ロート製薬の日焼け止めブランド「スキンアクア」が進化 美肌見せ&使い心地をアップデート

ロート製薬は、日やけ止めブランド「スキンアクア(SKIN AQUA)」の“スキンアクア トーンアップUV”シリーズと“スキンアクア ヒアルロンセラムUV”をリニューアルし、2026年2月2日から順次発売する。12月1日から渋谷エリアなどの一部店舗とアマゾン(AMAZON)、楽天市場などのECサイト、ロート通販で先行発売を行う。“スキンアクア トーンアップUV エッセンス”(全5種、各1210円※編集部調べ、以下同)は新色のホワイトを追加し、全色を新処方へ刷新。 “スキンアクア ヒアルロンセラムUV”(70g、1320円)も処方を刷新した。

新色ホワイト登場&全色を“透明感ロック処方”へ刷新

記録的な猛暑となった2025年夏の日やけ止め市場は前年比8%増となったが、ロート製薬のUVカテゴリーも同10%増と好調に推移。特に“スキンアクア トーンアップUV エッセンス”は、同社のUV製品売上ランキングで1位を獲得したという。好評を受け、2026年シーズンは“選べる透明感”と“続けたくなる使い心地”をさらに進化させリニューアル。どんなパーソナルカラーにも自然な透明感をもたらす新色のホワイトを加えたほか、コーティング成分がカラーパールとUVカット成分を肌に密着させ、汗や水に強く、塗りたての仕上がりが続く“透明感ロック処方”を全色に採用した。肌にフィットしやすく、べたつきにくい“ピタっとさらさら”な仕上がりで、メイク前にも使いやすいテクスチャーへ向上。パッケージはブランドの象徴であるバイカラーはそのままに、グラデーションの向きを変更した新デザインとした。

ロートUV売上ランキング2位の“スキンアクア ヒアルロンセラムUV”も処方を刷新し、“日中補水”の発想をもとに厳選した3種類のヒアルロン酸をシリーズ最大濃度で配合した。パウダーフリー処方を採用したことで衣服やカバンに色移りしにくく、日常での使いやすさを高めたほか、潤ってべたつかない“肌解放感処方”で、肌負担のない使い心地を追求している。

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「よーじや」が冬の限定メニューを提供 ゆず餡&ゆずゼリーの和パフェや聖護院かぶらのパスタなど

京都発のライフスタイルブランド「よーじや」は12月4日、冬の期間限定メニューとしてパフェ、パスタ、ドリンクの3種類を発売する。大人気の“顔パフェ”シリーズからは“ゆずの白パフェ”(1500円)が登場するほか、“聖護院かぶらの白ボロネーゼ”や“ホットサングリア”も用意。提供店舗は四条河原町店と嵯峨野嵐山店で、期間限定メニューを注文した客を対象としたキャンペーンも行う。

“白いおいしい宝物”をたっぷりと

“ゆずの白パフェ”(1500円)は、マスカルポーネアイスや求肥、レアチーズケーキ、ホワイトチョコフレークといった“白いおいしい宝物”が詰まった一品だ。さっぱりとしたゆず味のシャーベット、手作りのゆず餡、ゆずゼリーとのバランスが楽しめる。パフェは、生クリーム、ホワイトチョコソース、ゆずシャーベット、ぎゅうひ、ゆず餡、ゆずゼリー、ゆずパウダー、スポンジ、レアチーズケーキ、マスカルポーネアイス、ホワイトチョコフレークで構成する。

“聖護院かぶらの白ボロネーゼ”は、もちもちのリングイネに、粗挽きの豚ミンチとほんのりゆずが香るクリームソースをからめ。ボロネーゼとクリームパスタの魅力を両立させたメニューで、ごろごろと入った聖護院かぶらもこの時季ならではのおいしさだという。価格は店舗によって異なり、四条河原町店ではスムージー付きで1430円、嵯峨野嵐山店ではスムージーとフォカッチャ付きで1540円で提供する。ほか、果汁100%のぶどうジュースを使ったノンアルコールタイプの温かいドリンク“ホットサングリア”(800円)も用意。柑橘とベリーが具だくさんで入っており、香りづけのシナモンスティックでかき混ぜながら楽しめる。

限定メニューのキャンペーンとして、“ゆずの白パフェ”を注文した人にパフェの中身を層ごとにイラストで紹介した「パフェカード」をプレゼントするほか、“ホットサングリア”の注文で新発売の“ねむり”シリーズから“バスエッセンス”のサンプルパウチをプレゼントする。配布は予定数に達し次第終了となり、“バスエッセンス”香りは選べない。

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【ARISAK Labo vol.10】ラッパー・CHANGMOとARISAK 2人に通ずる“削ぎ落とす美学”

フォトアーティスト・ARISAKがファッション&ビューティ業界の多彩なクリエイターと共鳴し、新たなビジュアル表現を追求する連載【ARISAK Labo】。Vol.10となる今回のゲストは、今夏にアルバム「Op(オーパス).2」をリリースした、韓国出身のラッパー・CHANGMO(チャンモ)。今回の撮影のために来日したという彼と、2日間にわたり撮影を行った。

PROFILE: CHANGMO/ラッパー、プロデューサー

CHANGMO/ラッパー、プロデューサー
PROFILE: 1994年5月31日、韓国生まれ。幼少期からピアノを始め、14歳からビート制作をスタート。2019年には楽曲「METEOR」が大ヒットを果たし、「otel Walkerhill (feat. Hash Swan)」がMAMA2020「ベストヒップホップ&アーバンミュージック」にノミネートされるなど注目を集める。今年8月にはアルバム「Op.2」をリリースした

“If I had time”
CHANGMO × ARISAK
Interviewed by Daniel Takeda

今回撮影を行ったのは、イマーシブシアター・Anemoia Tokyo、裏千家茶道教室 SHUHALLY、渋谷スカイ。2日間に及ぶ撮影でのスタイリングは石川淳氏、ヘアスタイリングは芝田貴之氏、メイクはYUKA HIRAC氏が手掛けた。ARISAK、CHANGMO共に「新たな発見があった」というビジュアルは、一体どのように生まれたのか?2人の出会いから撮影背景、撮影時の様子まで、音楽業界に精通する竹田ダニエルが2人にインタビューを行った。

竹田ダニエル(以下、ダニエル):では最初に、ARISAKさんとの出会いについて教えてください。彼女の作品について最初はどういう印象でしたか?

CHANGMO:最初の出会いとしては、僕が所属していたレーベルのボスであるThe Quiett(ザ・クワイエット)というラッパーのアルバムのカバーを見て「これ誰がやったの?」と聞いたら、「ARISAKさんがやったんだよ」って教えてもらって、そこから彼女の存在を知りました。

それで名前を知ってから自然な流れで、昨年のイベントで初めて会うことになりました。そこで「はじめまして」と挨拶して、その後、韓国でもARISAKさんと3人でご飯を食べたり、自然と会う機会が増えていった、という流れです。

ARISAK:CHANGMOくんのボスのThe Quiettさんが若い子たちをフックアップして「場数を踏ませたいという思いから毎月開催している「RAP HOUSE」というヒップホップのイベントがあって。そのイベントを今回日本で初めて開催するというので見に行ったんです。

それにCHANGMOくんも来ていて、終わった後にみんなで打ち上げで焼肉に行ったんですけど、その時にインスタとかでお互いフォローし合ってたので、「あれ? CHANGMOくんじゃない?」ってなって話しかけた、という感じです。

ダニエル:ARISAKさんから見たCHANGMOさんの最初のイメージとか、「一緒に撮影したい」と思ったきっかけは何ですか?

ARISAK:最初に持っていたイメージは、すごく「優しさがにじみ出ている方だな」という感じで。そういうのは、目の感じとかに出るじゃないですか。気さくで優しい目をしているのが印象的でした。
彼の音楽ももちろん聴いていたけど、最初はインスタでつながって、「SMOKE」とか有名な曲にも参加されていたり「あ、これも、これもCHANGMOくんの曲なんだ」と少しずつ一致していった感じでした。

いわゆるギャングスターラップみたいなイメージが先行しがちだけど、その中でもピアノも弾いていて、天才的で唯一無二な部分があるし、同時にすごくやさしい感じもにじみ出ている人だなという印象でした。実際に話したら、私が思うイメージ通りでした。

ダニエル:今回、もともとCHANGMOさんがARISAKさんをフォローしたということですが、今回の撮影に至った背景や、撮影に至るまでのアイデア出しのプロセスとかは、どのような感じでしたか?

CHANGMO:The Quiettさんを通じてARISAKさんの作品を知り、そこからARISAKさんをフォローすることによって、「いつか一緒にやるんじゃないかな」という確信のようなものが自分の中にありました。

一方で、自分の見た目がわりとソフトな感じに対して、ARISAKさんの作品はすごくエッジが効いたコントラストがあるものなので、僕の見た目が果たしてARISAKさんの作品にマッチするのか、正直不安な面もありました。ですが、ARISAKさんの作品には普段からリスペクトを持っていて、全部信じているので、今回は彼女のリードについていこうと思いました。

ダニエル:作品を見させてもらったんですけど、アー写やライブ写真だと、基本的に大きいサングラスをしていたり、シルエットが大きい服を着ていたりすることが多くて、「かっこいい」「ちょっと近寄りがたい」みたいなイメージがあるんですが、ARISAKさんの写真を見ると、さっき言ったみたいな目のやさしさや柔らかい雰囲気、あとピアノの写真もすごく良くて。かなり内省的なアーティストのイメージをうまく引き出しているなと思いました。

CHANGMO:通常インスタとか表に出る写真っていうのは、かっこよく見せたいって思っている人が多いと思いますし、僕もそのうちの1人でした。ですが今回のARISAKさんとの作品に関しては、ダニエルさんの言う通りありのままの自分を表現できた気がしていたと思います。今回は、いつもと違う自分を表現できたような気がしています。

look

ARISAK:すごくうれしい話。サングラスかけてる感じもかっこいいけど、CHANGMOくんの「個性的な美しさ」って絶対あると思っていて。アジアンモデル的な、高身長で、そのままでも画になる。

ただ、ナチュラルな制限の中での「ちょっとした変化球」みたいな感じで見せたいなとも思って、今回はとにかく「削ぎ落とす美学」を意識しました。私の世界観の中でも、必要なものだけ残す、っていうのをすごく大事にしました。

LOOK

ダニエル:ARISAKさんに撮影のお話を伺いたいんですが、撮影場所は渋谷スカイなどのロケーションも含めて、どういうふうに選んだかとか、どういう部分を引き出したかったかっていうお話を聞かせてください。コンセプトとか衣装のポイント、難しかったことや注目してほしいところなどあれば。

ARISAK:今回のタイトルはCHANGMOくんの曲の「If I Had Time」っていう曲名にちなんでいて、「もし時間があったら」というニュアンスです。時間の制約のない不思議な世界に来たCHANGMOくん——それがイコール「日本」なんですけど——その不思議な世界を旅している、というイメージです。

その世界が実は夢の中なのか、そうじゃないのか、どっちなんだろう?という見せ方にしたくて、「これは夢なの? 現実なの?」と思わせるような世界観を目指しました。なので、時間の制約のない不思議な世界を表現できそうなロケーションを選んでいて、それが渋谷スカイの屋上だったり、イマーシブシアター Anemoia Tokyoという劇場セットだったり、本物の裏千家茶道教室のSHUHALLYだったり。主にその3ロケーションを回りました。

映画のインスピレーションになったのは「マトリックス(The Matrix)」とか「インセプション(Inception)」、「インターステラー(Interstellar)」などクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)系の作品。毎回そういた映画にインスピレーションを受けることが多いんですが、「ここはインセプションらしい」「ここはマトリックスらしい」という思想を感じるロケーションを厳選しました。ロケーションのアポイントメントの確認に時間がかかって大変だったんですけが、編集担当の方とも手分けしてロケハンに何度も行って、「ここだ!」って場所を詰めていきました。

CHANGMOくん本人のビジュアルイメージとしては、「マトリックス」の主人公・ネオみたいな感じがいいなと思っていて。ネオみたいな強さもありつつ、内面のセンシティブさも両方引き出したかったんです。映画の主人公って、実は作り込みすぎていないというか、「削ぎ落とされたナチュラルさ」があると思うんです。だから今回も、自分の世界観なりのストーリーで必要な部分以外はとにかく削ぎ落とす。詰め込みすぎない。「派手さ全開」なものももちろん好きだけど、今は情報量の多いビジュアルがあふれすぎて、見る側も疲弊している気がしていて。自分自身も変わらなきゃいけないなと思っていたタイミングだったので、今回の企画はすごくいいきっかけでした。本当に、かなり気合いを入れてやりました。

ダニエル:そのあたりについて、CHANGMOさんの印象も聞いてみたいです。撮影全体を振り返ってみての感想とか、ロケーションで印象に残っている場所、気に入っているルック、韓国での撮影との違いなど、クリエイティブの捉え方の違いなども含めて教えてもらえますか?

LOOK

CHANGMO:20代の頃にライブで東京に来たことはありましたが、「ライブだけしてすぐ帰る」みたいな感じで、自分で東京を選んで「ちゃんと満喫する」というのは、30代になってからが初めてでした。
僕にとっての東京はずっとファンタジーというか、神秘的な都市というイメージがあったんですけど、今回の撮影で訪れた場所は、まさにそのイメージを視覚化したような場所でした。たとえば横浜でピアノのカットを撮影したSHUHALLY、渋谷スカイでのカットもそうですけれども、自分が抱いていたファンタジーがそのまま形になっていて、とても印象的でした。

ルックに関しては、「ユリウス(JULIUS)」というブランドが本当に好きで。ずっとインスタグラムをフォローしていたんですけど、自分の背が高いので「これを着こなせるのかな」と躊躇していたブランドでもありました。でもARISAKさんの撮影を通して実際に着ることができて、とてもうれしかったです。

何よりも今回の撮影で感じたことは、言葉が通じなかったとしても、本当にいいアーティスト同士ならフィーリングで目指すゴールが一致するんだな、ということ。今回の撮影を通してそれを体感できました。ARISAKさんには本当に拍手を送りたいです。

ARISAK:彼にとって、今回のようなファッションシュート、そして日本での撮影が初めてだったので、日本の現場の感じも全然分からない中、不安もすごくあったと思うんですけど…でもCHANGMOくんって、すごく素敵なものをたくさん持ってる。「ユリウス」も本人が「好き」って言ってたので、スタイリストの淳さんにダイレクトに「『ユリウス』借りてきてほしい」とお願いして、今シーズン全部借りてきたんじゃないかってくらいたくさんお借りできて、本当に助かりました。現場でも「これ全部CHANGMOくんに合うじゃん!」って盛り上がって。だからこそ、いいものをいっぱい持っているCHANGMOくんが不安もたくさん抱えてるのが意外でした。

CHANGMO:「意外に不安だったんですね」と言われて、自分でも改めて考えてみたんですけど、実は韓国でもこういったファッション系や作品撮り、いわゆる「作撮り」をあまりやってこなかったーーというよりは、避けてきたところがありました。

過去にやったことはあるけれど、満足できる結果を得られなかったので「それならやらない」という選択をしてきたんです。でもARISAKさんに関しては、不思議と最初から「この人は信じられる」という感覚があって、誘われた時点で信頼できた。だから今回の撮影は不安もあったけど、「ARISAKさんと一緒にやれて本当によかった」と心から思っています。

ARISAK:こちらこそです。しかもこの連載のためだけに来日してくれて。今回のためにわざわざ来てくれたので、「絶対いいものを撮ってやる!」みたいな気持ちで、相性が良さそうな日本のクリエイターたちを集めました。

ヘアスタイリストの芝田さんはなかなかスケジュールが取れないとても人気の方で、「ジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)」の広告のヘアーも担当されていて。「メンズはヘアーが命」だと思うのでどうしてもこだわりたくて、芝田さんにお願いしました。せっかく韓国から来てくれるんだったら、「心臓削って一旗あげてやる!」くらいの勢いで悔いが残らないようにやり切りました。

CHANGMO:国ごとのスタイルの違いというよりは、結局は「人」だと思っています。国籍とか、その国のしきたりとかではなく、担当している人がどういうスタイルを持っているのかが大事。

今回のARISAKさんの撮影に関しては、僕が普段音楽を作る時、「無駄な音を入れず、大事なものだけを作る」ことを意識しているんですが、それがARISAKさんにも共通していると感じました。たとえばシャッターを切る瞬間も、本当に「ここだ」という時だけ撮っていて、それがとても印象的でした。

ARISAK:そうかもしれない。他のフォトグラファーよりも、シャッターを切る回数は少ない方だと思います。必要のないカットはあまり撮らないタイプです。

ダニエル:ありがとうございます。今回の撮影を終えてどんなインスピレーションを受けたか、そして次にARISAKさんと撮影するとしたらどんな撮影がしたいか、教えてくれますか?

CHANGMO:今回2日間撮影させていただいた中で、ずっとARISAKさんには「今回すごくインスピレーションを得た。ありがとう」と伝えていました。自分1人だったら絶対に企画しなかったであろう内容やルック、新しい自分と出会えたことに強いインスピレーションを受けました。

音楽においても、これを機に今までやってこなかったタイプの音楽を新しく作ってみてもいいのかもしれないーーそれが新たな自分につながるかもしれない、という勇気を与えてくれた撮影でした。

ARISAK:めっちゃうれしい。撮影中、本当にずっと楽しそうだったよね。フェイクな笑顔じゃないというか、「素で楽しんでる」のが分かる感じで、それがこちらのエネルギーにもなってました。

ダニエル:今回の撮影で日本に来てくれたのもそうだし、ARISAKさんからは「日本での活動を広げたい」という話も聞いたんですけど、日本の人からするとヒップホップも含めて音楽業界全体が「韓国の方が盛り上がっている」ように見えるし、韓国に行きたい人がすごく多いと思います。そんな中で「日本でも活動したい」と思う気持ちとか、日本の音楽シーンのどういうところが面白いと思っているのかを聞きたいです。

CHANGMO:音楽を「伝えたい」みたいな、大げさなことをしたい、というよりは、隣の国である日本で、自分CHANGMOとしての音楽活動をナチュラルにやれたらいいなと思っています。

アンダーグラウンドのシーンで活動していると、似たようなジャンルのミュージシャン同士で自然と仲良くなったりするじゃないですか。韓国・ソウルの音楽シーンで自分がそうやって音楽の輪を広げてきたように、日本でも同じような考えの人やそうじゃない人、いろんな人と交流して、彼らと音楽的な話をするためにも、また日本に来たいです。

ダニエル:CHANGMOさんのディスコグラフィーを見ると、本当に「韓国ヒップホップの中心にいる人」という印象で、あらゆる人とコラボしてるし、あらゆる曲にフィーチャーされているし、すごく中心的な存在だと思います。

CHANGMO:自分は韓国ヒップホップシーンの「中心」にいるとは思っていません。どちらかというと、これから中心になりうる若手アーティストをサポートする先輩の立場になってきたように感じています。

自分は韓国で十分たくさん活動してきたので、これから出てくるエナジーあふれる若手をサポートしたい気持ちが大きいし、韓国全体を揺るがすようなすごい曲がこれから出てくることを願っています。そのために、自分はサポートしていきたいです。

ダニエル:すごい…責任感が素晴らしいですね。

ARISAK:本当にそう思います。

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ダニエル:CHANGMOさんは過去にオーケストラでピアノを弾いていて、クラシックのバックグラウンドがあるんですよね。最新のシングル「Op.2」の中で、ロッテコンサートホールでの音源が収録されていますが、クラシックとヒップホップってイメージが全然違うから、すごく面白いなと思って。そのクラシックのバックグラウンドは、今の音楽活動にどういう影響を与えていますか?

CHANGMO:もともと幼い頃からずっとピアノが好きで、ピアノをずっとやっていたので、自分がラッパーになるとは思っていませんでした。大学もアメリカやヨーロッパの音大に進んで、その道に行くつもりでした。
でも、音大ってとてもお金がかかるので、せっかく受験に受かっても行くことが難しく、夢を諦めざるを得なかった。それくらい家庭の事情が厳しくて、いわゆる「ヒップホップ的な家庭」だったので、「お金がないから何もできない」という現実に対する怒りをその時覚えました。その怒りをぶつける場所が他になかったからこそ、ヒップホップにはまるようになりました。

当時は「ラッパーになりたい」と思って歌詞を書いたというよりは、不安や怒りをライムにして歌詞にしていったのが、今の活動につながっています。ロッテコンサートホールでのオーケストラのライブ映像を使うのも、本当はずっと昔からやりたかったことですが、なかなか実現が難しく時間がかかっていました。今回、ロッテ側が手を挙げてくれたことで、ようやくこういったコラボが実現したんです。

ARISAK:すごい話…。

ダニエル:そこまでは全然知らなかったので、教えてもらえてうれしいです。「Op(オーパス).2」の最新曲、「If I Had Time」もすごく大人な雰囲気で、内面にフォーカスした曲だと感じました。この曲の制作背景や、今後どういう曲を出していきたいかを教えてほしいです。

CHANGMO:韓国で、タイトルを「オーパス(Opus)」と読んでくれる人がなかなかいないので、ダニエルさんがちゃんと読んでくれてすごくうれしいです。クラシックの曲って「〇番・〇番」と数字が増えていくじゃないですか。なので、この「オーパス」シリーズも1、2で終わらせず、できれば100まで続けたいと思っています。クラシックの音楽家たちは作品に番号をつけますよね。商業音楽のアルバムとは違って、「曲集」みたいな概念になっていく。このOPUSシリーズにこれから入っていく曲たちは、「If I Had Time」も含めて、もっと正直に、詩的に、自分が言いたいことを素直に言える作品にしていきたいと思っています。

ダニエル:「100までやりたい」というのは、ファンが聞いたらすごくうれしい話だと思います。先程「次世代のラッパーやヒップホップアーティストを支える存在になりたい」とも言っていましたが、どんどん韓国の音楽が世界的に盛り上がっている中で、CHANGMOさん的に、韓国ヒップホップシーン、さらには韓国の音楽シーン全体は今後どんなふうに進化していくと思いますか? 予測でもいいし、「こうなったらいいな」という未来像でも大丈夫です。

CHANGMO:韓国音楽シーンの今後を正確に予測するには自分の人生経験がまだ足りないと思っているので、「こうなる」と断言はできないけれど、「こうなってほしい」という未来はあります。

日本や韓国、中国、台湾など、近隣アジア諸国の音楽的な交流がどんどん増えてきています。それはiPhoneなどのテクノロジーや、さまざまな媒体を通した交流も相まって、文化を楽しみやすい時代になったと感じています。たとえば、自分がマイク1本持って違う国に行ってライブをしても、「808(ヒップホップのベースの音)」をみんな理解して、一緒に楽しんでくれる。

交流しやすい時代になったからこそ、これからの10年は、いろんな国の人たち——若手もそうですし、自分も含めて——がより交流して、一緒に音楽を作って楽しめる空間をつくっていけたらいいなと思っています。自分も日本のアーティストとこれからコラボしていきたいし、日本のアーティストの皆さんも、僕のことを見つけてくれたらうれしいです。実は最近、プライベートでも静かに日本に来ていて、普通の観光客みたいに原宿をうろうろしていることもあります(笑)。

ダニエル:じゃあ、日本での活動を広げるにあたって「挑戦してみたいこと」、例えばコラボしたい人や、ライブをやってみたい場所とか、何かあれば教えてください。ARISAKさんとの次の企画でもいいです。

CHANGMO:今回の撮影が終わったあと、ARISAKさんとは「今度はARISAKさんを韓国に招いて、韓国のロケーションで撮影してみたい」という話をしました。というのも、自分が見るソウルは「つまらない」と感じてしまうこともあるけど、ARISAKさんの審美眼なら「ここ、面白いじゃん」という新たな発見をしてくれるんじゃないかと期待しているからです。日本のアーティストで誰が好きか、誰とコラボしたいかという話では、本当は坂本龍一さんをものすごくリスペクトしていて、コラボしたかったけれど、亡くなられてしまったのがとても残念だと感じています。

ダニエル:ARISAKさんはどうですか?

ARISAK:早くまたコラボしたいです(笑)。来週、韓国でCHANGMOくんのライブを見に行こうとしているところで。日本にも来てくれたし、それはそれとしても、彼のフルセットのライブをちゃんと見てみたい。前に日本で見たときはショートセットだったので、「これはガッツリ見たい!」と思ってたタイミングで、ちょうどライブ告知を見て、「今逃したらもうない気がする」と思って行くと決めました。今回いろんなルックで撮影したんですけど、「一番お気に入りのルックは何か」を聞いてみたいです。

CHANGMO:全部好きなんですけど、どうしても選ばなきゃいけないとしたら…3つくらいにまでならなんとか絞れるかもしれない、でも本当は選びたくない、っていうくらい全部好きでした。それから、いくら成功したラッパーとはいえ、100万円を超えるような服を着るのは本当に勇気のいることなんですけど、ARISAKさんを通してそういう服を着ることができて、とても感謝しています。

ARISAK:トータルいくらなんだろうね(笑)。「これCHANGMOくんらしくない?」みたいな淳さんからのスタイリング提案もありつつ、コンセプトとしては「ドメスティック、日本のブランドで全部統一してほしい」とお願いしていました。

私が一番「CHANGMOくんのニューチャプターだな」と思ったのは、羽を持っているカット。白い服を着ていて、背景に自然がある写真。あのカットが一番「新しい」というか、自分の作風的にも新しい感覚があって。削ぎ落とされてるけど内省的で、でも目はちょっと強くて、赤いカラコンも入っていて…その絶妙なバランスがすごく良かったです。
赤いカラコンはメイクのユカさんからの提案。その提案をもらったときは痺れました。彼女のメイクの世界観が本当に大好きです。

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CHANGMO:あのルックは、自分だったら絶対に選ばなかったものなんですけど、写真で見たら意外と似合っていて新しい発見につながりました。本当に感謝しています。

ARISAK:あのカットは、スタイリストの淳さんのプランがすごかったなと思う。削ぎ落とした美学を熟知している。私はCHANGMOくんのことをよく知っているけど、当日までスタッフの皆さんは彼のことを知らない状態で、どういう雰囲気の人かもわからない中、ものすごく汲み取ってくれて。

私は油断するとどんどん詰め込みたくなるタイプなので、ロケーションもスタイリングも派手にしがちなんですけど、その「ストッパー」になってくれたとおもいます。羽の提案もその方で、「翼を片方君にあげる」みたいな歌詞が「If I Had Time」や「Fade Out」に出てくるんですけど、それともリンクしていて、ピースが全部ハマったかんじでした。

CHANGMO:スタイリストの淳さんとは、これから友達としても仲良くしたいなと思っています。感覚がすごく合うと感じました。

ARISAK:私は0から作品をつくるタイプなので、どの方とどの方をスタッフとしてチーム編成するかというところから、作品のストーリー構成やビジュアルディレクション、撮影イメージなど全て1人で構成します。スタッフの皆さん各々の世界観や思想がありつつも、私の世界観に皆さんがチューニングしてくれて、全体のバランスがすごく良くなった気がしますね。 とてもいいチームで空気感も最高だったし、あの2日間が思い出深いです。

ダニエル:私が個人的に気になっているのは、CHANGMOさんが「普段どういうところからインスピレーションを得ているのか」というところです。映画なのか、クラシックなのか、世界のアーティストなのか…出している作品の数も多いし、どういうものをインプットしているのかを聞きたいです。

CHANGMO:20代の頃の僕は、クラブに行ったり、お酒を飲んだり、いわゆる「外側の世界」にインスピレーションを受けて曲を書いていました。でも最近は、1人でいる時間がかなり増えたので、孤独や自分の内面と向き合いながら、言いたいことを内側から探す努力をしています。

ダニエル:今回のインタビューでちゃんとお話しするのは初めてだったので、ライブで見ていた時は「すごくかっこいい人」というイメージが先行していましたが、質問をすごく真剣に聞いてくれて、よく考えて、なおかつ謙虚に答えてくれて、私はさらにファンになりました。

CHANGMO:本当にありがとうございます。僕も、改めて「WWDJAPAN」とARISAKさんの企画に参加できたことを光栄に思っています。

ARISAK:さっき「孤独」や「自分の内面にインスピレーションを得ている」と話してくれたけど、私もファンタジーな作品が多いとはいえ、根っこにはやっぱりそういう内省的な部分があって。CHANGMOくんの最近の内面の部分や、孤独からくるインスピレーションにすごく引かれていたんだなって、今日話を聞いてあらためて感じました。

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CREDIT
STARRING:CHANGMO
DIRECTION & PHOTOS:ARISAK
HAIR:TAKAYUKI SHIBATA (SIGNO)
MAKE UP:YUKA HIRAC
STYLING:JUN ISHIKAWA
INTERVIEW TEXT:DANIEL TAKEDA
TRANSLATION: SUNGJOON CHOI, YONYON
LOCATION:ANEMOIA TOKYO, SHUHALLY, SHIBUYA SKY
LOGODESIGN:HIROKI HISAJIMA
SPECIAL THANKS:DAZZLE TATSUYA HASEGAWA

※特別な許可を得て撮影しています

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デザインと美食で心も満足な博多旅を 進化したホテル イル・パラッツォ【トラベルライター間庭がハコ推し!】

旅の質が重視される今、コンセプチュアルなホテルが求められている。日本初のデザインホテルとして1989年に開業した「ホテル イル・パラッツォ(HOTEL IL PALAZZO)」が2023年10月にリニューアル。今年9月にオープンした敷地内のレストラン「リュニック・ラボ(L’Unique labo)」の博多フレンチも秀逸で、食の宝庫・博多の最新美食スポットに。さぁ、博多で食い倒れよう!

伝統と革新が同居し進化した
博多が誇るデザインホテル

20世紀を代表する世界的な建築家イタリア人のアルド・ロッシ(Aldo Rossi)と、日本を代表するインテリアデザイナー内田繁がタッグを組み、日本初のデザインホテルとして1989年に開業したのが「ホテル イル・パラッツォ」。内田繁のほかにもエットーレ・ソットサス(Ettore Sottsass)、ガエターノ・ペッシェ(Gaetano Pesce)らイタリアの巨匠、倉俣史朗、三橋いく代、田中一光といった世界的なクリエイターが参画したことも話題となった。

創業当時の理念を継承しつつ、「Re-Design」された新たなデザイン空間が2023年にリニューアル。日本が元気だった時代、昭和後期の空気を感じる、どこかレトロなでデザインホテルとなった。客室は27m²のスペーリアクイーンと35m²のデラックスキング、それぞれのバルコニー付きの4タイプで、いずれも白を基調にした洗練されたインテリア。プライベートバルコニーにはアウトドアファニチャーが備えられ、風を感じて外でも過ごせるのは贅沢だ。ワークデスクもあり、滞在中は、仕事がずいぶんはかどった。

ゲストは自由にアクセス可能な
ラウンジ「エル・ドラド」を満喫

ファッションシューティングのロケ地となるほどフォトジェニックな「ホテル イル・パラッツォ」。けれど特筆すべきはデザイン性だけではない。それは美食体験。 

まずラウンジ「エル・ドラド」がすごい。映画やテレビのセットのような、カラフルで華やかな空間。う~~ん、トレンディ! 11時15分から21時まで、アミューズのプレゼンテーションを提供している。前菜やデザートが並ぶブッフェテーブルがあり、ゲストは自由にアクセス可能。好きなタイミングで、好きな料理を、好きなだけ味わえるという。しかもすべての宿泊プランに朝食ブッフェとラウンジアクセスが含まれるのだ。カウンターにはピザやパスタ、チリコンカンやタコスなどもあり、軽食の域を軽々と超えている。しかも立ち寄るたびに異なる出来立てメニューが並ぶから、目が離せない。困った…!(笑)

130席の地下ラウンジにはソファのブース席、大きなテーブル、PCや資料広げての作業もできそうなデスク席など、さまざまな居場所があり、気分に合わせて過ごせる。楽しそうに語らうファミリーも、本を読んで過ごすソロ旅らしい人も、この距離感ならばそれぞれのペースでくつろげそうだ。

ラウンジの中央にそびえ立つ黄金のファサードは、アルド・ロッシがデザインした同名のバー「エル・ドラド」から内装の一部を移築。その手前のインスタレーション作品は内田繁が晩年に手掛けた「ダンシングウォーター(Dancing Water)」だ。時を経て、伝説のふたりが再び共演、という仕掛けもなかなか憎い。もう1つのリビングルームとして機能し、部屋にいてもラウンジにいても快適で、外出するタイミングがない。(せっかくの博多なのに!まぁ、それもよし)

けれどもこの空間でまったりと過ごし、ちょこちょこと好きなものをつまむのも贅沢。せっかくなので夜は外食せずに、ここで過ごすことにした。スイーツとパスタ、タコスの甘辛無限ループで、黄金郷「エル・ドラド」から抜け出せなかった!これもまた至福。このラウンジは朝食会場ともなり、7時から11時までとオープン時間が長いのも、旅のスタイルに合わせられ、なかなかいい。

チャペル跡地に開業し、早くも話題の
博多フレンチ「リュニック・ラボ」

そしてなんといっても今回の博多グルメ旅のお目当ては、今年9月にオープンしたばかりの博多フレンチ「リュニック・ラボ」だ。今回はチェックイン前に到着し、ランチのコースをいただいた。

ホテルの敷地内、もともとチャペルがあったという場所の扉を開くと真っ白な空間が。チャペルの跡地だけに6mの天井高。高窓から光が差し込み心地よい。席数はわずか8席。オープンキッチンの前にUの字型の大きなカウンターテーブルがあり、既視感が・・・。そうだ!老舗のコの字型の居酒屋だ。

もちろん、ミシュランにも認められたグランメゾンと、庶民的な激シブ酒場では空気がまるで違う。けれども、ゲストとしっかり向き合ってもてなし、ときにはゲスト同士の交流も生まれ、その場にいたからこその物語が始まるという共通点が。そんな予感にときめいていると、「まずはこちらで」と案内されたのはU字カウンターのすぐ前にあるウェイティングサロン。まずはそこで乾杯、というのが習わしらしい。

このウェイティングサロンにはワインセラーを中心に、フレンチに関する書籍やガラスの器がディスプレーされた、こじんまりとした空間だ。これらの器もあとで種明かしがあるわけだが、シャンパンとともに宝石を差し出すようにサーブされたのは胡椒風味のアーモンド。オープンキッチンを眺めながらの1杯には劇場の幕が上がる前のように高揚した。

端正に仕上げた一皿一皿が
五感を刺激するアート作品

その後も端正で、かつドラマチックなデモンストレーションが続く。五感で味わうとはまさにこのこと。アミューズはスイーツに見えて実は・・・という楽しいサプライズもあり、毎回、玉手箱をあけてみるようなワクワクが演出される。ウェイティングサロンにディスプレーされたりんごあめのようなガラスの器はスモークを閉じ込めるためのもの。ブーケのように美しいキャビアを味わう一皿は、黒オリーブを練りこみ、その場で燻製したワッフルをとともに、など情報量も多く、舌も、頭も、心も大忙し。調理する様子を目の前で眺められ、シェフがカウンターで料理を仕上げ、解説してくれるので、一皿一皿が、一幕一幕の舞台であるような臨場感があるのだ。

全てが繊細で、素材や季節を感じる料理だが、そこには爽やかな香りや甘味、酸味を感じる。それはレモン、パイナップル、無花果、カボスなど、それぞれの料理に果実を隠し味としているから。料理とワインをつなぐブリッジとして、九州の果実をマリアージュしたのは、濵野雅文シェフの料理の特徴の1つだ。

味覚と視覚、そして空間で感動を
空間デザインもまた「ご馳走」に

「リュニック・ラボ(L’Unique labo)」は、“唯一無二=L’Unique”と“実験室=labo”を意味し、ほかではできない美食体験をクリエイトするのがコンセプト。福岡県糸島市出身の濵野シェフはフランス・ブルゴーニュで独立後、ミシュランガイドで6年連続2つ星を獲得したスターシェフ。2023年の帰国から約2年をかけて構想された本プロジェクトは、日本での新たな挑戦となる。

伝統的なフレンチの技法を生かしながら、旬の食材と九州のフルーツで、今までの枠にとらわれない一皿を「実験」する場。U字型カウンターを囲むことで、参加者となり、証人となる。メニューは2カ月ごとにアップデートされるという。ラボのメンバーになった気分で、季節ごとに博多に通うのもいいかも、なんて思い始めている。
ランチとディナーの内容が同じなのも私にはうれしい。到着後、「リュニック・ラボ」でフレンチとワインのペアリングを楽しみ、チェックイン後は部屋で過ごす。ランチでフルコースを堪能したので、夜は軽めにラウンジ「エル・ドラド」で軽食をつまむ。小腹がすいたら〆のラーメンやうどんを求めて夜の街へ繰り出す。そんな全力でグルメを楽しむ博多旅が「ホテル イル・パラッツォ」なら可能となる。あらためて「博多は食の宝庫だ!」と心が震えた。博多から世界へ発信する日本が誇るフレンチは、さまざまなエンターテイメントを融合したような美食体験。まずは現場=ラボに足を運ぶべし、なのだ。さぁ、いざ福岡へ!

