末永:昨年7月にイギリスのロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)を卒業して就職活動に励む中、母親から応募を勧められたからだ。大学でもサステナビリティーに関する授業を受けていたこともあり、「SFDA」に興味が湧いた。廃棄された着物のダメージ度合いはさまざまであるため、どんな状態の着物からでも作れるバッグを作りたくなった。栃木県産のレザーで周りを補強するため堅牢性も高まるほか、富士山をイメージしたシェイプからは日本らしさも醸し出せる。
末永:昨年7月にイギリスのロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)を卒業して就職活動に励む中、母親から応募を勧められたからだ。大学でもサステナビリティーに関する授業を受けていたこともあり、「SFDA」に興味が湧いた。廃棄された着物のダメージ度合いはさまざまであるため、どんな状態の着物からでも作れるバッグを作りたくなった。栃木県産のレザーで周りを補強するため堅牢性も高まるほか、富士山をイメージしたシェイプからは日本らしさも醸し出せる。
それを踏まえた上で2つのポイントを伝えたい。第一に、私たちが使用するダウンは、原料となるアヒルやガチョウの生育環境や羽毛の採取方法を細かく規定した国際的な基準「レスポンシブル・ダウン・スタンダード(Responsible Down Standard)」に適った方法で、倫理的に調達されたものであること。第二に、ダウンは食肉産業から生まれた副産物だ。レザーと同様に、人々がアヒルやガチョウを食べる限りダウンは存在し続ける。一方で「カナダグース」には近年、合成繊維や植物性の中綿などを使用している製品もある。こちらも好調だ。
それを踏まえた上で2つのポイントを伝えたい。第一に、私たちが使用するダウンは、原料となるアヒルやガチョウの生育環境や羽毛の採取方法を細かく規定した国際的な基準「レスポンシブル・ダウン・スタンダード(Responsible Down Standard)」に適った方法で、倫理的に調達されたものであること。第二に、ダウンは食肉産業から生まれた副産物だ。レザーと同様に、人々がアヒルやガチョウを食べる限りダウンは存在し続ける。一方で「カナダグース」には近年、合成繊維や植物性の中綿などを使用している製品もある。こちらも好調だ。
「春のワークショップ」で学術的に観察された土壌動物は、別のかたちで提示された。彫刻家・井原宏蕗氏は、ミミズの糞塚に金彩を施されたジュエリー“jewelry from earth-gold ring”を制作し、井原氏は犬や鳩のふんから動物をかたちづくる彫刻を生み出した。また、メディアアーティストの三原聡一郎氏の装置で春から継続的に作られるコンポストは、土・生物・環境の循環を想起させた。
JUN GOTO(以下、GOTO):美容師としてサロンで働いていた約25年前は、今に比べると体や環境に配慮した整髪料やカラー剤、パーマ剤はないに等しかった。トレンドを追いかける部分がありながらも、ヘア剤によるアレルギー反応を起こす人もいたので、ずっと疑問でした。コロナを機に、環境や体に配慮した商品を作りたいという思いが湧きました。
WWDJAPANは9月9日発売のサステナビリティ特集「How to be a Sustainable Apparel」を読者の皆さんと振り返るリアルイベントを開催します。平日の夜、リラックスした空間でドリンクを片手に「サステナブルなアパレルブランドってどうやったらなれるの?」について一緒に考えませんか?
WWDJAPANは9月9日発売のサステナビリティ特集「How to be a Sustainable Apparel」を読者の皆さんと振り返るリアルイベントを開催します。平日の夜、リラックスした空間でドリンクを片手に「サステナブルなアパレルブランドってどうやったらなれるの?」について一緒に考えませんか?
