1位は、10周年の「アメリ」が「レスポートサック」とコラボ 上品かつモードなバッグやポーチ|週間アクセスランキング TOP10(1月23〜29日)

1位は、10周年の「アメリ」が「レスポートサック」とコラボ 上品かつモードなバッグやポーチ|週間アクセスランキング TOP10(1月23〜29日)

「WWDJAPAN」 ウイークリートップ10

1週間でアクセス数の多かった「WWDJAPAN」の記事をランキング形式で毎週金曜日にお届け。
今回は、1月23日(木)〜1月29日(水)に配信した記事のトップ10を紹介します。


- 1位 -
10周年の「アメリ」が「レスポートサック」とコラボ 上品かつモードなバッグやポーチ

01月29日公開 / 文・WWD STAFF

 黒石奈央子がディレクターを務める「アメリ(AMERI)」はブランド10周年を記念し3月19日10時、「レスポートサック(LESPORTSAC)」とのコラボコレクションを発売する。両ブランドの店舗及び公式オンラインストアで取り扱う。18日15時から19日9時の期間、「アメリ」の会員サービス“AMATE”で先行販売を行う。

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- 2位 -
【スナップ】「エルメス」会場に最高の“エレおじ”集まる 高貴すぎる紳士の装い

01月28日公開 / 文・ライターELIE INOUE

 「エルメス(HERMES)」は、2025-26年秋冬メンズ・コレクションをパリで現地時間1月25日に発表した。ショー会場には、業界関係者から同ブランドの顧客まで、幅広い世代の男女が来場する。中でも、レザーアイテムを着こなすエレガントな紳士“エレおじ”が一際目を引いた。ブルゾンやジャケット、ワークウエアは、体になじむ柔らかいレザーにより品のある雰囲気を醸し出す。バッグは、ケリー(Kelly)やオータクロア(Haut a Courroies)、バーキン(Birkin)が安定して高い所持率を誇り、丸みを帯びたフォームのボリード(Bolide)も、男性から支持を集め始めているようだ。職人が一つ一つ手作業で染色するシルクスカーフ“カレ(Carres)”は、首に巻いたり、肩に掛けたり、軽く結んだりと、ノンシャランなスタイリングが大人の粋な遊び心を演出していた。

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- 3位 -
「ギャップ」が2PACやレッチリ、ソニック・ユースなどの最新コラボTを発売

01月23日公開 / 文・WWD STAFF

 「ギャップ(GAP)」は、2025年春コレクションの最新ミュージックTシャツ5型を1月25日に発売する。今回は、ラッパーの2PAC、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(RED HOT CHILI PEPPERS)、ソニック・ユース(SONIC YOUTH)、レッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)、カントリーミュージック界のレジェンド、ウィリー・ネルソン(WILLIE NELSON()のTシャツをラインアップ。サイズはXS〜XLを展開し、 価格は各7990円。

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- 4位 -
「アニヤ・ハインドマーチ」がついにオリジナルの“ユニバーサルバッグ”を発売

01月23日公開 / 文・伊藤花笑

 英「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」は2月6日、初のブランドオリジナルのエコバッグ“ユニバーサルバッグ”(5940円)を発売する。チョコレートのようなブラウンとブルーの色使いが特徴で、レギュラーサイズとミニサイズ1点ずつのセット売り。店舗では取り扱わず、公式ECのみで販売する。 

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- 5位 -
「アシックス」が自動車用レザーを再利用したシューズを発売 豊田合成と協業

01月27日公開 / 文・WWD STAFF

 「アシックス スポーツスタイル(ASICS SPORTSTYLE)」は、自動車部品メーカーの豊田合成と協業し、同社が自動車のハンドルに使用している自動車用レザーの端革を再利用したシューズ“スカイハンド オージー(SKYHAND OG)”(1万5400円)を、2月1日に発売する。サイズ展開は22.5〜29.5(0.5cm刻み)、30.5、31.0cmで、「アシックス」フラッグシップ原宿、大阪心斎橋、オンラインストアで販売する。

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- 6位 -
「イソップ」から反逆的なフローラルの香りの新作フレグランス 限定ジュエリーも同時発売

01月27日公開 / 文・WWD STAFF

 「イソップ(AESOP)」は2月25日、新作フレグランス“オルナー オードパルファム”(50mL、2万3870円)を発売する。さらに同日タイ・バンコクのファインジュエリーデザイナー、パチュラヴィパー・ボディラットナンクラ(Patcharavipa Bodiratnangkura)による特別仕様の“オルナー イヤーカフ”(5万8080円)を、世界各地の一部店舗で200個限定で発売する。

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- 7位 -
トランプ米大統領の華麗なる一族 注目を集める2人のティーンエイジャー

01月23日公開 / 文・米国版WWD

 1月20日(現地時間)、アメリカ・ワシントンで第47代大統領就任式が行われ、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領による第2次政権がスタートした。2017年に初めて大統領に就任して以来、トランプ大統領だけでなく、3度の結婚で築いた大家族にも常に視線が向けられてきた。78歳のトランプ大統領はこれまでに2度離婚し、ファーストレディーであるメラニア(Melania Trump)夫人と再婚。5人の子どもと10人の孫を持つ。選挙戦でのスピーチや政権チームへの参画で家族のサポートを得ながら、結束を深めてきたトランプファミリー。子と孫の10代の新世代を含む家系図をひも解く。

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- 8位 -
「リーバイス」の人気デニムパンツ2型を再解釈 「アーバンリサーチ」で限定販売

01月26日公開 / 文・WWD STAFF

 「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」は2月中旬、「リーバイス(LEVI'S)」の人気モデル2型をアップデートした限定デニムパンツ2型を発売する。現在公式オンラインストアで先行予約を受け付けている。

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- 9位 -
【スナップ】「コム デ ギャルソン・オム プリュス」ゲストは癖スゴ服も余裕で着こなす

01月27日公開 / 文・ライターELIE INOUE

 「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」は、2025-26年秋冬コレクションをパリで現地時間1月24日に発表した。ショー会場には、ショーツやスカートの下にカラータイツを合わせたり、ミドル丈スカートにパンツをレイヤードしたりと、同ブランドのデザイン性の高いアイテムを自己流に着こなす上級者が集結した。そんな来場者の多くは黒を基調にしながら、前シーズンのコレクションで多用した鮮烈なホットピンクを差し色で取り入れる配色も目立った。

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- 10位 -
「スナイデル」が“ナイキ ショックス TL”の限定カラーを発売

01月29日公開 / 文・WWD STAFF

 「スナイデル(SNIDEL)」は、「ナイキ(NIKE)」のアイコンシューズ、“ナイキ ショックス TL(NIKE SHOX TL)”の限定カラーを発売した。公式オンラインストアとECデパートメントストアのウサギオンラインで取り扱い中だ。

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「パレス スケートボード」2025年スプリングコレクション

「パレス スケートボード(PALACE SKATEBOARDS)」が2025年スプリングコレクションを発表した。

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J.フロントが心斎橋で新たな再開発 有力ブランドを誘致

J.フロント リテイリング(JFR)は31日、子会社を通じて大阪・心斎橋の銀行跡地の再開発に参画すると発表した。現在の建物を解体した後、低層店舗を2028年末に開く。有力ブランドの旗艦店を誘致する。

再開発の対象は、御堂筋を挟んで大丸心斎橋店と心斎橋パルコの斜向かいにある心斎橋ビル(旧関西アーバン銀行本社)の土地・建物。敷地面積は約2300平方メートルに、現在、16階建てのオフィスビルが建っている。再開発は、子会社J.フロント都市開発が大阪メトロ、関西みらい銀行、アサヒプロパティズと共に出資する特定目的会社が主導する。出資額や出資比率は非公開。

低層店舗は一等地の利用効率からすれば不釣り合いだが、建築費高騰や人手不足による工期遅れと、訪日客が殺到して店舗の空室率がゼロという心斎橋エリアの状況を鑑み、再開発のスピードを優先させた。将来の高層化も視野に入れる。

JFRは心斎橋エリアを長期的な戦略拠点と位置づけ、大丸心斎橋店と心斎橋パルコの周辺開発を積極的に進めている。御堂筋と長堀通の交差点の角地では、LVMHの不動産開発投資会社と共に「(仮称)心斎橋プロジェクト」を26年開業予定で建設中だ。また24年7月には大丸心斎橋店・南館の土地・建物を保有する会社を子会社化した。エリアの回遊性を高めて、大型商業施設が林立する梅田や難波に対抗する。

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「バナナ・リパブリック」虎ノ門ヒルズ店 銀座店に代わるブランド発信の拠点に

米「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」は1月31日、虎ノ門ヒルズ店をオープンした。売場面積は約300平方メートル。1月31日から4月9日にかけ段階的に開業する「グラスロック」(「森タワー」と「ステーションタワー」の中心に位置する施設)の地下2階に店を構える。「グラスロック」への出店は、2024年10月に閉店した銀座店に代わる旗艦店の役割を期待してのこと。

まず目に入るのは、初の常設となるバーカウンター。虎ノ門ヒルズ店限定イベントを不定期で開催するとし、PR担当は「ドリンクを片手に、たまにはソファーに腰掛けながら、ゆっくりとブランドの世界観を楽しんでもらえたら」と期待する。スタイリングのプロが無料で買い物をサポートする“パーソナルスタイリングサービス”も常に実施し、顧客とのエンゲージメントをさらに高めていく。

内装全体は、24年にリニューアルオープンしたニューヨーク・ソーホー店のラグジュアリーな要素を多分に取り入れた。トランクや南国を思わせる観葉植物など、ブランド創業者の“旅好き”な特徴を色濃く反映させている。天井も高く、「地下2階とは思えない開放感を意識した」という。

PR担当は「2025年春コレクションのローンチとともに、幅広い世代にアプローチできるようなブランドに育てていきたい」と展望する。特にウィメンズはその傾向が顕著で、「スエットや明るいバイカラーのブラウスなど、これまでほとんど取り扱っていなかったアイテムにも挑戦している」。そのほか、ブルーを基調にしたクラシックな虎ノ門ヒルズ店限定コレクションも用意。ビジネスパーソンが行き交う立地を生かすべく、オフィスシーンに合うようなスーツやシャツ、ベルト類も充実している。

■「バナナ・リパブリック」虎ノ門ヒルズ店
オープン日:1月31日
住所:東京都港区虎ノ門1-22-1 グラスロック 地下2階

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クチュール20周年の「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」は、TikTokにも負けない煌めき

オートクチュールのライン「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」は2005年、ブランド創設30周年を機にスタートしたものという。あれから20年、ブランド自体も50周年を迎えた、91歳のジョルジオ・アルマーニが見せた2025年春夏コレクションは、TikTokなどのエフェクトをはるかに凌ぐほど、洋服自体が眩く煌めく、時代も、空間も超越したオリエンタルなドレス94体だった。

儚くはあるものの、一方で何にも遮られることのない煌めきを讃えたら、時代も、空間も、もしかしたら思想さえ超越できるのではないか?そう信じたアルマーニは、近年オートクチュール・コレクションで傾倒するオリエンタルへの探求を深めた。サンドやヌードの色彩は、西アジアや北アフリカから。そこにインドを中心とする南アジアが得意とする華麗な装飾を加え、日本を含む東アジアに特有のミニマルなラインのノーカラージャケットや楊柳のパンツ、そしてドレスに仕上げる。素肌の上に纏った、極細の糸で編み上げたプルオーバーニットや、ペンシルラインのスカートは、まさにヴェールのよう。ダッチェスサテンやブロケードが光を優しく反射する一方、最後に加えた装飾は歩くたびに明滅を繰り返して大袈裟ではなくピカピカ光っている。スマホの画面越しに見ると、まるでSNSのエフェクトのようだ。アクセサリーは、バッグで陽の光と戯れる一方、ヘッドピースは月の光を優しく増幅するイメージ。煌めき方は多種多様だ。

リーンでしなやかなシルエットで女性の柔らかさを掻き立てつつ、まるで宝石のように自ら輝きを放つスタイルの数々は、まさに普遍的な存在だろう。そして、この普遍性こそが「ジョルジオ アルマーニ」が50年間、「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」が20年間探求し、これからも追求し続けるスタイルなのだと思う。

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「ナイキ」の“エア マックス”の新作、“エア マックス Dn8”が誕生 ハイパーピンクカラー

「ナイキ(NIKE)」は、“エア マックス”の新作、“エア マックス Dn8”(2万5300円)を発表した。“エア マックス Dn8”は、今回初めてダイナミック エア テクノロジーをソール全体に広げ、「空気(エア)の上を歩く感覚」を新たな形で提供。2つのエア ユニットと8つのチューブが踵から前足部にかけて圧縮された空気の流れを生み出し、常識を超えるクッショニング、空気の流れ、履き心地や動きを感じさせる。

同商品は、2月6日に「SNKRS」と一部のナイキ販売店でハイパーピンクカラーが、3月6日に「ナイキ」オンラインサイトと一部「ナイキ」販売店でレッドカラーが発売予定。その後、メンズ、ウィメンズ、キッズ向けの追加カラーが登場予定だという。

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「ナイキ」の“エア マックス”の新作、“エア マックス Dn8”が誕生 ハイパーピンクカラー

「ナイキ(NIKE)」は、“エア マックス”の新作、“エア マックス Dn8”(2万5300円)を発表した。“エア マックス Dn8”は、今回初めてダイナミック エア テクノロジーをソール全体に広げ、「空気(エア)の上を歩く感覚」を新たな形で提供。2つのエア ユニットと8つのチューブが踵から前足部にかけて圧縮された空気の流れを生み出し、常識を超えるクッショニング、空気の流れ、履き心地や動きを感じさせる。

同商品は、2月6日に「SNKRS」と一部のナイキ販売店でハイパーピンクカラーが、3月6日に「ナイキ」オンラインサイトと一部「ナイキ」販売店でレッドカラーが発売予定。その後、メンズ、ウィメンズ、キッズ向けの追加カラーが登場予定だという。

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「ロキソニ」で初来日した“期待の新人” Luvcat(ラヴキャット) 「TikTokでのヒット」や「美学」を語る

いまや音楽業界においてTikTok発のヒットは珍しくない。だが、そのほとんどが一発屋で終わる中、これまでリリースした3枚のシングル全てがTikTokでバイラルヒットしたとなれば話は別だろう。英リバプール出身のラヴキャット(Luvcat)は、そんな異例のヒット連発で注目を集めているニューカマーだ。

ラヴキャットは、元々シンガー・ソングライターとして活動していたソフィー・モーガン(Sophie Morgan)の新たなプロジェクトとして2023年にスタート。ザ・キュアーの曲名からアーティスト名を拝借したことからも分かるように、その音楽性はややゴシックなインディーロックをベースに、シャンソンやキャバレー・ミュージック、フランク・シナトラなどからの影響を織り交ぜたもの。そして何より特徴的なのは歌詞の世界観だ。基本的にどれも「恋愛の深みにハマってしまう私」を描いているのだが、ティム・バートンさながらのゴシックでユーモラスな映画を観ているような場面設定がとにかく秀逸。

例えば「He’s My Man」は、愛する男性と一時たりとも離れたくないという想いから、その男性の食事に少しずつ毒を盛り、殺害してずっとそばにいようとする歌なのだ。TikTokで特に若い女性から熱烈な支持を集めているのも、ファンタジックでゴシックな世界観とそこに込められたリアルな恋愛感情が共感を呼んでいるからなのだろう。

そして今年は、ラヴキャットにとってさらなる飛躍の年となりそうだ。というのも、本国の複数の音楽メディア、そしてグラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーから、「今年期待の新人」として次々と名前を挙げられているのである。現在制作中だというデビュー・アルバムが、25年の注目作の一枚となることは間違いない。

1月4日、5日に幕張メッセにて開催されたフェス、「ロッキング・オン・ソニック(rockin'on sonic)」で初来日を果たしたラヴキャットに話を訊いた。

「ロッキング・オン・ソニック」を終えて

——「ロッキング・オン・ソニック」でのライブはいかがでしたか?

ラヴキャット:ええ、すごく美しかった。本当に、すごく非現実的な感じがして。思ったよりたくさんの人が来てくれたし、サイン用に私の写真をプリントして持ってきてくれたファンもいて。全体的に奇妙な夢みたいな感じがしたんだけど、大好きなバンドもたくさん出演していて、それがまた特別な体験になったっていう。

——こんなに大きなステージでやったのは初めて?

ラヴキャット:イギリスで夏にやったフェスが結構大きかったけど、それでも今回ほどお客さんは多くなくて。いつもはすごく小さい会場とかパブでやっているから、バンドのメンバーが私のすぐ隣にいる。でも今回はステージでみんなが遠く離れているように感じて、すごく不思議だったし、慣れるのはまだ難しいなって感じた。

——ステージ衣装もいつもよりゴージャスで、ちょっとマイ・ケミカル・ロマンスの「Black Parade」を思い出しました。

ラヴキャット:そう言ってもらえるのはうれしい。マイ・ケミカル・ロマンスは私にとってずっと大きな影響を与えてくれた存在で、9歳ごろから一番好きなバンド。彼らがロックンロールに持ち込んだ演劇的な要素が大好きで、それは私たちにも確実にインスピレーションを与えている。ステージでは、いつもバンドはスーツでそろえていて。黒いベルベットのスーツとか、ストライプのスーツとかね。私自身、ステージでゴージャスな気分になりたいし、全員がマッチした感じにしたいと思ってるから。

ただ日本では、ちょっとステップアップしようと思って。実は、最近ミュージック・ビデオの撮影で使ったマーチング・バンドの衣装があったから、それを使うことにしたの。私自身も、女の子バージョンの衣装を新しく作って、フェイクのメダルやドクロ・マークなんかをつけてみた。イギリスでやってたこととは違う雰囲気を出したかったし、初めての日本でのライブだし、しかもこんな大きなステージに立つのは特別なことだから、やるべきだと思って。


多様なアーティストからの影響

——マイ・ケミカル・ロマンスは小さいころから好きだったということですが、それ以外のアーティストで、ラヴキャットの音楽性や美学を形成する上で重要な影響を与えた存在というと?

ラヴキャット:子どものころ、おじいちゃんがフランク・シナトラやサミー・デイヴィス・ジュニアみたいな古い音楽をよく聴かせてくれていた。それから父がザ・キュアーやヴェルヴェット・アンダーグラウンドを教えてくれて、自分では19歳のころにレナード・コーエンやトム・ウェイツを見つけたの。そういういろんなものが奇妙な形で結びついた感じかな。あと、フランスの歌手、エディット・ピアフにもすごくインスパイアされてる。ちょっと奇妙な組み合わせだとは思うけど、たぶんそれが私の音楽が独特である理由なんじゃないかなって思ってる。

——まさにそういった多様なアーティストたちからの影響がラヴキャットの音楽からは聴き取れますが、具体的に彼らのどのようなところに魅力を感じたと言えますか?

ラヴキャット:私は音楽を耳だけじゃなく目でも聴いていたんだと思う。若いころ、歌詞の意味を理解するには幼過ぎたから、私を惹きつけたのはビジュアルだった。それが今まで私にとってアートワークやミュージック・ビデオがすごく重要だった理由でもあって。でも年を重ねるにつれて、詩を読むようになったり、歌詞を細かく読み解いたりする中で、それが一番大きな魅力になったっていう。トム・ウェイツの言葉に「美しいメロディーが恐ろしいことを語る」っていうのがあって、私もすごく共感してるんだけど、光と闇の混じり合いみたいなものが、私の音楽の指針になってるんだと思ってる。

——ラヴキャットのユニークな音楽性や美学というのは、比較的すぐに出来上がったものなのか、それともいろいろと試しながら徐々に出来上がったものなのか、どちらの方が近いのでしょうか?

ラヴキャット:私は、若い女性としていろんなことを試してきたと思ってる。でも、自分の核となる部分はほとんど変わってなくて。好きなものや考え方は基本的に同じだけど、見せ方が少しずつ変わった感じかな。最近は幸運な偶然も多くて、一度やってみたことが人々に響いて、それを続けるようになったこともある。

例えば、ヒョウ柄なんて全く着たことがなかったんだけど、あるライブのために(ヒョウ柄の)ドレスを見つけて、それを着てみたら、そのときの映像がネットに投稿されて、急に「ラヴキャット=ヒョウ柄」みたいなイメージができちゃった。でも実際にそれを着たのはその夜が初めてで。だから、明確にやりたいことを持ちながらも、周りの変化を受け入れる柔軟さがあったからこそ、今のスタイルが出来上がったんだと思う。

TiKToKでのバイラルヒット

——まさにそのヒョウ柄のドレスを着てた「Matador」のライブ映像がTikTokでバイラルしたことから一気に全てが動き出したと思いますが、あの動画のどんなところが人々の心をつかんだのだと思いますか?

ラヴキャット:たぶん、全体的な雰囲気かな。イギリスのパブって、独特の空気感があるでしょ。あのときの照明が緑と赤で、ちょっとデヴィッド・リンチっぽい感じがあったし、若いバンドがただ楽しくやっている様子が伝わったのかも。正直言って、なぜあれがそんなに響いたのかは分からない。ただ、友達が最前列で撮ってくれた、あんまり良くないクオリティーの動画を投稿しただけで、それが自分の人生を変えちゃうなんて、本当に魔法みたいな瞬間だった。でもそれに文句を言うつもりはないけど!(笑)。

——普通、TikTokでバイラルヒットするアーティストって、1曲だけの場合が多いですよね。でもあなたは、これまでのシングル3枚全てがバイラルヒットした。これってかなりすごいことですよね。

ラヴキャット:うん、私もこれについて考えてたんだけど、理由の一つとしては、最初のころにいろんな曲をシェアしてたことかな。1曲だけを何度も何度も投稿するんじゃなくて、クラブで30分のセットをやった時のいろんな曲の一部を投稿していて。そうやって、自分の世界観を少しずつ作り上げたから、人々をその中に招き入れることができたんじゃないかなって。だから、ファンやリスナーに「この人には一つの物語以上のものがある」って感じてもらえたのかも。

でも実を言うと、最初はTikTokには全然興味がなくて。友達に説得されてやっとダウンロードしたくらい。でも、素晴らしいプラットフォームだと思う。私みたいに音楽業界にコネもなくて、お金や広告もない人が、こんなに多くの人に届けられるなんてね。3曲全部がこんなにうまくいった理由は正直よく分からないんだけど、まあ、なんというか、本当に不思議だよね。

リアリズムとファンタジー

——では、自分たちの音楽におけるリアリズムとファンタジーのバランスはどのように考えていますか? 例えば、愛する男性をそばに置いておきたいあまり毒殺してしまう「He’s My Man」の歌詞は、もちろんファンタジーですよね。でも他の曲では、歌詞に実在する場所の名前も織り交ぜたりしていて、ストーリーがリアルに感じられるようにも工夫しています。

ラヴキャット:私ってそういう人だから。現実の世界で実在する人たちと関わり合いながらも、想像力はどんどん広がっていって、自分の中で物語を作り上げてしまうっていう。だから私は、常に半分は現実、半分はファンタジーの世界に生きている感じ。父はそれをよく冗談で、「ゆがんだ現実に住んでる」って言うんだけどね。それを「レモン・ワールド」って呼んでて……。

——レモン?

ラヴキャット:そう、レモン。レモンって、砂糖みたいに甘酸っぱくて、ちょっと現実離れしている感じだから。言葉でうまく説明できないんだけど、どこかおとぎ話のような世界観で、私はいつも半分はここにいて、半分は別の場所にいる感じ。例えば「He's My Man」は、愛が執着や依存に変わっていく、そういうとてもリアルな感情が基になっている。でもそこから自然と別の極端な方向に話を膨らませたくなったり。愛が人をどこまで狂わせるのかを考えるのが面白くて。例えば専業主婦が夫をあまりにも愛し過ぎて、仕事に行かせたくないあまりに、少しずつ彼の食べ物に毒を盛って病気にしてしまう、なんて話を歌にするのは楽しいなって思ったんだ。

——「He’s My Man」はマーダーバラッドですし、あなたの書く歌詞は基本的にダークですが、その一方でユーモラスな一面もあります。ちょっとティム・バートンの映画っぽいというか。ユーモラスな側面というのは、自分の音楽にとって重要な要素の一つですか?

ラヴキャット:私にとって、全てを深刻に捉え過ぎないことはすごく大切なんだと思う。若いころは、何もかも真剣でなきゃいけないっていう罠にハマってた時期もあったけど、やっぱり自分が一番好きな作家たちは、もっと皮肉っぽくて乾いたユーモアを持っているって気付いて。それに、アルバムを聴くときに、何かをちょっと茶化すような瞬間があると、その分シリアスな瞬間がさらに引き立つと思うから。明るい部分があるからこそ、暗い部分がより暗く感じられて、それがドラマチックさを増幅させるっていう。それに、それが私の性格そのものでもあって。私はいつも冗談を言ったり、自分のアイデアを遊び心を持って扱ったりしてるから、それが自然と歌詞に染み込んでいくんだと思う。でも本当に私としては、ただ自分が誰かと話しているみたいな感覚で書いてるだけなんだけどね。

——そういった自分の歌詞の書き方に影響を与えたアーティストはいるんですか?

ラヴキャット:主にトム・ウェイツかな。それに、レナード・コーエン、ジョニ・ミッチェル、ルー・リードとか。若いころにたくさん詩を読んでいて、スパイク・ミリガンっていう詩人や、子どものころはドクター・スース(*アメリカの有名な絵本作家。彼の作品はリズミカルに韻を踏むことで知られている。)なんかにもすごく影響を受けた。韻に夢中になってた時期があってね。自分が伝えたいことをぴったり表現できる言葉を見つけて、さらにそれが最後の文で韻を踏んでると分かったときの感覚って、すごく気持ちがいいから。

——ラヴキャットの音楽においてはファンタジーやユーモアが大事にされていますが、特にポップ・ミュージックの世界では、最近は私小説的というか、現実の恋愛や人間関係をそのままリアルに反映させた歌詞も多いと思います。あなたから見て、最近のポップ・ミュージックにはファンタジーやユーモアの要素がやや欠けていると思いますか?

ラヴキャット:それはここ1年くらいで少し変わってきたように感じていて、またポップ・ミュージックにシアター的な要素が戻ってきてるのを目にするようになったと思う。一時期はそういうのが廃れてたけど、今は勢いよく復活してるんじゃないかな。で、私の音楽を聴く人にも、私が語っていることは真剣でリアルな経験に基づいてるって伝わるといいなと思ってる。私はまだ若い女性で、自分の世界観や恋愛、若い女性としてのいろんな経験を記録してるだけだから。でも、ファンタジーは私にとってずっと大きな情熱の一つで。さっきティム・バートンの話が出たけど、彼の映画は大人が見ても、すごくリアルな人間の感情を描いてる。でも同時に、映画を見ることで現実から少し逃避できるっていう。シュールな要素があるからこそ、そんな感覚が味わえるんだと思う。私もそんなバランスがすごく好き。

——シュールな設定の歌詞であっても、そのベースに自分のリアルな感情が込められていることが大事ということですよね?

ラヴキャット:うん、その通りで、私の曲のほとんどは……なんて言うんだろう、やっぱり素晴らしい本とか映画とか曲って、基本的に「愛」と「戦い」がテーマになってることが多いと思うの。その2つが合わさると、すごく強い感情が引き出される感じがする。ここでいう「戦い」って、昔ながらの戦争の話とかじゃなくて、心の中の葛藤とか、2人の間で起こる衝突みたいなもののことで。そういう「愛」と「戦い」っていう2つの感情が、私が曲を書くときに一番中心になってるテーマなんだよね。

社会と音楽

——ここ1年ほどでシアター的な要素を持つ音楽がまた増えているという話がありましたけど、考えてみると確かにそうで。あなたがヨーロッパ・ツアーを一緒に回ったザ・ラスト・ディナー・パーティーはまさに演劇的な要素があるし、チャペル・ローンなんかもそうですよね。歌詞におけるユーモアという観点で言えば、サブリナ・カーペンターの歌詞はかなりユーモラスです。

ラヴキャット:ザ・ラスト・ディナー・パーティーとのツアーは本当に素晴らしかった。彼女たちがやってることって、自分がいつかやりたいと思ってることで。大掛かりなステージ演出を取り入れることとかね。セットデザインもすごかったし、あれはまさにショーって感じで、古き良き時代に戻ったみたいだった。楽器を演奏するだけじゃなくて、ちゃんと世界観を作り上げて、それを観客に体験させてたのがすごい。私もただ演奏するだけじゃなくて、曲ごとに新しいビジュアルや体験を観客に届けたいって思ってる。

ザ・ラスト・ディナー・パーティーもそうだし、今名前を挙げてくれた他のアーティストたちも同じで、今の時代、みんなが求めてるのは「ちょっと現実から逃れられるもの」なんじゃないかなって感じる。COVID-19とかいろいろ嫌なことがたくさんあったでしょ。だからみんな、もっと楽しくて明るいものを求めてるんだと思う。

——実際、歴史的に見て、ファンタジーやエスケーピズム(現実逃避)の要素が強い音楽の台頭は、現実社会が直面している困難や不確実性の裏返しだということができますが、自分の音楽にもそういったところはあると思いますか?

ラヴキャット:たぶん、あると思う。実は、これを始める前はもっと真面目なフォーク・ミュージックを作ってたんだけど、飽きちゃって。もっと悪ふざけみたいな要素が欲しくなったし、若さとか反抗心とか自由な感じを味わいたかった。それが今の社会の状況と関係してるのか、それとも自然とそうなったのかは分からないけど。歴史的に見ても、現実世界の退屈さとか、それに対する反発から、ファンタジックな音楽が生まれることってあるよね。だから私の音楽も、ある意味、そういう流れの中にあるのかなって思ってる。

——では、少し違った角度からの質問です。ハラスメント気質の男性への依存を描いた「Matador」は、少しラナ・デル・レイを思い起こさせるところがあります。彼女はかつて虐待を美化していると批判されましたが、もし自分の音楽が同じ批判にさらされたら、どのように応答しますか?

ラヴキャット:そんなのクソ喰らえ!って感じ(笑)。

——ハハハッ!

ラヴキャット:好きなように言えばいいんじゃない?(笑)。私は自分の人生を生きて、それを記録してるだけ。アーティストだって完璧じゃないし、そもそも完璧な人間だなんて期待されるべきじゃないと思う。むしろ、誰もが欠けた部分を持っていて、ひどいことをしてしまったり、間違った人に惹かれたりするのが普通でしょ。私自身もずっと、問題を抱えた人たちとか、破天荒なタイプの人に惹かれてきたし、それが音楽の中に出てくる魔法みたいな部分を生んでるんだと思う。だから、アーティストに「天使みたいに生きてほしい」なんて期待するのは間違ってると思うし、そもそも私のライブに小さい子どもたちが来てほしいとも思わないしね。

——事実、仮にそのような批判があったとしても、その一方で、歌詞で描かれているのと同じような経験をして、そうした表現に共感する同年代の女性がたくさんいるわけで。その事実に目を向ける方が重要だと私は思います。

ラヴキャット:うん、私もそう思う。例えば、薬物を使っている人に恋をしたと歌うことで「薬物を美化してる」って言われるなら、それは残念だけど、私としては自分に起きたことを歌わないわけにはいかないから。それを宣伝したり推奨したりしてるわけじゃなくて、ただ自分の経験を正直に伝えて、それを韻を踏んで美しく聴こえるようにしてるだけ。それに、私が育ったときに聴いてたアーティストたちって、歌う内容がすごく際どかった。何を言ったら問題になるかなんて考えずに、とにかく自分が思ったことをそのまま歌ってた。音楽にもそういう自由があるべきだと思うし、コメディーでもそうだけど、適切かどうかのラインぎりぎりを攻めないと面白くないことってあるでしょ。それと同じだと思う。

——全くその通りだと思います。では最後に、今後のことについて訊かせてください。デビュー・アルバムはもう制作中なのでしょうか?

ラヴキャット:うん、デビュー・アルバムは確実に動き始めてる。もうレコーディングを始めてて、イギリスに戻ったら引き続き作業を進める予定。

——これまでの3枚のシングルで、ラヴキャットは音楽的にも歌詞的にも確固とした世界観を打ち出しています。来たるアルバムは、これまでのシングルで披露した世界観で固めたものになりそうですか?それとも、もっといろいろなことに挑戦している?

ラヴキャット:また違ったところを掘り下げる感じになると思う。これまでの3曲っていうのは、私の一部を切り取ったスナップショットみたいなものだから。間違いなく新しいテーマに挑戦する予定だし、今まで以上に幅広い内容になると思う。うん、そんな感じかな。

PHOTOS:MAYUMI HOSOKURA

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「ロキソニ」で初来日した“期待の新人” Luvcat(ラヴキャット) 「TikTokでのヒット」や「美学」を語る

いまや音楽業界においてTikTok発のヒットは珍しくない。だが、そのほとんどが一発屋で終わる中、これまでリリースした3枚のシングル全てがTikTokでバイラルヒットしたとなれば話は別だろう。英リバプール出身のラヴキャット(Luvcat)は、そんな異例のヒット連発で注目を集めているニューカマーだ。

ラヴキャットは、元々シンガー・ソングライターとして活動していたソフィー・モーガン(Sophie Morgan)の新たなプロジェクトとして2023年にスタート。ザ・キュアーの曲名からアーティスト名を拝借したことからも分かるように、その音楽性はややゴシックなインディーロックをベースに、シャンソンやキャバレー・ミュージック、フランク・シナトラなどからの影響を織り交ぜたもの。そして何より特徴的なのは歌詞の世界観だ。基本的にどれも「恋愛の深みにハマってしまう私」を描いているのだが、ティム・バートンさながらのゴシックでユーモラスな映画を観ているような場面設定がとにかく秀逸。

例えば「He’s My Man」は、愛する男性と一時たりとも離れたくないという想いから、その男性の食事に少しずつ毒を盛り、殺害してずっとそばにいようとする歌なのだ。TikTokで特に若い女性から熱烈な支持を集めているのも、ファンタジックでゴシックな世界観とそこに込められたリアルな恋愛感情が共感を呼んでいるからなのだろう。

そして今年は、ラヴキャットにとってさらなる飛躍の年となりそうだ。というのも、本国の複数の音楽メディア、そしてグラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーから、「今年期待の新人」として次々と名前を挙げられているのである。現在制作中だというデビュー・アルバムが、25年の注目作の一枚となることは間違いない。

1月4日、5日に幕張メッセにて開催されたフェス、「ロッキング・オン・ソニック(rockin'on sonic)」で初来日を果たしたラヴキャットに話を訊いた。

「ロッキング・オン・ソニック」を終えて

——「ロッキング・オン・ソニック」でのライブはいかがでしたか?

ラヴキャット:ええ、すごく美しかった。本当に、すごく非現実的な感じがして。思ったよりたくさんの人が来てくれたし、サイン用に私の写真をプリントして持ってきてくれたファンもいて。全体的に奇妙な夢みたいな感じがしたんだけど、大好きなバンドもたくさん出演していて、それがまた特別な体験になったっていう。

——こんなに大きなステージでやったのは初めて?

ラヴキャット:イギリスで夏にやったフェスが結構大きかったけど、それでも今回ほどお客さんは多くなくて。いつもはすごく小さい会場とかパブでやっているから、バンドのメンバーが私のすぐ隣にいる。でも今回はステージでみんなが遠く離れているように感じて、すごく不思議だったし、慣れるのはまだ難しいなって感じた。

——ステージ衣装もいつもよりゴージャスで、ちょっとマイ・ケミカル・ロマンスの「Black Parade」を思い出しました。

ラヴキャット:そう言ってもらえるのはうれしい。マイ・ケミカル・ロマンスは私にとってずっと大きな影響を与えてくれた存在で、9歳ごろから一番好きなバンド。彼らがロックンロールに持ち込んだ演劇的な要素が大好きで、それは私たちにも確実にインスピレーションを与えている。ステージでは、いつもバンドはスーツでそろえていて。黒いベルベットのスーツとか、ストライプのスーツとかね。私自身、ステージでゴージャスな気分になりたいし、全員がマッチした感じにしたいと思ってるから。

ただ日本では、ちょっとステップアップしようと思って。実は、最近ミュージック・ビデオの撮影で使ったマーチング・バンドの衣装があったから、それを使うことにしたの。私自身も、女の子バージョンの衣装を新しく作って、フェイクのメダルやドクロ・マークなんかをつけてみた。イギリスでやってたこととは違う雰囲気を出したかったし、初めての日本でのライブだし、しかもこんな大きなステージに立つのは特別なことだから、やるべきだと思って。


多様なアーティストからの影響

——マイ・ケミカル・ロマンスは小さいころから好きだったということですが、それ以外のアーティストで、ラヴキャットの音楽性や美学を形成する上で重要な影響を与えた存在というと?

ラヴキャット:子どものころ、おじいちゃんがフランク・シナトラやサミー・デイヴィス・ジュニアみたいな古い音楽をよく聴かせてくれていた。それから父がザ・キュアーやヴェルヴェット・アンダーグラウンドを教えてくれて、自分では19歳のころにレナード・コーエンやトム・ウェイツを見つけたの。そういういろんなものが奇妙な形で結びついた感じかな。あと、フランスの歌手、エディット・ピアフにもすごくインスパイアされてる。ちょっと奇妙な組み合わせだとは思うけど、たぶんそれが私の音楽が独特である理由なんじゃないかなって思ってる。

——まさにそういった多様なアーティストたちからの影響がラヴキャットの音楽からは聴き取れますが、具体的に彼らのどのようなところに魅力を感じたと言えますか?

ラヴキャット:私は音楽を耳だけじゃなく目でも聴いていたんだと思う。若いころ、歌詞の意味を理解するには幼過ぎたから、私を惹きつけたのはビジュアルだった。それが今まで私にとってアートワークやミュージック・ビデオがすごく重要だった理由でもあって。でも年を重ねるにつれて、詩を読むようになったり、歌詞を細かく読み解いたりする中で、それが一番大きな魅力になったっていう。トム・ウェイツの言葉に「美しいメロディーが恐ろしいことを語る」っていうのがあって、私もすごく共感してるんだけど、光と闇の混じり合いみたいなものが、私の音楽の指針になってるんだと思ってる。

——ラヴキャットのユニークな音楽性や美学というのは、比較的すぐに出来上がったものなのか、それともいろいろと試しながら徐々に出来上がったものなのか、どちらの方が近いのでしょうか?

ラヴキャット:私は、若い女性としていろんなことを試してきたと思ってる。でも、自分の核となる部分はほとんど変わってなくて。好きなものや考え方は基本的に同じだけど、見せ方が少しずつ変わった感じかな。最近は幸運な偶然も多くて、一度やってみたことが人々に響いて、それを続けるようになったこともある。

例えば、ヒョウ柄なんて全く着たことがなかったんだけど、あるライブのために(ヒョウ柄の)ドレスを見つけて、それを着てみたら、そのときの映像がネットに投稿されて、急に「ラヴキャット=ヒョウ柄」みたいなイメージができちゃった。でも実際にそれを着たのはその夜が初めてで。だから、明確にやりたいことを持ちながらも、周りの変化を受け入れる柔軟さがあったからこそ、今のスタイルが出来上がったんだと思う。

TiKToKでのバイラルヒット

——まさにそのヒョウ柄のドレスを着てた「Matador」のライブ映像がTikTokでバイラルしたことから一気に全てが動き出したと思いますが、あの動画のどんなところが人々の心をつかんだのだと思いますか?

ラヴキャット:たぶん、全体的な雰囲気かな。イギリスのパブって、独特の空気感があるでしょ。あのときの照明が緑と赤で、ちょっとデヴィッド・リンチっぽい感じがあったし、若いバンドがただ楽しくやっている様子が伝わったのかも。正直言って、なぜあれがそんなに響いたのかは分からない。ただ、友達が最前列で撮ってくれた、あんまり良くないクオリティーの動画を投稿しただけで、それが自分の人生を変えちゃうなんて、本当に魔法みたいな瞬間だった。でもそれに文句を言うつもりはないけど!(笑)。

——普通、TikTokでバイラルヒットするアーティストって、1曲だけの場合が多いですよね。でもあなたは、これまでのシングル3枚全てがバイラルヒットした。これってかなりすごいことですよね。

ラヴキャット:うん、私もこれについて考えてたんだけど、理由の一つとしては、最初のころにいろんな曲をシェアしてたことかな。1曲だけを何度も何度も投稿するんじゃなくて、クラブで30分のセットをやった時のいろんな曲の一部を投稿していて。そうやって、自分の世界観を少しずつ作り上げたから、人々をその中に招き入れることができたんじゃないかなって。だから、ファンやリスナーに「この人には一つの物語以上のものがある」って感じてもらえたのかも。

でも実を言うと、最初はTikTokには全然興味がなくて。友達に説得されてやっとダウンロードしたくらい。でも、素晴らしいプラットフォームだと思う。私みたいに音楽業界にコネもなくて、お金や広告もない人が、こんなに多くの人に届けられるなんてね。3曲全部がこんなにうまくいった理由は正直よく分からないんだけど、まあ、なんというか、本当に不思議だよね。

リアリズムとファンタジー

——では、自分たちの音楽におけるリアリズムとファンタジーのバランスはどのように考えていますか? 例えば、愛する男性をそばに置いておきたいあまり毒殺してしまう「He’s My Man」の歌詞は、もちろんファンタジーですよね。でも他の曲では、歌詞に実在する場所の名前も織り交ぜたりしていて、ストーリーがリアルに感じられるようにも工夫しています。

ラヴキャット:私ってそういう人だから。現実の世界で実在する人たちと関わり合いながらも、想像力はどんどん広がっていって、自分の中で物語を作り上げてしまうっていう。だから私は、常に半分は現実、半分はファンタジーの世界に生きている感じ。父はそれをよく冗談で、「ゆがんだ現実に住んでる」って言うんだけどね。それを「レモン・ワールド」って呼んでて……。

——レモン?

ラヴキャット:そう、レモン。レモンって、砂糖みたいに甘酸っぱくて、ちょっと現実離れしている感じだから。言葉でうまく説明できないんだけど、どこかおとぎ話のような世界観で、私はいつも半分はここにいて、半分は別の場所にいる感じ。例えば「He's My Man」は、愛が執着や依存に変わっていく、そういうとてもリアルな感情が基になっている。でもそこから自然と別の極端な方向に話を膨らませたくなったり。愛が人をどこまで狂わせるのかを考えるのが面白くて。例えば専業主婦が夫をあまりにも愛し過ぎて、仕事に行かせたくないあまりに、少しずつ彼の食べ物に毒を盛って病気にしてしまう、なんて話を歌にするのは楽しいなって思ったんだ。

——「He’s My Man」はマーダーバラッドですし、あなたの書く歌詞は基本的にダークですが、その一方でユーモラスな一面もあります。ちょっとティム・バートンの映画っぽいというか。ユーモラスな側面というのは、自分の音楽にとって重要な要素の一つですか?

ラヴキャット:私にとって、全てを深刻に捉え過ぎないことはすごく大切なんだと思う。若いころは、何もかも真剣でなきゃいけないっていう罠にハマってた時期もあったけど、やっぱり自分が一番好きな作家たちは、もっと皮肉っぽくて乾いたユーモアを持っているって気付いて。それに、アルバムを聴くときに、何かをちょっと茶化すような瞬間があると、その分シリアスな瞬間がさらに引き立つと思うから。明るい部分があるからこそ、暗い部分がより暗く感じられて、それがドラマチックさを増幅させるっていう。それに、それが私の性格そのものでもあって。私はいつも冗談を言ったり、自分のアイデアを遊び心を持って扱ったりしてるから、それが自然と歌詞に染み込んでいくんだと思う。でも本当に私としては、ただ自分が誰かと話しているみたいな感覚で書いてるだけなんだけどね。

——そういった自分の歌詞の書き方に影響を与えたアーティストはいるんですか?

ラヴキャット:主にトム・ウェイツかな。それに、レナード・コーエン、ジョニ・ミッチェル、ルー・リードとか。若いころにたくさん詩を読んでいて、スパイク・ミリガンっていう詩人や、子どものころはドクター・スース(*アメリカの有名な絵本作家。彼の作品はリズミカルに韻を踏むことで知られている。)なんかにもすごく影響を受けた。韻に夢中になってた時期があってね。自分が伝えたいことをぴったり表現できる言葉を見つけて、さらにそれが最後の文で韻を踏んでると分かったときの感覚って、すごく気持ちがいいから。

——ラヴキャットの音楽においてはファンタジーやユーモアが大事にされていますが、特にポップ・ミュージックの世界では、最近は私小説的というか、現実の恋愛や人間関係をそのままリアルに反映させた歌詞も多いと思います。あなたから見て、最近のポップ・ミュージックにはファンタジーやユーモアの要素がやや欠けていると思いますか?

ラヴキャット:それはここ1年くらいで少し変わってきたように感じていて、またポップ・ミュージックにシアター的な要素が戻ってきてるのを目にするようになったと思う。一時期はそういうのが廃れてたけど、今は勢いよく復活してるんじゃないかな。で、私の音楽を聴く人にも、私が語っていることは真剣でリアルな経験に基づいてるって伝わるといいなと思ってる。私はまだ若い女性で、自分の世界観や恋愛、若い女性としてのいろんな経験を記録してるだけだから。でも、ファンタジーは私にとってずっと大きな情熱の一つで。さっきティム・バートンの話が出たけど、彼の映画は大人が見ても、すごくリアルな人間の感情を描いてる。でも同時に、映画を見ることで現実から少し逃避できるっていう。シュールな要素があるからこそ、そんな感覚が味わえるんだと思う。私もそんなバランスがすごく好き。

——シュールな設定の歌詞であっても、そのベースに自分のリアルな感情が込められていることが大事ということですよね?

ラヴキャット:うん、その通りで、私の曲のほとんどは……なんて言うんだろう、やっぱり素晴らしい本とか映画とか曲って、基本的に「愛」と「戦い」がテーマになってることが多いと思うの。その2つが合わさると、すごく強い感情が引き出される感じがする。ここでいう「戦い」って、昔ながらの戦争の話とかじゃなくて、心の中の葛藤とか、2人の間で起こる衝突みたいなもののことで。そういう「愛」と「戦い」っていう2つの感情が、私が曲を書くときに一番中心になってるテーマなんだよね。

社会と音楽

——ここ1年ほどでシアター的な要素を持つ音楽がまた増えているという話がありましたけど、考えてみると確かにそうで。あなたがヨーロッパ・ツアーを一緒に回ったザ・ラスト・ディナー・パーティーはまさに演劇的な要素があるし、チャペル・ローンなんかもそうですよね。歌詞におけるユーモアという観点で言えば、サブリナ・カーペンターの歌詞はかなりユーモラスです。

ラヴキャット:ザ・ラスト・ディナー・パーティーとのツアーは本当に素晴らしかった。彼女たちがやってることって、自分がいつかやりたいと思ってることで。大掛かりなステージ演出を取り入れることとかね。セットデザインもすごかったし、あれはまさにショーって感じで、古き良き時代に戻ったみたいだった。楽器を演奏するだけじゃなくて、ちゃんと世界観を作り上げて、それを観客に体験させてたのがすごい。私もただ演奏するだけじゃなくて、曲ごとに新しいビジュアルや体験を観客に届けたいって思ってる。

ザ・ラスト・ディナー・パーティーもそうだし、今名前を挙げてくれた他のアーティストたちも同じで、今の時代、みんなが求めてるのは「ちょっと現実から逃れられるもの」なんじゃないかなって感じる。COVID-19とかいろいろ嫌なことがたくさんあったでしょ。だからみんな、もっと楽しくて明るいものを求めてるんだと思う。

——実際、歴史的に見て、ファンタジーやエスケーピズム(現実逃避)の要素が強い音楽の台頭は、現実社会が直面している困難や不確実性の裏返しだということができますが、自分の音楽にもそういったところはあると思いますか?

ラヴキャット:たぶん、あると思う。実は、これを始める前はもっと真面目なフォーク・ミュージックを作ってたんだけど、飽きちゃって。もっと悪ふざけみたいな要素が欲しくなったし、若さとか反抗心とか自由な感じを味わいたかった。それが今の社会の状況と関係してるのか、それとも自然とそうなったのかは分からないけど。歴史的に見ても、現実世界の退屈さとか、それに対する反発から、ファンタジックな音楽が生まれることってあるよね。だから私の音楽も、ある意味、そういう流れの中にあるのかなって思ってる。

——では、少し違った角度からの質問です。ハラスメント気質の男性への依存を描いた「Matador」は、少しラナ・デル・レイを思い起こさせるところがあります。彼女はかつて虐待を美化していると批判されましたが、もし自分の音楽が同じ批判にさらされたら、どのように応答しますか?

ラヴキャット:そんなのクソ喰らえ!って感じ(笑)。

——ハハハッ!

ラヴキャット:好きなように言えばいいんじゃない?(笑)。私は自分の人生を生きて、それを記録してるだけ。アーティストだって完璧じゃないし、そもそも完璧な人間だなんて期待されるべきじゃないと思う。むしろ、誰もが欠けた部分を持っていて、ひどいことをしてしまったり、間違った人に惹かれたりするのが普通でしょ。私自身もずっと、問題を抱えた人たちとか、破天荒なタイプの人に惹かれてきたし、それが音楽の中に出てくる魔法みたいな部分を生んでるんだと思う。だから、アーティストに「天使みたいに生きてほしい」なんて期待するのは間違ってると思うし、そもそも私のライブに小さい子どもたちが来てほしいとも思わないしね。

——事実、仮にそのような批判があったとしても、その一方で、歌詞で描かれているのと同じような経験をして、そうした表現に共感する同年代の女性がたくさんいるわけで。その事実に目を向ける方が重要だと私は思います。

ラヴキャット:うん、私もそう思う。例えば、薬物を使っている人に恋をしたと歌うことで「薬物を美化してる」って言われるなら、それは残念だけど、私としては自分に起きたことを歌わないわけにはいかないから。それを宣伝したり推奨したりしてるわけじゃなくて、ただ自分の経験を正直に伝えて、それを韻を踏んで美しく聴こえるようにしてるだけ。それに、私が育ったときに聴いてたアーティストたちって、歌う内容がすごく際どかった。何を言ったら問題になるかなんて考えずに、とにかく自分が思ったことをそのまま歌ってた。音楽にもそういう自由があるべきだと思うし、コメディーでもそうだけど、適切かどうかのラインぎりぎりを攻めないと面白くないことってあるでしょ。それと同じだと思う。

——全くその通りだと思います。では最後に、今後のことについて訊かせてください。デビュー・アルバムはもう制作中なのでしょうか?