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イタリア館で日本人デザイナーの活躍に刺激を受ける【ライター橋長の万博回顧(3)】

184日の会期中に2900万人以上が訪れ、終盤は熱狂の渦に包まれた大阪・関西万博の閉幕から1カ月半。なぜ、多くの人が万博に魅力に惹かれたのか。異国の文化と最新の産業技術に触れられ、非日常を体験できる醍醐味だけでなく、会場内での出会いや感動、サプライズが多くの来場者の心をとりこにしたのだと思う。万博ボランティアとしても参加し、会場には取材とプライベートも含めて計29回足を運んだ関西在住ライターの筆者の印象に残った万博ならではの取り組みを紹介していきたい。

220人以上の日本人がサローネサテリテに参加

イタリアウィークがスタートした9月7日~20日に行われたのが、ミラノサローネ国際家具見本市の若手デザイナー部門「サローネサテリテ」をテーマにしたイベントだ。パビリオン内には「サローネサテリテ・パーマネントコレクション1998-2025」と題した特別展示コーナーが登場。サローネサテリテで発表され、企業との協働によって製品化された47点が日本初公開された。

サローネサテリテは国際的な若手デザイナーの登竜門とうたわれ、nendoの佐藤オオキ氏をはじめ、田村奈穂氏、佐野隆英氏、川本真人氏、氷室友里氏など多くの日本人デザイナーを輩出してきたことで知られている。万博会場には、nendoがミラノの家具ブランド「デパドヴァ」のためにデザインしたコーヒーテーブルや、川本真人氏が「アリアンテディツィオーニ」のためにデザインしたフルーツスタンド、佐野隆英氏がガラス職人「マッシモ・ルナルド」のためにデザインした吹きガラスのティーポットなども展示。彼らの名を一躍有名にした代表作を見学できる貴重な機会となった。

別会場で行われたトークイベントには、サローネサテリテの創設者で、パーマネントコレクションのキュレーターでもあるマルヴァ・グリフィン・ウィルシャー氏が登壇した。サローネサテリテが創設された経緯や産業デザインにおける意義と成果などが紹介された。

サローネサテリテは、マルヴァ氏が提案したアイデアによって1998年に誕生したプロジェクトだ。「ジャーナリストとして若いデザイナーたちの作品を目にしていたが、彼らはミラノサローネに出展しているメーカーとつながる機会を求めていた。サローネサテリテは、若い才能を見つけ出し、彼らの夢を世界とつなぐために生まれた」と、マルヴァ氏は振り返る。

サテリテは、26年間で世界50カ国以上から1万5000人超が参加するプラットフォームに成長し、中でも日本からはこれまで220人以上が出展したという。2010年に創設されたサローネサテリテ賞は9人の日本人が受賞した。特別賞受賞者も含めると受賞者は42人にのぼる。「参加した多くの若者は著名な国際企業と協力したり、自身のスタジオを立ち上げたりしている。サテリテで得た経験を活かし、成功したキャリアを築いていることを誇りに思う」とマルヴァ氏は笑顔を見せた。

サテリテでの受賞を機に飛躍した日本人デザイナーたち

トークイベント後半では、サローネサテリテに出品し、受賞を果たした日本人デザイナーたちも参加した。イタリアでの挑戦を振り返りながら、若手支援の仕組みがいかにして彼らのキャリアを後押しし、日伊の文化的な架け橋として機能してきたのかが語られた。

口火を切ったのは2005年に最優秀賞を受賞したトネリコ代表の米谷ひろし氏。「日本人にとってサローネで発表することはサッカー選手がセリエAでプレーするようなもの。最初の2年はまったく手応えがなかったが、マルヴァさんの励ましもあり、3度目の挑戦で評価され、人生が大きく変った」と語り、あきらめず続けることの大切さを強調した。

プロダクトデザイナー、喜多俊之氏の長女でデザイナーの喜多華子氏は、姉妹3人で子ども向けの家具を出品。「マルヴァさんはイタリアの家具デザイン業界をインターナショナルにした伝説的な存在だと父からよく聞いていた。彼女が手がけるプロジェクトだから間違いないと出展を勧められ、いい思い出になった」と振り返った。

25年に最優秀賞を受賞したスーパーラットの長澤一樹氏は「学生時代にサローネを訪れたとき、若いデザイナーの勢いに感銘を受けてサテリテへの出展を決心。8年目に夢が叶い、世界中のデザイナーとも交流できてとてつもなく貴重な時間を経験した。無名のデザイナーにチャンスを与える見本市はほかにないので、ぜひ挑戦してほしい」と話した。

畳を素材にした3Dプリント家具で23年に最優秀賞を受賞したホノカの鈴木僚氏は、受賞後、世界中の展示会に招かれてメーカーと協業するプロジェクトを経験した。「受賞を機に大きく一歩を踏み出せた。マルヴァさんには大変感謝している。素材の魅力を可視化する活動を通じて、日本の大切なものを次世代につないでいきたい」と語り、サテリテの影響力の大きさを示した。

パーマネントコレクションは、サローネサテリテの参加デザイナーから寄贈された作品のコレクションで、現在400を超える作品が収蔵されているという。イタリア・ブリアンツァ地方にある家具のプロを養成する学校「アートウッドアカデミー」に常設展示されており、マルヴァ氏は「ミラノに行く機会があれば、ぜひ訪れてみてほしい」と話し、イベントを締め括った。

筆者はこれまでミラノサローネの情報を雑誌などで目にしてきたが、実際に見学した経験がなく、遠い存在に感じていた。しかし、サローネの功労者であるマルヴァ氏の講演や日本人デザイナーたちの体験談を通して、イタリアのデザイン産業と日本人デザイナーとの密接な関係を知ることができた。

日本国内の芸術系大学16校には、卒業生が無料でサテリテに出展できる制度もあるという。若いデザイナーたちにはそうした機会を生かしてぜひ世界にチャレンジし、成功へのキャリアを築いてほしいと思う。

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フィンランドの森から生まれたサステナブル素材を北欧館で学ぶ【ライター橋長の万博回顧(2)】

184日の会期中に2900万人以上が訪れ、終盤は熱狂の渦に包まれた大阪・関西万博の閉幕から1カ月半。なぜ、多くの人が万博に魅力に惹かれたのか。異国の文化と最新の産業技術に触れられ、非日常を体験できる醍醐味だけでなく、会場内での出会いや感動、サプライズが多くの来場者の心をとりこにしたのだと思う。万博ボランティアとしても参加し、会場には取材とプライベートも含めて計29回足を運んだ関西在住ライターの筆者の印象に残った万博ならではの取り組みを紹介していきたい。

フィンランドの大手と伊藤忠が共同開発

大阪・関西万博は、持続可能な未来社会の実現に向けた国内外の取り組みが結集した一大イベントだった。近未来型の太陽電池や建築のリユースや会場内を走るEVバスなど運営面でもサステナブルな取り組みがさまざまな場面で見られた。

サステナブル先進国といえば、思い浮かぶのが北欧諸国だ。SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2025によると、SDGs指数ランキングでは1位フィンランド、2位スウェーデン、3位デンマークと続く。ちなみに日本は19位。北欧諸国では再生可能エネルギーの利用や省エネ技術の導入が進んでおり、森林保護や国民の環境意識の高さでも世界をリードする。

その北欧諸国5カ国が共同で出展したパビリオンが「北欧館」だ。建物は日本でもおなじみのムーミンの世界を思わせる温かみのある高さ17mの木造建築。館内では北欧諸国のつながりをイメージしたサークルの展示空間が広がり、食用に使えない米でつくられた紙のスクリーンには、北欧の暮らしや風景が映像で流された。

SDGs指数ランキング1位のフィンランドは、国土の約75%が森林地帯で、森林資源を活かした持続可能な林業や再生可能エネルギーへの投資に積極的だ。そのフィンランドを拠点とする世界最大級のパルプメーカー「メッツァグループ」(Metsä Group)が9月、北欧館でビジネスイベントを開催した。メーンテーマに掲げられたのが、革新的な特徴を持つパルプ由来の新素材「クウラ(Kuura)」。メッツァグループと伊藤忠商事・繊維カンパニーが共同開発してきた繊維で、パネルディスカッションではそのポテンシャルやはは今後の展開について議論された。

登壇者はメッツァ スプリング ビジネス開発ディレクターのアンナ・カイサ・フトゥネン氏、伊藤忠のファッションアパレル第一部長の山下眞護氏、ファッションブランド「ザ・リラクス」デザイナーの倉橋直実氏、伊藤忠ファッションシステムifs未来研究所所長代行の山下徹也氏、メディアジーンの遠藤祐子氏だった。

クウラについて、アンナ氏は「単なる新素材ではない。綿花や石油由来素材に依存してきた繊維産業の構造を根本から変える可能性がある。環境負荷を下げながら同時に快適で美しい衣服を作れるのかという問いに応えるものとして開発してきた」と強調する。

クウラプロジェクトは、今から10年以上前にフィンランド国立研究所との研究プログラムとしてスタートした。2014年にはパルプ取引で長年つきあいのあった伊藤忠が開発パートナーに加わった。クウラの原料は北欧の森林の木材をベースにした紙パルプで、一貫生産体制の確立により、トレーサブルで安定的かつ低コストで生産できるのが特徴。工場における再生可能エネルギーの使用などにより、環境負荷の低減につながる革新的なサステナブル素材として世界から注目を集めている。地球温暖化への影響はセルロース系繊維ビスコースの3分の1以下、綿と比べると4分の1という。

約5年前に初めて、わた状態のクウラを見た倉橋氏は、その印象を「綿花のようだが綿と違って水分量が多く、シルクのような光沢があった」と振り返る。

一方、伊藤忠は開発パートナーに名乗りをあげた理由として、会社全体でESG戦略に力を入れていたこと、繊維部門で環境対応素材の充実を目指していたことをあげる。山下(眞)氏は「ESG戦略三銃士のひとつとしてクウラを位置付けている。クウラは天然由来であり、環境負荷の低いセルロース繊維。サステナブル繊維としてのポテンシャルに魅力を感じた」と話す。

課題解決を進め、26年から本格生産へ

ただ、新規素材を開発する際には、品質の確立と商業化という二つの課題に直面するのは避けられないという。18年にパイロットプラントを建設し、量産化に向けてデモ稼働を開始。コロナ禍の影響などで開発に時間を要したが、26年にフィンランド・アーネコスキに本生産工場を建設し、ようやく商業化に向けて動き出す。

日本におけるサステナブル繊維市場が抱える課題もある。「認知度は高いものの実際にアクションを起こしている人は他の先進国と比較して少ない。背景には、表示のわかりにくさや情報不足、国際認証制度の壁がある」と山下徹也氏は指摘する。解決策としてファッションブランドを通じてクウラの価値をストーリーで伝える重要性を説く。山下眞護氏も「原料であってもブランディングによってより大きな価値を生み出せる可能性がある。プロダクトそのものではなく、ストーリーでマーケットに伝えることが重要だとこのプロジェクトで学んだ」と話す。

最後にクウラに期待される将来展望についてもそれぞれの見解が語られた。アンナ氏は「クウラの製品はトレーサビリティが可能。環境規制が強化されているヨーロッパでの需要は拡大していくだろう。メッツァはグローバル市場に焦点を当てており、日本や欧米だけでなく、世界中のブランドと協力していきたい」といい、山下眞護氏は「フィンランドでは木の成長量が伐採量を上回っているといい、木材由来繊維におけるクウラの優位性はさらに高まるだろう。フィンランドと日本のように森林資源を背景に持つ国が連携して世界に伝えることが成功につながると思う」と話した。

また消費者に最も近い倉橋氏は「サステナブルだから買うのではなく、まずは商品に魅力を感じて手に取ってもらうことが大切。そこから繊維のストーリーを説明することで購買につながる。クウラのストーリーや透明性は私たちのブランドとも通じるので今後の安定供給に期待している」という。マーケットに詳しい山下(徹)氏は「木質繊維の成長率は、経済成長率やファッション市場の成長率を上回っている。なかでもクウラはさらに成長する可能性がある。倉橋さんのようなファッションブランドによって素敵なものに価値が転換されることが大切」と述べた。

森林資源豊かな国フィンランドで生まれた新繊維素材「クウラ」。筆者にとっては初めて知る素材だったが、万博会場で開発者や関係者の話を直接聞くうちに、単なるサステナブル繊維ではなく、森と人の未来をつなぐものとして心に残った。と同時にサステナブル先進国フィンランドの姿勢に、モノ作りの新たなヒントを感じることができた。

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フィンランドの森から生まれたサステナブル素材を北欧館で学ぶ【ライター橋長の万博回顧(2)】

184日の会期中に2900万人以上が訪れ、終盤は熱狂の渦に包まれた大阪・関西万博の閉幕から1カ月半。なぜ、多くの人が万博に魅力に惹かれたのか。異国の文化と最新の産業技術に触れられ、非日常を体験できる醍醐味だけでなく、会場内での出会いや感動、サプライズが多くの来場者の心をとりこにしたのだと思う。万博ボランティアとしても参加し、会場には取材とプライベートも含めて計29回足を運んだ関西在住ライターの筆者の印象に残った万博ならではの取り組みを紹介していきたい。

フィンランドの大手と伊藤忠が共同開発

大阪・関西万博は、持続可能な未来社会の実現に向けた国内外の取り組みが結集した一大イベントだった。近未来型の太陽電池や建築のリユースや会場内を走るEVバスなど運営面でもサステナブルな取り組みがさまざまな場面で見られた。

サステナブル先進国といえば、思い浮かぶのが北欧諸国だ。SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2025によると、SDGs指数ランキングでは1位フィンランド、2位スウェーデン、3位デンマークと続く。ちなみに日本は19位。北欧諸国では再生可能エネルギーの利用や省エネ技術の導入が進んでおり、森林保護や国民の環境意識の高さでも世界をリードする。

その北欧諸国5カ国が共同で出展したパビリオンが「北欧館」だ。建物は日本でもおなじみのムーミンの世界を思わせる温かみのある高さ17mの木造建築。館内では北欧諸国のつながりをイメージしたサークルの展示空間が広がり、食用に使えない米でつくられた紙のスクリーンには、北欧の暮らしや風景が映像で流された。

SDGs指数ランキング1位のフィンランドは、国土の約75%が森林地帯で、森林資源を活かした持続可能な林業や再生可能エネルギーへの投資に積極的だ。そのフィンランドを拠点とする世界最大級のパルプメーカー「メッツァグループ」(Metsä Group)が9月、北欧館でビジネスイベントを開催した。メーンテーマに掲げられたのが、革新的な特徴を持つパルプ由来の新素材「クウラ(Kuura)」。メッツァグループと伊藤忠商事・繊維カンパニーが共同開発してきた繊維で、パネルディスカッションではそのポテンシャルやはは今後の展開について議論された。

登壇者はメッツァ スプリング ビジネス開発ディレクターのアンナ・カイサ・フトゥネン氏、伊藤忠のファッションアパレル第一部長の山下眞護氏、ファッションブランド「ザ・リラクス」デザイナーの倉橋直実氏、伊藤忠ファッションシステムifs未来研究所所長代行の山下徹也氏、メディアジーンの遠藤祐子氏だった。

クウラについて、アンナ氏は「単なる新素材ではない。綿花や石油由来素材に依存してきた繊維産業の構造を根本から変える可能性がある。環境負荷を下げながら同時に快適で美しい衣服を作れるのかという問いに応えるものとして開発してきた」と強調する。

クウラプロジェクトは、今から10年以上前にフィンランド国立研究所との研究プログラムとしてスタートした。2014年にはパルプ取引で長年つきあいのあった伊藤忠が開発パートナーに加わった。クウラの原料は北欧の森林の木材をベースにした紙パルプで、一貫生産体制の確立により、トレーサブルで安定的かつ低コストで生産できるのが特徴。工場における再生可能エネルギーの使用などにより、環境負荷の低減につながる革新的なサステナブル素材として世界から注目を集めている。地球温暖化への影響はセルロース系繊維ビスコースの3分の1以下、綿と比べると4分の1という。

約5年前に初めて、わた状態のクウラを見た倉橋氏は、その印象を「綿花のようだが綿と違って水分量が多く、シルクのような光沢があった」と振り返る。

一方、伊藤忠は開発パートナーに名乗りをあげた理由として、会社全体でESG戦略に力を入れていたこと、繊維部門で環境対応素材の充実を目指していたことをあげる。山下(眞)氏は「ESG戦略三銃士のひとつとしてクウラを位置付けている。クウラは天然由来であり、環境負荷の低いセルロース繊維。サステナブル繊維としてのポテンシャルに魅力を感じた」と話す。

課題解決を進め、26年から本格生産へ

ただ、新規素材を開発する際には、品質の確立と商業化という二つの課題に直面するのは避けられないという。18年にパイロットプラントを建設し、量産化に向けてデモ稼働を開始。コロナ禍の影響などで開発に時間を要したが、26年にフィンランド・アーネコスキに本生産工場を建設し、ようやく商業化に向けて動き出す。

日本におけるサステナブル繊維市場が抱える課題もある。「認知度は高いものの実際にアクションを起こしている人は他の先進国と比較して少ない。背景には、表示のわかりにくさや情報不足、国際認証制度の壁がある」と山下徹也氏は指摘する。解決策としてファッションブランドを通じてクウラの価値をストーリーで伝える重要性を説く。山下眞護氏も「原料であってもブランディングによってより大きな価値を生み出せる可能性がある。プロダクトそのものではなく、ストーリーでマーケットに伝えることが重要だとこのプロジェクトで学んだ」と話す。

最後にクウラに期待される将来展望についてもそれぞれの見解が語られた。アンナ氏は「クウラの製品はトレーサビリティが可能。環境規制が強化されているヨーロッパでの需要は拡大していくだろう。メッツァはグローバル市場に焦点を当てており、日本や欧米だけでなく、世界中のブランドと協力していきたい」といい、山下眞護氏は「フィンランドでは木の成長量が伐採量を上回っているといい、木材由来繊維におけるクウラの優位性はさらに高まるだろう。フィンランドと日本のように森林資源を背景に持つ国が連携して世界に伝えることが成功につながると思う」と話した。

また消費者に最も近い倉橋氏は「サステナブルだから買うのではなく、まずは商品に魅力を感じて手に取ってもらうことが大切。そこから繊維のストーリーを説明することで購買につながる。クウラのストーリーや透明性は私たちのブランドとも通じるので今後の安定供給に期待している」という。マーケットに詳しい山下(徹)氏は「木質繊維の成長率は、経済成長率やファッション市場の成長率を上回っている。なかでもクウラはさらに成長する可能性がある。倉橋さんのようなファッションブランドによって素敵なものに価値が転換されることが大切」と述べた。

森林資源豊かな国フィンランドで生まれた新繊維素材「クウラ」。筆者にとっては初めて知る素材だったが、万博会場で開発者や関係者の話を直接聞くうちに、単なるサステナブル繊維ではなく、森と人の未来をつなぐものとして心に残った。と同時にサステナブル先進国フィンランドの姿勢に、モノ作りの新たなヒントを感じることができた。

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福地桃子 × 寛一郎 映画「そこにきみはいて」が描く“喪失と再生”をめぐる3人の物語

PROFILE: 右:福地桃子/俳優 左:寛⼀郎/俳優

PROFILE: 右:(ふくち・ももこ):1997年⽣まれ。東京都出⾝。2025年、主演映画「恒星の向こう側」にて、第38回東京国際映画祭 最優秀女優賞を受賞。近年の主な出演作にドラマ「なつぞら」(19/NHK)、「鎌倉殿の13⼈」(22/NHK)、「舞妓さんちのまかないさん」(23/Netflix)、「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(23/NHK)、「わかっていても」(24/Abema)、「照⼦と瑠⾐」(25/NHK)、「ラジオスター」(26/NHK)、映画「サバカン SABAKAN」(22)、「あの娘は知らない」(22)、「湖の女たち」(24)、「ラストシーン」(25)、舞台「千と千尋の神隠し」(24・25)、「夫婦パラダイス」(24)など。 (かんいちろう)1996年⽣まれ、東京都出⾝。2017年にデビュー後、同年に出演した映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で第27回⽇本映画批評家⼤賞の新⼈男優賞を受賞。翌年に公開された「菊とギロチン」では多数の新⼈賞を受賞した。近年の主な出演作に、映画「ナミビアの砂漠」(⼭中瑶⼦監督)、ドラマ「HEART ATTACK」、NHK⼤河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」、NHK連続テレビ⼩説「ばけばけ」ほか、NHK100周年ドラマ『火星の女王』に出演。映画では「爆弾」、「ラストマン -FIRST LOVE-」。26年2月には「たしかにあった幻」(河瀬直美監督)、同年に「恒星の向こう側」(中川龍太郎監督)も待機している。

舞台「千と千尋の神隠し」(24)や、是枝裕和監督の「ラストシーン」(25)、第38回東京国際映画祭コンペティション部門最優秀主演女優賞(映画「恒星の向こう側」)などで注目を集める俳優、福地桃子。彼女が主人公の香里を演じる映画「きみはそこにいて」が、11月28日に公開された。

人に対して恋愛感情を抱くことも性的な欲求を抱くこともない “アロマンティック・アセクシャル”の香里は、孤独を抱えて生きている。監督・脚本の竹馬靖具(ちくま・やすとも)が福地にあてがきしたという香里の芯の強さと葛藤を、福地が抑えた演技で体現した。彼女の唯一の理解者として、特別な絆を結ぶ健流(たける)を演じるのは、「ナミビアの砂漠」(24)や「爆弾」(25)、「ばけばけ」(25)など、どんな役も唯一無二の個性で輝かせる俳優、寛一郎。親友・慎吾(中川龍太郎)への想いを断ち切れないまま、香里と家族になろうとしていた健流は、入籍を控えたある日、自死を選ぶ。

本当の健流を知るために慎吾に会いに行く香里と、自分を偽り成功を手にしたことに苦悶する慎吾。海辺の街での2人の数日間が描かれる本作の原案は、慎吾を演じた中川龍太郎によるものだ。彼が親友を自死で失った実体験は、彼の監督・脚本作「走れ、絶望に追い付かれない速さで」(15)や「四月の永い夢」(17)に反映されてきたが、今回は盟友・竹馬靖具に脚本と監督を託し、中川は自分の分身とも言える慎吾を演じることに専念している。

中川のパーソナルな体験から生まれた本作について、福地と寛一郎に役への向き合い方や作品のテーマ、3人のコラボレーションについて聞いた。

役を演じる上で意識したことは?

——脚本を最初に読んだ時の、率直な感想を教えてください。

福地桃子(以下、福地):それぞれに臆病さを持っている香里、慎吾、健流の3人が、勇気を持って、自分の内側と向き合う話だと思いました。そもそも、自分の内側にある想いを人に伝えるということは、とても勇気のいることだと私は思っています。香里のように、その想いが多くの人が感じているものとはまた別のものとなると、さらに怖いことだと思うんです。それでも香里のように向き合い続けることで、誰かの救いになるのかもしれないということは、脚本を読んでいる時も、演じている時も感じていました。

寛一郎:僕は脚本に対して客観的な意見があまり言えないんです。というのも、原案の中川(龍太郎)さんのことを、自分が二十歳の頃から知っていて、中川さんの事情(親友の自死)も知っています。その体験を反映した(中川が監督・脚本を務めた映画)「⾛れ、絶望に追いつかれない速さで」も観ていました。その前提と知識を含めて脚本を読むと、なんですかねえ……。僕らは生きているので、残された側の気持ちしか分からないんですよね。すごく抽象的ではあるんですけど、読み終わった後、残された側が、何をどう信じるかということだよな、と思いました。「自分がこうしていたらこうだったかもしれない」という自責になってしまうことではあるんですけど、でも多分、彼ら(香里や慎吾)が思い描いている健流の最後と、実際に映像に映っている健流の最後には、多分乖離があって。結局こう、人と人とは完璧に分かり合えないけれど、分かり合いたいと思う気持ち、分かろうと思う気持ちしかないな、という感想はありました。

——香里は福地さんへの「あてがき」だったそうですね。

福地:もともとは中川さんが監督をするというお話でしたが、その後、中川さんが「喪失」についての話を今までとは違う視点で撮っていきたいということになり、中川さんが信頼している竹馬さんに監督をお願いすることになったという経緯があります。竹馬さんと初めてお会いした時に、お互いに自分についての話をしました。そういう丁寧なやりとりを経て出来上がった香里という人物を、責任を持ってやり遂げたいなと思いました。

——香里というキャラクターに、自分が反映されていると感じましたか?

福地:自分とすごく重なる部分があると感じましたし、外側から見た時にそこを魅力的だなと思うことができたんです。自分の良さってなかなか分からないし、自分を認めてあげるのは難しいけれど、香里を通して自分が認められたような気持ちになることが、撮影中にありました。

——福地さんが、香里を通してご自分のどんな長所に気づかされたのかをお聞きしたいです。

福地:自分の内面や、自分の大切な人に対して、粘り強くコミュニケーションをとるところかなと思います。香里の性質は「アロマンティック・アセクシャル」という言葉で表現されていますが、香里自身はそう呼ばれることにしっくりこないんだと思います。だからこそ、人との関わりを止めずに、自分が感じているものがなんなのかを、健流との関係の中で、追求し続けたと思うんです。そこは今回、香里という人物を描く上で、とても大事な要素だと感じていました。

——寛一郎さんは健流役にどのようにアプローチしたのでしょうか。

寛一郎:役の作り方は役者さんによって違うと思うんですけど、僕は基本的に自分をベースに作っていきます。今回の健流との大きな違いは、まず僕は生きているということ。もう一つは、異性や同性に対する気持ちが違います。そこもいろいろと考えましたが、まず本質的なところとして、彼の持っている孤独や、人に対してレイヤー分けをするところは、ほとんど自分から引っ張ってきました。

——健流がクイアであること、香里がアロマンティック・アセクシャルであることへのアプローチもお聞かせください。

寛一郎:僕は、知り合いに近い人がいたので、話を聞きました。人に対して抱く感情には大差がないんです。ただ、ここに社会というものが介在すると、いろいろとややこしくなる。逆に言えば、それだけなのかなと思ったりもする。もちろんそこが一番の弊害であり、大変なところだけど、人が人を好きになったり、社会とうまくいかなくて落ち込んでしまう、嫌になってしまうという感情の普遍性は、一緒なんじゃないかなと思います。それは元々わかっていたことなんですけど、今回再確認したところではあります。

福地:私も、それに近い感覚を持つ人と、出会ったことがあります。でも今回香里を演じる上では、自分の人生の中での人との距離感の作り方や、それを人からどう感じられているのかを振り返る作業に重きを置きました。そこから香里の孤独や、自分の内面に向き合う気持ちを探っていきました。

——健流の一周忌の際に、以前はコンサバティブな服を着ていた香里が、レザーのライダースを着ているのが印象的でした。あの衣装はどうやって決めたのでしょうか。

場面カット。健流の一周忌に訪れる慎吾と香里

寛一郎:竹馬さんが、「香里にライダースを着せたい」って言っていた気がします。狙いについては……なんて言ってたっけ?

福地:「変化を出したい」と言ってました。素材感がハードで、露出のないデザインなので、人を寄せ付けない強い印象を出したいって。普段は、自分で役について考えて、衣装について意見を伝えることもありますが、今回は竹馬さんからいただいた衣装から、香里について考えました。あの衣装には香里の防衛本能みたいなものが表れているのかなと。

「死」「喪失」からの「再生」

——「そこにきみはいて」の撮影はいつでしたか?

寛一郎:去年(2024年)の1月ですね。もうすぐ2年になります。

福地:「去年」というとすごく最近のことに感じるけど、2年というとだいぶ前ですよね。

——その1年後、中川監督の映画「恒星の向こう側」にお2人そろって出演し、夫婦役を演じています。福地さん演じる妻・未知が子を宿しているということで、「生」の物語になっているのでしょうか。

寛一郎:「⾛れ、絶望に追いつかれない速さで」から10年以上経てもなお、中川さんの中でまだ消化しきれていないものがあったんだと思います。そこで今回の「そこにきみはいて」では、監督をするのではなく役者として出演したことで、初めて彼の中の節目になったのだと思いました。今回は「死」「喪失」からの「再生」を描いていましたが、次の「恒星の向こう側」では「生」「誕生」の話を作り出しています。すごく美しい流れだなと思います。

福地:「そこにきみはいて」と「恒星の向こう側」は、近い人たちで作っていることもあり、意識しなくてもつながっているものですし、それを分けることは難しいと思っています。寛一郎さんと私に関しても、短い期間の中で、2作続けてご一緒した関係性が必ず映っていると思います。両方ともぜひ見てほしい作品です。

——中川さんの「人生」への思いが詰まっている作品に立て続けに呼ばれる役者として、特に寛一郎さんは、自分の体を貸す、代弁する、という感覚なのでしょうか。

寛一郎:そんなふうに思ったことはないですけど(笑)、中川さんとはとにかくたくさん話しました。浜松(静岡県)で撮っていて、中川さんとはホテルの部屋が隣同士でした。撮影が終わって、明日も朝が早いから寝る前に1本だけタバコを吸って、1杯飲もうとなって、結局深夜3時くらいまで話しちゃう、みたいな(笑)。撮影期間が本当に短い作品だったので、毎日朝早くから夜遅くまで現場があるんです。僕はそういう作品が好きなタイプではあるんですけど。

——2時間くらいしか眠れないのでは……。

寛一郎:その夜もまた「ちょっとだけ話そうか」となって、また3時くらいになってしまうという毎日でした。そこで、中川さんにとっての健流というもののあり方も聞けました。彼も親友を亡くしてだいぶ時間が経っているので、彼の主観ではなく客観的に、「健流ってこういうものだったんじゃないか」という意見も聞けました。物語の中における隙間の時間というか、描かれていない部分みたいなものは、そこで補うことができたと思えるくらい良い話ができましたし、濃密な時間を過ごすことができました。

福地:香里、健流、慎吾の3人が映画の中でそろうことはなかったけれど、香里と慎吾をつないでくれたのは健流。最後の海辺の香里と慎吾のシーンでは、慎吾が勇気を出して自分の内と向き合おうとする姿を見て、香里は手を差し伸べることができた。健流がつないでくれた3人の関係性がものすごく美しいと感じました。

2人が好きなシーンは?

——福地さんが言及した海でのシーンで、「ごめんね」と言う香里の表情が素晴らしかったです。おそらく同じ場所で、未明の海を見つめる健流の最期の表情も、穏やかで美しくて……。香里と健流は、お互いのその表情を見ていないわけですが、出来上がった作品を見てどう思われましたか。

福地:健流が死を選択したことは、私自身も、香里も、否定も肯定もできません。健流のあの表情を見ても。けれど、残された人たちの人生はその後も続いていくことを考えると、香里にとっては、健流の死を通して慎吾に出会うことができて、慎吾は香里に救われました。そのことで、香里は自分の存在を認めることができたと思います。

寛一郎:あの海辺に、香里と慎吾と一緒に、一番いたかったのは健流なんじゃないかなと思います。健流は香里のことを大切に思っているし、健流が一番会いたいのは慎吾だし。ただ、健流が死ななければあの海辺の出来事は、ほぼ100%と言っていいほど起きなかった。健流が生きていて、慎吾に声をかけたとしても、集まらなかっただろうし。悲しいことに、彼が死ななければ、ああいう状況は作れなかったんですよね。

——健流がそう感じるであろうクライマックスを作ったことが、「そこにきみはいて」というタイトルを持つこの作品にとってのカタルシスになっていると、今のお話を聞いて感じました。最後に、それぞれの好きなシーンをお聞きしたいです。

寛一郎:香里と慎吾のシーンは好きです。健流が知っている香里とはまた違う人がそこにいました。先ほどの発言にも重なりますが、悲しくも、健流の死によって、残された香里と慎吾が成長していく、お互いを分かろうとしていくところが印象に残っています。

福地:香里と健流のジョギングのシーンです。お互いが相手を知りたいという気持ちがあって、その想いに寄り添おうとする2人の姿勢が、一緒に走るという行為につながっているのだと思います。だから香里が1人で走るシーンは、大切な人への思いが溢れてしまいそうになる。そんな感覚があったことを覚えています。

PHOTOS:TAMEKI OSHIRO
STYLING:[MOMOKO FUKUCHI]KAZUHIDE UMEDA、[KANICHIRO]SHINICHI SAKAGAMI(Shirayama Office)
HAIR & MAKEUP:[MOMOKO FUKUCHI]TAKAE KAMIKAWA(mod'shair)、
[KANICHIRO]TOSHIHIKO SHINGU(VRAI)

[MOMOKO FUKUCHI]トップス 5万1700円/マメ クロゴウチ(マメ クロゴウチ オンラインストア www.mamekurogouchi.com)、イヤカフ 1万4080円、右手リング1万8480円、左手リング 3万1680円/ノウハウ ジュエリー(ノウハウ ジュエリー 03-6892-0178)、[KANICHIRO]ジャケット27万5000円/サルト(サルト info@sarto-designs.com)

映画「そこにきみはいて」

◾️「そこにきみはいて」
11月28日からヒューマントラストシネマ渋⾕ほか 全国順次公開
出演:福地桃⼦
寛⼀郎 中川⿓太郎
兒⽟遥 遊屋慎太郎 緒形敦 ⻑友郁真
川島鈴遥 諫早幸作 ⽥中奈⽉ 拾⽊健太 久藤今⽇⼦
朝倉あき/筒井真理⼦
脚本・監督:⽵⾺靖具
企画・プロデュース:菊地陽介
原案:中川⿓太郎
⾳楽:冥丁
撮影:⼤内泰
制作プロダクション:レプロエンタテインメント
配給:⽇活
2025/97分/ビスタ/⽇本/5.1ch
©︎「そこにきみはいて」製作委員会
https://sokokimi.lespros.co.jp

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「オニツカタイガー」×「コム デ ギャルソン」や「ジーユー」×「エンジニアド ガーメンツ」など! 来週発売のファッションアイテム7選【12/1〜12/7】

ファッションアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は12月1〜7日に発売するアイテムを紹介します。「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」とのホリデーコラボアイテムを12月1〜28日までの期間限定で発売します。“MEXICO 66”のスペシャルなコラボレーションシューズなどが登場しますよ。

一方、「ジーユー(GU)」は、5日、「エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」と初となるコラボアイテムを発売します。ニューヨーク発「エンジニアド ガーメンツ」はワークウエアに定評があるブランド。鈴木大器デザイナーのこだわりが詰まったアイテムを店頭でチェックせねば!

【12月1日発売】
オニツカタイガー
(ONITSUKA TIGER)

「コム デ ギャルソン」とタッグを組んだホリデーアイテム/h3>

「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」直営店で12月1~28日にポップアップを開催する「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」。会場では川久保玲「コム デ ギャルソン」デザイナーの大胆な解釈で生まれた、“MEXICO 66のスペシャル”のコラボレーションシューズ4型や、タイガーイエローを基調とし両ブランドロゴを新たなグラフィックでデザインしたアパレル8型など、この期間にしか買えないアイテムを数量限定で取り扱う。

■商品詳細

“カスタマイズスニーカー”(全4型、2万8600~5万1700円)
“ジップフーディー”(3万6300円)
“半袖Tシャツ2型”(1万9800〜2万7500円)
“長袖Tシャツ”(1万9800円)
“シャツ2型”(3万5200円と4万6200円)
“ポリエルテルジャージパンツ”(3万7400円)
“ナイロントートバッグ”(8800円)

【12月3日発売】
アンテプリマ
(ANTEPRIMA)

蜷川実花ならではの色彩と輝きを融合したコラボ第2弾

「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」は、写真家、映画監督、現代アーティストの蜷川実花とのコラボレーションコレクション第2弾を用意。本コレクションは、ブランドのシグネチャーであるワイヤーバッグをキャンバスに、蜷川実花ならではの鮮烈な色彩とリュクスな輝きを融合させた。

■商品詳細

“スクエア スモール”(全3色、各13万2000円)
“マイクロバッグ”(全3色、各8万5800円)
“バッグチャーム”(全6色、各1万9800円)

【12月5日発売】
ジーユー
(GU)

「ジーユー」×「エンジニアド ガーメンツ」
アメリカ由来のアイテムを再構築した5型

「ジーユー(GU)」は、「エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」と初となるコラボコレクションを制作。“マンハッタニズム(Manhattanism)”をテーマに、1970年代のアメリカ・ニューヨークのムーブメントに着想を得たニットカーディガン、シェルパーカーなど5型をラインアップする。

■商品詳細

“パデッド シェルパーカー”(全2色、各9990円※編集部調べ、以下同)
“ヘビーウェイトスエットプルオーバー”(全3色、各2990円)
“ヘビーウェイトスエットパンツ”(全3色、各3990円)
“ボアフリーススナップパーカー”(全3色、各4990円)
“ケーブルショールカラーカーディガン”(全2色、各4990円)

【12月5日発売】
メゾン キツネ
(MAISON KITSUNE)

「G-ショック」コラボ
人気アイテムを焼けのあたたかな光を思わせる色味で

「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)」からは、カシオ計算機の「G-ショック(G-SHOCK)」とのコラボレーションアイテムが登場。若い世代を中心に人気の「G-ショック」の“GA-2110”をベースに、パリのオスマン建築に着想を得たカラーパレットで、夕焼けのあたたかな光を思わせる色味に仕上げた。

■商品詳細

“GA-2110MK”(3万3000円)

【12月5日発売】
リーボック
(REEBOK)

「アニエスべー」コラボ
遊び心のあるトリコロールのデザイン

「リーボック(REEBOK)」は、「アニエスベー(AGNES B.)」との別注スニーカー“アニエスベー クラブシー 85 ヴィンテージ”を制作。1980年代のテニスシューズをイメージとした“クラブシー 85 ヴィンテージ”をベースに、チョークカラーのフルグレインレザーをアッパーに採用した。

■商品詳細

“アニエスベー クラブシー 85 ヴィンテージ”(3万6300円)

【12月6日発売】
G-ショック
(G-SHOCK)

「ビューティフルピープル」コラボ
時間の痕跡を内包するデザイン

カシオ計算機の「G-ショック(G-SHOCK)」は、「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」とのコラボウオッチを制作。「G-ショック」の“GM-S2110”をベースに採用し、すでに使い込まれたかのような質感を表現した。「ビューティフルピープル」直営各店および全国の「G-ショック」ストア、両ブランドの公式オンラインストアで取り扱う。

■商品詳細

“オールレディ パティーナ(Already Patina)”(3万8500円)

【12月6日発売】
ニューバランス
(NEW BALANCE)

「アトモス」が別注した
“U1906RAC ブルームーン”

「アトモス(ATMOS)」が「ニューバランス(NEW BALANCE)」に別注した新モデル“U1906RAC ブルームーン”(2万900円)は“反転”がテーマ。“1906”オリジナルカラーを色相環の裏側にある色へと反転させ、“表と裏”、“光と影”のコントラストをデザインコンセプトにした。全体的なマテリアルは、“M1906RA”を踏襲したメッシュアッパーで構成し、軽やかで通気性のある快適な履き心地を実現している。サイズは23.0〜29.0cm、30.0cmで、「アトモス」および「アトモス ピンク(ATMOS PINK)」各店と公式オンラインストアで取り扱う。なお、同アイテムは抽選による販売で、12月4日まで応募を受け付ける。

■商品詳細

“U1906RAC ブルームーン”(2万900円)

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「オニツカタイガー」×「コム デ ギャルソン」や「ジーユー」×「エンジニアド ガーメンツ」など! 来週発売のファッションアイテム7選【12/1〜12/7】

ファッションアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は12月1〜7日に発売するアイテムを紹介します。「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」とのホリデーコラボアイテムを12月1〜28日までの期間限定で発売します。“MEXICO 66”のスペシャルなコラボレーションシューズなどが登場しますよ。

一方、「ジーユー(GU)」は、5日、「エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」と初となるコラボアイテムを発売します。ニューヨーク発「エンジニアド ガーメンツ」はワークウエアに定評があるブランド。鈴木大器デザイナーのこだわりが詰まったアイテムを店頭でチェックせねば!

【12月1日発売】
オニツカタイガー
(ONITSUKA TIGER)

「コム デ ギャルソン」とタッグを組んだホリデーアイテム/h3>

「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」直営店で12月1~28日にポップアップを開催する「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」。会場では川久保玲「コム デ ギャルソン」デザイナーの大胆な解釈で生まれた、“MEXICO 66のスペシャル”のコラボレーションシューズ4型や、タイガーイエローを基調とし両ブランドロゴを新たなグラフィックでデザインしたアパレル8型など、この期間にしか買えないアイテムを数量限定で取り扱う。

■商品詳細

“カスタマイズスニーカー”(全4型、2万8600~5万1700円)
“ジップフーディー”(3万6300円)
“半袖Tシャツ2型”(1万9800〜2万7500円)
“長袖Tシャツ”(1万9800円)
“シャツ2型”(3万5200円と4万6200円)
“ポリエルテルジャージパンツ”(3万7400円)
“ナイロントートバッグ”(8800円)

【12月3日発売】
アンテプリマ
(ANTEPRIMA)

蜷川実花ならではの色彩と輝きを融合したコラボ第2弾

「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」は、写真家、映画監督、現代アーティストの蜷川実花とのコラボレーションコレクション第2弾を用意。本コレクションは、ブランドのシグネチャーであるワイヤーバッグをキャンバスに、蜷川実花ならではの鮮烈な色彩とリュクスな輝きを融合させた。

■商品詳細

“スクエア スモール”(全3色、各13万2000円)
“マイクロバッグ”(全3色、各8万5800円)
“バッグチャーム”(全6色、各1万9800円)

【12月5日発売】
ジーユー
(GU)

「ジーユー」×「エンジニアド ガーメンツ」
アメリカ由来のアイテムを再構築した5型

「ジーユー(GU)」は、「エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」と初となるコラボコレクションを制作。“マンハッタニズム(Manhattanism)”をテーマに、1970年代のアメリカ・ニューヨークのムーブメントに着想を得たニットカーディガン、シェルパーカーなど5型をラインアップする。

■商品詳細

“パデッド シェルパーカー”(全2色、各9990円※編集部調べ、以下同)
“ヘビーウェイトスエットプルオーバー”(全3色、各2990円)
“ヘビーウェイトスエットパンツ”(全3色、各3990円)
“ボアフリーススナップパーカー”(全3色、各4990円)
“ケーブルショールカラーカーディガン”(全2色、各4990円)

【12月5日発売】
メゾン キツネ
(MAISON KITSUNE)

「G-ショック」コラボ
人気アイテムを焼けのあたたかな光を思わせる色味で

「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)」からは、カシオ計算機の「G-ショック(G-SHOCK)」とのコラボレーションアイテムが登場。若い世代を中心に人気の「G-ショック」の“GA-2110”をベースに、パリのオスマン建築に着想を得たカラーパレットで、夕焼けのあたたかな光を思わせる色味に仕上げた。

■商品詳細

“GA-2110MK”(3万3000円)

【12月5日発売】
リーボック
(REEBOK)

「アニエスべー」コラボ
遊び心のあるトリコロールのデザイン

「リーボック(REEBOK)」は、「アニエスベー(AGNES B.)」との別注スニーカー“アニエスベー クラブシー 85 ヴィンテージ”を制作。1980年代のテニスシューズをイメージとした“クラブシー 85 ヴィンテージ”をベースに、チョークカラーのフルグレインレザーをアッパーに採用した。

■商品詳細

“アニエスベー クラブシー 85 ヴィンテージ”(3万6300円)

【12月6日発売】
G-ショック
(G-SHOCK)

「ビューティフルピープル」コラボ
時間の痕跡を内包するデザイン

カシオ計算機の「G-ショック(G-SHOCK)」は、「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」とのコラボウオッチを制作。「G-ショック」の“GM-S2110”をベースに採用し、すでに使い込まれたかのような質感を表現した。「ビューティフルピープル」直営各店および全国の「G-ショック」ストア、両ブランドの公式オンラインストアで取り扱う。

■商品詳細

“オールレディ パティーナ(Already Patina)”(3万8500円)

【12月6日発売】
ニューバランス
(NEW BALANCE)

「アトモス」が別注した
“U1906RAC ブルームーン”

「アトモス(ATMOS)」が「ニューバランス(NEW BALANCE)」に別注した新モデル“U1906RAC ブルームーン”(2万900円)は“反転”がテーマ。“1906”オリジナルカラーを色相環の裏側にある色へと反転させ、“表と裏”、“光と影”のコントラストをデザインコンセプトにした。全体的なマテリアルは、“M1906RA”を踏襲したメッシュアッパーで構成し、軽やかで通気性のある快適な履き心地を実現している。サイズは23.0〜29.0cm、30.0cmで、「アトモス」および「アトモス ピンク(ATMOS PINK)」各店と公式オンラインストアで取り扱う。なお、同アイテムは抽選による販売で、12月4日まで応募を受け付ける。

■商品詳細

“U1906RAC ブルームーン”(2万900円)

The post 「オニツカタイガー」×「コム デ ギャルソン」や「ジーユー」×「エンジニアド ガーメンツ」など! 来週発売のファッションアイテム7選【12/1〜12/7】 appeared first on WWDJAPAN.

