です。マルチストライプのバッグもかわいかった。

美濃島:ペイントが途中で切れるクリエイションが可愛かったですね!僕は「ポーター(PORTER)」とのコラボバッグが気になりました。

超フリーダム&ジェンダーレス

大塚:最近の「ロエベ(LOEWE)」、めっちゃ好き。今シーズンはナイトクラブがインスピレーション源だから色使いがまあまあサイケだし、デヴィッド・シムズ(David Sims)撮影のルック写真も素人モデルを起用したフリーダムなムード。でも服の細部をよく見るとディテールが凝りまくっていて、「着てみたい」欲に駆られるんです

美濃島:ルックではサッカーしてたり、バイクに乗ってたり、目からビーム出しちゃったりと本当に自由。ロープを無数に垂らしたパンツやビーチでたむろする人々のイラスト、丸いくり抜きディテール、突如現れるサテンのリボンドレス、スパンコールでギラギラのワンピースなど、クリエイションの軸は正直よくわかりませんが、“洋服を通して楽しさを伝えたい”という思いはビシビシ伝わってきます。

大塚:クラフツマンシップを大切にするブランドは“服”というより“作品”になってしまうことも珍しくないのだけど、今シーズンの「ロエベ」はパワーみなぎるスタイルが先行しているからワクワクしたし、純粋に楽しかったよ。

美濃島:緑と黒のアナグラムの総柄は過去のシーズンからのキャリーオーバーで、サボテン由来のレザーなど、サステナブルな要素も盛り込みます。アイコンバッグ“パズル”はソフトな質感とビッグサイズにアレンジ。象のバスケットバッグはこれでもかと装飾され、持ち歩くだけで小さな悩みが吹き飛びそうでした。

冒頭のCGに一瞬ヒヤリ

大塚:「サルバム(SULVAM)」の映像は、まさかのゲームのようなCGからスタート!「え、こっちの方向性でいくの!?」と驚いていたら、キャラクターが手にするスマートフォンの中で人間が登場。正直、安心した(笑)。

美濃島:冒頭が意外すぎて、別ブランドの動画見てるのかと焦っちゃいました。モデルが登場しても背景がCGキャラの接写になり、終始集中力を削がれました。

大塚:テーラードやジェンダーフリュイドのフォームは変わらず、今回はものすごくテキスタイルを頑張ったのだなと伝わってきた。ピッチも太さもランダムなボーダー柄や編み地が多彩に変化するニット、アニマル柄のような複数のパターンなど、表面がめまぐるしく変化して面白かったな。ただ、個人的にやっぱり気になったのは真骨頂のテーラリング。序盤のネイビーパートのパイピングシリーズがかっこよかった。

美濃島:裏地を伸ばして揺らめかせたり、襟のパターンを左右で変化させたり、肩や裾をくりぬいたりとクラフト感あるテーラードも健在でしたね。水墨画のような和風な総柄は、軽やかだけど「ラルバム」らしい“悪さ”もあって個人的にドンピシャでした。

“超えられない山はない”

大塚:「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」の映像はロケーションがすごすぎ。「ファッションを通じて“超えられない山はない”」というたくましいメッセージを込めていたみたいなんだけど、壮大すぎて「っひゃー」って声出たわ。

美濃島:いやー、「ロードオブザリング」のワンシーンのみたいな映像でしたね。山のてっぺんでの撮影でしたが、あそこまでどうやって移動したんだろう。

大塚:今シーズンは都市生活とアウトドアの境界線の超越を目指したのだとか。ブランドとしてはずっと向き合ってきたテーマだとは思うけれど、あくまでファッションからのアプローチ。カラーパレットは必要最小限に、デザインとしても主張する機能的ディテールや花のモチーフがいっそう映えます。世間は自粛の反動でアウトドアへの欲求が高まっているし、ブランドにとっても追い風になるかもね。

美濃島:アウトドア市場は絶好調ですし、ファッション×アウトドアに参入するブランドは多いですが、ここまで高次元で融合させる技術とセンスはさすが。「バブアー(BARBOUR)」と協業したハンティングジャケットや「ダナー(DANNER)」とコラボしたモカシンブーツなど、人気のコラボも継続していました。

“いい子ちゃん”では終わらせない

大塚:「ダブレット(DOUBLET)」は前シーズンのほっこりムードから一転。パンク一直線のぶっ飛ばし系クリエイションで大笑いしました。会場は三鷹のオーガニック農園で、ティーザー画像もそこで飼っているヤギを前面に押し出すもんだから、てっきり地球に優しい系のほっこりクリエイションなんだろうなと思っていたのに、まんまとやられた。これ、絶対チームぐるみでの確信犯だよね(笑)。

美濃島:案内から完全に騙しにかかってました(笑)。会場でもディズニーみたいな平和なBGMが流れていたのに、ショーがスタートすると一転。ネオンが光りゴリゴリのパンクミュージックが鳴り響き、ヤンキーのようなスタイルが連発されます。マッシュルームレザーをはじめ、実はサステナブルな素材がふんだんに盛り込まれているそうで、スタイルとのギャップに驚かされました。ザ・真面目な優等生キャラは性に合わないのでしょうね。

大塚:モデルは実はオマージュキャラがいて、冒頭のナンシー・スパンゲン(Nancy Spungen)をはじめ、ジョン・ライドン(John Lydon)やスー・キャットウーマン(Sue Catwoman)、シンディ・ローパー(Cyndi Lauper)や映画「タクシードライバー」のトラヴィスとか、もはやパンクとか関係なくてんこ盛り。そういうキャラ探しも楽しいね。

美濃島:だ、誰1人気付きませんでした(汗)。そういうネタがあると何度も映像で確認したくなりますね。視聴者を飽きさせないコメディ要素が、デジタルコレクションには必要かもしれません。

若者路線は吉と出る?

大塚:「ダンヒル(DUNHILL)」は前シーズンから方向性を大胆チェンジ。Z世代を意識したクリエイションにガラリと変わったね。

美濃島:テーマは“アイデンティティー“。上質なジャケットをオーバーサイズで、そこにフーディーやシェル、キャップを合わせて着崩すスタイルです。若干既視感もありますが、今っぽいです。

大塚:今シーズンは春夏だからか、よりスポーティーでキャップやマーブル柄のアクセをぐいっと主張してくる感じ。もともとクラシックをモダンに進化させてきたブランドなだけに、とてもきれいにまとめているスタイルもあれば、ちょっと強引かもねーというルックがあるのも正直なところ。

美濃島:超かっこいいマーブル模様は、アメリカ人アーティストのエレン・キャリー(Ellen Carey)によるもの。トップスからハット、アイコン“ロックバッグ“にまで採用して、キャッチーさを添えていました。コートは下身頃を取り外してブルゾンとしても着られるギミック。いろんな挑戦が見られますが、消費者がどんな反応をするのか気になりますね。

大塚:センスがあるのは間違いないので、今後はZ世代に“「ダンヒル」である必要性”をどこで感じさせるのかに注目していきたいです。

超大作に込めたメッセージを勘ぐる

大塚:さあ、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」様がすごいの投下してきましたよ。パリメンズ最終日に30分の映像という超大作。ゆるみそうな気分がビシッと引き締まるわ(笑)。

美濃島:今シーズン最長じゃないですか?めちゃくちゃ構えてPCに向かうと、美しい原っぱを走る男子が映し出されました。

大塚:この男性がスポーツの祭典に出場するためにトレーニングを積む日常を過ごし、いよいよ本番の日を迎える。この時点ですでに16分。そして準備万端で競技場に足を踏み入れると……パーンとアニメーションに切り替わるという意外な展開に。シュールなアニメが約7分間続き、男の帰路を追いかけて映像が終了。音楽もいいし、映像もきれい。でもトム様、僕たちはこの映像で何を語ればよいのでしょうか(涙)。

美濃島:大塚さん、僕らは何も語らなくていいんです。朝日とともに目覚め、一日中草原を走り周り、心地よい疲労とともに家に帰り、夕日を眺めてから就寝する。途中までただそれだけの繰り返しですが、1日ごとの景色が違って見えて、人生は毎日の繰り返しなんだなと感動すら覚えました。コレクションビデオというより完全に映画。洋服はルックで見せればいい。全ブランドそれだと困りますが、これくらい作り込んでくれるなら大歓迎です。スーツスタイルに身を包んだときの高揚感は、ドレスアップとハレの場の大切さを物語っていました。すごい映像体験だったな。

コーマシャルも意識する大人な「ワイプロ」

大塚:はい、いよいよ終盤戦だよ!お次は「ディーゼル」のクリエイティブ・ディレクター就任でノリに乗ってるグレン・マーティンス(Glenn Martens)の「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」。今シーズンの映像は“Y”の字のランウエイを複数人のモデルたちがランダムに歩く演出。つまんだりねじったりするヒネリエイションは変わらずなのだけど、なんかこうコマーシャルを意識する余裕が出てきたというか。数年前までは足し算だらけで奇抜だったのか、いい意味できれいにまとめるセンスがついてきたのはやはり資金力からくるソレなのか。

美濃島:Yを模したピアスや布をねじったようなバッグなど、売れ線アイテムがちゃんと用意されてましたね。ネックがいくつもあったり、ウエストが二重になったりといつものグレン節のクリエイションですが、落ち着いたカラーパレットのためか落ち着いた印象も受けました。

大塚:途中から「フィラ(FILA)」とのがっつりコラボが出てきたね。

美濃島:「フィラ」とのコラボはロゴテープをぐるぐる巻いたり、前身頃が取り外せるスナップ式だったりと、実験的なアプローチが爆発していました。デジタルとフィジカルを組み合わせて“フィジタルショー“と冠していたのには笑いました。

「アリックス」からハードウエアがなくなった!

大塚:2022年春夏メンズの最後は、こちらも勢いに乗るマシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)の「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」。映像のロケーションは広大な海がバックで、(まさか、トム様路線!?)と一瞬レッドブルを買いに行きかけたのだけど、こちらはリック様路線で、シンプルなランウエイショー形式の演出でした。

美濃島:リック様路線ですが、爽やかさは皆無。ざらついた質感とダイナミックな音楽で、おどろおどろしささえありました。

大塚:同じ海辺だけど、こっちは夕暮れ時だったしね。映像を手掛けたのは、アーティストのジョーダン・ヘミングウェイ(Jordan Hemingway)。ここのブランドは常に都会的なイメージを発信してきたから、自然の中で見るのは新鮮だったわ。海辺ランウエイから山ランウエイ、崖ランウエイなどシーンが多彩に切り替わるので飽きずに見られたし。

美濃島:人工的なクリエイションと自然のコントラストが際立った映像でしたね。モノトーンのカラーパレットやテック感のある素材感、直線的なパターンワークなどマシューらしさはうっすら続いていますが、代名詞のハードウエアが皆無。ぱっと見だと「1017 アリックス 9SM」だと気づかないかも。

大塚:スポーティーかつインダストリアルな一時期のウリを意図的に削ぎ落としているのかなと。よく見ると名残はあるのだけど、ストリートキッズたちが夢中になったバックルの“バ”の字もないからね。着やすくなっているのかもしれないけど、シグネチャーでしかできない冒険心も忘れないでほしいとは思うかな。

美濃島:かつてのやり方に飽きているならよいですが、意識的に削ぎ落としてるなら、むしろガンガンせめていって欲しいです。アクセサリーはけっこう頑張ってて、流線形のプラットホームサンダルはヒットしそうですね。

<後半戦を終えて>

美濃島:後半戦は予算のあるブランド多めで、どれも見応えがありました。個人的には「ポール・スミス」と「トム ブラウン」がヒット。各国でワクチン接種が進んでいるし、次はいよいよリアルショー復活かも。でも、映像は作り手のメッセージを込めやすいし、表現の幅が無限大なので、シーズンごとに最適な方法を選ぶのが当たり前になるといいですね。

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「ファイントゥデイ資生堂」始動 資生堂の日用品事業を引き継ぎグローバル化加速

 資生堂のパーソナルケア事業(日用品事業)を引き継いだ新会社、ファイントゥデイ資生堂が7月1日から始動する。舵取りを任された小森哲郎ファイントゥデイ資生堂社長兼CEOや魚谷雅彦資生堂社長兼CEOらが6月30日に会見し、「日本発のアジアにおけるグローカル企業のロールモデルへの発展」(小森社長)に向けた取り組みを述べた。

 ファイントゥデイ資生堂は、資生堂や投資ファンドのCVCキャピタルパートナーズが出資。ヘアケアブランド「ツバキ(TSUBAKI)」やスキンケアブランド「専科(SENKA)」などのヘアケアやスキンケアなどのパーソナルケア製品のマーケティング・販売を行う。事業を舵取りする小森社長は「1000億円の事業規模を持つ資生堂のパーソナルケア事業は、中国はじめアジア諸国に進出も果たしている。成長ポテンシャルを感じる」と日用品事業への期待を語った。

 しかし、資生堂は高級化粧品を強化する中で、日用品事業への投資が十分にできない環境にあった。また、日本中心の組織構造だったが海外売り上げ比率が50%と急伸し、組織再編が急務だった。そこで「1、ブランドのポートフォリオを明確化し、成長ブランドに投資を行う 2、高回転型のオペレーション作りで、高収益体質にする 3、アジア市場に向けたきめ細かいニーズ対応やオペレーションを構築。eコマースやDXも推進 4、製品という横軸と人という縦軸のマトリックスを可視化して、課題解決のガバナンスを進める」(小森社長)ことで成長基盤を固めることを明言した。

 主軸となるブランドは「専科」と「ツバキ」で、両ブランドともすでに100億円規模の売り上げを達成する。期待ブランドに掲げるメンズスキンケア「ウーノ(UNO)」「フィーノ(FINO)」、中国市場で支持が高い「クユラ(KUYURA)」にも積極投資を進め、100億円規模のブランド作りを推進する。

 「フェーズ1は、日本発のブランドであり、資生堂のきめ細やかなモノ作りの強みを生かし、アジアでの存在価値をさらに高めること。フェーズ2は日本でのモノ作りの仕方を海外でも同様に進める。資生堂で培った美的感覚を踏襲しながらも効率よく進めていく」(小森社長)。2026年には1500億円の事業規模まで拡大し、従業員数も現在の倍の1000人を目指す。

 資生堂の魚谷社長は「パーソナルケア事業は60年以上を持つ。今回、分離独立することでパーソナルケア専業の会社として大きく発展していく。これまで同事業に携わったスタッフがこれからの展開やビジョンに夢を持って取り組んでほしい」とエールを送った。

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山田優が「イノアカラー」でツヤ&透明感あるベージュアッシュに変身

  ロレアル プロフェッショナルの「イノアカラー」は、スタイリストによる施術でプレミアムなヘアカラー体験を叶える。長年通うヘアサロンでベージュアッシュのヘアカラーに挑んだ山田優が、「イノアカラー」の魅力やスタイリストに寄せる信頼を語った。

ツヤのあるヘアカラーと
モノトーンファッションの共演

  今回の撮影は、山田が長年通い続けるヘアサロンSUNVALLEYのみち子がヘアカラーを担当。みち子は、用いた「イノアカラー」について「艶やかな質感を手に入れながら、日本人がヘアカラーをすると出やすい赤みや黄みをコントロールしてくれるのが魅力」と話す。ロレアル独自の先進テクノロジー、オイルデリバリーシステムがプレミアムなベージュアッシュを叶えた。ツヤのあるヘアカラー&スタイルを活かすべく、ファッションはモノトーンに。上の写真は、ヘアサロン同様、お客様とスタイリストのリラックスした関係性を表現している。

山田はサロンに
「絶対の信頼感と安心感」

WWDJAPAN(以下、WWD):お二人は出会って以来、毎月のように、家族ぐるみで付き合うくらいだと聞いた。

山田優(以下、山田):私が16歳の時からのお付き合いで、絶大な信頼を寄せ、絶対的な安心感を抱いています(笑)。無茶なお願いも叶えてくれる存在で、「こんなカンジに」を全部形にしてくれるんです。

渋谷謙太郎SUNVALLEY代表(以下、渋谷):「こんなカンジに」と頼まれると、自分の引き出しが次々と開き始めるんです。昔からなんでも似合うけれど、「カワイイ」より「カッコいい」の方が似合うよね。ヘアカラーなら、ハイライトは細かく入れるより大胆に入れたり、アッシュカラーも濃い目にしたり。昔は水色とか鮮やかなブルーにしたこともあったけれど、良く似合ってた。

山田:ヘアカラー、大好きだから(笑)。飽き性なところもあるし、人とカブるのが嫌い。気分もアガるので、私にとっては、なくてはならない存在です。とは言え仕事もあるので、カラーをするか・しないか、どんな色にするか?は、いつも悩みどころ。信頼しているので、いろんな画像を一緒に見ながら、「コレはどう?」って相談しながら色を決めるんです。ずっと一緒だったから、カラーリングもリラックスしながら受けています。

「こんなカンジに」が
「イノアカラー」は表現しやすい

WWD:今回挑戦したベージュアッシュカラーは、どんな風に話し合って決めた?

渋谷:リクエストを聞きながら、みち子がカラーを選びました。透明感のあるベージュは、彩度が高いので明るいカンジ。落ち着いているけれど、物足りなくはならない。ちょっと遊びたい気持ちも叶えてくれるカラーです。

WWD:この色は、「イノアカラー」だから実現した?

渋谷:表現しやすいのは、間違い無いですね。「イノアカラー」は、ツヤも出る。ヘアカラーを続けているとどうしても髪に負担がかかるけれど、「イノアカラー」はハイトーンを続けている髪でも負担が少ない印象です。

山田:ツヤは、私も感じました。昔からブリーチしたりヘアカラーをしたりすると、スタイリングするまで髪に元気がない感じでした。でも今回は、最初からツヤのあるスタイルに仕上がった印象です。

WWD:頼れるスタイリストと「イノアカラー」だと、ヘアカラーはもっと楽しくなる?

山田:この色だったら、仕事にも支障を来さずに楽しめそう。

渋谷:お客様からネタをもらい、そこからスタイリストが考えられる関係性があると、新しいヘアカラーやヘアスタイルは、もっと楽しくなると思います。

山田:私の周りにいる人は、みんなSUNVALLEYに通っているんです(笑)。そのくらい腕も、人柄も良い人が揃っている心地よいヘアサロン。本当にありがたい存在です。

渋谷:こちらこそ、山田さんみたいなお客様こそ、本当にありがたい存在です(笑)。

SNSでも影響力を持つ
iNOA GANG & ANGELって?

  オイルだからこそ実現するサロンでしかできないプレミアムなカラー体験を叶えるべく、「変わりたい」と願うお客様とコミュニケーションして、「イノアカラー」で「なりたい自分」を実現するのが、全国のトップサロンで活躍するiNOA GANG & ANGELだ。

問い合わせ先
ロレアル プロフェッショナル
03-6911-8321

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山田優が「イノアカラー」でツヤ&透明感あるベージュアッシュに変身

  ロレアル プロフェッショナルの「イノアカラー」は、スタイリストによる施術でプレミアムなヘアカラー体験を叶える。長年通うヘアサロンでベージュアッシュのヘアカラーに挑んだ山田優が、「イノアカラー」の魅力やスタイリストに寄せる信頼を語った。

ツヤのあるヘアカラーと
モノトーンファッションの共演

  今回の撮影は、山田が長年通い続けるヘアサロンSUNVALLEYのみち子がヘアカラーを担当。みち子は、用いた「イノアカラー」について「艶やかな質感を手に入れながら、日本人がヘアカラーをすると出やすい赤みや黄みをコントロールしてくれるのが魅力」と話す。ロレアル独自の先進テクノロジー、オイルデリバリーシステムがプレミアムなベージュアッシュを叶えた。ツヤのあるヘアカラー&スタイルを活かすべく、ファッションはモノトーンに。上の写真は、ヘアサロン同様、お客様とスタイリストのリラックスした関係性を表現している。

山田はサロンに
「絶対の信頼感と安心感」

WWDJAPAN(以下、WWD):お二人は出会って以来、毎月のように、家族ぐるみで付き合うくらいだと聞いた。

山田優(以下、山田):私が16歳の時からのお付き合いで、絶大な信頼を寄せ、絶対的な安心感を抱いています(笑)。無茶なお願いも叶えてくれる存在で、「こんなカンジに」を全部形にしてくれるんです。

渋谷謙太郎SUNVALLEY代表(以下、渋谷):「こんなカンジに」と頼まれると、自分の引き出しが次々と開き始めるんです。昔からなんでも似合うけれど、「カワイイ」より「カッコいい」の方が似合うよね。ヘアカラーなら、ハイライトは細かく入れるより大胆に入れたり、アッシュカラーも濃い目にしたり。昔は水色とか鮮やかなブルーにしたこともあったけれど、良く似合ってた。

山田:ヘアカラー、大好きだから(笑)。飽き性なところもあるし、人とカブるのが嫌い。気分もアガるので、私にとっては、なくてはならない存在です。とは言え仕事もあるので、カラーをするか・しないか、どんな色にするか?は、いつも悩みどころ。信頼しているので、いろんな画像を一緒に見ながら、「コレはどう?」って相談しながら色を決めるんです。ずっと一緒だったから、カラーリングもリラックスしながら受けています。

「こんなカンジに」が
「イノアカラー」は表現しやすい

WWD:今回挑戦したベージュアッシュカラーは、どんな風に話し合って決めた?

渋谷:リクエストを聞きながら、みち子がカラーを選びました。透明感のあるベージュは、彩度が高いので明るいカンジ。落ち着いているけれど、物足りなくはならない。ちょっと遊びたい気持ちも叶えてくれるカラーです。

WWD:この色は、「イノアカラー」だから実現した?

渋谷:表現しやすいのは、間違い無いですね。「イノアカラー」は、ツヤも出る。ヘアカラーを続けているとどうしても髪に負担がかかるけれど、「イノアカラー」はハイトーンを続けている髪でも負担が少ない印象です。

山田:ツヤは、私も感じました。昔からブリーチしたりヘアカラーをしたりすると、スタイリングするまで髪に元気がない感じでした。でも今回は、最初からツヤのあるスタイルに仕上がった印象です。

WWD:頼れるスタイリストと「イノアカラー」だと、ヘアカラーはもっと楽しくなる?

山田:この色だったら、仕事にも支障を来さずに楽しめそう。

渋谷:お客様からネタをもらい、そこからスタイリストが考えられる関係性があると、新しいヘアカラーやヘアスタイルは、もっと楽しくなると思います。

山田:私の周りにいる人は、みんなSUNVALLEYに通っているんです(笑)。そのくらい腕も、人柄も良い人が揃っている心地よいヘアサロン。本当にありがたい存在です。

渋谷:こちらこそ、山田さんみたいなお客様こそ、本当にありがたい存在です(笑)。

SNSでも影響力を持つ
iNOA GANG & ANGELって?

