日本が世界に誇る音楽フェスの代名詞「フジロックフェスティバル’23(FUJI ROCK FESTIVAL ’23)」が7月28〜30日の期間で開催される。山間部の1.96平方kmという広大な敷地を舞台に、200組を超えるアーティストが全11ステージでパフォーマンスを繰り広げることもあり、現地に到着してからタイムテーブルと睨めっこしているようでは狼狽しかねません。そこで、時間の有効活用と未知のアーティストとの出会いを兼ねて、独断と偏見による“観るべきアーティスト”を各日4組ずつご紹介いたします。それぞれ「スポティファイ(Spotify)」と「アップル ミュージック(Apple Music)」へのリンクと共に、おすすめのMVやライブ映像を1つ添えておきますので、道中の新幹線や車中でお楽しみいただければ幸いです。
2015年に自主制作盤「When I Fails You」でデビューしてからしばらくは、エクスペリメンタルな音楽家として活動していたものの、作品を発表するごとにロックへと少しずつ舵を切り、今では次世代のロックスターへと変貌を遂げたイヴ・トゥモア(Yves Tumor)。3月にリリースした5thアルバム「Praise a Lord Who Chews but Which Does Not Consume; (Or Simply, Hot Between Worlds)」では変化が顕著に感じられ、キャリアで最も完成度が高いと絶賛されているので、騙されたと思って一度再生ボタンをタップしてみてください。
フランク・オーシャン(Frank Ocean)の名盤「Blonde」に作曲やアレンジとして参加したことをはじめ、トラヴィス・スコット(Travis Scott)やアミーネ(Amine)、カリ・ウチス(Kali Uchis)らメジャーアーティストのヒット作品に携わっている、サウスロンドン出身のプロデューサーでDJのジョー・ソーナルリー(Joe Thornalley)。そんな彼のソロプロジェクト、ヴィーガン(Vegyn)は、何度か来日公演を行なっているのですが、なんと「フジロック」で初のライブセットを披露予定とのこと。これから聴き始めるという方は、19年発表のミックステープ「Text While Driving If You Want to Meet God!」は71曲を、22年発表のミックステープ「Don’t Follow Me Because I’m Lost Too!」は75曲を収録しているので、一見躊躇するかもしれません。
「WWDJAPAN」2020年5月11日号で表紙を飾ったこともあるベーシストでシンガーソングライターのサンダーキャット(Thundercat)が、「I Love Louis Cole」という楽曲まで制作してしまうほどの才能の持ち主が、ルイス・コール(Louis Cole)です。ジャズのバックグラウンドを持つ技巧派ドラマーでありながら、ファルセット・ヴォイスを武器としたシンガーソングライターやプロデューサーとしても活躍する異能中の異能。「F it up」のライブセッション映像は、最初から最後まで全力でふざけていながら、随所で高度なスキルが暴力的に披露されているので必見です。
個人的にアイスランド出身のアーティストといえば、ビョーク(Bjork)やシガー・ロス(Sigur Ros)、オーラヴル・アルナルズ(Olafur Arnalds)らと共にパッと思い付くのが、アウスゲイル(ASGEIR)です。代表曲「King And Cross」をはじめとするアコースティックとエレクトロニックを融合させた美麗なサウンドは、夜間のフィールド・オブ・ヘブンとの相性抜群でしょう。問題は、レッドマーキーでFKJを最後まで観てしまうと、アウスゲイルのパフォーマンスには100%間に合わないということ。レッドマーキーからフィールド・オブ・ヘブンまでは、混雑していない明るい時間帯でも30分以上はかかるので、FKJとアウスゲイルの両獲りを目論んでいた方はご注意ください。
「翌日は月曜日だし、早めに帰るか」などと考えている方は、ヤング・ベー(Yung Bae)を観なかったことを向こう数年は後悔するかもしれません。シティ・ポップやファンクの派生ジャンルにあたるフューチャー・ファンクおよびヴェイパー・ウェイヴの先駆者で、日本のアニメ楽曲や1980年代のシティ・ポップを大胆にサンプリングした楽曲を多数抱えており、「Japanese Disco Edits」といったシリーズまで展開しています。深夜のレッドマーキーことサンデー・セッションがディスコ化すること間違いなしなので、今のうちに有給申請をしておきましょう。
“Praise to the Sea”から。シロナガスクジラの親子が寄り添いながら泳ぐ姿を投影したネックレス
「ミキモト(MIKIMOTO)」は2023年、真珠養殖成功130周年を迎えた。それを記念した新作ハイジュエリーコレクション“Praise to the Sea(プレイズ トゥ ザ シー)”が登場。同コレクションは、ブランドの原点でもある海へオマージュをささげている。大海原を泳ぐ魚の群れや浅瀬から深海へカラーのグラデーション、水面に反射する光まで、海のさまざまな表情を見事なクラフツマンシップで描き出した。真珠をはじめ、色とりどりの宝石を組み合わせて海の世界をドラマチックに表現している。“Praise to the Sea”は10月7日、日本から順次発売。