写真家トーマス・ルフの個展「Two of Each」がギャラリー小柳で開催 4つのシリーズからひも解く創作の変遷

PROFILE: トーマス・ルフ/写真家

トーマス・ルフ/写真家
PROFILE: 1958年、ドイツ生まれ。デュッセルドルフ芸術アカデミーでベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」の写真家の1人。初期の「Interieurs」「Portraits」から、デジタル加工を用いた「nudes」「jpeg」まで、写真の構造や視覚メディアの在り方を探究する作品で知られる。2016年には東京国立近代美術館と金沢21世紀美術館で日本初の回顧展を開催。PHOTO:NOAM LEVINGER

ギャラリー小柳の開廊30年を記念し、ドイツの写真家トーマス・ルフ(Thomas Ruff)の個展「Two of Each」が12月13日まで開催中だ。同ギャラリーでは、2014年の「ma.r.s. and negatives」以来、11年ぶりの展示となる。今回は代表作の「Substrate」「negatives」に加え、日本初公開となる「flower.s」「untitled#」を含む4シリーズから各2点をセレクトし、1980年代から続くルフの創作を横断的に紹介。アナログとデジタルを往還しながら、写真の枠を拡張し続けてきた彼の創造性を感じさせる内容となっている。

オープニングに合わせて来日したルフに、展示意図やデジタル時代の写真表現、生成AIへの考えを語ってもらった。

“2つ並べる”ことで見えてくるもの

――「Two of Each」は、これまでに発表してきた4つのシリーズ「Substrate」「negatives」「flower.s」「untitled#」から2点ずつ展示するというスタイルだが、どんな意図でこの構成になったのか?

トーマス・ルフ(以下、ルフ):展示作品はアツコ(ギャラリー小柳代表の小柳敦子)と一緒に選びました。今回は自分の作品全体を見渡すような構成にしたいと話していたんです。そこで、過去の作品に改めて目を向けて、初期から現在までのシリーズを織り交ぜることにしました。「flower.s」と「untitled#」の2シリーズについては、日本では初公開になります。

「相談を進める中で、各シリーズから1点では少ない。ぞれぞれのシリーズを語るのに2点の方が伝わる」という話になりました。1点だけでは、作家の意図や流れが見えにくい。音楽もそうで、1曲ではよく分からなくても、2曲聴くとそのミュージシャンのセンスや考えがつかめることがありますよね。同じように、今回の展示でも2点を並べることで、シリーズの本質や世界観がより立ち上がってくると考えました。

――1990年代から活動を続ける中で、写真のメディアはどう変化したと感じているか?

ルフ:5ギガの画像ファイルをインターネットでやり取りできる今から考えると、自分が学生時代に始めた写真はフィルムを使い、暗室で現像とプリントを行うものでした。とてもアナログでスローなメディアだったと言えますね。手法も流通の仕組みも、今とはまったく違っていましたから。

90年代の中盤から2000年ごろにデジタルカメラが登場しましたが、当時のデジタルカメラは解像度が低く、フォトショップのようなツールを持っていてもデジタル写真を扱うことはできませんでした。そこで私は、4X5インチカメラで撮影し、そのネガをスキャンしてフォトショップで処理するという手法を選びました。写真をデジタル化するというやり方は、新しいレンズを手に入れたような感覚でしたね。

――自身の作品にはどんな影響があったか?

ルフ:自分の作品は常に、写真の成り立ちや在り方を追求するところから始まっていると思います。1枚の写真がどう撮られたものか、どんな形式で保存されているのか。あるいは、その写真と人々との間でどんな関係をつくるのか。そうした興味が根底にあり、「Portraits」や「Stars」「Nights」といったシリーズが生まれました。

この関心は、デジタル化が進んだ00年以降も変わりませんでしたが、同時にデジタルファイルそのものの構造にも興味を持つようになりましたね。その結果、「nudes」や「Substrate」の制作へとつながっていきます。デジタル化によって、コンピューターのブラウザが自分にとってのもう1つの制作現場に。私はダークルーム(暗室)と対比して「ライトルーム」と呼んでいます。

――それぞれのシリーズ作品について教えてほしい

ルフ:「Substrate」は、カラフルでサイケデリックな印象ですが、元の素材は写真ではなく、日本の漫画なんです。このシリーズには、当時の自分が感じていたインターネットの在り方が投影されています。情報や知識があまりにもあふれているため、全てを手に入れることはできない。そういったノイズや騒々しさを表現しました。

アナログとデジタルに加え、両者を融合させるという試みもあります。その代表が「flower.s」シリーズ。自分の庭の植物をライトボックス上で撮影し、マン・レイ(Man Ray)やクリスチャン・シャド(Christian Schad)の作品によく見られるソラリゼーションの技法をデジタルで再現しました。写真のコンポジションについて改めて考えたシリーズでもありますね。

世界の捉え方と創作の起点

――自身の創作活動を通して、どんなことを世の中に発信・共有したいと考えている?

ルフ:自分が意地の悪い人間だということは、あまり共有したくありませんね(笑)。作品には、どれも自伝的な要素があると思っています。私はごく普通の生活を送り、建築やインテリア、周囲の人々など、身の回りの環境からさまざまな影響を受けながら制作しています。良いことも悪いことも、好き嫌いもある。そのままが作品に反映されていると思います。

何かに気付き、それが頭から離れなくなると制作を始めます。15年ほど前に出合った出来事が、突然ふっと浮かび上がり、「今このテーマに取り組もう」とスイッチが入ることもある。こうした感覚は、きっと私だけのものではありません。だからこそ、自分の世界の捉え方を少しでも多くの人に面白がってもらえたらうれしいです。

――生成AIが新たな時代のキーワードであり、アートの領域にも及んでいる。このテクノロジーについてどう感じるか?

ルフ:個人的に、生成AIはばかげた存在だと感じています。AIが作成したものを面白いと感じたことが一度もありません。既存のイメージを取り込んでいるに過ぎない存在が、果たして“すでにあるもの”を超えられるのでしょうか?私にとってクリエイティビティーとはまだ見ぬ何かを生み出すこと。AIにそれは不可能だと思いますね。

テクノロジーはいつもより快適な何かをもたらしますが、同時に私たちがそこで何かを失っているという事実も見逃せません。かつては存在した感覚や感性、ものの見方などが失われていく。しかしもっと危険なのは、失われていることにすら気が付かないことです。

――写真の見方や捉え方についてはどう考えているか?

ルフ:私たちはアートや写真を見るとき、目で見るのではなく“脳”で見ています。ステレオスコピック写真を撮ることができるカメラを持っていますが、これは2つのレンズで撮影し、2つのイメージが重なり合うことで3D画像が生まれる。脳内でイメージを形作っているという良い例だと思いますね。

つまり、作品を見るとき、その人がこれまで経験してきたことやルーツ、文化的背景が必ず作用しているということ。それぞれの自分の視点で作品を見つめ、そのプロセスを通して世界を見ていると思います。

――コンセプチュアルな作品は、難解だと捉えられることも少なくない

ルフ:時に現代アートは難しいとされます。多くの人が「理解できるだろうか」と恐れを抱き、理解できないと感じた瞬間に、その場を離れてしまうこともあるでしょう。それはとても残念なことです。私なら「アートは、その場で即座に理解しなくてもいい」と言いますね。急がなくて良い。ただ、見ることが大事です。

最初は殻の中に閉じこもっているように、何も見えないかもしれません。でもあるとき、何かがトリガーになって、殻が割れることだってある。そしてその割れ目が大きくなっていくほどに、今まで見えなかった世界が見えてくる。そうなったときは、また作品の所へと戻れば良い。好奇心を失わないことが大切です。

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「カリマー」大幅拡大へ アンドエスティHDの新領域を背負って立つ

英アウトドアブランド「カリマー(KARRIMOR)」の日本事業を担うカリマーインターナショナルは、直営店事業に乗り出す。2027年に路面の直営店を出すのを皮切りに主要都市に5年内に5店舗の体制を目指す。現状ではアウトドア専門店への卸売りが8割以上を占めるが、これを卸売り4割、直営店3割、オンライン3割の構成に移行していく。売上高は5年後に現在の5倍規模に持っていく考えだ。

今年3月31日付でアンドエスティHD(当時アダストリア)と伊藤忠商事が、カリマーインターナショナルの株式を共同取得した。栄木雅人社長をはじめアンドエスティHDから人材が送り込まれ、成長基盤を整えている最中だ。栄木社長は「『カリマー』は伸び代が大きい。現在はバックパックが売り上げの7割だが、直営店の展開を前提にアパレルや雑貨のトータル化を進める」と話す。80年の歴史を持ち、登山家に愛されてきた機能的なバックパックを軸にしながらライフスタイルにも事業領域を広げる。

親会社のアンドエスティHDは、旧体制では十分な投資ができなかった店舗開発やマーケティングを支援する。アンドエスティHDが運営する会員数2070万人(9月末時点)のECプラットフォーム「アンドエスティ」も活用する。

新体制での初コレクションとなる26-27年秋冬物では、アパレルの品番数を1.5倍にした。「アンドエスティHD傘下になったことで、ファッション化が進むと考える向きもあるようだが全く違う。あくまでコアなアウトドアファンに向けたモノ作りを推進する」と栄木社長は話す。「カリマー」のアパレルはバックパックとの相性を前提に企画されており、背負った際の引っ掛かりや通気性など細部まで配慮している。現在バックパックとアパレルその他の割合は7対3だが、トータル化によっていずれは4対6へと逆転させる。

カリマーインターナショナルでは、米シアトル生まれでボトルやタンブラーを主力とする「ミアー」の販売を26年春から始める。保温・保冷機能のあるボトルは、アウトドアとの親和性が良いと考えた。エコ意識の高まりによって普段からボトルを持ち歩く人が増えている。デザイン性にも優れたボトルは、幅広い人々にアプローチできる。「ミアー」はブルーボトルコーヒーをはじめ、さまざまな企業とのコラボレーションでも引っ張りだこだ。26年中にアパレルコレクションを出す計画もある。

これまでアンドエスティHDは、「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」をはじめとしたファッション領域で成長していた。ブランドのポートフォリオでは、スポーツやアウトドア領域は空白だった。「カリマー」のような本格的なアウトドアブランドを取り入れ、接点のなかった顧客の獲得を狙う。アンドエスティHDはスポーツやアウトドア領域を成長市場と見定め、今後もブランド獲得に動く。

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木村拓哉がドラマ「HERO」で着用した人気の「ア ベイシング エイプ®」のダウン 25周年モデルが限定発売

「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」(以下、「ベイプ®︎」)は11月29日、ブランドの代表的アイテムの一つである“レザークラシックダウンジャケット(LEATHER CLASSIC DOWN JACKET)”の25周年モデルと新色を、オンラインストアや「ベイプ®︎」正規取り扱い店舗で発売する。

25周年限定モデル

2000年に登場した“レザークラシックダウン”は、レザー製のダウンを「ストリートで着るラグジュアリー」として打ち出し、瞬く間にブランドのアイコンとなった。また、2001年に放送されたドラマ「HERO」内で木村拓哉が着用し、大きなトレンドとなった。今回、このジャケットの誕生25周年を記念し、世界限定50着のみ生産される日本製の“25TH EDITION”(33万円)が登場する。限定の“25TH EDITION”は、「ベイプ エクスクルーシヴ 青山」、「ベイプストア」の銀座、ドーバー ストリート マーケット ギンザ、京都、「ベイプ ストア コム デ ギャルソン大阪」、オンラインストアで販売する。

シグネチャーであるブラウンレザーは、特別に選び抜かれたシープスキンを採用し、柔らかさと耐久性を兼ね備えている。フロントにはゴールドのスナップボタンを配し、クラシックなシルエットに控えめな華やさを演出。内側にはジャカード織りで表現したネイビーの「ベイプ®︎」カモライニングを採用し、細部にまでブランドの美学を刻んでいる。 さらに襟元には限定モデルであることを示す「25」の型押しレザーパッチと、一着ごとに異なるシリアルナンバーが刻まれ、特別なモデルであることを証明。付属するウッドハンガーにも「25」ロゴをあしラウなど、細部にまでこだわった仕上がり。

機能面も日本が誇る河田ダウンの高品質な中綿を採用し、軽さと保温性を両立。ボリューム感を保ちながら美しいシルエットを描く。

定番モデルの新色も発売

25周年限定モデルと同時に、定番モデルもブラウン、ブラック、パープルの3色を展開。上質な羊革を使用し、しなやかな質感と高級感を兼ね備えている。内側には同系色のライニングを合わせ、外装との調和を図りながら、スタイルに奥行きをもたらす。価格は各18万7000円。

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RHC ロンハーマンが「トッズ」と「チャンピオン」との新作コラボアイテムを発表

RHC ロンハーマンはこのほど、ホリデーシーズンにあわせた「トッズ(TOD’S)」と「チャンピオン(CHAMPION)」との新作コラボレーションアイテムを12月5日に発売する。RHC ロンハーマンとロンハーマンの各店舗、公式オンラインストアで取り扱う。

2ウエイレザーバッグとジップアッププルオーバーを用意

「トッズ」とのコラボライン“トッズ フォー RHC”からはマイクロサイズの2ウエイレザーバッグをレッドとキャメルの2カラーで、「チャンピオン」とのコラボライン“チャンピオン フォー RHC”からは新作ジップアッププルオーバーをレッドとグレー、ネイビー、ライトグレーの4色で展開する。価格は、2ウエイレザーバッグが17万4900円、ジップアッププルオーバーが2万3100円だ。

また、RHC ロンハーマンのオリジナルラインから5種のニットウエアをラインアップするほか、5〜13日には「マックスマーラ(MAX MARA)」の“エス マックスマーラ(‘S MAX MARA)”と“マックスマーラ ザ・キューブ(MAX MARA THE CUBE)”のイベントをRHC ロンハーマン豊洲店で開催する。

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小松菜奈が「シャネル」 ビューティーのアンバサダーに就任 「内面の美しさも磨いていきたい」

「シャネル(CHANEL)」は11月28日、俳優でモデルの小松菜奈をビューティーのアンバサダーに任命したと発表した。小松は2015年に「シャネル」のアンバサダーに就任し、10年にわたってブランドとの関係を築いてきた。今回のビューティーアンバサダー就任について、「シャネル ビューティーのアンバサダーに任命していただき、大変光栄に思います。ファッションとはまた違った魅力を放つ『シャネル』のビューティーに携われることが心から嬉しいです」とコメントを寄せている。

“ルージュ ヌワール”コレクションのビジュアルも撮影

小松はブランドと10年を振り返り、「私にとって『シャネル』は大きなインスピレーションの源です。アンバサダーになって10年が経ちましたが、『シャネル』と共に歩んだ時間は間違いなく私の人生の財産です。そして家族のような存在です」と語り。「『シャネル』を通して出会った人や場所、自分自身で感じられた景色やクリエーションにはたくさんの刺激と感動と学びが詰まっています」「これからも共に『シャネル』との旅を楽しみたいです」と述べた。また、ビューティーのビジョンについて「それぞれが持つ個性という美しさと共に、内面の美しさも磨いていきたいと思います。アイデンティティーや感謝を忘れずに愛を持ってていねいに向き合っていきたいです」と語っている。

また、小松は“ルージュ ヌワール”のメークアップコレクションの顔として、アミィ・ドラマ(Ammy Drammeh)メークアップ アーティストが担当する撮影に臨んだ。撮影の感想について「今回の撮影で初めてお会いしたアミィでしたが、彼女自身が持つポジティブで明るい性格はメークしてもらうのも楽しく、ワクワクする時間でした。シャネルらしさとロックなメークのバランスがクールで芯の強い女性を表現出来たことがお気に入りです」と振り返っている。

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1位は、「ジーユー」が「エンジニアド ガーメンツ」と初コラボ 1970年代のNYに着想を得た5型を発売|週間アクセスランキング TOP10(11月20〜26日)

1位は、「ジーユー」が「エンジニアド ガーメンツ」と初コラボ 1970年代のNYに着想を得た5型を発売|週間アクセスランキング TOP10(11月20日〜26日)

「WWDJAPAN」 ウイークリートップ10

1週間でアクセス数の多かった「WWDJAPAN」の記事をランキング形式で毎週金曜日にお届け。
今回は、11月20日(木)〜11月26日(水)に配信した記事のトップ10を紹介します。


- 1位 -
「ジーユー」が「エンジニアド ガーメンツ」と初コラボ 1970年代のNYに着想を得た5型を発売

11月20日公開 / 文・WWD STAFF

 「ジーユー(GU)」は12月5日、「エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」と初となるスペシャルコレクションを発売する。全国の「ジーユー」店舗および公式オンラインストアで取り扱う。同コレクションは、“マンハッタニズム(Manhattanism)”をテーマに、1970年代のアメリカ・ニューヨークのムーブメントに着想を得て、アメリカ由来のアイテムに遊び心を加えて再構築した5型をそろえる。

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- 2位 -
「レスポートサック」がイラストレーターのSHOGO SEKINEとコラボ NYがテーマのポーチやバッグを日本限定発売

11月20日公開 / 文・WWD STAFF

 「レスポートサック(LESPORTSAC)」は11月27日、イラストレーターのSHOGO SEKINEとコラボレーションしたホリデーギフトにもぴったりなコレクションを日本限定発売する。全国の「レスポートサック」店舗および公式オンラインストアなどで取り扱う。

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- 3位 -
パナソニックの電気シェーバー「ラムダッシュ パームイン」から「フラグメント」の限定モデル誕生 藤原ヒロシによる漆黒の1台

11月21日公開 / 文・WWD STAFF

 パナソニックは12月1日、電気シェーバー「ラムダッシュ パームイン」と「フラグメント(FRAGMENT)」の限定モデル“ラムダッシュ パームイン - fragment edition”を発売する。11月26日からはパナソニック公式オンラインストアのパナソニックストアプラスで予約販売を開始。パナソニックストアプラスとパナソニックビューティ表参道で取り扱う。ミニマルなデザインと高性能を兼ね備えたブラックカラーのモデルに、藤原ヒロシの感性がプロダクトに新たな価値を吹き込む。

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- 4位 -
「ストレンジャー・シングス」コラボまとめ 「ギャップ」や堂本剛、「V.A.」など

11月24日公開 / 文・WWD STAFF

 Netflixの人気シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の最終章となるシーズン5の配信が11月27日から順次配信される。シーズン5は3回に分けて、11月27日からVol.1(1〜4話)が、12月26日からVol.2(5〜7話)が、2026年1月1日からフィナーレ(最終話)が順次配信される。クライマックスに向けて、ファンの期待も高まる中、多くのブランドから「ストレンジャー・シングス」とのコラボアイテムが発売される。ここでは気になるアイテムをピックアップして紹介する。※順次更新

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- 5位 -
「ギャップ」が「ストレンジャー・シングス」とコラボ 裏側の世界に着想を得たリバーシブルTシャツなど

11月21日公開 / 文・WWD STAFF

 「ギャップ(GAP)」は11月25日、ネットフリックス(Netflix)の人気シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」とのコラボカプセルコレクションを発売する。アイテムは、メンズ、ウィメンズ、キッズで展開し、デニムやスエット、Tシャツなど全21型を用意。「ギャップ」新宿店、ラゾーナ川崎プラザ店、ららぽーと名古屋みなとアクルス店、心斎橋店、キャナルシティ博多店、公式オンラインストアおよび「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」で取り扱う。なお、新宿店の販売開始は11時から、その他4店舗は10時からとなる。

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- 6位 -
「ストレンジャー・シングス 」と「リトルサニーバイト」がコラボ 印象的なシーンを落とし込んだスエットやバッグなど

11月26日公開 / 文・WWD STAFF

 今年で11周年を迎えるYOPPYがデザイナーを務める東京発のブランド「リトル サニーバイト(LITTLE SUNNY BITE)」は11月27日と2026年1月1日、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の最終章公開に合わせ、コラボレーションコレクションを2回に分けて発売する。両日とも18時からの販売で、「リトル サニーバイト」ラフォーレ原宿店および公式オンラインストア、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」で取り扱う。

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- 7位 -
カネボウ化粧品「ミラノコレクション」が京都・下鴨神社とコラボ 限定御朱印やサンプル配布

11月23日公開 / 文・WWD STAFF

 カネボウ化粧品の「ミラノコレクション(MILANO COLLECTION)」が、京都の下鴨神社(賀茂御祖神社)と連携した取り組みを始めた。11月22日から2026年1月31日まで、限定御朱印の授与や“大鏡絵馬”の展示、フェースパウダーのサンプル配布を行う。

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- 8位 -
「V.A.」で開催される「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のポップアップを体験 劇中のピザ屋やアイス屋が登場

11月26日公開 / 文・高山 敦

 ジュンが運営する原宿のコンセプトストア「V.A.(ヴイエー)」は11月27日〜12月28日、ネットフリックス(NETFLIX)シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の最終章の配信を記念したポップアップストア“ヴイエーストレンジャーシングスハウス(VA | STRANGER THINGS HOUSE)”をひと足先に体験。店舗の外観から1階、2階まで館全体、細部に至るまで「ストレンジャー・シングス」の世界観が表現されており、作品ファンならばぜひ訪れたいスポットとなっている。

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- 9位 -
【スナップ】「マックスマーラ」ポップアップにTWICEツウィ、本田翼、ローラらが来場 “キャメル”をまとう

11月25日公開 / 文・WWD STAFF

 「マックスマーラ(MAX MARA)」は11月21〜30日、ブランドの象徴である“キャメル”をテーマにしたポップアップストア“THE CAMEL,timeless”を開催中だ。これを祝して、TWICEツウィ、本田翼、ローラ、のんらが来場した。

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- 10位 -
「コンバース」×「ストレンジャー・シングス」 最終章を記念したシューズを発売

11月20日公開 / 文・WWD STAFF

 「コンバース(CONVERSE)」は11月27日、ネットフリックスシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の最終章シーズン5の配信開始を記念して、スペシャルコラボレーションを発売する。「コンバース」オンラインショップおよび取り扱い各店舗で販売する。

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ギャラリー小柳でユアサエボシ初個展「でいかい」開催 “架空の画家”名義で戦時期の感情を描く新作も

ギャラリー小柳が12月20日〜3月7日、画家ユアサエボシの初個展「でいかい」を行う。20日のレセプションにはユアサ本人が在廊する。また会期中にはゲストを迎えてトークイベントも実施する予定だ。

ユアサは1983年生まれ。大学卒業後に金融企業へ就職したが、倒産を機に美術の道へ進んだ。フランス文学者・澁澤龍彦の著作などを通してシュルレアリスムに傾倒し、憧れの芸術家たちと同じ時代を生きたい思いから、自らを“大正生まれの三流画家・ユアサヱボシ”という架空の人物に扮して制作を続けている。

作品一覧

戦時下を生きた“ユアサヱボシ”は、重度のヘルニアで出征せず、疎開先で物資不足に耐えながら創作を続けたという設定だ。従軍経験はないが、勝利の報に安堵し、敵国への憎しみを抱くなど、市井の人々と同様に揺れ動く感情を共有したと想定している。個人の思想を超えて、作品には当時の「時代が抱えた感情」がにじむ。

本展では、「戦争」をテーマにした絵画10点を展示する。3点は2025年に金沢21世紀美術館で開かれたグループ展「積層する時間:この世界を描くこと」で発表した作品で、残る7点は本展に向けて描いた新作だ。架空の画家を介して、時代の情念と個人の創作が交錯するユアサの世界を提示する。

◼️個展「でいかい」
会期:12月20日〜3月7日
場所:ギャラリー小柳
住所:東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9F
営業時間:12:00〜19:00
休廊日:日、月、祝祭日(12月28日〜1月12日は冬季休廊)

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【2025年クリスマスコフレ】「ビルケンシュトック」のビューティケアラインがホリデー限定セットを発売 コットンポーチ付き

「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」のケアライン“ケアエッセンシャルズ(CARE ESSENTIALS)”は11月28日、初のホリデーセットを数量限定で発売した。フット&ボディーケアアイテム3種をホリデー仕様のコットンポーチに入れたセット(全3種、6380円)で、ビルケンシュトックの直営各店と公式オンラインで取り扱う。

セットには、新作のボディーケアアイテム“リラクシングハンド&ボディーウォッシュ”(50mL)、“リラクシングハンド&ボディーローション”(30mL)と、人気のフットケアアイテム“ナリシングフットバーム”(30mL)を詰めた。それぞれに厳選された天然由来成分を配合し、マインドフルな癒しの時間を提供。豊かな香りに満たされるクレンジングから、肌に潤いを与えるボディー用ローション、冬の乾燥した足を保湿するフットバームまで、つま先から体全体をケアするホリスティックな体験を届ける。

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【2025年クリスマスコフレ】「ビルケンシュトック」のビューティケアラインがホリデー限定セットを発売 コットンポーチ付き

「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」のケアライン“ケアエッセンシャルズ(CARE ESSENTIALS)”は11月28日、初のホリデーセットを数量限定で発売した。フット&ボディーケアアイテム3種をホリデー仕様のコットンポーチに入れたセット(全3種、6380円)で、ビルケンシュトックの直営各店と公式オンラインで取り扱う。

セットには、新作のボディーケアアイテム“リラクシングハンド&ボディーウォッシュ”(50mL)、“リラクシングハンド&ボディーローション”(30mL)と、人気のフットケアアイテム“ナリシングフットバーム”(30mL)を詰めた。それぞれに厳選された天然由来成分を配合し、マインドフルな癒しの時間を提供。豊かな香りに満たされるクレンジングから、肌に潤いを与えるボディー用ローション、冬の乾燥した足を保湿するフットバームまで、つま先から体全体をケアするホリスティックな体験を届ける。

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伝統のゲランが託す“次の100年” 調香師デルフィーヌ・ジェルクが語る香りの哲学

PROFILE: デルフィーヌ・ジェルク/ゲラン専属調香師

デルフィーヌ・ジェルク/ゲラン専属調香師
PROFILE: 977年生まれ。スイスで幼少期を過ごした後、ファッション専門学校エスモードでデザインをファッションを学ぶため1999年にパリへ移住。卒業後、香料会社大手フィルメニッヒに入社。その後、グラース インスティテュート オブ パフューマリー(GIP)の入学試験に合格し、ジャン=フランソワ・ラティ、マックス・ガヴァリーといった調香師の助言のもと、トレーニングを開始した。2003年、フレグランス会社ドロムに入社。フィリップ・ロマーノの下で調香師見習いとして3年間を過ごした後ニューヨークへ移り、ヒット作“ラ プティット ノワール”を創作。14年にゲラン専属調香師に就任。21年にはフランス文化大臣から芸術文化勲章を受勲

1828年創業のフランスを代表するフレグランスメゾン「ゲラン(GUERLAIN)」で、デルフィーヌ・ジェルク(Delphine Jelk)は専属調香師として数々の名香を生み出している。若き日に手掛けた“ラ プティット ローブ ノワール”が世界的にヒットし、「ゲラン」の調香師に任命されたのが2014年。2世紀近く続くメゾンで初の女性調香師となったジェルク調香師は、伝統を深く理解しながら、既存の枠に縛られず新しい香りの世界を切り開いてきた。”香りは見えないファッション”と語る彼女の創作哲学とは──。

——2009年に発表した “ラ プティット ローブ ノワール”は世界的な成功を収め、現在もメゾンのアイコンの一つとなっています。ヒットの要因は?

デルフィーヌ・ジェルク=ゲラン専属調香師(以下、ジェルク):この香りをつくったとき私はまだ若い調香師で、「ゲラン」のフレグランスは“母や祖母の香り”というイメージが強かったんです。だからこそ、当時の「ゲラン」には欠けていた若い世代の女性に向けたフレグランスを作りたいと思いました。着想は、ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)監督が手掛けた06年公開の映画「マリー・アントワネット」です。ローズ、ラズベリー、マカロン、アーモンド。それらを組み合わせると、チェリーのような香りが生まれます。そこにパチョリやリコリスのダークなニュアンスを重ね、少女の可愛らしさと大人の影を共存させました。“ラ プティット ローブ ノワール(小さな黒いドレス)”という名前も魔法のようでした。ファッションの世界に足を踏み入れた若い女性が最初に手にするのが黒いドレス。まさにメゾンがイメージする“マドモアゼル・ゲラン”を象徴するような存在ですね。全てがうまく重なって成功に結びつきました。少しの魔法と幸運が必要なのだと、あの経験が教えてくれました。

“見えないものを可視化する”ファッション的アプローチ

——デザインとファッションを学んだ経験は調香へも影響していますか?

ジェルク:私はファッションデザインの学校で学んでいたので、香りをつくるプロセスは服をデザインするのとまったく同じだと感じます。一番大切にしているのはムードボードです。
アイデアを可視化し、コンセプト・色・言葉・素材感を並べることで、香りという見えないクリエイションに輪郭が生まれる。視覚的な世界で生きている私にとって、それが創造の起点になります。香りは目に見えないけれど、私はいつも“見えているもの”をつくっている感覚なんです。

——フレグランスの最新トレンドは?

ジェルク:フレグランスのトレンドはファッションほど短命ではありませんが、近年は“強さ”と“甘さ”が大きな潮流です。フレグランスは高価なので、買ったからには「香ってほしい」と思うのでしょう。そして今の若い世代は香りで自己表現をしたいと思っています。そのニーズから、強さが求められています。ですが、私は「ゲラン」の調香師として、トレンドを追うのではなく、革新を生み出す側でいたいと思っています。

——「ゲラン」の伝統と、あなた自身の個性。どのように両立させていますか?

ジェルク:私はメゾンのシグネチャーアコード「ゲルリナーデ」を軸に香りをつくっています。「ゲルリナーデ」は6つの天然素材、ベルガモット、イリス、ローズ、バニラ、トンカビーン、ジャスミンを香料としています。代々受け継がれてきたこの6つの香料が、「ゲラン」の魂とも言えるものです。私はその“赤い糸”を大切にしながら、そこに自分の感覚を重ねています。

例えば、地球の自然の香りを再現したコレクション“アクア アレゴリア”にはキューカンバー(きゅうり)の香りを取り入れたものがあります。水分が多いきゅうりは通常抽出が難しく、フレグランスの原料としては珍しいです。でも、私は出会った瞬間に恋をしてしまい、どうしても使いたかった。マーケティングチームには「きゅうり?『ゲラン』らしくない」と言われましたが、私は1830年の「ゲラン」のスキンケア製品“ミルク オブ キューカンバー”を持ち出し、「『ゲラン』はすでに200年前に使っているのよ」と説得しました(笑)。伝統は私を縛るものではなく、未来へ進むための翼なんです。

——自身の作品の中でもっとも思い入れのある香りは?

ジェルク:これまで作った170作全てに思い出があります。ですが、やはり特別なのは“ラ プティット ローブ ノワール”。そしてもう一つは、今年100周年を迎えた“シャリマー”の新解釈です。私は5年前、誰にも言わずにアトリエでこっそり“自分だけのシャリマー”をつくっていました。オリジナルの本質を尊重しながら、現代的に再構築するために、バニラを大胆に増やし、動物的な要素はクリーンなムスクへと置き換えました。まさに“シャリマーの心臓”に触れる作業でした。バニラは“母の腕のような香り”とも言われ、普遍的な安心感があります。香りは大人になっても、心を抱きしめてくれる存在であってほしいんです。

「香り選びはもっと自由でいい」

——30代が“気分が上がる香り”を選ぶなら?

ジェルク:“アクア アレゴリア”コレクションは“体に良い素材”から着想しているので、“フローラブルーム”“ローザ ロッサ”“ネロリア ベチバー”などは元気をくれる香りです。香りが心や体に与える影響を研究する学問、アロマコロジーでは、例えばマンダリンには神経を落ち着かせるなどの効能があります。香りが心にも作用することは、とても興味深いですよね。最高級コレクション“ラール エ ラ マティエール”では、フルーティーな“ペッシュ ミラージュ”のような“笑顔になる香り”がおすすめです。

——男性が香りを選ぶ際のアドバイスは?

ジェルク:日本の男性は「強い香りは苦手」と言う人が多いけれど、一緒に香りを試すと皆さん意外とウッディで濃密な香りを選ぶんですよ(笑)。なので、男性用・女性用と固定観念で選ばず、自分の感情が動く香りを自由に選んでほしいと思います。ですが、“ラール エ ラ マティエール”の中から選ぶと、“ベチバー フォーヴ”。ウッディでありながらフレッシュ。とてもシックで、特に秋に似合います。“チェリー ウード”日本の文化にある“木を燻す”感覚と、チェリーの遊び心が出会った香り。スモーキーで神秘的でありながら、どこか笑顔になる香りです。“ネロリ プラン スュッド”ネロリにターメリックとジンジャーを重ねた香り。体にも心にも良い影響をもたらすアロマコロジーの発想でつくっています。

——香りはどのようにつけると効果的ですか?

ジェルク:どう見せたいかによって変わります。強く香らせたいなら、洋服や髪にも軽く。自分だけで楽しみたいなら、手首や首筋など“体温の高い部分”に。控えめに香らせたい日は、膝裏など動くたびにほのかに香る場所に。髪にほんの少しまとうのもおすすめです。動いた瞬間にふわっと香り、本人にも心地良いですよ。

——来日で得た刺激はありますか?

ジェルク:日本は以前から憧れの国で、今回ようやく来ることができました。まず惹かれるのは、全ての所作の繊細さ。料理の美しさ、茶の動き、暮らしに漂う詩情。どれもが心を打ちます。また、香水の語源は “per fumum=煙を通して”ですが、日本のお香や焚香の文化には、香りの原点とつながる深い精神性があります。そして、私には子どもが4人いて、みんな漫画とゲームと寿司が大好き(笑)。「どうして自分たちを連れて行ってくれないの?」と大騒ぎでした。次は家族と訪れたいですね。

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「ロムアンド」が36%オフの限定セットを発売 人気リップや眉マスカラなど5点入り

「ロムアンド(ROM&ND)」は11月28日、“フォーチュンメイクアップボックス”(3960円)を数量限定発売した。全国のバラエティーショップやドラッグストアなどで順次販売を開始する。ランドを代表するアイテム“ジューシーラスティングティント”や“ハンオールブロウカラ”など人気5アイテムをそろえ、単品購入比で36%リーズナブルに提供するほか、ランダムでギフトカードを封入している。

アイブロウマスカラやリップアイテムなどをランダムでセット

ボックスにはひと塗りで垢抜け眉になる“ハンオールブロウカラー”全5色からランダムで1つ、“リキッドグリッターシャドウ”全6色からランダムで1つ、ブランドを代表するリップ“ジューシーラスティングティント”全7色と“ゼロベルベットティント”全5色からランダムで2つ、“ベアムルティント”全6色からランダムで1つを詰めた。また、製品名の“フォーチュン=幸運”にちなんだギフトチケットは2000円から最大5万円まで用意。総勢810人に当たるようにしている。

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【一粒万倍日】「グッチ」から日本限定コレクションが登場 12月21日は今年最後の最強開運日

12月21日は1年に数回しか訪れない天赦日、一粒万倍日、天恩日が重なる2025年最後の最強開運日だ。加えて12月6日、8日も一粒万倍日、天恩日、大明日が重なる開運日で吉日が重なる。“一粒万倍日“は財布を買ったり、使い始めたり、贈ったりするのに適した日とされる。これらのラッキーデーに向けて「グッチ(GUCCI)」はスモールレザーグッズの日本限定セレクションを発売した。「グッチ」の店舗およびオンラインで取り扱う。日本限定のバイ カラーでデザインしたウオレットやキーケースなどがそろう。

ウィメンズ

ウィメンズ向けは、ライトゴールドトーンの小さなダブルGハードウエアがアクセントのレザー製ジップ アラウンドウオレット、2つ折りウオレット、キーケースの3アイテムを、外側はホワイト、内側はエレガントなラベン ダーカラーで仕立てた。さらにフラップタイプのロングウオレットと名刺入れもラインアップする。

メンズ

メンズ向けには、シルバーカラーの「グッチ」ロゴをあしらったグレインレザー製のジップアラウンドウオレットとコインウオレットが、外側がブラック、内側がロイヤルブルーの組み合わせで登場する。また、大きな「グッチ」ロゴをエンボス加工で表現したレザー製コインウオレットとカードケースは、外側がターコイズブルー、内側がミントカラーの組み合わせでラインアポップする。ほかにもGGキャンバスを用いた“GGエンブレム”ラインの新作ミニバッグ、幸運を呼ぶアニマルやスノーフレークをかとどった遊び心あふれるキーチャームも取りそろえる。

購入したレザーグッズをイニシャルやラッキーモチーフでパーソナライズできる無料刻印サービスに、アーティスト、ヒグチユウコのデザインによる猫のモチーフも期間限定で加わる。猫モチーフの無料刻印サービスは、一部のグッチショップおよびグッチ公式オンラインショップで受け付ける。

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静岡パルコ、2027年1月末で閉店 開業から20年で幕

J.フロント リテイリング(JFR)は28日、子会社のパルコが運営する静岡パルコを2027年1月末で閉店すると発表した。

静岡パルコはJR静岡駅近くの好立地に2007年3月にオープンした。地上8階・地下1階で店舗面積は3万1000平方メートル。10年度にはテナント取扱高109億円だったが、直近の24年度は81億円まで縮小していた。収益化が難しいと判断し、建物賃貸借契約の満了時期のタイミングで閉店を決めた。

JFRは営業終了に伴い、25 年3〜11月期連結決算において約10億円の損失をその他の営業費用に計上する見通し。

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【2025年クリスマスコフレ】「エスティ ローダー」のホリデーはライラックがモチーフ

「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」は、2025年のホリデーコレクションとして“幸運の花”ライラックをモチーフとした「ラベンダー キス コレクション」を11月28日から数量限定で発売した。オンラインショップでは12月2日から販売を開始する。同コレクションには限定3色の“ピュア カラー ジェリー グロウ バーム”(各3960円)と、限定パッケージの“ダブル ウェア ソフト グロウ マット クッション メークアップ”(全3色、各8580円)をラインアップ。来年の幸福を祈るホリデーシーズンの想いとともに、希望に満ちた未来の予感、心を解き放つよろこび、純真な想いを映し出した。また、コレクション発売に合わせグローバルブランドアンバサダーを務める韓国のシンガーソングライター、IU(アイユー)を起用したビジュアルも展開している。

ライラックの色彩をまとった限定アイテム

“ダブル ウェア ソフト グロウ マット クッション メークアップ”は、ブランドベストセラーファンデーション、“ダブル ウェア”シリーズのクッションファンデーションだ。厚塗り感のない自然な仕上がりで、素肌そのものが美しく整ったかのような印象を演出。毛穴や色ムラを自然にカバーし、余分な皮脂を抑えることで、ヨレや毛穴落ちを防ぎ、一日中続く美しさをキープする。長時間にわたりうるおいを守り、落とした後も肌のしっとり感が続く仕様だ。今回は、ライラックカラーをまとった「ラベンダー キス コレクション」仕様のパッケージで限定登場。華やかなデザインが、手にする瞬間からホリデー気分を高める。展開色は既存色から人気の3色、クール バニラ、ボーン、ポーセリンをそろえた。

バームならではのケア効果に、グロスのようなふっくらとした艶とpH反応で発色する自然な血色感を融合させた“ピュア カラー ジェリー グロウ バーム”からは、この冬だけの限定色としてライラック チャーム、ラベンダー ファンタジー、サトル マルベリーの限定3色を用意した。通常は公式オンラインショップ限定で展開しているシリーズだが、同コレクションでは全国の百貨店コーナーでも取り扱う。

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25周年「YKKファスニングアワード」の現在地 副資材から広がるファッションの未来

YKKが主催する、2001年にスタートした学生向けファッションデザインコンテスト「YKKファスニングアワード」が25周年を迎えた。11月18日には25周年イベントを行い、東京・恵比寿 ザ・ガーデンホールで今年度の授賞式に加えて、審査員の廣川玉枝デザイナーの「ソマルタ(SOMARTA)」や館鼻則孝氏、過去受賞者の丸龍文人デザイナーによる「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」、石田萌デザイナーによる「ホウガ(HOUGA)」、Kokiブランドディレクターによる「コッキ(KHOKI)」などのファッションショーが盛大に行われた。