  オイルだからこそ実現するサロンでしかできないプレミアムなカラー体験を叶えるべく、「変わりたい」と願うお客様とコミュニケーションして、「イノアカラー」で「なりたい自分」を実現するのが、全国のトップサロンで活躍するiNOA GANG & ANGELだ。

問い合わせ先
ロレアル プロフェッショナル
03-6911-8321

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野菜と果物で美しい髪へ 新ブランド「ヘアキッチン」 確かな使用感とクリーンビューティを両立

 資生堂プロフェッショナルの新ヘアケアブランド「ヘアキッチン(HAIR KITCHEN)」が7月にデビューする。髪のパサつきや艶の低下、頭皮のニオイなど、さまざまな悩みの根源となる“酸化”に着目し、野菜や果物が持つ、自然環境を生き抜くパワフルな力を用いたオリジナル処方が特長だ。シャンプーは乾燥や脂性などの頭皮悩みに合わせて、トリートメントはまとまりやボリュームといった髪悩みに合わせて複数のラインアップを用意。ユーザーはシャンプー、トリートメント、フィニッシングミストなどのステップごとに最適なアイテムを選び、よりパーソナルな組み合わせで楽しめる。

 成分だけではなく、髪や頭皮、地球環境に負荷の少ない設計など、随所に透明性や倫理的観点の要素を取り入れた。サステナビリティにまつわる情報やアイテム選びのポイントなどを伝えるデジタルプラットホームも用意し、社会問題への意識が高い次世代のニーズに応える。

実力があって、しかもサステナブル
モデルにもおすすめしたくなる
ブランド

 今やサステナブルやエシカルに興味のある人は多いけれども、その要素だけで選べないのがヘアケア。“自分が好きで使っているブランドが、気付いたらサステナだった”くらいの方が続けられるし、今の空気感に合っていると思う。「ヘアキッチン」のシャンプー&トリートメントは、悩みや仕上がり別にそれぞれ3つの種類があるが、その違いがはっきり出ることに驚いた。アウトバスも優秀で、“テクスチャライジング リッチオイル”は、髪はしっとりしながら表面はツルツル、しかも軽いという今夏のトレンドの髪質を簡単に作れる。また、私は最近(明るかった髪を)黒髪にしたが、黒髪は本当に艶が大事。“フィニッシングミスト”は自然な艶感を与えてくれるので助かっている。まさに「使っていて楽しく、しかもサステナ」というブランドで、モデルさんからおすすめのヘアケアを聞かれたときに提案しやすい。

「ヘアキッチン」5つの特長

目的・用途に合わせた
豊富なラインアップ

問い合わせ先
資生堂プロフェッショナル ヘア技術センター
0120-785-466/企画・制作:WWDJAPAN

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TSIの「キュレーション型ECメディア」本格始動 テレビCMで訴求

 TSIは、デジタルキュレーションECメディアと銘打って3月に立ち上げた「ヒューエルミュージアム(HUELE MUSEUM)」の事業を本格化する。29日からはテレビCMの放映を開始した。8月20日から来年1月下旬までルミネ新宿1でポップアップストア(売り場面積76平方メートル)を営業し、サイトの世界観をリアル店舗でも伝える。

 「ヒューエルミュージアム」は、“ファッション×フラワー×アート”をコンセプトに、30〜40代の女性をターゲットにしたECメディア。TSIの婦人服「エレ ストリオフ(ELE STOLYOF)」「フロム(FLOML)」「ル フィル(LE PHIL)」「スタンブリー(STUMBLY)」「ハーヴェルスタジオ(HAVEL STUDIO)」の5ブランドを販売する。また、これらの服とクリエーターが協業したコンテンツを発信することで、通常のECサイトとは一線を画したカルチャーを提案する。雑誌「バァフアウト!(BARFOUT!)」が女優・佐久間由衣を取り下ろした作品や、フラワーアーティストとフォトグラファーとの協業によって生まれたコンセプトビジュアル、ブランドのデザイナーやクリエーターのインタビューなど、メディアとして楽しめる要素を充実させた。

 テレビCMも服とクリエーターとの協業の一つで、ポップピアニストのハラミちゃんの演奏に合わせてバレエダンサーの飯島望未が踊りを披露している。メイキング動画も同サイトと公式ユーチューブチャンネルで公開中だ。

 5ブランドは百貨店でのショップインショップやセレクトショップでの卸売りで展開されており、TSIの婦人服の中でもハイエンドに属する。ECでも独自の世界観の表現が欠かせないと判断した。また5ブランドの組み合わせによる相乗効果も狙う。

 来年には売り場面積198〜231平方メートルの常設店の出店も視野に入れる。“ファッション×フラワー×アート”というコンセプトをしっかり表現できる空間を設けて、消費者が「ヒューエルミュージアム」のオンライン(EC)とオフライン(リアル店舗)を行き来できるようにする。中期的な構想としては5大都市に常設店を出したい考えだ。

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細胞ケアが新たなエイジングケアの潮流に 注目の成分・ウロリチンで細胞再活性化

  生物の種類によって個数や機能の差はあるが、私たちは細胞からできている。人間の場合、受精卵が分裂を繰り返して目や皮膚、肝臓などを形作りながら、なんと37兆個まで細胞が増加。細胞はいわば“人間の基本”なのだ。そんな体の源である細胞をケアする“細胞活性化”が今、新たな潮流として注目を浴びている。細胞の機能を高めることで体も肌も元気になるというが、その“細胞活性化”に欠かせないのが、ベリーなどに含まれる成分・ウロリチンだと世界的最新研究で解明。市場の期待も高まる中、大学発ベンチャーとして設立されたオートファジーGO(AutoPhagyGO)では、創薬や食品などの実用化を目指して企業との共同開発も進めているなど、細胞再活性化は最先端のエイジングケアとして関心を集めている。

“人間の基本”とも言われる
細胞の働きとは

  細胞はエネルギーやホルモンを作ったりウイルスと戦ったりとさまざまな役割を果たしているが、実は新陳代謝を行い、細胞そのものも日々生まれ変わっている。しかし、中には細胞内の組織が古くなって壊れたり、傷ついても回復力がうまく働かなかったりなど細胞の機能が低下してしまうことも。これらは、細胞内の新陳代謝が速やかに行われないことと、紫外線やストレス、汚染物質、食生活の乱れ、不規則な生活などが要因で発生した活性酸素が細胞のDNAを傷つけていることが原因だ。また、加齢とともに「細胞内の新陳代謝」「傷を修復する力」が下がってしまうために、細胞の機能低下も起こってしまう。だからこそ、体の根本から健康になるためには、機能が低下した細胞を再活性化して元気な細胞に戻す必要がある。

機能低下した細胞に必要な
「細胞再活性化」

細胞を活性化させる
注目の“ウロリチン”

  機能低下した細胞を回復させる働きを持つオートファジーとサーチュイン遺伝子。この2つの相乗効果を発揮する食品素材として、ブドウや赤ワインに多く含まれるレスベラトロールのほか、細胞再活性化素材として近年注目されているのがウロリチンだ。ウロリチンはポリフェノールの一種で、オートファジーの重要な働きである、壊れたミトコンドリアの除去を促進する作用が確認された食品素材。ウロリチンはザクロやベリー、ナッツ由来のポリフェノールを腸内細菌の働きで代謝されてできる成分であるが、産生能力には個人差があるため、これらの食品を摂取するだけでなくウロリチンそのものを摂取することが好ましい。

吉森保大阪大学栄誉教授も
実用化に期待の成分

  年齢と共にオートファジーの働きが弱くなるため、細胞の機能が低下します。つまり、細胞の機能を回復させていつまでも若々しく健康で長生きするためには、オートファジーの力を高めていくことが大切。一方、サーチュインも健康長寿に重要です。オートファジーとサーチュインの両方に働きかけ、細胞を再活性化させる素材の研究が進み実用化されていくことで、細胞から全身が元気になり、心も体も元気に過ごす毎日につながるのではないかと期待しています。また、細胞再活性化を促す“ウロリチン”や“レスベラトロール”といった食品成分を摂り入れることで健康長寿に寄与するのはもちろん、肌への効果も期待できます。そのほか、高脂肪食を控えたりカロリーを制限するといった食事法の変更や、ジョギングなどの運動を継続することも細胞再活性化につながります。

問い合わせ先
一般社団法人ウェルネス総合研究所
info@wellness-lab.org

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売り場発「ベスコス」だから面白い!編集後記 「今週の特集お届け隊」2021年6月28日号

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年6月28日号からの抜粋です)

米山:百貨店・セミセルフショップとドラッグストア&バラエティーショップの集計によるランキングにして今回で2回目の「ベスコス」でしたね。

中村:以前は他の美容雑誌と同じく美容家やインフルエンサーの意見を元にランキングを決めていたけれど、僕らのはシンプルに売れ行きでランキング。売り場からの情報なので、ブランドやクライアントへの忖度は一切ナシというのが、うちらしいよね。

米山:私は個人的にすごく好きな「スック(SUQQU)」の4色のアイシャドーパレットが百貨店の新製品でも総合でもトップにランクインして、うれしかったです!売れたものベースはやはり予想を裏切らない感じがありました。

中村:全体的に順当だよね。今回はメンズコスメ部門を新設したけど、新製品も総合も1位から3位まで「シセイドウ メン(SHISEIDO MEN)」が独占。なんでかなとコメントを見たら資生堂顧客の女性が夫の分も買うパターンがあるようで。コロナ下で一緒にいる時間が多いからか、妻は夫の肌が気になったりするらしい(笑)。あと、メンズのエントリー商材としても機能しているみたい。誰もが知っているブランドだから、安心感があるのかなと思った。

米山:メンズブランドも増えているし、アイテムももっといろいろ入ってくるかと思っていたら、全然そんなことなかったですね。メンズコスメの需要ってずっと横ばいだそうで、ブームは今か今かと思っているのですが、やっぱりまだなんだなというのが分かりました。ドラバラのメンズコスメは除毛剤とデオドラントがランクインしていて、まだまだ身だしなみ系アイテムなんだなというのも興味深かったです。

中村:インフルエンサーなどに聞いてしまうとファンデーションとかが挙がるんだろうけど、実際売れたものとなるともっと定番的なものになるんだろうね。「ベスコス」はどこの媒体でも鉄板企画だけれど、僕たちは売り場からの情報だということをもっとアピールしたい。

米山:毎回ビューティチーム全員、ウェブに紙面に本当に大変ですが、盛り上がりますよね。7月5日20時からのIKKOさんをお招きしてのライブ配信もすごく楽しみです!

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「Y/プロジェクト」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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トラヴィス・スコットとコラボした「ディオール」22年春夏メンズ ゲストに横浜流星やEXOセフン、NCTマークら

 「ディオール(DIOR)」は6月25日、2022年春夏メンズ・コレクションを発表した。ショーは、パリのオテル・デ・ザンヴァリッド(L'hotel des Invalides)で開催され、今季コラボレーションしたトラヴィス・スコット(Travis Scott)のほか、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)らが来場した。

 バーチャルフロントローには、ケイト・モス(Kate Moss)やAJトレーシー(AJ Tracey)、ドン・トリバー(Don Toliver)、ロバート・パティンソン(Robert Pattison)チャーリー・ヒートン(Charlie Heaton)、ジェイムス・ブレイク(James Blake)、EXOのセフン、NCTのマーク、横浜流星、村上隆、YOONらが登場した。

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ユニクロ「UT」が細田守監督作品とコラボ 最新作「竜とそばかすの姫」や人気作から6デザイン

 ユニクロ(UNIQLO)のグラフィックTシャツブランド「UT」は、細田守監督によるアニメーション映画とコラボレーションした“細田守アニメーションワークス UT”を全国のユニクロ店舗とオンラインストアで7月16日に発売する。発売日と同日に公開される最新作「竜とそばかすの姫」を記念したもので、6型のTシャツ(税込各1500円)をラインアップする。

 コラボでは、最新作「竜とそばかすの姫」や人気3作品「時をかける少女」「サマーウォーズ」「バケモノの子」から、細田監督作品らしい“逆境を乗り越えて強く生きる主人公の姿”を表現。「時をかける少女」では主人公が大切な人を守るために奔走するシーンを、「サマーウォーズ」では暗号とパスワードを解除した際の画面を、「バケモノの子」では主人公が剣術を鍛錬しながら成長していく場面をそれぞれデザインに取り入れた。「竜とそばかすの姫」では、巨大なインターネット仮想世界“U”の空間をイメージした柄のほか、謎のアバター“竜”のキャラクターデザインがモチーフの柄を用意した。

 また、自身の3Dアバターを作成できるアバターカメラアプリ「VRoidモバイル」内で楽しめる、UTコレクションのバーチャルTシャツ6柄の無料配布も行う。

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美容機器の売れ筋キーワードは“艶”と“お風呂時間” 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」を読み解く

 先日発表した「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」の「美容機器・ツール」部門の結果と、家電量販店や家電販売サイトの売れ筋(おすすめ)ランキングから、今期の美容機器トレンドを探った。

 トレンド製品のキーワードは「艶」。コロナ禍により家にいる時間が増えたことで、ヘアケアに時間をかける人が増えた。中でもケアにより、“艶やかで健康的な髪”に見せることにこだわる女性が多いようだ。

 「WWDJAPAN」の記者が美容師にインタビューした際も、「思うように外出できない日々が続く中で、艶がなくパサついた髪の自分を鏡で見て、余計に気が滅入ったり、『このままじゃダメだ……』と思ったりする女性が増えている。さらにリモート会議で複数の顔が画面上に並ぶと、『あれ、私の髪だけ艶がない』などと気付いて気にする人も増えた。そうした事情から、髪に艶を出すアイテムが売れている」という話をしてくれた。

 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」の結果からも、その流れが読みとれる。百貨店・セミセルフショップ編の「美容機器・ツール」部門の総合では、「リファ(REFA)」の“リファビューテック ストレートアイロン”(税込1万9800円)が1位で、“リファビューテック ドライヤー”が2位。ともに熱による髪の傷みを軽減し、自然な艶感を演出するツールだ。

 さらにバラエティー・ドラッグストアでの結果を合わせると、計3つものヘア(頭皮)ケアブラシが3位以内にランクインしている。これもおうち時間が増えたことによる、時間をかけた髪のお手入れのニーズ、艶髪を求める流れとリンクしていると思われる。

 楽天市場のドライヤー・ヘアアイロンランキング(2021年6月14日~20日)でも、1位は髪に優しいコーティングプレートを採用し、“さらつやストレート”をかなえる「サロニア(SALONIA)」の“ストレートアイロン”(税込3278円)。2位には内巻きやボリューム出し、艶出しを簡単にかなえる「アゲツヤ(AGETUYA)」の“アゲツヤポータブルミニブラシアイロン”(3982円)がランクイン。

 ヨドバシ・ドット・コムのドライヤーランキング(6月26日更新)でも、髪に艶感を出す“温冷リズムモード”を搭載した「パナソニック ビューティ(PANASONIC BEAUTY)」の“ヘアードライヤー ナノケア EH-NA0E”(オープン価格)が1、2位を独占(2位は色違い)。家電販売サイトや家電量販店でも、売れ筋の美容機器には“艶”という共通項が見えた。

“お風呂時間を“美容ケアの時間”に

 トレンド製品のもう1つのキーワードは、“おうち時間”の中でも最注目の「お風呂時間」だ。これまでの、シャンプーや入浴剤など“香り”にこだわるお風呂時間の使い方から一歩進み、お風呂時間を“美容ケアの時間”ととらえるトレンドが見てとれる。

 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」のバラエティー・ドラッグストア編で1位の「タングルティーザー(TANGLE TEEZER)」“ザ・ウェットディタングラー アイリススパークル”(税込2200円)は、バスルームで濡れ髪の状態で使用できる濡れ髪専用ヘアケアブラシだ。

 家電量販店コジマの担当者も、「おうちでお風呂を楽しむ方が増え、ヘッドスパの人気が高まっている」とコメント。防水仕様でお風呂でも使えるリフトケアツール、「ミーゼ(MYSE)」の“スカルプリフト”(税込3万3000円)と“ヘッドスパリフト”(1万3750円)、「パナソニック ビューティ」のお風呂で使えるVIO専用シェーバー“VIOフェリエ ES-WV60”(オープン価格)を今期の“おすすめアイテム”としてピックアップした。

 「ミーゼ」の“スカルプリフト”は、ビックカメラ.comの美容ケア・エステ人気売れ筋ランキング(21年6月21~27日)で1位を獲得。楽天市場の美容・健康家電ランキング(デイリー)でも、頻繁に1位にランクインしている。「お風呂時間」に使える美容機器市場をけん引している。

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「ルイ・ヴィトン」がメンズスニーカー中心のポップアップを渋谷と名古屋で開催

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、東京の渋谷メンズ店2階で期間限定店“テンポラリー・レジデンシー”を7月5〜8月1日に開く。同店はメンズファッションのイベント“ルイ・ヴィトン:ウォーク イン ザ パーク”の一環で、パリ、ニューヨークに続いて日本では初の取り組みとなる。

 商品は代表的シューズ“LVトレイナー・ライン スニーカー”をはじめ、メンズスニーカーが中心のラインアップで日本限定モデルも販売する。ほかにも“ソフトトランク”“コリエ・LV チェーンリンクス”など、バッグやアクセサリーもそろえる。7月9日には2021-22年秋冬コレクションの一部も並ぶ予定だ。店内はヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)=メンズ アーティスティック・​ディレクターのデビューショーとなった、2019年春夏コレクションのセットを思わせるレインボーカラーで統一。ウオールはシューズのパッケージを重ねたようなデザインにするなど、メンズの世界観を表現している。

 “テンポラリー・レジデンシー”は渋谷メンズ店のほか、ジェイアール名古屋タカシマヤでも7月14〜8月3日に開催する。

■“テンポラリー・レジデンシー”
日程:7月5〜8月1日
場所:ルイ・ヴィトン渋谷メンズ店 2階
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 ミヤシタパーク ノース

日程:7月14日〜8月3日
場所:ジェイアール名古屋タカシマヤ 3階 ローズパティオ
住所:愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4

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スウォッチ グループ ジャパンが坂茂設計の本社ビルを7月1日にリニューアル

 スウォッチ グループ ジャパンは本社を置く東京・銀座の「ニコラス・G・ハイエック センター」を7月1日にリニューアルオープンする。2021年3月に就任したばかりのハイディ・シュ(Heidi Chu)社長は、「自然とテクノロジーを調和したラグジュアリーな空間で皆さまをお迎えする」と話す。

 ニコラス・G・ハイエック センターは、スウォッチ グループの創始者である故ニコラス・G・ハイエック(Nicolas G Hayek)の名を冠して、07年に建てられた。1階のガラス張りのショールーム兼エレベーターが特徴的で、設計は建築家の坂茂が担当した。今回のリニューアルは「坂氏のコンセプトを受け継ぐもの」だという。

 ビル内には、「ブレゲ(BREGUET)」「ブランパン(BLANCPAIN)」「グラスヒュッテ・オリジナル(GLASHUETTE ORIGINAL)」「ジャケ・ドロー(JAQUET DROZ)」「オメガ(OMEGA)」「ロンジン(LONGINES)」「ティソ(TISSOT)」のスウォッチ グループ傘下の7つの時計ブランドの店舗が入り、修理・メンテナンス部門であるカスタマーサービスも備える。

 同ビルをめぐっては、20年11月に地下1階の「スウォッチ(SWATCH)」が閉店し、21年1月に同フロアに「ティソ」がオープン。「スウォッチ」は6月、旗艦店を原宿に移転オープンしている。

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有名美容師のパーソナルトレーニングを担当 b-exの浅田昌也が打ち出す筋肉美容家とは

 ヘアサロン専売品をはじめ、一般向けヘアケア製品などを取り扱うb-exは今年3月に副業を解禁した。実践者はまだ少数というが、先陣を切って副業に取り組む浅田昌也さんは営業として勤務するかたわら、筋肉美容家として自身の身体を美しく鍛え、大会にも出場する。美容室・美容師向けのパーソナルトレーナーとして活動する背景を浅田さんに聞いた。

WWD:筋トレに目覚めたきっかけは?

浅田昌也b-exプロフェッショナル営業部第一支店 支店長兼広域営業(ビジネスデベロップメント)(以下、浅田):ジムにはずっと通っていましたが、きっかけはヘアサロン「エアー(air)」執行役員の金丸佳右さんとの出会い。もともと“筋肉美容師”として有名な方ですが、実際にお会いしたらめちゃくちゃかっこ良くって。19年の春ごろ、鍛えた身体の美しさを競い合う「ベスト・ボディジャパン」という大会に金丸さんが出場するということで見学にいきました。その時にすごく感銘を受けて、翌日から自分も3カ月後の大会に出場するために本格的に身体を鍛え始めました。

WWD:身体を鍛え始めてからの変化は?

浅田:大会に出場するために3カ月で18キロ減量しました。別人になったと思いますよ(笑)。そうして「ベスト・ボディジャパン」に挑んだのですが結果は予選落ちで、撃沈。リベンジのために出場した20年の「モデルジャパン」では予選を通過して日本大会に行くことができました。筋トレを始める前はSNSをそれほどまめに更新していませんでしたが、減量の様子をインスタグラムやティックトックで公開してみたら反響が大きく、テレビのバラエティ番組にも出演しました。

WWD:それからパーソナルトレーナーとして活動を始めたのはなぜ?

浅田:僕が大会前に食事と筋トレで10キロ以上減量しているのを見て、「ガーランド(Garland)」の榊原(章哲)さんが「コロナ禍で10キロ以上体重が増えてしまったので、ダイエットをサポートしてくれないか」と声をかけてくれました。昨年の秋頃です。「せっかくなら本格的にやろう」と榊原さんにサービス名もいただき、ロゴも作ってくれたんです。2カ月間毎日30分ほど、ビデオチャットを使って、トレーニングをしたところ、榊原さんは6kgの減量に成功しました。そのあとは「アン アミ(Unami)」代表の森内(雅樹)さんや、「ロンド(Lond)」グループ代表の吉田牧人さんからお声がけをいただき、徐々にパーソナルトレーナーとしての活動が増えていきました。コロナ太りには美容師さんも例外なく悩んでいるようで、自粛ムードが次第にあけて人前に出ることが増えた秋頃に始めたこともあり需要が高かったと思います。

WWD:メーカー営業とパーソナルトレーナー、二足のわらじのメリットは。

浅田:榊原さんに言われて始めましたが、一人勝ちできるなと思いました。“筋肉美容師”は結構いますが、メーカーやディーラーなどヘアサロン業界でほかにそういう人がいませんでした。パーソナルトレーニングを担当することでビジネスとは違う領域で美容師さんと関係性が作れます。ヘアサロン業界以外の方のパーソナルトレーニングをすることもありますが、この業界でやることに価値があると考えています。トレーニングをしていると自然と仕事の悩みを相談されることもあって、ヘアサロン業界にいるからこそ共感できたり、アドバイスしたりすることもできます。まずは友達のような親しい関係が築ければ、ビジネスでも良い関係になれるはずです。メーカーの営業は「商品を売りにきた」と警戒されることがありますが、まずは筋トレをきっかけに友達のように親しい関係が築ければビジネスでも良い関係になれるはずです。

WWD:営業マン×筋肉美容家としての目標は?

