AOKIが “100万円超え”のオーダースーツってホンキ? その意図を聞いた

紳士服量販店のAOKIは27日、銀座本店のパーソナルオーダースーツコーナーをリニューアルする。急増する銀座エリアの訪日客と富裕層の取り込みを狙い、オーダースーツの価格の天井を従来の30万円から100万円以上へと引き上げる。

今回、銀座本店限定の最高価格帯の生地として用意したのが、仏「ドーメル(DORMEUIL)」の最高級ウール地“プレジデント(PRESIDENT)”。パターンオーダーのシングルスーツで仕立てると110万円、ダブルスーツでは121万円に達する。生地から受注生産となるため、納品まで1カ月程度を要する。そのほかにも、「スキャバル(SCABAL)」の“イートン(ETON)”(シングルスーツで33万円)、「ドラゴ(DRAGO)」の“スカイフォール(SKYFALL)”(同)など、高級スーツ生地のラインアップを拡充。オーダーシャツやポケットチーフ、ベルトやシューズなど周辺商品においても高額品のラインアップを強化する。銀座本店の店舗最奥にあるオーダースーツゾーンは、ソファーとレコードプレーヤーを設置して、くつろぎながらサービスを受けられるようにした。

実際のニーズとは途方もない乖離
何が目的で「100万円」なのか

ただスーツ量販店のイメージが根強いAOKIで、果たして100万円のスーツが売れるのか。これまでのオーダースーツの平均単価は「8万円程度」といい、実際の購買ニーズとは途方もない乖離がある。

AOKIの小出大二朗・副社長執行役員は次のように話す。

「“100万円のスーツ”というのは、あくまでわれわれの姿勢を象徴するものであり、もちろんこれを主力として売っていくわけではない。ただこの100万円のスーツも、買う場所によっては1.5倍くらいになるだろうから、十分に“お値打ち”だと誇れるもの。私たちは『高い』『安い』に関わらず、スーツを価格以上の価値で提案することができることが強み。富裕層のお客さまとはいえ、百貨店などで数十万円もするオーダースーツを買うには少し敷居が高いと感じる人もいる。そんなお客さまの受け皿になれば、十分に商機はある」。コロナ禍以降は銀座における訪日客のトラフィック急増とともに、銀座本店でも中国や台湾、香港などアジア圏からの来店が増えており、彼らへの訴求も念頭にある。

オーダーサロンで接客力を伝え
“AOKI”へのエンゲージメントを強化

オーダースーツのハイエンド軸の強化には、富裕層と訪日客ニーズの刈り取りに加え、もう1つの狙いがある。それは「接客の価値」を伝えることだ。銀座本店のサロンにはオーダースーツのフィッティング技術に長けたスタイリストが常駐し、「百貨店にも負けないホスピタリティーと技術で接客できる」と誇る。

同社は既製品においても高価格帯の商品を強化し、「安くてそれなり」の量販店のイメージから脱却を進めている。昨年に発売した“金のスーツ”は1着8万円以上と高額ながら、計画比35%増と好調に推移している。「顧客が納得する高品質とそれを伝える接客があれば、高額商品でも売れる」(小出副社長)と自信を深める。「これまでスーツ量販店の接客というのは期待されない部分でもあったかもしれない。だが、オーダーサロンでの購入を通じて当店の接客技術やおもてなしを体験していただけば、“AOKI”に対して抱くお客さまのイメージがいい方向に変わっていくはずだ」。

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ワコールHDが英国インナー企業ブラビッシモ・グループを買収 伸長するプラスサイズとECを強化


ワコールホールディングス(HD)は、英国子会社であるワコール・ヨーロッパを通じて、英国の女性用インナーウエアや水着の企画開発・販売を行うブラビッシモ・グループ(以下、ブラビッシモ)の株式100%を取得する。取得価格は4570万ポンド(約85億円)。

同グループは、1995年に創業。「ブラビッシモ(BRAVISSIMO)」ブランドとしてDカップ以上のプラスサイズを中心に商品展開しており、英国内に25の直営店を構えるほか、自社ECを運営している。2023年10月期の売上高は5803万ポンド(約107億円)、純利益は246万ポンド(約4億円)だった。

ワコールHDはこの買収を通して、欧州でのEC事業の強化を図ると共に、伸長する大きいカップサイズ市場の強化を図る。また、卸が中心だったワコール・ヨーロッパは、ブラビッシモの直営店が加わることで消費者へ直接アプローチができるようになる。一方で、ブラビッシモは今回の買収により、英国外への市場拡大を視野に入れている。

ワコール・ヨーロッパでは、「ファンタジー(FANTASIE)」「フレヤ(REYA)」「エロミ(ELOMI)」といったプラスサイズのブランドを展開しており、「ブラビッシモ」が加わることで、プラスサイズ市場における主要企業として存在感アップを図る。

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ワコールHDが英国インナー企業ブラビッシモ・グループを買収 伸長するプラスサイズとECを強化


ワコールホールディングス(HD)は、英国子会社であるワコール・ヨーロッパを通じて、英国の女性用インナーウエアや水着の企画開発・販売を行うブラビッシモ・グループ(以下、ブラビッシモ)の株式100%を取得する。取得価格は4570万ポンド(約85億円)。

同グループは、1995年に創業。「ブラビッシモ(BRAVISSIMO)」ブランドとしてDカップ以上のプラスサイズを中心に商品展開しており、英国内に25の直営店を構えるほか、自社ECを運営している。2023年10月期の売上高は5803万ポンド(約107億円)、純利益は246万ポンド(約4億円)だった。

ワコールHDはこの買収を通して、欧州でのEC事業の強化を図ると共に、伸長する大きいカップサイズ市場の強化を図る。また、卸が中心だったワコール・ヨーロッパは、ブラビッシモの直営店が加わることで消費者へ直接アプローチができるようになる。一方で、ブラビッシモは今回の買収により、英国外への市場拡大を視野に入れている。

ワコール・ヨーロッパでは、「ファンタジー(FANTASIE)」「フレヤ(REYA)」「エロミ(ELOMI)」といったプラスサイズのブランドを展開しており、「ブラビッシモ」が加わることで、プラスサイズ市場における主要企業として存在感アップを図る。

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「調査官ク・ギョンイ」脚本家ユニット のソンチョイ「チームの結束からおもしろい作品が生まれる」

PROFILE: ソンチョイ/脚本家

ソンチョイ/脚本家
PROFILE: 映画業界でそれぞれキャリアを積んできた二人の脚本家によるユニット。「自分たちが見たいドラマを作る」ために結成し、「ソンチョイ」という名前で共通のアイデンティティを表している。代表作「調査官ク・ギョンイ」は、スリルとユーモアが絶妙に交錯するコミカルな追跡劇として世界的にヒット。ゲーム中毒の保険調査員ク・ギョンイが、事故に見せかけた連続殺人事件を解明していくストーリーで、個性的な女性キャラクターたちや男性クィアカップルの登場が話題を呼び、韓国ドラマに新たな視点をもたらした。 PHOTO:PARK SEUNG HWA

第5次と呼ばれる韓流ブームが到来している。もはや一過性のブームではなくスタンダードであり、日本のZ世代の「韓国化」現象にもつながっているのは明白だ。その韓流人気をけん引してきた1つが韓国ドラマ。本企画では有名韓国ドラマの脚本家にスポットを当て、物語の背景やキャラクターからファッションに至るまでの知られざる話を紹介する。

Vol.5は脚本家ユニット 、ソンチョイが登場する。代表作「調査官ク・ギョンイ」は韓国のネット社会を反映させたスピード感のある脚本で話題になった。同作の制作秘話から、映像コンテンツ業界の現状と今後の課題までを聞いた。

――韓国のどのような社会問題が脚本に影響を与えていますか?

ソンチョイ:ある事件の被害者がメディアの矢面に立つことで、社会的なアクションにつながる事件に注目することが多いですね。

具体的な例としては、最近あった「モッタン(たくさん食べる、大食い)」女性ユーチューバーへの虐待事件です。女性自らが元恋人からの暴力や恐喝を動画で訴えたことで、自然にユーザーが彼を糾弾する動きが起こりました。ネット上で見られる反応は性別ではっきりと分かれていて、20〜30代の女性たちは支持や共感する声が多く、同年代の男性たちは真逆の反応でした。こういった現象は韓国社会でも何度も繰り返されてきましたが、被害者が社会改革のために行動を強いられてから初めて内情や誹謗中傷に対する理解が広がるのではなく、周囲が被害者を守りながら変化を起こしていくことが大切です。

加えてさまざまなニュースがありますが、政治や経済に関する話題に意識が向くことが多いですので、投票を通じてしっかりと自分の意見を反映させたいと考えています。

――韓国の映像業界の現状についてどう思いますか?

ソンチョイ:世界的に韓国ドラマや映画は人気があったため、コロナ禍前は市場が急成長していて予算も含めて大規模な物語の制作依頼が相次ぎました。しかしコロナ禍後は、急激に市場が縮小し、低予算で小規模なものを作る風潮になっていますので、作家が描きたい物語をつくるのは難しい状況です。

加えて、韓国のコンテンツが世界に通用するという認識が広まる中で、以前は国内向けに書いていたストーリーも海外の視聴者を意識するようになりました。韓国だけで共感される物語よりも、もっと人間の普遍的な物語を書く必要性も感じています。

――海外向けと国内向けのもの作りで異なる点はどのようなことですか?

ソンチョイ:海外でもヒットしたドラマ「調査官ク・ギョンイ」は、韓国人向けの言葉遊びやネットミームを多用したため、韓国のネット文化を知っている人ほど楽しめる脚本でした。後にこの作品は世界へ発信されることが決まったのですが、言葉の意味だけでなく文脈や感情、ニュアンスなども含めて翻訳する難しさがありました。今後はそうしたドメスティックでニッチな部分はできるだけ少なくして、どの国の人が見ても同じように楽しめる、誠実さや素直な気持ちが込められた物語が書きたいですね。

――今後のキャリアをどう考えますか?

ソンチョイ:明日どう生きていくかもわからない状況です(笑)。先ほどお話した通り、業界は縮小傾向にあるので、市場がどのように変わっていくか正直わからないですね。でも、物語の力は必ずあると思うので、その核となる部分を作る必要性を感じています。 ですので、今年、今まで映画やドラマで一緒に仕事をしてきた友人たちと会社を立ち上げました。代表は、「調査官ク・ギョンイ」に出演していた俳優兼映画監督のチョ・ヒョンチョルさんで、他にも映画監督がいます。もっと精力的に映像作品を作っていく予定です。

――会社を立ち上げた理由を教えてください。

ソンチョイ:フリーランスは単発の仕事に追われがちなので長期的な目標に向けた活動がしづらく、キャリアの蓄積につながらない印象がありました。ですが、2人で活動することでお互いを支援したり、高め合えることができました。今後は会社としての機能を持ちながら、多くのスタッフとの結束を強めることでより良い仕事ができると考えています。

――「調査官ク・ギョンイ」の主人公は人気俳優のイ・ヨンエさんで、引きこもりの元警察官のボサボサヘアとトレンチコート、ジャージ姿など、絶妙にハズしたファッションに定評がありました。キャラクターを作る上でファッションの重要性はどのように考えていますか?

ソンチョイ:キャラクターの特徴を視覚的に伝える衣装やヘアスタイルは本当に大切な要素ですね。プロセスは私たちがキャラクターの服やアクセサリー、髪型の参考になる画像や資料を事前に集めておき、監督や俳優たちにイメージとして共有します。「調査官ク・ギョンイ」の場合は、毎日ゲームをやっているアルコール中毒の引きこもり中年女性だったので、ジャージ姿に何日も洗っていないような乱れたヘアスタイルをイメージしていました。そのアイデアをもとに、俳優自身の創造性を加えてキャラクターを作り上げていきます。主人公がTシャツを反対に着ているシーンがありますが、私たちのイメージではなく、イ・ヨンエさんがだらしなさやナードを表現したものです。あの時はすごく感動しましたね。

ドラマ撮影に入っていく過程で、俳優やスタッフたちの力は絶大です。私たちは、コンセプトを共有しますが、それを発展させていくのは俳優やスタッフたちですから。

TRANSLATION:HWANG RIE
COOPERATION:HANKYOREH21, CINE21, CUON

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3Dプリンターで作るパーソナライズ・サプリグミ「ナリッシュ3D」がポップアップを開催

英パーソナライズ・サプリメントグミブランド「ナリッシュ3D(NOURISH3D)」は9月26日〜10月6日、日本橋のコレド室町テラスでポップアップイベントを開催する。3Dプリンターで、7種の栄養成分を1粒にしたサプリグミを販売する。

「ナリッシュ3D」は、3Dプリント技術を活用した栄養食品を提供する英スタートアップのレメディ・ヘルス(REM3DY HEALTH)が手掛けるサプリブランド。ウェブサイト上で回答した睡眠状況や体調、食生活、運動頻度、味の好みなどを基に32種の栄養成分・600億通りの中から、一人一人に合うサプリグミをイギリスの工場で製造し、注文から2〜3週間ほどで届ける。商品は全てビーガン対応で、アレルゲン不使用。7層に重なるカラフルでポップな見た目が特徴。28個入りの定期購入価格は8000円(単品売りは1万2000円)で、初月は半額で提供する。

同ブランドは現在、ヨーロッパとアメリカ、日本で展開しており、日本には2023年8月に上陸。サントリーホールディングスが出資し、味の開発や流通網をサポートしている。中村曜子サントリーホールディングス未来事業開発部によると、顧客は6:4で女性が多く、30代がボリュームゾーンだという。忙しく働きながら、必要な栄養成分を効率良く取りたいと考える人たちをターゲットにしている。世界での売り上げはイギリスがトップで、常設店舗を持つ。日本でも認知を拡大し、工場の設置や店舗のオープン、ドラッグストアでの展開も視野に入れている。

日本国内でのポップアップは、今年1月に開催した渋谷スクランブルスクエア、8月に開催した大阪大丸梅田店に続き3度目。事前に栄養成分を組み合わせて製造した“プレブレンド”(全6種、各1個、各415円/各7個、各2808円)のほか、表参道の若林歯科医院と共同開発した、理想の口腔環境をサポートするサプリグミ“デンタルスタック”(1個、385円/7個、2600円)を販売する。特許を取得した3Dプリンターのデモ機でグミの層を作り上げる様子も披露する。

■「ナリッシュ3D」ポップアップイベント
日程:9月26日〜10月6日
時間:月〜金曜日 11:00〜20:00 / 土日祝 10:00〜20:00
場所:COREDO室町テラス 1階「COREDO室町テラス+」
住所:東京都中央区日本橋室町3-2-1

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3Dプリンターで作るパーソナライズ・サプリグミ「ナリッシュ3D」がポップアップを開催

英パーソナライズ・サプリメントグミブランド「ナリッシュ3D(NOURISH3D)」は9月26日〜10月6日、日本橋のコレド室町テラスでポップアップイベントを開催する。3Dプリンターで、7種の栄養成分を1粒にしたサプリグミを販売する。

「ナリッシュ3D」は、3Dプリント技術を活用した栄養食品を提供する英スタートアップのレメディ・ヘルス(REM3DY HEALTH)が手掛けるサプリブランド。ウェブサイト上で回答した睡眠状況や体調、食生活、運動頻度、味の好みなどを基に32種の栄養成分・600億通りの中から、一人一人に合うサプリグミをイギリスの工場で製造し、注文から2〜3週間ほどで届ける。商品は全てビーガン対応で、アレルゲン不使用。7層に重なるカラフルでポップな見た目が特徴。28個入りの定期購入価格は8000円(単品売りは1万2000円)で、初月は半額で提供する。

同ブランドは現在、ヨーロッパとアメリカ、日本で展開しており、日本には2023年8月に上陸。サントリーホールディングスが出資し、味の開発や流通網をサポートしている。中村曜子サントリーホールディングス未来事業開発部によると、顧客は6:4で女性が多く、30代がボリュームゾーンだという。忙しく働きながら、必要な栄養成分を効率良く取りたいと考える人たちをターゲットにしている。世界での売り上げはイギリスがトップで、常設店舗を持つ。日本でも認知を拡大し、工場の設置や店舗のオープン、ドラッグストアでの展開も視野に入れている。

日本国内でのポップアップは、今年1月に開催した渋谷スクランブルスクエア、8月に開催した大阪大丸梅田店に続き3度目。事前に栄養成分を組み合わせて製造した“プレブレンド”(全6種、各1個、各415円/各7個、各2808円)のほか、表参道の若林歯科医院と共同開発した、理想の口腔環境をサポートするサプリグミ“デンタルスタック”(1個、385円/7個、2600円)を販売する。特許を取得した3Dプリンターのデモ機でグミの層を作り上げる様子も披露する。

■「ナリッシュ3D」ポップアップイベント
日程:9月26日〜10月6日
時間:月〜金曜日 11:00〜20:00 / 土日祝 10:00〜20:00
場所:COREDO室町テラス 1階「COREDO室町テラス+」
住所:東京都中央区日本橋室町3-2-1

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ピース綾部の現在地 渡米5年を機にLAへ移住 「エンタメの地で挑戦することをやめない」

PROFILE: 綾部祐二/芸人

綾部祐二/芸人
PROFILE: (あやべ・ゆうじ)1977年12月13日生まれ。2000年にデビューし、03年に又吉直樹とお笑いコンビ、ピースを結成。15年に「WWDJAPAN」のノージェンダー特集の表紙を飾る。16年にお笑いの活動を休止し翌年ニューヨークへ、22年にロサンゼルスへ移住。著書にアメリカでの生活をつづったエッセイ集「HI, HOW ARE YOU?」。現在YouTube チャンネル「YUJI AYABE from AMERICA」を運営する

レッドカーペットやハリウッド、映画や音楽、ファッションの煌びやかな世界と大自然が共存する大都市ロサンゼルス。世界のエンターテイメントの発信地であるこの地へ、日本からさまざまなクリエイターが移住している。ロサンゼルスに移住して3年、スタイリスト歴23年の水嶋和恵が、ロサンゼルスで活躍する日本人クリエイターに成功の秘訣をインタビュー。多様な生き方を知り、人生やビジネスのヒントを探る。第3回は芸人の綾部祐二が登場。渡米までの人生から現在の居住地ロサンゼルスでのライフスタイルまでを聞く。

レッドカーペットを歩く日を夢見て渡米

水嶋和恵(以下、水嶋):米国へ移住したきっかけは?

綾部祐二(以下、綾部):ハリウッドのレッドカーペットを歩くという夢のためです。ニューヨークに5 年住み、直感的にハリウッドがあるロサンゼルスの地を見てみたいと思い、2022年にロサンゼルスへ移住しました。逆に言えば、ハリウッドがなければロサンゼルスを選んでいなかったと思います。

世界中に、その土地土地のエンタメは存在しますよね。でも、グローバルなエンタメを展開する唯一の地がアメリカだと思うんです。世界中誰もが知る俳優や歌手、テレビ番組や映画が存在し、僕にとってエンタメの“the Highest Mountain(山の頂上)”が、ここハリウッドです。住む場所を選ぶのなら、究極のエンタメ都市であるニューヨークかロサンゼルスの二択でした。ニューヨークに住み、東京の素晴らしさを再認識しましたし、ニューヨークからロサンゼルスに移ったことでニューヨークの良さをさらに感じています。

水嶋:私はロサンゼルスの自然の壮大さに引かれていますが、綾部さんはいかがですか?