「YKKファスニングアワード」は、YKKが開発するファスナーやバックル、面ファスナー、スナップ&ボタンの副資材を使うことを条件とした、世界的にもユニークかつ注目度の高い企業コンテストだ。ファッションアイテムには欠かせない副資材を主役に、斬新な使い方やクリエイティブな表現方法を基準としたアパレルとファッショングッズを、デザイン性と機能性、独創性、完成度の4軸で審査。学生の創造力が、副資材の多様な可能性を引き出してきたことから、若手クリエイターの登竜門としても広く知られ、これまでに多くのクリエイターを輩出。これまでの累計応募総数は14万7304点に達している。

今年はさらにリユースやリサイクル、リメイク、アップサイクルなどに観点から「サーキュラーデザイン特別賞」を新設。サーキュラーエコノミー実現を目指す「YKKサステナビリティビジョン2050」にも通じる、資源の持続的な利用を促進するモノ作りをサポートしていくYKKの新たな挑戦でもある。グランプリと「サーキュラーデザイン特別賞」をダブル受賞した文化服装学院の今野奏さんの作品「Re Tree」について、審査員でデザイナーの藤田恭一氏は「木の樹皮をYKKのファスナーとテクノロジーを使い、膨らみや縮み、歪みを丁寧に表現した技術と感性は、自然の力強さもリアルに感じる。これからAIと人、自然の共存が求められていく中で、彼女の繊細なこだわりが未来へのメッセージとなり、この『YKKファスニングアワード』にふさわしい作品になっている」と評した。

「YKKファスニングアワード」の特徴は、YKKの副資材を“いかに機能的かつ創造的に生かすか”というミッションにある。創造力だけでなく、現実の制約を踏まえながら形にしていく実践的なプロセスが求められ、学生はメンター制度を通じてYKKスタッフと対話しながら素材理解を深める。入選者はショー演出家と作品の見せ方を直接やり取りし、トップクリエイターから講評を受けるなど、学校だけでは得られない経験を積むことができる。

11年に優秀賞を受賞した「ホウガ」の石田デザイナーは、「副資材をメーンとした制作は学生時代では貴重な経験だった。また大舞台でのショー発表もデザイナーとして大きな夢の実現にもなり、今もその機会を積めたことに感謝している」と振り返った。

30年にわたり国内外のファッションショーの演出を担ってきた辻井宏昌氏は、「YKKファスニングアワードには9年前に審査員でアーティストの舘鼻則孝さんとデザイナーの廣川玉枝さんから依頼を受け、ずっと続けてきた。これまで培ってきたショーのノウハウを全注入した。アワード参加学生には卒業してプロになったときにこのショーを超えてほしいし、ショーを見る側にとってもいつかここでショーを披露したいと憧れられるようなステージにしたい、そんな気持ちでやってきた。卒業後にデザイナーとしてブランドを立ち上げたかつての学生から依頼を受け、ショーディレクターを務めたこともある。石田さんとも17年のYKKファスニングアワードのゲストコレクションで繋がりが生まれ、その後『ホウガ』のショーディレクターを担った。次世代を育てるこのアワードにライフワークとして取り組んでいる」という。

25周年を迎えた現在、YKKはアワードの国際的発信力を強化し、若手クリエイターの育成をより広い視点で推進している。松嶋耕一YKK社長は「YKKは昨年で創業90周年を迎え、今後も100年、150年を目指している。『YKKファスニングアワード』も日本のファッション業界の発展に寄与したいという思いで25年を積み重ねてきた。次の50周年を目指していく」と語る。


問い合わせ先
YKKファスニングアワード事務局
award.jpn@ykk.com

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25周年「YKKファスニングアワード」の現在地 副資材から広がるファッションの未来

YKKが主催する、2001年にスタートした学生向けファッションデザインコンテスト「YKKファスニングアワード」が25周年を迎えた。11月18日には25周年イベントを行い、東京・恵比寿 ザ・ガーデンホールで今年度の授賞式に加えて、審査員の廣川玉枝デザイナーの「ソマルタ(SOMARTA)」や館鼻則孝氏、過去受賞者の丸龍文人デザイナーによる「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」、石田萌デザイナーによる「ホウガ(HOUGA)」、Kokiブランドディレクターによる「コッキ(KHOKI)」などのファッションショーが盛大に行われた。

「YKKファスニングアワード」は、YKKが開発するファスナーやバックル、面ファスナー、スナップ&ボタンの副資材を使うことを条件とした、世界的にもユニークかつ注目度の高い企業コンテストだ。ファッションアイテムには欠かせない副資材を主役に、斬新な使い方やクリエイティブな表現方法を基準としたアパレルとファッショングッズを、デザイン性と機能性、独創性、完成度の4軸で審査。学生の創造力が、副資材の多様な可能性を引き出してきたことから、若手クリエイターの登竜門としても広く知られ、これまでに多くのクリエイターを輩出。これまでの累計応募総数は14万7304点に達している。

今年はさらにリユースやリサイクル、リメイク、アップサイクルなどに観点から「サーキュラーデザイン特別賞」を新設。サーキュラーエコノミー実現を目指す「YKKサステナビリティビジョン2050」にも通じる、資源の持続的な利用を促進するモノ作りをサポートしていくYKKの新たな挑戦でもある。グランプリと「サーキュラーデザイン特別賞」をダブル受賞した文化服装学院の今野奏さんの作品「Re Tree」について、審査員でデザイナーの藤田恭一氏は「木の樹皮をYKKのファスナーとテクノロジーを使い、膨らみや縮み、歪みを丁寧に表現した技術と感性は、自然の力強さもリアルに感じる。これからAIと人、自然の共存が求められていく中で、彼女の繊細なこだわりが未来へのメッセージとなり、この『YKKファスニングアワード』にふさわしい作品になっている」と評した。

「YKKファスニングアワード」の特徴は、YKKの副資材を“いかに機能的かつ創造的に生かすか”というミッションにある。創造力だけでなく、現実の制約を踏まえながら形にしていく実践的なプロセスが求められ、学生はメンター制度を通じてYKKスタッフと対話しながら素材理解を深める。入選者はショー演出家と作品の見せ方を直接やり取りし、トップクリエイターから講評を受けるなど、学校だけでは得られない経験を積むことができる。

11年に優秀賞を受賞した「ホウガ」の石田デザイナーは、「副資材をメーンとした制作は学生時代では貴重な経験だった。また大舞台でのショー発表もデザイナーとして大きな夢の実現にもなり、今もその機会を積めたことに感謝している」と振り返った。

30年にわたり国内外のファッションショーの演出を担ってきた辻井宏昌氏は、「YKKファスニングアワードには9年前に審査員でアーティストの舘鼻則孝さんとデザイナーの廣川玉枝さんから依頼を受け、ずっと続けてきた。これまで培ってきたショーのノウハウを全注入した。アワード参加学生には卒業してプロになったときにこのショーを超えてほしいし、ショーを見る側にとってもいつかここでショーを披露したいと憧れられるようなステージにしたい、そんな気持ちでやってきた。卒業後にデザイナーとしてブランドを立ち上げたかつての学生から依頼を受け、ショーディレクターを務めたこともある。石田さんとも17年のYKKファスニングアワードのゲストコレクションで繋がりが生まれ、その後『ホウガ』のショーディレクターを担った。次世代を育てるこのアワードにライフワークとして取り組んでいる」という。

25周年を迎えた現在、YKKはアワードの国際的発信力を強化し、若手クリエイターの育成をより広い視点で推進している。松嶋耕一YKK社長は「YKKは昨年で創業90周年を迎え、今後も100年、150年を目指している。『YKKファスニングアワード』も日本のファッション業界の発展に寄与したいという思いで25年を積み重ねてきた。次の50周年を目指していく」と語る。


問い合わせ先
YKKファスニングアワード事務局
award.jpn@ykk.com

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ワールド、コスメショップ「カラーフィールド」運営会社を取得

ワールドは28日、阪急阪神グループでコスメショップ「カラーフィールド」や家具・インテリア事業「ダブルデイ」などを運営する阪急スタイルレーベルズ(大阪市)の全株式を取得すると発表した。取得価格は1億7500万円。ワールドは衣料品以外の事業領域を拡大するとともに、主に関東圏で出店する既存の雑貨業態「イッツデモ」との相乗効果を見込む。

12月1日付で「(仮称)ワールドスタイルレーベルズ」が承継会社として事業を引き継ぐ。ワールドから西川信一氏が会長に、小林哲氏が社長にそれぞれ就任する。

阪急スタイルレーベルズは、阪急阪神ホールディングスの子会社である阪急電鉄の子会社。大阪府や兵庫県などの阪急沿線に「カラーフィールド」(17店舗)と「ダブルデイ」(11店舗)を出店する。「カラーフィールド」は駅ナカなどトラフィックが多い立地にある。25年3月期業績は売上高が45億円、純損益が1億4100万円の赤字だった。

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【2026年バレンタイン】「ピエール・エルメ・パリ」のテーマは“パリの生活” 個性的なショコラやハート模様のケーキなど

「ピエール・エルメ・パリ(PIERRE HERME PARIS)」は2026年1月19日〜2月14日、26年バレンタインコレクション“ラ・ヴィ・パリジェンヌ(La Vie Parisienne)”を発売する。パリ・オペレッタ(オペラよりも軽快でユーモラスな内容の、台詞・歌・踊りからなる音楽劇)の最高傑作として知られる同名の喜劇に由来し、象徴的な街並みを舞台に繰り広げられる“パリの生活”がテーマ。フランス在住のイラストレーター、ジュリー・セール(Julie Serre)がパッケージデザインを手掛けた。

ショコラ

ショコラからは、シベリア杉の実のプラリネとマジパン、マカロンをミルクチョコレートでコーティングした“ショコラ オ マカロン アンフィニマン プラリネ ピニョン ド セル”や、アーモンドとコーンのプラリネをビターチョコレートと合わせた“アンフィニマン プラリネ マイス”など、4種の新作が登場する。新作をはじめとするショコラを詰め込んだ“アソリュティマン ド ショコラ”は5個入り(2862円)、8個入り(4104円)、14個入り(7074円)、24個入り(1万2096円)をそろえる。

パティスリー

ハートの模様をあしらったケーキは3種、直営店限定で販売する。“モガドール クール メレ”(4644円)はパッションフルーツ風味ミルクチョコレートのガナッシュやシャンティクリーム、ローストパイナップルなどで構成し、パッションフルーツの香りと酸味が柔和なミルクチョコレートと融合する。“ロジーヌ クール メレ”(4536円)は、ジャスミン風味のビスキュイやガナッシュと、ベルガモットのジュレ、ローズ風味マスカルポーネクリームなどを合わせ、華やかな味わいに仕上げた。

マカロン

マカロンは、ブラジル・パイネイラス農園産純正チョコレートに対するオマージュが込められた“アンフィニマン ショコラ パイネイラス”や、爽快感溢れるカシスと力強いビターチョコレートの“チュアオ”など、ショコラのフレーバーを中心に詰め合わせた。3個入り(1998円)、6個入り(3348円)、10個入り(4590円)、15個入り(6642円)をそろえる。

その他

そのほか、セミドライバナナ入りサブレをビターチョコレートでコーティングした“サブレ バナーヌ オ ショコラ”(1944円※そごう・西武限定)や、ビターとミルクチョコレート、2種のオランジェットを詰め合わせた“アソリュティマン オランジェット”(58g×2種、3132円※高島屋限定)など特定の店舗限定の製品もラインアップする。

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「シセイドウ」からスキンケアリキッド高配合のフェイス&アイカラーが登場 マルチに使える全9色

グローバルプレステージブランド「シセイドウ(SHISEIDO)」は、スキンケアリキッドを高配合をしたフェイス&アイカラー“カラー+グロウ エンハンサー”(全9色、各6270円/リフィル5500円)を2026年3月1日に発売する。全国のデパート約330店舗と公式サイト、資生堂オンラインストアで取り扱う。ハイライター、チーク、アイシャドウ、シェーディング、ブロンザー、コントゥアリング、アイブロウなど、色によって幅広い用途に対応するマルチユースカラーで、メイクアップパウダーとスキンケアリキッドを2層コーティングする独自のダブルコーティングテクノロジーを採用したことにより、高保湿とさらさら感を両立させた。柔らかなパウダーが肌に溶け込むようになじみ、長時間潤いをまとったような艶仕上がりと内側からにじみ出るような自然な発色が持続する。

天然石にインスピレーションを得た9色展開

カラーラインアップは全9色で、多彩な輝きを放つ天然石からインスピレーションを得た。パールリッチな白みを帯びたペールピンクの“メデューサオパール”、ゴールド色のパールがきらめくウォームベージュの“ベージュクリスタル”はアイシャドウとしてはもちろんのことハイライターに最適なカラーで、多彩なパールがふんだんに使われたコッパー色の“ゴールドアンバー”は目元や頬のほか、ブロンザーとしても使える発色だ。

程よい透け感のあるライトベージュグレーの“グレージュトパーズ”、繊細なゴールドラメを忍ばせたシアーブラウンの“ブロンズアゲート”はアイシャドウやコントゥアリングのほか、アイブロウにも役立つ肌なじみの良いグレージュ&ブラウンカラー。ほか、透明感あふれるマットコーラルベージュの“コーラルムーンストーン”、色とりどりのパールが輝くレッドの“レッドルビー”、透け感のあるマットモーブピンクの“モーブクオーツ”、深みのあるプラム色の“パープルアメジスト”もラインアップする。

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「リハック」出演の早大生起業家・小林葵がアパレルビジネスマンに説く「今日から変わるAIマインドセット」

PROFILE: 小林葵/トリクル代表取締役社長

小林葵/トリクル代表取締役社長
PROFILE: (こばやし・あおい)早稲田大学政治経済学部3年生、AI研究会所属。昨年2月、AI開発・研修事業を手がけるトリクルを設立。現在は自身のSNSのほか、ユーチューブチャンネル「リハック」のMCも務めるなど多方面で発信。一般社員の目線に立った分かりやすい解説で、大手企業を含む幅広い業界のAI活用推進をサポートしている PHOTO:AI OKUBO

早稲田大学AI研究会の創設者であり、大学3年生にしてAI開発・研修事業を手がけるトリクル代表取締役社長の小林葵さん。SNSでの発信やユーチューブチャンネル「リハック(ReHacQ)」のMCとしても注目を集める彼女のもとには、いま企業のDX担当者から相談が絶えない。そんな彼女に、デジタルに苦手意識を持つアパレルビジネスマンがAIを味方につけるための「最初のマインドセット」を聞いた。

WWD: AI分野で起業したきっかけは?

小林葵トリクル代表(以下、小林): 起業したのは昨年2月です。AI・DXを国策として推進する現代は、まさに学生起業の絶好の機会だと確信しました。特に、人材開発支援助成金などによるAI研修費用の最大75%補助や、開発投資への公的支援(補助金50%超)が、初期のリスクを大幅に軽減し、事業化の決定的な後押しとなりました。この強力な追い風に乗る形で、市場ニーズが明確な受託開発と企業向けDX研修という事業形態で、戦略的かつスムーズなスタートを切ることができました。

WWD: AIの知識はどのように習得したのですか?

小林:AI関連企業や東大の研究室でインターンをしていましたが、私にとってAIは机に向かって「学ぶ」というより、情報の流れを「追い続ける」感覚に近いです。米国発のネット掲示板「レディット(Reddit)」など、ネット上に転がっている最新情報も泥臭くキャッチしてきました。独学の比重はかなり大きいですね。

現在は、開発業務はプロのエンジニアと組み、私はそこで得た最新の知見を蓄積して研修という形でアウトプットしています。私自身はコードをバリバリ書くわけではありませんが、エンジニアと対等に会話できる理解度は常に保つようにしています。

普段からSNSで発信していたら、「誰に頼めばいいかわからない」という企業様から自然と研修依頼が来るようになりました。AI活用を推進したい企業は多いものの、一般社員の目線に立って分かりやすく教えられる人は意外と少ないのかもしれません。最近も大手企業の子会社や人材派遣企業など、幅広い業界からご依頼をいただいています。

まずは期待値のズレを正すことから

WWD: 現場では「AIを触ってみたけどうまく使いこなせず、結局元のやり方に戻った」という声も聞きます。

小林:非常にもったいないですよね。それはAIに対する「期待値」がズレていることが原因だと思います。「AIなら魔法のように全部できる」と思ってしまうと、一度失敗しただけで「なんだ、使えないじゃん」と離れてしまう。現状のAIには「得意なこと」と「苦手なこと」がはっきりあります。その感覚を掴むには、とにかく普段からAIに触れる癖をつけるしかありません。

WWD:小林さん自身は、プライベートでどうAIを使っていますか?

小林:これはアパレルの方にもおすすめなのですが、画像生成AIを使ったファッションや髪型のシミュレーションです。自分の写真を読み込ませて、似合う色や髪型を試しています。あとは、恋愛相談にも使っています(笑)。私は中高女子校育ちで恋愛経験値が低かったので、気になる人とのライン履歴をAIに読み込ませて性格分析をしてもらうことも……。ライン履歴が膨大な時は、大量の情報を処理できるGoogleの「ノートブックLM」が便利です。

WWD: 生成AIを使いこなす上で大事なことは?

小林:まず相手(生成AI)のことをよく知ること。恋愛と同じですね(笑)。「AIはそもそも何ができるのか?」という全体像を把握するのが大事です。生成AIが作り出せるものは、大きく分けて「テキスト」「画像」「動画」「音声」の4種類。「チャットGPT」の有料版(Plus)に課金すれば、このすべてを現状のトップ性能で使えるので、まずは月額3000円ほど投資をして、全部の機能を触ってみてほしいです。

それから、AI業界は進化が速すぎて「これを学べばOK」という教科書が存在しません。本が出る頃には情報が古くなっていることもあります。普段からSNSやユーチューブで最新情報を発信している人をフォローして情報を追うのが、一番現実的で効率的だと思います。

WWD:ビジネスシーンではどう活用していますか?

小林:メール作成、用語の定義確認、スライド作成、研修資料の構成案、会食前の相手企業のリサーチなど、ほぼすべての業務で使っています。メインはチャットGPTです。

特にアパレルの企画職の方など、プレゼン資料作成に時間を取られていませんか? ただチャットGPTに「スライドを作って」と丸投げしてもうまくいきません。チャットGPTは複雑な処理時間が制限されているため、長尺のスライド作成は苦手です。しっかりした資料を作りたいなら、(中国発AIエージェントの)「マヌス(Manus)」や「スカイワーク(Skywork)」といったサービスを使うのがいいと思います。

ただし、かなり減ってきているにせよ、AIが「嘘をつく(ハルシネーション)」こともあるので要注意です。デザインツールの「キャンバ(Canva)」などに読み込ませて、最後は人間が手直しするのが吉です。AIはあくまで「下書き役」と割り切るのがコツですね。

組織を変えるのは「小さく作って、小さく改善」のサイクル

WWD:企業研修で、特にビジネスマンからの反響が大きい使い方はありますか?

小林: チャットGPTには「GPTs(ジーピーティーズ)」という、自分専用のAIボットを作れる機能があります。これを使ってグーグルフォームの自動生成を実演し、アンケート項目の考案からフォームの作成まで一気に完了する様子をプレゼンテーションすると、会場から「おおー!」と声が上がりますね。アパレルでも展示会での顧客アンケートや、店舗スタッフへのヒアリングなど、現場の声を吸い上げる作業は多いはず。手間を大幅に減らせるので、効果を実感しやすい活用法です。

WWD: ただ、自分で生成AIをカスタマイズするのはハードルが高そうです。

小林:このGPTsはプログラミング言語を使わず、言葉(自然言語)だけで指示して作れる「ノーコード」ツールなんです。「バイブコーディング(直感的な指示での開発)」なんて言われますが、ぜひ触ってみてほしいです。例えば「DMの返信案作成」「ビジネスメールの敬語変換」「会議の議事録要約」など、毎日30回くらい発生する地味な作業をGPTsに任せるだけで、本来使うべきクリエイティブな時間に割けるリソースが劇的に増えます。

WWD: 組織でAI活用を浸透させるコツは?

小林:「完璧を目指さないこと」ですね。一人で完璧なツールを作ろうとするより、まずはプロトタイプを作って社内のスラックなどで共有し、同僚からフィードバックをもらいながら改善していく。「小さく作って、小さく改善する」のが結果的に一番早いです。

周りに感謝されると、「もっと複雑なことをさせたい」「他のツールとも連携させたい」という欲が出てきて、自然とスキルアップしていきます。一人で完結させるのではなく、みんなで育てていくムードを作ることが組織導入の鍵です。今はAIに及び腰なベテラン社員の方、特に男性は凝り性な方が多いじゃないですか。一度AIの面白さにハマると「俺に任せろ」と、すごいスピードで習得されたりするんです。そういう方こそ、実は最強の「GPTs職人」になるポテンシャルを秘めていると思いますよ。

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「リハック」出演の早大生起業家・小林葵がアパレルビジネスマンに説く「今日から変わるAIマインドセット」

PROFILE: 小林葵/トリクル代表取締役社長

小林葵/トリクル代表取締役社長
PROFILE: (こばやし・あおい)早稲田大学政治経済学部3年生、AI研究会所属。昨年2月、AI開発・研修事業を手がけるトリクルを設立。現在は自身のSNSのほか、ユーチューブチャンネル「リハック」のMCも務めるなど多方面で発信。一般社員の目線に立った分かりやすい解説で、大手企業を含む幅広い業界のAI活用推進をサポートしている PHOTO:AI OKUBO

早稲田大学AI研究会の創設者であり、大学3年生にしてAI開発・研修事業を手がけるトリクル代表取締役社長の小林葵さん。SNSでの発信やユーチューブチャンネル「リハック(ReHacQ)」のMCとしても注目を集める彼女のもとには、いま企業のDX担当者から相談が絶えない。そんな彼女に、デジタルに苦手意識を持つアパレルビジネスマンがAIを味方につけるための「最初のマインドセット」を聞いた。

WWD: AI分野で起業したきっかけは?

小林葵トリクル代表(以下、小林): 起業したのは昨年2月です。AI・DXを国策として推進する現代は、まさに学生起業の絶好の機会だと確信しました。特に、人材開発支援助成金などによるAI研修費用の最大75%補助や、開発投資への公的支援(補助金50%超)が、初期のリスクを大幅に軽減し、事業化の決定的な後押しとなりました。この強力な追い風に乗る形で、市場ニーズが明確な受託開発と企業向けDX研修という事業形態で、戦略的かつスムーズなスタートを切ることができました。

WWD: AIの知識はどのように習得したのですか?

小林:AI関連企業や東大の研究室でインターンをしていましたが、私にとってAIは机に向かって「学ぶ」というより、情報の流れを「追い続ける」感覚に近いです。米国発のネット掲示板「レディット(Reddit)」など、ネット上に転がっている最新情報も泥臭くキャッチしてきました。独学の比重はかなり大きいですね。

現在は、開発業務はプロのエンジニアと組み、私はそこで得た最新の知見を蓄積して研修という形でアウトプットしています。私自身はコードをバリバリ書くわけではありませんが、エンジニアと対等に会話できる理解度は常に保つようにしています。

普段からSNSで発信していたら、「誰に頼めばいいかわからない」という企業様から自然と研修依頼が来るようになりました。AI活用を推進したい企業は多いものの、一般社員の目線に立って分かりやすく教えられる人は意外と少ないのかもしれません。最近も大手企業の子会社や人材派遣企業など、幅広い業界からご依頼をいただいています。

まずは期待値のズレを正すことから

WWD: 現場では「AIを触ってみたけどうまく使いこなせず、結局元のやり方に戻った」という声も聞きます。

小林:非常にもったいないですよね。それはAIに対する「期待値」がズレていることが原因だと思います。「AIなら魔法のように全部できる」と思ってしまうと、一度失敗しただけで「なんだ、使えないじゃん」と離れてしまう。現状のAIには「得意なこと」と「苦手なこと」がはっきりあります。その感覚を掴むには、とにかく普段からAIに触れる癖をつけるしかありません。

WWD:小林さん自身は、プライベートでどうAIを使っていますか?

小林:これはアパレルの方にもおすすめなのですが、画像生成AIを使ったファッションや髪型のシミュレーションです。自分の写真を読み込ませて、似合う色や髪型を試しています。あとは、恋愛相談にも使っています(笑)。私は中高女子校育ちで恋愛経験値が低かったので、気になる人とのライン履歴をAIに読み込ませて性格分析をしてもらうことも……。ライン履歴が膨大な時は、大量の情報を処理できるGoogleの「ノートブックLM」が便利です。

WWD: 生成AIを使いこなす上で大事なことは?

小林:まず相手(生成AI)のことをよく知ること。恋愛と同じですね(笑)。「AIはそもそも何ができるのか?」という全体像を把握するのが大事です。生成AIが作り出せるものは、大きく分けて「テキスト」「画像」「動画」「音声」の4種類。「チャットGPT」の有料版(Plus)に課金すれば、このすべてを現状のトップ性能で使えるので、まずは月額3000円ほど投資をして、全部の機能を触ってみてほしいです。

それから、AI業界は進化が速すぎて「これを学べばOK」という教科書が存在しません。本が出る頃には情報が古くなっていることもあります。普段からSNSやユーチューブで最新情報を発信している人をフォローして情報を追うのが、一番現実的で効率的だと思います。

WWD:ビジネスシーンではどう活用していますか?

小林:メール作成、用語の定義確認、スライド作成、研修資料の構成案、会食前の相手企業のリサーチなど、ほぼすべての業務で使っています。メインはチャットGPTです。

特にアパレルの企画職の方など、プレゼン資料作成に時間を取られていませんか? ただチャットGPTに「スライドを作って」と丸投げしてもうまくいきません。チャットGPTは複雑な処理時間が制限されているため、長尺のスライド作成は苦手です。しっかりした資料を作りたいなら、(中国発AIエージェントの)「マヌス(Manus)」や「スカイワーク(Skywork)」といったサービスを使うのがいいと思います。

ただし、かなり減ってきているにせよ、AIが「嘘をつく(ハルシネーション)」こともあるので要注意です。デザインツールの「キャンバ(Canva)」などに読み込ませて、最後は人間が手直しするのが吉です。AIはあくまで「下書き役」と割り切るのがコツですね。

組織を変えるのは「小さく作って、小さく改善」のサイクル

WWD:企業研修で、特にビジネスマンからの反響が大きい使い方はありますか?

小林: チャットGPTには「GPTs(ジーピーティーズ)」という、自分専用のAIボットを作れる機能があります。これを使ってグーグルフォームの自動生成を実演し、アンケート項目の考案からフォームの作成まで一気に完了する様子をプレゼンテーションすると、会場から「おおー!」と声が上がりますね。アパレルでも展示会での顧客アンケートや、店舗スタッフへのヒアリングなど、現場の声を吸い上げる作業は多いはず。手間を大幅に減らせるので、効果を実感しやすい活用法です。

WWD: ただ、自分で生成AIをカスタマイズするのはハードルが高そうです。

小林:このGPTsはプログラミング言語を使わず、言葉(自然言語)だけで指示して作れる「ノーコード」ツールなんです。「バイブコーディング(直感的な指示での開発)」なんて言われますが、ぜひ触ってみてほしいです。例えば「DMの返信案作成」「ビジネスメールの敬語変換」「会議の議事録要約」など、毎日30回くらい発生する地味な作業をGPTsに任せるだけで、本来使うべきクリエイティブな時間に割けるリソースが劇的に増えます。

WWD: 組織でAI活用を浸透させるコツは?

小林:「完璧を目指さないこと」ですね。一人で完璧なツールを作ろうとするより、まずはプロトタイプを作って社内のスラックなどで共有し、同僚からフィードバックをもらいながら改善していく。「小さく作って、小さく改善する」のが結果的に一番早いです。

周りに感謝されると、「もっと複雑なことをさせたい」「他のツールとも連携させたい」という欲が出てきて、自然とスキルアップしていきます。一人で完結させるのではなく、みんなで育てていくムードを作ることが組織導入の鍵です。今はAIに及び腰なベテラン社員の方、特に男性は凝り性な方が多いじゃないですか。一度AIの面白さにハマると「俺に任せろ」と、すごいスピードで習得されたりするんです。そういう方こそ、実は最強の「GPTs職人」になるポテンシャルを秘めていると思いますよ。

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【2026年春コスメ】「デジャヴュ」の“極細クリームペンシル”からシアーな発色のチャコールカラー

「デジャヴュ(DEJAVU)」は2026年1月30日、極細芯が特徴のクリームペンシル“ラスティンファインE 極細クリームペンシル”(1320円)から、春の限定色“シアーチャコール”を数量限定で発売する。全国のバラエティーショップとイミュ公式ECで取り扱う。

限定色は、透け感のあるグレーと柔らかいブラウンを掛け合わせたチャコールカラー。シアーな発色で自然な陰影を演出しながら、くっきりとした目元に仕上げる。直径1.5mmの丸い極細芯と滑らかな書き心地が特徴で、皮脂や汗、涙に強く、描きたての美しいラインをキープする。

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【2026年春コスメ】「デジャヴュ」の“極細クリームペンシル”からシアーな発色のチャコールカラー

「デジャヴュ(DEJAVU)」は2026年1月30日、極細芯が特徴のクリームペンシル“ラスティンファインE 極細クリームペンシル”(1320円)から、春の限定色“シアーチャコール”を数量限定で発売する。全国のバラエティーショップとイミュ公式ECで取り扱う。

限定色は、透け感のあるグレーと柔らかいブラウンを掛け合わせたチャコールカラー。シアーな発色で自然な陰影を演出しながら、くっきりとした目元に仕上げる。直径1.5mmの丸い極細芯と滑らかな書き心地が特徴で、皮脂や汗、涙に強く、描きたての美しいラインをキープする。

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ホームフレグランスの先駆者「ドットール・ヴラニエス」 CEOが語る小さな薬局からグローバルブランドへの軌跡とこれから

PROFILE: ジュゼッペ・コロット(Giuseppe Colotto)/ドットール・ヴラニエスCEO

ジュゼッペ・コロット(Giuseppe Colotto)/ドットール・ヴラニエスCEO
PROFILE: イタリア生まれ。ジェノヴァ大学で政治学を学び、プロクター・アンド・ギャンブルのマーケティング部門でキャリアをスタート。ダノンを経てフランス発ビスケットブランド「ルフェーヴル=ユティル」のスペイン法人のCEOに就任。クラフト・モンデリーズや生パスタメーカーのジョヴァンニ・ラーナーで要職を務め、世界最大加工肉メーカーのグランディ・サルミフィチ・イタリアーニCEOを務めた。2018年から現職 PHOTO:TSUKASA NAKAGAWA

イタリア発フレグランスメゾンッ「ドットール・ヴラニエス フィレンツェ(DR. VRANJES FIRENZE)」(以下、ヴラニエス)の表参道店が10月末にオープンした。同ブランドは1983年にフィレンツェで創業。創業当初は、小さな薬局として化粧品などを販売していたが、新たにホームフレグランスを開発し、同カテゴリーにおけるパイオニア的存在として業界をリードしている。同ブランドは、今年新たにオードパルファムのコレクション“フィレンツェ イン トランスレーション”を発売。2024年にロクシタン傘下に入り、さらに活動の幅を広げている。表参道店のオープンを機に来日したジュゼッペ・コロット=ドットール・ヴラニエス最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。

香りに可能性を感じいち早くホームフレグランスを開発

「ヴラニエス」は創業当時は、「アンティカ・オフィチーナ・デル・ファルマチスタ」という名称の薬局だった。もともとは、小さな研究所で化粧品などを開発していたが、ホームフレグランス市場に可能性を感じた創業者は2000年ごろから香りにまつわる商品の開発を始め08年、ブランドとして展開をスタートした。香水文化が根付いたヨーロッパでも当時まだ、ホームフレグランスという概念は存在しなかった。コロットCEOは、「創業者は、香水だけでなく、空間を香らせたいという需要があると予測し、ホームフレグランス事業にシフトした」と話す。最初に制作したトスカーナの赤ワインから着想を得たホームフレグランス“ロッソ・ノービレ”が大ヒット。20年以上にブランドを象徴する香りとして世界中で愛され続けている。“ロッソ・ノービレ”を始めとする洗練された香りにより「ヴラニエス」はホームフレグランスの市場を拡大してきた。

ホームフレグランス=「ヴラニエス」と言われる理由

現在、数多くのホームフレグランスブランドがあるが、ホームフレグランス=「ヴラニエス」というほど象徴的なブランドに成長した。その理由について同CEOは、「ビジネス的に重要な理論と消費者の感覚的な面、両方にアピールする要素がある。独創的で洗練された香りは他社がコピーしようとしてもできない。それら唯一無二の香りは、持続性に富んでいる点からも優位性が高い。また、視覚的に効果のあるボトルも大きなポイントだ」と話す。フィレンツェ大聖堂のドームが形状のボトルは、敢えて透明にすることで、フレグランスそのものの色を楽しめるようになっている。「ホームフレグランスは中身が見えないボトルが多いが、われわれは、淡い色から鮮やかな色までさまざまなカラーバリエーションを提案。それも人を惹きつける要素になっている。それが、香りの調度品として愛されている理由だ」と続ける。中には、色でフレグランスを選ぶ消費者もいるようだ。また、サイズも250mL〜5Lまで幅広く、小さな空間から大きなホールまで対応できるのも特徴だ。

3年以内に日本を世界一の市場へ

コロナ禍でホームフレグランスへの関心が一気に高まった。「売上高はコロナ禍でも伸長し、収益は19年の3倍になった。今年は、昨年の2ケタ増を見込んでいる」と同CEO。現在、75カ国で展開しており、ブランド単独店70店舗以上で販売する他、百貨店やセレクトショップなどへの卸も行っている。トップの市場は、イタリア、日本、中東だ。「イタリアと日本の差はわずか。日本市場には3年でイタリア市場を抜いてほしいし、5年間で現在の売上高を2倍にしたいと考えている」と同CEO。日本上陸は2007年。通常、海外の市場ではテスト的に卸からスタートするが、「ヴラニエス」は単独ブティックの出店戦略で成長してきた。表参道店は15店舗目になる。「上陸初期は、東京エリアから石橋を叩いて出店してきたが、市場を把握できてからは出店を加速。そうすることで、市場におけるブランドとしての存在感を示してきた」。

グローバルでブランディングを統一し認知度をさらにアップ

ロクシタンの傘下になってからは、直営、ECをさらに強化。オードパルファムをスタートするなど商品カテゴリーを広げている。「傘下に入っても自由度が高いので、さまざまな取り組みを行う。『ヴラニエス』の認知度は既にあるが、ブランディングをグローバルで統一し、さらに認知度アップを図る。また、SNSを始めデジタルチャネルを強化し、フィレンツェ発ブランドであることをアピールしたい。フィレンツェは、ルネサンスの心地。洗練され新しいものが生まれる街の魅力を商品を通して肌で感じてほしい」という。イタリアブランドの多くがそのルーツを大切にするが、「ヴラニエス」にとって、“フィレンツェ発”ということが非常に重要で価値があることだという。そのためにも、ホームフレグランスだけでなく、香りを網羅したブランドへ発展させていく。「オードパルファムを皮切りに、ボディー関連のパーソナルケア関連の商品も充実させていく。ハンドソープやハンドクリームも年内に発売する」。

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ホームフレグランスの先駆者「ドットール・ヴラニエス」 CEOが語る小さな薬局からグローバルブランドへの軌跡とこれから

PROFILE: ジュゼッペ・コロット(Giuseppe Colotto)/ドットール・ヴラニエスCEO

ジュゼッペ・コロット(Giuseppe Colotto)/ドットール・ヴラニエスCEO
PROFILE: イタリア生まれ。ジェノヴァ大学で政治学を学び、プロクター・アンド・ギャンブルのマーケティング部門でキャリアをスタート。ダノンを経てフランス発ビスケットブランド「ルフェーヴル=ユティル」のスペイン法人のCEOに就任。クラフト・モンデリーズや生パスタメーカーのジョヴァンニ・ラーナーで要職を務め、世界最大加工肉メーカーのグランディ・サルミフィチ・イタリアーニCEOを務めた。2018年から現職 PHOTO:TSUKASA NAKAGAWA

イタリア発フレグランスメゾンッ「ドットール・ヴラニエス フィレンツェ(DR. VRANJES FIRENZE)」(以下、ヴラニエス)の表参道店が10月末にオープンした。同ブランドは1983年にフィレンツェで創業。創業当初は、小さな薬局として化粧品などを販売していたが、新たにホームフレグランスを開発し、同カテゴリーにおけるパイオニア的存在として業界をリードしている。同ブランドは、今年新たにオードパルファムのコレクション“フィレンツェ イン トランスレーション”を発売。2024年にロクシタン傘下に入り、さらに活動の幅を広げている。表参道店のオープンを機に来日したジュゼッペ・コロット=ドットール・ヴラニエス最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。

香りに可能性を感じいち早くホームフレグランスを開発

「ヴラニエス」は創業当時は、「アンティカ・オフィチーナ・デル・ファルマチスタ」という名称の薬局だった。もともとは、小さな研究所で化粧品などを開発していたが、ホームフレグランス市場に可能性を感じた創業者は2000年ごろから香りにまつわる商品の開発を始め08年、ブランドとして展開をスタートした。香水文化が根付いたヨーロッパでも当時まだ、ホームフレグランスという概念は存在しなかった。コロットCEOは、「創業者は、香水だけでなく、空間を香らせたいという需要があると予測し、ホームフレグランス事業にシフトした」と話す。最初に制作したトスカーナの赤ワインから着想を得たホームフレグランス“ロッソ・ノービレ”が大ヒット。20年以上にブランドを象徴する香りとして世界中で愛され続けている。“ロッソ・ノービレ”を始めとする洗練された香りにより「ヴラニエス」はホームフレグランスの市場を拡大してきた。

ホームフレグランス=「ヴラニエス」と言われる理由

現在、数多くのホームフレグランスブランドがあるが、ホームフレグランス=「ヴラニエス」というほど象徴的なブランドに成長した。その理由について同CEOは、「ビジネス的に重要な理論と消費者の感覚的な面、両方にアピールする要素がある。独創的で洗練された香りは他社がコピーしようとしてもできない。それら唯一無二の香りは、持続性に富んでいる点からも優位性が高い。また、視覚的に効果のあるボトルも大きなポイントだ」と話す。フィレンツェ大聖堂のドームが形状のボトルは、敢えて透明にすることで、フレグランスそのものの色を楽しめるようになっている。「ホームフレグランスは中身が見えないボトルが多いが、われわれは、淡い色から鮮やかな色までさまざまなカラーバリエーションを提案。それも人を惹きつける要素になっている。それが、香りの調度品として愛されている理由だ」と続ける。中には、色でフレグランスを選ぶ消費者もいるようだ。また、サイズも250mL〜5Lまで幅広く、小さな空間から大きなホールまで対応できるのも特徴だ。

3年以内に日本を世界一の市場へ

コロナ禍でホームフレグランスへの関心が一気に高まった。「売上高はコロナ禍でも伸長し、収益は19年の3倍になった。今年は、昨年の2ケタ増を見込んでいる」と同CEO。現在、75カ国で展開しており、ブランド単独店70店舗以上で販売する他、百貨店やセレクトショップなどへの卸も行っている。トップの市場は、イタリア、日本、中東だ。「イタリアと日本の差はわずか。日本市場には3年でイタリア市場を抜いてほしいし、5年間で現在の売上高を2倍にしたいと考えている」と同CEO。日本上陸は2007年。通常、海外の市場ではテスト的に卸からスタートするが、「ヴラニエス」は単独ブティックの出店戦略で成長してきた。表参道店は15店舗目になる。「上陸初期は、東京エリアから石橋を叩いて出店してきたが、市場を把握できてからは出店を加速。そうすることで、市場におけるブランドとしての存在感を示してきた」。

グローバルでブランディングを統一し認知度をさらにアップ

ロクシタンの傘下になってからは、直営、ECをさらに強化。オードパルファムをスタートするなど商品カテゴリーを広げている。「傘下に入っても自由度が高いので、さまざまな取り組みを行う。『ヴラニエス』の認知度は既にあるが、ブランディングをグローバルで統一し、さらに認知度アップを図る。また、SNSを始めデジタルチャネルを強化し、フィレンツェ発ブランドであることをアピールしたい。フィレンツェは、ルネサンスの心地。洗練され新しいものが生まれる街の魅力を商品を通して肌で感じてほしい」という。イタリアブランドの多くがそのルーツを大切にするが、「ヴラニエス」にとって、“フィレンツェ発”ということが非常に重要で価値があることだという。そのためにも、ホームフレグランスだけでなく、香りを網羅したブランドへ発展させていく。「オードパルファムを皮切りに、ボディー関連のパーソナルケア関連の商品も充実させていく。ハンドソープやハンドクリームも年内に発売する」。

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「デレク ラム」が6年ぶりに復活 ロバート・ロドリゲスがクリエイティブ・ディレクターに就任

