「塗り直し問題」への最適解なるか? 今年注目の“追い”UVケア

今年も猛暑が予想されており、日焼け止めのニーズはますます高まりそうだ。この日焼け止め、基本的には「2~3時間おきの塗り直し」が推奨されているのをご存じだろうか。SNSでは「現実的には難しい」「どうやって?」という声もある中、今シーズンは塗り直し問題への最適解となるようなアイテムが登場している。今回は“追い”UVケアの現在地について考えたい。

メイクの上からどうやって?
「日焼け止めの日中塗り直し」問題

日焼け止めの正しい使い方を、皮膚科医や化粧品会社の研究者に取材すると、必ずといっていいほど「2~3時間おきに塗り直してください」と推奨される。

年々UVケアのフィット感は向上しているとはいえ、どんなに優秀なウォータープルーフ(汗・水に強い)、スマッジプルーフ(こすれに強い)でも、夕方まで塗布直後のUV膜を維持するのは難しい。特に近年の猛暑環境下では、なおさらである。

作り手側にしてみれば、塗り直しはUV膜の維持に必要なことだろうけど、使い手側としては「メイクした顔に塗り直せといわれても、現実的にどうやって?」というのが、正直なところではないだろうか。これに関してはSNSでもさまざまな意見があり、「BA(美容部員)さんにどうするのか聞いたら『難しいですよね』と苦笑いされた」「UVパウダーを重ねているけど、結局焼けてしまう」など、現在のところ決定打には欠ける印象だ。

取材でどう塗り直すのか聞いてみると、「部分的にシートタイプのクレンジングで落として、塗り直してください」が模範解答のようである。これも仕事中に実践できるかといったら「難しいのでは?」と感じてしまう。

韓国コスメの影響も?“追い”UVケアアイテムの現在地

メイクの上に重ねて、紫外線防止効果を補完する“追い”UVケアの手段として、まずは前述のような「UVパウダー」がある。ルースパウダー自体が、ベースメイクの仕上げに使うものであり、違和感なく取り入れやすい点が魅力だろう。肌本来の艶を生かした、現在のベースメイクトレンドとも親和性が高い。

このような高SPF値のUVパウダーは、これまでミネラル粉体を得意とするオーガニック系のブランドが先行していた印象だ。しかし近年は猛暑の影響か、夏場に限定品として発売する大手メーカーも増えつつある。

もう1つは、韓国コスメの流行で注目された「スティック型UVケア」だ。持ち歩きやすく、メイクの上から重ねられる透明タイプで、若い世代を中心に支持されたアイテムである。ただし、製品によってはスティックが固めなものもあったこと。また「ファンデの上からスティック状のバームを重ねる」行為自体に、抵抗感を抱く人も一定数いるように思う。

これらのアイテムから“追い”UVケアに求められる要素が、いくつか浮かび上がってくる。まず何より、高SPF値を有していること。さらに、持ち歩き可能な形状であることや、メイクの上に重ねても崩れにくいことが挙げられる。特に、「メイクの上に重ねても“生理的に嫌じゃない感覚”であること」も意外と重要ではないだろうか。

2025年夏は“追い”UVケアが進化!

2025年春から初夏にかけて、メイクの上に重ねて使える“追い”UVケアアイテムが充実している。いずれも機能性や使用感が進化し、ドラッグストアを主戦場とするマス向けブランドに加え、百貨店などで展開する高級化粧品ブランドからも相次いで登場しているのが特徴だ。代表的なアイテムを紹介する。

潤いをふわりとまとう、「雪肌精」の塗り直し用UVミスト

コーセーの「雪肌精(SEKKISEI)」は、日焼け止めの「塗り直しの必要性」と「現実の手間」という課題に着目し、塗り直し専用アイテム“スキンケア UV エッセンス ミスト”を4月16日に限定発売する。同社初の直接肌に吹きかけられる処方を採用した2層タイプのUVケアだ。よく振ってからスプレーすると、きめ細かなミストがふわりと肌を包み、メイクのヨレを気にせず使える点がうれしい。美容成分を豊富に配合し、しっとり肌を整え、自然な艶をプラス。今回は限定品で登場するが、定番化を期待したい。

肌触り快適&フィット感優秀な、「アネッサ」のUVパウダー

「アネッサ(ANESSA)」が販売する“パーフェクトUV ブラッシュオンパウダー”は、メイクの上から羽織らせる、パウダータイプのブラシ一体型日焼け止めだ。毛量たっぷりのブラシは肌触りがよく、肌の質感を生かしながら表面がサラサラに整う。UVケアのベストセラーであるアネッサらしく、SPF値、PA値、UV耐水性ともに優秀。紫外線散乱剤同士がくっつかず、均一なUV膜を形成するような処方を採用し、パウダーでありながら肌をしっかり守る働きも期待できる。

肌を滑らかに整える「クラランス」のUVスティック

「クラランス(CLARINS)」が4月25日に発売する“インビジブル サンケア スティック ハイプロテクション”は、テクスチャーがやわらかく、するすると肌の上をすべっていくのが特徴だ。透明感に優れ、メイクに重ねても艶のある自然な質感に仕上がる点が頼もしい。しっとり肌が整うため、日差しの強い屋外と、空調で乾燥する室内を行き来する人は重宝しそう。トロピカルな香りも心地よく「使い続けたい」と思える1品だ。

保湿力も優秀な「ニベア」のスプレー式ミルクミスト

「ニベア(NIVEA)」の“ニベアUV ディープ プロテクト&ケア ミルクミスト”は、SPF値、PA値、UV耐水性全てここで紹介するアイテムの中では最も高いプロテクト効果を誇る。ミルクタイプでしっとり肌になじみ、白残りしないみずみずしい使い心地が印象的だ。ボディーには直接スプレーできるが、顔に塗布する場合は、1度手のひらに取って塗布することが推奨されている。スーパーウォータープルーフでありながら、石けんで落とせる点も魅力。

“追い”UVケアの「伸びしろ」に期待する理由

あらめて見回すと、今シーズンは色々な形状の“追い”UVケアが登場しており、実際試してみて「よくできているな」と感心する。ミストもスティックも、メイクの上に重ねることに抵抗が少ないテクスチャーで、仕上がりがナチュラルな点に驚いた。

一方で、「メイクの上からUVケア効果を補完する」というそもそもの目的に立ち戻ると、まだ「進化の伸びしろ」を感じるのも事実である。例えば、パウダーはもう少しシールド膜として肌を覆う感覚があったほうが安心で、ミルクやスティックはメイク崩れとしっとり感の両立に進化の余地があるのではないだろうか。

さらに、どの製品にも言えることだが「実際メイクに重ねてどのくらい紫外線防止効果が高まるか」の検証データがあったらより信頼感につながるのではないかと思う。

昨今は、猛暑対策として、クールな感触のアイテムが注目されているが、個人的には“追い”UVケアは、もっと注目されていいと感じている。日焼けと化粧崩れに悩むいち生活者として、今後の進化に心から期待したい。

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NYとロンドンのコレクションを取材して

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月10日号からの抜粋です)

本橋:お互い2度目のニューヨークコレ、ロンドンコレでした。噂には聞いていましたが、冬のNYは超寒くて、暖冬でコートが売れないなんていう日本とは別世界。防寒に必死でオシャレに気を遣っている余裕がない僕の横で、ニューヨーカーはさらっとウールコートを着こなしていて、驚きました。

木村:ロンドンは「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」や中堅の「チョポヴァ ロウェナ(CHOPOVA LOWENA)」がショーを発表しないというので、始まる前から「オワコンなのでは?」「年1回、9月のみでいいのでは?」と言われていて、違う意味で“寒い”シーズンでした。

本橋:実際はどうでしたか?

木村:フタを開けてみたら、112ブランドがショーやプレゼンテーションなどを発表し、コンテンツは盛りだくさん。マスイユウさんをはじめ、現地ジャーナリストやバイヤーに取材して、注目の若手デザイナーを紹介するページを作りました。

Z世代に向けて振り切れるNY

本橋:いいですね。NYは新デザイナーを迎えた「カルバン・クライン コレクション(CALVIN KLEIN COLLECTION)」に欧州のメディアも多数集まり、それがファッション・ウイーク全体に活気をもたらしていました。また、米国にはZ世代が多く、「コーチ(COACH)」もそこに向けて思い切ったメッセージのコレクションを発表していて、いいなと思いました。それとは別に、トランプ大統領就任への反発で、女性によりパワーを与えるようなスタイルの提案も目立ちました。自分たちの国の現状を捉えて、ファッションにできることを表現する――米国らしさが出ているのが印象的でした。

木村:私は今回ロンドンでいくつかショップを見ましたが、EU離脱で免税が効かないために観光客が少なく、買い物する人の姿が少なかったです。百貨店もそれほど実験的ではなく、全体的に政治・経済的に視点が内向きになってしまっているように感じました。小さいブランドにとっては店舗展開が難しく、ポップアップで販売するのが主流なようでした。でも、演劇みたいなプレゼンテーションなど、エンターテインメント性の高い演出がたくさんあって面白いのは、ロンドンならでは。政治も文化も色濃く反映されているのは、NYと一緒ですね。

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「アシックス」が“ゲルニンバス27”で皇居ランイベント開催 初心者中心に30人が参加

「アシックス(ASICS)」は3月8日、ランニングイベント「MEET YOUR COMFORT RUN 3.8 TOKYO in MARUNOUCHI」を開催した。ランニングシューズ“ゲルニンバス(GEL-NIMBUS)”シリーズの最新作“ゲルニンバス27”(2万900円)の発売に合わせたもので、ランニング初心者を中心とした約30人が参加。東京・丸の内の店舗「アシックスラン東京丸の内(ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI)」をスタートし、皇居周辺の約5キロメートルを“ゲルニンバス27”を履いて走った。

“ゲルニンバス”シリーズは、「アシックス」のランニングシューズの中でも特にクッション性を重視したモデルで、“NIMBUS”はラテン語で雲の意味。雲の上を走るような柔らかなクッション性と弾むような感覚を打ち出している。最新モデル“ゲルニンバス27”では、近年主流となっている厚底シューズの進化を反映し、ミッドソールに高分子素材を使用することで軽量性も確保。着地の安定感を向上し、膝や足首への負担を最小限に抑えるという。

「初心者にも最適なシューズ」

イベントでは参加者を二組に分け、アシックスのコーチ陣が先導。この日、午後には雪の予報が出るほどの寒さだったが、ランニングにはベストとも言えるコンディションだった。ランナーたちは“ゲルニンバス27”を試しながら、皇居周辺の景色を楽しみつつ快適なペースで走った。

小谷浩コーチは、「“ゲルニンバス27”はクッション性が高く足への負担が少ないため、初心者にも最適なシューズ。石畳のある皇居ランでもしっかりと安定感があり、着地の衝撃を和らげる」と説明する。池田美穂コーチも、「イベントには、普段は一人で走る方や初心者の方が多く参加してくれた。皇居ランの魅力は、景色を楽しみながら気軽に走れること。途中で立ち止まって写真を撮ることもできるため、ランニングと観光を兼ねた楽しみ方もある。ランニングは、一人でストイックに続けるだけのもので決してなく、みんなで楽しく続けられるスポーツ。イベントに参加することで、仲間と一緒に走る楽しさを感じてもらえたらうれしい」と語った。

走った後は交流会も開催

ランニング終了後は、丸の内にあるビストロ「ランプラント」に場所を移して交流会も開催。フードやドリンクを参加者に振る舞ったほか、プロカメラマンによるフォトブースでの写真撮影や、「アシックス」のランニングアクセサリーが当たるハズレなしのくじ引きも実施した。

渋谷区から参加したという30代女性は、「普段はゆっくり走る程度だが、初心者向けのランニングイベントだったので、自分でも参加できると思った。シューズの買い替えに迷っており、厚底シューズを試せたのも良かった。実際に履いてみると、クッション性が高く、長距離でも疲れにくそう」とコメント。また、皇居周辺に住んでいるという20代女性は、「ランニングは始めてからまだ2カ月。フランス・ボルドーで、ワインを飲みながら走る大会『メドックマラソン』のことを知り、それに参加するために始めた。普段から1人で皇居周辺を走っているが、イベントだと知らない人とも自然に話せるのが楽しい。ランニング仲間が増えたので、また次回も参加したい。1人では続けられないかもと思っていたが、こうしたイベントに参加することでモチベーションが上がる」と語った。練馬区から参加した40代夫婦は「昨年秋から夫婦でランニングを始めた。ランニングが習慣化してきたころに、膝に痛みを感じることが増え、クッション性の高いシューズを探していた」という。

「アシックスラン東京丸の内」では、定期的にランニングイベントを開催。4月6日には、今回のイベントを拡大した特別ランニングイベントの開催も予定している。

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「1%」の衝撃から、美容市場の正しい競争を考える

「配合率1%」──その表記を見て、思わず目を疑った。

ネイチャーラボのヘアケアブランド「マイブースターズ(MYBOOSTARS)」から、3月15日にヘマチン配合の新シリーズが発売されるという。シャンプー、トリートメント、ミストの3製品をそろえ、価格帯は1430〜1980円。驚いたのは、高級毛髪補修成分である「ヘマチン」の配合率と、それに全く釣り合わない価格の「安さ」だ。

シャンプーはヘマチン「1%」配合で400mL/1694円。この価格設定のスゴさを語る前に、まずヘマチンそのものについて解説したい。

「ヘマチン」には、毛髪の主成分「ケラチン」と結合してダメージを補修し、髪にハリ・コシを与え、キューティクルを整える働きがある。ただその調達方法が少々特殊で、動物の血液から精製・抽出する必要がある。調達コストが高く、それゆえ3000円以上クラスのサロン専売品に配合されることがほとんどだ。記者も、サロン専売品以外で「ヘマチン」が高配合されているヘアケア製品はあまり目にしないし、今回の「マイブースターズ」の新製品のように、1500円そこそこの製品においては皆無といっていい。

破格の価格設定を“検証”

以前、あるヘアケア製品の処方担当をしている研究員に、製品原料についてあれこれ質問したことがある。その際、高級な毛髪補修成分についても聞いたのだが、リピジュア(保湿)やフラーレン(抗酸化作用)と共に挙がったのが、ヘマチンだった。ヘマチンの業務用原料の市場価格について聞いてみると、バラツキはあるが、およそ「1000mLで20万円程度」とのことだった。

ここでは、彼の証言を基に【ヘマチン1mL=200円】として、「マイブースターズ」の価格設定を検証してみる。まず単純計算で、シャンプー(400mL)に表記通り1%の「ヘマチン」が配合されているとすると、「ヘマチン」は4mL。つまり先ほどの計算式に当てはめてみると、200(円)×4(mL)=800円。ヘマチンだけで、シャンプーの原価率は50%近くに達する。

「たった1%」と思われたかもしれないが、この数字にはそれだけのインパクトがあるのだ。

大量仕入れと処方の工夫で実現?

この時点ですでに製品化が現実的ではないように思われたが、さまざまな可能性を考えてみた。

一つ考えられるのは、廉価なヘマチンの大量仕入れによるコスト削減だ。ヘマチンは精製の度合いによって純度が変わり、純度が低いものほどリーズナブルになる。「マイブースターズ」では、比較的安価なものを使い、さらに仕入れのスケールメリットによって極限までコストを減らしているのかもしれない。また、他の成分の原価を抑え、何とかバランスをとっていることも考えられる。シャンプーの成分表を見てみると、例えば基材の洗浄成分には、ドラッグストア系シャンプーなどでよく見られる、比較的安価な成分であるオレフィン(C14-16)スルホン酸が使われている。

これらは、推測の域を出ない。ただそもそも、ヘアケア製品の適正な原価率は10〜30%と言われている。すでにヘマチンだけでこの基準を超えてしまいそうな中で、果たして帳尻を合わすことができるのだろうか……。疑問を抱えながらリリースを読み返していると、ヘマチンの配合率の部分に添えられた、小さな注釈が目に入った。

「化粧品原料(水、エタノール、ヘマチン、フェノキシエタノール)として」。

つまり、ヘマチンの配合率と思われた「1%」は、実は純粋なヘマチンではなく、水やエタノールなどと混ぜた「ヘマチン入り溶液」の配合率だったのだ。その溶液にはどのくらいの割合でヘマチンが含まれているかは、記載がない。

純粋なヘマチン配合率は不明も
完成度と市場拡大に期待

このことに、若干がっかりしてしまったのは否めない。ただ、「マイブースターズ」は既存の“ケラチン”や“コラーゲン”シリーズを使用してみて、価格以上の完成度の高さを感じたのも事実。だからこそ“ヘマチン”シリーズもぜひ使ってみたいと思っているし、その使用感には大いに期待している。また、「マイブースターズ」からヘマチン入りを大々的にうたうシャンプーが登場したことで、これまでサロン専売品などに限られていたヘマチン入りシャンプーがドラッグストア市場に広がり、新しい価値をもたらすかもしれない。

ただ「ヘマチン」の原価からして、ドラッグストアの商品にそこまで高配合率のものは望めないとも、消費者は知っておくべきだろう。これから、ヘマチンの濃度を競って「10%」や、それ以上の配合率をうたうものも、もしかしたら出てくるかもしれない(もちろん何かしらの注釈付きになるはず)。美容知識がなければ、そういった宣伝文句に踊らされてしまいかねないし、過度な期待をしてしまうと満足感は得られないだろう。

消費者のリテラシーを養い
健全な市場競争を

景品表示法では、「商品の品質や効果などを、実際よりも優れているように見せかける」ような“優良誤認表示”を禁止しているが、現実には、抵触スレスレと思われる攻めた宣伝文句も常套手段になっている。競合製品がインパクトのある数字を使ってきたら、それに対抗して、もっとインパクトのある数字を打ち出すしかない。それが例え、消費者が受けるであろう印象と、製品の内容が乖離していてもだ。

化粧品会社による誇大広告ギリギリのマーケティングと消費者のリテラシーの戦いは、SNSが普及して以降、ずっと続いてきた。有象無象のインフルエンサーが、誇大マーケティングに加担し、一方で専門家の指摘から炎上に繋がるケースもあった。消費者は、ただ振り回されるばかりだった。

誇大マーケティングの応酬を止めるには、消費者たちがそれらに惑わされないためのリテラシーを獲得するほかない。ただ、これは消費者だけの問題ではない。企業側も、いつまでも誇大マーケティング合戦を繰り広げていたら、ゆくゆくは美容業界全体の信用が失墜してしまう。

企業は短期的な売り上げを優先するのか、それとも業界の信頼を守るために正しい競争を選ぶのか。業界の健全な発展につなげていくためにも、長い目で見て、正しい美容のリテラシーを広げていく企業努力も必要だろう。

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「1%」の衝撃から、美容市場の正しい競争を考える

「配合率1%」──その表記を見て、思わず目を疑った。

ネイチャーラボのヘアケアブランド「マイブースターズ(MYBOOSTARS)」から、3月15日にヘマチン配合の新シリーズが発売されるという。シャンプー、トリートメント、ミストの3製品をそろえ、価格帯は1430〜1980円。驚いたのは、高級毛髪補修成分である「ヘマチン」の配合率と、それに全く釣り合わない価格の「安さ」だ。

シャンプーはヘマチン「1%」配合で400mL/1694円。この価格設定のスゴさを語る前に、まずヘマチンそのものについて解説したい。

「ヘマチン」には、毛髪の主成分「ケラチン」と結合してダメージを補修し、髪にハリ・コシを与え、キューティクルを整える働きがある。ただその調達方法が少々特殊で、動物の血液から精製・抽出する必要がある。調達コストが高く、それゆえ3000円以上クラスのサロン専売品に配合されることがほとんどだ。記者も、サロン専売品以外で「ヘマチン」が高配合されているヘアケア製品はあまり目にしないし、今回の「マイブースターズ」の新製品のように、1500円そこそこの製品においては皆無といっていい。

破格の価格設定を“検証”

以前、あるヘアケア製品の処方担当をしている研究員に、製品原料についてあれこれ質問したことがある。その際、高級な毛髪補修成分についても聞いたのだが、リピジュア(保湿)やフラーレン(抗酸化作用)と共に挙がったのが、ヘマチンだった。ヘマチンの業務用原料の市場価格について聞いてみると、バラツキはあるが、およそ「1000mLで20万円程度」とのことだった。

ここでは、彼の証言を基に【ヘマチン1mL=200円】として、「マイブースターズ」の価格設定を検証してみる。まず単純計算で、シャンプー(400mL)に表記通り1%の「ヘマチン」が配合されているとすると、「ヘマチン」は4mL。つまり先ほどの計算式に当てはめてみると、200(円)×4(mL)=800円。ヘマチンだけで、シャンプーの原価率は50%近くに達する。

「たった1%」と思われたかもしれないが、この数字にはそれだけのインパクトがあるのだ。

大量仕入れと処方の工夫で実現?

この時点ですでに製品化が現実的ではないように思われたが、さまざまな可能性を考えてみた。

一つ考えられるのは、廉価なヘマチンの大量仕入れによるコスト削減だ。ヘマチンは精製の度合いによって純度が変わり、純度が低いものほどリーズナブルになる。「マイブースターズ」では、比較的安価なものを使い、さらに仕入れのスケールメリットによって極限までコストを減らしているのかもしれない。また、他の成分の原価を抑え、何とかバランスをとっていることも考えられる。シャンプーの成分表を見てみると、例えば基材の洗浄成分には、ドラッグストア系シャンプーなどでよく見られる、比較的安価な成分であるオレフィン(C14-16)スルホン酸が使われている。

これらは、推測の域を出ない。ただそもそも、ヘアケア製品の適正な原価率は10〜30%と言われている。すでにヘマチンだけでこの基準を超えてしまいそうな中で、果たして帳尻を合わすことができるのだろうか……。疑問を抱えながらリリースを読み返していると、ヘマチンの配合率の部分に添えられた、小さな注釈が目に入った。

「化粧品原料(水、エタノール、ヘマチン、フェノキシエタノール)として」。

つまり、ヘマチンの配合率と思われた「1%」は、実は純粋なヘマチンではなく、水やエタノールなどと混ぜた「ヘマチン入り溶液」の配合率だったのだ。その溶液にはどのくらいの割合でヘマチンが含まれているかは、記載がない。

純粋なヘマチン配合率は不明も
完成度と市場拡大に期待

このことに、若干がっかりしてしまったのは否めない。ただ、「マイブースターズ」は既存の“ケラチン”や“コラーゲン”シリーズを使用してみて、価格以上の完成度の高さを感じたのも事実。だからこそ“ヘマチン”シリーズもぜひ使ってみたいと思っているし、その使用感には大いに期待している。また、「マイブースターズ」からヘマチン入りを大々的にうたうシャンプーが登場したことで、これまでサロン専売品などに限られていたヘマチン入りシャンプーがドラッグストア市場に広がり、新しい価値をもたらすかもしれない。

ただ「ヘマチン」の原価からして、ドラッグストアの商品にそこまで高配合率のものは望めないとも、消費者は知っておくべきだろう。これから、ヘマチンの濃度を競って「10%」や、それ以上の配合率をうたうものも、もしかしたら出てくるかもしれない(もちろん何かしらの注釈付きになるはず)。美容知識がなければ、そういった宣伝文句に踊らされてしまいかねないし、過度な期待をしてしまうと満足感は得られないだろう。

消費者のリテラシーを養い
健全な市場競争を

景品表示法では、「商品の品質や効果などを、実際よりも優れているように見せかける」ような“優良誤認表示”を禁止しているが、現実には、抵触スレスレと思われる攻めた宣伝文句も常套手段になっている。競合製品がインパクトのある数字を使ってきたら、それに対抗して、もっとインパクトのある数字を打ち出すしかない。それが例え、消費者が受けるであろう印象と、製品の内容が乖離していてもだ。

化粧品会社による誇大広告ギリギリのマーケティングと消費者のリテラシーの戦いは、SNSが普及して以降、ずっと続いてきた。有象無象のインフルエンサーが、誇大マーケティングに加担し、一方で専門家の指摘から炎上に繋がるケースもあった。消費者は、ただ振り回されるばかりだった。

誇大マーケティングの応酬を止めるには、消費者たちがそれらに惑わされないためのリテラシーを獲得するほかない。ただ、これは消費者だけの問題ではない。企業側も、いつまでも誇大マーケティング合戦を繰り広げていたら、ゆくゆくは美容業界全体の信用が失墜してしまう。

企業は短期的な売り上げを優先するのか、それとも業界の信頼を守るために正しい競争を選ぶのか。業界の健全な発展につなげていくためにも、長い目で見て、正しい美容のリテラシーを広げていく企業努力も必要だろう。

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音を立てなければ“盗める”イベント「盗-TOH-」を体験 成功するには?

TBSラジオ「脳盗」による音を立てなければ“盗める”体験型イベント「盗-TOH-」の第2弾が3月13日から16日までTBS赤坂BLITZスタジオで開催される。今回、開催に先立って、一足早く「盗-TOH-」を体験してきた。※同イベントは犯罪行為を推奨・容認するものではありません。

「盗-TOH-」のルールは60秒以内に、音を立てずにアイテムを持って帰れば、その商品がもらえるというもの。会場にはTBSラジオが保有する無数の高感度マイクが設置され、わずかな物音でも即退場となってしまうスリリングなルールとなっている。

今回は睡眠、玩具、麺、雑貨、本の5つのエリアにそれぞれテーマに沿ったアイテムが置かれているほか、思わぬところにもレアなアイテムがあるので、挑戦する人はよく観察してみてほしい。

筆者も挑戦したが、アイテムと取る際に音をたててしまい、あえなく失敗。参加した先行体験会では、9組が挑戦し、成功したのは1組だった。体験してみて、いくつか成功するために気付いた点をお伝えすると、まずは靴は脱いで参加した方が足音の対策にはなる。また、アイテムには基本的には鈴が付けられているが、中には鈴がついていないものもあり、それを選ぶことで成功しやすくなる。ただ、今回成功した人は鈴がついているアイテムを持ち帰っており、取る際に気をつければ、鈴付きでも持って帰れる。あと注意が必要なのは、時間内に帰ることだ。体験会でも2組が時間切れのためゴール間近で失敗となった。場内には時計も置かれているが、スタートすると音を立てないことに集中してしまって、時計を見る余裕がなくなるので、時間は意識するようにしよう。

本イベントの前売りチケットは完売してしまったものの、枠の追加や当日券も検討しているとのこと。気になる人は「脳盗」のSNSなどをチェック。失敗しても体験としては非常に楽しいので、ぜひ挑戦してみては。

■「盗-TOH-」第2弾
期間:2025年3月13~16日 
時間:平日(3月13、14日)13:00~20:00(最終入場19:30)、土日(3月15、16日)11:00~18:00(最終入場17:30)
会場:TBS赤坂BLITZスタジオ
料金:1人参加 1000円、2人参加 1800円(1人あたり900円)、3人参加 2400円(1人あたり800円)、4人参加 2800円(1人あたり700円)

ルール
・店内の商品は、自由に“盗め”ます
・音を出したら即退店をお願いします
・持ち帰れる商品数には制限があります
・参加人数は最小1名~最大4名
・グループでの参加では、協力が必要なサイズの商品にも挑戦可能です
・制限時間は60秒以内
・時間指定チケット制(事前予約制)
・グループ参加の場合、退場者(ゲーム失敗者)が出る前に、商品を獲得してゲームクリアをしている方がいれば、その商品は持ち帰ることができます。

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NYコレを席巻した“パワー・ドレッシング”の象徴「ケイト」 時代を超えた美学を、しなやかに研ぎ澄ませて

3月10日発売の「特集 ニューヨーク&ロンドンコレクション2025-26年秋冬」では、NYファッション・ウイークの一大トピックとして“パワー・ドレッシング”をピックアップした。ドナルド・トランプ大統領の、女性の権利を抑圧するようなスタンスに対する、デザイナーたちの意思表明とも言えるものだ。

そんなNYファッション・ウイークの中でも、数年前からイット・ブランドとして注目を集めているのがキャサリン・ホルスタイン(Catherine Holstein)が手がける「ケイト(KHAITE)」だ。レザーやテーラードを軸としたパワフルなスタイルに、絶妙なバランスでフェミニンさを加えたデザインが特徴。今季はそのクリエイションの着実な進化とともに、まさにパワー・ドレッシングを感じさせるコレクションだった。

2025-26年秋冬コレクションの会場となったのは、パーク・アベニュー・アーモリー。黄色味がかった円形の高架型のランウエイが設置され、その周囲に座席が配置された。今シーズン、キャサリンは彼女のヒーローでもある故デイヴィッド・リンチへのオマージュをコレクションに込めた。建築家グリフィン・フレイゼンがデザインした黄色いランウェイは、リンチが生涯忘れることがなかった「オズの魔法使い」へのオマージュでもあった。コレクションノートには次のような記述があった。「(中略)時を超えて影響を与え続ける要素が新たな組み合わせによって再構築され、魅惑的な形で蘇る(中略)」。リンチは、今もこれからも、キャサリンに影響を与え続けるのだろう。

強さとしなやかさの融合

ランウェイに登場したのは、時代に縛られない魅力を理解し、再構築したアイテムたち。ファーストルックに現れたルーズシルエットの濃紺デニムをはじめ、レザーのライダースジャケット、パワーショルダーのオーバーサイズジャケットなど、大人のためのリアルクローズがランウェイに次々と登場した。レパード柄のアイテム、スーパーニーハイブーツ、レザーコートなど、パワー・ドレッシングを基軸におきながらも、ブランケットステッチが施されたシルク、ボンディング加工のクレープサテン、トスカーナシアリング、ナイフプリーツのシルクツイルなどが、シルエットに女性らしいしなやかさを添えた。

ニットには実験的アプローチ
多層に重なる時代の美学

今季はニットに実験的なアプローチが加えられ、豊かな表情を見せた。ローゲージのざっくりとしたニット、フリンジ状や着古した風合いに処理したニットドレスは存在感があり、レザーと合わせることで柔と剛のコントラストを生み出した。コルセットはレザー素材の柔らかなフォルムで、フェミニンさを感じさせる。ブランドの象徴であるレザーも、手作業でのエイジングやファーとのコンビネーションで新たな進化を遂げた。一方でチョコレートやトフィーブラウン、鮮やかな赤が織り交ぜられたカラーパレットで、NYらしさも感じさせた。

エドワード朝の荘重なスタイルから60年代のモッズ、80年代のパワーファーまで。多くの時代の美学が凝縮された56ルックは、「ケイト」のネクストステージを予感させるコレクションだった。

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上海の2大洋菓子の秘密【ヒキタミワの水玉上海】

1993年から上海在住のライターでメイクアップアーティストでもあるヒキタミワさんの「水玉上海」は、ファッションやビューティの最新トレンドや人気のグルメ&ライフスタイル情報をベテランの業界人目線でお届けします。今回は上海を代表する2大洋菓子である「胡蝶酥(フーディエスー)」と「牛軋糖(ニウガータン)」について。戦前からの「国際都市」上海の姿を映し出しています。

日本から「フレンチ上海」の著者
にむらじゅんこさんを招いたトークイベント

オールド上海の代表的な二大洋菓子、胡蝶酥(フーディエスー/パルミエ=フランス風のパイ菓子)と牛軋糖(ニウガータン/ヌガー )の存在感が増している。豫園(ユーユエン)や田子坊(ティエンズファン)といった観光スポットを久しぶりに散歩してみたら、そのバリエーションにせよ、お店の数にせよ、以前より格段に進化していることに気づいた。胡蝶酥は、蝶々の形のパイ。牛軋糖はミルク入りヌガー。どちらもフランス人が住んでいたエリア「フランス租界」で食べられ、一世紀以上経っても上海人に愛され続けている。そのルーツを知りたくて、「フレンチ上海」(平凡社)の著者にむらじゅんこ教授(関西学院大学)をお呼びしてレクチャー&試食会「上海の洋風お菓子&料理の秘密に迫る」を企画した。

胡蝶酥は日本人的に言うならば「源氏パイ上海版」なのだが、フランスでは「パルミエ(椰子の実)」、ドイツでは「豚の耳」、スペインでは「メガネ」などと呼ばれ、ロシアでも売られている。だが、だれがいつ上海に伝えたのかは謎らしい。にむら先生によれば、アルメニア人大虐殺(1915-1917年)で、上海に逃げてきたチャッカリアン兄弟が普及させた可能性が高いとか。兄弟が開いたパン・ケーキ店「老大昌(ラオダーチャン)」は、淮海路の国泰電影院の対面にあり、昔も今も愛されている息の長いお店だ。上海に亡命ユダヤ人や亡命ロシア人が多かったと聞いたことはあったが、亡命アルメニア人もいたとは! かつてはビザもパスポートも不要で行き来できた国際都市・上海の懐の深さを感じさせるお菓子である。

さて、もうひとつの牛軋糖。この上海ヌガーの普及の背景には牛乳推奨があったはず。西欧人たちの食習慣にバターやミルクは欠かせないものだったし、滋養強壮のためにミルクは強く推奨された。「nougat(ヌガー)」という言葉自体はフランス語だが、実はヌガーには二種類あり、泡立てた卵白が入ったものが「白ヌガー」で、ナッツ類を砂糖やハチミツで固めたものが「黒ヌガー」。卵白の代わりにミルクを入れたものは、厳密には「ヌガー」ではないものの、ヌガーに見立てているところが上海ヌガーの日本や台湾との共通点(不二家の「ミルキー」、森永の「ヌガー」など)である。

また、ピーナッツや胡麻の入った、べっこう飴「花生芝麻酥(フアシェンジーマースー)」「麻薄酥(マーボースー)」が中国やベトナムではよく食べられているが、フランス人はこれを「ヌガー・シノワ」と今でも呼んでいる。つまり、西洋人の視点からは、これらのべっこう飴は「黒ヌガー」なのだ。にむら教授によれば、「花生芝麻酥」や「麻薄酥」も、シルクロード経由でも、海のシルクロード経由で中国に伝播していてもおかしくないのだという。中華菓子だと信じ込んでいたこれらがまさかフレンチ菓子だったことに驚きを隠せない。

レクチャーを聞きつつ、私たちは、トローネ(イタリアのヌガー)と牛軋糖を食べ比べ、国際飯店の胡蝶酥(4時間並んで購入)、ボルシチの上海版「羅宋湯(ロウソンタン)」(亡命ロシア・スープ)や土豆沙拉(トゥードウシャラー)(日本のポテトサラダに激似)も試食した。グローバルな近代のうねりの中で誕生した上海の歴史と文化交渉を知識としてだけでなく、舌でも味わうことができ、大満足の会となった。

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「カルティエ」が大阪・関西万博ウーマンズパビリオンで学びの場を提供 トークセッションで知るシビアな日本の女性の現状

「カルティエ(CARTIER)」は3月6日、フランス大使公邸で2025年大阪・関西万博(以下、大阪・関西万博)のウーマンズパビリオンについてトークセッションを行った。同ブランドは長年にわたり女性起業家などへの支援を行ってきており、ウーマンズパビリオンを出展するのは2020年ドバイ万博に続き2回目。会期中はパビリオンで女性にフォーカスした展示をはじめ、2階の“WA”スペースで現代の女性の役割や状況について講演会やディスカッションを行う。

“WA”とは、対話の“話”であり、平和の“和”、循環の“輪”、全ての人が共に生きる生命の輪を意味する人が集まる場所“アゴラ”を意味する。テーマに合わせてリーダーや専門家が意見を交わす場として万博期間中150以上のイベントを予定している。6日のトークセッションでは、“WA”スペースで登壇するアドバイザーらが自身の担当分野について語った。

女性の社会的立場や都市のあり方について考える

「役割とアイデンティティー」を担当する慶應義塾大学教授の宮田裕章は、日本における女性の社会的立場について言及。世界的に女性の社会的立場が低く、シングルペアレンツの貧困率は5割を超えると述べた。日本の社会では、離婚した場合の法的枠組みにおいて子育て負担は女性であり、非正規雇用の割合が高いため経済的にも困難なケースが多いという。同氏は、「女性のエンパワーメントは男性もコミットしていくべき。女性に光を当てて、未来を考えることで、あらゆる立場の人の課題解決につながるはずだ」と述べた。

東京都公立大学法人理事(国際担当)のウスビ・サコ(Oussouby Sacko)は、「都市」をテーマにしたセッションを担当する。サコ理事は、京都精華大学元学長でアフリカ人として日本の大学の学長を務めた。長年にわたり、住宅デザインや生活様式の調査研究を行っている。彼は、「近代都市は分断により経済的生産性を保ってきたが、その時代が終わりダイバーシティーこそが重要だ」とコメント。パビリオンを設計した建築家の永山祐子とセッションで、今あるべき都市について語り合うという。

女性が活躍するための教育やアート、メディアの役割

マルチメディアアーティストのスプツニ子!は、「芸術と文化」を担当。タレントのシェリーと共に、アートとメディアの共通点を探るセッションを行う予定だ。2010年にアートとして発表した「生理マシーン」で話題になったスプツニ子!だが、当時はまだ、女性の生理について語ることはタブーとされていた。彼女は、「人の価値観に訴えるのは難しい。時代を照らすアートと人に寄り添いながら伝えるメディアの役割について深掘りする」とコメント。シェリーは、「女性=アイデンティティーと思われがち。だが、国籍、母親、職場での立場などいろいろな要素がある。女性が生きやすくなることで世の中がどう変わるのか考えたい」と語った。

「教育と政策」を担当するのは、グローバル・ベンチャー・キャピタル企業MPower Partnersのキャシー松井ゼネラル・パートナーだ。経済学者である彼女は、25年以上前に日本経済再建の柱として“ウーマン”と“エコノミクス”を組み合わせた「ウーマノミクス」を打ち出した人物。高等教育の機会が少ない約15カ国からの女性の教育機関であるアジア女子大学の支援財団理事も勤めている。松井氏は、「戦争、テロ、病気、貧困といった世界の問題を解決する唯一の鍵が女性の教育だ。それに投資する方が何十倍もリターンがある」と強調。パビリオンでは、アジア女子大学の卒業生であるロヒンギャ難民が歩んできた人生についてセッションを行う。

宮地純カルティエ・ジャパン プレジデント&CEOは「セッションを通して新しい視点に触れ、それをコミュニティーに持ち帰り伝えてもらえれば。共感の積み重ねが未来を変える力になる」とコメントしている。

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マンガで学ぶ「在庫管理の魔術」 第9話:物流倉庫も巻き込み一歩前進! 次に見えた課題とは?

中堅アパレルのチェーンストア「ハンナズ」は、過剰在庫が原因で経営危機に瀕している。社長の安堂平磨は、娘でバイヤーの安堂あい、あいの夫で渋谷店店長の安堂徹に再生を期待するが、2人は「売れ残るリスクを抱えながら在庫を持つべきか?」それとも「売り上げが落ちるリスクを抱えながら在庫を減らすべきか?」で迷い続ける。

売れ行きに応じて自動で在庫管理できるシステム「ダイナミック・ターゲット・マネジメント」を考案してからの徹は、南関東倉庫のマネージャー、加地からのお墨付きを得て前途洋々。一方、あいは投資家である兄の蓮也に会い、徹が着手したテコ入れ策の好業績を報告していた。厳しい表情の蓮也が放った言葉とは......?

登場人物紹介

第九話

このマンガは、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)も経営陣で読んだとされるTOC(制約理論)の原点にして最高の入門書「ザ・ゴール」を原案としています。「ザ・ゴール」を中心としたマネジメント理論に関する書籍は、ダイヤモンド社が販売中です。

ORIGINAL WORKS:ELIYAHU GOLDRATT、JEF COX
SUPERVISION:YUJI KISHIRA
SCRIPT:TAKEO AOKI
COMICS:YAMA AOTA

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マンガで学ぶ「在庫管理の魔術」 第9話:物流倉庫も巻き込み一歩前進! 次に見えた課題とは?

中堅アパレルのチェーンストア「ハンナズ」は、過剰在庫が原因で経営危機に瀕している。社長の安堂平磨は、娘でバイヤーの安堂あい、あいの夫で渋谷店店長の安堂徹に再生を期待するが、2人は「売れ残るリスクを抱えながら在庫を持つべきか?」それとも「売り上げが落ちるリスクを抱えながら在庫を減らすべきか?」で迷い続ける。

売れ行きに応じて自動で在庫管理できるシステム「ダイナミック・ターゲット・マネジメント」を考案してからの徹は、南関東倉庫のマネージャー、加地からのお墨付きを得て前途洋々。一方、あいは投資家である兄の蓮也に会い、徹が着手したテコ入れ策の好業績を報告していた。厳しい表情の蓮也が放った言葉とは......?

登場人物紹介

第九話

このマンガは、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)も経営陣で読んだとされるTOC(制約理論)の原点にして最高の入門書「ザ・ゴール」を原案としています。「ザ・ゴール」を中心としたマネジメント理論に関する書籍は、ダイヤモンド社が販売中です。

ORIGINAL WORKS:ELIYAHU GOLDRATT、JEF COX
SUPERVISION:YUJI KISHIRA
SCRIPT:TAKEO AOKI
COMICS:YAMA AOTA

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「エルメス」新リップや限定の「トーン」×「ケイタ マルヤマ」が登場!今週発売のビューティアイテム11選【3/10〜3/16】

ビューティアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は3月10〜16日に発売するアイテムを紹介します。毎週のように発売される限定品。今週は、昨年大好評だった「トーン(TO/ONE)」×「ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)」の桜コレクションが登場します。昨年よりも色数やアイテムカテゴリーが拡大しているので、お気に入りが見つかるかも!? ほか、「コスメデコルテ(DECORTE)」は、最高峰ライン“AQ”ラインのフェイスパウダーから限定色を発売するほか、「ミシャ(MISSHA)」は、サンリオの人気キャラクター、ポムポムプリンとコラボした限定デザインを用意。どれも数量限定なので早めのチェックを!エルメス(HERMES)」の新作リップスティックも注目です。

【3月10日発売】
レブロン
(REVLON)

人気リップの新色

「レブロン(REVLON)」はうるっと透け感発色の“シアー バーム クレヨン”から新色を発売する。血色感をプラスするモデラートブラウンの“ピーチ ヌード”と、大人のムードを演出するピンクモーヴの“ヌーディー モーヴ”の2色を用意する。

■商品詳細

“シアー バーム クレヨン”(新2色、各1430円)

【3月10日発売】
ミシャ
(MISSHA)

ポムポムプリンとコラボ

「ミシャ(MISSHA)」は、サンリオの人気キャラクター、ポムポムプリンとコラボした限定デザインの“ミシャ ビタシープラス 美容液”と“ビタシープラス デイリーマスク”を発売する。ポムポムプリンのプリン色のボディーと、ビタシープラスシリースのキーカラーであるイエローが愛らしく溶け合うデザインになっている。

■商品詳細

“ミシャ ビタシープラス 美容液”(30mL、2200円)
“ビタシープラス デイリーマスク”(30枚入り、2200円)

【3月12日発売】
エルメス
(HERMES)

スリムな新リップスティック

「エルメス(HERMES)」は、新作リップスティック“ルージュ エルメス ルージュ ブリヤン シルキー”を発売する。ゾンのスカーフに使われている伝統のシルクツイルが持つ、ベルベットのような滑らかな肌触りを新たな解釈で取り入れた、カラフルな雲のようなリップスティックだ。

■商品詳細

“ルージュ エルメス ルージュ ブリヤン シルキー”(全14色、各9240円)
リミテッドエディション(各1万10円)

【3月12日発売】
Nオーガニック
(N ORGANIC)

“花粉爆発”を防ぐジェルクレンジング 

「Nオーガニック(N ORGANIC)」は、環境による肌ダメージを防ぐジェルタイプのクレンジング“スージング クレンジングジェル”を発売する。伊予柑由来のナノファイバーが汚れを浮き上がらせるブラッシングクレンズ処方と、植物エキス3種の複合成分が汚れを引き寄せ落としやすくするマグネットクレンズ処方で細かい汚れにアプローチする。

■商品詳細

“スージング クレンジングジェル”(170g、3850円)

【3月13日発売】
トーン
(TO/ONE)

「トーン」×「ケイタ マルヤマ」桜コレクションが今年も 

「トーン(TO/ONE)」は、丸山敬太デザイナーが手掛けるアパレルブランド「ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)」とのコラボコレクションを発売する。アイシャドウやチーク、グロスなどメイクアップアイテムから美容液、ハンドクリーム、オードトワレなどをラインアップ。オリジナルパッケージには、桜のパターンに花鳥柄を描いている。

■商品詳細

“ペタル フロート アイズ”(限定6色、各2420円)
“ペタル フロート ブラッシュ”(限定3色、各3300円)
“ペタル ブルーミング グロス”(限定2色、各2750円)
“オードトワレ サクラ イン ブルーム”(限定1種、30mL、4950円)
“ブライトニング ブースター セラム サクラ イン ブルーム”(限定1種、55mL、4620円)
“ハンドクリーム サクラ イン ブルーム”(限定1種、30g、2420円)
“フラワーティー”(限定1種、3456円)

【3月13日発売】
セルヴォーク
(CELVOKE)

人気クレンジングオイルから“ブランカモミール”の香り

「セルヴォーク(CELVOKE)」は、人気製品“カームブライトニング クレンジングオイル”から“ブランカモミールの香り”を数量限定で発売する。カモミールをオーガニックホホバオイルに漬け込んだインフューズドオイル、シークワサーエキスやビタミンC誘導体を新配合し、紫外線や乾燥などによる肌ダメージへアプローチする。

■商品詳細

“カームブライトニング クレンジングオイル C ブランカモミールの香り”(限定、150mL、4180円)

【3月14日発売】
クラランス
(CLARINS)

表情ヨレ着目した新ファンデーション

「クラランス(CLARINS)」は、表情ヨレに着目した新ファンデーション“スキン イリュージョン フルカバレッジファンデーション”を発売する。表情の動きに密着する独自の“スキンフィット テクノロジー”を搭載したほか、美容液発想の保湿成分などを配合。ニキビやテカリに悩んでいる世代でもスキンケア感覚で使うことができる。

■商品詳細

“スキン イリュージョン フルカバレッジファンデーション”(全6色、各30mL、各7150円)

【3月14日発売】
ローラ メルシエ
(LAURA MERCIER)

人気のカラーアイテムの限定ペアセット

「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」は、“キャビア スティック アイカラーN”の王道シェード“R01 モダン ローズ”のフルサイズに、“ブラッシュ カラー インフュージョン”の“02 ローズ”の特製サイズをペアリングしたセット“ローラ メルシエ イブニング ブリリアンス アイ&チーク セット”を発売する。

■商品詳細

“ローラ メルシエ イブニング ブリリアンス アイ&チーク セット”(4730円)

【3月15日発売】
オンリーミネラル
(ONLY MINERALS)

冷感UVケアシリーズ 

「オンリーミネラル(ONLY MINERALS)」は、ひんやりとした使い心地で夏のUVケアをサポートする“クールコンフォート”シリーズを昨年に引き続き発売する。昨年も登場した冷感UVパウダーとUV下地に、BBクリームと毛穴ケア下地を加えた全4アイテムをラインアップする。

■商品詳細

“ミネラルUVパウダーS クールコンフォート”[SPF50+・PA ++++](全2色、各3960円)
“スキンケアUVクリームN クールコンフォート” [SPF50+・PA+++](25g、3520円)
“カラーバランスBBクリーム クールコンフォート” [SPF40・PA+++](25g、3850円)
“ポアレスフィルタージェル クールコンフォート”(15g、2970円)

【3月15日発売】
ヒンス
(HINCE)

ぷる艶を与えるリップ&チーク

「ヒンス(HINCE)」は、“しずく”にインスピレーションを得たマルチバーム“ロウグロウデューイーボール”を発売する。高粘度オイルで作られた透明コーティング膜が、しっとりしたぷる艶リップを演出。唇の温度で溶けるためなめらかに重ねることができる。

■商品詳細

“ロウグロウデューイーボール”(全13色、各1815円)

【3月16日発売】
コスメデコルテ
(DECORTE)

“AQ”のフェイスパウダーに限定色

「コスメデコルテ(DECORTE)」は、最高峰ライン“AQ”ラインのフェイスパウダー“オーラ リフレクター”から、限定色“04 トワイライト ブルーム”を数量限定で発売する。カシスパープル系で、パープルやレッド、ブルーなどの多彩なパールが織りなす輝きが特徴。美しい宵のような透明感と艶を与える。

■商品詳細

“AQ オーラ リフレクター 04 トワイライト ブルーム”(限定、1万1000円)

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「エルメス」新リップや限定の「トーン」×「ケイタ マルヤマ」が登場!今週発売のビューティアイテム11選【3/10〜3/16】

ビューティアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は3月10〜16日に発売するアイテムを紹介します。毎週のように発売される限定品。今週は、昨年大好評だった「トーン(TO/ONE)」×「ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)」の桜コレクションが登場します。昨年よりも色数やアイテムカテゴリーが拡大しているので、お気に入りが見つかるかも!? ほか、「コスメデコルテ(DECORTE)」は、最高峰ライン“AQ”ラインのフェイスパウダーから限定色を発売するほか、「ミシャ(MISSHA)」は、サンリオの人気キャラクター、ポムポムプリンとコラボした限定デザインを用意。どれも数量限定なので早めのチェックを!エルメス(HERMES)」の新作リップスティックも注目です。

【3月10日発売】
レブロン
(REVLON)

人気リップの新色

「レブロン(REVLON)」はうるっと透け感発色の“シアー バーム クレヨン”から新色を発売する。血色感をプラスするモデラートブラウンの“ピーチ ヌード”と、大人のムードを演出するピンクモーヴの“ヌーディー モーヴ”の2色を用意する。

■商品詳細

“シアー バーム クレヨン”(新2色、各1430円)

【3月10日発売】
ミシャ
(MISSHA)

ポムポムプリンとコラボ

「ミシャ(MISSHA)」は、サンリオの人気キャラクター、ポムポムプリンとコラボした限定デザインの“ミシャ ビタシープラス 美容液”と“ビタシープラス デイリーマスク”を発売する。ポムポムプリンのプリン色のボディーと、ビタシープラスシリースのキーカラーであるイエローが愛らしく溶け合うデザインになっている。

■商品詳細

“ミシャ ビタシープラス 美容液”(30mL、2200円)
“ビタシープラス デイリーマスク”(30枚入り、2200円)

【3月12日発売】
エルメス
(HERMES)

スリムな新リップスティック

「エルメス(HERMES)」は、新作リップスティック“ルージュ エルメス ルージュ ブリヤン シルキー”を発売する。ゾンのスカーフに使われている伝統のシルクツイルが持つ、ベルベットのような滑らかな肌触りを新たな解釈で取り入れた、カラフルな雲のようなリップスティックだ。

■商品詳細

“ルージュ エルメス ルージュ ブリヤン シルキー”(全14色、各9240円)
リミテッドエディション(各1万10円)

【3月12日発売】
Nオーガニック
(N ORGANIC)

“花粉爆発”を防ぐジェルクレンジング 

「Nオーガニック(N ORGANIC)」は、環境による肌ダメージを防ぐジェルタイプのクレンジング“スージング クレンジングジェル”を発売する。伊予柑由来のナノファイバーが汚れを浮き上がらせるブラッシングクレンズ処方と、植物エキス3種の複合成分が汚れを引き寄せ落としやすくするマグネットクレンズ処方で細かい汚れにアプローチする。

■商品詳細

“スージング クレンジングジェル”(170g、3850円)

【3月13日発売】
トーン
(TO/ONE)

「トーン」×「ケイタ マルヤマ」桜コレクションが今年も 

「トーン(TO/ONE)」は、丸山敬太デザイナーが手掛けるアパレルブランド「ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)」とのコラボコレクションを発売する。アイシャドウやチーク、グロスなどメイクアップアイテムから美容液、ハンドクリーム、オードトワレなどをラインアップ。オリジナルパッケージには、桜のパターンに花鳥柄を描いている。

■商品詳細

“ペタル フロート アイズ”(限定6色、各2420円)
“ペタル フロート ブラッシュ”(限定3色、各3300円)
“ペタル ブルーミング グロス”(限定2色、各2750円)
“オードトワレ サクラ イン ブルーム”(限定1種、30mL、4950円)
“ブライトニング ブースター セラム サクラ イン ブルーム”(限定1種、55mL、4620円)
“ハンドクリーム サクラ イン ブルーム”(限定1種、30g、2420円)
“フラワーティー”(限定1種、3456円)

【3月13日発売】
セルヴォーク
(CELVOKE)

人気クレンジングオイルから“ブランカモミール”の香り

「セルヴォーク(CELVOKE)」は、人気製品“カームブライトニング クレンジングオイル”から“ブランカモミールの香り”を数量限定で発売する。カモミールをオーガニックホホバオイルに漬け込んだインフューズドオイル、シークワサーエキスやビタミンC誘導体を新配合し、紫外線や乾燥などによる肌ダメージへアプローチする。

■商品詳細

“カームブライトニング クレンジングオイル C ブランカモミールの香り”(限定、150mL、4180円)

【3月14日発売】
クラランス
(CLARINS)

表情ヨレ着目した新ファンデーション

「クラランス(CLARINS)」は、表情ヨレに着目した新ファンデーション“スキン イリュージョン フルカバレッジファンデーション”を発売する。表情の動きに密着する独自の“スキンフィット テクノロジー”を搭載したほか、美容液発想の保湿成分などを配合。ニキビやテカリに悩んでいる世代でもスキンケア感覚で使うことができる。

■商品詳細

“スキン イリュージョン フルカバレッジファンデーション”(全6色、各30mL、各7150円)

【3月14日発売】
ローラ メルシエ
(LAURA MERCIER)

人気のカラーアイテムの限定ペアセット

「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」は、“キャビア スティック アイカラーN”の王道シェード“R01 モダン ローズ”のフルサイズに、“ブラッシュ カラー インフュージョン”の“02 ローズ”の特製サイズをペアリングしたセット“ローラ メルシエ イブニング ブリリアンス アイ&チーク セット”を発売する。

■商品詳細

“ローラ メルシエ イブニング ブリリアンス アイ&チーク セット”(4730円)

【3月15日発売】
オンリーミネラル
(ONLY MINERALS)

冷感UVケアシリーズ 

「オンリーミネラル(ONLY MINERALS)」は、ひんやりとした使い心地で夏のUVケアをサポートする“クールコンフォート”シリーズを昨年に引き続き発売する。昨年も登場した冷感UVパウダーとUV下地に、BBクリームと毛穴ケア下地を加えた全4アイテムをラインアップする。

■商品詳細

“ミネラルUVパウダーS クールコンフォート”[SPF50+・PA ++++](全2色、各3960円)
“スキンケアUVクリームN クールコンフォート” [SPF50+・PA+++](25g、3520円)
“カラーバランスBBクリーム クールコンフォート” [SPF40・PA+++](25g、3850円)
“ポアレスフィルタージェル クールコンフォート”(15g、2970円)

【3月15日発売】
ヒンス
(HINCE)

ぷる艶を与えるリップ&チーク

「ヒンス(HINCE)」は、“しずく”にインスピレーションを得たマルチバーム“ロウグロウデューイーボール”を発売する。高粘度オイルで作られた透明コーティング膜が、しっとりしたぷる艶リップを演出。唇の温度で溶けるためなめらかに重ねることができる。

■商品詳細

“ロウグロウデューイーボール”(全13色、各1815円)

【3月16日発売】
コスメデコルテ
(DECORTE)

“AQ”のフェイスパウダーに限定色

「コスメデコルテ(DECORTE)」は、最高峰ライン“AQ”ラインのフェイスパウダー“オーラ リフレクター”から、限定色“04 トワイライト ブルーム”を数量限定で発売する。カシスパープル系で、パープルやレッド、ブルーなどの多彩なパールが織りなす輝きが特徴。美しい宵のような透明感と艶を与える。

■商品詳細

“AQ オーラ リフレクター 04 トワイライト ブルーム”(限定、1万1000円)

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「コム デ ギャルソン」の警鐘 巨大な存在だけが圧倒的なパワーを持ってしまっていいの?

