ミシェル:音楽を始めたばかりの頃は(※最初に組んだバンド、リトル・ビッグ・リーグ時代)、ファッションに対して少し距離を置いていたというか、どこか“対立するもの”のように感じていたところがありました。女性として音楽の世界に身を置く上で、あえてすごく男性的で、飾り気のないシンプルな見た目でいたかったんです。“音楽以外の部分”に注目が集まらないようにしたくて。でも、ジャパニーズ・ブレックファストを始めてからは、自分なりの「ユニフォーム」みたいなスタイルを持ちたいと思うようになりました。ツアーの最中でも、「これは『Psychopomp』のときに着ていた服だな」とか、「この衣装は『Soft Sounds from Another Planet』のサイクルだったな」って、自分でもはっきりわかるようにしておきたかったんです。
「Soft Sounds from Another Planet」の時期からは、白を基調にした、ちょっと宇宙っぽい雰囲気のユニフォームスタイルをデザイナーと一緒につくっていって。それがきっかけで、「アルバムごとにビジュアルもがらっと変えていきたい」って、本格的に思うようになったんです。「Jubilee」では、「いつも黄色を着る」「明るくて喜びにあふれたスタイルにする」っいう、すごく明確なコンセプトがありました。だから、写真を見返すとすぐに「これは『Jubilee』の時期だな」ってわかる。グラミーに出たときも黄色のドレスを選んだし、イベントではもう少しロマンティックで、少しダークなスタイルを選ぶこともありました。
ただ、韓国系アメリカ人の作家では好きな作品はたくさんあります。シン・ギョンスクさんの「母をお願い」は、ちょうど「Hマートで泣きながら」を執筆していた頃に読んだのですが、深く心に響いたのをよく覚えています。他には……アレクサンダー・チーという作家が書いた「How to Write an Autobiographical Novel」というエッセイ集。それから、イ・ミンジンの「パチンコ」ももちろん素晴らしかったし、キャシー・パク・ホンの「マイナー・フィーリングズ」も強く印象に残っています。あと、友人のチャン=レイ・リーも本当に優れた作家だと思います。
◾️JAPANESE BREAKFAST 「FOR MELANCHOLY BRUNETTES (& SAD WOMEN)」
収録曲:
1. Here is Someone
2. Orlando in Love
3. Honey Water
4. Mega Circuit
5. Little Girl
6. Leda
7. Picture Window
8. Men in Bars (Feat. Jeff Bridges)
9. Winter in LA
10. Magic Mountain
11. Young Gun*
*日本盤ボーナス・トラック (CD) https://bignothing.net/japanesebreakfast.html
アラン:フレームにNFC(Near Field Communication)チップを内蔵したアイウエアをリリースしています。スマートフォンでタッチすることで製品名が表示され、真正性や出荷状況、購入履歴などをリアルタイムで確認できる機能です。過去には、“ミクリビジョン”というCCDカメラがついたアイウエアを発売したこともあります。25年以上も前の話なので、時代を先取りしすぎたのかもしれませんね(笑)。現在はブランドの核となる部分の再構築に注力しており、スマートグラスなどの開発はしていませんが、いずれはまた、その領域にも着手したいです。
チュートリアル・徳井義実が、自身のユーチューブチャンネル「徳井Video」のオリジナルプロダクトストア「トクイ ビデオ ストア(TOKUI VIDEO STORE)」を4月に「ミスティファイ(MYSTIFY)」として刷新した。直訳すれば「困惑させる」「けむに巻く」といった、ブランドとしてはやや異質な響きを持つ言葉。だがその“違和感”こそが徳井のものづくりの原点だ。
チュートリアル・徳井義実が、自身のユーチューブチャンネル「徳井Video」のオリジナルプロダクトストア「トクイ ビデオ ストア(TOKUI VIDEO STORE)」を4月に「ミスティファイ(MYSTIFY)」として刷新した。直訳すれば「困惑させる」「けむに巻く」といった、ブランドとしてはやや異質な響きを持つ言葉。だがその“違和感”こそが徳井のものづくりの原点だ。