米アパレル企業パブリック・クロージング・カンパニー(PUBLIC CLOTHING COMPANY以下、PCC)は、傘下に持つ「デレク ラム 10クロスビー(DEREK LAM 10 CROSBY)」のメーンブランドで2019年に終了した「デレク ラム(DEREK LAM)」を復活することを発表した。また、両ブランドのクリエイティブ・ディレクターとして、ロバート・ロドリゲス(Robert Rodriguez)「ロバート ロドリゲス(ROBERT RODRIGUEZ)」創業デザイナーを任命した。同氏による「デレク ラム」のデビューコレクションは、2026年2月のニューヨーク・ファッション・ウイーク中に披露する予定。

ダン・シャムダサニ(Dan Shamdasani)PCC創業者兼CEOは、「ロバートはクリエイティビティーと商業性のバランス感覚に優れている。経営面でも体制が整い、グローバルなリーチを持つモダンなアメリカブランドである『デレク ラム』を次の段階へと押し上げる準備ができた」と語った。

紆余曲折が続いた「デレク ラム」

「デレク ラム」は、デザイナーのデレク・ラム(Derek Lam)とヤン・ヘンドリック・シュロットマン(Jan Hendrik-Schlottmann)最高経営責任者(CEO)が03年にニューヨークで設立。11年にはディフュージョンラインの「デレク ラム 10クロスビー」を立ち上げた。14年には、ブランドの親会社デレク ラム・インターナショナル(DEREK LAM INTERNATIONAL)の少数株式を米投資会社サンドブリッジ・キャピタル(SANDBRIDGE CAPITAL)に売却。19年7月には、売り上げの70%を占める「デレク ラム 10クロスビー」に集中するため、コレクション事業の「デレク ラム」を終了した。20年には、現在の親会社であるPCCが買収。これに伴い、サンドブリッジ・キャピタルとシュロットマンCEOはそれぞれの持分を手放し、ラム創業デザイナーはチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任した。しかし、同氏は23年にブランドを離れ、24年にイタリアのブランド「カラス ミラノ(CALLAS MILANO)」のクリエイティブ・ディレクターに就任している。なお「デレク ラム 10クロスビー」は、23年から24年までケイト・ウォレス前クリエイティブ・ディレクターが率いた。

ロドリゲス新クリエイティブ・デザイナーの経歴

ロドリゲス新クリエイティブ・デザイナーはキューバ出身で、5歳の時に米国に移住。ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)を卒業後、「クリスチャン・ディオール(CHRISTIAN DIOR)」(当時)などでキャリアを積み、03年に「ロバート ロドリゲス」を設立した。その後、同ブランドは10年には米アパレル会社ジョーンズ・アパレル・グループ(JONES APPAREL GROUP)に、14年には米投資会社シカモア・パートナーズ(SYCAMORE PARTNERS)に買収された。しかし、20年にブランドを買い戻し、米デニムウエア会社ワン・ジーンズウエア・グループ(ONE JEANSWEAR GROUP)と提携してリローンチ。25年春夏シーズンには、デニムを中心としたコレクションを発表している。

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「デレク ラム」が6年ぶりに復活 ロバート・ロドリゲスがクリエイティブ・ディレクターに就任

米アパレル企業パブリック・クロージング・カンパニー(PUBLIC CLOTHING COMPANY以下、PCC)は、傘下に持つ「デレク ラム 10クロスビー(DEREK LAM 10 CROSBY)」のメーンブランドで2019年に終了した「デレク ラム(DEREK LAM)」を復活することを発表した。また、両ブランドのクリエイティブ・ディレクターとして、ロバート・ロドリゲス(Robert Rodriguez)「ロバート ロドリゲス(ROBERT RODRIGUEZ)」創業デザイナーを任命した。同氏による「デレク ラム」のデビューコレクションは、2026年2月のニューヨーク・ファッション・ウイーク中に披露する予定。

ダン・シャムダサニ(Dan Shamdasani)PCC創業者兼CEOは、「ロバートはクリエイティビティーと商業性のバランス感覚に優れている。経営面でも体制が整い、グローバルなリーチを持つモダンなアメリカブランドである『デレク ラム』を次の段階へと押し上げる準備ができた」と語った。

紆余曲折が続いた「デレク ラム」

「デレク ラム」は、デザイナーのデレク・ラム(Derek Lam)とヤン・ヘンドリック・シュロットマン(Jan Hendrik-Schlottmann)最高経営責任者(CEO)が03年にニューヨークで設立。11年にはディフュージョンラインの「デレク ラム 10クロスビー」を立ち上げた。14年には、ブランドの親会社デレク ラム・インターナショナル(DEREK LAM INTERNATIONAL)の少数株式を米投資会社サンドブリッジ・キャピタル(SANDBRIDGE CAPITAL)に売却。19年7月には、売り上げの70%を占める「デレク ラム 10クロスビー」に集中するため、コレクション事業の「デレク ラム」を終了した。20年には、現在の親会社であるPCCが買収。これに伴い、サンドブリッジ・キャピタルとシュロットマンCEOはそれぞれの持分を手放し、ラム創業デザイナーはチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任した。しかし、同氏は23年にブランドを離れ、24年にイタリアのブランド「カラス ミラノ(CALLAS MILANO)」のクリエイティブ・ディレクターに就任している。なお「デレク ラム 10クロスビー」は、23年から24年までケイト・ウォレス前クリエイティブ・ディレクターが率いた。

ロドリゲス新クリエイティブ・デザイナーの経歴

ロドリゲス新クリエイティブ・デザイナーはキューバ出身で、5歳の時に米国に移住。ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)を卒業後、「クリスチャン・ディオール(CHRISTIAN DIOR)」(当時)などでキャリアを積み、03年に「ロバート ロドリゲス」を設立した。その後、同ブランドは10年には米アパレル会社ジョーンズ・アパレル・グループ(JONES APPAREL GROUP)に、14年には米投資会社シカモア・パートナーズ(SYCAMORE PARTNERS)に買収された。しかし、20年にブランドを買い戻し、米デニムウエア会社ワン・ジーンズウエア・グループ(ONE JEANSWEAR GROUP)と提携してリローンチ。25年春夏シーズンには、デニムを中心としたコレクションを発表している。

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「僕らは獣だが、演じる」 フレンチポップの鬼才・セバスチャン・テリエが語る野獣性の共存について

「僕は獣だが、演じる」。顎まで蓄えた真っ黒な髭に大きなサングラスを掛け、いつものタバコを燻らす。グラマラスなファッションに身を包む,、大柄なフレンチポップ界の鬼才セバスチャン・テリエ(Sebastien Tellier)。これまで「ロスト・イン・トランスレーション(Lost in Translation)」のサントラやカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)に招かれた「シャネル(CHANEL)」のオートクチュールのパフォーマンスなどで彼を認知している人がいるかもしれない。得体の知れない説得力に満ちたデリケートなピアノといった、一目見ただけでもビジュアルインパクトに圧倒される。1990年代からフランスのエレクトロシーンで皮肉とシリアス、ユーモアを漂いながら独自の道を歩んできた。

2026年1月にリリース予定の新作「Kiss the Beast」は、野性と繊細さの緊張関係を描く傑作だ。先行リリースされている「Naïf de Coeur」は妙に達観したメランコリアを感じさせるし、MVもどこまで本気なんだかまったく読めない。

50歳の作曲家がキャリアで辿り着いたのは、繊細かつ大胆、そして相変わらずユーモラスな物語。「悲しみにグラマーをまとわせる」という彼の哲学は、音楽だけでなくスタイルにも表れる。マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)が履いたダンスシューズを10年以上愛用している。擬態するわけではなく、自分をショーアップするために。プリンス(Prince)からミシェル・ルグラン(Michel Legrand)、日本のジャズまで影響を受け、スレーター(Slayyyter)やナイル・ロジャース(Nile Rodgers)を迎えた「Thrill of the Night」など12曲は、エレクトロからオーケストラまで縦横無尽に展開する。50歳の作曲家が30年のキャリアで辿り着いた境地から見える景色とは? ベルリンでドキュメンタリー映画「Many Lives」の上映会を催したタイミングで直接話を聞くことができた。

PROFILE: セバスチャン・テリエ/シンガーソングライター・作曲家

PROFILE: 1975年生まれ、パリを拠点に活動。2001年のデビュー以来、ポップ、エレクトロニック、オーケストラを自在に横断する独創的な音楽性で知られる。04年の2ndアルバム「Politics」で注目を集め、映画「ロスト・イン・トランスレーション」のサウンドトラックに楽曲が使用されたことで国際的な認知を獲得。以降、「サンローラン」などのファッションショーでパフォーマンスを行うなど、音楽とファッションの境界を越えた活動を展開。24年のパリ・パラリンピック開会式では代表曲「Ritournelle」を披露し、大きな話題を呼んだ。最新作「Kiss the Beast」が26年1月30日リリース予定

いつもソフトに狂ってる
大事なのは今の自分に沿う音楽を作り続ける

――ドキュメンタリー「Many Lives」を拝見しました。エール(AIR)のサポートから始まり、あなたはこれまで30年のキャリアを通じて様々なチャレンジをしたことが伺えました。「L’Aventura」は非常にシネマティックで宗教的、歴史的な雰囲気がありました。「Domesticated」は実験的でした。それから5年経った今の心境はどうですか?

セバスチャン・テリエ(以下、テリエ):たしかに「Domesticated」は奇妙なアルバムだった。でも僕にとって大事なのは、音楽が自分の人生に沿っていくことなんだ。人生の純粋な描写というわけじゃなくて、心の状態、全般的な心の状態を翻訳する。20歳の時と50歳の時では全く違う人間でしょ。それを音楽に翻訳しようとしているんだ。

――今回のアルバムはとても美しかったです。美しさとユーモア、時には皮肉のようなもののバランスを、メインストリームのポップシーンから距離を置きながらどう保っているのでしょうか?

テリエ:気に入ってもらえて本当によかった。このアルバムでは自分が50歳になって、自分が本当に好きなものは何かを振り返った。改めてピアノが好き、シンセの音色が好き、プレベも好き。そういう今自分が好きなものを意識しながら、頭の中のすべての声を音楽に翻訳した。時には幸せで、時には悲しくて、時には強く感じて、時には弱く感じる。それが僕の内なる世界を作っていて、その世界を音楽に翻訳してレコードにしようとしたんだ。ある意味、総括というわけじゃないけど、30年間音楽をやってきて、30年間アーティストでいて、本当に好きなものは何か、周りのものについてどう感じているか。ピアノが好き、ギターが好き、柔らかい声で歌うのが好き。とてもシンプルだった。

――美しさとユーモア、時には皮肉のようなもののバランスを、メインストリームのポップシーンから距離を置きながらどう保っているのでしょうか?

テリエ:僕はこれまで多くのコンセプチュアルなアルバムを作ってきたけど、今回はそうじゃない。統合失調症でもないし、狂ってもいない。そういう意味じゃなくて、ソフトに狂ってるんだ。でも自分のいろんな心の状態と快適に付き合う中で生まれてきた音楽なんだ。だからアルバムには「Mouton」(羊)という曲と「Loup」(狼)という曲がある。時々僕は羊で、時々狼なんだ。この2曲がアルバムの両極なんだよ。

――パフォーマンスもビジュアルランゲージもすごくインパクトがある一方、メロディーやピアノのタッチも繊細。楽曲や語りなどからわかるように多くのペルソナを持っているように見えますが、あなたは自分のキャラクターをどう説明しますか?

テリエ:このアルバムはトラックからはじまり、その後に歌詞を書いた。割といつもは歌詞先なんだけど。だから僕にとって一番大事なのは音楽で、自分を作曲家だと見ている。そう。ただの作曲家。でも自分の作曲をさらに一段うえのところに押し上げるために歌わなければならないし、ベースラインが必要だからベースを弾く。でも僕の自己認識はただの作曲家なんだよね。

家には大きな窓があって、ただ空を見ている。それがとても気持ちいい。でもプロモーション、ステイ、ギグ、ステージをする時は、自分を演じなければならない。プライベートの自分とパブリックイメージの変換している間は、いつも気分が難しいし時には苦痛でさえある。でも僕がそのチームのリーダーで、ボスの役割。いざステージに立つと、そこでは完璧に演じる。最終的には居心地のいい自分でいられる。そういう連続の人生。

――あなたはMVも含めてビジュアルインパクトも重要ですよね。あなたは多くのブランドやファッションの仕事をしてきました。私は最初にあなたを「ロスト・イン・トランスレーション」のサウンドトラックで知りました。おそらく何度も聞かれたと思いますが、それが私の最初の印象でした。ビジュアル言語とのそういうつながりは、あなたにとっても重要ですか?

テリエ:イメージを形作ることは音楽ビジネスの半分なんだ。イメージを持たなければならない。新しいイメージを持たないことさえイメージなんだ。いずれにしても何かを提案しなければならない。

――今日も素敵な靴を履いてますね。

テリエ:僕にとって、いい靴を持つことが喜びなんだ。このシューズの形は10年以上履いている……もっとかな。同じ靴をずっと。いつも同じ靴。「レペット(REPETTO)」。このモデルは“マイケル“という名前。僕より前はマイケル・ジャクソンの靴だったから。マイケル・ジャクソンがこれを履いていたんだ。ダンス用の靴だから。モデル名が“マイケル“。こういうディテールへのこだわりが好き。

僕にとってこういう細部こそが本当に重要。なぜなら、自分の本当の顔に快適さを感じないから。大きな髭、自分の体にも快適さを感じない。なぜなら頭の中での自分はミック・ジャガー(Mick Jagger)やプリンスのような、小柄でスキニーな男の像を描いているから(笑)。でも、天は僕にこの大きな体を与えた。これを隠すために、いい服を着なければならない。魅力的でいたいから、グラマラスでいたいんだ。なぜなら僕は悲しい音楽をやっているから。いつも悲しいわけじゃないけど、ほとんど悲しい。でも、ただ悲しいだけじゃ辛すぎる。だから悲しみにグラマラスな側面を与えて魅力的にするんだ。ファッションは自分の人生にグラマラスな側面を与えてくれる。僕にとって本当に重要なんだ。

大人でいることはいつも悲しい。だからノスタルジアに浸る

――あなたを起点としたフレンチミュージックについて知りたいです。フェニックス(Phenix)やエール(AIR)などただ悲しいだけじゃなく、ただ幸せなだけでもない。カラフルで、時々メランコリーで、時々ノスタルジックなフレンチエレクトロポップのイメージがあります。どうしてこの共通するエッセンスがあるのかが気になっています。

エールのサポートでキャリアをスタートさせて、2012年の「Sexuality」ではダフトパンク(Daft Punk)のギ=マニュエル・ド・オメン=クリスト(Guy-Manuel de Homem-Christo)がプロデュースしていたり。彼らと共通するエッセンスがあったりするのでしょうか?

テリエ:ダフト・パンクはディスコだけど、フェニックス(Phenix)やエール、僕自身の曲でもノスタルジアは本当に重要。僕らはみんな子ども時代を懐かしんでいる。「子どもでいることはとても良かった。大人でいることはいつも悲しい」ってね。だからノスタルジアが共通のテーマとして繰り返される。

フェニックス、ダフト・パンク、カヴィンスキー(Kavinsky)、ジャスティス(Justice)と僕らは今でもすぐ近くに住んでいるんだ。若い時に、テレビで同じアニメを見てきた世代だからだと思う。mみなイノセンスというものへの憧憬を持っている。テレビの前で、アニメやコマーシャル、同じテレビ番組を。だから同じ音符を聞いてきたんだ。そして日本人と僕らには昔を懐かしむ側面が似ているようだよね。時々日本人が60年代のフランス映画を見ているのを想像する。そして、彼らがなぜフランス文化を愛するのか理解できる。僕らは豊かだけど、奇妙なんだ。とても遠い国に住んでいる同士なのにアート、映画、音楽の前で同じ種類の感情を持っている。そこに深いつながりがあるんだ。

それともう一つ。この複雑なコードへの愛を共通して持っている。人々はエレクトロミュージックを単調に捉えているけど、とても繊細な音楽なんだ。音符とコードの観点で、とてもインテリジェンス。例えばエールの「Playground Love」という曲、あの曲のコードは本当に複雑で、ジャズコードのように深い。彼は人々を喜ばせるためだけの明るいコードだけじゃなくて、内面にある複雑で優しいものを同時に忍ばせている。コード、プロダクションの観点で、ある種の共通する質感がある。

――日本のファンにこのアルバムをどんな風に聞いてほしいですか?

テリエ:僕は自分をとても複雑な人間だと感じている。でも、みんなもきっとそうだろう? 違いは、音楽で自分の複雑さを説明できること。多面性ともいえる。それを1人でしまい込むのではなくて、分かち合いたいんだ。このアルバムは、今の男性性を発見する機会かもしれない。男性であることは今の時代ある意味難しい。当たり前だが、何を言うか気をつけなければならない。誰も傷つけたくない。野蛮な競争本能を持っているけど、基本は礼儀正しく、優しく、甘く、ソフトで穏やかでなければならない。それが僕がこのアルバムで伝えようとしているストーリーなんだ。僕は獣だけど、獣じゃないふりをする。獣でい続けることはできない。だから獣の反対になるよう最善を尽くす。でも、内側では獣なんだ。みんな獣だけど、それを隠さなければならない。このアルバムは、獣であることと獣を隠そうとする間にある緊張の表現だ。

そして、日本人と僕らは昔を懐かしむ側面が似ているよね。時々日本人が60年代のフランス映画を見ているのを想像する。そして、彼らがなぜフランス文化を愛するのか理解できる。そして僕らも日本のアニメから強く影響を受けている。僕らは豊かだけど、奇妙なんだ。とても遠い国に住んでいる同士なのにアート、映画、音楽の前で同じ種類の感情を持っている。そこに深いつながりを感じているよ。

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【2026年バレンタイン】「オペラ」は“グロウリップティント”から“チョコブラウン”の限定色

「オペラ(OPERA)」は2026年1月22日、“水光艶”をかなえるリップティント“グロウリップティント”(1980円)から、ダークカラーの限定色“410 カカオフレイズ”を発売する。全国のバラエティーショップとイミュ公式ECで取り扱う。

限定色は、イチゴを閉じ込めたチョコレートに着想。ピンクカラーのラメがきらめく赤みニュアンスのダークブラウンカラーに仕上げた。ティント処方を採用し、透明感あふれる発色をキープ。光を反射する「疑似艶パール」を配合したスクワランオイルが唇に薄くフィットし、水滴のような“ぷるん”とした艶をかなえる。

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「コスメデコルテ」の美白美容液がリニューアル キー成分のコウジ酸を1.8倍に

「コスメデコルテ(DECORTE)」は、美白ライン“ホワイトロジスト”から新たな美白美容液など3種8品を2026年1月16日に発売する。最新の研究知見から見出した美容成分“Deep-Aura Optimizer”を配合したほかmメーンとなる“ホワイトロジスト クロノジェネシス ブライトニング セラム”【医薬部外品】(30mL、1万9800円/60mL、3万3000円/リフィル60mL、3万2450円※編集部調べ、以下同)は美白有効成分のコウジ酸を従来品比で1.8倍にした。ほか、“ホワイトロジスト インテンシブ ブライトニングマスク”【医薬部外品】(30mL×1枚入、2420円/30mL×6枚入、1万2100円)もパワーアップさせる。

高濃度のコウジ菌を配合した8代目の新美容液

20年以上にわたり研究、配合してきた有効成分のコウジ菌を主成分とし、さまざまな美白ケア製品を送り出してきた同ブランド。今回のリニューアルでは、最先端の研究成果から導き出したアプローチや独自成分を盛り込んだアイテムを好む昨今の消費者ニーズや、乾燥によるくすみや透明感の低下など複合的な肌悩みに対するニーズの高まりを受けて開発を行った。その一例がコウジ酸をシリーズ最高濃度で配合した“ホワイトロジスト クロノジェネシス ブライトニング セラム”で、ほかにも多角的に透明感へアプローチすることを目的とし、新たな美容成分“Deep-Aura Optimizer”や新開発の独自カプセル“ノニ フュージョン カプセル”を全製品に取り入れた。

製品はほか、“ホワイトロジスト クロノジェネシス ブライトニング コンセントレイト”(30mL、13200円/60mL、2万2000円/リフィル60mL、2万1450円)も用意している。

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カジュアルフレグランスの祭典「FRAGRANCE DAY 2025」が開催 年々勢いを増す市場における話題のブランドが集結

カジュアルフレグランスの祭典「FRAGRANCE DAY 2025」が11月14日、東京・渋谷ストリームホールで開催された。“多くの人が気軽に香水を楽しめるように”という思いが込められた同イベントは今年で3回目。フィッツコーポレーションや川辺、コティジャパンなど9社が協賛、「アディダス(ADIDAS)」「エムシーエム(MCM)」「ボディファンタジー(BODY FANTASIES)」など16ブランドが出展した。イベントは、重盛さと美自身がプロデュースする新フレグランス「エンジェルクラブ(ANGEL CLUB)」についてのトークショーで開幕。「フレグランス・パーソン・オブ・ザ・イヤー 2025」の授賞式では、なにわ男子の高橋恭平が登壇し、スペシャルゲストとして「ヴァシリーサ(VASILISA)」のアンバサダーを務めるLE SSERAFIMのHONG EUNCHAEがトークショーを行った。

年々盛り上がりを見せるカジュアルフレグランス市場。今年は、スイーツなどを想起させる甘い“グルマン”から進化した“ネオグルマン”がトレンドとして見られた。バッグチャーム同様、フレグランスやコスメでもその動きが見られ、ミニフレグランスの需要が拡大。新ブランドが続々と上陸するK-フレグランスの存在感がアップした。フレグランスになじみのない消費者と接点を持つのに効果的なアニメやキャラクターコラボも注目を集めた。

イベントでは、今年話題を集めたカジュアルフレグランスから部門別に受賞アイテムを発表。“トレンドフレグランス部門”では、”柔軟剤以上、香水未満”というユニークなコンセプトを掲げる「レールデュサボン(L'AIR DE SAVON)」の“エアオアシス フレグランスウォーター チルウィズ”(3850円、60mL)が受賞。さまざまなシーンでトレンドの”紅茶”の香りをまとえる点が評価された。“ミニフレグランス部門”では、「オハナ・マハロ(OHANA MAHAALO)」の”Babyコロン ピカケアウリィ”(1045円、10mL)が、華やかな香りと花柄のボトル、チャーム付けしやすいサイズ感から選ばれた。“K-フレグランス部門”で受賞したのは、「ルアペ(LUAFEE)」の“ホワイト アプリコット オードパルファム”(5940円、30mL)だ。桃や杏のみずみずしい香りは、SNS中心に“恋コスメ”として話題になった。“コラボフレグランス部門”は、「リブロアリア(LIBROARIA)」の“No.7 NANA”(1万4300円、50mL)。平成女児ブームで注目のコミック「NANA」の世界観を表現したラメ香水が受賞した。

「レールデュサボン」や「ヴァシリーサ」を展開するフィッツコーポレーションの新野裕信取締役は、「カジュアルフレグランスの勢いを感じる。SNSやデジタルにより、フレグランスの情報と商品が格段に届きやすくなった」とコメント。フィッツコーポレーションの売上高は、コロナ禍を経て2ケタ増で推移しているようだ。新野取締役は、「香りの楽しみ方が多様化している。そのため、香りのプラットフォーマーとして香水だけでなく、ライフスタイル全体で香りに触れてもらう機会を増やしたい」と言う。「アディダス」などのカジュアルフレグランスから「バーバリー ビューティ(BURBERRY BEAUTY)」や「グッチ ビューティ(GUCCI BEAUTY)」などのプレミアムラインまで幅広く展開するコティジャパンの山盛省作社長は、「カジュアルフレグランスは香りの市場全体の成長をけん引する存在。ファッションやメイクと同様に、香りが日常で楽しむ文化になるよう、日本市場の香水体験の裾野を広げたい」と語った。

問い合わせ先
「FRAGRANCE DAY 2025」運営事務局
fragranceday2025@x-brand.jp

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ディズニー古着のポップアップ「みんなのファンタジーTシャツ展」が開催 アウターやスエット、ニットも販売

キャラクター古着を専門に取り扱う「サンキュロット(SANS-CULOTTE)」は11月29、30日の2日間、13回目となるポップアップイベント「みんなのファンタジーTシャツ展」を、新木場のベイアパートメント(BAY Apt.)で開催する。

同イベントでは、通常はTシャツをメインに取り扱うが、今回はスタジャンやレザージャケットといったアウター、スエット、ニットも販売する。Tシャツに関しては、今回初めて販売する商品が9割以上となっている。さらに今回も要望の多かった小さいサイズのコレクションも多数販売する。

また30日のみ、行列のできる人気ドーナツ店「K’s Good Doughnuts」も出店。1万円以上(税抜)購入した人には、好きなドーナツを1点プレゼントする。

■「みんなのファンタジーTシャツ展」
日程:2025年11月29、30日
時間:12:00~18:00
場所:ベイアパートメント(BAY Apt.)
住所:東京都江東区新木場2-15-14- F

サンキュロットとは?

バンドや映画、アニメといったジャンルに疎く、「誰が着ても良いジャンルの古着」というキッカケで、キャラクター古着にのめりこみ、自身での着用を目的にコレクトを始め、結果1500枚を超えるTシャツを収集した後に販売を決意し、趣味の延長線上として「みんなのファンタジーTシャツ展」を開催。店舗はなく、ポップアップ形式での販売、一部セレクトショップ(非公開)への卸販売、またこの活動を通じて得た知見をファッションブランドへの企画アドバイザーの活動へと拡げている。インスタグラムではコレクションの一部を定期的に投稿し続けている。

販売アイテム(一部)

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ディズニー古着のポップアップ「みんなのファンタジーTシャツ展」が開催 アウターやスエット、ニットも販売

キャラクター古着を専門に取り扱う「サンキュロット(SANS-CULOTTE)」は11月29、30日の2日間、13回目となるポップアップイベント「みんなのファンタジーTシャツ展」を、新木場のベイアパートメント(BAY Apt.)で開催する。

同イベントでは、通常はTシャツをメインに取り扱うが、今回はスタジャンやレザージャケットといったアウター、スエット、ニットも販売する。Tシャツに関しては、今回初めて販売する商品が9割以上となっている。さらに今回も要望の多かった小さいサイズのコレクションも多数販売する。

また30日のみ、行列のできる人気ドーナツ店「K’s Good Doughnuts」も出店。1万円以上(税抜)購入した人には、好きなドーナツを1点プレゼントする。

■「みんなのファンタジーTシャツ展」
日程:2025年11月29、30日
時間:12:00~18:00
場所:ベイアパートメント(BAY Apt.)
住所:東京都江東区新木場2-15-14- F

サンキュロットとは?

バンドや映画、アニメといったジャンルに疎く、「誰が着ても良いジャンルの古着」というキッカケで、キャラクター古着にのめりこみ、自身での着用を目的にコレクトを始め、結果1500枚を超えるTシャツを収集した後に販売を決意し、趣味の延長線上として「みんなのファンタジーTシャツ展」を開催。店舗はなく、ポップアップ形式での販売、一部セレクトショップ(非公開)への卸販売、またこの活動を通じて得た知見をファッションブランドへの企画アドバイザーの活動へと拡げている。インスタグラムではコレクションの一部を定期的に投稿し続けている。

販売アイテム(一部)

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岸井ゆきの × 宮沢氷魚 映画「佐藤さんと佐藤さん」で考える “分かり合えなさ”との向き合い方

PROFILE: 右:岸井ゆきの/俳優 左:宮沢氷魚/俳優

PROFILE: 右:(きしい・ゆきの)1992年2月11日生まれ、神奈川県出身。2009年俳優デビュー。以降、映画、ドラマ、CMなどで活躍。14年、初主演を務めた映画「おじいちゃん、死んじゃったって。」(17/森ガキ侑大監督)にて第39回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。映画「愛がなんだ」(19/今泉力哉監督)では第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。映画「ケイコ 目を澄ませて」(22/三宅唱監督)では第46回日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞をはじめ多くの映画賞を受賞。近年の出演作に映画「若き見知らぬ者たち」(24/内山拓也監督)、ドラマ「お別れホスピタル」「恋は闇」など。26年には映画「すべて真夜中の恋人たち」の公開が控える。 左:(みやざわ・ひお):1994年4月24日生まれ、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。テレビドラマ「コウノドリ」(17)で俳優デビュー。連続テレビ小説「ちむどんどん」(22/NHK)の出演で話題を呼ぶ。初主演映画「his」(20/今泉力哉監督)では数々の新人賞を受賞、映画「騙し絵の牙」(21/吉田大八監督)にて第45回日本アカデミー賞新人俳優賞、映画「エゴイスト」(23/松永大司監督)にて第16回アジア・フィルム・アワードで最優秀助演男優賞を受賞。主な出演作品には、「52ヘルツのクジラたち」(24/成島出監督)、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(25)がある

映画「佐藤さんと佐藤さん」が描くのは、同じ姓を持つ男女(タモツとサチ)が出会い、恋に落ち、結婚し、そして別れを選ぶまでの15年間だ。「別れ」という着地点を提示した上で、時系列通りに進んでいく114分間のストーリーが始まったとき、筆者は「別れの原因」を探そうとしていた。だが、大きな事件一発で別れるなんてことはもちろんない。日常の出来事や感情の動きが積み重なり、時折“ケンカ”という形で衝突し、それでも家族でい続けようと努力していた2人が迎えたラストシーンで、こう問いかけていた。「2人は、どうしていたら別れずに済んだのだろうか」と。サチが司法試験に挑戦しなければよかったのか? だとしても、タモツはなかなか司法試験に合格できなかったかもしれない。タモツが司法試験を諦めて、専業主夫になり家事と子育てをすればうまくいったのか? そうなれば、タモツの実家の干渉が始まり、また違う不協和音が鳴り始めていたかもしれない。

このような幾つもの「もしも」を想像させるリアルで丁寧な作劇は、「ミセス・ノイズィ」(19)の天野千尋監督によるものだ。前作で毎日顔を合わせる隣人同志の揉め事、いわゆる「ご近所トラブル」を躍動する人間ドラマに昇華した天野監督は、本作でも一組の夫婦のある種の対立関係を、いくつかの印象的なケンカのシーンを山場にテンポよく見せていく。佐藤サチを演じるのは「ケイコ 目を澄ませて」(22)の岸井ゆきの、佐藤タモツを演じるのは「エゴイスト」(23)の宮沢氷魚。意外にも本作が初共演だという2人に、天野監督の演出や、サチとタモツを演じて感じたこと、人間同士の「分かり合えなさ」にどう向き合っているかを聞いた。

小さな幸せにどれだけ気づいて大事にするか

——まず、脚本を読んだ感想からお聞かせください。

岸井ゆきの(以下、岸井):私にとってはドラマティックに感じる脚本でした。佐藤さん(サチ)と佐藤さん(タモツ)が出会ってからの15年間に、些細なケンカや小さなやりとりがたくさん詰まっていて。私は夫婦生活を体験したことがないので、「こんなにも日々に彩りがあるものなんだな」と思いました。ケンカの描写が突出している映画であることも、そのケンカの仕方がどんどん変容していくことも面白かったです。22歳から37歳までのサチを演じるのも楽しみでした。

宮沢氷魚(以下、宮沢):初めて読んだときに、「こんなにケンカすんのかな」、「こんなちっちゃなことでイライラするのかな」と思った瞬間があったんです。クランクインする前のリハーサルの期間に、監督の天野さんをはじめいろいろな人とコミュニケーションをとってみると、結構「あるある」みたいで(笑)。「そうなんだー」と思って、実際にタモツという人物を演じてそのシーンを迎えると、「確かにイラっとするよな」、「これはケンカになるわ」とものすごく納得できました。そういう意味でのリアリティーが脚本にありましたし、小さな幸せもあれば、ちょっとしたことでのケンカもあって、些細な出来事がたくさん並んでいて。生きているともちろん大きな転機もありますけど、そういう小さな幸せにどれだけ気づくことができるか、そういうものをどれだけ大事にできるかが、人間の関係性を保っていくと思っています。それがこの作品ではすごく丁寧に描かれているので、この世界の一員になれることがすごく楽しみになる脚本でした。

——サチとタモツのやりとりに、とても見応えがありました。濃密でありつつ、観客への押し付けがましさがなく、目を離せない生(ナマ)感があって。あのお芝居は、リハーサルで培ったものだったんですね。

岸井:リハーサルでは主にケンカのシーンをやりました。会議室にあるような長テーブルを組み合わせて、ロケセット風の小道具を使って、読み合わせだけじゃなく動きまでやって。

宮沢:やったね。“トイレットペーパー”と“願書”のシーンと…。

岸井:“お弁当箱”のシーン!

宮沢:やったやった。でも、そこで芝居を固めるということではなくて、「どういうテンションでアプローチしていこうか?」とみんなで探っていく、実験的な時間でした。そのシーンを完成させることが目的なのではなく、クランクインを迎えるにあたって、みんなの温度感を調整して合わせていく時間。その時間を経て、天野監督をはじめゆきのちゃんとのコミュニケーションが生まれたので、すごく気持ちのいい初日を迎えることが来ました。

岸井:「本読みをやったから安心だよね」、「リハーサルをやったら現場オッケーだよね」というコミュニケーションではなくて。一緒に食事に行ったりコーヒーを飲んだりする中での雑談で、お互いを知っていく時間が多分大事で。そこで人となりを知ることで、遠慮なく役に入っていけたので、大切な準備の時間だったと思います。

宮沢:うん。ほとんどただしゃべるだけだったよね(笑)。

岸井:その時間があって本当に良かったです。

——天野監督はお2人にどのように演出をつけたのでしょうか。

宮沢:「こうしてほしい」という演出ではなく、寄り添ってくれて、こっちに考える時間やゆとりを与えてくれるスタイルでした。芝居をしている中で、僕が「これでいいのかな」と悩んでいると、「今のはすごく良かったけど、んー、どうしよっか」と、一緒に考えてくれて。その中で、僕が「じゃあこれやってみてもいいですか」と提案することもあれば、天野さんから「これを足してみたらどう?」と言ってくれることもありました。で、やってみて、違ったら引き算する。お互いに生まれてきたものをうまく融合していくやり方でした。

——それはリハーサルだけでなく現場でも?

宮沢:現場でもです。たまに自分の中で答えが出ないときに、「天野さんからの答えがほしいな」と思ったこともあるけれど、そこで答えをもらったところでうまくいくとも限らないので、そこでこちらが苦しみながらも考える時間や機会を与えてくれる方でした。

岸井:リハーサルをやっても、実際にロケセットに入ってお芝居してみたらなんか違った、ということが結構あって。「こうかなと思ってたんですけど、今やってみたら違う気持ちになったので、こんなふうにやってみていいですか」みたいなことにも天野さんはすごく柔軟で、やりやすかったです。一緒に「うーん」と悩み込んでしまうこともあるんですけど。100%客観的な目で、というよりも、私たちの気持ちに寄り添って、一緒に考えてくれて、時には客観的な目線でものを言ってくれる監督でした。

初共演を経て

——お2人は初共演ですよね?

岸井:はい。当時は初対面でした。

——この2人で夫婦役を演じると知ったとき、どう思いましたか?

宮沢:すごくうれしかったです。ドラマや映画の画面から伝わる温かさや優しさが、実際にお会いしてももちろんありましたし、僕が想像していたよりもはるかに優しくてチャーミングな方でした。「この方と一つの作品を作れるんだ、なんて幸せなんだろうと」思いました。

岸井:いや~、私も氷魚さんの映画はもちろん観ていましたし、特に「豊饒の海」という舞台が印象的で忘れられなくて。舞台のセンターで白い服を着ている氷魚さんを見て、「本当に美しい人がいる!」と思ったんですよ!

宮沢:アハハ、うれしい(笑)。

——私も見ました!

岸井:見ました!? 一度ご一緒してみたいなと思っていたので、すごくうれしかったです。一緒にコミュニケーションをとる中で、やっぱり穏やかで温かくて。「氷魚さん、優しいといいな」と思っていたまんまの人でした。

宮沢:良かった(笑)。

岸井:おかげさまで現場も穏やかに進みました。

それぞれの役を演じて感じたこと

——岸井さんのサチからは前へ突き進むパワーと爆発力を、宮沢さんのタモツからは繊細さと「こうありたい自分」になれない葛藤を感じました。一緒にお芝居をしたシーンで、印象に残っていることをお聞きしたいです。

岸井:印象的なシーンが続くんですよね……(と考える)。

宮沢:そうですね……僕は道でケンカするシーンかな。

——先ほどの“願書”のシーンですね。

宮沢:僕はタモツに共感できるところがいくつかあるんです。自分の思っていることや感情を言葉にして伝えるのがあまり得意ではない、ちょっと不器用なところや、我慢して自分の中に溜め込んで、それがキャパを超えたときに爆発しちゃうところが。僕も結構そっちタイプなんですよ。だからあそこでタモツが自分で自分のことを止められなくなってしまうくらい、サチに強く当たってしまうことにすごく共感できるから、演じていてすごく苦しかったんです。タモツを演じているんだけど、ところどころ「自分も同じことをやってしまうな」と振り返ってしまって。怒っている自分がすごくかっこ悪いし、「サチになんでこんなことを言ってるんだろう」と自分がすごく惨めになって。タモツを通してもそうですし、自分自身にも返ってくるし、結構しんどいシーンでした。

岸井:私は、本当はタモツタイプなんですよ。

——え! そうなんですか?

岸井:そうなんです。(宮沢に)結構同じタイプだよね。

宮沢:うん。

岸井:言葉にするのに時間がかかってしまうし。なので私は、素直に思ったことを言えるサチが少しうらやましかったんです。それで後悔することもきっとあるだろうし、悪い方向に影響することもあるんですけど、「いいな」と思いました。サチってなんでもできちゃうじゃないですか。司法試験の勉強を軽い気持ちでやってみたら受かっちゃうし、仕事しながらの子育ても、もちろんタモツと協力しながらですけど、できちゃうし。そこにはできちゃう人の葛藤もあると思うんですけど、私はタモツの葛藤の方がやっぱり分かるから、(サチを演じるときは)「いやいや、私はパワフルにいきます!」という方向に意識的に持っていっていました。だから試写で初めて完成形を観たときに、私が演じているし、もちろん脚本で全部知ってるんですけど、エンドロールで「ごめんタモツ」という気持ちになったんです。

宮沢:アハハハ(笑)。

岸井:撮影中は「サチだからこうしなきゃ」というエネルギーで進んでいたけど、冷静になってみると、タモツに「ごめんね」って。現場では、言いたいことが言葉にならないタモツや、サチのちょっとした一言に突っかかってくるタモツがすごくリアルだったから、私もサチとして「は? 今の何?」と怒りをぶつけることができていたんだなと思いました。

——宮沢さんも完成した作品を観て、「ごめんサチ」と思いました?

宮沢:思いましたよ(笑)。タモツもタモツでいっぱいいっぱいだったと思うんですけど、もうちょっと寄り添うこともできただろうし、お互いに相手への気遣いが足りていなかったのかなって。気遣いすぎても良くないんですけど。2人で人生を一緒に歩んでいく中で、サチがいろいろな部分でアップデートして成長しているのに、タモツは自分をアップデートしきれていなかったので、そこでどんどん差が生まれてきて。アップデートにズレがあっても、そこでもうちょっとコミュニケーションを取り合っていたら変わったんじゃないかなとは思います。でも、コミュニケーションって難しいじゃないですか。本当のことを伝えるのってすごく苦しいときもあるし、聞きたくないことを聞かなきゃいけないときもあるし。そこがすごくリアルに描かれているなと思います。

「分かり合えなさ」への向き合い方

——人間がお互いを100%理解し合うことは無理だとして。お2人はそこにどう向き合っていますか? そこに答えは出ていますか?

宮沢:タモツじゃなくて僕としてですか?

——はい。

岸井:難しすぎる。

宮沢:(答えを)教えてほしい(笑)。うーん……(少し考えて)。全部自分の主張が通るはずがないですし、逆に全部を受け入れることもできないですけど……。人間関係において、“妥協”という言葉はあまり好きじゃないんですけど、自分の信念を折り曲げてでも向こうを受け入れなきゃうまくやっていけない瞬間もあるのかなぁ、悔しいけど(笑)。

岸井:あ~。

宮沢:「俺悪くないのになんで謝ってるんだろう」とは思うけど、長期的な関係性を考えると謝った方がいい、という判断です。でも自分はそれを一生忘れないからタチが悪いんです(苦笑)。相手は先へ進んで忘れているのに、こっちは「あのとき謝ったよな、俺」というのを嫌でも忘れることができないのが、苦しい。

岸井:この作品の取材が始まってから、何度か質問されたんですけど、まだ分からなくて。最初の頃は、「お互いに、自分が知らない時間を想像し合うことですかね」みたいなことを言っていたけど、インタビューしてくださる方といろいろ話していくうちに、「距離感ってめっちゃ難しい!」と思って。

宮沢:うん。

岸井:お互いに思いやることは大前提として、適度な距離感というものが重要なんだなと、ここ数日取材を受けて思い始めました。でも、お互いに好き同士だったら、近づきたいという気持ちがあるじゃないですか。少しずつでも。そのスピードや限度を誤ると、摩擦が生まれるだろうなというのは思いました。全部想像ですけど。

宮沢:アハハハハ(笑)。

——たくさんの取材を受けて、考えさせられた、と(笑)。この作品を見た人の多くも同じように考えると思います。本作には監督の実体験が脚本に自然と盛り込まれているそうですが、そういう話はされましたか?

