
兵庫県西宮市に2008年開業した阪急西宮ガーデンズ(運営:阪急阪神ビルマネジメント)は、テナントの充実ぶりや売り上げ規模などからも関西を代表する郊外型ショッピングセンター(SC)と呼ばれている。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月29日号からの抜粋です)
■今回の調査員
黒田朱里(41)
PROFILE:広告代理店出身。結婚と 同時に大阪へ転居。現在はマネジメン ト業を営み、東京と大阪でのデュアルラ イフを送っている。関西に来てから百 貨店ファンに。買い物は、とことん吟味してから買う慎重派
福原大輔(47)
PROFILE:全国メディアに勤務。これまでに富山、大津、名古屋、大阪、東京、札幌に住み、出張も含めると47都道府県全てに行ったことがある。訪れた先々で百貨店や商店街、ショッピングセンターを巡るのがライフワーク
黒田調査員2024年7月5日(金)13:30~ 晴れ 30℃ 福原調査員2024年7月1日(月)11:00~ くもり 26℃
ILUUSTRATION:ERI KOJIMA
【建築デザイン・環境設計】

福原:西宮市は南から順番に阪神、JR、阪急の各鉄道路線が走っています。北にいくほど不動産価格が上がり、中でも阪急沿線は可処分所得の多い世帯が多い。関西弁で言うところの「ええとこ」です。
黒田:東京の二子玉川に近いかも。二子玉川に高島屋を核にした玉川高島屋S・Cがあるように、西宮北口には阪急百貨店を核にした阪急西宮ガーデンズがある。
福原:名前の通り緑が多いですね。屋上庭園「スカイガーデン」は六甲山系に自生する樹木や桜、果樹で緑化されています。館内の1階は、吹き抜けに高さ3~5mの植栽が並んでおり、街路樹が並ぶ屋外の通りを歩いているようです。
黒田:スカイガーデンの噴水で子供たちが水遊びしている光景はいいですね。休憩スペースも多い。平日とはいえたくさんの人が来店しており、多くの人が座っていましたが、そのわりに空席がある。
【MD】

福原:「日常のちょっとしたぜいたく」を提供する施設だと感じました。子育て世代が多いエリアだけに、ファミリー向けの店舗が多い。今春開店した子ども靴店「イフミー」は西日本初出店。インナーソールの指の位置にくぼみがあり、そこに指が収まるとジャストサイズ。子ども靴は成長や足の健康のためにも、いかにぴったりした靴を買うかが大変なので、これは助かります。
黒田:食品は「カルディ」「アコメヤ」「成城石井」「久世福商店」、そして大型スーパー「イズミヤ」。毎日の食品だけでなくこだわった食品も買いたい人の気持ちにしっかり寄り添っています。
福原:地元や関西の名店の顔ぶれには驚きました。クリームパンが人気の芦屋市の名店「ローゲンマイヤー」。新規出店した「三田屋本店-やすらぎの郷-」は、ハム・ソーセージの老舗「三田屋」が関西中心に出店するレストラン業態です。フードコートの「たけふく」は地元で知る人ぞ知る店で、カツ丼、親子丼が人気です。
【接客・サービス】

黒田:「コスメリメイク」で、私が商品名を思い出せずに形状を伝えたところ、きちんと言い当ててくれました(笑)。「当店にはありませんが、『プラザ』や『ロフト』なら取り扱っていますよ」と教えてくれました。親身な接客に好感を持ち、スキンケアの話を聞かせてほしいとリクエストすると、説得力のある商品説明をしてくれ、言われた商品を納得して購入。楽しい買い物体験ができました。
福原:子どもに対する接客は素晴らしい。買い物に飽きないように声をかけたり、あやしたり。ひざを折って姿勢を低くして話しかけているのはとてもいいなと感じました。子どもが楽しんでいると、親も楽しく、安心して買い物ができます。
黒田:「ラコステ」で贈り物を探していたら、サイズが欠品。スタッフは大丸梅田店の在庫を確認してくれました。私は帰り道に大丸梅田店に立ち寄って無事購入。テキパキと手配をしてくれました。
【全体】

福原:あえて注文をつければ街の歴史を紹介するような展示があってもいい。5階の小さなメモリアルコーナーでは阪急西宮スタジアムや阪急ブレーブスを紹介していますが、説明が不十分です。球場の模型には詳しい説明文がなく、若いお父さんが子どもに「甲子園球場やで」と話していたのは、とても悲しかった。
黒田:期待を超える充実ぶりでした。大阪にもこんなにきれいにまとまったモールはないし、都内にもないのでは?と感じています。日頃、百貨店でしか見かけないブランドも多くあるように感じ、阪急百貨店が併設されていることなどを考えると、「タイパが良い施設」でした。
【合計得点】

The post 「阪急西宮ガーデンズ」沿線住民に愛されるグレード感 連載「ミステリーショッパーが行く!」 appeared first on WWDJAPAN.