浅田:b-exに入社してから15年、北海道や大阪、東京で営業として一番売り上げを立ててきたと自負しています。正直にいうと、数字を追い求めることはもうやり切った感がありました。何か新しく打ち込めることを見つけたいという思いや、金丸さんとの出会いがあって、筋トレを始めました。その時はどのようにビジネスにつなげていくかは、全く見えていませんでした。それが美容師さんと筋トレを通じて関係性を作ることができるようになり、b-exの仕事にも生きています。さらにパーソナルトレーナーという副業にもなりました。結果が求められるので趣味レベルで筋トレをやるのとは全然違いますが、好きなことでビジネスができたら最高じゃないですか。そうじゃないと継続できません。

WWD:浅田さんが周りに与える影響も大きそうだ。

浅田:“自分×何か”の“何か”を2つ、3つ持っていないと、これからの時代はきついと部下にも話しています。営業に出て、プレゼンするのは当たり前。けれども「この人といえば○○○だよね」という何かがあれば入り口も作りやすいし、重宝されます。例えばブラックコーヒーしか飲まないとか、些細なことでもいいんです。それをいかに発信して継続するかが大事。最低でも1〜2年は続けることですね。やり続けてみないとどのようにブランディングすれば良いのかもわかりません。僕の場合はそれが筋トレでした。筋トレは自分との戦いで嘘をつきません。筋肉美容家として活動していますが、美容師さんが「きれいになって、かっこ良くなって売り上げが上がる」というようなロジックが作れたら無敵になれると考えています。そんな営業マンがいたら、「b-ex と取引したい!」とも思いますよね。人のためでもありますが、筋トレをすることは自分のためでもあり、会社の売り上げにもつながるはずです。

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「シャネル」が新作ウオッチを音・カラー・デザインで披露 6月29日22時からはJ-WAVE内で放送も

 「シャネル(CHANEL)」は6月28日、時計“シャネル エレクトロ カプセル コレクション”を世界同時発売し、これに先駆けた24日、東京・原宿のウィズ ハラジュク ホールで発表会を行った。本カプセルコレクションは、1980~90年代のエレクトロカルチャーに着想を得たもので、“ジェイトゥエルブ(J12)”や“プルミエール”、“コード ココ”“ボーイフレンド”といったブランドを代表する時計を、エレクトロなネオンカラーで再提案している。価格は70万9500~180万4000円。

 「シャネル」は発売に合わせて、フレンチエレクトロブームをけん引したエド バンガー レコーズ(ED BANGER RECORDS)とコラボレーション。“FROM MIDDAY TO MIDNIGHT(正午から真夜中まで)”をテーマにしたエレクトロミュージック6曲のプレーリストを作成し、21日からスポティファイ(Spotify)とアップル ミュージック(Apple Music)で公開している。会場ではこの6曲も、DJを務めたマドモアゼル・ユリアやセイホー(Seiho)によってプレーされ、女優の佐久間由衣、モデルの宮沢氷魚、女優の夏子、バレエダンサーの飯島望未など「シャネル」と親交の深いゲストが来場した。

 発表会の様子は29日、ジェイウェイブ(J-WAVE)の番組「ソナー ミュージック(SONAR MUSIC)」(22:00~24:00)内で放送される。ナビゲーターのあっこゴリラによるイベントリポートや、DJを務めたセイホーがゲスト出演する。

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苦境の老舗アパレルで奮闘する28歳ショップ店員のリアル ラブレス片桐涼

  「苦戦する老舗アパレル」「百貨店前年割れで老舗アパレルが……」と多くのメディアが報じる。そうした中で、来店するお客様の声に耳を傾けて、最適なものを提案、販売しているその企業の店頭のショップスタッフはどんな状況なのか。三陽商会の運営する「ラブレス(LOVELESS)」ニュウマン横浜店の片桐涼副店長は、そんな世間の空気を軽やかに乗り越えている。目の前のお客様や顧客のために何ができるか考え、できることからやってみようと片桐さんが始めたこととは。

―メディアでは定期的に老舗アパレルの商況が報じられていますが、率直にどう感じていますか?

片桐涼さん(以下、片桐):三陽商会は他の老舗アパレルとともに、そういった業界ニュースで必ず話題に上りますので、家族やお客様から心配する声をいただくこともありますね。

―そうですよね…。でも、2016年に入社される時点で、百貨店を含め、アパレル業界は斜陽業界と揶揄されていましたが、なぜこの業界を希望したのでしょう?

片桐:就活する時期になって、改めて何を仕事にするか、何が好きなのかって自問自答をした結果、ファッションが優先順位の高いところにあり、それを仕事にできたらハッピーだなと思ってアパレル業界に絞って就活を始めました。中でもラブレスは学生時代からよく足を運んでいた店の一つ。働きたいショップの一つでした。

―ファッションに興味を持ったきっかけは?

片桐:実家が長野県上田市なのですが、ファッションの流行が少し遅れて届くんですよ。僕が高校卒業する頃、地元ではギャルやギャル男が一番イケている存在だったんです。東京の大学に進学が決まり、「上京するなら髪の色を明るくしてイケてる服を着ていかないと」って思うじゃないですか、でも実際に東京に出てきたら流行はキレイ目にシフトしていたんです(笑)。キャンパス内のオシャレな人を観察して、ファッション雑誌を読み込んで、たどり着いた先がセレクトショップ。東京に一緒に上京した仲の良い友人3人が、文化服装学院に進学していて、友人たちはさらに先に行っていたので、友人たちからも影響を受けました。

―その友人たちとは今も交流が?

片桐:はい。一人は同じアパレル業界にいるので交流はあります。あと二人は転職の末に異業種に行きました。

―同じ業界で頑張る仲間がいるのはうれしいですね。ところで就活は販売職が希望だったのですか?

片桐:就活中や入社したての頃は、大きな夢や目標を持ちますよね。服が好きなのでいつか自分の店を持ちたいと漠然と考えていました。服の知識もないので店で働きながら勉強しようと、最初の頃は思っていました。例えば地元に戻ってセレクトショップを作るとか……。

―それは良いですね。実際に働き始めてどうでしたか?

片桐:たぶん、皆さん同じことを感じていると思うのですが、思ったよりも体力的にしんどい (笑)。好きな服に囲まれているのはいいのですが、外から見るのと、内側から見るでは全く見える景色が違いました。加えて、僕の場合はアパレルでのアルバイトも未経験、専門学校で服の知識を学んできていないので、専門学校を卒業している同期との差を感じました。

―元々はお客さま側でしたもんね。

片桐:そうなんです。ただ服が好きと言う理由でこの業界に踏み出してみて、今思うと当時の自分は勇気があったなと思います。アパレル経験や専門知識を身につけてきた同期との差は明かだったので、まず、その差を埋めようと努力しました。

―販売員さんの取材でも圧倒的に普通の大学を出た方が多いです。ただ、確かに服作りの工程やパターン、素材など専門学校で学ぶ最低限の専門知識を持っていた方が働きやすい。

片桐:たとえば美容師は国家資格ないと髪は切れませんが、この業界は服が好きな人なら誰でもできる可能性がある。でも、お客様から見たら店長クラスのキャリアがある人も入社1年目の販売員でも“ファッションのプロ”。そう考えて、少しでも早くプロの販売員になろうと思いました。

―どんなことをされました?

片桐:セレクトショップで働くようになると、自分の得意ではないテイストやブランドも扱うことになるので、そういったものの着こなし方を勉強しました。自分の好きなブランドは勝手に情報が入ってくるので、知らないブランドを意識的に覚えました。入社してすぐに無印良品で5冊組のノートを買い、表紙に「ブランドノート1」と書いて、ネットや雑誌などで調べたブランドの歴史や情報などを手で書き写しました。手書きが一番頭に入るので。3カ月でそのノート5冊を使い切りました。

―それは凄い!

片桐:最初の配属先が代官山店で、僕以上にファッションやブランドに詳しいお客さまが来店されるので、その方たちに対応できる知識が必要だったんです。当時はとてもオシャレな方やブランドで全身固めた方が来ると、怖くて話かけられませんでした(笑)。

―そうですよね。この方を納得させる自信はないって思いますよね(笑)。でもそういう高感度なファッションを知っているお客さまとも対等にお付き合いできるような自分になるために知識を高めようとされたんですね。

片桐:入社直後は、そこに一番注力しました。それから、ブランドの勉強以上に一番苦労したところは会話です。先輩たちは僕が接客経験浅いのを知っていたので、まずは会話することに馴れてもらおうと商品情報を一切話さない日常会話のロープレをよくしてくれました。これはとてもありがたかったです。あと、学生の頃以上にいろんな店に行きました。馴染みのセレクトショップはスタッフとすでに仲が良いので、逆にあまり行かないセレクトショップやブランドの直営店に行くようにしたりとか。。あえて知らない体で「今はこういうのが流行っているんですか?」とわざと質問して、商品の情報を聞いてみたり、接客を受けて、自分の接客に落とし込んでみたりとか。とにかく人の技を盗みに行きました。

―その中でもどこが一番勉強になりましたか?

片桐:やはりブランドの直営店ですね。おもてなし含め、知識量が半端じゃない。今でも印象に残っているのが、「バルマン(BALMAIN)」の直営店です。いつものように接客を受けていたら、当時ブームだったバイカーデニムについてかなり細かいことまで丁寧に語ってくださっていたのですが、ふと目を向けたところに3枚組のパックTが目に入ったので「バルマンでもパックTがあるんですね」とポロっとこぼしたら、想定以上のセールストークが返ってきて驚きました。「Tシャツでもこんなに喋るのか、この人たちは……」と衝撃を受けました。自店にもパックTを販売していたので、僕もこれぐらいを返せないといけないんだなって改めて思いました。それが、販売員がつくれる付加価値だと思うんです。

―ブランドバリューがあればいいですが、それも崩れつつある今、どうしてこの商品をこの店で販売するのか、なぜお客様に勧めるのか、そういった価値を伝えることが大切になりそうですね。その勉強が生かされた瞬間は?

片桐:キャリアを重ねるごとに「お兄さん、詳しいですね」と言われることが増えてきました。嬉しいのは信頼されて「名刺ください」と言っていただいたときです。

―それは今まで勉強してきた甲斐がありますね。それでは最後に今後の目標を。

片桐:日々忙しく仕事していると、それに追われて、入社したてのころの夢を結構忘れてしまいます。「自分の店をやってみたい」と入社前に抱いていた夢を、昨年のコロナ禍が襲う少し前から考えるようになりました。何か行動を起こなきゃと思い、バイヤーに「バイイングに興味があるので、次回の展示会によかったら同行させてください」と伝えました。

―おぉ!この営業自粛期間は本当にいろんな事を考えるきっかけになりました。アクションを起こしたのですね。

片桐:そうです。いつしか、本当に自分の店を作ることができるとなったら、バイヤーの仕事を身につける必要があるなと思ったんです。連絡したのは昨年2月頃だったの、3月の秋冬展示会シーズンには連れて行ってもらいました。それ以降、展示会には毎回同行して、店頭目線の意見を伝えています。特別な肩書きはないですが“ショップバイヤー”という立場で、お客様の代理として商品を買いつけている気持ちで行っています。

―まずはバイヤーを経験ということですね。自分がバイイングした商品の売れ行きは?

片桐:ぼちぼちといったところです(苦笑)。ですが、直接デザイナーさんのお話を聞いて得られた感動をスタッフに共有し、さらにお客さまにまで色濃く伝えることができて、いい流れを作ることができたと思っています。バイヤーはなかなか店頭に立つことはできませんから、ショップバイヤーがその仲介役として、デザイナーの思いをお客様に届ける導線が作れたらと考えています。

苫米地香織:服が作れて、グラフィックデザインができて、写真が撮れるファッションビジネスライター。高校でインテリア、専門学校で服飾を学び、販売員として働き始める。その後、アパレル企画会社へ転職し、商品企画、デザイン、マーケティング、業界誌への執筆などに携わる。自他ともに認める“日本で一番アパレル販売員を取材しているライター”

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苦境の老舗アパレルで奮闘する28歳ショップ店員のリアル ラブレス片桐涼

  「苦戦する老舗アパレル」「百貨店前年割れで老舗アパレルが……」と多くのメディアが報じる。そうした中で、来店するお客様の声に耳を傾けて、最適なものを提案、販売しているその企業の店頭のショップスタッフはどんな状況なのか。三陽商会の運営する「ラブレス(LOVELESS)」ニュウマン横浜店の片桐涼副店長は、そんな世間の空気を軽やかに乗り越えている。目の前のお客様や顧客のために何ができるか考え、できることからやってみようと片桐さんが始めたこととは。

―メディアでは定期的に老舗アパレルの商況が報じられていますが、率直にどう感じていますか?

片桐涼さん(以下、片桐):三陽商会は他の老舗アパレルとともに、そういった業界ニュースで必ず話題に上りますので、家族やお客様から心配する声をいただくこともありますね。

―そうですよね…。でも、2016年に入社される時点で、百貨店を含め、アパレル業界は斜陽業界と揶揄されていましたが、なぜこの業界を希望したのでしょう?

片桐:就活する時期になって、改めて何を仕事にするか、何が好きなのかって自問自答をした結果、ファッションが優先順位の高いところにあり、それを仕事にできたらハッピーだなと思ってアパレル業界に絞って就活を始めました。中でもラブレスは学生時代からよく足を運んでいた店の一つ。働きたいショップの一つでした。

―ファッションに興味を持ったきっかけは?

片桐:実家が長野県上田市なのですが、ファッションの流行が少し遅れて届くんですよ。僕が高校卒業する頃、地元ではギャルやギャル男が一番イケている存在だったんです。東京の大学に進学が決まり、「上京するなら髪の色を明るくしてイケてる服を着ていかないと」って思うじゃないですか、でも実際に東京に出てきたら流行はキレイ目にシフトしていたんです(笑)。キャンパス内のオシャレな人を観察して、ファッション雑誌を読み込んで、たどり着いた先がセレクトショップ。東京に一緒に上京した仲の良い友人3人が、文化服装学院に進学していて、友人たちはさらに先に行っていたので、友人たちからも影響を受けました。

―その友人たちとは今も交流が?

片桐:はい。一人は同じアパレル業界にいるので交流はあります。あと二人は転職の末に異業種に行きました。

―同じ業界で頑張る仲間がいるのはうれしいですね。ところで就活は販売職が希望だったのですか?

片桐:就活中や入社したての頃は、大きな夢や目標を持ちますよね。服が好きなのでいつか自分の店を持ちたいと漠然と考えていました。服の知識もないので店で働きながら勉強しようと、最初の頃は思っていました。例えば地元に戻ってセレクトショップを作るとか……。

―それは良いですね。実際に働き始めてどうでしたか?

片桐:たぶん、皆さん同じことを感じていると思うのですが、思ったよりも体力的にしんどい (笑)。好きな服に囲まれているのはいいのですが、外から見るのと、内側から見るでは全く見える景色が違いました。加えて、僕の場合はアパレルでのアルバイトも未経験、専門学校で服の知識を学んできていないので、専門学校を卒業している同期との差を感じました。

―元々はお客さま側でしたもんね。

片桐:そうなんです。ただ服が好きと言う理由でこの業界に踏み出してみて、今思うと当時の自分は勇気があったなと思います。アパレル経験や専門知識を身につけてきた同期との差は明かだったので、まず、その差を埋めようと努力しました。

―販売員さんの取材でも圧倒的に普通の大学を出た方が多いです。ただ、確かに服作りの工程やパターン、素材など専門学校で学ぶ最低限の専門知識を持っていた方が働きやすい。

片桐:たとえば美容師は国家資格ないと髪は切れませんが、この業界は服が好きな人なら誰でもできる可能性がある。でも、お客様から見たら店長クラスのキャリアがある人も入社1年目の販売員でも“ファッションのプロ”。そう考えて、少しでも早くプロの販売員になろうと思いました。

―どんなことをされました?

片桐:セレクトショップで働くようになると、自分の得意ではないテイストやブランドも扱うことになるので、そういったものの着こなし方を勉強しました。自分の好きなブランドは勝手に情報が入ってくるので、知らないブランドを意識的に覚えました。入社してすぐに無印良品で5冊組のノートを買い、表紙に「ブランドノート1」と書いて、ネットや雑誌などで調べたブランドの歴史や情報などを手で書き写しました。手書きが一番頭に入るので。3カ月でそのノート5冊を使い切りました。

―それは凄い!

片桐:最初の配属先が代官山店で、僕以上にファッションやブランドに詳しいお客さまが来店されるので、その方たちに対応できる知識が必要だったんです。当時はとてもオシャレな方やブランドで全身固めた方が来ると、怖くて話かけられませんでした(笑)。

―そうですよね。この方を納得させる自信はないって思いますよね(笑)。でもそういう高感度なファッションを知っているお客さまとも対等にお付き合いできるような自分になるために知識を高めようとされたんですね。

片桐:入社直後は、そこに一番注力しました。それから、ブランドの勉強以上に一番苦労したところは会話です。先輩たちは僕が接客経験浅いのを知っていたので、まずは会話することに馴れてもらおうと商品情報を一切話さない日常会話のロープレをよくしてくれました。これはとてもありがたかったです。あと、学生の頃以上にいろんな店に行きました。馴染みのセレクトショップはスタッフとすでに仲が良いので、逆にあまり行かないセレクトショップやブランドの直営店に行くようにしたりとか。。あえて知らない体で「今はこういうのが流行っているんですか?」とわざと質問して、商品の情報を聞いてみたり、接客を受けて、自分の接客に落とし込んでみたりとか。とにかく人の技を盗みに行きました。

―その中でもどこが一番勉強になりましたか?

片桐:やはりブランドの直営店ですね。おもてなし含め、知識量が半端じゃない。今でも印象に残っているのが、「バルマン(BALMAIN)」の直営店です。いつものように接客を受けていたら、当時ブームだったバイカーデニムについてかなり細かいことまで丁寧に語ってくださっていたのですが、ふと目を向けたところに3枚組のパックTが目に入ったので「バルマンでもパックTがあるんですね」とポロっとこぼしたら、想定以上のセールストークが返ってきて驚きました。「Tシャツでもこんなに喋るのか、この人たちは……」と衝撃を受けました。自店にもパックTを販売していたので、僕もこれぐらいを返せないといけないんだなって改めて思いました。それが、販売員がつくれる付加価値だと思うんです。

―ブランドバリューがあればいいですが、それも崩れつつある今、どうしてこの商品をこの店で販売するのか、なぜお客様に勧めるのか、そういった価値を伝えることが大切になりそうですね。その勉強が生かされた瞬間は?

片桐:キャリアを重ねるごとに「お兄さん、詳しいですね」と言われることが増えてきました。嬉しいのは信頼されて「名刺ください」と言っていただいたときです。

―それは今まで勉強してきた甲斐がありますね。それでは最後に今後の目標を。

片桐:日々忙しく仕事していると、それに追われて、入社したてのころの夢を結構忘れてしまいます。「自分の店をやってみたい」と入社前に抱いていた夢を、昨年のコロナ禍が襲う少し前から考えるようになりました。何か行動を起こなきゃと思い、バイヤーに「バイイングに興味があるので、次回の展示会によかったら同行させてください」と伝えました。

―おぉ!この営業自粛期間は本当にいろんな事を考えるきっかけになりました。アクションを起こしたのですね。

片桐:そうです。いつしか、本当に自分の店を作ることができるとなったら、バイヤーの仕事を身につける必要があるなと思ったんです。連絡したのは昨年2月頃だったの、3月の秋冬展示会シーズンには連れて行ってもらいました。それ以降、展示会には毎回同行して、店頭目線の意見を伝えています。特別な肩書きはないですが“ショップバイヤー”という立場で、お客様の代理として商品を買いつけている気持ちで行っています。

―まずはバイヤーを経験ということですね。自分がバイイングした商品の売れ行きは?

片桐:ぼちぼちといったところです(苦笑)。ですが、直接デザイナーさんのお話を聞いて得られた感動をスタッフに共有し、さらにお客さまにまで色濃く伝えることができて、いい流れを作ることができたと思っています。バイヤーはなかなか店頭に立つことはできませんから、ショップバイヤーがその仲介役として、デザイナーの思いをお客様に届ける導線が作れたらと考えています。

苫米地香織:服が作れて、グラフィックデザインができて、写真が撮れるファッションビジネスライター。高校でインテリア、専門学校で服飾を学び、販売員として働き始める。その後、アパレル企画会社へ転職し、商品企画、デザイン、マーケティング、業界誌への執筆などに携わる。自他ともに認める“日本で一番アパレル販売員を取材しているライター”

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「トゥミ」から初のメンズフレグランスが登場 グローバルな現代男性をイメージしたウッディな香り

 トラベルライフスタイルブランド「トゥミ(TUMI)」は7月16日、初のメンズフレグランスを発売する。朝8時をイメージした“アウェイクン オーデパルファム” (各15〜100mL、各税込7260〜1万3310円)と夜8時からインスピレーションを得た “アンワインド オーデパルファム”(同)をそろえる。

 それぞれ英・グリニッジ標準時間のタイムゾーンにフォーカスし、“アウェイクン オーデパルファム”が8:00 GMT、“アンワインド オーデパルファム”が20:00 GMTをイメージ。これらに密着したライフスタイルを送る現代男性をコンセプトとした。フレグランスラインの発売に際し、ヴィクター・サンズ(Victor Suns)=クリエイティブディレクターは「『トゥミ』は素晴らしいデザインや機能性、品質の代名詞として知られてきた。フレグランスの世界に踏み出す最初の一歩として、トラベルのライフスタイルブランドとしての伝統を伝えるためにあらゆる細部まで確実にこだわって作り上げた」とコメントした。

 “アウェイクン オーデパルファム”は、フゼア調のシトラスウッディなエネルギーに満ち溢れたパワフルかつフレッシュなフレグランスで、1日を引き上げるエナジーアクセサリーのような仕上がりに。夢の力と身に着ける男性の無限の精神力をベースに、日々の瞬間を全力で味わうことができるような香りをイメージした。

 “アンワインド オーデパルファム”は、旅による気づきや発見の本質をとらえ移動中の感覚を想起させるウッディアロマティックな香りが特徴。新鮮さと温かさのユニークなコントラストを求め、カジュアルな魅力とタイムレスなスタイルで生きる現代男性がインスピレーション源となっている。

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「SK-II」が映像作品「それぞれのスタジアム」を公開 コロナの影響を受けた女性起業家を支援

 「SK-II」は6月21日、コンテンツハブ「SK-II STUDIO」から新たな映像作品「それぞれのスタジアム」を公開した。「SK-II」は「#CHANGEDESTINY ~運命を、変えよう。」という信念のもと、今年3月に現代女性が直面するさまざまなプレッシャーに立ち向かう映像作品を発信する「SK-II STUDIO」を発足。これまでに池江璃花子をはじめ、世界中のアスリートのストーリーを描いた映像7本を公開した。映像1再生につき1ドルを(本年の拠出額50万ドルを上限とする)、運命を変えようと挑戦し続ける女性の支援活動に拠出すると約束した。そんな「SK-II STUDIO」の作品は、全世界で7億回の再生回数を記録し、50万ドル(約5300万円)を集めた「#CHANGEDESTINY資金」を今回、コロナ禍の影響を受けた女性起業家を支援すると決めた。

 発表された新作「それぞれのスタジアム」およびこの女性起業家支援プロジェクトでは、世界のトップアスリートが立ち向かう競技という戦いと、東京2020オリンピックに合わせて期待されていた旅行者の減少の影響を受け、困難な状況に直面する5人の女性起業家・事業主にスポットライトを当てている。着物店「着縁」の小田嶋舞オーナー、和菓子店「大三萬年堂HANARE」の安原伶香オーナー、フラワーショップ「オン フラワーズ(On Flowers)」の橋本藍オーナー、おにぎり店「NYカフェ(NY CAFE)」の米山直子オーナー、エシカルジュエリー店「ハスナ(HASUNA)」白木夏子オーナーを取り上げている。作品の公開と同時に公開したバーチャルシティ「SK-II CITY」内では、この5人の店舗を世界に向け紹介。バーチャル空間で店舗を訪ね、起業家のストーリーを聞き、さらに製品やサービスへの思いをバーチャル上で体験することが可能だ。

 また「SK-II」はこのほど、渋谷区と「女性起業家の支援に関する連携協定」を締結した。コロナ禍で影響を受けた女性起業家や中小企業の女性事業主を支援するもので、渋谷区と、女性起業家ネットワークを運営するミートーク(meeTalk)との長期プロジェクトだ。