綾部:ロサンゼルスが好きな人は、豊かな自然や気候を理由にあげることが多いと思いますが、僕の移住理由は刺激やインスピレーションを受けるためです。都市が好きなんです。東京の恵比寿、原宿、表参道、渋谷のカルチャーも好きですね。あとは、京都にも引かれます。ディズニーランドも外せません!僕にとっては、アーバンカルチャーが主としてあってこそ、自然の存在の素晴らしさを感じることができるんです。

また、ハーレーに乗るので、東京やニューヨークより、カリフォルニアの方が適していました。ニューメキシコ州、コロラド州、ユタ州、アリゾナ州、さまざまな場所をハーレーで駆け巡ります。ロサンゼルスの壮大なエンタメと自然の融合は、東京では感じられないです。都会がありながら、山、森、海へも行くことができるロサンゼルスは、今の僕にとって丁度良い場所です。心地が良いです。

「芸人さん」に憧れた幼少期、工場勤務から上京

綾部:自分の中でのターニングポイントは2つ。芸人を目指し茨城から上京した時と、日本から米国へ移住した時です。まず、小学3〜4年生の時に幼馴染と描いていた夢が「芸人さん」でした。中学、高校と進級するにつれ、幼い頃に思い描いていた夢は、遠いものになっていきましたが、今思えば、お笑いというものを常にテレビ番組を通して追いかけて観ていましたね。

茨城での工場勤務時代は、給料のほとんどをアパレルに散財するほどファッションが好きだったので、東京に上京しショップ店員になろうと思っていました。ある時、いつものように幼馴染と東京に行き買い物をしていると、テレビ番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」のロケに遭遇したんです。「まっちゃん!いつも見ているよ!」と、偶然にも松本さんに声をかけることができました。そして撮影中にダウンタウンさんへ向けられた凄まじい歓声に衝撃を受け、まるで時が止まったようでした。

その夜茨城へ帰り、幼馴染と行きつけの居酒屋で「今俺たちは20歳。10年後の自分たは、子どもが2人ぐらい居て少し太って、ここの居酒屋で『もしかしたら俺らも芸人になっていたかもな』なんて話しているかもね」と。俺たちの夢は芸人になることだったはず。やってダメならまだしも、たられば話をするなんてクソダサい、その時そう思いました。

この出来事がきっかけとなり、上京して吉本の芸人養成所に入り、7年の時を経て松本人志さんと「すべらない話」でテレビ共演も果たしました。そこからブレイクするまでにさらに4年。11年の下積み時代を経て、自分が思い描いていた「芸人さん」になる夢をかなえました。

人気絶頂の最中に米国移住 その真意は

水嶋:コメディアンとしての地位はもちろん、9本のレギュラー番組を持ち、テレビのMCなど多岐に渡って活躍していた最中、なぜ拠点を米国に移したのですか?

綾部:16年には芸人としての仕事を辞め、米国移住への準備を始めました。17年、40歳の時にニューヨークへ。20歳のターニングポイントと同様、10年後の自分を想して「もしかしたら自分はアメリカで活躍していたかもしれない」と思うのは嫌だなと。最初から、無理だ、叶うわけがない、と思いながら夢を追いかける人はいないですよね。自分自身が、絶対にできる、もしくはもしかしたらできる、と信じることが大切だと思うんです。

水嶋:自分の描く夢がきっとかなうと思わせてくれる、素敵な言葉ですね。夢があっても踏み出せない人へ、何かアドバイスはありますか?

綾部:単純に僕は「できなかったことはあるけど、やらなかったことはない」と思って人生を終えたいんです。やって出来なかった後悔より、あの時やっていればの後悔は一生自分につきまとう。やって出来なかったことは経験としてプラスになるけれど、あの時やっていればの気持ちは怨念として残る。

水嶋:私も同じ気持ちです。ロサンゼルスへの強い気持ちがあり、渡米を決断して本当に良かったと思います。米国への移住、そして異国の地で夢をかなえることは、ハードルが高いでしょうか?

綾部:米国に移住するなんて大変!と思われる方もいるかもしれませんが、自分は特にハードルが高いと思ったことはありません。行きたい場所がアメリカだった。それだけです!

水嶋:ロサンゼルスでは、どのような活動をしていますか?

綾部:連載の「ロサンゼルスで活躍するクリエイター」と趣旨は異なるかもしれませんが、夢に向かってもがいているのが仕事ですかね。そう言っても良いですか?(笑)

水嶋:自分の好きなことを、好きな場所でしている、それが既に成功なのではと私は感じます。綾部さんはどのようなライフスタイルを送っていますか?

綾部:ハーレーに乗ってランカスターやマリブへ行ったり、バイク仲間のいる行きつけのショップに行ったりして過ごしています。

水嶋:ローカルの仲間との触れ合いは素敵ですね。綾部さんのSNSで垣間見られますが、他にはどのようなコンテンツを発信していますか?

綾部:僕のYouTube チャンネル「YUJI AYABE from AMERICA」では、自分の好きなタイミングで、自分の好きなものを撮影して発信しています。それを楽しく観てくれる人がいれば十分ですね。インスタグラムは、自分を振り返るフォトアルバムみたいな感覚です。

エンタメの地で挑戦することをやめない

水嶋:米国での暮らしでは英語力が必要不可欠だと感じています。英語力の取得に関して自論はありますか?

綾部:移住して7年。英語力は向上したと感じますが、まだまだお話になりません。学生時代は勉強が好きではなくてサボっていましたが、英語というのはきちんと自分が勉強し努力したゼロからイチに持っていく基礎が大事ですよね。甘えず、勉強しないと。最低限自分の思いや思考を相手に伝えたいですし、相手が伝えようとしていることを知りたい。僕にとって究極の永遠の課題が英語ですね。日本語を操るように英語も操り、ここハリウッドでエンタメの仕事をしていきたいと思います。光と影が共存するからこの世界は魅力的。苦があるから、その先の未来があると思っています。このエンタメの地で挑戦することをやめません。

PHOTOS:KENTARO MINATO[SEVEN BROS. PICTURES], TEXT:ERI BEVERLY, LOCATION:Deus Ex Machina

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ドリスがいない初の「ドリス ヴァン ノッテン」 変わる指揮官による統率に期待

創業デザイナーのドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)がブランドを去って以降、初めてのコレクションとなる2025年春夏ウィメンズのランウエイショーが9月25日(現地時間)、パリで開かれた。メゾンはドリスに代わってクリエイティブの指揮を執る人物を遠くない将来発表する予定というが、今回はドリスの下で長年服作りを学んできたデザインチームが担当。ドリス本人は、客席からショーを見守り、フィナーレには涙を流していたという。

デザインチームは、本当に頑張った。洋服の多くは紛れもなく「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」だった。ジャカードを中心に凝った素材、大胆な色と柄、和洋折衷、ノスタルジックなムード、そして、愛。デザインチームはきっと、それぞれがドリスから学んだものを一着一着に注ぎ込んだのだろう。しかし組み合わされ、ランウエイに送り出されたスタイルも、これまでの「ドリス ヴァン ノッテン」か?と問われたら、そうではない。ビジョンなのか、責任なのか、それとも、長年のキャリアの賜物なのか?コレクションは取捨選択、端的に言えば引き算が足りてない印象で、これまでの「ドリス ヴァン ノッテン」と比べて美しさよりも強さが勝り、夢の要素も少し足りなかったように思う。「ドリス ヴァン ノッテン」のパリのショールームに赴くと、ショーには出てこなかったサンプルの多さにいつも驚く。同じアイテムでも色違いや素材違い、丈違いのアイテムが全て揃っており、ドリス・ヴァン・ノッテンは、これだけ膨大な洋服からスタイリングを決めて、40数ルック絞り込んでいた。デザインチームという体制では、そんな厳選の取捨選択は難しかったのかもしれない。

素材は、今シーズンもバリエーションに富んでいる。フェイクのパイソンで始まったコレクションは、壁紙のような文様を描いたジャカード、花の模様の細部を拡大プリントしたポリエチレンのような透ける生地、フェイクレザー、フロッキーのように花柄をのせたサテン調の生地までバリエーション豊か。ルビーやエメラルド、翡翠を思わせる神秘的な宝石のような色合いと、和洋が入り混じるモチーフなどは、1990年代の「ドリス ヴァン ノッテン」を着想源にしているという。

そこに加えたのは、下着を思わせるセクシーなムード。キャミソールやペチコートのような生地やシルエット、ドレープのドレスや、ペチコートのようなパンツをたびたび登場させて、魅惑的な女性像を描こうとする。しかし、これが今の「ドリス ヴァン ノッテン」にはまだ少し唐突だったのか、色柄が強すぎたのか、ドレープがキツかったり丈が短すぎたりしたのか、生々しいイメージにつながり、損をしてしまった印象だ。ジャケットやシャツ、ニット、そしてパンツなどは、長年の知識と経験で人々が「ドリス ヴァン ノッテン」に期待する洋服に達したが、ランジェリーに着想を得たアイテムでは、その域に達しきれていない。

ドリスから服作りを学んだチームを統率する人物の必要性を改めて知ると同時に、本当に「ドリス ヴァン ノッテン」からドリス・ヴァン・ノッテンという人物がいなくなったことを改めて認識させられた。まだ夢の中だった25年春夏メンズよりも悲しい気持ちになった来場者も多かったようだ。一方、新たな指揮官が決まれば、多少の変化はあるだろうが今のデザインチームが存在する限り、「ドリス ヴァン ノッテン」というブランドは引き続き魅力を放つだろう予感は抱けた。素直に嬉しいことだ。

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「ディオール」が描く現代の女戦士 2025年春夏はギリシャ神話上の部族アマゾーンに思いをはせて

「ディオール(DIOR)」がパリで発表した2025年春夏コレクションの出発点は、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)が1951-1952年秋冬オートクチュール・コレクションのためにデザインした“アマゾーヌ“ドレス。そこから、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)は、ギリシャ神話に登場する弓術を得意とし、戦いと狩猟を好む女性だけの部族アマゾーン(複数形ではアマゾネス)に思いをはせた。

ショーのオープニングには、作品にアーチェリーを用いる女性アーティストのサグ・ナポリ(SAGG Napoli)が登場。長いランウエイを縦断するように中央に設けられたスペースで弓を射るパフォーマンスを行なった。その姿は、まさに現代のアマゾーンと言えるだろう。今季のデザインのポイントは、そんなナポリもまとったワンショルダーや、“アマゾーヌ“ドレスからヒントを得たアシンメトリーなシルエット。アクティブウエアのようなボディースーツをはじめ、テーラードジャケットやポプリンシャツ、ドレスも片方の肩があらわになったデザインで仕上げた。

そこに組み合わせるアイテムは、70年代初期のロゴをデザインに組み込んだストライプをサイドにあしらったトラックパンツやメッシュドレスをはじめ、チェッカーフラッグチェックやストライプを部分的に配したバイカージャケットやパンツ、ベルト&バックルのディテールが特徴のブルゾンやパンツなど。バッグやシューズもスポーティーなスタイルが充実する。色は黒と白が中心となり、そのコントラストがグラフィカルで力強いイメージを強調した。一方、終盤にはクチュールメゾンならではの繊細で煌びやかな装飾を施したラップスカートやドレーピングを生かした幻想的なドレスも披露した。

キウリは、近年のクチュール・コレクションでも神話の世界から着想を得た女神のようなドレススタイルを提案しており、7月のクチュールではそこにスポーツの要素を融合することでアスリートへの敬意を表現。パリオリンピックの開会式でも多くの衣装を手がけたキウリは、スポーツの世界に大きな刺激を受けているようだ。2016年の就任から一貫して女性に力や自信を与えるメッセージを発信し続けている彼女は今回、アスレチックの要素を取り入れたモダンなワードローブを通して、勇敢で自信に満ちた現代の女戦士たちの姿を描いた。

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「ディオール」が描く現代の女戦士 2025年春夏はギリシャ神話上の部族アマゾーンに思いをはせて

「ディオール(DIOR)」がパリで発表した2025年春夏コレクションの出発点は、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)が1951-1952年秋冬オートクチュール・コレクションのためにデザインした“アマゾーヌ“ドレス。そこから、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)は、ギリシャ神話に登場する弓術を得意とし、戦いと狩猟を好む女性だけの部族アマゾーン(複数形ではアマゾネス)に思いをはせた。

ショーのオープニングには、作品にアーチェリーを用いる女性アーティストのサグ・ナポリ(SAGG Napoli)が登場。長いランウエイを縦断するように中央に設けられたスペースで弓を射るパフォーマンスを行なった。その姿は、まさに現代のアマゾーンと言えるだろう。今季のデザインのポイントは、そんなナポリもまとったワンショルダーや、“アマゾーヌ“ドレスからヒントを得たアシンメトリーなシルエット。アクティブウエアのようなボディースーツをはじめ、テーラードジャケットやポプリンシャツ、ドレスも片方の肩があらわになったデザインで仕上げた。

そこに組み合わせるアイテムは、70年代初期のロゴをデザインに組み込んだストライプをサイドにあしらったトラックパンツやメッシュドレスをはじめ、チェッカーフラッグチェックやストライプを部分的に配したバイカージャケットやパンツ、ベルト&バックルのディテールが特徴のブルゾンやパンツなど。バッグやシューズもスポーティーなスタイルが充実する。色は黒と白が中心となり、そのコントラストがグラフィカルで力強いイメージを強調した。一方、終盤にはクチュールメゾンならではの繊細で煌びやかな装飾を施したラップスカートやドレーピングを生かした幻想的なドレスも披露した。

キウリは、近年のクチュール・コレクションでも神話の世界から着想を得た女神のようなドレススタイルを提案しており、7月のクチュールではそこにスポーツの要素を融合することでアスリートへの敬意を表現。パリオリンピックの開会式でも多くの衣装を手がけたキウリは、スポーツの世界に大きな刺激を受けているようだ。2016年の就任から一貫して女性に力や自信を与えるメッセージを発信し続けている彼女は今回、アスレチックの要素を取り入れたモダンなワードローブを通して、勇敢で自信に満ちた現代の女戦士たちの姿を描いた。

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「ドルチェ&ガッバーナ」の金髪のマドンナについて語り合う ミラノに歌舞伎なブランド登場? 2025年春夏ミラノ日記Vol.5

2025年春夏のウィメンズ・コレクションも、ニューヨーク、ロンドンが終わり、いよいよミラノ。朝9時から夜9時、時には夜10時まで、2人で最大1日20件の取材をしながら、合間合間で原稿を送り合い、コレクション取材のドタバタを日記でお送りします。いよいよミラノ日記は最終回。合間に美味しいピザを頬張り、体力をブースト!

もはや歌舞伎の領域。伝統工芸級の
安心感を抱く「エルマンノ シェルヴィーノ」

木村和花「WWDJAPAN」記者(以下、木村):ミラノ・ファッション・ウイークもやっと山場を迎えましたね。5日目は「エルマンノ シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)」から。今シーズンはワントーンのコーディネートが目立ちますが、「エルマンノ シェルヴィーノ」も、冒頭はオールホワイトのルックが続きました。シューズやバッグも白で統一。そこから徐々にイエローやピスタチオグリーンが加わり、夏らしいブルー、ブラックへと展開しました。シフォンのロングドレスやミニワンピースなどのフェミニンなアイテムを、フラップポケット付きのジャケットやフラットシューズと合わせるなど、フェミニンすぎずカジュアルな印象に仕上げていました。首元に巻いたバンダナやヘアピンは、トレンドアクセサリーとして気になります。要さんは気になるルックはありましたか?

村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):まず気になるのは、毎回白で始まり、オフ白やベージュを経て、シーズナルカラーを打ち出した後、最終的には黒まで辿り着く、基本1カラールックのコーディネート作る構成ですね。その中で「さっき白のパートで見たな」なんて思っちゃう、同じアイテムの色違いが出てくるのはご愛嬌。もはや歌舞伎といったイメージがあります。このブランドも数年前はトレンドに踊らされていたけれど、最近はクチュール的な手仕事を存分に盛り込んだカフタンドレスや、総レースやサテンのセンシュアルなスリップドレス、肩幅は広めでウエストは絞ったジャケットとフレアパンツのセットアップなど、イタリアンサルトリアとエキゾチックなリゾートムードをうまく融合し、特に春夏は安心感のある定番が確立している印象があります。

お次は、「フェラガモ(FERRAGAMO)」ですね。詳細は、別途アップした木村さんの記事をご覧ください。今シーズンは、マクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)が得意とする、そして簡単には受け入れられないとわかっていつつもこだわりを諦めないフェティッシュなムードが、バレエダンサーの軽やかさや健康美に繋がり、とても受け止めやすくなりました。もともと「フェラガモ」とバレエのつながりは深く、ファンにはグログランのリボンをあしらったバレエシューズを持っている人も多いはず。そのグログランのリボンを、トゥシューズのように足首にもグルグル巻きつけた今シーズンのフェティシズムは、ボンテージウエアのそれとは大きく異なっています。

スイスの質実剛健に
ちょっとヘンを加える「バリー」

私のお次は、「バリー(BALLY)」。ブランド発祥の地であるスイスの質実剛健な感じに、ちょっぴりヘンテコなカワイイをプラスしようとしているブランドです。デザイン・ディレクターのシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)は、クリエイティブのトップに就任して以来、酪農国のスイスらしく家畜に取り付けるベルをキーモチーフの1つに定めています。これまではチャームを作ったり、バッグやレザーブルゾンに取り付けたりしていましたが、今回はついにウエアがベルシェイプに。スカートはもちろん、ジャケットの裾もふんわり膨らんだ後、少しだけすぼまる形に仕上げています。反対に肩が膨らみ、裾に向かってすぼまっていくカーディガンなどもあります。きっと裏地にハリのある素材をボンディングしているんでしょうね。

こうした形は、ダダイズムにも影響を受けているらしく、ジャケットやシャツは襟元も、上から引っ張られたような、抜き襟のシルエットで独特。そこに、実は「バリー」が発祥で少しずつ広がっているんじゃないか?と睨んでいる、オックスフォードブルーのシャツなどを合わせました。正直、襟元も、裾も見慣れない形のジャケットには少し違和感があったかな。ベルシェイプにこだわりたい気持ちはわかるけれど、もう少しリアリティのある形でも良かったように思います。実際、特徴ある形を描いたせいで、パターンや縫製に無理があったのか、美しさを少し損ねていたように見えたのは残念です。ただ、ジャケットにオックスブルーのシャツを基本としたフォーマルを今っぽくアレンジしていくスタンスは、「バリー」のオリジナリティになる可能性があるので続けるべきです。

一方、バッグやシューズなどのレザーグッズは確実に進化。特にガラス加工を施したツヤのあるレザーに、「バリー」ならではのストライプを組み合わせた半月型のショルダーバッグなどは、かなり美しく、高級感のある佇まいでした。

そして「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)で再び木村さんと合流でした。どんなショーでしたか?

マドンナへのオマージュは
素晴らしい?誰かを傷つけた?