ラヴキャット:うん、デビュー・アルバムは確実に動き始めてる。もうレコーディングを始めてて、イギリスに戻ったら引き続き作業を進める予定。

——これまでの3枚のシングルで、ラヴキャットは音楽的にも歌詞的にも確固とした世界観を打ち出しています。来たるアルバムは、これまでのシングルで披露した世界観で固めたものになりそうですか?それとも、もっといろいろなことに挑戦している?

ラヴキャット:また違ったところを掘り下げる感じになると思う。これまでの3曲っていうのは、私の一部を切り取ったスナップショットみたいなものだから。間違いなく新しいテーマに挑戦する予定だし、今まで以上に幅広い内容になると思う。うん、そんな感じかな。

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なぜニルヴァーナのビンテージTシャツは人気なのか? コレクター対談から探る

ロックバンド、ニルヴァーナ(NIRVANA)の超希少なビンテージTシャツコレクション200枚を掲載した「NIRVANA T-SHIRT BOOK HOW LOWNG?」(リットーミュージック)が12月20日に発売された。

近年、世界的な盛り上がりを見せているビンテージTシャツでも特に人気のニルヴァーナのTシャツ。同書では、1990年代のTシャツの中でも、特に希少な200枚以上を掲載。その多くはニルヴァーナTシャツの世界的コレクターの門田健が所有するものだという。加えて、本書をプロデュースした「ベルベルジン」「フェイクα」のスタッフで、ニルヴァーナ・マニアの門畑明男による7万字に及ぶカート・コバーン評伝も掲載されている。

今回、書籍「HOW LOWNG?」の見どころとニルヴァーナTシャツの魅力について門畑と門田の2人に聞いた。

「HOW LOWNG?」の構成

WWD:「HOW LOWNG?」は門畑さんにとっては、2冊目のニルヴァーナTシャツ本ですが、出版の経緯は?

門畑明男(以下、門畑):もともと2018年に1冊目(「NIRVANA T-SHIRT BOOK HELLOH?」)を出版した時点で、ある程度自分の持っているコレクションは出し切ったので、2冊目は考えていませんでした。でも、ニルヴァーナTシャツを200枚以上持ってるというコレクターの門田さんと知り合って、門田さんのコレクションをお借りできれば2冊目もできるんじゃないかなと思い始めていた時に、1冊目の編集を担当した米田(圭一郎)さんから「カート(・コバーン)の本を出しませんか」と電話があって。ちょうどいいタイミングだなと思い、「カートの本ではないですが、ニルヴァーナのTシャツ本をもう1冊作りませんか」と提案して、それで2冊目を出すことになりました。

WWD:構成は前回と今回でどう変えたんですか?

門畑:今回掲載しているTシャツに関しては、9割ほどは門田さんのコレクションで、前回は基本「メード・イン・USA」が多かったんですけど、今回は「メード・イン・ヨーロッパ」の物が多いのと、90年代のブートも多く掲載しています。

門田健(以下、門田):1冊目は公式のアイテムや古着として価値の高い「メード・イン・USA」のTシャツが大半を占めていましたが、今回はヨーロッパの公式アイテムだったり、本当に手に入らない貴重なブートだったり、世界中の珍しいものを集めました。コレクターでもなかなか見たことがないTシャツも掲載しているので、本気のコレクターには今回の方が楽しめると思います。

WWD:やはりブートも人気なんですね。

門畑:そこはファンでも結構意見はわかれると思いますね。オフィシャルしか認めない人もいれば、ブートの方が好きという人もいる。オフィシャルはオフィシャルでデザインもしっかりしているんですけど、ブートの方が自由な発想で作っているので、デザイン的に遊び心もあって、面白いデザインも多くて、好きな人は多いですね。でも、そういった物って、基本的に店に出回らなくて、コレクター同士で取り引きされているので、なかなか見つけられない。今回の本は普段は表に出ないような貴重なTシャツが掲載されています。

門田:90年代は海外アーティストのライブ会場の外でよくTシャツを販売していたんです。「パーキングロット」、「駐車場Tシャツ」なんて言われてますが、日本でも海外の大物アーティストのライブに行くと、大抵売ってましたよね。個人が勝手にツアーの日程などを入れたものとか。

このラストアルバム「イン・ユーテロ」のジャケットデザインを大胆にアレンジしたTシャツは、94年の2月のイタリア公演の時に売られたもので。総柄で、アートワークも手描きで相当好きな人がデザインしたんだなって感じです。僕は2000年からニルヴァーナTシャツを集めてきて、これは他では見たことがないです。値段もつけられないくらい貴重な1枚ですね。

ニルヴァーナのTシャツの魅力

WWD:近年、ビンテージTシャツの値段がどんどん上がっています。その中でもニルヴァーナのTシャツは特に人気です。

門畑:もともと3000円、5000円だったものが、2010年前半ごろに7000〜8000円になって。10年代半ばにはそれが2万円くらいになって、17年には平均4万円ぐらいになっていきました。今だと平均10万円ぐらいじゃないですか。もちろん何百万円するものも、もっと安いものもありますけど。

WWD:ニルヴァーナTシャツの魅力は?

門田:僕はやっぱりその種類の多さだと思います。他のバンドと比べると、圧倒的に多い。だからまだ持っていないTシャツもあって、探す楽しさもあります。あとは、やっぱりカートの生き様もあって彼の死後も人気は衰えない。だからこそ、ニルヴァーナTシャツを着たいと思う人も多いんだと思います。

門畑:僕が初めて買った時は、ただニルヴァーナが好きで買って、気が付いたら130枚も持っている。コンプリートするのが他のバンドに比べて難しいっていうのも魅力だと思うんですけど、やっぱりニルヴァーナの音楽やカートがかっこいいからそこに惹かれるんだと思います。

WWD:2人はどのTシャツがお気に入りですか?

門田:僕はこういうヨーロッパのブートに多いタイダイ柄のものが好きです。最初に無地のTシャツをタイダイに染めて、その上にプリントするので、ニルヴァーナだけではなく、他のバンドでも同じ柄が存在するんですよ。でも、このタイダイ柄のニルヴァーナTシャツって作られた数が少なくて、なかなか見つからないんです。

門畑:僕はすごく価値があるわけではないですが、個人的にこのカートがギターを弾いているTシャツです。この写真がすごく好きで。カラーも黒、白、赤。これは20代前半の時に高円寺の古着屋で買ったんですけど、当時はよく着ていました。今回の本では、前回とTシャツはあまりかぶらないようにしてるんですけど、これだけは今回も最後の締めとして掲載しました。それくらいやっぱり好きですね。

WWD:Tシャツのサイズは基本XLかLですよね。

門田:90年代の海外のバンドTシャツはやっぱりサイズが大きいのが主流で、ほとんどLより上ですね。逆に80年代とかそれより前になると、ビンテージの価値は高いんですけど、サイズは小さかったりします。

門畑:昔はプリントする版が一緒で、おそらくLかXLに合わせて版を作っていたと思うので、SとかMサイズだとプリントが入りきらなかったというのもあるんだと思いますね。

WWD:2人はまだ探しているアイテムはありますか?

門畑:もともと僕は探して買ったというのはほとんどなくて。130枚持っているんですけど、どれも古着屋でたまたま見つけて買ったという感じで、個人的に探して買ってはいないです。昔はそこまで競争率も高くなかったので、それができていたんですが、今だと難しいですね。

門田:僕は探しているものはありますね。詳しく言ってしまうと僕が買えなくなってしまうので、言えないですが(笑)。

WWD:門田さんはどんなTシャツがあるのか、全部把握しているんですか?

門田:やっぱり20年以上見ているので、だんだん分かってきましたね。

WWD:それこそ今ニルヴァーナのビンテージTシャツを探すとなると、どこで探すんですか? タイやカンボジアなどは注目されてますけど?

門田:タイにはまだいっぱいあると思います。パキスタンからタイにいっぱい流れてるので。でも、今だともう素人でもオンラインで売れてしまう時代なので、日本人がかなり買いに行っていて、なかなか一般の人がいいビンテージTシャツを探すのは難しいですね。僕の場合は長くお付き合いして信頼関係を築いてきたヨーロッパや南米、アフリカの友人からの紹介で、売ってもらう方が多いです。

WWD:最後に今回の本のおすすめポイントは?

門畑:ニルヴァーナのTシャツを集めている人も、そうじゃない人も楽しめるようなTシャツのラインアップになっていますし、ニルヴァーナ好きな人なら楽しめると思います。

あと、個人的には一応Tシャツの本ではあるんですけど、7万字のカート・コバーンに関する評伝を書いたので、それもぜひ読んでほしいです。結構今はTシャツが独り歩きしちゃってるじゃないですか。ニルヴァーナは聴いたことはないけど、Tシャツは好きっていう。僕の場合はニルヴァーナが好きで、Tシャツを買い始めたので、もしニルヴァーナの曲を聴いたことがない人はこれをきっかけに聴いたり、過去のライブの映像を見たりしてほしいなっていう気持ちを込めて書きました。だからこそ、Tシャツだけではなく、少しでもニルヴァーナの音楽に興味を持ってもらえればいいなと思います。

PHOTOS:MASASHI URA

「NIRVANA T-SHIRT BOOK HOW LOWNG?」

■「NIRVANA T-SHIRT BOOK HOW LOWNG?」
著者:門畑明男
定価:6050円
仕様:B4変形判(240mm×240mm) / 144ページ
発行:リットーミュージック
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3124317109/

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なぜニルヴァーナのビンテージTシャツは人気なのか? コレクター対談から探る

ロックバンド、ニルヴァーナ(NIRVANA)の超希少なビンテージTシャツコレクション200枚を掲載した「NIRVANA T-SHIRT BOOK HOW LOWNG?」(リットーミュージック)が12月20日に発売された。

近年、世界的な盛り上がりを見せているビンテージTシャツでも特に人気のニルヴァーナのTシャツ。同書では、1990年代のTシャツの中でも、特に希少な200枚以上を掲載。その多くはニルヴァーナTシャツの世界的コレクターの門田健が所有するものだという。加えて、本書をプロデュースした「ベルベルジン」「フェイクα」のスタッフで、ニルヴァーナ・マニアの門畑明男による7万字に及ぶカート・コバーン評伝も掲載されている。

今回、書籍「HOW LOWNG?」の見どころとニルヴァーナTシャツの魅力について門畑と門田の2人に聞いた。

「HOW LOWNG?」の構成

WWD:「HOW LOWNG?」は門畑さんにとっては、2冊目のニルヴァーナTシャツ本ですが、出版の経緯は?

門畑明男(以下、門畑):もともと2018年に1冊目(「NIRVANA T-SHIRT BOOK HELLOH?」)を出版した時点で、ある程度自分の持っているコレクションは出し切ったので、2冊目は考えていませんでした。でも、ニルヴァーナTシャツを200枚以上持ってるというコレクターの門田さんと知り合って、門田さんのコレクションをお借りできれば2冊目もできるんじゃないかなと思い始めていた時に、1冊目の編集を担当した米田(圭一郎)さんから「カート(・コバーン)の本を出しませんか」と電話があって。ちょうどいいタイミングだなと思い、「カートの本ではないですが、ニルヴァーナのTシャツ本をもう1冊作りませんか」と提案して、それで2冊目を出すことになりました。

WWD:構成は前回と今回でどう変えたんですか?

門畑:今回掲載しているTシャツに関しては、9割ほどは門田さんのコレクションで、前回は基本「メード・イン・USA」が多かったんですけど、今回は「メード・イン・ヨーロッパ」の物が多いのと、90年代のブートも多く掲載しています。

門田健(以下、門田):1冊目は公式のアイテムや古着として価値の高い「メード・イン・USA」のTシャツが大半を占めていましたが、今回はヨーロッパの公式アイテムだったり、本当に手に入らない貴重なブートだったり、世界中の珍しいものを集めました。コレクターでもなかなか見たことがないTシャツも掲載しているので、本気のコレクターには今回の方が楽しめると思います。

WWD:やはりブートも人気なんですね。

門畑:そこはファンでも結構意見はわかれると思いますね。オフィシャルしか認めない人もいれば、ブートの方が好きという人もいる。オフィシャルはオフィシャルでデザインもしっかりしているんですけど、ブートの方が自由な発想で作っているので、デザイン的に遊び心もあって、面白いデザインも多くて、好きな人は多いですね。でも、そういった物って、基本的に店に出回らなくて、コレクター同士で取り引きされているので、なかなか見つけられない。今回の本は普段は表に出ないような貴重なTシャツが掲載されています。

門田:90年代は海外アーティストのライブ会場の外でよくTシャツを販売していたんです。「パーキングロット」、「駐車場Tシャツ」なんて言われてますが、日本でも海外の大物アーティストのライブに行くと、大抵売ってましたよね。個人が勝手にツアーの日程などを入れたものとか。

このラストアルバム「イン・ユーテロ」のジャケットデザインを大胆にアレンジしたTシャツは、94年の2月のイタリア公演の時に売られたもので。総柄で、アートワークも手描きで相当好きな人がデザインしたんだなって感じです。僕は2000年からニルヴァーナTシャツを集めてきて、これは他では見たことがないです。値段もつけられないくらい貴重な1枚ですね。

ニルヴァーナのTシャツの魅力

WWD:近年、ビンテージTシャツの値段がどんどん上がっています。その中でもニルヴァーナのTシャツは特に人気です。

門畑:もともと3000円、5000円だったものが、2010年前半ごろに7000〜8000円になって。10年代半ばにはそれが2万円くらいになって、17年には平均4万円ぐらいになっていきました。今だと平均10万円ぐらいじゃないですか。もちろん何百万円するものも、もっと安いものもありますけど。

WWD:ニルヴァーナTシャツの魅力は?

門田:僕はやっぱりその種類の多さだと思います。他のバンドと比べると、圧倒的に多い。だからまだ持っていないTシャツもあって、探す楽しさもあります。あとは、やっぱりカートの生き様もあって彼の死後も人気は衰えない。だからこそ、ニルヴァーナTシャツを着たいと思う人も多いんだと思います。

門畑:僕が初めて買った時は、ただニルヴァーナが好きで買って、気が付いたら130枚も持っている。コンプリートするのが他のバンドに比べて難しいっていうのも魅力だと思うんですけど、やっぱりニルヴァーナの音楽やカートがかっこいいからそこに惹かれるんだと思います。

WWD:2人はどのTシャツがお気に入りですか?

門田:僕はこういうヨーロッパのブートに多いタイダイ柄のものが好きです。最初に無地のTシャツをタイダイに染めて、その上にプリントするので、ニルヴァーナだけではなく、他のバンドでも同じ柄が存在するんですよ。でも、このタイダイ柄のニルヴァーナTシャツって作られた数が少なくて、なかなか見つからないんです。

門畑:僕はすごく価値があるわけではないですが、個人的にこのカートがギターを弾いているTシャツです。この写真がすごく好きで。カラーも黒、白、赤。これは20代前半の時に高円寺の古着屋で買ったんですけど、当時はよく着ていました。今回の本では、前回とTシャツはあまりかぶらないようにしてるんですけど、これだけは今回も最後の締めとして掲載しました。それくらいやっぱり好きですね。

WWD:Tシャツのサイズは基本XLかLですよね。

門田:90年代の海外のバンドTシャツはやっぱりサイズが大きいのが主流で、ほとんどLより上ですね。逆に80年代とかそれより前になると、ビンテージの価値は高いんですけど、サイズは小さかったりします。

門畑:昔はプリントする版が一緒で、おそらくLかXLに合わせて版を作っていたと思うので、SとかMサイズだとプリントが入りきらなかったというのもあるんだと思いますね。

WWD:2人はまだ探しているアイテムはありますか?

門畑:もともと僕は探して買ったというのはほとんどなくて。130枚持っているんですけど、どれも古着屋でたまたま見つけて買ったという感じで、個人的に探して買ってはいないです。昔はそこまで競争率も高くなかったので、それができていたんですが、今だと難しいですね。

門田:僕は探しているものはありますね。詳しく言ってしまうと僕が買えなくなってしまうので、言えないですが(笑)。

WWD:門田さんはどんなTシャツがあるのか、全部把握しているんですか?

門田:やっぱり20年以上見ているので、だんだん分かってきましたね。

WWD:それこそ今ニルヴァーナのビンテージTシャツを探すとなると、どこで探すんですか? タイやカンボジアなどは注目されてますけど?

門田:タイにはまだいっぱいあると思います。パキスタンからタイにいっぱい流れてるので。でも、今だともう素人でもオンラインで売れてしまう時代なので、日本人がかなり買いに行っていて、なかなか一般の人がいいビンテージTシャツを探すのは難しいですね。僕の場合は長くお付き合いして信頼関係を築いてきたヨーロッパや南米、アフリカの友人からの紹介で、売ってもらう方が多いです。

WWD:最後に今回の本のおすすめポイントは?

門畑:ニルヴァーナのTシャツを集めている人も、そうじゃない人も楽しめるようなTシャツのラインアップになっていますし、ニルヴァーナ好きな人なら楽しめると思います。

あと、個人的には一応Tシャツの本ではあるんですけど、7万字のカート・コバーンに関する評伝を書いたので、それもぜひ読んでほしいです。結構今はTシャツが独り歩きしちゃってるじゃないですか。ニルヴァーナは聴いたことはないけど、Tシャツは好きっていう。僕の場合はニルヴァーナが好きで、Tシャツを買い始めたので、もしニルヴァーナの曲を聴いたことがない人はこれをきっかけに聴いたり、過去のライブの映像を見たりしてほしいなっていう気持ちを込めて書きました。だからこそ、Tシャツだけではなく、少しでもニルヴァーナの音楽に興味を持ってもらえればいいなと思います。

PHOTOS:MASASHI URA

「NIRVANA T-SHIRT BOOK HOW LOWNG?」

■「NIRVANA T-SHIRT BOOK HOW LOWNG?」
著者:門畑明男
定価:6050円
仕様:B4変形判(240mm×240mm) / 144ページ
発行:リットーミュージック
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3124317109/

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「アフタヌーンティー・リビング」דキャッツイシュー”の第11弾 テーマはネコたちのオペラ鑑賞

「アフタヌーンティー・リビング(AFTERNOON TEA LIVING)」は2月5日、ネコ好きクリエイターによるプロジェクト“キャッツイシュー(Cat’s ISSUE)”とのコラボアイテム第11弾を発売する。同コラボアイテムは、「アフタヌーンティー・リビング」の店舗および、公式オンラインストアで扱う。

キュートなネコが日常を彩るコラボアイテム

第11弾となる今回は、オペラ鑑賞をしたネコたちが不思議な「愛の力」を宿し、愛の告白をお手伝いするというストーリーをイメージした“ネコたちのオペラ鑑賞~愛の妙薬~”がテーマ。ハートをモチーフにしたマグ、プレートなどのテーブルウエアに加えて、気品あふれるネコをあしらったタオルやハンカチ、ミニミラーなど、日常使いしやすい小物や雑貨をメーンにアイテムをラインアップする。

また、同コラボアイテムの収益の一部は、“キャッツイシュー”を通じて、動物愛護活動の費用に充てられる。

ラインアップ一覧

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「エクセル」PR担当が愛用歴20年のロングセラー“3in1アイブロウペンシル”を熱弁

ブランドの顔となるPR担当に、“ロングセラー”や“今シーズンのイチ押し”アイテムを推薦してもらうビューティ連載「PR担当がプレゼン!」。今回は、数々のロングセラーアイテムを生み出しているメイクアップブランド「エクセル(EXCEL)」が登場する。辻奈緒子「エクセル」PR担当におすすめの3アイテムを紹介してもらう。

「エクセル」とは?

“TOKYO RICH CASUAL”をブランドコンセプトに、東京発信のリアルなトレンドメイクをかなえるメイクアップブランドで、テクニックいらずで使える「スマートコスメ」を展開している。リッチなトレンドスタイルを自由かつカジュアルに取り入れたメイクを提案。全商品の企画&開発を日本で行っており、処方やカラー設計、上質な使い心地など、全てを徹底的にこだわっている。

愛用歴20年の相棒“パウダー&ペンシル アイブロウEX”

「累計販売数2150万本を突破(2007年9月~2024年7月末)している、人気No.1のアイブロウペンシルです。発売から20年以上経つ今も、売り上げを更新し続けています。中でも人気色は、誰でも使いやすい“PD01 ナチュラルブラウン”。ペンシル、パウダー、スクリューブラシの3機能一体型で『だれでも簡単に美人眉が作れる』といった点を支持いただいております。髪色やファッションに合わせて選べる豊富な10色展開も人気の要因です」。

「おすすめポイントはとにかくペンシルが太すぎず、細すぎずでとても描きやすいんです!何も気にせず、そのまま描きたいところに描くだけ。でも『濃すぎた』『逆に発色しない』など失敗することがありません。楕円芯なのでペンシルの向きを変えれば1本1本細く描くことも可能。簡単に美しい眉毛を描けるところがお気に入りです。仕上げにパウダーをふわっと乗せると、きれいに発色します。私は今、赤みに寄った“PD10 ピンクブラウン”と“PD14 モーヴブラウン”をリピートしています。愛用歴は20年、自信を持っておすすめします!」。

“デイスキンコンフォート”で、時短なのに丁寧にスキンケアしたような肌へ

「日中の乾燥やメイク崩れを防ぐ朝専用のUVクリームです。美容液、クリーム、UVカット、化粧下地の機能を備えており、化粧水の後にこれを塗るだけで朝のスキンケアが完了します。使用感や仕上がりの良さが話題になり、発売直後は想像以上の売れ行きで公式オンラインショップでは一時欠品を起こしたほどの人気商品です」

「伸びの良いテクスチャーで、塗布後すぐに肌がみずみずしく潤います。UVカット効果もあり、さらにレチノールやセラミドなどの美容液成分も配合しているので、朝の時間のない中でも『丁寧にスキンケアはしたい』をかなえてくれるアイテムです。私は首まで塗布して、首元の紫外線対策もしています。とにかくべたつかないので、次のステップ(ファンデーションなど)の邪魔をしません。化粧ノリもアップするので、もう何個もリピートしています」。

新作の“スキンフラッターセラムクッション”は薄膜カバーがかなう

「みずみずしく軽やかなテクスチャーで“薄膜カバー”をかなえるクッションファンデーションです。元から美しい素肌のように仕上げ、艶感と化粧持ちを両立します。また落とした後も肌に潤い感が残るようなこだわりの設計にしており、使用していただいたヘアメイクアーティストの方からもお墨付きをいただきました。これから話題になること間違いなしの1品です」。

「お気に入りのポイントは、とっても軽い付け心地で、何度重ねても厚塗り感を感じないところ。カバーしたい部分には少し重ねますが、塗りすぎたと感じる事もなく、失敗知らずなアイテムです。艶感も控えめでとても上品。“デイスキンコンフォート”を下地に、このクッションファンデを重ねると、日中の乾燥も気にならず、美しく仕上がります。大人の女性が欲しいと思う美容液成分、浸透型ビタミンC誘導体、ナイアシンアミド、グリシルグリシン、3種のセラミドも配合しました」。

「クッションファンデーションを使ったことがないメイク初心者の方にもぜひ使っていただきたい1品です。でも、一度使ったらもうこれ以外では満足できなくなってしまうかも…!?」。

連載「PR担当がプレゼン!」とは?

ブランドの顔となるPR担当。新商品やシーズンアイテムなどはスポットライトが当たりやすいが、ロングセラーアイテムはリニューアルなどをしないとどうしても埋もれてしまう。「PR担当がプレゼン!」は、ブランドのPR担当に“ロングセラー”や“今シーズンのイチ押し”アイテムを推薦してもらい、読者に改めて商品の良さを知ってもらう連載だ。

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「エクセル」PR担当が愛用歴20年のロングセラー“3in1アイブロウペンシル”を熱弁

ブランドの顔となるPR担当に、“ロングセラー”や“今シーズンのイチ押し”アイテムを推薦してもらうビューティ連載「PR担当がプレゼン!」。今回は、数々のロングセラーアイテムを生み出しているメイクアップブランド「エクセル(EXCEL)」が登場する。辻奈緒子「エクセル」PR担当におすすめの3アイテムを紹介してもらう。

「エクセル」とは?

“TOKYO RICH CASUAL”をブランドコンセプトに、東京発信のリアルなトレンドメイクをかなえるメイクアップブランドで、テクニックいらずで使える「スマートコスメ」を展開している。リッチなトレンドスタイルを自由かつカジュアルに取り入れたメイクを提案。全商品の企画&開発を日本で行っており、処方やカラー設計、上質な使い心地など、全てを徹底的にこだわっている。

愛用歴20年の相棒“パウダー&ペンシル アイブロウEX”

「累計販売数2150万本を突破(2007年9月~2024年7月末)している、人気No.1のアイブロウペンシルです。発売から20年以上経つ今も、売り上げを更新し続けています。中でも人気色は、誰でも使いやすい“PD01 ナチュラルブラウン”。ペンシル、パウダー、スクリューブラシの3機能一体型で『だれでも簡単に美人眉が作れる』といった点を支持いただいております。髪色やファッションに合わせて選べる豊富な10色展開も人気の要因です」。

「おすすめポイントはとにかくペンシルが太すぎず、細すぎずでとても描きやすいんです!何も気にせず、そのまま描きたいところに描くだけ。でも『濃すぎた』『逆に発色しない』など失敗することがありません。楕円芯なのでペンシルの向きを変えれば1本1本細く描くことも可能。簡単に美しい眉毛を描けるところがお気に入りです。仕上げにパウダーをふわっと乗せると、きれいに発色します。私は今、赤みに寄った“PD10 ピンクブラウン”と“PD14 モーヴブラウン”をリピートしています。愛用歴は20年、自信を持っておすすめします!」。

“デイスキンコンフォート”で、時短なのに丁寧にスキンケアしたような肌へ

「日中の乾燥やメイク崩れを防ぐ朝専用のUVクリームです。美容液、クリーム、UVカット、化粧下地の機能を備えており、化粧水の後にこれを塗るだけで朝のスキンケアが完了します。使用感や仕上がりの良さが話題になり、発売直後は想像以上の売れ行きで公式オンラインショップでは一時欠品を起こしたほどの人気商品です」

「伸びの良いテクスチャーで、塗布後すぐに肌がみずみずしく潤います。UVカット効果もあり、さらにレチノールやセラミドなどの美容液成分も配合しているので、朝の時間のない中でも『丁寧にスキンケアはしたい』をかなえてくれるアイテムです。私は首まで塗布して、首元の紫外線対策もしています。とにかくべたつかないので、次のステップ(ファンデーションなど)の邪魔をしません。化粧ノリもアップするので、もう何個もリピートしています」。

新作の“スキンフラッターセラムクッション”は薄膜カバーがかなう

「みずみずしく軽やかなテクスチャーで“薄膜カバー”をかなえるクッションファンデーションです。元から美しい素肌のように仕上げ、艶感と化粧持ちを両立します。また落とした後も肌に潤い感が残るようなこだわりの設計にしており、使用していただいたヘアメイクアーティストの方からもお墨付きをいただきました。これから話題になること間違いなしの1品です」。

「お気に入りのポイントは、とっても軽い付け心地で、何度重ねても厚塗り感を感じないところ。カバーしたい部分には少し重ねますが、塗りすぎたと感じる事もなく、失敗知らずなアイテムです。艶感も控えめでとても上品。“デイスキンコンフォート”を下地に、このクッションファンデを重ねると、日中の乾燥も気にならず、美しく仕上がります。大人の女性が欲しいと思う美容液成分、浸透型ビタミンC誘導体、ナイアシンアミド、グリシルグリシン、3種のセラミドも配合しました」。

「クッションファンデーションを使ったことがないメイク初心者の方にもぜひ使っていただきたい1品です。でも、一度使ったらもうこれ以外では満足できなくなってしまうかも…!?」。

連載「PR担当がプレゼン!」とは?

ブランドの顔となるPR担当。新商品やシーズンアイテムなどはスポットライトが当たりやすいが、ロングセラーアイテムはリニューアルなどをしないとどうしても埋もれてしまう。「PR担当がプレゼン!」は、ブランドのPR担当に“ロングセラー”や“今シーズンのイチ押し”アイテムを推薦してもらい、読者に改めて商品の良さを知ってもらう連載だ。

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「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2024」全セッションのアーカイブ動画期間限定公開

「WWDJAPAN」は2025年12月13日に、「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2024」を東京ポートシティ竹芝 ポートホールで開催した。本サミットはグローバルで最先端をキーワード2020年にスタートし、今年で5回目となる。ここでは全セッションの動画を期間限定(2025年1月31日から3月31日)で公開する。サステナビリティ×ファッションをさまざまな立場からリードする登壇者たちからは次々とキーワードが飛び出した。

ゴールドウイン渡辺社長へ19歳の活動家から質問
「環境問題にどれくらい本気ですか?」

・渡辺貴生/ゴールドウイン代表取締役社長
・福代美乃里/学生団体「やさしいせいふく」代表

ゴールドウインが支持集めている理由のひとつが人の心を捉える「デザイン」の力だ。その対象は、製品だけではなく地域創生など「社会」へと広がっている。イノベーションの力を借りてデザインの領域を広げているゴールドウインのデザインに対する考え方、その背景にあるサステナビリティの方針を紐解く。聞き手は高校 3 年生の活動家、福代美乃里。 「ファッションが好きだから、真実を知りたい」と言う彼女から飛び出す質問とは?


循環型、再生型への転換に向けた
日本の繊維産地の可能性をさぐる

・福田稔/A.T. カーニー シニアパートナー
・井上彩花/スズサン営業、各種プロジェクト担
・篠原由起/篠原テキスタイル代表取締役
・舟山瑛美/「フェティコ」デザイナー
・宮浦晋哉/糸編 代表取締役/キュレーター

日本の繊維産地の技と製品は海外から高い評価を受けながら、同時に後継者不足など深刻な課題を抱えて久しい。その繊維産地に新たなリーダーシップが誕生し始めている。このセッションでは産地に関わるリーダーやデザイナーが可能性と課題をディスカッションすることでその未来を照らす。目指すは一企業、一産地の枠を超えたつながりとそこから生み出すムーブメント。「循環型、再生型への転換」を理想像で終わらせず、実現するために今やるべきこととは?


Shift Cサイトおよびサステナブル経営のガイドツール
「グッドメジャーズ」

・山浦誉史/Shift Cブランド営業担当
・浦田庸子/Shift C編集長

UPDATERはこのほど、世界最大級のエシカル評価機関である豪グッドオンユー(Good On You)が開発した「グッドメジャーズ(Good Measures)」を、国内ファッションブランド向けに提供を開始した。これは世界で224ブランドが導入するサステナブル経営のためのガイドツール。評価はウェブサイト「シフトシー(Shift C)」内で掲載し、参加企業は専用サイトで自社のパフォーマンスを確認し、各項目に対応することで透明性の向上などが図れる。本セッションでは、その仕組みや参加企業のメリットについて紹介した。

また会場ではトークセッション以外にサステナビリティを体感する様々なコンテンツが用意された。豊田通商は、のサステナビリティ関連事業から代表プロジェクトを紹介。「プチバトー」は、製品の買い取り・回収プロジェクト「#プチバトン」の紹介や、「エスモード・東京校」と取り組んだアップサイクル企画を展示。「suzusan」は、We are bridge -をテーマに、継続と循環のある豊かな社会の創造を目指すスズサンの取り組みを紹介した。また「ネスプレッソ」のコーナーではセッションの合間に至福の一杯がふるまわれた。


バレンシアガのサステナビリティ戦略
世界基準の革新とは

・アニカ・モーア・ストーファルト/バレンシアガ グローバル・サステナビリティ・ディレクター
・ジェラルディン・ヴァレジョ/ケリング サステナビリティ プログラム ディレクター

「バレンシアガ」の担当者が日本では初めて、同ブランドのサステナビリティ戦略についてケリングのグローバル・サステナビリティ・ディレクターとともに語る。いわずとしれたサステナビリティ先進企業である両社が描く未来、乗り越えてきた課題、注目している革新素材や技術、そしてデムナ「バレンシアガ」クリエイティブ・ディレクター率いるデザインチームとの対話とは?など、ここでしか聞けない話を公開インタビュー形式で深堀りする。


「プチバトー」のサステナビリティの
ポリシーとモノづくりの背景

・ジャン=マルク・ギュメ/プチバトーCOO

フランスからジャン=マルク・ギュメ プチバトーCOOがオンラインで登壇し、サステナビリティのポリシーやモノづくりの背景を語った。さらに、欧州規制に対応するエコデザイン商品の具体的な方法などについて来場者にメッセージを送った。


ディーゼルのグレン・マーティンスと語る
時代を変える熱狂の生み出し

・グレン・マーティンス/「ディーゼル」クリエイティブ・ディレクター
・kemio /クリエイター、モデル

今、世界の若者たちが熱狂するブランド「ディーゼル」。9月にミラノで発表した2025年春夏コレクションでは、ランウエイに14トンもの廃棄デニムを敷き詰める圧巻の没入空間の中で、サステナビリティを追求したコレクションを披露しました。本セッションでは、現在「ディーゼル」を率いるグレン・マーティンス=クリエイティブ・ディレクターがゲストに登場。Z世代から絶大な支持を得るファッションアイコンkemioと一緒に、ファッションの未来について語ります。

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「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2024」全セッションのアーカイブ動画期間限定公開

「WWDJAPAN」は2025年12月13日に、「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2024」を東京ポートシティ竹芝 ポートホールで開催した。本サミットはグローバルで最先端をキーワード2020年にスタートし、今年で5回目となる。ここでは全セッションの動画を期間限定(2025年1月31日から3月31日)で公開する。サステナビリティ×ファッションをさまざまな立場からリードする登壇者たちからは次々とキーワードが飛び出した。

ゴールドウイン渡辺社長へ19歳の活動家から質問
「環境問題にどれくらい本気ですか?」

・渡辺貴生/ゴールドウイン代表取締役社長
・福代美乃里/学生団体「やさしいせいふく」代表

ゴールドウインが支持集めている理由のひとつが人の心を捉える「デザイン」の力だ。その対象は、製品だけではなく地域創生など「社会」へと広がっている。イノベーションの力を借りてデザインの領域を広げているゴールドウインのデザインに対する考え方、その背景にあるサステナビリティの方針を紐解く。聞き手は高校 3 年生の活動家、福代美乃里。 「ファッションが好きだから、真実を知りたい」と言う彼女から飛び出す質問とは?


循環型、再生型への転換に向けた
日本の繊維産地の可能性をさぐる

・福田稔/A.T. カーニー シニアパートナー
・井上彩花/スズサン営業、各種プロジェクト担
・篠原由起/篠原テキスタイル代表取締役
・舟山瑛美/「フェティコ」デザイナー
・宮浦晋哉/糸編 代表取締役/キュレーター

日本の繊維産地の技と製品は海外から高い評価を受けながら、同時に後継者不足など深刻な課題を抱えて久しい。その繊維産地に新たなリーダーシップが誕生し始めている。このセッションでは産地に関わるリーダーやデザイナーが可能性と課題をディスカッションすることでその未来を照らす。目指すは一企業、一産地の枠を超えたつながりとそこから生み出すムーブメント。「循環型、再生型への転換」を理想像で終わらせず、実現するために今やるべきこととは?


Shift Cサイトおよびサステナブル経営のガイドツール
「グッドメジャーズ」

・山浦誉史/Shift Cブランド営業担当
・浦田庸子/Shift C編集長

UPDATERはこのほど、世界最大級のエシカル評価機関である豪グッドオンユー(Good On You)が開発した「グッドメジャーズ(Good Measures)」を、国内ファッションブランド向けに提供を開始した。これは世界で224ブランドが導入するサステナブル経営のためのガイドツール。評価はウェブサイト「シフトシー(Shift C)」内で掲載し、参加企業は専用サイトで自社のパフォーマンスを確認し、各項目に対応することで透明性の向上などが図れる。本セッションでは、その仕組みや参加企業のメリットについて紹介した。

また会場ではトークセッション以外にサステナビリティを体感する様々なコンテンツが用意された。豊田通商は、のサステナビリティ関連事業から代表プロジェクトを紹介。「プチバトー」は、製品の買い取り・回収プロジェクト「#プチバトン」の紹介や、「エスモード・東京校」と取り組んだアップサイクル企画を展示。「suzusan」は、We are bridge -をテーマに、継続と循環のある豊かな社会の創造を目指すスズサンの取り組みを紹介した。また「ネスプレッソ」のコーナーではセッションの合間に至福の一杯がふるまわれた。


バレンシアガのサステナビリティ戦略
世界基準の革新とは

・アニカ・モーア・ストーファルト/バレンシアガ グローバル・サステナビリティ・ディレクター
・ジェラルディン・ヴァレジョ/ケリング サステナビリティ プログラム ディレクター

「バレンシアガ」の担当者が日本では初めて、同ブランドのサステナビリティ戦略についてケリングのグローバル・サステナビリティ・ディレクターとともに語る。いわずとしれたサステナビリティ先進企業である両社が描く未来、乗り越えてきた課題、注目している革新素材や技術、そしてデムナ「バレンシアガ」クリエイティブ・ディレクター率いるデザインチームとの対話とは?など、ここでしか聞けない話を公開インタビュー形式で深堀りする。


「プチバトー」のサステナビリティの
ポリシーとモノづくりの背景

・ジャン=マルク・ギュメ/プチバトーCOO

フランスからジャン=マルク・ギュメ プチバトーCOOがオンラインで登壇し、サステナビリティのポリシーやモノづくりの背景を語った。さらに、欧州規制に対応するエコデザイン商品の具体的な方法などについて来場者にメッセージを送った。


ディーゼルのグレン・マーティンスと語る
時代を変える熱狂の生み出し

・グレン・マーティンス/「ディーゼル」クリエイティブ・ディレクター
・kemio /クリエイター、モデル

今、世界の若者たちが熱狂するブランド「ディーゼル」。9月にミラノで発表した2025年春夏コレクションでは、ランウエイに14トンもの廃棄デニムを敷き詰める圧巻の没入空間の中で、サステナビリティを追求したコレクションを披露しました。本セッションでは、現在「ディーゼル」を率いるグレン・マーティンス=クリエイティブ・ディレクターがゲストに登場。Z世代から絶大な支持を得るファッションアイコンkemioと一緒に、ファッションの未来について語ります。

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「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」2025年春夏オートクチュール・コレクション

「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」が2025年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」2025年春夏オートクチュール・コレクション

「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」が2025年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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リーバイス、24年度は3%増収 第4四半期は12%増収なるも25年度の見通しは予想を下回る

リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS以下、リーバイス)の2024年11月期決算は、売上高が前期比2.9%増の63億5530万ドル(約9850億円)、営業利益は同25.2%減の2億6410万ドル(約409億円)、純利益は同15.6%減の2億1060万ドル(約326億円)だった。営業利益と純利益の大幅な減少には、人員削減に関連した費用や資産の減損処理などが影響している。

地域別での売上高は、南北アメリカが同3.7%増の32億60万ドル(約4960億円)、欧州は同2.4%増の16億1790万ドル(約2507億円)、アジアは同2.1%増の10億8240万ドル(約1677億円)だった。販売チャネル別で見ると、卸の売上高が同3.4%減の34億3150万ドル(約5318億円)、小売は同11.3%増の29億2380万ドル(約4531億円)だった。

なお、24年9〜11月期(第4四半期)の売上高は、前年同期比12.0%増の18億3970万ドル(約2851億円)、営業利益は同40.3%増の2億1220万ドル(約328億円)、純利益は同44.0%増の1億8260万ドル(約283億円)と非常に好調だった。

利益率の低い事業から撤退し本業に注力

24年1月に就任したミシェル・ガス(Michelle Gass)社長兼最高経営責任者(CEO)の指揮の下、同社は同年2月、2年にわたる生産性向上計画の一環として、上半期に本社人員の10~15%(500~750人)の削減を発表。4月には利益率が低かったカジュアルライン“デニゼン(DENIZEN)”とフットウエア事業の終了を、10月には傘下ブランド「ドッカーズ(DOCKERS)」の売却先を探していることを明らかにした。こうして非中核事業を整理する一方で、「リーバイス(LEVI'S)」ブランドのさらなる開発に注力し、ウィメンズの強化に取り組んだことが奏功した。

同氏は、「利益率の低い事業から撤退し、ブランド強化に注力したことで、さらに盤石な会社となった。小売と卸のバランスも取れており、改革がしっかりと業績に結び付いている」と語った。

トランプ大統領による関税引き上げへの対策は?

自ら“関税男”を名乗るドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の就任により、米国のアパレルおよび小売業界は関税の引き上げを警戒している。ガス社長兼CEOはこれについて、「当社は現在、世界の25カ国以上から幅広く調達している。また、(トランプ大統領が関税の引き上げ対象として名指しした)中国からの調達は全体の1%未満、メキシコは5%程度と比較的少ない」と説明。「当社の準備は整っている」と懸念の払拭に努めた。

同氏はまた、25年の業績は既存事業ベースで3.5〜4.5%の成長を見込んでいると述べた。しかし、これがアナリスト予想をやや下回っていたことから、同社の株価は決算発表当日の1月29日の時間外取引で、一時は前日比5.8%安の17.29ドル(約2679円)となった。

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リーバイス、24年度は3%増収 第4四半期は12%増収なるも25年度の見通しは予想を下回る

リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS以下、リーバイス)の2024年11月期決算は、売上高が前期比2.9%増の63億5530万ドル(約9850億円)、営業利益は同25.2%減の2億6410万ドル(約409億円)、純利益は同15.6%減の2億1060万ドル(約326億円)だった。営業利益と純利益の大幅な減少には、人員削減に関連した費用や資産の減損処理などが影響している。

地域別での売上高は、南北アメリカが同3.7%増の32億60万ドル(約4960億円)、欧州は同2.4%増の16億1790万ドル(約2507億円)、アジアは同2.1%増の10億8240万ドル(約1677億円)だった。販売チャネル別で見ると、卸の売上高が同3.4%減の34億3150万ドル(約5318億円)、小売は同11.3%増の29億2380万ドル(約4531億円)だった。

なお、24年9〜11月期(第4四半期)の売上高は、前年同期比12.0%増の18億3970万ドル(約2851億円)、営業利益は同40.3%増の2億1220万ドル(約328億円)、純利益は同44.0%増の1億8260万ドル(約283億円)と非常に好調だった。

利益率の低い事業から撤退し本業に注力

24年1月に就任したミシェル・ガス(Michelle Gass)社長兼最高経営責任者(CEO)の指揮の下、同社は同年2月、2年にわたる生産性向上計画の一環として、上半期に本社人員の10~15%(500~750人)の削減を発表。4月には利益率が低かったカジュアルライン“デニゼン(DENIZEN)”とフットウエア事業の終了を、10月には傘下ブランド「ドッカーズ(DOCKERS)」の売却先を探していることを明らかにした。こうして非中核事業を整理する一方で、「リーバイス(LEVI'S)」ブランドのさらなる開発に注力し、ウィメンズの強化に取り組んだことが奏功した。

同氏は、「利益率の低い事業から撤退し、ブランド強化に注力したことで、さらに盤石な会社となった。小売と卸のバランスも取れており、改革がしっかりと業績に結び付いている」と語った。

トランプ大統領による関税引き上げへの対策は?