 今回のプロジェクトでは、「学ぶ」「つながる」「発信する」という3つのアプローチで、中小ビジネスを経営する女性起業家・事業主を支援。「学ぶ」では、フェイスブック ジャパン(FACEBOOK JAPAN)とグーグル(GOOGLE)の協力のもと、デジタルプラットホームの構築やソーシャルコマース、海外展開などのテーマについて、ワークショップや個別のビジネスコンサルテーションを行う。「つながる」では、中小ビジネスを経営する女性起業家・事業主の課題である、ビジネス上ネットワークへの接続を支援し、ロールモデルとのマッチングを行う。「発信する」では、女性起業家・事業主がビジネスを世界に発信できるよう、東京の街並みをイメージしたバーチャルシティ「SK-II CITY」などを通じて、ブランド体験や発信の機会を提供。7月21日に実施するキックオフイベントを皮切りに、約1カ月間にわたり実施する。

 マーカス・ストローベル(Marcus Strobel)P&Gグローバル スキン&パーソナルケア プレジデントは「今、お客さまは企業やブランドに対し、単にお肌や美容のことだけでなく、多くのことを期待している。『SK-II』は#CHANGEDESTINYの信念のもと、世界中の女性に影響を与えている社会課題の解決に取り組み、女性が運命を変える後押しの手伝いを続けている。困難な時代において、女性起業家・事業主が夢を持ち続けるための支援を東京で続けることは、非常に大きな意味があると考える」とコメント。

問い合わせ先
SK-II お客さま相談室
0120-02-1325

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キノコ由来のレザーから「洋服の青山」の余剰在庫まで活用 「ダブレット」の反骨心×最新のサステナビリティ

 「ダブレット(DOUBLET)」は27日、都内郊外にある農園で2022年春夏のファッションショーを行った。今季もパリ・メンズ ・コレクションの公式スケジュールでのオンライン発表に合わせた配信で、日本のメディア関係者やバイヤーを現地に招待。都会を忘れる緑豊かな農園のエントランスでは、子羊がお出迎え。一方で、その自然とは相反するカラフルなライトとロック音楽の爆音で、ショーは幕を開けた。

 ファーストルックは、缶バッジやスタッズを総刺しゅうしただまし絵のライダースジャケットとニットワンピース。モデルはブロンドのカーリーヘアで、伝説の英バンド、セックス・ピストルズ(SEX PISTOLS)のシド・ヴィシャス(Sid Vicious)の恋人として知られていたナンシー・スパンゲン(Nancy Spungen)のような風貌だ。次々登場するモデルたちは、パンクロッカーやヤンキー、不良のようなコワイ雰囲気。しかし、彼らがまとうド派手な服は最新のサステナビリティの技術を駆使したアイテムだった。

コワイ人たちが着る
環境に優しい服

 今注目のキノコの菌から作った“人工マッシュルームレザー“は、インドネシア企業のマイレア(MYLEA)との協業し、ライダースジャケットに仕立てた。その背中には毒キノコの“テングダケ“をプリントし、シュールな笑を誘う。廃棄されたバナナの茎からできた糸は、バナナ柄のセーターに。これは有名なロックバンドのアルバムジャケットや果物ブランドのロゴなど、「ダブレット」らしいパロディーだ。その他にも、コーヒー染めしたミルクプロテインの糸や、玉ねぎの外皮を使った染色技術、食べ物や植物の廃棄物から抽出された液を使った染色など、数々の食べ物を使った新しい技術を採用。農園というロケーションとコレクションがリンクする。

 また「洋服の青山」で知られる青山商事と協業したアップサイクルにも挑戦。コロナ禍で出たスーツの余剰在庫を買い取り、解体し、オーバーサイズのジャケットやセットアップへと生まれ変わらせた。他にも「スイコック(SUICOKE)」とのシューズ、「ブラン(817 BLANC LNT)」とのアイウエア、「エドロバートジャドソン(EDROBERTJUDSON)」のバッグなどのコラボレーションも披露している。

“不良が猫を助ける“ような服作り

 これまでも進めてきたサステナビリティへの取り組みを、よりグレードアップさせたが、井野将之デザイナーは制作する上で矛盾を感じていたという。「環境にいい素材で、“いいことでしょう?“という服作りに違和感があった。だから、環境に悪くない素材をボロボロに加工して、“環境にいい、悪い関係なく、洋服だ“というものを作りたかった」と明かした。「学校で不良が猫を助けたら、いいこととして評価されるが、学級委員が万引きしたら反感を食らう。不良が猫を助けるほうが生きやすいし、僕はそういう風でありたいと思った(笑)」と説明する。“環境に優しい“エコのイメージと、反骨心たっぷりのクリエイションのコントラストが痛快だ。

 今季のテーマは「My Way(僕らのやり方)」。「エルメス(HERMES)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」「アディダス(ADIDAS)」も取り入れる“人工マッシュルームレザー”の最新技術をいち早く採用し、「ダブレット」流に咀嚼。また、見て“楽しく“、着る人の気分が高揚し、コミュニケーションを生む服を目指してきたブランドの真髄を極めている。

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風吹ジュンがイメージモデル 奇跡の60代がかなう「大人の上品ツヤ肌メイク」が刊行

 光文社は6月30日、ヘアメイクアップアーティスト髙橋貢氏の初著書、「大人の上品ツヤ肌メイク」(税込1870円)を発売する。

 多くの女優やモデル、アスリートまで幅広くヘアメイクを手掛けてきた髙橋氏が、長年培ってきたメソッドを60歳にして初公開。女優たちを感動させたベースメイクの秘密や、60代になったら知っておきたいテクニックを紹介している。読んでいてクセになる独特の語り口にも注目だ。

 コンテンツは、“大人の上品ツヤ肌メイクのつくり方”“「顔の額縁」眉とアイメイク”“顔が華やぐリップの法則”“保湿重視のスキンケア”“ボリューム命のヘアケア”など。

 “大人のためのメイク直し3種の神器”や“翌朝がラクになる、大人のドライヤー法”など具体的なお役立ち情報のほか、「メイクの9割は“ファンデまで”で決まると心せよ!」「“1年中オールインワン”は枯れる原因に」など、ドキッとさせられる格言も登場する。

 髙橋氏は、女優、俳優、アスリートなど数多くの有名人から指名を受けるヘアメイクアップアーティスト。美容室勤務、フランス留学を経て活動を始め、1988年にアーティストの今井美樹氏の初の全国コンサートの仕事を機にフリーランスとなる。CF広告を中心に、テレビや雑誌、書籍など多方面で活躍中だ。

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ぐるなび&楽天も、デリバリー本格参入。予約・テイクアウト・デリバリーをワンストップで。

株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原 章郎)が、楽天グループ株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史)の「楽天デリバリー」事業及びテイクアウト事業を承継し、サービス名を「楽天ぐるなびデリバリー」「楽天ぐるなびテイクアウト」と改称して7月1日(木)より運営を開始させる。
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「たれ焼肉」が増加中! 背景には店のメリットと過去のブームへのアンチテーゼがあった

 「まん延防止等重点措置」へと移行となり、飲食店の客足回復が期待されるなか、居酒屋「和民」の業態転換があったように、強いとされているのが焼肉だ。昨年末にぐるなびが調査した「2021年食べたいメニューランキング」によると1位は焼肉(2位寿司、3位ステーキ)。その中でさらにトレンドを深掘りすると、気になるのが「たれ焼肉」を標榜する店が増えている点だ。
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パーソナライズヘアケア「メデュラ」が初のトリートメント専門サロンをオープン

 スパーティー(SPARTY)はパーソナライズヘアケア「メデュラ(MEDULLA)」から初のトリートメント専門サロン「サロン ド メデュラ(SALON DE MEDULLA)」を東京・表参道に7月11日にオープンする。ブランド名の由来である「髪の芯」から着想を得て、「メディテーション-瞑想-」をテーマに、”自分の芯に落ちていくように、心地よくリラックスできる空間”に仕上げた。

 「サロン ド メデュラ」はシャンプー・トリートメント・マッサージに特化した専門サロンで、「メデュラ」が独自開発した4ステップのパーソナライズシステムトリートメントで一人一人の髪の状態に合わせた施術を行う。

 カウンセリング、シャンプー、トリートメント、ブロー、ヘアセットを行う「ベーシックコース」(約45分、一般税込1万780円、「メデュラ」会員税込7546円)のほか、「髪質改善トリートメントコース」(約60分、一般税込1万5180円、「メデュラ」会員税込1万626円)と「髪質改善トリートメント&スパコース」(約75分、一般税込2万680円「メデュラ」会員税込1万4476円)の全3種類のコースメニューを用意する。今後は加入すると全メニューが50%オフになるVIP会員制度「エクスクルーシブメンバー」を導入予定。予約はサロン ド メデュラ公式サイトから可能。

 「メデュラ」はオンライン上のカウンセリングによって、それぞれの髪の状態や好みにあったパーソナライズ提案を行う2018年に誕生したヘアケアブランド。10の質問への回答によって、一人一人の複雑な髪の悩みに適した成分を配合したシャンプーとリペアのセットを約1〜2週間で自宅に届ける。使用後の感想をフィードバックすることでより自分に合った処方に進化したセットを翌月に届ける定期購入システムやテーマに合わせて選べる香りが好評で、21年5月には累計会員数35万人を突破した。

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売れたアイテムを発表! スタイリング剤1位は「ザ・プロダクト」「アルジェラン」「サイン」「プリュスオー」 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」バラエティー・ドラッグストア

 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」を発表! 「WWDJAPAN」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで2021年上半期(1~4月)に売れた製品を調査。この期間に発売された新製品(NEW PRODUCT)のベスト3と、新製品だけでなく既存品を含めた総合(HERO PRODUCT)のベスト3を紹介する。

 バラエティー・ドラッグストア「スタイリング剤」部門の新製品1位は「ザ・プロダクト(PRODUCT)」“ネロリ<ヘアワックス>”と、「アルジェラン(ARGELAN)」“モイストグロー ヘアオイル”が同率でランクイン。この2製品は総合でも1位を獲得した。「ザ・プロダクト」について、「通年売れ筋の『ザ・プロダクト』からの新香調で人気」とバイヤー。「アルジェラン」は「オーガニック認証を取得したプライベートブランドで、人気が高い」と評価する。3位は、「アンドビー(&BE)」“スムースパウダー”と「ビーラグジュアリー(B.LUXURY)」“ザ・リペア トリートメント美容液”が同率となった。

 総合は4製品が同率1位となり票が割れた。新製品でも1位だった「ザ・プロダクト」“ネロリ<ヘアワックス>”と「アルジェラン」“モイストグロー ヘアオイル”のほか、「サイン(SIGN+)」“システミックオイル”と「プリュスオー(PLUS EAU」」“ハイドロミスト”が1位に。「サイン」は「ウエットスタイルにも、全身ケアもマルチに使用できる」とのコメント。「プリュスオー」は「サロン品質にこだわっている点が支持されている」と話す。(価格は全て税込)

新製品

1位 “ネロリ<ヘアワックス>”

「ザ・プロダクト」

 自然由来原料だけで作られた、人気のオーガニックヘアワックスからの新アイテム。ビターオレンジの花1kgから1gしか採れないという、希少なネロリエッセンシャルオイルを配合している。USDAオーガニック認証を取得したシアバター(シア脂油)やアロエベラ、髪にボリュームを与えるミツロウなどを処方。髪だけでなく肌、リップ、ネイルなど全身の保湿ケアに使えるのが魅力だ。(40g、2546円)

1位 “モイストグロー ヘアオイル”

「アルジェラン」

 98%植物由来成分を使用したヘアオイル。リニューアルにあたり「国産植物原料の活用による地方創生」を掲げ、国産植物原料を多く採用。そのひとつが高知県産カヤ種子を圧搾して抽出した榧オイルで、高い保湿力が期待できる。他に保湿力の高いウチワサボテンオイル、キューティクル補修効果が期待できるアプリコットオイルを配合。ゼラニウム精油とジャスミン精油をブレンドした、ブルーミングフローラルの香り。頭皮、髪の保湿だけでなく、全身の保湿やスタイリングオイルとしても人気を集めた。(55mL、1760円)

3位 “スムースパウダー”

「アンドビー」

 ヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー(&BE)」のスタイリングパウダー。ヘアスタイリングだけでなく、化粧崩れ防止パウダーとしても使える。“スムースパウダー”の主成分は、天然ミネラルのシリカ。頭皮の油分や髪の余分な湿気を吸収し、ふんわりサラサラ髪をキープ。皮脂や汗も吸収するので、マスクによるムレや、テカリを抑えてハーフマットな肌に整えたいときも活躍。天然ミネラルと美容成分のみの処方で、シャンプーや洗顔でオフできる。(8g、1650円)

3位 “ザ・リペア トリートメント美容液”

「ビーラグジュアリー」

 洗い流さないオイル&トリートメント美容液。ケラチン、コラーゲン、シルクとセラミドがベースの「CP3リペア」を配合。髪のキューティクルと髪の内部をケアし、みずみずしい艶を与えて健やかな髪へと導く。水分不足のハイダメージ毛や、乾燥した毛、髪にみずみずしい艶を出したい人から支持が高い。ハンド&ネイルの保湿クリームとしても使える。(100g、1650円)


総合

1位“システミックオイル”

「サイン」

 ほのかに柑橘系が香る、ヘア、ボディー、ハンド用オイル。シアバター(シア脂油)やコメヌカ油が肌や髪を保湿し健やかに保つ。ヘアセットに使えば、簡単に濡れ髪風スタイリングが完成する。髪になじませた後、手に残ったオイルはハンドオイルやネイルケアに使えるため、お風呂後の保湿ケアがこれ1本でかなうと好評だ。(120mL、1650円)

1位“ハイドロミスト”

「プリュスオー」

 スタイリングミスト、ブロー前の髪の保護、寝癖直しとマルチに使えるミストとして好調だった。セラミドなどの毛髪補修成分、ケラチン、シルクなどの毛髪保護成分、ザクロ果実エキスやヒアルロン酸など水分保持成分を配合。潤いのあるしなやかな髪に導く。インバスでは、シャンプーとトリートメントの間に使う「導入液ミスト」としても活躍。トリートメントに含まれる保湿・補修成分の浸透を助ける働きが期待できる。(200mL、1540円)

1位 “ネロリ<ヘアワックス>”

「ザ・プロダクト」

 自然由来原料だけで作られた、人気のオーガニックヘアワックスからの新アイテム。ビターオレンジの花1kgから1gしか採れないという、希少なネロリエッセンシャルオイルを配合している。USDAオーガニック認証を取得したシアバター(シア脂油)やアロエベラ、髪にボリュームを与えるミツロウなどを処方。髪だけでなく肌、リップ、ネイルなど全身の保湿ケアに使えるのが魅力だ。(40g、2546円)

1位 “モイストグロー ヘアオイル”

「アルジェラン」

 98%植物由来成分を使用したヘアオイル。リニューアルにあたり「国産植物原料の活用による地方創生」を掲げ、国産植物原料を多く採用。そのひとつが高知県産カヤ種子を圧搾して抽出した榧オイルで、高い保湿力が期待できる。他に、保湿力の高いウチワサボテンオイル、キューティクル補修効果が期待できるアプリコットオイルを配合。ゼラニウム精油とジャスミン精油をブレンドした、ブルーミングフローラルの香り。頭皮、髪の保湿だけでなく、全身の保湿やスタイリングオイルにも。(55mL、1760円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT :MISA KOTAKE

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「ルイ・ヴィトン」が「ナイキ」の“エアフォース1”とコラボ

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は24日に行われた2022春夏メンズ・コレクションで、「ナイキ(NIKE)」とコラボしたエアーフォース1”スニーカーを発表した。一般発売するかは未定で、詳細については追って公開するという。

 スニーカーは21色をそろえ、緑や青、白を基調とし、ソールには「Air(エアー)」のロゴを、靴紐にはフランス語の「Lacet(レース)」という文言を装飾した。側面にはネオングリーンのタグを、「ルイ・ヴィトン」と「ナイキ」のブランドタグをシュータンの部分に添えた。また、コレクションの一部としてブランドのモノグラムを生かしたネオンオレンジのスニーカートランクも手掛けた。

 メンズ アーティスティック・ディレクターのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)は、自身のブランド「オフ-ホワイト ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」でも「ナイキ」とも多くの人気コラボを打ち出してきた。17年に「オフ-ホワイト」と「ナイキ」は初めてコラボスニーカーをデザインし、以降継続的にコラボしている。テニスチャンピオンのセリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)選手のカスタムウエアも手掛けた。

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「1017 アリックス 9SM」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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「ルメール」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「ルメール(LEMAIRE)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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「ジル サンダー」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「ジル サンダー(JIL SANDER)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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ユナイテッドアローズが法人向けコンサル事業 PR戦略やノベルティ制作などを支援

 ユナイテッドアローズは、法人向けコンサルティングサービス「プロデュースド バイ ユナイテッドアローズ(PRODUCED by UNITED ARROWS)」を開始した。28日に開設したポータルサイトで、企業からの問い合わせを受け付ける。

 具体的には、同社のノウハウを生かした戦略立案からプロモーションまでのプロデュース事業のほか、ユニホームやノベルティ制作の事業を請け負う。アパレル領域にとどまらず幅広い分野の協業先の課題解決を目指す。

 同社はこれまでにも他企業との協業に取り組んできた。スカイマーク、静岡鉄道、モロゾフの制服を手掛けたほか、野村不動産のマンション「プラウド」の内装の監修などの実績を持つ。このほど正式にサービス化し、一層強化していく狙いだ。

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すごすぎて夢に出てきた「ディオール」から個性派集うアングラショーまで 2022年春夏メンズコレ現地突撃リポートVol.5

 2022年春夏シーズンのコレクションサーキットが本格開幕した。ほぼデジタル発表だった前シーズンから世界の状況は少しずつ好転し始めており、リアルでのショーやプレゼンテーションを開催するブランドも増えた。パンデミックを経て街はどう変化し、ファッション・ウイークはどう進化しているのか。現地からリポートする。

 こんにちは!パリコレ3日目は曇り時々雨、最高気温22度。そろそろファッション・ウイークの寝不足が目の下のクマとなって表れ始めております……。コンシーラーの使用量多めですが、コンディションは良好。体温も平熱36.4度を確認したところで、パリコレ3〜4日目も“現突リポ(現地突撃リポート)”元気にいきましょ〜!

6月24日 13:00 クレージュ

 まずは、パリメンズ2日目にデジタル形式でコレクションを発表した「クレージュ(COURREGES)」の展示会へ。別記事でお伝えした通り、スクリーン越しで見たコレクションはインパクトのあるルック少なめでした。展示会で実際に見ると、構築的なパターンで作られたミニマルなフォームで、「クレージュ」のDNAを引き継いでいることがよく分かります。ただ、やっぱりコレといって特徴を見つけられませぬ。好みだったのは、やわらかいラムレザーのロングコートです。私が着るとまたしても魔女感が拭えませんが、タイムレスで長く着られるそう。同時に発表したウィメンズのプレ・コレクションは、大胆さとヘルシーなセクシーさがあって好感。ルックで見て気になっていた、存在感のあるロゴの形をしたピアスは重めなので着けるだけで福耳になれそう(笑)。

6月24日 14:00 ショップリサーチ

 時間があるので、「クレージュ」の展示会場周辺にあるショップをチェックしに行きました。2019年春にオープンしたシャンゼリゼ通りのギャラリー・ラファイエット​(GALERIES LAFAYETTE)には、「ロンシャン(LONGCHAMP)」と「ポケットモンスター(POKEMON)」のピカチュウとのコラボレーション「ロンシャンxポケモンのインスタレーションが!百貨店内には「ジャックムス(JACQUEMUS)」のカフェを構えるなどオープン時こそ話題になりましたが、その後は長く続いたデモ運動(黄色いベスト運動)とロックダウンの影響でシャンゼリゼ通りの人通りも少なく、かなり苦戦している印象です。個人的には、スペースの割に商品を並べすぎているマーチャンダイジングがあまり好みではなく、半年に1回覗く程度でした。ウィメンズのスペースには「ルメール(LEMAIRE)」「マテリアル(MATERIAL)」「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」のラックが、メンズには「アー・ペー・セー(A.P.C.)」と「ヘロン・プレストン(HERON PRESTON)」のラックが隣同士になっていて、世界観の異なるブランドを近くに置いちゃう感じがちょっと疑問です。

 今年2月にオープンした「キス(KITH)」にも久々に立ち寄ってみました。オープン当初、衛生基準規則に従い、店内の混雑を避けるため来店はオンラインでの事前予約制でしたが、現在は予約無しでも入店可能。メンズとウィメンズウエア共に、オリジナルブランドの割合が増えていました。セレクトブランドは「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「モンクレール(MONCLER)」「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME DES GARCONS JUNYA WATANABE MAN)」で、商品数も減少していました。木曜日のお昼どきでも客入りは上々で、1週間前にオープンしたショップ内併設のレストラン「サデルズ(SADELLE ’S)」のテーブルもほぼ埋まっていました。フランスのショップスタッフって態度が冷たいことがたまにあるのですが、「キス」の販売員さんはいつ行ってもフレンドリー。ちなみに態度が冷たいのは差別ではなく、フランス人は気分屋なので、単純に本人の気分の問題です(笑)。フランスに住んで5年経ちますが、コロナ禍でも私個人は差別的な態度を受けた経験はありません。むしろフランス人は「日本ラブ」って感じで、たまに圧倒されちゃうくらい。

6月24日 17:00 ニース ナイアー

 今シーズンはオフスケジュールでリアルなイベントを行うブランドはほとんどありませんでしたが、「ニース ナイアー(NEITH NYER)」のショーだけは参加。「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「カルヴェン(CARVEN)」でキャリアを積んだ、ブラジル出身のフランシスコ・テーラ(Francisco Terra)=クリエイティブ ディレクターが2013年に立ち上げたブランドです。2018年にはフランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award)」のファイナリストに選出されました。今季はかなりメルヘンな世界観で、ハート型にカットアウトされたボディーコンシャスなドレスがピンクや赤、レインボーの色彩で登場し、服というより衣装っぽかった(きゃりーぱみゅぱみゅが着てそう)。オフスケジュールのショーは、ブランドがニッチなだけにコミュニティーのつながりが強いんです。ブランドの服を着た個性派な来場者が集い、「ファッションって楽しい!」って感じがめちゃくちゃ伝わってくるので大好き。特に気になった方々の写真を撮らせてもらいました。

6月24日 19:00 ドリス ヴァン ノッテン

 映像で発表した「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」は“Greetings From Antwerp”がテーマ。映像はデザイナーのドリスから届いたグリーティングカードのような内容で、ブランドの拠点であるベルギー・アントワープの街並みを背景にルックが次々に入れ替わります。全体的にイージーフィットで、ショーツやシャワーサンダルなどのラフなアイテムがリラックスムードを後押し。BGMのプライマル・スクリーム(Primal Scream)“Loaded”ともぴったりの雰囲気で癒されました。全体は落ち着いた色使いで、時折差し込むポップなカラーのグラフィックがエネルギッシュ。ドリスからのグリーティングカードを言葉で表現するなら、「僕はアントワープで元気にやってるよ。離れていてもお互い頑張ろうね!」といったポジティブなメッセージを受け取りました。

6月24日 20:00 アクネ ペーパーのカクテルパーティー

 夜は、「アクネ ストゥディオス(ACNE STUDIOS)」が手掛ける雑誌「アクネ ペーパー(Acne Paper)」のリローンチを記念したカクテルパーティーに参加しました。1階には南アフリカ出身のフォトグラファー、クリストファー・スミス(Christopher Smith)の写真が展示され、2階には2005〜14年に年2回発行されていたアーカイブが並びます。586ページにおよぶビジュアル重視のフォトブックは、"印刷物は死んでいない"と強く主張するような面持ち。ファッション関係者が集い、知人との再会を喜ぶ華やかな雰囲気のパーティーで、リアルでのつながりや、人や紙に触れて五感で感じる幸せを改めて実感しました。日本では7月9日に復刊するそうです。