木村:「ドルチェ&ガッバーナ」のショー前日、マドンナが来場するとの情報が飛び込んできました。ミラノのファッション業界がざわついてましたね(笑)。と同時にブランドからは、「マドンナが来場しても、決して席を立たないように」とお達し。とはいえマドンナが来場すると、一部のゲストは堂々と彼女をパパラッチしていました。

もちろん、ショーはマドンナへのオマージュ全開です。マドンナヘアのかつらをかぶったモデルたちが、会場に設えた螺旋階段をセクシーに腰をくねらせ降りてくる演出です。ウエアはスリップドレスにもジャケットにも、全部コーンブラ。トレンチコートからもコーンブラがのぞいていました。ランジェリードレスにガーターベルト、そしてコーンブラ。「Seductive(誘惑的)」と、ブランドのオリジンを学びました。

で車に戻ったら、要さんが憤慨してるのにはっとさせられたんです。「黒人にマドンナのかつら被せるって何」って。数々のファッションショーを見て社会へのメッセージを受け取ってきたのにもかかわらず、この時、私は「ドルチェ&ガッバーナ」の煌びやかな世界に陶酔し、ファッションの社会性をすっかり忘れてエンターテイメントとして楽しんでいたんです。黒人のジャーナリストたちも、興奮気味に「素晴らしかった」と言いながらバックステージに入っていく姿も見かけました。それでも華やか、楽しい!だけじゃダメで、クリティカルに見る視点を常に忘れちゃいけないんだと心に誓ったショーでした。

村上:私はむしろショーのタイミングでは怒りに震えていたのですが、その後少し冷静さを取り戻し、「怒りすぎていたかもしれない」と反省したくらいです(笑)。

怒りを感じた理由は木村さんが言う通り、黒人モデルにもアジア人モデルにも金髪のウイッグを被せたこと。螺旋階段の周りは鏡ばかりで、金髪姿の自分の姿をまじまじと見た後にランウエイを歩くという、会場のセットというか演出にもモヤっとしてしまいました。アイデンティティとの乖離に傷つく黒人やアジア人モデルはいないか、心配だったんです。「ドルチェ&ガッバーナ」は、人種差別的な表現で炎上したことがあります。そんな過去も頭によぎりました。

とはいえ、あれはマドンナへのオマージュと考えれば、納得できるところもあります。そしてマドンナって人種や性別、性的志向などを超越した、ある意味多様性の象徴。そんな女性をミューズに選び、ある意味コスプレに近いウイッグとコーンブラでオマージュを表現するのは、むしろ多様性の表現方法なのかも?今は、そんな風に捉えています。

一方、私の当初のような考えの人が存在していることは事実です。正直ブランドは特定の誰かに向けたモノ作りで強いコミュニティーを作っていけばいいと思うし、「ドルチェ&ガッバーナ」はまさにそんなブランドの代表格で、ゆえにオートクチュールに相当するアルタモーダの顧客は日本にも結構いらっしゃると伺っていますが、これからも誰かを傷つけない形で強いコミュニティーを発展させてほしいですね。

肝心の洋服は、いつも通り仕立ての良いイタリアンセクシーでした。レースやチュール、オーガンジーでも、上質なシルクサテンでも、コーンブラは自然に溶け込んでいます。地味に思えるかもしれないけれど、ものすごい縫製技術です。コーンブラは、トレンチコートやジャケット、スリップドレスと渾然一体になっていましたね。強い黒、甘いベビーピンク、 そして情熱の真紅。「ドルチェ&ガッバーナ」ワールド全開でした。

そして、今回最も遠い会場の「ディーゼル(DIESEL)」へ。こちらも、詳細は木村さんのレビューをどうぞ。そして「ジ アティコ(THE ATTICO)」には今回も間に合いませんでしたね(苦笑)。私たち、かれこれ2年くらい、「ジ アティコ」運に恵まれてないですね……、申し訳ない。

さぁ、いよいよラストスパートです。「ウィークエンド マックスマーラ(WEEKEND MAX MARA)」は、NETFLIX「エミリー・イン・パリス」にも出演するアシュレイ・パーク(Ashley Park)とのコラボコレクションの発表ですね。アシュレイって、かなり個性的なスタイルを楽しんでいる人の印象ですが、カプセル・コレクションはどんな感じでしたか?

木村:コレクションはヘルシーなリゾートウエアでした。オフショルダーのワンピースやノースリーブのミニドレス、手描きタッチのボタニカルプリント柄のパンツなどなど。アイコンの“パスティチーノ“バッグは、カゴバッグで登場しました。

お披露目パーティーにはアシュレイ本人も、白いスクエアネックのミニドレスを着用し、ボーイフレンドと手を繋いで来場しました。まずアシュレイ本人がとっても似合っていて、好きなものを作ったんだなという感じが伝わってきました!私のコレクション取材はここで終了です。要さんのラストショーは「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」。レポートでは、今季のベストショーに挙げていますね。

村上:いやぁ、素晴らしいコレクションでした。初日から振り返ると、今季は「フェンディ(FENDI)」「ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)」「マックスマーラ(MAX MARA)」「プラダ(PRADA)」「スポーツマックス(SPORTMAX)」「グッチ(GUCCI)」「フェラガモ」「ドルチェ&ガッバーナ」「ディーゼル」とハズレなしのシーズンでしたが、個人的なベストは「ボッテガ・ヴェネタ」です。BGMだったベートーヴェンのピアノソナタ第14番をパリでも毎日聴いています(笑)。夢中になる構成と、もはや工芸レベルのバッグの中、案外実用的な洋服の数々。でも、必ずどこかの驚きが混じっています。上の記事をご覧ください。

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2025年春夏のウィメンズ・コレクションも、ニューヨーク、ロンドンが終わり、いよいよミラノ。朝9時から夜9時、時には夜10時まで、2人で最大1日20件の取材をしながら、合間合間で原稿を送り合い、コレクション取材のドタバタを日記でお送りします。いよいよミラノ日記は最終回。合間に美味しいピザを頬張り、体力をブースト!

もはや歌舞伎の領域。伝統工芸級の
安心感を抱く「エルマンノ シェルヴィーノ」

木村和花「WWDJAPAN」記者(以下、木村):ミラノ・ファッション・ウイークもやっと山場を迎えましたね。5日目は「エルマンノ シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)」から。今シーズンはワントーンのコーディネートが目立ちますが、「エルマンノ シェルヴィーノ」も、冒頭はオールホワイトのルックが続きました。シューズやバッグも白で統一。そこから徐々にイエローやピスタチオグリーンが加わり、夏らしいブルー、ブラックへと展開しました。シフォンのロングドレスやミニワンピースなどのフェミニンなアイテムを、フラップポケット付きのジャケットやフラットシューズと合わせるなど、フェミニンすぎずカジュアルな印象に仕上げていました。首元に巻いたバンダナやヘアピンは、トレンドアクセサリーとして気になります。要さんは気になるルックはありましたか?

村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):まず気になるのは、毎回白で始まり、オフ白やベージュを経て、シーズナルカラーを打ち出した後、最終的には黒まで辿り着く、基本1カラールックのコーディネート作る構成ですね。その中で「さっき白のパートで見たな」なんて思っちゃう、同じアイテムの色違いが出てくるのはご愛嬌。もはや歌舞伎といったイメージがあります。このブランドも数年前はトレンドに踊らされていたけれど、最近はクチュール的な手仕事を存分に盛り込んだカフタンドレスや、総レースやサテンのセンシュアルなスリップドレス、肩幅は広めでウエストは絞ったジャケットとフレアパンツのセットアップなど、イタリアンサルトリアとエキゾチックなリゾートムードをうまく融合し、特に春夏は安心感のある定番が確立している印象があります。

お次は、「フェラガモ(FERRAGAMO)」ですね。詳細は、別途アップした木村さんの記事をご覧ください。今シーズンは、マクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)が得意とする、そして簡単には受け入れられないとわかっていつつもこだわりを諦めないフェティッシュなムードが、バレエダンサーの軽やかさや健康美に繋がり、とても受け止めやすくなりました。もともと「フェラガモ」とバレエのつながりは深く、ファンにはグログランのリボンをあしらったバレエシューズを持っている人も多いはず。そのグログランのリボンを、トゥシューズのように足首にもグルグル巻きつけた今シーズンのフェティシズムは、ボンテージウエアのそれとは大きく異なっています。

スイスの質実剛健に
ちょっとヘンを加える「バリー」

私のお次は、「バリー(BALLY)」。ブランド発祥の地であるスイスの質実剛健な感じに、ちょっぴりヘンテコなカワイイをプラスしようとしているブランドです。デザイン・ディレクターのシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)は、クリエイティブのトップに就任して以来、酪農国のスイスらしく家畜に取り付けるベルをキーモチーフの1つに定めています。これまではチャームを作ったり、バッグやレザーブルゾンに取り付けたりしていましたが、今回はついにウエアがベルシェイプに。スカートはもちろん、ジャケットの裾もふんわり膨らんだ後、少しだけすぼまる形に仕上げています。反対に肩が膨らみ、裾に向かってすぼまっていくカーディガンなどもあります。きっと裏地にハリのある素材をボンディングしているんでしょうね。

こうした形は、ダダイズムにも影響を受けているらしく、ジャケットやシャツは襟元も、上から引っ張られたような、抜き襟のシルエットで独特。そこに、実は「バリー」が発祥で少しずつ広がっているんじゃないか?と睨んでいる、オックスフォードブルーのシャツなどを合わせました。正直、襟元も、裾も見慣れない形のジャケットには少し違和感があったかな。ベルシェイプにこだわりたい気持ちはわかるけれど、もう少しリアリティのある形でも良かったように思います。実際、特徴ある形を描いたせいで、パターンや縫製に無理があったのか、美しさを少し損ねていたように見えたのは残念です。ただ、ジャケットにオックスブルーのシャツを基本としたフォーマルを今っぽくアレンジしていくスタンスは、「バリー」のオリジナリティになる可能性があるので続けるべきです。

一方、バッグやシューズなどのレザーグッズは確実に進化。特にガラス加工を施したツヤのあるレザーに、「バリー」ならではのストライプを組み合わせた半月型のショルダーバッグなどは、かなり美しく、高級感のある佇まいでした。

そして「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)で再び木村さんと合流でした。どんなショーでしたか?

マドンナへのオマージュは
素晴らしい?誰かを傷つけた?

木村:「ドルチェ&ガッバーナ」のショー前日、マドンナが来場するとの情報が飛び込んできました。ミラノのファッション業界がざわついてましたね(笑)。と同時にブランドからは、「マドンナが来場しても、決して席を立たないように」とお達し。とはいえマドンナが来場すると、一部のゲストは堂々と彼女をパパラッチしていました。

もちろん、ショーはマドンナへのオマージュ全開です。マドンナヘアのかつらをかぶったモデルたちが、会場に設えた螺旋階段をセクシーに腰をくねらせ降りてくる演出です。ウエアはスリップドレスにもジャケットにも、全部コーンブラ。トレンチコートからもコーンブラがのぞいていました。ランジェリードレスにガーターベルト、そしてコーンブラ。「Seductive(誘惑的)」と、ブランドのオリジンを学びました。

で車に戻ったら、要さんが憤慨してるのにはっとさせられたんです。「黒人にマドンナのかつら被せるって何」って。数々のファッションショーを見て社会へのメッセージを受け取ってきたのにもかかわらず、この時、私は「ドルチェ&ガッバーナ」の煌びやかな世界に陶酔し、ファッションの社会性をすっかり忘れてエンターテイメントとして楽しんでいたんです。黒人のジャーナリストたちも、興奮気味に「素晴らしかった」と言いながらバックステージに入っていく姿も見かけました。それでも華やか、楽しい!だけじゃダメで、クリティカルに見る視点を常に忘れちゃいけないんだと心に誓ったショーでした。

村上:私はむしろショーのタイミングでは怒りに震えていたのですが、その後少し冷静さを取り戻し、「怒りすぎていたかもしれない」と反省したくらいです(笑)。

怒りを感じた理由は木村さんが言う通り、黒人モデルにもアジア人モデルにも金髪のウイッグを被せたこと。螺旋階段の周りは鏡ばかりで、金髪姿の自分の姿をまじまじと見た後にランウエイを歩くという、会場のセットというか演出にもモヤっとしてしまいました。アイデンティティとの乖離に傷つく黒人やアジア人モデルはいないか、心配だったんです。「ドルチェ&ガッバーナ」は、人種差別的な表現で炎上したことがあります。そんな過去も頭によぎりました。

とはいえ、あれはマドンナへのオマージュと考えれば、納得できるところもあります。そしてマドンナって人種や性別、性的志向などを超越した、ある意味多様性の象徴。そんな女性をミューズに選び、ある意味コスプレに近いウイッグとコーンブラでオマージュを表現するのは、むしろ多様性の表現方法なのかも?今は、そんな風に捉えています。

一方、私の当初のような考えの人が存在していることは事実です。正直ブランドは特定の誰かに向けたモノ作りで強いコミュニティーを作っていけばいいと思うし、「ドルチェ&ガッバーナ」はまさにそんなブランドの代表格で、ゆえにオートクチュールに相当するアルタモーダの顧客は日本にも結構いらっしゃると伺っていますが、これからも誰かを傷つけない形で強いコミュニティーを発展させてほしいですね。

肝心の洋服は、いつも通り仕立ての良いイタリアンセクシーでした。レースやチュール、オーガンジーでも、上質なシルクサテンでも、コーンブラは自然に溶け込んでいます。地味に思えるかもしれないけれど、ものすごい縫製技術です。コーンブラは、トレンチコートやジャケット、スリップドレスと渾然一体になっていましたね。強い黒、甘いベビーピンク、 そして情熱の真紅。「ドルチェ&ガッバーナ」ワールド全開でした。

そして、今回最も遠い会場の「ディーゼル(DIESEL)」へ。こちらも、詳細は木村さんのレビューをどうぞ。そして「ジ アティコ(THE ATTICO)」には今回も間に合いませんでしたね(苦笑)。私たち、かれこれ2年くらい、「ジ アティコ」運に恵まれてないですね……、申し訳ない。

さぁ、いよいよラストスパートです。「ウィークエンド マックスマーラ(WEEKEND MAX MARA)」は、NETFLIX「エミリー・イン・パリス」にも出演するアシュレイ・パーク(Ashley Park)とのコラボコレクションの発表ですね。アシュレイって、かなり個性的なスタイルを楽しんでいる人の印象ですが、カプセル・コレクションはどんな感じでしたか?

木村:コレクションはヘルシーなリゾートウエアでした。オフショルダーのワンピースやノースリーブのミニドレス、手描きタッチのボタニカルプリント柄のパンツなどなど。アイコンの“パスティチーノ“バッグは、カゴバッグで登場しました。

お披露目パーティーにはアシュレイ本人も、白いスクエアネックのミニドレスを着用し、ボーイフレンドと手を繋いで来場しました。まずアシュレイ本人がとっても似合っていて、好きなものを作ったんだなという感じが伝わってきました!私のコレクション取材はここで終了です。要さんのラストショーは「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」。レポートでは、今季のベストショーに挙げていますね。

村上:いやぁ、素晴らしいコレクションでした。初日から振り返ると、今季は「フェンディ(FENDI)」「ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)」「マックスマーラ(MAX MARA)」「プラダ(PRADA)」「スポーツマックス(SPORTMAX)」「グッチ(GUCCI)」「フェラガモ」「ドルチェ&ガッバーナ」「ディーゼル」とハズレなしのシーズンでしたが、個人的なベストは「ボッテガ・ヴェネタ」です。BGMだったベートーヴェンのピアノソナタ第14番をパリでも毎日聴いています(笑)。夢中になる構成と、もはや工芸レベルのバッグの中、案外実用的な洋服の数々。でも、必ずどこかの驚きが混じっています。上の記事をご覧ください。

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「ファミリア」がJR東海の歴代新幹線をモチーフにした子どもから大人まで楽しめるアイテムを発売

「ファミリア(FAMILIAR)」は、JR東海リテイリング・プラスとのコラボレーションアイテムを発売する。10月11日10時から、「ファミリア」とJR 東海リテイリング・プラスの公式オンラインストアで販売する。

東海道新幹線開業60周年を記念し、歴代新幹線をモチーフにした子どもから大人まで楽しめる全10アイテムを展開する。乗務員やパーサー、新幹線の車内を清掃するエクスプレスドレッサーなどの仕事風景を、「ファミリア」のキャラクターたちで再現したアートデザインがポイントだ。

「ファミリア」販売アイテム

「ファミリア」では、コラボ初登場のデニムバッグ(2万2000円)をはじめ、「ファミリア」のキャラクターのファミちゃんと仲間たちをデザインした長袖Tシャツ(1万1000円〜)やスマホリング(4400円)、タオルハンカチ(1430円)など全7アイテムを販売する。

11日は、注文あたり各アイテム各色1点までに購入個数を制限する。オンラインストアの在庫がある場合、18日10時からオムニサービス(店舗受け取り)を開始する。

JR 東海リテイリング・プラス販売アイテム

JR 東海リテイリング・プラスでは、「ファミリア」で販売する長袖Tシャツとリンクしたデザインのレッスンバッグ(4730円)と新幹線100系、300系、先代のドクターイエローをモチーフにしたワッペン(全3種、各1320円)、歴代新幹線とファミちゃんたちを描いたタオルハンカチ(1430円)の全3アイテムを販売する。

本コラボを記念し10月上旬、ファミちゃんがリニア・鉄道館に遊びに行った様子をインスタグラムのリール動画で公開する。

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「ファミリア」がJR東海の歴代新幹線をモチーフにした子どもから大人まで楽しめるアイテムを発売

「ファミリア(FAMILIAR)」は、JR東海リテイリング・プラスとのコラボレーションアイテムを発売する。10月11日10時から、「ファミリア」とJR 東海リテイリング・プラスの公式オンラインストアで販売する。

東海道新幹線開業60周年を記念し、歴代新幹線をモチーフにした子どもから大人まで楽しめる全10アイテムを展開する。乗務員やパーサー、新幹線の車内を清掃するエクスプレスドレッサーなどの仕事風景を、「ファミリア」のキャラクターたちで再現したアートデザインがポイントだ。

「ファミリア」販売アイテム

「ファミリア」では、コラボ初登場のデニムバッグ(2万2000円)をはじめ、「ファミリア」のキャラクターのファミちゃんと仲間たちをデザインした長袖Tシャツ(1万1000円〜)やスマホリング(4400円)、タオルハンカチ(1430円)など全7アイテムを販売する。

11日は、注文あたり各アイテム各色1点までに購入個数を制限する。オンラインストアの在庫がある場合、18日10時からオムニサービス(店舗受け取り)を開始する。

JR 東海リテイリング・プラス販売アイテム

JR 東海リテイリング・プラスでは、「ファミリア」で販売する長袖Tシャツとリンクしたデザインのレッスンバッグ(4730円)と新幹線100系、300系、先代のドクターイエローをモチーフにしたワッペン(全3種、各1320円)、歴代新幹線とファミちゃんたちを描いたタオルハンカチ(1430円)の全3アイテムを販売する。

本コラボを記念し10月上旬、ファミちゃんがリニア・鉄道館に遊びに行った様子をインスタグラムのリール動画で公開する。

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資生堂が魚谷雅彦会長 CEOの退任で、財務・会計・ IR などで高い専門性を有す廣藤綾子氏を代表執行役に選定