「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」の2025-26年秋冬コレクションは、いつも通り、彫刻のようなスタイルから始まった。ファーストルックは、ピンストライプ。スポンジのような素材を仕込んで自由に変える形からは、生地を今まさにテーブルに広げ、これから洋服作りが始まろうとしている一瞬を捉えている印象を受ける。

そこからコレクションは、小さな服の集合体で大きな洋服を作るようなアプローチに変貌を遂げる。例えばノースリーブのドレスは、赤いベロアのような生地に始まり、紫や黒のサテン、ダークグレーのスーツ地、そしてライトグレーのフランエルという5層構造。背中も同じ構造だ。その後も、人形に着せるような小さなドレスを寄せ集めたスカートを持つドレス、ジャケットの身頃をヒダ状に重ねて砂時計のようなシルエットを描いたジャンプスーツ、プリーツを寄せたスーツの袖をアコーディオンのように連ねたワンピースや、同様のアイデアで生み出したラストルックのドレスなどが続いた。

テーマは、「smaller is stronger(小さきものほど、強いもの)」。川久保玲デザイナーは、「大きなビジネスやビッグカルチャー、巨大なネットの世界など、大きいものにパワーがあるように思えるが、それだけではない。メゾンやアーティストには、小さな規模でも素晴らしい仕事がたくさんある。今回は削ぎ落とし、小さく表現したコレクション」と話した。集合体となって巨大な洋服を作った小さな服は、その「小さな規模でも素晴らしい仕事」の1つ1つに焦点を当てようとしたものであり、そんな仕事や職人、洋服、そしてブランドなどの総体は、時に大きなメゾンに匹敵することを訴えたかったのではないだろうか?そう考えると、ときどきモデルが身に着けるグローブは、闘うためのボクシンググローブのようにも見える。

ともすれば、そんな小さな集合体は、時に大きな存在を凌駕するという可能性さえ示唆しているのかもしれない。小さなパーツの集合体は、時に大きな洋服の全体を覆ったり、そのパターンに収まりきらないほど逸脱していたりもするからだ。

パリ・ファッション・ウイークやファッション業界、そして社会全般も、大きな存在の影響力が強くなっていることは否めない。ファッション・ウイークではビッグメゾンは壮大な演出で会場を沸かせ、ファッション業界では巨大コングロマリットの存在感は高まるばかり。社会でも巨大プラットフォーマーはヒエラルキー構造のもとで独占的なビジネスを推進している側面が強いし、世界では巨大国家の覇権争いが続くどころか加速している。世間の関心や憧れは、油断すると、そんな存在ばかりに向いてしまいがちだが、もっと小さな、別の存在や可能性に目を向けてみてはどうだろう?小さなスーツを集めて作ったラストルックのドレスを、モデルが大きく広げて歩く姿に希望や可能性を見出したい。

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「アンダーカバー」高橋デザイナーによる「ジーユー」の新ライン“ユージー”第1弾が発売に! 来週発売のファッションアイテム11選【3/10〜3/16】

ファッションアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は3月10〜16日に発売するアイテムを紹介します。いよいよ「アンダーカバー」の高橋盾デザイナーが手掛ける「ジーユー」の新ライン“ユージー”の第1弾が14日に発売になります。ウェブ記事のアクセス数からも期待が高いことがうかがえる“ユージー”。本来は隠す縫い代を表に出してあえて見せたり、切りっぱなしにしたりする手法がデザインの特徴の一つで、メンズアイテムながらもユニセックスとしても着られることも意識して作ったそう。争奪戦になりそうです。

【3月10日発売】
ディーン&デルーカ
(DEAN & DELUCA)

「ビームス クチュール」「ジップロック」
トリプルコラボ第3弾

「ディーン&デルーカ(DEAN & DELUCA)」は、「ビームス クチュール(BEAMS COUTURE)」「ジップロック(ZIPLOC)」とトリプルコラボしたバッグを発売する。クリア素材のトートと、保冷・保温機能搭載したバッグの2種を販売する。

■商品詳細

“クリアトートバッグS”(3850円)
“クーラートートバッグS”(5280円)

【3月11日発売】
グリーン パークス
(GREEN PARKS)

「スター・ウォーズ」コラボ
Tシャツやキャップなど13型

グリーン パークス(GREEN PARKS)は、「スター・ウォーズ」とのコラボアイテムを発売する。各アイテムには、「スター・ウォーズ」ロゴや人気キャラクターをモチーフとしたデザインをあしらい、ウエアやキャップ、メッシュバッグなど13型をラインアップする。

■商品詳細

コラボロンT(4990円)
コラボTシャツ(3990円〜)
コラボパーカ(5990円)
コラボスエット(4990円)
コラボバッグ(3990円)
※一部商品

【3月12日発売】
クリスチャン ルブタン
(CHRISTIAN LOUBOUTIN)

「メゾン マルジェラ」コラボ
シューズを多数ラインアップ

「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」は、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」とのコラボシューズを発売する。“メゾン マルジェラ バイ クリスチャン ルブタン”と“クリスチャン ルブタン バイ メゾン マルジェラ”の2テーマで構成する。

■商品詳細

コラボシューズ“メゾン マルジェラ バイ クリスチャン ルブタン”(15万円〜)
コラボシューズ/“クリスチャン ルブタン バイ メゾン マルジェラ”(15万9000円〜)

【3月12日先行発売】
ブルックス ブラザーズ
(BROOKS BROTHERS)

「コンバース」コラボ
“オールスター LGCY”2型

「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」は、「コンバース(CONVERSE)」との限定コラボスニーカーを発売する。“オールスター LGCY”を土台とし、2型を制作。3月9日まで公式オンラインで先行予約を受け付け、12日から「ブルックス ブラザーズ」表参道店および京都高島屋店で先行発売、一般発売は3月15日から。

■商品詳細

コラボスニーカー“ブルックス ブラザーズ×コンバース オールスター LGCY HI”(1万6500円)
コラボスニーカー“ブルックス ブラザーズ×コンバース オールスター LGCY OX”(1万5400円)

【3月13日発売】
フェンディ
(FENDI)

「フェンディ」100周年記念
タロアウトとコラボ

「フェンディ(FENDI)」は、キャラクターアーティスト、タロアウトとのコラボアイテムを発売する。アーティスティック・ディレクター、シルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)と家族がローマ本店のパラッツォフェンディで過ごす様子をデザイン。国内限定バッグをはじめ幅広くラインアップする。

■商品詳細

コラボバッグ“ピーカブー エックスライト スモール”(国内限定、予定価格63万8000円)
コラボバッグ“バゲット”(予定価格57万8600円)
コラボバッグ“バゲット ソフト トランク”(予定価格34万3200円)
コラボトートバッグ(予定価格32万7800円)
コラボスニーカー(予定価格16万2800円)
※一部商品

【3月13日先行発売】
マウジー
(MOUSSY)

「リーボック」コラボ
バスケをモチーフに13型

「マウジー(MOUSSY)」は、「リーボック(REEBOK)」とのコラボアイテムを発売する。コラボレーションロゴをあしらったトラックジャケットやパーカ、メッシュ素材のゲームシャツなどバスケットボールに着想を得た13型を制作。すでにシェルター ウェブストアで先行予約を受け付け、3月13日から「マウジー」一部店舗で先行発売、14日から一般発売する。

■商品詳細

コラボトラックジャケット(1万5290円)
コラボトラックパンツ(1万3090円)
コラボゲームシャツ(9790円)
コラボパーカ(1万1990円)
コラボTシャツ(7590円〜)
※一部商品

【3月14日発売】
ザ・ノース・フェイス
(THE NORTH FACE)

トレイルランニングシューズ3型
新ソールユニットを採用

「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は、トレイルランニングシューズ“ベクティブ 3.0(VECTIVE 3.0)”を発売する。着地の衝撃を抑える5層構造のソールユニットを搭載し、3型をラインアップする。

■商品詳細

ランニングシューズ“サミット ベクティブ プロ 3”(3万3000円)
ランニングシューズ“サミット ベクティブ スカイ 2”(2万9700円)
ランニングシューズ“ベクティブ エンドゥリス 4”(2万4200円)

【3月14日発売】
ジーユー
(GU)

「アンダーカバー」チームによる
新ライン“UG”第1弾

「ジーユー(GU)」は、高橋盾デザイナー率いる「アンダーカバー(UNDERCOVER)」チームが手掛ける新ライン“ユージー(UG)”のファーストコレクションを発売する。“サイレント/ノイズ”をコンセプトとし、「ジーユー」の商品を再解釈したメンズアイテム19型で構成する。

■商品詳細

アウター(4990円〜)
シャツ(2990円〜)
Tシャツ(1990円〜)
パンツ(3990円〜)
キャップ(1290円〜)
※一部商品

【3月14日発売】
ファセッタズム
(FACETASM)

ニコライ・バーグマンとコラボ
ガーデニングウエアを制作

「ファセッタズム(FACETASM)」は、フラワーアーティストのニコライ・バーグマン(Nicolai Bergmann)とコラボしたガーデニングウエアを発売する。アイスグレーを基調とし、エプロンやガーデニングバッグ、ウエアなど10型をラインアップ。ニコライのフラワーボックスに着想を得たオリジナルのバンダナ柄や、コラボロゴをあしらう。

■商品詳細

コラボジャケット(6万8200円)
コラボTシャツ(1万1000円)
コラボエプロン(3万6300円〜)
コラボガーデニングバッグ(4950円〜)
コラボキャップ(7150円、予約販売)
※一部商品

【3月14日先行発売】
マリメッコ
(MARIMEKKO)

新店舗オープン記念
コラボアイテムを先行発売

「マリメッコ(MARIMEKKO)」は、東京ミッドタウン日比谷に新店舗をオープンする。オープンを記念し、アーティストのペトラ・ボーナー(Petra Borner)とのコラボアイテムを国内先行発売する。独自の線画と鮮やかな色使いのアートワークを、シャツやワンピース、スカートなどウエアに落とし込んだ。一般発売は3月21日から。

■商品詳細

コラボワンピース(5万600円〜)
コラボシャツ(7万400円)
コラボスカート(5万3900円〜)
コラボカットソー(3万7400円)

【3月14日発売】
ヴィヴィアン・ウエストウッド
(VIVIENNE WESTWOOD)

新ユニセックスライン誕生
ラフォーレ原宿店限定ラインも

「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」は、新ユニセックスライン“ヴィヴィアン・ウエストウッド レッド アンド マン(VIVIENNE WESTWOOD RED+MAN)”のアイテムを発売する。宇宙を思わせるウエアや、ユニセックスデザインのベーシックなアイテムを制作、スローガンやパッチをあしらった。またラフォーレ原宿店限定ライン“ヴィヴィアン・ウエストウッド レッド アンド マン ‘エクスクルーシブ‘(VIVIENNE WESTWOOD RED+MAN ‘EXCLUSIVE‘)”のプレコレクションも同日発売する。

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バルーンボトムスで弾む春 コレクションに見る最新スタイル【2025年春夏トレンド】

風船のように膨らんだバルーンシルエットのボトムスが、大人かわいい系の春夏アイテムとして人気が上がってきました。泡に似た形から、“バブルスカート”の別名もついています。春夏に向けて盛り上がりそうなチャーミングな装いとも好相性なアイテムです。今回は、2025年春夏コレクションのランウエイルックから、バルーンボトムスの新スタイリングをご案内します。

「クロエ(CHLOE)」は、雲をまとったかのような、優美なドレープのボトムスを披露しました。ブルゾンとランジェリー風のトップスで合わせて、全体をニュートラルなパウダーカラーでまとめ、ネオ・ボヘミアンの雰囲気に整えました。足元は、バレエコアの延長線上にある新トレンドを予感させます。

甘辛ミックスでクールさをプラス

ふわふわしたバルーンボトムスはガーリーに見えがちですが、今シーズンはクールな見せ方も現れています。ユーティリティーウエアとの組み合わせは、バルーンが持つ甘さを適度に抑え込めるコンビネーションです。

「セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)」は、ビスチェからつながったようなバルーンのミニドレスでボリュームを印象付けました。上半身は、アウトドアのアノラック風ウエアをブラウスのようにまとい、硬軟のテイストミックス。足元は、ハイソックスとスニーカーブーツでアクティブキュートに仕上げています。

ビタミンカラーでポジティブスタイル

ボリュームを備えたバルーンボトムスには、ポジティブなカラーが似合います。鮮やかなビタミンカラーなら、一段と春らしいムードに。気分を盛り上げたい日に役立つコーディネートです。

エナジーチャージできそうなオレンジの装いを用意したのは、「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」。シフォン素材のブラウスに、ほのかに光沢を帯びたバルーンスカートを引き合わせて、ワントーンにまとめました。たっぷりとあしらったフリルやドレープが気品を漂わせ、ミニ丈でもエレガントな見え具合です。

上下でボリュームコントラストを強調

進化系バルーンとも呼べそうなボリューミーなシルエットも、バリエーションが広がってきました。パニエやバッスルを用いた、大胆な膨らみを持たせたタイプも登場。中世の貴婦人のようなムードが漂います。

「マルニ(MARNI)」は、アートをまとったかのようなダイナミックな花柄のトップス&スカートを披露しました。上半身はタイトなボディーフィットな一方、腰から下は宮廷衣装のような膨らみを帯びたシルエット。上下のボリューム格差を強調した、めりはりの際立つ華やかな装いです。

エレガントを極めたリボン×バルーン

人気がさらに広がっているディテールの一つに、リボンがあります。ロマンチックでたおやかなリボンを大ぶりに迎えるのが今季流。バルーンボトムスとも好相性です。

「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」は、リボンモチーフをそのままケープに落とし込みました。生地を惜しげもなくたっぷり使用したボリューミーでグラマラスなケープが、お姫様のよう。同素材のドレーピーなバルーンスカートが、コケットな印象です。ふわふわとした立体感が、ボディーを華奢に映します。

“空調服”で涼やかなアートフル

ソフトな雰囲気を宿したバルーンボトムスに、丸みや曲線を多用すれば、さらに朗らかな印象が加わります。ユーモラスな表情も加わり、アートフルでファニーな印象をまとえます。

「アンリアレイジ(ANREALAGE)」は、“空調服”とのコラボレーションが話題を集めたバルーンシリーズの新作を発表しました。内蔵された小さなファンで風を送り込むと、風船のようなシルエットに。軽やかなラウンドフォームが気持ちまで膨らませると同時に、清涼感も味わえるスタイルです。

柔和なムードを醸し出すバルーンボトムスは、周りの雰囲気も柔らかくしてくれます。上下のボリューム差で、めりはり豊かなシルエットを演出できます。レッグラインがすっきり映るのも魅力。パンツともレイヤードしやすそうです。この春は、バルーンボトムスで浮遊感が目を引くおしゃれを楽しんでみませんか。

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2025-26年秋冬はレザーブルゾンが欲しい

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月3日号からの抜粋です)

大塚:メンズコレ特集第2弾は、前回(2月3日号)で示した大きな流れから一歩進んで、具体的なトレンドを整理する内容です。日常着のアップデートがメインテーマです。

藪野:既存のスタイルをいかにアレンジするか。今季もシルエットの変化や色合わせ、素材の使い方によって、今の気分や新鮮さをどう表現するかがカギになりました。

サイズ感の変化が面白い

大塚:特にサイズ感の変化は面白かったです。上はコンパクト、下はワイドといったメリハリのあるシルエットが多かったですね。

藪野:あと、「野生味」というキーワードは注目です。そこには、直感的にデザイン要素をミックスするアプローチと、ワイルドな旅に出るイメージの2つの意味合いを感じました。代表例は「プラダ(PRADA)」や「サカイ(SACAI)」。前者はウエスタンやグランジ、グラムロックなどを本能的に組み合わせ、後者はアウトドア感を都会の着こなしに取り入れながら冒険のストーリーを描きました。どちらも人工ファーやヘアカーフなど、野生味あふれる素材使いが目を引きましたね。

大塚:暖冬の日本で売れるかは疑問ですね(苦笑)。

藪野:そうですよね。全体に用いたコートは難しそう。日本では、レザージャケットが本命アイテムになりそうです。コンパクトなライダースをコートの下に合わせたスタイルは新鮮でしたし、引き続きゆったりしたブルゾンをガバッと羽織る着こなしも多く、好みに合わせて選べる豊富なバリエーションが魅力的でした。

大塚:レザーブルゾンは欲しいですね。ミラノでは、ニットをスラックスにインするスタイルがあらゆる主要メゾンで出てきて驚きました。これは日本でどこまで浸透するか気になります。春夏のTシャツのタックインが一般化したように、今後はニットのタックインも定番化するかもしれませんね。

藪野:スラックスのサイズアップは免れないですね(笑)。ただ、今季らしいシルエットを表現する方法の一つとも言えそうです。クロップド丈やベルトマークなどでウエスト位置を高めに持ってきた着こなしも多く見られました。

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豪華客船「飛鳥Ⅲ」が7月20日就航 「幸を編む 至福の船旅」により新たなクルーズ文化を切り拓く

バトラーつきのペントハウスからソロまで
クルーズの自由度が広がる「飛鳥Ⅲ」の客室

日本のクルーズ文化を牽引してきた郵船クルーズが、34年ぶりに新造客船「飛鳥Ⅲ」を就航する。1年半をかけ、ドイツの「マイヤー造船所」で進水式も終え、2025年7月20日の初航海では船籍港である横浜港に「飛鳥Ⅱ」と並ぶ。「お客さまの好みに寄り添う旅」を提案する「飛鳥Ⅱ」と、「お客さまの好みが広がる旅」を切り拓く「飛鳥Ⅲ」の2隻運航により、日本の新たなクルーズ文化を築く。

「飛鳥Ⅲ」が提案するのは自分好みに広がるスタイリッシュクルーズだ。これまで飛鳥クルーズが培ってきた日本のおもてなしの心は大事にし、あらゆるニーズに応えるべく、多彩な選択肢をそろえている。全385室の客室には全てプライベートバルコニーがあり、居心地の良い空間だ。贅をつくしたペントハウスでは、専門のバトラーサービスも導入。荷解き・荷造りはもちろん、寄港地での個人手配、就寝前の客室でのカクテル提供など、最高峰のラグジュアリーステイをかなえる。空間デザインを手掛けたオリバー・レインが目指したのは、オープンで誰もが受け入れられるデザイン。客室は万葉集をコンセプトに、豊かな秋、爽やかな新緑など、日本の四季や自然を表現している。

リビングエリアと寝室が巧みに仕切られた「ミッドシップスイート」では、これまでにない趣向を凝らしている。各都道府県の魅力が体験できる「ASUKAⅢ meets 47都道府県」というプロジェクトで、それぞれのエリアの多彩な文化や産物に親しんでもらうという試みだ。例えば岩手県をテーマにした客室は南部鉄器や秀衡塗の器をディスプレーし、名産を取り入れたウェルカムスイーツやドリンクでもてなす。今回初めて、1人旅を優雅に楽しめる「ソロバルコニー」を26室設けたことも画期的だ。船内のデジタル化も進め、ワーケーションスタイルにも対応し、タブレット端末によりリアルタイムでの情報を発信する。

グルメやアートの多彩さで
五感が刺激されるクルーズ旅に

食の選択肢の幅広さも「飛鳥Ⅲ」の強みだ。フレンチ、洋食、グリルレストラン、割烹料理など船内では6つのレストランがある。プレゼンテーションスタイルのイタリアン「アルマーレ」では旬の厳選食材がワゴンで運ばれ、調理法を選ぶ食体験も。開放感のある空間で世界各地の名物料理を自由に選ぶビュッフェなど、早朝から深夜まで時間帯にあわせた料理を提供する「エムズガーデン」では、クルーズ旅ならではのグルメを満喫できるだろう。

3層吹き抜けのメーンアトリウム「アスカプラザ」は圧巻だ。開放的な光の層と日本の伝統美が融合したラグジュアリーな空間で、人間国宝の蒔絵作家、室瀬和美氏による高さ約9mの漆芸作品を鑑賞できる。贅沢でありながら、シンプルモダンな落ち着いたデザインと自然を感じる配色にこころ安らぐ。「飛鳥Ⅲ」はレストランやカフェなどのパブリックスペースや各客室に、アート作品が展示され、船内を探検するだけでギャラリー巡りをしたような高揚感を味わえ、空間そのもので日本の芸術文化の多様性を発信している。

心と身体の健康を整える
船首に位置する絶景風呂

自由度の高い「飛鳥Ⅲ」ではウィルネスコンシャスな旅も思いのまま。最上層の11、12デッキには木目のデッキに囲まれたアルバトロスプール、24時間自由に使えるジム、ヨガなどのプログラムを開催する「スタジオA3」やゴルフシミュレーター「ザ・リンクス」などの日頃のエクササイズを継続できる施設が用意されている。

なかでも日本のクルーズ船ならでは見どころは、船首に位置する展望大浴場や露天風呂「グランドスパ」だ。絶景の中で整う「展望サウナ」もあるという。アンバサダーを務める放送作家、脚本家の小山薫堂氏は「どんな名湯でもかなわないでしょう」と語る。最上階の船首はクルーズ船ではベストポジションであり、ドイツ人の技師たちは「船首を浴室にするなんて日本人はクレイジーだ!」と心底驚かれたという。最上の眺めを誰もが使える展望風呂にしたのは、日本ならではのおもてなしの心だ。

旅に寄り添い、広げる2隻運航で
クルーズの可能性を高め、深める

飛鳥クルーズは2025年夏から2隻運航となる。世界一周クルーズは「飛鳥Ⅲ」に引き継がれ、自分好みで楽しめるパーソナライズされた上質なクルーズライフを提案。「飛鳥Ⅱ」では各地方を目的地にした国内外クルーズなどのプランを増加し、地域とのつながりを深めつつ、手軽に楽しめるワンナイトクルーズから「寄り添う旅」のニーズに応える。

3年後の2028年には、郵船クルーズが運航管理を担うオリエンタルランドによる「ディズニークルーズ」がデビューする。クルーズ市場はさらに拡大し、クルーズ旅のありかたもさらに自由になるだろう。

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チャペル・ローンが火付け役! 2025年は中世風の「メディーバルコア」や「キャッスルコア」に注目 連載:ポップスター・トレンド考察

文筆家・つやちゃんがファッション&ビューティのトレンドをポップスターから紐解いていく本連載。第6回はチャペル・ローンやテイラー・スウィフトの影響で注目を集める中世風の「メディーバルコア」や「キャッスルコア」を紹介する。

パンデミックが転機となって、世界は後退し、過去に引き戻されているような印象を受けます。中世化しつつある、とさえ言えるかもしれません。グローバリズムは大きな行き詰まりを見せ、かつてあれほど希望を見い出されていたソーシャルメディアはいまや袋小路です。
THE NEW YORKER「Haruki Murakami on Rethinking Early Work」より。筆者訳)

上記は、2024年11月の「THE NEW YORKER」に掲載された村上春樹の発言だ。近年の武力紛争が小説の執筆にどういった影響を与えているか、という旨の質問に対する回答だが、この件に限らず、20年代の社会に対して中世との類似性を指摘する意見が昨今目につく。宗教やイデオロギーによる争いだけではない。格差の拡大、ヒエラルキーの非流動性、封建的な権力構造、社会不安のはけ口としてのスケープゴート、知と学問の断片化――あらゆる局面で、異端審問や宗教戦争、魔女狩り、領主による分権的統治や権力者による知の独占といった、中世において繰り返されてきた問題と似たような事態が顕在化してきている。

そのような状況下で、ファッションやポップミュージック、デザインの領域において、中世風のファッションをベースとした「メディーバルコア(Medieval Core)」、あるいは「キャッスルコア(Castle Core)」といったトレンドが昨年後半から浮上してきているのは当然のことなのかもしれない。アメリカの「W MAGAZINE」は昨秋、「What’s Behind the Sudden Surge of Gladiator-Inspired Celebrity Style?(突然のグラディエーター風セレブスタイルの急増にはどういった背景がある?)」という記事を特集した。その後も各国のメディアで「メディーバルコア」や「キャッスルコア」の盛り上がりが取り上げられており、Pinterestにおける関連ワードの検索数も急増しているようだ。もちろん、中世の世界観に近いものをモチーフにすること自体は特段目新しいアプローチではなく、例えば「指輪物語」関連の小説や映画作品、マノウォー(Manowar)をはじめとしたヘヴィメタルバンド、さらには国内だとMALICE MIZER(マリスミゼル)といったビジュアル系バンドなど多方面において観察されてきた。王家の内乱を描いたドラマシリーズ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」にしろ、封建制や騎士道の価値観を見せる映画「デューン」にしろ、はたまた中世ヨーロッパ風のファンタジー小説としてアメリカの若者の間でベストセラーとなっている「A Court of Thorns and Roses」にしろ、昨今も中世の世界観を参照したような作品がさまざまな領域でヒットしている。この春に公開予定の「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」が壮大な中世ヨーロッパを描いていたり、バズ・ラーマン監督が映画「ジャンヌダルク」を製作中というニュースが入ってきたりと、中世を舞台にした作品は今後もまだまだ増えそうだ。

昨今の「メディーバルコア/キャッスルコア」の美学

けれども、昨今の「メディーバルコア/キャッスルコア」といった美学は、それらとはやや異なる価値観を持っているように思われる。具体的な例をいくつか挙げていこう。このトレンドの最大の火付け役として、まずはチャペル・ローン(Chappell Roan)が挙げられる。豪華な装飾、ビーズや金・銀の刺しゅう、重厚感のあるドレープ、絞られたコルセット風のシルエットや貴族的な大ぶりのヘッドアクセサリーといった要素は、「メディーバルコア/キャッスルコア」のインスピレーション源として多く参照されている。保守的な街、そして敬虔なクリスチャンの家庭で育った彼女は、レズビアンである自身のクィアネスを抑圧され、長らく解放することができなかったという。それが、高音で感情を解き放つ歌唱法と、グラム&クィアな世界観という両者をリンクさせることによって、中世的な様式として確立され、世界中に大いなるイマジネーションを与えるまでになったのだ。チャペル・ローンのスタイリングは、貴族的である一方で、鮮やかな色彩の遊び心と親しみやすさに満ちている。ある時は闘うモードを見せながらも、同時に柔らかさや創造性も忘れない。

もう一人、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)の影響も見逃せない。注目が集まったのは、「ディオール(DIOR)」の衣装を着てMTVビデオ・ミュージック・アワード2024に出演した際のこと。近年の「ディオール」は中世のモチーフを多用しているが、中でも25年クルーズコレクションでは、スコットランドのドラモンド城を舞台に「メディーバルコア/キャッスルコア」の要素が開花。マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が得意とするコルセットを使ったアイテム(コルセット・ケープ)をテイラーが着用したことで、一気に注目が集まった。先の「W MAGAZINE」でも言及されているが、グラディエーターにインスパイアされたような中世のスタイルは、自らを「鎧のように守る」という意味合いも込められているのではないか――という読みがある。チャペル・ローンも然りだが、王冠や装飾の多いドレス、宗教的なシンボルといった衣装は、自己を神聖化し伝説的な物語を構築するためのエンパワーメントの役割がある一方で、ポップスターとしての自身を防御する心理と実は表裏一体なのかもしれない。ただ、そういった中にあっても、やはりプレイフルなテイストが見えるのが、今の「メディーバルコア/キャッスルコア」らしい。

UK発の新鋭バンドとして目下ブレイク中のザ・ラスト・ディナー・パーティー(The Last Dinner Party)も、象徴的な存在だ。インターネットを通じて中世からインスピレーションをもらっていると語る彼女たちは、シアトリカルなたたずまいの中に風通しの良いナチュラルさもうまく組み合わせながら、“新しい中世”の感覚を具現化している。

以上のように、昨今の中世モチーフの世界観は、単に歴史を再現するのではなく新しい自己表現の形として、これまでになかった編集感覚を打ち出している。幻想的なムードに加え、柔らかさ、親しみやすさ、そして創造性を備えた美学が、空想のインスピレーション源や現実社会からのエスケーピズムの先として多くの支持を得ているのだ。最近は国内でも、「ハリー・ポッターシリーズ」のリバイバルと呼応するように封蝋(シーリングワックス/シーリングスタンプ)のブームが起きているが、現実世界とは異なる「古き良き世界」に身を置きたいという願望、あるいは「古い書物」や「石造りの図書館」といった、ダークアカデミアへの憧憬が強まっている背景も関係しているのだろう。

ただ、中世の社会は多くの問題を抱えていたわけで――だからこそ冒頭に引用したような村上春樹の発言が出てくるわけだが――、昨今の文化領域における美学は(良い点を中心に)デフォルメしたものであるとも言える。人々は今、荒廃し中世化する社会の中で、同時に中世の良き面に対しても生きていくための美学を見い出すという、捻じれた状況に身を置いているのだ。そういった中で、「メディーバルコア/キャッスルコア」の美学は、ただの幻想ではなく現実の社会に対応する現実主義的な側面も備えている点で、決して過小評価できない動きのように思えないだろうか。かつての中世の解釈と比較し、例えばチャペル・ローンの感性は、社会を変えていく思想やアクティビティーとファッションが一体化している。中世化する世の中において、その潮流を受け入れながらも前進しようとする、彼女のような存在こそが今必要とされるポップスターなのだ。

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「アニヤ・ハインドマーチ」の最新ポップアップに潜入 サイクリングの“相棒”候補が続々

春の到来を控え、お出かけ気分が高まっている人にうってつけなポップアップがある。東京・神宮前で開催している「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」の“ザ ヴィレッジ バイク”だ。3月6〜9日の期間、自転車やサイクリングをテーマにしたカプセルコレクションを販売している。プレスプレビューに参加した記者が、その内容をリポートする。

PR担当は、「今回の目玉は、英ロードバイクブランド『ブロンプトン(BROMPTON)』とコラボした折りたたみ自転車(完全受注生産)」と説明する。アイコニックな目のアイコンをフレーム部分に忍ばせたり、“BROMPTON”の“O”に見立てたりと、「アニヤ・ハインドマーチ」らしいユニークなデザインに仕上げた。ちなみに「ブロンプトン」は近日、ポップアップ会場から徒歩5分ほどの場所に東京店のオープンを控えているとのこと。

「アニヤ・ハインドマーチ」と言えばの“アイズ”シリーズから、サイクリンググッズが豊富に登場する。自転車のハンドル部分に装着可能なバッグ(5万9400円)は、ショルダーバッグやウエストバッグとしても使用できる3ウエイ仕様。バックパックは、大人(9万9000円)と子供(7万400円)それぞれに向けた2サイズをそろえており、PR担当は「子供用のバックパックは女性にもおすすめ。好みに合わせてサイズ感を選んでほしい」と話す。夜間の運転時にぴったりなリフレクター素材のバッグも用意する。

そのほか、ヘルメット(大人用 1万9800円、子供用1万1000円)やバイクベル(3300円)、サイクリンググローブ(9900円)から、普段も着用できそうなTシャツ(5500円)や、バンダナ(5500円)、ソックス(3300円)まで、「アニヤ・ハインドマーチ」のポップな世界観を実用性のあるアイテムに落とし込んでいる。普段からECで販売している商品も一部ラインアップしており、「移動時に欠かせない水筒や、目的地で一息つけるカップアンドソーサーなど、サイクリングにまつわるものをピックアップした」。

◼️ザ ヴィレッジ バイク
日程:3月6〜9日
時間:11:00〜19:00(※最終日は17:00まで)
場所:ジョイント アラウンド ザ コーナー
住所:東京都渋谷区神宮前3-25-18-104

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「日本一」化粧品を売るマツキヨココカラの新PBは“非常識” ヘアケア新風なるか、1980円のシャンプー 

マツキヨココカラ&カンパニーがビューティ企業のカラーズと協業し、PBでビューティブランド「コンクレッド(CONCRED)」を立ち上げる。第1弾として、アミノ酸の濃度に着目したヘアケアシリーズを4月1日に発売する。2種のシャンプーとトリートメントを展開し、価格は各1980円。同ブランドは「ドラッグストアに新しい常識をもたらす」存在として、化粧品販売のトップシェアを誇るマツキヨココカラの地位をより強固なものにする。

「私たちのドラッグストアは、他のドラッグストアと一線を画してきた自信がある」と、松本貴志マツキヨココカラ&カンパニー代表取締役専務は胸を張る。

同社のルーツであるマツモトキヨシは、「体調が悪い人が行く場所」と見なされていた日本の薬局のイメージを覆した。1987年にオープンした上野アメ横店では、明るく開放的な売り場を展開。90年代後半にはテレビCMの影響もあり、若年層の支持を獲得した。「マツキヨで買い物をする」ことを指す「マツキヨする」という言葉が女子高生の間で流行するなど、同社はドラッグストアの新たなスタイルを確立した。

現在、グループ全体で全国に3464店舗を展開。東京では業界最多の703店舗を構え、都内の売上高は2番手のウエルシアホールディングスを1.7倍上回る。

業界全体ではウエルシアが売上高トップを走るが、化粧品販売においてはマツキヨココカラが圧倒的な強さを誇る。化粧品売上高は3313億円(24年3月期)と、ウエルシアの1910億円(24年2月期)を大きく上回る。さらに、百貨店を含む全小売業の中で化粧品販売シェアは21%を占め(インテージSCI化粧品販売市場24年1〜12月調べ)、「日本一化粧品を売る企業」となっている。

名実ともに影響力のある同社は、「私たちは、日本の美容市場に大きく貢献できる立場にある」と、「コンクレッド」はその使命を果たすブランドとして誕生する。

新ブランドは「Jビューティ」の誇りをかけた挑戦

「コンクレッド」は、マツキヨココカラのPBをこれまで数多く手掛けてきたカラーズと共同開発した。カラーズは「ルンタ(LUNG TA)」(2008年誕生)をはじめ、「アルジェラン(ARGELAN)」(12年)「マツキヨ ウィズ メソッド トリプルA(MATSUKIYO W/M AAA)」(19年)を開発してきた。

特に「アルジェラン」では、オーガニックコスメを一般市場に浸透させ、日本産コスメの価値向上に貢献した。しかし、カラーズの橋本宗樹代表は「J-ビューティ」の存在感が次第に薄れていることに危機感を抱いていた。

「韓国コスメはスピーディーな開発力とユニークなアイディア、優れたマーケティングで世界を席巻している。最近ではC-ビューティ(チャイナビューティ)も台頭し、“世界のコスメ”の勢力が拡大する一方で、J-ビューティは存在感が希薄になっている」という。

この状況を打開するため、「日本一化粧品を売る」マツキヨココカラと「マスマーケットに革新をもたらしてきた」カラーズがタッグを組んだ。「Jビューティの新たな価値を創造する責任がある」とし、情緒的価値と機能的価値をかけ合わせた「洗練されたおしゃれで、確かな効果を持つ」ことをJビューティとして再定義し、新ブランド「コンクレッド」で市場に一石を投じる構えだ。

「コンクレッド」は「非常識」

ブランド名「コンクレッド」は、濃度を意味する“CONC”とレッドゾーンを意味する“RED”を掛け合わせた造語だ。最新のエビデンスに基づく濃度設計にこだわり、機能性を追求する。

第1弾となるヘアケアシリーズでは、ヘアダメージの種類ごとに流出するアミノ酸の種類・比率を特定し、流出したアミノ酸以上の量を配合する。橋本代表は、「アミノ酸を限界に挑む濃度で注入した。まさに高濃度で常識を覆す、非常識なシャンプーといえる」と話す。

さらに、アミノ酸の効果を高める工夫を施すほか、洗浄剤の組み合わせにもこだわり、ダメージレベルに応じた処方を採用した。香りは清潔感のあるフローラルノートが特徴だ。

今後、ラインアップの拡充を進め、ブランドの存在感を高めていく。

マツキヨココカラは価格よりも価値を重視

現在、ドラッグストアのヘアケア市場では、1500円前後の価格帯が主流となっているが、「コンクレッド」のシャンプー・トリートメントは1980円と高価格帯に位置する。しかし、櫻井壱典MCCマネジメント商品統括本部次長は「価格を意識して開発していない」とし、「価値に見合う製品を提供することが重要」と強調する。

同社が高価格帯のヘアケア商品を投入したのは今に始まったことではない。08年に誕生した「ルンタ」の価格帯は2500円、12年に誕生した「アルジェラン」は1580円(税別)と、いずれも当時の市場においては高価格帯だった。「当時、1000円を超えるヘアケア製品は珍しかったが、価値と価格のバランスを重視した結果、受け入れられてきた」と振り返る。

同社の顧客データによると、美容感度の高い消費者は「自分が納得するものであればお金を惜しまない」傾向があるという。「いま、ヘアケアは2極化が進んでおり、従来のナショナルブランドのシェアは減少している」という。

ドラッグストアのヘアケア市場では、ノンシリコンや植物由来成分を特徴とする製品、情緒的価値を訴求するブランドが市場をけん引してきた。「コンクレッド」も新たな潮流を生み出す存在として注目されそうだ。

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頭皮ケアが美肌をつくる 「エスト」の新作を生んだ研究員の発想転換術

花王の「エスト(EST)」は、新商品“クラリファイイング スカルプジェル”(250mL、6050円)を6月13日に発売する。“スカルプ”という名称がついてはいるものの、実はこの商品の主眼は「スキンケア」に置かれているという。3月4日、都内で商品および開発背景についての発表会が行われた。

「肌のくすみは、実は頭皮が原因でした」。

登壇した研究員の言葉に、驚いた参加者も少なくなかったはずだ。発表内容の要点を整理すると、頭皮から顔には「皮脂酸化伝播のメカニズム」があり、頭皮の角栓が顔のくすみの原因になっている。そして新商品“クラリファイイング スカルプジェル”は、この頭皮の角栓を分解・洗浄することで肌のくすみを防ぐという、新しいアプローチを採用している。

顔と頭皮はつながっている。であれば……

一連の研究成果は、花王スキンケア研究所に所属する中村恭子研究員の発想の転換から生まれた。

まず顔のくすみは、皮脂が酸化し、肌のタンパク質と結びつくことで生じる。また、皮脂を分泌する皮脂腺の数は、顔よりも頭皮の方が約2倍多いことが分かっている。顔と頭皮は一枚の皮で繋がっていることから、中村研究員は「顔のくすみの起点が頭皮にあるのではないか?」という仮説を立てた。

仮説を検証するため、定量データを分析した結果、「頭皮の酸化が進んでいる人ほど、顔のくすみも進行している」ことが明らかになった。さらに、頭皮が酸化する原因は主に「角栓」であり、そこから皮脂を伝わって、酸化が顔へと波及していくという現象が確認された。つまり角栓は、顔のくすみの隠れた要因だったのだ。

また加齢とともに頭皮の角栓が増加することも判明し、エイジングケアの一環としても、頭皮の角栓を洗浄することが重要であると示された。

こうした知見を元に開発した“クラリファイイング スカルプジェル”は、「エスト」の既存の洗顔料である“クラリファイイング ジェル ウォッシュ”(130g、4950円)の角栓洗浄技術を応用し、酸化したタンパク質を含む古い角質まで分解・洗浄する。毛髪が密集する頭皮の毛穴にも行き渡るよう、とろみのあるローション状の剤型にこだわった。

製品化前のテストでは、使用者から「頭皮のかゆみが減った」「髪がふんわりした」というヘアケア効果に加え、「顔色のくすみが気にならなくなった」という声が聞かれたという。

スキンケアに向き合ってきた「エスト」の角栓ケアに関する知見と、研究員の発想力の融合により生まれた“クラリファイイング スカルプジェル”。まさに大手メーカーならではのイノベーションの賜物だ。

スキンケア文脈で提案する
頭皮ケアの新しい価値

スカルプケア市場は近年拡大傾向にある。女性用スカルプケア商品国内市場規模は、2020年の320億円から23年には562億円に成長した(出典:富士経済「化粧品マーケティング要覧2023」)。しかし、国内スキンケア市場(23年:1兆1550億円)と比較すると、まだまだ小規模にとどまる。

髪に覆われた頭皮のケアは、第一印象を左右する顔のケアに比べて優先度が低く、大ヒットも生まれにくいのが現状。その点、「エスト」の“クラリファイイング スカルプジェル”は、あくまで「スキンケア」文脈での提案であることがミソだ。頭皮ケアは肌のシワやたるみケアにつながることは知られつつあるが、肌のくすみケアにも効果的という事実には、新鮮な驚きがある。頭皮ケアを「肌美容の習慣」として捉えるきっかけを作る商品になるかもしれない。

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「ユニクロ」の“ワイヤレスブラ”、欧米でもじわじわ人気 ヒット中のブラトップに続け

「ユニクロ(UNIQLO)」の“ワイヤレスブラ”が、軽い着け心地やナチュラルなシルエットを好む欧米の消費者にも支持され、海外での売り上げを伸ばしているという。「背景には、コロナ禍のステイホーム期間中に実感した心地よさを、アフターコロナでも求め続ける風潮がある。セルフウェルネス、心身の健康意識から、快適性を求める傾向が高まっている」と、ウィメンズインナーのMDを担当する炬口佳乃子(たけのくち・かのこ)商品企画担当部長は話す。そうした流れに後押しされ、世界的にノンワイヤーがブラジャーの主流になってきていることを実感しているという。

ユニクロは2003年にワイヤー入りブラとノンワイヤーブラを発売し、ブラジャー市場に参入。11年にノンワイヤーブラに一本化した。ターニングポイントとなったのは、16年に登場した“ワイヤレスブラ ビューティライト(20年に“ワイヤレスブラ/3Dホールド”に名称変更)”。「ノンワイヤーブラとワイヤーブラの良さを両立させたブラ」として注目を集めた。以来、機能性と快適性を追求しながらさまざまな進化を遂げている。19年には独自の立体構造によるカップを採用し、「一人ひとりの胸に寄り添うブラ」としてアップデート。23年12月に再びリニューアルし、体温によってじんわり柔らかく伸びるパーツをカップに内蔵し、一人ひとりの胸によりなじんでよりフィットする現在の仕様となった。

シーンや気分で
ブラのワイヤーあり、なしを使い分け

25年1月には、同じカップの仕様でカップ上部から肩、バックにメッシュを使用してより軽さや涼しさを追求した新デザイン“ワイヤレスメッシュブラ/3Dホールド”(2290円)を発売。炬口部長は現在、パリのファーストリテイリング イノベーション センターを拠点に、グローバルでウィメンズインナー部門の指揮を執っているが、“ワイヤレスメッシュブラ/3Dホールド”の商品説明会に合わせて、一時帰国した。

ユニクロが日本国内で実施したインターネット調査では、ワイヤーブラを普段から着用している人は48.2%、ノンワイヤーブラを着用している人は42.2%、ブラカップ付きのインナートップスを着用している人は46.0%となったという(n=604、23年9月実施。〜49歳女性)。これは、「ワイヤーブラだけ、ノンワイヤーブラだけと限定して着用している人は少なく、シーンや気分、ファッションによって使い分けている人が多い」ことを表しているという。そういった消費者のブラジャーの選択肢の広がりも、ユニクロの“ワイヤレスブラ”の好調につながっているようだ。

23年12月にリニューアルした“ワイヤレスブラ 3Dホールド”には、「ホールド感がいい」「締め付け感がない」「フィット感がいい」などの声が多く、中学生のファーストブラや卒乳ブラとして購入する人など幅広い層に支持されている。浸透するに伴い「もっとほかの色柄が欲しい」「違うデザインが欲しい」との声が上がり、ファッションでもトレンドのシアー感を取り入れた“ワイヤレスメッシュブラ3Dホールド”の発売に至ったという。

「シンプルでも美しいものは作れる」

海外では、アメリカンスリーブなどのデザインを採用した「ユニクロ」のブラトップがTikTokをきっかけにブレイク済みだ。「ブラトップは22年に兆しが表れ、23年に火がついた。22年に比べ24年の海外でのブラトップの売り上げは2倍以上」になったという。ブラトップがフックとなって“ワイヤレスブラ”の認知が広がり、購入につながるケースが増えているという。

現在パリを拠点にする炬口部長は、国によって下着に求める要素が違う事も実感している。例えばフランスにおいては「(ユニクロが得意とする)快適性・機能性だけでは買ってくれない。感性が満たされないと店の入り口にすら近づいてもらえない」と語る。「世界共通で売れるブラジャーを追求する一方で、ローカル対応したブラジャーが必要になってくる」として、今後はローカルに根差した商品の開発も視野に入れている。

「機能性・快適性を備えつつすてきなブラジャーだと思ってもらうことが非常に大事。それはデコラティブに装飾するということではない。少しのカッティングや肌見せの分量などで微差を突き詰めていけば、シンプルでも美しいものは作れる。今後はそういった目線で商品を改良していきたい」と炬口部長は意気込みを語る。

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「ユニクロ」の“ワイヤレスブラ”、欧米でもじわじわ人気 ヒット中のブラトップに続け

「ユニクロ(UNIQLO)」の“ワイヤレスブラ”が、軽い着け心地やナチュラルなシルエットを好む欧米の消費者にも支持され、海外での売り上げを伸ばしているという。「背景には、コロナ禍のステイホーム期間中に実感した心地よさを、アフターコロナでも求め続ける風潮がある。セルフウェルネス、心身の健康意識から、快適性を求める傾向が高まっている」と、ウィメンズインナーのMDを担当する炬口佳乃子(たけのくち・かのこ)商品企画担当部長は話す。そうした流れに後押しされ、世界的にノンワイヤーがブラジャーの主流になってきていることを実感しているという。

ユニクロは2003年にワイヤー入りブラとノンワイヤーブラを発売し、ブラジャー市場に参入。11年にノンワイヤーブラに一本化した。ターニングポイントとなったのは、16年に登場した“ワイヤレスブラ ビューティライト(20年に“ワイヤレスブラ/3Dホールド”に名称変更)”。「ノンワイヤーブラとワイヤーブラの良さを両立させたブラ」として注目を集めた。以来、機能性と快適性を追求しながらさまざまな進化を遂げている。19年には独自の立体構造によるカップを採用し、「一人ひとりの胸に寄り添うブラ」としてアップデート。23年12月に再びリニューアルし、体温によってじんわり柔らかく伸びるパーツをカップに内蔵し、一人ひとりの胸によりなじんでよりフィットする現在の仕様となった。

シーンや気分で
ブラのワイヤーあり、なしを使い分け

25年1月には、同じカップの仕様でカップ上部から肩、バックにメッシュを使用してより軽さや涼しさを追求した新デザイン“ワイヤレスメッシュブラ/3Dホールド”(2290円)を発売。炬口部長は現在、パリのファーストリテイリング イノベーション センターを拠点に、グローバルでウィメンズインナー部門の指揮を執っているが、“ワイヤレスメッシュブラ/3Dホールド”の商品説明会に合わせて、一時帰国した。

ユニクロが日本国内で実施したインターネット調査では、ワイヤーブラを普段から着用している人は48.2%、ノンワイヤーブラを着用している人は42.2%、ブラカップ付きのインナートップスを着用している人は46.0%となったという(n=604、23年9月実施。〜49歳女性)。これは、「ワイヤーブラだけ、ノンワイヤーブラだけと限定して着用している人は少なく、シーンや気分、ファッションによって使い分けている人が多い」ことを表しているという。そういった消費者のブラジャーの選択肢の広がりも、ユニクロの“ワイヤレスブラ”の好調につながっているようだ。

23年12月にリニューアルした“ワイヤレスブラ 3Dホールド”には、「ホールド感がいい」「締め付け感がない」「フィット感がいい」などの声が多く、中学生のファーストブラや卒乳ブラとして購入する人など幅広い層に支持されている。浸透するに伴い「もっとほかの色柄が欲しい」「違うデザインが欲しい」との声が上がり、ファッションでもトレンドのシアー感を取り入れた“ワイヤレスメッシュブラ3Dホールド”の発売に至ったという。

「シンプルでも美しいものは作れる」

海外では、アメリカンスリーブなどのデザインを採用した「ユニクロ」のブラトップがTikTokをきっかけにブレイク済みだ。「ブラトップは22年に兆しが表れ、23年に火がついた。22年に比べ24年の海外でのブラトップの売り上げは2倍以上」になったという。ブラトップがフックとなって“ワイヤレスブラ”の認知が広がり、購入につながるケースが増えているという。

現在パリを拠点にする炬口部長は、国によって下着に求める要素が違う事も実感している。例えばフランスにおいては「(ユニクロが得意とする)快適性・機能性だけでは買ってくれない。感性が満たされないと店の入り口にすら近づいてもらえない」と語る。「世界共通で売れるブラジャーを追求する一方で、ローカル対応したブラジャーが必要になってくる」として、今後はローカルに根差した商品の開発も視野に入れている。

「機能性・快適性を備えつつすてきなブラジャーだと思ってもらうことが非常に大事。それはデコラティブに装飾するということではない。少しのカッティングや肌見せの分量などで微差を突き詰めていけば、シンプルでも美しいものは作れる。今後はそういった目線で商品を改良していきたい」と炬口部長は意気込みを語る。

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「ジーユー」×「アンダーカバー」の新ライン「ユージー」詳報 計31枚の画像でお届け

「ジーユー(GU)」はこのほど、高橋盾デザイナー率いる「アンダーカバー(UNDERCOVER)」との新ライン「ユージー(UG)」を発表した。ファーストコレクション(全19型、590〜6990円)は3月14日、セカンドコレクション(全8型、1990〜2990円)は4月18日に発売する。両ブランドは、2021年から全4回にわたるコラボレーションを実施してきたが、「ユージー」は同コレクション内だけでなく、「ジーユー」のインラインとも合わせやすいデザインを意図したという。

同ラインのコンセプトは、“サイレント/ノイズ”。メンズ向けとうたっているが、ほとんどのアイテムをユニセックスで着用できる。中でも高橋デザイナーのお気に入りは、オーバーサイズのジャケット(5990円)とワイドシルエットのテパードパンツ(2990円)。ジャケットは、切っぱなしの袖口やあえて縫い代を表に出した背広など、随所に「アンダーカバー」らしいエッジの効いたデザインを取り入れた。なお、パンツは、「アンダーカバー」のシグネチャーパンツのシルエットに着想。画像5枚目のジャケットとパンツも、「アンダーカバー」のカモフラ柄を「ユージー」に向けアップデートしている。

一方、「ジーユー」の定番商品に「アンダーカバー」らしさを取り入れたアイテムも多数そろえる。通年で販売している“ブロードシャツ”(画像8枚目)は、ヨーク(肩の切り替え部分)を広く取ったり、縫い代を表に出したり、背中にタックを入れたりすることで遊び心を追加。そのほか、「ジーユー」で人気の“スウェT”(画像10枚目)や“オープンカラーシャツ”(画像13枚目)も、ステッチや柄に「アンダーカバー」らしさを取り入れ再解釈している。

グラフィックTシャツ(画像15枚目)は、全て高橋ディレクターの描き下ろし。「アンダーカバー」のシグネチャーであるりんごを取り入れたデザインがポイントで、「りんごは、ニューヨークの愛称である“ビッグ・アップル“も表している。昨年、ニューヨークに出店した『ジーユー』にとって、世界で存在感を示すという意気込みを表したようなもの」(広報担当者)。ジップで裾を取り外しできるデニムシャツ(画像16枚目)など1枚で2役を果たすアイテムは、過去数回のコラボでも好評だったことから、「ユージー」でも企画した。

これまでのコラボは、40〜50代の“アンダーカバー世代”が購買層の中心だったと言い、広報担当者は「若年層の顧客が多い『ジーユー』を知ってもらうコラボになった」と振り返る。「コラボを重ねていく中で、単発のコレクションではなく、より親密度が高いパートナーシップとして関係を発展させようという意図から『ユージー』のローンチに至った。世界で活躍している高橋デザイナーの知見を社内に広め、『ジーユー』としてモノ作りのベースアップを図ることが、この協業の狙いの一つ」と語る。

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美容業界リーダー3人が2025年の開運ポイントを伝授! 九星気学、干支&星座、北欧ルーン占い

美容業界には占いを好む人が多い。今回は、美容業界で活躍するモデル・開運美容アドバイザー、ビューティPRプランナー、北欧美容研究家の3人に2025年の運勢と開運ポイント、開運コスメを聞いた。

ーー得意とする「占い」はどのようなジャンル?

中嶋マコト=モデル・開運美容アドバイザー(以下、中嶋):古代中国で生まれた占術に、これまで培ってきた美容方法を交えて提案している。九星気学は、生まれた年月日を九の星、五行を組み合わせて占う。星には一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星の9つがあり、それぞれ特定の特徴や運勢を象徴する意味が込められている。

有馬広恵・hihi a.k.a. SOVL=ビューティPRプランナー(以下、有馬):オラクルやタロットをメインに、算命学、星座、数秘を組み合わせ、独自の解釈でリーディングする。オラクルとタロットを使う場合は自らを中今(なかいま)、つまりニュートラルな状態にし、“場”を楽しみ整えたあと、神羅万象の導きにより気付きを汲み取る。数秘術は生年月日や姓名などを数字に変換し、算命学は生年月日から干支を算出して占う。リーディング結果が重なる点を“本音”であると仮定し、魂の在りかを探る。今回は、干支と星座から占う。

佐藤ニーフェラ史枝=北欧美容研究家・北欧ルーン占い師(以下、佐藤):ルーン占いは、古代ゲルマン民族から伝わり北欧で長きにわたりバイキングや呪術師によって使われてきた「ルーン文字」を用いて行う。ルーン文字は北欧の神話や文化に深く関連し、人々はルーン文字に特別なパワーが宿ると信じている。ルーン占いと北欧の景色が描かれたタロットカードを掛け合わせたのが、私のオリジナル「北欧ルーン占い」だ。主に「姓名判断」「生年月日診断」「ト占(ルーン・タロット・オラクル)」でルーン文字を用いる。生まれながら先祖に課せられた使命や人生のタイミング、過去・現在・未来の状況を読みとき、潜在的な自身の意識と向き合うときに役立つ。

ーー25年の開運アクション&アドバイスは?

中嶋:25年は、物事の基盤を管轄する「二黒土星(じこくどせい)」が中宮に位置する。物事の基盤、土台が大切になるので、仕事やプライベートでは基礎を大切にしてほしい。美容では、基礎化粧やルーティンを丁寧に行って。例えばクレンジングのときに肌をゴシゴシこする、熱いお湯でササッと流すなど、雑に済ませてしまっている部分があるのなら、見直して丁寧に行うと開運につながる。また、25年は“大衆的”なものが注目を集めるだろう。メイクアップでは、ブラシやスポンジなどを上質なものに替えてみては。決して高いものという意味ではなく、むしろ「“一般的な”プチプラブランドをスマートに使いこなす」ことが時流に即している。9つの星の中で二黒土星は消化器系や肌を管轄する星。暴飲暴食をしない、ファスティングをして胃腸を休ませてあげることもよい。肌をキレイに見せてくれる下地やファンデーション、コンシーラーといったアイテムにこだわることもオススメだ。

25年の運気を活性化させるカラーは赤!二黒土星を支えてくれる色で、ファッションなら小物で取り入れてもいい。メイクならリップやチーク、ネイルなどで赤をまとってみては。オススメは赤色のリップバーム。赤いリップは塗り慣れないという人でも、色付きリップバームならトライしやすく、贈り物としても喜ばれる。

有馬:25年の干支は「乙巳(きのとみ)」。星座では年の前半は双子座、後半は蟹座が追い風ムードといわれている。自身の干支や星座に関係なく意識した方がよいことの一つは、地上で可視化できる自然全般(特に植物)の恵みを受け取り、感謝する気持ちを抱くこと。そして変容を恐れず、自身が楽しいと思えることに臆せず手を出すこと。興味・関心を一つに絞る必要はない。2つでも3つでもそれ以上でも、手にしてほしい。多様化の時代だからこそ伝えたいのは、「あの人はああだから」と個を個として認識するだけに留まらず、「あの人はどのような気持ちなのだろうか」と寄り添いの心を大切にしてほしい。自信の喜びを意識しながら他者への感情を少し汲み取ってみる。ハグまではしなくていいけれど、「苦手な人とも握手します!」という感覚を。

少し先になるが26年は「丙午(ひのえうま)」。丙午生まれの女性は“気性が激しく、夫の命を縮める”という少し恐ろしい逸話もあるが、ジェンダーフリーの現代はまったく怖がる必要はない。初夏以降、日本全体がサンサンと輝く陽のエネルギーに包まれるような感覚に。「やったゼ!アゲアゲだゼ!」と、その享受を独り占めするのではなく、絶好のチャンスを積極的に周りの人に分け与えていく。その愛は巡り巡って必ず戻ってくる。包囲に関しては、26年の夏以降は関西、特に大阪に注目。愛ある笑いはGOOD、「ちょける」もよしだ。自身の面白さや”地”を存分に出して!関西の愛あるお笑いセンスを今からチェックしておくとよいかも。

佐藤:ルーン暦は、北欧を中心に19世紀まで使われていたとされる。各年には1文字のルーン文字が割り当てられ、19年をワンクールとしている。25年はルーン暦でいう「アッシュ」で“灰”の意味。生命の誕生や新たな価値の誕生の前触れを意味する。25年は「本質を見極める」がテーマ。本質的な意味を持たないモノは次々と焼き崩れ、灰となり、土と変わっていく変容の年。素晴らしい年にするためには「表面に見えているものよりも内側に隠された本質」を見極める感覚や洞察力が大切になる。これまで信じてきたモノ・ヒト・コトの根幹が揺るがされる大きな出来事が起こるかもしれない。ただし、「どんなときも自分の価値を忘れずにいれば道が開ける」というメッセージもきている。ルーン文字に「水(ラーグ)」、オーロラタロットからは「月(追従者、追いかける人)」のカードが出ている。自分の経歴や肩書き、スキル、経験、他人からの評価に左右されず、自分の価値をまずは自分が認めることが成功の秘訣。太陽はあなたを明るく照らし、あなたの人生の意味と与えられた目標への意味を見つける年になるはず!

ーー25年にオススメの「開運」&「招福」コスメは?

中嶋:「メム(MEM)」“サン プロテクト リクイッド ジェル プライマー”[SPF50+・PA++++](40g、5280円)はクリアベージュの色合いが絶妙で、自然なトーンアップをかなえる。紫外線から大切な肌を守ってくれるのはもちろん、肌に負担をかけない処方設計も優秀。開運カラーの赤を取り入れるなら、「ファス(FAS)」“ザ ブラック デイ リペア リップセラム”(4.4g、4180円)。唇をほんのり上品に染めてくれる。

有馬:「メデュラ(MEDULLA)」“2.5°パーソナライズヘアオイル”(50mL、4950円)は自分が喜ぶカラーを選択し、光をまとうことができる“幸運オイル”。まずは自分の喜びを感じるために、「だいじょうぶなもの」“マグネシウム バス サプリメント”(100g、495円/1㎏、3300円)で自分を整えて。“風呂キャンセル界隈”の皆さまは無理に湯に浸かろうとせず、「たまには手足だけでも温めてみようかな」という感覚で大丈夫!