岸井:それはもう! たくさん聞かせてもらいました。

宮沢:「本当にこの脚本みたいなケンカをするんですか?」と聞いたら、「今朝もしてきたよ」「え、そんな頻繁にあるんですか?」「あるある」みたいな(笑)。家庭でのケンカやぶつかり合う瞬間みたいなものは、すごくリアリティーを持って描いているなと思います。

岸井:天野監督、「ケンカしてもすぐに戻れる」って言ってたよね?

宮沢:言ってた。

岸井:それ、すごくうらやましいなと思います。

宮沢:そんなの、絶対無理(笑)。

岸井:そうなんだ。

宮沢:引きずりまくるよ。表面的には「もう終わり」と言っても、内心モヤモヤしていたり。長期的なことを考えると、その場しのぎのやり取りはよくないので、ちゃんとコミュニケーションをとることが大切だと思います。

——ジェンダーロールにおいても、サチとタモツはリベラルな考え方を持っているのに、タモツの実家を含む「社会」がそうさせてくれない部分がさりげなく、でも的確に描かれていて、切なかったです。お2人はこの作品を経験して、ジェンダーロールについての考え方に変化などはありましたか。

宮沢:これも言葉にするのが難しいんですけど……。前からそう思ってはいたんですけど、僕は今まで自分が当たり前だと思っていたことを、この作品を通して疑えるようになりました。その家族や家庭環境によって、いろいろなメソッド、やり方がある。「これが正解です」というものは何一つなくて。それぞれにある種の正解を導き出していくには、とにかくコミュニケーションをとることと、お互いの家族や友達など周りの理解が必要で。だからどんな関係性においても寛容に見守ろう、理解しようというメンタリティを持とうという思いは、この作品を経てさらに強まりました。夫婦やカップル、親子の関係性について、「周りがそうだからうちもそうしなきゃ」ということではなくて、自分たちがどうしたいのか、どういう生活を送りたいのかを考えるきっかけになる作品だと思います。

岸井:私もそう思います。佐藤さん(サチ)と佐藤さん(タモツ)は、「男だから」「女だから」という見え方になるとは思うんですけど、この2人はそうする方が良かったから、このスタイルになっただけなんですよね。周りの人から「お母さんが働いているから一緒にいられないのねー」と言われる場面がありましたが、周りがサチとタモツの生き方を受け入れることが根源的に大事だと思います。それはジェンダーの話ではなく、「人それぞれの生き方があるというだけの話なんだけどな」と思います。

PHOTOS:TAKAHIRO OTSUJI
STYLING:[YUKINO KISHII]AKIRA MARUYAMA、[HIO MIYAZAWA]KODAI SUEHIRO
HAIR & MAKEUP:[YUKINO KISHII]MISUZU MOGI、[HIO MIYAZAWA]KUBOKI(aosora)

[YUKINO KISHII]ジャンプスーツ 75万9000円/ジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070)、右ピアス 26万4000円、左ピアス 93万5000円、リング右人差し指 19万8000円、左人差し指 19万8000円/アーカー(アーカー ギンザシックス店 03-6274-6098)、その他スタイリスト私物 [HIO MIYAZAWA]ジャケット 参考商品、ドレスシャツ 12万8700円、パンツ 17万4900円、シューズ 参考商品、カマーバンド 参考商品、カフリンクス 参考商品/全てラルフ ローレン パープル レーベル(ラルフ ローレン 0120-3274-20)

映画「佐藤さんと佐藤さん」

◾️映画「佐藤さんと佐藤さん」
11月28日から全国ロードショー
出演:岸井ゆきの 宮沢氷魚
藤原さくら 三浦獠太 田村健太郎 前原滉 山本浩司 八木亜希子 中島歩
佐々木希 田島令子 ベンガル
監督:天野千尋
脚本:熊谷まどか 天野千尋 音楽:Ryu Matsuyama Koki Moriyama(odol) 
主題歌:優河「あわい」(ポニーキャニオン)
配給:ポニーキャニオン 
製作プロダクション:ダブ  
2025年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/114分
©︎2025『佐藤さんと佐藤さん』製作委員会
https://www.sato-sato.com/

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「オニツカタイガー」が「コム デ ギャルソン」とのホリデーコラボレーションを12月1日に発売

「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」とのホリデーコラボレーションを発売する。“HOLIDAYS WITH Onitsuka Tiger”をテーマに12月1~28日の期間限定で「コム デ ギャルソン」の直営店に「オニツカタイガー」のポップアップショップがオーブンする。

“MEXICO 66のスペシャル”のコラボシューズなど

川久保玲「コム デ ギャルソン」デザイナーの大胆な解釈で生まれた、“MEXICO 66のスペシャル”のコラボレーションシューズ4型と、タイガーイエローを基調とし、両ブランドロゴが新たなグラフィックとなったアパレル8型をラインアアップする。期間中、店頭でスペシャルインスタレーションも実施する。

アイテムはカスタマイズスニーカー4型 (2万8600~5万1700円)、半袖Tシャツ2型(1万9800〜2万7500円)、長袖Tシャツ(1万9800円)、ジップフーディー(3万6300円)、シャツ2型(3万5200円と4万6200円)、ポリエルテルジャージパンツ(3万7400円)、ナイロントートバッグ(8800円)をそろえる。

取り扱い店舗は「コム デ ギャルソン」青山店、大阪店、丸の内店、京都店、福岡店、パリ店、ニューヨーク店で、パリとニューヨーク店のみ12月5~28日での販売となる。

アイテム一覧

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「レブロン」のみずみずしい艶をかなえるリップスティックからブラウンカラーの新色

「レブロン(REVLON)」は12月11日、クリアな発色で唇を彩るリップスティック“スーパー ラストラス デューイ シャイン リップスティック”(1760円)から、ブラウンカラーの新色“001 ミーデイ”を発売する。

新色は、フェミニンな艶を演出するミルキーブラウンカラーに仕上げた。清涼感のある付け心地とともに、とろけるように唇に密着。潤いとシアーな発色をかなえ、立体感のある滑らかな唇に導く。

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「イプサ」から新年をアクティブに始める限定美容液キットが登場 ポーチ付きの全3点

「イプサ(IPSA)」は2026年1月8日、生きいきとしたハリ艶の満ちる透明感肌へと導く“イプサ セラムアクティブキット”(1万3750円※編集部調べ)を数量限定で発売する。1月1日から店舗のみで予約を受け付ける。高機能美容液“セラム アクティブ”の現品(50mL)、日やけ止め乳液“プロテクター マルチシールド”[SPF50+/PA++++]の特製サイズ(9mL)、“オリジナルメッシュポーチ”の3点セットで、新年をアクティブな気持ちでスタートしてほしいという思いを込めた。

高機能美容液の現品などがセットに

“イプサ セラム アクティブ”は運動と美肌の関係性に着目した美容液で、ローヤルゼリーエキスやトウキ根エキスなどを配合。うるおい、ハリ、弾力、透明感のあるヘルシーな印象の艶美肌をかなえる。現代人のライフスタイルと肌の防御機能そのものの関係に着目し開発した日焼け止め乳液“イプサ プロテクター マルチシールド”は、紫外線や外的要因によるダメージを防ぎつつ、睡眠不足やストレスなどで受ける肌ダメージをサポート。美容液のような使用感で肌を守り、明るく透明感のある肌へ導く。小物の持ち運びに便利な“オリジナルメッシュポーチ”は横13cm、高さ11cmサイズ。メッシュ素材でハンドストラップが付いている。

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フジテレビがIP事業で攻勢 「ガチャピン・ムック」が令和のファッションアイコンに

フジテレビジョンは、「ガチャピン・ムック」などの保有キャラクターのIP事業に本格的に注力し、同事業の拡大を目指すことを発表した。その取り組みのひとつとして2025年10月には、メディア&インフルエンサー向けのファッション展示会「フレンドシップ パーティー 2025」と商談会を開催し、新たにライセンスビジネスを展開する姿勢を示した。長年愛されてきたテレビ発のキャラクターたちが、ファッションという新たなカルチャーシーンで再定義されようとしている。

ファッションシーンへの進出は
“最初の一歩”

「ファッション領域への進出は、フジテレビのキャラクターIPの価値を最大化する非常に大切な一歩だ。最終的なゴールはライフスタイルやビューティなど、多様なカテゴリーで柔軟に展開していくこと。50年以上の歴史を持つ『ガチャピン・ムック』を、100年先も愛され続けるキャラクターへと育てたい」と、鈴木淳 フジテレビジョン IP・アニメ事業局 IP事業部 副部長は語る。

フジテレビは24年10月、ライセンスビジネスに特化した新会社であるフジ・コンシューマ・プロダクツ(以下、FCP)を設立した。FCPは、「ガチャピン・ムック」に加え、同じく「ポンキッキーズ」に登場している「Pちゃん」「Go!Go!コニーちゃん」のほか、海外でも人気の高い英国発のアニメ「チャギントン」など、フジテレビが保有するキャラクターIPの商品ライセンス窓口や新規IPコンテンツの開発・調達などを行う。

同社は、さまざまなブランドとのコラボレーションを歓迎している。「『ガチャピン・ムック』のスローガンは“みんなともだち”。他キャラクターとの共演や新規オリジナルアートなども可能で、柔軟に対応することが可能だ。商品の付加価値を高める、ストーリー性のあるデザインをブランドと共創していきたい」と語る。セレクトショップや国内のSPAブランドはもちろん、海外発のブランドなどとの協業で、「ガチャピン・ムック」の魅力を世界へと発信していきたい構えだ。

イベント出演にも柔軟に対応できる「ガチャピン・ムック」は、特定のテーマパークに常駐していないため、身近な“体験価値”を提供できる点が魅力だ。「子どもだけでなく、親世代でも実際に会えば喜んでもらえるキャラクターであることも、大きな強みの一つだ」と胸を張る。

90年代のポップカルチャーをけん引した
「ガチャピン・ムック」とは?

「ガチャピン・ムック」は、1973年にフジテレビでスタートした教育番組「ひらけ!ポンキッキ(1993年「ポンキッキーズ」に改名)」で誕生した。恐竜の子ども「ガチャピン」と雪男の子ども「ムック」は、番組を観る子どもたちと一緒に学び、さまざまなことを体験するキャラクターとして登場。ガチャピンがスキューバダイビングやサーフィンなどに挑むチャレンジ企画が好評で、お茶の間の人気を集めた。

「ポンキッキーズ」は、単なる子ども番組の枠を超え、“カルチャーの実験場”として機能した。スチャダラパーのBose、安室奈美恵、小沢健二ら当時を代表するアーティストが出演し、音楽・ファッション・アートが交差する唯一無二のコンテンツを作り上げた。「そのDNAは、令和で活躍するアーティストたちにも受け継がれている」と鈴木副部長は話す。

番組の歩みと共に、「ガチャピン・ムック」も確かな歴史を刻んできた。50年以上にわたり活躍してきたからこそ、今なお普遍的な魅力を放つキャラクターといえる。さらに、実写で存在するキャラクターである点も大きな特徴だ。「漫画やアニメの2Dの世界から出てきたワケではなく、『ガチャピン・ムック』は“現実にいる”。そして50年間活躍してきた実績がある。この歩みには深みがある」。誕生から半世紀、ガチャピンとムックは変わらず多くの人々に笑顔を届け続けている。

イベントには約400人が来場
コラボ提案も続々決まる

10月9日には、FCP初のファッションの展示会「フレンドシップ パーティー 2025」を開催した。会場には約400人にもおよぶアパレル関係者やメディア、インフルエンサーなどの業界のキーパーソンが来場。「ガチャピン・ムック」や「Pちゃん」も登場し、SNS上では多くの投稿が見られた。「キャラクターとファッションの融合が生み出す新しい表現の可能性を感じた」「エモーショナルな気持ちになった」といった感想が多数寄せられ、盛況のうちに幕を閉じた。

会場には、「ガチャピン・ムック」「Pちゃん」「Go!Go!コニーちゃん」「チャギントン」などのキャラクターIPを落とし込んだサンプルTシャツ約50型を展示。「ガチャピン・ムック」のキーカラーであるグリーンとレッドのアイテム加え、ストリートにもなじむモノクロやビンテージ加工を施したデザインも多数披露した。「ターゲット世代やトレンドを意識し、安易に流されず戦略的にクールなアイテムを取り入れ、バリエーション豊富に魅せることを心掛けた」。

コラボを加速
26年春には渋谷パルコでイベントも

展示後の商談会では「予想を大きく上回る来場者数」で、複数のブランドやセレクトショップからコラボ提案が寄せられた。特にTシャツ、スエット、スニーカーなどのカテゴリーでコラボの要望が多く、高い関心を集めたという。リアルな場を設け、本格的な展示会を実施したことでコラボアイテムがイメージしやすくなり、さまざまな協業につながった。

「リアルクローズに落とし込みやすいデザインを多く展示したことで、ラグジュアリーからストリートまで幅広いブランドに取り入れてもらえるはずだと考えた。これまでの『ガチャピン・ムック』のゆるっとしたイメージをいい意味で壊し、新しい魅力や可能性を発信することができた」と手応えを語る。

FCPはアーティストとのコラボレーションやファッションブランドとの協業に対し、今後も本格的にリソースを投下する方針だ。23年に始動した「ガチャピン・ムック アートプロジェクト」を更に活性化させ、多彩なアーティストによる「ガチャピン・ムック」の作品を展開していく。26年春には、渋谷パルコ4階の「パルコミュージアムトーキョー(PARCO MUSEUM TOKYO)」で展覧会を予定。日本記念日協会に認定された4月2日の「ガチャピン・ムック みんなともだちの日」には、さまざまなブランドとのコラボやイベントも計画している。

「フジテレビのキャラクターは、ファッションとの親和性が高いIPであり、日本が誇るカルチャーの資産だ。『ポンキッキーズ』で作り上げた先進的なカルチャーこそ、昨今の“カルチャー回帰”と響き合う。ファッションを通じて、その価値を国内外に再発信していきたい」。

「ガチャピン・ムック」「ポンキッキーズ」という国民的キャラクターの強固なブランド力と、「チャギントン」が持つ高い認知度を武器に、事業領域のさらなる拡大を目指す。

問い合わせ先
フジ・コンシューマ・プロダクツ
inquiry@fuji-cp.com

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パペットスンスンの限定ネイルボックスが登場 伊勢半のD2C「MN」が発売

伊勢半のD2Cメイクブランド「MN」は12月11日、キャラクターのパペットスンスンとコラボレーションした定番のネイルポリッシュ“クリーチャーズネイル”の限定ボックス(2色セット、5500円)を発売する。取り扱いは、「MN」公式オンラインのみ。

限定ボックスには、パペットスンスンのキーカラーであるブルーに繊細なラメを加えた“50 SUNSUN”と、スンスンの友だち・ノンノンをイメージしたきらめくホワイトの“51 NONNON”を、特別仕様のギフトボックスに収めた。キャップには、それぞれかわいらしいキャップカバーを付けた特別仕様だ。さらに、セルフネイルがより楽しめるネイルシールや、ネイルファイル&シャイナーも付属する。なお、カラー単品での販売は行わない。

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「サボン」が新キャンドルコレクションを発売 菜種ワックスを採用し全5種をラインアップ

「サボン(SABON)」は12月11日、新アロマキャンドルシリーズ“センティッド キャンドル”(全5種、各180g、各7150円)を発売する。同ブランドが展開するボディーケア製品の中でも人気の香りをベースに、新たなアクセントを加えた。製品には燃焼時にススなどの排出物が少なく均一に燃える自然由来の菜種ワックスを使用。燃焼時間が長く、柔らかな光と優しい香りをゆっくりと楽しめる。ガラス容器はインテリアのアクセントにもなるラグジュアリーな仕様で、製品を使った後は小物入れなどとしてアップサイクルできる。繊細な刺しゅうを施したファブリックを思わせる、芸術品のようなボックスに納めた。

気分に合わせて選べる5つの香り

香りはその日の気分に合わせて選べるよう多彩なラインアップにした。咲き誇るジャスミンがブルーヒヤシンスのみずみずしく澄んだ香りに彩られた“ジャスミン&ヒヤシンス”は、トップノートにレモンとブルーヒヤシンス、ミドルノートにチュベローズ、ジャスミン、ガーデニア、ベースノートにムスク、サンダルウッド、シダーウッドを配合。“ホワイトティー&オスマンサス”は繊細なホワイトティーに青々としたミントリーフがフレッシュさを添え、ヴァーベナが甘酸っぱいアクセントをもたらすフレッシュ・シトラスの香調で、キンモクセイが柔らかな余韻で包み込む。印象的なパチュリにユーカリやラベンダーの清々しさをブレンドした“パチュリ・ラベンダー・バニラ”は、クリーミーなバニラの甘さとリッチなレザーアコードが洗練された大人の魅力へと高めるオリエンタルの香調。トップノートにラバンディン、シクラメン、ユーカリ、ミドルノートにラベンダー、トンカビーン、ラブダナム、ベースノートにパチュリ、バニラビーン、レザーを取り入れた。

軽やかなコットンフラワーとベルベットのような深いセージのデュオが心を穏やかに落ち着かせるパウダリー・フローラルの香調に仕上げた“コットンフラワー&セージ”は、トップノートにジャスミン、セージ、レモン、ミドルノートにコットンフラワー、ローズ、バイオレット、ベースノートにヘリオトロープ、ホワイトフラワー、サンダルウッドを使用した。パウダリーなバイオレットやヘリオトロープが優しい癒やしを与える。オリエンタル調の“アンバー&ミルラ”は、センシュアルなアンバーとミステリアスなミルラが甘いバニラや温かなインセンスと混ざり合い、複雑で深みのある高貴な香りへ昇華する。トップノートにインセンス、クローブ、シナモン、ミドルノートにアンバー、バニラ、レザー、ベースノートにミルラ、タバコ、パチュリが香る。

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「サボン」が新キャンドルコレクションを発売 菜種ワックスを採用し全5種をラインアップ

「サボン(SABON)」は12月11日、新アロマキャンドルシリーズ“センティッド キャンドル”(全5種、各180g、各7150円)を発売する。同ブランドが展開するボディーケア製品の中でも人気の香りをベースに、新たなアクセントを加えた。製品には燃焼時にススなどの排出物が少なく均一に燃える自然由来の菜種ワックスを使用。燃焼時間が長く、柔らかな光と優しい香りをゆっくりと楽しめる。ガラス容器はインテリアのアクセントにもなるラグジュアリーな仕様で、製品を使った後は小物入れなどとしてアップサイクルできる。繊細な刺しゅうを施したファブリックを思わせる、芸術品のようなボックスに納めた。

気分に合わせて選べる5つの香り

香りはその日の気分に合わせて選べるよう多彩なラインアップにした。咲き誇るジャスミンがブルーヒヤシンスのみずみずしく澄んだ香りに彩られた“ジャスミン&ヒヤシンス”は、トップノートにレモンとブルーヒヤシンス、ミドルノートにチュベローズ、ジャスミン、ガーデニア、ベースノートにムスク、サンダルウッド、シダーウッドを配合。“ホワイトティー&オスマンサス”は繊細なホワイトティーに青々としたミントリーフがフレッシュさを添え、ヴァーベナが甘酸っぱいアクセントをもたらすフレッシュ・シトラスの香調で、キンモクセイが柔らかな余韻で包み込む。印象的なパチュリにユーカリやラベンダーの清々しさをブレンドした“パチュリ・ラベンダー・バニラ”は、クリーミーなバニラの甘さとリッチなレザーアコードが洗練された大人の魅力へと高めるオリエンタルの香調。トップノートにラバンディン、シクラメン、ユーカリ、ミドルノートにラベンダー、トンカビーン、ラブダナム、ベースノートにパチュリ、バニラビーン、レザーを取り入れた。

軽やかなコットンフラワーとベルベットのような深いセージのデュオが心を穏やかに落ち着かせるパウダリー・フローラルの香調に仕上げた“コットンフラワー&セージ”は、トップノートにジャスミン、セージ、レモン、ミドルノートにコットンフラワー、ローズ、バイオレット、ベースノートにヘリオトロープ、ホワイトフラワー、サンダルウッドを使用した。パウダリーなバイオレットやヘリオトロープが優しい癒やしを与える。オリエンタル調の“アンバー&ミルラ”は、センシュアルなアンバーとミステリアスなミルラが甘いバニラや温かなインセンスと混ざり合い、複雑で深みのある高貴な香りへ昇華する。トップノートにインセンス、クローブ、シナモン、ミドルノートにアンバー、バニラ、レザー、ベースノートにミルラ、タバコ、パチュリが香る。

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多様なハンドクラフトやサステナブルなデザインも サンパウロ・ファッション・ウイークが30周年

今季30周年を迎えるサンパウロ・ファッション・ウイーク(以下、SPFW)が開催された。サンパウロ市内のイビラプエラ公園内にあるブラジル文化パビリオンをメーン会場に、38ブランドが参加した。これまで通算約300億円が投資され、延べ300万人以上の集客があった南半球最大のファッションイベントで、ジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)を筆頭に世界的なブラジリアンモデルブームが訪れた2000〜2010年代をピークに海外進出も積極的に計画された。

日本でも“南米のプラダ”と評された「オスクレン(OSKLEN)」や「ヘルコビッチ・アレキサンドレ(HERCHCOVITCH ALEXANDRE)」の店がオープンしたり、「メリッサ(MELISSA)」や「ハワイアナス(HAVAIANAS)」などのシューズブランド、ビーチウエアやファッション雑貨がセレクトショップなどで輸入されたりしたが、コロナ禍あり、またブラジル政情のアップダウンあり、スローダウンのシーズンが続いていた。ただ、ここ数年は特にグローバルサウス、そしてBRICS諸国全体のGDP成長は堅調で、国際的なプレゼンスは上がっており、ブラジルファッションへの追い風も期待できそうだ。

ちなみに今年は日本とブラジル国交樹立も130周年。位置的には地球の反対側にある日本から最も遠い国でありながら、ブラジルにはサンパウロを中心に世界最大の日系人社会があり、今も約270万人(2023年度外務省領事局統計より)が暮らす。日本以外にも、イタリア、ドイツ、スペイン、そしてポルトガル植民地時代に奴隷として移住したアフリカなど、ブラジルには多様な人種が住まい、固有の文化を作ってきた。今季のファッション・ウイークではブラジル北部の手仕事や自然原料を使ったデザインも多く、ファッション産業の未来を見据えたサステナブルなディレクションも多く見られた。

「ヘルコビッチ・アレキサンドレ」

ブラジルといえばリオ・デ・ジャネイロのビーチやトロピカルなジャングルを思い浮かべる一般的なイメージを覆す、パンキッシュで都会的なブラジリアン・モードを発信してきた「ヘルコビッチ・アレキサンドレ」。1994年のデビューからSPFWの歴史と共にファッション業界を牽引し、パリ、ロンドン、ニューヨークのコレションにも参加した実力派だ。この11月にはサンパウロ市内の高級ショッピング街に10年ぶりに路面店もオープンした。

今季は発表の場所としてサンパウロ市内の劇場を選び、イブニングやフォーマルなスタイルを中心にしたコレクションを発表。ジッパーづかいやフードディティールを随所に散りばめ、ヘルコビッチらしいミスマッチでクールなラインアップに仕上げた。序盤はタンクトップやシャツにワークウエアのディティールを添えたカジュアルスタイルから始まり、コルセットのように構築的に仕立てたギンガムチェックのボディスやジャケット、そして後半は光沢感のあるタフタやモアレ紋様のグログラン、パラシュートのような軽量感のある素材で仕立てたドレスやスーチングなど、フォーマルなルックへと続く。カラーパレットはブラックやベージュなど都会的なカラーをベースに、ヴィヴィッドなピンクやブルーが際立った。

「ハンドレッド」

今、ブラジルで最も人気のあるプランドのひとつ「ハンドレッド(HANDRED)」。デザイナーのアンドレ・ナミタラ(Andre Namitala)はリオ・デ・ジャネイロの現代的なライフスタイルをインスピレーションにし、初めはメンズブランドとして立ち上げ、現在路面店はリオのほかサンパウロにもある。

“ダンス”をテーマとした今季はブラジルのコーヒー王として知られる実業家カルロス・レオンシオ・デ・マガリャエスの元邸宅で、瀟酒な雰囲気のテラスをロケーションとした。オープニングにはシャンパンタワーが設えられ、トランスジェンダーのシンガーによる熱唱とともにショーが始まった。序盤はサンドベージュやチョコレートブラウンを基調とした落ち着いたトーンのカラーパレットによるルックが続き、抽象画のようなプリント、シルクサテンやビーズ、スパンコール使いによる煌めき、そしてエンボス加工されたレザーのアイテムなどでアクセントを加えた。透け感のあるオーガンジー素材のトップスやドレス、深いVゾーンで強調した胸元など、センシュアルなスタイリングも見どころ。要所でエイジドモデルも起用し、ブラジル人のインクルーシブで多様な美しさも表現された。

「カタリーナ・ミナ」

「カタリーナ・ミナ(KATARINA MINA)」はブラジルでは最も貧しい地域でもある北東部のハンドクラフトの伝統的な技法を保護し、アルチザンたちへ還元するというサスティナブルなコンセプトで2015年に設立されたブランド。創始者のセリーナ・ヒッサを中心にリサーチを行い、現在では約1000人のアルチザンたちが主にクロッシェ編の技法を駆使したバッグやアパレルのプロダクトを生産している。製品にはそれぞれバーコードが記されたカードが添えられており、生産者のプロフィールや背景などをエンドユーザーへ伝える努力をしている。

今シーズンはブラジルで“生命の木”として知られるカルナバ・ヤシをテーマに、ヤシの葉も素材に取り入れながら、シルクやリネン、ラミー、コットンなど自然素材を中心に使いながら40以上のルックにまとめた。ハンドクラフトの技法としては、クロシェに加え、ボビンレースやリシシュー刺しゅうといった手の込んだ技術も駆使されている。デザインやパターンはリラックスしたシルエットのミニマルなもので、クロシェやレース素材の合間から見え隠れする素肌感がルックのポイントに。足元はフェアトレードのコンセプトで知られるフランスのブランド「ヴェジャ(VEJA)」とコラボレーションしたスニーカーを合わせた。

「レアンドロ・カストロ」

 

サンパウロファッションウィークへの参加は2回目となるニューカマーの「レアンドロ・カストロ(LEANDRO CASTRO)」。エコロジカルな素材を使いながら、エッジでモード感の高いデザインのコレクションを作ってきた。

今季はブラジル北部にあるパラ州のサンタレンへ赴き、コレクションの構想を練った。ここはアマゾン川とタパジョーズ川の合流地点にあり、アマゾン地域の交通と交易の拠点として栄えてきた場所。ブラジルの大御所デザイナー、ウォーター・ロドリゲス(Walter Rodrigues)がキュレーションする中小企業支援のプログラム「セブラエ」のサポートも受けながらこの地域でリサーチを行い、ラテックスや木材、種子などの自然原料をコレクションに取り入れた。

白や赤などのカラーコンタクトレンズを入れてまるでエイリアンのような風貌のモデルたちが着用したのは、オーバーサイズに仕立てたラテックス素材のTシャツドレスや、お椀状の木の実の殻やコースターのような円盤状の木をつなげた彫刻的なシルエットのルックスでどこかフューチャリスティックでもある。全体的に緊張感のあるムードで黒を基調にしながら、中盤に登場するミリタリー調のグリーン、可憐なローズピンクやホワイトのセットアップがソフトなムードを加味している。フィナーレはスタンディングオベーションで、新たなブラジルのスター誕生、といった盛り上がりだった。

「アミール・スラマ」

1993年、「ロザ・チャ(ROSA CHA)」というブランドを創設し、“ブラジリアンビキニの帝王”と言われるくらいビーチウェアの分野で世界的な人気を博し、SPFWを盛り上げてきた「アミール・スラマ(AMIR SLAMA)」。2009年に「ロザ・チャ」のトップからは退き、以降は自らの名前を冠したブランドでコレクションを続けている。

コレクションはランジェリーのディティールやコルセットのデザインを取り入れたモノトーンのセクシーなビキニのラインアップから始まり、レッドやイエローなどヴィヴィッドなカラーブロッキングの80年代調のスポーティなセットアップやラウンジウエアへと続く。TシャツをカットアウトしたようなDIY風のデザインやトロピカルなモチーフを大胆にプリントしたカフタン、カラフルなストーンを使ったストラップやフリンジのディティール、クロッシェや刺しゅうなどハンドクラフトが凝らされたパレオ……続々と登場するブラジルらしいデザインの数々は、さながらカーニバルのパレードを見ているかのような賑やかさだった。

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「ヴィクトリア ベッカム」2026年プレ・フォール・コレクション

「ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)」が2026年プレ・フォール・コレクションを発表した。

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AIでメディアはどう変わる?

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月24日号からの抜粋です)

村上:夏以降、検索にAIを使う人が増えて検索流入が減少するなど、われわれのサイトも影響を受けつつ、翻訳や文字起こしにはAIを活用していて、僕自身の働き方も影響を受けています。この先、メディアはどうなっていくのか。毎年恒例のメディア特集ですが、今回はAIの影響にフォーカスしました。

佐藤:最近、海外ブランドを取材すると「エモーションを作り出す」「今ここで体験することの価値」とよく聞くのですが、AIの影響を見据えているのでしょう。AIには作れない価値をメディアがどう作っているのか、興味がありました。村上さんは何が一番印象に残りましたか?

村上:「WWDJAPAN」のクリエイティブ・ディレクターとしてAIエージェントに表紙作りを依頼しましたが、会話では長らく一緒に働いてきたからこそ出てきそうな固有名詞などを操り、相談の咀嚼力と意味付け力に驚くとともに、代替案もすさまじい速さで出してくることに、「この後、人間は何ができるのか?」と考えざるを得ませんでした。

「イマジナリーリープ」こそ“人”ならでは

佐藤:AIエージェントの生成プラットフォームを提供してくれたオーセンティックエーアイの上田徹代表の「最後は選ぶ人のセンスですよね」という言葉が印象的でした。

村上:生成した200〜300枚から取捨選択して数パターンを発展させ、最終的に1つを選ぶ並行処理能力が求められます。そして、無数のアイデアから1つに収れんさせる思いの強さが重要です。センスと思いの源泉、並行処理能力こそ、これからの人間力になるのかもしれません。

佐藤:僕は今回、ヒューマン・インテリジェンス(HI)について、各誌編集長のアンケートをまとめましたが、「その人にしかない視点で、愛を持って何かについて語ること」に、これからのメディアの生きる道があると改めて感じました。最近「イマジナリーリープ」という言葉が気になっています。一見つながりが見えないものに想像的に関連性を見いだし、それをつなぐことができるのは“人”ならではだと感じています。

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ミキモトの社長が交代 新社長に橋本靖彦氏が昇格、中西伸一・前社長は会長に

ミキモト(MIKIMOTO)は11月27日、役員人事を発表した。新社長には、常務取締役の橋本靖彦氏が昇格。橋本新社長は1967年東京都生まれ。明治学院大学経済学部を卒業後91年、ミキモトに入社。マーケティング本部長、営業本部長兼本店長などの要職を務めた後、19年常務取締役に就任。19年から同社を率いた中西伸一前社長は会長に就任した。

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花王が“姿勢のゆがみ”に着目したアプリ開発、インソール発売 健康課題をサポートするD2Cブランド第1弾

花王はこのほど、現代の生活者が抱える健康課題をサポートするD2Cブランド「花王ライフケア研究所」を立ち上げた。第1弾では、“姿勢のゆがみ”に着目した無料アプリの配信と補正インソール(3タイプ、各1万500円)を発売する。28日まで渋谷モディのエントランスで体験イベントを実施しており、認知拡大を図る。

「花王ライフケア研究所」は、花王が長年に取り組んできた健康領域の研究知見をデジタル体験を通じて生活者に届けるブランドとして実装する。花王は140年以上にわたり消費者の暮らしを観察し、日常的な不調を起点に技術開発を重ねてきた。本松達朗 花王 ビジネスコネクティッド部門 ライフケア事業開発部 総合ライフケア事業グループ ブランドマネジャーは、「研究から生まれた知見を、もっと生活者にとって行動しやすい形で提供したい」と話す。

その一環として開発したのが、現代人の悩みとして増加傾向にある“姿勢のゆがみ”に着目したアプリ“マイシンメトリー(my Symmetry)”だ。同アプリは、乳幼児から高齢者まで約2万人分の歩行データをもとに開発した独自アルゴリズムを採用。この歩行研究は、もともとオムツ「メリーズ」の履き心地研究が起点となり、歩行動作の解析へと発展した。

ユーザーはスマートフォンをお腹に当てて8歩歩くだけで、骨盤のゆがみ、股関節・膝・足首の動作など6項目を解析できる。結果に応じて約300種類のエクササイズから最適な内容を提示するほか、5回の測定結果を踏まえて、同社が新開発した専用インソールも提案する。

同社が初めて開発したインソール“ザコア(THE CORE)”は、足元の状態を適切な形に整えるハーフ形状で、土踏まずのアーチやかかとの軸を補整する。ゆがみタイプに応じてアーチおよびヒール形状の異なる3種類を揃え、価格は各1万500円。スニーカーなどフィット感を調整しやすい靴での使用を想定した。

ターゲットは20〜50代だが、事前ヒアリングではとくに20〜30代女性の反応が良かったという。健康意識は高まる一方で、実際に行動まで移す層は限られる。本松ブランドマネジャーは「まずは自身の体の状態に気づいてもらう機会をつくり、行動のハードルを下げたい」としており、今後第2弾、第3弾の製品展開も計画する。

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ヒューマンメイド松沼CEO「日本発のカルチャーを永続させるための挑戦」 上場の狙いを語る

27日に東証グロース市場に上場したHUMAN MADE(ヒューマンメイド)の松沼礼CEOは、初日の取引終了後に記者会見し、「今回の上場は、日本発のカルチャーを永続せせるための壮大なチャレンジだ」と抱負を述べた。この日は公開価格3130円を9.9%上回る3440円の初値を付けた。終値は3445円で、時価総額は約812億円になった。

同社はアパレル企業の枠組みに収まらないビジネスモデルを掲げる。創業者でクリエイティブディレクターのNIGO®、アドバイザー契約を結ぶファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)、パートナーシップ契約を結ぶVERDYとKAWSらが中核となり、ファッションとライフスタイルで実験的な試みを広げていく。松沼CEOは「(社名の通り)人間のひらめきと人の手から生まれるカルチャーの芽を、マンガ、アニメ、ゲームに並ぶクリエイティブ産業に育てる会社。自社をそう定義している」と説明した。

株式上場で集めた資金は、国内外での出店拡大やM&Aなどの成長投資に充てる。国内では既存直営店の4倍の面積の旗艦店を26年夏に原宿、27年夏に梅田に出す予定だ。海外では2年以内に現地法人を設立し、アジアや欧米での出店拡大にアクセルを踏む。

松沼CEOは創業者のNIGO®について「一緒に仕事をして感じるのは、独自の真善美で本質を見抜く力が卓越していること。それを多くの人に届ける編集力も持ち合わせる」と信頼を寄せる。一方でNIGO®一人のクリエイションに依存するのではなく、新しい才能にも積極的にアプローチすることの重要性を説いた。親和性の高いクリエイターやIP(知的財産権)の獲得、あるいは企業のM&Aに投資していく。

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ヒューマンメイド松沼CEO「日本発のカルチャーを永続させるための挑戦」 上場の狙いを語る

27日に東証グロース市場に上場したHUMAN MADE(ヒューマンメイド)の松沼礼CEOは、初日の取引終了後に記者会見し、「今回の上場は、日本発のカルチャーを永続せせるための壮大なチャレンジだ」と抱負を述べた。この日は公開価格3130円を9.9%上回る3440円の初値を付けた。終値は3445円で、時価総額は約812億円になった。

同社はアパレル企業の枠組みに収まらないビジネスモデルを掲げる。創業者でクリエイティブディレクターのNIGO®、アドバイザー契約を結ぶファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)、パートナーシップ契約を結ぶVERDYとKAWSらが中核となり、ファッションとライフスタイルで実験的な試みを広げていく。松沼CEOは「(社名の通り)人間のひらめきと人の手から生まれるカルチャーの芽を、マンガ、アニメ、ゲームに並ぶクリエイティブ産業に育てる会社。自社をそう定義している」と説明した。

株式上場で集めた資金は、国内外での出店拡大やM&Aなどの成長投資に充てる。国内では既存直営店の4倍の面積の旗艦店を26年夏に原宿、27年夏に梅田に出す予定だ。海外では2年以内に現地法人を設立し、アジアや欧米での出店拡大にアクセルを踏む。

松沼CEOは創業者のNIGO®について「一緒に仕事をして感じるのは、独自の真善美で本質を見抜く力が卓越していること。それを多くの人に届ける編集力も持ち合わせる」と信頼を寄せる。一方でNIGO®一人のクリエイションに依存するのではなく、新しい才能にも積極的にアプローチすることの重要性を説いた。親和性の高いクリエイターやIP(知的財産権)の獲得、あるいは企業のM&Aに投資していく。

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髪と頭皮の悩みを“全方位ケア” 「ケラスターゼ」の最高峰サロントリートメントを体験

秋冬は気温と湿度の低下により、髪の水分保持力がぐっと下がり、パサつきや広がりが出やすくなります。また夏に受けた紫外線ダメージや皮脂詰まりが秋口に表面化し、手触りの悪さや艶の低下を感じる人も増えてきます。加えて、熱いシャワーや暖房による乾燥で頭皮のバリア機能も乱れがちです。こうした複合的な要因が重なる季節こそ、髪と頭皮を集中的にいたわるプロのケアが力を発揮します。

サロン専売ヘアケアブランド「ケラスターゼ(KERASTASE)」は今年、“五感を満たす、贅なるヘアエステ”として、最高峰トリートメント“クロノロジスト キャビア リチュアル ノアール”の処方とマッサージ法、パッケージをリニューアルしました。髪と頭皮の乾燥悩みが深まる季節に、同メニューを導入するトニーアンドガイ(TONI&GUY)青山店で体験してきました。

「ケラスターゼ」“クロノロジスト”とは?