資生堂は2025年1月1日付で、廣藤綾子・執行役 チーフファイナンシャルオフィサー チーフ DE&I オフィサーが代表執行役 チーフファイナンシャルオフィサー チーフ DE&I オフィサーに就任する人事を発表した。現会長 CEO の魚谷雅彦氏が任期満了により12月31日で代表執行役も退任することによるもので、今後も藤原憲太郎・代表執行役 社長 COOと共に代表執行役の2人体制を継続する。

廣藤執行役は2005年に資生堂に入社。14年にインドネシア現地法人の社長に就任したほか、 19年に戦略財務部長、22年にIR 部長に就くなど、グローバルな事業運営におけるマネジメント能力と財務・会計・ IR における高い専門性を培ってきた。24 年 7 月からはチーフファイナンシャルオフィサーとして財務領域全般をリードし、チーフ DE&I オフィサーとして当社のダイバーシティ・エクイティ&イン クルージョンも推進する。これらの実績を踏まえ、経営戦略全体において極めて重要となる財務戦略を担う立場から、同社事業の財務規律の強化および持続的成長を実現すること、ならびにグループ全体のダイバーシテ ィ・エクイティ&インクルージョンの強力な推進を通じ企業価値を向上することを期待し、代表執行役に選定された。

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【2024年クリスマスコフレ】「エチュード」からホームパーティーがテーマのホリデーコレクション

韓国コスメブランド「エチュード(ETUDE)」は、“ホリデーコレクション -ディア マイ ベスティ-”を発売する。コンセプトは親友に招待されたホリデーホームパーティー。アイシャドウやチーク、ティントリップなど全5アイテムを、Qoo10日本ストアで11月下旬から順次先行販売する。

“ホリデーコレクション -ディア マイ ベスティ-”

“ルックアット マイアイズデュオ”

“ルックアット マイアイズデュオ”(全4色、各1320円)は、マットとグリッターハイライターのデュアルタイプのアイシャドウ。透明感のあるホリデーカラー4色を、淡いピンクのパッケージで展開する。

“GSメルティングバーム”

“GSメルティングバーム”(全7色うち限定2色、各1320円)は体温で溶ける高保湿リップバーム。高屈折オイルが作り出した水のようなテクスチャーが、透明感と光沢感を演出する。ホリデーに合わせ、ブルべトーンの限定色“ハグピンク”と“ハグプラム”を用意した。

“フィクシングティント”

“フィクシングティント”(全4色、各1485円)はふんわり色付くソフトマットティント。滑らかなテクスチャーと高い密着感で、美しい仕上がりを長時間キープする。カラーは見たまま発色のウィンターカラー4色をそろえた。

“ハートポップデュオブラッシャー ディアマイピンク”

“ハートポップデュオブラッシャー ディアマイピンク”(7.5g、1980円)は、チーク兼ハイライトとして使えるデュアルタイプのグリッターハイライトカラー。肌馴染みの良い2色が自然な立体感を演出する。

“GSオーバーナイトリップマスク S”

人気リップバーム兼用リップマスク“GSオーバーナイトリップマスク S”(23g、1320円)は、容量を8g増量し、ホリデー限定パッケージで用意した。就寝前に塗ることで植物由来保湿成分が角質をケアし、理想の柔らかな唇をかなえる。

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「エテュセ」の“赤ちゃんリップ”こと唇用美容液が復刻 再販希望の声に応え、定番化

「エテュセ(ETTUSAIS)」は10月24日、乾燥して荒れがちな唇のケアアイテムとして人気を集めていた“赤ちゃんリップ”こと唇用美容液“リップエッセンス”[SPF18・PA++](1430円)を復刻し、定番品として発売する。

べたつかないのに潤いを持続して、縦じわを目立ちにくくする“リップエッセンス”は、「肌寒くなる秋冬の季節に手放せない」などのユーザーからの再販希望の声が多く、定番化に至ったという。ほんのりピンクの血色感と艶感のある仕上がりをかなえ、紫外線や乾燥から唇を守る。夜の集中リップケアアイテムとしても使用可能だ。

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「エテュセ」の“赤ちゃんリップ”こと唇用美容液が復刻 再販希望の声に応え、定番化

「エテュセ(ETTUSAIS)」は10月24日、乾燥して荒れがちな唇のケアアイテムとして人気を集めていた“赤ちゃんリップ”こと唇用美容液“リップエッセンス”[SPF18・PA++](1430円)を復刻し、定番品として発売する。

べたつかないのに潤いを持続して、縦じわを目立ちにくくする“リップエッセンス”は、「肌寒くなる秋冬の季節に手放せない」などのユーザーからの再販希望の声が多く、定番化に至ったという。ほんのりピンクの血色感と艶感のある仕上がりをかなえ、紫外線や乾燥から唇を守る。夜の集中リップケアアイテムとしても使用可能だ。

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吉田カバン「POTR」×「ミノトール インスト」コラボ “キンチャク”バッグ第3弾

「ミノトール インスト(MINOTAUR INST.)」は、吉田カバンの「ピー・オー・ティー・アール(POTR)」とのコラボバッグ“キンチャク(KINCHAKU)“を発売する。価格は6万4900円。10月1日11時から、「ミノトール インスト」で販売、また同公式オンラインでは、すでに数量限定で先行予約を受け付けている。

バッグ“キンチャク”第3弾
防水仕様の切り替えデザイン

バッグ“キンチャク”は、巾着袋をモチーフとし、第3弾となる今回は切り替えデザインを採用。止水ジップポケットを配し、生地ともに防水仕様に仕上げている。また口元のコードストッパーの調整で、シルエットの変化も可能にした。取り外し可能なショルダーストラップには、「ミノトール インスト」のロゴをあしらう。

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「アイプチ」の“ひとえ・奥ぶたえ用マスカラ”から透明感あるブルーグレーカラーの限定色 

「アイプチ(EYEPUTTI)」は10月11日、生まれつきのまぶたを生かすアイメイクシリーズのマスカラ“ひとえ・奥ぶたえ用マスカラ”から冬の限定色を発売する。全国のバラエティーショップとブランド公式ECで取り扱う。

限定色の“夜猫ブラック”(1320円)は、透け感のあるブルーグレーカラー。くっきりとした発色をかなえる黒のベースカラーに青とシルバーのカラーパールを組み合わせた。まつ毛に滑らかな艶と立体感を与えながら存在感を引き立たせ、明るい場所では透明感を、暗い場所では深みを目元に演出。“潤んだ瞳”と“澄んだ瞳”の異なる表情をかなえる。なぎなた型のブラシが目頭から目尻までの毛を残さずキャッチ。カールキープ力の高さとにじみにくさを両立しながら、しなやかなまつ毛に仕上げる。

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「ジミー チュウ」と「美少女戦士セーラームーン」のコラボ第2弾が発売 名シーンをプリントしたバッグなど

「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」は10月9日、武内直子原作の少女漫画「美少女戦士セーラームーン」とのコラボアイテムを発売する。「ジミー チュウ」の限定店舗、公式オンラインストアで取り扱うほか、伊勢丹新宿本店、阪急うめだ本店ではポップアップイベントも開催する。

特設サイト

煌びやかなコラボアイテム

両者のコラボは、2023年2月のコラボに続き2度目。今回は、同漫画のワンシーンをプリントしたバッグや、セーラー戦士たちのコスチュームをイメージしたシューズ、アクセサリーなどをラインアップする。また、各アイテムには限定デザインのコレクターカードが付属する。デザインはレアバージョンを含めた全24種で、クリスタルバッグは4パック、その他のバッグ、シューズは2パック、スモールレザーグッズやスカーフには1パックが付いてくる。

「ジミー チュウ」のクリエイティブディレクター、サンドラ・チョイ(SANDRA CHOI)は、「私はセーラームーンが表現するものが大好き。セーラームーンがいかに世界中の多くの人々に感動とインスピレーションを与えているか、世代を超えたファンの純粋な愛に驚かされ続けている。このスーパーヒロインたちとのコラボレーションでは、世界を夢見させてくれるポップ・アイコンとしてのセーラー戦士のアイデアに敬意を表することにこだわった」と述べた。

「美少女戦士セーラームーン」とは 月刊誌「なかよし」(講談社刊)で1991年から連載を開始した武内直子原作の少女漫画。原作単行本は17カ国語に翻訳され、アニメーションシリーズは40カ国以上で展開する。 現在は連載30周年記念のプロジェクトが進行中だ。

アイテム一覧

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「アクター」とNBAがコラボ “推しチーム”を応援できるウエアやグッズを発売

千日商店が展開するバスケットボールアパレルブランド「アクター(AKTR)」は9月28日、プロバスケットボールリーグNBAとのコラボアイテムを発売する。「アクター」のフラッグシップストアと公式オンラインストアのほか、キネティクス原宿、楽天スポーツゾーンで扱う。

同コラボは“NBAと暮らす(NBA TO KURASU)”をテーマに、シンプルなロゴ入りTシャツやタイダイプリントを施したセットアップなどのウエアに加え、クッションカバーや手拭いなどライフスタイルグッズをそろえる。

NBA 2024-25シーズンは10月23日に開幕する。

アイテム一覧

ルック

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エイジングケアブランド「ファス」から”黒米発酵液”のマッサージマスクが登場

発酵エイジングケアブランド「ファス(FAS)」は11月13日、マッサージマスク“ファス ザ ブラック デイ マッサージ マスク”(50g、1万10円)を発売する。

1分で引き締まった印象へ

“ファス ザ ブラック デイ マッサージ マスク”は、パッションフルーツの果実から抽出した“クダモノトケイソウ果実エキス”と、ハリのある肌に導く“グルコシルヘスペリジン”を配合。ビタミンやポリフェノールなど738種の成分を配合したオリジナル成分”黒米発酵液”をベースに使用することで、潤いのある肌へと導く。厚みのあるジェルはマッサージで馴染ませることでみずみずしいテクスチャーへと変化し、もたつきを感じやすい朝の肌印象を整える。

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エイジングケアブランド「ファス」から”黒米発酵液”のマッサージマスクが登場

発酵エイジングケアブランド「ファス(FAS)」は11月13日、マッサージマスク“ファス ザ ブラック デイ マッサージ マスク”(50g、1万10円)を発売する。

1分で引き締まった印象へ

“ファス ザ ブラック デイ マッサージ マスク”は、パッションフルーツの果実から抽出した“クダモノトケイソウ果実エキス”と、ハリのある肌に導く“グルコシルヘスペリジン”を配合。ビタミンやポリフェノールなど738種の成分を配合したオリジナル成分”黒米発酵液”をベースに使用することで、潤いのある肌へと導く。厚みのあるジェルはマッサージで馴染ませることでみずみずしいテクスチャーへと変化し、もたつきを感じやすい朝の肌印象を整える。

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豊島は経常益116億円、過去最高を更新 24年6月期

豊島の2024年6月期決算(未上場)は、売上高が前期比2.1%減の22021億円、営業利益が同23.1%増の88億円、経常利益が同28.5%増の116億円、純利益が同43.6%増の80億9800万円だった。配当は1株55円。

純利益は、子会社の統廃合に伴う特別利益により164億円となった20年6月期に達しなかったものの、営業利益と経常利益は過去最高を更新した。減収の要因は、戦略的に取り扱いを縮小している綿花貿易によるもので、綿花を含む素材部門は108億円の減収となった。物流費の改善や生産地の集約、高付加価値商材の提案などが奏功した。

部門別では、綿花などの繊維原料が75億円減の390億円、原糸が14億円減の201億円、織物が17億円減の134億円。対してOEM・ODMを行う製品部門は55億円増の1439億円だった。

粗利率(売上高総利益率)は14.0%で、前期に比べ1.6ポイントの改善。対して販管費率は10.0%で0.8ポイント増加した。

25年6月期は売上高2000億円、経常利益90億円を計画する。

「今年は新しいビジネスへの種まき」 豊島社長との一問一答

名古屋市内で行われた決算会見でのメディアとの主な一問一答は以下の通り。

ーー減収の要因は?

豊島半七社長(以下、豊島):綿花相場の下落と取り扱い数量の減少によるもの。綿花は相場で数字が激しく上下するため、数年前からルールを設定している。素材部門は綿花以外にも、原糸や織物の取り扱いも減少した。素材部門は主に国内の紡績メーカーや織物工場をターゲットにしているが、産地の縮小に歯止めがかからず、かなり厳しい状況だ。現場の危機意識はかなり強い。

ーー全社的には経常利益は100億円を超え、過去最高だった。

豊島:正直、出来過ぎだ。配当増といった一時的な営業外収益の増加もあったものの、円安による仕入れコストの上昇を製品価格に転嫁できたことや、この数年、生産工場の集約や高付加価値製品の提案、物流効率の改善など、地道に収益改善を進めてきた成果が出た。加えて、主要な取引先も好調で、それに引っ張られた形だ。

ーー足元を含めた景況感は?

豊島:前年(24年6月期)に続き、全体的な衣料品市況は悪くない。引き続き主力販売先との取り組みを深耕ほか、雑貨や食品、家電などの繊維製品以外の取り扱いを強化する。

ーーだが、25年6月期は売上高2000億円、経常利益90億円と減収減益の計画だ。

豊島:当社は未上場で、上場企業のように常に右肩上がりで増益を掲げる必要がないし、そのつもりもない。一方で24年6月期で達成した経常利益100億円という数字にはこだわりたい気持ちはある。ただ、高い数字を設定して現場に無理を強いるより、今は中長期的な種まきをする方が重要だ。

ーー種まきとは?

豊島:従来の延長線にはない、新規分野や新規商材の開拓だ。この数年、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)などを通じて、国内外のスタートアップとの連携を進めてきた。従来の取引先や繊維・アパレル業界にはない新しい企業、新しい分野、異なる業界の空気を、肌で感じる会社にしたいという思いがあった。当社は営業力が強い分、どこかなんとかなってしまう部分があった。そうではなく将来から逆算して、新しい商材やビジネスを生み出す取り組みがほしいと、現場には発破をかけている。

素材部門を例に取れば、新素材の開発には時間がかかる。例えばスパイバーへの出資はCVCではなく、本体から出しており、短期でリターンを求めるのではなく、長い目で見た取り組みだ。ただ、従来線上にはないからこそ新しく得られることも多く、そうしたことが会社全体を強くする。

ーーDXについては?

豊島:「費用はいくらかかってもいい」と号令をかけて取り組んできた。その考え方は変わらないが、今年からはある程度の期限と目標を決めて取り組むように変えていく。また、現場だけで話し合うのではなく、お互いの経営陣を巻き込んで会社対会社の取り組みにするよう指示している。

DXこそ、従来の延長線上にはない取り組みを視野にいれるべきだ。これまではOEM/ODMなどの「モノの取引」が中心だったが、DXにより、「サービスの提供」といった新しいビジネスをスタートしてもいい。今年は、経営幹部から現場の若いメンバーまで、新しいことに挑戦する年になる。

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世界中を旅するメゾンフレグランス「ジェオデジス」 メキシコやモロッコなど各地の自然の恵みを香りで表現

フランス発メゾンフレグランス「ジェオデジス(GEODESIS)」は1996年、ブルターニュ地方で誕生した。フレグランスクリエイターであるノルベルト・イブロとエミリー・イブロ夫妻が世界中を旅する中で出合った植物や花々を香りで再現。ブランド名は、地球(ジェオ)と結びつける(デジス)を組み合わせたもの。世界各地に咲く花や果実、木々、ハーブなどさまざまな要素を結びつけて、自然が持つ本来の美しさを香りで表現している。日本では、フランス発老舗ホームフレグランス「エステバン(ESTEBAN)」を手掛ける日本香堂が販売する。

香りの地図をイメージさせる豊かで持続性のある香り

フレグランスは、メキシコが原産地のチュベローズ、モロッコが原産地のネロリ、ギリシャが原産地のフィグ、イタリア・カラブリアが原産地のベルガモット、インドネシア・スマトラが原産地のパチョリの5種類。世界各地を象徴する植物の天然香料を使用したディフューザーやキャンドルは、香りの持続性が抜群だ。ルームスプレーやディフューザーは100%オーガニック植物性アルコールを使用している。

また、照明としても使用できるミストディフューザーも登場。洋室にも和室にもあうミニマルなデザインで、アロマオイルの香りと温かみのある光を楽しむことができる。価格は、キャンドルが4400円、ディフューザーが1万3200円、フレグランスリフィルが7700円、ルームスプレーが7700円、パフュームミストディフューザーが2万8600円、リフレッシャーオイルが4400円。

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世界中を旅するメゾンフレグランス「ジェオデジス」 メキシコやモロッコなど各地の自然の恵みを香りで表現

フランス発メゾンフレグランス「ジェオデジス(GEODESIS)」は1996年、ブルターニュ地方で誕生した。フレグランスクリエイターであるノルベルト・イブロとエミリー・イブロ夫妻が世界中を旅する中で出合った植物や花々を香りで再現。ブランド名は、地球(ジェオ)と結びつける(デジス)を組み合わせたもの。世界各地に咲く花や果実、木々、ハーブなどさまざまな要素を結びつけて、自然が持つ本来の美しさを香りで表現している。日本では、フランス発老舗ホームフレグランス「エステバン(ESTEBAN)」を手掛ける日本香堂が販売する。

香りの地図をイメージさせる豊かで持続性のある香り

フレグランスは、メキシコが原産地のチュベローズ、モロッコが原産地のネロリ、ギリシャが原産地のフィグ、イタリア・カラブリアが原産地のベルガモット、インドネシア・スマトラが原産地のパチョリの5種類。世界各地を象徴する植物の天然香料を使用したディフューザーやキャンドルは、香りの持続性が抜群だ。ルームスプレーやディフューザーは100%オーガニック植物性アルコールを使用している。

また、照明としても使用できるミストディフューザーも登場。洋室にも和室にもあうミニマルなデザインで、アロマオイルの香りと温かみのある光を楽しむことができる。価格は、キャンドルが4400円、ディフューザーが1万3200円、フレグランスリフィルが7700円、ルームスプレーが7700円、パフュームミストディフューザーが2万8600円、リフレッシャーオイルが4400円。

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メルカリが「超推し活展」開催 昭和・平成・令和の推し活グッズが一堂に

メルカリ(MERCARI)は、フリマアプリ「メルカリ」で出合える約1000点のアイテムを通して昭和・平成・令和の推しカルチャー・歴史を体感できるイベント「超推し活展」をSHIBUYA TSUTAYA1階で9月29日まで開催中だ。

「『メルカリ』において、2022年の1万点超から現在7倍程度推し活関連(商品タイトルや説明に「推し活」の文字が入っている)アイテムの取引が増加している」と初日の26日に行われた記者会見で、メルカリの千葉久義執行役員 VP of Marketing Marletplace。「越境ECでもエンタメ・ホビーのものがトップにランクインしているところからも推し活において欲しいものを手に入れる、時代を超えて欲しいものの入手に『メルカリ』が活発に利用されていると考えた」。

