父親がアメリカ人、母親が日本人で、日米にルーツを持ち、現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、メイ・シモネス(Mei Semones、芽衣シモネス)。日本語と英語を織り交ぜたボーカルも個性的な彼女の音楽は、バークリー音楽大学で培った楽曲理論やギターの確かな技術をもとに、ジャズやボサノヴァ、フォーク、マスロック、さらに日本のポップスの要素まで取り込み、それらのあわいを軽やかに縫いながら独自の軌跡を描いていく。弾き語りとバンド・アンサンブルを自在に行き来する演奏ものびやかで、直感的かつオーガニックな空気をたたえた佇まいがとても魅力的だ。今年5月にはデビュー・アルバム「Animaru」をリリース。先日行われた「フジロックフェスティバル’25(FUJI ROCK FESTIVAL'25)」(以下、「フジロック」)にも初出演を果たし、バークリー時代からの仲間と共に披露した自由で親密なパフォーマンスが多くの観客を惹きつけていた。
メイ:私はジャズがすごく好きで、例えば最初の曲「Dumb Feeling」は、チャーリー・パーカーのサックスのリックと、「Polka Dots and Moonbeams」というジャズ・スタンダードのギターのリックを組み合わせてつくりました。「Zarigani」ではジョン・コルトレーンのメロディック・マイナーのリックを取り入れたり、コードに関してはセロニアス・モンクがよく使うドミナント7thを引用したりもしています。あとはバークリー音楽大学で学んだギターのアルペジオやボイシングも使っています。いろんな要素を取り入れながらつくっていますね。
メイ:ジョン・コルトレーンの「John Coltrane Plays the Blues」っていうアルバムがすごく好きで、ブルーズの演奏を集めたものなんですけど、本当におすすめです。あと「Solo Monk」というセロニアス・モンクのソロ・アルバムもすごくいいので、ぜひ聴いてみてほしいです。
PHOTOS:TAKUROH TOYAMA
デビュー・アルバム「Animaru」
デビュー・アルバム「Animaru」ジャケット
◾️メイ・シモネス デビュー・アルバム「Animaru」
2025年5月2日リリース
収録曲目:
01. Dumb Feeling
02. Dangomushi
03. Tora Moyo
04. I Can Do What I Want
05. Animaru
06. Donguri
07. Norwegian Shag
08. Rat With Wings
09. Zarigani
10. Sasayaku Sakebu
11. Itsumo*
*日本盤ボーナス・トラック(CD) https://bignothing.net/meisemones.html
横浜:私は映画を観ていて「音楽はいはいらないな」って思ってしまう時の方が多いでんすよ。そんな中で、印象に残っているのがナンニ・モレッティ監督の「息子の部屋」(01年)です。エンディングにブライアン・イーノの「By This River」が流れるんですけど、その曲が劇中に何回か出てくるんですよ。同じフレーズが何回も繰り返される、あの音楽の使い方には憧れますね。大島渚監督の「東京戦争戦後秘話」(70年)もそうで、武満徹が音楽を担当しているんですけど、まずオープニングでテーマ曲をほぼ全部聞かせるんです。その後、劇中でもここぞというシーンで何回かテーマ曲を聞かせる。そういう風に、一つの音楽や音を劇中で何回も繰り返すというのを一度やってみたいと思っています。
会場の大阪・北加賀屋のクリエイティブセンター大阪は名村造船所大阪工場の跡地。チケットの価格は前夜祭の19日が2000円、当日券が3000円(学生2000円)、ピーティックスで前売り券を販売中で3日間パスが7500円(学生5500円)、2日間パスが5500円(学生3500円)など。PHOTO:TAKUMI OTA
コラボアイテムは、“音をかたちにする”をテーマに、12インチレコードが入るショルダーバッグ(2万8500円)2柄2色を制作。バッグには、坂本の演奏する姿や、響き渡るその音色をイメージした、デザインユニット“グーチョキパー(GOO CHOKI PAR)”によるグラフィックをあしらう。配色は、1970年と2025年に開催した、両万博をつなぐブルー&レッドと、静けさの中に残る音をモチーフとしたブラック&ホワイトを用意。バッグには、坂本が1970年の大阪万博で出合ったバシェの音響彫刻に46年後再び向き合い、演奏、録音した未発表音源を収めたレコード「Ryuichi Sakamoto: Playing the Baschet」がセットになる。なお企画展会場では、ショルダーバッグとレコードは別売り。
PROFILE: PROFILE: 1970年6月29日米国ミズーリ州セントルイス生まれ。ナイキジャパンでアナリストとしてキャリアをスタートし、後にカテゴリーセールスマネージャーに就任。その後、フォッシルジャパンでオペレーションズディレクター、マネージング・ディレクターを経て、アメリカ本社で複数のヴァイスプレジデントのポジションを務める。2007年以降、コンサルタントとして、また起業家として多数のビジネス開発プロジェクトに携わる。19年から現職 PHOTO:KAZUO YOSHIDA
「モンベル(MONT-BELL)」と「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」のコーナーもあり、Tシャツや防寒具、帽子、ストック、傘、サングラスなどを扱っているので、忘れ物をした登山客も安心です。「ザ・ノース・フェイス」は、真田緑さんのイラストをプリントした「ルーシー尾瀬鳩待」とのダブルネームTシャツも販売しています。
(左)木村和花/編集部記者:デニム特集を初めて担当。表紙を飾った池田エライザさんと同い年。個人的なハイライトは、グレン・マーティンスにインタビューできたこと。今一番欲しいのは、「タナカ」のジーンズ (右)横山泰明/編集部記者:広島県・福山市のカイハラの取材終了時、はいていた本藍のジーンズを見て「もしかして本藍ですか?」と一言。自分自身では全く違いが分からないが、プロってやっぱりすごい ILLUSTRATION : UCA