6月25日 12:00 ナマチェコ

 パリメンズ4日目はまず「ナマチェコ(NAMACHEKO)」の展示会へ、デジタル発表前日に行ってきました。今季のテーマは童話“みにくいアヒルの子”です。アヒルの群れで育った鳥の雛が、やがて成長して美しい白鳥になる物語に、ディラン・ルー(Dilan Lurr)「ナマチェコ」デザイナーが自身の経験を重ね合わせたようです。ルーは「イラクのクルド地域出身で、スウェーデンの町で唯一の移民として育った僕のバックグラウンドを振り返ったんだ。他者と異なるという事実は、僕のアイデンティティーを形成する過程で大きな影響を与えた。美しさやみにくさとは何なのかを考えて、コレクション制作に取り組んだ」と教えてくれました。

 1970年代のワークウエアの要素を取り入れながら、シルエットやデザインによって未来的なムードも盛り込みます。さらに、赤や青といった原色、多彩なグリーンのカラーパレットはこれまでで最もカラフル。「好きではないものを取り入れようと思った。例えば、抹茶ラテみたいなグリーンは本来僕の好みじゃない。でも異なる要素をミックスさせることで、みにくいものが美しく変わるのだと示したかった」とルー。ほかにも彼の好みでないというPVCレザーやコインのディテールも目を引きました。ブランドの主力商品であるニットには、グリーン&ほつれという、(彼が思う)みにくさを盛り込んだそう。私にとってこのグリーンは、吉本新喜劇に出演している全身緑のスーツの中條健一っぽくて、なんか笑っちゃう(関西人にしか伝わらないので気になる方は“新喜劇 緑”でググってみてください)。

6月25日 14:30 ディオール

 ついに、今季のパリメンズの注目度ナンバーワンである「ディオール(DIOR)」のショーのお時間です。トラヴィス・スコット(Travis Scott)とのコラボレーションとあって、会場周辺のカメラマンの数や人だかりの大きさはダントツ!「本来のファッション・ウイークの姿が戻ってきた」と強く実感した光景でした。入り口でマスクを受け取りアルコール除菌をして、いざ会場内へ。ゲストは400人ほどで、ソーシャルディスタンスを守って座席が配置されていました。トラヴィスが屈強なボディガード5人に囲まれながら最前席に座ると、約30分遅れでショーが開始(彼はランウエイを挟んで私の向かいに!)。

 いや〜〜すごい!!!ヒップホップとエレガンスが協和すると、こんなに美しいルックが生まれるなんて!キム・ジョーンズ(Kim Jones)は想像をはるかに超えてきました。メゾンのコードが拡張され、さらに進化するすごい瞬間を目の当たりにしたような気分!あと印象に残ったのは、トラヴィスが手掛けた音楽が良すぎて、ショーの間ゲストがノリノリでリズムをとっていたことです。ショーの後も興奮冷めやらぬまま、会場の様子やコレクションの内容、そして来場者スナップを記事化したので別記事をチェックしてみてください。私の中でショーが相当印象に残ったのでしょう。この日の夜は、トラヴィス・スコットとセーヌ川沿いを散歩している夢を見ました(笑)。

6月25日 17:00 オフィシン ジェネラーレ

 2012年に設立された「オフィシン ジェネラーレ(OFFICINE GENERALE)」のショーはとってもリアルクローズ。会場はドーバー ストリート マーケット パリ(DOVER STREET MARKET PARIS)の店舗としてリノベーション中の、オテル・パティキュリエ(Hotel Particulier)です。今季は仕立て屋だった祖父のスタイルをベースに、ロックダウン中に見かけたパリジャンからインスピレーションを多く受け取ったそうです。テーラードとスラックスにTシャツを合わせたり、かぎ編みニットとショーツのスタイリングなど、パリの高級住宅地16区を歩いていると見かけるパリジャンそのもの!ルックの中で一番パリジャンらしくて“あるある”なのが、テーラードジャケットを腰に巻いちゃうラフなスタイルです。

6月25日 19:30 ヴェトモン

 「ヴェトモン(VETEMENTS)」はメンズとウィメンズの129ものルック画像が高速で切り替わる動画を約1カ月前に発表済み。今回のパリメンズの公式スケジュールでは“Secret Project”と題したティザー動画を公開しました。ただし動画だけでは詳しい内容は謎のまま。リリースには「ヴァザリア・ファミリー財団(Gvasalia Family Foundation)は、若い才能のための多次元プラットフォームとなる新しい実験的ラボを開始します。これはいつの日か、コワーキングスペースを再定義し、経験を共同制作することで、従来のコングロマリット構造に取って代わる可能性があります」と記されていました。プロジェクトは生産から流通、財政支援を提供するもので、ビッグプロジェクトの第1弾として7月22日に新ブランドをローンチするようです。今のところ情報は以上!とりあえず今は、焦らされながら待ちましょう。

6月25日 20:30 ゲーエムベーハー

 パリメンズ4日目の最後は、「ゲーエムベーハー(GMBH)」のデジタル発表です。「なんともコメントしずらいなぁ」と、映像を見た直後にポロッと本音が漏れました。映像の最初にテーマ“White Noise”と表示された瞬間から何かイヤな予感が……。トルコ系ドイツ人のセルハト・イシク(Serhat Isık)とノルウェーとパキスタンにルーツを持つジャミン・A・フゼビー(Benjamin A. Huseby)の中東系のデザイナーデュオが付けたタイトルなので、Whiteは白ではなく“白人”を意味していると容易に分かりました。Noiseの直訳は“雑音”で、白人に対してあまりポジティブな表現ではありません。キャスティングされたのは、茶褐色系の肌の色をしたモデルのみ。ルックはどこかに白を使うか、白で薄めた色(淡いパープル、ピンク、ブルーなど)が用いて“白”を探求したのでしょう。上下デニムやファー、乗馬ブーツなどが登場しましたが、まとまりがないうえに新鮮さもなく、私の頭の中は(???)だらけ。“Free Palestine(パレスチナ解放)”の文字だけが、宗教と政治の問題により中東の国々で衝突が激しさを増す今を象徴するもので、それ以外のデザインは意図が正直分かりません。

 怒りなどのネガティブな感情を原動力にして創作に取り組むデザイナーは過去にもいましたし、陰があるから陽が際立つのだと証明してくれた事例も多々ありました。しかし今シーズンの「ゲーエムベーハー」は陰もなければ陽もありません。何より、ある特定の人種に対するネガティブな言葉を私は見たくありませんでした。むしゃくしゃするので、最後に美味しいパンを食べることにしましょう。

本日のパン

 日本でも主流のクロワッサンやパンオショコラを、ぺちゃんこにしたような形のパンが私のお気に入り。それぞれクロワッサン・ザマンド、パンオショコラ・アマンドという名前で、今日はパンオショコラの方にしました。生地にアーモンドクリームを混ぜて焼き上げた進化系のパンで、クロワッサンとパンオショコラよりもしっとりしています。想像通り甘〜〜いのでコーヒーと相性抜群!朝食メニューを23時に食べております(笑)。パリメンズも残すところ後2日、おいしいパンと気合いで乗り切れそうです!

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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「ヴェトモン」から7月に新ブランド 「全てのジェンダーに向けたアイテム」を手掛ける

 ヴェトモン(VETEMENTS)は7月22日、新しいブランドを発表する。グラム・ヴァザリア(Guram Gvasalia)共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は、ブランド名は明かさなかったが、コレクションは「ヴェトモン」とは異なる美学を持つと述べた。メンズウエアやメンズのテーラリングに着想をえているものの、「全てのジェンダーに向けたアイテム」を手掛けるという。

 新ブランドは、「若い世代が才能を発揮できる多次元プラットホーム」と掲げるヴァサリア・ファミリー・ファウンデーション(Gvasalia Family Foundation)のもとで運営する。ヴェトモンは同ファウンデーションについて、「コワーキングスペースやコラボレーションを歓迎し、従来のコングロマリット(会社)とは異なる形態で運営する。教育、技術開発、生産、サプライチェーンおよび財政支援を提供することで、トレンドや既存の枠組みにとらわれないユニークなブランドを生み出す場」と発表した。なお、今後発表するブランドはファッション系とは限らないという。

 「ヴェトモン」は6月25日、2022年春夏パリ・メンズ・コレクション期間中にティーザービデオで新ブランドについて発表。同日に、モスクワのコンセプトストア「KM20(ケーエムトウェンティ)」内のカフェで第二弾となるファーストフードメニューの販売や、同事業のグローバル展開の計画を発表した。

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「カサブランカ」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「カサブランカ(CASABLANCA)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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「カサブランカ」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「カサブランカ(CASABLANCA)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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売れたアイテムを発表! シャンプー・コンディショナー1位は「ヴェレダ」や「ボタニスト」、「モレモ」 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」バラエティー・ドラッグストア

 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」を発表! 「WWDJAPAN」は、 百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで2021年上半期(1~4月)に売れた製品を調査。この期間に発売された新製品(NEW PRODUCT)のベスト3と、新製品だけでなく既存品を含めた総合(HERO PRODUCT)のベスト3を紹介する。

 バラエティー・ドラッグストア「シャンプー・コンディショナー」部門の新製品1位は「ヴェレダ(WELEDA)」“ローズマリースカルプクレンジング”。バイヤーから「スカルプケアに着目し、お手入れをする人が増えている。3in1というキーワードもキャッチー」と評価。同率1位に輝いた「ボタニスト(BOTANIST)」“ボタニカルシャンプー<モイスト>”は「パッケージのデザインも人気」とのコメントも。3位は「アルジェラン(ARGELAN)」“モイストグロー シャンプー”、同率で「オーシャントリコ(OCEAN TRICO)」“アンサーブーストヘアパック”も入った。

 総合1位は「モレモ(MOREMO)」“ウォータートリートメント ミラクル10”が輝いた。「日本でのウオータートリートメントの火付け役。『たった10秒の簡単ケア』が、お客さまを引きつけた」とバイヤー。2位は「ハル(HARU)」“シャンプー クロカミ スカルプ”がランクイン。「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」“スーパーポジティブ 精油シャンプー 詰替”と、「アルジェラン(ARGELAN)」“バランシング モイスト スカルプ シャンプー”、「スカルプD」“薬用スカルプシャンプー オイリー”が同率3位となった。(価格は全て税込)

新製品

1位 “ローズマリースカルプクレンジング”

「ヴェレダ」

 1本でクレンジング、マッサージ、トリートメントができる3in1タイプのオーガニックスカルプクレンジング。2種のクレイと竹炭を配合し、皮脂汚れや毛穴にたまった汚れをオフ。ローズマリー葉など4種の植物エキスが、頭皮を整え健やかな頭皮環境へと導く。植物由来成分100パーセントで、オーガニック認証マーク、ネイトゥルー(Natrue)を取得していて、安心感も支持される要因だ。(200g、3300円)

1位 “ボタニカルシャンプー<モイスト>”

「ボタニスト」

 人気製品のリニューアルアイテムが1位を獲得。SDGsの観点から、環境に配慮したバイオマス容器を採用。成分では、植物由来たんぱく質「ボタニカルマイクロプロテイン」を新配合し、髪の内部に浸透しダメージを補修。シラカバ由来の「ホワイトバーチウォーター」配合で髪に潤いを与える。ラインアップはモイスト、スムース、ダメージケア、スカルプクレンズ、バウンシーボリュームの5種で、しっとりまとまる髪へ導く「モイスト」がランクインした。(490mL、1540円)

3位 “モイストグロー シャンプー”

「アルジェラン」

 3月にヘアシリーズとボディーケアシリーズをリニューアルした「アルジェラン」。ヘアケアシリーズは、ヤシ由来のアミノ酸系洗浄成分を使用し、ブロッコリーオイルとボリジオイルを髪に与えながら洗浄。ブランド独自の植物由来複合成分「フィトフィルコンプレックス」が毛髪の空洞を埋め髪表面を整える。ノンシリコンでありながら、きしみを感じさせることなくしっとりと洗い上げると好評だ。天然由来成分を97%以上配合。(480mL、1705円 詰替用400mL、1210円)

3位 “アンサーブーストヘアパック”

「オーシャントリコ」


総合

1位 “ウォータートリートメント ミラクル10”

「モレモ」

 韓国発、人気ヘアケアブランドがランクイン。サラサラとしたウオータータイプのトリートメントを、ダメージが気になる部分に揉みこむように塗布すると、微熱でテクスチャーがクリーミーに変化する。加水分解タンパク質が毛髪の水分蒸発を防ぎ、毛髪の水分をキープ。塗布して10秒で洗い流せるのも魅力の一つとして支持された。シリコーンフリーながら、指通りのよい艶髪へと導く。(200mL、2508円)

2位 “クロカミ スカルプ”

「ハル」

 100%天然由来シャンプー。アミノ酸系洗浄成分が髪を優しく洗い、美容成分を33種配合した。1本で、頭皮ケア、ハリ・コシ・ボリュームケア、フケ・かゆみ・ニオイケア、美髪ケア、ダメージケアといった5つのケアをかなえる。香りは、オレンジ油やイランイラン花油など6種の天然由来の精油をブレンド。リンスは不要で手軽でありながら、高い機能性が人気。(400mL、3960円)

3位 “スーパーポジティブ 精油シャンプー 詰替”

「ザ パブリック オーガニック」

 髪を洗うだけで、天然精油の香りにより幸せホルモンの50.3%アップが期待できるシャンプーの詰め替えが3位に。市場にサステナブルが浸透する中、地球環境を意識していることがうかがえるランクインだ。98%以上が天然由来原料で、うち10%以上でオーガニック成分を使用。アミノ酸系植物由来成分配合で、シリコン、パラベン、鉱物油、パラフィンなど9つの無添加を掲げている。スーパーポジティブは、フランキンス精油とレモングラス精油をブレンドした幸福感に包まれるような香り。(400mL、1298円)

3位 “バランシング モイスト スカルプ シャンプー”

「アルジェラン」

3位 “薬用スカルプシャンプー オイリー ”

「スカルプD」

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT :MISA KOTAKE

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しまむら3〜5月期、営業利益が過去最高の130億円

 しまむらの3〜5月期業績は、本業のもうけを示す営業利益が130億円(前年同期は12億円の赤字)となり、第1四半期(3〜5月期)として過去最高益を記録した。売上高は前年同期比33.2%増の1425億円だった。

 短期生産の活用などにより値引きを抑制したことで、売上高の7割以上を占める主力業態の「ファッションセンターしまむら」業態で、粗利益率が33.3%と前年同期に比べ3.6ポイント改善した。全社の粗利益率は34.3%で、同3.7ポイントの改善。店舗作業の効率化や、新聞折り込みチラシからデジタル販促への移行などで販管費は同6.7ポイント圧縮した。

 「ファッションセンターしまむら」業態の既存店売上高は、前年同期比33.9%増(一昨年同期比では3.7%増)だった。自社ブランド(PB)や共同開発ブランド(JB)拡充による商品力の強化や、動画広告・ウェブ広告、地域別チラシなどで販促面を強化したことが実った。

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バーバリーのCEOが2021年末で退任 フェラガモのCEOに

 バーバリー(BURBERRY)は、マルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)最高経営責任者(CEO)が2021年末で退任することを発表した。後任は未定。退任後、同氏はサルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)のCEO兼ジェネラル・ディレクターに就任する。

 ゴベッティCEOは、「バーバリーのCEOとして、才能あふれるチームを率いることができて大変光栄だった。ブランドや事業は盤石であり、今後も成長軌道を進んでいくことは間違いないため、退任するのに良いタイミングだと感じている」と語った。退任する理由の一つとして、故郷であるイタリアに戻り、家族と一緒に過ごしたいことがあるという。

 ジェラルド・マーフィー(Gerald Murphy)=バーバリー会長は、「マルコは当社に多大なる貢献をしてくれた。退任をとても残念に思うが、彼は20年近くにわたって外国で仕事をしており、イタリアに帰国したいという意志を尊重したい」と述べた。

 ゴベッティCEOは17年1月にバーバリーに入社。それ以前は、セリーヌ(CELINE)会長兼CEOを務めていた。サルヴァトーレ フェラガモでは、ミカエラ・ル・ディヴェレック・レミ (Micaela Le Divelec Lemmi) CEOの後任となる。

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「YSL」の“リブレ”にオーデトワレ登場 JO1とのコラボ楽曲やCMも決定

 「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT 以下、YSL)」は、アイコンフレグランス“リブレ(LIBRE)”のオーデトワレ(30mL、税込9350円/50mL、税込1万3750円)を7月2日に発売する。公式オンラインブティックおよび表参道フラッグシップブティックでは先行販売中だ。

 ジェンダーレスフレグランスの“リブレ”は、マスキュリンなラベンダー、フェミニンなオレンジブロッサムに透明感あるホワイトティーを加え、軽やかで飾らない自由な香りを表現した。トップノートにラベンダー、タンジェリン、ベルガモットを、ミドルノートにオレンジブロッサム、ジャスミンアブソリュ、ホワイトティを、ラストノートにムスク、バニラ、アンバーグリスを組み合わせた。

 また、“リブレ”のオーデトワレ発売を記念し、「YSL」のオフィシャルビューティパートナーを務めるグローバルボーイズグループのJO1とのコラボレーションが決定。製品の世界観にインスパイアされたオリジナルソング「Freedom」をリリースするほか、7月7日に公開するウェブCMにも出演する。

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エシカルなダイヤモンド「フォーエバーマーク」がブランド名を「デビアス フォーエバーマーク」に変更

 エシカルなダイヤモンドブランド「フォーエバーマーク(FOREVER MARK)」は7月、ブランド名を「デビアス フォーエバーマーク(DEBEERS FOREVER MARK)」に変更する。これは、世界最大のダイヤモンド企業であるデビアス グループのブランド革新の一環で、社会および環境における高い基準を満たし採掘されたエシカルなダイヤモンドを届け、産出国の人々への社会貢献をより強く消費者に伝える目的だ。同ブランドのダイヤモンドは、エシカルなだけでなく、全て天然未処理で厳しい基準を満たすもので世界の天然ダイヤモンドの1%未満。各ダイヤモンドにはその証として、刻印が施されている。

 デビアス グループは、2030年までに事業活動における二酸化炭素の排出量の相殺、ダイヤモンド産出国で1万人の女性企業家と科学、技術、工学、数学を学ぶ1万人の女子学生の支援を目標とする「ビルディング・フォーエバー(永遠を築く)」というプロジェクトを行なっており、デビアスと「フォーエバーマーク」を結びつけることでさらなる促進を図る。

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クィア・アイ出演のKanが同性婚を発表 自分らしく生きるためにファッション&ビューティ業界に期待することは?

 ネットフリックスシリーズ「クィア・アイin Japan!」に出演し、その後インフルエンサーとしてジェンダーやセクシュアリティーにまつわる発信を続けるKan(カン)は、性的マイノリティー当事者としての発信に加えて、企業・学校での講演なども行っている。そんな同氏が26日、イギリスに住むパートナーと9月にイギリスで同性婚をすると発表した。普段は化粧品会社に勤務しながら、ジェンダーに包括的な製品開発やキャンペーンを行うブランドなどのモデルも務めている。等身大で明るい発信が共感を集めるKanに、同性婚に至るまでの経緯や法律上同性間での結婚が認められていない日本の現状、ファッション業界に期待することなどを聞いた。

WWD:自分のセクシュアリティーを認識したのはいつごろ?
Kan:中学生3年生ごろからじわじわとセクシュアリティーについて違和感を持ち始めました。友達が異性を前提に恋愛の話をしている時に、「僕は同じグループにいる男の子に惹かれるのにな」と思ったり。最初は「同性愛者」という言葉すら知らなくて、世の中でネガティブに使われる「オカマ」として括られてしまうことがものすごく怖くて、できるだけ考えないようにしたり、同性に惹かれる自分の気持ちを否定したりする生き方をしていました。

WWD:インフルエンサーやアクティビストとして活動するようになったきっかけは?
Kan:21歳の時に、大学を1年間休学してカナダのバンクーバに留学しました。そこで幸せそうに生きる性的マイノリティーの人たちを初めて目の当たりにし、世の中の見方が180度変わりました。当事者であることをオープンにしても幸せに生きることができると気付き、むしろ問題があるのは自分ではなくて、社会の方だと感じたんです。そこから大学時代にはLGBTQ+の権利向上を目的に活動するサークルの設立や、出張授業をしたりしていました。本格的にインフルエンサーとして活動するようになったのは「クィア・アイ」に出演したことが大きかったです。

WWD:今回、イギリスで同性婚をすることになった経緯は?
Kan:現在のパートナーとは、大学院に留学しているときに出会いました。勉強を終えた後は日本で就職することになり、遠距離恋愛に。新型コロナウイルスの感染拡大が長引き会えない期間が一年半くらい続いているんです。仕事をしていると隔離期間を含む長い休みはなかなか取れないので……。交際を始めて3年目の今年、6月のプライド月間に合わせて、9月に結婚することを公表してイギリスに移住すると決めました。結婚すること自体は本当にうれしいんです。でも「日本で結婚することが選べない」というのは、やっぱり悲しいです。パートナーは日本に憧れているので、将来は日本に住めたらとも話していますが難しい部分です。

WWD:日本の同性婚にまつわる現状についてはどう思う?
Kan:純粋に「なんで?」と思います。なんで反対するんだろう?なぜ実現しないんだろう?という疑問です。生まれた時から結婚という選択肢を持っている人から僕たちが何かを取り上げるわけでもなく、選択肢がより多くの人に増えるだけなのに。主体的に自分らしい決断をする機会を奪っていますよね。

WWD:日常生活で生きづらさを感じる時はどんな時?
Kan:僕の性自認はジェンダークィアで、完全に自分を男性のカテゴリーに当てはめることに違和感があります。でも、世の中は男女二元論で語られることが多い。異性愛を前提とした会話に触れたり、「男らしさ」を求められたりすると結構苦しい。もっと可能性を含んだ表現が浸透してほしいと思います。

WWD:ファッション&ビューティ業界に期待することは?
Kan:もっと「女性らしさ」や「男性らしさ」の輪郭をぼやかす提案があってもいいと思う。僕自身これまで、自然に男性のフロアに行って服を買っていましたが、例えば古着屋さんにはジェンダー分けがはっきりしていないお店も多いんです。だからこそ、ウィメンズもメンズも全てを見た中で本当に自分の好きな服に出合うことができ、ファッションで自分らしさを表現できています。

WWD:ファッション&ビューティ業界もプライド月間に合わせてコレクションを出し、それを寄付活動につなげるなどしてLGBTQ+コミュニティーの権利向上を支援するスタンスを表明している。一方で一時的なレインボーの打ち出しという否定的な見解もあるが、Kanさんはどう受け止めている?
Kan:プライド月間に合わせたキャンペーン自体は悪いことではないと思います。でもその目的はもっと大事。何を達成したいのかによって、キャンペーンの内容や商品は変わってくると思います。キャンペーンやクリエイティブに起用する人以外にも、開発の過程に携わる方も当事者なのか、もしくはアライなのかは大切ですよね。お金はどこに寄付されるのか、ほかのコレクションでもLGBTQ+に配慮したメッセージが発信できているのかなど、一つ一つ見ていく必要があります。大きな企業であれば、社内に当事者がいる可能性も高い。社内に向けたキャンペーンや啓蒙活動がもっとあってもいいと思います。