自ら“関税男”を名乗るドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の就任により、米国のアパレルおよび小売業界は関税の引き上げを警戒している。ガス社長兼CEOはこれについて、「当社は現在、世界の25カ国以上から幅広く調達している。また、(トランプ大統領が関税の引き上げ対象として名指しした)中国からの調達は全体の1%未満、メキシコは5%程度と比較的少ない」と説明。「当社の準備は整っている」と懸念の払拭に努めた。

同氏はまた、25年の業績は既存事業ベースで3.5〜4.5%の成長を見込んでいると述べた。しかし、これがアナリスト予想をやや下回っていたことから、同社の株価は決算発表当日の1月29日の時間外取引で、一時は前日比5.8%安の17.29ドル(約2679円)となった。

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「ビューティフルピープル」×「リプロダクションオブファウンド」コラボシューズ第3弾 

「ビューティフルピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」は2月22日、世界各国の軍用トレーニングシューズを現代的にアップデートする「リプロダクションオブファウンド(REPRODUCTION OF FOUND)」とのコラボレーションスニーカー第3弾として“ジャーマン ミリタリー トレーナー イン ヌバック”(全2色、各4万2900円)を発売する。1日から公式オンラインストアで先行予約を受け付ける。

カラーのラインアップはオフホワイトとブラックの全2色。サイズは35(22.5〜23cm)から45(28.5〜29cm)で展開する。

ミリタリー×ドレッシー

デザインのベースは、不要な装飾を取り払い、耐久性を担保する生地切り替えのみという無駄のないシンプルなデザインが特徴のジャーマンミリタリートレーナー。生地の切り替えをステッチワークで表現し、さらに削ぎ落としたデザインにすることで、ミリタリーでもありドレスでもある、しかしそのどちらとも言えない中庸なデザインに仕上げた。シューレースを外しスリッポンとしても着用できる。

こだわり抜いたディテールと素材

生産工場には、西ドイツ軍で使用されていたトレーニングシューズと同じスロバキアの工場を使用。当時と同じ背景で、ハンドメードで作ることで、リプロダクトにはない独特な空気感をまとわせた。

アウトソールには、一般的なジャーマントレーナーと異なる薄いソールを採用。シューズのコバ(靴底の側面)を内側に入れることで、まるでオペラシューズのような中性的かつ品格のある装いを生み出した。

アッパー素材には、キメが細かく均一な目面が特徴のスペイン産のヌバックレザーを、インソールには、耐久性と柔らかな履き心地をかなえるイタリア産ピッグレザーを使用。カジュアルなスニーカーに上質な素材を掛け合わせることで、中庸な佇まいを演出した。

現代的にアップデートした機能性

内側に備えたエラスティックゴムが、優れたホールド感で歩行をサポートする。アウトソールにはグリップ力のあるウェーブ形状ソールを、ミッドソールには軽量で柔軟性と弾力性に優れたEVA素材を、インソールにはピッグレザーを使用することで柔らかなクッション性を実現した。

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三菱商事ファッション次期社長に幸氏 2月28日からワールド子会社

2月28日付でワールドが子会社化する三菱商事ファッションは31日、新しいトップ人事を発表した。代表権を持つ会長にワールド出身の西川信一氏、代表権を持たない社長執行役員ライフスタイル本部長に三菱商事ファッション出身の幸晋也(ゆき・しんや)氏がそれぞれ就任する。現任の村田茂・代表取締役社長執行役員兼コンプライアンスオフィサーは退任する。ワールド傘下入りに伴う新社名は後日発表する。

次期社長の幸氏は1991年に三菱商事に入社後、繊維部門や生活産業グループを経て2015年1月に子会社の三菱商事ファッションに移った。営業の要職を歴任し、24年4月に執行役員ライフスタイル本部長に就いた。

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「ファミリア」と「ホテル椿山荘東京」が初のコラボ 庭園内を再現したデニムバッグ

「ホテル椿山荘東京」は2月21日、「ファミリア(FAMILIAR)」とコラボレーションした限定デザインのデニムバッグを発売する。価格は2万3000円で、同施設の館内ショップおよび、公式オンラインストアで扱う。またオンラインでは、1月31日15時から予約を受け付けている。

同コラボは、子ども服ブランドの「ファミリア」と、お食い初めや七五三など子どものお祝い利用も多い「ホテル椿山荘東京」が、子どもたちにホテルという日常とは違う場所で自然に触れながら、新たな体験を提供したいという想いから実現に至った。

絶景の庭園を職人技で表現したデニムバッグ

第1弾となる今回は、「ファミリア」で人気のデニムバッグに、ホテルオリジナルのデザインで用意。今年で移築から100年を迎える国の登録有形文化財“三重塔”や、庭園内に咲き誇る約2300本の椿、東京の中心で絶景を体験できる“東京雲海”など、同ホテルを象徴する庭園の特徴をあしらうほか、ホテルスタッフの制服を着た「ファミリア」のクマちゃんも配する。これらのモチーフは、職人がアップリケの抜き型を全パーツ手作業で制作、刺しゅうすることで、温かみのある雰囲気に仕上げた。

また、デニムバッグ下部の皮革部分と裏地のチェック柄は、ホテルのブランドカラーで、豊かな自然を彷ふつとさせるグリーンを採用した。

特設ページ

施設詳細

◼️ホテル椿山荘東京

住所:東京都文京区関口2-10-8

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「ファミリア」と「ホテル椿山荘東京」が初のコラボ 庭園内を再現したデニムバッグ

「ホテル椿山荘東京」は2月21日、「ファミリア(FAMILIAR)」とコラボレーションした限定デザインのデニムバッグを発売する。価格は2万3000円で、同施設の館内ショップおよび、公式オンラインストアで扱う。またオンラインでは、1月31日15時から予約を受け付けている。

同コラボは、子ども服ブランドの「ファミリア」と、お食い初めや七五三など子どものお祝い利用も多い「ホテル椿山荘東京」が、子どもたちにホテルという日常とは違う場所で自然に触れながら、新たな体験を提供したいという想いから実現に至った。

絶景の庭園を職人技で表現したデニムバッグ

第1弾となる今回は、「ファミリア」で人気のデニムバッグに、ホテルオリジナルのデザインで用意。今年で移築から100年を迎える国の登録有形文化財“三重塔”や、庭園内に咲き誇る約2300本の椿、東京の中心で絶景を体験できる“東京雲海”など、同ホテルを象徴する庭園の特徴をあしらうほか、ホテルスタッフの制服を着た「ファミリア」のクマちゃんも配する。これらのモチーフは、職人がアップリケの抜き型を全パーツ手作業で制作、刺しゅうすることで、温かみのある雰囲気に仕上げた。

また、デニムバッグ下部の皮革部分と裏地のチェック柄は、ホテルのブランドカラーで、豊かな自然を彷ふつとさせるグリーンを採用した。

特設ページ

施設詳細

◼️ホテル椿山荘東京

住所:東京都文京区関口2-10-8

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「ディオール」メンズのキム・ジョーンズ退任 「フェンディ」に続き、7年働いたメゾンを去る

キム・ジョーンズ(Kim Jones)が7年間務めた「ディオール(DIOR)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターの職を辞することが明らかになった。「ディオール」はキムに対して、「メンズコレクションの国際的な拡大・発展に貢献し、クラシカルでありながらコンテンポラリーなコレクションを生み出しながら、旬のアーティストとコラボすることでメゾンの影響力を高めた」と最大限の敬意を表した。キムは、フランス政府による最高位の勲章レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章したばかりだ。

キムの退任により、すで広がっている「ロエベ(LOEWE)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が「ディオール」に移籍するのでは?というウワサがさらに拡大しそうだ。

キムは、「『ディオール』という、絶対的な美を根源とするブランドで働けたことを光栄に思っている。デザインチームとクチュリエたちは、私を素晴らしい旅路へと誘ってくれた。彼らは私のクリエイションを実現してくれた功労者だ。協業できたアーティスト、そして、常に応援してくれたベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)とデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール会長兼CEOにも感謝したい」とのコメントを発表した。これに対してデルフィーヌ会長兼CEOは、「キムと彼のチーム、そしてアトリエの偉大なる仕事に心から感謝したい。メゾンのヘリテージを何度も再解釈しながら、驚きに満ちたコラボレーションで自由な風を吹き込んでくれた」と返した。

キムは、3カ月前に「フェンディ(FENDI)」のウィメンズ&オートクチュール担当アーティスティック・ディレクターの職も辞している。

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「ディオール」メンズのキム・ジョーンズ退任 「フェンディ」に続き、7年働いたメゾンを去る

キム・ジョーンズ(Kim Jones)が7年間務めた「ディオール(DIOR)」のメンズ・アーティスティック・ディレクターの職を辞することが明らかになった。「ディオール」はキムに対して、「メンズコレクションの国際的な拡大・発展に貢献し、クラシカルでありながらコンテンポラリーなコレクションを生み出しながら、旬のアーティストとコラボすることでメゾンの影響力を高めた」と最大限の敬意を表した。キムは、フランス政府による最高位の勲章レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章したばかりだ。

キムの退任により、すで広がっている「ロエベ(LOEWE)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が「ディオール」に移籍するのでは?というウワサがさらに拡大しそうだ。

キムは、「『ディオール』という、絶対的な美を根源とするブランドで働けたことを光栄に思っている。デザインチームとクチュリエたちは、私を素晴らしい旅路へと誘ってくれた。彼らは私のクリエイションを実現してくれた功労者だ。協業できたアーティスト、そして、常に応援してくれたベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)とデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール会長兼CEOにも感謝したい」とのコメントを発表した。これに対してデルフィーヌ会長兼CEOは、「キムと彼のチーム、そしてアトリエの偉大なる仕事に心から感謝したい。メゾンのヘリテージを何度も再解釈しながら、驚きに満ちたコラボレーションで自由な風を吹き込んでくれた」と返した。

キムは、3カ月前に「フェンディ(FENDI)」のウィメンズ&オートクチュール担当アーティスティック・ディレクターの職も辞している。

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【400名ご招待】セルフコスメの魅力を体感できる「ビューティテイスト・トーキョー」開催 森香澄やイガリシノブらの登壇や人気商品のタッチアップブースなど

「WWDBEAUTY」は2月18日、セルフコスメにフォーカスを当てたイベント「ビューティテイスト・トーキョー(BEAUTY TASTE TOKYO)」第2回を東京・新宿のルミネゼロ(LUMINE 0)で開催します。ビューティ業界関係者を招待する午前の部と、一般向けの午後の部を実施。午後の部では、「WWDJAPAN」読者400名をイベントに招待(募集は定員に達し次第終了)します。応募はアンケートに答えたうえ、申し込みフォームからエントリーをお願します。

スペシャルゲスト

同イベントでは、フリーアナウンサーでタレントの森香澄をはじめ、ヘア&メイクアップアーティストのイガリシノブやNADEAら豪華ゲストを招いてのトークセッションとメイクアップショーを実施。また、ブランド各社によるブースエリアには、新商品やベストセラーアイテムが並び、コスメサンプルなどのお土産も提供します。さらに美容成分ごとにスキンケア製品を紹介するブースや、「WWDBEAUTY 2024下半期ベストコスメ」から新商品1位を獲得したアイテムも展示します。

会場ではスペシャルスタンプラリーを用意。ブース全てを回ってスタンプを集めると、抽選で「リファ(REFA)」の軽量スティック型ドライヤー“リファビューテック リセッター”など豪華なプレゼントが当たるチャンスも。ぜひこの機会にセルフコスメの魅力を体感してみてください。

前回のイベントの様子

◼️ビューティテイスト・トーキョー(午後の部)
日程:2月18日
時間:15:00~20:30(受付開始 14:30、最終入場 20:00)
場所:LUMINE 0
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目24-55 ニュウマン5F  
参加方法:アンケートによる事前エントリー制
アンケート期間:1月31日より開始。申込先着順で定員になり次第締め切りとなります

<タイムテーブル> ※内容は随時更新します
午前の部
「LDK the Beauty」副編集長・井上生智、アイスタイル担当者、「WWDJAPAN」編集長・村上要によるトーク
※午前の部は業界関係者のみとなりますため、一般応募は受け付けておりませんのでご了承ください

午後の部
ステージ第1部 15:00〜15:40(15:00開始)
コスメブランド「フーミー」をプロデュースする、イガリシノブのメイクアップショー

ステージ第2部 16:20〜17:00(16:20開始)
人気美容師とスタイリストによるヘアショー ※ゲストは更新します

ステージ第3部 17:30〜18:10(17:30開始)
その人本来の美しさを引き出すメイク術に定評がある、NADEAによるメイクアップショー

ステージ第4部 19:00〜19:40(19:00開始)
美容好きとしても知られているフリーアナウンサーでタレントの森香澄と、「WWDJAPAN」編集長・村上要によるビューティトーク

※ご注意​​
・イベントのスケジュールと内容は当日変更になる可能性がございます。​
・本イベントには写真およびムービーの撮影が入ることがございます。来場された方の肖像の画像および動画が、「WWDJAPAN.com」記事、協賛各社サイトに掲載される場合があります。ご了承の上、来場ください。​
・会場にクロークのご用意はございません。​
・本イベントは再入場することはできません。​
・各ステージ、ブースのプログラムでは人数制限をすることがございます。またオリジナルトートバッグやコスメのお土産は数に限りがございます。すべてのコンテンツをお楽しみいただけない場合もありますので、あらかじめご了承下さい。​
・交通費は各自ご負担ください。​
・会場内で発生した事故・盗難等には一切責任を負いません。貴重品を含む物品は各自で管理してください。

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【400名ご招待】セルフコスメの魅力を体感できる「ビューティテイスト・トーキョー」開催 森香澄やイガリシノブらの登壇や人気商品のタッチアップブースなど

「WWDBEAUTY」は2月18日、セルフコスメにフォーカスを当てたイベント「ビューティテイスト・トーキョー(BEAUTY TASTE TOKYO)」第2回を東京・新宿のルミネゼロ(LUMINE 0)で開催します。ビューティ業界関係者を招待する午前の部と、一般向けの午後の部を実施。午後の部では、「WWDJAPAN」読者400名をイベントに招待(募集は定員に達し次第終了)します。応募はアンケートに答えたうえ、申し込みフォームからエントリーをお願します。

スペシャルゲスト

同イベントでは、フリーアナウンサーでタレントの森香澄をはじめ、ヘア&メイクアップアーティストのイガリシノブやNADEAら豪華ゲストを招いてのトークセッションとメイクアップショーを実施。また、ブランド各社によるブースエリアには、新商品やベストセラーアイテムが並び、コスメサンプルなどのお土産も提供します。さらに美容成分ごとにスキンケア製品を紹介するブースや、「WWDBEAUTY 2024下半期ベストコスメ」から新商品1位を獲得したアイテムも展示します。

会場ではスペシャルスタンプラリーを用意。ブース全てを回ってスタンプを集めると、抽選で「リファ(REFA)」の軽量スティック型ドライヤー“リファビューテック リセッター”など豪華なプレゼントが当たるチャンスも。ぜひこの機会にセルフコスメの魅力を体感してみてください。

前回のイベントの様子

◼️ビューティテイスト・トーキョー(午後の部)
日程:2月18日
時間:15:00~20:30(受付開始 14:30、最終入場 20:00)
場所:LUMINE 0
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目24-55 ニュウマン5F  
参加方法:アンケートによる事前エントリー制
アンケート期間:1月31日より開始。申込先着順で定員になり次第締め切りとなります

<タイムテーブル> ※内容は随時更新します
午前の部
「LDK the Beauty」副編集長・井上生智、アイスタイル担当者、「WWDJAPAN」編集長・村上要によるトーク
※午前の部は業界関係者のみとなりますため、一般応募は受け付けておりませんのでご了承ください

午後の部
ステージ第1部 15:00〜15:40(15:00開始)
コスメブランド「フーミー」をプロデュースする、イガリシノブのメイクアップショー

ステージ第2部 16:20〜17:00(16:20開始)
人気美容師とスタイリストによるヘアショー ※ゲストは更新します

ステージ第3部 17:30〜18:10(17:30開始)
その人本来の美しさを引き出すメイク術に定評がある、NADEAによるメイクアップショー

ステージ第4部 19:00〜19:40(19:00開始)
美容好きとしても知られているフリーアナウンサーでタレントの森香澄と、「WWDJAPAN」編集長・村上要によるビューティトーク

※ご注意​​
・イベントのスケジュールと内容は当日変更になる可能性がございます。​
・本イベントには写真およびムービーの撮影が入ることがございます。来場された方の肖像の画像および動画が、「WWDJAPAN.com」記事、協賛各社サイトに掲載される場合があります。ご了承の上、来場ください。​
・会場にクロークのご用意はございません。​
・本イベントは再入場することはできません。​
・各ステージ、ブースのプログラムでは人数制限をすることがございます。またオリジナルトートバッグやコスメのお土産は数に限りがございます。すべてのコンテンツをお楽しみいただけない場合もありますので、あらかじめご了承下さい。​
・交通費は各自ご負担ください。​
・会場内で発生した事故・盗難等には一切責任を負いません。貴重品を含む物品は各自で管理してください。

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「ボス」のアンダーウエアキャンペーンにデビッド・ベッカムが登場 際立つ肉体美を披露

「ボス(BOSS)」は2月1日、メンズのアンダーウエアアイテムで構成した新作コレクション“ボス・ワン ボディーウエア(BOSS ONE Bodywear)”を発売する。同コレクションは、ブランドの直営店と公式オンラインストアのほか、ポップアップ、一部のホールセラーで扱う。キャンペーンには、元プロサッカー選手のデビッド・ベッカム(David Beckham)を起用した。

肉体美が際立つキャンペーン

同コレクションは、ブラックとホワイトを基調としたトランクスやブリーフ、タンクトップ、Tシャツなどメンズのアンダーウエアアイテムで構成する。コットンとエラスタンのブレンド素材で仕立てたアンダーウエアは、着心地の良さが特徴だ。

キャンペーンはファッションフォトグラファーデュオのマート・アラス&マーカス・ピゴット(Mert Alas&Marcus Piggott)が手掛けた。同コレクションのアンダーウエアを着用したデビッド・ベッカムがクラシックなスポーツカーから降りた後、ニューヨークの倉庫風アパートに帰宅する姿をイメージした。

同氏は、今回のキャンペーンについて「以前、アンダーウエアのモデルとしての活動は終えたと思っていた。しかし、『ボス』がこのコレクションへの熱意を語り、さらに友人であるマート & マーカスがキャンペーンを手掛けると知った時、断る理由が見つからなかった。“ボス・ワン”コレクションは美しく仕立てられており、このキャンペーンを通じて、長期的なパートナーシップを支援できることを誇りに思う」と語った。

また今回は、ブランド初の試みとして、“ボス・ワン ボディーウエア”の自動販売機をヨーロッパやアメリカの主要都市に設置し、コレクションの人気アイテムを手軽に購入できる取り組みを行う。さらに、世界100カ所以上でポップアップイベントを開催し、コレクションの全アイテムを販売する。

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「ディーゼル」グレン・マーティンスとkemioが語る熱狂の生み出し方

グレン・マーティンス=クリエイティブ・ディレクターが率いる「ディーゼル(DIESEL)」は、若者を熱狂させるファッション性を維持しつつ、責任あるビジネスの転換をアグレッシブに進めている。例えば使用するデニムの50%以上は、オーガニックやリジェネラティブ、リサイクルに置き換え、化学薬品や水の使用量を削減した加工技術にも投資する。2024年9月にミラノで開催した24-25年秋冬コレクションでは、デニムの循環性をテーマに、「ディーゼル」が描く未来に対するステートメントを発信した。同ショーに込めた思いを出発点にマーティンス=クリエイティブ・ディレクターのサステナビリティに対する考え方を聞いた。セッションのパートナーには、若い世代の心を動かすという共通点を持つ、クリエイターのkemioを迎えた。(この対談は2024年12月13日に開催した「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2024」から抜粋したものです)

“デニムの惑星“を表現したショーに込めた思い

木村和花「WWDJAPAN」記者(以下、WWD):9月にミラノで開催された「ディーゼル」の2025年春夏コレクションのショー動画をご覧いただきました。kemioさん、いかがでしたか?

kemio:衝撃的でしたね。「ディーゼル」と言えば、ファッションもそうですが、ステージのプロダクションや音楽、インビテーション、アフターパーティーなど、さまざまな角度からファッションショーの枠組みを越えるエネルギーをいつも感じます。今回は「ディーゼル」のDNAでもあるデニムを大量に敷き詰めたランウエイで、その上をモデルたちが力強く歩くという演出から未来に対しての強いステートメントを感じました。

WWD:グレンにあのショーに込めた思いを聞いてみましょう。

グレン・マーティンス:「ディーゼル」はファッションブランドであると同時にライフスタイルブランドでもあります。つまり、ファッションの美しさを追求する以上に、私たちが掲げる“サクセスフルリビング“、くだらないことは抜きにして人生を全力で楽しもうという精神性を体現しています。「ディーゼル」では、典型的なショーはしません。大事にしているのは、人々を巻き込むこと。例えば過去には、約1万人の一般客を招いたレイブパーティーをしたこともありますし、会場にコンドームの山を作って無料で配布したこともあります。

私が「ディーゼル」に加わって4年目を迎えた今回は、ブランドのコアであるデニムを中心に構成しました。デニムは、国やジェンダー、貧富の差を超えて多くの人々が触れているという意味で最も民主的な素材とも言えます。一方で生産工程では、多くの水や化学薬品を使用する負の側面もあります。実験的なアプローチでみんなが驚く魔法のようなデニム製品を生み出してきた「ディーゼル」は今、未来にあるべき美しいデニムの姿を考え、日々技術革新に取り組んでいます。今回のショーは、その新しいデニムの姿を表現しました。

会場は工場から集めた1万5000kgデニムの端切れを床に敷き詰め、“デニムの惑星“のようなものを誕生させました。その上をモデルが歩く光景を通して、デニムとは何か、循環の可能性などについてディスカッションするきっかけになってほしいという思いを込めたんです。

WWD:ショーの後には、観客がデニムの山に飛び込んだり、自撮りをしたりと、しばらく興奮冷めやらぬといった状態でしたね。サステナビリティの話題はともするとシリアスになりすぎて、楽しいものに変換することがすごく難しい。グレンがサステナビリティをテーマに据えながらあの規模で多く人を熱狂させていた点に感動しました。そうしたショー後の熱狂も予想していたのでしょうか?

マーティンス:全くしていませんでした。私たちのショー会場はいつも熱気に溢れていてさまざまな予想外のインタラクションが発生します。2年前はショー開始前、準備を終えてみんながバックステージでスタンバイしているにも関わらず、観客が会場で盛り上がってしまい開始予定時刻になってもなかなかショーが始められなかったんです。その時は、みんなを席に座らせるために仕方なく会場の照明を全て落としました。急に真っ暗になったのでみんな驚いて叫んでいましたよ(笑)。今回の“デニムの惑星“でもみんなが本当に楽しそうにしていた光景が美しかった。「ディーゼル」は人々が楽しむためのプラットフォームです。たとえランウエイショーであってもそうなのだということが理解いただけたと思います。

デニムの50%以上を環境配慮型に切り替え「楽しみながらより良い未来を考える」

WWD:「ディーゼル」はさまざまな角度からサステナビリティに取り組んでいます。素材面では、デニムに使用するコットンの半分以上をコンベンショナルコットンからオーガニックやリサイクル、リジェネラティブなどに切り替えています。kemioさんは、こうした取り組みを知っていましたか?

kemio:「ディーゼル」のブランドイメージは、セクシーでホット。広告を通して多様性を訴えるなど、社会に対する大事なメッセージを発信していることは知っていましたが、環境面でのサステナビリティにここまで力を入れていることは正直知りませんでした。いつも店に行くと、まずかっこいいデザインに引かれて商品を手に取り、あとから環境配慮素材で作られているんだと知ることが多い。サステナビリティに詳しくないカスタマーに対しても響く、すごく自然なアプローチだと思います。

マーティンス:サステナビリティはつまらないものである必要はありません。私が「ディーゼル」に入った4年前は、リジェネラティブやオーガニック、リサイクルコットンの割合は3%程度でしたが、現在は50%を超えています。半分がよりクリーンな素材に置き換わっているということ。もちろん今も完璧ではありませんが、毎シーズン改善を重ねています。

ファッションに限らず多くのブランドが、全ての製品において自分の子供や孫の世代のために、という視点を持つことが重要でこれが責任あるビジネス、または生き方の核だと思います。デニム以外にも「ディーゼル」の水着でも、同じことが言えます。水着はストレッチや速乾性が必要なので一般的にポリエステルが使われますが、現在は全てリサイクルポリエステルに切り替えました。定番のジャージー製品にはオーガニックコットンを採用しています。素材を未来のためにより良いものに切り替えていくことは、セクシーであること、自由奔放でロックンロールなライフスタイルを送ることを妨げることにはなりません。むしろ、楽しみながらも未来を考えることが私たちの根本的な価値観です。この価値観を毎シーズン、少しずつ実現していこうとしています。

kemio:グレンはクリエイティブ・ディレクターに就任する以前は「ディーゼル」にどんな印象を持っていましたか?

マーティンス:私は昔から「ディーゼル」の大ファンでした。故郷であるベルギーのブルージュという小さな街ですら、「ディーゼル」は人気でした。15〜16歳のころ、バーで皿洗いのアルバイトをしていたのですが、「ディーゼル」のパンツを買うことを目標にお金を貯めていました。当時の私にとっては決して安い買い物ではありませんでしたが、あれが私が人生で初めて意思を持ってした買い物でしたね。

20年に「ディーゼル」に入ると決めた理由の一つは、このようなグローバルブランドであれば、より多くの人と会話ができるだろうと思ったこと。環境の話はもちろん、マイノリティーやセクシャリティーといった社会のサステビリティについても、人々の世の中に対する見方をより良いものに変えるために多くの人に語りかけたかったんです。

「ディーゼル」に加わった時、すでに“レスポンシブル・リビング“と名付けられた環境戦略が走りはじめていました。私も比較的初期の段階から参加することができました。私がしたことはその戦略に“燃料“を加えたことでしょうか。試行錯誤しましたが結果的に、4年でここまでの成果を出せたことを誇りに思っています。

WWD:デザイン工程では具体的にどのようにサステナビリティを意識していますか?

マーティンス:さまざまなレベルがあると思います。例えばランウエイで見せるショーピースは、加工やペインティングなどの表現に重きを置きます。現実的にはリサイクルは難しいですが、生産量が少ないのでより柔軟性を持って考えるようにしています。一方で世界展開する商品については、ケミカルウォッシュや過度な加工をしないことを重要視しています。激しい加工表現はレーザーやオゾンウォッシュなどの技術を使うことで、強力な化学薬品を使わず、水もほとんど使用しない方法を取り入れています。この4年間で、低環境負荷でクリエイティブなデザインを実現するためのデータベースを構築することができました。私には最高のデニムチームがいます。私は基準を提示し、チームがそれを商品に落とし込みますが、多くの場合深く議論する必要もありません。というのも、低環境負荷を前提としてクリエイティブを探求することが私たちのアプローチに組み込まれているからです。

WWD:「ディーゼル」は製品製造以外でも、販売後の製品回収プログラムやリメイクプロジェクトなどさまざまな取り組みを通して循環型経済を推進しています。そうした「ディーゼル」のサステナビリティに対する包括的な考え方を知ることができるのが、動画シリーズ「Behind the Denim(デニムの裏側)」です。ここでリジェネラティブ・コットンを題材にした回をご覧ください。

WWD:kemioさんはご覧になっていかがですか?

kemio:サステナビリティの話題は、詳しくないと関わらない方がいいんじゃないかと距離を置いてしまうこともあると思います。そんな人にとっても優しく寄り添い、コミカルに楽しく学ぶことができる内容ですね。リジェネラティブ・コットンは最近よく耳にするワードですが、土からあれだけの工夫をして今僕が着用しているデニムができていることには驚きました。

WWD:「Behind the Denim」の第1話にはグレンも登場します。その中で印象的だったのがグレンが「サステナブルな商品なんていうものは存在しない」と話し、“レスポンシブル(責任ある)“という言葉に置き換えてインタビューに答えているシーンでした。その意図を説明してもらえますか?

マーティンス:私たちが20年1月にスタートしたサステナビリティ戦略のタイトルは、「レスポンシブル・リビング」です。ここでは素材の原材料のほか、工場やサプライヤー、輸送方法など事業に関わる全てについて触れています。服そのものだけでなく、それを取り巻く全ての項目において、責任ある選択をしていくことを目指しているからです。kemioさんは「ディーゼル」に対してどんな印象を持っていますか?

kemio:今の時代、買い物は投票であるという意識が広まっているように感じます。自分が信じているものと一貫性があるからその服を買う——そんな買い物の仕方が当たり前になってきている。その中で「ディーゼル」を選ぶ行為は、自分の内側から何か熱いエネルギーが込み上げてくるような気持ちになります。

マーティンス:いつもエンパワーリングなkemioさんにそのように感じてもらえていることは光栄です。

WWD:サステナビリティは多くの人の行動変容が必要です。そのためには、人の心を動かす何かを媒介して伝えることが必要だと思います。サステナビリティとクールでセクシーは両立するのでしょうか?

マーティンス:サステナビリティは、日々の言葉や行動に根付くべきもので自己表現を妨げるものではありません。みんなが心の中に持つべき大事な価値観の1つなんだと思います。

「人は情熱を持って取り組んでいる人を応援する」

WWD:最後にこのセッションのテーマである「熱狂の生み出し方」について、2人にお伺いします。多くの人が2人のクリエイションに熱狂してきました。その理由はなんだと思いますか?

kemio:事前にこの質問をいただいたんですが、正直自分じゃ分からなくてChatGPTに聞いちゃいました(笑)。いわく、自分のユニークなバックグラウンドがいろんな人に興味を持ってもらうきっかけになっていると。コピー&ペーストですが、人は情熱を持って取り組んでいる姿を見ると応援したくなるそうです。確かにそういう気持ちは皆さんあるのではないでしょうか。僕自身、どうやったらみんなが熱狂してくれるのか計算できるタイプではないので意図的に何かをやるというよりは、自分に対して誠実に信念を持って続けることで必ず誰かが耳を傾けてくれたり、協力してくれたりするのだと信じています。

マーティンス:おっしゃる通りだと思います。だからこんなに「ディーゼル」が似合うわけですね。大胆であること、偽らないこと、自分らしく生きること、だと思います。常に人生を楽しんで、他者を尊重すること。それが「ディーゼル」が熱狂を生み出すことができる理由だと思います。

来場者とのQ&Aセッション

WWD:まず、kemioさんからどうぞ。

kemio:最近、AI技術がどんどん進化しています。今後ファッションにおいてはどのような影響をもたらすと思うかグレンに聞いてみたいです。

マーティンス:個人的にはTikTokも使えないくらいデジタルにはうといんです。ただ、まずはこの進歩を受け入れ、クリエイションにも組み込んでいかなければいけないと思っています。

質問者:私は出版社で10代向けのコミュニティーメディアを運営していて、若者にどうサステナビリティを自分ごと化してもらうかに関心があります。ブランドとしてカスタマーをどう巻き込んでサステナビリティにアプローチしていきますか?デニムに関して言えば、カスタマーが製品を洗濯し過ぎてしまうといった問題があると思います。また、kemioさんには、実践してみたい“ファン“なサステナビリティアクションはありますか?

マーティンス:私はファッションを次世代に教える立場でもありますが、実は若い世代の方が、環境・社会的意識が高く生活の中で実践していることが多いように思います。「ディーゼル」がZ世代に人気の理由の1つは、透明性だと思います。取り組みや考え方をクリアに発信することが魅力になっています。サステナブルな商品についても、少しずつでも説明をしようと努力をする。長々としたスピーチにしてしまっては、クールさやエッジィさが失われてしまう。冒頭で話したように、日常会話のトピックとしてコミュニケーションをとることが大事なのではないでしょうか。

デニムの洗濯については、一人一人がベストなバランスを見つけると良いですね。デニムは年月を経過することでより美しくなるということをもっと若い世代に理解してほしい。自分でダメージ加工をしてもいいし、パッチをつけて楽しんでもいい。自分らしくデニムに命を吹き込んでいる人たちを見るとうれしくなりますよ。問題なのはむしろ、ファストファッションを楽しんできたミレニアル世代。意識の変化が必要なのは、僕らの世代の方だと思います。

kemio:僕はいろいろな社会問題に関心を持つ入り口はなんでもいいと思います。よく分からないから抵抗を感じる瞬間も多いと思いますが、まずは関心を持ってみる。僕はサステナビリティのエキスパートではないので今回、ここに参加させていただくことを悩みました。ただここに立つことで、自分をきっかけに興味を持ってくれる人がいるかもしれない。きっかけ作りには貢献できると思って参加を決めました。きっかけはなんでもいいからスタートしてみる、が大事だと思います。

WWD:お時間になりました。本日はありがとうございました。

PROFILE: グレン・マーティンス/「ディーゼル」クリエイティブ・ディレクター

グレン・マーティンス/「ディーゼル」クリエイティブ・ディレクター
PROFILE: 1983年ベルギー・ブルージュ生まれ。アントワープ王立芸術学院を首席で卒業後、「ジャンポール・ゴルティエ」でキャリアをスタート。2012年には自身の名を冠したウィメンズブランドをパリ・ファッション・ウイークで発表。13年には「Y/プロジェクト」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、11年間同職を務める。17年には「ANDAMファッション・アワード」のグランプリを受賞した。「ディーゼル」とは18年にカプセルコレクション「ディーゼルレッドタグ」プロジェクトで協業。その後20年10月から「ディーゼル」のクリエイティブ・ディレクターを務める。英「ビジネス・オブ・ファッション(以下、BoF)」が、世界を代表するファッション業界人に送る「BoF500」2017年版にも選出された PHOTO:Arnaud Lajeunie @ Mini Title

PROFILE: kemio/クリエイター、モデル

kemio/クリエイター、モデル
PROFILE: (けみお)1995年10月16日生まれ。YouTube、Instagram、X(旧Twitter)などを含め、フォロワーは約600万人を超える。高校時代に動画アプリ・Vineで発信した投稿で注目を集め、2016年末に生活拠点をアメリカへ。女子中高生はもちろん、近年では大人からの支持も厚く、クリエイターとして大人気に。卓越したワードセンスで繰り出す「あげみざわ」などの独特な言葉も「けみお語」として親しまれ、若い世代に浸透中。2019年4月に発売した「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」は、発売から3ヶ月で15万部を超えるベストセラー、「GQ MEN OF THE YEAR 2019」では、Youth Infulencer of the Yearを受賞。22年4月28日には、新作エッセイ「ウチらメンタル衛生きちんと守ってかないと普通に土還りそう」が刊行。流行を生み出し続ける世界規模のスターとして、クリエイター、モデル、歌手などとして多岐の分野で活躍している PHOTO:TAMEKI OSHIRO

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「CFCL」が金沢21世紀美術館のスタッフユニホームを制作 開館20周年にあわせて

「シーエフシーエル(CFCL)」(以下、CFCL)は金沢21世紀美術館の開館20周年にあたり、受付・監視スタッフの新しいユニホームを制作した。2月1日からスタッフが着用する。高橋悠介「CFCL」代表兼クリエイティブディレクターも学生時代から同館に何度も訪れているという。

2004年にオープンした金沢21世紀美術館は「新しい文化の創造」と「新たなまちの賑わいの創出」というコンセプトを掲げ、世界中の観光客や美術関係者から注目を集めている。「CFCL」が手掛けた同館の受付・監視スタッフの3代目となるユニホームは、現代美術作品の緊張感や建物の透明感が織りなす清々しさと街に溶け込むような親しみやすい開放感を体現している。水平ガラスをイメージした涼しげで柔らかい色彩のボーダーに加えて、同館のアイコンカラーであるオレンジを、建物を支える柱に見立てたストライプを背中に配した。空間に馴染みながらも、ユニホームとして遠くからでも一目でわかるような視認性の高い大胆なグラフィックに仕上げている。サイズ感やディテールについて実際に着用する現場スタッフと対話し、着心地や使いやすさの視点を反映するなど、実用性を追求したユニホームだ。

素材は、チェスターコートとサコッシュは再生ポリエステル100%、Tシャツはコットン・イン・コンバージョン75%と再生ポリエステル25%の交撚で、いずれも地球環境や基本的人権への責任が第三者機関より認証された素材を使用している。全てのアイテムは日本製だ。

アイテム詳細

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バレンシアガのサステナビリティ戦略 デザインチームとの関係や注目の革新技術を語る

左:アニカ・モーア・ストーファルト/ バレンシアガ グローバル・サステナビリティ・ディレクター

スウェーデン出身。ヨーテボリ大学ビジネス・経済・法学部で経営学の修士号を取得。卒業後大手デジタルエージェンシーでキャリアをスタートさせ、さまざまな業界のアカウントを担当。その後、ファッションスクールのアンスティチュ・フランセ・ドゥ・ラ・モード(IFM)で、繊維・ファッションマネジメントの修士号を取得し、ファッション業界に転身。2004 年にケリングに入社し、06 年からバレンシアガで 勤務している。19 年にバレンシアガのグローバル・サステナビリティ・ディレクターに就任し、CEO 直属の新しい部署を立ち上げ、現在に至る。

右:ジェラルディン・ヴァレジョ /ケリング サステナビリティ プログラム ディレクター

フランスのエコール・ポリテクニーク卒業後、カリフォルニア・スタンフォード大学で、環境および土木工学の修士号を取得。建設およびコンセッション事業の世界的企業である VINCI グループで11年、世界的な主要インフラプロジェクトに携わり、その後VINCI SA と VINCI Concessionsで持続可能な開発と科学的パートナーシップのマネージャーを務める。2013 年にケリングに入社。グループ全体のサステナビリティ戦略とプログラムの実施をサポートする責務を担っている。国際的な専門家チームを監督し、持続可能な調達や生物多様性の保全、環境負荷の低い生産に関わる革新的なアプローチの創出と戦略的パートナーシップの構築に重点を置き、傘下のラグジュアリーブランドをサポートしている。Entreprises pour l'Environnement (EpE)の生物多様性委員会の委員長であり、Climate Fund For Nature の専門家委員会のメンバーも務める。PHOTO:TAMEKI OSHIRO

バレンシアガ(BALENCIAGA)の担当者が日本では初めて、同ブランドのサステナビリティ戦略について、グループ親会社であるケリングのグローバル・サステナビリティ・ディレクターとともに語った。いわずとしれたサステナビリティ先進企業である両社が描く未来、乗り越えてきた課題、注目している革新素材や技術、そしてデムナ「バレンシアガ」クリエイティブ・ディレクター率いるデザインチームとの対話とは?(この対談は2024年12月13日に開催した「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2024」から抜粋したものです)

バレンシアガで18年、さまざまな部署を経験しサステナビリティの責任者に

向千鶴WWDJAPANサステナビリティ・ディレクター(以下、WWD):アニカさんのこれまでのキャリアを教えてください。

アニカ・モーア・ストーファルト=バレンシアガ グローバル・サステナビリティ・ディレクター(以下、アニカ):私はスウェーデン出身で約25年前にパリに来ました。デジタルエージェンシーで働いていましたが、20年前にファッションの世界で自分を“リサイクル”しようと考え、フランスのモード研究所でファッションマネジメントの修士号を取得しました。バレンシアガでは18年ほど働いています。最初はサステナビリティの担当ではなく、小売、リテール、Eコマース、マーチャンダイジング、購買などを歴任してきました。サステナビリティを担当するようになったのは、この5年ほどです。サステナビリティの実践的な知識を得たいと考え、ケンブリッジ大学でサステナビリティの修士課程の一部を修了しました。

WWD:バレンシアガでの役割とは?

アニカ:サステナビリティ戦略の定義、リーダーシップ、実行を担当しており、その戦略を世界中のバリューチェーン全体の中で行っています。ご存知のように、私たちはケリングの一員ですから、非常に野心的な目標を掲げ、同時に私たちが活動するための強力なフレームワークもあります。もちろん、今日一緒に登壇しているジェラルディンやケリングのサステナビリティチームがガイダンスやツール、専門知識を提供してくれます。ケリングの方法論のひとつにEP&L(環境損益計算)という、環境損益を測定する手法があります。私たちは正しい優先順位に焦点を当て、具体的な進捗と結果をモニターできるように、私たちが行うすべてのことを測定しています。

WWD:バレンシアガでのサステナビリティの位置付けは?

アニカ:組織全体にとって非常に重要な6つのブランドバリューがあり、そのひとつが「サステナブルであること」です。それはバレンシアガで働く人たち一人ひとりがサステナビリティのアンバサダーであることを意味します。同時に年次業績評価において、全員が持続可能性に関する具体的な業績目標を持つことも意味します。目標は、もちろん各部門に特化したもので非常に実用的なものです。

また、組織内に“サステナブル・カルチャー”を築いています。例えば、各チームが持続可能な目標を達成できるよう、多くのトレーニングを実施しています。社内コミュニケーションも盛んです。ポットキャストを配信したり、“アウェアネス・セッション”といって意識向上、啓蒙活動をしたりしています。

WWD:個々人の年次業績評価における目標はトップダウンですか?それとも個々人が設定するのですか?

アニカ:持続可能性の目標にはさまざまな種類がありますが、弊社では私たちが達成したいゴールの中からチームメンバーに対して達成してほしい目標を伝えます。私の場合は持続可能性に全面的に取り組んでいるため、業績目標はすべてサステナビリティに関連しています。

科学的根拠に基づきサステナビリティの最前線に立ち続ける

WWD:ジェラルディンさんのケリングにおける役割を教えてください。

ジェラルディン・ヴァレジョ =ケリング サステナビリティ プログラム ディレクター
(以下、ジェラルディン):
私はグループレベルで仕事をしています。私の役割は、すべてのブランドと協力し、誠実で科学的根拠に基づいたアプローチを通じて、サステナビリティの最前線に立ち続けるようガイド、サポートすることです。私のチームとともに、環境やイノベーションの多くの分野でブランドを支援しています。私はもともと機械工学を学び、素材を専門としてきました。その経験から、特に革新的な素材に情熱を持っています。また、過去11年間はイノベーションの仕事をしてきました。

WWD:11年間もイノベーションに携わるとは、常に最新に触れて刺激的ですね。

ジェラルディン:とてもエキサイティングです。なぜなら会う方、会う方、皆前向きでポジティブなエネルギーに満ちています。そしてバランスをとる必要もあります。結果を出すには時間がかかりますから忍耐も必要です。

ケリングのサステナビリティ戦略の優先事項は生物多様性と

WWD:ケリングのサステナビリティの優先事項は何ですか?

ジェラルディン:2025年までに達成すべき明確な目標を掲げた戦略を策定しています。特に、グループ全体でのEP&L(環境損益計算)を元にした削減目標を掲げ、全生産に必要な面積の6倍に相当する土地の再生と保護に関連した目標を設定しています。この目標に向けて懸命に取り組んでいますが、2025年以降の次なるサステナビリティ戦略も準備を進めています。新しい目標やトピックにも取り組んでいます。持続可能性とは固定された定義ではなく、進化する概念です。そのため、毎年新しい課題に取り組む必要があります。

2つ目は先ほど述べたように、イノベーション。それをどうスケールアップするか、です。私たちは日本に大変関心を持っており、「ケリング・ジェネレーション・アワード」を通じて、イノベーションをさらに拡大するイノベーターや方法を模索しています。最終選考に11名が残り、最終結果は3月に発表する予定です。この取り組みはファッションだけでなく、ビューティの分野にも広がっています。私たちは、明日のファッションと持続可能なファッションを生み出すイノベーターを探しています。

WWD:欧州規制とはどのような関係を築いているのか。

ジェラルディン:最優先事項は“進化”する規制に関することです。なぜなら、今後2年から4年の間に世界中で約35のファッションをよりサステナブルにするための重要な規制が施行される予定で、我々はそれに対応する必要があります。大半はヨーロッパ発です。私たちは長年にわたり持続可能性に取り組んできました。そのため、準備は十分に整っています。しかし、これからはトレーサビリティや消費者への情報提供をさらに充実させ、真の意味での循環型社会の実現に向けた新たな枠組みに深く踏み込む必要があります。

WWD:バレンシアガにとってのサステナビリティのポイントは?

アニカ:私たちはケリングの傘下にありますので、ケリングの戦略に沿っていますが、進め方はブランドそれぞれです。私たちはアプローチのポイントとなる3つの要素を選びました。それらはすべて、ケリングの3つの柱である「ケア(配慮)」「コラボレート(協働)」「クリエイト(創造)」を軸に展開されています。

1つ目は「インパクト」です。これは、サプライチェーンのあらゆるレベルにおいて、私たちの活動が環境に与える影響を低減し、ポジティブなインパクトを与えることを目指します。たとえば、再生可能な原料調達を選ぶことで、土壌の健全性を改善する“リジェネラティブ”も含まれます。また、私たちはEP&Lを活用し、自分たちの影響を測定することを重視しています。

2つ目は「製品」です。製品の原材料や製造工程における基準に合致するようにたえまなく改善し、持続可能な素材やプロセスを明確に定義するケリング・グループのガイドラインに基づいて行動します。ジェラルディンが指摘したように、今後の規制ではトレーサビリティがますます重要になります。誰がどこでどのように生産したものなのかを追跡することです。また、私たちは製品が良好な労働条件の下で製造されていることを監視する必要もあります。

最後の柱は「システムの変革」です。私たちは産業にたくさんのプレイヤーがいることを理解した上で自社の直接的な活動だけではなくより大きな産業や社会の一部として活動しています。この文脈で、イノベーションが重要なテーマとなります。私たちは、新興企業やイノベーターを含むエコシステム全体で、さまざまなイノベーションに取り組んでいます。これは、ブランドのDNAにおいてイノベーションが重要な価値観のひとつだからです。

コラボレーションもまた、システム変革の一部です。私たちだけでこの大変革を進めることはできません。そのため、ブランドやグループ内で共有するだけでなく、トレーサビリティのような非競争的なテーマについて、グループの外とのコラボレーションを広げています。また、これはサプライヤーへの圧力の軽減にもつながります。もちろん、製品、材料、プロセスなどを提供するあらゆるサプライヤーと協力する必要があるからです。また、ファッション協定やその他の組織的なプロジェクトや議論にも積極的に参加しています。

WWD:やるべきことがたくさんありますね。

アニカ:とても忙しくてエキサイティングです。退屈することはありません。

各ブランドとの目標や情報の共有の仕方

WWD:サステナビリティを推進するにあたり、バレンシアガを始め、各ブランドとの役割分担はどうなっているのでしょうか?目標や情報はどういった方法で共有していますか?

ジェラルディン:すべてのブランドには独自のDNAがあります。そのため、ケリング・グループ内の各ブランドが、自らにとって最も重要な要素にフォーカスすることが重要です。ケリングでは、国際的な枠組みであるサイエンス・ベース・ターゲット・ネットワークを活用し、科学的根拠に基づいて目標を設定しています。またパリ協定を基に、地球の気温上昇を摂氏1.5度以内に抑えるためにケリングとして何ができるかを検討しています。

各ブランドがこのターゲットに対して適応することが求められます。バレンシアガ、ブシュロン、ケリング アイウエア、ケリング ボーテなどそれぞれ異なる目標を設定します。重要なのは、これらの目標を早期に達成するための支援を提供することです。具体的には、専門知識やツールの提供が含まれます。その一例として、影響を計算しモニターするためのEP&Lが挙げられます。

ミラノにあるマテリアル・イノベーション・ラボでは、イタリアのサプライヤーや各ブランドの製品開発チームと協力し、より持続可能な素材を開発しています。このラボには、持続可能な素材を1,000種類以上集めた素晴らしいライブラリーもあります。しかし、クリエイティブチームにとっては、これだけでは十分ではありませんから、私たちは素材革新において、より革新的で持続可能な素材を活用することを目指しています。

WWD:改めて、EP&Lとは?

ジェラルディン:EP&Lは、自然が私たちに提供してくれる“サービス”、たとえばきれいな水や空気がかつては無限であったものの、現在では有限であるという認識から生まれた考え方です。この限られた資源の中で、経済システムに自然のサービスを組み込む必要性が強調されています。具体的には、自然が私たちに与えるすべてのサービスに価値を見出し、それをビジネスに反映させるという考え方が背景にあります。

EP&Lの目的は、金融のツールを使って自然を金融・経済システムの一部に組み込み、原材料の採取から製品の製造、店舗での販売、さらに製品の使用に至るまで、バリューチェーン全体を通じて環境への影響を計算することです。

このような取り組みが実現すれば、環境への影響が金銭的価値に直結するようになります。EP&Lの重要な点は、この活動が12年間継続されており、その過程で自然を大切にする文化が醸成され、自然には価値があるという意識が根付いたことです。その結果、ビジネスにおいても自然を保護し、再生する必要性が一層明確になりました。

自分のダッシュボードを活用して、たとえば異なるタイプの靴を比較し、それぞれの環境への影響や使用材料を可視化するツールがあります。このツールは、製品やブランドの共同デザインを支援するアプリケーションの一部でもあります。

バレンシアガとサステナビリティを理解する4つのポイント

WWD:バレンシアガがこれまで行ってきたサステナビリティに関わるアクション例を教えてください。

アニカ:4つ事例を挙げたいと思います。一つは、2022年冬コレクションで発表した「エッファ」と呼ばれるマッシュルームの菌糸(マイセリアム)から作られたコートです。レザーに似た質感を持つ代替素材で、バレンシアガのためだけに開発されたものです。バレンシアガとケリング、スタートアップのスクイム(SQIM)の共同開発の成果です。

2つ目は、2024年6月に発表したクチュール コレクションのルックナンバー2に取り入れました。モデルが着用しているパンツにスパイバーによる繊維が含まれています。最も格式の高いクチュールコレクションでも、「ブリュードプロテイン」のような革新的な素材が採用されています。

店舗からも事例を紹介します。バレンシアガでは、100以上の店舗がLEED認証を受けています。LEEDとは、エネルギーと環境デザインにおけるリーダーシップを意味するLeadership in Energy and Environmental Designの略称です。私たちは常にこの認証取得を目指しています。大規模な改装工事を行う際には、その対象となります。

最後に、拡張現実、ARの体験です。何が再生農業なのか、その認識を高めるための取り組みです。私たちは若い方と接することも多いのですが、彼らは特にゲームやゲーミフィケーションに高い関心を持っています。そのためインスタグラム、ティックトック、ウィチャットなどのソーシャルメディア・プラットフォームを活用し、ミニゲーム形式で再生農業について学べるビデオを提供しています。この中で、ユーザーはアバターを選び、種を植え、水を与え、堆肥化し、輪作などの技術を用いることで、再生農業の方法論を実践できます。これにより、少しでもそのプロセスを体感することができます。

デムナ率いるデザインチームとの緊密な関係

WWD:デムナ「バレンシアガ」クリエイティブ・ディレクターをはじめデザインチームとのコミュニケーションについて教えてください。具体的にどのような会議が社内で行われていますか?

アニカ:私たちは緊密に連携して仕事を進めています。特に私のチームは、デザインチームと密接に協力しています。デザインチームは車の運転席に座っているようなものです。彼らが行う選択は、製品のライフサイクル全体に大きな影響を及ぼします。しかし、会社には他にも非常に重要な役割があることを忘れてはなりません。製品のライフサイクルを決める、一つひとつの瞬間に関わる人たちです。開発、生産チーム、サプライヤーも重要な参加者であり、プロジェクトのドライバーとなることで、サステナビリティが実現するのです。

たとえば具体的なインスピレーションがスタジオのデザインチームから湧き上がってきたら、サステナビリティチームが開発チームやサプライヤーと協力してその解決策を模索します。また、サステナビリティチームでは、常に新しいスタートアップ、新しいイノベーション、新しいサプライチェーンを探してデザイナーたちに紹介をしています。

さらに、私たちはクリエイティブチームに対して、ケリング・スタンダードに従って具体的な調達基準について定期的にトレーニングを実施しています。このトレーニングにより、クリエイティブチームはサステナビリティを自分の業務範囲にどのように組み込むかを学んでいます。彼らはすでに高度な訓練を受けているといえるでしょう。

WWD:デムナのような傑出した才能と仕事をするのは面白そうですが大変そうでもあります。

アニカ:全然大変ではないですよ。私たちはデムナやクリエイティブチーム全体と、とても良い会話を交わしていますし、彼らも積極的に関わってくれています。

ケリングとバレンシアガが今必要としている技術や素材

WWD:ケリング、バレンシアガ、それぞれが今必要としている新しい技術や素材を教えてください。

ジェラルディン:私たちは、目標を達成し、サプライチェーンの透明性を向上させるために、環境負荷を軽減する技術革新を模索しています。なぜなら、原材料が環境負荷全体の約3分の2を占めているため、これが私たちの最初の焦点となったからです。バイオマスを原料とするもの、自然由来であること、バイオテクノロジーを駆使し、化学物質を一切使用しないもの、そしてデザインチームのエモーショナルなインパクトのあるものを探しています。心が刺激されないと新しいアイデアは生まれません。これらの基準を満たさない素材では、私たちのブランドの理念に合致しません。そのため、素材選びが優先事項です。

さらに、世界中で水に対する関心・懸念が高まっていることを背景に、私たちは水資源を適切に使用する必要があります。リテールや消費者とのエンゲージメントに関わるテクノロジーも常に探しています。これはファッションに限りません。1年半前、私たちはケリング ボーテを立ち上げ、美容分野も重点となっています。美容業界におけるサステナビリティは、私たちの新たな挑戦の一環です。

アニカが述べたように、イノベーションは競争以前の協調の場でもあります。最終的に私たちが望むのは、これらのイノベーションが業界全体のスタンダードとなることです。気候変動や生物多様性、水はすべての人が必要としているイノベーションですから。

WWD:サステナビリティは物づくりをする人にとってはある種の制約ですが、むしろそれをチャンスだととらえた方が良さそうですね。

ジェラルディン:そう思います。そのように見ることも必要ですし、チームにもそう伝えないといけません。制約としてチームに伝えるとうまくいきません。創造性の欠如は、私たちにとって致命的な問題と見なさなければなりません。それが私たちのアプローチそのものなのです。

最近、私たちのイノベーション・アワードにジュエリーの分野を設けました。そこでのトピックも廃棄物からいかにしてラグジュアリー生み出すか、です。ですから制約と見ることもできますが、素材の見方、廃棄してきたものの見方を変える、新しい意味でのクリエイティブになるということだと思います。

WWD:バレンシアガが今必要としている技術や素材とは?

アニカ:ジェラルディンが伝えたように、私たちは次の新しいプロジェクトに取り組んでいます。私たちは、環境への影響を削減することに非常に注力しています。そのため、即効性のある短期的なアプローチと、フットプリント(環境負荷)に関する現実的な分析を組み合わせています。同時に長期、次世代のイノベーションに焦点を当てています。なぜなら、私たちは「明日」を形作るための素材について議論しているからです。

スタジオでは、コレクションに使用される素材のリサーチやプレゼンテーションを行う際、従来の素材をより持続可能な素材に置き換える取り組みを続けています。この際、デザインや品質について妥協することはありません。おっしゃるように、サステナビリティは創造性を刺激する力を持っています。
そのため、例えばコットンやウールについては従来よりもインパクトの少ない素材を使用するよう努めています。たとえば、2021年にコンサベーション・インターナショナルと共に設立した「自然再生基金」からのサプライチェーンを活用するケースが増えています。

イノベーションは、バレンシアガのDNAの一部です。そのため、次世代素材だけでなく、革新的なプロセスにも焦点を当てています。ジェラルディンが述べたように、例えば、水をほとんど、あるいは全く使わずに染める技術を見つけることなどプロセスが、非常に重要な課題として注目されています。このような取り組みに、私たちは一層力を入れています。

冒頭でも述べたように、これらのプロジェクトには非常に時間がかかります。具体的な成果につながらないプロジェクトもたくさんあるでしょう。でも取り組まなければならないのです。たくさんのプロジェクトの一部が成功する。それを産業、商業規模に拡大し、より環境負荷の少ない明日の素材となることが期待されています。

WWD:お2人のそれぞれの次なるゴールとは?