佐藤:デンマーク発「ボーテパシフィック(BEAUTE PACIFIQUE)」“オーヴェルチュール”(30mL、8730円/50mL、1万2300円)は、エタノールを含まない純水ベースのオードトワレ。ルーン文字で「水(ラーグ)」は軽やかさ、感情、変化、変容を意味する。フレッシュな花と果実にほんのりバニラが香るオードトワレは自分を軽やかにみせてくれ、水ベースで肌にも優しい。「パルファム ジバンシイ(PARFUMS GIVENCHY)」“ソワン ノワール UV コンパクト”(12g、1万5510円)は艶と透明感をかなえ、外的ストレスから肌を守ってくれるお守りアイテム。巳(ヘビ)は、北欧神話にも“創造と破壊”の象徴として登場し、「卵」が大好き。“白い卵のようなお肌”が開運キーワードになる。

ライター小竹が、開運コスメをほかにもピックアップ。「リチュアルズ(RITUALS)」“リップバーム”(全5色、各2600円)は、パッケージに「福」の文字が刻まれていて縁起よし!天然由来成分を90%以上配合するリップバームは無色に加えて、カラーティント全4色を展開。「トリロジー(TRILOGY)」“フレッシュブレンドオイル+シートマスク”(1枚、1556円)は、1枚にスター美容液“ロザピンプラス” (30mL、5390円)1本分と同量の美容液をぜいたくに配合したシートマスク。オイル層×セラム層から成るシートマスクが透明感、ハリ、艶、キメ全方位にアプローチし“多幸感”に満ちた肌へ導く。

PROFILE: (左)中嶋マコト/モデル・開運美容アドバイザー (中)有馬広恵・hihi a.k.a. SOVL/ビューティPRプランナー (右)佐藤ニーフェラ史枝/北欧美容研究家・北欧ルーン占い師

(左)中嶋マコト/モデル・開運美容アドバイザー<br />
(中)有馬広恵・hihi a.k.a. SOVL/ビューティPRプランナー<br />
(右)佐藤ニーフェラ史枝/北欧美容研究家・北欧ルーン占い師
PROFILE: 左(なかじま・まこと)イプシロン所属。モデルとして雑誌や広告、CMなどで活動。その経験から培った知識を生かし、ビューティジャーナリストとして雑誌やウェブ、イベント、TV、ラジオなどでも活躍する。繊細な感覚から生まれる、体に優しい美容・食・ファッションの提案や連載に定評がある。近年はアロマテラピーや気学鑑定士の知識を生かしたビューティ発信を行っており、ユニークなアドバイスが多くの女性から支持を得ている(@makoto3816) 中(ありま・ひろえ)美と健康に特化したビューティPRプランナーとして活動する。オラクルやタロット、算命学、星座、数秘術をはじめ、あらゆる種類の占いやおまじないに関心を持つ占いマニア。日本語の韻の素晴らしさを研究中。好きな音楽はヒップホップ(@arichan37.888) 右(さとう・ニーフェラ・ふみえ)2019年から北欧美容研究家として活動する。北欧の歴史や神話に興味を持ったことをきっかけにルーン文字に出合う。世界中のルーン関連の本を読みあさり、オリジナル北欧ルーン占いを考案。PR会社の経営者でもあり、北欧コミュニティー「S-Beauty」を運営している(@green_cosmetics)

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今期でyutori超え、「バクネ」でバク速成長するテンシャルのポテンシャル

リカバリーウエア「バクネ(BAKUNE)」を展開するテンシャルが2月28日、東証グロース市場に上場した。上場初日である2月28日の初値は2600円、3月3日の終値は2608円と順調な滑り出しを見せた。「バクネ」を大ヒットさせた同社の驚異的な成長率を考えれば、当然とも言える。直近の24年2〜10月期の売上高は61億円、営業利益4億6400万円だが、25年1月期は119億5500万円、26年1月期には169億円を見込む。創業者である中西裕太郎・社長CEOは「上場した限りは開示に対してしっかりと達成していく」と自信を見せる。

テンシャルはDMMグループやリクルートキャリア(現リクルート)を経て、中西CEOが2018年2月に創業した。創業当初はウェブのスポーツメディアを展開し、19年4月にアカツキからのVC資金を元手に社名と同じソールブランド「テンシャル」をスタートした。プロサッカー選手を目指していたものの高校3年生の時に病気で挫折した中西CEOは「スポーツテック」を掲げたものの、転機となったのは20年12月にクラウドファンディング形式でスタートした、リカバリーウエア「バクネ」だった。

ありそうでなかった疲労回復型のナイトウエアとして注目を集めたことで、「バクネ」は空前のヒットとなり、売上高は8億4800万円(22年1月期)→20億3400万円(23年1月期)→54億900万円(24年1月期)と急成長した。「バクネ」はナイトウエアを中心に現在はパーカやスーツ、ネックピローなど157アイテムを展開し、累計で100万セットを販売するまでになった。

yutoriの片石社長はライバル!?

ここで注目したいのは、同じアパレル分野で注目を集めるスタートアップのyutoriとの類似性だ。テンシャルの中西CEOは1994年6月生まれ、yutoriの片石貴展(たかのり)社長が1993年12月生まれ、創業はテンシャルが2018年2月、yutoriが18年4月、直近の売上高はテンシャルが24年2〜10月期に61億円、対してyutoriが24年4月〜12月期に55億3500万円とほぼ同じになる。しかも創業直後には同じアカツキが出資している。

ただ、yutoriの25年3月期の見通しは売上高80億円、営業利益6億7000万円だが、テンシャルの25年1月期の業績見通しは売上高119億5500万円、営業利益が13億2100万円で、テンシャルがyutoriを大きく上回る見通し。

中西CEOは会見時に、yutori及び片石yutori社長をどう思っているか?という質問に対して「同じアパレル業を展開し、同世代なのでもちろん意識している。ユニークな働き方や社風を実現しているyutoriの片石さんはとてもリスペクトしている存在だ。勝手ながら、この世代の起業家の同志としてお互いにしっかりとした成功例を出して、日本の経済を盛り上げていきたい」と語った。

テンシャルは売り上げの7割をオンラインで稼ぐ。中西CEOは同社のビジネスモデルと組織を「購買から行動、属性までのデータを起点にPDCAを回すSaaS型の企業に近い」と定義する。26年1月期の業績予想を公開するのも、こうしたデータドリブンなビジネスモデルがあってこそと言える。

大株主の上位に豊島 CVCで出資、仕入れの9割を占める

上場前の株主構成は筆頭株主の中西CEOが30.23%、ついでアカツキが13.79%、中西CEOの資産管理会社のAnchorが8.14%で、6番目の大株主として豊島のCVCファンドが4.8%を所有する。豊島はCVCを通じて出資をしているだけでなく「バクネ」の大半の製造を受託しており、24年1月期のテンシャルの仕入高のうち実に9割を占めている。

リカバリーウエアの市場はワークマンが廉価版のアイテムの販売で追随するなど、競合が激しくなっているようにも見えるが、中西CEOは「市場はまだまだ広がる。伸びる市場に対して適切な広告費や商品を出すことで、十分に成長の余地はある」と自信を見せる。yutoriとともに降臨した新星のテンシャルに注目だ。。

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ミラノのラグジュアリー界最年少のマクシミリアンは「フェラガモ」の伝統と革新を見事に融合

2025-26年秋冬ミラノ・ファッション・ウイークのテーマを1つ挙げるとすれば、フェミニンの再考だ。さまざまなデザイナーが、現代の女性たちを観察し、今の時代に通ずるフェミニンの表現を模索している。その中で、最も「今」の感覚を表出させたのは、弱冠29歳のマクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)クリエイティブ・ディレクターが手掛ける「フェラガモ(FERRAGAMO)」なのではないだろうか。

デイヴィスのクリエーションに説得力があるのは、まず100年近いメゾンのヘリテージにしっかりと立脚している点にある。今季も昨シーズンに続き、メゾンの歴史に欠かせないバレエとの関係性に着目。ドイツのモダンダンサー、ピナ・バウシュ(Pina Bausch)の装いをリファレンスにクリエーションを発展させたという。

キーモチーフは花。デイヴィスは、「ピナ・バウシュの作品と愛やロマンスは密接な関係にある。愛やロマンスを物語る花は、サルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo)が多用してきたモチーフでもあり、両者をつなぐ鍵になると考えた」と語る。そして、ランウエイには情熱的な真紅の花びらを敷き詰めた。

序盤を飾るのは、ダンサーを連想させる、一切装飾のないセカンドスキンドレスや、ベージュやグレーのボディースーツ。足元に敷き詰めた花びらが演出するロマンチックなムードとは対照的で、デイヴィスが「フェラガモ」にもたらしたミニマルなエレガンスを際立たせる。

デイヴィスが新たに生んだアイコン“ハグバッグ“は、巨大化し、ベルトのように巻きつけたり、ウエアのポケットとして配したりして、ミニマルなルックに記憶に残る違和感を与える。これは、クラシックバレエが広がる世界に、自由な振り付けや束縛のない表現を持ち込んだモダンダンスの違和感と革新性と重なる。

ミニマルなインナーに羽織るオーバーサイズのテーラードジャケットやコートは、マスキュリンな佇まいながらもジャージー生地で仕立てることで、温かみのある柔らかな印象に。メゾンの職人技が引き立つしなやかなレザーのシャツやロングコートも含め、センシュアルとマスキュリン、そしてコンフォートの共存が、コレクションにモダンさを加えた。

さらに1920年代のシルエットを取り入れた、シアー素材のドレスは腰の低い位置にシアリング素材をベルトのように配し、官能性に加えてコンフォートとインパクトを両立させた。デイヴィスが数シーズンにわたって20年代のシルエットに美を見出す理由は、「女性たちが既存の規範に反発し、自分たちの快適さに重きを置いて、より自然体で気楽に装いたいと望んだ時代だったから」と話し、20年代の女性のアティチュードと現代の共通点を指摘する。

オーガンジーやレザー、サテンを用いた花びらは、パンプスやサンダルのストラップ、バッグを華やかに彩った。そしてリボンのような茎から咲き誇るポピーの花があしらわれたドレスがフィナーレを飾った。デイヴィスは、「フェラガモ」が培ってきたヘリテージを武器に、規範と自由、ロマンスとリアリティー、現代を生きる人々の人間らしい矛盾を、洗練された表現で見事に描き出した。

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マルニ木工の椅子「HIROSHIMA」はなぜアップル社を魅了したのか? そのストーリーをひも解く著書と企画展示

プロダクトデザイナー深澤直人がデザインし、広島県の企業マル二木工が製作した「HIROSHIMA」は奇跡の椅子と言われている。2017年に完成し、約1万2000人の社員が働く広大なアップル本社「アップル パーク(Apple Park)」にもこの椅子は選ばれ、カフェテリアで、オフィスで愛されている。その数、なんと数千脚。木材を確保し、1年がかりで月に数百脚ずつ納品したという。23年5月に開催されたG7広島サミットの首脳会議用として採用され、バイデン米大統領(当時)をはじめとする各国の首脳がこのアームチェアに座り円卓を囲んだ。広島県の木工会社の椅子が、世界の定番として認められた証だ。

もう一つは「HIROSHIMA」が1928年創業の老舗家具メーカー、マル二木工を倒産から救った「奇跡の椅子」であるということ。曲木椅子からスタートした家具製作は戦火を乗り越え、重厚な応接家具「ベルサイユ」などのヒット商品を生み出しつつも、バブルのあおりを受け低落。廃業の危機に直面する。その試行錯誤から、復活、飛躍までの道のりをつづったのが「奇跡の椅子――AppleがHIROSHIMAに出会った日」(文藝春秋社)だ。中田英寿や野茂英雄、五郎丸歩といった世界を舞台に切り開いてきたトップアスリートや、歌舞伎役者・中村勘三郎らのドキュメンタリーを数多く手掛けてきたノンフィクション作家、小松成美氏は、2018年の夏に開催されたトークショーで「HIROSHIMA」のストーリーを知る。「『日本の木工会社がアップル パークに数千脚の椅子を?ありえない!なんで?』という小学生のような好奇心でした」と当時を振り返る。マル二木工の人に会いたい、話してみたいという思いが偶然を引き寄せ、山中洋社長と出会い、この1冊へとつながった。その後、工場で、オフィスで、2019年のミラノサローネで、そして著書の冒頭にあるアップルの本社の現地視察に同行し、この椅子がどのような背景で生まれ、どう展開したかという奇跡を追ってきた。

ジョナサン・アイブが自ら見出した
「HIROSHIMA」がアップルの定番に

スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が構想したアップルパークは、アップル社の製品のデザインを多く手掛けてきた最高デザイン責任者のジョナサン・アイブ(Jonathan Ives)にその遺志が引き継がれ、具体化された。アイブはプロダクトデザイナーとしての深澤直人に注目し、共鳴していたという。そして見出されたのが「HIROSHIMA」だった。マル二木工はアップル社に対して具体的なアプローチはしてこなかったが、この椅子と共にアイブが英経済雑誌「ファイナンシャル タイムズ(FINANCIAL TIMES)」の表紙を飾っていたことをディラーのアーキテクチュラの担当者より聞く。本格的な建築が始まる前の、試験的な原寸大モデルのオフィスにもこの椅子は採用されていたのだ。その後、大量な発注にも関わらず維持した高い品質と誠実な納品で信頼を得て、数千脚の配置が実現した。「HIROSHIMA」の偉業は小さな奇跡の積み重ねによるものだ。

HIROSHIMAという響きが
笑顔を生み出すポジティブな意味に変換

この物語の最大の奇跡は「HIROSHIMA」というネーミングであろう。「当初、このネーミングを深澤さんから提案されたときは、重すぎる、我々に広島という名を背負えきれるのかと戸惑いました」と山中社長は語る。ローカルがダイレクトに世界とつながれる時代だという深澤氏の言葉に後押しされ、誰もが知っている地名であり、マル二木工の本拠地でもある「HIROSHIMA」がコレクション名となる。「悲劇的なHIROSHIMAという言葉が、今や、アップルの社員の日常と共にあり、笑顔を生みだしている。日本とアメリカの架け橋になったのです」。そして継続は力なり、あきらめずに、がむしゃらに進めば道はひらけることを実感したと山中社長は語る。

「HIROSHIMA」のものづくり
そして奇跡を体感する企画展も開催

曲線が多く、誰もがなでたくなる「HIROSHIMA」の椅子は、姿勢を正して深く座っても、気を緩め浅くもたれ掛けても、自分のポジションに保てるよう設計されている。オンでもオフでも心地よく過ごせることを、実際に座って試してほしい。東京都東日本橋にあるmaruni tokyoでは企画展「木とHIROSHIMA」を3月31日まで開催。木工家具には欠かせない木材を生かすデザイン、それに応えカタチにする行程を、見て、さわって、座って体感する展示となっている。

マル二木工は2028年に創業100周年を迎える。「次の100年も世界の定番として愛され、使う人の日常を美しく心豊かにするような精緻で優れたデザインの木工家具を作り続けたい」という山中洋社長のコメントでノンフィクション「奇跡の椅子――AppleがHIROSHIMAに出会った日」はページを終える。

「奇跡の椅子――AppleがHIROSHIMAに出会った日」
小松成美著  文藝春秋刊  定価2420円

■「木とHIROSHIMA」
場所:maruni tokyo
住所:東京都中央区東日本橋3-6-13
期間:2025年3月31日まで開催
TEL:03-3667-4021
営業時間:11:00〜18:00(平日)10:00〜18:00(土日祝)
定休日:火、水曜日

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マルニ木工の椅子「HIROSHIMA」はなぜアップル社を魅了したのか? そのストーリーをひも解く著書と企画展示

プロダクトデザイナー深澤直人がデザインし、広島県の企業マル二木工が製作した「HIROSHIMA」は奇跡の椅子と言われている。2017年に完成し、約1万2000人の社員が働く広大なアップル本社「アップル パーク(Apple Park)」にもこの椅子は選ばれ、カフェテリアで、オフィスで愛されている。その数、なんと数千脚。木材を確保し、1年がかりで月に数百脚ずつ納品したという。23年5月に開催されたG7広島サミットの首脳会議用として採用され、バイデン米大統領(当時)をはじめとする各国の首脳がこのアームチェアに座り円卓を囲んだ。広島県の木工会社の椅子が、世界の定番として認められた証だ。

もう一つは「HIROSHIMA」が1928年創業の老舗家具メーカー、マル二木工を倒産から救った「奇跡の椅子」であるということ。曲木椅子からスタートした家具製作は戦火を乗り越え、重厚な応接家具「ベルサイユ」などのヒット商品を生み出しつつも、バブルのあおりを受け低落。廃業の危機に直面する。その試行錯誤から、復活、飛躍までの道のりをつづったのが「奇跡の椅子――AppleがHIROSHIMAに出会った日」(文藝春秋社)だ。中田英寿や野茂英雄、五郎丸歩といった世界を舞台に切り開いてきたトップアスリートや、歌舞伎役者・中村勘三郎らのドキュメンタリーを数多く手掛けてきたノンフィクション作家、小松成美氏は、2018年の夏に開催されたトークショーで「HIROSHIMA」のストーリーを知る。「『日本の木工会社がアップル パークに数千脚の椅子を?ありえない!なんで?』という小学生のような好奇心でした」と当時を振り返る。マル二木工の人に会いたい、話してみたいという思いが偶然を引き寄せ、山中洋社長と出会い、この1冊へとつながった。その後、工場で、オフィスで、2019年のミラノサローネで、そして著書の冒頭にあるアップルの本社の現地視察に同行し、この椅子がどのような背景で生まれ、どう展開したかという奇跡を追ってきた。

ジョナサン・アイブが自ら見出した
「HIROSHIMA」がアップルの定番に

スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が構想したアップルパークは、アップル社の製品のデザインを多く手掛けてきた最高デザイン責任者のジョナサン・アイブ(Jonathan Ives)にその遺志が引き継がれ、具体化された。アイブはプロダクトデザイナーとしての深澤直人に注目し、共鳴していたという。そして見出されたのが「HIROSHIMA」だった。マル二木工はアップル社に対して具体的なアプローチはしてこなかったが、この椅子と共にアイブが英経済雑誌「ファイナンシャル タイムズ(FINANCIAL TIMES)」の表紙を飾っていたことをディラーのアーキテクチュラの担当者より聞く。本格的な建築が始まる前の、試験的な原寸大モデルのオフィスにもこの椅子は採用されていたのだ。その後、大量な発注にも関わらず維持した高い品質と誠実な納品で信頼を得て、数千脚の配置が実現した。「HIROSHIMA」の偉業は小さな奇跡の積み重ねによるものだ。

HIROSHIMAという響きが
笑顔を生み出すポジティブな意味に変換

この物語の最大の奇跡は「HIROSHIMA」というネーミングであろう。「当初、このネーミングを深澤さんから提案されたときは、重すぎる、我々に広島という名を背負えきれるのかと戸惑いました」と山中社長は語る。ローカルがダイレクトに世界とつながれる時代だという深澤氏の言葉に後押しされ、誰もが知っている地名であり、マル二木工の本拠地でもある「HIROSHIMA」がコレクション名となる。「悲劇的なHIROSHIMAという言葉が、今や、アップルの社員の日常と共にあり、笑顔を生みだしている。日本とアメリカの架け橋になったのです」。そして継続は力なり、あきらめずに、がむしゃらに進めば道はひらけることを実感したと山中社長は語る。

「HIROSHIMA」のものづくり
そして奇跡を体感する企画展も開催

曲線が多く、誰もがなでたくなる「HIROSHIMA」の椅子は、姿勢を正して深く座っても、気を緩め浅くもたれ掛けても、自分のポジションに保てるよう設計されている。オンでもオフでも心地よく過ごせることを、実際に座って試してほしい。東京都東日本橋にあるmaruni tokyoでは企画展「木とHIROSHIMA」を3月31日まで開催。木工家具には欠かせない木材を生かすデザイン、それに応えカタチにする行程を、見て、さわって、座って体感する展示となっている。

マル二木工は2028年に創業100周年を迎える。「次の100年も世界の定番として愛され、使う人の日常を美しく心豊かにするような精緻で優れたデザインの木工家具を作り続けたい」という山中洋社長のコメントでノンフィクション「奇跡の椅子――AppleがHIROSHIMAに出会った日」はページを終える。

「奇跡の椅子――AppleがHIROSHIMAに出会った日」
小松成美著  文藝春秋刊  定価2420円

■「木とHIROSHIMA」
場所:maruni tokyo
住所:東京都中央区東日本橋3-6-13
期間:2025年3月31日まで開催
TEL:03-3667-4021
営業時間:11:00〜18:00(平日)10:00〜18:00(土日祝)
定休日:火、水曜日

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「ユニクロ」の“感動パンツ”10周年 「アスリートが求める機能性は、一般消費者も快適にする」

「ユニクロ(UNIQLO)」の“感動パンツ”“感動ジャケット”シリーズが、シリーズの原点となる“ドライストレッチパンツ”を2014年に発売してから、10周年を迎えた。25年春夏は、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)による「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」で企画した、ウィメンズのダブルブレストの“感動ジャケット”(7990円)やメンズの“感動ジャケット”(7990円)が「非常に好調」(勝田幸宏ファーストリテイリンググループ執行役員ユニクロR&D統括責任者)という。

“感動パンツ”は、「ユニクロ」が13年にグローバルブランドアンバサダー契約を結んだ豪のプロゴルファー、アダム・スコット(Adam Scott)選手の意見を取り入れて開発したというのは有名な話。「軽量性、速乾性、高伸縮性を備えてゴルフのプレーを邪魔せず、見た目は合繊ではなく天然素材のように見えるパンツがほしい」というスコット選手の要望を受け、ユニクロと、06年から同社と戦略的パートナーシップを結んでいる東レとで開発をスタートした。

「シワになりづらいしすぐ乾くが、見た目は天然素材のようでエレガント。このように、“感動”シリーズの開発には、矛盾する要素をいかに成立させるかという課題解決が詰まっている。これは『ユニクロ』の企業としての開発姿勢を表すものでもある」と勝田執行役員は話す。

「東レがこだわり抜いて生地開発している」

“感動パンツ”のような、「アスリートが求める機能性は、一般消費者の日常生活も快適にする」といったアイテム開発の考え方は10年前に比べていっそう世の中に浸透した。コロナ禍以降は特に、あらゆるシーンで着心地の良い服を求めるニーズが強まっている。「(そのように)カジュアルウエアが機能性を持つようになり、逆にスポーツウエアはライフスタイル化が進み、今の市場はボーダーレスとなっている。その中でも、他ブランドと比較した際に『ユニクロ』は(機能性と見た目の両立の)要求のレベルが非常に高い。われわれもこだわり抜いて作っている」と、東レの石川元一グローバルSCM事業部門長は説明する。

“感動”シリーズとしては、20年にファーストリテイリンググループ傘下で元々パンツを強みとする「セオリー(THEORY)」と組んでイージーパンツを開発。22年に発売した「ユニクロ」と「マルニ」とのコラボレーションの中でも、“感動ジャケット”“感動パンツ”をラインアップした。また、22年以降は「ユニクロ」のコアラインで、メンズに加えてウィメンズでも“感動”シリーズを展開するようになっている。「(ブラトップや“ラウンドミニショルダーバッグ”など)『ユニクロ』として海外でバズを生むアイテムもいくつか出てきているが、“感動”シリーズは海外での認知はまだまだ。“ヒートテック”しかり、『ユニクロ』の商品は一度着ると機能性を理解していただけることが多い。“感動”シリーズも海外でも販促に力を入れていく」。

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日本酒好きがうなるお酒専用セラミックフィルター 波佐見焼の技術を生かした長崎県発の匠の技

「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界の実現」をビジョンに掲げるマクアケによる、“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」には、伝統技術を現代的なアイテムに活用したプロジェクトが数多い。この連載では、全国各地の匠の技に注目。実行者の思いとともに、匠の技をどう活用し、どう訴求しているのかを考える。目指すは、47都道府県の匠の技の探訪だ。第3回は、長崎県を訪れた。


今回の技術は…

お酒の味を引き出す焼き物の技術

伊万里陶芸は、1981年に創業しました。日本が世界に誇る伝統的な焼き物の有田焼(佐賀県)と波佐見焼(長崎県)の日用食器を中心に卸・販売しています。

同社で「マクアケ」プロジェクトの責任者を務める友廣俊庸さんは、「時代の変化やお客さまのニーズに合わせて、受け継いだ伝統をアップデートしていくことが大切」と語ります。伊万里陶芸は、大切に育み継承してきた伝統を守りつつ、新たな価値観も取り入れることで、現代の食生活に合う日用食器を生み出しています。

伊万里陶芸は、波佐見焼の独自技術で開発した多孔質セラミックフィルターを活用し、セラミックコーヒーフィルター“コフィル”を生み出しました。半永久的に使えるペーパーレスのフィルターで、“見て美しく使って楽しい”コーヒー生活を提案しています。

“コフィル”は、50ミクロンという毛髪と同じくらい小さな穴が空いているため、紙や布のフィルターが不要です。一方、従来の紙フィルターよりは少し大きい“絶妙な穴”のため、コーヒーのうまみとなる油分をよく通します。セラミックが持つ遠赤外線効果が期待でき、紙フィルターよりもコクが出て、雑味のないキレの良い味わいを楽しめるのが特徴です。「多くのお客さまから反響があった」(友廣さん)ため、“コフィル フジ”や“コフィル フロー”など、商品を続々と拡充しています。

お酒専用に改良したフィルター“蒼い雫”もその一つです。コーヒーフィルターの購入者から「お酒もまろやかになる」「お酒の味が引き立つ」といった感想があり、企画・開発に至りました。コーヒー用のセラミックフィルターの技術を生かしつつも、そのままでは早くろ過されてしまうため、底面の形状を厚めに設計。何度も微調整を重ね、お酒本来のまろやかさを引き出す厚さを実現しました。
 
友廣さんは「従来のセラミックフィルターは、どうしても目詰まり(コーヒー豆の油分やコーヒー粉などがフィルターの穴に詰まること)を起こしてしまう」と語ります。“蒼い雫”は、職人が釉薬(陶磁器の表面を覆う液体)の溶ける温度を微調整することで、表面の微細な凹凸が撥水性を高める「ロータス効果」を生み出し、目詰まりのしにくさを実現しました。

友廣さんは「『マクアケ』プロジェクトの反響を聞きながら、日本酒以外のアルコール用フィルターなど、商品をもっと充実させたい」と語ります。一方、水のろ過技術への転用の可能性も探り、発展途上国の水質向上に貢献していきたいとのことです。

お酒本来のまろやかさを出す3つのポイント

1.微調整を重ねた
原料の調合

主原料のアルミナ鉱物や副原料の長石などを独自の配合で混ぜ合わせ、50ミクロンという毛髪と同じ大きさの極微細な穴がたくさん空くよう調合しました。

2.機械ろくろ成形の採用

伝統的な波佐見焼の技術と現代の精密加工を融合させる“機械ろくろ成形”を採用しました。フィルターの精密性と均一性を向上させ、ろ過技術を安定化・最適化できるようになりました。

3.厚めに設計した底面の形状

底をコーヒー用フィルターの3倍ほどの厚さにすることで、液体がフィルターと長時間接触するように。その間にじっくりお酒がろ過されるため、まろやかな口当たりになります。

長崎発!
応援購入が高額なプロジェクト3選

“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」で大きな反響が寄せられた長崎県発のプロジェクトを3つ紹介する。

PICK UP 1 : 応援購入総額3441万円

【360度体型カバー】身体のラインを拾わない
洗える究極のブラックフォーマル誕生

最新技術を使ったサイズレス構造と、身体のラインを拾わないシルエットを追求した“360度体型をカバーするブラックフォーマル”。自宅で洗濯することが可能、畳んでもシワになりにくいなど、手入れのしやすさも特徴。

PICK UP 2 : 応援購入総額310万円

【波佐見の挑戦】時を超え明治の粋を今へ
小鳥の声が寄り添う仕掛け徳利&お猪口

明治時代に生まれた“うぐいす徳利”を、今の食空間に合うモダンデザインへとアップデートした「モモカキトキメキ」のプロジェクト。波佐見焼の陶房と製品開発を行い、墨象家の知麻が1点ずつ絵付けした。

PICK UP 3 : 応援購入総額276万円

電子レンジ、直火OK!調理してそのまま食卓へ
波佐見焼の「CookDon」

電子レンジで調理できる波佐見焼のどんぶり。調理後、そのまま食卓に出せるので洗い物が少なく済み、モノを増やしたくない人やひとり暮らしの人にぴったり。インスタントラーメンがちょうど入るサイズ感なので、一人鍋にもおすすめ。

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奈良・橿原の「無印良品」世界最大店をパトロール 「資源循環型社会を具現化した店」と清水社長

良品計画は3月1日、奈良・橿原に世界最大となる大型店「無印良品 イオンモール橿原」をオープンした。イオンモール橿原が本館の西側に増床したオープンモールエリア「ウエスト・ビレッジ」にワンフロアの独立店舗で出店。売場面積は8201平方メートルで、昨年11月に一時閉店した旧店舗の約10倍の規模を誇る。「奈良は『無印良品』を作った田中一光さんの出生地であり、それゆえ奈良への造詣も深い。その地に世界一の規模で戻ってきた。『無印良品』がいま持っているすべてのコンテンツを揃えた特別店となる。とくに無印良品が進めてきた資源循環型社会を分かりやすく具現化した店舗」と、オープン時の会見に登壇した同社の清水智社長は話す。

一周すると約400mある広い店内は、「衣」(衣料品)、「健」(美容と健康)、「生」(日用雑貨)「住」(家具とファブリック)、「収」(収納用品)、「食」(食品)、「集」(Open MUJI)、「ReMUJI」、「本と喫茶 橿原書店」の9つのゾーンで構成。大きな売場サインを掲げるなどして、カタログのようにひと目で場所が分かるよう工夫されている。通常の店舗では展開できないような大型家具から寝装品までパーツも含めてフルラインナップを揃えているのが特徴だ。ベッドやソファなどを購入後、そのまま持ち帰れるよう店舗に面したピックアップ駐車場も設けた。

作業の様子が見えるリペア工房

南側のエントランスを入ってすぐ左手に位置するのが、資源循環の新たな取り組み拠点となる「ReMUJI」エリア。これまで衣料品再生プロジェクトの名称だった「ReMUJI」を資源循環の取り組み全体の総称に変更し、国内最大規模の売場を設けた。資源の回収ステーションを中心に、アイテムを拡大した「リユース品販売」のほか、「わけあり品販売」「古家具販売」「古本販売」のコーナーに加え、新たに約132平方メートルの「リペア工房」を併設。国内外で仕入れた古家具のアップサイクルや回収した家具のリペア、クリーニングを同店専任スタッフが行い、作業の様子を客からも見えるようにしている。

「無印良品」は、店舗を地域のコミュニティーセンターと位置付け、地域課題の解決に取り組んでいる。同店でも「自然、循環、文化」をキーワードにコンセプトを設定し、地域住民にとって健やかな集いの場となることをめざすという。その象徴的なコーナーが、店舗中央の集いの場「Open MUJI」だ。天井には約8メートル四方の天窓を設け、光を取り込むことで自然と人が集まるような場所を演出。奈良県産の吉野杉など地域資源をふんだんに活用したぬくもりある空間には、約1万冊の絵本と児童書を用意した。店内内装に吉野杉などを多用するほか、家具や玩具にも吉野で活動する職人や工房が製作したものを採用している。

新たな試みとして注目されるのは、無印良品初の新業態「本と喫茶」のエリアだ。日本出版販売(日販)が運営する「橿原書店」と無印良品の「Café&Meal MUJI」を組み合わせ、書店と飲食を融合させたブック&カフェ空間を提供。書店にはこれまでの無印良品では取り扱いがなかった雑誌も含め約10万冊が並び、購入前の試し読みも可能だ。さらに、企画コーナーを常設するほか、奈良の伝統工芸品や特産品、奈良ゆかりのクリエーターの作品、土産物のはにわなどグッズも展示し、本以外でも地域の魅力を発信。「まちの本棚」コーナーでは、顧客が薦める街の魅力をマップで可視化し、奈良の文化や歴史を伝えるイベントも開催する。カフェでは、本を読みながらでも食べやすいおにぎりや丼ぶり、デザート、ドリンクに特化。奈良産の食材を活用したメニューを用意し、地域住民や観光客の憩いの場としても機能する。

「地域のコミュニティーセンターを体現」

日販グループホールディングスの富樫建社長は、全国の書店数が20年間で半減し、社会問題化している現状を説明。「この社会課題に対する解決策にこの数年取り組んできたが、橿原書店もその一環。地域のコミュニティーセンターを体現している無印良品の姿に共感して今回の取り組みを決めた。地域の交流や文化の拠点であり続けるよう地域にいいインパクトを与えられる場所にしていきたい」と語る。

イオンモール橿原はもともと奈良県内だけでなく、大阪南部や和歌山からも集客する広域商圏型ショッピングモールだが、「無印良品」の開業により、商圏エリアがさらに拡大することが期待される。車で30分以内を足元商圏としながらも、週末やイベント時期には京都や三重、大阪市内からの来店も見込まれるという。

構想から2年、立ち上げから1年。地域のコミュニティーセンターをめざすという同店の下田裕店長は「無印良品の今を感じてもらえる店ができたと自負している。ファンはもちろん、新たなお客様にも商品やサービスで新たな発見をしてもらえる店にしていきたい。そのためのサポートを全力でしていく」と意気込みを語った。

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若き日のボブ・ディランを描いた映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」——マンゴールド監督の言葉から本作の魅力を探る

2016年にノーベル文学賞に輝いたボブ・ディランの若き日々を描いた映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」の日本公開がスタートした。

同作は1960年代初頭、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳だったミネソタ出身の一人の無名ミュージシャンだったボブ・ディランがフォーク・シンガーとしてコンサートホールやチャートの寵児となり、65年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの伝説のパフォーマンスで頂点を極めるまでを「風に吹かれて」「時代は変わる」「ライク・ア・ローリング・ストーン」といった名曲と共に描く。

ボブ・ディランを演じるのはティモシー・シャラメ。5年間にもわたるボイストレーニング、ギターとハーモニカの習得を経て、同作では歌も演奏も本人が行っている。そのほか、ボブ・ディランの人生に大きく関わったミュージシャン、ピート・シーガーをエドワード・ノートンが、ジョーン・バンズをモニカ・バルバロが、ウディ・ガスリーをスクート・マクネリーが演じる。監督は「フォードvsフェラーリ」などを手掛けたジェームズ・マンゴールドが務める。

本作の魅力をマンゴールド監督のオフィシャルインタビューでの言葉から探っていく。

マンゴールド監督の狙い

1960年代にアメリカのフォーク・シーンの新星として注目を浴びながら、一夜にして裏切り者として追放された男。その後、カウンター・カルチャーのアイコンとなり、ロック・ミュージシャンとして初めてノーベル賞を受賞するが、難解な歌詞同様に謎めいた男。ボブ・ディランとは一体何者なのか。その横顔に独自の角度で光を当てたのが、ジェームズ・マンゴールド監督による映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」だ。

ディランを題材にした映画といえば、過去にトッド・ヘインズ監督「アイム・ノット・ゼア」(07年)がある。ヘインズは、クリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、リチャード・ギアなど、6人の役者にディランを演じさせることでディランのさまざまな顔を浮かび上がらせた。一方、「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」はディランのデビュー当時に焦点を当てているのが特徴だ。マンゴールド監督がミュージシャンの伝記映画を手掛けたのは、カントリー界の異端児、ジョニー・キャッシュの半生を描いた「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」(05年)に続いて2作目だが、アプローチはまったく違う。その違いをマンゴールドはこんな風に説明する。

「『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』はキャラクターを描いた物語で、ジョニー・キャッシュと妻のジェーン・カーターという全く性格が違う2人のラブストーリーだった。一方、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』は映画でよくやる描き方、映画の終盤で主人公が自分を苦しめていた痛みを告白して成長する、というような物語ではうまくいかないと思ったんだ」。

「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」は、ボブ・ディランがヒッチハイクでニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジに来るところから始まる。尊敬するフォーク・シンガー、ウディ・ガスリーが入院したことを知ったディランは病院を探してガスリーを見舞い、そこでガスリーの友人のフォークシンガー、ピート・シーガーと出会う。そして、ガスリーとピートに才能を認められたディランは、ピートの紹介でフォーク・ムーヴメントの中心だったグリニッジ・ヴィレッジのコーヒーハウス(生演奏が聴けるカフェ)で演奏するようになり、すぐに頭角を現していく。こうした当時の状況に、マンゴールドは「芯の太いストーリーを感じた」という。

「ウディ・ガスリーという瀕死の王がいて、その傍らにウディには到底なれないが、体制との戦い方を考えたり実行することに長けている副官(ピート・シーガー)がいる。そこに計画をしたり戦うことは苦手だが、楽曲や名言を生み出す才能を持ったミニ・ウッディ(ボブ・ディラン)が現れたんだ。ボブの才能を目の当たりにしてウディやピートがどんな反応をしたのか。そして、ボブがフォーク・ムーブメントの行く末を決めてしまうところまで上り詰めていくのを、ウディやピートがどんな想いで見守っていたのか。私が何か新しい要素を加えなくても、当時の状況を描くだけでスパイシーなシチューが出来上がると思ったよ」。

ティモシー・シャラメの演技

ディランを演じたティモシー・シャラメは、ハリウッドスターとしての輝きをディランのカリスマ性に溶かし込み、歌も演奏も吹き替えなしで披露。ディランの複雑なキャラクターを演技で観客に説明するのではなく、感じさせる。そうすることでディランの神秘性を残しながらも、揺れ動く内面を伝える見事な演技だ。

「ティモシー・シャラメは素晴らしい俳優だ。彼を起用できたのは幸運だったよ。彼のユニークなキャラクターが、この時期のボブとしっかりと組み合わさっていた。今回は撮影に入るまでに長い準備期間を設けことができたのは幸運だった。そのおかげで彼はギターが弾けて歌えるようになったんだ。彼はとても規律正しく、努力家で、集中力を持った若者だよ。彼は本物のアーティストで、役者としての天性の直感を持っているし、フレームの使い方を心得ていて、照明を感じ、自分のしていることを客観的に見ている。私たちは1日14時間撮影現場で一緒にいた後、夜も連絡を取り合ったんだ」。

ピートを演じたエドワード・ノートンの存在感

映画ではディランとフォーク・シンガーのジョーン・バエズやシヴァン・ルッソ(スージー・ロトロという女性をモデルにした映画のオリジナル・キャラクター)との恋愛も描かれる。彼女たちとのやりとりを通じてディランの素顔を垣間見せているが、とりわけ心に残るのはピート・シーガーとの関係だ。フォークは民衆のための音楽、というガスリーの信念を受け継いでフォーク・ムーブメントを支えてきたピートは、ガスリーの後継者としてディランにフォークの運命を託す。そんなピートの存在が物語に奥行きを生み出している。ディランがガスリーの病室でシーガーに出会うのは史実ではないが、3人の関係性を印象付ける巧みな脚色だ。ピートを演じたのはエドワード・ノートン。抑制された緻密な演技でシャラメに負けない存在感を発揮している。

「私はずっとピートを尊敬してきたので言いづらいが、結局のところ、ウディ・ガスリーはピートより影響力のあるミュージシャンで、ボブ・ディランはさらに影響力のあるミュージシャンだった。ピートも影響力を持っていたが、それはアーティストとしてというより、アーティストを支援したり、フォーク・ムーブメントを支援するオーガイナイザーとしてだ。でも、彼がそれを目指していたとは思えない。実はピートは心の奥底に大きな怒りを隠しているのではないか、とずっと思っていたんだ」。

デビューして脚光を浴びたディランは、次第にフォーク・シンガーの型にはめられることに苛立ちを感じるようになり、ロックに興味を持つ。しかし、伝統を重んじるフォーク・ムーヴメントの関係者の関係者にとって、ロックは若者たちの流行音楽。伝統を重んじる彼らにはエレキ・ギターを弾くことさえ重大な裏切りだった。シーガーはディランの苛立ちに気付きながらも、その動向を見守ることしかできない。そして、1965年にフォークの祭典、「ニューポート・フォーク・フェスティバル」が開催される。そこでディランはエレキ・ギターを持ってバンドと共にステージに立ち、観客の野次を浴びながら演奏をしてフォーク界に別れを告げた。そこで「ライク・ア・ローリング・ストーン」を歌うシャラメの声にみなぎる緊張感。まるでドキュメンタリーを見ているような生々しさに引き込まれるが、このロック史に残る歴史的な事件が映画のクライマックスになっている。

「確かに65年のニューポート・フォーク・フェスティバルは歴史的な事件だけど、それをことさら重大なものとして描こうとは思わなかった。よくある家族のいざこざのように描きたかったんだ。私にとって重要なのは、物語が登場人物にどんな風に機能するかだ。この映画ではさまざまな人物が交差するが、ニューポート・フォーク・フェスティバルには登場人物がほぼ全員が集まる。それはまるで感謝祭に家族がそろって食事をするようなものだ。そこで家族のいざこざが起こると、その場を立ち去ってしまう者や自分の部屋に逃げ帰る者、ひたすら皿を洗って騒ぎが終わるのを待つ者もいる。ピートの家族に聞いたら、あの夜、ピートは家族が初めて見るくらい怒り狂っていたそうだよ。そして、ディランは走り去った。彼がどこに向かったのか。それは誰にも分からない」。

「ミネソタで育ち、息を詰まらせていた若者の話だ」

本作と併せてぜひ観てほしいのがウディ・ガスリーの半生を描いた「ウディ・ガスリー/わが心のふるさと」(76年)だ。監督のハル・アシュビーは、映画の半分以上の時間を費やしてデビュー前のガスリーの放浪の旅を描き、ガスリーの音楽が旅で出会った人々との関わりから生まれたこと、そして、フォーク・ミュージックがどういうものかを伝えている。カリスマ性を感じさせるシャラメのディランとは対照的に、デヴィッド・キャラダインの無骨な佇まいはガスリーのイメージにぴったりだ。この映画を観ればシーガーが必死でフォークの伝統を守ろうとした理由が分かるし、そこに変革を起こしたディランの異端児ぶりも分かる。そして、ガスリーの旅の終着点からディランの旅がスタートしたことを、「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」が描いていることも分かるだろう。

「本作が何についての映画なのか、ボブが私に尋ねたことがあるんだ。私はその場ですぐに答えなくてはいけなくて一瞬焦ったが、とても明確に説明できた。私は『ミネソタで育ち、息を詰まらせていた若者の話だ』と答えたんだ。その若者は荷物をまとめて街を出て、新しい土地で新しいアイデンティティを生み出し、新しい友人や真の家族を見つける。彼の才能は開花し、かなりの成功を収めるけれど、また息苦しくなって逃げ出してしまうんだ。映画がウディ・ガスリーの歌う『So Long, It's Been Good to Know Yuh(さよなら 出会えてよかった)』で始まり、その歌で終わるのは偶然ではない。本作は前に進むこと、そして、そのためには愛する者さえも置き去りにすることについての映画だ。ボブとジョーン・バエズはどこにも行けなかったし、ボブとシルヴィ・ルッソも、ボブとピート・シーガーもどこにも行けなかった。ボブには彼らとの関係が終わってしまったという事実を認める正直さがあった。そして、彼らといがみ合いながら生きていくよりも、そんな関係を断ち切って前に進むことを選んだんだ。自分の求めるものを得るために全てを捨てられる人もいれば、それができない人もいる。その隔たりはとても大きい」

この映画ではディランがバイクに乗るシーンが何度も登場する。「ウディ・ガスリー/わが心のふるさと」で何度も登場した列車のように、ディランにとってバイクは重要な乗り物だ。ディランは流れ着いたニューヨークでも、バイクに乗って旅を続けていたのかもしれない。やがてバイク事故を起こしたディランは、その事故をきっかけに音楽性を変化させていくのだが、それはまた別の話。「最後に登場人物はバラバラになってしまうけど、私はこのラストを楽観的に見ている。ボブの次の冒険が楽しみだぞ、と思っているんだ」と語るマンゴールド。最初に彼が語ったように、本作はよくある若者の成長の物語ではない。本作はボブ・ディランという大きな物語の序曲。マンゴールドはディランの一瞬を切り取り、ディランが名もなき者だった頃から、自分が求めるものを探し続ける旅人だったことをドラマティックに描き出した。

映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」

■映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」
2025年2月28日全国公開中
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ティモシー・シャラメ、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルック、ダン・フォグラー、ノーバート・レオ・バッツ、スクート・マクネイリー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
https://www.searchlightpictures.jp/movies/acompleteunknown

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若き日のボブ・ディランを描いた映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」——マンゴールド監督の言葉から本作の魅力を探る

2016年にノーベル文学賞に輝いたボブ・ディランの若き日々を描いた映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」の日本公開がスタートした。

同作は1960年代初頭、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳だったミネソタ出身の一人の無名ミュージシャンだったボブ・ディランがフォーク・シンガーとしてコンサートホールやチャートの寵児となり、65年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの伝説のパフォーマンスで頂点を極めるまでを「風に吹かれて」「時代は変わる」「ライク・ア・ローリング・ストーン」といった名曲と共に描く。

ボブ・ディランを演じるのはティモシー・シャラメ。5年間にもわたるボイストレーニング、ギターとハーモニカの習得を経て、同作では歌も演奏も本人が行っている。そのほか、ボブ・ディランの人生に大きく関わったミュージシャン、ピート・シーガーをエドワード・ノートンが、ジョーン・バンズをモニカ・バルバロが、ウディ・ガスリーをスクート・マクネリーが演じる。監督は「フォードvsフェラーリ」などを手掛けたジェームズ・マンゴールドが務める。

本作の魅力をマンゴールド監督のオフィシャルインタビューでの言葉から探っていく。

マンゴールド監督の狙い

1960年代にアメリカのフォーク・シーンの新星として注目を浴びながら、一夜にして裏切り者として追放された男。その後、カウンター・カルチャーのアイコンとなり、ロック・ミュージシャンとして初めてノーベル賞を受賞するが、難解な歌詞同様に謎めいた男。ボブ・ディランとは一体何者なのか。その横顔に独自の角度で光を当てたのが、ジェームズ・マンゴールド監督による映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」だ。

ディランを題材にした映画といえば、過去にトッド・ヘインズ監督「アイム・ノット・ゼア」(07年)がある。ヘインズは、クリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、リチャード・ギアなど、6人の役者にディランを演じさせることでディランのさまざまな顔を浮かび上がらせた。一方、「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」はディランのデビュー当時に焦点を当てているのが特徴だ。マンゴールド監督がミュージシャンの伝記映画を手掛けたのは、カントリー界の異端児、ジョニー・キャッシュの半生を描いた「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」(05年)に続いて2作目だが、アプローチはまったく違う。その違いをマンゴールドはこんな風に説明する。

「『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』はキャラクターを描いた物語で、ジョニー・キャッシュと妻のジェーン・カーターという全く性格が違う2人のラブストーリーだった。一方、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』は映画でよくやる描き方、映画の終盤で主人公が自分を苦しめていた痛みを告白して成長する、というような物語ではうまくいかないと思ったんだ」。

「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」は、ボブ・ディランがヒッチハイクでニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジに来るところから始まる。尊敬するフォーク・シンガー、ウディ・ガスリーが入院したことを知ったディランは病院を探してガスリーを見舞い、そこでガスリーの友人のフォークシンガー、ピート・シーガーと出会う。そして、ガスリーとピートに才能を認められたディランは、ピートの紹介でフォーク・ムーヴメントの中心だったグリニッジ・ヴィレッジのコーヒーハウス(生演奏が聴けるカフェ)で演奏するようになり、すぐに頭角を現していく。こうした当時の状況に、マンゴールドは「芯の太いストーリーを感じた」という。

「ウディ・ガスリーという瀕死の王がいて、その傍らにウディには到底なれないが、体制との戦い方を考えたり実行することに長けている副官(ピート・シーガー)がいる。そこに計画をしたり戦うことは苦手だが、楽曲や名言を生み出す才能を持ったミニ・ウッディ(ボブ・ディラン)が現れたんだ。ボブの才能を目の当たりにしてウディやピートがどんな反応をしたのか。そして、ボブがフォーク・ムーブメントの行く末を決めてしまうところまで上り詰めていくのを、ウディやピートがどんな想いで見守っていたのか。私が何か新しい要素を加えなくても、当時の状況を描くだけでスパイシーなシチューが出来上がると思ったよ」。

ティモシー・シャラメの演技

ディランを演じたティモシー・シャラメは、ハリウッドスターとしての輝きをディランのカリスマ性に溶かし込み、歌も演奏も吹き替えなしで披露。ディランの複雑なキャラクターを演技で観客に説明するのではなく、感じさせる。そうすることでディランの神秘性を残しながらも、揺れ動く内面を伝える見事な演技だ。

「ティモシー・シャラメは素晴らしい俳優だ。彼を起用できたのは幸運だったよ。彼のユニークなキャラクターが、この時期のボブとしっかりと組み合わさっていた。今回は撮影に入るまでに長い準備期間を設けことができたのは幸運だった。そのおかげで彼はギターが弾けて歌えるようになったんだ。彼はとても規律正しく、努力家で、集中力を持った若者だよ。彼は本物のアーティストで、役者としての天性の直感を持っているし、フレームの使い方を心得ていて、照明を感じ、自分のしていることを客観的に見ている。私たちは1日14時間撮影現場で一緒にいた後、夜も連絡を取り合ったんだ」。

ピートを演じたエドワード・ノートンの存在感

映画ではディランとフォーク・シンガーのジョーン・バエズやシヴァン・ルッソ(スージー・ロトロという女性をモデルにした映画のオリジナル・キャラクター)との恋愛も描かれる。彼女たちとのやりとりを通じてディランの素顔を垣間見せているが、とりわけ心に残るのはピート・シーガーとの関係だ。フォークは民衆のための音楽、というガスリーの信念を受け継いでフォーク・ムーブメントを支えてきたピートは、ガスリーの後継者としてディランにフォークの運命を託す。そんなピートの存在が物語に奥行きを生み出している。ディランがガスリーの病室でシーガーに出会うのは史実ではないが、3人の関係性を印象付ける巧みな脚色だ。ピートを演じたのはエドワード・ノートン。抑制された緻密な演技でシャラメに負けない存在感を発揮している。

「私はずっとピートを尊敬してきたので言いづらいが、結局のところ、ウディ・ガスリーはピートより影響力のあるミュージシャンで、ボブ・ディランはさらに影響力のあるミュージシャンだった。ピートも影響力を持っていたが、それはアーティストとしてというより、アーティストを支援したり、フォーク・ムーブメントを支援するオーガイナイザーとしてだ。でも、彼がそれを目指していたとは思えない。実はピートは心の奥底に大きな怒りを隠しているのではないか、とずっと思っていたんだ」。

デビューして脚光を浴びたディランは、次第にフォーク・シンガーの型にはめられることに苛立ちを感じるようになり、ロックに興味を持つ。しかし、伝統を重んじるフォーク・ムーヴメントの関係者の関係者にとって、ロックは若者たちの流行音楽。伝統を重んじる彼らにはエレキ・ギターを弾くことさえ重大な裏切りだった。シーガーはディランの苛立ちに気付きながらも、その動向を見守ることしかできない。そして、1965年にフォークの祭典、「ニューポート・フォーク・フェスティバル」が開催される。そこでディランはエレキ・ギターを持ってバンドと共にステージに立ち、観客の野次を浴びながら演奏をしてフォーク界に別れを告げた。そこで「ライク・ア・ローリング・ストーン」を歌うシャラメの声にみなぎる緊張感。まるでドキュメンタリーを見ているような生々しさに引き込まれるが、このロック史に残る歴史的な事件が映画のクライマックスになっている。

「確かに65年のニューポート・フォーク・フェスティバルは歴史的な事件だけど、それをことさら重大なものとして描こうとは思わなかった。よくある家族のいざこざのように描きたかったんだ。私にとって重要なのは、物語が登場人物にどんな風に機能するかだ。この映画ではさまざまな人物が交差するが、ニューポート・フォーク・フェスティバルには登場人物がほぼ全員が集まる。それはまるで感謝祭に家族がそろって食事をするようなものだ。そこで家族のいざこざが起こると、その場を立ち去ってしまう者や自分の部屋に逃げ帰る者、ひたすら皿を洗って騒ぎが終わるのを待つ者もいる。ピートの家族に聞いたら、あの夜、ピートは家族が初めて見るくらい怒り狂っていたそうだよ。そして、ディランは走り去った。彼がどこに向かったのか。それは誰にも分からない」。

「ミネソタで育ち、息を詰まらせていた若者の話だ」

本作と併せてぜひ観てほしいのがウディ・ガスリーの半生を描いた「ウディ・ガスリー/わが心のふるさと」(76年)だ。監督のハル・アシュビーは、映画の半分以上の時間を費やしてデビュー前のガスリーの放浪の旅を描き、ガスリーの音楽が旅で出会った人々との関わりから生まれたこと、そして、フォーク・ミュージックがどういうものかを伝えている。カリスマ性を感じさせるシャラメのディランとは対照的に、デヴィッド・キャラダインの無骨な佇まいはガスリーのイメージにぴったりだ。この映画を観ればシーガーが必死でフォークの伝統を守ろうとした理由が分かるし、そこに変革を起こしたディランの異端児ぶりも分かる。そして、ガスリーの旅の終着点からディランの旅がスタートしたことを、「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」が描いていることも分かるだろう。

「本作が何についての映画なのか、ボブが私に尋ねたことがあるんだ。私はその場ですぐに答えなくてはいけなくて一瞬焦ったが、とても明確に説明できた。私は『ミネソタで育ち、息を詰まらせていた若者の話だ』と答えたんだ。その若者は荷物をまとめて街を出て、新しい土地で新しいアイデンティティを生み出し、新しい友人や真の家族を見つける。彼の才能は開花し、かなりの成功を収めるけれど、また息苦しくなって逃げ出してしまうんだ。映画がウディ・ガスリーの歌う『So Long, It's Been Good to Know Yuh(さよなら 出会えてよかった)』で始まり、その歌で終わるのは偶然ではない。本作は前に進むこと、そして、そのためには愛する者さえも置き去りにすることについての映画だ。ボブとジョーン・バエズはどこにも行けなかったし、ボブとシルヴィ・ルッソも、ボブとピート・シーガーもどこにも行けなかった。ボブには彼らとの関係が終わってしまったという事実を認める正直さがあった。そして、彼らといがみ合いながら生きていくよりも、そんな関係を断ち切って前に進むことを選んだんだ。自分の求めるものを得るために全てを捨てられる人もいれば、それができない人もいる。その隔たりはとても大きい」

この映画ではディランがバイクに乗るシーンが何度も登場する。「ウディ・ガスリー/わが心のふるさと」で何度も登場した列車のように、ディランにとってバイクは重要な乗り物だ。ディランは流れ着いたニューヨークでも、バイクに乗って旅を続けていたのかもしれない。やがてバイク事故を起こしたディランは、その事故をきっかけに音楽性を変化させていくのだが、それはまた別の話。「最後に登場人物はバラバラになってしまうけど、私はこのラストを楽観的に見ている。ボブの次の冒険が楽しみだぞ、と思っているんだ」と語るマンゴールド。最初に彼が語ったように、本作はよくある若者の成長の物語ではない。本作はボブ・ディランという大きな物語の序曲。マンゴールドはディランの一瞬を切り取り、ディランが名もなき者だった頃から、自分が求めるものを探し続ける旅人だったことをドラマティックに描き出した。

映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」

■映画「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」
2025年2月28日全国公開中
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ティモシー・シャラメ、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルック、ダン・フォグラー、ノーバート・レオ・バッツ、スクート・マクネイリー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
https://www.searchlightpictures.jp/movies/acompleteunknown

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「シュウ ウエムラ」「ランコム」「アルマーニ ビューティ」「ヘラ」から新ファンデが続々!今週発売のビューティアイテム12選【3/3〜3/9】

ビューティアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は3月3〜9日に発売するアイテムを紹介します。今週は肌を美しく演出するファンデーションが続々と登場。「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」の人気ファンデーション“アンリミテッド ラスティング フルイド”は汗に強く、崩れにくい機能はそのままに乾燥感を軽減したほか、「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」の“パワー ファブリック ファンデーション+”もカモミール由来のビサボロールやナイアシンアミドなどの美容液成分を新配合。両製品ともにその進化に注目です。ほか、「ランコム(LANCOME)」の最高峰コレクション“アプソリュ”からはスキンケアベース約85%のレフィル式ファンデーションが、「ヘラ(HERA)」からは上品な素肌感を演出する独自のグロウパウダー配合のクッションファンデーションが発売されます。加工アプリの影響もあり、美肌見せは現代のメイクアップの重要ポイント。ファンの期待に応えるブランドの製品開発力は見逃せません。

【3月3日発売】
シュウ ウエムラ
(SHU UEMURA)

人気ファンデがリニューアル 

「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」は、人気ファンデーション“アンリミテッド ラスティング フルイド”をリニューアル発売する。椿オイルを新配合することで、汗に強く、崩れにくい機能はそのままに、乾燥感を軽減した素肌美ファンデーションを実現した。

■商品詳細

“アンリミテッド ラスティング フルイド” (全20色、35mL、SPF 24/PA+++、7480円)
“アンリミテッド ルミマット セッティング ジェル イン パウダー アオタケブルー”(1万1000円)

【3月3日発売】
エルメス
(HERMES)

大地の奥底から湧き上がる炎がテーマの香水

「エルメス(HERMES)」は、定番のメンズフレグランスコレクション“テール ドゥ エルメス”から新作の“テール ドゥ エルメス オー ド パルファム アンタンス”を発売する。大地の奥底から湧き上がる炎の力をテーマに、フレッシュなベルガモットやうっとりするようなバーニングウッド、力強いラバストーン、ほのかに香るコーヒー豆のアロマと甘草などを採用した。

■商品詳細

“テール ドゥ エルメス オー ド パルファム アンタンス”(50mL、1万5070円/100mL、2万460円)
リフィル(200mL、2万7170円)

【3月5日発売】
ファス
(FAS)

発酵シートマスクが個包装に

「ファス(FAS)」は、ザ ブラックシリーズのフェイスマスク“ザ ブラック デイリー シートマスク”の個包装タイプを期間限定で販売する。本シリーズは京都産の黒米を使った黒米発酵液を製品作りのベースにしたシリーズ。黒米発酵液を66%配合しているほか、独自成分の精密発酵ナリンゲニン、保湿成分のグルタチオン、ビタミンC誘導体、クチナシ果実エキスなどを配合している。

■商品詳細

“ザ ブラック デイリー シートマスク”(5個入り、4070円)

【3月6日発売】
ラッシュ
(LUSH)

「ひつじのショーン」とコラボ

「ラッシュ(LUSH)」は、英国のアニメーション制作スタジオ、アードマン・アニメーションズ(Aardman Animations)の人気作品「ひつじのショーン」とコラボレーションし、限定コレクションを発売する。ラインアップは、ビーガンコスメアイテム全6種。ものづくりのエキスパートがタッグを組み、ハンドメイドにこだわったフレッシュなアイテムを用意する。

■商品詳細

“ショーン”(1080円)
“スリーピーティミー”(1280円)
“ピッツァー”(1960円)
“いたずらブタ”(155g、1400円)
“トラクター”(1360円)
“モッシーボトム”(200mL、6800円)

【3月6日発売】
リファ
(REFA)

“ハートブラシ”から限定色 

「リファ(REFA)」は、握りやすいハート型の形状が特徴のヘアブラシ“ハートブラシ”から、プラザ(PLAZA)とミニプラ(MINIPLA)限定色の“ユニコーンピンク”と“ユニコーンブルー”を数量限定で発売する。

■商品詳細

“ハートブラシ ユニコーンピンク”(3300円)
“ハートブラシ ユニコーンブルー”(3300円)

【3月7日発売】
アルマーニ ビューティ
(ARMANI BEAUTY)

ファンデをリニューアル 

「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」は、“パワー ファブリック ファンデーション+”を“パワー ファブリック プロ ファンデーション”としてリニューアル発売する。カモミール由来のビサボロールやナイアシンアミドなどの美容液成分を新配合し、スキンケア効果を強化。透明感あふれる肌に導き、敏感肌にも使えるフォーミュラ設計で使う度に肌をケアする。

■商品詳細

“パワー ファブリック プロ ファンデーション”(全9色、各9790円※編集部調べ)

【3月7日発売】
ボビイ ブラウン
(BOBBI BROWN)

濡れ感を宿すリップスティック

「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」は、リップケア効果を兼ね備えた“エクストラ リップ”シリーズから、バームのような保湿力と美発色を1本でかなえるリップスティック“エクストラ カラー シャイン”を発売する。バターのようなテクスチャーが滑らかに伸び広がり、乾燥した唇をしっかりと潤す。ブラウン系やベージュ系、オレンジ系などの15色を用意した。

■商品詳細

“エクストラ カラー シャイン”(全15色、各5060円)

【3月7日発売】
シャネル
(CHANEL)

フレグランスアクセサリー 

「シャネル(CHANEL)」は、アクセサリーのように身にまとえる“ココ マドモアゼル オードゥ パルファム アンタンス パース スプレイ”を限定発売する。自由で魅力的な女性の本質を表現したオリエンタル・アンバー・ウッディーの香りで、フレッシュなシトラスのトップノートと、ローズとジャスミンのミドルノートがインテンスな印象を引き立てる。

■商品詳細

“ココ マドモアゼル オードゥ パルファム アンタンス パース スプレイ”(7mL×3本、2万6400円)

【3月7日発売】
ヘラ
(HERA)

光を味方に艶めく
グロウタイプのクッションファンデ

「ヘラ(HERA)」は、上品な素肌感を演出する独自のグロウパウダー配合の“リフレクション スキン グロウ クッション ファンデーション”を発売する。クッション部分にはスポンジとメッシュのダブルフィルター構造の“ハイブリッドメッシュ”を採用し、みずみずしいファンデーションを薄く均一に肌に塗布できる設計にした。

■商品詳細

“リフレクション スキン グロウ クッション ファンデーション”(本体価格、各6380円/リフィル、各4950円)

【3月7日発売】
ランコム
(LANCOME)

最高峰スキンケアシリーズ“アプソリュ”からファンデーション

「ランコム(LANCOME)」は、最高峰コレクション“アプソリュ”から、スキンケアベース約85%のレフィル式ファンデーション“アプソリュ ザ フルイド ファンデーション”を発売する。アプソリュスキンケア製品にも配合の共通成分、ランコムローズの恵みとプロキシレンを凝縮し、軽い付け心地でありながらも内側から上質な輝き感をもたらす。

■商品詳細

“アプソリュ ザ フルイド ファンデーション”(全5色、各1万9250円/レフィル各1万6500円)

【3月7日発売】
スック
(SUQQU)

エイジングケアライン“アクフォンス”から新美容液

「スック(SUQQU)」は、エイジングケアライン“アクフォンス(AQUFONS)”から、肌をみずみずしい潤いでたっぷりと満たす導入美容液“アクフォンス スムース リニュー セラム”【医薬部外品】を発売する。みずみずしいテクスチャーで、乾燥によりごわついた肌にもなじみやすい処方に仕上げた。

■商品詳細

“アクフォンス スムース リニュー セラム”【医薬部外品】(30mL、8800円/50mL、1万3200円)

【3月8日発売】
ミニモアパフューム
(MINI-MORE PERFUME)

20周年のラブ and ベリーがミニ香水に

フィッツコーポレーションの「ミニモアパフューム(MINI-MORE PERFUME)」は、今年20周年を迎えた「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」とコラボレーションしたミニ香水を数量限定で発売する。ゲームプレイ時に入手できる“オシャレまほうカード“を模したミニカードもランダムで1枚付属する。

■商品詳細

ミニ香水(全4種、各8mL、価格未定)

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コワモテヒップホップMCによる“ドープ”な料理チャンネル

ラッパーの漢a.k.a. GAMIによる、Youtubeの料理チャンネルが面白い。番組は、漢a.k.a. GAMIの「漢kitchen」とヒップホップにフォーカスするプロジェクト「ブループリント(BLUEPRINT™︎)」のコラボレーション。漢a.k.a. GAMIは、ヒップホップ界隈では日本を代表するMCの1人であると同時に、飲食店「9SARI CAFE & BAR」を運営するなど、料理家としての一面があることが知られている。

ただ、番組で挑戦する料理は「いちごタルト&いちごジュース」「マヌカハニー入りホットケーキ」「一口オムライス弁当」といったもの。コワモテ・タトゥーびっしりの風貌で「女子力高め」な一皿に没頭する絵面は少々シュール。25日18時に公開された動画では、ゲストにラッパーのSKRYUを迎え、液体塩麹と麹味噌を使った体に良さそうな発酵鍋作りに挑戦していて、これまたギャップが面白い。

番組では毎回、漢a.k.a. GAMIと共にシーンを引っ張る気鋭のラッパーをゲストに招く。料理の片手間(?)に骨太なヒップホップ談義が毎度繰り広げられ、料理好きだけでなくヒップホップラバーにとってもドープ(中毒)な内容となっている。

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コワモテヒップホップMCによる“ドープ”な料理チャンネル

ラッパーの漢a.k.a. GAMIによる、Youtubeの料理チャンネルが面白い。番組は、漢a.k.a. GAMIの「漢kitchen」とヒップホップにフォーカスするプロジェクト「ブループリント(BLUEPRINT™︎)」のコラボレーション。漢a.k.a. GAMIは、ヒップホップ界隈では日本を代表するMCの1人であると同時に、飲食店「9SARI CAFE & BAR」を運営するなど、料理家としての一面があることが知られている。

ただ、番組で挑戦する料理は「いちごタルト&いちごジュース」「マヌカハニー入りホットケーキ」「一口オムライス弁当」といったもの。コワモテ・タトゥーびっしりの風貌で「女子力高め」な一皿に没頭する絵面は少々シュール。25日18時に公開された動画では、ゲストにラッパーのSKRYUを迎え、液体塩麹と麹味噌を使った体に良さそうな発酵鍋作りに挑戦していて、これまたギャップが面白い。

番組では毎回、漢a.k.a. GAMIと共にシーンを引っ張る気鋭のラッパーをゲストに招く。料理の片手間(?)に骨太なヒップホップ談義が毎度繰り広げられ、料理好きだけでなくヒップホップラバーにとってもドープ(中毒)な内容となっている。

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マンガで学ぶ「在庫管理の魔術」 第8話:「回転数」ってこういうこと! 信号機に着想を得たマネジメントって?