WWD: LGBTQ+の存在が社会的に可視化されてきたと思う?
Kan:10年前だったらセレブリティーもカミングアウトをするとバッシングされていた記憶があります。でも今は例えばリナ・サワヤマ(Rina Sawayama)やリル・ナズ(Lil Nas X)といった歌手もクィアな恋愛を歌にもするし、自身のセクシュアリティをオープンにしている。ジェンダーやセクシュアリティのトピックに触れるSNSアカウントも増えてきた気がします。でも、僕がそのコミュニティーにアクセスできるようになったからなのか、実際に社会が変わったのかはわからない。人の経験やバックグラウンドによって差はあると思いますが、僕も含め社会を変えたいと思っている人たちはたくさんいます。そういう人たちの民意がきちんと政治に反映されてほしい。

WWD:今後の目標は?
Kan:SNSを軸に発信を続けます。僕の挑戦が、それを見た人の半歩踏み出すエネルギーになるかもしれない。9月から拠点はイギリスに移します。日本で結婚する可能性を全く検討できなかったことが、僕もパートナーもとても悲しいし、悔しい。いつかはパートナーと日本で住みたいです。

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「ロレアル パリ」白髪染め製品のアンバサダーにYOUが就任

 日本ロレアルは「ロレアル パリ(L'OREAL PARIS)」の白髪染め“エクセランス ヘアカラー”(全19色、各1540円※編集部調べ)のアンバサダーに女優・タレントのYOUを起用した。6月末から動画の出演やウェブ・店頭広告などに登場する。

 同ブランドは世代やバックグラウンドにとらわれず、全ての女性が自分たちの美しさと価値を信じていくために力を与えるスローガン「あなたにはその価値があるから(BECAUSE YOU’RE WORTH IT)」を掲げて今年50周年を迎える。このメッセージと、常に固定概念を打破し自由に生き生きと多方面で活躍するYOUのスタイルが共鳴しアンバサダーに起用した。

 YOUは「歴史ある企業の信頼のおけるブランドで、“エクセランス ヘアカラー”は年を重ねても美しくいられる製品である。次世代に受け継げるように務めていきたい」とコメントした。自身は18歳から自宅でヘアカットやヘアカラーを行っていることもあり、「手軽だし簡単に使え、色持ちもよい」と太鼓判を押した。

 “エクセランス ヘアカラー”は1995年に誕生し、74カ国で展開。ヘアカラー売り上げ世界No1を誇り、日本でも1000万個(2002年1月〜21年5月末)の売り上げを突破した。日本人女性の髪を研究して開発したもので、19色のカラー展開が特徴だ。

 同社は5月末に「ロレアル パリ」のメイク事業とネイルブランド「エッシー(ESSIE)」の日本撤退を発表した。「発表以来、心配の声を頂戴する。今後は『ロレアル パリ』はヘアカラー、『メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)』でしっかりマーケティング戦略を進める。今回のYOUさんの起用は新たな一歩である」と金山桃・日本ロレアルCPDブランドディレクターは述べた。

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イスラエル発クリーンビューティブランド「ラヴィド」上陸

 b-exはイスラエル発のクリーンビューティブランド「ラヴィド(LAVIDO)」を6月28日に発売する。 “ハイドレーティングフェイシャルトナー”(120mL、税込3960円)、“バランシングモイスチャークリーム”(50mL、税込5720円)、“モイスチャーブーストハイドレーティング クリーム”(50mL、税込7040円)、“2-in-1 フェイシャル マスク&エクスフォリエーター”(50mL、税込4620円)※1、“リプレニッシングアイクリーム”(30mL、税込6270円)、“リプレニッシングフェイシャルセラム”(30mL、税込7480円)※2の6アイテムがそろう。

 「ラヴィド」は、ハーバリストのイド・マガル氏が、おむつかぶれに悩む甥のために化粧品を開発し2003年に誕生。本国であるイスラエルをはじめ、アメリカ、カナダ、オランダなど世界各地で支持を集めている。

 同ブランドは、植物化学に基づきハーブの力を最大限に引き出す植物由来の処方にこだわり、皮膚科学的に効果を追求。人にも環境にも優しく負担の少ない成分を使用すること、機能性に妥協することなく原料から製品まで“グリーン”かつ“クリーン”な方法で生産することをクリーンビューティと考えている。さらにグルテンフリー※3、ビーガンフレンドリー※3、クルエルティフリー(PETA認証取得)、8つのフリー処方(鉱物油やシリコン、パラベンなどを含まない)といった4つのこだわりを掲げていることも特徴だ。それぞれの製品に特化した成分に加え、ザクロや柑橘類から抽出した栄養成分を含むオイルや、ローズヒップやアーモンドなどから抽出した脂肪酸を含むオイルなど厳選されたオーガニック成分を配合する。

 イド・マガル氏は「ラヴィド」の日本上陸に際して、「植物のもつパワーを利用して、肌の健康をサポートする高機能な自然由来の製品を届けることが『ラヴィド』のミッションです。“リプレニッシングフェイシャルセラム”は、世界的なベストセラーアイテムで、私自身お気に入りのオイルベースの美容液です。肌に艶とハリを与える高濃度の美容液を目指して、植物ベースのオイルにビタミンやミネラルといったベストな成分の組み合わせを見つけ出すために数カ月を費やし、完成しました。まもなく日本で発売される製品は、自分の肌タイプに合わせてぴったりなアイテムが見つかるように6つの製品を選びました」とコメント。

 海外で評価の高い美容液“リプレニッシングフェイシャルセラム”とアイクリーム“リプレニッシングアイクリーム”、エイジングケア※4クリーム“モイスチャーブーストハイドレーティングクリーム”の3品を軸に、“アーリーエイジングケア※4”を提案。肌の変化を感じ始める20代後半〜30代半ばに向けて、乾燥や小じわ、くすみなどのケアとして毎日のスキンケアに加えることができる、カジュアルなエイジングケア※4を発信する。

※1 今後発売予定
※2 今秋発売予定
※3 一部製品を除く
※4 年齢に応じたお手入れのこと

問い合わせ先
b-ex
03-6757-7767

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関西セレクトショップの「ロフトマン」がついに東京進出!

 京都、大阪で7店舗を運営するセレクトショップのロフトマンが、10月上旬に東京に初出店する。名称は「ロフトマン 東京」。場所は「代々木上原駅の目の前。徒歩5歩」(木村真社長)で、店舗面積は約66平方メートル。メインターゲットを30~50代男性とし、3割ほどをウィメンズで構成する。内装は、ネペンテスや「ポストオーバーオールズ(POST O'ALLS)」の店舗などを手掛けるグー・ファクトリーが担当する。初年度売り上げ目標は6000万円。

 木村社長は代々木上原を選んだ理由について、「2017年から年3~4回のペースで“キャラバン”(ポップアップショップ)を開催しており、高級住宅地らしい住民や近隣飲食店の感度の高さを感じていた。ロフトマンの歴史も河原町など京都の中心地ではなく、京都大学近くの今出川からスタートしており、東京での再出発の場所として適当だと考えた。また原宿や渋谷の場合、セレクトブランドのバッティング問題もあった」と話す。

 ラインアップは「パタゴニア(PATAGONIA)」「エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」が中心で、「インディビジュアライズド シャツ(INDIVIDUALIZED SHIRTS)」「フィルメランジェ(FILMELANGE)」「ダイワ ピア39(DAIWA PIER39)」「オールデン(ALDEN)」「ニューバランス(NEW BALANCE)」などもセレクトする。

 東京進出については、「京都や大阪の店舗を守り、強化するためにロフトマンの認知度を上げたい。そのためには東京に発信拠点が必要だった」と答える。東京にはすでに名だたるセレクトショップが数多くあり、どう差別化を図る?と聞くと、「人間力。これに尽きる。確かに東京にはモノがあふれており、その文脈では僕らが出店する意味はないかもしれない。値段の安さを売りにしているわけでもない。ただし、われわれは“町の洋服屋”として挑戦したい。大手セレクトショップでは聞けないようなことも、どんどん質問してほしい。目指すのは、“服のよろず相談屋”だ。“何を買うかではなく、だれから買うか”、セレクトショップの原動力とも言えるこの言葉を大事にしたい」と続けた。

 同じく18年からキャラバンを開催している福岡への出店については、「バッティング問題から現状としては現実的ではない。一方で名古屋、札幌、広島など、キャラバンの出店地を増やすことは考えている」と述べた。

■ロフトマン 東京
オープン日:10月上旬
住所:東京都渋谷区上原1-35-1

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ウェブとアパレル、2人のプロが異色タッグ、クロス・コミュニケーションがD2Cブランド専用の統合サービスを開発

 大手の金融や証券会社、小売企業などのウェブシステムやアプリ開発などを手掛けるクロス・コミュニケーションはこのほど、D2Cブランドの運営に特化した新サービス「スペースシップス(SPACESHIPS)」をスタートした。CRMや決済など多くの機能を盛り込みながら低コストで運用できるECシステムからベテランのプランナーを配した集客、膨大な画像情報を解析するディープラーニングを搭載したリサーチ機能、使い勝手のいい企画・デザイン機能まで、D2Cブランドの運営に必要かつハイスペックな機能を搭載する一方で、サービス使用料はかなり廉価に抑えた。同社は「スペースシップス」のローンチに当たり、アパレルのOEM(相手先ブランド生産)事業に長く携わり、自らD2Cブランドも運営していたファッションビジネスのベテランで、前サードオフィス社長の西村隆氏を執行役員として招聘。二人の強力タッグで、アパレル産業に本格参入する。

D2C専用システム
「スペースシップス」、誕生の背景

WWDJAPAN:「スペースシップス」誕生の背景は?

富永晴次クロス・コミュニケーション社長(以下、富永):4年前くらいに、アパレルEC支援事業を本格スタートしようとリサーチしていた過程で、当時サードオフィス社長だった西村さんに出会ったのがきっかけです。

西村隆クロス・コミュニケーション執行役員 デザインラボ所長(以下、西村):サードオフィスではOEM事業を手掛けていたこともあり、産業構造や利益構造なども含めて、富永さんとディスカッションを重ねました。

富永:印象的だったのは、アパレルが在庫残の存在を前提にしたビジネスモデルだったことや、取引先の課題を仕組みで解決していくという本質的な部分に加え、それぞれの立場でクライアントを支える支援事業を展開し、商品力(企画力)や機動力で勝負し続けてきたことも重なっていました。業界は違っても、実はいろいろな部分でかなり似ているなと感じました。そんなこともあってか、色々お話しする中で共感する部分が多々あり、本格的にタッグを組んで事業化に向けて動き出したのです。

西村:まず、アパレルビジネスの課題である変数の多さを潰すため、AI(人工知能)を利用したMD(マーチャンダイジング)の可能性について2人で考えました。AIを利用したMDに必要なのは、未来の需要予測。既に世の中に出ている画像データを分析しても、あくまで過去のデータにしか過ぎず、未来の需要予測と言えるレベルにはならない。それなら、そのデータになる前の情報はストリートにあるのではないか?という仮説を立て、街に定点カメラを置いてみようとか、いろいろなアイデアを出し合いました。

富永:結果的に先行したのがECシステムの構築で、サードオフィスと共同で昨年8月にEC用のCMSである「コマースドア(COMMERCE DOOR)」をリリースしました。一方でCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)なども活用してスタートアップ企業と連携し、ウェブ上のファッションスナップをクローリングしてタグ付け、トレンドデータを蓄積しつつ、450万人のアンケートパネルを活用した調査と合わせてターゲティングを強化する技術に加え、CRMもアパレル分野に特化したサービスを開発しており、リサーチからデザイン、ECの販売システム、CRMまで、アパレルのD2Cブランドを運営するための複数のサービスを統合して誕生したのが「スペースシップス」です。

EC事業支援サービス
「スペースシップス」は
コスパと機能を追求

富永:「スペースシップス」で最も重視したのは、機能とコストパフォーマンス。できるだけ多くの機能を盛り込みつつ、使いやすく、かつ低価格で提供することを追求しました。特にECシステムの「コマースドア」の開発に際して工夫したのは、立ち上げ期からでも無理なく採用できること。その一方で、決済、運用、マーケティング、分析などのさまざまな機能を盛り込み、実際には年商数十億円まで無理なく利用できるように設計しました。

西村:サービスや機能については、大きな投資が難しいわれわれのような規模の会社が、自分たちでゼロからD2Cを立ち上げ、運用してきた経験を盛り込みました。必要な機能は事業のフェーズによって変わってきます。立ち上げのフェーズは人もお金もできる限り小さな投資で事業を立ち上げながら、ブランドとしてしっかり差別化をする。一定の購買データが蓄積されたフェーズでは、そのデータを活かした商品開発やデジタルマーケティングを行う必要があります。個人用のECカートシステムだと事業を拡大するフェーズでは機能が足りないが、大手企業が使うようなパッケージのシステムでは時間も費用もかかるので躊躇してしまう。限られた資金で事業を立ち上げ、運営してきた自分たちだからこそユーザーにとって本当に必要なことが分かるのです。

ターゲットは
ブランド立ち上げ期だが、
年商数十億円規模まで対応できる
サービスパフォーマンスを実現

富永:ポイントはブランドの立ち上げ期から使えるサービスであるということ。本当にゼロからECを始めるなら、手軽で安価なECシステムがいくらでもあるが、ある程度ビジネスが大きくなった時の需要に対応できる設計にはなっていない。われわれのサービスは集客から集客後の顧客情報を生かしたステップメールやLINE、SNSなどを活用した適切な販促の運用、使い勝手がよく多機能なECシステムまで、ブランドをインターネット上で運営するための全機能をカバーしているから。極端なことを言えば、この「スペースシップス」があれば、かなり少人数でECサイト、あるいはブランドを運営できます。

西村:「スペースシップス」は、ブランドを事業になるまで成長させたい個人が運営するブランドから、最小限の投資でD2Cブランドを立ち上げつつ、成長の可能性を確認した上で再投資をしたい大手企業まで、幅広いユーザーがターゲットになります。大量生産・大量販売からの脱却、リアルとネットの融合など、改めて言うまでもありませんが、アパレル産業は過渡期を迎えています。その一方で、多種多彩な価値観を提供できる、というのはファッションならでは、アパレルならではの魅力です。「スペースシップス」はそうしたファッションの魅力をビジネスに落とし込む、あるいはサポートする強力なツールになるはずです。

富永:僕らが目指しているのは、あくまでファッションビジネスの魅力を最大化するためのサービス。既存の仕組みを効率化することで、少しでも産業を盛り上げるお手伝いができればと考えています。

自社運営の2ブランドが
展示会&関係者向けの
オンラインセールを開催

 クロス・コミュニケーションが運営する「ショーガール(SHOWGIRL)」「プレイリスト(PLAY LIST)」の2ブランドは展示会を実施する。また、オンラインストアでのセールも行う。概要は以下の通り。

INFORMATION
■「ショーガール」「プレイリスト」展示会

日程:6月28日〜7月4日
時間:平日13:00〜19:00 休日11:00〜19:00
場所:クロス・コミュニケーション
住所:〒163-1424 東京都新宿区西新宿3丁目20−2 東京オペラシティタワー 24F

■オンラインストアセール

日程:6月17日〜7月18日
場所:各ブランドウェブサイト内
クーポンコード:SHOWGIRL/sglp30、PLAY LIST/pllp30
※セール・展示会の詳細ページも「スペースシップス」オフィシャルサイト内のバナーからアクセス可能

問い合わせ先
クロス・コミュニケーション
cc-contact@ml.cross-c.co.jp

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RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

2021年春夏シーズン、新たにバーニーズ ニューヨークがおすすめするブランドやアイテムを不定期でスタッフ自らリコメンド!

本日はメンズチーム アシスタントバイヤーの平井槙悟が、この夏注目のウェアブランドをご紹介します。

 

こんにちは。メンズチーム担当の平井です。

今回は7月3日(土)より銀座本店にて展開するビーチウェアブランド<ウェスタン ハイドロダイナミック リサーチ>をご紹介いたします。

1 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

2 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

元プロサーファーとして活躍したパット・タワジー氏が2017年、実験的に始めたプロジェクト「WHR」を、2020年にジャーナリスト クレイグ・ステイシックIII氏が<ウェスタン ハイドロダイナミック リサーチ>と命名。その名を拝し、ブランドとしてスタートしました。

そして今夏、日本での展開が本格的に始まります。

3 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

ブランドのコンセプトは「オーシャン」。

海、水に関わるもの、生物や、景色などをソースにデザインされ、ビーチにおける機能性を備えながら、どこか人の手が感じられる商品に仕上がっています。

 

実際に展開する商品の一部をご紹介いたします。

シグニチャーロゴのTシャツやパーカーにはパラコードのループが付いているので小物をぶら下げることができ、機能性とほどよいデザイン性が感じられます。

4 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

5 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

6 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

Tシャツ ¥7,480(税込)

 

今回のコレクションテーマである海に生きる地球最大の生物、シロナガスクジラからインスパイアされたTシャツとラッシュガード。

スウォッシュは鯨の骨からデザインされています。

TEE4 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

8 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

Tシャツ ¥7,480(税込)

 

9 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

10 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

ラッシュガード ¥13,200(税込)

 

キャップも各種ご用意。通常はスナップやベルトでサイズを調整しますが<ウェスタン ハイドロダイナミック リサーチ>ではパラコードの結び目で調節できるようになっており、クラフト感のあるデザインに仕上がっております。

11 RECOMMEND: WESTERN HYDRODYNAMIC RESEARCH

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各¥8,800(税込)

※キャップのご購入はお一人様1点までとさせていただきます。

 

そのほか、さまざまなTシャツやロングTシャツ、スエットなどをご用意。

カラーバリエーションも豊富に取り揃えております。

今、最も新しいビーチウェアブランドをぜひ、バーニーズ ニューヨークでご覧ください!

 

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【外食市場21年5月】居酒屋、コロナ前比たった13%。再度の禁酒令は断じて許せない。

一般社団法人日本フードサービス協会(本部:東京都港区、会長:髙岡 慎一郎)による 協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2021年5月度は、全体売上は119.8%となっているが、コロナ以前の19年比では80.2%と、回復への出口はまだ見えていない。
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謎が多いゼンショー系「はま寿司」。実は店舗数、国内売上高とも「くら」を超えている可能性

 ゼンショー系の回転寿司チェーン「はま寿司」。「スシロー」や「くら寿司」と違って非上場のため、話題になることが少ないが、実は店舗数、国内売上高ともに「くら寿司」と並び、業界2位グループにいる。1.5流立地で着実にお客を増やす姿は、かつて「すき家」が「吉野家」を超えていった姿に重なる。
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売れたアイテムを発表! フレグランスは「モムチ」と「オハナ・マハロ」「アンドエクラ」「フィアンセ」 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」バラエティー・ドラッグストア

 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」を発表! 「WWDJAPAN」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで2021年上半期(1~4月)に売れた製品を調査。この期間に発売された新製品(NEW PRODUCT)のベスト3と、新製品だけでなく既存品を含めた総合(HERO PRODUCT)のベスト3を紹介する。

 バラエティー・ドラッグストア「フレグランス」部門の新製品は3製品が同率1位となった。「モムチ(MUMCHIT)」“パフュームヘア&ボディミスト”と、「オハナ・マハロ(OHANA MAHAALO)」“オーデコロン アヌヘア ラアウル”(数量限定のため完売)と、「アンドエクラ(AND ECLAT)」“サクラチェリッシュ ロールオンパルファン”だ。「モムチ」についてバイヤーは「高品質なのにプチプラ価格のライトフレグランス。今後、さらに人気が出そう」とコメント。「オハナ・マハロ」は「花々しい香りで人気の新商品」、「アンドエクラ」は「付け過ぎてもキツくならない万人受けする“ザ・いい女”の香り。プチプラなのに見た目のかわいさも人気の理由」と評価した。

 総合は1位、2位を「フィアンセ(FIANCEE)」が独占。1位の“ボディミスト ピュアシャンプーの香り”は、「WWDビューティ ベストコスメ2020」でも総合で1位を獲得しており、追随を許さない。「優しい香りでリピーターも多い」とバイヤーも太鼓判を押す。2位の「フィアンセ(FIANCEE)」は、“パルファンドトワレ ピュアシャンプー”が獲得。3位は「フェルナンダ(FERNANDA)」“フレグランスボディミスト(マリアリゲル)”となった。(価格は全て税込)

新製品

1位 “パフュームヘア&ボディミスト”

「モムチ」

 韓国発のフレグランスブランド「モムチ」の“ヘパフュームア&ボディミスト”。「モムチ」は韓国語で「香りにハッとして振り返る瞬間」という意味。グリセリンやパンテノールなど保湿成分配合のミストは、ヘア、ボディー、全身の保湿に使えることから人気が高い。香りは、チューリップブロッサム、マゼンタレディ、パープルムスク、ソフトブルーソープの全4種を展開。(全4種、105mL、各1496円)

1位 “オーデコロン アヌヘア ラアウル”

「オハナ・マハロ」

 春限定オーデコロン。アヌヘアは「優しい香り」、ラアウルは「春」という意味。チェリーブロッサム、フリージア、ホワイトリリーをブレンドした、フローラルな香りが印象的だ。桜の下で、子猫と蝶がじゃれあう愛らしいデザインも印象的。数量限定のため、現在は完売している。(30mL、1870円)。同ブランドの人気ナンバーワンは、ジャスミン、バニラが繊細に調和する“ピカケ アウリィ”で、ランキングには入らなかったが好評を得ている。(30mL、1870円)

1位 “サクラチェリッシュ ロールオンパルファン”

「アンドエクラ」

 春限定の桜をイメージしたオードパルファン。香調はトップノートで、マンダリン、アップル、ストロベリー、ミドルノートでジャスミン、フリージア、ローズ、ラストノートでウッディー、アンバー、ムスクが香る。ロールオンタイプなので、量も調整しやすく使いやすい。微香性の「アンドエクラ」“薬用美白ハンドクリーム”(30g、1100円)の香りを強調するため、ロールオンパルファンと重ね塗りする人も多いという。(15mL、1430円)


総合

1位 “ボディミスト ピュアシャンプーの香り”

「フィアンセ」

 「WWDビューティ ベストコスメ2020」バラエティー・ドラックストアのフレグランス部門総合1位から首位を死守。シャンプーのようなやさしい香りのミストタイプフレグランスで、トップノートで、グリーンアップル、レモン、ミドルノートにジャスミンなどフローラルが香り、ラストノートでムスクやウッディーの清涼感ある香りが広がる。2011年の発売以来、累計出荷数は400万本を突破している。(50mL、1320円)

2位 “パルファンドトワレ ピュアシャンプー”

「フィアンセ」

 ピュアシャンプーの香りのパルファンドトワレ。ボディーミストの香り持続が、おおよそ1~2時間なのに対して、パルファンドトワレは5~6時間と、香りを比較的長く楽しめるのが特徴だ。香りは、1位の“ボディミスト ピュアシャンプーの香り”と同じで、トップノートで、グリーンアップル、レモン、ミドルノートにジャスミンなどフローラルが香り、ラストノートでムスクやウッディーの清涼感ある香り。(50mL、1980円)

3位 “フレグランスボディミスト(マリアリゲル)”

「フェルナンダ」

 やさしく香るボディーミスト。ヒアルロン酸や加水分解コラーゲンなどの保湿成分を配合する。スプレータイプなので、肌に直接吹きかけられる手軽さが支持を集める。ジャスミンと洋梨の香りをベースに、スズランがほのかに感じられる。大人の可愛らしさを演出するような香りで、“フレグランスボディミスト”の中でもいちばんの人気を誇る。(100mL、1540円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT :MISA KOTAKE