ジェラルディン:このイノベーションをスケールアップさせ、さらにその実現を手助けできることが、私の個人的な目標であり、大きな希望でもあります。

アニカ:冒頭でも述べたように、まだやるべきことがたくさんあります。だからこそ、一番大きなポジティブなインパクトを残せるところにフォーカスして結果をもたらして具体的なアクションにつなげたいです。

イベント参加者とのQ&Aセッション

参加者:ヨーロッパではエコデザインに関する規制やルールの変更を踏まえてどのようにクリエイティブチームに伝えているのでしょうか、具体的に教えてください。

ジェラルディン:バリューチェーン全体におけるトレーサビリティの向上が規制の主眼です。そして、環境ラベリング形式で最終消費者へ伝えること、また廃棄物の削減と循環型経済の構築が規制の目標です。当局とも常にコミュニケーションをとり意見も出しています。これらの規制の本質は、「持続可能な製品」とは何かを定義することにあります。なぜなら、ファストファッションにおける持続可能な製品の定義と、ラグジュアリー製品におけるそれは同じではないからです。そのため、私たちは製品の物理的な耐久性だけでなく、情緒的な耐久性も考慮しています。これには、製品の価値を維持する方法や、製品を修理して再利用する取り組みも含まれます。

これを実現するため、グループレベルでは定期的なミーティングを行っています。3カ月に一度、各ブランドやその法務チームと会合を持ち、規制が私たちの業務にどのような影響を与えるかを共有し、ディスカッションしています。

現時点では、主にIT面での変更が主です。現時点では、法律が求める内容との整合性については問題ないのですが、細部に問題がある可能性があるから十分に注意する必要があります。私はこれらの法律を土台にして、さらに前進できると考えています。

アニカ:ジェラルディンが述べたように、私たちはこれをブランドに導入する際、トレーサビリティを重視しています。トレーサビリティは非常に複雑な作業ですが、ケリングの基準に沿った素材を使用することで、作業を効率化することができます。生産チームなどと部屋に集まり、資料やスクリーン、スライドを活用しながらトレーニングを進めます。もちろん規制や基準について詳しく議論します。

ただ規制は、それがあるから対応しているわけではありません。行うのは、それが「正しいこと」だからです。現在、規制が施行され始めています。私たちはまだ完璧ではありませんが、取り組みは組織全体に浸透しつつありすでにかなりの進展を遂げていると言えます。社内のすべての部署に理解してもらう必要があります。完璧とは言えませんが、私たちは懸命に努力し続けています。

参加者:「消費者の手に渡った後の流通」に関する質問です。リサイクルだけでなく、リセールプログラムが成功するための条件や、そこにある課題について教えてください。

ジェラルディン:リセールについて、私たちはテストと実践の段階ですが、興味深いモデルであると考えています。ケリングは、中古品プラットフォームであるヴェスティエール コレクティブに投資しています。これにより新しい顧客層へリーチできることがわかっています。つまり、従来のビジネスモデルとバッティングすることなく、新しい可能性を広げています。

完全に異なるロジスティクスですから、現時点では、独自のシステムよりもパートナーと協力する方が容易です。そして、次のステップとして何をすべきかを検討しています。

参加者:私はイノベーションが非常に重要なスポーツ業界の出身です。現在この業界では技術革新への投資はすべてサステナビリティを中心に行われています。この点は、ケリング・グループやバレンシアガにおいても同じでしょうか?

ジェラルディン:はい、そうです。サステナビリティとデジタル技術は、現在の技術革新と投資の原動力となる2つの重要な要素です。この2つの要素が組み合わさる例については、すでにお話ししましたが、その通りです。

参加者:イノベーションへの投資は、それが実際にポジティブな変化をもたらすものでない限り、基本的に価値を持ちません。また、ジェラルディンさんが先ほど述べたように、イノベーションへの投資のうち、10件中1件が成功すれば良いほうです。つまり、それは非常に大きな投資ですから、持続可能性に向けた大きな成果を目指しているということでしょうか?

ジェラルディン:はい、その通りです。特にラグジュアリー分野においては、すべてが完璧でなければならないため、なおさら難しいです。イノベーションには時間がかかり、うまくいかないこともあるため、そのフラストレーションを受け入れる必要があります。

参加者:トレーサビリティとは、すなわち透明性を意味します。すべて透明性を担保しないといけないのでしょうか?パーフェクトではない、ときにはよくない姿を見せないといけないと思いますが、ケリング、バレンシアガとしては100%透明性を担保しようとしていますか?

ジェラルディン:例えば、我々はEP&Lの結果をすべて公表しています。これにより、製品に関する完全な透明性、安定性、環境への影響などを理解していただけると思います。改善点も公開しています。持続可能性とは、終わりのない旅でもあります。そのため、現在地をしっかりと把握することが重要です。今日の世界では、何も隠すことはできません。

参加者:EUがグリーンウォッシングに対する規制を強化したことはよく知られています。このような法改正について、どのように捉えていますか?

アニカ:私たちは現在、この問題に気を配りながら、ガイドラインに基づいて精緻なコミュニケーションをしています。特に重要なのは、何をどのように伝えるべきか、どの単語を使うべきか、そして避けるべきか正確に伝えることが大切です。私たちが使う言葉も外部の専門家にその内容を確認してもらっています。バレンシアガにとってサステナビリティはマーケティングツールではありません。最善を尽くして行うものです。

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日本の繊維産地の可能性を各産地の新リーダーとデザイナー、識者が語る 

日本の繊維産地は世界から見ても多様で、その技術は海外から高い評価を受けている。しかし、後継者不足など深刻な課題を抱えて久しい。その繊維産地から今、新たなリーダーが誕生し始め、一企業の枠を超えて地域と連携した活動が生まれている。日本のものづくりと産地継続に向けて、産地に関わるリーダーやデザイナー、識者がその可能性を語った。(この対談は2024年12月13日に開催した「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2024」から抜粋したものです。)

向千鶴WWDJAPANサステナビリティ・ディレクター(以下、WWD):2つ目のセッションは日本の繊維産地の可能性について5名の方をお招きしてディスカッションをいたします。日本には素晴らしいものづくりを行う産地がたくさんあります。そして多くの課題を抱え、同時に可能性を秘めています。ファッションの持続可能性はものづくりの現場の持続可能性があってこそ。本セッションでは現場の声と、識者の声を交えてその未来を語っていただきます。オープニング映像で見ていただいたのはZOZONEXTさんから提供いただいた篠原テキスタイルさんのムービーです。ZOZO NEXTさんのユーチューブでもご覧いただけます。

それでは登壇者をご紹介します。スズサン営業・各種プロジェクト担当の井上彩花さん、糸編代表の宮浦晋哉さん、「フェティコ」デザイナーの舟山瑛美さん、オンラインから篠原テキスタイル社長の篠原由起さん、そして本セッションのファシリテーターを努めていただくA.T. カーニー シニアパートナーの福田稔さんです。福田さんにマイクをお渡しします。福田さんよろしくお願いします!

PROFILE: 福田稔/A.T. カーニー シニアパートナー

福田稔/A.T. カーニー シニアパートナー
PROFILE: 1978年東京生まれ。慶應義塾大学卒、IESEビジネススクール経営学修士(MBA)。電通総研(旧電通国際情報サービス)、ローランド・ベルガーを経てA.T. カーニー入社。消費財・小売プラクティスのAPAC共同リーダーを務める。主にアパレル・繊維、ラグジュアリー、化粧品、小売、飲料、ネットサービスなどの領域を中心に、戦略策定、ブランドマネジメント、GX、DXなどのコンサルティングに従事。プライベートエイティやスタートアップへの支援経験も豊富。経済産業省 産業構造審議会委員、ファッション未来研究会副座長、大学院大学至善館にて特任教授(マーケティングの理論と実践)など政府やアカデミアでも活動。著書に『2040年アパレルの未来 「成長なき世界」で創る、循環型・再生型ビジネス』『2030年アパレルの未来 日本企業が半分になる日』(いずれも東洋経済新報社)など PHOTO:TAMEKI OSHIRO

世界から見ても珍しい、日本の多様な産地

福田稔A.T. カーニー シニアパートナー(以下福田):まず「産地」と一口に言っても日本の繊維産地は非常に多様です。具体的にどのような多様性や魅力があるのか、詳しくお話していきたいと思います。その点について産地に詳しい宮浦さんからお話をいただければと思います。

宮浦晋哉・糸編代表取締役兼キュレーター(以下、宮浦):日本には和装の産地から、ファッション、インテリアの産地などたくさんの繊維産地があります。私たちがワークショップやファッション学校で教える際にはこのうち代表的な20の産地を例として挙げています。

北から南まで日本にはさまざまな繊維産地があるので、皆さまの出身地も実は繊維の生産地だったりしますが意外と知られていません。例えばお母さんやお父さん世代が「機織りの音が聞こえていた」「染めをしていた」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。実は繊維産地は日本の日常生活に非常に近い存在なのです。

繊維産地には日本ならではの文化や風土が独特の文脈で進化を遂げ、現在に至った背景があります。この小さな島国でさまざまな特徴を持つ繊維産地が存在していることは世界的に見ても非常に珍しいことです。

歴史を遡ってみると、綿花を栽培して木綿を織っていた産地もあれば、養蚕が盛んで蚕を育てて生糸を生産し反物にして発展してきた産地もあります。これからご紹介するのはもともと養蚕業を行い、シルクの織物を生産していた産地についてです。これらの産地はシルクの織物産地として発展しつつ、その後ナイロンやポリエステルへと進化を遂げたものもあります。それぞれの産地が独自の進化を遂げています。

例えば日本最大規模を誇る北陸の繊維産地は、ポリエステルやナイロンのテキスタイルの生産が盛んです。東京から近い群馬では桐生を中心にジャカード織りの柄を追求する産地として知られています。山形の米沢は、現在も高密度で非常に美しいシルクのテキスタイルを主力とし独自の地位を築いています。このように各産地がそれぞれの強みを活かして進化し、世界中にファンを持つ存在になっています。

続いて、綿花栽培を背景に持つ産地をご紹介します。これらの地域は日照時間が長く水はけが良いといった土壌や気候条件が綿花栽培に適していました。

オレンジ色の地域の出身の方はおおらかな性格の方が多い印象があります。日照時間が長く、太陽に照らされる環境の中で育まれる文化が影響しているのかもしれません。この地域では5月頃に綿の種を蒔き11~12月頃にコットンボールが弾けるというサイクルで和綿の栽培がされていました。ここから発展してきた繊維産地と言えば、世界に誇るジャパンデニムの産地である岡山から広島、今治のタオル、和歌山の丸編み、そして世界三大毛織物の一つである尾州などがあり、さまざまな製品が生まれています。

一気にお話しすると少し情報が多いかもしれませんが、日本全国にはさまざまな繊維産地があり、それぞれ独自の形で進化を遂げてきました。この多様性と進化こそが、日本ならではの魅力として世界中から注目され、毎シーズン世界各国のデザイナーやバイヤーが訪れるなど、日本の繊維産地は他に例を見ない特別な存在となっています

各産地に新しいリーダーが登場、斜陽産業からの脱却を目指す

福田:このように日本の繊維産地は非常に多様です。そして現在、世界から大きな注目を集めています。その背景には日本の繊維産業が持つ長い歴史があります。日本の繊維産業は、戦前から高度経済成長期にかけて国の基幹産業として大きく成長しました。しかしその後、生産拠点がコストの安い中国や新興国へと次々と移転し、それに伴い斜陽産業とも言われるようになりました。

ところが潮目が変わり、繊維産業が輸出産業として再び成長を始めています。実際、日本のテキスタイルの輸出額は3000億円以上でその金額は年々増加しています。また、近年では日本製のブランド、完成品の輸出も急速に伸びており直近では輸出額が1000億円を超えるまでになっています。

歴史を経て日本の繊維産業は再び成長しようとしています。この新たな成長期を牽引する新しいリーダーたちが登場しています。ここからは、そうしたリーダーの方々をご紹介したいと思います。まず、先ほどオンラインでご参加いただいた篠原テキスタイルの篠原さんをご紹介します。

篠原さんは40代で家業を継ぎ現在事業を拡大されています。ぜひ篠原さんから、新しい繊維産地をリーダーとしてどのように考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。特に現在取り組まれていることやコメントがあれば、自己紹介を兼ねてお話しいただければと思います。

PROFILE: 篠原由起/篠原テキスタイル代表取締役

篠原由起/篠原テキスタイル代表取締役
PROFILE: 1907年創業のデニム生地機屋「篠原テキスタイル」の5代目。大阪工業大学卒業後、大正紡績へ入社。紡績の製造現場、商品開発室、営業を経て、2012年に篠原テキスタイル入社。新規事業開発リーダーとしてデニム産地内同業他社、異業種、行政、教育機関との連携を深め、デニム産地の発展に取り組む。22年社長に就任。海外展示会への出展や、国内他産地とのコラボ素材の開発、デニム製造工程で発生する残糸や、BC反を活用したアップサイクルブランド「シノテックス(SHINOTEX)」の立ち上げを行ってきた。また、産地の魅力発信のため、デニム・ジーンズの製造工場を回る工場見学ツアーの企画や、若手デザイナーの支援も積極的に行う PHOTO:TAMEKI OSHIRO

篠原由起・篠原テキスタイル代表取締役(以下、篠原):私は広島県福山市を拠点にしています。この福山市と隣接する岡山県の井原市と倉敷市が日本国内でも特に有名なデニムの産地となっています。

現在、同業他社さんと連携してデニム産地全体を盛り上げる活動に取り組んでいます。具体的には日本のデニム生地をさらに広めるために勉強会を開催したり、一般の方向けにはワークショップを行ったりしています。2024年はBtoB向けの展示会を実施したり、マルシェに参加したりして地元住民にも「福山にはデニムがあるんだ」と知っていただく活動を進めています。地域の皆さんに地元への誇りを持っていただきたいという思いもあり、シビックプライドの醸成にも力を入れています。

また、バイヤーさんを対象とした工場見学ツアーも行っており24年は30~40回ほど実施しました。現場を見ていただくことでデニムをより深く知っていただけたらと思っています。

さらに、私たちからも積極的に学校へ赴き「こんな面白いことをやっているんですよ」と紹介する勉強会を開催したり、他の産地を訪問して連携を深めたりしています。例えば、「ひつじサミット尾州」で交流したり、先週は播州を訪問してお互いの産地の取り組みを紹介、素材開発したりとさまざまな活動を行っています。

福田:続きまして他の産地のリーダーについてご紹介します。若い世代が新たなリーダーとして登場しており、この点については産地をつなぐ活動をされている宮浦さんにお話しいただければと思います。

PROFILE: 宮浦 晋哉/糸編代表取締役 キュレーター

宮浦 晋哉/糸編代表取締役 キュレーター
PROFILE: 1987年千葉県生まれ。大学卒業後にキュレーターとして全国の繊維産地を回り始める。2013年東京・月島でコミュニティスペース「セコリ荘」を開設。16年名古屋芸術大学特別客員教授。創業から年間200以上の工場を訪れながら、学校や媒体や空間を通じて繊維産地の魅力の発信し、繋げている。17年に株式会社糸編を設立。主な著書は『Secori Book』(2013年) 『FASHION∞TEXTILE』(2017年)PHOTO:TAMEKI OSHIRO

宮浦:現在、篠原社長は5代目として活躍されていますが、他の産地でも代替わりが進んでいます。若い息子さんや娘さんが事業に参加するケースや外から移住してきた方が会社を経営する例も見られます。

例えば、世界三大毛織物の産地として知られる愛知県と岐阜県にまたぐ尾州産地でオープンファクトリーイベント「ひつじサミット尾州」を立ち上げたのが三星毛糸の岩田真吾さんです。尾州産地は大きい産地なのですが、岩田さんは旗振り役としてリーダーシップを発揮して、日々精力的に活躍されています。産地が自ら立ち上がり外に向けて楽しく開いていかなければならない、という強いメッセージを込めて活動をされています。このオープンファクトリーをはじめ、さまざまなインナーブランディングの取り組みも行っています。

遠州産地に目を向けると、綿の高級シャツ地を手掛ける古橋織布の4代目古橋佳織理さんがいらっしゃいます。男性だけでなく女性も社長や開発担当として活躍してそれぞれの産地で頑張っている時代になりました。和歌山産地ではエイガールズの山下智広社長など、各地で新しいリーダーが次々と現れ、それぞれの産地を盛り上げています。このように、日本全国で新しい世代が活躍している状況です。

福田:このように多くの新しいリーダーが登場している一方で、他の業界から繊維産地に飛び込む動きも見られるようになっています。そこで、経済産業省を経てMBAを取得し繊維産地に飛び込んだ井上さんにその経緯をお伺いしたいと思います。

PROFILE: 井上彩花/スズサン 営業担当

井上彩花/スズサン 営業担当
PROFILE: 慶應義塾大学経済学部卒業後、2016年に経済産業省に入省。通商政策局などを経て、19年4月からファッション政策室、クールジャパン政策課。22年8月からフランスのビジネススクールでラグジュアリーブランドマネジメントを学ぶ。24年8月から現職。 PHOTO:TAMEKI OSHIRO

井上彩花スズサン 営業担当(以下、井上):私は現在、株式会社スズサンで営業などを担当しています。大学卒業後、経済産業省に入省し、クールジャパン政策を担当する部署に在籍していました。その際、福田さんに副座長、向さんに委員として参加いただいた有識者研究会「ファッション未来研究会」の事務局を担当させていただいたことがきっかけで、ファッション産業が抱える課題や向き合うべきテーマ、そして産業が持つ大きなポテンシャルについて深く知ることができました。

特に職人技術といった独自性の高いものをどのように海外に伝え、市場を作り出すかに興味を持ちました。フランスを中心としたラグジュアリーブランドが世界中で人気を集めている様子を見て、クールジャパンで目指していたことの反対側にある成功例の一つではないかと考え、ラグジュアリーブランドビジネスを学びにパリに約2年間留学をしました。

留学中は、世界中からラグジュアリーブランドビジネスを学びに集まった同級生とともに、その領域に深く携わるさまざまな機会を得ました。その中で、特にフランスでは、職人技術が非常に高い価値を持つものとして業界内で認識されていることを実感しました。また、現地でLVMHメティエダールでのインターン経験を通じて、日本の繊維や工芸といった手仕事に大きなポテンシャルがあること、同時に課題も直接感じることができました。

これらの経験を経て、手仕事のビジネスのよりリアルな部分を体験したいと思い帰国後、名古屋・有松に拠点を置く株式会社スズサンに転職しました。スズサンでは、江戸時代初期から400年以上続く国指定の伝統工芸「有松鳴海絞り」の技術をブランドの核とし、ファッション製品や、クッションやブランケットといったホーム製品に「有松鳴海絞り」の絞り柄を取り入れるブランドビジネスを展開しています。

福田:新しい人材が集まりつつある繊維産業ですが、ここでぜひ日本の繊維産業が持つ「ものづくりの魅力」や「強み」についてお話を伺いたいと思います。「フェティコ」のデザイナーとしてご活躍されている舟山さんにお尋ねします。舟山さんは、特に産地との連携が上手だとうかがっています。産地の魅力やデザイナーの視点から見た日本の産地について教えていただければと思います。

PROFILE: 舟山瑛美/「フェティコ」デザイナー

舟山瑛美/「フェティコ」デザイナー
PROFILE: 高校卒業後に渡英、帰国後にエスモードジャポン東京校入学、2010年卒業。コレクションブランド等でデザイナーの経験を積み、20年に「フェティコ」を立ち上げる。22年に「JFW ネクストブランドアワード2023」と 「東京ファッションアワード 2023」を受賞 PHOTO:TAMEKI OSHIRO

舟山瑛美「フェティコ」デザイナー(以下、舟山):まず、私のブランドについて簡単にご紹介します。私が産地でのものづくりを始めたきっかけは新卒で入社したいわゆるDCブランドといわれるデザイナーズブランドの会社でした。その会社は産地との絆が非常に深く、新入社員も率先して産地や工場に連れて行き、現場を見せてくれるような投資を惜しまない会社でした。この経験が私にとって非常に大きな影響を与えました。それまで私は、服がどのような場所で作られているのかを全く知りませんでした。しかし、実際に現場で働く方々と話す機会を得たことで、彼らがいかに大変な仕事をしているかを知りました。「後継者がいない」「仕事が大変」といった話を若い私に気軽にしてくれる一方で、工場の方々がものづくりに誇りを持っている様子がとても印象的でした。その姿を見て「自分も真剣に向き合わなければ」と覚悟を決めることになりました。

「フェティコ」を立ち上げるにあたり「少しでも産地の力になりたい」という思いが強くありました。いろんなブランドで働く中で時には海外生産を含むOEMで日本の生地を使わない製品を手がけることもありました。ただ、そういったものづくりでは、細かい部分で自分が表現したいことを洋服に落とし込むのが難しく、ジレンマを感じることが多かったです。

その経験を経て「どんな人たちがどんな場所で作っているのか」を見極め、どの産地のどの生地を使いどの縫製工場に頼めばどんなふうに仕上がるまでが見えるものづくりに強い価値を感じるようになりました。今では、日本で作れないもの以外は約90%の生地と縫製を日本国内で行っています。

具体例を挙げると、前シーズンでは桐生でオリジナルの柄のジャカード生地を作りました。同色で派手さのない素材なので一見地味に見えますが、実際に手に取ってもらうと独特の風合いが感じられます。日本で作るメリットの一つにオリジナルの生地を作るのに多額のコストがかからないということ、小さなブランドであっても製作に協力的な機屋さんがいるという点があります。こうした環境は本当にありがたいと感じています。

継続しているところでいうと、尾州のスーツ地があります。ブランドを構成する要素は多々ありますが、細かい工夫や積み重ねがブランドのアイデンティティを形成し、強めてくれると実感しています。同じ梳毛でも、仕上げの加工方法やブランドらしさを求めてオリジナルの色に染めていただくなど自分の求める形にしてもらえるのが魅力です。小さなブランドでもこうしたことができるのは、日本でデザイナーをやる大きなメリットだと思います。

もちろん、海外の素材にも素晴らしいものがたくさんありますが、日本は顔が見える人たちと一緒に理想を追求できる環境が整っています。この環境を活かさないのはもったいないと感じ、産地でのものづくりを続けています。

福田:ちなみに私も今日着ているのは尾州のスーツ生地を使った服です。桐生産地も素晴らしいと思います。さて、日本の産地の魅力を横断的に発信し、さらに世界中のラグジュアリーブランドをアテンドされている宮浦さんにお伺いしたいと思います。

宮浦:舟山さんのお話にも通じるところからいくと、他の国にも繊維産業が存在しますが、いろんな国のデザイナーや学生、先生たちと話していると、小ロットでどのくらい商売になるかわからない前提でファッションブランドにコミットしてくれる工場がなかなかないという状況で、あるとしたら日本とイタリアだと聞きます。それ以外の多くの国では繊維産業として一定の規模があっても、ほとんどが工業的な大量生産で回っているというのが現状です。こうした背景があるからこそ、イタリアやフランス、ドイツといった国々から学生たちが日本に研修に来るのだと感じています。

世界は「信頼の歴史」「技術者」「糸の開発力」を評価

僕自身、日本のテキスタイルの国際競争力をテーマに研究しています。これまで世界中で日本のテキスタイルを使うデザイナーや経営者に話を聞く中で、いくつか共通して言われることがあります。

当たり前のことかもしれませんが「検品をしっかりしてくれる」「品質が安定しており、汚れや染色むらがないものが確実に納期通りに届けられる」という日本全体が積み重ねてきた信頼の歴史が挙げられます。この「当たり前」を守り続けている点が、皆さん口をそろえて評価している部分です。さらに、昔からある機械を大切にリペアしながら使い続けているのも特徴的です。例えば、シャトル織機や和歌山の吊り編み機など、旧式の織機があって、今も扱える技術者がいることも評価されています。

もう一つ挙げられるのは、東レ、旭化成、帝人を代表する原糸メーカーです。糸だけの輸出額でも800億円ほどに上ると考えられます。この糸の開発力に織る技術、編む技術、加工技術をあわせて日本ならではの唯一無二のテキスタイルが生まれてきています。

福田:日本の産地として海外でも特に有名なのが、岡山、広島の三備産地です。日本のデニムがなぜ世界から高い評価を受けているのか、また篠原テキスタイルのデニムがどのように評価され、取引されているのかについて、篠原さんにお伺いしたいと思います。

篠原:宮浦さんが言われた通りだと思いますが、デニムの場合、まず重要なのは“ブルーの色目”です。どのような色落ちをするのか、その“色の変化”が非常に大事なポイントになります。この色のバリエーションが豊かであること、色が美しく繊細であることが評価されています。さらに、紡績の技術も重要です。経糸の微妙なむら感によって経年変化が異なるバリエーションを生み出します。これに生地のクオリティや品質の高さといった要素が組み合わさり、デニムが世界から評価されているのだと思います。

また、三備産地のデニム企業は創業100年以上の歴史を持つ企業が多いのも特徴です。当社も創業117年目になります。当社は「備後絣」という絣織物から、井原市では「備中小倉」と呼ばれる藍染綿織物から始まり、それが続いてデニムの産地になったという歴史が評価につながっているのだと感じます。

当社の場合、さまざまな織機を活用してデニムを製作しています。例えばシャトル織機やエアージェット織機を用い、従来のアメカジスタイルの綿100%のデニムだけではなく、それ以外の新しいデニムを次々に開発しています。

具体的には、新たに反毛原料とヴァージン綿のブレンドで糸を紡績さんと開発したり、糸を加えたり、カシミヤを織り込んだ生地を特殊な加工によって独自の表情を生み出したりしています。その結果、“これはデニムなのか、それともデニムではないのか”という新しい概念の製品を生み出せることが私たちの強みだと思っています。

当社は、テンセル素材のデニムも得意としています。経糸に風合いの良いテンセル糸を用い、横糸に違う触感の素材を織り込むことで新たな手触りの生地に仕上げています。また、紡績さんと一緒にリサイクルポリエステルを原料を独自にブレンドし、デニム調のポリエステル100%の生地を作ったり、極細番手のナイロンを打ち込んで紙のような質感のデニムを作ったりもしています。こうした“これまでになかったデニム”を生み出す取り組みが、海外からの高い評価につながっているのだと思います。

福田:それでは「有松鳴海絞り」についてお伺いします。名古屋で伝統的に受け継がれている絞り染めの技法を「スズサン」というブランドに昇華させ、世界で高い評価を受けています。現在、売り上げの8割が海外市場からだと伺っていますが、なぜ「スズサン」がこれほど海外で評価されているのか、その理由についてお伺いします。

井上:「スズサン」はクリエイティブ・ディレクターでCEOの村瀬弘行が2008年に立ち上げたブランドです。村瀬は当時、ドイツのデュッセルドルフに留学しており、その地でブランドを創設しました。スズサンの拠点は現在2カ所あり、デザインはドイツのデュッセルドルフで、生産は名古屋の有松で行っています。この2拠点体制がブランドの大きな特徴です。

いくつかポイントを挙げたいと思います。1つ目は、デザインをドイツで行っているからこそ、伝統工芸としてではなく、別の見せ方で海外の市場にアプローチしている点です。例えばパリの展示会で、お客さまが最初に注目するのは素材の良さやデザイン、色の使い方であることが多いです。「素材がいいね」「デザインが素敵だね」という入り口からまず製品に興味を持っていただくことができれば、その後に、伝統工芸としての技術的な背景や産地のストーリーなどお伝えできることは豊富にあります。「スズサン」のデザインの特徴として、アートのように大胆な色や柄の組み合わせが挙げられますが、このように現地の視点を取り入れたデザインが受け入れられているのかと考えています。

2つ目のポイントは「有松鳴海絞り」の製品が全て手作業で作られていて、この手作業による温かみや独自性を感じていただいていることだと考えています。「有松鳴海絞り」は絞り染めの技法です。さまざまな方法で素材の一部を防染し、染めの工程の後に防染された部分を残すことで、素材にデザインを作り出す技術です。例えば、私が着ているニットはグレーの部分が元々の製品の色です。製品の一部を四角い板で挟んで防染し、黒の染料で染色することで、板で挟まれていた部分の元の色が柄として残ります。挟む以外にも、糸と針を使った縫いの技法など、100種類程度の技法があります。

絞り加工は一つひとつ全て手仕事で行うため、一度に生産できる量は限定的です。現在、シーズンに合わせてコレクションを発表していますが、生産量としては、1シーズンで約2500点、年間ではおよそ5000点を目安に調整を行っています。

また、技法によっては柄の出方に表情が生まれることもありますし、プリントのように全く同じ柄を繰り返し作ることはできません。たとえば、25年春夏コレクションのFaceの柄の場合、口の大きさが一つ一つ微妙に異なったり、目の位置がわずかにずれたりすることがあります。こうした一点一点の違いについて、お客さまとコミュニケーションを取りながらご理解いただき、手仕事から生まれる一点ものの製品に愛着を持ってご使用いただけるよう努めています。

最後に、ドイツにも拠点があることでヨーロッパでのビジネスをスムーズに行える体制が整っており、言語のギャップや時差の影響を受けにくい点が強みです。このような体制が海外市場での展開を後押ししていると感じています。

技術継承の鍵は「時代の流れを読み取りビジネスを柔軟に変化させる」こと

福田:皆さん、これで産地のポテンシャルについてよく理解いただけたかと思います。産地とデザイナーがコラボしたり、伝統技法とコラボしたり、さらにはテキスタイルそのものがブランドとして成立したりと、さまざまな角度で日本の産地が世界中から注目を集めています。そして、それがビジネスに繋がっている点が大きな魅力です。

しかしながら、当然ながら良い話ばかりではありません。産地にはいくつかの課題があります。ここからは、大きく2つの課題についてお話ししたいと思います。1つ目は事業承継について、2つ目は欧州の規制対応についてです。まず、事業承継についてですが、これは日本全体で大きな問題となっています。後継者がなかなか見つからず、そのために廃業を余儀なくされる会社も少なくありません。一方で、篠原テキスタイルさんのように、若い世代が積極的に事業を引き継ぎうまく次世代に繋げていくことで、何代も続いている会社も存在します。

篠原:当社は創業から117年が経過しており、私は5代目になります。元々はさきほどもお話ししたように「備後絣」の手織り物から始まり、アフリカ向けにエンブロイダーマフラーというターバンの生地のようなものを織っていた時代がありました。その後、学生服用の生地を織る時代を経て、現在はデニムの生産を行っています。このように、時代に合わせて織物を変化させながら続けてきた中での事業承継になります。

私たちは3兄弟で会社を運営しており、私が代表を務め次男が営業、三男が現場管理を担当しています。それぞれ役割を決めてこれから30年、50年先に何を織っていくのかを考えながら進めています。「事業承継で何が大変だったか」と聞かれると、特に大きな困難はなかったと言えます。現状を受け入れつつ、徐々に変化させていくことを常に考えながら進めてきました。ただし、これまでの117年も織る物が時代とともに変化しているため、現場の技術は日々進化、改善が必要になってきています。

例えば「今までの機械ではこんな糸織れない」というケースでは機械メーカーと相談して改造をする必要がありますし、シャトル織機も40年前の機械を使っていますが、そのメンテナンス方法など、ベテランの職人から若手へ引き継ぐ時期に差し掛かっています。そのため職人さんが感覚で行っていた作業を動画に記録し、マニュアルを作成することに取り組んでいます。また、メーカーに存在しない部品は地元の鋳造メーカーさんや、金属加工メーカーさんに依頼して作ってもらうなど、周りの企業さんに助けていただきながら体制を整えています。新たな素材開発に向けて、こうした取り組みに最も時間を取られているかもしれませんね。

福田:篠原さんのお話を伺っていると、時代の流れを読み取りニーズに合わせた事業を展開し、ビジネスを柔軟に変化させていくことが非常に重要なポイントだと感じました。一方で、産地を訪れると後継者がいないという問題が多く聞かれます。このような問題に直面する中で、産地にさまざまな人を呼び込むためにどのような具体的な取り組みが行われているのかも気になるところです。産地活性化のためにどのような活動がされているのかについて、宮浦さんの視点から効果的な事例や取り組みをぜひ共有いただければと思います。

宮浦:十数年、教壇に立ちながら教えてきましたが、自分の教え子が産地に入ったり、自分たちで運営しているスクールを通じて多くの若い世代が産地に携わるようになってきました。もちろん、若い人だけではなく年齢を問わず産地に入る方もいらっしゃいます。産地での仕事は良くも悪くもアナログで、手触り感があります。そのリアルさに魅了されて産地に飛び込む人が多いように感じています。都会で仕事をしていたけれど、見学に行った際に産地のポテンシャルを感じて信じ、そこに飛び込む。そしてその魅力に取り込まれ、夢中になっていく。そんな流れが多く見られます。

そして、そんなIターン勢の姿を見た継ぐ気がなかった社長のお子さんたちが自分の会社に未来を感じたり、若い世代が入ってきていることを目の当たりにしたりすると責任を感じて経営者として戻るといった事例も最近増えています。

ただ、産地の魅力は言葉だけでは伝わりにくい部分があるので、いかに現地に足を運んでもらい、体験してもらうかが大切だと感じています。例えば、学生であればどんどん現地に行ってほしいですし、今日この場にいる何百人もの方々の中で産地に興味を持った方がいれば、ぜひ僕と一緒に産地を訪れてほしいなと思っています。

福田:皆さんも最近始まった「オープンファクトリー」という取り組みをぜひ見に行っていただければと思います。産地が開かれた形で見学できる機会が増えていますので、実際に足を運んでその魅力を感じていただければと思います。

そして、同じく産地である有松に関わられている井上さんですが、長い歴史を持つスズサンの家業をご覧になって、事業承継の難しさについてどのように感じられているか、ぜひお話を伺いたいと思います。家業を受け継ぐという点で、具体的な課題やその捉え方について教えていただけるとありがたいです。

井上:宮浦さんのお話されていた、血の通った、リアルな仕事というところに共感します。昔の街並みの残る、東海道沿いの有松では朝や夕方に綺麗に陽が入り、とても美しい景色が広がります。そんな光景を思い浮かべながらお話を伺っていました。

入社してから感じているのは、産地に対してポジティブな影響を与えるということについて、ブランドだからこそ担える役割があるいうことです。2つの側面があります。まず1つ目は「有松鳴海絞り」の分業制についてです。「有松鳴海絞り」はもともと1つの技法を一つの家族が代々受け継ぎ、分業制で生産を続けてきました。分業制は大きな需要を背景に大量生産が求められた時代には効率的だったのですが、手ぬぐいや浴衣の需要が低迷し、職人を辞める家族が出てきました。その結果、失われた技法も多くあると聞きます。技術の喪失によって将来ものを作れないという状況が生じる恐れがありますし、需要をコントロールできないとビジネスも安定しません。この状況に対して、「スズサン」ではブランドであることを生かして、自律的に国内外に市場を作り出せるように努めています。また、技法の喪失によってものづくりができなくなるという状況を防ぐため、自社工房を設け、13人の職人によって「有松鳴海絞り」の工程を一貫して生産できるような体制を構築しました。

2つ目は、BtoCのブランドビジネスには、自分たちのブランドストーリーと組み合わせて、産地のストーリーを直接伝える力がある点です。有松は1608年、東海道が整備された頃にできた村で、農業が適さない土地でした。そこで東海道を行き交う旅人が多いことに目を付け、旅の必需品である手ぬぐいに絞り染めでデザインを施し、ユニークなお土産品として販売したことが「有松鳴海絞り」の始まりだそうです。このような産地のストーリーをブランド独自のストーリーと組み合わせ、再編集してお客さまに伝えていくことができます。

また、留学中にラグジュアリーブランドを考える際には、「比較」ではなく「絶対」の独自性を作り上げることが重要だということを学びました。背景にある地域のストーリーと組み合わされたブランドストーリーは、絶対的な独自性を説明しやすく、相互作用的にブランドの価値を高めることにもつながると思います。

欧州の規制への対応、分業制が課題のひとつ

福田:事業承継における変化や仕組みの必要性について、非常に貴重なお話をありがとうございました。事業承継は産地の課題の1つとして重要なテーマですが、最近ではもう1つ注目されている課題が欧州における規制対応の問題です。たとえば、環境負荷情報の開示が求められることや、欧州で指定の認証を取得しなければならないといった課題が、産地の企業からよく聞かれるようになっています。次に、この規制対応についてお話を伺いたいと思います。まずは舟山さんにお伺いしたいのですが、デザイナーや作り手の目線で、サステナビリティがますます制約条件として浮上している現状について、どのように向き合いどのように感じていらっしゃるか、その現実についてぜひお聞かせいただければと思います。

舟山:この質問を受けたときに率直に思ったのは「デザインの規制」とまではまだ感じていない、ということです。現在の日本のマーケットの状況だと、サステナブルな基準を満たしていなくても良い製品であれば売れてしまうという現状があるように感じています。

私たちのような小さなブランドでは環境に配慮された素材を新しく開発するような規模感はありません。今すぐできることとして、ブランドとしては約8割の素材を少しでも環境に配慮されたものにシフトする取り組みを行っています。たとえば、よく作るチュールの商品ではバージンポリエステルからリサイクルポリエステルに切り替えました。

生地屋さんと商談するときには、「環境に配慮されたこういう素材はありませんか?」と積極的に話をしています。小さなブランドでも需要があることを生地屋さんに伝えていければと思っています。まだ少しずつではありますが、取り組みを進めているところです。

福田:非常に現実的なお話で、状況がよく理解できました。他方で、産地ではさまざまな課題が浮上しているということで、このあたりについて詳しい宮浦さんに規制対応や認証の現状についてお伺いできればと思います。

宮浦:皆さんのお手元に「サステナビリティ用語」を特集した「WWDJAPAN」があると思います。これを開いていただくと、聞き慣れない言葉がたくさん並んでいるのがわかると思います。ここ数年、環境保護の観点などから認証の種類が急速に増えたため、産業全体がその変化についていけていないのが現状です。さらに産地の多くは分業制が基本で、家族単位で運営している小規模な事業者も多いです。そういった事業者がサプライチェーン全体で協力し、全ての情報を開示しなければならないような認証制度に対応するのは非常に難しい状況です。

特に、綿や麻、ウールといった短繊維を扱う産地は原料の種類が多岐にわたるうえ、農場や農業の問題にも関わりサプライチェーンが長く複雑です。このためどの認証を取得すべきか判断するだけでも産地全体が対応しきれていないのが現状です。

当社でもヨーロッパ、アメリカ、アジアなどに製品を輸出していますが、最近では輸出が厳しくなっていると感じています。

福田:ありがとうございます。輸出が厳しくなっているというお話がありましたが、デニムはご存じのとおり、多くが輸出されている産品です。そんなデニムの生産地として有名な岡山や広島を中心とした三備産地では、どのように認証対応を進めようとしているのか、ぜひ篠原さんに伺いたいと思います。

篠原:三備産地では一貫生産を行っているような大規模な工場ではすでに複数の認証、例えばGOTS認証や、OCSを取得している会社もあります。ただ、当社のようにリーダー系中小規模の工場の場合、認証を取ろうとするとサプライチェーン全体の協力が必要になりますし、それに伴う費用も大きな負担となります。この課題をどうにか解決しなければならないと産地内で勉強会を開催し、「GOTS認証を取るにはどうすればいいのか」「OCSを取得するための具体的な取り組みは何か」などを共有し協力を求めています。

先日も、ブルーサインのお話を伺う機会がありました。認証取得に向けて前向きに動いているものの、まだ取得に至っている企業は限られています。また、認証とは別にサプライチェーン全体をまとめるような生産管理システムを構築し、トレーサビリティを確立しようという動きも進めています。このシステムにより、製品のトレーサビリティを開示できる体制を整えようとしています。

さらに、認証の中で特に重要とされる「働く方の労働環境」の改善にも注力しています。職場環境の改善を目指す動きが三備産地でも大きく広がりつつあります。

「循環型・再生型」を目指す動きも 「デニムの循環」と「クラフトツーリズム」

福田:このように産地としてさまざまな課題を抱えていますが、前半でお話ししたとおり、大きなポテンシャルを秘めており、海外からも非常に注目されています。そして今後という観点では、繊維産業だけでなく地域全体の魅力を活かし、観光やインバウンド需要とも連携しながら、産地を成長産業へと押し上げていくことが重要ではないかと考えています。

もう1つお話ししたいトピックがあります。それは、このセッションのテーマでもある「循環型・再生型」についてです。グローバルでは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の文脈の中で、いかに循環型の社会を実現していくか、そしてその先に地球を再生させる「リジェネレーション」(再生型)の仕組みへ移行していくか、といったテーマが非常に重要視されています。

今後、先ほど申し上げた「産地を盛り上げる」という観点から考えますと、この循環型や再生型といったコンセプトをどのように産地の取り組みに取り入れていくかが非常に重要なポイントになるのではないかと思います。このような新たな視点が産地の発展において鍵を握ると感じています。そこで、少しこの分野の取り組みについてお話を伺いたいと思います。井上さん、スズサンで行われている循環型の取り組みについてお伺いできればと思います。

井上:私たちスズサンは、ものづくりにおける透明性を高めることはもちろんですが、特に「技術を次世代に繋げていく」という視点を強く意識し、そこにフォーカスを置いています。その観点から私たちが考える「循環」についてご紹介させていただきます。

現在、私たちが力を入れている取り組みに「ツーリズム」と「まちづくり」があります。先ほども少し触れましたが、「有松鳴海絞り」は全て手作業で行われており、生産量には制限があります。年間で約5000点を生産しているため、ブランド設立直後の数年を除いたとしても、10年間で約5万人のお客さまに、有松から製品を届けてきたことになります。また、その約8割は海外のお客さまです。

このように、製品を媒介にして世界中のお客さまとコミュニケーションを行ってきたということを私たちはとてもポジティブに捉えています。そこで、これまで有松から世界に向けて製品を届けてきたことの反対に、次のステップとして有松の地にお客さまを招き入れる取り組みを進めています。有松で「有松鳴海絞り」の技術や歴史、その背景にあるストーリーを直接知っていただき、文化的な違いや言語の壁を越えた新たな「共感」を生み出していきたいと考えています。

このように、製品を媒介として地域の文化や伝統技術を伝えていくことは、有松に限らず、他の産地にも転用可能なアプローチであり、それぞれの地域の独自性を発揮しやすいフィールドだと考えています。

福田:すでにさまざまな取り組みをされているとのことで、素晴らしいと思います。この「循環型」「再生型」というコンセプトについて、ぜひ作り手のご意見も伺いたいと思っています。最近では、ステラ・マッカートニーのように再生型の視点まで踏み込んでものづくりを行っているブランドも登場しています。このような動きについて、舟山さんはどのようにお考えでしょうか。ぜひご意見をお聞かせいただければと思います。

舟山:少し話が逸れるかもしれませんが、ものづくりを始める際に「ゴミを作りたくない」という思いがありました。この世の中にはすでに多くのブランドや物が溢れている中で、自分が新たに何かを作るのであれば、価値のあるものを作らなければならないと感じたんです。価値のあるものであれば、お客さまに長く愛用していただけますし、その後ヴィンテージとして新たな価値を持つ可能性もあります。

ブランドとしては、個別でお客さまのお直しのご相談に出来る限り対応するようにもしています。新しいものを作り続けるだけでなく、既存の製品を長く愛用していただけるようにすることにもフォーカスしたいと考えています。

今後取り組みたいことは、古着のアップサイクルやデッドストック素材の活用があります。日本らしくて素敵な素材がたくさん眠っていると思います。それらは簡単に作られたものではなく、非常に多くの時間やコストがかけられて作られたものです。これらを無駄にせず、新たな形で活かしていきたいと考えています。ただ、現段階ではまだ手探りの状態ですので、ぜひ繋いでいただきたいです。

福田:おっしゃる通り、日本の産地を訪れるとデッドストックの素材が本当にたくさんあることに気づきますよね。こういった素材がより循環する仕組みができれば、循環型のモデルというものもさらに大きな広がりを持つ可能性があるのではないかと感じます。そこで、このテーマに関して産地のリアルな意見もぜひ伺いたいです。篠原さん、例えば端材の活用などについて、三備産地ではどのような循環型や再生型のモデルが試されているのかを教えていただけますでしょうか?

篠原:循環型や再生型という観点では、まず使用する素材をオーガニックやリジェネラティブコットンのような環境負荷の少ないものに切り替えた商品開発を進めています。しかしこういった素材を使用しても、生産過程でどうしても端材が出てしまいます。そこで、余った糸を活用して靴下に編立ててアップサイクル製品として販売したり、通常の流通ラインを活用した製品を地元の販売店さんで売ってもらうといった取り組みを行っています。

地域全体での取り組みとしては福山市と同業他社が協力し、福山市内の家庭から不要になったデニム製品を回収し、それを反毛(はんもう)して糸を作り新しい生地に生まれ変わらせ、地元企業の制服として活用いただくプロジェクトを行っています。こうした活動への参加企業も増えてきており、来年には回収拠点がさらに増えて福山市内での循環の輪が広がることを期待しています。

地域でものづくりを続けていくために、「これから何をすべきか」を常に考えながら活動しています。ただし、繊維産業やデニム産業だけに限定して考えるのではなく、家具や食品など他の製造業とも協力しながら、地域全体の在り方を再考して新しい形に編集し直して発信していくことが重要だと考えています。

そのために、私たちは「デニムのイトグチ」というデニム産業に携わる若手メンバーで構成された新しいグループを立ち上げ、情報発信や勉強会を開催しています。また、隣の府中市でHOTEL SMOKEという地域商社が新しく立ち上がりました。これは、2019年に始まったオープンファクトリー「瀬戸内ファクトリービュー」のメンバーが、地域文化の魅力を深堀し世界へ発信するという目的で設立したものです。こういった方々と連携し、この地域を再び編集し直して発信していく活動を今後も続けていきたいと思っています。

福田:循環型や再生型といったコンセプトは現在、世界中から求められており今後日本でもさらに広がっていくべき重要なテーマだと考えています。というのも、江戸時代の江戸は実は循環型社会の見本だったと言われています。

当時はさまざまなものが循環しており、繊維だけでなく食や農業など幅広い分野で資源を無駄なく活用し、環境負荷を抑えた社会が築かれていました。このように日本人は元来、循環型社会の概念に親和性が高く、この分野で世界をリードする素養を十分に持っているのではないかと個人的には感じています。

繊維産地を一つの起点として、日本が循環型社会の構築において国際的にリードを取る存在となることを夢見ています。そのような未来を思い描きながら、今回のセッションを締めくくらせていただきたいと思います。

来場者とのQ&Aセッション

質問者1:気づきが多く参考になることが多く、素晴らしい企画だと思いました。私の生まれは有松のすぐ近くの鳴海という町です。「有松鳴海絞り」の産地として有名な場所で、私も小さい頃からその文化に触れながら育ちました。お隣のおばちゃんや親戚のおばあちゃんが、一生懸命に手で絞っている姿を目の前で見ていたことが思い出され、とても懐かしい気持ちになりました。お話を伺って驚いたのは、ドイツ・デュッセルドルフを拠点にクリエイティブ活動をされ、海外の売上が8割にも及ぶということです。私が幼少期に見ていた風景と重ね合わせると、産地やものづくりがここまで変化し、発展していくことに感嘆しました。本当に素晴らしいことだと思います。

私が住んでいた鳴海の町も、江戸時代の東海道の名残が今でも所々に残っています。そうした風景を思い浮かべながら、伝統の大切さを改めて感じました。自分たちの持つ伝統や技術を大切にし、上手に活かしていくことで、それが世界と繋がりさらに広がっていく。お話を伺いながら、私自身そのように強く感じました。どうぞ、これからも素晴らしいお仕事を続けていただき、日本の産地の発展のためにますますご活躍されることを心より期待しております。ありがとうございます。

実は昨日、伊勢丹新宿店に伺った際に「フェティコ」のポップアップを拝見しました。一つひとつの製品をじっくりと見させていただきましたが、本当に素晴らしいセンスですね。私が言うのも何ですが、お店の担当者の方とお話した際にも「このデザイナーさんは本当に素晴らしい才能をお持ちです」と強調されていました。その担当者の方も深くうなずいておられ、本当にその通りだと思いました。

昨日の今日ですから、なおさら印象が強く心に残っています。舟山さん、ぜひこれからも素晴らしいデザイン活動を続けていただき、日本の産地の方々と力を合わせて、この素晴らしい文化をさらに盛り上げていってほしいと心から願っています。ありがとうございました。

質問者2:承継について。イタリアやドイツ、フランスの学生が日本で学んでいるという話でしたが、外国の方は日本の伝統を承継したいと技術を持ち帰りたいとやってくるのでしょうか。日本の伝統を続けていきたいという話は出ていますか?のれん分け的なことは可能なのでしょうか。

宮浦:承継しよう、技術を残したいという感覚よりもリスペクトして学びに来ている方が多い印象です。

篠原:当社は日本人だけですが、産地の中ではデニム好きでフランスから来て働いている方がいます。織物屋で「のれん分け」は今のところ見当たらないですが、縫製工場では独立して立ち上げる動きはあります。学生が興味を持ち工場見学や産地で働いてみたいという話もあります。「のれん分け」は可能性としてはなくはないと思います。

YouTube視聴はこちら


冒頭の篠原テキスタイルの映像はZOZONEXTから提供

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【2025年バレンタイン】「マーク ジェイコブス」の人気アイテムがキュートな特別カラーで登場

「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」は、バレンタインシーズンに向け特別なギフトコレクションを展開している。

人気アイテムがバレンタインカラーに

柔らかくしなやかな手触りが特徴のレザーを採用した“ザ レザー トート バッグ”やブランドシグネチャーの“Jマーク”をあしらった“ザ スナップショット”、万能に使える“ザ ビューティー バッグ”シリーズから、バレンタインカラーのアイテムが続々登場。さらに、スモールレザーグッズや愛らしいハート型ジュエリー、チャーミングなボトルデザインが印象的なフレグランスなどもラインアップする。

一部アイテム

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【2025年バレンタイン】「マーク ジェイコブス」の人気アイテムがキュートな特別カラーで登場

「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」は、バレンタインシーズンに向け特別なギフトコレクションを展開している。

人気アイテムがバレンタインカラーに

柔らかくしなやかな手触りが特徴のレザーを採用した“ザ レザー トート バッグ”やブランドシグネチャーの“Jマーク”をあしらった“ザ スナップショット”、万能に使える“ザ ビューティー バッグ”シリーズから、バレンタインカラーのアイテムが続々登場。さらに、スモールレザーグッズや愛らしいハート型ジュエリー、チャーミングなボトルデザインが印象的なフレグランスなどもラインアップする。

一部アイテム

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ゴールドウイン渡辺社長へ19歳の活動家から質問 「環境問題にどれくらい本気ですか?」

PROFILE:左:福代 美乃里(ふくしろ・みのり)/学生団体「やさしいせいふく」代表

都立高校に通う高校3年生。中学校の先生の影響で環境問題に関心を持つようになる。2021年11月に行われた第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に、若者による気候変動の活動団体Fridays For Future Japanのメンバーとして参加する。学生団体「やさしいせいふく」は、人にも環境にもやさしい服づくりを目指して講演会の実施やGOTS認証のオーガニックコットンTシャツの販売などを行っている。24年夏には資金を集めて同シャツのコットンを生産するインドの農家や縫製工場を訪ねて、取材を行った。高校では陸上部に所属。

PROFILE:右:渡辺 貴生(わたなべ・たかお)/ゴールドウイン代表取締役社長

1960年生まれ。76年にザ・ノース・フェイスと出会い、「わたしたちはあらゆる機会を通じて地球環境保護の大切さを伝えていかなければならない」というブランドの思想に感銘し、82年、同ブランドを日本国内で展開するゴールドウインに入社。同ブランドの成長とともに国内のアウトドアファッションの定着にも貢献。05年より取締役執行役員ノースフェイス事業部長、17年より取締役副社長執行役員。20年4月1日より代表取締役社長に就任。27年には富山県内に体験型アウトドアフィールドを開設するプロジェクトを推進し、人と自然が共生する社会の実現と、地球環境再生を経営の最重要項目のひとつとして掲げるなど、サステナブルな経営を実践している。

ゴールドウインが支持集めている理由のひとつが人の心を捉える「デザイン」の力だ。その対象は、製品だけではなく地域創生など「社会」へと広がっている。イノベーションの力を借りてデザインの領域を広げているゴールドウインのデザインに対する考え方、その背景にあるサステナビリティの方針について、渡辺貴生ゴールドウイン代表取締役社長を招いて紐解く。聞き手は高校3年生の活動家、福代美乃里。「ファッションが好きだから、真実を知りたい」と言う彼女から飛び出す質問とは?