PROFILE: 1995年にスコットランドで結成。現在は、スチュアート・ブレイスウェイト(ギター)、バリー・バーンズ(ギター、フルート、キーボード)、ドミニク・アイチソン(ベース)、マーティン・ブロック(ドラム)の4人で活動するポスト・ロックバンド。97年のデビューから現在までの数々のアルバムと伝説的なライブ・パフォーマンスを通し、ポストロック界で最も影響力を持つ重鎮バンド。21年にリリースした「As The Love Continues」は、UKオフィシャル・アルバム・チャートで1位を獲得、マーキュリー・プライズにノミネートされ、スコティッシュ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。25年1月には最新作「The Bad Fire」をリリース。3月には、来日ツアーを行った。
そんな彼らは今年1月、通算11枚目となるニュー・アルバム「The Bad Fire」をリリース。母国の口語で「地獄」を意味するタイトルが冠された同作では、コロナ禍の内省的なムードも感じられた前作「As The Love Continues」(2021年)を経て、初期の作品も想起させる美しく爆発的なエネルギーを宿したサウンドを聴くことができる。さらに、音響やビートに多彩なアレンジが施されたエレクトロニックの設計は、彼らの新境地と言ってもいいかもしれない。
今回、キーボード/シンセサイザーに加えてギターやフルート、また近作ではボーカルも務めるマルチ奏者のバリー・バーンズ(Barry Burns)。主にモグワイのエレクトロニック面を担うバリーは、家族の病気の治療の時期とも重なった「The Bad Fire」の制作について、「こんなにプレッシャーを感じながら音楽をつくったのは初めてだった」と振り返る。そんな彼に、アルバムの話やバンドの近況、そして自身にまつわるいろいろなことについて、3月に行われた来日公演のステージ直前、楽屋口のロビーで話を聞いた。
バリー:あの時期の体験って、本当に人それぞれに全く違った影響を与えたと思うんだ。自分の場合、コロナ以降はあまり音楽を聴かなくなって、その代わりテレビや映画をすごく観るようになった。本もたくさん読んだ。ちょっと不思議な感覚だったよ。ただ、あの時期はちょうど前のアルバム(「As the Love Continues」)をつくっていたタイミングでもあって、自分はほとんどの時間を作曲に費やしていた。だから音楽を「聴く」ことはあまりなかったけど、「書く」ことが自分にとっての“癒し”になってたんだ。そのための時間はたっぷりあったしね。
バリー:やっぱり1曲目の「God Gets You Back」かな。最初にちょっとした繰り返しのメロディーを思いついて、それにボーカルを乗せたいなと思ったんだ。それで、自分のボーカルにたっぷりリバーブをかけてみたら、「あれ、なんかこれは医者に相談したほうがいいかも?」みたいな感じになって(笑)。でも、そういうのがいつもの始まりなんだよ。小さなノイズだったり、気に入ったちょっとした音が出てきて、そこから何かが始まる。ほんとに基本的なことからしか始まらないんだ。「こういう大きなアイデアがあって、それを具現化しました」みたいなことは、僕たちにはない。全部、小さな偶然の積み重ねなんだよ。
アントニア・イアマルティーノ 「ルルレモン」リサーチ&プロダクトイノベーション部門フランチャイズイノベーションズ シニアディレクター(以下、アントニア):10年前に「ルルレモン」のR&Dチームに参加し、体を動かすときにウエアが人々の感情にどう影響するのかを追求してきた。それが「ルルレモン」独自の哲学である“サイエンス・オブ・フィール(Sience of Feel)”だ。実際に身につけたときにどんな気持ち、感触、感覚になるのかという点を科学的に検証し、体験と紐づけてプロダクトとして形にすることをわれわれは重視している。
アントニア・イアマルティーノ 「ルルレモン」リサーチ&プロダクトイノベーション部門フランチャイズイノベーションズ シニアディレクター(以下、アントニア):10年前に「ルルレモン」のR&Dチームに参加し、体を動かすときにウエアが人々の感情にどう影響するのかを追求してきた。それが「ルルレモン」独自の哲学である“サイエンス・オブ・フィール(Sience of Feel)”だ。実際に身につけたときにどんな気持ち、感触、感覚になるのかという点を科学的に検証し、体験と紐づけてプロダクトとして形にすることをわれわれは重視している。
信原:「シコウヒン」は、表面的な美容ではなく、人々が自分の体を労ることで身体的にも精神的にも豊かになる包括的なウェルビーイングに重点を置いています。長寿・ストレス社会が進む中で、セルフケアの重要性はますます高まっているし、アメリカでは「生きがい(IKIGAI)」という日本語がブームになっているほど、心身の健康と幸福が求められているのです。“Beauty is state of mind(美とは心の在り方)”のスローガンに基づき、日本で長年培われてきた叡智である“真の健康と幸せ”を人々に届けることが「シコウヒン」の存在意義だと考えています。