同ワークショップは、“リカちゃんのアップサイクルラボ”プロジェクトとして行われ、リカちゃんを通して地球を守るアクションを皆で考えることを目的にしている。対象年齢は6歳以上で、廃棄予定の生地やリボンを使用して簡単にできるリカちゃんのスカートを制作する。また、昨年の廃棄予定の洋服をリカちゃんの洋服へと作り変える“100 My Licca”プロジェクトで制作した計18体のリカちゃんもコーナー内に展示予定だ。8月29、30日のバイヤーズデーはウェブ事前申し込み制、一般公開日の8月31、9月1日は整理券を配布する。詳細は特設ページに記載する。
前回の“100 My Licca”プロジェクトでは、行き場のなくなったモノへの付加価値のみにとどまらず、アップサイクルへの気づきや学びをエンターテインメントを通して伝えた。渋谷ヒカリエで実施されたイベントでは2500人を集客し、インスタグラムハッシュタグ#100myliccaは約500件の投稿、フィード5万件以上のいいねを獲得した。
同ワークショップは、“リカちゃんのアップサイクルラボ”プロジェクトとして行われ、リカちゃんを通して地球を守るアクションを皆で考えることを目的にしている。対象年齢は6歳以上で、廃棄予定の生地やリボンを使用して簡単にできるリカちゃんのスカートを制作する。また、昨年の廃棄予定の洋服をリカちゃんの洋服へと作り変える“100 My Licca”プロジェクトで制作した計18体のリカちゃんもコーナー内に展示予定だ。8月29、30日のバイヤーズデーはウェブ事前申し込み制、一般公開日の8月31、9月1日は整理券を配布する。詳細は特設ページに記載する。
前回の“100 My Licca”プロジェクトでは、行き場のなくなったモノへの付加価値のみにとどまらず、アップサイクルへの気づきや学びをエンターテインメントを通して伝えた。渋谷ヒカリエで実施されたイベントでは2500人を集客し、インスタグラムハッシュタグ#100myliccaは約500件の投稿、フィード5万件以上のいいねを獲得した。
ミーティングに参加した一般社団法人「メディアイズホープ(MEDIA IS HOPE)」の発起人で、メディア向けに気候変動報道の重要性を訴える活動を続ける名取由佳さんは、「以前から『コーチ』については知っていたが、サステナブルなイメージは正直なかった。『コーチ』のような規模感のインターナショナルブランドが、産業全体に影響を与えるようなとてもチャレンジングなことをしてくれていてリスペクトが生まれた」と感想を述べた。
LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の化粧品小売店セフォラ(SEPHORA)は、中国事業において人員削減を行う。全従業員の3%にあたる120人が対象となる。同社は2005年から中国に出店しており、「厳しい市場環境に対応しながら中国で成長するために、本社の組織構造を簡素化する」と声明で述べた。
YAMAGUCHI:私たちが美しいと感じるのは、大量生産が当たり前になる以前に作られた服です。今着ている服がビンテージとして扱われるほど時代が流れようと、私たちのビンテージ観は変わらないつもりです。「ファッションは色あせるが、スタイルは永遠」という、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の言葉があります。当店の根底にある言葉でもあります。お客さまが美しいドレスに身を包み、日常に彩りを加える。そんな商品を提供できるビンテージショップでありたいですね。
SHORT BALMACAAN COAT:36,960円CAP:9,900円CREWNECK LONG SLEEVE:17,820円HALF SLEEVE T-SHIRT:19,140円CARGO PANTS:31,680円N.HOOLYWOOD TPES × OUTDOOR PRODUCTS TOOL BAG:16,500円
ZOZOは「ゾゾユーズド」経由で販売することで、販売機会を提供するとともに、サステナビリティ情報を発信する自社メディア「「エラブ バイ ゾゾ(elove by ZOZO)」で、「N.ハリウッド」の尾花大輔デザイナーと又吉直樹の対談記事も公開し、両者のサステナビリティに対する考え方も紹介する。アイテムは8月27日から。価格はバルマカーンコートが3万6960円、キャップが9900円、カーゴパンツが3万1680円、「アウトドアプロダクツ」とのコラボのツールバッグが1万6500円になる。
SHORT BALMACAAN COAT:36,960円CAP:9,900円CREWNECK LONG SLEEVE:17,820円HALF SLEEVE T-SHIRT:19,140円CARGO PANTS:31,680円N.HOOLYWOOD TPES × OUTDOOR PRODUCTS TOOL BAG:16,500円