(この対談は2024年12月13日に開催した「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2024」から抜粋したものです)

WWD :最初の質問は、私から渡辺さんにお伺いします。学校を卒業して最初に就職したのがゴールドウインだったと伺っています。なぜ、ゴールドウインを選んだのですか?

渡辺貴生ゴールドウイン代表取締役社長(以下、渡辺) :私は「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」というブランドが大好きで、その存在を初めて知ったのが1976年、高校2年生のときでした。当時、雑誌「メンズクラブ」で「ザ・ノース・フェイス」が紹介されていたんです。それまではアイビーファッションに憧れていましたが、その記事を読んで初めて「ヘビーデューティー」というスタイルに触れました。そして、「ザ・ノース・フェイス」がアメリカ・バークレーで行っているものづくりを知り、「自分のやりたいことに近い」と強く感じました。他の道も考えましたが、どうしても「ザ・ノース・フェイス」のような仕事に携わりたいと思い、最終的にゴールドウインへの入社を決めました。

WWD:写真はどこで撮ったものですか?

渡辺:これは、ゴールドウインに入社してしばらく経ち、「ザ・ノース・フェイス」のMD(マーチャンダイザー)になった頃の写真だと思います。おそらく1990年頃、ヨーロッパでの一枚ですね。2枚目はさらに前、1986年頃の写真です。私は現在、フライフィッシングが大好きですが、当時はまだ始めておらず、ルアーを使って芦ノ湖でブラックバスを釣っていました。これは、その頃、まだ釣りを始めたばかりのときの写真です。

このとき着ているのは、「ザ・ノース・フェイス」のアウトレットで購入したもので、軍の端材を利用して作られた服です。つまり、余った生地を使って生産され、バークレーのアウトレットで販売されていた商品ですね。今でも大切に使っています。「ザ・ノース・フェイス」のロゴが入っていません。代わりに「Windy Pass by The North Face」というブランド名がついており、これはアウトレット専用ブランドでした。

WWD:昔からあまり変わらないスタイルが、現在の成功の理由の一つかもしれませんね。2005年から取締役執行役員として「ザ・ノース・フェイス」の事業部長を務められました。まさに現在に繋がる「ザ・ノース・フェイス」の時代を築かれた期間だったと思います。自己分析すると、なぜ「ザ・ノース・フェイス」はここまで認知され、人気を得ることができたのでしょうか?

渡辺:これは、私が創業者から学んだことが大きいですね。「ザ・ノース・フェイス」は、2人の創業者によって成り立っています。1人は、「ザ・ノース・フェイス」という名前を作ったダグラス・トンプキンスです。彼は、世界的な自然保護活動家としても有名でした。もう1人は、ブランドを製造メーカーとして発展させたケネス・ハップ・クロップです。彼は、社会の仕組みを変えるために新しい事業を始めたいと考え、「ザ・ノース・フェイス」のブランドを買い取り、ものづくりの会社へと発展させました。

当時、アメリカはベトナム戦争の真っ只中でした。その時代、若者たちは従来の社会システムに疑問を抱き、「コーポレート・アメリカ」と呼ばれる大企業中心の社会に対し、異なる選択肢を求める動きが広がっていました。そうした若者たちを応援するために、クロップはものづくりを始めたのです。写真に写っているのはバックパックですが、これは当時「アウトバックスタイル」と呼ばれていました。当時、まだ「バックパッキング」という言葉すら存在していませんでしたが、若者たちは「本当の生き方とは何か」「社会とどう向き合うべきか」「自分たちはどんな社会を作るべきか」と、自然の中で深く考えるようになっていました。そのムーブメントを支えるために生まれたのが、このバックパックです。

もともと「ザ・ノース・フェイス」は、クライミングギアのメーカーではなく、ライフスタイルをサポートするブランドとしてスタートしました。私自身も、その理念に非常に共感しました。地球や自然環境と密接に関わりながら生きることが、人間らしさを見直す大きなチャンスになると考えたからです。「ザ・ノース・フェイス」を単なるアウトドアブランドではなく、ライフスタイルブランドとして確立することを目標に掲げて取り組んできた点が、他のブランドとは大きく異なる特徴だと考えています。

WWD:上の2枚目の写真はそれを象徴していますね。

渡辺:これは1970年代初期の写真だと思います。当時のアメリカには、先進的な考えを持つ人々もいましたが、同時にヒッピーカルチャーが広がっていました。その中でも、新しい価値観を築こうとする真剣な人々が多く、さまざまな経験を積み重ねながら新たな思想を生み出していました。Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズも、おそらく同じような考え方を持っていた一人だったのではないかと思います。

WWD:なるほど、よく分かりました。そして、20年4月に代表取締役社長に就任されましたが、西田会長からは当時、どのような思いを託され、何を成し遂げようと考えて就任を決断されたのでしょうか?

渡辺 :そうですね。私の会社は、西田明男会長の前の社長、つまり西田会長のお父様が創業しました。私もその創業者から直接、多くのことを教えていただきました。お二人から常に言われていたのは「ものづくりの大切さを徹底的に貫いてほしい」ということでした。私たちの会社には「見えないものにこそ、『真実』の価値がある」という言葉があります。つまり、表面的なデザインにこだわるのではなく、本当に重要なのは、目には見えない緻密な作業であり、それを追求することで本当に価値のあるものが生まれる、という考え方です。

また「人生は100年ほどしかないのだから、自分の人生を燃えるように生きなさい」とも教えられました。その考え方を会社全体で共有し、社会に対して何か貢献できる企業でありたいと思っています。

WWD :「燃えるように生きる」と聞いた福代さんが良い笑顔を見せました。

福代 美乃里学生団体「やさしいせいふく」代表(以下、福代) :燃えるように生きたいと思っていますし、私も高校3年生で将来のこと、自分に与えられた人生をこれからどう使っていこうかとか、自分には何ができるんだろうかとこの一年考えてきていたので言葉が刺さりました。

WWD:ゴールドウインにとってサステナビリティは何どういう位置付けにありますか?

渡辺 :あらゆる人々に対して公正な未来を提供することこれが私が考えるサステナビリティですね。

高校3年生がサステナビリティに関心をもったきっかけ

WWD:ここから福代さんからの質問でその「サステナビリティ」について深めていきます。福代さん自己紹介をお願いします。

福代 :はじめまして、福代美乃里です。都立高校に通う高校3年生で現在、学生団体「やさしいせいふく」の代表を務めています。

WWD :そもそも、サステナビリティに関心を持ったきっかけは?

福代:もともと服が大好きで、買うのはもちろん、生地を購入して自分で服を作ることもありました。そんな中、中学3年生のときに、ちょうどコロナ禍で自宅にいる時間が増え、「ザ・トゥルー・コスト」というドキュメンタリー映画を観たんです。その映画を通して、それまで知らなかった ファッション業界の不都合な真実を知りました。

例えば、自分と同じくらいの年の子どもたちが、低賃金で長時間労働を強いられている こと。そして、私は自然が好きなのですが、服の生産が環境破壊につながっている という事実を知り、大きな衝撃を受けました。「おしゃれを楽しむことが、誰かを傷つけているかもしれない」。そのことがショックで、サステナビリティに強く関心を持つようになりました。

WWD :その映画を観てから服を買わなくなったのですか?

福代 :観た直後はまったく買えなくなりました。どの服を見ても、購入をためらってしまって。でも今は、サステナビリティに取り組んでいる企業を調べたり、古着を購入したりしながら、少しずつファッションを楽しめるようになっています。

WWD :福代さんの話を聞きながら、「そんな気持ちにさせてごめん…」という気持ちになりました。そんな福代さんですが、今年の夏、なんとインドのオーガニックコットン畑や縫製工場を訪ねました。

福代 :インドのコインバトールという地域にある工場やオーガニックコットンの畑や倉庫を現地の方に案内していただきながら、綿がどのように栽培・保管・管理されているのかを見学しました。一つひとつの工程を実際に見せてもらいながら学ぶことができました。

WWD :なぜインドへ行こうと思ったのですか?

福代 :今私が着ているTシャツは、私たちが企画した「やさしいTシャツ」というオーガニックコットンのTシャツです。この企画は、私と同じようにサステナビリティに関心を持つ学生たちが集まり、「普段売られている服がどのように作られているのか分からない。だったら、自分たちで作ってみよう!」という思いから始めました。けれど、ちょうどコロナ禍だったため、Tシャツの生産地であるインドに行くことができませんでした。オンラインでは工場と繋がっていたものの、やはり 現場を直接見てみたい、作ってくれた人たちに会いたい という気持ちが強くなり、今回の渡航を決意しました。

WWD :実際に現地を訪れて、どのようなことが見えましたか?

福代 :一つは「オーガニックコットンを選んで本当に良かった」という実感です。

現地の農家の方々に話を伺うと、以前は 農薬を使用した栽培を行っており、それによって健康被害が多発していたそうです。例えば、子どもたちががんを発症したり、亡くなったりするケースがあり、また農家の方々自身も視力障害や手足の痙攣などの深刻な影響を受けていたそうです。

しかし、化学農薬を使わないオーガニック栽培に切り替えたことで、こうした健康被害がなくなったと聞きました。実際にその話をしてくれた方々と直接対話したことで、自分の選択が遠い国の誰かの暮らしを少しでも良くしているかもしれない、と感動しましたね。

WWD :まさにサステナブルな選択の重要性を実感されたのではないでしょうか。

福代 :はい、オーガニックコットンの良さを実感すると同時に、普段私たちが購入する服がどこで、どのように作られているのかについて、消費者にはまだ見えにくい部分が多いとも感じました。

今回、最先端のサステナブルな取り組みを行っている工場も訪れましたが、こうした取り組みを行う工場で作られた服がもっと増えて、消費者が簡単にその背景を知ることができるようになればいいなと思いました。企業が積極的に情報を開示し、消費者も知ろうとする姿勢が大切だと改めて感じました。

WWD:貴重な経験ですね。実際に 現場を自分の目で見るということは非常に大切です。では、ここから本日のメインパートに移り福代さんから渡辺さんへ質問をしてもらいます。

「環境や人権への取り組みはどれくらい本気ですか?」

福代 :最初の質問ですが、御社のホームページを拝見した際、最初に目に入ったのが「人と自然の可能性を広げる」というメッセージでした。環境や人権を大切にされていることが強く伝わってきましたが、実際のところ渡辺さんご自身は、どのくらい本気で取り組まれているのかをお聞きしたいです。また、企業のビジョンとしてこの考えを中心に据えようと思った具体的なきっかけや思いがあれば、教えてください。

渡辺 :本気度については「かなり本気」です。社内では「パタゴニアくらいはやろう」と言っています。それくらいの覚悟でゴールドウインを日本におけるサステナブルな企業のリーダーとして確立したいと考えています。

実際に、私自身は1990年代から少しずつサステナブルな取り組みを始めてきました。ただ、会社として本格的に動き出したのは比較的最近です。それでも、この思いをしっかりと持ち続け、企業のビジョンの中心に据えるべきだと考えています。

その理由として、私たちの事業は スポーツやアウトドアに深く関わっています。私は米国のヨセミテ国立公園が大好きで、これまで何十回も訪れています。今年も6月に、役員の何人かを連れて一緒に訪問しました。

こうした かけがえのない自然を守ることは、人間の使命だと強く感じています。そもそも地球がなければビジネスは成り立たないわけです。アウトドアスポーツにせよ、その他のスポーツにせよ、環境が整っていなければ成り立たない。

私たちの仕事はある意味「遊びの延長」です。しかし「遊びこそが人間らしさを育み、多くの人とのつながりを生むもの」だと考えています。だからこそ、単に「地球環境を守る」だけではなく、再生(リジェネラティブ) していくことこそが、私たちの存在意義であり企業のビジョンとして掲げるべきものだと考えています。

WWD :「守る」から「再生する」へ。これは本気も本気 という答えですね。

そもそも、なぜ企業にとって事業成長が必要なのか?

福代 :2つ目の質問です。そもそも、なぜ企業にとって事業成長が必要なのでしょうか?環境保全と事業成長を両立させるには、どのような方法があると思いますか?

渡辺:よく聞かれる質問です。私が事業成長が必要だと考える理由は、「地球を再生していくため」です。私たちが本質的に必要とする環境を、自分たちの手で作り上げていくことができれば、もっと人間は地球に貢献できるはずです。つまり、私たちの産業や事業を通じて、環境問題を解決することが、事業成長の目的であるべきだと考えています。そのため単なる「経済的な成長」ではなく、「人間としての成長」とは何かを考えながら事業を発展させることが、本当の意味で持続可能な成長を生み出すのではないかと思います。私自身も、そのような考えのもとで仕事に取り組んでいきたいと考えています。

福代 :ゴールドウインさんは 2050年までに、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成と廃棄ゼロを掲げていますよね。これは非常に難しい挑戦だと思いますが、それを達成するために最も必要な変化は何だと考えますか? 最大の課題について教えてください。

渡辺 :カーボンニュートラルを実現するためには、スコープ3の削減を徹底することが重要だと考えています。現在、私たちのCO2排出量は、スコープ1から3を合わせて約26万トンありますが、その99%がスコープ3によるものです。つまり、直接の排出ではなく サプライチェーン全体での排出が圧倒的に多いのです。そのため最も重要なのは、サプライチェーン全体で環境への配慮を共有し、協力し合う仕組みを作ることだと考えています。

まずは「自分たちは何のために事業をしているのか?」を明確にし、「どのような変化がプラスになるのか?」をしっかり示すことが必要です。さらに、具体的なアクションとプロセスをどのように変えていくのかを明確にし、発信していくことも大切だと思います。確かに大きな課題ではありますが、誰かが始めなければ変革の第一歩は生まれません。私たちは、そうした一つひとつの取り組みを、責任を持って進めていきたいと考えています。

WWD :今のお話の内容は、ゴールドウインの統合報告書にも具体的な数値として記載されています。後ほど、裏付けとなるデータもご覧いただければと思います。そしてこの質問は、ここにいる全員が 「19歳から投げかけられている問い」だと受け止めるべきものですね。

福代 :服は、大量生産・大量消費の象徴的な存在だと思います。現在もその考え方は根強く残っており、先ほど話に出た環境と事業成長の両立についても、大量生産・大量消費のままでは難しいのではないかと感じています。そこで、ゴールドウインとしてどのようにこの考え方を変えていこうとしているのかをお聞きしたいです。

渡辺 :そうですね。実は、ゴールドウインには以前から 大量生産・大量消費という考え方はあまりありません。もちろん、ブランドの人気が高まると売り上げが伸び、それに伴い生産量も増えるという側面はあります。しかし、私たちはそうした背景の中でも製品を長く使い続けてもらう仕組みを重視してきました。

例えば、1992年頃から リペアサービスを本格的に導入しています。GORE-TEX製品のような高額なウェアは、アウトドア環境で使用すると傷んだり破れたりすることがあります。しかし、それを修理できなければ、すぐに廃棄されてしまう可能性がありますよね。そこで、工場内に専用のリペアチームを設け、現在では年間約2万4000点の製品を修理し、お客様にお返ししています。

また、最近では子ども服のリサイクルにも取り組んでいます。子ども服は成長とともにすぐにサイズアウトしてしまいます。そこで、不要になった服を店舗で回収し、新しいデザインにアップサイクルして再び販売する取り組みを行っています。単に洗浄して再販するのではなく、新たなデザインを加えることでより魅力的なアイテムとして生まれ変わらせることを大切にしています。

さらに、私たちは「ワンフォーワンシステム」 という特別なものづくりの仕組みも導入しています。これは、人気のある商品についてお客様自身がオリジナルのデザインを作れるサービスです。特定の店舗では、お客様の体のサイズを測定し、カラーやファスナーの種類、その他の細かいパーツまで自由にカスタマイズできるようになっています。このサービスを利用することで、既製品ではなく自分のライフスタイルに合った一着を作ることができ、長く愛用してもらえるのです。この仕組みは、大量生産とは異なるアプローチです。

「自分の人生の中で、どんな服をどのように使いたいのか?」そんなことを考えながら、お客様とともにゴールドウインや「ザ・ノース・フェイス」の製品を作り上げていくサービスとして展開しています。こうした取り組みを通じて、単に新しい服を作って売るだけがビジネスではない という考え方を広めていきたいと考えています。

WWD :「新しい服を作って売るだけのビジネス」からの脱却ですね。

渡辺 :そうですね。服というものは 単なる衣類ではなく、そこに込められた想いや、人と人とのつながり、愛を大切にするものだと考えています。それが循環し、次の誰かへと受け継がれていくこと。それこそが、本当に重要なのではないでしょうか。

1枚の服を見たときに、何を想像する?

福代 :抽象的な質問かもしれませんが、1枚の服を見たときに渡辺さんは何を想像しますか?

WWD :質問の背景とは?福代さんご自身は、1枚の服を見たときに何を想像しますか?

福代 :私は服の生産背景に強い関心を持っています。自分が着る服が児童労働や環境破壊の上に成り立っているのは、とても嫌です。そのため、1枚の服を見たときに「この服はどこで作られたのか?」「作った人は幸せだろうか?」「生産された土地の環境は守られているのか?」といったことを想像しながら、慎重に選ぶようにしています。

渡辺 :この写真は、1989年から1990年にかけて、220日間で6,040kmを犬ぞりで南極大陸を横断し探検隊のユニフォームです。デザインを手がけたのは、当時 「ザ・ノース・フェイス」に在籍していた マーク・エリクソンというデザイナーでした。この南極大陸横断隊には、アメリカ・ロシア・中国・フランス・イギリス・日本の6カ国が参加していました。つまり、資本主義の国も共産主義の国も関係なく、世界の枠を超えて協力し合ったプロジェクトだったんです。

では、なぜこの6カ国が南極大陸を横断したのか?その目的は、南極条約を改めて批准してもらうためのアクションでした。南極条約では「南極はどの国の領土でもない」「科学技術や教育の分野で国際協力を進める」といった原則が定められています。現在、この条約には50カ国以上が批准しており、世界平和のための重要な合意のひとつとなっています。当時、資本主義・共産主義の国々が対立する中で、この遠征は「世界平和のために協力する」という強いメッセージを発信するものでした。

この服は、単なる防寒着ではなく、世界平和を象徴するユニフォームなのです。私は、ものづくりにおいて「目的」や「価値」を持たせることが重要だと考えています。最新のテクノロジーと優れたデザインからこのユニフォームに支えられたこの挑戦は、結果として 今も南極条約が守られ続けていることに繋がっています。1枚の服が与えるインパクトは計り知れません。そして、この服を見るたびに、私は「未来のために、平和利用のために服があるのだ」ということ思いますね。

福代 :たくさんの服を開発されている中でも、1枚の服に込められたストーリーや熱量が伝わってきました。ものづくりに対する 「大切にしたい」という強い思いを感じます

考えを大きく変えたアウトドアアクティビティとは?

福代:私もスポーツやアウトドアアクティビティが好きなのですが、渡辺さんもアウトドアが好きですよね。これまでの経験の中で、アウトドアアクティビティが ご自身の考えを大きく変えた出来事 があれば、教えてください。

渡辺 :私はアウトドアスポーツが好きで、この会社に入ってからも続けています。今は毎年北海道でフライフィッシングを楽しんでいます。もう30年以上通い続けている場所ですね。30年前は、あるシーズンに行くと1投すれば必ず1匹釣れるほど魚が豊富でした。ところがここ2〜3年は、まったく釣れなくなっているんです。これは、水温や気温の変化による影響が大きいのではないかと感じています。実際、魚の数が減っているように思います。

釣りを通じて、川や海など自然環境の変化を肌で感じるようになりました。最近は、南の島のサンゴ礁エリアでもフライフィッシングをしていますが、白化したサンゴ礁では魚が少なくなり、釣るのが難しくなっていることも実感しています。こうした変化は、実際に現地に行き、アクティビティを通じて体験しなければ気づけないことです。私にとってアウトドアアクティビティは「今の環境をどうすれば改善できるのか?」を考えるきっかけになっています。

「世界を平和にしたい」。その言葉に打たれた

福代 :最新技術は、まだコストが高いことや、実用化できるか不確実性が高いため、普及には時間がかかると思います。ゴールドウインがスパイバーと服を作ろうと決断した理由は何だったのでしょうか?

渡辺:私は アウトドアスポーツが好きだったこともあり、これまで高機能な製品の開発に携わってきました。しかし、それらの製品はほとんどが化学繊維であり、化石燃料をベースとした素材を使っていたことは否めません。このような素材は、環境に大きな負荷を与えます。簡単に言えば、プラスチックは生分解しないため、長期的に環境に残り続けるという問題があります。そんなとき、私の知人である発酵技術の専門家から「発酵を利用して植物由来の新しい素材を開発している人がいる」と紹介を受けました。そこで実際に会いに行ったのが、スパイバーの代表である関山さんでした。関山さんに初めて会ったとき、彼が最初に言った言葉が「世界を平和にしたい」だったんです。その言葉に私は強く心を打たれました。

彼の話を聞く中で、スパイバーの技術は環境問題の解決だけでなく、貧困問題にもアプローチできる可能性があることを知りました。そのとき「自分がやるべき仕事はこれなんだ」と感じたんです。もちろん、ゴールドウインとしても環境負荷の低い素材を採用する取り組みは以前から進めていました。しかし、それは既存の素材の中で環境に配慮したものを選ぶという方法でした。スパイバーの技術は、それとはまったく異なるアプローチでした。つまり、従来の石油由来素材を完全に置き換える新たな選択肢だったんです。

この新たな選択肢があるのなら、誰かが最初に動かなければならない。正直、決断にはかなりの逡巡がありました。しかし最終的にゴールドウインとして創業以来最大規模の投資を行い、スパイバーとともに取り組むことを決断しました。このプロジェクトを進めることで、石油依存による環境問題を解決する一歩を踏み出せると確信したからです。

WWD :アウトドアの役割の一つは「命を守ること」です。そのために、機能が進化し、技術が発展し、そこに最適なデザインが追求されてきました。しかし、これまでの常識を覆しその根幹をまったく新しい選択肢に置き換えるという発想は、極めて画期的な取り組みだと思います。

「言葉のいらない遊び場。 未来に向けたデザイン

福代 :ゴールドウインさんは服の開発だけでなく、子どもたちの遊び場の創出やキャンプ事業など、さまざまなプロジェクトに取り組まれていますよね。その中で、渡辺さんご自身が特に印象に残っている取り組みは何でしょうか?

渡辺 :そうですね。一番印象に残っているのは、2022年に開催したイベントです。本来であれば、2020年の東京オリンピックに合わせて実施する予定でした。しかし、新型コロナウイルスの影響で無観客開催となり、私たちの計画も延期せざるを得ませんでした。

実はその年、ゴールドウインは創業70周年を迎えていました。そこで、世界中からオリンピックに来る人々に、ゴールドウインという会社を知ってもらうための記念事業を企画しました。当時、若いメンバーたちと話し合う中で「国や言語を超えて、みんなの気持ちが一つになるイベントは何か?」というテーマを考えました。

そこで私が提案したのが、「遊び」をテーマにしたデザインでした。私たちは、地球の五大要素である 水・火・土・空気をモチーフにした遊具を設計し、「地球を遊ぶ」体験を提供する空間を作ろうと考えたのです。言葉が通じなくても、そこに集まった人たちが 助け合いながら楽しめる場所を作ることが目的でした。

残念ながら、このイベントはオリンピック期間中には実施できませんでしたが、2年後の2022年に、六本木と富山で開催することができました。結果として、5万人以上の人々が遊びに訪れてくれました。このプロジェクトの背景には、ゴールドウインが掲げる「2050年にどんな会社でありたいか?」というビジョンがありました。その答えのひとつが「遊び」でした。スポーツの起源は「遊び」です。世界中の人々が「遊び」を通じてつながることができるのではないかという思いを込めて、このイベントを企画しました。

デザインは「社会の仕組み」を変える力を持つ

WWD:スポーツの起源は 遊びなんですね。今回のイベントのテーマのひとつに「デザインの力」があります。ゴールドウインは、単なる製品デザインだけでなく、地域創生や社会とのつながりをデザインするという視点も持っています。つまり、社会そのものをデザインすることも、ゴールドウインのデザインの範疇に含まれているのではないかと思うのですが、渡辺さんは 「デザインの力」についてどうお考えですか?

渡辺 :デザインには大きく二つの方向性があると考えています。一つは、これまでになかった機能や利便性を生み出すためのデザインです。新しい技術や素材を活かし、より快適で便利なものを作るという意味でのデザインですね。しかし、私が特に大切にしているのは「人の意識を変えるためのデザイン」です。これはアパレルやバックパックのデザインだけに限らず、空間デザインにも通じる考え方だと思います。

私はこれまでリテール(店舗)のデザインも手がけてきました。単なるショップの設計ではなく「今までにない空間」を生み出すことで、お客様の意識を変えるデザインを追求してきました。その結果、来店されたお客様の「ザ・ノース・フェイス」に対する考え方やデザインそのものへの価値観に変化が生まれてきたと感じています。

このように、デザインはあらゆる分野で応用できる考え方だと思います。デザインは単に「モノをつくる」ことに留まりません。それどころか、社会の大きな仕組みを変え、世界のシステムそのものを変える力を持っています。私自身、この考え方に大きな影響を受けたのが、ケネス・ハップ・クロップ です。彼のデザイン哲学に触れたことで、私は「デザインの本質とは、より良い社会を作ることだ」という考えを持つようになりました。私たちがデザインを通じてより良い社会を生み出すことができれば、私たちの考えや理念をより多くの人に伝えることができると思っています。これからも、私たちの事業の中でデザインの力を活かし、社会に貢献できる取り組みを進めていきたいと考えています。

WWD:これからゴールドウインとして成し遂げたいことについて教えてください。

渡辺 :ゴールドウインは、これまで 日本国内を中心にビジネスを展開してきました。ある意味「ローカルメジャー」と言える存在かもしれません。しかし、これからは海外市場にも積極的にアプローチしていきたい。特に、今後急速な成長が見込まれるアジア・インド・アフリカ などの地域において、スポーツや遊びを通じて、人々がより楽しく健やかに生きられる環境を提供することを目指しています。

「人と違うことをする」勇気を持つ

福代 :今の学生に向けて伝えておきたいことや、若いうちに知っておいてほしいことがあれば、教えてください。

渡辺 :若い学生の皆さんには、すでに素晴らしいビジョンを持っている方が多いと感じています。今日お話しした福代さんもそうですし、私がこれまで出会った若い世代の方々も、しっかりとした思いを持ち、真剣に考えている人が多い。ですから、特に何かを言う必要はないかもしれませんが、自分のやりたいことにしっかりと向き合い、責任を持って進んでいってほしい と思います。

世の中を変えていくことは、決して簡単なことではありません。しかし、「人と違うことをする」ことこそが、大切 だと思っています。ときには、自分が周りと違うことで 不安を感じたり、違和感を持ったり することもあるかもしれません。でも、その違いこそが、自分の魅力になるのです。だからこそ、「自分は人と違うから嫌だ」と思うのではなく、それを誇りに思って前に進んでいってほしいですね。

福代:お話を伺いながら、将来をとても深く見据えていると感じました。私自身も「こんな未来を作りたい」という思いはありますが、実際どう行動すればいいのか分からないことが多いです。特に、気候変動が進み、将来ご飯が食べられなくなるのではないか など、暗い未来ばかりを考えてしまいがちです。解決策を見つけたいと思っても、どの方向に進めばいいのか分からない ことが多いと感じています。しかし、スパイバーの取り組みや、公園のデザインに関するお話を聞いて、「未来に向けて具体的に行動し、決断し、自らの手で変えていこうとしている」姿勢がとても印象的でした。その姿勢から、強い意志と決断力 が伝わってきて、とてもかっこいいと感じましたし、私自身も 何か行動を起こしたいです。

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ゴールドウイン渡辺社長へ19歳の活動家から質問 「環境問題にどれくらい本気ですか?」

PROFILE:左:福代 美乃里(ふくしろ・みのり)/学生団体「やさしいせいふく」代表

都立高校に通う高校3年生。中学校の先生の影響で環境問題に関心を持つようになる。2021年11月に行われた第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に、若者による気候変動の活動団体Fridays For Future Japanのメンバーとして参加する。学生団体「やさしいせいふく」は、人にも環境にもやさしい服づくりを目指して講演会の実施やGOTS認証のオーガニックコットンTシャツの販売などを行っている。24年夏には資金を集めて同シャツのコットンを生産するインドの農家や縫製工場を訪ねて、取材を行った。高校では陸上部に所属。

PROFILE:右:渡辺 貴生(わたなべ・たかお)/ゴールドウイン代表取締役社長

1960年生まれ。76年にザ・ノース・フェイスと出会い、「わたしたちはあらゆる機会を通じて地球環境保護の大切さを伝えていかなければならない」というブランドの思想に感銘し、82年、同ブランドを日本国内で展開するゴールドウインに入社。同ブランドの成長とともに国内のアウトドアファッションの定着にも貢献。05年より取締役執行役員ノースフェイス事業部長、17年より取締役副社長執行役員。20年4月1日より代表取締役社長に就任。27年には富山県内に体験型アウトドアフィールドを開設するプロジェクトを推進し、人と自然が共生する社会の実現と、地球環境再生を経営の最重要項目のひとつとして掲げるなど、サステナブルな経営を実践している。

ゴールドウインが支持集めている理由のひとつが人の心を捉える「デザイン」の力だ。その対象は、製品だけではなく地域創生など「社会」へと広がっている。イノベーションの力を借りてデザインの領域を広げているゴールドウインのデザインに対する考え方、その背景にあるサステナビリティの方針について、渡辺貴生ゴールドウイン代表取締役社長を招いて紐解く。聞き手は高校3年生の活動家、福代美乃里。「ファッションが好きだから、真実を知りたい」と言う彼女から飛び出す質問とは?

(この対談は2024年12月13日に開催した「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2024」から抜粋したものです)

WWD :最初の質問は、私から渡辺さんにお伺いします。学校を卒業して最初に就職したのがゴールドウインだったと伺っています。なぜ、ゴールドウインを選んだのですか?

渡辺貴生ゴールドウイン代表取締役社長(以下、渡辺) :私は「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」というブランドが大好きで、その存在を初めて知ったのが1976年、高校2年生のときでした。当時、雑誌「メンズクラブ」で「ザ・ノース・フェイス」が紹介されていたんです。それまではアイビーファッションに憧れていましたが、その記事を読んで初めて「ヘビーデューティー」というスタイルに触れました。そして、「ザ・ノース・フェイス」がアメリカ・バークレーで行っているものづくりを知り、「自分のやりたいことに近い」と強く感じました。他の道も考えましたが、どうしても「ザ・ノース・フェイス」のような仕事に携わりたいと思い、最終的にゴールドウインへの入社を決めました。

WWD:写真はどこで撮ったものですか?

渡辺:これは、ゴールドウインに入社してしばらく経ち、「ザ・ノース・フェイス」のMD(マーチャンダイザー)になった頃の写真だと思います。おそらく1990年頃、ヨーロッパでの一枚ですね。2枚目はさらに前、1986年頃の写真です。私は現在、フライフィッシングが大好きですが、当時はまだ始めておらず、ルアーを使って芦ノ湖でブラックバスを釣っていました。これは、その頃、まだ釣りを始めたばかりのときの写真です。

このとき着ているのは、「ザ・ノース・フェイス」のアウトレットで購入したもので、軍の端材を利用して作られた服です。つまり、余った生地を使って生産され、バークレーのアウトレットで販売されていた商品ですね。今でも大切に使っています。「ザ・ノース・フェイス」のロゴが入っていません。代わりに「Windy Pass by The North Face」というブランド名がついており、これはアウトレット専用ブランドでした。

WWD:昔からあまり変わらないスタイルが、現在の成功の理由の一つかもしれませんね。2005年から取締役執行役員として「ザ・ノース・フェイス」の事業部長を務められました。まさに現在に繋がる「ザ・ノース・フェイス」の時代を築かれた期間だったと思います。自己分析すると、なぜ「ザ・ノース・フェイス」はここまで認知され、人気を得ることができたのでしょうか?

渡辺:これは、私が創業者から学んだことが大きいですね。「ザ・ノース・フェイス」は、2人の創業者によって成り立っています。1人は、「ザ・ノース・フェイス」という名前を作ったダグラス・トンプキンスです。彼は、世界的な自然保護活動家としても有名でした。もう1人は、ブランドを製造メーカーとして発展させたケネス・ハップ・クロップです。彼は、社会の仕組みを変えるために新しい事業を始めたいと考え、「ザ・ノース・フェイス」のブランドを買い取り、ものづくりの会社へと発展させました。

当時、アメリカはベトナム戦争の真っ只中でした。その時代、若者たちは従来の社会システムに疑問を抱き、「コーポレート・アメリカ」と呼ばれる大企業中心の社会に対し、異なる選択肢を求める動きが広がっていました。そうした若者たちを応援するために、クロップはものづくりを始めたのです。写真に写っているのはバックパックですが、これは当時「アウトバックスタイル」と呼ばれていました。当時、まだ「バックパッキング」という言葉すら存在していませんでしたが、若者たちは「本当の生き方とは何か」「社会とどう向き合うべきか」「自分たちはどんな社会を作るべきか」と、自然の中で深く考えるようになっていました。そのムーブメントを支えるために生まれたのが、このバックパックです。

もともと「ザ・ノース・フェイス」は、クライミングギアのメーカーではなく、ライフスタイルをサポートするブランドとしてスタートしました。私自身も、その理念に非常に共感しました。地球や自然環境と密接に関わりながら生きることが、人間らしさを見直す大きなチャンスになると考えたからです。「ザ・ノース・フェイス」を単なるアウトドアブランドではなく、ライフスタイルブランドとして確立することを目標に掲げて取り組んできた点が、他のブランドとは大きく異なる特徴だと考えています。

WWD:上の2枚目の写真はそれを象徴していますね。

渡辺:これは1970年代初期の写真だと思います。当時のアメリカには、先進的な考えを持つ人々もいましたが、同時にヒッピーカルチャーが広がっていました。その中でも、新しい価値観を築こうとする真剣な人々が多く、さまざまな経験を積み重ねながら新たな思想を生み出していました。Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズも、おそらく同じような考え方を持っていた一人だったのではないかと思います。

WWD:なるほど、よく分かりました。そして、20年4月に代表取締役社長に就任されましたが、西田会長からは当時、どのような思いを託され、何を成し遂げようと考えて就任を決断されたのでしょうか?

渡辺 :そうですね。私の会社は、西田明男会長の前の社長、つまり西田会長のお父様が創業しました。私もその創業者から直接、多くのことを教えていただきました。お二人から常に言われていたのは「ものづくりの大切さを徹底的に貫いてほしい」ということでした。私たちの会社には「見えないものにこそ、『真実』の価値がある」という言葉があります。つまり、表面的なデザインにこだわるのではなく、本当に重要なのは、目には見えない緻密な作業であり、それを追求することで本当に価値のあるものが生まれる、という考え方です。

また「人生は100年ほどしかないのだから、自分の人生を燃えるように生きなさい」とも教えられました。その考え方を会社全体で共有し、社会に対して何か貢献できる企業でありたいと思っています。

WWD :「燃えるように生きる」と聞いた福代さんが良い笑顔を見せました。

福代 美乃里学生団体「やさしいせいふく」代表(以下、福代) :燃えるように生きたいと思っていますし、私も高校3年生で将来のこと、自分に与えられた人生をこれからどう使っていこうかとか、自分には何ができるんだろうかとこの一年考えてきていたので言葉が刺さりました。

WWD:ゴールドウインにとってサステナビリティは何どういう位置付けにありますか?

渡辺 :あらゆる人々に対して公正な未来を提供することこれが私が考えるサステナビリティですね。

高校3年生がサステナビリティに関心をもったきっかけ

WWD:ここから福代さんからの質問でその「サステナビリティ」について深めていきます。福代さん自己紹介をお願いします。

福代 :はじめまして、福代美乃里です。都立高校に通う高校3年生で現在、学生団体「やさしいせいふく」の代表を務めています。

WWD :そもそも、サステナビリティに関心を持ったきっかけは?

福代:もともと服が大好きで、買うのはもちろん、生地を購入して自分で服を作ることもありました。そんな中、中学3年生のときに、ちょうどコロナ禍で自宅にいる時間が増え、「ザ・トゥルー・コスト」というドキュメンタリー映画を観たんです。その映画を通して、それまで知らなかった ファッション業界の不都合な真実を知りました。

例えば、自分と同じくらいの年の子どもたちが、低賃金で長時間労働を強いられている こと。そして、私は自然が好きなのですが、服の生産が環境破壊につながっている という事実を知り、大きな衝撃を受けました。「おしゃれを楽しむことが、誰かを傷つけているかもしれない」。そのことがショックで、サステナビリティに強く関心を持つようになりました。

WWD :その映画を観てから服を買わなくなったのですか?

福代 :観た直後はまったく買えなくなりました。どの服を見ても、購入をためらってしまって。でも今は、サステナビリティに取り組んでいる企業を調べたり、古着を購入したりしながら、少しずつファッションを楽しめるようになっています。

WWD :福代さんの話を聞きながら、「そんな気持ちにさせてごめん…」という気持ちになりました。そんな福代さんですが、今年の夏、なんとインドのオーガニックコットン畑や縫製工場を訪ねました。

福代 :インドのコインバトールという地域にある工場やオーガニックコットンの畑や倉庫を現地の方に案内していただきながら、綿がどのように栽培・保管・管理されているのかを見学しました。一つひとつの工程を実際に見せてもらいながら学ぶことができました。

WWD :なぜインドへ行こうと思ったのですか?

福代 :今私が着ているTシャツは、私たちが企画した「やさしいTシャツ」というオーガニックコットンのTシャツです。この企画は、私と同じようにサステナビリティに関心を持つ学生たちが集まり、「普段売られている服がどのように作られているのか分からない。だったら、自分たちで作ってみよう!」という思いから始めました。けれど、ちょうどコロナ禍だったため、Tシャツの生産地であるインドに行くことができませんでした。オンラインでは工場と繋がっていたものの、やはり 現場を直接見てみたい、作ってくれた人たちに会いたい という気持ちが強くなり、今回の渡航を決意しました。

WWD :実際に現地を訪れて、どのようなことが見えましたか?

福代 :一つは「オーガニックコットンを選んで本当に良かった」という実感です。

現地の農家の方々に話を伺うと、以前は 農薬を使用した栽培を行っており、それによって健康被害が多発していたそうです。例えば、子どもたちががんを発症したり、亡くなったりするケースがあり、また農家の方々自身も視力障害や手足の痙攣などの深刻な影響を受けていたそうです。

しかし、化学農薬を使わないオーガニック栽培に切り替えたことで、こうした健康被害がなくなったと聞きました。実際にその話をしてくれた方々と直接対話したことで、自分の選択が遠い国の誰かの暮らしを少しでも良くしているかもしれない、と感動しましたね。

WWD :まさにサステナブルな選択の重要性を実感されたのではないでしょうか。

福代 :はい、オーガニックコットンの良さを実感すると同時に、普段私たちが購入する服がどこで、どのように作られているのかについて、消費者にはまだ見えにくい部分が多いとも感じました。

今回、最先端のサステナブルな取り組みを行っている工場も訪れましたが、こうした取り組みを行う工場で作られた服がもっと増えて、消費者が簡単にその背景を知ることができるようになればいいなと思いました。企業が積極的に情報を開示し、消費者も知ろうとする姿勢が大切だと改めて感じました。

WWD:貴重な経験ですね。実際に 現場を自分の目で見るということは非常に大切です。では、ここから本日のメインパートに移り福代さんから渡辺さんへ質問をしてもらいます。

「環境や人権への取り組みはどれくらい本気ですか?」

福代 :最初の質問ですが、御社のホームページを拝見した際、最初に目に入ったのが「人と自然の可能性を広げる」というメッセージでした。環境や人権を大切にされていることが強く伝わってきましたが、実際のところ渡辺さんご自身は、どのくらい本気で取り組まれているのかをお聞きしたいです。また、企業のビジョンとしてこの考えを中心に据えようと思った具体的なきっかけや思いがあれば、教えてください。

渡辺 :本気度については「かなり本気」です。社内では「パタゴニアくらいはやろう」と言っています。それくらいの覚悟でゴールドウインを日本におけるサステナブルな企業のリーダーとして確立したいと考えています。

実際に、私自身は1990年代から少しずつサステナブルな取り組みを始めてきました。ただ、会社として本格的に動き出したのは比較的最近です。それでも、この思いをしっかりと持ち続け、企業のビジョンの中心に据えるべきだと考えています。

その理由として、私たちの事業は スポーツやアウトドアに深く関わっています。私は米国のヨセミテ国立公園が大好きで、これまで何十回も訪れています。今年も6月に、役員の何人かを連れて一緒に訪問しました。

こうした かけがえのない自然を守ることは、人間の使命だと強く感じています。そもそも地球がなければビジネスは成り立たないわけです。アウトドアスポーツにせよ、その他のスポーツにせよ、環境が整っていなければ成り立たない。

私たちの仕事はある意味「遊びの延長」です。しかし「遊びこそが人間らしさを育み、多くの人とのつながりを生むもの」だと考えています。だからこそ、単に「地球環境を守る」だけではなく、再生(リジェネラティブ) していくことこそが、私たちの存在意義であり企業のビジョンとして掲げるべきものだと考えています。

WWD :「守る」から「再生する」へ。これは本気も本気 という答えですね。

そもそも、なぜ企業にとって事業成長が必要なのか?

福代 :2つ目の質問です。そもそも、なぜ企業にとって事業成長が必要なのでしょうか?環境保全と事業成長を両立させるには、どのような方法があると思いますか?

渡辺:よく聞かれる質問です。私が事業成長が必要だと考える理由は、「地球を再生していくため」です。私たちが本質的に必要とする環境を、自分たちの手で作り上げていくことができれば、もっと人間は地球に貢献できるはずです。つまり、私たちの産業や事業を通じて、環境問題を解決することが、事業成長の目的であるべきだと考えています。そのため単なる「経済的な成長」ではなく、「人間としての成長」とは何かを考えながら事業を発展させることが、本当の意味で持続可能な成長を生み出すのではないかと思います。私自身も、そのような考えのもとで仕事に取り組んでいきたいと考えています。

福代 :ゴールドウインさんは 2050年までに、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成と廃棄ゼロを掲げていますよね。これは非常に難しい挑戦だと思いますが、それを達成するために最も必要な変化は何だと考えますか? 最大の課題について教えてください。

渡辺 :カーボンニュートラルを実現するためには、スコープ3の削減を徹底することが重要だと考えています。現在、私たちのCO2排出量は、スコープ1から3を合わせて約26万トンありますが、その99%がスコープ3によるものです。つまり、直接の排出ではなく サプライチェーン全体での排出が圧倒的に多いのです。そのため最も重要なのは、サプライチェーン全体で環境への配慮を共有し、協力し合う仕組みを作ることだと考えています。

まずは「自分たちは何のために事業をしているのか?」を明確にし、「どのような変化がプラスになるのか?」をしっかり示すことが必要です。さらに、具体的なアクションとプロセスをどのように変えていくのかを明確にし、発信していくことも大切だと思います。確かに大きな課題ではありますが、誰かが始めなければ変革の第一歩は生まれません。私たちは、そうした一つひとつの取り組みを、責任を持って進めていきたいと考えています。

WWD :今のお話の内容は、ゴールドウインの統合報告書にも具体的な数値として記載されています。後ほど、裏付けとなるデータもご覧いただければと思います。そしてこの質問は、ここにいる全員が 「19歳から投げかけられている問い」だと受け止めるべきものですね。

福代 :服は、大量生産・大量消費の象徴的な存在だと思います。現在もその考え方は根強く残っており、先ほど話に出た環境と事業成長の両立についても、大量生産・大量消費のままでは難しいのではないかと感じています。そこで、ゴールドウインとしてどのようにこの考え方を変えていこうとしているのかをお聞きしたいです。

渡辺 :そうですね。実は、ゴールドウインには以前から 大量生産・大量消費という考え方はあまりありません。もちろん、ブランドの人気が高まると売り上げが伸び、それに伴い生産量も増えるという側面はあります。しかし、私たちはそうした背景の中でも製品を長く使い続けてもらう仕組みを重視してきました。

例えば、1992年頃から リペアサービスを本格的に導入しています。GORE-TEX製品のような高額なウェアは、アウトドア環境で使用すると傷んだり破れたりすることがあります。しかし、それを修理できなければ、すぐに廃棄されてしまう可能性がありますよね。そこで、工場内に専用のリペアチームを設け、現在では年間約2万4000点の製品を修理し、お客様にお返ししています。

また、最近では子ども服のリサイクルにも取り組んでいます。子ども服は成長とともにすぐにサイズアウトしてしまいます。そこで、不要になった服を店舗で回収し、新しいデザインにアップサイクルして再び販売する取り組みを行っています。単に洗浄して再販するのではなく、新たなデザインを加えることでより魅力的なアイテムとして生まれ変わらせることを大切にしています。

さらに、私たちは「ワンフォーワンシステム」 という特別なものづくりの仕組みも導入しています。これは、人気のある商品についてお客様自身がオリジナルのデザインを作れるサービスです。特定の店舗では、お客様の体のサイズを測定し、カラーやファスナーの種類、その他の細かいパーツまで自由にカスタマイズできるようになっています。このサービスを利用することで、既製品ではなく自分のライフスタイルに合った一着を作ることができ、長く愛用してもらえるのです。この仕組みは、大量生産とは異なるアプローチです。

「自分の人生の中で、どんな服をどのように使いたいのか?」そんなことを考えながら、お客様とともにゴールドウインや「ザ・ノース・フェイス」の製品を作り上げていくサービスとして展開しています。こうした取り組みを通じて、単に新しい服を作って売るだけがビジネスではない という考え方を広めていきたいと考えています。

WWD :「新しい服を作って売るだけのビジネス」からの脱却ですね。

渡辺 :そうですね。服というものは 単なる衣類ではなく、そこに込められた想いや、人と人とのつながり、愛を大切にするものだと考えています。それが循環し、次の誰かへと受け継がれていくこと。それこそが、本当に重要なのではないでしょうか。

1枚の服を見たときに、何を想像する?

福代 :抽象的な質問かもしれませんが、1枚の服を見たときに渡辺さんは何を想像しますか?

WWD :質問の背景とは?福代さんご自身は、1枚の服を見たときに何を想像しますか?

福代 :私は服の生産背景に強い関心を持っています。自分が着る服が児童労働や環境破壊の上に成り立っているのは、とても嫌です。そのため、1枚の服を見たときに「この服はどこで作られたのか?」「作った人は幸せだろうか?」「生産された土地の環境は守られているのか?」といったことを想像しながら、慎重に選ぶようにしています。

渡辺 :この写真は、1989年から1990年にかけて、220日間で6,040kmを犬ぞりで南極大陸を横断し探検隊のユニフォームです。デザインを手がけたのは、当時 「ザ・ノース・フェイス」に在籍していた マーク・エリクソンというデザイナーでした。この南極大陸横断隊には、アメリカ・ロシア・中国・フランス・イギリス・日本の6カ国が参加していました。つまり、資本主義の国も共産主義の国も関係なく、世界の枠を超えて協力し合ったプロジェクトだったんです。

では、なぜこの6カ国が南極大陸を横断したのか?その目的は、南極条約を改めて批准してもらうためのアクションでした。南極条約では「南極はどの国の領土でもない」「科学技術や教育の分野で国際協力を進める」といった原則が定められています。現在、この条約には50カ国以上が批准しており、世界平和のための重要な合意のひとつとなっています。当時、資本主義・共産主義の国々が対立する中で、この遠征は「世界平和のために協力する」という強いメッセージを発信するものでした。

この服は、単なる防寒着ではなく、世界平和を象徴するユニフォームなのです。私は、ものづくりにおいて「目的」や「価値」を持たせることが重要だと考えています。最新のテクノロジーと優れたデザインからこのユニフォームに支えられたこの挑戦は、結果として 今も南極条約が守られ続けていることに繋がっています。1枚の服が与えるインパクトは計り知れません。そして、この服を見るたびに、私は「未来のために、平和利用のために服があるのだ」ということ思いますね。

福代 :たくさんの服を開発されている中でも、1枚の服に込められたストーリーや熱量が伝わってきました。ものづくりに対する 「大切にしたい」という強い思いを感じます

考えを大きく変えたアウトドアアクティビティとは?