ギャロ:何でも合う。そういえば、米雑誌「ザ・ニューヨーカー(THE NEW YORKER)」に、ハンバーガーとシャンパンボトルを並べ、「アフター・ザ・オペラ」と文言を添えた広告を載せたこともあったな。「オペラを鑑賞した後、ハンバーガーを片手に日常に戻る。その日常に『ヴーヴ・クリコ』がきらめきを添える」。まさにメゾンが伝えたいメッセージだ。
PROFILE: 2016年から「シティショップ」コンセプターとして、国海外でのバイイング、シーズンごとのテーマ打ち出し、オリジナルや別注アイテム企画を指揮し、総合的なディレクションを手掛ける。2023年に独立。現在はビンテージの壺や花器、ジュエリーをキュレーションするプロジェクト「katakuriko」なども手掛ける PHOTO:KAZUO YOSHIDA
スイス発の「ピアジェ(PIAGET)」はこのほど、スペイン・バルセロナでハイジュエリーとハイジュエリーウオッチの新作コレクション“シェイプ オブ エクストラレガンザ(SHAPES OF EXTRALEGANZA)“を発表した。今回のコレクションは、創業150周年を迎えた昨年披露した“エッセンス オブ エクストラレガンザ(ESSENCE OF EXTRALEGANZA)“に続く3部作の第2章となる。展示会の会場は、スペインを代表する彫刻家兼建築家のハビエル・コルベロ(Xavier Corbero)が50年以上をかけて手掛けたという街の郊外にある自邸。連なるアーチや岩を積み重ねたような巨大なオブジェなど造形美が際立つロケーションに、メゾンの伝統やクラフツマンシップを大切にしながらもステファニー・シヴリエール(Stephanie Sivriere)=ジュエリー&ウオッチ アートディレクターの大胆な色彩感覚やモダンな感性が光るアイテムを並べた。
カギはダイナミックなシェイプ
会場となったエスパイ・コルベロ PHOTO:COURTESY OF PIAGET会場となったエスパイ・コルベロ PHOTO:COURTESY OF PIAGET会場となったエスパイ・コルベロ PHOTO:COURTESY OF PIAGET会場内ではグラフィカルなセットに新作を展示 PHOTO:COURTESY OF PIAGET会場内ではグラフィカルなセットに新作を展示 PHOTO:COURTESY OF PIAGET会場内ではグラフィカルなセットに新作を展示 PHOTO:COURTESY OF PIAGET会場内ではグラフィカルなセットに新作を展示 PHOTO:COURTESY OF PIAGET会場内ではグラフィカルなセットに新作を展示 PHOTO:COURTESY OF PIAGET会場内ではグラフィカルなセットに新作を展示 PHOTO:COURTESY OF PIAGET
そのデザインの背景にあるのは、1960〜70年代に根差したメゾンの創造性だ。かつて創業者の孫である3代目のヴァランタン・ピアジェ(Valentin Piaget)は、「今までになされてこなかったことをしなさい」とデザイナーたちに投げかけていたという。それはメゾンのモットーとなり、63年には文字盤にオーナメンタルストーン(装飾用石)を用いたウオッチが、69年には革新的なジュエリーウオッチの “21世紀コレクション(21st CENTURY COLLECTION)“が誕生した。また、芸術界とつながりの深かった4代目のイヴ・ピアジェ(Ives Piaget)は、サルバドール・ダリ(Salvador Dali)やアルマン(Arman)、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)らアーティストとの交友関係からコラボレーションを手掛けてきたという。
「ピアジェ」らしさを現代的に再解釈
PHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGETPHOTO:COURTESY OF PIAGET
近年は日本語対応サイトのローンチや各種イベントを通じて、日本のユーザーとの接点も強化。5月9〜11日に幕張メッセで開催された「KCON JAPAN 2025」では、“学校”をコンセプトにした大型ブースを出展した。体験型コンテンツを通じてプライベートブランド(以下、PB)の魅力を知れるほか、「オリーブヤング グローバルアプリ」の各種サービスを体験できるコーナーを設置。現品やサンプルがもらえるゲームなども用意し、認知拡大と新客の獲得につなげた。