会場には昭和・平成・令和の推しカルチャーの変遷が分かる年表が壁一面に貼られ、そこに当時人気だったアイドルやアニメ、キャラクターのアイテムが並ぶ。また、推し活の象徴的なアイテムを使って、昭和・平成・令和それぞれの推し活ファッションを装う体験スペースも用意した。「誰もが自分の“推し”との出合いを楽しめる社会を実現するために、『メルカリ』ならではの体験が提供できると考えた」。同時に、出品されている様々なモノに出合える場としての「メルカリ」の認知向上も狙う。

懐かしのアイドル、アニメ、ゲーム、キャラクターのグッズが目白押し

1971年(昭和46年)の「スター誕生」に始まる「昭和」年表では、TVアニメ「キューティハニー」や、キャンディーズ、ビックリマンカード、松田聖子、ドラえもん、「少年ジャンプ」などのアイテムが並ぶ。1991年からの「平成」では、「スラムダンク」やモーニング娘。などのグッズのほか、オタク文化を拡大させた「電車男」、BTS、TWICEのデビューやVTuber「キズナアイ」の活動開始などが紹介されている。

「令和」のコーナーでは、「本人不在の誕生日会」や「推し活グッズをハンドメイドする作家の登場」といった現代の推し活のあり方を伝えている。

会見では「推し活循環社会」の現象を多田夏帆Oshicoco代表取締役が解説。不要になった推し活グッズを売りたい人と、かつてのアイテムやピンポイントで欲しいものがある買いたい人が、「メルカリ」を介して循環経済になっている状況や、参戦服、手作りファンサうちわへの需要などについて語った。

どの世代が訪れても懐かしいアイテムがあり、さらに推し活の歴史や盛り上がりが分かる。そして、全て手に取れるというのも魅力だ。また、全てのアイテムが「メルカリ」で買えるという。「いくらするのかな?」と、思わず「メルカリ」で検索したくなるイベントだ。

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メルカリが「超推し活展」開催 昭和・平成・令和の推し活グッズが一堂に

メルカリ(MERCARI)は、フリマアプリ「メルカリ」で出合える約1000点のアイテムを通して昭和・平成・令和の推しカルチャー・歴史を体感できるイベント「超推し活展」をSHIBUYA TSUTAYA1階で9月29日まで開催中だ。

「『メルカリ』において、2022年の1万点超から現在7倍程度推し活関連(商品タイトルや説明に「推し活」の文字が入っている)アイテムの取引が増加している」と初日の26日に行われた記者会見で、メルカリの千葉久義執行役員 VP of Marketing Marletplace。「越境ECでもエンタメ・ホビーのものがトップにランクインしているところからも推し活において欲しいものを手に入れる、時代を超えて欲しいものの入手に『メルカリ』が活発に利用されていると考えた」。

会場には昭和・平成・令和の推しカルチャーの変遷が分かる年表が壁一面に貼られ、そこに当時人気だったアイドルやアニメ、キャラクターのアイテムが並ぶ。また、推し活の象徴的なアイテムを使って、昭和・平成・令和それぞれの推し活ファッションを装う体験スペースも用意した。「誰もが自分の“推し”との出合いを楽しめる社会を実現するために、『メルカリ』ならではの体験が提供できると考えた」。同時に、出品されている様々なモノに出合える場としての「メルカリ」の認知向上も狙う。

懐かしのアイドル、アニメ、ゲーム、キャラクターのグッズが目白押し

1971年(昭和46年)の「スター誕生」に始まる「昭和」年表では、TVアニメ「キューティハニー」や、キャンディーズ、ビックリマンカード、松田聖子、ドラえもん、「少年ジャンプ」などのアイテムが並ぶ。1991年からの「平成」では、「スラムダンク」やモーニング娘。などのグッズのほか、オタク文化を拡大させた「電車男」、BTS、TWICEのデビューやVTuber「キズナアイ」の活動開始などが紹介されている。

「令和」のコーナーでは、「本人不在の誕生日会」や「推し活グッズをハンドメイドする作家の登場」といった現代の推し活のあり方を伝えている。

会見では「推し活循環社会」の現象を多田夏帆Oshicoco代表取締役が解説。不要になった推し活グッズを売りたい人と、かつてのアイテムやピンポイントで欲しいものがある買いたい人が、「メルカリ」を介して循環経済になっている状況や、参戦服、手作りファンサうちわへの需要などについて語った。

どの世代が訪れても懐かしいアイテムがあり、さらに推し活の歴史や盛り上がりが分かる。そして、全て手に取れるというのも魅力だ。また、全てのアイテムが「メルカリ」で買えるという。「いくらするのかな?」と、思わず「メルカリ」で検索したくなるイベントだ。

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韓国発「マルディメクルディ」が手掛けるフレグランスブランド「ナーディス」が日本上陸 ジャズやロックミュージックが着想源

韓国発のライフスタイルブランド「マルディメクルディ」が手掛けるフレグランスブランド「ナーディス(NARDIS)」はこのほど、日本での公式ECをオープンした。日本上陸を記念したポップアップストアを9月30日から10月6日、渋谷のミヤシタパークで開催する。ポップアップ期間終了の翌日から、セレクトショップ「エディトリアル(EDITORIAL)」のミヤシタパーク店と東京ミッドタウン八重洲店で商品を取り扱う。

「ナーディス」は、2023年11月に韓国で誕生した、ジャズやロックミュージック着想のフレグランスブランド。米ジャズピアニストのビル・エヴァンス(Bill Evans)がある公演で呟いた言葉「I’m an artist.(私はアーティストだ)」が、彼の訛りで「I’m a Nardis.」と勘違いされ生まれた言葉からブランド名を取った。「マルディメクルディ」が出資しており、今年の5月にはハンナムドンでコラボレーションアイテムのポップアップを開催した。

4種の香りをラインアップし、それぞれフレグランスとハンドクリーム、ハンドウォッシュをそろえる(3300円〜1万3200円)。キャップにオーディオやアンプのボリュームノブを落とし込んだり、オーディオ機器のLEDパネルを連想させる点字フォントを使用したりするなど、音楽的要素を取り入れた商品を開発する。香りの名前には実在する楽曲名を採用し、ブランドの世界観を表現している。

ミヤシタパークで開催するポップアップでは、ブランドの公式Instagramアカウントをフォロー後にストーリーズもしくはフィードにメンション投稿をすると、香水サンプル(3mL)をランダムでプレゼントする。また、1万5000円以上購入すると、オリジナルキャットチャームをプレゼントする。なくなり次第終了。

■「ナーディス」ポップアップストア
日程:9月30日〜10月6日
時間:11:00〜21:00
場所:RAYARD MIYASHITA PARK 「THE [ ] STORE」
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK North 2階

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韓国発「マルディメクルディ」が手掛けるフレグランスブランド「ナーディス」が日本上陸 ジャズやロックミュージックが着想源

韓国発のライフスタイルブランド「マルディメクルディ」が手掛けるフレグランスブランド「ナーディス(NARDIS)」はこのほど、日本での公式ECをオープンした。日本上陸を記念したポップアップストアを9月30日から10月6日、渋谷のミヤシタパークで開催する。ポップアップ期間終了の翌日から、セレクトショップ「エディトリアル(EDITORIAL)」のミヤシタパーク店と東京ミッドタウン八重洲店で商品を取り扱う。

「ナーディス」は、2023年11月に韓国で誕生した、ジャズやロックミュージック着想のフレグランスブランド。米ジャズピアニストのビル・エヴァンス(Bill Evans)がある公演で呟いた言葉「I’m an artist.(私はアーティストだ)」が、彼の訛りで「I’m a Nardis.」と勘違いされ生まれた言葉からブランド名を取った。「マルディメクルディ」が出資しており、今年の5月にはハンナムドンでコラボレーションアイテムのポップアップを開催した。

4種の香りをラインアップし、それぞれフレグランスとハンドクリーム、ハンドウォッシュをそろえる(3300円〜1万3200円)。キャップにオーディオやアンプのボリュームノブを落とし込んだり、オーディオ機器のLEDパネルを連想させる点字フォントを使用したりするなど、音楽的要素を取り入れた商品を開発する。香りの名前には実在する楽曲名を採用し、ブランドの世界観を表現している。

ミヤシタパークで開催するポップアップでは、ブランドの公式Instagramアカウントをフォロー後にストーリーズもしくはフィードにメンション投稿をすると、香水サンプル(3mL)をランダムでプレゼントする。また、1万5000円以上購入すると、オリジナルキャットチャームをプレゼントする。なくなり次第終了。

■「ナーディス」ポップアップストア
日程:9月30日〜10月6日
時間:11:00〜21:00
場所:RAYARD MIYASHITA PARK 「THE [ ] STORE」
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK North 2階

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「フローラノーティス ジルスチュアート」から肌でとろける“花蜜バター”のマルチクリーム ハンド・ボディーの限定キットも

「フローラノーティス ジルスチュアート(FLORA NOTIS JILL STUART)」は10月4日、マルチに使える保湿クリーム“センシュアルジャスミン マルチホイップバター”(60g、4180円)を発売する。ブランドの店舗と公式ECで、現在予約受け付け中だ。

同商品は、体温でとろけて伸び広がる花蜜のようなテクスチャーが特徴のマルチクリーム。髪や顔、全身に使うことができ、開花したての花びらのようにふっくらとした潤いに満ちた肌に導く。自然由来指数93%で、オーガニック認証成分や10種の植物由来成分を配合。オーガニックシアバターなどの固形状オイルとシルクタッチのオイルをバランス良く配合し、コクがありながらもベタつかない使用感を実現した。香りは、心を解きほぐすセンシュアルジャスミンを採用。10月3日までに予約した人には、特典として“センシュアルジャスミン ハンドクリーム”(15g)をプレゼントする。

ほか、10月31日までの期間限定で、“フレグラント ハンドケアキット”(全3種、各6270円)と“フレグラント ボディケアキット”(5720円)のキット2種が登場する。“フレグラント ハンドケアキット”には、スティックフレグランスの“フレグラントチャーム”と“ハンドクリーム”の現品をセット。“チェリーブロッサム”“センシュアルジャスミン”“スウィートオスマンサス”の香り3種を用意する。“フレグラント ボディケアキット”には、“センシュアルジャスミン マルチホイップバター”と“センシュアルジャスミン オードパルファン”(5mL)の現品をセット。どちらもギフトラッピングとハンディバッグ付きで、「ギフト フォー ユー(Gift For You)」のメッセージ入りボックスに詰め合わせる。

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大坂なおみが「メイベリン ニューヨーク」アンバサダーに 10月10日は世界メンタルヘルスデー

「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は、メンタルヘルスの重要性を啓発するキャンペーン“ブレイブ・トゥギャザー(BRAVE TOGETHER)”のアンバサダーに、テニス選手の大坂なおみを起用した。新キャンペーン“いっしょに話そう。それが、心を守る一歩になる。”の一環として、大坂がコートからテニスボールで力強いメッセージを送るスペシャルムービーを公開中だ。

自らもメンタルヘルスの問題に直面した経験から、その重要性を発信し続ける大坂は今回の就任について、「多くに人に話す事の大切さを知ってほしい。うつや不安について話す事を時間の無駄とか、一人で解決することとは思わないで一歩を踏み出してほしい」とコメントしている。

“ブレイブ・トゥギャザー”は、2020年に開始した世界中の人々のメンタルヘルス(心の健康)を支援するプログラム。パートナーのNPO団体を通じ、若い世代が抱えるメンタルヘルスの問題に寄り添い、考えるきっかけをつくるため活動している。

“世界メンタルヘルスデー2024”

10月5日から東京タワーでイベント“世界メンタルヘルスデー2024”を開催する。大坂からのパーソナルメッセージを初公開するほか、イベント限定のフォトブースなどを設置する。

■特設ブース概要

日程:10月5、6、10日
場所:東京タワーフットタウン2階通路
住所:東京都港区芝公園4-2-8 東京タワーフットタウン
時間:11:00~18:00(10日は17:00まで)

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「ダイリク」×「コンバース」 映画「ファイトクラブ」に着想したスニーカーを発売

「ダイリク(DAIRIKU)」は10月5日12時から、「コンバース(CONVERSE)」とのコラボスニーカーを発売する。価格は1万9800円。ゾゾヴィラ(ZOZOVILLA)と「ダイリク」公式オンラインストアで販売する。

映画「ファイトクラブ」をイメージ

デザインの着想源は映画「ファイトクラブ」。「コンバース」の人気スニーカー“オールスター ハイ(ALL STAR HI)”をベースに、主人公の二面性と「ダイリク」2024-25年秋冬コレクションの世界観を落とし込んだ。前から見ても後ろから見ても、トウガード、レースアップとヒールラベルが存在するのが特徴だ。

トゥキャップとライナーには落書き風のプリントを施し、ソールは日焼けしたような色合いにすることで退廃的な雰囲気を演出した。シューレースには、アクセントとして刻印の入ったオリジナルのデュブレ(タグ)を取り付けた。

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「ワコール メン」がデビュー35周年を迎えたドリカムとコラボ 花柄の“気持ちいいパンツ”が登場 

「ワコール メン(WACOAL MEN)」は10月1日、DREAMS COME TRUE(以下、ドリカム)とコラボレーションしたパンツを発売する。ドリカムのメンバーである中村正人が同ブランドを長年愛用しており、2022年にコラボ商品を発売した。

フラワープリントでポジティブな世界観を表現

今年デビュー35周年を祝い、男性・女性用の“気持ちいいパンツ”とティーン世代の女子向けの“non!P Kパンツ”の3型が登場。これら3型には、ストレッチ性と回復性に優れた素材Flex Moveを使用している。“笑顔の花を咲かせよう”をテーマにドリカムのライブの楽しさとポジティブな世界観を華やかなフラワープリントで表現している。

男性用パンツは、ブラック、ピンク、アッシュブルー、ロマンピンクの4色で3630円〜、女性用パンツは、ブラックとピンクの2色で3630円〜、ティーン用パンツはブラックとピンクの2色で2200円。「ワコール メン」取り扱い百貨店やワコールウェブストアなどで販売する。

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「ハリウッド ランチ マーケット」が「ワイルドシングス」に初別注 リバーシブル仕様のアウター“モンスター パーカ”

聖林公司が運営する東京・代官山のセレクトショップ「ハリウッド ランチ マーケット(HOLLYWOOD RANCH MARKET)」(以下、HRM)は、アメリカ発のアウトドアブランド「ワイルドシングス(WILD THINGS)」に初めて別注したアウターを10月中旬に発売する。価格は8万300円で、ブラックとオリーブの2カラーを用意。聖林公司の公式オンラインストアとハリウッド ランチ マーケットのほか、聖林公司のオリジナルブランド「ブルーブルージャパン(BLUE BLUE JAPAN)」の店舗でも取り扱う。

今回のアウターは、アメリカ軍の特殊部隊にのみ供給された「PCU(プロテクティブ・コンバット・ユニフォーム、Protective Combat Uniform)」のレベル7のアウター“モンスター パーカ(MONSTER PARKA)”をベースに製作した。全体のシルエットは、オーバーサイズながらタウンユースでも使いやすいショートレングスに変更し、両サイドのポケットやフードを収納できる首元といったオリジナルのミリタリースペックは踏襲。そして、別注を示すディテールとしてファスナーの引き手に“HRM”を、背裏部分に“HRM”と“WILD THINGS”のロゴを施し、ブラックはホワイトの、オリーブはパープルのリバーシブル仕様となっている。

アイテム一覧

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「ワイズ」と「ドクターマーチン」がコラボ 黒を基調としたブーツ2型をラインアップ

「ワイズ(Y'S)」は10月4日、「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」とコラボしたブーツを発売する。「ワイズ」の店舗および公式オンラインで取り扱う。また先行予約は、「ワイズ」店舗ですでに開始し、公式オンラインでは9月30日〜10月3日の期間に受け付ける。

黒を基調としたブーツ2型
老舗タンナーのカーフレザーを採用

コラボブーツは、10ホールブーツが土台の“10 アイ ワイズ ブラック クラシック カーフ”(8万5800円)と、2023年春夏シーズンに採用した6ホールブーツのシルエットをもとにした“101 ワイズ ブラック クラシック カーフ”(7万4800円)をラインアップする。ともにイギリスの老舗タンナーのチャールズ・F・ステッド(CHARLES F STEAD)社のクラシックカーフレザーを用い、厚底のソールや、ステッチに至るまで、全体を黒で統一した。バックジップには「ドクターマーチン」を彷ふつとさせる黄色の“AirWair”ロゴを配したリボンを、またインソールには両ブランドのロゴと、“MADE WITH C F.STEAD LEATHER”の文言をあしらった。

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「ウォンジョンヨ」の涙袋ペンシルに新色のリコッタピンク 透明感プラス&くすみをカバー

「ウォンジョンヨ(WONJUNGYO)」は10月25日、定番の涙袋ペンシル“メタルシャワーペンシル”(1650円)の新色“リコッタピンク”を発売する。12日には、ロフト(LOFT)とロフトネットストアで先行販売を行う。

“メタルシャワーペンシル”は、“涙袋メイク”の第一人者として知られているブランドプロデューサーのウォン・ジョンヨ=メイクアップアーティストが手掛けたアイシャドウペンシルで、ぷっくりとした涙袋メイクが簡単にできるよう試行錯誤を重ねて開発したアイテムだ。新色の“リコッタピンク”はクリーミーなローズピンクカラーで、肌なじみの良い青みピンクカラーが目元に透明感を与え、コンシーラーのようにくすみをカバー。ラメを控えたマットな質感で、自然な涙袋の立体感を演出する。

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【スナップ】2025年春夏パリコレからいち早くお届け! 最新ストリートスナップ全84枚

世界4大コレクションのトリを飾るパリ・ファッション・ウイークが9月23日に開幕した。今シーズンも常連から期待の新人まで、100を超えるブランドがショーやプレゼンテーションを予定している。ここでは世界中のファッショニスタが集う会場から、いち早くパリのストリートスナップをお届けする。

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ロンハーマンが「アー・ペー・セー」に別注したセットアップ リフレクションロゴが特徴

ロンハーマンが「アー・ペー・セー」に別注したセットアップ リフレクションロゴが特徴

ロンハーマンは9月28日、「アー・ペー・セー(A.P.C.)」に別注したセットアップを発売する。

リフレクタープリントによる“A.P.C.”のロゴが特徴で、クルーネックのトップスが3万6300円、パンツが3万3000円。共にカーキとブラックの2色展開で、素材にはふんわりとしたボリューム感を持ちながら軽量でストレッチ性のある“ジャージー エポンジュ”を用いる。

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「タングルティーザー」のヘアブラシがハローキティ50周年の限定デザインで登場

英国発ヘアケアブランド「タングルティーザー(TANGLE TEEZER)」は9月26日、誕生50周年を迎えたサンリオの人気キャラクター、ハローキティとコラボレーションし、持ち歩きに便利なカバー付きヘアケアブラシ“コンパクトスタイラー”の限定デザイン3種を発売する。

“コンパクトスタイラー ハローキティ/50周年デザイン”(全3種、各3190円)は、“パールピンク”“レッド”“ピンク”の3色展開で、それぞれデザインが異なる。“パールピンク”は、パステルのカラーリングが特徴。ハローキティの瞳からハートやリボンが溢れ出るデザインだ。 “レッド”は、ハローキティをイメージしたカラーリングに仕上げた。トレードマークのリボンが「50」のデザインになっているところがポイントだ。“ピンク”は、ハローキティをステッカーのように散りばめたクールでキュートなデザイン。時代ごとの変化や歴史を感じることができる。