福代:私もスポーツやアウトドアアクティビティが好きなのですが、渡辺さんもアウトドアが好きですよね。これまでの経験の中で、アウトドアアクティビティが ご自身の考えを大きく変えた出来事 があれば、教えてください。

渡辺 :私はアウトドアスポーツが好きで、この会社に入ってからも続けています。今は毎年北海道でフライフィッシングを楽しんでいます。もう30年以上通い続けている場所ですね。30年前は、あるシーズンに行くと1投すれば必ず1匹釣れるほど魚が豊富でした。ところがここ2〜3年は、まったく釣れなくなっているんです。これは、水温や気温の変化による影響が大きいのではないかと感じています。実際、魚の数が減っているように思います。

釣りを通じて、川や海など自然環境の変化を肌で感じるようになりました。最近は、南の島のサンゴ礁エリアでもフライフィッシングをしていますが、白化したサンゴ礁では魚が少なくなり、釣るのが難しくなっていることも実感しています。こうした変化は、実際に現地に行き、アクティビティを通じて体験しなければ気づけないことです。私にとってアウトドアアクティビティは「今の環境をどうすれば改善できるのか?」を考えるきっかけになっています。

「世界を平和にしたい」。その言葉に打たれた

福代 :最新技術は、まだコストが高いことや、実用化できるか不確実性が高いため、普及には時間がかかると思います。ゴールドウインがスパイバーと服を作ろうと決断した理由は何だったのでしょうか?

渡辺:私は アウトドアスポーツが好きだったこともあり、これまで高機能な製品の開発に携わってきました。しかし、それらの製品はほとんどが化学繊維であり、化石燃料をベースとした素材を使っていたことは否めません。このような素材は、環境に大きな負荷を与えます。簡単に言えば、プラスチックは生分解しないため、長期的に環境に残り続けるという問題があります。そんなとき、私の知人である発酵技術の専門家から「発酵を利用して植物由来の新しい素材を開発している人がいる」と紹介を受けました。そこで実際に会いに行ったのが、スパイバーの代表である関山さんでした。関山さんに初めて会ったとき、彼が最初に言った言葉が「世界を平和にしたい」だったんです。その言葉に私は強く心を打たれました。

彼の話を聞く中で、スパイバーの技術は環境問題の解決だけでなく、貧困問題にもアプローチできる可能性があることを知りました。そのとき「自分がやるべき仕事はこれなんだ」と感じたんです。もちろん、ゴールドウインとしても環境負荷の低い素材を採用する取り組みは以前から進めていました。しかし、それは既存の素材の中で環境に配慮したものを選ぶという方法でした。スパイバーの技術は、それとはまったく異なるアプローチでした。つまり、従来の石油由来素材を完全に置き換える新たな選択肢だったんです。

この新たな選択肢があるのなら、誰かが最初に動かなければならない。正直、決断にはかなりの逡巡がありました。しかし最終的にゴールドウインとして創業以来最大規模の投資を行い、スパイバーとともに取り組むことを決断しました。このプロジェクトを進めることで、石油依存による環境問題を解決する一歩を踏み出せると確信したからです。

WWD :アウトドアの役割の一つは「命を守ること」です。そのために、機能が進化し、技術が発展し、そこに最適なデザインが追求されてきました。しかし、これまでの常識を覆しその根幹をまったく新しい選択肢に置き換えるという発想は、極めて画期的な取り組みだと思います。

「言葉のいらない遊び場。 未来に向けたデザイン

福代 :ゴールドウインさんは服の開発だけでなく、子どもたちの遊び場の創出やキャンプ事業など、さまざまなプロジェクトに取り組まれていますよね。その中で、渡辺さんご自身が特に印象に残っている取り組みは何でしょうか?

渡辺 :そうですね。一番印象に残っているのは、2022年に開催したイベントです。本来であれば、2020年の東京オリンピックに合わせて実施する予定でした。しかし、新型コロナウイルスの影響で無観客開催となり、私たちの計画も延期せざるを得ませんでした。

実はその年、ゴールドウインは創業70周年を迎えていました。そこで、世界中からオリンピックに来る人々に、ゴールドウインという会社を知ってもらうための記念事業を企画しました。当時、若いメンバーたちと話し合う中で「国や言語を超えて、みんなの気持ちが一つになるイベントは何か?」というテーマを考えました。

そこで私が提案したのが、「遊び」をテーマにしたデザインでした。私たちは、地球の五大要素である 水・火・土・空気をモチーフにした遊具を設計し、「地球を遊ぶ」体験を提供する空間を作ろうと考えたのです。言葉が通じなくても、そこに集まった人たちが 助け合いながら楽しめる場所を作ることが目的でした。

残念ながら、このイベントはオリンピック期間中には実施できませんでしたが、2年後の2022年に、六本木と富山で開催することができました。結果として、5万人以上の人々が遊びに訪れてくれました。このプロジェクトの背景には、ゴールドウインが掲げる「2050年にどんな会社でありたいか?」というビジョンがありました。その答えのひとつが「遊び」でした。スポーツの起源は「遊び」です。世界中の人々が「遊び」を通じてつながることができるのではないかという思いを込めて、このイベントを企画しました。

デザインは「社会の仕組み」を変える力を持つ

WWD:スポーツの起源は 遊びなんですね。今回のイベントのテーマのひとつに「デザインの力」があります。ゴールドウインは、単なる製品デザインだけでなく、地域創生や社会とのつながりをデザインするという視点も持っています。つまり、社会そのものをデザインすることも、ゴールドウインのデザインの範疇に含まれているのではないかと思うのですが、渡辺さんは 「デザインの力」についてどうお考えですか?

渡辺 :デザインには大きく二つの方向性があると考えています。一つは、これまでになかった機能や利便性を生み出すためのデザインです。新しい技術や素材を活かし、より快適で便利なものを作るという意味でのデザインですね。しかし、私が特に大切にしているのは「人の意識を変えるためのデザイン」です。これはアパレルやバックパックのデザインだけに限らず、空間デザインにも通じる考え方だと思います。

私はこれまでリテール(店舗)のデザインも手がけてきました。単なるショップの設計ではなく「今までにない空間」を生み出すことで、お客様の意識を変えるデザインを追求してきました。その結果、来店されたお客様の「ザ・ノース・フェイス」に対する考え方やデザインそのものへの価値観に変化が生まれてきたと感じています。

このように、デザインはあらゆる分野で応用できる考え方だと思います。デザインは単に「モノをつくる」ことに留まりません。それどころか、社会の大きな仕組みを変え、世界のシステムそのものを変える力を持っています。私自身、この考え方に大きな影響を受けたのが、ケネス・ハップ・クロップ です。彼のデザイン哲学に触れたことで、私は「デザインの本質とは、より良い社会を作ることだ」という考えを持つようになりました。私たちがデザインを通じてより良い社会を生み出すことができれば、私たちの考えや理念をより多くの人に伝えることができると思っています。これからも、私たちの事業の中でデザインの力を活かし、社会に貢献できる取り組みを進めていきたいと考えています。

WWD:これからゴールドウインとして成し遂げたいことについて教えてください。

渡辺 :ゴールドウインは、これまで 日本国内を中心にビジネスを展開してきました。ある意味「ローカルメジャー」と言える存在かもしれません。しかし、これからは海外市場にも積極的にアプローチしていきたい。特に、今後急速な成長が見込まれるアジア・インド・アフリカ などの地域において、スポーツや遊びを通じて、人々がより楽しく健やかに生きられる環境を提供することを目指しています。

「人と違うことをする」勇気を持つ

福代 :今の学生に向けて伝えておきたいことや、若いうちに知っておいてほしいことがあれば、教えてください。

渡辺 :若い学生の皆さんには、すでに素晴らしいビジョンを持っている方が多いと感じています。今日お話しした福代さんもそうですし、私がこれまで出会った若い世代の方々も、しっかりとした思いを持ち、真剣に考えている人が多い。ですから、特に何かを言う必要はないかもしれませんが、自分のやりたいことにしっかりと向き合い、責任を持って進んでいってほしい と思います。

世の中を変えていくことは、決して簡単なことではありません。しかし、「人と違うことをする」ことこそが、大切 だと思っています。ときには、自分が周りと違うことで 不安を感じたり、違和感を持ったり することもあるかもしれません。でも、その違いこそが、自分の魅力になるのです。だからこそ、「自分は人と違うから嫌だ」と思うのではなく、それを誇りに思って前に進んでいってほしいですね。

福代:お話を伺いながら、将来をとても深く見据えていると感じました。私自身も「こんな未来を作りたい」という思いはありますが、実際どう行動すればいいのか分からないことが多いです。特に、気候変動が進み、将来ご飯が食べられなくなるのではないか など、暗い未来ばかりを考えてしまいがちです。解決策を見つけたいと思っても、どの方向に進めばいいのか分からない ことが多いと感じています。しかし、スパイバーの取り組みや、公園のデザインに関するお話を聞いて、「未来に向けて具体的に行動し、決断し、自らの手で変えていこうとしている」姿勢がとても印象的でした。その姿勢から、強い意志と決断力 が伝わってきて、とてもかっこいいと感じましたし、私自身も 何か行動を起こしたいです。

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「マリメッコ」からアジア限定カラーのバッグ2種が発売 日常を彩る春らしい色調

「マリメッコ(MARIMEKKO)」は、アジア限定カラーの“ウニッコ(Unikko)”をあしらったバッグ“ランチバッグ(Lunchbag)”、“ヴァンッカ(Vankka)”を2月14日から順次発売する。

限定カラーの“ウニッコ”をあしらった2種

“ランチバッグ”(2万2000円)は、十分なマチ幅でランチボックスや小物などを入れやすいコンパクトなバッグ。今回は、アジア限定カラーとしてライトブルー、クリームイエロー、タンジェリンオレンジの3色が仲間入りする。

“ヴァンッカ”(1万3200円)は、大ぶりなサイズ感で折りたたんで持ち運ぶこともできる日常使いに便利なトートバッグ。こちらはサンドベージュとタンジェリンオレンジの配色で展開する。

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【スナップ】少女時代ユナやジェフ・サターらが来場 「ヴァレンティノ」2025年春夏オートクチュール・コレクション

「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、2025年春夏オートクチュール・コレクション“ヴェルティジニュー(VERITIGINEUX)”をフランス・パリのパリ旧証券取引所で発表した。

会場には、メゾンのアンバサダーを務める少女時代のユナ(Yoon Ah)や歌手のジェフ・サター(Jeff Satur)やエルトン・ジョン(Elton John)をはじめ、コールマン・ドミンゴ(Colman Domingo)、カーラ・ブルーニ(Carla Bruni)、エルザ・ホスク(Elsa Hosk)ら数々のセレブリティーが来場しコレクションを楽しんだ。

来場者スナップ

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【スナップ】少女時代ユナやジェフ・サターらが来場 「ヴァレンティノ」2025年春夏オートクチュール・コレクション

「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、2025年春夏オートクチュール・コレクション“ヴェルティジニュー(VERITIGINEUX)”をフランス・パリのパリ旧証券取引所で発表した。

会場には、メゾンのアンバサダーを務める少女時代のユナ(Yoon Ah)や歌手のジェフ・サター(Jeff Satur)やエルトン・ジョン(Elton John)をはじめ、コールマン・ドミンゴ(Colman Domingo)、カーラ・ブルーニ(Carla Bruni)、エルザ・ホスク(Elsa Hosk)ら数々のセレブリティーが来場しコレクションを楽しんだ。

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人気スタイリストの山本マナと「イエナ」によるデニムコレクション発売 デニムオールインなど

ファッションブランド「イエナ(IENA)」は、スタイリストの山本マナとコラボレーションしたデニムコレクションを2月13日に「イエナ」全店舗と公式オンラインで発売する。公式サイトでは1月30日から予約受付をスタートした。

今回のコラボでは、スカーフ付きのデニムオールインワン(4万1800円)、デニムハット(1万6500円)、ブラウス(1万4300円)の全3型を展開する。ビジュアルには俳優の西田尚美、モデルで俳優の太田莉菜、同じくモデルで俳優の中野有紗の3人を起用した。

スカーフ付きオールインワン

デニムオールインワンは「アッパーハイツ(upper hights)」との共作で、これ一着でスタイルが完成する。山本自身も「好き」と公言するアイテムで、ウエスト位置を少し上にすることで全体がすっきりとなるよう工夫するなど、シルエットとバランスにこだわりが詰まっている。サイズは36と38を展開する。

デニムハット

「スーツのセットアップのように」オールインワンと一緒に楽しんでもらえるようにと考えられたデニムハット。デザインは「キジマ タカユキ(KIJIMA TAKAYUKI)」が協力し、ヘム部分はワイヤー入りの仕様に。デニム生地はオールインワンと同じく「アッパーハイツ」のものを使用した。

ブラウス

ブラウスはオールインワンとレイヤードできるように制作された一枚。形はロングTシャツのようにシンプルながら、布帛生地をしようしているためカジュアルすぎずキレイに着用いただけるように考えられている。一枚でも着やすい丈の長さと身幅の広さもこだわったポイント。サイズは36と38を展開する。

LOOK

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「エイチ・カツカワ」が「Bコープ」認証取得 靴製造・協業・修理・アートピース製作活動の先に見据える靴の未来

PROFILE: 勝川永一/エイチ・カツカワ代表取締役

勝川永一/エイチ・カツカワ代表取締役
PROFILE: 東京・渋谷生まれ。大学卒業後、国内の靴メーカー勤務を経て渡英。英国ノーザンプトンのトレシャム・インスティテュート フットウェアコースで靴のデザインと製作を学ぶ。卒業後「ポールハーデン」でインターン経験を積む。2004年帰国。靴修理職人として働きながら靴のデザインと製作を継続。07年春夏シーズンに独自の皮革にこだわったシューズコレクションを発表し、大手セレクトショップで取り扱われる。10年東京目黒区に靴の修理店「THE SHOE OF LIFE」を開店。同年新宿伊勢丹メンズ館シューズラボ、12年レクレルールとドーバーストリートマーケットギンザでの販売が始まる。16年2月にノーザンプトン博物館&美術館の美術館コレクションに収蔵される。20年3月国家資格クリーニング師資格取得

シューズブランド「エイチ・カツカワ(H.KATSUKAWA)」を手掛けるエイチ・カツカワがこのほど「Bコープ」認証を取得した。総合スコアは97.8点で内訳はガバナンス8.7、従業員29.3、コミュニティ24.2、環境31.3、顧客4。2006年に創業し、パリのレクレルール(L’Eclaireur)やドーバーストリートマーケットギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)といった有力店に並び、16年にはノーザンプトン博物館&美術館(Northampton Museum and Art Gallery)にコンセプチュアルシューズ作品「Return to the Soil」が美術館コレクションに収蔵されるなど、品質とデザイン、そしてコンセプトが評価されてきた。「ポーター(PORTER)」や「フレッドペリー(FRED PERRY)」などこれまでさまざまなブランドとコラボレーションを行っている。10年には靴の修理店「THE SHOE OF LIFE」を目黒に開き、これまで約6万足を修理。また、東京を中心に街のコインランドリーでもスニーカークリーニングができるように技術指導や協力を行うなど活動の幅広さが目を引く。勝川永一代表取締役が目指すこととは。

「愛し、使い続けていただける靴」を目指して

多岐にわたる活動の目的は一つだった。「『愛し、使い続けていただける靴』を愚直に、実現するための活動を続けてきた」。

一般的なデザイナーが目指すブランドビジネスといえば、有力店に卸し有力ブランドとコラボレーションしながら、毎シーズン新作を発表して生産量を増やし、直営店を開けることだろう。しかし、勝川代表取締役は実践しない。2020年以降、「エイチ・カツカワ」の新作を生産していない。「自社が実現したい製品の品質やデザインに研究開発に専念している。具体的には再生素材や循環システムの開発、動物福祉へのアプローチなどで、そのプロセスでサンプリングした製品見本を年に1回発表してはいるが、生産の条件が整わず結果的に生産に至っていない」。現在は修理店の運営と他社との協業のみを行っている。「もちろん経済的利益を出すことを前提にしているし、例えば開発中のリサイクルゴムを用いたソールが一般的なものよりも環境負荷を低減できれば、拡大したいと考えている。現状はそこに達していないので生産しない。経済性とサステナビリティを両立した完全な製品を生産することは現時点では難しく、それを追求すると矛盾をはらむとも感じている」。

勝川代表取締役は渋谷界隈で育ち、ファッションが好きでセレクトショップや古着屋に通っていた。「古着に興味を持ち、生産方法が合理化したことでスペックが変わっていることが面白かった。僕は合理化される前のプロダクトが好きだったが、ファッション産業のスピードは加速する一方。大量生産・大量消費・大量廃棄のビジネスモデルは理解できても違和感をぬぐえなかった」。そんなことを感じながら渡英しノーザンプトンで靴作りを学び、その後「ポールハーデン(PAUL HARNDEN)」で経験を積んだ。帰国後の2年間は靴修理店で働いた。「靴修理を行うことで合理化された時間軸が見えてきた。1970年代以前に天然由来の原材料で作られた靴やその製法に準じているものは長持ちする。80年代に入ると部分的にプラスチックが使われ、プラスチックが割れると使えなくなる。スニーカーの耐久年数は短く、消耗するからビジネスが回るとは理解しているが、僕はデザイン性があり修理しながら長く使うことができる品質の靴をブランドとして提案したいと考えた」。

通常は皮革に使われない皮の活用を始めたのも「エイチ・カツカワ」だった。「最も体に近い部位を皮革としてなめしている。不均一な表情は、機械やコンピュータなどとは大きく違い、それぞれが個性を持っていて美しいと感じた」。捨てられる部位は問屋にも並ばない。取り扱う企業を探し、スエードをなめすことができる職人と開発に着手し、06年に完成したレザーを「ニベレザー」と名付けた。

「Bコープ」認証取得で活動の意義を明文化

エイチ・カツカワは勝川代表取締役の他に正社員が1人とアルバイトが1人と事業規模は小さい。なぜ「Bコープ」を目指したのか。「切迫感があった。目標は環境・社会問題解決につながる靴のデザインを業界の主流にすること。その未来を切り開くにはいわゆるファッション的なイメージ訴求では伝えきれないことがある。表層的に同じようなことに取り組むブランドもある中で、結局はイメージの訴求合戦になる。靴修理で靴を長持ちさせることや捨てられる部位を皮革に昇華した『ニベレザー』などこれまで取り組んできたことを明文化したいと思った」。難易度の高い「Bコープ」取得に向けて伴走したのは「シーエフシーエル(CFCL)」や足立区でハンドバッグの製造や精密裁断加工を行うエヌ・ケーの「Bコープ」取得をサポートした岡田康介シソンズ社長だ。

評価されたポイントは「著名なブランド含め多くのブランドがスニーカーの修理を積極的に受け入れない、あるいはサービスとして全く受け付けていない中で、『原則として、いかなる修理依頼も積極的に受ける』ことをポリシーに業界に先駆けてスニーカーの修理やクリーニングを実践したこと。また、他ブランドへの技術教育も請け負ってきたことで、業界内にインパクトをもたらしたこと。加えて、東京を中心に街のコインランドリーでもスニーカークリーニングができるよう、技術指導や協力を行い、広めた実績。修理店が病院に近いこともあり、足の不自由な方への靴修理や調整サービスを積極的に行い、格差社会の是正に取り組んできた実績が評価された」。

一方、難易度が高かったこともあった。「靴修理が環境負荷低減に寄与していることを実証するのが難しかった。例えば素材。修理にはできる限り端材を使っているがエビデンスとして実証できない。第三者認証を得ているリサイクル素材であれば証明は簡単だが、そもそも日本国内に修理材にリサイクル材がない。業界全体との取り組みにより改善していく必要があると感じた。捨てられる部位を有効活用している『ニベレザー』に関しても皮革のサプライチェーンが複雑なため、動物福祉に関しても証明ができない。自社の調達により動物福祉慣行が広がったなどのインパクトを実証するに至っていないため、今後の更なる取り組みが必要だと感じた。動物福祉を当たり前にした上での動物皮革の利用と生物多様性が保全される社会を実現したい」。

今後は「現代の『靴の在り方』を進化させ、持続可能性をさらに強化した製品開発やサービス拡充を進める。当社が事業に必要だと考える主要な要素は企画、生産、ガバナンス、PR、財務。自社の不足するリソースはビジョンをともにできる企業と協業して、社会に資する事業として成長させたい。地域社会やグローバルなコミュニティとの連携を深め、循環型経済をリードする企業として多くの方々に持続可能な選択肢を提供し、業界全体の進化を支える存在であり続けたい」と意欲的だ。

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【スナップ】二階堂ふみやBLACKPINKジェニーらが来場 「シャネル」2025年春夏オートクチュール・コレクション

「シャネル(CHANEL)」は1月28日(パリ現地時間)、グラン パレで2025年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。巨大な2つのCでインフィニティのシンボルを描いたランウエイに登場したのは、朝から夜へという1日のサイクルを繊細なカラーパレットで表現した全55ルック。パステルカラーから鮮やかな色合いに、そしてミッドナイトブルーから黒へと変化する様は、女性の変化に富んだ1日とリンクしている。

会場にはメゾンのアンバサダーを務める二階堂ふみやBLACKPINKのジェニー(JENNIE)、リリー=ローズ・デップ(Lily-Rose Depp)をはじめ、デュア・リパ(Dua Lipa)やカイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)ら豪華セレブリティが来場しショーを楽しんだ。

二階堂ふみ

2025年春夏プレタポルテ・コレクションから、エクリュとブラックのファンタジーツイードジャケットと同素材のスカートを選択。アクセサリー、バッグ、シューズでコーディネートを完成させた。

ジェニー

2025年春夏プレタポルテ・コレクションから、ライトブルーのコットントップスにフェザーをあしらったライトブルーのシルクモスリンのケープと、2024-25年メティエダール・コレクションからブラックのウールパンツをセレクト。手元には、18Kホワイトゴールドの“ココ クラッシュ”リングを重ね付けした。

デュア・リパ

2024-25年秋冬オートクチュール・コレクションのベルベットのリボンが印象的なプリーツのロングケープと、ブレード刺しゅうを施したブラックジャージーのボディースーツに、2025年春夏プレタポルテ・コレクションのブラックのシルクオーガンザスカートを合わせた登場した。

リリー=ローズ・デップ

2024-25年秋冬オートクチュール・コレクションから、フェザーをあしらったブラック、ホワイト、ピンクのツイードフィットジャケットと、カボションを全体に刺しゅうしたスカートをセレクト。ジュエリーは、18Kホワイトゴールドの“ココ クラッシュ”リングを着用した。

カイリー・ジェンナー

2024-25年メティエダール・コレクションからエクリュ、ブラック、ブルー、レッドのパール入りツイードジャケットと同色のスカートを着用した。

来場者スナップ

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YKKが東京にR&D拠点開設、AIやロボット分野の研究機関やスタートアップと連携

YKKは2月3日、R&D(研究開発)センターの東京オフィスを東京・三田(住所:港区三田3-5-27 住友不動産東京三田サウスタワー19階)に開設する。YKKは世界70カ国・地域に拠点があるが、富山県黒部の本社にあるR&Dセンターを「技術の総本山」として位置づけている。さらなる技術開発力の強化と技術人材の確保などを目的に首都圏に拠点を構えることで、専門技術を有する大学や研究所、スタートアップと連携する。東京オフィスの床面積は約400㎡でオフィス機能に加え、最先端の機器などを設置した実験室も備える。

ターゲットとするのはデジタル技術分野で、具体的にはロボティクス、シミュレーション、スマートファクトリーの専門技術機関とコラボレーションする環境を整える。テーマごとに社外の技術者とネットワークを形成し、より高度なレベルで技術を展開する狙い。当初は5人が常駐し、3年後には30人まで増やす。実験室に設置する機器は「詳細はあかせないが、AIによる画像解析機能を備えたロボットなどを設置する」(YKK広報)という。

YKKは主にファスナーとサッシ/窓事業を展開しているがR&Dセンターはこの2つの事業にまたがる。ファスナー事業では、ファスナーの製造装置から自社で開発・生産、世界の自社ファスナー工場に供給し、ファスナーを生産していることが、同社のファスナー事業の強みの源泉になっている。東京のR&Dオフィスでは28年度までに数テーマを事業分野に落とし込む。

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【スナップ】「サカイ」人たちのいるところ ショー会場周辺も強力コラボ続々

「サカイ(SACAI)」は、2025-26年秋冬メンズ・コレクションと25年プレ・フォール・コレクションをパリで現地時間1月26日に発表した。ショー会場のパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)には、同ブランドが生み出してきた数々のコラボアイテムをまとったゲストが来場。最も着用率が高かったのは、「カーハートWIP(CARHARTT WIP)」との協業による、ワークウエアをベースにしたアウターだ。阿部デザイナーと親交のあるファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズ・クリエイティブ・ディレクターは、今季のランウエイに登場した、バーンジャケットとダウンジャケットをドッキングした「カーハートWIP」とのコラボアイテムをまとって来場した。シューズにおいては、「ナイキ(NIKE)」とのコラボスニーカーに加え、仏シューズブランド「ジェイエムウエストン(J.M. WESTON)」とのコラボレーションによる、ゴルフダービーとワーカーブーツも多く見られた。

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「サカイ(SACAI)」は、2025-26年秋冬メンズ・コレクションと25年プレ・フォール・コレクションをパリで現地時間1月26日に発表した。ショー会場のパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)には、同ブランドが生み出してきた数々のコラボアイテムをまとったゲストが来場。最も着用率が高かったのは、「カーハートWIP(CARHARTT WIP)」との協業による、ワークウエアをベースにしたアウターだ。阿部デザイナーと親交のあるファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズ・クリエイティブ・ディレクターは、今季のランウエイに登場した、バーンジャケットとダウンジャケットをドッキングした「カーハートWIP」とのコラボアイテムをまとって来場した。シューズにおいては、「ナイキ(NIKE)」とのコラボスニーカーに加え、仏シューズブランド「ジェイエムウエストン(J.M. WESTON)」とのコラボレーションによる、ゴルフダービーとワーカーブーツも多く見られた。

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「N.ハリウッド」と「チャンピオン」のコラボコレクション“ニューウィーブ”の第7弾が登場 2回に分けてデリバリー

「N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)」は、「チャンピオン(CHAMPION)」とコラボレーションしたカプセルコレクション“ニューウィーブ(NEW WEAVE)”の第7弾を発表した。全9型のうち4型を2月7日から販売し、残りの5型は4月25日に発売予定だ。両ブランドの公式オンラインストアをはじめ、「N.ハリウッド」の直営店やミスター ハリウッド(MISTER HOLLYWOOD)の東京店と大阪店、チャンピオン ブランドハウス(CHAMPION BRANDHOUSE)の渋谷店と大阪店などで取り扱う。

2月7日のファーストデリバリーは、1980~1990年代の「チャンピオン」のアイテムをサンプリングし、“ニューウィーブ”の独自の立体裁断パターンで制作したスエット素材のフーディーとハーフジップシャツ、クルーネック、トラックパンツの4型を用意する。一方、4月25日に発売予定のセカンドデリバリーは、アスレチックウエアにフォーカスした天竺素材のロングスリーブTシャツとポロシャツ、ヘンリートップ、Tシャツ、トラックパンツの5型をラインアップ。どれもボクシーなシルエットにこだわり、共同開発したオリジナルの裏起毛素材を採用しているほか、「チャンピオン」のアイコニックな“Cロゴワッペン”とブランドのスクリプトロゴをあしらい、タグがサンプリング元の年代に使用されていた通称“青刺しゅうタグ”をベースとした専用デザインとなっている。

価格は、ファーストデリバリーのフーディーが3万3000円、ハーフジップシャツが2万9700円、クルーネックが2万7500円、トラックパンツが2万7500円。セカンドデリバリーのロングスリーブTシャツが1万9800円、ポロシャツが1万7600円、ヘンリートップが1万7600円、Tシャツが1万6500円、トラックパンツが1万8700円だ。

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「N.ハリウッド」と「チャンピオン」のコラボコレクション“ニューウィーブ”の第7弾が登場 2回に分けてデリバリー

「N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)」は、「チャンピオン(CHAMPION)」とコラボレーションしたカプセルコレクション“ニューウィーブ(NEW WEAVE)”の第7弾を発表した。全9型のうち4型を2月7日から販売し、残りの5型は4月25日に発売予定だ。両ブランドの公式オンラインストアをはじめ、「N.ハリウッド」の直営店やミスター ハリウッド(MISTER HOLLYWOOD)の東京店と大阪店、チャンピオン ブランドハウス(CHAMPION BRANDHOUSE)の渋谷店と大阪店などで取り扱う。

2月7日のファーストデリバリーは、1980~1990年代の「チャンピオン」のアイテムをサンプリングし、“ニューウィーブ”の独自の立体裁断パターンで制作したスエット素材のフーディーとハーフジップシャツ、クルーネック、トラックパンツの4型を用意する。一方、4月25日に発売予定のセカンドデリバリーは、アスレチックウエアにフォーカスした天竺素材のロングスリーブTシャツとポロシャツ、ヘンリートップ、Tシャツ、トラックパンツの5型をラインアップ。どれもボクシーなシルエットにこだわり、共同開発したオリジナルの裏起毛素材を採用しているほか、「チャンピオン」のアイコニックな“Cロゴワッペン”とブランドのスクリプトロゴをあしらい、タグがサンプリング元の年代に使用されていた通称“青刺しゅうタグ”をベースとした専用デザインとなっている。

価格は、ファーストデリバリーのフーディーが3万3000円、ハーフジップシャツが2万9700円、クルーネックが2万7500円、トラックパンツが2万7500円。セカンドデリバリーのロングスリーブTシャツが1万9800円、ポロシャツが1万7600円、ヘンリートップが1万7600円、Tシャツが1万6500円、トラックパンツが1万8700円だ。

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ミケーレ初の「ヴァレンティノ」クチュール 「気が遠くなる」ドレスを「目もくらむ」手法で発表

アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)が「ヴァレンティノ(VALENTINO)」で、自身初となるオートクチュール・コレクションを発表した。大方の予想通り、彼らしい古典的なドレスを連打したが、やはりミケーレはクリエイションに至るまでの文脈さえコレクションとランウエイショーで表現し、共感を誘うのが抜群に巧い。数年前には市場からやや飽きられ、結果「グッチ(GUCCI)」とは袂を別ったミケーレのオートクチュールは、時代が再び装飾主義の彼に寄り添おうとしている中、「ヴァレンティノ」という「グッチ」以上に親和性の高いブランドに出合ってさらなる成長を見せた結果、今シーズン最大の拍手喝采を浴びた。

コレクションのテーマは「vertigineux(ヴェルティジヌー)」、フランス語で「目もくらむような」という意味だ。その名の通りコレクションの大半は、コンパクトなトップスと対比するバッスルを内蔵した巨大なスカートさえ、余白を許さないほどに色や柄、意匠性の高い生地、フリルやラッフル、パフなどのディテール、そして装飾を加えて「目もくらむ」ほど絢爛豪華。だがミケーレは、「ヴェルティジヌー」に別の意味も込めたという。

それは、「気が遠くなるような」という意味。今回ミケーレはクリエイションに際して、それぞれのスタイルを端的に表現する言葉を綴り、リストにしている。例えばファーストルックなら、「1300時間の手仕事」「女性」「バスケット(編み)」「HC SS 92 M196(実際ファーストルックのオリジンは、1992年春夏のオートクチュール・コレクションにある)」「揺れ動く」「パントンの048番 レッドハート」「ボリューム」「コンメディア・デッラルテ(16世紀のイタリアで誕生した仮面を使用する即興演劇)」「グラフィズム」「パントンの341番 スカイ」「中世」「アンデスイワドリ」「エコ」「パントンの045番 セージ」「ドラマツルギー(人々がその場にふさわしい役割を演じることでコミュニケーションや社会は成立しているという考え方)」「ビトルビウス(古代ローマの建築家)」「ビスチェ」「ビゲツノザメ」「パントンの014番 ピーチピンク」「16世紀」「プレイフル」「ダイヤモンド」「1014」「スペース」「(創業デザイナーの)ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)」「シャツ」「中世の魅力」「ルーシュ(ギャザーの一種)」「176」「ドレス」「人気」「プラスチック」「パントンの317番 ピンク」「戦略」「ハーレークイン」「格子柄」「四角形」「ホースヘア」「チェッカーボード」「3つ星」「620D」「技術」「パントンの764番 赤」「クレープデシン」「1803w」「0403.1602.140」「1178」「黒」「繊細な装飾」「体」「色」「モザイク」「ベース」「袖」「メソポタミア」「シフォン」「ドレープ」「デザイン」「編み込み」「24235」「クリノリン」「モダニズム」「アンダースカート」「骨組み」「フランチェスコ・アンドレイニ(Francesco ANdreini. イタリアで16世紀に活躍した俳優)」「アイボリー」「マラ 30(ミシン糸の一種)」「1cm」「ポセドニア(植物の一属)」「スカート」「チュール」「アイロン」「変形・変更」「俳優」「1580」「パンサーカメレオン」といった具合。

それぞれのルックを説明する言葉は、リストにするとA4の紙1枚を超える。そしていずれのルックも最後のリストは、「エトセトラ」。つまり、このルックを語り尽くすには、上述の言葉だけではまだまだ足りないという思いを込めた。全48ルックを説明するリストは、ちょっとした教科書のような厚さだ。今シーズン、ミケーレはこのリストを「聖書のように携帯し続けた」と振り返る。

ショーが終わった後の会見でミケーレは、「オートクチュールとは、どれだけやっても終わることのない、尽きることのないクリエイション。それぞれのスタイルを表す言葉は、列挙してもキリがない。そして、表現しつくせないからこそ特別だし、だからこそクチュールには無限の可能性がある」と語った。

サイネージに流れる言葉の数々
ミケーレは洋服の「代弁者」

そんなクリエイションを発表したのは、背面に巨大なサイネージを置いた空間だった。サイネージの下部には上述した言葉が絶え間なく流れ続ける。ミケーレは、「いくら紡いだって、いくら列挙したって、リスト化した言葉は、高速道路の看板に描かれた文字のようなものかもしれない。高速道路ではスピードをあげるから、私は看板の文字が読みきれない。同じようにスピードアップした社会を生きる人々は、時には昔ながらのスローなペースで、それぞれのクチュールピースに込めていく私たちの思いの全てを読み取ってくれないだろう。でも、ドレスは自ら語ることができない。だったら私は、些細でも、我々がドレスに込めた思い、そのドレスの原型が生まれてから今日に至るまでの歴史、そして未来に継承するため盛り込んだ新しいテクニックなどをリスト化して、発信すべきでは?と考えた」という。ミケーレは言葉をリスト化することで、洋服の、クチュリエの、そして「ヴァレンティノ」というメゾンの、クチュールへの思いを代弁しようと試みた。

そんな「気が遠くなるような」ドレスが勢揃いするフィナーレは、サイネージが激しく明滅し、文字通り「目もくらむよう」だった。クチュールという文脈を、「ヴェルティジヌー」という言葉の“ダブル・ミーニング”で表現する。私たちは再び、一見すると変わり映えはしない、でも毎回、そこには深淵な思いを込め、コンセプチュアルな手法でさまざまを問いかけ続ける“ミケーレ劇場”を楽しむ機会を得たのだと思う。

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リポソームビタミンC配合のグミが登場 日中のこまめなビタミンC補給をサポート

おいしさと健康の2つを追求するフードブランド「トゥーフーズ(2FOODS)」は3月17日、リポソームビタミンCを配合したグミ“2Gummy LIPOSOME VC”(50g、486円※編集部調べ)を発売する。日中のこまめなビタミンC補給をサポートし、間食時間を「美容時間」に変える。3月3日に全国のプラザ(PLAZA)とミニプラ(MINIPLA)で先行発売する。「トゥーフーズ」公式ECでは1月22日から先行予約を受け付ける。

“2Gummy LIPOSOME VC”は、1袋で1000mgのビタミンCを取ることができるグミ。ビタミンCは一度に多くの量を摂取しても体内に蓄積できず、体外に排出されるという特性があり、持ち運びやすいグミの形状を採用することでこまめなビタミンC補給をかなえた。グレープ味で、歯切れのよさとゼリーのような弾力感を併せ持った“サクむに”食感が特徴。

リポソームとは

リポソームとは、リン脂質の多重層構造を持つナノサイズの微小なカプセルのこと。体を構成する細胞膜と同じ成分でできているため細胞内に取り込まれやすく、多重構造により肌に有効成分を浸透させられる。医療現場ではその内部に薬剤を封入し、薬物を体内の特定の部位に送り届ける技術(ドラッグデリバリーシステム)の一つとして活用されている。

「トゥーフーズ」とは

「トゥーフーズ」は「欲しいものは、いつも2つある。」を掲げ、おいしさと健康の2つを追求するフードブランド。植物由来食品の持つ素材の魅力に注目し、心も体も満たされる食の選択肢を提案する。銀座に店舗を構え、ハンバーガーやオムライス、ドーナツなどのメニューをビーガン仕様で提供する。

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ぶどうの葉茎を再利用 ポーラのサステナブルプロジェクトから1本3役のヘアクリーム

ポーラのサステナブルプロジェクト「フロムロストゥービューティ(FROM LOSS TO BEAUTY)」は4月1日、シャンプー、トリートメント、ヘッドスパクリームを1本にした“フロムロストゥービューティー ヘッドスパジェラート”(215g、3960円)を発売する。

大人の髪をケアする上質な美習慣を

“フロムロストゥービューティー ヘッドスパジェラート”は、島根県の希少なぶどう“神紅”の未利用資源“副梢”(葉茎)から抽出したシンクエキス配合の、まるでぶどうシャーベットのような新感覚のマルチヘアケア製品。8種類の保湿成分と、アーモンドオイルを内包したカプセル入りの濃密クリームが汚れに密着し、潤いつつもすっきりとした洗いあがりをかなえる。ぶどうミントティーをイメージした香りが、爽やかなシャンプー時間を演出する。

さらに、頭皮と髪をしっかり予洗いしたあと本製品を頭皮に馴染ませ円を描きながらほぐすようにマッサージすることで、自宅で簡単にヘッドスパを楽しめる。

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ぶどうの葉茎を再利用 ポーラのサステナブルプロジェクトから1本3役のヘアクリーム

ポーラのサステナブルプロジェクト「フロムロストゥービューティ(FROM LOSS TO BEAUTY)」は4月1日、シャンプー、トリートメント、ヘッドスパクリームを1本にした“フロムロストゥービューティー ヘッドスパジェラート”(215g、3960円)を発売する。

大人の髪をケアする上質な美習慣を

“フロムロストゥービューティー ヘッドスパジェラート”は、島根県の希少なぶどう“神紅”の未利用資源“副梢”(葉茎)から抽出したシンクエキス配合の、まるでぶどうシャーベットのような新感覚のマルチヘアケア製品。8種類の保湿成分と、アーモンドオイルを内包したカプセル入りの濃密クリームが汚れに密着し、潤いつつもすっきりとした洗いあがりをかなえる。ぶどうミントティーをイメージした香りが、爽やかなシャンプー時間を演出する。

さらに、頭皮と髪をしっかり予洗いしたあと本製品を頭皮に馴染ませ円を描きながらほぐすようにマッサージすることで、自宅で簡単にヘッドスパを楽しめる。

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「ヴァレンティノ」2025年春夏オートクチュール・コレクション

「ヴァレンティノ(VALENTINO)」が2025年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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【資生堂 藤原憲太郎社長 CEO】“本物”が生き残る時代 新たな価値創造に挑む

PROFILE: 藤原憲太郎/社長 CEO

藤原憲太郎/社長 CEO
PROFILE: (ふじわら・けんたろう)1966年12月生まれ岡山県出身。91年に香川大学大学院農学部農芸化学科修了後、資生堂に入社。95年に国際事業本部ヨーロッパ担当、2004年資生堂ヨーロッパ欧州物流センター所長、11年韓国資生堂社長、18年資生堂執行役員中国地域CEOなどを歴任し、23年に資生堂社長COOに就任。25年1月1日から現職 PHTO : SHUNICHI ODA

 藤原憲太郎社長CEOの指揮のもと、資生堂は変化の激しい市場環境に適応しながら安定した成長を追求する新たな道筋を描いている。2025年は事業基盤再構築に全力で挑み、新たな成長のステージへと歩みを進める。

藤原新体制が始動
「変わらないために変わり続ける」

WWD:2024年は日本事業が力強く成長した。

藤原憲太郎社長CEO(以下、藤原):日本事業は活気を取り戻した1年だった。日本事業が元気になることで、資生堂全体が元気になると思う。厳しい構造改革と成長戦略という一見相反する挑戦をしているが、どちらも順調に進展している。特にコアブランドの成長が目覚ましく、全体を押し上げる原動力となった。ヒット製品を生み出し、価値創造の面でも成果を出している。

WWD:日本事業の改革が進んでいる。

藤原:日本は「持続的な成長」「稼ぐ力」「生活者起点」の3つをテーマとして掲げ、これまでの活動を見直した。この3つの視点を基に、これまでの取り組みを続けるべきか、それとも変えるべきかをレビューしている。特に稼ぐ力については、組織内での意識改革が必要だった。そこで昨年、全国の店頭で働く6000人のパーソナルビューティーパートナー(以下、PBP)に5カ月かけて、稼ぐ力の本質を伝えた。損益計算書の仕組みとPBPの活動をリンクさせた教育を行い、稼ぐことのメリットを最初に享受できるのは自分自身であることを強調した。稼ぐことは決して後ろめたいことではない。まずは自分たちが幸せになることが重要で、そうすると取引先やお客さまにも波及し、事業成長につながる。これらを理解してもらうことに多くの時間を費やしてきた。

WWD:海外事業に目を向けると。

藤原:地域によって課題と成果が交錯した1年だった。欧州ではスキンケアとフレグランスともに好調で、現在は2ケタ成長を見込んでいる。一方、米州では主力の「ドランク エレファント」で上期に一時的な生産減・出荷減が生じ、売り上げに課題を残す結果となった。中国とトラベルリテール事業もまた、複雑な局面を迎えた。全体的に停滞が続く中国市場の中で、「クレ・ド・ポー ボーテ」と「ナーズ」は堅調な成長を見せており、回復が遅れている一部のブランドについては、今後の課題だと認識している。この1年で得られた教訓は、市場の不確実性を前提にした経営の必要性だ。これまでのように特定の市場が全体をけん引する成長モデルに頼るのではなく、不安定な環境下でもいかに成長を実現するかが問われた1年だった。

WWD:不安定な時代の中で重要なバリューとは。

藤原:最後は本物が残る。長らく事業を担当していた中国は、テクノロジーとデジタルの力を活用しながら成長を遂げてきた。しかしAIが台頭し、価値創造はますます模倣され、その精度や確度は高まるだろう。このような状況下で、ブランドや製品が持つ“本物”であることの重要性は一層増している。われわれは本来、“本物”であることを一番大切にしており得意であるはずだ。生活者のことを真に考え、心から良いモノをつくり出すという技術力や情熱は、何よりも大切にしなければならない。この「つくる力」に加え、消費者に「届ける力」も欠かせない要素である。

WWD:「届ける力」はどう拡張するのか。

藤原:新製品を投入することで売り上げ増加を見込むという従来のビジネスモデルから脱却を図っている。昨年ヒットした美容液ファンデーションの展開は、その一例として挙げられる。採用した技術自体は2年前から存在していたが、コミュニケーションを革新したことで新しい価値として再定義し、市場での成功につなげた。われわれの技術力は世界的に評価されている。それを迅速に消費者に届けるには、いかにスピーディーに価値創造を実現するかが重要である。「本物を届ける」というプライドを持ち、それを事業の根幹に据えることが、厳しい競争環境を生き抜くための鍵になると強く感じている。

WWD:現場力も高める。

藤原:経営を現場に返したいと考えている。現在のような不安定な時代には、経営は本社が行うものではなく、現場が主導すべきだ。特に営業は最前線でモノを売る役割を担っているからこそ、現場主導の経営は本来やりがいがあり楽しいはず。そこで今年から新たな挑戦として、19の戦略単位をつくり、それぞれのトップが利益の責任を負える仕組みを導入した。各現場の判断で投資を決め、リターンを考えながら利益をコントロールすることを可能とした。全く新しい挑戦であるため、リーダーシップチームのレギュレーションをつくり、不安や批判的な意見も受け止めながら一緒に進んでいく体制を構築している。一方で本社の機能は、ゆくゆくは価値創造に特化していくだろう。

WWD:25年からは藤原新体制となる。展望は。

藤原:資生堂のDNAを継承し、変わらないために変わり続ける。そして、美しいものを美しいと言える組織でありたい。ビューティーカンパニーとして美を語り合う議論を絶やさず続けることが、価値創造にもつながるはずだ。

実現の可能性はゼロじゃない私の夢

『魅力たっぷりの宝探し』

子どものころからの夢は「宝探し」。歴史的秘宝など、当時宝を持っていた人の生活や文化を想像するのが楽しいからだ。自身の海外経験も重なり、世界中の人々の暮らしに根差す文化や価値観を考えると、宝探しの魅力が一層増していく。

COMPANY DATA
資生堂

1872年創業。現在では約120の国と地域で事業を展開する。2024年に、変化の激しい市場でも安定的な利益拡大を実現するレジリエントな事業構造への進化に挑む2カ年計画「SHIFT 2025 and Beyond アクションプラン2025-2026」を策定。革新へ挑み続け、世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニーを目指す


問い合わせ先
資生堂
https://corp.shiseido.com/jp/inquiry/

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【コーセー 小林一俊 社長】脱・自前でグローバル化加速 協業などで持続的な未来へ

PROFILE: 小林一俊/社長

小林一俊/社長
PROFILE: (こばやし・かずとし)1962年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、86年にコーセーに入社。91年に取締役マーティング副本部長兼宣伝部長、2004年から副社長を務める。07年から現職。就任直後に「守りの改革」と「攻めの改革」を実行し、V字回復を実現。現在、「Your Lifelong Beauty Partner」を掲げ、一人一人の生涯を彩る活動を推進している PHTO : SHUHEI SHINE

2026年に創業80周年を迎えるコーセーは、純粋持株会社体制への移行を表明した。グループのシナジーを極大化するとともにグローバルでの事業成長と基盤再構築を目指し、同社は“自前主義”脱却へと大きく舵を切る。

M&Aや提携でブランドポートフォリオをより強固に

WWD:昨年、中長期ビジョン「Vison for Lifelong Beauty Partner-Milestone2030」を発表した。

小林一俊社長(以下、小林):30年をマイルストーンとした大きな転換となる指針だ。当社と同じ思いを持つ企業やブランドと相互的な連携を図り、持続的な成長と企業価値向上を目指す「ビューティコンソーシアム構想」の実現を目的とする。これまで研究開発、生産、販促などあらゆる面において自社のリソースで完結することを信条としてきたが、今の時代それが強みになるとは限らない。そこでグローバル戦略の突破口として“脱・自前”に踏み切ることにした。他社と手を組み、当社にない知見を積極的に取り入れ、さらに地域に根付いたブランドを獲得するM&Aや提携によって当社のポートフォリオをより強固にしていくことを目指す。

WWD:タイ発のウェルネスブランド「パンピューリ(PANPURI)」を買収した。その狙いは?

小林:当社が注力するウェルネス領域との親和性も高く、最優先市場となるグローバルサウスを攻略するための一手である。オリエンタルな世界観と香りを打ち出す「パンピューリ」の製品は中国人観光客にも非常に人気があり、現在低調傾向にある中華圏からの需要も見込めるだろう。ありがたいことに百貨店や化粧品専門店からの問い合わせが殺到している。しかしまずはタイ国内でスパブランドである独自の世界観をじっくりと浸透させつつ、グローバルサウスでの展開に注力する。今後もグローバルサウスや欧米での当社のプレゼンスを高めるべく、さらなるM&Aや提携を進めていく。

WWD:30年には海外売り上げ比率を50%以上まで引き上げることを掲げる。

小林:そのためには現地起点のモノ作りやマーケティングも不可欠だ。これまでは日本で企画、開発、製造したメード・イン・ジャパンを強みとしてグローバル展開を推し進めていたため、なかなか海外に根付かせることが難しかった。今後は、モノ作りのローカライズや現地法人への権限移譲も進めていく。さらに、成分やエビデンス重視というグローバルでのトレンドに即応することでスピーディーな韓国コスメに太刀打ちしていくことも急務といえる。当社の厳格な品質基準のため自社製造では難しいものも多かったが、これも“脱・自前”を目指し、最先端の化粧品製造技術やトレンドを知り尽くす海外の大手ODM・OBMメーカーを積極的に活用すればより生産性を上げられるだろう。一方で、昨年7月には山梨県に「南アルプス工場」の建設を開始した。これに伴い、コーセー、生産子会社コーセーインダストリーズ、山梨県の3者で山梨県の豊かな水資源活用による持続可能な社会構築に向けた連携に基本合意した。日本の地産地消モデル工場として発展させていく。南アルプスから湧き出る清冽な水を活用した化粧品はこの土地でしか生み出せない。世界に誇れる唯一無二の価値を提供できるはずだ。

WWD:最近はブランド担当者の顔が生き生きしていると外部からも評判だ。

小林:ここ数年で取り組んでいる組織改革の成果が出てきた。ブランドごとに企画から販促、PRまで一気通貫して取り組める組織体制になったことで、各々が自律的に判断する姿勢が強まった。18年も社長職に就いているおかげで方針がぶれず社員に浸透するのも早くなっている。米MLBロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手に広告出演いただいている「コスメデコルテ(DECORTE)」が表参道エリアをジャックした大型プロモーションは若手の男性社員が企画したもの。若手にも積極的に意見を出してもらい、ブランドの担当者として力をどんどん発揮してもらいたい。

WWD:利益創出にも力を入れる。そのための課題は?