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売れたアイテムを発表! 美容機器・ツール1位は「タングルティーザー」「シック」「エフェクティム」「イミュ」 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」バラエティー・ドラッグストア

 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」を発表! 「WWDJAPAN」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで2021年上半期(1~4月)に売れた製品を調査。この期間に発売された新製品(NEW PRODUCT)のベスト3と、新製品だけでなく既存品を含めた総合(HERO PRODUCT)のベスト3を紹介する。

 バラエティー・ドラッグストア「美容機器・ツール」部門の新製品は3つの製品が同率1位となった。一つ目は「タングルティーザー(TANGLE TEEZER)」“ザ・ウェットディタングラー アイリススパークル”。バイヤーは「セルフケアの需要が高まり、濡れ髪用ブラシが伸長。中でもシルバーラメ×パープルのPOPな配色がヒットした」とコメント。二つ目は「シック(SCHICK)」“極”で「ブランド史上最高のアイテム。CM効果も人気の一因に」と語った。三つ目は「エフェクティム(EFFECTIM)」“3D ビューティリフティング アクティベーター”で、「1回6分で最適な効果を実感できると人気を集めた」と評価した。

 総合1位は「イミュ(IMJU)」“アイプチ(R) ビューティ フィットカーラー”に決定。「WWDビューティ ベストコスメ2020」では新製品・総合ともに1位で、引き続き好調をキープした。バイヤーは「目に当てる部分がほかにない広さで支持されている。発売から1年経っても不動の人気」と語る。2位は、「サロニア(SALONIA)」“ダブルイオン ストレートアイロン SL-004S”と、「エトヴォス(ETVOS)」“リラクシングマッサージブラシ”が同率となった。(価格は全て税込)

新製品

1位 “ザ・ウェットディタングラー アイリススパークル”

「タングルティーザー」

 イギリス生まれの濡れ髪専用ヘアケアブラシ。持ち手は、人間工学に基づいて設計されていて濡れた手で持っても滑りにくい。ブラシは長短2段構造になっていて、長いブラシで髪のもつれと絡まりをほぐし、短いブラシでキューティクルを整える。髪の根元から毛先までトリートメントを均一に塗布でき、デリケートな濡れ髪をスムーズにときほぐす。丸洗いが可能でお手入れが簡単な点も人気だ。(2200円)※販売状況は変更となる可能性がある。

1位 “極”

「シック」

 「シック」ブランド100年のノウハウを結集した日本だけのオリジナル・フラッグシップモデル。金属アレルギーが起こりにくいと言われる「チタンコート」5枚刃を採用。ココナツオイル(ヤシ油)配合のジェルプール付きで、肌を潤しながら簡単に剃ることができる。カラーは「大人のちょっといいもの」をコンセプトにした、深く艶のあるブラック。コロナ禍でセルフケアしたい女性のニーズも取り込んだ。(82g、オープン価格)

1位 “3D ビューティリフティング アクティベーター”

「エフェクティム」

 資生堂とヤーマンによるエイジングケアブランド「エフェクティム」。取り扱い店舗で肌解析と専門知識を持ったスタッフによるカウンセリングを受けることで、ホームケアとして“3D ビューティリフティング アクティベーター”を購入できる仕組み。肌解析の結果に基づき、解析時の肌状況に最も必要な「波形プログラム」をインストールする。美容機器には新テクノロジーを搭載。7つの電極から同時に複数のエネルギーが発せられ、肌の深層にアプローチする。(8万2500円※編集部調べ)


総合

1位 “アイプチ(R) ビューティ フィットカーラー”

「イミュ」

 日本人の「眼球サイズ」+「まぶたの厚み」に着目した、独自のカーブと形状のアイラッシュカーラー。まつげの根元をひっぱり出す高さのあるプレート、目頭から目尻まで一気につかめるカーブ、弾力にすぐれたクッションゴムで、まつげを根元からカール。ひとえ、奥ぶたえの人の目元もパッチリさせてくれると不動の人気を誇る。マスクメイクで、アイメイクにポイントを置きたい人から支持された。(1650円)

2位 “ダブルイオン ストレートアイロン SL-004S”

「サロニア」

 24mmのストレートアイロン。温度設定はダイヤル式で、120℃~230℃の範囲で温度調整が可能。電源を入れてから、約30秒で使用可能な温度に到達するため、忙しい朝のスタイリングにも重宝。チタニウムプレートと噴射口からマイナスイオンをダブル放出し、キューティクルを保護し熱によるダメージを軽減する。「コンパクトで使いやすい」と根強い人気を誇る。(345g、3278円※編集部調べ)

2位 “リラクシングマッサージブラシ”

「エトヴォス」

 シャンプーブラシ、マッサージブラシ、ツボ押しブラシとマルチユースな頭皮ケアブラシ。柔らかな樹脂製の突起は、ツボを程よく刺激する絶妙な硬さ。インバスでは、シャンプーをよく泡立てた状態でブラシを頭皮に当て、小刻みに動かすようにマッサージ。頭皮の汚れを浮かし、血行を促進する。アウトバスでは、多くのツボが集中していると言われる頭皮、首のつけ根、こめかみのツボ押しに活躍する。「セルフケア」意識の高まりもあり好調。(1760円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT :MISA KOTAKE

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シロが創業地・北海道砂川市の活性化を図る新プロジェクト発足 今井社長が退任して専念

 トータルビューティブランド「シロ(SHIRO)を展開するシロは27日、創業地である北海道・砂川市の活性化を目的に、シロと地域の各分野が参画する実行委員会「みんなのすながわプロジェクト」を発足した。発足に伴い、プロジェクト専念のため現社長の今井浩恵氏が6月末を持って退任し、専務の福永敬弘氏が次期社長に就任するトップ人事を発表した。今井氏は今後、会長兼ブランドプロデューサーとしてクリエイティブ業務の指揮を執る。

 今井氏は1989年にシロの前身であるローレルの社長に就任し、2009年に社名を冠したブランド「ローレル」を立ち上げた。15年にブランド名を「シロ」に変更し翌年にイギリス進出、19年にリブランディングを行なった。現在「シロ」は国内26店舗、海外3店舗で展開し、21年度の売上高は133億円。

 福永氏は14年に入社し、16年に専務に就任。経営全般の戦略立案や新規・海外事業展開の実行などを行い、ブランドの基盤作りや飛躍に力を注いできた。

 人事とともに発表された「みんなのすながわプロジェクト」は、砂川市全体の活性化のため、ものづくりや教育、観光などをテーマにした施設や環境を市民とともに作るプロジェクト。同プロジェクトは、現在シロが保有している江陽小学校跡地への取り組みと砂川市全体への取り組みの2つからなる。江陽小学校跡地には、22年に自社工場を移転増床させる形で新工場を建設、23年春ごろには付帯施設としてブランドショップ(初の「シロ」アウトレットとマルシェ)、カフェ、アスレチック、お仕事体験、工場見学、製造体験が一体となった施設をオープン予定。砂川市にある既存のショップやカフェも同施設に集約する。また、雇用の促進と子どもへの環境整備を図る砂川市全体への取り組みとしては、北海道ベースボールリーグ「砂川ドリームリバーズ」新球団を設立し、22年春に参入する予定。約20人の選手契約を行い、選手は来春に砂川市民となり人員不足の企業への雇用にもつなげる狙いだ。そのほか、私立小学校(小中一貫校の予定)設置の検討、離農や事業継承課題への取り組みも行う。

 今井氏は「砂川市は、シロの前身であるローレルへの就職を機に移り、約20年間暮らした第2の故郷。砂川市は楽しい施設、高度な医療機関、全国展開する企業も多く、高齢化が進んでも問題ない町ともいえる。しかし一方で、若年層を中心に何もない街、やりたいことができない街との声も聞く。現在砂川市の人口は1万6000人ほどだが、市の調査では60年には8396人に減ると予測されている。AI予測ではそれよりも早い45年には人口が9000人を切るともいわれている。この数字を知り、この先は砂川市のために小さくてもいいので行動し、いま以上に楽しい町にしたい。市民とともに砂川市の困りごとに寄り添い、持続可能な循環を作っていく」と意気込みを語った。

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自然派エイジングケアライン「Nオーガニック ヴィ」 から初の洗顔アイテム誕生

 自然派ライフスタイルブランド「Nオーガニック(N ORGANIC)」のエイジングケアライン“Nオーガニック ヴィ(N ORGANIC VIE)”から、ライン初のクレンジングと洗顔料を7月15日に公式サイトなどで発売する。

 同ラインは2020年3月に誕生。「美しく丁寧に、歳を重ねる」をコンセプトに低刺激×機能性を両立したローションとクリーム、美容液を展開する。今回、ターゲット層である大人肌を持つ人へのアンケート調査から、クレンジング・洗顔に対して「きちんと落ちることはもちろん、しっとりした洗い上がりがほしい」「疲れた夜や忙しい朝にも億劫にならない手軽さ、洗っただけでも美肌へなれるようなスキンケア効果がほしい」という声が多いことが分かった。そこでメイクや皮脂汚れを落としながらも洗うたびに肌が潤う製品を開発した。

 “モイストリフト クレンジングクリーム”(180g、税込4290円)は、スキンケアにも使用するアーモンド油を配合。メイクの油分と絡み、優しく取り除きながら潤いも与える。“クリアホイップ フォーム”(150mL、税込3520円)は、酵素をカプセル化し、毛穴の汚れを落とし古い角質をオフし滑らかで柔らかい肌に洗い上げる。

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「オフィシン ジェネラーレ」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「オフィシン ジェネラーレ(OFFICINE GENERALE)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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「オフィシン ジェネラーレ」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「オフィシン ジェネラーレ(OFFICINE GENERALE)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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指輪型のキャッシュレス決済「エブリング」 MTG子会社が販売開始

 キャッシュレス機能を搭載したリング型ウエアラブルデバイス「エブリング(EVERING)」が9月から日本で一般販売される。販売元のEVERING(東京、川田健社長)は製品に触れられるポップアップストアを6月22日から六本木 蔦屋書店など都内4カ所に開設した。利便性を訴求することで、川田社長は「初年度10万個の販売を目指す」と話す。

 エブリングは指輪型のデバイスにVizaのタッチ決済を搭載することで、クレジットカードやスマートフォンを取り出さずに非接触で買い物ができる。セラミック製のリング内部にICチップが入っており、リーダーに近づけるだけで支払いが終了。スマートフォンのアプリでチャージや機能停止・再開が行え、盗難や紛失の際にも対応できる。リングがリーダーの電波に反応する仕組みのため充電も不要になる。価格は税込1万9800円。

 5月に3000個限定の先行予約を行なったところ、1日で完売した。六本木 蔦屋書店、代官山 蔦屋書店、「ベータ トーキョー(b8ta tokyo)」の有楽町店と新宿店で開催中のポップアップストアでは17種類のサイズを用意して、使い勝手を体験することができる。

 事業展開するEVERINGは、トレーニング機器「シックスパッド(SIXPAD)」や美顔ローラーの「リファ(REFA)」のMTG(名古屋市、松下剛社長)の子会社。MTGが買収した英国のマクレア(McLEAR)のウエアラブルデバイスの技術を用いる。

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「ポール・スミス」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「ポール・スミス(PAUL SMITH)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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「YSL」からマーブル状のクリームファンデが登場 3つの効果を1つに

 「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」は8月27日、ブランドのアイコンである“アンクルド ポー”シリーズから、新作“アンクル ド ポー マーブル エッセンス クリームパクト”(全4色、SPF50+/PA+++、税込各9240円)を発売する。18日には公式オンラインブティックおよび表参道フラッグシップブティックで先行発売予定だ。

 トーンアップ、スキンケア、メイクアップの要素を持つ3 in 1 クリームファンデーションで、ブランド初のマーブル処方を採用。くすみや毛穴をカバーしながら、トーンアップを同時にかなえるトーンアップフィルターを配合した。スキンケア成分で潤いを与えながら、希少なジャスミンが乾燥から肌を守るほか、ウオータリークリーム処方で肌にのせた瞬間にバームと一体化するのが特徴だ。

 また、2020年秋にパワーアップして登場した同シリーズの“アンクル ド ポー ルクッションN”(全7色、SPF50+/PA+++、プリセット税込各8800円、レフィル同5830円)が、アジアNO.1の人気を獲得した(2020年Q3アジア主要諸国+中国EC市場ボーテリサーチ ファンデーションランキング)。同製品は高密着の“YSLヌードフィルター”によって、ファンデーションをしながら保湿パックしているかのような処方で、フィルター加工をしたかのような理想の肌をかなえる。肌に均一に広がるオイルコーティングピグメントで、高いカバー力とツヤ感を実現する。

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「メゾン ミハラヤスヒロ」2022年春夏パリ・メンズ・コレクション

 「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」が2022年春夏メンズ・コレクションをパリで発表した。

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売れたアイテムを発表! メンズコスメ1位は「ヴィートメン」と「デオナチュレ」 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」バラエティー・ドラッグストア

  「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」を発表! 「WWDJAPAN」は、 百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで2021年上半期(1~4月)に売れた製品を調査。この期間に発売された新製品(NEW PRODUCT)のベスト3と、新製品だけでなく既存品を含めた総合(HERO PRODUCT)のベスト3を紹介する。

 バラエティー・ドラッグストア「メンズコスメ」部門の新製品1位は「ヴィートメン(VEET MEN)」“ヴィートメン 除毛クリーム敏感肌用”が獲得した。バイヤーは「若年層の身だしなみブームとコロナ禍で伸長した。新製品も好調だ」とコメント。2位は「ウーノ(UNO)」“スキンバリアローション”と、「エピラットオム(EPILAT HOMME)」“薬用除毛クリーム”が同率でランクインした。

 総合1位は「デオナチュレ(DEONATULLE)」“男ソフトソーンW”に決定。バイヤーも「ニオイケアの意識は高まっており、外出自粛期間も好調を維持している」と語る。2位は「バルクオム(BULK HOMME)」“ザ フェイスウォッシュ”、3位は「ウーノ(UNO)」“バイタルクリームパーフェクション”となった。(価格は全て税込)

新製品

1位 “ヴィートメン 除毛クリーム敏感肌用”

「ヴィートメン」

 敏感肌でも使用できる除毛クリーム。クリームで溶かすため、除毛後の毛の断面は丸くなるのが特徴だ。また、刃のない付属の専用ヘラで取り除くので、切り傷をつくらない。天然由来保湿成分を配合。自宅でムダ毛ケアができると、10代、20代、30代の男性を中心に支持を得た。【医薬部外品】(210g、1356円※編集部調べ)

2位 “スキンバリアローション”

「ウーノ」

 緑茶エキスなどから成る、テトラバリア成分配合の化粧水。水分の蒸発を防ぎ、乾燥ダメージを受けやすい男性の肌をケアし、潤いのある肌に導く。有効成分m-トラネキサム酸がメラニンの生成を抑えシミ・そばかすを防ぐ。テクスチャーはマイルドで、テカリ、カサつきが気になる人はもちろん、新しくスキンケアを始める男性からも人気だった。【医薬部外品】(100mL、1540円※編集部調べ)

2位“薬用除毛クリーム”

「エピラットオム」

 1983年に誕生した、女性の肌のための除毛ブランド「エピラット」から登場したメンズアイテム。使い方はクリームを塗って3~6分待ち、洗い流す。カモミールエキス、海藻エキス、ヒアルロン酸など保護成分を配合していて、肌をいたわりながらムダ毛が取れる。除毛後は、15歳から24歳の若年層が好む「つるつる」の肌になり、生え始めの毛がチクチクしないと人気。フレッシュシトラスの香り。【医薬部外品】(150g、オープン価格)


総合

1位 “男ソフトストーンW”

「デオナチュレ」

 スティックタイプのワキ用制汗デオドラント。有効成分の焼ミョウバンを独自技術で微細化することで、肌にムラなく密着、防臭効果も。皮脂を吸収する酸化亜鉛、抗酸化成分・ワレモコウエエキスを配合する。アルコール、香料、着色料は無配合。「朝塗って、夜まで汗も匂いもしっかり防ぐ」と好評だ。【医薬部外品】(20g、990円※編集部調べ)

2位 “ザ フェイスウォッシュ”

「バルクオム」

 キメ細かく、クリームのような濃密泡が立つ洗顔料。「生石けん」に、余分な皮脂や汚れを吸着する「クレイミネラルズ」と「ベントナイト」を配合。濃密な泡を肌にたっぷりと乗せ、泡を転がすように顔全体を洗顔する。洗顔時の摩擦を軽減し、すっきりとした洗い上がりで支持を得た。他にリンゴ果実培養細胞エキス、温泉水、肌のバリア機能をサポートする「加水分解シルク」などを配合。(100g、2200円)

3位 “バイタルクリームパーフェクション”

「ウーノ」

 洗顔後のケアに使うオールインワンジェル。肌荒れ対策、カサつき対策、テカリ、乾燥による小ジワ、などの肌悩みにアプローチ。有効成分m-トラネキサム酸を配合していて、メラニンの生成を抑えシミ、そばかす対策にも。ベタつかず、肌にすっとなじむので男性でも使いやすい。シトラスグリーンの香り。【医薬部外品】(90g、1628円※編集部調べ)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT :MISA KOTAKE

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「ディオール」メンズの来場者はやっぱりセレブだらけ クリーンな着こなしの上級者たちをキャッチ

 「ディオール(DIOR)」は6月25日、パリ・メンズ・ファッション・ウイークで2022年春夏メンズ・コレクションをリアルショーで発表した。ロックダウン解除後間もないため通常時よりも規模は縮小されたものの、今シーズンはアメリカ人ラッパーのトラヴィス・スコット(Travis Scott)とコラボレーションすることもあり、会場には多くのセレブリティーが訪れた。モデルのベラ・ハディッド(Bella Hadid)やスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の元妻であるカイ・ミラード・モリス(Kai Millard Morris)、コートニー・カーダシアン(Kourtney Kardashian)と交際中のアルジェリア人モデルのユーネス・ベンジマ(Younes Bendjima)ら、アメリカから渡仏したゲストも見られた。地元フランスからはパリ・オベラ座のバレエダンサーのジェルマン・ルーヴェ(Germain Louvet)とギヨーム・ディップ(Guillaume Diop)、アーティストのマチアス・キス(Mathias Kiss)、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)「バルマン(BALMAIN)」​クリエイティブ・ディレクターらが駆けつけた。

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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圧倒的世界観の「LV」や緊急参加の「バーバリー」などパリメンズ前半を先輩後輩がプレイバック 「イッセイ」「ヨウジ」ら日本勢も健闘

 2022年春夏メンズコレクションは、ロンドンとミラノが終了し、舞台はパリへ。海外からの現地リポートも随時更新中ですが、ここでは日本でリモート取材中の先輩&後輩コンビがダイジェスト対談をお届けします。今回は前半(6月23〜25日)に登場した9ブランドをプレイバック!日本勢の活躍も要チェックです。

【対談メンバー】
先輩・大塚:海外コレクション取材歴5年目。「WWDJAPAN」副編集長。昨年からランニングにハマって2ケタ減量に成功。サイズダウンによりファッション欲がさらに上昇。

後輩・美濃島:昨年から海外コレクション取材をスタート。「WWDJAPAN」記者としてデザイナーズやスポーツを取材するも、最近みるみる巨大化。サイズアウトする服が続出。

“本能のままに”を突き詰めた地獄

大塚:まずはパリメンズ公式参加2回目となる「キディル(KIDILL)」。いやー、過去最高にこじらせとったねえ(笑)。ショー前に末安弘明デザイナーから「地獄を見せます」と宣言されて、「いやいやそんな大げさな」と軽く受け止めていたら、思ったより地獄だった。会場が東京・赤坂の草月会館にあるホール“天国”だっただけに、さらに異質さが際立っていたわ。

美濃島:僕はバックステージから取材したのですが、リハからぶっ飛ばしてました(笑)。イギリス人のグラフィックアーティスト、トレヴァー・ブラウン(Trevor Brown)とのコラボレーション。口紅をいびつに塗りたくった少女や首が落ちたラブドールなど、おどろおどろしいモチーフをキャッチーに描いたグラフィックを、オーバーサイズのシャツやブルゾンなどに落とし込んでました。

大塚:プリントや加工を個々に見るとかわいくて楽しいんだけど、純真無垢に足し算されていくと、徐々に狂気じみて「おいおいおい」となっていくというね。何ごとにもピュアすぎてちょっと怖い人ってたまにいるじゃない?そんな感じ。世界でいろいろなコレクションをいろいろ見てきたけれど、地獄レベルはトップクラスでした。

美濃島:Tシャツや素肌をロープで縛ったスタイルは、ロープアーティストのハジメ・キノコによるもの。グラフィック表現の自由さと、緊縛による身体の不自由さが混在し、コレクションの狂気をさらに加速させます。

大塚:これまでも末安デザイナーは内面にある狂気や偏愛に向き合っていたのだけど、今思えば、それらをスタイルに落とし込んでいたのかなと。今シーズンはまず感情から湧き出るクリエイションを先行させて、最終的にスタイルに仕上げていた印象。だから過剰なディテールがいつも以上に際立って見えた。

美濃島:きわめつけは、ノイズバンド非常階段のボーカルJUNKOさんのパフォーマンス。ショーの途中から聞こえる「キィイアアア」という叫びからは、“本能のままに表現しよう”というメッセージを感じました。

生地の発明をスタイルへ “怒り”を込めたクリエイション

大塚:「ターク(TAAKK)」は映像公開前にリアルショーを見てきました。“地球”から着想を得たコレクションで、ブランドの転機になった20年春夏の“WEAR THE EARTH”を拡張させた印象です。

美濃島:おっしゃる通り、生地のグラデーションに合わせて儚い桜を刺しゅうしたり、色をベージュからカーキへ大胆に変化させたりと、過去に開発した「これだ!」という生地をスタイルに落とし込むひと工夫が光っていました。

大塚:そうそう。「キディル」とは逆で、スタイリングもイメージしながらデザインを組み立てていったのかなと思うほど洗練されていた。プリントを生かす生地の加工、または生地の加工をいっそう際立たせるプリントなど、スタイルとしての完成度が目を引いたよね。これまでは新開発した生地をぐいぐい前に出していくクリエイションで、それはそれで強さはあったのだけど、今回は組み立て方が秀逸だった。生地が上から下に徐々にグラデーションし、ジャケットがシャツやMA-1に変化する加工はさらに進化。ショートトレンチが外側に向けてMA-1の袖に変化していく発想は見ていて笑っちゃうほどすごかったわ。

美濃島:映像はランウエイをメインとするのかと思いきや、生地や商品にフォーカスし、森川拓野デザイナー自らクリエイションの着想源とデザイン哲学を語る内容。意外なアプローチでしたが、ブランドの武器を余すことなく発信していたし、解説も心地良くて気づいたら映像を見終えていました。

大塚:実は今シーズンは、森川デザイナーの怒りの感情が込められてたらしい。というのも、「ターク」の服は実物を見てすごさが分かる部分が大きいから、新作を海外の人に直接見てもらえないフラストレーションが溜まっていたんだって。だから映像では森川デザイナーが終始語り、物作りやショーの裏側を見せる演出だったんだと思う。今回の完成度が高かっただけに、次は同じ手を使えないかなという懸念もあるけど、今回はその感情がプラスに作用してました。