今回は、同イベントを仕掛けるCJオリーブヤングのグローバルプラットフォーム事業本部長、チン・セフン(Jin Se Hoon)氏にインタビューを実施。日本市場における成長戦略やPB開発力、K-ビューティの今後の可能性について話を聞いた。
PROFILE: (いわい・しゅんじ):1995年、「Love Letter」で長編映画監督デビュー。代表作は「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」「花とアリス殺人事件」「ラストレター」「キリエのうた」など。2012年、東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」の作詞を手がける。25年4月、公開30周年を記念して「Love Letter [4Kリマスター]」が劇場公開。国内外を問わず、多彩なジャンルでボーダーレスに活動し続けている。
「コンパス ボックス」は、ブレンデッドウイスキーのパイオニアとして知られるジョン・グレイザー(John Glaser)が00年に創業したウイスキーブランド。“LONG LIVE INTERESTING”を主張し、ラグジュアリーを追求するオーセンティックなシングルモルトウイスキーと対角に位置するブランドとして、欧米を中心にストリートのバーシーンなどでカジュアルに楽しまれている。
「コンパス ボックス」は、ブレンデッドウイスキーのパイオニアとして知られるジョン・グレイザー(John Glaser)が00年に創業したウイスキーブランド。“LONG LIVE INTERESTING”を主張し、ラグジュアリーを追求するオーセンティックなシングルモルトウイスキーと対角に位置するブランドとして、欧米を中心にストリートのバーシーンなどでカジュアルに楽しまれている。
ナチュラルコスメブランド「サボン(SABON)」が、新たな成長局面を迎えている。グローバルで最大の市場である日本において、ブランド価値の再定義と顧客体験の進化を通じ、持続的成長への道筋を模索する。かじ取りを担うのは、2025年5月にサボン ジャパンの社長CEOに就任したティニオ・マリア・クリスティーナ・クエンカ(Ma. Christina Cuenca TINIO)氏だ。ブランドの“次のチャプター”をどう描こうとしているのか、戦略の核心に迫る。
ルーシー・レイルトン(以下、レイルトン):父は指揮者で教育者、母は歌手でサウンドセラピストという音楽家の家系に生まれました。幼い頃から両親のリハーサルやコンサートに同行する日々で、3歳ごろにはピアノを始め、6歳でチェロに出合いました。そこからの道のりはとても自然なもので「音楽家になりたい」という夢は明確でした。11歳ごろには父が率いる地域のオーケストラに参加し、本格的にクラシックのチェリストとしての道を歩み始めました。今はベルリンを拠点にしていますが、20代まではロンドンで過ごし、クラシックから現代音楽、実験音楽、即興演奏まで幅広いジャンルで演奏活動を行っていました。ダルストンにある音楽ヴェニュー「Café OTO(カフェ・オト)」では10年間にわたってコンサートを企画し、2014年に「ロンドン・コンテンポラリー・ミュージック・フェスティバル(London Contemporary Music Festival)」を共同設立し、5年間プロジェクトに専念しました。
フォトアーティスト・ARISAKがファッション&ビューティ業界の多彩なクリエイターと共鳴し、新たなビジュアル表現を追求する連載【ARISAK Labo】。Vol.6となる今回は、ファッションデザイナー、ラッパーなど、マルチクリエイターとして多岐にわたり活動するMLMA(Me Love Me A lot)が登場。5月、韓国にあるMLMAのスタジオで行われたのは、MLMA本人曰く「ノー・プラン、ジャスト・ヴァイブス!」な撮影セッション。クリエイティブに情熱をそそぐ2人と現地のクリエイターチームにより生まれた作品とは。
COSTUME/MINACHUNG, ACCESORIES:32DAWN,
WHITE NAIL CHIP¥45,000, RUBY NAIL CHIPS¥45,000/LUEUR BY MAYUO(XANADU TOKYO03-6459-2826)
DIRECITON & PHOTOS:ARISAK
MODEL:MLMA
STYLING:CHOI MISUN, KIM EUN JI, KIM TAE YOUNG(TEAM IIDO)
HAIR:SINWOOGIE(OVERMARS)
MAKEUP:LKEE EUNSEO(XOXOV3), LEE YEWON
SPECIAL THANKS:KOTOHA & DANNY
LOGO DESIGN:HIROKIHISAJIMA
