同ブランドの2024-25年秋冬コレクションはビル・カニンガムの“Fashion is the armor to survive the reality of everyday life.”(ファッションは日常を生き抜くための鎧である)という言葉に着想を得て、「サカイ」のハイブリッドの技術を用いてドレスのみで構成された。
アイリッシュ・ポエットやビート文学の話題で意気投合し、地元のパブでテーブルを囲みながら詩を書き始めたことが曲作りの始まりだったというデビュー・アルバム「Dogrel」(2019年)。ブラック・ミディやシェイムなどサウス・ロンドンの新世代と共振する現行ポスト・パンクの一角として早くから注目を集め、国内外の名だたる音楽賞で受賞やノミネートを重ねるなか、4年前にリリースした2ndアルバム「A Hero's Death」(2020年)がグラミー賞で「Best Rock Album」の候補に選出。U2やシネイド・オコナーに続く母国のグラミーノミニーとなり、今やグローバルな評価を手にするに至ったか彼らの軌跡は、復調が叫ばれて久しい昨今のロック・シーンにおいても際立った例といえるかもしれない。
トム:「Here's The Thing」かな。あの曲は、このアルバムがこれまで自分たちがやってきたこととは全く違うものである、ということを体現していると思う。「このアルバムが何を表現しようとしているのか?」という問いに対する答えの多くと結びついているというか。
カーリー:「In The Modern World」もそうだと思う。あのストリングスのパレットは、ある意味、この世界の縮図のようなものなんだ。まるでこの世界の複雑で美しい混沌を映し出しているような、そんな感覚があのストリングスにはある。その感覚が、このアルバムの核となる部分を支えているのは間違いないと思う。
トム:間違いなく「Here's The Thing」だと思う。この曲は、僕らがスタジオで書いた最後の曲だったと思う。最後のスタジオ・セッションの日、全てのトラックを仕上げた後にみんなでジャム・セッションを始めたら、突然この曲が生まれたんだ。まるで、曲自体が自分から飛び出してくるような感覚だった。どのアルバムにも自分たちの分身がいるような気がするけど、この曲は特に僕たちの本質を如実に表していると思う。そう、この曲はただ演奏して踊り出したくなるような、純粋な衝動に突き動かされるような曲なんだ。だから「Here's The Thing(※ここに本質がある)」ってタイトルにしたんだ。
——今回のアルバムでは、特に「Desire」や「In The Modern World」で聴ける、グリアンの情熱的でロマンチックな歌声も深い印象を残します。グリアンは昨年、内省的なソロ・レコードを発表しましたが、側(はた)から見て彼の変化を感じたり、何か思うことはありましたか。
——オープニングの「Romance」には、「maybe romance is place(きっとロマンスこそが居場所)」という印象的なフレーズがあります。フォンテインズD.C.の作品では、これまで常に「場所」がテーマとして描かれていて、そこにはアイルランド人としてのアイデンティティーをめぐる問題がさまざまな形で反映されてきました。ただ今作では、そうしたテーマ、いわば自分たちを縛り縛り付けてきた「場所」から解き放たれたような、そんな印象を受けます。
カーリー:「I'm the pig on the Chinese calendar(僕は中国暦の豚)」(「Starburster」)かな?(笑)。いや、絞れないよ。でも、「maybe romance is a place」は気に入っている。歌詞を並べていくうちに、曲全体の風景が鮮やかに浮かび上がってきて、自分自身もその世界の中に引き込まれていった。まるで新しい自分に出会えたような感覚だった。「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」みたいに想像力の扉が開かれたというか、「もしかしたらロマンスは実在するのかもしれない」って思わせてくれる。つまり、イマジネーションが現実を彩り、新たな世界を生み出すんだ。
トム:「Horseness is the Whatness」だね。あの曲の歌詞は、客観的に見ても本当に美しい。このアルバム全体の核心を突いているような、強烈なインパクトがある。このアルバムの全ての瞬間を凝縮していて、心に深く残るんだ。
TRACKLISTING:
1. Romance
2. Starburster
3. Here’s The Thing
4. Desire
5. In The Modern World
6. Bug
7. Motorcycle Boy
8. Sundowner
9. Horseness is the Whatness
10. Death Kink
11. Favourite
12. I Love You (Live at Red Rocks) *bonus track for Japan