問題はコロナだけじゃない

大塚:「ファセッタズム(FACETASM)」は"a sight with a kiss”と題した映像で、長谷井宏紀監督が手掛けたもの。再開発が進む渋谷の街を舞台に、自由と監視社会について考えさせられる内容で引き込まれちゃった。

美濃島:カメラから逃げ回った男女が公園で落ち合うものの、その様子さえ撮られているディストピア感のあるオチが好みでした。監視社会のほかにも、大気汚染や大量廃棄、森林破壊、干ばつなど、行き過ぎた文明を警鐘するメッセージがにじんでいて、「問題はコロナだけじゃないよね」と落合宏理デザイナーに投げかけられた気がします。

大塚:ストリートウエアやテーラード、スポーツ、ドレスなどを縦横無尽に行き来するクリエイションは変わらず。ホワイトやパステルカラーのレイヤードが、爽快感と重厚感が共存していて面白かった。

美濃島:洋服の軸はストリートですが、オーガンジーやレース、腰から垂らしたリボンなど、軽やかさを添えるディテールも際立っていました。

パリ参戦!砂漠とレイブに映える強いクリエイション

大塚:「バーバリー(BURBERRY)」がなんとパリメンズで発表。自分で「『バーバリー』2022年春夏パリ・メンズ・コレクション」って原稿を書いてて不思議な感じがしたよ。舞台はマッドマックスのような砂漠。モデルが屋内へと歩みを進めると屋内はレイブ空間が広がり、そのコントラストが何だか強烈に刺さった。音楽によってマインドが異空間にエスケープする感覚をクリエイションで表現したみたいなんだけど、まさにそんな感じ。

美濃島:海や山などの野外映像は鉄板ですが、砂漠はありそうでなかった。砂の上をザッザと歩くモデルがレイブ空間に入ると同時に、テクノがガンガン流れ初める演出にテンションMAX。クラブに入る瞬間を追体験してるみたいでした。

大塚:ウエアは、トレンチコートやテーラリングというヘリテージを軸に、スリーブレスや変形カラーなどディテールでアレンジ。モチーフや色使いは最小限でミニマルなのだけど、モデルが袖を通すことによって2倍も3倍も強くなる。鍛えねば!という気持ちになりました。

美濃島:途中の肩車ルック三連発は正直戸惑いましたが、「筋肉ってすげえ」と安直&ポジティブに捉えることにします。ウシやシカっぽい模様、あばら骨を連想させるジャケットのテープ使いなども目立ちました。昨シーズン、チーフ・クリエイティブ・オフィサーのリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)は、屋外への欲求を込めたアニマルモチーフを多用していたので、そのムードが継続していたのでしょう。

意外性と哲学満載のリアルクローズ

大塚:「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」はリアルクローズ路線に勝機を見出したみたいだね。もともと奇抜なクリエイションではなかったけれど、ここ数シーズンはいろいろな部分が以前にも増してそぎ落とされてる。

美濃島:さらっとした服に見えますが、コーチジャケットは脇下のジップでシルエットを変えられたり、パーカーは袖に手を通さずに着られたりと、着方を変えられるギミックがあるんです。この意外性が「フミト ガンリュウ」の持ち味ですね。

大塚:カラーリングや快活さでクリーンに見えるのだけど、実は細部にまでデザイナーの哲学が浸透しているのもこのブランドの面白いところだね。服での主張は控えめな分、映像の強烈さが際立ってた。

美濃島:3Dスキャンしたようなメイクや荒いグラフィックなど、あえてチープに仕上げたバーチャル演出が独創的でした。ダッフルコートやトレンチコートなど、毎シーズンの目玉アイテムがありますが、今回は羽織風のフードコートに人気が集中する予感です。

モデルは半分素人 個性を強さに変える

大塚:「オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE)」は、“HUMAN ENSEMBLE”がテーマでした。

美濃島:いつもはハッピーな映像で気分を盛り上げてくれるのだけど、今シーズンはモデルのキャラクターが際立つ静かな演出でしたね。

大塚:多様性が浸透してきているからこそ、個人に焦点を当てようという意図なんだって。カメラマンの田島一成さんが監督を務めていて、モデルも半分は素人。教師やモデルのマネジャーら、登場する人物がみんな個性的なんだよ。服は、「オム プリッセ」らしさをよりストイックに伝えたいという思いから、人間の体やロボットの型を研究し、さまざまな人種の肌色を思わせるカラーや、体の動きをイメージしたディテールや柄を盛り込んでました。

美濃島:右から左へ光を移動させることで、プリーツの凹凸やざらついた素材感などを際立たせていました。人種はもちろん、体型もほんとに幅広くて、着る人を選ばない服だなと改めて実感。ハワイアンなBGMにも癒されました。

大塚:フロントはセットイン、バックはラグランスリーブになったジャケットや、縞を織りで表現するなど、映像だけではなかなか伝わりづらいディテールも見どころ。服にこれまでと大きな変化はないのだけど、背景を知れば知るほど、ファッションで世の中とつながる姿勢が分かって面白かった。

美濃島:シューズをはじめアクセサリーのラインアップも増えていて、このブランドだけでワードローブを完成できちゃいそう。前シーズンから取り組んでいる、再生ポリエステル100%のプロダクトも増えているんでしょうか?

大塚:徐々に型数を増やしていて、近いうちに全商品に使用することを目指してるらしい。再生ポリを使った服を実際に着てみたけれど、今までとほとんど同じ素材感でびっくりしたわ。

美濃島:技術もどんどん進歩しているんですね。僕らも置いてかれないように取材を続けなくては。

浜辺に際立つ実験的テーラード

大塚:「リック・オウエンス(RICK OWENS)」は映像の見せ方が一気に進化したね!これまで生っぽい演出にこだわっていて、それはそれで世界観と合ってはいたのだけど、やっぱりこうやってちゃんと作り込んでくれた方が服は映えるなと。砂浜というロケーションもあって、いつもよりもぐっとリアルで快活な印象を受けた。

美濃島:あそこはブランドのアトリエから車ですぐの場所にあるヴェネチアのビーチだそうですよ。ランウエイを真横や俯瞰など複数の画角から捉える構成は昨シーズンと変わりませんでしたが、ロケーションのおかげで全然違うムードでした。

大塚:途中でリック先生がスマホ片手に踊っている姿が映ったり、砂浜で超厚底ヒールのブーツだったり、肩をボンと張り出したモンスターショルダーのアイテムだったりという通常運転も挟みつつ、とっても丁寧にテーラリングと向き合ったコレクションだったね。

美濃島:ジャケットやコートは、袖や見頃を切り落としたり、オーガンジーやシフォンなどのシースルー素材を使ったりして、複雑な内部構造を主張していました。技術力があるからこそできるアプローチですね。PVCのようなスケスケ素材のトップスやファスナーを開けてブーツカットシルエットにしたパンツなど、1点1点がインパクト大なアイテムばかりなのに、スタイルとしてまとまって見えるのも本当にすごい。途中で見切れたリックは誰よりもノリノリでかわいかったです(笑)。

リモートでも没入不可避の圧倒的世界観

大塚:日常業務をこなしながら、プラスオンでデジタルコレクション取材をしてはや1年。どうしても何か作業をしながら“ながら見”してしまうこともあるのだけど、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」だけはマジでそれができない。だって映像の完成度がすごすぎて、PCは絶対に全画面モードにしたいし、1秒も見逃したくないから。

美濃島:(す、すみません。僕アーカイブでチェックしました)タイトルは、ザ・ウィンストンズ(The Winstons)の「Amen Brother」という楽曲のドラムソロから取ったもの。たった6秒のソロなのですが、数多の曲にサンプリングされ、ヒップホップやジャングルミュージックの礎となっているそうです。

大塚:へえ、詳しいね。今回は世代を超えて人から人へと継承されていく波動が互いに作用し合うというメッセージを込めているみたい。つまり、映像に登場するのは父と息子で、例え引き裂かれても、親子の絆はしっかり引き継がれてますよということなのか?いやーそんな展開だとしたら胸アツやで。序盤に再登場したシンガーソングライターのソール・ウィリアムズ(Saul Williams)が刀を手に登場し、和のムードを醸し出してきたときは正直ちょっと構えたんだけど、その後が音楽や演出、モデルなど何から何までずーっとかっこよかった。真っ白の空間で白い木が生い茂るシーンでは、レッドやブルーのパキッとしたカラーリングが映え……って、ちょっと待って。何だか「ナイキ(NIKE)」のシューズらしいものが見切れてますけど!!

美濃島:「ナイキ」とコラボした“エア フォース ワン(AIR FORCE 1)“ですね!モノグラムやダミエ柄が配された超スペシャルな1足で、SNSでもかなり話題になってます。争奪戦必至でしょう。ていうか、大塚さんが饒舌すぎて僕の出る幕がない!(笑)

大塚:ごめん!だっていろいろ情報が渋滞しているんだもん。フォーマルの再解釈は継続していて、イージーフィットのスーツにスニーカーを合わせるスタイルがめちゃくちゃかっこいい。スーツと共地のベルトは道着の帯を連想させるものだったり、剣道の防具をイメージしたピースやニットキャップだったり、鯉のぼりバッグ(!!)だったり、和の要素もふんだんに盛り込まれていたね。

美濃島:胴っぽいベストや小手っぽいグローブなど、防具の要素が満載。ジャケット自体にブルーやグリーンなどの鮮やかなカラーやタイダイなどのパターンを使うだけでなく、中にトラックジャケットやフーディーを着込んだり、上からベストを着ちゃったり、スカートやショーツを合わせちゃったり。テーラード離れが進む中、このジャンルでこんなにワクワクさせるクリエイションを見せてくれるなんて、やっぱりヴァージルはすごいです。

大塚:チェスのシーンでバチバチにキメていたお兄さんは誰だったんだろう?

美濃島:ラップしていたイケオジはヒップホップアーティストのジザ(GZA)、その隣の白いスーツのイケメンはナイジェリアの写真家ケイレブ・フェミ(Caleb Femi) でした。ほかにも著名人がたくさん出演しているみたいなので、それを探すのも面白いですね。

ブレないテーラードが春夏らしい軽やかさをまとう

大塚:「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」はやっぱりブレないねー。暗がりのフロアショーが淡々と15分以上続く、硬派な映像。スタイルに大きな変化はないのだけど、今シーズンはクラフトっぽい遊び心が随所に感じられた。花の絵画をコラージュしたり、目が描かれたパーツをウエアにペタペタくっつけたり、絵画から飛び出してきたようなモデルのラフなメイクだったり。

美濃島:新聞をそのまま使った柄や、クラシカルなグレンチェックを随所に散りばめるなど、キャッチーさもありましたね。生成色を多用し、パンツはアンクル丈かショーツで肌見せしてるから、軽やかでしたね。

大塚:最後に山本耀司デザイナーが出てくるのだけど、服という黒いキャンバスに無邪気に感性をぶつけてる姿が潔かった。

前半戦を終えて

美濃島:デジタルコレクションがメインとなり早3シーズン。無数の可能性がある映像表現からはさまざまな発見があって面白いですが、そろそろリアルのファッションサーキットも見たくなってきました。

大塚:映像の引き出しやクオリティーが上がっている一方で、リアルショーを再開するブランドもあり、両者を比較するとどうしてもショーの強さが際立ってしまうんだよね。「ルイ・ヴィトン」のように莫大な予算をかけられるならいいけれど、若手にはちょっと限界がある。だって、苦労して作っているはずのに、そんなに見られてないから。映像での発表は今シーズンで最後と決めている日本人デザイナーも少なくないみたいだし、ある意味で貴重なシーズンかもよ。後半も映像中心だけど、しっかり見届けましょう!

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売れたアイテムを発表! ボディーケア1位は「ニュクス」「ザ パブリック オーガニック」「クナイプ」「オーシャントリコ」「アルジェラン」「バース」と混戦 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」バラエティー・ドラッグストア

 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」を発表! 「WWDJAPAN」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで2021年上半期(1~4月)に売れた製品を調査。この期間に発売された新製品(NEW PRODUCT)のベスト3と、新製品だけでなく既存品を含めた総合(HERO PRODUCT)のベスト3を紹介する。

 バラエティー・ドラッグストア「ボディーケア」部門の新製品1位は表が割れた。「ニュクス(NUXE)」“プロディジュー フローラル オイル”、「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」“スーパーポジティブ ディープモイスト ボディソープ”、「クナイプ(KNEIPP)」“バスソルト ラベンダーミント”、「オーシャントリコ(OCEAN TRICO)」“ボディソープ 好きになっちゃう香り”、「アルジェラン(ARGELAN)」“モイストグロー ボディソープ”と5製品が同率となった。全体的にインバス、アウトバス時間に“癒やされる”と評価されるアイテムがランクイン。さらにギフト需要にも効果的なアイテムが選ばれた。

 総合1位は「バース(BARTH)」“薬用 中性重炭酸入浴剤”に決定。「WWDビューティ ベストコスメ2020」では総合2位だった同製品は、半期間で1位に上りつめた。バイヤーは「浸かる美容液とも言われる入浴剤。体の芯から温まりツルツルに。リピーターも多い」と太鼓判。2位は「タカミ(TAKAMI)」“スキンピールボディ”、3位は「キュレル(CUREL)」“ローション[ポンプ]”となった。(価格は全て税込)

新製品

1位 “プロディジュー フローラル オイル”

「ニュクス」

 ツバキオイルやアルガンオイルなど、7種の植物オイルを配合した美容ドライオイル。1本で、顔、ヘア、ボディーに使えるマルチオイルで注目を集めた。トップに、グレープフルーツやレモン、オレンジなどの柑橘系が香り、ミドルでマグノリア、従来の“プロディジューオイル”を象徴するオレンジブロッサムとプチグレン、ラストはホワイトムスクが香る。スキンケアのファーストステップとして使えば、肌を柔らかくし次のスキンケアステップのなじみを良くする。96.9%自然由来成分を配合したナチュラルな処方。限定発売品が定番化し人気に。(50mL、3300円/100mL、5610 円)

1位“ スーパーポジティブ ディープモイスト ボディソープ”

「ザ パブリック オーガニック」

 幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンの分泌を刺激する精油をブレンドしたボディーソープ。リラックス作用のあるα-ピネンと、副交感神経を優位にする作用のあるテルピネン-4-オールを含有するフランキンセンス精油と、少量を香ると鎮静作用、多量に香ると心に高揚感をもたらすと言われるイランイラン精油をブレンド。95%天然由来原料を使用。幸福感に満たされる、前向きな気持ちになれると話題に。(480mL、1408円/240mL、770円(数量限定)/詰替え400mL、1078円)

1位 “バスソルト ラベンダーミント”

「クナイプ」

 甘くみずみずしいラベンダーの香りとクールな感触のミントを配合したバスソルト。リラックス効果が高いハーブとして知られるラベンダーの香りに、メントールの効果によるひんやりバスタイムが楽しめる。「クナイプ」のバスソルトは、ドイツ中部のゲッチンゲンで採取される、天然のミネラルを豊富に含む岩塩を使用している点もユニーク。外出機会が減り「毎日のルーティンで気分転換したい」「香りで癒やされたい」というニーズを取り込んだ。数量限定。(50g、165円)

1位 “ボディソープ 好きになっちゃう香り”

「オーシャントリコ」

 人気サロン「オーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)」プロデュースの「オーシャントリコ(OCEAN TRICO)」のボディーソープ。植物由来の洗浄成分をベースに、11種類のアミノ酸、EGFやFGFなど9種類の保湿成分を配合。濃密モコモコの泡で、肌をやさしく洗い上げる。フレッシュなグレープフルーツなど柑橘系トップノートに、フローラルブーケのミドルノート、ベチバー、セダーを感じる「スパイシーベリーフローラル」の香り。シェアードコスメとしても支持されている。(500mL、1375円)

1位 “モイストグロー ボディソープ”

「アルジェラン」

 ソープナッツエキス配合の泡でもっちり艶肌に洗い上げる、天然由来原料98%以上配合のボディーソープ。潤いをキープする高知県産榧(かや)オイル、ビタミンC豊富なローズヒップオイル、保湿成分のアボカドオイル、潤いを保つラフランスエキスが、潤いを与えながら肌をべールで包み込む。ラベンダー精油、シダーウッド精油ブレンドの心落ち着く香り。希少な国産原料を使うなど、サステナブルな取り組みに積極的な点も共感を得ている。(480mL、1078円/詰替え400mL、858円/1dayトライアル10mL、110円)


総合

1位 “薬用 中性重炭酸入浴剤”

「バース」

 重曹を使用した、中性重炭酸入浴剤。重曹と「自然由来のクエン酸」の反応による独自技術で、お湯を中性にするのが特徴。中性の湯は、重炭酸イオンをより多く溶け込ませることができ血行促進効果も期待ができる。また、温浴効果により疲労回復を促す。「サウナのように、たくさん汗をかける」「ぐっすり眠れる」といった口コミに後押しされ、売り上げが増加した。(9錠、990円/30錠、2750円/90錠、6600円)

2位 “スキンピールボディ”

「タカミ」

 タカミクリニックと共同開発の、オールインワンゲル。顔とは異なる体の代謝サイクルに着目した処方で、ガサつき、ゴワつき、ブツブツ、くすみにアプローチ。ワキの下や、Vライン、ヒップ、後ろももの付け根、うなじ、ひじ、ひざ、かかとまで、これまでお手入れが行き届かなかったパーツにも塗ることができる。「ザラつきにはスクラブ、カサつきには保湿クリーム」と、パーツによって使い分けなくてもいい点も支持されている。(200g、6160円)

3位 “ローション[ポンプ]”

「キュレル」

 赤ちゃんから大人まで使える全身用乳液。セラミド機能成分、ユーカリエキスなど潤い成分配合。外部刺激から肌を守る働きを助け、潤いで満たす。のびが良く、ベタつかない。無香料、無着色、アルコールフリー。手洗い機会が増加したことや、家族でシェアできる点も人気を押し上げた。(医薬部外品)(410mL、2530円※編集部調べ)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT :MISA KOTAKE

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スタバの「キャロットケーキ」 コーヒーの豆かすをニンジン栽培に再利用

 スターバックスコーヒー ジャパンは、新商品「キャロットケーキ」の販売をオンラインストアで6月23日から始めた。材料にコーヒーの豆かすを再利用したたい肥で栽培したニンジンを用いる。12.5cmのパウンド型で、価格は3240円。

 パウンドケーキとフロスティングの二層構造。生地にはスパイス、ナッツ、ニンジン、フルーツを混ぜ込み、野菜とフルーツの自然な甘みが感じられるため、コーヒーとよく合う。オンラインストアのみの販売で、販売はなくなり次第終了する。冷凍で届けられる。

 スターバックスの1店舗で1日あたり約16kgのコーヒーの豆かすが排出される。同社は2014年から豆かすのリサイクルに取り組んできた。現在、関東や関西の計320店舗から出る豆かすを再利用し、野菜を育てるたい肥や牛のエサにしてきた。豆かすのたい肥で作った野菜はサンドイッチの具材に用いて、エサで育った乳牛のミルクはドリンクの材料になっている。同社では、豆かすのリサイクル率を現在の21%から3年後には50%に引き上げる目標を掲げている。

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「ディオール」がトラヴィス・スコットと描いた広大なアメリカ 美しきアウトサイダーは砂漠を行く

 「ディオール(DIOR)」は、2022年春夏メンズ・コレクションをパリで6月25日に発表した。今シーズンのパリ・メンズ・ファッション・ウイークはデジタルでの発表を選択するブランドが多い中、リアルなショーを開催する同ブランドは目玉といっていいほどの注目の高さである。さらにショー前日には、アメリカ人ラッパーのトラヴィス・スコット(Travis Scott)とのコラボレーションが発表され、世界中で話題となった。

会場に広がる砂漠と花に意味

 ショーは、パリ左岸にあるオテル・デ・ザンヴァリッド(L'hotel des Invalides)に作った特設ス会場で行われた。オスマン建築のパリらしい街並みが広がる光景から一転、会場内は本物の土とバラやサボテンの巨大なインスタレーションが飾られた異空間。これは、創設者クリスチャン・ディオール(Christian Dior)が幼少期に過ごした自宅のバラ園と、スコットが生まれ育ったアメリカ・テキサスのサボテンの庭園をイメージしたもの。創設者のディオールが自身のデビューコレクションを携えて1947年にアメリカへ渡った際、最初に立ち寄ったテキサスに感銘を受けたという。グランドキャニオンと広大な砂漠、アメリカのスピリットについて「人生と自信に対する熱意」という言葉を残している。キム・ジョーンズ(Kim Jones)=メンズ アーティスティック ディレクターは「ディオール」とテキサスのつながりにインスピレーションを得て、友人であるスコットと共に異なる2つの文化の対話を試みたのだ。

強さと美が共存する“カクタス ジャック ディオール”

 今季のコレクションは。スコットのレーベルであるカクタス ジャック(Cactus Jack)にちなんで“カクタス ジャック ディオール”と名付けられた。漆黒のファーストルックが登場した瞬間、この“対話”が成功であることを確信した。テーラードコートの肩のラインはなだらかで、ウエストは緩やかに曲線を描き、コレクションの大半を占めたフレアパンツのシルエットが際立つ。そして胸元に輝くカクタス(サボテン)のきらびやかなブローチや、フランスのボブハットにアメリカのビーニーを融合させた新型のハット、ボリュームのあるスニーカーといった得意のアクセサリーも存在感を放つ。ほかにも身頃の高い位置で留めるジャケット“テイラー オブリーク”をアクティブなショーツと合わせたり、トラックパンツのサイドにはカウボーイ風のゴージャスなゴールドボタンをちりばめたりと、フォーマルとストリートウエアの境界線を軽やかに越えていく。

 Tシャツやスエットを飾るプリントや刺しゅうは、スコットによる手描きのグラフィックをアレンジしたもの。ショー中盤に登場したハンドペイントシャツは、コンテンポラリーアーティストのジョージ・コンド(George Condo)が制作。この作品はショー後にオークションにかけられ、その収益は次世代のクリエイティブな才能をサポートするための奨学金に充てられる。アクセサリーは、ダブル仕様のサドルバッグのほか、1960年代のアーカイブのダイヤモンドモノグラムを配したミニトランクやバックパック、キャッチーなスニーカーやモンクストラップのサンダルなど、豊富なラインアップだ。

 コレクションを彩るモーブやカフェ、ピスタチオ、ペールールブルーといったカラーパレットは、創設者ディオールがテキサスの広大な砂漠から着想を得てオートクチュールに反映させた色彩だ。この淡く美しいトーンが漂わせるエレガンスと、ファッション界と音楽界の新たな道を開拓してきた両者の強さがスタイルを通じて滲み出し、美しきアウトサイダーたちの歩みを想起させるショーだった。

 フィナーレでは、最前列でショーを観覧していたスコットがランウエイに登場してキムと抱き合った。割れんばかりの拍手喝采で会場の熱狂がピークに達し、ショーは閉幕。キムは現職に就任以降、アーティストのカウズ(KAWS)やケニー・シャーフ(Kenny Scharf)らとシーズンごとにコラボレーションを繰り返してきたが、今シーズンもメゾンのコードをさらに拡張させることに成功したといえるだろう。クチュールメゾンの技術を継承するだけでなく、創設者のストーリーをキム自身のライフスタイルと結びつけ、過去の現在の“対話”を通じて現代に蘇らせたのだ。このコレクションは、既存顧客からヒップホップコミュニティーまで、あらゆる客層に響くだろう。創設者ディオールがテキサスを訪れたのは今から74年前――長い時を経て、テキサス出身の前衛的なミュージシャンのアイデンティティーと、パリを代表するクチュールメゾンのヘリテージが融合し、大輪の花を咲かせた。

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