PROFILE: (リリー・フランキー)1963年生まれ、福岡県出身。「ぐるりのこと。」(08/橋口亮輔監督)で、ブルーリボン賞新人賞を受賞。その後「凶悪」(13/白石和彌監督)で第37回日本アカデミー賞優秀助演男優賞、「そして父になる」(13/是枝裕和監督)では最優秀助演男優賞など多数受賞。第71回カンヌ国際映画祭では、主演を務めた「万引き家族」(18/是枝裕和監督)がパルム・ドールを受賞。近年の主な出演作は、主演を務めた「コットンテール」(24/パトリック・ディキンソン監督)、「ちひろさん」「アンダーカレント」(23/今泉力哉監督)、「アナログ」(23/タカハタ秀太監督)、「ファーストキス 1ST KISS」(25/塚原あゆ子監督)など。
(はやかわ・ちえ):短編「ナイアガラ」が2014年第67回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門入選、ぴあフィルムフェスティバル グランプリ受賞。18年、是枝裕和監督総合監修のオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の一編の監督・脚本を手がける。その短編から物語を再構築した初の長編映画「PLAN 75」(22)で、第75回カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督)特別賞を授与され、輝かしい才能が世界から注目されている。
ラッキー:自分にとって、アンビエント・ミュージックは日々の生活に欠かせない存在なんだよね。ブライアン・イーノやノース・アメリカンズ、ミック・ターナーとか、いろんなアンビエント系の音楽を聴いてるよ。それに「Music for Nine Post Cards」とか、ああいう日本のアンビエント/環境音楽も大好きで。特に吉村弘は自分にとって特別な存在だよ。
ウィル:「Letter to Heaven」の最後のコードは、個人的にアルバムのハイライトの一つだと思ってる。あとは「Transition Lens」もそうだね。あの曲のシンセのレイヤーは制作中に何度も試行錯誤したポイントで、エレクトロニック・ミュージックやヒップホップからの影響が確実にあると思う。アルバム全体を通して聴いてもらえば、そうした音の層や構成の工夫がきっと感じられると思うよ。
PHOTOS:MICHI NAKANO
「Raspberry Moon」ジャケット
◾️Hotline TNT サードアルバム「Raspberry Moon」
2025年6月20日に輸入盤・配信リリース
Tracklist
1. Was I Wrong?
2. Transition Lens
3. The Scene
4. Julia’s War
5. Letter to Heaven
6. Break Right
7. If Time Flies
8. Candle
9. Dance the Night Away
10. Lawnmower
11. Where U Been? https://ffm.to/hotlinetntraspberrymoon
スコットいわく「没入型オーディオ・ビジュアル体験のプラットフォーム」と定義される現在のティコ。音楽制作に先駆けたグラフィック・デザイナーとしての原点。映像と音楽の関係性をめぐる哲学。そして、AIとクリエイションの問題、新たに立ち上げたプロジェクト「Tycho Open Source」について。来月の「フジロック」への出演(7月25日@RED MARQUEE)も控えるスコットに話を聞いた。
スコット:例えばボーズ・オブ・カナダ(Boards of Canada)は、ずっと僕にとって大きな存在だった。あの独特な美学はいつも際立っていたし、たしか彼らには映像やビジュアル制作を手がけるコレクティブみたいなチームがいたんじゃないかな。初期の作品には特に強くそれを感じた。タイトルは忘れちゃったけど、あのころのビデオなんかは本当にすごくて、音楽とビジュアルが完全に一体になってたんだ。まるで音楽にぴったり寄り添う完璧なパートナーみたいに感じられて。だから彼らには、音楽面でもビジュアル面でも、本当にたくさんのインスピレーションをもらってきたと思うよ。
例えばインターポールは自分の大好きなバンドの一つで、特にデザインとか映像の仕事をしてるときにいつも流している。集中力を保ちたいときとか、細かいデザイン作業をしてるときにぴったりなんだよね。実際、自分たちのアルバムのジャケットもインターポールをループ再生しながらつくったんだ。「Turn on the Bright Lights」なんて、永遠にリピートできると思う(笑)。