中堅アパレルのチェーンストア「ハンナズ」は、過剰在庫が原因で経営危機に瀕している。社長の安堂平磨は、娘でバイヤーの安堂あい、あいの夫で渋谷店店長の安堂徹に再生を期待するが、2人は「売れ残るリスクを抱えながら在庫を持つべきか?」それとも「売り上げが落ちるリスクを抱えながら在庫を減らすべきか?」で迷い続ける。

徹は渋谷店のスタッフに「店舗の在庫を増やす」のではなく、「在庫の回転数を向上させる」必要性を提言。そして、信号機に着想を得て、「在庫を切らさず、回転数を向上させる」手法にたどり着く。「ハンナズ」でダイナミックなマネジメントが始まろうとしている!

登場人物紹介

第八話

このマンガは、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)も経営陣で読んだとされるTOC(制約理論)の原点にして最高の入門書「ザ・ゴール」を原案としています。「ザ・ゴール」を中心としたマネジメント理論に関する書籍は、ダイヤモンド社が販売中です。

ORIGINAL WORKS:ELIYAHU GOLDRATT、JEF COX
SUPERVISION:YUJI KISHIRA
SCRIPT:TAKEO AOKI
COMICS:YAMA AOTA

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「プラダ」は粗野な表現でフェミニンを再考 ミウッチャ&ラフの“生”な思考ぶつける

「プラダ(PRADA)」がこのほどミラノで発表した2025-26年秋冬コレクションは、「今日における女性らしさとは何か?」という問いを投げかけた。タイトルは「ロー グラマー(RAW GRAMOUR)」。リトルブラックドレスやリボンといった“女性らしさ”のコードを、粗野な表現で落とし込んだ。

「私たちはどんな服が今の時代に合うのか話し合った」とミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)。
そして「ただ既存の女性らしさを批判をしたいわけではないのだ」とラフ・シモンズ(Raf Simons)は続ける。「例えばリトルブラックドレスのようにフェミニンを語るうえでのクリシェ(常套句)にも、私たちは美しさを感じるし、エッセンシャルなアイテムだと思う」と話した上で、ミウッチャとラフが解釈するそれは、厚みのある生地で作るオーバーサイズ。ネックラインは“ソバージュ・フィニッシュ”と呼ぶ切れっぱなしのディテールで、典型的なリトル・ブラック・ドレスの概念を覆す。

ブラックドレスやフロントにリボンをあしらったフラワープリンントのドレスなどに合わせる足元は、形こそ“フェミニンな”ポインテッドトゥだが、ハードに加工したレザーかつアッパー部分は裁ち切りのようなデザインが荒々しい。ローファーをオープントゥにしてサンダルと融合したようなシューズやそれをさらにブーツと融合したような新しいシューズも登場。レディーライクな新作のチェーンバッグも、粗野なルックにコントラストを効かせた。

ミウッチャもラフも、新しい“フェミニン”を容易に定義することはしない。ただ既存の定義に疑問の眼差しを向け、問い続ける姿勢を見せる。2人のまだ思考途中のコレクションは、タイトルが示すように“生”で無垢な女性像を描く。

「プラダ」らしいパジャマルックも登場した。リラックスしたオーバーサイズのシャツ。ボトムスは、ウエスト周りを無理に絞って余った生地が不恰好にギャザーを寄せる。首元にはアール・デコ調のビジューを施したアクセサリーとポインテッドトゥのハイヒールを合わせた。

クラシックなファーコートは、全て食肉産業の副産物を活用したシアリングを用いて表現したという。襟元がボリューミーなロングコートは、ボディー部分にビニールを被せて毛並みを潰し、プリントのような錯覚も覚える。「プラダ」が数シーズン続けているトロンプルイユの手法で、自らの五感を使ってモノを見ることの重要性をここでも再び訴えた。シャツの襟にはワイヤーを通して布がなびく動きを成形する手法も、前シーズンから継続した。

ミウッチャとラフはバックステージで、「解放」について語った。「解放について考える時、私たちはとにかく服について語り合った。解放とはリスクを伴うもの。服、つまり私たちの思考を通して抵抗し、リスクを犯した先に初めて自由が得られるのだ」と。フェミニンを問うクリエーションが目指す先は、人々の自由だ。

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「コンビニエンスウェア」の新作や「レスポートサック」と協業した「ランバン オン ブルー」など! 来週発売のファッションアイテム9選【3/3〜3/9】

ファッションアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は3月3〜9日に発売するアイテムを紹介します。ファミリーマートの「コンビニエンスウェア(CONVENIENCE WEAR)」は3月4日に鮮やかなブルーを採用したソックス、ボクサーパンツ、タオルを発売します。春らしいカラーを小物から取り入れられますよ。一方、「ランバン オン ブルー(LANVIN EN BLEU)」は、7日に「レスポートサック(LESPORTSAC)」とのスペシャルリミテッドモデルの第3弾を発売します。表地はシックなブラックですが、オリジナルの花柄を配した裏地がポイントに。自分だけ楽しむ贅沢な仕上がりです。

【3月4日発売】
コンビニエンスウェア
(CONVENIENCE WEAR)

春らしい爽やかなカラーの小物

ファミリーマートが展開する「コンビニエンスウェア(CONVENIENCE WEAR)」は、鮮やかなブルーを採用したソックス、ボクサーパンツ、タオルを発売する。アイコニックなラインソックスにシンプルなショートソックス、ウエストゴム部分にジャカード織で“Convenience Wear”のロゴを入れたボクサーパンツのほか、柔らかい生地ながら高い吸水性を備えたタオルを3サイズで展開する。

■商品詳細

ラインソックス(429円)
ショートソックス(429円)
ボクサーパンツ(880円)
ハンカチ(660円)
フェイスタオル(1089円)
バスタオル(2189円)

【3月5日発売】
ゼロステージ
(ZERO-STAGE)

ワークマンとEXILE TAKAHIROの新ブランド

ワークマンは、LDH JAPANとのコラボプロジェクトからボーカルのTAKAHIROが監修、モデルを務めるワークウエアブランド「ゼロステージ(ZERO-STAGE)」をローンチする。今回は、長袖ジャケット、長袖シャツ、半袖ワークシャツ、カーゴパンツ、スラックスの夏物ワークウエア5型とオンライン限定でトラックパーカ、半袖Tシャツ、トラックジョガーパンツをラインアップする。

■商品詳細

長袖ジャケット
半袖ワークシャツ
カーゴパンツ
スラックス
トラックジョガーパンツ
※一部商品

【3月6日発売】
リリー ブラウン
(LILY BROWN)

「アナ スイ」と初コラボの16型

「リリー ブラウン(LILY BROWN)」は、「アナ スイ(ANNA SUI)」と初となるコラボコレクションを発売する。同コレクションでは、「アナ スイ」を象徴するモチーフやテキスタイルを散りばめた、「リリー ブラウン」らしいロマンチックなムードの全16型を展開。総柄のワンピースや短丈のカーディガン、ワイドなデニムパンツなどをはじめとするウエアと小物をそろえる。

■商品詳細

ワンピース(1万9910円)
カーディガン(1万5950円)
デニムパンツ(1万7930円)
ピアス(5280円)
レースソックス(2420円)
チャーム付きバッグ(1万7930円)
※一部商品

【3月7日発売】
ランバン オン ブルー
(LANVIN EN BLEU)

「レスポートサック」と協業
第3弾はバッグ3型

「ランバン オン ブルー(LANVIN EN BLEU)」は、「レスポートサック(LESPORTSAC)」とのスペシャルリミテッドモデルの第3弾を発売する。今回は、モノトーンカラーにゴールドの金具をあしらった表地と、オリジナルの花柄を配した裏地を組み合わせたバックパックとトートバッグ、ショルダーバッグを用意。素材は軽量で耐久性のある“リップストップナイロン”使用した。

■商品詳細

バックパック(3万2450円)
トートバッグ(2万6400円)
ショルダーバッグ(1万4300円)

【3月7日発売】
ヴァジック
(VASIC)

ブランド10周年
アイコンバッグの記念モデル

「ヴァジック(VASIC)」はブランド誕生10周年を迎え、これを記念したリボンのようなノット(結び目)デザインをあしらったアイコンバッグ“ボンド”を10周年記念モデルとしてイベントで限定発売する。また同会場では、チャームでのアレンジが楽しい新作バッグの“ビビ”と“ループ ミニミニ”も用意する。

■商品詳細

バッグ“ボンド”(5万3900円)
バッグ“ビビ”(3万3000円)
バッグ“ループ ミニミニ”(3万3000円)

【3月7日発売】
ユニクロ
(UNIQLO)

「コントワー・デ・コトニエ」、「プリンセス タム・タム」
とコラボした25年春夏アイテム

「ユニクロ(UNIQLO)」は、「コントワー・デ・コトニエ(COMPTOIR DES COTONNIERS)」「プリンセス タム・タム(PRINCESS TAM TAM)」とそれぞれコラボした2025年春夏コレクションを発売する。「コントワー・デ・コトニエ」コラボからは、ネイビーやテラコッタなど素朴な素材になじむ配色のウィメンズ11アイテムを、「プリンセス タム・タム」コラボからは南フランスのプロヴァンスを思わせるフローラルやリーフ柄をあしらったウィメンズ9アイテムをそろえる。

■商品詳細

ジャケット/「コントワー・デ・コトニエ」(7990円)
セーター/「コントワー・デ・コトニエ」(2990円)
ブラウス/「コントワー・デ・コトニエ」(2990円〜)
半袖セーター/「プリンセス タム・タム」(2990円)
Tシャツ/「プリンセス タム・タム」(1500円)
イージーパンツ/「プリンセス タム・タム」(2990円)
※一部商品

【3月7日発売】
シップス
(SHIPS)

50周年記念の
限定アイテム

シップス(SHIPS)は、50周年を記念した限定アイテムを発売する。「ヴァルディターロ(VALDITARO)」のネイビーブレザーや「クチュール ド アダム(COUTURE D'ADAM)」別注のフォトTシャツ、「アッパーハイツ(UPPER HIGHTS)」のデニムパンツ、「グルカ」のバッグ“エグザミナー”、日本製のシグネットリングなど多数のブランドからさまざまなアイテムがラインアップする。

■商品詳細

ブレザー(18万9200円)
デニムパンツ(3万7400円)
Tシャツ(1万450円)
バッグ(27万5000円)
シルバーリング(2万5300円)

【3月7日発売】
C.P. カンパニー
(C.P. COMPANY)

渋谷パルコ店のオープンに伴い
アーカイブを用意

「C.P. カンパニー(C.P. COMPANY)」は、国内3店舗目となる直営店を渋谷パルコにオープンする。またその記念として、ビンテージアイテムを取り扱う高知県のセレクトショップ、ラディカル ヴィンテージ&ニュー クロージングと協業し、「C.P. カンパニー」の1980〜90年代のアーカイブアイテム30点以上の販売を予定する。

■商品詳細

コート
ジャケット
※一部商品

【3月7日発売】
マッドハッピー
(MADHAPPY)

ドジャース、カブスの2球団とのカプセルコレクション

「マッドハッピー(MADHAPPY)」は、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)とのパートナーシップから生まれたロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスとコラボカプセルコレクションを発売する。同コレクションでは、両チームのロゴと「マッドハッピー」のシグネチャーディテールを融合させたフーディー、スエットパンツ、Tシャツ、キャップなどをラインアップする。

■商品詳細

フーディー(3万6300円)
スエットパンツ(3万3000円)
Tシャツ(1万6500円)
キャップ(1万4300円)

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「ディーゼル」は壮大なグラフィティ空間&破壊的シックスタイルで魅せる

「ディーゼル(DIESEL)」2025-26年秋冬コレクションのショー会場は、壮大なグラフィティーアートで埋め尽された。びっしりとアートが描かれた全長3km以上の生地が壁を多い、中央には同じくアートが描かれた巨大な人形を設えた。これは世界各国約7000人のアーティストや学生らの協力を得て実現したものだという。日本からは、大阪文化服装学院、大阪府立港南造形高校、上田安子服飾専門学校、大阪モード学園、多摩美術大学の5校の学生が参加した。

グレン・マーティンス(Glenn Martens )=クリエイティブ・ディレクターは、「世界中の何千人もの人々が協力してこのセットデザインを作り上げたことに感動している。グローバル・ストリートアート・コレクティブたちには、それぞれのスタイルで自由にクリエイションを表現してもらった。これこそが『ディーゼル』の真の民主主義なのだ」と話す。

グレーが基調のツイードジャケットでスタート

ショーは、激しいグラフィティとは対照的なクラシック音楽でスタート。序盤は、グレートーンを基調にしたツイード風のジャケットやミニマルなロングコートといった、シックなフォーマルウエアだ。ボトムスには、ほぼエプロンのようなデニムのミニスカートに合わせたり、ウォッシュ加工を施したジーンズを合わせたり、ツイードの質感をオマージュしたようなピンクの編み込みシューズが登場したり、シックなムードの中にも「ディーゼル」らしさは失わない。モデルは白いコンタクトレンズとスプレーで描かれた笑顔で、不気味な雰囲気さえ漂う。

千鳥格子のジャカードは、ところどころほつれたように糸が飛び出しフリンジのような独特の動きを見せる。褪せたようなダメージ加工も含め、マーティンスが重きを置く「破壊」の要素が徐々に現れる。それに合わせて音楽も、クラシックのレコードがルーピングする。カラーはグレートーンにアシッドイエローのバンドウやラップドレスも加わり、激しさが増していく。

ボトムスは極端なローライズで、スタイルに新しさを出した。ラミネート加工されたような質感のデニムのビスチェやジーンズ、フロック加工をほどこしたチュールドレスなど実験的なアプローチも健在だ。最後は、シャツをただ体に貼り付けたようなトップにローライズデニムが登場した。

「シック」や「エレガント」といった語り尽くされたファッションのボキャブラリーを、「ディーゼル」らしい言語で全く新しいものに変えてしまうのが、マーティンスの才だろう。プレスリリースに記された言葉は、「『ディーゼル』である勇気」。破壊と自由を追求する「ディーゼル」のアイデンティティーは、今の時代に力強いステートメントのシンボルとして存在する。

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オーガニックな造形美とモダンな絵付けが「次世代やちむん」の魅力

「やちむん」とは沖縄の方言で陶器を意味する。まるで沖縄の人々の穏やかな暮らしや原風景を表現しているような素朴な佇まいが魅力の伝統工芸だが、その誕生は琉球王国時代にまでさかのぼる。古くから沖縄の暮らしに日用品として深く根付いているやちむんだが、その一方で、1926年(大正15年)に柳宗悦らがはじめた「民芸運動」により、手仕事による鮮やかな色彩や装飾的な側面が注目されはじめ、沖縄ならではの伝統工芸品として認知されるようになった。

そしていま、その伝統工芸の技術を踏襲しながらも、作家性溢れる焼き物を送り出す若手陶芸家が増えている。那覇・壺屋でやちむんを中心としたセレクトショップを主宰するガーブ ドミンゴの藤田日菜子さんは「若手作家のトレンドは大きく分けて2つある」と話す。

「ひとつは伝統柄を新しい作風へと昇華しているトレンドです。たとえば、CHIECOceramics(フジイ チエ)さんの「OKINAWA」シリーズは沖縄の布や織物から着想しつつ、大胆な模様へと落とし込んだ作品で、伝統柄にオマージュを捧げたもの。彼女はお母さまが沖縄出身で東京芸大で彫刻を学んだあと、米・テスラ社でカーモデリングを担当。現在、L.A.で作陶されているという次世代の作家です。また、読谷北窯出身のヒヅミ峠舎さんはやちむんのフォルムを尊重しながらも、インドなど異国情緒漂う染め付けや神話など独自のモチーフを取り入れていて、展示販売会も非常に人気があります」。

もう一つのトレンドは、沖縄の土である“原土(げんど)”にこだわる質感だ。やちむんには自分が暮らしている場所の土(原土)を使って作陶する文化がある。

「その点を追求して、原点回帰を図っているような若手も注目を集めています。たとえば、名護市で作陶する紺野乃芙子(のぶこ)さんは足元の土にこだわり、土づくりから行います。『原土の器』は沖縄の自然そのものの力強さや美しさを体現しているシリーズです」。器を地層の上に置いて遠くからみると、その地層に馴染んでいるかのような表情が魅力だ。「ほか、恩納村のema藤田舞子さんも同じく原土での作陶を追求されています」。

聞けばどちらも県外出身の作家という。それぞれ沖縄芸大で陶芸を学んだ後、沖縄の原土に魅了されたとか。県外出身だからこそ、沖縄の原土の魅力や、素材の不変性や恒久性に着眼できたのだろうか。原土というプリミティブな質感、そして、伝統柄に現代的な解釈を加えたクリエーションは若い世代を中心に支持されており、現在のやちむん人気をけん引している。

そんな多彩なやちむんの世界に浸れるホテルの宿泊プランも登場している。それが「OMO5沖縄那覇(おも) by 星野リゾート」が設けた新客室「やちむんルーム」だ。

部屋のコンセプトを“100のやちむんと100のつくり手に出会える部屋”として、伝統的な柄や技法を得意とするベテランから若手作家の作品まで、個性豊かなやちむんを実際に使って楽しむことができる。

このプランを企画するきっかけとなったのは、ホテルが実施している独自のガイドツアーだ。「那覇シーサーさんぽ」と名付けられたガイドツアーで、やちむんを扱っている壺屋近辺を案内したところ、参加したゲストはもちろん、ガイド自らもやちむんの奥深さに傾倒。さまざまな作品の質感や使い勝手を試す場を設けたいと考え、客室プランとして取り入れたという。

宿泊したゲストが作品を存分に楽しめるようにさんぴん茶や人気店のコーヒー、泡盛、オリオンビール、さらにお茶菓子セットも用意するほか、100種の作品を紹介した、非売品の「やちむんガイド」を進呈。その充実した内容から、4室ある「やちむんルーム」は満室が続くほど人気という。

伝統工芸品ながら堅苦しさはなく、暮らしに彩りを添えてくれる焼き物、やちむん。沖縄の自然や風土を色濃く表現しつつ、伝統とモダンを交差しながら、バリエーション豊かに進化を続けている。しかも、お気に入りの“推し作家”の工房や窯元へ実際に足を運べるのも楽しい。散策の過程で唯一無二の物語性や豊かな情緒性に触れられることはやちむんの醍醐味といえるだろう。

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三井不動産、台湾のアウトレットモール事業で存在感 日系テナントが人気

三井不動産が台湾で手掛けるSC(ショッピングセンター)事業が好調だ。現在、新北市、台中市、台南市にアウトレット業態を3施設、台中市にショッピングモール「ららぽーと」を1施設展開する。いずれも地元住民や観光客から支持を得て、台湾における同社の存在感を高めている。SCのみならず、ホテル事業と住宅事業も展開し、今後開業予定を合わせて計13事業を推進する。

台湾における成功の先駆けとなったのが、2016年に開業した「三井アウトレットパーク 台湾林口」(以下、MOP台湾林口)だ。開業以来、地域とともに発展し、23年には年間来館者数延べ約1000万人、売り上げは過去最高を達成した。24年11月14日にはプロパーとアウトレットを融合した第2期棟「三井アウトレットパーク台湾林口Ⅱ館」を開業し、順調に売り上げを伸ばしている。

Ⅱ館を運営する三新二奧特萊斯股份有限公司董事総経理の村原良祐氏は「Ⅱ館のプレオープン以降、累計で予算比を大きく上回り想定以上に好調に推移している。近隣の住民中心に待ち望まれていたことが分かり、増床してよかった」と話す。

MOP台湾林口は、台北市中心部から車で約30分、桃園国際空港から車で約20分、MRT「林口」駅からも徒歩5分という交通至便な立地にある。商圏人口は5キロ圏内で21万人、車で30分圏内に約670万人、60分圏内に約1020万人。林口エリア周辺の人口は、同施設の進出が検討され始めた12年からこれまでに4~5倍に増えた。住宅の価格も3~4倍に上昇しているという。

「もともと何もなかった場所にアウトレットが出店したことでエリアの価値が上がり、若い共働き世帯が住むベッドタウンに変貌した。アウトレットでは珍しく近隣住民が日常的に訪れる。まちづくりに貢献できたことが成功の大きな要因だ」と、台湾三井不動産股份有限公司総経理特別助理の春田三四朗氏は話す。

Ⅱ館増床オープンでは、広域からのレジャー目的だけでなく、近隣住民の暮らしを支える日常使いができるフロアを新設し、初の2業態複合型商業施設への進化を目指す。2階をアウトレット、1階と3階をプロパー販売のフロアとし、I館とつなぐブリッジを設けて回遊性を高めた。「無印良品」「ユニクロ」「ジーユー」「ダイソー」など日系の大型専門店がプロパーフロアに出店するほか、台湾初出店のキッズブランド「マーキーズ」、林口初出店のベビー・マタニティー用品専門店「アカチャンホンポ」、台湾北部初出店のデジタルテーマパーク「リトルプラネット」など親子向けの物販やエンターテイメント施設も充実する。Ⅱ館の約100店舗を合わせて総店舗数は約300店舗となった。計画では25年の来館者数は延べ1400万人、売上高は前年比50%増の125億台湾元(約600億円)を見込んでいる。

日本のアウトレットモールはオープンエア型が主流だが、同施設は台湾の気候に合わせて室内型モールとして設計されたことも地元に受け入れられた理由の一つ。さらに、日本では、飲食店比率は10~12%程度だが、同施設ではⅠ館とⅡ館を合わせて25%と大幅に増やした。「台湾人にとって食は娯楽のひとつ。外食文化が根付いているのでこのゾーニングが功を奏した」(春田氏)。

日系企業が台湾市場で順調に拡大

「ダイソー」「スタンダードプロダクト」「スリーピー」の3業態を展開する台湾大創百貨股份有限公司は、台湾での店舗数を着実に拡大してきた。95店舗目となる林口店は、3業態を組み合わせた複合店を3階に出店している。「平日の集客が弱いアウトレットで高い集客力を発揮できるので出店の引き合いは多い。ただ、今回はプロパーフロアへの出店なので出店を決めた」と、同社の吉川宗岐董事長は話す。

台湾での売り上げは今期、新店も含めて前年比2ケタ増で推移する。特にいま導入期にある「スタンダードプロダクト」は、良質でシンプルなデザインが台湾の消費者に支持され、売上が予想の2倍に達しているという。

大阪・堺の子供服ブランド「マーキーズ」は、可愛いデザインとバリエーションの広さ、手頃な価格が台湾でも人気だ。店舗のディスプレイに日本らしさを表現するなど店づくりにもオリジナリティを発揮している。日本国内でも中華圏を中心としたインバウンドの間で人気を集めており、店内で台湾や中国のバイヤーがインスタライブをすることもよくあるという。「台湾市場には子供服ブランドがあまりないので、日本の上代でも通用するし、支持されると判断し、出店を決めた」と、台灣瑪琪思股份有限公司の内藤浩次総経理は話す。MOP台湾林口Ⅱ館店の売り上げは想定以上で、平均客単価は8000~9000円。買い上げ点数は1人3枚以上で日本より多い。

「ユニクロ」はⅠ館から売り場面積を2倍に拡大移転し、「ジーユー」との複合店をオープンした。売場面積は合わせて3465平方メートル。「ジーユー」は台湾での知名度が低く、進出当初は苦戦したが、「ユニクロ」との相乗効果を狙って出店したららぽーと台中店が大成功し、規模を拡大してⅡ館に出店した。

現地法人の設立8年目を迎え、MOP台湾林口Ⅰ館にも店舗を構えるビームス台湾は、現在台湾に路面店も含めて計9店の直営店を運営する。出店エリアや施設の特徴に応じた商品構成を行うことで現地ニーズに適合させたビームスブランドの確立を進めてきた。ビームス台湾の公式サイトにおける台湾国内会員数は24年10月で18万人を誇る。MOP台湾林口店については絶好調で年々売り上げが伸びているという。「出店する前は、台湾ではスーツは売れないかもと心配したが、蓋を開けてみたら意外とスーツの需要はあるし、売れているものも日本とあまり変わらない。同店では、ビームスハート中心にプロパー商品も結構取り扱っている」(碧慕絲股份有限公司の原田至玲董事長)。24年9月には台南初の路面店型店舗「ビームス新光三越台南新天地」をオープンした。路面店を拠点に台南エリアでのコミュニティ作りをめざす。ビームスジャパンのポップアップも展開し、日本の伝統やデザインを紹介していく。

3月、台北郊外にららぽーとの新店オープン

アウトレット業態の成功を背景に、ららぽーとの開発も進む。23年5月に開業した「三井ショッピングパーク ららぽーと台中」は、台湾初出店の16店舗を含む約300店舗が集結。空いていた区画も順次埋まり、オープン景気が終わった現在でも順調に推移している。とくに好調なのが飲食店。周辺人口は林口の5倍ほどで、盤石な商圏に支えられているという。

25年3月20日には、台北市初のららぽーとで台湾2施設目となる「三井ショッピングパーク ららぽーと台北南港」が開業する。台北初のスーパーマーケット「ロピア」をはじめ、日系とインターナショナルファッションブランドや2か所のフードコートを含む約280店舗が出店。25年4月以降にシネマと約20店舗のレストラン、26年上期には大型エンターテインメント施設「キッザニア」が開業し、約300店規模の施設となる。

特色を持たせた吹抜け空間や、エンターテインメントなどのイベント開催が可能な広場を設置。家族で楽しめる施設を充実させ、単なる買い物の場ではなく、長時間滞在できる空間を提供する時間消費型ショッピングモールをめざす。

「台湾では三井=アウトレットのイメージが強く、アウトレットモールと百貨店の違いがまだ十分に認知されていない。ショッピングモールが提供できる快適な空間や時間の過ごし方をもっと広め、滞在時間を増やしていきたい」と春田氏。2~3年後には、ららぽーと3号店となる高雄店の出店を計画。台湾市場を足がかりに海外進出を狙う日系企業からの期待も高まっている。

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メゾンエルメス フォーラムの「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」を振り返る 生の没入にいざなう作品空間

銀座のメゾンエルメス フォーラムは、2024年9月7日から1月13日まで、国内外で活躍する現代アーティスト、内藤礼の個展「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」を開催した。東京国立博物館で開催された同名の展覧会と連関し、ギャラリースペースに呼応する繊細なアートインスタレーションによって、大都会のビルの中に静ひつで澄んだ空間を出現させた本展を振り返る。
 

生と死が互いに回帰する円環をかたどった時間

内藤は「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」という一貫したテーマのもと創作活動を続ける美術家。人間の五感に触れるか否かのひそやかなオブジェクトを身近な素材でつくり、特徴的な建築空間や屋外に配置し、その場所の歴史や特性、空気感、自然環境の要素を取り込む。作品と一体化した展示空間は、生(せい)の内と外、またそれらをまなざす不可視の存在、生の根源、人の意識と世界との関わりといった観念について、鑑賞者が自発的に発見し思索する環境を作る。
 
銀座メゾンエルメス フォーラムで開催していた展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」は、東京国立博物館にて昨年9月まで開催されていた同名の展覧会と一連の流れを持って構想されたもの。会期を一部重ね合わせながら、ひとつの大きな円環を描くかたちで構成されていた。生と死は分かち難くつながり、双方が回帰していくという内藤の考えを象徴するようなプログラムだ。

東京国立博物館での展覧会は、同館が所蔵する縄文時代の遺物と内藤の作品が紡ぐ透過的なストーリーを重ね合わせ、当時の人々の「生」への慈しみや「かつての生」への祈りの心を、実在の気配を伴って自然光のもとに浮かび上がらせた。本展は、今を生きる「生」そのものにフォーカスし、「生」の没入へと鑑賞者をいざなった。

透明な空間に出現した「生」の光景
目に見えぬ存在のはかない感触と力強い祈り

”生”の光景としての「顔」や「ひと」、不可視の存在から注がれる“まなざし”や”慈悲”をかすかに感じさせる「恩寵」「世界に秘密を送り返す」といった過去からの連続性を持つ作品や、生(せい)の内から外へとめぐる輪廻になぞらえた展示構造、生そのものの表象と捉えられるようなガラス瓶に生けた一輪の花、現実に流れる時間と物理的な距離を一連の絵画によってつなげる新たな試み「color beginning / breath」などが、都市の高層階・ガラスブロックに囲まれた空間に展開された。
 
これまでの内藤の展示と同じように、一部の作品は鑑賞者が触れたり息を吹きかけることで、さざなみのような生の実感をもたらす。一方で8階展示室の床面に設置された木板の作品「座」には座ることができる。作品に腰掛けた鑑賞者は、先述のガラス瓶に挿された花と向かい合い、対話するような形になる。さらに9階の展示室入口に佇む「ひと」と同じ目線で下階を見おろすと、8階の「座」に座る人を“まなざす”ことができ、その視点からは「座」の後方頭上に吊るされた透明なガラスビーズが、まるで魂のように淡く浮かんで見える。

「color beginning / breath」は23年11月から24年5月にかけて内藤のアトリエで制作された2枚組のアクリル絵画シリーズ。内藤は、コロナ禍での空白の日々に色や喜びを欲したという。このシリーズは、それまで使用をためらっていた綺麗な色彩を紙にのせ、それに対して純粋に驚くという行為が起点となった。どれほど意識的に描いたり表現することから離れようとしても、まだ溢れてくる生の光景、あるいは作品を並べることで見えてくる無意識の流れのようなものを感じさせる作品群だ。

本展の作品は、8階から9階にかけて、制作された時系列で展示され、その一部は東京国立博物館で展示されていた絵画と連続していた。絵画の制作を通して内藤が実際に過ごした時間軸を、展覧会の恒久的な時間軸の中に持ち込むことで、ふたつの会場を円環で結ぶひとつの時間軸を担っていたのだという。
 
普遍的なオブジェクトで“生”と“死”の根源的な風景を紡ぎ、人間が生きていくために必要な、形にならないものや目に見えないもの、つまり感情や記憶、意識、何かを大切にする気持ちなどを浮かび上がらせる内藤の作品世界。鑑賞者にとっては、内藤が作りあげた空間との出会いを通じ、社会生活のなかで見過してしまいがちな、本来的に“生”を取り囲むべき無条件の受容について、自身と世界に問う機会になっただろう。

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メゾンエルメス フォーラムの「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」を振り返る 生の没入にいざなう作品空間

銀座のメゾンエルメス フォーラムは、2024年9月7日から1月13日まで、国内外で活躍する現代アーティスト、内藤礼の個展「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」を開催した。東京国立博物館で開催された同名の展覧会と連関し、ギャラリースペースに呼応する繊細なアートインスタレーションによって、大都会のビルの中に静ひつで澄んだ空間を出現させた本展を振り返る。
 

生と死が互いに回帰する円環をかたどった時間

内藤は「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」という一貫したテーマのもと創作活動を続ける美術家。人間の五感に触れるか否かのひそやかなオブジェクトを身近な素材でつくり、特徴的な建築空間や屋外に配置し、その場所の歴史や特性、空気感、自然環境の要素を取り込む。作品と一体化した展示空間は、生(せい)の内と外、またそれらをまなざす不可視の存在、生の根源、人の意識と世界との関わりといった観念について、鑑賞者が自発的に発見し思索する環境を作る。
 
銀座メゾンエルメス フォーラムで開催していた展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」は、東京国立博物館にて昨年9月まで開催されていた同名の展覧会と一連の流れを持って構想されたもの。会期を一部重ね合わせながら、ひとつの大きな円環を描くかたちで構成されていた。生と死は分かち難くつながり、双方が回帰していくという内藤の考えを象徴するようなプログラムだ。

東京国立博物館での展覧会は、同館が所蔵する縄文時代の遺物と内藤の作品が紡ぐ透過的なストーリーを重ね合わせ、当時の人々の「生」への慈しみや「かつての生」への祈りの心を、実在の気配を伴って自然光のもとに浮かび上がらせた。本展は、今を生きる「生」そのものにフォーカスし、「生」の没入へと鑑賞者をいざなった。

透明な空間に出現した「生」の光景
目に見えぬ存在のはかない感触と力強い祈り

”生”の光景としての「顔」や「ひと」、不可視の存在から注がれる“まなざし”や”慈悲”をかすかに感じさせる「恩寵」「世界に秘密を送り返す」といった過去からの連続性を持つ作品や、生(せい)の内から外へとめぐる輪廻になぞらえた展示構造、生そのものの表象と捉えられるようなガラス瓶に生けた一輪の花、現実に流れる時間と物理的な距離を一連の絵画によってつなげる新たな試み「color beginning / breath」などが、都市の高層階・ガラスブロックに囲まれた空間に展開された。
 
これまでの内藤の展示と同じように、一部の作品は鑑賞者が触れたり息を吹きかけることで、さざなみのような生の実感をもたらす。一方で8階展示室の床面に設置された木板の作品「座」には座ることができる。作品に腰掛けた鑑賞者は、先述のガラス瓶に挿された花と向かい合い、対話するような形になる。さらに9階の展示室入口に佇む「ひと」と同じ目線で下階を見おろすと、8階の「座」に座る人を“まなざす”ことができ、その視点からは「座」の後方頭上に吊るされた透明なガラスビーズが、まるで魂のように淡く浮かんで見える。

「color beginning / breath」は23年11月から24年5月にかけて内藤のアトリエで制作された2枚組のアクリル絵画シリーズ。内藤は、コロナ禍での空白の日々に色や喜びを欲したという。このシリーズは、それまで使用をためらっていた綺麗な色彩を紙にのせ、それに対して純粋に驚くという行為が起点となった。どれほど意識的に描いたり表現することから離れようとしても、まだ溢れてくる生の光景、あるいは作品を並べることで見えてくる無意識の流れのようなものを感じさせる作品群だ。

本展の作品は、8階から9階にかけて、制作された時系列で展示され、その一部は東京国立博物館で展示されていた絵画と連続していた。絵画の制作を通して内藤が実際に過ごした時間軸を、展覧会の恒久的な時間軸の中に持ち込むことで、ふたつの会場を円環で結ぶひとつの時間軸を担っていたのだという。
 
普遍的なオブジェクトで“生”と“死”の根源的な風景を紡ぎ、人間が生きていくために必要な、形にならないものや目に見えないもの、つまり感情や記憶、意識、何かを大切にする気持ちなどを浮かび上がらせる内藤の作品世界。鑑賞者にとっては、内藤が作りあげた空間との出会いを通じ、社会生活のなかで見過してしまいがちな、本来的に“生”を取り囲むべき無条件の受容について、自身と世界に問う機会になっただろう。

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2025年秋冬ニューヨークコレのバックステージに潜入 ビューティはスーパーナチュラルからドラマティックな“バード”メイクまで

2月6〜11日に開催された2025年秋冬シーズンの「ニューヨーク・ファッション・ウイーク(NYFW)」では、ストリートの雰囲気漂うニューヨークらしいリアルなメイク提案から、赤いアップリケや存在感大のフェザーアイラッシュをメイクに取り入れた斬新なルックが登場した。業界の第一線をけん引し続けるトップヘア・メイクアップアーティストらが手掛け、今季のハイライトとなった4ブランドのヘアメイクを紹介する。

COACH
“ミニマルメイクで個性を讃える”

「コーチ(COACH)」は、クリエイティブ・ディレクターのスチュアート・ヴィヴァース(Stuart Vevers)が今季のテーマに“新世代が解釈するアメリカンクラシック” を掲げた。メイクをリードしたパット・マクグラス(Pat McGrath)は、クリーンな肌に焦点を当て、モデル一人一人の個性を生かすミニマルでスーパーナチュラルなメイクに仕上げた。マクグラスは「自分自身の肌で輝くことを恐れない、若者の個性を讃えるメイクを目指した。作り込み過ぎず、ミステリアスだけどストリート感のあるクールなルック。それがスチュアートが求めるものだった」とバックステージで明かした。ベースメイクには、「パット・マクグラス ラボ(PAT MCGRATH LABS)」の“スキン フェティッシュ サブライム パーフェクション ファンデーション”を使用し、肌全体にできるだけ薄く塗布。ありのままの素肌の美しさを生かすため、コンシーラーはさりげなく仕込む程度だった。目の形を強調するようにマスカラはまつ毛の根本のみにオン。まぶたにはそれぞれのスキントーンに合わせたトープカラーをのせ、目元に深みをプラスした。リップはコンシーラーで赤みを抑え、無色のリップバームで程よい艶感に整えた。何人かのモデルはアイキャッチなパステルカラーのサングラスを着用し、遊び心のあるルックを完成させた。

COURTESY OF PAT MCGRATH LABS

MARC JACOBS
“次元を遊ぶ紙人形メイク”

NYFWの幕開けを担った「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」2025年春夏コレクションもマクグラス=メイクアップアーティストがリードを手掛けた。マクグラスといえば、2024年の「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」“アーティザナル”コレクションで披露した“陶器人形メイク”が話題をさらったが、同ショーではおとぎ話に出てきそうなフォルムを誇張したルックに呼応するように、リップとチークの代わりに円形に切り抜いた赤のフェルト地を貼り付け、“紙人形”を彷彿とさせるユニークなメイクを打ち出した。「メイクを2次元的な平面から、3次元的な立体へとシフトさせた。ルールから逸脱し、“メイクアップの抽象化”を図った」という。実際のメイクは最小限にとどめ、素肌の美しさにフォーカス。「パット・マクグラス ラボ」の保湿化粧水“ディヴァイン スキン ローズ 001 ザ エッセンス”で肌を整えてから、ファンデーションとコンシーラーで極めてナチュラルなベースを作り上げた。さらに、顔の凹凸を強調するように頬骨、まぶた、鼻筋に沿って“スキン フェティッシュ ハイライター バーム デュオ”をのせ、ランウエイの眩い照明の中でも骨格が美しく映えるよう仕上げた。

THOM BROWNE
“躍動感溢れるフェザーアイルック”

「トム ブラウン(THOM BROWNE)」は、今にも羽ばたきそうなカラフルなフェザーアイラッシュが際立つメイクで、ファンタジックなコレクションの世界観を盛り上げた。メイクを手掛けたのはイサマヤ・フレンチ(Isamaya Ffrench)。昨シーズンに引き続き、DIYまつ毛エクステキットを提供する「ラシファイ(LASHIFY)」とコラボし、ボリューミーなつけまつ毛“エッジ エックス ゴッサマー ラッシュ”を使用した。さらにその上に10cmほどある長くカラフルな羽毛を1本ずつ専用のグルーで丁寧に重ねた。「美しい鳥にインスピレーションを得た。まぶたにペイントすることも考えたが、立体的にすることで魔法のようなメイクに仕上げたかった」とフレンチ。目元を強調するため眉毛は完全にオフし、アイブロウレスに。何人かのモデルには、束感のある“チェリー スタックス 18mm”をまつ毛に装着し、リップに同メゾンのネクタイを思わせるストライプペイントを施すことで遊び心を覗かせた。ヘアはジェームズ・ペシス(James Pecis)がリードを手掛け、折り鶴にインスパイアされたパネル状のヘアピースを後頭部に装着したダイナミックなヘアスタイルを完成させた。さらに、ルックとリンクする色鮮やかなカラーを頭頂部にペイントし、ファッションとの一体感を演出した。

TORY BURCH
“洗練された現代版クールトーンアイ”

今季“現代女性のためのクラシック”を体現した「トリー バーチ(TORY BURCH)」。メイクをリードしたダイアン・ケンダル(Diane Kendal)は、コンシーラーでベースを整えた後、頬骨、鼻下、眉上、唇の上にハイライトを重ねて輪郭を強調した。これにより、「顔全体に華やかな立体感を与えた」とケンダル。目元に採用した淡いアイスブルーやグレーのアイシャドウは、1990年代のクールトーンメイクとしてTikTok上で盛り上がり、近年カムバックしているトレンドでもある。これを眉頭から眉尻にかかるように、まぶたの広域に大胆にのせた。リップはほとんど無色のニュートラルに仕上げ、フレッシュな質感を大切にした。ヘアのリードを務めたのはグイド・パラウ(Guido Palau)。「ザラ(ZARA)」の “ライト ヘア バーム”でヘアに適度な潤いを与えつつ、シンプルなセンターパートに仕上げた。手を加え過ぎないエフォートレスで洗練されたスタイルで、しなやかで芯のある現代女性のイメージを表現した。

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イタリアで体感した欧州のランニング文化

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月24日号からの抜粋です)

五十君:東京マラソン開催を前にランニング市場を特集しました。日本のランニング人口はコロナ禍がピークだったようですが、米「WWD」や海外の媒体を見ると盛り上がっているムードで、日本人が熱狂する箱根駅伝は、中国や台湾などでもコンテンツとして楽しまれているようです。新興国が豊かになるとランニング人口が増えますし、ブランドとしての先進性を証明するカテゴリーとして、スポーツ企業はどこも注力しています。1月にイタリアで行われた「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)」でもランニングイベントがあったんですよね?

大塚:紳士服合同展の「ピッティ」ですが、近年ライフスタイルに特化したスペースを設けるようになっています。今回は、英ロンドン発のプラットフォーム「ニーズ アップ」がキュレーションした、ランニングメーカーのギアなどを集めたエリアがありました。「ピッティ」がスポーツを取り上げるのは新鮮でしたし、もともと好きなので、ランニングイベントにも参加しました。

五十君:「ピッティ」に集う紳士たちは、きっとめちゃくちゃオシャレですよね。ハイファッションの文脈でも注目されている「サティスファイ」的なスタイルなのでしょうか?

欧米ではみんなでワイワイ走る

大塚:なじみのブランドで普段着ているものという感じ。オシャレでした。「オン(ON)」と「ロエベ(LOEWE)」のコラボアノラックで参戦した僕がちょっと浮いちゃうくらい(苦笑)。彼らに混じって走ると、自分もイケてる気分になってきて。参加者は猛者ばかりで、余裕で話しながらハイペース。僕も普段からそこそこ走っているのに、正直ついて行くので精一杯でした。日本の街や公園では黙々と走る人多く、欧米ではみんなでワイワイ走る文化があるのかなと感じました。最後はみんなでオシャレなカフェでのホットコーヒータイムだったのですが、僕が日本で走る際は絶対しないです。でも気分が良かったです。

五十君:いいですね。ランニングは体にも心にも良く、取材した人たちが全員心からランニングを推していて、清々しかったです。シューズの開発競争も激化していて、すごく面白い市場です!

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イタリアで体感した欧州のランニング文化

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月24日号からの抜粋です)

五十君:東京マラソン開催を前にランニング市場を特集しました。日本のランニング人口はコロナ禍がピークだったようですが、米「WWD」や海外の媒体を見ると盛り上がっているムードで、日本人が熱狂する箱根駅伝は、中国や台湾などでもコンテンツとして楽しまれているようです。新興国が豊かになるとランニング人口が増えますし、ブランドとしての先進性を証明するカテゴリーとして、スポーツ企業はどこも注力しています。1月にイタリアで行われた「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)」でもランニングイベントがあったんですよね?

大塚:紳士服合同展の「ピッティ」ですが、近年ライフスタイルに特化したスペースを設けるようになっています。今回は、英ロンドン発のプラットフォーム「ニーズ アップ」がキュレーションした、ランニングメーカーのギアなどを集めたエリアがありました。「ピッティ」がスポーツを取り上げるのは新鮮でしたし、もともと好きなので、ランニングイベントにも参加しました。

五十君:「ピッティ」に集う紳士たちは、きっとめちゃくちゃオシャレですよね。ハイファッションの文脈でも注目されている「サティスファイ」的なスタイルなのでしょうか?

欧米ではみんなでワイワイ走る

大塚:なじみのブランドで普段着ているものという感じ。オシャレでした。「オン(ON)」と「ロエベ(LOEWE)」のコラボアノラックで参戦した僕がちょっと浮いちゃうくらい(苦笑)。彼らに混じって走ると、自分もイケてる気分になってきて。参加者は猛者ばかりで、余裕で話しながらハイペース。僕も普段からそこそこ走っているのに、正直ついて行くので精一杯でした。日本の街や公園では黙々と走る人多く、欧米ではみんなでワイワイ走る文化があるのかなと感じました。最後はみんなでオシャレなカフェでのホットコーヒータイムだったのですが、僕が日本で走る際は絶対しないです。でも気分が良かったです。

五十君:いいですね。ランニングは体にも心にも良く、取材した人たちが全員心からランニングを推していて、清々しかったです。シューズの開発競争も激化していて、すごく面白い市場です!