“コンパクトスタイラー”は、ブラシ部分を保護するカバー付きのヘアケアブラシ。コンパクトサイズでバッグやポーチに入れて持ち歩きやすく、外出先で素早く髪を整えられる。

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人工知能に負けない「トッズ」に勇気をもらい、「グッチ」のパパラッチ撮影に向かう

2025年春夏のウィメンズ・コレクションも、ニューヨーク、ロンドンが終わり、いよいよミラノ。朝9時から夜9時、時には夜10時まで、2人で最大1日20件の取材をしながら、合間合間で原稿を送り合い、コレクション取材のドタバタを日記でお送りします。DAY4はストライキの影響で、トラムや地下鉄が全面ストップ。大渋滞の悪条件下でも、くじけず取材に向かいます。

「トッズ」は、AIラーニングと一線
ノウハウを蓄積した職人にオマージュ

木村和花「WWDJAPAN」記者(以下、木村):「トッズ」はマッテオ・タンブリーニ(Matteo Tamburini)クリエティブ・ディレクターの2シーズン目ですね。会場には60人の職人がずらりと並び、アイコンシューズ “ゴンミーニ“を製作していました。前回も同じ職人によるプレゼンテーションの演出があったと記憶していますが、「トッズ」=職人技を来場者に印象付けようとしているのでしょうか。ランウエイには、手綱のようなものを握った巨大な手の彫刻を設えました。ここでもタンブリーニ=クリエイティブ・ディレクターは、手仕事に目を向けていることがわかります。

序盤は洗練されたリラックスパンツにフラットサンダルのルック。タンブリーニ=クリエイティブ・ディレクターは肌の露出ではなく、カジュアルかつ軽い生地使いでリゾート感を演出します。時折りフィールドジャケットなどのミリタリーの要素を取り入れながらも、ミニマルな雰囲気にまとめ上げました。

後半は、レザーのクラフツマンシップを披露。レザーで作るコート類はしなやかなドレープを描きます。これらのコートは、前シーズンも登場しましまよね?「グッチ」のサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)同様、「大事なことは、繰り返し伝える」系ですね。

村上要「WWDJAPAN」編集長:テーマは、「職人知能」。もちろん「人工知能(AI)」に対して、手作業の温もりと、AIラーニングとは全く異なる蓄積を続けてきた職人のノウハウを称えるコレクションです。今季のミラノは、デジタル時代に対して、もう一回立ち止まって、対峙することを説くブランドが多いですね。

だからこそ、マッテオは自身のデザイン性よりむしろ、素材と、そこから洋服やバッグ&シューズを生み出す職人技に比重を置き、結果「トッズ」らしいクワイエット・ラグジュアリーに辿り着きました。ハリのあるコットンのプルオーバーシャツ、レザーで作るアノラック、ハリコシとシャリ感のある素材で作ったハイウエストのジャケットなどは、いずれもデザインは控えめですが、ゆえに素材の特性を生かしているように見えました。きっと、着る人の日常着として大活躍することでしょう。そして、蓄積してきたノウハウがいかんなく発揮されているから、賢そうに見えます(笑)。これ、すっごく重要です。このあたりも「職人知能」、英語では「アーティザナル・インテリジェンス」と銘打った理由でしょうか?

バッグでは、「トッズ」からもホーボーが出ましたね。最近、新作として見る機会が増えました。アイウエアケースもカワイかったな。

「マックスマーラ(MAX MARA)」や「トッズ」は過去、周りのブランドやトレンドに踊らされて右往左往した時期がありましたが、しっかり自分達の立ち位置を確立したようですね。

その後の「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」も、今季は職人の手仕事にフォーカスしていましたね。植物タンニンを用いた手なめしのバッグは、鉱物タンニングよりも柔らかな風合いが魅力。2度染めのクロコダイルバッグは、ゆえに模様がハッキリと描かれ、ラグジュアリー感満載です。

新作は「ヴァレクストラ」らしい、プロダクトデザイン的アプローチのホーボーバッグ。曲線と直線がうまく同居しており、トレンディながら独自性のある一品に仕上がりました。

「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」は、Y2K時代に思いを馳せ、遊び心あるフレッシュなコレクションを発表しました。アクアやブルーはパールのように冷たくも甘く輝き、クールなシルバーを組み合わせると、気分は2000年ごろのフューチャリスティックです。大ぶりのスパンコールやリボンのディテールを加え、レトロガーリーならぬフューチャーガーリーなムードに仕上げました。どうしてもグラマラスなイメージが強いけれど、「ジミー チュウ」のガーリーも悪くないですね。

「スポーツマックス(SPORTMAX)」の詳細は上の記事に任せますが、トレンド感満載の「スポーツマックス」が戻ってきて、編集・記者としては非常にありがたいです(笑)。「2025年春夏のトレンドは?」と聞かれたら、「とりあえず、『スポマ』のショーをみてください」って返しちゃいそう。ピュアホワイトのカラーパレット、オーガンジーを使ったレイヤード、フリンジのようなビーズワーク、変形サファリジャケット、オーガンジーのようなハイゲージのリブニット、パステルカラーに染めたオーガンジーをレイヤードして楽しむ色のグラデーション、酷暑対策のようなシンプルなブラックドレス……。全部がトレンド。11月に発売するトレンドブックの参考にしたいと思います!

どんどん参りましょう。「ジャンニ キアリーニ(GIANNI CHIARINI)」は、アンダー10万円の手頃なバッグが主流ですが、レザーとラフィアを組み合わせたり、スエードを幾何学模様でパンチングしたり、異なる色のステッチワークを加えたり、フィルクッペのようなファブリックを採用したりと創意工夫に富んでいましたね。定番の型を、素材の工夫でアップデートしています。

「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI)」は、笑っちゃうくらいカラフルなジャングルの世界でしたね。

木村:草木の生い茂った展示会場内では、アッパーに蝶々が止まったようなミュールや、ライオンの立髪をイメージしたオープントゥーサンダル、虎柄のパンプスやバッグなどなどが葉っぱに隠れてディスプレイされていて楽しい展示でした。夏らしいビタミンカラーはファッションでもトレンドですが、ジャングルの生き物たちが大集合の「ジャンヴィト ロッシ」で足元から取り入れるのもありですね。デザイナーのジャンヴィト・ロッシさんにも、コメントいただきました。

木村:続いて向かった「MCM」の展示会でも、海の生き物たちが大集合でした。シーズンテーマは「アンダー・ザ・シー」。アイコンのヴィセトス柄と珊瑚礁のイラストを組み合わせたり、漁網をイメージしたというレザーカットのショルダーバッグなどが登場。ヒトデやタツノオトシゴ、海亀などのキャッチーなチャームも目を引きました。今回アクセサリーブランドでは、チャームの提案が豊富ですね。われわれは見逃してしまいましたが、ドゥオーモ大聖堂でK-POOPダンサーも交えたフラッシュモブのパフォーマンスもあったようです。

村上:一言で言えば、「若いな」って感じ。極彩色だったり、ストリートなスタイルだったり、どの世代に向けてアプローチしているのか?がよくわかります。ただ、欲を言えば2010年代のラグジュアリー・ストリートからは少しアップデートして欲しいかな。バッグは、正直少し硬さ、カクカクしたカンジが気になります。もっと柔らかい風合いとか、曲線的なシルエットを取り入れると、大人にも支持が広がりそうです。

「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」は、涼しげなリネンにフォーカス。カシミヤと混紡すれば柔らかく、反対にマニラ麻と混紡すればパリッとして表情豊か。シルクとも混紡したり、強く撚ったり、時にはリネンの花(初めて見た!)をプリントしたり。さすがは素材発のブランドだけあって、技術はもちろん、マテリアルへの愛が半端じゃありません(笑)。提案するのは、ベージュやグレー、オフホワイトなど、1トーンのスタイル。ただハイウエストな7分丈パンツや、ノーカラーやスタンドカラーのジャケットは少し難易度が高いし、民族衣装感が強かったかな。特徴ある帽子が、民族衣装感を強めてしまった気もします。

一方、日本でつくっているサングラスが素敵なこと。15万円ほどと決して安くないけれど、クールな見た目と、明らかに他とはクオリティが違う面構えです。競合であろう「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」含めて、バッグやシューズ、サングラス、スカーフなど、 アクセサリーの開発が進んでいます。

ファンの罵声(!?にも負ケズ
屈強なガードマンにも負ケズ

さて「グッチ(GUCCI)」のレビューは上の記事を読んでいただくとして、ここでは私のパパラッチトークをさせていただきましょう。「グッチ」のショーに来場したセレブは、兵役からカムバックしたばかりのBTSジン、グループの行方にも注目が集まるNewJeansのハニ、そしてタイの俳優ガルフ(Gulf)ら。K-POPアイドルが来場するブランドのショー会場は正直“修羅場“と化すので、ジンとハニが来場する「グッチ」はまさに修羅場中の修羅場と言えるでしょう(笑)。SNS担当からは、「2人が揃って来場する瞬間が撮れたら、最高です!」という期待の声(半分指令w)。「いや、それは奇跡ではないか?」と、考えながらの会場入りです。

パパラッチは、セレブの来場動線を見極めながら、どこから撮り始めれば一番多くのチャンスに恵まれるのか?を考えるのが大事です。その上で今回、私はショー会場に到着すると自分の座席を確認してから、一旦退場。入り口でジンとハニの到着を待ちました。

幸い狙いは的中し、おそらく入り待ち・出待ちのファンからは、「アンタのせいで見えないわよ!」という罵声を10回くらい浴びた気がしますが(笑)、無事に撮影成功。ジンの席でスタンバイしていたメディアは、屈強なガードマンの返り討ちにあったそうです(笑)。

とまぁ、我々もショー取材の合間にそれなりに苦労して撮影しておりますので、ファンの皆様は何卒温かい目で見守っていただけると幸いです。そして、ちゃんとファッションショーも楽しんでね!

という修羅場を終えた後は、「プラダ(PRADA)」の展示会に伺い、夕方は日本版が誕生した「10マガジン(10 MAGAZINE)」のパーティーに。先ほどまで「グッチ」でご一緒だった、増田さをり編集長に「おめでとう!」をしてきました。増田さんのインタビューは、「WWDJAPAN.com」で近日公開予定です。お楽しみに!

さらにミラノのセレクトショップのアントニオーリ(ANTONIOLI)が、買収している「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」のインショップをオープンしたパーティにも伺い、フィナーレは「ヴェルサーチェ(VERSACE)」。

イメージは、「ヴェルサーチェ」がガーリーをやったら……⁉︎でしょうか?キーモチーフの1つは、ドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)のお気に入りという野生のバラ。淡いパステルイエローやブルーのバラが、ブラウンのシルクやコットンの上に咲き乱れ、加えてパステルカラーのジグザグニットと組み合わさります。ポピーの花も咲き乱れていましたね。

でも、スタイルはイケイケドンドンの「ヴェルサーチェ」。基本は、ボタンを1個しか閉じないからVゾーンもおへそも見えるカーディガンに、肌をなぞるシルクのひざ丈スカート。メンズ・ウィメンズともに開襟シャツでバカンス感は高めです。パワーで押し切るというより、無駄のない布づかいで開放感を高める感じかな。

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「ドリス ヴァン ノッテン」2025年春夏コレクション

「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」が2025年春夏コレクションを発表した。

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世界的写真家集団マグナム・フォトがユニクロと組んだ理由 「ストーリーを届けることを大切にしてきた」

PROFILE: Olivia Arthur/写真家

Olivia Arthur/写真家
PROFILE: (オリヴィア・アーサー)1980年、英ロンドン生まれ。人々と彼らの私的および文化的なアイデンティティを深く掘り下げる作品で知られる、ドキュメンタリー写真家。2013年にマグナム・フォトの会員となり、20年から22年まで会長を務めた。世界中で展覧会が開催され、作品は、各地のミュージアムや関連機関に収蔵。ロンドンの出版社および写真ギャラリー「Fishbar」の共同創立者でもある PHOTO:KOHEY KANNO

東京・渋谷、国際連合大学前広場。誰でも出入りできる屋外のオープンスペースで、9月21日から3日間、ユニクロと写真家集団マグナム・フォトのコラボレーションによる写真展「GLOBAL PHOTO EXHIBITION - PEACE FOR ALL」が開かれた。

マグナム・フォトは1947年、ロバート・キャパやアンリ・カルティエ=ブレッソンらが設立。世界でもっとも有名で、もっともクリエイティブなドキュメンタリー写真家の集団である。

今回の企画では、ユニクロが2022年より行なっているチャリティーTシャツプロジェクト「ピース・フォー・オール(PEACE FOR ALL)」の新しい取り組みとして、マグナム・フォトが協業。「ピース・フォー・オール」は、Tシャツの販売収益を3つの国際的な人道的支援団体(国連難民高等弁務官事務所 UNHCR、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・インターナショナル)に寄付してきたが、その現場にマグナム・フォトの写真家3人がカメラを持って訪れた。

マグナム・フォト会長でもあるクリスティーナ・デ・ミデル氏はベトナムのプラン・インターナショナルへ、前会長でもあるオリヴィア・アーサー氏はルーマニアのセーブ・ザ・チルドレン、そしてリンドグシェ・ソベクワ氏はUNHCRが支援しているエチオピアの難民キャンプへ。写真展では、そこで撮影された支援活動や周辺の人々の暮らしを紹介。またそのうちそれぞれ選りすぐりの1カットをモチーフに新たなチャリティーTシャツを製作した。

「マグナム・フォトにとっても、これは重要なコラボレーションワークになったと思います」とは、アーサー氏の言葉だ。「また、Tシャツを媒体に支援の輪を広げていくアイデアも興味深いですね。Tシャツはいつでも、どこでも、そして誰でも着られる。そして、着るだけでひとつのアクションになる。とても民主的なアプローチです」。今回のコラボレーションの意義や印象的だった現場でのエピソードについて、アーサー氏に話を聞いた。

「循環させながら、支援の輪を広げる」

ーーなぜ、ユニクロと組んだのか。また、写真家として、今回のチャリティープロジェクトの取り組みにどのような期待を抱いていますか?

オリヴィア・アーサー(以下、アーサー):「ユニクロ(UNIQLO)」はグローバルなブランドであり、プロジェクトを通して、私たちが今、伝えるべきメッセージを大勢の人に届けられること、それがその答えのひとつでしょう。

また、今回の取り組みは、マグナム・フォトにとっても新しく意義のある試みだったと思います。プロジェクトではまず、寄付金を集め、それを支援団体に送り、困っている人を助ける。そして、私たちが、その現場や周辺の人々の暮らしにカメラを向け、ストーリーとして伝えていく。また、それは、多くの人にとって、世界の状況を知り、それぞれアクションにつなげていくきっかけになるかもしれない。そうやって循環させながら、支援の輪を大きくしていくようなプロジェクトになっています。

そこに、マグナム・フォトが関わる意義は大きい。特に、マグナム・フォトはドキュメンタリー写真家の集団ですが、“ストーリー”を届けるということをずっと大切にしてきましたので。

ーー今回のプロジェクトで、アーサーさんはルーマニアの「セーブ・ザ・チルドレン」へ。現地で印象的だったことは?

アーサー:私が訪れたのは、ルーマニアのセーブ・ザ・チルドレンのカウンセリング・ハブ。隣国のウクライナから逃れてきた難民の子どもたちも受け入れているスペースで、子どもたちのための教育支援やメンタルヘルケア、食糧支援などの活動を行なっている場所です。

そこで、一連の支援活動についてのレクチャーを受けたあと、私は、そこで暮らす子どもたちに向けて写真のワークショップを行おうと決めました。具体的には、マグナム・フォトのアーカイブを印刷し、そこに子どもたちが自由にペイントを加えるような創作の場を用意したり、スペースに簡易的なスタジオを設け、子どもたちにお互いの写真を撮って遊んでもったり。また、そうやって子どもたちが作ったアートワークを、コラージュにしてまとめたりもしました。

ーー写真が、オリヴィアさんと子どもたち、子どもたち同士のコミュニケーションツールにもなったっていうことですね。

アーサー:そうですね。撮影した写真についても、その場でプリントし、スタジオの壁に貼り付けていきました。子どもたちも自分たちが撮られた様子を見られるように。それは、確かにコミュニケーションツールになりましたし、子どもたちが、私が何をしているのかを理解し、そこに自分も参加していること、つまり自分事としてこの撮影を捉えてもらうことにも役立ちました。

ーーそのなかで、特に印象的だったことは?

アーサー:スタジオを作ったスペースは、窓から強い日差しが入る場所だったんですね。その光がスタジオの幕に影を落とす様子を見て、私は“影絵で遊べるんじゃないか”と思ったんです。しかし、周りをみたら、私が教えてあげる前に、すでに子どもたちが影絵で遊んでいて。私も子どもたちも、あの瞬間の同じことを考えていたんです。いい思い出ですね。

「想像する力は
誰からも奪うことはできない」

ーーその影絵で遊んでいる様子を切り取った写真は、今回、Tシャツに使われています。チョウのようなモチーフですが、この写真を選んだ理由は?

アーサー:この写真のモチーフが、どこか自由を象徴しているような気がしたからです。またこのモチーフについては、チョウだという人も、鳥だという人もいます。そうやって、人によって違う捉え方ができる点でも、この写真を気に入っています。

ーーTシャツには、その写真の周りには「imagine」の文字をプリントしています。子どもたちの手書き文字ですか?

アーサー:この言葉ーー「想像する」ということこそ、私が今回、子どもたちに伝えたかったことでした。「どんな困難な状況でも、想像することはできる」ということ。そして「その力を、あなた(子ども)たちから奪うことは、誰にもできない」ということです。実際に、たくさんの子どもたちにこの文字を書いてもらい、アートワークに活かしました。

ーー改めて、写真の力は、ファッションと組み合わせることでどう増幅されていくと思いますか。

アーサー:やはり、今回のように写真のもつメッセージやストーリーを、幅広く届けられることでしょう。(一部の写真ファンやアートファンなど)限られた人だけでなく、ファッションと組み合わさることで、多くの人がアクセスできるものになる。その意味でも、今回の写真展が、公共のスペースで誰でも見られるようなかたちになっているのも、非常に大きな意義があることだと思っています。

ーー今回は3人の写真家がプロジェクトに参加。他の2人の作品を見た感想は?