アーティスト、俳優として活動する北山宏光の2ndアルバム「波紋-HAMON-」が6月16日にリリースされた。本作は自分自身との対話と覚醒をテーマに、鋭くもエモーショナルなリリックが印象的なリード曲「波紋-HAMON-」をはじめ、先行配信された「Just Like That」や「OMG!!!」など、全方位型の音楽性とジャンルレスな13曲で構成されている。
アーティスト、俳優として活動する北山宏光の2ndアルバム「波紋-HAMON-」が6月16日にリリースされた。本作は自分自身との対話と覚醒をテーマに、鋭くもエモーショナルなリリックが印象的なリード曲「波紋-HAMON-」をはじめ、先行配信された「Just Like That」や「OMG!!!」など、全方位型の音楽性とジャンルレスな13曲で構成されている。
「ベイシックス」2025-26年秋冬コレクションから PHOTO: KO TSUCHIYA「ベイシックス」2025-26年秋冬コレクションから PHOTO: KO TSUCHIYA「ベイシックス」2025-26年秋冬コレクションから PHOTO: KO TSUCHIYA「ベイシックス」2025-26年秋冬コレクションから PHOTO: KO TSUCHIYA「ベイシックス」2025-26年秋冬コレクションから PHOTO: KO TSUCHIYA
池田:私は「夏の庭 The Friends」(94年)が大好きです。相米慎二監督にはものすごく影響を受けています。どう言えばいいか分からないけれど、子供たちの細かい空気感にものすごくこだわるのに、雨降らしの奥で全然雨が降ってないとか、そういう加減に「あ、人が作ってるんだ」ということを感じます。あと、演出の面倒くささ。夕日を待つとか、朝日を待つとか、私は怖いからできないけれど、相米さんは待つんです。段取りだけで1日終わる日もあるんです。私はそれはできないけれど、なぜそれをしようとしたんだろう? と気にしながらメイキングも見ました。
池田:私は「夏の庭 The Friends」(94年)が大好きです。相米慎二監督にはものすごく影響を受けています。どう言えばいいか分からないけれど、子供たちの細かい空気感にものすごくこだわるのに、雨降らしの奥で全然雨が降ってないとか、そういう加減に「あ、人が作ってるんだ」ということを感じます。あと、演出の面倒くささ。夕日を待つとか、朝日を待つとか、私は怖いからできないけれど、相米さんは待つんです。段取りだけで1日終わる日もあるんです。私はそれはできないけれど、なぜそれをしようとしたんだろう? と気にしながらメイキングも見ました。
2000年前半にヒットしたドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ(SEX AND THE CITY)」の主人公キャリー役、サラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)が数分間着ただけで、爆発的な話題を呼んだことは、ブランド業界にセンセーショナルを起こしました。そう考えると、セレブリティー起用というのは、ファッション業界でもう20年以上続いていて、今はアップデートされ、韓国セレブに完全に奪われてしまっていますね……。個人的にはハリウッドセレブや「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA’S SECRET)」の“ヴィクシーモデル”が心底好き。K-POPアイドルも譲れませんが(笑)。ブランドとの親和性がカチッとハマった時のトップタレントの訴求力や影響力って凄まじいんですよね。
そんなピリピリ感もありつつですが、米国ブランドはヨーロッパに比べると割とカジュアルです。バックステージへ行くエレベーターで、スターモデルのラッキー・ブルー・スミス(Lucky Blue Smith)と乗り合わせたことがあるんですが、笑顔で挨拶なんかもしてくれちゃって、全員がデレッと緩むのがハッキリ分かりましたね。自然とニヤけている自分もいました(笑)。マイケルがインタビューを受けてる間には、ドラマ「ゴシップガール(GOSSIP GIRL)」俳優のブレイク・ライブリー(Blake Lively)が着用するルックを端っこから夢中で見ていたことも。アメリカのセレブは世界的セレブでも、距離感の近さがとても印象的でした。
キャロル:期待していたほどのスピードではありませんが、表参道に新店舗をオープンできたこと、そして今秋にはパートナーホテルである「ワンホテルトーキョー(1 HOTEL TOKYO)」が開業する予定で、非常に前向きに捉えています。さらに、キャセイパシフィック航空のファーストクラスおよびビジネスクラスでのアメニティー提供も続いており、日本市場でのブランド認知と売り上げは今後数年で大きく伸びると見ています。また、アパレルコレクションは三喜商事とのパートナーシップを継続中。最新作のアクティブウエアは、日本の消費者にも高く評価されると確信しています。