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100周年の「フェンディ」は、FFロゴを超えた「トリプルF」でキム時代のリアル主義をリセット

「フェンディ(FENDI)」が2025-26年秋冬コレクションを発表し、1925年創業のブランドは華々しく、100周年のアニバーサリーイヤーをキックオフした。

ショー会場は、リニューアルして面積は1600平方メートル超えと倍以上になったミラノ本社。往年のディスコのVIPルームようにグラマラスでゴージャスな空間を設え、メンズとウィメンズ全84ルックを発表した。クリエイティブ・ディレクションを担ったのは、フェンディ家3代目で現在はアクセサリーとメンズのアーティスティック・ディレクターを務めるシルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)。今回は昨秋退任したキム・ジョーンズに代わって、ウィメンズも手掛けている。

シルヴィアはショーに先駆けて、そして「フェンディ」のアイコンロゴのFFが「FUN FUR(毛皮で、楽しく)」という意味を持つことを踏まえ、「今回のファッションショーに名前をつけるとしたら、トリプルF。フラッシュバック(flashback)、そしてファスト・フォワード(fast forward)よ」と語った。「鮮明・鮮烈に過去を思い出し、未来に向かって爆速する」、そんなイメージなのだろう。

コレクションは、まさにトリプルFだった。

ファーストルックは、毛皮の工房だった祖業を思い出させる総毛皮のコート。ハイカラーが特徴で、「フェンディ」は“ペカン”と呼ぶストライプ模様が浮かぶ。まるで貴族のローブのようなハイカラーで力強い。序盤は、ファーをたっぷり使う。メンズでも毛皮のチェスターやロングストール、ウィメンズではペプラム裾のボディコンシャスなニットドレスの上にショート丈のファーブルゾンを羽織った。前任のキム・ジョーンズが目指した、ジャケットを中核としたクワイエットなリアリティ路線とは一線を隠し、シルヴィアが描く「フェンディ」の女性像はグラマラス。過去をフラッシュバックすることで、ここ数シーズンのイメージを一掃したかのようだ。ジャケットにラップスカートなどのフォーマルスタイルでも、ネップなど表面に特徴のある生地を選んで主張。ディップダイでグラデーションに染めたリブ編みのポロニットや、シャギーなモヘアのアンサンブル、毛足の長いウールで作ったパンツなど、主張のある、そしてクラフツマンシップを感じさせる生地を選び、レトロなカラーパレットとスタイルながら力強い印象を残した。

ファスト・フォワードは、メンズとウィメンズの境界線を廃した現代的なジェンダー志向や、軽やかな素材使い、その源泉となる進化し続けるクラフツマンシップで表現しているのだろう。中盤以降は随所にレースが現れ、ファーやシルクサテンと組み合わせたランジェリードレスに変わったり、官能的なブラウスに仕上げたり。メンズでもスパンコールなどの装飾を散りばめたカーディガンの下にはレースのポロシャツを合わせた。レースやシフォンと自由自在に組み合わせるべく、ファーは薄くなめし、毛を刈り込んで、パンチングを加えることで軽やかに。ランジェリードレスにも組み込んでいる。シェブロン柄や水玉のファーコートは、象嵌細工のように小さいファーパーツを組み合わせたもの。“ピーカブー”などのバッグにもファーをあしらった。

シルヴィアは、FFロゴに通じる持ち前のファンな要素にグラマラスやセクシーなどを加え、改めて「フェンディ」の多様で多彩な世界を表現した。ウィメンズの後任デザイナーは、一度シルヴィアがリセットし、白紙に戻した「フェンディ」の広大なキャンバスを手に入れ、101年目の歴史を紡ぐことになるのだろう。後任デザイナーの発表が待たれる。

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韓国人デザイナーによる「アシュリン」 厳冬を越えた柿のように、成熟する流線美

ニューヨーク・ファッション・ウイークにおいて、構築的かつ女性らしい柔らかいフォルムが際立つ「アシュリン(ASHLYN)」。手掛けるのは韓国人デザイナーのアシュリン・パークだ。

ソーホーにあるこぢんまりとしたギャラリーで行われた2025-26年秋冬のランウエイショーは、親密であり、じっくりと「アシュリン」の服を眺めるのにまさしく適した空間だった。柿からインスピレーションを得たという今シーズンのコレクションは、果実の柔らかな丸みを帯びたフォルム、寒い冬を耐えてより甘く成熟していく過程を表現した。また、韓国の伝統的なポッタリ(風呂敷のような包む布)からも着想している。

精緻なパターンが生み出す予期せぬフォルム

メンズのテーラードも得意とするパークが見せたのはフェミニンとマスキュリンが融合したスタイル。テーラードジャケットには複雑なパターンによってフリルがアクセントになったキャミソールを合わせ、トレンチコートやニットジャケットもマスキュリンながら丸みを帯びたパターンで女性らしさを加えた。レザーのトップスにもペプラムのデザインが施され、レザーとは思えぬ柔らかな質感を作り出した。装飾を排除しながらも、パターンによる構築的なフォルムが華やかさを生み出している。たびたび登場したボリュームたっぷりのパンツもスタイリングを柔らかな印象に仕上げている重要なアイテムだ。

また、ポッタリがアイデアの起点となった「パズル」のテクニックは、正方形からスタートし、断片を切り取って再構成することで予期せぬフォルムを生み出すもの。複雑に組み合わされたパターンによって女性らしいフォルムが目を引く「パズル」トップスも見られた。柿を思わせるくすんだオレンジのルックは、数自体はさほど多くなかったものの、彼女がこだわるシェイプの成熟を感じさせた。今季はボリューム感のあるコートジャケットやニットジャケットも見応えがあった。重衣料の割合を増やすことで、コレクションのダイナミックさがより増していきそうな期待感もある。

コレクションノートには下記のように記されている。「柿が寒い冬を耐え抜き、より甘く熟していく過程は、人生の深い真理を映し出します。すなわち、苦労の末に得た美しさこそが、最も意味を持つのです(一部抜粋)」。パークがモノづくりに込める思いが、くっきりと投影されたショーだった。

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韓国人デザイナーによる「アシュリン」 厳冬を越えた柿のように、成熟する流線美

ニューヨーク・ファッション・ウイークにおいて、構築的かつ女性らしい柔らかいフォルムが際立つ「アシュリン(ASHLYN)」。手掛けるのは韓国人デザイナーのアシュリン・パークだ。

ソーホーにあるこぢんまりとしたギャラリーで行われた2025-26年秋冬のランウエイショーは、親密であり、じっくりと「アシュリン」の服を眺めるのにまさしく適した空間だった。柿からインスピレーションを得たという今シーズンのコレクションは、果実の柔らかな丸みを帯びたフォルム、寒い冬を耐えてより甘く成熟していく過程を表現した。また、韓国の伝統的なポッタリ(風呂敷のような包む布)からも着想している。

精緻なパターンが生み出す予期せぬフォルム

メンズのテーラードも得意とするパークが見せたのはフェミニンとマスキュリンが融合したスタイル。テーラードジャケットには複雑なパターンによってフリルがアクセントになったキャミソールを合わせ、トレンチコートやニットジャケットもマスキュリンながら丸みを帯びたパターンで女性らしさを加えた。レザーのトップスにもペプラムのデザインが施され、レザーとは思えぬ柔らかな質感を作り出した。装飾を排除しながらも、パターンによる構築的なフォルムが華やかさを生み出している。たびたび登場したボリュームたっぷりのパンツもスタイリングを柔らかな印象に仕上げている重要なアイテムだ。

また、ポッタリがアイデアの起点となった「パズル」のテクニックは、正方形からスタートし、断片を切り取って再構成することで予期せぬフォルムを生み出すもの。複雑に組み合わされたパターンによって女性らしいフォルムが目を引く「パズル」トップスも見られた。柿を思わせるくすんだオレンジのルックは、数自体はさほど多くなかったものの、彼女がこだわるシェイプの成熟を感じさせた。今季はボリューム感のあるコートジャケットやニットジャケットも見応えがあった。重衣料の割合を増やすことで、コレクションのダイナミックさがより増していきそうな期待感もある。

コレクションノートには下記のように記されている。「柿が寒い冬を耐え抜き、より甘く熟していく過程は、人生の深い真理を映し出します。すなわち、苦労の末に得た美しさこそが、最も意味を持つのです(一部抜粋)」。パークがモノづくりに込める思いが、くっきりと投影されたショーだった。

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「日本の宝」の技術継承に尾州・小塚毛織が挑む 多様な世代が奮闘中

「日本の宝」と繊維・アパレル産業に身を置く人の多くが一目置くテキスタイル職人がいる。尾州産地でファンシーツイードを織るカナーレの足立聖代表だ。足立さんはテキスタイルを企画設計し、尾州産地に残るションヘル織機を持つ工場に外注して得意なツイードを織り、誰もが知るラグジュアリーからデザイナーズまで多くの有力ブランドにその生地を提供してきた。しかし2020年、コロナ禍で需要が減り取引先でションヘル織機を持つ最後の工場が廃業を決めた。「ションヘル織機を自社で持たないと足立さんのものづくりが途絶えてしまう」。小塚毛織の小塚康弘社長が足立さんの技術継続のために立ち上がった。

ションヘル織機は100年以上前にドイツで開発され、日本ではドイツの織機を原型に平岩鉄工所や大隈鉄工所が製作し明治大正期から1960年代頃まで主力で使われていた旧式の織機だ。繊維への負荷が少なく立体的に織り上げることができ、手織りのような柔らかい風合いに仕上がる。そのションヘル織機の特徴を最大限に生かして他にはない生地をデザインするのが足立さんだ。

小塚毛織がションヘル織機を導入して自社工場を整備して4年余り。「予期せず人が集まり、需要が高まっている」と小塚社長は嬉しそうに話す。足立さんとの協業による売上高は工場開設前の10%程度から20%を占めるまでになった。「将来的には50%を目指したい」。ションヘル織機は超低速運転でゆっくりと丁寧に織り上げることができるが、織る量には限りがある。「足立さんはゼロからイチをつくることができる。焼き直しではない足立さんのものづくりを理解してもらえる売り先を広げていきたい」。足立さんが生み出すテキスタイルの価値を高めて販路を広げようと大手商社やセレクトショップが名乗りを上げはじめ、その輪が広がっている。

技術・人・環境を整えるまで

小塚毛織は2009年からカナーレと協働をはじめ、11年に業務提携して本格的にファンシーツイードの企画販売を開始した。小塚社長は「紳士服向けの生地の企画生産を得意としていたがレディス向けの企画ができていなかった。また海外の生産を理解すればするほど国内でしかできないことに取り組みたいと考えるようになった。足立さんと提携することでレディス向けの企画を強化したいと考えた」と当時を振り返る。

小塚毛織は工場を持たず、テキスタイルを企画して中国や台湾の協力工場で生産したものを販売していた。足立さんが企画したテキスタイルもションヘル織機を持つ尾州の工場に外注して織っていた。「ションヘル織機を扱える職人が移り変わりながらもなんとか織ってきたが、最後のションヘル織機を持つ協力工場が20年に廃業を決めた」。

コロナ禍の2020年、1976年まで稼働していた自社工場を改修してションヘル織機を5台、整経機など付帯設備を導入した。売上高6億6200万円(2020年3月期)の小塚毛織にとっては安くはない設備投資であり、織機を動かす社員の雇用も必要になる。「長期計画を立てていたらできなかった。足立さんのものづくりを継続させたいーーその一心で奮起した」。

機械があってもものづくりはできない。「技術(足立さん)と人(機械を動かす人)、そして作る環境を整える必要があった」。SNSで発信された足立さんのモノ作りに引き付けられたのが横井春奈さんだ。横井さんは「ぱっと見の魅力が強く印象に残った。他と違うのが明らかに見てわかる。これは布なのか?と思うほどだった」と振り返る。横井さんは、神奈川の美術大学で工芸を専攻し、「立体的なテクスチャーに興味を持ちテキスタイルを学んだ」。横井さんは卒業間近の1月末に小塚毛織に連絡をした。

「当時新卒で2人を採用した直後で簡単に雇用することができず断った」と小塚社長。「しかし、5月に横井さんから尾州産地で働くために引っ越してきたとメールが届いた。社員としての受け入れは難しかったが、放ってはおけない。パートタイムで採用することにした。仕事への真摯な姿勢を感じて22年1月に社員として受け入れた」。同年8月にはションヘル織機を扱う老舗機屋と北陸の繊維メーカーで経験を積んだ水野太介さんも、小塚社長と足立さんの考えに賛同し入社した。水野さんは、尾崎雄飛「サンカッケー」デザイナー(2024年に織物工場「岩安毛織」を買収し事業承継に取り組む)とのテキスタイルプロジェクトにも携わり二足の草鞋で織機を扱う。「以前なら有望な若手を自社で独占するのが当たり前だった。今は小さな工場が社員を抱えるのが難しいこともあり、有望な若手を数社で支えるような緩やかなネットワークが生まれている」(山田幸士・岐阜県毛織工業協同組合専務理事)。

さらにかつてションヘル織機の機屋をしていた82歳の大島さんと、ともに働いていた夫を亡くしたことを機にションヘル織機から離れていた83歳の坪内さんがパートタイムで加わり、4人体制になった。大島さんは足立さんが会社員の時から戦友のような関係だった人で、坪内さんは通りかかった小塚毛織でションヘル織機の音に引き寄せられるように立ち寄ったときに横井さんが声をかけたという。

ションヘル織機など古い機械を治すことができる織機修理業者も尾州には1~2件に減っているため、水野さんや横井さんは業者が調整する様子を覚えて自社でメンテナンスができるように取り組んでいる。

当初はシャトルが飛ぶなどトラブル続きだったというが、23年頃からようやく生産が安定してきて量産できるようになった。足立さんは「水野くんはすでに全部自分でやれていて天性のものがある。横井さんはコツコツ取り組めることが才能。本当に好きなことが伝わってくる」と嬉しそうに話してくれた。

「シンプルな設計なのに他とは違う」足立さんの仕事の凄み

凝ったテキスタイルは自由な発想と緻密な設計から生まれる。足立さんは「デザイナーのイメージをかたちにしていくときが一番面白い」という。「設計図は算数の世界。イメージを数字に置き換えて図面にしている」。その際に過去に実現したサンプルから発展させることも少なくなく、小塚毛織社屋にあるアーカイブルームにはこれまで手掛けた大量のテキスタイルが保管されている。足立さんの才能は長年の蓄積とそれを織る技術者に支えられている。

足立さんの凄みを横井さんは「織りの組織自体は意外にもシンプルな点。シンプルな設計なのに他と違うのが一番難しい。組織を複雑にすれば織る人が間違えることも増えることも配慮しているのだろう。長年の経験あってこそ生まれる設計」と話す。さらに「足立さんの仕事の本質は人間関係を構築することだと気づいた。日々やっているのはコミュニケーションで、お客さんの希望を企画に起こして糸屋や染屋と丁寧にやり取りを重ねている。何十年もかけて築いた信頼関係があり、現場と機械を知り尽くしているからこそ挑戦的な生地が生まれている」と分析する。

水野さんは「足立さんは誰よりもチャレンジャー。『これ無理じゃないか』と思うことにも果敢に挑戦する。僕にはない部分で勉強させてもらっている。例えば今取り組んでいるのはスリット加工したフィルムを経糸にも横糸にも織り込んでいるが、フィルムの品質に変更がありこれまでのようにいかずに苦戦している。それがようやく今朝から織れるようになった」と静かな口調で語る。工場でその織機を見るとビームに小さな錘がついていて、足立さんは錘を指差して「これこれ」と嬉しそうに教えてくれた。

小塚社長も「閑散期向けには横糸を飛ばして手作業切る複雑な生地を企画するなど、繁忙期と閑散期、状況に応じてテキスタイルを企画してくれる」と語るなど、足立さんには、一緒に働く人を大切にして相手先の仕事の環境や状況に応じて仕事を進める姿勢が垣間見られるエピソードが多い。

足立さんの技術を受け継ぐ若手たち

横井さんは足立さんの行動ルーティンを真似することを意識しているという。「例えば糸屋を巡り用事がなくても機屋を訪ねるというルーティンは、なぜそれをするのかわからなくても真似を続けていると、足立さんが意図していることが見えてくる。機屋にこまめに顔を出すのは高齢化で少し間が空くと辞めちゃう方も出てくるから。真似する中で自分が得意なことや苦手なことを知り、苦手なことは足立さんとは違う方法を見つけて、自分で一から織れるようになりたい」と話す。記録を残すことも大事だと考え、些細なことまでメモを取り、インスタグラム(@hataya_no_teshigoto)でも発信している。「足立さんのようにどんな無茶ぶりも断らず応えられるテキスタイルデザイナーになりたい。そして、使い先が分からないくらい斬新な生地を作りたい」。

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「日本の宝」の技術継承に尾州・小塚毛織が挑む 多様な世代が奮闘中

「日本の宝」と繊維・アパレル産業に身を置く人の多くが一目置くテキスタイル職人がいる。尾州産地でファンシーツイードを織るカナーレの足立聖代表だ。足立さんはテキスタイルを企画設計し、尾州産地に残るションヘル織機を持つ工場に外注して得意なツイードを織り、誰もが知るラグジュアリーからデザイナーズまで多くの有力ブランドにその生地を提供してきた。しかし2020年、コロナ禍で需要が減り取引先でションヘル織機を持つ最後の工場が廃業を決めた。「ションヘル織機を自社で持たないと足立さんのものづくりが途絶えてしまう」。小塚毛織の小塚康弘社長が足立さんの技術継続のために立ち上がった。

ションヘル織機は100年以上前にドイツで開発され、日本ではドイツの織機を原型に平岩鉄工所や大隈鉄工所が製作し明治大正期から1960年代頃まで主力で使われていた旧式の織機だ。繊維への負荷が少なく立体的に織り上げることができ、手織りのような柔らかい風合いに仕上がる。そのションヘル織機の特徴を最大限に生かして他にはない生地をデザインするのが足立さんだ。

小塚毛織がションヘル織機を導入して自社工場を整備して4年余り。「予期せず人が集まり、需要が高まっている」と小塚社長は嬉しそうに話す。足立さんとの協業による売上高は工場開設前の10%程度から20%を占めるまでになった。「将来的には50%を目指したい」。ションヘル織機は超低速運転でゆっくりと丁寧に織り上げることができるが、織る量には限りがある。「足立さんはゼロからイチをつくることができる。焼き直しではない足立さんのものづくりを理解してもらえる売り先を広げていきたい」。足立さんが生み出すテキスタイルの価値を高めて販路を広げようと大手商社やセレクトショップが名乗りを上げはじめ、その輪が広がっている。

技術・人・環境を整えるまで

小塚毛織は2009年からカナーレと協働をはじめ、11年に業務提携して本格的にファンシーツイードの企画販売を開始した。小塚社長は「紳士服向けの生地の企画生産を得意としていたがレディス向けの企画ができていなかった。また海外の生産を理解すればするほど国内でしかできないことに取り組みたいと考えるようになった。足立さんと提携することでレディス向けの企画を強化したいと考えた」と当時を振り返る。

小塚毛織は工場を持たず、テキスタイルを企画して中国や台湾の協力工場で生産したものを販売していた。足立さんが企画したテキスタイルもションヘル織機を持つ尾州の工場に外注して織っていた。「ションヘル織機を扱える職人が移り変わりながらもなんとか織ってきたが、最後のションヘル織機を持つ協力工場が20年に廃業を決めた」。

コロナ禍の2020年、1976年まで稼働していた自社工場を改修してションヘル織機を5台、整経機など付帯設備を導入した。売上高6億6200万円(2020年3月期)の小塚毛織にとっては安くはない設備投資であり、織機を動かす社員の雇用も必要になる。「長期計画を立てていたらできなかった。足立さんのものづくりを継続させたいーーその一心で奮起した」。

機械があってもものづくりはできない。「技術(足立さん)と人(機械を動かす人)、そして作る環境を整える必要があった」。SNSで発信された足立さんのモノ作りに引き付けられたのが横井春奈さんだ。横井さんは「ぱっと見の魅力が強く印象に残った。他と違うのが明らかに見てわかる。これは布なのか?と思うほどだった」と振り返る。横井さんは、神奈川の美術大学で工芸を専攻し、「立体的なテクスチャーに興味を持ちテキスタイルを学んだ」。横井さんは卒業間近の1月末に小塚毛織に連絡をした。

「当時新卒で2人を採用した直後で簡単に雇用することができず断った」と小塚社長。「しかし、5月に横井さんから尾州産地で働くために引っ越してきたとメールが届いた。社員としての受け入れは難しかったが、放ってはおけない。パートタイムで採用することにした。仕事への真摯な姿勢を感じて22年1月に社員として受け入れた」。同年8月にはションヘル織機を扱う老舗機屋と北陸の繊維メーカーで経験を積んだ水野太介さんも、小塚社長と足立さんの考えに賛同し入社した。水野さんは、尾崎雄飛「サンカッケー」デザイナー(2024年に織物工場「岩安毛織」を買収し事業承継に取り組む)とのテキスタイルプロジェクトにも携わり二足の草鞋で織機を扱う。「以前なら有望な若手を自社で独占するのが当たり前だった。今は小さな工場が社員を抱えるのが難しいこともあり、有望な若手を数社で支えるような緩やかなネットワークが生まれている」(山田幸士・岐阜県毛織工業協同組合専務理事)。

さらにかつてションヘル織機の機屋をしていた82歳の大島さんと、ともに働いていた夫を亡くしたことを機にションヘル織機から離れていた83歳の坪内さんがパートタイムで加わり、4人体制になった。大島さんは足立さんが会社員の時から戦友のような関係だった人で、坪内さんは通りかかった小塚毛織でションヘル織機の音に引き寄せられるように立ち寄ったときに横井さんが声をかけたという。

ションヘル織機など古い機械を治すことができる織機修理業者も尾州には1~2件に減っているため、水野さんや横井さんは業者が調整する様子を覚えて自社でメンテナンスができるように取り組んでいる。

当初はシャトルが飛ぶなどトラブル続きだったというが、23年頃からようやく生産が安定してきて量産できるようになった。足立さんは「水野くんはすでに全部自分でやれていて天性のものがある。横井さんはコツコツ取り組めることが才能。本当に好きなことが伝わってくる」と嬉しそうに話してくれた。

「シンプルな設計なのに他とは違う」足立さんの仕事の凄み

凝ったテキスタイルは自由な発想と緻密な設計から生まれる。足立さんは「デザイナーのイメージをかたちにしていくときが一番面白い」という。「設計図は算数の世界。イメージを数字に置き換えて図面にしている」。その際に過去に実現したサンプルから発展させることも少なくなく、小塚毛織社屋にあるアーカイブルームにはこれまで手掛けた大量のテキスタイルが保管されている。足立さんの才能は長年の蓄積とそれを織る技術者に支えられている。

足立さんの凄みを横井さんは「織りの組織自体は意外にもシンプルな点。シンプルな設計なのに他と違うのが一番難しい。組織を複雑にすれば織る人が間違えることも増えることも配慮しているのだろう。長年の経験あってこそ生まれる設計」と話す。さらに「足立さんの仕事の本質は人間関係を構築することだと気づいた。日々やっているのはコミュニケーションで、お客さんの希望を企画に起こして糸屋や染屋と丁寧にやり取りを重ねている。何十年もかけて築いた信頼関係があり、現場と機械を知り尽くしているからこそ挑戦的な生地が生まれている」と分析する。

水野さんは「足立さんは誰よりもチャレンジャー。『これ無理じゃないか』と思うことにも果敢に挑戦する。僕にはない部分で勉強させてもらっている。例えば今取り組んでいるのはスリット加工したフィルムを経糸にも横糸にも織り込んでいるが、フィルムの品質に変更がありこれまでのようにいかずに苦戦している。それがようやく今朝から織れるようになった」と静かな口調で語る。工場でその織機を見るとビームに小さな錘がついていて、足立さんは錘を指差して「これこれ」と嬉しそうに教えてくれた。

小塚社長も「閑散期向けには横糸を飛ばして手作業切る複雑な生地を企画するなど、繁忙期と閑散期、状況に応じてテキスタイルを企画してくれる」と語るなど、足立さんには、一緒に働く人を大切にして相手先の仕事の環境や状況に応じて仕事を進める姿勢が垣間見られるエピソードが多い。

足立さんの技術を受け継ぐ若手たち

横井さんは足立さんの行動ルーティンを真似することを意識しているという。「例えば糸屋を巡り用事がなくても機屋を訪ねるというルーティンは、なぜそれをするのかわからなくても真似を続けていると、足立さんが意図していることが見えてくる。機屋にこまめに顔を出すのは高齢化で少し間が空くと辞めちゃう方も出てくるから。真似する中で自分が得意なことや苦手なことを知り、苦手なことは足立さんとは違う方法を見つけて、自分で一から織れるようになりたい」と話す。記録を残すことも大事だと考え、些細なことまでメモを取り、インスタグラム(@hataya_no_teshigoto)でも発信している。「足立さんのようにどんな無茶ぶりも断らず応えられるテキスタイルデザイナーになりたい。そして、使い先が分からないくらい斬新な生地を作りたい」。

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花王のヘアケアがドラッグストア売り場を再席巻 シャンプー“1760円”がヒット

花王がヘアケア事業の再構築に本腰を入れている。2024年4月に「エッセンシャル(ESSENTIAL)」のリブランディングと、新ブランド「メルト(MELT)」を投入。10月は「セグレタ(SEGRETA)」のリブランディングと、新ブランド「ジアンサー(THE ANSWER)」を立ち上げた。25年春には「家族シャンプー」の代名詞でもある「メリット(MERIT)」のリブランディングを控える。今夏には事業変革の第3弾となる新ブランドが誕生し、ついに新勢力・御三家が出そろう計画だ。25年は「花王ヘアケア史上最大のブランドアクション」を起こし、これまでにない規模の変革を加速する。

新生ヘアケア事業が着実に成果を上げる中、2つの新ブランドの成長が際立っている。24年4月に発売した「メルト」は発売から8カ月で販売計画の2.7倍を達成し、インバス製品の累計出荷数(24年4〜12月)は125万本を突破した。24年11月に発売した「ジアンサー」は、発売3カ月で計画比約2倍の売れ行きを記録し、好調な滑り出しを見せている。両ブランドともに中心価格帯は1760円(編集部調べ)で、市場に新たな潮流をもたらしている。こうした動きを受け、花王のインバスヘアケア市場における売り上げシェアは9年ぶりに全面回復を果たした。

組織体制を抜本的に革新

花王は長年、ドラッグストアのヘアケア市場で先頭を走ってきたが、新興メーカーが手がける1500円前後の製品が台頭し始めた17年を境に、同社の成長は鈍化した。23年の取材時にヘアケア第1事業部 事業部長を務めていた内山智子氏(現・カネボウ化粧品社長)は、「購入の決め手となる優先順位が大きく変わり、これまでの機能軸から情緒を重要視するお客さまが増えてきていることに気づくのが遅れた。自分たちの強みである品質や技術力を生かそうという気持ちにこだわるあまり、定義が難しい情緒的価値への対応が後手に回ってしまった」と振り返る。そこで、機能性だけではなく情緒的価値を取り入れた製品開発へと大きく舵を切った。

それが、ヘアケア事業変革の柱の1つ、感性マーケティングに沿った開発だ。論理的に人の感情のニーズを6つ(ポジティブ・リフレッシュ/自然体・リラックス/優しさ・安心感/調和・こだわり/洗練・ぜいたく/躍動的・エネルギッシュ)に分け、各ブランドを配置。パッケージ、製品体験、広告、全て一貫して「同じ感情」を引き起こす設計を取り入れている。

さらに、この戦略を実行するために組織体制も見直した。従来のバケツリレー型の開発プロセスを廃止し、プロジェクトに関わる全員が最初から参加するスクラム型を導入。首尾一貫した体制を整えた。この新たな組織では、全員がフラットな関係性を持ち、自発的にアイディアが生まれる環境を構築。これにより、イノベーションを促進しながら、スピード感のある事業へと生まれ変わった。

「ジアンサー」が売れた理由

「メルト」は“休息美容”をコンセプトに掲げ、香りや“髪の化粧水”と呼ばれるアウトバスがSNSで話題を集め、計画を上回る販売実績を記録した。しかし、SNS上でUGC(ユーザー生成コンテンツ)が活発化するまでには4〜5カ月を要した。この課題を踏まえ、次に展開した「ジアンサー」は、拡散までの時間を短縮させるために「メルト」で得た知見を基に、コミュニケーション施策をPDCAで改善。UGCに火を付けるPGC(プロ生成コンテンツ)にも注力した。一定の広告が必要であると判断し、発売前には、製品デザインやブランド名を伏せたタイアップ記事を美容雑誌で掲載するなど、期待感を醸成。発売後には、花王のヘアケア事業では初の試みとなるLINEやYahooで広告を展開した。これにより段階的に実績を積み上げ、2〜3カ月で話題の波を生み出すことに成功した。

さらに、他のシャンプーとは一線を画す“塗り洗い”という新たな洗髪スタイルを提案し、ヒットにつなげた。一般的なシャンプーは泡立ててから使用することが多いが、同ブランドのシャンプーは独自のテクスチャーを採用。髪全体に塗ってから泡立てて洗うことで、成分をより均一に行き渡らせ、髪をケアしながら洗うことを可能にした。この新技術によるシャンプー体験と、感性マーケティングに基づく「こだわり・調和」のニーズを満たすことで、消費者に合理的な納得感を提供し、支持を獲得した。

「ジアンサー」は「メルト」とは対照的で、ネーミングやパッケージデザインを含め、「かわいらしさや女性らしさを前面に出していない」点が特徴だ。パケ買い傾向が高い「メルト」と異なり、「ジアンサー」のパッケージは、徹底してソリッドに作り上げたという。野原聡ブランドマネジャーは「競合は約150ブランドあるが、われわれは感情の軸を貫いた製品づくりをしている。技術と個性を融合できるのは『ジアンサー』ならでは」と強調する。

購入者層は、自分に合うヘアケア製品を探している“ヘアケア難民”や、美容に関心の高い30〜40代の女性が圧倒的に多く、「こうした設計思想を持つブランドからの流入が顕著だ」(野原マネジャー)と分析する。SNSでは「正解が見つかった」といった好評の声も目立つ。

当初から女性を主なターゲットとしてきたが、男性の支持も広がりつつある。「男性は頭皮ケア製品の人気が根強いものの、髪の美しさを気にする男性も増えている。一部の男性誌では、スタイリストが『お気に入りの1本』として紹介するケースも出てきている」と、今後男性客の獲得にも期待がかかる。

1500円は“戦国時代”
ウエルシアとの取り組みも結実

現在、ドラッグストアで唯一取り扱うウエルシアグループとの取り組みも奏功した。店頭で目を引くポップや装飾の工夫に加え、ウエルシアの会員データを活用したリテールメディアでの配信を行うなど検証を重ねてきた。

ウエルシアでは従来、1500円前後のプレミアム価格帯の製品を「他社に先駆けて拡充してきた」という。しかし、同社は1700〜2000円のハイプレミアム価格の市場に可能性を見出していた。丸山沙織ウエルシア薬局 商品本部 化粧品商品部長は、「プレミアム製品は好調だが、市場は競争が激化している。同様の製品が他社でも展開される中、1ランク上の製品が求められると分析した。実際『ジアンサー』のように、成分や製品力に優れた製品であれば、高価格帯でもお客さまが買いに来てくれる」とし、特に西日本エリアでの販売が伸びているという。

今春には、現在ウエルシアで展開する約3000店舗の倍以上にあたる販売網を構築する計画だ。さらに、3月22日にはアウトバス向けのオイルとウォーターセラムを発売するなど、攻めの姿勢を崩さない。

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新星ランニングブランド「トラックスミス」 東京マラソンに合わせベイクルーズと組みイベント

3月2日開催の東京マラソンを前に、ランニング関連ブランドのポップアップやイベントが相次いでいる。その中でもひときわおしゃれなアプローチが目立つのが、東京・虎ノ門ヒルズの「セレクト バイ ベイクルーズ(SELECT BY BAYCREW’S)」内で行われている、米ボストン発ランニングブランド「トラックスミス(TRACKSMITH)」のポップアップイベント(2月26日〜3月3日)だ。3月1日には皇居外周を走るソーシャルランイベントも開催予定で、約300人のファンから出走エントリーがあったという。

「トラックスミス」は2014年に、ボストンでマット・テイラー(Matt Taylor)現CEOが立ち上げたブランド。“スポーツのアマチュア精神”を尊重し、“Runners Deserve Better(ランナーにはもっと価値がある)”といったコンセプトのもと、ランニング中や走った後のウエア類を企画、米国のカレッジ感覚が漂うトラッドムードが持ち味だ。これまでに、日本の駅伝のタスキを着想源にしたデザインの“EKIDEN”記念コレクションを発売するなどし、国内外で高感度なランナーから注目を集めている。

「ランニングシーンが変わってきた」

「ランニングは、昔はかっこいいものではなくて単なるスポーツだったが、今はシーンが変わってきている。ファッションやライフスタイルとランニングがクロスオーバーし、走ることがカルチャーになりつつある。ランニングは人のアイデンティティーにもなり得るものになった」と話すのは、「セレクト バイ ベイクルーズ」でのポップアップに合わせて来日した、「トラックスミス」のラッセル・アシュフォード(Russell Ashford)リテールディレクター。「コロナ禍のリモートワークで自宅にこもっていた人たちが、ランニングによって外に出て、人と会いコミュニケーションをするという人間の本質的な活動を取り戻したことで、今世界中でランニングが盛り上がっている」と続ける。実際、ニューヨークでは目下、ランニングクラブが次々と生まれ、ランニングの一大ブームが起こっているといった報道を見ることも多い。

テイラーCEOは、元「シュプリーム(SUPREME)」クリエイティブ・ディレクターのブレンドン・バベンジン(Brendon Babenzien ※彼もランナーだという)と長年親交があるといい、バベンジンが手掛け、日本ではベイクルーズが運営する「ノア(NOAH)」とこれまでもポップアップを何度か行ってきた。今回のポップアップも、「トラックスミス」と「ノア」を掛け合わせた企画で、フーディーなどのコラボ商品も販売。店頭のVMDも、「トラックスミス」と「ノア」のミックスコーディネートを打ち出している。また、ポップアップでは、「トラックスミス」が世界のメジャーマラソン大会向けに作っている記念コレクションのうち、東京マラソン向けのタンクトップやショーツなどもそろう。フーディー(4万4220円)を購入した客には、チェーンステッチで好みの刺しゅうを入れるカスタマイズサービスも行っている。

8月にトレランコレクションも発売

ポップアップは26日にスタートし、自身や家族などの東京マラソン出走のために来日している海外客を多く含むブランドファンが訪れているという。1日に行うソーシャルランイベントのエントリー者も、海外客が多い。東京マラソン翌日の3日には、完走者向けに、ゴールタイムをポスターにスタンプするサービスも予定。東京だけでなく、ボストンやシカゴ、ニューヨーク、ロンドンなど、世界のメジャーマラソン大会それぞれでイベントを実施しているという。

「トラックスミス」を立ち上げたテイラーCEOは、プーマ勤務時代にウサイン・ボルト(Usain Bolt)と組んだ製品開発などを担当し、その後、ボルトのアプリゲーム開発プロジェクトなどにも携わっていた人物。「トラックスミス」は現在、ボストン、ニューヨーク、ロンドンに直営店があり、日本では卸やポップアップのみで展開。「3月にはレース用シューズを発売し、8月にはシューズを含むトレイルランニングコレクション、12月には高クッション性でリカバリーを意識したシューズの発売を予定する」とアシュフォード リテールディレクターはブランドの今後の予定を明かす。「ブランドとして規模は大きくしていきたいが、ランナーのためのブランドという軸はぶらさずに進んでいく」。

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サバト・デ・サルノが去った「グッチ」は、「古き良き」時代に傾倒して玄人感から脱却

ファッションショーの3週間前にサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した「グッチ(GUCCI)」は今回、デザインチーム体制でメンズとウィメンズの2025-26年秋冬コレクションを発表した。会場は、ダークグリーン一色。「ロッソ アンコーラ」と呼ぶ赤にこだわってきたサバト時代からの転換を感じさせる。

多くのラグジュアリーブランドにとって歴史に傾倒するのは当たり前だが、クリエイティブのトップが不在のデザインチーム体制ならなおさら過去、特に長い時間をかけて築き、伝えてきたデザインやスタイルコードに立脚したくなるだろう。今シーズンの「グッチ」は、一言で表せば、「古き良き『グッチ』」。メンズならシャープで端正なダブルのスーツ、ウィメンズならレトロなカラーリングのポロニットやブラウス、豪華なコートにタイトスカートなど。サバトのクリエイションは「ヴァレンティノ(VALENTINO)」時代を思わせるオーバーサイズやリラックスシルエットが多かったが、「古き良き『グッチ』」は基本シャープでスリム、そこにハイウエストのリラックスパンツなどを交えて抑揚をつける。特にシルエットで「玄人っぽい難しさを抱かせていた(日本の百貨店関係者)」というサバト時代に比べると、今季の「グッチ」は、より多くの人がイメージしやすい「古き良き『グッチ』」だ。長年のファンには懐かしく、若い世代には新鮮に移りそうだ。

とはいえ「古き良き『グッチ』」の焼き直しに陥らないよう、デザインチームは創設以来、ブランドの美学の中心にある「スプレッツァトゥーラ」 と呼ばれるイタリア独特のスタイルを融合した。「スプレッツァトゥーラ」とは、「完璧さの中にある抜け感」や「計算された自然体」を意味するという。確かにダブルブレストにピークドラペルのセットアップを連打したメンズではゴージラインの位置を下げたり、パステルカラーを含む1色でコーディネートをまとめたり、時にはタートルネックでタイドアップしなかったり、オーバーサイズのコートやホースビットのスリッパをコーディネートしたりで「スプレッツァトゥーラ」 する。対するウィメンズは、メンズ同様のアイデアに加え、サバトっぽいシルエット感やミニ丈(ただしカラータイツを合わせている)、色合わせの妙、オーバーサイズのカーディガンと誇張したアクセサリーなどで“ハズし”ている印象だ。奇しくも今年はいわゆるGGのロゴ“インターロッキングG”が誕生してから50周年のアニバーサリーという。左右で反転した2つのGは、同じような素材や色使い、ムードを讃えて交わるメンズとウィメンズを表してもいる。

アクセサリーは、“ホースビット”が主役。ゴールドのチェーンをあしらえばネックレスに、レザーを交差させればベルトに、そして当然、レザーのスリッパや大ぶりのバッグにもあしらわれている。

フィナーレでグリーンの制服に身を包み現れたデザインチームは、「グッチ」が飛躍した60年代という黄金期にフォーカスすることで“リリーフ”を務めた。だが25年プレ・フォール・コレクションを見る限り、おそらくサバトも同じ時代に傾倒し始めていた印象で、ゆえに彼による黄金期の解釈を見てみたかったという思いも募るが、とにかく「グッチ」は新たな一歩を踏み出した。後任デザイナーには、「セリーヌ(CELINE)」を離れたエディ・スリマン(Hedi Slimane)や、「ディオール(DIOR)」での現職から退くとのウワサが絶えないマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)、昨年「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」と袂を分けたジョン・ガリアーノ(John Galliano)、そして「ミュウミュウ(MIU MIU)」のデザインディレクターだったダリオ・ヴィターレ(Dario Vitale)らを押す声が強い。

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川内倫子の展覧会を「フォトグラフィスカ上海」で見る【ヒキタミワの水玉上海】

1993年から上海在住のライターでメイクアップアーティストでもあるヒキタミワさんの「水玉上海」は、ファッションやビューティの最新トレンドや人気のグルメ&ライフスタイル情報をベテランの業界人目線でお届けします。今回は上海に2023年にオープンしたビジュアルアートの「フォトグラフィスカ上海」。世界のアートシーンで注目を集める同施設ですが、上海が「アジア初」。どんな場所なのでしょうか。

川内倫子さんの大規模個展
「a faraway shining star, twinkling in hand」が上海上陸

2月20日の夜、ビジュアルアートミュージアムである「フォトグラフィスカ上海(Fotografiska Shanghai)」で写真家・川内倫子の大規模個展 「a faraway shining star, twinkling in hand」の開催に先駆け、オープニングパーティーが開催された。

私が到着した頃には、すでに人の波は落ち着いていたものの、カメラを手に真剣に作品を撮影する人や、展示の前で会話を弾ませるグループの姿があった。それぞれ思い思いに作品を楽しんでいた。会場では嬉しいことに、知り合いの漫画家で作家のTANGOや、惜しまれつつ閉店した伝説のレストラン「M on the Bund」のオーナー、ミッシェルに再会できた。受付で手渡されたコインと引き換えに、日本を彷彿させる桜をあしらった特製カクテルを手にしてまずは乾杯!そしてギャラリーへと向かった。

本展では、「日常の詩」 を描く写真家・川内倫子の代表的なシリーズ、「M/E(Mother Earthの略)」 と 「An interlinking」 という2つのシリーズの作品が展示されている。

「M/E」 は、2019年にアイスランドで撮影した壮大な自然の風景と、パンデミック中の北海道で捉えた日常の風景を組み合わせ、自然への賛歌を表現したシリーズだ。タイトルの「M/E」には 「me(私)」 という意味も込められており、個と「母なる地球」との深い結びつきを象徴している。

もう一方の 「An interlinking」 は、20年以上にわたり撮影された長期プロジェクトで、川内自身の日常を記録した作品群だ。親密な瞬間と壮大な自然現象を対比させることで、ミクロとマクロの視点の対話を生み出している。会場には、重なり合う光と影が美しい大判プリントや、柔らかな輝きを放つライトボックスのインスタレーションが並び、時間の流れや儚さの美を体感できる空間が創り出されている。光と色の相互作用が展示全体の視覚的な統一感を生み、静かでありながらも予期せぬ衝撃をもたらしていた。

「フォトグラフィスカ上海」とは?

「フォトグラフィスカ」は2008年にスウェーデン・ストックホルムで創設された写真とビジュアルアートに特化したミュージアムだ。単なる美術館にとどまらず、レストランやバー、イベントスペースを併設し、訪れる人々に多面的なカルチャー体験を提供する場として知られている。現在は上海とストックホルムのほか、ニューヨーク、タリン(エストニア)、ベルリン、オスロ(ノルウェー)と世界6カ所で展開、アートシーンにおける重要な拠点となっている。

「フォトグラフィスカ上海」 は2023年10月20日にオープンしたアジア初のフォトグラフィスカで、グループの5番目のミュージアム。上海・静安区の蘇州河沿いに位置する約4600㎡の広大なスペースで、多彩な展覧会やイベント、コンサート、ワークショップ、トークを開催、特に中国やアジアのアーティストのプロモーションに力を入れている。館内には、地中海料理をベースとしたフュージョン・ビストロ 「MONA」、ジェラテリア、ギフトブティック、屋上ラウンジレストランなど、充実したライフスタイル施設も併設している。夜11時まで開館しているため、食後にゆったりとアートに浸れる贅沢な大人の時間を楽しめるのも魅力的だ。上海ではぜひ訪れたいアートスペースの1つである。

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「スック」PR担当が溺愛する、最高峰の証“ザ”の冠を持つベースメイクアイテム2品

ブランドの顔となるPR担当に、“ロングセラー”や“今シーズンのイチ押し”アイテムを推薦してもらうビューティ連載「PR担当がプレゼン!」。第5回は、数々の名品を生み出してきたコスメブランド「スック(SUQQU)」だ。横山愛里「スック」PR担当におすすめの3アイテムを紹介してもらう。

「スック」とは?

2003年に誕生した、大人をターゲットとするプレステージ化粧品ブランド。ブランドネームの「スック」は、「すっくと立つ姿」に由来し、凛と自立したマインドを表している。スキンケアからメイクアップまで、全てを通して「艶」を大切にしており、艶の表情を多彩に、そしてちみつに育み、操るブランドだ。流れる時間の中で、動きと共に内側からにじみ出るような艶を宿した旬な肌へ導く。

現在は、国内外の百貨店など60以上の店舗で展開。日本発の化粧品ブランドとしての高い品質とコンセプト、独自の切り口が好評を得ており、各国で順調にビジネスを拡大している。好調の国内市場と併せて海外展開も加速しながら、グローバルブランドとしてさらにプレステージ性を高めてく。

「スック」史上最高峰の“ザ ファンデーション”と“ザ プライマー”

横山「スック」PR担当が推す1品目は、“ザ ファンデーション”(全24色、各30g、各1万4300円)だ。「“諭吉ファンデ”の愛称で長年親しまれる『スック』の看板商品。現行品で4代目ですが、一貫して“移り変わる艶”を大切にしており、これがお客さまに支持され続けているポイントでもあります。時間の経過につれて現れる皮脂を隠すのではなく、それさえも取り込んで美しい艶感へと昇華。長時間美しい仕上がりが続くので、いつでも自信を持たせてくれるお守り的なアイテムです」。

「現行品は、『前作よりもカバー力をアップしたいけれど、厚塗り感にはつながらないように。そして艶も維持したい!』という難題に取り組み、開発担当者と研究員が協働して数々の試作を重ねて出来上がりました。その熱い思い、努力を知ることで、より愛着が沸くスターアイテムです」。

続く2つ目には、“ザ プライマー”(1万1000円)を挙げた。「肌に“高貴な艶”をもたらす化粧下地は、透明感やトーンアップ効果、カバー力、保湿力、プロテクト力、美容成分配合など、下地に求められる数々の要素を、どれも諦めず網羅している優秀さが自慢です!2024年下半期のベストコスメ企画でも数々の賞をいただき、売れ行きも非常に好調。ニュースターながらも、既に名品になったと自負しています。この下地を塗るだけで、くすみを飛ばし、粗をカバー、ハリ艶肌に仕上がるから、朝起きて鏡を見た時のがっかり感がすぐに払しょくされるのもうれしい(笑)。ベースメイクの仕上がりが格上げされ、満ち足りているような品格が宿ります」。

落ちる過程までも美しい“ベルベット フィット リップスティック”

最後におすすめする製品は、“ベルベット フィット リップスティック”(セット価格、各5830円)。「今シーズンの一押しアイテムは、1月24日に発売したリップスティックです。高発色、高密着、長時間色持ちをかなえ、落ちる過程までもきれいな設計で心強い。マットの中にほんのり艶感があるベルベット質感が新鮮で、『スック』らしさがあると感じています。マットリップというと、乾燥して毎日は使いにくい……というイメージがあるかもしれませんが、このリップはしっとりとしたクリーミーなテクスチャーが心地よく伸び広がり、均一な色膜が唇にぴったりとフィットしてくれます」。

「『スック』のリップ史上、一番細い華奢なスティックは唇に塗りやすい絶妙な細さで、スタイリッシュなデザインが塗る所作までも美しく見せてくれて気持ちも高まります。多彩なカラーラインナップの中でもオススメは“02 香木 -KOUBOKU-”。ヌーディーでありながら、決して地味にはならない存在感のあるローズピンクで、上品かつ洗練された印象に。お仕事にもプライベートにも使いやすい万能なカラーです」。

連載「PR担当がプレゼン!」

ブランドの顔となるPR担当。新商品やシーズンアイテムなどはスポットライトが当たりやすいが、ロングセラーアイテムはリニューアルなどをしないとどうしても埋もれてしまう。「PR担当がプレゼン!」は、ブランドのPR担当に“ロングセラー”や“今シーズンのイチ押し”アイテムを推薦してもらい、読者に改めて商品の良さを知ってもらう連載だ。

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「物事はすべて順調」進退が注目されるダニエル・リー 「バーバリー」はアウターで魅せる英国らしさ

「バーバリー(BURBERRY)」は、イギリス現地時間の2月24日に2025-26年秋冬コレクションを発表した。ダニエル・リー(Daniel Lee)=チーフ・クリエイティブ・オフィサーの退任の噂が注目を集めるなか、リーはアウターを表現の核としながら「英国らしさとは何か」というブランドの根源的な問いと向き合った。

コレクションの出発点となったのは、イギリスの階級社会を描いた映画「ソルトバーン」だと言う。「登場人物たちは昔ながらの信じられないような豪邸に住み、夕食時には奇抜な服をまとい、クレイジーなパーティーを開く。その自由奔放なボヘミアン・スピリットを表現したかった」とリーは語る。

ランウエイには「ソルトバーン」に出演するリチャード・E・グラント(Richard E. Grant)をはじめ、ジェイソン・アイザックス(Jason Isaacs)、レスリー・マンヴィル(Lesley Manville)といった、英国社会を表現し続けてきた俳優陣も登場した。

英国の街角を映し出すショー

会場は近代美術館「テート・モダン」。ファーストルックは、ショート丈のボマージャケットに同素材のマフラーを巻き、ウールのパンツにロングブーツを合わせた。続くルックでは、エレガントなシルエットのチェック柄ラップコートや、ゆったりとしたドロップショルダーのオーバーコートなど、暖かく着心地の良さそうなアウターを主役にした。

そこに、袖や襟元にフリルをあしらったブラックのシアーブラウスにゴールドのジャカードスーツを合わせたルックなど、華やかなスタイルも加わる。ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)は、トレンチコートのシルエットをベースにしたフリンジが豪華なドレスコートなど。洗練された英国スタイルが行き交うその光景は、ロンドンの街角のワンシーンのようだ。

また、前シーズンから継続するショルダー部分にファーのディテールを施した超オーバーサイズコートなど、リーらしいデザイン性の高いアイテムも登場した。しかし、今季は深みのあるブラウンやグレーなどのアースカラーで、より洗練された印象に仕上げている。「クリスマスや年末年始のホリデーシーズンには、自然の中を散歩したり、美術館を訪れたりした。今季のカラーパレットは、そこで触れた色彩から大きな影響を受けたと思う」とリーは振り返る。

前回までのコレクションでは、「バーバリー」にラグジュアリー・メゾンとしての側面を強く打ち出そうとするあまり、ブランドのヘリテージの表現にやや唐突な印象を受けることもあった。しかし、今季のように日常に根差した「バーバリー」の姿こそ、長い歴史を持つブランドの唯一無二の価値を最大化するのではないだろうか。

なお、リーは今後については明言を避けたものの、「ジョシュア(・シュルマンCEO)が就任して半年が経ったが、物事はすべて順調だ。非常にポジティブな局面を迎えていると思う」とコメントした。

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「トーガ」はフォーマルウエアで反骨精神示す 「アシックス」とのコラボシューズも披露

「トーガ(TOGA)」は2025-26年秋冬コレクションを英国現地時間の2月23日に発表した。古田泰子デザイナーが常にテーマに置くのは、「働く人のための服」。日々の生活の中で、「意志のある服に袖を通すことが人生をより豊かにする」という信念からくるものだ。今季はそのテーマを、フォーマルウエアのコードに遊びを加えて具現化した。

今季の出発点は、「服装における形式的な配慮はもう時代遅れなのではないか」という疑問だった。白シャツにネクタイを垂らしたようなルックは、写真家のウィリアム・エグルストン(William Eggleston)のスタイルから着想を得た。「彼はフォーマルウエアを好みながら、ネクタイだけは結ばなかった。それはメッセージTシャツを着るよりも難しい自己表現だと思う。彼のようなアプローチを取り入れたかった」と古田デザイナー。

テーラードジャケットは、前後を逆にしたようなデザインで幾重にも重ねた生地をセーラーカラーように配し、フォーマルの要素を残しながら、新しいシルエットに変化させている。誇張した襟が特徴のシャツの上に羽織るジャケットは、ウエストにベルトを通してしわを寄せ、ドレスのように着こなした。足元は2年越しに実現したという「アシックス(ASICS)」とのコラボスニーカーや、フェザーをあしらったオープントーのミュールが軽快さを加える。

特に目を引いたのは、裾部分を浮き輪のように膨らませたミニスカートだ。そのユニークな形状は、「官能性」や「女性的なもの」として語られがちなスカートのコードを崩すことに挑戦している。古田デザイナーはそれを「今の時代を生き抜くための防御服」と説明する。

イブニングウエアの様相を強めた後半にかけては、ブラックとホワイトのコントラストを効かせた。純白さを感じさせる花びらのようなフリルと毒々しさもあるビジューの刺しゅうは華やかに、そして反骨精神をのぞかせながらランウエイを締め括った。

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「トーガ」はフォーマルウエアで反骨精神示す 「アシックス」とのコラボシューズも披露

「トーガ(TOGA)」は2025-26年秋冬コレクションを英国現地時間の2月23日に発表した。古田泰子デザイナーが常にテーマに置くのは、「働く人のための服」。日々の生活の中で、「意志のある服に袖を通すことが人生をより豊かにする」という信念からくるものだ。今季はそのテーマを、フォーマルウエアのコードに遊びを加えて具現化した。

今季の出発点は、「服装における形式的な配慮はもう時代遅れなのではないか」という疑問だった。白シャツにネクタイを垂らしたようなルックは、写真家のウィリアム・エグルストン(William Eggleston)のスタイルから着想を得た。「彼はフォーマルウエアを好みながら、ネクタイだけは結ばなかった。それはメッセージTシャツを着るよりも難しい自己表現だと思う。彼のようなアプローチを取り入れたかった」と古田デザイナー。

テーラードジャケットは、前後を逆にしたようなデザインで幾重にも重ねた生地をセーラーカラーように配し、フォーマルの要素を残しながら、新しいシルエットに変化させている。誇張した襟が特徴のシャツの上に羽織るジャケットは、ウエストにベルトを通してしわを寄せ、ドレスのように着こなした。足元は2年越しに実現したという「アシックス(ASICS)」とのコラボスニーカーや、フェザーをあしらったオープントーのミュールが軽快さを加える。

特に目を引いたのは、裾部分を浮き輪のように膨らませたミニスカートだ。そのユニークな形状は、「官能性」や「女性的なもの」として語られがちなスカートのコードを崩すことに挑戦している。古田デザイナーはそれを「今の時代を生き抜くための防御服」と説明する。

イブニングウエアの様相を強めた後半にかけては、ブラックとホワイトのコントラストを効かせた。純白さを感じさせる花びらのようなフリルと毒々しさもあるビジューの刺しゅうは華やかに、そして反骨精神をのぞかせながらランウエイを締め括った。

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パルの販売員コンテスト 最優秀賞は「ラシット」石倉さん

パルの全社大会が2月19日に京都国際会館で開かれ、経営方針の発表や成績上位者の表彰式のあと、ショップスタッフの接客スキルを競う接客ロールプレイング大会「パルシップ」の本選が行われた。全国から約90人が予選に参加し、昨年の2次予選で勝ち残った6人が本選に出場。全国の店長と本部スタッフ約1300人が見守るなか、売り場で磨いてきた接客技術を披露した。演技の前にはそれぞれのブランドによる応援タイムがあり、熱烈なパフォーマンスで出場者にエールが送られた。

業態ごとに選ぶ方式に変更

今大会から優秀者の選出方法を変更した。これまでは全業態の中で順位を決めていたが、今回は大型・客数型、対面接客型、セルフ販売型の部門別に1位を選び、さらに全部門で得票数が最も高かった出場者に最優秀賞を授与するかたちをとった。

スマイルプロモーション室の大谷光代室長は「業態ごとに1位を決めるので、よりその業態に求められているサービス、お客さまに期待されているサービスとは何かという視点で審査をしてもらった」と話す。

審査項目は年2回実施するお客さまアンケートのコメントを参考に刷新し、例えば、対面接客型ブランドでは「お客さまの潜在的なウォンツを引き出せている」40点、「お客さま自身では見つけられない出会いや発見がある」30点、「スタッフの魅力がお客さまに伝わっている」30点で配点。「対面接客型では、スタッフやブランドに愛着を持っていただいているお客さまが多い。気づかなかったことを接客を通して得られたことに感動してもらえていることが分かり、審査項目に反映させた」(大谷室長)。

大型・客数型では「質問の意図を察知し、的確なアシストができている」に50点、セルフ販売型では「質問の意図を察知し、的確な情報提供ができている」に40点、「声をかけやすい雰囲気があり、気遣いを行動に移せている」に30点を配点した。複数のお客さま役が登場するなか、店内の混雑狀況や顧客一人一人の様子を見ながら来客に対応し、買い物のアシストができているかが審査された。

専門審査員の審査に加え、前回から来場者によるスマホでのオンライン審査も実施。審査の結果、2024年度パルシップの最優秀賞は、「ラシット」東京スカイツリーソラマチ店の石倉夏実さんが見事獲得した。セルフ販売型部門エクスペリエンスマイスターの1位は「スリーコインズプラス」プライムツリー赤池店の村原由樹子さん、2位は「スリーコインズプラス」天王寺ミオ店の山上愛香さん、大型・客数型部門の1位は「ガリャルダガランテ アウトレット」木更津店の熱海ねねさん、2位は「チャオパニックティピー」広島レクト店の島田梨帆さん、対面接客型部門の1位は「ラシット」の石倉さん、2位は「エムライン」ヘップファイブ店の堀江祐美さんに決まった。それぞれ副賞として賞金と今年6月のモロッコ海外研修旅行が贈られた。

表彰式の最後に大谷室長は「今回は6人全員がそれぞれの業態が目指すべき、接客を見せてくれた。その中でも石倉さんはお客さまの潜在的なウォンツを引き出すという点で、商品説明に終始することなく、想像力を働かせて自身の言葉でお客様に伝えるのがうまかった」と講評した。

ロープレ以外のスタッフも表彰

入社11年目で店長や本部スタッフも経験した石倉さんは、前回2次予選で敗退し、今回リベンジを果たした。大会出場の目的について石倉さんは「普段から一人ひとりのお客さまに対する接客をしっかり振り返るようにはしているが、ロープレ大会をめざすことでより深く振り返ることができ、自分自身にも向き合える。接客が好きでお客様を大切にしたいという気持ちをブランドに還元し、接客が好きなスタッフを育てていきたい」と話す。

全社大会では24年度の同社の業績に貢献したブランドと店舗、個人に授与される各賞の表彰式も開催された。最も貢献したブランドに贈られる特別賞は「ビアズリー」が獲得し、SNS部門EC売上貢献個人賞や優秀店舗賞など表彰台を独占した。インフルエンサーオブザイヤー賞の本部部門1位は、第5事業部パルグループアウトレットCPCM本部・デジタルSVの中村元気さんが受賞した。フォロワー純増数は14万8438人、インスタグラムのフォロワー数は4カ月連続1位を獲得。「昨年10月のパルクロウィークでは、自分で企画した洋服のPR動画をきっかけに女性フォロワー比率を25%まで増やした。今後は若いスタッフにノウハウを伝授し、活躍できる場を作っていきたい」と話した。

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トラベルライター間庭がハコ推し! 今こそ行くべき“サティパホテル”「ホテルインディゴ」

旅の質が重視される今、気分や価値観にフィットし、心から満足できるサティスファクション パフォーマンス=サティパのいいホテルが求められている。ローカルの文化にインスピレーションを得たデザインを貫く、ホテルインディゴもその1つ。2024年12月に開業したばかりの「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」での滞在で、トラベルライターの間庭典子も開眼。体験レポートをお届けする。

その地の文化をデザインで昇華。滞在を楽しむ隠れ家的ホテル

評判だけは聞いていた。ホテルインディゴのこだわりのデザイン力と遊び心。取材した同業者たちがみな、「あまりに心地よく、楽しくて観光しそびれちゃった」と嬉しそうに語るのだ。

日本国内では2020年に箱根強羅がオープン以来、軽井沢、愛知県の犬山、渋谷など次々に開業し、世界各国の169カ所で展開しているホテルインディゴ。そのコンセプトは、“ネイバーフッド”にインスピレーションを受けた個性的で居心地のいい隠れ家だ。たとえホテルから1歩も出なかったとしても、そのエッセンスを感じてもらいたいと、デザインにも妥協がない。驚くことにラウンジも客室も、家具やカーペットにいたるまで、独自にデザインしたものが多く、唯一無二のインテリアとなっている。隠れ家のようなくつろぎを、ホテルクオリティーで提供することを目指しているのだ。

確かに!そういう意味ではホテルにこもって心身ともにリチャージするのは正しい活用法といえそう。だからみな、あんなに満足そうに外に出なかったことを誇っていたのだ。

ローカルアーティストによるインスタレーション、近隣農家から仕入れた食材、コミュニティーと連動したソーシャライズ=社交を楽しむ空間など、レストランやラウンジでも工夫が多い。客室内のバスルームのデザインもぬかりなく、まるでスパのように洗練されている。クローゼットやホームバーもその地を思わせるカラーリングだったリ、モチーフをさりげなく取り入れ、デザイン好きだったらたまらないだろう。そんな話題のインディゴホテルが2024年12月、長崎のグラバーストリートに開業した。

歴史ある建造物を生かしたステンドグラスがきらめくレストラン

長崎と言えば言わずと知れた昔ながらの欧州との交流点。鎖国時代の218年間、日本で唯一西ヨーロッパに開かれ、貿易の窓口だった出島は復元され、当時の面影を見学できる「出島和蘭商館跡」となった。幕末期、開港都市となった長崎は居留地となり、「グラバー園」には多くの洋館が今でも残る風情あるエリアだ。

そんな歴史を感じるグラバーストリートの児童養護施設の建物を生かしたのが「ホテルインディゴ 長崎グラバーストリート」だ。なんといっても圧巻なのが、約10mもの天井高をもつ、かつては聖堂だった空間を活かした「レストラン カテドレクラ(Restaurant Cathedreclat)」。地元長崎の旬の食材に、長崎のDNAである和・華・蘭文化、そしてシェフの遊び心という”ひねり”を加えた一皿を提供している。

シグネチャーディナーコース「ブランシュBlanche)」はその名の通り、白がテーマ。長崎県産の魚介をふんだんに使い、フランス・ブリュターニュ地方の郷土料理であるコトリヤードは白のブイヤベース。海醤で中華のアレンジを利かせるなど、日本、中国、オランダの食文化が融合した和華蘭文化を体現したメニューとなっている。長崎和牛のパイ包焼きは中華のスパイスが香る赤ワインソースを添えたもの、〆は塩サバの焼きおにぎり あごだし茶漬けなど和食や中華、洋食にこだわらない構成となっている。器もシンプルな有田焼でコーディネイトされ、色鮮やかな料理の白いキャンバスのようだ。目で、舌で、五感で楽しめるコースなのだ。

朝は東から光が差し込み、空間全体が柔らかい光に包まれる。朝食は洋食と和食のセミブッフェ。私は和食を試したが、白のお重に長崎の郷土料理であるハトシや角煮、焼き魚などが端正に詰められ、わくわくした。昼はコース以外にも、長崎和牛南蛮カレーやバーガーなどのランチ限定メニューもあり、宿泊者以外も利用できるので、朝、昼、晩のそれぞれが、ローカルの常連客が交流する場となっている。

ソファやラグまで1からつくりあげたフォトジェニックな空間

ロビーラウンジやゲストルームにも共通するのは、長崎の歴史を感じる和華蘭文化をモチーフにしたデザインだ。和でも洋でも中華風でもない、独特の空間はなんともスタイリッシュ。私はチェックイン前に「出島和蘭商館跡」を訪れ、和蘭折衷のインテリアのカピタン(オランダ商館長)部屋を見学したので、滞在した客室も「まさに出島デザイン!」と感動した。伝統的な日本家屋なのにカラフルな壁紙、洋風の家具など、珍しい組み合わせが不思議に調和しているのだ。「出島和蘭商館跡」ではビリヤードやすごろくなどの当時の娯楽、食文化や土木技術など、当時の生活を分かりやすくまとめた展示も興味深く、今につながるさまざまなものがオランダから伝わったことに驚いた。ホテルインディゴに滞在した後に出島を見学し、グラフィカルな壁紙や配色の共通点を体感し、答え合わせをしてみるのもいいだろう。ぜひ、出島は見学してほしい。

ホテルの館内は、オランダ商人たちが親交を深めた社交場をイメージしたロビーなど、異国の風のモダンな設え。眼鏡橋をイメージした飾り台や、出島のモチーフとなった扇をイメージした絨毯もローカルを意識したインテリア。海側の部屋は長崎湾から汽笛が響き、造船所の大きなクレーンが目の前に見え、港町だということを実感する。港を望むテラスは、まるで別荘でくつろいでいるようだ。なかには専用のテラスのあるスイートルームもあるので、より邸宅に滞在しているような気持ちになれるだろう。鎖国後に開港した「グラバー園」も徒歩圏内なのでゆったりとした気分で散策してみよう。

歴史的建造物をアップサイクルしたソーシャルグッドな試み

「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」が開業されたのは国選定の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている長崎県長崎市南山手町。築126年の歴史を誇る児童養護施設の旧マリア園』は、このエリアのランドマークでもあった。外壁のレンガや、聖堂の一部のステンドグラスは当時のまま。歴史的な資料でもあり、この施設で育った人々の想い出を保存している。その時の面影をいかしつつ、洗練された宿泊施設、レストランとしてアップサイクルした成功例といえるだろう。

明治日本の産業革命遺産も

1898年に建設された赤レンガ造りの建物はリブ・ヴォールト天井という様式を採用したロマネスク様式の聖堂を誇る歴史的価値のある建造物だ。その後、児童養護施設となり、老朽化のため存続の危機にあった。ホテルインディゴは『旧マリア園』の資産を現代にアップデートし、地域文化に貢献している。地域の方々には豊かな思い出と誇りが継承された。増加するインバウンド客をはじめとする観光客へは、歴史を重ねてきた南山手エリアの価値を理解し、親しむきっかけを提供している。

マリア園で育ったもと孤児たちが、再びこの地を訪れ、当時の面影が残りつつ、洗練されたホテル、そしてレストランに進化した姿に感涙するという。歴史的建造物の再活用による地域文化や観光への貢献は、今後の観光業界の大きなテーマとなるだろう。私たちは歴史の中に滞在することで、過去を振り返るきっかけを得る。ホテルインディゴの狙いは、その地域の歴史や文化、魅力を体感し、未来へとつなげることだ。