アーサー:2人の作品からは、ポジティブな感情やエネルギーを感じました。それは私の作品にも共通していることでしょう。どんなに困難な状況であっても、不安な生活を強いられながらも、未来をポジティブに想像し、そのように変えていく努力をする、アクションするーーそれが重要なのだと改めて思います。

■「GLOBAL PHOTO EXHIBITION - PEACE FOR ALL」
順次世界各地で開催予定、日本では以下を予定している
「ユニクロ原宿店」:9月24日〜10月6日
ひろしまゲートパーク:10月9〜15日

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明るい魂の叫び「そうだ、産地に行こう!」に感化され 秋はオープンファクトリーへ【向千鶴サステナDが行く】


向千鶴サステナビリティ・ディレクターによる連載では、文字通りサステナビリティ×ファッションをテーマにした取材を通じて出会った人や物、ちょっとした気づきをピックアップしています。今回は「セッチュウ」のデザイナーや服作りを学ぶ中高生、「パタゴニア(PATAGONIA)」のリジェネラティブ・オーガニック認証パスタ、元気いっぱいな全国の繊維産地の方たちなどが登場します。

2人のジェントルマンが麻布台ヒルズで再会

桑田「セッチュウ」デザイナーとイムラン「BoF」CEOとお茶をする(8/7)


イタリア在住の桑田悟史「セッチュウ(SETCHU)」デザイナーが来日との情報を聞きつけ、会いに行きました。目的は9月9日発売のサステナビリティ特集「How to be a Sustainable Apparel」用の取材です。桑田デザイナーが考えるサステナブルな服作りとは?とか、イタリア各地の工場とつながり持ちモノづくりをするなかで、厳しさを増す欧州のサステナビリティ関連の法規制にどう対応しているのか?などをうかがうためです。ジェントルマン、桑田さんが着ている和紙デニムについてなど根掘り葉掘り聞いたロングインタビューは貴重。この記事の下にある関連記事リンクからぜひお読みください。
同タイミングで、英国のファッションビジネスメディア「BoF(Business of Fashion)」のイムラン・アーメド(Imran Armed)創業者/CEOから「日本に行くからお茶しよう」と連絡をもらったので「せっかくなら」と桑田さんと麻布台ヒルズで一瞬合流。桑田さんは「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」のグランプリを受賞しており、イムランはその審査員ということで旧知でしたが、日本で会うのはまた一つ意味があったよう。イムランとは半年前のパリコレで隣の席になったときに雑談し「日本に行くときに連絡するね」からお茶が実現。さすが記者、フットワークが軽い!ヨーロッパのサステナ事情などを教えてもらいました。

台東区鳥越に癒しのサステナランチスポット発見

循環をテーマにしたカフェでランチ(8/23)

台東区鳥越で遅い時間でも駆け込めるランチスポットを見つけました。「ELAB」は「循環する暮らし」をキーワードに地元野菜を生かしたカレーなどがおいしいく、思わず(?)昼からナチュールワインもいただいたり。ケータリングサービスもあるそうで撮影などに良さそうです。カフェの奥にもワークショップなどを開けるサロン的スペースがあり居心地よいです。

ここからは新しい何かがきっと生まれる

“クリエイティブ・ベース” TEN10移転オープン(8/23)

TEN10(テン)が拠点を渋谷区・上原に移転・オープンし、そのレセプションへ。なんでしょ、ここ。新しい何かがあります。運営する志賀光プロデューサーのことは長く「PR」として認識して、東京コレクションのショー会場や展示会で山ほどアテンドしてもらってきました。でもTEN10はいわゆるPR会社の枠には収まらず、このスペースは従来のショールームとは明らかに違います。

事務所機能に加えて撮影や展示ができる空間があり、ミシンもあって衣装制作を行うラボでもあるという。「創造空間」の表現がぴったり。ここにスタイリストやカメラマン、アーティストなどおもしろい人やファッションが集まり、共有され、ムーブメントが生まれる様子が目に浮かぶようです。御影石の廊下は品があり天井が高く、なんだかガランとしていて心地よく、その余白に新しい物事が流れ込んできそうな気配です。空間って大事ですね。

中高校生対象のエシカルに関する連続講座

「TOKYO エシカルファッションチャレンジ」(8/26)

東京都が主催する中学・高校生を対象とした服作りのワークショップ「TOKYOエシカル」をのぞいてきました。タイトル通り“エシカル”な素材を使って、ターゲット設定からアイデア出し、製品の広め方までプロからレクチャーを受ける、少人数制・全8回のワークショップがなんともぜいたく!私が受けたいくらい(笑)。自分が高校生の頃は、雑誌の付録の型紙とユザワヤで買った生地を使って服を作ったものです。

このイベントの目的は“エシカル消費”の認知拡大と行動変容、とのことですが、なぜ題材にファッションが選ばれたのでしょうか?来場していた阿部泰之東京都産業労働局商工部長いわく「“エシカル”は半数の人は“知っている”けれど、その意味も知っている人は1~2割程度。より踏み込んだ理解が必要。ファッションはすそ野が広く、中高生の段階で深く学んでもらうことで行動につなげてもらえたら」とのこと。レクチャーの内容は大人が展示会で聞くような本格的なもの。その分、聞き手の学生たちも真剣です。その容赦ナシな本気度がよい、と思いました。

“正しいこと”という小さな石が波紋を作る

「パタゴニア」のリジェネラティブ・オーガニック認証パスタ発表会(8/29)

「パタゴニア(PATAGONIA)」が世界初となる、リジェネラティブ・オーガニック認証を取得したオーガニックパスタを発売し、そのお披露目を麻布台ヒルズにある大人気レストラン「Pizza 4P's Tokyo」で行いました。「お腹を空かせてきてね」の案内を本気で受け取り、空腹でお邪魔。有機栽培のデュラム小麦と有機カーンザだけを使ったパスタはかめばかむほど味が濃くなり大満足。

3種類のパスタを堪能したあとは、近藤勝宏パタゴニア プロビジョンズ ディレクターと久保田和4P’s グローバルブランド ディレクターによるトークセッション、題して「食から始まる環境社会の変革についてのトークセッション&オーガニックパスタ試食会」です。

パタゴニアの取材では「品質」という言葉をよく聞きます。登山道具という、命を守る道具にルーツを持つパタゴニアにとって品質は何にも変えがたち製品の価値であり、同認証はいわばその「品質」の証です。同認証には、土壌の健全性、労働者の公平性、動物の福祉という3つの柱があり「食べることで美味しく、身体の健康や大地の回復にもつながる」と近藤ディレクター。嬉しいことです!

「Pizza 4P's」は、日本人が2012年にベトナムで起業し、現在はベトナム、カンボジア、インド、インドネシア、日本の5カ国に42店舗を展開している美味しくてサステナブルな注目のレストランです。ベトナムで外食産業としては初めて環境インパクトレポートを出し、ゴミの量やパッケージの素材、地産地消など実践内容を詳細に公表しています。「パタゴニアはずっとベンチマークしてきた。僕らもリジェネラティブの考え方をレストランを通じて伝えて行きたい」と久保田ディレクター。

オーガニック食材は価格が高くなりがち、の課題について久保田ディレクターは「オーガニックが広がらないと価格も下がらないから、先陣を切ってマーケットを作っている。仲間が増えれば価格も下がり利益も出るから長期的な視点で僕らだけではなく全体でマーケットを作ってゆきたい」と言います。これには近藤ディレクターも深く頷き「まったく同じ。僕らは波紋を呼ぶ石になりたい。小さな石も水に投げ込めば波紋をよぶ。社会全体が“正しいことをやってみよう”となることを期待している」とのこと。ちなみに、「パタゴニアの創業者のイボン・シュイナードもプロビジョンズの製品の中でもパスタが特にお気に入り」だそう。

「昔話はもういい。もっぺんやり直そう」

繊維産地オープンファクトリーキックオフイベント(8/29)

今秋、全国の繊維産地でオープンファクトリーのイベントが開催されます。そのキックオフイベントが文化学園で開かれたのですが、やや遅れて会場に着くと広い教室が満員で熱気に溢れています。仕掛け人である宮浦晋哉 糸編代表の明るく軽妙な進行で各産地担当者たちのピッチが繰り広げられました。日本にはたくさんの繊維産地がありますが、それぞれの特徴を短時間でザッとインプットできる機会はあまりないから、これは貴重です。そして担当者たちがおし並べて明るい(特に尾州)から、話を聞いていると元気が出てきます。

多くの産地で今、世代交代が進み、次世代が活躍を始めています。そのうちの一つ、西脇・多可の担当者の言葉が印象的でした。「僕らは良い時は知らないから、ここから上がるしかない」。ちなみに、西脇・多可は、産地全体の年間生産量がピーク時の8.8%(91.2%減)です。これは文字通り「激減」です。ですが、彼らは「昔話はもういい。もっぺんやり直そう」と言います。

日本全国、ほとんどの産地が後継者不足という大問題を抱えています。それに対してメディアは「風前の灯」なんて表現をしがちです。私もこれまでそうでした。でもそれってとても失礼な話でした。危機感を無駄に煽るだけで具体的なアクションを起こさなければ役にも立たない。それよりも暴風を受けながらも繋ぎ盛り上げようとしている人たちの技術や製品、声を少しでも伝えることのほうが微力ながら役に立てるかもしれない、と思うようになりました。自戒を込めて、とはまさにこのことです。

オープンファクトリーの予定は下記の通りです。(米沢は終わってしまいました。記事にしたので記事したのリンクからぜひ読んでください)

山形県米沢市9月12〜14日 「360°よねざわオープンファクトリー」
愛知県知多市9月27日〜10月19日「CHITAMOMENT」
広島県福山市10月4〜5日「DENIM EXPO」
山梨県富士吉田市10月19〜20日「ハタオリマチフェスティバル」
愛知県一宮市 10月25〜26日「ひつじサミット尾州」
兵庫県西脇市・多可町10月26〜27日「西脇・多可オープンファクトリー“もっぺん”」
新潟県五泉市11月16〜17日「五泉ニットフェス」

宮浦さん曰く「こういうイベントは作る裏方の方々とても苦労しているのを見ているし、来年も同じプログラムがあるかどうかわからないので、気になるところがあればぜひ2024年のうちにお見逃しなくです」。表現は柔らかいけれどこれは魂の叫びです。

ファッション表現の制作現場で考えるサステナ

9月9日号サステナビリティ特集表紙撮影(8/30)


この日は9月9日号サステナビリティ特集の表紙撮影でした。そもそもこの撮影、編集部のサステナチームの一人、皆合記者が「ファッション表現におけるサステナビリティとは?」との問いを立てたところからスタート。環境配慮型の素材を使った服であっても、それを「伝える」撮影の制作現場で環境配慮が語られることは少ないという矛盾が生じているからです。
そこで、撮影スタジオは今年1月に東京・清澄白河にオープンした循環型ギャラリー&スタジオ「ソイルメイツ スタジオ」を選び、サステナビリティに関心がありアクションを起こしているクリエイターに集まってもらいました。メンバーは、フォトグラファーのRIKKIさん、メイクアップアーティスト&ビューティディレクターのMICHIRUさん、ヘアスタイリストのJUN GOTOさん、スタイリストの木村舞子さん。そしてモデルを務めたのは、俳優で映画監督でもある岡本多緒さんです。岡本さんは、「アボード・オブ・スノー」共同クリエイティブ・ディレクター兼サステナビリティ・アンバサダーも務めています。撮影後に行った4人の座談会はぜひ記事をお読みください。

AIなどデジタルでの表現も可能な今、人が集まり、エネルギーを使いながらファッションビジュアルを製作する意味・意義は「絶対ある」と私は思います。リアルに人が集まり、手を使ったヘアメイク作りやモデルの動きが醸し出すことでしから生まれない美があるから。だからといって、1回使っただけの背景紙を廃棄するようなビジネスモデルや慣習に対してはノー。変えられことが必ずあるはず。思考を停止しないこと、ですね。

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明るい魂の叫び「そうだ、産地に行こう!」に感化され 秋はオープンファクトリーへ【向千鶴サステナDが行く】


向千鶴サステナビリティ・ディレクターによる連載では、文字通りサステナビリティ×ファッションをテーマにした取材を通じて出会った人や物、ちょっとした気づきをピックアップしています。今回は「セッチュウ」のデザイナーや服作りを学ぶ中高生、「パタゴニア(PATAGONIA)」のリジェネラティブ・オーガニック認証パスタ、元気いっぱいな全国の繊維産地の方たちなどが登場します。

2人のジェントルマンが麻布台ヒルズで再会

桑田「セッチュウ」デザイナーとイムラン「BoF」CEOとお茶をする(8/7)


イタリア在住の桑田悟史「セッチュウ(SETCHU)」デザイナーが来日との情報を聞きつけ、会いに行きました。目的は9月9日発売のサステナビリティ特集「How to be a Sustainable Apparel」用の取材です。桑田デザイナーが考えるサステナブルな服作りとは?とか、イタリア各地の工場とつながり持ちモノづくりをするなかで、厳しさを増す欧州のサステナビリティ関連の法規制にどう対応しているのか?などをうかがうためです。ジェントルマン、桑田さんが着ている和紙デニムについてなど根掘り葉掘り聞いたロングインタビューは貴重。この記事の下にある関連記事リンクからぜひお読みください。
同タイミングで、英国のファッションビジネスメディア「BoF(Business of Fashion)」のイムラン・アーメド(Imran Armed)創業者/CEOから「日本に行くからお茶しよう」と連絡をもらったので「せっかくなら」と桑田さんと麻布台ヒルズで一瞬合流。桑田さんは「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」のグランプリを受賞しており、イムランはその審査員ということで旧知でしたが、日本で会うのはまた一つ意味があったよう。イムランとは半年前のパリコレで隣の席になったときに雑談し「日本に行くときに連絡するね」からお茶が実現。さすが記者、フットワークが軽い!ヨーロッパのサステナ事情などを教えてもらいました。

台東区鳥越に癒しのサステナランチスポット発見

循環をテーマにしたカフェでランチ(8/23)

台東区鳥越で遅い時間でも駆け込めるランチスポットを見つけました。「ELAB」は「循環する暮らし」をキーワードに地元野菜を生かしたカレーなどがおいしいく、思わず(?)昼からナチュールワインもいただいたり。ケータリングサービスもあるそうで撮影などに良さそうです。カフェの奥にもワークショップなどを開けるサロン的スペースがあり居心地よいです。

ここからは新しい何かがきっと生まれる

“クリエイティブ・ベース” TEN10移転オープン(8/23)

TEN10(テン)が拠点を渋谷区・上原に移転・オープンし、そのレセプションへ。なんでしょ、ここ。新しい何かがあります。運営する志賀光プロデューサーのことは長く「PR」として認識して、東京コレクションのショー会場や展示会で山ほどアテンドしてもらってきました。でもTEN10はいわゆるPR会社の枠には収まらず、このスペースは従来のショールームとは明らかに違います。

事務所機能に加えて撮影や展示ができる空間があり、ミシンもあって衣装制作を行うラボでもあるという。「創造空間」の表現がぴったり。ここにスタイリストやカメラマン、アーティストなどおもしろい人やファッションが集まり、共有され、ムーブメントが生まれる様子が目に浮かぶようです。御影石の廊下は品があり天井が高く、なんだかガランとしていて心地よく、その余白に新しい物事が流れ込んできそうな気配です。空間って大事ですね。

中高校生対象のエシカルに関する連続講座

「TOKYO エシカルファッションチャレンジ」(8/26)

東京都が主催する中学・高校生を対象とした服作りのワークショップ「TOKYOエシカル」をのぞいてきました。タイトル通り“エシカル”な素材を使って、ターゲット設定からアイデア出し、製品の広め方までプロからレクチャーを受ける、少人数制・全8回のワークショップがなんともぜいたく!私が受けたいくらい(笑)。自分が高校生の頃は、雑誌の付録の型紙とユザワヤで買った生地を使って服を作ったものです。

このイベントの目的は“エシカル消費”の認知拡大と行動変容、とのことですが、なぜ題材にファッションが選ばれたのでしょうか?来場していた阿部泰之東京都産業労働局商工部長いわく「“エシカル”は半数の人は“知っている”けれど、その意味も知っている人は1~2割程度。より踏み込んだ理解が必要。ファッションはすそ野が広く、中高生の段階で深く学んでもらうことで行動につなげてもらえたら」とのこと。レクチャーの内容は大人が展示会で聞くような本格的なもの。その分、聞き手の学生たちも真剣です。その容赦ナシな本気度がよい、と思いました。

“正しいこと”という小さな石が波紋を作る

「パタゴニア」のリジェネラティブ・オーガニック認証パスタ発表会(8/29)

「パタゴニア(PATAGONIA)」が世界初となる、リジェネラティブ・オーガニック認証を取得したオーガニックパスタを発売し、そのお披露目を麻布台ヒルズにある大人気レストラン「Pizza 4P's Tokyo」で行いました。「お腹を空かせてきてね」の案内を本気で受け取り、空腹でお邪魔。有機栽培のデュラム小麦と有機カーンザだけを使ったパスタはかめばかむほど味が濃くなり大満足。

3種類のパスタを堪能したあとは、近藤勝宏パタゴニア プロビジョンズ ディレクターと久保田和4P’s グローバルブランド ディレクターによるトークセッション、題して「食から始まる環境社会の変革についてのトークセッション&オーガニックパスタ試食会」です。

パタゴニアの取材では「品質」という言葉をよく聞きます。登山道具という、命を守る道具にルーツを持つパタゴニアにとって品質は何にも変えがたち製品の価値であり、同認証はいわばその「品質」の証です。同認証には、土壌の健全性、労働者の公平性、動物の福祉という3つの柱があり「食べることで美味しく、身体の健康や大地の回復にもつながる」と近藤ディレクター。嬉しいことです!