石倉:だからこそ、われわれが注力しているのが、スタートアップと大企業との橋渡し。たとえばテンシャルとANAとの連携、 GREEN SPOONとファミリーマートとの連携、繊維素材を開発するamphicoと繊維商社との連携など、大企業が持つアセットとスタートアップの情熱と勢いを接続することで、価値創出の幅を一気に広げることできる。
石倉:だからこそ、われわれが注力しているのが、スタートアップと大企業との橋渡し。たとえばテンシャルとANAとの連携、 GREEN SPOONとファミリーマートとの連携、繊維素材を開発するamphicoと繊維商社との連携など、大企業が持つアセットとスタートアップの情熱と勢いを接続することで、価値創出の幅を一気に広げることできる。
Murray(マレー):日本滞在中、とにかく面白いことがしたくて、いろんなクリエイティブな人に会っていたんです。そんな時、ダニエルが「ARISAKに会ってみて」と言ってくれて。作品を見た瞬間、「これはヤバい、めちゃくちゃかっこいい」と衝撃を受けました。GOAT(Greatest of All Time)だと思ったし、「ロンドンでも一緒にやろうよ、絶対ウケるから!」ってすぐに言ったくらい。彼女の作品って、“ザ・日本”みたいな感じじゃなくて、NYやロンドン、パリでも通用する洗練さがある。それが本当にかっこよかった。
DIRECITON & PHOTOS:ARISAK
MODEL:MURRAY FROM HARD LIFE
HAIR & MAKEUP:JUNA UEHARA
STYLING:JINKI
TEXT:DANIEL TAKEDA
SPECIAL THANKS:TeaBucks, 大宮八幡宮, THE TOKYO
Murray(マレー):日本滞在中、とにかく面白いことがしたくて、いろんなクリエイティブな人に会っていたんです。そんな時、ダニエルが「ARISAKに会ってみて」と言ってくれて。作品を見た瞬間、「これはヤバい、めちゃくちゃかっこいい」と衝撃を受けました。GOAT(Greatest of All Time)だと思ったし、「ロンドンでも一緒にやろうよ、絶対ウケるから!」ってすぐに言ったくらい。彼女の作品って、“ザ・日本”みたいな感じじゃなくて、NYやロンドン、パリでも通用する洗練さがある。それが本当にかっこよかった。
DIRECITON & PHOTOS:ARISAK
MODEL:MURRAY FROM HARD LIFE
HAIR & MAKEUP:JUNA UEHARA
STYLING:JINKI
TEXT:DANIEL TAKEDA
SPECIAL THANKS:TeaBucks, 大宮八幡宮, THE TOKYO
人気ヘアサロン「グリコ(grico)」は昨年、設立15周年を迎えた。それを機にオープンした新店舗「grico Na ni Yo(グリコ ナ・ニ・ヨ)」は、通常のヘアサロンとして営業しつつも、店舗の一角でヴィンテージ服ブランド「グリコ ヴィンテージ(grico vintage)」の販売も行う新業態だ。ここではエザキヨシタカ「グリコ」代表に、新店舗の狙いと、「グリコ ヴィンテージ」の現在地を聞いた。(この記事は「WWDBEAUTY」2025年2月24日号から抜粋して追記したものです)
濱口竜介監督の映画「ドライブ・マイ・カー」や「悪は存在しない」の音楽を手掛け、国内外で注目を集める石橋英子。個人の活動に加えて多岐にわたる共演(星野源、前野健太、坂本慎太郎)でも知られ、近年は海外でのリリースや演奏の機会も増える彼女が、最新アルバム「Antigone」を発表した。件(くだん)のサウンドトラック以後もさまざまな形態の作品を制作している石橋だが、歌入りのアルバムとしては7年ぶり、2018年の「The Dreams My Bones Dream」以来の作品となる。長年制作を共にするジム・オルークと石橋自身が共同でプロデュースを務め、レコーディングには山本達久をはじめマーティ・ホロベック、ermhoi、松丸契ら多彩なミュージシャンが参加。揺らぎをたたえた演奏はジャズやサイケデリック、アンビエント……を交差しながらかたちを変え、幽玄で流れるようなサウンドスケープが彼女の「歌」を余韻豊かに演出している。
石橋:でも、前の作品(「The Dream My Bones Dream」)の時にも、そういう、日本がまた戦争に向かっていく予感みたいなものがあって。昔、(祖父が働いていた)満州という国を建てたことだって、そんなに昔の話でもないのに、それがまるでなかったかのようになっている。そういうことをもう一度考察してみたくてつくった部分もあったので、政治的・社会的なものを意識したのは今回が初めてというわけではないですね。