世界各国のローカル文化を体感できる169施設

現在、ホテルインディゴは日本国内に5施設、世界各国では169施設も展開している。アメリカだけでも70施設。何度も訪れた国でも(私などアメリカに5年以上住んでいたのに!)、まったく知らない文化の地域もあるだろう。なんといっても合衆国。州によっては法律も風習も違う。ローカルの違いをホテルで体感してから、街へと飛び出すのもいい。

気になるのは南米や中東など、訪れる機会のあまりない国の施設だ。メキシコの文化やガラパゴスの自然など、その国のエッセンスがデザインや食事により表現されているのなら、五感で学ぶことができるだろう。愛知県犬山など、国内の今まで歴史や文化に触れることのなかったローカルを再発見するきっかけになることもあるだろう。

まだ見ぬ国や地域のホテルインディゴを隠れ家として利用してみることで、その地のローカル体験をできるなら、冒険はもっと気軽で安全になる。春に行く機会のあるドバイには、ぜひ滞在してみたい。辞典を逆引きするかのように、各国の施設情報をチェックし、この空間が気になるから、心にフィットするからこの地を旅しようと選んでみるのも一興。世界がもっと広がりそうだ。

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肌も花粉対策! 花粉症シーズンの悩みに着目した新作ビューティアイテム7選

寒暖差、花粉飛散、紫外線。春の肌は過酷です。季節の変わり目に肌のバリア機能が低下することは広く知られていますが、特に花粉症の人は肌悩みも多数。各ブランドは花粉による肌悩みに着目した製品や、バリア機能が低下した敏感肌でも安心して使える製品開発を行っています。そこで、2025年春発売の新作の中から花粉悩みや敏感肌に着目したアイテムを紹介。日々のケアで健やかな肌を目指して。

「もしかして敏感肌?」と感じた人の
8割が花粉症状を持っている

花粉が飛び交う時期は肌がセンシティブになる人が多くいます。敏感肌ブランドの「ディセンシア(DECENCIA)」が2024年11月、全国20~60代の男女586人に行った調査によると、「これまでに敏感肌だと感じた経験がある」と答えた人は全体の51.5%と半数を占めていました。また、敏感肌だと感じた経験がある人のうち「10月~4月の時期に花粉症状がある」と答えた人は80.8%に。花粉症状を持つ人の多くが肌に悩みを抱えているほか、花粉症ではない人でも肌変化を感じていることが分かります。

花粉症状を感じている人が悩む肌トラブルで最も多かったのは「かゆみ」(51.8%)で、次いで「カサカサ」(23.9%)や「ブツブツ」(10.5%)という結果に。少数意見には「赤み」(7.4%)や「ピリつき」(5.0%)などもありました。

今一度確認したい
肌トラブル時のケア方法

これら症状はさまざまな理由でバリア機能が低下し、肌が敏感になっているところに花粉やほこりなどのアレルゲンが肌に影響を与えることで起こるといわれています。肌が敏感に傾いた時には、いつも以上に肌のケアを意識することが大切です。

刺激の強い成分&施術は休む

昨今は“攻めのスキンケア”が注目され、さまざまな成分やアイテムが市場を賑わせています。効果実感が高いそれらアイテムは肌への刺激も強く、揺らぎ敏感肌を悪化させることも。また、レーザーやピーリングといった美容施術もこの時期は控えた方が良いでしょう。

敏感肌を考慮したアイテムを使用する

普段は大丈夫でも、肌が揺らいでいる時に刺激を感じることは多いもの。例えば、化粧水のエタノール(アルコール)は防腐や殺菌、収れんや油性成分をなじませるなどといった目的があり決して悪いものではありませんが、花粉時期には刺激を感じるという人もいます。いつも使っているスキンケアに刺激を感じたら、この時期だけはアイテムを変えてみても良いでしょう。低刺激を考慮し設計している、敏感肌向けを謳ったブランドは揺らぎ時期の味方になってくれるはず。

肌を触りすぎないケアを

ちょっとした刺激が肌に影響を与えるため、肌をこすったり頻繁に触ったりする行為は極力避けたいもの。ケアをシンプルにしたり、泡タイプの洗顔料で優しく洗う、スプレータイプの化粧水や日焼け止めを使うなどのほか、石けんで落とせるメイクアイテムを使うのもアイデアです。

肌に花粉やほこり、ちりなどを付着させない

「肌を休ませる」と思うと何も塗布しない方が良さそうに思われがちですが、逆にすっぴん肌は花粉をはじめとした大気中のアレルゲンや紫外線の刺激を受けてしまいます。外部刺激から肌を守るシールドはとても大切です。

【花粉や揺らぐ肌に着目 新作7選】

Nオーガニック
(N ORGANIC)

“花粉爆発”を防ぐジェルクレンジング

ライフスタイルビューティブランド「Nオーガニック(N ORGANIC)」は、環境による肌ダメージに着目したジェルタイプのクレンジング“スージング クレンジングジェル”(170g、3850円)を発売する。メイクとともに花粉などの大気汚れ、皮脂、角質などの5大汚れを落とすジェルクレンジングで、花粉が内包するアレルギー物質の放出“花粉爆発”から肌をケアする(3月12日発売)。

■商品詳細

“スージング クレンジングジェル”(170g、3850円)


オサジ
(OSAJI)

肌を花粉から守る“ディフェンスシリーズ”がリニューアル

敏感肌向けコスメブランド「オサジ(OSAJI)」は、肌を花粉から守る“ディフェンス”シリーズから“ディフェンスミスト シトラスハーブ”(50mL、2750円)をリニューアル発売するとともに、“ディフェンスバーム”(2.3g、2750円)を発売する。ミストは肌表面に吸着し保護膜を形成する吸着型ヒアルロン酸と、角層を保湿し肌本来のバリア機能をサポートする浸透型ヒアルロン酸を配合し、潤いを保ちながら乾燥や大気汚染物質から肌を守る。バームは目元の凹凸や小鼻にも小回りがきいて塗布しやすい、スリムなスティックタイプの容器を採用。持ち歩きしやすいサイズに設計した。

■商品詳細

“ディフェンスミスト シトラスハーブ”(50mL、2750円)
“ディフェンスバーム”(2.3g、2750円)


エッフェ オーガニック
(F ORGANICS)

七草発想で整える「揺らぎの調律ケア」

「F ORGANICS(エッフェ オーガニック)」は、揺らいだ肌を整えるカーミングラインをリニューアルし、リペアカーミングシリーズとしてパッケージも新たに発売する。ラインアップは洗顔後に使うプレローション美容液“リペアカーミングバリアスキンセラム”(20mL、3960円)、水分と油分をシェイクして使う2層タイプの化粧水“リペアカーミングローション”(100mL、3630円)、ワセリンのようなシールド感でバリア機能を健やかに保つバーム“リペアカーミングバーム”(20g、3960円)の3アイテム。ブランドが掲げる「11のフリー」に加え、揺らぐ肌にとって刺激となり得る防腐剤、エタノール、界面活性剤も使わずに開発した(3月1日発売)。

■商品詳細

“リペアカーミングバリアスキンセラム”(20mL、3960円)


ファンケル
(FANCL)

“水を味方に”肌の潤いを守る洗顔料

洗顔時の潤い流出を防ぐ「ファンケル(FANCL)」の“スキンコンディショニング洗顔”(90g、1595円)は、潤いメンテナンス成分やターゲティング洗浄成分のほか、保湿成分、ヒト型セラミド、肌荒れ防止成分などのスキンケア成分を配合。乾燥や肌荒れ、くすみを防ぎながらバリア機能をサポートする(3月18日発売)。

■商品詳細

“スキンコンディショニング洗顔”(90g、1595円)


キュレル
(CUREL)

ファンデ負担から肌を守るUV化粧下地

乾燥性敏感肌を考えたスキンケアブランド「キュレル(CUREL)」が発売するのは、ファンデーションの負担から肌を守りつつ美肌に仕上げるUV化粧下地“潤浸保湿 ファンデ負担防止ベース”[SPF41・PA+++](30g、2750円※編集部調べ)。独自開発の「スキンプロテクト膜」を採用したことで、みずみずしいテクスチャーが肌に密着。ファンデーションによるごわつきや負担感を軽減する。

■商品詳細

“潤浸保湿 ファンデ負担防止ベース”[SPF41・PA+++](30g、2750円※編集部調べ)


ラ ロッシュ ポゼ
(LA ROCHE POSAY)

紫外線防御を強化し、くすみをはね返すトーンアップUV

トーンアップUVが大ヒットしている「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE POSAY)」も、実は敏感肌のためのスキンケアブランド。ブランド誕生50周年を記念し発売した“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ+”[SPF50+・PA++++](30mL、3960円)は肌を外的刺激や紫外線から守りながら、明るく見せる実力派。。従来品と比較しベタつき感のないテクスチャーを実現し、光の反射力と黄ぐすみ補正をアップ。表面、内部共に整った、生き生きと明るく輝く“生艶肌”を演出する。

■商品詳細

“UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ+”[SPF50+・PA++++](30mL、3960円)


石澤研究所

ミストタイプの新アイテム

石澤研究所の「紫外線予報」は、子どもでも使える肌刺激が少ないアイテムが豊富なUVケアブランド。新登場の“ノンケミカル UV クリアミスト M”[SPF30・PA++](30mL、2475円)は顔に直接スプレーできるタイプの日焼け止めで、ブルーライトや花粉、PM2.5もブロックする。無鉱物油、酸化亜鉛フリー、石油系界面活性剤不使用、紫外線吸収剤不使用、ノンパラベン、ノンシリコン、ノンアルコールの無添加処方で、美容成分としてシカやヒアルロン酸、コラーゲン、アルブチンを配合。肌に触れずにUVケアと保湿をかなえる。

■商品詳細

“ノンケミカル UV クリアミスト M”[SPF30・PA++](30mL、2475円)

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形状記憶素材をショルダーバッグに応用? 軽量感とフィット感を生み出す兵庫県発の匠の技

「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界の実現」をビジョンに掲げるマクアケによる、“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」には、伝統技術を現代的なアイテムに活用したプロジェクトが数多い。この連載では、全国各地の匠の技に注目。実行者の思いとともに、匠の技をどう活用し、どう訴求しているのかを考える。目指すは、47都道府県の匠の技の探訪だ。第2回は、兵庫県を訪れた。


今回の技術は…

形状記憶素材のバッグへの応用

アートフィアーは2006年、日本有数のバッグの生産地、兵庫県豊岡市で創業しました。社名を冠したブランドを中心に、移動時の課題を解決するバッグを取り扱っています。そんな同社のアイコンは、フレームを生かしつつ、立体縫製の3Dデザインを実現した“ニューダレスバッグ”です。ビジネスパーソンを中心に支持を集め、09年の発表から10年で累計販売数は1万個を超えました。「マクアケ」でも複数のプロジェクトを実施しており、目標金額を7000%超えたこともあります。

同社が21年に立ち上げたシリーズ“レゾン”は、「ペットボトル並みの軽さ」をテーマに、ビジネスシーンに向けたバッグを打ち出しています。今回、ミニマムなサイズ感で軽量、高い収納力を誇るボディーバッグを新たに開発しました。

開発者の森下拓磨さんが「これまで使っていたバッグに体への負荷を感じた」ことが企画のきっかけになりました。森下開発者は「移動時の負担を軽くすれば、精神的なストレスも軽減する。仕事が楽しくなって、良いアイデアも浮かびやすくなるだろう」と続けます。

ボディーバッグはコンパクトで機動力がありますが、物をたくさん入れると肩を痛める危険性も。「肩の一点に負荷が掛かるため」(森下開発者)に生じる悩みは、特許を取得したショルダーベルト「ゼロジーフィット」で解決を図りました。

“ゼロジーフィット”の開発にあたり目を付けたのは、三井化学の形状記憶素材“ヒューモフィット”。人の体温によって形を変える素材です。同素材を芯材に取り入れることで、ボディーバッグのショルダー部分はユーザーの肩に合わせてフィットするように。通常はバッグに使用しない素材ですが、思い切った採用が功を奏しました。ショルダーバッグの根元に付いているアジャスターは、右掛け・左掛けを問わず、ボディーバッグを自動で最適な位置に設定。耐圧を分散させ、荷物の重さを軽減します。

森下開発者は「実際に通勤している人を観察した。彼らの動きからニーズを分析し、仕様やデザインに落とし込んだ」と語ります。通勤時に使用できるよう、ボディーバッグでありながら、11インチのiPad Proも収納可能なサイズ感を実現しました。

フィジカルとメンタルの負担を軽減する同商品は、アートフィアーのミッション「鞄創造により人生を豊かにする」を体現しています。現在は、手掛けてこなかった旅行用バッグを考案中。急な出張にも役立つ、一つあればどこへでも行けるようなバッグを開発したいそうです。

移動時の負担を軽減させる3つのポイント

1.体にフィットする
独自開発のショルダー

特許取得のオリジナルショルダーベルト“ゼロジーフィット”を開発。芯材には、三井化学の形状記憶素材“ヒューモフィット”を使用しました。体温によって中の素材が変化することで、フィット感を高め、荷重を分散させます。

2.余分なものは排除し
超軽量を実現

重さは約380g。強度を保ちながらも1枚で成形できる軽量なナイロン生地を使用しました。各芯材の使用量も微調整を重ね、最適な量を実現しています。

3.ミニマムなサイズ設計

従来のボディーバッグに抱きがちな「もっと収納できたらいいのに」という願いをかなえるサイズ感。11インチのiPad Proも収納できます。

兵庫発!
応援購入が高額なプロジェクト3選

“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」で大きな反響が寄せられた兵庫発のプロジェクトを3つ紹介する。

PICK UP 1 : 応援購入総額3207万円

バイパスドリップで雑味を抑えた美味しいコーヒーを
「アラジン」コーヒーブリュワー

暖房器具やトースターでおなじみの「アラジン」が、ブランド史上初めて開発したコーヒーメーカー。コーヒー本来のうまみを抽出し、雑味を抑える方式“バイパスドリップ”を採用。4つのテイストによって、トーストと至高のマリアージュを楽しめるこだわりの逸品。

PICK UP 2 : 応援購入総額1117万円

パッと布団から出られる!
温かく気持ちいい、究極のパジャマ“もちはだ”

防寒に特化した肌着やアウターなどを製造・販売するワシオの看板ブランド「もちはだ」から生まれたパジャマ。「冬の布団からパッと出られる」をコンセプトに掲げ、自社開発の鷲尾式特殊起毛で寒い朝の「布団から出たくない」を解決。圧倒的な温かさとストレッチ性が特徴。

PICK UP 3 : 応援購入総額1079万円

アシックス商事の技術をオフィスカジュアルに
本革「品格・快適」ビジネススニーカー

本革で快適・軽量なビジネスシューズを作ってきたアシックス商事の「テクシーリュクス」が、オフィスでも履ける本革仕様のスニーカーを開発。日本人の足形を考慮したオリジナル靴型や立体形成のインナーソールを使用し、デザインと歩きやすさを最適化した。

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3度目の上陸「バーバリー ビューティ」や「イニスフリー」×サンリオのキュートな限定品など 今週発売のビューティアイテム12選【2/24〜3/2】

ビューティアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は2月24〜3月2日に発売するアイテムを紹介します。今週のトピックは2017年に撤退していた「バーバリー ビューティ(BURBERRY BEAUTY)」3度目の上陸!待ち望んでいた人も多いのでは?再々上陸時のラインアップはプライマーやファンデーション、リップスティック、アイシャドウパレットなど全9アイテム。お気に入りを探してみて。ほか、サンリオキャラクターズコラボ第3弾として、マイメロディデザインのアイテムを発売する「イニスフリー(INNISFREE)」、オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が誕生した1929年の干支の巳(蛇)にインスピレーションを得た「ジバンシィ(GIVENCHY)」の“クチュール コレクション 2025”など春の限定アイテムも目白押しです。

【2月26日発売】
バーバリー ビューティ
(BURBERRY BEAUTY)

3度目の日本上陸は全9アイテムをラインアップ

「バーバリー ビューティ(BURBERRY BEAUTY)」が、3度目の日本上陸を果たす。同ブランドは、肌を守りながらメイクアップ効果を長時間持続し1日中快適な付け心地をかなえるアイテムが特徴。上陸に合わせ、プライマーやファンデーション、リップスティック、アイシャドウパレットなど全9アイテムを新発売する。

■商品詳細

“ビヨンド ラディアンス ルミナス プライマー”(全1色、30mL、7370円)
“ビヨンド ウェア パーフェクティング マット”(全12色、各30mL、各8250円)
“ビヨンド ウェア パーフェクティング マット クッション”(全6色、各14g、各8250円)
“アルティメット グロウ クッション”(全6色、各14g、各9900円)
“ビヨンド ウェア パーフェクティング コンシーラー”(全10色、各8mL、各5500円)
“ビヨンド ウェア セッティング & リファイニング パウダー”(全3色、各11g、各8250円)
“ブリット シャイン”(全14色、各5720円)
“アイ クアッド”(全4色、各8360円)
“ビヨンド ボリューム マスカラ”(全1色、8mL、5500円)

【2月28日発売】
エトヴォス
(ETVOS)

恒例のUVパウダー2種が登場

「エトヴォス(ETVOS)」は、きめ細やかな粉質のフェイスパウダー“ミネラルUVパウダー” [SPF50・PA++++]や、ひとはけで溶け込むようにフィットするプレストパウダー“ミネラルUVシームレスベール” [SPF50・PA++++]など、刺激や乾燥を感じやすい敏感肌でも使える機能的な日焼け止めアイテムを4品そろえる。

■商品詳細

“ミネラルUVパウダー” [SPF50・PA++++](全3色、各3630円)
“ミネラルUVシームレスベール” [SPF50・PA++++](全2色、各3740円)
“ミネラルUVアクアセラム”[SPF35・PA+++](全2色、各3740円)
“ミネラルUVアクアプロテクター” [SPF50+・PA++++](3960円)

【3月1日発売】
ザ パブリック オーガニック
(THE PUBLIC ORGANIC)

清涼感たっぷりな冷感ボディーケアシリーズ

「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」は、オーガニック処方と機能性を兼ね備えた冷感ボディーケアシリーズを数量限定で発売する。スペアミントとセイヨウハッカ、天然由来のメントールを掛け合わせ、植物由来でありながらしっかりとした清涼感をかなえた。

■商品詳細

“アイスコンフォート 精油ボディミスト”(90mL、1540円)
“アイスコンフォート 精油ボディローション”(180mL、1760円)
“アイスコンフォート 精油ボディスクラブ”(180g、1980円)

【3月1日発売】
ロジア バイ ハーリップトゥ
(ROSIER BY HER LIP TO))

初のフェムケア商品 天然精油のローズ香るオイル&ウォッシュ 

小嶋陽菜のランジェリーブランド「ロジア バイ ハーリップトゥ(ROSIER BY HER LIP TO)」は、ブランド初のフェムケア商品2品を発売する。アイテムはデリケートゾーンのための美容オイル“ヴェルサイユ フェムローズオイル”とソープ“ヴェルサイル フェムローズウォッシュ”で、デリケートゾーンに安心して使えるよう、天然来成分100%で仕上げた。

■商品詳細

“ヴェルサイユ フェムローズオイル”(30mL、4900円)
“ヴェルサイル フェムローズウォッシュ”(150mL、3300円)

【3月1日発売】
シセイドウ
(SHISEIDO)

人気美容液“アルティミューン”に5代目

「シセイドウ(SHISEIDO)」は、次世代美容液“アルティミューン パワライジング セラム”を発売する。過去4度のリニューアルを経て5代目となる本アイテムには、“発酵カメリアエキス”を新たに配合。五島列島産の椿のエキスが、みずみずしく潤いに満ちた肌をかなえる。

■商品詳細

“アルティミューン パワライジング セラム”(30mL、9900円/50mL、1万5180円)
レフィル(50mL、1万4630円)

【3月1日発売】
シスレー
(SISLEY)

スクラブ入り洗顔料がリニューアル

「シスレー(SISLEY)」は、色ムラのない明るい肌印象に導くスキンケアコレクション“フィトブラン”から、スクラブ入り洗顔料“フィトブラン バフアンドウォッシュ”をリニューアルし、角質ケア作用とブライトニングケア作用を兼ね備えた“フィトブラン バフ アンド ウォッシュ N”を発売する。

■商品詳細

“フィトブラン バフ アンド ウォッシュ N”(100mL、2万2000円)

【3月1日発売】
アナ スイ コスメティックス
(ANNA SUI COSMETICS)

アイブロウアイテム2品

「アナ スイ コスメティックス(ANNA SUI COSMETICS)」は、豊富なカラーバリエーションが魅力の“アイブロウマスカラ”と付け替え式の超細芯の“アイブロウペンシル”を発売する。

■商品詳細

“アイブロウマスカラ”(各3300円)
“アイブロウペンシル”(各セット価格3300円)

【3月1日発売】
ディエム クルール
(DIEM COULEUR)

初のクッションファンデ

ポーラのベースメイクブランド「ディエム クルール(DIEM COULEUR)」は、4色で透明感と艶感を演出するクッションファンデーション“カラートリックマルチクッションファンデーション”を発売する。色ムラを自然にカバーし、時間がたってもくずれにくいのが特徴。チークやハイライトとしても使用ができる。

■商品詳細

“カラートリックマルチクッションファンデーション”(2色、各7370円/リフィル6050円)

【3月1日発売】
ラネージュ
(LANEIGE)

目元用スリーピングマスク

「ラネージュ(LANEIGE)」は、目元用“バウンシーアイスリーピングマスク”を発売する。ひんやりとしたテクスチャーで肌を包み込み、ピオニー&コラーゲンコンプレックスとペプチドが、目元にふっくらとしたハリと潤いを与える。

■商品詳細

“バウンシーアイスリーピングマスク”(20g、3740円)

【3月1日発売】
ラカ
(LAKA)

“フルーティーグラムティント”がミニサイズに 

韓国のコスメブランド「ラカ(LAKA)」は、ブランドを代表する人気のリップティント“フルーティーグラムティント”のミニサイズを発売する。唇に塗布しやすいチップの形状は変えず、コンパクト化。カラーは、既存23色にミニコレクション限定の新7色を加えた全30色で登場する。

■商品詳細

“フルーティーグラムティント ミニ”(全30色、各990円)

【3月1日発売】
ジバンシィ
(GIVENCHY)

オードリー・ヘプバーンの干支に着想したコレクション

「ジバンシィ(GIVENCHY)」は、“クチュール コレクション 2025”を数量限定で発売する。ユベール・ド・ジバンシィ(Hubert De Givenchy)のミューズであったオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が誕生した1929年の干支の巳(蛇)を着想源に、定番品を蛇の神秘的な美しさを落とし込んだクチュール仕立ての限定パッケージで展開する。

■商品詳細

“プリズム・リーブル”(9020円)
“プリズム・リーブル・スキンケアリング・グロウ・クッション”[SPF45・PA+++](1万120円)
“ルージュ・アンテルディ・シルキー“(6050円)

【3月1日発売】
イニスフリー
(INNISFREE)

「イニスフリー」×サンリオ第3弾

「イニスフリー(INNISFREE)」は、サンリオキャラクターズコラボ第3弾としてパッケージにマイメロディを起用した限定アイテムを発売する。チェジュ島の自社農園で栽培した美容茶葉やヒアルロン酸をキー成分にした導入美容液“グリーンティーシード ヒアルロン セラム”など全3アイテムをラインアップする。

■商品詳細

“グリーンティーシード ヒアルロン セラム”(80mL、3410円)
“グリーンティーシード ヒアルロン クリーム”(50mL、3210円)
“マイ レチノール シカ リペア セラム セット”(3960円)

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マンガで学ぶ「在庫管理の魔術」 第7話:在庫減で向上した「投資収益率」が会社に莫大な効果をもたらす

中堅アパレルのチェーンストア「ハンナズ」は、過剰在庫が原因で経営危機に瀕している。社長の安堂平磨は、娘でバイヤーの安堂あい、あいの夫で渋谷店店長の安堂徹に再生を期待するが、2人は「売れ残るリスクを抱えながら在庫を持つべきか?」それとも「売り上げが落ちるリスクを抱えながら在庫を減らすべきか?」で迷い続ける。

南関東倉庫の「バラ在庫」が尽きかけると、徹は足りない在庫を他の店舗から集める「クロスシッピング」を提案。先輩の加地の協力を取り付けた。一方、ハンナズの小泉経理部長は、渋谷店の在庫が大幅に減ったことで「投資収益率」が向上したことを徹に報告。自宅に帰った徹は、妻のあいと「投資収益率」の向上が会社にもたらす莫大な効果を考える。

登場人物紹介

第七話

このマンガは、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)も経営陣で読んだとされるTOC(制約理論)の原点にして最高の入門書「ザ・ゴール」を原案としています。「ザ・ゴール」を中心としたマネジメント理論に関する書籍は、ダイヤモンド社が販売中です。

ORIGINAL WORKS:ELIYAHU GOLDRATT、JEF COX
SUPERVISION:YUJI KISHIRA
SCRIPT:TAKEO AOKI
COMICS:YAMA AOTA

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マンガで学ぶ「在庫管理の魔術」 第7話:在庫減で向上した「投資収益率」が会社に莫大な効果をもたらす

中堅アパレルのチェーンストア「ハンナズ」は、過剰在庫が原因で経営危機に瀕している。社長の安堂平磨は、娘でバイヤーの安堂あい、あいの夫で渋谷店店長の安堂徹に再生を期待するが、2人は「売れ残るリスクを抱えながら在庫を持つべきか?」それとも「売り上げが落ちるリスクを抱えながら在庫を減らすべきか?」で迷い続ける。

南関東倉庫の「バラ在庫」が尽きかけると、徹は足りない在庫を他の店舗から集める「クロスシッピング」を提案。先輩の加地の協力を取り付けた。一方、ハンナズの小泉経理部長は、渋谷店の在庫が大幅に減ったことで「投資収益率」が向上したことを徹に報告。自宅に帰った徹は、妻のあいと「投資収益率」の向上が会社にもたらす莫大な効果を考える。

登場人物紹介

第七話

このマンガは、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)も経営陣で読んだとされるTOC(制約理論)の原点にして最高の入門書「ザ・ゴール」を原案としています。「ザ・ゴール」を中心としたマネジメント理論に関する書籍は、ダイヤモンド社が販売中です。

ORIGINAL WORKS:ELIYAHU GOLDRATT、JEF COX
SUPERVISION:YUJI KISHIRA
SCRIPT:TAKEO AOKI
COMICS:YAMA AOTA

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「ユニクロ:シー」の最新コレクションや「ジンズ」×高木琢也の印象別“メガネ×ヘア”など! 来週発売のファッションアイテム7選【2/24〜3/2】

ファッションアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は2月24〜3月2日に発売するアイテムを紹介します。「ユニクロ(UNIQLO)」とデザイナーのクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)による「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」は、2月28日に2025年春夏コレクションを発売します。今回はナイロン生地を採用したプルオーバーシャツやショーツ、ベストなどスポーティーな印象です。
一方、「ジンズ(JINS)」は、美容室のオーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)の代表を務める、美容師の高木琢也が監修したアイウエアを26日に発売します。同じ顔でもメガネとヘアスタイルの組み合わせでこれだけ印象が変わるのか!と一目瞭然です。

【2月26日発売】
カシラ
(CA4LA)

「ウィキッド ふたりの魔女」コラボ
映画公開を記念した帽子7型

「カシラ(CA4LA)」は、映画「ウィキッド ふたりの魔女」の公開を記念し、同作とのコラボアイテムを発売する。主人公の“エルファバ”と“グリンダ”をイメージした帽子7型をラインアップする。

■商品詳細

バケットハット(1万2100円)
ベレー帽(9900円)
ニット帽(7700円)
キャップ(1万1000円〜)

【2月26日発売】
クロックス
(CROCS)

「ドラゴンボールZ」コラボ
サンダルとチャームをラインアップ

「クロックス(CROCS)」は、テレビアニメ「ドラゴンボールZ」とコラボしたサンダルとチャームを発売する。“悟空”や“ベジータ”などキャラクターに着想を得て、全体に大胆なデザインを施した。

■商品詳細

コラボサンダル“ドラゴンボールZ クラシック クロッグ”(20cm〜31cm/9900円、キッズ18cm〜24cm/6050円)
コラボサンダル“ドラゴンボールZ エコークロッグ”(20cm〜35cm/1万4850円)
チャームセット(2420円)
チャーム(715円)

【2月26日発売】
ジンズ
(JINS)

美容師の高木琢也とコラボ
“メガネ×ヘア”で印象別スタイル

「ジンズ(JINS)」は、美容室のオーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)の代表を務める、美容師の高木琢也が監修したアイウエアを発売する。“甘め”“色っぽ”“爽やか”“ワイルド”の4テーマを設け、高木が髪型とのバランスを緻密に計算、4型8種をラインアップする。メガネケースとメガネ拭きが付属。

■商品詳細

コラボアイウエア(1万4900円、標準クリアレンズ代込み)

【2月27日発売】
ナイキ
(NIKE)

“ボメロ”シリーズ最新作
史上最も多いクッショニング

「ナイキ(NIKE)」は、スニーカー“ナイキ ボメロ 18”を発売する。シリーズ史上最も多くのクッショニングと最も厚いソールを搭載、最上の履き心地を目指した。アッパーには伸縮性と通気性を兼ね備えたエンジニアードメッシュを採用している。

■商品詳細

スニーカー(1万6500円)

【2月28日発売】
ニューバランス
(NEW BALANCE)

ジョー・フレッシュグッズと
コラボスニーカー再び

「ニューバランス(NEW BALANCE)」は、クリエイティブディレクター、ジョー・フレッシュグッズ(Joe Freshgoods)とのコラボスニーカーを発売する。柔らかなピンクカラーにエイジド加工を施し、日光で自然に色褪せたようなデザインに仕上げた。アッパーには5つの異なるシェードを組み合わせグラデーションを描く。

■商品詳細

コラボスニーカー(4万6200円)

【2月28日発売】
ユニクロ
(UNIQLO)

「ユニクロ:シー」から
2025年春夏コレクション

「ユニクロ(UNIQLO)」とデザイナーのクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)による「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」は、2025年春夏コレクションを発売する。軽く涼やかなナイロン生地を活かしたスポーティーな雰囲気と、鮮やかなオレンジをはじめとしたコントラストに富んだカラーリングを特徴とし、ウエアやバッグサンダルなどを販売する。

■商品詳細

アウター/ウィメンズ(3990円〜)
シャツ/ウィメンズ(2990円)
ニット/ウィメンズ(2990円〜)
パンツ/メンズ(2990円〜)
カットソー/メンズ(3990円)
※一部商品

【3月1日発売】
TOKYO BASE

新店オープン記念
別注アイテム多数

TOKYO BASEは3月1日、ステュディオス トウキョウ(STUDIOUS TOKYO)と、グッド エディション(GOOD EDITION)の2店を原宿・表参道にオープンする。これに伴い、ステュディオス トウキョウと「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」の別注ウエアや、グッド エディションと「エークラフト(ACRAFT)」の別注だるま、イラストレーターのSHOGO SEKINEに依頼したグッズ、別注カラーの「ヒューマンロボット(HUMAN ROBOT)」オリジナルキャラクター“PAN DEAD”などを販売する。

■商品詳細

別注ウエア/「ホワイトマウンテニアリング」(4万7300円〜)
別注だるま/「エークラフト(ACRAFT)」(16万5000円)
別注バッグ/SHOGO SEKINE(4400円)
別注タンブラー/SHOGO SEKINE(4400円)
別注フィギュア“PAN DEAD”/「ヒューマンロボット」(6480円)
※一部商品

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「ユニクロ:シー」の最新コレクションや「ジンズ」×高木琢也の印象別“メガネ×ヘア”など! 来週発売のファッションアイテム7選【2/24〜3/2】

ファッションアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は2月24〜3月2日に発売するアイテムを紹介します。「ユニクロ(UNIQLO)」とデザイナーのクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)による「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」は、2月28日に2025年春夏コレクションを発売します。今回はナイロン生地を採用したプルオーバーシャツやショーツ、ベストなどスポーティーな印象です。
一方、「ジンズ(JINS)」は、美容室のオーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)の代表を務める、美容師の高木琢也が監修したアイウエアを26日に発売します。同じ顔でもメガネとヘアスタイルの組み合わせでこれだけ印象が変わるのか!と一目瞭然です。

【2月26日発売】
カシラ
(CA4LA)

「ウィキッド ふたりの魔女」コラボ
映画公開を記念した帽子7型

「カシラ(CA4LA)」は、映画「ウィキッド ふたりの魔女」の公開を記念し、同作とのコラボアイテムを発売する。主人公の“エルファバ”と“グリンダ”をイメージした帽子7型をラインアップする。

■商品詳細

バケットハット(1万2100円)
ベレー帽(9900円)
ニット帽(7700円)
キャップ(1万1000円〜)

【2月26日発売】
クロックス
(CROCS)

「ドラゴンボールZ」コラボ
サンダルとチャームをラインアップ

「クロックス(CROCS)」は、テレビアニメ「ドラゴンボールZ」とコラボしたサンダルとチャームを発売する。“悟空”や“ベジータ”などキャラクターに着想を得て、全体に大胆なデザインを施した。

■商品詳細

コラボサンダル“ドラゴンボールZ クラシック クロッグ”(20cm〜31cm/9900円、キッズ18cm〜24cm/6050円)
コラボサンダル“ドラゴンボールZ エコークロッグ”(20cm〜35cm/1万4850円)
チャームセット(2420円)
チャーム(715円)

【2月26日発売】
ジンズ
(JINS)

美容師の高木琢也とコラボ
“メガネ×ヘア”で印象別スタイル

「ジンズ(JINS)」は、美容室のオーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)の代表を務める、美容師の高木琢也が監修したアイウエアを発売する。“甘め”“色っぽ”“爽やか”“ワイルド”の4テーマを設け、高木が髪型とのバランスを緻密に計算、4型8種をラインアップする。メガネケースとメガネ拭きが付属。

■商品詳細

コラボアイウエア(1万4900円、標準クリアレンズ代込み)

【2月27日発売】
ナイキ
(NIKE)

“ボメロ”シリーズ最新作
史上最も多いクッショニング

「ナイキ(NIKE)」は、スニーカー“ナイキ ボメロ 18”を発売する。シリーズ史上最も多くのクッショニングと最も厚いソールを搭載、最上の履き心地を目指した。アッパーには伸縮性と通気性を兼ね備えたエンジニアードメッシュを採用している。

■商品詳細

スニーカー(1万6500円)

【2月28日発売】
ニューバランス
(NEW BALANCE)

ジョー・フレッシュグッズと
コラボスニーカー再び

「ニューバランス(NEW BALANCE)」は、クリエイティブディレクター、ジョー・フレッシュグッズ(Joe Freshgoods)とのコラボスニーカーを発売する。柔らかなピンクカラーにエイジド加工を施し、日光で自然に色褪せたようなデザインに仕上げた。アッパーには5つの異なるシェードを組み合わせグラデーションを描く。

■商品詳細

コラボスニーカー(4万6200円)

【2月28日発売】
ユニクロ
(UNIQLO)

「ユニクロ:シー」から
2025年春夏コレクション

「ユニクロ(UNIQLO)」とデザイナーのクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)による「ユニクロ:シー(UNIQLO:C)」は、2025年春夏コレクションを発売する。軽く涼やかなナイロン生地を活かしたスポーティーな雰囲気と、鮮やかなオレンジをはじめとしたコントラストに富んだカラーリングを特徴とし、ウエアやバッグサンダルなどを販売する。

■商品詳細

アウター/ウィメンズ(3990円〜)
シャツ/ウィメンズ(2990円)
ニット/ウィメンズ(2990円〜)
パンツ/メンズ(2990円〜)
カットソー/メンズ(3990円)
※一部商品

【3月1日発売】
TOKYO BASE

新店オープン記念
別注アイテム多数

TOKYO BASEは3月1日、ステュディオス トウキョウ(STUDIOUS TOKYO)と、グッド エディション(GOOD EDITION)の2店を原宿・表参道にオープンする。これに伴い、ステュディオス トウキョウと「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」の別注ウエアや、グッド エディションと「エークラフト(ACRAFT)」の別注だるま、イラストレーターのSHOGO SEKINEに依頼したグッズ、別注カラーの「ヒューマンロボット(HUMAN ROBOT)」オリジナルキャラクター“PAN DEAD”などを販売する。

■商品詳細

別注ウエア/「ホワイトマウンテニアリング」(4万7300円〜)
別注だるま/「エークラフト(ACRAFT)」(16万5000円)
別注バッグ/SHOGO SEKINE(4400円)
別注タンブラー/SHOGO SEKINE(4400円)
別注フィギュア“PAN DEAD”/「ヒューマンロボット」(6480円)
※一部商品

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地方セレクトはめちゃくちゃ面白い!

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月17日号からの抜粋です)

利川:昨年に引き続き、2回目となった地方セレクト特集です。私は石川県小松市の「フェートン(PHAETON)」に行ってきました。「セールを行わずプロパーで売り切る誠実な店」ということで取材しましたが、オーナーは空間の10%にしか商品を並べないように徹底していて、“無”に近い状態を維持することでパワーを最大化するそうです。“気”をよくするためのルールであり、「服だけでなく空気を含めて売っている」と語っていたのが印象的でした。隣接する会員制紅茶専門店「ティートン」の屋上に縄文時代の巨大な溶岩や伊勢神宮の石が置いてあるなど、驚きの連続。でも、取材後はなんだか心がすがすがしくなり、多くの人が通いたくなる気持ちが分かりました。

横山:僕は沖縄で6軒回ったのですが、オーナーだけでなく、販売員も個が立っていました。沖縄に7店を構える「ワンダーキューブ(WONDERCUBE)」の、那覇から車で30分ほどの距離にある浦添市の「パルコシティ」2階の店舗を取材しましたが、店長は副業でDJをしていて、西麻布でDJをして、朝飛行機で那覇空港に着いて、店に直行するような生活をしているんです。そして、「ジル サンダー(JIL SANDER)」や「リック・オウエンス(RICK OWENS)」を販売しているのですが、郊外型SCなので、明らかに客層と合っていないんです。でも、売れている。そもそも「客層」なんて考えていなくて、売りたいから売る。SNSで発信して集客できるようになったのは大きいですね。

利川:「フェートン」も、インスタグラムのストーリーズで不定期にアップする会員募集の投稿を見た人だけが紅茶店「ティートン」の会員になれるなど、コミュニケーションツールとして大事にしているようでした。「それくらいウチの情報にアンテナを張ってくれる人と “両思い”になりたい」と話していたのが面白かったです。

長い夏対策を考えるなら沖縄で!

横山:ビジネスのヒントもたくさんありました。沖縄は年中暖かいから、高くてもいいTシャツやカットソーが売れるんです。良いものは早くから売れるそうです。長い夏対策を考えるのにいいと思いました。アパレルのMDは沖縄に行くのがオススメです!

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随時更新:2025年卒コレ(卒業コレクション)一覧

「WWDJAPAN」は、ファッションやビューティを未来に受け継ぐ学生の皆さまを応援する媒体です。今年も、学生生活の集大成である、各学校および学生団体の卒業コレクションを紹介します。

各学校の卒業コレクション日程

【愛知文化服装専門学校】
創立88周年記念ファッションショー

団体名:愛知文化服装専門学校
イベント名:創立88周年記念ファッションショー
日程:2024年10月19日
場所:デザインホール(ナディアパーク)
住所:愛知県名古屋市中区栄三丁目18-1
>公式サイト
>創立88周年記念ファッションショーについて

▼全ルックはこちら
【2025年卒コレ】愛知文化服装専門学校 ※無料で見れる


【早稲田大学繊維研究会】
Seni 2024 Fashion Show『透き間、仄めき』(すきま、ほのめき)

団体名:早稲田大学繊維研究会
イベント名:Seni 2024 Fashion Show『透き間、仄めき』(すきま、ほのめき)
日程:2024年12月22日
場所:代官山ヒルサイドプラザ
住所:東京都渋谷区猿楽町29ヒルサイドテラス
>公式サイト
>Seni 2024 Fashion Show『透き間、仄めき』(すきま、ほのめき)について

▼全ルックはこちら
【2025年卒コレ】早稲田大学繊維研究会 ※無料で見れる


【上田安子服飾専門学校】
第154回上田学園コレクション2025

団体名:上田安子服飾専門学校
イベント名:第154回上田学園コレクション2025
日程:2025年1月18日
場所:グランフロント大阪コングレコンベンションセンター
住所:大阪府大阪市北区大深町3−1
>公式サイト
>第154回上田学園コレクション2025について

▼全ルックはこちら
【2025年卒コレ】上田安子服飾専門学校 ※無料で見れる


【文化ファッション大学院大学】
第17回文化ファッション大学院大学ファッションウィーク(BFGU FW)

団体名:文化ファッション大学院大学
イベント名:第17回文化ファッション大学院大学ファッションウィーク(BFGU FW)
日程:2025年1月28日
場所:学校法人文化学園 遠藤記念館大ホール(F館)
住所:東京都渋谷区代々木3-22-1
>公式サイト
>第17回文化ファッション大学院大学ファッションウィーク(BFGU FW)について

▼全ルックはこちら
【2025年卒コレ】文化ファッション大学院大学 ※無料で見れる


【目白ファッション&アートカレッジ】
Annual College Fashion Show 2025

団体名:目白ファッション&アートカレッジ
イベント名:Annual College Fashion Show 2025
日程:2025年2月1日
場所:スパイラルホール(東京・青山/スパイラル3F)
住所:東京都港区南青山5-6-23
>公式サイト
>カレッジファッションショー開催について


【マロニエファッションデザイン専門学校】
マロニエファッショングランプリ2025

団体名:マロニエファッションデザイン専門学校
イベント名:マロニエファッショングランプリ2025
日程:2025年2月1日
場所:シーサイドスタジオ CASO
住所:大阪市港区海岸通 2-7-23
>公式サイト
>卒業進級制作展特別サイト


【専門学校 金沢文化服装学院】
BUNKA FASHION RENAISSANCE 2025

団体名:専門学校 金沢文化服装学院
イベント名:BUNKA FASHION RENAISSANCE 2025
日程:2025年2月8日
場所:REDSUN
住所:石川県金沢市片町1丁目3-9
>公式サイト
>BUNKA FASHION RENAISSANCE 2025について


【杉野服飾大学】
卒業制作発表会(2024年度)

団体名:杉野服飾大学
イベント名:卒業制作発表会(2024年度)
日程:2025年2月8日
場所:学校法人杉野学園 SUGINOホール
住所:東京都品川区上大崎4-6-19
>公式サイト
>卒業制作発表会(2024年度)について


【宮島学園 北海道ファッション専門学校】
宮島学園コレクション2025「フュージアム」

団体名:宮島学園 北海道ファッション専門学校
イベント名:宮島学園コレクション2025「フュージアム」
日程:2025年2月8日
場所:サッポロファクトリーホール
住所:札幌市中央区北2条東3丁目
>公式サイト

▼全ルックはこちら
【2025年卒コレ】宮島学園北海道ファッション専門学校 ※無料で見れる


【学校法人虫明学園 専門学校岡山ファッションスクール】
O.F.Sファッションショー2025

団体名:学校法人虫明学園 専門学校岡山ファッションスクール
イベント名:O.F.Sファッションショー2025
日程:2025年2月9日
場所:KURUNホール
住所:岡山県岡山市北区下石井2-10-12
>公式サイト
>O.F.S.学園祭ファッションショーについて


【杉野学園 ドレスメーカー学院】
ドレメセレクション2025

団体名:杉野学園 ドレスメーカー学院
イベント名:ドレメセレクション2025
日程:2025年2月15日
場所:学校法人杉野学園 SUGINOホール
住所:東京都品川区上大崎4-6-19
>公式サイト
>ドレメセレクション2025


【昭和女子大学】
Graduate Showcase 2024 “EVER AS YOU ARE”

団体名:昭和女子大学
イベント名:Graduate Showcase 2024 “EVER AS YOU ARE”
日程:2025年2月15-17日
場所:+8 Gallery & Studio
住所:東京都港区南青山4-26-7 +8ビル1F
>公式サイト
>Graduate Showcase 2024 “EVER AS YOU ARE”について


【宮城文化服装専門学校】
卒業作品FashionShow

団体名:宮城文化服装専門学校
イベント名:卒業作品FashionShow
日程:2025年2月22日
場所:宮城文化服装専門学校
住所:宮城県仙台市青葉区中央3-4-8
>公式サイト
>宮城文化服装専門学校卒業作品FashionShowについて


【専門学校青山ファッションカレッジ】
2024-25 COLLECTION 卒業・修了制作展

団体名:専門学校青山ファッションカレッジ
イベント名:2024-25 COLLECTION 卒業・修了制作展
日程:2025年2月22日
場所:青山スパイラルホール
住所:東京都港区南青山5-6-23-3F
>公式サイト


【ESMOD TOKYO】
ESMOD TOKYO 40TH FASHION SHOW

団体名:ESMOD TOKYO
イベント名:ESMOD TOKYO 40TH FASHION SHOW
日程:2025年3月23日
場所:TODA HALL & CONFERENCE HALL A
住所:東京都中央区京橋1丁目7−1 TODA BUILDING 4階
>公式サイト
>ESMOD TOKYO 40TH FASHION SHOWについて

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随時更新:2025年卒コレ(卒業コレクション)一覧

「WWDJAPAN」は、ファッションやビューティを未来に受け継ぐ学生の皆さまを応援する媒体です。今年も、学生生活の集大成である、各学校および学生団体の卒業コレクションを紹介します。

各学校の卒業コレクション日程

【愛知文化服装専門学校】
創立88周年記念ファッションショー

団体名:愛知文化服装専門学校
イベント名:創立88周年記念ファッションショー
日程:2024年10月19日
場所:デザインホール(ナディアパーク)
住所:愛知県名古屋市中区栄三丁目18-1
>公式サイト
>創立88周年記念ファッションショーについて

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【2025年卒コレ】愛知文化服装専門学校 ※無料で見れる


【早稲田大学繊維研究会】
Seni 2024 Fashion Show『透き間、仄めき』(すきま、ほのめき)

団体名:早稲田大学繊維研究会
イベント名:Seni 2024 Fashion Show『透き間、仄めき』(すきま、ほのめき)
日程:2024年12月22日
場所:代官山ヒルサイドプラザ
住所:東京都渋谷区猿楽町29ヒルサイドテラス
>公式サイト
>Seni 2024 Fashion Show『透き間、仄めき』(すきま、ほのめき)について

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【2025年卒コレ】早稲田大学繊維研究会 ※無料で見れる


【上田安子服飾専門学校】
第154回上田学園コレクション2025

団体名:上田安子服飾専門学校
イベント名:第154回上田学園コレクション2025
日程:2025年1月18日
場所:グランフロント大阪コングレコンベンションセンター
住所:大阪府大阪市北区大深町3−1
>公式サイト
>第154回上田学園コレクション2025について

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【2025年卒コレ】上田安子服飾専門学校 ※無料で見れる


【文化ファッション大学院大学】
第17回文化ファッション大学院大学ファッションウィーク(BFGU FW)

団体名:文化ファッション大学院大学
イベント名:第17回文化ファッション大学院大学ファッションウィーク(BFGU FW)
日程:2025年1月28日
場所:学校法人文化学園 遠藤記念館大ホール(F館)
住所:東京都渋谷区代々木3-22-1
>公式サイト
>第17回文化ファッション大学院大学ファッションウィーク(BFGU FW)について

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【2025年卒コレ】文化ファッション大学院大学 ※無料で見れる


【目白ファッション&アートカレッジ】
Annual College Fashion Show 2025

団体名:目白ファッション&アートカレッジ
イベント名:Annual College Fashion Show 2025
日程:2025年2月1日
場所:スパイラルホール(東京・青山/スパイラル3F)
住所:東京都港区南青山5-6-23
>公式サイト
>カレッジファッションショー開催について


【マロニエファッションデザイン専門学校】
マロニエファッショングランプリ2025

団体名:マロニエファッションデザイン専門学校
イベント名:マロニエファッショングランプリ2025
日程:2025年2月1日
場所:シーサイドスタジオ CASO
住所:大阪市港区海岸通 2-7-23
>公式サイト
>卒業進級制作展特別サイト


【専門学校 金沢文化服装学院】
BUNKA FASHION RENAISSANCE 2025

団体名:専門学校 金沢文化服装学院
イベント名:BUNKA FASHION RENAISSANCE 2025
日程:2025年2月8日
場所:REDSUN
住所:石川県金沢市片町1丁目3-9
>公式サイト
>BUNKA FASHION RENAISSANCE 2025について


【杉野服飾大学】
卒業制作発表会(2024年度)

団体名:杉野服飾大学
イベント名:卒業制作発表会(2024年度)
日程:2025年2月8日
場所:学校法人杉野学園 SUGINOホール
住所:東京都品川区上大崎4-6-19
>公式サイト
>卒業制作発表会(2024年度)について


【宮島学園 北海道ファッション専門学校】
宮島学園コレクション2025「フュージアム」

団体名:宮島学園 北海道ファッション専門学校
イベント名:宮島学園コレクション2025「フュージアム」
日程:2025年2月8日
場所:サッポロファクトリーホール
住所:札幌市中央区北2条東3丁目
>公式サイト

▼全ルックはこちら
【2025年卒コレ】宮島学園北海道ファッション専門学校 ※無料で見れる


【学校法人虫明学園 専門学校岡山ファッションスクール】
O.F.Sファッションショー2025

団体名:学校法人虫明学園 専門学校岡山ファッションスクール
イベント名:O.F.Sファッションショー2025
日程:2025年2月9日
場所:KURUNホール
住所:岡山県岡山市北区下石井2-10-12
>公式サイト
>O.F.S.学園祭ファッションショーについて


【杉野学園 ドレスメーカー学院】
ドレメセレクション2025

団体名:杉野学園 ドレスメーカー学院
イベント名:ドレメセレクション2025
日程:2025年2月15日
場所:学校法人杉野学園 SUGINOホール
住所:東京都品川区上大崎4-6-19
>公式サイト
>ドレメセレクション2025


【昭和女子大学】
Graduate Showcase 2024 “EVER AS YOU ARE”

団体名:昭和女子大学
イベント名:Graduate Showcase 2024 “EVER AS YOU ARE”
日程:2025年2月15-17日
場所:+8 Gallery & Studio
住所:東京都港区南青山4-26-7 +8ビル1F
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>Graduate Showcase 2024 “EVER AS YOU ARE”について


【宮城文化服装専門学校】
卒業作品FashionShow

団体名:宮城文化服装専門学校
イベント名:卒業作品FashionShow
日程:2025年2月22日
場所:宮城文化服装専門学校
住所:宮城県仙台市青葉区中央3-4-8
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>宮城文化服装専門学校卒業作品FashionShowについて


【専門学校青山ファッションカレッジ】
2024-25 COLLECTION 卒業・修了制作展

団体名:専門学校青山ファッションカレッジ
イベント名:2024-25 COLLECTION 卒業・修了制作展
日程:2025年2月22日
場所:青山スパイラルホール
住所:東京都港区南青山5-6-23-3F
>公式サイト


【ESMOD TOKYO】
ESMOD TOKYO 40TH FASHION SHOW

団体名:ESMOD TOKYO
イベント名:ESMOD TOKYO 40TH FASHION SHOW
日程:2025年3月23日
場所:TODA HALL & CONFERENCE HALL A
住所:東京都中央区京橋1丁目7−1 TODA BUILDING 4階
>公式サイト
>ESMOD TOKYO 40TH FASHION SHOWについて

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バスキアの思い出と巡る回想録 写真家のニコラス・テイラーによる連載 第1回「2人の出会い」編

ジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の友人であり、共にグレイ(Gray)のバンドメンバーとして活動したギタリストで、DJ ハイ・プリースト(High Priest)ことアーティストのニコラス・テイラー(Nicholas Taylor)。ニコラスによる新作ミクストメディア展「AREALISM」が、2月21〜3月9日に東京・大岡山のアートギャラリー「ロウ(LOWW)」で開催する。

当時のニューヨークの音楽シーンに多大な影響を与えたバンド「グレイ」は、現在もオリジナルメンバーのマイケル・ホルマン(Michael Holman)とニコラスで活動を続けている。さらにニコラスはヴィンセント・ギャロとのバンド、ジェネレイション(The Generation)のプロデュースといった音楽活動に加えて、バスキアの鮮烈な瞬間を収めたフォトグラファーとしても活動してきた。“夭折の天才画家“というイメージが強いバスキアの原点である1970年代のニューヨークのシーンを撮り下ろしたニコラスの写真は、彼とのフォトセッションを中心に世界中の美術館で紹介されてきたが、同展は新作として取り組んでいるミクスト・メディアシリーズで国内初の展示となる。

同展にさきがけ、ニコラスがバスキアとの思い出を振り返る連載がスタート。カルチャーが激動する1970年代後半のニューヨークでは何が起きていたのか。第1回は、ニューヨークへ拠点を移した1978年、2人の出会いから回想してもらった。

PROFILE: ニコラス・テイラー

ニコラス・テイラー
PROFILE: 1953年、イリノイ州ベルヴィル生まれ。77年にニューヨークに移住。79年1月、友人のジャン=ミシェル・バスキアと初期のヘッドショット・シリーズを撮影。同年、バスキアのバンド「グレイ」にギターとして参加。「グレイ」はラウンジ・リザーズやDNAといったバンドの前座を務めた。82年、バスキアはニューヨークのスクワット・シアターのコラボレーションで、ニコラスをDJ ハイ・プリーストと名付けた。また、82年には「テープ・ループ・DJ」として、イースト・ヴィレッジのクラブ・ネグリルで開催されたマイケル・ホルマンのウィークリー・ヒップホップ・イベントで、アフリカ・バンバッタ、クール・ハーク、ジャジー・Jとともにオープニングを飾った。83年ソーホーの「ザ・キッチン」で、マックス・ローチをドラムに迎えたバンド「エステート・フレッシュ」のDJとして、ファブ・ファイブのフレディに抜擢。「Sounds of...」を共同プロデュースした。2010年にマイケル・ホルマンとのレーベル「Plush Safe Records」から「グレイ」のファーストLPをリリースした。

マッドクラブでのバスキアとの夜

自分にとって1970年代のニューヨークのダウンタウンは、アーティストやミュージシャンが逃げ込むような場所だった。それに比べると、他のエリアはクリエイティブなエネルギーに欠けているように思えた。当時のアメリカ政府は財政危機だったしね。10代の僕はそんなアメリカに幻滅していた若者で、ニューヨークの暗いフィルム・ノワールのようなドラッグにまみれたストリートに美しさを感じていた。テレビでニューヨークのドキュメンタリーを見たことがあったけど、写真家として、アーティストとして、自分の目で確かめなければならなかったんだ。

そして、1977年にセントルイスから引っ越してきたんだけど、大家が物件を手放したタイミングで幸運にもアパートに引っ越すことができた。家賃はタダだし、望み通りの場所だった。それからダウンタウンのパンクのクラブに通い始めた。CBGBとかMax’s Kansas City、Tier 3……何よりもマッドクラブだ。一番のお気に入りだった。毎晩、新しい友人と出会ったし、ベルベットの入口の奥のフロアにすぐに連れていかれたよ。サウンドシステムはとても素晴らしくて、ニューウェーブやソウルも鮮明だったな。低音はレゲエにぴったりだった。床はフローリングで踊るときに足を滑らせやすかったから、みんなでツイストのバージョンを踊った。

ある夜、僕はマッド・クラブで通りすがりの若い男と一緒に踊り始めた。騒々しくて楽しかった思い出がある。お互い自己紹介をすると、彼は「ジャン=ミシェル・バスキアだ」と言った。グラフィティ・ライターのSAMOだともね。彼のグラフィティはストリートで見たことがあったし大好きだったので本当に驚いた。それまでのグラフィティよりもっと知的でコミカルで、風刺の効いた政治的な作品だった。

バスキアのエキセントリックなポートレイト

1978年から79年頃、ジャンはまだ有名ではなかったが、カリスマ的なオーラがあってすぐに引き込まれた。僕たちは踊ったり、バーのカウンターから互いにビールを盗んだりして絆を深めていった。

ある夜、彼が「アパートがないから家に泊めてもらえないか」と頼んできた。僕はイエスと答えた。マッドクラブが午前4時に閉まった後、僕たちは角を曲がったところにある「デイブズ・ランチョネット」に行った。1950年代風のダイナーはマッド・クラブのメンバーでいっぱいだった。朝食の1ドルスペシャルは、卵が2個でフレンチフライかホームフライ、トーストにコーヒーだった。とんでもなく得なセットだよ!それから、マッドクラブに出かけた後はいつも「デイブ」に行くことになった。ちなみに、その日の朝に地下鉄に乗ってアパートに向かっている時、ジャンが僕のために車内外のいたるところにある、ヤバいタグを解読してくれたことは忘れられない思い出だ。

僕とジャンはアパートで長い時間のほとんどを音楽の話をして過ごした。それから僕のカメラでお互いを撮り始めた。彼は撮るたびにいろいろなポーズをして、表情を変えていた。一瞬でエネルギーを変えられる俳優のようで、とても感動したよ。そして、彼は僕の頭にマスキングテープとサングラスをつけて、パチリ。10枚を撮影したんだ。

現在まで、バスキアが撮影した35ミリのネガフィルムは他に見つかっていない。マスキングテープを顔に貼られた僕の写真は、数年後に彼が描いた有名なドクロの絵に似ていた。僕が撮影したジャンのイメージは世界中でも知られているだろう。素晴らしい夜と朝だった。僕にとって、ジャン=ミシェル・バスキアは最も重要なアメリカ人アーティストだね。

COOPERATION:YUKITOMO HAMASAKI(LOWW)

■Nicholas Taylor AREALISM
会期:2月21日〜3月9日
会場:LOWW GALLERY
住所:東京都目黒区大岡山1-6-6
時間:12:00〜20:00
休日:水曜、木曜
入場料:無料

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「パリ国際ランジェリー展」リポート “見せランジェリー”の充実で進むウエアとのボーダレス化