小林:コロナ禍の攻めの戦略として、「コスメデコルテ」「雪肌精(SEKKISEI)」などで広告やプロモーションを積極的に投下した。一定の成果も残せたので、今後は事業の収益性、効率性改善のため、財務面を引き締め、「稼ぐ力」に磨きをかけ新たな市場攻略に振り向けていく。

WWD:25年以降はどんな可能性を見据えている?

小林:iPS細胞技術を活用したパーソナライズ美容製品の開発に向け、アイ・ピースとレジュの2社と技術提携し、医療機関を通じて提供するプロジェクトも始動した。これを機に美容医療分野や異業種からの引き合いも増えた。今後は大学研究機関やODMメーカーとの提携などもありうるだろう。“Your Lifelong Beauty Partner”のビジョンの下、多様なウェルビーイング製品や体験を提供する事業会社を傘下に置く“ホールディングスカンパニー”を目指していく。化粧品の枠を超えて一人一人の健康と美しさを彩る、そんな可能性に満ちた未来を描いている。

実現の可能性はゼロじゃない私の夢

『朝の連ドラにコーセー』

NHKの朝の連続テレビ小説で創業者の奮闘ぶりなどを題材にしてもらう。日本の化粧文化や当社の歴史を日本国民に知ってもらうための良い機会になるだろう。キャスティングや配役も勝手に頭に描いており、ぜひとも実現させたい。

COMPANY DATA
コーセー

1946年に、小林孝三郎氏が化粧品の製造販売を行う小林合名会社を創業。48年小林コーセーを設立。60年代後半から香港、シンガポールなどアジア市場を皮切りに、北米、欧州にも積極的に進出。91年CIを導入し、コーセーに社名変更。企業メッセージとして「美しい知恵 人へ、地球へ。」を掲げ、あらゆる活動に組み込むと共に、一人一人の美しさを大切にするアダプタビリティの観点における価値提供を推進している。ブランドは「コスメデコルテ」「雪肌精」「アディクション(ADDICTION)」など


問い合わせ先
コーセー
03-3273-1511

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【日本ロレアル ジャン-ピエール・シャリトン社長】気鋭ブランドが続々と日本上陸 力強い成長を実現

PROFILE: ジャン-ピエール・シャリトン/社長

ジャン-ピエール・シャリトン/社長
PROFILE: 1966年3月13日生まれ、フランス・パリ出身。89年に仏EMリヨン経営大学院を卒業し、91年に仏ロレアル本社に入社。スキンケアブランド「ビオテルム」でキャリアをスタートする。タイや韓国、イギリス、アイルランドにおけるロレアル リュクス事業本部本部長を経て、2008年に「アルマーニ ビューティ」のグローバルプレジデントに就任。13年にアジア太平洋地域(APAC)ロレアル リュクス事業本部ジェネラルマネジャーに就任。21年11月から現職 PHOTO : MASASHI URA

世界最大のビューティ企業、ロレアルグループの日本法人である日本ロレアルは、2024年3月に「プラダ ビューティ」のメイクアップ&スキンケアラインを本格ローンチした。9月には「3CE」、10月には「スキンシューティカルズ」の日本再上陸を果たすなど、日本市場でビジネスを精力的に拡大している。

勢いに乗る多様なブランドを擁し
ビューティ市場をけん引

WWD:24年も日本のビューティ市場は成長したが、そのペースを上回っている。

ジャン-ピエール・シャリトン社長(以下、シャリトン):国内のビューティ市場は24年、インバウンドとローカルの双方の購買力が後押しして、最終的に前年比4〜5%増※1の成長が見込まれている。その中で当社は、昨年に続いて市場を超える成長を遂げる見込みだ。マーケットの成長には、イノベーション、ディストリビューション(流通)、コミュニケーションの3要素が重要だ。革新的な技術を取り入れているか、オフラインとオンラインの流通が強固か、消費者とのエンゲージメントを高めているかが鍵となる。

WWD:3要素にどう取り組んだか。

シャリトン:イノベーションの観点では、「ランコム」を代表する美容液をリニューアルし、新製品“ジェニフィック アルティメ セラム”を発売した。肌本来の自己回復力を促進させる次世代成分を配合するなど卓越した技術が詰まっている。「ラ ロッシュ ポゼ」の保湿クリーム“シカプラスト リペアクリーム B5+​”も日本処方で発売後、「アットコスメ」で上位にランクイン。流通の観点では、楽天と戦略的パートナーシップ契約の締結に向けて合意し、楽天のプラットフォームの消費者データを活用できる目処が立った。2大ブランド「ランコム」と「タカミ」はアマゾンにショップを開店し、百貨店ビジネスも好調だった。消費者とのコミュニケーションとしてインフルエンサー施策も積極的に行っている。

WWD:新ブランドの導入も重なった。

シャリトン:9月に韓国コスメブランド「3CE」、10月に美容施術スキンケアブランド「スキンシューティカルズ」が日本に再上陸した。「3CE」はファッション性の高さで競合優位性がある。拡大に時間はかかるが、初動は良く今後も投資を続けていく。「スキンシューティカルズ」は美容医療機器の研究開発や製造、販売を行うキュテラとのパートナーシップを通じて医師と協働して販売する。あたたかく迎えられて好調なスタートを切った。

WWD:21年に買収した「タカミ」の商況は?

シャリトン:日本ロレアルを介した買収事例における素晴らしい成功例となっている。買収時と比較して売り上げは4倍だ。リピーターの多さとヒーロープロダクト“タカミスキンピール”が売り上げをけん引している。中国や香港、台湾などでも発売しており、欧米への展開も見据える。予想を超える飛躍的な成長で、今後にも期待している。

WWD:「メイベリン ニューヨーク」も成長軌道に乗る。

シャリトン:コミュニケーションをラストマイルマーケティング(ローカルに合わせて調整するマーケティング戦略)という考え方に刷新した。“スカイハイ”の新色“ゆうぐもグレージュ”はその一例。“SPステイ ルミマット リキッド ファンデーション”のアンバサダーにTREASUREの4人を起用し、推し活する消費者の心をしっかりとつかんだ。数週間売り上げ1位※2をキープするなど成功を収めている。

WWD:オンラインの購入体験の向上にも力を注ぐ。

シャリトン:ECは戦略的な成長チャネルだ。ECの売り上げ比率は業界平均の2割を上回って伸長している。自社のECサイトはEフラッグシップと呼び、製品を選んで購入し、受け取った後まで最適な顧客体験を提供する。一方で、楽天やアマゾンではリーチの拡大を狙う。

WWD:サステナビリティ関連で掲げる目標は?

シャリトン:ロレアルグループは25年、全世界の自社拠点を100%再生可能エネルギーに切り替え、プラスチック製パッケージの100%を詰め替えもしくは再利用、リサイクル、堆肥化可能なものに変更する。30年までには製品輸送に関わる温室効果ガスの排出量を16年比で平均50%削減する。一方日本では、社内の250人がプライドパレードに参加したり、同性のパートナーシップ婚も正規の福利厚生を受けられる制度を導入したりするなど、ダイバーシティ&インクルージョンにも注力している。科学の分野で女性の躍進を表彰する「ジュン アシダ賞」も受賞した。

WWD:25年にビジネスで注力することは?

シャリトン:一つは新たなブランド「プラダ ビューティ」「3CE」「スキンシューティカルズ」を成功させること。二つ目は既存のブランドのイノベーションを成長させていくこと。引き続きイノベーション、ディストリビューション、コミュニケーションを軸に拡大していく。

WWD:未来に見据える可能性は?

シャリトン:ロレアルグループにおいて、日本はこれからもインスピレーション源であり続ける。日本は成熟したマーケットで消費者は洗練されており、国内で成功しているアイデアは世界でも通用する。日本ロレアルがアイデアを模索し、世界に広げていきたい。

※1矢野経済研究所調べ
※2インテージ調べ。2024年2〜12月までのバラエティー・ドラッグストアカテゴリー店舗(オンラインを除く)におけるリキッドファンデーション部門での売り上げ金額

実現の可能性はゼロじゃない私の夢

『日本人の才能を開花させたい』

日本には素晴らしい才能にあふれる優秀な人材がたくさんいる。彼らをサポートし、いつの日か私の役職に日本人が就任することを願っている。

COMPANY DATA
日本ロレアル

世界最大の化粧品会社であるロレアルは、小林コーセー(現:コーセー)と提携しサロン向け商品の開発を行う合弁会社ロレコスを1963年に設立。76年に一般向け製品の販売をスタートし、95年には基礎研究所を茨城県つくば市に開設。96年にロレアルの日本法人である日本ロレアルを設立した。2009年、ロレアルが資本参加していた「シュウ ウエムラ」の株式を100%取得。グループ傘下に初めて日本発のブランドが加わった。21年には「タカミ」を買収した


問い合わせ先
日本ロレアル
03-6911-8100

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【オンワードHD 保元道宣社長】Z世代、グローバル市場、 新しい可能性を広げる

PROFILE: 保元道宣/社長

保元道宣/社長
PROFILE: (やすもと・みちのぶ)1965年9月13日熊本県生まれ。88年に東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省。2006年オンワード樫山(現オンワードホールディングス)に入社。常務執行役員、取締役などを経て、15年3月から現職

オンワードホールディングスは、昨年9月にカジュアルウエアのウィゴーを子会社化した。ウィゴーの売上高は283億円(2024年2月期)。これを保元道宣社長は「オンワードとの相乗効果で、中長期的に500億円に引き上げる」と話す。自信の裏付けは、業界をリードするOMO(オンラインとオフラインの融合)の知見だ。

ウィゴーとのシナジーを
最大限に生かす


WWD:ウィゴーの子会社化の狙いは?

保元道宣社長(以下、保元):オンワードの多様性を加速させるためだ。ウィゴーの顧客基盤は10代の中高生から20代前半で、オンワードにとっては手薄な世代だ。登録会員数(24年2月末時点)もオンワードの530万人に、ウィゴーの340万人が加わって約870万人に拡大する。社員も若く、SNS運用に優れており、学ぶべき点が多い。一方で自社ECの強みを生かしたOMOやサプライチェーン、財務に関しては当社に強みがある。補完し合うことで大きなシナジーが見込める。そして海外市場でも期待できる。

WWD:ウィゴーでアジア市場に進出する?

保元:ASEANをはじめアジアは若い人の人口構成が高く、ウィゴーの可能性を最大化できる市場だ。昨年10月に中国・上海で6日間のポップアップを開いた。推し活グッズとして人気の“痛バ(痛バッグ)”に絞ったイベントで、来店はネットでの予約のみに限定したが、約2万人の枠があっという間に埋まり、売上高も約1億円になった。若者文化に国境はなく、推し活の熱気はすさまじい。

WWD:常設店の出店予定は?

保元:将来的には考えられるが、従来のように常設店の数にこだわらなくてもよい。SNSやイベントでもお客さまとの関係はしっかり築けるからだ。中国、台湾、韓国、それにASEAN各国。国ごとに市場特性も異なるため、まずは出店にかかる投資をSNSやイベントに振り分ける。越境ECにも大きな可能性がある。

WWD:複数のブランドを集めたOMO業態「オンワード・クローゼットセレクト(OCS)」は、21年に出店を始めて現在は全国159店舗(24年11月末)に拡大した。

保元:手応えがある。岩手県の川徳のような地方百貨店から大丸東京店のような都心百貨店、あるいは郊外のショッピングセンター(SC)まで。百貨店向けブランドは百貨店でしか売れないという固定観念があったが、百貨店向けの「23区」がSCでも売れる。お客さまにとって選択肢が増えるだけでなく、クリック&トライ(C&T)によって店頭にない商品の取り寄せもうまく活用されている。一つの商業施設にブランドごとに複数の店舗を出していたときと比べて生産性が高い。生産性が上がれば賃金も上げられる。24年に販売職の10%の賃上げを実施したのに続き、25年はデザイナー、パタンナーなどの技術職の初任給を3.3万円引き上げるなど全社員の処遇改善を実行する。

WWD:OMO推進で見えてきたことは?

保元:お客さまの解像度が高まった。当社はEC売上高に占める自社ECの割合が9割ある。会員のお客さまの店舗とECでの消費行動がデータとして蓄積される。店頭では熟練のスタッフが何気ない会話からパーソナルな定性的データを得る。デジタルと人の力で適切な商品を適切なタイミングで提案すると、お客さまの満足度は上がり、年間の購買額が上昇する。今後は体験価値を高めたい。C&Tで何着もの服を取り寄せて、さらにスタッフがコーディネートアイテムを提案する。気持ちが高揚するような広くて贅沢な試着室を増やしたい。

WWD:新規出店の柱はOCSになるのか。

保元:SCは出店余地が大きく、積極的に出していく。一方でブランドの世界観を表現する旗艦店も必要だ。例えば「アンフィーロ」。24年3〜8月期の売上高は前年同期比1.9倍で年商100億円の大台も射程圏内に入ったが、販路は自社ECとOCS、ポップアップに限られる。さらなる飛躍のため近い将来に旗艦店の出店を計画している。オーダースーツの「カシヤマ」も出店要請が多い。コロナ禍を挟んで24年度に生産部門(中国・大連)と販売部門の両方が黒字化するので、25年度はさらにアクセルを踏む。

WWD:“長い夏”の対策も課題だ。24年6〜8月期で同期間としては17期ぶりに営業黒字を達成した。

保元:7月のセール以降も正価で売れる夏物衣料の充実が実を結んだ。今の課題は9〜11月期だ。従来であれば年間で最も稼ぐはずの9〜11月期に苦戦を強いられた。旧来の衣替えの概念自体が薄れ、店頭で夏物と秋冬物を並行して扱う必要が生まれた。地域ごとの気候も配慮して、店舗主導の品ぞろえに取り組む。素材から独自に作り込む当社にとって生産計画が重要なのは言うまでもないが、気候変化に柔軟な態勢も欠かせない。

WWD:新たなコーポレートメッセージを策定した。

保元:「世界に、愛を着せる。」。グループ会社を含めた20〜40代の若手・中堅社員が議論を重ねて策定した。私なりに解釈すれば、「愛を着せる」は愛着とも読める。当社が提供するのは、永く愛着を持っていただける商品だ。再来年で創業100年。お客さまともお取引先とも末永く愛をはぐくんでいきたい。

実現の可能性はゼロじゃない私の夢

『南極・北極を旅したい』

これまで出張やプライベートで世界のさまざまな場所を訪れており、空白地帯は案外少ない。先日、知人から南極と北極を旅した話を聞き、がぜん行ってみたいと思うようになった。スマホがつながらない極地に身を置くのもいいかもしれない。

COMPANY DATA
オンワードホールディングス

1927年に樫山純三氏が大阪で樫山商店を創業し、戦後に日本を代表するアパレル企業に発展。中核会社のオンワード樫山は「23区」「ICB」「五大陸」「J.プレス」「アンフィーロ」などを展開。グループ会社には法人ビジネスのオンワードコーポレートデザイン、バレエ用品のチャコット、ペット用品のクリエイティブヨーコなどがある。2024年2月期連結業績は売上高1896億円、純利益66億円


問い合わせ先
オンワードホールディングス
03-4512-1070

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【ワールド 鈴木信輝社長】アパレル企業の枠を超えた、総合ファッションサービスの実現へ

PROFILE: 鈴木信輝/社長

鈴木信輝/社長
PROFILE: (すずき・のぶてる)1974年8月23日生まれ。京都大学大学院法学研究科卒。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)やローランドベルガー、ボストンコンサルティンググループなどを経て2012年ワールドに入社。15年から常務執行役員。18年から専務執行役員。20年6月から現職 PHOTO : TAMEKI OSHIRO

ワールドは2024年11月に繊維商社・三菱商事ファッション(MCF)の子会社化を発表し、世間をあっと言わせた。また傘下の投資会社を通じてライトオンの経営再建にも乗り出す。鈴木信輝社長はアパレル企業の枠を超えた「総合ファッションサービスグループ」の実現に着々と手を打つ。

川上から川下まで連携し、
さらなる持続的成長をめざす

WWD:MCFの子会社化の狙いは?

鈴木信輝社長(以下、鈴木):BtoB領域を拡大してきたが、ワールドのプラットフォーム事業をもう一段上のステージに上げるためだ。MCFは長くBtoB事業を本業として営んできたBtoB事業運営の知見があり、世界的なサプライチェーンを有し、モノ作りのクオリティーやコストの面で競争力がある。モノ作りのエキスパートが豊富にいる。当社のプラットフォーム事業の成長のドライバーになる。

WWD:川上への投資としては大型案件だ。

鈴木:アパレルでは川下が注目される時代が長く続いた。EC(ネット通販)も含めて消費者起点が何より重要とされた。だが、今は川上にウイングを広げることも求められる。円安や原料高に加えて、地政学上のリスク、サステナビリティの高まりなど、生産の重要性が年々増している。原料までさかのぼるトレーサビリティが求められるし、環境問題の高まりで再生素材も増やす必要がある。時代によって川下と川上の重要性は振り子のように動く。

WWD:ワールドは消費者を起点に小売りから生産までを一気通貫させる「スパークス構想」を1990年代から打ち出してきた。

鈴木:やるべきことの本質は変わらない。お客さまとの接点である売り場と工場をいかにロスなくつなぐか。付加価値の源泉はそこにある。当社には素材や染色など川上の工場を傘下に入れ、川下とつないできた実績がある。誤解のないように言うが、MCFを自社ブランドの生産機能に組み込みたいわけでなく、あくまで他のアパレル企業に向けたBtoBを強化する。昔と今との違いは、スパークス構想をファッション産業全体に広げようとしていることだ。

WWD:普通のアパレル企業とは異なる事業領域だ。

鈴木:当社は「ストラスブルゴ」のような高級セレクトショップから「シューラルー」のような低価格業態、リユース品の買取・販売の「ラグタグ」、高級ブランドバッグの定額レンタルの「ラクサス」(24年12月から持分法適用会社に移行)まで幅広い業能を持っている。一方で生産・販売・店舗開発・内装・システムなどBtoBのプラットフォーム事業も拡充している。ファッションに関する仕事なら何でもできる企業になる。それぞれの事業が緩やかに連帯することで、ファッション産業全体の発展に貢献する。

WWD:傘下の投資会社W&Dインベストメントデザイン(W&DiD)を通じ、ライトオンにTOB(株式公開買い付け)を実施した。

鈴木:これまでもさまざまな経緯で企業の再生に取り組んできた。同じW&DiD経由で、ストラスブルゴや子供服のKPも早々に黒字化させた。なぜ早く立て直せたかといえば、当社のBtoBのプラットフォーム事業が有効に働くからだ。ライトオンは従来に比べて大型案件であり、当社としても腰を据えて再建していく。こうした再生型投資に関しては相談が次々に舞い込む。活躍できる場面はますます多くなるだろう。

WWD:将来への種まきが続いている印象だ。

鈴木:かれこれ10年以上、たくさんの種をまいてきた。見切りをつけたものもあれば、形になったものもある。目指すべき姿のために種をまき、水をやり続けるのが現在のフェーズだ。25年は海外市場にも種をまく。「ラグタグ」でタイの大手企業サハグループと組んで合弁会社を設立し、バンコクに1号店を開く予定だ。24年春にバンコクでポップアップを開催し、ブランド品のリユース販売の潜在需要を感じた。サハグループとは17年に合弁会社ワールド サハ ファッションを設立し、「タケオキクチ」をタイや台湾に出店してきた実績がある。

WWD:屋台骨であるブランド事業では長い夏に対応したMDの再構築が課題だ。

鈴木:気候とお客さまの服選びが変わっているのに、従来の常識を押し付けたら売れないのは当たり前。成功例として「オペーク ドット クリップ」は柔軟なMDできちんと結果を残した。24年秋から私と各ブランドの担当者が大きな部屋に全商品サンプルとカレンダーを広げて、改めてお客さま起点で「この週の各地の気温は?」「どんな仮説でこの週にこの商品を売るのか?」と是々非々で議論することを始めている。商売の基本を改めて徹底するのみだ。

WWD:ブランド事業で成長を見込む業態は?

鈴木:ショッピングセンター向けでは「オペーク ドット クリップ」「グローブ」「インデックス」は堅調だ。百貨店向けでは規模は小さいが「ギャレスト」「オブリオ」が期待できる。ファインジュエリーの「ココシュニック」も新しいニーズをとらえることに成功し、よく売れている。気候対応もそうだが、MDの精度を高めれば、収益はまだまだ底上げできる。既存店の伸び代は大きい。

実現の可能性はゼロじゃない私の夢

『より深く学びたい』

日々の仕事に追われていると、新しい分野をじっくり勉強する機会がどうしても減ってしまう。世界はこの10年で様変わりした。哲学、地政学、芸術、テクノロジーといった多様な分野の知識を学び直しながら、自分の視座をもっと磨き続けたい。

COMPANY DATA
ワールド

1959年、神戸で婦人ニットの卸売業として設立。93年、小売業に進出。「アンタイトル」「インディヴィ」「タケオキクチ」「シューラルー」「オペーク ドット クリップ」などのブランド事業のほか、プラットフォーム事業、デジタル事業の3セグメントを推進する。子会社として子供服のナルミヤ・インターナショナル、ブランド古着の買取・販売店「ラグタグ」を運営するティンパンアレイなどがある。2024年2月期(国際会計基準、決算期変更のため11カ月の変則決算)業績は、売上収益2023億円、純利益67億円


問い合わせ先
ワールド(代表)
078-302-3111

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【ジョイックスコーポレーション 塩川弘晃社長】「ポール・スミス」を磨き 次世代顧客を獲得する

PROFILE: 塩川弘晃/社長

塩川弘晃/社長
PROFILE: (しおかわ・ひろあき)1967年4月24日生まれ。大阪府出身。大阪大学卒業後、90年に伊藤忠商事入社。「ポール・スミス」「ランバン」「ザ・ダファー・オブ・セントジョージ」などに携わる。伊藤忠イタリー会社(ミラノ)社長、欧州総支配人補佐(ロンドン駐在)などを経て、2020年から現職 PHTO : KAZUO YOSHIDA

ジョイックスコーポレーションは、主力ブランド「ポール・スミス」を磨き上げる。リアル店舗とデジタルを活用し、新しい顧客との接点を作ることが最大のテーマだ。強みであるテーラリング、革小物をはじめとした雑貨の潜在需要はまだまだ大きいと塩川弘晃社長は考える。

革小物とジュエリー、
そして強みのテーラリング

WWD:「ポール・スミス」は2024年ホリデーシーズンのキャンペーンにSEVENTEENのJEONGHANを起用した。

塩川弘晃社長(以下、塩川):力を入れたキャンペーンだった。既存店はもちろん、ラフォーレ原宿と心斎橋パルコでは革小物やジュエリーなどギフトをテーマにしたポップアップを開催した。渋谷駅ハチ公口でのインパクトのある屋外広告、加えてSNSでの露出も積極的に仕掛けた。日本上陸から40年以上が過ぎ、お客さまも40〜50代が中心になっている。KOL(キー・オピニオン・リーダー)の起用によって20〜30代にリーチするのが目的だ。反響は大きく、手応えを感じている。今後もマーケティング投資に注力するつもりだ。

WWD:25年は何を仕掛けるのか。

塩川:2つの軸がある。1つはKOLの起用に代表される若い世代の取り込み。ここでは革小物やジュエリーを前面に押し出す。もう1つは大人の世代を中心に、改めてテーラリングを訴求する。テーラリングはポール・スミス氏が最も得意とするところ。ブランドの強みのカテゴリーを生かす正攻法だ。

WWD:新しい顧客をつかむ策はあるか。

塩川:デジタルの活用で接点を増やさなければいけない。若い世代ほど価値と価格のバランスに厳しい目を持つ。商品を探す際、まずECサイトで価格のフィルターをかけ、気に入ったものがあれば来店する。ブランドの感度と品質を守った上で、手を伸ばせば届くエントリー商品が必要だ。財布などの革小物であれば2万円以下、スーツであれば10万円以下。全体の価格を下げるのではなく、あくまで入り口を広げ「ポール・スミス」の商品を体験してもらいやすくすることで新しい顧客を獲得していく。

WWD:革小物が入り口になっている例が多いと聞く。

塩川:そう、革小物は重要だ。25年春から当社企画の商品も市場に投入することになった。これまで以上にマーケットインのMDを組めるだろう。百貨店の平場は当社にとって初の取り組み。情報の収集・分析をしっかり行い、平場とブティックとで相乗効果を出す。23年から当社に移管されたウィメンズとともにブランドの世界観を磨いていきたい。

塩川:長い夏への対応も課題だ。

鈴木:「ポール・スミス」に関しては5月から10月の6カ月間を夏と捉え、5〜7月と8〜10月の前半・後半に分けてMDを考える。カットソーや布帛シャツなどの軽衣料でメリハリを出し、鮮度を高める。また話題性のあるコラボレーションや雑貨類を充実させ、天候リスクに左右されないようにする。重衣料で成長した会社だけに意識の切り替えはなかなか難しいが、もうけの構造にメスを入れないと立ち行かなくなる。スーツ、ジャケット、コートは売るべき時期にしっかり売ればいい。もともと「ポール・スミス」は店頭でセールをしない。それだけに適時・適品の精緻なMDを追求しなければいけない。

WWD:「ポール・スミス」は独立した会員プログラムを23年に導入している。

塩川::リアル店舗と自社ECの顧客データを一元化し、活用する体制は整った。現在はカスタマープロファイル別に施策を実施し、その効果を検証している。1度購入していただいたお客さまを2度目の購入に促すコミュニケーションの仕組みを構築したり、また、お客さまにブランドへロイヤルティーを感じてもらえるようさまざまなCRM施策を仕掛ける。

WWD:それ以外のブランドは?

塩川:「ランバン オン ブルー」から昨年4月、ファミリー層を対象にした実験的なライン「エッセンシャル」をスタートした。ラフォーレ原宿のポップアップではインバウンド(訪日客)がけん引してよく売れた。引き続きECでテストを重ねていく。「ザ・ダファー・オブ・セントジョージ」でも23年に始めた「ザ・ダファー・アンド・ネフューズ」の調子がいい。高感度なセレクトショップに絞った展開だが、若い世代からの評価が高く、ブランド価値向上にもつながっている。

WWD:将来を担う人材は育っているか。

塩川:一昨年「ポール・スミス」のウィメンズ事業が当社に移管され、約20店舗の販売員や内勤スタッフが入社した。女性社員が一気に40人前後増えた。その中には当社の将来を担う幹部候補となる人材もいる。当社は紳士服出身のため、良くも悪くも男性的な企業体質があったが、女性社員が増えたことによる化学変化が起こりつつある。従来の常識にとらわれないアイデアが現場から上がってきている。彼女たちの力を最大限に生かせる環境を作るのが私の仕事だ。女性社員の活躍に大きな可能性を感じている。

実現の可能性はゼロじゃない私の夢

『ゴルフでシングルプレーヤーになる』

ゴルフではさいわい80台のスコアは出せるものの、何度挑戦しても80を切れない。今年は必ず70台でシングルプレーヤーの仲間入りをしたい。グリーン上では全身、当社の「サイコバニー」を着て、私自身が広告塔になる。だからスコアにはこだわる。

COMPANY DATA
ジョイックスコーポレーション

1971年設立。82年に英国ポール・スミス社と提携。その後、海外の複数のブランドとパートナーシップを結び、現在日本に170店舗以上を運営する。2024年3月期の売上高は304億円。伊藤忠商事のグループ会社の一つ


問い合わせ先
ジョイックスコーポレーション
03-5213-2500

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【2025年春コスメ】「スリー」は春の息吹がテーマ 限定の6色アイパレットやルースパウダーなどを発売

「スリー(THREE)」は3月3日、力強い春の息吹を表現した“ジュビリーコレクション(JUBILEE COLLECTION)”を発売する。メイクアップアイテムやクレンジング、フレグランスといった“新しい始まり”に寄り添う限定アイテムをそろえた。

繊細かつ多彩な目元を演出する6色アイカラーパレット

“ジュビリーコレクション パレット 2025”(限定1種、7700円)は、既存のアイシャドウパレット“スターゲージングアイシャドウクアッド”の4種のテクスチャーに、2種の限定質感をセット。高輝度のパールをふんだんに配合したグリッターと柔らかな艶感を宿すセミマットを組み合わせ、桜の花びらが持つさまざまな表情をウォーミーなピンクトーンで表現した。レイヤードするほどにクリアな奥行きが生まれる。

澄んだ透明感を宿すクリアブルーのルースパウダー

“アドバンスドエシリアルスムースオペレーター ルースパウダー”(6050円)の限定色は、透明感をかなえる多色なカラートラベルパールを忍ばせたクリアブルーだ。桜の樹を見上げた先にある、澄んだ空をイメージした色味で、肌の赤みや毛穴の凹凸をカバーし、ほのかにパールの輝きをプラス。春の新しい季節の始まりにふさわしい軽やかな表情に導く。

クリアな艶めきを追求したニュートラルなリキッドリップ

ほんのり色づくティント効果で血色感を与えるリキッドリップ“ディヴァインリップジャム”(3850円)からは、まろやかなレッドやオレンジのパールを配合したクリーミーベージュ“X07 メモリーシード”と、透明感を演出するゴールドやシルバー、レッドなどのパールを取り入れたブルーのニュアンスを感じるピンク“X01 ペタルパラダイス”の限定2色を用意した。花弁のようなやさしい血色感を唇にまとい、イノセントでヘルシーなリップメイクをかなえる。

限定香調&処方の植物オイルクレンジング

ロングセラーの“バランシング クレンジング オイル”(4840円)は、ティーシードオイルを定番品の2倍量配合した初の限定処方が登場する。桜のニュアンスを精油の芳香で表現し、パッケージも特別仕様に仕上げた。

プラントベースのフレグランスから春の香りが再登場

プラントベースのフレグランス“エッセンシャルセンツ”(5390円)から、2024年に登場した“X02 サクラ ミッドタウン”を再販売する。ラベンダーの甘さをピンクペッパーが引き締め、ローズやベルガモットがレイヤードし、桜のようなオーラを表現。オリジナルの国産ゼラニウム油をキーに、シダーウッド精油の大地のニュアンスが桜のハーモニーを描く。

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アジア発ブランドを扱う越境EC「60%」 ファッションアワード始動で「M A S U」や「サグクラブ」など60ブランドを選出

2018年に創業し、アジア発ブランドを集めた越境ECストア「60%」を運営するシックスティーパーセントは1月30日、ファッションアワード「アジアン ブランド60(ASIAN BRANDS 60)」の受賞ブランドを発表した。同アワードは今回が初開催で、アジアのファッションシーンをけん引する60ブランドを選出し、その活動と功績を世界へ発信する。

コミッティーメンバーはシックスティーパーセントの共同創業者である松岡那苗と同社の公式アドバイサー兼「アンブッシュ(AMBUSH)」の経営者を務めるVERBAL、アメリカを拠点とするレーベル「エイティーエイト・ライジング(88RISING)」の共同創業者ジェソン・マー(Jaeson Ma)ら6人。

受賞者の選出基準は「唯一無二であること(absolute)」「デザイン性のみでなく、商業的にも成功を収めていること(business impact)」「ブランドの誕生国で知名度が高いこと(local oriented)」の3点だ。日本からは後藤愼平デザイナーによる「M A S U」や小島鉄平・松葉屋社長が率いる「トラッドマンズ ボンサイ(TRADMAN’S BONSAI)」、アーティストのコインパーキングデリバリー(COIN PARKING DELIVERY)、テキスタイルギャラリーの「ホソオ ギャラリー(HOSOO GALLERY)」を選出した。ほかに、韓国の「サグクラブ(THUG CLUB)」「ウェルダン(WE11DONE)」「キムへキム(KIMHEKIM)」や台湾の「ネームセイク(NAMESAKE)」「ファンタシー(PHANTACI)」、中国の「ロバート ウン(ROBERT WUN)」「チェン ペン(CHENPENG)」に加え、香港、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポールからも受賞者が誕生した。

受賞ブランドの一部を、「60%」の姉妹サイトであり、アジアのストリートブランドのみを集めた「シックスティーパーセントレベリー(60% LEVELY)」で販売する。期間は1月30日から3月31日まで。

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「ニベア」日焼け止めシリーズの2024年売上高は過去最高を更新 “ディーププロテクト&ケア”シリーズがけん引

「ニベア(NIVEA)」は、“ディーププロテクト&ケア”シリーズを初めて大型改良する。2月8日にジェル、エッセンス、トーンアップエッセンス(各1078円※編集部調べ、以下同)の3品と、新たにミストタイプの日焼け止めミルク“ニベアUV ディーププロテクト&ケア ミルクミスト”(60mL、1188円)を発売する。

マーケティング担当者は、新たにミルクミストを投入した理由について「日焼けによるシミ予防として新たな提案ができないか数年前から検討し、日中の塗り直しに着目してきた。新剤型や新容器を模索した結果、保湿力を求めるターゲット層に最もマッチし、当社の乳化技術を応用できるミルクミストの発売に至った」と説明する。

ミルクミストの発売を主要因として、25年の日焼け止めシリーズの売上高は前年比20%増を目指す。マーケティング施策への投資も積極的に実施する予定だ。

好調な“ディーププロテクト&ケア”シリーズ

“ディーププロテクト&ケア”シリーズは2021年に誕生。「日焼けによるシミ予防UV」というストレートな価値提案が消費者の心をつかみ、好調に推移している。現在、同ブランドの日焼け止めシリーズの中で最も売り上げシェアが高いシリーズに成長した。

“ニベアUV ディーププロテクト&ケア”シリーズがけん引し、21年以降の日焼け止めシリーズ全体の売上高は10%増以上の成長率を維持。24年は過去最高の売り上げを更新した。

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サロン専売の「オラプレックス」から洗い流さないミルクトリートメントと眉毛美容液

サロン専売ヘアケアブランド「オラプレックス(OLAPLEX)」は2月21日、洗い流さないトリートメント“No.5 リーブインコンディショナー”(100mL、3080円)と、眉毛美容液“ブロウボンドビルディングセラム”(3.5mL、6160円)を発売する。

“No.5 リーブインコンディショナー”は、ミルクタイプの洗い流さないトリートメント。毛先ダメージにアプローチし、艶と潤いを与えながら柔らかく滑らかな毛髪に導く。アミノ酸をブレンド配合し、髪の保湿と保水をかなえ乾燥ダメージを防ぐ。独自の天然由来成分が枝毛を補修し、キューティクルをケア。紫外線や空気中の汚染物質、ドライヤーやアイロンなどスタイリング時の熱や摩擦による外的ダメージから髪を保護する。

“ブロウボンドビルディングセラム”は、自然な成長サイクルと毛質をケアする眉毛美容液。4種のペプチドを組み合わせた「ペプチド コンプレックス テクノロジー」や「ボンド ビルディング テクノロジー」を搭載するほか、ビタミンBやヒアルロン酸などをブレンド配合する。眉毛の形をキープと、柔軟性アップ、栄養補給をかなえ、若々しい印象の眉毛に導く。毛流れを整えるためのスタイリング剤としても使用可能だ。

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サロン専売の「オラプレックス」から洗い流さないミルクトリートメントと眉毛美容液

サロン専売ヘアケアブランド「オラプレックス(OLAPLEX)」は2月21日、洗い流さないトリートメント“No.5 リーブインコンディショナー”(100mL、3080円)と、眉毛美容液“ブロウボンドビルディングセラム”(3.5mL、6160円)を発売する。

“No.5 リーブインコンディショナー”は、ミルクタイプの洗い流さないトリートメント。毛先ダメージにアプローチし、艶と潤いを与えながら柔らかく滑らかな毛髪に導く。アミノ酸をブレンド配合し、髪の保湿と保水をかなえ乾燥ダメージを防ぐ。独自の天然由来成分が枝毛を補修し、キューティクルをケア。紫外線や空気中の汚染物質、ドライヤーやアイロンなどスタイリング時の熱や摩擦による外的ダメージから髪を保護する。

“ブロウボンドビルディングセラム”は、自然な成長サイクルと毛質をケアする眉毛美容液。4種のペプチドを組み合わせた「ペプチド コンプレックス テクノロジー」や「ボンド ビルディング テクノロジー」を搭載するほか、ビタミンBやヒアルロン酸などをブレンド配合する。眉毛の形をキープと、柔軟性アップ、栄養補給をかなえ、若々しい印象の眉毛に導く。毛流れを整えるためのスタイリング剤としても使用可能だ。

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2025年デニムトレンドはロマンチック 着こなしを広げる最旬スタイル【2025年春夏トレンド】

デニムの着こなしトレンドは、毎年変化しています。2024年はグラマラスでドレッシーなスタイルが台頭していましたが、25年は“レトロかわいい”“ロマンチック”のキーワードが浮上。そこに、ボヘミアンやスポーティーなどの味付けも加わり、アクセントを添えています。今回は、25年春夏のランウエイルックからデニムの新潮流を先読みしていきましょう。

デニムコーディネートの新傾向は、カジュアルとは縁遠いテイストとのマッチング。例えば「シャネル(CHANEL)」は、ロマンチックを前面に押し出しました。アイスブルーのシフォンマントからロングリボンを垂らしてお姫さまムードに。デニムパンツの裾にもビジューをあしらいました。ウエストは大胆に肌見せして、ヘルシーさを印象付けています。

フォーマルミックスで手軽に格上げ

カジュアルウエアの代名詞デニムパンツですが、フォーマルなアイテムとも意外なケミストリーを発揮します。ジャケットとのコンビネーションは格上げ効果大。意外性も高まります。

“フォーマル×デニム”のお手本を披露したのは、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」。ショルダーパッド入りテーラードジャケットは、端正なシルエット。正面のビッグリボンがフェミニンさを薫らせ、センタープレスのウォッシュドデニムをきれいめにアレンジ。全体を細身にまとめて、カジュアルさをトーンダウンしています。

ムードミックスでこなれ感を演出

リッチなムードをまとって、デニムのラフさを打ち消すスタイリングも登場しています。盛り上がるグランジやパンクのテイストをミックスすると、こなれ感がアップ。トップスやアウターにサプライズな色を迎えるのも、デニムのイメージをずらす上で有効なアレンジです。

「グッチ(GUCCI)」は、サイケデリックイエローのロングコートでボディーを包み込み、ヒッピームードを呼び込みました。デニムパンツもゆったりとしたシルエットで、落ち感を引き立てています。ウエストには細ベルトを巻いてアクセント。ヘッドピースとタンクトップはレトロな雰囲気で、チェーン付きバッグはコートと同色でそろえてグラマラスに仕上げています。

華やかでヘルシーに“デニムアップ”

デニムを生かした気負わないドレスアップも登場しています。控えめな装飾やゴージャスなアイテムを盛り込むことで、自然体でありながらリュクスなムードを醸し出す演出です。もともとデイリーシーンで活躍してきたデニムパンツでドレスアップをかなえる“デニムアップ”は、意外と使い勝手のいいスタイリング術です。

「ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)」が披露したのは、メタリック生地のホルターネックとのコーディネート。ワイドなデニムパンツと合わせて、バランスを整えました。ベルトでしっかりウエストマークして、ミニバッグでチャーミングな表情に。手軽なデニムアップに役立つスタイリングです。

ボリュームで遊ぶボヘミアンシック

“ボヘミアンシック”も支持を広げています。既成概念にとらわれない自由なムードが、今の時世にマッチ。デニムともよくなじみます。

「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」は、ボリューミーなフリンジニットの装いを打ち出しました。アシンメトリーにあしらったフリンジが、ボヘミアンらしい自由さを漂わせています。ボトムスには、ウエストがドローストリングのデニムパンツをチョイス。布をたっぷり使って遊ばせて、のどかなフォームに仕立てました。へそ出しもリラックスした抜け感を添えています。

ダブルレイヤードで深みをプラス

25年春夏はレイヤードもポイントです。引き続き暑さが予想されますが、シアー素材や肌見せを織り込んで、軽やかな重ね着に整えるのが今年流。露出具合を調節しやすいのもサマーレイヤードのうれしいところです。

シャツの2枚重ねで登場したのは「ヴェルサーチェ(VERSACE)」。ビンテージ感を帯びたシャツが、落ち着いた雰囲気をまとっています。ボトムスも、デニムパンツのウエストから赤いアンダーウエアをちらりとのぞかせ、差し色効果を発揮。上下のダブルレイヤードで深みを印象付けました。デニムの色落ち加減もノスタルジックさを増幅させています。

レトロかわいい柄ミックス

無地のデニムパンツに華やぎを添えるには、アイキャッチーなプリントトップスが効果的です。今季のおすすめは、どこか懐かしさを感じる柄。例えば、昔ながらのチェック柄はロングトレンドが続いています。

「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」は、トップスとデニムパンツのシンプルな“ワンツー”ルックを提案しました。レトロかわいいチェック柄のトップスがキーピース。フレンチスリーブとウエストインでコンパクトさを高め、チェックがほのかなグランジ感も醸し出しました。デニムパンツの裾にあしらわれた花柄はアンティーク調。深めの折り返しが足元に視線を引き込んでいます。

“レトロかわいい”や“ロマンチック”、“ボヘミアン”などのトレンドを生かしたコーディネートは、手持ちのデニムから別の表情を引き出し、出番を増やします。一段と着こなしの幅が広がってきたデニムは、この春夏も頼もしい相棒になってくれそうです。

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「無印良品」から天然成分100%にこだわった“植物発酵液 ヘアケアシリーズ”誕生 

「無印良品」は2月5日から順次、天然由来成分100%の“植物発酵液 ヘアケアシリーズ”を発売する。合わせて、アウトバス用のヘアケアシリーズ“ダメージリペアシリーズ”を順次発売する。

“植物発酵液 ヘアケアシリーズ”

“植物発酵液 ヘアケアシリーズ”は、植物が持つ頭皮と髪に潤いを与える本来の力に着目して独自に生み出した米ぬか発酵液、はと麦種子発酵液、大麦種子発酵液の3種類を配合したインバスヘアケアシリーズ。発酵が生み出す成分が頭皮と髪に潤いを与え、髪のダメージを補修する。さらに植物由来タンパクが髪を補修しながら潤いとしなやかさを与え、艶のある滑らかな髪へと導く。

ラインアップは“、シャンプー、コンディショナー、ヘアマスク(各200g、各1290円)、“植物発酵液 薬用スカルプローション”【医薬部外品】(150mL、1390円)、“植物発酵液 薬用エイジングケアエッセンス”【医薬部外品】(150mL、1590円)の5アイテム。

シャンプーとコンディショナーは、パサつきを抑えまとまりのある髪に仕上げる“うるおい”、指通りの良い艶のある髪に仕上げる“さらさら”、ボリュームのある髪に仕上げる“ハリコシ”、フケやかゆみを防ぐ“薬用スカルプ”【医薬部外品】の4つのタイプで展開する。価格は、“うるおい”“さらさら”“ハリコシ”が400mL、1290円/340mL、990円/50mL、390円、“薬用スカルプ”が400mL、1490円/340mL、1190円/50mL、490円。合わせて、シャンプー(10mL)とコンディショナー(10g)をセットにしたお試しセットも販売する。ヘアマスクは“うるおい”“さらさら”“ハリコシ”の3タイプで展開する。

シャンプー、コンディショナーの“ハリコシ”と“薬用スカルプ”タイプ、ヘアマスク全種類、エイジングケアエッセンス、スカルプローションは4月下旬に発売する。

“ダメージリペアシリーズ”

“ダメージリペアシリーズ”は、3種の植物由来のビタミン成分とアミノ酸誘導体配合で、ダメージを補修しながら乾燥やダメージによるパサつきを抑え、艶やかな髪に仕上げる天然由来成分100%のヘアケアシリーズ。ヘアセラム(45mL、1290円)のリニューアルに加え、ヘアミスト(150mL、1090円)、ヘアミルク(100mL、1090円)、ヘアオイル(100mL、1190円)を新たにラインアップする。ヘアミルクのみ3月上旬に発売する。

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「プラザ」がメンズコスメのポップアップイベントを開催 “ボードゲーム”方式でメイクに挑戦

ライフスタイルストア「プラザ(PLAZA)」は2月17日まで、メンズコスメを扱うポップアップイベント「グロウアップ ゲームボード(GLOW-UP GAMEBOARD)」を阪急メンズ東京1階で開催する。一部事前に応募抽選するコンテンツもあるが、予約不要で入場料も無料だ。

同イベントは、メンズコスメやメイク方法をさまざまな形で提案する体験型の“アミューズメント・コスメイベント”。男性の間でメンズメイクへの関心が高まっている一方で、「何から始めたらいいのか分からない」「興味はあるけどなかなか試す機会がない」「メイクで何ができるのか、何をどのように使うのか分からない」という声を受け、開催に至った。ボードゲームをテーマに掲げ、1つずつマスを進んでゴールを目指すことで楽しみながら気軽にコスメに触れるきっかけを提供する。「一人で化粧品売り場に行くにはハードルを感じる」という男性でも、友人やパートナーなど誰かと一緒にメイクを体験でき、ゲーム感覚で楽しめる体験コンテンツをそろえた。

会場では、コスメやヘルス&ビューティアイテム、雑貨アイテムの販売や、AI技術を用いて顔タイプを測定する「フェイススキャン診断」を実施するほか、クイズコーナーを設置。メイクや美容に関する基礎知識から豆知識までさまざまなクイズに挑戦でき、正解した場合は「プラザ」公式ECで利用できるクーポン券などをプレゼントする(※数量限定、なくなり次第終了)。マスを進める中で好きなコスメやアイテムを詰め合わせるギフトボックスも用意。ゴールには、「プラザ」のオリジナルフレームで写真撮影ができるフォトブースを準備し、来場記念の撮影や、ボードゲームの最初と最後の自分を見比べることができる。

なお、期間中の土日祝限定でプロによるメイクタッチアップを体験できる“変身ヘアメイク”のイベントを行う。メンズヘアサロン「リップス ヘアー」の人気デザイナーがメイクとヘアセットを施す。無料で参加可能だが事前予約制で、応募者から抽選し当選した人のみを施術する。

■「グロウアップ ゲームボード」
日程:1月29日~2月17日
時間:平日 12:00~20:00 / 土日祝 11:00~20:00
場所:阪急メンズ東京 1階 イベントスペース
住所:東京都千代田区有楽町2丁目5番1号
入場料:無料

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「プラザ」がメンズコスメのポップアップイベントを開催 “ボードゲーム”方式でメイクに挑戦

ライフスタイルストア「プラザ(PLAZA)」は2月17日まで、メンズコスメを扱うポップアップイベント「グロウアップ ゲームボード(GLOW-UP GAMEBOARD)」を阪急メンズ東京1階で開催する。一部事前に応募抽選するコンテンツもあるが、予約不要で入場料も無料だ。

同イベントは、メンズコスメやメイク方法をさまざまな形で提案する体験型の“アミューズメント・コスメイベント”。男性の間でメンズメイクへの関心が高まっている一方で、「何から始めたらいいのか分からない」「興味はあるけどなかなか試す機会がない」「メイクで何ができるのか、何をどのように使うのか分からない」という声を受け、開催に至った。ボードゲームをテーマに掲げ、1つずつマスを進んでゴールを目指すことで楽しみながら気軽にコスメに触れるきっかけを提供する。「一人で化粧品売り場に行くにはハードルを感じる」という男性でも、友人やパートナーなど誰かと一緒にメイクを体験でき、ゲーム感覚で楽しめる体験コンテンツをそろえた。

会場では、コスメやヘルス&ビューティアイテム、雑貨アイテムの販売や、AI技術を用いて顔タイプを測定する「フェイススキャン診断」を実施するほか、クイズコーナーを設置。メイクや美容に関する基礎知識から豆知識までさまざまなクイズに挑戦でき、正解した場合は「プラザ」公式ECで利用できるクーポン券などをプレゼントする(※数量限定、なくなり次第終了)。マスを進める中で好きなコスメやアイテムを詰め合わせるギフトボックスも用意。ゴールには、「プラザ」のオリジナルフレームで写真撮影ができるフォトブースを準備し、来場記念の撮影や、ボードゲームの最初と最後の自分を見比べることができる。

なお、期間中の土日祝限定でプロによるメイクタッチアップを体験できる“変身ヘアメイク”のイベントを行う。メンズヘアサロン「リップス ヘアー」の人気デザイナーがメイクとヘアセットを施す。無料で参加可能だが事前予約制で、応募者から抽選し当選した人のみを施術する。

■「グロウアップ ゲームボード」
日程:1月29日~2月17日
時間:平日 12:00~20:00 / 土日祝 11:00~20:00
場所:阪急メンズ東京 1階 イベントスペース
住所:東京都千代田区有楽町2丁目5番1号
入場料:無料

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ニューオークションの第8回目「NEW 008」が開催

東京・原宿を拠点とするオークションハウス「ニューオークション(NEW AUCTION)」は、8回目となる公開型オークション「NEW 008」を2月1日に開催する。

レイヤード ミヤシタパークの3階にあるギャラリー「サイ(SAI)」で開催するオークションプレビューでは、全ての出品作品を実際に鑑賞できる。また、今回は、プレビューと同じく「SAI」で開催。

ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)、 マイク・ケリー(Mike Kelley)、マリリン・ミンター(Marilyn Minter)、ヨハネス・イッテン(Johannes Itten)、エド・ルシェ(Edward Ruscha)、エルズワース・ケリー(Ellsworth KELLY)、ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe)、 オースティン・リー(Austin Lee)、高松次郎、井上有一、奈良美智、宮島達男、土屋仁応、 岡崎和郎、今井麗、友沢こたお、上田義彦、小清水漸らの作品が出品される。

イベント詳細

◼️NEW 008

会期:2月1日
会場:SAI
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 レイヤード ミヤシタパーク3階
時間:12:30(オープン)、13:00(スタート)

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「シャネル」は七色のコレクションで女性の1日&半生、そして未来に架かる虹を描く

「シャネル(CHANEL)」と言えば何を、もっと言えば何色を思い浮かべるだろうか?