ZOZOは「ゾゾユーズド」経由で販売することで、販売機会を提供するとともに、サステナビリティ情報を発信する自社メディア「「エラブ バイ ゾゾ(elove by ZOZO)」で、「N.ハリウッド」の尾花大輔デザイナーと又吉直樹の対談記事も公開し、両者のサステナビリティに対する考え方も紹介する。アイテムは8月27日から。価格はバルマカーンコートが3万6960円、キャップが9900円、カーゴパンツが3万1680円、「アウトドアプロダクツ」とのコラボのツールバッグが1万6500円になる。
PROFILE:(みずの・だいじろう)1979年東京都生まれ。高校卒業後渡英、Royal College of Artで修士・博士課程修了(ファッションデザイン)。京都大学デザインスクール特任講師、慶應義塾大学環境情報学部准教授などを経て現職。帰国後は多岐にわたるデザインを対象としながら、ファッション教育・研究に従事。ファッションの批評誌「vanitas」(アダチプレス、2012~)、「Fashion Design for Living」(Routledge、14)、「ファッションは更新できるのか?会議」(フィルムアート、15)、「サーキュラーデザイン」(学芸出版社、22)、「サステナブル・ファッション」(学芸出版社、22)など著書多数
PROFILE:(かじはら・かなこ)北海道札幌市生まれ。多摩美術大学デザイン学部染織科卒業。イッセイ ミヤケ テキスタイル企画を経て渡英。Royal College of Artでファッション&テキスタイルデザイン修士課程修了。欧州のデザインコンペTEXPRINT2005で新境地開拓部門のグランプリ受賞。KAJIHARA DESIGN STUDIOを設立しファッション、インテリア、建築などさまざまな分野の企業と取り組み、クリエイティブ・ディレクターとしてテキスタイルデザインや製品のブランディングとグローバル発信に関わる。Kering Generation Award Advisory Board Members就任。「ファクトリーの未来づくり」活動監修。自然との共存をテーマとした「COQ」を立ち上げ、アパレル展開やショップ、ダイニング、ホテルの複合施設を北海道拠点に運営
PROFILE:(みずの・だいじろう)1979年東京都生まれ。高校卒業後渡英、Royal College of Artで修士・博士課程修了(ファッションデザイン)。京都大学デザインスクール特任講師、慶應義塾大学環境情報学部准教授などを経て現職。帰国後は多岐にわたるデザインを対象としながら、ファッション教育・研究に従事。ファッションの批評誌「vanitas」(アダチプレス、2012~)、「Fashion Design for Living」(Routledge、14)、「ファッションは更新できるのか?会議」(フィルムアート、15)、「サーキュラーデザイン」(学芸出版社、22)、「サステナブル・ファッション」(学芸出版社、22)など著書多数
PROFILE:(かじはら・かなこ)北海道札幌市生まれ。多摩美術大学デザイン学部染織科卒業。イッセイ ミヤケ テキスタイル企画を経て渡英。Royal College of Artでファッション&テキスタイルデザイン修士課程修了。欧州のデザインコンペTEXPRINT2005で新境地開拓部門のグランプリ受賞。KAJIHARA DESIGN STUDIOを設立しファッション、インテリア、建築などさまざまな分野の企業と取り組み、クリエイティブ・ディレクターとしてテキスタイルデザインや製品のブランディングとグローバル発信に関わる。Kering Generation Award Advisory Board Members就任。「ファクトリーの未来づくり」活動監修。自然との共存をテーマとした「COQ」を立ち上げ、アパレル展開やショップ、ダイニング、ホテルの複合施設を北海道拠点に運営
一方、今年で16年目を迎えるスキンケアブランド「雪肌精(SEKKISEI)」の地球環境支援プロジェクト、雪肌精「SAVE the BLUE~Ocean Project~」も沖縄の海に貢献している。「雪肌精」ブランド対象商品の容器底面積分に相当するサンゴ育成活動費を、サンゴ養殖の第一人者である金城浩二氏の法人「SeaSeed」に寄付しているのだ。
一方、今年で16年目を迎えるスキンケアブランド「雪肌精(SEKKISEI)」の地球環境支援プロジェクト、雪肌精「SAVE the BLUE~Ocean Project~」も沖縄の海に貢献している。「雪肌精」ブランド対象商品の容器底面積分に相当するサンゴ育成活動費を、サンゴ養殖の第一人者である金城浩二氏の法人「SeaSeed」に寄付しているのだ。
法人向けケータリングや社員食堂の企画・運営をするノンピ(NONPI)は、人気料理家の寺井幸也が率いるYUKIYAMESHIを7月17日に子会社化し、寺井幸也YUKIYAMESHI取締役はノンピのCSSO(Chief Sustainability Story Officer)に就任した。ノンピは2024年2月からオイシックス・ラ・大地のグループ入りをしており、3社は今後、グループ会社としてサステナビリティの取り組み連携を強める。