ファッションのランウエイショーでも、下着から着想を得たランジェリールックやランジェリーを見せる着こなしは定着し、ウエアとランジェリーのボーダーレス化が確実に進んでいる。今回の「パリ国際ランジェリー展(SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE)」では、ランジェリーとファッションの関係について、検索エンジンのタグウォーク(TAGWALK)との共同研究による興味深い調査が報告された。2016年にアレクサンドラ・ヴァン・ハウテ(Alexandra Van Houtte)が設立したタグウォークは、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのランウエイショーの画像を、テーマ、色、スタイル別に紹介している。「パリ国際ランジェリー展」との合同調査で2億件以上のルックを分析し、ランジェリーがファッションに与える影響が大きいという結果が出た。ランジェリーにインスパイアされた作品が多く見られた2025年秋冬シーズン。キーワード別に、“見せるボディー”に分類されるルックが24年秋冬に比べて3倍、“レース”を使用したルックが45%増、“トランスペアレント”なルック24%増。さらに“見せるランジェリー”が19%増と重要なトレンドであると発表。2026年秋冬には、シアー素材や見せブラといったランジェリー傾向がさらに拡大すると予測している。

自分が楽しむための“ニューセクシー”

この調査が示しているように、同展では“見せランジェリー”が充実。ジャケットからチラ見せしたり、ウエアとして着用できるボディスーツが多く見られた。日本では、肌見せファッションは若年層のトレンドと受け取られがちだが、欧州では大人の女性を魅力的に見せるスタイルとして定着している。「オーバドゥ(AUBADE)」や「シャンテル エックス(CHANTELLE X)」などが新作にボディースーツをラインアップしているのはその証拠だろう。

ヨーロッパのランジェリーにとって官能美は重要な要素で、同展はトレンドキーワードとして“ニューセクシー”を打ち出した。“ニュー”には、“誰かのためではなく自分に自信を持ち、人生を楽しむ”という意味が込められ、時代に合わせて“セクシー”という言葉の解釈にアップデートが加えられている。それを反映するかのように、レースはフェミニンな花モチーフよりシャープな印象の幾何学柄モチーフが多く打ち出された。金銀のラメ糸を使ったものも多く、余計な装飾は省き、カッティングなどで独自性を出している。大胆なデザインかつ、クールな強さを感じるスタイルだ。

カラーはグリーンの人気が継続。次のトレンドとして予測される淡いピンクと並べてそのコントラストで鮮度を出すブランドもある。ホリデーシーズンの定番である赤は、明るめのものが多く、プリントやレースには多くのブランドがレオパードモチーフを採用していた。

ボディーポジティブによるプラスサイズ市場の拡大

2018年頃からありのままのからだの美しさを肯定するボディーポジティブという言葉が急速に浸透し始めた。今は、ランウエイショーでもプラスサイズのモデルは欠かせない存在。各ブランドのブースで新作を披露するモデルも同様だ。また、同展ではカップやアンダーが大きいブラジャーのカテゴリーを“曲線(Curvy)”と表現し、プラスサイズ市場の重要性をアピールした。フランスの女性の76%がCカップ以上で市場の65%を占める。プラスサイズは最も成長しているセグメントだという。実際に、ワコール・ヨーロッパが展開しC〜KKカップのブラジャーを扱う「エロミ(ELOMI)」は、若々しいデザインにより若年層からの支持が高く、同社の売上高の31%を占めるほど好調だ。共通しているのは、理想の形に補整するのではなく、ありのままの美しさを肯定する姿勢だ。このようなサイズ展開の広がりの根底にあるのは、あらゆる体形に寄り添うボディーポジティブの概念だと感じた。

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「ミナ ペルホネン」17店舗目の福岡店がオープン 皆川明が語る地元に馴染む店づくり

「ミナ ペルホネン(MINA PERHONEN)」は1月末、福岡店をオープンした。同店舗は、昨年末の盛岡店に続き、ブランド17店舗目。3層137平方メートルの福岡店は、ダイニング、リビング、書斎などをイメージする空間で構成し、コレクションラインやテーブルウエア、北欧のビンテージアイテム、国内外の作家作品をそろえる。店舗デザインは、緒方慎一郎率いるシンプリシティが担当。木やレザーを使用したブラウンが基調の落ち着いた心地よい空間になっている。昨年オープンした盛岡店の照明同様、金沢在住の作家である辻和美が福岡店のためにシャンデリアを手掛けた。

地元ファンの熱気に包まれたオープン初日

店舗は、天神にほど近い中央区・赤坂。どちらかというと、ひっそりとした静かな通りで、近くには公園もある。オープン初日、店内は「ミナ ペルホネン」のファッションに身を包んだ多くのファンで賑わっていた。入店制限をせざるを得ず、店舗の外には辛抱強く入店を待つ行列も。ファッションをはじめ雑貨類もそろえているため、試着をしたり、バッグや小物を手に取ったり、興奮しながらショッピングする人々。デザイナーの皆川明も店頭で、ファン一人一人と会話をしながら、にこやかに写真撮影に応じていた。ファンからは、「お店ができて嬉しい」「また来たい」という声が続々とあり、福岡の根強いファンの「オープン当日に行きたい、何か購入したい」という熱気が伝わってくる初日だった。

「ミナ ペルホネン」が地方に出店する理由

皆川は、福岡に出店したいという思いと直営店の必要性を感じていたという。22年に福岡市美術館で「つづく」展の開催前から場所を探しはじめ、この物件との出合いがあり出店した。皆川は、「中心地というよりも、緑が近い場所がいいと思った。友人宅を訪れる感覚で来てもらえると嬉しい」とコメント。

今までも、京都や金沢など地方に出店してきた。地方に出店する理由について皆川は、「買い物だけでなく、その土地に根付く文化に触れてほしい」と話す。ビジネスというよりは、それぞれの土地の独特な文化を共有したいという思いからだろう。そのため出店する際は、できるだけ昔からその土地にある建物や景色を残すようにしている。「景観を崩すのではなく、自分たちが馴染むようにしている」。その土地へリスペクトを払いながら、地元ファンや店舗を訪れる人々とつくる、そんな店舗を目指しているようだ。

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「トム ブラウン」の自由で大胆な“マキシマル・プレッピー” クワイエットなNYコレで圧倒的存在感

「トム ブラウン(THOM BROWNE)」は、2025-26年秋冬コレクションを現地時間11日にニューヨークで発表した。ニューヨーク・ファッション・ウイークでの「トム ブラウン」のショーといえば、背景に敷かれた壮大で叙事詩的なストーリーも注目ポイントだ。今回は、自由を望む2羽の“鳥”(演者は人)を主役にした物語で、ルールに縛られないマキシマルなプレッピースタイルを表現した。

会場の中央に登場した2羽の鳥(演者は人)の周りには、折り紙で作られた2000羽の鳥のインスタレーション。2羽は自由に飛び回る鳥たちを見て、「こんなふうに自分らしくあれたら、なんてすばらしいだろう」と思いを馳せるところからショーは幕を開ける。

ランウエイは、自由を楽しむ鳥たちの楽園に見立てた。モデルたちの目元には、鳥の翼のような、躍動感のある大胆なフォルムのアイメイク。ショルダーラインやアームホールが極端に誇張されたジャケットやコートをまとい、ボトムスはパンツもスカートもあり、ミニ丈からフロアに擦るほどのマキシ丈まで幅広い。ギンガムチェックシャツの上から、ウインドウペーン、レジメンタルストライプ、さらにヘリンボーンツイードと、ルールに縛られることなく幾重にも重ねた柄×柄のレイヤードも見応えがある。

色鮮やかな鳥の模様からインスピレーションを得たと思われる、大胆な色柄のオンパレードだ。スパンコール、ブークレ糸、シルクリボン糸を組み合わせた赤・白・青・銀のツイードや、一着当たり3500個ものスワロフスキークリスタルを施したドレス。そのエメラルドグリーンのスワロフスキークリスタルを盗むカササギやサギを、シルクのインターシャ編みで施し、ユーモアを添えた。

「トム ブラウン」といえば、細身、短丈のパンツ、トリコロール柄のスーチングスタイルがアイコン。今回のランウエイでの表現はそういったリアルクローズの提案とはそぐわないものの、ユニフォーム(正装)のルールからの逸脱を楽しむ無邪気さ、ルールに縛られない自由を楽しむブランドのアティテュードは通底している。

パリやミラノのランウエイが華やかな装飾性を強めている中、ニューヨークは――それはリアルクローズに強いニューヨークらしさでもあるが――クワイエット・ラグジュアリーのムードがまだまだ主流だ。その分、色柄からディテール、スタイリングまで自由でマキシマルな「トム ブラウン」の存在感が、より引き立っていた。

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「パリ国際ランジェリー見本市」と素材展に99カ国約1万6000人が来場 セルフプレジャーグッズへの関心が高まる

下着関連の見本市である「パリ国際ランジェリー展(SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE)」が1月18〜20日、フランス・パリのポルト ド ベルサイユ見本市会場で開催された。同展には、 下着や水着などを手掛ける220ブランドが出展し、2025-26年秋冬の新作を披露。出展ブランド数は減少したが、全体の37%が新規出展社だった。同じ会場で同時期開催の素材・資材メーカーの見本市「アンテルフィリエール・パリ(INTERFILIERE PARIS)」には180社が出展し、21%が新規出展。両展合わせると約30%が新規出展で、78%がフランス国外からの出展になった。両展には99カ国から約1万6000人が来場。ランウエイショーやトレンドセミナーなどに参加した。会場では、ファッションの見本市「フーズネクスト」やジュエリーの見本市「ビジョルカ」も同時開催されていた。全体の32%がそれらの相互来場だった。

日本からは4ブランドが出展

「パリ国際ランジェリー展」には、日本から「アロマティック(AROMATIQUE)」「ユウビ カワノ(YUVI KAWANO)」「ラ・シレーヌ(LA SIRENE)」「イロハ(IROHA)」の4ブランドが出展。昨年に続き、2回目の出展となった「アロマティック」のブランドプロデューサーで同ブランドを展開するタカギの高木麻衣社長は、「続けるのが大事だと思い、2年連続出展を決めた。昨年は、日本のもの作りへの敬意を感じたものの、売上高へは至らず。今年は。来場者の国際化が進み、ブラジル、ロシア、カタール、インドネシアなどこれまで接点がなかった国のバイヤーと繋がる事ができた。昨年ロンドンの合同展で出会ったバイヤーから発注があるなど実績もできた」と手応えを語った。来場者の幅広さは「ラ・シレーヌ」の吉持玲沙デザイナーも実感したようだ。同ブランドはクールな印象のボディースーツやフェミニンな小花柄キャミソールなど幅広いテイストの商品を紹介。「多くの人に見てもらう最適な手段だと出展を決めた。ギリシャやトルコ、カナダなどのバイヤーとの接点が持て、出展した甲斐があった。ブースに展示したランウエイショーのルックを見る人も多かった」と言う。「ユウビ カワノ」の河野有実デザイナーは、「いつか出展したい」との思いがあったという。その夢を叶え、米ポートランドの専門店からオーダーがついた。「スタイリストやフォトグラファーなどクリエイティブな人々から声がかかり、自信にもつながった」と話した。

ランジェリーとセルフプレジャーグッズの親和性に期待

デリケートゾーン用のアイテムを多数展開する「イロハ(IROHA)」が出展したのは、ボディーケアやセルフプレジャーアイテムを扱う15ブランドがブースを並べる「ウェルネス」エリアだ。「イロハ」を展開するテンガの茶谷悟史テンガ ヨーロッパ社長は、「終了後に商談を進める会社が50社以上」と予想を超える反響だったと話す。デリケートゾーン商材は、フィットネスジムが導入したいと検討、ランジェリーショップからは、一見セルフプレジャーグッズと見えない商材を取り扱いたいとの声が相次いだ。以前に出展したファッションの見本市では反応が薄かったが、改めて「『イロハ』はランジェリーとの親和性が高い」と実感したようだ。

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「パリ国際ランジェリー見本市」と素材展に99カ国約1万6000人が来場 セルフプレジャーグッズへの関心が高まる

下着関連の見本市である「パリ国際ランジェリー展(SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE)」が1月18〜20日、フランス・パリのポルト ド ベルサイユ見本市会場で開催された。同展には、 下着や水着などを手掛ける220ブランドが出展し、2025-26年秋冬の新作を披露。出展ブランド数は減少したが、全体の37%が新規出展社だった。同じ会場で同時期開催の素材・資材メーカーの見本市「アンテルフィリエール・パリ(INTERFILIERE PARIS)」には180社が出展し、21%が新規出展。両展合わせると約30%が新規出展で、78%がフランス国外からの出展になった。両展には99カ国から約1万6000人が来場。ランウエイショーやトレンドセミナーなどに参加した。会場では、ファッションの見本市「フーズネクスト」やジュエリーの見本市「ビジョルカ」も同時開催されていた。全体の32%がそれらの相互来場だった。

日本からは4ブランドが出展

「パリ国際ランジェリー展」には、日本から「アロマティック(AROMATIQUE)」「ユウビ カワノ(YUVI KAWANO)」「ラ・シレーヌ(LA SIRENE)」「イロハ(IROHA)」の4ブランドが出展。昨年に続き、2回目の出展となった「アロマティック」のブランドプロデューサーで同ブランドを展開するタカギの高木麻衣社長は、「続けるのが大事だと思い、2年連続出展を決めた。昨年は、日本のもの作りへの敬意を感じたものの、売上高へは至らず。今年は。来場者の国際化が進み、ブラジル、ロシア、カタール、インドネシアなどこれまで接点がなかった国のバイヤーと繋がる事ができた。昨年ロンドンの合同展で出会ったバイヤーから発注があるなど実績もできた」と手応えを語った。来場者の幅広さは「ラ・シレーヌ」の吉持玲沙デザイナーも実感したようだ。同ブランドはクールな印象のボディースーツやフェミニンな小花柄キャミソールなど幅広いテイストの商品を紹介。「多くの人に見てもらう最適な手段だと出展を決めた。ギリシャやトルコ、カナダなどのバイヤーとの接点が持て、出展した甲斐があった。ブースに展示したランウエイショーのルックを見る人も多かった」と言う。「ユウビ カワノ」の河野有実デザイナーは、「いつか出展したい」との思いがあったという。その夢を叶え、米ポートランドの専門店からオーダーがついた。「スタイリストやフォトグラファーなどクリエイティブな人々から声がかかり、自信にもつながった」と話した。

ランジェリーとセルフプレジャーグッズの親和性に期待

デリケートゾーン用のアイテムを多数展開する「イロハ(IROHA)」が出展したのは、ボディーケアやセルフプレジャーアイテムを扱う15ブランドがブースを並べる「ウェルネス」エリアだ。「イロハ」を展開するテンガの茶谷悟史テンガ ヨーロッパ社長は、「終了後に商談を進める会社が50社以上」と予想を超える反響だったと話す。デリケートゾーン商材は、フィットネスジムが導入したいと検討、ランジェリーショップからは、一見セルフプレジャーグッズと見えない商材を取り扱いたいとの声が相次いだ。以前に出展したファッションの見本市では反応が薄かったが、改めて「『イロハ』はランジェリーとの親和性が高い」と実感したようだ。

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中国で「アート(半永久)メイク」が急拡大、眉やチーク、さらにはファンデーションまで【ヒキタミワの「上海日記」】

1993年から上海在住のライターでメイクアップアーティストでもあるヒキタミワさんの「上海日記」は、ファッションやビューティの最新トレンドや人気のグルメ&ライフスタイル情報をベテランの業界人目線でお届けします。今回は中国でいま注目を集める「アートメイク」。日本でも眉などのワンポイントで広がりつつありますが、中国ではチークやノースシャドウ、さらにはファンデーションにも広がっています。

中国人女性のスッピン率が高いワケ

みなさんが思う中国風メイクといえば、チャイボーグメイクやワンホンメイクなど、陶器のような肌にキリッとした眉、シャープなアイライン、そして真っ赤な口紅をイメージするのではないだろうか? ところが、日本人が中国に来て驚くのは、中国人女性のスッピン率の高さだ。「メイクをしないで外出できるなんて、すごい勇気!」と思ってしまうが、中国社会ではメイクをしなくても許される、大人の身だしなみの一部とは見なされていない、というのが大前提なのだ。

では、なぜメイクをしないのだろう? メイクレッスンのたびに「メイクをしない理由」を生徒さんに聞いているが、大きく分けて3つの理由がある。

1つ目は「時間がないから」。いやいや、お手伝いさんがいない日本人の方がもっと忙しいはずなのに、メイクはマスト(上海ではお手伝いさんがいる家庭が多い)。「時間は作るものだ」「メイクしない=服を着ないで出かけるのと同じだ」と力説するが、何よりも2つ目の理由は「クレンジングが面倒くさい」というもの。メイクをしなければクレンジングの必要もない、まさに一石二鳥という感覚でいる。そして最後の理由は「メイクの仕方がわからない」。これなら理解できるが、「だったら習ってみたら?」と私。メイクを習えば、普段よりもっと美しくなれるチャンスがあるのに、それを逃しているのはもったいないと常々中国人女性に伝えているが、なかなか定着しない(力不足か)。

ただ、これは40代以降の話で、今のZ世代女子たちは、ここ数年で進化した中国のプチプラコスメを駆使してメイクを楽しんでいる(この話はまた次回以降に)。

中国で「アートメイク」が広がるワケ

さて、普段メイクをしない彼女たちだが、実は100%スッピンというわけではない。面倒くさがりな人ほど、アートメイクに頼ることが多い(中国では普通の美容サロンで気軽にアートメイクを施すことができる)。つまり、少なくとも「きれいに見せたい」気持ちはあるのね? 嗚呼よかった!

1980年代後半に眉とアイラインのアートメイクが流行し、流行に敏感な上海人女性たちはこぞって飛びついた。ただ当時の技術は未熟で、時間の経過とともに眉が緑に変色し、耐えられず消した人や、そのままにしている人も多い。そして時代の変化とともに、眉やアイラインだけでなく、口紅、チーク、アイシャドウ、ノーズシャドウの半永久アートメイクまで登場。そこにまつげエクステを加え、パウダーをはたけば、ほぼメイク完成という状態にまで技術が進んできた(額が広くなった人は、産毛までアートメイクで整えている)。

それだけでも驚きだったが、さらに衝撃的なニュースが…。なんと、最後の砦であるファンデーションまで肌に埋め込む人が登場し始めたのだ。顔全体にベージュの液体を埋め込むという衝撃的な施術。肌の黒ずみ部分を白くすることもできるらしく、目の下のクマや膝、脇の下、妊娠線(!)にまでファンデーションを仕込む人が出現。「真皮層にまで達すると危険なのでやめましょう」という医師の警告が動画で拡散されるほど、将来の肌への影響が未知数な施術だが、それでも施術者は「これはリキッドファンデーションを埋め込むのでも、タトゥーでもなく、ただ色の差を整えているだけだ」と言い切る。「楽になるなら何でもやっちゃおう!」という大胆さこそが、中国人女性の特徴とも言えるのかもしれない。

日々進化する美容技術と中国人女性たちの美意識の変化を追うのがとても楽しく、目が離せない。次はどんな技術が登場するのか? また皆さんとシェアできたら。

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中国で「アート(半永久)メイク」が急拡大、眉やチーク、さらにはファンデーションまで【ヒキタミワの「上海日記」】

1993年から上海在住のライターでメイクアップアーティストでもあるヒキタミワさんの「上海日記」は、ファッションやビューティの最新トレンドや人気のグルメ&ライフスタイル情報をベテランの業界人目線でお届けします。今回は中国でいま注目を集める「アートメイク」。日本でも眉などのワンポイントで広がりつつありますが、中国ではチークやノースシャドウ、さらにはファンデーションにも広がっています。

中国人女性のスッピン率が高いワケ

みなさんが思う中国風メイクといえば、チャイボーグメイクやワンホンメイクなど、陶器のような肌にキリッとした眉、シャープなアイライン、そして真っ赤な口紅をイメージするのではないだろうか? ところが、日本人が中国に来て驚くのは、中国人女性のスッピン率の高さだ。「メイクをしないで外出できるなんて、すごい勇気!」と思ってしまうが、中国社会ではメイクをしなくても許される、大人の身だしなみの一部とは見なされていない、というのが大前提なのだ。

では、なぜメイクをしないのだろう? メイクレッスンのたびに「メイクをしない理由」を生徒さんに聞いているが、大きく分けて3つの理由がある。

1つ目は「時間がないから」。いやいや、お手伝いさんがいない日本人の方がもっと忙しいはずなのに、メイクはマスト(上海ではお手伝いさんがいる家庭が多い)。「時間は作るものだ」「メイクしない=服を着ないで出かけるのと同じだ」と力説するが、何よりも2つ目の理由は「クレンジングが面倒くさい」というもの。メイクをしなければクレンジングの必要もない、まさに一石二鳥という感覚でいる。そして最後の理由は「メイクの仕方がわからない」。これなら理解できるが、「だったら習ってみたら?」と私。メイクを習えば、普段よりもっと美しくなれるチャンスがあるのに、それを逃しているのはもったいないと常々中国人女性に伝えているが、なかなか定着しない(力不足か)。

ただ、これは40代以降の話で、今のZ世代女子たちは、ここ数年で進化した中国のプチプラコスメを駆使してメイクを楽しんでいる(この話はまた次回以降に)。

中国で「アートメイク」が広がるワケ

さて、普段メイクをしない彼女たちだが、実は100%スッピンというわけではない。面倒くさがりな人ほど、アートメイクに頼ることが多い(中国では普通の美容サロンで気軽にアートメイクを施すことができる)。つまり、少なくとも「きれいに見せたい」気持ちはあるのね? 嗚呼よかった!

1980年代後半に眉とアイラインのアートメイクが流行し、流行に敏感な上海人女性たちはこぞって飛びついた。ただ当時の技術は未熟で、時間の経過とともに眉が緑に変色し、耐えられず消した人や、そのままにしている人も多い。そして時代の変化とともに、眉やアイラインだけでなく、口紅、チーク、アイシャドウ、ノーズシャドウの半永久アートメイクまで登場。そこにまつげエクステを加え、パウダーをはたけば、ほぼメイク完成という状態にまで技術が進んできた(額が広くなった人は、産毛までアートメイクで整えている)。

それだけでも驚きだったが、さらに衝撃的なニュースが…。なんと、最後の砦であるファンデーションまで肌に埋め込む人が登場し始めたのだ。顔全体にベージュの液体を埋め込むという衝撃的な施術。肌の黒ずみ部分を白くすることもできるらしく、目の下のクマや膝、脇の下、妊娠線(!)にまでファンデーションを仕込む人が出現。「真皮層にまで達すると危険なのでやめましょう」という医師の警告が動画で拡散されるほど、将来の肌への影響が未知数な施術だが、それでも施術者は「これはリキッドファンデーションを埋め込むのでも、タトゥーでもなく、ただ色の差を整えているだけだ」と言い切る。「楽になるなら何でもやっちゃおう!」という大胆さこそが、中国人女性の特徴とも言えるのかもしれない。

日々進化する美容技術と中国人女性たちの美意識の変化を追うのがとても楽しく、目が離せない。次はどんな技術が登場するのか? また皆さんとシェアできたら。

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政権交代に揺れる米国で、「マイケル・コース」が示したエフォートレスシックでブレない女性像

「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」がニューヨーク現地時間の2月11日に2025-26年秋冬コレクションを開催した。

今シーズンのテーマは“デガジェ・シック(洗練された上品さ)”。会場となったチェルシー地区にあるターミナル・ウェアハウスは、1990年代を象徴するナイトクラブ、「トンネル・ナイトクラブ」があった場所だ。ブリックスタイルの内装の天井からは大きな日本製のランタンが吊るされ、至る所にアートピースのような調度品やミッドセンチュリーの家具が飾られている。アットホームな印象を与えるこの内装は、先日マディソン・アヴェニューにオープンした同ブランドの店舗の内装ともリンクする。

コレクションの前日、ショールームで行われたメディア向けのカンファレンスでマイケル・コース(MICHAEL KORS)は自身のビーチハウスやアパート、ミューズとなるセレブリティの写真が貼られた今季のムードボードを指差しながらこう話した。「これらは私の家の延長だ。マディソン・アベニューにオープンした店舗もそうだし、明日のコレクション会場も同様。(インテリアデザイナーの)ジョージ・ナカシマやイサム・ノグチのような美しいラインを保ちながら、温もりを感じさせるもの。混沌とした世界だからこそ、人々に温もりや心地よさを感じてもらいたい。同時に、袖を通した時に自信が持てる服。手に触れた時に贅沢さを感じるような、特別で、時代を超えて価値が届くものを届けたいという考えが、コレクションの出発点となった」。

アメリカン・ファッションの
快適さと上質な素材が融合

ムードボード上のローレン・ハットンやユマ・サーマン、シャロン・ストーンなど、コースのミューズたちの写真を一瞥してこう続ける。「彼女たちの写真は70年代のものだったり、2000年代のものだったり。最近のものもある。不思議なのはどれを見ても彼女たちがタイムレスだってこと。シックでありながらリラックスしている。アメリカのファッションについて考えた時、この国のファッションは”快適さ”を求めるところから始まった。着心地がよく、長く愛せて、時代を超えて生き続けるものを求めている。だから、デザインはクラシックな要素に遊び心を加えて解釈することから始めた。つまりネオクラシックってこと」。

レイヤードと流麗さで
「魅せる」センシュアル

クラシックなメンズ仕立てのジャケットやコートには、シルクジョーゼットのシャツやウールのスカートといった、ソフトな素材で作られたアイテムを合わせることで女性らしさを加えた。「断片的なプロポーション」を意識したという今季は、アシンメトリーなシェイプにすることでモデルがランウェイを歩いた際、風になびくようなエレガントさを演出。トレンチの概念を再構築したコートはストラップがリボンのように揺れ、ロングヘアのシアリングコートやバッグも動きに合わせて軽やかに揺れるなど、柔らかさにフォーカスした。

ディテールではグレンチェックのトロンプルイユのコートやジャケットの一部にビジューの刺しゅうを施すなど、洗練された手仕事も健在だった。カラーパレットもタイムレスなブラックはもちろん、定番のキャメルやブラウンに加え、ダークグリーンやトープも華を添えた。そうした色味が乗ったダブルフェイスのメルトンコートやウールカシミアのコートやポンチョは、まさに快適さとエレガントさを兼ね備えている。スパンコースのドレスにはフラットシューズを合わせたり、スポーティーなランジェリーとテーラードを合わせたりと、いい塩梅で抜け感を出した。

前シーズン、「若い層も大統領選の投票に行くように」とカンファレンスの最後に述べていたコース。「政権が変わったことで女性の服装は変わるのか?」との問いにも答えた。「政治的立場に関係なく、パワフルな女性の多い社会だから、間違いなくパワードレッシングが見られるでしょう。自分たちの装いについてもきちんと考えるし、テーラードはなくならない」。

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政権交代に揺れる米国で、「マイケル・コース」が示したエフォートレスシックでブレない女性像

「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」がニューヨーク現地時間の2月11日に2025-26年秋冬コレクションを開催した。

今シーズンのテーマは“デガジェ・シック(洗練された上品さ)”。会場となったチェルシー地区にあるターミナル・ウェアハウスは、1990年代を象徴するナイトクラブ、「トンネル・ナイトクラブ」があった場所だ。ブリックスタイルの内装の天井からは大きな日本製のランタンが吊るされ、至る所にアートピースのような調度品やミッドセンチュリーの家具が飾られている。アットホームな印象を与えるこの内装は、先日マディソン・アヴェニューにオープンした同ブランドの店舗の内装ともリンクする。

コレクションの前日、ショールームで行われたメディア向けのカンファレンスでマイケル・コース(MICHAEL KORS)は自身のビーチハウスやアパート、ミューズとなるセレブリティの写真が貼られた今季のムードボードを指差しながらこう話した。「これらは私の家の延長だ。マディソン・アベニューにオープンした店舗もそうだし、明日のコレクション会場も同様。(インテリアデザイナーの)ジョージ・ナカシマやイサム・ノグチのような美しいラインを保ちながら、温もりを感じさせるもの。混沌とした世界だからこそ、人々に温もりや心地よさを感じてもらいたい。同時に、袖を通した時に自信が持てる服。手に触れた時に贅沢さを感じるような、特別で、時代を超えて価値が届くものを届けたいという考えが、コレクションの出発点となった」。

アメリカン・ファッションの
快適さと上質な素材が融合

ムードボード上のローレン・ハットンやユマ・サーマン、シャロン・ストーンなど、コースのミューズたちの写真を一瞥してこう続ける。「彼女たちの写真は70年代のものだったり、2000年代のものだったり。最近のものもある。不思議なのはどれを見ても彼女たちがタイムレスだってこと。シックでありながらリラックスしている。アメリカのファッションについて考えた時、この国のファッションは”快適さ”を求めるところから始まった。着心地がよく、長く愛せて、時代を超えて生き続けるものを求めている。だから、デザインはクラシックな要素に遊び心を加えて解釈することから始めた。つまりネオクラシックってこと」。

レイヤードと流麗さで
「魅せる」センシュアル

クラシックなメンズ仕立てのジャケットやコートには、シルクジョーゼットのシャツやウールのスカートといった、ソフトな素材で作られたアイテムを合わせることで女性らしさを加えた。「断片的なプロポーション」を意識したという今季は、アシンメトリーなシェイプにすることでモデルがランウェイを歩いた際、風になびくようなエレガントさを演出。トレンチの概念を再構築したコートはストラップがリボンのように揺れ、ロングヘアのシアリングコートやバッグも動きに合わせて軽やかに揺れるなど、柔らかさにフォーカスした。

ディテールではグレンチェックのトロンプルイユのコートやジャケットの一部にビジューの刺しゅうを施すなど、洗練された手仕事も健在だった。カラーパレットもタイムレスなブラックはもちろん、定番のキャメルやブラウンに加え、ダークグリーンやトープも華を添えた。そうした色味が乗ったダブルフェイスのメルトンコートやウールカシミアのコートやポンチョは、まさに快適さとエレガントさを兼ね備えている。スパンコースのドレスにはフラットシューズを合わせたり、スポーティーなランジェリーとテーラードを合わせたりと、いい塩梅で抜け感を出した。

前シーズン、「若い層も大統領選の投票に行くように」とカンファレンスの最後に述べていたコース。「政権が変わったことで女性の服装は変わるのか?」との問いにも答えた。「政治的立場に関係なく、パワフルな女性の多い社会だから、間違いなくパワードレッシングが見られるでしょう。自分たちの装いについてもきちんと考えるし、テーラードはなくならない」。

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プレステージビューティの小売地図に異変あり【鈴木敏仁USリポート】

アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。米国では高級化粧品を指すプレステージビューティの小売地図が再編されつつある。マーケット拡大の期待は高いが、これまでの主力販路だった百貨店の店舗数は右肩下がり。そんな状況を背景ににして、専門店や百貨店の試行錯誤が続いている。

ビューティ専門のチェーンストア「ブルーマーキュリー」の創業者が5年ほど前にECとの競合について問うリテールメディアの取材に対してこう答えていた。

「お客がリアル店舗に来る理由は情報だ。新商品や新しいメイク技といった新情報が大切で、これを店員が対面コミュニケーションで提供することできれば、お客は店に来る」

「ブルーマーキュリー」は160店舗前後を展開している。プレステージブランドを取り扱う小商圏型の小型フォーマットである。アルタやセフォラと競合するが、この2社が中~大商圏であるのに対して、「ブリューマーキュリー」はスーパーマーケットが出店するようなショッピングセンターに立地することで差別化している。

対面サービスが成立する要件とは、サービス提供者とお客との間の情報の非対称である。

例えば、おそらく読者のほとんどがご存じないかもしれないが、1900年代初頭のグローサリーストアは対面販売形式で、理由は加工食品というものが登場したばかりでお客が使い方が分からず、店員が一つ一つ説明していたからである。当時は加工食品に情報の非対称が存在したのだ。

これが一巡しお客が慣れて、店員とお客を隔てるカウンターを取り払って商品を自由に取れるようにし、集中レジを置くレイアウトとして、セルフ環境を作り革新を起こして誕生したのがスーパーマーケットである。

当初ビューティカテゴリーはECへ移行しづらい商材だと私は思い込んでいたのだが、さにあらず、定期購買向きの商品もあるし、形状が小さく単価が高く宅配向き商品も多く、あっという間に市場が拡大した。

しかしながらとりわけトレンドサイクルが短いビューティは情報の非対称が生まれやすく、EC比率が高まってもそれでもやはりリアル店舗はいつまでも必要なのだろうと思っている。

メイシーズが「ブルーマーキュリー」を買収した本当の狙い

「ブルーマーキュリー」は2015年に百貨店大手のメイシーズに買収されて傘下に入っている。独立店舗としての展開と、百貨店内のインストアショップ展開と、2つの出店戦略を取ってきているが、インストアは当初言われていたほど増えていない。

また総店舗数は19年の171店舗を境にして減少傾向となっている。傘下の新興フォーマットを育成する技術がメイシーズに欠けているのだろうと思っている。

メイシーズは多くを語っていないが、「ブルーマーキュリー」を買収した戦略的な目的は、プレステージビューティをモールという大商圏から外に出すことだと考えている。箱としてのモールだけではなく自身の集客力も落ちている中で、「アルタ」や「セフォラ」の好調を横目で見て、後を追おうとしたのである。

このプレステージビューティをモール外に出す戦略を別の角度から挑戦しているのが、自身の小型フォーマットの「マーケット・バイ・メイシーズ(Market by Macy’s)」である。24店舗まで増えているのだが、今年初頭に発表した閉店計画にこの小型フォーマットは4店舗含まれていた。

昨年末に訪問する機会があったのだが、客数はまばらで、閉店計画を知ってやはりそうなのかと納得したのであった。

この「マーケット・バイ・メイシーズ」で私が最も興味を持ったのがプレステージビューティだ。「クリニーク」「エスティ ローダー」「ボビイブラウン」といった、メーカーが流通チャネルをコントロールし対面でしか売らせない高価格帯のブランドが、百貨店と同じように店頭に並んでいるのである。

さらにこのコミュニティ型ショッピングセンター(CSC)には、「セフォラ」が出店し、「アルタ」をインストア展開しているターゲットも立地していたのである。プレステージビューティがこれほど過密に存在するCSCというものを、私はいまだかつて見たことがない。

これが成立するのかどうかは私には判断できないのだが、一つだけ言えることは、メーカーが新たなチャネルを欲しているということである。

百貨店縮小の受け皿となるビューティ専門店

百貨店の集客力は落ち続けていて、総店舗数はずっと右肩下がりで推移している。この傾向はしばらく変わらないというのが大方の見方だ。メイシーズは昨年初頭に3年かけて150店舗を閉鎖すると発表しているが、再来年からも閉店による縮小均衡は続くだろう。

これで困るのがプレステージブランドを持つメーカーである。百貨店業界自体が縮小している以上、サプライヤーとしてどんなに頑張っても限界がある。

このメーカーによるニーズの受け皿となっているのが「アルタ」であり、「セフォラ」であり、そして「ブルーマーキュリー」なのである。

「マーケット・バイ・メイシーズ」のビューティ売り場は、ブランドごとにそれなりの投資が必要な高品質の什器やデザインとなっていて、そういった背景をひしひしと感じたのである。

ただ、いかんせん「マーケット・バイ・メイシーズ」自体が繁盛店化しておらず、ブランドメーカーとしては歯がゆいところだろう。いまだ試行錯誤の状態で、思うように進んでいないというのが現状だ。

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プレステージビューティの小売地図に異変あり【鈴木敏仁USリポート】

アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。米国では高級化粧品を指すプレステージビューティの小売地図が再編されつつある。マーケット拡大の期待は高いが、これまでの主力販路だった百貨店の店舗数は右肩下がり。そんな状況を背景ににして、専門店や百貨店の試行錯誤が続いている。

ビューティ専門のチェーンストア「ブルーマーキュリー」の創業者が5年ほど前にECとの競合について問うリテールメディアの取材に対してこう答えていた。

「お客がリアル店舗に来る理由は情報だ。新商品や新しいメイク技といった新情報が大切で、これを店員が対面コミュニケーションで提供することできれば、お客は店に来る」

「ブルーマーキュリー」は160店舗前後を展開している。プレステージブランドを取り扱う小商圏型の小型フォーマットである。アルタやセフォラと競合するが、この2社が中~大商圏であるのに対して、「ブリューマーキュリー」はスーパーマーケットが出店するようなショッピングセンターに立地することで差別化している。

対面サービスが成立する要件とは、サービス提供者とお客との間の情報の非対称である。

例えば、おそらく読者のほとんどがご存じないかもしれないが、1900年代初頭のグローサリーストアは対面販売形式で、理由は加工食品というものが登場したばかりでお客が使い方が分からず、店員が一つ一つ説明していたからである。当時は加工食品に情報の非対称が存在したのだ。

これが一巡しお客が慣れて、店員とお客を隔てるカウンターを取り払って商品を自由に取れるようにし、集中レジを置くレイアウトとして、セルフ環境を作り革新を起こして誕生したのがスーパーマーケットである。

当初ビューティカテゴリーはECへ移行しづらい商材だと私は思い込んでいたのだが、さにあらず、定期購買向きの商品もあるし、形状が小さく単価が高く宅配向き商品も多く、あっという間に市場が拡大した。

しかしながらとりわけトレンドサイクルが短いビューティは情報の非対称が生まれやすく、EC比率が高まってもそれでもやはりリアル店舗はいつまでも必要なのだろうと思っている。

メイシーズが「ブルーマーキュリー」を買収した本当の狙い

「ブルーマーキュリー」は2015年に百貨店大手のメイシーズに買収されて傘下に入っている。独立店舗としての展開と、百貨店内のインストアショップ展開と、2つの出店戦略を取ってきているが、インストアは当初言われていたほど増えていない。

また総店舗数は19年の171店舗を境にして減少傾向となっている。傘下の新興フォーマットを育成する技術がメイシーズに欠けているのだろうと思っている。

メイシーズは多くを語っていないが、「ブルーマーキュリー」を買収した戦略的な目的は、プレステージビューティをモールという大商圏から外に出すことだと考えている。箱としてのモールだけではなく自身の集客力も落ちている中で、「アルタ」や「セフォラ」の好調を横目で見て、後を追おうとしたのである。

このプレステージビューティをモール外に出す戦略を別の角度から挑戦しているのが、自身の小型フォーマットの「マーケット・バイ・メイシーズ(Market by Macy’s)」である。24店舗まで増えているのだが、今年初頭に発表した閉店計画にこの小型フォーマットは4店舗含まれていた。

昨年末に訪問する機会があったのだが、客数はまばらで、閉店計画を知ってやはりそうなのかと納得したのであった。

この「マーケット・バイ・メイシーズ」で私が最も興味を持ったのがプレステージビューティだ。「クリニーク」「エスティ ローダー」「ボビイブラウン」といった、メーカーが流通チャネルをコントロールし対面でしか売らせない高価格帯のブランドが、百貨店と同じように店頭に並んでいるのである。

さらにこのコミュニティ型ショッピングセンター(CSC)には、「セフォラ」が出店し、「アルタ」をインストア展開しているターゲットも立地していたのである。プレステージビューティがこれほど過密に存在するCSCというものを、私はいまだかつて見たことがない。

これが成立するのかどうかは私には判断できないのだが、一つだけ言えることは、メーカーが新たなチャネルを欲しているということである。

百貨店縮小の受け皿となるビューティ専門店

百貨店の集客力は落ち続けていて、総店舗数はずっと右肩下がりで推移している。この傾向はしばらく変わらないというのが大方の見方だ。メイシーズは昨年初頭に3年かけて150店舗を閉鎖すると発表しているが、再来年からも閉店による縮小均衡は続くだろう。

これで困るのがプレステージブランドを持つメーカーである。百貨店業界自体が縮小している以上、サプライヤーとしてどんなに頑張っても限界がある。

このメーカーによるニーズの受け皿となっているのが「アルタ」であり、「セフォラ」であり、そして「ブルーマーキュリー」なのである。

「マーケット・バイ・メイシーズ」のビューティ売り場は、ブランドごとにそれなりの投資が必要な高品質の什器やデザインとなっていて、そういった背景をひしひしと感じたのである。

ただ、いかんせん「マーケット・バイ・メイシーズ」自体が繁盛店化しておらず、ブランドメーカーとしては歯がゆいところだろう。いまだ試行錯誤の状態で、思うように進んでいないというのが現状だ。

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経年変化の再現術でスエットで30年物のビンテージ感を実現 福井県発匠の技

「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」をビジョンに掲げるマクアケによる、“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」には、伝統技術を現代的なアイテムに活用したプロジェクトが数多い。この連載では、全国各地の匠の技に注目。実行者の思いと共に、匠の技をどう活用し、どう訴求しているのかを考える。目指すは、47都道府県の匠の技の探訪記。初回は、福井県を訪れた。


今回の伝統技術は…

経年変化の再現術

 福井県越前市で2年半前に誕生した縫製工場のSTAND.は、“リバースウィーブ”を再現したヴィンテージ風のスエットを作りました。長年アパレル業界に携わっていた土久修司STAND.代表が「縫製工場を元気に。日本製を日本中に。」という思いのもと、脱サラして立ち上げた縫製工場は、土久代表がアパレル時代に築いた人脈を生かしながら、協力工場とともに縫製から加工までを一貫して行っています。今回、中学時代から古着に夢中だった土久代表が憧れたアメリカンカジュアルの定番、「リーバイス」の“501”に合わせた「チャンピオン」の着古した“リバースウィーブ”を再現するべく、リアルなヴィンテージ感漂うアイテムを開発しました。
 ヴィンテージ市場の“リバースウィーブ”は、10万円を超えることも珍しくなく、日本人の体型にフィットするアイテムには出合えないことも多々あります。そこでSTAND.は、オリジナルの裏毛生地を開発、耐久性に優れた4本針のミシンを使い、自然な経年変化を模した染め加工など日本の職人技を生かし、30年前に作られ、着続けられたかのような、リアルなヴィンテージ感を実現したスエットを生み出しました。一度染色した後にわざわざ色を抜く工程を入れることで、時を重ねるから生まれる色褪せや自然な風合いを忠実に再現しています。縫製や色落ちの工程は自社、染めやフェード加工、リペアは協力工場や熟練の職人に任せ、完成までに半年を費やし、ヴィンテージを愛する人に最適な経年美を誇る一着に仕上げました。
 「マクアケ」では、30年後の経年変化を日本の職人技や縫製技術などを駆使することで、“今”手に入れられるようになったとの思いを込め、「2055年からやってきた、1着」というキャッチコピーで訴求します。

 生産に際して一番の困難であり、ヴィンテージ感を表現する上で一番重要な工程は、「染色・色抜け」でした。今回は黒と青の2色を企画しましたが、白のボディを染色・脱色するまでは、「どんな色になるかわからなかった」(土久代表)と言います。信頼する職人と連携したものの、当初黒は色を抜くと赤く汚くなってしまったそうで、染める色と脱色の強弱を試行錯誤したそうです。一方の青は色を抜くと真っ白に近い色味になってしまいました。染料を定着する薬剤を使用しながら、それぞれ6回程度のテストを重ねて、部分的な色抜きや色味のニュアンスを足す作業も行いながら、ようやく目指した色に辿り着きました。
 STAND.初の商品について、土久代表は「これが世の中に受け入れられるかどうかは正直わからず、手探りの状態」と言います。そういった背景もあり、第一弾は、コーディネートに取り入れやすいクルーネックのトレーナーを選定。「マクアケ」サポーターの反響や実際の声を聞きながら、今後も、職人の技術を生かしたモノ作りを行い、今回のアイテムに合わせるパンツや後付けのフーディーなどを考えているそうです。

ヴィンテージの風合いを再現する3つのポイント

1.染色および日焼けによる色あせ

ヴィンデージの風合いを出す上で肝となる工程。30年、10年の経年変化を表すために、見本とする古着の自然な色の抜け方を参考に、脱色用薬剤を使用し、染めた色との兼ね合いを考え、微細に数値を計算した上で、緻密に抜いていきます。胸と背中部分は8割の強さで抜くなど、パーツごとに色の抜け具合を計算し、自然な色褪せを目指しました

2.袖の切り返し部分の、自然な焼け具合

デザインされたものではなく、あくまでナチュラルな経年美を目指しました。腕の下側から脇にかけては程よく色を残しながら、袖の上の部分の色は強めに抜くなどを手作業で行いました

3.細部のほつれやリペア

年数を重ねることで手口などが擦れて、破れて、ほつれていくイメージのもと、叩き、穴を空ける工程を行いました。さらに30年バージョンは、ダメージが広がってリペアを行い使い続けた想定で仕上げました

福井発!
応援購入が高額なプロジェクト3選

“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」で大きな反響が寄せられた福井発のプロジェクトを3つ紹介する。

PICK UP 1 : 応援購入総額2917万円超

革新的!イタリアの美×鯖江眼鏡の手技で作った
アップルウォッチ専用エアバングル

応援購入総額は2917万円超。日本一の生産量を誇る鯖江の眼鏡づくりの技を活かした「鯖江バングルウォッチ」を手がけてきた実行者が、アップルウォッチ専用エアバングルを開発。イタリアのマツケリ社製アセテートから、希少な「モザイクカラー」と「シックラデン」を採用した逸品。

PICK UP 2 : 応援購入総額1251万円超

メガネユーザーのためについに登場!
瞬間調光サングラス×お洒落すぎるオーバーグラス

「マクアケ」で特に人気の高かったシリーズ累計4000万円超の「瞬間調光サングラス」とシリーズ累計3700万円超の「お洒落すぎるオーバーサングラス」の2モデルを掛け合わせたアイテム。開発に4年を要し、デイリー、アウトドア問わず活躍する仕様に。

PICK UP 3 : 応援購入総額8365万円超

経年変化を楽しむ、伝統工芸の職人が
天然木を削り出して創る木ーボード|Hacoa

越前漆器の伝統⼯芸⼠による⼯房をルーツとし、⽊⼯技術を応⽤し⽴ち上げた⽊製雑貨ブランド「ハコア」が開発した、天然木で創ったキーボード。高級木材のチェリー・ウォールナットが持つ木本来の美しさに加え、温かみのある風合いが魅力。

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経年変化の再現術でスエットで30年物のビンテージ感を実現 福井県発匠の技

「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」をビジョンに掲げるマクアケによる、“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」には、伝統技術を現代的なアイテムに活用したプロジェクトが数多い。この連載では、全国各地の匠の技に注目。実行者の思いと共に、匠の技をどう活用し、どう訴求しているのかを考える。目指すは、47都道府県の匠の技の探訪記。初回は、福井県を訪れた。


今回の伝統技術は…

経年変化の再現術

 福井県越前市で2年半前に誕生した縫製工場のSTAND.は、“リバースウィーブ”を再現したヴィンテージ風のスエットを作りました。長年アパレル業界に携わっていた土久修司STAND.代表が「縫製工場を元気に。日本製を日本中に。」という思いのもと、脱サラして立ち上げた縫製工場は、土久代表がアパレル時代に築いた人脈を生かしながら、協力工場とともに縫製から加工までを一貫して行っています。今回、中学時代から古着に夢中だった土久代表が憧れたアメリカンカジュアルの定番、「リーバイス」の“501”に合わせた「チャンピオン」の着古した“リバースウィーブ”を再現するべく、リアルなヴィンテージ感漂うアイテムを開発しました。
 ヴィンテージ市場の“リバースウィーブ”は、10万円を超えることも珍しくなく、日本人の体型にフィットするアイテムには出合えないことも多々あります。そこでSTAND.は、オリジナルの裏毛生地を開発、耐久性に優れた4本針のミシンを使い、自然な経年変化を模した染め加工など日本の職人技を生かし、30年前に作られ、着続けられたかのような、リアルなヴィンテージ感を実現したスエットを生み出しました。一度染色した後にわざわざ色を抜く工程を入れることで、時を重ねるから生まれる色褪せや自然な風合いを忠実に再現しています。縫製や色落ちの工程は自社、染めやフェード加工、リペアは協力工場や熟練の職人に任せ、完成までに半年を費やし、ヴィンテージを愛する人に最適な経年美を誇る一着に仕上げました。
 「マクアケ」では、30年後の経年変化を日本の職人技や縫製技術などを駆使することで、“今”手に入れられるようになったとの思いを込め、「2055年からやってきた、1着」というキャッチコピーで訴求します。

 生産に際して一番の困難であり、ヴィンテージ感を表現する上で一番重要な工程は、「染色・色抜け」でした。今回は黒と青の2色を企画しましたが、白のボディを染色・脱色するまでは、「どんな色になるかわからなかった」(土久代表)と言います。信頼する職人と連携したものの、当初黒は色を抜くと赤く汚くなってしまったそうで、染める色と脱色の強弱を試行錯誤したそうです。一方の青は色を抜くと真っ白に近い色味になってしまいました。染料を定着する薬剤を使用しながら、それぞれ6回程度のテストを重ねて、部分的な色抜きや色味のニュアンスを足す作業も行いながら、ようやく目指した色に辿り着きました。
 STAND.初の商品について、土久代表は「これが世の中に受け入れられるかどうかは正直わからず、手探りの状態」と言います。そういった背景もあり、第一弾は、コーディネートに取り入れやすいクルーネックのトレーナーを選定。「マクアケ」サポーターの反響や実際の声を聞きながら、今後も、職人の技術を生かしたモノ作りを行い、今回のアイテムに合わせるパンツや後付けのフーディーなどを考えているそうです。

ヴィンテージの風合いを再現する3つのポイント

1.染色および日焼けによる色あせ

ヴィンデージの風合いを出す上で肝となる工程。30年、10年の経年変化を表すために、見本とする古着の自然な色の抜け方を参考に、脱色用薬剤を使用し、染めた色との兼ね合いを考え、微細に数値を計算した上で、緻密に抜いていきます。胸と背中部分は8割の強さで抜くなど、パーツごとに色の抜け具合を計算し、自然な色褪せを目指しました

2.袖の切り返し部分の、自然な焼け具合

デザインされたものではなく、あくまでナチュラルな経年美を目指しました。腕の下側から脇にかけては程よく色を残しながら、袖の上の部分の色は強めに抜くなどを手作業で行いました

3.細部のほつれやリペア

年数を重ねることで手口などが擦れて、破れて、ほつれていくイメージのもと、叩き、穴を空ける工程を行いました。さらに30年バージョンは、ダメージが広がってリペアを行い使い続けた想定で仕上げました

福井発!
応援購入が高額なプロジェクト3選

“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」で大きな反響が寄せられた福井発のプロジェクトを3つ紹介する。

PICK UP 1 : 応援購入総額2917万円超

革新的!イタリアの美×鯖江眼鏡の手技で作った
アップルウォッチ専用エアバングル

応援購入総額は2917万円超。日本一の生産量を誇る鯖江の眼鏡づくりの技を活かした「鯖江バングルウォッチ」を手がけてきた実行者が、アップルウォッチ専用エアバングルを開発。イタリアのマツケリ社製アセテートから、希少な「モザイクカラー」と「シックラデン」を採用した逸品。

PICK UP 2 : 応援購入総額1251万円超

メガネユーザーのためについに登場!
瞬間調光サングラス×お洒落すぎるオーバーグラス

「マクアケ」で特に人気の高かったシリーズ累計4000万円超の「瞬間調光サングラス」とシリーズ累計3700万円超の「お洒落すぎるオーバーサングラス」の2モデルを掛け合わせたアイテム。開発に4年を要し、デイリー、アウトドア問わず活躍する仕様に。

PICK UP 3 : 応援購入総額8365万円超

経年変化を楽しむ、伝統工芸の職人が
天然木を削り出して創る木ーボード|Hacoa

越前漆器の伝統⼯芸⼠による⼯房をルーツとし、⽊⼯技術を応⽤し⽴ち上げた⽊製雑貨ブランド「ハコア」が開発した、天然木で創ったキーボード。高級木材のチェリー・ウォールナットが持つ木本来の美しさに加え、温かみのある風合いが魅力。

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藤原ヒロシが見たナイキの反骨精神 “エア ジョーダン 1”が40周年イベント開催

ナイキ(NIKE)の「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」は2月12日、“エア ジョーダン 1(AIR JORDAN 1)”の40周年を記念した関係者向けイベントを開催した。

テーマは「UNBANNABLE(禁止できない)」。この言葉は、1985年当時のNBAが定めた「白の面積が一定以上あるシューズを着用する」というルールに反し、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)が“エア ジョーダン 1”を履くたびに毎試合5000ドルの罰金を科された出来事に由来している。しかし、当時のナイキはこの状況を逆手に取り、「NBAはジョーダンにシューズの着用を禁止したが、君たちが履くことを禁止できない」という印象的なCMを放映。これが単なる広告ではなく、自由と個性を象徴するメッセージとして世界中のファンの心をつかむ。その背景から、この黒と赤のシューズは「BANNED(禁止された)」という愛称で知られるようになった。

東京・原宿の一角には、「ノーマリズムテキスタイル(NOMARHYTHM TEXTILE)」による布で覆われた特設会場が突如として姿を表した。左上には”ジャンプマン”のロゴ。赤、黒、白のテキスタイルは、「BANNED」のカラーリングだ。

当日は、ブランドと縁の深い藤原ヒロシに加え、イベントのパートナーである「ノーマリズムテキスタイル」の野口真彩子デザイナーと佐々木拓真デザイナーが登壇。「ジョーダン ブランド」が歩んできた歴史を振り返りながら語り合うパネルトークが行われた。パネルトークの一部を抜粋する。

──1985年当時の“ジョーダン1”のエピソード。

藤原ヒロシ(以下、藤原):僕が最初に“ジョーダン1”を知ったのは、LL・クール・J(LL Cool J)というラッパーがきっかけでした。その少し前にラン・ディーエムシー(Run-D.M.C.)がはやっていて、彼らは『マイ・アディダス』という楽曲でも知られるように、『アディダス(ADIDAS)』をメインに履いていましたよね。でも、LL・クール・Jが履いていたのは“ジョーダン1”だった。その頃、僕はスケートボードにハマっていて、周りのスケーターの子たちがみんな“ジョーダン1”を履いていたんですよ。スケシンとか、友人たちに教えてもらって、僕も履くようになりました。最初はアメ横で白ベースのものを買いました。白ベースしか売ってなかったんです。でも原宿のビームスには”青黒”が売っていて、それも買ったのを覚えています。

──当時のファッション、音楽、スポーツはどうリンクしていたか。

藤原:当時は音楽とスニーカーが、そこまでリンクしていなかったかもしれないですね。僕は中学のときバスケ部で、バスケットシューズを履いていたんですけど、バスケットシューズって、その前まで「コンバース」みたいな形ばかりでした。ちょうど(アディダスの)“スーパースター”が発売になって、それでも結構斬新な形だったんですが、“ジョーダン1”は全く違う形でした。

──“ジョーダン”シリーズが存在しなかった場合のスニーカーカルチャーとは。

藤原:わからないです。他の人が同じようなものを作っていたかもしれないし。

──「ナイキ」とのコラボレーションはどのように始まったか。

藤原:最初はおそらく、“エアマックス”が異常にはやっていて、ファッションにもリーチできるんじゃないかという流れになったんだと思います。僕はナイキジャパンの方から誘われて、ちょっと手伝ったりしていたんですけど、本社からマーク(・パーカー)たちが日本に来て、いろいろ話をしたのがきっかけだったと思います。でもその頃は、95年に発売されたモデルの色を変えて翌年出すとか、そういうことが中心でした。そこから徐々にコラボレーションという形になっていきました。90年代後半か2000年頃ですね。

──今履いている「フラグメントデザイン(FRAGMENT DESIGN)」とコラボした“ジョーダン1”のエピソード。

藤原:“ジョーダン1”だけは誰も触れないみたいな噂があったんです。それで「“ジョーダン1”ってできるの?」みたいな話から始まったのはなんとなく覚えています。デザイン案はいろいろあったんですが、この“ブラックトゥ”がミステリアスな靴だったんですよ。市販されていたのはレッドだったんですが、サンプルだったのか、(マイケル・)ジョーダンしか履いてなかったのか真実はわからない。それで、そのストーリーを真似して、“ブラックトゥ”にブルーも存在したっていう嘘のストーリーを作ろうとしたんです。ポスターのデザインもして、実は誰も知らないけど、ブルーがあったっていう都市伝説みたいなものを作って発売したかったんですけど、もちろん「ナイキ」からはNGが出て、スニーカーだけ発売になりました。

──「ノーマリズムテキスタイル」のコラボレーションについて。

野口真彩子「ノーマリズムテキスタイル」デザイナー(以下、野口):私たちがブランドをスタートしたときは、コラボレーションが非常に多く、まさに蔓延しているような状況でした。そんな中、佐々木(拓真デザイナー)と2人で「ブランドとしての基盤ができるまで、10年間はコラボレーションをしないで頑張ろう」と。しっかりと自立した上で、対等な立場でコラボレーションができるようになるのが理想だったんです。実際に初めてコラボレーションをしたのは、それから13年後のことでした。だから藤原さんが初めて事務所にいらした際に、洋服を見て「何年やられているんですか?」と聞かれ、「(当時)もうすぐ10年になります」と答えたら、「どこにいたんですか?」と驚かれたのを覚えています。

藤原:ベテランの感覚があるんだけど、無名だったので。

野口:それぐらいひっそりとやっていて、今20年目。最初に「ニードルズ(NEEDLES)」、次に「ステューシー(STUSSY)」、「エンジニアドガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)」と、少しずつコラボレーションさせていただいています。

──「フラグメントデザイン」のコラボレーションについて。

藤原:僕は1999年にお店をやめて、そのときに自分の会社で生産能力を持つのをやめようと思ったんです。在庫を持つことも大変だし、人が増えるのも大変だから。だから僕は一切作らないけど、人のところで作らせてもらうっていう、ローリスクローリターンです。

野口:それすごいですよね。ゲームチェンジャーっていうか、今までと違う考え方。今は、この考え方を真似しようとしている人たちがいっぱいいると思いますけど。

藤原:大きくなっていくのが怖かった。

──フラットな目線の養い方。

藤原:元からじゃないですか?そういう時代だったので。

野口:(今着ている)このTシャツ、ちょっと自慢なんですが、藤原さんが3歳の時の写真なんです。

藤原:ちょっと前に代官山 蔦屋書店でお茶をしているときに雑誌のバックナンバーを読んでいて、「ホットドッグプレス」に僕の幼少期の写真があったんです。それをTシャツにしたいと言われて、断りきれずつい「いいですよ」と言った結果……。何が言いたいかというと、こういう感じで育ったので、ハイエンドなんてない時代なんですよ。ラグジュアリーブランドなんてなかったし、普通に田舎で育ったので、駄菓子屋にもよく通っていました。だからそういうものが今でも好きなんじゃないですかね。

野口:Tシャツには藤原さんの名前が入っていないんです。だから言われないと絶対にわからない。でもそこがやっぱり藤原さんのすごく面白いところで、「言う必要ないよね」って。人づてに伝わっていって、数年後に“あれ”ってなるのが一番面白いって。これはまだサンプルで、近々発売します。

藤原:“ジョーダン”のリバイバルもそういう感じだと思うんですよね。発売して何年も経ってからみんなが欲しがるみたいな。いまだにファーストを探していたりするじゃないですか。

──藤原ヒロシから見た「ノーマリズムテキスタイル」のクリエイション。

藤原:あんまり見たことがない(笑)。

野口:そんなに私たちのコレクションを見たことはないと思うんですけど、コレクションの音楽をお願いしたときに私たちから一言だけテーマを伝えただけなのに、数日後には完璧なものが上がってきた。だから私の中では相当、相性がいいんだと思っています。

藤原:僕は与えられた情報の中でやるだけなので。だからどのブランドも追いかけているわけではなく、普段から展示会とかにも行かない。フラッと立ち寄った伊勢丹とか、海外のお店とかのラックにあるものを見る程度なんです。

──既成概念やルールを破る、チャレンジ精神について。

藤原:僕はめちゃめちゃルール内でやるタイプです。ルールがある中で、そのルールをちょっと超えるぐらいが好きなんです。僕らの年代だと、いわゆるヤンキー文化の全盛期なので、まだ中学生なのにもう車に乗っているみたいな。でも僕はそういうルールの破り方はしない。ちゃんとルールの中で、ここだけはやりたいというのがある。制服は決まっているけど、丈の長さをちょっと変えるとか裏地を変えるとか、そういう”抵抗”。でも多分、ジョーダンが黒いシューズを履いたっていうのもそういうことですよね。そのルールを破るのが面白い。

──85年と現在のファッションシーンで変わった点、変わっていない点。

藤原:めちゃめちゃ変わっていると思う。一番大きいのは、90年代以降にヨーロッパのカバン屋さん(今のラグジュアリーブランド)が洋服を作るようになったことじゃないですか。ラグジュアリーブランドなんてなかったから。それからファッションはすごく変わったと思う。当時は、“ストリート”というものもなかった。ちょうどヒップホップとスケボー文化みたいなのが融合し始めた頃ですかね。80年代は全体的にスケートボードをやっている人たちは、スラッシュメタルとかを聴いていて、ヒップホップは聴いていなかったから。東(海岸)と西(海岸)の違いもあるのかもしれないけど。

──ストリートファッションの未来。

藤原:みんなが想像していないような格好になっているんじゃないですか。すでに僕らが思うストリートみたいなものとは全然違う、フレアデニムみたいな、そういう感じになっているから。

野口:82年に初めてロンドンに行かれたときと、その後すぐにニューヨークに行かれたときは、街でファッションは違いました?