“クロノロジスト”は、スキンケア発想で頭皮と毛髪を総合的にケアする、「ケラスターゼ」の最高峰シリーズ。今回体験した“キャビア リチュアル ノアール”は、そんな“クロノロジスト”がサロン限定で展開するラグジュアリーなトリートメントです。

同トリートメントは、「ケラスターゼ」を展開するロレアル(L’OREAL)独自の有用成分プロキシレン(ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラントリオール)を同ブランドにおいて初めてヘアケアに応用し、エイジングサインにアプローチするのが特徴。シーケルプエキスが健やかな頭皮環境へ導き、ヒアルロン酸が頭皮を保湿し潤いのある髪を目指します。さらにビタミンEが紫外線や乾燥、摩擦などの外的要因によりダメージを受けた頭皮をサポートし、ハリ・コシのある毛髪へ。艶、ダメージ補修、髪・頭皮の潤い、ハリ・コシ、健やかな頭皮環境、エイジングケア、まとまりといった多角的な効果にアプローチし、“全方位美髪ケア”としてさまざまな髪タイプにおすすめです。

トニーアンドガイ青山店では“クロノロジストキャビアトリートメント”というメニュー名で提供しており、施術は約60〜90分で価格は1万7600円です。2万2000円でメンバーズに入会でき、入会すると特別価格9350円で施術を受けられます(※入会から2年間、最大7回まで)。スタッフの方によると、メンバーズ会員のリピート施術が最も多いそうです。

“クロノロジスト”はまた、ホームケア製品としてスカルプ&ヘアシャンプー“バン クロノロジスト R”(250mL、5830円)、スカルプ&ヘアトリートメント“マスク クロノロジスト R”(200g、1万3200円)、洗い流さないヘアトリートメント“クロノロジスト テルミック”(150mL、8030円)、ヘアオイル“ユイル クロノロジストN”(75mL、8580円)を展開しています。サロンケア後は、同シリーズのホームケア製品を組み合わせることで、仕上がりの持続性や浸透力、頭皮環境の安定が期待できるそうです。

キャビアのようなトリートメントを目の前で調合

今回施術を担当してくれたのは、トニーアンドガイ青山店スタイリストの東愛望さんです。髪と頭皮の状態、髪質などを見てもらい、施術がスタート。パワーアップした“キャビア リチュアル ノアール”のラグジュアリー感のあるボックスが、見た目から非日常感を演出します。

毎回お客さまの目の前で“クロノキャビア R”を専用ツールでつぶし、“マスク ノアール”と調合するそうです。一つ一つの丁寧なステップは、ラグジュアリーそのもの。シャンプー台へ移動し、“バン クロノロジスト R”をよく泡立て、頭皮をしっかりと洗浄します。調合したトリートメントは、半分を頭皮に塗布しスチームを当てながら、東洋医学に着想を得た新しいメソッドでマッサージをします。スチームを当てる手法は、トニーアンドガイ独自のものです。温かい水蒸気によってキューティクルが緩むことで、トリートメント成分の均一な浸透や定着の向上が期待できます。また頭皮の血管が広がり、酸素・栄養が届きやすくなるほか、コリがほぐれやすくなるそうです。

トリートメントの残り半分を毛髪に塗布し、なじませます。毛髪全体をコーティングした後、キューティクルを整えるようにマッサージを行います。温かいスチームを当てながらの施術は、深いリラクゼーションへと導いてくれました。また“クロノロジスト”共通のフローラルシプレーの上品で高貴な香りに包み込まれ、心地よい時間でした。

艶と潤いをまとった仕上がりに

トリートメントを流したら、ヘアオイル“ユイル クロノロジストN”を塗布して乾かします。毛先から半分ほどはブリーチに黒染めを重ねているためパサつきとダメージが目立ち、毛量も多いためゴワつくのが悩みなのですが、ドライ後の髪の毛を触ってみると柔らかくサラサラで、まとまりとしっとり感が増して驚きました。ビフォーが巻いた状態だったので、比較のため仕上げにも巻いてもらいましたが、アフターはカールのリッチが際立ち髪に艶や潤いも感じられ、より健康的な印象に。フローラルシプレーの香りは持続性があり、施術後も一日香りに包まれて過ごしました。

一年の締めくくりに、サロンでのラグジュアリーなトリートメントで髪と頭皮をケアし、深いリラクゼーションに浸ってみてはいかがでしょうか。艶やかな髪と澄んだ心で、新しい年を迎えられそうです。

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NHK夜ドラ主演で注目の俳優・木竜麻生が語る“俳優としての現在地” 「私にしか歩けない道」を選び続ける覚悟

2025年10月、俳優・木竜麻生への注目が高まった。主要キャストとして出演した映画「秒速5センチメートル」と「見はらし世代」が同日に公開され、NHKの夜ドラ「いつか、無重力の宙で」では主演を務めた。

割り切れない、言葉にできない、曖昧で揺れ動く感情を表現し、観客に体感させることができる彼女の演技は、コンピューターでは決してプログラミングできない、俳優が演じることの醍醐味に溢れている。

この演技はどうやって生まれているのか? 「秒速5センチメートル」の水野理沙役を軸に質問を重ねた結果、彼女の演技が作り手と観客、どちらからも信頼される理由が分かるインタビューとなった。

「私にしか歩けない道を歩きたい」

——あるニュースメディアで配信されていた木竜さんのインタビューに、要約すると「自分は昔からいい役者さんだと知っていた。今頃注目するなんて遅い」というコメントがついていて、「その気持ち、分かるわー!」と思いました(笑)。

木竜麻生(以下、木竜):うれしいです!(笑)。

——初めて主演した映画「菊とギロチン」(2018)は、木竜さんが大学3年の時に撮影されて、24歳の時に公開されました。その後、作家性の強い監督の映画を中心に出演し、31歳の秋にいよいよ“注目の人”となったわけですが、同業者と自分を比べて焦ることはありましたか? 早い人は10代から華やかな場所で活躍するお仕事なので。

木竜:最初の頃はありました。(原宿でスカウトの)声をかけてくれた時からずっと横にいてくださっている事務所の方が、「俺にはもう道が見えている。何歳の時には◯◯をやってるから」と自信満々に言うんですけど、それを聞くたびに「えー! 遅っ! あと何年も先じゃないですか!」と言っていて。焦っていたんだと思います。その想定もどんどん先延ばしになっているんですけど(笑)、今はもう“何か”や“誰か”と比べて焦ることはだいぶなくなりました。多分私は、「誰かみたいになりたい」と思ったことが、人生で実はそこまでないんだなと思っていて。もちろん、好きな映画や俳優さんの素晴らしい表現に触れると、「どうしたらこんな顔ができるんだ!」と思うことはありますが、じゃあその人になりたいかというと、そうではなくて。私には、「私にしか歩けない道を歩きたい」という欲張りな願望がありまして(笑)。私の歩みは一般的に見るとすごくゆっくりだと思います。作品もちゃんと、“選ぶ”というと偉そうですが、自分がやりたいと思うものをやらせていただいています。瞬間的に「いいな」「それやりたかったな」と羨ましく思う気持ちになることもありますが、そういう時は「私は私にしかできないことをやってるんだ!」と自分を鼓舞したり、「こういうものを積み重ねて、こんなふうになって、いずれこんなことを自分はやりたくて」と、長い時間軸で物事を見たりする。そういうことが、前よりできるようになったかなと思います。

——作品をご自身でちゃんと選ばれているのだろうな、と思っていました。どうやって選んでいますか。

木竜:オーディションも、(指名で)役のお話をいただく時も、自分の中で「面白い」と思えたり、「この人と一緒にお芝居をしてみたい」「この役を自分がやってみたい」と思えるものを選ぶようにしています。変な言い方ですが、自分がちゃんと責任を持てる形で作品に関わる方が、自分が踏ん張れると思うんです。あとで誰かのせいにできる状況ができていると、自分の弱さから、心のどこかで「誰々が『やった方がいい』って言ってたしな」と、自分に言い訳をしてしまいそうで。それが性に合っていないんです。その上で、「この原作です」や「こういう形です」ということに惑わされず、脚本をちゃんと読んで、プロデューサーや監督など、その作品を作りたいと思っている人の話をちゃんと聞いて、自分で選んでいけるようになりたいなと、年々思うようになっています。

——作品の話題性や規模感などに惑わされず、作品の本質を見極めたいということですね。そうやってキャリアを重ねてきて、注目度が高まったことで、木竜さんの意識に変化はありますか?

木竜:作品への取り組み方は始めた頃からあまり変わらないので、たまたま作品が重なったことはありがたいなと思いつつ、だからといって特別盛り上がることはなく(笑)。作品それぞれを今までと同じ目線で見ることができているなと思います。

——カンヌ国際映画祭に参加しても浮かれることなく?

木竜:今回は「見はらし世代」チームの一員として行かせていただいて。世界にはこんなふうに映画があって、映画が好きな人たちがこんなふうにいて、映画を共通言語に街全体でお祭りをしていて。そういうものをチームの皆さんと感じる楽しさがありましたが、どちらかというと自分のことよりも、団塚(唯我)監督に、一番近くで「おめでとうございます」と言えたうれしさが大きかったです。だから意外と浮き足立つことなく、自分がこれからも映画に関わっていく上で、「映画が好きだ」という純粋な気持ちを忘れずにいたいなと改めて思いました。

ドラマの醍醐味を教えてくれたのは宮藤官九郎

——14歳の時にスカウトされた当時は「俳優になりたい」「お芝居をやりたい」とは思っていなかったとか。「映画が好きだ」という気持ちは、どのように育まれていったのでしょうか。

木竜:上京してお仕事を始めると、いろいろな方が「この映画面白いよ」「どこどこでやってるから見た方がいいよ」と教えてくれて、映画館に観に行くようになりました。映画の現場で、映画が好きで、映画を作ることに全力を注いでいる人たちに触れたからというのもあると思います。自分が映画を作る側に関わりながら、観客にもなっていって、徐々に好きになっていったのだと思います。

——「木竜さんが好きな映画は?」と聞かれたら?

木竜:好きなものを聞かれて答えるの、いつもちょっと恥ずかしいです。いろいろバレる感じがして。

——分かります。本棚を見られる、とかも。

木竜:本棚はめちゃくちゃ恥ずかしいです!(笑)。定期的に見返す映画は、ヤスミン・アフマド監督の「タレンタイム」です。すごく好きで、アンコール上映があると、その都度映画館に観に行きました。多民族国家のマレーシア映画で、いろいろなルーツを持つ学生たちのお話です。監督の優しい眼差しに感動して、映画館で1人でジンワリ泣いて、立てなくて。すごく優しいものを見せてもらって、「こんなことが映画でできるんだ!」と感動したのを覚えています。

——好きなドラマはありますか?

木竜:小中高とものすごいテレビっ子で、宮藤官九郎さんのドラマは全部見ました。次の週を楽しみに待つという、ドラマの醍醐味を教えてくれたのは宮藤さんの作品だと思います。「タイガー&ドラゴン」「流星の絆」「木更津キャッツアイ」「池袋ウエストゲートパーク」はDVD-BOXを持ってます! 宮藤さんの作品は、当時はただただ面白くて笑いながら見ていたのですが、年齢や経験を重ねてから見返してみると、「こんなに人のおかしみや哀しみ、人生の切なさを描いていたんだ……」と気付くようになりました。

役に対する疑問は
嘘がないところまで準備をする

——木竜さんの演技を見ていると、「このキャラクターは、今、本当にそう思っているんだろうな」と感じるんです。

木竜:うれしい! めちゃめちゃうれしいです!!

——木竜さんの動きや表情に作為がないから、そのキャラクターの気持ちがノイズなしに入ってきます。その瞬間の感情を既存の型や言葉にはめずに、人間の感情の曖昧さや揺れをそのまま表現しているというか。そういう演技ができるのはなぜなのでしょう。

木竜:うわー、鳥肌が立ちました。うれしいです。実際にどれだけできているかは分からないんですけど、役が話していることや、役が起こす行動に対して、嘘をつきたくないという感覚がすごくあります。私があまり器用ではないので、そう思っていない時は、そのまま思っていない顔になるんですよね(笑)。事務所の方に一回指摘されて、「あ! そうなんだ!」と。

——バレた、というか気付かされた。

木竜:はい。指摘されたことに対して、「確かにあそこは、自分の中で落ち切らないまま言葉を発してしまったかもしれない」と思い当たるところがあって。それもあって、「どうしてこれを伝えたんだろう」とか、逆に「どうしてこれを伝えなかったんだろう」という役に対する疑問は、嘘がないところまで準備をするようにしています。

——どんな準備をしますか? 「秒速5センチメートル」で演じた理沙でいうと、遠野(松村北斗)に謝られた理沙が「遅いよ」と突き放した後に、うれしそうに「でもありがとう」と言う。あの表情も台詞の言い方も素晴らしくて……! あれは、準備をした上で、現場で松村さんと演技を交わす中で、より生々しい感情が発露するのでしょうか。

木竜:そこまでちゃんと計算はできていないんですけど、その人の内側がどんなふうに動いているか、その人にどんなリズムが流れているか、なるべく丁寧に準備して、感情を、フラスコから水が溢れる寸前のような状態にしておかなければいけないと思っています。台本があるので、松村さんが演じる遠野から何を言われるかはどうしたって分かっているんですけど、やることを決めてはいかないです。何が起きても受け取れる余白を残しておきます。そして、現場では相手のお芝居をちゃんと聞いて、ちゃんと受けるようにしています。

——そこで生まれたものを観客に伝えるために、台詞の練習もものすごくしていますよね……?

木竜:はい。「練習している」と自分で言うのは恥ずかしいですけど(笑)。

——なぜそう思ったかというと、木竜さんが言う台詞は、自然なのに全てちゃんと入ってくるんです。聞き取れない言葉がない。その場しのぎではなく、独りよがりでもない。準備段階で自分に染み込ませているから、相手のお芝居にリアクションしながら微調整できるのではないかなと。

木竜:うわー、うれしいです。声に関しては、お芝居を始めたばかりの頃に、いろいろな方に注意していただいたきました。芝居をしているその空間で相手に聞こえていても、映画を見ているお客さんに聞こえなければ伝わらないので、普段の話し方とは違うんですよね。本当に話しているみたいなんだけど、あくまで作品の中での声の出し方、伝え方みたいなことを、今も絶賛修行中です。「見はらし世代」も「秒速5センチメートル」も、自分の身近な人との会話のトーンを作りたいという意図が作品にあったので、そこに合わせた話し方ですが、台詞がお客さんに聞こえないという状況にはしたくなくて。だから台詞に関しては、台本を開いて役の声を出した瞬間に、「あ、違う」「これも違う」という試行錯誤をめちゃめちゃやってます。家で、独りで(笑)。

——自分の声の録音はしますか?

木竜:していません。今後は聞こえ方も意識したいと思っていますが、今は、普段の自分がしゃべる感覚で、役としてもしゃべれるようになりたいという段階です。役の台詞を、自分が本当のことをしゃべっているように言いたいんです。だからいつも、「うーーー」「音がーーーー!」「声が見つからない!」と悶えています(笑)。それはまだ準備としては「0」か「1」くらいの段階なんですけど、そこをサボると土台がグラグラなので、そこから「2」「3」「4」とどれだけ足しても厚みのあるものにならない気がしていて。それが全部映画に直結することなので、「0」や「1」の準備こそきちんとやらなければいけないと、自分で自分のお尻を叩いています(笑)。

「秒速5センチメートル」の
理佐を演じて

——役へのアプローチとして、自分の経験値を役に注ぐ方法と、役を通して経験しながらリアクションしていく方法がざっくりあるとして、木竜さんはどのようにアプローチしていますか?

木竜:お仕事を始めたばかりの時は、自分の中から出す方法しかやれなかったですし、そういうものだと思っていました。でも、いろいろな役をやらせていただいたり、触れる機会が増えたりすると、「ん? その感情の経路は前にもやってないか?」という疑いを、自分に対して持つようになってきたんです。監督やプロデューサーに何か言われたわけでもなく、勝手に。

——自分の感情のパターンや癖、バリエーションを疑うようになった。

木竜:そう思い始めてからは、役と自分を重ねるというよりは、役の横を歩く感覚もありつつ、役を正面から見るようになっていきました。役へのアプローチの仕方を私は一つに絞れていませんが、毎回思っているのは、「自分が自分の役を誰よりも一番好きでいよう」ということ。作品全体のことを誰よりも分かっている監督と、自分の役についてだけは、対等に話せるところまでは必ずいきたいです。「秒速〜」の時は、奥山(由之)監督が、「皆さん、自分の役に、何か一つ個人的なものを持ち込んでください」とおっしゃったんです。奥山さんがみんなを信じようとしていることを感じてうれしかったですし、いつもと違うアプローチができることにワクワクしました。

——理紗に持ち込んだ木竜さんの“個人的なもの”とは。

木竜:多分それは理紗の性質のほとんどを占めているような気がするんですけど、人の思っていることや感じていることを肌感覚で分かってしまう瞬間があって。分かった上で、遠野を傷つけたいわけでも突き放したいわけでもなく、自分のことも大事にしようとしたから選んだ言動があった気がします。私も「この人は今こう感じているだろうな」ということに対して、基本的には自分をフィットさせてしまうタイプなんですけど、ある一定ラインからは、自分のことを完全に大事にしようと思っていて。理紗が最終的には自分のことを大事にできたところは、私がそういう自分でありたいという理想を、理紗ちゃんにやってもらったという感じです。それは、水野理沙という人間の内側に通せるものだと思いましたし、遠野との関係性的にも、自分で自分のことを肯定して自己受容するというのは、やっている子じゃないかなと思っていました。

——だからこその、「遅いよ」と「でもありがとう」ですよね。

木竜:理紗は、遠野が向き合ってくれて、死ぬほどうれしかったと思うんですよね。それと同時に、「今だったんだ……」という思いもあって。「でもありがとう」という言葉は、あの時の、何にも優った素直な気持ちだったような気がします。本音を忍ばせて遠野さんをチクチク刺すのではなく、理紗ちゃんが正面切って「遅いよ」と言えたのが良かったです。「笑いながら遠野さんに悪態つけたね」って。

——松村さんの演技を受けてそうなったのでしょうか。

木竜:脚本を読んでいる時も、実際に松村さんのお芝居を見ても、怒りや悲しみの感情で言うのはあまりイメージできなかったんです。あそこはある種の“希望”が詰まっているシーンだなと私は勝手に思っていたので。忘れられないものがある人が、忘れられない自分自身に向き合って、心情が変化して、また人と関わるという希望。そういうふうに2人を見てもらえたらいいな、観ている人にも光が差したように感じてもらえたらいいなと思っていました。

これまでのキャリアを振り返って

——木竜さんのこれまでのキャリアを振り返って、一番うれしかったことと、悔しかったことを教えてください。

木竜:家族が作品を映画館で見てくれて、感想を話してくれるのは毎回うれしいです。もちろん観客の方に見ていただくのはどれもすべからくうれしいんですけど、やはり両親や兄から「見た」と言われると、毎回心の底から「ありがとう」という気持ちが湧きます。両親は、演技をしている私を娘として見ないんです。役として、作品として見て、すごく素直な感想をくれるのが毎回うれしいです。「鈴木家の嘘」(18)のキネマ旬報の授賞式に、プロデューサーの方が家族を招待してくれて、両親と兄から私へのお祝いコメントをこっそり撮って、それを編集してくださったんです。自分が東京で働き始めてから出会った人と、自分が生まれた時からずっとそばにいてくれた人たちが、うれしすぎる交わり方をしていて、愛でしかないなって……。「一生宝物にするぞこれは」と思いながら、動画をいただいた覚えがあります。

——見返しますか?

木竜:たまにします! なんでもない時にも見ますし、「鈴木家の嘘」の話題になって、当時のあれこれがわーっと蘇った時にも見ます。それとはまた別に、プロデューサーの方が打ち上げで上映するために作ってくれた、撮影当時のメイキング集もあって。そういう映像を見返すと、パワーがチャージされる感覚があります。

——では、悔しかったことは? あの悔しさがあるから、今がある、というような。

木竜:今はあまり思っていませんが、「菊とギロチン」が終わって数年間は、悔しいと感じる時がありました。その日その日にいっぱいいっぱいで、「もっとやれたんじゃないだろうか」、「あの時にああできていたら」と。撮影直後は事務所の方に「もう映画には出られないと思う」とお話しするほど落ち込んでいましたが、今思うと、あれ以上でもあれ以下でもなく、あれがあの時の私の花菊(※役名)だったと思いますし、出来上がった「菊とギロチン」というものを私はちゃんと愛せています。瀬々(敬久)監督やスタッフの皆さんがどれだけ支えてくれていたのかも、年々分かるようになってきています。瀬々さんが違う作品(「とんび」)に呼んでくれた時は、背筋がキュッと伸びながらも沸々と、死ぬほどうれしい気持ちが湧いてきて。どの作品もそうですが、自分が映画に関われているということを、毎回ちゃんと喜べていないといけないなって思います。

——木竜さんが仕事をする上での軸や目標、大切にしていることはありますか?

木竜:このお仕事を始めていなかったら、こんなにも自分のことを見つめることも、自分についてちゃんと考えることもなかったと思うんです。自分のことを拒否しながら、拒否している自分が嫌で、ちゃんと受け入れたいと思ったりもして。そういうことって、他のお仕事でもあるかもしれないんですけど、早い段階からそういうことを続けることができているのは、この仕事をしているからだなと思っていて。私、この仕事を始めるまで、自分が自分のことを嫌っていることに気付いてなくて。

——おお…! 自分のことを嫌いな人は珍しくないですが、自分を嫌っていることに気付いていなかった自分に気付いた人は珍しい気がします。

木竜:はい(笑)。お芝居に触れたことで、「私、自分のこと全然好きになれてないんだな」と気付いたところがあって。このままでは他の人のことを好きになれないし、他の人を愛せないし、他の人と優しくし合うことができないんだなということも感じて。自分を見つめることで、ただ落ち込んでネガティブになるのではなく、反省を学びに変えていくというマインドセットは前よりできるようになってきたので、それは変わらず続けていきたいです。私は自分にも人にも優しくありたいという気持ちがすごくあって。映画も、いろいろな作品がありますが、自分が「面白い」「好き」と感じる映画には、私は優しさを感じている気がしていて。だから、人にも、起きている出来事にも、自分の手を伸ばせる範囲の人たちには、私のできる限りで優しくしたいし、そのために嘘をつきたくないし。特にお芝居をする時は、いつもありのままの自分からスタートできるようにしておきたいなと思っています。それはもしかしたら作品だけでなく、どんなお仕事でも大事に持っているところかもしれません。

PHOTOS:MASASHI URA
STYLING:TAKAFUMI KAWASAKI
HAIR & MAKEUP:RYO

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NHK夜ドラ主演で注目の俳優・木竜麻生が語る“俳優としての現在地” 「私にしか歩けない道」を選び続ける覚悟

2025年10月、俳優・木竜麻生への注目が高まった。主要キャストとして出演した映画「秒速5センチメートル」と「見はらし世代」が同日に公開され、NHKの夜ドラ「いつか、無重力の宙で」では主演を務めた。

割り切れない、言葉にできない、曖昧で揺れ動く感情を表現し、観客に体感させることができる彼女の演技は、コンピューターでは決してプログラミングできない、俳優が演じることの醍醐味に溢れている。

この演技はどうやって生まれているのか? 「秒速5センチメートル」の水野理沙役を軸に質問を重ねた結果、彼女の演技が作り手と観客、どちらからも信頼される理由が分かるインタビューとなった。

「私にしか歩けない道を歩きたい」

——あるニュースメディアで配信されていた木竜さんのインタビューに、要約すると「自分は昔からいい役者さんだと知っていた。今頃注目するなんて遅い」というコメントがついていて、「その気持ち、分かるわー!」と思いました(笑)。

木竜麻生(以下、木竜):うれしいです!(笑)。

——初めて主演した映画「菊とギロチン」(2018)は、木竜さんが大学3年の時に撮影されて、24歳の時に公開されました。その後、作家性の強い監督の映画を中心に出演し、31歳の秋にいよいよ“注目の人”となったわけですが、同業者と自分を比べて焦ることはありましたか? 早い人は10代から華やかな場所で活躍するお仕事なので。

木竜:最初の頃はありました。(原宿でスカウトの)声をかけてくれた時からずっと横にいてくださっている事務所の方が、「俺にはもう道が見えている。何歳の時には◯◯をやってるから」と自信満々に言うんですけど、それを聞くたびに「えー! 遅っ! あと何年も先じゃないですか!」と言っていて。焦っていたんだと思います。その想定もどんどん先延ばしになっているんですけど(笑)、今はもう“何か”や“誰か”と比べて焦ることはだいぶなくなりました。多分私は、「誰かみたいになりたい」と思ったことが、人生で実はそこまでないんだなと思っていて。もちろん、好きな映画や俳優さんの素晴らしい表現に触れると、「どうしたらこんな顔ができるんだ!」と思うことはありますが、じゃあその人になりたいかというと、そうではなくて。私には、「私にしか歩けない道を歩きたい」という欲張りな願望がありまして(笑)。私の歩みは一般的に見るとすごくゆっくりだと思います。作品もちゃんと、“選ぶ”というと偉そうですが、自分がやりたいと思うものをやらせていただいています。瞬間的に「いいな」「それやりたかったな」と羨ましく思う気持ちになることもありますが、そういう時は「私は私にしかできないことをやってるんだ!」と自分を鼓舞したり、「こういうものを積み重ねて、こんなふうになって、いずれこんなことを自分はやりたくて」と、長い時間軸で物事を見たりする。そういうことが、前よりできるようになったかなと思います。

——作品をご自身でちゃんと選ばれているのだろうな、と思っていました。どうやって選んでいますか。

木竜:オーディションも、(指名で)役のお話をいただく時も、自分の中で「面白い」と思えたり、「この人と一緒にお芝居をしてみたい」「この役を自分がやってみたい」と思えるものを選ぶようにしています。変な言い方ですが、自分がちゃんと責任を持てる形で作品に関わる方が、自分が踏ん張れると思うんです。あとで誰かのせいにできる状況ができていると、自分の弱さから、心のどこかで「誰々が『やった方がいい』って言ってたしな」と、自分に言い訳をしてしまいそうで。それが性に合っていないんです。その上で、「この原作です」や「こういう形です」ということに惑わされず、脚本をちゃんと読んで、プロデューサーや監督など、その作品を作りたいと思っている人の話をちゃんと聞いて、自分で選んでいけるようになりたいなと、年々思うようになっています。

——作品の話題性や規模感などに惑わされず、作品の本質を見極めたいということですね。そうやってキャリアを重ねてきて、注目度が高まったことで、木竜さんの意識に変化はありますか?

木竜:作品への取り組み方は始めた頃からあまり変わらないので、たまたま作品が重なったことはありがたいなと思いつつ、だからといって特別盛り上がることはなく(笑)。作品それぞれを今までと同じ目線で見ることができているなと思います。

——カンヌ国際映画祭に参加しても浮かれることなく?

木竜:今回は「見はらし世代」チームの一員として行かせていただいて。世界にはこんなふうに映画があって、映画が好きな人たちがこんなふうにいて、映画を共通言語に街全体でお祭りをしていて。そういうものをチームの皆さんと感じる楽しさがありましたが、どちらかというと自分のことよりも、団塚(唯我)監督に、一番近くで「おめでとうございます」と言えたうれしさが大きかったです。だから意外と浮き足立つことなく、自分がこれからも映画に関わっていく上で、「映画が好きだ」という純粋な気持ちを忘れずにいたいなと改めて思いました。

ドラマの醍醐味を教えてくれたのは宮藤官九郎

——14歳の時にスカウトされた当時は「俳優になりたい」「お芝居をやりたい」とは思っていなかったとか。「映画が好きだ」という気持ちは、どのように育まれていったのでしょうか。

木竜:上京してお仕事を始めると、いろいろな方が「この映画面白いよ」「どこどこでやってるから見た方がいいよ」と教えてくれて、映画館に観に行くようになりました。映画の現場で、映画が好きで、映画を作ることに全力を注いでいる人たちに触れたからというのもあると思います。自分が映画を作る側に関わりながら、観客にもなっていって、徐々に好きになっていったのだと思います。

——「木竜さんが好きな映画は?」と聞かれたら?

木竜:好きなものを聞かれて答えるの、いつもちょっと恥ずかしいです。いろいろバレる感じがして。

——分かります。本棚を見られる、とかも。

木竜:本棚はめちゃくちゃ恥ずかしいです!(笑)。定期的に見返す映画は、ヤスミン・アフマド監督の「タレンタイム」です。すごく好きで、アンコール上映があると、その都度映画館に観に行きました。多民族国家のマレーシア映画で、いろいろなルーツを持つ学生たちのお話です。監督の優しい眼差しに感動して、映画館で1人でジンワリ泣いて、立てなくて。すごく優しいものを見せてもらって、「こんなことが映画でできるんだ!」と感動したのを覚えています。

——好きなドラマはありますか?

木竜:小中高とものすごいテレビっ子で、宮藤官九郎さんのドラマは全部見ました。次の週を楽しみに待つという、ドラマの醍醐味を教えてくれたのは宮藤さんの作品だと思います。「タイガー&ドラゴン」「流星の絆」「木更津キャッツアイ」「池袋ウエストゲートパーク」はDVD-BOXを持ってます! 宮藤さんの作品は、当時はただただ面白くて笑いながら見ていたのですが、年齢や経験を重ねてから見返してみると、「こんなに人のおかしみや哀しみ、人生の切なさを描いていたんだ……」と気付くようになりました。

役に対する疑問は
嘘がないところまで準備をする

——木竜さんの演技を見ていると、「このキャラクターは、今、本当にそう思っているんだろうな」と感じるんです。

木竜:うれしい! めちゃめちゃうれしいです!!

——木竜さんの動きや表情に作為がないから、そのキャラクターの気持ちがノイズなしに入ってきます。その瞬間の感情を既存の型や言葉にはめずに、人間の感情の曖昧さや揺れをそのまま表現しているというか。そういう演技ができるのはなぜなのでしょう。

木竜:うわー、鳥肌が立ちました。うれしいです。実際にどれだけできているかは分からないんですけど、役が話していることや、役が起こす行動に対して、嘘をつきたくないという感覚がすごくあります。私があまり器用ではないので、そう思っていない時は、そのまま思っていない顔になるんですよね(笑)。事務所の方に一回指摘されて、「あ! そうなんだ!」と。

——バレた、というか気付かされた。

木竜:はい。指摘されたことに対して、「確かにあそこは、自分の中で落ち切らないまま言葉を発してしまったかもしれない」と思い当たるところがあって。それもあって、「どうしてこれを伝えたんだろう」とか、逆に「どうしてこれを伝えなかったんだろう」という役に対する疑問は、嘘がないところまで準備をするようにしています。

——どんな準備をしますか? 「秒速5センチメートル」で演じた理沙でいうと、遠野(松村北斗)に謝られた理沙が「遅いよ」と突き放した後に、うれしそうに「でもありがとう」と言う。あの表情も台詞の言い方も素晴らしくて……! あれは、準備をした上で、現場で松村さんと演技を交わす中で、より生々しい感情が発露するのでしょうか。

木竜:そこまでちゃんと計算はできていないんですけど、その人の内側がどんなふうに動いているか、その人にどんなリズムが流れているか、なるべく丁寧に準備して、感情を、フラスコから水が溢れる寸前のような状態にしておかなければいけないと思っています。台本があるので、松村さんが演じる遠野から何を言われるかはどうしたって分かっているんですけど、やることを決めてはいかないです。何が起きても受け取れる余白を残しておきます。そして、現場では相手のお芝居をちゃんと聞いて、ちゃんと受けるようにしています。

——そこで生まれたものを観客に伝えるために、台詞の練習もものすごくしていますよね……?

木竜:はい。「練習している」と自分で言うのは恥ずかしいですけど(笑)。

——なぜそう思ったかというと、木竜さんが言う台詞は、自然なのに全てちゃんと入ってくるんです。聞き取れない言葉がない。その場しのぎではなく、独りよがりでもない。準備段階で自分に染み込ませているから、相手のお芝居にリアクションしながら微調整できるのではないかなと。

木竜:うわー、うれしいです。声に関しては、お芝居を始めたばかりの頃に、いろいろな方に注意していただいたきました。芝居をしているその空間で相手に聞こえていても、映画を見ているお客さんに聞こえなければ伝わらないので、普段の話し方とは違うんですよね。本当に話しているみたいなんだけど、あくまで作品の中での声の出し方、伝え方みたいなことを、今も絶賛修行中です。「見はらし世代」も「秒速5センチメートル」も、自分の身近な人との会話のトーンを作りたいという意図が作品にあったので、そこに合わせた話し方ですが、台詞がお客さんに聞こえないという状況にはしたくなくて。だから台詞に関しては、台本を開いて役の声を出した瞬間に、「あ、違う」「これも違う」という試行錯誤をめちゃめちゃやってます。家で、独りで(笑)。

——自分の声の録音はしますか?

木竜:していません。今後は聞こえ方も意識したいと思っていますが、今は、普段の自分がしゃべる感覚で、役としてもしゃべれるようになりたいという段階です。役の台詞を、自分が本当のことをしゃべっているように言いたいんです。だからいつも、「うーーー」「音がーーーー!」「声が見つからない!」と悶えています(笑)。それはまだ準備としては「0」か「1」くらいの段階なんですけど、そこをサボると土台がグラグラなので、そこから「2」「3」「4」とどれだけ足しても厚みのあるものにならない気がしていて。それが全部映画に直結することなので、「0」や「1」の準備こそきちんとやらなければいけないと、自分で自分のお尻を叩いています(笑)。

「秒速5センチメートル」の
理佐を演じて

——役へのアプローチとして、自分の経験値を役に注ぐ方法と、役を通して経験しながらリアクションしていく方法がざっくりあるとして、木竜さんはどのようにアプローチしていますか?

木竜:お仕事を始めたばかりの時は、自分の中から出す方法しかやれなかったですし、そういうものだと思っていました。でも、いろいろな役をやらせていただいたり、触れる機会が増えたりすると、「ん? その感情の経路は前にもやってないか?」という疑いを、自分に対して持つようになってきたんです。監督やプロデューサーに何か言われたわけでもなく、勝手に。

——自分の感情のパターンや癖、バリエーションを疑うようになった。

木竜:そう思い始めてからは、役と自分を重ねるというよりは、役の横を歩く感覚もありつつ、役を正面から見るようになっていきました。役へのアプローチの仕方を私は一つに絞れていませんが、毎回思っているのは、「自分が自分の役を誰よりも一番好きでいよう」ということ。作品全体のことを誰よりも分かっている監督と、自分の役についてだけは、対等に話せるところまでは必ずいきたいです。「秒速〜」の時は、奥山(由之)監督が、「皆さん、自分の役に、何か一つ個人的なものを持ち込んでください」とおっしゃったんです。奥山さんがみんなを信じようとしていることを感じてうれしかったですし、いつもと違うアプローチができることにワクワクしました。

——理紗に持ち込んだ木竜さんの“個人的なもの”とは。

木竜:多分それは理紗の性質のほとんどを占めているような気がするんですけど、人の思っていることや感じていることを肌感覚で分かってしまう瞬間があって。分かった上で、遠野を傷つけたいわけでも突き放したいわけでもなく、自分のことも大事にしようとしたから選んだ言動があった気がします。私も「この人は今こう感じているだろうな」ということに対して、基本的には自分をフィットさせてしまうタイプなんですけど、ある一定ラインからは、自分のことを完全に大事にしようと思っていて。理紗が最終的には自分のことを大事にできたところは、私がそういう自分でありたいという理想を、理紗ちゃんにやってもらったという感じです。それは、水野理沙という人間の内側に通せるものだと思いましたし、遠野との関係性的にも、自分で自分のことを肯定して自己受容するというのは、やっている子じゃないかなと思っていました。

——だからこその、「遅いよ」と「でもありがとう」ですよね。

木竜:理紗は、遠野が向き合ってくれて、死ぬほどうれしかったと思うんですよね。それと同時に、「今だったんだ……」という思いもあって。「でもありがとう」という言葉は、あの時の、何にも優った素直な気持ちだったような気がします。本音を忍ばせて遠野さんをチクチク刺すのではなく、理紗ちゃんが正面切って「遅いよ」と言えたのが良かったです。「笑いながら遠野さんに悪態つけたね」って。

——松村さんの演技を受けてそうなったのでしょうか。

木竜:脚本を読んでいる時も、実際に松村さんのお芝居を見ても、怒りや悲しみの感情で言うのはあまりイメージできなかったんです。あそこはある種の“希望”が詰まっているシーンだなと私は勝手に思っていたので。忘れられないものがある人が、忘れられない自分自身に向き合って、心情が変化して、また人と関わるという希望。そういうふうに2人を見てもらえたらいいな、観ている人にも光が差したように感じてもらえたらいいなと思っていました。

これまでのキャリアを振り返って

——木竜さんのこれまでのキャリアを振り返って、一番うれしかったことと、悔しかったことを教えてください。

木竜:家族が作品を映画館で見てくれて、感想を話してくれるのは毎回うれしいです。もちろん観客の方に見ていただくのはどれもすべからくうれしいんですけど、やはり両親や兄から「見た」と言われると、毎回心の底から「ありがとう」という気持ちが湧きます。両親は、演技をしている私を娘として見ないんです。役として、作品として見て、すごく素直な感想をくれるのが毎回うれしいです。「鈴木家の嘘」(18)のキネマ旬報の授賞式に、プロデューサーの方が家族を招待してくれて、両親と兄から私へのお祝いコメントをこっそり撮って、それを編集してくださったんです。自分が東京で働き始めてから出会った人と、自分が生まれた時からずっとそばにいてくれた人たちが、うれしすぎる交わり方をしていて、愛でしかないなって……。「一生宝物にするぞこれは」と思いながら、動画をいただいた覚えがあります。

——見返しますか?

木竜:たまにします! なんでもない時にも見ますし、「鈴木家の嘘」の話題になって、当時のあれこれがわーっと蘇った時にも見ます。それとはまた別に、プロデューサーの方が打ち上げで上映するために作ってくれた、撮影当時のメイキング集もあって。そういう映像を見返すと、パワーがチャージされる感覚があります。

——では、悔しかったことは? あの悔しさがあるから、今がある、というような。

木竜:今はあまり思っていませんが、「菊とギロチン」が終わって数年間は、悔しいと感じる時がありました。その日その日にいっぱいいっぱいで、「もっとやれたんじゃないだろうか」、「あの時にああできていたら」と。撮影直後は事務所の方に「もう映画には出られないと思う」とお話しするほど落ち込んでいましたが、今思うと、あれ以上でもあれ以下でもなく、あれがあの時の私の花菊(※役名)だったと思いますし、出来上がった「菊とギロチン」というものを私はちゃんと愛せています。瀬々(敬久)監督やスタッフの皆さんがどれだけ支えてくれていたのかも、年々分かるようになってきています。瀬々さんが違う作品(「とんび」)に呼んでくれた時は、背筋がキュッと伸びながらも沸々と、死ぬほどうれしい気持ちが湧いてきて。どの作品もそうですが、自分が映画に関われているということを、毎回ちゃんと喜べていないといけないなって思います。

——木竜さんが仕事をする上での軸や目標、大切にしていることはありますか?