■「Antigone」
Eiko Ishibashi
1.October
2.Coma
3.Trial
4.Nothing As
5.Mona Lisa
6.Continuous Contiguous
7.The Model
8.Antigone
all songs written by Eiko Ishibashi
(Except ‘Nothing As’ written by Jim O'Rourke)
Produced with Jim O'Rourke
Recorded by Jim O’Rourke and Eiko Ishibashi
Mixed by Jim O'Rourke
Strings and Horn Arrangements:Eiko Ishibashi and JJim O'Rourke
Recorded at Hoshi to Niji Recording Studio,Steamroom,Atelier Eiko https://lnk.to/antigone
オリジナルの最上級カジュアルブランド「ディ・ドライべーグ(DIE DREI BERGE)」をはじめ、自身が創設した出版レーベル「パーマネント・ファイルズ(PERMANENT FILES)」から刊行するマガジン「USELESS FIGHTERS(ユースレス・ファイターズ)」など、ラムダン・トゥアミの世界観が堪能できる。活動から目が離せない彼に、中目黒の新店について話を聞いた。
ラムダン:とても面白い店になったと思う。私がプロデュースする、スイスの山岳地帯ミューレン村にある「ホテル ドライベーグ(HOTEL DREI BERGE)」に少し似ているんだ。実際にホテルの内装を見れば分かるけれど、同じムードになっている。こういうウッディーなシャレーみたいな感じだけど、同じようにモダンな感じに仕上げているんです。
オリジナルの最上級カジュアルブランド「ディ・ドライべーグ(DIE DREI BERGE)」をはじめ、自身が創設した出版レーベル「パーマネント・ファイルズ(PERMANENT FILES)」から刊行するマガジン「USELESS FIGHTERS(ユースレス・ファイターズ)」など、ラムダン・トゥアミの世界観が堪能できる。活動から目が離せない彼に、中目黒の新店について話を聞いた。
ラムダン:とても面白い店になったと思う。私がプロデュースする、スイスの山岳地帯ミューレン村にある「ホテル ドライベーグ(HOTEL DREI BERGE)」に少し似ているんだ。実際にホテルの内装を見れば分かるけれど、同じムードになっている。こういうウッディーなシャレーみたいな感じだけど、同じようにモダンな感じに仕上げているんです。
桐生では「トリプル・オゥ」に刺激を受けたかのごとく、桐生整染の「シルッキ(SILKKI)」、井清(いのきよ)織物の「オルン(OLN)」など、新たにファクトリーブランドが相次いで立ち上がっている。「シルッキ」のデザイナー川上由綺さんも片倉さんのように海外で学び桐生に移住した「移住組」だ。こうした動きを受け、高島屋高崎店駐在の中里康宏バイヤー主導による「メゾンドエフ(maison de F)」のような売り場もスタートしている。今年からはこうしたブランドの関係者に加え、桐生市の行政関係者も巻き込み「桐生の未来を考える会」も発足した。「『トリプル・オゥ』を始めたことで、笠盛という会社や刺繍工場を知ってもらうきっかけになった。桐生発のファクトリーブランドが増えれば、外部から人を呼び込むことにもなる。桐生産地全体を盛り上げるきっかけにしたい」。
白木夏子/「ハスナ」社長兼CEO、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授 PROFILE:(しらき・なつこ)英ロンドン大学卒業後、国際機関、投資ファンド会社勤務を経て2009年にハスナを設立。その他セレクトショップや化粧品、アパレルブランド、各種企業のブランドディレクションに携わり、19年から21年までは東海地区の女性起業家育成プログラム「NAGOYA WOMEN STARTUP LAB.」にディレクターとして参画
伊串:私たちも、端材を活用した製品依頼が増えています。素材に関係なく、良いデザイン、良い品質のものを送り出すことは当たり前。09年から取り組んでいる「カリモクニュースタンダード(Karimoku New Standard)」での小径木など低利用材の有効利用をはじめ、端材や虫食いのある材など通常家具では使用されない材料を使った家具を作ってほしいといったオーダーもあります。木材の使い方、生かし方について、さまざまな企業が注目しているのを日々感じています。