藤原:全く違いました。東京が一番おしゃれ。当時、海外から来た人たちは原宿や渋谷に来て、みんなびっくりしていたと思います。

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「ディオール」「ハク」の美白美容液や進化した「マキアージュ」ファンデ美容液など 今週発売のビューティアイテム12選【2/17〜2/23】

ビューティアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は2月17〜23日に発売するアイテムを紹介します。スキンケアの春夏新作も続々と登場するこの季節。「ディオール(DIOR)」からは、ホワイトニングケアライン“ディオール スノー”から薬用美白クリームや9年ぶりにニューアルするUV下地や、高機能美容液UV下地が発売に。資生堂「ハク(HAKU)」も美容液“メラノフォーカスⅣ”をリニューアルします。「マキアージュ(MAQUILLAGE)」も、“ファンデ美容液”で親しまれる“ドラマティックエッセンスリキッド”をリニューアル。最新技術を取り入れアップデートしたアイテムをお試しあれ!

【2月17日発売】
クレアボーテ
(CREERBEAUTE)

「たまごっち」型のフェイス&アイカラーに新作

バンダイのコスメブランド「クレアボーテ(CREERBEAUTE)」は、育成ゲーム「たまごっち」のコスメ“たまごっち フェイス&アイカラー”の新作を発売する。「たまごっち」本体型のミニチュア容器に入ったフェイス&アイカラーは、持ち運びしやすいサイズ感と当時の懐かしいデザインを再現したパッケージで用意する。

■商品詳細

“たまごっち フェイス&アイカラー”(全6種、各1100円)

【2月18日発売】
ディプティック
(DIPTYQUE)

“オルフェン”の限定コレクション

「ディプティック(DIPTYQUE)」は、“オルフェオン”(Orpheon)の限定コレクションを発売する。“オードパルファン オルフェオン”はカルチェ・ラタンの中心にあった、同ブランド創業者たちの隠れ家的ジャズクラブ “オルフェオン”の名前を冠したフレグランス。オーク材製のボックスに入ったプレミアムセットなども用意する。

■商品詳細

“プレミアムセット”(4万4000円)
“オードパルファン オルフェオン”(75mL、2万9700円)
“オードパルファン オルフェオン”(30mL、1万3420円)
“デュオセット”(各70g、1万2540円)

【2月21日発売】
アネッサ
(ANESSA)

ブラシ一体型のUVカットパウダー

資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ(ANESSA)」は、ブラシ一体型パウダータイプのUVカットパウダー“パーフェクトUV ブラッシュオンパウダー”[SPF50+・PA++++]と詰め替え用のリフィルを発売する。ウオータープルーフタイプで、汗や水に強い処方を採用。皮脂などのテカリを抑え、ふんわりとした自然な仕上がりをかなえる。

■商品詳細

“パーフェクトUV ブラッシュオンパウダー”[SPF50+・PA++++](3498円※編集部調べ)
詰め替え用リフィル(2442円)

【2月21日発売】
シャネル
(CHANEL)

着想源はカメリア
アバンギャルドなロマンティシズムを表現 

「シャネル(CHANEL)」は、メイクアップコレクション“カメリア フトゥーラ”を限定発売する。カメリアの幾何学的ともいえる端正な造形からインスパイアされた、近未来的なアクセントを宿す商品をそろえた。

■商品詳細

“ヴェルニ”(新2色、各13mL、各4620円)
“スティロ オンブル エ コントゥール”(新4色、各5280円)
“ルージュ ココ フラッシュ”(新2色、各5940円)
“リキッドリップ“ルージュ アリュール ラック”(新2色、各5940円)
“フリュイド アンルミネール ハロー”(30mL、7810円)
“レ キャトル オンブル ユートピア”(9900円)
“カメリア フトゥーラ”(1万1110円)

【2月21日発売】
ディオール
(DIOR)

肌本来のクリアな輝きへ導く薬用美白クリームや高機能美容液UV下地 

「ディオール(DIOR)」は、ホワイトニングケアライン“ディオール スノー”から薬用美白クリーム“エッセンス オブ ライト クリーム”【医薬部外品】を発売する。また同ラインのUV下地“UV ベース”[SPF50+・PA+++]を9年ぶりにニューアルするほか、高機能美容液UV下地“ル プロテクター UV ルミエール”[SPF50+・PA+++]も発売する。

■商品詳細

“エッセンス オブ ライト クリーム”【医薬部外品】(50mL、1万7600円)
“UV ベース”[SPF50+・PA+++](全2色、各30mL、各7480円)
“ル プロテクター UV ルミエール”[SPF50+・PA+++](全3色、各30mL、各1万5950円)

【2月21日発売】
フローラノーティス ジルスチュアート
(FLORA NOTIS JILL STUART

幻想的な夜桜をイメージした限定コレクション

「フローラノーティス ジルスチュアート(FLORA NOTIS JILL STUART)」は、限定コレクション“ナイトチェリーブロッサム”を発売する。ラインアップは、桜の花びらをイメージした“オードパルファン”や心地良い就寝時間を演出する“アロマティックミスト”、“リペアモイスト ヘアミルク”、“メルティリップバーム”の全4アイテム。

■商品詳細

“オードパルファン”(20mL、4290円)
“アロマティックミスト”(80mL、1080円)
“リペアモイスト ヘアミルク”(100g、3520円)
“メルティリップバーム”(3300円)

【2月21日発売】
ハク
(HAKU)

美容液“メラノフォーカス”をリニューアル 

資生堂の「ハク(HAKU)」は、美容液“メラノフォーカスⅣ”【医薬部外品】をリニューアル発売する。20年のシミ予防研究の成果を全て搭載し、価格と容量をそのままに処方とパッケージを刷新。世界で初めて(同社調べ)生きた細胞にあるシミをリアルタイムで解析し、シミがシミを呼ぶメカニズムを解明した。

■商品詳細

“メラノフォーカスⅣ”【医薬部外品】(20g、4950円※数量限定、45g、1万1000円/レフィル45g、1万670円※編集部調べ)

【2月21日発売】
ジルスチュアート ビューティ
(JILL STUART BEAUTY)

シャクヤクを配合したスキンケアシリーズのお試しキット

「ジルスチュアート ビューティ(JILL STUART BEAUTY)」は、3月7日に発売するシャクヤクを使用したスキンケアシリーズ“キー クリア フラワー(KEY CLEAR FLOWER)”のお試しサイズの製品を詰めた“ジルスチュアート スキンケア ファーストキット”を先行で限定発売する。

■商品詳細

“ジルスチュアート スキンケア ファーストキット”(3960円)

【2月21日発売】
マキアージュ
(MAQUILLAGE)

“ファンデ美容液”が進化 

「マキアージュ(MAQUILLAGE)」は、“ファンデ美容液”で親しまれる“ドラマティックエッセンスリキッド”をリニューアルし、“マキアージュ エッセンスリキッド EX”として発売する。新商品は美容液効果と艶を持続するメイク効果の両方を強化した。

■商品詳細

“マキアージュ エッセンスリキッド EX”(全5色、各24mL、各3740円/レフィル各3520円※編集部調べ)

【2月21日発売】
ウォンジョンヨ
(WONJUNGYO)

薄膜ベールの“陶器肌”をかなえるブランド初のプレストパウダー  

メイクアップアーティストのウォン・ジョンヨがプロデュースする「ウォンジョンヨ(WONJUNGYO)」は、ブランド初のプレストパウダー“エアリーフィルターパクト”を発売する。トーンアップフィルター処方を採用し、肌全体のトーンを明るくしながら透明感を演出。肌の色むらを補正し、薄膜のベールをまとったような均一で滑らかな肌に仕上げる。

■商品詳細

“エアリーフィルターパクト”(全2色、各2200円)

【2月22日発売】
メイベリン ニューヨーク
(MAYBELLINE NEW YORK)

唐辛子プランパーが日本上陸 
新感覚のリップ体験

「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は、唐辛子によるプランプ効果と鮮やかな発色を兼ね備えたリッププランパー“リフタープランプ L”を発売する。カラーのラインアップは、粘膜カラー“バーニングピーチ”、華やかなレッド“ホットチリ”、オレンジラメ入り“スパイシージンジャー”の全3色。

■商品詳細

“リフタープランプ L”(全3色、各2189円※編集部調べ)

【2月22日発売】
ナチュラグラッセ
(NATURAGLACE)

UVカットシリーズ

「ナチュラグラッセ(NATURAGLACE)」は、恒例の“スキンケアUVシリーズ”を発売する。ラインアップは、自然なトーンアップをかなえる美容液UVベース“UVプロテクションベース”[SPF50+・PA+++]と、本コレクション限定で登場する日焼け止めパウダー“UV パウダーコンパクト” [SPF50+・PA++++]の2アイテム。

■商品詳細

“UVプロテクションベース”[SPF50+・PA+++](30mL、3740円)
“UV パウダーコンパクト” [SPF50+・PA++++](4840円)

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「ディオール」「ハク」の美白美容液や進化した「マキアージュ」ファンデ美容液など 今週発売のビューティアイテム12選【2/17〜2/23】

ビューティアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は2月17〜23日に発売するアイテムを紹介します。スキンケアの春夏新作も続々と登場するこの季節。「ディオール(DIOR)」からは、ホワイトニングケアライン“ディオール スノー”から薬用美白クリームや9年ぶりにニューアルするUV下地や、高機能美容液UV下地が発売に。資生堂「ハク(HAKU)」も美容液“メラノフォーカスⅣ”をリニューアルします。「マキアージュ(MAQUILLAGE)」も、“ファンデ美容液”で親しまれる“ドラマティックエッセンスリキッド”をリニューアル。最新技術を取り入れアップデートしたアイテムをお試しあれ!

【2月17日発売】
クレアボーテ
(CREERBEAUTE)

「たまごっち」型のフェイス&アイカラーに新作

バンダイのコスメブランド「クレアボーテ(CREERBEAUTE)」は、育成ゲーム「たまごっち」のコスメ“たまごっち フェイス&アイカラー”の新作を発売する。「たまごっち」本体型のミニチュア容器に入ったフェイス&アイカラーは、持ち運びしやすいサイズ感と当時の懐かしいデザインを再現したパッケージで用意する。

■商品詳細

“たまごっち フェイス&アイカラー”(全6種、各1100円)

【2月18日発売】
ディプティック
(DIPTYQUE)

“オルフェン”の限定コレクション

「ディプティック(DIPTYQUE)」は、“オルフェオン”(Orpheon)の限定コレクションを発売する。“オードパルファン オルフェオン”はカルチェ・ラタンの中心にあった、同ブランド創業者たちの隠れ家的ジャズクラブ “オルフェオン”の名前を冠したフレグランス。オーク材製のボックスに入ったプレミアムセットなども用意する。

■商品詳細

“プレミアムセット”(4万4000円)
“オードパルファン オルフェオン”(75mL、2万9700円)
“オードパルファン オルフェオン”(30mL、1万3420円)
“デュオセット”(各70g、1万2540円)

【2月21日発売】
アネッサ
(ANESSA)

ブラシ一体型のUVカットパウダー

資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ(ANESSA)」は、ブラシ一体型パウダータイプのUVカットパウダー“パーフェクトUV ブラッシュオンパウダー”[SPF50+・PA++++]と詰め替え用のリフィルを発売する。ウオータープルーフタイプで、汗や水に強い処方を採用。皮脂などのテカリを抑え、ふんわりとした自然な仕上がりをかなえる。

■商品詳細

“パーフェクトUV ブラッシュオンパウダー”[SPF50+・PA++++](3498円※編集部調べ)
詰め替え用リフィル(2442円)

【2月21日発売】
シャネル
(CHANEL)

着想源はカメリア
アバンギャルドなロマンティシズムを表現 

「シャネル(CHANEL)」は、メイクアップコレクション“カメリア フトゥーラ”を限定発売する。カメリアの幾何学的ともいえる端正な造形からインスパイアされた、近未来的なアクセントを宿す商品をそろえた。

■商品詳細

“ヴェルニ”(新2色、各13mL、各4620円)
“スティロ オンブル エ コントゥール”(新4色、各5280円)
“ルージュ ココ フラッシュ”(新2色、各5940円)
“リキッドリップ“ルージュ アリュール ラック”(新2色、各5940円)
“フリュイド アンルミネール ハロー”(30mL、7810円)
“レ キャトル オンブル ユートピア”(9900円)
“カメリア フトゥーラ”(1万1110円)

【2月21日発売】
ディオール
(DIOR)

肌本来のクリアな輝きへ導く薬用美白クリームや高機能美容液UV下地 

「ディオール(DIOR)」は、ホワイトニングケアライン“ディオール スノー”から薬用美白クリーム“エッセンス オブ ライト クリーム”【医薬部外品】を発売する。また同ラインのUV下地“UV ベース”[SPF50+・PA+++]を9年ぶりにニューアルするほか、高機能美容液UV下地“ル プロテクター UV ルミエール”[SPF50+・PA+++]も発売する。

■商品詳細

“エッセンス オブ ライト クリーム”【医薬部外品】(50mL、1万7600円)
“UV ベース”[SPF50+・PA+++](全2色、各30mL、各7480円)
“ル プロテクター UV ルミエール”[SPF50+・PA+++](全3色、各30mL、各1万5950円)

【2月21日発売】
フローラノーティス ジルスチュアート
(FLORA NOTIS JILL STUART

幻想的な夜桜をイメージした限定コレクション

「フローラノーティス ジルスチュアート(FLORA NOTIS JILL STUART)」は、限定コレクション“ナイトチェリーブロッサム”を発売する。ラインアップは、桜の花びらをイメージした“オードパルファン”や心地良い就寝時間を演出する“アロマティックミスト”、“リペアモイスト ヘアミルク”、“メルティリップバーム”の全4アイテム。

■商品詳細

“オードパルファン”(20mL、4290円)
“アロマティックミスト”(80mL、1080円)
“リペアモイスト ヘアミルク”(100g、3520円)
“メルティリップバーム”(3300円)

【2月21日発売】
ハク
(HAKU)

美容液“メラノフォーカス”をリニューアル 

資生堂の「ハク(HAKU)」は、美容液“メラノフォーカスⅣ”【医薬部外品】をリニューアル発売する。20年のシミ予防研究の成果を全て搭載し、価格と容量をそのままに処方とパッケージを刷新。世界で初めて(同社調べ)生きた細胞にあるシミをリアルタイムで解析し、シミがシミを呼ぶメカニズムを解明した。

■商品詳細

“メラノフォーカスⅣ”【医薬部外品】(20g、4950円※数量限定、45g、1万1000円/レフィル45g、1万670円※編集部調べ)

【2月21日発売】
ジルスチュアート ビューティ
(JILL STUART BEAUTY)

シャクヤクを配合したスキンケアシリーズのお試しキット

「ジルスチュアート ビューティ(JILL STUART BEAUTY)」は、3月7日に発売するシャクヤクを使用したスキンケアシリーズ“キー クリア フラワー(KEY CLEAR FLOWER)”のお試しサイズの製品を詰めた“ジルスチュアート スキンケア ファーストキット”を先行で限定発売する。

■商品詳細

“ジルスチュアート スキンケア ファーストキット”(3960円)

【2月21日発売】
マキアージュ
(MAQUILLAGE)

“ファンデ美容液”が進化 

「マキアージュ(MAQUILLAGE)」は、“ファンデ美容液”で親しまれる“ドラマティックエッセンスリキッド”をリニューアルし、“マキアージュ エッセンスリキッド EX”として発売する。新商品は美容液効果と艶を持続するメイク効果の両方を強化した。

■商品詳細

“マキアージュ エッセンスリキッド EX”(全5色、各24mL、各3740円/レフィル各3520円※編集部調べ)

【2月21日発売】
ウォンジョンヨ
(WONJUNGYO)

薄膜ベールの“陶器肌”をかなえるブランド初のプレストパウダー  

メイクアップアーティストのウォン・ジョンヨがプロデュースする「ウォンジョンヨ(WONJUNGYO)」は、ブランド初のプレストパウダー“エアリーフィルターパクト”を発売する。トーンアップフィルター処方を採用し、肌全体のトーンを明るくしながら透明感を演出。肌の色むらを補正し、薄膜のベールをまとったような均一で滑らかな肌に仕上げる。

■商品詳細

“エアリーフィルターパクト”(全2色、各2200円)

【2月22日発売】
メイベリン ニューヨーク
(MAYBELLINE NEW YORK)

唐辛子プランパーが日本上陸 
新感覚のリップ体験

「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は、唐辛子によるプランプ効果と鮮やかな発色を兼ね備えたリッププランパー“リフタープランプ L”を発売する。カラーのラインアップは、粘膜カラー“バーニングピーチ”、華やかなレッド“ホットチリ”、オレンジラメ入り“スパイシージンジャー”の全3色。

■商品詳細

“リフタープランプ L”(全3色、各2189円※編集部調べ)

【2月22日発売】
ナチュラグラッセ
(NATURAGLACE)

UVカットシリーズ

「ナチュラグラッセ(NATURAGLACE)」は、恒例の“スキンケアUVシリーズ”を発売する。ラインアップは、自然なトーンアップをかなえる美容液UVベース“UVプロテクションベース”[SPF50+・PA+++]と、本コレクション限定で登場する日焼け止めパウダー“UV パウダーコンパクト” [SPF50+・PA++++]の2アイテム。

■商品詳細

“UVプロテクションベース”[SPF50+・PA+++](30mL、3740円)
“UV パウダーコンパクト” [SPF50+・PA++++](4840円)

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マンガで学ぶ「在庫管理の魔術」 第6話:きめ細やかな補充は「言うは易し、行うは難し」、組織の壁に直面する

中堅アパレルのチェーンストア「ハンナズ」は、過剰在庫が原因で経営危機に瀕している。社長の安堂平磨は、娘でバイヤーの安堂あい、あいの夫で渋谷店店長の安堂徹に再生を期待するが、2人は「売れ残るリスクを抱えながら在庫を持つべきか?」それとも「売り上げが落ちるリスクを抱えながら在庫を減らすべきか?」で迷い続ける。

きめ細やかな補充が売り上げのみならず利益率も押し上げることを学んだ徹は、渋谷店同様の在庫管理を全店に広げることを提案。ところが南関東倉庫を取り仕切る先輩の加地からは「難しい」と、南関東エリアマネージャーの町田からは「飲めない」と言われてしまう。それでもきめ細かな補充を続けていると、新たな問題が浮上した。

登場人物紹介

第六話

このマンガは、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)も経営陣で読んだとされるTOC(制約理論)の原点にして最高の入門書「ザ・ゴール」を原案としています。「ザ・ゴール」を中心としたマネジメント理論に関する書籍は、ダイヤモンド社が販売中です。

ORIGINAL WORKS:ELIYAHU GOLDRATT、JEF COX
SUPERVISION:YUJI KISHIRA
SCRIPT:TAKEO AOKI
COMICS:YAMA AOTA

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「ザ・ノース・フェイス」×「ハイク」や「ディーン&デルーカ」のチェックバッグなど! 来週発売のファッションアイテム13選【2/17〜2/23】

ファッションアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は2月17〜23日に発売するアイテムを紹介します。「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と「ハイク(HYKE)」の共同プロジェクト“ティー エヌ エフ エイチ ザ・ノース・フェイス × ハイク”は、サードシーズンのアイテムを19日に発売します。トレイルランだけでなく普段のスタイリングにも取り入れたいコレクションです。
一方、「ディーン&デルーカ(DEAN & DELUCA)」は、バッグブランドの「テンベア(TEMBEA)」と初のコラボバッグを18日に発売します。PVCコーティングを施し、防水性や耐久性を持たせてあり、ちょっとした雨でも活躍しそう。ホワイトとギンガムチェックが涼しげです!

【2月18日発売】
ディーン&デルーカ
(DEAN & DELUCA)

「テンベア」コラボ

「ディーン&デルーカ(DEAN & DELUCA)」は、バッグブランドの「テンベア(TEMBEA)」と初のコラボバッグを発売する。同バッグは、PVCコーティングを施したコットンベースの素材に「テンベア」の“ペーパートート”シリーズと「ディーン&デルーカ」のショッパーを融合したデザインを施した、ホワイトとギンガムチェック柄の2種を用意する。

■商品詳細

バッグ(1万8700〜2万900円)

【2月19日発売】
ケイタ マルヤマ
(KEITA MARUYAMA)

伊勢丹新宿でポップアップ

「ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)」は、ブランド30周年プロジェクト「丸山百景 ケイタ マルヤマ 30TH アニバーサリー」の一環として、伊勢丹新宿本店でポップアップを開催し、「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」や「ボールアンドチェーン(BALL&CHAIN)」らと協業したアイテムを販売する。

■商品詳細

コラボシャツ/「メゾン ミハラヤスヒロ」(5万9400円)
コラボスニーカー/「メゾン ミハラヤスヒロ」(4万1800円、先行受注販売)
コラボバッグ/「ボールアンドチェーン」(6600円、先行販売)
※一部商品

【2月19日発売】
ザ・ノース・フェイス
(THE NORTH FACE)

「ハイク」との共同企画第3弾

「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と「ハイク(HYKE)」の共同プロジェクト“ティー エヌ エフ エイチ ザ・ノース・フェイス × ハイク”は、サードシーズンのアイテムを発売する。「ザ・ノース・フェイス」の定番防水シェル素材を採用したアウターシェルやリサイクルナイロンを使用したトレイルパンツ、トレイルランニングシューズなどをそろえる。

■商品詳細

トレイルパンツ(3万800円)
トレイルランニングシューズ(4万700円)
メッシュキャップ(1万1000円)
※一部商品

【2月19日発売】
クロックス
(CROCS)

映画「モンスターズ・インク」とコラボ

「クロックス(CROCS)」は、ディズニー・ピクサーの人気映画「モンスターズ・インク」とコラボレーションしたフットウエアを発売する。同作品のメーンキャラクターであるサリーとマイクをモチーフにしたサンダルとソックス、デコレーションを楽しめる“ジビッツ”チャームの全3商品をラインアップする。

■商品詳細

サンダル(6050〜1万450円)
ソックス(2750円)
チャーム(715〜2420円)

【2月21日発売】
グリーンパークス
(GREENPARKS)

映画「ウィキッド ふたりの魔女」コラボ

セレクトショップのグリーン パークス(GREEN PARKS)は、映画「ウィキッド ふたりの魔女」の公開を記念してコラボコレクションを発売する。今回は、ピンク、グリーン、ブラックのカラーパレットで、同作品の主人公である“悪い魔女”エルファバと“善い魔女”グリンダをメーンに魔法の世界を表現したアイテム計10型をラインアップ。

■商品詳細

ロンT(5940円)
ロングスカート(5940円)
キャップ(3300円)
ナップサック(4400円)
※一部商品

【2月21日発売】
ジーユー
(GU)

アニメ「ドラゴンボール ダイマ」コラボ

「ジーユー(GU)」は、アニメ「ドラゴンボール ダイマ(DRAGONBALL DAIMA)」とのコラボアイテムを発売する。小さくなった“悟空”たちキャラクターをモチーフとしたTシャツ、ワンポイントの刺しゅうデザインをあしらったソックス、アンダーウエアのほか、キッズアイテムも販売する。

■商品詳細

Tシャツ(1290円)
ソックス(390円)
アンダーウエア(590円)
キッズTシャツ(990円)
キッズルームウエア(1990円)

【2月21日発売】
テーラーメイド
(TAYLORMADE)

ユナイテッドアローズコラボ第6弾

「テーラーメイド(TAYLORMADE)」は、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)と共同開発したアパレルコレクションの第6弾を発売する。今回は、これまでのトラディショナルを再解釈したモダンなゴルフスタイルを軸に、初めてウィメンズアイテムをメーンに展開。英国のクラシックなテニスカルチャーに着想したゴルフウエアとアクセサリーをそろえる。

■商品詳細

モッズドレス(3万1900円)
モックネックシャツ(1万6500円)
サイドラインパンツ(2万4200円)
キャディバッグ(6万9300円)
※一部商品

【2月21日発売】
ルイ・ヴィトン
(LOUIS VUITTON)

新作アイコンバッグ

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、2025年春夏コレクションに登場した新作のシグネチャーバッグ“LV バイカー”を発売する。バイカージャケットが着想源の同バッグは、ボディーに新素材のピクセル・ラムレザーを使用。取り外し可能なストラップが付属し、さまざまな持ち方で楽しめる、3種類のサイズと複数のカラーで展開する。

■商品詳細

バッグ“LV バイカー MM”
バッグ“LV バイカー PM”
バッグ“LV バイカー・ナノ”

【2月21日発売】
ファミリア
(FAMILIAR)

「ホテル椿山荘東京」コラボ

「ホテル椿山荘東京」は、「ファミリア(FAMILIAR)」とコラボレーションした限定デザインのデニムバッグを発売する。同バッグは、「ファミリア」で人気のデニムバッグに、同施設の庭園を象徴する“三重塔”や、庭園内に咲き誇る椿、“東京雲海”などに加えて、ホテルスタッフの制服を着た「ファミリア」のクマちゃんのアップリケを職人が手作業で配した。

■商品詳細

デニムバッグ(2万3000円)

【2月21日発売】
マリメッコ
(MARIMEKKO)

ショコラブラウンカラーの新作コレクション

「マリメッコ(MARIMEKKO)」は、タイムレスなデザインと機能性を兼ね備えた人気バッグシリーズ“ウェア オール デイ バッグ”の新作コレクションを順次発売する。大容量のバックパックからコンパクトなショルダーバッグまで、ライフスタイルに応じて活用できるショコラブラウンカラーの5型と、ピスタチオカラーのショルダーバッグを用意する。

■商品詳細

バッグ(3万5200〜5万7200円)

【2月22日発売】
ビューティフルピープル
(BEAUTIFUL PEOPLE)

「リプロダクションオブファウンド」コラボ第3弾

「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」は、「リプロダクションオブファウンド(REPRODUCTION OF FOUND)」との第3弾コラボスニーカー“ジャーマン ミリタリー トレーナー イン ヌバック”を発売する。シンプルなデザインのジャーマンミリタリートレーナーをベースに、生地の切り替えをステッチワークで表現することでさらに削ぎ落としたデザインに仕上げた。

■商品詳細

スニーカー(4万2900円)

【2月22日発売】
リタン
(RITAN)

TOKYO BASEの女性向け新ブランドがローンチ

TOKYO BASEは、大人の女性をターゲットにした新ブランド「リタン(RITAN)」をローンチする。同ブランドは、日本製による高品質なモノづくりと、シンプルで着る人本来の美しさを引き立てるようなデザイン提案が特徴。ファーストコレクションは、自然界の曲線美に着想を受け女性の体を美しく健康的に表現したアイテムを展開する。

■商品詳細

コート(4万〜5万円)
ワンピース(3万〜4万円)
ニット(2万3000〜3万5000円)
パンツ(2万5000〜4万円)
シャツ・ブラウス(2万3000〜4万円)
※一部商品

【2月22日発売】
サロモン
(SALOMON)

疲労感の軽減を目指す新モデル

「サロモン(SALOMON)」は、新作シューズ“エスラボ ウルトラ グライド”を発売する。同モデルは、波状のアウトソール“リリーブスフィア”を採用、着足時の足裏への圧力を拡散し、均等化することで足への疲労感や不快感の軽減を目指す。また、分割構造のミッドソールを用いて高い安定性を追求したほか、「サロモン」独自のテクノロジーで走行時の足のむくみもサポートする。

■商品詳細

シューズ(2万6400円)

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北欧名作家具「フリッツ・ハンセン」と福岡・柳川の名勝「御花」の時空を超えたコラボで見えた地方創生の鍵

デンマーク名作家具「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」は2月8〜25日、福岡・柳川市の国指定名勝「柳川藩主立花邸 御花」で「フリッツ・ハンセン エキシビション イン 御花」を開催する。会場である「御花」は、約400年の大名文化を引き継ぐ柳川藩主の末裔が受け継ぐ知る人ぞ知る老舗旅館・料亭だ。北欧デザインと日本の歴史的建築と融合させた展示には、地域文化と未来の暮らしを紡ぐというメッセージが込められている。

九州の名勝で知り・触れる北欧名作家具

「御花」のある柳川は、川下りやウナギ料理で知られる柳川藩の城下町。人気の観光地として、国内外から多くの人が訪れる。雪がちらつく内覧会の日も、朝から川下りをしようとする多くの観光客の姿が見られた。「御花」は、明治時代につくられた伯爵時代の邸宅と庭園を含む2万3000 平方メートル以上の文化財だ。2〜4月には、“さげもん”と呼ばれる鮮やかな着物の端切れ作った小物吊るした飾りが街の至る所でみられ、多くの観光客で賑わう。

エキシビションの会場である「御花」の西洋館では、「フリッツ・ハンセン」のクラフツマンシップにフォーカスして紹介。名作“エッグチェア”の製造過程や歴史をカラフルに彩ってきた“セブンチェア”などを展示している。重厚でレトロな空間に、無駄を削ぎ落としたシンプルな北欧家具が見事にマッチしている。

100畳以上ある大広間には、“スワンチェア”など、「フリッツ・ハンセン」を代表する20脚の椅子を展示。名作椅子に座って、カモが泳ぐ広々とした庭を眺められる。北欧デザインは和洋問わず、あらゆる空間に自然と馴染むと実感する展示になっている。

地元販売店が結びつけた時空を超えたコラボ

国は違えども、「フリッツ・ハンセン」も「御花」も100年以上の歴史がある。それら2つを結びつけたのが、イベントを主催する福岡のインテリアショップの「フラムティーデン(FREMITIDEN)」だ。同ショップは、福岡で不動産事業や病院を運営する企業サワライズが、インテリアで地元の暮らしを豊かにしようと昨年4月にオープンした「フリッツ・ハンセン」の販売店だ。文化財と「フリッツ・ハンセン」の家具を通して、地域・暮らし・物作り“を再認識してほしいという思いで実現した。久富俊之サワライズ ライフ デザインセンター インテリア事業課課長兼「フラムティーデン」ブランドマネジャーは、「コラボするなら、伝統だけでなく時代に合った提案をする『フリッツ・ハンセン』だと決めていた」と話す。

会場は、婚礼など晴れの日に使われる伝統的建築物がふさわしいと「御花」に相談した。「御花」を運営する立花家18代の立花千月香社長は、「時空を超えたコラボレーションだ。100年以上続く本物と本物が融合した展示になっている」と話す。エキシビション会期中、「フリッツ・ハンセン」の家具で設えたスイートルームの宿泊プランも販売している(税・サービス料込み8万3200円〜。2人1室2食付1人)。企画を担当した御花の竹中逸人デザイナーは、「文化財に新しい魅力が生まれた。歴史と文化を感じる夢のような空間になっている」と語った。

世界的ブランドが発信する地方文化の魅力

展覧会やイベントの開催は、時間と手間がかかる。しかも、ポップアップとは異なり、直接、売り上げに反映されるわけではない。京都・自社主催の展示を行ったばかりの「フリッツ・ハンセン」。昨年末〜1月に両足院で開催した「ポール・ケアホルム展 in 京都」には、想定の1.5倍が来場た。フリッツ・ハンセン・ジャパンの鈴木利昌代表は、「展示を通してより幅広い人に感動を届け、ブランドを知ってもらいたい。また、地方でイベントを開催することで、地方文化の魅力を伝えられる」と話す。展示という文化的アプローチを通して地方にリーチすることで、ビジネスの分母が拡大できるという考えだ。

「御花」の立花社長は、「文化財を維持することは大変なことだ。残されたものに感謝し100年後にも残さなければという思いが大切。その思いがあれば、民間でも守っていくことができる」と語る。「“文化財を遊び倒す”がテーマ。多くの人に来ていただくことで支えられる」と続ける。藩主から伯爵、その土地に根差し文化を守り続けるという強い意志から、柳川に観光客を呼び込み、現地での雇用を生み出している。

「フラムティーデン」の久富マネジャーは、「われわれをはじめ、『フリッツ・ハンセン』も『御花』も目指していることは同じだ。それは、100年先も残り続けるブランドであること。このようなコラボにより、人と人との触れ合いが生まれ、楽しんでもらえる風景が見たい」と話す。今後も、ネットワークのある日本全国の工房と協業で体験を届けていくという。

■FRITZ HANSEN EXHIBITION in 御花
会期:2月8〜25日
会場:柳川藩主立花邸 御花(福岡県柳川市新外町1)
時間:10:00~16:00
入場料:一般1000円、高校生500円、小中学生400円

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ファッション企業は地域を活性化できる?

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月10日号からの抜粋です)

佐藤:2010年代から自治体と企業の包括連携が増え始め、ブームと呼べるレベルになっていました。アパレルにもそういう波が来ていて、連携が増えています。僕はアダストリアの創業地、茨城県水戸市出身なんですが、企業の力で地元に目に見えて変化が起きていることや、群馬県前橋市のジンズ パークを見て、企業による地域活性化の特集を企画しました。

木村:セレクトショップが特に頑張っている領域で、ビームスが先駆者。「地域の魅力は当事者が発信することで一番伝わる」との思いで、全国の観光地にフランチャイズモデルの出店を進めていて、現地の雇用も生んでいます。直近ではアーバンリサーチが長崎県壱岐市と提携するニュースもありました。ファッションと観光産業の距離が縮まっているのを感じます。

店を作ることは、その地域に関わること

佐藤:なるほど。僕はジンズの前橋での取り組みに共感しました。ジンズ パーク前橋は、店にパン屋とメガネ屋が同居し、中央の階段で地域の人たちがパンを食べながらおしゃべりをしている、まさに交流の場です。それでいて建築家・永山祐子さんによるショップは、遠方からも建築好きを集められる。遠近両用なんです(笑)。

木村:考えてみれば、店を作ることは、そこに人の流れを作ることなんですよね。私は静岡市とデイトナ・インターナショナルの取り組みを取材しましたが、包括連携って悪く言えばゴールが曖昧、そしてアウトプットの成果は計りづらいなと。そして、そこに時間も労力も費用もかけると、継続が大変だろうと感じました。そういう意味では、店を構える、拠点を持つ、というのは継続的にその地域に関わっていくことになりますね。

佐藤:前橋は面白い古着店が複数あるのも印象的でした。地方は土地が安く、店を始めやすいのでしょう。今はSNS等の発信を見て、遠方からでも人は訪れます。オシャレもユニバーサルになってきていて、地方でもトガったものが売れるようになってきています。地方にこそ、ビジネスチャンスがありそうです。次号の地方セレクト特集も楽しみです!

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小島健輔氏が2025年を展望 逆風吹き荒れる環境下でファッション小売業がすべきこと 

「WWDJAPAN」はこのほど、ファッションビジネスコンサルタントの第一人者、小島健輔氏によるセミナー「2025年ファッション小売業の大展望」を開催した。「WWDJAPAN.com」の連載「小島健輔リポート」でおなじみの同氏が、業界の問題点を指摘しながら、消費動向や今後の指針を示した。同セミナーの模様をリポートする。

第1部では、基調講演として、「顧客、従業員、取引先の『三方よし』の実現のためにファッション小売業がすべきこと」を小島氏が語った。ファッションビジネスを取り巻く環境の変化を、生活者としての自らの実感も交えて解説。さまざまな経済指標の推移などとともに、止まらぬインフレや、政情不安によるサプライチェーンの逼迫・不安定化、日本の国力衰退による実質所得と衣料消費の縮小について指摘した。「ファッションの半世紀が終わって、意欲も気力もお金もない時代に入る。衣料消費はコロナ禍前に戻ったが、2024年がピークだったと振り返ることになるだろう」。

ではアパレル小売業はどうすればいいのか。小島氏は高い給料を払うために合理的な働き方をさせるマネジメント、「労働の組み直しと効率化」こそ大事だと力説する。しまむらなどの例を挙げながら、業務手順の見直しやそうした働き方を採用し、推進する人材を確保する重要性を説いた。


デジタル化の推進がカギ

効率化と人手不足の解消は、デジタル化の推進によって解決できる部分がある。第2部ではyutoriの青嶋剣士郎サプライチェーンマネージャーとレオン・インターナショナルの林真吾社長が登壇。小島氏とともに「デジタルで業務はどう変わるのか」をテーマに語った。

「9090」や「HTH」など若者に人気のブランドを多く企画・販売するyutoriの青嶋マネージャーは、約30ものブランドを抱えることについて、「100億円規模のブランドを作るのではなく、1億円規模のブランドを100個作ろうという戦略のもと事業を展開している」と説明。「そこから逆算して、一つのブランドは基本的にディレクターとMD、SNS担当の3ポジションで運営している」と語り、自律分散型ブランドを少人数でスピーディーに運営していること、デジタルコンテンツを作ることに長けたメンバーがそろっており、今求められているものを敏感に察知して商品に落とし込みながら、SNSなどでコミュニケーションできていることが、成長の原動力になっていると語った。ブランドはそれぞれ自律して動くが、発注プロセスなどの業務はデジタルで効率的に行えるようフォーマット化されているという。

レオン・インターナショナルは、OEM・ODM企業として進化すべく、10年前から3Dモデリングを行ってきた。パタンナーもデザイナーも抱えており、これまでに制作した高品質な3Dモデルのデータベースから、求めるデザインに近いものを選び、そこにアレンジを加えることで、効率的に商品開発ができるサービスを構築。そのデータを用いて、ECでの受注やアバター向けの衣装への転用もできるという。「あくまでODMのサービスの一環として提供する。人材の採用が難しい中、デジタルデータやAIを使って業務を効率化していくことで、より少ない人数で仕事ができるようになる。まさに『三方よし』だ」と林社長。「ようやく形になってきたタイミングだ」と意欲を見せた。

小島氏は、製品の企画、戦略策定、設計、開発、そして販売に至るまでの全過程を管理するシステムPDM(Product Data Management)導入の必要性を強調する。それにより企画段階からデザインをデジタルで共有し、海外の工場への発注もスムーズに行える。欧米ではすでにスタンダードになっていると語り、日本企業の導入の遅れを指摘した。

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小島健輔氏が2025年を展望 逆風吹き荒れる環境下でファッション小売業がすべきこと 

「WWDJAPAN」はこのほど、ファッションビジネスコンサルタントの第一人者、小島健輔氏によるセミナー「2025年ファッション小売業の大展望」を開催した。「WWDJAPAN.com」の連載「小島健輔リポート」でおなじみの同氏が、業界の問題点を指摘しながら、消費動向や今後の指針を示した。同セミナーの模様をリポートする。

第1部では、基調講演として、「顧客、従業員、取引先の『三方よし』の実現のためにファッション小売業がすべきこと」を小島氏が語った。ファッションビジネスを取り巻く環境の変化を、生活者としての自らの実感も交えて解説。さまざまな経済指標の推移などとともに、止まらぬインフレや、政情不安によるサプライチェーンの逼迫・不安定化、日本の国力衰退による実質所得と衣料消費の縮小について指摘した。「ファッションの半世紀が終わって、意欲も気力もお金もない時代に入る。衣料消費はコロナ禍前に戻ったが、2024年がピークだったと振り返ることになるだろう」。

ではアパレル小売業はどうすればいいのか。小島氏は高い給料を払うために合理的な働き方をさせるマネジメント、「労働の組み直しと効率化」こそ大事だと力説する。しまむらなどの例を挙げながら、業務手順の見直しやそうした働き方を採用し、推進する人材を確保する重要性を説いた。


デジタル化の推進がカギ

効率化と人手不足の解消は、デジタル化の推進によって解決できる部分がある。第2部ではyutoriの青嶋剣士郎サプライチェーンマネージャーとレオン・インターナショナルの林真吾社長が登壇。小島氏とともに「デジタルで業務はどう変わるのか」をテーマに語った。

「9090」や「HTH」など若者に人気のブランドを多く企画・販売するyutoriの青嶋マネージャーは、約30ものブランドを抱えることについて、「100億円規模のブランドを作るのではなく、1億円規模のブランドを100個作ろうという戦略のもと事業を展開している」と説明。「そこから逆算して、一つのブランドは基本的にディレクターとMD、SNS担当の3ポジションで運営している」と語り、自律分散型ブランドを少人数でスピーディーに運営していること、デジタルコンテンツを作ることに長けたメンバーがそろっており、今求められているものを敏感に察知して商品に落とし込みながら、SNSなどでコミュニケーションできていることが、成長の原動力になっていると語った。ブランドはそれぞれ自律して動くが、発注プロセスなどの業務はデジタルで効率的に行えるようフォーマット化されているという。

レオン・インターナショナルは、OEM・ODM企業として進化すべく、10年前から3Dモデリングを行ってきた。パタンナーもデザイナーも抱えており、これまでに制作した高品質な3Dモデルのデータベースから、求めるデザインに近いものを選び、そこにアレンジを加えることで、効率的に商品開発ができるサービスを構築。そのデータを用いて、ECでの受注やアバター向けの衣装への転用もできるという。「あくまでODMのサービスの一環として提供する。人材の採用が難しい中、デジタルデータやAIを使って業務を効率化していくことで、より少ない人数で仕事ができるようになる。まさに『三方よし』だ」と林社長。「ようやく形になってきたタイミングだ」と意欲を見せた。

小島氏は、製品の企画、戦略策定、設計、開発、そして販売に至るまでの全過程を管理するシステムPDM(Product Data Management)導入の必要性を強調する。それにより企画段階からデザインをデジタルで共有し、海外の工場への発注もスムーズに行える。欧米ではすでにスタンダードになっていると語り、日本企業の導入の遅れを指摘した。

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上海アングラ文化の新たな聖地「交感天使」【ヒキタミワの「上海日記」】

1993年から上海在住のライターでメイクアップアーティストでもあるヒキタミワさんの「上海日記」は、ファッションやビューティの最新トレンドや人気のグルメ&ライフスタイル情報をベテランの業界人目線でお届けします。3回目は、「ターミナル69(TERMINAL69、住所:徐汇区太原路167号B1)」から派生した上海アンダーグラウンド・カルチャーをけん引するバー「交感天使」。日本の昭和カルチャーからインスパイアされた旬なスポットを紹介します。

「交感天使」のルーツは日本の「昭和エログロ系」!?

(前回から続く)
「広々とスペースを使ってイベントを展開したい」 69 (リウジウ)と、「日本大好き、日本のカルチャーを上海に持ち帰りたい」という重美(しげみ)、そんな2人の想いから誕生したバー「交感天使」は、多彩なイベントを通じて常識を打ち破る上海のアンダーグランド文化の先駆け的存在として注目を集めている。

地下にある約90㎡の店内には花と光が妖艶に施され、1970年代から80年代、あるいは日本のバブル期の秘宝館や昭和ラブホテルを彷彿させる。「ターミナル69」と隣り合わせるガラス壁にはバンビや子羊の剥製が生々しく並び、テーブルの上や壁には日本のリサイクルショップから集めたこけしや日本人形、春画などが絶妙に配置されている。1品ずつこだわって揃えたロココ調の椅子やヴィンテージのテーブルなどは、日本から運んできた。そして左手側には薄赤く光るバーカウンターが。「ポイズンガールフレンド(POiSON GiRL FRiEND)」「羊水世界(Womb Water World)」「中国肉(Chinese Meat)」など、ここでしかあり得ない世界観を持つネーミングのオリジナルカクテルを毒々しく愉しむことができる(いずれも100元=約2100円前後)。

そして中央奥には、孔雀のモチーフが印象的な日本画の屏風が鎮座する“スケスケステージ” が設置されている。ここでは、上海人アイドルが昭和風のひらひらドレスを着て歌唱する「昭和忘年会」や、ロープアーティストによる「緊縛パフォーマンス」など、他では見られない異色のパフォーマンスが繰り広げられる。

日本のアーティストやクリエイターを招いたイベントも

昨年6月のオープニングパーティーでは、日本から招いた写真家・現代美術家の花代によるエッジの効いた日本舞踊と歌唱パフォーマンスや、目下は歌手の友川カズキの絵画巡回展を開催中。アーティストの輝くA面だけでなく誰も知らないB面にも光を当て、その人のもう一面をフューチャーしたい、と重美。

客層は中国のSNS 「小紅書(RED)」をバイブルとするZ世代の女性たちを中心にインスタグラム経由で訪れるファッション系・クラブキッズ系の外国人など。いろいろな人種で賑わっている。現在、ランチタイムに昭和喫茶をオープンする準備中で、昭和スタイルの制服を纏ったウェイトレスが懐かしの喫茶メニューを提供する予定だという。

「交感天使」は、単なるバーではなく、創造性と感性が交差するカルチャー空間とも言える。懐かしさと独特な色調が入り混じるシーンに足を踏み入れれば、その鮮烈さに目眩すら覚えることだろう。そうだ、入り口にはオリジナルイラストのプリクラも用意されているので、想い出に1枚撮影してみてはいかが?

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“諭吉コスメ”は“栄一コスメ”になる? 「アットコスメ」や「スック」など4社に聞いてみた

「1万円超えるコスメを“諭吉コスメ”と呼んでいたけれど、今後は“渋沢コスメ”か“栄一コスメ”になるってことかな?」。

Xで見かけたつぶやき。旧1万円札の肖像画が福沢諭吉だったことから、1万円を超える高価格帯コスメは“諭吉コスメ”という愛称で親しまれていたが、新札が渋沢栄一になった今、今後はどのような名で呼ばれるようになるのか。今後の動向や見解をメディアや化粧品ブランド各社に聞いてみた。

「アットコスメ」

WWD:“諭吉コスメ”改め、今後はどんな名前で浸透すると思いますか?理由も教えてください。

西原羽衣子 「アットコスメ」 リサーチプランナー(以下、西原):“栄一コスメ”ですかね。口コミサイト「アットコスメ」でいまだに“栄一”よりも“諭吉”の出現が多いことからまだ時間はかかるかと思いますが、1万円札=渋澤栄一のイメージが定着するにつれ、将来的には“栄一コスメ”の呼び名が浸透するのではないでしょうか。

WWD:実際に“栄一コスメ”といったキーワードの増加傾向はありますか?また、投稿数は何件あるのでしょうか?

西原:「アットコスメ」の口コミにおける“栄一”の出現率は徐々に増加しており、この半年で30件程度(購入品のクチコミに限る)使われています。

一方、“諭吉”は“栄一”の7倍以上(直近半年間、購入品のクチコミに限る)出現しており、1万円超えの高額のコスメのことを“諭吉コスメ”と言い表す人のほうが未だ多く見られます。ただし、新紙幣が発行された2024年7月を境にその出現は半減しています。

「LDK the Beauty」

WWD:“諭吉コスメ”改め、今後はどんな名前で浸透すると思いますか?理由も教えてください。

井上生智「LDK the Beauty」副編集長(以下、井上):物価高騰、低価格帯コスメのクオリティーアップに際し、“諭吉コスメ”自体のパワーが薄れていくと予想。呼び方が分散もしくは廃れていくのではないかと考えています。

物価の高騰に関しては外資、国内ブランド問わず値上げの傾向にあり、市場調査をしていても1万円に近い価格帯のコスメが増えたように感じます。以前は「諭吉コスメといえばコレ!」という代名詞的な製品がありましたが、今後はそのようなことが少なくなっていくのではないでしょうか。

また、日々検証をしている立場としては、いわゆる「プチプラコスメ」のクオリティーが年々上がっており、「デパコス」と遜色ないレベルのアイテムが増えていることも理由として挙げられます。

そういった点から、1万円越えのコスメに対する特別感が希薄になるのは自然な流れではないかと感じます。

「スック」

WWD:「スック」といえば、“諭吉ファンデ”の愛称で親しまれている“ザ ファンデーション”(旧:ザ クリーム ファンデーション)が有名ですが、今後は“栄一ファンデ”といった名称で浸透しそうでしょうか?

横山愛里「スック」PRコーディネーター(以下、横山):“ザ ファンデーション”は“諭吉ファンデ”のままで呼ばれ、“栄一ファンデ”は浸透しないと考えます。理由としては、2023年9月に“ザ クリーム ファンデーション”から“ザ ファンデーション”にリニューアルした際に、価格が1万円(税抜)を超えて、1万3千円(税抜)になっても“諭吉ファンデ”として親しまれているくらいに浸透しているため、今後も変化することはなさそうだなと思いました。

また、ブランドから“諭吉ファンデ”という言葉は一度も発信したことはないのですが、口コミから自然と生まれ、それまで「スック」を知らなかった方にまで広がりました。“諭吉ファンデ”と聞いてすぐに「あのファンデーションね!」と思い浮かぶくらいの代名詞となったことには、キャッチーなワードの影響力への驚きと共に、愛称が付くのはたくさんの方に認知されている商品ならではだと思うのでうれしく思っています。また、1万円を払うに値する商品だと認めていただいている証だとも思うので、ポジティブに捉えています。

WWD:“諭吉コスメ”改め、今後はどんな名前で浸透すると思いますか?理由も教えてください。

横山:“栄一コスメ”かなと思います。新札に変わってから約2か月後に発売した“ザ プライマー”(税抜で1万円)は、“栄一プライマー”、“栄一下地”などと呼んでいるSNSの投稿もあり、徐々に諭吉から栄一への変化が見られます。世の中が新札に慣れたころには、1万円超えのものは“栄一〇〇”という愛称がついていくのでは?と予想しています。

「エレガンス」

WWD:「エレガンス」の名品フェイスパウダー“ラ プードル オートニュアンス”が、“諭吉パウダー”と呼ばれていたと思います。

大城玲奈 アルビオン 経営企画部 広報グループ 広報担当(以下、大城):そうですね。店頭での接客の際には販売員も、お客さまも「諭吉」というフレーズを口にするケースは少なく、SNSを中心に“諭吉パウダー”と呼んでいただいていたと捉えております。

WWD:“諭吉コスメ”改め、今後はどんな名前で浸透すると思いますか?理由も教えてください。

大城:“渋沢コスメ”などでしょうか。“諭吉”というフレーズは語呂の良さも相まって、コスメ以外の領域でも親しまれていました。長い時間をかけて定着してきたように感じます。新札に切り替わってからはまだ半年ほどしか経っていないので、“渋沢”“栄一”というフレーズが浸透するには、もう少し時間がかかるのではないかと考えています。

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“諭吉コスメ”は“栄一コスメ”になる? 「アットコスメ」や「スック」など4社に聞いてみた

「1万円超えるコスメを“諭吉コスメ”と呼んでいたけれど、今後は“渋沢コスメ”か“栄一コスメ”になるってことかな?」。

Xで見かけたつぶやき。旧1万円札の肖像画が福沢諭吉だったことから、1万円を超える高価格帯コスメは“諭吉コスメ”という愛称で親しまれていたが、新札が渋沢栄一になった今、今後はどのような名で呼ばれるようになるのか。今後の動向や見解をメディアや化粧品ブランド各社に聞いてみた。

「アットコスメ」

WWD:“諭吉コスメ”改め、今後はどんな名前で浸透すると思いますか?理由も教えてください。

西原羽衣子 「アットコスメ」 リサーチプランナー(以下、西原):“栄一コスメ”ですかね。口コミサイト「アットコスメ」でいまだに“栄一”よりも“諭吉”の出現が多いことからまだ時間はかかるかと思いますが、1万円札=渋澤栄一のイメージが定着するにつれ、将来的には“栄一コスメ”の呼び名が浸透するのではないでしょうか。

WWD:実際に“栄一コスメ”といったキーワードの増加傾向はありますか?また、投稿数は何件あるのでしょうか?

西原:「アットコスメ」の口コミにおける“栄一”の出現率は徐々に増加しており、この半年で30件程度(購入品のクチコミに限る)使われています。

一方、“諭吉”は“栄一”の7倍以上(直近半年間、購入品のクチコミに限る)出現しており、1万円超えの高額のコスメのことを“諭吉コスメ”と言い表す人のほうが未だ多く見られます。ただし、新紙幣が発行された2024年7月を境にその出現は半減しています。

「LDK the Beauty」

WWD:“諭吉コスメ”改め、今後はどんな名前で浸透すると思いますか?理由も教えてください。

井上生智「LDK the Beauty」副編集長(以下、井上):物価高騰、低価格帯コスメのクオリティーアップに際し、“諭吉コスメ”自体のパワーが薄れていくと予想。呼び方が分散もしくは廃れていくのではないかと考えています。

物価の高騰に関しては外資、国内ブランド問わず値上げの傾向にあり、市場調査をしていても1万円に近い価格帯のコスメが増えたように感じます。以前は「諭吉コスメといえばコレ!」という代名詞的な製品がありましたが、今後はそのようなことが少なくなっていくのではないでしょうか。

また、日々検証をしている立場としては、いわゆる「プチプラコスメ」のクオリティーが年々上がっており、「デパコス」と遜色ないレベルのアイテムが増えていることも理由として挙げられます。

そういった点から、1万円越えのコスメに対する特別感が希薄になるのは自然な流れではないかと感じます。

「スック」

WWD:「スック」といえば、“諭吉ファンデ”の愛称で親しまれている“ザ ファンデーション”(旧:ザ クリーム ファンデーション)が有名ですが、今後は“栄一ファンデ”といった名称で浸透しそうでしょうか?

横山愛里「スック」PRコーディネーター(以下、横山):“ザ ファンデーション”は“諭吉ファンデ”のままで呼ばれ、“栄一ファンデ”は浸透しないと考えます。理由としては、2023年9月に“ザ クリーム ファンデーション”から“ザ ファンデーション”にリニューアルした際に、価格が1万円(税抜)を超えて、1万3千円(税抜)になっても“諭吉ファンデ”として親しまれているくらいに浸透しているため、今後も変化することはなさそうだなと思いました。

また、ブランドから“諭吉ファンデ”という言葉は一度も発信したことはないのですが、口コミから自然と生まれ、それまで「スック」を知らなかった方にまで広がりました。“諭吉ファンデ”と聞いてすぐに「あのファンデーションね!」と思い浮かぶくらいの代名詞となったことには、キャッチーなワードの影響力への驚きと共に、愛称が付くのはたくさんの方に認知されている商品ならではだと思うのでうれしく思っています。また、1万円を払うに値する商品だと認めていただいている証だとも思うので、ポジティブに捉えています。

WWD:“諭吉コスメ”改め、今後はどんな名前で浸透すると思いますか?理由も教えてください。

横山:“栄一コスメ”かなと思います。新札に変わってから約2か月後に発売した“ザ プライマー”(税抜で1万円)は、“栄一プライマー”、“栄一下地”などと呼んでいるSNSの投稿もあり、徐々に諭吉から栄一への変化が見られます。世の中が新札に慣れたころには、1万円超えのものは“栄一〇〇”という愛称がついていくのでは?と予想しています。

「エレガンス」

WWD:「エレガンス」の名品フェイスパウダー“ラ プードル オートニュアンス”が、“諭吉パウダー”と呼ばれていたと思います。

大城玲奈 アルビオン 経営企画部 広報グループ 広報担当(以下、大城):そうですね。店頭での接客の際には販売員も、お客さまも「諭吉」というフレーズを口にするケースは少なく、SNSを中心に“諭吉パウダー”と呼んでいただいていたと捉えております。

WWD:“諭吉コスメ”改め、今後はどんな名前で浸透すると思いますか?理由も教えてください。

大城:“渋沢コスメ”などでしょうか。“諭吉”というフレーズは語呂の良さも相まって、コスメ以外の領域でも親しまれていました。長い時間をかけて定着してきたように感じます。新札に切り替わってからはまだ半年ほどしか経っていないので、“渋沢”“栄一”というフレーズが浸透するには、もう少し時間がかかるのではないかと考えています。

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