「黒」と答える人は多いだろう。「黒は、全てに勝る」と考え、当時喪服にしか使われなかった色をモードの最前線に押し上げたのは有名な話。一方で彼女は、「愛は色を持つ」とも語ったと言われている。2025年春夏のオートクチュール・コレクションは、多種多様な愛を語るかのように、パステルからビビッド、そしてダークトーンまで、さまざまな色の力で、さまざまな女性の、変化に富んだ1日を描くとともにカラフルな人生を讃歌した。

コレクションは、純真無垢で、これから何色にも染まることができる白で幕を開けた。ミニ丈のスカートでフレッシュなツイードのセットアップには、ほんのりパステルカラーを纏ったマタドールベストをコーディネート。そこからは、色の洪水が始まる。カラフルな糸で作ったツイード、スプレープリントのような色彩、ごくごく淡い色での染色。序盤はまるで夜明けのイメージ。空が白み、色彩が現れ始め、期待に満ちた一日が始まる。そんなムードだし、そんな色彩の変化は、さまざまを学んで成長していく青春期の女性のよう。若々しいミニ丈、軽やかなドレス、そして時に力強いボリューミーなショルダーラインなのは納得だ。

色の移り変わりで描く
女性の1日、そして第一楽章

そう、「シャネル」の2025年春夏コレクションは、女性の1日であり、半生をカラーパレットで表現したかのようだ。中盤になると、淡い色彩は次第に濃度を増し、力強さを帯びる。オレンジのロングジャケットに濃いパープルのミニドレス、シルバーのツイードのダブルはライナーに情熱の赤など、ビビッドな色の組み合わせが増えるのは、太陽が高くなるにつれて速度を増す活動的な女性の1日の1場面のようでもあるし、経験を重ねて自分らしさを表現することに慣れてきた成長の証のようにも思える。シフォンやチュールのドレスも、深い色に染まり始めた。

後半は、まるで日が沈んだかのようにモノトーンの世界が広がった。とはいえダークなイメージは皆無。リボンやフリルなどの装飾、軽やかな生地使い、加えてこのパートになると増えるボリュームシルエットはむしろエアリーかつコンテンポラリーなムードを増す。成熟期や円熟期に入った女性と言うよりは、引き続きアクティブな女性のプライベートや、社交的なナイトライフを想起させる。むしろ後半は、ビートアップしたムード。

そしてソワレ、ウェディングのスタイルを迎え、女性のハッピーな第一楽章はフィナーレ。そんな印象だった。

今年はオートクチュール・コレクションを始めて110周年。現在は司令塔不在のデザインチーム体制だが、確固たる組織がココ・シャネル(Coco Chanel)のストーリーからビジョンを共有できる「シャネル」のクリエイションは底堅い。上述の通り、ストーリーテリングも優れている。会場のグランパレに配した巨大な2つのCマークは、今回のキーポイントとなった色にちなんだ色相環のように見える。秋には新たなクリエイティブ・ディレクターとしてマチューブレイジー(Matthieu Blazy)を迎える「シャネル」の七色のコレクションは、まるで虹のようにメゾンを次の時代に誘うのだろう。

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「アパレル中小企業の応援団に」 サステナビリティ対応の新ガイドツールが日本上陸

オーストラリアの非営利団体グッドオンユー(GOOD ON YOU)がアパレル企業向けに開発したサステナビリティ対応ツール「グッドメジャーズ(good measures)」がこのほど、日本に上陸した。「顔の見えるライフスタイルの実現」を掲げ、トレーサブルな再エネサービス「みんな電力」をはじめ、さまざまなSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)サービスを提供するUPDATERが、2023年に同団体と事業提携を締結し運営を担う。

900万人が利用する
「グッドオンユー」

世界最大級のエシカル評価機関グッドオンユーは、消費者向けにブランドの“エシカル度”を掲載するウェブサイトおよびアプリの「グッドオンユー」を運営している。「グッドオンユー」では、ブランド名を検索すると、グッドオンユーの専門家集団が算出したそのブランドの“エシカル度”や、具体的なサステナビリティの取り組みを知ることができ、「なるべくサステナブルな商品を買いたいけれど、どんな基準で選んだら良いか分からない」「自分が好きなブランドがどれくらいサステナビリティ対応しているのか知りたい」といった消費者の悩みに応える。ウェブサイトには、世界の6000以上ブランドの情報が掲載されており、アプリ・ウェブサイトほかを含む年間利用者数は、900万人に上る。

さまざまなブランドから信頼を集めるグッドオンユーのリソースを活用して、透明性向上のガイドツールになるよう開発されたのが企業向けサービス「グッドメジャーズ」だ。日本でこれを普及させようと意気込むのが、UPDATERの山浦誉史担当と浦田庸子担当だ。「グッドメジャーズ」事業を統括する山浦誉史担当は、グローバルSPA企業でサステナビリティ戦略の推進に携わった。「前職では日本のアパレル中小企業から、『私たちは何から始めたらよいのか』と相談を受けることもあった。しかし、正直大手の資本があるからできることも多くあった。世界では情報開示の規制が強まっているなか、もっと日本のアパレル企業の目線に立って現実的なサポートができないかと考えていた矢先に出合ったのが『グッドメジャーズ』だった」と山浦担当。一方、浦田担当は女性ファッション誌のエディター職からの転職だ。「“エシカル評価”というと警戒されがちだが、私たちは日本の中小企業の透明性向上の応援団だ」と語る。

約1000項目の評価詳細で
自社の透明性が分かる

「グッドメジャーズ」の仕組みはこうだ。まず、同団体の専門家集団がブランドの一般公開情報に基づいて、「地球」「人」「動物」の3つの観点から“エシカル度”を評価する。例えば「地球」では脱炭素や資源循環、「人」では労働条件やトレーサビリティー、「動物」では動物繊維にまつわる認証の取得状況などの取り組みが該当する。合計で約1000の項目を総合評価して、最終的な“エシカル度”を5段階で算出する。

「グッドメジャーズ」のサービスに登録したブランドは、専用のウェブサイトが割り当てられ自社の“エシカル度”の評価内訳を見ることができる。各項目の自社のスコアに加えて、同規模の他社の平均値も確認できる。なお、評価が掲載されていない場合には、「グッドオンユー」に評価を依頼した後、「グッドメジャーズ」の機能が使える。

さらに各項目ページでは、「製品レベルでの認証は取得できているか?」「それはどんな認証か?」「全製品のうち認証を取得している割合はどの程度か」といった具合に複数の質問が並び、ユーザーはアンケート形式で設問に回答する。その回答をグッドオンユーの担当者が精査し、再びスコア化してくれるという仕組み。併せて、優先的に取り組むべき項目の提案や、その項目を改善するために有益なサービス、団体情報などもあり、サステナビリティロードマップの作成に参考になる。

「健康診断のような感覚で活用してほしい」

山浦担当は「サステナビリティ対応は何から始めればいいのか分からないという声もよく聞くが、自分の状態を知ることが第一歩。ブランドにはこのサービスを健康診断のような感覚で活用してほしい」と言う。

グッドオンユーの調査によれば、日本ブランドは長期保証やリペアといった製品寿命を延ばす取り組みには積極的な一方で、水資源やマイクロプラスチック、森林伐採については情報開示が少なく、包装・パッケージの最小化の取り組みも消極的な傾向があるという。「グッドメジャーズ」を活用すると、こうした日本企業が見落としがちな視点に気付き包括的なサステナビリティ対応の解像度を上げることができる。

アパレル産業を
盛り上げていくことが裏ゴール

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情報開示で終わらず、次のアクションにつなげていくことが同サービスの本質だ。UPDATERでは日本独自の取り組みとして、サステナビリティにまつわる取り組みを生活者向けに発信するウェブサイト製作のサポートや、UPDATERが持つSX関連サービスの特別価格での提供といったユーザープランを用意してサステナビリティ対応を支援する。

また、「グッドオンユー」の日本版としてウェブサイト「シフトシー(Shift C)」も立ち上げた。ここでは、ブランドの“エシカル度”検索の機能のほか、サステナブルファッションについて学べるウェブコンテンツなどを掲載する。メディア事業を率いる浦田担当は、「私の役割は、サステナブルファッションのファンを増やすこと。スコア改善を目指す渦中の努力やブランドの『私たちはこんなことをしています』をどんどん紹介して、情報開示の文化を一緒に作っていきたい」と話す。

山浦担当は「国内のアパレル産業を盛り上げていくことが私たちの裏ゴールだ。『グッドメジャーズ』はいわば世界のサステナビリティ対応を知るための情報の宝庫。このツールをいかようにも活用して日本のファッションブランドの皆さんを応援していきたい」と思いを語る。

問い合わせ先
Shift C
https://shiftc.jp/contact/

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「エリー サーブ」2025年春夏オートクチュール・コレクション

「エリー サーブ(ELIE SAAB)」が2025年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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「エリー サーブ」2025年春夏オートクチュール・コレクション

「エリー サーブ(ELIE SAAB)」が2025年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。

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「ア ベイシング エイプ®」と「ネイバーフッド」がタッグ 再解釈した“トライアルカモ”の特別復刻も

「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」(以下、「ベイプ®」)は2月1日、滝沢伸介デザイナー率いるネイバーフッド(NEIGHBORHOOD)」とのコラボコレクションを発売する。同コレクションは両ブランドの店舗および、公式オンラインストアで扱うほか、「ベイプ ストア®」各店では発売日当日に店頭で抽選を実施する。

“裏原”がルーツの両者が協業したコラボコレクション

東京・原宿にルーツに持つ両ブランドがタッグを組んだ同コラボでは、「ベイプ®」を代表するアーカイブアイテムやモチーフを、「ネイバーフッド」独自の解釈でアレンジ。また、2000年に登場した「ベイプ®」のオリジナルカモフラージュ柄“トライアルカモ(TRIAL CAMO)”をモノトーンで再構築したデザインも復刻する。

アパレルは、ブラック、ホワイト、グレーのカラーパレットを採用し、総柄のスノーボードジャケットや大胆にロゴをあしらったバーシティジャケットなどのアウターのほか、シンプルなスエットやTシャツ、シューズ、キャップなどをラインアップ。バーシティジャケットはブラック×ホワイトとブラック×グレーの2色展開で、ブラック×グレーは、ネイバーフッド各店限定での販売となる。

コラボならではの意匠を施した
お香立てとチェア

雑貨は、「ネイバーフッド」シグネチャーであるインセンスチャンバー(4万4000円)とチェア(16万5000円)を用意。「ベイプ®」の“ジェネラル”をモチーフに制作したインセンスチャンバーは、鼻腔や顔周りから煙が排出される仕様で、台座の“BAPE”と“NBHD”の文字が両者のコラボを象徴づけるデザインに。また、「ネイバーフッド」とインセンスブランド「クンバ(KUUMBA)」のコラボレーションモデルで、甘くフレッシュな香りが特徴のスティック型インセンス“パシフィック ロング インセンス”5本が付属する。

チェアは、家具メーカー「モダニカ(MODERNICA)」に別注したもの。名作の“シェルチェア”に“トライアルカモ”を落とし込み、背面には両ブランドのロゴをプリントしたネームラベルを配置。脚部にはエッフェルベースを採用することで、空間に美しく軽やかな印象に仕上げた。同チェアは、「ベイプ®」の公式オンラインストアで受注販売となる。2月中旬ごろに順次発送予定だ。

コラボアイテムの購入者には、同コレクションの発売を記念して制作したノベルティーのステッカーを数量限定で配布する。

ラインアップ一覧

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アーバンリサーチが長崎県の離島、壱岐市とパートナーシップ提携

アーバンリサーチは1月30日、長崎県壱岐市(いきし)と「エンゲージメントパートナー協定」を締結した。同日アーバンリサーチの大阪本社で締結式を開いた。壱岐市が2022年に開始した「エンゲージメントパートナー協定」制度は「双方のビジョンに共感しより良くなるために貢献し合う状態を宣言すること」とし、目的要項を明確にした一般的な官民の連携協定よりも長期的かつ変容性の高い協力関係の構築を目指すというもの。アーバンリサーチは33件目のパートナー企業でアパレル分野では初。

壱岐市が2019年に主催した「SDGsフェス」にアーバンリサーチが出店したことをきっかけに交流が生まれた。本協定の下、まずは市民との対話や現地調査からはじめ、アーバンリサーチのリソースを活かせるニーズを探るという。国が定める「SDGs未来都市」に認定されている壱岐市のビジョンに沿って、衣類をはじめとする資源循環に向けての助言や、日本のモノ作りに着目した「ジャパンメイドプロジェクト」を通した地域産業との連携なども視野に入れる。またアーバンリサーチが長野県茅野市のキャンプ場で開催している「タイニーガーデンフェス」といった実績も背景に、壱岐市でのイベント開催などを通じて地域を盛り上げていく考え。

壱岐市は福岡県博多から船で1時間程度の距離に位置し、豊かな自然資本に恵まれた地域。人口は約2万人で、年間の観光客数は約50万人。篠原一生市長は、「壱岐市にはさまざまな文化資産があるものの、プロモーションの軸を確立できていなかった。アーバンリサーチには、市の魅力をアップデートすることに一緒に取り組んでもらえると期待したい」とコメントした。篠原市長は“カルチャーターミナル イキ”の標語を掲げ、島の文化発信に力を入れている。

一方、アーバンリサーチの竹村佳祐社長は「ファッションを軸にしたさまざまな経験やアクティビティーを提供できる企業を目指している。この取り組みを通して当社が目指す事業の展開にプラスになると考えた」と話した。今後、各地方の店舗をより地域性を反映させた店にしていこうというのが竹村社長の考えだ。その中で九州エリアのコミュニティーとつながる拠点として活かしてくことも狙いの1つだという。

昨今、ファッション企業と地方行政が協力してまちおこしに取り組む事例が増えている。セレクトショップ企業においてはビームスが先駆的に地方の魅力発掘に取り組む。24年にはユナイテッドアローズが茨城県境町と、デイトナ・インターナショナルが静岡県静岡市と包括連携協定を結んだ。人口減少や少子高齢化が共通の課題に挙げられるなか、ファッション企業に「これまでにない発想と解決策」が求められている。

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アーバンリサーチが長崎県の離島、壱岐市とパートナーシップ提携

アーバンリサーチは1月30日、長崎県壱岐市(いきし)と「エンゲージメントパートナー協定」を締結した。同日アーバンリサーチの大阪本社で締結式を開いた。壱岐市が2022年に開始した「エンゲージメントパートナー協定」制度は「双方のビジョンに共感しより良くなるために貢献し合う状態を宣言すること」とし、目的要項を明確にした一般的な官民の連携協定よりも長期的かつ変容性の高い協力関係の構築を目指すというもの。アーバンリサーチは33件目のパートナー企業でアパレル分野では初。

壱岐市が2019年に主催した「SDGsフェス」にアーバンリサーチが出店したことをきっかけに交流が生まれた。本協定の下、まずは市民との対話や現地調査からはじめ、アーバンリサーチのリソースを活かせるニーズを探るという。国が定める「SDGs未来都市」に認定されている壱岐市のビジョンに沿って、衣類をはじめとする資源循環に向けての助言や、日本のモノ作りに着目した「ジャパンメイドプロジェクト」を通した地域産業との連携なども視野に入れる。またアーバンリサーチが長野県茅野市のキャンプ場で開催している「タイニーガーデンフェス」といった実績も背景に、壱岐市でのイベント開催などを通じて地域を盛り上げていく考え。

壱岐市は福岡県博多から船で1時間程度の距離に位置し、豊かな自然資本に恵まれた地域。人口は約2万人で、年間の観光客数は約50万人。篠原一生市長は、「壱岐市にはさまざまな文化資産があるものの、プロモーションの軸を確立できていなかった。アーバンリサーチには、市の魅力をアップデートすることに一緒に取り組んでもらえると期待したい」とコメントした。篠原市長は“カルチャーターミナル イキ”の標語を掲げ、島の文化発信に力を入れている。

一方、アーバンリサーチの竹村佳祐社長は「ファッションを軸にしたさまざまな経験やアクティビティーを提供できる企業を目指している。この取り組みを通して当社が目指す事業の展開にプラスになると考えた」と話した。今後、各地方の店舗をより地域性を反映させた店にしていこうというのが竹村社長の考えだ。その中で九州エリアのコミュニティーとつながる拠点として活かしてくことも狙いの1つだという。

昨今、ファッション企業と地方行政が協力してまちおこしに取り組む事例が増えている。セレクトショップ企業においてはビームスが先駆的に地方の魅力発掘に取り組む。24年にはユナイテッドアローズが茨城県境町と、デイトナ・インターナショナルが静岡県静岡市と包括連携協定を結んだ。人口減少や少子高齢化が共通の課題に挙げられるなか、ファッション企業に「これまでにない発想と解決策」が求められている。

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「ギャップ」がショーン・ウォザースプーンとコラボした“ギャップ ビンテージを発売

「ギャップ(GAP)」はギャップ」のグローバル・ビンテージキュレーター、ショーン・ウォザースプーン(Sean Wotherspoon)とコラボしたコレクション“ギャップ ビンテージ(Gap Vintage)”をドロップ1として新宿フラッグス店では2月1日11時に発売し、8日10時に心斎橋店で数量限定で発売する。

イメージ画像

本コレクションでは、1980年代から2000年代に製造されたポケットT シャツやクラシックロゴ フーディー、デニムジャケット、ナイロンアノラック ジップアップウインドブレーカーなどのアイテムを数量限定でラインアップ。新宿フラッグス店で約300点、心斎橋店で約200点販売する。価格は3990~4万9900円。アイテムにはショーン・ウォザースプーンのロゴ“SW”を施し、購入者全員にビンテージ商品やレーコード等に着想を得たデザインのステッカーとオリジナルトートバッグをプレゼントする。新宿フラッグス店は2月1日9時、心斎橋店は2月8日8時から、先着で並んでいる人順に入店登録を行い、登録順に入店の案内をする。入店の受付にはLINEかメールアドレスが必要となる。

ウォザースプーンは「ギャップがビンテージアイテムを収集し、約2年前に業界でも先駆的な試みだったこのプロジェクトを大々的にリニューアルしていくことを本当にうれしく思う。ビンテージアイテムや古着市場が成長を続け、若い世代から人気が高まっている今、ギャップ ビンテージを世界中の若者たちに届けられることを楽しみにしている」とコメントした。

期間限定メニュー

日本限定の新宿フラッグス店内にあるギャップ カフェでは、ショーンとコラボした抹茶ソイラテとシナモンバター抹茶ソイラテ、スペシャルラテアートを2月1日から期間限定で提供する。

一部アイテム

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「ギャップ」がショーン・ウォザースプーンとコラボした“ギャップ ビンテージを発売

「ギャップ(GAP)」はギャップ」のグローバル・ビンテージキュレーター、ショーン・ウォザースプーン(Sean Wotherspoon)とコラボしたコレクション“ギャップ ビンテージ(Gap Vintage)”をドロップ1として新宿フラッグス店では2月1日11時に発売し、8日10時に心斎橋店で数量限定で発売する。

イメージ画像

本コレクションでは、1980年代から2000年代に製造されたポケットT シャツやクラシックロゴ フーディー、デニムジャケット、ナイロンアノラック ジップアップウインドブレーカーなどのアイテムを数量限定でラインアップ。新宿フラッグス店で約300点、心斎橋店で約200点販売する。価格は3990~4万9900円。アイテムにはショーン・ウォザースプーンのロゴ“SW”を施し、購入者全員にビンテージ商品やレーコード等に着想を得たデザインのステッカーとオリジナルトートバッグをプレゼントする。新宿フラッグス店は2月1日9時、心斎橋店は2月8日8時から、先着で並んでいる人順に入店登録を行い、登録順に入店の案内をする。入店の受付にはLINEかメールアドレスが必要となる。

ウォザースプーンは「ギャップがビンテージアイテムを収集し、約2年前に業界でも先駆的な試みだったこのプロジェクトを大々的にリニューアルしていくことを本当にうれしく思う。ビンテージアイテムや古着市場が成長を続け、若い世代から人気が高まっている今、ギャップ ビンテージを世界中の若者たちに届けられることを楽しみにしている」とコメントした。

期間限定メニュー

日本限定の新宿フラッグス店内にあるギャップ カフェでは、ショーンとコラボした抹茶ソイラテとシナモンバター抹茶ソイラテ、スペシャルラテアートを2月1日から期間限定で提供する。

一部アイテム

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「ヴェイン」が見つめる、“今あるもの” 25-26年秋冬でデザイナーの日常を表現

ことファッションの世界において、それはすでに手垢がつき過ぎている表現かもしれない。それでも「ヴェイン(VEIN)」ほど、デザイナーが“今の気分を落とし込んだ”服作りをするブランドは、他にないだろう。

榎本光希デザイナーの2025-26年秋冬コレクションは、ブランドのリーダーであり、父でもある同氏の内面を率直に見せた。ここ数シーズンのクリーンでミニマルなデザインを踏襲しつつも、スポーティーなムードやフォーマルな空気感をまぶして表現の引き出しの多さを発揮していた。加えて、最近の傾向として、同氏は家族や友人と過ごす時間から着想を得たパーソナルなコレクションを披露してきたが、それが今シーズンをもって、明確な“ブランドのやり方”として定着したように思える。背景にあるのは、「ヴェイン」を手掛けるアタッチメント社の環境の変化だ。24年11月、アタッチメント社は、大手繊維専門商社のヤギの子会社で「タトラス(TATRAS)」を手掛けるウィーバ(WEAVA)に吸収合併されると明らかになった。榎本デザイナーは一時は会社名がなくなることに感傷的になったが、徐々に「今あるもので頑張っていくしかない」と前を向くようになったという。「僕はクリエイションを通して社会問題にフォーカスするわけでも、アートを作るわけでもない。目まぐるしく変化する日常に感受性が全て持っていかれるからこそ、『ヴェイン』では背伸びをせず、自分をさらけ出したい」。

パーソナルなクリエイションを突き詰めて

25-26年秋冬コレクションでは、自身の息子の名前に由来する“LEAVES(葉)”をシーズンタイトルに据え、恵比寿の新たなショールームに、雑草生い茂る公園のようなセットを組んだ。そもそも「ヴェイン」というブランド名も“葉脈”に由来しており、花のように分かりやすく華やかなものでなくとも、葉のように必要不可欠なものを目指す姿勢や、外側のデザイン以上に内面や構造に重きを置くコンセプトを落とし込んでいるという。ファーストルックは、日常的にカメラで撮影していたという草木のモチーフをジャカード織りにしたテーラードジャケットに、ダークブラウンのコーデュロイパンツ。パワーショルダーでフォーマルな印象を与えつつ、ボトムスのカジュアルな素材とゆったりとしたシルエットで対極をなす。「表現の幅を広げたかった」と語る榎本デザイナーの内面を象徴するようなスタイルだ。

膝をカットオフしたパンツや、ミリタリーウエアをベースにしたブルゾン、開閉度合いもデザインになるダブルジップのパーカーなど、過去のコレクションで幾度となく登場したディテールや、ブランドのコンセプトである“構造表現主義”(=服の構造をデザインと捉える)を思わせる仕掛けも登場した。そんな中で強いアクセントを加えたのは、スポーツチームの練習着に着想した新作の“プレップウエア(PREP WEAR)”だ。胸元に「MENBERS ONLY(=メンバー限定)」と書いたスエットや、今季初めて登場したブランドロゴを配したタイトなトレーニングシャツやタイツ、Tシャツ、タンクトップなど、コレクションにカジュアルさをプラスするアイテムに仕上がっている。「子どもがバスケットボールに励むようになり、練習に付き合ううちに僕も周囲の人らと『ヴェイン バスケットボール クラブ』を結成するに至った。コミュニティーのために作ったのがこのロゴだった」。

榎本デザイナーの仕掛けはさらに続き、「自分がほしかったから作った」というラグを肩にはおったルックや、ムラ染めして同じデザインが1つとないようにしたベルトを披露した。ブランドスタート時の「ヴェイン」はストリートなエッセンスを多分に含んでいたが、シーズンが進むごとに装飾や柄を削ぎ落としてクリーンな仕上がりになりつつあった。それが今回でさらなる進化を遂げ、変幻自在なクリエイションへと到達。これまでの環境は“leave(離れる)”ものの、次のステージでもファンを楽しませてくれるだろう。

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「ヴェイン」が見つめる、“今あるもの” 25-26年秋冬でデザイナーの日常を表現

ことファッションの世界において、それはすでに手垢がつき過ぎている表現かもしれない。それでも「ヴェイン(VEIN)」ほど、デザイナーが“今の気分を落とし込んだ”服作りをするブランドは、他にないだろう。

榎本光希デザイナーの2025-26年秋冬コレクションは、ブランドのリーダーであり、父でもある同氏の内面を率直に見せた。ここ数シーズンのクリーンでミニマルなデザインを踏襲しつつも、スポーティーなムードやフォーマルな空気感をまぶして表現の引き出しの多さを発揮していた。加えて、最近の傾向として、同氏は家族や友人と過ごす時間から着想を得たパーソナルなコレクションを披露してきたが、それが今シーズンをもって、明確な“ブランドのやり方”として定着したように思える。背景にあるのは、「ヴェイン」を手掛けるアタッチメント社の環境の変化だ。24年11月、アタッチメント社は、大手繊維専門商社のヤギの子会社で「タトラス(TATRAS)」を手掛けるウィーバ(WEAVA)に吸収合併されると明らかになった。榎本デザイナーは一時は会社名がなくなることに感傷的になったが、徐々に「今あるもので頑張っていくしかない」と前を向くようになったという。「僕はクリエイションを通して社会問題にフォーカスするわけでも、アートを作るわけでもない。目まぐるしく変化する日常に感受性が全て持っていかれるからこそ、『ヴェイン』では背伸びをせず、自分をさらけ出したい」。

パーソナルなクリエイションを突き詰めて

25-26年秋冬コレクションでは、自身の息子の名前に由来する“LEAVES(葉)”をシーズンタイトルに据え、恵比寿の新たなショールームに、雑草生い茂る公園のようなセットを組んだ。そもそも「ヴェイン」というブランド名も“葉脈”に由来しており、花のように分かりやすく華やかなものでなくとも、葉のように必要不可欠なものを目指す姿勢や、外側のデザイン以上に内面や構造に重きを置くコンセプトを落とし込んでいるという。ファーストルックは、日常的にカメラで撮影していたという草木のモチーフをジャカード織りにしたテーラードジャケットに、ダークブラウンのコーデュロイパンツ。パワーショルダーでフォーマルな印象を与えつつ、ボトムスのカジュアルな素材とゆったりとしたシルエットで対極をなす。「表現の幅を広げたかった」と語る榎本デザイナーの内面を象徴するようなスタイルだ。

膝をカットオフしたパンツや、ミリタリーウエアをベースにしたブルゾン、開閉度合いもデザインになるダブルジップのパーカーなど、過去のコレクションで幾度となく登場したディテールや、ブランドのコンセプトである“構造表現主義”(=服の構造をデザインと捉える)を思わせる仕掛けも登場した。そんな中で強いアクセントを加えたのは、スポーツチームの練習着に着想した新作の“プレップウエア(PREP WEAR)”だ。胸元に「MENBERS ONLY(=メンバー限定)」と書いたスエットや、今季初めて登場したブランドロゴを配したタイトなトレーニングシャツやタイツ、Tシャツ、タンクトップなど、コレクションにカジュアルさをプラスするアイテムに仕上がっている。「子どもがバスケットボールに励むようになり、練習に付き合ううちに僕も周囲の人らと『ヴェイン バスケットボール クラブ』を結成するに至った。コミュニティーのために作ったのがこのロゴだった」。

榎本デザイナーの仕掛けはさらに続き、「自分がほしかったから作った」というラグを肩にはおったルックや、ムラ染めして同じデザインが1つとないようにしたベルトを披露した。ブランドスタート時の「ヴェイン」はストリートなエッセンスを多分に含んでいたが、シーズンが進むごとに装飾や柄を削ぎ落としてクリーンな仕上がりになりつつあった。それが今回でさらなる進化を遂げ、変幻自在なクリエイションへと到達。これまでの環境は“leave(離れる)”ものの、次のステージでもファンを楽しませてくれるだろう。

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Number_iの岸優太がテープカットイベントに登壇 「バナナ・リパブリック」虎ノ門ヒルズ店の開店を記念して

「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」は1月31日、虎ノ門ヒルズ グラスロック 地下2階に新店舗をオープンする。これに先駆け行われたオープニングセレモニーには、ブランドアンバサダーの就任が発表されたばかりのNumber_iの岸優太が登壇。トークセッションで同店舗の魅力を伝えたほか、クリストファー・モーラー(Christopher Mohler)=ギャップジャパン社長らと共にテープカットを行った。

ラグジュアリーかつ洗練された空間の虎ノ門ヒルズ店は、さまざまなオケージョンやライフスタイルに寄り添う高品質なコレクションとエクスペリエンスを提供する。オープンに先駆けて店舗を見回った岸は「ラグジュアリーでありながらも温かみを感じる店内になっているので、ぜひ一度遊びに来てほしいです」とアピール。クリストファー社長は「虎ノ門ヒルズ店には、いろいろな要素を織り込みました。皆さんにすばらしい体験をお届けできると思います。日本上陸20周年を迎える記念すべき年にオープンできることをうれしく思います」とコメントした。

また「バナナ・リパブリック」は30日朝、岸を日本初のブランドアンバサダーに指名したと発表した。就任したときの心境を聞かれると「とても光栄でした。誰もが知っている『バナリパ』なので、声を掛けていただいたときは驚きましたね。ブランドの魅力を少しでもお伝えできればと思っております」と意気込み、クリストファー社長は「岸さんとこれからご一緒できることをブランド一同楽しみにしております」とコメントした。

2025年スプリング・コレクションを発売

同ブランドは1月31日に、2025年スプリング・コレクションを全国の「バナナ・リパブリック」店舗と公式オンラインストアで発売する。軽量なカシミヤアイテム、クラシックなスエードのトラッカージャケット、日本限定オーガニックコットン100%のミラノリブ編みカーディガン、シルク100%のジオメトリック柄のリゾートシャツなどをラインアップ。

ほか、レスポンシブル・ウール・スタンダート認証のサステナブルなウールを使用したシングルブレストジャケットとトラウザーのスーツ、オレンジカラーがアクセントのナイロンジャケット、ジャガード編みのリゾートシャツ、ファクトリーストア限定で展開するロゴスエット、ショールカラーのカーディガン、ヴィーガンスエードを使用したシャツジャケットなど汎用性の高いアイテムをそろえる。

■「バナナ・リパブリック」虎ノ門ヒルズ店
オープン日:1月31日
住所:東京都港区虎ノ門1-22-1 グラスロック 地下2階

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「タカミ」の新CMに俳優の小池栄子、福士蒼汰、松岡茉優が登場 毎日の正しいスキンケア習慣を提唱

日本発スキンケアブランド「タカミ(TAKAMI)」はこのほど、ブランドを代表するロングセラー角質美容水“タカミスキンピール”(30mL、5500円)の発売20周年を記念し、新テレビCMを発表した。CMには、俳優の小池栄子と福士蒼汰、松岡茉優が登場。同製品の特徴である「塗って3分待つだけ」のスキンケアが「毎日の肌管理になる」ことを日常のシーンで表現した。2月4日以降、全国7地区(北海道、宮城、関東、中京、関西、広島、福岡)で放映する。

「前向きで自分らしく」を体現する3人

天谷美乃里・ロレアル リュクス事業本部 タカミ事業部 事業部長は、「『タカミ』は悩みを繰り返さないために、毎日のスキンケアを通して肌本来の美しさをキープできるようにサポートするブランド」と話す。ロゴには、「美しい顔で前を向いてほしい」という思いが込められている。新CMには、「前向きで自分らしく」を体現する俳優3人をイメージキャラクターとして起用。小池は「弾むような明るさと成熟した美しさ」、福士は「清潔感のある洗練された美しさ」、松岡は「透明感のある柔らかな美しさ」にフォーカスして製作した。「TAKAMIで、まいにち肌管理。」をキャッチコピーに、さらなる認知向上を目指す。

20代はスキンケアに無頓着だったという福士は、「手をかけると、肌が成長していくのを実感する。アラサーになり、肌への向き合い方はガラッと変わった。もっと早いうちに始めたらよかったと思う」と話す。松岡は、「20歳のころはいろいろな製品を試してたくさん重ね塗りをしていた。“タカミスキンピール”と出合って、シンプルな処方が自分に合うと気付けた」と長年同製品を愛用していることを明らかにする。小池は、「20代は、太陽の下で弾けるような若さの肌だった。歳を重ねると、より柔らかい印象で、透明感を保ちながら弾ける肌に変わってきた。年齢による変化を受け止めて、自分の中でそしゃくして、今の自分にできることを続けていきたい」と前向きな意向を述べる。

松岡は、「化粧水の前にワンステップを踏むことのハードルが、とても高い人もいる。“タカミスキンピール”を塗って待つ3分の間に洗面所の掃除をしたり、髪の毛を乾かしたり......。3分は想像するよりもあっという間で、ハードルはそんなに高くないということを伝えたい。鏡に映る自分の肌が『調子いいかも』と思う瞬間は何物にも変え難いから」とコメント。福士は、「肌が綺麗になると自信につながり、より前向きに人の目を見て笑顔で挨拶できるようになる。まだスキンケアを重視していない男性にもたくさん使ってほしい」と男性の背中を押す。小池は、「美意識が高い人にも、ズボラで面倒くさがりな人にも、誰にでも使ってほしい。忙しい日常の中で、3分間は自分のことだけを見て、自分の肌を大切にして、自分を愛する時間に使ってほしい」と、“タカミスキンピール”は年齢や性別を問わず寄り添ってくれる製品であることを印象付けた。

クリニックの原点を重視した開発方法

天谷事業部長は、「化粧品ということで女性をターゲットにした訴求はこれまでにも行なってきたが、性別や年齢を問わず使える製品だという特徴をより打ち出していきたい。次の10年を見据えて男性や、幅広い年代の女性を起用した」とマスメディアを活用し、ブランドの可能性をより広げることを目指す。「人間である以上、根源的に必要なものは皆同じなので、年齢や性別の情報を重視する必要はない。それが、クリニックを原点とする『タカミ』の製品開発の仕方だ」と続ける。

岡村雄嗣・日本ロレアル社長付 特別顧問「タカミ」ブランドアドバイザーは、「クリニックにかかって一時的に肌の状態がよくなったとしても、普段の肌の触り方やスキンケアを改善しないと、同じ悩みを何度も繰り返してしまう。『タカミ』はクリニック発祥のブランドとして、肌の角質を正しく生まれ変わらせ、肌を健康にできるように導く。肌に正しく向き合うことで、誰でも美しい肌を手に入れられるポテンシャルがある」と話す。パッケージには適切な使用量を図示し、定期便を用意することで「正しいスキンケア」を習慣化できるように並走している。「マーケティング視点だと、『お客さまに誠実に』という発想になるが、私は『お肌に誠実に』という考え方を大切にしている。化粧品に求めることの原点にあるのは、肌に対してどのような影響があるのか。今後もこのスタンスを貫いていく」と語った。

“タカミスキンピール”とは

“タカミスキンピール”は、肌本来の美しさの基本となる角質に着目し、剥がすことなく角質の生まれ変わりをサポートする角質美容水。水のようなテクスチャーが特徴で、スキンケア製品の浸透促進にも寄与する。発売以来、シンプルでミニマルな処方を変えずに選ばれ続けている。ブランドの売り上げ全体の半分以上を占め、誕生した2005年から24年12月末までに累計260万人以上(※「タカミ」調べ)が使用した。定期便の利用者は20万人を超え、10年や20年愛用する顧客もいるという。

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上海のビンテージブームをけん引する「ターミナル69」 由来はあのVシネマ【ヒキタミワの「上海日記」】

1993年から上海在住のライターでメイクアップアーティストのヒキタミワさんの「上海日記」は、ファッションやビューティの最新トレンドや人気のグルメ&ライフスタイル情報を、ベテランの業界人目線でお届けします。2回目に取り上げるのは、高感度な上海っ子でトレンドとなっているビンテージ古着ブームを牽引する「ターミナル69(TERMINAL69、住所:徐汇区太原路167号B1)」を紹介します。意外な名前の由来と新展開も!?

名前の由来はなんと日本のVシネマ

上海の中心地に佇むアーカイブショップの「ターミナル69」は、1980~90年代のデザイナーズブランドを扱う独特なビンテージファッションの美学とサブカルチャーが凝縮されたスペースだ。ショップオーナーは北京出身の女性の通称69(リウジウ)。ちなみに店名の由来は1995年放映の日本のVシネマ「淫殺の虜」(監督:中上登美夫監督、主演:水谷ケイ)の中のキャラクター女性型サイボーグT-69からだとか。彼女のニックネームもこれしかり。

2015年に淘宝(タオバオ)でオンラインストアとしてスタートしたこのショップだが、「アイテムを実際に手に取ってもらいたい」という69の強い思いから、19年上海に約200㎡の実店舗をオープン、その後2度の移転を経て、昨年6月に現在の店舗へと再スタートを切った。

日本やヨーロッパ各地のビンテージ市場で高い評価を受けるアイテムを厳選し、希少な一点ものを揃えるセンスはもちろん、彼女のクリエイティビティと独自の視点が生み出すその空間は、上海のサブカルファッションシーンを牽引している。店内には「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」、「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」、「マルタン・マルジェラ(MARTIN MARGIELA)」、「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」など、アートピースのような個性と存在感を放つコレクションがずらりと並び、その数は5000点にも上る。

売れ筋は3000元(約6万3000円)前後

顧客層は地元のアーティストやファッションを学ぶ学生が中心で特に奇抜なデザインのアイテムが人気。価格帯は3000元(約6万3000円)前後が売れ筋だという。その他、雑誌やアーティスト、フォトグラファーへの貸し出しも意欲的に展開し、新たなクリエイションの発信地としても機能している。

「ターミナル69」は単なるショップの枠を超え、これまで多彩なイベントを開催してきたが、服で埋め尽くされた空間では表現の幅に限界があり、より自由にアイディアを具現化できる場を求めていた。そんな69の思いを形にしたのが、ショップに隣接してオープンした昭和レトロ全開のバー「交感天使」だ。パートナーの重美(しげみ)と共に手掛けたこの空間は、ショップとリンクしながらも独自の香りと世界観を放つ特別な場所となっている。

ちなみに69と重美の出逢いは14年「豆瓣」というサブカルやマニアの集まる異色なSNS上でのこと。お互いの趣味が一致し、北京の69と成都の重美はネット上で親睦を深めていった。そして17年、2人は東京で初対面、69自らのショップに重美をモデルに起用するなどお互いのセンスを認め合い、晴れてバーを開く運びとなる。バーの話は次回に続く・・・。

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上海のビンテージブームをけん引する「ターミナル69」 由来はあのVシネマ【ヒキタミワの「上海日記」】

1993年から上海在住のライターでメイクアップアーティストのヒキタミワさんの「上海日記」は、ファッションやビューティの最新トレンドや人気のグルメ&ライフスタイル情報を、ベテランの業界人目線でお届けします。2回目に取り上げるのは、高感度な上海っ子でトレンドとなっているビンテージ古着ブームを牽引する「ターミナル69(TERMINAL69、住所:徐汇区太原路167号B1)」を紹介します。意外な名前の由来と新展開も!?

名前の由来はなんと日本のVシネマ

上海の中心地に佇むアーカイブショップの「ターミナル69」は、1980~90年代のデザイナーズブランドを扱う独特なビンテージファッションの美学とサブカルチャーが凝縮されたスペースだ。ショップオーナーは北京出身の女性の通称69(リウジウ)。ちなみに店名の由来は1995年放映の日本のVシネマ「淫殺の虜」(監督:中上登美夫監督、主演:水谷ケイ)の中のキャラクター女性型サイボーグT-69からだとか。彼女のニックネームもこれしかり。

2015年に淘宝(タオバオ)でオンラインストアとしてスタートしたこのショップだが、「アイテムを実際に手に取ってもらいたい」という69の強い思いから、19年上海に約200㎡の実店舗をオープン、その後2度の移転を経て、昨年6月に現在の店舗へと再スタートを切った。

日本やヨーロッパ各地のビンテージ市場で高い評価を受けるアイテムを厳選し、希少な一点ものを揃えるセンスはもちろん、彼女のクリエイティビティと独自の視点が生み出すその空間は、上海のサブカルファッションシーンを牽引している。店内には「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」、「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」、「マルタン・マルジェラ(MARTIN MARGIELA)」、「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」など、アートピースのような個性と存在感を放つコレクションがずらりと並び、その数は5000点にも上る。

売れ筋は3000元(約6万3000円)前後

顧客層は地元のアーティストやファッションを学ぶ学生が中心で特に奇抜なデザインのアイテムが人気。価格帯は3000元(約6万3000円)前後が売れ筋だという。その他、雑誌やアーティスト、フォトグラファーへの貸し出しも意欲的に展開し、新たなクリエイションの発信地としても機能している。

「ターミナル69」は単なるショップの枠を超え、これまで多彩なイベントを開催してきたが、服で埋め尽くされた空間では表現の幅に限界があり、より自由にアイディアを具現化できる場を求めていた。そんな69の思いを形にしたのが、ショップに隣接してオープンした昭和レトロ全開のバー「交感天使」だ。パートナーの重美(しげみ)と共に手掛けたこの空間は、ショップとリンクしながらも独自の香りと世界観を放つ特別な場所となっている。

ちなみに69と重美の出逢いは14年「豆瓣」というサブカルやマニアの集まる異色なSNS上でのこと。お互いの趣味が一致し、北京の69と成都の重美はネット上で親睦を深めていった。そして17年、2人は東京で初対面、69自らのショップに重美をモデルに起用するなどお互いのセンスを認め合い、晴れてバーを開く運びとなる。バーの話は次回に続く・・・。

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【2025年バレンタイン】「ケイト・スペード ニューヨーク」がポップアップを実施 限定チョコレートボックスも登場

「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」は2月14日までの期間、バレンタインデーに向けたスペシャルキャンペーンを実施する。ポップアップや限定チョコレートボックスの販売など、バレンタインにぴったりの企画を用意する。

「ケイト・スペード ニューヨーク」がバレンタインを祝福

ポップアップ

現在、阪急うめだ本店でバレンタインポップアップを開催中で31日からは銀座旗艦店、ルミネ新宿2でも同様のポップアップを開催する。

会場ではフェミニン、コンテンポラリー、ジョイフルの3つのブランドコンセプトを表現した商品をラインアップ。ミニマルなデザインに、アルファベットの“K”に着想した幾何学的でエレガントなハードウエアをあしらった“デコ”コレクションからは、今シーズンの新色“ペストリーピンク”のチェーンバッグやハート型のジュエリーなどを展開する。

コラボチョコレートも登場

さらにポップアップストア限定で、日本発のスイーツブランド「チョコレコ(CHOCOREKO)」の人気商品“ローチョコレート”から、「ケイト・スペード ニューヨーク」が厳選した“糀ショコラ88%スーパービター”“糀ショコラ76%マイルドビター”“ニブローカカオ 塩糀抹茶”“糀ショコラ ヴィーガン玄米茶ラテ”の4種類をセットにしたチョコレートボックス(3996円)を数量限定で販売する。販売期間は阪急うめだ本店 では2月4日まで、ルミネ新宿2と銀座旗艦店では1月31日から2月14日まで。

限定チャームをゲット

阪急うめだ本店とルミネ新宿2で、ポップアップストアで1万円以上購入した人にニューヨークやブランドに着想したアクリルチャームを先着でプレゼントするカプセルトイキャンペーンを実施する。1人につき1日1体験までで、カプセルトイの抽選1体験で2回引くことができる。

銀座旗艦店3階がバレンタイン仕様に

バレンタインムード溢れるキュートな店内装飾を楽しめる銀座旗艦店3階の“バレンタインデー ギフティング スペース”では、購入特典としてオリジナルメッセージカードをプレゼントするキャンペーンを実施する。

ポップアップストア詳細

■阪急うめだ本店 バレンタイン ポップアップストア

日程:~2月4日
場所:阪急うめだ本店 1階 バッグアトリエ イベントスペース
住所:大阪府大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店1階
時間:10:00~20:00

■銀座旗艦店 バレンタイン ポップアップストア

日程:1月31日~2月14日
場所:「ケイト・スペード ニューヨーク」銀座旗艦店
住所:東京都中央区銀座5-5-19
時間:11:00~20:00

■ルミネ新宿2 バレンタイン ポップアップストア

日程:1月31日~2月14日
場所:ルミネ新宿2 ギャラリー2 
住所:東京都新宿区新宿3-38-2 ルミネ新宿2 2階
時間:11:00~21:00

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「ティルティル」の人気“ウォーターリズムグロウティント”がミニサイズに 豊富な全30色

「ティルティル(TIRTIR)」は2月20日、唇に光沢のようなみずみずしい艶を与えるティントリップ“ウォーターリズムグロウティント”のミニサイズ(各990円)を数量限定で発売する。全国のプラザ(PLAZA)やロフト(LOFT)、ドン・キホーテなどのバラエティーストアで取り扱う。

“ウォーターリズムグロウティント”は、発売から約7カ月(2024年5月15日~12月15日)で累計販売数70万個を達成した人気の商品だ。保湿成分を配合し、メイク効果とケア効果を両立した。ミニサイズは本品の約3分の2サイズで、持ち歩きにも最適だ。豊富なカラーラインアップが特徴で、ラズベリーレッドやロージーベージュ、オレンジレッドなどの新15色を含む全30色を用意した。

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「212キッチンストア」がワールドの衣類在庫をエプロンの原料として再利用

ワールドグループ傘下のライフスタイルイノベーションが展開するキッチン用品専門店「212キッチンストア(212 KITCHEN STORE)」はこのほど、ワールドグループの素材ブランド「サーキュリック(CIRCRIC)」の生地を使用した「サーキュリック エプロン」を発売した。

同商品に使用した生地「サーキュリック・フォー・ワールドループ(CIRCRIC for WORLD LOOP)」はワールドグループの衣類の繊維を分解し、原料となる糸から製造した、いわゆるクローズドループと呼ばれる方法で作られている。残った在庫を廃棄せずに原料として再利用した同社初の取り組みとなり、約一年半の開発期間をかけて商品化された。

エプロンはロングタイプと、腰に巻いて使えるショートタイプの2種類。カラーバリエーションはそれぞれネイビー、イエロー、パープル、ストライプの計4種類を用意する。価格はロングタイプが5,940円、ショートタイプが3,190円(いずれも税込)。

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ウィメンズ用スニーカー“エア マックス ミューズ”から鮮やかなレッドの新作が登場

「ナイキ(NIKE)」は、ウィメンズ用スニーカー“エア マックス ミューズ(AIR MAX MUSE)”の新色“ハバネロレッド アンド メタリックシルバー”を2月8日に発売する。価格は2万130円で、「ナイキ」の公式アプリ「SNKRS」などで取り扱う。

今作は、モデル名通りアッパーからシューレース、アウトソールまで全てをレッドカラーで統一した鮮やかな1足だ。そして、アクセントとしてサイドのスウッシュをメタル仕様にアップデートしている。

“エア マックス ミューズ”は、2024年にデビューしたばかりの新作モデル。コンピュテーショナルデザインを活用したメタリックな流線型のデザインが特徴で、ヒールには光沢のある素材を用いたエア テクノロジーを搭載するなど、テクノロジーとファッションの融合を目指した1足だ。

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「サカイ」×「アグ」のコラボ第2弾 サイハイブーツ、ローファー、ハイカーブーツの3型

「サカイ(SACAI)」は、 2025-26年秋冬メンズ、25年プレ・フォール・コレクションで、「アグ(UGG)」とのコラボレーション第2弾となるアイテムを発表した。

今回は太ももまで高さのあるサイハイブーツ、ローファー、ハイカーブーツの3型を展開。今年の下半期に発売を予定している。

今回のショーでは、シアリングのディテールが施されたローファーとハイカーブーツは、ボディラインに沿って折りたたまれたり、サイハイブーツは上シープスキンが見えるように折り返されるなど、さまざまなスタイリングが見られた。

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スイス発「オン」、大学陸上界を代表するランナー篠原倖太朗選手とアスリート契約

スイス発のスポーツブランド「オン(ON)」はこのほど、駒澤大学陸上競技部主将で、5000メートルとハーフマラソンの日本人学生記録保持者である篠原倖太朗選手とアスリート契約を結んだ。「日本のランニングシーンは、長い歴史と熱狂的なファンに支えられており、大きなポテンシャルを秘めている。今回の契約は、日本をはじめとする新たな市場に積極的に展開していく上で重要な一歩」と、「オン」のアスリートマネジメント担当者はコメントしている。

篠原選手は、「大学陸上界を代表するランナーの1人」(発表リリースから)であり、日本だけでなく近年は中華圏からの注目度も高まっている箱根駅伝には2年時から3年連続出場を果たした。今年は各大学のエースが集まる2区を「オン」の“クラウドブーム 4(Cloudboom 4)”で走り区間4位、駒沢大学は総合で2位となった。4月からは富士通陸上競技部に所属し、9月に東京で開催される世界陸上や28年のロサンゼルス五輪出場を目指す。

篠原選手は、「『オン』は自分に寄り添ってくれるブランド。東京で開催される世界陸上に日本代表として出場する序とが、今年最大の目標」とコメントしている。

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スイス発「オン」、大学陸上界を代表するランナー篠原倖太朗選手とアスリート契約

スイス発のスポーツブランド「オン(ON)」はこのほど、駒澤大学陸上競技部主将で、5000メートルとハーフマラソンの日本人学生記録保持者である篠原倖太朗選手とアスリート契約を結んだ。「日本のランニングシーンは、長い歴史と熱狂的なファンに支えられており、大きなポテンシャルを秘めている。今回の契約は、日本をはじめとする新たな市場に積極的に展開していく上で重要な一歩」と、「オン」のアスリートマネジメント担当者はコメントしている。

篠原選手は、「大学陸上界を代表するランナーの1人」(発表リリースから)であり、日本だけでなく近年は中華圏からの注目度も高まっている箱根駅伝には2年時から3年連続出場を果たした。今年は各大学のエースが集まる2区を「オン」の“クラウドブーム 4(Cloudboom 4)”で走り区間4位、駒沢大学は総合で2位となった。4月からは富士通陸上競技部に所属し、9月に東京で開催される世界陸上や28年のロサンゼルス五輪出場を目指す。

篠原選手は、「『オン』は自分に寄り添ってくれるブランド。東京で開催される世界陸上に日本代表として出場する序とが、今年最大の目標」とコメントしている。

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