「Pizza 4P's」は、日本人が2012年にベトナムで起業し、現在はベトナム、カンボジア、インド、インドネシア、日本の5カ国に42店舗を展開している美味しくてサステナブルな注目のレストランです。ベトナムで外食産業としては初めて環境インパクトレポートを出し、ゴミの量やパッケージの素材、地産地消など実践内容を詳細に公表しています。「パタゴニアはずっとベンチマークしてきた。僕らもリジェネラティブの考え方をレストランを通じて伝えて行きたい」と久保田ディレクター。

オーガニック食材は価格が高くなりがち、の課題について久保田ディレクターは「オーガニックが広がらないと価格も下がらないから、先陣を切ってマーケットを作っている。仲間が増えれば価格も下がり利益も出るから長期的な視点で僕らだけではなく全体でマーケットを作ってゆきたい」と言います。これには近藤ディレクターも深く頷き「まったく同じ。僕らは波紋を呼ぶ石になりたい。小さな石も水に投げ込めば波紋をよぶ。社会全体が“正しいことをやってみよう”となることを期待している」とのこと。ちなみに、「パタゴニアの創業者のイボン・シュイナードもプロビジョンズの製品の中でもパスタが特にお気に入り」だそう。

「昔話はもういい。もっぺんやり直そう」

繊維産地オープンファクトリーキックオフイベント(8/29)

今秋、全国の繊維産地でオープンファクトリーのイベントが開催されます。そのキックオフイベントが文化学園で開かれたのですが、やや遅れて会場に着くと広い教室が満員で熱気に溢れています。仕掛け人である宮浦晋哉 糸編代表の明るく軽妙な進行で各産地担当者たちのピッチが繰り広げられました。日本にはたくさんの繊維産地がありますが、それぞれの特徴を短時間でザッとインプットできる機会はあまりないから、これは貴重です。そして担当者たちがおし並べて明るい(特に尾州)から、話を聞いていると元気が出てきます。

多くの産地で今、世代交代が進み、次世代が活躍を始めています。そのうちの一つ、西脇・多可の担当者の言葉が印象的でした。「僕らは良い時は知らないから、ここから上がるしかない」。ちなみに、西脇・多可は、産地全体の年間生産量がピーク時の8.8%(91.2%減)です。これは文字通り「激減」です。ですが、彼らは「昔話はもういい。もっぺんやり直そう」と言います。

日本全国、ほとんどの産地が後継者不足という大問題を抱えています。それに対してメディアは「風前の灯」なんて表現をしがちです。私もこれまでそうでした。でもそれってとても失礼な話でした。危機感を無駄に煽るだけで具体的なアクションを起こさなければ役にも立たない。それよりも暴風を受けながらも繋ぎ盛り上げようとしている人たちの技術や製品、声を少しでも伝えることのほうが微力ながら役に立てるかもしれない、と思うようになりました。自戒を込めて、とはまさにこのことです。

オープンファクトリーの予定は下記の通りです。(米沢は終わってしまいました。記事にしたので記事したのリンクからぜひ読んでください)

山形県米沢市9月12〜14日 「360°よねざわオープンファクトリー」
愛知県知多市9月27日〜10月19日「CHITAMOMENT」
広島県福山市10月4〜5日「DENIM EXPO」
山梨県富士吉田市10月19〜20日「ハタオリマチフェスティバル」
愛知県一宮市 10月25〜26日「ひつじサミット尾州」
兵庫県西脇市・多可町10月26〜27日「西脇・多可オープンファクトリー“もっぺん”」
新潟県五泉市11月16〜17日「五泉ニットフェス」

宮浦さん曰く「こういうイベントは作る裏方の方々とても苦労しているのを見ているし、来年も同じプログラムがあるかどうかわからないので、気になるところがあればぜひ2024年のうちにお見逃しなくです」。表現は柔らかいけれどこれは魂の叫びです。

ファッション表現の制作現場で考えるサステナ

9月9日号サステナビリティ特集表紙撮影(8/30)


この日は9月9日号サステナビリティ特集の表紙撮影でした。そもそもこの撮影、編集部のサステナチームの一人、皆合記者が「ファッション表現におけるサステナビリティとは?」との問いを立てたところからスタート。環境配慮型の素材を使った服であっても、それを「伝える」撮影の制作現場で環境配慮が語られることは少ないという矛盾が生じているからです。
そこで、撮影スタジオは今年1月に東京・清澄白河にオープンした循環型ギャラリー&スタジオ「ソイルメイツ スタジオ」を選び、サステナビリティに関心がありアクションを起こしているクリエイターに集まってもらいました。メンバーは、フォトグラファーのRIKKIさん、メイクアップアーティスト&ビューティディレクターのMICHIRUさん、ヘアスタイリストのJUN GOTOさん、スタイリストの木村舞子さん。そしてモデルを務めたのは、俳優で映画監督でもある岡本多緒さんです。岡本さんは、「アボード・オブ・スノー」共同クリエイティブ・ディレクター兼サステナビリティ・アンバサダーも務めています。撮影後に行った4人の座談会はぜひ記事をお読みください。

AIなどデジタルでの表現も可能な今、人が集まり、エネルギーを使いながらファッションビジュアルを製作する意味・意義は「絶対ある」と私は思います。リアルに人が集まり、手を使ったヘアメイク作りやモデルの動きが醸し出すことでしから生まれない美があるから。だからといって、1回使っただけの背景紙を廃棄するようなビジネスモデルや慣習に対してはノー。変えられことが必ずあるはず。思考を停止しないこと、ですね。

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世界中で大ヒット「ゲルカヤノ」の生みの親・アシックス榧野さんってどんな人?

PROFILE: 榧野俊一/アシックス アシックススポーツミュージアム アーカイブ担当リーダー

榧野俊一/アシックス アシックススポーツミュージアム アーカイブ担当リーダー
PROFILE: (かやの・としかず)鳥取県生まれ。大阪芸術大学を卒業後、1987年アシックスに入社。シューズデザイナーとして“ゲルエクストリーム“”ゲルカヤノ“”ゲルニンバス“”GT2000ニューヨーク“など同社を代表するモデルを作り続けた。現在はアシックスの歴史的なシューズを保管・展示するアシックススポーツミュージアム(神戸本社内)に勤務 PHOTO:TOMOKI HASE

アシックスのランニングシューズ“ゲルカヤノ(GEL-KAYANO)“は1993年の発売以来、30年以上にわたって世界中のランナーに愛されるロングセラー商品である。近年は過去のモデルをベースにしたファッションスニーカーが人気で、特に“ゲルカヤノ14”は爆発的ヒット商品になった。このカヤノの生みの親こそ、アシックスのシューズデザイナー榧野俊一(かやの・としかず)氏である。競技向けからファッションまで、その名を世界にとどろかせるカヤノの榧野氏とはどんな人物なのか。

WWD:もともとシューズデザイナーを目指していたのですか。

榧野俊一アシックススポーツミュージアム アーカイブ担当リーダー(以下、榧野):大学で工業デザインを専攻していました。自動車や電化製品のデザイナーになりたかったけど、大手メーカーはいずれも狭き門でした。中学・高校の美術教師にも興味があって、教育実習を経て合格をもらっていました。でもデザイナーの夢は捨て難く、進路に迷っていた。そんなとき運良くアシックスから内定が出たのです。僕の故郷はアシックス創業者・鬼塚喜八郎さんと同じ鳥取県。地元には昔からシューズ工場(現・山陰アシックス)もあって、鬼塚さんは地元の有名人でした。親孝行にもなるかなと思って入社を決めました。

WWD:それまでアシックスのシューズは履いていましたか。

榧野:柔道部だったので馴染みはありませんでした。それに工業デザイナー志望だからスポーツ用品の中でもギアの方に興味があった。新規事業部というのがあって自転車を作っていたため、そちらへの配属を希望しました。(人事部からは)アシックスの花形のシューズでなく、自転車を選ぶ変わり者と思われたことでしょう。それくらいシューズに関心がなかったのです。

WWD:ではシューズに関わるようになったきっかけは?

榧野:1987年当時、アシックスの新入社員研修は半年間。でも僕は2週間で研修を打ち切られ、ランニングシューズの底(アウトソール)の図面を描いて(工場に)発注してくれ、と命じられました。右も左も分からず、既存の商品をベースに見よう見まねで描きました。続いて「バスケットボールシューズをやってくれ」と言われて、手掛けたのが米国市場向けのバッシュ“ゲルエクストリーム(GEL-EXTREME)“。私の実質的なデビュー作です。

WWD:新入社員なのに、いきなり大抜擢ですね。

榧野:入社したばかりでバスケに必要とされる機能もよく分かりません。体育の授業のバスケも苦手で、いい思い出がなかった。上からは「過去のバッシュをベースにしながらデザインしろ」と言われて、いきなりコートに立たされたわけです。今では考えられない無茶ぶりですよ。でも工業デザインを学んできたおかげで、人の足で負荷がかかったり、曲がったりするのはこの辺りだろうなと想像はつきました。

後から振り返ると、スポーツシューズにおけるデザインの重要性が増してきた時代でした。従来の常識にとらわれない若手を登用しようという気運だったのでしょう。3社統合でアシックスが誕生してわずか10年(シューズのオニツカ、スポーツウエアのジィティオ、ニットウエアのジェレンクが1977年に対等合併)。総合スポーツメーカーとしては黎明期でした。せっかくの高性能をデザインとしてうまく表現できていないのが会社の課題だった。そんな時代にスポーツシューズの世界に飛び込んだのです。

WWD:バッシュでいえば、マイケル・ジョーダンが履いた「ナイキ」の“ジョーダン“シリーズが一世を風靡し、白ばかりだったバッシュがカラフルになっていった時期ですね。“ゲルエクストリーム“にはどう取り組みましたか。

榧野:とにかくカッコよさを追求しました。アシックスのバッシュは高品質だけど、地味過ぎてもったいないと感じていました。スポーツには必ず美しい瞬間があります。そこから着想を広げるのが僕のやり方です。バスケでいえば、迫力あるダンクシュートや堅実なサイドステップに美を感じ、イメージを膨らませました。

初めて米国に出張した際、飛行機から眺めたグランドキャニオンや摩天楼のビル群に感動しました。アメリカの景色から得た着想を靴底に取り入れました。機能的なことは先輩方に助言をもらいながら作り上げました。NBAの契約選手に履いてもらうため、チームカラーを取り入れることになりましたが、人気チームであるロサンゼルス・レイカーズのチームカラー(黄色と紫)すら知らなかった。本当に手探りだったけど、思い出深い一足です。

“ゲルカヤノ“は仮の名前だった

WWD:そして、まだ27歳だった93年に現在まで続くランキングシューズの基幹モデル“ゲルヤカノ“を発表するわけですね。

榧野:“ゲルヤカノ“も米国市場向けに企画したシューズです。時代背景から説明した方がいいでしょう。当時の米国はフィットネスブームによって、ランニングとフィットネスの境がなくなっていました。新作のターゲットは健康を目的に走る人たち。市場ではフィットネスランニングという言葉が浸透していました。今は走りに特化したパフォーマンスランニングという表現が一般的です。同じランニングでも時代によって意味合いは変わるのです。

初期の“ゲルヤカノ“には、今のランニングシューズにはあまり使われない固いパーツも使われています。だから27.0cmで500g近くになり、現在から見たらかなり重たいモデルでした(最新の“ゲルカヤノ31”は305g)。ジムのトレーニングに兼用できるよう耐久性を追求したためです。

米国法人からは「デザインのイノベーションを起こしてくれ」とリクエストされました。行き詰まっていたら、ある日突然、クワガタのイメージが浮かんだのです。カッコいい角(つの)と硬い鎧を身にまとったクワガタ。強いだけでなく俊敏なところもランニングシューズにぴったり。われながらいいアイデアだと思って先輩に話したら「ふざけすぎだ」と一蹴されましたが、僕はめげません。デザインにこっそり盛り込みました。米国法人の担当者は面白がってくれて、米国市場ではこのデザインコンセプトを宣伝しました。遊び心も米国のランナーに伝わって上々の売れ行きでした。

WWD:「ナイキ」の“ジョーダン“や「アディダス」の“スタンスミス“などアスリートの名前がスポーツシューズに採用される例は多いけれど、社員デザイナーの名前がつく例は珍しいですね。

榧野:当社の場合は過去にいくつありました。でも長続きせず、1、2年で終わってしまう。“ゲルカヤノ“のように30年以上続くことは確かに珍しいです。この名前は僕の意向ではありません。米国法人の担当者が開発中のコードネームとして言い始め、そのまま発売されてしまったのです。カヤノという言葉の響きがアメリカ人にとって異国情緒があって魅力的なので、「そのまま行くよ」となりました。初代は“ゲルカヤノトレーナー“、翌年の2代目モデルから“ゲルカヤノ“になりました。

WWD:自分の名前がついたシューズが発売されて、米国でヒットしたときの気分はどうでしたか。

榧野:入社5年目で将来に迷いもありました。米国市場で実績を重ねると、現地の大手スポーツ企業から良い待遇を持ちかけられることもあります。でもシューズに自分の名前が付けられ、十字架を背負わされたような気持ちになりました。“ゲルカヤノ“は僕1人で作ったわけでなく、多くの仲間と作り上げたシューズですから責任を感じます。エラいことしてくれたな、というのが偽らざる気持ちでした(笑)。引き抜きの話があっても「僕はサムライ魂があるので」と断ってきました。

「ガンダムチック」なデザインの評価が時代で変わった

WWD:以来、“ゲルカヤノ“は今年発売された“ゲルカヤノ31”まで30年以上、全世界で累計300万〜400万足を売るロングセラーになったわけですが、これほど息の長い商品になった理由はなんでしょう?

榧野:ずっとランナーに寄り添ってきたからだと思います。時代の変化と共にユーザーやポジションも変化しています。当初のフィットネスランニングから始まり、今はパフォーマンスランニングの定番モデルになりました。スポーツシューズは「機能性」「テクノロジー」「デザイン」の3要素の三角形で構成されます。この三角形の形は、時代ごとに変わる。今は「機能性」と「テクノロジー」が突出していて、「デザイン」の山は低い。結果として各社ともシンプルでミニマルなデザインになっています。シューズにもサステナブルが求められるようになり、パーツを減らしたデザインが主流になりました。僕が得意としたような遊び心が入り込む余地は少なくなりました。でも、それはお客さまや市場が求めていることなので間違いではありません。

WWD:榧野さんた直接手がけていた“ゲルカヤノ“の初代から“13”までは装飾的な要素が多いですね。

榧野:自分は情緒を盛り込みたいタイプのデザイナーです。先ほどのクワガタもそうですが、人間の心臓や肺などの内蔵をデザインモチーフにしたり、隠れキャラのようなデザインメッセージを密かに盛り込んだり。“ゲルカヤノ11"は日本の戦国時代の武士の甲冑、翌年の“ゲルカヤノ12”は西洋の騎士の鎧をデザインモチーフにしています。

オニツカ時代から選手ファーストで機能とテクノロジーを大事にしてきた歴史をリスペクトしつつ、そこに情緒を加味するのが僕の役目でした。今、アシックスの(1990〜2000、10年代のスポーツシューズをファッションスニーカーに刷新した)「スポーツスタイル」が売れていますが、そういった情緒が若い世代にとっては新鮮なのかもしれません。

WWD:確かに街中でアシックスのスニーカーを履く若者を多く見かけるようになりました。少し前までファッションスニーカーは「ナイキ」「アディダス」「ニューバランス」など欧米一辺倒で、「アシックス」は部活動のイメージが強いためか…

榧野:ダサいと言われてきました。辛かったなぁ。ファッションはつかみどころがない。会社からも小売店からも「ファッション性の高いものを作れ」と言われ続けてきましたが、具体的にファッション性の高いシューズの答えは誰も持っていません。僕が得意な情緒的なデザインがファッション性に結びついているのかは分かりません。でも醸し出されるデザインのバックストーリーを感じ取ってくれているような気がします。僕のシューズは「ガンダムチックなデザイン」「メカっぽい」と言われたりしましたが、時代が進んで評価されるのだから面白いですね。

“ゲルカヤノ14"の大ヒットはうれしいけど、悔しい

WWD:“ゲルカヤノ14”がファッションスニーカーとして世界中で大ヒットしています。

榧野:カッコいいよね。きょう僕が履いているのも“ゲルカヤノ14"。これは韓国の「アンダーマイカー」とコラボしたスニーカーです。でも残念ながら僕は2008年発売の“14”のオリジナルに携わっていません。僕は担当したのは初代から“13"までなんです。だから“14”が大ブレイクして悔しいですよ(笑)。

“14"のデザイナーは、僕の大学の後輩の山下秀則(現・アパレルエクィップメント統括部デザイン部部長)です。山下は“13”までのデザイン哲学を踏襲し、さらに昇華させてくれました。本当に素晴らしいし、世界中で売れるのも納得です。うれしい。けれど、悔しい。複雑な気持ちです。

WWD:正直ですね(笑)。しかし榧野さんがオリジナルをデザインしたシューズは「スポーツスタイル」の人気商品です。最初のバッシュ“ゲルエクストリーム“も復刻されて“EX89”、ランニングシューズの“GT2000"“ゲルニンバス“シリーズもストリートで愛されています。

榧野:僕は基礎を作っただけです。“ゲルカヤノ”とコラボするコラボするクリエイターはこの部屋(貴重なアーカイブ品が保管される神戸本社の資料室)に招き、アシックスのこれまでの歩みを紹介します。さまざまなアスリートの足元を支えてきた歴代のシューズはインスピレーションの宝庫。みんな一様に感動して帰ります。国内外のクリエイターによって僕らが作ってきたシューズに新しい魅力が加わる。デザイナー冥利に尽きます。

若い世代にシューズデザインを伝えたい

WWD:アスリートの名前を冠したスポーツシューズは、売り上げに応じてアスリートにインセンティブが入ることが多いようです。

榧野:僕の懐には1円も入りません。一会社員ですから。もし30年分の“ゲルカヤノ“のインセンティブが入ったら、すごいことになりますね(笑)。若いときに取得した特許や意匠登録があるので、毎年おこづかい程度の額は入ります。これも期限があるため年々減ります。

WWD:“ゲルカヤノ“がアシックスの社員デザイナーの名前だと知らない人も多いようですね。

榧野:ランニングが文化として浸透している海外では、僕の知名度はそれなりにあるようです。昨年は“ゲルカヤノ“デビュー30周年を記念して、米国と豪州の講演に呼ばれました。会社の歴史や“ゲルカヤノ“の開発秘話を話すと、みなさん、熱心に聞き入ってくれます。終わるとサイン攻めにあいました。

日本でもデザインを担当していた頃は、“ゲルカヤノ“の新作を出すたび店頭の販売応援に立ちました。懇意にしていただいていたスポーツミツハシ(京都の有力スポーツ専門店)が多かった。デザイナーとしてではなく、単なるメーカーからの販売応援スタッフとして、お客さんに応対します。「アシックスよりもナイキのデザインが好きなの」とか忌憚のない声を聞くことができます。プラスの声、マイナスの声も含めて、次の開発に生かすのです。

WWD:アシックスは過去10年で売上高が2倍近く成長し、海外売上高が8割以上というグローバル企業になりました。会社はどう変わりましたか。

榧野:だいぶ変わりました。もともとはコンサバな体育会系の社風でした。カルチャー好きな僕は異端だった。周りからは好き勝手やっているように見えたことでしょう。でも結果を残すために相当のエネルギーを費やしてきました。さいわい担当した商品で売り上げを伸ばしたから、自由が確保できた。シューズ作りはチームワークが大切だけど、デザインの出発点は個人のインスピレーションであるべきです。僕は表現できるのが本当に楽しかった。いま社内の後進育成も行っています。今の若いデザイナーは真面目で優秀ですよ。好きなことをとことん突き詰めてほしいな。

来年3月で定年退職の予定です。その先は決めていません。ただ、やりたいことはあります。芸大や美大でスポーツシューズのデザインを教えることです。ときどき講師として招かれることもありますが、可能性に満ちあふれた学生さんと話すのは本当に楽しい。自分の経験を伝えていけたら幸せです。

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【2024年クリスマスコフレ】「ディプティック」のホリデー第1弾はアドベントカレンダー フェルトを使用した夢のように美しい世界

「ディプティック(DIPTYQUE)」は10月17日、ホリデーコレクション第1弾としてアドベントカレンダー(7万3810円)を限定発売する。イギリス人現代アーティストのルーシー・スパロー(Lucy Sparrow)をゲストアーティストに迎え、フェルトを使用した夢のように美しい世界を探求する。冬を象徴するアイテムや、ブランドのアイコニックなアイテムをポップな美学で再解釈した。第2段以降は10月下旬から12月にかけて発売する。

アドベントカレンダーは、ソーイングボックスの形にデザインした。ホリデーシーズンのために特別にデザインした新しい3種のキャンドル、“サパン”(70g)と“エトワール”(35g)、“フリアンディーズ”(35g)のほか、“オー ド パルファン”(10mL)や“リフレッシュ ルームスプレー バジル”(10mL)、“リフレッシュキャンドル バジル”(35g)、“プレミアムオーナメントセット”など、25種類のアイテムを詰め込んだ。

スパローは、フェルトで手縫いした日用品のレプリカなどによるインスタレーションで一躍有名になった現代アーティスト。同氏の作品は、大胆かつ洗練されており、堂々としていながら緻密さも備えている。今回のホリデーコレクションでもカラフルで感覚的な素材を用い、独自のスタイルを発揮する。

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