アイリッシュ・ポエットやビート文学の話題で意気投合し、地元のパブでテーブルを囲みながら詩を書き始めたことが曲作りの始まりだったというデビュー・アルバム「Dogrel」(2019年)。ブラック・ミディやシェイムなどサウス・ロンドンの新世代と共振する現行ポスト・パンクの一角として早くから注目を集め、国内外の名だたる音楽賞で受賞やノミネートを重ねるなか、4年前にリリースした2ndアルバム「A Hero's Death」(2020年)がグラミー賞で「Best Rock Album」の候補に選出。U2やシネイド・オコナーに続く母国のグラミーノミニーとなり、今やグローバルな評価を手にするに至ったか彼らの軌跡は、復調が叫ばれて久しい昨今のロック・シーンにおいても際立った例といえるかもしれない。
トム:「Here's The Thing」かな。あの曲は、このアルバムがこれまで自分たちがやってきたこととは全く違うものである、ということを体現していると思う。「このアルバムが何を表現しようとしているのか?」という問いに対する答えの多くと結びついているというか。
カーリー:「In The Modern World」もそうだと思う。あのストリングスのパレットは、ある意味、この世界の縮図のようなものなんだ。まるでこの世界の複雑で美しい混沌を映し出しているような、そんな感覚があのストリングスにはある。その感覚が、このアルバムの核となる部分を支えているのは間違いないと思う。
トム:間違いなく「Here's The Thing」だと思う。この曲は、僕らがスタジオで書いた最後の曲だったと思う。最後のスタジオ・セッションの日、全てのトラックを仕上げた後にみんなでジャム・セッションを始めたら、突然この曲が生まれたんだ。まるで、曲自体が自分から飛び出してくるような感覚だった。どのアルバムにも自分たちの分身がいるような気がするけど、この曲は特に僕たちの本質を如実に表していると思う。そう、この曲はただ演奏して踊り出したくなるような、純粋な衝動に突き動かされるような曲なんだ。だから「Here's The Thing(※ここに本質がある)」ってタイトルにしたんだ。
——今回のアルバムでは、特に「Desire」や「In The Modern World」で聴ける、グリアンの情熱的でロマンチックな歌声も深い印象を残します。グリアンは昨年、内省的なソロ・レコードを発表しましたが、側(はた)から見て彼の変化を感じたり、何か思うことはありましたか。
——オープニングの「Romance」には、「maybe romance is place(きっとロマンスこそが居場所)」という印象的なフレーズがあります。フォンテインズD.C.の作品では、これまで常に「場所」がテーマとして描かれていて、そこにはアイルランド人としてのアイデンティティーをめぐる問題がさまざまな形で反映されてきました。ただ今作では、そうしたテーマ、いわば自分たちを縛り縛り付けてきた「場所」から解き放たれたような、そんな印象を受けます。
カーリー:「I'm the pig on the Chinese calendar(僕は中国暦の豚)」(「Starburster」)かな?(笑)。いや、絞れないよ。でも、「maybe romance is a place」は気に入っている。歌詞を並べていくうちに、曲全体の風景が鮮やかに浮かび上がってきて、自分自身もその世界の中に引き込まれていった。まるで新しい自分に出会えたような感覚だった。「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」みたいに想像力の扉が開かれたというか、「もしかしたらロマンスは実在するのかもしれない」って思わせてくれる。つまり、イマジネーションが現実を彩り、新たな世界を生み出すんだ。
トム:「Horseness is the Whatness」だね。あの曲の歌詞は、客観的に見ても本当に美しい。このアルバム全体の核心を突いているような、強烈なインパクトがある。このアルバムの全ての瞬間を凝縮していて、心に深く残るんだ。
TRACKLISTING:
1. Romance
2. Starburster
3. Here’s The Thing
4. Desire
5. In The Modern World
6. Bug
7. Motorcycle Boy
8. Sundowner
9. Horseness is the Whatness
10. Death Kink
11. Favourite
12. I Love You (Live at Red Rocks) *bonus track for Japan
香りは、フランスの調香師ジャン・シャルル・ソムラール(Jean Charles Sommerard)が手掛けた。トナー2種とクリーム、ミストは、シャクヤクとバラのフローラルノートと、甘いバニラが融合する“ロイヤルピオニー”の香り。セラムは、みずみずしいヒヤシンスとスズランに、優しいジャスミンと爽やかなグリーンを合わせた“サマーフラワー”の香り。天然由来の原料を使用し、クルエルティフリー(動物実験をしない)かつビーガンの香りづくりにこだわった。
香りは、フランスの調香師ジャン・シャルル・ソムラール(Jean Charles Sommerard)が手掛けた。トナー2種とクリーム、ミストは、シャクヤクとバラのフローラルノートと、甘いバニラが融合する“ロイヤルピオニー”の香り。セラムは、みずみずしいヒヤシンスとスズランに、優しいジャスミンと爽やかなグリーンを合わせた“サマーフラワー”の香り。天然由来の原料を使用し、クルエルティフリー(動物実験をしない)かつビーガンの香りづくりにこだわった。