日本発アウトドアブランドの「モンベル(MONT-BELL)」は2025年春夏、レインウエアの旗艦モデル“ストームクルーザー”で、従来から使用してきた「ゴアテックス(GORE-TEX)」素材に代えて、「モンベル」独自の防水透湿素材「スーパー ドライテック(SUPER DRYTEC)」を使用する。これを受け、SNSでは1月末から「『モンベル』が『ゴアテックス』完全撤退か?」などと話題になっているが、実際は「ゴアテックス」を使用したレインウエアもラインアップし、選べるようにする。
新モデルの“ストームクルーザー”に使用する「スーパー ドライテック」は、PFAS(有機フッ素化合物)フリーの防水透湿素材。湿度の高い日本の気候の中でも蒸れにくいことを追求して開発した。「スーパー ドライテック」を使用したレインジャケットとしては、“ストームクルーザー”(メンズ2万2000円、ウィメンズ2万1000円)の他、より透湿性を追求した“トレントフライヤー”(メンズ2万3200円、ウィメンズ2万2200円)、より軽量な“バーサライト”(メンズ2万4000円、ウィメンズ2万2900円)の3型をそろえる。
専用洗剤は詰め替えパックも発売
「ゴアテックス」を使用するレインジャケットは、“テンペスト”(メンズ3万5200円、ウィメンズ3万4200円)のほか、軽量コンパクトな“ピークシェル”(メンズ3万2000円、ウィメンズ3万1000円)、より厚手な“レイントレッカー”(メンズ2万9000円、ウィメンズ2万8200円)の3型。いずれも、PFASフリーのePEメンブレンを使用した「ゴアテックス」を採用している。
“ストームクルーザー”と“テンペスト”では約1万3000円の価格差がある。「ラグジュアリーな嗜好品ではなく、アウトドアウエアとして、さまざまな人が手に取ることができる存在でないといけない」(広報担当者)というブランドの考え方のもと、レインウエアの中で、価格帯や軽量性、厚みなど多様なバリエーションをそろえて提案している。ただし、“ストームクルーザー”は「モンベル」の看板アイテムの1つとして認知が高く、1982年から「ゴアテックス」を使用し続けてきたという経緯もあって、素材切り替えに驚いたファンも多く、SNSでも大きな話題となった。これらのレインジャケットは、2月末から順次販売していく。
「スーパー ドライテック」「ゴアテックス」共に、PFASフリーの製品は、PFAS使用製品に比べると、どうしても皮脂などの脂汚れには弱くなる。その結果、実際は防水透湿性能が失われていないのに、濡れたように感じることもあるため、脂汚れの定着を防ぐ定期的な洗濯ケアをアウトドアメーカー各社が積極的に打ち出すようになっている。「モンベル」では、レインウエア専用洗剤やはっ水剤、ダウン用洗剤で詰め替えパック(洗剤900円、はっ水剤2400円、ダウン用洗剤1100円)を25年春夏から新たに販売し、より気軽に洗濯ができるようにした。
50周年でアーカイブロゴアイテム企画
「モンベル」は25年に設立25周年を迎えることを受け、アーカイブロゴを使用した記念商品も企画。Tシャツやスエット、デイパック、サーモボトルなどをそろえる。食品のラインアップの拡充も25年春夏のポイントで、モンベル直営レストランのレシピをもとにしたレトルトカレー(500円)や、炭水化物ばかりになりがちな山行中に手軽にたんぱく質が摂れるフリーズドライのサラダチキン(550円)などを発売する。
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