帝人フロンティアは「セーブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)」の日本における独占輸入販売を2020年に開始した。日本における近年のサステナブル機運の高まりが推進力となって年々販売を拡大しており、さらなる事業拡大を目的に今回の会社設立に至った。今後は、同社が有するオペレーション機能やリサイクル原料を使用した機能性素材の活用、日本市場のニーズに合った商品開発に注力していく。
モリィヨン:特に大きな転換点なかったように思う。むしろ1本の木が自由に枝を広げながら成長するように、どの地域もそれぞれのペースで自然に着実と成長してきた。最初はヨーロッパが中心で、最近ではアメリカと南アメリカが特に伸びている。振り返ればもちろん、失敗もたくさんあったし一方で予想外の成功もあった。たとえば、パリに12年前にオープンしたセレクトショップ業態「センターコマーシャル」は、最初は周りから「絶対うまく行かない」と心配されたが、今もとても好調だ。「センターコマーシャル」では「パタゴニア」を筆頭に、共感するブランドを並べている。「ポーター(PORTER)」「ナナミカ(NANAMICA)」「スティル バイ ハンド(STILL BY HAND」)」など、日本のブランドもたくさんある。来年以降は韓国に支社を立ち上げる予定で、アジア市場に力を入れる。特に日本はブランドとしての存在感はまだまだ出せていない。ポップアップやローカルモデルの企画など、しっかりコミュニケーションしていきたい。
モリィヨン:特に大きな転換点なかったように思う。むしろ1本の木が自由に枝を広げながら成長するように、どの地域もそれぞれのペースで自然に着実と成長してきた。最初はヨーロッパが中心で、最近ではアメリカと南アメリカが特に伸びている。振り返ればもちろん、失敗もたくさんあったし一方で予想外の成功もあった。たとえば、パリに12年前にオープンしたセレクトショップ業態「センターコマーシャル」は、最初は周りから「絶対うまく行かない」と心配されたが、今もとても好調だ。「センターコマーシャル」では「パタゴニア」を筆頭に、共感するブランドを並べている。「ポーター(PORTER)」「ナナミカ(NANAMICA)」「スティル バイ ハンド(STILL BY HAND」)」など、日本のブランドもたくさんある。来年以降は韓国に支社を立ち上げる予定で、アジア市場に力を入れる。特に日本はブランドとしての存在感はまだまだ出せていない。ポップアップやローカルモデルの企画など、しっかりコミュニケーションしていきたい。
コペンハーゲンのサステナブルブランドである「ガニー(GANNI)」の共同創業者であるニコライ・レフストラップ(Nicolaj Reffstrup)の言葉を借りると「完璧を目指すよりも行動を起こすこと(Action over perfection)」が今最も重要であろう。地球が一度限界を超えたら戻れないティッピングポイントに到達するのが、もしかすると明日かもしれないからだ。
消臭スプレーなどを扱う韓国発のライフエチケットブランド「ヒノック(HINOK)」が6月20日に日本初上陸する。同ブランドは、韓国・チェジュ島に育つヒノキから抽出したヒノキエキスとヒノキオイルを中心に開発し、厳格なフランスのイブビーガン(EVE VEGAN)認証や、韓国初のプラスチックニュートラル認証を取得している。本国では20〜30代の男女の支持が厚く、売れ筋の消臭スプレーはリピート率も高い。初の海外展開への思いやブランド誕生の経緯、開発のこだわりについて、パク・ソヒ(Park Sohee)ヒノック ライフ(hinok life Inc.)最高経営責任者に話を聞いた。
3年探して見つけた原料
チェジュ島のヒノキ
PROFILE: パク・ソヒ/ヒノック ライフ最高経営責任者
PROFILE: 韓国の「キールズ」でマーケティングディレクター、「イニスフリー」商品開発チームのリーダーを務めるなど、約20年にわたり化粧品業界に携わる。妊娠をきっかけに、地球と人が共生できる社会を目指すライフエチケットブランド「ヒノック」を2021年4月にローンチし、現職 PHOTO : YUTA KATO
WWD:「ヒノック」を立ち上げた経緯について教えてほしい。
パク・ソヒ=ヒノック ライフ最高経営責任者(以下、パク):ロレアル(L’OREAL)の「キールズ(KIEHL'S SINCE 1851)」やアモーレパシフィック(AMOREPACIFIC)の「イニスフリー(INNISFREE)」など、化粧品業界でマーケティングや商品開発を約20年間担当していた。そこでいびつな形のニンジンやコーヒーかすなど廃棄物を再利用する取り組みに従事する中で、「持続可能な製品を作りたい」という思いが高まった。さらに、2017年の妊娠をきっかけに「未来を生きる子どもたちのために美しい環境を残すことが大人たちの責任である」と強く感じるようになった。そして21年4月、子どもに無害で信頼できるライフエチケットブランド「ヒノック」を立ち上げた。
柳井康治取締役国連難民高等弁務官事務所の伊藤礼樹・駐日代表柳井康治取締役(左)と「ユニクロ」の難民雇用「RISE(Refugee Inclusion Supporting and Empowerment)プログラム」1期生のカディザ・ベゴムさん「”届けよう、服のチカラ”プロジェクト」ユニクロ特別課外授業に登場した綾瀬はるか