木竜:このお仕事を始めていなかったら、こんなにも自分のことを見つめることも、自分についてちゃんと考えることもなかったと思うんです。自分のことを拒否しながら、拒否している自分が嫌で、ちゃんと受け入れたいと思ったりもして。そういうことって、他のお仕事でもあるかもしれないんですけど、早い段階からそういうことを続けることができているのは、この仕事をしているからだなと思っていて。私、この仕事を始めるまで、自分が自分のことを嫌っていることに気付いてなくて。

——おお…! 自分のことを嫌いな人は珍しくないですが、自分を嫌っていることに気付いていなかった自分に気付いた人は珍しい気がします。

木竜:はい(笑)。お芝居に触れたことで、「私、自分のこと全然好きになれてないんだな」と気付いたところがあって。このままでは他の人のことを好きになれないし、他の人を愛せないし、他の人と優しくし合うことができないんだなということも感じて。自分を見つめることで、ただ落ち込んでネガティブになるのではなく、反省を学びに変えていくというマインドセットは前よりできるようになってきたので、それは変わらず続けていきたいです。私は自分にも人にも優しくありたいという気持ちがすごくあって。映画も、いろいろな作品がありますが、自分が「面白い」「好き」と感じる映画には、私は優しさを感じている気がしていて。だから、人にも、起きている出来事にも、自分の手を伸ばせる範囲の人たちには、私のできる限りで優しくしたいし、そのために嘘をつきたくないし。特にお芝居をする時は、いつもありのままの自分からスタートできるようにしておきたいなと思っています。それはもしかしたら作品だけでなく、どんなお仕事でも大事に持っているところかもしれません。

PHOTOS:MASASHI URA
STYLING:TAKAFUMI KAWASAKI
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吉田カバン「POTR」が「ヒステリックグラマー」と初コラボ 描き下ろしの総柄デザイン

吉田カバンは創業90周年を記念して、「ピー・オー・ティー・アール(POTR)」と「ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR)」との初となるコラボレーションコレクションを11月29日に発売する。同コレクションは、国内外の「ポーターストア(PORTER STORE)」(一部店舗を除く)、吉田カバンオフィシャルオンラインストア、「ヒステリックグラマー」全店、公式オンラインストア、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」で販売する。

今回のコラボコレクションでは、バックパック(6万9300円)、トートバッグ(3万9600円)、ロールバッグ(4万4000円)、ショルダーバッグ(4万1800円)、長財布(3万9600円)、財布(2万6400円)を展開。アイテムには、「ヒステリックグラマー」が「ピー・オー・ティー・アール」とのコラボレーションのために描き下ろしたデザインを繊細なタッチで織り込んだオリジナル生地を採用。モノトーンの総柄デザインに仕上げた。内側には「ピー・オー・ティー・アール」を象徴する鮮やかなターコイズブルーを使用している。全てのアイテムに、90周年限定のタグを縫い付けた特別なオリジナル巾着が付属する。

メイン素材は、高密度に織りあげたポリエステルジャカードを採用。日本で古くからジャカード織物を生産している職人が手掛けた立体感のある柄が特徴だ。

アイテム画像

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滝沢眞規子「いつものスキンケアにプラスして」 “土台を整える”「アディトルビューティー」の3品

モデルの滝沢眞規子がプロデュースするコスメブランド「アディトルビューティー(ADDITTLE BEAUTY)」は12月10日、第一弾アイテムとして、朝用フェイスマスク、夜用導入フェイスマスク、拭き取り化粧水シートのスキンケア3品を発売する。11月25日の発表会に登壇した滝沢は「ブランド⽴ち上げが決まってから、丁寧に作ってきたアイテムをようやく皆さまにお披露⽬することができて、うれしい気持ちでいっぱいです」と喜びを語った。

「アディトルビューティー」は、心身の豊かさを追求する生き方を反映した“ウェルビーイングビューティー”を掲げ、カテゴリーにとらわれないアイテムを取りそろえる。ブランド名の“ADD A LITTLE(少し加える)”には、滝沢の「日々の生活を少しでも豊かにできたら」という思いが込められている。

ブランドローンチを飾るスキンケアアイテム3品の共通点は、肌の⼟台づくりに着⽬して開発したこと。滝沢は「⼈⽣も肌もまずは“揺るがない⼟台”が必要だと思います」とし、「基礎化粧品は皆さんお気に⼊りのアイテムがあると思うので、いつものスキンケアにプラスすることで⽇々の⽣活や気分が少しアップデートされるようなアイテムにしたいと思いました」とコメント。香りとパッケージについては「海外のスパに⾏ったときのような⼼地良い⾹りをイメージし、パッケージは飾っておきたくなるデザインを採用しました」とこだわりも明かした。

最後に、今後の商品展開について、「『アディトルビューティー』のアイテムは、特別な⽇のご褒美ではなく、どんな⽇にも⾃然と⼿が伸びるような存在であってほしいと願っています。ブランドとしてカテゴリーにとわられず、『今までありそうでなかった』、『こういうのがあったらいいのに』というアイテムを幅広く展開していきたいです」と発表会を締め括った。

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1980年代のノエビアCMシリーズも 鶴田一郎氏の美人画展を大阪・天保山ギャラリーで無料開催

女性美を象徴的に表わしたイラストレーションが大きな反響を呼んだ1980〜90年代のノエビアCM「コスメティック ルネッサンス」シリーズでおなじみの、画家、鶴田一郎氏による「美人画展」が11月29日から12月14日まで大阪の天保山ギャラリーで行われる。会場には同シリーズの作品のほか、日本画、琳派、熊本の山鹿灯籠祭り、アールデコからポップアートまで幅広い作品を展示するほか、2025年の最新原画も発表する。入場料は無料。

12月13・14日には鶴田氏のサイン会も実施

同展は1993年から定期的に開催している人気の展覧会で、大阪・天保山ギャラリーは鶴田氏の大阪の聖地といわれている。今回は“SKIPPING HEART!”をテーマにさまざまジャンルから選ばれた作品をラインアップ。80年代から90年代に制作された稀少なシルクスクリーン、リトグラフのほか、日本で最初にクッキーを販売した「泉屋」のデザイン缶パッケージの原画“ブレッシングミューズ ゴールド”、2025年の最新原画など約50点を展示。12月13・14日には鶴田氏の作品または作品画集の購入者を対象としたサイン会も実施する。

◼︎鶴田一郎美人画展2025年IN大阪・天保山

日程:11月29日~12月14日
時間:11:00〜16:00
場所:天保山ギャラリー
住所:大阪府大阪市港区海岸通1-1-10 天保山マーケットプレース3階
入場料:無料

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「メイベリン」の“生チョコ質感バームファンデ”にトーンアップをかなえる新2色

「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は2026年1月10日、とろけるような“生チョコ質感”のバームファンデーション“SPステイ クリームパクト ファンデーション”(本体、3993円/リフィル、2992円)から、トーンアップをかなえる新2色を発売する。

同商品は、滑らかなテクスチャーが特徴のファンデーションで、肌に塗布した瞬間に体温でとろけてクリーム状に変化。毛穴や赤み、くすみなどの気になる点をしっかりカバーしながらも、厚塗り感を感じさせない自然な仕上がりを演出する。

既存の4色に加え、今回は自然な明るさで透明感を出す“N01”と、ピンクの血色感を忍ばせる“C05”の2色が仲間入り。肌悩みをカバーながらも自然に溶け込み、厚塗り感なく、滑らかで美しい肌に導く。

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「メイベリン」の“生チョコ質感バームファンデ”にトーンアップをかなえる新2色

「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は2026年1月10日、とろけるような“生チョコ質感”のバームファンデーション“SPステイ クリームパクト ファンデーション”(本体、3993円/リフィル、2992円)から、トーンアップをかなえる新2色を発売する。

同商品は、滑らかなテクスチャーが特徴のファンデーションで、肌に塗布した瞬間に体温でとろけてクリーム状に変化。毛穴や赤み、くすみなどの気になる点をしっかりカバーしながらも、厚塗り感を感じさせない自然な仕上がりを演出する。

既存の4色に加え、今回は自然な明るさで透明感を出す“N01”と、ピンクの血色感を忍ばせる“C05”の2色が仲間入り。肌悩みをカバーながらも自然に溶け込み、厚塗り感なく、滑らかで美しい肌に導く。

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「メイベリン」の“生チョコ質感バームファンデ”にトーンアップをかなえる新2色

「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は2026年1月10日、とろけるような“生チョコ質感”のバームファンデーション“SPステイ クリームパクト ファンデーション”(本体、3993円/リフィル、2992円)から、トーンアップをかなえる新2色を発売する。

同商品は、滑らかなテクスチャーが特徴のファンデーションで、肌に塗布した瞬間に体温でとろけてクリーム状に変化。毛穴や赤み、くすみなどの気になる点をしっかりカバーしながらも、厚塗り感を感じさせない自然な仕上がりを演出する。

既存の4色に加え、今回は自然な明るさで透明感を出す“N01”と、ピンクの血色感を忍ばせる“C05”の2色が仲間入り。肌悩みをカバーながらも自然に溶け込み、厚塗り感なく、滑らかで美しい肌に導く。

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「ヴァレンティノ ビューティ」が初のキャンドルコレクションを発売 第1弾はフローラルウッディーの香り

「ヴァレンティノ ビューティ(VALENTINO BEAUTY)」は、ローマ宮殿をテーマにしたクチュールフレグランス“ヴァレンティノ アナトミー オブ ドリームス”の新カテゴリーとなるキャンドルコレクション“ヴァレンティノ レ スィール”をスタートする。第1弾として“ヴァレンティノ スィール バロック”(165g、2万2550円※編集部調べ、以下同)と専用キャンドルホルダー“ヴァレンティノ レ ブジョワール”(2万5300円)を12月10日に発売。表参道ストア、伊勢丹新宿本店、公式オンラインストアで取り扱う。

シチリアの豊かな風景を表現したフローラルウッディーの香り

“ヴァレンティノ スィール バロック”はオレンジブロッサムの輝くような甘さとクリーミーで温かみのあるピスタチオが出合う、フローラルウッディーの香りで、調香はダニエラ・アンドリエ(Daniela Andrier)が手掛けた。厳選された鉱物ワックスと植物性ワックスを組み合わせ、100%コットンの芯を使用してし、エメラルドグリーンで彩りシチリアの豊かな風景を表現した。燃焼時間は約35時間。専用ホルダー“ヴァレンティノ レ ブジョワール”は、ローマ宮殿を象徴するブニャート装飾に着想を得たスタッズが特徴のガラス製キャンドルホルダー。アートオブジェとして構想され、キャンドル使用後はメイクブラシホルダーや記念品のディスプレイなど装飾品として再利用できる。

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「アディダス ジャパン」が“アディゼロ エキデン コレクション”を発表 9型のシューズと5型のウエアを用意

「アディダス ジャパン(ADIDAS JAPAN)」は、駅伝シーズンに向けた包括的な新作ランニングコレクション“アディゼロ エキデン コレクション(ADIZERO EKIDEN COLLECTION)”を11月28日から順次販売する。「アディダス」の公式オンラインストアと公式アプリをはじめ、アディダス ブランドセンター 渋谷やアディダス ブランドセンター レイヤード ミヤシタ パーク、アディダス ブランドコアストア 新宿などで取り扱う。

富士山の青と箱根伝統細工に着想

“アディゼロ エキデン コレクション”は、晴れた日の富士山の青に着想したソーラーブルーと箱根伝統細工を彷ふつとさせるピクトグラム柄を採用し、9型のシューズと5型のウエアをそろえる。目玉となるのは、アデイゼロ史上最軽量のトレーニングシューズ“アディゼロ エヴォ エスエル(ADIZERO EVO SL)”をアップデートした“アディゼロ エヴォ エスエル ウーブン(ADIZERO EVO SL WOVEN)”だ。アッパーに新開発のウーブン素材を採用し、優れた伸縮性と快適なフィット感を実現するほか、ヒールクッションの構造を変更したことでシュータンのクッションの面積と厚みを増やし、フィット感と快適性を高めている。

また、シューズは世界の主要レースや駅伝での勝利と記録更新に貢献してきたレーシングモデル“アディゼロ アディオス プロ 4(ADIZERO ADIOS PRO 4)”やスピードに乗りやすいショートレース用モデル“アディゼロ タクミ セン 11(ADIZERO TAKUMI SEN 11)”など、日々のトレーニングからレース本番までに対応するラインアップとなっている。

そして“アディゼロ エキデン コレクション”の発売に合わせ、駅伝をテーマとしたブランドキャンペーン“大丈夫、いける。(YOU GOT THIS)”の新章を公開した。モデルには、青山学院大学陸上競技部の黒田朝日選手と塩出翔太選手、國學院大學陸上競技部の上原琉翔選手と野中恒亨選手を起用し、日々の練習や練習終わりの何気ない時間の中で、それぞれの形で切磋琢磨し支え合い、目標に向かって進む仲間同士の関係性を描いている。

さらに、“アディゼロ エキデン コレクション”のカラーを落とし込んだ2型のキッズ用シューズも展開する。

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「アディダス ジャパン」が“アディゼロ エキデン コレクション”を発表 9型のシューズと5型のウエアを用意

「アディダス ジャパン(ADIDAS JAPAN)」は、駅伝シーズンに向けた包括的な新作ランニングコレクション“アディゼロ エキデン コレクション(ADIZERO EKIDEN COLLECTION)”を11月28日から順次販売する。「アディダス」の公式オンラインストアと公式アプリをはじめ、アディダス ブランドセンター 渋谷やアディダス ブランドセンター レイヤード ミヤシタ パーク、アディダス ブランドコアストア 新宿などで取り扱う。

富士山の青と箱根伝統細工に着想

“アディゼロ エキデン コレクション”は、晴れた日の富士山の青に着想したソーラーブルーと箱根伝統細工を彷ふつとさせるピクトグラム柄を採用し、9型のシューズと5型のウエアをそろえる。目玉となるのは、アデイゼロ史上最軽量のトレーニングシューズ“アディゼロ エヴォ エスエル(ADIZERO EVO SL)”をアップデートした“アディゼロ エヴォ エスエル ウーブン(ADIZERO EVO SL WOVEN)”だ。アッパーに新開発のウーブン素材を採用し、優れた伸縮性と快適なフィット感を実現するほか、ヒールクッションの構造を変更したことでシュータンのクッションの面積と厚みを増やし、フィット感と快適性を高めている。

また、シューズは世界の主要レースや駅伝での勝利と記録更新に貢献してきたレーシングモデル“アディゼロ アディオス プロ 4(ADIZERO ADIOS PRO 4)”やスピードに乗りやすいショートレース用モデル“アディゼロ タクミ セン 11(ADIZERO TAKUMI SEN 11)”など、日々のトレーニングからレース本番までに対応するラインアップとなっている。

そして“アディゼロ エキデン コレクション”の発売に合わせ、駅伝をテーマとしたブランドキャンペーン“大丈夫、いける。(YOU GOT THIS)”の新章を公開した。モデルには、青山学院大学陸上競技部の黒田朝日選手と塩出翔太選手、國學院大學陸上競技部の上原琉翔選手と野中恒亨選手を起用し、日々の練習や練習終わりの何気ない時間の中で、それぞれの形で切磋琢磨し支え合い、目標に向かって進む仲間同士の関係性を描いている。

さらに、“アディゼロ エキデン コレクション”のカラーを落とし込んだ2型のキッズ用シューズも展開する。

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「ジャンスポーツ」×「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のコラボバッグ発売 劇中のラジオ局などをデザイン

1967年にアメリカで創業したアウトドアバッグブランド「ジャンスポーツ(JAN SPORT)」は11月27日、 ネットフリックス(NETFLIX)の大人気シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」との限定コラボレーションコレクションを公式オンラインショップで発売した。

今回のコラボコレクションでは、バックパック(6種)、ウエストバッグ(3種)、スリングバッグ(1種)、アクセサリーポーチ(1種)の全11アイテムをラインアップ。1980年代のレトロな空気感や、ホーキンスの町に登場するFM局、秘密サークルなどの劇中モチーフから着想を得たデザインが特徴。コレクションのベースには、「ジャンスポーツ」を象徴するクラカルなモデルを採用している。さらに、ブランドロゴを上下逆さまに配した特別仕様が、「ジャンスポーツ」らしい遊び心を際立たせている。

セレクトショップ「キネティクス(Kinetics)」の原宿店では12月5〜14日、福岡店では12月26日〜26年1月4日、同コレクションのポップアップを開催する。

コラボアイテム

WASHINGTON WAISTPACK SQUAWK RADIO

PACK SQUAWK RADIO

RIGHT PACK EXPRESSIONS MIKE'S JANSPORT

RIGHT PACK EXPRESSIONS HELLFIRE CLUB

SUPERBREAK PLUS HAWKINS POST

MOVE SLING HAWKINS POST

FIFTH AVENUE REMIX FRIENDS

BIG STUDENT STRANGER THINGS LOGOS

SWING WAIST PACK STRANGER THINGS LOGOS

BASIC ACCESSORY POUCH STRANGER THINGS LOGOS

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「グランドセイコー」のウインターデコレーションは幻想的な銀世界 物語を導くウオッチとは?

「グランドセイコー(GRAND SEIKO)」が、国内店舗でホリデーシーズンの特別装飾をスタートした。本年度のメインモデル“SLGB003”にインスパイアされたデコレーションが店頭を彩り、足を踏み入れると幻想的な銀世界へと誘う。

ウインターシーズンの高揚感を演出するその空間を紹介するとともに、デコレーションの着想源となったメインモデルの魅力について、スタッフに話を聞いた。

メインモデルのモチーフに着想
「樹氷の森の獅子」がテーマ


2025年ホリデーシーズンのスペシャルムービー

ホリデーシーズンに向けて、冬の静寂と銀世界の美しさを幻想的に描いたムービーを公開した。舞台は、樹氷の森を思わせる白銀の世界。神秘的な森に生きる獅子の姿と、幻想的な情景をイラストレーターのアサバマリエが繊細に表現している。

物語の中で、獅子の元へと舞い降りるプレゼントボックスは、ホリデーシーズンならではの心の高鳴りを象徴している。

銀座並木通りのフラッグシップブティックで
澄み切った雪原の美しさを体感

ストーリーのカギを握るモチーフの樹氷は、メインモデル“SLGB003”に由来する。グランドセイコーフラッグシップブティック 銀座並木通りの中川英昭ストアマネジャーは同モデルについて「スプリングドライブムーブメントの製造地である信州・霧ヶ峰高原で、冬に見られる美しい樹氷をイメージしている」と語る。さらに「四季折々の風景や自然現象を、繊細な型打ち模様や色彩で表現したダイヤルは、単なる時計の装飾を超えて“日本らしい美意識”を感じさせるものとして高い評価をいただいている」と続けた。

銀座並木通りストアマネジャーがレコメンド
“SLGB003”の魅力をひも解く

同モデルについて中川英昭ストアマネジャーは「精度・デザイン・使い心地の全てをバランス良く備えた、まさに『グランドセイコー』らしい一本」と太鼓判を押す。

ぜんまい駆動ながら年差±20秒という高精度を誇る“スプリングドライブ U.F.A.”を搭載した、2025年の新モデル。ケース径は37mmとコンパクトで「スプリングドライブ搭載モデルの中でも特に小ぶりなサイズ。スーツやジャケットの袖口にも収まりやすい」と説明する。

また、「チタン素材を採用しているので軽く、長時間着用していても疲れにくい。淡いブルーの色合いは主張し過ぎず上品で、ビジネスにもカジュアルにも使える汎用性の高さも魅力」と話す。

日本の自然美と高度な技術を掛け合わせた“SLGB003”は、その完成度の高さが評価され、25年度のグッドデザイン賞を受賞している。

全国の主要5ブティックと公式オンラインストアで
グランドセイコーホリデーシーズンフェアを開催

セイコーウオッチ,グランドセイコー,GRAND SEIKO,SLGB003

ウインターデコレーションが楽しめるブティックは銀座並木通りのほか、表参道ヒルズや大阪心斎橋、京都など全国主要5店舗。グランドセイコーブティックオンラインもウインターデコレーション仕様になる。期間中にグランドセイコーを購入すると、オリジナルデザインのトランプをギフトとしてプレゼントする。グランドセイコーホリデーシーズンフェアは12月30日まで開催予定(実施期間は店舗により前後する可能性あり)。

実施店舗

グランドセイコーフラッグシップブティック 銀座並木通り
グランドセイコーブティック 銀座
グランドセイコーブティック 表参道ヒルズ
グランドセイコーブティック 大阪心斎橋
グランドセイコーブティック 京都
グランドセイコーブティックオンライン

TEXT : CHIKAKO ICHINOI

製品に関する問い合わせ先
セイコーウオッチお客様相談室
(グランドセイコー)

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「グランドセイコー」のウインターデコレーションは幻想的な銀世界 物語を導くウオッチとは?

「グランドセイコー(GRAND SEIKO)」が、国内店舗でホリデーシーズンの特別装飾をスタートした。本年度のメインモデル“SLGB003”にインスパイアされたデコレーションが店頭を彩り、足を踏み入れると幻想的な銀世界へと誘う。

ウインターシーズンの高揚感を演出するその空間を紹介するとともに、デコレーションの着想源となったメインモデルの魅力について、スタッフに話を聞いた。

メインモデルのモチーフに着想
「樹氷の森の獅子」がテーマ


2025年ホリデーシーズンのスペシャルムービー

ホリデーシーズンに向けて、冬の静寂と銀世界の美しさを幻想的に描いたムービーを公開した。舞台は、樹氷の森を思わせる白銀の世界。神秘的な森に生きる獅子の姿と、幻想的な情景をイラストレーターのアサバマリエが繊細に表現している。

物語の中で、獅子の元へと舞い降りるプレゼントボックスは、ホリデーシーズンならではの心の高鳴りを象徴している。

銀座並木通りのフラッグシップブティックで
澄み切った雪原の美しさを体感

ストーリーのカギを握るモチーフの樹氷は、メインモデル“SLGB003”に由来する。グランドセイコーフラッグシップブティック 銀座並木通りの中川英昭ストアマネジャーは同モデルについて「スプリングドライブムーブメントの製造地である信州・霧ヶ峰高原で、冬に見られる美しい樹氷をイメージしている」と語る。さらに「四季折々の風景や自然現象を、繊細な型打ち模様や色彩で表現したダイヤルは、単なる時計の装飾を超えて“日本らしい美意識”を感じさせるものとして高い評価をいただいている」と続けた。

銀座並木通りストアマネジャーがレコメンド
“SLGB003”の魅力をひも解く

同モデルについて中川英昭ストアマネジャーは「精度・デザイン・使い心地の全てをバランス良く備えた、まさに『グランドセイコー』らしい一本」と太鼓判を押す。

ぜんまい駆動ながら年差±20秒という高精度を誇る“スプリングドライブ U.F.A.”を搭載した、2025年の新モデル。ケース径は37mmとコンパクトで「スプリングドライブ搭載モデルの中でも特に小ぶりなサイズ。スーツやジャケットの袖口にも収まりやすい」と説明する。

また、「チタン素材を採用しているので軽く、長時間着用していても疲れにくい。淡いブルーの色合いは主張し過ぎず上品で、ビジネスにもカジュアルにも使える汎用性の高さも魅力」と話す。

日本の自然美と高度な技術を掛け合わせた“SLGB003”は、その完成度の高さが評価され、25年度のグッドデザイン賞を受賞している。

全国の主要5ブティックと公式オンラインストアで
グランドセイコーホリデーシーズンフェアを開催

セイコーウオッチ,グランドセイコー,GRAND SEIKO,SLGB003

ウインターデコレーションが楽しめるブティックは銀座並木通りのほか、表参道ヒルズや大阪心斎橋、京都など全国主要5店舗。グランドセイコーブティックオンラインもウインターデコレーション仕様になる。期間中にグランドセイコーを購入すると、オリジナルデザインのトランプをギフトとしてプレゼントする。グランドセイコーホリデーシーズンフェアは12月30日まで開催予定(実施期間は店舗により前後する可能性あり)。

実施店舗

グランドセイコーフラッグシップブティック 銀座並木通り
グランドセイコーブティック 銀座
グランドセイコーブティック 表参道ヒルズ
グランドセイコーブティック 大阪心斎橋
グランドセイコーブティック 京都
グランドセイコーブティックオンライン

TEXT : CHIKAKO ICHINOI

製品に関する問い合わせ先
セイコーウオッチお客様相談室
(グランドセイコー)

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米国発「ウェットブラシ」が45周年のピングーとコラボ ヘアタオルやシュシュをセットに

ネイチャーラボが取り扱う米国発のヘアブラシブランド「ウェットブラシ(WET BRUSH)」は、世界的人気キャラクター・ピングーの誕生45周年を記念した数量限定コラボレーションシリーズを12月1日から順次発売する。ピングーは、スイスの映像作家オットマー・グットマン(Otmar Gutmann)によって誕生したストップモーション・アニメーション。1980年に原型となるテストフィルムが制作されてから2025年で45周年を迎えた。1990年以降、テレビシリーズは世界155以上の国と地域で放送され、ペンギンの男の子、ピングーと仲間たちが繰り広げる温かでユーモアある物語は、世界中の人々に愛されている。そんな同キャラクターをデザインした限定アイテムはヘアタオル付きセットとシュシュ付きセットの2種で、全国のドラッグストア、バラエティーストアで取り扱う。

レトロで愛らしいピングーデザイン

レトロで愛らしいピングーが描かれた数量限定デザインのブラシに、オリジナルグッズをセットにした。“ウェットブラシ ピングー スピードドライ ヘアタオル付き”(1980円)は風通しの良い通気口を備えたブラシ構造が特徴。ドライヤーの風を効率よく髪全体に届け、根元から毛先まで素早く乾燥させてブロー時間を大幅に短縮する。独自の柔軟なピンが濡れた髪やもつれた髪もスムーズに解きほぐし、髪や頭皮へのダメージを最小限に抑えながら、トリートメント後のような艶とまとまりのある髪に仕上げる。セットのマイクロファイバータオルは速乾性に優れ、高い吸水力でドライ時間をさらに短縮する。

“ウェットブラシ ピングー オリジナルディタングラー シュシュ付き”(1980円)は、絡まりをやさしくほどく独自のピンを採用した。濡れ髪や絡まりやすい髪もスムーズにブラッシング可能で、無理に引っ張らない設計により切れ毛や抜け毛を防ぎつつサラサラでまとまりのある髪に整える。ほか、軽量で持ちやすく手にしっかりとフィットし、長時間の使用でも疲れにくい快適な使い心地を実現した。同セットには日常のヘアアレンジにも使えるピングー総柄デザインのオリジナルシュシュを付属する。

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「ヴァレンティノ」が9組のアーティストとコラボしたデジタルプロジェクトを始動

「ヴァレンティノ(VALENTINO)」はこのほど、9組の国際的なアーティストとコラボレーションしたデジタルクリエイティブプロジェクトをスタートした。

バッグ“ドゥ ヴェイン”にフォーカス

本プロジェクトは、「ヴァレンティノ ガラヴァーニ(VALENTINO GARAVANI)」のバッグ“ドゥ ヴェイン(De Vain)”にフォーカスし、デジタルメディアを通じて全9作品を順次発信していくもの。その第1章としてオーストリア・ウィーンを拠点に活動するアーティストのトーマス・アルドルフ(Thomas Albdorf)、 人工知能を用いて自身の幼少期の世界を再構築するビジュアルアーティストのエンター・ザ・ボイド(Enter The Void)、アメリカ・シカゴを拠点に活動するアーティストのポール・オクタヴィウス(Paul Octavious)、スペイン・バルセロナを拠点にアーティストや編集者として活動するアルベルト・ プラネヤ(Albert Planella)、 ルワンダとウガンダにルーツを持ち東西のアメリカを拠点とするビジュアルストーリーテラーのティナ・トナ(Tina Tona)の全5作品が「ヴァレンティノ」のYouTubeで公開された。

トーマスはバッグを鏡面に映すスタジオベースのビデオシリーズを制作し、エンター・ザ・ボイドはバッグが魚と共に暮らす水中の砂漠ホテルという夢のような超現実的な世界を創造。ポールはクラシックな肖像画に“ドゥ ヴェイン”を組み込むことで再解釈し、アルベルトは人工知能と映画的言語が融合した中で変形する物体として“ドゥ ヴェイン”を探索したほか、ティナはマルチメディアコラージュとデジタルアニメーションを組み合わせた多様な視点でバッグを表現している。

なお、残る4組の作品は12月初旬の発表を予定している。

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NIGO®とファレルが上場の鐘を鳴らす ヒューマンメイド、初値は公開価格を9.9%上回る

HUMAN MADE(ヒューマンメイド)は27日、東証グロース市場に新規上場した。初値は3440円で公開価格3130円を9.9%上回った。

日本橋兜町の東京証券取引所で行われた上場記念セレモニーには、松沼礼・最高経営責任者(CEO)兼最高執行責任者(COO)ら役員陣だけでなく、創業者でクリエイティブディレクターのNIGO®、アドバイザー契約を結ぶファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が登壇した。松沼氏らに続き、NIGO®とファレルが上場を祝う鐘を鳴らした。NIGO®はデニムジャケットにジーンズ、ファレルは白いTシャツにジーンズで、共にサングラス姿という東証の上場セレモニーとしては異例の出立ちだった。二人で鐘を鳴らすると、これまでの互いの健闘を称え合うかのように抱き合った。

ヒューマンメイドの売上高は、コロナ禍で消費が落ち込んだ2021年1月期の18億円を底にして、22年1月期32億円、23年1月期54億円、24年1月期83億円、25年1月期112億円と著しい成長を遂げている。26年1月期は136億円を見込む。NIGO®の国際的な知名度もあり、アジアや欧米のストリートファンの間でカルト的な人気を獲得したことが追い風となった。売上高の比率は日本が71.5%、海外が28.5%(25年2月期)。日本国内でもインバンド(訪日客)の人気が高い。

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23歳の慶応医学部の現役学生起業家が仕掛ける「ギャルでもできるAI在庫管理」 ハイクリ兼松洋輔

PROFILE: 兼松洋輔/ハイクリ代表取締役

兼松洋輔/ハイクリ代表取締役
PROFILE: 2002年11月9日生まれ、埼玉県出身。現在、慶應義塾大学医学部5年生。24年5月にハイクリ創業。準備金を含む資本金は2800万円で、大半は今年3月に発表したVCのANOBAKAからの資金調達によるもの。ハイクリは現在、社員数15名(業務委託など含む)

AI特集の取材を進める中で、未知の企業を探ろうと「AI 在庫管理」で検索したとき、目に留まったのがハイクリだった。ホームページの問い合わせフォームから取材を申し込むと、すぐに返信が来た。指定された井の頭線・池ノ上駅近くのアパートの一室を訪ねると、出迎えたのは驚くほど若い男性。名刺には「兼松洋輔/ハイクリ代表取締役」とある。「若いですね」と声をかけると、「まだ23歳で、慶應医学部5年生です」と朗らかに返された。現役大学生が立ち上げたスタートアップだった。

ハイクリは2024年5月に創業したスタートアップで、AIを駆使したアパレル特化の在庫予測SaaSサービス「ベントリー(VENTORY)」を展開している。難易度の高いアパレルの在庫管理を、AIと組み合わせることで「ギャルでもできる在庫運用」をモットーにする。日本最難関かつ名門大学の現役学生が仕掛ける「ギャルでもできるAI在庫運用」という、強烈なバズワードだらけのハイクリとは一体何者なのか。

死屍累々の「AI×在庫予測」に挑んだワケ

だが実は、ファッション分野でのAIと在庫予測の相性は最悪だ。これまでも大手/スタートアップにかかわらず、多くの企業がAIと在庫予測を組み合わせたサービスを開発し、話題を振りまき、ことごとく失敗してきた。AI×在庫管理でうまく行っているのは、すでにある在庫をどう適切に運用・管理するかといったサービスで、海外ではイスラエル発のワンビート(ONEBEAT)が、日本ではフルカイテンが展開している。その点は兼松代表も認める。「ファッションは型やサイズが膨大で、さらにはトレンドといった定量化しにくいパラメータもある。だから在庫予測が難しい。でも僕らのようなスタートアップなら、誰もやってない方がいい。学生だし、ダメだったらまあしょうがない。そんな気楽さはどこかにありましたね」。そこから導き出されたのが「ギャルでもできるAI在庫管理」というキャッチフレーズだったという。「SNSを通じてファンやコミュニティを作ることは、僕らのようなZ世代ならそれほど難易度は高くない。好きなものを共有してそれがビジネスになるファッションの醍醐味ってそこだと思うんです。在庫管理をクリアできれば、もっとブランドの立ち上げが身近になる。やるなら、これだと思ったんです」。

だが、「ベントリー」は、思いのほか成果を上げた。要因は販路をデータが豊富な「ゾゾタウン」に絞ったこと。加えて「名前は明かせないけど、大学や研究機関に所属する同世代の優秀なAI研究者やエンジニアの協力を得られた事が大きい。とにかく色々なツテを辿って声をかけた。AI自体の進化と予測不能と言われてきたファッションの組み合わせが、同世代の研究者たちの好奇心にマッチした」。

「ベントリー」の特徴は「他のAI在庫管理ツールに比べて圧倒的に使用料が安く、しかも使い勝手がいいこと。しかも精度も高い」。この点ではアンティローザと組めたことも大きい。同社はカテゴリやトレンドとインフルエンサーを自在に組み合わせることで、スピーディかつ多彩なブランドを立ち上げており、すでに数十ブランドを運営している。「ベントリー」は、こうした小規模で小回りを聞くブランド運営にフィットする形で磨き上げられていった。

「ベントリー」を採用している企業は現時点で約100ブランド、「来年には500ブランドを狙う」と意気込む。安価で使い勝手のいい在庫予測サービスは、年商数千万円〜数億円から次のステップを狙うブランドにとって、まさに喉から手が欲しいほどサービスだ。そうしたブランドの多くは、インフルエンサーがSNSを駆使して認知度とファンダムを形成し、大半がネット通販を通して販売するネット専業のブランドになる。「システムの完成度はかなり上がった。これからは営業をかけて採用数を増やすフェーズ。一気に駆け上がりたい」という。そんな兼松代表が注目しているのは、yutoriだ。「僕らの世代でアパレルで起業している人間なら誰もがそうだと思います。yutoriの片石貴展社長からはブランドの運営手法や経営哲学まで、常にインスピレーションを受けまくっています」。

起業のきっかけは「父の背中」

兼松さんは5年生なので、来年には医師の国家試験が控える。「来年は事業成長のためのいいタイミング。休学を検討している」という。しかし、そもそもなぜ起業したのか。「実は起業するまでは和光市(埼玉県)の実家から通学してたんです。父は大手企業から脱サラして会社を経営しているんですが、苦労する姿を見たこともあった。医学部なので学費は他の学部よりもずっと高い。そんな父の姿を見てきて、3年生のときに自分は今まで何も考えず、苦労もせず学生をやってきたけど、これでいいのだろうか。自分でもお金を稼でやろうって思ったんです」。最初に参画してもらったのは、高校の同級生やバイト先の先輩・後輩とその友人、知り合いの知り合いなど。「とにかく必死でした(笑)。ビジネスをやっている、興味があるという人がいれば紹介してもらって話して、そんな感じで仲間を集めました」。

いろいろと挑戦し、「学費くらい自分で稼いでやろうと思っていたのに結局はダメでした。やっぱり父はすごい。でも、せめて起業して形になるまでは諦めるもんか、学業と両立しながらできるところまでやってやろうって」。今年ようやくVCから資金を得られ、サービスの精度も上がった。「今も一番尊敬しているのは父です。医者の道ももちろん全然諦めてないけど、来年1年は思いっきりやってみようと思ってます。父の背中をもう少しだけ追ってみたいんです」。

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【2025年クリスマスコフレ】「スック」から人気アイテムの限定色が登場 アイシャドウやリップなど

「スック(SUQQU)」は12月1日、草葉にそっと降りたつ霜の儚くも静かな情景にインスパイアされた“スック 2025 ウィンター カラー コレクション”を発売する。ラインアップは、“スック シグニチャー カラー アイズ”(限定3色、各7700円)、“スック ブラーリング カラー ブラッシュ”(限定2色、各6600円)、“スック モイスチャー グレイズ リップスティック”(限定2色、各5830円)を用意する。

シックでモードなカラーラインアップ

“スック シグニチャー カラー アイズ”は、3つのトーンが織りなすブラウンアイと深みと霜の煌めきを表現し、シックな眼差しを演出する限定3色をそろえる。“スック ブラーリング カラー ブラッシュ”は、空気をまとうように軽やかな温もりと艶感を頬にプラスするホリデーの高揚感を感じさせる限定2種が登場する。“スック モイスチャー グレイズ リップスティック”からは、青みとくすみのローズピンクと目が覚めるようなブライトレッドのシックな口元に仕上げる限定2色を展開する。

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「ワイズ」×「ドクターマーチン」から糸が垂れる新作“1490”が登場 

「ワイズ(Y'S)」は、「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」とコラボレーションしたブーツを12月12日に発売する。価格は7万7000円で、オフホワイトとブラックの2カラーを用意。「ワイズ」の直営店で取り扱うほか、ヨウジヤマモトの公式オンラインストア「ザ ショップ ヨウジヤマモト(THE SHOP YOHJI YAMAMOTO)」では12月10日23時59分まで先行予約販売を受け付けている。

バックジップ仕様で、ソールはわずかに厚底に

今回のコラボブーツは、「ドクターマーチン」を代表する10ホールブーツ“1490”をベースモデルに採用した。アッパーには、柔らかく滑らかなナッパレザーを採用し、ソールをオリジナルモデルよりもわずかに厚底にすることで存在感をプラス。そして、ステッチの随所から糸が垂れ、レースアップ横のステッチは3本にアップデートしたほか、ヒールは「ワイズ」とのコラボのアイコニックなディテールのバックジップ仕様となっている。また、ウェルトステッチがオフホワイトはブラックに、ブラックはイエローに配色している。

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【2026年春メイク】「セルヴォーク」はメロウな“春霞”メイクを提案 4色アイパレットの限定色も

「セルヴォーク(CELVOKE)」は2026年1月1日、2026年春のメイクアップコレクション“Color of US”を発売する。予約は12月18日に受け付けを開始。

ラインアップは、リップカラー6色、アイパレット2種、リキッドハイライター2色、アイブロウマスカラ1色、アイブロウパウダー1色。「自由に感情をためらわず、心が躍る色を楽しむ」をコンセプトに、プレイフルで個性豊かなカラーをそろえる。

25年11月発売のリップに新色&限定色

25年11月に発売したばかりの新作リップ“ルージュ オー ミューテッドグロウ”(4620円)から、春霞のような柔らかさを添えたクラウディーな新6色を発売する。オイルとワックスを組み合わせた薄膜が、唇を包みこみながらシームレスに発色。体温と溶け合う艶感と、ヒマワリ種子油・スクワラン・オリーブ果実油による高い保湿力で、ふっくら美しい仕上がりが続く。

カラーは、“06 サイレントネスト”、“07 モーニングデューン”、“08 カシミアピンク”、“09 ネオミューズ”、“10 アウトサイドプレッピー”に加え、限定色の“EX04 ジンジャーサンド”を用意する。

4色アイパレットにメロウな色彩の限定2色

4色アイパレット“ヴァティック アイパレット”(6380円)からは、限定2色が登場。同アイテムは、レイヤードしてもにごらない澄んだ発色と、マット・グロッシー・パール・ラメの多彩な質感で自由にまぶたを彩れる。植物由来オイルを高配合したソフト&スムースなテクスチャーで肌に密着し、快適な付け心地をかなえる。限定色はメロウな目元を演出する、グリーン&ピンク系の“EX20 ワンダークローゼット”と、イエローブラウン系の“EX21 アンフレームドチャプター”の2種をラインアップ。

が肌にうるみをプラスするリキッドハイライター

マルチなリキッドハイライター“レクティチュード マルチ リキッド”(3300円)は、限定2色を販売する。ハイライト、アイカラー、リップなどマルチに使用できるアイテムで、角度によって偏光する高輝度パールがみずみずしい艶を与え、肌に繊細なうるみをプラスする。密着度の高いグロウなテクスチャーが肌にじゅわりと溶け込み、エモーショナルな表情を演出する。限定色は血色ピンク“EX02 フリーダムエモーション”と、透明感を宿すラベンダー“EX03 レイオブクラリティ”の2色。

白浮きせずになじむ新処方アイブロウマスカラ

“インディケイト アイブロウマスカラ H”(3080円)の新色“01 スキニーベージュ”は、ナチュラルに眉の存在感を抑え、洒落顔をかなえるアイテム。自眉の黒さをカバーアップすることに特化し、白浮きせずになじむ顔料を最適バランスで配合した新処方だ。素早く乾き、パリパリと固まることなくしなやかな毛流れをキープ。毛足が長く密度の低いブラシにより液含みを軽くし、ふんわり柔らかくフィットする。

アイブロウパウダーに“抜け感ハイトーン眉”の新色

“インディケイト アイブロウパウダー”(3850円)から、ベージュブラウンでふわりと抜け感のあるハイトーン眉を演出する新色“12 サンドブラウン”が登場。ミドルカラーやハイライトを含む3色セットで、優しい眉印象を作れる。眉色をミュートする黄味ニュアンスのライトなブラウンは、アイカラーを主役にしたブロウレスメイクにも活躍するアイテムだ。

商品一覧

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【2026年春メイク】「セルヴォーク」はメロウな“春霞”メイクを提案 4色アイパレットの限定色も

「セルヴォーク(CELVOKE)」は2026年1月1日、2026年春のメイクアップコレクション“Color of US”を発売する。予約は12月18日に受け付けを開始。

ラインアップは、リップカラー6色、アイパレット2種、リキッドハイライター2色、アイブロウマスカラ1色、アイブロウパウダー1色。「自由に感情をためらわず、心が躍る色を楽しむ」をコンセプトに、プレイフルで個性豊かなカラーをそろえる。

25年11月発売のリップに新色&限定色

25年11月に発売したばかりの新作リップ“ルージュ オー ミューテッドグロウ”(4620円)から、春霞のような柔らかさを添えたクラウディーな新6色を発売する。オイルとワックスを組み合わせた薄膜が、唇を包みこみながらシームレスに発色。体温と溶け合う艶感と、ヒマワリ種子油・スクワラン・オリーブ果実油による高い保湿力で、ふっくら美しい仕上がりが続く。

カラーは、“06 サイレントネスト”、“07 モーニングデューン”、“08 カシミアピンク”、“09 ネオミューズ”、“10 アウトサイドプレッピー”に加え、限定色の“EX04 ジンジャーサンド”を用意する。

4色アイパレットにメロウな色彩の限定2色

4色アイパレット“ヴァティック アイパレット”(6380円)からは、限定2色が登場。同アイテムは、レイヤードしてもにごらない澄んだ発色と、マット・グロッシー・パール・ラメの多彩な質感で自由にまぶたを彩れる。植物由来オイルを高配合したソフト&スムースなテクスチャーで肌に密着し、快適な付け心地をかなえる。限定色はメロウな目元を演出する、グリーン&ピンク系の“EX20 ワンダークローゼット”と、イエローブラウン系の“EX21 アンフレームドチャプター”の2種をラインアップ。

が肌にうるみをプラスするリキッドハイライター

マルチなリキッドハイライター“レクティチュード マルチ リキッド”(3300円)は、限定2色を販売する。ハイライト、アイカラー、リップなどマルチに使用できるアイテムで、角度によって偏光する高輝度パールがみずみずしい艶を与え、肌に繊細なうるみをプラスする。密着度の高いグロウなテクスチャーが肌にじゅわりと溶け込み、エモーショナルな表情を演出する。限定色は血色ピンク“EX02 フリーダムエモーション”と、透明感を宿すラベンダー“EX03 レイオブクラリティ”の2色。

白浮きせずになじむ新処方アイブロウマスカラ

“インディケイト アイブロウマスカラ H”(3080円)の新色“01 スキニーベージュ”は、ナチュラルに眉の存在感を抑え、洒落顔をかなえるアイテム。自眉の黒さをカバーアップすることに特化し、白浮きせずになじむ顔料を最適バランスで配合した新処方だ。素早く乾き、パリパリと固まることなくしなやかな毛流れをキープ。毛足が長く密度の低いブラシにより液含みを軽くし、ふんわり柔らかくフィットする。

アイブロウパウダーに“抜け感ハイトーン眉”の新色

“インディケイト アイブロウパウダー”(3850円)から、ベージュブラウンでふわりと抜け感のあるハイトーン眉を演出する新色“12 サンドブラウン”が登場。ミドルカラーやハイライトを含む3色セットで、優しい眉印象を作れる。眉色をミュートする黄味ニュアンスのライトなブラウンは、アイカラーを主役にしたブロウレスメイクにも活躍するアイテムだ。

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